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君といつまでも

1 名前:とみこ 投稿日:2002年04月10日(水)15時11分03秒

よしごまです。
2 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時12分17秒

『ひとみちゃん、がいこくへいっても、ずっとともだちだよ!』

『うん。まきちゃん、元気でね!』

『ひとみちゃんも・・・』



ばいばい、まきちゃん――――



そういって彼女は去っていった。

遠い遠い外国へ。





ジリリリリ・・・・・



「真希!」


「んぁ・・・?」


がばっ




「・・・あれ・・・夢〜??」

「何言ってんのよ!もう8時よ!!」



お母さんの言葉に、ふっと時計に目をやった。


「ぅえ!?わ〜〜遅刻ー!!!」




ドタ
  ドタ
    ドタ
      ドタ


ドガッズゴ・・・・ゴンッ(階段から落ちた音)






「いったぁ・・・・・」





なーんだ・・・・夢かぁ。


3 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時13分17秒

「行ってきまーす。」




―なつかしい夢見ちゃった―



「この写真のせいだなー。」


あたしは制服のポケットから1枚の写真を取り出した。

お姫様ごっこの写真。

まだ幼いあたしが、王子様の格好をしてピースしていた。

その隣では、おしとやかに笑うカワイイ女の子。


名前は、吉澤ひとみちゃん。

お人形みたいにかわいくて、白い肌にパッチリ二重。

サラサラの髪は、夕焼け色。

フランス人のおばあちゃんゆずりって言ってたっけ。

小学校にあがるまえに外国に引っ越しちゃったけど

今ごろ元気でいるかなぁ――――


4 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時18分07秒
「真希、真希!裏庭に平家先生発見!!」

「え!?」


友達のその発言に、思わず窓から体を乗り出した。


平家先生は理科の先生なんだけど、メチャメチャ美人なの!

なにしろここ女子高だし、みんなの人気者なんだけどぉ。

もうごとーもメロメロなんだよねぇ〜。




「ど、どうして?今日は理科室の掃除じゃなかったの?」

「でもホラ、いるもん。ゴミ燃やしてる。」

「ぎゃっ!ホントだ!」


「真希、今すぐゴミ箱を持って裏庭にダ―――」



「ッシュ・・・」




すでにごとーは裏庭についていた。
5 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時23分06秒
先生は生徒が持ってくるゴミを焼却炉で始末していた。



「せんせーはあとはあと

「おー、後藤やん。」

「せんせー、最近裏庭の掃除多くないですかぁ?
ついこないだもゴミ燃やしてた気が・・・」


「今日だけや。」

「え?」



そういって先生は、ごとーが持ってきたゴミを焼却炉に入れた。


「裕ちゃんが風邪ひいてな。ほら、今日寒いやろ?」



せんせー・・・



せんせーってもう・・・ホントにもう・・・っ(妄想しまくり)



「ほれ、ゴミ。」

「あっハイ!ありがとうございましたぁ。」



メッッッチャ優しい・・・!!!
6 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時36分31秒

「クールな物腰。だけどハートはホットでウォーム・・・」


ごとーは友達のあゆみと喫茶店に来ていた。


「もぅ平家先生サイコー!すてきすぎ!!」

「はいはい。」


あゆみは呆れ顔でズズーッとジュースを飲んでいた。

もう、平家先生の良さを知らないんだからっ。


「メモしとかなきゃ。」

「何を?」

「今日先生は、中澤先生のために凍てつく風の中に自ら飛び出して・・・」

「今日別に凍てつくほどじゃないと思うんですけどー。」


いーんだもんっ


ごとーは、平家先生が大大大大だーいすきなんだからぁっ
7 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時42分09秒

「でもさー、そんなに好きなら告白すれば??」

あゆみはサラッとそんな言葉をはいた。


「え!?」

「今だって充実してると思うけどさぁ、彼女になりたいとか思わないの?」

「なっ・・・・」



そんな・・・・ごとーなんかが先生の・・・??


「5月・・・体育祭の準備委員会で、困っている真希を助けてくれた優しい先生・・・」


そういってあゆみはしみじみ語りだした。


「がんばって話せるようになった!だけどそれで満足なのか!?」


「え・・・・」
8 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時46分23秒

「いちばん大切なコになりたくないの・・・?」


あゆみの言葉に、今までのことを一気に振り返ってしまった。



「・・・・あっあたし・・・!!」


「ダメだ!!!」


ガタンッ







突然、隣のテーブルに座っていた人が立ち上がった。



深く帽子をかぶっていたが、チラッと見える赤まじりの茶髪。

そしてなにやらあやしげなサングラス・・・



「それじゃぁ・・・・それじゃぁあたしはどうなるんだぁ〜〜〜!!」



ガバッ



その人が抱きついてきた途端、サァーッと青ざめた。



「ぎゃ〜〜〜〜〜っっ!チカン〜〜!!」




ドカッバコッ



空手黒帯のあゆみがいっきにそいつを倒した。


「逃げるよ、真希!」


「う、うんっ」





いったいなんなのぉ〜!!あの人はっっ
9 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時52分04秒

あゆみが帰ってから、ごとーはビクビクしながら家路を歩いていた。



な、なんなの?あの人は・・・

タチの悪いナンパ?

ううん、あれは・・・変質者だよ!!!!


だっていきなり抱きついてくるなんて・・・!!



【あたしはどうなるんだぁ〜〜〜!!】


だって・・あたしあんな人知らないよ!?


タカタカタカ・・・




あんな変な男の人なんか・・・っ!


タカタカタカ・・・・



知らないもんっ絶対知らないよぉ。




タカタカタカタカタカタカ・・・・!!



さっきから変な足音なってるなぁ・・・



バッとうしろを振り向いた。


赤まじりの茶髪で、変なグラサンかけて・・


そう、ちょうどあんな感じの・・・・・・・・・・







「いや〜〜〜〜!!おかあさーん!!!」
10 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)15時57分39秒

「あら、真希。おかえりなさい。」

「おかあさん、変な人が!!変な人が・・・!!」

「よかった、ちゃんと会えたのね。真希ってば寄り道多いから!」



え??



「でもほんっと見間違えたわー。今朝も誰だかすぐにはわからなかったし。
10年前とはずいぶん変わっちゃって。ボーイッシュになったわねぇ。」


は?!


「ね、真希?」


お母さん何言ってんっすか!?


「さーてと。お母さんはお買い物に行って来なくちゃ。」



赤茶髪の【男の子】は、ゆっくりサングラスをとった。


お母さんはその【男の子に近寄った。】


「ひとみちゃん、何が食べたい?」

















・・・・・ひとみちゃん!?!

11 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時00分07秒
修正。

【男の子に近寄った】じゃなくて【男の子】に近寄った です。


ホントは茶髪かキンパツにしようと思ったんですけど、

なんとなく赤毛まじりの茶髪にしました^^
12 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時04分41秒

ひとみ・・・・!?


その名前で、頭の中にはあのカワイらしいひとみちゃんの姿が浮かんだ。


今のこのグラサン男とは全然違う・・・よね・・・!?



「真希ちゃん、なつかしいな。君はちっとも変わってない。」




「・・・・・・あのぉ・・・」


「ん?」


「ひとみちゃんっていうと、吉澤さんちのひとみちゃんを思い出すんですが。」



あたしがそういうと、その男の子はパァっと明るい表情になった。


「覚えててくれたんだね!!そうだよよく一緒に遊んだあの」

「ちょっ、ちょっとタンマ!どうしてそんなウソつくの!?」

「え?」


おかしい、


なんか話がおかしぃよぉ!!??


「だってひとみちゃんは女の子だもん!かっ髪の色はあなたと同じだけど・・・」










「「プッ・・・アハハハハ!!!」」






突然、お母さんとその男の子は笑い出した。


・・・な、なんなの・・・??
13 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時11分22秒
「真希ちゃん、あたしは女の子ですけど?」



・・・・・・。



「・・・・どうみても男の子ですけど。」


「ご両親が、小さいころはヒラヒラの服ばっかり着せてたのよね?ひとみちゃん。」

「そうでーす。真希ちゃん、覚えてないの?あたしだよ。ひとみ。」

「ち、違うもん!!きっとあなたは偽者で、ひとみちゃんのフリしてるの!」

「真希、誰が何のメリットがあってそんなことするのよ・・・」


お母さんは苦笑いしながら言った。




ひとみちゃんは覚えてるけど・・・っっ

でもそんなの信じられないよぉ〜〜〜!!!



あんなにカワイイひとみちゃんがぁ・・・!?
14 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時13分12秒
「でも覚えててくれてうれしいよ!」


そういって彼女(彼?)は思いっきりあたしに抱きついた。



「フランスから来たかいがあったよ!」

「へ?!」

「あたしたち、きっと楽しく暮らせるね!!」



































な、なんだってぇ〜〜〜〜!!!?!?!?!?!?
15 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時17分30秒



次の日―――


「機能の変質者が、幼なじみィ!?」


予想どおり、あゆみは驚いて大声をあげた。


「そうなんんだよぉ〜〜っっ」

「しかも昔は女だった!?」

「いや、よくわからないんだよぉ〜〜」

「ってことは、今は男なの??」

「自分では女っていってるんだけどぉ・・・」


「でも一緒に暮らすってことは、おムコ!?!」


ブーーーーッッ


まった変なあゆみの発言に、飲み物を吐きそうになった。



「フランスの学校が三週間休みかなんかで、遊びにきてるだけ!」

「いいなぁ・・・」


あゆみはホッとっほほを赤くした。
16 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時19分35秒
「なんでぇ・・・!?」


「だって結構カッコよかったじゃん!赤茶の髪もステキだったし。」

「あゆみぃ・・・??」

「カッコイイ女の子っているじゃん。ボーイッシュな女の子だよ。」

「そうだけどぉ・・・ごとーは昔のイメージが消えないの!」



だって、お姫様ごっこでお姫様役にしたいぐらい、

ベリーキューティーだったんだよぉぉ!?!!?

なのに・・・なのにあんなにボーイッシュになっちゃって、



もったいない!!
17 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時25分32秒


家に着いてから―――



ガチャ・・・ガチャガチャ・・・・


・・・ん?

カギ閉まってる・・・


「お母さんいないのかなぁ・・・?」



 ダ
  ダ
   ダダダダダダダダダッッ!!



「まーきーちゃーーーーん!!!」

「ひぃッッ!!」



「ん・・・」



突然、顔を思いっきり近づけてきた。


「チューして?」




・・・・なっ・・・



っていうか・・・



近くで見ると・・・ヤバイくらい美人なんだけどぉ・・・

白い肌に大きな瞳。

長いまつげに整った高い鼻。



よくみれば、美人でカッコイイ女の子。と言っていいのかもしれない。



やだ・・・ごとー今絶対、顔真っ赤だよ・・・・



惚れるってばぁ・・・



でも・・・






パコンッ


「いてぇっ」

「ケダモノ!!」



バタン

18 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時31分46秒

メッチャメッチャ美人じゃんかぁ・・・


平家先生と同じくらい・・・


いや、悔しいけど平家先生よりずっとずっと美人だよ・・・・

モデルさんみたい・・・・・




・・・でも・・・


【チューして?】




あぁいうのが困るんだよ!


いくらあたしが知ってるひとみちゃんでも、


あんなに・・・あんなに美人になったひとみちゃんを、



















まっすぐ見れるわけないってばぁ・・・


外国育ちでも、あたしにとってはすごく困るの!!



コンコンッ



「真希ちゃ〜ん??」


「おっお願いだから馴れ馴れしくしないで!!!」














ことばが返ってこない・・・・





やばっ・・・ちょっと言い過ぎたかも・・・
19 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時33分41秒


「あっ・・・・ごめん」

「・・・・・。」







ドア越しに沈黙が走った。





























「大丈夫!!!!」



は?


「恥ずかしいのは僕も同じさぁ〜♪♪」




ドテッ










全っ然わかってない!!!
20 名前:第1章 〜再会〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時40分15秒


通じない・・・このひとには何を言っても通じないんだ・・・トホホ・・

「あ、それと!あたしのことは「ひとみ」でいいからね!」


「あ、ハイ・・・着替えてくるので先にご飯食べててください・・・」

「OK!!」



はぁ・・・



「あ!!!」

「え!?今度は何??」


「これ!!」



ひとみは部屋の柱を指差した。


「これ、よく一緒に背比べしたよね!ほら。」


柱にはいくつもの傷があって、『ひとみ5歳』『真希5歳』など書いてあった。


・・・そうだ、昔ここで・・・


「あ――――・・・・(こんなの忘れてたぁ・・・)」

「ふたりとも小さかったもんね〜。」



そういってひとみは柱に背中を付けた。



「ほら見て。今はこんなに大きくなった。」



そういってニコッと笑うのだった。


昔のごとーとひとみが、ここに居たように・・・


今、2人はまたここにいる。




温かい・・・



懐かしくて、ほのかな気分になった。
21 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時41分34秒





第2章 〜変わらない気持ち〜
22 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時49分07秒




「じゃぁ先に下いってるね。」

「うん・・・っ」



ひとみが半分ぐらい階段を降り終わった時、身を乗り出した。


「ひとみっ!」


「・・・?」

「どうして・・・柱のこととか覚えてたの??」





あたしが質問すると、少し考えてからニコッと優しく笑った。





「だって、君との毎日は、宝物だったもの。」





彼女の率直な答えに、思わず赤面した。













「君は本当に可愛いよ。」















バカ・・・・




なんでそんなハズかしいこと言えるのさっ・・・





照れるじゃんかぁ・・・

23 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月10日(水)16時50分48秒

「だっ、抱きつくとか・・・キス・・・とか、そういうのは控えてほしいの!」

「え?」


彼女のは不思議そうな顔をして、階段の上のごとーを見上げた。


「ここはやっぱり日本だから、外国の習慣は、慣れてないし・・・」


「え〜〜〜〜〜〜っっ」


不満そうに眉間にしわを寄せた。


あたしはどうにか機嫌をとろうと必死に考えた。





「そっその方が仲良くなれると思うの!!」













「ほんと?」

「うんっ。」







どどどどどどどどどどど・・・・っっ(このパターン多すぎ)



すごい勢いで階段を駆け上ってきた。




ガバッ


「ひゃぁっっ」



思いっきり抱きつかれたのだ。


夕焼け色の髪が、鼻をくすぐった。



「わかったよ真希ちゃん!なんでも言うこと聞くから!仲良くしようね!!」








「ち・・・・ち・・・」
















「ちっともわかってなぁーーーーーい!!!」




スパコーンッッ


「OUCH!!」








こうしてハチャメチャな生活が始まりましたとさ。
24 名前:TOMIKO(笑) 投稿日:2002年04月10日(水)16時51分50秒
更新終了でございますん。
25 名前:だしまきたまご 投稿日:2002年04月10日(水)17時07分46秒
早速読ませて頂きました。
よしごま、い〜っすね!
吉と後のこういうやりとり、現実にもありそう。
26 名前:とみこん 投稿日:2002年04月10日(水)18時36分13秒
修正

>>15
機能=昨日です。



>だしまきたまごさん

ありがとうございます^^
よしごまいいっすよね!!もう続けて小説3つはよしごまですよぉ。
蒼の封印の方も楽しませていただきます^^
27 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月10日(水)18時43分35秒
「真希ちゃん、今日はどこ行って遊ぼうか!」

「・・・・・・・・。」

「東京タワー行ったしー、ディズニーシー行ったしー・・・」

「・・・・・・・・。」

「意表をついて巣鴨なんてどう!?」




バンッ


も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ我慢できない!


あたしは箸をテーブルに叩きつけた。


「今日は学校です!!!」

「え〜〜〜〜〜っ」

「土日フル回転で付き合ってるんだから平日ぐらい自由にさせてよ!」


そういって席をたつと、ひとみは悲しそうな表情で見ていた。


・・・・もー・・・なんでそういう表情すっかなぁ・・・


ま、あんまり近くでひとみを見ないことにしたんだけど。

だって・・・・美人だから見とれちゃうんだもん。



「じゃ、行ってくるから。」

「行ってらっしゃい、真希ちゃん!」



バタン


28 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月10日(水)23時41分09秒
いい!よっすぃーのキャラが最高♪
かなり期待しちゃいますぜ!!
29 名前:ルパン4th 投稿日:2002年04月11日(木)14時08分33秒
オォー!とみこさんの新作だぁ
期待してま〜す!
30 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時30分42秒
>名無しさん
>いい!よっすぃーのキャラが最高♪
今回は結構、おちゃらけキャラですね。そんなヨッスィにご期待ください!

>ルパン4th
お久しぶりです。
そうです、新作です(w
あ、でも紫でもHNかえて短編で書いてましたよ^^
31 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時39分04秒
「ん?なにこれ。」


休み時間、あゆみがあたしの机に置いてあった写真の束を目にした。



「中華街とディズニーランド、1日で行ったの?服同じ――・・・。」

「それは先週。これが先々週の写真だよ。」


あたしはもうひとつの写真の束を出した。


「うっわ〜!お台場と東京タワーとシーパラ!!すごくない??」

「もうかなり疲れたにゃぁ・・・・」


土日の疲れ&寝不足で、あたしはすっかりヘトヘトになっていた。

もー・・・ひとみが引っ越してきてから、ずっとこんな感じなんだよね〜。


「こんなに消耗しちゃったら、もう他の事なんてどうでもいいって感じ・・・」

「あ、平家先生。」

「えぇぇ!?!?!」


ガタンッ


窓から体を思いっきり乗り出して、登校してくる人の中から先生を見つけた。


「はぁ〜〜っ麗しいお姿はあとはあと(?)今日はツイてるなぁ〜♪」


こんな人並みの中からでも、すぐに先輩を見つけ出せる・・・


これはきっと愛のパワーだよ!うんうん。



「あれ?真希・・・」

「ん?どうしたの?」











「あの赤いのって・・・」













人並みの中に、赤茶毛の物体がひとつ・・・








ひっひとみぃ〜〜〜!!?


32 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時42分52秒
「あっ!!」


うぁっ気づかれた!!




「真希ちゃ〜〜〜〜ん!!やっほ〜〜!!」



バカッそんなデカい声で・・・っ!!


っていうか何でひとみが学校に!?



「マミィの素敵なお弁当忘れちゃダメじゃないか〜!今行くから待っててね〜!」


カァ〜〜ッッ

来なくていいよぉぉぉ・・・



絶対今の・・・平家先生にも聞こえてるってばぁ・・・・
33 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時47分09秒

教室に来てお弁当を渡したひとみは、

大勢のクラスの女子に囲まれていた。



「ひとみちゃんっていうんだ〜!」

「うんっ。ヨッスィーでいいよ♪」


・・・何よそれ、みんな馴れ馴れしく呼んじゃっていいわけ??


あたしはその人ごみをじっと見ていた。


「学校では英語とフランス語、家では日本語をしゃべるんだ〜?」

「うん。両親は日本人だから、日本語忘れないようにって。」

「ずっとフランスに住んでたの?」

「6つの時日本をたって、ブラジル・スペイン・フランス。」


『『へぇ〜〜!!すっごーい!!』』



女子からの黄色い声援を浴びて、ひとみはおもいっきり楽しんでいた。






・・・・何よ、いっつも真希ちゃん真希ちゃん言ってるくせに・・・







「後藤。」

「へ・・・!?」



突然、平家先生が教室に来たのだった。
34 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時50分50秒

「ちょっと・・・ええか?」

「え・・・?」



・・・何だろ・・・


とりあえず先生と廊下へ出た。







「体育祭用の備品貸してほしいってF女から連絡来てんねんけど・・・
どこにしまったか後藤、知らへん?」



・・・な・・・んだ・・・



「えっと・・・藤原先生のところだと思います・・・」


「そっか、ありがとうな。」


そうだよね、そういうことだよねえ・・・







「ところで。」




・・・・



「さっきの赤いやつ、後藤の・・・何?」








・・・・・え?



35 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時53分40秒

え・・・



それって


それって・・・



先生、あたしのこと気にしてるってこと????



うそ――――――・・・・











「―――・・・ちゃんっ!真希ちゃん!」


「・・・・え?あ、ごめん何??」



あ・・・気づかなかった。


そっか、今ひとみと学校の帰りだったんだぁ・・・



さっきの先生の言葉が、まだ頭から消えないから・・・



タイムスリップしちゃってるよ・・・・



「どうせ・・・」

36 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時56分56秒



「どうせ、【平家先生】ってやつのこと考えてたんでしょ?」


「へ・・・?何で名前・・・!?」

「初めて喫茶店であったときに喋ってたじゃん。先輩が素敵だのって。」


「聞いてたの!?」

「聞こえたのさ。大きい声だったから。」



・・・っ



「いいじゃない、勝手でしょ?」

「そうだよ、君の勝手だよ!」












「だけど・・・・君の勝手だけど・・・」




そういってひとみは下を向いていじけてしまった。



・・・何、やきもちやいてるの・・・?





なんか・・・・かわいくない?
37 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)16時58分12秒
>>36

「初めて喫茶店であったときに喋ってたじゃん。先輩が素敵だのって。」

訂正します

「初めて喫茶店であったときに喋ってたじゃん。先生が素敵だのって。」


では、続き―――
38 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)17時03分37秒

「真希〜!ひとみちゃ〜ん!ちょっと来て来て!」



ふっと振り向くと、商店街の福引所でお母さんが手を振っていた。


あたしとひとみはその場へ向かった。






「そこのお店で商店街の福引券こんなにもらっちゃった♪1等はハワイよはあとはあと


あたしはひとみの背中をポンッと押した。


「ほら、ひとみ行きなよっ」

「いいよ、今そんな気分じゃ・・・」





―――――数秒後



「NO〜〜〜〜!!!!またティッシュだ〜!!」


結局ひとみはもう10回はくじを回していた。


「今度こそ、HAWAI!HAWAI!」



ふふっ・・・さっきふくれてた奴が・・・。


ちょっとはカワイイとこあるじゃんっ




「よーし・・・・っ」










ガラガラ・・・











コロン......










出てきたのは銀色の玉。







39 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)17時07分33秒

「やったぁ〜〜〜!!ハンディーカムGET!!イェ〜〜イ!!!」

「すごいじゃん、ひとみ!!!」


お母さんも後ろでニコニコしながら拍手をしていた。


「神様があたしの熱意を受け止めてくださったのだ〜〜っっ」


アハッ・・・見てて飽きないんだから。ひとみは。







「真希ちゃん、週末はこれ持ってどっか行こうか!!!」



















「プッ」






「あはははははっっ」




ひとみが興奮してそんなこと言うから、



おなか痛いぐらい、笑っちゃうじゃんか――――








なんだかちょっと




楽しいかもしれない。


40 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)17時11分45秒

日曜日―――


あたしとひとみはイルカショーを見に行った。



「真希ちゃんこっちこっち!!COME O――N!!」


「うっは〜!!イルカショーなんて初めてだぁ!たのしー!!」


ひとみはハンディカムを片手にイルカをながめていた。



「ん・・・・」


無理やり前の方に行ったので、後ろから押される感じがした。


やっぱ無理しすぎたかな。


もっとつめなきゃ・・・








――――――・・・?


あたしのちょうど後ろのあたる人が、ギュウギュウに詰めてきた。







なんかこの人・・・・変・・・?








チカンだ――――







ひとみはあたしの表情にふっとこっちに気づいた。
41 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)17時15分30秒

「―――――っ!!」








ドカッッ





「何やってんだてめぇ!!!」




ひとみはその男の人を思いっきり殴り飛ばしたのだ。



あたしは手で口を抑えて呆然としていた――――



「ぼ、僕は何も・・・」


「あぁ!?何言ってんだ、あたしは見たぞ!ふざけんな!」


「なっ・・・」





「真希に汚い手でさわるな!!!GET AWAY!!(失せろボケが!!)」











ひとみ――――――

42 名前:第2章 〜変わらない気持ち〜 投稿日:2002年04月11日(木)17時19分35秒





帰り道―――



あたしは袖で涙をぬぐいながら歩いていた。


怖かったのもあるけど、それよりも――――



「ごめんね、あたしがいながらあんな奴に・・・」


あたしはただただ首を横に振った。



「もう大丈夫だから、泣かないで。こわかったよね・・・ごめんね。」








ちがうの・・・・



ひとみにびっくりして




助けてくれてホッとして・・・・









うれしくて――――――






「もう、こわくないよ。」




ひとみは優しい優しい笑顔で手を差し伸べた。


その手を、ゆっくりとる。







「泣き止まないと、撮っちゃうぞ?」


「・・・・バカ・・。」










あたし、ひとみがうちに来てよかった。



わかってたんだよね。きっと。


昔、あたしはひとみに恋をしてたの。


そのときひとみは女の子で、今も女の子だけど、




10年前と変わらない気持ち――――



あたしは、彼女を大切に思い始めていた。
43 名前:とみこ 投稿日:2002年04月11日(木)17時29分17秒
更新終了です。大量です。疲れました。でも楽しいっす。

第2章終わります。フフフ(?








第3章 〜素直になれないあなたへの気持ち〜


44 名前:ごんた 投稿日:2002年04月11日(木)17時38分24秒

面白いです!!よっすぃーのキャラがとくに・・・。
更新が早くて嬉しいです!!頑張ってください。
45 名前:だしまきたまご 投稿日:2002年04月11日(木)20時09分33秒

GAT AWAY!!のよっすぃ〜、カッケー!最高でございます。
46 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月11日(木)22時50分45秒
よっすぃーいいなぁ♪
大量更新2日連続ですごいっす!!
47 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月12日(金)12時51分04秒
原作のマンガ大好きなんですよ〜。キャラ的になんかひとみとまきにぴったりですよね。頑張ってください!
48 名前:とみこ 投稿日:2002年04月12日(金)14時07分18秒
>ごんたさん
私もこの吉キャラ結構気に入ってます^^
更新もなるべく早く行きます!

>だしまきたまごさん
外国育ちって感じが出せたでしょうか?

>名無しさん×2
大量更新、かどうかはわからないですけど、今日もバリバリ更新します!
キャラ的にぴったり、まさにそのとおりです^^
49 名前:第3章 〜素直になれないあなたへの気持ち〜 投稿日:2002年04月12日(金)14時25分35秒

「え?仙台のおじいちゃんが?」


「そうなのよー。具合悪そうでね、ちょっと今日行ってくるわ。」

「そうなんだ・・・大丈夫かなぁ。」


なーんだ、お母さんいないのかぁ。

じゃぁお父さんがご飯つくるのかな?あんまりおいしくないんだよね〜アハッ




「あ、それからパパも今日は出張でいないから。」


え!?


「お母さんも今日中に帰れるかわからないし・・・」



うっそぉ・・・ってことは・・・


ひとみと2人!?



マジでぇぇ・・・



「大丈夫だよマミィ。ふたりでちゃんとやれるさ。」


ひとみ〜〜!!無責任なこというなぁ!!

「ね!真希ちゃん!!」

「え!?あ、うんっ!そうだね!アハハハ。」

「ほら!マミィ、安心して行ってきてよ!」


そういうとお母さんはホッとしたような表情になった。


おいおい、それでいいのか、母よ・・・

50 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)14時30分00秒


ガタン


「あっあたしもう行くね。いってきます。」

「あら、真希今日は早いわね。」

「う、うんっ」







なにこれ・・・




なんか


こないだのこと以来、ひとみのことまっすぐ見れない――――



なんだかなぁ・・・







――学校――



「後藤。」


休み時間、平家先生の呼ばれた。


「・・・ちょっと、来てくれへん?」

「あ、はい。」





そういわれて屋上へ向かった。



・・・なんで屋上・・?
51 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)14時35分09秒


なんだろ・・・今日はこんなところに・・・・




とか思ってると、今度は備品の貸し出しチェックやれとかだったりしてね。

アハッ




・・・期待は、してないから・・・


「アイツと付き合ってるん?」











・・・・え?






「こないだの、赤いヤツ。」



ひとみのこと・・・・?


でもなんで・・・







―そのころ教室では――――


「あ!ヨッスィー!また来たの??」

「やっほー!真希ちゃんってばまたお弁当忘れちゃってさ!」


ひとみはすぐにみんなに囲まれた。



「あのー・・・真希ちゃんは??」

「あ〜、真希ならさっき屋上にいったよ。」


あゆみはサラッとそういったが、


呼ばれたのが平家先生だということを思い出した。



「あ、ヨッスィーちょっ待って・・・」




しかし、すでにひとみの姿はなかった。



「あっちゃー・・・」
52 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)14時42分10秒

再び屋上では――――



「あのぉ・・・せんせー・・・?」

「こんなの先生らしくあらへんなぁ・・・ええねん、アイツのことは。」



・・・先生、なんか変・・・・



「あんなぁ、先生しょっちゅう裏庭のゴミ当番やってたやん?」

「あ・・・・はい。」





「後藤が、よく来るからやねん。」



・・・・え?


鼓動がどんどん激しくなった。



「あそこにいると、後藤がゴミ箱持って走ってきよるから、
他の人に・・・その・・・・交代頼んでたんや。」



ドクン・・・ドクン・・・・



「あたし後藤の事が―――――」


ドキンッ





バンッ


突然、屋上の扉が開いた。



「だめだ!!」





・・・・ひとみ・・・・



そのとき、あたしの腕が突然ひとみに引っ張られた。




グイッ



そして、先生が見ている目の前でキスをされた―――――


53 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)14時45分08秒


「・・・・・っ!!」



「あたしたちこういう仲ですから。もう一緒に住んでますから。」


ひとみはただ先生に言葉を投げつづけた。


「だからあなたにはあげませ・・・・・」



パンッ















またもや先生の目の前で・・・・



あたしの右手は、思いっきりひとみの頬を打っていた。

54 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)14時50分29秒

「ひとみのバカァ!!!」



あたしは猛スピードで屋上を出て行った。








あたしは階段を思いっきり駆け下りていると、ひとみの声が聞こえた。



「ごめん!ごめん、真希!!」



・・・謝ったって・・・っ!!


「あたし・・・でもあたしは・・・っ!!」



その時、ひとみにガシッと腕をつかまれた。


「やっ・・・離して!!」

「真希・・・!」


「どうしてあんなことしたの!?」


ひとみは大きな瞳をさらに大きくしてあたしを見た。


「あんな・・・意地みたいなこと・・・ひどい・・・!!」


「真希・・・」







「ひとみなんて大っ嫌い!!!帰って!!」





「何でも言うこと聞くって言ったでしょ!!!帰ってよ!!!」







「フランスに帰ってよ!!!!」




あたしはそのまま学校を出て行った。



・・・



ばか・・・・ばかばか・・・



ひとみのばか・・・!!!
55 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)14時58分34秒

誰も居ない家―――


時計はもう夜の10時を回っていた。




カチ・・・カチ・・・・カチ・・・カチ・・・


時計の針の音だけが、むなしく流れる。



―――ひとみ・・・帰ってこない――――



あたしがあんなこと言ったからだ・・・


フランスへ帰れなんていったから・・・





どうしよう――――








あたしは泣きながら、リビングのソファーで朝を迎えた。







カタッ



「ひとみ・・・!?」



あたしはすぐに体を起こして外へ出た。




ひとみの姿はなかった。


ただ残っているのは、郵便受けにハンディービデオが入っていた。

56 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)15時02分27秒

すぐにテレビに取り付けて電源を入れた。




ピッ



画面にうつったのは・・・ひとみだった。


『真希ちゃん』


ドキッ


『黙って外泊してゴメン。えー・・・ここは空港のそばのホテルです。』


・・・空港・・・?


『朝になったら日本を発ちます。あいさつもしないでごめんね。』


え!?


『昨日のこともごめん。君を取られたくないがままに・・・言い訳にならないよね。』


あたしはテレビに向かって首を横に振った。


『えー・・・あたしは、この髪が嫌いでした。』


そういって画面の中のひとみは自分の髪を指差した。


57 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)15時09分16秒
『ものごころついたころから友達にバカにされて・・・』





『こんな色いやだなぁって思ってました。』


















『君に会うまでは。』



・・・・え?





『覚えてるかな?引越しの挨拶で初めて君に会ったとき。』


『君はあたしの髪を見てこう言ったんだ。』



【きれいだねー!そのかみのいろ!ゆうやけとおんなじいろだぁ!】



『その瞬間から――――』


テレビの中のひとみは、ニコッと笑った。


















『1番のコンプレックスが、1番の宝物に変わりました。』




・・・・・っひとみ・・・


『こないだね、こんな写真が出てきたんだ。』

そういって1枚の写真をカメラに向けた。


そこには、王子様の格好をしたごとーと、お姫様の格好をしたひとみがいた。



『君はあの時王子様役立ったけど、』

















『あたしにとっては、お姫様だったんだよ。』


58 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)15時11分44秒



遠い、遠いところから



空を飛んで、海を越えて




会いにきてくれた










長い長い月日を越えて








ごとーに




会いに来てくれたんだ―――――











あたしは気づかずに空港へ来ていた。



息は切れてるのに、まだ夢の中のようで――――

59 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)15時15分18秒

すごい人並みの中に、赤茶毛の人がひとり――――



ひとみへ聞こえるますように――――




「ひとみ!!!!!」



声をはりあげた。






なのに、彼女は振り向いてくれなかった。











「好きだから!!ごとーはひとみのこと、好きだから!!!!」




行かないで――――



「あたしひとみが好きだから!すごく好きだから!!」




お願い・・・



「行かないでよ・・・そばにいてよ!ひとみ!!!」





お願い・・・・振り向いて―――――





ひとみ・・・・・・・・・?



どうして振り向いてくれないの・・・・・




あたしはその場に膝をついた。














「今の、本当?」
60 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)15時19分24秒

泣き顔でゆっくり振り向いた。







「・・・・・や・・・ひとみ・・・・?」


「いや、あたしの出る便はこれからでるやつで・・・」


「え・・・?」


「さっきのはただ毛染めしてる人だと――――」





「・・・・―――――っ」







思いっきり、思いっきり抱きついた。





ひとみの肩で、思いっきり涙を流した。







「ばかっ!ひとみのばかぁ!!」

「真・・・希・・?」


「呼んでも振り向いてくれないんだもん!立ち止まってくれないんだもん!」


あたしは泣きながらひとみをたくさん叩いた。


「悲しかった!!すごく悲しかったんだから!!」


「いやだからあれは毛染めしてる人で・・・」


「でも悲しかったの!!」





「真希・・・・」


61 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)15時22分56秒

「振り向いてくんないまま二度と会えないなんて・・・・そんなの・・・・
・・・胸が・・・つぶれるかと思っ・・・」












悲しさを消すように――――





優しく、優しく口付けしてくれた。









見つめる彼女の目はいつになく真剣で、



なのに、みるみる泣き顔に変わる。



「・・・か・・・」





「かなしかったのはこっちだぁ!!!」


「・・・・・っ」


「もうダメかと思ったじゃないか・・・っ」



「ひとみ・・・・そんな・・・」



「本当に嫌われたかと思ったじゃないかぁ・・・・ばかぁ・・・・・・」












「真希のばかやろぉ・・・・・」



62 名前:素直になれないあなたへの気持ち 投稿日:2002年04月12日(金)15時26分32秒


「今度は・・・あたしがフランスに会いに行くから・・・」




「うぁ!!来ちゃだめだ!!!」









・・・・・え!?










「さっき、親と連絡を取ったら、夏にはもうフランスにはいないって!!」


「ば、ばかねーそんなの平気だよ!がんばって行くから!で、どこ???」


「JAPAN!!」


「・・・・・・。」



「日本だよ!!」








う・・・・そーーーーー!!!




やったー!!!!



















そんなふうにして、


あたしの王子様は旅立っていかれました。




暖かな恋を胸に抱いて


冬を越えて――――














姫にただいまを言うために――――

63 名前:とみこ 投稿日:2002年04月12日(金)15時30分36秒
大量更新でした・・・・・ふぅ・・・


第3章終わりです。



第4章 〜暑い夏の熱い恋〜




64 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2002年04月12日(金)15時43分09秒
イイ!
ごまもよしこも最高
第4章もがんばって下さい。
65 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月12日(金)20時28分33秒
やばいくらいツボですこの作品!!
とみこさんは神だ!
66 名前:だしまきたまご 投稿日:2002年04月12日(金)21時36分32秒
おぉぉ〜!!すばらしいっす、とみこさん!!更新も早いし……
まったく、すごいとしか言いようがない位です。
67 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月13日(土)00時03分12秒
平家先生はどうなるのか?
いい子なのに。
68 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
69 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
70 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
71 名前:とみこ 投稿日:2002年04月13日(土)18時36分34秒
>名無し募集中。。。さん
>イイ!ごまもよしこも最高
ありがとうございます!やっぱりよしごま推しですね。

>名無しさん
>やばいくらいツボですこの作品!!
そ、そんな恥ずかしい・・・っ(^^*)
>とみこさんは神だ!
ぬぉ〜!!そこまで言ってもらえると鼻血が出るほどうれしいです(w

>だしまきたまごさん
>まったく、すごいとしか言いようがない位です。
いやいや、ほんとありがとうございます^^

>名無し読者さん
>平家先生はどうなるのか?
あ〜・・・平家さんはもう登場しません(ぅゎ
すみません〜〜っでもがんばります!
72 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月13日(土)18時42分26秒


空がまぶしいなぁ







去年の夏より





ずっと―――――








チュッはあとはあと









がばっ




「あ、起きた起きた。」



目の前には、イタズラ好きな王子様。

朝からなんですかぁ〜!!


「ひとみ!」


「夏休みだからって、お寝坊が過ぎるぞ、姫はあとはあと


そういって彼女はニカッと笑う。


「姫はあとはあとじゃない!断り無しでそういうことするのやめてって言ったでしょ!」

「挨拶挨拶♪それにやめるなんて無理だよぅ」

「えっ」



軽々とあたしを『お姫様』だっこした。


「ひゃっ」
73 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月13日(土)18時46分33秒

「好きなコがあんな可愛い顔して寝てるんだもん。キスしたくなって当然だっ」

「〜〜〜〜〜」



もう、結局あたしは


王子にはかなわないんだからっ










去年の秋


見知らぬ赤茶毛の少年が、目の前に現れた。


聞けば、彼は彼ではなく、彼女は彼女だったのだ。


そう、昔の幼馴染のひとみ。


こんなに美人でボーイッシュになって帰ってきたのだった。



つかの間の同居生活


その終わりには




ふたりの恋が始まっていて・・・


74 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月13日(土)18時52分03秒
そして今春には、吉澤家が本格帰国―――――



のはずだったのに







ひとみの両親から手紙が一通。


【仕事の都合で帰国が延期たので、ひとみだけ送りま〜す。】



・・・ってそれだけかい!!



編入手続きももうすんで、夏休み前まで一緒に学校行ってました!





一応、ひとみ用のアパートも用意してあったんだけど・・・


うちの熱血ママリンが・・・ね。


『ダメダメダメ!絶っ対だめ!許しません!右も左もわからない日本で、ましてひとみちゃんみたいなカッコ可愛い美人な子がひとり暮らしなんてもってのほか!!ウチに来てもらいます!!』



・・・同居再開。


75 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月13日(土)19時00分25秒
しかも学校では・・・


ひとみはこのビジュアルで・・・




『キャー!吉澤先輩カッコイイ!!』

『サインくださーい!あ、今こっち向いた!』

『ちょっとあたしが先なんだからー!』


【中間試験 3位  吉澤ひとみ】


とか・・・



ダンッ



『ダンクだー!!すごーい!!』


バシィッ


『あのウオブチの弾丸サーブをとめた!?』



パシィ!


『剣道部部長も倒されたー!!』




こういう人だったので、







下駄箱をのぞけば・・・

【あの家から出て行け!ひとみ様に近づくな!!】

あっという間にこうなったけど・・


「あれぇ〜?真希ちゃん何やって・・・」


そんな手紙をひとみが見つけちゃった日にゃ・・・



「やった奴出て来い!!!!ぶっ殺す!!!」



こういう人でもあったので



とにかく騒がしい春の日々――――



76 名前:とみこ 投稿日:2002年04月13日(土)19時07分07秒
>>75
春の日々じゃなくて夏の日々です。すんまそん。


今日の更新は終わりです。少なくて御免なさい。
77 名前:とみこ 投稿日:2002年04月13日(土)19時58分40秒
ユウキが法律に反する行為をしたためにEE JUMP脱退となりました。
今までのEE JUMPの活躍に感謝し、
これからのソニンの活躍に期待します。
78 名前:ごんた 投稿日:2002年04月13日(土)21時32分21秒

いえいえ。朝からキスしちゃうよっすぃーサイコー!!
ホントによしごまの神ですね。
79 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月13日(土)22時44分50秒
平家先生…ところで中澤先生は??
よしごまいいっす!!
80 名前:とみこ 投稿日:2002年04月15日(月)07時13分03秒
>ごんたさん
もううちのヨッスィーは大胆で・・・(^^;
ところでごんたさん!!アナタ「恋をしちゃいました」の作者さんだったんですか!!
すみません、気づくの遅くて・・・
やぁ〜〜もうかなり尊敬してますよ!!レスしていただくなんて嬉しすぎる!!
これからは恋しちゃの方にもレスさせていただきます。

>名無し読者さん
中澤さんはもう多分・・・でないっす(泣
よしごまいいっすか?いいっすよね〜〜(^^
81 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月17日(水)16時40分08秒

「真希・・・ちょっと聞いていいかな?」


放課後、教室で雑談していると、突然あゆみが話を変えた。










「ヨッスィーは・・・真希のどこがそんなに好きなの?」

「え!?」


っつーかそれって・・・ひどいっしょ〜〜〜



でも・・・・あたしも思ってたんだよね・・・・・・




ひとみのおばあちゃんはフランス人で、

コンプレックスだった彼女譲りの赤茶毛をほめたのが大きいらしい。





でもだからってどうなんだろう・・・



何もかも10人並のあたしの・・・



何が良くてそんなに好きで居てくれるんだろう・・・








ナゾだ。



82 名前:とみこ 投稿日:2002年04月17日(水)16時57分04秒

そんなことも聞けずに、お盆の季節です・・・・



「ひとみ・・・何その格好・・・」


「え・・・?」


Yシャツに蝶ネクタイという、なんともひょんな格好・・・


「え!?変?変?」

そういってひとみは壁まであたしを押し寄せてきた。


「いや、変じゃないけど・・・・・・・・うーん・・変!!!」

「ガーン・・・・・・・・」


そういうと部屋に戻って数分後――――






「ジャッジャーン!!どう?真希ちゃん!」


ひとみは前髪をわけずに垂らし、ちょっとクシャッとしていた。

服装は白いパーカーに、ダボッとしたジーパンでキメていて、







マジ・・・・・惚れますってば!!!



元から惚れてるけどさぁ。。。



「い、いいんじゃない!?ってか・・・・カッコいいよ?」


「・・・ほ、ほんと!?」

「うんっ」


そういってニコッと笑った。



ほんと、あんたはカッコイイ!!!


女の子にしとくのもったいないよぉ〜〜


83 名前:とみこ 投稿日:2002年04月17日(水)17時06分17秒

そう、今日は家族でパパの田舎に遊びに行きます!!


だからってYシャツにネクタイはね〜。あはっ

やっぱそういうカッコイー!!!服装が似合うよ、ひとみは。うんうん。






飛行機内――――


「わ〜〜〜!!!富士山だー!すっげぇ〜!カッケー!!」


窓側から順に、あたし・ひとみ・と並んでるのに、

ひとみは身を乗り出して外を見ていた。



「ひとみ、席変わろうか?」

「え!?いや、そんなのいいよ〜。真希ちゃんが座っててはあとはあと

「ウン、いいの。あたしこのコース何度ものってるからっ」


そういうとひとみは少し考えていた。



「・・・そーぉ?ならお言葉に甘えて!!」



そういって席を替わると、窓の外をじーーーーっと見ていた。


まるで初めて飛行機に乗った子供みたいに。


何度もフランスと日本を行き帰りしてるくせに〜。

こういうとこ、かわいいんだよな〜〜。


84 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月17日(水)17時29分46秒

飛行機が空港についたあと、あたしたちは迎えの車を待っていた。


「真希ちゃん、イトコって何人いるの?」

「4人だよ。大学生の市井ちゃん、それからいっこ上の梨華ちゃん。」

「リカちゃん・・?ふーん・・・」



パッパーッ



クラクションの音と共に、青い車があたしたちの前に止まった。


ガチャ



「すみません、遅れてしまって。」








「市井ちゃん・・・!!」



中から出てきたのは、ずっと大人になった市井ちゃんだった。
85 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月17日(水)17時33分22秒
修正。

4人のイトコじゃなくて、2人のイトコです。
86 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月17日(水)17時38分44秒
「わぁ〜!市井ちゃん!元気だった〜!?」

「あぁ。真希も元気そうだね。」



そういってニコッと笑った。


10年前よりもずっと背たかーい・・・

あたしより10センチ近く高いかも・・・


やだ・・・超カッコイイよぉ・・・すっごい大人!!


「こ、これ市井ちゃんの車??」

「そうだよ。」

「すごーい!カッコイー!!」


あたしが騒いでると、お母さんとお父さんとひとみがついてきた。


「真希、いくら初恋の人だってはしゃぎすぎよ!」


そうお母さんに言われて、おもわず赤面してしまった。

87 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月18日(木)21時56分14秒

「あ、ひとみ。この人はいとこの市井紗耶香さん。」


そういうと市井ちゃんはニコッと笑って手を差し出した。


「よろしく、市井です。」



するとひとみは元気よく手を差し出した。



「婚約者の吉澤です――――」

バコンッバコッドスッ



バタン・・・



「アハハ、ごめんね市井ちゃん!フレンチジョークだよ、コイツフランス長いから。」

「あ、そうなんだ・・・」



バッカ・・・!!ひとみ、アンタってやつは〜〜〜!!

88 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月19日(金)18時25分30秒
あたしとパパとママとひとみは、おじいちゃんの家に着いていた。




「おじいちゃん、おばあちゃん。」


縁側から出てきたのは、おばあちゃんだった。


「あらぁ、真希ちゃん。しっかりして娘さんらしゅうなってー。」

「えへへっ」


すると、ちょっと恥ずかしがっていたひとみがヒョコッと出てきた。


「あぁ、そちらが?」

「うん、そうなの。ひとみ!こちらがウチのお父さんのお父さんとお母さん。」



ひとみはギクシャクして2人の前に立った。



「ようこそいらっしゃい。真希の父の、父と母です。」


おじいちゃんとおばあちゃんが、優しい笑顔でそういうと、


ひとみは緊張がとけたように穏やかな表情になった。



そして深く頭を下げた。



「初めまして。吉澤ひとみです。」



礼儀正しくそういった。


「あら、かわいい。上がらんね上がらんね。」



そういって家のなかへ入っていった。


89 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月19日(金)18時31分24秒

そのあと、おじいちゃんとおばあちゃんに部屋に案内されていた。


「あれ?ひとみ顔赤いよ??」

「え!?ウソ!」

「うん・・・」


そういうとひとみはニコーッと笑った。


「あーなんか、真希のおじいちゃんとおばあちゃんなんだなーって。」

「ハイ?」










「あの人たちがいたから、パパが生まれて、真希ちゃんが生まれたんだろう?」



そういってまた優しい笑顔で笑うのだった。




「なんかそういうのうれしくて。」







ひとみ・・・・





90 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月19日(金)18時37分54秒


「あ!そうだ。市井さんと、もうひとりのイトコは?」

「あ、梨華ちゃん。本名は石川梨華ちゃんね。」


「いしかわ・・・・りか??」


「え、どうかした?」

「あ、いや・・・ん〜??」




そのとき突然部屋から女の子が出てきた。



ドンッ


「いたっ」

「きゃぁっ」



そのこはあたしとぶつかって床に手をついた。



「ごめんなさい、大丈・・・」


あ!!


「梨華ちゃ・・・」

「なんだ、真希ちゃんか。狭い廊下で突っ立ってないでよぅ。」



そういって梨華ちゃんは立ち上がった。



・・・・ってか、梨華ちゃんなんでそんなに美人になってるの・・・!?!?


茶色のサラサラの髪に、小麦色の健康な肌。


女の子らしいカワイイ瞳をしていた。


ほんっっっっっとに美人・・・・・・女優さんみたい・・・・




「ちょ、君その態度は・・・」


ひとみが前へ出た。

すると梨華ちゃんの表情がフッと変わった。
















「ひとみ・・・?」










「梨華・・・・?」












え?



何?何なのー!?!?
91 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月19日(金)18時43分08秒

「ひとみ・・・!!会いたかった!!」



ガバッ



「・・・・・!!」



突然梨華ちゃんがひとみに抱きついた。


何、何!?!?どういう関係?!


っていうか何で知り合いなの!?


「梨華・・・・・あ、・・・」


ひとみはフッと申し訳なさそうにあたしの表情を見た。


「梨華・・・ちゃん、本当に梨華ちゃんなの?」

「どうしたの、ひとみ。梨華ちゃんなんて・・・いつも呼び捨てじゃない。」

「あ〜―――・・・・梨華・・・・・・・ちゃん。」

「もーぅ、何よ。まぁいいわ。」



呼び捨て・・・





「ひとみまた背伸びた?」

「え・・・・あ、まぁ・・・」







すると梨華ちゃんはひとみの首に両腕を回した。








そして顔を近づける―――――



「もう背伸びしないとキスできないね・・・」





△×◎〜☆★!?!?!?




92 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月19日(金)18時49分07秒
あやうく唇は逃れたものの、梨華ちゃんはひとみにくっつきぱなしだった。


夕方、あたしとひとみと梨華ちゃんで縁側に座ってスイカを食べた。



「一年前のフランスにタイムスリップしたみたい・・・・」



フ、フランス・・・!?



「留学したときのこと。覚えてる?」

「ん、もちろん。」

「学校で初めに話し掛けてくれたの、ひとみだったよね?」

「そ、そうだっけ?・・・・あー、っていうか、呼び捨てはちょっと・・・・」


ひとみがそういうと梨華ちゃんはほっぺを膨らました。


「何でぇ?昔みたいにお互い呼び捨てでいいじゃない。」

「いや・・・・でもここは日本だし、フランスみたいに軽くないんだ。」

「ぶー・・・まぁいいか。」



そのあと、梨華ちゃんはあたしにフランス留学の話を聞かせてくれた。










1年前―――フランス


『ねぇ、日本から来た留学生って君?』

『え・・・・』

『あたし、昔日本に住んでたんだ♪仲良くしようね。』







「あの瞬間で緊張がいっきにほぐれたよぉ〜」



・・・・自慢?


そういうつもりじゃないと思うけど、



あたしにはちょっと嫌な話かも・・・・


93 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月19日(金)18時55分30秒

「でもひどいよひとみちゃん。どうして連絡くれなかったの??
アドレス教えたじゃない!薄情にもほどがある!」


「あぁ、ごめん。忙しかったから・・・」

「もぅ・・・・」







「でも・・・」




梨華ちゃんはスッとひとみの頬に手を当てた。








「また会えてうれしい。」











なんか・・・・・





すごく複雑な気分・・・・


梨華ちゃんに、ひとみを取られそうな気がした―――――



「ひとみ、あたし部屋戻るね!!」

「え?じゃぁあたしも帰るよ。」

「いいよ!久しぶりにつもる話もあるでしょ?」

「でも・・・・部屋まで送るよ。」


「大丈夫だって!じゃね、おやすみ!」



パタパタパタ・・・・








なによ



なによ



なんなのよ―――――!!



梨華ちゃんすっかり人格変わってるじゃない!


フランスにいたからって日本人でしょ!?


人の彼氏にいきなりキス・・なんか・・・




あたし以外の女の子に―――――!!!




ガツンッ





バタッ



とにかく走りまくったあたしは、木に激突してしまった。



「・・・ったぁ・・・・」





もういい!







気づくまであやまってやんないんだからぁ!!
94 名前:とみこ 投稿日:2002年04月19日(金)18時56分27秒
更新終了です。


最近少なくてすいません・・・m(__)m
95 名前:とみこ 投稿日:2002年04月20日(土)20時56分52秒

次の日――――



あたしは朝っぱらから縁側でムッツリしていた。



ガラッ


突然、部屋からタンクトップ姿のひとみが出てきた。



「真希ちゃん、おはよう!」

「・・・・・。」


無視・・・



「よく眠れた?さんぽ行かない?空気がとても気持ちいいよ!」



無視無視・・・・・・



無邪気なフリしてもだめなんだから!

あたしは怒ってるんだからー!!







「ひとみちゃん、早く行こうよー」


ちょうど庭から梨華ちゃんの声がした。


「あれ?真希ちゃん。」

「梨華ちゃん・・・おはよ。」

「真希ちゃんも【あたしたち】と一緒に来る?」




・・・何強調してんの・・・



なんか・・・すごいムカつくぅ・・・・



「あたしはいいよ!どうぞ行ってらっしゃーい」

「そう?じゃぁ行こう、ひとみちゃん!」


「あー・・・・真希・・・?・・・ん、」


そういって梨華ちゃんはズイズイひとみを引っ張っていった。






友達同士であういう態度


外国では普通なのかもしれないけど、


なんかやっぱりやだなぁ・・・






そのとき、フッと梨華ちゃんがこっちを向いた。


「・・・・?」



そして、【クスッ】と笑って歩き出した。







なに!?


今の・・・・
96 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月20日(土)21時01分39秒

「どうした?真希。」

「いちーちゃん!」

「何してんのさ。」






・・・・そうだ!!







「市井ちゃん、ドライブ連れてって!!」



こっちだってその手を使ってやるー!!







そしてあたしと市井ちゃんはドライブをしていた。



「で、どこ行きたいの?」

「どこでもいい・・・」



「なんだかな、このコは。さっきはすごい勢いだったのに。」



だって



あの場にいたくなくて・・・・いたくなくって・・・っ






それに



隣には市井ちゃん、助手席のいい気分といい、


このシチュエーションも結構・・・・



「驚いたろ、梨華の事。」

「え・・・?」

「今年留学から戻ってきたらあぁなってたんだよ。」




たしかに・・・・あんなに変わったら驚くよなぁ・・・
97 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月20日(土)21時05分56秒

「ほら、梨華っていっつも絵書いてただろ?」

「うん・・・」

「何かの公募展に出したら入賞してさ、フランス留学はその入賞賞品。」


へぇぇ――――すごーい!!



そこでひとみと出会ったのか・・・


なんかロマンチックだな・・・



「何があったのか、何を考えてるのかあたしにはわからん・・・」


そういって運転席の市井ちゃんはしかめっつらをした。


「年々話さなくなるし、話し掛けると怒ったような顔するしさ・・・」



市井ちゃん・・・



「おっかなくってかなわん。」



心配してたんだ、梨華ちゃんのこと。


あいかわらず面倒見いいなぁ



「そんなこといって実は気後れしてんじゃ――――」


キキィィィィィ―――――――――――ッッ!!!!



突然、おもいっきりブレーキを踏んだ。


・・・な、何!?


隣の市井ちゃんは顔を真っ赤にしていた。



「い、いちーちゃん・・・?」


「静かに!事故る・・・・」



まさか・・・

98 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月20日(土)21時09分30秒

「夏に会うたびに、『あ、女の子だ』っていつも思ってて、
小さいころからどう接していいのかわからなかったんだ。
気楽で居られる真希とばっかり遊んでたらよけい離せなくなった・・・・」





そうか・・・





いちーちゃんは、梨華ちゃんに恋してたのね。



「それってひどーい。ごとーがほとんど男の子ってわけ??」

「え、うーん・・・・」



「いいな、梨華ちゃんは。あたしも気後れされたーい。」


「フッ」




市井ちゃんは優しく笑った。


「な、なによぉ・・・」


「あいつのせいなんだろうけどさ。」

「え?」



バタンッ



そういって車から降りた。







「キレイになったよ、真希。空港であったとき驚いた。」










いちーちゃん・・・・・・・




99 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月20日(土)21時12分45秒



チャポン・・・


「淡い・・・失恋って感じ・・・」






お風呂につかりながら、独り言をつぶやく。



あのころは、夏ごとにこの家を訪れた。


市井ちゃんは梨華ちゃんじゃなくていつもあたしと遊んでくれたから、




あたしは、特別なんだと思ってた。







もうずっと言えないまま・・・・









市井ちゃんは、梨華ちゃんが好きなんだ――――






ザバッ



好きって伝えるのって勇気いるよね。


けど、きっとその言葉をもらったとき嬉しいはず!!


100 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月20日(土)21時16分47秒


「ひとみ!!」


お風呂を出てからひとみのそばに駆け寄った。


「なぁに?真希ちゃん。」

「あ・・・近くで夕涼みでもしないかなーって。」

「おっいいね。」



その言葉を聞いて、あたしはホッとした。








「でもごめんねー。今梨華ちゃんのモデルで忙しいんだ〜」


そういってヘラッと笑った。







ひとみの前ではペンを持ってひとみを真剣に見る梨華ちゃん。



やだ・・・・マジ複雑・・・




「市井さんに付き合ってもらえば?今朝みたいにはあとはあと

「ひとみちゃん、動かないで。」

「あ、ごめん梨華。」



―梨華―









涙が・・・・でそう・・・



101 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月20日(土)21時20分12秒

「市井ちゃん!」

「ぅお!真希。ビビったぁ・・・・イノシシかと思ったよ。」

「誰が!んもぅ!」

「何カリカリしてんだー。アイス半分食う?」


「食う!」



変なの・・・







次の日の朝、廊下でばったりひとみとあった。



「今日もみーちゃんとデートですか?」

「そちらこそ初恋の市井さんとどこへ?」



・・・・!!



「どこだっていいでしょ!」
「だれだっていいでしょ!」



プイッ




どうしてだろう・・・



ちょっとつまづいただけなのに、とまんない・・・
102 名前:とみこ 投稿日:2002年04月20日(土)21時22分39秒
今日の更新終了です。
103 名前:だしまきたまご 投稿日:2002年04月21日(日)17時51分47秒
きゃお〜い!(壊)梨華ちゃん出現!!あぁ!よしごまなのに…いしよしがぁぁっ!
ごっちん、負けんなぁ〜〜!よっすぃ〜取られてまぅ〜〜!
…ま、取られたら取られたでそれもまた(オイ
104 名前:とみこ 投稿日:2002年04月21日(日)18時20分42秒
>だしまきたまごさん
いしよしも恋しくなって・・・^^;
楽しんで見てください♪
105 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月21日(日)18時26分04秒

お昼、あたしと梨華ちゃんとひとみと市井ちゃんは、

トウモロコシ畑で収穫の手伝いをしていた。


あ〜・・・暑い。



「・・・疲れたか?」


あたしがボーッとしていると、市井ちゃんが心配そうに聞いた。


「え・・・あ、ちょっとね。」


「ほれ。」


そういうと市井ちゃんは、自分のかぶっていた帽子をあたしにかぶせた。



「西日本の日差しをなめんなよ。」




・・・・なんだかんだいって、やっぱ優しいんだよね・・・



あたしの、初恋の人だし・・・





「この帽子・・・・汗くさい。」

「とったら殺す。」


そんな市井ちゃんにプッと吹きだしてしまった。


106 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月21日(日)18時27分58秒

その頃――――



真希たちと離れたところで、ひとみと梨華は収穫をしていた。






「ねぇ、真希ちゃんのどこが好き?」


梨華は唐突にそう聞いた。


「なっ、なんだよ急に・・・・」


「いいじゃん聞きたいのーっ。彼女を好きな理由となれそめはあとはあと



ひとみは表情が曇った。




「ねぇ・・・どこが好きなの?」























「・・・・・わかんないや」



107 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月21日(日)18時34分20秒
(真希視点)



「きれいな夕焼け・・・」



ひとり残ったトウモロコシ畑。


たったひとりで見上げる空は、切なかった。


(ひとみの・・・髪の色だ。)



ケンカが始まって3日め。

1日が長い――――







「きれいね・・・・ひとみちゃんの髪の色。」



そうつぶやく声の主は、


切なく空を見上げる梨華ちゃんだった。


「梨華ちゃん・・・・」


「聞いたよ。ふたりのなれそめ。ひとみの髪をほめたのが始まりだって?」


「あ・・・・」



そういうと梨華ちゃんはアハハッと笑った。


「いいな〜、そういうの言ったもん勝ちだよね〜。」



・・・・っ



「それがたまたま真希ちゃんだっただけで、別に誰もよかったんだもんね。」










「だってひとみちゃん言ってたよ。真希のどこが好きかわかんないって。」














「梨華ちゃん・・・・あたしのこと嫌いなんだ。」







あたしは、こらえてこらえて・・・



限界になった涙を流しながら




夕焼け色の空のした、


トウモロコシ畑をかけていった――――
108 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月21日(日)18時38分04秒

「真希ちゃん・・・!!」



立ちすくむあたしのもとへ、ひとみが思いっきり走ってきた。



「・・・・あの・・・・やっぱり仲直・・・」

「わかってる!!!!」



ひとみの言葉を思いっきりさえぎった。



「髪を最初にほめた人だから・・・大事にしようって思ったんでしょ」


「真希ちゃん?」


「それがたまたまあたしだっただけで・・・別に他の人でもいいんでしょ!!」






「真希ちゃん何言って・・・」






「何であたしを好きかもわからないくせに!!!!」

「・・・・っ」
















「ひとみのバカァ!!!!!!」







109 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月21日(日)18時41分10秒


ダダダダダダダッッ・・・・







ドンッ


「きゃぁっ」



ぶつかった相手は、瞳に涙をたくさんためた梨華ちゃんだった。



「梨華ちゃん・・・」

「どうしていつも真希ちゃんなの・・・?」




「え・・・・?」



そういうと袖で思いっきり涙をふいた。



「市井さんも・・・ひとみちゃんも・・・・・」



・・・・梨華ちゃんは・・・


梨華ちゃんは市井ちゃんを・・・?



「真希ちゃんなんてキライよ!!」





そのまま梨華ちゃんは走り出してしまった。



「梨華ちゃん!!あぶない!そっちは川・・・――――」









ジャッバーンッッッ







「梨華ちゃん・・・!!!」

110 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月21日(日)18時43分58秒

あたしは無意識に川へ飛び込んだ。





あ!しまった!


あたし・・・泳げない・・・!




どうしよどうしよ・・・



お父さん・・・お母さん・・・・・・






ひとみ・・・!!



やだ



ケンカしたままもう会えなくなっちゃうなんて!!




このままじゃ悲しすぎ――――





「あたし、不安だったのひとみ!!!」

「好きなの!!好きなのひとみが!!」

「離れたくないの!!!」



思いつくままの言葉を投げ捨てた。





「いてててて・・・っ」











気が付くと、岸に寝そべる自分。



となりであたしに髪を引っ張られてるひとみ・・・・






た、助かった・・・・?!




111 名前:第4章 〜暑い夏の熱い恋〜 投稿日:2002年04月21日(日)18時46分28秒


「ま、真希・・・・!」

「ひとみ・・・?」












「やったぁ〜〜〜〜!!真希が生きてたよ〜〜!!うわ〜〜〜ん!!」







ひとみ・・・・!!



「真希がいなくなったら・・・・あたし・・・あたし・・・!!!」








そのとき、向こう岸で、


市井ちゃんが梨華ちゃんを抱きしめていた。





「あのふたりも・・・やっと気づいたんだよ。」


ひとみが優しく言った。


「もう離れないよ。梨華ちゃんたちも、あたしたちも。」











ひとみ・・・・・





112 名前:とみこ 投稿日:2002年04月21日(日)18時47分05秒
更新終了です。

明日でラストです!!!
113 名前:とみこ 投稿日:2002年04月21日(日)20時08分46秒
やっぱり再更新します!
114 名前:ルパン4th 投稿日:2002年04月21日(日)20時08分46秒
無事に仲直りできて、よかった。よかった(^^)
えっ!?明日でラストなんですか?見逃さないようにせねば!
115 名前:とみこ 投稿日:2002年04月21日(日)20時09分29秒
>ルパン4thさん
レスありがとうございます!
明日でラスト・・・というか今日でラストかな^^
では、更新します!
116 名前:とみこ 投稿日:2002年04月21日(日)20時14分35秒

あたしとひとみは、夜花火大会に来ていた。


もちろん、向こうでは市井ちゃんと梨華ちゃんもっ。






あたしたちは、甚平姿で2人ならんで手をつないでいた。



「ひとみ、さっき梨華ちゃんの話・・・」

「ん??」

「真希のどこが好きかわかんないって。あれウソだよね」












・・・・・・・・・















「え!?ホントにわかんないの!?!?」

「ちっ違うよ!!!」


ショック〜〜〜〜・・・・やっぱりひとみは・・・



「よく聞いてね!!」


「〜〜〜〜〜〜〜。」






「も、もちろん顔も好きだよ。色白で目がクリッとしてて、そういうのすごく好き。」




「声も好きだよ。寝起きでちょっとかすれてるときなんかセクシーで好きだよ。」




「元気なとこも、優しいとこも・・・・・」




「あげればたくさんあるよ。それも好きな理由っていえるのかもしれない」



「だけどちょっと違うんだ・・・・・」






ひとみ・・・・・・
117 名前:とみこ 投稿日:2002年04月21日(日)20時16分10秒







「世界で一番、泣かないでほしい。」



「世界で一番幸せでいてほしい。」




「一緒にいてほしい。それが真希なんだ。ただそうおもうんだ。」



















「そういうんじゃ・・・・・・・だめ?」





あたしは思いっきり首をふってひとみに抱きついた。


118 名前:とみこ 投稿日:2002年04月21日(日)20時18分01秒










夕やけ色の髪




遠い国のおばあちゃんからうけついだプレゼント。





生まれたときにはもう、決まっていたんだろうか。



こんな気持ち決まっていたんだろうか・・・・・・・・・






























涙が出る―――――――















「あたしの・・・・・王子様になって下さい。」











「はい。」










―fin―
119 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月21日(日)21時22分49秒
んーーーとみこさんのよしごま(・∀・)イイ!!
何気に、いちいしの行方も気になります(w
番外編書いてくれると嬉しいかも(爆
120 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月21日(日)23時41分08秒
とみこさんのよしごまは心が癒されます。。。
すばらしい作品ありがとうございました!!
121 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月22日(月)18時15分22秒
いちいしの番外編書いてーーーーーっ(ww
122 名前:ルパン4th 投稿日:2002年04月23日(火)01時00分21秒
完結お疲れ様でした!
とみこさんが書くよしごまはほのぼのとしててイイ感じです
次回作も楽しみにしてますよ〜
123 名前:カム 投稿日:2002年05月01日(水)03時09分50秒
亀レスで申し訳ないっす!
っつーか紫板逝ったら既に連載終了しててビクーリ!(爆
…あ、ここも先週で完結してる??

(T▽T)すれ違いって悲しいね…

(0^〜^0)次回作こそ連載開始から読むYO!!
124 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月03日(金)00時26分32秒
>123 カムさん
現在 銀板で連載中 あり 
「線香花火」やっぱ とみこさんのお話おもしろいですよ。
125 名前:娘。 投稿日:2002年05月27日(月)01時08分47秒
良かった!
感動した!
涙が流れた!

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