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ここでキスして。2
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月04日(木)01時43分20秒
- 続きです。
あと少しで終わりですがスレ立て‥‥
- 2 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)01時44分28秒
- カップを口に運びながらテレビを眺めた。
予定は特にない。
オフになっても あまり外に出なくなった気がする。
テーブルの傍に置いてある一人で飾りづけたクリスマスツリーの綿を手を伸ばして何気なく撫でた。
消えては点る電球。
「ホワイトクリスマス‥‥か」
誰にともなく呟いた声は あまりにも冷めていて、カップに珈琲を注ぐ手を止め苦笑してしまう。
(ほんの数週間前までクリスマスを心待ちにしてたのに)
きみが傍にいないだけで何もかもが楽しくなくなる。興味がなくなっている。
そんな自分が可笑しくて笑ったのだ。
- 3 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)01時45分40秒
そしてもっと笑えるのは‥‥コレ。
ツリーの傍らに置いてある小さな箱と、やっと素直になれた気持ちだ。
- 4 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)01時48分16秒
- 今日も楽屋で二人で寄り添っている。
あなたとの関係とは全然違う。
「ちょっとあんたたち毎日 見せ付けてるんじゃないわよ」
「えへへ〜、いいでしょう」
保田さんとごっちんの言い合い(?)も既に日課。私たちの仲はメンバー公認。
すごく順調なんだけど気持ちに違和感があるの。
「お二人さんの明日のご予定は?」
今度は矢口さんが話しに入ってきた。
「んとね〜、でっかいツリー見に行くの」
そう言って ごっちんは とある場所の名前を上げ、照れ臭いのか髪を撫でた。
私はごっちんと矢口さんを隣りで見つめ、何故か視線をそのまま流すようにあなたに移した。
- 5 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)01時49分37秒
- それはきっと あの約束を思い出したから。初めてのクリスマスを楽しみにしていた二人‥‥ううん、私だけが楽しみにしてた。
プレゼントは何がいいかな?料理の本買って勉強しよう、とか。それともレストラン予約しようかなぁ?とか。
おもむろに矢口さんは横を向くと大きめな声で、
「矢口も誰かと過ごしたいよ。なぁ、よっすぃ〜?」
突然 話しをふられたあなたは その長い睫を瞬かせ、そして柔らかい笑顔で答えた。
「ええ‥‥そう‥ですね」
- 6 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)01時55分13秒
- 答えた後、梨華ちゃんと目が合った。
ついでに言うと その隣りにいたごっちんとも。
(本当なら明日のクリスマスは私が梨華ちゃんと過ごすはずだったのに)
もちろんそんな敵意むきだしな顔はしない。「よっすぃ〜、矢口と過ごすか?」
「あたしも入れなさいよ!」
適当に相槌を打ちながら、ポケットに忍ばせている物に触れた。
今日 この気持ち伝えようと思う。
- 7 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)01時56分42秒
「梨華ちゃんっ!」
- 8 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)02時02分21秒
呼び止めたものの言葉につまった。
(早くしないとごっちんが戻ってきちゃう)シャンプーの香りがする髪を揺らして振り返った 梨華ちゃんは、私の知らない人のような目をしていて緊張する。
別れた日以来まともに直視して話していなかったことが 緊張を余計に煽った。
二人きりになるなんて本当に久しぶりだ。
「何?よっすぃ〜」
気まずいのか 振り返ったままの態勢で私の様子を梨華ちゃんは伺っている。
「‥‥これ」
意を決して、朝からずっとポケットにしまい込んでいた箱を差し出した。
- 9 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)02時08分08秒
体温で少し温まった箱に気持ちを込める。
「まあ、暖かくなってるのは気にしないで」「あっ、う、うん」
出された箱を恐る恐る受け取る梨華ちゃん。リボンをほどき、丁寧に包装をはいだ。
「気にいってくれるといいんだけど」
蓋を開いた箱の中味はシルバーののシンプルな指輪。
梨華ちゃんは黙って指で取り上げてしばらく眺めてた。
不思議そうに見入るその顔は幼くて、今すぐに抱き締めたい愛おしさで私をドキドキさせる。
「クリスマスプレゼント」
梨華ちゃんの言葉が待てなくて そう言うと梨華ちゃんはやっと口を開いた。
「どうして?」
本当に分からないといった感じで私を見つめ返す。
- 10 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)02時16分40秒
- ねえ、本当に分からないの?
って、分かるわけないか。だって私から別れようって言ったんだもんね。
「そんなの決まってるじゃん」
梨華ちゃんから指輪を受け取り、所在なく固まった左手を握って、
「好きだから」
梨華ちゃんの薬指に指輪をはめた。
- 11 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月04日(木)02時31分50秒
- 思わぬところで投稿不可になり(焦
ほんとにあと少しで終わるのに‥‥
245さん>吉ヲタのくせによっすぃ〜の動き書くのが苦手なものでして(汗
夜叉さん>よっすぃ〜唐突な行動に石川さんどう答えるのでしょうか。
no-noさん>期待に添える程 よっすぃ〜動かせてないです。
いしよしは心の応援団さん>いしよしの絡み書きずらいので 取り戻せるかは全く未定‥とか言ってみます(wいしよし小説なのに。
- 12 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月04日(木)04時48分39秒
- なななんとよっすぃーの反撃ですか。ごっちnはやくもどってこい!!
梨華たんがとられてまうでー。せっかく梨華たんとごっちんが結ばれる
かと思われたのにここにきてよっすぃーの大攻勢ですか。
梨華たんはどっちを選ぶのか。ごっちん頑張れ!!
更新ドキドキしながら待ってますよ。
- 13 名前:いしよしよしよし 投稿日:2002年04月04日(木)08時18分22秒
- よっすぃの逆転勝利!?
- 14 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)12時54分29秒
- 細くて長い指に すっと通った指輪。
廊下につづく蛍光灯の人工的な光の下、それは違う輝きを放つ。
(今も昔も梨華ちゃんが好きだけれど)
離れて気付いたの。本当に梨華ちゃんが大切だって。傍にいたいって。
「私、別れてから梨華ちゃんのこと考えてた」
信じられないと言った表情で、今だ私の手に左手を預ける梨華ちゃん。
しっとりした吸いつくような肌のきめこまやかさに、手の平が緊張して汗ばんできた。
たぶん今の私の心の震えは梨華ちゃんにばれている。
恥ずかしいけど、でも、それでいい。
- 15 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)12時56分45秒
「ずっと頼ってたの。梨華ちゃんの『好き』って言葉に」
常に笑顔で私の傍に駆け寄ってきてくれた。自分が何をしても普通に笑ってくれる。
『好き』と言ってくれる。
この人は絶対に私から離れられない、と。
「甘えてたよね」
私の方が背が高いのに見上げるように恥ずかしくて泣いてしまいそうな顔で梨華ちゃんを見つめた。
咄嗟に梨華ちゃんは俯いて視線から逃れ、
「‥でも、私は今‥‥ごっちんと」
両頬に垂れる髪が邪魔をして表情は読み取れない。
ただ、角度からして、その視線の先には指輪が映っているようだ。
- 16 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)12時58分43秒
- とぎれとぎれな梨華ちゃんの言葉。迷惑そうに聞こえないのは、これもまた私の驕りだろうか。
「それは分かってる。覚悟してるよ」
ごっちんには悪いとは思う。でもね、後だからとか先だからとか、そんなの関係ない。
「梨華ちゃんは、私のこと好き?」
「‥‥私‥私は‥よっすぃ〜を‥‥」
やっと素直になれたこの気持ちを止められるわけがない。
のせるだけ程度に握っていた梨華ちゃんの手を引き寄せた。
もう二度と この手を放すものか。
- 17 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)13時00分23秒
信じていいですか?
その言葉。
- 18 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)13時03分28秒
- 家に帰ると、電気もつけずにベッドの上で外を眺めていた。
外灯で白く光る雪の明かりが顔を照らす。
現実を感じさせない輝き。
それはコレと同じだ。夢見ごこちで左手をかざした。
あなたがはめてくれた指輪は あなたらしいシンプルなデザイン。飾り気のないあなたの素直な気持ちを表している。
- 19 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)13時06分38秒
嬉しくて、苦しい。
涙が頬に流れた時、バックの中の携帯が鼓動を早まらせた。
全くの無音の部屋で鳴り響く携帯。
手の甲で涙を拭い 手帖や化粧品やらをベッドに散乱させて携帯を慌てて取り出す。
ディスプレイを見て肩の力が抜けて、思わずベッドに仰向けに倒れた。
電話かと思ったらメール着信が点滅していて安堵の溜息をつく。
今日は出来ればもう誰とも話したくなかったから。
でも、安心したのもつかの間で、そのメールに再び涙が出そうになる。
私には、ごっちんが。ごっちんには、私が。
- 20 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)13時09分17秒
『明日楽しみだね〜。午前に仕事なければもっといいのにな。
おやすみ♪』
毎晩届く ごっちんのメール。
‥‥本当にあなたとは違う。あなたとの時は私が送っていた。
『楽しみだね。こないだみたいに仕事中に寝たらダメだよ。
おやすみなさい。』
右手で涙を拭いながら、あなたから貰った指輪をはめた手で ごっちにメールを返してしまった私。
どうしよう‥どうしよう‥‥‥どうしよう。
- 21 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月04日(木)13時16分34秒
- いしごま防衛軍さん>間にあわずに、
(;´д`)<ピーンチっ!?
いしよしよしよしさん>逆転なるかなところです。全ては石川さんの思うがまま(w
今日スレ立てして、今日終わりそうなヨカーン
ネタ考えるか‥‥
- 22 名前:いしよしよしよし 投稿日:2002年04月04日(木)18時42分52秒
- おもしろいっす。元の鞘に納まってほしいな。更新楽しみにしています。頑張って下さい。
- 23 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月04日(木)20時40分09秒
- 初めてレスします。
初めから読ませてもらってたんですがもう一度1からも見返して泣いてしまいました。
よっすぃ〜頑張って!
- 24 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)20時40分16秒
「梨華ちゃんと連絡が取れないって どうゆうこと!?」
興奮してなかなか眠れず、寝たのは朝日が薄く空に漂う雪雲に透けて見えたころ。
いつも出勤ぎりぎりな私がスタジオに着いたのは予定の一時間後だった。
息をきらせて楽屋に行くと もう既にスタジオに入っているはずのみんながテーブルを囲んでいた。
座っているのに雰囲気が落ち着きない。
私が入ってきたことすら気付いていないようだった。
「遅れてごめん。リハーサルは?」
コートを脱いで雪を掃う。確か今日のハロモニの収録は、私抜きで進められるとこは進める、とマネージャーが言っていたはず。
- 25 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)20時46分00秒
- みんなは私を見ると、また視線をテーブルの一点に戻す。
どうしたと言うのだろう。いつものカオリンの小言も出る気配がないし。
圭ちゃんにいたっては私の方を全然見ないで祈るように両手を組んで俯いている。
「ねえ、どうしたの」ただならぬものを感じて 私は近くに座る加護に問い掛けた。
加護は一瞬みんなを見てから 一息吸った。(あれ?なんか人数少なくないか?)
同じように周りを見た私は みんなの座る距離に余裕があることに気付く。
いつもは13人で楽屋で円陣などつくれないのに。私一人を抜かした12人でも無理だろう。「来ないんです」
それがどうしてか分かった時、加護が困惑した声で言った。
「梨華ちゃんが来ないんです」
- 26 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)20時50分05秒
嫌な予感はしてた。
帰り際、何かに心を奪われたように立ち尽くしていた彼女。
あの時、廊下の角を曲がっていった後ろ姿は確かに よすぃこだったと思う。
近づいて肩を叩くと やっと顔を上げて彼女は微笑んだけど、一瞬見せた困惑が妙な疑念を頭にかすめさせた。どうしたのか聞いてもなんでもないの一点張りで。
ただし、よすぃこのことには触れなかった。彼女を曇らせたくないから、ってのは建前であって、聞くのが恐かったんだ。
- 27 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)20時53分55秒
何度留守電にメッセージをいれたのか分からない。
マネージャーに事の次第を聞きに行ったけれど、私を納得させるような答えは返ってこなかった。
それもそうだ。梨華ちゃんが連絡をするとすれば、私か‥‥ごっちんにするはず。
(肝心の ごっちんまでまだ来ないし)
無駄だと思いながらも楽屋に戻る途中 ずっと携帯をかけた。
「吉澤です。梨華ちゃん、何処いるの?メールでいいから返事下さい。みんな心配してるよ。もちろん私も‥」
昨日のことが梨華ちゃんを追い詰めたなんて信じたくない。
でも、理由は他に見当たらないよ。
- 28 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)20時57分06秒
- みんな ごめんなさい
靴の下で溶ける雪の音だけが聞こえる。
両手に息を吐いて 当てもなく歩き続けていた。
どうしても行けなかったの。
どちらかを選ぶ勇気もどちらも選ばない強さも私にはない。
仕事に行かなくてはいけないと分かっていても顔を合わせるのが辛くて。
寒さに震えるように鳴く携帯の電源を切った
- 29 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時00分20秒
- 楽屋のドアが重く感じる。
ごっちんが着いたら、すぐにでも収録を始めるらしい。
(こんな気持ちで出来るわけないよ)
それは他のメンバーも同じだと思う。
そのことがドアを開くことに重さを与えた。
「あっ、吉澤。石川なんだって?」
開けた先には ごっちんと それを抑える飯田さん、矢口さんが。「どうしたんですか!?」
逆に飯田さんの問い返した。
「石川が来てないって言ったら、後藤が探しに行くって言いだしちゃって」
石川は心配だけど、これ以上 メンバー減ったら困る、と飯田さんは眉を下げる。
「こんなんじゃ仕事できないよ!」
バカ力なごっちんは二人の制止では抑えきれず とうとう腕をふりきり叫んだ。
- 30 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時04分07秒
「そこ、どいて」
最後の壁、つまり私がごっちんの前に立ちはだかる。
「えっ、あっ」
その瞳に怯んで つい体を道をあけるように横にずらしてしまう。睨まれていたから
ごっちんに怯んだわけじゃない。
(私なんか見ていないもの)
何処かにいる梨華ちゃんを必死に見つめようとする瞳だった。
「・・・・。」
立ちすくむ私に何か言いたげに一瞥して ごっちんは横をすり抜けて走り出して行った。「後藤っ!」
「後藤さん‥‥」
それぞれの叫びと驚きの呟きが聞こえる。
残ったのは呆然とドアを見つめるだけの私。待つことしか出来ない情けない私。
- 31 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時07分17秒
- ごっちんの足音が消えるまでの
ほんの数十秒、頭の中は真っ白。
そんな私に誰かが肩を叩いた。
「吉澤」
それは、保田さん。
「保田さん‥‥」
何も考えられない私には 呆れ顔な保田さん の笑みに ただ見つめ返すことしかできないでいた。
「あんたもさぁ、素直になりなさいよ」
こんなこと言わせるんじゃないわよ、とぽりぽりと顎をかく。
「石川 探しに行きたいんでしょ?」
「そ、それは‥‥」
そうだ。私も今すぐにでも梨華ちゃんの許に駆けて行きたい。
「でも、仕事が」
「そんなこと言ってると、ごっちんに梨華ちゃん獲られちゃうべ」「そうだ、そうだ」
今 一歩 素直になりきれてない気持ちを次々と みんなが押してくれる。
- 32 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時08分42秒
昨日 梨華ちゃんに指輪をはめた手をぎゅっと握って、
「‥‥もう放さない」
自分の気持ちに誓った言葉を言い聞かせるように呟いた。
「ありがとうございます。保田さん」
「圭ちゃん、でしょ」みんなが見守る中、ドアに手をかけて 一歩進んだ。
- 33 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時11分38秒
- ひとみが去った後の楽屋に緊張はもうない。メンバー全員、微かな溜息をつくと、やれやれといった様子で各々座り込んだ。
「ほんと世話の焼けること」
圭は、二人の可愛いが手のかかる後輩の出ていったドアを優しく見つめ、憎まれ口を言った。
「圭ちゃん ご苦労様でしたっ」
その言葉に傍にいるなつみが笑顔で労い、圭も笑顔で応えて、二人はテーブルへとに戻った。
「なんか冷たい物が飲みたいよ。あんなクサイ台詞言ったもんだから、顔が熱くて」
「おばちゃん、かっこよかったです〜」
「かっこよかったで!」
照れ臭そうに顔を扇ぐ圭を、希美と亜依がからかう。
そのことで ずっと強張っていた新メンバーたちの表情も少しだけ和らいだ。
- 34 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時14分53秒
- 笑いが響く中で真里はふと疑問を口にした。「でもさぁ、獲られちゃうって、石川は ごっつぁんのだろ?」
さき程のなつみの言葉が引っ掛かるらしい。備え付けの冷蔵庫からアイスティーのボトルを取り出して 並べた紙コップに注ぐなつみは、愉しいそうに含み笑いをして真里に言った。
「やだ〜、矢口ったら知らなかったの?」
「えっ、えっ?」
「石川は吉澤と付き合ってたんだよ」
いつの間にか話しに加わってきた圭織に真里は ますます混乱。
「後藤と何があったかは詳しくしらないけどそうゆうこと。んっ、ありがと」
希美と亜依から解放さ圭は、なつみから受け取った冷たいコップを唇を寄せた。
- 35 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時17分56秒
- アイスティーを美味しそうに飲みほす圭の傍で、希美と亜依までもが頷いている。
「辻と加護までなんで知ってるの!?」
いやいやと頭を振る真里。
「大丈夫だべか?」
「矢口?」
「ううん、あの三人」笑っていたなつみだがふと思いついたようにテーブルに肘をついてドアを見る。
「結果は どうあれ、ちゃんと向き合わないことにはね」
「・・・・。」
「何よ」
「圭ちゃん大人〜」
「照れるじゃない‥。おかわりしよっと」
空になったコップを持って 圭は「暑い、暑い」と言いながら 照れ隠しに立ち上がり、なつみから離れた。
「三人仲良く帰ってくるといいべな〜」
圭の反応にくすりと笑い、なつみは そう願わずにはいられなかった。
- 36 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時19分32秒
- 楽屋から飛び出し 息をきらせる ひとみの足がロビーに着いた所で止まった。
「どうして?」
無数に置いてあるソファーに いないはずの人物の後ろ姿が見えたから。
「あはっ。やっぱり来たね」
ひとみの声に真希は振り返り悪戯っ子のような笑顔で ひとみを迎えた。
「待ってたの?」
わけが分からない ひとみは立ち止まったまま 真希の笑顔に戸惑いを隠せない。
両手を伸ばしてあくびをして真希は立ち上がった。
遠くに警備員が見えるきりで、広いロビーには真希とひとみだけ。まるで初めから二人の舞台を用意されているように静かだ。
- 37 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時21分04秒
- ひとみに近づく真希は笑顔から急に真剣な眼差しで ひとみを捉らえ、その足音をひそませる。
真希との距離が縮まる度に ひとみは息が止まりそうな圧迫を感じて先に目を逸らした。
「これで決めようよ」
真希は ひとみの数歩前で歩みを止めた。
「今から梨華ちゃんを先に見つけた方が告白権をゲット」
何を言うのかと唾を呑みこんだひとみは力が抜けてしまう。
しかし、真希の表情はふざけているにしては真面目で、ひとみは笑いそうな顔を慌てて直した。
- 38 名前:ここでキスして。2 投稿日:2002年04月04日(木)21時22分33秒
「あくまでも告白権だからね」
真希は そこを強調して ひとみに背を向けた。
「ごっちん‥‥」
その後ろ姿は 段々とひとみの視界から遠ざかる。雪が吹き荒れる外へと向かう真希が自動ドアにさしかかった時、
「負けないよっ」
今だ同じ場所に留まり真希を見送っていた
ひとみに真希は いつもの笑顔で振り向くと、それ以上は何も言わず 雪の中に消えていった。
「‥‥私だって、負けないからね」
ライバルの笑顔にひとみも笑うと 後に続いた。
- 39 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月04日(木)21時39分51秒
- あと、あと一息だ‥
いしよしよしよしさん>元の鞘に戻るのでしょうか。いつの間にかサバイバル戦に突入してますが(w
23さん>初レス&1からの読み返し ありがとうございますっ。
泣いていただけるなんて最高のお褒めの言葉です。
- 40 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月04日(木)21時54分43秒
- いしごまも、いしよしも好きだからそっちを応援したらいいのか・・・!!
・・・でもなんかここの後藤さん好きだから、
気持ち的にはちょっと後藤さんびいき。
とにかく3人幸せになれるといいなぁ・・・。
- 41 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月04日(木)23時02分56秒
- ごっちんはやく梨華ちゃんを発見しものにするんだ!!
ごっちん頑張れ!!もはやこれしかいえまい。
- 42 名前:りょういち 投稿日:2002年04月05日(金)00時36分57秒
- 全部読ませてもらいました。
自分は、>40の名無し読者さんと同じで、ここの後藤さん
好きなんで、後藤さんを、応援します!
でも、最終的には、やっぱ、3人仲良くなってほしいですね〜。
- 43 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月05日(金)10時44分24秒
- よっすぃ〜負けるな!
今度こそ梨華ちゃんを幸せにしてあげてくれ
- 44 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月05日(金)16時40分29秒
負けるなごっちん!まけるなごっちん!
YOー!自分に!
ここのごっちんすきです。頑張れ!頑張れ!
- 45 名前:よしいし読者。 投稿日:2002年04月05日(金)18時11分23秒
- はじめまして。
初めから読ませていただきました。
なんか応援合戦のようになってますが・・・
よっすぃ〜に頑張ってもらいたい(笑
残り頑張ってください。
楽しみに待ってます。
- 46 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時05分48秒
何処からか聞こえる二つの足音。
それは確実に大きくなり、梨華を立ち止まらせた。
振り向かないと‥‥でも、恐くて振り向けない。
見なければいけない現実に体を強張らせ、ぎゅっと瞳を閉じる。
やがて 足音は一つになり、梨華へと辿り着いた。
- 47 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時10分17秒
- どれくらいの時が経ったのだろう。
梨華は大人しくなった雪の音に瞼を開けた。周りに点る鮮やかなイルミネーションが積もった雪を染めている。腰掛けていたベンチから立ち上がると 過ぎてゆく時を告げる鐘が鳴り響き、その音色と共に流れてくる恋人たちの甘い囁きが梨華を再び俯かせた。
- 48 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時11分50秒
誰も来ないのに。
あの人は絶対に来ないのに‥‥。
閉じた瞼の裏に いつまでも残っているクリスマスツリーに涙が出そうになる。
しばし 両手を組んで祈るように額にあてて想いを巡らせた。
本当は もっとずっと傍にいたい。
振り返った先に あの笑顔が待っていたならこれ以上の幸福はないよ。
時間にしたら ほんの数分。しかし、今の梨華に とっては永遠にも似た一瞬。
祈りを終え、その場を立ち去ろうと人混みから顔を背けた。
- 49 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時15分06秒
ふわふわと視界に舞う悪戯な雪が幻を見せてくれた。
だって、私の目の前には‥‥
- 50 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時19分39秒
そこには、来ないはずの人が立っていた。
待ち焦がれている大好きな人が。
「どうして?‥‥ここに」
街中の音が消え去ってお互いの声しかもう聞こえない。
「約束したでしょ?」
白い息と共に伝えられた言葉に、堪えていた涙が流れた。
「な、な、な、なんで泣くの?」
俯いて両手で顔を押さえて震える私の肩にそっと手をのせて心配そうに覗き込む顔があまりにも間抜けで、つい笑ってしまいそうになる。
- 51 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時24分23秒
- 小さい子をあやすように髪を撫でる 大きな手。穏やかな瞳を縁取る長い睫。
胸に埋めていた顔から上目遣いに もう何処かにいなくならないようにしっかりと見つめた。
「何処にもいかないでずっと傍にいてね‥‥私以外の人を見たら嫌だよ」
自分が胸に秘めていた想いを囁かれて、
「あ〜っ!先に言わないでよぉ」
涙で潤む目を擦ってから、軽く睨んで拗ねてみた。
それは やっぱり私から伝えたかったし、二人の気持ちが重なったことへの気恥ずかしさから。
- 52 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時27分29秒
「ねえっ、梨華ちゃん見て」
でも、私のご機嫌なんか何も知らず、離れた体は急に駆け出した。
「でっかいなぁ〜」
普段とは違う無邪気な子供みたいな顔してツリーに はしゃぐ姿に今度は声を出して笑っちゃった。
- 53 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時29分57秒
「そっちこそ何処にもいかないで、ずっと私の傍にいてよね」
雪の間を駆け抜けて、ツリーに見入るその体に飛び込んだ。
少しよろめいて私を受け止めた両手。どちらからともなく顔を寄せ合う。
「なんか‥くすぐったい」
「えへへっ」
大好きなこの瞳には私だけが映り、私の瞳には大好きなこの人だけが映る。
「ねえ、お願いしてもいい?」
雪は羽根のように ひらひらと私たちに降りそそぐ。
透った白い肌、鈍い金色の髪に羽根を纏って微笑んでいる姿は天使みたい。
「うん?なに?」
でも、返ってきたのは、低くて少しぶっきぼうな、私を虜にする悪魔の声。
- 54 名前:ここでキスして。 投稿日:2002年04月08日(月)15時43分48秒
それはずっと叶わなかったこと。ずっと夢みていたこと。
でも、今日こそ叶えてもらうからね‥‥よっすぃ〜。
「ここでキスして。」
−END−
- 55 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月08日(月)16時02分33秒
- 40さん>私も いしよし・いしごま両方好きなのでラスト迷いました(汗
いしごま防衛軍さん>よっすぃ〜を待っていたのがいけなかったのが敗因でしょうか?
りょういちさん>自分でも書いていて後藤を好きになりました(w
43さん>(0^〜^0)梨華ちゃんはまかせとけYO−
いしごま感謝祭さん>( ´д`)<負けたよほ‥
よしいし読者。さん>やはり いしよしですね。昨日の放送で、いしごま→いしよしラストを決意させました。
- 56 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月08日(月)16時14分34秒
- 反省文&感謝‥‥
最初から読んでいて下さった方、途中から読み始めて下さった方、ロムっていた方、ありがとうございます。
自分かなりの国語音痴なので脈絡のない話になり すみません。
文の至る所で「?」な場面もあったとも思います。
自分自身、話の始まりを読み直さないと ラストの石川さんの台詞の意味分からないし(汗
次回は おがたかこんの三角でも書こうかと思っております。
今まで読んで頂き本当にありがとうございました。
- 57 名前:aki 投稿日:2002年04月08日(月)16時30分46秒
- リアルタイムで読んでましたが、いしよしになりましたか。
少し残念かな…(w
後藤さんはどこに行っちゃったんでしょうか。少し気になります(w
ともあれ石川さんの気持ちが最後に叶った事は良かったですね。
最後までお疲れ様でした。
- 58 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月08日(月)22時41分13秒
- ロムってました。すみません。
よっすぃ〜よく頑張りました。ごっちんはいい奴ですねぇ。
とにかくいしよしになって良かったです。
次回作も期待してます。
- 59 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月09日(火)01時21分52秒
- ぐはっ!!まさかまさかのごっちんの敗北。完全にごっちんのペースだたのに
よしこが大逆転するとはとほほ。でも梨華たんが望んだことならそれでよい。
ああ、ごっちんはどうなるんだ。ううう〜〜〜(;〜;)
お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
次回作こそいしごまでお願いします。楽しみにしています。
ご、ごっちんの玉音放送がー
- 60 名前:名無し娘。 投稿日:2002年04月23日(火)12時18分16秒
- 後藤に最期の告白をする気があったのか
無かったのか・・・
きっと何処かで泣いているはずの罪びとにも
救いがあるといいですね。
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