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【従母姉妹】

1 名前:名無しエロ作者 投稿日:2002年04月23日(火)21時34分32秒
別名でこちらで小説を書かせて頂いています。
H系ですのでsage進行で行きます。
書くのは遅く、週1回のペースで更新しようと思っています。
気持ち下がってから書き始めます。
2 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月01日(水)14時38分28秒
そろそろはじまるでしょうか?(w
誰が出るのかわからないので楽しみにしてます
3 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月08日(水)14時06分00秒
書く気無いならスレ立てるべからず
4 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月08日(水)20時28分30秒
禿同。
5 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月10日(金)21時13分59秒
1.

両親が事故で死んだ。
娘を迎えに行く途中の事故だった。

高校三年生になったばかりの彼女は、何気ない好奇心で万引きをした。
別に欲しくは無いベージュの口紅、スリルを求めた訳でも自暴自棄になっていた
訳でも無い。
運悪く店員に見られていた事に気づかずに店を出ようとした時に呼び止められ、
別室へと連れて行かれた。
初犯という事もあり、両親に連絡するだけで済んで、説教を受けて謝ってそれで
終わる筈だった。

その日、両親と会ったのは、病院の冷たい霊安室の室内でだった。
簡素なベットに寝かされた両親の顔には、白い布が掛けられている。
梨華は、冷たくなった両親を呆然と見下ろし、震える声で「ご免なさい」と一度
だけ謝ると、その後は一言も話さずその場に立ち尽くしていた。
6 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月10日(金)21時16分31秒

石川梨華は、なに不自由の無い裕福な家庭で育った。
父は有名な建築家で、彼女の家に十分過ぎるほどの収入を齎した。
母は器量良く、気が弱く臆病ではあったが何より優しかった。
2年程前に父の設計で新居を建て、絵に描いたように幸福で退屈な日々を過ごし
ていた。

そして、梨華の愚かな行為がその全てを奪った。

両親の葬式の席で、事情を知る親戚の大人達は、梨華に対して非難とも侮蔑とも
取れる冷たい視線を向けている。
会葬者の中には面と向かって嘲る者もいた。
梨華は何を言われようと気にした風でもなく、他の参列者と同じように接した。
涙を見せず、口を閉ざして、焼香を終えて席へ戻る一人一人にお辞儀をした。
その健気にも見える姿にが余計に反感を買い、怒りを露わにして罵声を浴びせら
れる事もあった。

7 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月10日(金)21時17分10秒
葬式も終わり、梨華が別室へ行くと彼女の親戚達は、誰が彼女を引き取るのかで
凝りもせず言い争いをしていた。
中には露骨に嫌悪感を現す者もいた。

梨華には、親戚の話し合いなど、どうでも良い事だった。
彼女は、ここに居る親戚の誰の世話にもなる気は無く、この近辺でアパートを借
りて一人で暮らす事に決めていたからだ。
梨華の両親は、借金の抵当で家と財産の殆どを失ったが、それでも彼女にそれな
りの財産――大学を卒業するまでは十分過ぎるほどの金額――を残していたので、
一人暮らしをするのも決して無理な話ではなかった。

しかし、親戚連中の馬鹿げた言い争いも唐突に終止符を打たれる事となる。
30半ばの女性が、自分が引き取りたいと申し出たからだ。
これは、梨華にしても意外で、その人物が如何いう人物なのか興味を覚えた。
襖を開け、隣室からその女性を覗き見ると、その人物には見覚えがあった。
8 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月10日(金)21時18分39秒
母方の妹で、今は辻の姓を名乗っている。
梨華の母親は、年に何度かに辻家へ赴く事があり、梨華はその都度母に連れられ
て一緒に出掛けており、その時に何度か顔を合わせていた。
理由は分からないが母子家庭で、梨華よりも3つ下の希美と言う名前の娘がいた。

梨華は、葬儀には顔を出していない小さな従姉妹の事を思い出し、ふいに懐かし
さが込み上げてきた。

希美と最後に会ったのは、梨華が中学に進学する少し前の夏だった。
梨華が覚えている希美は、実年齢より幼く見られがちで、純真無垢で可愛らしい
といった印象が強い女の子で、姉妹のいない梨華にとって妹のような存在だった。

希美とは幼い頃の思い出しかなく、母に連れ立って辻の家へ訪れると、決まって
希美の相手を負かされていた。大抵は希美を連れて近くの公園などへ出かけるよ
うにしていた。
今思うと室内で遊ぶ事は殆ど無く、母も外で遊ぶ事を望んでいるようだった。
9 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月10日(金)21時19分37秒
中学に入学して、同級生と付き合うようになると、自然と母と連れ立って辻家へ
は出かける事も無くなったし、そのことを気にする事もなかった。

随分と会っていない従妹を、6年の歳月はどのように変えているのであろうか。
梨華は、小さな従姉妹に少なからず興味を覚えた。

叔母の申し出も、あらゆる事――住む為の場所、生活の事、希美の事――に対し
て決して悪い話ではないように思えた。

梨華は、叔母の申し出を快く受ける事にした。
10 名前:名(略 投稿日:2002年05月10日(金)21時31分36秒
>>2-4
個人的なことでドタバタしまして長い事更新できませんでした。
この場を借りて謝罪いたします。m(― v ―)m
11 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月11日(土)05時59分11秒
無事に始まって何よりです
続き期待してます
12 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月14日(火)20時49分20秒
石川×辻?
すごくひきこまれてます。
H系とゆうのが気になる‥。
楽しみにしてます。
13 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月14日(火)20時56分19秒
妹が辻?(w
どんな話になっていくのか気になりますね
がんがってください
14 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時23分59秒
2.

灰色の空から霧のように舞い降りてくる雨は、6年ぶりに訪れたこの町を
包み込み空気を重く湿らせる。

両親の忌み明けに最小限の荷物だけを持つと、梨華は、これからお世話に
なる辻家へと赴いていた。

駅から辻の家まではそれほど離れていないのだが、霧雨も降り、手荷物で
両手が塞がっていた事もあり、駅からはタクシーで向かう事にした。

行き先を告げると、おそらく40代であろう金髪に染めて若作りしたタクシー
の運転手は一瞬嫌な顔をするが、バックミラーで梨華を覗き見てうっすら
と口元を緩めるとゆっくりと車を出した。
15 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時25分05秒
「旅行帰りですか?」
運転手は、時折視線を梨華に向けると鼻につく声で話し掛けてきた。
相手にするのも面倒なので「はい」と適当に返事を返し、窓の外に視線を
向ける。

車の窓の外を流れる景色が昔の記憶を呼び覚まし、懐かしさが込み上げて
くる。
やがて住宅街へと差し掛かると、バックミラーに映る運転手の嫌悪な視線
を感じつつも細かく指示を与えながら車を誘導していく。
その視線に耐えられず、目的の場所の近くまで来ているという事もあり、
近くの大通りでタクシーを止めた。
運賃を支払う時に、ネームプレートの『山田』と言う名前が目に付いた。
梨華は、車から降りるとトランクから荷物を取り出した。
16 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時26分05秒
霧雨は既に止み、湿った空気が肺を満たす。

梨華は、荷物を両手に抱えて大通りから路地へ入ると、50メートルほど
先に白い壁で赤い屋根の二階建ての見覚えのある建物を見掛けた。

荷物を両手に持ち家の傍まで行くと玄関の表札に目を向け、目的地に着い
た事を確認するとインターフォンを押した。
インターフォン下のスピーカーから、家主の明るい声が聞こえてきた。

『はい、どなたですか』
「あの、今日からお世話になります。石川梨華です」
『あっ、ちょっと待っててね』

暫くすると玄関が開き、叔母が出迎えに現れた。
叔母は背が低い人で、小顔で整った顔立ちをしており少し母に似ていた。
髪を金色に染めており、実年齢よりも随分と若く見える。
服装は黒で統一されており、梨華の両親の喪に服しているようだ。

梨華は、この叔母はそういう細かい所がある人なのだと漠然と考え、自分
が両親の死に対して余りにも無頓着なのが可笑しくて自嘲した。
17 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時27分10秒
「ごめんね、駅まで迎えに行かなくて。連絡してくれたら良かったのに」
「いえ、あたしの方こそ突然押しかけてすみません」
「いいって、それより上がって」
そう言うと、叔母は玄関のドアを大きく開いて梨華を中へと招きいれた。
梨華は、手に持っていた荷物を玄関に置くと、靴を脱いで玄関に上がった。
「ようこそ!ここが梨華ちゃんの新しい家だよ」
叔母は微笑みながら言い、続いて少し考え込むように眉間に皺を寄せた。
「梨華ちゃんじゃ馴れ馴れしいかな?でも、梨華さんじゃなんか他人行儀
 だし……ねえ、何て呼んだらいいかな?」
梨華は苦笑した。
呼び方などどうでもいい事を真剣に考え込む叔母を可愛いと思った。
「どちらでも良いですよ。あたしも叔母さんって呼びますから」
「う〜ん、叔母さんは酷いなぁ。ねぇ、ママって呼んでもいいよ」
「だめです。あたしのママは一人だけですもの。真里おばさん」
梨華が『おばさん』を強調して言うと、真里は梨華をきつく睨むが、途端
に破願して互いに笑いあった。

結局、真里は『梨華ちゃん』、梨華は『真里さん』と互いに呼び合うこと
に決まった。
18 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時27分51秒
真里は荷物を半分持つと、梨華の部屋に案内する為に先に歩いた。
「安心した」
ぽつんと言い、梨華に視線を向ける。
不思議そうに見つめる梨華に、真里は言葉を続けた。
「ほら、葬儀の時は笑わなかったでしょ」
「普通笑いませんよ」
「うん、でも泣いてもいなかった。だから、さっき笑ってるのを見てね。
 ああ、こんな風に笑えるんだなって……」
「そういえば、笑ったのって久しぶりですね。真里さんのお陰かな?
 真里さん、ありがとう」
梨華が笑顔を向けると、真里は恥ずかしそうに目線を外した。
19 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時28分37秒
梨華には二階の六畳ほどの個室が与えられた。
室内の右側の壁にはベットがあり、窓際には古い木彫の机が置かれている。
左の壁の手前側には扉が付いており、廊下に出なくても隣の部屋と行き来
できるようになっていた。

「隣の部屋は希美の部屋なの。ごめんね、ほかに空いている部屋が無くて」
「ううん、気に入りました」

梨華は、空いたスペースに荷物を置くと、室内の空気を入れ替えようと
部屋の窓を開けた。
空はまだ灰色に曇り、室内に冷たい湿った空気が流れ込んでくる。
梨華は、溜息を付くと窓を閉め、真里に苦笑して見せた。
20 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時29分38秒
真里は、預かっていた鞄を部屋に置いて梨華に微笑みかけると、
「お茶を入れるから下に行こっか」と言って廊下に出た。
梨華は、「はい」と言うと真里の後について部屋を出ようとする。
ふと、希美の部屋へと続く扉に視線が行き、好奇心から扉を開けようと
ドアノブに手を掛けた。

その時、玄関から「たっだいま〜」と、女の子の声が聞こえた。
「あ、希美、おかえり。お姉ちゃん来てるよ」
廊下から真里がその少女に声をかける。
「えっ!ほんと〜!」
と言う声と共に、階段を駆け上がる激しい足音が聞こえてきた。
黒髪をツインテールに束ねた小学生と言っても通用する可愛らしい女の子
が部屋に入ってきた。

少し印象が変わったが、希美だと直ぐに分かった。
21 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時30分29秒
梨華がドアノブを掴んでいるのを見て、希美の動きが止った。
「あ〜っ!!」
素っ頓狂な声を上げ、開けさせまいとドアに張り付いた。
「見た?」
「ううん。これから」
梨華は、希美に上目使いで話し掛けられ、にっこり微笑んで答えた。
「だめぇ〜っ!!」
よほど見られたくない物があるのかドアを開けさせまいと必死になる。
梨華は「分かった。見ない見ない」と言い、ドアノブから手を放す。
希美はほっとしてドアから離れ、その瞬間を狙って素早くドアを開けた。
希美は騙された事に気づいて慌ててドワを閉めるが時既に遅く、地震後の
ように散らかった部屋を梨華に見られてしまう。
真っ赤になって俯く希美に梨華は笑うしかなかった。
22 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時31分34秒

一階の居間のテーブルで梨華と希美は向かい合って座っていた。
テーブルの上にはおやつのケーキが置かれており、台所から真里が紅茶を
運んで来た。

「ごめんって」
これで何度目になるのか、そっぽを向く希美に梨華は謝った。
「ケーキ上げるから許して。ね」
突然希美の耳がぴくっと動くと、ゆっくりと梨華の方を向いた。
その顔は、喜びに溢れていた。
「しょうがないですねぇ。今回だけですよぉ」
そう言うと、素早く梨華の前に置かれたケーキに希美の右手が伸びて、
自分の方に引き寄せた。

美味しそうにケーキを食べる希美を梨華は嬉しそうに見つめていた。
「希美ちゃん、お世話になります。これからよろしくね」
希美はせわしく動かしていた手を止めると梨華に目を向けた。
「よろしくお願いします」
希美は漸くまだ挨拶していない事に気づき、慌ててぺこりと頭を下げた。

23 名前:従母姉妹 投稿日:2002年05月17日(金)21時33分36秒

その日は、質素ではあるが、辻家で梨華の歓迎パーティを開いてくれた。
次々と運ばれる料理の殆どは希美の胃袋へと納まった。
梨華は、久しぶりに楽しい一時を過ごした。

夜も遅くなり、新しい部屋のベットに潜り込むと浅い眠りに落ちていった。
不意に希美の部屋へのドアからノックの音が聞こえ、眠りを妨げられる。
「どうぞ」と声をかけると、希美が枕を持って部屋へ入ってきた。
「あの、一緒に寝てもいいですか?」
恥ずかしそうに言う希美が可愛らしくて、つい微笑んでしまう。
「いいよ。おいで」
梨華に承諾を受けると、希美はベットに歩み寄り、潜り込んできた。

梨華は、近くに希美の体温を感じながら寝静まるまで頭を撫でていた。
希美はよほど疲れていたのか次第に寝息を立て始める。

梨華は、『ああ、これが家族なのかな』と、漠然と考えていた。
24 名前:名無(略 投稿日:2002年05月17日(金)21時35分14秒
>>11
ご心配おかけしました。
今後も週1のペースでがんばりたいと思っております。

>>12
どこがH系だ!!
と思われる方、そのうち必ず…(汗汗

>>13
ホントに、どんな話になるのでしょうね。
25 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月18日(土)21時17分21秒
けっこうしっかりした文章ですよねぇ
これがどうやってH系になっていくのか楽しみです
26 名前:名無し作者 投稿日:2002年05月27日(月)23時12分40秒
すみません!!一身上の都合により暫く更新できません。
来週中には更新できるよう善処します。
27 名前:スティンガー 投稿日:2002年05月29日(水)17時05分48秒
御意。マターリ待ってます。

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