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もしもあの時見なければ。。。

1 名前:作者 投稿日:2002年06月10日(月)19時26分20秒

何処かで書いてました。なかなか戻ってこれなくて焦りましたよ。
新作かきます。・・・・お願いします。
2 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月10日(月)19時34分06秒



『・・・・・!』
『い、いやぁぁあ!』
『危ない!!』



ガバッ・・・


「っはぁ、っはぁ、はぁ・・・・。」



後悔が胸に残る。



なんで、あの時―――


冷酷なあたしがなぜ、人など助けたのだろう。
サッカー以外、人とふれあわないあたしが。
ユニフォームを付けてたから?



答えは、一ヶ月たった今でもでない。



3 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月10日(月)19時40分47秒



時計を見る。
まだ朝の3時。

ばっかみたい、こんな夢何回も見るなんて・・・


もう、時間は戻らない。


だけどどうしても悔しい。


そして、怖い。
絶望という波に飲み込まれそうな自分を見詰めるたび、
冷や汗が出てくる。

「くそぉ・・・くそぉ・・・!」

前髪を片手で掻き分け、もう一方の手でベッドを叩く。

「悔やんでも仕方ないのは、解ってる・・解ってるよ!!」

でも押さえ切れない感情。
お腹を抉られるような辛さ。
モヤモヤした気分。

すべてが毎朝あたしに取り付く。

4 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月10日(月)19時50分16秒



起き上がって松葉杖を取る。

「・・・・・。」

これを見るたびいら付く。
こんなのがなくたって、独りで歩けるようになりたい!
ついこの前まで、そうだったのに・・・

「ふぅ・・・・。」

キッチンの蛇口を回し、コップに水を入れる。
コップに少しずつたまっていく水が、今のあたしの顔を写す。

「はははっ・・・は・・。」

あまりにも険しい顔だった。

笑う気力もない。それもそのはず、
汗だくの体なんだから。
5 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月10日(月)19時53分27秒



「・・・・・あのぅ。」

振り返ると、こうなった原因の彼女が立っていた。

「ん?」
「ご、ごめんなさい。」


「貴方がいけないんじゃないから。」


彼女に対してだけでなく、自分にもそう言い聞かせていた。



貴方が、いけないんじゃない・・・・




6 名前:作者 投稿日:2002年06月10日(月)20時06分08秒

更新終了。
誰と誰か、わかります?(←解ったらすごいですよ。)
7 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月10日(月)21時44分25秒
>「ご、ごめんなさい。」
っていう言い回しだから結構弱気系キャラですかね?
紺野とか石川とか・・・紺野とか石川とか・・・紺(殴)

・・・ダメです、わかりません。
8 名前:作者 投稿日:2002年06月11日(火)20時39分08秒
>>7推理力素晴らしい!!
 そうです、合ってます!!

・・・・・・つまり
9 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月12日(水)00時19分06秒
もうやぐちゅ−書いてくれないのかな?
10 名前:作者 投稿日:2002年06月12日(水)19時52分51秒

>>9本編では、主体じゃありませんがやぐちゅーカップリングはありますよ。
 でもまず先に・・・・・
11 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月12日(水)20時07分00秒



「でも、あの、後藤さんの足を・・・・。」
「もういいってば。」

自分の部屋に戻ろうとする。

「それに、ぎそ・・・・」
「止めて!!それ以上言わないで・・・・・。」

彼女はあたしを後ろから抱きしめた。


「?!」
「わたしが、責任とります。」

・・・・・

「無茶言わないで。梨華ちゃんは十分・・・あなたは十分尽くしてくれた。」
「そんなこと・・・。」
「この一ヶ月、放心状態だったあたしの世話してくれた。それで十分。」
「けど、後藤さんは・・・・!!」

口を抑えた。

「何度も言わせないで。」

体を離し、今度こそ部屋に戻った。

12 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月12日(水)20時41分55秒



あんなこと言ったけれど、抱き合ってたホンのちょっとの時間、
あたしは例え用のない不安と、絶望の中から抜け出せていた気がする。


「・・・・・左足・・・。」


あの事故から見ていない。

・・・・・見れない。


どうしても、ズボンを捲くる事は出来ない。

痛々しい包帯でグルグルなのだから・・・・。






はぁ…
眠れない夜は、必ずこの写真を見る。


イギリスへ渡った、市井ちゃんとの写真を・・・・


13 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月12日(水)20時53分11秒



将来、日本代表スタメンのFW枠を二人で取ることが夢だった。
なのに市井ちゃんは

『すまん、後藤。市井さ、W杯で後藤と戦いたい。』
『え?』
『だから、イギリスに行く事にした。』
『…だけどこの前行かないって…断わったって…!!』
『ごめんな、後藤。』
『やだよ、そんなの!!』
『2002年、W杯で会おう!』


だから、一生懸命がんばった。
そして、決勝までいけた。
市井ちゃんと対決だった。


なのにさ




14 名前:蘇る恐怖〜眠れない夜は〜 投稿日:2002年06月12日(水)20時56分08秒




今度は後藤が


市井ちゃんを裏切ったんだね


でも、市井ちゃん

梨華ちゃんは悪くない。
あの犬も悪くない。
運転手だって悪くない。



あたしのわがままが、この怪我をここまで酷くしたんだよね。



これが俗に言う、天罰ってやつ・・・・・




15 名前:作者 投稿日:2002年06月12日(水)20時58分59秒

更新終了。

注意:ごっちんは市井ちゃんと付き合ってはいません。
16 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月12日(水)23時44分57秒
ん〜期待してますっ(w
がんばってくださいっ!
17 名前:作者 投稿日:2002年06月14日(金)19時44分07秒

>>16う、嬉しいお言葉!!もうがんばりまくりますよ。
  …眠いですけど。
18 名前:ネガティブ前進〜間違えた訪問者〜 投稿日:2002年06月14日(金)19時51分13秒



あれから気持ちを抑えて寝た。
朝の8時。いつもなら呼びにくる梨華ちゃんが来ない。

…いいや。今日は寝てよ…。

布団を被り直し、もう一眠りしようと思ったその時…。

「・・だ・・・・だと思います・・・・から平気かどうか・・・。」

遠くから聞こえてくる梨華ちゃんの声。
ん、誰か来てるのかな?

「ごっつぁん、起きてる?」
「…やぐっつぁん?!」

中学時代の先輩、矢口真里。
サッカー部で一番リーダーシップがあって、一年に慕われていた。
なぜか、あたしの次に。

なんであたしが一番と言って良いほど慕われてたのかわからない。
19 名前:ネガティブ前進〜間違えた訪問者〜 投稿日:2002年06月14日(金)20時02分23秒



「どうしてここにいるの?」
「それはこっちの台詞。練習は?」
「・・・・え?」

やぐっつぁん、何を言ってるの??

「紗耶香と戦ってまたやる気でたでしょ、早く行かなきゃ。」
「ちょっと、なにもしらないの?」
「は?得点王がサボっちゃいけないよ。」


…なに、本当に知らないの?!


「いいから早く行くよ。紗耶香と今度は最初から戦わなきゃ。」
「もうサッカーできないの!!」
「え?!」


「もうあたしの左足は限界なの!動かす事が困難なのに、どうしてサッカー
 できると思う?!決勝点の時、あの時-――――!!」

梨華ちゃんが乗り出したあたしを抑えた。

「後藤さん、落ち着いて下さい。」
「こんなの、ないよ!酷い!もうあたしはサッカーできないのに、その話して!」
「なにいってんのさ、ごっつぁん…。」


「嘘じゃない!!もうサッカーどころか、歩く事だって出来ないの!!」


あたしは興奮しすぎて、梨華ちゃんの腕の中で気を失った。


―――――――
―――――
―――

・ 



20 名前:ネガティブ前進〜間違えた訪問者〜 投稿日:2002年06月14日(金)20時13分09秒



小学生のあたしがいた。

「お父さん、サッカー上手だね。」
「まあな、父さん大学でもやってたからな。」
「あたしもサッカー選手になる、オリンピックに出る!!」

「ははは、サッカーはね、W杯に出る事が今の目標なんだ、まき。」
「わぁるどかっぷぅ?」
「日本はね、サッカー弱いって言われてるんだ。まだでたこもない。」


あぁ、昔の…




お父さん・・・・




21 名前:ネガティブ前進〜間違えた訪問者〜 投稿日:2002年06月16日(日)17時34分44秒
お父さんはフランスへ行ったきり帰ってこない。
消息不明…だから

あたしは世界が注目するサッカー選手になるって
決めたんだ。

小学4年生から始めたサッカー。幼なじみのよっすぃーと
ペアを組んでよく点を大量に取っていた。

刺激しあえる人がいるから強くなれる。
きつい練習にも耐える事が出来る。

まさにその通りだった。
小5ではすでに全国制覇。
メンバーも市井ちゃん、あゆみちゃん、よっすぃー、あたし…
気の合う最高のメンバーが揃って、向う所敵なしだった。

市井ちゃんはよくみんなにこう言われていた。

『気高き皇帝。』

自信家。みんなそういうけど、ちゃんと影で努力してるからなんだ。
22 名前:ネガティブ前進〜間違えた訪問者〜 投稿日:2002年06月16日(日)17時45分12秒
中学に入って、スポーツ新聞とかに良く載っていた。

『気高き皇帝VS暗黒の虎』

その頃の中学レベルはすごく高かった。
なんせ、ついこの前のW杯レギュラー23人のうち
ほとんどがあたしと同世代。

暗黒の虎っていう異名を持つのは、松浦亜弥ちゃん。
笑顔の裏には影があるって良く言われていた。

その人と全国で対決した時に初めて気がついた。


あたしは、よっすぃーとのコンビよりも、市井ちゃんがFWの
方がいいという事に。


パスがスムーズに通る。
シュートがしやすい。

市井ちゃんとだと、ごく自然にできるんだ。
23 名前:ネガティブ前進〜間違えた訪問者〜 投稿日:2002年06月16日(日)18時03分57秒

だからコーチはよっすぃーを、MFにした。
よっすぃーはあたしをちらっと見て静かに笑った。

「わかってるよ、ごっちん。」

よっすぃーの目はそう言っていた。
優しい、穏やかな瞳。

今でも忘れられない、あの瞳。
悲しい感情を押し殺してあたしを受け入れてくれた。

それが無性にやるせなくてあたしは頑張った。
だれもが認める日本のFWに市井ちゃんとなって、
よっすぃーと一緒にW杯に出る。

そして言いたかった。

「ありがとう。」と。


よっすぃーがいたからあたしはここまでこれたんだって・・・

けどそれは出来なかった。市井ちゃんのイングランドへの移籍。
国籍を変えるという、予想もしなかった出来事の所為で…

24 名前:ネガティブ前進〜間違えた訪問者〜 投稿日:2002年06月16日(日)18時09分29秒
「・・・・・・・・あれ?」

あれは夢だったんだ。

やぐっつぁんが来てあたしは…
情けないな、あんなことで怒るなんてさ。

いっつも言ってたくせに。

「ちっちぇえよ。」

小さな事にウジウジするのはあたしらしくない。
そう言い聞かせて今の今迄生きてきた。





「ホント、ちっちぇえよ。あたしは。」

松葉杖を取ってリビングに向った。

もちろん、そこにいるのは梨華ちゃんとやぐっつぁん。
25 名前:作者 投稿日:2002年06月16日(日)18時30分16秒

更新終了。サッカーについて詳しくないんですけど、許してください。
にわかサッカーファンなもので・・・・。
26 名前:作者 投稿日:2002年06月19日(水)17時33分31秒
疑問。
このスレ、読んでる人いないのかな?
27 名前:Dr.マルッチ 投稿日:2002年06月24日(月)17時44分56秒
読んでますよー。
自分もにわかサッカーファンですが面白いですねぇ。
続き期待してます。
28 名前:作者 投稿日:2002年06月27日(木)16時35分59秒

>>27ありがとうございます!!寂しかったです。頑張ります!
29 名前:作者 投稿日:2002年07月15日(月)15時54分10秒

「やぐっつぁん…ごめん。」
「いや、こっちこそ。」
「実は、その…。」

切り出す事が出来ない。


やぐっつぁんは多分怪我に強い昔の自分を描いていたから、


だから



あぁ言ったんだよ、ね?



30 名前:過去 投稿日:2002年07月15日(月)16時04分18秒

決勝戦30分前。

「さぁ、現場には湯川さんが待機してます。湯川さん――――?」
「はい、こちら現場の湯川です。つい先程スターティングメンバーが
 発表されたわけなんですが、後藤選手がスタメン落ちです。」
「え?!本当ですか?」

「はい…。得点王を狙う彼女が落ちるという事はよっぽどの事がない限り
 ありえないですからね…日本ピンチです。」
「代わりには…柴田が入ってますね。」
「はい、頑張って欲しいです。」
「ありがとうございました。」


もちろん、市井にも、この事が知れたわけで…


31 名前:過去 投稿日:2002年07月15日(月)16時07分03秒


「どうして?どうしてだよ後藤!」

市井は怒鳴った。

「一緒に戦うって約束したろ?!」


市井の怒りは収まらなかった。

32 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月06日(金)01時58分08秒
続いて!
33 名前:名無しさん 投稿日:2002年09月07日(土)13時34分28秒

終了。
34 名前:作者 投稿日:2002年09月24日(火)17時34分56秒

>>32ありがとうございます。不覚ながら…風邪を引いてしまいました。
35 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)17時39分14秒

選手入場。

国歌斉唱も終わりそれぞれのベンチへ。

「後藤…。」

市井は上下ジャージを着ている後藤に、不安を抱いた。


「なぁ、まさか、後藤…。」


集中できない市井に、監督から檄が飛ばされる。

「イチイ!チャントシロ!」
「あ…。」


後藤を気にするあまり、試合開始のキックを失敗してしまった。
36 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)17時42分35秒

「なんでだよ…どうして後藤が出ないんだ?」

市井の視線を感じ、顔をあげる事が出来なかった。

「市井…ちゃん…。」

イングランドのMFがボールを取った。

「見てろよ…引きずり出してやる!」

そのボールを上手くつないで日本のゴールへ向う。
37 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)17時48分38秒

「うっ!」

DFりんねを素早くかわす。

「いっけぇ〜!!」

市井のゼロ度からのシュート。
ゴールポストに当たって上手い具合に入った。


『ゴーーーーーーーーーール!!イングランド市井、先制ゴール!!』


ビシッ。

市井は後藤の方を向き、指差した。

「(……。)」

後藤は悔しくて、やるせなくて涙を流した。
38 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)17時52分14秒

ハーフタイム。

「後藤!」
「え?」

市井は日本のベンチに来て、後藤の襟首を掴んで立たせた。

「なんででないんだっ!約束したろっ!!」
「ちょっと紗耶香、ここは日本のベンチだよ?」

「うるさい!圭ちゃんには聞いてない!!後藤に聞いてるんだ!」
「……。」

後藤は、ただ静かに涙を流す。




39 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)17時54分47秒

「なんか言えよ!」
「市井ちゃんには…悪いと思ってる…。」
「なにがだよっ!!わかってんのか!!」

後藤はゆっくりと顔をあげる。

必死に作り出す、感情の無い表情。

「ハーフタイムだよ?戻ったら?」

市井の腕を払いのけ、後藤はフラフラでていった。
40 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)17時56分57秒

「後藤…。」

市井は途方に暮れた。

なぜ自分に言わないのか。

「ごめんね…市井ちゃん。」

後藤は左足を掴んだ。

「っ…!!」

激痛が走る。だめだ…でれない…。

歩くだけでも辛い。


「ごめんね…。」


41 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)17時58分55秒

後半に入ってからは両チーム得点無し。

そして、後半のこり10分…。

『あーっと、ここで後藤が出ます。…え?』

「後藤…?」

ザワザワ…

後藤の左足は、痛々しいほどに包帯でグルグル巻きだった。
42 名前:過去 投稿日:2002年09月24日(火)18時04分28秒

「うっ…!!」

後藤がしゃがみこむ。

「ごっちん?!」

吉澤が駆け寄る。

そう、このことを日本の選手も聞かされていなかったのだ。

「凄い汗だよ!やめなって!」
「っつぅ…。」

後藤は行き成り立ち上がると左足を思い切り地面に叩き付けた。

バンッ!

「……うぐっ!」

後藤はその声と共に顔が険しくなった。

「よっすぃー…パス、お願い。」
「え、あ、うん…。」

創ったものではない、本当に寒気がするほど感情の無い後藤の顔。
吉澤はせずじがぞくっとした。

43 名前:作者 投稿日:2002年09月24日(火)18時05分07秒

更新終了。感想のレス、待ってます。
44 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月24日(火)18時12分09秒
更新お疲れ様です。

待ってて良かった・・・。
次回の更新も楽しみに待っております。

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