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平穏な日々と幸せ者のうつつ 2
- 1 名前:さやりん 投稿日:2002年04月18日(木)07時02分21秒
- 青で書いていました。んで、ここで続き書かせていただきます。
結局青では「序章」のまま1スレ終らせてしまいました(w
いい加減話進めたいと思いますんでよろしくです♪
- 2 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月18日(木)07時02分56秒
- 本章1
月曜日。けたたましい携帯のアラームの音に気づく。え?今何時??
「だぁ〜8時じゃん!!」
平日は仕事に行く為に7時半にはアパートを出なくちゃ行けない。寝過ごした時の為に携帯のアラームもセットしているんだけどこれは彼女の携帯。つまり彼女の通勤用の時間。私の携帯と目覚まし時計は?
「おはよう…ふぁ〜眠ぅ…」
「ねぇ!私の目覚ましと携帯知らない?」
「あ、ごめん。私止めちゃったかも…」
「ごめんじゃないでしょ〜!やばっ!遅刻だぁ〜」
大急ぎでスーツに着替える。歯を磨きつつ髪形整え出発準備完了!ナチュラルメイクが身上の私だからスッピンでもOKとしよう(w
時間は?どぁあ!もう8時20分!!遅刻決定じゃん。部長に電話しなきゃ…
「とりあえず仕事行ってくるね」
「いってらっしゃぁい。私みたいにフレッツの会社にすれば良いのにねぇ」
そんなこといってもしょうがないじゃん… とにかく急がなきゃ!!
キシュン、ガッボボッボボッ…
「暖気しないでゴメンネ」
エンジンをかけて20秒ほどのアイドリングでするすると発進させそれ以降もあまり回転数を上げないようにしてゆっくりと走り始める。
- 3 名前:さやりん 投稿日:2002年04月18日(木)07時03分32秒
- 『そうか、体調不良とは大変だろうけど今日は忙しいから頼むよ』
「はい…はい…どうもすみません…」
通勤途中の車の中から部長へ電話。週初めで忙しいのはわかっているけど…
昨日は結局アパートに着いたのが午前0時頃。だったと思う…
前日もほとんど寝ていなかったし、なにより疲れた。けどすごい楽しかった。
正直仕事なんかしたくない。疲れているから?それもあるかもしれないけど多分違う。違うなにか…
「おはようございます!遅くなりました」
結局会社に着いたのは9時ちょっと前。タイムカードを押して事務所に入り挨拶をしたものの2,3人がこちらをチラッと見ただけで他は相変わらずPC画面とにらめっこしたままだ。まぁいつものことだし。
このままこの会社にずっと働くのかな?それでいいのかな?給料もそこそこ良いし、時間もきっちりしている。
帰りがけ、中澤さんに言われたことが頭をよぎる。
「楽しまなあかんやろ。人生なんて一度きりやで!本当にやりたい事があるんならガマンするなや」
- 4 名前:さやりん 投稿日:2002年04月18日(木)07時05分04秒
- 以上、本日はここまで(すくなっ!)
こんな時間に更新で2に名前入れ忘れていたりしますけど…
- 5 名前:夜叉 投稿日:2002年04月18日(木)17時41分43秒
- をっ!!新スレですね。おめでとうございます。
続き、気になってたんですよ。誰になったのかな…。
期待してますんで、がんがって下さい。
- 6 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月24日(水)16時44分19秒
- 3日後。水曜日のお昼休み。課長に嫌味を言われる(泣
確かに週末から惰性のようにだらだらと生活しているかもしれない。けどさぁ「やる気ないなら辞めちまえ!」なんて言う事ないじゃん。
かなりブルー。めっちゃブルー。はぁ…
って時に電話がかかってきた。
「もしもーし」
『あ、もしもし。よし君?市井だけど』
「あぁ!市井さん。週末はお疲れ様でしたぁ」
『こちらこそって感じで!ご注文のレカロ用のレール、入荷したみたいだけど』
「はやいっすねぇ!じゃあ今日取り行きます」
『ほいほい。お待ちしていますよ。』
市井さんの電話のおかげでなんだかちょっとだけ復活。
んで、午後の仕事はめっちゃ気合入れて終わらせる。えぇそりゃぁもうめっちゃ頑張って、気合と根性で残業にならないようにちゃちゃ〜っと!
・・・終わればいいんだけどねぇ。無理そうね。えぇい、奥の手だ!
「すみません。今日も体調悪くて…」
で、早退(w
- 7 名前:さやりん 投稿日:2002年04月24日(水)16時45分44秒
- ホントに仕事やる気ないのよねー。社会人としてこれじゃダメだ!ったわかっているんだけど、ね。
そんな私の気持ちとは裏腹に今日もタイプM君は快調そのもの♪らぶり〜までの峠道もなんの気なしにヒュンヒュンいいながら加速するする!
お、この先は私が初めて事故ったコーナーだ・・・ ここだけはゆぅ〜っくりと気を付けて進入っと。
ヒュンっ
ん、ナニナニ?今の音は!?ありゃ、前に原チャリなんか走っていたっけ?もしかしてあれが私の事抜いたの?『後から後からスースー来るよ』って感じに原チャに抜かれたの(鬱
見た感じ学校帰りの女子高生かな?あんなのに抜かれたって私そんなに遅いの・・・
にしても原チャリでフルフェイスのメット被っている女子高生なんて珍しいな。
げ、すげー!生足なのに膝出してそのままコーナー突っ込んでるじゃん。って、減速しないでコーナー突っ込んじゃ危ないよぉ!!
をぉ、そのまま何事もなかったように抜けていったよ。
続く次のコーナーもそのままの勢いで抜けていくし・・・ 制服姿で、しかも見た目ふつーのレトロチックの原チャリであんな走りするなんて信じられないツワモノって感じ
んん〜?あのヘルメットはもしや!?
- 8 名前:さやりん 投稿日:2002年04月24日(水)16時46分28秒
ふぃ〜、やっとらぶり〜に到着。会社から約2時間か。
「いらっしゃ・・・あぁ!よし君!!どうしたの?」
「市井さんからレール入ったって連絡来たんで会社サボっちゃいました」
「こぉら!(w まぁいいわ。ちょっと待っていて」
飯田さん今日も事務職なんだ。なにやっていたんだろう?ちょこっと覗いちゃえ!
『退 職 願』
・・・誰か辞めるんだ。見なきゃ良かったかな?
「何やっているんれすかぁ」
「どぉあ!あ、ののちゃんか・・・びっくりさせないでよぉ」
「人のものを勝手に覗き見する人に言われたくないのれす」
「うっ、ごめん・・・ あ、そのメット」
「いいれしょ〜!レースの時のとは色違いなんれすよ」
いかにも制服って紺ブレ姿でののちゃんが小脇に抱えているメットは、さっき私を抜いていった原チャのライダーが被っていたやつ。やっぱののちゃんだったんだ。
「さっきさぁ裏山で私のこと抜かしたでしょ」
「ほえ?わかんねーのれす」
「はは。そうだよねぇ。えらい勢いだったから」
「そんな飛ばしてないれすよ。学校帰りは安全運転なんれすから」
あれで安全ねぇ・・・
- 9 名前:さやりん 投稿日:2002年04月24日(水)16時47分12秒
「いらっしゃ〜い!会社サボっちゃダメだよ〜。これご注文の品ね」
「市井さん!どうもっす!!」
ブリンプ純正のシートレール&ベースフレーム入りの箱を持って市井さんが来てくれた。
「あ、この後暇している?」
「えぇ、会社サボっちゃったんで時間はありますよ」
「良かったらさ、一緒にご飯でも食べてそれから走り行かない?」
「マジっすか!行きます、行きます!!」
「おーけー。じゃ小一時間ほどののと遊んでいて」
市井さんから走りのお誘いなんて初めてだしぃ。めっちゃ楽しみだなぁ〜。
隣に乗せてもらった事は何回かあるからわかるけど市井さんの走りってめっちゃかっけーし速いしなぁ。
市井さん仕事終わるまで大人しくワクワクドキドキ待っていよっと。
「さてののちゃん。何して遊ぶ?」
「あのぉ、もしかしてよしおの車ってあのスカイラインれすか?」
「そうだけど」
「どこで抜いたかわかりやした。あのコーナーはあそこまで右に寄らなくても大丈夫れすよ。左がら空きだから抜かし易かったれすけどあんなコーナーリングじゃ車が可哀想れす」
・・・コロス
- 10 名前:さやりん 投稿日:2002年04月24日(水)16時56分32秒
- またR32スカイラインが欲しい今日この頃。でもZ32も手放したくないし・・・で悩める日々を送っています。
といっても当然買い替えるお金なんてないんですけどね。
>>5 ありがとうございます〜
結局続きは吉メインって事で。理由は・・・気分です、気分(w
以前リクされた車、どのシーンで出そうか現在考案中ですのでお楽しみに!?
- 11 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月27日(土)02時50分44秒
- 原チャリライダー厳しいな(w
- 12 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月27日(土)04時01分43秒
- 原チャに抜かれるよっすぃって一体(w
次はお山でGo!ですか?楽しみ〜
- 13 名前:夜叉 投稿日:2002年04月30日(火)19時13分04秒
- 吉メインですか、楽しみにしてますよほ。。
つか、吉のセンスって…(^^;;。これからの飛躍に期待(爆)。
例の車ですか?ほんまに使ってもらえるとは…。楽しみに待ってます。
- 14 名前:さやりん 投稿日:2002年05月04日(土)01時43分39秒
- もう日もとっぷりと暮れちゃって遠くから蛙の合唱も聞こえてきた頃、市井さんが私服で戻ってきた。
「ごめん。おまた!早速行きますか」
「はい。どこ行きます?」
「う〜ん。今日は走りこみしたいんだよなぁ。マックでいい?」
「全然OKっすよ?」
という事で夜食はマックで済ませることになった。途中、国道沿いのマックでドライブスルーして私と市井さんは車を黙々と走らせた。方向的にはいつもの山とは違うみたい…
国道から側道へと入り辺りに建物もどんどんと減ってきていつしか山道へ。と思ったら獣道のようなところの前で市井さんのZはハザートをたいて止まった。
「今からここの奥入っていくけど超狭いから気をつけて。」
「えぇ、ここっすかぁ!?」
急勾配の細い道、アスファルトは何度も補修を繰り返しているらしくでこぼこ。まさかこんなところ攻めるの!?
「じゃ、行くね」
ゆっくりとした動作で道の勾配へ斜めに進入して市井さんは奥へと消えていていった。ついていくっきゃない!!
- 15 名前:さやりん 投稿日:2002年05月04日(土)01時44分22秒
- 道は本当に狭くて、生い茂った雑草がさらに道を狭く感じさせていた。所々道も崩落していて、すごい段差となっているところもあった。
突然雑草が消え、視界があけた。
道の両脇にあった雑草は消え、目の前には広々とした道、そして綺麗に造成された敷地が。道はさっきまでに比べれば綺麗なアスファルトの舗装で延々と続いていた。
まるで建物のないビバリーヒルズ(行った事ないけど)のような雰囲気のここは一体?
程なく進むと現役引退したらしいトラックが2台並ぶ平地の前で市井さんは停車した。
「お疲れ!今日のステージはここ」
「はぁ、ここって何すか?」
「ここはバブル期に計画されていた別荘地なんだって。道も土地も整備して入居者募集している時にバブルがはじけて不動産が倒産しちゃってそのままになっちゃったんだって。今いるここはブロック状に区切られているけど、奥のほうはアップダウンもあって面白いよ!」
すげー。こんなところあったんだ。
なんだか奥行きもありそうだし面白そう!
「んじゃ夜マックしたら私の助手席乗ってコース下見でもする?」
「はいっ!是非是非♪」
- 16 名前:さやりん 投稿日:2002年05月04日(土)01時45分07秒
- マックをチャチャっと食べてZの助手席へ。ステアリング以外フルノーマルで、そしてオートマのシフトノブが生えたZのコンバーチブル。
”走り屋”って感じじゃないんだよな。うぅ〜ん、違和感(w
「んじゃ行くから」
ゆっくりとした動作で道路へと出て、ブロック上に区切られた区間はすぐに消え、直線だった道路は緩やかな右カーブへと変わった。
「ここ曲がると若干細くなるけどそんな気ぃ使うほどでもないから」
右カーブからは軽いのぼり。そこから道は言われたとおり幾分狭く、いくつかのコーナーを抜けると、さっきのところよりは小規模ながらブロック状に区切られた区間が。
「ここは突き当りを左にね」
サイド引きで横を向き、そのままの体制でコーナーへと侵入!突き当たりのT字路と思われる90度コーナーを抜けると今度は急勾配の下り。
「ここは下りながら左に曲がっているけどすぐ右コーナー来るから」
言われたとおり、下りながらの左コーナーがいきなり右へと変わった。その右コーナーはRもキツくてそこからまた連続した細かいコーナー。ここは道幅も狭くコーナーも連続していた。
「ここすぎるとさっきの入り口に戻って一周ってわけ。はい、お疲れ〜」
- 17 名前:さやりん 投稿日:2002年05月04日(土)01時45分53秒
- 傾斜が無くなると一番最初についたブロック上に区切られた区間に出たらしく一番大きそうな道を左に曲がると私の車と、そして白いEG6シビックが見えた。あれは…
「おー市井!っと…なんや、やっぱよしおやったんか」
「平家さん!なんやはないでしょ〜!それよりシビックで走っていないんじゃ?」
「今日は特別や。なぁ市井」
「そうだね。どう調子は?」
「もうばっちりや!さすが圭坊や。僅か半日でこんなビンビンにしてくれたんやからな」
「ところで今日はなんの日なんですか?」
「引退記念や。それは本人来るまで内緒ってことで、な」
幾分影を持ってそう言う平家さん。そして市井さんも。そういえば退職願いって…
「まだ時間あるし、もうちょい走りこむか」
「じゃ明るく流しますか。よし君も走ってみる?」
「はい!」
平家さんを先頭に、市井さん、そして私と続いて走り出す。
1コーナー?の左カーブを加速して抜ける2台。負けるかぁ!!
- 18 名前:さやりん 投稿日:2002年05月04日(土)01時50分31秒
- 家さんと市井さんはすげー速い!!解りきっていた事だけど…
第2ブロック区間(バックストレート?)に私が入る頃には前を行く二人は既に視界から消えていた…
戦意喪失じゃないけど… 3周走り終えた私はギャラリーに専念することにした。
外灯もなく、月明かりだけのこのステージ、2台のテールランプが遠くで踊るのが見える。
スキール音と、雄叫びのような音を響かせながら。
ふと後方から新たなエンジン音が聞こえてきた。
振りかえると2台いるみたい。私の脇へと車体を滑り込ませたのはインテグラ・タイプRの4ドアとサフェーサー色のミニだった。
インテRから降りてきたのは飯田さん。そして、ミニから降りてきたのはなんと中澤さんだった。
- 19 名前:さやりん 投稿日:2002年05月04日(土)01時59分48秒
- あ、間違った。18の頭
>> 家さんと市井さんはすげー速い!!解りきっていた事だけど…
は
>> 平家さんと市井さんはすげー速い!!解りきっていた事だけど…
です。
>>11 原ちゃライダー厳しすぎですか?
いやいや、でもこの話では原ちゃの彼女が某所では最速?なんでOKとして下さい(w
>>12 段々よしのレベル下げすぎちゃっているようで書いていて申し訳ないですわ。
お山ではありませんが… この場所も実在する某所だったりします。
>>13 一応よしメインで進めます。途中また変えるかもしれませんが(汗
例の車、早速出してみました。どうなることやら!?
- 20 名前:夜叉 投稿日:2002年05月05日(日)20時31分05秒
- やややっ、姐さんが!…って、アメ車は(略。
あの車に知が助手席に乗ってるんっすね、ズワーイ(笑)。
いちーちゃんが…。
- 21 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月08日(水)03時27分56秒
- 中沢がミニ?似合わん(w
- 22 名前:さやりん 投稿日:2002年05月15日(水)06時46分11秒
- ミニの助手席からはののちゃんが降りてきた。コレビューのフルバケットと完全に同化していて乗っていること全然気づかなかったよ。
「圭織ぃ〜。やっぱこれ乗りづらいわ」
「当たり前でしょ〜。それ辻の身長に合わせてシート床にじか付けなんだから」
「せやけどなぁ。おう!よしもいたんか。お疲れ〜」
ミニから降り、そう言いながら中沢さんは煙草に火をつけた。腰をトントンと軽く叩きながら…
「辻感謝しろや。免許ないあんたの為にここまで転がしてきてやったんや。精一杯走りぃ」「感謝して欲しいのはこっちれす。いいらさんがののの為につくってくれているミニを運転させてあげたんれすから」
「ったくホンマかわいくないな。あんた」
ののちゃんは運転席へ乗り、えらい勢いでコースへと出ていった。
「さて、私も行ってこようかな。裕ちゃんはどうする?」
「どうするもこうするも車無いんやししゃぁないやん」
「そうね?じゃあわたしもいくね」
- 23 名前:さやりん 投稿日:2002年05月15日(水)06時46分56秒
- そして飯田さんもコースへと出ていった。その直後、後方から平家さんのEGと、若干の間を開けて市井さんのZが私達の脇を通過していった。
「はぁ、うらやましいわ…さてと。あぶれものは準備でもするか。よし!あんたも手伝いや」
中澤さんにそう言われ、後をついてトラックのコンテナを開ける。すると中には様々な機材が入っていた。
その中から発電機と照明を取りだしセッティング。
紐を引き発電機を作動させると静かだった中に2サイクルエンジン特有の音が響いた。
「すごいっすね、この荷物。持ちこみですか?」
「あぁ、これうちの会社でお役ごめんになったものばっかやけどここでは大活躍なんや。そこにジャッキも工具もそろっとるでぇ」
「へぇぇ。ところで今日乗ってきたミニは?」
「あれか?あれな、うちの客が事故って捨ててったのを圭織が修復していたらののが欲しがってな。免許取ったら乗るっちゅーて」
- 24 名前:さやりん 投稿日:2002年05月15日(水)06時47分28秒
走っていたうち3台が照明のセットが終わった頃戻ってきた。
いいださん、平家さん、そして市井さんの順に私達のすぐ脇へと車を滑り込ませる。
先ほどセットした照明にたらされたこの3台はとてもカッコイイ!
特に同じチャンピオンシップホワイトのボディーをもつ平家さんと飯田さんの2台のホンダマシンはノーマル風未なボディーに極限まで低められた車高と爆音を響かせ、まるでN1のテスト車両のよう…
対して市井さんのZはいたって普通のツーリングカー風。このショットだけ見るとペースカーのよう?
「もう。みっちゃん本気だったでしょ」
「まさか!紗耶香本気だったんか?」
「ちょっとだけね(w」
「まったくぅ〜。圭織なんか1周目なんだから2台ともあんまり煽らないでよぉ」
「おいおい。しょっぱなからあの走りの人にいわれたくないって」
しばらくして、最後の1台=ののちゃんも戻ってきた。
「いいらさん。飛ばしてギヤ変えるとこの子苦しそうれす」
「そう?う〜ん、キャブ車はセッティング難しいからなぁ」
- 25 名前:さやりん 投稿日:2002年05月15日(水)06時47分59秒
- 「これ動いたんや。なかなかえぇ音しとるやん」
「だね。圭織なかなかやるじゃない!」
平家さんと市井さんもミニの前で話はじめた。ボンネットを開け、あーでもない、こーでもないと指差しながら、ちょっとは知識ある私でも宇宙後のような会話が続く。
「とりあえずメインジェット絞ろっか。替えのジェット工具箱に入れてきたから」
そして飯田さんと市井さんでミニをばらし始めた。
脇で見ていても全然解らない…
少なくとも私の車とはちょっと構造が違うことは理解できたから良しとしよう(w
と、後方から新たなエンジン音が!
「いよいよ本日の主役の登場やな」
中澤さんが言う。目の前を通過して加速していったのは青いFDだった。
「圭ちゃん、今シーズン限りでうちのメカ辞めるんや」
「えぇ!?」
話をしているともう1台、FDと一緒に来たらしい同じく青いランエボZが私達の脇へと停車した。
「そんで今度からこいつのメカになるんや」
エボZから降りてきた人物。それは平家さんの最大のライバル、安倍さんだった。
- 26 名前:さやりん 投稿日:2002年05月15日(水)06時53分10秒
- 久々に更新、の割には短くてスンマセン…
>>20 スンマセン、助手席の人も、持ち主も辻ちゃんでした。
ヤグにもなんか乗せてやりたいんですけどね、展開上いつになるやら…
もうちょいしたら市井視点に戻ります、多分(汗
>>21 というわけなんです。でも似合いませんか?
まぁ、私もすごい似合うとは思っていませんが(w
- 27 名前:夜叉 投稿日:2002年05月18日(土)22時57分25秒
- ぢつはつーじーだったんですね(笑)。>MINI
確かにセッティングが難しいですよね、自分はそこは触れませんでした。調整謝るとヤバイですから…(運転中にアクセルが戻らなかった経験有り。(^^;;
実際、つーじーが乗ると、ラバーコーンが潰れて斜体が傾きそうですね(笑)。
姐さんは確かに似合わない(爆)。せめて矢口で…(^^;;
- 28 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時17分26秒
- ミニのエンジンルームからこちらへ顔をあげ、市井さんが挨拶する。
「なっちも来たんだ」
「んだ。なかなかいい場所だべ」
のんきに話す市井さんとなっち。この急展開…一体何が?
「あはは〜よし君ポカーンとしちゃって。紗耶香、説明してあげなよ」
「そうだね。じゃあ説明しようか。実は…
* * *
月曜の朝、つまりあのヴィッツレースのあった次の日。
実はあの日私ってばあまりにも疲れていて彼女のうちから直接仕事行って遅刻したんだけど…ア、これは関係ないか(w
月曜日って前日レースに出たから振替で休みのはずの圭織が来ていたの。
どうしてかなぁ?と思ったら、土曜の予選の時に圭ちゃんが仕事サボったの親っさんにばれちゃって呼び出されたんだって。
親っさん的にも圭ちゃんの処分考えなくちゃいけなくて圭織と話しなきゃって事になってさ。
- 29 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時18分19秒
- 本番はサボり未遂って事なんだから一番妥当なのは減給じゃない?って話で一応は収まりそうだったんだけども、うちのレース部門で圭ちゃんのこと目の敵にしているやつがいてね。腕はいいんだけど、人間的に難しい奴でさー。「そんなんじゃまた同じ事繰り返す。奴はやめさせろ!」みたいになっちゃったのよ。
ちなみにそいつ、前回のレースで平家さんが接触起こしたのも圭ちゃんのせいだって言い出して…
もう収拾なんてつくわけないじゃない?
で、みっちゃんもその場にいたんだけど、「なら辞めさせちゃえばいいじゃない」なんて言い出して。私もその時はおいおいって思ったよ。
けど、よくよく話聞いたら「実はなっちがワークス辞めてチーム立ち上げようとしている」って言うじゃない!なるほど、それで手をうとうって事になったのさ。
ん?よし君わからない??
つまりはね、なっちの方から圭ちゃんに引き抜き話持ち掛けてもらって向こうからやめてもらう形にすれば万事OKと。
実は今回の件がなくてもなっちは圭ちゃんを引きぬきたかったらしいし。しかもこの間のレース前日の駆け引きって、それの前振りも含めていたみたいなんだな。うーん子悪魔なっち(w
* * *
- 30 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時19分19秒
…というわけなんだよね」
「なんだよね…って。それでみんな納得なんですか?」
「うーん、とりあえずあの場はそうでもしないと纏まんなかったし。ねぇ?」
「確かにね。でもまさかみっちゃんが専属メカの首切りを言い出すとは思わなかったけど」「うちとしてもかなりの痛手やけど… 実質今シーズンは契約どうり動いてもらうにしても、圭坊の未来考えるとなっちとやっていったほうがええんとちゃうか…って実はなっちにその話聞いたときに思っていたし」
「それに優秀な変わりのメカもいるしって?」
「せや、なぁ」
絶妙な突っ込みをいれた中澤さんと、それに同意した平家さんがなんだか妙ににやけて納得している。
誰なんだろう?優秀なメカって。
- 31 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時28分24秒
- 3周して保田さんのFDが戻ってきた。ブルーのボディーに金色のアルミホイールがとても似合っていてこれまたカッコイイ…
「あ、さっきまでの話は圭ちゃんには内緒だからね」
「うぃっす。当然言いませんよ」
みんなの車が並ぶ、私達のいる場所から一番遠いところへ止めたFDから降りてきた保田さんはおもむろにボンネットを空けクーリングをしているようだった。
「圭ちゃん完全に自分の世界だね」
「せやな(w あのFDがカッコイイ事は認めるけどエンジンルーム見てにやついているあの姿は…」
「はっきり言ってキショイ… あ、圭織鳥肌立ってきた」
「うちのヴィッツの整備しとるときもあぁなんか?」
「みっちゃん、それは聞かないほうが…」
みんなの言う通り、鈍く光るエンジンルームを両目を見開いて見下ろす保田さんは半笑いで、ちょっと尋常じゃないっぽい。
メカオタクもあそこまでいってはいけません的な雰囲気があるのは確かだと私も思う。
というか、さっきまでの内容よりも今の話の方が本人の前では言えないことのような気がしないでもないような?
- 32 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時28分58秒
- FDはボンネットを開けアイドリングしたままの状態にして保田さんもこちらへと来た。
「圭坊、調子はどうや?」
「完璧。裕ちゃんは車無いの?」
「言うな!なんでも綾っぺの生徒が面白がっていじくりまわしているらしいわ」
「そう。他のみんなはどう?」
「今日シェイクダウンの"ののSPL"以外は絶好調よ」
さっきまでの和んだ雰囲気のまま、話は淡々と進む。
「それじゃ、そろそろはじめようか。圭織、よろしく」
「はーい!それじゃ本日のルール説明。スタートはローリングスタートで1周したら開始。各自、楽しめればそれでOKって事で。あと裕ちゃん、何かある?」
「そやな、毎度のことやけど事故には気をつけて。ここって携帯も入らんから救急車もよべんから… それに事故った車を運び出すにも一苦労やからな(w」
「ならはじめようか?」
話終えるとみんな車へと戻っていった。一番最初に飯田さんが道路へと出て少し行った所でハザードを出す。ついで平家さん、保田さん、安倍さん、市井さん、ののちゃんがつけた。
- 33 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時29分38秒
- 「楽しんできやぁ」
中澤さんが手を振りながらそう言うと飯田さんは軽く片手をあげ、ハザードを出したまま走り始めた。
「くぅ〜なんでうちは車無いんねん…」
「そう言えば、車どうしたんですか?」
「ぶっ壊れて修理中や。なんか文句あるか?」
「…いえ、別に」
遠くで踊る赤いテールの光が一瞬消えた。そしてヘッドライトの乳白色&青白い明かりへと変わり、低音の効いたエグゾーストノートが幾重にも重なり合い段々と近づいてきた。
1周終えたみんなの車がこちら側へと左折してくるのが見える。
飯田さんのインテRが私のいる前でハザードを消した。と同時にみんなが一斉にフル加速の態勢に。
「あぁ〜もうガマンできんっ!よし、車貸せっ!!」
「えぇ!?」
「特別に助手席乗らしたるわ。次の周回、みんな戻ってきたら行くで」
特別って… 私の車… しかもまだ貸すって言っていないんですけど…
- 34 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時30分23秒
- とにかく中澤さんの運転でコースへと出ることになった。
さっきからいる広場内でコースと平行に車の向きを変え待機する。
2週目を終えたみんなが戻ってきた。
「よーし、1番ケツからまくり上げたる」
順位はスタートした時のまま。ののちゃんのミニが通りすぎるよりちょっと早く、中澤さんの運転する私のR32はホイールスピンをしながら加速した。
「なんや、結構馬乗っとるやないか?」
軽い登りの右コーナーから道幅の狭い複合コーナーをスムーズに走っていく私のタイプM。
さっきまでの私の走りと音が違う…
直線、前を行くみんながサイド引きでクリアしているようで赤いテールランプの光が急激に動いている。
「みんな甘いわ!」
そう言うとコーナーのはるか手前から中澤さんは車を横へ向けた。
ちょ、ちょ、ちょっとぉ
「よう見ときぃ。これがホンマもんの走りやでぇ〜」
- 35 名前:さやりん 投稿日:2002年05月25日(土)10時37分24秒
- 10日ぶりの更新… 遅れた分いつもよりも多めに書いたつもりです。
>>27 ごめんちゃい。ヤグに乗せてやってもいいとは思ったんですけど前振りで「ノーマルマフラーですごい車」と書いたような気がしたんで…
大阪城のDVDのおまけ?で「愛車ローンで」のカラオケプロモ風のでヤグが白いミニの所有者みたいな感じなの見て似合うなとは思った
んですけどね… ご勘弁を
アクセル戻らないのって怖いですね。私も単車時代に経験ありです…アクセルワイヤーささくれていて戻らなくなった…
ちなみに作中のミニは常にフルバンプ状態です(w
- 36 名前:夜叉 投稿日:2002年05月26日(日)19時56分24秒
- そんなことになってたんですね、やす。
つか、気になることがまた一つ増えました(ニヤソ
次回は姐さんの走りに期待ですね。ワクワク
- 37 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月28日(火)19時41分09秒
- ダーヤスが引退とは意外。このバトルを制するのは誰?
- 38 名前:さやりん 投稿日:2002年06月01日(土)04時42分03秒
- 横を向いたまま徐々にイン側に向けて突進していくタイプM。というか、エンジンは唸りっぱなしの高回転キープ。気がつくとそのままの態勢で急勾配の下りに「落ちて」いた。
瞬間、今度は逆向きになって…
「これ乗り易いな。振りっ返しこんな綺麗にきまるとはおもわんかったわ」
細かいコーナー区間では既にののちゃんにぴたりと張りついていた。
一体なんなの?この走りは…
「だぁじれったい!」
スタート地点の直線へと戻る左コーナーを過ぎるとフル加速でののちゃんをパス!
というか、ののちゃんが減速して道を譲ったっぽい。
「このコースはな、まぁもうわかっとるとは思うけど道幅が極端に狭いやろ。一番狭いのはさっきの裏の直線過ぎてからここ戻ってくるまでのトコ。まぁ2,5mくらいか?で、一番広いこのストレートが幅6m弱ってとこやな。抜かすポイントはここか裏の直線くらいしかないねん。せやからモチベーション下がった奴が譲るか、もしくは周回ごとに入れ返して楽しむか、やな」
そういいながら軽い登りの連続するコーナーを抜けていく中澤さん。
- 39 名前:さやりん 投稿日:2002年06月01日(土)04時43分37秒
- 助手席からでも、ううん。助手席だからこそわかる、無駄のない極めて綺麗なラインどりで軽やかな、明らかに「いい」走り。
さっきの無謀とも思える直角コーナーのサイド引きも出口が狭いあのコーナーでスピードを殺さない為にはあぁするのが一番速いんだろうな。
にしても初めて乗るはずの私のタイプMでここまで鮮やかな走りをするとは…
「まぁ辻の場合、車が完調でも私まかそうなんざ一億光年早いけどなっ!だけどこいつは…」
バックストレートに入る前には市井さんのZの真後ろにつけていた。
「一筋縄では行かんわな」
直線。NAのVG30より、当然ターボ付の、しかもRB25に乗せ替えた私のタイプMのほうが加速はいい。けど、直線といってもとても短くて、しかもどん詰まりは直角のあのコーナー。
「さっきと同じ曲がり方じゃぁ紗耶香の横っ腹ずどんやしなぁ(w」
そういい、市井さんと同じポイントでサイドを引きラインをトレース。
さっきまでよりアグレッシブさは減るけれども、それでもものすごい横G。
- 40 名前:さやりん 投稿日:2002年06月01日(土)04時44分50秒
- 「落ちる」感じは先ほどよりは少ないけれども、やっぱその後に来る逆へと横Gが変わる感覚は、はっきし言って酔いそうっす(ウプ
「さすが紗耶香やな。振りっ返しもなかなかのもんや。けどな」
急勾配後の右カーブをすぎ、ストレートへ戻るまでの区間。
めちゃめちゃ狭い道幅を左側は土壁ギリギリに、そして右側は立ち木にすりよせるようなコーナーリング。
「こっから立場入れ替えてしきりなおしや!」
最終コーナー前で中澤さんがパッシング3回。と、ストレートに戻ると市井さんが減速。
今度は前後入れ替えてバトル再開だ。
「パッシング3回。『バトル』の意味やな(w」
そう言った中澤さんの横顔はかなりマジ。けれども口元は少し笑っているみたい。
室内へ投げ込まれる明かりの強さで真後ろに市井さんがぴったりと張りついているのがわかる。チラッとドアミラーを覗くと特徴あるプロジェクターランプが1個だけ、鏡面の右側に映し出されている。
- 41 名前:さやりん 投稿日:2002年06月01日(土)04時46分05秒
- 緩く左に、そして直線。室内へ投げ込まれる明かりが減ったっぽい。
さっきまでに比べると若干差が開いたみたい。
「ATのまったり感はぬぐえんわな!っと」
瞬間、3たび横へと向きを変える。瞬間、室内が今までないくらい明るく=市井さんのZが真横につけたけどそれも一瞬。向こうも同じポイントで横を向けたみたい。
目の前の風景は相変わらず横に流れている。私にはずっと同じに見える。
だって真っ暗でなんの目標物もないし。それよりなによりスピードが…
ガッ!!ベキぃパキっ
一瞬変な音がしたと同時にまたまた車全体が落ちる感覚。
「ちっ」
中澤さんの舌打ち…なんだか嫌ぁな予感。
だけれどもタイプMは何事もないようにさっきまでと同じく急激な横Gの変化をもって右コーナーをクリアしたみたい。
「よし」
「はい」
「あんな… 多分リップもげたわ」
「えぇ〜!!」
- 42 名前:さやりん 投稿日:2002年06月01日(土)04時47分00秒
- 「さっきのコーナーでイン側の縁石に引っ掛けたっぽいわ」
「ぽいわ…ってそんなぁ」
「もげて、んでもって踏んづけたらしいから…すまん」
あぁぁ。あのリップ、結構高かったのに(泣)
「とりあえずこの周回で1回休んでどんな感じか見ましょう」
「ん?多分もげただけや。他に音もせんし」
「でも非常に気になるんですけど…」
「大丈夫や!うちなんて湾岸で飛び石食らってフェンダーに穴あけたままバトルしたことあんねん。リップぐらいでがたがたゆうなや」
「いや、そうじゃなくて私の車…」
「あーごちゃごちゃうるさいわ!うちの店にある在庫のR純正バンパーくれたるからこのまま走らせろや〜」
「・・・はい」
ま、まぁR純正バンパーくれるならいいか。
メインストレートで今度は市井さんからパッシング3回で前後入れ替え。
そしてまた新たな周回へと突入した。
- 43 名前:さやりん 投稿日:2002年06月01日(土)04時54分07秒
- 珍しく昨日&今日と休みになったんで更新しますた。
でもこんな時間になってしまった…
>>36 ここのところ、話が急展開すぎですかね?
元々保田には辞めてもらうつもりなかったんですけどね…
中澤様はクラッシャーになってもらいましたが、いかがでしょう?(w
>>37 以外といえば以外ですね。書いていて気づきませんでした(をぃ
これはバトルって感じじゃなく仲間うちの走り楽しむって感じにしちゃいました。
というか…走りの模写って難しいなと改めて実感していたりします。
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月22日(土)11時56分11秒
- 放置はいかんよ放置は
- 45 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)22時03分55秒
- 楽しみに待ってますよ。
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