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なっち裕ちゃんまき矢口〜2nd〜
- 1 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月06日(月)01時05分39秒
- 以前同じく銀板で書いていた作品が中途半端に沈んでしまったので復活させました。
基本はゆうごまです。
前スレ↓
http://mseek.obi.ne.jp/kako/silver/1001212960.html
の128くらいからの続きです。
- 2 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月06日(月)01時07分35秒
- すみません。自分の名前他のハンドルネームにしてしまいました。
変えるのも変なのでチェッカーマン改めどーもくんでいきます。
- 3 名前:『北海道の夜が明けて』 投稿日:2002年05月06日(月)01時10分04秒
- 「♪〜」
不意に着メロが鳴った。ごっちんだった。
「もしもし?」
『今日収録午後からに変更だって、じゃ。プチッ』
「あ、ちょ、ごっちん?」
顔も見たくないと言っていた人にわざわざ連絡するんか?
なんせ他にも12人もいるんやし。まだ捨てたもんじゃないかも。
すぐにリダイヤルでごっちんにかける。
『なに?』
「なあ、これからちょっと話しせーへん?」
『裕ちゃんにはなすことなんか無いけど』
「私のこと振ってもいい。最低なやつだと思ってもええから1回だけ話しせーへん?」
『・・・わかった』
- 4 名前:『北海道の夜が明けて』 投稿日:2002年05月06日(月)01時13分39秒
- しばらくして、部屋のチャイムが鳴った。
「自分の部屋なんやからチャイムおさんでええのに・・・」
1人つぶやいてドアを開ける。そこには下を向いたごっちんがたっていた。
「ほら、はよ入り」
やっぱり私の顔を見ようとはしなかった。
ごっちんがベッドに座ったのを見て、私はごっちんの真正面に座った。
あいかわらず下を向いたまま私の体を見ようとしない。
「なあごっちん、ホントごめん。今回はホントに反省してるから」
- 5 名前:『北海道の夜が明けて』 投稿日:2002年05月06日(月)01時14分55秒
- ごっちんは私に近寄ると思いっきり抱きしめた。そして首筋に口付けると、吸いつけた。
「ごっちんあかんて、午後から収録なのに」
「マフラー巻くから大丈夫でしょ、これでもう誰にも渡さないからね」
そう、ごっちんにとって、中澤裕子は自分のものだと言う証。
「裕ちゃんが後藤のこと愛してなくても、裕ちゃんは後藤のもの」
今の言葉、当然反論したいことがある。
裕ちゃんは後藤のもの、こんなことはもちろんいいに決まってる。
反論したいのはここ、”裕ちゃんが後藤のこと愛してなくても”
「ごっちん、ちょっと聞いてくれるか?」
しかしごっちんは首筋に口付けを繰り返したまま顔をあげようとしない。
「ごっちん!!」
私はごっちんの肩をつかんで引き離し、目線を合わせた。
「さっきちゃんといえなかったからはっきり言うわ。ホントに悪いことしたと思ってる。
私のせいでごっちん傷つけたのも分かる。だからゴメン。ほんまにゴメン。
でも私はごっちんを愛してるから、裕ちゃんはごっちんのものやからな」
- 6 名前:『北海道の夜が明けて』 投稿日:2002年05月06日(月)01時16分15秒
- 「裕ちゃん前もそういったよね・・・」
そういわれると私も言葉に詰まる。
「それはそうやけど・・・、じゃあ・・・、うーんと」
アカン、ホントにどうしたらいいか思いつかん。
『PiPiPiPiPiPiPi・・・』
携帯がなった。ごっちん以外は着メロの設定とかしてない、というか出来ないから、
こんなよくわかんないのだ。
見ると、矢口からだった。しばらく画面を見つめて・・・切った。
- 7 名前:『北海道の夜が明けて』 投稿日:2002年05月06日(月)01時17分13秒
「合格だね」
はい?
「合格って?」
ごっちんがにやって笑った。
「さっきここ来る前にやぐっつぁんに頼んどいたんだ、しばらくしたら裕ちゃんに電話してって。
出なかったら合格、出たら不合格」
「ごっちん・・・」
なんでだか分からないけど、目頭が熱くなって涙が溢れてきた。
その顔を見られたくなかったから、ごっちんを抱き寄せて頭を撫でた。
「ごめんなぁ、もう絶対不安にさせないから、な」
- 8 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月06日(月)01時21分03秒
- というわけで、4ヶ月に及ぶ大作(?)も終わりました。
当然これで終わらずまた短編を書いていこうと思います。
- 9 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月06日(月)13時03分45秒
- 復活おめでとう!!
待ってました。
作者さんの書くゆうごまの虜です。
- 10 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月06日(月)23時59分55秒
- >>9 名無し読者さん
ありがとうございます。そういっていただけると書きがいがあります。
というわけで続いての短編『get well』です。どうぞぉ〜(マリー風に)
- 11 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時01分25秒
- 「お疲れさまでしたぁ」
今日の仕事もこれで終わり。はぁ、この事務所は人使い荒くて困るよ。
今日ももう8時だ。でも、このあとは・・・あは。
- 12 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時02分45秒
- 「みんなぁ、肉食いいかねぇーかー?」
やぐっつぁんだ。ちっちゃいのに毎日元気ですねぇ。
「おいごっつぁんなんか言ったか?」
いや、口には出してないはずなんですけど・・・。
「そうか?まあいい、それよりみんな行くよな?」
手をあげたのはなっちと圭ちゃんとよっすぃーと梨華ちゃんか。
これだと圭ちゃんはだいぶ浮いちゃうね。がんばれ。
「ごっちんは行かないの?」
梨華ちゃんに引っ付かれているよっすぃーが言った。
「私は・・・いいや」
行きたいのは山々だけど、なにせあの人が待ってるもんで・・・。
「じゃあ肉班移動するぞぉ」
やぐっつぁんを先頭にみんなぞろぞろ出て行った。
「肉班て・・・ねぇ?」
とりあえず一番身近にいた紺野に振ってみた。
「え?えぇ」
いきなり振られてびっくりしたみたいだ。あは、かわいいぃ。
「じゃ、私も帰るから、みんなあんまり夜更かししちゃダメだよぉ」
去り際は一応先輩らしくね。
- 13 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時03分52秒
- 「「「「おつかれさまでしたぁ」」」」
見事にそろった挨拶。どっかで練習でもしてんのかな。
事務所を出て裕ちゃんの家を目指す。今日は裕ちゃんオフだったらしい。
裕ちゃんには断ってないけど、お母さんには裕ちゃん家に泊まるって言ってきちゃった。
事務所から裕ちゃんち家に行く方法はもう体で覚えた。切符はいくらでどこのホームでって。
このまえ「裕ちゃんちまでの定期買おうかなぁ」って言ったら裕ちゃんに止められた。
裕ちゃんち行ったら一緒にご飯食べて、ちょっと甘えたら一緒にお風呂入って、
そのあとはもう・・・な世界な訳ですよ。あは
- 14 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時04分46秒
- 裕ちゃんちは結構でっかいマンション。なんでも女性限定、らしい。
入り口で裕ちゃんにもらったカードキーを挿して、暗証番号を入れる。
「0923」ごとーの誕生日。
ドアが開いて、偶然来ていたエレベーターに飛び乗る。裕ちゃんの部屋は5階の10号室。
510の部屋。無理言ってとったらしい。
部屋の前に来て、カバンから鍵を取り出す。青く塗ったのがごとーの家、赤く塗ったのが裕ちゃんの。
鍵を開けて部屋に入ると、もう外は真っ暗なのに電気もついてないし、カーテンも開いたままだった。
「裕ちゃん?」
返事も無い。電気をつけると、ソファーで寝ている裕ちゃんの姿があった。
でも、寝ている裕ちゃんの様子がおかしい。顔が赤いし、なんか苦しそうだし、息遣いが荒いし。
「裕ちゃん!」
近寄ってって裕ちゃんを揺らす。しばらくして目を開けた。
「ん?あ、ごっちんおかえり」
顔は笑ってるけど、目がぜんぜんな笑ってなかった。
「裕ちゃん大丈夫?具合悪いの?」
「ごめんなぁ、裕ちゃんめっちゃしんどいねん」
声の調子とかからしても、だいぶ悪いのが分かる。とりあえずおでこをくっ付ける。
- 15 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時05分44秒
- 「裕ちゃん、結構ヤバイね」
それが私の診断。とりあえずソファーじゃよくないから裕ちゃんを持ち上げて、ベッドに連れて行く。
裕ちゃんを下ろして、部屋中のカーテンを閉めて、それから必要なものを持ち出す。
「えーと、体温計と、薬と、あと・・・冷えピタでいっか」
裕ちゃんの部屋は私の部屋も同然。どこになにがあるかとかは大体分かっている。
体温計は今流行りの耳で簡単に測れるやつ。
「裕ちゃん、お熱測りましょうねぇ」
小学生相手みたいな言い方したらどんな反応するかと思ったら、素直にうなずいた。
やっぱ熱あるときって精神的にも弱っちゃうからねぇ。ごとーもそうだよ。
ところが、私が体温計を取り出すと、裕ちゃんは布団の中に潜ってしまった。
- 16 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時07分18秒
- 「裕ちゃん?お熱測るよ?」
「いや」
いやって・・・、さっき測るって言ったらうなずいたじゃん。
「その耳に入れんのいや」
「なんで?」
「気持ちわるいから」
「大丈夫だって、ごとーがやってあげるんだからさ」
「いやや」
大体自分で買ったんじゃないの?この体温計。
「だって他に体温計ないでしょ?言うこと聞きなさい」
「・・・うん」
裕ちゃんが布団から出て体を起こす。私は裕ちゃんの頭をやさしく抱きかかえると、耳に体温計を入れた。
その間裕ちゃんはずっと私の服のはしっこをぎゅっとつかんでた。あは、かわいい。
- 17 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時08分13秒
- 10秒後体温が表示される。
「38度7分か・・・、結構あるねぇ」
とりあえず薬を飲ませて・・・。ん、まてよ・・・。
「裕ちゃんなんか食べた?」
ふるふると横に首を振る裕ちゃん。
「よし、ごとーがなんか作ってあげるよ」
「食べたくない」
「食べなきゃお薬飲めないでしょ」
裕ちゃんのおでこに冷えピタを貼って、ほっぺにチュッてしてあげて、寝室を出た。
台所にいって冷蔵庫をのぞく。予想通りビールしか入っていなかった。
炊飯器を見ると、一応ご飯は炊けてるみたいだった。
「おかゆでいいよねぇ」
風邪の時にはおかゆに梅干。これに限る。あ、梅がなかったか。
そういえば私も夕ご飯食べてなかったから、大き目のやつに二人分作った。
- 18 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時09分03秒
- 「・・・ち〜ん、ごっち〜ん」
寝室から裕ちゃんの声がした。慌てて寝室に入る。
「なに?どうかした?」
裕ちゃんは首を横にふった。
「ぎゅーってして欲しい」
今日の裕ちゃんはいつものごとーみたいだ。
ベッドに入ると、裕ちゃんの体をぎゅーっとHUGして、頭を撫でる。
裕ちゃんの体はかなり熱かった。
「もうすぐおかゆできるから、食べたらお薬飲んで休もうね」
アツアツのおかゆとおわんと箸を持ってまた寝室に入る。
サイドテーブルに置いて、裕ちゃんの分をおわんによそる。
「自分で食べれる?」
首を横に振る裕ちゃん。もちろん食べさせてあげるつもりだったけど。
蓮華ですくって何回か息をかけて冷ます。
「はい、あーん」
私の声にあわせて口を開ける裕ちゃん。やっぱかわいいっす。
「どお?おいしい?」
にこって笑ってうなずく。
- 19 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時09分49秒
- でも裕ちゃんは結局0.3人分くらいしか食べなくて、残りの1.7人分を私が食べた。
「裕ちゃん、お薬飲もっか」
裕ちゃんちにあった薬は葛根湯。名前を聞いただけでも苦そうだと分かる風邪薬。
「苦いのはいやや」
また布団に潜っちゃう。
「もー、わがまま言わないの、風邪治んないでしょ」
私がちょっと強く言ったら裕ちゃんは布団の端から目だけを出してこっちを見た。
か、かわいい。
「ごっちん飲ませてくれるん?」
「飲ませてあげるから、ほら、起きて」
体を起こして上を向いて開けた口の中に葛根湯の粉を入れる。
そして素早く水を飲ませる。
「苦い・・・」
裕ちゃんは顔をしかめた。
「裕ちゃんもう寝ていいよ」
「ごっちんは?もう帰るん?」
「帰んないよ」
電気を消して、ベッドの裕ちゃんの横に入って頭を撫でてあげる。
「ごとーずっといるから安心して寝ていいよ」
- 20 名前:『get well』 投稿日:2002年05月07日(火)00時11分12秒
- しばらくして寝息が聞こえてきた。さっきよりも寝顔が穏やかだからたぶん大丈夫だろう。
おかゆの片づけをするために布団から出ようとして裕ちゃんの手が私の服をつかんでいたことに気づく。
起こさないようにそっと手を離して部屋を出ようとした。
「まきぃ、まきぃ・・・」
振り向いてみたけど裕ちゃんは寝たままだった。
「片付けなんか明日でいっか」
もう一回布団に入るとまた裕ちゃんの手が私の服をつかんだ。
「普段から真希って呼んでいいのに・・・」
裕ちゃんの頭を撫でながらそっとつぶやく。裕ちゃん照れて呼んでくれないだろうけど。
正直、お泊りだからいろんなことを期待してた。
でも、こんな甘えてくれる裕ちゃん初めてだったからいいかな。
「早くよくなってね、裕ちゃん」
〜Fin〜
- 21 名前:『get well』後話 投稿日:2002年05月07日(火)00時12分43秒
- 「昨日はありがとな」
私の必死の看病のかいあって裕ちゃんの熱は37度3分まで下がった。
「ううん、そのかわりごとーが熱出したら看病してね」
裕ちゃんはまかしとけって感じで笑って頭を撫でてくれた。
「あ、それから普段から真希って呼んでもいいよ」
頭を撫でていた裕ちゃんの手が止まる。
「ごとーが離れようとしたら『まきぃ、まきぃ』って、かわいかったよ」
裕ちゃんはまた布団に潜ってしまった。
「絶対よばへん・・・」
「裕ちゃん照れてる?かぁわいいぃ」
布団の上からがばって抱きついてやった。
そしたら、ほんとに小さい声で聞こえた。
「ありがとな、真希・・・」
- 22 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月07日(火)00時14分28秒
- というわけで 『get well』終了です。
ちなみに get wellっていうのは治るって意味の簡単な英語です。
洒落たの思いつかないんですみませんね、はい。
なんかいまいち調子が戻らないんでなんか指摘があったらお願いします。
ちなみに次はゆうごまの学園物です。エロあり。
- 23 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月07日(火)00時45分35秒
- ゆうごまにノックアウト!されました。マジで(w
ごまに甘える裕ちゃん可愛い。
学園もの、楽しみに待ってマッスル!
- 24 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月10日(金)12時24分57秒
- ゆうごま最高。
それはそうと・・・堂本兄弟後藤の時裕ちゃんも出るって本当なのかな?
- 25 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月11日(土)01時59分05秒
- >>23 名無し読者さん
実は矢口に甘える裕ちゃんを書いたんですが、ここに載せるために
手を加ええたものですが、いかがでしたでしょうか?
>>24 名無しさん さん
堂本兄弟ですか・・・。本当だと嬉しいですね。
続いてのお話は学園物で、エロが出てくるのはかなり後になりそうな感じです。
では。
- 26 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時02分03秒
- 「ゆうちゃぁ〜ん、ご飯食べよぉ」
数学研究室のドアを開けてごっちんが姿を見せた。
手には二人分のお弁当。息切れをしているところを見ると、授業が終わってから相当急いできたことが分かる。
ごっちんは普通にみっちゃん−平家みちよ、私の同僚であり悪友でもある−の机に陣取った。
いそいそと包みを開け、可愛いピンクの弁当箱を取り出すと、私の前に置いた。
「今日はねぇ、ごとーの愛を表現してみました」
今日はねぇって毎日言ってるやん、って突っ込みはあえてしないで。
ふたを開けると、ハート型に切り抜かれた海苔が・・・見事にふたにくっ付いていた。
愛情表現に海苔を使うところがまたごっちんらしいというかなんというか。
「ごっちんありがとなぁ、毎日毎日作ってくれて」
作ってくれるのは私も非常に助かっている。
前はコンビニのおにぎり1個とかパン1個とかを1人で食べる寂しい食事だったのが、
こんなかわいいごっちんと食べれるのだから。
- 27 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時02分39秒
- 「はい、裕ちゃん、あーん」
ごっちんがスプーンでご飯を私の口もとに運ぶ。ごっちんの声にあわせて口を開ける。
「・・・うん、おいしいでぇ」
私の言葉に、満面の笑みのごっちん。
ホントはかなり深刻な話があって、いつ切り出そうか迷ってたんやけど・・・。
食べ終わってからにしよ。
さて、私たちの食事は他人から見れば・・・まあむかつくわな。
自分で自分の口に運ぶことはめったに無い。
お互いに食べさせあって、お互いに満面の笑みを浮かべる。
みっちゃんもはじめは付き合っていたものの、3日くらいでいなくなった。
「はぁ、おいしかった」
ごっちんが食事の後のお昼寝タイムに入ろうとしていた。
- 28 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時03分31秒
- 「ごっちん、ちょっとええか?」
切り出した、あの深刻な話。
「んー?なに?」
「ごっちん最近授業出てる?」
「えー?出てるじゃん、数学」
「違う、他の教科」
「んーとねぇ、まあぼちぼち」
「出てないやろ?いろんな先生から話し聞くねんけどな、数えてみたら数学以外全部出てないやん」
「だってつまんないんだもん、わかんないし」
「あのなごっちん、裕ちゃんに会うために学校に来てくれんのはすんごいうれしいんやけど、
それだけじゃちょっとまずいんちゃう?もうテストまで1週間なんやで?」
ごっちんは下をむいて黙りこくってしまった。
「ごっちん、約束しよ、つまんなくてもわかんなくても授業だけは出よ、な?
わかんなかったら吉澤にでも聞けばええねん」
ごっちんはこくってうなずいた。
「とりあえず午後の3時間がんばってみよ、な?ほら、もう教室戻り」
まだ昼休みは時間あったけど、ごっちんを教室に帰した。
- 29 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時04分21秒
- 出て行ったのを確認し、吉澤に電話をかける。
『もしもし?』
「あ、吉澤?あのな、午後ごっちん授業出て、わかんないとか言うと思うから教えてやって、頼むわ」
『はぁ、分かりました』
「あと、もしごっちん出てなかったらメールちょうだい」
『ちくれってことですか?』
「ごっちん留年させたくないやろ?」
『はい・・・、分かりました』
電話の向こうから、ごっちんの「よっすぃー」って声が聞こえてきた。
「悪いな、んじゃ頼むわ」
- 30 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時05分23秒
- 「はぁ〜」
電話を切って大きくため息をつく。
はっきり言ってごっちんの気持ちがわからんわけでもない。
私自身高校時代お世辞にもまじめな生徒だったとは言えなかった。
授業なんかつまんなきゃ出ないし、むかついた教師は殴ったし、タバコだって平気で吸ったし・・・。
でも立場が変わった以上見逃すわけにはいかない。
まあ勉強が出来てるんだったらちょっとは多めに見るけど、ごっちんの場合は5月も半ばにしてすでに危ない。
だいたい去年は春休みの補習で上がれたようなものだ。となると授業に出てないと補習すら受けられなくなる。
まだ5月やし、心を入れ替えてこれからがんばればなんとかなる・・・。
そう思っていた私が間違っていたのかもしれない。
今日の私はなぜか授業が少なくて、2時間目と4時間目にしか入っていなかった。
4時間目の授業を終え、数学研究室に戻ってきて一息ついていると5時間目が始まった。
みっちゃんも時間目は無いはずなのにまだ戻ってきていない。
- 31 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時06分45秒
- 訂正
>>30 時間目←× 正しくは5時間目です。
以後気をつけます。
- 32 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時07分19秒
- 15分くらいたったときだった。
PiPiPiPiPiPiPiPiPi・・・・ PiPiPiPiPiPiPiPiPiPi・・・・
何の洒落も無い無機質な電子音が響き渡った。
『ごっちんまた授業出てません』
吉澤からのメールだった。私は正直愕然とした。
いくらなんでも今日は無いと思っていたから。少なくとも2.3日は・・・。
私は数学研究室を出て屋上を目指す。
歩きながら吉澤にメールを返す。
『悪かったな、友達売るようなことさせて』
またすぐ返事が返ってくる。
『ごっちんのためですから』
- 33 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時09分31秒
- 屋上に出ると、そこにはごっちんの姿があった。
ここがごっちんのサボり場。フェンスに凭れて空を眺めていた。
気づかれないようにそっと近寄っていって、すぐ後ろに立った。
「後藤真希さん」
ごっちんはぱっとこっちを振り返った。
「先生・・・」
「なにやってるん?授業中やろ?」
「・・・。」
「ごっちんさっき約束したばっかやん、つまんなくてもわかんなくてもちゃんと授業は出るって」
「そうだっけ・・・?」
ごっちんはおどけてごまかそうとしてるみたいだ。でも5月は半ばにして、すでにそんな余裕、なし。
ごっちんの肩をつかんで目線をあわせた。
- 34 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月11日(土)02時10分12秒
- 「ウソついたん?」
私の言葉に、それまで笑顔だったごっちんの顔がいつものあの無表情に変わった。
「ウソなんかじゃ・・・無いもん」
「じゃあなんや?」
「それは・・・」
「ごっちん、私約束破ったりウソついたりする子は大っ嫌いやから」
この言葉にごっちんの表情が一気に凍りついた。
「それから、しばらく先生と生徒の関係に戻ろ、いまのままじゃごっちんのためにならんから、
昼の弁当もしばらくいらんから」
返事を待たずに私はごっちんに背を向け、中に向かって歩いた。
背中から、ごっちんの泣く声が聞こえたけど、私は振り返らなかった。
- 35 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月11日(土)02時13分46秒
- とりあえず終了です。あと2,3かいの更新で終わる長さのお話です。
ちなみにゆうごまとなちまり両方楽しめる、はずです。
タイトルは、高校生が一度は悩む問題、でした。
- 36 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月11日(土)02時59分23秒
- ゆうごま最高ッス!
絡みも少ない二人なのになんか萌。
なんでだろ?(w
2.3回といわず・・・長編にしてくれ。
1回でいいのでやぐちゅーメインのゆうごまトライアングルを作者さんの作品で読みたい。
この前はゆうごまメインのやぐちゅー&やぐなちだったから(w
- 37 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月11日(土)11時23分29秒
- 36さんの意見に同意です。
私も読んでみたい。
やぐちゅーファンとして、力のある作者さんの作品を是非!
お願いします。
- 38 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月12日(日)02時19分23秒
- 私はやぐちゅーよりもゆうごま&なちまりがイイ♪
この二組が好きなので…
やぐちゅーもなちごまもなっちゅーもイイけど。
- 39 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月14日(火)01時25分53秒
- >>36 >>37 名無し読者さん
やぐちゅーメインの・・・は、とりあえず考えますとだけ言っておきます。
期待に答えられるように努力はしてみます。が、いつになるか分かりません。
>>38 名無しさん さん
しばらくはゆうごま&なちまりが続きます。
では、『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』の更新。
- 40 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月14日(火)01時27分20秒
- 「いくらなんでもありゃねぇーよなぁー」
去っていった裕子を見て一人つぶやく。
いつものことながら1人サボっていたらごっつぁんもやってきて。
必要ないのに隠れていたら裕子が乱入して。
確かに裕子の言うことはごもっともだし、ごっつぁんの成績がピンチなのも知ってる。
でも彼女にあんなこと言われたら傷つくよね・・・。
ごっつぁんはというと地べたに座り込んで黙って泣いている。
というより声を出す元気も無いって感じ。
まま無理ないよね、ごっつぁん裕子にべたボレ(死語)だったし・・・。
よし、ここは先輩として矢口が慰めてあげよう。
- 41 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月14日(火)01時28分24秒
- 「ごっつぁ〜ん」
わざと元気よく、ごっつぁんに近づいて行く。
にもかかわらず、ごっつぁんは無表情で矢口のことを睨んできた。うん、かなり怖いね。
「そ、そんな顔すんなよ、大丈夫だって、裕子もあんなこと言ってるけど、本心じゃないって」
私なりの精一杯の慰めのつもりだった。しかし・・・。
『バッチィィィィィーン』
「いってぇぇ!なにすんだよ」
ごっつぁんの素早く振り上げられた右手が勢いよく矢口の右手に振り下ろされたのだ。
「やぐっつぁんにごとーの気持ちなんかわかんないもん。いっつもサボってても何にも言われなくて
そのくせいつもテストの順位上でなっちみたいな可愛い彼女がいるやぐっつぁんにはわかんないもん」
さすがにビンタくらって黙っている矢口ではない。
「なんだよ人が慰めてやろうと思ったのに、もういい、勝手に泣いてろ」
言い捨てて中に入る。次に目指すは数学研究室。
- 42 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月14日(火)01時29分28秒
- 「ったく、いってーな、なんで矢口が殴られなきゃいけないんだよ」
矢口は慰めてやろうと思っただけなのに・・・。
大体なっちみたいな彼女がいるってごっつぁんだって裕子がいるじゃねーかよ。
あ・・・、その裕子にあんなこと言われたんだもんね・・・。
「やぐち、なにしてんの?」
怒りのこもった声が背後から聞こえて、思わず足を止めた。
恐る恐る振り返ると、そこには冷めた目で矢口を見つめた愛しのなっちが立っていた。
「どうしたのさそのほっぺ」
「いやぁー、さっき屋上でごっちんに叩かれてさ・・・」
って言っちゃったよ、なっちの前で禁句の屋上。
「なんで屋上にいたの?」
「それは、その・・・」
なんでごっつぁんに呼び出された、とか適当な言い訳が出来ないんだろう。
なっちに見つめられるとなぜかウソがつけなくなる矢口。
- 43 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月14日(火)01時30分00秒
- 「今度サボったらどうなるって言ったっけ?」
「えー、なっちの言うことを聞く、です」
「じゃあ別れよ」
「はぁ?マジで?」
「ウソだよ、じゃ、なっちは行くから、矢口は教室に戻る。楽しみにしてるからねぇ、キャハハ」
ウソでも言っていいことと悪いことがあるよ。心臓が飛び出すかと思った。
しっかしなっちがあの笑いをするときは決まってえっちぃことを考えているとき。
なんで言うこと聞くなんて約束したんだろ・・・。あぁ、不安。
なんか数研行くのめんどくさくなっちゃった。教室かーえろ。
- 44 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月14日(火)01時31分09秒
- 正直、めちゃくちゃ後悔していた。
勢いに任せて大っ嫌いとか教師と生徒の関係に戻ろとか言っちゃったけど、
そんなことを言われて普通でいられるほど強い子じゃないことは私がよく分かっていた。
第一私がごっちん無しで生きられないし・・・。はぁ、ホンマへこむわ・・・。
でもいまさらゴメンなんて言えんしごっちんの成績も心配やし・・・。
一人悩んでるとメールが届いた。
- 45 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月14日(火)01時31分39秒
- 『裕ちゃんへ さっきはごめんなさい、これからきょうしつにもどります。
ごとうこれからがんばるから、ぜったいてすとで点とるからだいっきらいなんて言わないで
裕ちゃんにきらわれたらごとういきていけないから。
こんどのすうがくで60点以上とれたらゆるしてください。 ごとう』
「ごっちんひらがなばっかやん・・・もっと国語の勉強しぃや」
メールを見てつぶやく。ごっちんを傷つけてしまったかもしれないけど、
理由はどうであれやっとやる気を出してくれた。
ごっちんの短期間の集中力ってのはやる気を出せばすさまじいものになる。
なんかやってくれるような気がした。
ちなみにごっちんの去年の数学の平均点は8.6です。もちろん100点満点で。
この1週間はお互いにつらい週になりそうやけど、影ながら応援してやろうと心に誓った中澤でした。
- 46 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月14日(火)01時32分25秒
-
「中澤さん、最近後藤がねぇ、授業出てるんですよぉ」
各教科の担当の先生から、最近この手の話しをよく聞く。
毎日ちゃんと授業に出て、わからないところは隣の席の吉澤に聞いているらしい。
ただ、授業の内容では分かるところが無いから1時間中吉澤が教えてるのだという。
やっとやる気を出した後藤だから、あえて注意はしないそうだ。
その辺の先生方の気遣いに感謝しながら、ごっちんがやる気を出したことに内心ほっとした。
私が嘘つきは大っ嫌いって言ったから、メールを送った手前やらないわけにはいかないんだろう。
ちなみにここんとこ私はまたコンビニのおにぎりが昼食になっている。
ごっちんが60点以上取れなかったら私も弁当作ってこないと・・・。
そういえば最近放課後になってみっちゃんが数研にいることが少ないのがちょっと気になるけど・・・。
あと、矢口となっちが二人でいるときになっちのテンションが高くて矢口は沈んでるってのが多い。
ここもなんかあったのでしょうか?
- 47 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月14日(火)01時37分36秒
- というところでゆうごま前編が終了です。
次からはなちまり、終わったらゆうごま後半と言う形になります。
ちなみになちまりは全編エロ話、ゆうごまはちょっといい話・・・かな。
- 48 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月14日(火)01時54分01秒
- 更新待ってたyo!(w
ごまゆうっていいね。実際は絡みの少ない二人だけど
写真集、後藤作のところに3枚も姐さん写真があってなんか嬉しかった。
堂本兄弟・・・姐さんの誕生プレゼントに骸骨プレゼントも笑えた。
- 49 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月14日(火)20時16分33秒
- こんにちは。
初めて読みました。えっと、なちまり大好きなんですよ〜。
がんばってください
- 50 名前:読んでる人 投稿日:2002年05月16日(木)15時58分33秒
- なちまり編、凄く楽しみです♪
- 51 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月17日(金)19時00分48秒
- ゆうごま過不足(w
作者さん助けてください・・・
- 52 名前:どーもくん 投稿日:2002年05月17日(金)23時40分32秒
- >>48 名無し読者さん
写真集は見てませんが堂本兄弟見ました。
プレゼント・・・ごっちんらしいというか・・・でした。
>>49 名無しさん さん >>50 読んでる人さん
なちまり期待に添えるか分かりませんが楽しみにしていてください。
>>51 名無し読者さん
ゆうごまはなちまりの次です。ちなみにまだ白紙です。
これから頑張って書きます。
今日発表された日本代表から俊輔が外れてショックで・・・。
てのもありますが、来週テストなんで、更新できないかも・・・。
ちなみに今回はレスだけです。すいません。
- 53 名前:名無し読者 投稿日:2002年05月22日(水)17時02分27秒
- ゆうごま不足で死にそう・・・作者さん助けて・・・
堂本兄弟バンザイ!!
他人と違うものを裕ちゃんにプレゼントしたがるごま最高〜♪
- 54 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月27日(月)00時54分29秒
- 『2時間目保健室来て なっち』
1時間目の途中なっちからメールがきた。
明後日からテストだから、できたらサボりたくないんだけど、
日ごろの行い的にそんなことを言える勇気がなかったからおとなしく従うしかない。
1時間目が終わってから保健室に向かう。
保健室は矢口の教室のちょうど下に位置している。
ところが、保健室のドアに張られた張り紙には「保健の先生は留守でぇーす」って書いてあった。
この紙がなっちの字で書かれていたからたぶん中にいるだろうと思ってそっとドアを開ける。
- 55 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編(もう1個上から) 投稿日:2002年05月27日(月)00時56分26秒
- 「なっちぃ? いるのぉ?」
返事がない。隣のベッド室のほうも除いてみるけど見当たらない。
かちゃ
背後で音がして振り向くと、なっちの姿があった。
かちゃって・・・?
「ごめんね、呼び出して」
「ううん、でもどうしたの?今日先生いないでしょ?」
「なっちが保健委員長だってことを忘れちゃあ困るなぁ」
「あぁ、そっか」
普通は保健室が留守のときは職員室で面倒を見てもらうことになってる。
でも、委員長のなっちが鍵を預かるってことも時々ある。
容姿端麗、成績優秀。面倒見のいい優等生な先輩で通ってるなっちだから、
先生も何の疑いも無く貸したんだろう。
でもみんななっちの本性を知らない。
- 56 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)00時57分35秒
- 「で、用はなに?」
「ん?矢口こないだサボったじゃん、だから言うこと聞いてもらおうと思って」
なっちの営業(?)スマイルに、矢口は背筋がぞくっとした。
「えっちしよ」
嫌な予感的中、背中を冷や汗が流れた。そう、これがなっちの本性。
「あのぉなっちさん?今はまずくないっすか?テスト前ですし・・・」
遠まわしに嫌だってアピールしてみるけど・・・、
「矢口は乗り気じゃないんだ、でもたまにはなっちが襲うから」
なっちは矢口の体を軽々と抱き上げると、そのままベット室に連れて行かれた。
矢口をベッドに寝かせると、なっちは掛け布団を隣のベッドに移して矢口の上に馬乗りになった。
「矢口、愛してる」
唇に暖かいものが触れたかと思うと、口内に舌が進入してきて、矢口の舌に絡もうとする。
反射的に引っ込めても、すぐにつかまって絡んできた。
キスだけでも矢口の頭はぼぉーっとしてくる。
- 57 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)00時58分38秒
- (だめだっ!今日は絶対だめ。なんとかして止めないと・・・)
虚ろになってくる意識の中で、必死になっちを止める方法を考える。
でも、そんな矢口の思いを知ってか知らずか、なっちの舌は矢口の口内を舐めまわしてくる。
矢口が抗議しようとしても、その声はぜんぶなっちに吸い込まれてしまう。
肩を押してもなっちのほうがいい体格だから、跳ね返すことができなかった。
しかも、なっちの左手が器用に矢口の両手をつかむと、そのままベッドに押し付け動きを封じた。
結局されるがままの矢口。
なっちのもう片方の手が矢口の胸に伸びる。矢口も必死に抵抗した。
すると、なっちの顔が離れ、矢口の手を抑えてた左手も、胸に伸びた右手も離れた。
- 58 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)00時59分52秒
- 「矢口が悪いんだからね」
なっちはベッドの布団の裏から、おもちゃの手錠を取り出した。
あれ・・・、まえ矢口と二人で買ったやつじゃん。えっちの時に使おうって言って・・・。
あれはなっちに使おうって言ったんで矢口に使ってって言ったんじゃない!!!
矢口の今度こそ本気の必死の抵抗も実らず、矢口の両手はベッドのパイプに固定された。
なっちは矢口の頬を優しくなでて、そのまま首筋、肩、そして胸の膨らみに。
その頂点のあたりで厭らしく動かす。
「やだよぉなっちぃ、ねぇ、やめようよぉ」
「じゃあなっちこのまま矢口おいて帰るよ」
なっちの言葉に、思わず固定された手を動かす。手錠はがっちりかけられていて外れそうにない。
頭上で鎖のすれる金属音が空しく響く。
- 59 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時00分41秒
- なっちは片手で胸を弄りながら制服のボタンにもう片方の手をかけると、一つ一つゆっくり外し始めた。
その動作をどうすることもできずにただただ見つめる矢口。
Yシャツのボタンを全部はずすと、矢口のブルーのブラが現れた。
なっちがニヤニヤしながら矢口の目を見てくるから、恥ずかしくなって目線をそらした。
「やぐちぃ、写真とろっか」
なっちの手には使い捨てカメラが握られていた。
「や、やめてよ、なっち、ちょっと、ねぇ、やだよぉ」
今日のなっちなんか変だよぉ。
体を捻って晒された下着姿をなんとか隠そうとするけど、
手を縛られてる上になっちが太腿のところに乗ってるから全然動けずただじたばたするだけ。
- 60 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年05月27日(月)01時01分22秒
- 「撮んないよ、矢口かわいいべ、そんなじたばたしちゃって」
「・・・バカ・・・」
聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声だったけど、なっちの耳にはばっちり届いてしまったらしい。
「ふーん、やぐちそういうこと言うんだ、そんな悪い子はお仕置きだべ」
なっちが矢口のブラを一気に上にずらすと胸の膨らみが露になった。
「なっちぃ・・・、やぁ・・・」
唇をふさぎ、また舌を入れてくる。そのまま胸の膨らみに手がかかる。
唇を離すと、そのまま横に移動し、なっちが耳を甘噛みする。
「ぁんっ」
思わず声を漏らしてしまう。
「感じてるの?やらしぃーよ、矢口」
耳元でそっと囁かれ、首をふるふる横に振る。
- 61 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時02分25秒
- 首筋に下りてきて、なっちは強めに吸い付ける。
「だめだよぉ、なっちぃ、まだ授業あるのに・・・」
首筋からまた耳に移動して舌を耳の中に入れる。
矢口の弱点。耳。
びちゃびちゃという厭らしい音が頭の中で響いている。
「ぁあ、なっちぃ、だめぇ・・・」
なっちはスカートをたくし上げて、太腿に指を滑らせる。
「ちょ、なっち、ほんとにやめてってば・・・」
背筋にぞくっと寒気が走る。
なっちの指が、ショーツの上から矢口のソコに触れる。
「あっ・・・」
「やっぱ感じてんじゃん」
なっちの指が、割れ目に沿って這わされる。
「感じてなんかぁ・・・、ないもん・・・」
「じゃあやめよっか?」
「え?」
ふっと気を抜いた瞬間、スカートと一緒にショーツを一気に下ろされた。
- 62 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時04分00秒
- 「いやっ!」
なっちの目の前に晒された矢口の下半身。
足を固く閉じて、矢口のソコが見えないようにする。
「やぐち、あしひらいて」
ちっちゃい子をあやすようななっちの口調。
そんないいかたされても絶対開かないぞ。
「開いてくれないとなっちこのまま帰るよ」
突然変わる冷たい口調。このままだと本当になっちが帰っちゃいそうだから、ゆっくり足の力を抜く。
なっちの手が膝にかかって一気に左右に開かれる。
なっちは体を上手く使って矢口が足を閉じれないようにすると、矢口のソコの蕾を指先で突っつく。
「矢口のここ、だいぶ濡れてるよ、嫌がってても体は正直じゃん」
いたずらっ子みたいな笑顔のなっち。
「ちがうっ、汗だもん」
「どうだかねぇ?ま、そんなこといってられるのも今のうちだよ」
なっちの指先が細かく動いて蕾を刺激する。
「あぁ・・・なっちぃ・・・やぁ・・・」
「矢口のこれ、ツンってしてるよ」
- 63 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時05分33秒
- なっちは矢口の足を器用に抑えたまま乳首を口で含むと、舌先で刺激を与える。
さらに片方の手でもう一方の乳首も刺激を与える。
3箇所に与えられた刺激で、矢口の理性は吹っ飛びかけ、頭がボーっとしてくる。
「なっちぃ・・・、だめぇ・・・」
「だめじゃないっしょ?こんなに感じてるのに」
なっちは下半身を弄んでいた指を矢口の顔の前に持ってくる。
その指は矢口のソコから出た愛液でしっとり濡れていた。
「いやっ、違うのぉ、それは・・・」
言葉とは裏腹に下腹部がだんだん熱くなってきて、刺激を求めてる自分もいる。
そんな矢口の気持ちに気づいているのか、下への刺激をしようとしない。
胸への刺激は強くなる一方で、それが余計に下腹部を熱くさせる。
- 64 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時07分10秒
- 「なっちぃ、お願い・・・」
事実上の敗北宣言。大体人間の持つ欲求に勝とうとして勝てるわけがない・・・って言い訳。
ところが・・・。
「なに?やめてほしいの?」
にやって笑うなっち。この目は絶対気づいてる。気づいてて遊んでるんだ。
「違うの、もっとしてほしいのぉ」
「はいはい、えっちぃーんだから矢口は」
なっちの手が下半身に回され、矢口の中に指が挿入される。
「やぐち入れただけですごい出てきたよ、やっぱえっちぃーんだ」
指がゆっくり動かされると、今まで抑えていた声が溢れた。
「あぁん・・・、っん・・・」
「矢口、かわいいよ」
- 65 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時07分59秒
-
『びぃぃぃぃぃぃ・・・ びぃぃぃぃぃぃ・・・ びぃぃぃぃぃぃ・・・』
突然携帯のバイブ音が響いた。
制服のポケットに入っていた矢口のだった。
なっちがポケットから取り出すと、画面を見る。
「矢口、裕ちゃんからだけどどうする?」
「ん?出る」
なっちは着信ボタンを押して、矢口の耳に携帯を当てる。
「もしもし・・・」
『もしもーし?裕子先生でぇーす』
大丈夫か?この人。
「なんですか?」
『ちょっとは突っ込めや、ってそうやなくて、あんた授業サボってなにやってるん?』
「ん?ちょっと具合悪いから保健室でやすんでる ひゃぁ」
『なに?きしょい声出すなや』
なっちがまた中で指を動かしだしたのだ。
思いっきりにらんで抗議してもなっちはただニヤニヤするだけ。
- 66 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時09分05秒
- 『やぐち?どうかしたん?大丈夫か?』
電話はなっちが持ってるから、なっちの刺激に耐えながら裕子と話す。
「ん?大丈夫だよ・・・」
『そう?ならええけど、テスト前やし、体気いつけぇよ』
「うん、わかった、じゃあね」
なんとかごまかせたっぽい、なっちのに耐えてるのが具合悪さを演出。なんてね。
「なっちぃ、なにすんのさ、ばれたらどうすんのさ」
なっちは矢口の携帯と、自分の携帯を覗き込んでなんかやってる。
しばらくして、なっちの携帯がブルって、矢口の携帯を置いた。
「やぐちぃ?気持ちいこと好きだよね?」
まさかっ、なっちものすごいこと考えてる?
「やだっ、なっち、やめてよ、ねぇ、まって・・・」
- 67 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時09分43秒
- 矢口の必死の抗議もむなしく、なっちは携帯のアンテナを蕾に押し当てた。
今まで感じたことのない感覚が下半身を包む。
「なっちぃぃ・・・だめぇぇ・・・変になるよぉぉ・・・」
なんとか逃れようと下半身をよじるけど、なっちに押さえつけられて動けない。
「やぐち、気持ちいい?」
「あぁん、気持ちいよぉ・・・だめぇ・・・いくぅ・・・」
もうすぐで頂点を迎えるというところ、突然刺激がとまった。
むしろ携帯がバイブをやめたのだ。
- 68 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時10分27秒
- 「なっちぃ?」
なっちは携帯を覗き込んで苦笑い。
「ごめん、電池切れだ」
携帯の画面を矢口に向ける。そこには充電してくださいの文字が・・・。
「なんかしらけちゃったね、もうやめよっか?」
へ?いまさらなに言ってんの?そんなの無理だよぉ。
「やだよぉ、矢口まだイってないんだからぁ」
「じゃあちゃんとお願いしなきゃ、イカせてくださいって」
「・・・イカせてください」
「まったく、矢口はいやらしーんだから。あ、その前に・・・」
なっちは矢口の頭上でなにかをかちゃかちゃやっていて、しばらくして矢口の両手が自由になった。
なっちはまた矢口の中に指を入れ、ゆっくり動かす。
しばらく中で動き回って、ある1点に触れたとき、反射的に矢口の腰が浮いた。
- 69 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 投稿日:2002年05月27日(月)01時11分36秒
- 「ここが気持ちいいの?」
なっちは重点的にそこを責めるように、すばやく指を出し入れする。
「ぁぁっ・・・、ゃぁっ・・・んっ・・・ぁんん・・・」
言葉にならない声を発し、シーツをつかんでその刺激に耐える。
なっちはもう1本指を入れ、さらにそこを責める。
「なっちぃ・・・、あっぁっっ・・・ぁんっ・・・だめぇ、イっちゃうよぉ・・・」
矢口の言葉に、なっちが更に手の速度を速める。
「ぃっイッちゃぅぅっ・・・なっちぃぃ・・・だめぇぇぇ・・・はぁぁっぁんっ・・・」
電流のような感覚が走り、頂点を迎えた矢口の体がビクっと震えた。
肩で息をしている矢口の頬をなっちは優しくなでて、おでこにそっと口付ける。
そして、矢口の横に寝そべると、腕枕をしてくれて、頭をやさしくなでてくれた。
気持ちよくなって目をつぶると、矢口の意識はすぐにとんでいった・・・。
- 70 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 そのちょっと後 投稿日:2002年05月27日(月)01時12分28秒
どれくたいたったんだろう?不意に目を覚ました。
目を開ける前に、隣にいるなっちに抱きつく。
・・・ん? なっちにしては・・・。
「あかんて矢口、いくら私が今はフリーやからて」
「うわぁ、何で裕子がいんだよ、なっちどこやった」
「そういうこと言う前に自分のカッコ見てみぃ、その格好は裕ちゃんには刺激が強すぎるわ、っとにやらしぃなぁ矢口は」
そういえば矢口服着る前に寝ちゃった・・・。
「ちがっ、あれはなっちがいけないんだよ」
叫びながら自分の体を眺める・・・ってどこも変なとこないじゃん。
「へぇー、なんか思い当たることがあるんやな、なっちにやられたか」
やられた・・・、裕子得意の誘導尋問。
「ちがっ、そんなじゃない」
「まあ電話の様子がおかしかったからなぁ、そんなことやろと思ったわ」
「だから違うって・・・」
「じゃあ体に聞いてみるか?」
裕子は突然矢口の体に抱きつくと、下半身に手を伸ばし、スカートの中に入れようとする。
「ちょっと、やめてよ、わかった、やった、やりました」
- 71 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 そのちょっと後 投稿日:2002年05月27日(月)01時13分27秒
- 「あ?ほんとにやってたん?まさかほんとにやってるとは思わんかったわ」
ウソつけ、あの言い方は絶対わかってた。
「さて、じゃ、いこか?」
「へ?どこに?」
「きまっとるやろ?生徒指導室や、反省文10枚、裕ちゃんの授業さぼってやった罪は重いで」
「なんで矢口だけ、矢口はなっちにやられたんだよ」
「やられたとか叫ぶな女の子が、はしたない」
「うっさい、裕子に言われたくないよ」
「ま、10枚かけるまで付き合ったるから、なにされたか細かに書いてったらすぐ済むやろ」
「な、なに言ってんだよこのエロ教師!」
「そうや、エロくてなにが悪い?」
「開き直るな、アホ裕子」
この二人の言い争いは保健室の酸素がほとんど二酸化炭素にかわるまで続き、
反省文が書き終わったのは、外が真っ暗になったころだったという・・・。
- 72 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』やぐなち編 そのちょっと後 投稿日:2002年05月27日(月)01時18分18秒
- というところでやぐなち編(むしろなちやぐ?)終了です。
いままでお待たせしたお詫びに一気に更新させていただきました。
ただ、実はなち視点だったのをやぐ視点に今日書き換えたので、
ところどころ変なところがあるかもしれませんがお許しください。
あと、何も考えてないので、つながりが変なところもありますので・・・。
さて、今回はなちさんに暴走していただきました。まあ、こんなこともあります。
しっかしエロを書くのが下手だ・・・。自分。
さて、次回からはゆうごまの後半になります。
>>53 名無し読者さん
ゆうごまは次回からです。もう少しお待ちください。
他人と違うもの・・・なんてったってごまですから(謎)
- 73 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月28日(火)23時00分34秒
- おねがいがあるんですけどぉ・・・。
やぐなち編のなっち視点もみたいんですけど・・・。
よければみせてください!
- 74 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月30日(木)20時06分44秒
- エロんときの攻めのひとの視点ってみてみたい
ってことでやぐなち編のなっち視点希望。
- 75 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月02日(日)21時21分40秒
- なっち視点きぼー!!
- 76 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月02日(日)21時48分09秒
- ゆうごまis No1!!
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月03日(月)18時09分50秒
- そろそろごまゆうをよみたいー!!(w
- 78 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月04日(火)20時41分01秒
- でもごまなちもみてみたい
- 79 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月04日(火)22時55分53秒
- >>73 から >>75 のなっち視点を希望してくれた方々他みなさん。
先日、自室のパソコンがぶっ壊れまして、データが全部吹っ飛びました。
そのため、なっち視点は永遠の別れ・・・。
ではあんまりなので、元気が出たらもう一回書きますが、だいぶ後になりそうです・・・。
すみません。
ゆうごまの完結編も書かなければいけないので・・・。
というわけで、またレスのみです。
- 80 名前:どーもくん 投稿日:2002年06月04日(火)22時57分13秒
- 上のやつ、名前変え忘れました。
しかもあげたし。
- 81 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月07日(金)14時27分10秒
- ゆうごままだかな?(w
待ちくたびれたってのはウソの本当です(w
- 82 名前: 『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時26分08秒
- いよいよ私とごっちんの運命が決まる数学の時間がやってきた。
1学期中間考査の最終日の最終時間。テストを作ったのは私だから、テスト中に質問受けに回る。
「失礼します」
ドアを開けて中に入る。
「訂正はないけど、なんか質問あるかぁ?」
教室を見回すときに、ごっちんに目をやる。
問題用紙とにらめっこしながら、必死にシャープペンを動かしていた。
いつもやったらこの時間、すでに夢の中だったごっちん。これは期待できるかも。
(がんばりや)
心の中で唱えて、教室を後にした。
- 83 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時27分15秒
- 回収されたテストが戻ってくる。
ごっちんの奴の採点は後にまわすことにした。というか、明日の授業の直前にやることにした。
こんな言い方するとごっちんに悪いけど、とてもじゃないけど怖くて採点できない。
数学のテストって言うのは採点が難しい。式が途中まであってれば部分点を考えなきゃいけないし、
何の前触れもなく答えだけを書いてあるやつの点をどうするかも悩むところだ。
まあ独断で決めたら公平じゃないからみっちゃんとも話して基準を設けた。
家に帰る途中、ふとごっちんのことが頭をよぎった。
ごっちんは今何を思ってるのだろう。
いつもどおり何事もなかったかのように昼寝をしてるのか、
それとも点数のことが心配で落ち着かない時間を過ごしているのか・・・。
教師の私も、正直テストは好きではない。
採点のあと、きまって心が落ち込む。
いっそめっちゃくちゃ簡単なのを作って全員100点を取らせようかと思ったりもする。
あんな紙切れで最悪生徒の人生が決まるのは、私には少し重すぎる気がした。
- 84 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時28分09秒
今日のごっちんのクラスの数学は6時間目。
5時間目が終わってから、やっとごっちんのテストの採点をはじめる。
でも、結局みっちゃんにお願いした。私にはとてもじゃないけど勇気がなかった。
静かな部屋の中で、みっちゃんのペンを動かす音だけが響く。
私はなるべく見ないようにして次の授業の準備をすすめた。
しばらくして、みっちゃんの動きが止まった。
無言で用紙を私のほうに向ける。
ふぅーっと大きく息をはいて、それを受け取った。
右隅に書かれた数字・・・。
私は何も言わずにごっちんの解答用紙をしまうと、そのまま数研を後にした。
- 85 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時30分11秒
教室に入るといきなり静まり返った。
「ほなテストかえすでぇー」
返しながら一言ずつ言っていく。よぉがんばったなぁ、とか、もっとがんばり、とか。
そしていよいよごっちんの番。自信がなかったのか、心配そうな顔してるごっちん。
「後藤真希さん」
折りたたまれたテストを開いて、ごっちんが点数を確認する。
一気に表情が暗くなった。
ごっちんの点数、『53点』
去年のごっちんからすれば、すごい進歩だと思うし、相当がんばったことがわかる。
私は何もいわないでごっちんの頭をなでて、席に返した。
- 86 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時30分52秒
ほかの生徒のやつを全部返し終えて、問題の解説に入る。
いつもどおり机に突っ伏したままのごっちん。
もしかしたら泣いてるんじゃないかとか心配になってしまう。
隣の席の吉澤も、解説を聞きながらも気になっているらしく、時々小声で声をかけている。
数学のテストの解説ってもの意外と大変で、結構時間がかかってしまうので、残った時間は
テストのやりなおしとかの自習の時間にあてる。
わからないところがある生徒が質問とかしてくるから、教室をぐるぐる回っている。
ごっちんの席のとこにきて、頭をなでてやると、ごっちんは体を起こした。
「この後、数研おいで」
それだけいうと、ごっちんはうなずいて、また机に突っ伏した。
- 87 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時31分32秒
授業が終わって数研に戻る。
みっちゃんがこっちを見たけど、あえてなにも言わなかったようだ。
私は椅子に座ると、大きなため息をついた。
「コンコン」
ドアがノックされてごっちんが入ってくる。
みっちゃんを追いやってごっちんを座らせる。
向き合ったものの、なにを話していいのかわからない。しばらく気まずい沈黙が続いた。
- 88 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時32分02秒
「裕ちゃん・・・」
先に沈黙を破ったのはごっちんだった。
「裕ちゃんに嘘つきは嫌いって言われて、
勉強ちゃんとやってたらまた好きになってくれるんじゃないかって思ってがんばったんだけど、
やっぱり1週間やっただけじゃ1年分は取り返せなかった」
ごっちんは力なく笑う。無理して笑ってるみたいだった。
「裕ちゃん、今までごめんね。ごとーの都合で裕ちゃん振り回したり、ウソついて困らせたりして、
それももう終わりだから、今までありがとう」
ごっちんの目から、一筋の涙が零れ落ちた。
ごっちんはそのまま立ち上がり、私に背を向けてドアのほうに歩き出した。
- 89 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時32分53秒
- 「ごっちん、もう1回私と付き合ってくれへん?」
「何言ってんの?ごとー60点取れなかったんだよ・・・」
「それはごっちんのことやろ?私は関係あらへんもん。ごっちんから告白されなかったから私から告白したんやで」
「私にはもう裕ちゃんと付き合う資格無いから・・・」
ごっちんは部屋を出ようとしていた。私は無意識に椅子から立ち上がり、ごっちんの後ろから抱き付いていた。
「大っ嫌いって言ったのは謝る。ごめん。裕ちゃんごっちんいないと生きていけへん。だから・・・」
「無理だよ・・・」
- 90 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時33分30秒
ぷっちぃーん。
こんな音が、横のほうから聞こえた気がした。
「ごっちんええ加減にせーよ、あんたなんのために1週間がんばったん?
放課後私と勉強してるとき言ってたやん、また裕ちゃんと付き合うんだって。
点数取れんかってええやん。一生懸命勉強したんやろ?
あと1ヶ月もすればまたテストやし、そんときに60点超えればええやん」
すっかり存在を忘れていたみっちゃんの叫びだった。
私が言おうと思ってたことみっちゃんに全部言われてもうたわ。
- 91 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時34分15秒
- 「ごっちん、裕ちゃんなぁ、ごっちんが一生懸命やってくれたらそれでええねん。
ごっちんにしたら53だってええ点やん。ごっちんがそんなんとったってことは裕ちゃんうれしいで」
やさしく頭をなでてあげる。
「でも、ごとー嘘つきになるんだよ?」
「ごっちんならいつか60点取れるって信じてるから・・・」
やっとごっちんがこっちを向いた。
「裕ちゃん、大好きだよぉ・・・」
ごっちんは私の胸に飛び込むと、声をあげて泣き出した。
ごっちんが落ち着くまで、ずっと背中をなでてあげていた。
- 92 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時34分52秒
「そういえば、二人は放課後勉強してたん?」
ごっちんがやっと落ち着くと、ふと疑問がよぎった。
確かにみっちゃんはそう言ったよなぁさっき。
「もぉー、へーけ先生裕ちゃんには黙っててって言ったのに」
ごっちんは照れたように笑った。
「なんでみっちゃんなん?私に言えば教えるのに」
下を向いて恥ずかしそうにつぶやくこと・・・、それじゃ意味ないんだよ・・・。だって。
なんか悔しかったから下を向いているごっちんの顎に指をかけて、くいっと上を向かせる。
そのまま、顔を近づけていく・・・。
- 93 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時52分44秒
- 「おいっ!裕子ぉ!」
距離にしてあと1センチ2ミリで唇が触れるというところで、とんでもないやつが乱入してきやがった。
「あのとき裕子があんな事するから矢口なっちに負けちまったじゃねーかよ」
そう、手に成績表を持った矢口。ただその言い方はちょっとまずいやろ・・・。
「ねえやぐっつぁん?裕ちゃんゆぐっつぁんになんかしたの?」
「そうなんだよ、矢口保健室で裕子に襲われ・・・」
矢口の口をふさぐも一瞬遅かった。
「へぇー、ごとーが一生懸命勉強してるときに裕ちゃんそんなことしてたんだ・・・」
「ちがっ、ごっちん、誤解やて、私はなにもしてへんから・・・」
「ふーん、信じてあげる、その代わり・・・」
「そのかわり・・・?」
「今日裕ちゃんち行くからごとーのこといっぱい愛してね」
矢口もみっちゃんもいる前で、平気でこんなこと言えるごっちんが、ある意味うらやましかった。
- 94 名前:『恋愛?勉強?高校生活究極の選択』 投稿日:2002年06月09日(日)23時53分32秒
「ごっちん、これなに?」
また付き合いだしてから数日後、すべての成績伝票がそろったところで、ごっちんを呼び出したのだ。
「なにっていわれましてもぉ・・・」
私の手にはすべての教科の点数の書かれた紙。そこには凄まじい数字が並んでいた。
「数学がんばったのはよぉーわかる、でも他のは何?」
平均の半分以下、つまり赤点のやつに赤マーカーで線を引っ張ったら、一面真っ赤に染まったのだ。
「だって数学しか勉強しなかったから・・・」
数学の53以外は全部一桁。英語にいたっては平均76なのに6点。
なんで6点の人がいるのに平均で76もいくんですか?
「ここは日本だから英語使わなくてもいいかなぁ、なんて」
満面の笑みで語るごっちん。その顔見たら怒る気がうせた。惚れた者の弱み。
「まぁ、次はがんばり」
結局それしかいえませんでした。
- 95 名前:どーもくん 投稿日:2002年06月09日(日)23時57分05秒
- さて、お待たせしてしまってほんとに申し訳ありません。
はっきりいってネタ切れでした。最後。
やっぱり最後の詰めが甘いな、自分の小説。
さて、次回からはなぜかちょっと番外編短編を書いてみようかなーと思います。
裕&後&矢&安からみはしばらくお休みで・・・。
- 96 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月17日(月)01時23分48秒
- 裕&後&矢&安はどのくらい休みなのかな?
- 97 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月04日(木)00時46分36秒
- 長く時間を空けてしまって申し訳ありませんでした。
言い訳すると、W杯とテストがあったためです。
というわけで、短編を書きます。
- 98 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月04日(木)00時47分10秒
- 「最近楽屋とかでさぁ、なんかやたら視線感じるんだよねぇ」
矢口が久しぶりに私の楽屋に来たかと思ったら突然こんなことを言い出した。
まあ、内部抗争が勃発してれば楽屋で誰かににらまれてても不思議やないけど、
あいにく今のモーニング娘。さんはそんなことは無いんやな。
それに個人的に誰かが矢口を嫌ってるとかそういう話も聞かんし。
となるともうあれしかないやん。誰かさんが矢口に夢中で矢口さんしか見れませぇーんてやつ。
そういうのが多分メンバーの中におるんやろ。
そうと知ってしまったら元リーダーとしては協力してやらんわけにいかんやん。
単なる野次馬とか、楽しい事好きとはちょっと違うからな。
どこが違うとか聞いたらぶっとばすで。
思いついたら即実行。モーニングの楽屋に向かいます。
しっかし気づいてやらん矢口も矢口やで。
ま、誰だか知らんけどいい先輩を持ったもんやな、私に任せれば矢口の一人や二人くらい簡単なもんや。
- 99 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月04日(木)00時48分15秒
- 「やぁ〜ぐちぃ〜」
いつものごとく入るなり矢口の姿を発見し、ちっちゃい体に抱きつく。
「うわっ、なにすんだよぉ、やめろよぉ」
そういいつつも満更や無いくせに・・・、ってこんなことするために来たんやあらへん、これもあるんやけど。
・・・。・・・。・・・。
確かに。視線を感じる。むしろこんないつもの光景を見る人間なんていやしないし。
それとなぁーくあたりを見回してみる。
ほらほら、いたいた。一人だけこっちをじぃーっとみてる娘が。
小川と話しながらも目線はずっとこっちで見事に目が合った、高橋。
会った瞬間にそむけるあたりがまだ甘いな。ああいうときはにこって笑って会釈でもしときゃばれないもんやで。
- 100 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月04日(木)00時48分47秒
矢口をほっぽりだして、高橋のほうに近づいていく。
私の接近に気づいた高橋は当然気まずそうに下を向く。
周りに不審に思われない程度に耳元でささやく。
「いじめたりせんから終わったら私の楽屋おいで」
そのまま部屋を出る。いちいちいじめたりせんて言わんと警戒するからな。
「裕ちゃん、あんまり高橋いじめないでよぉ」
圭織の声が後ろから聞こえた。めちゃくちゃ不審がられてるやん。
- 101 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月04日(木)00時49分28秒
- ホントのことを言ってしまうと、ぶっちゃけ私は今高橋ラブリーこと高橋愛のことが気になってしょうがない。
簡単に言えば惚れてるんやな。
まあ顔がかわいいのはおいといて、とにかくあの訛りがたまらんわな。
あの田舎っぽさっていうか素朴さってのがええねん。
もう自分でもおかしいんちゃう?って思うくらいあの子のことしか考えられへんねん。
・・・。
いまロリコンっちゅーたな?
そうや、どうせ私は変態でロリコンやわ。でも変態でロリコンのどこが悪い。
・・・やなくて、高橋ももう15歳の高校1年なんやから立派な大人や大人。
でも、高橋が矢口のことを好きならしゃーないやん。
協力せんわけにはいかんやろ?
協力しといてもし万が一高橋が矢口にふられたら、慰めつつ思いを伝える。
失恋のショックから立ち直れない高橋は私の優しさに惹かれてゆく・・・。
完璧。
あとは仕事が終わって高橋がくるのを待つだけ・・・。
- 102 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月04日(木)00時50分20秒
- かなり短いですが今日はここまで。
続き、というか後半は明日更新します。
- 103 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月04日(木)01時41分25秒
- >裕&後&矢&安からみはしばらくお休みで・・・。
なんて書いてたので・・・この4人出てこないのかと・・・ショックを受けてた(w
矢口と姐さんでてきて良かった。
ハロモニみるかぎり・・・姐さん高橋のことほんとに気にいってそう(w
姐さんのもくろみは成功するのか(w
たまには・・・やぐちゅーも書いて欲しい(w
- 104 名前:名無し君 投稿日:2002年07月04日(木)22時25分26秒
- 更新キター〜!
待ってたぞ。
- 105 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時20分46秒
はぁ、今日も疲れたわ。ねぇーさん歳なもんでねぇ。
ま、後は高橋をゲッチュしちゃおう作戦を開始すればいいだけやねんな。
「コンコン」
ほら来た。
「はーい、空いてるでぇ」
なんとも申し訳なさそうに高橋が入ってくる。顔は強張って。
私と話すってそんなに緊張するんか?
「ほら、座り」
私の横の椅子を引いて進める。
「失礼します」
やっぱりなまっとんなぁ。
しっかしかわいい顔しとるわぁ、目はパッチリやし。
こんなん惚れないほうがおかしいっちゅーねん。
- 106 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時21分30秒
「あのぉ?中澤さん?どうかしましたかぁ?」
ん?いかんいかん。実物を前に交信してもうたわ。
「いや、ちょっとお話しよかなぁ、って思ってな、時間あるやろ?」
むしろ無いとは言わせへんで。
とは言ったものの、どう切り出せばいいのかと考えてふと困った。
いきなり露骨に言っても困るし・・・。
「あのぉ?中澤さんて彼氏とかいますか?」
考えてたらいきなり言われてかなり動揺した。
「ぁん?おらへんよ、なんで?」
「いえ、別に・・・」
「高橋は?好きな子とかおらんの?」
「・・・いますよ」
真っ赤な顔して小声でつぶやいて下を向く高橋。ホンマかわいいんやけど。
「そっか、私もあんたぐらいんときなぁ、好きな子がおってん。
でも恥ずかしくて告白できんかったんやけどな。
そんで、しばらく経って偶然あって話したときに、相手の子も私の事好きだったってゆーてな、
あんとき告っとけばって後悔したんや」
神様、ごめんなさい。私はウソを言いました。当時荒れに荒れまくっていた私はこんな恋愛しておりません。
- 107 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時22分05秒
「中澤さんでもそんなことあったんですねぇ」
何気にぐさっとくること平気でいうなぁ、この娘は。
「だから、あんたも想いってのだけは伝えたほうがええで」
うん、かなりいい流れや。
「でもぉ、もし断られたら毎日気まずいじゃないですか」
「確かになぁ、でも、断られること心配してたら恋愛なんかできへんで」
あんたの倍生きてる私が言うんやから間違いない。
「そうですよねぇ、中澤さんに言われるとそんな気がしてきました」
「そやろ?思い切って言ってみ、言わんで後悔するよりは気持ちいいから」
「はい、わかりました。ありがとうございます」
にこって笑う高橋。やっぱこの笑顔最高やわ。
「それでですねぇ、あのぉ、中澤さん・・・、好きなんです・・・」
「うん、そんな感じやで、だれやか知らんけど、そんな感じでゆーてみ」
まあ知ってるんやけどな、矢口って。
「違います、中澤さんのことが好きなんです。付き合ってください」
- 108 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時23分29秒
へ?いまなんていった?
目の前には頭下げてる高橋。
「高橋の好きな子って矢口やないの?」
「なんでですか?」
「今日だって矢口のこと見てたし、矢口が視線感じるゆーてたのあんたやろ?」
「中澤さんのこと見てたんです。矢口さんを見てたのは中澤さんがいなかったから・・・。
中澤さんと矢口さん仲いいのうらやましくて・・・、そうですよね、私なんか、迷惑でしたよね」
「ちょ、ちょい待ち、ホントに私でいいんか?」
立ち上がろうとする高橋の肩を押さえつけて。
「中澤さんがいいんです」
そういって目を瞑る。この娘は・・・。
高橋の前髪を掻き揚げて、おでこにそっと口付ける。
目を開けて不安と不満が混ざった顔をする高橋。
その瞬間を逃さず、今度は唇を合わせる。
薄目をあけて顔を見ると、いつも以上にびっくりした顔をしていた。
- 109 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時24分58秒
唇を離すと、虚ろな目をしてた高橋。多分ファーストキスってやつやったんやろな。
「中澤さん?」
「私も好きやで、高橋のこと」
何を言われたのかわからなかったらしい。ポカンと口をあけてる。
「たかはしさぁーん、生きてるぅ?」
すぐにもうホントにうれしそうな顔に変わって。
「中澤さぁん」
思いっきり抱きつかれて、バランスを崩してこけそうになったけど、なんとかこらえた。
結局なんや私の勘違いだったらしい。
矢口なんほとんど関係いなかったし。
ま、というわけで、私には、こんな一回りもちっちゃい彼女ができました。よかったよかった。
- 110 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時25分50秒
「あ、私と付き合うのって一つ条件があったんや」
しばらく話してから、あたかも思い出したかのように言った。
「なんですか?」
また不安そうな表情になる。
「裕ちゃんて呼んで」
「え・・・!?」
「ええやん、高橋に呼んでほしいのぉ」
15歳に甘え口調の29歳。
「・・・、裕ちゃん・・・」
ちっちゃな声で真っ赤になって下を向いてつぶやく。
「もぉー、ホンマかわいいなぁ」
髪の毛をくしゃって撫でて、思いっきり抱きしめた。
- 111 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時26分46秒
「ほら、遅くなるからかえるで」
話に夢中になって、高橋が来てから1時間以上経っていた。
「あのぉ、手つないでいいですか?」
部屋を出て、二人で歩くと高橋が言った。
「ん?ええよ」
嬉しそうにつないでくる高橋の手はとてもあったかかった。
あんなことを聞くあたり、まだ恋愛に不慣れなんやなぁって思う。
どんなことがあってもこの娘だけは守ってやる。なんて決意してみたり。
事務所から出ると、東京では珍しく、空一面に星が輝いていた。
私たち二人を祝福するように・・・。
〜Fin〜
- 112 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月05日(金)00時33分48秒
- というわけで、ゆうたかでした。
これはただ単に高橋さんが書きたくなったから書いただけです。
>>103 名無し読者さん
本当は裕&後&矢&安のカップリングではない話を書くと言いたかったんです。
紛らわしい言い方してすみませんでした。
短編のほうはこんな結末にしてみましたがいかがでしたでしょうか。
>>104 名無し君 さん
更新しました。お待たせしてすみませんでした。
ちなみに次回は今日の授業中に思いつきで書き上げた超短編ゆうごま。
で次は>>36で出ていたやぐちゅーメインのゆうごまトライアングルを書きます。
自分で書いててなんだかよく分からない話しになってます。
- 113 名前:名無し君 投稿日:2002年07月05日(金)01時41分38秒
- ゆうごま(w
作者さんは天使です。
- 114 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月05日(金)15時19分23秒
- ゆうごまキター!
でもやぐちゅーメインのゆうごまが一番気になる。
- 115 名前:やぐちゅ〜みっちゅ〜狂患者 投稿日:2002年07月06日(土)04時46分04秒
- ゆうたかキターーーーーー!
最近のハロプロニュースでの、この2人気になってたんですよね〜。
どうも、風板で裕ちゃん達が戦闘機乗り、という話を書いています。
私のところでも、何気にゆうたかをやってます。
ゆうたか、ゆうごまもいいけどやっぱり、やぐちゅ〜☆
- 116 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月07日(日)01時34分23秒
- >>113 名無し君 さん
天使なんて・・・、とんでもないです。
読者様は・・・神様です。
>>114 名無し読者さん
ゆうごまは前述のとおり授業中に書いたのでとっても短いです。
やぐちゅーのほうはちょっと長くなりますが、あんまりやぐちゅーではないかも・・・。
>>116 やぐちゅ〜みっちゅ〜狂患者さん
風版の小説読ませていただきました。
戦闘機の話しが全く分からないのでついていけませんでしたが、
あそこまで書けることがすごいですね。
やぐちゅーは、やぐちゅーではないかも。でもやぐちゅーです。
というわけで(どういうわけ?)ゆうごまです。
- 117 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月07日(日)01時35分38秒
「書けたかぁ?ほな集めんでぇ、後ろの人集めてぇ」
今生徒たちに書かせたのは進路希望の調査票。
と言うと大袈裟やな、もっと簡単なまあ作文みたいなもんや。
他のクラスはもっとまともなのを書かせてるらしいけどな。
ま、ええねん。
それよりまたごっちんははじめの30秒くらいカリカリと鉛筆を動かすと、すぐ寝る体勢に入った。
いつものことやねんけど、もうちょっと進路のこととかも考えんと・・・なぁ。
とりあえず職員室に戻り、回収した用紙に目を通す。
まあいろんな答えがあるわけで。
どこどこ大学に行きたいって具体的なのもあれば未定とかってのもある。
保育士になるとか、働きたいとか。とにかく十人十色だ。
で、いよいよ後藤のやつ。
- 118 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月07日(日)01時36分33秒
卒業後の進路 12番後藤真希
将来なりたい職業 裕ちゃんのお嫁さん。
- 119 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月07日(日)01時37分51秒
「はぁ?」
思わず声に出してしまった。たった2行の作文。しかも1行は題名と名前。
しかも私のお嫁さんて職業なんか?それ以前に日本てまだ同姓の結婚認めてないやろ?
・・・ってそういう問題やない。そろそろ将来のこと考えさせんと。ちょっと甘やかしすぎたんかなぁ・・・。
決定。呼び出し。
「2年B組の後藤真希さん。至急職員室まで来てください」
- 120 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月07日(日)01時39分23秒
数分後、満面の笑みを浮かべてごっちん登場。
「なぁに?裕ちゃん」
職員室に呼び出しくらってこんな嬉しそうな生徒ははじめてやな。
「ごっちん、さっきのやつ読んだけど、あれなに?」
「なにって?ごとー裕ちゃんのお嫁さんになるの」
満面の笑みでそういうごっちん。
「いきたいとことかはあらへんの?」
「裕ちゃんの家」
「いやそうやなくて、なにかやりたい仕事とかあらへんの?」
「だから、裕ちゃんのお嫁さん」
やっぱり何か違う・・・。
こうなったら私が最後まで責任持ったる。
「わかった、私がごっちん嫁にもらったるわ」
「ホント?ごとーもう16だから結婚できるよ、いつにする?」
やっぱりこの子の教育間違ってた・・・。
でも私が幸せで、この子も幸せだからな、ま、ええねん。
- 121 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月07日(日)01時42分47秒
- とっても短いゆうごまでした。
短いとは思っていたけどあげてみたら更に短くてびっくりしました。
では、ちょっと次のやつの説明。
やぐちゅーメインのゆうごまには違いないんですが、更にもう一人出てきます。
さて誰でしょう。ちなみに誰であろうがたいして話しに影響はないんで、自分も感覚で選びました。
更新は明日するつもりではいますが、できなかったらすみません。
- 122 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月07日(日)11時35分57秒
- ごまゆうほのぼのいいな〜。
- 123 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月08日(月)00時30分58秒
- 「裕ちゃぁん、来たぞぉ」
ドアを開けるなり大声で叫んだ私の恋人、矢口真里。
たまたま寝てる人がいないからいいものの、ここは保健室なんですけど・・・。
矢口はまるで自分の部屋にでも来たかのように、棚からインスタントコーヒーを取り出し、ポットのお湯を注ぐ。
まあその辺の行動にいちいち文句つける気はあらへん。保健室は「しっかり勉強している生徒たちの憩いの場」やしな。
それより問題なのは・・・
「矢口、授業は?」
そう、授業中なのだ。つまり矢口は「しっかり勉強している生徒たち」にはあてはまらないことになる。
この時間矢口のクラスはたしか・・・、そう、数学や。
「わかんないからいい」
それが悪いことではないのかと、一瞬こっちが考えてしまうくらいさらっと言いのけた矢口。
「また留年したいんか?」
「裕ちゃんいるからいいよ」
早くも話す気力が無くなった。恋人としてはとても嬉しいこと言ってくれてるんやけどな・・・。
- 124 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月08日(月)00時32分08秒
- コンコン
「失礼しますぅ」
ドアが開いて入ってきたのは1年の松浦亜弥だった。あ、ちなみに矢口は2回留年で今3年な。
「どうしたん?」
「あ、えっと、その、頭痛いんで、お薬もらえますかぁ?」
「風邪かぁ?休まんでええの?」
「はい、そこまでひどくないんで」
なんかどこも悪くないのに平然と保健室でコーヒー飲んでる矢口にもこういうこと言ってもらいたいもんだわ。
「じゃあこれ薬。あと一応熱測っといて、で、そこの名簿に名前、書いといてな」
松浦に薬と体温計を渡す。
「あんま勉強しすぎても体に悪いで」
松浦の頭をぽんぽんとたたく。
松浦は入学して2回のテスト、ほとんど満点に近い点数で2回とも学年トップ。
更にはスポーツもできて顔も可愛いときたら文句のつけるところがあらへん。
- 125 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月08日(月)00時32分39秒
- しばらくして電子音がした。
「6度7分です」
松浦は体温計を渡すと、名簿に書き込み、立ち上がった。
「ありがとうございました。失礼します」
「はぁい、お大事になぁ」
気持ちいいくらい礼儀の正しい子やなぁホント。矢口もちょっとは見習って欲しいわ。
「裕ちゃん優しくしすぎ」
松浦が登場してからずっと黙っていた矢口が口を開く。
私は不機嫌ですって感じでコーヒーをいじいじかき混ぜながら。
「アホ、具合悪くて来た奴に冷たくするやつがおるか」
「でも矢口以外のやつに優しくしてほしくないもん」
「じゃあ今度たっぷり優しくしてやるから」
「もぉー、そういう問題じゃない!」
「はいはい、わかったから教室戻り」
私のいいかげんな返事に矢口さんは気を悪くしたらしい。
「もういい、誰かきても絶対手出さないでよ。出してもだめだかんね」
さんざん喚いて出て行った矢口。
矢口はちっこくてかわいいんやけど、ちょっと、いやかなり嫉妬心が強くて困る。
保健室だって毎日やってきて可愛い(と矢口が思ってる)子の名前を発見すると、
「手出してないよね?」を連発するのだ。
- 126 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月08日(月)00時33分28秒
まあ矢口の性格ってのもあるけど、私の第一印象ってのが悪すぎやからな。あの子にとって。
- 127 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月08日(月)00時37分22秒
- という感じでやぐちゅー+αを進めていきたいと思います。
ごまがでてくるのはもうちょい先です。
>>122 名無し読者さん
よかったですか。安心しました。
自分が学校でこういうの書かされるんで思いついたお話でした。
- 128 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月08日(月)00時52分19秒
- 学園ものスキです。
ごくせんでの白衣に萌〜。(w
- 129 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月08日(月)14時23分13秒
- ゆうごま・ごまゆう・ゆうごま・ごまゆう・・・・・
やぐちゅーもスキだけど・・・ごまゆうにラブラブです。
- 130 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月09日(火)12時36分50秒
- やぐちゅー万歳
楽しみにしております
- 131 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月17日(水)23時51分23秒
コンコン
またノックされて、申し訳なさそうにドアが開いた。
「失礼します・・・」
入ってきたのは、なぜかまた再び松浦だった。
「どうしたん?やっぱだめか?」
「いや、えっと、その、相談があるんです」
- 132 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月17日(水)23時52分56秒
保健室の先生という立場、教師としてはまだ若目の年齢から、生徒の相談を受けることが多い。
まあ半分以上が恋愛の悩みで、その後が胸がちっちゃいとか体の悩み。
あとは相談というか愚痴を言ってるのに相槌を入れてやる。
ただ、進路や将来の相談なんかほとんどない。私もされても困る。
「そ、頭痛いってのは?」
「ウソです。矢口先輩がいたから・・・、すみません」
深々と頭を下げる。やっぱり礼儀正しいんやなぁ。
「それは別にええけど、授業サボるってことはよほど深刻なんやろ、まあ座り」
「あ、あの、そっちの部屋いきませんか・・・?」
松浦が指差したのはベッド室。
「ん?別にかまわへんけど・・・、ちょっとまってり」
私は入り口に歩いていくと、ドアの外側に、
『ちょっと留守にしています。具合の悪い人は職員室の先生に頼んでね あなたの裕ちゃん』
という札をかける。ちなみにこれはとある生徒が書いたもの。
矢口はこれにもぶーたれてたけどな。
- 133 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月17日(水)23時55分12秒
「ほないこか」
松浦の肩を抱いて、ベッド室の方に入る。
一番窓際のベッドに二人で腰掛けた。
「相談てのは?」
「あのですねぇ、好きな人がいるんですよぉ」
真っ赤になってちっちゃな声でいう初心な感じがなんとも可愛らしい。
恋愛の相談ね、まかしとき、得意分野やから。
「それでですね、その人は恋人がいるんです」
ああぁ、それ一番痛いパターンやな。
「でもぉ、気持ちだけは伝えようと思うんです」
うん、ええ心がけや。やっぱ相手に知ってもらうってのは大事やからな。
「それでですねぇ、中澤先生?」
ん?
「私ぃ、先生のことが好きなんです」
あぁ、私か。
って私かい。
- 134 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月17日(水)23時56分41秒
「ん〜、気持ちは嬉しいんやけどとしか言えへんわ、松浦の気持ちには答えられへん」
やっぱ告白を断るってのはいい気がせぇへんな。
「いえ、いいんです、わかってましたから、ただ、お願いがあるんです・・・」
松浦の目は、まっすぐ私の目を見つめて。
「一回だけでいいから、一緒に寝てください」
優等生で通る彼女の口からそんな言葉が出たことを一瞬信じられなかった。
「寝るって、そのあれか?あのー、その、二人の男女がやっちゃうあれか?
「なに言ってるんですか?」
「へ?」
「私、その、腕枕ってのをして欲しいんです」
なんかとんでもない勘違いをしていた私。
まあ腕枕ぐらいならええよな。
ドアに札掛けっぱなしやしな。
松浦の横に滑り込み、ゆっくり松浦の体を倒す。
頭の下に腕を通すと、松浦は気持ちよさそうに顔をうずめてきた。
「こうしてるから寝てええよ」
松浦の頭を優しくなれる。
振った自分が言うのもなんやけど、失恋てのは辛いものやからな。
しばらくして、静かな寝息が聞こえてきた。
私も、寝よ。
- 135 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月17日(水)23時57分52秒
『きーんこーんかーんこーん』
鳴り響いたチャイムで目を覚ました。
目をこすり、隣を見ると、松浦はまだ眠ったままだった。
「松浦、授業終わったで、起きれるか?」
目を開けた松浦は、ふわぁ〜、と小さく欠伸をした。
「おはよ」
「おはよーございます」
松浦は一旦私と目を合わせたものの、恥ずかしそうに目をそらす。
「なあ」
「はい?」
「あんたはホントにこんなんで諦めれんの?」
「まさか・・・、でもしょうがないです」
「そっか」
のそのそとベッドを出る。
「授業疲れたらいつでも来いよ、待ってるからな」
松浦を送り出す。
- 136 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月18日(木)00時01分33秒
- とりあえずさっきまでの仕事に取り掛かる。
1時間寝たからな、急がんと・・・。と思ったら。
「ゆうこぉ!」
思いっきりドアが開かれて、矢口が入ってくる。
「どういうことだよっ!」
なんのことやねん。
「これだよ!」
矢口が突きつけた携帯。その画面には、一つのベッドで眠る、二人の体。
一人のは松浦。ということは、もう一人はもちろん私。
「これは・・・ちゃうねん。別になんでもあらへん」
「大体松浦帰ったじゃん。なんでまた来てんの?なんで裕子と寝てんの?」
言い返そうにも言葉が見つからない。
「どうなんだよぉ、黙ってないでなんとかいえよ!」
「なんでもないから」
キッパリと言い張ったけど、矢口の怒りと悲しみの入り混じった表情を見ると心が痛んだ。
- 137 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月18日(木)00時02分40秒
「裕ちゃん、矢口があげた指輪は?」
矢口に言われて左手を見る。
当然そこにはこないだ矢口にもらった指輪が・・・、
なかった。
「ずっとしててって言ったじゃん、ねえ、どこやったの?」
「どこいったんやろ・・・」
この時間保健室から出てないから、考えられることは一つしかない。
「松浦でしょ?ねえ、そうなんでしょ?あいつ、ぶっ飛ばしてくる」
ものすごい勢いで保健室を出ようとした矢口の腕をなんとか捕まえた。
「ちゃうねん、松浦は関係あらへんから」
「あんな腕枕までしてさ、関係ないわけ無いじゃん」
「矢口、ちょっとおいで」
私は低い声で言い放つと、抵抗する矢口を強引にベッド室に連れ込んだ。
「なにすんだよぉ!はなせよ!」
そのまま、矢口をベッドに押し倒す。
矢口の両手を抑えたまま、強引に唇を合わせ舌を挿入し、口内を乱暴に舐めまわす。
「ゆ・うこぉ、やめろ・・・」
矢口の言葉と共に、腹部に痛みが走った。
矢口の足が、私の腹にもろに入って、思わず体を離す。
- 138 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月18日(木)00時04分03秒
ぱちぃーん
乾いた音とともに、頬に痛みが走った。
「裕子のバカッ!こんなんじゃあの時と一緒じゃんかよ!」
矢口の目から涙がこぼれた。
「ごめん」
矢口から離れる。
「どうせ松浦もそうやって押し倒したんでしょ? バカ!裕子なんか嫌いだ!大っ嫌いだぁ!」
矢口は起き上がるとベッドから降り、そのまま出て行った。
「大っ嫌い・・・か」
矢口に大っ嫌いって言われたのは2回目だ。1回目はあの時・・・。
- 139 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月18日(木)00時15分09秒
- 更新しました。
>>128 名無し読者さん
よかったですよねぇ、ごくせん。
の菊乃さん。の白衣(ばきゅ
あんな保健室の先生がいたら毎日のように通いますね。
>>129 名無し読者さん
ごまゆうです・・けど、ごまはちょっと嫌な役になるかもしれません。
>>130 やぐちゅー中毒者セーラムさん
次の更新はやぐちゅーです。
というわけで、次回は中澤さんと矢口さんの出会いを書きます。
- 140 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月18日(木)00時27分15秒
- あややゆうかと思った。(w
これにごまが加わるとは・・・姐さんもて過ぎ(w
- 141 名前:名無しです。 投稿日:2002年07月19日(金)01時05分07秒
- やぐちゅーはやっぱりいい。(W
矢口・・・キス魔といい(安倍)・・・姐さん化してきてる模様。
この頃TVみていつも思います。
- 142 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月23日(火)09時44分56秒
- 出会い編はやく読みた〜い!!!
- 143 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時24分15秒
…2年前…
「えー、産休に入られた保健室の石黒先生の、かわりの先生を紹介します・・・」
校長に紹介される。
「中澤です、よろしく」
これしか言わなかった。おそらく第一印象は最悪だろう。
そのほうがいい、保健の先生なんて。
変に好かれてサボりが多発するほうがまずい。
本当に具合が悪い奴は、教師の第一印象が悪かろうが保健室に足を運ぶ。
しかし、ことがそんなにうまくいかないのが、この学校らしい。
- 144 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時26分13秒
「失礼しますぅ」
あの挨拶の次の日、いきなり見るからにサボりと思われるのがやってきた。
何年生だろうか、やたら小さい。おそらく150センチないだろう。
「おいら矢口って言うんだ、矢口真里。ちょくちょく来るから、よろしく」
なれなれしく、軽い口調で話し掛けて、そのまま私の正面の椅子に座る。
「式の時愛想悪かったのわざとでしょ?おいらみたいのこさせないためでしょ?」
なんなんやこのガキは。決めた。この学校のターゲットはこいつ、矢口。
「ねぇ?どうなの?ホントはいい人なんでしょ?・・・っ!!」
まだベラベラ喋りそうな矢口の唇をふさいだ。
この状態で矢口の反応を見る。目をぎゅっと瞑って固まっている。
ありゃ〜、これはどうもはじめてっぽいなぁ。
舌を入れても、何の反応もなしで、絡めてもされるがまま。
茶髪にピアスでチャラチャラした感じを受けるけど、やっぱ人は外見で判断しちゃアカンな。
この子押し倒したらどんな反応するやろ。ふふふ。
- 145 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時27分20秒
矢口の制服のボタンを外していく。
「ぁっ、なに、すんだよぉ」
弱々しい声が漏れる。そういう声が、余計私を燃えさせるとも知らずに。
ボタンを外してブラが現れる。
やっぱええなぁ、こんぐらいの子の下着は可愛くて。
それをずり上げると、胸のふくらみが露になる。
「やだ、やめろぉ」
抵抗している矢口の手を抑え込むと、胸のふくらみの頂点に舌を這わせる。
「ぁあっ」
ずいぶん可愛い声で鳴いてくれるやん。
矢口の体を抱きかかえると、長椅子に押し倒した。
「矢口、やったことある?」
「ない・・・」
「じゃあ私が初めてってことやな」
矢口のスカートを捲り上げて、ショーツの上から矢口のソコを撫でる。
「やだっ!、やめろ、やだって、誰か、助けてぇ!」
矢口が本気で暴れだした。小さな体の矢口を押さえ込むのはそう大変なことではなかった、が・・・。
- 146 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時29分39秒
ぱーーーーんっ。
押さえ込もうとした手が、偶然私の頬にヒットした。
「痛っ」
私が一瞬ひるんだ隙に、矢口はもう一発顔に拳をヒットさせた。
「ふざけんなよっ!教師がそんなことしていいのかよ、アンタそんな人だと思わなかった、アンタなんか大っ嫌いだ!!」
矢口は私の体を更に突き飛ばし、保健室から出て行った。
- 147 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時30分28秒
矢口に殴られたところを濡れタオルで冷やす。
一発目はまあ事故だったとしても、二発目は明らかに矢口の意思やったしなぁ。
あんまり力強くなかったけど、グーで殴ることないのに。
ま、でもしばらく遊べそうやな、あの子は。
感度もよかったし、唇もやわらかかったし・・・。
ドクンッ!
矢口とのキスを思い出した途端、胸が不自然に脈打った。
なにキス思い出したくらいで興奮してんねやろ。私は中坊かい。
よっぽど飢えてたんかな。
このときは、そう思って納得させた。強引に。
- 148 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時31分32秒
「アンタなんか大っ嫌いだ!!」
バッと飛び起きて、あたりを見回す。
普段と何ら変わらない自分の部屋。
「夢か・・・」
ひどく汗をかいていた。荒い呼吸を静めようとゆっくり息をはいた。
時計はもうすぐ6時になることを告げていた。まだ少し早かったが、起きてシャワーに向かった。
シャワーを浴びていると、さっきの夢が頭の中でリピートする。
他には何も覚えていない。ただ矢口の「アンタなんか大っ嫌いだ!!」だけ、妙に鮮明に覚えている。
胸が苦しい。なんとか他のことを考えようとする。しかし逆に、更に鮮明になって矢口の顔が、声が浮かぶ。
次第に立っていられなくなって、その場にしゃがみこむ。涙が流れた。
こんな気持ちになったのは初めてだ。前の学校で、何人手を出してもこんな気持ちにならなかったのに。
明らかに違う、矢口は。もっと違う感情が生まれてしまったのか。
違う感情・・・?
「いい歳して一目惚れか・・・」
呟いて、思わず笑ってしまった。
矢口は2度と保健室なんかこないだろう。私から近づくこともできない。
まして、私みたいな奴に、人を好きになる資格なんてない。
- 149 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時32分17秒
相変わらず保健室は人が少なかった。
やっぱり私のあの挨拶が聞いているのだろうか。
時々来るのもいたけど、サボりで来るような子はいなかった。
そして矢口も、あれ以来姿を見せなかった。
次の日も、また次の日も、そのまた次の日も。
日を置くごとに、私の中で、矢口という存在が大きくなり、また胸が苦しくなった。
あれから1週間がたったこの日、朝から誰もこなくて、3時間目ももう終わってお昼休みになろうとしたときだった。
ノックもなしに戸を開けて入ってきた人物、矢口だった。
矢口は何も言わずに私に背を向けて椅子に座ると、机の上の名簿に目を通した。
気まずい沈黙が流れた。
- 150 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時33分00秒
「責任とってよ」
先に沈黙を破ったのは矢口だった。
「は?」
「矢口のこと押し倒した責任。矢口の裸見た責任。矢口の初めて奪おうとした責任!
奪おうとしたなら責任もって最後までやってよ」
「何言ってん?そんなこと・・・」
「矢口アンタのこと好きなの!あんなことされてバカじゃないのとか思うかもしれないけど、
初めて見たときからアンタのこと好きだった」
「じゃやったるわ」
また矢口の体を押し倒す。
キスしようと体を近づけるのを、矢口の手がさえぎった。
「アンタさぁ、押し倒すときに背中打たないように支えてるの気づいてる?」
本当の気持ちをばらすまいと押し倒したのに、本能はそうはいかなかったらしい。
私の強がりなんて所詮こんなもんか。
「気づいてへん。でも私の頭は矢口を傷つけたくないと思ってるんやろ・・・」
矢口の前髪をかき上げて、おでこにそっと口付ける。
「好きやで、矢口」
「矢口もだよ、裕ちゃん」
- 151 名前:どーもくん 投稿日:2002年07月31日(水)22時36分26秒
というわけでやぐちゅー出会い編の終了です。
正直この話はあげるかどうか悩みました。
あまりに出来が悪すぎて・・・。
ゆうたかの続編の方がどんどん書けるし・・・。
さて、気を取り直して次回はやっとごまの登場です。
- 152 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月01日(木)11時46分50秒
- 黒裕子最高〜♪
- 153 名前:名無しsann 投稿日:2002年08月04日(日)19時16分39秒
- 黒ですな中澤さん・・・続き期待してます。(w
- 154 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時10分52秒
というのが私と矢口の出会いを100分の1ぐらいに縮めて簡単に説明したものです。
後で聞いた話、矢口は私に押し倒されてから毎日のように家で泣いてたんやて。
まあ当時の私は荒れに荒れてたからな。しゃーないねん。うん。
今は矢口一筋やで・・・。って虚しいななんか。
しっかしあの画像を撮って矢口に送った大馬鹿者は誰なんやろ。
ちゃんと札はかけておいたから、入ってくるのは日ごろそれなりに仲のよい人間に限られてくる。
となると・・・。
やめよ。こんなこと考えてたら頭痛くなってくる。
- 155 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時12分01秒
- 「ゆーちゃん」
現れたのはごっちんだった。なんや今日はよくわからんのがいっぱい来る日やなぁ。
「札掛けっぱなしだけどいいの?」
「ああ、掛けといて・・・」
ごっちんも札掛けてても入ってくるうちの一人。
「裕ちゃんどうしたのそのほっぺ!?」
「ん?ちょっとな・・・」
「やぐっつぁんとケンカしたの?」
ごっちん普段はぼけぇ〜っとしてるけどこういうときだけは鋭いんやな。
「まあ、そんなもんやなぁ」
「もう、ごとーケンカしてる裕ちゃんとやぐっつぁんなんか見たくないよ」
ええ子やなぁごっちんは。さらさらの髪をぐちゃぐちゃに撫でてやった。
- 156 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時13分15秒
- 「でも、いくらなんでも松浦と寝るのはまずいんじゃない?」
ごっちんの顔が変わった。ていうか何でそれ知っとんねん?
「まさか、アンタ・・・」
「そ、やぐっつぁんに画像を送ったのはごとうでーす」
「アンタ・・・、なんてことするん・・・?」
「悪いのは裕ちゃんでしょ?松浦と寝てるから、あ、ついでに指輪もいただいちゃいました」
「なんで?なんでそんなことするん?」
「裕ちゃんさぁ、後藤と始めてあった時のこと覚えてる?」
初めて・・・。
「入学式んときちゃうの?」
「違うよ・・・」
- 157 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時15分05秒
- 後藤が中3の夏。
周りが高校とか受験とかで騒がしくなっても、全然考えなかった。
そんな後藤の姿を見て、担任の先生がたまたま知り合いがいるというこの学校に見学に来たのだ。
職員室に行ったら、自由に校内を見学してくださいといわれ、ネームプレートを渡された。
ただそれだけ。
知り合いもいないこの空間に放り出された。
自由にといわれてもどこに何があるか分からないし、勝手に入っちゃいけないところだったてあるだろう。
どうしようもなくてたたずんでいたところ、後ろから声を掛けられた。
「君、中学生?どうしたの?」
優しそうな男子生徒だった。
「あ、学校見学にきて、自由に見ていいって言われたんですけど、どこ見たらいいか分からなくて・・・」
「そうなんだ、分かった、案内してあげるよ」
その人に連れられて、教室とか、いろいろなところを案内してもらった。
なかでも興味を持ったのがパソコン室。
なんでもインターネットが完備されていて、生徒は自由に使っていいらしい。
- 158 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時18分02秒
- 「あとは、そうだ、ちょっとこっち来て」
突然手を引っ張られ、なんか暗い部屋に連れ込まれる。
「え?なんですかここ・・・」
「別に、普通の倉庫」
そのとき、その人の顔が確かに変わっていた。
「案内してあげたんだからお礼ぐらいしてくれてもいいよね?」
怖い。でも、声が出なかった。
「大丈夫だって、暴れたりしなきゃ怪我させたりしないから」
唇に何かが触れたかと思うと、いきなり舌が入ってきて、口の中を舐めまわしてきた。
そのまま、制服のボタンに手を掛け、一個づつ外されていく。
いやっ! 助けてっ!
叫んだ声は、全て相手に吸収されてしまった。
- 159 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時19分05秒
- 「おい、なにしてん?」
低い、よく通る声だった。
その声に、男の動作が全て止まった。
「はよ消えな」
後藤の顔も、その人の顔も見ることなく、男は出て行った。
それを見届けると、その人は後藤に近づいて、笑顔で言った。
「ごめんなぁ、わざわざ来てくれたのに」
外されたボタンを直してくれた。
「私な、この学校で保健医やってる中澤って言うんや」
「あ、私××中の後藤真希です」
「見学は終わったん?」
「はい、そろそろ帰ろうかなって」
「そ?じゃあ玄関まで送ってくわ」
中澤先生と並んで、玄関まで歩いた。
そして別れ際、先生にこういわれた。
「あんなことあって印象悪くしたかも知れんけど、
できたら真希ちゃんにこの学校来て欲しいな、待ってるから」
- 160 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時19分58秒
その後、私はこの学校に入るため、人が変わったかのように勉強した。
イヤになったときは、中澤先生の顔を思い出して頑張った。
そして、合格した。
学校では、一番の番狂わせとまで言われた合格だった。
- 161 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時22分56秒
- 「で、この学校に来て、真っ先に裕ちゃんに会いに行った。
裕ちゃんが待ってるからって言ったから頑張れたのに、裕ちゃんにはやぐっつぁんがいた。
そればっかりか、裕ちゃんはごとーのことなんか覚えてなかった。
残酷なんだよ裕ちゃんは、散々優しくしてさ」
今の今まで忘れていた。確かに言った。
学校見学に来た中学生に。
「ごめんごっちん、知らんかったんや、ごっちんが思ってくれてること」
ごっちんは、ポケットから指輪を出して、机に置いた。
「ごっちん?」
「ごとー子供じゃないもん、引くときは引くよ。
それに言ったらなんかすっきりした。あぁ〜あ、松浦でも口説こうかなぁ」
ごっちんが寂しそうに笑ったのが印象的だった。
- 162 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時25分09秒
- 「てかさぁ〜、なに和んでんの?」
言葉と共に、ドアが激しく開いて入ってきたのは矢口、と松浦。
「そっちはそれでめでたしめでたしかも知んないけどさぁ、松浦と寝てたのは解決してないんだよね」
あぁ、また面倒なことが・・・。
「だぁかぁらぁ、なにもしてないって言ってるじゃないですかぁ」
松浦の喋り方はどうも説得とは程遠い気がする。
「なぁ、矢口ぃ、私も松浦もなんもしてへんゆーてるやん、そんなに裕ちゃん信じられんか?」
「信じられない」
即答しおった。ただそれを言い返せない過去を持つ自分が悲しい。
「じゃあどうしたら信じてくれるん?」
「キスして」
キスって・・・、ごっちんも松浦もおるんやで。
って、二人はNo眼中ってやつか。
しゃーない、私が悪いんやし、松浦とごっちんには悪いけど、今の彼女はこいつやからな。
矢口の頬を両手で抑えて、そのまま口付ける。
と、矢口のほうからいきなり舌を入れてきた。
私も抵抗することなく受け入れる。
松浦とごっちんに見守られた二人のキスは、しばらく続いたという・・・。
- 163 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時28分19秒
というわけで、一応終了なんですが・・・。
はっきりいってこの作品は書き終わった時点で放棄しようと思ったんです。
あまりに酷いから。
しかしそれでは無責任だなと思いまして、一応あげたわけです。
>>153 名無し読者さん
黒かったでしょうか。なんか中途半端な感じで心配してましたが良かったです。
>>154 名無しsannさん
多分期待にこたえられる作品じゃないと思います。すみません。
で、この話しに突っ込まれないようにあえてゆうたかあげちゃいます。
- 164 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時29分21秒
- 「中澤さ〜ん、お祭り行きましょう?」
「は?」
楽屋に入ってくるなり叫んだ、愛しの高橋。
悪いけど、かなり素で間抜けな返事してもーたわ。
「だってこないだのハロモニのとき言ったじゃないですかぁ、氷とたこ焼きとジュースとりんご飴付きって」
あぁ、言ったなぁ、原稿どおり全くアドリブなしで。
疑うことを知らない子供っていいなぁ、ってちゃうわ。
「言ったけど、なぁ」
いい歳してお祭りなんてなぁ。
「家の近くであるんですよぉ、一緒に行きましょう?」
「でもなぁ・・・」
人ごみは面倒やしなぁ。
「中澤さんは高橋と行くのイヤですかぁ・・・?」
・・・。
「分かった、行こ」
モーニングは何でみんなでこのちょっと潤んだ目で上目遣いをすんねん。
矢口から辻から加護からついには高橋まで・・・。
私がこれ弱いの知っててやってるんやろ。
「そのかわり・・・」
「はい?」
「アンタ浴衣な」
- 165 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時30分31秒
◇
- 166 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時32分04秒
- ちゅーわけで、仕事も終わり私は高橋の家にきている。
「たかはしぃ〜、まだかぁ〜?」
目下浴衣に着替え中の高橋を待ってるわけや。
着替えてきます言うからここで着替えろゆーたら真っ赤な顔して出て行った。
「じゃーん、どうですかぁ?」
戸が開いて、淡い水色の浴衣姿の高橋が出てくる。
「ちょ、こっちおいで」
手招きして高橋を私の胡座の真ん中に座らせる。
座った高橋を後ろからぎゅっと抱きしめて。
「なぁ、お祭り行かんでこうしてるのはどう?」
人ごみに出たくないってのも事実。
でも、こんな可愛い高橋を、他の人の目にさらしたくないってのも事実。
「高橋はぁ、お祭りに行った後こうしていたいです」
ちょっと拗ねた感じで。これまた可愛いんやけどな。
高橋の意志は固いらしい。ま、ならしゃーないか。
「よしわかった。じゃあ行こう」
- 167 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時34分35秒
- お祭りなんていくの何年ぶりやろ・・・。ここ最近行けてなかったからな。
しかも恋人と一緒なんて・・・。
私の手を一生懸命引っ張って、どんどん進んでいく高橋。
「なぁ、そんな急がんでもお祭りは逃げんてぇ」
下駄をはいた歩き方が危なっかしくて見てられない。
ま、その辺が子供らしくて可愛い。
てか自分でも笑ってしまうくらい、この子にはまってるな、私。
神社周辺は、予想通りものすごい人だった。
「すごい人ですねぇ」
いやそんなしみじみ言われてもな。
覚悟はしていたけどこの中に身を投じるのはやっぱりちょっと勇気がいる。
「ほら、いくで」
覚悟を決め、高橋の手をつかんで人ごみに突入していく。
- 168 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時35分14秒
- なんとか人ごみを掻き分けながら進んでいく。
昔着たときはくじの商品がたまごっちのときやったからなぁ。
最近はアイドル系とかも増えてんなぁ。モーニングとか松浦とかのポスターあるし。
なんで中澤のはないねん。
「中澤さん、たこ焼き」
高橋が指差す方向にたこ焼きやの屋台が見えた。
ただ、その周辺人がすごい。高橋を引っ張って突っ込んでいく勇気は無かった。
あたりを見回すと、木陰にちょうど座れそうなところがあった。
「私買ってくるから、高橋あそこで待っとって」
そこを指差すと、高橋はまた危なっかしい足取りで走っていった。
- 169 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時36分48秒
- とりあえずたこ焼きを買って戻ろうとしたら、すぐ近くにかき氷の屋台を見つけた。
ちょうど人の列が切れていたのでついでに買っていくことにした。
私は・・・まあイチゴでいいか。高橋は・・・なんかレモンって感じがする。よし、レモン。
というわけで、たこ焼きとかき氷を買って高橋のもとに戻る。
「じゃーん、たこ焼きとかき氷、高橋レモンでええか?」
高橋はにこやかにかき氷を受け取った。
座ってかき氷とたこ焼きを食べる。道の人ごみから少し外れただけなのに、ここはウソみたいに静かだった。
と、肩に何かが乗っかってきた。高橋の頭だった。
「わたしぃ、こういうの憧れだったんです」
「ん?」
「恋人とお祭り来て、こうやって何か食べながらくっつくって」
かわいいこと言ってくれるなぁ。よっし、出血大サービスやで。
高橋の頬を押さえて唇を近づけていくと、徐々に目を閉じていく。
この顔が一番かわいいな。
- 170 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時38分49秒
- 「あ!」
ホントにもうちょっとってところで,、高橋の顔がびっくり顔に変わった。
「中澤さんりんご飴買ってくれるって言ったじゃないですか」
りんご飴って・・・、私のキスの価値はりんご飴以下なんか?なあ、そうなんか?
「ほら、こんなことしてる場合じゃないですよ、早く探さないと」
こんなことって・・・、私のキスはこんなことで済まされるもんなんか?
私の心の叫びを無視して手を引っ張り駆け出す。
「もぉ、中澤さんキスなんていつでもできるじゃないですかぁ、りんご飴は今日しか食べられないんですよ?」
さらっと言ってるけどなにげにすごいこと言ってんで、自分。
「そんな走らんでもリンゴ飴は逃げんて・・・」
「何言ってんですか、そんなだから歳だとか言われんですよ」
・・・、歳ゆーたな、今歳ってゆーたな。そんな悪い子はお仕置きしたる。
- 171 名前:『祭りはりんご飴』 投稿日:2002年08月10日(土)23時39分19秒
- 走ってる高橋の手を引っ張って止まらせると、人がいるのも構わず口付ける。
「中澤さん!?見られてますよぉ」
「好きなだけ見せたるよ、週刊誌でもなんでもな」
そしたら世間公認の仲になるわけやし。それこそ変装しないでデートとかできるやん。
「中澤さん、そろそろりんご飴・・・」
結局それかいっ!と心の中で突っ込みを入れてみた中澤でした。
- 172 名前:どーもくん 投稿日:2002年08月10日(土)23時41分02秒
- 『祭りはりんご飴』終了です。
ネタは文中にも登場するハロプロニュースです。
お祭りは4,5年ほどいってないのでどういうのがあるとかはよく分かりません。
でも多分あるんだろうなーと思って書いてみました。
しばらくゆうたかが続くと思います。よろしくです。
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