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時の小噺

1 名前:作者 投稿日:2002年04月22日(月)14時13分31秒
いわゆる、昨日のラジオやテレビや。
そんなものをネタに、思いつくまま書こうかと思います。
うわぁ、妄想させるじゃん。みたいなノリなので。
多少オカシクても、勢いで流してください。

メインは中澤さん。
というか姐さん関係しかチェックしてないので・・・
相手は、その時の思いつきです。
興味があったら読んで見てください。
2 名前:作者 投稿日:2002年04月22日(月)14時14分22秒
まずは昨晩のANNSSから。
あれでやぐちゅ〜を妄想しないヒトはいないでしょう。
(いや、いるかも知れないけど・・・)
3 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)14時43分18秒
最近、オトナになって良かったなぁって思う。
オトナというか、高校卒業して良かったなぁって。
だって高校行ってたら、平日にお泊りなんて、ねぇ?
学校があるから、帰らなきゃいけないじゃん?

でさ、どうせならもっとオトナになりたいなぁって。
大好きなヒトを支えられるくらいにさ。
まあ、ヒトには絶対言わないコトだけどね。
4 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)14時53分47秒
濡れた髪を、かしかし拭きながらリビングに戻る。
明かりは既に落とされて、部屋の主が、そこにいないコトを告げていた。

開け放したドアから漏れでる明かりを頼りに、寝室に入る。
探してたヒトは、そこにいた。当然。
5 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)14時54分24秒
唯一の明かりは、サイドテーブルに置かれたスタンドだけ。
それでも、ベットに鷹揚に寝そべるヒトを、鮮やかに映し出していた。
ヘッドレストに頭を預け、お腹の上には雑誌を広げ。
目を閉じているのか、部屋に入ったあたしに無反応。
6 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)14時54分54秒
とてとてと近づいて覗いてみる・・・・・・やっぱりだ。
照らし出されたほっぺが、いつもより青白く見えて。
冷たくないよね・・・・・・とか思いながら---つんつん---突付いてみた。
7 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)14時55分31秒
「ん〜〜あぁ」

だるそうに薄目を開けた裕ちゃん。
それでもあたしの顔を見て、柔らかく微笑んでくれた。
8 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)14時56分04秒
「あ〜夢かと思った・・・・・・もう上がったん?」
「うん。でも寝てて。乾かしてくる」

やっぱり寝てたのか。
ん〜とか言葉らしきものを返して、また目を閉じてしまった。
9 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)15時05分13秒
うるさくない様にドアを閉めて、ドライヤーを取り出して。
ガーって特有の音が、やけに大きく聴こえる。

雑誌だと思ってたのは、「ごくせん」って書いてあって。
どうやら台本を読みながら、睡魔に襲われたらしい。
10 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)15時06分09秒
あたしの知らない仕事。あたしの知らない現場。あたしの知らないヒトたち。

裕ちゃんは、そういう所で生きてるんだって思い知る。
もう同じモノを見てるわけじゃないんだって・・・・・・

同じモノを見て、同じコトをしてたのは、ほんの数年だけだったのに。
なんで今が寂しいって思うのか、自分でも良く分からないけど。
11 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)15時06分49秒
気が付くと冷たかった髪の毛も、ふわふわになってて。
無意識って怖いなぁ・・・・・・なんて思ってみた。
12 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)19時06分43秒
さっきと変わらない姿勢の彼女に、そっと近づく。
息が当たるくらいに顔を近づけても、目を開ける気配がない。
13 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)19時07分20秒
やっぱり寝ちゃってる・・・から・・・良いよね?
ほら眠り姫も起きるしさ。や、起こしたいわけじゃないけど。
でも、久しぶりだし、お話とかも・・・・・・

ホントはこの前も、したかったんだよ・・・・・・なんて。
でもさすがに美容院ではねぇ?
あの時我慢したんだし、良いでしょ?
14 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月22日(月)19時07分56秒
誰が聞いてるわけでもないのに、ぐるぐると言い訳して。
色の落ちた唇に、あたしの唇を重ねた。
15 名前:寒太郎 投稿日:2002年04月22日(月)20時27分28秒
作者さま
新スレおめでとう&ありがとうございます。
待ってました、新作。
昨日のラジオ、先々週のハロモ二「バスが来る・・」で矢口の肩を抱く裕ちゃん。
もう、妄想し捲くりです(w
今後も楽しみにしてます。
16 名前:作者 投稿日:2002年04月23日(火)09時36分26秒
>寒太郎さん
早速のレス、ありがとうございます。
思いつきと勢いだけなので、不定期更新になるかと思いますが、
暇つぶしにまたどうぞ。
17 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)09時37分29秒
「んっ。・・・・・・ん〜〜、寝る?」

キスされたことに気づいてるのか、いないのか。
目を開けた裕ちゃんは、やっぱり眠そうで。

「寝る」
そう答えて、裕ちゃんを跨いで向こう側に転がり込む。
18 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)09時38分14秒
足元にあった布団を引き上げ、自分と裕ちゃんに掛けながら。
未だヘッドレストにもたれたままの、薄い肩に顔を埋める。

「重い?」
「ええよ」

埋めたままのくぐもった声。でもちゃんと伝わって。
もっといっぱい触れたくて、上半身を預けるように。
裕ちゃんの匂いを吸いこんだまま、抱きつく身体は暖かかった。
19 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)09時39分24秒
「痩せた?」
「ん〜〜ダイエット中」

記憶にあるよりもさらに細くなった身体。
そんなに抱きついてなかったのかな。って思ってしまう。
20 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)09時40分06秒
「ほら、一緒にやってるヒト、細いやん?」
「ふうん。でもちゃんと食べないとダメだよ」
「うん。せやな」

耳から伝わる声と、身体から伝わる震動。
とっても心地よくて、緩んでいく糸に張り詰めていたことを知る。
あぁ、カンガルーってこんな気持ちなのかも・・・・・・
21 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)09時40分52秒
「コンサート、どうやった?」

自分の世界に入りこんだあたしに、少し掠れた声。
あぁ、なんか疲れてるっぽいなぁ、ソレ・・・・・・
22 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)09時41分29秒
「コンサート? うん、楽しかったよ」
いっぱい観に来てくれて。皆元気いっぱいで。パワーもらったよ。

「そか。良かったなぁ」
「うん。良かった」

いつのまにか、暖かい手を背中に感じて。
なっちが、赤ちゃんみたいって言ってたけど。
やっぱりその通りで、眠いから、余計熱いのかなぁ。
23 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)09時42分02秒
すぐ近くで聴く、優しい声。
暖かい胸の、穏やかな鼓動。
労わるような手の動き。
リラックスしてくれて、させてくれるヒト。

全てが自分のためで、自分だけのモノだと。
思うだけでは足りなくて、ホントにしたくなる。
・・・・・・こんな気持ち、知らないでしょ?
24 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月23日(火)12時53分25秒
ブラボ〜!!
私が頭の中でこんなのかけたらいいな?ってのがまさにこの作品。
すっごいい!!(w
25 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月23日(火)18時17分56秒
作者さんサイコー!
美容院で偶然出会ってしまう2人は
もう運命で結ばれてるとしか思えないっすよね。
26 名前:作者 投稿日:2002年04月23日(火)20時15分48秒
24,25>
うわぁ〜〜何かめっちゃ喜んでいただいて、嬉しい限り。
まあ、最後まで期待通りかどうか・・・心配ですが。
確かに運命、感じさせますよね。
27 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時16分44秒
「そういや、最近映画見たかぁ?」
裕ちゃん、いっぱい見てんねんで。裕ちゃんの勉強会って言うてなぁ・・・・・・

映画・・・・・・。
思い出したくなかったのに、思い出してしまった。
裕ちゃんが、淡い思い出と共に語っていた・・・・・・
28 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時17分51秒
「・・・・・・デートしたい?」
「ん?」
「彼氏欲しい?」
「ん〜〜まあなぁ。・・・・・・なんで?」
「・・・・・・別に」
「ふうん・・・・・・」

声も腕も変わらないのに、暖かさが逃げていく。
鼻の奥がツンとして、目が熱くなって。
我慢しなきゃ。そう、グッっと歯を食いしばる。
29 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時18分25秒
「そういやなぁ・・・・・・」

頭の上の方で声がするけど、何も返せない。
顔を上げたら、声を出したら、涙も出そうで。

「あたし、恋してるかも知れん」
30 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時19分37秒
我慢してたのに。
泣きたくなくて、認めたくなくて。
寂しくないよって、一生懸命我慢してたのに。

「あたしなぁ、気ぃつくと、そのヒトのこと考えてんねん。
何してるんかなぁ、とか。あぁこういうのスキやろなぁ、とか」

・・・・・・それはわかるよ。あたしもそうだもん。
今のツアーだって、気がつくと探してる。
車で、楽屋で、ステージで・・・・・・
31 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時20分17秒
「でな、そんな時、偶然会ったりしちゃうとな。
あぁ、これは恋のチカラや。と思っちゃうわけや」

泣いてるあたしに気づいてるのか。
コドモをあやすように、ゆっくりと擦ってくれる手。
残酷な言葉と、裏腹な優しい手。涙が止まらない。
32 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時21分11秒
「この前、会ったやんか。・・・・・・美容院で」
「めっちゃ嬉しかったで」
「あれはきっと恋やね」

・・・・・・アホゆーこ。もっと早く言えよ。
そしたらヤグチ、泣かずに済んだのに。

「あたし、ヤグチに恋してるんかもなぁ」
33 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時21分48秒
ば〜か。あ〜ほ。
そんなら、彼氏欲しいとか言うなよ。
ウドさんと、映画行くとか言うなよ。
メールアドレス渡すなよ。

言いたいコトは、いっぱいあったけど。
34 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時22分26秒
「せやから、映画、観に行こ?」

珍しくからかってこない裕ちゃん、スキだし。

「・・・・・・ぅん」

それしか返せない自分も、結構スキかも。
仕方ないよね、だって恋ってこんなモンじゃん。

Fin
35 名前:きっと恋 投稿日:2002年04月23日(火)20時24分46秒
終了です。
ではまた妄想かきたてるネタがあった時に。
あ〜〜でも今週のANNSSは聴けない。
他になんかあるかなぁ・・・・・・
36 名前:ユウ 投稿日:2002年04月24日(水)14時57分09秒
うわっ。
あまっ。
こんなの書けてしまうなんて、羨ますぃーです。
作者さん、ステキ!!
37 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年04月26日(金)01時49分02秒
やぐちゅー。いいですね〜
これからも色々なCPに挑戦するそうですが頑張ってください
38 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月30日(火)03時12分11秒
新スレハッケソ(遅
うんうん、あれは妄想を書きたてられましたねへ。
4/25のANNSでは美容院の出来事の矢口側からの話が。(作者さんは聞いてなさそうですね?)
いやもー公共の電波でなにやってんだかと…(w

4/26のさんまのまんま(関東では未放映5/3に)であややが出たんですけど、
姐さんが矢口にキスしているって話がちょこっとでてました。
未だにそーいうスキンシップ(wがあるってことでうれしい限りです。
39 名前:作者 投稿日:2002年04月30日(火)15時28分28秒
レスありがとうございます。

>ユウさん
甘いですか? たまたまですよ。
某板、読ませて頂いてますが、ユウさんのもめっちゃ甘いっす。

>やぐちゅー中毒者セーラムさん
やぐちゅ〜は結構メディアの露出してるんで、また書けそうな気がしますが。
他のCPも、妄想する限り、頑張りたいです。

>38
>4/25のANNSでは・・・・・・(作者さんは聞いてなさそうですね?)
はい、聴いてません。う〜ん、聴いておけば良かった。

>姐さんが矢口にキスしているって話がちょこっとでてました。
キスするの止めたんじゃなかったんですね。相変わらずだ・・・・・・
40 名前:作者 投稿日:2002年04月30日(火)15時29分16秒
結局先週はハロモニを見逃し。ヤンタンは聴けないし。
しかし、ANNSSは雑音の中、頑張って聴いてみました。
まあ妄想って程じゃないんですが、・・・・・・想像?

あまり間が空くのもなんなんで、ちょっと淡々と。
甘いとかは感じないかもです。なっちゅ〜で「作戦」。
41 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)15時30分02秒
いつか裕ちゃんが言ってた。
『それがなっちの手なんですよ』って。
そう、コレがなっちの手。だから遠慮なく使うんだ。
そしたらいつのまにか、ハマってるんだよ。知らない間にね。
もしかして、なっちって悪い女?
42 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時32分28秒
「姐さん、腕じゃま」
「あ、ごめ〜ん」

分かってても、やっちゃうねん。
特にこの番組前は、身体くらい動かしとかんと、緊張がなぁ・・・・・・

「少しは慣れました?」
「全然」
「隔週ですもんねぇ・・・・・・」

そうやねん。ただでさえ、ヒト見知りで緊張しぃなあたしやねんで?
隔週レギュラーなんて微妙な立場で、慣れろっちゅうのがムリな話やねん。
まあそうも言ってられんけど。
あぁ物怖じしないヒトが羨ましいなぁ。例えばなぁ・・・・・・
43 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時33分03秒
「あ〜〜お好み焼き食べたい!!」
「もんじゃじゃなくて?」
「うん」
「昼に食べます?」
「ううん、なっちの」

あのお好み焼き、食べたいなぁ。
前作ってくれたんやけど、めっちゃ美味しくてなぁ。
ホットケーキも作ってくれんねんけど、甘いからなぁ。
あ〜〜蟹入りが食べた〜い!!
44 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時33分58秒
「頼めば?」

うにゃうにゃ騒いでるのが邪魔やったんやろうか。
メイクさんが何のひねりもない一言。まあそうやねんけどなぁ。

「頼もうっと」
一人で騒いでてもアホやからと、携帯を取りだし、メールを打って。『送信』っと。

「あ〜〜」
「・・・・・・何?」
「や、何でも・・・・・・」

しもた。蟹入りって言うの忘れた。・・・・・・もっかい送んのもアホやんなぁ。
ボーっと携帯を見てると、メール受信。なっちかなぁ。

------なっちや。ん?・・・・・・ん〜〜
45 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時34分33秒
「ねぇ」
「はい?」
「何かヘンちゃう?」

早速来た返事を読むと、何か違和感。
よお分からなくて、メイクさんに見せてみると。

「ん〜〜『それは、』ってのがヘンかも」

そっか。『それは今度ね』って書いてあるからヘンなんや。
それはって? じゃあ他のは今度じゃないん?・・・・・・ん〜〜
まあなっちのコトやから、深い意味はないんかもなぁ。

「姐さん、ノック」
「はっ?」

言われて気づくノックの音。
アカン、自分の世界に入ってしもた。
46 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時35分16秒
「はいっ!?」
一応元気な声でご挨拶。
この業界、元気ええのに悪いこたぁないんやからな。
無愛想にならんように訪問客に笑顔を・・・・・・

「おはよ〜ございま〜す。緊張してるかい?」
この能天気な程の明るい声は。

「なっち??」
「お好み焼きは、今度作ったげるね」

驚くあたしを気にせず隣に座って、カバンをごそごそ。
47 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時36分15秒
「で、今日はコレ」

むちゃむちゃ笑顔で、差し出したのは

「お弁当?」

「そ。どうせちゃんと食べてないんでしょ?」
肉体改造してるって聞いたから、鶏肉にしてみた。
それで、野菜は温野菜。生は好きじゃないっしょ? 
炭水化物は少なめでぇ・・・・・・。
48 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時36分52秒
どうせっちゅうのは引っかかるけど・・・・・・嬉しいなぁ。
なんて気のきくコなんやろぉ。
一生懸命説明してるのが可愛くて、ついボーっと見とれてしもた。
お弁当も可愛くてなぁ・・・・・・ん? ちょう待って。

「なぁ、コレ。トマト?」

まさかなぁ。あたしが嫌いなの知っとるもんなぁ。

「ううん。赤ピーマン。裕ちゃんの為に買ったんだからね」

はあぁぁ〜〜、ええコやねぇ。ホンマええコや。
49 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時37分38秒
「だからちゃんと食べてね」
「うん。ありがとう」

残すわけないやん。ちゃんと全部食べんでぇ?
愛情たっぷりやもんなぁ。はぁ幸せってこういうコトなんやなぁ・・・・・・
50 名前:作戦 投稿日:2002年04月30日(火)19時38分20秒
「じゃあ今度はお好み焼きね」って約束して。
にこにこ顔の裕ちゃんに見送られる。

・・・・・・どうかなぁ。結構ハマってきてるよね?
『なっちのご飯食べたい』ってメールしてくるようになったもんね。

まあとりあえず、T3のお弁当は食べに行かないよね。

Fin
51 名前:作者 投稿日:2002年05月03日(金)17時40分55秒
今回は「ハローランド」から。
このCPは結構好きですが、話は中途半端かも。
52 名前:アロマ 投稿日:2002年05月03日(金)17時41分39秒
「お風呂入る?」
「ん〜〜そうする」

何で夫婦のような会話をしてんのや、あたし。
ついでに相手は、カオリや。まあええけど。

「じゃあアロマ入れてあげる」
「アロマ?」
「うん。この前テレビで言ってたじゃん」

あ〜〜某テレビでのアロマ特集ん時やな。
あん時、出演者それぞれにブレンドしてくれたんや。

「見てたん?」
「うん。で、参考にブレンドしたんだ」
「ふうん」

じゃあ入ってくるわ。て後にして。
53 名前:アロマ 投稿日:2002年05月03日(金)17時42分24秒
うん、確かに攻撃的な香りやなぁ。
夜のお姉さんたちが好みそうな香りや。
しかしこれで疲労回復は望めんわなぁ・・・・・・

「上がったでぇ」
「どうだった?」
「うん。番組ん時と同じだった」
「良かった」

火照る身体を、バスローブで包んで。
キッチンでごそごそしてるカオリに近づく。
54 名前:アロマ 投稿日:2002年05月03日(金)17時43分05秒
「何してん?」
「ん? オイル暖めてる。マッサージしてあげるよ」
「ほ〜〜出きるん?」
「多分」

多分って。まあそんなにキケンなことしなきゃ平気やろ。
番組ん時も、少し教えてくれたしな。

「じゃあお願いするわ」
「うん。じゃあそこに寝て」
「ん?」

カオリの指差す先には、じゅうたんの上にバスタオルが敷いてあって。
―――何か、ヘンな感じやな。ちゅうか寝るんか?

「や、腕とかでええよ」
「いいから。まずはうつ伏せね」
55 名前:アロマ 投稿日:2002年05月03日(金)17時44分18秒
強引に寝かされて―――あたし、下に着てへんけど?
・・・・・・!!!

「や、ちょ・・・・・・」
「だって邪魔じゃん」
「・・・・・・・・・腰んトコには掛けといてな」

予想通り剥ぎ取られてしまったから。
さすがに全裸は・・・・・・恥かしいやろ?

「じゃあいくね」

言われてすぐ、またさっきの香りが立ち込める。
肩の辺りには、暖かいオイルと手の感触。
―――あぁカオリ、手ぇ暖めてくれてたんやなぁ。

肩から背筋、腰と。程よいチカラで撫でられて。
うん、こんくらいなら、揉み返しもないやろ。

擽ったくもなく、痛くもなく。
暖かい感触と、たち込める香り。
あぁ〜〜〜寝そうやぁ・・・・・・
56 名前:アロマ 投稿日:2002年05月03日(金)17時44分57秒
・・・・・・・・・アカン。

マッサージは相変わらず続いてて、今はわき腹辺り。

なぁ、カオリぃ。裕ちゃんアカンよ。
今気づいたんやけど、あれって安らぎ系とちゃう。


「カオリぃ?」
「ん、なーに」

一応確認しとこうかと思ってな。
もしかしたら、あたしの勘違い。気のせいかも知れんし。
57 名前:アロマ 投稿日:2002年05月03日(金)17時45分34秒
「これさ、番組通りに作ったん?」
「うん。裕ちゃん用のと同じに作ったよ?」
「じゃあさ―――イランイラン入れた?」
「うん」

あ〜〜〜そうやよねぇ。
だってあん時、先生、まずは発散しましょって言ってたもんなぁ。
しゃあない、責任とってもらお。

「なぁ、カオリぃ・・・・・・―――」

Fin
58 名前:りか 投稿日:2002年05月04日(土)00時18分24秒
UK希望♪

作者さんがんばってくらはぁ〜い♪
59 名前:作者 投稿日:2002年05月06日(月)11時58分22秒
>58
レスありがとうございます。
がしかし、思いつくままなので、UKが書けるかどうかは・・・・・・
リクを受け付けるほどの想像力&技術もないので。
それとも、皆の掲示板なんだから、お答えすべきなんでしょうか?
60 名前:作者 投稿日:2002年05月06日(月)11時59分30秒
さて、先日のハロモニは、なかなか楽しいモノでした。
やぐっちゃんが妙に男前で、姐さん庇ってるし。
これは何かあったに違いないなんて、いらぬ妄想してみたり。

しかし、今回はごっちんの新曲から。
今度の曲は、今までで一番好きです。
ごっちんの可愛らしさが見られて。
61 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時01分51秒
「ひとり?」

それは、スタジオ近くのコンビニでお菓子を選んでる時だった。
ナンパ? とか思ったけど、聴いたことあるっぽい。

美味しそうなお菓子の列から、声のした方に顔を向けると。

「ゆっ―――・・・ゆーちゃん?」

意外なヒトの存在に、思わず声を上げそうになって。
シーってジェスチャーに、今の状況を思い出す。
62 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時03分31秒
「ひとりで来たん?」
「うん。じゃんけんで負けたの」

周りに気遣って、少し小声で答える。
「ゆーちゃんは何で?」って聞こうとして、右手のペットで気づく。

「ゆーちゃんはそれだけ?」
「ん。無くなってたの忘れててな」
「それなら、ついでに買ってくのに」

「んーまあなぁ」って鼻の頭をかしかししながら、ごにょごにょ・・・・・・
何か、こんなトコに距離を感じてしまうのは、考えすぎなのかな。
63 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時05分27秒
昔だったら、買い出しに行く誰かが、ついでに引き受けちゃうよーなコトなのに。
今だって、言ってくれれば買ってってあげるのに。言ってくれれば・・・・・・
―――これからは、ゆーちゃんの楽屋に寄ってから来よーっと。

「もうええの?」
「ん? ん〜〜〜うん。これくらいでいーや」
「これくらいって・・・・・・」
「ん?」

カゴいっぱいのお菓子を見て呆れるゆーちゃん。
忘れたの? 今何人いると思うの?―――にしては多いかな。
64 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時07分36秒
「したらな」って右手の水を、あたしのカゴにポンって入れて。

「払ったろ。ついでにな」

それだけ言うと、すぐにレジに向かうゆーちゃん。
ついでって。どっちかとゆーと、ゆーちゃんの水の方がついでじゃん。
でも、「こんな時はな、ありがとうって言っときゃええねん」って。
昔、そう言われたコトを思い出して。

「ありがとー」追いついた背中に言って、カウンターに置いた。
65 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時10分04秒
コンビニから出ると、さっきよりも空が青い気がする。
なんだか気分も良くなって、う〜んって伸びしてる横でガサガサ。
音のする方を見ると、ゆーちゃんが袋を覗きこんでて。

「ん?」
「いや水をな」
「今飲む?」
「や、別に」
「じゃあ、持っていってあげるよ。お礼に」
「そ? じゃ頼むわ」 
66 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時11分48秒
「うん」って歩き出そうとして、ふと思いつく。
めったにない機会だし、いいかな?
じゃんけんで負けて良かったぁ〜とか、感謝しつつ。
袋を持ってない方の手で、ゆーちゃんの手を握る。

「ん?」
「いいでしょ、たまには」
「まあええけど」
「うん」

繋いだ手をぷらぷらさせながら歩いてると、とっても気分が良くて。
つい、口ずさんでしまう。もちろんあたしの新曲を。
67 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時13分43秒
手を握ってぇ〜〜♪ 道を歩こ〜〜♪

ゆーちゃんさ、覚えてるかなぁ。忘れるわけないか。
卒業する時さ、あたしたちは別々の道を歩くんだって言ったよね。
あたしね、あの時、道は離れていくんだと思ってたんだ。Y字路みたいに。
でもさ、手を繋いで歩いてる時は、同じ道を歩いてるんだよね。今みたいに。

だから思ったんだ。
あたしたちは離れたんじゃなくて、隣を歩いてるんだって。
いつでも見ていられるし、時々交差もするんだって。

それに気づかせてくれた、今度の新曲。あたし大好きなんだ。
68 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時15分25秒
「それ」
「ん?」

とっても小さい声だったけど、ゆーちゃんの声が聴こえて。
歌うのを止めて、聞き返す。

「手を握って・・・・・・何やったっけ?」
「歩きたい、だよ」
「それ、ごっちんらしくてええね」
「ほんと?」
「うん。かわええし」
「好き?」
「うん。好きやで」
「そっか」
「ん?」
「あたしも好きだよ」
「うん。頑張りやぁ」
「うん。頑張る!」
69 名前:手を握って 投稿日:2002年05月06日(月)12時16分52秒
この歌を歌ってると、必ずまた道が交わると。
あたしたちの道は、決して離れていかないと。
手を繋いで、一緒に歩けると信じられるから。

とりあえずは楽屋まで、行っても良いかな?
GO MY WAY〜〜♪

Fin
70 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月06日(月)13時10分58秒
ゆうごまいいですね。
先週のANNssで姐さんがごっちんの新曲に触れていましたね。

作者さんのゆうごま・・・教育かなりツボでした。(w
平家&矢口も大好きですが・・・ゆうごまもシリーズに(w
お願いします。 
71 名前:作者 投稿日:2002年05月13日(月)20時24分34秒
>70
レス、ありがとうございます。
ゆうごま、好きなんですが。
これ以上シリーズを増やすと、自分の首を絞めそうな気が・・・・・・
72 名前:作者 投稿日:2002年05月13日(月)20時26分46秒
さて今回は彩裕。
堂本兄弟で、ごまゆう。ってのもありだったんですが。
昨日は彩っぺの誕生日だったので。<ANNSSでは触れてませんでしたが。
73 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時27分35秒
前日までは、ちゃんと覚えていた―――実は。
わざわざ日本海側まで、ご一行様で来ていた日。

肺が破れそうな苦しさの中―――現実逃避というか―――ふと思い出してた。
74 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時28分16秒
あ〜〜12日って彩の誕生日やんなぁ・・・・・・
今年で、にじゅう・・・・24かぁ。若いなぁ。
―――あ、あたしがデビューした年やんかぁ。
はぁ〜〜〜、あたし、あれでも若かったんか。
・・・・・・・・・若かったわ、絶対。去年はこんなに苦しくなかったはず・・・
75 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時29分09秒
彩かぁ・・・・・・初めて一緒に飲みに行ってから4年ってことかぁ。
あん時は、大変やったなぁ―――あたしがな。
嬉しくてつい飲みすぎてしもてなぁ。

んで、一緒にオトナチームで頑張って。
・・・・・・・・・いつのまにか違う道、歩いてたんや・・・・・・

アカン。なんか寂しくなってきた・・・・・・
76 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時29分39秒
『めっちゃ辛そう・・・・・・』

ふと聴こえた声に、思いっきり現実に引き戻された。
まあ回想しすぎるとツライから。その辺は感謝するけど。

――――ムカツクねん!! 自分も走ってみろやぁ!!
77 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時30分17秒
てことを、ラジオで話してたら、彩の誕生日も思い出した。
思い出したんやけど、終わったらすでに昨日のコト。

あ〜〜〜しもたぁ〜〜〜。間に合わんかったぁ〜〜〜
アカン、アカン、アッカ〜〜ンっ!!・・・・・・アカンやん、あたし。
どうしよ。どうしょぉ〜〜〜―――――と、とりあえず・・・・・・・・
78 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時30分50秒
そのFAXに気づいたのは、一番早く起きたアタシだった。
昨晩寝る前にはなかったから、結構遅い時間に届いたらしい。

1枚きりのそれを、手にとってめくる。
目に入ったのは、懐かしい――けど見慣れた字。差出人を見なくても分かった。


「・・・・・・覚えてたんだ」

そこには、華やかな絵もなく、綺麗な文字だけが数行書かれてあった。
細いペンで、でもデカデカと。少し焦り気味な気がして、苦笑い。
79 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時31分34秒
『彩へ
 誕生日おめでとう!
 遅くなってごめん。
 明日、電話するわ』
80 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時32分09秒
「おいおい・・・・・・」

名前書き忘れてるよ。というか短くないかい?
明日っていつなのさ・・・・・・相変わらずというか・・・・・・・

ん?

紙の下の方にも、何かが書かれていた。
それは、結構小さな字で。
81 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時32分42秒
『忘れてたわけと違うよ。
 昨日は母の日やから。
 彩のお母さんに感謝してたんや。
 彩を生んでくれてありがとうって
 ―――心の中でな』
82 名前:一日遅れの・・・ 投稿日:2002年05月13日(月)20時33分19秒
―――相変わらず言い訳上手いなぁ。
・・・・・・・・・ま、許してあげましょ。電話くれるっていうし。

――――――早く電話、来ないかなぁ・・・・・・・・・

Fin
83 名前:名無し愛読者 投稿日:2002年05月14日(火)00時57分19秒
彩裕・・・懐かしい(w
私の娘。小説出発は彩裕でした。
ありがとう!!
84 名前:作者 投稿日:2002年05月15日(水)11時28分31秒
>83
楽しんでいただけて何よりです。
私の小説スタートも彩裕。で今も彩裕。<絡みが全くなくても妄想できますから。
85 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時07分40秒
心を捨てよう。そう思った。
いつになっても想い続ける心を。
もうどこにも行けないんだって、分かったから・・・・・・

記憶にある思い出は、いつか懐かしいものになると思ってた。
はじけそうな笑顔も。優しい腕も。包み込んでくれた温もりも。

時がたてば必ず。そう信じてた。
86 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時08分13秒
お酒を買って帰った。ビールではなく日本酒を。
・・・・・・単に飲みたかったわけとちゃうよ。
いわば・・・・・・別れの杯? そんなのないか。
じゃあお清め? イヤ、死ぬわけじゃないしな。やっぱ別れ・・・・・・やな。
87 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時08分58秒
写真立ての奥から、一枚抜き出す。
笑顔の2人。何を思って笑っていたのか。
好きとか愛してるとか。そんな言葉にできたかも知れない。
ホンマかけがえのないモノやったよ、あんた。
ホンマ・・・・・・ホンマに・・・・・・
88 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時09分35秒
早朝の海に来た。誰もいない。
何でこんな時は、海なんやろね。
そういや、誰かが『ヒトは海から生まれた』って言ってたしな。
ヒトから生まれたモンやから、生まれたトコに返すってことか。
89 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時10分11秒
あたしから生まれたあんたへの想い。
海に戻って、いつかあんたを愛せるヒトの想いになってや。
そしたら、もっと幸せになれんで、あんた。
それは結構自信あんねん、悪いけど。
90 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時21分48秒
取り出す写真。取り出すライター。
火をつけると、あっさり燃える。
・・・・・・こんだけ風が強かったら、火ぃ付きにくいもんちゃうか?
そんなに放たれたかったんか、あたし・・・・・・
91 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時22分30秒
熱っ!・・・・・・カッコわる。
指先を焼いて放れたそれは、荒い海に呑みこまれた。
・・・・・・波が高くて良かった。穏やかやったら追いかけそうや。
92 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時23分13秒
想いの分だけポッカリ空いた胸は、寒いけどもう痛くない。
代わりと言っちゃなんだけど、指が痛い・・・・・・

まあええか。
指の痛みも、心の隙間も。
今度こそ、時が解決してくれる。
93 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時23分44秒
「あれぇ〜〜何してんのぉ〜〜?」
「・・・・・・・・・・・あんたこそ」
「あ〜〜海、見たくなってね。いっやぁ〜〜偶然だねぇ。やっぱ運命?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・かもな」
94 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時25分09秒
アホぉっっ!! 
なんであたしに戻ってくんねん!! 
手ぇ痛いだけアホやんかっ!!
2人の写真、燃やしてしもぉた・・・・・・
95 名前:リサイクル 投稿日:2002年05月22日(水)09時25分39秒
「・・・・・・写真撮ろぉな?」


Fin
96 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時35分58秒
最近は独りっきりの楽屋にも慣れた。
というか、騒がしくない楽屋に違和感を感じなくなったというべきか。
独りになって、逆に来客が増えたから。

で、今も元メンバーのひとりが遊びにきてくれてるわけやけど。
97 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時36分33秒
・・・・・・何してんのやろ。
鏡越しに観察しても、その疑問が解けない。
いや雑誌を読んでるのは分かるけど――――何でココで?
そんなにあっちはうるさいんやろか・・・・・・
というか、こんなトコにおってええんかなぁ・・・・・・

読んでいた本も、その疑問が湧いてからは置き去り状態。
妙に気になってしまって、手につかないというか、集中できないというか・・・・・・
98 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時37分08秒
「?」

やばっ!!
鏡越しに目が合ってしまった。
いたずらを見つかったような後ろめたさに、瞬間目を伏せて。

「読書中。お静かに」の看板を立てて、ページをめくる。
―――全神経は背後の気配を感じ取ろうと、集中したまま。
99 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時37分52秒
・・・・・・・・・あほくさ。どうでもええやん。
別におっても問題ないし――――というか悪くないし。
まあ正直に言えば・・・・・・・・・安心できるんかもなぁ。

たどり着いた結果に肩のチカラを抜いて、今度はちゃんと集中した。
『パサッ』―――後ろからは時折、柔らかい音が聴こえてきた。
100 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時38分26秒
「ねぇ」

・・・・・・・・・・・・。
話し掛けても返事が無い。聴こえなかったのかなと顔を上げた。

さっきまで聴こえていた音が途切れたのは、その所為だったんだ。
鏡の前で本を読んでたヒトは、どうやら睡魔に負けたらしい。
101 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時39分02秒
音を立てないように、静かに近寄る。
突っ伏した背中が穏やかに上下してて、邪魔できない眠りだった。

読んでたらしき文庫本は、小さい活字で埋め尽くされて―――相変わらず本好きなんだなぁ。
昔と変わってない嗜好に、何となくホッとする。
102 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時39分43秒
わずかな休息だろう今の眠り。
邪魔したくないけれど、薄い肩に引き寄せられて。
机との間に閉じ込めて、ノースリーブの肩に―――――キス、してた・・・・・・・・・
103 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時40分24秒
ぴくっ・・・・・・

触れてしまったせいで、眠りから覚醒させてしまった。
小さく揺れた肩に続いて、ゆっくりと起き上がる身体。

「ごめん」
104 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時41分03秒
「ぅん・・・・・・ぇ・・よ・・・・・」

目覚めたばかりの掠れた声での答え。意外に深い眠りだったらしい。
改めて申し訳ない気分―――忙しい合間の眠りなのに。自分のせいで・・・・・・

「ごめん」
「―――なんや、さっきから。ええって」
105 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時41分39秒
覗きこんでくる笑みが優しくて、それにホッとすると。
それは途端に、好奇心たっぷりの笑みに変わって。

「―――何したん?」
「えっ?」
「あたし寝てる時、何したん?」

答えに詰まるアタシを面白がってるのは明確で。
ニヤニヤ笑いは、年上とは思えない程コドモっぽい。
106 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時42分16秒
「キスしたん?」
「へっ?・・・・・・・・・うん。・・・・・・ごめん」
「謝らんでもええけど。―――――ふうん、キスしたんかぁ・・・・・・」

面白がってる表情はそのままで、さらに笑顔が増したよう。
知らず見惚れてしまって、目が合った瞬間、気恥ずかしさが込み上げる。
思いっきり視線を逸らした―――バレバレだろうけど・・・・・・

「なんやの。ヘンなコやなぁ・・・・・・・・・なぁ圭ちゃん・・・」
107 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時42分54秒
名前を呼ばれて、反射的に顔を上げる。
さっきまでのコドモっぽい表情は一転して、オトナの顔になっていて。

「どうせなら・・・・・・ちゃんとしよ」

―――――どうしてこのヒトの瞳は、こんなに強いのだろう。
身体は華奢で、チカラだって全然ないのに。惹きつける強いチカラ。
108 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時43分32秒
「―――――いいよ」

余裕なんて全然ない。絞り出した言葉に瞼が閉じると、やっと動く身体。
唇だけを見つめて身体を倒す。薄く開いてるのは、そういうコトなんだろうか。

・・・・・・・・何考えてるんだ、アタシは。
キスなんて、何度もしてるじゃないか。
そう言い聞かせても、ドキドキうるさい心臓を静めることはできない。

―――せめて、震えないで欲しい。切実に願いながら目を閉じた。
109 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時44分16秒
「・・・・・・・ふぁ・・・」
唇を離すと、切なげな息をつくのが聴こえる。
―――色っぽい・・・・・・というかこれ以上刺激しないで欲しい。


「―――ふうん?」
「・・・・・・な、に?」
「いや、オトナになったなぁと」
「っ・・・・・・・・・ば〜か」
「バカやも〜ん。ちゅうかバカ言うなや」

さっきまでの色気も艶やかさも、コロッと消えて。
今は、いつもの軽い雰囲気。―――――ついていけない・・・・・・
110 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時44分50秒
「ところでな」
「ん?」
「ええの? こんなトコおって。そんなにあっちはうるさいん?」


―――――気づいてなかったのか。
そりゃあ、ココよりはウルサイけど、雑誌くらいは読めるよ。
何でわざわざココに来るのか・・・・・・分からないんだねぇ・・・・・・
111 名前:優しい時間 投稿日:2002年05月23日(木)12時45分29秒
「ココよりはね。まあいいじゃん。良いでしょ?」
「圭ちゃんがええんなら」

わざわざ言葉で言うのは悔しいから気づかせてあげよう。
いつかきっと絶対に・・・・・・・・・

Fin
112 名前:作者 投稿日:2002年05月23日(木)12時47分38秒
「リサイクル」と「優しい時間」です。
特にテレビとかからってわけじゃないですが。
最近ツボにはまるネタがないので、ちょっと書いてみました。
113 名前:作者 投稿日:2002年05月24日(金)15時18分55秒
昨日初めてエアモニ聴きまして。なっちゅ〜。行ってみよぉ〜〜
114 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時20分27秒
「お茶もらうでぇ〜〜」

お風呂上がりの裕ちゃんが、頭をふきふきしながら冷蔵庫を覗いてる。

「ビールあるよぉ」
「ん〜ん。お茶でええ」

珍しいこともあるもんだ。
考えてると、リビングに入ってきた裕ちゃんが「ダイエット中やから」って。
あれ? 顔に出てた?―――そっか、ちゃんと気遣ってるんだねぇ。
115 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時21分02秒
「何見とんの?」
「ん? ビデオ」
そう。ずっーっと見ようと思ってて、見てないのがあったから。

「ちょっと安部さん?」
「はい?」
「何、コレ」
116 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時21分43秒
何コレって、見て分かんないのかなぁ。
「だからビデオ。可愛いっしょ?」

「うん。可愛えけど・・・・・・」
そう言いながら、あたしの背中とソファーの背もたれの間に強引に入ってくる。
―――ちょっと狭いじゃん・・・・・・背中が暖かくていいけどさ。
117 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時22分28秒
「実家帰って撮ってきたん?」
「うん。もうめっちゃ可愛かったよぉ。ほら、しっぽなんてすごいっしょ?」
きゃあ〜〜〜めちゃめちゃ可愛いよぉ。やっぱメロンは最高だね。

「ふうん。まっ充分堪能してくださいな」
「うん?」
何か引っかかるなぁ。裕ちゃんはつまんないのかな?
・・・・・・まいっか。そう結論付けて、可愛いメロンのお手とか、お腹なでなでとか楽しんでた。
裕ちゃんの腕の中で―――ほんの数分は。
118 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時23分01秒
『めっちゃ久しぶりに会ったんやろ』
『むっちゃ喜んでんもんなぁ』
『でもなぁ、裕ちゃんも久しぶりやねんなぁ』
『そら、メロンよりは会ってるけどなぁ』
『あ〜あ、なっちはメロンがええねんなぁ』
119 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時23分53秒
―――まったく、このヒトは・・・・・・メロン相手にヤキモチ焼くかな、ふつう。
ちょっと呆れながらも、でもそれより、かなり嬉しくて。

抱えられてる腕を外して反転し、ぶつぶつ言ってる顔を覗く。
あはっ、拗ねてる。可愛いべさ・・・・・・

「何ヤキモチ焼いてるのさぁ」
「あれ? 聞こえてた?」
「聞こえるように言ったくせに」
「ばれたか」
120 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時24分27秒
悪びれた様子は全然なくて、逆にとっても嬉しそう。
―――これってなっちとお話してるから?

「だって、メロンばっか見てんねんもん」
「だってメロンの撮ったけど、ずっと見てなかったからさぁ」
「・・・どっちがええねんっちゅう話やね。メロンとあたしと。ん?」

・・・・・・やっぱり拗ねてたんだ。というかメロンとマジ張り合ってないかい?
―――ん〜〜でも、メロンと裕ちゃんかぁ・・・・・・
121 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時25分06秒
「そんな、裕ちゃんとメロンは違うじゃん」
「そうやけどぉ・・・・・・」

でしょ? 比べられないって話じゃん。でも、そうだなぁ。
「裕ちゃんがメロンだったら、ウチのメロンの方がいいべさ」
122 名前:めろん 投稿日:2002年05月24日(金)15時27分02秒
「なんでやねん」
「だって裕ちゃんだったら、久しぶりに帰ったら忘れてそうだもん。あんた誰やねん?みたいな?」
「アホか。そんな忘れへんてぇ。―――でもあたしやったら室蘭なんかおらんね」

・・・・・・室蘭なんかって何だべさ。どうせ田舎だも〜ん。
田舎だって良いトコあるんだからね。
星はキレイだし、空気は美味しいしさ・・・・・・いいじゃん、いいじゃん。
123 名前:めろん 投稿日:2002年05月25日(土)08時34分56秒
「じゃあドコいるのさ」
「ん? もちろんなっちに付いてくに決まってんやろ」

―――かぁっっ!! なんて可愛いコトを言ってるべさ、このヒトは。

「んで東京に来んねん」
「でもなっち仕事行っちゃうべさ」
「んな、付いてくやん。仕事中も見守ったるからな。やぁ〜モーニングのマスコットになっちゃう?」
124 名前:めろん 投稿日:2002年05月25日(土)08時35分29秒
―――裕ちゃん、夢入ってるよ。いくらなんでも夢見すぎだべさ。

「辻ちゃんとか加護ちゃんに遊ばれちゃうよ」
「ん〜〜・・・・・・それはイヤやな」

おそるべし、辻ちゃん加護ちゃん。
裕ちゃんの夢を、一瞬にしてぶち壊すとは・・・・・・
125 名前:めろん 投稿日:2002年05月25日(土)08時36分06秒
「やっぱ人間でええわ」
「・・・・・・そうだね」
というか、別にイヌが良いとか、人間がイヤとかの話、してたっけ?
・・・・・・不思議だ。
126 名前:めろん 投稿日:2002年05月25日(土)08時36分39秒
「やっぱ、歌いたいし」

うん。歌は捨てられないよね。

「なっち、抱っこしたいし」

なっちだけじゃないじゃん。まっいいけど。

「で、ビールも飲みたいし?」
「おう、なっつあん正解!」
127 名前:めろん 投稿日:2002年05月25日(土)08時37分14秒
―――歌となっちとビールは同レベルなのかい?
・・・・・・ちょっと複雑だべさ。

「どしたん?」
「別になんでもないよ」
「そか」
128 名前:めろん 投稿日:2002年05月25日(土)08時37分44秒
ニコッて笑って、ギュッて抱きしめてくれる。
その笑顔と腕、やっぱり大好きだから。
『このヒトの方が大事なんだ』

そう言っても、メロンは笑ってくれる気がした。
いつものような全開の笑みで。


Fin
129 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月25日(土)21時39分23秒
もう更新の速さ+人物描写に脱帽です。
凄い!!!
HPの彩裕の猫シリーズも超最高(w
130 名前:作者 投稿日:2002年06月02日(日)17時45分14秒
>129
ありがとうございます。
最近はネコの方にはまってまして。
こっちの方は、いつまで続くか・・・・・・
131 名前:作者 投稿日:2002年06月02日(日)17時50分31秒
先週今週のハロプロニュースはどうなんですか?
めっちゃ素の保田さんといい、めっちゃ嬉しそうなtsunagiといい。
特に、ヤグチさん。現実が妄想以上じゃないですか?
もうついていけないっす。

しかぁし、書かずにはいられない。
ということで、かる〜〜く、ちょこっと。
132 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)17時52分06秒
あぁ〜〜疲れたぁ・・・・・・ちょっと休憩。
2回目だけど慣れないなぁ、ミュージカルって。
なんで演技の合間に、わざわざ歌うのかなぁ?


『――――・・・・・・・』


ん?・・・・・・ヤグチとけーちゃんだ。
意外に仲いいんだよね、あの2人。やっぱ同期だからかなぁ。
133 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)17時53分26秒
『ヤグチぃ。少しはセーブしたらぁ?』
『え〜〜そんなに全開だった?』
『うん。めちゃめちゃ全開だった』


―――なるほど。この前の収録話か。
多分ハロプロニュースのことだよね。

確かに、ヤグチは嬉しさ全開だったなぁ。
傍で見てて、ほんとに本番してるの?って感じだったもん。
楽屋の中と変わんなかったもんなぁ。ヤグチ・・・・・・
134 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)17時54分51秒
『そんなこと言ったら、けーちゃんだって』
『あたし?』
『うん。めっちゃ素になってたじゃん』


確かに、素になってて突っ込まれてたけど。
あれは、ゆーちゃんが悪いよ。
ヤグチだって同じ反応しそうじゃん。
135 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)17時56分57秒
『でもさぁ、パネルはさぁ・・・?』
『あ、あれは・・・・・・でもさぁ・・・・・・』


ヤグチ、言葉に詰まってる。
まあ、パネル、バーン!!ってのはねぇ。
136 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)17時58分45秒
『分かるよ? 何気にパネルの時って優しいじゃん?』
『というか、いない石川よりさ、こっちで遊ぼうって思うじゃん』
『遊ぼうっていうか、思いっきりヤキモチじゃん』
『・・・・・・うっさいなぁ。けーちゃんの時はいいよ? ゆーこ忘れてんだもん』
『まーね。やっぱあたしの魅力?』
『おえ〜〜』


おえ〜〜〜・・・・・・あっ、つい習慣で。
というか、パネル一つで盛り上がってる2人って・・・・・・・・・
137 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)18時00分25秒
「・・・・・・カオリ? 何してんの?」
「あっ、なっち。いや2人の話を」
「2人って? 誰もいないじゃん」
「あ〜〜〜そうかぁ。そうだね」
「ヘンなの。―――あっ、呼びにきたんだ」
「ほんと? ありがと」


失敗、失敗。
なっちには聴こえないんだった。


『でもさ、キャスターやりたいね』
『うん。で、もちろん解説は・・・・・・』
138 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)18時04分02秒
「ゆーちゃん!」

「・・・・・・カオリ? 大丈夫かい?」
「あ・・・・・・ごめん。行こっ!」


キャスターかぁ・・・・・・ゆーちゃんとかぁ・・・・・いいよねぇ・・・・・・
あっ!! カオリやってないじゃん、キャスター。何で??
139 名前:ライバル? 投稿日:2002年06月02日(日)18時05分43秒
「なっち? どーしたの?」
「あっ、ヤグチぃ。カオリね、呼びに来たのに・・・・・」
「どれどれ―――あー交信中?」
「うん」
「これじゃあ、キャスターはムリだねぇ」
「キャスター? あぁハロモニ?」
「いきなり交信されたら、ゆーちゃんも困っちゃうもんね」
「そーだね」


「何でぇ〜〜〜??」


「あっ、叫んでる」
「・・・・・・放っといてあげようよ」
「そーだね・・・・・・」

Fin
140 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月02日(日)21時47分32秒
今回は姐さん出てない(w
今夜はみちゅー!!
141 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月03日(月)10時14分26秒
ハロプロニュースは裕ちゃんのハイテンションぶりもすごかった(笑)
久しぶりに、メール欄でも楽しませてもらいました。
142 名前:作者 投稿日:2002年06月03日(月)20時45分25秒
レスありがとうございます。

140>
ホントだ、姐さんでてない。貴重だ・・・・・・
みっちゅー。中学生のエロ本状態・・・面白すぎでした。

141>
メール欄、久しぶりに楽しかった。復活しよーかな。
やっぱココでの楽しみのひとつかも知れないですね。
143 名前:作者 投稿日:2002年06月03日(月)20時49分56秒
平家さんはおっちゃんだそーで。
独り居酒屋といい、石川さんタッチといい。
否定できないとこがなんとも・・・・・・
ということで、みっちゅー、行ってみよー!
144 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月03日(月)20時51分55秒
「おっちゃん、ヒマやなぁ」
「・・・・・・・・・あんたなぁ・・・・・・」


帰り際にメモ渡したんは誰やねん。
『ヒマだったら待ってて』って書いたのは誰やねん。
そんなん書かれたら、待ってるに決まってるやろぉが。


「嘘やって。ありがとぉ」
「初めっから、そー言っとけっちゅーねん」
「そんなん、おもろくないやん」


・・・・・・はいはい。結局そこにたどり着くんやね。
まあそれが関西の血ってやつ? まっ、ええけど。
145 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月03日(月)20時54分11秒
「ゲスト、来てくれてありがとな」
「いえいえ。呼んでくれて、ありがとーございますぅ」
「全くや。あんた来すぎやでぇ?」
「なんやの、それ。さっきとちゃうやん」


こんなに扱き下ろされるゲストって、アタシくらいとちゃうか?
おっさんやら、おっちゃんやら、定着したらどーすんねん。
あれは、姐さんやから許したんやで、ホンマは・・・・・・・・
146 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月03日(月)20時56分24秒
「置いてくでぇ〜」


ちょ〜〜っと、入ってしまったアタシを尻目にスタスタと。
タクシー乗り場に向かう後姿は・・・・・自分勝手とちゃうか?
―――アタシって、めっちゃ恵まれてんなぁ。
も〜〜幸せすぎて、涙でてくるわ・・・・・・・・・


「おっちゃ〜〜ん。ど〜した〜〜??」
「おっちゃん言うなぁ!!」

とりあえず追いついて、突っ込みは入れといた。
147 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月04日(火)02時12分05秒
そーゆー展開なんでしょうか?ドキドキ。
148 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月04日(火)15時17分07秒
待ってました。みちゅー(w
たまには長編でお願いします。(w
149 名前:作者 投稿日:2002年06月05日(水)19時34分52秒
147>
ドキドキ?・・・・・・どーでしょーか。

148>
長編・・・・・ムリです。
そんな頭もテクもないので・・・・・短いのですら、オチがないのに・・・
150 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時36分37秒
「で? どーしたん?」

濡れた髪を拭きながらリビングに入る。
カチャカチャ移り変わる、せわしない画面。


「別にぃ?」

興味ないくせに、顔はテレビに向けたまま。
わざとらしく、お茶なんか飲んでみて。

「ふうん? いきなりウチに来たいとか言うてぇ?」
「そら、久しぶりやし? ええやん」
「ふうん?」

ラジオん時とか、いつになく甘えたやったくせに。
『愛の証』なんて初めて聴いたで?
151 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時38分03秒
アタシの視線に気づいてるくせに、一向にこっちを見ようとしない。
床に体育座りなんかして、ビールも飲まんっちゅーたらなぁ?
何かあると思うに決まっとるやんか・・・・・・・・・


「・・・・・・・・乾かしたん?」

後ろのソファーに座って、俯き加減の頭に手を伸ばす。
それは細くてサラサラで―――むっちゃ気持ちえーやん。
152 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時40分03秒
柔らかい感触に捕らわれてたらしい。
「あんなぁ」って呟く小さな声に、意識が戻ってくる。

やーっと話す気になったん? 
全く世話が焼けるちゅーねん。

そんな心を隠しつつ。「ん?」って先を促して。
153 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時42分24秒
「五木さんの、行ってきてん」

あー、お母さんのな。うん・・・・・・・・・

「お父さんのお墓参りも行ってきたんや」

うん。久しぶりやったんやろ? 良かったなぁ。

「お母さんにも会ってきた」

ん。めっちゃ甘えてきたんやろ? まだ抜けてないで、それ。

「でな。孫の顔見たいって。初めて言われてん」

あ〜〜・・・まぁ・・・・・・そーやな。オカシクはないわな。
154 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時44分25秒
「―――それで何か悩んでるんか?」
「ちゅうか、親孝行ってそーゆーモンなんやなぁ・・・・・と」


親孝行って・・・・・まあそーゆーのもアリやろうけど。
もしかして、結婚してコドモ作ろうかなぁとか、思ってるんかぁ??

・・・・・・・・・このテの話は聞きたくないねん。
もちろん大事なんは知っとるけど、アタシにとっては楽しくないもん。
この点では、やぐっちゃんらも同意見やと思うねん。
155 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時46分23秒
そんなアタシたちの心の中を、知ってか知らずか。
このヒトは、しょっちゅう結婚って言葉を口にする。
なぁ、その言葉に心穏やかじゃないのは、姐さんだけとちゃうんやで?

勝手な言い分ってのは、じゅーぶん分かってる。
でもな? なぁ、分かってや、こっちの気持ち。
156 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時49分03秒
「じゃあ結婚するん?」

ソファーから降りて、後ろから抱きかかえる。

「コドモ作るん?」

目の前にきた首筋に、顔を寄せて。

「お母さんのために」

伸びた後ろ髪を、鼻で掻き分け。

「なぁ・・・・・・」

たどり着いたうなじに―――噛み付いた。
157 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時51分04秒
「ぅんっ!!」

背筋が強張り、拒絶される。

「・・・・・・ったいなぁ。噛むなや」


噛んだトコを押さえる手。
その手に指を絡ませて、そのまま退かす。
露わになった首を引き寄せて、唇を寄せる。
158 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時53分08秒
「ごめん」

謝って、噛んだトコを、今度は舐める。
舌を伸ばして、ゆっくりと。

「んんっ・・・・・・・・・・」

耳の後ろまで伸びると、途端に粟立つ肌。
耳が弱いのは、とーぜん知ってるから。
159 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時55分53秒
「んで、どーするん?」

聴覚から、直接脳を刺激する。
音と粘膜を絡ませながら。


「・・・・・・なに、が・・・・・・」

紅い耳と、荒い息の合間に、返る言葉。
何がって、分からん話とちゃうやんか。詳しく言わんと、分からんの?
160 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)19時57分37秒
「結婚したらえーやん。んで、こーしてもらいーや」


前に下ろした手を、パジャマの間から差し込んで。
下着をつけてないそこを、包むように揉みしだく。
立ちあがる先端を、指の隙間で挟み込んで。


「やっっ・・・・・・」

丸まる身体に合わせて、今度は押し込む。
絡ませた指から離した手は、パジャマの、さらに下まで潜り込んだ。
161 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時01分16秒
「ココから産んだらえーやん」


触れる―――溶けたバターのように・・・・・・熱くまとわりつく、そこに。
湧きはじめた体液を、絡めて、そろえて・・・・・・突き刺した。


「あんっっ・・・・・・やっ、イヤっ・・・・・・」
162 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時03分32秒
腕を突っ張って、アタシを抜こうとする、強い抵抗。
逆らわず、素直に抜いて、逃げる身体を押し倒す。
固い床に手をついて、見下ろすのは、戸惑う表情。

かまわず顔を寄せると、拒絶するかのように背けられる。


「イヤなん?」


代わりに晒された白い首筋。脈打つ頚動脈。
動物だったら、姐さんの負けやで、これって・・・・・・
163 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時06分04秒
「イキナリ何やねん。それに、床、痛いし―――イヤやって」


アタシの顔を退けようと伸びてくる手。
捕らえて、床にはり付ける。


「すぐ終わるから、だいじょぶや」
「・・・・・・・・・・・オヤジ」
「うっさいでぇ?」


減らず口を塞ぐ。言葉にできないように、舌ごと捕らえて。
足の間に膝を入れると、抵抗は消えた。
164 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時07分59秒
「気持ち悪いやろ?」
濡れたまんまやし。

答えを聞かずに、全部脱がせる。―――下着ごと。
外気に晒されて、怯えるように閉じた両足。

チカラの抜けた足は、姐さんの抵抗とは裏腹に、簡単に開く。


「なぁ、今更やんか」
165 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時11分13秒
入り口を探りながら、紅い顔を覗き込むと。
「明るいやん」―――逸らしたまま、小さな声で。


あ〜そーいえば、電気点けっぱなしやったなぁ。
そら、ちょっと抵抗あるかも・・・・・・・・・・
まっ、えーやん。そんなん気にならなくしたるし。
166 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時13分06秒
「じゃー、眼ぇ瞑っといてなっ!!」


合図とばかりに、差し入れる。
足りない気がして、もー1本。


「―――んっ・・・ぅんっ・・・・んっ・・・くっ・・・」


さっきよりも大きい反応に満足しながら。
動き通りの声に、支配欲が満たされる。でも―――もっと・・・・・・
167 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時14分49秒
「コドモ産んでもえーよーに、慣らしといたる」
「なに・・・・・言って・・・・・・・・・っくぅぅ・・・・・・・・」


もう1本増やして、ゆっくり沈める。
少しずつ、ひねりながら、奥へ奥へ・・・・・・


「やっ・・・・・もっ・・・・・ムリっ・・・・・・」
「だいじょぶや・・・・・・」


上に逃げる腰を押さえて、強引に押し進める。
ちょっとキツイけど、根元まで届く限り・・・・・・
168 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時20分16秒
「んんぅ・・・・・・な・・・・・・ぬい、て・・・・・・・」
「すぐ慣れるてぇ」


アタシに組敷かれる姐さんは、苦悶の表情。
ホンマに苦しそうや。でも―――すぐ良くなるから。


「気持ち良ぉしたるからな」
169 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時22分34秒
唇にキスをした後、少しずつ降りていく。
胸、お腹、そして――― 一番感じる、弱い所。
奥まで突き上げながら、固い蕾を口に含む。


「ぅん!! うぅ・・・・・・ぅんっ・・・・・」


跳ねる腰を諌めるように、折り曲げたまま固定して。
代わりに、口の中で舌を遊ばす。


「はぁぁあぁ・・・・・・・・やぁ・・・ぁんんっ・・・・・・」
170 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時25分26秒
しばらくすると、聴こえてた嬌声が、少しずつ弱く細く。
顔を上げて覗き込むと、涙を流す姐さんがいた。


「だいじょぶかぁ?」

痙攣しそうに震える身体を片手で抱いて。
額に、瞼にキスをする。


「・・・・・・・もぉ・・・・おねがぃ・・・・・・・・・・」

薄っすらと開いた瞳が、切なそうに訴える。
171 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時27分09秒
そーか、アタシ、焦らしてもーたんか。
アカン、アカン。たまーに限度を忘れるんや、アタシ・・・・・・


「えーよ」


入れたままの指を大きく動かす。
さっきよりも強い締め付け。動きにくい。
負けずに擦り上げて、同じところを吸い上げた―――


「・・・・・・・・・・・ぁぁっっ!!」

絞り出された声は微か。でも確実に絶頂を迎えた証だった。
172 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時30分09秒
「はぁ・・・・・・・・・のど痛ぁ・・・・・」


恨めしそうな顔と目が合った。
あれ? 良くなかったんか?


「アカンかった?」
「アホッ!!――――何で、いきなりキレんねん」
「や、だって結婚とか言うし・・・・・アタシじゃアカンのかなとか・・・・・・」
「いやアカンやろ」


・・・・・・・・・・・・はっきり言うなぁ、あんた。
分かってんねん。んなコトはぁ!!
173 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時32分31秒
「ちゅーか、別に結婚とかコドモの話がしたかったんと違くてぇ」

って、めっちゃしてたやん。孫がどーのとか・・・・・・・・

「親孝行の話がしたかったんや」

―――親孝行? せやから孫見せるんが親孝行なんやろ?

「親っていつ死ぬか分からんから。いっつも考えとかんとアカンなぁ・・・・って」

・・・・・・・・なるほどぉ!
初めっからそー言ってやぁ。全くヒトが悪いんやから。
174 名前:おっちゃん 投稿日:2002年06月05日(水)20時35分09秒
「その通り! 親孝行、ちゃんと考えとこな?」
「おっちゃん・・・・・・」
「ん?」
「調子ええのって・・・・・・やっぱ、おっちゃんやな」


・・・・・・・・ええもーん。おっちゃんでも。
姐さんのいいトコ見られるんなら、おっちゃんでええねん。


「ホンマのこと、教えたろーか?」
「ホンマのことって?」
「アタシのおっちゃん全開はな、姐さんしか知らんねん」
「どーゆーこと??」
「エッチん時、全開やから」
175 名前:おっちゃん  投稿日:2002年06月06日(木)19時30分15秒
「おっちゃん、好きやろ?」
「・・・・・・キライや」
「ふうん・・・・・・」


キライ・・・・・・・・・冗談でも聞きたくなかったなぁ・・・・・・
今のアタシに、それは禁句やで?―――ほら、もーヤバイもん。


「分からんのかなぁ・・・」
176 名前:おっちゃん  投稿日:2002年06月06日(木)19時32分27秒
未だ床に座ったままなのを、もいっかい押し倒して。
火照ったままの熱い身体は、すぐに応える。

脈打つ動脈。震える脇腹。紅く尖った蕾。
舐める。触る。摘み上げる。―――その度に。
吐息を漏らし。背を反って。手足を震わす。


「やっ、・・・・・・もぉ、ええってぇ・・・・・・・」
「イったばっかやし、気持ちええやろ?」
「やぁ・・・・・・・あぁぁ・・・・・・」
177 名前:おっちゃん  投稿日:2002年06月06日(木)19時34分13秒
時間がたって少し冷えてたそこも、中は既に熱っぽく。
入れた指の分だけ、熱い粘液が溢れ出した。


「もっ、アカっ・・・・・・・んっ・・・・・はっ・・・あぁ・・・・・」
「好きやろ?」


奥まで満たして、天井を擦って。周りを転がして。
冷静なフリで、答えを促す。
なぁ、言ってくれんと、アタシ、きっと止まらんでぇ?
178 名前:おっちゃん  投稿日:2002年06月06日(木)19時35分56秒
「ぅ、んっ・・・・・・すき・・・・・・・ぃあああぁぁぁっっ・・・・・・・・・」


背中を、手足を。チカラいっぱい突っ張って。
ブルブルと震えた内股は、チカラなく崩れた。
179 名前:おっちゃん  投稿日:2002年06月06日(木)19時38分10秒
―――やりすぎちゃうか、アタシ・・・・・・

ぐったりと手足を投げ出したまま、動こうとしない。
その様子に不安になって、恐る恐る呼びかける。


「姐さん・・・・・・? 裕ちゃん・・・・・・・?」


アタシの弱気に気づいたのか、かろうじて薄く目が開く。
それにホッと安心する―――ちょーっと怒りが入ってたけど・・・・・・


「ごめんなぁ」

汗で濡れた額を、そっと撫でて。
涙が光る目に、頬にキスをする。
180 名前:おっちゃん  投稿日:2002年06月06日(木)19時40分14秒
―――ごめんなぁ。でも、裕ちゃんが悪いんやで。
忘れたつもりの不安を、これでもかと突きつけるんやから・・・・・


いつか現実になる、あなたを失う不安。
その寂しさとか、悲しさとか、想像できへんけど。
きっと正気では、耐えられへんから。


だから、今から、少しずつ、少しずつ。
狂っていくのも、手・・・・・・・・・・・・ちゃう?


Fin
181 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月07日(金)03時05分31秒
みっちゅーをありがとう。(w
幸せです・・・
182 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月07日(金)20時46分04秒
やっぱりこの二人は最高です。(w
みちゅーって・・・みっちゃんの片思いが何故か多い。
しかも矢口の対抗馬とか(w
みっちゅーで姐さんが片思いって1回よんでみたいな。いつもの逆バージョンで
最初は、やぐちゅーなんだけど姐さんがいつのまにか・・・みっちゃんに惚れてしまうとか
ムリですかね?作者さま(w

183 名前:作者 投稿日:2002年06月08日(土)15時29分07秒
181,182>
レス、ありがとうございます。
みっちゅー・・・マイナーだけど大好き!・・・みたいな。

で、みっちゅー・姐さんからGO風味。書いてみました。
やぐちゅーから・・・ていうと、矢口さん可哀相だし、長くなるので。
いつもよりは、平家さん有利・・・みたいな?
184 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時30分41秒
「ヤグチぃ。好きやでぇ。チューしよぉ」
「いやぁ〜〜〜」
「かわええなぁ・・・・・・」
「離せよぉ。アホゆーこぉ」


いつからだろう。
これが普通の風景になったのは。
姐さんがやぐっちゃんにせまって、嫌がられる。

もーずーっと見てる気がする。
185 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時32分18秒
「どしたん? みっちゃん」


結局逃げられたらしい。
いつのまにか、近くに来てた姐さんに話し掛けられる。


「いや、相変わらずやなぁ、と」
「ん?」
「やぐっちゃん、お気に入りなんやねぇ」
「まーなぁ。だってなぁ、かわええもん。あ〜〜ヤグチ、ほしーなぁ・・・」

欲しいなぁって・・・・・姐さん・・・・・・・・

「ペットちゃうねんで?」
「だってなぁ・・・ちっちゃいし、かわええし。この前もなぁ・・・・・」

ハムスターに例えられちゃうって。
・・・・・・どーなん? やぐっちゃん・・・・・・
186 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時34分06秒
「みっちゃん!」

いつになく、興奮気味の姐さんが、飛び込んできた。

・・・・・・なんや? 何か怒ってるんか?―――何かしたっけかぁ? 


「な、なんでしょ?」

理由が分からないけど、刺激しないように低姿勢。
そんなアタシに、バンって机を叩いて―――やっぱ怒ってるん?
187 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時35分48秒
「なんで?」
「はぁ?」


何で?って・・・・・・はぁ??
怒ってるらしいのは、よーく分かる。
でも、何でって言われても。全然、分からんやんか。


「石川にセクハラしたんやろぉ?」
「あ・・・・・・・・・あぁ、はいはい。しましたねぇ」


―――しましたねぇ・・・とちゃうがな、アタシ。
それで怒ってるちゅうことは・・・・・あれか?
姐さん、何気にリカちゃんのこと、お気に入りやから・・・か??
188 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時37分53秒
「イヤ、あれはな、三人祭りでな、オシリ見せてくれましてん。で、ちょっとな・・・・・」
「そんで、触ったん?」
「う、ん・・・・・・それだけですやん? スキンシップやん」
「―――ええ形、してたんやろ?」
「あ〜〜うん。なかなかなぁ・・・・・・キュッっとしててなぁ・・・・」


・・・・・・・・・・はっ! ジト目や。アカン。再燃してまう。


「いやいや、もー触りませんから、はい」
リカちゃんには、手ぇ出しませんから。せやから怒らんといてぇな。
189 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時40分53秒
「・・・・・・何でやねんな。何で石川なん?」
「・・・・・・・はい?」
「やっぱ若い方がええん? あたしの方が付き合い長いねんで?」
「・・・・・・・・・・・・・・・はい??」


付き合い長い? 誰と誰が??


「みっちゃんのアホぉ!!」


思いっきり怒鳴って、楽屋を飛び出してってしもた。
来た時も騒がしかったけど、出てく時も騒がしいなぁ・・・・・

―――って、待ちやぁ? 何だったんや?
姐さんが怒ってた。それは確かや。でも・・・・・最後のセリフは・・・・・・・・・
190 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時42分15秒
姐さん、どこ行ったんや?
―――おっ?! おったおった。ん? あれは・・・・・・・


「あれぇ? 中澤さん、どーしたんですかぁ?」
「・・・・・・・・・最悪・・・・・」
「はい? だいじょーぶですか? 何か元気ないですよぉ?」
「ええから。向こう行きぃ」
「だって・・・・・泣いてません?」
「・・・・・・・・・・・・せやから、放っとけっちゅーねん!」
191 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時44分00秒
うっわぁ・・・キレそーやなぁ。
あ〜〜リカちゃん、戸惑ってるわ。


「ええから、任しといてな」ってリカちゃんを帰して。
無言で拒絶する背中に、強引に抱きつく。
192 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時45分43秒
「離して・・・・・」
「イヤです」


いつにない硬い口調。身体全部で表す拒絶。
―――めげずに確かめんと。


「なぁ、どーゆーこと? ちゃんと言ってや?」
「・・・・・・・・・もうええ」


泣いてるのか怒ってるのか。
掠れた声。震える肩。―――そんなんで、ええって言われてもなぁ・・・・・・
193 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時47分37秒
「姐さん・・・・・・」


窓の外は、ごちゃごちゃした街並み。
心奪われるモノなんか、ないくせに。


「ゆーちゃん・・・・・・・・」


言ってくれるまで、離さへんで。
伝えるように、ギュッっと強く抱きしめる。
194 名前:風景 投稿日:2002年06月08日(土)15時49分48秒
「何で、石川なん? 何で?」


相変わらず、何でばっかや。
せやから、それじゃ分からんのや。
姐さんの苛立ちも。悲しそうに泣いてる訳も・・・・・・


「なぁ、分かるように言ってや。お願いや・・・・」
「・・・・・・・・・ヤ・・・」


腕の中の温もりは、短い言葉を最後に失われて。
目の前には、泣きそうな空が広がった。
195 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月08日(土)20時45分37秒
ここの平家さん、裕ちゃんに何回殴られてるんだろう(笑)
ちょっとシリアスな本編とのギャップがまた楽しいです。
でも、「あなたの子よ!」は最高でした。

196 名前:作者 投稿日:2002年06月09日(日)09時34分50秒
我ながら、メール欄の方が性に合ってる気がします。
この短さがスッキリしてていいのかも。
197 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時37分18秒
「なぁ〜カオリぃ。カオリも若いコ好きなん?」
「何言ってんの?」
「だってなぁ〜〜・・・みっちゃん、石川のオシリ、触ってん・・・・・・」
「自分だって、皆にキスしてんじゃん。ヤグチとかさ」
「それはメンバー愛やっ! ヤグチは大好きやし・・・」


あたしはしょっちゅう、それこそ昔からやから。
でも、何で石川なんかなぁ・・・・・
そんなに石川のオシリは魅力的なんかなぁ・・・・・・・
198 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時39分06秒
―――あたしじゃアカンのかなぁ・・・・ってオイ!
何考えてんねん、あたしは。―――――もしかして、そーゆーコトなん?
・・・・・・・・いやアカンやろ。てか・・・・・・アカンよなぁ?


あーでも、そーなんかなぁ、やっぱり。
別のヒトに目ぇ向けられるんが、イヤなんやろーなぁ・・・きっと。
―――てことは、そーゆー意味で好きなんやろーか。
・・・・・・・・・・・・え〜〜〜? 触って欲しーってコトぉ〜〜〜??
199 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時40分42秒
「みっちゃんもメンバー愛じゃん」
「・・・・・・・・」
「ゆーちゃん?」


目の前で、段々真っ赤になってくるゆーちゃん。
・・・・・・・・・・何考えてるんだろう?

最近は相談とか乗ってもらうのに、一緒に飲みにくるけど。
今日は、ゆーちゃんの方が悩んでるみたい。

―――というか、どうもヤキモチ焼いてるとしか思えないんだけど・・・・・
出てきた名前はぁ―――ヤグチとみっちゃんと石川かぁ・・・・・・・・
200 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時42分07秒
「ヤグチ・・・」
「ん〜〜〜?」
「いや、最近仲いいね」
「ん〜〜・・・あんたと同じでな。今の距離が付き合いやすいみたいやな」

ビールに口をつけたまま、上目遣いに答えてくれる。
思い出してるのか、楽しそうだけど・・・・・・・こっちじゃないな。
201 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時44分10秒
「みっちゃん・・・・」
「ん??」

豆腐を見つめていた目が泳いだ・・・・・こっちだ。

―――ふうん、みっちゃんかぁ。なるほど。
ゆーちゃんは、みっちゃんが好きだったんだねぇ。


「みっちゃんって、最近綺麗になったよねぇ・・・・・」
「そーかぁ?・・・・・・・・そっかぁ・・・・」


何で、ゆーちゃんが赤くなるのさ。
みっちゃんを誉めてるのに・・・・・・・・
202 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時47分08秒
・・・オンナのヒトって、大人になっても可愛くいられるんだなぁ・・・・
ゆーちゃんを見てて、そう思うよ。
大丈夫。上手くいくよ。みっちゃん、受け止めてくれるって。


「みっちゃん・・・・・・?」
「ん?」
「いや、みっちゃんだ・・・・」


カラカラって開いた扉。
その向こうから登場したのは、噂のみっちゃんだった。
203 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時49分38秒
「おっ? ココで飲んでたんかぁ・・・」

背後から聞こえたのは、ヘンな関西弁・・・・・
振り向くと、案の定、みっちゃん・・・・・・・・・あっちゃんもおった。


「あっ、あっちゃん、ちょっと・・・・・」

突然立ち上がったカオリが、あっちゃんと別の席に。
入れ替わって、目の前にはみっちゃんがおった・・・・・・


「結構飲んでんの?」って聞いてくるのを無視して。
「あっちゃんと2人で来たん?」って話し掛ける。
204 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時51分52秒
「独りで行くのも、またおっちゃんって言われそーやん?」


そら、そーやん。
せやから、あたしのコト誘ってって言ったやん。
・・・・・・・・・なんで、あっちゃんやの?


「やから、あっちゃんを誘ってん。―――ゆーちゃん、連絡つかんかったし」


バックから携帯を取り出すと、確かに不在着信あり。
・・・・・・・・・そーやったんか。何や、アホらし。
205 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時53分28秒
「なぁ、さっきのなぁ・・・・・何で?」
「―――さっきのって?」
「姐さん、怒ってたやんか。何でなん??」
「・・・・・・・・そんなん、こんなトコで言われへん」
「言われへんの?」


・・・・・・しもた。言われへんコトないやんなぁ?
あたし、何言いたいねん。・・・・・・・・・アホや。
206 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時55分51秒
「なぁ、ずーっと気になってん。アタシ、何かしたん?」


恐る恐る、不安げに聞いてくるみっちゃん。
―――いや、あんたの所為じゃないねん。
あたしの所為やねん。けど・・・・・何て言ったらええねん。


「なぁ? セクハラしたこと? そんなん姐さんかて」
「あんたはそんなこと、したらアカン!」
「何でやねん。姐さんかてしてるやろぉ?」
「あたしはええねん」
「なぁ。訳言ってや。そしたらせえへんから・・・・・」
207 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時57分22秒
訳ぇ?―――そんなん言えるわけないやろぉ?

あんたが他のヒトに触れるのが・・・イヤなんて・・・・・
あたしだけ、見とって・・・なんて・・・・・・

相手は彼氏でも恋人でもないんやで?
相手はみっちゃんやで? 
悪友で、付き合い長くて、気が合って・・・・・・大好きな友達。
それだけ・・・・・・・?―――かなぁ・・・・・
208 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)09時59分10秒
「なぁ・・・そしたら、また触るで?」
「・・・・・・」
「もしかしたら、ちゅーとかも・・・・・」
「アカン!!」


そんなんアカンって。
でも・・・言えるわけないやろぉ・・・・・・



「どーしてなん・・・・・・・」
209 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)10時01分22秒
『あたしだけ見ててってさ!』

「カオっ!!・・・・・・・・」

「みっちゃんが、石川にちょっかい出すのがヤなん―――」
「ちゃう!・・・・・・向こう行っときぃ」


後ろの席から乱入してきた、カオリの言葉。
目の前で真っ赤になってる姐さんの態度。
・・・・・・そーゆーことなん?
210 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)10時02分44秒
「ゆーちゃん・・・・」

カオリを一生懸命追い出してる背中に、そっと呼びかける。

ピクッと震えた後、正面を向いた身体は――すぐに横向いた。
でもその横顔は、相変わらず真っ赤で。
グラスに添えられる手は、震えてた。


「こっち向いてや」
「・・・・・ヤ」

相変わらず天邪鬼というか、恥かしがりというか。
ま、しゃあないか。
211 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)10時04分24秒
「なぁ。カオリの言うコト、ホンマ?」


少しの躊躇の後、静かに縦に振られた頭。

・・・・・・・・そーやったんかぁ。
ボロクソ言われるし、蹴りばっか入れてくるから、遊ばれてるんかと思ってたわ。


「・・・・・・ヤだった?」


沈黙を、拒絶と取ったのか。
問いかけと共に上がった顔―――泣きそうやぁ。
212 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)10時06分51秒
「アホやなぁ・・・んなわけないやん」
「・・・・・・・ホンマに?」

あ〜〜泣いてもうた。―――かわええなぁ・・・
ちゅうか泣き顔・・・・・・綺麗やなぁ・・・・・・じゃなくて。


「ずーっと前から言ってたやろ? ゆーちゃん好きやって。
 アタシはな、2人で新幹線乗ってた頃から、あんたに惚れてたんや」

「・・・・・・・・ホンマにぃ?」


あ〜〜泣き虫さんやなぁ・・・・・・・
ちゅうか抱きしめたいなぁ・・・・・・・・・
213 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)10時08分57秒
「居酒屋やなかったら、抱きしめてるトコや」
「・・・・・・やから、こんなトコで言われへんって言ったやん」
「なるほど」


涙の残る笑顔のくせして、いつのもように突っ込んでくる。
強がりやなぁって思うけど。そんなトコも大好きやで。
214 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)10時10分45秒
「やーぐちぃ。好っきやでぇ〜〜」
「だからぁ〜〜」
「かわええなぁ・・・・・」
「アホぉ〜〜」
「アホやも〜〜ん」


いつからだろう。
これが普通の風景になったのは。
姐さんがやぐっちゃんにせまって、嫌がられる。

もーずーっと見てるけど。
215 名前:風景 投稿日:2002年06月09日(日)10時12分22秒
「どしたん? みっちゃん」

結局逃げられて、寄ってきた姐さんに話し掛けられる。

「いや、アタシもちゅーしたいなぁ」
「・・・・・・あたしにか?」
「そんならええんやろ?」
「・・・・・・・・・2人ン時にな・・・」
「分かってますって」


いつも見ていた風景やけど。
ちょっと変わってきたらしい。


Fin
216 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月10日(月)00時15分33秒
素晴らしいです。
次回はぜひみちごまを!
217 名前:やぐちゅ〜〜みっちゅ〜狂患者 投稿日:2002年06月10日(月)01時10分34秒
素晴らしい、みっちゅ〜大人の情緒たっぷり!!!
あっちゃんの顔文字こんな感じじゃないかな?

(`w´)<・・・もうちょっと、ましなんないん?
218 名前:出張!メール欄。 投稿日:2002年06月11日(火)19時35分40秒
( ´ Д `)<みちごまだって・・・・・・・
( `◇´)<アタシら、ラブラブなんかいな?
( ´ Д `)<あ、でも、ごとーはいいですよぉ?
( `◇´)<ホンマに?(ドキドキ)
( ´ Д `)<うん。関西弁スキだしぃ・・・・・・
( `◇´)<・・・・・・関西人ならええんか・・・・・?
( ´ Д `)<年上スキだしぃ・・・・・・
( `◇´)<・・・・・・・・姐さんも同じやんか・・・・・・
( ´ Д `)<ゆーちゃん? ゆーちゃんもスキだけどぉ・・・・・・

从 ~∀~ 从<としよりは嫌やとぉ!!(怒)
( `◇´)<そんな事言ってないやんか。(どっから出てくんねん…)
从 ~∀~ 从<人生経験豊富ちゅうのはなぁ…説教したる。保健室来ぃ?
( ´ Д `)<うん!(喜&去)
( `◇´)<みちごまやないんかぁ〜〜??
219 名前:出張!メール欄。 投稿日:2002年06月11日(火)19時39分47秒
从 ~∀~ 从<じょーだんやんかぁ。
( ´ Д `)<じょーだんですよぉ。
( `◇´)<・・・・・・姐さんは本気やろ(疑)
从 ~∀~ 从<・・・・・・・・・ちっ・・・・(悔)
( ´ Д `)<ゆーちゃんはスキだけどぉ・・・・・・ほら!

(●´−`●)<あ〜〜ゆーちゃん、見つけたべさ(呆)
〜^◇^〜<あ〜〜また手ぇ出してる!(怒)
从 ~∀~ 从<ぅおっ? どっから出てくんねん?
( `◇´)<・・・・・・(姐さん、ヒトの事、言えへんって)

(●´−`●)<tsunagi、集合掛けたのに。
〜^◇^〜<下っ端が来なきゃダメじゃん。
从 ~∀~ 从<あ〜はいはい。で? どこ行くん?
(●´−`●) 〜^◇^〜<保健室ぅ!!
从 ~∀~ 从<あ〜〜はいはい。ほな行こか(喜)
(●´−`●) 〜^◇^〜<うん!!(邪笑)

( ´ Д `)<ね? だからごとーはへーけさんがイイの!
( `◇´)<・・・・・・複雑やなぁ…(しかし、姐さんは大丈夫なんやろか)
220 名前:出張!メール欄。 投稿日:2002年06月11日(火)19時42分27秒
从 ~∀~ 从<みちごまっちゅうコトはな。みっちゃん、頑張りや?
( `◇´)<せやな。年上がリードせんとな。
( ´ Д `)<あっ! へーけさーん!!(駆寄&抱)
( `◇´)<ごっちん・・・・・・(ここはオトナの魅力で・・・・・・)
( ´ Д `)<へーけさん。へーけさん。へーけさぁーん(ギュウゥゥ…)
( `◇´)<ご、ごっちん・・・・・・(苦)

从 ~∀~ 从<南無ぅ〜〜
(●´−`●)<ゆーちゃん、何してるの?
从 ~∀~ 从<2人の門出を祝ってんねん。
〜^◇^〜<じゃ、矢口も。南無ぅ〜〜
(●´−`●)<なっちも。南無ぅ〜〜
从 ~∀~ 从 (●´−`●) 〜^◇^〜<南無ぅ〜〜〜
( `◇´)<うっとーしぃーわ!!
( ´ Д `)<皆ぁ〜ありがとぉ♪
( `◇´)<イヤ祝ってへんから。・・・・・・・ちゅーか助けて(泣)
221 名前:出張!メール欄。 投稿日:2002年06月11日(火)19時44分27秒
( ´ Д `)<へーけさん(真剣)
( `◇´)<…ごっちん(真剣)・・・・(やっとみちごまや・・・・・・)
( ´ Д `)<優しくしてね(照)
( `◇´)<当たり前やんか。・・・・・・スキやで。
( ´ Д `)<へーけさぁん(目閉じ)

*******

( `◇´)<かわいかったで。ごっちん・・・・・・
( ´ Д `)<いやぁん。バシッ!(叩)
( `◇´)<ぐはっ!(倒)
从 ~∀~ 从<・・・・・・お約束やね(合掌)
(●´−`●) 〜^◇^〜<・・・・お約束だね(合掌)
222 名前:出張!メール欄。 投稿日:2002年06月11日(火)19時46分17秒
从 ~∀~ 从<いっやぁ〜。素晴らしいみちごまやったねぇ(感動)
( ´ Д `)<うん。まあまあだったよ。
( `◇´)<・・・・・・まあまあって??
从 ~∀~ 从<そらぁ、みっちゃんのテクやん。まあまあやって。
(●´−`●)<みっちゃん、まあまあかぁ・・・・・・
〜^◇^〜<まあまあだよ。みっちゃんだし・・・・・・

( `◇´)<な、何やねん! えーやんかぁ・・・・・・(泣)
从 ~∀~ 从<えーで? 別に。ごっちんが良ければなぁ?
( ´ Д `)<ん〜〜〜・・・・・・・・・いいよぉ。
( `◇´)<その間は何やねん! ……勉強したるわぁ!!
( ´ Д `)<うん!!(喜)
( `◇´)<・・・・・・やっぱアカンかったんかぁ(悲)

( ´ Д `)<じょーだんですよぉ。そのままのへーけさんでイイです。
( `◇´)<ごっちん・・・・・・(感動)
( ´ Д `)<でも、勉強はしましょーね。…2人で(照)
( `◇´)<・・・・・・せやな。2人でな。
223 名前:作者 投稿日:2002年06月11日(火)19時49分20秒
>216
はい。スイマセン。
私が書くみちごまはこーなってしまいました。
・・・・・・スイマセン。もーしませんから。
224 名前:作者 投稿日:2002年06月11日(火)19時51分26秒
>217
稲葉さんの顔文字。ありがとうございます。
チャンスがあれば、いつか登場。
225 名前:作者 投稿日:2002年06月11日(火)19時53分59秒
ちょっと遊びたかったもので。
もー書きませんから、流してください。
ではまた、何か思いついた時まで。
226 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月13日(木)00時22分22秒
みちごまありがとうございました。
深刻なみちごま不足のおり、まさにオアシスでした。
お礼といってはなんですが、彩っぺのAAはこれです。
鼻ピまできちんと表現されてるんですね。

( `・ゝ´)

次回の更新をまたーりとお待ちしてます。
227 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月13日(木)03時22分28秒
作者さんの彩裕もっとよみたいです。
228 名前:作者 投稿日:2002年06月13日(木)19時45分08秒
226>
あ〜ありがとうございます。あんなふざけたので・・・・多謝。

227>
226さんに彩っぺのを教えてもらったので。
ちょっと嬉しくて更新します。ナイスタイミング!
229 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)19時47分32秒
部屋の時計は昼間を指しているのに、窓の外は夕方のようだ。
ガラス越しにもかかわらず、湿気がまとわりついてくる。
庭に見える紫陽花も、なんだかくすんで見えて。


こんな天気、喜んでるのはカエルかカタツムリくらいだってーの。

―――カエルかぁ。ふと思いついた緑色の生き物。
同時に、コレが泣くほど嫌いなヒトも思い浮かぶ。
230 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)19時49分07秒
緑と青紫の色彩から、白い部屋の中に視線を移す。
目に入るのは、茶色の髪と花柄のワンピース。
思い浮かべたそのヒトは、お昼寝中の玲夢の側に、同じように寝っ転がって。


―――パラッ・・・・・・

雑誌をめくる音だけが、静かに響く。
旅行雑誌だろうか。『バリ!』の文字が、大きく踊っている。


本の中の青い海は、陰鬱な現実を知らずに、明るくさわやかで。
熱い乾いた風が、涼しげに吹いているのだろうか。
231 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)19時52分17秒
「おもっ・・・・・・」


聞こえた呟きを無視して、うつ伏せの背中に身体を重ねる。
肩越しに雑誌を覗くと、青い空と繋がった海が、どこまでも広がっていた。




「・・・・・・海かぁ・・・・・・行きたいなぁ・・・・・・」
232 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)19時54分25秒
「海ぃ? こんな天気にかぁ?」


何気なく発した言葉。
反応が返ってくるとは思ってなくて、思わず口篭もる。

そんなアタシに気づいてないのか、何やら独り考え込んで。


「よっしゃ。行こ!」
233 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)19時56分29秒
突然起き上がった身体で、アタシはコロンと転がった。

―――はい? 行こう? ドコへ? 海へ?
状況を理解してないアタシを尻目に。


「やっぱ置いてかれへんよなぁ」って玲夢をそっと抱き上げて。
「何してん? 早よ行くで」って言葉と小さいケリに、とりあえず起き上がった。
234 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)19時59分06秒
「おー荒れてんなぁ」


何故か嬉しそうな顔で、車を降りる。
・・・・・仕方ないなぁ。玲夢が寝てるのを確認して、アタシも外へ。


「ヒトおらんなぁ」


追いついたのに気づいたのか、振り向かないまま声が届く。


「何や、機嫌悪いなぁ。来たかったんとちゃうの?」
235 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)20時01分11秒
―――分かってないなぁ・・・・・・

誰がこんな日に、湿度100%の潮風が吹く所に来たいのさ。
寒そうなのにべたつきそうで、抱きしめるのも躊躇しちゃうじゃん・・・・・・


「気分悪いん?」


黙ったままのアタシを、不安げな瞳が覗きこむ。


「そうじゃないけど・・・・・・」


心配掛けたいわけじゃないから、そう答えて、華奢な背中を抱きしめた。
ノースリーブの肩は、思ったよりサラッとしてて、思ったより―――冷たかった。
236 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)20時03分29秒
「天気良かったらえーのにな」


目の前には、泣きそうな空と、暗い海と、白い波。
重い波の合間に聞こえた、明るい声に、「そーだね」って返したけど。



海が見たかったわけじゃないんだよ。
ただ、一緒に居たいんだよ。
海を見たい季節になっても、雪を見たい季節になっても。

同じ時を、ずっと側で、刻みたいんだ。
―――分かってないかも知れないけど・・・・・・
237 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)20時05分33秒
「でも、えーよな。見たかったんやろ」


笑顔でそんなこと言われたら、違うなんて言えないじゃん。
代わりに、抱きしめる腕にチカラを込めると、冷たい手がそっと添えられた。


「ホンマは、こんな日に来たくないねんけどな。あんたが見たいって言うからやで?」


―――分かってる。もっと考えて話すよ。
反論できないアタシをよそに、何故か照れくさそうに、海を見つめる。
238 名前:分かってないじゃない 投稿日:2002年06月13日(木)20時07分33秒
「でも、また来てもえーで?―――だから、言ってな」
「はい?」


少ない言葉の間に、何だか優しいモノを感じて。
あいまいな感覚を、信じたいけど・・・・・・


「連れてったるから―――近くにおってな・・・・・・」


―――連れてくって、運転したのアタシじゃん。

でも、分かってないのは・・・・・・


「そうだね・・・・・・」

アタシの方か・・・・・・


Fin
239 名前:名無し読者(226) 投稿日:2002年06月14日(金)02時09分44秒
( `・ゝ´)<やった!更新されてる!
彩裕ってほとんど始めて読みました。
作者さんのメール欄と本文のギャップが
なんだか心地よいです。今後とも楽しみにしてます。
240 名前:名無し 投稿日:2002年06月14日(金)19時11分03秒
いいですね…落ち着きがあって。
彩っぺを思い出してちょっと切なくなりました。
読んでいる間、頭の中でずっと彩っぺの歌声がしてました。
久しぶりにアルバムを聴いてみようかな。

作者さんの小説、すごく好きです。
またいつか彩裕の小説を読ませてもらえたら嬉しいです。
ありがとうございました(^^)
241 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月17日(月)13時32分20秒
ずっと楽しみに読ませていただいています。
彩裕はなんか新鮮でした。
242 名前:作者 投稿日:2002年06月24日(月)20時08分23秒
レスありがとうございます。
彩裕、気に入っていただけたようで。

で、久しぶりにヤグチさん話でも・・・・・・
自分的には、前スレの「サイン」→「そんな春」→現スレの「きっと恋」に続くつもりで。
最終的にどうなるか、自分でも不明ですが・・・
243 名前:with 投稿日:2002年06月24日(月)20時10分53秒
『にゃははは・・・・・・』


ぅん? 聞き覚えのある声。
やっぱり運命感じちゃうよねぇ。またまた偶然会っちゃうなんて・・・・・・

絶対裕ちゃんの声だよね、今の―――なーにバカ笑いしてんだか。
そう確信して、笑い声のする方に来てみると予想通り。

楽しそうに笑う裕ちゃん―――周りには見知った先輩たちも・・・・・・
244 名前:with 投稿日:2002年06月24日(月)20時12分30秒
へぇ〜〜・・・・・・仲良くやってんだねぇ。

人見知りで小心者なのは周知の事実。
でも、卒業してからは「そんなコト言ってられへん」そう言っていたけど。
何か友達みたいに楽しそうじゃん―――年が近いせいだろうね。

ふうん? 上手くいってんじゃんか。安心したよ。
泣いてんじゃないかと心配したけど・・・。―――ヨカッタ、ヨカッタ。
245 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月25日(火)03時08分22秒
更新お待ち申しておりました。
HPのほうも更新されるといいな(w
246 名前:作者 投稿日:2002年06月25日(火)19時14分22秒
お待ち頂けて光栄です。
HPの方、更新したいんですが・・・
247 名前:with 投稿日:2002年06月25日(火)19時15分51秒
「事務所行ってたんだって?」

空き時間を事務所で潰して。
早めに戻ってきたら、寄ってくるヒト―――なっちも暇らしい。

「あ、うん。マネージャーさんに付いてったんだ」

なっちも行けば良かったよ〜なんて。なんとなく悔しそうなのに苦笑して。
そんなに悔しいかなぁ?って複雑な気分。
248 名前:with 投稿日:2002年06月25日(火)19時17分27秒
「誰かに会った?」
「あ〜〜〜別に、会ってないよ」


別に誰にも会わなかったよ、うん。
だってマネージャーさんが、すぐ帰るからって言ったから。
あまりフラフラしてちゃ悪いかなって。
249 名前:with 投稿日:2002年06月25日(火)19時19分06秒
「裕ちゃん・・・・・・」
「へっ?」

突然でてきたヒトの名前に、思わずビクって反応してしまって。
・・・・・・オカシイよ、ヤグチ。なっちがヘンに思うじゃん。

そんなあたしに気づいてないのか、そのまま続けるなっち。
目の前に差し出した人差し指が、ゆっくりあたしに近づいて・・・・・・
250 名前:with 投稿日:2002年06月25日(火)19時20分43秒
「裕ちゃんみたい・・・・・・」

伸ばされた指が、眉間に当たる。

「あれ? しわ寄ってた?」
「うん」
「そっか」

そっか・・・・・・通りでおでこが疲れると思ったんだ。
両手で、眉の上をマッサージする。そっか、そっか。モミモミ・・・・・・
251 名前:with 投稿日:2002年06月25日(火)19時22分22秒
「―――あっ、あたしだ」

沈黙を破る着信音にまたまたビクっ!―――あたしはイヌか。
差出人は予想通りというか、予想外というか・・・・・・


「ゆ・・・ちゃん」

「えっ?」
「ヤっ・・・・・・ううん。何でもない」


ふと呟いてしまった名前を、慌てて誤魔化して。
誤魔化した後、何で誤魔化したのか分からなくなった。
252 名前:with 投稿日:2002年06月25日(火)19時23分50秒
「ふうん?―――ねぇ・・・・・・」
「ん?」
「だからさぁ・・・・・・」


不自然に慌てたコトには、それ以上突っ込んでこなかったけど。
メールを読んでるあたしの眉間を、また指差して。


「あれ? また?」
「うん」
「オカシイなぁ・・・・・・あっ、あたしちょっと」


出番になったら連絡して―――そう言い放って、逃げるように部屋を出た。
253 名前:with改め 恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時15分20秒
ヒト気のないフロアのトイレに駆け込んで、鏡を見つめる。
―――あたし、今どんな顔してるんだろうって・・・・・・


眉間にしわが寄ってたコトも気づかなかったけど。
泣きそうな今の顔も―――その理由も・・・・・・

理由なんて、一つしかないじゃん。気づかない訳ないじゃん。
自分にツッコミを入れて、携帯を開く。
254 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時17分29秒
『事務所来てたんだって? あたし今事務所やねん。会いたかったわぁ』


知ってるよ。裕ちゃんが事務所にいたの、知ってる。
先輩たちと楽しそうにお話してたのも知ってるよ。
ヤグチが来てたの知ったら、メールしてくるコトも。

いろんなコト知ってるんだよ、ヤグチはね。

――― 知ってるのはヤグチだけ・・・・・・
255 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時19分17秒
裕ちゃんは、ヤグチが事務所にいたのを知らない。
楽しそうにお話してたのを、見てたことも知らない。
なんで話し掛けなかったのかも、ココで情けない顔してるコトも。

―――裕ちゃんは全然知らないんだ。
256 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時21分15秒
『事務所いたの? それなら言っといてよ。そしたら会えたのに』


気づかないんだ―――ヤグチの嘘にも・・・・・・
257 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時23分10秒
『愛のチカラで探してくれればええやん。ま、仕事頑張りや』


探したよ。愛のチカラって言うんなら、ヤグチの愛はちゃんとあるよ。



ゆーちゃん・・・・・・逢いたいよぉ・・・・・・
258 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時25分15秒
裕ちゃんの笑った顔が見たい。でも――あたしの前でだけ・・・・・・
泣いた顔は見たくない。けど――あたしといない時は、笑って欲しくない・・・・・・

でも、楽しそうに笑う裕ちゃんを見ると、ホッとするんだ・・・・・・


こういうのを嫉妬っていうんだろうか。独占欲って、矛盾してるって。
―――何か意地汚いというか、支離滅裂というか・・・・・・
259 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時28分37秒
やっぱオカシイよ、ヤグチ。ヘンだよ。ヨクナイ。ヨクナイよぉ・・・・・・

逢いたいよ。ゆーちゃん・・・・・・逢いたい。逢いたいよ・・・・・・
260 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月26日(水)20時30分43秒
結局その日は、眉間を指差されること2回。ごっつぁんと圭ちゃん。
なっちはもう指してこなかったけど、見てるコト―――気づいてた。

指差される度、不安げな視線を感じる度、何でもないって笑ったけど。
自分が笑えてないコトも、皆の心配を拭ってないコトも―――知ってたんだ。
261 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)23時01分22秒
矢口かわいい(w
もっと姐さんに惚れろ!!(w
262 名前:作者 投稿日:2002年06月27日(木)19時35分31秒
どーもです。
かわいいっすか?
このヤグチさんは、結構考えまくってます。
ちゅーか惚れまくってるはず・・・・・・
263 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月27日(木)19時37分10秒
今日事務所行った?』


えっらい短いメールに気づいたのは、収録の合間の休憩時間。
皆で夕飯でもちゅうから、深く考えずに簡単に返事した。
264 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月27日(木)19時39分17秒
『ヤグチに逢った?』


夕飯を終えてチェックすると、またまた短いメール。
一体何が知りたいんやろ・・・・・・



「久しぶりやね、今平気か?――どないしたん?―――ううん、逢ってへん。
 ―――うん。―――・・・・・ホンマか?――――・・・・・ありがとな」
265 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月27日(木)19時41分21秒
ヤグチ・・・・・・一体何があったんやろ。
皆が心配するほど、そんなに何を悩んでんやろ・・・・・・



こんな時、逢えない距離がもどかしい。
できる事なら、今すぐ傍に飛んでいきたい。
266 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月27日(木)19時43分04秒
離れて分かること、いっぱいあるけど。
傍におらんと分からんことも、いっぱいあるから。

逢いたいなぁ、ヤグチぃ・・・・・・

逢って、顔を見たいねん。
そしたら皆が分からんコトでも、気づいてやれる自信あんで。
あんたが何悩んでるかなんて、きっと分かる自信あんねん。


手を差し伸べられない。気づくコトさえできない。
この距離がもどかしいねん・・・・・・ヤグチぃ、逢いたいなぁ・・・・・・
267 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月27日(木)22時17分37秒
切ないやぐちゅーよりも、笑えるみっちゅーに萌えてしまいました。
268 名前:作者 投稿日:2002年06月28日(金)16時57分11秒
何気に平家さん、活躍しすぎですか?
269 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月28日(金)16時58分47秒
「めっちゃ逢いたいねん・・・・・・」
「はぁ・・・・・・」

アタシって一体・・・・・・
「飲みたいねん」って。ワガママに呼び出すヒトに、懲りもせず付き合って。
―――なんで悩み相談室? 酒がまずくなるっちゅうねん!
270 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月28日(金)17時00分19秒
「逢えばええやん」
「だって留守電やってん」


拗ねたようにセロリを齧りながら、ワイン――ビールは最近控えてるらしい――を傾ける。
「忙しいのは分かってんねん」とかブツブツ言いながら。
今度はクラッカーの上に、なんやら重ねていって。


「ほら、遊ばんと」
「遊んでへん。作ってんねん」


あ〜ん。差し出されたそれには、ハムやらチーズやら好き勝手に盛られていて。
・・・・・・ちょっと複雑すぎですわ。やっぱ料理のお勉強した方が・・・・・・てことやなくて。
271 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月28日(金)17時02分12秒
「そんななぁ・・・急に逢いたなって、でも逢えへんって。当たり前やん? 忙しいんやから」
「んにゃ。愛のチカラがあれば逢えんねん」
「んじゃ、そのチカラがないんちゃう?」


ヤバっ。言った後で気づいた。今のは地雷やったか?
怒るか? それともノロケが始まってまうか?―――どっちも面倒やなぁ・・・・・・
272 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月28日(金)17時04分06秒
―――ん? 予想に反して反応がない。・・・・・・聴こえなかったんかな?


「―――そうなんやろかぁ・・・・・・」
「はい?」
「ないんかもなぁ・・・・・・」
「――――――はいぃ??」


どないしたんやろ。意外なほど弱気やな。何かあったんやろか・・・・・・
あ〜〜〜聴きたくないなぁ。でも・・・・・・聴かずにはおれんのやけど。
273 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月28日(金)17時05分48秒
「何かあったん?」
「ん? 何が?」


何がって。アタシが聴いてんやろぉ? 全く・・・・・・


「やぐっちゃんと、何かあったん?」
「ん〜〜? 別にないけどぉ」
「ホンマに?」
「うん。あぁ〜〜〜ヤグチぃ〜〜!!」


いきなり叫ぶなっちゅうねん! びっくりするがな。
274 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月28日(金)17時07分48秒
「そんなにやぐっちゃん好きなん?」
「とーぜん。大好きっ!」


・・・・・・せやろうなぁ。でも、どうも違う気がすんねん。
姐さんの大好きは、ミニモニだいすっき!・・・てな感じなんや・・・・・


「なぁ、聞いてもええ? あんたら恋人なん?」
275 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月29日(土)11時56分18秒
このシリーズ大好きです。
せつなさがいいあんばいで(w
みっちゃん・・・確信にせまりすぎ(w
276 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月29日(土)11時58分08秒
すいませんAgeてしまいました。
ごめんなさい。
277 名前:作者 投稿日:2002年06月30日(日)13時55分03秒
ありがとうございます。
確信にせまりすぎですか?
まあ係わるヒトたちにとって、はっきりしとこーかなと・・・

アゲていただいても問題なしなんで。
それよりレスを頂けるのが嬉しいです。
特に今回みたいな長めの時は、話にしまりがなくなりそうで。
278 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月30日(日)13時56分22秒
「恋人ぉ? あたしらぁ?」


一瞬手を止めて、アタシの目を見つめてくる。
ちょっとした驚きを含んだそれに、少し居心地が悪い。―――ヘンなこと、言うた?
こっちの葛藤など気にしてないようで、すぐに視線は手元のクラッカーへ。
279 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月30日(日)13時57分48秒
「うーん、そーやなぁ・・・・・・・・・・チューはしたい」

ふん、せやろうなぁ。てか、してるやん。チカラいっぱい。

「あっ、抱きしめたいなぁ。ちゅうか抱っこしてるわなぁ」って、細い指を折りながら。

アタシはグラスを傾けながら、その指をボーっと見つめる。

「後はなぁ・・・・・・・・・笑ってて欲しいなぁ。矢口が笑ってると元気になれんねん」

優しい眼差しが、遠くに向けられてるのが―――ちょっとなぁ・・・・・・
280 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月30日(日)13時59分14秒
「でも恋人とは違うんかも・・・・・・」


戯れる指から視線を外して、無理やり顔を上げる。
その動きに気づいたように、遠いところを見ていた目が戻ってきた。
視線が絡む―――その表情からは、何にも読み取れない。
281 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月30日(日)14時00分58秒
『恋人とは違う』


予想通りの言葉やったけど、本人の口から出てくるとは思わんかったわ。
282 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月30日(日)14時02分38秒
「恋は、しとると思うよ?」

―――再び手元に移される視線。

「知らんうちに想ってるんは、恋やと思うもん」

―――指はグラスの縁をなぞって。

「好きって思ってても欲しい。でもなぁ―――よぉ分からんねん・・・・・・」
283 名前:恋するヒト 投稿日:2002年06月30日(日)14時04分36秒
口調は何気なさを装ってるけど、どこか不安気な視線。
これは慎重に答えねば。―――自然と緊張する心を隠して。


「相思相愛に見えんで? 自分ら」
「そらそーやろ。好きあってんもん、多分」
「ついでにノロケに聞こえるんやけど?」
「あっそう? 羨ましーやろぉ。でもなぁ―――分からんねん」
284 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月01日(月)03時11分12秒
ハラハラ。
裕ちゃんそんな、分からん、とか言ってやんと!(w
285 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月01日(月)18時05分07秒
なんかいい感じです。
ハッキリしてない・・・両想い(w
みっちゃんも頑張って欲しい。(w
286 名前:作者 投稿日:2002年07月01日(月)19時29分36秒
たまーに悩みたくなるわけですな。
平家さんが頑張っちゃうかどーかは・・・
まだ不明な感じです。
287 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月01日(月)19時31分16秒
酒の勢いか、目の前の悪友のおかげか。
わざと考えずにいたコトに、自ら足を踏み入れて。

ちゃんとせなアカンって、思ってたんかも知れんけど・・・・・・
288 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月01日(月)19時33分18秒
あたしが恋したヒトは、男のヒトじゃなくて。
結婚を意識するような年のヒトでもなくて。

まあ、はっきり言ってまだまだコドモで。
これからいっぱい、楽しい恋をするやろう。


でもあたしは、そろそろ結婚を意識したい年で。
パワフルな恋愛もええけど、癒される愛情も欲しくて。


―――ヤグチの存在は、あたしの中で何なんやろか・・・・・
289 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月01日(月)19時35分17秒
「ヤグチとあたしは、どんな関係なんやろか・・・・・・」

「・・・・・・そらまた難しいなぁ・・・・・・」
「難しいねん・・・・・・」


仕事仲間・・・・・・そら、その通りやな。
友達・・・・・・・ま、無難なトコやな。
親友は・・・・・・ん〜〜微妙やなぁ。

恋人かぁ・・・・・・恋人って何やねん。
290 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月02日(火)13時32分10秒
何とも言えない微妙な関係が、何かいいです。
291 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月02日(火)20時30分32秒
「なぁ、恋人って何?」
「はぁ? ん〜〜〜・・・好きです。付き合ってください!って言ったヒト」
「何や、それ・・・・・・」


付き合ってください・・・かぁ。
そんなん、コドモ同士やあるまいし、いちいち確認するかい。
あたしらかて、そんな過程、踏んどらん・・・・・・・よなぁ?
292 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月02日(火)20時32分10秒
「じゃあ、このヒトの前では綺麗でいたい!って思うヒト」
「綺麗かぁ・・・・・・」


まあ、それは分かるなぁ。
でもヤグチの前で、綺麗でいたいんかぁ?
293 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月02日(火)20時34分09秒
「・・・・・・よぉ分からんけど。恋人でええやん?」
「―――何やねん。恋人でええって・・・・・・・・」
「自分でも分からんのやろ? ならアタシが決めたる。あんたらは恋人」


ええかげん、ぐだぐだ悩むなっちゅうねん。
どう見ても2人は恋人に見えるんやし、そうしとこうや。

これ以上、中途半端に悩まれると、アタシの精神に悪いわ。
294 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月02日(火)20時36分48秒
さっきから全然減らなくなったワインを注ぎ足して。
自分の、姐さんの、止まる背中を後押しや。


「もしなぁ、あたしがやぐっちゃんとしてな?」
「うん」
「恋人ちゃう言われたら、ショックやで? 他に彼氏居てるんちゃうかな、とかな?」
「居るわけないやん。ヤグチだけやで?」
295 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月02日(火)20時38分53秒
「なぁ、恋人って言うのは約束とちゃうかな? あんただけやって・・・・・・」
「・・・・・約束なぁ」
「態度だけやなくて、言葉でも、ちゃんと安心させたりぃ?」
「―――みっちゃんもオトナになったなぁ。びっくりやわ」


―――そら、オトナにもなるっちゅうねん。
オトナなくせにコドモみたいなヒト、相手にしてんねんもん。
・・・・・・しっかし、あんたら上手くいかんかったら、アタシ泣くからな・・・・・・
296 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月02日(火)20時40分53秒
「んじゃ、改めて。頑張ってな」
「ん。頑張ってみるわ」


夜更けの部屋に、硬質な音が響く。
普段は苦いその味も、ほんのちょっと、しょっぱい気がした。
297 名前:作者 投稿日:2002年07月02日(火)20時44分56秒
結局、平家さんはこんな感じで。
いいかげん飲み会終了で、次の展開に行こうかと。

>290
向こうは、一体どーしたらいいんですかねぇ・・
298 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月03日(水)03時04分21秒
290さんではないのですが・・・向こうってなんかあるのですか?
他のスレがあるなら教えてください。
299 名前:作者 投稿日:2002年07月03日(水)19時13分54秒
まぎらわしくて申し訳ないです。
向こうってのはHPのコトです。
300 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月03日(水)19時16分16秒
あの日以来、2人っきりで逢うことができてない。



裕ちゃんの誕生日だって、裕ちゃんは仕事で、ヤグチも仕事で。
忙しいの分かってるから「遅くなってもいいから」なんて言えなかった。
301 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月03日(水)19時17分52秒
収録で会えても、楽屋に遊びに行っても。
裕ちゃんの周りには、やっぱり誰かの姿があって。
皆に会えるのが嬉しい裕ちゃんは、それだけで楽しそうで。


辻加護を可愛がって、石川にちょっかいだして。
なっちやごっつあんや、皆とお話して。
五期メンとは、相変わらずで・・・・・・何も変わってないじゃん。

ヤグチがそこにいたコト、気付いてたのかなぁ・・・・・・
ヤグチがいたコト、いなかったコト、ちゃんと気付いてた?
302 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月03日(水)19時19分54秒
寂しくなって、声が聴きたくて、つけたラジオ。


「ばーか」

・・・・・・ラジオの中の裕ちゃんが、あまりにも楽しそうで、切なくなる。

何で、ココにいないんだよぉ。何でヤグチの傍で笑ってないんだよぉ・・・・・・
聴いてると、もっと寂しくなるのに、それでも声が聴きたくて。

楽しそうに、色んな恋を話す裕ちゃん。
純粋で、好きになって、恋をして、愛し合って、浮気もして、そして別れて・・・・・・


ねぇ、ヤグチとの恋はどんな感じ?
・・・・・・それとも恋愛にも当てはまってないのかなぁ・・・・・・
303 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月03日(水)19時21分36秒
「ばーか」


オトナなんかキライだ。
いっぱい知ってる、経験豊富なオトナなんか・・・・・・

コドモなんかキライだ。
何にも知らない、コドモなんか・・・・・・


『恋してる』って言われても、ホントは不安。
前は、『好きやでぇ』って言ってもらうだけで良かったのに。

ヤグチ、欲張りだ。もっともっと欲しくなってる・・・・・・
304 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月03日(水)19時23分29秒
「ばーか・・・」


オトナなんかキライだ。
欲しい言葉、ちゃんと言ってくれないオトナなんか。
雰囲気で、行動で、気持ちを伝えるオトナなんか。


裕ちゃんなんかキライだ。
特別な言葉、簡単に言っちゃう、裕ちゃんなんか。


―――ねぇ、その言葉、誰のための言葉なの?


切実な言葉、裕ちゃんが囁いた愛。
受け止めた過去のヒトたち―――嫉妬しそうだ・・・・・・
305 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月03日(水)19時25分36秒
「ばーか・・・・・・」


ラジオを消して、暖かい布団に潜り込む。
不安定な感情、見えない不安、夜の闇。全てから隠れようと。
306 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月04日(木)02時15分29秒
切ない矢口、いいですねぇ
続きに期待
307 名前:作者 投稿日:2002年07月04日(木)19時31分19秒
ヤグチさん、悩みすぎなんですよねぇ。
308 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月04日(木)19時33分27秒
「んで? 話って?」
「・・・・・・ごめんね、本番前に」
「ぃや、えーけど。やぐっちゃんがアタシに話って、珍しいなぁ思って」


どーしても分からなくて。どーしても、自分じゃ答えが出なくて。
舞台の本番前、あっちゃんに会いに行った。
あっちゃんなら、裕ちゃんと歳も近いし、関西人だし、大人だし。
309 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月04日(木)19時35分35秒
・・・・・・裕ちゃんに直接聞けばいいんだろーけど、なかなか逢えないし・・・・・・


「あのね・・・・・・」


どーしようか迷ったけど、あっちゃんの優しい目に促されて。
開いた口は―――止まらない。
310 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月04日(木)19時37分09秒
「・・・・・・あっちゃんは年下好き?」

「例えばさ、カオリとかりんねとか・・・・・・」

「・・・・・・本気で恋愛できる?・・・・・・幸せ?」
311 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月04日(木)19時38分47秒
勢いに任せて一気に吐き出して。
不安だったのはコレだったんだって、改めて思う。

年下で、同じオンナで、どーやって幸せになれるのかって。
守れる逞しい腕もないのに、幸せにできるのかって。
裕ちゃんは、幸せなんだろうかって・・・・・・
312 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月04日(木)19時40分07秒
俯いてしまったあたしの頭に、ふわっと優しい重力。
全然違うのに、なぜか大好きなヒトを思い出させて、恋しくなって。

「何の話かと思えば・・・・・・」って抱き寄せられると、ホントにホントに恋しくなった。
313 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月04日(木)19時44分03秒
「なぁ、やぐっちゃん。“十人十色”って言葉あるやん?」

―――十人十色、聴いた事ある。スキなもの、思うこと、ヒトそれぞれってコト。
そんなの当たり前じゃん。って思ったコトもある。


「あれとな、恋愛も同じなんやって」

―――恋愛も十人十色?


「自分らにしかできへん恋愛、したらええねん」

―――自分たちにしか、できない恋かぁ・・・・・・


「な?」って覗きこんできた瞳は、スキなようにしたらいいって言ってる気がした。
314 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月04日(木)19時46分08秒
「後悔はしたぁないって言うてるやん?―――やぐっちゃんの、大好きなヒトが」


最後の言葉に、一気に顔が熱くなって。


「お酒弱くても、オトナなんだね」って仕返ししたら、「関係ないわっ!」って突っ込まれた。
ついでに、トンって叩かれて、優しく背中を押された気がした。
315 名前:名無しです。 投稿日:2002年07月05日(金)11時28分14秒
あっちゃん登場
あいさが・・・みっちゅーも好きだったけど・・・結構あっちゅーもスキだった。(w
316 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月06日(土)12時40分59秒
HP・・・消えてます?
移動ですか?
317 名前:作者 投稿日:2002年07月07日(日)15時27分21秒
315>
稲葉さん、やっとセリフあったのに。
・・・・・・もう出番なしです。

316>
メール欄見ると、だいたい分かるとおもいますが。
HPの方はA×Lの都合で、開けません。閉鎖&移動ではないです。
318 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時30分11秒
「自分らしい恋愛したらええ」ってあっちゃんの言葉をもらって。

裕ちゃんと2人で、ヤグチらにしかできない恋愛したい。
そう思うようになってから、前よりもずっと想うようになった。
319 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時31分45秒
今だって、「ヤグチのラジオ聴いてるかな」とか考えてる。
ヤグチが思ったように、裕ちゃんもヤグチの声、聴きたいって思ってるかなぁって。

そう意識したら、意味なく裕ちゃんの話がしたくなって困ってしまう。
意味もなく、「好き」って言いそうで・・・・・・
320 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時33分42秒
―――やばい。早く終わって欲しい。そして今日は電話しよう。
いつもは遅いからメールだけど。今日は声が聴きたい。
どーしても聴きたくなって、止められなくなった。
321 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時36分16秒
「お疲れさん」

短い反省会が終わって会議室を出ると、どこからか声が届いた。


「裕ちゃん!?」

姿を見つける前に反応するあたし。―――聴きたかったその声に。

本当とか嘘とか、幻聴とか聴き間違いとか。疑問が湧いたのはその後で。
我ながら、パブロフの犬状態じゃん、とか思ってしまった。

でも夢じゃなくて、本物だった。
322 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時39分03秒
「おう」って感動もなにもないような態度で、近づいてきたそのヒト。
まぎれもなく裕ちゃんで、逢いたかったそのヒトだった。


「ど、したの?」

いつものように抱きつくコトも、ふざけたコトも、全然できなくて。
普通の質問しかできないあたし。

その手を取られて、引っ張られるように歩きだした。
323 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時40分57秒
「逢いたかってん」

繋いだ手を揺らしながら、すれ違うヒトにも解かずに。


「ココに来たら、逢えるから」
「―――それだけで来たの?」


ヤグチに逢いたくて、それだけで? 
こんな夜遅くに、こんなトコまで? 
裕ちゃんの突然の行動。あんまり見たことがなくて、少し戸惑ってしまう。
324 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時42分36秒
「嫌やった?」

不安気な声に顔を上げると、同じように不安そうで。

「ち、違うよっ」って、慌てて否定して「びっくりしただけ」って付け加えた。
「そかっ」って笑顔が可愛くて、ドキッて胸が鳴ったのは内緒にした。
325 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月07日(日)15時43分56秒
「ウチ、来ぃへん?」


手を繋いで、タクシーを待ってる間、内緒話みたいに、耳元で声がした。
予想外に近くで聴こえて。一緒に届いた裕ちゃんの、息と香りにドキドキした。


「もっと一緒にいたいねん」

反射的に見上げると、グレーの瞳に吸いこまれそうで。


「うん」

頑張って目を逸らして、繋いだ手を、ギュッて握った。
326 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月08日(月)02時15分29秒
甘くなってきましたねぇ(w
期待大
327 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月08日(月)12時25分56秒
作者さんの作品には愛がいっぱい。
328 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月08日(月)14時21分25秒
ほとんど毎日更新してくれる作者さん大好きハート〜。
329 名前:作者 投稿日:2002年07月08日(月)19時20分19秒
326>
甘くなってきました? どうでしょう・・・・・

327>
愛がなきゃ書きませんがな。伝わりますか、愛・・・(寒っ)

328>
思いつけば&書くヒマがあれば、いつでも更新。
330 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時22分14秒
「こっちおいで」


お風呂から上がったばかりの、暖かいヤグチ。
膝の上に抱きかかえると、身体中がホッとする。

ヤグチの匂いを吸い込んで、腕から胸から、温もりが伝わって。
―――逢いに行って、良かったなぁ。って改めて感じた。
331 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時24分39秒
逢いたくなって。どうしても逢いたくなって連絡もせずに。
そんなコドモみたいなコト、してもぉたけど・・・・・・


「ヤグチぃ」
「ん〜〜?」
「幸せやぁ〜〜」

ヤグチが傍におるだけで、こんなに幸せになれるんやなぁ。
結局なるようにしかならん―――ちゅうか、幸せなモンは幸せなんやなぁ・・・・・・
332 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時26分57秒
「幸せ?」
「めっちゃ幸せ」
「そっか、幸せかぁ」

にゃははって照れてるヤグチも幸せそうで、あ〜〜ホンマ・・・・・・

「ヤグチぃ!!」


一生懸命セーブしながら、チカラいっぱい抱きしめる。
あ〜〜もう、何でこんなに・・・・・・
泣きたくなる程、愛しいんや。ちゃんと知っとるかぁ?


「ヤグチぃ。大好きや。大好きなんやぁ」
333 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時28分51秒
いっぱい言ったら伝わるか? いっぱい言ってもなくならんのや。
好きな気持ち、いっぱい溢れてきて、全然減らんのや。
・・・・・・どうしたらええ?



「ねぇ裕ちゃん」


1人興奮して、壊れそうやったあたしは、その声に冷静さを取り戻す。
「なんや?」って覗き込むと―――――どないしたん? 真面目な顔して・・・・・・
334 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時31分08秒
「裕ちゃんの好きはどんな好き? 恋人として? それとも・・・・・・」


それとも?・・・・・・あぁ、あたしずっと言ってたもんなぁ。
―――でも分かってなかったんかぁ?・・・・・・ちょっと寂しいなぁ。


「ペットちゃうで? 決まってんやろ?」
「じゃあ恋人? ヤグチは、ちゃんと裕ちゃんの恋人?」


あ〜〜くると思ったわ。今の流れからいったらなぁ。
恋人、こいびと、コイビト・・・・・・答え、だしたやんかぁ?
335 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時32分58秒
「裕ちゃんには、ヤグチしかおらんねんで。ヤグチだけが大好きや。ヤグチは?」
「ヤグチも・・・・・・って、そうじゃなくて」


ちょっと怒った顔で、あたしの襟首をギュッと掴んで。
―――流されるほど、ヤグチもアホちゃうってコトか・・・・・・


「恋人? ねえヤグチは裕ちゃんの恋人? 違うの?」
336 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時35分32秒
「・・・・・・・・・・・・さて問題。恋人とは、どんなヒトたちのことを言うか?
 エッチするヒト? んにゃ、恋人同士でなくてもエッチしてるヒトはおる。んじゃ」
「アホっ!!」


ペチッ!って音と共に、額に衝撃。
・・・・・・叩かんでもええやんか。あたしかて、ふざけてんとちゃうねんで。


「何で、何で、ヤグチは恋人や。って言わないんだよぉっ!!」

「それはなぁ・・・・・・」
337 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時38分21秒
・・・・・・・・・・・縛りたくない。
そー言ったら、分かってくれるんかなぁ。


言葉にしたら、逃げられへん。
他に好きなヒトができても、逃げられへんのやで?

恋人がおるから。あたしがおるから。
好きなヒトができても、進めへん。

進むためには、壊れなアカン。
あたしら、壊れなアカンのや。
338 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時40分33秒
「ええやん。好きなんは、変わらんのやし」

「ヤダっ! ヤグチはヤダっ! ヤグチっ、恋人になりたいんだっ!」


・・・・・・何でそんなこと言うんや。何で分からんのや。
あんたを縛ってしまったら。あんたを不幸にしてしまったら。
―――裕ちゃんは、どうしたらええねん・・・・・


願うのは、あんたの幸せだけや。
欲しいのは、あんたの笑顔なんや。
339 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月08日(月)19時42分46秒
「めっちゃ好きやねんで? ヤグチだけがめっちゃ好きやねんで? 恋人なんて、ただの言葉やんか」
「じゃあ、恋人って、言ってくれてもいいじゃんかっ!」


泣きそうなくせして、真っ黒い目で見上げる瞳。
震えるほど、強く握ったこぶし。

ヤグチの必死に圧されて、目を逸らしたくなる。
真っ直ぐなヤグチから。心の中の自分から。
340 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月09日(火)12時40分07秒
裕ちゃん、ファイト!(w
341 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時14分46秒
「ヤグチは、裕ちゃんが欲しいよ・・・・・・」

「いつでも、どこでも・・・・・全部欲しい」
342 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時16分54秒
だからコドモは怖いんや。

欲望を抑えられなくて。
全てが自分の思い通りになることを疑わない。

綺麗な蝶が欲しくて、羽根を取って閉じ込めて。
死んだ後に気付くんや、こんなコト望んでないって・・・・・・
343 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時18分59秒
「ヤグチを・・・・・・あげる」

「だから・・・・・裕ちゃんが・・・・・・欲しいんだ」

344 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時20分37秒
・・・・・・だから怖いんや・・・・・・

なぁヤグチぃ・・・・・・
想いって、言葉になったら取り消されんのやで?

あんたの想い、あたしに聴こえてんのやで?
もう―――届いてしまったんやで?



「・・・・・・ゆ、ちゃん・・・・・・」
345 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時22分21秒
一生懸命、あたしに伝えようとしている。

そっか・・・・・・。聴かなアカンねんな・・・・・・
―――応えな・・・・・・アカンねんな・・・・・・
346 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時24分24秒
「泣かんとって・・・・・・」


綺麗な涙を流しながら、でも目を伏せようとはしない。
抱きしめようとするあたしの肩を、グッと押し返して。
真っ直ぐに見上げる強い瞳に、迫られる・・・・・・
347 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時28分30秒
今まで、おったやろうか。
こんなにあたしを欲しがってくれたヒト。


オトナのフリして、欲しがらないあたし。
恋人の言葉に拘るのは、自分が怖いから。
あたしのモノにしたら、羽根を毟り取ってしまいそうで。
348 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時31分08秒
こんなあたしでもええんか?
欲しいって、くれるって、言ってるんやな?



「・・・・・・あげるわ」

「あんたにあげる。だからちょうだい。ヤグチを裕ちゃんに・・・・・・」
349 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時32分35秒
「・・・・・・ゆ、ちゃん・・・・・・・うん!」

「あげる。ヤグチをあげるっ。全部あげるっ!」
350 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時34分26秒
ゆーちゃん、ゆーちゃん、ゆーちゃん。
頭の中には、それしかなかった。


抱きついた勢いで裕ちゃんを倒してしまって。
裕ちゃんの背中が固い床に当たっても。
それでも離れることができなかった。

しがみついて、「ヤグチの? 裕ちゃんの?」って。
その度に「そうやで」って笑う裕ちゃんに、それしか言えなかった。
351 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時36分24秒
規則正しい心臓の音と、背中を撫でてくれる手。
包んでくれる穏やかな時間に、泣いてたことを思い出した。

裕ちゃんの胸に顔を埋めたまま、ぐりぐり動かしたら。
「あっ、拭いてるやろぉ」
「だって気持ちいいんだもん」

優しい声に甘えてるのが分かったけど、恥ずかしくなんかなくて。
甘えさせてくれるのを、受け止めてくれるのを、チカラいっぱい感じたいから。
352 名前:恋するヒト 投稿日:2002年07月09日(火)19時38分37秒
「ねえ、好き?」
「好きやで」

「恋人?」
「恋人や」

「ヤグチの?」
「あたしの」


とってもとっても嬉しくて、伝えたくてキスをした。
好きだよ、ゆーちゃん。大好きだよ。

さっき拭いたのに、なんでしょっぱいのかなぁって思いながら。
何度も何度も、キスをした。
353 名前:作者 投稿日:2002年07月09日(火)19時42分04秒
340>
頑張りました。
長かった(自分的に)話もあと1回で終わりそうです。
354 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月10日(水)13時22分21秒
終っちゃイヤイヤ!!(w
短い短い(w
もっともっと(w
355 名前:恋するヒト エピローグ 投稿日:2002年07月10日(水)19時19分42秒
あの後、2人で買いに行った指輪。
薬指から外しながら、「ヤグチも独占欲、強いんかなぁ」とか思い出した。


お揃いの指輪、ずーっとつけるんだって駄々こねて。
それはアカンやろぉって、なだめて、すかして、苦労して。
仕舞には、「あんたプロやろっ」って・・・・・・久しぶりに怒ってしもぉた。
356 名前:恋するヒト エピローグ 投稿日:2002年07月10日(水)19時22分09秒
でも―――幸せなんやでぇ。

そんな頑固さも、ワガママも、全てはあたしへの恋心からなんやろ?
あたしを欲しいって言った、あんたの想いからやもんなぁ?
357 名前:恋するヒト エピローグ 投稿日:2002年07月10日(水)19時24分42秒
あんたも離れて行くんやろうけど。
隣に居るのが当たり前だったヒトが、傍にいない今みたいに・・・・・・

アカン、アカン。そんなん考えてもしゃあないんやし。


あたしはヤグチと幸せになんねん。
いっぱいいっぱい、今までにないくらい幸せいっぱいに。
358 名前:恋するヒト エピローグ 投稿日:2002年07月10日(水)19時26分37秒
―――でもなぁ、欲しいってどーゆーことやろ。
・・・・・・そーゆーことなんかなぁ。でもヤグチやで? ミニモニやで?・・・・・・もう19やけど・・・・・・



『中澤さーん。お願いしまーす』

「はーい」
359 名前:恋するヒト エピローグ 投稿日:2002年07月10日(水)19時28分29秒
―――ま、なるようになるやろ。
そう結論付けて立ちあがる。
外した指輪にキスをして。


『ホンマ・・・・・・縛られそうや・・・・・・』


Fin
360 名前:作者 投稿日:2002年07月10日(水)19時32分51秒
354>
あんまり悩ませても可哀相なんで<矢口さん・・・

今度は、また何か思いつくネタがあったら書こうかと。
M黙での絡みは面白かったんですが、ネタは・・・思いつかない・・・・・・
361 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月11日(木)11時49分06秒
やぐちゅー完結お疲れ様でした。
想いあってるのに・・・微妙な関係のやぐちゅー微笑ましいです。
次のCPも楽しみにしております。

HPの復活も・・・影ながら応援しております。
362 名前:作者 投稿日:2002年07月11日(木)20時46分22秒
362>
ありがとうございます。

次のCPは初挑戦で&製作時間20分位という勢いモノ。
まあスレ本来の目的に叶ってる感じですかね。
363 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時47分23秒

最近、後輩との距離が、結構縮まったんちゃうかなって思う。

364 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時48分17秒

「中澤さん、中澤さん!」

控え室に、突然飛び込んできた声。―――こいつもなぁ・・・・・・

しっかりしてるようで、やっぱコドモなんやなぁ。
オトナとして、躾はちゃんとしとかんとなぁ・・・・・・


「・・・・・・・・」

振り返らずに、鏡越しに目を合わせる。
相手が気付くまで、あたしは黙ったままで―――怖いやろなぁ・・・・・・
365 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時49分23秒
「あっ。失礼します。おはよーございます!」

言いたいコトが分かったのか、やっと聴こえる挨拶。
あたしも振り向いて、挨拶を返す。・・・・・・・・・気にしてへんな、このコ・・・・・・


目の前の笑顔は相変わらずで。
・・・・・・アタシのコト、怖くないんやろか。

番組中も平気で突っ込んでくるし、失礼なくらいヒトのコト笑うし。
まあ、あたしが突っ込んでも平気っぽいしなぁ。
やっぱ、関西人同士、呼吸があってんやろかぁ・・・・・・
366 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時50分33秒
「それでですね」
「うん?」

アカン。目の前にヒト居るのに、意識飛ばしてもぉたわ。
考え込んでたあたしの前に差し出されたのは・・・・・・色紙?


「サインください!」
「はぁ??」

「あのですね。クラスの友達が、―――あ、そのコ、中澤さんのファンなんですけど。
 ―――で、その友達が中澤さんにキスされたことある?って聞くんですよ。
 で、ないよ。って言ったら、何か残念そうで。何で残念なのかは、よく分からないんですが」


・・・・・・はぁ??
サインくださいってのもよぉ分からんけど、それは説明になってるんか??
ホンマ、このコも我が道を行ってんなぁ・・・・・・
367 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時52分08秒
「それなら、キスはムリだけど、サインもらってきてあげるって言ったんでぇ。
 サインください!!」

「はぁ・・・・・・」


なるほど、そうやって話が繋がるわけやね。
はいはい、サインなんて幾らでも書きますがな。

しかし、キスしたことある?ってかぁ・・・・・・可愛い会話しとんなぁ。


「亜弥ちゃん・・・・・・」
368 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時53分35秒
あたしの声で、手元を覗き込んでた顔が上がる。
その瞬間、あたしの唇は、柔らかい頬をとらえて。


「・・・・・・」


唇が触れた頬は真っ赤に染まって。
とっさに抑えた手でも、隠すことができてない。
この初々しい反応って――――――ええなぁ・・・・・・


「なんやったら、間接キスもできんでぇ? そこに、チューさしたらなぁ」
369 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時55分15秒
そう言うと、固まったままの身体がようやく溶けて。
俯いていた顔が、あたしに向いた――――――涙目??


「ご、ごめん。嫌やった? 泣かんとって」


しまった。紗耶香の再現か?
アカンがな。今から収録やってのに、泣かれたら困るちゅーねん。
―――あたしも成長せんのなぁ・・・・・・・・・・・・


とりあえず泣き出さないコトに、ホッとしつつも。
でも、いつもの笑顔にならない。―――あたしの所為?・・・やなぁ。


「・・・・・です」
「はい?」
370 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時56分43秒
硬い表情のままの松浦が、小さな声で何かを呟く。
聴き取れなかったあたしが、耳を寄せると。


「嫌です!」


強い口調とともに、グイっと襟首を掴まれて。
目の前には、松浦のドアップがあった。

近すぎる距離に焦点が合わず、瞬間目を閉じる。
と、柔らかい感触が―――唇に・・・・・・
371 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時58分04秒
「んっ・・・・・・・」


感触が消えて、目を開けると、笑顔の松浦が居って・・・・・・


「はい?」
「友達のためじゃ嫌です。アタシのために、して・・・・・くだ、さい・・・・・」


さっきまでの勢いはドコへやら。
話してるうちに、再び真っ赤に染まる顔。
―――やっぱコドモやなぁ・・・・・・・・・・・・


「目ぇ閉じて?」
372 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)20時59分27秒

可愛い後輩との距離は、も少し縮まりそうやなって思った。

373 名前:後輩 投稿日:2002年07月11日(木)21時00分45秒
Fin
374 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月12日(金)00時05分48秒
あはは、メール欄オモロいです、やっぱし。
話がよいのはもちろんのこと!
375 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月14日(日)17時40分34秒
作者さんの姐りかが読んでみたい。
気が向いた時でいいので。(w
376 名前:名無し読者。 投稿日:2002年07月16日(火)11時27分13秒
HPは消滅ですか?
復活お待ちしてます。
377 名前:作者 投稿日:2002年07月18日(木)19時13分41秒
レス、ありがとうございます。
HPは消滅してます・・・閉鎖ではないです。
ま、じーっくり待ってあげようかなと。アメリカンOLは大変らしいんで・・・・・・

えーと姐りか、姐りか・・・・・ん〜ふつーの話しか思いつかないです。
<まあいっつもですが。

というか、コレは姐りか・・・・・・?
378 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時15分57秒
あ〜やっぱライブはえーなぁ。
最近はドラマばっかやったしなぁ。
やぁーっと新曲も歌えるし。
やっぱ、あたしの居場所はココなんや。それに・・・・・・


「やぁぐちぃ〜〜」
「ぐぇ・・・・・・」


矢口にも逢えるし、ハローのツアーは楽しーなぁ。


「なんでいっつもイキナリなんだよぉ」
「愛は突然やってくんねん」
「訳分かんない」
「あたしも分からん」


アホかって言いながらも、ちゃんと腕の中に収まっててくれるし。
はぁ〜〜〜・・・・・ホッとすんなぁ・・・・・・ぅん?
379 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時17分55秒
「なあ、アレ。どないしたん?」
「ん?・・・・・・あぁまた何か悩んでんだねぇ・・・・・・」
「ふうん・・・・・・」


リハ中のステージの隅には、周りの暗さに負けない黒いコ。もとい暗いコ。
最近はムカツクほど前向きやったけど、まぁた何か、後ろ向いてるんやろか。


「何? 気になるの?」
「ヤ、そーゆー訳とちゃうけど・・・・・・・」
「頼むよ、ハロプロリーダー」
「ハロプロリーダーって・・・・・」


そっかぁ、あたしハロプロリーダーやったっけ。
そんなら、たまには仕事せんとなぁ。
380 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時20分03秒
そう自分に言い聞かせて近づくと・・・・・うわぁ、暗っ・・・・・・


「どないしたん?」
「キャッ!!・・・・・中澤さぁん。びっくりするじゃないですかぁ」

 
びっくりするって、あたしの方がびっくりしたわ。
あんた、自分の世界に入りすぎやで、まったく・・・・・

「何かあったん?」って訊くと、「はぁ・・・・」って俯いて。
こらぁ、何かあったと思うに決まってるやんか。


「何か失敗したん?」
「そーじゃないですけどぉ・・・・・・聞いてくれますぅ?」


ウルウルしながら―――いや例えやけど―――あたしを見つめて。
聞く気がなかったら、話し掛けへんがな。
まあそこは置いといて、オトナになってな。


「何?」って優しくな。
そしたら案の定、「あたし浮いてません?」ときたもんだ。
381 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時22分28秒
めっちゃ浮いてんでぇって言っても解決せえへんしなぁ。
お決まりやけど、「それが石川や」って言ってやった。

「そんなん気にせず、やりたいよーにやっとけや」って。
「周り気にしてたら、疲れてまうよ」って。

そしたらあっさり「そーですよね」って・・・・・・



ホンマ簡単なやっちゃなぁ。マイペースなんか、気ぃ使いなんか・・・・・
―――マイペースやな、きっと。マイペースかぁ・・・・・・
382 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時24分30秒
「そーいや、明日香と同い年やっけ?」
「え、あ、そーです。同級生ですよ?」
「そっかぁ・・・・・・」


明日香もえっらいマイペースやったけど、こいつもなぁ。
この年のコは、こんなんが多いんやろか。


「あ〜〜福田さんとは大違いって言うんですかぁ?」
「はい?」
「そりゃあ全然違うかも知れないですけどぉ」


何をイキナリ言ってるんや?
明日香と大違い? 当たり前やんか。
あたしはあんなコドモ、初めて見たがな。

妙に冷静で、オトナっぽくて。ホンマ謎やった。
まあ最近は、何となく分かるようになってきたけども。
383 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時26分23秒
「石川はダメですか?」
「はい?」
「福田さんと全然違いますか?」


・・・・・・何言ってるんや?―――うぉ? 何か泣きそーやんかぁ。
何で?? 何でこないなことになっとんの??
―――しゃあない。誰も助けてくれそーにないしな。


「あんなぁ、明日香と全然違う? そんなん当たり前やんか」
「・・・・・・そーですよね・・・・・」
「何で比べんの? 寒くたって、うっさくたって。それが石川やろぉ?」
「・・・・・・寒い、ですか・・・・・・」


―――おぉ〜、めっちゃショック受けとるわ。
オモロイなぁ・・・・・・ってアカン。


「でも、あたしは好きやで」
「ホントですか?」
「うん。寒くたって、一生懸命やし。好きやで」


そー言ってやったら、「違くて当たり前ですよね」って、笑顔・・・・
384 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時28分23秒
―――何か、ホンマ疲れるわ・・・・・・
「ありがとうございます」って背中で聴きながら。



「やぐちぃ〜〜」
「ぅわっ!―――大丈夫だった?」
「ん〜〜、多分なぁ」


はぁ・・・・・・ホンマ落ち着くわ。
矢口ぃ。あんたがおらんと、あたしきっと疲れてまうわ。


「やぐちぃ」
「うん?」
「ありがとぉ」


やっぱりアホって言われたけど。
腕の中の小さい身体は、大人しく収まっていてくれた。
385 名前:逆走中 投稿日:2002年07月18日(木)19時30分53秒
「ゆーちゃぁ〜ん」
「お? どーしたん?」
「何とかしてよぉ〜〜」


いつもとは逆に、矢口が抱きついてきて。
困ったように、指差す方を見てみれば。

―――マイペースはええけど。逆走してんなぁ・・・・・・


「ゆーちゃぁ〜ん・・・・・・」
「ま、オモロイやん?」


落ち込んでるよりは、ずっとええよ。
ま、程ほどにな、石川・・・・・・


Fin
386 名前:名無しです。 投稿日:2002年07月19日(金)02時26分43秒
姐リカですか?・・・どっちかというとやぐちゅーに(苦笑
中澤さんやっぱり最高です。
でも・・・ショッキ−なことにソロコンの渋谷AX(FC先行)見事に落選!
かなりショッキ−!!
関係ないレスすいません・・・あまりのショックに愚痴を(w
387 名前:作者 投稿日:2002年07月20日(土)17時23分32秒
386>
FC先行も落選ってあるんですか。
じゃあ明日は電話しまくりっすね?

先週のハロモニ最後の、新旧リーダーのショットに触発されまして。
今回はこの2人。『アドバイザー』
388 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月20日(土)17時25分21秒
臆病な自分がいる。


あと少し、もう少し、近づきたいのに踏み出せない。

臆病になるのは、きっと今が幸せだから。
小さな幸せを感じるコトができるから。

でも、あと少し、もう少し。できればもっと・・・・・・


臆病な自分がいる。

背中を押してくれたのは。
389 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月20日(土)17時27分02秒
「相変わらず静かやなぁ〜」


キッチンにいる後姿に、声をかけると、「そーかなぁ〜」背中越しに返事が届く。
最近になって頻繁に訪れるようになったココは、ちょっと普通とは異なる雰囲気。

間接照明の暖かい光、自然の音だけが聴こえる空間。漂うお香の香りが、部屋中を満たす。
―――独りやったら、泣き出すわな、きっと・・・・・・
390 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月20日(土)17時29分59秒
「何かかける?」


お盆を両手に戻ってくるのに、「いらんけど」って受け取って。

―――だってせっかくやし、独りでもないから。
CDとか、ましてやテレビなんかの音で、乱したくないやん?

なら初めっから言うなちゅーねん!って独り突っ込み。
―――だってカオリはぜーったい突っ込んでくれへんし。

愛しのビールを確保しつつ、赤いカクテルを手渡してやる。


「そんじゃ飲みますか」
「うん」
391 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月20日(土)17時31分31秒
ビンとビンで乾杯すると、重い音が短く響いた。
短い時間で作ってたおつまみにも美味しくて、少しずつ杯を重ねる。

ゆったりとした時間の流れを感じて、癒される気がする。
―――この部屋の所為なんか、それとも・・・・・・

目の前でくつろぐカオリは、しっとりとしたオトナの雰囲気をまとって。
いつのまにかオトナになっているコトを、改めて感じさせる。
―――まだまだコドモやと思ってたのになぁ・・・・・・
392 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)08時09分06秒
「どーかした?」


無意識の視線に気づいたのか、黒い瞳があたしを捕らえる。
覗き見でもばれた気分で、瞬間焦った。
―――まあ、そこはオトナやし? カオリには気づかれへんけど。


「や、オトナになったなーって。昔はあんなにコドモやったのに」
「昔って?」
「ん? 昨日に戻りたーいって泣いてた頃とか?」
「ちょ、すっごく昔じゃん」
「うん。可愛かったで、必死で」
393 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)08時10分58秒
デビュー曲争奪戦で、メイン交代で泣いてたカオリ。
ホンマあの頃は、仲間とライバルが混ざり合ってて。
めっちゃ嬉しいデビューも、ごっつ苦しい戦いで。
協力したらええのか、闘志むき出しにしてええのか。


「・・・・・・・まあ皆、必死やったけどな」
「そうだね・・・・・・」
394 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)08時12分54秒
話が途切れると、再び静寂があたしらを包む。
ビールを飲む音、サラダを噛む音、見えなくても分かる。
そして些細な身体の動きと、動かなくなった身体も。


「どーしたん?」


静けさの中の、静寂。
ふと顔を上げると、一点を見つめて動きを止めたカオリがいて。
交信中かと思ったら、意外なコトに声が返ってきた。
395 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)08時14分53秒
「この前、デビュー当時の話、したの。うちらだけじゃなくて、娘、皆のね」


突然話し始める―――まあいつものコトやし、そのまま耳を傾ける。


「うちらとね、圭ちゃんたちとの壁がね。なかなか取れなかったねって」


ああ、まあそんなコトもあったわな。
間違ってたとは思わんけど、コドモやったかもって恥ずかしい。


「でもね、カオリ。うちらと圭ちゃんらと2つっていうより、3つに分かれてた気がするんだ」
「3つぅ?」
396 名前:名無しです。 投稿日:2002年07月21日(日)13時23分41秒
かおゆう?ゆうかお?っていいですね。(w
何気にラジオでお互いの名前が出てきてツボです。
397 名前:作者 投稿日:2002年07月21日(日)18時39分21秒
396>
かおゆう?ゆうかお?私も好きです。
前は難しかったけど、最近はもーそーしやすくなって来ましたし。
たのしそーな2人、いいっすね!
398 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)18時42分19秒
面白そうなカオリの展開に、ビールを飲みながらついて行く。
カオリも喉を潤すように、オレンジのカクテルを一舐めして。


「カオリらと、圭ちゃんたちと、ゆーちゃんたち」
「ゆーちゃんたち?」
「うん。ゆーちゃんと彩っぺ・・・・・・」


あ〜〜つまり、あたしらと、コドモらと、ヤグチらってコト?


「それはオトナチームってやつちゃう?」
「違うよ。そーだけど違う」


―――や、ちょっとついていかれへん。
あたしと彩っぺはオトナってコトで区切られてたし。ちゅーか、そーだけど違うって?
399 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)18時45分33秒
「オトナじゃなくて、ゆーちゃんと彩っぺ。―――だって彩っぺしか見てなかったでしょ?」
「へっ?」
「ゆーちゃん、あの頃、彩っぺしか見てなかったじゃん」
だから、3つだったんだよ、ホントーは。


続く言葉を、瞬間シャットアウトした耳。
思い出にした日々は、今の空間よりも鮮やかによみがえる。
背中を支えてくれた温もりは・・・・・・もうココにいない。


「そう・・・・・・かもな」
「うん。うちらのコトなんか、目に入ってなかったっしょ」
「そっか・・・・・そら悪かったなぁ」


昔のコトなのに、プーってふくれるのを、ゴメンなぁって笑って。
きっと笑えるのは、1人で立てるようになったから。
優しさを思い出して、幸せだったと、今は笑える。




「ゆーちゃん・・・・・・」
400 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)18時48分02秒
笑いすぎて、にじんだ涙を拭いてると、落ち着いた声。
急に、どーしたん?って見ると、真っ黒い瞳が、ジッと見つめている。
さっきまでのコドモっぽさを微塵も感じさせない。
真剣な表情は、まっすぐで怖いくらいだった。


「な、に・・・・・・?」


―――神秘的・・・・・・というのだろうか。吸い込まれそうや。
一生懸命歯車を回す自分が思い浮かんだ。
「カオリぃ〜油足りひ〜ん」って。アホかっ・・・・・・

―――身体が熱くなってくる気がするのは何でやろ。
あ、きっとアレや。魂抜かれそーでな、神経とか筋肉とかが必死に留めてるんや。
「行ったらアカ〜ン」ってな。・・・・・・ホンマ、アホやな自分。
401 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月21日(日)18時50分23秒
「彩っぺが言ってたよ」


やっとしゃべってくれたカオリに、くだらない思考が止まって。
捕われていたあたしの目も、あたしの言うコトを聞いてくれた。
―――何で、カオリ相手にドキドキしてんねん、あたし・・・・・・



「彩っぺが言ってたよ。ゆーちゃんは見つめられると弱いんだって。ホントだね」
402 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月22日(月)19時32分54秒
アタシの視線に、落ち着きをなくした裕ちゃんを解放してあげて。
?マークを飛ばしてる裕ちゃんに、言葉を続けた。


「見つめてくるくせに、見つめられるとドキドキするってさ」
「・・・・・・何でそんなコト話してるんや、あんたらは」


図星を言われたからか、少し赤らんだ頬を隠すように。
髪をかきあげて、そっぽを向いてしまう。
―――裕ちゃんをオとすなら、彩っぺでしょ? なんてコトは言えないから。
403 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月22日(月)19時33分29秒
「ん〜お酒の肴?」


立ちあがりながら、ちょっとおどけて。
「ヒトを肴にすんなや」って背中で聞きながら、キッチンに入る。

冷蔵庫を開けて、ビールを取り出す。
キンキンに冷えたビンは、火照る頭を冷静にしてくれた。


『言わなきゃ分からないよ』優しい声が頭の中に響く。

そう、言わなきゃ分からない。だから言わなきゃ、届かないんだ。


「あのさ」
404 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月22日(月)19時34分53秒
リビングの戸口に立ったまま、見下ろすように話しかける。
近づいたら、近くに行ったら、きっと言えなくなってしまう。


「あのね、気になるんだ」
「何がぁ〜?」


少し酔い気味の、トローンとした声。
床に座ったままの低い所から、ゆっくりと届いてきた。


「部屋で疲れた顔してないかなとか。楽屋でゆっくりできてるのかなとか。
 ちゃんと笑えてるのかなとか。・・・・・・ゆーちゃん、元気?」

「はぁ??」
「だからぁ、ゆーちゃんの心は元気なの?」
405 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月22日(月)19時35分30秒
疲れてたら、お疲れ様って、サラサラの髪を撫でてあげたい。
ゆっくりしたい時は、肩でも膝でも貸してあげたい。
笑いたいなら―――なっちかヤグチに弟子入りするよ。


「おーい、カオリぃ。ビールぅ〜〜」


アタシの質問に答えるわけでもなく、ブンブンと腕を振って。
それそれ!って、手に持ったビールを指差す裕ちゃん。
―――アタシ交信してたわけじゃないよぉ・・・・・

「サンキュ」って差し出す手に乗せようとしたら、逆に腕を掴まれた。
座ってって促されるまま、隣に座る。酔った裕ちゃんの熱が、感じるくらい・・・・・・近くに。
406 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月22日(月)19時36分25秒
「ありがとなぁ」


酔っ払い時限定の熱い手が、床に置いたアタシの手に重なる。
鮮やかなネイルの小さい手は、握るわけでもなく、ただ重なったままで。


「でもな、ゆーちゃんはだいじょぶや。心配せんでも、だいじょーぶやで」
「ゆーちゃん・・・・・・」
「ちゅーか、あんたの方こそだいじょーぶなんか? 疲れてないか?」


空いた方の手で、ビンの縁をいじりながら。
アタシを見つめる瞳の、意外な近さに、鼓動が跳ねた。

何かあったら聞いたんでぇ。上手くいってるかぁ。
大好きな声は、優しい声は、なぜか切なさを運ぶ。


―――そうじゃないんだよ。違うんだよ。
その優しさは嬉しいけど、アタシが求めてるのは・・・・・・

『押されると弱いんだよ、あのヒト』そー言った? 言ったよね?
407 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月22日(月)21時44分40秒
かおゆうイイですね。
最高です。
ハマッちゃいました。(w
更新楽しみです〜。
408 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月23日(火)09時43分44秒
大人?って感じ(w
圭織のほうがどっちかというと大人?
彩裕もいつか書いて下さい。
409 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月23日(火)20時59分27秒
何かを思い出すような、悪戯な笑みで。囁いた彼女を思い出す。


「大変やろーけどなぁ」


いつのまにかアタシが心配されてる立場。
言葉と一緒に、白い腕が伸ばされて、アタシの髪を優しく撫でる。
ふわっと流れる裕ちゃんの香りに、我慢って言葉は辞書から消えた。


「ゆーちゃん!」


大好きな響きを呼びながら、細い手首を掴まえる。
勢いは、裕ちゃんを床に押し倒し、閉じ込めても収まらない。
見下ろしたグレーの瞳は、驚きで見開いた後、ネコのように細くなった。


「どーしたん?」


相変わらず穏やかな声で、床に貼りつけてるのに、痛いとも言わない。
落ち着いたオトナの態度は、逆に自分がコドモのようで。

―――背伸びをしたいわけじゃないけど。
対等に、背中を預けてもらえるように、頼って欲しい。・・・・・・求めて欲しい。
410 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月23日(火)21時00分04秒
「好きなったんだよ、きっと。好きになっちゃったんだ」


自分でも分からないのに、分かって欲しいと思うワガママ。
分かってくれない苛立ち。紛らわす行動は、荒々しいはずなのに。


「そっか、好きか。好きになっちゃったかぁ」


押さえつけてるはずなのに、優しい手が頬をなでるように。
甘い声が、瞳が、アタシを柔らかく包んでくれる。


「カオリぃ。ムリはせんって約束してくれるかぁ?」
「・・・・・・えっ?」
「だって、逢いたい時に逢えへんかったら、悲しいもん」
「ゆーちゃん・・・・・・?」
「せやから、逢いたくなったら、逢いたいって言ってええ?ってコトや」


・・・・・・裕ちゃん、遠まわしで良く分かんないけど。
もしかして、少し、近づくコトができたのかなぁ?


「なぁカオリぃ。背中痛いねんけどぉ」
「あ、ゴメン―――ベット行こうか」
「せやな。・・・・・今日泊ってもええ?」
411 名前:アドバイザー 投稿日:2002年07月23日(火)21時00分44秒
『で、結局はどーなったの?』
『おかげ様で、もっと仲良くなったよ』
『そーじゃなくて。その後よ』
『へ? あぁ、一緒のベットで寝ちゃったぁ。寝顔可愛くてさぁ』
『・・・・・・なあんだ』
『だって、焦らなくても良いんじゃないって言ったっしょ』
『そりゃーねぇ。好きなヒトを取られちゃうんだから? ま、ジェラシーってヤツ?』

―――取られちゃうって、自分は結婚してるんじゃ・・・・・・

『ま、チャンスはコレからでしょ?―――頼んだよ、カオリ』
『任せて!』



カオリのアドバイザーは、ちょっと意地悪だ。


Fin
412 名前:作者 投稿日:2002年07月23日(火)21時02分44秒
407,408>
更新、楽しみにしていただいたのに・・・終わっちゃいました。
こんな結末で、満足していただければ幸い。

彩裕は、書きます。思いついたらですが。
413 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月25日(木)09時15分36秒
作者さんのお話LOVE LOVEです。
猫の飼い方シリーズ番外編といったところですか?
ゆうかおまた書いてください!!
414 名前:作者 投稿日:2002年07月26日(金)10時30分52秒
413>
番外編ですか…どーなんでしょう。
あのシリーズの最後もどうなるか未定なんで。
ま、そういう展開もありですかね。
ゆうかおも思いついたらということで。
415 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時16分08秒
懐かしい仲間と昔話をした日。
酒の肴にして笑い合った日。
あの時から、時間は再び動き始めていたんだ。
気づかないうちに、少しずつ・・・・・・
416 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時18分23秒
天気のよい日曜日。
太陽もほぼ天辺に昇った頃。
テレビには懐かしい面々が映っていた。

今ではほとんどが面識のない人たち、しかし、大切な友人の笑顔を見るために。
たまーに、人間関係を垣間見るコトができる番組だし。

先日、昔話を繰り広げた相手の、可愛い恋の行方―――とでもいうのだろうか。
少しは経過観察でもしてみようかな・・・・・・なんて。


そんな気分で見てただけだった―――多分。
417 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時20分19秒
画面の中では、相変わらずな騒がしい光景。

その中で切り取られるショット―――仲良さそうとか、楽しそうとか。
それらが虚像である事は十分承知の上だけど。ふと見せる表情が素って分かるから、見てて楽しい。


・・・・・・相変わらず、いろんなコと絡んでるんだなぁ。
そう思わせるほど、彼女の隣はコロコロ変わり、それぞれのスタンスが見えた気がした。
かといって、新しいコたちとは絡まないのが、らしくて笑える。

・・・・・・ま、アタシの目は、一人しか追ってないから、難とも言えないけどね。
418 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時22分52秒
「圭織ぃ、がんばんないと・・・・・・」

思わず呟く独り言。


圭織的には満足してるのかも知れないけど、隣でラブマ踊ってるだけじゃ、進展しないよ・・・・・・

圭ちゃんも同じ感じか。くす玉から逃げた彼女をさり気なく支えてたけど
―――う〜ん、待ってるだけなのかなぁ。

どっちかというと、ヤグチは頑張ってるね。
けどカメラに気づいて組んでた腕を解いちゃうのはダメだね。
―――甘えられるほど、大人でも子供でもないって感じだ。

その点、石川さんはツボ押さえてるねぇ。
あれだけ面と向かって、好きって言われたら動揺するよ、あのヒトは。
返しがベタベタだもん。
419 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時25分18秒
「う〜ん・・・・・・」

肝心のヒトの心が見えないなぁ。
以外と絡まなかったなっちとかも、ありだし。
ホラ、この本にも『大切な存在』って書いてあるし。
・・・・・・ん〜〜興味あるなぁ。
―――やっぱ一応元メンとして、恋の行方も気になるし?


「よしっ!」

思いついたら即行動。好奇心は生まれつき。
そんな自分の性格を悔やむ羽目になろうとは、この時は全然気づいていなかった。
当然だけど・・・・・・
420 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時27分52秒
「久しぶり」

玄関に現れた彼女は、記憶にあるよりも随分髪が長くなっていた。
出会った頃に近いかも知れない。色は全く違うけど。


「ごめんね。忙しいトコ」

一応恐縮しながら、部屋に通す。
「ええねん。逢いたかったし」って言葉が返ってくることを知ってて言うんだから、まあ所謂ポーズだよね。

その変わらない優しさを感じつつ、ふと思いついて振り向いた。
突然立ち止まったアタシに、ぶつかりそうになった肩を引き寄せて、口付ける。
421 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時30分03秒
「―――何すんねん」
「挨拶。本にも書いてあったじゃん。キスは愛情表現だって。・・・・・ダメだった?」
「そーやないけど・・・・・・」

唇を押さえたまま、困ったように俯いた彼女を覗きこむ。

徐々に赤らんでいく頬。戸惑ったような仕草。目の前の存在に仕掛けた悪戯。
全ては自業自得だったのかも知れない。
422 名前:アドバイザー2 投稿日:2002年07月29日(月)19時32分23秒
「思い出すやんか・・・・・・」


そう呟いた瞳が、切なそうだったから。
そう呟いた声が、か細く震えていたから。

甘い味を思い出した、アタシの中の獣。
吼えたら、あなたの中でも目覚めるだろうか。


Fin
423 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月30日(火)00時25分18秒
ラブマで仲良く「Yeah×4」をやってる新旧リーダーはよかった。
ってか、よく見てますね〜。圭ちゃんのとこはビデオ見返して確認しちゃいました(笑)
424 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月30日(火)02時23分03秒
この前の週の・・・ハロモニ
矢口にしか見せない表情
裕子・矢口・なっち・圭ちゃんは
やぐちゅー・なっちゅー・KUを見た気が・・・これも書いて欲しいなー(w
425 名前:作者 投稿日:2002年07月31日(水)20時06分59秒
ココとは関係ないですが、一応お知らせ。
復活しました。・・・・・多分。
心配してくださった方、ありがとうございました。
426 名前:作者 投稿日:2002年08月03日(土)15時14分45秒
世間ではごっちん&保田さん卒業話がショック!っぽいですが。
自分の中では、平家さん卒業が・・・・・・

まあ実際ハロプロ卒業ってのが、どう影響してくるのか疑問ですが。
とりあえず、ハロプロ関係のライブや番組には出ないんだろうなぁ・・・

で、一応ココの押しはみっちゅーなんで。
今の気持ちを一つ。
427 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時16分32秒
「別の道を進もうと思う」


額に光る汗を拭ってやりながら、そう告げた。
言葉の意味が分からなかったのか、それとも単に呼吸が整わないのか。
シーツに埋もれた身体からは、なかなか言葉が返ってこなかった。
428 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時18分22秒
「ハロプロ、辞めようと思うねん」


はっきりと告げた。
元々ソロのアタシにとって、グループ活動ができたハロプロ。
―――ねーさんと一緒に歌えたステージ。その場所を旅立つ・・・・・・と。

自分の気持ち、ちゃんと伝えた。
でも、どんな答えが返ってくるのか、それが不安だった。
429 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時20分29秒

元々傍にいたわけじゃないけど。
もっと離れてしまう距離。

隣で寝そべるこのヒトは、天邪鬼な寂しがりで。
ヒトの温もりが恋しい時も、なかなか言葉にしてくれない。

彼女の発する信号に、気付けない距離に行く自分。
それならいっそ、近い誰かに託すべきなのかも知れない。
430 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時22分12秒
「アホやなぁ。何が心配なん?」


ようやく返ってきたのは、いつもと変わらない「アホ」やって・・・・
震えるアタシとは対照的に、穏やかな柔らかい声。

心配なんて、あるのは2つだけ。
心が求める歌。そんな歌を歌えるか?
そして、何より大切なあなたの・・・・・・
431 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時23分53秒
「浮気かぁ?」


分かってるくせに、わざと軽い雰囲気に持っていこうと。

でも、浮気・・・・・・そう言えなくもない。
アタシは心変わりが怖い。幻滅されるのが怖い。皆に―――あなたに。
432 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時25分44秒
「あ〜それは心配ですねぇ。逢えへん間にどーなるか」
「そりゃ、しゃあないやん? かわええコ多いし」
「・・・・・・・・・・・・」


何でこんな時くらい、言えへんかなぁ。
普通嘘でもええから、浮気せぇへんって言うやろ?
433 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時27分55秒
「どーしたん? ショック?」
「・・・・・・あんたなぁ。―――ま、えーけど」
「えーの? ホンマに? あたしはイヤやで? みっちゃん浮気せんとってな?」

「・・・・・・そんで、ねーさんはするん?」
「どーやと思う?」
「知らんがな」

「あ〜〜ゆーちゃん、ショックやわぁ。何で分からんかなぁ」
「―――さっき、しゃあないって言うたやん」
「・・・・・・・・・・ホンマ、しゃあないなぁ」
434 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時30分12秒
そう言って、肩を押されて。
反転した視界には、いたずらっ子な笑顔。


『教えたる』


囁くように動く唇を、ぼんやりと見てた。
触れる直前、口の端が上がった気がして。

なに?
尋ねる前に、塞がれた。
435 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時31分59秒
今まで、何度も何度も味わった感触。
これからも、ずーっと触れていたい。
そう思うのは自分だけ?


絡み合い、追いかけて捕まえて。
2人の間に生じた熱が、冷えかけた心を熱く溶かす。

この熱が、きっとあなたの想い。
436 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時34分04秒
「ずっと見とるよ」


果てる直前。聴こえた気がした。


そして。
白い闇に吸い込まれる。
437 名前: 投稿日:2002年08月03日(土)15時36分00秒

何も怖くない。
あなたの心が変わらないなら。


Fin
438 名前:名無し読者。 投稿日:2002年08月03日(土)18時12分03秒
みちゅーの絡み自分も大好きでした・・・
これからみれなくなってしまうのかと思ったら・・・(涙
姐さんの矢口やなっちと絡む時のカワイイって絡みかたじゃなくて
憎まれ口たたきながらの絡み・・・大好きだったのに・・・

復活おめでとうございます!!けんかするみっちゅーツボです(w
439 名前:作者 投稿日:2002年08月04日(日)20時16分44秒
438>
みっちゅー。ラジオなら可能性ありですよね?
無事復活しました。向こうも地道に頑張ります。

で、今回は今日のハロモニから、やぐちゅーです。
440 名前:困惑 投稿日:2002年08月04日(日)20時18分15秒
『30分休憩で〜す』


スタッフさんの声を聴いて、ゾロゾロと控え室に戻る。
あたしは途中で方向転換、違う部屋を目指した。


コンコン。


ノックすると、相変わらずな返事が聴こえる。
無意識に笑ってしまうのを抑えきれず、ドアを開けた。
441 名前:困惑 投稿日:2002年08月04日(日)20時19分10秒
「お〜〜ちょーどよかったわ」
「何?」
「呼ぼうと思ってん」


部屋の奥では、ゆーちゃんが携帯を弄んでいた。
何か用?って訊きながら、トコトコと近づく。


「イヤ、用ってわけじゃないけどな」
442 名前:困惑 投稿日:2002年08月04日(日)20時19分40秒
携帯を閉じながら、イスに座って手招きされる。
傍に立つと、おいでって膝の上に。

もちろん異論はないから、大人しく乗っかって。
横向きに座ると、ゆーちゃんの顔がとっても近く感じた。


『ドクン』


久しぶりに見た、ゆーちゃんのアップ。
そのキレイさに、今更ながら胸が高鳴る。
443 名前:困惑 投稿日:2002年08月04日(日)20時20分21秒
ゆーちゃんの膝の上は大好きだ。


柔らかい身体に抱きつけるし。
小さいけど、暖かい手で、撫でてもくれるし。
キレイな顔も、すぐ近くで見られるし。


辻とか加護とか、もっと小さいコとか、いっぱいいるけど。
ゆーちゃんの膝は、誰にも渡したくない。

だから、あまり太らないようにしてるんだ。
―――誰にもナイショだけどね。


今も、暖かい手で、背中を撫でてくれている。
何も言わず、ただゆっくりと。
穏やかな心臓の音は、あたしに安らぎをくれて。


だから大好きなんだ。・・・・・・言ったことはないけど。
444 名前:困惑 投稿日:2002年08月04日(日)20時21分02秒
「ヤグチ・・・・・・」


ふと聴こえた呟きに、顔を上げると、唇が塞がれた。
一旦離れて、もう一度重なる。
合間に、ヤグチ、って聴こえた気がした。


ゆーちゃんの唇は、柔らかくて気持ちいい。
触れ合うだけのキスを繰り返すうち、催促される。

ゆーちゃんの唇が、開けてって催促してくる。
ゆーちゃんの舌が、入りたいって催促してくる。


ゆーちゃんに、追いかけられて、捕まえられて。
絡められて、身動きできない。―――心も身体も。


全部全部、ゆーちゃんにあげてもいいんだ。
もらってくれるんなら。―――もらってくれなくてもだけど。
445 名前:困惑 投稿日:2002年08月04日(日)20時21分45秒

「・・・・・・・・ふぁ・・・」


やっと離れた唇に、身体にこもった熱が漏れた。

吐いた息と一緒に、身体のチカラも抜けてしまった気がする。
・・・・・・こんなトコで、何てキスするんだよぉ・・・・・・

行動の読めないオトナを、恨めしげに見上げると、楽しそうに見返された。


「どしたん?」
「・・・・・・別に」
「ふうん?―――やっぱイカ食べたいなぁ。せや。ヤグチ、イカ食べ行こ?」
446 名前:困惑 投稿日:2002年08月04日(日)20時23分49秒
イカ?・・・・・・もしかして、今のは―――


「今のキスって・・・・・」
「あ〜、やって、イカ食べてたやん? あたしも食べたいなぁって」


・・・・・・あなたは犬ですか。
そんな理由で、ディープなキスをしちゃうんですかぁ?


「ヤグチ? 心配せんでも奢ったるって」
「・・・・・・タン塩」
「あ? あぁ、海鮮焼があるトコな」


チカラいっぱい食べてやるぅ!って思いながら。

全部あげるのは、もう少し考えてからにしよう。
やっぱりヘンなオトナを前に、そう思い直したのだった。


Fin
447 名前:名無し読者。 投稿日:2002年08月05日(月)02時38分48秒
今日の裕ちゃんの涙にノックアウト。(痛すぎる
声を殺してなくところ・・・アサヤンのアヤッペ卒業を思い出した。(涙
448 名前:名無し読者。 投稿日:2002年08月05日(月)13時38分26秒
今、心読ませていただいたんですが・・・
まさに昨日のannを彷彿と・・・
グッときました。
449 名前:作者 投稿日:2002年08月10日(土)10時43分56秒
447,448>
いいかげん卒業の話は終わりにしようと思ってたんですが。
姐さんのラジオを聴きまして。

矢口となっちを両手にとか、矢口を慰めてたとか。
ということで、tsunagi+卒業見込みのヒトで「絆」
450 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時44分52秒
人間って、結構頑丈にできてると思う。心も身体も。
だって頑張れば、いろんなコト、耐えられるもん。
451 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時45分59秒

「大丈夫かぁ?」


収録の合間の休憩時間。
当てもなく歩きながら、ヤグチの肩を抱くヒトは、心配そうに訊いてくる。


「大丈夫だよ」


いつもの声。いつのも笑顔。
だって悲しいことじゃないんだから。悲しむ必要はないんだから。
452 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時46分55秒

「悪いことはないんやからな。泣いたらアカンで?」


ヤグチの返事を聞いてるのかいないのか。
同じ調子で、言葉が続く。


「分かってる」


ヤグチも同じように。
分かってる。悪いことはない。変わるのは悪いことじゃないんだから。
453 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時47分43秒

「ごっちんが卒業しても。圭坊が卒業しても。みっちゃんが卒業しても。
 ユニットのメンバーが変わっても。―――泣いたらアカンでぇ?」

「うるさ〜〜い!!」


心配してくれるのは分かる。
分かるけど、大丈夫って言ってんだから、それ以上訊かないで。
それも、ひとつずつ挙げてくことないじゃんかぁ・・・・・・
454 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時48分39秒

「ヤグチ・・・・・・」


向こう側から、裕ちゃんに腕を絡めたまま、なっちが顔を寄せてくる。
―――つまり、うちらは3人して、フラフラしてたわけ・・・・・・何してんだか。


「何?」
「裕ちゃんはね、ヤグチが泣かないから心配なんだよ」


まるでナイショ話をするみたいに、そっと囁かれた。
まあ本人がすぐ横にいるんだから、ナイショじゃないんだけど。
455 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時49分23秒

「・・・・・・泣かそうとしたのかよぉ?」
「せや。悲しい時は泣かなアカン。泣かんと、いつまでも悲しいままや」


ヘンなことを企むヒトを見上げると、偉そうに胸を張って。
―――だからって、こんな時に泣けるわけないだろぉ・・・・・・


妙に期待する目と、その向こうの優しげな笑みを見たら、何だか悔しくなって。
・・・・・・我慢してるのがバカみたいじゃん。


「じゃあ、なっちも裕ちゃんも泣いたの?」


2人の顔を伺うと、聞いてくれと言わんばかりに目を光らせるヒト1人。
456 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時50分15秒

「そらぁもう。裕ちゃんのシャツ、びちょびちょやってん。なぁ?」
「ちょっとぉ」


真っ赤になったなっちが、止めようとするのもおかまいなしで。


「あんたホンマに21になるん?ってな感じで。なぁ?」
「ひっどーい。恥かしくないから泣いてええよ。って言ったっしょぉ?」


プゥってふくれたなっちに、ペチッて腕を叩かれて。
「嘘やって」って笑いながら、なっちの頭を撫でている裕ちゃん。―――余裕じゃん。


「裕ちゃんも泣いたの?」
457 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時50分51秒
反対側でじゃれてた裕ちゃんは、やっぱり偉そうな顔をして。
「悲しくないも〜ん」って。


「何も悲しいことないし。泣くことないやん?」


・・・・・・・嘘だ。あんなに泣き虫な裕ちゃんが、泣かないわけないじゃん。
なっちと2人で、教えろぉ〜〜って問い詰めても、笑ってばかりで。


「どーやと思う?」


楽しそうに訊いてきた裕ちゃんに、誰かが答えた。


「みっちゃんトコで泣いたんだよね」
458 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時51分55秒
「・・・・・・何だぁ。やっぱり泣いたんじゃん」
「隠すことないじゃん。ねぇ〜〜?」

「・・・・・・圭坊! イキナリ入ってくんなや!」


突然のチクリにキレた裕ちゃんは、犯人にガウってかみついた。
気にせず優雅にお茶なんか飲んでる圭ちゃん・・・・・・さすがだ。


「この前、メールきてさ。『泣き虫で、性格ひねてるけど、ヨロシクなぁ』って」
459 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時52分45秒
裕ちゃんの抗議もドコ拭く風。うちらに説明してくれる。


「平家ぇ・・・・・何で圭坊なんかに・・・・・・」
「なんかにって失礼な。あれじゃん? 今度サブだし」


―――サブリーダー。
裕ちゃんのサブってことは、ハロプロのサブってことで。
娘のサブじゃないってことは、娘じゃなくなるってわけで・・・・・・



「圭ちゃん・・・・・・・・」
460 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時54分09秒

目の前が揺れて、滲んで。
鼻の奥がツンとして・・・・・・


「何であたしに抱きつかんのぉ」とか。
「そりゃ圭ちゃん、好きだからっしょ」とか。

のんきな会話が耳に入ったけど、もう涙は止められなかった。
461 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時55分25秒

ずっと背中を撫でてくれてた腕から、身体を離して。

「大丈夫?」心配そうな瞳に、「ごめんね」って笑って見せる。
「ヤグチ・・・・・」向かいに座ったなっちにも、「うん」って笑う。

「素直やないなぁ」優しい声で、冷たいお茶を差し出すヒトには「アホ」って。
―――何で裕ちゃんには、こーなっちゃうんだろ。


「アホって何やねん。そんなコには牛乳飲ませちゃる」

「買ってあげる」って立ちあがったなっちに、お金を渡してニヤニヤ笑い。
462 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時56分08秒
「はい」
「サンキュ。・・・・・・これ、ちゃうがなぁ!」


なっちが渡したのはトマトジュース。
「ナイス! なっち」2人でハイタッチして笑い合った。



悔しそうな裕ちゃんは、圭ちゃんの前にコツって立てて。

「何?」
「あげる」
「いらない」
「・・・・・・リーダー命令や。あげる」


むちゃくちゃな命令に、「何だそれ」って言いながらも。
プシュ。―――プルタブを開ける音が、気持ち良く響いた。
・・・・・・・結局、3人で回し飲みしたんだけどね。
463 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時57分16秒
「リーダーかぁ・・・・・・」


トマトジュースがなくなる頃、裕ちゃんがボソって呟いた。
その声が、さっきまでのおちゃらけたのとは違う気がして。

うちらの反応を気にしてないのか、トーンダウンした声が続く。


「圭坊がサブリーダーとか言うから。またあたし、リーダー言われるやん・・・・・・」
「あたしの所為なの?」


ため息でも吐きそうな裕ちゃんに、少し心配になって。
464 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時58分02秒

「リーダー、ヤなの?」


ヤグチの質問にも、裕ちゃんの口はなかなか開かない。
―――ホントにヤなのかなぁ? まあ裕ちゃんは1人がイイのかも知れないけど。


「リーダーって言葉に、自分が追いついてないから、呼ばれたくないって。
 改心に書いてあったけど。―――今もそうなの?」


沈黙を破ったなっちの言葉に、目を合わせないまま。「そーかも」って呟いた。
465 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)10時59分59秒

そんなことはないよって言うのは簡単。
うちらはリーダーって認めてるよって。
でも、裕ちゃんは、自分でしか自分を許さないから。
―――こんな時は、何て言ってあげればイイんだろう・・・・・・



「じゃあ、リーダーじゃなくてお頭とか?」
「極道やん!」


圭ちゃんの一言に突っ込む裕ちゃんは、いつもの裕ちゃんに戻ってて。
―――なるほどぉ・・・・・・
466 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)11時01分27秒

「じゃあ、元締めぇ」
「ヘッドぉ」
「姉御ぉ」

「・・・・・何でそっち系なん?」

「じゃあねぇ・・・・・・ハロープロジェクト部・部長!」
「圭ちゃんは副部長ね」
「あたし、イヤ」

「じゃあ、隊長!」
「大変です!ってか?」

「じゃあ、ボス!」
「缶コーヒーかぁ」

「スイカぁ・・・・・・」
467 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)11時03分03秒
??

突然飛び込んできた単語。
意味は分かるよ? スイカってあのしましまの丸いヤツだよね?
中が赤くて、甘くて・・・・・・なんでスイカ??


「ごっちん?」


一番早く立ち直った裕ちゃんが、声の主―――ごっつぁんに訊ねてる。


「あ〜、コーヒーとか言ってるから、ごとーはスイカがいーなーって」


あのなぁ・・・・・って苦笑してる裕ちゃんと圭ちゃん。
ほえって顔してるごっつぁん。

あたしはなっちと顔を見合わせて―――ニヤ・・・・・・
468 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)11時04分37秒
「じゃあ、裕ちゃんスイカね!」
「スイカぁ!」

「スイカって訳分からんがな」

「じゃあ、バナナ!」
「言うなぁ!」

「メロン!」
「あんたンとこのイヌやん」

「りんごぉ!」
「いちごぉ!」


「・・・・・・リーダーって呼んで」


散々なうちらに、諦めたように背中を丸めた裕ちゃん。
その情けない姿が可愛くて、笑ってしまった。
―――さっきの涙を忘れたように、チカラいっぱい笑ってしまった。
469 名前: 投稿日:2002年08月10日(土)11時06分14秒
こうやって少しずつ乗り越えて行こうか。
手を繋いで、笑いながら。

だってうちらは、こんなにも繋がっているんだから。


Fin
470 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時14分58秒
『アカン、アカン。今日はやめぇ〜〜』
『え〜〜いーじゃーん。押さえろぉ〜〜』


扉が閉まってるはずの控室からは、何故か聴き慣れたヒト達の声。
中に入ったら五月蝿そうだと思いながらも、何してるのかとドアを開ける。

探すまでもなく、声の主たちは部屋の片隅でじゃれあっていた。

471 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時15分30秒

「何してんの?」


近くにいたアヤカに、指差しながら訊ねると、「下着チェック」だそうで。
よく見ると、珍しいことに、ちびっこ達に襲われているオトナ―――いつもと逆だ。


「え〜〜ゆーちゃん、油断してるぅ〜〜」
「えーやん、別にぃ〜」


どうやらチェックされてしまったらしく、ヤグチにダメだしされている。
472 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時16分01秒

「何でハローのリハで、気合入れなアカンねん」
「え〜ダメだよぉ。ねぇ?」


近づいたアタシに同意を求めるヤグチ。
―――いや、アタシに訊かれても・・・・・・


「えーやん。あたしが何穿こうとぉ」
「ダメだよぉ。やっぱセクシーなの穿かないとぉ。ねぇ?」
「あ〜・・・・・・そうなのかな・・・・・・」
473 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時16分31秒

実際見てないし、何とも答えようのない曖昧な返事に、イキナリ立ちあがった裕ちゃん。
「ちょっと」ってアタシの腕を引っ張って。


「呼び出しだぁ。怖ぁ〜〜」
「ちゃうがな!」


騒ぎ出すコドモ達を背に、アタシは入ったばっかりの控室を後にした。
474 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時17分02秒


「どこ行くの?」


アタシの手首を握ったまま、スタスタと歩く背中に問い掛ける。


「ええから」


返ってきたのは、何故か不機嫌な声。・・・・・・アタシ何かした?
経験上、こんな時は黙ってるに限るから、大人しくついて行く。
たどり着いたのは、控室から少し離れた化粧室だった。
475 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時17分34秒

勢いよく引っ張ってきたくせに、入った途端手を離して。
鏡を前に髪の毛なんか直し始める。何なんだ、一体・・・・・・


「どうかした?」


仕方なくアタシから切り出すと、鏡から離れて壁に背中を預けて。
でもアタシではなく、自分の爪を見つめながら。


「圭ちゃんの所為やねんで?」
476 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時18分08秒

―――アタシの所為?・・・・・・って何が?


「圭ちゃんが、痕、つけるから・・・・・・」
「アト?」
「・・・・・・その、昨日・・・・・・」


―――昨日? アト?・・・・・・あぁキスマークね。


「でも見えないトコだよ?」


あそこなら、絶対見えない。ちゃんとブラで隠れるはずだもん。


「ちゃう。ここ」
477 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時18分51秒

自信たっぷりに言い放つアタシに、裕ちゃんの長い爪は、別のとこを指して見せた。
そこは多分、おへその下辺り・・・・・・


「あぁ」


なるほど、そこね? だって脱がせる前に付けたんだもん、確か。


「あぁ、ちゃうがな! シャワー浴びたら付いてんねんもん。
こんなんコドモらに見られたらと思うて。せやのに・・・・・・だから・・・・・・圭ちゃんの所為や」


ブツブツ言い続けてるのに相槌を打ちながら、壁際に近づいて。
478 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時19分21秒

「そんなに目立つ?」


見せて?って手を伸ばすと、素早い動きで手を掴まれる。


「やっ!」
「・・・・・・何で?」


結構強い拒絶を示されて、一瞬戸惑ってしまう。
そりゃあ下着の中の話だから、イヤってものアリだけど、ここまで拒絶するかなぁ・・・・・・

アタシの戸惑いに気づいたのか、「いやいやいや」って焦る裕ちゃん。


「・・・・・・カッコよくないねん。せやから・・・・・・」
479 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時19分56秒

耳まで真っ赤の染めて、俯いたまま。
きっとヤグチとかに言われちゃったから、余計イヤなのかも。
―――こんなトコは、中高生と変わらないのかも知れない。

でもねぇ、アタシがそれほど純情じゃないんだよ・・・・・・


空いてる手で裕ちゃんの手を掴んで、個室に引っ張り込んで。
便座を下ろして腰掛けて、裕ちゃん越しに鍵をかける。
480 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時20分28秒

「ねぇ。ハローのリハには、気合入れて来ないの?」


立ったままの腰を引き寄せる。
回した腕には、警戒するように、裕ちゃんの手が添えられて。


「アタシがいるのに。気合入れないの?」
「そ、それはぁ・・・・・・」
481 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時21分07秒

動揺した隙に、裾から差し入れ、背中を撫でる。
悪戯し始めた手を、止めようとする前に言葉で制する。


「アタシと、こういうコト、するかも知れないのに?」


滑らした手は、そのまま昇ってホックを外す。
邪魔なものがなくなったその感触を、思う存分味わい尽くして。


「裕ちゃんにとって、アタシってそんなモンなんだ」


意地悪な一言は、小心な彼女の動きを止める。
前に回ってきた手に、身体を捩りながらも拒否できない。
482 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時21分54秒

「そんなんちゃう。・・・・・・どーせシャワー浴びると思ってん・・・・・・」
「随分信用されてんだ?」
「・・・・・・信用できへんの?」


―――そんな真っ直ぐに見つめないで欲しい・・・・・・


「・・・・・・ズルイなぁ」
「あたしがか?」
「そうだよ」
483 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時22分24秒

アタシの意地悪なんて、簡単にかわしてしまう。
オトナのような、コドモのような、真っ直ぐな目で―――


「そらゴメンな」


その悪戯な唇で―――


484 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時22分55秒


っ!
―――今のは、逆効果・・・・・・じゃない?


485 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時23分26秒

「もっと・・・・・・」


離れようとする唇は、首に回した手で捕まえて。
もう一度引き寄せて、口づける。もっと長く―――深く。

柔らかい胸に、触れたままの手は、欲望に忠実に。
親指が、固い突起に触れた時、唇の隙間から、吐息が漏れた。
486 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時23分57秒

「ちょっ・・・・・」


慌てたように身を引く裕ちゃん。
追いかけず、でも腰は抱いたまま。


「こんなトコでするつもりかぁ?」
「そのつもり」
「あたしはイヤや」

「じゃあ、見せてくれたら、しない」
「は?」
「アタシが付けた痕」


迷う瞳と、迫る視線。
絡ませて、読みあう、駆け引き・・・・・・・・

487 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時24分29秒

「目ぇ瞑ってて」


諦めたように呟いて、ジャージに手を掛ける。


「ええよ」


小さな声に目を開けると、真っ白い中に、赤い痕が点々と・・・・・・
―――あぁ、これは刺激が強いかもね。
488 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時25分13秒

「もうええ?」


明るいところでは、ましてやこんなトコでは、いつも以上に羞恥が強いのか。
問い掛ける声も、少し震えて泣きそうだ・・・・・・


「待って」


分かっていながら、素直じゃないアタシ。
剥き出しの肌に、唇を寄せて、色づける。


「いっ・・・・・」


唇を離すと、鮮やかな赤。―――アタシの色・・・・・・・
489 名前: 投稿日:2002年08月13日(火)19時25分54秒


捕まえてても、すり抜けていきそうな不安。
ふあふあ、ふらふら。風に乗って。


アタシの色に、全てを染めて。
あなたはアタシの物になる・・・・・・


Fin
490 名前:作者 投稿日:2002年08月13日(火)19時28分14秒
はい。先週の下着ネタから、KUです。
あの話で、何故やぐちゅーにならないのか・・・・・

このスレもいっぱいになってきたので、この辺で。
ちまちまとした小噺に、付き合って頂きありがとうございました。

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