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二つの鏡

1 名前:ミラー 投稿日:2002年04月03日(水)03時51分21秒
いろんな小説を見ていく内に自分も書きたくなりました。
ダメダメになるかも知れませんが
大目に見てやってください。
 
やぐがメインの思春期物をやろうと思ってます。
2 名前:ミラー 投稿日:2002年04月03日(水)03時55分12秒
今年の夏は稀にみる猛暑。
まだ夏休みにも入っていないというのに
みんなまいっていた。
3 名前:ミラー 投稿日:2002年04月03日(水)04時09分32秒
「ほんっとあっついよね〜」
矢口は今にも倒れそうな真っ赤な顔でそう叫んだ。
「は〜矢口はいっつもそれじゃん、夏なんだから当たり前でしょ」
「だって〜暑いから暑いんだも〜ん」
矢口は、そう言いながら吉澤にじゃれ付きながら甘える仕草をしてみせた。
「あぁっ!もう!暑いって言ってるんだから離れてなさいよ!」
「え〜怒ると汗で、お化粧がとれちゃうよ〜」
「誰のせいだよ、誰の」

そんな他愛もない会話を続けながら矢口はこんな事を思っていた。
「あ〜ぁ、ずっとこんな感じで吉澤とワイワイやれたらいいな〜
 でも時間って流れてくもんだし、仕方ないか。今を楽しもっ!」
4 名前:ミラー 投稿日:2002年04月03日(水)04時12分10秒
とりあえず今日はここまで。
気長にのんびりお願いします。
5 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)03時39分25秒
とりあえず前向きな言葉を発してみたけど、
自分が本当は、前向きじゃないって知ってるんだよね。



・・・・・「お前暗いんだよー」

昔のクラスメートの台詞を思い出していた。
いや、クラスメートじゃなくてただのいじめっこか。 

まだ中学一年生だった頃
私は、いじめられていた。

入ったばかりのころ、いきなりシカトされた。
最初は、何がなんだか分からなかったが
徐々に、学校での集団が形成されていくにつれて
分かりはじめてきた。




6 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)03時43分03秒
無視

仲間はずれ

暴力


こんなことは日常茶飯事だった。
7 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)03時53分17秒
「あ〜ぁ、何でこんな事になったんだろうなぁ」

いつも、同じように過ごしていたある日の六月。
突然、クラスメートの一人が話しかけてきた。

「ねぇ、ねぇ今日みんなでカラオケ行くんだけどさ〜
矢口さんも来ない?」
「・・・え?」
私は、しばらく考えた後
「ん〜ごめん。私、今日は塾があるから・・・」
そう断った。
「そう・・・じゃあまた今度誘うね」
飛び切りの笑顔を振り撒きながら、その子は足早に去っていった。

本当は行きたかった。

みんなと笑って、話したかった。

同じ時間を過ごしたかった。


「でも私が行ったらみんなのテンション下がっちゃうしね・・・」
8 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)03時57分05秒
今日も、いじめられっこにからかわれていると
ある女の子が
「やめなさいよ、あんた達そんなことして何が楽しいのよ」

そう、あの時カラオケに行かないかと誘ってくれた子だった。
9 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時03分32秒
少女の名前は吉澤ひとみ。
すらっと背が高く、スポーツも出来て明るい
いわゆる、クラスの中心にいるようなタイプの子。

そんな子が何で私なんかをかばってるんだろう?
やっぱり正義感が強いからかな?

そんなことを思っているうちに
アっと言う間に、いじめっ子を説き伏せた。

そして

「行こう」

そう、手を差し伸べてくれた。

でも、私はその救いの手を拒んだ。
10 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時07分47秒
今、思えばそれは助けられたと言う屈辱感からなのか
それとも、自分が被害者と認めたくなかっただけなのか
とにかく、同情されるのがたまらなく嫌だった。

私は、そんな気持ちのモヤモヤを吹き払うかのように
一目散にその場から逃げてしまっていた。


11 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時09分19秒
気が付くとそこは体育倉庫の中で私はわんわん泣いていた。
12 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時21分28秒
・・・もうあれからどれくらいたっただろうか。
そんなに時間はたってないかもしれない。
でも私には、凄く、凄く、長い時間。

今ごろ教室ではどうなってるのかな?
私がいなくなったって騒いでるのかな?
でも、今日は先生もちょうど出張だし、
あいつらもめんどくさいことには首を突っ込みたくないって言って
なかったことになってるのかな?



「行こう」



急に吉澤の一言を思い出した。
あの時の一言の意味ってどんな意味だったんだろう・・・


13 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時29分41秒
「ただいま・・・」
私は、そう呟くと素早く部屋に駆け込んでいた。

「真里?真里?今日は遅かったわね。
ごはん、どうするの?」

ドア越しに母親の声がする。

私はめんどうくさそうに
「いいよ、塾の帰りにちょっと食べたから」
そう答えてベッドに寝転がった。



14 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時33分59秒
結局、あの後あたりが暗くなって
生徒がいなくなったのを確認してから教室に戻った。

真っ暗闇の教室。
何も音がしない。

やはりクラスの連中は別に気にもしてくれなかったらしく帰ってしまったらしい。

ここまで、自分の存在が透明だと笑ってしまう。
さっさとカバンとって帰ろ。
そう思って、教室から出ようとすると急に明かりがついた。
15 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時52分40秒
まぶしい。

暗闇に目が慣れてしまったせいか、ことさらまぶしかった。


「矢口さん・・・」


目を細めながら、声の主を確認すると
そこには汗だくの吉澤が立っていた。

しばらく状況が飲み込めずに二人とも立ちすくしていたけど
なんとなく、バツが悪かったので私は無言で立ち去ろうとした。

「ちょっと待ってよ」

吉澤は、私の腕を力いっぱい掴んだ。

「っつ・・・」
私は、すこし顔をゆがめ、それでもその場から離れようとした。


「待ってっていってるでしょ!」


静寂の中に響き渡った声に一瞬たじろいでしまったが
私は、何かが切れたように



「関係ないでしょ!ほっといてよ!何でそう私を助けようとするの!
同情?いいわよ!そんなの!」
そう矢継ぎ早に答えた。


恥ずかしいったらありゃしない。
どっかのメロドラマじゃないんだからさ・・・
自分につっこみを入れながら、その後の吉澤の反応を待ってみた。


・・・・泣いてる?何で?
だって、私は泣く側であって泣かす側じゃないでしょ?
何で?全然分からない。
16 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)04時59分47秒
「何で、泣いてるのよ・・・」

私は、整理のつかない頭で一生懸命声を振り絞ってみた。
でも、かなりか細い声になっていた。

「いいでしょ。そんなのいいから行こうよ。」
吉澤はいつもの低い声で答えを返した。


「?」


矢口はパニックに陥っていた。
17 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)05時02分41秒
だってさぁ今まで助けようともしなかった人間が何で助けようとするの?

突然やってきて何で助けようとするの?

わからない

わからない

わからない

わからない




18 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)05時04分53秒
「矢口さんさぁ、鏡って知ってる?」
19 名前:作者 投稿日:2002年04月04日(木)05時07分05秒
と、吉澤が呟いたところで、
今日はここまで。
気長にのんびりお願いします。
20 名前:作者 投稿日:2002年04月07日(日)01時33分19秒
(は?鏡?手鏡とかの?)
突然の吉澤の一言に戸惑いながら、言葉を発しようとしたその時

「あ、手鏡とかの鏡じゃないからね」

吉澤は、矢口の質問を見越したように先に答えてしまった。

じゃあ、なんなんだよ・・・
軽い、苛立ちを覚えながら吉澤の一言に耳をかたむけた。

「さっきからさぁ、いろんな事が割り込んでくるみたいに
いっぱいものを考えてるでしょ?それってなんでだと思う?」

「何でって・・・」

「それはね、私が矢口さんの心の中に鏡をかざしてるからなの」

(は?何言ってんの?この人・・・)

吉澤はなおも続けた。
「さっきから、と言うか中学校1年。私たちがはじめてあったころからね。
その頃くらいから、矢口さんの心の中とか、みんなの心の中とか、
ちょこっとづつ鏡をかざしてたんだけどね。」

「・・・・・・・」
(だめだ、全然分からない。)
矢口は、頭の整理をつけようと、4月の出来事を思い出してみた・・・
21 名前:読んでる人 投稿日:2002年04月08日(月)16時55分32秒
やぐよし?
矢口がイジメられっ子とは、なかなか面白そうな設定ですね。
続き楽しみです。
作者さん、頑張ってね〜。
22 名前:作者 投稿日:2002年04月09日(火)02時00分21秒
>読んでる人さん

読者レス、ありがとうございました。
めちゃくちゃ、嬉しいです。
ご期待に応えられるよう、がんばろうと思います。

駄作ですが、見守りくださいませ。
23 名前:作者 投稿日:2002年04月10日(水)01時33分08秒
・・・・「はははは」
そうだ、入ったばかりのあの頃私は笑っていた気がする。
それが、いきなり今みたいな状態になった。
それは、「鏡」ってやつのせい?

冷静に考えてみると今日もおかしい。
いくら、何だってクラスメートがいなくなれば探すくらいはするはずだ。
それが、無いってことは・・・・・
それも、「鏡」ってやつのせい?
24 名前:作者 投稿日:2002年04月10日(水)01時51分29秒
「そろそろ、頭の整理はついた?矢口さん」
渇いたような声で吉澤は言った。

「・・・・・・」
つくわけないでしょ、そんなこと。
矢口は、心の中でそう呟いた。

「あのね、心にかざすって言うのは、人の心を反射させるってことなの」
「・・・・」
「つまり、本来人間が持ってるいろんな感情を
同時に引き出すってこと。だから、みんな急にイジメたり・・・
今日だって何事も無かったように帰っちゃったでしょ?
普通は、どんなに嫌でも探すくらいはするよ。
それに、矢口さんも、ここ何ヶ月か感情の起伏が激しかったでしょ?
それもみんな私。」

気持ちの整理はつかないがこのままだと、飲み込まれると
直感した矢口は半信半疑のまま、質問を投げかけた。
「・・・・それが本当だったとしたら、何でそんなことしたの?」


25 名前:作者 投稿日:2002年04月10日(水)01時52分55秒
ちょっとずつですが今日はここまで。
気長にのんびりお願いします。

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