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線香花火

1 名前:とみこ 投稿日:2002年04月22日(月)19時43分48秒
切ない、夏の青春ストーリーです。

登場人物

吉澤ひとみ 高2。真希の幼馴染
後藤真希  高2。
石川梨華  高3。ひとみの隣の家に引っ越してきた。

2 名前:とみこ 投稿日:2002年04月23日(火)18時49分36秒
東京都内の住宅街――――――






「ごっち〜ん!まだぁ〜??」

家を出るなり、となりの家の二階に向かって大声で叫ぶ少女。


「ごめーん、今行くー。」

といいながら、食パンをくわえて急いで廊下を走る少女。


この2人は、町でも有名な高校生の女の子です。


ガチャッ


「おそ〜い。」

少し茶の入ったショートカットで、長身美白なこの少女の名前は、吉澤ひとみ。

今年高校二年生になったばかりである。


「ごめんってばぁ。目覚ましの時間セットし間違えたみたいなんだよね〜。」

ふにゃふにゃした口調で、いつも眠そうなこの少女は、後藤真希。

ひとみと同じく、今年高二になったばかりである。

長い髪を横に結んで、食べかけのパンをやっと飲み込んだ。
3 名前:とみこ 投稿日:2002年04月23日(火)18時50分11秒



「も〜、いっつもその言いわけじゃん。今日はテストなんだからシャキッとしようよ!」

「テストぉ?いつ?何の?」

相変わらず気の抜けた声でそう尋ねた。


「え?今日英語のテストあるって言ってたじゃん。」

「うっそー!!どうしよう、ごとー、何も勉強してないよぉ??」

「はっはーん。そんなことだろうと思って、ごっちん用のノートまとめてきたよ♪」


そういってひとみは、真希に大学ノートを一冊渡した。


「まじで?!ありがとうよっすぃー!ホント助かる!!」

感情のままにひとみに抱きついた。


「うわっ!も〜〜〜〜!!早く行くよ!」

「あ、待ってよ〜」


こうして、今日も騒がしい一日が始まるのだった。
4 名前:夜叉 投稿日:2002年04月23日(火)20時28分00秒
おや?もしやの新作ですか?頑張って下さい
5 名前:とみこ 投稿日:2002年04月24日(水)18時12分14秒

「あっヨッスィーおはよー!」

「よっすぃー、おっは〜。」

「吉澤ぁ!おはよっす!」



正門をくぐるなり、校舎からひとみたちに向かって挨拶の嵐。

そう、ひとみは学校のいわゆる【人気者】なのである。

容姿が美しい。というのはもちろん、優しくて、頭もよく、運動神経抜群で、

誰からも慕われるような親しみやすい性格を持っている。

もちろんこの学校は女子高なので、ひとみのファンは数え切れないほどである。

真希もまた、ふにゃふにゃしているところがカワイイとなんとも意味不明な人気を持っている。








「よっすぃーもうすぐ花火大会だねぇ。」

「そうだねー。ごっちんいっしょに行く?」

「行く〜!!!やった!またヨッスィーと花火見れる〜♪」



真希とひとみの家の近くでは、毎年大きな花火大会が行われ、

いつもふたりで土手に見に行っていた。

幼馴染という関係だからこそ、毎日一緒に過ごす時間が長かった。




そう・・・あのコがくるまでは――――
6 名前:とみこ 投稿日:2002年04月24日(水)20時53分11秒
>夜叉さん
さっそく見つけていただきありがとうございます^^
今回は長編になりそうです。



今日は更新少なすぎですが、明日は必ず大量更新します!
7 名前:とみこ 投稿日:2002年04月24日(水)21時12分34秒

ある日――――


真希はひとみの家に来ていた。


「来週の日曜かぁ、花火大会。」

真希が嬉しそうにそう言った。


「赤ちゃんの時から、ごっちんとは毎年一緒に見に行ってたよね。家族もだけど。」

「そうだね〜。もう16年も経つのかぁ・・・早いね。」


しみじみと思い出を語り、またふにゃっとした笑顔で笑う真希。

ひとみはそっと頭をなでてあげた。


「これからもずーっと、よっすぃーと一緒に居たいな♪」

「うん。絶対一緒だよ。だって引っ越さない限り、くされ縁だよぉ〜??」


そういってまた2人で笑う。






赤ん坊のころからの【幼なじみ】だから


だから一緒にいるんだろうか・・・・・





本当に・・・・・
















こんな関係は続いてくれるのだろうか―――――――


8 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月24日(水)23時01分25秒
はぉう!とみこさんの新作!!!
大期待です♪♪
9 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)16時36分27秒
>名無しさん
いつも見てくださってるのですね^^ありがとうございます。
今回は切なげな夏のお話です。がんばりまっす!
10 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)16時47分23秒



午後7時。

辺りがだいぶ暗くなった頃だった。


人込みの中あたしはよっすぃーの手を引っ張り、土手を駆け回っていた。


「よっすぃー!こっちこっち!」

「ここで見えるってば!もう、ごっちんはしゃぎすぎだよ〜。」






ドドンッッ



「あ!上がった!!」






大きな音とともに、細い光が中を舞う。



パァーっと太陽のような明るい花火が、

夜の土手を一瞬に照らす。



「きれー・・・・」

「ほんとだねー。」


毎年見ている花火より、大きな大きな【花】だった。



なのにどこか切なくて、



もう二度と会えない悲しさが現すようで――――








涙が出た・・・







こうして、



2人の最後の思い出は




花火とともに、


気づかずに消えた。





11 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)16時55分00秒

(真希視点)



翌日――――



昨日、夢を見た。


いつも一緒にいるはずのよっすぃーがいなかったの。


よっすぃーは・・・誰か他の女の子と前を歩いていて、




ごとーが・・・走っても、走っても追いつかなかった。




もう、二度と会えない夢だった。








目がさめたらベッドにいて、


夢か・・・・って安心したのに・・・涙が出てた。



よっすぃーとの16年目の花火大会の夜にそんな夢見るなんて・・・



でも


どこかで嫌な予感がしてたの・・・・






12 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)17時08分01秒

「ごっちーん!まだぁ〜???」


いつものように、2階にある自分の部屋へ届く声がした。


よかった、よっすぃーいた・・・



「今行くー!!」








ガチャ


「おはよぉ、よっすぃー。」

「おはよ!ねぇ、何か隣に新しい人が引っ越してきたみたいだよ。」

「あ、そうなんだ〜。」


よっすぃーの家の隣には、大きなトラックが一台止まっていた。

お父さんとお母さん、そして、ごとーと同い年ぐらいの女の子がひとり・・・・


「ごっちん、行こっか。」

「あ、うんっ。」


新しいお友達ができそうっ


仲良くなれるといいなぁ。








13 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)17時15分07秒
(ひとみ視点)


あたしが入っているバレー部はもうすぐ試合で、

最近、ごっちんと帰ることが少なかった。


午後6時――――






近所のスーパーの前を通ると、今朝の女の子が出てきた。


どうやら大量の買出しのようで、両手に袋を持っていて

フラフラした足取りで歩き始めた。




・・・手伝うか。



「あ、あの・・・荷物持ちましょうか?」

「え・・・・?」


突然話し掛けられたことに少し驚いていた。

・・・ま、しょうがないよね。


「いや、でも結構家まで遠いし・・・」


その女の子は遠慮気味にそう言った。


「あ、いえ・・・あたし、多分あなたの隣の家だと思うんですけど・・・」

「え!?あ、もしかして・・・えっと・・・吉田さんでしたっけ?」

「吉澤ですよ。」


ナイスな天然ボケにちょっと吹きだしそうになってしまった。


「吉澤ひとみです。あなたは?」

「あ、石川梨華っていいます。」

「じゃ、行きましょうか梨華ちゃん。」



そういって家まで一緒に行くことになった。
14 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)17時17分51秒

「へ〜。高3かぁ。じゃぁあたしよりいっこ上だ。」

「そうなの?背高いから、もっと大人の人かと思ったぁ・・・」

「あはは。よく言われるよー。じゃぁうちの学校に?」

「うん、明日からね。」




そんなことを話しているうちに、家の前に着いた。



「あ、じゃぁまた明日学校で!」

「うんっ、ありがとう、持ってくれて。」

「いえいえ。じゃ、おやすみなさい。」



そういってお互いの家に戻った。

15 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)17時22分59秒

部屋に戻ると、すぐにベットにダイブした。


これは部活後のあたしのクセだったりする。



「梨華ちゃん・・・・・か。」


年上とこんなに話したのって初めてかも。





仲良く・・・なれるといいな。









「それにしても声高かったなぁ・・・」



そんなことを考えながら、そのまま眠りについた。



16 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)19時28分44秒
翌朝―――



「よっすぃー!」

「ごっちん!?今日早くない?」

「アハッ寝坊しなかったのだはあとはあと


そういってごっちんはスッと腕を組んだ。


「な、なにさ・・・?」

「ん〜?いやぁ、最近よっすぃーとスキンシップがないから。」

「そうかぁ〜?まぁいいや。」


結局腕を組んだまま歩き出した。







ガチャ


ちょうど石川家のドアが開いた。




「・・・あ。」


中から出てきたのは、あたしたちと制服を着た梨華ちゃんだった。


「あ、ひとみちゃん!おはよ〜。」

「おはよう梨華ちゃん。」


その時、梨華ちゃんの視線は組んでいる腕に向いた。


「あっ・・・・・」


あたしは慌ててごっちんの手から腕を抜いた。


「ごっちん、隣に引っ越してきた梨華ちゃん。」

「え?あ・・・初めまして。後藤真希です。」

「初めまして。石川梨華です。」


そんなふうに挨拶を交わすと、3人で学校へ向かった。
17 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)19時30分00秒
【あたしたちと制服を着た】じゃなくて
【あたしたちと同じ制服を着た】です
18 名前:とみこ 投稿日:2002年04月25日(木)19時33分28秒

学校―――――


「よっすぃーおはよー。」

「おっす、よしこ!」

「あ、吉澤先輩おはようございまーす。」


今日もいつものようにみんなに挨拶されるひとみ。


「ひとみちゃん、人気者なんだねぇ。」


梨華ちゃんは不思議そうに挨拶する人を見ていた。


「うん、あたし友達大好きだから。」

「そっか。優しいね〜。」





下駄箱で梨華ちゃんとあたしが話している間、

ごっちんはずっと黙って下を向いていた。


「ん、ごっちんどうしたの?」

「へ!?いや、あ・・・なんでもない!!!」

「そう?ごっちんはいっつもそそっかしいから心配だなぁ。」



変なの、ごっちん。

19 名前:とみこ 投稿日:2002年04月26日(金)08時03分18秒

放課後、バレー部の休憩時間に体育館の外へ出ると、
梨華ちゃんがテニス部の仮入部をしていた。


左右に走って、同じ3年生の人たちの出すボールを力強く打ち返す。


(あの細い腕からは考えられないよ・・・)



あたしはボーッとテニス部の活動を見ていた。





・・・いや、梨華ちゃんを見ていた。








「吉澤ー!休憩終わりだよ!」

「あ・・・はーい。」




あー・・・なんか何やってんだろあたし。
20 名前:とみこ 投稿日:2002年04月26日(金)08時10分27秒

部活が終わって体育館を出ると、ちょうどテニス部も終わった頃だった。


「送りましょうか?お嬢さん。」

「ひとみちゃんっ。」

「帰ろっか。」








「どう?テニス部は。」

「ん〜っすごく楽しいよ!!明日から本入部するの。」

「そっか〜。さっき見てたけど上手だったよ。」

「ほんと?恥ずかしいな〜。」











素直で、一生懸命な梨華ちゃんを見てると


どこか、疲れがふっ飛ぶって言うか・・・





癒されるんだよね。









もっと



もっと一緒にいたいな。


21 名前:とみこ 投稿日:2002年04月26日(金)17時06分11秒

ごっちんが部活に入っていないため、あたしは毎日梨華ちゃんと帰るようになった。



「「吉澤先輩!」」

部活が終わった後、バレー部の後輩に囲まれた。


「先輩、石川先輩と付き合ってるんですか?」

「え!?」


な、何を聞くんだこのコたちは・・・


「だって、すごく仲いいじゃないですか。いつも一緒に帰ってるし。」

「そうですよ!もうみんなウワサしてますよぉ〜???」


あたしは右手で口を抑えた。


自分の顔が赤くなってるのがわかったから、少しでも隠そうとあせってしまった。



「あ・・・いや、その・・・・」


「先輩あやし〜!!やっぱり付き合ってるんだ!」

「ウワサ、本当だったんだー!!」


そういって後輩たちは立ち去ってしまった。






ウワサって・・・でも・・・・

いや、あたしは・・・全然いやじゃないけど・・・


梨華ちゃんが迷惑がるんじゃないのかな・・・

あたしなんかと・・・さ。
22 名前:とみこ 投稿日:2002年04月26日(金)20時44分27秒

「ひとみちゃん!帰ろ?」


ちょうど梨華ちゃんが体育館に入ってきた。


「あ、うん・・・。」


ウワサだもん・・・・ウワサだよね。






梨華ちゃんは・・・あたしのことどう思ってるのかな・・


やっぱり、友達とかそういう系かな・・・


「―――・・・ったんだよ。ってひとみちゃん聞いてる?」

「え!?あ、ごめん・・・。」


ボーっとしてて梨華ちゃんの声も届かなかった。


・・・はぁ、意識しすぎかな・・・


「大丈夫?具合悪いの?」

梨華ちゃんは心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。


バチッと視線が合った瞬間、あたしは真っ赤になって目をそらした。


「ひとみ・・・・ちゃん?」











彼女を・・・まっすぐ見れない。


23 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月26日(金)22時00分49秒
ああ…なんかごっちんがものすごく切ないことに
なっちゃいそうですね・・・
でも気になる〜!
24 名前:とみこ 投稿日:2002年04月28日(日)10時36分23秒
>名無しさん
ごま切ないですよぉ。あとで、ごま視点でもういちど書くので。
お楽しみに!(w
25 名前:とみこ 投稿日:2002年04月28日(日)10時45分12秒
翌朝――――



「よっすぃー!!まだぁ??」


・・・ごっちん??


ふと時計を見ると、待ち合わせ時間をとっくに過ぎていた。


「うっそ・・・やばっ」


あたしはすぐに着替えて外に出た。







「ごめん。寝坊した・・・」

「よっすぃーが寝坊なんて珍しいね〜!まぁいいや。行こう!」



昨日、梨華ちゃんのことで頭がいっぱいだった。


彼女はあたしのことをどう思ってるのか・・・

ウワサのこと、知ってるのかな・・・


そんなことを考えながら眠れなかったのだ。





ガチャ




その時、ちょうど梨華ちゃんも家から出てきた。


一気に心臓が高鳴り始めた。


・・・マジ、意識しすぎ・・・・
26 名前:とみこ 投稿日:2002年04月28日(日)10時51分39秒
「おはよー。」


梨華ちゃんがこっちに手を振った。


「お・・・はよ。」


またすぐに視線をそらしてしまった。


「一緒に登校?いいなぁ、幼なじみって。じゃ、また学校でね!」


そういって梨華ちゃんは去っていった。




っていうか



何、梨華ちゃん・・・あたしとごっちんのこと誤解してる??


いや、そりゃぁ仲良いけどさ・・・・


やだよ・・・



梨華ちゃんにそんなこと思われんのヤだよ・・・








「ごっちん・・・・・・」

「ん?」












「うちらって【ただの】幼a鼎
27 名前:とみこ 投稿日:2002年04月28日(日)10時52分38秒
文字化けしました・・・・

続きから書きます。

――――――――――――――――――――――――



「ごっちん・・・・・・」

「ん?」












「うちらって【ただの】幼なじみだよね。」




ごっちんの表情が変わった。



「・・・・え?」



「別にさっ、一緒に行かなくてもよくない?もう高校生だし!」


彼女の表情はみるみる変わっていった。


驚いた表情から、悲しい表情へ・・・




「・・・・そういうことだから。バイバイ。」





あたしは走ってその場を去った。


残されたごっちんの気持ちなんて考えずに・・・












もう、それ以来彼女とは話さなかった。
28 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月28日(日)18時16分17秒
なんか吉澤がうらめしいです。。。
29 名前:とみこ 投稿日:2002年04月28日(日)18時55分04秒
>名無しさん
うらめしいですかぁ・・・でも、これからハッピーエンドに近づくようにがんばりますんで。
30 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)19時17分38秒

ごっちんと話さなくなって1ヵ月が経とうとしていた。


でも、結局梨華ちゃんとも話していない。

お互い・・・っていうかあたしが一方的に照れちゃって話せないんだよね・・・。

でも帰りはいっつも梨華ちゃんと帰っていた。

毎日終始無言だけど・・・バカだよね、あたし。

でも、いつか告白しようと思う。


あたしにとってあなたは大切な存在だと。







「ひとみちゃん。」


ちょうどHRの前に、梨華ちゃんがわざわざ教室に来てくれた。


「あれ?梨華ちゃん。どうしたの?」


なんか久々にまともに話したなぁ。


「今日、テニス部ないから一緒に帰れないんだぁ。ごめんねっ。」

「うそ!今日バレー部もないよ!だからHR終わったら下駄箱で待ってて。」

「あ、わかったっ。じゃ、またあとでね。」


そういってHRが終わるとあたしは下駄箱に向かった。

31 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)19時23分22秒

下駄箱に行くと、すでに梨華ちゃんが待っていた。


「梨華ちゃんっ」

「ひとみちゃん。終わったの?」

「うん。今ね。」


そういって自分の下駄箱をパカッと開けた。




「・・・・なんだこれ?」


ローファーを取り出す前に、奥に1枚の手紙が入っているのに気が付いた。


「どうしたの?」

梨華ちゃんがその手紙をみて尋ねた。


「わかんない・・・。」


封筒の裏を見ると、見慣れたあの右上がりの字で一筆・・・

【よっすぃーへ】と書いてあった。



・・・ごっちん・・・




「だれ?」

「え?あ、後輩・・・みたい。」

「ひとみちゃん、また告白されるんじゃない?いいなぁ、モテモテはあとはあと


あたしはアハハッと笑うと手紙をそっと開いた。
32 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)19時31分45秒

・・・



【よっすぃーと、また話せるようになりたいです 後藤】



・・・






あたしは何度もその文字に目を通した。

その短い短い手紙に、大きな意味があるなんて

今はまだわからなかった。



けど、胸の奥がすごく痛んだ。


そういってその手紙を思いっきりポケットに放り込んだ。


歯を食いしばって、涙が出るのを精一杯ガマンした。












でも、もう考えを曲げることはなかった。





33 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)20時04分25秒
帰り道、今日は久々に梨華ちゃんとまともに話ができた。

「―――・・・だよね!やっぱり!」

「うんうん。あ、ところでさ・・・」

「うん?」

「最近真希ちゃんと話してないよね?ケンカにしては長くない?」


梨華ちゃんの思わぬ質問に、少し表情が強張ってしまった。


「え・・・あ、そうかな・・・」

あたしは苦笑いでごまかした。


「そう?でも、幼なじみなんだから仲良くしなよ?」

「え・・・・」

「あ、じゃぁまた明日ね!バイバイ。」



そういって梨華ちゃんは家に帰っていった。



あたしは、その場にひとり残されて、絶望感でいっぱいになっていた。



焦りを隠せなかった。


梨華ちゃんに、ごっちんとの仲を誤解されたくなくて・・・

ごっちんから避けていれば、いつも梨華ちゃんと居られるかと思ってた。




34 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)20時05分06秒
でもそれは、あたしの自己中心的な考えで






やっと気づいた・・・


ごっちんとの距離を置いて梨華ちゃんに近づくんじゃない・・・


そんなさりげなく気持ちを伝えようなんてバカみたいじゃん・・・



それに・・・



あたし

ごっちんをすごく傷つけてた。


意味も無く、あたしのバカな考えのためにごっちんを避けた。



最低だよあたし・・・



最低だよ・・・・

35 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)20時08分09秒

遠まわしな方法で梨華ちゃんに近づこうとして、

ごっちんを意味無く傷つけた。










あたし









ごっちんにちゃんとあやまろう。






そして




梨華ちゃんに直接気持ち伝える!!

それが、ごっちんへの精一杯の償いだから。



「よっしゃ!!」



あたしは気合いを入れてガッツポーズした。

36 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)20時10分39秒

次の日――――


休み時間、あたしはごっちんの席の前に立った。



「ごっちん。」



彼女は驚いた表情であたしを見上げていた。


「よっすぃー・・・・・?」

「ちょっと話が・・・」



そういって屋上へ連れて行った。



37 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)20時19分19秒

「何・・・話って。」


久しぶりに聞く気力の無い声が懐かしく感じた。




あたしは大きく深呼吸をすると、話し出した。







「あの・・・まず、避けてごめん。」



あれ・・・何か日本語変だな・・・

まぁいっか。

・・・

ごっちんは下を向いて黙ったままだった。

しかし、小さな深呼吸をすると口を開いた。




「どうして・・・どうして避けたりしたの。」



強がって語尾を強調して言ったけど










微かに泣いていた。







罪悪感が圧し掛かった。







38 名前:とみこ 投稿日:2002年04月29日(月)20時20分43秒
すみません、宿題忘れてました。。。(アホ丸出し)
明日また更新します!すみません・・・m(__)m
39 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月29日(月)21時59分46秒
いいっすよぉ♪楽しみにしとります!!
40 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)16時40分15秒
>名無しさん
レスありがとうございます^^
宿題終わったので更新しまーす
41 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)17時37分26秒


「あたしが言う立場じゃないけど・・・・・・・・泣かないで・・・・・・。」







お互いに目をあわさないまま沈黙が走った。



「・・・どうして避けたの?」


もう一度、同じ質問を繰り返す。









「・・・ごめん。」

「ごめんじゃわかんないよぉ・・・ごとーは・・・ごとーはずっと辛かったんだからぁ・・・」



ごっちんの瞳が涙でいっぱいになっても

決して目をあわす事はできなかった。












「あたしたち・・・・ただの幼なじみなの?」








「え・・・・・?」






幼なじみ・・・


あたしはその言葉にとらわれてきたのかもしれない。


でも、その関係を利用して彼女を傷つけた。




「ごめんね、やっぱり・・・幼なじみに戻ろう。また仲良くしよう。」




彼女の質問に、満足する答えではなかった。


42 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)17時40分55秒



「あたしは・・・・・・」





「・・・・え?」



ごっちんはそっと顔を上げた。


その瞬間に、溢れんばかりの涙が・・・



ついに



ひとつぶ落ちた。













「あたしはよっすぃーが好きなの。」









「よっすぃーを・・・ずっと好きだったの・・・・だから・・・」





・・・・




「避けられて・・・無視されて・・・辛かった・・・本当に辛かった・・・・」





あたしも・・・涙を止めることができなかった。



まだ高校生のあたしには


複雑な感情は難しくて




恋愛に不器用だから



何も・・・わからない。



43 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)17時44分01秒


この感情はなんなのか・・・











この溢れる涙は何を意味するのか・・・・




この胸の痛みは何なのか・・・



まだ、わからない――――――








「うちらは、ずっと・・・・・・幼なじみ以上にはなれないよ。」






















気づいたら、階段をかけおりている自分がいた。


取り残されたごっちんの気持ち―――――



悔やんだ。自分を悔やんだ。







でも



もう、後戻りはできなかった。



44 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)17時53分36秒






6階にある屋上から、1階の下駄箱まで・・・もう何時間も歩いたように思えた。



涙で目が腫れて、


もう泣かないって決めたのに・・・


なのに






涙が出る―――――








「ひとみちゃん・・・?」




「梨華・・・ちゃん・・・」



目の前に現れた彼女を見て、


複雑な感情の糸が、プツン――――と切れた。




倒れるように彼女に抱きついた。








「ちょっ・・・・・ひとみちゃん・・・?」


彼女は周囲に誰も居ないことを確認すると、そっと頭をなでてくれた。



「どうしたの・・・?」

































「好き・・・・」





「え?」





















「梨華・・・・・・好きだよ。始めてあったときから・・・梨華を好きでしょうがなかった・・・・」






梨華ちゃんは、抱きしめられた体を少し引き締め、


スーッと息をすった。



「・・・それで泣いてるの?」



「ううん・・・違う、違うけど・・・・・・・」

45 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)17時55分17秒
ずっと言えなくてごめんね・・・・ずっと、ずっと好きだったよ・・・」













梨華ちゃん―――――――






あたしは、あなたを一生守りたいです。



ずっとずっとずーっと・・・・・一緒にいたい・・・









「安心していいよ・・・・もう泣かないで・・・」



彼女はあたしの背中に優しく触れた。









「大丈夫だから・・・ちゃんと、ひとみちゃんのこと好きだから・・・」








「ほんと・・・?」




「うん。大好きだよ・・・あたしもずっと大好きだったよ。」

















ありがとう・・・・・梨華ちゃん。



46 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)17時59分15秒


あたしが泣き止むと、そっと体を離した。



「・・・嬉しい。」


梨華ちゃんはそういって微笑みかけた。




「あたしも嬉しい・・・梨華ちゃんと両思いだったなんて・・・。」




あたしは、幼なじみであるごっちんを傷つけた。


それはあまりにも自分が幼稚で、


他人のことを考えずに


愛する人のためならとかバカなこと考えてた。








でもそれはちがって、










大事なのは、純粋な気持ちであって


「好き」という言葉であって・・・



伝えなければ、きりが無い。

言葉より大切なものは、なにひとつないのだから。















こうしてあたしたちは、また一歩ずつ大人になっていく。



今までも、これからも――――――――
47 名前:とみこ 投稿日:2002年04月30日(火)18時00分20秒
更新終了っ

ごま痛いです・・・イタタタ・・・(何
次はごま視点で、その後のごまの気持ちや
新たな出会いなどを書いていきたいと思います。

では・・・寝ます。
48 名前:名無しさん 投稿日:2002年04月30日(火)23時16分41秒
あ、今回はよしごまではないのね…
勝手に期待してただけにショックです…
49 名前:名無し読者 投稿日:2002年04月30日(火)23時29分50秒
おっいしよしですな♪
ごっちんはどうなるのでしょう・・・
幸せになって欲しいです
50 名前:夜叉 投稿日:2002年05月01日(水)00時44分38秒
複雑ですね…。
どのベクトルでも誰か一人が傷ついてしまう。
新たな出会いに期待してますよほ。。
51 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)16時21分54秒



(真希視点)




学校が、つまらない――――――


よっすぃーにはあっけなくフラれてちゃったし、

よっすぃー以上に仲の良い友達もいない。







白黒の世界に、ひとり取り残されたように――――


毎日がつまらなく感じていた。

52 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)16時39分37秒



朝。今日もしょうがなく家を出て、

いつも待っているはずのよっすぃーを思い出して切なくなる。


学校の授業中、勉強もチンプンカンプンなので居眠りをする。


休み時間、やることがないのでやっぱり寝る。


放課後、家に帰って結局寝る。


毎日、こんなことの繰り返しだ。





ほんと、何のために生きてるんだろう――――



パタン


今日もつまらない1日を終え、靴箱からローファーを取り出した。


その時、ヒラリと1枚の紙切れが床に落ちた。


「・・・・?」


手にとって目を細めた。


―――――――――――

ごっちんへ

話があるので旧校舎の屋上に来てください。


―――――――――――



よっすぃ・・・


話って・・・だってもう話すこと無いじゃん。

フラれたし、幼なじみの関係も終わりでしょ。



そんなこと思ってながら、


どこかで変な期待をしてる自分がいた。



「ばっかみたい・・・」



もう一度上履きにはきかえ、旧校舎に向かった。

53 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)16時45分48秒







ギィ・・・・


そっとドアを開けると、ひとみがふっと振り向いた。



「ごっちん。来てくれたんだ。」


「何、話って。もう話すことなんてなくない?」


そういって、自分の強がりに少々呆れた。



「・・・言わないといけないことがあって・・・・」


よっすぃーは小さい小さい声で言った。










「あたしは・・・・」


















「梨華ちゃんが好き。」





・・・・・・・・え?




何・・・それ・・・


何でフった相手にそんなこと言うの?


さらに傷つける気?


ひどいよ・・・ひどすぎよっすぃー・・・


54 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)16時49分54秒


「それで・・・・今、付き合ってる。」








涙腺がいっきに緩んだ。


溢れる涙を、隠し切れずにいた。



「・・・だ、だから・・・なに・・・?」


泣き声でそう言った。


よっすぃーは申し訳なさそうに顔をあげた。



「それ・・・だけ。」









ふざけないでよ・・・




ひどいよよっすぃー・・・人の気持ち考えてないよぉ・・・





「もうよっすぃーとごとーは他人なんでしょ。そんなこと言わなくていいし・・・」

「でもっ・・・幼なじみだし・・・」


・・・・!!



「都合のいいときだけ幼なじみ呼ばわりしないでよ!!!」


「・・・ごっち・・」


「ごとーは・・・ごとーはよっすぃーなんて大っ嫌いなんだから!!!!」











バタン

















スッキリしたはずだったのに・・・・







心の傷がまたひとつ増えた。



嫌な思い出がまたひとつできた。









もう泣かないって決めたのに――――――――








ウルサイくらいに泣いてる自分が居た。



55 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)17時00分56秒

泣きながら家路を急いだ。








なんなのさ・・・


よっすぃー性格変わったよ


前はもっと優しかったのに―――


あたしが好きだったよっすぃーは・・・あんな人じゃないっ!!



「なんで泣いてるの?」















・・・



突然、目の前に見知らぬ人が現れた。




あたしはあきらかにその人に怯えた。


あたしより背が高くて・・・うーん、よっすぃーぐらいかな。

ショートカットで金髪で、目はパッチリしてて・・・

「・・・・誰!?」

「誰って・・・名前?」

「いや・・・あの、えっと・・・」

「あ!怪しいもんじゃないよ。」


その人はニコッと笑った。

でもそれで安心できるわけがない。


「ねぇ、バイトやらない?そこのコンビニ。」

「は?」
56 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)17時05分55秒

そういってその人は目の前のコンビニを指差した。

あたしも普段結構よってるコンビニだ。


「それ言おうとしただけなんだけど、泣いてるからビビってさぁ・・・」

「え・・・あ、あのー・・・」

「マジでバイト足りないんだ!頼む!お願いします!!!」



そのひとは深深とお辞儀をした。



「ちょっ・・なにやってんですかぁ・・・!」

「お願いします!!!」




って・・・そんなに頼まれたら断るほうが辛いって・・・












「・・・・わかりましたって。やりますよ。」


「え?!マジ??」

「はい・・・」


「あたし、市井紗耶香。君は?」

「後藤・・・真希。」

「後藤!後藤ね。じゃ、明日の夕方からよろしく!」



そういってすごい速さでコンビニに戻っていってしまった。


57 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)17時06分51秒



あっけにとられたあたしは、

我にかえると、市井サンの行動にプッと吹きだしてしまった。









よっすぃーとのことで傷ついた心も、いつのまにか癒されていて、


久しぶりに笑顔が戻った。





バイトか・・・



バイトすれば、よっすぃーとの嫌な思い出も吹っ飛ぶかな・・・





「市井ちゃん・・・・か。」





こうしてあたしの、よっすぃーを忘れる旅=バイト生活は始まった。


58 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)17時09分36秒
>名無しさん
>あ、今回はよしごまではないのね…
よしごまも・・・あるかな?ないかな?(w
期待しちゃっても損はないとおもいます^^

>名無し読者さん
いしよしですね〜。
そしていちごまも始まっちゃいました^^
でも、よしごまも見れるかも・・・・??

>夜叉さん
>複雑ですね…。
>どのベクトルでも誰か一人が傷ついてしまう。
そうなんですよね・・・自分で書いてて考えさせられました。
人間関係って難しいですよね。
>新たな出会いに期待してますよほ。。
はい、新たに出会っちゃいました♪金髪市井ちゃんラブ!!
59 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)18時51分26秒

翌日――――


今日もつまらない学校生活を送っていた。


でも、今日は違う。生まれて初めてのバイトが始まる!!



キーンコーンカーンコーン


帰りのチャイムが鳴ると、あたしはカバンを持ってすぐに学校を飛び出た。







そのまま学校の近くのあのコンビニへ直行した。



「いらっしゃいませー!」


自動ドアが開くと、威勢の良い挨拶が聞こえた。

その挨拶の主は、金髪長身の・・えーと名前なんだっけ・・・


「おー後藤!待ってたよー!」

呼び捨てですか・・・


「えーっと・・・何すればいいんですか。」

「え?あー・・・うーん、レジに立ってればいいよ♪」



・・・・は?


なんじゃそりゃ。

忙しいからバイト頼んだんじゃないの??


「まぁとりあえず奥にカバン置いておいでよ。」

「あ、はーい・・・」
60 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)19時47分58秒

このコンビニの制服(というかロゴの入った赤いジャンパー)を着てレジに立った。


「昨日もいったけど、あたしは市井紗耶香。」

あ、そうだ。市井ちゃんだ市井ちゃん。


「でさ、ちょっといろいろ事情があってさ・・・一応話すね。」

「・・・へ?」

市井ちゃんはため息をつくと語りだした。







「このコンビニ【タイセー】は、うちのおじいちゃんが経営者してたんだけど、

先週おじいちゃんが亡くなって、オーナーがあたしになったわけ。

で、実は今度コンビニから喫茶店に変わることになったんだ。

だけど、コンビニの時から店員あたしだけで、店員が2人以上いないと経営できなくなったんだ。

だから後藤を誘ったわけよ。だから明日からコンビニは閉店。

学校の目の前の土地を買ったから、そこに喫茶店を建てるんだ。

もうすでに出来てるから、明日からそこで働いてもらうよ。」
61 名前:とみこ 投稿日:2002年05月01日(水)19時48分34秒






「ってことは、あたしはただの頭数ですか?」

思ってたことをそのまま質問した。

「いやいや、これからも経営大変だし、後藤には世話になるよ。」


そういってあたしの頭をポンポンッと叩いた。


「むーっ。ごとーのこと今子供扱いしたでしょぉー」

「ブハッ!!自分のこと後藤っていってんの?ウケるんだけどー。」



そういって市井ちゃんはおなかを抑えて笑った。

ごとーも最初は頬を膨らましてたけど、

市井ちゃんにつられて一緒に笑った。



やっと、安らぎの場所を見つけた。


今まで、ごとーにはよっすぃーしか支えがなかったけど


今は・・・市井ちゃんがいる。


ごとーを必要としてくれる人がいる。


ごとーを認めてくれる人が居る。



やっと、本当の自分を見つけた。
62 名前:brett 投稿日:2002年05月01日(水)21時15分40秒
はじめて、レスします。とみこさんの小説はとても感情移入がしやすく
かなり好きです。文と文の間が感情が入り込むのに絶妙な間というか、
何はともあれこの小説楽しみにしてるのでこれからも頑張ってください。
63 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月02日(木)20時26分10秒
いや〜いいっす。
(ちょっとごっつあんがかわいそうな気がしますが・・・)
みんな幸せになれると、いいな〜。
続き楽しみにしています。
64 名前:名無し男 投稿日:2002年05月04日(土)15時00分42秒
捨てる神あれば拾う神あり
世の中捨てたもんじゃない
ゴチーン頑張れ!!
65 名前:とみこ 投稿日:2002年05月05日(日)20時09分07秒
>brettさん
>とみこさんの小説はとても感情移入がしやすく
>かなり好きです。文と文の間が感情が入り込むのに絶妙な間というか、
わぁ〜!こんなに誉められるとさすがに照れます^^#
まだ携帯のガク割入ってるような私ですがこれからも応援よろしくお願いします。

>よすこ大好き読者。さん
ごっつぁんかわいそうですか?私もそう思います(ぇ
みんな幸せになれるような展開にしていきたいですね!

>名無し男さん
素晴らしいお言葉ありがとうございます^^
捨てたもんじゃないっすよね!気合入れていきます!!
66 名前:とみこ 投稿日:2002年05月05日(日)20時23分54秒

学校が終わって、いつもの道と反対に曲がると

正門から20メートルぐらいに、ガラス張りの喫茶店があった。




「ここか・・・。」


・・・にしても今まで何で気づかなかったんだろ。

ごとーってやっぱバカ?





喫茶店へ近づいて見ると、中から市井ちゃんと中年の男の人が出てきた。

【TAISEI】と書かれたカンバンを立て掛けると、あたしに気づいた。



「後藤!おかえり!」


おかえりって・・・なんか微妙な感じ。


「へー、これが喫茶店。」

建物全体を眺めながら言った。

「そっ。あ、こっちはお父さん。大工さんなんだ♪」

あたしはさっきのおじさんに目を向けた。

額にハチマキをした健康そうな人だった。


「こんにちは、後藤真希です。」

「おーべっぴんさんだなぁ!まぁ紗耶香と仲良くやってくれよ!」


そういっておじさんはガハハと笑っていた。

べっぴんさんだなんて・・・ごとーはカワイくないもんね。


顔・・とかじゃなくて


心がカワイくないから。素直じゃないから。
67 名前:モバイルとみこ 投稿日:2002年05月05日(日)23時16分11秒
明日続き更新します!
68 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月06日(月)08時15分10秒
あらあら後藤さんなんて可愛らしいいんでしょう。
きっといいことありそうですな。
69 名前:とみこ 投稿日:2002年05月06日(月)09時51分11秒
>名無し読者さん
>あらあら後藤さんなんて可愛らしいんでしょう。
ごっちんはカワイイですよ!!もうメッチャかわええです(///)
いいことありますよぉ
70 名前:とみこ 投稿日:2002年05月06日(月)10時05分13秒

市井パパが帰った後、あたしたちは店内のカウンターに立った。



「・・・これがあたしの店かぁ。」

市井ちゃんは全体を見渡しながらそう言った。







「後藤さ・・・」


「ん?」







「バイト、やめないでな。」






・・・市井ちゃん・・・





「やめないよぉ?何で?」


「・・・あたしらしくないけどさ、後藤がいてこれから色々助かると思うんだ。」


そういってフッと笑った。


あたしはやっぱり一緒に笑った。




「なんか市井ちゃんって、お兄ちゃんみたい。」

「はぁ?!お姉ちゃんじゃなくて?」

「アハッはあとはあと


ごとーを子供扱いしない。


認めてくれる。ごとーを認めてくれる。


嬉しいよぉ―――――
71 名前:とみこ 投稿日:2002年05月06日(月)11時16分03秒

「明日から開店だねぇ。」

「そうだなー。後藤の学校の友達とかも来るんじゃない?」


・・・・


学校の・・・友達・・・



あたし、友達なんかいたっけ。


あたし・・・ずっとよっすぃーと小さい頃から一緒にいたから、

よっすぃー以外の友達なんかいらないと思ってた。



なのに




「後藤?」

「へ?」


市井ちゃんが心配そうに覗き込んだ。


「泣いてるよ・・・?」



やだ・・・


なんで泣いてるんだろ・・・

だって・・・よっすぃー・・・・







「よっすぃー・・・」

「よっすぃー??それ、誰?」





市井ちゃんになら話せる・・・?


あたし




素直になれる?


もう一度、素直になれる?――――
72 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月06日(月)13時28分26秒
素直になれるよ、ごっつあん!!
っと、声を大にしていってあげたい!
なんか、吉が傷つけてるので、救ってあげたいのですよ。
私的には。(ニガワラ
73 名前:とみこ 投稿日:2002年05月06日(月)17時17分02秒
>よすこ大好き読者さん
>素直になれるよ、ごっつあん!!
なれるのでしょうか・・なれる・・・なれるよごっつあん!!(w
がんばれごっつあんってかんじです。^^
74 名前:とみこ 投稿日:2002年05月06日(月)17時22分20秒

「あたし・・・・よっすぃーと話せなくなっちゃったの・・・」



唐突な始まり方に、市井ちゃんは戸惑うことはなかった。


「よっすぃーっていうのは誰?」

「・・・ひっく・・・・幼なじみ・・・なの・・・っひっく」

「うん。」





「ごとー友達いないよきっと・・・よっすぃーだけいればいいと思ってた・・・

よっすぃー以上の友達なんてでいきないと思ったから・・・・・・

でも、ごとーは、よっすぃーを好きになった・・・好きになった途端に・・・

よっすぃーはあたしを【幼なじみ】としてでしか見てないことに気づいた。

よっすぃーには・・・・好きな子がいた。

ごとーは素直じゃないから・・・もうよっすぃーを【好き】以外の感情で見れない・・・

だから・・・よっすぃーとはもう話せなくなっちゃったの・・・」




泣きながら話すごとーを、励ますように背中をさすってくれた。




「・・・後藤。わかるよ。あたしもそうだった。」



「・・・・え?」


市井ちゃん・・・も?
75 名前:とみこ 投稿日:2002年05月06日(月)17時27分02秒


「高校ん時かな。好きな子がいてさー・・・幼なじみだったんだよね。

でも高校入ったらいきなりすごい勢いでモテるようになったんだ。

いつも一緒にいたあたしたちは、だんだん離れていった。

でも、その子に恋人ができたときあたしは初めて気づいたんだ。

その子が好きだったってことを。だから好きだって伝えた。

伝えたら・・・あっけなくフラれたよ。

それから高校中退してもう会ってないんだけどね・・・・。」



そういって苦笑いをした。


市井ちゃんにも・・・・そんな過去があったんだ・・・・


意外な共通点と、彼女の切ない表情に

共感を覚えた


悲しくなった

切なくなった。



よっすぃーのことなんて、いっそ忘れてしまいたいと思った。

























涙が出る―――――――――



76 名前:とみこ 投稿日:2002年05月06日(月)17時31分56秒


「ま、あたしら似たもの同士?みたいな。」

「市井ちゃん・・・・・」


なんで市井ちゃんは・・・・こんなに強いんだろう。


ごとーはよっすぃーと話せないだけで


どれだけ泣いただろう。


独りで・・・いつも泣いていた気がする・・・・







市井ちゃんの胸で・・・泣いていいですか――――――











「ごとー・・・弱っちいねぇ・・・・・」



そういって彼女の胸に顔を埋めた。


市井ちゃんは拒むことなくあたしをギュッと抱きしめた。



――――自分たち以外、誰もいない喫茶店


ほろ苦い思い出が消える時

新しい出会いがありますように―――――



「あたし・・・どうしようもないヤツだけど・・・・・・」


あたしはブンブンッと首を横に振った。


「後藤を・・・守りたい。」








「うん・・・・。」




「もう、【よっすぃー】なんて忘れて―――」




そういって長いキスをした。



時間が止まったかと思うくらい、長い長いキスだった。

77 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月06日(月)20時39分01秒
市井ちゃん・・最高です。(T−T)
78 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月06日(月)21時07分45秒
後藤さん、思いっきり甘えちゃってください。
ステキな愛が待っています。
79 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月06日(月)22時35分07秒
似たような痛みを味わって、お互いに支え合える様な関係になれたら
いいっすね。ジ〜〜ンとしちゃいますね。(照
続き期待しています。
80 名前:とみこ 投稿日:2002年05月07日(火)17時40分24秒
>名無しさん
>市井ちゃん・・最高です。(T−T)
最高ですね・・・傷ついたごっちんを見事に救いました。

>名無し読者さん
>後藤さん、思いっきり甘えちゃってください。
>ステキな愛が待っています。
市井ちゃんの胸で思いっきり泣いちゃいます!
そんなごっちんカワエエです・・・(自分で言うなってか

>よすこ大好き読者さん
>似たような痛みを味わって、お互いに支え合える様な関係になれたらいいっすね。
そうですね。絶望感が訪れた時に、似たもの同士で支えあうということは
とても大事なことだと思っております。
黒吉っぽくなっちゃいまして、よすこ大好きなのにすみません^^;
81 名前:とみこ 投稿日:2002年05月07日(火)18時24分29秒

翌日、喫茶店【TAISEI】オープン。


あたしが学校終わってバイトに行った頃には、生徒たちが大量に訪れていた。



カラン――――・・・


「いらっしゃ・・・おー!後藤!早く支度しろ!!」

「あ、はーい。」


急いで中に入り、カバンを置いた。


「な、何すればいいの??」

「え〜〜っと、あ、ホラお客さんに注文聞いてきて!」

「あ、はぁい。」


すごい混み具合で、店員2人ではとても追いつかなかった。

あとから市井パパとその友達が何人か手伝いに来てくれたけど・・・







「いらっしゃいませぇ。」







バシッ

「いたっ!」

入ってくるお客さんに挨拶をすると、市井ちゃんに叩かれた。


「市井ちゃんなにす・・・」

「その挨拶はなんだ!もっと元気よく行けぇ!!!」


市井ちゃん熱血すぎ・・・


ごとーはこういう性格なんだからしょーがないもんね〜


82 名前:とみこ 投稿日:2002年05月07日(火)18時32分54秒


あっといまに午後7時――――閉店。



「はぁ・・・疲れたぁ。」


市井ちゃんは1日中働いた疲れで、床に座り込んでしまった。


「おつかれさまぁ。」


となりにしゃがみこんでへらっと笑いかけた。


カウンターの下のあたしたちには、

まだ片付けで忙しい市井パパたちの声も聞こえなかった。






市井ちゃんはそっとごとーの肩に手をまわすと、

自分のほうに近づけて抱きしめた。


「後藤、お前カワイすぎっ!!」


そういって額にチュッとされた。


「なんでおデコぉ!??」

「いいじゃんいいじゃん。」

「もぉ、いちーちゃんのバカバカ。」


それでもやっぱりこのシチュエーションを味わうごとーはあとはあと






「市井ちゃん、好きぃ」







「バカ、あたしも好きだよ。」





こんなうちらは、バカップルですか?






83 名前:とみこ 投稿日:2002年05月07日(火)18時40分58秒

「じゃぁ、ごとー帰るね。」

「あ、送るよ。」



「・・・ありがと。」






そういって、街灯にほんのり照らされた道路をテクテク歩いていた。


「そうだ、後藤さ・・・バイトじゃなくてちゃんとした店員にならん?」

「・・・へ?」

「ほら、やっぱ忙しいしさぁ・・・・・うちらもこういう仲になっちゃったわけだし。」


いちーちゃんは照れくさそうにそういう。

ごとーも一緒に照れてみる。



「給料もあがるし・・・一緒に居られる時間も増えると思うんだ。」

「ほんとっ?!」

「え?あ、うん。もちろん。」

「ごとー、市井ちゃんともっともっと一緒に居たいよ!だからなる!!」


一生懸命に叫ぶと、市井ちゃんはプッと笑った。


「後藤カワイすぎだっつーの!」


そういってベシッと頭を叩いた。


「いったぁ〜いっ」


それでも喜ぶ後藤は変ですか?
84 名前:とみこ 投稿日:2002年05月07日(火)18時44分02秒






もうすぐで家に着くというときだった。


向こうからショートカットの背の高い人が歩いてきた。


・・・暗くてよく見えない・・・・










「・・・・っ」



うそ



え・・・
















よっすぃー・・・・・・?











あたしはどうすればいいかわからなくなり、慌て始めた。


まだよっすぃーは気づいてないみたいだ・・・・


どうしよぉ・・・
85 名前:とみこ 投稿日:2002年05月07日(火)18時49分18秒

「後藤、どうした?」


慌てるごとーに気づいた市井ちゃんは、ごとーの視線の先をたどった。



「・・・・誰?」


「・・・・」


「まさか・・・よっすぃーとかいうやつか?」




あたしは何度もうなづいた。






よっすぃーとの距離が20メートルぐらいになったころ、

あっちもあたしに気がついた。


そして市井ちゃんの方を見た。



何も言わずにお互いにすれ違うのだろうか――――



よっすぃー・・・・










ガバッ



その時、市井ちゃんがあたしを思いっきり抱きしめた。



「・・・いちー・・・ちゃん・・」




よっすぃーは一瞬目を見開いて驚いていた。




でも







すぐにそのまま立ち去ってしまった。















・・・・それを見て・・・・・・涙がでた。
86 名前:とみこ 投稿日:2002年05月07日(火)18時53分42秒


よっすぃーの姿が見えなくなった後、市井ちゃんはそっと身体を離した。



「あ・・・ありがとう・・・・」


それでもまだギュッと市井ちゃんの服をつかんでいた。



「まだ・・・忘れらんない?」




あたしは首を横に振った。



「ううん、今は市井ちゃんだけだもんっ」

















「ミートゥー・・・」





「何それっ・・・」








これでいいんだよ


きっと










あたしは


市井ちゃんを愛してる。

市井ちゃんに愛されてる。





よっすぃーなんて



簡単に忘れられる――――
87 名前:名無し男 投稿日:2002年05月08日(水)19時03分55秒
掛布「吉澤さんの動向がヒジョーに気になるところねぇー、ええ。」
88 名前:名無し男 投稿日:2002年05月08日(水)19時05分06秒

です抜けた
89 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月08日(水)19時30分15秒
おいらもよっすぃーの動向がすっげぇ気になる!
90 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月08日(水)19時37分34秒
ごっちんと吉のすれ違うシーン。
鳥肌立っちゃいました。(^^;
>87&89さん。と、同意見です。
続きが楽しみです。
91 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)11時44分12秒
>名無し男さん
非常に気になるっすかぁ。。。どういう展開にしていこうかなぁ。
そんな手助けになるのが、読者さんからの感想やリクですよね。
みなさんのレスは本当に大切なものですね。

>名無しさん
>おいらもよっすぃーの動向がすっげぇ気になる!
期待に答えられるように甘かったり痛かったりで頑張ります!!

>よすこ大好き読者さん
>ごっちんと吉のすれ違うシーン。鳥肌立っちゃいました。(^^;
すれ違いっていうのは切ないものです。。。
素直になれないという気持ちから、どんどん距離が開いて、
でもそこには新しい出会いもあるのですね。(´∀`)
ふぁんふぁります。
92 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)12時19分23秒
翌朝・・・


下駄箱に行くと、ちょうどよっすぃーも登校したところだった。


・・・あ・・・どうしよ


昨日見られちゃったんだよね・・・

抱き合ってるところっていうか・・・・うん・・・

どう思ってるんだろ、よっすぃー。






よっすぃーがこっちに気づいた時、バチッと目が合ってしまった。


「お、おはよ・・・。」


勇気を振り絞って話し掛けた。






「はよ。」



そういって階段を早足でのぼっていってしまった。






昨日のこと、気にしてないのかな・・・


っていうか


気にするはずないか。

うちらもう、何の関係でもないんだし・・・・




93 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)12時43分32秒

教室に入ると、何だかガヤガヤと騒がしかった。

何、何の騒ぎ・・??


と、その時黒板に【席がえ】という文字が書いてあった。

なんだ、それで騒いでたのか。






「後藤さんっ」

「ふぇ?」

突然、うしろにいた女の子が話し掛けてきた。


「同じ班だよ!よろしくね。」

そのこはそういって笑った。


「え・・・あー・・・名前は?」


あたしよっすぃー以外のクラスメイトと話したこと無いからなー・・・


「あたしは柴田あゆみ!後藤真希ちゃんだよね?」

「うんっ・・・」



あたしのこと知ってるんだぁ。

すごい存在薄いと思ってたのに――――


「これからよろしくね♪」

「う、うんっ」



初めての友達だぁ・・・


なんか嬉しいんだけどっ
94 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)12時53分30秒

「あれ、よっすぃーじゃん!」



ビクッ






あゆみが突然黒板を指差した。


あたしの隣の席の場所に【吉澤】と書いてあったのだ。



「やった!よっすぃーと同じ班だはあとはあと



うそ・・・


マジでやばいじゃん。

これからずっとよっすぃーの隣?

気まずいって・・・


――――――


よっすぃーは黒板で自分の席を確認するなり、

ドンッと荷物を置いてイスに座った。


あたしは目を泳がせて困ってしまった。


95 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)12時56分19秒


「真希・・・どうしたの?」


あゆみは心配そうに尋ねた。



「え・・・あ、何でもないよ・・・」

「そう?」







よっすぃーは何も言わずに、1限目の用意をしていた。















これからどうなるんだよぉ・・・



96 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)13時07分01秒

休み時間になると、よっすぃーはどこかへ行ってしまった。


「ねぇ、真希ってよっすぃーと幼なじみなんでしょ!?」

「へ?」


あゆみは興味津々な顔をして聞いてきた。


「うん・・・そうだけど。」

「なんか、あんまり話さないよね?前は結構仲良くなかった?」



――――あたしがよっすぃーを好きになっちゃったから・・・――――



「う、うん・・・ほら、よっすぃー石川さんと付き合ってるじゃん?」

「あー!知ってる知ってる!」

「ごとーも付き合ってる人できたから、お互いにあんまり話さなくなったかな?」


半分あってて半分ウソだよね、この話・・・

97 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)13時07分31秒

「ふーん。真希の恋人ってどんな人!?」




「え!?あ〜えっと・・・昨日できた喫茶店のオーナーなんだけどぉ・・・」

「えぇぇぇーーーーー!?!?!?!!?」



突然、あゆみは大声を上げて立ち上がった。



「あ、あ、あの市井紗耶香さん!?!?!」

「う、うん・・・」

「市井さんって言ったら、うちの学校の生徒にかなりモテるんだよぉ!!!」


へぇ!?市井ちゃんってモテるんだぁ・・・

確かにカッコイイけどさぁ。



「ほら、コンビニの店員もやってたじゃん?あの時から結構告られてたんだよ!」

「マジで?そうなんだー。」

「市井さんと付き合ってるなんて、真希すごすぎ!!超すごいし!!」

「ごとーだってそんなの初めて知ったよ〜〜」
98 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)13時11分42秒


「そっかぁ、そうだよ、真希あそこでバイトしてるもんね!」

「うんっ。それから市井ちゃんと仲良くなったんだぁ。」

「市井ちゃん・・・おもしろいあだ名だね。」


アハッごとーが勝手に呼ぶようになっただけだけどねっ







「ところであゆみは恋人いるの?」

「え!?!?」


そういうと一気に顔を真っ赤にしてしまった。


「いるんだ!誰誰??」

「え・・・あ・・・えっと・・・」

「誰〜〜??この学校にいるの?」

「う、うん・・・誰も知らないけどね。」


そういって赤くなった顔を、パタパタと手で仰いでいた。


「え〜誰ぇ??」

「隠してるからねぇ・・・まぁ真希にはそのうち教えるよ。」

「ふ〜ん。まぁお互い頑張ろう!」

「うんっ」


そういっているうちに休み時間は過ぎて行った。


99 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)13時39分49秒


授業に集中できない――――

だって隣のよっすぃーがいるんだもん・・・







チラッとよっすぃーを見ると、頬づえをついて黒板を見ていた。

白い肌に、整った高い鼻、長いまつげ――――


ほんと綺麗・・・よっすぃー。






カシャン



その時、よっすぃーのペンが床に落ちた。

・・・しかし、よっすぃーはいつまで経っても黒板をボーッと見ていた。


「ペン落ちたよ?」


あたしは恐る恐る話し掛けた。










「ゴホッゴホッッゴホゴホッッ」



――――っ!!

突然、よっすぃーがセキをしたので驚いた。



「ゴホッ・・・ゴホゴホッ」

「ちょ・・・よっすぃー大丈夫?」

「ゴッホゴホッ」


そのセキに先生が気がついた。


「おーい吉澤大丈夫か?保健室行っていいぞ?」

「ちぃーっす・・・コホッ」

「おい、後藤。悪いけど連れてってくれないか?」


え?!


ちょ、2人っきりになっちゃうじゃん!


・・・でもここで断るわけにはいかないし・・・


「わりぃ」


よっすぃーはそういって歩き出した。


あたしはそれに早足で付いていった。
100 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)13時46分34秒


「大丈夫??風邪?」

「うん・・・ちょっと体調悪くって・・・」






やっと・・・まともに喋れた・・・


ガラッ


「失礼しまーす・・・って保健の先生いないじゃん。」

「マジで・・・」

「あたし先生探してくるから、ソファー座ってなよ。」


そういってドアに手をかけた。




「ごっちん。」



・・・え?



「昨日の人・・・・誰?」



あたしはそっと振り向いた。



・・・市井ちゃんの・・・ことだよね・・・





「恋人とか?」



ドキッ



「・・・・よ、よっすぃーには関係ないよ。」


そうやって、またあたしは意地を張る。













「素直じゃないのな。」







そういって彼女は下を向いた。











なによ・・・それ





なんでよっすぃーにそんな事言われなきゃいけないの?



あたしは・・・・・あたしは・・・



101 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)13時55分28秒


ポロポロと涙がこぼれた。


一気に力が抜けて、その場にしゃがみこんだ。



「ちょっ、ごっちん・・・」

「よっすぃーのバカぁ!!なんでそんなに意地悪言うの!サイテーだよ!」

「ごっちん・・・」




「ごとーのことキライなんでしょ?キライならほっといてよ・・・!!

どうして・・・素直じゃないとかいうの?素直じゃないから何なの・・・!

よっすぃーを好きになって・・・告白して・・フラれて・・・・・・

それでどうして冷たくなるの!?どうして態度変えるのぉ・・・・?

辛かった・・・ずっとずっとひとりで泣いてたんだから・・・・!!

どうしてわかってくれないの?いつからそんなよっすぃーになっちゃったの?」











あたしはただただ泣き叫んでいるだけだった。


よっすぃはただ無言で下を向いたまま―――――





「これ以上ごとーを傷つけないでよ・・・ごとーにかまわないでよ!!!!」




そのまま思いっきり職員室のドアを閉めた。




「これ以上ごとーを傷つけないでよ・・・・・」









102 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)13時57分29秒


職員室じゃなくて保健室ですね。アホな間違いしちゃいました。
103 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)14時01分03秒
更新終了です。気が向いたらまたあとで更新するかも?^^;
104 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)18時17分00秒

あたしはカバンも持たずに学校を出て行った。











市井ちゃんに・・・・・・・・・会いたい・・・・・・・










正門をくぐり、いつもの曲がり角を走り抜ける。


【TAISEI】のカンバンを見つけると、すごい勢いでドアを開けた。


ドアを開いた瞬間、カランカラン・・・と涼しげな音がなる。



まだこの時間にはお客さんはいない――――――



「いらっしゃ・・・・・・」



市井ちゃん・・・・・・・・・








「後藤・・・・?」





緊張の糸がプツリと切れた。






そのまま市井ちゃんの胸に飛び込んだ。



105 名前:とみこ 投稿日:2002年05月10日(金)18時21分15秒




「後藤・・・・学校は――――・・・」






「よっすぃーが・・・・・・」



あたしの口から【よっすぃー】という言葉が出ると、

市井ちゃんは表情を変えた。



「何言われた?」


あたしは泣きながらも口を開いた。





「ごっちんは素直じゃないって・・・・言われた・・・・・・

もう関係ないのに・・・よっすぃーが・・・関係を崩したのに・・・・・・

また・・・・傷つけられた・・・・もう忘れたかったのに――――――――」











市井ちゃんはあたしを抱きしめる力を緩めた。










「ちょっと行ってくる。」


「・・・・え?」




カランカラン・・・・・






市井ちゃんは喫茶店を猛ダッシュで出て行った。





「市井・・・・・・ちゃん・・・?」
106 名前:名無し男 投稿日:2002年05月10日(金)18時58分04秒
修羅場ハッケソ
107 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月11日(土)03時10分52秒
よしごま萌え〜な自分はちと後藤さん切ないですが
すっげぇイイ〜。
更新めちゃめちゃ楽しみにしてます。頑張って下さい。
108 名前:とみこ 投稿日:2002年05月11日(土)17時48分24秒
>名無しさん
修羅場シーンラブ。


>名無しさん
>よしごま萌え〜な自分はちと後藤さん切ないですが
よしごま切ないですねぇ。でもいつか仲良くなるはず!
今は市井ちゃんの行動・・・ですね^^;
更新がんばります!
109 名前:とみこ 投稿日:2002年05月11日(土)18時01分43秒

(市井視点です。)





あたしは喫茶店を飛び出すと、そのまま学校へ向かった。



(・・・顔は覚えてるけど・・・・名前わかんなきゃ探せねぇよ・・・・)


とにかくあたしは学校がある曲がり角を走った。




――――――っっ!



ドンッッ


「いてっ」


あまりに急いで走ったせいか、

その角から飛び出して来た人と正面衝突してしまった。






「す、すみませ・・・・」















相手が顔を上げた時、抑えきれない怒りが込み上げた。





「・・・お前・・・こないだの・・・・」

「あ・・・・。」


その【よっすぃー】もあたしの顔を見て思い出した。



「お前、名前は?」

「え?あ、よ・・・吉澤ひとみですけど・・・」



吉澤・・・・・こいつが後藤を・・・・!!


あたしは吉澤の胸ぐらをつかんで立ち上がった。





ガッッ―――――!!



無言で殴り飛ばした。

110 名前:とみこ 投稿日:2002年05月11日(土)18時35分43秒


「いってっ!!」


吉澤はそのままアスファルトに倒れこんだ。



「何すんだよ!!」

殴られた頬を抑えながら立ち上がった。



「後藤に何言った。」


そのまま詰め寄って睨んだ。



「何って・・・?意味わかんねぇし。」

「とぼけんなよ!後藤泣いてあたしんとこ来たんだよ!!」



その言葉に、吉澤はハッとして目をそらした。



「・・・大体、あなたはごっちんの何なんですか。」


・・・何こいつまだ強気で・・・・


「後藤の恋人。お前は何でもねぇだろ。それなのに後藤を傷つけて・・・・」


「ごっちん・・・傷ついてるんですか?」



・・・

突然、切なげの表情に変わった。



「・・・・傷ついてるよ。お前のせいで。」


「・・・・・・・。」



そのまま無言で見合っていた。








「二度と後藤に近づくなよ。」






そういってあたしはその場を去っていった。









絶対、後藤を守ってやるんだから・・・


吉澤から守ってやる!!!

111 名前:とみこ 投稿日:2002年05月11日(土)19時42分48秒

カランカラン・・・・



「市井ちゃん!!」


喫茶店に戻ると、心配そうな表情で後藤が駆け寄ってきた。



「吉澤に・・・会ってきた。」







「よっすぃー・・・なんて?」










「特に何も言ってないけどさ・・・あたしが一発殴っただけ。」

「え?!」


後藤は驚いてあたしを見上げた。

・・・しょうがないじゃん・・・



「後藤を傷つけた・・・そんなヤツ一発殴らないと気がすまないよ!」

「で、でも・・・よっすぃーは?」

「黙ってたよ。後藤を傷つけた償いになるんならってことじゃない?」





















後藤は下を向いたまま黙っていた。


何を思っているのか


あたしの行動に怯えたのか


吉澤をかばっているのか―――――――








112 名前:とみこ 投稿日:2002年05月11日(土)19時46分39秒

「後藤が傷つく前にどうして気づいてやれなかったんだよ・・・」














「こんな自分が・・・・・悔しいよ・・・情けなくてしょうがないんだよ!!!」








緊迫した空気が、2人を重く包んだ。















「後藤は・・・吉澤をかばうのか?」



後藤は思いっきり首を横に振った。



「・・・あたしは・・・・市井ちゃん大好きだもん。ホントに好きなんだもん・・・・・・」













後藤・・・・・・・――――――――――








「嫌われたくないから・・・・だから・・・・」









「よっすぃーの事はもういいから・・・・・・・」


「でも・・・っ」






後藤は、そのままギュッと抱きついてきた。


あたしも上から覆うように抱きしめ返した。















「自分を見失いたくないの・・・・・・後藤を独りにしないで・・・・・・」





























「ずっと・・・・・・・・後藤のそばに居て―――――――」





113 名前:とみこ 投稿日:2002年05月11日(土)19時50分31秒







「・・・・・・後藤、あたし前に幼なじみを好きになったって言ったよね。」






後藤はあたしの胸の中でゆっくり頷いた。



「裏切られるって・・・こんなに絶望的でさ・・・・・・・」


「・・・・うん。」



「愛なんて、もう信じるのやめようって思った。」


「・・・・・愛・・・?」








愛なんて・・・


あたしの中では【キレイゴト】でしかない。



幼なじみとしか思ってなかった頃の2人は


どこかへ消えてしまったように


神のイタズラだろうか・・・・・・・




もう、あたしたちは幼なじみじゃないの?















ねぇ、矢口・・・・・



あたしは、もう新しい恋見つけた――――





矢口は今、どこで誰といるの?


何をしてるの?





人を・・・・ちゃんと愛してるの?






114 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月11日(土)20時53分31秒
 せつないです・・(T−T)
自分的にはこのままごっちんは市井ちゃんといて欲しいですが・・。よっすぃ〜の
気持ちが気になります・・
115 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月11日(土)22時02分58秒
ああ…また二人で花火を見れる日が来るのでしょうか…
116 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年05月12日(日)10時43分35秒
ああ切ないですなあ。よしこの気持ちが気になる。
117 名前:いしごま感謝祭 投稿日:2002年05月12日(日)16時24分54秒

とみこさん、サイコーですよ。
今朝読んでから出かけたんですが、もう泣きっぱなしでしたもん。
よっすぃーの本当の気持ちがきになる・・・。
118 名前:名無し男 投稿日:2002年05月12日(日)17時42分13秒
矢口を完全に忘れきれてない市井も気になる
119 名前:とみこ 投稿日:2002年05月13日(月)17時14分05秒
>名無しさん
いちごまでいい感じだったのに、よしは今どんな心境なのでしょう(;;)

>名無しさん
>ああ…また二人で花火を見れる日が来るのでしょうか…
どうでしょう・・・次の花火大会は、みんなが大人になっていればいいのに。

>いしごま防衛軍さん
切ないっす!切ない系めざしてたのでそんな感想いただけて嬉しいのですが、
切ないってほんとに切ないですね・・・。甘いのもたまには書いてみたいです。

>いしごま感謝祭さん
>とみこさん、サイコーですよ。
ありがとうございます!照れます^^*
私の作品で泣いてくれるなんてありがたやありがたや保田大明神・・・

>名無し男さん
>矢口を完全に忘れきれてない市井も気になる
その真実は今明らかに!!!!(何
120 名前:とみこ 投稿日:2002年05月13日(月)17時26分12秒

(後藤視点)



昨日、市井ちゃんの優しさを改めて感じた。

愛されてるんだって・・・嬉しくなった。

もう、よっすぃーはいいんだよ。

あたしは


市井ちゃんのものなんだから。







―――――――――


いつものように学校が終わると、軽い足取りで喫茶店に向かった。


早く市井ちゃんに会いたいなはあとはあと



いつもの角をまがると、店の前に市井ちゃんが立っていた。


「市井ちゃん!」

「おー後藤おかえり〜。」


市井ちゃんはいつもの店の制服ではなく、私服だった。

121 名前:とみこ 投稿日:2002年05月13日(月)17時29分09秒

「あれぇ〜どうしたの?私服で。」

「あー、これこれ。」


市井ちゃんはドアに掛けてある札を指差した。


【本日休業】








「どっか出かけよっか。」


そういって市井ちゃんはニコッと笑顔を見せた。



「や・・や、やった――――!!!!!」


跳ね上がって喜ぶごとーを、市井ちゃんはニコニコ見た。





やったやった!市井ちゃんと初デートだぁはあとはあと



「いったん家行って着替えてきなよ。あたし待ってるから。」

「うんっ」







122 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)08時07分12秒

放課後――――――


あたしたちは、昼間の渋谷をぶらついていた。


「市井ちゃん、プリクラ撮ろう!プリクラ!」

「おーいいよ。」


そういって行列の最後に並んだ。


すると、列のみんながバッとこっちを向いたのだ。



「見て!あのキンパの人超カッコイイし!!」

「ホントだ!超かっこよくない?あの人!!」

「でも隣に居るの彼女っぽいよねー。」



そんな事をいいながら市井ちゃんをジロジロ見ていた。



「いちーちゃん、モテるんだね。」

「そんなことないよ。」







123 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)08時10分15秒

「あ、ごとーちょっと両替してくるね!」

「あー、うん。」


そういって両替機に向かった。


―――――


「よし、オッケー。」


お金をくずしたあと、元の列に戻ろうとした時だった。


市井ちゃんが2、3人の女子高生に囲まれていたのだ。



「あのー、ひとりですか?」

「もしよかったら一緒にプリクラ撮ってくれませんか?」


市井ちゃんはフッとごとーの方を振り向いた。

そしてまた女子高生に視線を戻すのだった。




「ごめんね、あれ彼女だから。」



・・・ドキッ



「え〜そんなんですかぁ。」

「超残念・・・」



市井ちゃんの・・・彼女かぁ・・・


なんかいい響きはあとはあと
124 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)13時34分26秒


「あ〜、ダメ!市井ちゃん笑ってよぉ〜〜」

「これでも笑ってるつもりなんですけどー。」


2人でそんなことでもめている間に、画面は「残り 30秒」となっていた。



「もーちゃんと笑ってよぉ?いくよっ!」


機械音の声が【5.4.3・・・】とカウントダウンを始めた。






バッ


「へ?」



突然、市井ちゃんがあたしを抱き寄せてキスをした。






パシャッ



「・・・あ、あー!!写っちゃったじゃんかー!」

「いいじゃんいいじゃん。恋人同士なんだからさっ。」

「・・・・もーぅ。」


市井ちゃんはニコッと笑ってあたしの頭をなでた。


いつものくせで、

市井ちゃんが笑うと、あたしは一緒に笑ってしまう。


市井ちゃんの笑顔は魔法みたいだっ。








でも





そんな笑顔が見れるのも




今日いっぱいだなんて思いもしなかった―――――――


125 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)13時38分28秒
そのあともいろんなお店をまわって、服を買ったり遊んだり

あっといまの1日がすぎていった。









「今日は・・・ありがとね。」

「いやいや。市井もなかなか楽しかったぞ?」

「ふっ―――なんか市井ちゃんらしくないぞ?」



そういうと市井ちゃんはあたしにコツンとデコピンした。



「マネすんなっ」

「アハッ!」


―――――――――



「じゃぁ、また明日な。」

「うんっ。バイバイ!」



126 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)16時19分35秒

次の日――――

いつものように学校へ行くと、あゆみの姿がなかった。



あれぇ?いつも一番早く学校来てるのに・・・



「あ、後藤さん!平家先生が呼んでたよー。」

クラスの子がそう言った。


「へ?みっちゃんが?」


理科の平家先生は、もう美人で美人で美人な先生で人気者!!

ま、ごとーはいっつもコキ使われてるんだけどぉ。

どうせ今日も資料運ぶの手伝ってとかその辺だろうけど・・・・





127 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)16時25分18秒

渋々ごとーは職員室に向かった。

もうすでにチャイムが鳴っていたので、生徒はみんな教室へ戻っていた。


・・・それにしてもあゆみはどうしたんだろうなぁ。





職員室のある2階におりると、微かに話し声がした。



「ほら、もうチャイムなってんやから帰りぃ。」

「え〜もうちょっと一緒にいたいよぉ?」



・・・誰?!


あたしはそっと壁に隠れて様子を見た。


「これじゃぁ朝早く来た意味ないやん〜。」


え?!へ、へ、へ、平家先生!?!?!・・・・と?


「なによぅ、毎朝早く学校来てるのはせんせーのためなんだからっ!」



あ、あ、あ、あーゆーみー??!?!?!?!


どういうこと?!どんな会話してんだコイツらぁ!!!



・・・ん?


まさか、あゆみが付き合ってるって言うのは・・・


え、え、ウソ!!


平家先生??!??!?


128 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)16時32分12秒


「これが最後やで?」

「やったっはあとはあと



え!?うそ!!


マジ―――――――――!?!?!?


みっちゃん(平家先生)は壁に片手をついて、

そっとあゆみの顔に近づいた。






そして長い長い・・・長い・・・長い長い!!長すぎだっつーの!!!


ひぇー・・・こんなに長くキスしたら・・・って・・・

あたしはどうすればいいわけ?!


みっちゃんが呼んでるっていうから来たのに・・・


こんなシーンに遭遇するなんてー!!!



カシャンッ


ふいに胸ポケットにささっていたペンが、音を立てて床に落ちた。


「あ!!!」



うっ・・・ヤバ!!思わず大声を出しちゃったよ・・・






「ちょっ、柴田・・・タンマ・・・」

「えぇー???どうしたの?」



ヤバイ!気づいたかな???


あたしは音を立てずにその場を去ろうとした。




「後藤・・・さん?」



!!!



まさかと思って振り向いた。

129 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)16時37分15秒


「み・・・みっちゃん・・・アハハ・・・」


そこには妙にニコニコしたみっちゃんが仁王立ちしていた。

あとからあゆみもこっちへ走ってきた。


「ま、真希?!」

「あ、あゆみ・・・」


みっちゃんはハァーっとため息をした。




「後藤、このことは――――」

「言わないよっ」


あたしはみっちゃんの言葉をさえぎった。

あゆみはというと、心配そうにみっちゃんを見ていた。



「言わないけど・・・みっちゃんが本気であゆみを愛してるんだったらね。」

「・・・後藤?」


・・・・



「うちらだって真剣に人を好きになるんだから。

あゆみの事を子供だと思って付き合ってるんだったら言うかもね。」



みっちゃんとあゆみは、ごとーを真剣な目で見た。

130 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)16時40分46秒





「本気や。ちゃんと柴田のことを、ひとりの女として考えて付きおうてる。」


みっちゃんは今までにない真剣な顔で言った。


「・・・あたしも。」


あゆみもそういって頷いた。




「じゃぁ言わないよ。で、みっちゃん用は何?」

「え?あーそうやったそうやった。資料持ってくの手伝ってや。」



結局それかい!




131 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)16時47分21秒




昼休み、あたしとあゆみは屋上へ向かっていた。



「はぁ、あゆみの付き合ってる人はみっちゃんだったのか・・・」

「・・・(赤面)」

「いいんじゃない?あたしはいいと思うよ。」

「・・・・うん、ありがと。」



ふふっと笑うと、屋上の入り口のドアに手を掛けた。



ガチャ・・・・




扉を開くと、中には2人の生徒がいた。


逆光でよく見えない――――



そして屋上に居る2人のシルエットは、そっと唇を重ねた。



あたしは身体を傾けて逆光から逃れた。













そして目に入ったものは―――――――










・・・・


「真希?」


「・・・・・。」


「どうしたの?真希?」


「あゆみ・・・・やっぱ戻ろう。」


「え?なんでぇ??」



あたしは何も言わずにあゆみの手を引いて階段を下りた。



屋上で愛を誓い合う


ひとみと梨華が頭の中から離れなかった。




132 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)17時01分54秒


中庭まであゆみを連れてくると、あたしは足を止めた。



「真希ってば!どうしたの??」


「・・・・ひっく、ひっく・・・」


抑えきれない涙がいっきにあふれ出てきた。



「ちょっ・・・真希・・・?」






「よっすぃーと・・・梨華ちゃんが・・・・」

「・・・っ屋上にいたの?」

「・・・うん・・・。」

「でもなんで泣いてるの・・・?」



あ、そうか・・・あゆみはまだ知らないんだよね・・・



「長くなるんだけど・・・よっすぃーと梨華ちゃんとは色々あって・・・」


あたしが泣きながらそういうと、

あゆみは何か少し考えていた。








「うしっ!じゃぁ5限目サボるぞ!!!」

「へ?」

「だって親友じゃん?うちら。何でも聞くよ?」



あゆみ・・・



こうしてあゆみに全部説明した。

133 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)17時16分20秒


学校が終わると、あたしは急ぎ足で喫茶店へ向かった。


よっすぃーのことで傷ついた時は、市井ちゃんに甘えるのが1番癒されるから・・・







カランカラン・・・


「いらっしゃ・・・おぅ、後藤!おかえり〜。」

「ただいまはあとはあと

「今日暑いね!飲み物出すからちょっと休んでいいよ。」


あたしはニコッと笑ってカウンターに座った。

市井ちゃんは後藤の荷物を置きに奥へ行った。

テーブルには、同じ学校の生徒たちが何人も座っていた。



カランカラン・・・



その時、金髪の女の子がひとり入ってきた。


「いらっしゃいませぇ〜。」

・・・うわぁ、カワイイこだなぁ・・・超ギャルって感じだし。

背ちっちゃいなぁ。後藤よりちっちゃくない??


ちょうど市井ちゃんが奥から戻ってきた。



「いらっしゃいませー!何にしま・・・・――――――」



突然、市井ちゃんの動きがピタリと止まった。


目を見開いてその金髪のコを見るのだった。


134 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)17時22分19秒






「や・・・ぐち・・・?」



・・・矢口??誰だそれ・・・


「市井ちゃん、知り合い?」



市井ちゃんは何も答えなかった。

金髪のコはふっと市井ちゃんの方を振り向いた。





「・・・?」


どうやら市井ちゃんのことは知らない様子だ・・・


・・・・なんなのん??



「矢口!あたしだよ!市井紗耶香!!」

「・・・・っ」





金髪のコは【市井紗耶香】という名前にハッとした。















「紗耶香・・・・・?ウソ・・・紗耶香なの??」


「矢口こそ・・!なんで東京にいるんだよ!」





・・・何、どういう関係?!

135 名前:とみこ 投稿日:2002年05月14日(火)17時23分47秒
更新終了です。

はぁ・・・感動の再会というのか、後藤にとっては悲しい再会ですね・・・
がんがりますっ!!!
136 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月14日(火)20時55分21秒
うっわ気になる展開!!
137 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2002年05月15日(水)02時35分50秒
のわ〜〜!!気になる!!!
マジで面白いっす。毎日楽しみにしてのぞきに来てます。
がんがって下さい!
138 名前:とみこ 投稿日:2002年05月15日(水)12時59分08秒
>名無しさん
>うっわ気になる展開!!
気になる展開で終わらせるのが好きなんです(w
でも時々中途半端なときあるんですけどね(汗

>名無し募集中。。。さん
>マジで面白いっす。毎日楽しみにしてのぞきに来てます。
ほーっっ!!嬉しいですなぁ^^毎日だなんて。
期待にこたえられるように頑張ります♪
139 名前:とみこ 投稿日:2002年05月15日(水)13時07分03秒




「矢口・・・何で東京に・・・?」


市井ちゃんは口以外なにも動かさずにそう言った。



「昨日・・・・引っ越してきた。東京に。」

「・・・な、急に何で・・・」




・・・



「・・・・っるさいなぁ!!!」


矢口さんは突然大声を張り上げた。



店内は一瞬空気がとまったけど、すぐにまた騒がしくなった。



「や、矢口・・・・?」


泣き出す矢口さんに、市井ちゃんは心配そうに声を掛けた。














「・・・・恋人にフラれたんだよっ!!悪いかよぉ〜〜!!!」


矢口さんはポカポカ市井ちゃんを叩いた。







・・・・・・なんか、過去があるっぽいなー・・・・
140 名前:名無し男 投稿日:2002年05月15日(水)17時08分20秒
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
141 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月15日(水)20時25分19秒
気、気になる…恋人って誰なんすか???
初レスですが、ずっと読ませてもらってます。
あ〜ドキドキ。。。
142 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)11時29分48秒
>名無し男さん
めっちゃワラタですよ。

>名無し読者さん
>気、気になる…恋人って誰なんすか???
お秘密でごぜぇます。。。(何
>初レスですが、ずっと読ませてもらってます。
ありがとうございますっっ!!!!!!がんばりますばい。
143 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)11時42分19秒


「な、泣くなよ・・・」


市井ちゃんはポケットからハンカチを取り出して矢口さんに渡した。



「ありがと・・・紗耶香は今も優しいね。」

「・・・おかげさまで。」








・・・まさか


この人が市井ちゃんの幼なじみ・・・・?




市井ちゃんの・・・【モトカノ】・・・・










あたしは市井ちゃんの制服の袖を引っ張った。


「・・・ん?どうした後藤。」

「・・・・・誰?」



市井ちゃんは「え・・・」という顔をして少し悩んだ。




「・・・前に話した、幼なじみだよ。」












・・・やっぱり・・・


144 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)11時46分00秒


「ひっく・・・ん?紗耶香、そのコ誰?」


矢口さんはあたしの事を市井ちゃんに尋ねた。




「あぁ・・・バイトの後藤真希。」

「バイト・・・?へ〜・・・」









「でもって、恋人。」



市井ちゃんは照れくさそうに矢口さんに説明した。



・・・・ちょっと嬉しいかもはあとはあと



「マジで?!紗耶香!!うそ、うそ、え、ごっつぁんってよんでいい!?」


矢口さんは突然立ち直った。


「あ、はぁい・・・」

「矢口の事はやぐっつぁんとか矢口でいいよん♪」

「はぁ・・・」




矢口・・・さん




やぐっつぁん・・・・










市井ちゃんの、【モトカノ】











市井ちゃんを愛したひとり。















市井ちゃんが、愛した人――――――



145 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)11時51分42秒




「へぇ〜。すごいカワイイねぇごっつぁん!」

「ありがとぉございますー。」



矢口さんはカウンターから身を乗り出して、

ごとーの頭をなでなでした。



「ごっつぁんはきっと、紗耶香に大事にされるよ!」



そういってニコッと笑った。



・・・やぐっつぁん。

優しいんだね。




・・・市井ちゃんが好きになった理由わかるかも。





146 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)11時57分53秒

午後7時。

やぐっつぁんや他のお客さんが帰ったあと、店を閉めた。



「あれが市井ちゃんのモトカノですかぁ・・・」

「・・・・え、あ〜うん。」











「カワイイね、やぐっつぁん。」













後藤、ちょっとイジワル?






「・・・・後藤の方がカワイイよ。」


「・・・・・。」


「・・・黙んなよ。」



だって、そんな市井ちゃんのモトカノが・・・

やぐっつぁんがいきなり現れたら


フツー不安になるんだぞ・・・?






「やきもち焼いてんのか?」

「・・・っ焼いてないもん。」

「・・・ふっ。」






市井ちゃんはあたしをそっと抱き寄せた。






「大丈夫だよ、あれはモトカノだから。」

「・・・でもっ」











「市井は後藤が好きですよ・・・?」



147 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)12時00分04秒






「ホント?」

「本気と書いてマジですよ〜、後藤さん。」



あたしはふにゃっと顔を緩めた。


・・・またひとつ、市井ちゃんの愛を感じたから。




「後藤も市井ちゃんが好きですぞ?」




そういってまたふにゃっと笑いかけた。









「・・・バカ、知ってるよ。」


――――




あ〜、ごとー・・・


市井ちゃん好きだぁ・・・



148 名前:カム 投稿日:2002年05月16日(木)13時39分24秒

とみこさんお久しぶりっす。最初から読ませて頂きましたよ〜
親切な方に教えてもらって追いつく事が出来ました(w
今回は市後&石吉でケテーイ?ちゃむカッコ良すぎ、オトコマエ過ぎ(w
今後の展開および吉の行動に期待!影ながら応援してますんで頑張ってください

ps 空板の名無し読者さん、どうもありがとうございました!
149 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)13時48分28秒


(市井視点)


後藤を家の前まで送ったあと、いつもの道を歩いていた。







ふと公園の前を通りかかった時、ひとりの女の子が居た。



・・・ん?


矢口・・・・・?


あたしはそっと公園をのぞいた。



「ねぇ、今から俺んち来ない?」

「行かないってば・・・・」

「いーじゃんいーじゃん!ひとりじゃ寂しいんだよぉー。」



いかにもギャル男といった感じの男が、矢口の腕を掴んでしつこく話し掛けていた。



「来ないんなら・・・・ここでヤろっか♪」

「・・・!!やっ、やめてよ!!!」























ブチッ






何も考えずに、あたしその男に殴りかかっていた。

150 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)13時55分51秒



ズザザァーッッ



そのまま男は砂場に吹っ飛んだ。











「・・・紗耶香・・・・?」



矢口は驚いてあたしを見ていた。






「いってぇ・・・てめぇ!」



ザッ



あたしは砂場に転がった男の目の前に立った。


「失せろボケ。」


ギッと睨むと、その男は怯えて立ち上がった。


「喋れないくらいボコられたいの?」




「・・・・ひ、ひぃ〜〜〜〜」



ヒョロヒョロしながらその男は去っていった。


151 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)14時02分14秒






「ケガ、ない?」


パッパッと手を払うと、矢口の方に振り向いた。




「・・・だ、大丈夫・・・・」


「よかった。」






そのあとあたしたちは、ベンチに座って話していた。



「で、恋人と別れたんだっけか?」

「・・・うん。」


矢口は悲しげに、でも申し訳なさそうに頷いた。




「ひどいよな、矢口も。」

「・・・・え?」


あたしはフッと気力なく笑った。



「矢口に恋人がいたから、あたしフラれたんだよねー。」

「・・・・・。」

「ま、恋人がいるのに告るのも変ってか・・・・・。」








誰もいない公園に沈黙が走った。





152 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)14時06分12秒





「・・・・・紗耶香。」



「・・・ん?」




「その恋人・・・うーん、なっちっていうんだけど・・・安部なつみ。」


「・・・・ふーん、安部なつみね・・・うん。」



矢口は目をあわさずに話を続けた。



「ずっとある事で相談乗ってもらってて、それで好きになったの。」

「・・・・・相談?」



「うん・・・。それでなっちと付き合ってたんだけど・・・・・・」


「うん。」



















突然矢口は話をやめた。








「・・・・・矢口?」




















153 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)14時11分33秒


「その相談に乗ってもらったことってね・・・・恋の相談だったの。」


「・・・・それって、矢口に好きな人がいたって事?」


矢口は元気なく頷いた。



















「それ・・・・・紗耶香だったんだ。」



――――――――――――




・・・・・・・え?




矢口が・・・・あたしを好きだった・・・?




「ど、どういう意味・・・?」








「うちら幼なじみだったけど・・・あたしはずっとずっと好きだった・・・・」


「・・・・っでも・・!!」


「・・・でも、紗耶香は高校入ってからすごいモテてたから・・・・

叶わないと思った・・・。所詮あたしはただの幼なじみでしかないと思ってた。」



・・・そんな・・・・・



「だから相談乗ってもらったけど、紗耶香は諦めたの。なっちと付き合ったのは・・・」


















「紗耶香を忘れるためだったのかもしれない・・・・・・。」









154 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)14時15分23秒






「だから、なっちと付き合い始めたあと・・・・・紗耶香に告白された・・・。」



・・・・なんだよ、それ・・・・・





「でも・・・その時は、偽りでもなっちを愛してたから。なっちを裏切ることはできなかった。」








矢口は少し涙ぐんでいた。



「でもなっちには好きな人が出来て、矢口はフラれたんだぁ・・・・・。」





「・・・・それで東京に来たんだ?その、なっちを忘れるために?」




矢口はゆっくり頷いた。



「それで紗耶香に会ったからビックリしたよ。」


そういってまたいつもの笑顔へと戻った。


155 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)14時19分01秒






「でもさー、紗耶香は新しい恋見つけたんだ???」



矢口はからかうように笑った。



「まぁね。いつまでも未練引きずってらんないし。」

「そうだよね・・・あ!!!でも、あたしゴッツァンから紗耶香を奪おうなんて思ってないから!!」





















「ごっつぁん、不安にさせんなよ???」


「わかってるよ。」




「矢口ん時みたいになんなよ?」


「わかってる。」









「もう、矢口と紗耶香は・・・恋人でも幼なじみでもないよ。」



「・・・・。」








「ただの、友達なんだから・・・・。」











156 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)14時42分05秒

>カムさん
お久しぶりです!!探してくれてたんですね!嬉しいです^^
今回はよしごまじゃ・・・・・ないのかなぁ・・・?(w
まだわからないですね^^;
でもがんばりますです!!
157 名前:とみこ 投稿日:2002年05月16日(木)14時43分53秒



更新終了でござんす。



158 名前:名無し男 投稿日:2002年05月17日(金)13時06分59秒
ノワ━━━━━)゜ο゜(━━━━━!!
159 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)16時09分06秒
>名無し男はん
頼むから笑わせないで。ウソ、もっと笑わせて良し。
ところで━ってどうやってだすんですか?
160 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)16時24分44秒


いしよしはしばらく見れないかも・・・・
161 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)16時33分16秒


「おっすー!!また来たよ〜!」


バイトの途中、店にやぐっつぁんがやって来た。


「お、おぅ・・・何飲む?」



・・・市井ちゃん、なんか焦ってない・・・?


「あ、いいよ!近くに来ただけだからさっ。」

「そう?」



やぐっつぁんはボーッとしている後藤に近寄ってきた。


「ごっつぁん、元気か?!」

そういっていつものスペシャルスマイル。

ほんっと、カワイイなぁ・・・


市井ちゃんが惚れるだけあるってか・・・。




「元気ですよぉ。」

「そうかそうか!!まぁここはごゆっくりってことで!バイバーイ!」


そういってやぐっつぁんは帰っていった。








「・・・・あれ?」



ちょうど、今やぐっつぁんが居た場所のカウンターに一冊の手帳が置いてあった。



「市井ちゃんの?」

「へ?後藤のじゃないの?」



・・・どうやらあたしらのものではなさそうだ。


とりあえず手帳を手に取った。


162 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)16時36分07秒





――――――・・・パラッ








ヒラリと1枚の写真が手帳から落ちた。

あたしはその写真を手にとって見た。




















―――――――!!








うそ・・・・



















・・・



そこには







市井ちゃんとやぐっつぁんが笑顔で写っている写真だった。


黒髪の市井ちゃん・・・茶髪のやぐっつぁん・・・・・


どう見ても、昔付き合っていた頃の写真―――――







でもなんで・・・・






まさか















やぐっつぁんはまだ


市井ちゃんが・・・・好きなの?
163 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)16時38分54秒







「ん?どうした後藤。」

「・・・・。」


市井ちゃんはあたしの手から写真をとった。













「・・・・!!」



さすがの市井ちゃんも驚いていた。



・・・


「やぐっつぁんはまだ・・・市井ちゃんが好きなんじゃない・・・?」






「そんな・・・・・。」






















きっとそうだ。








ううん、絶対そう。



















やぐっつぁんは、市井ちゃんが好き。


あたしは・・・きっと邪魔な存在だよ。
















東京へ来たのも・・・市井ちゃんを忘れられない気持ちで・・・・・










市井ちゃんに会いたくて――――――









・・・



164 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)16時43分18秒



「市井ちゃん・・・・・」



あたしは心配そうな目で市井ちゃんを見上げた。







・・・




「・・・・、心配すんな。」



市井ちゃんの言葉に、こくっと頷いた。




でもほんとは、不安でいっぱいだった・・・・・・・・













午後7:00、閉店。



「あ、後藤。」

「・・・ふぇ?」



片づけをしながら、市井ちゃんがこっちを振り向いた。



「明日って学校ないよな?」


「へ?うんないよ。」


・・・



「泊まりに来ない?うち。」

「え!!!」


市井ちゃんの家・・・そういえば初めてだぁ、行くの。



「う、うん。行く!!」

「おー。じゃぁ着替えとかもっておいで。」



やったぁはあとはあと


市井ちゃんち♪市井ちゃんち♪


あたしはルンルンのまま家へ戻った。
165 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)17時23分49秒

PM 8:00


「市井ちゃーん!!」

「おー。」



再び喫茶店の前で市井ちゃんと会った。


「うち結構近いから。」

「へ〜。」


・・・


そういって少し歩くと、巨大な高級マンションの前でとまった。



「へ?市井ちゃんち????」

「うん?そうだよ。ひとり暮らし。」

「え?!?!?すっっっごーーいい!!!!」



あまりのデカさに驚いた。



「じゃ、部屋行こっか。」



166 名前:とみこ 投稿日:2002年05月17日(金)17時24分19秒


更新しゅーりょー



167 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月17日(金)21時58分56秒
どきどきお泊り!!
168 名前:名無し男 投稿日:2002年05月18日(土)02時56分37秒
ワーヲ!
でも一波乱来そうなヨカソ
169 名前:とみこ 投稿日:2002年05月18日(土)10時49分12秒



パチッ


・・・ドサッ



部屋に入るなり、市井ちゃんは電気を付けてカバンを放り投げた。



「わぁー!!広ぉい!」


長い廊下、高い天井、

奥にはメッチャメチャ広いリビング。

その周りにもいくつか部屋が見えた。



「紅茶でも飲みますか?お姫様はあとはあと

「うんはあとはあと








「ん!おいしーぃ!!」


市井ちゃんが入れてくれた紅茶は、非常に美味しかった。


「だてに喫茶店やってませんからね。」

「あ、そっか〜。」



そのあとはババ抜きを1時間、ダンスダンスレボリューションを2時間やって、

汗だくになった・・・(笑)
170 名前:とみこ 投稿日:2002年05月20日(月)19時14分39秒
>名無しさん
>どきどきお泊り!!
うれしはずかしお泊りですばい(>_<)

>名無し男さん
>ワーヲ!
>でも一波乱来そうなヨカソ
一波乱と言わずニ、三・・・
171 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月20日(月)21時38分43秒
いつもすばらしいお話ありがとうございます。
一つお願いがあるのですが、更新が終わりましたら
その旨お知らせ頂けるとありがたいです。
レス付けるのを躊躇してしまうので。偉そうなこと言ってすいません。
172 名前:名無し男 投稿日:2002年05月21日(火)14時43分04秒
ダンスダンスレボリューション
あれ、できない(w
173 名前:とみこ 投稿日:2002年05月21日(火)18時51分42秒

PM11時


汗だくになってカーペットに寝っころがった。

「あっちぃな〜!風呂はいるか!!」

「シャワーでいいよぉ。」

「そう?じゃぁ先いいよ。」


そういって、着替えをもってバスルームへ向かった。







「ぷは〜っっ!!スッキリしたぁ!!」


あたしはジャージにティーシャツの楽な格好で出てきた。


「市井ちゃん、どーぞはあとはあと

「うぃーす。」













・・・













ガチャ


「はぁーいいシャワーでしたぁ♪」



濡れた金髪にを重そうにかきあげる。



・・・その姿が妙に美しくって、カッコよくて



シャワーだけだったのに、のぼせたみたいに真っ赤になった。

174 名前:とみこ 投稿日:2002年05月21日(火)18時56分13秒


そんな後藤を見て、市井ちゃんはおでことおでこをコツンとくっつけた。



その距離、ズバリ2センチ。


・・・


「ん?どうした、後藤。」

「・・・な、なんでもない・・・よ。」

「そうかぁ?顔赤いぞ?」

「そ、そんなことないもんっ!」



市井ちゃんはニコッと笑ってあたしの頬に右手を添えた。










次第に顔が熱く火照る。








「なんか後藤色気ムンムンだよ。」



・・・市井ちゃんこそ・・・





あたしは潤った瞳で市井ちゃんを見上げた。

















「ばか、んな目で見られたら・・・・・」





















「ガマンできねぇし・・・・・・」





175 名前:とみこ 投稿日:2002年05月21日(火)19時05分52秒



そのまま唇が重なり・・・・・・・・・・離れない。


長い長い、キス―――――



唇が離れたと思ったら、市井ちゃんの白い右手が目をふさいだ。



「な、なに???」

「いいから。」




市井ちゃんの右手がどくと、ヒョイッと身体が宙に浮いた。



【お姫様だっこ】ってやつですかい・・・







「ご、後藤重いでしょ・・・?」

「うん。」




うんって・・・・・・











トサッ・・・





そのままベットに置かれた。





「今夜は長い夜になりそうですね。」

「・・・・もぅ。」








176 名前:とみこ 投稿日:2002年05月21日(火)19時24分22秒


はい、更新終了です!

正直に言います!エロシーンは書けません!!!(ヲイ
純情派小説っすから!!(いいわけだコノヤロゥ
すみませむ。。。。
177 名前:とみこ 投稿日:2002年05月21日(火)19時26分10秒
>名無し読者さん
>いつもすばらしいお話ありがとうございます。
いえいえ、こちらこそ^^
>一つお願いがあるのですが、更新が終わりましたら
>その旨お知らせ頂けるとありがたいです。
そうっすね、そうします!
アドバイスありがとうございます!!!

>名無し男さん
私もできません・・・(w
あんな早くホップステップできるかつーの!アホちんが!(何

178 名前:同版作家 投稿日:2002年05月21日(火)20時06分57秒
続きが気になる〜!
179 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)17時44分06秒
>同版作家
>続きが気になる〜!
あ〜、おもしろいネタどっかで釣ってこなきゃ。思いつかん・・・
180 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時07分54秒



AM・・・・・何時だろうか。


カーテンの隙間から、眩い光が差す。


なぜか、いつもと違う朝だった。


・・・


生まれたままの姿で、大きなベッドにひとり寝ている自分。

昨夜を思い出し、少し赤面した・・・。







とりあえずボーッとしたまま下着を着け、

カバンからTシャツとジーパンを取り出して着た。



「ふぁ〜あ、・・・ねむ・・・」



あたしはジーパンのボタンをしめながらキッチンをうろついた。



「あれ〜?市井ちゃーん??」



部屋中を探し回っても、市井ちゃんの姿はなかった。



と、その時。テーブルに一枚の置き手紙があった。


「・・・?」



【コンビニ行って来ます。服着てろよ!  市井】



「バカ、もう着てるもんっ。」



そういってあたしは部屋に戻った。
181 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時08分52秒
>>179
同版作家さんの【さん】を付け忘れました。

逝ってきます。
182 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時16分35秒


それにしても広いな〜、市井ちゃんち。


・・・


あたしはリビングでボーっと突っ立っていた。



と、その時だった。


床に、1枚の写真が落ちているのに気が付いた。


あたしはそっとその写真を手にとって見た。
























―――――――!!








うそ・・・・



















・・・



そこには







それは、市井ちゃんとやぐっつぁんが笑顔で写っている写真だった。


そう・・・・・・



やぐっつぁんが持っていたあの写真と同じ――――――――



黒髪の市井ちゃん・・・茶髪のやぐっつぁん・・・・・



まだ未練があるのは、やぐっつぁんだけじゃなかったんだ・・・・・・





















市井ちゃんもまだ





やぐっつぁんを――――――――!!


183 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時22分56秒








ガチャっ


「ただいまー。」



ちょうど市井ちゃんがコンビニの袋を持って帰ってきた。



・・・・複雑な気持ちで胸がいっぱいになった。



・・・あたしは下を向いて黙っていた。



「ちゃんと服着たんだ?よかったよかった。」



ドサッと荷物を置くと、リビングに入ってきた。









「・・・・・。」


「後藤?どうした、黙っちゃって。」




















「自分の胸に聞いてみなよ・・・・」


「・・・・・え?」


「まだやぐっつぁんを忘れてないんでしょ?!まだ好きなんでしょ?!」


市井ちゃんはビックリした表情で驚いていた。



「な、何言って・・・」


「後藤と付き合ったのも、よっすぃーにフラれた後藤に同情したんでしょ!!」


「後藤?どうしたんだよ。」



あたしはただ涙を流して大声で訴えた。

184 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時33分36秒



「じゃぁどうして後藤を抱いたの?!」


「なっ・・・そりゃ愛してるから・・・・」


「うそだよ!!やぐっつぁんを忘れられないからでしょ!!!」


「後藤・・・!!」


「後藤をやぐっつぁんと重ね合わせて抱いたんでしょ!!!!!」


「・・・後藤、もう矢口のことは忘れたよ!後藤だけだよ!!」



あたしは荷物をサッと持ち、手に写真を持ったまま出ようとした。



「ちょっ、後藤?!」





























「市井ちゃんのバカァ!!」



思いっきり腕を振って投げた【思い出の】写真は・・・・・・・・



空しくヒラヒラと宙を舞った。



まるで、あたしたちを物語るように―――――――



「後藤・・・これ――――・・・」


市井ちゃんの言葉もよく聞かないまま、部屋を飛び出た。














どんなに好きと伝えても、フワフワと風船のような市井ちゃんは捕まえられない。


市井ちゃんの瞳には・・・・・・・・・・






やぐっつぁんしか見えてないんだよね・・・・・・










185 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時37分45秒
・・・



その夜は眠れなかった。



希望がなくなった。





絶望がこんなにも大きいものかと知った。






後藤は・・・・・
















まだ子供だった。

・・・



明日、喫茶店を辞めよう。




















186 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時48分27秒
次の日――――――――――


あたしは学校の帰りに喫茶店へ寄ることにした。

・・・



ドアに手をかけようとした瞬間、

中から声が聞こえてきた。









「ごめん、呼び出して・・・・」


・・・市井ちゃん。声ですぐにわかった。


「ううん、どうしたの??」

・・・ん?


あたしが窓ガラスから中をのぞくと、金髪の女の子―――――――



え、やぐっつぁん?!

何、何で・・・市井ちゃんが呼び出したってどういう意味?





「・・・・・後藤が、不安がってる。」







・・・・・・・え?




「これ以上、後藤を傷つけたくないんだ・・・・。」

「紗耶香・・・。」



昨日の・・・・・ことかな・・・・・


市井ちゃん、いろいろ考えてくれてたんだ。



187 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時52分27秒



「あたしは、東京に来ても矢口のことをふっきれなかった。いいかげんな人間だったし。

けど、後藤に出会った。恋に落ちた。守りたいと思った。

だから・・・今矢口と再会できたのは嬉しいけど・・・・・・・・・」




そこで会話がプツリと切れた。




「・・・泣くなよ。」



窓ガラスから見えるやぐっつぁんの涙する姿・・・・

ごとーも切なくなった。









「だから・・・・・もう・・・」







































「矢口とは会えない―――――――――」




















188 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時57分22秒


外にいるごとーにも、その空気が流れ、

切なくてたまらなかった。









「紗耶香・・・・」

「・・・?」










「矢口は、明日の朝の便で東京から出て行く。」












・・・





「え・・・?」



やぐっつぁん・・・・・



「あたし・・・・本当は紗耶香に会いたくて東京に来た!!!!」





・・・・。





「うそ・・・・だろ?」


やぐっつぁんは首を横に振った。


「紗耶香が忘れられなかった!好きなの!好きで好きでたまらなかった!!」













「でも・・・・・・・・紗耶香にはごっつぁんが居た。」


「・・・・・。」







「もう、いいの・・・・・紗耶香はごっつぁんを大事にして――――」








・・・・・・・・・・・・・・・





189 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)18時59分54秒




「だから東京から出て行く。早く、紗耶香を忘れられるように・・・・・・」





「矢口・・・・」









「じゃ・・・ね。」



ガチャ



突然ドアが開いて、やぐっつぁんが出てきた。



「・・・!!ごっつぁん!!」

「あー・・・・・。」

































泣いていた。































「ごめん、除くつもりはなかったんだけど・・・・」

















・・・






「・・・ごめんね。」




















そのままやぐっつぁんは走り去ってしまった。



190 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)19時04分26秒


カランカラン・・・・


あたしは店に駆け込んだ。



「・・・・!!後藤?」

「市井ちゃん・・・・」


・・・


「き、昨日はごめん!!」


市井ちゃんはいきなり謝ってきた。


「違うの!!そんなことより、やぐっつぁんを追いかけて!!!!!」






















「・・・・・え?」


・・・



「・・・・早く追いかけてってば・・・・」


あたしは市井ちゃんの背中をグイグイ押した。



「後藤・・・・・?」


「・・・あたし、この店やめるから。」

「え?」
















「わかってたの。市井ちゃんの気持ち。」




・・・



「・・・・・ばいばい。」


あたしは真剣な顔で市井ちゃんを見た。


























「・・・・ごめんな。」







そういって市井ちゃんは走った。


・・・やぐっつぁんに会うために――――――――












後藤は・・・・・・・


希望のひとつもなくなった。


191 名前:とみこ 投稿日:2002年05月22日(水)19時04分58秒


更新しゅーりょだYO
192 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月23日(木)03時17分29秒
健気なごっちん・・
うるっときちゃいました。大人だねごっちん・・
193 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月24日(金)05時26分36秒
ごっちんには悪いが、
さやまりにワクワク期待(爆)
194 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)16時17分06秒
>名無し読者さん
健気っすねぇ、ごっちん・・・。
さやまりも頑張らなきゃ!

>名無し読者さん
>ごっちんには悪いが、さやまりにワクワク期待(爆)
さやまり頑張りますよー!自分的にごっつぁんかわいそうですけど。。。
ま、自分で書いて言うのもなんですが(w
195 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)16時30分51秒





(市井視点)



あたしは走っていた。


・・・自分でもわからなかった。













矢口のことは忘れて、後藤を愛したはずだった。

いや、愛した。愛してた。











けど、矢口を忘れてなかった。

心の浮気だ。

・・・もっと、早く後藤に言っていればよかった。

















そしたら、後藤を傷つけなくてすんだのに・・・・

















あたしは後藤の気持ちに謝罪し、

本当の気持ちを確かめるために














走った。


ひたすら走った。













矢口に

























会いたい―――――――



196 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)16時37分15秒






でも、矢口は見つからなかった。

喫茶店を出るのが遅かったのか・・・・・


・・・


あたしは矢口と付き合っていた頃の友人に電話をした。



プルルル・・・



『もしもーし』

「あ、市井ですけど。」

『おー紗耶香!!ひさしぶり〜!!どうしたのー?』

「あの、矢口の引越し先の住所わかりますか?!」

『矢口?えーとね、ちょっと待って・・・』



友達が住所を調べている間、無償に矢口をいとおしく思えた。


会いたい・・・


会いたくて会いたくてしょうがない―――――!!










『もしもし?』

「はいっ。」

『○○町の○丁目○−○だよ!』

「えーと、○○町の・・・・・ですね!ありがとうございます!!」


素早く腕に住所をメモして、電話を切った。



そして強く息を吐いて、あたしは走った。
197 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)17時10分55秒


「・・・ここだ。」


極普通のマンション。


小さい頃から見慣れた、あの矢口の家ではない。

いつも窓と窓でおしゃべりをしたあの家じゃない。












もう、2人とも大人なんだ――――










階段を上り、「Yaguchi」という表札を確認した。



ごくりと息を飲み、インターホンを押した。




ピンポーン―――――






198 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)17時16分43秒





「はーい。」



ガチャ






















「・・・紗耶香・・・?」



扉を開いた矢口は、驚いた表情であたしを見上げた。



「・・・話がある。」

「・・・え?」






















「本当に大切なのは・・・・・・・」





























「矢口なんだ。」


199 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)17時19分14秒











唐突なあたしの言葉に、矢口は戸惑いを隠し切れない様子だった。








「・・・ごっつぁんは?ごっつぁんはどうするの?!」


「・・・っ、後藤は・・・矢口を追いかけろって言った。」

「え?・・・・なんで・・・」













「後藤は、あたしの気持ちに気付いてたんだ・・・・」

「でも・・・っ」

「後藤の気持ちも無駄にしたくないんだ。あたしは・・・・」
















「矢口を、愛してる。」




200 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)17時21分29秒



「な、何言って・・・ごっつぁんがかわいそうだよ!!」



「あたしだって・・・!!!後藤を大事にしようと思った。

矢口を忘れるためだけじゃない!!後藤を愛してたよ。大好きだった。

でも・・・・・もう後戻りはできない・・・・・。」


























「もう矢口を離したくない!!行かないで矢口・・・・」






201 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)17時30分26秒


矢口は今まで見たことの無いような切ない表情であたしを見つめた。





















しばらくして、矢口は口を開いた。


























「・・・紗耶香を、信じていいの?」












・・・あたしは、ゆっくりと頷いた。


永遠に誓います。

もう、矢口をずっと愛しつづける――――――――




















「・・・あたしだって・・・本当は紗耶香のこと大好きなんだからぁ!!!!」



矢口は突然大声を張り上げた。


「紗耶香のこと、忘れることなんてできないよぉ!!

ごっつぁんのところ行かないで・・・!!矢口と一緒に居てよぉ!!」



子供のように泣きながらあたしに強く抱きついてきた。


あたしも緊張の糸が切れて、涙が溢れた。



「バカぁ・・・!」



小さな矢口の身体を、ギュッとだきしめた。








202 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)17時31分05秒


「もう離さないから・・・・」

「・・・紗耶香・・・」





・・・


後藤、ごめんね。


ううん、ありがとう。


素直な自分の気持ちを確かめたよ。


本気で人を好きなることは・・・こんなにも嬉しくて



こんなに涙もろくなる――――




もう、絶対に矢口を離さないから。


二度と、同じ失敗をしないよう――――

203 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)19時54分29秒

次の日――――


話を聞くと、矢口はもう荷造りをしていたらしく、

これからはあたしのマンションで一緒に住むことになった。


・・・


確かに部屋はあまりに余っていたので、矢口が来てちょうどよかったのだ。

次の日から喫茶店も2人で経営。


・・・後藤は、来なくなったけど。


でも、いつか後藤とも普通に話せるようになりたいと思う。

矢口も後藤を気に入ってるみたいだし。

後藤に会ったら言おうっと。



・・・・・・・・・・


こうして、あたしと矢口は新しいスタートを切った。



204 名前:とみこ 投稿日:2002年05月24日(金)20時00分31秒


更新終了だYO!!

次回から真希視点です!!
よしごまとか見れちゃったりして!(w


205 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月24日(金)21時14分28秒
よしごまがみれちゃう!!?
こりゃ大期待!!!
206 名前:名無し男 投稿日:2002年05月25日(土)01時24分26秒
またしてもどん底に突き落とされたゴチーン
でもこんなにいい子ならいつかきっと報われるはず!
と言うわけで次回に超ウルトラスーパーエクセレント期待
207 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月25日(土)20時39分37秒
ごちんを抱いてから捨てるなんて、いくらなんでも醜いよ・・・。
よしこは、ごちんを救えるの?
今度は、梨華ちゃんが悲しむの?
ん〜ん、続きどうなるんだろ、楽しみです。
208 名前:とみこ 投稿日:2002年05月25日(土)21時19分41秒
>名無しさん
>よしごまがみれちゃう!!?
見れちゃいますよー(w いつ見れるかはわっかりませんが・・・・(汗

>名無し男さん
>またしてもどん底に突き落とされたゴチーン
ほんとですね・・・今回はごっちん結構痛いっすね。
超ウルトラスーパーエクセレント期待してて下さい!!

>名無し読者さん
>ごちんを抱いてから捨てるなんて、いくらなんでも醜いよ・・・。
うぅ・・・・市井ちゃんひどいわ・・・でもわけがあったんだね!
みんなが幸せになるってのは難しいです。
誰かが悲しむのでしょうか。。。。がんばりますので
そこんとこ、よろしく!(ジョニー加護)
209 名前:とみこ 投稿日:2002年05月25日(土)21時29分03秒


(真希視点)





市井ちゃんと別れてから、あたしは逆に何か吹っ切れたような感じだった。

つまらなかった学校も楽しくなった。

笑顔も、いっぱいできるようになった。

友達もいっぱいいっぱいできた。

親友のあゆみと、毎日楽しい学校生活を送っていたのだった。



・・・そんなある日の昼休みのことだった。



「ねぇ、真希はよっすぃーと付き合えば???」

「・・・はぁ?」


あゆみの変な質問にしかめっ面で聞き返した。



「まだ市井さん忘れられないの?」

「ううん、それは全然平気だけど・・・」

「じゃぁもういっかいよっすぃーに告白しなよ!!」


あゆみはあたしに詰め寄った。



「あゆみ何言ってんのぉ?いくらなんでも梨華ちゃんから奪うなんてごとーはしないもん!」



あたしがキッパリ答えると、あゆみは「へ?」という表情でこっちを見た。



「真希知らないの?よっすぃーたち、別れたよ?」

「え?!ウソぉ!!」

「知ってるかと思ったー。」



は?っていうか何で別れちゃったの・・・・?


どっちから・・・だろ・・・・


210 名前:とみこ 投稿日:2002年05月25日(土)21時36分30秒


あゆみに話を聞くと、どうやらよっすぃーから別れたらしい。

『やっぱり梨華ちゃんは来年受験だし、すれ違いが多いから・・・』

というのが梨華ちゃんを振った理由らしい。


たしかに梨華ちゃんは来年受験で、来年の夏にはテニス部も引退だ。


でも・・・あんなよっすぃーが、そんなことで別れるのかな・・・・



「だから、真希はよっすぃーに告りなよ!!」

「はぁ?別にもう好きじゃないもんっ。」

「・・・・意地っ張り。」

「ホントに好きじゃないもん!!」

「ほんとぉ〜???」



もぉ〜!!なんだよあゆみぃ〜〜!!

そんなにごとーとよっすぃーをくっつけたいのか?!



「あ!真希危ない!」

「へ?」



ボコッ





飛んできたサッカーボールがおでこに直撃した。
211 名前:とみこ 投稿日:2002年05月25日(土)21時41分08秒


「いったぁ・・・もう、今日はツイてない!!」


あたしはボールをガシッと掴むとあゆみの方を向いた。





「ごとーは、よっすぃーなんかもう好きでもなんでもないんだから!!」

「あ・・・真希。」





・・・・・・へ?


























ザッ





その時、よっすぃーが裏庭に入ってきた。

もちろん、今の言葉も丸聞こえ・・・・・





「・・・よっすぃー・・・」

「・・・・。」



よっすぃーはうっとりした目でごとーを見た。

不思議な・・・瞳だった。



「・・・ボール、取りにきたんだけど。」

「・・・え、あーごめん。」


あたしはポンッとボールを手渡した。


あゆみはボーッとあたしたちを見ていた。


立ち去ろうとしたよっすぃーは、突然ピタっととまった。























「・・・ごめんね。」


































その時、あたしはよっすぃーのその「ごめんね」の意味がわからなかった。









【ごめんね】





よっすぃー・・・・・・・?

212 名前:とみこ 投稿日:2002年05月25日(土)21時41分39秒
更新しゅーりょー!
213 名前:名無し☆ 投稿日:2002年05月26日(日)00時11分59秒
紫板でとみこさんの作品を読んでここへふっとんできました^^
キャーッよっすぃ〜☆
ごっちんも素直になればいいのにっ。
でも「ごめんね」の意味はなんだろ…?
続き、期待してます!
214 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)09時56分47秒
>名無し☆さん
>紫板でとみこさんの作品を読んでここへふっとんできました^^
ふっとんで来てくれてありがとうございます(w
だんだん奥深い作品になってしまいました。。。。
結構長くなりそうですよーーーー!!!
215 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)10時47分07秒


お昼休みが終わり、五限目が始まった。

もちろん、いつものように隣にはよっすぃーがいた。


・・・


しかし、いつもと違うのはこれからだった。









「ごっちん。」



え?!


突然、よっすぃーがあたしに話しかけて来たのだ。



「な、な・・・何?!」




よっすぃーはムスッとした表情に変わった。



「んな・・・人をバケモンみたいな扱いすんなよぉ・・・」



・・・はぁ?!よっすぃーなんか変!!!



「教科書。」

「・・・へ?」

「教科書忘れたから見せて。」

























あたしはポカーンと口をあけたまま、よっすぃーを見ていた。



216 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)10時54分19秒



黙々と授業が進む中・・・・・

机と机の間に置いた教科書をよっすぃーが見るたびに、

ごとーはどこを見ていいのかわからなくなった。



・・・・・どうして突然よっすぃーから話し掛けるような怪奇現象が・・・・・










その時、よっすぃーがバッと顔を上げてあたしを見た。


そして、目を離さなかった―――――



「な・・・なに?」



























「何でしゃべんないの?」


















































・・・・・は?!











217 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)10時59分19秒



開いた口が塞がらなかった。


変だよ・・・変だよよっすぃー!?!?








「な・・・」

「何でしゃべんないの?」

「え・・・・・」





何でって・・・・・


別に喋ることなんか・・・・・・
























「・・・前髪切った?」




・・・・・


あたしがそう言うと、よっすぃーは前髪を触った。



「やっぱするどいなーごっちんは。」

「・・・・え?」

「いっつも前髪切ったとき、一番に気付くよね。」




・・・・そうだっけ・・・・



「やっぱずっと一緒に居たからかな。」



よっすぃーは自分の前髪をいじりながらニコッと笑った。





あたしは・・・・・・・

























少し嬉しくなった。





218 名前:名無し(0^〜^0) 投稿日:2002年05月26日(日)16時49分33秒
サイコーっす(涙)
作者さん、がんがって下さい。
219 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)18時47分32秒
>名無し(0^〜^0)さん
(涙)だなんて嬉しすぎっす!!
さっ、更新しよーっと♪
220 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
221 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
222 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)19時04分50秒


放課後、ごとーは中庭であゆみとおしゃべりをしていた。


「はぁーのどかわいたー。ごとー自販機行ってくる。」

「いってらー。」


中庭の端にある自販機へ向かった。


・・・



「えーっと・・・・飲茶楼にしよっと。」


あたしはお金を入れて、飲茶楼のボタンをポチッと押した。









ガタン



「・・・・あれ?」


出てきたのはコーヒーのBOSSだった。


・・・押し間違えたのかな・・・

ま、ごとーバカだから間違えたんだな、多分。



そんなことを考えながら、コーヒーを取り出した。


はーぁ、コーヒー好きじゃないのに・・・・・


・・・

そういってあたしは立ち去ろうとした。












「あ、ごっちん。」



・・・名前をよばれて振り向くと、ひとみが立っていた。



「よっすぃー。飲み物買うの?」

「おー。」


あ、じゃぁコーヒーもらってもらおうかな・・・






あ、そういえば・・・・・


昔からよっすぃー、コーヒー嫌いだったんだ。

小さい頃から苦手だって言ってたもんね。


そういってコーヒーを持った手を引っ込めた。
223 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)19時10分02秒




そういって立ち去ろうとした時だった。




















ガタン










よっすぃーが自販機から取り出したのは、

紛れもなく、コーヒーの「BOSS」だった。








・・・よっすぃー、コーヒー好きになったのかな・・・・


昔は苦手って言ってたのに・・・・


やっぱり、変わったなよっすぃー。







だんだん・・・・・・


あたしの知らないよっすぃーになっていく。

知らないことが増えていく。




























すれ違っていく――――――――――
















224 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)19時37分18秒


次の日―――――――

休み時間にあたしはジュースを買いに行くことにした。




「ごっちん!」


突然、教室の角で友達としゃべっていたよっすぃーが名前を呼んだ。



「自販機行くならなんか飲みもん買ってきてくんない?」

「へ?」


そのままよっすぃーはポケットから財布をとりだし、あたしに投げた。



「ひゃっ」


いきなり財布ごと投げんなよー!!!







「もー、何買ってくればいいの?」

「何でもいー。あたしの好きそーなもん。」


んなのわかるかっつーの。


あたしはそのまま自販機へ向かった。

225 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)19時45分44秒


「えーっと、よっすぃーはどれにしよう・・・」


ふとその時、昨日のことを思い出した。

そうだ!よっすぃーにはコーヒー買えばいいんじゃん!



そういってコーヒーと、今度こそ飲茶楼を買って教室へ戻った。







―――――――――――――――





「よっすぃー!買ってきたよ!」


あたしはよっすぃーに財布とコーヒーを手渡した。


「おーっ。サンキュー」


そういってあたしはまたあゆみとおしゃべりを始めたのだった。





226 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)19時51分20秒


「「すみませーん、後藤先輩いますかー??」」


突然、教室に2人の後輩が入ってきた。


「へ?ごとー?」


あたしはそのコたちのもとへ行った。





「あ・・・あの、後藤先輩って吉澤先輩の隣の席ですよね???」



・・・は?!



「そうだけど・・・。」

「あの、これ頼みたいんです・・・」



そういって一枚の紙を手渡された。


その紙には、【好きな食べ物 嫌いな食べ物 趣味 特技 家族構成】などなど。。。


多分、このコたちはよっすぃーのファンだろうと思う内容だった。






「「お願いできますか??」」


「んー、いいよぉ。」


「「ありがとうございます!!!」」


そういってトタトタ走って去っていった。



あたしはそのメモを持ってよっすぃーのもとへいった。


227 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)19時58分18秒


「・・・ってことだから、ちゃんと答えてね!」

「あ〜・・、うん。」


よっすぃーはやる気なさげに返事をした。


・・・

「誕生日は?」

「7月7日」

「家族構成は?」

「父 母 弟 妹 兄 姉」


・・・


「・・・好きな食べ物」

「キャビア。」




バンッ



あたしは机を思いっきり叩いた。



「・・・なんだよ。」


よっすぃーは嫌そうにあたしを見た。



「ばーか、全部ウソじゃん。」

「なんで?」

「幼なじみなんだから、そのくらいわかるって。」


「さすが真希ちゃんはあとはあと


そういってニコッと笑った。


・・・コイツぅ・・・


「誕生日は4月12日、家族構成は父、母、弟でしょ!!」

「はーいそうでーす。」

「それに、よっすぃーのママはキャビア嫌いだからそれもウソ!!」



よっすぃーは再びニコッと笑った。


・・・・なんなんだよぅ・・・・・
228 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)20時02分58秒


「足のサイズ」

「25」

「好きな映画」

「あんま映画見ない。」

「好きな色」

「青」

「好きな歌手」

「ラッツ&スター」







「好きな食べ物」

「ベーグル、ゆで卵。」





「嫌いな食べ物」

「レーズン、煮魚・・・・」


































「コーヒー。」




ドキッ



・・・【コーヒー】・・・??



・・・・・・





「なーんてな!!全部デタラメ!!」

「・・・はぁ?!」

「アハハ。」



・・・なんなんだよぅ・・・

229 名前:とみこ 投稿日:2002年05月26日(日)20時03分37秒


更新終了です!!!!





230 名前:名無し男 投稿日:2002年05月26日(日)21時21分41秒
そう言えば昔紙コップの自販機でペプシ買おうと思ってボタン押したら
コーラの中身だけが出てきたっけ(w
んで、次の人がボタン押したら紙コップが2つ出ただけで中身が出てこなくて激しくワラタ
231 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月26日(日)23時11分56秒
よっすぃーは一体どうしちゃったんでしょうか…。
かなり気になります!

>>230
想像したら笑えました(w
232 名前:名無し☆ 投稿日:2002年05月27日(月)18時57分19秒
このよっすぃ〜いいですねぇ〜。
何考えてるかよくわからないけど。
ごっちんもかわいいです。
233 名前:名無し(0^〜^0) 投稿日:2002年05月27日(月)22時20分34秒
ココ見て一日の療養にしてます。疲れとれます(笑)
マタ〜リやちゃってくださいな。
234 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年05月28日(火)00時50分08秒
ちょっと来てないと、追いつくのに時間がかかりました。(汗;
梨華ちゃんと、別れてるし、市井ちゃんもえ”って感じでした。
続きが気になります。がんがってください。
235 名前:とみこ 投稿日:2002年05月31日(金)17時47分14秒

「真希ぃ、どうしたの?」

「・・・へ?」


学校の帰り道、ボーッと遠い目をしているあたしにあゆみが心配そうに話し掛けてきた。


「なんかさ・・・よっすぃーってよくわかんない。」

「よっすぃー?どうして?」

「なんかさ、言ってることがホントなのか冗談なのかわかんなくって。」



まったくホントだよ。

幼なじみで仲良かったのに、突然突き放して・・・・・

と思ったら突然からかってくるしさ・・・。



でも・・・・


嫌いになれないのはなんで?







「まぁ気晴らしにゲーセンでも行こうよ!!」

「んー。」


そのままあたしたちはゲーセンに入っていった。


236 名前:とみこ 投稿日:2002年05月31日(金)17時57分18秒

「あれ?あれってよっすぃーたちじゃない?」

「え?」


あゆみが指差す方向を見ると、よっすぃーが数人の友達とはしゃぎまくっていた。


・・・笑顔は、やっぱり昔と変わってない。



・・・

その時、よっすぃーとバチッと目が合った。

あたしは急いでその目をそらす。


・・・素直じゃないよね・・・。







ガシッ


「ふぇ?!」


突然よっすぃーがうしろから抱きついてきた。




「な、何?!」

「来てんなら話しかけろよー!」


・・・わっ。

なんか、久しぶりにこんな近くでよっすぃー見たかも。

背は大きくなったけど、小さい頃から変わっていない優しい目。



「あ・・・あたしジュース買ってくるっ!」

「あ、あたしのもよろしくー。」


その場を逃れるように自販機に走った。
237 名前:とみこ 投稿日:2002年05月31日(金)18時05分27秒

自販機の前に行くと、ちょうどよっすぃーと一緒に遊んでいた友達が走ってきた。


「後藤さんも飲み物頼まれたの?」

「んーよっすぃーにね。」


そういってあたしはコーヒーとジュースををひとつずつ買った。


「あれ?後藤さんコーヒー飲むの?」

「え?あ、これはよっすぃーの。」


あたしがそういうと、そのコは不思議そうな表情をした。


「え?よっすぃーはコーヒー飲まないよ。」



・・・え?





「嫌いだって、前聞いた。」


そういってそのコはみんなのジュースを買って去っていった。



・・・



あたしはよっすぃーにジュースを渡して、影で嫌いなコーヒーを飲んだ。


よっすぃーの視線を感じるのが、なんか嫌だった。

238 名前:とみこ 投稿日:2002年05月31日(金)18時11分36秒

ごめんね、あたし


コーヒーが嫌いだなんて知らなかったんだ。



・・・『嫌いな食べ物、コーヒー』・・・




あれも、本当だったんだ。

デタラメなんかじゃ・・・ない・・・




あたしマジボケだよ・・・







ごめんね








ごめんねよっすぃー・・・・・







「飲みなよ。」


そういってよっすぃーはジュースを差し出した。




あたしは・・・・・



なぜか、すごく泣きそうだった。



「ごっちんもコーヒー、そんなに好きじゃないんでしょ?」


よっすぃーは無表情でそういう。



「幼なじみだから、それくらい知ってるよ。」



・・・そんなよっすぃーを、あたしはただ見つめるだけ――――



「な、別に汚くないよ?」


苦笑いなよっすぃーを見て、特別な感情が芽生えた。


ううん、これは、昔からきっと決まってたこと――――








あたし、だめだあたし・・・


コイツのこと好きだ・・・


よっすぃーのこと



















好き―――――







239 名前:とみこ 投稿日:2002年05月31日(金)18時17分35秒
更新終わりです。

>名無し男さん
>そう言えば昔紙コップの自販機でペプシ買おうと思ってボタン押したら
>コーラの中身だけが出てきたっけ(w
>んで、次の人がボタン押したら紙コップが2つ出ただけで中身が出てこなくて激しくワラタ
今このレス見て自分、激しくワラタ(w
苦い経験ってあるんですね。

>名無しさん
>よっすぃーは一体どうしちゃったんでしょうか…。
どうなっちゃったんだろう・・・。(何
続きを推理してみてください!(w

>名無し☆さん
>このよっすぃ〜いいですねぇ〜。
ありがとうございますっ!!何考えてるかよくわからないですけどね^^
ごっちんがかわいいのは当たり前です(w

>名無し(0^〜^0)さん
>ココ見て一日の療養にしてます。疲れとれます(笑)
マジですか?療養だなんて嬉しい!マタ〜リやちゃいます。

>よすこ大好き読者。さん
展開の切り替えが早くって・・^^
何しろ飽きっぽいもんですからねぇ。(え
240 名前:名無し男 投稿日:2002年05月31日(金)18時56分47秒
吉澤は優しい、のか?


いまいち断言できない自分
241 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月31日(金)22時24分15秒
後藤さんよっすぃーに再熱ですな。
よっすぃーの行動が気になります!
242 名前:brett 投稿日:2002年06月01日(土)02時16分19秒
今度こそごっちんはヨッスィーと上手くいくのか、それとも...
期待です!
243 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時14分28秒
>名無し男さん
吉澤は・・・裏を隠して、いくつもの表をうまく見せることができるのです。
だからごっつぁんはいろんな「表」に悩まされているのですです。

>名無しさん
>後藤さんよっすぃーに再熱ですな。
ポッポしちゃいましたよ(w
また惚れちゃうのかな???

>brettさん
>今度こそごっちんはヨッスィーと上手くいくのか、それとも...
そこをひねってひねってひねるのが私の仕事です(何
期待よろしくおねがいしまっす!
244 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時30分29秒

次の日――――


「「後藤先輩!!」」


休み時間、こないだの後輩2人が教室にやってきた。


・・・あ、そうだ。


あたしはよっすぃーへの質問の紙を持って廊下に出た。








「ごめんね、遅くなって。」

「「キャー!!」」


その紙を渡すと、そのコたちは声を上げて喜んだ。


「「ありがとうござ・・・・」」


お礼を言う後輩たちの視線は、あたしのうしろへ向いた。














パシッ



「・・・っ!」



突然現れたよっすぃーが、うしろから紙を取り上げた。



「「吉澤先輩・・・???」」

245 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時34分54秒


「ちょっ、返してよ。」


あたしは必死に紙を取り返そうとした。

しかし、背の高いよっすぃーにはかなうはずもない・・・。


よっすぃーは後輩の前へ立ってニコッと笑った。




「聞きたいなら自分で聞けば?」


「「・・・・。」」









ピリ・・・・

ピリピリピリピリ・・・



よっすぃーはあたしたちの目の前で紙をこなごなに破いて捨てた。










「ごっちんをパシリにすんじゃねぇってーの。」


よっすぃーの言葉に、彼女らは固まったままあとずさりをした。

そして、ビビりながらその場を去っていってしまった。









「」
246 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時36分29秒

最後ミスりました。

247 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時45分23秒


そのまま、よっすぃーは何事もなかったように歩き出した。



「・・・っちょっとよっすぃー!」


よっすぃーはピタッと足を止めた。






「何?」



「・・・っ、答えたのよっすぃーじゃん!」

「だから?」

「あのコたちかわいそうじゃん!」

「・・・・・・・・。」



よっすぃーはまたニコッと笑った。


「また書けばいいじゃん?聞いたのごっちんでしょ?」

「・・・・でもっ」

「ま、覚えてればね。」


そういってまた勝手に歩き出す。

























「覚えてるよ。」



よっすぃーはフッと立ち止まった。





「身長167、靴のサイズ25。」



誰もいない廊下―――――――


あたしの声だけがかすかに響いた。









「家族構成、父・母・弟。好きな色、青。好きな食べ物、ベーグル・ゆでたまご。」



覚えてるも何も―――――





昔から、知ってるよ。




248 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時45分53秒







「嫌いな食べ物・・・・・レーズン、煮魚。」















・・・


「嫌いな飲み物・・・・」






















「コーヒー。」




その言葉によっすぃーはピクッと反応した。

249 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時49分34秒



「でも一度、ガマンして飲んでくれた。」




・・・


気付かずに






涙が、出た―――――


・・・



「昔から・・・」
















「字は右上がりだし、シャーペンを持つときは必ず指の先でまわす。」





























「んなの、ごっちんが覚えてどうすんの。」







そういってよっすぃーは早足で歩き出した。


今度は、もうとまらなかった。



・・・・・
250 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時52分42秒


「いいかー、ここテストに出るぞー。」



授業中――――


こういうとき、隣って気まずいよなー・・・









クルッ




よっすぃーは指の先でシャーペンを回した。





【シャーペンを持つときは必ず指の先でまわす。】



なんで、そんなこと覚えてんだろ。


ばっかみたいじゃん。



――――――――――




251 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時56分03秒




あたしはノートの端をビリッとやぶいた。



そして、シャーペンをギュッと握って・・・・



【スキ】


とひとこと書いた。







その紙を、隣の席へ滑らせた。







「・・・・。」




よっすぃーは何も言わずにその紙を見つめた。



あたしはずっと・・・・、目をつむっていた。
























ピリ・・・






ピリピリピリ・・・



ピリ・・・ピリ・・・・




さっきの紙をやぶるように、


同じ音。紙をやぶる音。



・・・・フラれるなんてこんなに簡単・・・・・・



こんなに・・・簡単・・・・





















ガバッ











252 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)21時59分35秒


一瞬の出来事だった。



よっすぃーの長い腕が、あたしの肩をつかんで抱き寄せた。


そして、唇が強く重なった。













どう・・・して・・・・?















唇が離れた時、よっすぃーは真っ二つにやぶれた紙を机に並べた。


【ス】と【キ】の文字のふたつの紙になっていた。


【ス・キ】







よっすぃーは無言でそれを動かした・・・









【キ・ス】






















君のほうが――――








一枚上手。




253 名前:とみこ 投稿日:2002年06月01日(土)22時00分33秒


更新終了です。


254 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月01日(土)22時45分59秒
おおっ!嬉しい展開♪授業中にキスするとはよっすぃーも大胆ですね☆
255 名前:名無し☆ 投稿日:2002年06月02日(日)09時59分25秒
キャーッよっすぃ〜!!
ごっちんがうらやましいです☆
あたいにも…(爆)
とみこさんが書くよっすぃ〜は男前ですなっ^^
好きです♪ってか自分、よっすぃ〜ファンです☆(謎
256 名前:とみこ 投稿日:2002年06月03日(月)09時29分12秒
>名無しさん
大胆なよっすぃー書いてみました^^
はぁ、昨日のハロモニのよっすぃーカワイかったぁ!!!!!!!(壊

>名無し☆さん
>キャーッよっすぃ〜!!
キャー――――!!よっすぃー!!!(再壊
ほんとよっすぃーはいいですよね!カッコイイし可愛いし。
いろんな面で書きやすいです。
257 名前:とみこ 投稿日:2002年06月03日(月)09時57分15秒
おとといは我が中学校の体育祭でした。
東日本の日差しのせいで黒コゲうんこになりました。
さぁ、今日は振替休日です。気が向いたら更新します、、、(ぅわ
258 名前:とみこ 投稿日:2002年06月03日(月)15時41分28秒

キーンコーンカーンコーン


直後チャイムがなって、休み時間に入った。

あいにく、一番後ろの席のあたしとひとみは誰にも見られていなかったようで

いつもどおりの休み時間が訪れた。







ただ、あたしの心拍数だけは、いつもよりメチャクチャ速かった。







よっすぃーはニコッとあたしに笑いかけると、そのまま教室を出て行った。





「・・・・・。」










な、な、






なんなの〜〜〜〜〜〜?!?!?!

259 名前:とみこ 投稿日:2002年06月03日(月)18時19分21秒


「え?!よっすぃーとキス――――・・・んぐっ」


あたしはいきなり大声で叫ぶあゆみの口を塞いだ。


「バカ、声がデカい・・・」

「ご・ごめん・・・。でもホントに???」


コクリと頷いた。


・・・


「なんでかな・・・よっすぃーあたしのこと嫌いだと思ってたのに。」

「うーん・・・やっぱり梨華ちゃんと別れて好きになったとか。」

「・・・・・。」



よっすぃーが・・・あたしを好き?

そんなこと夢にも思わなかったよ。

でも・・・これで本当にいいのかな?








「真希はよっすぃーのことどう思ってるの?」

「へ?」

「好きなんだったら両思いじゃん。」



・・・ごとー・・・?


ごとーは、ごとーは・・・


え、好きなのかな。

わかんないよ。



う〜〜〜〜〜〜ん!!!

























「・・・好き、カナ?」


260 名前:とみこ 投稿日:2002年06月03日(月)18時20分13秒


ハンパだけど更新終了です♪


261 名前:カム 投稿日:2002年06月03日(月)19時30分50秒

ご無沙汰してます。
更新お疲れ様でした。
いや、更新ペースがスゴイ。自分も見習わなければ…

いしよし&いちごまで落ち着くのかなーと思っていたら
ちょっと見てない間にいきなりの急展開。しかも風向きはよしごまっすか?
ごっちんの行動に期待してます、頑張ってください!
262 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月03日(月)21時49分01秒
む?両思いかと思いきやまだ何かありそうですな。
とにかく期待!!
263 名前:名無し男 投稿日:2002年06月05日(水)11時54分03秒
これは祭の準備をした方がいいですかね?
264 名前:とみこ 投稿日:2002年06月05日(水)21時19分53秒
>カムさん
久しぶりです!こんばんは。
なにしろ私はきまぐれななもんで、話の展開の切り替えは早いです^^
そんな感じでがんばりまっせぇ!!!

>名無しさん
>む?両思いかと思いきやまだ何かありそうですな。
ど、ど、ど、どうでしょぉ!!(焦りすぎ
お待ちくださいな〜♪

>名無し男さん
>これは祭の準備をした方がいいですかね?
どうでしょう・・・とりあえず準備だけ!(w
265 名前:名無し(0^〜^0) 投稿日:2002年06月05日(水)21時23分13秒
>>263
しましょう、盛大に(w
作者さん、ガンガッテ〜!!
266 名前:とみこ 投稿日:2002年06月06日(木)16時04分39秒


「真希〜!!おしょうゆ買ってきて!」

「はぁい。」








PM 7:00

スーパーまでの道を、ただぼんやり歩いていた。


・・・頭の中は、よっすぃーでいっぱい・・・




いま、こうしてお互い好きになれた。

でも、前はどうだったのだろう。

・・・あの時、どうして突然避けたの?

梨華ちゃんのため・・・?梨華ちゃんだけを見ていたから?





・・・・わからない。




「こら。」



どうして―――――



「こら、こらこらっ」



・・・



「フツー気付かないで行っちゃうかなー?」




え?



あたしの足はピタッと止まった。





























「よっすぃー・・・?」


267 名前:とみこ 投稿日:2002年06月06日(木)16時35分13秒


すれ違ったことにも気が付かなかった。

隣にはニコニコと笑っているよっすぃー。

暗くてよくみえないけど、いつもながら整った顔立ちだ。




「おつかい?」

「あ、うん。よっすぃーは?」


そういうとよっすぃーは手に持っているモノを掲げた。







「・・・花火?」

また彼女は笑う。


「そっ。ごっちんと一緒にやろうと思ったらおつかい行ったって言ってたから。」

「いいねぇ、やろうはあとはあと



そういって近くの公園に向かった。

268 名前:とみこ 投稿日:2002年06月06日(木)16時43分37秒


「ほら、危ないよごっちん!」

「ヘーキだよぉ〜。」


あたしは両手に花火を持って、夜の公園を眩しく光らせた。



「ほら、よっすぃーもっ。」

「・・・ったく、変わってないな、ごっちんは。」


勢いよく吹きだす火花に、2人で騒ぎまくっていた。


・・・



「あ、もう花火ないや。」

「え〜っっ」


「ごっちんの好きな線香花火、売ってなかったよ。」

「うそぉ・・・あれがなきゃ花火って感じしないんだよねぇ。」





そして時間は過ぎていく―――――








「ねぇ、よっすぃー。」

「ん?」


帰り道、あたしたちはのんびり歩いていた。



「今言うことじゃないかもしれないけど・・・・・」

「・・・?」




















「あの時、どうしてごとーを避けたの?」



・・・


よっすぃーはすぐに返事を返さなかった。






















「あれは・・・・・・」







269 名前:とみこ 投稿日:2002年06月06日(木)16時51分33秒







「あれは・・・・・・なんていうか・・・・・」


「梨華ちゃんを好きになったから?」


あたしの質問に、よっすぃーは眉間にしわをよせた。







「いや、簡単に言えばさ・・・・」

「・・・うん?」











「あたしは、ひとりの人しか大切に思えないんだ。」

「大切・・・に?」








「あたしはずっと、ごっちんを幼なじみとして大切に思ってた。」

「うん・・・。」

「けど、梨華ちゃんに会って・・・ごっちんと同じくらい大切に思うようになった。」



「・・・うん。」




だんだん、切なくなってきた。




よっすぃーも・・・・きっと同じように―――――










「でもやっぱ・・・その時は、その・・・・・・・・・・・

梨華ちゃんが、1番大切だったんだ。・・・あたしは不器用だから、

2人を大切にすることもできないし、愛することもできない。思うこともできない。そんな自分が嫌になった。」



よっすぃーはそこでいったん話を止めた。


あたしもずっと黙っていた。



・・・



声を押し殺して、泣いた。





270 名前:とみこ 投稿日:2002年06月06日(木)17時34分00秒






「でも・・・・」


そして重い口をもう一度ひらいた。



「ごっちんが、それで傷ついてることに・・・・・気がつけなかった。」













「自分の身勝手さに、ホント嫌んなって・・・・・・。」
























「ごめんね。」
















よっすぃー・・・






―――――



そのまま自然とつないだ手を、ずっと離さなかった。


もっとよっすぃーと居たいと思った。



ホントに・・・大好きになった。









「あ!!」

「な、何??」


あたしの大声によっすぃーは少々驚いていた。










「おしょうゆ、買うの忘れた!!」

「はぁ??」

「おつかいだったんだもん!わ〜どうしよう!!」


よっすぃーは握った手をキュッと引っ張った。






「うちのおしょうゆでも使いますか?」

「へ?」

「幼なじみだもん。」



よっすぃーはそういってニコッと笑うのだった。


久しぶりに見た、昔と変わらない笑顔。





やっぱり、あたしはコイツにベタ惚れだ。



・・・


271 名前:とみこ 投稿日:2002年06月06日(木)17時35分13秒


続く。


272 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年06月07日(金)22時29分39秒
ようやく二人と素直になれたかな?
続きが楽しみです。がんがってくださいね。
273 名前:とみこ 投稿日:2002年06月08日(土)09時35分08秒
>よすこ大好き読者。さん
>ようやく二人と素直になれたかな?
これから大波・・・なんでもないです(w
とにかくがんばるぞー!!今日も暑い。。。
274 名前:とみこ 投稿日:2002年06月08日(土)09時37分19秒


市井視点はじめます。


275 名前:とみこ 投稿日:2002年06月08日(土)09時45分50秒


(市井視点)









矢口とやり直してから、平和な日々がつづいていた。

最近短大に行き始めた矢口は、一緒に住んでいたあたしのマンションを離れ、
短大の近くのアパートへ引っ越した。

喫茶店も今はひとりで経営している。なにしろ矢口は忙しくて・・・。
なかなか会えないんだなこれが。気まぐれだから、あのコは。



「あいよ、じゃぁまたあとでな。勉強がんばれよ。」

『おぅ!紗耶香もがんばれ!』

「ばいばーい。」


ガチャ


学生が来ない午前中のこの時間帯は、本当に客足が少ない。

今日は忙しい矢口が久しぶりに電話をしてきたのだった。



カランカラン・・・


「あ、いらっしゃいませ〜。」


店に入ってきたのは、綺麗な茶色の髪に、健康的な小麦色の肌の女の子。

高校生ぐらいだと思うんだけど。

最近毎日この店に来ている。そしていっつも携帯でメールを打っているのだ。

276 名前:とみこ 投稿日:2002年06月08日(土)10時15分38秒
今日もカウンターに座って、「ミルクひとつ」といって、メールを打ち始めた。


・・・いっつも誰に打ってるんだろう。







「はい、ミルク。」

カウンターにミルクを置くと、彼女は軽く頭を下げた。



「ねぇ、いっつも誰に打ってるの?」

あたしがそう尋ねると、メールを打つ手をとめてこっちを向いた。







「あ、自分です・・・。」



・・・へ?

一瞬、耳を疑った。


「自分?」

彼女はコクリと頷いた。


「自分を元気付けるために、自分に打ってるんです。」

彼女は寂しそうな目でそういうと、また携帯に視線を戻した。


・・・ナンか、事情でもあんのかな。



「ねぇ、そこの高校のコだよね?」

「え?あ、ハイ。」

「学校は・・・?」

「夏休みですよ。」


あ!!夏休みか〜!!いいなぁ、高校生は!!

たしかに最近そこの高校生見ないもんなぁ。

なるほどね。



277 名前:とみこ 投稿日:2002年06月08日(土)10時34分17秒

「あ、そうだ。元気が出るおまじない。」

「・・・え?」


そのこは目を見開いて聞き返した。


「目、つむって。」


目をつむった彼女の手に、一枚の紙を渡した。

そう、携帯にアドレスだ。

彼女は目を開いてその紙を見た。


「・・・これ・・・?」

「あたしでよければ元気付けるよ。ね?」

「・・・・ありがとう。」

「お勘定はオマケ!また来てねはあとはあと


そういってその1日は終わった。
278 名前:とみこ 投稿日:2002年06月08日(土)10時34分57秒
更新終了
279 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月08日(土)23時11分21秒
・・・なんだかやな予感。
さやまりの幸せを祈ります。
280 名前:名無し男 投稿日:2002年06月09日(日)14時15分40秒
市井は優しい所がイイ!(・∀・)
しかし優しすぎるのも困った罠
281 名前:とみこ 投稿日:2002年06月09日(日)16時42分11秒
>名無し読者さん
>・・・なんだかやな予感。
ふふふ・・・(?!)ばっちり期待通りにしちまいます!(w

>名無し男さん
>市井は優しい所がイイ!(・∀・)
市井は誰にでも優しいんだ!しょうがないんだよ名無し男っつぁん!!!!(壊
282 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月10日(月)15時58分22秒
初レスです。
いつも読ませていただいてます。
市井ちゃん、優しすぎ。
女を不安にさせるタイプですね。
では、続き楽しみにしてます。
283 名前:とみこ 投稿日:2002年06月14日(金)18時34分52秒
初レスありがとうございます!
市井ちゃんは優しくて突然冷たくなるジコチューなキャラです(何
でもそんな市井ちゃんが、私はすきです(?)
ごまべーぐるさん、どこかで名前を拝見したような。。。
何か小説書かれていますか?
284 名前:とみこ 投稿日:2002年06月14日(金)18時45分49秒


アドレスを教えた翌日、彼女からメールがきた。

彼女の名前は、【石川梨華】というらしい。

そこの学校の高3で、後藤や吉澤よりひとつ年上だ。

外見からしたら極フツーの高校生(結構カワイイ)だけど、

悩みやなんかで、何かしら奥が深そうなコだな・・・・。








午前7:00 いつものように開店時間。


あたしは矢口に電話をしていた。



プルルルル・・・・・



『もしもしー?』

「あ、市井ですけどぉ、元気してるー?」

『・・・・あ、ちょっと待って・・・』

「え?」

『ごめん、今友達といるから!バイバーイ!』


ガチャ










・・・・え?


一瞬、耳を疑った。

いつもなら「おー元気だよぉ!」とか、「紗耶香愛してるよはあとはあと」とか言うのに、

今日に限って、友達といるから切るってオイ・・・・


・・・


あたしはちょっとムスッとしながら受話器を置いた。
285 名前:とみこ 投稿日:2002年06月14日(金)18時48分54秒



カランカラン・・・・


「いらっしゃ・・・あっ梨華ちゃん。」

「こんにちは。」


梨華ちゃんは、店に入るなりカウンターに座った。


「ミルク、ひとつ。」

人差し指を立ててニコッと笑った。

その笑顔が妙に優しくって、カワイくって、



ちょっとドキッとした。







「そういえば、市井さんは付き合ってる人とかいるんですか?」

「え?あー・・・うん。でもなんか今日電話でビミョーな感じだったんだよねぇ。」

「ビミョー?」

「なんか、そそっかしいっていうか、上の空みたいな・・・」


ホント、どうしたんだろう矢口・・・・


「そうなんですかぁ・・・」

「ま、気まぐれだからそのうち戻るとおもうけど。」


286 名前:とみこ 投稿日:2002年06月14日(金)18時52分04秒


「梨華ちゃんは?」


「・・・・・え?」

「付き合ってる人、いないの?」

「・・・うん、いないです。好きな人は・・・いるけど。」

「へー!やっぱ学校のコ?」

「うん。すごいモテてて、彼女もいる。」

「マジでぇ?でも梨華ちゃんカワイイから大丈夫だよ!頑張って!!」


あたしは小さくガッツポーズをした。


「ありがと、市井さんはあとはあと

「いーえはあとはあと


・・・・・
287 名前:とみこ 投稿日:2002年06月14日(金)18時52分49秒


微妙ですがこうしんしゅうりょう
288 名前:カム 投稿日:2002年06月14日(金)23時05分35秒

行進お疲れさまです。
や、なんかもう市井ちゃむも矢口さんも石川さんも
みなさん気になるセリフ吐きまくりです。
もう駄文が書けなくなりそうですよほ。。。とみこさん、これは罠ですか?(w
289 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)08時53分16秒
>カムさん
レスありがとうございます。
気になるセリフ・・・そういうの吐かせるのっておもしろいですよね(w
駄文ってアンタ・・・(?)カムさんの素ん晴らしい作品は、
いつも楽しく読ませていただだいてますよ♪
お互いがんばりまっしょい!
290 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)09時01分42秒

次の日の朝、店に行くなり昨日の矢口の様子を変に思って電話をした。



プルルルル・・・・・・


『もしもしー?』

「あ、矢口?市井だけど・・・」

『あーどうしたの?』

矢口は何だか面倒くさそうにそう答えた。


「なんか、機嫌悪いの?」

『悪くないよ。なんで?』


十分悪いって・・・


「・・・いや、やっぱいいや。」

『・・・・・紗耶香さ。』

「え?」

『矢口、短大結構忙しいんだ。だから夏休み中はずっと会えないと思う。』


・・・・え?



「だ・だって、休みがあるって言ったじゃん!」

『矢口だってひとりで休みたいもん!』

「・・・なんだよそれっ。」

『もーいいや、友達呼んでるから切るよ!』

「ちょ、矢口?!」


プツ、


プーップーップー・・・




あたしは受話器を持ったまま、そこに立ちすくんだ。



291 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)09時10分41秒


・・・・意味わかんないよ・・・・

あたし、何かした?

しばらくしてもう一度矢口の携帯へ電話をかけた。


プルルル・・・・・


『はい。』

「矢口、あたし何か・・・」

『紗耶香。』

「・・・・え?」

『矢口さ、明日から短大の旅行なんだ。だから電話・・・無理だから。』

「旅行・・・?」

『そう。だから、やっぱり夏休み中は一度も会えない。』

「・・・・・なんか怒ってるでしょ。」

『怒ってないよ。』

「怒ってる!」

『・・っ怒ってないっていってんじゃん!紗耶香ヘンだよ!』

「ヘンなのは矢口だろ?!いつもと態度違うじゃん!」

『・・・っもういいよ、バイバイっ!!!』


ブチッ


そういって強制的に電話は切られた。

292 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)09時11分15秒



あたしは、悔しいのと悲しいので、こぶしをギュッと握り締めた。



・・・・どうしたんだよ矢口・・・・


あたし何かした・・・・?

矢口、あたしをもう好きじゃなくなったの・・・?

あんなに仲良かったのに・・・せっかくやり直せたのに・・・・・









あたしたちって・・・・・・・













こんな脆い関係だったっけ・・・・・・・?






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
293 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)09時28分28秒

こしんしゅりょ(?
294 名前:名無し男 投稿日:2002年06月15日(土)19時22分06秒
あららられられれらられらららら
あわわわわわわわわわ泡ワワ輪わあわわ
んGろえいjhんptwbsbdvfgみgjれお

何にににのねの!?ななななな!!!
295 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月15日(土)19時47分08秒
お〜ぅ!強制的に切られた電話はつらいなぁ。
それでは続き期待してます。
296 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)21時27分09秒
>名無し男さん
全体的に落ち着いてください(w
苦あれば楽あり、楽あれば苦ありなのです。

>ごまべーぐるさん
>お〜ぅ!強制的に切られた電話はつらいなぁ。
うぅ・・・市井に同情しちゃうぜ最近・・・
がんばりまっす!
297 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)21時30分58秒


「市井・・・・さん?」


突然、耳元であの甘い声が響いた。

振り向くと、そこにはあたしをホッとさせてくれるあなたが―――――





「梨華ちゃん・・・・・。」


電話を切ったあとのまま、ずっと立ちすくんでいたあたしを心配そうに見ていた。




「・・・泣いてる・・・」



そういって彼女はあたしを覗き込んだ。

矢口への悔しさと悲しさと、梨華ちゃんのその表情に、また涙がポロポロ出た。

・・・市井らしくないよね・・・





「何があったかわからないですけど、泣かないで下さい。」


そういって梨華ちゃんはあたしをギュッと抱きしめた。




・・・・・心から温かい感情であふれた―――――



「ありがと・・・」


298 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)21時37分17秒


梨華ちゃんをカウンターに座らせると、外に『本日休業』の板を貼った。

そのまま、今日はカウンター越しではなく、彼女の隣に座った。



・・・・


そして、矢口のことを大雑把に話した。




・・・・



「そうなんですか・・・じゃぁ最近突然冷たくなったんですか?」

「そう。後藤の時みたいにバカップルはできないけど、ここまで冷たくされるとね・・・。」

「後藤・・・?」


梨華ちゃんはその名前に反応した。



「え?あ・・・前に付き合ってたんだ。」

「もしかして、後藤・・・真希ちゃん?」

「そう!何で知ってるの??」

「隣に住んでるの。それに―――――――」

「それに・・・?」





そこから、梨華ちゃんの過去の話へさかのぼった。

299 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)21時42分36秒



話を聞いて、驚いた。

大雑把にまとめると――――







梨華ちゃんが引越してきた時、隣に住んでいた『吉澤ひとみ』を好きになった。

そう、あの後藤の恋人の。あたしとケンカをしたあの吉澤ひとみだ。

でも梨華ちゃんは吉澤を好きになった。でも吉澤には幼なじみの真希という存在がいた。

しかし、突然吉澤は梨華ちゃんにに告白してきた。それで付き合い始めた。

そう・・・それが後藤とあたしが出会ったきっかけ―――――

あの時泣いていたのは、吉澤を梨華ちゃんに取られたからだったんだ・・・。




「本当に楽しかった。毎日幸せで、ずっとこんな日々が続けばいいと思った・・・」



と梨華ちゃんは言った。


――――――



しかし、突然吉澤は梨華ちゃんに別れを告げたのだ。







・・・・そして今は、後藤と付き合ってる・・・と。



偶然にもほどがある。


300 名前:とみこ 投稿日:2002年06月15日(土)21時46分11秒


「ってことはさ・・・」

「・・・うん?」




「吉澤が後藤をふって梨華ちゃんと付き合って、そのころ後藤とあたしが出会って付き合った。」


「・・・うん。」


「でもあたしは矢口と付き合って、後藤はひとりになった。」


「・・・・うん。」



「でも吉澤は突然梨華ちゃんと別れて、後藤と付き合った・・・ってことだよね。」


「・・・そう。それが今の状況・・・だよね。」



あたしと梨華ちゃんは、無言でしばらく考えていた。









今ここで梨華ちゃんと出会ったことは偶然だけれど――――





あたしはふっと思った。
















出会えて、よかったんじゃないか。


運命だったんじゃないか・・・・・・








301 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月15日(土)23時09分49秒
いちいし好きです!かなり嬉しい☆
302 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月15日(土)23時41分13秒
おいおい・・なんでそうなるんだよ
303 名前:名無し娘。 投稿日:2002年06月17日(月)00時40分40秒
>302 
まったくだ(w
304 名前:名無し男 投稿日:2002年06月17日(月)00時47分29秒
あああああああよくわかるよ、うん
でもそりゃいかんいかんいやんはあとはあと
平穏無事にはいかんよね、この状態は
絶対大嵐吹くよね? (((;゚д゚)))ガクガクブルブル
305 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月17日(月)13時39分30秒
矢口がまた冷たくなったからって今度は石川って・・。
306 名前:皐月 投稿日:2002年06月17日(月)20時31分55秒
市井はやすぎっ!
矢口はどーした?
307 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月17日(月)20時47分23秒
市井わかんねぇ〜(w
とにかくスゴイ展開だ…。
308 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月18日(火)17時19分46秒
いちーが早くてビクーリ(w
309 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月19日(水)09時18分59秒
ありえねぇ(w
310 名前:カム 投稿日:2002年06月22日(土)04時32分07秒

いちーちゃんってばロマンチストさん(w
矢口の態度急変ぶりも気になるし、更新お待ちしてます。
311 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月23日(日)00時27分54秒
ちゃむ、ごちんの時みたいに梨華ちゃんをヤリ捨てたら許さへんぞ(w
312 名前:とみこ 投稿日:2002年06月25日(火)19時09分23秒
>名無しさん
>いちいしいいですよねぇ。でも反対も結構・・・^^;

>名無し読者さん・名無し娘。さん
>おいおい・・なんでそうなるんだよ
勝手な作者でごめんなさい・・・・・・・^^;

>名無し男さん
絶対大嵐吹きます、すみません(w
313 名前:とみこ 投稿日:2002年06月25日(火)19時10分25秒

>名無し読者さん
>矢口がまた冷たくなったからって今度は石川って・・。
うぅ・・・辛口おおいっすねぇ・・・・でも根気よくがんばります。

>皐月さん
>市井はやすぎっ!矢口はどーした?
うぅ、辛口辛口・・・・・・・(w
期待裏切りまくって、市井の行動に大嵐吹きます、すみません。

>名無し読者さん
もう市井わけわかんなくていいです!(爆
わけわかんないまま更新!!

>ごまべーぐるさん
>いちーが早くてビクーリ(w
ほんの気の迷いであることを信じて・・・・・・(w

>名無し読者さん
>ありえねぇ(w
ありえちゃったんです、ごめんなさい(さっきからあやまってばっかり)

>カムさん
矢口にもワケアリ・・・?ご期待ください・・・・。期待うらぎりますので(うわ

>名無し読者さん
>ちゃむ、ごちんの時みたいに梨華ちゃんをヤリ捨てたら許さへんぞ(w
ど、どうでしょ・・・(汗
純粋に浮気してください、ちゃむ!



すみません。期末テスト勉強でずーっと更新サボってました・・・(氏ね
今日も更新できそうにありません。本当にごめんなさい!!
がんばります!
314 名前:とみこ 投稿日:2002年06月26日(水)17時46分14秒
よし、更新するぞ!
315 名前:とみこ 投稿日:2002年06月26日(水)17時53分13秒


店を閉めて、あたしは暗い夜道をひとり歩いていた。





2人の、大切な人のことを考えながら。








梨華ちゃん。


吉澤の『モトカノ』
後藤の『トモダチ』

市井の・・・・・



わからない・・・・・。


こうして出会ったのはなぜ?

あたしは、矢口を愛している・・・・はずなのに。
































今、本当に愛してるのは・・・・・・・誰?











316 名前:とみこ 投稿日:2002年06月26日(水)18時21分21秒



梨華ちゃん・・・・・・じゃないよ。


本当に愛してるのは、矢口だよ・・・・。

だって、あんなにがんばって、あんなにアピールして、

やっと、矢口を振り向かせた。



それで冷たくされて・・・・・・・

















でもそれで諦めてるあたしって・・・・何なの?



あの時、矢口を振り向かせようとしていた気持ちは・・・・・・



・・・・・・・・・



あたしは本当に『大切な人』は矢口だと気付いた。


ふたりで、幸せになろうって決めたもんね。


梨華ちゃんのことは、妹にしか思ってないよね。きっと。

そういって、しっかりした足取りで家路をたどった。



・・・・・・・・












あたしはそのとき、どうして梨華ちゃんの気持ちに気付いてあげなかったんだろう。
317 名前:とみこ 投稿日:2002年06月26日(水)18時23分12秒
























318 名前:とみこ 投稿日:2002年06月26日(水)18時37分39秒


次の日―――――――



カランカラン・・・・



「いらっしゃ・・・あ、梨華ちゃん。」

「こんにちは。」


梨華ちゃんはカウンターに座ると、あたしはミルクを出した。



「市井さん。」

「んー?」

「明日、空いてますか?」

「え?」



突然の質問にビックリした。


「うん。空いてるよ?」

「お昼一緒に食べませんか?あと・・・相談がちょっとあるんで・・・・」





えっと確か・・・・・矢口が帰ってくるのはあさってだったよな・・・・

いや、別に見られても後ろめたいことはないけどさ。

一応誤解をうまないために、ね。





「うん、いいよ。じゃぁ・・・ちょっと都会でも出ますか。」

「はいはあとはあと


こうして約束を交わしたのだった。






319 名前:とみこ 投稿日:2002年06月26日(水)18時50分06秒




すみません、ホントに勉強の合間に更新したから文章グチャグチャです・・・
そしてまた勉強するので、今日はこのへんで・・・・ごめんなさい。
320 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年06月26日(水)22時47分29秒
作者さん、また〜りいきましょう。
勉強がんがってくださいな!
321 名前:名無し男 投稿日:2002年06月28日(金)19時29分14秒
餅ついて餅ついて
浅呼吸して
手に鳩と言う字を書いて呑みましょう
322 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年06月29日(土)08時21分27秒
マターリ、マターリお待ちしております。

( ´D`)ノ<おべんきょうもがんがってください!
323 名前:とみこ 投稿日:2002年06月30日(日)18時45分08秒
>吉澤ひと休みさん
>作者さん、また〜りいきましょう。
人生また〜りですよね!はい!

>名無し男さん
こらえてたけど鳩かいて食べてってとこでワラタ!!!

>ごまべーぐるさん
マターリ、マターリ・・・その言葉好きよ(`.∀´)
324 名前:とみこ 投稿日:2002年06月30日(日)18時48分36秒


翌日、あたしと梨華ちゃんは渋谷に来ていた。

午前中から居たので、いろんなお店を見たりしてそれなりに楽しんだ。



「市井さん、お腹すきません??」

「あたしも今そう思ってた。」


そういって顔を見合わせ、ニコっと笑った。

改めてみる梨華ちゃんは、可愛かった。








近くのファミレスに入って、食事を頼んだ頃だった。


325 名前:とみこ 投稿日:2002年06月30日(日)18時53分29秒


「市井さん・・・・・その、相談・・・なんですけど。」

「あ、そうだそうだ。どうしたの?」


梨華ちゃんはアイスティーをに含むと、深刻な表情でこっちを向いた。
























「今、好きな人がいるんです。」


「・・・・好きな、人?」


梨華ちゃんはこくりと頷いた。



「それは、もしかして吉澤じゃないよね?」


梨華ちゃんは首を振ると、また話し出した。


「よっすぃーじゃぁないんです。もうよっすぃーは、諦めたし・・・。」


「じゃぁ誰?」


「・・・名前は、言えないんですけど・・・年上の人で、すごい頼りになって、
ホントに・・・・・大好きなんです・・・・・。」


今にも泣きそうな表情の梨華ちゃんを見ると、

なんだかそれは叶わない恋なのかなぁ・・・と悟った。









梨華ちゃんが、好きになる人ってどんな人?



















326 名前:とみこ 投稿日:2002年06月30日(日)19時00分37秒



「それに、その人は付き合ってる人がいて、だから叶わないんです。
でもやっぱり好きだから、もうどうすればいいかわかんなくって・・・。」



・・・本当に泣きそう・・・

こっちまでなんだか心情を煽られるよ。



「・・・・で、でもさっ!叶わないって思ってると、叶わないんじゃないかな?」


「・・・・・・え?」


「あたしだったら、まずその人に気持ちを伝えるけどな。」


梨華ちゃんは驚いた表情であたしを見た。


「だ、だって、付き合ってる人がいるんですよ?」


「でも好きだってことに変わりはないだろ?
それに、付き合うことが全てってわけじゃないと思うよ。」


「・・・・うん・・・・。」





市井はどうすればいいんだろ・・・・・・・。


どうすれば梨華ちゃんを救ってあげられるのかな・・・・・




「とりあえず、その人に気持ちを伝えてみなよ。今の自分を全部見せるんだ。」



327 名前:とみこ 投稿日:2002年06月30日(日)19時02分44秒


んなこと言ってさ、自分も今大変だしさー・・・・。
















































矢口―――――――――――・・・・・・・・・














もう、あたしのこと好きじゃなくなったのかな・・・・・・。










あたしはまだ、好きだよ・・・・・。




「市井さん?」

「へ?」

「なんか、ボーっとしてたから。」


ボーっとって・・・オイ。


「ごめんごめん。あ、そろそろ帰ろうか。」

「うん、そうですね。」

「送ってくよ。」















328 名前:とみこ 投稿日:2002年06月30日(日)19時06分34秒


帰り道、あたしと梨華ちゃんは黙々と歩いていた。


街頭の灯りの下を、足音だけが響く――――――
























ザッ



突然、梨華ちゃんが足を止めた。









「どうしたの・・・?」




































「市井さん・・・・あたし・・・・・」




彼女はまっすぐな目線をあたしに向けた。


全てをあたしに見せているように―――――――



































「あたしの・・・・・叶わない恋の相手は・・・・」





え・・・・・・・・?


























「市井さんです・・・・・。」

































































続く。

329 名前:とみこ 投稿日:2002年07月02日(火)15時00分10秒



街頭のジジジジジ・・・という音だけが、緊迫した空気をなんとか保っている。


















―――頭ん中がパニくった―――





































「ごめんなさい、いきなり・・・・。」


梨華ちゃんは苦笑いでそう言った。

それは、とても辛そうな表情だった。













・・・・・













でも、あたしはどこか決めていた。




本当に大切な人、を。










330 名前:とみこ 投稿日:2002年07月02日(火)15時04分13秒




「梨華ちゃん・・・・」


「はい・・・・。」





































「ごめん・・・。」


・・・



その一言で、梨華ちゃんはどれだけ傷ついただろう・・・・

今までの関係も、これからの関係も、一瞬で崩れてしまった。






「今のあたしには、矢口がいる・・・から。梨華ちゃんの気持ちは、受け取れない。」









「・・・・うん。」



「それに、あたしは梨華ちゃんに好かれるような資格はないし、そういう人間でもない。」

「・・・でも、あたしは市井さんを好きになりました。」

「・・・・うん。」
























梨華ちゃんは、ピタッと目を合わせて止まった。








目が・・・・離せない―――――
331 名前:とみこ 投稿日:2002年07月02日(火)15時15分33秒












あたしは何も言わずに彼女を抱きしめた。



















「ごめんね。」























梨華ちゃんはあたしの胸の中で何度も首を横に振った。










「いいの・・・・わかってた。市井さんは矢口さんしか見てないって・・・・。」



「梨華ちゃん・・・・」



「でも、ホントに市井さんと過ごした時間が楽しかった。ありがとう・・・」


「あたしもだよ。それに、これからもずっと梨華ちゃんとは仲良くやっていきたい。」





スッと離れた彼女の顔は、やさしい笑顔だった。



「はいっ。」




















332 名前:とみこ 投稿日:2002年07月02日(火)15時38分30秒


矢口、覚えてる?


あたしさぁ、高校の時ほんっと矢口のこと大好きで、


掃除当番とかゴミ捨て当番とか変わってあげてたよねー。


すんげぇ単純なことしか思いつかなくて、

とにかく矢口と話すきっかけがほしくってさぁ。














懐かしいよな。












やっぱあたし、矢口が好きだよ。

やっと振り向かせたじゃん。必死で、矢口を愛してたじゃん。

















お願い・・・冷たい態度しないで・・・







大好きだから――――



333 名前:とみこ 投稿日:2002年07月02日(火)15時45分38秒



そして次の日。


矢口が短大の旅行から帰ってきた日だった。


あたしは矢口の家の前でずっと待っていた。


どうして冷たいのか・・・・理由が聞きたくて―――――






















午後6時半―――――


矢口はまだ帰ってこない・・・・




















ポツッ――――――



ポツポツ・・・・ポツッポツポツポツ・・・



「雨・・・?」






やばっ、傘持ってきてねぇし!




ザ―――――ッッ・・・・・・・・

このへん屋根もないしなぁ・・・・





しだいに強くなる雨に身震いしながらも、矢口を待ちつづけた。
























「矢口ぃ・・・・」









334 名前:とみこ 投稿日:2002年07月02日(火)15時54分27秒


続く


335 名前: 投稿日:2002年07月03日(水)18時21分20秒
始めまして。いつも読ませて頂いてます。
矢口さんの気持ちすっごく気になりますねぇ。
続き期待してます、頑張ってください。
336 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年07月03日(水)21時10分15秒
市井ちゃん・・・・・切ない・・・
梨華ちゃんもどこまで不幸なんだろう(w

( ^▽^)<作者さん、ファイ!
337 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年07月04日(木)21時57分47秒
ど、どうなるんだろう!?
続き待ち。
338 名前:カム 投稿日:2002年07月06日(土)04時28分15秒

苦悩する市井ちゃん……(・∀・)イイ!!
もっといぢめてみたい衝動にかられるのは邪まな証でしょうかね?
339 名前:とみこ 投稿日:2002年07月06日(土)09時55分42秒
>凪さん
初めまして^^初レスありがとうございます!
矢口はよーわからんです(w
かなりの長編になりそうだなー・・・・・・

>吉澤ひと休みさん
市井ちゃん切ないっすねぇ・・・
梨華ちゃんもどうにかせねば・・・梨華ちゃんとくっつけたい人いますかね?(w
梨華ちゃんのお相手リク募集・・・・

>ごまべーぐるさん
ど、ど、どうなるんですかーーーーー!!!!!(響)
ご期待願います!

>カムさん
>苦悩する市井ちゃん……(・∀・)イイ!!
マジですかぁ?!?それより梨華ちゃんが・・・・・(ニガワラ
>もっといぢめてみたい衝動にかられるのは邪まな証でしょうかね?
いえいえ、ミートゥーです(w
340 名前:とみこ 投稿日:2002年07月06日(土)09時57分48秒


「うぅ・・・さみぃ・・・・」





午後7時をまわったころだった。







携帯も家に置いてきちゃったし・・・・・・

矢口は一体何やってんだぁ、アイツ・・・。












「へーっくっしょん!」































ったく、















自慢の金髪がびしょびしょじゃねぇかー・・・・・





そのまま時間はゆっくりと過ぎていった。
341 名前:とみこ 投稿日:2002年07月06日(土)10時02分24秒



バタンッ



その時、車のドアを閉める音が暗闇に響いた。

・・・


あたしは凍える身体を起き上がらせ、音のする方に目を凝らした。



先に止まっている小型の乗用車の前に、2人の人影が見えた。



そして、その2人はこっちへ向かって歩いてきたのだ。





































「矢口・・・・・・・・・?」







342 名前:とみこ 投稿日:2002年07月06日(土)10時10分21秒


矢口の隣には、あたしと同じぐらいの背の金髪の女性がいた。



・・・どういう事だよ・・・



「あ・・・!」


矢口もやっとあたしの姿に気付いた。





「ちょっと、え?紗耶香・・・?」


矢口はこっちに向かって走ってきた。

もうひとりは立ったままあたしたちをじっと見ていた。


・・・



「紗耶香、どうしたの・・・・」


矢口は心配そうにビショ濡れのあたしを、持っていた傘で覆った。




「・・・・話がしたくて、待ってたんだ。」



「え・・・・?」







「矢口!」


その時、向こうからさっきの女の人が矢口を呼んだ。



「あたし、帰るで。あとはお2人さんでゆっくりせぇや。」


そういって、その女性は車に乗って去っていった。










沈黙だけがここに残った――――――――――



343 名前:とみこ 投稿日:2002年07月06日(土)10時16分45秒



ザ―――――――――・・・・・・・・








「・・・とりあえず、あがって。」

「・・・ん。」



そういって矢口の部屋に向かった。








ガチャ・・・・


「いいよ、入って。」

「うん・・・。」



矢口はパチッと部屋の電気をつけると、大きなバスタオルを持ってきた。


「ごめんね、寒かったよね。」

「・・・ううん、平気。」



矢口は優しくタオルをかぶせてくれた。


「ありがとー・・・。」

「あ、お風呂使っていいよ。着替えとか置いとくからさ?」

「ん、わかった。」



あたしはそのままバスルームへ向かった。


344 名前:とみこ 投稿日:2002年07月06日(土)10時26分14秒


お風呂からあがって着替えると、リビングで矢口が心配そうに歩いてきた。



「風邪、ひいてない?」

「大丈夫だよ。心配ないから、ね?」

「うん・・・・。」



そういってお互いテーブルに着いた。









あたしは、何から話していいかわからなかった。





「・・・・さっきの、誰?」


「え、あー・・・裕ちゃん?」



【裕ちゃん】


あたしは心がチクリと痛んだ。

345 名前:とみこ 投稿日:2002年07月06日(土)10時26分46秒
ハンパです。めっちゃハンパです.更新終了です。。。。。。。
346 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)15時16分21秒
更新予告age
347 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時09分10秒




「大学の、先生なんだ。中澤裕子ってゆー。」

「・・・・ふーん。」














矢口はわかっていたはず。

今の状況、今までの状況。

今、ここであたしに何を説明すればいいかぐらい。



















わかっていたはず。

























「紗耶香、あたし・・・・言わなきゃいけないことがあるの。」


「・・・・何?」



矢口の目は、真剣な表情へと変わった。

































「あたし、裕ちゃんが好きなの。」




348 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時13分08秒



あたしは、驚かなかった。


怒らなかった。


言い返さなかった。




















ただ、矢口の目を、ずっと見つづけた。


視線を離さなかった。



























「ごめんね・・・・紗耶香・・・・・・・・・・・・

あたし・・・・紗耶香がいるのわかってて――――――」













矢口はうっすらと涙を浮かべてそういった。

でも、あたしの表情は変わらず無表情で、







きっと、すごく矢口を怯えさせる目をしていると思う。






















「だから今までそっけなかったの?」


矢口は頷いた。



「ずっと上の空で、あたしを避けてたのはその人のせい?」



また頷いた。





「だから、別れようって?」


























矢口は、頷かなかった。








349 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時15分52秒































もっと怖かったのは、矢口の言葉だった。























「・・・あたし、裕ちゃんに告白した・・・・・」






















体の中が一気に冷え切ったように、

全身麻酔をかけたような感覚に襲われた。























「よく平気で告白できるね。」



怒ってるんじゃない。


涙の出ない悲しさのような、不思議な感情に包まれた。





350 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時29分44秒


「ごめんね・・・・紗耶香・・・許されないことだってわか――――」

「別れたいんならさっさと別れればいいじゃん!!!!!」



あたしは矢口の言葉を遮って叫んだ。







「裕ちゃんには・・・・・付き合えないって、言われた・・・・・・。
理由聞いたら・・・『あんた、恋人いんのにそういうこと平気でできんのか?』
っていわれて・・・・目が覚めたの・・・。あたし、何やってんだろーって・・・。」


「・・・!!もういいから!どうしたいの?!矢口はどうしたいの?!」

「紗耶香に謝りたかったの!!あたし、どうかしてたって・・・!!」


「そんなのいらないよ!!!他の人に気持ちがいってんなら、さっさと別れろよ!!」











矢口は涙をたくさん流していた。




ねぇ、あたしはどうすればいいのですか―――――?








351 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時30分24秒





















もう疲れ果てたあたしは、







いつの間にか矢口の家を出ていた。



行き先を無くした捨て犬のように


情けない自分が悔しくて・・・・


裏切られた感情にどうしようもできなくて、

























涙を流しました。















352 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時34分57秒



あたしは歩く気力もなく、


すぐに道路の端に座り込んでしまった。

暗い夜道の中、かすかに通る人の視線を受けていることなんか気付きもせず、

途方に暮れていた。




・・・・・矢口にとって、あたしは人生のうちに出会う人の『ひとり』でしかなかったの?

















矢口、




あたしにとっては




もう矢口しか見れない・・・


生きていけない・・・・・



今までずっと一緒にいて、どうして気付かなかったんだろう――――




お互いの価値観は、そんなにすれ違ってたの――――――?



353 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時37分51秒



ふわっと、甘い香りと感触に包まれたのはその時だった。



疲れ果てたあたしを、小さな体がギュッと抱きしめる。





「紗耶香・・・こんなトコにいた・・・・」




彼女は靴も履かず、裸足のままあたしを追いかけて――――




座り込むあたしを、いつもの優しさで包み込んだ。













354 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時48分08秒



「矢口・・・・」



溢れんばかりの涙を流して、


あたしはめーいっぱい手を伸ばして、彼女を自分のほうへ引き寄せた。












「矢口・・・・あたしを捨てないで・・・・

あたしは・・・矢口がいないとダメな人間なの・・・強くないの・・・・

他の人が好きならそれでいいから・・・・・・お願いだから・・・・・

あたしのそばを離れないで・・・一緒に居てよ・・・・・・・・・・・」
















・・・・・・










そっと、唇が重なった。


そして、彼女は心から穏やかな表情で見つめてきた。
















「ごめんね・・・・あたし、紗耶香を捨てたんじゃないよ。

あたしたちはいつも一緒に居たから、離れた時の寂しさを忘れてた。

もう大丈夫だから・・・・ずっと一緒にいるから・・・・・・・・

安心して、紗耶香も・・・矢口だけを見て?・・・・・・」





355 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時48分42秒

『裕ちゃん』のことなど、もうこれっぽちも憎んでいなかった。

今の自分に正直になって、矢口の本当の気持ちを知って・・・


まるで温かいお湯の中にいるような、安心感―――――





















「矢口・・・・あたし、矢口のこと大好きだから。

改めてわかったよ・・・・・・・・・・・・・。

今までより、もっともっと矢口が好き。もう絶対離さないから・・・・」























お互いに、好きだという気持ちが頂点に言った時、

すれ違いや、今まで気付かなかった疑問や気持ちに気付く。

そう思ってた。

でも、本当に相手を愛していると知ってしまった以上、

これ以上の愛を求めちゃいけないなんて、そんなことはないんだよね。

愛には頂点なんかない。


青い青い、空にのように、限りなく続いている。


それが『愛』なんだよ。



それをわからせてくれたのは、矢口だから――――――――
356 名前:とみこ 投稿日:2002年07月11日(木)17時50分55秒

更新終了です。いちやぐはハッピーエンドです!
これからは『よ☆し☆ご☆ま』で責めますよ〜!!!!(w
いつも下手な文章でごめんなさい(ToT)
中2の書くもんなんて、こんなものだと思っといて下さい(爆
では!
357 名前:皐月 投稿日:2002年07月11日(木)20時05分09秒
お〜!!!
ハッピーエンドいいですな。
すっごく上手いですよ文章。
私も中2なんでわかりませんがいいと思いますよ。
がんばってくださいな。
358 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月12日(金)21時20分53秒
おっよしごま♪
359 名前:ごまべーぐる 投稿日:2002年07月14日(日)14時30分15秒
いちやぐに一安心。
自分が中二の時の文章に比べたらうますぎ(^^;; 作者さん、自信持っていいですよ。
よしごまに期待。
360 名前:名無し男 投稿日:2002年07月14日(日)15時07分46秒
うまい事くっついてヨカタ

それにしても凄い時代になりましたな
俺が中2のときはインタネットすら知らんかったし(w
361 名前:とみこ 投稿日:2002年07月15日(月)15時38分16秒
>皐月さん
ハッピーエンドまで持っていくのに大変でした!^^;
中2なんですか?おーちょい嬉しいです♪♪
がんばりまっす!

>名無しさん
よしごまいいですよねぇ!期待していただきたい!

>ごまべーぐるさん
いちやぐ落ち着きました^^
いやぁ、こんな下手っぴぃな文章、まだまだっすよ!!
でもとにかくファイッ!!

>名無し男さん
ヨカタヨカタ!ワショーイ!
IT革命ってやつですな!今の時代はITですよ!IT!(わかってない。)
362 名前:とみこ 投稿日:2002年07月15日(月)16時09分34秒


よしごまスタートします!!


363 名前:とみこ 投稿日:2002年07月15日(月)16時15分57秒
明日、始めます(逝け
364 名前:ブルー 投稿日:2002年07月16日(火)04時47分23秒
ワラタ
作者さん頑張って!
365 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)17時00分58秒
>ブルーさん
ワラタっすか?!(w
しかも更新できなかったし(逝け
今から更新しまーす!!
366 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)17時17分37秒


(真希視点)



「吉澤。いま手に持っている物はなんや?」



授業中のことだった。

突然中澤先生はよっすぃーの席の前まで来ると、そう言った。



「・・・・見ればわかるっしょ。」


そういってよっすぃーは1枚の紙切れを持った右手を上げた。


それはさっき授業中、ごとーがよっすぃーに渡した手紙だった。



「立て。」






・・・・ごめん、よっすぃー。


あたしは申し訳なさそうにシュンとした。



「なになに・・・」


中澤先生はその手紙を読み始めた。




『よっすぃーへ。今年の花火大会も一緒に見ようね!!大好きだよはあとはあと


途端に、教室がどっと笑いに包まれた。


あたしとよっすぃーは黙って下を向いていた。
367 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)17時37分05秒


「なんやねん、これは・・・。」

「・・・・・。」


呆れる先生に、よっすぃーはただ黙っていた。



「で、差出人は誰や?」

「わかりませーん。」

「言わないと2人分やで?」


そういって先生は持っていた扇子を折りたたんだ。


「わかりません。」



先生の目つきが変わった。



・・・うわ、まずい・・・














「あ、あのぉ・・・」


あたしはそっと手をあげた。


「ん?なんや後藤。」


その時、よっすぃーはあたしに向かって、口パクで『だ・ま・っ・て・ろ・!!』と言った。









「な、なんでもないです。。。」


そういって手をおろした。




「ったく・・・何が花火大会やねん。くだらんへんわ!」

「くだらないっスか?」



よっすぃーは目を細くして先生を見た。

それが妙に色っぽくて・・・



ってそんなことどうでもいいんだけどさ。

368 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)17時37分50秒


またあとで更新します!
369 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)21時18分23秒



「ったく、吉澤はモテるからって調子乗りすぎやで?」


「・・・先生、花火大会行く人いないからってひがまないでよね?」


よっすぃーはそういってニィっと笑った。

















パシッ

パシッ














・・・・・瞬時に、先生の扇子がよっすぃーの頭を叩いたのだった。



・・・・・ごめんね、よっすぃー(泣







370 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)21時25分39秒


―休み時間―



「よっすぃー・・・・ごめんね?」

「くだんねー手紙出さないのっ」


よっすぃーは少し怒ったようにあたしに言った。



「むーっ!じゃぁ差出人はごっちんですって言えばよかったじゃーん?」


「ばーか。あれは思ってるより痛いんだよっ」



よっすぃーは、あっかんべーをしてそう言ったけど、

その言葉にもごとーを気遣ってくれてる優しさを感じて

また勝手に幸せ感じてる今日この頃はあとはあと


「それに、花火大会一緒に行くのも当たりまえだし、
ごっちんがあたしのこと好きなのも十分知ってるの!」


「えへへ〜はあとはあと


そういってまたよっすぃーに抱きついて、ラブラブぶっこいてるあたしたちでしたはあとはあと
371 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)21時31分17秒


「真希〜♪」

「おーあゆみ!」


窓際で校庭を眺めてると、あゆみが隣にやってきた。



「あ、よっすぃーいるじゃん。」

「うん。バスケやってるー。」



シュートを決めて、ガッツポーズをとっているよっすぃー。

その時、2人の女の子がよっすぃーに近づいた。



「真希、よっすぃー写真頼まれてるよ〜。」

「ほんとだー。やっぱモテるんだねぇ、よっすぃーは。」

「あんたいいじゃん!恋人なんだからはあとはあと

「えへへ〜。」


372 名前:とみこ 投稿日:2002年07月17日(水)21時48分44秒









「あ、そういえばさぁ。」


突然、あゆみは不思議そうな顔で聞いてきた。


「ん?」

「よっすぃーが転校するってウワサ、本当?」































―――――――――







・・・・・





「・・・・え?」

















―続く―
373 名前:皐月 投稿日:2002年07月18日(木)21時04分23秒
よっ・・・・・吉澤が転校???????
後藤どうするんだあ〜?
374 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)11時36分55秒
>皐月さん
結構切なげになりそうです。。。
もうすぐクライマックスかな??
375 名前:ブルー 投稿日:2002年07月19日(金)13時20分03秒
ワラタって書いたのは、>>362>>363の展開にですw

この作品大好きです。頑張って下さい。
376 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)20時36分14秒
>ブルーさん
自分で見て思い出し笑いしてしまいました(ワラ
がんがります!
377 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)20時41分43秒

帰宅後―――――


よっすぃーが転校なんて・・・・・・

うそだよね、うん。ウソだよきっと。






よっすぃーがいなくなるって思ったら、

血の気が引いたと思った。







「ねえちゃーん、母さんが買い物行って来いだって。」

「やだよ、ユウキが行ってよ。」

「うっせぇよ。さっさと行けよー。」

「・・・わかったよぉ。」


弟と軽いケンカをしたあと、あたしは渋々とおつかいへ行った。












今さらだけど――――

よっすぃーのいない世界なんて、考えられない。


考えられないと思うの・・・・・・・








378 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)20時52分56秒




「あれ?後藤さんじゃん。」


近くの公園を通ると、よっすぃーと数人の友達が遊んでいた。


「ほら、よっすぃー!彼女来てんだからボーッとしないの!」

「あー・・・?」


よっすぃーは立ち上がってこっちに歩いてきた。


「後藤さん、ちょっと来なさい。」

「ふぇ?」


友達をよそに、よっすぃーはごとーの腕を引っ張って公園の奥へ入っていった。












「ど、どうしたの?」

「・・・へへっ。」

「は?!どうしたのよっすぃー・・・・・」

「ごっちん、だぁいすきはあとはあとはあとはあと


突然よっすぃーは抱きついてきた。


「ちょっ、よっすぃー??」


よっすぃーはただケタケタと笑っていた。















「もしかして、酔ってる?」

「ほぇ??よっへなんふぁないひょー(酔ってなんかないよー)」

「酔ってんじゃん・・・。」




379 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)21時03分40秒



「もー、よっすぃー戻ろ?」

「・・・・・。」

「よっすぃー?」

「・・・・・。」

「よっすぃー大丈夫?」








――――――――




ガバッ



――――え??


一瞬のことでわからなかった。





気が付くと、あたしの上にはよっすぃーが四つんばいになって覆っていた。





「な、何・・・?」

自分でも、心臓がバクバク言ってるのがわかった。


よっすぃーの顔がだんだん近づいてきた。

バクバクはまだ止まらない――――



「ちょっ、よっすぃー??・・・・ん・・・・」



とっさに唇はふさがれた。

380 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)21時26分18秒





よっすぃーは唇、首すじ、とだんだん下にキスをしてきた。

思わず声が出そうになった。








・・・・


突然、よっすぃーの動きが止まった。



「・・・・?」


よっすぃーはニヤッとこっちを見ていた。


「なに・・・??」




「ばぁか、まだエッチは早いの!!」


そういってよっすぃーはまたケタケタ笑って立ち上がった。


あたしは唖然として、地面に倒れたままでいた。











「・・・今ごとーで遊んだでしょ?」

「ん?そんなことしたっけ?」

「むーっ・・・」

「ほら、戻んぞ。」

「・・・・むー。」

「ってかさ、ごっちんはおこちゃまだから、もう帰りなさい!」


よっすぃーはそういって去っていった。



・・・・・・・




381 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)21時27分29秒


ごとーとよっすぃーはやっと両思いになれたけど、



きっと・・・・・




多分よっすぃーが思ってるより、ごとーはよっすぃーのことがずっと好きで、




知らないでしょ、よっすぃー。

















知らないでしょ―――――――?






382 名前:とみこ 投稿日:2002年07月19日(金)21時27分51秒

更新終了
383 名前:とみこ 投稿日:2002年07月20日(土)22時00分33秒


ミーンミンミンミンミンミーン・・・・・・


セミうるさいなー・・・。



「暑いっ!!」


めちゃくちゃ暑いよこの夏は!!

夏休みの中で1番嫌いな宿題。

クーラーの効かないこの部屋でボーっとテキストとにらめっこをしていた。




「ごっちーん!ごっちーん!!!」



突然、窓の外から大声が聞こえた。

よっすぃー・・・しかいないよね。



ガラガラッ



「おっす!」

隣の家のよっすぃーの部屋にも、ごとーと同じ位置に窓があるのだ。

いつもこの窓を開けて、夜おしゃべりをしたりしてるんだはあとはあと



「どーしたのぉ?」

「英語の教科書持ってる?貸して!」

「よっすぃーも宿題やってるの??じゃぁそっち行ってもいい?」

「え?あぁ、いいよ。」



そういってあたしは宿題と英語の教科書を持って、

窓をまたいでよっすぃーの部屋に入った。



「よいしょっと。」

「ったく、危ないから窓から移動すんのはやめろっつーの。」

「いいのっ。」


384 名前:とみこ 投稿日:2002年07月20日(土)22時07分47秒




「あ、テスト返ってきたんだ?」


あたしは床に落ちているテストを拾った。


「あー・・・。」

「ちょっと、96点って!よっすぃーかなり上がったんじゃない?」

「あぁ、ちょい頑張ってみた。」







・・・・・あ。




「ねぇ、よっすぃー。」

「うん?」

「もしかして、高校の編入試験受けるとかじゃないよね?だからテストこんなに・・・」

「・・・何言ってんのさ。こんな大事な時期に転校するかぁ?フツー。」

「そうだよね。ごめんごめん。」



―そうだよね。そんな大事なこと、話さないはずないよね。―












「あ、ちょっとトイレ借りるね。」

「おー。」


――――――



あたしは見慣れた吉澤家の廊下に出た。



・・・変わってないな、やっぱり。




「・・・ん?」


廊下の床に一枚の紙が落ちているのに気付いた。

あたしは何も考えずにその紙を拾った。

















「・・・・・!!」











それは、『○○引越しセンター』という広告であった。










・・・どういう・・・こと・・・・?
385 名前:とみこ 投稿日:2002年07月20日(土)22時08分34秒
すんげぇハンパですが更新終了
386 名前:カム 投稿日:2002年07月23日(火)04時00分35秒

更新お疲れさまです。
せっかくイイ感じだったのに、また何かモメそうな気配ですね…
ヨスコは一体何を考えているんだろうか?先が読めないんで気になります。
387 名前:とみこ 投稿日:2002年07月23日(火)10時28分06秒
>カムさん
>せっかくイイ感じだったのに、また何かモメそうな気配ですね…
そうですね。なんかこのパターン多くてごめんなさい^^;
今回のヨスコは何考えてんのかわかんないところがポイントですかね^^
そろそろクライマックスですが、よろしくお願いします。
388 名前:とみこ 投稿日:2002年07月23日(火)10時31分58秒


「ねぇ、よっすぃー・・・」


あたしはそっとリビングへ戻った。


「あ?」

「よっすぃー、ホントに転校しないよね!?」

「・・・?だからしないっちゅー」



バシッ


―――――――



かすれた音と共に、空しくヒラヒラと落ちる紙――――



「よっすぃーのバカァ!!!!!」



バンッ


――――――――――













バカなよっすぃー。



そんなこと、いつまでかくし通せると思ったの?







389 名前:とみこ 投稿日:2002年07月23日(火)10時46分02秒


そして、花火大会―――――

よっすぃーとの、最後の花火大会。






最後の―――――








親たちはお酒を飲んだりで騒いでいた。

あたしとよっすぃーは去年と同じように、ふたりで土手に出かけた。

「ほら、綺麗だね。」

「・・・・ん、。」


よっすぃーは昨日のことなんか忘れたように、わざと平然を装っていた。

それでも、ごとーはそんな器用じゃないから、そゆことできないし・・・

どうしても曖昧な態度をとってしまっていた。











・・・



「真希。」

「・・・・え?」


突然。

初めて『真希』って呼ばれた。

どうして?最後だから?もう会わないから??



「人、すごいから。」


そういってよっすぃーは右手を差し出した。

ごとーはだまってそれに手を重ねた。








こんなに苦しい気持ちも、

思い出も―――




すべて最後だと思うと、涙が出た・・・・・・・
390 名前:とみこ 投稿日:2002年07月24日(水)09時14分08秒


花火大会が、最後の大きな花を咲かせた頃。


「公園、行こ?」


そういって、よっすぃーはポケットから2本の線香花火を取り出した。

ひん曲がってる花火を、よっすぃーはずっと大事に持っていたのだ。

最後の思い出になるように―――――


・・・


誰もいない公園。

花火大会を終えて、酔いが覚めないオジサンがたまにとおりを歩くだけだった。



「真希、1本あげるから。」

よっすぃーは優しく線香花火を差し出した。


・・・でも・・・これ受け取ったら、バイバイでしょ?

そんなの・・・イヤだよ・・・。


391 名前:とみこ 投稿日:2002年07月24日(水)09時19分16秒


パシッ


「・・・っ。」


あたしはよっすぃーの手をはらって拒んだ。

ヒラリと線香花火が床に落ちる。
















「なんで?今日の真希、冷たいよ。どうして?」

「・・・・・。」



ねぇ、よっすぃー。

うちら付き合ってるけどさ・・・

ごとーがよっすぃーを思う気持ちのほうが、ずっとずっと大きいよ。

よっすぃーは・・・・ホントはただの幼なじみぐらいにしか思ってないでしょ。

ごとーの愛の重さ、


知らないでしょ?


――――――――――――


392 名前:とみこ 投稿日:2002年07月24日(水)09時23分51秒

「ねぇ、なんで冷たいの?」

「・・・・・・。」


・・・・


「なんで?引っ越すから?もうここの人間じゃないから?」


よっすぃーは質問をしつづけた。しつこいくらいに。



「でもあたし、ウソついてないじゃん?」












「【転校】しないもん。」



よっすぃーはニコッと笑った。

・・・なんで?どうして笑えるの?どうして涙、出ないの?



「・・・どうしてごとーに言ってくれなかったの?」


よっすぃーはごとーの気持ち知らないから。



「でも、バスで40分だよ?」


そういう問題じゃないの。


「とりあえず卒業までは今のまま通うし。」


「言ってほしかった。」





・・・・




「たいしたことないじゃん。」




393 名前:とみこ 投稿日:2002年07月24日(水)09時27分38秒


・・・


わかってない・・・・・

ぜんぜん・・・っ



「わかってないよ!!!!!どうして言わなかったの?!」

「・・・・・。」


よっすぃーの顔から笑顔が消えた。



「どうしてそんな大事なこと、言ってくれなかったの?!」














「だって真希、泣くじゃん?」






















・・・・・・え?
























「泣くじゃん?」










いつから・・・・

よっすぃーはそんなふうに・・・










「そんで・・・・ごっちんの泣いてる顔見たら・・・・」





















「・・・あたしも、泣いちゃうじゃん。」





















いつから、よっすぃーはそんなふうに思ってたんだろう。


・・・・



394 名前:とみこ 投稿日:2002年07月24日(水)09時41分01秒







「晴れて、よかったね。」


あたしがそう呟くと、よっすぃはそっと肩に手を回した。



「・・・・。」


強く、でも優しく、切なく・・・・唇が触れた。





「・・・ごとーたち、ただの幼なじみじゃないの?」



・・・


「ただの幼なじみは、チューしたりしないの。」


そういっておデコをコツンとくっつけた。


まるで何かが伝わるように、

ごとーと同じように、よっすぃーも涙を流した。

395 名前:とみこ 投稿日:2002年07月24日(水)09時59分28秒


「新しいおうち、見に行っていい?」

「・・・うん。」



顔を見合わせ、2人でニコッと笑った。


そしてギュッと手を握って、歩き始めた。




ふたりの、新しい始まりへ――――――














....fin

396 名前:とみこ 投稿日:2002年07月25日(木)13時23分22秒
終わりです。パッとしない作品でしたが、レスしてくださったみなさん。
ありがとうございました。また新しい作品をどこかに書くと思うので、
そのときはまた甘口辛口レス待ってます。
397 名前:名無し男 投稿日:2002年07月28日(日)17時39分31秒
おう!ここしばらく来んうちにあっという間におhる!!
とりあえずお疲れ様でした!
398 名前:ルパン4th 投稿日:2002年07月29日(月)01時14分04秒
レス遅くなってすみませんでした。とりあえず完結お疲れ様です!
とみこさんの書くよしごまは純愛で和みますねぇ〜
次回作も楽しみにしています。
399 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)15時46分27秒
>名無し男さん、ルパン4thさん

レスありがとうございます。
今までの中で最長となりました。ふぅ。
現在青の方で新作書き始めたので、ヒマがあったらのぞいてやってください^^
400 名前:カム 投稿日:2002年08月07日(水)04時18分36秒

今更ですが、完結おめでとうございます。
レスが遅くなってごめんなさい。お疲れ様でした!
401 名前:いしごま防衛軍 投稿日:2002年08月20日(火)23時46分46秒
完結お疲れ様でした。感動しました。ごっちんとよしこ、いちいたんとやぐたん
末永く幸せになるでしょう。梨華たんはどうなったんでしょうか。幸せはこない
んやろか?

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