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吉澤巡査 2002
- 1 名前:YJ 投稿日:2002年04月17日(水)03時44分29秒
- サイタマ・ジャパン 2002年 4月17日 AM3:28
男は袋一杯のタケノコを見てホクホク顔だった。
男「ひい、ふう、みい・・きょうは6本か。母ちゃん喜ぶぞ〜 ヘヘヘ。」
家路を急ぐ男。 後ろからジャンバーを着た2人の男が近づいてきた。背の高いのと低いの。
背の高い男「こんばんわ〜。ご主人今夜は大漁ですね!朝ごはんはタケノコご飯ですか?」
背の低い男「うわーこんなにたくさん、あそこの竹林から取ってきたんでしょ?」
男「(ドキッ!)なんだよあんたら。何処で取ろうと勝手だろ!放っといてくれよ」
背の低い男「いいえ、放っておけないんです(w うちらこういう者です。」
背の低い方がジャンバーを脱ぎ捨て、制服の胸ポケットから出した警察手帳を男に見せた。
男「!!あんたらおまわりかよ!」
背の高い男「そうです。さっきからずっと見てました。竹林の管理人から頼まれててね。
タケノコ泥棒を見張ってたんですよ。本署まで来てもらいますよ。」
- 2 名前:YJ 投稿日:2002年04月17日(水)03時52分50秒
- 背の低い男「泥棒は泥棒ですから。」
背高は背低に向かって言った。「辻ちゃん、パトカー1台応援に呼んで。」
辻「了解!」
男「ケッ!張り込みかよ!汚いマネしやがって!訴えてやろうか?」
背の高い男「訴える?!そりゃまた物騒な(w いいですよ。私は埼玉県警の
吉澤と申します。いつでもどうぞ(w」
辻「同じく辻といいます。 吉澤さん、石黒主任のパトが来るそうですよ。」
吉澤「結局今日も徹夜か・・・ハア 箱に連絡しとこう。」
- 3 名前:YJ 投稿日:2002年04月17日(水)04時02分35秒
- プルルルル・・・
石川「はい、駅前交番石川です。」
吉澤「あ、吉澤です、例の「タケノコ」捕まえました!これから本署で手続きします!」
石川「ホント?スゴイ!ご苦労様! 係長!吉澤君がやりました!」
受話器を受け取った「係長」と呼ばれるこれまた背の高い男。
飯田「吉澤よくやったな!誉めてやる!手続きの方は頼むよ。」
横から元気のいい巡査部長と万年巡査長がチャチャを入れる。
安倍「吉澤!月間優秀賞は頂きだな!おやすみ!」
保田「うちら先に寝とくから〜」
石川「一晩寝なくたって死なないよ!チャオ!」
飯田「おーーーーやすみーーー!!!」
吉澤「!!!はい・・・・おやすみなさい・・・・」
- 4 名前:YJ 投稿日:2002年04月17日(水)04時16分58秒
- 辻「どうしたんですか吉澤さん?ほっぺがヒクヒクしてますよ。あ、パト来ました」
吉澤「(一呼吸置いて)いいや、な、何でもない。 さ 行こか」
助手席から出てきたパト乗務員の柴田巡査が男を後部座席に押し込んだ。
柴田「ごくろうさん!君らも乗りな」
パトに乗り込んだ吉澤・辻に運転席の石黒巡査部長が声をかける。
石黒「お疲れー。 眠いなあオイ。」
吉澤「・・・・辻・・・・・眠いな。」
辻「・・・・はい・・」
パトは本署へ向かって走りだした。
そのころ駅前交番では・・・
安倍「吉澤と辻、最近頑張ってるよねー。」
保田「そうか?俺に言わせりゃまだまだ!」
石川「でもこれでまた一つ解決しましたね!」
飯田「(そう・・・・1コだけな・・・・)」
埼玉の夜は更けていく・・・・
- 5 名前:YJ 投稿日:2002年04月17日(水)04時22分16秒
- 以前もやってました。更新できなくて尻すぼみで終わってしまいましたが
今後は定期的に更新していきたいと思います。
読みにくいですがヒマがあれば読んでやってください!
- 6 名前:YJ 投稿日:2002年04月17日(水)06時39分38秒
- 埼玉県警朝娘。警察署
地域課 埼玉駅前交番
飯田警部補 安倍巡査部長 保田巡査長 石川巡査 吉澤巡査 辻巡査
石黒巡査部長 柴田巡査
刑事課
課長 中澤警視 盗犯係 市井巡査部長 後藤巡査長
生活安全課
少年係 矢口巡査部長 紺野巡査
交通課
交通規制係 りんね巡査長 あさみ巡査 高橋巡査
不良少年グループ 松浦 亜也グループ>>>>>>辻野希太グループ
- 7 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月17日(水)22時38分09秒
- 現逮の場合は地域課員は楽なんですよね。結局、現行犯逮捕手続書と実況見分書だけ
作れば、あとは刑事課員に引き継ぐだけ……
送致の手続きに追われる刑事当直員のみなさま、ごしゅーしょー様です(w
(市井や後藤なのかな?)
- 8 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月19日(金)12時57分58秒
- >>7
自分は現逮の手続書を書くのもまだおぼつかないんですよ!
「時間が勝負」の緊急逮捕手続書なんてまだまだ・・・・
勉強あるのみです!
- 9 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月19日(金)13時21分46秒
- 「迷子の身柄求む手配。氏名は田崎 準君9歳、服装は(中略)本日午後2時頃
友達の家へ行くと○○町の自宅自転車で家を出たまま未だ未帰宅。発見の際は一報せよ。」
との110番指令が駅前交番の6人の受令機から流れたのは午後9時を回った頃だった。
安倍「○○町か。うちの管内だ。7時間か・・・長いねぇ。」
石川「親御さん・・心配でしょうね・・」
辻「何処へいったんですかねぇ?」
そこに物損事故の処理から帰ってきた保田と吉澤。
吉澤「戻りました!事故の詳細は後で交通課に送っときます!」
元気な吉澤。
飯田「ご苦労さん。迷子がね・・これが結構時間経ってるんだよ。7時間。」
保田「ああ・・・そうなの?じゃあ体制を組んで・・・捜索・・・します?」
疲れきった保田。
事案に忙殺され普段なら迷子捜索願には余り積極的に対応しない(できない)駅前交番の
6人だが7時間、しかも受け持ち管内の出来事とあれば見過ごすわけにはいかない。
駅前交番の6人は飯、保、吉チーム、安、石、辻チームの2チームに分かれて捜索を開始した! ジャジャーン!
- 10 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月19日(金)13時41分56秒
- 申告人の田崎 宅に着いた飯チーム、インターホンを鳴らす吉澤。
中から出てきた母親は妙に落ち着いていた。
母「ああ、お巡りさん、ご苦労様ですー。」
吉澤「(?冷静だな・・肝っ玉母さん?)駅前交番の者です。準君のより詳しい特徴を
教えてください。」3人がかりで聴取を開始し、準君は黄色のマウンテンバイクに乗っていて
ゲームショップへ行くのが好きだと言う事がわかった。無線で追加手配を送る保田。
母「あの子いつもこうなのよねー。いつも遅くなったら帰ってくるのよ。 全く・・・
私も探しますけどね、お巡りさんにお願いした方が早いかなって。」
飯「わかりました。じゃあこちらでも準君を探します。もしお母さんが準君を見つけたら
110番してくださいね。」
母「はーい。じゃあよろしくお願いしますねー。」
捜索に取り掛かる飯田警部補以下3人。50メートルほど離れた所で3人は一斉に
- 11 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月19日(金)13時53分44秒
- 飯・保・吉「なんつー親だよオイ!!!!」魂の叫びだった。
保「あれでも親か?無責任な!!」
飯「今はあんな親が多いのかなぁ?」
吉「あれじゃあこっちも探す気も失せますよ・・・」
安倍・石川・辻チームは管内の本屋、ゲームショップ、レンタルビデオ店を当たっていた。
飯田から携帯で詳細を聞いた安倍は苦笑いをしつつ
安「この子、常習らしいよ。おまけに母親はとんでもない人らしい。」
石「もう・・・事件に巻き込まれてなければいいんですけど・・」
辻「この本屋にも居ませんでした。店員も見てないそうです。」
安「4丁目のツタヤ行こか。」
石・辻「はい!」
管内2件目のツタヤ、ここに居なければ望み薄だ。辻が周囲検索、安・石が店内の検索を
することになった。
- 12 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月19日(金)14時06分50秒
- ツタヤ4丁目店は1階が書籍、CD販売フロア、2階がビデオ、CDレンタルのフロアになっている。
1階を安倍、2階を石川がそれぞれ準を捜索。
安「(居ないなぁ・・・お?ゴルゴ13の最新巻が出てる!明日買わなきゃ!)」
安倍はほくそえんだ。2階の石川は石川で
石「(準君・・準君・・・あら?キャー!ウォーターボーイズが1本だけ残ってる!
ああ神様!明日まで残ってますように!!)石川は神に祈った。
安「どうだった?居た?」
石「・・・・だめでした。店員さんにも当たってみたんですけど・・・」
辻「こっちもダメです」
安「ちゃんと探した?ビデオ見に来たんじゃないよ!」
石「!な、何言ってるんですか!安倍主任だって!良い漫画ありました?フン!」
辻「(こんなときにつまらない会話しないでください・・・・)」
- 13 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月19日(金)14時17分01秒
- ・・・・・・・・・・・・・・・・・・時は無常に流れた。憔悴しきった駅前交番6人。
「迷子の身柄求むの解除。先ほど手配の迷子田崎 準君であるが、本人自己帰宅。
よって手配を解除する、以上埼玉本部。」
(画面が6つに分かれ、それぞれのコメント)
飯「ああ、そうか。ま、まあよかったな・・・」
安「結局そうなるのか・・・」
保「今度からは首に縄付けとけ!!!!!!」
吉「自分で帰ってきたのか・・・・ハ・・・・ハハハ・・」
石「まあお利口さん!!!!!!!」
辻「どこにいたんだろ?」
- 14 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月19日(金)14時27分30秒
- 飯チームは何を思ったか川の中までさがして服が泥だらけである。そうしてまで・・
飯「もう11時半か、子供に振り回されたね(w」
吉「もう迷子はマジこりごりです・・」
保「何言ってんの!これからもこんなことあるって!」
石「まあこれも良い経験ですよ。今ハーブティー入れますね。」
辻「あ、また受令機から指令入りました!」
受令機のイヤホンを耳に挿した石川を除く5人。
安「・・・・?????!!!!!!!」
「迷い老人身柄求む手配、武田 ウシ98歳、本日5時頃××町老人ホーム「ハローの家」
から失踪、服装は(以下略
飯・安・保・吉・辻「・・・・・・・・・・・・・・・ウシめ・・・」
石「牛がどうしたんですか??ハーブティー入りましたよ!!!」
駅前交番の6人は深夜の町へ消えて行った。
- 15 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月20日(土)00時57分41秒
- なんかおもしろいです(w
がんばってください
- 16 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月20日(土)16時16分47秒
- 前書いてたのはこんな感じでした
http://teri.2ch.net/mor2/kako/996/996683552.html
http://mseek.obi.ne.jp/kako/blue/999055926.html
- 17 名前:6について 投稿日:2002年04月20日(土)16時50分34秒
- 警部補は、派出所に配備されないと思われ。
- 18 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月20日(土)17時04分19秒
- いますよ。プレイングマネージャーみたいなもんだけど。
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月20日(土)18時17分32秒
- >>17
今は派出所という名称も間違い。交番にも警部補はいますよ。
ブロック内に1人、「ブロック交番長」がいますが、これは大抵係長クラス、
すなわち警部補が担当の筈。
- 20 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)19時17分33秒
- 午後6時40分、駅前交番にいるのは飯田警部補、吉澤巡査、辻巡査の3人
だけだった。他3名が空き巣の盗難臨検に出ているため、事案対応のため店番だ。
飯「じゃあ、辻と協議会(地域の住民との会合)行ってくるから、留守番頼んだよ。」
吉「はい!任せてください!(一人かよ・・・チョト不安・・)」
辻「じゃあ行ってきます!大丈夫ですか?一人で。」
吉「何言ってんだよお前!そっちこそしっかり係長のアシしろよ!
(最近、生意気な口聞くようになってきたな・・・クソッ!)」
吉澤は元気良く立ち上がり、2人が立ち去るのを見送った後、椅子にドカッと腰を下ろした。
吉「(一人か・・・ま、まあ大丈夫だろ。なんかあれば応援呼べばいいんだし。)」
吉澤はヒマなので同じ運用区内の赤道交番に電話してみたものの留守であった。
吉「(事案で出てるのかな・・・まあいいや。晩御飯でも買いに行こうっと。)」
吉澤は近くのコンビニへとむかった。駅前交番御用達の気のいい店長のいるコンビニへと。
- 21 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)19時38分23秒
- コンビニの前には3人の若者がたむろしていた。吉澤の目が光った。
吉「(ん?あれは松浦グループの里田?またこんなとこで・・)」
里田智、不良集団松浦グループの下っ端だ。何度か会った事があるプータローだ。
里田は吉澤が声をかける前に目ざとく声をかけてきた。決して悪いやつではないのだが・・・
里「あれ? よっすぃーじゃん!何やってんの?」よっすぃーとはグループ間での吉澤のあだ名だ。
吉「その呼び方はやめろ・・・)おお、里田君、自分こそ何やってんだ?煙草持ってんなら出しなさい。」
里「持ってないっすよ(w 今先輩とダベってるんっす。鬼瓦は元気?」
鬼瓦・・・保田巡査長のあだ名である。保田と里田は仲がいい。なぜなら極悪集団である松浦グループの
中で里田は親しみやすい貴重な情報源だからだ。
吉「(鬼瓦!ププププ!)おに・・いや、保田さんは今忙しいの!」
里「へー、それはそうとよっすぃー・・」里田が吉澤に耳打ちした。
里「先輩が今・・・ヤバイんっすよ・・」吉澤が「先輩」に目をやるとそこには
「ヤバイ」目をした「先輩」がいた。
- 22 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)20時13分10秒
- 吉「あれが先輩?」
里「そうっすよ、中学の先輩なんですよ。ハタチ超えてるんで煙草探しても無駄っすよ。」
吉「こんばんわ、どうしたん?君らなんかあったの?」「先輩」は釈然としない顔で
先輩A「ハア?」
先輩B「どうもこうもねえっすよ。」彼らは明らかに「怒って」いたのだ。ジャジャーン!
口ひげを生やしたAが思いのたけをぶちまける。
A「ここの店長さあ、俺らが物買ってやってんのにありがとうの一言も言わないんだぜ。
他の奴等には言うのによー。それに俺ら何もしてねえのに店先にいるだけで変な目で見やがるんだよ!
あんた警察だろ?なんとかしてくれよ!」
- 23 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)20時34分06秒
- 吉澤はこの店長が悪ガキ嫌いという事を知っていた。重い気持ちで店内に入った。
吉「こんばんわ!」
店長「ごくろうさん!」いつもの店長だった。外ではAとBがこっちを睨み付けている。
吉「あの・・外の少年たちの事なんですけどね・・」その瞬間、AとBが店内に入ってきた!!
吉「(あああ・・・やめろ・・・来るな・・・・)彼らから苦情がね。おい!やめろ!」
言うが早いか2人の猛牛は店長に掴み掛かったのだ!凍りつく店長、必死に引き離す吉澤。
A「お前いったい何様じゃあ!ブチ殺すぞ!!」
B「もっとサービスっちゅうもんを勉強せいゴルァ!」
店内は修羅場と化した。弁当を持ったOLが傍で呆然としている。
- 24 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)20時43分29秒
- 無線の緊急発信ボタンを押せば20秒間無線が独占できて応援を呼ぶことが出来るが、
それは吉澤のプライドが許さなかったのだ。
吉「(やらせるか!!なんとかこの場で治めてやる!)ほらほら落ち着いて!!!話聞くから話聞くから!!
2人とも外に出なさい!!(頼む・・・落ち着いてくれ頼む・・・)」
「ケンカの現場では何より先に両者を離すこと」いつか聞いた保田の言葉を思い出して吉澤は冷静にそれを
実行に移した。A,Bは警官である吉澤が居るからこそ安心してそんな「暴挙」に出たのだろう。
怒号が店内に響き渡る。吉澤はなんとか暴れ馬を店内に出すことに成功した。
吉「店長も商売だからさあ!君らどうして欲しいんだよ!(腹減った・・)」
A「俺らは!一言謝って欲しいんだよ!」
B「お巡りさん、俺ら大人しくしとくから親父に言ってきてよ!」
吉「(なんて人間の小さいヤツラ・・早く帰れよ・・・)よし分かった!
店長には話しつけてくる。その代わり!すみませんの一言で君ら帰るんだな!」
A・B「ああ!」吉澤は重ーい気持ちで店長に近づいた。
- 25 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)20時58分20秒
- 吉「ごらんのとうりです。あいつらは一言謝って欲しいそうですが、どうですか?
(あんたもありがとうくら言いなよ・・)」
店長はサンドイッチを棚に並べている最中だった。
店長「あいつらホント迷惑なんだよ!あんたも大変だねぇ、俺は絶対謝らんぞ!!」
吉「はい。じゃあ伝えときますね。(ハア・・・あんたにも責任が・・・)」
店を出た吉澤、吉「店長がね、すみません、これから気を付けますって言ってたよ。
だから今日は帰りな。」
A・B「よーし!じゃあまたこの店に来てやってもいい!じゃあ、帰るよ。」
吉「(いやいや、もう二度と来なくていいよ。マジ来んな。)気をつけて帰りな!」
里「ありがと、よっすぃー、助かったよ!!」
吉「よっすぃーっていうの止めてくんない?」
里「いいじゃんよっすぃー!(w」
吉「・・・・早く帰んな・・」
3人は店先から去った。吉澤はおにぎり2個と牛丼弁当を買った。
店長「さっきはありがとね!ごくろうさん!」
吉「(気持ち入れ替えてよ・・)どうも!」
- 26 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)21時04分26秒
- 交番へと無事帰った吉澤。盗難臨検の3人はすでに帰っていた。
安部「旨そうな牛〜丼〜!さては楽してたね!」
保田「る・す・ば・ん ご苦労さーん!腹減った!」
石川「吉澤さん、ヒマだったんですね、ああ、美味しそう!!もう倒れそうです・・」
吉「(おいおい、いいたい事言ってくれるよな・・)お、お疲れ様でした!」
駆け出しとはこんなものである、がんがれ吉澤巡査!
- 27 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月23日(火)21時06分39秒
- >>15
ありがとうございます!頑張ります!
- 28 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年04月24日(水)20時03分04秒
- 初レスです。
2chと青板で以前書かれていた頃から読んでました。
ここでの吉澤が何か面白くていいです。めちゃ毒吐いてるし(w
それでは作者さん、がんばってください!
- 29 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)10時54分35秒
- 世間は今まさにGWであるが、駅前交番のメンバーにはそんな物は無く、今日も仕事だ。
安部「GWかぁ、いいなぁ。 でもウチらには関係の無い話だね。」
石川「私も交通にいたと時はお休み取れたんだけどな〜。あー、USJ行きた〜い!」
ちなみに石川は今年の2月に休みを取ってUSJに行ったばかりである。
飯田「もー2人とも遊ぶ事ばかり考えてからに!休みだろうが何だろうが皆が安心して
暮らせる様に使命に燃えて身を削るのがウチらの仕事でしょうが!」
その横では吉澤と辻が書類を書きまくっていた。
吉澤(小声で)「頑張ろうな!」
辻(小声で)「はい!」そのまた横では保田が旅行会社のパンフを貪り読んでいた。
保田「(係長の言う事も正しい・・・でも・・モルディブ行きたい・・)」
- 30 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)11時05分15秒
- そこへ「酔っ払いが道路に寝ている」との匿名の110番申告。時計は午前1時を回っていた。
保、吉が行く事になり、2人が現場に着くとスーツ姿の男が爆睡中であった。近くのベンチに座らせ、
保「ご主人、大丈夫?一人で帰れる?住所言える?」
男「・・・・・んあ?・・ZZZ・・」
吉「ご主人!免許証か何かあるんでしょ?見せてくれますか?」
男「んん、いいよ・・どうぞ・・・」
男は管内のマンション「ハイツ ホールドオンミ−」に住んでいて34歳である事が
判明し、男の物と思われる名刺もあった。四井物産、一流商社だ。
吉「(エリートがこんな所で・・)ご主人、今家に奥さんか誰か居ますか?」
男「ん?・・ああ、いるよ〜。」
- 31 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)11時15分27秒
- 吉「じゃあ電話番号教えてくださいよ。」
男「あー。忘れた(w」
吉「困ったねぇ、パトカー呼びますか?」保田に意見を求める吉澤の目の前に
いつ抜きとったのか、男の携帯電話を保田が差し出した。
保「ちょっとここに電話してみ。」携帯の液晶画面には
自宅 090−◎■◇×−111◎ とあった。
吉「(さっすがオニガワラ!)はい、掛けてみます!」
プルルルルル・・・「はい。今どこにいるの?」男の妻とおぼしき女の声。
吉澤が事情を説明したところ、自分は今妊娠中だし、車で迎えに行くとしても
免許を持ってないので行けないとの事。
- 32 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)11時35分56秒
- 吉澤は男をパトカーで送りますと女に告げ、電話を切った。
しかし不幸なことに無線でパトカーの応援を呼ぶも、全パトカーが事案取扱中で
約30分待ちであった。
保「30分か・・・むぅ。」
吉「(カラオケボックスじゃあるまいし・・)じゃあタクシーでも呼びますか?」
保田はそれに答えず、難しい顔をしていた。
吉「(もう!しっかりしてくれ四井物産!)ご主人〜!起きて下さ〜い!可愛い奥さんが
待ってますよ!」必死に男の頬をペチペチしても男が自力で帰宅する気配はまったく無く、
吉澤の胸の中には嫌〜な予感が芽生え始めていた。 ジャジャーン!
- 33 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)11時46分08秒
- 吉「(保田さん、交番の皆と6人で担いで逝こうとか言うんじゃないだろうな!?
それはいくらなんでも辛いぞオイ・・・)」
吉澤の呼びかけには少しずつではあるが応じるものの、このままでは長期戦になりそうな
雰囲気であった。 夜の街に吉澤の大声が空しく響いた。
保「ハイツ ホードンメーってたしかうちの管内だよね?」
吉「(ホールドオンミーですよ。)はい、涙色公園のそばです。」
保「ここから・・・だいたい1キロくらいか、ウン。」
吉「(何が ウン。 ですか保田さん!!あんたまさか?!)そう、それ位です。」
吉澤は交番の皆を呼ぶ為に胸ポケット内の携帯電話に手を伸ばした。
- 34 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)11時52分17秒
- 保田「よし!!」
吉「(ほら来たー。)」
保田のどアップ。
保「家まで運ぼう!」
吉「(ヤパーリかよ・・・)はい。」
保「2人で。」
吉「(え?な、な、何で?!マジでかオイ!)運ぶんっすか?2人で?」
保「その方が早いんじゃない?どうせ届く頃にはウチら休憩時間じゃん。さっさと
やってしまおうよ!」
- 35 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)11時54分15秒
- 吉「(使命に燃えて身を削る、か。これも仕事だよな・・・)分かりました。」
2人は両脇から男を抱え、男の自宅へと歩きだした! ジャーン!
続く
- 36 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年04月28日(日)11時56分11秒
- >>28
それはそれはどうも有難うございます!これからもよろしく!頑張ります!
- 37 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)15時21分59秒
- 10歩、20歩と足を進めていくにつれ、2人の肩には男の重みがのしかかっていく。
「あ〜お巡りさん、こんな遅くにご苦労さんです!あーありがたい!」
体が動いているせいか急に男は饒舌になりだした。
吉「ご主人、深夜だって分かってるんならチョト静かにしてくれる?」
保「良い子だから大人しくしててね〜。もうすぐ家に着くからねー。」
男「あ、ごめんねー。大人しくします! ゲップッ」
男のゲップ顔面に受け、一瞬視界を失った吉澤であった。
吉「(ウゲェ! 保田さん、もう半分くらい来たと思うんですけどー。」
保「いやまだまだ。目の錯覚だそれ。しかし結構重いな・・・」
- 38 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)15時30分44秒
- 男は何度も2人の手を振り解いてまた路上に寝ようとするのでその度に抱え
上げなければならなかった。 ドサッ!
吉「お〜い。(またかよ・・・)起きてくれよー。」いつしか丁寧語を使うのを
止めていた吉澤。ついに堪り兼ねて男のケツを蹴り上げてしまった。 ポスッ!
吉「(あ ヤバイ!蹴っちゃった。保田さん怒んないで・・・・)」
おそるおそる保田の顔をみると保田も今まさにケツキックを敢行している所だった。 ドスッ!
しかし男は大して気に留めていない様だったのでほっとした様な腹立たしいような
吉澤であった。
男「目が覚めちゃったよアハハ。あのさー、お巡りさん俺の話聞いてくれる?」
吉「い・い・や。聞かない!」
保「いいよ。話してみ。」
- 39 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)15時37分01秒
- 吉「マジっすか保田さん・・・」保田はニッコリ笑って吉澤に頷いた。
吉澤にはこの意味が分からなかった。遠くに「ハイツ ホールドオンミー」
が見える。
男「俺って会社員なんだけどね〜。」
吉「(知ってるよそんな事。)」
男「色々あってさー、色々あるんだよねー。」
保「うんうん、色々あるよね。」
男「うん、色々! 言っとっけど俺はそんな優秀でもないし人の上に立つ器でも
ねーよ。」
- 40 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)15時49分21秒
- 吉「(うん、そーだろーね。)」
男「でもな、おれはこの会社の事を思ってさあ、今まで頑張ってきたんだよ。
俺はっきり言って今の会社好きだよ!」
保「あー、そりゃ良いことですよ。」吉澤には酔っ払いの戯言以外の何物にも
聞こえなかった。
男「それなのに・・・それなのにさ・・会社は俺の事を・・・この不況に再就職先なんて
あるわけ無いだろ!」
吉「それってリス・・・・」吉澤は言葉を呑んだ。保が吉をキッと睨み、首を振った。
保「いや、そんな事無いですよ、いつか良い事ありますよ。」
男「んなムセキニンな(w あのさぁ、会社で悪く言われようが虐げられようが
俺自身はいっこうに構わないよ。でもこんな俺を信じて・・いつも味方になってくれて
いるカミさんには・・申し訳なくて・・・・どうせならカッコイイ夫でいたいよホント・・・
ウウ・・・由紀子・・・ごめんな・・・・ごめんな・・・」泣き始めた男。
- 41 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)15時58分04秒
- 吉「なにヒンヒン泣いてるんっすか情けない!あんた男だろ?黒くて太い大黒柱だろ?
あんたの言ってる事はねえ、負け犬のセメントリズムだ!!」
保「(センチメンタリズムの事が言いたいのか?)」男は悲しげな顔で吉澤を見ている。
吉「そんなことはねえ、全て終わった後で考えればいいの!起死回生って言葉あるでしょ!
今度子供生まれるんでしょ?しっかりしなきゃ!頼むよお父さん!」
吉「ウチらが今ここでアンタを手放せばあんた一人で帰れるか?それと一緒でアンタが家族の
手をしっかり握ってる限り奥さんも子供もついて来るって!」
男「よくわからんけど・・・ありがとね。」
- 42 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)16時05分52秒
- 吉澤は自分に言い聞かせた。この人を運ぶのも自分の仕事なんだ、この男が
家族の元に一歩一歩歩いて帰るのを手助けしてやるのも自分の仕事なんだ と。
保「着いた!着いたぞー!」ハイツ ホールドオンミーはすぐ目の前である。
オートロックのインターフォン越しに男の妻を呼ぶと、すぐ降りてくるとの事だった。
吉「起きて待っててくれてたよ、いい奥さんじゃないですか。」
男はニッコリ微笑んだ。
妻が現れた。マタニティーウェアーを着た、色白で小柄な女性だ。その横には
母の袖をギュッと握る4歳くらいの男の子がいた。
- 43 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)16時12分19秒
- 妻「あなた、大丈夫?」
男「おお、悪い、ちょっと飲みすぎてな、この人たちについて来てもらったんだよ。
お巡りさん、忙しいとこすまんな。」
吉「(??急にシャキっとしたぞ?)」
保「(かっこ悪いとこ見せたくないんだろうな。)」
妻「この人ったら・・・こんな事初めてなんですよー。どうも済みませんでした。」
深々と2人にあたまを下げる妻。
保「いいえ、これも私達の仕事ですから。ささ、早くご主人を介抱してあげて下さい。」
子供「あ、おまわりさんだー。」
吉「歯磨いたか?お巡りさんだぞ〜。」
- 44 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)16時20分12秒
- 手をつないでエレベーターに乗り込む親子3人(4人)。ドアが閉まる間際に
吉澤と男は目が合い、男は軽く頭を下げ、吉澤は握りこぶしを作ってみせ、笑った。
帰り道。
吉「あの人には強く生きて欲しいですよ。なんかそう思いました。」
保「ああいう人種は結構ストレス溜め込んじゃってその捌け口も無いんだよな。
そこで慣れない酒に・・・ってやつだ。」
吉「なるほどね・・・」
保「あいつ真面目そうな顔してただろ?だから話を聞いてやったんだよ。あいつも
愚痴ってすっきりしてまた明日から頑張れると思うよ。酔っ払いの戯言も聞いてやるもんだ。」
吉「はい!」
保「帰ろう!しかし疲れたなあ・・・・」
時刻はもう午前3時を過ぎていた。
- 45 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月01日(水)16時20分59秒
- 少し長すぎました〜。
- 46 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月12日(日)18時53分55秒
- 午後7時14分、警ら中の吉澤は町が見渡せる高台にいた。辻も一緒だ。
吉「夜景綺麗だねー、でもこの町でも犯罪あるんだよねー。」
辻「そうですねー、なんか信じられないですねー。」
吉「こんな綺麗な景色の中にも犯罪犯すやついるんだよね。」
わけの分からん会話をしているそんな時、2人の受令機から
「現在徒歩によるひったくり入電中、マル被は男女のカップル。○○町3丁目先で
ひったくりを敢行し東方向に逃走・・」
辻「またひったくりですよ・・・」
吉「うん、聞いた。まただよ!!これでまた晩御飯が遅れる!」
辻「晩御飯・・そういえばまだでしたね。腹減った!」
- 47 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月12日(日)20時28分45秒
- 急用ができたので続きは今度・・
- 48 名前:吉澤巡査 投稿日:2002年05月20日(月)14時55分21秒
- 事件の詳細をメモし、2人は現場の1キロ四方を検索することにした。
吉澤の携帯が鳴った。
飯田「指令聞いた?辻も一緒でしょ?パトも出て皆動き回ってるからそっちもよろしく!
あと、徒歩だからまだそんな遠くに行ってないと思うよ!」
吉「了っ解しました!」
綺麗な夜景に別れを告げ、交番管内の北の方へ2人はゆっくりと自転車を走らせた。
吉・辻「(見つかんないんだろうな・・・・・・晩飯食べたい・・・・)」
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