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謎の人を恋する乙女

1 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)20時54分12秒

いしごま感謝祭です。
文字どおり、いしごまになる予定・・・です。
誤字脱字おおいですがよろしくお願いします。
2 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時00分47秒


「見てくださいよ、あのお嬢様。奇麗ですよねぇ〜。」

「あぁ。そうだね。」

「やっぱりお姫様は違うねぇ〜。いいなぁ・・・・。」

「そうだね。」

ちびっこいタキシードを着た少女と、大人っぽい感じでタキシードを着ている
少女。その少女は、髪を一つにとめ、帽子を被っている。

3 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時05分54秒

「なんか興味なさそう。それでいいんですか?師匠。」

「だからさぁ〜やめてくんない?そう呼ぶの。」

気だるそうに言うと大きい方の少女はため息を吐く。

「あ、もうそろそろ準備しないと。」

ステージの上を上って行く二人。

「後藤様、加護様。お待ちしていました。」

でかい方が後藤で、小さい方が加護である。
4 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時08分46秒

そう、二人はマジシャン。石川財閥のお嬢様の友達、吉澤財閥の誕生会である。
そのために呼ばれた。


「うわぁ〜おいしそう・・・。」

「あぁ、そうだね。」

「もうちょっと愛想よくできません?」

「・・・・無理。」

こういうのにはまったくもって興味ない後藤。
5 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時21分31秒

出番が終わり自由となった二人は、船内をぶらぶらしていた。

「船上パーティーうらやましい・・・。」

「そう?」

会話がかみ合わないので別れる事にした。

「〜♪」

鼻歌が聞こえ、振り返ってみる。




「・・・・。」



6 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時24分07秒


「あ・・・・。」

石川財閥のお嬢様。石川梨華。


「さっきの人ですよね。」


「・・・・・まさか。」


後藤は石川を残して走り去っていった。
7 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時32分06秒

「何がまさかなの・・・?」


疑問を抱く石川にはわからない。後藤の『まさか』の意味。
・・・・・それは


昔愛してやまない恋人の面影に、なんとなく似ていたからだった。


しかし、それがだれなのか、誰にも解らない。他人にも、後藤にも。



「まさかね・・・。」


そんな偶然が、ドラマチックな事がある訳がない。
しかし・・・・

8 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時38分05秒


「ねぇ、なんで?どうして嘘つくの?」


「・・・・は?」


華麗なスカートを靡かせて追いかけてきたようだった。


「まさかって何?」

「・・・・それだけは言えない。自分にもわからないんだから。」

「どういうこと?」

「そういう事。」

後藤はそういって今度こそフッと消えていった。
9 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時44分40秒

「かっこいい・・・。」

タキシードに帽子は普通にあわないが、それがまた良かった。





後藤は過去を語らない。昔の恋人についても。


すべてが謎に包まれている。



「私は・・・・一体何なんだ・・・・。」

10 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月17日(水)21時45分38秒

今日はここまでです。感想を待ってます。
お願いします。
11 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月17日(水)21時51分20秒
マジシャンって設定がどう活かされるのかな
期待
12 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)18時34分32秒

どう活かされるかは、わかりません。
しかし、期待してくださって本当に嬉しいです。
ありがとうございます。
13 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)18時41分28秒



「くそっ・・・。やめたやめた!そんな事考えても仕方ない。」



強靭な足腰で一気に上へ飛んだ後藤は、海を見ながら椅子に座っていた。


「似てるよ・・・・。パクリだよ・・・・。」


おおよそ自分らしくない考え方に、驚きつつ口出す。
14 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)18時51分31秒


「お父さん!今日来てたマジシャンの名前わかる?!」

「あ、ああ。どうしてだい?」

「知りたいの!教えて!」

「出た順に、加護亜衣・後藤真希、安倍なつみ・矢口真里だよ。」

「後藤・・・真希・・・・。」


石川は決して忘れないだろう。後藤の名前は、深く心に刻まれた。




15 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)20時53分12秒



「お父さん、明日もあるよねっ?!」

石川は身を乗り出して問う。

「ああ、楽しみにしていなさい。」
「うん!」

本当に楽しみだった。

また会える。そう思っただけで、何と気持ちの晴れる事か。
16 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)20時58分26秒


「師匠!もう寝ません?」
「あ、寝てていいよ。私はまだやる事あるから。」
「じゃぁ、お先にぃ・・・。」

3泊4日の船上パーティー。まだ一日目が終わったばかり。
加護は疲れ果てて眠った。


「確か、この辺に・・・・。」


バックの中からピアスを取り出す。


「これで・・・わかるかなぁ・・・・。」


それを枕元に置き、後藤も布団に入った。
17 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)21時00分35秒



「・・・・さん。後藤さん!!」


「むぅ〜・・・なぁに?」




「石川財閥のお嬢様がいらっしゃってます。」




「・・・・は?」



目を開けると、横に立っている石川。

18 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)21時04分37秒



「・・・・何のようですか?」

これといって愛想笑いもしない後藤。


「もう一回、マジックしてくれません?」


石川は見たかったのだ。後藤のマジックを、まじかで。


「師匠!お見せしましょうよ。」


「い・や・だ。」


頑固な所は子供である。
19 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)21時08分26秒


「そうですか・・・。」


誰が見ても悲しそうな石川。それを見て、一瞬後藤の表情が和らいだ。


「わかったよ。見せるから。」

後藤は二人と一緒にデッキへ出た。


「どんなんがいい?」

「どんなのでも。」

「・・・・・じゃあ、これでいっか。」

石川と、握手をする。そして、その手を放し、拳を振り下ろすと・・・・。


「うわぁ、すっごい!!」


奇麗な花が、ポンッという音とともに出てきた。


20 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)21時13分15秒


「はい、これあげるから。もう子供は寝なさい。」

「私、これでも16の早生まれよ?」

「・・・・年上?」

「そうですっ!」

「・・・見えないよ。熊のパジャマ着てる所からして。」

「師匠、お嬢様に何てこと・・・。」

「お嬢様だぁ?そんなの私の世界には関系ないの。」

「めちゃくちゃやで。師匠・・・・。」


石川は後藤に近づく。

 
21 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)21時15分43秒


「なんですか?」

「もう一個、お願いがあるんです。いいですよね。」

「別にいいけど。何?」

石川が後藤に思いっきりしがみつく。

「・・・・?!」

「おやすみなさい。」

石川は赤面して走り去った。



「・・・・・?」



謎の人に、また一つ謎が増えた。



22 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月18日(木)21時19分02秒

更新終了です。
読みにくくてゴメンナサイ。
23 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月19日(金)19時43分30秒



「なんやぁ・・・師匠、好かれとったみたいやな。」

「急に関西弁やめてくれない?」

「ええやん、なっ。」

「・・・・・(怒。」

後藤は部屋に戻ろうと、きびす返しをする。

「ええなぁ、彼女がおって。」

「彼女じゃない。勘違いしないでよ。」

後ろを向かず、平然と答える。
24 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月19日(金)19時49分48秒


「けど、あれは恋する乙女の目やって。」

「・・・・困るんだよ。私にそういう感情もたれると。」

「少し自分を変えません?」

「変えたくたって、変えられないの。」

ポーカーフェイスの後藤の顔が一瞬寂しげな顔になる。


「そうですか。」

会話はそこで途切れた。

25 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月19日(金)19時56分44秒

次の日。朝食をとりにパーティー会場へ。


「あんれぇ?昨日の二人だべ。」
「ほんとだぁ!私、あのおっきいほうの子、惚れちゃった♪」


後藤はため息を吐き、振り返る。


「もしかして、私の事?」

「そう♪カッコイイよね、あなた。」

「悪いけど、そういう感情一切持たないで。」

そういうと向き直し、加護を置いて足早に去っていった。

26 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月19日(金)20時03分06秒


「ごめんなさい。師匠、過去に深いトラウマって言うか・・・そんな感じなもの
 持ってるんです。だから、本当はあんなんじゃないと思うんですけど・・・。」

「ますます気になる・・・。矢口、絶対振り向いてもらうからね!」

「止めときなって。」

「嫌だ!あの子絶対笑ったら可愛いと思うよ。」

「そう?」

矢口は心にそう決めた。


だが、後藤は笑わない。生まれた時のある事がきっかけで、心からは決して
笑わない。彼女の前ですらも------



27 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月19日(金)20時14分28秒


「ねぇ、後で話があるんだけど?」

会場に着くと後藤は石川に呼ばれた。

「悪いけど、用があるから。」

「なんで嫌なの?」

「は?用があるって言ったの。」

「あ、ごめんなさい、聞き間違えて・・・すみません・・・。」

石川はそそくさと人込みの中に消えた。


「ふぅ〜・・・。朝食はもういいや。」


朝食をろくに摂らず、来たばっかりの道を引き返した。

28 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月19日(金)23時47分54秒
なんかおもしろそうですね
どうなってくのか楽しみにしてます
頑張ってください
29 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年04月20日(土)02時02分20秒
うーん、おもしろそうだ。
30 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月20日(土)16時04分26秒

>>28ありがとうございます。楽しみにして頂けるなんて、光栄です。
  満足して頂けるよう、頑張ります。

>>29ありがとうございます。噂のいしごま防衛軍さんですね?嬉しいです。
  これからどんどん梨華ちゃんがアタックしていきますので、期待しててください
  。
31 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月20日(土)16時14分31秒


朝食を摂らずにデッキの一番はじでたたずむ後藤。

視点を変えてみれば、いじけているようにも見える。


「なにしてるんです?皆さんとごいっしょに朝食おとりにならないんですか?」


「誰?」


「吉澤ひとみです。」


「あのさぁ、タメなら敬語じゃなくて普通に話して。
 こっちが疲れるから。」

「本当?!」

「うん。」





「いやぁ、私も嫌なんだよね、こういう喋り方。」

「あははっ、可哀相に。」



二人の会話は弾んだ。



「梨華ちゃん、ごっちんの事好きなんだって。」

後藤は黙った。

「私は、小さい頃から梨華ちゃんを見てきた。だから・・・。」

「だから?」





「梨華ちゃんの頼み、聞ける範囲で聴いてあげて欲しいの。だって梨華ちゃん・・・
 昔・・・・。」


吉澤はだまってしまった。

32 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月20日(土)16時16分54秒


普通なら、昔どうしたのか、と聴いてくるはずなのに、後藤は意味ありげな顔で
聞いてこない。吉澤は不審に思った。


「わかった。よっすぃーの頼みだもんね。でも、一切情けはかけないよ。」


33 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月20日(土)18時10分26秒


「ありがとう。」

「いいよ。けど、彼女に私を恋愛の対象として見て欲しくない。
 最後に辛いのは彼女なんだから・・・・。」


過去に嫌な思いを持つ者同士、傷をなめあうような事はしたくなかった。


「・・・・そう。」


少し残念そうに吉澤が言う。


「ごめんね。私はそういうの興味ないから。」



後藤はデッキから降り、下のパーティー準備室に向った。


「はぁ・・・お腹空いた・・・。」

空腹を訴えながら練習をするのは辛い。


「オニギリでもつくろ。」

調理場へ行って勝手に塩オニギリを作る後藤。その数5個。

「とりあえずうえいって食べるか。」

ビニールに包んで腰に下げる。

「うわ〜桃太郎じゃん。おもいっきり・・・。」

自分でやっといて良く言うな、と思いつつぱく付いていると、安部にあった。


「おおおおオニギリだベ?!ほしいべ!」

オニギリの袋に飛びつく安倍。


「やだよ。」


ひらりとかわす後藤は、左手からハトを出し、オニギリの袋を何処かへ
持っていかせた。

「あれ?ちびっこい人は?」

「ぐすん・・・あ、矢口だべか?今へやにいるさ。」

「よかったぁ。」

ほっと胸をなで下ろし、手すりに寄りかかる。

「どうして、そんなに嫌いなんだべ?」

「嫌いじゃないよ、ただそういう感情持って欲しくないわけ。そりゃぁ、
 そういうのって人それぞれだし、いいかなとも思うけど・・・・・。」

正直になれない自分が嫌なのだ。


34 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月20日(土)18時22分36秒


いや、そうではない。過去を知らない自分が、怖いのだ。
いつ、何をしでかすかわからない。それならまだいい。
又人を愛しさえすれば、その人を思い出せなくなるだろう。


そうかってに決め込んでいたのだった。


「わけありだね、ごっつぁんも。」



「は?ごっつぁん?」




「矢口が考えたんだ。けっこうなっちもいいと思う。」


ニックネームを付けられるのは、今日一日で2回目。といっても、
はじまったばかりだが・・・・。


「とにかく、こんな自分だから。プライベートではみんなと同じ土俵にすら
 たてないの。そんな人をすきになれなんて、誰も言わないよ。」






後藤はそう言って悠然と歩いていった。








「どうしてそんな・・・自分に卑屈になれるんだい・・・?」







自然体でありたい後藤の前に、Takeiteasyモット-な安倍が立ちはだかる。
自分の本当の姿を求め続けるがゆえに、後ろ向きに考えがちな後藤。
初志貫徹。そうしたいから気楽に進もうとする安倍。




似たようで似ていない二人が、思いがけない事件に遭遇するのには、
まだ何日か日があった・・・・・・・・・・・・・



35 名前:aki 投稿日:2002年04月20日(土)23時48分27秒
読んでます。
何だか船上でのみんなのキャラクターや関係がよくマッチしていて
頭に絵が浮かびます。
これから何が起きるのかかなり気になりますね。
がんばって下さい。
36 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月23日(火)16時13分03秒

akiさん、ありがとうございます。
ぶっちゃけ、ファンです!『彼女たちの立ち方』最高です!
もう感激です!レスありがとうございます! 
37 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月23日(火)16時20分26秒



昼食の時も、後藤は食べに行かなかった。今は誰とも会いたくない。
部屋でただボーッと寝ていた。


「ごっつぁん・・・・か・・・。」


そんな風に呼ばれて、吉澤や石川、矢口や安倍達とともに笑いあえたら
どれだけいいだろうか?


「でも、怖いんだよ・・・・。」


自分には過去がない。いや、本当はあるのだが、まったく覚えていないのだ。


「ごめんね、石川さん。」


そういうと眠りについた。







_______


「ここは・・・・?」

「助けてっ・・・・!誰かっ・・・・!嫌ぁっ!止めてっ!」

「この声は・・・・!」

闇の中を、一目散に駆ける。

38 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月23日(火)16時47分48秒
「いやっ、やめてよっ・・・!あっ・・・・!」

「見てみろよ、かなり可愛いぜ、こいつ。」

「こりゃあいいな・・・俺、たまってんだもんな。」

「おい!俺からだぞ!」

「・・・・やぁ・・だめえ・・・あぁ・・・ん・・」

「はははははっ!」

「・・・あ・・っんぁぁや・・あん・・」
「いやっ・・・後藤・・・助けて・・・・。」

誰?だれ?だれなの?私のすきだった声・・・・。

「〇〇ちゃん!」
「〇〇っ!?」

「見ろよ、あの子。」
「可愛いな、俺連れてくる。」
「〇〇に手を出さないで!」
「濡れてる分際でよくいうな!」

橋の上にいたもう一人の少女を、不良が連れ出す。
私の姿は、向こうからは見えないみたい。

「〇〇ちゃんになにするのっ!?」
「こういう事したんだよ、うへへ。」
「・・・あぁ・・・・・・ん」

「これだけで感じてるぜ。誰か手伝ってくれよ。」
「ふあっ・・・・や・・・止めて・・・・いやっ・・・!」

「おい、こっちの子、終わったぜ。」
「じゃあ、川に埋めとけ。こっちがいるから。」
「か、川っ?!止めてよ、〇〇ちゃん死んじゃ・・・はうっ・・。」
「オッケーっす、まことさん!」
「じゃあ、こっちの子でもっと楽しもうか。」
「〇〇ちゃん!〇〇ちゃん!ふあぅ・・・あんっ・・・・いやっ・・。」
「あんな奴ほっといて楽しもうぜぇ・・・。」
「あんな・・・・奴だと・・・・?!」

39 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月23日(火)16時51分13秒
少女は男を蹴散らし服を直して川へ飛び込んだ。

「〇〇ちゃん・・・!〇〇ちゃん!」

その子の洋服を整えおんぶして戻ってくる。

「・・・・〇〇・・・・?ごめ・・・・ん・・・・・。」
「!〇〇ちゃん?!ねぇ、〇〇ちゃん!!」

川に埋められていた子は、死んでしまった。

「〇〇ちゃん・・・〇〇を・・・置いて行かないでよぉ・・・。」
「なんだこいつ。レズかよ。はっ、それより楽しもうぜ!」
「ふざけるなよ・・・・。〇〇ちゃんを殺した奴等は・・・・
 全部・・・ぶっ殺してやる・・・!!」

そういうやいなや、華麗な柔術で5人を倒す。
残ったボスが、ナイフを向けている。

「殺してやる・・・・皆殺しにしてやる・・・・!」
「う、うわぁっ・・・!!」

6人全員が、たった一人の少女によって殺された。

飛び散る血。レイプされてた少女は、私の名を呼んだ。
これは、私の過去なの・・・?


ミナゴロシダ!


40 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月23日(火)17時03分36秒
「う・・・・うわぁっ・・・!!」

後藤は跳ね起きた。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・。」

心臓の辺りを、ギュッと掴む。

「はぁっ、はぁっ・・・夢・・・か・・・。」

右手を、誰かに握られている。

「・・・・え?」

「大丈夫ですか?」

「なんで・・・ここに・・・?」

「加護さんに部屋を変えてもらいました。」

「そう・・・なんだ・・・。」

「かなりうなされてましたよ。大丈夫で・・・っ?!」

後藤が、石川に抱き付く。

「はぁっ、はぁっ、はぁ・・・。」

人の温もりを、とにかく感じていたかった。
無残な情景を見てしまった後藤は、酷く取り乱している心を
誰かに癒して欲しかった。

「あの・・・・・?」

「・・・・ごめん。」

そう言って、体を放す。

「いえっ、そんなわけありません!」

「人間・・・ってさ・・・。」

「?」

「どうしてあんなに・・・醜いのかな・・・?」

「え?」

「どうして・・・あんなに恐ろしいんだろう・・・・?」

石川はとにかく後藤を抱きしめた。

なんとなくわかったのだ。後藤が、温もりを欲しがっている事に。
41 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月29日(月)14時01分02秒
「・・・ごめん、本当に。」

そう言って離れる。

「ううん、辛そうだから。」

「・・・用があったんでしょ?悪いけど、
 シャワー浴びてからでいい?」

「あ、うん。」

後藤は代えのTシャツを持ってシャワー室
へ向った。

「どんな夢だったのかな?すごく辛そうだった・・・・。」

部屋に入った当初、普通に寝ていた後藤だが、
急に苦しそうにして、汗を流す。手を握ってやっても、
その表情が和らぐ事はなかった。

「私が楽にする方法持ってないかな・・・?」

42 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月29日(月)14時02分16秒
そんな事を考えていると

潮風の匂いのする放たれた窓から

一羽のハトが飛んできた。

「い、いやぁぁぁぁっ!!」

慌てて外に出る。

「ど、どうしてハトがいるのよぉっ!」

「なにやってんの?」

後藤がドアを開け不審者を見る目で石川を見る。

「だ、だって・・・ハト・・・。」

「あぁ、イチイのこと?」

そう言って腕に止まらせ、撫でてやる。

「こいつさぁ、もう何年も生きてんのに、若いんだよね。」

「イチイ・・・?」

「首輪に書いてあったから。記憶のない私を、優しく
 受け止めてくれてさ。」

部屋に入るが、石川は端っこにいる。

「苦手なの?!しょうがないなぁ・・・。」

鳥かごにしまう。

「で、用って何?」

「あのですね、どうしてそんな謎にしたがるのかなって・・・。」

「したがってるんじゃなくて、そうなっちゃうの。」


ベットに腰掛けて答える。
43 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月29日(月)14時12分06秒
「まぁ、そうならなくても・・・そうしちゃうかな・・・・?」

「どうしてっ?!」

「あなたが、そういう感情を・・・・?」

『やめなさい。それ以上は言ってはいけません。』

「(だれ・・・?)」

『闇のままの過去に捕らわれてないで、新しい未来を
 考えなさい。』

「(捕らわれてなんかいない!私が好きなのは、今でも
  あの人なんだから!それなのに・・・・思い出せないなんて・・・。)」

『なら、思い出させてあげましょう。私の出来る限り・・・・
 それでも思い出せないのなら、あなたの気持ちが薄いのでしょう。』

「(そんなわけないじゃない・・・・!!)」

『ごゆっくり・・・・。』


後藤はゆっくりと目を開ける。目の前には、石川がいる。

「あれ?」

「どうしたんですか?話の途中で・・・・。」

「いや、ごめん。で、なんだっけ?」

「え〜っと・・・あっ!と、と、鳥がぁっ!!」

「え・・・?」

ゆっくり、振り返ると一人の女性が立っている。

「さっきの・・・!え〜っと・・・・。」

「久しぶりだね、後藤。」

「その声は・・・・。」

「会いたかった。ずっと・・・・ずっと・・・。」

「後藤もだよ・・・・。」

知らず知らずのうちに、自分を『後藤』と呼んでいた。
44 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年04月29日(月)14時16分02秒
はじめまして♪いしごま大好きなものです。
今日、初めて読まして貰いました。
カナーリ辛い過去をお持ちですね、ごっちん。
でも、梨華姫には幸せになって欲しいです。
45 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月29日(月)14時22分04秒
「泣かないでよ、後藤。」

「だ・・・って・・・。」

「ん?」

「こんなにも、愛しいのに、好きなのに、名前も、何もかも
 覚えてないんだもん・・・。辛いよ・・・。」

「そっか・・・でも、〇〇はずっと傍にいたよ?」

「え?」

視界が真っ暗になった。

「後藤さん、泣いてるんですか?!」

「石川・・・さん?」

目の前には、籠に入れておいたはずのイチイが自分の膝の上に
ちょこんと乗っている。

「イチイ・・・イチイ・・・どっかで聞いたような・・・?」

涙をぬぐい、ホ−ホ−鳴いているイチイをずっと見ていた。

「どうしたんですか?ねぇ、あの・・・。」

「どうしてよぉ・・・わかんないよ・・・なんでっ・・・?!」

頭を抱え込んで叫ぶ後藤をやさしくつつみこむ。

「落ち着いてください。わたしが、辛い過去なんて忘れさせてあげます・・・。」

そういって後藤の唇を奪った。

放心状態の後藤はされるがままだった。

  
46 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年04月29日(月)14時26分46秒

>>44 知ってます♪新しく読んで下さって嬉しい限りです。
  かーなーり辛いですよね・・。私だったら精神病院行きですよ・・・。
  >>45を更新してから気付きました。
47 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年04月30日(火)20時54分59秒
更新ありがとうございます♪順調に頑張って下さい。
ウチは、仕事休みです。(10連休…でもないか…謎)
急展開!?ですね。
梨華姫も悩みがありそうなのは、気のせいでしょうか?(気のせいか…)
48 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月01日(水)19時27分04秒
>>47ありがとうございます。いいですね、
  10連休。私は半分の5連休です。
  休み中はもうカントリー娘。聞いて、
  ごっつぁんの新曲聞いて・・・ですね。

  急展開!!ですが、私そういった展開書くのが
  下手なので、番外編にさせて頂きます・・・。
  申し訳ない  m(_ _)m
49 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月01日(水)19時48分34秒
__________

「可愛い・・・こうしてるとやっぱ年下だよね。」

「zzzz・・・・・。」

石川に抱かれ、疲れきって眠っている後藤を
愛しい眼差しで見ていた。

「辛かったんだね。私がずっと癒してあげる・・・。」

そう言って自分も眠った。

「あ・・・あれ?」

気がつくと、自分は真裸。

「あぁ、そっか。」

さっきの事を思い出し、納得した。

「こうして見ると、年上に見えるな。」

そう言いながらジャージに着替えて外へ出た。

「もう夕方じゃん!ヤバッ・・・リハでるの忘れた・・・。」

慌ててホールに行くが、もう終わっていた。

「あっちゃ〜、どうしようかなぁ・・・。」

潮風が頬をかすめる。

「はぁ〜なんで思い出せないんだろ。」

手すりにもたれかかり、海を見る。
50 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月01日(水)19時49分11秒


「あなたがゴトウマキさん?」

「え?あ、はい。」

「私、小川って言います。占い師なんですよ。」

「へぇ〜。私を占ってくれるの?」

「もう結果は出ています。」

「ほぇっ?!」

一枚の紙を渡された。

【あなたは近いうち試練が待っています

けれど上っていない階段を降りては行けない

そこがあなたの寝床となってしまう

見知らぬ人と会話は禁物

彼女はあなたにとって死神なのです

渡された物を食べてもいけない

それがあなたの最後の晩餐になるのだから】

「何これ・・・・。」

「気を付けてくださいね、後藤さん。」

そう言って小川は階段を上って行った。
51 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月01日(水)20時16分35秒
「近いうち・・・っていつだよ、もう。」

後藤はその紙を大事に仕舞い込んだ。

「大丈夫だっつーの。駄目って言われていくほど
 おこちゃまじゃないからさ。」

そう言ってウミネコを観察する。

「・・・嵐が来るな。船長に言うか。」

そう言って船長室へ向った。


後藤は鈍かった

ただたんにそれだけならば小川は見せないだろう

嵐は確かに来る

だが、別の意味での嵐も後藤を待っていた



「船長、嵐がきます、パーティーを中止した方が
 いいと思うのですが・・・。」

「うむ、私も思っていたよ。マジシャンだったね?
 君から社長に言ってくれないかな。」

「はぁ、わかりました。」

部屋を出、社長のいる部屋へ向った。

「失礼します。」

「おぉ、君か。何だね?」

「嵐が来るのでパーティーを中止し、部屋にいるよう
 忠告してください。お願いします。」

「どういう根拠かな?そう簡単には中止できんのだが。」

「この船は大変大きいので、影響はないとお考えでしょうけれど、
 そうではありません。皆さんの衣装や、健康、安全を守るには
 一番これがいいと思います。」

「ムム・・・そうか、わかった。良く知らせてくれた。」


52 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月01日(水)20時32分36秒
「これでよし・・・・か。」

船内をうろつく。

一階は男性の10人ずつの部屋。

二階は女性の10人ずつの部屋。

三階は関係者のツインの部屋。

四階がパーティー会場。

「広いねぇ・・・。」

自分の部屋に入ろうと思い、気がつく。

「あ・・・・。」

石川はまだ寝たままなのだろうか?

「まぁいいか。」

部屋に入ると案の定寝ていた。

「っ〜!起きてくれよ・・・。」

窓際に座って本を読んでいた。

「う〜ん・・後藤さん!起きてたんですか?!」

「かなり前からね。もうそろそろ戻った方がいいよ、
 お父さんが心配してるだろうし・・・・。」

「嫌です。」

「・・・ごめん、さっきはあんな事しちゃって。」

「謝る事ないです!私が勝手に・・・。」

「そうじゃなくて。私、あの人の事で悩んでて、
 悲しくて、それであなたを・・・・だからごめん。
 出て行ってくれるかな?」

「・・・はい。」

「ごめん、ね。」

心が痛んだ。何の罪もない彼女にあんな事をさせて、
自分はあの人を考えていたなんて。

53 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月01日(水)20時34分07秒

更新終了〜。明日から5連休、
頑張って更新できたらと思います。
54 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月02日(木)17時15分34秒
更新、お疲れ様です。^^
試練って何ですかね?
カナーリ気になる。。。
なんかもうこれ以上、ごっちんに悲劇?が起こらない事を祈るばかりです。
55 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月02日(木)18時05分48秒
>>54ありがとうございます。待ちうける試練とは!
   梨華ちゃんの過去に微妙に関係しています。
   しばらくはないですね、傷つく事は。
56 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)14時07分45秒
「あ、加護!」

ボーッとしていて加護を忘れていた。

外はもうすごい風。

雨も降ってきた。

「加護?」

3階の廊下のはしっこで蹲っている。

「なにやってんの?」

「それは師匠やろ!師匠が来なかったから・・・
 うちはずっと待ってたんやで!」

「・・・ごめん。」

「もうええ!今日で終わりやったのに。
 ショーを台無しにしたのは師匠や!」

「今日で・・・終わり・・・?」

「そうや!明日港につくんや!明後日じゃない!」

「どうして?」

「嵐がすごいからや!もう師匠なんて嫌いやっ!」

加護は走って行った。

57 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)14時12分33秒
次の日、嵐の真っ只中港に着いた。

「ふぅ・・・まだ怒ってるしなぁ。」

加護はむくれている。

「あのぅ・・・。」

「!」

石川が後ろに立っていた。

「これ、携帯の番号です。かけてくださいね。」

「いや・・でも・・・。」

「じゃあ。」

石川は紙を渡して父親の所へ行った。

「(師匠どうして断わらないんやろ。)」

「困ったな・・・外国に行くのに。」

「じゃぁ、イギリス行くんですか?」

「そ。ケメ子から連絡があったの。去年のショー
 良かったみたいでさ。」

「何日くらい?」

「2週間は行ってると思うよ。」


次の日から2人は旅立った。
58 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)14時29分17秒
石川は私立の有名な女子校に通っている。
もちろん、吉澤も。

「ねぇ、この前のパーティー楽しかったね。」

「ね。料理が美味しかったぁ・・・・。」

「本当。豪華でいいよね。」


石川は携帯を見ていた。


後藤からのメールメッセージ。

【イギリスに行くので、かけるなら外国通話にしてね。】

たったそれだけのメッセージがとても嬉しかった。

「なにニヤニヤしてるの?」

「なんでもない。」

「彼氏ぃ?」

「違うよ、・・・好きな人。」

「片思いかぁ。こんなに可愛いのに何やってるんだろ、その人。」

「カッコいいんだ。」


そう、真剣な顔がカッコ良くて、けれど何処か悲しそうな瞳をしている。
つい抱きしめてあげたくなるような彼女、後藤真希。



彼女と手を握って歩けたら、どれだけいいだろう?

59 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)18時24分03秒


昼休み。石川は屋上に友達と来ていた。

「梨華ちゃん、あの後藤って人カッコ良くなかった?」

「なんかクールで頼れるタイプって感じ♪」

「うん・・・。」

周りの友達も後藤の事を気にかけている。

「さっきのメル友教えてよ。」

「どんな人?」

石川は躊躇したが、言った。
60 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)18時27分29秒




「後藤・・・さん・・・・。」

「「ええぇぇぇっ?!」」

「そんな驚かなくても・・・。」

「だって、だって梨華ちゃんがそんな積極的な・・・うっそぉー。」

「キスした?」

「そ、そんなことできるわけないでしょう!」

「だって番号聞くぐらいなんだから、ねぇ。」

「そうだよ、声裏返ってるしね。」

「まさか、キス以上したの?!」

「してないっ!!片思いだっていったでしょ!!」

石川は怒って屋上から去って行った。
61 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)18時35分02秒


【いつぐらいに帰ってくるんですか?はやく会いたいです。】


思い切ってこのメールを送った。


「だって好きなのに変わりないもん・・・・。」


そのまま携帯を抱きしめた。


「あんた何やってるの?」

「へ、平家先生っ?!」

「人の顔見て驚かんといてぇな。」

「ごめん、なさい・・・・。」

携帯がなる。

【日本に帰るのはGWの前ぐらいだと思う。けどそっちへ行ったら
 いろんな学校を周らなきゃ行けないんだ。】

「(この学校にも来るのかな・・・・?)」

「誰や、こいつ。」

「うひゃっ!み、見ないで下さいよ!」

携帯を慌てて隠す。

「はは〜ん、彼氏やな。」

「ち、違います!!」

石川はまたもダッシュでその場を去った。

62 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)18時38分41秒


後藤帰郷が近づいたある日。


「石川先輩。今日一緒に帰っていいですか?」

「愛ちゃん。ひとみちゃんもいるけど、いい?」

「そうですか・・・相談したい事があるので出来れば二人がいいんですけど・・・。」

「わかったよ、ちょっと待ってて。」



学校帰りに高橋に呼ばれた石川は、まさかこの後とんでもない
事実を知るとは、この時まったく解らなかった。







63 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)18時46分04秒



公園によった二人は、ベンチに座った。

「石川先輩って、後藤さんと付き合ってるんですか?」

「え、どうして?」

「この前のパーティーの時、見ちゃったんです。石川先輩が、後藤さんに
 抱き付いている所を。」

「そう、なんだ・・・。」

「本当に愛してるんですか?」

「私はね。けど、後藤さんは自分にそういう感情を持たれては困るって。」

石川がため息交じりに言ったのを聞いて、高橋が聞き返す。








「もし後藤さんが、石川先輩のお兄さんを殺した犯人だったとしても?」






「・・・・・え?」



「私の兄や石川先輩の兄の集団を殺した犯人は他でもない、後藤さんなんですよ?」



「うそ・・・・でしょ・・・?そんなはずない・・・。」

「本当です。私がこの目で見たんです。河原で、柔術を使って倒して行く後藤さんを。」


一瞬にして理解しきれない石川は振るえ始めた。

64 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月05日(日)18時52分41秒


「うそよ!だって後藤さんは・・・・。」

「後藤さんはそのことがあるから嫌なんじゃないですか?」

「違うわ!過去を思い出せないだけなの!そんなはずない!」

「本当なんですよ。事実なんです。だから今度のGWに彼女を倒すんです。」


「愛ちゃん・・・・?!」


「お兄ちゃんを殺したあいつを殺してやるんです。一緒にやりましょうよ!」

「嫌よ!かりにそうだとしても協力しない!」

65 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月06日(月)00時14分58秒
明日で連休も終了。。。ハァ(´д` )
とんでもねえや!なことになってますね。
最近、高橋悪役!?な小説多いし(謎爆)
仕方ないですよね、市井ちゃんがあんな事になってたんで…。
梨華姫、君にかかっているんだ!!
66 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月06日(月)20時43分07秒

「そうですか・・・そんなにあんな奴が・・・・!!」

高橋は怒りに肩を震わせた。

「愛ちゃん?」

石川の手を払い除けた。

「石川先輩は!!あんな奴の肩を持つんですね!!」

「そうじゃな・・・。」

「ならいいです・・・そんな裏切り者・・・私が成敗
 してやる・・・・!!」

高橋は石川に睡眠薬を嗅がせた。


「後藤の奴・・・!!ぬけぬけと・・・クック、お前の大切な物
 すべて奪ってやる・・・・!!」


そう言って石川を抱え壊れかかったビルに入って行った。


後藤の帰ってくる前日のことである。
67 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月06日(月)20時43分40秒
「後藤さん、眠い・・・。」

「飛行機の中で寝ないからだよ、まったく。」

羽田に着いた二人は後藤の自宅へ向っていた。

「あ、うち一旦家帰ります。」

「あ、そう。じゃあ明日来てくれれば良いよ。
 親に心配かけちゃいけないからね。」

「はいっ!!」

誰よりも家族が愛しい後藤。

「さて、久久にゆっくりしようかな・・・・?」

家に帰りベットへダイブする。


まさか石川があんな目にあっているとは気がつかずに・・・。
「加護にあんな事いったくせに、眠いな、こりゃ。」

うとうとしていると携帯がなった。

「もしもし?」

「ごっつぁん?!」

「・・・なんであなたがしってるの?」

それどころじゃない!梨華ちゃんが・・・!!」

「え?」

「高橋って女の子に連れてかれて、変なビルにはいってっの!!」

「・・・それどこ?」

「新星株式会社の隣!!」

「すぐいくから!」



68 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月06日(月)20時50分51秒

「どうして・・・・?」

後藤は急いではしりビル跡についた。

「ごっつぁん!!」

「梨華ちゃんは?」

「地下にいるみたい。どうする?」

「どうするって・・・・。」

階段を降りようとして、はっと気付く。

『上っていない階段を降りては行けない。
 そこがあなたの寝床となるのだから。』

わたしが・・・死ぬって事・・・・?

そんなことあるわけないじゃない!!


そんな神懸かり的な事があるはずない。

大丈夫、そんなはずない・・・

落ち着けば、落ち着いて慎重に・・・・

いざとなったら柔術がある。

わたしは占いになんて頼らない!!








69 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月06日(月)21時00分23秒

「!!」

そこには女の子一人と、乱れた服を着ている石川
がいた。

「あら、あなたきのう会ったわね。今ごろ連絡なんて。」

「この光景・・・何処かで・・・。」

後藤は頭をか抱え込んでしゃがんだ。

「ごっつぁん・・・?」

「何処・・・かで・・・みた・・・。」

『いやっ!やめてっ!ふぁっ・・・!』
『〇〇ちゃん!!』
『〇〇!!来ちゃ駄目!!』
『ふぁぁっいやぁったっ』
『川に沈めとけ・・・。』

そうだ、この感覚・・・・。
愛しい、わたしの唯一の心の拠り所だったひと・・・

「市井・・・ちゃん・・・・?」

「え?」

「市井ちゃん・・・。そうだよ、市井ちゃんだよ・・・。」





70 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月06日(月)21時03分08秒
>>65ありがとうございます。そうなんですよ・・・・。
   今日で終わりです・・・・明日から地獄です。
  はぁ・・・・それは沿うとごっちん、思い出しました。
   複雑な心境ですが。
71 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月09日(木)14時04分01秒


「あなたがもっと早くくれば、わたしは・・・?!」

「貴様っ・・・!!市井ちゃんになにしたっ!?」

胸ぐらをつかみ、問いただす。

「はっ?」

「お前の所為で!市井ちゃんは・・・あんな・・・。」

「だから・・・誰よ!」

「ずっと好きだったのに!ずっと一緒にいたのに!どうしてよっ?!」

後藤は狂ったように叫んだ。
72 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月09日(木)14時09分35秒

「市井って誰よ!あなたはわたしの兄を殺したのよ!!」

「え・・・。」

「わたしの兄まことはあなたに刺されて死んだのよ!!」

――あれは自分だったのか?

「けど・・・貴方の兄がわたしの大切な人を・・・・!!」

涙が溢れてうまく喋れない。

「あんな・・・ことを・・・・。」

「その中の一人に、石川先輩のお兄ちゃんもいるのよ!」

「石川・・・さんの・・・?」

――――ならなぜ彼女はあんな格好をしているのか?
予想が付いた。多分、きっと・・・・・・・


「先輩は裏切った!!あんたの味方をしたんだよ!!」


後藤の所為・・・・・


全部


後藤が悪いの?




73 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月09日(木)15時43分29秒
後藤が悪いのか

なんだよ、そうだったのか・・・・

悪いことしちゃったな

石川さんはこんな後藤が好きなの?

まさかね

ボロボロになった私を

愛してくれるはずがない。


けれど

嬉しかった

誰かに信じてもらえるなんて

味方してくれるなんて

こんなことされても

ずっと味方してくれるなんて・・・・・

74 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月09日(木)15時58分05秒
彼女がナイフを取り出し走ってくる。

柔術を使えば、後ろにいる安倍さんにも
危険はない。でも彼女には被害が・・・

―ドクン―

『市井は後藤が大好き。』

―ドクン―

『一緒にいて安心できる。幸せを感じる事が出来る。』

―ドクン―

『だから、柔術なんて使わないで。市井の大好きな
 後藤でいて欲しい。ずっと・・・。』

わかったよ、市井ちゃん。

ズブッ!!


「きゃぁぁぁぁぁぁああああ!!!」


左腕から、鮮やかな鮮血が流れ落ちる。

「ご、ごっつぁん・・・・。」

「後藤さん・・・・。」

もういいんだ。

後藤なりの幸せを見つけたから

これが、彼女に対するせめてもの償い。

75 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月09日(木)16時14分23秒
「ごめんね、嫌だったよね。」

後藤さんが、私の方を向く。

「後藤の為に本当にごめん・・・・・。」

え・・・・?

自分の事を後藤って言った?

ううん、そんなことよりも。

どうして貴方は困ったような笑顔で

笑ってくれるの?

泣いたまま、ずっと。

微笑んでくれている

どうして・・・・?

「・・・・ありがとう。」

血だらけの左腕を無理矢理動かして私を抱きしめる。

頭を、ギュッと抱かれる。

貴方の涙が私の肩に落ちる。



76 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月09日(木)16時20分07秒
「貴方も、幸せを見つけよう?」

私が言っても、彼女は怒るだけだろう。

けどいいんだ。

同じ痛み持った者同士、分かり合いたい。

「ふざけないで!!貴方の所為で幸せは消えたのよ!!」

「っ・・・・。」

やばい。

意識が・・・・・

「だから・・・言ってるんじゃん・・・・。」

後藤はそのまま崩れ落ちた。

なにかを口に入れられた。

でも、それがもし毒薬でも・・・・

平気だよ

どうしてかって・・・・言うと・・・・



77 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月09日(木)16時21分05秒
更新終了。

ごっつぁん新曲いよいよ今日ですね。
うたばんが楽しみです。
78 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月09日(木)17時55分51秒
レス遅くなって申し訳。。。
ごっちんの新曲、とりあえず5枚買っておきました。(謎)保存用、視聴用、観賞用…etc
アフォです。一刻も早く、逝ってきます。^^;
ごっちん…そんなしんじゃイヤァ〜!!
79 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月10日(金)18時01分36秒

>>78いいえ、あやまらないで下さいよ!レスして頂いてとても嬉しいんですから!
  ご、5枚・・・・!ごっつぁんだけに5枚ですか(w
  
  510の日。更新いっきま〜す! 
80 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月10日(金)18時08分40秒



「救急車!!」

石川は叫んだ。

「嫌です。自業自得でしょう!」

「何で?!貴方のお兄さんにも、悪い所があったのかもしれないじゃない!」

「こうしてやるっ!!」

後藤を抱き起こし、頭から石油をかけた。

「いい?私と一緒に先輩が外へ出てくれなかったら、ボンよ。」


高橋は座った目で石川を見た。



81 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月10日(金)18時22分28秒
「くっ!!」

石川は仕方なしに高橋と上へ行った。

「(後藤さん・・・・。)」

石川は安倍に抱えられている後藤を見た。


―――自分が、彼女にしてあげたい。


なのに・・・・。

「ごっつぁん、しっかり!しっかり!」

「ぁ・・・・ぅ・・・・。」

バンッ!!

「・・・・え!」

隅に、炎が見える。

「嘘でしょ・・・・。」

あと20分も・・・いや、もっと早くかもしれない。
ここは燃えてなくなるだろう。

「な・・・ち・・・・逃げ・・・・て・・・・。」

「んなことできないよ!」

「へ・・いき・・・だから・・・おねが・・・いっ・・・!」

「そんなこといってもごっつぁん石油かぶってるんだよ?!」

「だから、なんだってば・・・・。」

後藤はふらふらと立ち上がり座る。





82 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月10日(金)18時28分49秒
「ごっつぁん、毒薬みたいなの飲まされてるんだよ?」

「だ・か・ら。へいきっつってん・・・・じゃん・・・。」

安倍にシッシ、とてをやる。

「お願い。早く・・・。」

「絶対、助かってよ?」

「わかって・・・る・・・・。」

安倍は外へ逃げた。


「これでやっと・・・市井ちゃんの所へ・・・いけるよ・・・。」
『駄目!』
「え・・・?」
『まだ来ちゃ駄目だって!』
「けど・・・。」
『いいから!後藤にはまだ生きるチャンスはある!!』
「もう・・体は動かないよ・・・。」
『そんなこと、言わせない!!』

後藤は気配を感じた。

市井が、背後にいる。



「どう・・・して・・・・?」












83 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月10日(金)20時38分51秒
「後藤、どうしてそう考えるの?」

「だって、もう幸せを掴んだし。」

「掴んではなすって言うの?!」

市井は後藤の肩を掴み乗り出す。

「その幸せを手放しちゃうわけっ?!」

「けど・・・この炎の中、この身体でどうやって
 逃げろって言うの?」

「私に考えがある。」

後藤は束の間の再会を喜びたかったが、
自分を市井は拒絶しているのでは、とも思え
どうしていいかわから無かった。

「ここの石油を使って爆発させるの。このビル事。」



本気で言っているのだろうか?

もしそうなら、やはり自分の事がもう嫌いなのではないか。

ならばもう、何も言う事はない。

ただ、抵抗するのみだ。殺されるものか。
今こそ、気持ちを伝えるのだ。





84 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月10日(金)20時44分21秒
・・・・あれ?

矛盾してる?

もう諦めていたはずなのに

絶対に生き延びてやるって、

今そう思った。

どうしてだろう・・・?


「いい?飛ばすよ。」


「本気で言ってるの?」

「あたり前じゃん。動かないで。」

「嫌いになったの?!」

「そんなわけないでしょう!良いから静かに!!」

「けど・・・。」

「3,2,1・・・。」


ドカッッ!!!!!!!!


「きゃあああぁぁぁぁ!!」

地下はもろとも吹っ飛んだ。










85 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月10日(金)20時53分12秒
「ど、どうして・・・。」

「約束したべ!!」

二人はぼうっと見ていた。


「後藤さん!!」

駆け寄ると、額から血を流している後藤を見つけた。

「・・・・!!」

左の手足が震えており、右頭部から血が流れている。

「急性硬膜下血撞・・・・。危険だべ!!救急車・・・・!」

忙しく安倍が応急処置をする。


「どうして・・・・?市井ちゃん・・・・。」


そう呟いて、後藤は息を荒くした。
86 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月10日(金)20時56分56秒
Mステ終わりました・・・・。
510の日にミスチルデビューとは・・・。
うらやましい。急性硬膜下血腫ですね、
漢字を間違えました。
87 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月11日(土)20時09分45秒
交信、お疲れサマです♪
緊急事態ですね…。
急性硬膜下血腫?なんですかそれは?(爆)
ウチは、医学的知識が低いもので…(泣)
昔は、医者目指してましたけど…(厨房の頃まで…w)
88 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月11日(土)20時10分17秒
「安倍さん、どうしてそんなに詳しいんですか?」

「親が医者なんだ。北海道にいる・・・。」

「それよりごっつぁんのこと。携帯を見ても、
 親らしき人物の名前が無い。兄弟も。」

安倍は電話帳を何回も見ていた。

「これ、だれかな?」

画面にはA・Mと表示されている。

「んー?家族・・かなぁ?」

「かけてみましょうよ。」

救急車の中でもう何度目になるだろう、携帯をかけた。

「・・・もしもし。」

「あ、後藤さんの友達なんですけど・・・。」

「ごっちゃんの?いないよ、そんな人たち。」

「いや、マジシャンで結構仲良いんだ。それでね、
 後藤さん、今危篤状態なんだ。・・家族の方しってる?」

「いませんよ。ごっちゃんに家族なんて。」


携帯を持つ安倍の手が震える。
89 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月11日(土)20時20分13秒
「いない・・・?」

「聞いてないんですか?ごっちゃんには家族はいません。」

安倍は石川に聞こえないように話す。

「どうして?」

「私が言って良いのかな?ごっちゃんは暗殺一家の
 娘なの。両親はすでに亡くなっていて、兄弟も
 どこにいるか・・・自分の命と引き換えに母親が
 亡くなって、ごっちゃんが仕事に出るようになって
 父親がなくなったの。」

「・・・・・・・・・。」

後藤が、暗殺一家の娘・・・・・?

そんなばかな!!

「教えてくれてありがとう、あなたは誰?」

「暗殺友達松浦。広めないでね。・・・それと」



「ごっちゃん、けっこう人気あるから。言い寄ってくるひと
 いっぱいいるの。けどごっちゃん、大切な人を失ってばかりいるから
 そういう人たちがきたら丁寧に断わってあげてくれないかな?」


「わかった。」

安倍は電話を切る。



90 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月11日(土)20時58分39秒
「家族は今はいないって。」

「施設に預けられたりとかしていたんですか?」

救急車内の人が聞く。

「はい。」

「手術をして、成功する可能性は多くありません。」

「お願いです!後藤さんを助けてください!お願いです!」

「出来る限りの事をします。落ち着いてください。」

石川は椅子に座る。

「・・・・・。」

安倍は何も言えなかった。


暗殺なんてしてきたのだろうか?

だから彼女は毒薬を飲んでも平気といったのだろうか?

石川に何と言えば良いのか?
91 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月11日(土)21時06分31秒


2時間後。手術も無事終わり、個室に移された。


「後藤さん・・・。」


石川はずっと後藤の右手を握っていた。

「・・・・・・・・。」

もちろん目は覚めず、懇々と寝ている。

「何にも無しに人を殺したりなんてしない、よね?」

「・・・・・するよ。」

ゆっくりと目を開け、答える。

「え?」

「生きてたんだ。わたし。」

「今の・・・。」

「本当だよ。今まで、ずっと・・・・。」


石川は目を見開いた。

92 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月11日(土)21時23分15秒

後藤の寝ているベットを少し起こす。


「手を放してくれるかな?」
「嫌です。」

後藤は困ったように笑う。

「ははは。。。この手を放さない・・か。」
「絶対はなしません。」

「この手で、何人の人を殺してきたと思う?」

「手・・・?」
「そう、この手でね。」

後藤は石川の手を外した。

「記憶が全部蘇ったよ・・・。わたしは・・・後藤は殺人者なんだ。」


「さ・・殺人・・・・者・・・?」

石川は振るえ出した。

「暗殺一家に生まれて・・・ずっと殺しの技術ばっか
 磨いて。そんな後藤を唯一恐れず接してくれたのが・・・。」

俯き、話を止める後藤。

「ゆっくりでいいよ。」

「接して、くれたの・・・が・・・。」

布団に染みが出来る。

ポタポタと垂れる涙。
93 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月11日(土)21時33分14秒


「市井ちゃん・・・市井紗耶香なんだ・・・。」
「その名前!」

石川は聞いた事があった。確か、あれは・・・?

「どこ行っても無愛想な後藤は、市井ちゃんにもそうだった。
 けど、他の人と違ったのは暗殺一家だって言っても
 恐れずに普通に接してくれた・・・。」

「でもね、柔術が使えるって言ったら、こう言ったんだ。」

『市井は後藤が大好き。一緒にいて安心できる。幸せを感じる事が出来る。
だから、柔術なんて使わないで。市井の大好きな後藤でいて欲しい。ずっと・・・。』




石川は思い出した。


「けど、約束を破ったんだ。」

「市井ちゃんに、変な事するから・・・つい・・体が動いて・・・
 気付いたら死体が転がっていたの・・・。」

「河に埋められて、最後に市井ちゃん、こういったんだ・・・。」


「・・・・ごめんね、って・・・・・。」

それは、孤独な後藤だから。

自分がいなくなってしまったら後藤は独りぼっちになってしまうから。
 
94 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月11日(土)21時37分28秒

>>87ありがとうございます。医者目指していたんですか!
  すごいです・・・カッケーです。
  えっと・・・私医学ないんですよ。けど友達がそういう名前を知っていて、
  事故の時などにあるから、と言っていたので・・・。

  知ったかぶりすいません。m(_)m
  それと、名前が途中からHNに戻ってます。 
95 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月12日(日)09時11分18秒

家族もいない。友達もいない。
そんな彼女を一人置いていく事は辛かっただろう。

「ごめんね、って言われてもさ・・悪いのはあっちなんだし・・・。」

「わかってたんだ・・・・いつかはこうなるって・・・・後藤が大切に想ってる人は
 いつか自分の前から消えていくってことは・・・。」

痛々しいくらいの包帯を頭に巻いている後藤。



右手で頭を支えるようにして言った。



「お願い・・・・もう来ないで・・・・・。」



96 名前:悲しい過去・家庭の事情 投稿日:2002年05月12日(日)09時25分59秒




「え・・・・?」

「貴方のお兄さんを殺した事も、私が殺人者だって事も
 全て事実。事実なんだよ・・・?」

「そんなことっ・・・・。」

石川は乗り出した。

「お願いだからもう私に関わらないで!」

後藤は顔をあげ、石川を直視していった。

「うそ・・・嘘ついてる。後藤さんは嘘付いてるっ!!
 目が泳いでるもの。絶対嫌です。ずっとそばにいま・・・っ?!」

「お願いだから・・・怖いんだよ・・・貴方を失うのが怖い・・・
 もう貴方だけは失いたくない。絶対に失いたくない・・・。」

「殺しだって・・・したくなかった・・・もう何一つ失いたくない。
 たった一つでも・・・・。」

石川に抱き付いた。

「・・・・・・。」

その間後藤はずっと石川の胸の中で泣いていた。
心なしか、自分の胸の中で泣いている後藤がいつもの大人びた不陰気
じゃなく、幼い子供が親に抱き付いている感じに思えた。

「っ・・・・!」

石川は後藤の腰に手を回し唇を奪った。

「(どうして・・・・?)」

しかし、そのながいキスは、その時間だけ後藤の心を満たしていた。

「私が、そんな不安吹き飛ばしてみせる・・・!!」

後藤を強く抱いた。

「・・・ありがとう。」

後藤は泣きながらそう答え、石川を抱きしめた。

自分が、必要とされている。

暗殺以外で。

二人はいつまでも抱き合っていた。
97 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月12日(日)10時57分38秒
うむ。なんか切ないですなあ。
二人がいつまでも抱き合っていられたらどんなに幸せだろうか。
切なすぎます。更新ドキドキしながら待っていますよ。
98 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月12日(日)14時55分45秒
交信お疲れ様です♪
全然、かっけぇ〜くないですよ。>医学部
だいちなってませんし(爆)それも淡い夢心?(謎)なような物だったんで。
うぅ〜、梨華姫…感動。。。(感涙)
優しすぎるあなたが大好きなんです。(泣)
99 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月12日(日)17時02分12秒

>>97ありがとうございます。ですよねぇ〜、幸せだと思いますよ。
  あぁ二人が幸せになれますように・・・祈りたいです。

>>98ありがとうございます。かっけーっすよ!自分はなんも夢とか無いんで。
  羨ましいですよホント。優しすぎですね〜梨華ちゃん。

来週のハロモ二ではついに梨華ちゃん告白!!綾小路文麿の「僕には解る!」
の意味がしりた〜〜〜〜い!!
 
100 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月12日(日)17時15分53秒


石川はずっと後藤の髪を撫でていた。

「・・・・・。」

後藤が、幸せそうに寝ている。

「自分で望んだ事じゃないもんね。後藤さんは優しいんだよ。」

自分の腕の中で気持ち良さそうに寝ている後藤を、石川はそっと
ベットへ戻してやった。

「本当はずっと抱き合っていたいよ。」







































































































けれど自分にはやらなきゃ行けない事がある。

高橋を救う事。

101 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月12日(日)17時19分47秒



まだ残っている、後藤の温もり。

それを手放すのに大いなる決意が必要だった。

ずっと一緒にいたい。

ずっと抱き合っていたい。

ずっと幸せでいたい。

ずっと笑いあっていたい。


そのためには、高橋を救わなければいけない。


――――行ってくるね。


後藤の唇に自分の唇を重ね、部屋を出ていった。
102 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月12日(日)17時21分35秒

>>100はぅっ!!ウトウトしていたらenterを押しっぱなしでした・・・・。
   申し訳ないです。ごめんなさい。
103 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月13日(月)00時02分58秒
交信、お疲れ様です♪
なんか切なくなってますね…。
ちゃんと高橋も救わなきゃイケナイという梨華姫。
あなた、素晴らしい人間です。
ウチがもし(if)梨華姫だったら真希姫のところにずっといます、(バカ)
104 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月13日(月)01時15分30秒
梨華たんすばらしい。更新楽しみに待っています。
105 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月16日(木)20時10分22秒

「・・・愛ちゃん・・・か。」

怒りに満ちた目。

目的を達するまで意志を曲げない目。

きっと無理だよ、あの子の怒りを静めるのは。

けど、石川さんなら・・・




きっと、できるかもしれない・・・・






眠りから覚めた後藤は、石川がいない事に悲しむ事もなく
ただ平然としていた。_____しているように見えた。


けどそれは違った。


本当にさっきのは夢の中での事じゃなかったのか?

同情しているだけではないのか?

わかっているのに疑問を抱く自分がやるせない。



106 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月16日(木)20時47分59秒
人を信じたい

人を愛したい

人と笑いたい

人と分かり合いたい


そういった思いはすべて小さい時から奪われていた。

市井ちゃんがそんなこと忘れさせてくれた。

でも、・・・・・。

別れたその日からまたつまらない日が始まった。



加護にであって少しかわったか。




ありがと、加護・・・・・・・・・



そっか、こんな身近にいるんだ、可愛い妹が。


107 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月16日(木)20時53分19秒
特にすることもなく、・・・いや、仕事があったけど。
路上で暇つぶしに手品をやっていたら、加護が来たんだ。


「あのぅ・・・手品を教えてください。」

「・・・悪いけどそういうのは・・・。」

「お願いします!自分に自信が欲しいんです!」

「・・・いいよ。」


あのときの加護の目は、昔の後藤の目に似ていた。


「師匠って呼んで良いですか?!」
「嫌だ。」
「ありがとうございます!」
「はっ?!」

調子が狂ってくるんだよね、加護といると。


そっかぁ・・・あんときは割と素直だったなぁ・・・。



108 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月16日(木)21時04分17秒

もし、愛ちゃんがもうあんなことしないっていったら・・・・・・

仲良くしたいって思う

あの毒だって、刺した事だって、許せるよ?




今までだったら怒ってたけど



後藤はまた一つ変ったんだ。



市井ちゃんに会って


加護に会って


石川さんに会って



ありがとう・・・素敵な思い出

ありがとう・・・出会ったみんな







Deine Zauberbihdenwieder,WasdieModestrenggeteilt;
(貴方の魔法は、世のしきたりが厳しく切り離したものを再び結び)

AlleMenschwerdenBruder,WodeinsanfterFlugelweilt 
(すべての人々は、貴方の優しい翼のある所で兄弟となる・・)


109 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月16日(木)21時08分39秒

>>103ミートゥー!そうですよね、普通。
    優しすぎます。そのことはごっちんも
    わかったようです。

>>104よく出来た人ですよね・・・・・。
    でも、こういう役合ってるような気がします。
   
更新が遅れていますが、大目に見てやってください。
110 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月17日(金)00時17分27秒
マターリ待ってますよ。ごっちんは一人ではないのだよ。
111 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月17日(金)18時51分17秒
どうなる事やら?
それにしてもごっちんはいっつもせつねぇ〜な。。。
112 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月20日(月)20時43分52秒


>>110そうです!一人ではないんです。僕はここにいるよ、おいで、踊ろう!(w

>>111せつないばっかですみません。もうちょっとしたら梨華ちゃんと・・・・・。

待ってくださっているごく少数の方々、もうしばらくお待ちください。
     
113 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月21日(火)15時53分21秒


「愛ちゃん?」

精神科病棟へ行った愛ちゃんはボーッとしていた。

「ごっちん、意識戻ったから。」
「そう・・・ですか・・・。」

「どうしたの?」
「夢を・・・見たんです。悲しい夢・・・・。」

石川は椅子に腰掛けた。

「どんな夢?」
「一人の女性が河原でレイプされてて、それを見つけた友達が
 助けようとしたけど自分もされて女性は河に埋められた・・・。」
「・・・そっか。」

なんて話せばよいのか解らない。

「後藤さんに初めて会ったのが何年か前・・・。お兄ちゃんと街を歩いてたんです。」



石川は黙って聞く事にした。



114 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月21日(火)15時58分38秒



「お兄ちゃん、あの人たちすごいよ!」
「ん?ほんとだな。」

路上でマジックショーをしている二人。

「すごいなぁ・・・・。」

「愛はどっちが好き?」
「右側の人!」

「じゃあサインを貰ってきてやるよ。」
「本当?」

「あぁ、だから先に帰ってろよ。」
「うん!」

帰って行くふたりの後をお兄ちゃんは追いかけた。
お友達と一緒に・・・・・。



「待ってよっかな。」

私はその広場で買った漫画を読んでいた。




「遅いな、どうしたんだろ?」


私はさっきの道をたどっていった。
115 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月21日(火)16時03分37秒



橋が見え、下に降りていけそうだった。

「あ!いたっ!」

さっきの人たちと一緒にいる。

でも様子がおかしい。

「っ・・・!!」

マジシャンはお兄ちゃんをナイフで刺し、周りのお友達も血を流して
倒れていった。

「市井ちゃん、どうしてだよぉ・・・・・!!!!」

彼女の悲しそうな叫びの意味が分からなかった。

そしてそのまま彼女は捕まらずに、喧嘩の延長として警察は発表したんだ。

一年後・・・・。

『後藤・加護最強マジシャン誕生!!』

新聞で見た時は驚いた。

よくも、抜け抜けと・・・・!!

116 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月21日(火)16時09分08秒



絶対に復讐してやる!

そう思い続けて、とうとうチャンスが来た。

友達のまこちゃんを船上パーティーから迎えに行った時、
私は見た。

石川財閥のお嬢様と話している、あいつの姿を。

憎かった。

それいじょう何も無かった。

そしてお嬢様を連れ出し、おびき寄せたんだ!
117 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月21日(火)16時13分16秒



「けど、さっきの夢を見て解りました。お兄ちゃんも悪かったんだって。」

高橋は下を見ながら行った。

「じゃあ、ごっちんと仲直りできる?」

「そ、それはだって・・・あの人刺しちゃったし・・・毒も飲ませたし・・・。」

「大丈夫、愛ちゃんがごっちんと仲良くしたければ一緒に謝りに行こう?」

「けど・・・。」

「愛ちゃん、自分の為の人生なんだよ?一回きりしかない人生を、縛られたまま
 送りたくないでしょ?」

「・・・・はい・・・。」

泣きながら石川に抱き付いた。
118 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月21日(火)16時19分05秒



後藤は寝ていた。

「後藤さん?」

「・・・・すぅ・・・すぅ・・・・。」

寝ている後藤を起こすのは辛かった。

「後藤さん!!」

「・・・・ん?」

ゆっくり後藤は目を開けた。

「愛ちゃん・・・・。」

眠そうなとろ〜んとした目で高橋を見る。
それが意識しているわけではないのだが、色っぽく見え、
高橋は赤面した。

「あの・・・ごめんなさい!」


後藤は驚いて石川を見る。


笑顔で石川が頷く。

それに後藤も答える。

「いいよ、愛ちゃん。」

高橋は顔をあげた。

ニコニコした後藤がこっちを見ている。
どうしてもはずかしくて直視できない。


「後藤さん、一緒に住みません?」



「・・・・はっ?!」


いきなりすぎる質問に、後藤は石川を変な目で見た。

119 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月22日(水)20時44分01秒



「あ、いや、そのそうすれば退院してからも看病できるし、なにかあったら
 わたし・・・・。」

「・・・・急には・・・・」

後藤は考え込んだ。

「あの、わたし失礼します。」

「え?」

高橋は後藤に対してなんとも言えない気持ちを抱いたまま出ていった。


「身の回りの事は・・・加護がしてくれるから・・・・。」


後藤は解っていた。自分がどれだけ酷い事を言っているのか。

120 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月22日(水)20時49分12秒


でも、それでも

これ以上彼女と距離を縮めてはいけない

本能的にそう感じた

でも近づきたい

もっともっと彼女と一緒にいたい・・・

もっと距離を縮めたい・・・

ずっと一緒にいたいんだ!



もう、無理だ


自分の気持ちに嘘を付くなんて



出来ないよ



「でも・・・・・いいよ・・・・。」



121 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月22日(水)20時52分46秒


次の更新から梨華ちゃんとごっちん同居生活です♪
今日はお終いです。
122 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月23日(木)00時11分39秒
うおーすげー楽しみです。
123 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月23日(木)02時01分07秒
石油はガソリンと違って引火点が高いからそう簡単に火は付きませんよ。

参考(引火点) 石油    40℃〜70℃
        ガソリン  -40℃以下
124 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年05月23日(木)15時50分07秒
同居ですか〜ぁ?ウチもそんなのもう数年してないな(爆)
楽しみですな♪
125 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)18時34分57秒

>>122同居生活。はたしてごっちんは・・・・。

>>123そうなんですか!ありがとうございます!一つ賢くなりましたよ!!

>>124梨華ちゃんに対してごっちんはどう接するのか・・・。
   お楽しみに♪
 
126 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)19時06分44秒



「こ、ここですか?!」

高層マンションの一つ。

「そうだよ。」

あれから1ヶ月。無事退院した後藤は石川に支えられて自宅へ帰ってきていた。

「何階ですか?」

「15。」

「一番上ですか?!」

「そうだよ、屋上付き。」

後藤はフラフラ部屋へ歩いていく。
127 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)19時17分15秒


「ごめん、ちょっと寝てるから。荷物とかは明日で良い?」

「あ、はい。」

モノクロな感じの部屋。

ベッドに入り後藤はすぐに眠りに就いた。

ノートパソコン、テレビ、MDコンポ、すべてが最新型である。

「お金持ちなのかな?」

ふと、後藤の様子を見に行く。




「・・・・・あ。」





机の上の写真。ショートカットの後藤が、ボーイッシュな感じの
女性と笑顔で写っている写真。


「楽しそう・・・・。」


今だかつて自分には見せてくれない。
128 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)19時23分23秒



ピンポーン。

「あ、はい。」
「加護です。」

加護は二人が同居する事を知っていた。

「後藤さんは?」
「今寝ちゃった。」


「寝た?!」

「はい、なにか?」

「あの後藤さんが人前でグッスリ・・・・?!戸締まりを任せて?!」

「??」

加護は驚き後藤の部屋に入った。

「後藤さん、加護ちゃんがきましたよ。」


「・・・・すぅ・・・・すぅ・・・・。」


とても気持ち良さそうに寝ている為、二人は部屋を出ていった。



129 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)20時48分29秒



「師匠を大切にしてあげてや。」

「・・・?」

「師匠な、うちが始めて家に来た時、こういったんや。」

『加護、後藤が寝てる時近づかないでね。』

「どうして?」
「寝込みを襲われるから、気配が近づいてくると攻撃する癖が残ってるって。」
「でも私は?」

「信頼してるんやと思う。ものすごく、安心して。」

「・・・・・。」

石川は嬉しかった。

130 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)20時52分25秒



後藤に信頼されている。認められている。

「せやから、ずっと一緒にいてあげてや。」
「わかってるよ、そのつもりだから。」

「でもな、加護はまだ・・・無理やねん。今でも・・・・。」
「まさか・・・・?」
「試してみる?」

二人は後藤の寝室へ向った。

131 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)20時57分53秒



かわらずすやすやと寝続けている後藤。
近づいても起きそうにない。

「!」

ガバッ!

「後藤さんっ!!」

鋭い目付きで加護を睨み付け、チョップを喉元に付きつけようとしている。

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・。加護・・・?ごめん・・・。」

ベッドに座り息を整える。


石川は震えている。

物凄い形相で加護を睨み付ける後藤の眼差しが怖かった。

「はぁ、はぁ・・・くそっ・・・。」

後藤はその場を出て行った。
132 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)21時02分05秒



「なんでやろう・・・?」

後藤は始めてあった時、すごく驚いたような顔をした。
その時も大きく目を見開いたが、先ほどの比ではなかった。

初めて会って、後藤を起こしに行って・・・


起こしに行って???





「あのときはどうして攻撃しなかったの?!」

「え?」

そうだ、あの時はまだ会話をさほどしていない。
133 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)21時03分52秒


「・・・・・まさか。」


「・・・・それだけは言えない。自分にもわからないんだから。」


134 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)21時07分05秒


そう、あれは


後藤が自分を市井と重ねて思えたのではないか?


後藤は市井を好いている。


攻撃をするはずがない。


自分が、市井の面影と似ている・・・?



「後藤さん!」


確かめたい。彼女は本当に自分が好きなのか。

自分の影から見え隠れする市井の面影が好きなのか。



・・・・どうなの、後藤さん・・・・!!

135 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月23日(木)21時11分55秒


リビングのソファアでたたずんでいる後藤を見つけた。

「後藤さん・・・・?」

「・・・・・・。」

後藤は返事をしなかった。

「後藤さん?」

「梨華・・・ちゃん?」

涙声の後藤。それに気付き石川は慌てて走りよる。

「後藤は、一生殺人者のままなの・・・・?変る事が出来ないの・・・・?」

「後藤さん?」

右手で石川を抱き寄せ、石川の胸の中で泣く。

136 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月24日(金)00時41分24秒
ああ切ないです。あいぼんも複雑な気持ちだろうな。
本当の幸せがくることを願っています。
137 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月24日(金)17時53分05秒

>>136幸せなシーン書きたいです!(w加護も複雑な心境でしょうね、長年
   ペアを組んでいるのに・・・。本当の幸せはもうちょっとさき・・・かな?
138 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月24日(金)18時00分21秒



石川の胸元辺りのYシャツをぐっと掴み、流れる涙を拭きもせず流し続ける

「後藤さん・・・わたしがいます、そんなこと忘れさせますよ。ずっと一緒に
 いますから・・・・。」

「う、嘘だよ!ずっと一緒だなんて!」

後藤は体を離し距離を置きながら言った。

「母さんは後藤が生まれて直ぐ、父さんはその何年か後、市井ちゃんもいなくなっちゃった
 幸せなんてすぐ消えちゃうんだよ!!別れるのが辛いから後藤はずっと人と
 距離を置いてきた!梨華ちゃんとだって・・・・けど・・・だけど・・・・。」

「ならやっぱり後藤さんは私を市井さんだと思って接してくれてるんですか?!
 最初から私自身の事なんて好きじゃなかったんですか?!」

「・・・・・!」



後藤は俯いた



「それは・・・・違う・・・。」

「ならどうして?!」

「いったでしょ?!貴方だけはもう失いたくないの!だから後藤の傍に・・・・。」

言葉が出てこない。

この前は言えたはずの言葉。

『後藤の傍にいないで。』

もう今は言えない

どうしても、言えない。
139 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月25日(土)19時54分51秒

「っ・・・・?!」

「もうそんな事言わせません。絶対。」

後藤を強く抱きしめて唇を自分のそれで塞ぐ。

「・・・・りっ・・・・・・。」

一言も喋れない。

何分経っても離れない、石川の唇。


「り・・・っち・・・・。」


必死にもがくが、涙しか出てこない。



自分は愛されている。

こんなにも愛されている。

人を信じようと思った。

彼女を信じようと思った。


後藤は静かに目を閉じた。

140 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月25日(土)20時02分03秒




石川はそっと目を開け、唇を離した。

「もう言わない?」

「言わないよ。梨華ちゃんが傍にいてくれるから・・・・・。」


石川はいまさらながら赤面した。


「・・・・加護?」


後藤は後ろを向いた。


「あのっ、学校周りのショーは延期になって、いつにしようかと・・・・。」

「あぁ、そっか。ちょっと考えさせて。」

後藤は加護に近寄り、優しく前から包み込んでやった。

「師匠?」

「・・・・・ごめんね・・・。」

加護は首を振る。

「いいんです、師匠と一緒にいれたら加護はそれで・・・・。」

「・・・・一緒にいれたらじゃないでしょ?一緒に幸せになれたらでしょ?」




「はいっ!!」



後藤は生まれて始めて心の底から笑えたような気がする。


かの市井にも見せる事の出来なかった、最高の笑顔を−―――


141 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月26日(日)10時26分26秒



チチチチチチ・・・・

次の日の朝。

石川は目を覚ました。

「・・・・あ。」

隣で後藤が寝ている。

「ホント起きてる時と違うなぁ〜・・・・。」

昨日は後藤の部屋で寝かせてもらった。
142 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月26日(日)10時30分59秒



キッチンに向い、朝食を作る。

「今日は・・・・和食でいっか♪」

30分ほどして料理が出来た。



でも後藤は起きてこない。




「まだ寝てるのかな?」



寝室に行ってみる。


「あちゃ〜、まだ寝てる・・・・・。」



ずーっと寝ていたらしい。

143 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月26日(日)10時43分42秒



「ねぇ、後藤さん?」

「んー・・・・。」

ゆっくり目を開け石川を見る。


「あ、おはよう・・・・。」


「朝食が出来ました。」


「はははっ、夫婦みたいだね。」

後藤はジャージにTシャツを着てリビングに向った。

「すっごいね・・・・。」

和風の食事がずらりと並んでいる。

「「いただきま〜す。」」

後藤は普通に食べ始める。

「石川さん、今日どうする?」

「え?」

「いや、だから・・・。」

「昨日は呼んでくれたのに・・・・。」

「え?」

「昨日は梨華ちゃんって呼んでくれたじゃない!」



「・・・・あ。」



あの時は無意識だった。
144 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月29日(水)03時33分35秒
ああごっちん痛恨のミスだよ。
145 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月03日(月)23時20分15秒
続き、待っとるけんのう……
146 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月04日(火)17時21分23秒

>>144ミスです。痛いミスを…後藤さん必死に誤魔化します。

>>145待っていてもらえて嬉しいです。先のストーリーが思い付かなくて。
   頑張ります!!

147 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月04日(火)18時20分09秒



「いや、その。今ちょっと寝ぼけてて、それで・・・。」

「ふ〜ん・・・ほんとにぃ?」
「本当だよ。で、今日荷物あそこの部屋に入れてね。」

指差されたのは、後藤の部屋の図上でいう下。

「こういうの、新婚生活みたいで楽しいね。」
「うん。」


なんとか会話を戻した後藤は、味噌汁を置いた。


「どうしたの?」
「ん、なんでもない。」


いま、一瞬ぞくっとした。


誰かに見張られている。

そんな感じだ。
148 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月04日(火)18時22分30秒



今の殺気。

覚えている。お願いだから、もう止めて。

後藤は梨華ちゃんと一緒に楽しい生活を送るんだから。






お願い・・・・



亜弥ちゃん・・・



149 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月04日(火)18時26分13秒



「後藤さん?」
「ん、まだ病み上がりだから。」
「今日は寝ててくださいね、私家に行って荷物はこびますから・・・。」
「・・・・!後藤も行くよ。」

ほうっておけない。

幸せな時間を、引き裂こうとしている奴等に、梨華ちゃんを渡しはしない。

「じゃぁ、お買い物にも行きません?」
「ん、そだね。」


朝食のかたずけをして、後藤はTシャツの上に軽く服を羽織り、
靴を履いた。

「じゃ、いきましょ♪」

可愛いなぁ。
本当に、嬉しそうで純粋。



150 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月04日(火)18時29分45秒



「あ、あれ可愛い♪」
「ははは、クマ?」
「なんかすっごく目が輝いてる。」
「梨華ちゃんもそうだよ。」

「?っ・・・!」

振り返った瞬間、その刹那に、触れるだけのキスをした。

「本当。恋する乙女って感じの瞳だよ。」
「・・・・(照。」

後藤は笑った。

151 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月04日(火)19時52分27秒



後藤は絶えず笑った。
石川とずっと笑っていた。

こんな風にして、誰かと笑い合っていれるなんて、幸せだった。

こんな風にして、大好きな人と自由な生活が送れる事に幸せを感じた。


「ねぇ、梨華ちゃん?」
「ん?なぁに、後藤さん。」
「ごっちんって呼んでよ。」
「え?」

石川が遠慮していたこと。
ニックネームで呼ぶ、という事。

「いいの?」
「うん、だってタメ語でさんずけおかしいよ、あはっ。」

石川も幸せだった。

自分に対して、笑顔を振り撒いてくれる。

自分は幸せだよ、と十分伝わってくる笑顔。



二人は今、この街の商店街で。




幸せを手にした。




152 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年06月05日(水)23時54分07秒
この幸せ崩さないでくれーーー。あやや頼むーーー!!
153 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年06月06日(木)16時44分32秒
カナーリ久しぶりです。スイマセン、仕事モードだったもので…(^^;
あやや悪役で東条英機(謎)ですか?(爆)
私はいしごまの幸せを願って乾杯BABYです。(意味不明)
♪幸せですか?みたいに切ない感じにならないで…(謎すぎ)
154 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月13日(木)16時58分21秒
ごっつぁん、本当に謎の人だ(w
先が気になる‥‥
155 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月15日(土)21時07分20秒

>>152松浦は一体何しに来たのでしょうか。…幸せを壊すため…だけですかねぇ?
   う〜ん…まだ考えてないです、実は。(w
>>153いやぁ、久しぶりですね。そういえば梨華ちゃん文麿と結ばれました。
   あ、セクシー8の曲ですね…。というかまるで巨人みたいですよね、
   あのメンツは。
>>154はい、謎です!!ごっちんってなに考えてるか分かり難かったり
   するんですよね。よっすぃーがウラヤマシ。

 
156 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月15日(土)21時11分43秒

すみません、更新はまだできないっす。
今猛烈に悩んでるんですよね、これ以上悲しい路線に行くか、
行かないか。………どうしよう・・・・・。
157 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月22日(土)21時06分56秒


「……!」

商店街を出たところで、少女が立っていた。

「ごっちゃんはあとはあと
「…なに?」
「約束破るの?あやや怒るよ。」

石川はぎゅっと後藤の腕を掴んだ。

「ごめん…。」
「そんなんないよ…言ったじゃん、幸せになる奴は大キライだって。」
「……。」

「覚悟は出来てるよね?」
「え、え?ごっちん??」
「本気、亜弥ちゃん。」

「本気よ。」

後藤は松浦に近づいた。

「じゃあなんで泣いてるの?」
「泣いてなんかない!!」

後藤は松浦の涙を拭ってやった。

158 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年06月22日(土)21時10分07秒


「亜弥ちゃん、幸せって何だと思う?」
「なっ…話を逸らさないで!!」
「待ってたらずっと幸せになんかなれないよ。」


…後藤が学んだ事。



それは、幸せってなにか。




159 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年06月23日(日)17時05分23秒
この後が気になる。更新楽しみに待っていますよほ。
160 名前:梨華っちは文麿の応援団 投稿日:2002年06月28日(金)14時53分26秒
オヒサです。スンマソンず〜と姿消してて…(汗)
遂にあややキタ――――(゚∀゚)―――――!!!!
展開楽しみ待ってます。
とりあえず、ハッピ〜エンド目指して!!です。^^
161 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年07月18日(木)20時01分48秒

>>159はい。遅くなってすみません。

>>160謝る事ないですよ。見て頂けるだけで幸せです!はい、いざ進め!ですね!
162 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年07月18日(木)20時21分32秒

晩飯食べてから更新します。
ごめんなさい。
163 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年07月18日(木)20時43分43秒


「じゃあさ、もしあたしが…梨華ちゃんと上手くいかなかったり、
 喧嘩したり…。そうすれば…。」



「貴方はそれで、幸せですか?」



164 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年07月18日(木)20時46分59秒

「え?」
「そうよ。ごっちんとあたしが仮にここで別れたら…。幸せ?」
「・・・・もちろん!」
「素直じゃないね。」

ダン!

「ごっちゃんには言われたくない!」
「けじめは付ける。」
「本当に?」
「あぁ。」

165 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年07月18日(木)20時52分05秒

「じゃあ、あそこの公園行きましょ。貴方は来ないで。」
「なっ…。」
「大丈夫だよ。」

きっと大丈夫。

後藤と亜弥ちゃんは公園へいった。

166 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年07月18日(木)20時58分43秒

「じゃぁ…覚悟出来てる?」
「うん。」
「目…閉じて。」

何するのかな…?

「っ・・・・・・・!!」

ボキッ!

ボキボキ…

「ぐわぁっ!」

両手足の間接を無理矢理引っ張ったりグニャグニャしている。




「バイバイ…ごっちゃん…。」
「あ…ぐ…う…。」

痛さのあまり声が出ない。
梨華ちゃんがしばらくして駆けてくる。

「ごっちん!」
「へ、へーき、だよ。」
「だって…。」
「へ、き…だ、から。」
「ねぇ!本当に平気なの?」
「や、すめば…よく、な、る・・・・。」

ごめんね、梨華ちゃん。



これで・・・・



これで最後だから






167 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年07月18日(木)20時59分51秒

更新終了♪
感想まってます。
168 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月20日(火)02時13分53秒
( ´ Д `)( ^▽^)<いしごま発見
りかちゃんの側で眠るごっちんに萌え。
更新待ってますよ〜。
169 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年09月09日(月)02時04分04秒
なっ!!いったいどうなるんや!!あややーなんでや!!

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