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現在進行形ノンフィクション小説

1 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時47分09秒
今実際に起こっていることを書きます。
よくわからない部分とかあったら指摘して。

本当にドラマみたいだから。
まさに百聞は一見にしかず。
出てくるモー娘。キャラは、ホントに似ているからです。
キャラとか気にしないで。

後実際と異なるのは学校設定ぐらいか。
毎日更新予定です。
2 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時48分14秒
俺の名前は近藤 道隆(こんどう みちたか)
定時制(4学年中)3年生だ。
定時制は本来、仕事をしながら勉強をするのが目的なのだ。
さらに定員人数が40人という少なさ、全日制の3年1・2・3・4組を使い、
ほとんどの生徒は授業の合間に専用のロッカー室で顔を合わす。

俺は、スポーツはまあそつなくこなしそれなりにルックスも良い。
そんな俺も、もう3年目、このまま行けば無事社会に巣立てそうだ。
3年目となると、時間の流れがスムーズで、あっと言う間に1ヶ月が過ぎてしまった。
「今年の女子は多い&賑やかだなぁ」
この学校は基本的に喋らない子が多いので、珍しい光景だった。
3 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時49分55秒
____ある日の放課後____
毎年おきまりの部活紹介の行事が終わり、放課後となった。

女子1「ねえねえバドミントン部楽しそうだから行ってみない、愛?」
愛と呼ばれた人物「うんそうだね真里行ってみようか」
女子2「よし行こう」

その人は愛という名前らしく、3人で行動するグループのリーダー格のようだ。
部活は5個しかなくて女子が遊べるのはバドミントン部しかないのだ。
ここの学校の、ほとんどの生徒は、授業が終わると、親の帰りを待つ生徒が、
玄関(校門)に集まるのだ。
部活をしていく生徒は珍しい。
その理由としては、仕事が影響している。
まだ1年だから好奇心で向かったのだろう。
俺がこの機を逃さない訳がない。その後しばらく間をおいてから体育館へ向かった。
4 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時51分39秒
少し遅れて体育館についた俺は、良い光景とは言い難い映像が目に入ってきた。
先ほど喋っていた女子達が、ネットの向こう側にいるもう一人の1年男子を、
1対3の形で、勝負している。
その男子は、ひょろひょろの天パーで、ちょっと見る限り基礎もわからないような、
ど素人だった。(女子も弱いけど1対3じゃいじめだな)

女子達「アハハっ、杉野君何やってんの?」
杉野「…」

すごいハイテンションで、はしゃぎまくる女子達を見て、
ちょっとしゃくに触った俺は、その子に加勢することにした。
もちろん前提には【仲良くなる】があるけど

道「へい俺も混ぜてくれない?」(やっぱハイテンションにはハイテンションだな)
女子達「いいよ〜」
杉野「…ありがとうございます…」

そうして2対3(実質1対3)の対決が始まった。
5 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時53分18秒
道「それじゃあ杉野君左の前を守って」
杉野「……あっはい」
愛「いっくよ〜……はい」

ボーン

道「杉野君チャンスだ!!」(いくら何でもこれは…)
杉野・ブン……コツン……コロン…ゴロゴロ
女子達「キャハハハハ…」
道「………」
杉野君の真上に上がったしょっぱい軌道のシャトルを空振りし、
おでこに当たり、シャトルの落ちた音が虚しく響いた。

道「……おっ、杉野君…ラケットを短く持ってみようか…」
俺はとりあえず付け焼き刃でその場をしのごうと考えた。
道「そしてラケットのネットの部分を顔の横に持ってきて確実に当てるようにしよう」
杉野「…はい…」
女子達「ひっどーい、杉野君じゃなく私達に教えよ」
道「お前達に教えたら勝てないじゃないか」(杉野君が)

その後、格好はともかくとして当たるようになってので、
まあまあ良い勝負が出来た。
6 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時54分21秒
俺はそんなにうまくはないけど、ただ当てるだけのこいつらよりはうまいって……

キーン コーン カーン コーン
そして10時の部活終了のベルが鳴った……

ネットの片づけをし終え、玄関に行くと、すでに他の生徒は帰っており、
俺達だけになってしまった。

杉野「…それじゃあ」
道「おうまたな」

杉野君と別れを告げ、後ろを振り返ると、
終わりを知らない彼女らの話はいつしか恋ネタに変わっていった。
7 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時55分56秒
真里「近藤君ってかっこいいよねぇ」
愛「ねぇこの中で誰が一番好き?」

道(嫌だなぁこういう話。二人を確実に傷つけるんだよなぁ。

しかもこの中に好みの人いないし、近づいたのは失敗だなぁ。

でも選ばない方が俺の立場がまずいからな一応選ぶか…

そうだなぁこの中だと………)

道「……愛ちゃん……」
真里「わーお、以外とハッキリ言うのね」
女子2「愛ちゃん。ほら」
愛「………あの私…」
8 名前:gattu 投稿日:2002年05月17日(金)13時57分24秒
ブーーーン…プップーー
その時、けたたましいエンジン音と共に、車が俺達の目の前に止まった。
愛「あっ親の迎えが来たから私、帰るね」

全員「えええぇぇぇぇぇぇ」

その時、意識してかしないでか、俺の方にまず先に手を振り、帰っていった。

道(完全に惚れられているな。もう遅いけど、人をもうちょっと選ぼう……)
その後、それぞれ家路についた。

これは三日前の映像です。
9 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月17日(金)15時47分05秒
(゜Д゜)ハァ?
10 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月17日(金)16時25分24秒
(゜Д゜)ハァ?(゜Д゜)ハァ?
11 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月17日(金)17時58分19秒
タイトルと前置きが意味わからんけど、まあ好きなように書け。
12 名前:氏ね 投稿日:2002年05月19日(日)01時10分09秒
gattu?もう頑張らなくていいよ。永遠に寝てくれ。意味わかんねーから。
(゜Д゜)ハァ?(゜Д゜)ハァ?

13 名前:gattu 投稿日:2002年05月19日(日)12時38分59秒
じゃあ放置して落としてくれ。
ここではもうやめる
削除依頼もめんどい
14 名前:children 投稿日:2002年05月19日(日)12時51分53秒
[よくわからない部分があれば指摘して下さい]
って書いたのは君でしょ。これでは管理人さんに失礼だとは思わないのですか?
15 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月20日(月)03時54分37秒
ここではもうやめる?ここでも、の間違いでは?
責任持って削除依頼出して華々しく終焉を迎えろ
16 名前:名無しさん 投稿日:2002年05月21日(火)21時49分08秒
もうそのコテハン捨てれば?
17 名前:ある作者 投稿日:2002年06月02日(日)15時15分53秒
あの、ここもう使わないなら私が使っていいですか?
なんかスレッド立てるの気が引けるので…。
18 名前:  投稿日:2002年06月02日(日)17時01分16秒
完結しないのにスレッドをたくさん立てる人にはお仕置き。

↑これどこに書いてあるかわかりますか?
そして読めますか?

>>17さん
アナタ謙虚で良い人っぽいですね
でもこのスレはやめた方が良いと思われ
19 名前:ある作者 投稿日:2002年06月02日(日)19時24分47秒
>>18さん

いえ、私の作品あまりおもしろくないかもしれないので、
もうここ使われないならいいかな、と思ったんですが…
20 名前:ある作者 投稿日:2002年06月05日(水)14時46分22秒
とりあえず何もないようなら近いうちに書かせてもらいます。
内容はバスケットです。
初めて書くジャンルなので、おかしいところがあるかもしれませんし、
バスケの知識がそれほどないので不安なところはありますが、
どうか温かい目で・・・
21 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月07日(金)23時03分31秒
結局ここで…?
22 名前:ある作者 投稿日:2002年06月08日(土)01時41分17秒
はい、一応…。
もしここで書くのに何か問題があるなら言って下さい。
すぐ辞めますので。
では次更新するときは作品を載せます。
明日以降になりますが。
23 名前:K,XY(ある作者) 投稿日:2002年06月15日(土)18時03分03秒
『小さなバスケットマン』

二人の女生徒が慌ただしく階段を駆け上がっている。

「ねえ圭ちゃん。マジで言ってるの?」
「当たり前でしょ矢口。そうしないと潰れちゃうんだよ」
「でも、その人がいるってホント?」
「間違いないわよ。ちゃんと確かめたんだから。
 …なんとしても彼に入ってもらわないと」

圭と呼ばれた女性は切羽詰まった表情で言った。 
24 名前:K,XY(ある作者) 投稿日:2002年06月15日(土)18時04分19秒
「ふわ〜」

男子学生が一人屋上のベンチで欠伸をしていた。
眠くなるような暖かさ、それに釣られ昼休みの今まで授業をサボっていた。
本人は全く気にしていないが。

「…いい天気やな〜」

ベンチの上で横になり、空を仰いだ。
雲一つない快晴である。
あまりの暖かさにウトウトしていると、

・・・ッタッタッタ

足音が聞こえた。

(誰や一体?まぁいっか、関係ないやろ)

そう思って目を瞑った。すると足音が男子生徒に近づく。
そして、

「ねえ、ちょっといい?」

声をかけられた。目を開けると女性が二人。
25 名前:K,XY(ある作者) 投稿日:2002年06月15日(土)18時06分13秒
「なんすか?」
「ごめんね起こしちゃって。私、保田圭。2年生よ
 こっちは矢口真里。1年生」

紹介された背の低い女の子はぺこりと頭を下げた。

「はぁ」

男子生徒は別にそういうことを聞きたい訳じゃなかったが、その女性は続けて言った。

「あなた、ケン君…でしょ?」
「なんで知ってるんですか?」
「そりゃ知ってるわよ。中学時代バスケットに関わった人ならね」
「…」
「佐久間 ケン。身長160センチ、高さがない分スピードとテクニックを兼ね備えた選手。
 中学時代その筋の人達には世界に通用する逸材って呼ばれていた」
「ふーん、そんなこと言われてたんか。知らんかった」
「確か県のベストにも入っていたはずよ」
「…」
「そんなあなたにお願いがあるの」
「?」
「うちのバスケット部に入ってくれない?」
「…は?」
26 名前:K,XY(ある作者) 投稿日:2002年06月15日(土)18時07分23秒
突然でなにを言われたかわからなかった。

「私たち、男子バスケットのマネージャーをやってるんだけど、うちの部すっごい弱いの。
 でね、今度試合があってそれに負けたら廃部になっちゃうのよ」
「はぁ」
「そこであなたの力を貸して欲しいの。お願い」

手を合わせ頼む圭。

「お願いします」

頭を下げる真里。

「…悪いけど断りますわ」
「な、なんで?」
「なんでって言われても、もう決めたことですから。『バスケは2度としない』て。ほな」

ケンは立ち上がると、走って校舎の中に入っていった。

「ま、待って」

圭は呼び止めたが、すでにケンの姿はなかった。

「もう!逃げられちゃった」
「どうするの、圭ちゃん?」
「どうするもこうするも、まだあきらめないわ。試合までまだ時間あるし」
「そ、そうだね」

張り切っている圭をよそに、真里の心の中には何か不安な物があった。
27 名前:K,XY(ある作者) 投稿日:2002年06月15日(土)18時08分04秒
ケンは階段を一気に下りると校舎裏へ向かった。

「ふう、逃げ切ったようやな」

壁にもたれ座り込む。

「・・・バスケット、か・・・」

左膝を触り、ポツリと呟いた。
28 名前:K,XY(ある作者) 投稿日:2002年06月15日(土)18時08分57秒
今日からゆっくりやっていきます。
宜しくお願いします
29 名前:K,XY(ある作者) 投稿日:2002年06月22日(土)17時46分40秒
数日後の昼休み

「…なあケン」

廊下を歩いているとき、友人の古賀春樹が話しかけてきた。

「なに?」
「なんか最近疲れてないか?」

古賀は170センチ近くあり、少しでも見上げるのも怠そうなケン。

「ああ、色々あって」
「色々って?」
「実は−」

事情を説明しようとしたところに、

バタバタバタ!!

何やら足音が。
後ろを振り返ると、

「待ってー!!」

圭と真里が廊下を走ってやってきた。
30 名前:K,XY 投稿日:2002年06月22日(土)17時47分50秒
「またか…」
「なんだ一体?」
「また後で言うわ。とりあえず今は逃げんと」

そう言って、ケンは猛スピードで逃げていった。

「あー、また逃げられたぁ」

古賀の目の前であきらめて立ち止まる圭と真里。

「走るの速すぎる〜」
「…あの」

古賀が話しかけた。

「誰よあんた?」
「俺はケンのダチの古賀です。なんであいつを追っかけてるんですか?」

圭が事情を説明した。

「ふーん、なるほど。確かに弱いらしいっすね、ここの男バスは」
「そうなの、だからどうしても彼の力が必要なんだけど」
「…」
「ねえ、あなた友達なんでしょ?説得してくれない?」
「…頼みがあります」
「頼み?」
「あいつの前でバスケの話は止めてくれませんか」

「「え!?」」

突然の申し出に驚く二人。

「どういうことよ?」
「…実は」
31 名前:K,XY 投稿日:2002年06月22日(土)17時50分55秒
古賀は話し始めた。

「俺もケンと一緒のバスケ部だったんですけど、あいつ中3の時練習試合中に膝を痛めて。
 医者に診て貰ったら『これ以上バスケを続けるのは不可能だ』って言われたらしいんです」
「な、なんで?」

圭がその理由を聞いてきた。

「まだ成長期だったあいつの身体には負担が大きかったんです。知ってるでしょう?
 あいつの中学の時の活躍」
「う、うん」
「あそこまで上手くなったのは、自分の身体の小ささをでかい奴にバカにされるのが嫌だったから。
 だからあいつは必死に練習して、でかい奴に負けないモノを得たんです」
「……」
「でも、そのお陰であいつは膝に爆弾を抱えちまった。これ以上やったら壊れるって言われたらしいです。
 それ以来あいつはバスケットから離れていった。そんなのがなけりゃ今頃は…」
32 名前:K,XY 投稿日:2002年06月22日(土)17時51分25秒
古賀は言葉が続かなかった。
中学時代同じチームでやっていて、その時のケンの苦しみを見ていた古賀にとっても辛かったのだろう。

「で、でも」

と矢口。

「さっきもそうだけど、もの凄い走ってない?膝が悪いようには見えないんだけど」
「…ただ走るだけなら問題はないんだ。野球とかサッカーも。
 でもバスケットのような急に止まったり飛んだりする競技は、膝に負担がかかる。だからもう…

 じゃあ、頼みます」

古賀がその場を去って行った。
圭と真里はもう何も言えなかった。
33 名前:K,XY 投稿日:2002年07月02日(火)00時46分09秒
放課後

「ハァ〜」

真里は気落ちしていた。
昼休みに聞いた古賀の話が頭から離れないのだ。

『膝に爆弾を抱えている』

(圭ちゃんは何とかしたいって言ってたけど、何か出来るのかな?)
駐輪場に止めている自転車に鍵をさし帰ろうとしたとき、
(あ!)
ケンの姿を見つけた。
(ど、どうしよう)
声をかけようかどうか迷った。
かけたとしても逃げられる、でも色々と聞きたいこともある。
悩んでいるとケンはどんどん離れていく。
真里は意を決して、

「ま、待って!」

大声を出して呼び止めた。
34 名前:K,XY 投稿日:2002年07月02日(火)00時47分10秒
「で、話って?」

ケンは横で自転車を押して歩いている真里に尋ねた。

「先に言うとくけど、試合の話は無しやで」
「…うん。あのね」
「何?」
「バスケット、嫌い?」
「え?」

予想にもなかったことを言われ、戸惑うケン。

「なんでそんなこと聞くん?」
「今日ね、昼休みの時に古賀君から話を聞いたの」
「話ってなんの?」
「あなたの膝のこと」
(あのアホしゃべりやがったんか)
「だから試合のことはもういいの。でもね、怪我のせいでバスケットを嫌いにならないで欲しいの」
「…」
「まだ…、まだバスケットが好きなら、1週間後体育館に来て。
 男子バスケットの最後の姿を見ていて欲しい」

真剣な真里の目。

「それじゃ」

自転車に乗り去っていく真里の後ろ姿をケンは見続けた。
35 名前:K,XY 投稿日:2002年07月15日(月)20時15分26秒
1週間後

放課後になり学生達はそれぞれの行動を起こす。
家に帰る者、バイトに行く者、そしてクラブ活動をする者。
しかしケンはどれにも当てはまらなかった。
バイトもクラブもしていない。しかし帰る気にもならない。

『まだバスケットが好きなら、体育館に来て』

真里の言葉が頭から離れない。

「……」

ケンは一人悩んでいた。
36 名前:K,XY 投稿日:2002年07月15日(月)20時16分02秒
一方体育館では

「えっと試合はまだかな?」

古賀は試合を見るために体育館に来ていた。
周りを見渡していると、

「あれ、あんた確か古賀君、だったよね」

後ろを振り向くと、圭がTシャツにジャージのズボンをはいてボールを運んでいた。

「あ、どうも」
「試合、見に来てくれたんだ」
「ええ。ところで相手はどこですか?」
「…」

圭はなぜか顔を伏せた。

「ど、どうしたんすか?」
「…笑わないで聞いてくれる?」
「はぁ」
「今日対戦するのは…」

そう言ってある方向を指さした。そこにいたのは、

「え?あれ、女バスですけど」
「……」
「ま、まさか…、女バスと試合?」
圭はこくりと頷いた。
37 名前:K,XY 投稿日:2002年07月15日(月)20時16分33秒
「な、何でまた女バスと?」

古賀は驚きを通り越してわけがわからなくなった。

「実はこの高校の女バスは全国大会に出れるほどの実力を持ってるの。
 当然色んな中学から人が来るわ。すると人数が多いからどうしてもコートが足りなくなってくる。
 だから弱い男バスは潰して、その分空いた場所で女バスが練習するって話なのよ」
「なんだそりゃ」

古賀は呆れた。

「私たちは反対したのよ。そしたら条件として今日試合に負ければ廃部、勝てばそのまま」
「ふむ」
「まあ、事の発端は別の所にあるんだけど・・・」
「別?」

それ以上圭は何も言わなかった。
38 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月15日(月)23時42分25秒
始めてたんですね
面白いです、頑張って下さい
39 名前:K,XY 投稿日:2002年07月16日(火)22時49分34秒
ああ!!レスついてるー!!
誰も見てないと思ってたからビックリした。

>>38さん
読んで頂いてありがとうございます。
それにお褒めの言葉をいただき嬉しいです。
地道にやっていくので宜しくお願いします。
40 名前:K,XY 投稿日:2002年08月06日(火)17時23分22秒
近いウチに更新します…
41 名前:K,XY 投稿日:2002年08月08日(木)17時55分43秒
古賀は女バスのウォームアップに目をやる。

「…女バスの戦力は?」
「戦力?」
「誰がレギュラーかってこと」
「ああ、えっとまず、

 ・C(センター)はキャプテン4番飯田圭織、2年生。180センチ。まさしくチームの大黒柱。

 ・F(フォワード)が8番吉澤ひとみ、1年生。175センチ。

 ・もう一人のFが9番後藤真希1年生。170センチ。

 ・SG(シューティングガード)は7番石川梨華、1年生。165センチ。

 ・最後にPG(ポイントガード)が5番安倍なつみ、2年生。162センチ。

 これが基本的なレギュラーね」

それを聞いた古賀は驚いた。

「2年生でキャプテンなんですか?」
「女バスは実力主義なの。その証拠に3年生は入っていない。それくらい強いのよ、今のレギュラーは。
 その中でもこのレギュラーをまとめられる人材なのよ、彼女は。ま、その気になれば、1年でキャプテンなんてのもありえるわ」
「へぇ」
42 名前:K,XY 投稿日:2002年08月08日(木)17時57分14秒
「…肝心の男バスは?」
「あそこにいるわ」

圭は体育館の隅を指さした。そこには5人黙って準備している姿が見られた。

「・キャプテンは関根雅彦、3年。183センチのC。

 ・Fが小石仁、3年181センチ

 ・もう一人Fの富樫浩二、2年。177センチ。

 ・SG武藤裕、2年。170センチ

 ・それから川田晋平、3年。PG。165センチ。

 これで全部」
「5人だけ?控えは?」
「今日は来てないわ。女バスと試合するのは恥ずかしいって」
「(そんなこと言ってる場合じゃねえだろう)…実力は?」
「…」
「…やばそうですね」
「いつも予選1回戦負けだから」
43 名前:K,XY 投稿日:2002年08月08日(木)17時57分45秒
しかしそうは言っても、圭の目はまだ光があった。

「でもまだ負けたわけじゃない。試合が始まればわからないわ」
「確かに」
「しっかり応援してよ」
「わかってますよ」

圭は男バスの元へ走っていった。

「さて、どうなることやら」
44 名前:K,XY 投稿日:2002年08月08日(木)18時01分02秒
娘。の身長は実際より10センチ前後伸ばしました。
それと春樹の身長は「170近く」とありますが「175センチくらい」の間違いです。

ご了承下さい。
45 名前:K,XY 投稿日:2002年08月08日(木)18時02分57秒
あ、言い忘れてましたが、矢口の身長は変わってませんので。
46 名前:K,XY 投稿日:2002年08月14日(水)15時00分31秒
「みんな、今日は頑張って!」

圭はメンバーに声をかけていく。
しかし全員気落ちしているのか、雰囲気がとても暗い。

「どうしたの?気合い入れないと負けちゃうよ」
「無駄だよ保田」

富樫が言った。

「何が無駄なの」
「もうみんなやる気無いんだよ。女バスと試合してまで部の存続をかけることが」
「あなたはどうなの?」
「俺はどうでもいいよ。俺の才能がありゃスポーツは何でも出来るから」

それは確かだった。富樫のスポーツの才能はかなり良い。
バスケットも男バスレギュラーの中でもかなり上手かった。

しかし、才能があるからこそ部に執着がないのかもしれない。
47 名前:K,XY 投稿日:2002年08月14日(水)15時01分29秒
「もう!キャプテン、こいつにビシッと言って下さいよ!」

圭は怒り混じりで関根に訴える。しかし、

「あ、ああ。浩二、とりあえず頑張ろうよ」

(ダメだ、この人は)

圭はそう思った。
一方真里は、

(来てくれるのかな…)

ケンが来てくれるのを待っていた。


「それじゃあ試合を始めます」

女バスの審判の声が体育館内に響いた。
48 名前:K,XY 投稿日:2002年08月15日(木)14時35分32秒
ジャンプボールは関根が制した。
こぼれ玉が武藤に渡り、一気に攻め込む。

(先手必勝!)

武藤は中に切り込むと見せかけ、コーナーにいる富樫にパスを回した。

「もらった!!」

3Pをうった富樫。
しかし惜しくもリングに当たり外れた。
跳ね返ったボールを待ち受ける関根と小石。
しかし飯田と吉澤にベストポジションを奪われ、ボールを取られた。

「速攻!!」

ボールを取った飯田は安倍にパスを渡し、女バスは一気に走り出した。
急いで戻る男バス。
49 名前:K,XY 投稿日:2002年08月15日(木)14時36分21秒
男バスコートに入った安倍は吉澤にパスを回し、吉澤は一気に中に切り込んだ。

「行かせるか!」

シュート体勢に入った吉澤に、富樫がブロックに入った。
だが、吉澤は体勢に入っただけでシュートは打たない。

「何!?」

吉澤はボールを後ろに出し、3Pラインにフリーでいた石川に渡る。
石川はそのまま3Pを狙った。

ボールがリング内に吸い込まれ、女バスが先制。

「さぁ、どんどん行くよ」

キャプテンの飯田が不気味に笑った。
50 名前:K,XY 投稿日:2002年08月16日(金)03時16分20秒
「ピー!!前半終了です」

審判が笛を鳴らした。
男バスは全員息切れ状態。

「は、早い…」

誰かが思わず呟いた。
身長では男バスの方が有利だが、女バスはスピードを駆使して男バスを圧倒している。
その圧倒差が35−20という数字となって現れた。
51 名前:K,XY 投稿日:2002年08月16日(金)03時17分54秒
「前半だけで15点差がつけられたか」

古賀は体育館の入り口付近で見ていた。

(さすが全国に入るだけあるな。それにまだ力を出し切ってない。強い…)

PGの安倍を中心に、外から一気に仕掛けるFの後藤と吉澤。
中の守りを固めると、フリーになり3Pを撃つSG石川。
外してもCの飯田が長身とジャンプ力を駆使してリバウンドを制する。

早さもあり、男バスは翻弄され続けている。

古賀の他にも試合のことを聞きつけて、色々なクラブの学生が見に来ていた。
その学生達は『もう男バスの廃部は決まったな』と言っている。
52 名前:K,XY 投稿日:2002年08月16日(金)03時19分10秒
「なーんかおもしろくないな」
「何がおもしろくないんや?」

古賀が振り向くと、そこにケンが立っていた。

「お前、来たのか」

驚く古賀。

「…なんとなく脚が向いたんや。試合は?」
「前半終わって35−20、女バスリード」
「えらい離されてるな」
「男バスはもう疲れ切ってるみたいだ」
「…」

「後半始めます!」

審判の声が挙がった。
53 名前:K,XY 投稿日:2002年08月16日(金)03時24分28秒
眠れないので更新
でも上げてしまった
鬱だ…
54 名前:にゃんまげ 投稿日:2002年08月16日(金)19時19分09秒
面白いです^^
更新待ってます
55 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月17日(土)19時46分33秒
上がったおかげで発見しました。
面白いです。頑張ってください。
56 名前:K,XY 投稿日:2002年08月19日(月)19時34分16秒
「まだやる気ですか?」

飯田が関根に言った。

「もう無駄なんだから止めたほうがいいですよ」
「…」

関根は答えず俯いた。

「まあいいですけど。こてんぱんにしてあげますから」

微笑む飯田。


後半開始
57 名前:K,XY 投稿日:2002年08月19日(月)19時35分11秒
「「みんな頑張ってー!!」」

圭と真里は必死に応援している。
ケンがその姿を見ていて、

「本当にバスケットが好きなんやな、あの二人は」
「ん?」

古賀に言った。

「あれだけ点差開いても最後まで勝負はわからへん、て感じで応援してる」
「…」
「このまま潰れるのを黙って見とくのも、気が引けてきたわ」

そう言って男バスのベンチの方へ歩いていった。

「おい、何する気だ?…まさか」
「…実はな、あのちっちゃいマネージャーさんに最後の姿を見て欲しいって言われてたんや。
 でも、なんか最後にさすのがもったいないと思わんか?」
「でも、お前大丈夫なのか?」
「残り時間考えればいけるやろ」
「…しゃーねーな、俺も一肌脱ぐか」
顔がほころぶ古賀。
58 名前:K,XY 投稿日:2002年08月19日(月)19時36分02秒
「あー、また入れられた」
「どうしよう圭ちゃん、もう20点差だよ」
「とにかく私たちは応援するしか…え?」

圭は目を見張った。

「?」

真里は圭の向いてる方向へ目をやると、学生服を脱ぎながらやってくるケンと古賀の姿を見た。

「き、来てくれたんだ」
「…ユニフォームは?」
「え?」
「二人分のユニフォーム。番号は何でもいいから」
「し、試合に出る気?」

圭が聞いてきた。

「このまま負けるのは嫌やろ?」
「…矢口!」
「うん!二人ともこっち」

真里は二人を部室へ連れていった。
59 名前:K,XY 投稿日:2002年08月19日(月)19時41分34秒
>>にゃんまげさん
>>55さん

読んで頂いてありがとうございます!
感謝です。
自信ないですけどがんばります。
60 名前:K,XY 投稿日:2002年08月22日(木)16時31分20秒
「もう決まったようなもんですね」

吉澤がゴールを決めて、飯田は関根に言った。

「く、くそ…」

その時、
「タイムアウト」という審判の声。
ぞろぞろと帰ってくる男バス。

「もう止めようぜ、負け決定だ」

富樫が投げやりになって言った。

「なら止めて貰って結構よ。あなたの代わりを出すだけだから」

圭が冷たく言い放つ。それを聞いて、

「はっ、俺の代わりがいるって言うのか?」

鼻で笑いながら富樫。

「ええ、あなた以上の戦力がいるわ」
「お待たせしました」

真里がユニフォーム姿の2人を連れてやって来た。
61 名前:K,XY 投稿日:2002年08月22日(木)16時31分52秒
「誰だ、お前ら?」

富樫が不機嫌そうに尋ねてきた。
しかしそれを無視してウォームアップを始める二人。

「キャプテン、交代をお願いします」

圭が話し始めた。

「富樫に代わってこちら11番の古賀君、川田先輩の代わりに10番佐久間君でお願いします」
「さ、佐久間って、あの中学で有名な?」

富樫以外の人達が驚いた。その富樫は、

「なんで俺がハズされなきゃいけねーんだよ」
「今あんた止めるって言ったじゃない」
「だがな、こんなどこの馬の骨かも知らない奴が俺より上手いのか?」
「それは見てのお楽しみよ」
「…ちっ!!」

舌打ちをして椅子に腰掛ける富樫。
62 名前:K,XY 投稿日:2002年08月22日(木)16時33分07秒
「佐久間君、なにか言うことはあるかい?」

ケンは一つ間を空け、男バスに尋ねた。

「みなさんは勝つ気がありますか?」
『!?』

答えに詰まった男バスメンバー。

「もし無いならこのまま試合を辞めるべきだ。もしあるなら、それなりのプレイを見せて下さい。
 いいですね?」
「…わかった。頑張るよ」

関根の答えに頷くケン。

「…とりあえずFに春樹を入れて、PGに俺が入るくらいで。あとは適当にやって下さい。俺が試合を作るんで」
「わかった。君を信じよう」
63 名前:K,XY 投稿日:2002年08月22日(木)16時33分37秒
「ん?」
「どうしたの、圭織?」

安倍が訊いてきた。

「メンバーが替わってる」
「本当だ。誰だろう、見たことないや」
「まあ誰であろうと負けないよ、こんなに点数開いてるし」
「そうだね」

そんな話をしながら二人はコートに出てきた。
64 名前:K,XY 投稿日:2002年09月02日(月)16時09分24秒
男バスからゲーム再開。
古賀からケンにボールが渡る。

「あんまり無理するなよ」
「わかってる」

ケンはドリブルしながらゆっくり歩きコート内を見渡した。
女バスは全員、自陣のコートでフォーメーションを作っている。

(さあ、どう来るのかな?)

ケンのマークは安倍。
相手の目、手の動きをじっくり観察する。
しかし次の瞬間―

(え?)

安倍の目の前からケンの姿は無くなった。
すると、

パサ

ボールがゴールに入った音が静かに響く。
安倍が振り向くと、誰一人動けなかったのだろう女バス全員がその場から動けず、
何が起こったのかわからないような顔をしていた。
一人淡々と自陣へ帰ってくるケンに、観客からは『おー!!』と歓声が聞こえてくる。
65 名前:K,XY 投稿日:2002年09月02日(月)16時10分30秒
「何よ今の…、全然見えなかった」

動揺しているメンバーに、

「みんな落ち着いて!!一瞬気が緩んだだけよ!」」

飯田が声をかけた。

(そ、そうだよね。今のは私が油断したのよきっと)

安倍は気を取り直しコートの真ん中辺りで、安倍から吉澤へショートパスを出した。
しかしその瞬間、いつの間にか間合いを詰めていたケンに取られ、そのままゴール。
唖然とする女バスをよそに、無表情のケン。



「おいケン、あんま無理するなって言ったろ?」
「無理してないわ」

古賀とケンのやりとりを聞いて、

(ケンって、それにあの身長、早さ…もしかして!)

安倍は思い出した。
66 名前:K,XY 投稿日:2002年09月02日(月)16時14分45秒
その後、女バスが攻めるもゴールを外し、関根がリバウンド。

「パス」

古賀がボールを持ち速攻を仕掛ける。
センターラインを超えたところに安倍と吉澤。
二人は一瞬でも目をそらさないといった感じだった。
しかし、

「何!?」

古賀は斜め前にバウンドボールを出した。
女バスコートにはまだ男バスはいなかったので、パスはないと思っていた二人は不意を付かれた。
だが当然誰もいないので、ボールだけが転がっている。

「もらった」

吉澤がそのボールを取りに行く。しかし、

「よし!」

後ろから猛スピードでやってきたケンが一瞬早くボールを手にした。
67 名前:K,XY 投稿日:2002年09月02日(月)16時16分09秒
右サイドからゴール下まで行くとそこには飯田が待ち構えていた。

(突っ込んでくる気?)

飯田はブロックの構え。
しかし予想に反しケンは後ろにボールを流した。
すると古賀が3Pラインの所でボールを受け取り、シュート。

パサ―

ボールの入る音が館内に響いた。

(そんなとこでパス!?)

この二人のパスを出す方向性が全く読めなかった飯田。
その後もしばらく男バスが圧倒することになる。

女バスタイムアウト。
68 名前:七誌 投稿日:2002年09月02日(月)21時05分37秒
更新されてる!作者タンがむばって!!
69 名前:K,XY 投稿日:2002年09月06日(金)20時28分40秒
「なんなのあの小さい奴は。早さと視野の広さが並じゃないわ」

ケンを止められず、イライラしている飯田。

「そりゃ無理さ。だって彼はプロでも通用する選手だもの」

汗を拭きながら、安倍は冷静に言った。

「それどういうこと?」
「佐久間ケン。みんな名前くらい聞いたことあるんじゃない?」
『えー!!』

その場にいた選手みんな驚いた。飯田を除いて。

「誰それ?」
「聞いたことないの?中学の時の男バスのこと」
「だって、女バスしか興味ないもん」

呆れて言葉を失う安倍。それに代わって吉澤が答え始めた。

「対戦した相手は『消えた』としか言えないほどのスピード、
『ボールに意志がある』ように見えるテクニック、そんな才能を持った選手ですよ」
「あんたよく知ってるわね」

と飯田。

「見たのは初めてですけど噂はよく聞いてました、同じ歳ですから。
 ごっちんや梨華ちゃんも聞いたことあるよね」
「「うん」」

横に座っていた後藤、石川は頷いた。
70 名前:K,XY 投稿日:2002年09月06日(金)20時31分53秒
「でも確か足を怪我して辞めたって聞いてたけど」

安倍が小首を傾げる。

「私もそれ聞いたことあります」

後藤も答える。そこで飯田。

「どこが?全然怪我した風に見えないんだけど」
『…うーん』

全員小首を傾げた。

「どうするの、圭織?」

安倍が尋ねる。

「…マークを増やそう。彼がボールを持ったら素早く後藤と石川のダブルマーク、そのフォローに吉澤」
「3人でマークするの?」
「それくらいしないとあの10番は止められないよきっと。大丈夫、彼さえ押さえれば勝てるわ」
「よし、これ以上点を入れさせないよう気をつけよう」
「頑張っていきま『しょーい!』」

女バスは円陣を組み、気合いを入れた。
71 名前:K,XY 投稿日:2002年09月07日(土)10時20分05秒
>>68さん

更新遅くて申し訳。
できる限り定期的に更新します。
72 名前:68 投稿日:2002年09月10日(火)20時30分19秒
面白いです。
あせらずマターリ待ってます。
73 名前:名無しさん 投稿日:2002年09月11日(水)21時03分40秒
バスケ好きなんで楽しんでみています。
74 名前:名無しさん 投稿日:2002年09月12日(木)04時33分10秒
http://jjr.to/kokoro/bbs/bbs01/index.html#3
75 名前:K,XY 投稿日:2002年09月12日(木)17時28分44秒
一方男バスベンチは、

「いやーすごいね佐久間君は。あっという間に8点差だ」
「ほんとだよ、こっちまで圧倒された」

関根と小石がそんなことを言っているが、古賀は少し心配していた。

「おい、あんま飛ばしちゃ膝もたねーぞ」

小声でケンに尋ねる。

「心配せんでも大丈夫やって。ところでマネージャーさん」
「何?」

圭が答える。

「相手の7,8,9の選手の実力はどんなもんですか?」
「7,8,9?ああ、あの3人ね。そうだなぁ」
76 名前:K,XY 投稿日:2002年09月12日(木)17時33分22秒
腕を組み、言った。

「確か、あの3人は中学時代に魔性トライアングルって言われてたみたい」
「なんじゃそりゃ」

わけがわからない、と言いたそうな古賀。

「詳しく言うと、9番の後藤真希はこの女バス始まって以来の『点取り屋』、
 7番の石川梨華は『3Pシューター』オフェンスは主にこの二人が中心なの。
 8番吉澤ひとみはディフィンス。ブロック、スティール率がかなり高い。
 それにパワーがあるから強引に攻め込むこともある。
 この3人は基礎能力も高いし、止められる人はなかなかいないわ」
「…ふむ」

何やら考え込むケン。

「なんであの3人のこと聞くの?」

不思議そうな表情を浮かべ、真里が尋ねる。

「いや、なんとなく技術あったから。それに」
「それに?」
「あの3人の得意スタイルを負かせば、余裕で勝てるやろ?」

既に3人がこの試合のキーポイントになっていると、ケンは考えていた。
77 名前:K,XY 投稿日:2002年09月12日(木)17時36分00秒
「試合再開」


女バスからのボール、安倍がゆっくりドリブル。

「みんな、スピードを上げるよ!!」

そう声をかけると、素早くパスを回し始めた。
その速さは、一気に男バスのゴール前まで詰めるほど。

「もらった!」

後藤のレイアップシュートが決まる。

「よーしその調子よ!」

手を叩き、声をかける圭織。
男バス部員は全員動けずにいた。
78 名前:K,XY 投稿日:2002年09月12日(木)17時39分34秒
「何だあの早さは」

武藤は呟きながら、小石にボールを回しす。
ボールを手にした小石は前を向き返ると、

「行かせないよ」
「え!?」

目の前に後藤。
小石は早いプレスに一瞬怯んだ。

「くっ!」

右横にいた関根に苦し紛れのパスを出す。

「よし」

関根ボールを手にした、と同時にこれを読んでいた吉澤は素早くスティール。

「梨華ちゃん!」
「OKよっすぃー」

こぼれ玉になったボールを石川が取り3Pシュート。
これを決め、さらに点数を引き離す。

「ご、ごめんみんな」
「ドンマイ」

メンバーに謝る関根を、ケンは簡単に励ました。
79 名前:K,XY 投稿日:2002年09月12日(木)17時47分21秒
>68さん
>73さん

待っていただいて、どうもありがとうございます。
つたない文章かもしれませんが、頑張ります。
80 名前:K,XY 投稿日:2002年09月17日(火)15時08分09秒
「春樹、パス」
「ほらよ」

ケンはボールを受け取った。すると、

「行かせない!」

後藤と石川は素早くケンのマークに付いた。
(ちっ、もう来たか)
激しいマークの中、冷静に周りを見る。
(8番(吉澤)の位置を見ると…この二人を抜かした途端にすぐフォローって感じだな。
 でも俺にマークを増やすほど…)

「こっちの思う壺や」

ケン相手に3人マークをつけるということは、残り2人で他を守らなければならない。
ケンはそこをついて、ノーマークの武藤にボールを回した。
武藤がボールを受け取った場所は3Pをねらえる場所だ。

「シュート!」

そう言われシュートを放つ。しかしリングに当たり惜しくも外した。

「くそっ、リバウンド頼む!」

ゴール下には関根、小石の長身がいる。普通なら簡単に取れるはず。
だが飯田、吉澤がスクリーンアウトで遮り、ベストポジションを取っている。
関根と小石が身動きできないでいると、
81 名前:K,XY 投稿日:2002年09月17日(火)15時08分48秒
「よし」

リバウンドは飯田が制した。
速攻を仕掛ける女バスは、飯田から後藤、そして吉澤へパスが出され、
吉澤がそのままゴール下までやってきた。

「くっ」

急いで戻ってきた小石は、シュート体制に入った吉澤の後ろからスティールを試みた。
しかし勢い余って吉澤を押す感じになり、吉澤はバランスを崩しながらシュートを放った。

ボールが手から離れ、リングとボードに一回ずつ辺り、

パサ―

ゴールが決まり後ろから審判の笛と声

「バスケットカウント1スロー!」

その瞬間、ガッツポーズの吉澤に後藤、石川が駆け寄った。

「さすがよっすぃー!」
「ナイスシュート!」
「ふふ、任せてよ」
82 名前:K,XY 投稿日:2002年09月17日(火)15時10分44秒
「スゲーな。あの勢いで当たったのにゴール入れるなんて」

ケンが感心していると、ゴールを外した武藤が謝りに来た。

「すまん」
「気にしないで。ああやってガンガン打っていけば波に乗れますから」
「あ、ああ」
「それより問題は」

ケンは関根と小石を見た。

「なんでベストポジションが取られへんのや」
「簡単なことだ。スクリーンアウトの基礎ができてるからだよ。
 それともう一つ、お前が長身を相手するのと一緒の理由じゃねーの」

後ろから古賀。

「どういう意味?」
「力の使い方、ボールを取るタイミング、身体のバランス。
 色んなモノが勝ってるんじゃないか、男バスより」
「…なるほどな」
「でもどうする、時間的に言ってそろそろ追い上げないとまずいんじゃねーか」
「…しゃーないな。予定変更、ガンガンいったる」

ケンは脚を叩き気合いを入れた。

「ディフィンスはまかしとけ」
「ああ、頼んだで」
83 名前:七誌 投稿日:2002年09月17日(火)21時22分52秒
作者様、更新乙です。楽しみにしてます。
84 名前:K,XY 投稿日:2002年09月19日(木)13時06分17秒
ケンがボールを受け取ると、先ほどと同じように後藤、石川の二人がやってきた。

「……」

ドリブルの音が体育館内に響く。

「お二人さん」

ケンが小声で話しかけた。

「俺のオフェンスは、そんなもんじゃ止まらへんで」
85 名前:K,XY 投稿日:2002年09月19日(木)13時08分18秒
言い終わると同時に、低いドリブルから一気に二人のど真ん中を通ってかわした。

「早っ」
「フ、フォロー!」

後藤が声をかけたのと同時にやってきたのは吉澤。

「行かせない!」

ボールを奪いに来る。しかし、

キュキュッ
ダムダムッ

ケンは股下でドリブルしながら急に立ち止まった。
不意を付かれた吉澤は、勢いがついて止まれずあっさりかわされる。
安倍が慌ててフォローに来るも間に合わない。
そして一気に女バスゴールまで来たケンを待ち受けていたのは、

「絶対行かせない!」

ケンよりはるかに長身の飯田だった。
86 名前:K,XY 投稿日:2002年09月19日(木)13時11分27秒
先ほどみたいに、パスを出せる選手は誰もいない。

「止める!!」

文字通り壁となって立ちふさがる。
しかしケンは構わず突っ込んだ。

「くっ」

飯田はブロックの姿勢。
そのままレイアップすれば止められただろう。
しかし、

「え!?」

ケンは空中で相手に背を向けた。
飯田からはボールが見えない。

(何?!こ、この状態から何をする気?)

飯田は予測が付かなかった。
すると後ろを向いた状態で、ケンは飯田に触られないくらい高くボールを投げた。
そのボールは2人の頭を越え

バスッ

バックボードに一度当たり、リング内に吸い込まれた。
87 名前:K,XY 投稿日:2002年09月19日(木)13時12分46秒
『おおー、すげーぞあの10番』

観客は騒ぐ。

「ふぃ〜、決まったか。よかった」

ケンは少し不安だったらしい。

「くそー…」

飯田は悔しがっていた。自分よりはるかに小さい選手に点を決められたからだ。
ケンは飯田を見上げ一言、

「俺は背の高い奴には負けへん。誰であろうと」

その一言が、飯田の心に火をつけた。

「試合は負けてないわ!!」

素早くボールを取ると、速攻で吉澤にパス。
88 名前:K,XY 投稿日:2002年09月19日(木)13時14分21秒
前にいる後藤に一気にパス。
受け取った後藤は関根、小石をかわすと、その後ろに古賀の姿を見た。
しかし構わずレイアップ。
当然古賀はブロック、それを冷静に見てシュートする手を持ち替えた。

(ダブルクラッチなら入る!)

後藤はそう確信した。だが、

「実は読んでるんだよね」

古賀は左手一本でブロック。

「そんなっ」

止められるとは思っていなかった後藤は驚きとショックを受けた。
こぼれ玉が3Pラインに転がり、そこにはノーマークの石川が。

(チャンス!)

石川は素早くシュート体勢に入る。そしてボールが手を放れた瞬間、

(これは入る)

と確信した。
しかし!

「させっか!」

いつの間にかやってきたケンがジャンプ一番、後ろからボールを強引にたたき落とした。

「い、いつの間に!?」

驚く石川。ボールは古賀へ。
89 名前:K,XY 投稿日:2002年09月19日(木)13時19分12秒
「絶対行かせないから!!」

安倍と飯田が立ちふさがった。
しかしケンの手にボールはない。

「ぼ、ボールは?!」

辺りを見回すとボールはケンの手をすり抜け、武藤が取っていた。
武藤は3Pシュートを放ち、見事ゴール。

「おっしゃー!!」

ゴールを決めた武藤はガッツポーズ。
女バスは愕然としていた。たった一人の男にいいようにやられているからだ。
ただ、一人だけ闘志を剥き出す者がいた。

「まだ、終わってない!」

後藤はボールを貰うと、先ほどよりも遠い位置からドリブルで切り込んできた。
その前に立ちふさがったのはケン。
90 名前:K,XY 投稿日:2002年09月19日(木)13時21分46秒
>83さん
期待に応えられるよう頑張ります。
91 名前:K,XY 投稿日:2002年09月20日(金)13時19分12秒
(1on1。絶対抜いてやる)

決心を固める後藤。
コートの中央で、お互い向かい合って構える。

『・・・・・・』

一瞬の沈黙。

(今だ!!)

意を決した後藤は抜きに掛かった。

「!!」

ケンの横を通り抜ける瞬間、

(やった、勝った)

そう確信した。しかし、

(…あれ?何か、おかしい)

確かに抜いたはずなのに違和感を感じる。
後藤は自分の手元に目をやった。

(ボールが、無い)

そう、自分が持ってるはずのボールがそこになかった。
92 名前:K,XY 投稿日:2002年09月20日(金)13時20分37秒
「ナイス!」

声の方を向くと、関根がボールを持っていた。
そこから武藤、小石にボールが回り、小石はそのままシュート。
見事決まった。

「な、なんで?私確かに抜いたはずじゃ」

何がどのように起こったのか理解できない後藤に、吉澤がそばに寄ってきた。

「ごっちん。気づかなかったの?」
「何が?」
「確かにごっちん抜いた。でもその抜かれざまにスティールされたんだよ」
「じゃあ何?私、簡単にボール取られたの?」
「悔しいけど、全てに置いてかなわないよ」
「…」

後藤は悔しかった。男と女の違いがあるにしろ同年代で、しかも相手は怪我でブランクあり、
こっちは現役、それも3年を押さえてのレギュラー。
しかしケンにはかなわなかった。
後藤にとってこれ以上の屈辱はなかった。


その後も男バスはケン、古賀二人の活躍により56−50で逆転勝ちを納めた。
93 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時45分37秒
その後も男バスはケン、古賀二人の活躍により56−50で逆転勝ちを納めた。

「やったー!勝ったー!」

男バスは手を叩き喜んだ。

『おおー、あの男バスが女バスに勝った!』

周りで見てる学生も騒いでいる。

「矢口やったよ。勝ったんだよ!」
「うん!」

圭と真里は抱き合い喜んでいた。そこへ、

「…私達の負けだわ」
「圭織」

飯田が圭に声をかけてきた。

「何か反則のような気もするんだけど、約束は約束だからね。部の存続は認めるよ」
「…ありがとう」
「でも次は負けないわ。特にあの二人…、あれ?」
「ん?」
「あの二人は?」


体育館にケンと古賀の姿はなかった。
94 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時47分16秒
「別に逃げることもないだろうに」
「あそこにおる必要もないやろ」

二人は試合が終わると、颯爽と部室に帰って着替えていた。

「膝は大丈夫か?」

そう言われ、ケンは確かめるように触った。

「痛みはないから大丈夫やろ」
「ならいいけど、しょっぱなから結構ペースが速かったからな。本気でやったのか?」
「全開とまではいかんけど、そこそこ本気やったかな。そうでもせんとついていかれへんかった」
「ブランクのせいか?」
「ん、まあそれが一番の理由やな。試合感覚が戻ってなかったし。それに」
「?それに何だよ」
「試合感覚が戻りきってなかったからちょっとやばかった時もいっぱいあったわ」

頭に手を当て考える古賀。
95 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時48分04秒
「いつだ?俺には見当もつかん」
「一番やばかったのは9番、後藤やったっけ?あいつとの1on1の時や」
「あー、あの抜かれざまにスティールした時か。でもあれワザとだろ?」
「アホか、かなり必死やってんぞ。気ぬいたら簡単に抜かれてるところやったわ」
「ほう、ブランクがあるとはいえ、お前にそこまで言わせるとやっぱすごい奴なんだな」

学生服を着ながら古賀が言った。

「まあレギュラー全員すごかったけど。それぞれ特長を生かして巧かったし」
「それでも女バスが負けたのは相手が悪かったって事か」
「そういう事」
「謙遜しろよ」
「わははは」

二人は着替えを終えて、外に出てきた。

「さて、やることやったし帰るか。…ところで」
「なに?」
「あのかわいいマネージャー達に別れの言葉は?」
「アホか」
96 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時48分34秒
「あ!」

駐輪場に着いたと同時にケンが大声を上げた。

「な、なんだどうした?」
「自転車の鍵が無い。部室に落としてきたかな?」
「ったく、しっかりしろよ。取ってきてやろうか?」
「なんや珍しく優しいな」
「うるせえ。じゃ行ってくるわ」
「ああ」

古賀は自転車に乗り、部室まで急いだ
97 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時49分25秒
「えっと、あいつが着替えてた所はっと。お、あったあった」

床に猫のキーホルダーが付いた鍵を見つけた古賀は、それを拾い上げる。

「さて、行くかな」

ドアを開け外に出て、自転車にまたがろうとした時、
「…ぇ」

遠くから声が聞こえた。

「ん?何か聞こえたような」

振り返ると、

「ちょっと待ってー!!」

圭と真里が叫びながら走ってやってきた。

「そんなに急いでどうしたんすか?」
「どうしたんすか、じゃない!どうして何も言わずに行っちゃうのよ!!」

圭さんどうやらご立腹。

「いや、俺らはただに助っ人なだけであって」
「何よ!御礼も言わせてくれないわけ!?【ギラッ!】」
「あ、いや、その…」

圭の睨みの迫力に古賀は言葉を失った。
98 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時50分24秒
「ねえ、彼はどこにいったの?」

真里が圭の後ろから尋ねてきた。

「ケンのこと?あいつなら駐輪場にいるけど」
「駐輪場ね。矢口、行くわよ」

圭は真里の手を取って行こうとした。

「ちょっと待った」

しかし、その行く手を古賀が素早く阻む。

「ちょ、邪魔しないでよ」
「あいつに御礼言いに行くのはやめた方がいいですよ。
 照れ屋だから逃げるはずです。今日の所は勘弁してやって下さい」
「でも」
「…いいじゃん、圭ちゃん」
「矢口、でも…」
「私たちは助けて貰ったんだから」
そう言われ、
「…んん、そうだけど」

渋々納得した。

「それじゃあ、今日はどうもありがとうってだけ伝えといて」
「ああ。わかった」
「それと…―」
99 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時51分06秒
「悪ぃ、待たせたな」
「遅かったな。何してたんよ?」
「まあ色々な。ほらよ、鍵」

古賀は自転車の鍵をケンに向かって放り投げた。

「おっと、サンキュ。…あれ?」

キーホルダーの所に小さな紙が付いていた。
ケンはそれを取って見てみる。
100 名前:K,XY 投稿日:2002年09月22日(日)23時51分56秒
『あなたのお陰でまたバスケットが好きになりました 
                           矢口真里』

「…」

ケンがその紙を見入っていると、横で古賀がにやついていた。
それに気づいたケンは、慌てて顔を上げた。

「な、なんやねんこれ」
「何って言われても、彼女の気持ちだろ。
 にしてもお前、なんだかんだ言ってそれ見てるときの顔、ほころんでたぞ」

そう言われ、顔を赤くしたケン。

「なーに赤くなってんだ。ハッハッハ」
「う、うるさい。もう帰る!」

照れ隠しもあるのだろう、ケンは猛スピードで自転車をこいで行った。

〜END〜
101 名前:七誌 投稿日:2002年09月23日(月)21時07分11秒
(・∀・)イイ!!!
102 名前:K,XY 投稿日:2002年09月28日(土)00時23分02秒
>101さん
レスありがとうございます。
それと今まで見てくださった方々、なんとか終わりまでやってこれました。
現在、次の構想に入っていますので、もしかしたらまた…。

それとHPにまとめてみました。
http://members.tripod.co.jp/kansaijinZ/
名前は違いますが気にしないでください。
他にも色々書いてあるので、また見てやってください。
103 名前:101 投稿日:2002年09月28日(土)08時52分37秒
「新一緒に暮らすなら・・・」の方も見てます。
HP、ブックマークにすでに入ってたりします。
お疲れ様でした。

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