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やぐちゅーメイン2

1 名前:つかさ 投稿日:2002年06月19日(水)00時16分31秒
つかさです。

新スレッドたてちゃいます。
今まで、レスくれた人、読んでくださった人に、多謝、です。

そして、この話でも楽しんでいただければ、幸いです。
2 名前:☆☆☆あなたがいるから☆☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)00時17分32秒
 出逢えて良かったと。
 運命に感謝したい人がいる。
 運命は、命が運ばれてくるもので、受動的なもの。
 宿命は、命を宿すもの。
 運命を宿命に変えるかは、自分次第ーーーーーー。

 そんな言葉を信じているわけじゃないけれど。
 そんな言葉を信じたくなるほど。

 あなたに逢えて良かったと。
 あなたが生まれてきてくれて、ありがとう、と。
 伝えたくなる、そんな、日。

 照れくさくて、そんなこと、本人の目の前じゃ言えないけど、ね。
3 名前:☆☆☆あなたがいるから☆☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)00時18分23秒
「矢口〜〜??寝たん?」
 裕子の部屋。
 裕子のベッドの上。
 ぷにぷにとほっぺをつつかれて、矢口は眼をあけた。
「寝てないよ〜」
 でも、その声は、何だかムニャムニャとしたもので。
 裕子はふっと、笑顔を見せる。

「ちょお、詰めて」
 そう言いながら、裕子は慣れた仕草で矢口の隣に滑り込んだ。
 そして、風呂上りのいい匂いがふわっと、矢口を抱きしめた。

「ん〜〜」
 矢口は、そのまま暖かい腕の中で、満足そうに微笑んで、再び眼を閉じる。
「可愛いな〜〜」
 思わず、ぽろり、と裕子の口から言葉がこぼれる。
 いつもなら、
『何言ってんだよっっ』
 と、真っ赤になって、反撃してくるはずなのに。
 よっぽど疲れているのか、裕子の胸に頭をこすりつけるようにして、甘えてくる。
4 名前:☆☆☆あなたがいるから☆☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)00時19分24秒
 誕生日なんて、それほど重要なもんやとは思ってなかった。
『おめでと〜』
 と言われれば、それなりに嬉しいけど。
 歳とってくたびに、何だか自分の可能性がどんどん減っていくような気がして。
『ありがとう』
 と答えながら、一抹の寂しさを感じていたのも、また事実。


『誕生日おめでとう。裕子に出逢えて本当に良かった。
 裕子が生まれてきてくれたこの日に、裕子をこの世に誕生させてくれた両親に、
 感謝の気持ちを伝えたい』


 誕生日。
 十二時過ぎに入った一本のメール。
 憎まれ口ばっか叩いて、ふざけあって。
 真面目に、誕生日おめでとう、なんて言われたことなかった。

 他の誰よりも言って欲しかった相手に。
 誰よりも言って欲しい言葉をもらえた。
5 名前:☆☆☆あなたがいるから☆☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)00時20分14秒
「うちってホンマ・・・・・・・幸せもんやな」
 裕子は矢口の髪の毛に、そっとキスを落とす。
「・・・・・・当たり前だろ、矢口がいるんだから」
 すっかり寝たと思っていた矢口が、裕子の腕の中で、身じろぎした。
「・・・・・・・好きやで・・・・・・・」
 そっと囁くと、
「ん。矢口も好きだよ」
 恥ずかしそうに、裕子の肩に顔を押し当てて。
 そう返してくれることが、本当に嬉しくて。

 生まれてきてくれて、ありがとう。
 そんな風にお互いが想い合える、そんな関係。

 ずっと一緒なんて、そんな言葉、信じなかったけれど。
 あなたとなら、ずっと一緒にいたい。
 そんな風にお互いが想い合える、そんな関係。
6 名前:☆☆☆あなたがいるから☆☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)00時21分26秒
 出逢えたのは、きっと奇跡。
 想いが通じ合ったことを、偶然、と呼ぶならば。
 偶然を必然に変えていけばいい。

 まどろみの中。
 お互いがお互いをしっかり抱きしめあい。
 二人の夜はふけていく・・・・・・・・・・・。

                             end
7 名前:つかさ 投稿日:2002年06月19日(水)00時24分49秒
思わず逃亡したくなるような話だ・・・・・(苦笑)

姐さん、誕生日おめでとうございます。
この1年が中澤裕子にとって、良い1年であることを、祈ります。
まだまだ、走って下さい♪

ってか、この容量だったら、前のスレッドに余裕で入ったな・・・・・
失敗^^;;
8 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月19日(水)00時32分44秒
姐さん はっぴ〜ばーすで〜い!!
生誕おめでとう!!
今年も去年以上に頑張って欲しいなー。
目指せ30歳いい女性!
9 名前:五月雨 投稿日:2002年06月19日(水)00時56分08秒
新スレ、おめでとーございます。

やっぱり姐さんの誕生日なのでノリに乗ってますね(w
あ、いや、勘違いならスイマセン。自分、かなり乗ってるもんで!


姐さん、誕生日おめでとうございます。
これからもずっと応援していくんで頑張って下さい。
…人様のレスでなに言ってんだか。

つかささまも頑張って下さい!!
これから見に来ます!頻繁に!
10 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年06月19日(水)02時05分31秒
新スレおめでとうございます。
そして新スレを立ててくださってありがとうございます
これからも読ませていただくので、よろしくお願いします

11 名前: ☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時10分00秒
〜〜〜8〜〜〜

 夏が終わって。
 ちょっとした変化。
 例えば、裕ちゃんの部屋に、炊飯器が増えた、とか。
 矢口が持ってるCDが何枚か置いてある、とか。
 裕ちゃんの講師室に、矢口専用のマグカップがいつのまにか準備されてたり。
 休みの日に、誘ってくれるようになったり。
 一日一回は必ず来るようになったメールとか、電話。

『おやすみ』
 必ず律儀に、夜12時前後に送られてくる。
 風邪ひいて、寝てなきゃいけないのに、メール送ってきたときはさすがにキレたけど。

 相変わらず、「好きだ」って言葉は少ないけれど。
 優しい顔だけじゃなくて、不機嫌な顔や怒った顔を見せてくれるようになった。
12 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時11分51秒
「矢口、聞いてぇや〜〜」
 文化祭を一ヵ月後に控え。
 何となくざわめかしい廊下を、放課後いつものように、矢口は中澤の部屋に向かった。
 窓際でぼんやりと考え事をしていた中澤は、矢口を見た途端に、むくれた顔になって、
矢口を抱きしめた。
「ちょ、ちょっと裕ちゃんっっ」
 いきなりで驚く矢口は、思わず、中澤の腕から抜け出そうとするが。
 中澤の腕は、がっちりホールドされていて。
「もぅ・・・・・・・」
 中澤の肩に頭を押し付けられる形になりながら、矢口は、幸せそうにため息をつく。
「どうしたの?」

「ん〜〜、もうちょっと、このままでええ?」
 中澤は、そのまま眼を閉じて、きつく矢口を抱きしめた。
 いい匂いがする。

「裕子〜〜。裕ちゃん?」
 どれくらいそうやってただろうか。
 矢口が苦しそうに、腕の中で動くのに気付いて、やっと中澤は腕の力を緩めた。
「何かあったの?」
 心配そうに中澤の顔を見上げた矢口に、中澤は、少し笑顔を見せた。
「ちょっとな」
 くしゃくしゃっと矢口の頭をなでて、中澤は、矢口から身体を離した。
13 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時12分24秒
 中澤はコーヒーで、矢口はココア。
 並んでソファーに座りながら、のんびりとくつろぐ二人の間に特に会話はなかった。
 こつん、と中澤が矢口の肩に、頭をのせる。
 矢口がそっと中澤の頭をなでると、嬉しそうに中澤は眼を閉じた。
 なんだか、中澤の表情が疲れてるように見えて。
 矢口は、何だか、少し、悲しくなる。

「矢口って頼りない?」
 中澤の頭をなで続けながら、矢口はぼそっと拗ねたように呟いた。
「ん?」
 中澤が不思議そうに、眼をあけた。
 どしたん?
 きょとんとした表情が、何だか悔しくて。
「裕子、何もしゃべってくれないじゃん」
 なでていた手を止めて、矢口は俯く。
 こんなことで拗ねてる自分は、やっぱり、子どもだな、とか思うけど。
 裕子のこと、知りたい。
 何で、疲れてるの?
 とか。
14 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時13分31秒
 ふわっと抱きしめられた。
「頼りにしてんで」
 耳元で呟かれたセリフにドキドキする。
 でも。
「ちょっとな、職員会議でもめてな〜。
 でも、矢口には関係ないやん?ごめんな」
 続けられたセリフに思わずむかっときて。
 矢口は、ぽかり、と中澤の頭を思わず叩いた。
「アホ裕子っっっ」
 何で叩かれなあかんねん?
 珍しくむっとした表情の中澤に、やっぱり、こっちもむっとした表情の矢口。
「関係ないなんて言うな」

 しばらく、お互いむっとした表情で見つめ合ってた二人。
「関係ない、なんて言われたら、矢口、裕子との接点なくなっちゃうじゃん」
 一転して、矢口の瞳がふっと、潤んだ。
「・・・・・・・関係なくなんかないよ。裕ちゃんのこと知りたいって思ってるの、駄目?」
 今にも零れだしそうな涙に。
 中澤は、動揺を隠せない。
「ちょ・・・・・・・・矢口。ごめん。な、裕ちゃんが悪かったから・・・・・」
 慌てて、矢口をぎゅっと抱きしめた。
15 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時14分01秒
「今度の文化祭のことでな。
 出し物で、劇ばっかじゃなくて、飲食の方もやりたいって、生徒から要望でてたやろ?
 職員会議で、それでもめてたんや。
 頭堅い先生ばっかでな・・・・・・、結構ぼろくそ言われてそれでちょっと、頭にきてたんや」
 焦りまくって、早口で経緯を話す中澤。
「・・・・・・・・・・」
 腕の中にいる矢口は、何も言わずに、俯いたまま肩を震わせて・・・・・・。
 ん?震わせて?

 中澤が、矢口の顔を覗き込むと。
「えへ♪」
 いたずらっぽい矢口の瞳にぶつかった。
「・・・・・・・・や〜〜ぐ〜〜ち〜〜〜」
 ドスのきいた中澤の声に、矢口は笑いながら、中澤の腕からするり、と抜け出した。
「去年、矢口、文化祭で、助演女優賞もらったんだ〜。うまかったでしょ?」
「そ〜〜ゆ〜〜問題かっっ!!うち、マジで焦ってんからなっっ!!」

「ごめんってばっ!!」
 逃げる矢口に、追いかける中澤。
 しばらく、追いかけっこをしていた二人だったが。
「捕まえた」
 狭い、部屋の中。
 簡単に矢口は、中澤の腕の中。
 後ろから、ぎゅっと抱きしめてきた中澤の腕に、矢口は思わず、頬ずりしたくなるほどの
愛おしさを感じながら。
16 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時14分37秒
「ねぇ、裕ちゃん?」
 後ろを振り向いて。
 矢口は至近距離で、中澤の瞳を見上げた。
「ん?」
 怒ってたはずなのに、何だか、矢口のふわり、とした嬉しそうな顔に、中澤の心臓が、
ドクン、とはねあがった。

「ちょっとは、楽になった?」
 突然の矢口のセリフ。
 不思議そうな中澤の表情に、矢口は言葉をつむぐ。
「裕子はさ・・・・・・何でも、大事なことは、中にしまっちゃうじゃん。
 愚痴でも何でもいいからさ・・・・・矢口じゃ頼りないかもしれないけどさ。
 矢口、聞くだけしかできないかもしれないけど、裕子の心、受け止めたいって思ってるん
だからね?」
 だから、ちゃんと、言葉にしてよ?
 言外に含まれたそんな矢口のセリフに。
 中澤は、頬を緩ませた。
「うん。ありがとな・・・・・・矢口。好きやで」
17 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時15分17秒
 何だか、矢口と付き合い始めて。
 矢口の本気を受け止めて。
 うちの心が変わっていく。
 そんな気がする。
 それは、嫌な変化とかじゃなくて。
 真っ直ぐにぶつかってくる矢口の言葉や態度が。
 うちを変えていく。

 側にいていい?
 側にいるよ。
 有言実行な矢口の態度。

 どんどんあんたに捕われていくうちの心。
 あんたをこの腕に抱きしめてて。
 幸せを感じてる。
 このまま幸せにしたいって本気で思ってるから・・・・・・。
18 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時15分49秒
「裕〜ちゃ〜ん」
 背後から、優しく矢口を抱きしめていた中澤に、矢口が不満そうに声をあげた。
「どしたん?」
「どうせなら・・・・・・・後ろからじゃなくてさ」
 そのまま矢口はくるっと身体を反転させた。
 どうせなら、顔、見ていたいじゃん。
 照れくさそうに笑う矢口の首筋にそのまま中澤は顔をうずめた。
「も〜〜、めっちゃ可愛い」
「こら、裕子っっ。顔見せろよ〜〜」
「ぜ〜〜ったい嫌です〜〜」

 赤くなった顔なんてみせられるかっちゅ〜ねん。
 腕の中でじたばた暴れる矢口をしっかり抱きしめながら、中澤は心の中で呟く。
「アホ裕子〜〜っ」
 でも。
 しょうがないな〜と小さな呟きが聞こえてきたと思ったら。
 中澤の背中にそっと、矢口の手が回された。
「・・・・・・・裕ちゃんの心臓、ドキドキいってるよ?」
「・・・・・・・・アホ」
 矢口のセリフに照れたような中澤のセリフ。

 こ〜ゆ〜のも、いいもんだね。
 こっそり、中澤の腕の中でニヤニヤしていた矢口だったが。
19 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時17分05秒
 唐突に、ドアがバタンと開く音に、慌てて、二人は身体を離した。
「姐さん、お疲れ様でした・・・・・って、やぐっちゃん、きてたんか」
 平家の軽やかな口調に、中澤は、苦笑いする。
「お疲れ様でしたってあんたなぁ・・・・・・・反対派の対応、全部こっちにまかせて・・・・・・。
も〜、マジであんなん相手にしてられへんって」
 従来なら、絶対に許可されなかったであろう、飲食店の出店。
 生徒から意見は出ていたが、ほとんど、否定的な先生の中。
『誰のための文化祭なんですか?生徒のためじゃないんですか?』
 中澤の一声で、会議の雰囲気が変わった。
 ひょうひょうと発言した中澤だったが、その後、古参の反対派の先生方から、集中攻撃をくらい。
「久々に、姐さんがあんなにしゃべるとこ、見たわ〜〜」
 平家が感慨深げにうんうん、と頷いていると。
 中澤が、不満そうに平家を睨みつけた。
「援護射撃、一つもなかったような気、するんやけど?」
20 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時18分27秒
「姐さんなら、大丈夫でしょ?」
 会議の最中、不機嫌そうに眉が寄っていく中澤の表情に、一番はらはらしていたのは、
ひそかに平家だったりしたのだけれど。
 場外乱闘で、手、出して喧嘩するのはやめてくださいよ?
 とりあえず、口を開くと、そんなセリフしか出そうになかった・・・・・というのは、結構
本音だったりする。
「あほか。めっちゃめんどくさかったっちゅ〜ねん」
 そして。付け加えるのならば、中澤はめちゃくちゃ弁が立つ。
 普段、めんどくさそうな感じで、職員会議などの場で一切発言などしないタイプなのだが。
 肝心なときに、ばんばん相手を言い負かせる中澤を見てきた平家は、中澤が発言しだした
段階で、結構安心して、その場をどうまとめるか、などと考えていたのだった。
21 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時19分48秒
「やぐっちゃんのエプロン姿、見たかったんちゃいます?」
 ふっと、平家は人の悪い笑みを浮かべた。
 興味津々、といった感じで二人の会話を聞いていた矢口は、平家のセリフを聞いて、思わず
顔を赤くする。
「ご褒美なかったら、頑張れるかっちゅ〜ねん」
 ひょい、と肩をすくめて、軽く中澤が返す。
「ゆ、裕ちゃんっっ!!」
 焦ったような矢口の声に、平家はくすくすと笑みをこぼした。
22 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月19日(水)23時20分41秒
「ってか、言うの忘れてたけど・・・・・やぐっちゃん、担任が探してたで?文化祭の準備さぼって、
どこいったんや〜〜って」
 げ、といった表情の矢口。
 中澤は、くるくる変わる矢口の表情を見て、すっと、目を細めた。
 そのまま、可愛くてしょうがない、といった感じでぐしゃぐしゃと矢口の頭をなでた。
「こら、裕子っっ!!」
 む〜〜っと、矢口はふくれっ面で、中澤を見上げるが。
「はよ行かんとまずいんちゃう?」
 中澤のセリフにますますふくれっ面になる矢口。
「とりあえず、飲食店の枠、3年生が優先やけど2年生にも枠、あるから。今頃出店が変更って
大変やと思うけど、クラスでちゃんと話し合ってな」
 二人のやりとりを、微笑ましく見ていた平家だが、いつまでたってもじゃれてそうな
二人に、苦笑交じりに声をかけた。
「あ。はい」
 慌てたように、中澤から離れる矢口。
 そのままぺこり、と平家に頭を下げて、部屋を飛び出していった。
23 名前:つかさ 投稿日:2002年06月19日(水)23時30分20秒
>>8さん
 即レスありがとうございました。
 ってか、30までに結婚するってある意味仰天発言・・・・気になって
 たまらない今日この頃(w)
 あれはやっぱり、姐さんはボケたつもりだったのか(いまだに悩)
>>五月雨さん
 ノリにのって・・・・・思わずストックをアップ(笑)
 宣言してください、気持ちは一緒です♪
 頻繁に更新にはなりませんが(汗)
>>やぐちゅー中毒者セーラムさん
 こちらこそ、よろしくお願いします♪
 期待に添えれるかは自信ありませんが^^;;

はい、ワンシーンが異様に長い、この話が再スタート(笑)
更新ペースは遅くなります^^;;
やっぱ、ちょっと、連日更新は無理です、ごめんなさい。

何故アップしたかというと・・・・・単に、姐さん誕生日嬉しかっただけ(笑)
短編二つあげるかとか考えたんですが、書く時間なく^^;;
次は、文化祭編になりそ〜です。
全然書き溜めしてないことばればれだな(苦笑)
24 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月20日(木)00時11分30秒
やっぱりつかささんの描くやぐちゅーは自分のツボに大大大HIT!!
言葉がありません。
姐さんが誕生した日に乾杯〜!
25 名前:352 投稿日:2002年06月20日(木)01時45分53秒
誕生日だし…と思ってたら、やっぱり! の更新、めちゃめちゃ嬉しいです。
あーホント、つかささんのやぐちゅー読むとシアワセな気分になれるなあ。
でもって、裕ちゃん誕生日おめでとう!
一日過ぎちゃったけどね。
26 名前:素人○吉 投稿日:2002年06月21日(金)16時57分24秒
誕生日ネタ。
あの短時間で…。
凄いですな。

何よりネエサン、遅れたけど誕生日おめでとう。
結局ネエサンの誕生日だって思えるようなこと、
あの後、何ヒトツしませんでした。(苦)

でも、おめでとう。
今年もネエサンにとって充実した一年でありますように。
27 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月24日(月)23時29分45秒
〜〜〜文化祭〜〜〜

ーーー悪巧みーーー

 一応、3年生優先で、出店が10許された飲食店。
 意外とというか・・・・・受験を間近に控えた3年生は余裕がないのか、半分以上が2年生枠。
矢口のクラスはお祭り好きが多く・・・・・・・・あ〜でもない、こ〜でもない、と論議のすえ、
結局、「甘味処」という結論に落ち着いた。
「・・・・・・・全然、料理せんやん」
 文化祭3日前。
 ばたばたと忙しい合間をぬって矢口は中澤の部屋に顔を出していた。
 可愛げもなく、面白くなさそうに、中澤はぼそっと呟いた。
「い〜じゃん、でも全員、浴衣着るんだよ〜?」
 妙に嬉しそうな矢口に対し、中澤は不機嫌そうに、
「べっつに〜〜。うち、矢口以外興味ないもん」
 矢口にとっては嬉しいセリフを吐きながら。
 ・・・・・・・・絶対、裕子、無意識でしゃべってる。
 矢口がそう思うほど、心、ここにあらずの状態で。
28 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月24日(月)23時30分32秒
「とにかく、絶対来てよ?」
 チケットを渡して、何度となく念は押して。
「そ〜いや、矢口の店番の時間って何時?」
「二日目の10時から1時までの三時間だけだよ」
「ふ〜〜ん」
 一緒にまわろか。
 とかいうセリフを期待していた矢口は、ちょっと、肩透かしをくらって、不満気な顔をした
ものの。
「約束したからねっ!」
 ぱたぱたとせわしげに中澤の部屋から出て行ったのだった。

 約束、ねぇ・・・・・・。
 中澤はぽりぽりと頬をかいた。
「はぁ〜〜〜」
 こぼれてくるのは、ため息ばかり。
 どうやら、矢口は何も気付いていないようだが。

「・・・・・・時間の問題やんな・・・・・・・」
 手のかかる問題児二人・・・・・・・プラス、手のかかる大人一人の悪戯っぽい笑みを思い出し、
中澤は再びため息をついた。
「・・・・・・・・・もう絶対、あいつらの前で酒は飲まん・・・・・・」
29 名前:つかさ 投稿日:2002年06月24日(月)23時32分58秒
少量更新すいませんっっ(汗)
ってことで、続きは明日の晩に。
30 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月25日(火)01時56分39秒
きました文化祭(w
どんなことが待てるのかとっても楽しみです。
31 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月25日(火)23時30分09秒
ーーートラブルメーカーーーー

「裕・・・・・・中澤先生、来てくれたんだ?!」
「絶対来いって、チケット無理矢理渡してったんは何処の誰やねん?」
 十二時過ぎという丁度昼御飯時に、甘いものを食べようという物好きな客も少なく。
 客の数はまばらな矢口の教室。
 中澤の姿を見た瞬間、矢口は傍にすっ飛んでいき・・・・・・・・。
 くしゃり、と中澤は矢口の頭をなでた。
 嬉しそうに、中澤を見上げた矢口だったが。
 中澤のかたわらには・・・・・・・・中澤と同じような髪の毛をした子が・・・・・・中澤の腕にしがみつく
ような感じで、笑みを浮かべていた。
「・・・・・・・・・・・・誰?」
 思わず、矢口の口からこぼれ出てきた言葉に。
 中澤は、かたわらでふにゃ〜とした笑みを浮かべている子の頭をこづいた。
「ほら、自己紹介」
「後藤真希です。いち〜ちゃんと・・・・・・」
「市井の親戚や」
 珍しそうにこっちを眺めてる矢口のクラスメイトの視線を感じたのか、嬉しそうに
しゃべり始めようとした後藤の言葉を慌てて中澤はさえぎった。
32 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月25日(火)23時31分29秒
「?」
 不思議そうに中澤の顔を見た後藤は、次の瞬間。
「いち〜ちゃ〜〜んっっ!!!」
 丁度、矢口と同じ時間に店番の市井の姿を見つけて、すっ飛んでいってしまった・・・・・・。
「げっっ?!後藤?!」
「いち〜ちゃん、かわい〜〜〜っっ♪」
 そのまま、浴衣姿の市井に抱きつく後藤。
「ちょっと・・・・・・・こぼれるってっっ!!!」
 市井の制止もむなしく・・・・・・市井が手にしていたお盆は見事に、ひっくり返り。
 ちょっとしたパニックになった教室。
33 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月25日(火)23時32分37秒
「あれが、紗耶香のバンドのボーカル」
 矢口にしか聞こえないような声でそっと、中澤が囁いた。
「・・・・・・・・もしかして、裕ちゃん、確信犯?」
 こうなることわかって、連れて来た?
 ちょっと、中澤を睨むように・・・・・・矢口も、ひそひそ声で答える。
「おもろいやろ?」
 ニヤっと笑う中澤。
「・・・・・紗耶香、後で怒るんじゃないの〜?」
「ええねん、仕返しやから」
 仕返し?
 きょとんとした矢口に向かって、中澤は、話をはぐらかすように、
「浴衣、似合ってるやん」
 こっそり、ウィンクした。
「えへへ」
 途端に嬉しそうな顔になる矢口。
「惚れ直した???」
「ど〜やと思う?」
 軽くじゃれあってる中澤と矢口・・・・・・・。
34 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月25日(火)23時33分14秒
「裕ちゃんっっっ!!!後藤、何とかしてよ〜〜〜っ!!!」
 先生、と呼ぶことも忘れている市井の声に、中澤は、しょ〜がないな〜という表情になった。
 市井に嬉しそうに、抱きついてる後藤に向かって。
「ごっつぁん。ええ加減にしときや?」
 静かな声・・・・・・・。
 だからこそ余計に迫力が・・・・・・。
 一瞬、教室内が静まり返った。
「・・・・・・・・は〜〜い」
 しぶしぶ、といった感じで、後藤が市井から離れた。
「いち〜ちゃん、また後でね♪」

 中澤の一喝がきいたのか。
 後藤は、窓際の席に陣取って・・・・・・何やら中澤と仲良さげに、笑ってる。
35 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月25日(火)23時33分48秒
 ・・・・・・・・・・矢口の裕ちゃんなのに・・・・・・・。

「・・・・・矢口って本当にわかりやすいよね〜〜」
 何だか不満気な矢口の様子に思わず市井は苦笑い。
「・・・・・紗耶香だって、あんな可愛い子、知り合いだなんて、聞いてないけど〜?」
 矢口はじろっと、市井を横目で見る。
 しかし。
「言ってないもん」
 ニヤっと笑う市井。
「・・・・・・・・好かれてるね〜〜」
「矢口が裕ちゃん、裕ちゃんって言ってるほどじゃないし」
 ・・・・・・・・・。
 言い負けて、市井を悔しそうに睨む矢口に、ひょい、と市井は二人の方を指差す。
 中澤がすまなそうな顔で、矢口にごめん、と片手で謝るジェスチャー。
「・・・・・・バカップル」
 途端に嬉しくなって、相好が崩れた矢口に、市井は、肩をすくめた。
「い〜じゃんか〜〜」
 拗ねたように、市井をこづく矢口。
「ま〜、裕ちゃんも幸せそうだし?矢口、よく頑張ったじゃん」
 市井はにかっと全開の笑顔を見せた。
 照れくさそうに、矢口も笑顔を見せる。
36 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月25日(火)23時34分23秒
「矢口、市井、何やってんのよ〜〜。ほら、これ4番テーブルにねっ」
 呆れたようなクラスメイトの声が二人のやりとりを中断させた。
 それから、ばたばたと忙しくなって。
 中澤と後藤のことを気にする余裕はなく時間は過ぎていった。
37 名前:つかさ 投稿日:2002年06月25日(火)23時43分18秒
>>24さん
 姐さんの誕生した日に向かって乾杯♪
 大大大HITっすか♪嬉しいです^^

>>352さん
 どんどん幸せな気分になってください〜。
 まぁこの後、怒涛の急展開・・・・・になるはずですが(w

>>素人○吉さん←ちなみにこいつはおいらのダチ(w
 君の一言が、「あなたがいるから」を作り出しました・・・(w
 ってか、あおったのはお前だろうが〜。
 珍しく、レスありがとよ〜♪

>>30さん
 いや〜ほのぼの系でいくはずが・・・・・長くなるのは姐さんのせいです(w
 ついでに、昔のメンバーがちらっとでてくるようなでてこないような・・・・(w

ってことで、今日は普通の更新量♪
文化祭が終わるまでは連日更新いきたいけど・・・・・どうなるかは未定っす^^;
とりあえず・・・・・な〜んだか、ふざけた話を書きたかったのに、
すごくまっとうな話になります。
目指せね〜さん、かっこよくっっ。
38 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)01時38分37秒
連続更新って・・・マジですか(w
ムリしないで下さい。でも頑張って下さい。
つかさんの大ファンです!!
39 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)19時52分07秒
つかささんの書かれる、かっけ〜裕ちゃん、大好きです!
どんどん目指しちゃってください(w
後藤さんも、ついに登場ですね。
どうなるのか、楽しみです。

40 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)22時16分30秒
ごくせん最高〜。
つかささん最高〜。
とにかく最高〜。
41 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月26日(水)23時08分38秒
ーーーサプライズーーーー

「お疲れさん」
 一時過ぎ。
 更衣室になってる教室から出てきた矢口の首筋にぴとっと・・・・・冷たい感触。
「うわっっっ!!!」
 くすくすと、悪戯っぽい笑い声。
 見上げると、案の定の人の笑顔が見えた。
「びっくりするじゃんか〜〜」
 抗議をしながらも、矢口の声は、笑いを含んだもので。
 ありがと、と言いながら、中澤の手から、缶ジュースを受け取った。

「紗耶香は?」
 きょろきょろと周りを見回しながら、中澤は小声で聞く。
「さっきの・・・・・・後藤って子に捕まってたけど?」
 不思議そうな矢口。
 中澤は、ほっと安心したように一つ息を吐くと。
「そっか。鞄持ってるな?うん、なら、行こか」
 ぎゅっと、矢口の手を握り締めて、スタスタと足早に歩き始めた。
「は???」
42 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月26日(水)23時09分35秒
 中澤のセリフに矢口の頭は「?」が飛び交う状態で。
 そのまま連れて行かれたのは・・・・・・・校門・・・・・・・。
「ちょ・・・・・・・裕ちゃん。どこ行くの???」
 矢口の当然と言えば当然の質問に。
 受け付けのあたりでようやく中澤は、矢口の手を離した。

「矢口、実は熱あるねん。だから早退。かまへん?」
 中澤は妙に真面目な表情だった。
「は?????」
「保健の先生の許可はもう取ってるし。うちが家まで責任もって送り届けるってことで」
「・・・・・・・・・・・・・」
「んじゃ、決まり。帰るで」
 呆然としてる矢口の手をもう一度握って、再び中澤は歩き出そうとして・・・・・・・。

「裕ちゃん♪」
「姐さん♪」
 後ろから聞こえた声に、中澤は、がくっと肩を落とした。
「・・・・・・・・・遅かったか・・・・・・・・」
「へ?????」
 矢口が後ろを振り向くと、何故か笑顔の平家と、後藤の姿が見えた。

「いち〜ちゃんの言ってた通り〜♪♪いち〜ちゃんってやっぱり凄いな〜♪」
「姐さんの考えてることなんて、お見通しってことで」
 後藤の的外れな発言に、呆れたような表情を平家は浮かべながら。
 そのままがしっと、中澤の腕をつかんだ。
43 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月26日(水)23時10分45秒
「今更、往生際が悪いと思いません?」
「・・・・・・・・・何でうちを巻き込むねん・・・・・・」
 うらめしげな中澤の視線に、平家はしらっと答えた。
「姐さんの歌、聴きたいからに決まってますやん?」
「・・・・・・・・・嫌や」
「今更、でしょ?」
 ふっと、平家の眼が真面目になった。
 中澤は、何も言えずに俯いた。
「もう・・・・・・・いい加減に、いい時期なんやないですか?」
「それは、あんたが決めることちゃうやろ」
 苦しげな中澤の声に、平家の表情が強張った。

 いい時期かどうかなんて。
 うちの心には、まだ。
 消えない言葉が残ってる・・・・・・・・・・。
『裕ちゃんの歌ってる声、好きだよ』
 優しい声を思い出す。
 今更、やけど・・・・・・・今更でも。
 中澤は、拳を握り締めた。
「・・・・・・・裕子?」
 俯いた視線の先に。
 中澤を気づかってるような・・・・・・心配そうな、瞳。

 矢口・・・・・・・・。
 でも、声に出せなくて。
 眼を閉じた。
 そしてぐっと、もう一度、拳を握り締めた。
44 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月26日(水)23時11分40秒
「姐さん・・・・・・・」
「裕子を傷つけんなっっ・・・・・」
 周りに聞こえないように配慮された。
 それでも、怒りがびんびん伝わってくるような矢口の声。

 中澤が眼を開けると。
 中澤の前に、小さな身体が、中澤を守るように、立ちふさがっていた。
「矢口、何がどうなってるのかよくわかんないけどっっ」
 真っ直ぐな声。
「裕子が痛いのとか、辛そうなのは嫌だから」
 矢口は、平家を睨みつけていた。

「やぐっちゃん・・・・・・」
 動揺したような、平家の声。
 後藤は・・・・・・訳がわからない、と言った表情で。

「裕子、帰ろっっ」
 今度は矢口が、中澤の腕をとった。
45 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月26日(水)23時13分39秒
 ・・・・・・・・・あんた・・・・・・・、今にも泣きそうな眼、してんで?
 中澤は、情けない顔で矢口を見つめて。
 ふっと、目線をあげて、平家を見る。

 ・・・・・・・・あんたは・・・・・・・寂しそうやな・・・・・・・。

 そのまま、後藤に視線をやる。

 ・・・・・・・・訳わかってないって顔やな・・・・・・・。
 まぁ、何も知らんねんからしょうがないか・・・・・・。

 ・・・・・・・ま〜ったく、どいつもこいつも・・・・・・・。

 中澤は、ぐしゃぐしゃと髪をかきあげた。

 しばらくの沈黙のあと。
「責任、とってや?」
 静かな中澤の声に。
 平家は、ほっとしたように笑った。
「責任ならやぐっちゃんが取ってくれますやん?・・・・・・・多分」
「多分は余計じゃ」
 ついでに、人に責任転嫁するその性格、やめい。
 軽い突っ込み。

「・・・・・・裕子?」
 やっぱり、まだ心配そうな矢口の声。
 中澤は、矢口と視線を絡み合わせた。
「矢口の為に歌うから・・・・・・・・・ちゃんと、聴いててな」
 きっぱりとした声に。
 何もわからなかったけど、矢口はこくん、と首を縦に振った。

 中澤の真剣さが伝わってきたからーーーーー。
46 名前:つかさ 投稿日:2002年06月26日(水)23時23分58秒
>>38さん
 無理せず頑張りますっっ♪
 あるシーンが書きたいだけだったのに・・・・・・何故かとっても含みある
 話になってしまった(汗)

>>39さん
 ごっちん、市井ちゃん、ひそかに後編の隠れ主役なんですが・・・・全然目立って
 ないっすね〜〜。とりあえず、文化祭編終わってから・・・・いろいろと
 動いてくれるはずです(w

>>40さん
 とにかく最高っす♪
 ってか今日のごくせん・・・・・ちょい役でも何でもやっぱり姐さんは光ってる♪

ってことで更新です。
明日は矢口のラジオ〜〜。
仕事で最近聞きのがし気味・・・・・(苦笑)

47 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月27日(木)03時17分27秒
つかささんいつも楽しく読ませていただいてま〜す。
ちょっと質問なんですが差障りなければ答えていただきたいな〜と(w
姐さんと平家さんの関係は友情ってのは分かってるんですが・・・
姐さんは過去の誰かさん話(最初なっちかと思ったんですが・・・過去のメンバーって事で彩裕?!あくまで妄想(w)
もあるらしいので友情としてしか、ずっとみてないってのは分かるのですが・・・
みっちゃんは姐さんのこと密かに好きだった事(過去形含む)あったりするのでしょうか?
なんかストーリーとは関係ないかもしれないけど・・・気になっちゃって(w
すいません変な質問しちゃって・・・じゃあするなって感じなんですが・・・
48 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月27日(木)12時17分09秒
先生が生徒を連れてボイコットカッコイイ!!って思ったら(w
なるほど・・・矢口カッコイイ〜。そして裕子も男前!!

裕ちゃんの声は自分も大好きです。癒しの声ですね(w
福山さんのANNで声で抱かれたい芸能人3位 裕ちゃん(ちなみに1位はやぐっちゃん)だったし
なにはともあれ裕ちゃんのソロコン決定が一番嬉しい〜♪
49 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月28日(金)00時09分01秒
すっげ〜怒涛の更新お疲れっス!
つかささんの文に飢えてたので嬉しいっス。
どうなっていくのかな?
50 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月28日(金)00時46分44秒
ーーー体育館ーーー

「・・・・・・・・あの〜〜」
 そのまま訳もわからず体育館に連れて来られた矢口。
 いつの間にか、中澤、後藤はいなくなってて。
 体育館に並べられた椅子はいつの間にか、満席になっていた。
 立ち見で、ぞろぞろと何人か生徒が入ってくるのも目に映る。
 平家はさっさと、壁際の一番前に陣取り、壁にもたれながら、腕を組み。
 矢口は、その横で戸惑った表情を浮かべていた。

「今から有志の出し物やるねん。毎年やってるねんけど、やぐっちゃん知らん?」
 不意に平家が口を開いた。
「そんなにおもしろくないってのは・・・・・・・」
「紗耶香が、裏で宣伝してたみたいやからね」
 ぼそっと平家が呟いた。
「ホンマにやぐっちゃん、噂、弱いみたいやね〜」
 きょとん、としてる矢口に平家はくすくすと笑った。
51 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月28日(金)00時47分27秒
「紗耶香、結構人気あるんやで?ついでに、姐さんの人気もあなどれんからな〜。
 紗耶香がおもろいことをたくらんでるみたいや、それに姐さんも噛んでるって噂、
聞かんかった?」
 ぶんぶんと、矢口は首を横にふる。
「だから、この盛況ぶり。去年は・・・・・・閑古鳥が鳴いてたのに」
 平家は苦笑するが、そのまま続けた。
「紗耶香が、乗っ取りライブやるって話、してて。おもしろそうやから、私も一枚
噛ませてもらうことにしてん」
 姐さんにはいい迷惑やったんかもしれんけどな・・・・・・・。

 寂しそうな声音。
「平家さん?」
「姐さん、昔、結構有名やってんで?セミプロで歌の中澤裕子って言ったら、通用するくらい」
 平家は、けして、矢口の眼を見ようとはしなかった。
52 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月28日(金)00時48分03秒
「やぐっちゃん、驚かそうと思ってん」
 独白のように、平家の言葉は続く。
「姐さんを傷つけるつもりはなかってん・・・・・・ごめんな」

 ため息をぽつん、と吐いて。
 平家は眼を閉じた。
「矢口こそ・・・・・・ごめんなさい」
 他に言葉が見つからなくて。

 きっと、平家に悪気はなかったのだろう。
 悪巧みが大好きな子どもに。
 きっと、裕子の歌声が聴きたかっただけのちょっぴり子どもの大人。

 どんな風な約束の仕方をしたのか、なんてわからないけど。
 裕子は大人のフリして、きっと、笑って受け止めたんだろう。
 想いを全部、心の中にしまって。

「・・・・・・・どうして裕ちゃんは歌うのを辞めたんですか?」
 矢口のセリフに平家は困ったように首をかしげた。
「私も実は良く知らんねん」
53 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月28日(金)00時48分59秒
 ちょうど、中澤が高校を卒業したてくらい、の時期で。
 ライブハウスで歌ってるって聞いて。
 初耳で、興味本位で聞きに行った。
 ツインボーカル。
 中澤の横にいたのは、綺麗な女の人だった。
 中澤は、安心しきった表情で、歌っていた。
 緊張しぃで、小心者なのに。
 いつもの、張り詰めた雰囲気なんてこれっぽっちもなくて。

「・・・・・・・その人と裕ちゃん・・・・・・・」
 自然と矢口の声が小さくなった。
 平家は首を振った。
「その人・・・・結婚するって言って、歌うのやめたって。姐さんが歌を辞めたのは・・・・・・
それが理由かも知れんけど・・・・・・・よくわからん」

『歌うの、もうめんどくさくなったから』
 何度か理由を聞いても、いつだって、茶化してばっかりで。
 本音なんて見せずに、いつだって、大人の仮面をかぶってて。
 初めてだったかもしれない。
 あんなふうに、拳を握り締める姐さん、見たの・・・・・・・。
54 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月28日(金)00時49分38秒
 俯いて、物思いにふけってしまった平家に、矢口は何も問い掛けようとはしなかった。

 そのまま、矢口は視線をステージに向けた。
『矢口の為に歌うから・・・・・・・・・ちゃんと、聴いててな』
 頑張れ、裕ちゃん・・・・・・・。

 照明が暗くなった。

「ただ今より、有志による出し物を始めます」
 面白みのない声が流れてくると同時に。
「ってか、有志、今年いなかったんだよね〜〜」
 ピンスポットが、舞台の端を照らし出した。
「脅したんちゃうん?」
 そして、反対側に、もう一つピンスポット。

「や〜だな〜。人聞きの悪い。中澤先生みたいなこと、しませんってば」
「紗耶香こそ人聞きが悪いこと言うなや。
 有志がおらんって聞いたから、しょうがなく、生徒の為にってことで、特別出演やで?」
 流れるような二人のかけあい。
55 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月28日(金)00時50分11秒
「そういうことで、市井紗耶香です、よろしく」
「中澤裕子、よろしく」
 シーンとしていた客席がどっと沸いた。
「「「紗耶香〜〜」」」
「「中澤せんせ〜〜♪」」

 黄色い歓声が飛び交う中、舞台上の二人は堂々としたもので。
「しっかし、すごい声援やね〜」
「中澤せんせ〜、マイク持つ手、震えてません?やっぱ、歳っすかね〜〜」
「やかましいっ」
 ぽかりと市井を殴る中澤。
 客席の笑い声を聞いてニヤリ、と中澤は不敵な笑みを浮かべる。

「っちゅ〜ことで、一曲目。うちは三曲しか歌わんし、これが最初で最後、大サービスやで〜〜」

 中澤が舞台から降りた後。
「裕子コール」は鳴り止まなかった・・・・・・。
56 名前:つかさ 投稿日:2002年06月28日(金)00時52分35秒
すいません、明日はオールで飲み会の予定入りました^^;;
ってことで、ちょい、明日明後日の更新はなしです。

レスも、日曜晩につけます。
日曜晩で文化祭編は終了予定っす♪
それでは。
57 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月29日(土)04時18分40秒
待ってます〜。
58 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年06月30日(日)04時25分00秒
楽しみに待ってます!
59 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時49分27秒
ーーー黄昏時ーーー

 ・・・・・・初めて聴いた、裕ちゃんの歌声。
 細い体をしならせて、切々と歌いきった3曲のラブソング。
 ノリのいい曲とか、そんなんじゃ、全然なかった。
 でも。
 甘い、歌声。
 みんな、聞き入ってた。
 聞きほれてた。

 紗耶香のギターに合わせて。
 高くて・・・・・・・少し、細い声、かもしれない。
 でも。
 本当に。
 凄かったんだ。

 ・・・・・・・・・・。

 今、矢口の膝に頭乗っけて、すやすやと幸せそうに寝てる人。
 ほんの一時間前の姿なんて、想像もつかない。
60 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時50分01秒
『矢口の為に歌うから』
 ・・・・・・・・嘘ばっか。
 ハモリの部分で。紗耶香のコーラスに、切なそうな表情を見せたの・・・・・・・矢口は
気付いたぞ。
 傍らに何かを探すような視線。

 何だか悔しくなって、矢口は中澤のほっぺをつねってみる。
 少し眉を寄せて。
 寝返り打って、矢口のお腹に頭こすりつけてる。
 ・・・・・・・・ちくしょ〜、可愛いじゃんか〜〜。

「・・・・・・何でそんな変な顔してんの?」
 お腹のあたりから、くぐもった声が聞こえてきた。
「寝てたんじゃなかったの?」
「今、起きた」
 器用に、矢口の膝の上で寝返りを打つと、中澤は、下から矢口の顔を見上げた。
「どしたん?」
 ちょっぴり気だるそうに、でも、腕を伸ばして、矢口の頬を愛しそうに撫でる中澤。
61 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時50分46秒
「・・・・・・・別に」
 裕ちゃんの過去にヤキモチ妬いてた、なんて言える訳ないでしょうが。
 そしてやっぱり、矢口の顔は何だか、晴れなくて。
 中澤は、よっこいせ、と身体を起こした。

「矢口?」
 中澤はこつん、と額と額を合わせて。
 矢口が逃げれないように、腰に手を回して、ホールド。
「どしたん?」
 再度問い掛けられて。
 青い眼が矢口を捕らえて・・・・・・・・離さない。

「・・・・・・・・妬いてただけだよ」
 へ?
 マヌケ面になる中澤。
 一瞬、腕の力が弱まったのを感じて、矢口は中澤の肩を両手で押し返した。
「アホ裕子。鈍感。へタレ」
 ぽんぽんと、憎まれ口が止まらない。
「・・・・・・・・嘘つき」
 でも、最後の一言だけは。
 何だか言ってしまって、泣きそうになった。
62 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時51分24秒
 矢口だけを見てよ。
 子どもっぽい独占欲。
 過去は消せないのなんてわかってる。
 裕ちゃんにとって、きっと、その人はく大事な人だったんだろうって思うし。
 きっと。
『矢口のために歌う』
 その言葉に嘘はないよ。
 矢口のためだけに歌ってくれたんじゃなかったとしても。

 裕ちゃんはその人のために、歌を捨てたんだ。
 何だかそれが、凄く悔しい。

「・・・・・・・・・矢口?」
「裕ちゃんと一緒に昔、歌ってたって人に妬いてる。今日の裕ちゃんへの声援にも妬いてる。
 今日でまた、裕ちゃんの人気あがったんだろうなって思うと更に不安だし。
 でも、それは矢口のワガママだってのもわかってる」
 矢口が俯いたまま、ぽつり、ぽつり、と話す内容を聞いて、中澤は少し驚いた表情をみせた。

「誤解してへん?」
「何を?」
 間髪いれずに矢口が突っ込む。
 ぐっと唇を噛み締めて睨むように矢口は中澤を見つめた。
63 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時52分03秒
「・・・・・・・・一緒に歌ってた奴は・・・・・・別に、付き合ってたとか、そういうんちゃうで?」
「じゃ、何で裕子は歌うのを辞めたんだよ?何で今日、歌うの、嫌がったんだよ?」
 中澤は、困ったように、頬をぽりぽりとかいた。
「付き合ってはなかったけど・・・・・・大好きやった。
 ずっと、一緒に歌っていれたらって思ってた。
 それはホンマ。
 ずっと一緒にいれるかもって思ってたうちが悪いんや」
 去っていくあの子は何も悪くないのに。
 勝手に傷ついたのは自分。
 鼻ピアスに大人っぽい表情。
 本当に大好きだった。
『結婚するから、もう一緒には歌えない。もう、歌わない。
 でも、裕ちゃんの歌ってる声、好きだよ。だから、裕ちゃんは歌いつづけて』
 歌い続けることができなかった、自分。
 あの子がいないステージに魅力を感じれなくて。
 もう一度ステージに立ったら、本当にあの子がいなくなったことを認めてしまいそうで。

 何も言わずに姿を消した。
 逃げたのは、自分。
 住所を点々と変えて。
 向き合うことができなかった自分の弱さーーーーーーー。
64 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時52分41秒
 中澤は、軽く髪の毛をかきあげた。
「裕ちゃん、大丈夫やから。だから、矢口、そんな辛そうな顔せんといて?」
「だけど、矢口、何もできない・・・・・・・っ」
「まだ、出会ってない頃の話やん?
 それに・・・・・・・」
 いったん、言葉を区切って。
 中澤は真っ直ぐに矢口の眼を見て。
 にっこりと・・・・・・・極上の笑みを浮かべた。
「今日、うちが歌えたのは、矢口がいてくれたからやで?」
 中澤の言葉が信じれなくて、矢口は首をぶんぶんと横に振った。

 そんな矢口を見て、中澤は、くすくすと笑う。
「矢口が思ってる以上に、うち、矢口のこと、頼ってんねんからな?
 もうちょっと、自信もって〜や」
 中澤は、矢口に軽くでこぴん一つ。
「裕ちゃんっ」
 そのまま立ち上がった中澤に、矢口は慌てて声をかけた。
「ん?」
 窓から、夕焼けの陽射し。
 逆光になって、中澤の姿はシルエット。

「今は・・・・・・・・寂しくない?」
「もちろん」
 そう答えた中澤は柔らかく微笑んでいたのだったーーーーーー。
65 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時54分39秒
中澤「んで?」
作者「・・・・・・・・・」
矢口「それで?」
作者「・・・・・・・・・」
中&矢「これからどうすんの?」
作者「・・・・・・・・・(遠い眼)」
平家「・・・・・・・・あの〜〜(おそるおそる)」
作者「・・・・・・・(ちょっと焦り)
平家「私と姐さんの仲直りの話はこの次に続くんですよね・・・・・・?」
市&後「市井と後藤もこの雰囲気に乱入するんだよね?」
中&矢「乱入せんでいいっっ!!!」
作者「・・・・・・・・・・・(だいぶ焦り)」
中&矢&平&市&後「「「「「それで、どうすんの?」」」」」
作者「・・・・・・・・無意味に長くなってるような気がするんですよね、文化祭編・・・・・・(ぼそぼそ)」
66 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時55分38秒
中澤「書いてるのあんたやろ?」
作者「・・・・・・・・・・・(ぐさっ)」
矢口「本編は進んでるの?」
作者「・・・・・・・・・・・・・・・(ぐさぐさっ)」
平家「それで、金、土、日と三連チャンで遊びに行ったって?」
作者「・・・・・・・・・・・(ぐさぐさぐさ)」
市&後「市井と後藤、裕ちゃんが歌った後で、ライブやってたんだけど、
全然書いてくれてないよね?」
作者「・・・・・・・・・・・(ぐさぐさぐさぐさ)」
中&矢&平&市&後「「「「「黙ってないで、さっさと暇つぶしのスレ書いとらんと
続きを書けっ!!!」」」」」

ってことで、もう一つおまけ編、続きます・・・・・・・(笑)
67 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時56分22秒
ーーー乱入者ーーー

「「裕ちゃん〜〜、お腹すいた〜〜」」
 いい雰囲気にお邪魔虫参上。
 ドアからなだれ込んで来たのは、市井と後藤・・・・・・・その後ろには平家がおずおずと。
「言っとくけど、ここに飯はないで?」
 呆れたような口調の中澤に。
「「御飯食べにいこ〜よ〜〜」」
 綺麗にはもる、子ども二人のセリフ。
 中澤は、苦笑する。

「ってか、矢口、市井のライブ全然見てないだろ〜〜。途中で抜けていきやがってっ!!」
 ソファーにちょこんと座っていた矢口を見つけて、市井がぎゃあぎゃあと叫ぶ。
「裕ちゃんの歌が終わったら、速攻抜けるなんて・・・・・・愛が足りね〜ぞ〜〜」
 そのまま、市井は矢口を羽交い絞め。
「後藤、やれっっ!!」
「ラジャーっっ!!」
 妙にハイテンションな二人・・・・・・・。
 羽交い絞めにされた矢口に、後藤はすっとんで行って。
「こら、やめろってっっ!!!きゃははははははっ」
 後藤にくすぐられて、矢口は笑い出す。
「ごめん、ごめんってば〜〜〜」
 じたばたともがく矢口。
 まるで子犬三匹がじゃれあってるような光景。
68 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時57分10秒
 ばつの悪そうな表情で、少し離れてその光景を見ていた平家に。
 ばしっっ。
 蹴りが入った。

「姐さん・・・・・・・・」
 こっちは、元気ない犬みたいやな。
 何だか、妙にしょんぼりしてる平家を見て、中澤はくすくすと笑った。
「すいません」
「楽しかったで?」
 謝罪の言葉を口にする平家に、中澤は、ニヤっと笑ってみせた。
「いい歌やったやろ?」
 重ねて言葉を続ける中澤。
「姐さん・・・・・・・」
「彩っぺに連絡とるわ」
 何かすっきりしたような笑顔で、中澤は言った。
「ありがとな」
 平家は驚いたように、中澤を見つめた。

 そして、中澤の笑顔に安心したように、微笑みを返す。
「・・・・・・・・でも、浮気したら、あきませんで?」
「アホかっっ」
 どかっ。
「痛いですって姐さん〜〜」
 いつものどつき漫才。
69 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時57分50秒
 後夜祭のキャンプファイヤーが始まったのだろう、グラウンドからは軽快なメロディーと
生徒たちのはしゃぐ声が聞こえてくる。
 紗耶香ののっとりライブ。
 たった、3曲だけの中澤のステージ。
 他の先生たちはあるアクシデントがあったため、体育館には来れなかったのだ。
 密かに、紗耶香ののっとりライブを成功させるため、中澤と平家が共謀して、
キャンプファイヤー用の薪を湿らせておいたことは、誰も知らない。
70 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時58分39秒
〜〜独り言、中澤裕子〜〜

 今日、あんたのおらんステージにあがったよ。
 やっぱり、ごっつ、寂しかったわ。
 あんたの声が足りないことに。
 うちも、あんたの声、めちゃめちゃ好きやってんで?
 ついでに、あんたのことも、めちゃめちゃ好きやった。

 うん、でも、全部過去形やねん。
 あんたがいなくなることを認めるのが怖かってん。
 あんたを失ったことが、本当に、痛かってん。

 それを恋愛感情と呼ぶのならば、きっと、そうやってん。
 うちは、気付いてなかったけど。
 ろくでもない男にさらわれるんやったら、本気であんたを奪いにいったかもしれん。
 でも、うちは知ってた。
 あんたがどんだけ、その人のこと、好きか。
 相手の男がいい奴やってのも知ってたし。
71 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年06月30日(日)23時59分34秒
 幸せになりや。
 本当に、痛いときに、涙なんかでぇへん。
 最後に逢ったとき、うち、めちゃめちゃ笑顔やったやろ?
 ちゃんと、祝福できたやろ?
 いっぱいいっぱいやってんで。

 姿を消したうちを、あんたが捜してるってのは知ってた。
 でも、もう、笑顔、作れそうになかってん。
 ごめんなぁ。

 あの時、言えんかった恨み言を言いに、逢いに行くよ。
『好きやった』
 って言ってみようかな?
 びびらしたんねん。

 ちゃんと今、幸せか?ってのも聞かなあかんよな。

 もう、一緒に歌ってた頃には戻れないけど。
 でも、新しく作り出すことはできるよな。

 なぁ、彩・・・・・・・・・・。
 うち、今、大事な奴、おるよ。
 ちゃんと報告するから、聞いてなーーーーーー。
72 名前:つかさ 投稿日:2002年07月01日(月)00時17分47秒
>>47さん
 想像どおり彩裕です・・・・・(w
 名前を出すかどうかは、結構最後まで悩んでたんですが。なんとなく、出したく
 なったので出してみました(いい加減です ww)
 みっちゃんが姐さんを好きなのかどうか・・・・・さて?
 大事な人であることは確かですが、恋愛感情としてどうかとかは。
 実はあんまり詳しく考えてません(汗)
 妄想してくださいっ(ww

>>48さん
 歌ってる姐さんが見たいっっとずっと思いつづけ・・・・やっとっすね〜〜。
 どんな歌なんだろ〜?
 矢口はANNでどんな風に姐さんの歌の曲紹介をするんだろ〜とか・・・・・
 いや、気の早い話ですね(w

>>49さん
 はい、こうなりました・・ってホンマ・・最初考えてた話と全然違う(汗)
 姐さんが妙に歌うのを嫌がるから長くなったんだよな〜〜なんて、責任転嫁(ww

>>57さん
 レスありがとうございます。待っててもらえるのが、嬉しいんで♪

>>やぐちゅー中毒者セーラムさん
 待っててもらえた甲斐はありましたか〜?なんて逆質問(笑)
 のんびりのたのたこれからも進んでいくと思うんで・・・・気長に待ってて
 下さい(ぺこり)
73 名前:名無し愛読者 投稿日:2002年07月01日(月)00時18分17秒
更新だけじゃなく・・・おまけ更新まで(w
日曜日がくるのを首をながくして待ったかいがかなりありました。(w
ありがとさんです。
あやっぺが本編に登場することはあるのかな?
74 名前:352 投稿日:2002年07月01日(月)00時24分06秒
ああ、エエ話や・・・
ホント、待ってた甲斐ありました。
おまけに、リアルタイムで読めたし!
満足。
75 名前:つかさ 投稿日:2002年07月01日(月)00時26分57秒
>>73さん
 速攻レスありがとです♪
 とりあえず、あやっぺ本編登場は予定はしてないですが・・・・・。
 何故だか勝手に話が長くなっていく(ーー;;)
 予定はしてません。しかし、勝手に登場してきたらし〜らねって感じで(w

 ってことで、や〜〜っと、文化祭編終わりました。
 登場する予定のなかった人まで登場しちゃって(苦笑)
 次回更新は一週間後くらいです。
76 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月01日(月)02時48分28秒
はい!待ってた甲斐がありました(w
自分も今、学園モノ書いているんで
文化祭なんかどうしようか迷っています(苦笑
77 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月06日(土)02時15分27秒
つかさんのやぐちゅー大好きです。
読んでてなぜか落ちつく(w

78 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月07日(日)21時01分24秒
そろそろ・・・一週間〜。
どれほどつかさんを待ちわびたことか(w
中毒患者です。(W
79 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月08日(月)17時57分07秒
やぐちゅ〜の二人が素晴らしいのは、言うまでもないのですが、平家さんが登場すると、「ニヤリ」としてしまうのは、自分だけでしょうか?(w

80 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時07分40秒
〜〜〜8〜〜〜

 土曜日。
 矢口は中澤の部屋で一人、拗ねた表情で・・・・・・・拗ねていた。
 部屋の持ち主は、幸せそうに、ベッドの中で夢見ごこち。
「ば〜か、襲っちゃうぞ?」
 鼻をつまんでも、起きる気配まったくなし。
「も〜〜〜」
 拗ねきった矢口だが。
 このまま帰っちゃおうかな、という気分にはなれず。
「アホ裕子」
 額を叩こうとしてーーーー何となく、起こしちゃいそうで。
 そりゃ、起きてくれた方がいいんだけど・・・・・・・。
 自分の中の矛盾にますます拗ねた表情になりながらそっと、額にキス。

『テスト終わったやろ?明日、家に遊びにおいで〜や』
『いきなりだね〜。それじゃ、昼過ぎに行く♪』
『暇人やな〜』
『誘ったの、裕ちゃんじゃんかっっ(笑)』
81 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時08分19秒
 な〜んてメールのやりとりを昨日の晩してて。
 いざ、今日、来てみれば・・・・・・・中澤はすっかり爆睡中。
 なんとか玄関の鍵をあけてもらったはいいけど。
『昨日、朝までみっちゃんと飲んでたんや〜〜』
 そう言いながら、再びベッドにもぐりこんでしまったのだ。

 どうやら、酔った勢いだけでメールしてきたらしく。
 メールの内容もさっぱり覚えてません状態。

「しょうがないな〜〜」
 ご飯でも作って待ってるか。
 矢口は立ち上がった。
82 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時08分56秒
「矢口〜〜。何作ってんの?」
「きゃっっ」
 夕暮れ時。
 中澤の家の台所で悪戦苦闘を続けていた矢口は思わず悲鳴をあげた。
「そんなに驚かんでもええやん」
 後ろから矢口を抱きしめる格好で。
 腕を離そうともしない中澤に。
「やっと起きたの?」
 危なくないように包丁を置いて、矢口はちょっと呆れた口調。

「ん?もしかして、矢口、怒ってる?」
「当たり前じゃんっっ!!」
 せっかく久しぶりに裕ちゃんとゆっくり過ごせるって思って、矢口、楽しみにしてたんだぞ?
 む〜〜、と唇をとがらせる矢口に、中澤は苦笑い。
「・・・・・・・ごめんって」
 そのまま、頬にキスを落とそうとして・・・・・・。
 どすっ。
 矢口の肘うちが綺麗に中澤のみぞおちに決まった。

「・・・・・・・・げほっ」
 思わずしゃがみこむ中澤。
「裕ちゃん酒臭いっっ。ほら、タオルと着替え用意してるからお風呂入ってくるっっ」
 相変わらず振り向きもせず、矢口は再び包丁を握る。
「矢口〜〜」
 しゃがみこんだまま、情けなさそうに中澤が矢口を呼ぶが。
「知らないもん」
 完全に拗ねきった矢口の声。
83 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時10分36秒
 しゃ〜ないな〜〜。
 中澤はゆっくりと立ちあがる。
 知らないもん、とか言いながら。
 寝てる自分を無理矢理起こしたり、とか。
 ほっといて帰ったりせず。
 ご飯の支度とか、風呂の用意とか。

 ・・・・・・・・・・結構、いいかもしれん・・・・・・・・。

 中澤は思わずそのまま、矢口の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「・・・・・・・何すんだよ、アホ裕子っっ!!!」
「や、矢口、包丁持ったまま、振り返るな、怖いやんかっっ!!!」
「料理の邪魔する裕子が悪いんだろっっ!!!」
 しばらく、二人は無言で睨みあっていたが。
84 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時12分13秒
 不意に、中澤がくすくすと笑い出した。
「・・・・・・・・何だよ?」
 やっぱりまだ不機嫌そうな矢口。
「起きて、ご飯の支度してる音、聞こえるのっていいな〜って。
 誰かとこんな風にじゃれあえるのっていいな〜って思ってん」
 ふわっと笑顔を見せる中澤に。
 一瞬、ドキッとして、嬉しかったけれども。
 矢口は一生懸命不機嫌な顔を保つ。
「朝なら、なお良かったんだけどね〜〜」
 嫌味たっぷりの矢口の口調に、う〜〜んと、中澤は考えこんだ。
「なら、泊まっていき〜や」
「へ?」
「風呂からあがったら、家、電話かけたるし〜。
 明日学校休みやし、何の問題もないやろ?」
 ぽんぽん、と矢口の頭を叩くと、返事も聞かずにさっさと中澤はバスルームに向かった。
85 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時13分00秒
「そうじゃなくて・・・・・・・・ほら、心構えとか・・・・・・・・心の準備とかっっ!!」
 ひそかに、中澤と矢口は、その、まだだったりするわけで。
 いい雰囲気になったりする時は、あるにはあるのだが。
 そうさ、どうせ矢口が怖がってるだけだよっ。
 及び腰の矢口に、中澤は決して無理強いをしようとはしない。
 大事にされてるって嬉しい反面。
 ・・・・・・・もっと強引にって思っちゃうとこもあり。
 乙女心はなかなかに複雑なのだ。

「・・・・・・・心の、準備?」
 しかし、ここに乙女心を解さない人間が一人。
「・・・・・・・・・もう、いいっ。矢口、お風呂入ってくるっっ!」
「ちょ、映画まだ途中・・・・・」
 いきなり赤くなって腕の中でじたばたと暴れだした矢口に、中澤は困り顔。
「アホ裕子っっ。鈍感っっ」
 立ち上がって、捨て台詞を残して部屋を出て行った矢口・・・・・。
 中澤は、ドアを見つめながら、ぽりぽりと頬をかいた。

 ん〜〜。
 やっぱりそういう意味やねんな?
 別に、急がんでもええやろ?
 なるようになるやろ?
 何で矢口、あないに焦ってるんやろうな・・・・・・・。
 やっぱ、不安にさせてるんかいな?
86 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時13分43秒
 別に、中澤とて、過去に経験はあるわけで、矢口としたくないとかそういう問題ではなく。
 まぁ、できれば・・・・・・・したいってのは勿論あるが。

 無理強いって嫌やし?
 矢口がその気になるまで待ちましょう的な、マイペースさで考えていたのだが。

「矢口、欲求不満なんかな・・・・・・・?」
 真顔でぼそっとそんなことを呟く中澤は。
 やっぱり壊滅的に乙女心を理解できていないようだ。
87 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時14分35秒
 やっぱ、言い過ぎちゃったかな〜〜。
 ドライアーで髪の毛を乾かしながら、矢口はこっそりため息。
 きっと、裕ちゃんにとっては何気ない一言なんだろうし。
 それだけ矢口と一緒にいたいって思っててくれたんだってのは嬉しいし。

 ・・・・・・・今日、矢口、裕ちゃんに、不機嫌な顔とか、逆ギレした顔しか見せてないような
気がする。
 好きなんだよ、本当に。
 好きすぎて、どうしていいかわかんないくらい。
 大人の余裕、とか。
 そんなの見せられたら、悔しくなっちゃう。
 じたばたしてるの、矢口だけ?って。
 だから・・・・・・・・かな。
 素直になれないの・・・・・・・・。

 もう一度、鏡の前で、ため息をつくと、矢口はドライアーを棚にしまった。

「裕ちゃん?」
 部屋に戻ると、テレビは消えていて。
 中澤の姿はなかった。
 カーテンがひらひらと風にたなびいている。
 もうすっかり肌寒いくらいの季節。
88 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時15分17秒
 中澤は、ベランダの手すりに身をあずけ。
 ぼんやりと、夜景を眺めていた。

「裕ちゃんっっ」
 どのくらいそうしていたのだろうか。
 矢口が慌てて、中澤を部屋の中に引っ張り込むが。
 中澤の身体は冷え切っていた。

「ん〜〜、どしたん??矢口、あったかいな〜〜」
 風呂上りの矢口の身体はぽかぽかしていて。
 思わず中澤は矢口を抱きしめる。
 が、ふと気付いて身体を離した。
「風邪ひくだろ〜〜がっっ。ベランダ出るのはいいけど、せめて何か羽織ってからにしろよっっ」
 矢口は身体を離した中澤に、ちょっとむっとした表情になりながら。
 今度は、矢口が中澤を抱きしめる。
「ちょ、あかんて。うち身体今、冷えてるから、矢口、風邪ひくで?」
 ・・・・・・・・こいつはぁ〜〜〜。
「矢口が風邪引くのは駄目で、裕子が風邪ひくのはいいのかよっっ?!」
 きっと素直になれない矢口が悪いんじゃなくて、怒らせる裕子の方が悪いっっ。
 ついついきつい口調になるのはやっぱり心配だからで。
 でも・・・・・・その元凶はというと。
「ん〜〜、両方困るな〜」
 のほほんとしたもので。
 矢口はがくっと肩を落とした。
89 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時16分09秒
「も〜〜。少しこうしてたら、暖かくなると思うから・・・・・・」
 ため息まじりで。
 矢口はもう一度、しっかりと中澤にぎゅっと抱きついた。
「・・・・・・・・・少しだけなん?」
 そっと中澤の腕が矢口の背中に回されて。
 少し掠れた中澤の声が、矢口の耳元に落ちてきた。
 そのまま思わず矢口はぴきーんと固まる。
「・・・・・・・・え・・・・・・・」
「ずっと、矢口に暖めて欲しいって、うちは思ってんねんけど?」
 ぺろり、と耳の後ろを舐められた。
「ちょ・・・・・・」
 何でこういう雰囲気にいきなりなるの??
 半ばパニック状態の矢口。

「好きやで、矢口・・・・・・・・」
 そっと顎を持ち上げられて。
 最初は軽い唇を触れ合わせるだけのキス。
 だんだんと深くしていくのは、勿論中澤。
「・・・・・・・んっ」
 零れ落ちる甘い、吐息。

 崩れ落ちそうになってる矢口を中澤は支える。

「なぁ矢口。焦らんでいいねんで?」
 潤んだ瞳で、上目遣いで見つめられて。
 中澤の理性だって、結構、やばかったりするのだが。
「身体の関係なんて、いつだって結べるやん?でも、それだけちゃうやろ?」
 優しく、中澤はとんとん、と矢口の背中を叩いた。
「肝心なのは、心やん?」
90 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時16分58秒
 矢口は何も言わずにやっぱり中澤にしがみついたままで。
「別に急がんでええやん?のんびりやっていこうや?」
 くしゃくしゃ、と頭を撫でられる感触に、やっと、矢口は中澤を見つめた。

「あ、あのさ」
 さっきの身体がどこかに飛んでいっちゃうんじゃないか、とかいうような感覚は
もうなかったけど、まだ矢口の顔は赤くて。
「あのね」
 言葉を探して、言いよどむ矢口に、中澤は不思議そうな表情。
「・・・・・・・・・・・・」
「何やねん?」
 黙って俯いてしまった矢口に、さすがに中澤も焦れる。
「・・・・・・裕子の鈍感・・・・・・・・」
 中澤のセリフに。
 ぼそっと呟いて、矢口は中澤から離れようとする。
「ちょぉ待て」
 中澤の腕は矢口を離そうとしなかった。

「あんなぁ・・・・・・・・うちら、別々の人間やねんで?言ってくれなわからんこともあるやん。
 全部を全部解れってのは、無茶な話やないんか?」
 少し怒ったような中澤の声。
 ・・・・・・・・・・。
 俯いたまま、矢口はぼそぼそと何かを言う。
「聞こえへんって」
「だから、矢口、初めてなのっっ!!!」
「へ??」
 鳩が豆鉄砲食らったような中澤の表情。
91 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時17分35秒
「だから、怖いし、どうしようって思うし、びびっちゃうもん、そんなのしょうがないじゃんっっ」
「いや・・・・・・・・それは・・・・・・・・」
 唖然としていた中澤だったが。
「でも、裕ちゃんのこともっと知りたいし、矢口のこともっと知って欲しいって思う。
 ・・・・・・・駄目、かな?」
 上目遣いの矢口。

 それ、めちゃめちゃ可愛いっちゅ〜ねん。
 中澤は、心の中で苦笑。

 歳の差とか、先生と生徒とか。
 全部を飛び越えて。

「・・・・・・・・・・矢口・・・・・・・・・・」
 中澤は矢口をそっと抱きしめてーーーーーーー。
92 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時18分32秒
 その瞬間、中澤の携帯が鳴った。
「「・・・・・・・・」」
 黙ったまま、見詰め合う二人。
「・・・・・・・でなくていいの?」
 小さな矢口の声。
 中澤は、少し困ったようだったが。
「・・・・・・・ちょっと待ってて」
 テーブルの上にあった携帯を取り上げた。

「もしもし・・・・・・・・・紗耶香?」
 矢口は、ほっとしたような、残念なような表情で中澤の姿を眼で追っていたが。
「はぁっ?!ごっつぁんが?紗耶香、今どこやねんっ??」
 中澤の声が一気に変わった。
「病院?どこの?後藤は無事なんか?」
 矢つぎばやの質問。
 そして、中澤はメモを取り始める。
「親に連絡は?・・・・・・・・・・・あぁそうか、わかった。すぐ行くから」

 携帯を切って振り返った中澤は、さきほどの甘い雰囲気をまったく感じさせない。
「悪い、矢口。急用」
 中澤はそのまま、出かける準備を始めた。
「ちょ・・・・・・裕ちゃんっっ!!紗耶香、どうしたの?」
 矢口の問いに答えようともせず、中澤はもう一本電話をかける。
93 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時19分05秒
「もしもし・・・・・・・中澤です」
 少しの言葉のやりとり。
「市井から連絡がありまして。友達が事故にあったって話で・・・・・・・・」
 中澤の表情は冴えない。
「・・・・・・・・・・はぁ?ちょっと待ってくださいよ」
 相手の声は全然聞こえない。
 数分間のやりとりの結果。
「とにかく、市井は今晩、病院にいるので。・・・・・・・・明日?
 ・・・・・・・・・わかりました」

 携帯を切って。
 中澤はしばらく、携帯を睨みつけた。
「・・・・・・・・・・・・最悪やな」
 ぼそり、と呟くと首を振った。
「まぁ、なるようにしかならんか・・・・・・・」
 矢口が傍にいることを忘れたかのような仕草。

「裕ちゃんっっ!!」
 腕をつかむと、中澤はやっと、矢口を見た。
「この前会った、後藤っておったやん?
 あいつが事故におうたらしい。うち、今から病院行ってくるから」
「ちょ・・・・・・・矢口も行く」
「あかん。学校関係者が来てたらまずいやろ」
「でも・・・・・・っっ」
 不安そうな矢口の瞳。
 中澤は、首を横に振った。
「どういう状況やったんかはわからんけど、紗耶香、今、後藤と一緒やねん。
 無断外泊やって、寮から先生らに連絡いって。明日、職員会議やと」
94 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月08日(月)23時19分49秒
 矢口の顔が強張った。
「紗耶香・・・・・・退学になるの?」
 校則の厳しさは矢口だってよく知ってる。
「させん」
 きっぱりとした口調で言い切って。
 中澤は、矢口を安心させるように笑った。

「大丈夫やから、矢口はここにおって?」
 さすがに、これで矢口の外泊までばれたら、かばいきれん。
 言外にそういうニュアンスを含ませて。
「こういう時に限って、みっちゃんは出張やし・・・・・・・」
 がしがしと頭をかきながら。
 あっという間に着替えをすませ、中澤は部屋をでていった。
95 名前:つかさ 投稿日:2002年07月08日(月)23時38分03秒
>>352さん
 レスありがとうございます〜。エエ話・・・・・結構自分では
 姐さんのあやっぺへの独白が気にいってます♪
 思いつきで書いた割りには、いい感じって自画自賛(笑)

>>やぐちゅー中毒者セーラムさん
 そう、アンリアルの高校編は、行事物をどういれていくか迷いますね。
 この話では修学旅行とか存在してないし・・・・(汗)

>>77さん
 いや、この話は落ち着く話には・・・・・多分ならないかと(汗)
 ってか、ラストどうするか、まだ決めてなかったり・・・・・(大汗)
 これから痛くなります、多分(w

>>78さん
 なんとか1週間くらいで更新♪
 大量更新(自分ではそのつもり w)なので、満足していただけたかな?
 いや、要は内容なんですがね・・・・・(汗)

>>79さん
 みっちゃんは、後編の重要なキーパーソンです。
 多分、みっちゃんしだいで、痛い話になるか、そうじゃないか決まります。
 どう動いてくれるのか・・・・作者もわかりません(自爆)
96 名前:つかさ 投稿日:2002年07月08日(月)23時40分21秒
ってことで更新です。
やっと、ラストが見えました(ちょっと安心)
怒涛の展開になりますが、でも、怒涛の更新にはなりません、すいません(ぺこり)
仕事と遊ぶ予定がつまりまくりで(大汗)
書く暇がね〜よ〜ってな感じなんで、次の更新も一週間後くらいです。
97 名前:352 投稿日:2002年07月08日(月)23時41分47秒
大量更新、ありがとうございます!

えええ・・・イタくなるんですか?(汗)
みっちゃん、がんばって!!お願い!!(w
98 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月09日(火)01時11分39秒
つかささん・・・本当にいつもいつもストーリーに惹き込まれます。
凄すぎ!!ラストがみえたなんて言わないで・・・この学園やぐちゅー大好き!!なので・・・
永遠に書きつづけてください(w
99 名前:つかさ 投稿日:2002年07月09日(火)01時52分05秒
うわ、すいません、ごっつごめんなさい。
>>84>>85の間、抜けてました(大汗)
え〜と。今更入れるか、一瞬迷いましたが。
どうしても、文章つじつまあわない(汗)

ってことで入れます、次回からは気をつけます、マジすいませんでしたっっ!!!
100 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月09日(火)01時53分10秒
>>84>>85の間です。

 ーーーーー夕食後。
「も〜、信じられない」
 二人で借りてきたビデオを中澤の腕の中で見ながら、矢口は呟いた。
「ん〜〜?何が?」
 のんびり矢口の肩に顎をのせて、中澤はリラックスムード。
「何でそんなに簡単に、『泊まっていき〜や?』とか言えちゃうわけっっ?!」
 ん???
 訳がわからん、といった表情で中澤は、矢口の顔を覗き込んだ。
「嫌やったん?」
 いきなりどあっぷの中澤の顔に、矢口の顔が赤くなった。
101 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月09日(火)23時19分26秒
やぐちゅー最高♪
後藤は大丈夫かな?
102 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月11日(木)01時56分09秒
更新気づかなかった・・・
毎回毎回先が気になる(w
つかささんのやぐちゅー最高
103 名前:名無し読者@やぐちゅー最高!! 投稿日:2002年07月13日(土)02時20分34秒
やぐちゅー発見。
一気に読ませていただきました。
作者さんは天才です。
104 名前:名無し読者。 投稿日:2002年07月13日(土)03時44分33秒
中澤・・・紗耶香を救うのだ(w
そして、精魂尽きた時は矢口に癒してもらうのだ!!
作者さん・・・いくら痛くなってもいいので・・・最後はとろけるような甘さでオネガイ・・・シマス。
105 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)03時49分51秒
 次の日の昼前に中澤は部屋に戻ってきた。
 そして、着替えをすますと、また慌しく出かけていった。
『後藤の怪我は大したことなかった。打ち身、打撲、擦り傷程度や。相変わらず悪運強いやつやわ。
 紗耶香も寮の方戻ったし。大丈夫、心配することあらへん』
 くしゃくしゃと、矢口に心配かけまいと笑顔を作っていた中澤だったが。
 眼は決して笑っていなかった。
『合鍵渡しとくから、ちゃんと鍵締めて、家帰るねんで?
 今から職員会議やし。せっかくの日曜やってのに、やってられんわ〜』
 わざと茶化したような口調。

 疲れきっているのがわかって。
 でも、矢口に心配かけまいと笑顔を作る中澤。
『大丈夫やから。矢口も寝てないんやろ〜?
 ちょっと、寝て、それから帰り。また明日、学校でな』
『戻ってくるまで、待ってちゃ、駄目?』
 矢口なりの精一杯の想い。
 一瞬、戸惑った表情を見せた中澤は、すぐに首を横に振った。
『あかん。何時になるかわからんし。親御さん心配するやろ?』

 電話するから。
 なだめるように、抱きしめられて、頬に軽いキス。
106 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)03時50分37秒
 しかし。
 その日、中澤から連絡はこなかったーーーーーーー。
 矢口がいくらかけても、携帯からは、
『電源が切られているか、電波の届かないところに・・・・・・』
 という機械的なアナウンスが流れるだけだった。

 嫌な予感がする。
 いつ電話がきてもいいように、携帯を握りしめながら。
 まどろみの中で、矢口は、中澤が自分を呼んでいる声を何度も聞いたような気が
したのだった。
107 名前:つかさ 投稿日:2002年07月15日(月)03時55分58秒
今日の夜には続きをあげるんで、一応キリのいいとこ(?)で止めときます。
ん〜ってか、あげれるかすごい不安ですが・・・・・自分で自分を追い込んでみる(w
108 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月15日(月)10時49分54秒
夜の更新を楽しみにしています(w
109 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月15日(月)13時05分18秒
夜、楽しみだなぁ
頑張って下さい
110 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月15日(月)20時52分33秒
中澤に何かあったのかな?

平家さんに期待(w
111 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)23時22分49秒
〜〜〜10〜〜〜

 月曜の朝。
「おはよ〜」
「おはよ〜〜」
 いつもの登校風景。
 寝付けなかった矢口は、ギリギリの時間に登校。

 でも、ギリギリの時間にしては生徒の数が多いような・・・・・?
「おはよ〜さん」
「おはよう」
 校門の前には数人の先生が、生徒に挨拶の声をかけていて。
「「・・・・・・・・・おはようございます」」
 通り過ぎる生徒は何故かぎょっとしたような視線をして、一瞬言葉に詰まっている。
「???」
 矢口は首をかしげた。
 今週って・・・・・・挨拶週間だっけ??
 抜き打ち検査?
 それにしては、挨拶だけでみんな通り過ぎていくけど。
112 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)23時23分39秒
 数歩進んだだけで、その謎は解決された。
「ゆ、裕ちゃんっっ?!」
 思わず、中澤先生と呼びかけることも忘れて。
「中澤先生、やろ〜?おはよう、矢口」
 どう見ても眠たげで、眉間に皺は寄ったまま。
 それはいいのだが。

「・・・・・・・・どうしたの?」
 それ以外何を言えというのか。

 中澤の髪は、真っ黒になっていて。
 ピアスもしていなくて。
 カラコンも入れていないのだろう、茶色い瞳。
113 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)23時24分36秒
「・・・・・・・・・ちょっとな」
 中澤のセリフをさえぎるように。
「やっぱり、教師は生徒の模範となるような格好をしないといけないってことでね。
 中澤先生もやっとわかってくれたんだよ」
 横から口を出してきたはげ頭の校長。
 おっさん、うるさい。
 思わず口にでかかった言葉を矢口は飲み込んだ。

「要するに、さらしもんって、ことや」
 投げやりな中澤の言葉にも、校長は満足げにからからと笑った。
「自主的に染めてきてもらえて、私としては非常に嬉しいんだよ」
 ひょい、と肩をすくめて中澤はもう何も言わなかった。

「姐さんっ?!」
 中澤の眉が不機嫌そうににゆがんだ。
「理事長・・・・・・お戻りは明日のはずじゃ」
 校長の慌てたような声に、矢口が後ろを振り向くと。
「スケジュール変更があって、学会、一日繰上げで終了したんです」
 平家が驚いた表情を隠そうともせず、中澤に視線を向けていた。
114 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)23時25分42秒
「連絡いただければ、お迎えにあがったのに・・・・・・・」
 平家は校長をちらっと一瞥する。
「イメチェンってことではなさそうですね、中澤先生」
 とりあえず、最初の驚いた様子を微塵も見せずに、平家は中澤への呼びかけを「中澤先生」に
変えて、中澤に言葉をかける。
「・・・・・・・いろいろありまして」
 相変わらず、だんまりを決め込んでる中澤の変わりに、校長が答えた。
「そしたら・・・・・・・そのいろいろってのを聞かせてもらいましょうか?
 私の方には何かあったという連絡は一切なかったんですけど?」
 平家の視線がきつくなる。

「とりあえず、ここじゃ何なので・・・・・・・・」
 校長がおろおろと平家の対応をしている間。

「え、あれ中澤先生?」
「何かあったのかな?」
「嘘〜、ショック〜〜」
 校門前で、理事長と校長が険悪な雰囲気。
 そして、黒髪の中澤。
 これほど目立つ組み合わせもないだろう。
 ざわざわと遠巻きに眺める生徒たち。
115 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)23時27分58秒
 矢口の視線は、ずっと中澤を追っていた。
 不機嫌そうに、我関せず、とそっぽを向いていた中澤だが、矢口の視線に気付いたのか、
俯いて、困ったように、矢口に笑いかけた。
「授業の準備があるんでもう行っていいですか?」
 我、関せず。
 中澤は、平家と校長の返事も聞かずにすたすたと歩き出した。

 慌てて矢口は中澤の後を追う。
「紗耶香の処分なしやから」
「それって・・・・・・・」
「関係ないから」
「ちょ・・・・・・・裕ちゃんっ」
「紗耶香納得させといてな〜。ちゃんと授業受けんねんで」
 足早に歩く中澤は、昇降口で足を止めた。
 くしゃっと矢口の頭を撫でた中澤は、全然普段どおりで。
116 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)23時29分00秒
 何で昨日連絡くれなかったの?
 中澤のペースに巻き込まれて、聞けなかった。
 矢口は、唇を噛んで、中澤の後姿を目で追った。
「・・・・・・・・紗耶香、納得させるのなんて、無理だし」
 頑固者の親友の顔を思い出し、矢口はため息をついた。
『さらしもんや』
 その言葉が事実なら・・・・・・・きっと、事実なのだろうけど。
 全校生徒、ほとんどが中澤の姿を見ているはずで・・・・・・。
「紗耶香が、校門で暴れださなかったのが、不思議だよ」
 再び深々とため息をついた矢口だが。
 チャイムの音に、げっっと顔をしかめて。
「遅刻じゃんっっ!!」
 慌てて走り出したのだった。

 結構な数の生徒が、校門に立つ中澤を遠巻きに眺めていたみたいで。
 チャイムが鳴って、ばたばたとかけこんで来る生徒数名。
 担任はどうやら、それに関しては黙認することにしたらしく、
「明日やったらアウトだからな?」
 遅れて来た生徒の頭を叩くことは忘れずに、朝のHRを始めた。

 矢口の席からは、市井の姿は確認できない。
 入ってきたとき、ぼんやりと頬杖をついて、窓の外を眺めていた。
117 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月15日(月)23時30分28秒
 矢口は休み時間、市井と話す機会を狙っていたのだが。
 市井は休み時間の度に、すっとどこかへ消えていった。
 矢口は矢口で、クラスメイトの、
「矢口って中澤先生と仲良かったよね〜?何でいきなり黒髪???」
 質問責めにあって、
「イメチェンだって、イメチェン」
 その答えに終始していた。

 そして、長い一日が過ぎ、やっと放課後になったと思ったのもつかの間。
「矢口、ちょっといいかな?」
「・・・・・・・紗耶香、眼、怖いよ?」
 どうやら、マジで怒ってそうな市井に矢口は引きつった笑顔で答える。
「裕ちゃん、どこにいるの?」
「講師室じゃ・・・・・・・」
「休み時間に行ってみたけど、もぬけの空。いたのは、野次馬の生徒ばっかだった」
 間髪入れずに市井は答える。

 矢口は今日何度目かわからないため息をつきながら、立ち上がった。
「あんまり当てにしないでよ?」
118 名前:つかさ 投稿日:2002年07月15日(月)23時38分27秒
>>352さん
 みっちゃん・・・・・頑張れ(w
 いや、作者も同意見っす〜。
 やっと話が動きました♪

>>98さん
 いや、永遠には・・・・ってか、次の話の構想できかけなんで・・・・(w
 多分、次はtunagiかな〜??
 最近、なっちがお気にいりっす♪

>>101さん
 はい、後藤はのほほんと無事です♪
 ってか、後藤の出番・・・・・これのみか(汗)
 いや、番外編で・・・・ってこれ以上自分の首は締めたくない(w

>>102さん
 どんどん気になってくださいっ。
 とりあえず、これからがんがん動き出すんで・・・・さらに続きが気になるかと。
 気になって欲しいな・・・・・(w

>>103さん
 いつもヘロヘロで更新してます(w
 一気読み・・・・・お疲れ様でした♪

>>104さん
 はい、とろけるような甘さ・・・・どうなんだろ・・・・・はい、頑張ります(汗)

>>108さん
 とりあえず、半分です、ごめんなさい^^;;
 今から仕事して、続きが書ければ、連日更新・・・・いくかな〜ってな感じで(汗)
119 名前:つかさ 投稿日:2002年07月15日(月)23時42分30秒
>>やぐちゅー中毒者セーラムさん
 半分しか更新できてないっす(汗)
 とりあえず、頑張ります♪

>>110さん
 平家さんはこの後・・・・・見事なへたれっぷりを発揮してくれます(ww

ってなことで、更新です。
次は、明日か一週間後ってすげ〜違いだな(汗)
たくさんのレス、ありがとうございました♪
120 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月15日(月)23時52分14秒
更新キター!!
黒髪の中澤マジで見てみたい(w

121 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月16日(火)03時03分19秒
生徒をかばう裕子に
庇われるのがイヤな紗耶香ですか(w
両方ともいじっぱりそう(w
矢口&後藤に期待(w
122 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)03時15分51秒
ドキドキ・・・先が・・・一週間も待てません(w
明日・・・てっか今日の更新だたいいな(w
123 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月16日(火)09時24分44秒
黒髪にビックリしました!
この先の展開に期待大
124 名前:名無し読者。 投稿日:2002年07月16日(火)19時23分28秒
今日がいいな〜。
とつぶやいてみる。(w
125 名前:名無し読者。 投稿日:2002年07月17日(水)00時32分38秒
裕ちゃんを探すのだ〜。
裕ちゃんとさやかに挟まれる矢口なんかかわいい。(W
126 名前:つかさ 投稿日:2002年07月17日(水)00時54分05秒
ごめんなさい、今日は無理でした^^;;
え〜と、一週間は待たせません、とりあえず、〜〜10〜〜を
かきあげた段階ではあげますが・・・・・いつあがるかは未定っす〜。

遅筆です^^;;
ふざけたシーンは楽々と書けるんですが(ww
ってことで、ごめんなさい。

ちなみに、黒髪中澤さんは、自分は、絶対に想像できない・・・・・(w)
友達に、「黒髪、ピアスしてなくて、カラコンなしの姐さん、どう思う?」って聞くと。
「それは、中澤裕子ではない」と断言された(汗)
127 名前:ちぃ 投稿日:2002年07月17日(水)01時12分01秒
黒髪の中澤さんいいですね。

真っ黒を想像するのはむつかしいですが
限りなく黒に近い紺色なら似合うかもしれないですね。

光が当たってようやく「あっ青やったん?」って感じの。

肌が白いので髪とのコントラストとかきっときれいですよ。
カラコンなしでも瞳の色は明るい茶色くらいじゃないですかね?

すいません長々と。

では楽しみにしてます。
128 名前:素人○吉 投稿日:2002年07月18日(木)00時23分11秒
>それは中澤裕子ではない。
 ののが怖いって言った奴(w<カラコン
 でも、ホント、想像出来ません。
129 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月20日(土)21時37分30秒
つかささんの作品が読みたい今日このごろ
せかしてるのではないのであしからず(w
もう展開がいつもいつも感心させられます。
130 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時11分21秒
『矢口のとっておきの場所なんだ〜』
 講師室でばかり、会っていたわけではなくて。
 少し校舎からは離れた場所にひっそりとたたずむ、温室。
 誰も手入れもしていないのか、雑草だらけ、花の枝なんかも好き放題に伸びている。
 でも、だからかもしれないけど、何だか心が落ち着く場所。
『ええとこやな』
 お世辞でも何でもなく、素直に中澤がそう言うと、矢口は嬉しそうに笑っていた。
 たまに、
『紫陽花、綺麗に咲いてたで』
 少し、校舎から離れていることもあって、
 矢口と一緒に来ることはあんまりなかったけど。
 そんなセリフとともに、中澤はちょこちょこと、その温室に足を運んでいた。

 やっぱ、落ち着くな〜。
 温室の奥。
 いつの間に運び込んだのか、古ぼけた椅子に、木目が綺麗な・・・・・古ぼけた机。
 中澤は、気持ちよさげに机に突っ伏した。
 さすがに、疲れたわ。
 怒涛のような週末やった。
131 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時12分43秒
 矢口を置いて病院にすっ飛んで行ったら、紗耶香が呆然と待合室のソファーに座り込んでて。
 どうやら、道路の真ん中で動けなくなっている猫を助けようとして、後藤は車と接触したって
話しやった。
 幸いなことに、怪我は捻挫のみやったってことやけど、頭を打ってるってことで、精密検査。
『失敗しちゃった〜』
 ふにゃふにゃと笑うごっつぁんの顔見て、かなり安心はしたけど、紗耶香はどうやら、
緊張の糸が切れたみたいで、動こうとせん。
『後藤・・・・・・死んじゃったかと思った・・・・・・・』
 なだめて、寮に送り届けたのが朝方で。

 そっから、もう一回病院に戻って、医者の診断書と・・・・・・・、後藤の両親に緊急職員会議への
出席依頼。
 まぁ職員会議では、予想通り、市井の退学なんてぐだぐだうるさい話にはなったけど。
 診断書、後藤の親の『市井さんには本当にお世話になったんです』っていう説得がきいて。
 予想通りの展開やってんけどな・・・・・・・・・。
132 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時13分54秒
 中澤は一つ息を吐いて、机から身体を起こし、自分の髪の毛を一房つまんでみる。
「黒、なんていつ以来やろ?」
『しかし、このまま誰も責任をとらないってわけにはいかんでしょう』
 他の生徒への示しがつかない。
 そんなに体裁とか、そんなんが大事なんか・・・・・・。
 こっそり、ため息をついていた中澤。
 そして結論は、市井には、特待生剥奪と一週間の停学処分ということになりかけだった。
 しかし、市井の家庭事情を考えれば・・・・・・特待生剥奪は、退学を意味してて。
『市井から、連絡はもっと早くに受けてました』
 いつの間にか口走ってた言葉。
『学校や諸先生方への連絡が遅れたのはうちの責任です』

 ・・・・・・・・なんで、かばってもうたんやろうな〜。
 退学にはさせたくなかった。
 市井は何も悪いことしてないやんって思ったのは事実。
 でも・・・・・・・、うちが別に、責任をかぶることもなかったんやけどな。
133 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時14分44秒
 ・・・・・・・・めんどくさ。
 中澤は、もう一度、机に突っ伏した。
 なぁ矢口・・・・・・・・なんや、あんたに無性に逢いたいわ・・・・・・。
 笑ってぇや、いつもみたいに。
 朝見た、矢口の顔が浮かぶ。
 心配そうな、不安そうな眼をしていた。
 ・・・・・・・・・・・・矢口・・・・・・・・・・・。
 いつの間にか、木漏れ日の中、気持ちよさそうに、中澤は寝息をたてていた。

「裕ちゃん?」
 いつの間にか眠ってしまっていたのだろう。
「風邪ひいちゃうよ?」
 矢口の声が聞こえた。
 そっと髪の毛を撫でられる感触。
「ん〜、矢口?」
 眼をあけると、矢口の顔。
 中澤は、目を細めて穏やかな表情をみせた。

「どうせなら、矢口一人で来てや」
 そのまま、矢口の後ろに視線をやり・・・・・・呟いた中澤の声に、矢口は苦笑い、した。
「来れるわけ、ないじゃん?」
134 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時15分29秒
「ま、そらそうか」
 中澤は、あくびをしながら、机の上から身体を起こす。
「ごっつぁん、無事で良かったな〜」
 中澤の、のんびりとした口調に、市井が中澤を睨みつけた。
「ありがとうって言えって?」
「別に、そんなん期待してへんけど?」
 いきなりの喧嘩腰の市井の態度に、中澤は困ったような表情になって。
 矢口は市井の袖をひっぱる。
「紗耶香・・・・・・・」
「矢口は黙っててよ」

 市井が、矢口の手を払いのける。
「市井が処分された方が良かった」
「うちは・・・・・・紗耶香が処分されるより、こっちの方が良かったで」
 中澤はゆっくりと立ち上がった。

「紗耶香の処分と、裕ちゃんが・・・・・・髪の毛、黒くするの、どう関係あるの?」
 たまりかねて、矢口が口をはさんだ。
「・・・・・・・・うちにもようわからん」
「そんなわけないじゃんっっ」
 怒りを含んだ市井の声に、中澤は苦笑い。
「学校、辞めるよ。後藤とのことで門限破ったのは、市井の問題だから」
「紗耶香っ」
 驚きの声をあげたのは、矢口で。
 中澤は、しょうがないな〜と言った表情。
135 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時16分12秒
「逃げるんか?」
 冷たい、とさえ感じさせるような中澤の一声に。
「ケジメつけるんだよ」
 市井も負けてはいない。
「ケジメ?紗耶香、何か悪いことしたんか?」
 市井は黙りこんだ。
「自分の思ったとおりに物事が進まないから、もういいやってのは、逃げるって言うんや。
ケジメつけるって言うのはそれとはちゃうやろ?」

 一呼吸置いて、中澤は話しつづけた。
「それに、髪、染めたのは別に、紗耶香のせいやない。
 うちが決めたんや」
「・・・・・・・・・市井は・・・・・・市井は・・・・・・」
 急に、市井の声が、震えた。
 中澤は、何も言わずに、そっと市井を抱きしめた。

「・・・・・・・・悔しいよ・・・・・・・・何もできない自分が悔しい」
 中澤の肩に、市井は顔をうずめて。
「市井が退学になった方が良かった」
 何度も同じセリフを繰り返す市井。
 中澤は、ぽんぽん、と市井の背中をたたく。
「退学者は出したくないねん。そら、置いていく方が楽やけどな・・・・・・・・置いてかれる
気持ちはどうなんねん?」
136 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時16分58秒
 ものすごくいいセリフだとは思う・・・・・・思うけど・・・・・・。
「・・・・・・・・裕子が言っても全然説得力ないんだけど・・・・・・・」
 思わず、矢口は脇からぼそっと呟く。

「うち、わがままやもん。置いていくのはいいけど、置いていかれるのは嫌や」
「ほんっとに・・・・・・・・わがままだね〜」
 やっと市井が中澤の肩から顔を上げた。
「裕ちゃんがわがままなのは・・・・・・今に始まったことじゃないって」
 少し眼が赤い市井に気付きつつ、矢口はわざとはしゃいだ声を出す。
 
 二人を適当にあしらい・・・・・・・・・、中澤は再び一人温室にたたずんでいた。
「はぁ〜〜〜」
 大きく息をつくと、空を見上げた。

 ・・・・・・・・世の中、矛盾だらけや。
 何で、こんなとこで、先生なんて職業やってんのか。
 うち自身にさえわからん。
 何で、紗耶香をかばったんか。
 みっちゃんがうちを誘わんかったら。
 うちは・・・・・・・・矢口に出会うこともなかったし。
 また、どこかへ行ってたんやろうか?

 人生に、もし、とかそんなセリフはないけれど。
 うちは、これからどうすればいいんやろ?
『置いていくより、置いてかれる気持ちはどうなるねん?』
137 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月22日(月)23時17分52秒
 なぁ紗耶香・・・・・・・・あんたとうちは、似てるよ。
 似すぎてるから・・・・・・・うちは、あんたをかばったんやろか?
 別に・・・・・・紗耶香なら、自由に羽ばたいていく。
 多分、うちと一緒で、後ろを振り向きもせんやろう。
 誰かを必要とする弱さを認めるより。
 誰にも心を許さない、強さを求めてるーーーーーーー。

 うちは、弱くなったんやろうか?
 矢口に出会って。

 中澤は、ぐっと、唇をかみしめた。
 涙が、何故だか、こぼれそうで。
 拳を握り締めて。
 中澤は、一人立ち尽くしていた・・・・・・・・・・。
138 名前:つかさ 投稿日:2002年07月22日(月)23時19分23秒
中澤「なぁ・・・・・・・できあがりしだいアップするって言ってなかったっけ?
   まだ・・・この章、終わってないんやろ?」
作者「・・・・・・・(鬱鬱鬱々)・・・・・・・」
中澤「(こっそり矢口にむかって)あれ・・・・・・どしたん?」
矢口「ん〜なんかね、仕事、大変らしいよ?」
中澤「暑いしな・・・・・トラック1・5トン運転してんねんて?」
矢口「荷物毎日100個おろしてるんだって前、自慢してたよ?」
中澤「それで、ばててるんか?」
矢口「それがね、毎日10〜12時間労働、昼休憩10分で、そこに営業のノルマ・・・・・・・・・」
作者「・・・・・・・・・・・・(うつろな目)」
中澤「矢口のラジオも、うちのラジオも聞けない、唯一の楽しみがハロモニ・・・・・不憫やな〜」
矢口「仕事って大変なんだけどね・・・・・・でも・・・・・・この話、ここが佳境じゃなかったっけ?」
中澤「(おそるおそる)なぁ作者。裕ちゃん、いつまで黒髪のままやねん?」
作者「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
中澤「あかん・・・・・・煮詰まりすぎて、オーバーヒートしてるわ・・・・・・・」
139 名前:つかさ 投稿日:2002年07月22日(月)23時33分13秒
>>120さん
 マジでみたいような、みたくないような、姐さんの黒髪(w
 ごくせんで、ちったぁ黒くなるのか、と思いきや・・・・変わらなかったですね(ww

>>121さん
 いや〜、矢口に後藤・・・・ほっとんどでてきてませんね〜(汗)
 これからっす。多分・・・・・(さに汗)

>>名無しさん
 お待たせしましたっっ。週一更新は守りますんで・・・・・見捨てないでください(w)

>>やぐちゅー中毒者セーラムさん
 驚いてもらわないと・・・・・困るんで(ww
 黒髪の中澤さんネタは一回書いてみたかったんで。
 やっちゃいました(w

>>名無し読者。さん
 一週間お待たせしましたっっ(汗)
 楽しんでいただけると幸いです。

>>名無し読者。さん
 ん〜、あんま矢口しゃべってないですけど(ww
 登場人物が二人以上になると・・・・・なんか、書きづらい(w

>>ちぃさん
 うわ、マジで〜?!ってくらいレスにごっつ感動してますっっ。
 とりあえず、姐さん黒髪の詳しい描写は今度ですが・・・・・紺色っすか。
 ちょびっといいかも・・・・・しかし、今度は格好で変身してもらいます(ニヤリ)
140 名前:つかさ 投稿日:2002年07月22日(月)23時36分45秒
>> 素人○吉さん
 いや〜、今回は無茶なお願いを聞いてくれてありがとよ〜♪
 想像できないのは一緒・・・・・しかし、矢口はそんな姐さんも好き♪
 と言ってるのさ〜〜(ww

>>129さん
 嬉しいレス、ありがとうございます〜。
 こっからどうなるのか・・・・・誰か教えてって感じで書いてますが(w
 いい意味で、期待を裏切れる作品に・・・・したいです、できればいいな〜(遠い目)

ってことで、今日の更新は終わりです。
次の更新は・・・・やっぱ、一週間後月曜日です(汗)
ヘロヘロっす。とりあえず、必死こいて文章力は落とさないようにと思っているの
ですが・・・・・(汗)
気長に待ってていただければ幸いです(ぺこり)
141 名前:素人○吉 投稿日:2002年07月22日(月)23時41分33秒
はじめてリアルタイムで読んでたよ。予告のせいかw
無茶なお願い、出来るだけ頑張るw
だから出来あがるまで次回作は待ってて下され。
142 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月23日(火)09時54分14秒
先週はまだかまだかと毎日更新チェックさせていただきました(w
待ったかいがありました(w
つかささんの書く各人のキャラが自分にはたまりません。
中澤と市井とくにお気にです!!
143 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月29日(月)14時43分52秒
月曜日キター!!
この日を待ってました(w
144 名前:つかさ 投稿日:2002年07月29日(月)23時12分09秒
 ふと、人の気配を感じて、中澤は、身を一瞬強張らせた。
「誰や?」
 後ろを振り向いた中澤の眼はお世辞にもいいとはいい難かった。
「ごめん」
 姿を現したのは矢口で。
 中澤は、ふっと、身体の力を抜いた。

「どうしたんや?」
 優しい声を出せる自分に驚きながら。
 中澤は、矢口に微笑んでみせた。
 矢口は・・・・・・・何とも言えない表情で、中澤を見つめる。
「・・・・・・・・矢口?」

 温室に戻って来た理由に、深い理由なんてなかった。
 市井と話す中澤は、いつも通りだった。
 昨日、電話がなかったのだって・・・・・・・・疲れてた、とかそんな理由。
 矢口が戻ってきたのは、本当に、偶然。
 一緒に、後藤の見舞い、行かない?
 市井の誘いを断って。
 何となく、裕子の側にいたかった。
 それだけだったけど・・・・・・・。
145 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時13分07秒
 矢口が戻ってきたとき。
 裕子は、目をつぶって、立ち尽くしていた。
 どうしていいのか、わからない、子どもみたいに。
 声が、かけれなかった。
 
「矢口?」
 不思議そうな、中澤の声。
「学校、辞めちゃうの?」
 中澤の表情が、再び強張った。
 矢口自身も、よく考えて、言葉にしたわけではなかった。
 それでも。
「いきなり何言うてんの?」
 中澤の声は動揺を隠し切れていない。

「・・・・・・・・・わかりやすすぎだぞ、裕子?」
「矢口が変なこと言うからやん?」
 矢口は背伸びして、中澤の首に自分の腕をからめた。
「本気?」
 真剣な矢口の眼差しに、中澤は、少し首をかしげた。
「別に、本気で考えてるわけやないけどな・・・・・・・」
 微妙な言い回しに、矢口の眉根がよった。
「矢口は・・・・・・うちが、先生辞めたら、うちのこと嫌いになるん?」
 そんな矢口を見て、少し意地悪い笑みを浮かべて中澤が聞く。

 矢口はぶんぶんと首をふる。
 予想通りの答えに、予想通りの答えだけど、中澤は何だか嬉しくて。
 笑顔を浮かべた。
146 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時15分01秒
「裕ちゃんこそ・・・・・・・矢口が、学校卒業しても・・・・・・・付き合ってくれる?」
「ってまだまだ、後1年半くらいあるんちゃうん?」
 誤魔化すような中澤の答えに、矢口は頬をふくらませた。
 中澤はちょんちょん、と矢口の頬をつついて。
「どんな矢口やって、うちは矢口が好きやで」
 そのまま、矢口の腰に手をまわして、抱きしめようとした中澤。
 しかし。
「せこいっっ!!」
 ん?
 腕の中で、抵抗されて、もう一度中澤が矢口の顔を見ると。
 さっきよりさらに、ふくれっつらの矢口。

「そのセリフ、矢口も言おうと思ってたのにっっ!!!」
 きょとん、とした眼の中澤と。
 ふくれっつらの矢口の眼が見詰め合う。

 ・・・・・・・・・。
 しばらくの沈黙の後、二人は、どちらともなしに、くすくすと笑い出した。

 幸せやなぁ。
 自分より、一回り小さい身体。
 ぎゅっと抱きしめて、中澤は小さく息をついた。
 自分の中のもやもやとした気持ちが晴れていくような気がした。
147 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時16分08秒
「ねぇ裕ちゃん」
 甘えるように、こつん、と額を中澤の胸にくっつけたまま、矢口が小さく呟く。
「ん?どしたん?」
 優しい中澤の声。
「このまま時間、止まっちゃえばいいのにね」
「・・・・・・・・・・らしくないセリフやな・・・・・・・。これからも、こんな時間が続くんやろ?」
 くしゃくしゃと中澤が矢口の頭をなでる。

「ん〜〜〜〜」
 少しの間、矢口は考えこんだ。
「このままじゃ終わらない。裕ちゃんだってそう思ってるんでしょ?」
 鋭い矢口の突っ込みに。
 中澤の困ったような表情が、その返事。
 だから・・・・・・・矢口は、笑った。
「ちゃんと、疲れたら矢口のとこ、戻ってきて、栄養補給するんだぞ?」

「当たり前やん。矢口はうちの元気の素やねんから・・・・・・」

 中澤のセリフを聞いて、矢口は眼をつぶった。
 心の中で思うのは。
 やっぱり、ガラじゃないけど・・・・・・このまま時間が止まればいいのに。
 それだけだった。
148 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時17分27秒
〜〜〜ちょこっと番外編 中澤と平家〜〜〜

『うちと校長がぶつかるのなんて、計画どおりやって笑ってたらええやん?』
 朝、校門で会ってから、中澤の授業の空き時間。
 平家は、講師室で待ち伏せをしていた。
 いかにも泣き出しそうな平家に中澤が言ったセリフ。
『・・・・・・・・・そんなん・・・・・・・本気で言うてますの?』
『本気や?』
 即答で答えた軽い中澤の口調に。
 平家は真っ直ぐに、中澤を見つめていた。

『次、何か問題が起こって・・・・・うまく立ち回れば、学校の雰囲気変わるで?』
『その為に、紗耶香をかばったんですか?!』
 思わず抗議の声をあげた平家に、中澤は、ニヤリ、と笑って見せた。
『結果オーライやん?』
『私は、姐さんみたいにはなれません』
『なれって言う気はないけどな。あんたが守りたいのはうちなんか?』
 真面目な中澤の口調。
 学園を、生徒を守りたい。
 そう言ったのは確かに平家で。
 平家は、何も言えずに黙り込む。
149 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時19分16秒
『これ以上は何も言わん。あんたが決めることや』
 投げやりにも聞こえる言葉。
 でも、中澤の声は優しかった。
『うち、この学校、大事な母校やって思ってるねんで?みっちゃんが思ってるよりな。
 期待してるんやから・・・・・・・・頼むで、理事長』

 短い会話のやりとり。

 平家は、理事長室で、ぼんやりと腕を机の上につき。
 顎をのせていた。

 姐さんが、生徒のために動くのは、予想していた。
 それは、中澤が学校に来てからの、退学者の減少、という具体的な数字でも表れていた。
 教師陣とぶつかるのは、結構日常茶飯事で。

 この前の学祭の件もあり、教師陣の雰囲気も変わってきているのはわかっていた。

 ーーーーー生徒の自主性をもっと尊重すべきではないのかーーーーー。

 今回の紗耶香の件で、中澤が黒髪になった。
 吉とでるのか、凶とでるのか。
 校長からの報告では、教師陣は一律に中澤の責任の取り方に賛同したということだったけれども。
 事情が事情だけに、決して、校長を含め、古参組みのやりかたに賛同している教師が
多いとは思えない。
150 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時20分57秒
 いさぎよく、カラコン、ピアスをやめ、黒髪にした中澤。
 一方、中澤に責任をなすりつけた古参組みに対して。
 やりすぎじゃないのか。
 今日、職員室ではそんな雰囲気が漂っていた・・・・・・・・。

『結果オーライやん?』
 姐さん・・・・・・本音じゃないことくらい、わかってますけど。
 中澤がそんなに器用なタイプじゃないことくらい、長い付き合いでわかりすぎるくらい
わかってる。
 平家自身、黒髪の中澤を見たのは今回が初めてだった。
 さすがに、中学の入学式の写真は黒かったが。
 平家が出会った頃には、もう、中澤は今のスタイル、というか。
 さすがに、金髪まではいかなかったものの。
 茶パツ、ピアス・・・・・・・。

 悔しくなかったわけがない。
 誰がどう考えても、紗耶香のとった行動は問題とされるべきものではない。
 それでも・・・・・・姐さんは笑っていた。
 あまりにも冷静に状況を分析していた姐さんが・・・・・・・。

『頼むで、理事長』
 ・・・・・・・次、何か問題を起こす、起爆剤になれってことですか?
『期待してるんやから』
 そしたら・・・・・・姐さん、どうするつもりですか?
151 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時21分34秒
 やぐっちゃんと付き合うようになって、姐さんは変わった。
 相変わらず、風来坊やけど。
 やぐっちゃんといる時だけは・・・・・・・・地に足をつけてるような、そんな・・・・・・・。

 姐さんなら何かを変えてくれるかもしれない。
 姐さんともう一回、一緒に何かをやってみたかった。
 軽い気持ちで、この学校に来て欲しかった。
 駄目だったら駄目で、姐さんは、それでもちゃんと生きていける人だ。
 そんな風に思ってた。

 姐さん、教師って職業、意外に向いてるんやないですか?

 どういう形になるのであれ。
 姐さんを辞めさせたくないーーーーーーーーーー。
152 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年07月29日(月)23時23分10秒
 物思いにふけっていた平家だが。
 理事長室を、コンコン、とノックする音にふっと、我にかえった。

「どうぞ」
 来客の予定はなかったよな?
 慌てて、スケジュール帳をごそごそと開いていた平家の眼に飛び込んできたのは。
 市井を先頭に・・・・・・5、6人の生徒たち。

「市井に、安倍に、吉澤・・・・・・」
 覚えてる順に名前をあげて・・・・・・平家はふと気付く。
 姐さんが、いろいろ裏で手を回して、退学まぬがれたり、とか、処分が軽くなったりした
生徒たちやん。

「理事長にちょっとお聞きしたいことがあるんですけど」
「なんや、殴りこみかと思ったで」
 平家は冗談っぽく返すが、生徒の表情は一様に、硬い。

 ・・・・・・・はずしたか。
 そういう問題ではないと思うが、平家は肩をすくめ、生徒たちをソファーに
座るようにうながしたのだった。

「ここの高等部、生徒会って何でないんですか?」

 そのセリフを聞いて。
 望もうが、望ままいが。
 新たな火種が確かに生まれたことを平家は確信していたーーーーーー。
153 名前:つかさ 投稿日:2002年07月29日(月)23時38分47秒
>>素人○吉さん
 まだ興奮してっか〜〜??
 とりあえず、週末はありがとさんでした^^
 いい経験したぜ♪

>>142さん
 今回の平家さんは気にいっていただけたでしょうか〜?
 これから、市井、中澤がどう動くのか・・・・・・(ニヤリ)

>>名無しさん
 いや〜、待って頂いてありがとうございます^^
 今日の更新量が増えたのは、名無しさんのおかげです♪

昨日、岡山の倉敷チボリ公園で、市井ちゃんのラジオ公開録音にいってきました〜。
友人に誘われたんですが(w
ん〜〜、いろいろハプニングってか、友達が「失恋ラブソング」を歌えると手を
あげたら、ステージ上で歌ったり、とかいろいろあっておもろかったっすね〜〜。
やっぱ、市井紗耶香っていいな〜と。
娘。っていいな〜と再確認しました。

ってことで、更新ですっ。
ん〜、先が読めそうで読めなさそうな・・・・どうなるんだろ?
次も来週月曜です(ぺこり)

154 名前:名無し 投稿日:2002年07月29日(月)23時56分51秒
おぉ、いい感じ。
続きが気になる展開ですわ。
155 名前:352 投稿日:2002年07月30日(火)18時06分21秒
あー やっぱエエわ〜 
来週月曜日が待ち遠しい!
156 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月31日(水)10時30分17秒
何が起こるんだろう?
月曜日を楽しみにまっております!
157 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月31日(水)13時43分33秒
つかささんの前のスレッドはどこにあるのですか??
158 名前:つかさ 投稿日:2002年07月31日(水)23時56分36秒
>>157さん
http://mseek.obi.ne.jp/kako/purple/1017584363.htmlになります。

ってか・・・・・・圭ちゃん、ごっつぁんの脱退、強烈すぎっす。
残された矢口、なっち、圭織・・・・・・。
娘。はもう、娘。ではないのか。
痛いっすね・・・・・・。
159 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月02日(金)13時44分12秒
娘。皆好きなんですけど・・・裕ちゃん一押しで・・・卒業
そして、ソロ裕ちゃんを応援しつつ・・・娘。の中では・・・後藤一押しで・・・卒業

もう言葉がありません(涙
矢口・安倍・吉澤も好きなんですが・・・
これからは娘。よりソロの中澤・後藤応援でいっぱいいっぱいになりそうです(w
160 名前:つかさ 投稿日:2002年08月02日(金)21時23分20秒
すいません、別話あげます。
リアルです。昨日の矢口さんのラジオを聞いていて。
どうしても・・・・・・書かずにはいれなかった。
カップリングは、どうとでもとってください。
このスレにあげるかどうかは、かなり迷ったんですが。
お倉いりさせるのもどうかな、と思ったんで。
自己満足の世界です。
161 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時24分33秒
〜〜〜保田圭〜〜〜

 電話口。

『裕ちゃん、私ね、来年で、娘。脱退するよ』
 簡潔な言葉。
『そうか。頑張りや』
 簡潔に返される、言葉。
『これからも、よろしくな』
 簡潔だけど、あったかいって思える言葉に。
 何故だか、涙が止まらなかった・・・・・・・・・・。

 貴女がいなくなって、一年が過ぎた。
 最後のステージで。
 貴女に言われた言葉、忘れない・・・・・・。

『かっこいい女になってください』
 ねぇ、裕ちゃん。
 私の中で、かっこいい女=裕ちゃんなんだよ。
 知らなかったでしょ?
 うん。
 言ってなかったもん。
162 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時25分35秒
 予測はしてたよね?
 今回の脱退話。
 言葉にすることは出来なかったけれど。

 途中できっと、気付いたのだろう。
 でも、何も言えない私の立場を慮ってか、何も言葉に出して聞いてこなかった。
 本気なん?
 そんな瞳で覗き込まれて。
 曖昧な笑みを浮かべるしかできなかった。

 貴女と一緒に走った3年間が私を成長させてくれた。
 そして・・・・・・・貴女のいないこの1年3ヶ月。

 お互いの想いを口に出して話したりすることは少なかったけれど。
 一番、眼で会話、したよね。
 貴女が誰を見ているのか、多分、一番最初に気付いたのは、私だよ。
 だって、貴女を一番見ていたのは・・・・・・・・私だったから・・・・・・・・。

 これからどうなるか、なんてわからない。
 漠然とした不安。
 紗耶香も、裕ちゃんも、こんな気持ちを味わったのかな。
 でも、もう、娘。でいつづけることは、私にはできない。
163 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時26分18秒
 夢?希望?
 何かを得るためには、何かを捨てなくちゃいけない・・・・・・・・。
 欲張りだから、全部が欲しかったけれど。
 これ以上、ここで、優しい空間に甘えていることが苦痛になったから。

 少しはかっこいい女になれたかな?
 いつか、貴女に追いつきたい。
 その為に、胸を張れる自分でいたいよ。
164 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時27分05秒
〜〜〜後藤真希〜〜〜

 脱退を告げられた。
 今までも、ソロで一人でやってきて。
 娘。は、帰る場所・・・・・・・・。
 ソロでしゃべるのは、緊張する。

 失敗したら、どうしよう?
 そんな時、不安を感じた時。
 守ってくれる存在だった。

 市井ちゃん、裕ちゃん、彩っぺ・・・・・・・・・。
 今まで、脱退を決意した人たちは何を思ってたんだろう?
 後藤は、最後まで、イレギュラーな存在なのかな?

 思わずかけた一本の電話。
『後藤、脱退するんか〜?』
 能天気なくらい、普通にかけられた言葉に。
『そうみたい〜』
 思わず、ふにゃ〜と、いつものように、言葉がでた。
『そうみたい、って何やねん、自分のことやろ〜』
 笑い混じりの声に。
『不安だよ〜』
 ぽろり、と出た本音。
『不安やから、娘。に残りたいんか?ごっつぁんは、どうしたいねん?』
 いろいろしゃべったけれど、覚えているのは、その一言。

 後藤はどうしたいねん?
 後藤は、後藤は・・・・・・・・。
 いつか、市井ちゃんと同じステージに立ちたいよ・・・・・・・・・・。
165 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時27分56秒
〜〜〜飯田圭織〜〜〜

『裕ちゃん・・・・・・・・』
 自分から電話をかけたはずなのに。
 言葉が、続かなかった。
 圭織の大きな目から、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
 電話越しで。
 その気配を感じたのだろう。
 優しい、関西弁の落ち着いたトーンの声。

『好きなだけ、泣き。裕ちゃん、電話、切れへんから』

 ねぇ裕ちゃん。
 何で?
 何で?
 一杯、伝えたいことあるはずなのに、言葉がでないよ。
 しゃくりあげるような、嗚咽が、止まらない。

『うちら、ずっと仲間なんやろ?それ忘れたらあかんで』

 夜更けすぎまで。
 スケッチブックに向かいつづける圭織。
 圭織の部屋から電気が消えることはなかった。
166 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時29分08秒
〜〜〜安倍なつみ〜〜〜

『モーニング娘。頼んだで』
『うん。裕ちゃんも頑張ってね』
 ステージで交わした約束。
 約束、守れなかったよ。
 また・・・・・・・・脱退。
 何度経験しても、慣れない、この心の痛み。

『なぁなっち・・・・・・そんなに泣かんといてや』
 困ったような中澤の声。
 困らせてるって思うと、さらに涙が止まらなくて。
『だって、だって・・・・・・・』
『なっちが悪いわけやないやん?誰が悪いわけでもないやん?』

 心の整理がつかなくて。
 現実に、心が追いついていかなくて。
『もぅ、やだよ〜〜』
 誰かがいなくなるのも、こんな想いをするのも。
『モーニング娘。頼むでって言ったやん?』
167 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時29分59秒
 あんたを縛ろうと思って言ったんちゃうからな?
 あんたに辛い想いをさせたくて言ったんやない。
 だから、うちの言葉、気に病まなくていい。

 貴女のそんな優しさが。
 嬉しくて、そして悲しい。

 娘。にいることは、守られてるってことじゃない。
 脱退するメンバーも、残されたメンバーも。
 さらなる飛躍を求められている。

『なっちは・・・・・・・辞めないよ。絶対、脱退なんてしない』

 五人から始まった娘。
 明日香が抜けて、彩っぺが抜けて、紗耶香が抜けて、裕ちゃんがいなくなって。
『娘。最後まで、絶対辞めない』

 なっちが見届けるんだ。
 どんなに娘。が変わっても。
 なっちは、ここが、娘。が大好きなんだ。
168 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時30分46秒
 電話口で、中澤は沈黙した。

『・・・・・・それが、あんたの強さやよ・・・・』
 いろんなことを、乗り越えてきたなっちの強さ。
『裕ちゃん』
『でも、自分の言葉に縛られる必要はないからな?それだけは覚えとき』

 あんたが辛いのは嫌やから。

 呟くように言われたセリフに。

 眠れない夜は続きそうだけど、眠れない夜を、自分の強さに変えていこう。
 大丈夫、なっちはそんなに弱くないよ。
169 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時31分44秒
〜〜〜中澤裕子〜〜〜

 えげつないことすんな〜。
 最初の第一印象は、それ。
 何でやねん?
 思わずそう思って・・・・・・・そう思った自分に、苦笑する。

 うち、もう、娘。やないねんで?
 もう、一年以上たって。

 それでも、すぐにそんな考えが浮かぶほど。
 娘。は自分にとって大きいんだと。
 やっと、認めれるようになってきた。

 1年たっても。やっぱりたまに、元モーニング娘。リーダー中澤裕子。
 反発していた時期もあったけど。
 そうやんな〜。
 のんびりと、そんな風に考えれるようになったのは、時間、だったんだろう。
170 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時32分33秒
 圭坊が辞めるのは薄々・・・・・・感づいてたけど。
 実際、辞めるって決定になるのと、感づくのではそら、また違う感情があるし。
 ごっつぁんもか・・・・・・。
 んで、ユニット大改造やて?

「・・・・・・・・やっぱ、えげつないな」
 小さく、一つ呟いて。
 携帯を取り出してみる。

 着信履歴の嵐。
 まだ、頼りにされてるってことか。
 一通り確認し終わって。

 ふっと思い出すのは愛しい、愛しい大事なあの子。
 意地っ張りっつ〜か、なんつうか。
 一人だけ、電話をかけてきてない相手に、中澤は目元を和らげる。
171 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時33分33秒
 今、電話をかけて。
 優しい言葉をかけるのは簡単だけれども・・・・・・・・・・。
 自分の人生、自分のもので。
 誰も変わってやることなんてできないから。
 心の痛み、現実は、自分で解決するしか方法なんて、ないんだから。

 紗耶香の時のことを思い出し、中澤は、ふっと携帯から視線を外した。
 あの時・・・・・・・・。
 一人でラジオのあの、ブースに入るのがどんなに嫌だったか。
 自分ですら、納得できない感情を抱えて。
 誰かに弱さを見せたら、もう、自分一人の足で立っていられないような気がして。

 ・・・・・・・・・矢口・・・・・・・。
 頑張りや。
 月並みなセリフやけどな。

 でも。
 ちゃんとやりきったら、甘えてきぃや?
 だてに、矢口フリークやってんちゃうねんからな。
 たまには・・・・・・子どもに戻るのも、ええもんやで。
172 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時34分40秒
 中澤は、大きく伸びをした。

 世間の波に翻弄される娘。
 その中から飛び出して、自分の道を探そうとする娘。
 脱退を告げられる、娘。ーーーーーーー。

 それでも。
 大切な仲間たち。
 自分の人生は自分で切り開くもんや。
 悩んで、考えて。
 自分なりの答えを出せばいい。

「寂しくないわけやないんやけどな・・・・・・・・」
 ただ、この感情は、感傷。
 うちはもう、娘。を離れて。
 自分の道を歩き始めている。

 でも、やっぱり。
 大切な、仲間たち。
 あんまり、泣かさんといて欲しいな。
 これくらいの感傷は許して欲しい。

 中澤は、ふっとため息をつき。
 携帯をパタン、と閉じたのだった。
173 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時35分41秒
〜〜〜矢口真里〜〜〜

 泣かないでいよう。
 そう思っていたけど・・・・・・無理だった。
 自分が何しゃべっているのか、わからなくなるほど、とっちらかってた。

 そんなに、冷静なんかじゃいられない。
 オールナイトニッポンのスタジオ。
 たくさんのメールとFAXに囲まれて。
 たくさんの機材に囲まれて。
 たくさんのスタッフに囲まれて。
 それでも矢口は、一人だった。

 スタッフさんの心配そうな眼差しに、気付いてなかったわけじゃない。
 さかんに入る、指示にフォロー。
 3秒沈黙が続けば、放送事故。
 そんな迷惑、かけれない。

 ここで、誰かに助けてって叫んでも誰も助けになんてこれない。
 どれだけ誰かに助けを求めたくても、矢口が頑張るしかないんだ。
 矢口が・・・・・・・伝えるんだ。
 矢口の気持ちを。
 矢口にしかわからない、矢口の気持ちを。
174 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時36分36秒
「「「お疲れ様でした〜〜〜」」」
 そんな言葉に見送られ。
 木曜オールナイトニッポンスーパー終了後。
『今日はすいませんでした』
 頭を下げる矢口に、スタッフは優しかった。

『しょうがないよ。逆に、矢口さんの気持ち伝わって良かったんじゃない?』
 そんな慰めの言葉の数々。

 でも・・・・・・・・。
 矢口の足取りは重かった。

 入り口のエントランス。
 当然のような顔をして。
 腕を組んで、壁に背中を預けて。

「・・・・・・・・裕、ちゃん・・・・・・・」
 驚きより。
 あぁ、やっぱり裕ちゃんだって気持ちの方が強くて。
 矢口の足は、動かなくなった。
175 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時37分26秒
 こんな時間に何やってんだよ〜〜っ?
 いつも通りの言葉が、でてこない。
 精一杯、強がってた気持ちが。
 ぼろぼろに崩れないように、突っ張っていた気持ちが。
 堰を切ったようにあふれてくる。

「な・・・・・・に、やって・・・・・・・・」
 絞り出すような矢口の声に。
 裕子はこっちに向かって歩いてくる。

「・・・・・・・・こんな・・・・・・・時間に・・・・・・・」
 
 馬鹿じゃないの?
 裕子が好きだって言ってくれた。
 いつもの憎まれ口が、叩けない。

「あぁ、もう・・・・・・・・・何も言わんでええから」
 そのまま、近づいてきた裕子に抱きしめられた。

「よぉ頑張った。ちゃんと、しゃべれてた。
 今は、無理せんでええから。
 強がらんでええから。
 裕ちゃん、ここにおるから。
 大人のフリせんでええから。
 たまには・・・・・・・甘え」
176 名前:★★★あなたとともに★★★ 投稿日:2002年08月02日(金)21時38分21秒
 優しい、優しい大人の声。
 全部を包んでくれるような、無条件の愛情。

 矢口たち、どうなっちゃうの?
 歌が・・・・・・・・たんぽぽ、なくなっちゃった。
 ごっつぁんも・・・・・・、圭ちゃんもいなくなっちゃうよ・・・・・・・・。
 それでも、矢口たちは頑張らなきゃいけないの?
 矢口は、頑張れるの?
 年上メンバー、3人になっちゃったよ。

 さまざまな想いが交錯して。
 自分が、崩れていきそうになる虚脱感、脱力感。

 裕子の腕が。
 裕子の身体の感触だけが。
 矢口は、ここにいるんだってことを思い出させてくれたーーーーー。
177 名前:つかさ 投稿日:2002年08月02日(金)21時39分38秒
 それぞれが、それぞれの想いをかかえ。
 それでも、輝きつづけようとする貴女たちを。
 応援していきたい。
 その気持ちに偽りはないです。
 圭ちゃん、ごっつぁんの大ファンではないけれど。
 自分は、いつだって、娘。の歌のファンでいたい。
 だからこそ、二人の脱退は痛い・・・・・・。
 矢口の、たんぽぽ卒業が痛い。
「つんくさんを責めないでください」
「応援してください」
 ラジオから流れる矢口さんの涙まじりの声に。
 何とも言えない感情を覚えたのは、自分だけでしょうか・・・・・・。
178 名前:つかさ 投稿日:2002年08月02日(金)21時42分11秒
 ってことで、自己満足の世界にお付き合いいただいた方、ありがとうございました。
 こんなん書いてる暇がありゃ、本編書けってのは、重々承知してますが・・・・・^^;;
 とりあえず、今回の更新はsageでお願いします。
 本編に対してのレスも、次回っつ〜ことで。

>>159さん
 自分は、姐さん、矢口一押しなんですが。
 ん〜〜。やっぱ、痛い、以外の何の言葉もない(苦笑
179 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月03日(土)03時02分21秒
つかささん読みながら泣いちゃいました(涙
裕ちゃんの卒業を思い出しちゃいました・・・
今回の一連騒動より、自分的には裕ちゃんの卒業のほうが衝撃が大きかった(苦笑

180 名前:名無しKUNN 投稿日:2002年08月05日(月)15時59分07秒
昨日のANNでもらい泣きしちゃいました。
自分の卒業会見後初の放送の日&卒業の日の放送・・・どちらでも泣かなかった裕ちゃんが
裕ちゃんの人柄に改めて惹かれました。
裕ちゃんってめちゃめちゃ子供っぽいところと・・・
今回の再編のことを語っていた時とか・・・めちゃくちゃ落ち着いた大人だし
いろんな顔があってやぱっリーダーだと思いました。(W
181 名前: ☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時35分40秒
〜〜〜11〜〜〜

 生徒会を作ろうーーーーー。
 最初、はぁ?!と思った生徒たちも多かったはずだ。
 しかし、市井たちは着々と、手はずを整えていっていた。
 はい、作りましょう、そうしましょうというわけにはいかないが。

 全校生徒3分の2の署名を集めて、後は、投票で、過半数を集めれば。
 毎朝、校門にたって、署名運動を行う市井たちの姿を見て。
 賛同する生徒たち、何かやりたくてうずうずしていた生徒たち。

「みんな、元気やな〜〜」
 いつもの放課後。
 市井たちに付き合いながらも、相変わらず矢口は、中澤の講師室に入り浸っていた。
「裕ちゃんのため、なんだよ?」
 矢口の入れてくれたコーヒーを前において。
 中澤は、何だか、ぐだぐだモード。

「ん?」
 矢口の言葉に、少し反応する中澤。
「裕ちゃんの黒髪・・・・・・・怖いってさ〜♪」
 軽口を叩く矢口に、中澤は、苦笑した。
「アホかっちゅ〜ねん・・・・・・・失礼な奴ばっかやな・・・・・」
 ひょい、と前髪を一房つまんで。
 光に透かしてみる。
「矢口は・・・・・・・どっちかって言うと、金髪の方が好きだけどね」
 とことこと、矢口が近づいてくる。
 不意に顔を近づけられて。
182 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時37分48秒
「・・・・・・・・・・・」
 中澤は沈黙する。
「・・・・・・・・??」
 きょとんとした矢口。
「か〜わい♪」
 掠め取るようなキス。
「ゆ、ゆ〜ちゃんっ!!」
「いきなり、顔近づけてくる矢口が悪い」
 ニヤリ、と人の悪い笑みを浮かべると、中澤は立ち上がった。

 そのまま、窓をがらり、と開ける。
「裕ちゃん、寒いっっ!!」
 矢口からの抗議もどこ吹く風。
「・・・・・・寒いんやったら・・・・・・・ここ、おいで?」
 それどころか、窓の側から離れようとした矢口を捕まえて・・・・・・・腕の中に抱き込んでしまう。
「ん〜〜、矢口、あったかいな〜〜」
 髪の毛に頬擦りする中澤・・・・・・・。
「矢口は、寒いっっ!!!」
「い〜やん、たまには、換気も必要やって」
「誰かに見られたらどうするんだよっ?!」
 矢口の意見はもっともで。
「あっためあってました、でええやん」
 ・・・・・・・・・・中澤のセリフの意味深さに、思わず、矢口の顔が赤くなる。
183 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時39分05秒
「あ、アホ裕子っっ!!!」
 身体の前に回された腕をぽかぽかと叩いて。
 でも、本気で抜け出そう、なんて思えないのだけど。
 矢口は、首を曲げて、後ろにいる中澤の顔を睨んだ。

 中澤は・・・・・・・気持ちよさそうに、空を見上げていた。
 最近、どんよりした天気が続いていたが、今日は珍しく、快晴ーーーーーー。

「冬の空って高いな〜〜」
 身体に回された腕は強くて。
 でも・・・・・・・・。

「なぁ矢口。こんな空見てると、どっか行きたくならん?」
 どうして、こんな風に、寂しげに笑ってるんだろう、この人は。
「・・・・・・・明後日から、冬休みじゃん・・・・・・・」
 答える矢口の声は、少し、元気がない。
 また、しばらく会えない日々が続く。
 それが、少し、寂しくて。

「・・・・・・・・また、どっか行くの?」
 できるだけ、寂しさを出さないような矢口の声に。
 中澤は、ん〜〜と、喉の奥でうなるような声を出す。
「まだ、予定立ててないんだ?」
「アラスカ」
 矢口の声と、中澤の声がだぶった。
「「・・・・・・・・・」」
 お互い、きょとんとした表情でしばらく見詰め合って。
「え〜〜〜〜っ???」
 矢口の素っ頓狂な声が部屋中に響き渡った・・・・・。
184 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時41分37秒
「え、ほんと?ほんとに?」
 思わず、中澤に詰め寄る矢口。
 しかし、
「う・そ♪」
 ・・・・・・・・軽く、こんな風に言っちゃうのだ、この人は・・・・・・・・・。
 がっくりと肩を落とした矢口の肩をくすくすと笑いながら、中澤はぽんぽんと叩いて。
 そのまま、矢口の身体から手を離すと、そっと窓を閉める。
「まだ、どこ行くか、とか予定は決めてへんよ」
 そのまま、少し冷えてしまった矢口の身体を今度は強引に前から抱きしめる。

「・・・・・そうなの?」
 少し嬉しそうで、少し心配げな矢口の表情に。
「うん」
 中澤は、素直に頷いた。
「・・・・・・・・最近、裕ちゃん、元気ないってみんな心配してるよ?」
「・・・・・・・・・・」
 一瞬、中澤は言葉に詰まった。
「・・・・・・・そんなことないで?」
 微妙な間を矢口が感づかないはずもなく。
「妙にぼんやりしてるって。矢口もそう思う。なんか、心、ここにあらずって感じで」
 真っ直ぐな言葉に、中澤は困ったように、笑った。
185 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時43分00秒
「・・・・・・・・クリスマスだって、覚えてなさそうだし」
 ちょっと拗ねたように、矢口は続けた。
「・・・・・・・・・あ」
「ちゃんと予定あけてるんだけど?」
「・・・・・・・・すんません」
 ぽりぽりと、中澤は頬をかいた。

「ま〜〜ったく、一大イベント忘れるなっつ〜の。矢口、自信なくしちゃうじゃんよ〜」
 冗談っぽく矢口は中澤の胸を叩いて、抗議する。
「ごめんってば」
 笑いながら、中澤は腕の中で暴れまわる矢口の腕を捕まえようとして。

 しばらくじゃれあった後。
「矢口的には、まぁ、クリスマスもやっぱ、楽しみたいんだけど。
 でも・・・・・・・・」
 ん?
 妙に真面目な表情になった矢口に、中澤はいぶかしげな表情を向ける。
「その腑抜けた、『私は今、何をしたいんでしょう』的な表情は、裕子には
似合わないよっっ!!」
 きっと、矢口に真っ直ぐに睨みつけられて、中澤は黙りこんだ。
186 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時44分27秒
「この前の紗耶香のことから、裕ちゃん、おかしいよ。
 いつだって、ずっと、息苦しそうな顔、してるのに。
 でも、そんな自分、見て見ぬ振りして、大人の顔して。
 そんなの、裕ちゃんには似合わない。
 もっと、ちゃんとやりたいことやって、自信たっぷりで、それが裕子じゃないのかよっ!」
「・・・・・・・・・矢口・・・・・・・・」
 思わず絶句したように。
 立ち尽くす中澤を矢口は、ぐっと睨んだ。

「反論できる?」
 きつい眼差しに。
 中澤は、苦笑いしながら、首を横にふった。
「図星や」

 しばらく、沈黙が二人の間に落ちた。
187 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時45分37秒
「答えは、裕ちゃんのここにあるんだからね」
 とん、と矢口が中澤の胸をついた。
「頭で考えたって、裕子の場合、絶対無理なんだから」
 さりげにひどいセリフを吐く矢口に、中澤は、心底情けなさそうな顔をする。
「だから・・・・・・・」
 にかっと矢口は笑った。
「裕ちゃんのやりたいようにやってみなよ。
 矢口、言ったじゃん?
 教師でも、教師じゃなくても、黒髪でも、黒髪じゃなくても。
 矢口は、走ってる裕ちゃんが好きだよ」
188 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月05日(月)23時48分09秒
 中澤は、驚いたように矢口を見つめて。
 そして、笑った。
「そんなセリフ、初耳やで?」
「・・・・・・・言ってなかったっけ?」
「聞いてへんっちゅ〜ねんっ!」
 お仕置きじゃ〜〜っ。
 矢口の頭を拳でぐりぐりとこづく中澤。
「背、これ以上縮んだらどうしてくれるんだよ〜〜」
 相変わらず、憎まれ口の矢口の耳元で。
「責任とったる」
 ふいに真面目な中澤の声。
「え?」
 矢口が顔を上げると。
 妙にすっきりした表情の中澤が笑っていた。
「ありがとな」
 素直な感謝の言葉に、矢口は、照れた表情を見せた。
「裕子はアホだから困るよっっ」
「なんやと〜〜」

 普段どおりのじゃれあってる二人。
 冬の柔らかい陽射しがそんな二人を包んでいた。
189 名前:つかさ 投稿日:2002年08月06日(火)00時00分02秒
更新です。
しっかし、何で・・・・・今頃、クリスマス話を書いてるんでしょ(ww
あまりの季節感のなさに。
ってか、この暑さの中、冬を想像しろっつわれても・・・・ねぇ?(w

>>名無しさん
 気になる展開ですか・・・・いや、な〜んか、強気の矢口と弱気の
 姐さんしかでません・・・・・すいません^^;;

>>352さん
 ずっとレスありがとうございます♪
 話を進めるか、姐さん、矢口さんシーンかで悩みつつ。
 ちょっと、甘い(? 笑)雰囲気で攻めてみました。

>>やぐちゅー中毒者セーラムさん
 何が起こるのか。まだ引っ張ります・・・ってか、何が起こるのかまだ
 考えてなかったり・・・・・(汗)

>>179さん
 自分、姐さんの脱退の時まだ、ファンじゃなかったもんで、今回これが
 初めての脱退になるんですよ・・・・・。胸中複雑っす(遠い眼)
190 名前:つかさ 投稿日:2002年08月06日(火)00時04分22秒
>>名無しKUNNさん
 いろんな面、持ってますよね〜。
 そこがまた、いいんですが。
 時にヘロヘロで、へタレで、緊張しいで、小心者で、オヤジで。(あ、誉めてないww)
 んで、可愛くて、綺麗で、な〜んかほっておけない人。
 意外性の塊ですよね。まさか泣くとはおもわなかったっす・・・・・。

久々に、強気の矢口に、弱気の姐さんです。
やっぱ、姐さんは・・・・矢口に怒られる図ってのがすごく似合うと
書きながら思ってた自分は・・・・(w
後編キーパーソン、みっちゃんじゃなくて、矢口になりそうです。
姐さんの泣き方と、矢口の泣き方。
それで、ちょっと、話の方向性が決まりました・・・・って今頃何言ってんだか(苦笑)
191 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月06日(火)12時03分48秒
キーパーソン・・・みっちゃんから矢口に変更ですか?(w
泣き方にカギですか(w
楽しみにしています。
192 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月07日(水)03時35分37秒
なんだか甘いけどせつな系で大好きです。
続きがめっちゃ気になります。
193 名前:素人○吉 投稿日:2002年08月11日(日)18時58分47秒
姐さん脱退当時まだファンになってなかったからって、
いちいち娘。の話題に姐さん脱退ん時の話しを出すなw

>まだ興奮してっか〜〜??
 20日以降、また興奮が復活する予定w
 そして来月の23日以降、かなり沈む予定…。
194 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月15日(木)03時52分07秒
まだかな?まだかな?更新まだかな?
もう待ちきれません!!(w
195 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年08月16日(金)22時04分04秒
キーパーソンに矢口、泣き方にカギ。
楽しみに待ってま〜す(w
それにしても、今回の矢口、格好良かったです(w
196 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)11時21分10秒
〜〜〜12〜〜〜

 次の日。
 二学期終業式。
 理事長室には、深い沈黙が漂っていた。

 平家は黙って、机の上にぽん、と置かれた一枚の封筒を見つめていた。
 目の前には、中澤が、悪びれた表情も見せずに立っている。
 平家は、深々とため息をついた。

「・・・・・・・・・・」
 平家は、中澤から目線を外して、机の上の封筒に眼を落とした。

『退職願』

「いきなりすぎません?」
 とりあえず、何か口にしないと。
 平家の言葉に、中澤は、髪の毛を軽くかきあげて、少し、笑った。

 中澤の髪の色はーーーーーーー茶色をさらに薄くしたような・・・・・。
 前とは異なる、薄い金髪。
「どうせまた、責任問題とか。がたがたうるさいやろ?」
「受理、しませんから」
 妙にきっぱりとした平家の言葉に、中澤は驚いたような表情をみせた。
「みっちゃん・・・・・」
 何かを言いかけた中澤の言葉を平家はさえぎった。
「姐さんが何考えてるのか、わからないですけど。これが姐さんの出した答なんですか?」
197 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)11時22分08秒
 平家は中澤を睨みつけた。
 何か、うち、最近睨まれてばっかやな・・・・・・。
 中澤の心の中の小さな呟きは、平家の迫力に押されて、言葉にならない。
「私は納得できません。
 姐さんがこの学校に来て、いろんな意味でいい変化があったと私は思ってます。
 でも・・・・・・・姐さんは何も変わってないやないですか。
 逃げるんですか?
 ほっぽりだすんですか?
 ほっぽりだされた私らがどんな想いするかとか、そんなん全然無視ですか?」
 矢つぎばやに、繰り出される平家の言葉に。
 中澤は、目を閉じて、上を向いた。
198 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)11時22分52秒
 やりたいように、やってみろ。
 矢口のセリフにドキっとした。
 やりたいこと?
 息苦しい。
 呼吸が、したい・・・・・・・・。

 とりあえず、手っ取り早く、髪の毛の色を染めてみた。
 鏡の中の自分。
 何だか、ほっとしていて。
 呪縛から一つ、解き放たれた気が、した。

 四角い無機質な町並み。
 通勤ラッシュに、人いきれ。

 人の数だけ、いろんな人生があって。
 人は何かを守るために生きている。
 そんな熱気を感じさせる街・・・・・・・・・大都会。

 何かを見つけたくて。
 何かを信じたくて。
 なぁ、何をそんなに頑張るん?
 何を守りたいん?

 うまいことなんて言われへん。
 ただ・・・・・・・・・・・。
199 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)11時23分34秒
「うちな・・・・・・・・絶対に忘れられへん景色があんねん」
 ぽつり、と中澤は呟いた。

 もう、いつだったかも忘れてしまった。
 寝付けなくて。
 夜、ふらっと外にでかけた。
 ふっと見上げた空は。
 満天の星空で。

 怖いくらい吸い込まれそうに、大きい、無限ーーーーーーーー。
 呆然と立ち尽くすくらい何だか、綺麗で、そして、少し寂しくて。
 でも・・・・・・・・・何だか、安心できた。
200 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)11時24分12秒
「ここで、うちのすべきことは、もう、終わったやろ?」
 静かな、中澤の声。
「いろんな奴がおるから人生おもろいねん。
 生徒だって、十人いたら、十通りの接し方がある。
 頭ごなしに怒っていいタイプと、じっくり話せなあかん奴。
 ほっといても、自分の道を自分で選んでいく奴。
 道を教えてやらなあかん奴」
 平家は、何も言わない。
 黙って、目を瞑っていた。
「それと同じで。
 いろんな教師がいていいやん?
 頭ごなしに生徒を押さえつけようとする教師がいて、反発する生徒がいて。
 何が悪くて、何がいいかなんて・・・・・・・そんなん、わからんやん」

「私は・・・・・・納得できません」
 平家の声は、震えていた。
「うん、わかってもらおうとは思ってへん」
 潔い中澤の言葉に、平家は思わず顔を上げた。

 中澤は・・・・・・・・笑顔だった。
 ここしばらくの、何だか浮かない表情が嘘だったかのように。
「姐さん・・・・・・・」
 もう、この人を止める言葉は何もないのだろう。
 こんな顔されて。
 それでも、ここに留まって欲しい、と言うのは。
 ただのワガママでしかないのだろう・・・・・・・・・。
201 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)11時25分03秒
「みっちゃん」
 ふっと、中澤の顔が真面目な表情に変わった。
「感謝してるで?ここにもう一回戻ってこれて、みっちゃんと一緒に仕事やれて。
 良かったって本気で思ってるからな」

 中澤は、平家に近づいた。
 お互い、何も言わない。
 そっと、中澤は机の上に手をおいて。
 平家の顎に手をかけた。

「「・・・・・・・・・・・・」」

 数秒、いや、たった一瞬だったかもしれない。
「餞別♪」
 ニヤリ、と笑った中澤に、平家は泣き笑いの表情を浮かべた。
「後はまかせたで。みっちゃんなら、大丈夫や」

「やぐっちゃんに言いつけますよ?」
 精一杯の反撃に、中澤はからからと笑った。
「それは困るな〜〜」
 そう言いつつ、全然困った様子もない中澤。

 あぁ、やっぱりこの人には敵わない。
 いつだって、気まぐれで、風のようにすり抜けていく。

「講師室に置いてあるものとか、うちの部屋のもんとか、全部みっちゃんに処分は一任
するわ♪」
 ま、別に大したもの置いてないし。
 ひらひらと手を振って、中澤は理事長室を後にしたのだった。
202 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月19日(月)11時42分30秒
姐さんかっけー!!

さやか・後藤達の頑張りは・・・いまからあるのか?
矢口は・・・
次回の更新めちゃくちゃきになる・・・(w
203 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)23時19分25秒
〜〜〜13〜〜〜

 終業式。
『ブリーチとシャンプー間違えました』
 堂々とそんなセリフを言い放った大馬鹿者。
 生徒は、大爆笑。

 矢口は、笑えなかったよ・・・・・・・・。
 妙に、すっきりとしていた中澤の表情。
 どうせ・・・・・・・・辞めるって言ったんだろうな、とか。

『教師じゃなくても、裕ちゃんが好き』

 うん、確かに矢口、そう言った。
 でも。
 だからって。
「・・・・・・・・・・・・・即決することないじゃん・・・・・・・・・」
 矢口のこと、心残りだとか。
 そんな風に裕ちゃんは思わないのかな?
204 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)23時20分01秒
 HRが終わった教室には、まばらにしか生徒は残っていない。
 自分の席に座ったまま、矢口は頬杖をついて。
 窓の外を眺めていた。

『矢口〜、裕ちゃんとこいかない〜?』
『行かない』
 市井の誘いを、あっさり断った矢口に、喧嘩でもしたの〜?と笑っていた市井は。
 他の生徒と連れ立って、中澤のとこに向かった。
 今頃、大騒ぎになってるのかな?
 どうせ、荷物まとめてるんだろうし。
 そんなの、矢口、絶対見たくないし。

 それとも、全部矢口の勘違いで。
 勘違いなら・・・・・・・・・。

 勘違いでも、それはそれであんまり嬉しくないかも。
 そう思ってしまった自分に、矢口はちょっと、苦笑する。
「・・・・・・・・・なんであんなの好きになっちゃったんだろ・・・・・・・・」
「あんなの、とは失礼な言い方やな?」
「裕ちゃんのことだなんて、矢口、一言も言ってないじゃん?」
 上からふってきた突っ込みに・・・・・・・矢口は、普通に返す。
 脇に立っていたのは、当然のごとく、中澤で。
205 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)23時20分55秒
「・・・・・・・・驚けへんの?」
「早かったなって思ってるけど」
 優しい中澤の眼差しに、矢口は何だか、泣きそうになる。
「裕子が戻ってくるのは、矢口のとこだろ?」
「・・・・・・・・・自信たっぷりやん?」
「ちょっとくらい、自信持たせてくれたっていいだろ?」

 軽いかけあいなんだけれど。
 矢口の一言に。
「・・・・・・・・・」
 中澤は黙りこんだ。
 そして。
「うん、え〜よ。もっと、自信持っといて」
 ぽん、と矢口の頭に手をおいた。

 来て欲しかったけど、来て欲しくなかった。
 裕子が来るってことは、もう、決断したってこと。
 辞めていいよ、矢口のこと重荷に思わないでって思ってても。
 辞めて欲しくない、矢口のこと、もっと考えて。
 いろんな矛盾した感情が渦巻いて。
 矢口は、何も言えくなる。

「・・・・・・・・・・矢口、あんな」
 中澤が言葉を発しようとした丁度その時。
206 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)23時21分36秒
 教室の入り口あたりが騒がしくなった。
「やっぱり、ここにいた」
「裕ちゃん、どういうこと!?」
「何でなんだよ〜」
 学年さまざまで。
 市井を先頭に、生徒たちが、息を切らせながら、教室に入ってきた。

「・・・・・・・・巻けなかったか」
 ぼそっと呟いた中澤のセリフ・・・・・・・。
 ちょっと、市井たちが不憫になって。
 聞かなかったことにしよう、矢口はこっそり心の中で呟いたのだった。
 まぁ、めんどくさがりの中澤らしいセリフとも言えるのだが。

「矢口、知ってたの?」
 市井の問いかけに。
「・・・・・・・何となく」
「さすがうちの矢口♪」
 脇でちゃちゃを入れるこの人は、無視しよう・・・・・・・・。
 矢口はこっそりため息をついた。

 しかし、どうやら市井の方は無視する気はさらさらないらしく。
「ど〜ゆ〜ことなのさ?!」
 中澤に詰め寄る。
「そのまんま・・・・・・ってか。辞める」
 妙にきっぱりした中澤の言葉に、教室が静まり返った。
207 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月19日(月)23時22分11秒
 教室に残っていた生徒たちが、中澤の言葉を聞いたのか。
「え?」
「嘘?」
 小さなざわめきが起き始める。
「・・・・・・何でさ?」
 怒りを無理矢理鎮めたような市井の声に、中澤は身も蓋もなく即答した。
「辞めたいから」
 あまりにもと言えばあまりの中澤のセリフに、矢口は頭痛を覚える。

 ばんっっ!!!
 物凄い音がした・・・・・・一瞬、中澤が殴られたのかと思うくらい。

 市井が、脇にあった机に拳を思いっきり叩きつけていた。
「・・・・・・・・そんなんで、納得できると思ってんの?」
 市井の肩が、拳が震えている。
「・・・・・・・ミュージシャンが自分の腕、傷つけてどうすんのや?」
「そんなの、関係ないだろうがっっ!!!」
 市井の怒声。
 怒ってる声なのに。
 泣き出しそうな、悲しい声に聞こえるのは何故なのか。
208 名前:つかさ 投稿日:2002年08月19日(月)23時33分21秒
はい、中途半端なとこできります。すいません。

>>191さん
 ん〜、そうです、泣き方に鍵って言ってもそうたいしたもんでもありませんが^^;;

>>192さん
 痛い系じゃなくて、せつな系・・・・妙に納得してしまいました(w

>>素人○吉さん
 だって、それ以外思いつかなかったんだい(笑)
 そ〜かな、姐さん卒業につなげてるかな〜?意識してなかった^^;;

>>194さん
 二週間もお待たせしてすいません。そして、少量更新?(苦笑)
 とりあえず、頑張ります^^

>>やぐちゅー中毒者セーラムさん
 レスありがとうございます^^
 今回は姐さんかっこよく・・・・ってか、かっこいい矢口と、かっこいい姐さん
 しかでてきてないよな〜。う〜む(悩)

>>202さん
 いや〜、即レス嬉しかったです^^
 ってまたまた中途半端ですいません(汗)

ってことで、更新です。
二週間お待たせしてすいませんでした。
とりあえず、ラストまでもうちょいです。
やっと終わるんか〜としみじみと感慨。
でも、まだ書き終わってないんですが・・・・・(苦笑)
209 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月20日(火)03時19分16秒
おわっちゃいやです(w
つかささんのやぐちゅーの虜なんですから。
新作始まるんなら・・・我慢しますが(w
この小説はやぐちゅーじゃなくても・・・読みたいぐらいすきな小説です。本当に。
210 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年08月20日(火)09時45分31秒
もう少しで終わりですか・・
正直寂しいですが、つかささん、頑張って下さい
211 名前:352 投稿日:2002年08月21日(水)02時32分48秒
やー やぱし裕ちゃんカッコいいや!
みっちゃんとのやりとりや、矢口とのやりとり、
一つ一つがすげーツボにはまってます。
もうすぐ終わってしまうのね。。
ホント寂しいけど、ラストまで頑張ってください!
212 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月28日(水)00時47分38秒
まだかな?(w
この話大好きです!!
213 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月29日(木)02時35分21秒
「・・・・・・・・逃げるのと、ケジメ付けるのは違うって言ったのは、裕ちゃんじゃんっ!」
「うちは逃げるわけやない。うちの役目は果たした。そう言ってるんや」
 きっぱりとした中澤の声。
 あまりの市井の迫力。
 他の生徒たちはタジタジとなっていたようだが。
 一人の生徒が進み出てきた。
「なっちたちで、この学校を変えようって思ったんだ」
 穏やかな声で。
「うん、わかってたで」
 中澤は、静かに返した。
「だから、生徒会作ろうって思ったんだ」
 その声が・・・・・・だんだん震えてくる。
「先生がいたから、変えよう、変えたいって思えたんだよ?」
「うちがいなくなったら、もう、この学校、どうなってもいいんか?」

 裕子、ちょっとそれ、言いすぎ。
 矢口が思わず、中澤を見上げると。
 困ったように、中澤がガシガシと頭を掻いていた。
214 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月29日(木)02時36分04秒
「あ〜〜もう。うまく言われへんな〜〜」
 中澤は、近くにあった机の上に腰を下ろした。
「最初に言っとくけど、別にあんたらが嫌いになったとかそんなんやない。
 逆に、あんたらのパワーに感心してんねんで?
 辞めても大丈夫やって思えたんは、あんたらのおかげやねん」
 中澤のセリフに。
「・・・・・・・・・そんなの・・・・・・・わかんないよ」
 ポツリ、と誰かが呟いた。

「ここに、うちのやりたいことはないねん・・・・・・だから、ごめんな」
 わかってくれとは言わないけれど。
 わかって欲しいとは思ってる。

 そんなセリフをさらっと口にするこの人は。
 何だか泣き出しそうなそんな雰囲気の中。
 にこり、と笑ったその笑顔は。
 それ、反則って誰もが思ったに違いないくらい、いい顔をしていた。

「また会えるから。絶対に大丈夫やから。
 ただ、もう先生とか、生徒とかそんなんちゃうけどな、それだけやん」

「・・・・・・・約束、だよ?」
 市井の声に、中澤は、頷いた。
「だから、後は頼んだで?」
 ひょい、と机から下りて、中澤は優しく微笑んだのだった。
215 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月29日(木)02時36分37秒
 ・・・・・・・・・・・・なんだかな〜〜。
 矢口は、机に頬杖をついて。
 ぼんやりと、その光景を眺めていた。

 なんだろう。
 悲しいはずなのに、悲しくないっていうか。
 なんだろう。
 違う。
 そう叫びたい気持ち。
 なんか・・・・・・現実に、気持ちがついていかないよ・・・・・・・・・。

 裕ちゃん・・・・・・・・。

 一通りの挨拶を終え。
 中澤は、そのまま教室を出て行こうとしたが。
 中澤が、矢口の方を振り向いた。
「矢口。・・・・・・・一緒に来るか?」

 差し出された腕に。
 中澤がさっき矢口に言いかけたセリフ。
 全部がつながった気がした。

 最初から、矢口にとって、裕子は先生なんかじゃなかった。
 裕子にとってだって、きっと、矢口は生徒なんかじゃなかったんだ。
 一緒に、歩いていきたいって。
 支えたいって。
 だから、裕子は矢口のところに戻ってくる。
 自惚れじゃ、ないよね?
216 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年08月29日(木)02時37分20秒
「・・・・・・・・いいの?」
 不安そうな矢口の声に。
「当たり前やん?」
 不思議そうな中澤の表情。
「矢口と、行きたいとこあるねん。一緒に行ってくれるか?」

 返事は、中澤の手にすっぽりおさまった矢口の、小さな手ーーーーーーー。
217 名前:つかさ 投稿日:2002年08月29日(木)02時45分13秒
>>209さん
 ありがとうございます、としか言えないです。
 更新めちゃ遅くなってるんで、な〜んかそんな風に言って貰えるとすごい嬉しいです。

>>やぐちゅ中毒者セーラムさん
 頑張りますっっ。
 ってか、頑張るしかね〜ってな感じです。
 な〜んか、寂しい雰囲気漂ってきてるかも・・・・・(汗)

>>352さん
 確かに、一抹の寂しさってか、はい、な〜んか、文章自体ももう、別れのシーン
 ばっかで・・・・・(苦笑)
 んでも、このラストを書きたかったんですよね。
 の割りには更新遅いですけど(自爆)

>>212さん
 はい、お待たせしました。
 少量更新ごめんなさいって感じです(汗)

とりあえず・・・・・亀のようなのろさで進んでます。
そして・・・・MUSIXで矢口の「裕ちゃんそれ、鯉じゃないよ〜」
のからみ見て、鯉を当てれなかった矢口さんが悔しそうに見えたのは・・・・
気のせい?かな、やっぱり(笑)

次はちゃんと来週月曜に更新しますっ。
宣言しないと、あがらないことに気付いた最近です^^;;
218 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月29日(木)03時02分30秒
裕ちゃん・・・。
楽しみに月曜日お待ちしております。(w
219 名前:素人○吉 投稿日:2002年08月29日(木)14時02分11秒
予測通りの時間…。

>宣言しないと、あがらないことに気付いた最近です^^;;
 だったらちゃんと小説の事憶えていましょう。
220 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月02日(月)21時05分00秒
待ってまーす(w

HP消えてるのですが・・・
221 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月02日(月)23時11分44秒
〜〜〜14〜〜〜

「ここって・・・・・・・・」
 矢口が連れてこられたのは、小さな墓地。
 ここに来るまで中澤は、矢口の手を放そうとしなかった。
 途中、真っ赤な薔薇を買ったのは、何故なのか。
 ぎゅっと握りしめられる手の強さに。
 矢口は何も聞けずにいた。

 そこは。
 秋の名残の落ち葉が風に吹かれて、かさかさと音をたてていて。
 誰の姿も見えなくて。

 中澤は、その中、迷いもせずに一つの墓の前にたった。

 ぱさり、と無造作に置いた花束。
 矢口は、中澤を見上げた。
 中澤の表情は・・・・・・・前髪に隠れて見えなかった。
222 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月02日(月)23時12分14秒
「うちの恩師の墓」
 何度か聞いたことがある。
 矢口は、納得したように頷いた。
「うちが・・・・・あの学校で教師やるって決める前に、一回だけここにきてん」
「・・・・・・・・・・・・・今日は、辞めるって報告に来たの?」
 小さな矢口の声に。
 中澤は微笑んだ。
「あと・・・・・・・・・大事な人ができましたって報告に」

 簡単に告げられたセリフに、矢口は驚いたように、中澤を見上げた。
「・・・・・・・矢口、めっちゃマヌケ面してる」
 くすっと笑い声とともに、矢口の鼻がぷにっと押された。
「なんだよ、矢口まで犬っ鼻になったらどうしてくれるんだよっっ」
 条件反射的にでてきた憎まれ口に中澤は、からからと笑った。
「可愛いかもよ?」
「うわ、むかつくっっ!」
 ぽかぽかと矢口は中澤の胸をたたくと、中澤はさしたる抵抗もせず、
そのまま矢口を抱きしめた。

「・・・・・・・・矢口、あったかいな〜」
「なんだよ、もぅ・・・・・・・・・・」
 ぶつぶつ言いながらも、矢口はすっぽりとその腕の中に収まった。
223 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月02日(月)23時12分50秒
「ってか、裕子、ムードなさすぎ」
 ぼそっと呟くと、中澤が矢口の顔を覗き込んだ。
「しゃ〜ないやん、性格やもん」
「開き直るなっっ」
「・・・・・・・矢口だって、あんま人のこと言えないと思うんやけど・・・・・・・」
「なんだとっっ?!」
 ふくれた顔して矢口が中澤を見つめる。
「・・・・・・・・嘘やって」
 軽く、矢口の額に中澤の唇が落ちてきた。

 ・・・・・・・・何が嘘なのさ。
 しばらく、中澤にぎゅっと抱きしめられたまま。
 矢口は、こっそり心の中で毒づいた。

 ねぇ裕子。
 またどっか行っちゃうの?
 一緒に来るか?
 って言われた時。
 すごく矢口、ドキドキしたんだよ。
 気付いてる?
 一緒に来いって本気で言ってくれるなら。
 矢口は・・・・・・・・・・。
224 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月02日(月)23時14分28秒
「・・・・・・・・・・なんで、こんな人、好きになっちゃったんだろ・・・・・・・・」
 ため息とともに吐き出されたセリフは、教室でぼんやり一人呟いたセリフとやっぱり
おんなじで。
 二度もそれを聞く羽目になった中澤は、今度は苦笑い。
「・・・・・・・・・・わ〜るかったな、こんな奴で」
 それでも、中澤は、矢口の身体に回した腕を放そうとしない。
「うん、悪い」
 そんな中澤に・・・・・・・矢口は、きっぱりと言い放つ。
「・・・・・・・・・・・矢口〜〜〜」
 情けなさそうな表情の中澤。

「何が悪いって、一人で勝手に突っ走っちゃうし。
 へタレなくせに、ワガママで頑固だし。
 決めたらもう、矢口のことなんて頭になさそうだし。
 突っ走った後に、あ、まずい、とか平気で思ってそうだし。
 甘えたなくせに、全然矢口に頼ってくれないし。
 肝心なとこで大人のふりして、矢口の気持ちなんて全然無視なんだ。
 裕ちゃんがいなくなって、矢口がどんだけ悲しいか、とか。
 矢口がどんなけ裕ちゃんのこと好き、とか。
 全然わかってくれないし。
 どんだけ矢口が裕子と離れたくない、とか。
 そんなん・・・・・・・・全然気付いてなさそうだし。
 裕子の鈍感。アホ。へタレ」
225 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月02日(月)23時15分11秒
 ・・・・・・・・・自分で言ってて悲しくなってきた。
 でも、好きなんだよ。
 矢口の瞳から、涙が零れ落ちる。

 そして。
「・・・・・・・・・ごめんなぁ」
 矢口の涙に、やっぱり中澤の表情は困ったようなままだったけれど。
 どれだけ言われようと、中澤の腕は矢口の身体に回されたままで。
 矢口もしっかりと、中澤のシャツをぐっと握りしめてた。

「大事にしたいと思ってるねんで?」
「何で疑問形なんだよ、アホ」
 妙に強気な矢口の発言に。
「・・・・・・・・やっぱり、怒ってる?」
 しみじみと情けなさそうな中澤。

「怒ってるし、悲しいし、どっちかだなんてそんなんわかんないよ、アホ」
 う〜〜〜。
 もういいや。
 矢口は、ごしごしと、中澤のシャツに・・・・・・・顔をこすりつける。
「あんた・・・・・・・鼻水つけたやろ・・・・・・・」
「何か文句あるっっ?!」
 きっと、矢口が中澤を睨みつける。
「はい、ありません、すいません・・・・・・・」
226 名前:つかさ 投稿日:2002年09月02日(月)23時22分52秒
>>名無しさん
 即レスにびっくりしてました。
 相変わらず、少量更新です(苦笑)

>>素人○吉さん
 覚えてたよ、ただ、ちょっと忙しかっただけだっ(w

>>名無し読者。さん
 まさかあのHPの存在に気付くとは・・・・・マジでびっくりしました。
 友人が作っているのですが、どうやらリニューアル中みたいです。
 その友人はいちごま好きで、自分はやぐちゅー好き(ww

 更新です。次はやっぱり、来週月曜日になると思われます^^;;

ってか、え〜とそのHPのアドレス知りたい物好きな人とかいます?
今、とりあえず、リニューアル中でまだ全然動いてないんですが。
とりあえず、知りたい人、レスください(おそるおそる)
227 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月02日(月)23時29分38秒
はい!知りたいです!

228 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月02日(月)23時32分16秒
いつも楽しく読ませていただいてます。
HPのアドレスお教えいただけるのでしたら、是非とも知りたいのですが。

来週の更新も楽しみにお待ちしてます。
229 名前:ミニマム 投稿日:2002年09月03日(火)04時34分53秒
聞きたい。知りたいです。<HP
矢中可愛い〜
230 名前:352 投稿日:2002年09月04日(水)01時17分28秒
大事なコトをさらっと言ってのける裕ちゃん、
やっぱカッコいいや〜(←て、コレばっかりですが。)

HPアドレス知りたいです、もちろん!
231 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月04日(水)21時25分06秒
もうすぐ終わりですか...
いつも、楽しみにしてました。

HPアドレス、勿論知りたいです。
232 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月05日(木)00時34分03秒
3日の渋谷AX、裕ちゃんライブに行ってきました。
夜の部には、娘。たちやハロプロメンバーも観に来ていました。
もちろんヤグチも・・・。
ヤグチは、ずっと身を乗り出して、我々と一緒に手拍子や腕の振り上げしていました。
それに、裕ちゃんのトークにもいちいち反応して、大爆笑したりしていました。
「あー、本当に裕ちゃんのこと好きなんだなー」なんて、感じました。
そして裕ちゃんが、
「自分にとって大切なものは、娘。たち仲間であり、みっちゃんだ」と、
しみじみ語ったときには、ヤグチ目頭を押さえたりもしていたんです。
ヤグチ・・・、TVやラジオでは、裕ちゃんのこと冷たくあしらったりするけれど、
ほんとにほんとは、裕ちゃんにメロメロなんじゃないかなんて、
マジに妄想しちゃいました。
やぐちゅー万歳!
やぐちゅー最高!
233 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月05日(木)23時49分18秒
つかささんのやぐちゅー大好きです。
HPぜひ知りたいです!

私も3日のAX行きました。
運良く2階で観てたのでメンバー達も見れました。
裕ちゃんに思いっきり手を振ったりしてる矢口さんを見て
やぐちゅーっぷりに感動してました。
さっき矢口さんのANNSでも裕ちゃんのライブ話が聞けて
ほんとやぐちゅー万歳!って感じです。
234 名前:素人○吉 投稿日:2002年09月06日(金)22時15分39秒
http://bbs2.kidd.jp/?0206/11_musume

掲示板のアドレスだけ乗っけておきます。
HPの方は、まだアップロードしてない、だけですが。
235 名前:つかさ 投稿日:2002年09月07日(土)00時27分21秒
>>素人○吉
 こらこら、いきなりアドのっけるな〜(苦笑)
 一応補足説明。
 え〜とこいつが作るHPに間借りってか、自分の小説がのることになります。
 管理人は素人○吉になるのかな?
 ってか、自分、HPなんて、作れね〜し、管理するのもめんどいって思う
 タイプなんで(笑)
236 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月09日(月)23時18分35秒
中澤「・・・・・・・・・なぁ、作者」
作者「なんですか?(汗)」
中澤「かっこいい姐さんを書くって豪語してなかったか、あんた?」
作者「・・・・・・・・・かっこいいじゃないですか・・・・・・・(多分)」
中澤「・・・・・・・・鼻水つけられてか・・・・・・・・??」
作者「・・・・・・・・きっと、誰かはかっこいいって思ってますよ(多分)」
中澤「あんたなぁ・・・・・・(多分)ってつければ誰かが賛同してくれると思ってるやろ?」
作者「ぎくっっ」
中澤「あほっっ(ぼかっ)」
作者「(しみじみと)姐さんに殴られる作者さんが多いのがわかる気がする・・・・・・(涙)」
中澤「何か言ったか?」
作者「いえ・・・・・・・(矢口さんにもその強さで立ち向かっていけないものかな? そしたら、
   ストーリー展開もうちょっと楽なのに ため息)
中澤「(ぼかっっ)」
作者「何で殴るんですかっっ!?」
237 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月09日(月)23時19分13秒
中澤「あんたの心の声・・・・・・大きすぎるんや、丸聞こえやっちゅ〜ねん」
作者「・・・・・・・・・」
中澤「んで、矢口はここには登場させへんの?」
作者「・・・・・・・・・いや、中澤さんより矢口さんの方が怖そうなんで・・・・・・・」
中澤「・・・・・・・正論や(しみじみ)」
矢口「何か言った?」
作者&中澤「「でたっっ!!」」
矢口「出たって・・・・・・・何、それ?(少し怒)」
作者「さて、更新してくるんで、後は二人でごゆっくり(逃亡)」
中澤「ちょお待て、逃げるなっっ!!」
矢口「裕ちゃん?何が正論なの?(にっこり極上の微笑み付き)」
中澤「・・・・・・・・・・(汗)」
238 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月09日(月)23時19分49秒
 不意に、中澤がくすっと笑った。
「・・・・・・・・・何だよ?」
 泣いたのが少し恥ずかしくて、矢口はぶっきらぼうに答える。
「な〜んかな、自分が信じられへんなって・・・・・・・」
「何が?」

 一つ大きく息をついて。
 中澤は話し始めた。

 うちなぁ、今までこういう風に付き合ったことなかったし。
 今までもな、いい奴一杯おったで?
 でも、あかんかってん。
 何か息苦しくなったら、思わず逃げてもうててん。
 多分な、好きになるのが怖かったんやと思う。

 弱いねん。
 好きになりそうやったら逃げててん。
 傷つくのが嫌やったから。

 でもなぁ・・・・・・・・・。
 矢口だけはちゃうねん。

 真っ直ぐに、「大好き」って言われて。
 もっと、うちのこと好きになってって思ったの、初めてかも。
 うちな、風来坊やし。
 一箇所に落ち着く、なんて全然思ってなかったし。
 それがうちの生き方や、とかかっこつけて思ってたけど。
239 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月09日(月)23時20分22秒
 中澤は言葉を止める。
「・・・・・・・・・・・・・・・・けど、何だよ?」
 矢口のきつい瞳に、中澤は、微笑んだ。
「これ、受け取ってくれへん?」

 小さな箱。

「・・・・・・・・え?」
 小さな矢口の呟き。
「矢口、うちの帰る場所になる気、ない?」
「・・・・・・・・・・一緒に来いって?」
「待ってて欲しいんや」

 きっぱりと告げた中澤の声は。
 めちゃくちゃ真剣だった。

「・・・・・・・・そんなの、矢口、待てるかどうかわかんないよ」
 本当は。
 追いかけていきたい。
 それが、矢口の恋の仕方。
 待ってるなんて、性に合わない。
「そんなに待たせへんし」
「・・・・・・・・・・・」
 矢口の沈黙をどう受け取ったのか。
 中澤は、小さく笑った。
240 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月09日(月)23時20分55秒
「それに、待ってなくても、今度はうちがあんたを追いかけるから、大丈夫や」
「・・・・・・・・・・・・何だよ、それ」
 中澤のセリフに、矢口は思わず笑った。
「それだけあんたに惚れてるっちゅ〜こと」
 ピン、と中澤は矢口のおでこをはたく。

「うちな、もう一回歌おうって思うんや」
 え?
 矢口はきょとんとする。
「学祭の時。すごい気持ちよくて。
 もう一回歌いたいなって思って。
 全部ちゃんとして、戻ってくる。矢口のとこに」

「裕ちゃん・・・・・・・・・」
「こんなん言うの初めてやし。こんなん渡すのも初めて。
 もう一回言うから、ちゃんと返事きかせて?
 矢口、うちの帰る場所になる気ないか?」

 差し出された小さな箱に。
 真剣な中澤の瞳。

「うん」
 大好きな人に。
 本当に、本気で。
 こんなこと言われて頷かない人なんていないよ、マジで。
 矢口はその小さな箱を受け取る。
241 名前:☆☆The place to come back☆☆ 投稿日:2002年09月09日(月)23時21分55秒
「良かった〜〜〜」
 途端にしゃがみこむ中澤。
「は?」
「いや〜、断られたらどうしよ〜思っててん。
 実は、心臓バクバクやで?」

 待っといてってだって、な〜んか、縛るみたいで嫌やん?
 うち、待っとけって言われたら絶対待ってないで。
 絶対、嫌やってそれで終わりやし。
 いや〜、ホンマ矢口が「うん」って言ってくれてほっとしたわ〜〜。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 ばこっっ。

 好き勝手なことを並べ立てる中澤の頭に、矢口の拳がヒット。
「痛いな〜」
 頭押さえながら、それでも中澤は笑顔だった。
「もっとムード考えろ、アホっっ」
 矢口も笑顔全開で。

「ん〜、なら、もっとムード作れるとこいこか?」
 肩に手を回してくる中澤・・・・・・。
「にやけるなっっ!!」
 ばしっと中澤の腕を叩いてみる。
「何すんねんっ」
 言いながらも中澤は腕を離そうとしない。

 冬の午後の昼下がり。
 柔らかな陽射しの下。

 ーーーーーーーなぁ先生。うち、幸せ、見つけたでーーーーーー。

                                  end
242 名前:つかさ 投稿日:2002年09月09日(月)23時26分25秒
やっとendマークが付けれたっっ!!!(めちゃ喜び)

長々とお付き合いください本当にありがとうございました。
この話が完成したのは、ずっとレスつけてくださってた皆さんのお陰です。
途中、何度投げたしたくなったか・・・・・。
そして。
お礼といっちゃあなんですが。
まぁ短編一本書いてるんで、それあげます。
今度はリアルものです。

243 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月09日(月)23時28分56秒


「姐さん、姐さん♪」
 ハロプロコンサート、リハの最中。
 みっちゃんが、いたずらっぽい笑みを浮かべて近づいてきた。
 ・・・・・・・・・なんやねん、こいつがこんな顔する時は・・・・・・・ろくでもないことたくらんでる
時や。
 長い付き合いでそれぐらいわかる。
 んで・・・・・・・結局、自分が悲惨な目にあってんねんな。
 いい加減、学習せぇへんもんかな?
 まぁ、おもろいからはたで見てるぶんにはええねんけどな。

「姐さん、その胡散臭げな眼はなんですか?」
「いや・・・・・・」
 思わず言葉、濁したっちゅ〜ねん。
 さすがに、本人眼の前にして、今度はどんな災難に首突っ込んだんや?
 なんて、聞かれへんわ。

 うち、優しいからな。
「・・・・・・姐さん、交信せんとって下さいよ・・・・・」
 ん?
 なんや?
 みっちゃんが情けなさそうな顔してうちの顔の前で手をひらひらと振ってた。
「圭織の癖、移ったんちゃいます?」
 なんやねん、それ。
 めっちゃ失礼やんけ。
244 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月09日(月)23時30分26秒
「んで、何の用やねん?」
「怒らんとってくださいよ〜〜、ホンマのこと言われたからって」
「うっさいわ、ボケっ」
 思わず、足が出てもうた・・・・・・・。
 ま、これも関西人の楽しい習性やな。
 みっちゃんがもだえてるのは気にせんとこ。
245 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月09日(月)23時31分18秒
ーーーーーーーーー

「んで、結局何の用やねん?」
 やっとみっちゃんから話聞けたのはそれから10分くらいたってからやった。
「・・・・・・・姐さんが悪いんやないですか・・・・・・」
「何か言ったか?」
 みっちゃんは慌てたようにぶんぶんと首を横に振った。
 さすがに、学習したみたいやな。
 満足げにうちが笑うと、みっちゃんは、がっくりと肩を落とした。

 でも、用件を思い出したのだろう、再び、いたずらっぽい表情になった。
「姐さん、最近、ハロプロ内で妙に飛び交ってる誰かと誰かの噂って知ってます?」
 ・・・・・・・・・・アホらし。
 うちが呆れた顔をしたのがわかったのだろう、みっちゃんは、不満気な表情になった。
「そんな興味なさそうな顔せんといてくださいよ〜」
 するっちゅ〜ねん。

 年頃の女の子がごろごろようさんおるねんから、そら女子高のノリにもなるわ。
 吉澤と、石川があやしいだの、吉澤と石川と圭坊で三角関係やの・・・・・・・。
 誰かが誰かに告白しただの、いろんな噂、聞くわ。
 でも、ほっとんどがただの噂。
 そんなんでいちいち大騒ぎしてどないすんねん?
246 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月09日(月)23時34分09秒
 まったく興味なさげなうちの顔を見てみっちゃんはニヤリ、と笑った。
「今、一番飛び交ってる噂、姐さんとなっちですよ?」
「・・・・・・・・・・それがどうしたん?」
 結構今までもそんな話でてたんちゃうかな〜。
 うちが親代わりで公私ともになっちの面倒みてる、とか。
 なっちがうちを見る瞳が切ない、とか。
 ごっちんにセンター取られてそれを慰めたのがうちや、とか。

 ・・・・・・・・・・アホらしい、の一言に尽きるけどな。

「それで?」
 話の続きをうながすと、みっちゃんはとぼけた表情をつくる。
 わざとらしいっちゅ〜ねん。
「それくらいの話、今までにも結構でてたのに、わざわざうちにそんな話するってことは
続き、あるんやろ?」
 ため息まじりのうちのセリフをどう受け取ったんか知らんけど、みっちゃんは、
妙に嬉しそうな表情になる。
「私と姐さんと、なっちの三角関係ってどうです?」
247 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月09日(月)23時35分06秒
 はぁ?
 思わず飲んでたウーロン茶を吹き出しそうになった。
 そんなうちを見て、みっちゃんは、してやったり、と得意げな顔。
「もう、触れ回ってきたんか?」
「とりあえず、なっちゃんと姐さんの話題で盛り上がってるとこで、
『姐さんは私のもんや、誰にもわたさへんっ!』って啖呵きってきました♪」

 ・・・・・・・・・あんた、大物になるわ〜〜。

「それで、ハロモニの懺悔ボックスの前で、『裕ちゃんとみっちゃんはできてま〜す』
ってやぐっちゃんに言われてきました♪」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 うち、あんたにうちと矢口が付き合ってるって言ってなかったっけ?
 思わずそう言いそうになって慌てて口を閉じる。
 んで。記憶をまさぐってみたけど。
 ん〜、そういや言ってなかったかもな。
 圭坊とかにはばれてんねんけどな。

 ま、言い回ることでもないし。
 圭坊とかは気付いて聞いてきたんや。
 聞かれたら答えるんやけどな。
 みっちゃんじゃ・・・・・・・自分から気づけっての無理か。
248 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月09日(月)23時36分07秒
「姐さん?」
 命知らずと言うか、なんつ〜か。
 知らんってことは、何でもできてまうんやな。
 思わず、固まってもうたやないか。
「面白くなかったですか?」
 不思議そうな顔したみっちゃん。

 思わず、頭なでてもうた。
「頑張りや」
「は?」
 みっちゃんはきょとんとしてる。
 まぁ普通、こんな返しはせぇへんわな。
 意味不明か?
 ん〜でもな。
 うちの今、頭の中浮かんでる矢口のこと考えたら・・・・・・・その言葉が一番ぴったりやねん。

「何でもあらへん」
 んで・・・・・・きっと、今のうちの顔、さっきのみっちゃんみたいな顔してんねんな。
「・・・・・・・・姐さん、何かたくらんでます?」
「いや?全然?」
 不信気な眼を向けてくるみっちゃん。
 ん〜〜、勘はええねんけどな。
 別に、うちがたくらまんでも不運に向かって突っ込んでくのはあんたやで?
 思わず喉まで出かけた言葉、飲み込んでもうたわ。
249 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月09日(月)23時37分06秒
 友達思いやからな〜。
 ・・・・・・でも。
「なぁ、みっちゃん、娘。の楽屋行けへん?」
 やっぱり、こんなおもろいこと、ほっとかれへんな〜〜。
 最近、大人しくしてたやろ?
 ちょっとくらい羽目はずしても、怒らんよな?
 頭の中で怒った顔してる矢口に謝罪。

「何かたくらんでます?」
 疑惑一杯のみっちゃんは無視して、と。
「思い立ったら行動や、行くで〜〜」
「姐さん、耳ひっぱらんといてくださいっっ!!!痛いやないですかっっ!!」
 何や??
 そか。
 んじゃ。

「首根っこもやめてくださいっっ!!猫やあるまいしっっ」
 ・・・・・・・・ワガママなやっちゃな〜〜。
「なら、さっさと歩けやっっ!!」
「だからって蹴らんといてくださいよっっ!!」

 いつも通りの、楽屋の一コマ・・・・・・・。
250 名前:つかさ 投稿日:2002年09月10日(火)00時00分56秒
起承転結、起の部分、終了です。
残り三つは連夜更新いきます。
もう書けないんじゃないか、とかいう状況にまで追い込まれ・・・・・。
この話が生まれました。
の割りにはめちゃめちゃ明るいですけど(笑)

HPの件、本当にレス、ありがとうございました。
>>234で、素人○吉がBBSのアドのっけてます。
そして、どっかのメール欄にフロントのアドレスのっけました(わかりやすっ 笑)
冗談半分で「聞いてみるか〜?」だったのでマジ多量レスには驚いたし、
嬉しかったです、ありがとうございました。

そして、ただただ、本当にThe place come backを書き上げれたのは
読んでくれてた人、レスくれた人のお陰だと感謝してます。

な〜んか、最後の挨拶みたいですが(笑)
まだ、残り3日続くんで。
読者の方々に精一杯の感謝を込めて。
楽しんで読んでいただけると幸いです。
251 名前:名無しさん 投稿日:2002年09月10日(火)03時32分25秒
つかささん・・・マッタリ更新でいいのでやめないで下さい。
ずっと楽しみに読ませていただいてます。
252 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時04分29秒


「元気しとったか〜?」
 いつも通りノックもせずに、「モーニング娘。」と書かれた楽屋のドアをあける。
 ん?
 何でノックせ〜へんのかって?
 ・・・・・・・・ドア閉めててももれてくる、騒がしい声。
 こんなんでノックしたとしても、誰もど〜ぞ〜なんて言ってくれへんからや。

 まったく、うちはそんな風にあんたらを育てた覚えはないで?
 まぁ育てられた覚えもないやろうけどな。
 そんなうちの感慨をものともせず・・・・・・・。

「「なかざ〜さんだ〜〜」」
 飛びついてくるちびっこ二人。
「さっき会ったじゃん。ステージで」
 圭坊、相変わらずの毒舌やな〜。
「珍しいね、裕ちゃんがこっちの楽屋来るなんて」
「うん、どうかしたの?」
 北海道コンビ。
 圭織もなっちもしっかりしてきたな。
 うんうん、姐さん嬉しいで。
「「こんにちは」」
 ハモって挨拶してきたのは・・・・・吉澤に石川。
「「「「こんにちは・・・・・・」」」」
 はいはい、こんにちはって。
253 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時05分03秒
 二人ほど、足りん声があるよな〜って思って楽屋を見回すと。
 マイペースに爆睡してるごっつぁん。
 何でこんなうるさい楽屋で寝れるねん?
 寝る子は育つって言うけど、ん〜〜、疲れてんかいな?
 まぁ、のんびりしてるごっつぁんらしいけどな。

 んで・・・・・・もう一人。
 矢口は、うちの方を見ようともせずに、雑誌めくってる。
『裕子〜〜、何しに来たんだよ〜〜』
 いつもやったら飛びついてくるはずやのに。

 ・・・・・・・・・・・・・・。

「や・・・・・・・・・」
「姐さんばっか歓迎せんと私のことも歓迎してや〜」
 ・・・・・・・・一瞬、みっちゃんのこと恨んだわ。
 後ろからうちに抱きつくように、アピールしまくり。
 さっきの警戒してたのは何やってん?

 ってか・・・・・・・・。
「辻、加護っっ、重いわっっ!!みっちゃんも後ろから体重かけてくるのやめいっ!!」
 裕ちゃん、潰れてまうがな〜。
 そんなに力、強い方ちゃうねんからな?
 じろっと三人睨みつけてみたけど、三人ともどこ吹く風、や。
 はぁ〜〜〜〜。
254 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時05分43秒
 とりあえず、頑張ってずるずると三人を引きずりながら、近づこうとしてんけど・・・・・・。
「辻、加護っっ!!それにみっちゃんもっ。裕ちゃん潰れるべさっっ!」
 ひっくり返りそうになったうちをささえてくれたんは、なっちやった。
 ・・・・・・・・・・ありがとなぁ。
 やっぱ優しいなぁ。
 思わずなっちに抱きつくかっこになって。

 あ〜、なっち、身体柔らかいな〜〜。
 気持ちよくてぎゅっと抱きしめようとしたら。
 ふっと視線を感じたんや。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・。

 そんな怒った顔せんでもええやん・・・・・・・・。
 だから、不可抗力やっちゅ〜ねん。
 一瞬だけ、視線がからみあって。
 ぷいって怒ったように視線がはずされた。

 怒ってるやん。
 めっちゃ怒ってるやん。

「や・・・・・・・・・・」
「裕ちゃん楽しそうっ。圭織もまぜてっ!」
 いや、圭織。
 それ、ちゃうから。
255 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時06分21秒
 ってか。
 辻加護に、みっちゃん、それになっち。
 圭織まで加わったら。

「あんたらいい加減にせ〜〜〜っっ!!!」
 圧死してまうやんかっっ!。
 うちの一喝が効いたんか、マジで死にそうになってるうちがよっぽど可哀想やったんか・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・。

 あかん、自分で考えててなんや情けなくなったわ。
 とりあえず、しぶしぶって感じでうちに張り付いてた連中が離れる。

「はぁ〜〜〜」
 思わず深呼吸。
 あんたら、やりすぎやっちゅ〜ねん。
 裕ちゃん、まだこんな若い身空で、死にたくないで?
 それもこんなくだらん理由で・・・・・・・・・。

 恨めしげなうちの視線をものともせず、きゃっきゃきゃっきゃと・・・・・・・。
「みっちゃん久しぶりだね〜〜」
「さっき会ったやんっ。何ボケてんねん〜、あ、なっちがぼけてるのはいつものことか」
「ボケてるのは圭織だべさっ」
「なっちそれ、圭織に失礼だよっっ」
「平家さん平家さん、何かもの真似やってください〜〜」
256 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時07分01秒
 ・・・・・・・・・・・・・。

 頭痛がしてきた。
 まぁええわ。
 こいつらはほっといて、と。

「や・・・・・・・・・」
「中澤さん、聞いてくださいよ〜〜〜、凄いんですよっっ!!」
 何やねん、吉澤っっ!!
 最近、男前キャラに磨きがかかってきたって評判やんけっっ。
 くだらんことやったら、ぶっとばすぞ?

「梨華ちゃんが凄いんですっっ!」
 何でそんなにハイテンションやねん、それに石川?
 吉澤の横には石川が、眼、キラキラさせてうちを見つめとる。
 何や凄い嫌な予感がすんねんけど?吉澤。

 そんなうちに気づいてるんか、気付いてないんか。
「見ててくださいね、いきますよ〜〜」
 相変わらず変な声やなって突っ込みはとりあえず、聞いてからにしとこか。

「1、2、3、ダァ〜〜〜〜!!!」
「それ、小川の持ちネタやろうがっっ!!!」
 顎突き出して、何がそんなに嬉しいねんっっ!!
 石川の声に負けず劣らずの大声で突っ込んだうちに、五期メンバーがわらわらと寄って来る。

「中澤さん、私の名前覚えててくれたんですねっっ」

 だから、そういうこと問題ちゃうねんっっ。
 あんたらはどうでもええねんっっ。
257 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時07分45秒
「や・・・・・・・・・」
「裕子、うるさいよ?」

 ・・・・・・・・・・・・・・。

 あの、見間違えでなければ、あなたのその手の先は・・・・・・ドアを指してます?
 出て行けってか〜〜??
「や・・・・・・・・・」
「「なかざ〜さんが、矢口さんに怒られてる〜〜」」
 あんたら、練習でもしてんか?
 声そろえることないやろがっっ!!
 んで、だから、そうやなくてっっ。

「や・・・・・・・・」
「モーニング娘。さん、リハスタンバイお願いしま〜〜〜す」

 ・・・・・・・・・・・・・。

 無情にもADの声が楽屋に響いたんや・・・・・・・。

「「「「「「は〜〜〜い」」」」」
「ほら、ごっちん、起きろっっ!!」
 呆然としてるうちの脇を、ぞろぞろと娘。たちが移動していく。
258 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時08分27秒
「・・・・・・・・裕ちゃん、結局何しに来たの?」
 通りすがりに圭坊の一言。
 それは言ったらあかんセリフやろ?
 楽屋の隅でこっそり、こっち見ないふりしながら、肩震わせてたの、裕ちゃん、知ってる
ねんで?
「今から、リハなんだってば」
 絶対、あんた、おもろがってるやろ〜?!
 思わずがしっと圭坊の腕を掴んだうちに、圭坊は、ニヤっと人の悪い笑みを浮かべてる。

「・・・・・・・・・リハ終わってからでええから、懺悔ボックスの前に矢口連れてきてや」
 そこで、笑うなや、アホっ!!
「ほんと、裕ちゃんって誰かさんには弱いわね」
 しみじみと言わんといてや・・・・・・・・・。
 がっくりと情けなさそうなうちを前にして。
「でも、いつ来てもこうなるのわかってて、裕ちゃん、もうちょっと学習した方がいいわよ?」

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 思わず、握りしめた拳がぷるぷると震えてもうた。
 そうや。
 思い出した。
 元凶は・・・・・・・・。
259 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月10日(火)23時08分58秒
「姐さん、帰りましょか〜?」
 こいつが悪いんやっっ!!
「姐さんっっ???何するんですか、やめてくださいっっ!!!」
 逃げるみっちゃんに追いかけるうち。

「楽しそうだね〜〜。圭織もまぜて欲しいっ」
 いや圭織。
 それ、ちゃうから。
 それに、あんた、今からリハやろ・・・・・・・・・。

ーーーーーーーーーーーーーー

『今年もオレの矢口で〜〜す』
『全部嘘で〜〜す』
『かわいっ!!』
『ほら、裕ちゃん、行くよっ』

 リハ終わったあと。
 矢口の機嫌良さそうで・・・・・・・・ホンマ良かった。
 懺悔ボックスの前でそう思ってたうちは、しばらく後、そう思ったことをとてつもなく
後悔することになるんやけど。

 いつも通りの、楽屋の一コマ・・・・・・・。
260 名前:つかさ 投稿日:2002年09月10日(火)23時14分59秒
>>名無しさん
 いや・・・・・・自分にとっては、MSEEKで小説あげていきたいってのは。
 やっぱ、ありますね。
 ただ・・・・・どうなんだろ?
 自分の文章力ってか。
 発想力の限界ってか。
 いろいろ思う面はあります。
 ま〜でも、すげ〜今、tsunagiが書きたくてしょ〜がないんで(笑)
 大丈夫です、完全撤退とかはしません。
 って安心させてるんだろうか、このレス返し(笑)

HPのカウンタぐるぐる回ってて・・・・この話、すげ〜もう読まれてるんじゃん?
とか思いつつ(笑)
また明日、懲りずに更新。
261 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時12分31秒


 懺悔ボックスから離れて。
 うちと矢口は、空いてる控え室で二人っきり。
 鍵なんて閉めたりして、な♪

 ん?
 何でかって?
 そんなん決まっとるやないか。
 誰と誰が付き合ってる、なんてほっとんどがただの噂。
 でも、ただの噂じゃないパターンもあるってことで・・・・・・・・。

「矢口、会いたかった・・・・・・・・」
「このアホ裕子っっっ!!」
 すっぱ〜〜ん。
 いい音したで、矢口・・・・・・・・。
 何やねん、やっと矢口の名前邪魔されんで呼べるねんで?
 やっと二人きりになれてんで?

 なのに、何で・・・・・・・スリッパで叩かれなあかんねんっっ!!!

 っちゅ〜か、そのスリッパどこから持ってきてんっっ!!

 突っ込みたいとこは山ほどあるけど、とりあえず。
「何すんねん、痛いやないかっっ!」
 怒っとこ。
 ん?
 矢口・・・・・・・泣いてるんか??
262 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時13分04秒
「・・・・・・・・あ、ごめん・・・・・・・」
 よっぽど間抜けな声出してもうたんか。
 矢口がきっとこっち睨みつけてきた。
「何がごめん、だよ、わかってて謝ってるの?この馬鹿っっ!」

 ・・・・・・・・矢口、めちゃくちゃ怒ってるやん・・・・・・・・。

 ってことは、過去の経験から行くと、怒りすぎて泣いてるだけやねんな。
 ええことないけど、とりあえず、一安心。
 この娘が、辛そうに泣くのは・・・・・・ホンマ、心臓に悪いねん。
 こう、ぎゅっと胸をわしづかみにされたようでな。

 すっぱ〜ん。
 再びいい音が頭上でした・・・・・・・・・・ってか。
「聞いてるのかよっ!!」
「痛いって言ってるやろ〜がっっ!!」
 思わず、スリッパ取り上げて・・・・・・・そのまま矢口と睨み合う。

 なかなかに、間抜けな光景・・・・・・・・・・いや、シリアスな場面やっっ。
「何やねん、何でそんなに怒ってるねん」
 むっと膨れた顔してる矢口。
 そんな顔も可愛いで〜〜♪
 思わずでかかったけど、さらに火に油注ぎそうやからやめとこ。
 うちは、石川やないからな。
263 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時13分35秒
「裕子・・・・・・矢口と付き合う時にした約束、覚えてる?」
 え〜と。
 確か。
「浮気は絶対しないこと、他の人にあんまりちゅ〜しないこと、
しんどかったらしんどいって言うこと、言いたいことあったら本人に向かって
ちゃんと言うこと」
「・・・・・・・・覚えてるんじゃん」
「矢口とした約束、忘れるわけないやろ?」
 胸張ったうちに、矢口はこのアホっといった表情を見せる。

 ・・・・・・・・何でそんな表情になるねん?

「全然、守ってないじゃんっっ!!」
 何でやねん?
「・・・・・・・この浮気魔っっ!!」
「何でそうなるねんっっ!!」
「なっちに抱きついて嬉しそうな顔してたくせにっっ」
「それ言うんやったら、矢口だって、最近圭坊と仲ええやん」

 再び睨み合う、うちと矢口。
264 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時14分05秒
「だいたい、矢口は矢口ってちゃんと三文字なんだっ。
 『や・・・・・・・・・』ばっかで切るなよ、気になるじゃん!!」
「気付いてるんやったら、助けてあげよう、とか思わんのかっっ!!」
「何だよみんなにじゃれつかれて喜んでたくせにっっ!!」
「死にそうやったっちゅ〜ねん、気になってるんやったら、助けにこいやっっ!!」
 ・・・・・・・・何でこんな不毛な会話しとんねん、うちら。
 そう思うけど、思うけど、止まれへんねんっっ。
「何でみっちゃんとか、なっちと噂になってるんだよ〜〜」
「前、矢口だって、吉澤とかなっちとか、圭坊とか・・・・・・・・」
「裕ちゃんの方が出回ってる噂、多いじゃんっっ!」
「ただの噂やろ〜がっっ!!」
「そんなのわかんないじゃんっっ!!!」

 ・・・・・・・・・・・・・・。

「うちより噂を信じんの?」
 静かな声を出したうちに。
 矢口はやっぱり怒った顔して。
「裕子のこと、信じさせてよ・・・・・・・・・」
 うちの首に腕をまわしてきた。

 何度も繰り返したこ〜ゆ〜口喧嘩。
 最初はお互いマジになって、本気の大喧嘩になってたりもしてたけど。
 最近は・・・・・・・ま、これも一種のコミュニケーション。
265 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時14分35秒
 矢口のこと、まだ好きでいてくれる?
 うちのこと、まだ好きか?

 矢口のこと、まだちゃんと見ててくれてる?
 うちのこと、ちゃんと見といてな?

 一緒にいれない時間は増えたけど。
 ずっと一緒にいられるわけやないんやけど。

 −−−−−−−好きだから、不安になるの、わかってよーーーーーーーー。
 ーーーーーーー好きやから、こ〜ゆ〜のもいいなって思うんやーーーーーー。

 だって。
 怒った顔しても。
 きつい眼して睨んできても。
 矢口の眼の奥に。
 不安そうに揺れてるモノが見えるから。
 怒ったふり。
 きつい突っ込み。
 でも、その奥に。
 −−−−−−不安だよーーーーーー。
 そんな想い、気付かんほどうちは間抜けやない。

「矢口・・・・・・・・好きやで」
「裕ちゃん・・・・・・・・」
 一杯、不安にさせてもうたか?
 ごめんな。
 謝罪の意味を込めて、そっと矢口の唇に軽いキスを落とした。
266 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時15分06秒
 でもな。
 ずっと不安でいといてな?
 ワガママで悪いな。
 でも。
 そんなうちに惚れたあんたが悪いんやで・・・・・・・?

 何度も軽いキスを落としながら。
「最近忙しかったから、全然逢われへんかったもんな・・・・・・・・」
「・・・・・・・・寂しかったんだからな」
 キスの合間に囁く言葉に。
 囁かれる言葉に。

 ・・・・・・・・・・あかん、止まらんかもしれん。

 だんだん口付けを深くしていく。
「・・・・・・ゆう、ちゃっん。ここ、楽屋・・・・・・・」
「わかってる」
 耳たぶに。
 首筋に。
 軽く痕をつけん程度に噛み付く。

 あ〜、矢口や。

 そのまま、舌を移動させて・・・・・・・・。
「駄目だってば・・・・・・・・」
 矢口の甘い声が。
 段々甘くなっていく声が。
 うちの理性っつ〜ブレーキをぶち壊す。
267 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時15分43秒
「うちをここまでさせるの、矢口だけやねんからな?」
 視線を絡ませあう。
「な、んだよそれ・・・・・・・」
 矢口の服の下に、そっと手を忍び込ませる。
「矢口だけが・・・・・・・矢口以外・・・・・・・いらん・・・・・・・」
「ちょっっ・・・・・・・・・だから・・・・・・・・駄目だって・・・・・・・・・」
 弱い抵抗。

 もう一度、そっと口付けた。
 舌を滑り込ませる。
「ゆう・・・・・・こ、それ、反則・・・・・・・・」
 舌を絡ませあって。
 甘い刺激が身体中に広がっていく。
 吐息まじりに抗議の声を矢口があげるけど。
 それは、うちの中の獣をあおるだけにしかならんくて。

「ずっと逢えなくても我慢しててんからな」
 ご褒美くれてもええやろ?
「・・・・・・・っぁん」
 下着の上からそっと胸を包み込む。
 背中に回された矢口の腕が・・・・・・・・・OKの印って思ってええんやんな?
 っちゅ〜か。
 裕ちゃん、もう止まりません。
 止まる気もさらっさらありません。

 いただきます♪
268 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時16分55秒
 そっとブラのホックを外しても、もう矢口は何も言わない。
「・・・・・・・・んっっ」
 直接の刺激に。
 抑えきれないように矢口の口からこぼれる吐息。

 むちゃむちゃ可愛い・・・・・・・・・・。

「・・・・・・・ぁん・・・・・・・・・っっっ」
 指と舌の動きを活発にしだしたら、いきなり矢口の膝ががくん、と崩れた。
 ん?
 あ〜、立ったままやったら・・・・・・・そら、辛いわな。
 腕を腰に回して、矢口の身体を支える。

 そんで・・・・・・・・。
 うん、丁度いいとこに丁度ええもんあるわ。
 近くにあった長机の上にそのまま矢口を押し倒した。
 ちょっと背中、痛いかも知れんけど・・・・・・・・・そんなんすぐ、気にならんくしたるから♪
269 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時17分40秒
「・・・・・・・・ちょっっ・・・・・・・・どこ・・・・・・までする気なんだよ・・・・・・・」
「止まらん」
 押し倒されて・・・・・・息を荒げたまま抗議の声をあげる矢口に、うちはきっぱりと一言。
「・・・・・・・・・っ何っ言って・・・・・・・・」
 それに、こんなとこで止めて困るの・・・・・・・うちだけちゃうやろ?
 潤んだ瞳に、上気した頬。
 乱れた服・・・・・・・・。
 それ、有罪。
 そして。
 服をまくりあげると、ぴんと立って自己主張している胸の先。
 そっと舌で包み込む。
「あぁっっ」
「あかんて・・・・・・・・声だしたら」

「裕・・・・・・・・子が悪いん・・・・・・・っっぁぁん」
 ぺろり、と一舐めして。
 軽く歯を立てると、矢口がびくん、と反応する。

「愛してる・・・・・・・・真里・・・・・・・・・」
 その囁きは耳元に。

 こんなん他の誰にも言わん。
 矢口だけが・・・・・・・うちにこの台詞を言わせるんや・・・・・・・・・。
270 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時18分22秒
 トントン。

 いきなり、部屋のドアがノックされた。
 一瞬、凍りつくうちと矢口・・・・・・・・・・。

 ガチャガチャガチャ。

 ご丁寧に、ドアのノブまで回して・・・・・・・・・・・・。

「あれ〜〜?何で鍵かかってんのやろ?」
 能天気な声がドアの外から聞こえてきた。

 ・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・。

 無言のまま、うちと矢口は見つめ合った。

 ぼかっっ。

「・・・・・・・矢口ぃ」
 頭の上に振ってきた矢口のげんこつ。
「裕子の大アホっっ!!」
 さすがに声はひそめて。
 さっさと離れろ、なんて無体なこと言ううちのちっこい大事な可愛い娘。
271 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時19分00秒
「誰もおらんの〜〜?」
 廊下からの能天気な声はまだ続いてる。

 う〜〜〜。
 思いっきり不満そうな顔して、矢口が服の乱れ直してるのを見てたら。
「・・・・・・・・・・矢口の方が辛いんだぞ、わかってる?」
 矢口が恥ずかしそうにぼそっと呟いた。

 ・・・・・・・・・・・・・・ん?

 あぁ、そうやね。
 味見、とかそういうレベル超してたもんな・・・・・・・・。
 ぽりぽりとうちは頬をかく。

「だから、裕子も我慢しろっっって・・・・・・・・っんっ?!」
 身づくろいし終わったタイミングで、うちは矢口の腰に手を回してそのまま
ぎゅっと抱きしめた。
「・・・・・・・・・・っっ!?」
 抵抗する言葉なんて聞かん。
 そのまま一気に深く口付けた。

 好き勝手に矢口の口の中で暴れまくるうちの舌。
 最初は抵抗してたけど・・・・・・・。
 次第に矢口の舌もうちに応えはじめた。
 乱暴に矢口の舌を絡めとる。
 そっと、口内に入ってきた矢口の舌に、そっと歯をたてて、吸って。
 唇を離した。
「・・・・・・・・・っんん」
 ぐったりとうちにもたれかかってくる矢口。
「これで少しは楽になったやろ?」
 ニヤリ、と笑って見せると。
「この・・・・・・・・・・」
 睨まれた。
272 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時19分42秒
「コンサート終わったら、うちの家で続き、しよ〜や」
 ・・・・・・・・うちの声、掠れてる。
 耳元でそっと、息吹き込むように囁いたら、矢口の身体がびくん、と動いた。
「・・・・・・・・っだからっそういうことするなって・・・・・・」
「まだ足りんやろ?うちも足りん・・・・・・・・・」

 ・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・。

 真っ赤な顔して、こくん、と矢口が頷いたのを確認して。
 うちは、そっと矢口の頬にキス。
「ごちそうさんでした♪」
 やっぱこれは言っとかなな。

 そして。
 矢口の身体から腕を放すと・・・・・・・やっぱり寂しくて。
 矢口も同じ気持ちみたいで、何だか切なそうな表情見せてる。

 ・・・・・・・・・・やばいってあんた。
 そんなんされたら・・・・・・・・・・。

「みっちゃん、そんなとこで何してるの〜?
 それより、矢口、見なかった?」
 廊下をバタバタと走ってくる音に声。
「いや、ここの楽屋確か開いてたはずやのに・・・・・・・何か鍵かかってんねん」
273 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時20分27秒
 ・・・・・・・・・・まだおったんか。

 はなはだ失礼なこと思いながら、うちはドアの鍵を開けた。

「姐さん?」
「矢口っっ!」
 ドアの前にいたのはみっちゃんと・・・・・・・圭坊。

「時間やばいってっ。集合時間とっくに過ぎてるわよ〜〜っ。
 裕ちゃんもっっ。コンサート前だってのわかってる?
 携帯にかけてもつながらないしさっっ!!」
 早口にまくしたてる圭坊。
 ・・・・・・・ごめんなぁ。
 謝ってるうちの声が聞こえてるのか聞こえてないのか。
 顔を赤くしてる矢口の様子に気付いたようもなく、矢口が引きずられていく。
 いや、どうせいつものことだ、とか思われてそうやな・・・・・・・。
274 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時20分59秒
 そして。
「「頑張りや〜〜」」
 間抜けな声を二人で出して。
 何となく、お互い顔を見合わせて苦笑い。

「それで・・・・・・やぐっちゃんと一緒に何してたんです?鍵までかけて」
 ・・・・・・・・・・・・・・。
 こいつ・・・・・・マジで聞いてるんか?
 思わず、うちはみっちゃんの顔をまじまじと見つめた。

「・・・・・・・・・何で笑うんですかっっ!!!」
 う〜ん、さすがやね〜。
 場の雰囲気を読めないその性格は、石川並みや。
「矢口からな、相談受けてたんや」
 笑いながらそう言うと。
 みっちゃんは不信気な眼を向けてくる。
 そう、勘はええねん。
 勘はええねんけどな。

「恋愛相談かなんかですか?」
「・・・・・・・・まぁ、そんなとこや」
 嘘は言ってへんっちゅ〜か。
 鍵閉めて、楽屋で二人っきり。
 ノックしてもやけにでてくるの遅くて、一人は少し顔を赤くしてるとか、そんな状況で
この説明でよう納得できるもんやな?
 思わず、感心してまうわ。
275 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時21分44秒
「相変わらず、娘。さんと仲いいですよね〜」

 ・・・・・・・・・・・・。

 まぁええわ。
 おもろいから、ほっとこ♪

「あぁそうやな〜、んじゃ、うちらも楽屋もどろか?」
「はい」

 ひょこひょこと二人して楽屋戻る最中。
 今日は思わぬことあったけど。
 久々に矢口のお泊り。
 うひょうひょとニヤケ顔してたうちは・・・・・・・後で起こることなんて、予想もしてなかった
んや。
 いや、別にしっかり予想はできたはずやねんけどな・・・・・・・・。
276 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時22分16秒
ーーーーーーーーーーー

「や〜ぐ〜ち〜♪帰ろや〜?」
 コンサート終わって。
 娘。の楽屋に顔を出した。
「あ、ちょっと待ってて〜〜」
 ばたばたと慌しく片付けを始める矢口。

 可愛いな〜〜。

 今夜は寝かさへんで?

「お待たせ♪」
 速攻で準備して、ぴょん、とうちの前立って。
 笑いかけてくる矢口。

 ・・・・・・・・・・・あかん。
 なんか、めっちゃ顔、にやけてまう。

「・・・・・・・やらし〜顔するなっ」
「してへんっちゅ〜ねんっっ」
 ほな、帰ろか?
 ぎゅっと矢口の手を握り締めて。
 楽屋でようとしたとき。

「矢口、裕ちゃん。ちょっといいかな?」
277 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時23分05秒
 ・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・。

「け、けーちゃん・・・・・・・」
「け、圭坊・・・・・・・」
 にっこり笑ってる圭坊がうちらの前に、大魔人のように立ちふさがってた。

ーーーーーーーーー

 そっから延々二時間。
『矢口、もう年上メンバーなんだよ?しっかりしなきゃ駄目じゃない』
 集合時間守れなかったお説教や。

『何でうちまで一緒に怒られなあかんねんっっ!!』
 一時間くらいで逆ギレしたうちに。
『矢口が集合時間遅れたのは裕ちゃんのせいじゃないの?』
 きっつい切れ長の眼で。
 ごっつ睨まれた。
278 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)00時23分48秒
『・・・・・・・・・・・』
 圭坊、大人になったな・・・・・・・。
『いちゃつくのはいいけど、時と場所を選びなさいよっ!!』
『・・・・・・・だってみっちゃんが・・・・・・・私と姐さんできてる、なんて言うんだもん』
 ぼそぼそと小さい身体をさらに小さくさせながら、矢口が小さく反論してた。
『矢口がそんなの信じてどうすんのよ?
 だいたい、裕ちゃんの暴走止めれるの、矢口だけなんだからね?
 一緒になって暴走しないでよ、もうっっ!』
『・・・・・・・・・だって、だってさ』
 涙眼になってる矢口。

 そうや。
 そもそも・・・・・・、みっちゃんがうちの楽屋来て。
 そもそも、みっちゃんが矢口に変なこと吹き込んで。
 だからやな〜、矢口が怒ったんやん。
 だから、矢口が不安になったんやん。

 たっぷり圭坊に絞られて。

 帰り道。
 二人で、手、繋ぎながら。
『みっちゃんにお仕置きするぞ〜〜』
『あったりまえやっっ』
 こういう結論になるのもしゃ〜ないと思いません?
279 名前:つかさ 投稿日:2002年09月12日(木)00時26分40秒
思ったよりこの話、長いな・・・・・コピペしながら自分でもびっくり(笑)
そして、ふと思ったのは。
中澤裕子という存在が自分の心をはねあげ、矢口真里という存在が自分を
狂わせる。
我ながら、名言だな〜。
最近、なっちにも心奪われてますが(w
280 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時32分38秒


 あれから三日。

 あれから矢口に会ってへんねんな〜〜。
 うちは一人楽屋でぼ〜〜っと暇を潰していた。
 矢口に会いに、娘。の楽屋行ってみよかな?
 でもなぁ・・・・・・・・・。
 うるさいしなぁ・・・・・・・・・。
 矢口にじゃれつかれへんかったら、矢口にまた怒られそうやしなぁ・・・・・・・・。
 矢口、こっちの楽屋こえへんかな?
 でも、忙しそうやしな〜〜。

「姐さんっっ!!!ちょっと聞いてくださいよっっ!!」
 いきなり楽屋の扉が開いた。
 ノックぐらいせ〜っちゅ〜ねん。
「どしたん?」
 みっちゃんが、ぜいぜいと息を切らせながら入ってきたんや。

「何かね、最近私、誰かに恨まれてるんちゃうかって思いますねんっっ!」
 はぁ??
 みっちゃん恨む人?
 そんなんおるわけないやろ?
281 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時33分13秒
「おとついね、出番終わって戻ってきたら、舞台袖にバナナの皮が捨ててあったんですっっ!!
 それも、五つもっっ!!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 こけたんやね。
 そういや、膝にうっすら痣の痕。
 バナナ・・・・・・・・。
 辻と加護に喰わせたんかな?

「んで昨日っっ。靴の裏にマーガリンが塗ってあったんですっっ!!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 んで、またこけたんやな。
 比較的新しい擦り傷がそういや、足にあるわ。
 マヨネーズねぇ。
 そういや昔、パフィーさんの番組で、靴の裏にマーガリンがどうとか、話でてたな。

「今日なんか・・・・・・・・私の弁当・・・・・・・辻に喰われてたんですっっ!!!
 ちゃんと平家って名前書いてあるのにっっっ!!!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・。

 腹へってるんか〜?
 それでそんなに泣きそうな顔、してんか〜?
 それより辻・・・・・・・・・これ以上太ったらあんた、やばいやろ?
282 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時34分01秒
 でも、そうか。
 矢口、頑張ってるねんな。
 んじゃ、うちも頑張らんといかんわな〜。
 ちゃんと用意してんねんで?

「大変やったな〜〜」
 これでも食べ?
 うちの弁当やけどな。
 今日の弁当まずそうやから、うち、カロリーメイトでええわ。

「いいんですかっっ?!」
 うんうん、ええでええで。
「ありがとうございますっっ!!」
 礼言うのは食べてからにした方がええんちゃうかな〜〜??

「あ〜、これ、裕ちゃん特製のタレや。かけてみ〜、おいし〜から」
 どぼどぼどぼ。
 うん、いい感じや〜。
 このタレ作るのホンマに手間隙かかってんからな〜?
 わざわざ忙しい合間ぬって作ってんから、ちゃんと・・・・・・・・・。

「っっっっ???!!!」
 一口、口にして。
 みっちゃんが咳き込んだ。
「っっぐっっ!!!」
 そのままゴミ箱直行して。
 あかんで〜、食べ物粗末にしたら。
「・・・・・・・み、水っっ!!!」
 うんうん。
 ええリアクションやな〜〜。
283 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時34分42秒
 ペットボトルを手渡すと、みっちゃんは勢いよくそれを飲みほし・・・・・・・。
「うげっっ!!!」
 どうや?
 裕ちゃん特製の青汁の味は?
 どうせならついでに、裕ちゃん特製の辛子七味唐辛子入り醤油の味も聞きたいとこやけどな。
 辛子を醤油に溶かすのごっつ手間かかってんで〜?

 のんびりみっちゃんを眺めてると。

 やっとまともなウーロン茶のペットボトルを手にして。
 お〜い、1.5リットルのペットボトル口飲みってかなり行儀悪いんちゃうん?
 ぜいぜいと肩で息しとる・・・・・・・・。

「姐さんっっっ!!!!
 私を殺す気ですかっっ???!!!」

 ・・・・・・・おい、こらっ。
 首締めるな、あんたの方がうちを殺しかねん勢いやぞっっ!!!

 ぼかっっっ。

 いい音がした。
 でも・・・・・・・・今回はうち、殴ってないで???
284 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時35分29秒
 首からみっちゃんの手が離れて。
 みっちゃん、頭抑えて、床にうずくまっとる。
 その後ろに立ってたのは。

「矢口来てくれたんや〜〜〜♪♪」

 でも。
 矢口が手にしてるのは、中身一杯入ったまんまのペットボトル。
 あれで殴られたんか・・・・・・・・。
 痛そうやな・・・・・・・・・・。

「やぐっちゃん、何すんねんっっ!!!」
 みっちゃん立ち直り、はやっっ。
 涙眼になりながら、頭押さえてもう復活してるわ。
「矢口の裕子に手、出したら駄目っっ!!」
 しゃがみ込んでるみっちゃんの前で仁王立ちして、矢口が一喝。

 嬉しいセリフやけど・・・・・・・・さっきのあの光景、どう見ても。
 ・・・・・・・・・どう見ても、うちがみっちゃんに襲われてたな、うん。
 やっぱりうちの矢口や、優しいな〜〜〜。

「や〜ぐ〜ち〜♪」
 嬉しくなってそのまま、矢口に抱きついた。

 ぼかっっっ。

 い・・・・・・・・・痛い・・・・・・・・・・。
 何でやねん。
 何で裕ちゃんまで殴るねんな、矢口・・・・・・・・。
285 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時36分13秒
 撃沈。
 痛さにうずくまると、同じように涙眼のみっちゃんと眼があった。

「姐さん、今のやぐっちゃんのセリフ・・・・・・」
「裕子も裕子だよ、簡単にみっちゃんなんかに手、出されるんじゃない、アホっっ!!」

 どうでもええけど・・・・・・・・矢口。
 みっちゃんなんかにってごっつ失礼やないか?
 ついでにみっちゃんの言葉、まったく無視かい・・・・・・・・。

 みっちゃん見ると。
 怒りの矛先がうちに向いたの感じてるんか、ほっとした表情と。
 複雑な表情してるな〜。

 おもろ。

「この馬鹿裕子っっ!!」
 っておもろがってる場合やないやんっっ。
 上から再びペットボトルがふってきた。
 うちはゴキブリちゃうんや〜。
 叩き潰そうとすんなや、矢口のアホ〜〜。

「や、やめて〜や、矢口。痛い、痛いって〜」

 何やねん、何で矢口、こんなにキレてんねん。
286 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時36分55秒
 必死になって、矢口のペットボトル振り回すのをかいくぐって、そのまま矢口を抱きしめる。
「放せよ〜〜っっ!!」
 矢口は腕の中でじたばたと暴れてるけど。
 な〜んか、今日の矢口にはマジで殺気を感じんねん。
 放せるかっちゅ〜ねんっっ!!!

「・・・・・・・この浮気魔っっ、今度という今度は許さないんだからねっっ!!!」
「何やねん、それっっ?!」
 うち、全然心当たりない・・・・・・・・・ん?

 ・・・・・・・・・・・・・・あ。

「昨日、松浦にちゅ〜しただろっっ!!!」
「・・・・・・・・あ、挨拶やんけっ、外国ではちゅうは挨拶・・・・・・・」
 しどろもどろで弁解するうちに。
「ここは日本だよ、馬鹿っっ!!!」

 ばこっっ。

 いい音がして・・・・・・・再びペットボトルがうちの頭にヒットした。

「つい出来心やっっ。ごめんってっっ!!」
「出来心ですんだら警察いらないよっっ!!もう知らない、裕ちゃんなんて大っ嫌い!!!」
 ここで放したらあかん、って痛みに耐えながら矢口を掴む腕に力いれてると

 ばこばこばこっっ。
287 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時37分41秒
 うちの頭・・・・・・・いい音するな・・・・・・・。
 ってそうやなくてっっ!!!
「そんなに叩くことないやろ、これ以上アホになったらどうしてくれるねんっっ!!!」
 マジで痛いやんけ、ちょっとは手加減せんかいっっ!!
「逆ギレすんなっっ!!!」
「矢口が本気で叩くから悪いんやろっっ!!」
「本気で怒らせてるのはどこのどいつだよっっ!!」
「ここのこいつやっっ!!」
「開き直ってんじゃね〜よ、この馬鹿っっ!!!」

 ぎゃんぎゃん怒鳴りあってると。

「姐さん、やぐっちゃんっっ!!!私のこと忘れてますやろっっ!!!」

 ん?
 あぁみっちゃん、おったんかいな。

 ・・・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・・・。

「・・・・・・・・どうしたん?」
「・・・・・・・・みっちゃん、怖いよ?」

 な〜んか、みっちゃんの後ろにどす黒いオーラが見えるねんけど・・・・・・・・・。
 口元笑ってるけど、眼、笑ってないで・・・・・・・・・・。

「一つ確認させてもらってええですか?姐さんとやぐっちゃん、付き合ってますの?」
288 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時38分17秒
 ・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・。

 うちと矢口は顔を見合わせる。

「もしかして、裕ちゃん、言ってなかったの?」
「え・・・・・・・気付かんし、おもろいからえ〜かなって・・・・・・・・・」
 小声でひそひそと言葉を交わす。

「そしたら・・・・・・・バナナもマーガリンも・・・・・・・・、今日姐さんから
あんな仕打ちうけたのも・・・・・・・やぐっちゃんに殴られたのも・・・・・・全部・・・・・・・・」
 みっちゃんの拳がぶるぶる震えてる。
「痴話喧嘩の延長ですかっっ!!!!!???」

 ・・・・・・・・・・・。
 ・・・・・・・・・・・。

「いや、だって、みっちゃんが裕ちゃんとできてるって言うから・・・・・・・」
 うちと矢口はじりじりと後ずさり。
「付き合ってるの知らんのに、そんなん配慮できるはずないやろ〜〜がっっっ!!!!」

 あかん。
 みっちゃんがキレた。

「矢口。逃げるでっっ」
「うんっっ」
 ぎゅっと手を握り締めあいながら、楽屋を飛び出すうちと矢口。
289 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時39分07秒
「きゃっっ」
 あ、圭坊、ごめんなっっ。
 でもちょっと急いでるねん、またなっっ!

「今日という今日は許さんで〜〜っっ!!!!」
 後ろからみっちゃんの声が追いかけてくる。

 何やねん、何でこうなるねん。
 ドタバタと廊下を全力疾走しながら。
 うち、何か悪いことしたか?

 ・・・・・・・・・・・。

 してる気がする・・・・・・・・・・。

 まぁええわ。
 隣りにちゃんと矢口おるし。
 松浦にちゅ〜したのもうやむやになりそうやし。

 怒ったみっちゃんも怖いけど。
 やっぱり、矢口怒らせるのが一番怖いからな。

 しゃ〜ないやん、惚れた弱みや。
 あんまり怒らせんようにするからな。
 ずっとうちの横で笑っといてな。

 ぎゅっとうちは矢口の手を握り締める腕に力入れた。
290 名前:楽屋の日常 投稿日:2002年09月12日(木)23時39分52秒
ーーーーーーーーーーー

「・・・・・・・・・・・な〜にやってんだか」
 中澤の楽屋の前で保田は一人呟いた。
 まぁ何があったかはだいたい想像できるけど。

 さっきの衝撃で落としてしまった文庫本を拾い上げる。

 あまりにも娘。の楽屋がうるさいので、中澤の方の楽屋に避難しようと思ったけど。
 こっちもこっちでうるさかったみたいだね。

 ん〜でも。
「とりあえず、うるさいのもいなくなったし、ゆっくり読書でもするか」

 パタン。
 悠然と保田は中澤の楽屋で読書を始めるのだったーーーーーーー。
291 名前:つかさ 投稿日:2002年09月12日(木)23時44分39秒
はい、終了っす〜♪
コメディのつもりで書いたら・・・・「やぐちゅ〜」と友達にきっぱり断言
された(遠い眼)

ん〜でも、平家さん書きやすかったな〜。
痴話喧嘩(? 笑)してる矢口と姐さんもめちゃめちゃ書きやすかった(笑)
さ〜てこれからどうしよ〜かな、とか思いつつ。
とりあえず、終了です。

たくさんのレス、ありがとうございました(ぺこり)
292 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月02日(水)20時11分13秒
いつも楽しいやぐちゅーをありがとうございます。
書き込む勇気がなくROM派なんですが・・・(w
更新が・・・ずっとお待ちしておりますm(._.)m
気が向いたら速めに更新して下さい(w
ファンより
293 名前:つかさ 投稿日:2002年10月06日(日)23時15分11秒
レスありがとうございます。
もうだいぶ待ってください^^;;;
すいません。
もうちょっと書きたいものはあるんですが。
どうしてもまとまらず。
ってか、前回の長編が・・・・・(苦笑)
やっつけになるのは嫌なので。
しばらく待ってください。
294 名前:つかさ 投稿日:2002年11月11日(月)23時13分02秒
ってことで、お久しぶりです。
ただいまっっ!!!(笑)
と思わず言いたくなりますな(笑)

ハイ、山ごもりから戻ってまいりましたってわけではないんですが。
新作、あげます。
登場人物は、中澤、矢口(変わらない面子 笑)そして。
今回はなっちが入ります。
某所では、tsunagiです、と宣言したのですが、ちと撤回(笑)
後、圭ちゃんが要所要所でいい味出すのではないかな〜と。

それでは、この話でも楽しんでいただければ、幸いです(ぺこり)
295 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月11日(月)23時17分10秒
 裕ちゃん。
 最初は、嫌いだった。
 苦手だった。
 ふざけてても、眼が笑ってなかったもん。
 メンバー愛のもとに仕掛けられるセクハラだって。
 しょうがなくやってんじゃん?
 結構冷めてたよ、矢口は。
 しょうがなくやってるか・・・・・・目立ちたい、それだけじゃんって。

 だってさぁ。
 わかるわけないじゃん。
 矢口、その時まだ、15歳だったんだよ?
 20超えたおばちゃんの考えることなんてわっかりませ〜ん。
 マジそう思ってたし。
 超うざかったし。
 礼儀とか、挨拶とか。
 反発しまくったね。

 いつからだろう?
 それが変わったのは。
296 名前:つかさ 投稿日:2002年11月11日(月)23時17分55秒
 あれは後藤が加入してきた頃だった。
 前に出れなくて。
 後藤の教育係ってので紗耶香がどんどん前に出ていって。
 矢口はまだ、もがいてたんだ。

 自然と、後藤に対して言葉もきつくなった。
 何で一人で入ってきてそんなにいいポジションについてるんだよって。

 矢口たちなんて、最初なんて本当にワンコーラスかツーコーラスとか。
 トークだって、ずっと後ろの席でさ。

『どしたんや〜?最近、元気ないやん』
 一人楽屋でいたら、裕ちゃんが来てた。
 わしゃわしゃって頭撫でられて。 
『何でもないよ。裕ちゃんには関係ない』
 冷たい声がでて。
 焦ったけど、なんかフォローする気にもならなくて。

 裕ちゃんは苦笑い、してた。
 駄々っ子見るような、大人の顔。
『関係ないから、もうほっといてよっっ!!!』

 八つ当たりしてる自分が情けなくて、そのまま矢口、部屋を飛び出そうとしたら。
『いかせへんで〜?』
 抱きすくめられた。
『な・・・・・・なにするんだよっっ?!』
297 名前:つかさ 投稿日:2002年11月11日(月)23時19分34秒
 自分の中のぐちゃぐちゃの感情が。
 行き場のない感情がこぼれだしそうで。
『放せよ〜〜〜』
 じたばたと暴れても、裕ちゃんの腕は離れなかった。
 優しかったんだ・・・・・・・・。

『・・・・・・・・逃げないから、放してよ』
 しばらくたって。
 裕ちゃんの腕の中でぽつんと呟くと。
『ん〜〜〜』
 ちょっと迷ったような声。
 そして。
 腕が緩んだと思ったら。
 今度は正面から抱きしめられていた。

『・・・・・・・・ど〜ゆ〜つもり?』
 結構強く抱きしめられてて。
 矢口の顔は丁度裕ちゃんの胸あたり。
 くぐもった声で聞くと。

『別に』
『何だよ、それ・・・・・・・』
 でも、裕ちゃんの腕の中、安心する。
 そう思ってたのも事実で。
 矢口もそっと背中に手、まわしたりなんかして。
298 名前:素人○吉 投稿日:2002年11月11日(月)23時20分16秒
ケメコー。

てか、これ、タイトルだったんだwww

もっとなっちゅーの絡みを。
299 名前:つかさ 投稿日:2002年11月11日(月)23時21分38秒
 しばらくずっとそうしていた。

『なぁ矢口』
 矢口を抱く腕の力が緩んだと思ったら。
 裕ちゃんが矢口の顔、覗き込んでた。
『矢口は矢口のままでいいねんで?』
 優しい眼だった。
『・・・・・・・・・・・』
 今、矢口が抱えてること。
 見透かされてそうで、矢口は俯いた。
『前に出ればいいねん。めちゃめちゃでもいいから、前に出んねん』
 ?
 裕ちゃんを見上げた矢口の眼は、きっと不安そうな眼をしてたんだろう。
 裕ちゃんは笑った。

『何のためにうちがいると思ってるねん?めちゃめちゃでもフォローしたるから』
 ・・・・・・・・裕ちゃんはそれでいいの?
『そしたら裕ちゃんが目立たなくなっちゃうじゃん・・・・・・・』
 矢口のセリフを裕ちゃんは鼻で笑った。
『アホか。うちは矢口が前に出て、目立たなくなるようなそんな存在ちゃうで?』
 自信たっぷりの笑み。

 今なら、強がり言うなってどつきものだけどさ。

 その時はそんなこと気付かずに。
 裕ちゃんの優しさに、甘えていた・・・・・・・・・・・。

 アナタは何処を見てる?
 そんなことを気にする自分が一番嫌い。
 大好きだけど、大嫌い。
 アナタの腕の中が大好きだけど、大嫌い。
300 名前:つかさ 投稿日:2002年11月11日(月)23時22分56秒
 あれからもう2年半。
 裕ちゃんがモーニング娘。を卒業して1年がたった。
 でも、裕ちゃんは相変わらず、矢口の側にいる。

 ねぇ、どうしてそんな顔で笑いかけてくるの?
 どうしてそんなに優しい顔をするの?
 「好き」なんて、そんなに簡単に言わないでよ。

 それとも。
 一度言っちゃえば、簡単になっちゃうの?

 アナタの好き、が純粋に嬉しくて。
 笑った日はいつだったのかな。

 大人なアナタはいつだって、余裕の顔して笑ってて。
 それを崩したいって思うのはワガママ?

 答えの出ない問題に眠れない夜を過ごすのは・・・・・・・・。
 もう、疲れたよ。

 でも。
 アナタが好き。
 どれだけ考えても。
 でてくる答えは一つしかない。
 卑怯でも。
 どんな方法でも。
 アナタと繋がっていたい。
301 名前:つかさ 投稿日:2002年11月11日(月)23時33分24秒
ってか、タイトルいれるはずのとこ、ミスってる^^;;
ってことで。
続きは明日更新します。

>>素人○吉
 ってか・・・・・・あげてる最中にレスすなっっ!!!
 なっちゅ〜は・・・・・・矢口さん視点の段階で諦めるべきだったね(笑)
302 名前:同板作者 投稿日:2002年11月11日(月)23時49分00秒
おかえりなさい!
待ってましたぁ〜!!
また、つかささんの小説が読めると思うと、すごくうれしいです。
「圭ちゃんがいい味」ってのも、密かに楽しみです(w
303 名前:たむ 投稿日:2002年11月12日(火)00時00分48秒
新作お待ち申しておりました。
のっけから矢口さんの独り言に勢い良く食いついてしまった(w
このまま釣り上げられてしまうんだろうなぁ・・(遠い目)
続き、メッチャ楽しみにしてま〜す!
304 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月12日(火)00時30分39秒
つかささん帰ってキター〜〜〜!!
待ちくたびれながら待ってました(w
PC_の前でテンションあがりまくり・・・
明日がくるのが楽しみです。
姐さん家畜ではなかったのですね(w
305 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月12日(火)00時33分52秒
>>304の訂正
鬼畜の間違いでした。(w
306 名前:隠れ読者 投稿日:2002年11月12日(火)22時21分34秒
作者さま、復帰心待ちにさせていただいてました。

307 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月12日(火)23時27分28秒
「・・・・・・・・・・・・ガラじゃないよね・・・・・・・・・・・・」
 ベッドの上でぽつん、と思わず呟いた独り言。
「どした?」
 風呂あがり。
 ガシガシと頭を拭きながら、ベッドルームに入ってきた人影に思わず苦笑い。
「別に?」
「ふ〜ん」
 大して興味もなさそうに。
「ドライアー使うで」
 そんな風に言っちゃうこの人は。

 やっぱり。

「・・・・・・・・ずるい、よねぇ・・・・・・・」

 矢口が眠れない夜を過ごしてるのなんておかまいなし。

『家、きぃや』
 収録が終わって。
 矢口の都合なんてお構いなし。
 ついてきちゃう矢口も矢口なんだけど。

 ベッドに寝転がったまま。
 眼を開けると。
 見慣れた天井。
 何だか自分の家にいるよりも安心できてしまう、そんな感覚に。
 やっぱり矢口は苦笑い。
308 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月12日(火)23時28分15秒
 何でこんな風になっちゃったのかな。

『なぁ、矢口。ええやろ?』
 初めてこのベッドで抱かれたのはいつだったんだろう?

 裕ちゃんがなっちと付き合ってるのを知りながら。
 それでも流されてしまった、抱かれてしまった矢口は・・・・・・・・・・。

「矢口?」
 いつの間にかドライアーを使い終わってたんだろう。
 裕ちゃんが、矢口の脇に滑り込んでくる。
 当然のように回されてくる腕。
「・・・・・・・・・何でもない」
 そっと腕の中にため息を吐くと。
 裕ちゃんがふっと息を吐いたのがわかった。

 何も言わずに額に落ちてきた優しいキス。
 裕ちゃんはそのまましばらく動こうとしなかった。

 腕の中は気持ちよくて。
 泣き出したいほどあったかくて。
 このままずっとこうしていたい。
309 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月12日(火)23時29分08秒
 ・・・・・・・・・でも。
「・・・・・・・・・・今日は何もしないの?」
 ぽつり、と矢口が呟くと。
「ん〜?だって矢口、今、そういう気分ちゃうやろ?」
 抱きしめられたまま、耳元で。
 当然のように返された言葉に、泣き出したくなった。

 どうしてこの人は、こんなに優しいのだろう。

 どうして、矢口がしんどい時に、当然のように隣りにいるんだろう。

『好きやで』
 抱きしめられる腕。
 優しい匂い。
 少し乱暴なキスだって、照れ隠しのように思えて。
『矢口〜〜』
 本当に無邪気な顔をして笑うこの人は。
 矢口のささいな変化を見逃さない。

 誰かに側にいて欲しいとき、裕ちゃんが側にいた。
『好きやで』
 その言葉に何度も救われて。
 いつの間にか、アナタに本当に惹かれてしまってもしょうがないと思いませんか?
310 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月12日(火)23時29分59秒
 次の日、矢口の方が家を出るのが早くて。
「今日も早いねんな〜」
 ベッドの中からくぐもった声に見送られ。
「過労死すんで?」
 あながち間違いでもないセリフに笑った。
「心配してるねんからな?」
 眠そうな顔がふっと真面目な表情に変わって。

「いってきます」
 そっと、唇にキスを落とした。
「今日も、来るか?」
 裕ちゃんの何気ない一言に、身体の動きが思わず止まった。
「・・・・・・・・・今日は、家、帰るよ。親も心配してるだろうし」
 うまく笑えてたかな?
 裕ちゃんはやっぱり心配顔のまま。
「矢口は、大丈夫だよ」
 小さくガッツポーズをしてみせると、裕ちゃんはふっと笑った。
「空き時間あったら、ここで寝ててええから」
 そっと頬をなでられて。
 無理せんでええからな。
 言外のそんな言葉を受け止めて。

「うん」 
 小さく笑って見せる。
「気、つけてな」
「もう、子どもじゃないんだから」
311 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月12日(火)23時30分53秒
「・・・・・・・・たまには、心配させてぇや」
 くしゃっと頭を撫でられて。
 何だか泣きそうになった。
 ストレートに、ストンって心の中に落ちた、裕ちゃんの言葉。
 あぁ、やっぱり敵わないな。
 別に、勝ち負けじゃないんだけどさ。
 こんな風な優しさが・・・・・・・・嬉しかったりする。

「ありがと」
 さっきよりは自然に笑えたような気がした。
「うん」
 そのままそっと、腰を抱き寄せられた。
 少し長めのキス。

「いってらっしゃい」
「いってきます」
 簡単な挨拶。
 いつもの、挨拶。
 寝起き悪いくせに。
 どれだけ眠そうでも、裕ちゃんは矢口が出かけるとき、必ず起きてる。

『仕事が別々なのはしゃ〜ないけど、せめて出かける時くらいは見送りたいやん?』
 冗談混じりのセリフだったけど、冗談じゃないのがわかったから。
 裕ちゃんが早く出かける時は矢口もできるだけ、起きてるようにしてる。
『別に矢口はええんやけど・・・・・・・』
『ヤダ』
 即答したら、何だか嬉しそうな、困ったような複雑そうな表情を浮かべてたっけ。
312 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月12日(火)23時32分00秒
「・・・・・・・・矢口〜?もう出かけなヤバイんちゃうん?」
 相変わらず、矢口の腰を抱いたまま。
 裕ちゃんがこつん、と額をぶつけてきた。
 あ。
 ブラウンの瞳がいたずらっぽく、矢口を真っ直ぐに見つめている。
 ちらっと時計を確認したら、出なきゃいけない時間をもう五分もオーバーしてた。
 やばい。

「も〜、遅刻したら、裕ちゃんのせいだからねっっ!!!」
「うちの顔に見惚れてる矢口が悪い」
 バタバタと部屋を出て行こうとする矢口の背中に余裕の裕ちゃんの声。
 う〜〜、時間があったら、一発どつくのに。
「アホ裕子〜〜っっ!!!」
 部屋を出る前に振り向きざまに叫ぶと、裕子は楽しそうに笑っていた。

 何だかな〜〜。
 ガチャガチャと慌しく鍵を閉めながら。
 急いでるのわかってたら、玄関くらい鍵しめといてくれてもいいじゃんっ。
 とかぶつぶつ思いながら。

 でも。
 楽しそうに笑っていた裕子の顔が頭をふっとよぎって。
 うん、今日も頑張れそうだ。

 ぽいっと裕子の部屋の鍵を鞄に放り込んで。
 走り出した矢口の頭上には。
 青い空が広がっていた。
313 名前:つかさ 投稿日:2002年11月12日(火)23時54分14秒
>>同板作者さん
 え〜と、結構一緒に続けて並んでる時期、多かったですよね?(笑)
 思わずこの話あげるときに。並んでるのが素直に嬉しくて。
 sage進行でいこうかな〜とか馬鹿なこと考えてたのは・・・・内緒にしといて
 ください(笑)

>>たむさん
 釣り上げる・・・・恐れ多いっす。
 いや、最近たむさんの作品読み返してて。いや、SEEKの中で自分の3本指に入る
 くらい好きだな〜と。再確認してました。
 釣り上げられてるのは自分の方ですっっ!!(笑)

>>名無しさん
 え〜と。鬼畜姐さんじゃないかどうかは・・・・・・まだ、この後のお楽しみ
 ってことで(笑)自分の中では、この話思いついた時。
 普通に姐さん鬼畜っっ!!と心の中で叫びました(笑)
 まぁ、ちなみに。
 自分、この話、コメディだ、と思って書き始めた大きな勘違い野郎ですけど(笑)

>>隠れ読者さん
 はい、マジで復帰できるか、心配になった時期もありましたけど・・・・(笑)
 待っててもらえて嬉しいっす^^
314 名前:つかさ 投稿日:2002年11月12日(火)23時55分58秒
 な〜んかやっぱ、レスが来ると復帰してよかったな〜ってしみじみと思いますね
(ちと感慨)
 にひたってる暇もないですけど(笑)
 ってかこのレスに全部収まりきるかと思ってたんですが・・・・スレッドサイズ、
 ちとやばいっすね(汗)
 新スレたてるかは、まぁ様子見ってことで・・・・。
 あなたのそのレスが新スレを産みだすかもしれないっっ!!
 ってのは冗談ですが(笑)

 続きは明日更新します。
 少量です^^;;
315 名前:読者 投稿日:2002年11月13日(水)02時17分18秒
やっぱりやぐちゅーイイ!!
甘えん坊矢口イイ!!
母性の裕子イイ!!
新スレ生み出してやる(w
少量でも更新してくれたら毎日が癒される〜!!ムリしない程度に頑張って下さい(w
316 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月14日(木)00時16分46秒
「矢口〜〜、どうした?今日は遅かったべ?」
 集合時間ぎりぎりに楽屋に飛び込んだ矢口。
 メンバーはもうほとんど・・・・・・、後藤を除いては集っていて。
「いや〜、ちょっと寝坊しちゃって」
 なっちの問いかけを矢口はさらっとかわす。
 さすがに、なっちの前で裕ちゃんの名前を出すのはまずい、という矢口なりの配慮
だったりするのだが。

 なっちはすっと矢口の脇を通り過ぎざまに。
「・・・・・・・・裕ちゃんの匂い、する」
「・・・・・・・・・・・・・」
 思わず矢口は固まる。
「・・・・・・・・・・・うん、泊まってたから」
 普通の声が出せただろうか?
 ってか、昨日は本当に何もなかったんだけれど。
「・・・・・・・・ふ〜ん」
 なっちは何も言わずに矢口を見つめた。
 微妙な、何だか泣き笑いの表情。
 一瞬だったけれど。
「裕ちゃん、寝かせてくれなかったのかい?」
 一瞬の表情が嘘のような楽しげな口調。
 いつもの笑顔にほっとするものを感じながら。
「いや〜もう、裕子のアホ、激しいからさ〜って何言わせるんだよ〜〜!!」

 キャハハハハ。
 そう笑う矢口の笑顔にも、なっちの笑顔にも曇りはないように見える。
317 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月14日(木)00時17分32秒
「ねぇ、矢口・・・・・・・・」
 ひとしきり笑った後。
 なっちが思い切ったように口を開いた。
 え?
 珍しく真面目な表情。
「なっちさ」

「ごめん、遅れた〜〜っっ!!!」
 楽屋に飛び込んできた後藤の声でなっちの声は、かきけされた。
「も〜〜、あれほど遅刻は駄目って言ったでしょ〜〜!!」
 圭織の声。
「でも、大遅刻じゃないから・・・・・・」
「ご〜〜と〜〜お〜〜。
 遅刻は遅刻、遅刻は駄目なのっっ!!」
 相変わらずの二人のやりとりをメンバーは笑って眺めている。

「なっち?」
 さっき、なっちが言いかけたことが気になって。
 矢口はこっそりと、なっちを肘でつついた。
「・・・・・・・・何でもないべさ。それより、全員揃ったし、そろそろ準備しないと」
 矢口の眼を見ずになっちは、矢口の側を離れる。
「・・・・・・・・・・・・」
 何も言えずになっちの後姿を見送りながら。
318 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月14日(木)00時18分27秒
 ごめん、なっち。
 そりゃ・・・・・・嫌、だよね。
 自分の付き合ってる相手のとこに泊まった、なんて言われたら。
 心配になるよね。

『なっち?うん、付き合っとるよ』
 白々しくそんなこと言いながら。
『でも、矢口のことも気になるねん』
『そ・・・・んなの、駄目じゃん』
 弱くしかでなかった否定の言葉。
 大人なあの人は。
 ずるい言葉を口にした。
『矢口、うちのこと嫌い?』

『・・・・・・・・・・・・・』
 沈黙でしか答えられない矢口を。
『なぁ矢口。好きやで・・・・・・・』
 逆らえるわけ、なかった。
 その時、その一瞬だけでも。
 本気でそう言ってくれるのかもしれない、そう思った自分は。
『なぁ矢口、ええやろ?やらせてぇや』

 誰よりも酷いセリフを吐くくせに。
 抱きしめてくれる腕は誰よりも優しかったんだ・・・・・・・・・・・・・。

「矢口、何ほうけてるのよ?」
 しまった。
「え〜、そんなことないよ〜」
 圭ちゃんが不信気な眼を向けてくる。
「矢口はいつでも元気、全然大丈夫っっ!!」
「壊れた?」
「圭ちゃん、ひどいよ〜」
 ケラケラと笑いながら。
 でも、穏やかな、そんな毎日・・・・・・・・・・。
319 名前:つかさ 投稿日:2002年11月14日(木)00時23分09秒
>>読者さん
 甘えん坊矢口に、母性姐さん。
 確かに言いえてるかも・・・・・と思っちゃいました(笑)

 まぁちょっといろいろ考えたのですが。
 このスレ終わったら新スレ立てます。
 多分、同じ紫っす。
 ただ、すげ〜きりの悪いとこでスレッド終わっちゃう気はしつつ^^;;
 ついでに、多分、この話は中編くらいで終わると思います。
 ってか、終わってね・・・・・・(遠い眼 笑)
 書き上げたら連日更新いきます。
 ただ、書き終わってないもので・・・・すいません、次の更新は来週月曜日です。
320 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月14日(木)00時42分59秒
お帰りなさい。
月曜日楽しみにしてます
321 名前:同板作者 投稿日:2002年11月14日(木)02時00分41秒
なっちの言いかけた言葉が気になる〜!
ごっち〜ん、あと5分遅刻してくれれば…(w

>結構一緒に続けて並んでる時期
ありましたよね〜!
自分も嬉しかったです。
今回の更新の際、ageちゃえばまた並ぶ、と考えたことは・・・・内緒にしといてください(w
322 名前:たむ 投稿日:2002年11月16日(土)23時19分53秒
自分も“新スレ立てて貰い隊”の一員になります!
そして気付けば釣り上げられて、すでに鉄板の上・・・。
こういうtsunagiも良いですね〜月曜を心待ちにしております。
323 名前:読者 投稿日:2002年11月18日(月)21時14分44秒
今日は月曜日〜♪
待ちどうしかったです。(w
324 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時08分00秒
 ハロモニの収録日。
 今日は、会えるんだよね。
「矢口、元気しとったか〜〜?」
 廊下に張り出されてる収録のスケジュールをぼんやりと眺めてると。
 背後から抱きついてくる感触と、声。
「な、何するんだよっっ?!」
 思わず声、ひっくり返っちゃった。

「何、おもろい声、出しとるねん」
 クスクスと笑い声。
「裕子が驚かすからだろ〜〜」
 それに、おとついも会ったばっかりで、元気かどうかもあったんもんじゃないじゃん。
 裕子の腕が離れて、矢口は、満面の笑みで振り返って。

 ・・・・・・・・・あ。
 なっち。
 裕子の脇に、しょうがないな〜って呆れ顔のなっちがいた。
「・・・・・・・・・・・」
 思わず沈黙してしまった矢口。
 でも。
「今日は収録、一日やねんな〜。一日矢口と一緒、嬉しいな〜〜♪」
 本当に嬉しそうに笑顔の裕ちゃん。
325 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時08分40秒
 そんなのなっちがいる前で言っていいんですかい?
 思わず心の中で突っ込む。
 まぁどうせこの人は、気にしちゃいないんだろうけど。
 なっちは拗ねるんじゃないの〜?

 とか思ってたら、案の定。
「なっちと会った時はそんなのゆってくれなかったべさっっ!!!」
 なっちが裕ちゃんに抱きついた。
「あ〜、嬉しい、嬉しい、なっちと一緒なんも嬉しいわ〜」
「裕ちゃん、それ棒読みっっ。何かむかつくべさっっ!!」
「何だよ、二人ばっか絡むんじゃない、矢口も混ぜろ〜」

 わいわいやってると。
「あんたたち、うるさいわよっ!!」
 娘。の楽屋から圭ちゃんが顔を出した。
「「あ、ごめん」」
 矢口となっちは思わず首をすくめたんだけど。
「あ、圭坊やん♪」
 懲りてない人一人・・・・・・・。
 そこで圭ちゃんに抱きつきに行く?
 な〜んか、矢口となっちの立場って・・・・・・・?
326 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時09分34秒
「も〜、いくらなっちと矢口に会えたからっつってもはしゃぎすぎだよ」
 抱きつかれて、さすがに圭ちゃんも苦笑い。
 ってか・・・・・・・・圭ちゃん、妙に嬉しそうじゃない?

「「・・・・・・・・・・・・」」
 思わずなっちと顔を見合わせる。
 これはもう、いくっきゃないっしょ?
 眼で合図すると、なっちもうんうん、と大きく頷いてくれた。
 んじゃ、遠慮なく。
「「圭ちゃん、ずるいっっ!!」」
 二人で裕ちゃんと圭ちゃんにタックルしてみた。

「あ、あんたら重い・・・・・・・」
「何それ、失礼だべさっっ!!!」
「矢口そんなに重くないもん!!!」
 ま、悲鳴あげたのは案の定、裕ちゃんで。

「・・・・・・・あんたたち・・・・・・・ど〜して私には抱きつかないのよ・・・・・・・」
 圭ちゃん、ごめん。
 正直な気持ちってことで。
「矢口、あんた今、すっごい私に失礼なこと考えたでしょ?」
 あは、ばれた?
 裕ちゃんに抱きつきながら、とびっきりの笑顔を圭ちゃんに向けてみる。
「・・・・・・・・・・誤魔化してるんじゃないわよ〜〜!!!」
327 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時10分21秒
 結局。
 ミイラとりがミイラってか。
 スタッフさんに怒られるまで、四人でじゃれあってた。

「んじゃ、また後でな」
 ふわり、と笑って、裕ちゃんが矢口たちに背を向けた。
 あ・・・・・・・・何かやだ。
 一瞬、凄く寂しくなった。
 思わず追いかけそうになって。
 寸前のところで止まる。
 ちらっとなっちを見ると、なっちも何だか切なそうな顔。

「「・・・・・・・・・・・・・」」

 なっちと矢口の眼があう。
 一瞬の緊張した雰囲気。

「あ、裕ちゃん」
 その雰囲気を破ったのは圭ちゃんだった。
「ん?」
 ひょい、と裕ちゃんが振り返る。
「今日、これで仕事終わりでしょ?終わったらちょっといいかな」
「うん、え〜けど・・・・・・」
 怪訝そうな裕ちゃん。
「んじゃ、また後でね。矢口、なっち、行くよっ」
328 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時11分07秒
 え?
 何それ。
 ずるずるとなっちと一緒に圭ちゃんに引っ張られながら。
 ちらっと裕ちゃんの方を見ると、まだ首をかしげながら、こっちを見ていた。
 眼が合った。
 そう思った瞬間、裕ちゃんは柔らかく微笑んだ。
『頑張れ』
 口パクで。
 そう言ってくれた。

 えへ。
 それだけで機嫌良くなっちゃう矢口も矢口だけどさ。
 ついでに、なっちも機嫌が良かった。
 もしかして、裕ちゃんが頑張れって言ったの、なっちにかもしれないけど。
 ・・・・・・・・・・それでもいいんだ。
 矢口はそれで嬉しいから。
329 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時12分01秒
「・・・・・・・・・・・」
 その日の晩。
 矢口は携帯とにらめっこしてた。
 ・・・・・・・いや、好きでやってるわけじゃ勿論ないんだけど。

『終わったらちょっといいかな?』
 圭ちゃんのあの言葉から察するに。
 飲みに行ったんだよね?
 ってか、確実にあの二人だったら、飲みにいくはず。
 ・・・・・・・・・・・・。
 まだ、飲んでるのかな。
 ってか、圭ちゃんの用事ってなんなんだろ。
 もしかして、あの二人も・・・・・・、そういう関係ってことはないよね???
 裕ちゃんの部屋。
 ・・・・・・・・・・ベッドルーム。
 別に、裕ちゃんは矢口のものじゃないし。
 別に、関係ないじゃん。
 裕ちゃんが何しようと。

 ・・・・・・・・・・だって、矢口と裕ちゃんはただのセフレでしょ?
330 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時12分58秒
 自分で思って何だか涙がこぼれそうで。
 矢口は携帯をぎゅっと握りしめた。

 さっき鞄を片付ける時に、何となく置いた裕ちゃんの部屋の合鍵が寂しそうに机の上に
ぽつんと一つ。

「はぁ〜〜〜〜」
 盛大にため息をつくと、そのままベッドにダイブする。
 まだお風呂入ってないけど、もうこのまま寝ちゃおう。
 もうこれ以上、何も考えなくて済むように。
331 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時13分39秒
 pipipipipipi。
 ん?
 もう朝?
 何かが鳴ってる。
 もぞもぞと布団の中から顔を出すと、まだ部屋は暗くて。
 携帯が、軽やかにメロディを奏でていた。

 ディスプレイには・・・・・・・・・。
 珍しいね、電話してくるなんて。
「もしもし」
「矢口?」
「・・・・・・・・矢口の携帯にかけてきたんだろ?」
「うん、そ〜やけど。もしかして寝てた?」
 そんなに寝起きっぽい声は出してないんはずだけど。
 相変わらず何か、矢口のことには鋭いね。
 そんなに大したことじゃないんだけど。
 こ〜ゆ〜ことに気付いてくれるのってちょっと嬉しいかも。
「ちょっとね」
「あ、ごめん」

 裕ちゃんは『ごめん』っと言った後、少し黙り込んでる。
 その沈黙が少し、心地よくて。
 でも、このままじゃ、電話、切れなくなっちゃうよね。
332 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時14分25秒
「どうしたの?」
 思ったより優しい声がでてしまった。
「ん〜〜」
 裕ちゃんはちょっとくぐもった声で、困ったように笑った。
「いや、別に何の用ってわけでもないんやけど」
「何だよ、それ」
 笑って返すと。
「今日、圭坊と飲みに行ったやん?」
「うん」
 裕ちゃんの声が耳に心地いい。
「矢口、気にしてるかなって思って」
「・・・・・・・・・何だよ、それ」
 今度はうまく笑えなかった。
「ん〜〜うん、いや、そ〜思ってんけど。
 矢口、寝てたみたいやし。勘違いやな、ごめんな、寝てるとこ起こして」

 本当に困ったような声。
「ホンマは今日、家来てるかな、とも思っててんけど、来てなかったし・・・・・・」
「そんなに毎日毎日行けるはずないだろ?」
「・・・・・・・・そうやな。ごめん」
333 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時14分55秒
 矢口の言葉に、裕ちゃんは寂しそうに笑った。
 何となく、気配でわかった。
 携帯を握りしめる手に力がこもる。
「ゆ・・・・・・・」
「あ、矢口、悪い、電話きた。そろそろ切るわ」
 裕ちゃんの後ろで、電話が鳴ってるのが聞こえた。
「・・・・・・・・・うん」
「・・・・・・・・・・」
 1、2秒の沈黙が落ちた。
「矢口、好きやで」
 唐突な裕ちゃんの言葉。
「な・・・・・・・何言ってるんだよっっ!!!」
 焦る、気持ち。
「ん〜、何や元気ない気がしたから。ちゃんと寝るんやで?おやすみ」
「・・・・・・・裕ちゃん」
「ん?」
 裕ちゃんの後ろで鳴ってる電話の音。
 早く切らなきゃって焦る気持ち。
 でも。
「また、家行ってもいい?」
「当たり前やろ?いつでもおいで」
 即答された言葉に、やっと素直に笑えた。
「ありがと、あんまり長電話しちゃ駄目だよ?おやすみ」
334 名前:ホントウの理由 投稿日:2002年11月18日(月)23時15分36秒
 切れた電話見つめて。
「お風呂入ってこよ」
 パタン、と携帯を閉じた。
 もしかして、なっちにも電話かけてるのかもしれないけど。
 それでも。
 気づかって電話、くれたのがこんなにも嬉しい。

 優しさって罪だな〜とか思った時期もあったけど。
 今は違う。
 アナタのそんな優しさに甘えて。
 それが、歩き出せる力になれるのであれば。

 それでも。
 歩いていく道が、アナタと一緒であればいいってのは。
 強く思うけれど・・・・・・・・・・・・。
335 名前:つかさ 投稿日:2002年11月18日(月)23時27分12秒
>>名無しさん
 おかえりなさい、が素直に嬉しいっす♪ただいまですって威張ってみる(w

>>同板作者さん
 そう、いいとこに気付きましたね・・・・(ニヤリ)<なっちの言いかけたセリフ
 しかし、当分その言いかけたセリフはでてきません。ある意味焦らし(笑)

>>たむさん
 鉄板の上・・・・焼いて喰って喰われて焼いて〜♪
 こういうtsunagiしか思いつきませんでした(笑)
 この話、別の人視点、もしくは三人称にしたら絶対違う話になること間違い
 なし、とは思いつつ(笑)

>>読者さん
 いや、お待たせしました・・・・こっちも更新したくてうずうずしてました。
 なら早くしろよって突っ込みはなしで(笑)

ってことで更新しました。
終わりは見えてるのですがなかなか書くスピードがおっつかず。
え〜と、連日更新は・・・・まだ無理っす(ちょい汗)
とりあえず、次回更新は木曜日っつ〜ことで。
次は多分新スレッド立てるんで、怒涛の更新、といきたいですな(他人事 笑)
336 名前:つかさ 投稿日:2002年11月21日(木)23時15分18秒
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/purple/1037888037/

新スレたてました。

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