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ワガママ−恋と気付いたその後−

1 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月22日(土)23時33分47秒
あまり見かけないなちごまりを書きたいと思います。
といってもそこまでなちごまりではないかもしれません。
萌え〜も、エロ〜もありませんが、それでも宜しければお付き合い下さいませ。
感想や助言、文句等、何でも頂けると嬉しいです。
どんなことでも構いません。
宜しくお願いいたします。

あ、更新は、遅くはないです。目標は毎日更新!!
2 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時35分46秒
「ごっちん〜今日泊めてくんな〜い?」

「んあ?良いよお明日早いもんね。」

「さんきゅ。」

「あ、ごっちんなっちも泊まって良い?」

「んあ?なっちのが家近いじゃん。」

「そうだけど〜楽しそうだもん。駄目?いいっしょ?」

「ぜーんぜんオッケーだよ。ふたりともおいでよ。」

「「さんきゅー」」



紗耶香が辞めてもう半年。

淋しいなんていってらんないほどに忙しくて、ただがむしゃらに働いていた。

忙しくすることで淋しさを紛らわしていたんだと思う。

うちら3人――いつも仲良くてバカやってた。楽しかったよね。
3 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時36分58秒
「ごっちんの部屋ほんとに広いよね、・・・ま、いつも散らかってるけど。」

「そぉれは言いっこナシだよお!寝れたら良いの!お風呂沸いてるみたいだから
入っておいでよ。」

「どうする?矢口先入る?」

「やー・・・なっち先入りなよ。矢口家に電話するし。」

「そ?じゃあ先にもらおうかな。」


矢口は忙しくすることで紗耶香が居ないってことの淋しさを紛らわせてた。

ごっちんはなかなかそれが出来なくてずっと泣いてたよね。

なっちとふたりで励ましたり遊びに連れていったり・・・大変だったっけ。

今はこんなに落ち着いて見えて明るいけど、ほんと、大変だったんだよね(笑)



「なにぃ〜?さっきから人の顔みて笑ったり難しい顔したり〜感じ悪いよお?やぐっちゃん〜」

「あははっそんな顔してた?ごめんごめん。」

「なに考えてた?」

「やー・・・ごっちん大人になったな、と♪」

「なにそれ!!後藤はずっと大人です!!」

「15歳の子供が何言ってんの!」

「やぐっちゃんの方がおこちゃまに見えるって〜」

「こらぁ!」
「あはっ」



そうそう、そうやって無邪気に笑う顔がごっちんらしくて良いんだよ。
4 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時37分47秒
「お先〜」

お風呂を終えて安倍が後藤の部屋へと戻って来た。
顔を火照らせて手団扇をしながら髪をオールバックにしている。


「っしゃ、次矢口もらうね〜」



「なっちなんかそれ新曲のセットみたいだよ。」

「へ?ああこれっしょ?最近お風呂上りはコレなの。曲のイメージ沸くからさぁ」

「はー・・・なっちってほんと普段からエライよね。感心するよ後藤。」

「そかな?でもごっちんも曲とかダンスとかすぐに覚えてエライじゃない。」

「やぐっちゃんには負けるよお」

「矢口は早いもんね。」



ごっちん、明るくなったね。

昔も子供らしくて明るかったけど紗耶香が辞めてから変わったもんね。

心配だったよなっち。何を言っても泣き止まなくて笑えなくて・・・

頑張ったよね。エライよ、ごっちん。
5 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時38分41秒

「あっ後藤さぁお布団用意するからテレビでも見てなよ。」

「ありがと。」





カチャ

「ふぃ〜あっついあっつい〜気持ち良かったぁ〜」

「おかえりーやぐちー。」

「ごっちんは?」

「なっちたちの布団用意してくれてるよ〜」

「そっか。」



なっち、紗耶香は居なくなっちゃったけど、うちら3人、いつまでも仲良くやっていけるよね?
矢口だけじゃないよね?なっちやごっちんとずっとこうやって仲良くしたいって思ってるの。



「・・・ね、なっち――」



「よいしょ。あっやぐっちゃん出たんだ。じゃあ後藤も入ろうかな。」

「ごっちん。あとは矢口達で敷いとくから良いよ。」

「んあ、お願い。」



なっち呼んだの聞こえなかったかな?・・・ま、いっか。
6 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時40分02秒
布団を敷いて後藤が戻ってくるまでの間、並んでずっとテレビを見ていた

自分たちが出てくる番組もあったり、ほのぼのしていた。

――と、その時安倍がぼそぼそっと言った。



「・・なっち・・・矢口やごっちんとずうっとこうやってたいな。」



「・・・え?」

それってさっき矢口が思ったことじゃん。



「なんていうのかなー・・・なっちたち、紗耶香も入れて4人で仲良かったっしょ?

紗耶香が居なくなって、ごっちんがさ、大変だったときとかうちら頑張ったっしょ?

べつにさーなっちも矢口も見返りが欲しかったわけじゃないもんねぇ?

ただ、ごっちんが気の毒で、ごっちんが泣いてるのメンバーとして友達として

ほっとけなかったからだもんね。なっちはさ、矢口やごっちんとずうっとこうやって

友達で居たいなぁって思うよ。」


「矢口も。実はさっきおんなじこと思ってた。矢口もなっちやごっちんとずっと

友達でいたいな。」



「へへへ。」
「えへへ。」
7 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時40分53秒
「なっちたち、ごっちんのお姉ちゃんだもんね、見守ってあげようね。」

「あったりまえだよ!でもま〜一番しっかりしてるのは矢口だけどね♪」

「なっちに決まってるっしょ。」

「ちーがーう。」


「後藤に決まってるじゃん。」


「「?!」」


矢口達が話していると後藤がお風呂から上がって部屋に戻って来たのだった。


「ごっちん何時からそこに居た?」

なんとなくやだな〜紗耶香の話題だったし・・・
もういけるとは思うけどでもな〜


「“ずっと友達で居たい”ってとこからかな。」

「げえぇ?!なんだよー恥ずかしいじゃんかー。」

そっからか。


「なんで?後藤だってそう思ってるもん、みんな同じ気持ちで嬉しい。」



「「・・・」」
8 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時41分55秒
「後藤が一番大人なのは認めるっしょ?」

「はあ?!矢口だっつうの!」

「なっちだってば。」

「何言ってんだ童顔のクセに。」

「うわっ矢口ひどーい・・・矢口だってちびのクセに。」

「なんだよっ大してかわなんないってーの!!」





「・・・どっちもどっちだね。やっぱり後藤だね。」





矢口たち3人はほんと仲良いんだ。

それぞれ不仲だって週刊誌や世間でまことしやかに書かれてるけど実際はそんなの

カケラも感じないほどに仲良いんだよね。どこをどうやったらそうなるの?ってぐらいね。

矢口たち3人はしょっちゅう食事だって一緒にとったしホテルの部屋も一緒だったし

・・・仕事でこんな友達が出来るなんて、って思ってたっけ。


うちらみんな“良い友達”そう思ってたよね。
9 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時45分46秒
「矢口さんって安倍さんやごっちんと仲良いですよねぇ?ずぅっと前からそうなんですか?」

「そうだね。紗耶香も入れて4人で良く遊んでたからね。」

「そうかぁ〜良いなぁ〜・・・」

「なんで。よっすぃーもごっちんとは仲良いじゃない。プッチだし。年も一緒だし?」


「・・・いや〜そうなんですけど・・・」

「?なんか問題あるわけ?」

「や、仲良いんですけど矢口さんたちには敵わないなーって思って。」

「そ〜お?」


「・・・変なこと聞いても良いですか?」

「ん?言ってみて。」

「はい――・・・・えっと、3人って友達ですか?それとも恋愛感情あるんですか?」

「っへ?」
なんてった?今、よっすぃー・・・

「な、なんて?もっかい言って。」


「あ、いやだからですね〜ずうっと仲良くいれるのはお互いに恋愛感情が

 ないからなのかなって思って。誰かが誰かを好きだったら気まずくなったり

 しそうなもんじゃないですか、こういうのって。

 や、答えにくかったら良いんですよぉちょっと気になっただけだし。」
10 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時47分28秒
友情・・・だよね?恋愛感情だって?!そんなの・・・・考えたことも無いよ。


「友情だよ。みんなそうだと思うけどなぁ」


「・・・そうですか。ほうほう。変なこと聞いてすいません〜」

「んや、良いよ別に。」




それから1ヶ月が経ち、『BABY!恋にKNOCK OUT!』が発売された今日――

よっすぃーとごっちんが付き合いだした。


なんで知ってるかって?

よっすぃーが言って来たから。


『ごっちんに告白しました。OKもらいましたあはあとはあと』ってね。

よっすぃーがごっちんのこと好きだったなんて初耳だったしかなり驚いたよ。


でも、そんなことどうでも良かった。


そんなことよりもただ淋しかった。


なっちとも言ったけど、ごっちんちょっと冷たいんじゃないの?って感じ。

うちらずっと友達だよって、ずっとこうやって仲良くしてたいって言ってたじゃん。
11 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時48分14秒
別によっすぃーと付き合うことを反対するわけじゃないんだよ。

ただ、どうしてそうなる前に一言も相談してくれなかったのか。

聞いたらよっすぃーは一ヶ月も前からアプローチしてたって話じゃんか。

正直腹立った。

今までのうちらはなんだったの?って感じ。

なっちもそれは一緒だった。



でも・・・数日して、腹が立った理由がそこにないってことに気がついたんだよね。


お互いに言わないけど・・・矢口も、・・・なっちも、・・・ごっちんのことが好きだったんだよね。

ずっと友情だと思ってた。よっすぃーに聞かれた後もずっとそう思ってた。

二人が付き合って初めて違う、友情じゃない、恋愛感情を持ってたんだ

――そう気付いた。

それでごっつぁんが矢口たちから離れたことが悲しかったんだ。

どうしていつも一緒に居たうちらじゃなくてよっすぃーを選んだのか。

それが悔しくて・・・悲しかった。

そしてどうしてごっつぁんの口からそのことを聞けなかったのか。

それがどうしようもなく悲しかった。
12 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時49分11秒
「でもですね、みんなには内緒です。矢口さんと安倍さんにだけ教えます。」

「――なんでなっちとやぐち?」


「え?だってごっちんと一番仲良いから・・・ああそうかあ!私から言わなくても

 ごっちんから聞きますよね?そっか、ばかだな〜私って。

 ごっちんに好きって言ったけど好きって返してもらったわけじゃないから

 ・・・両想いになれたら――そのときはみんなにも言います。」


「そっか・・よっすぃーってごっちんのこと好きだったんだね。なっち全然気付かなかったよ。」


「へへへっずっと好きだったんです。仲良い3人見てて羨ましいなぁってずっと思ってて

 ・・・言って良かったなって♪」



「・・・うん、頑張ってよ。」

「どうもです!」
13 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月22日(土)23時49分51秒
ごっちん、なっち、ごっちんのことが好きだったみたい。

ずっと一緒に居たけど全然気付かなかったよ。

ずっと友情だと思ってた。

ごっちんのお姉さんだーって勝手に年上ぶってごっちんのこと妹だと思って見てたから。

なっちや矢口に仕事中のごっちんじゃない、15歳のごっちんを見せてくれていたことを

本当に嬉しく思ってたよ。

可愛い妹だなぁ良い子だなぁずっとこうやって見てたいなぁ――そう思ってた。

なっちたちから離れて初めてごっちんのことが好きだったって、なっち・・・気付いちゃった。


でも今更遅いね。どうすることも出来ないね。
14 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月22日(土)23時50分55秒
という感じで始まりました。
視点がころころ変わって見にくいかと思いますm(__)m
宜しくです。
15 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月23日(日)00時27分09秒
うわっ…めちゃめちゃツボです(w
なちごまりという設定だけでかなり萌え〜。
更新頑張ってください。
16 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)21時58分18秒
『ごっちん、今日ちょっと話したいことがあるんだけど仕事終わったらさ、

 ちょっと良い?』



よっすぃーは後藤と同い年で明るいし話しやすいしなんか学校の友達って感じ。

ずっと同じユニットでやってて、それなりに仲良くしてたけど最近は特に

仲良くなったって感じるね。いっぱい話しかけてくれるしおもしろいし。

やぐっつぁんたちとはまた違った感じで良いな。



『寒い〜っよっすぃー屋上なんかで話するの?冬だよ〜?』


後藤の言う事聞こえてないって顔して下を俯いてしまっているよっすぃー。

話があるんじゃなかったの?

寒いよココ。2月だよ?凍えちゃう〜
17 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)21時59分37秒
『あの・・・さ、』

『んあ?』


『・・・ごっちんって矢口さんや安倍さんのことどう思ってる?』


『んあ?』


『――っきなの?』

『ごめん、聞こえなかった〜もっかい言って?やぐっつぁんたちがなんだっけ?』


『好きなの?!』


んあ?好きって何が?

『どういうこと?』

『だから・・・その・・・矢口さんや安倍さんに・・・・・恋愛感情持ってる??好き?』


あぁ、そういうことね。って!!友達だっての。

ていうかていうかもしかしてもしかしてよっすぃーってやっぱり後藤のこと?!


『・・ないよそんなもの。考えたことも無いよ。』

『(ほっ)そっか。・・・じゃあ・・・私は?』


ほえっ?よっすぃー??・・・・

『よっすぃーも、友達だとおも・・・ってるけど・・・。』
18 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時00分39秒

『・・・私はさぁ!!・・・好きだな、ごっちんのコト。』



『・・・え?』

『娘。入ったときから、ずっと好きだったの。付き合って欲しい。』




『・・・でも友達だと思ってたから・・・』

『友達でもいーよ!少しずつ見てくれたら良いから、・・・付きあってよ。』



よっすぃーのこと、嫌いじゃないよ、嫌いなんかじゃない。

ほんと楽しい友達だと思ってる。

ずっとバカやっていきたいなって、バカやれる友達だって思ってる。

でも、恋愛感情なんてなかったよ・・・

でも気まずくなんてなりたくない。




だったら後藤は・・・・・・・・・断るわけにはいかないよ。
19 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時01分25秒
『・・・ごっちん?駄目かな?』


『友達からでも良いの?今はまだ恋愛感情なんてないよ?』


『!!良い!全然良いよお!OKしてくれるの?!』


『・・・うん。』

『やったあ!!ありがとうごっちん!!』


嬉しさのあまり吉澤は後藤に飛びついてぎゅっと抱きしめた




うわぁなんか意識しちゃうよお〜




やぐっちゃんたちになんて言おう?

びっくりするよね、急によっすぃーと付き合うだなんて言ったら。

でもあのふたりのことだから喜びそうな気がするね。

でも・・・好きでもないのに付き合って・・・本当に良かったのかな・・・?



良かったんだよ・・・、ね?
20 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時02分38秒
「やぐっちゃんとなっち、今日帰りにご飯食べて帰らない?」

「今日?矢口は良いよお。」
「なっちも。」

「じゃあ決まり!報告することもあるし、仕事終わったら宜しくね〜。」

そして後藤は吉澤と一緒に楽屋から出て行った。



「・・・なんの話だろーね。」

「・・・ね。なんとなく、やぐち、泣くっしょ。」

「ばーか!なんで矢口が泣くのさなっちの方が泣くよお絶対。」


「・・・なっちは泣きそうかも。」
「なっち・・・。ほんとは矢口も・・・ちゃんと最後まで聞こうね。」

「うん・・・」





「・・・でね、急で驚いたかもしれないけどよっすぃーと付き合うことにしたの。」



その言葉を聞いたのはよっすぃーに聞いてから一週間経った時だった。

ユニット活動ばかりでなかなか会えなかったかもしれないけど、

本人の口から先に聞きたかったよね。よっすぃーだって会えないのは一緒だもん。

ごっちんがよっすぃーのこと好きなんて知らなかった。

ふたりは友達だと思ってたから。

ま結局強がってうちら泣かなかったよね。


泣くほどのことでもなかったのかな。
21 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時04分30秒
ごっつぁんのソロが決まって益々慌しく時間が過ぎて行って、

ぜ〜んぜんごっつぁんやなっちの3人で遊ぶ事がなくなっちゃった。

ごっつぁんも恋人出来たんだし、仕方ないのかな。



「なっちぃ〜今日泊まりに行っても良〜い?」

「良いべよ〜」

「“べ”ってなっち・・・・」

「あらら。良いよ(笑)おいでよ。」

「さんきぅ〜なんか映画でもさぁ借りて帰ろうよ。」

「だね。なっち動物モノ!!」

「やだ恋愛モノかアクション!!」


「むぅ・・・」

「・・・む。」



「・・・とにかく帰ろっか。」

「・・・だね。おなかもすいたし、なんか食べて帰ろうよ。」




「「じゃあお疲れさま〜」」
22 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時05分25秒
「ごっちん、うちらも帰ろっか。なんか食べて帰ろ〜♪」


あ〜良いなぁやぐっつぁんたち。

相変わらず楽しそう。

後藤も、ついこの間まであそこに居たんだよね。

ああやってやぐっつぁんやなっちと遊んでたんだよね。



「ごっちん?・・・ごっちん?」


「んあっ?!」

いけない、ボーっとしてた。


「疲れた?なんかぼーっとしてたよ?」

「ごめんごめん圭織になってたみたい。」

「えー?!気をつけなよね、ごっちん・・・。」


本気にするのかよっ!

圭織、ごめん。
23 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時06分53秒
よっすぃーと付き合い出してから数週間が経って、毎日のように一緒に帰って

一緒にごはん食べて・・・別に嫌じゃないしなんの問題もなく後藤たちは付き合ってるよね?

でも、やぐっつぁんたちと遊べない事がなんか辛いんだよね。

仲間外れにされたみたいで、最初から仲良くなんかなかったんじゃないかって

思っちゃうほどに遊ばなくなったことが、やぐっつぁんたちに誘われなくなったことが淋しい。


後藤から離れといて自分勝手かもだけど・・・



仕事帰りに良く行く店に今日も後藤たちは入った。


ウェイトレスに案内されて座ったら――



「「「あっ!!」」」

ちょうど隣に矢口と安倍が居た。



3人とも何故だか言葉が続かずに、ほんの少しの間沈黙になった。
24 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時08分07秒
「あれ〜?矢口さんたちも来てたんですかぁ。なんかすっごい偶然ですね。」



「「「・・・」」」

返事を返さない3人に吉澤は続ける。


「吉澤達はよく来るんですよここに。お金かかるけど〜ごっちんと居たいからぁ〜。」


「ちょ、ちょっとよっすぃー?やめてよ。」


「・・・ん?なに?」

「やぐっつぁんたちに言うことないじゃん。ほら、邪魔しちゃ悪いから、席戻りなよ。」


あぁ後藤のばか!!せっかく話すチャンスだったのに素直じゃないよ・・・

だって・・・やぐっつぁんたちふたり楽しそうなんだもん、なんか仲良さ気なんだもん・・・

仲良いのは知ってるけど・・・・・・


「どしたのごっちん?」

吉澤は取り合えず言われたまま席に着いた。


「ごめんね、やぐっつぁんになっち。うちらはほっといて良いからさ、話続けて。」

あーばか。

もっと良い言い方あるだろー??



「なんか・・・怒ってるの?・・・早くなんか食べた方が良いね。すいませーん!!注文――」


・・・分かってないよ、吉澤さん。

だって、後藤はこないだまであっちに居たんだよ?!

淋しいんだよお、悲しいんだよぉ!
25 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時08分57秒
「・・・ふぅ。」


自宅へと帰った後藤は疲れていた。

仕事疲れもあったがなによりも自分ひとり中途半端に感じてしまうことで疲れが倍増していた。




よっすぃーといて楽しいよ?

見た目よりばかだし、ぼけてるし・・・それで居て真面目で・・・ちゃんと見てるよ?

でも、それはふたりのときだけ・・・?

やぐっつぁんやなっちが居るとよっすぃーと居ることが窮屈に感じちゃう・・・

付き合ってるのに失礼だよね・・・?


好きじゃないのかなぁ・・・?




あーもう、わっかんないよ!!寝る!!



Zzzz
26 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時10分00秒
カチャ

「どうぞ〜入って。」

「お邪魔しまぁす。なっちんち久しぶりな気がする。」

「そう?・・・そうかな。前ごっちんと来たのが最後だったっけ?」

「そうだよ。」

「まぁまぁなんでも良いからくつろご〜」

「うん。お風呂入ってー映画見よ!!」

「一緒に入るべか??」

「いや〜ん、なっちのえっちはあとはあと

「なにもしないよお〜ばかやぐちー。」

「分かってるって!なっち先に入りなよ。矢口あとでいーから。」

「そう?・・・じゃあ適当にくつろいでくれてたら良いから。」
「分かってるぅ〜」





・・・・見たくなかったなぁ〜ごっつぁんとよっすぃー。

やっぱ付き合ってるんだなぁ。ああやって見ちゃうとなんか再確認しちゃって・・・ヤだな。

なんか、ごっつぁんの方が強いみたいだね。

もう、忘れようかなぁ・・・・・出来るなら。
27 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時10分53秒
ジャーっ ジャーっ


ごっちん楽しそうだったなぁ。

やっぱり好きな人と居ると違うんだね。

気持ちに気付いてなかったなっちにどうこう言う権利もないよね。

もう、忘れたいなぁ・・・・出来るなら。

矢口は・・・どうなんだろ?

さっきの見て、どう思ったんだろ・・・?




その日見た映画は、すごく流行ったとかなんとかで有名な映画だったらしいけど、

ぜんぜん覚えてない。

主人公が男だったことくらいしか残ってない。


そのくらいごっつぁんのこと考えてた。

なっちはずっと画面見てたから映画見てたんだろうけど・・・・

映画より何よりさっきのごっつぁんとよっすぃーが頭から消えなかった。


布団に入って目を瞑るのに、瞼に焼き付いて消えなかった。
28 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時11分45秒
ちゅん ちゅんちゅん ちちち


「・・・朝・・・」


「・・・あふっ・・おはよ〜なっちぃ〜」

「おはよ〜やぐちぃ〜」



「なんか眠そう・・・・あまり寝れなかった?」


矢口が聞いたらなっちは苦笑いしながら頷いた。

矢口も。矢口も寝れなかった。

同じ気持ちで寝れなかったのかなんで寝れなかったのかは確信は無かったけど、

なんとなく悩みは一緒だと思った。

だから言った。


「なっち。朝っぱらからする話じゃないかもしんないんだけど〜ちょっと良いかなぁ〜?」

「ん?なに?えっちぃのは駄目だよ〜(笑)」

「ばか。違うよお〜。あのね、ちゃんと聞いてくれる?」



「・・・うん。」


なっちが真剣な顔になったから躊躇わずに言った。

いつまでも笑ってたらきっと言えなかったと思う。

そのくらい矢口にしたら真面目な話だった。
29 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時13分47秒
「なっち、ごっつぁんのこと好きだよね?」

ちょっと卑怯かなぁ?自分のこと言わないで先に聞いちゃった。

なっちは思ったほど驚いた様子もなく、こくんと小さく頷いた。



やっぱり・・・・



「・・・矢口も、でしょ・・・?」

ばればれだよね。やっぱ。


「好きだね。」


「・・・」

「でもね、それに気付いたのはごっつぁんがよっすぃーと付き合い出してからなの。

 多分・・・なっちもそうだと思うけど・・・。」


「なっちもそう。だって妹みたいで、仲良しのメンバーと思ってたから。」


「矢口はさ、昨日のふたり見て、もうごっつぁんのこと好きでいるのやめようかなって、

 諦めようかなって思ったんだけど、一晩考えても無理そうなことが分かったの。」

「無理そう?」
「好きなのはやめれなさそうってこと。」

「あ〜。」

「でも、告白するとか、よっすぃーから奪うとか、そんな気はまったく無くて。

 ごっつぁんのことをただ見てたいなぁって感じなの。」

30 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月23日(日)22時14分35秒
「・・・それで?」


「ん?や、それだけ。なんとなくなっちに聞いて欲しかったの。」



「・・・・多分なっちもそう。矢口と一緒。」

「あははっ それじゃあライバルだね。」

「・・・だね。よっすぃー居るけど。」



「・・・・考えてもさ、答え出ないから、どうしていいかわかんないからたまにこうやって

 なっちに言っちゃうかも。」


「良いよ。なっちも言っちゃうから。」

「お互い様だね。」
「だね。頑張るべ!!」



ごっつぁんがよっすぃーと楽しくしてるのを茶化せるように、早くなりたいな。

なっちと居たら出来そうな気がする。ほんと、頑張ろうね。
31 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月23日(日)22時17分16秒
>>15 名無し読者さま
     早速のレス、どうも有難うございます。
     なちごまりという設定で萌えて頂けましたか(w
     なちごまりなんて無さ過ぎるのでそう言って頂くと
     救われます。
     完結はさせてあるので放置及び放棄は有り得ません!!
     宜しくお付き合い下さいませ。

     ワガママなのは・・・ごっつぁんなのかな。
32 名前:キリィ 投稿日:2002年06月24日(月)00時16分19秒
なちごまりとは…素晴らしすぎます。
この3人が最高です。
期待してますよ・・・
33 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月24日(月)01時53分43秒
をを、なちまりごま!!
ツボすぎだぁ(><)初めて見つけたっす。
それも面白そうでいい感じ!期待してます。がんばって!!
34 名前:名無し読者。 投稿日:2002年06月24日(月)02時10分27秒
このやぐごまテイストな、なちごまり。 もしかして作者さんって・・・(w 楽しみです!頑張って下さい!!
35 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月24日(月)10時00分40秒
なかなか見ないカップリングなだけに期待大です。
ていうか、この3人すごい好きなんで嬉しいです。
お互いに慰めあうなちまりコンビも可愛いし。
楽しみにしてます。
36 名前:名無しさん 投稿日:2002年06月24日(月)12時19分55秒
なちごまり。
最終的にどうなっていくのかまだ始まったばかりで
全然見当もつかないですけどどうなっても好きな3人だから
嬉しいです!

あと、毎日更新というのが嬉しいです!
頑張ってください。
37 名前:36 投稿日:2002年06月24日(月)12時20分31秒
す、すいません!
ageてしまった…
逝ってきます…
38 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)19時58分24秒

ガヤガヤ ガヤガヤ

「「おはよーございまーす」」


「あっ、やぐっつぁんになっち!おはよう!!」


あ、ごっつぁん!

「おはようございます矢口さんに安倍さん」


・・・・に、よっすぃー。


「「おはよう。」」


朝っぱらからツーショット見ちゃうと駄目かも。

いきなり挫けそう。










明日はソロ初の収録

すっごく緊張しちゃう

なんとも思ってなさそうって周りからはよく言われるけど、・・・ンなことあるかいっ!!

後藤だって人間なんだ、緊張くらいする・・・。



「ごっちん、ついに明日だね、どう?どんな感じ?」

後藤が帰る用意をしていたら、よっすぃーがトイレから戻ってきて言った。



「・・・別になんとも。」


なんともないことないのに。強がり・・・

よっすぃーにほんとのこと言えないなんておかしいかなぁ?
39 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時00分09秒
「なぁんだーじゃあせっかくおまじないしようとしたのに意味ないね。」


おまじない?
なんだろ?


「おまじないって?」


後藤がそう言うとよっすぃーは後藤の目の前まで歩み寄って来た。



「おまじないはね、こういう事だよ。」



「・・・!!」




「・・んっ・・!!」



「ごっちん??・・あの・・ヤだった・・・?」


「あっ・・!う、ううん!急だったからビックリしちゃって・・・あの、ごめんね?

 押しのけたりして。」



「ううん。えと・・帰ろっか?」

「うん。」


びっくりした。

よっすぃーってば急にキスしてくるんだもん。

後藤・・・これでも初めてなのに・・・あんな・・・急にするなんて・・・・

よっすぃーの・・・ばか。



でも、恋人なら当たり前なのかな・・・?

キスくらい、いくらでもするもんなんだよね・・・?


・・・どうして押しのけたりしたんだろう・・・?



その後気を使ってか、よっすぃーはいつもよりずっと明るい顔で明るい話題で

後藤を笑わせようと必死だったのは覚えてる。
40 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時01分56秒
次の日の収録前――


『頑張れごっちん!』
『愛しのごっちんファイト!』
『落ち着いて歌えるように祈ってる!』
『なにかあったら乱入するから!!(笑)』
『ごっちんなら大丈夫!!』


「何通送ってくんのさ・・・よっすぃーったら・・・」


吉澤は本番前の後藤に励ましのメールを何通も何通も、それも同じような

内容ばかりを送りつけていた。

迷惑そうに言いながらも励まされるのはやはり嬉しくて、後藤は吉澤に感謝していた。



他のメンバーもみんなメールくれたけど・・・

なんか足りない・・・


そう・・・やぐっつぁんとなっちがくれてない・・・
41 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時03分18秒
別にくれることが普通って訳じゃないけど・・・

なんか・・・淋しいじゃん?それって・・・



と、思っていた楽屋の後藤。

そこへ連続して鳴るメールの着信音。



『頑張れ!』矢口から
『頑張れ!』安倍から


どちらも一言だけで、すごくシンプルなのだが。


「あはっ!少な〜い!!なんかふたりらしいや。」


後藤は誰からのメールよりも嬉しく、そして幸せな気分になっていた。
42 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時04分39秒
ここは後藤が居るスタジオから少し離れた都内のスタジオ

そこで吉澤はひとりテレビを見ていた。

テレビというか、自分達が映っているビデオなのだが。



「・・・やっぱ可愛いなぁ・・・はあとはあとごっちん。今頃・・・頑張ってるかな・・・」


吉澤は後藤を思い浮かべながらぼや〜っとしていた。

そこへ丁度現れた矢口。


「おはよー。」

「あっおはようございます。早いですね。」
「よっすぃーの方が早いけどね。・・・なに?ビデオ見てるの?」


矢口は荷物を置きながら吉澤に何気なく聞いた。

しかし吉澤は違うことを思いついたのか、急にテレビを消すと矢口の方へと歩み寄って行った。



「あれっ、消しちゃうの?」


「矢口さん、ちょっと相談があるんですよ。」

「相談?矢口に?なにかな?」


「聞いてもらえます?」
「うん。」

「あの・・・ごっちんのことなんですけど。」


うがぁ!よっすぃーの悩みとかってごっつぁんに決まってるのに・・・ばかばか矢口っ!!

何聞かされるんだろ・・・?



「ごっつぁんのこと?・・・どんなこと?」

43 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時06分09秒
「あの・・・ちょっと恥ずかしいことなんですけど・・・その・・・」


なんなのさ、はっきり言ってよ。

「言いにくかったら良いんだよ?」


「いえ!あの、キスって、好きならしますよね?」

「キ、キス?!」


「はい・・・昨日、ごっちんとしたんですけど・・・なんか・・ちょっと逃げられちゃって・・・

 嫌われてるのかなって・・・」


そんなっ・・・!!マジなの?!よっすぃーとごっつぁんがキスした?!

やだよやだ聞きたくないそんなの知りたくない

ごっつぁんの唇をよっすぃーが奪った?!



「・・・あの・・・矢口さん?」

困惑して答えることの出来なかった矢口に吉澤は続けて言った。


「付き合ってたら、キスだってするし、ほら・・・その・・・それ以上のことも(モゴモゴ)・・ね?

 すると思うんですよ。だから・・・何が嫌だったのかなって・・・思って・・・

 ちょっと悩んでて。」



それ以上のこと・・・



駄目だ・・・想像したくない・・・
44 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時07分00秒
「ごっつぁんはよっすぃーのこと嫌ってなんかないでしょ。むしろちゃんと好きだと思うよ?

 ただ、キスとか、そういうのって個人差あると思うし、みんながみんなそれが

 当たり前ってふうには思ってないのかもね。」



「ごっちんは苦手ってことですか?」



「・・・分からないけど、今度はする前になんとなく聞いてみるとか・・・。」


「・・・う〜ん・・・どうしよう・・・」

「よっすぃー!男だろっ!!頑張ってよ!」

「男っすか?!褒め言葉なんですかね、それ。」


そのあともうだうだと話し続けたよっすぃー。

聞きたくなかったけど、よっすぃーは矢口の可愛い後輩。

ちゃんと聞いてあげた。






その日を境によっすぃーは何かあるごとに矢口にごっつぁんのことを相談するようになった。
45 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時07分57秒
「やぁ〜ぐちっ!ご飯食べて帰ろ〜」


なっち・・・

「うん。」

「やぐち、最近元気ないよ?疲れてる?あんまり無理したら駄目だからね?」

「うん、分かってる。ありがと、なっち。」


なっちはしょっちゅう食事に誘ってくれた。

昼も夜も休みの日でさえも。

ごっつぁんがよっすぃーと付き合いだしてなっちだってごっつぁんと話す機会

減ったはずなのになっちは矢口に声を掛けてくれてた。

よっすぃーの相談に乗ってる矢口に気を使ってくれてるのかどうかは分からないけど、

なっちのおかげで気が紛れた。






最近矢口が気の毒だなぁ。

よっすぃーにごっちんのこと聞かされて。

よっすぃーも悪気はないんだろうけど・・・矢口、可哀想。

矢口を助けてあげたいな・・・

46 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時08分47秒
「キスしても良い?」

「えっ?」

「ごっちんとキスしたい。」


よっすぃーが後藤に聞いた。
断れるわけないよ、そんなの。


「・・・良いよ。」


その返事を聞いて近付いてくる顔。

どうしても目を見ることは出来なかった。



「・・・んっ・・」




「・・はぁ。」

前にしたやつよりちょっと長かった二回目のよっすぃーとのキス。

拒む事はしなかったけどやっぱり気持ちの良いものじゃないなぁ

なんでなんだろ・・・・?




『ちょっと、聞いて欲しいことがあるの。明日少し早めに楽屋来れない?後藤。』
47 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時09分33秒
やぐっつぁんに聞いてみよう。
やぐっつぁんなら分かるかも。


そう思ってメールをした。
そして今ふたりだけで楽屋に居る。


「ごめんね、早くに呼び出して。」

「ううん。矢口にしたら普通だから。ごっつぁんの方が大変でしょ(笑)」

「むぅ〜!それは言いっこナシ!!」

「あははっ それで?どうしたの?」


そうだった。聞くために来てもらったんだった。
やぐっつぁんとふたりで話すの久しぶりでなんか嬉しくて忘れちゃいそうだった。
肝心なこと言わないで話し続けるところだった。
48 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時11分11秒

「そうだ!話なんだけどね、聞いてくれる?」

「うん。だから居るんじゃんか。」


「・・・あのさ、やぐっつぁんはキスとかしたことある?」
「へっ?」

「ごとーはさーあまりしたこと無いんだよ〜だからキスしても気持ち良いのかどうか

 分からなくてさー。」


「それは・・・よっすぃーとしても分からないってこと・・で良いのかな?」

「うんそー。まだ2回しかしてないけど、イマイチ良く分からなくてさ。」


「・・・キスするのが嫌なの?」

「ん?んー・・・わかんない。わかんないけど、なんか好きじゃないかも。」


「・・・矢口もそこまでした事あるわけじゃないからあまり言えないけどさ、

 好きじゃないなら無理してする必要はないと思うよ。キスしなくたって

 よっすぃーのこと好きだったらそれはそれで良いんじゃない?」


言っててつらいよ。

ふたりしてどうして矢口に相談すんだ、そんなこと!
49 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時12分10秒

「むぅ・・・でも・・・やっぱりキスとかって必要な気もするし・・・」



うーとかむーとかあーとか、うなり声を上げながら頭を抱えてたごっつぁんは、

急に『そうだ!』と言って矢口に向かって話し出した。



「後藤さ、やぐっつぁんともしてみたい!!」


な、なんですと?!

「はぁ?!な、何をぉ?」


「だからキス!やぐっつぁんなら仲良いし、したって困らないよね?」


困りまくるっちゅうの!

「駄目駄目!!出来る訳ないっしょ?!」

「なんでさーちゅってするくらいなら良いでしょ?慣れてない後藤に教えてよー。」

「ぜーったい駄目!っていうか無理!!悪いけど、それは出来ないって!」

「良いじゃん良いじゃん。」

「駄目だって!!」


なかなか引かないごっつぁんだったけど、矢口だって引くわけには行かないんだ。



絶対引いちゃ駄目なんだ。
50 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時13分31秒
言い合いを続けているうちにメンバーが入ってきて矢口は逃れる事が出来た。


「やぐっつぁんのけちー。」


ごっつぁんはそう言い残して去って行った。


矢口だってほんとはしたいよ!

でもしちゃったら、ごっつぁんは練習で済んでも矢口は済まないから。

せっかくふたりが付き合ってることを認めようとしてるのに、我慢出来なくなるじゃん!!




ごっつぁんとのキス。

ほんとはしたかった。

練習でも遊びでもなんでもしたかった。

でもしなかったのは・・・


心のどこかでよっすぃーに悪いって思う矢口の師匠魂と、なっちに悪いって思う

友情心を沸かせてしまったからだと思う。
51 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時14分17秒

『ちょっと、聞いて欲しいことがあるの。明日少し早めに楽屋来れない?後藤。』


矢口がしてくれないなら安倍にしてもらおう。
そう決めた後藤は安倍を次の日呼び出した。



「でね、なっちとキスしてみたいの。」


「ほえっ?!」

安倍は矢口よりも間抜けな顔をした。


「なななななに言ってるべか?」

「駄目?軽くで良いの。1回だけさー。・・・ね?」


「・・・駄目だべそんなの!キスは好きな人とするもんだべ!!」


なっちったらおかしい。

さっきから〜べ!って・・・なんでそんなに焦るのさ。

そりゃ後藤だって急に言われたらびっくりするけどやぐっつぁんやなっちなら大丈夫だよ。

ふたりは違うのかな。
52 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時15分38秒
「なっちのことは好きだよ?」
「そういう好きじゃなくて!!」


「・・・やぐっつぁんはしてくれたよ?」

「えっ?!」

「後藤が頼んだらすぐにさー。」


「・・・矢口がそんなこと・・・」


してないけどね♪
でも、そう言わなきゃしてくれないよね?

「だから、良い?」

やぐっつぁんはしてくれた。
この一言が効いたのか、なっちは後藤にキスをしてくれた。


よっすぃーとの差。

なんだろう。


全然嫌じゃないけど・・・やっぱり気持ち良いものじゃ・・・なかった。

そもそもキスって気持ちが良いものなの?



「矢口はほんとにしたべか?」

なっちが不安そうに聞いてきた。


「ううん。断られた。嘘ついてごめん。」

「そんなっ・・・!ごっちんひどいべ!!ばか!!」

「ごめんって!感謝してるよ!ありがとう。」


ふて腐れたように怒るなっちをなんとか和ませて。

なんとか今までどおり話してもらえるように機嫌をとった。

大変だった。
53 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時16分20秒
でも・・・キスって好きな人とするものってなっちは言ったよね。

よっすぃーのことは・・・付き合ってるから・・・好き?

なっちは・・・お姉ちゃんみたいで・・・好き?

分からないよ・・・

後藤は一体誰のことが好きなの?

誰のことも好きじゃないの・・・?



その日から後藤は自分の気持ちが今まで以上に不安定なものとなり、分からなくなった。
54 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月24日(月)20時17分43秒
そしてそんな後藤に気付き始めた恋人、吉澤。

一緒に居ても話をしていてもどこか上の空で、自分じゃない何かを見ていて、

そして自分と居る事を忘れているときがあるんじゃないかって思うほどに

後藤はぼーっとしていた。


あれから何回かキスもしたし休みの日はデートもした。

キス以上のことはまだだったけど、恋人らしいことは十分にしていた。


笑いかけたら笑顔を返してくれる。

手に触れたら繋ぎ返してくれる。

そのくらいのことはしてくれてたけどなんか違うことに気がついていた。




嫌われてるとは思わないけど・・・一番じゃあないね・・・

ごっちんの“好き”の一番に私は居ない・・・



吉澤はいつも後藤の傍に居て後藤ばかりを見ていたのでそのくらいのことは分かった。


しかし後藤の一番が誰なのかはわからなかった。
55 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月24日(月)20時24分57秒
>>32 キリィさま
    初めまして、どうも!
    期待に応えられるかかなり不安ですが、頑張ります。
    
>>33 名無し読者さま
    どうもありがとうございます。
    なちごまり、好きなのに無かったので書いちゃいました(爆)
    頑張ります〜

>>34 名無し読者。さま
    どうもです!
    ( 〜^◇^)<忘れて!
    頑張ります!

>>35 名無し読者さま
    ほんとに見かけないCPですよね。
    とくにココでは。
    ごまがワガママになりそうですが、見守ってやって下さい。

>>36 名無しさんさま
    毎日更新(汗 頑張ります。
    (●´ー`●)( ´ Д `)(〜^◇^〜)
    どうなるかまだ変更きいたり・・・( ̄ー ̄)

    思っていたより『なちごまり』の需要があってほっとしました。
    どうも有難うございます。
56 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月25日(火)02時32分16秒
ご、ごまは・・・やぐが好きなのかな?吉はどうなるのかな?
57 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月25日(火)08時58分13秒
よっすぃーとごっちんの相談役になってる矢口さんかわいそう・・・
よっすぃーにのろけられるのもツライだろうし、
好きな人に恋人の相談されるのもツライですよね。

う〜ん、続きがめちゃめちゃ気になります。
58 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時31分48秒
そんな関係がしばらく続いた或る日のこと。

新曲ザ☆ピ〜ス!が発売されることになり、石川が目立つようになった頃。

テレビに出ても雑誌のインタビューでもやたらと石川に注目が行った。

そしてそうなるとライバルではあるが同期としては嬉しいのか祝福をし、

吉澤は自然と目で追うようになった。



目で追ってて気がついたこと。

それは、何故だか石川の視線の先にはいつも矢口が居ること。

石川は何か事あるごとに矢口の行動を目で追って、何か矢口が発言すると嬉しそうに笑っていた。



梨華ちゃんは矢口さんが好きなのかな・・・




すぐに気がついた吉澤は石川に聞いた。
59 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時32分50秒

「梨華ちゃんってさー矢口さんが好きなの?」


あまりにも単刀直入過ぎる吉澤に驚いた石川だったが、少しして、

恥ずかしそうにコクンと頷いた。


「やっぱり!そうだと思ったんだー!!ね、ね、いつからなの?」


「・・・タンポポに加入が決まった頃。いろいろと親切に教えてもらって、

 いつも励ましてくて・・・気が付いたら・・・好きになってたの。・・・どうして気が付いたの?!」


「だって分かりやすいよ?梨華ちゃん。矢口さんばっか見てるんだもん。

 ・・・まー私以外は気付いてなさそうだけどね。」



「・・・黙っててね?お願いだよ?」


「・・・・ばかだなぁ言う訳ないじゃん。それどころか協力してあげるよ。」

「えっ?」

「梨華ちゃんと矢口さんが上手いこと行くように、協力してあげる!

 ほら、これでも一応矢口さんの弟子だから!」



「・・・良いの?」
「オッケーだよ!まかせて!!」
60 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時33分59秒
それから吉澤は、機会を作っては矢口と石川をふたりにしたりペアになるように仕組んだり、

と、可能な限りコネを充分に使って協力していた。

そうしているうちに自分が何もしなくてもふたりでいるのを見かけるようになった。

時には安倍も交えながら。


仕事の帰りには食事に行くという話も聞いた。



「ねぇよっすぃー、最近梨華ちゃんってやぐっつぁん達と仲良いんだね。

 なんかあまり見ない光景だよね。」



後藤が吉澤と楽屋に居る時にそう言った。
61 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時35分04秒
「あーそっか、ごっちんは知らないもんね。」

「んあ?知らないって何が?」

「言っても良いのかなー・・・まぁごっちんだし良いかな。」

「んあ?なんなのさ。」

「あのね、驚いたら駄目だよ?梨華ちゃんはね、矢口さんのことが好きなんだよ。」
「えっ?」

「ずーっと好きだったんだって!こないだ気付いてさーそれからふたりが付き合えるように

 協力してるのー。」



「・・・梨華ちゃんがやぐっつぁんのことを好き?」

「そうだよ。」


「・・・そんな・・・・・・・なんか・・・やだ。」

「やだ?なんで?」

「あっ・・・うっううん!ヤじゃないよ!そ、そっかー知らなかったよ〜

 そっかそっか〜梨華ちゃんがねー」


後藤は急に目を泳がせながらそう言っていた。



「変なごっちん。・・・まぁ良いや、そろそろ帰ろっかー。」





梨華ちゃんがやぐっつぁんを好き。

なんかヤだ。

梨華ちゃんが嫌いなわけでもないしやぐっつぁんは後藤のものじゃないし

何も言えないけど・・・なんかヤだ。
62 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時36分26秒
次の日――

「矢口さぁん、そろそろ御食事行きません?」
「おっ、そうだね。次の撮りまで時間無いもんね、いそごっか。」
「あ、なっちも行くーちょっと待って〜」



「矢口さん、明日の休み、もし良かったら映画でも見に行きません?」
「映画?なんの?」
「ほら、前に矢口さんが観たいっていってたやつで――」
「あっ行く行く!楽しみだね。」
「はいっ♪」



「矢口さん、何読んでるんですかー?」


「矢口さん、それ美味しいですかー?」


「矢口さん、そろそろ行きませんか?」


「矢口さん――」


「矢口――」


「矢――」





見れば見るほどもやもやが増した。
63 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時38分10秒
よっすぃーに、梨華ちゃんがやぐっつぁんのことを好きだと聞かされてから

ずっともやもやしてる。

言われるまで気付かなかったけど、

梨華ちゃんがやぐっつぁんを好きなのなんて見ただけでわかる。

なんか見たくない。


「よっすぃー、梨華ちゃんさ、どうにかならないかな?!」
「どうにかって何が?」

「だってさ、やぐっつぁんにべたべたし過ぎだよ!!いくら好きでもさ!!」


「・・・好きだからでしょ。好きだから一緒に居たいんじゃないの?」

「でもっ・・・あんなの後藤は見たくないよっ!!」

「なんでごっちんが怒ってるの・・?」


「・・・そんなの後藤だってわかんないよ!!」




後藤はわけのわからないもやもやを吉澤にぶつけるようになっていた。



そして気が付いた吉澤。


なんなのか分からなかった不安。付き合いだしてからずっと抱いてた不安。

その不安の元は矢口だったことに気がついた。




ごっちんが好きなのは・・・ごっちんの“好き”の一番に居るのは・・・矢口さん・・・






それを知った吉澤は矢口に相談と称して矢口の気持ちを知るために呼び出した。
64 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時39分30秒
「急にすいません。」

「ううん。気にしないでよ。」

「えと、早速なんですけど・・・実は相談じゃなくて・・・ノロケだったりするんですよ。」
「ノロケ?!」

「はい。だってごっちんとのこと言える人ってあまり居ないからー」


「・・・そうだよね。」


「ごっちんがですね、最近私のこと好きだって言ってくれるようになったんですよー。

 最初友達から始めてから嬉しくて!!それにキスも急にしても拒まれなくなったし

 ・・・アレも・・・良かったって・・・なんか、幸せだなぁって思って誰かに聞いてもらいたくて。」



「もろノロケだね・・・でも、なんだ良かったじゃんよっすぃー!

 ずっとよっすぃーの片想いっぽかったもんね?」


矢口は精一杯の笑顔でイジワルそうに吉澤に言った。


「!そうなんですよぉ〜片想い歴の長いこと!」

「うんうん、でも良かったよ、よっすぃーが幸せで。」


「・・はい!」
65 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時40分53秒
「なんだか羨ましい話だねぇ。」

「あ、でも矢口さんは最近梨華ちゃんと仲良いじゃないですか?実は付き合ってたり?」

「ば、ばか!そんな訳ないでしょ!梨華ちゃんは慕ってくれてるだけだよ!同じユニットだし。」


「・・・知らないんですか?」
「何を?」


「梨華ちゃんは矢口さんのことが好きなんですよ。」

「はあ?!」

「本人から聞いたから間違いないです。だから、矢口さんがもし梨華ちゃんのこと

 好きならいつでもオッケ〜ですよ!頑張って下さい!!」


「・・・嘘っぽいなぁ。」
「ほんとですって!」


などと話していると矢口の携帯が鳴り、話は一時、中断された。


『梨華ちゃん』


そう表示されているディスプレイを見逃さなかった吉澤。

「電話とかしてるんですね。」


「なっ、ばか!もう聞かないでよ!!」






吉澤はぺこっとお辞儀をして出て行った。
66 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時41分34秒
・・・矢口さんは・・・そうでもないのかな・・・

ごっちんのこと・・・好きって訳じゃないのかな・・・

とにかく、あれだけノロケたら、もしそうであっても大丈夫かな・・・




吉澤が先程行ったノロケは全て嘘っぱちだった。

全てが作り話だった。

矢口を牽制するために言っただけのことだった。







『今日仕事終わったらなっちんち行っても良い?矢口』


67 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時42分55秒
ピンポ〜ン

『すぐ開けるぅ』

カチャ
「いらっしゃいやぐち。お疲れさま。」
「ごめんね、急に。」
「ううん。入ってよ。」


なっちにお茶をいれてもらって飲んで、適当に会話をした。

なっちんちに来てから1時間はそんな感じだった。

話したいことを可能な限り自分で伸ばして言わないようにして。

それでも本当は早く言いたくて。

そんな矢口の心を見透かしたようになっちが言った。


「やぐち、何か話があるんでしょ?」

「・・・!」
「なっちに、言いたいこと、あるんでしょ?」



「・・・うん。聞いて欲しい。」

「なら、ちゃんと最後まで聞くから、話して。」


「うん・・・あのね・・・矢口さ、ごっつぁんのこともう諦めようと思うんだ。」




「・・・うん。」
68 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時44分07秒

「今日さ、よっすぃーからごっつぁんとのノロケ話聞かされてさ・・・なんか・・・もう、

 疲れちゃったの。好きで居るだけで良いやって言ってたけどほんとは心のどこかで

 付き合えたらってそう思ってた。でも、今日みたいな話聞いちゃったら・・・駄目だよ。

 入る隙ないって感じ。あ、矢口にはだよ?なっちは頑張ってよね。

 矢口は・・・多分・・・梨華ちゃんと付き合うと思う・・・」


「な、何言ってるの?梨華ちゃんと?」


「そう・・・梨華ちゃんには悪いけど、ごっつぁんを忘れるために。いつか好きになれたら

 良いって思ってる。最初は・・・悪いけど・・・」



「ごっちんは良いの?梨華ちゃんで良いの?」



「・・・良い。」


「・・・もう、決めたんだね。」



「・・・・・・出来るならなっちと最後まで戦いたかったけど・・・もう・・・降りる。ごめん。」


「・・・分かった。」



「今日は・・・それだけ言いにきたの。」

「・・・うん。」

69 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時45分54秒
言いたいこと全部言っちゃったらなんだかそこに居るのが気まずくて。

なっち視線がなんだか耐えられなくて。


気が付いたら足早になっちの家をあとにしていた。




これで・・・良いんだよね?






矢口がごっちんを諦める。
矢口が梨華ちゃんと付き合う。

どっちもショックだけど後の方がなんだかショックが大きい気がする。




・・・あははっ

ばかだね、なっち。
また失ってから気付くなんて。

なっち・・・ごっちんじゃなくて・・・矢口のことを好きになってたんだね・・・

ばかだよ・・・なっち・・

いつも気付くのが遅くて・・・


矢口がごっちんの幸せのために身を引くって言うのなら・・・

なっちも矢口の幸せのために・・・梨華ちゃんとのことを応援したい

付き合えなくても傍に居たい・・・って思う。
70 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時47分29秒
次の日――

『私達付き合ってます』宣言をメンバー全員の前でした矢口と石川。

石川はすごく幸せそうに笑っていて、矢口は恥ずかしそうに、それでも笑顔で石川を見ていた。

告白は石川から。

昨日吉澤と居た時にかかってきた電話で石川から言われた。

吉澤からの話を聞いたあとだったこともあり、矢口はOKをしたのだった。


そのふたりをじっと見つめる後藤。

そしてそれを後ろからさらに見つめる吉澤。

後藤はさらにもやもやとし、吉澤は少しほっとしていた。




矢口さんがフリーならごっちんが傾くかもって思ったけど・・・梨華ちゃんから

奪うなんて・・・するはずないもんね・・・良かった・・・




矢口達が付き合いだしてから1ヶ月ほど経った頃。

所構わずくっついて楽しそうに話をする矢口達に耐え切れず爆発した。

爆発と言っても矛先は吉澤。

多少、新メンにもそれは及んだが、99%は吉澤に対してだった。

吉澤が手を繋ごうとしても交わされたり、キスを迫っても避けられたり。

一緒に帰ることすら毎日はしなくなった。

71 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時48分32秒
それでもオフにはデートをしていたふたり。

久しぶりのオフにふたりは映画に来ていた。



「久しぶりだね、こうやってごっちんと来るの。」
「そうだね。映画も、激しいやつだし、スカっとしそうだよね。」

スカっとしたいほど溜まってるんだ・・・




「矢口さんアクション好きですよね〜前もそうでしたよね?」
「良いじゃん別に〜。まあ梨華ちゃんがヤだって言うなら変えても良いけど?」
「も〜イヤな訳ないですよ!矢口さんとだったらなんだって良いですはあとはあと
「矢口も♪」



「ごっちんあそこ空いてる。」
「うん。―――!!」

「梨華ちゃんあそこ  !ごっつぁんによっすぃー?!」
「あれーふたりも観に来てたの?」

「あ〜梨華ちゃんに矢口さん。そっちもですか?」


「うん。そか、隣同士かぁなんか変な感じ。」


矢口はそう言って狙った席にそのまま腰を下ろした。

吉澤も石川も座ったが後藤は少しの間立っていた。

吉澤に言われてなんとなく座った。
72 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時49分46秒
「でねぇなっちってばいまだに訛り抜けないんだよ〜笑っちゃうでしょ〜」

「でも、安倍さんの訛りって高橋ちゃんのよりは聞きやすいですよね。」

「確かに!(笑)」


矢口と石川は映画が始まるまで楽しそうに話をしていた。




「ね、ごっちん、どんな映画なのかな?・・・ごっちん?」

返事の返って来ない後藤を見た吉澤。

後藤は矢口達をじっと見ていた。



「・・・はぁ・・・ 」

溜め息をついた吉澤。

誰にも気付かれることはなかった。
73 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時51分05秒
帰り道。

恋人同士の後藤と吉澤の間には人がひとり入れるくらいの隙間がある。


吉澤が何を話しかけても返事は「んあ。」

会話になんてならなかった。

少し歩いて吉澤は後藤を公園に誘った。



「・・・こうやって公園で話すのもたまには良いね。」

「んあ。」

「・・・」


相変わらずまともな返事を返さない後藤に少し苛立ちを感じた吉澤は、

座っていたベンチに後藤を軽くだが押し倒した。


「んあっ?!」


無理やりにキスをする吉澤に後藤は思い切り拒否の意を表した。



「・・・なんなのさ、ごっちん!矢口さんが好きなら好きって最初から言いなよ!!」


「?!」
74 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時52分48秒
「ごっちんが私を好きじゃないことなんて分かってた。

 矢口さんを好きだってことくらい分かる!!」


「よ、よっすぃー・・・」


「・・・もう、終わりにしたい。こんなこと思いたくない」


「・・・よ――」


「一個だけ聞かせて。」



「・・・?」

「ごっちんは、矢口さんのことが好きなの?私が好きなの?」





「・・・・・・・・・それは、わか――」

「分からないは許さないよ。ちゃんと言って。」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やぐっつぁん。」



「・・・だよね。うん、分かってた。」

「あのっよっすぃー!そのっ・・・」

「もう良いよ、別れよう?ね!決まり」

「よっすぃー・・・ごめん。」


「良いよ、薄々感じてたし・・・だからそんなにダメージも受けなかったし

 ・・・明日っからはメンバーに戻ろう?

 うちら、あまり付き合ってるの知られてなくて良かったね。」




「・・・ほんとにごめん。」
75 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月25日(火)21時53分52秒
吉澤は帰り際、いつもの笑顔を後藤に向けて帰って行った。

「さようなら」と残して。




・・・っく・・・よ・・すぃ・・ごめっ・・・ごめん・・・!!・・ぅぅ・・サイテー・・・だ・・ごと・・





自分が悪いなんて事誰に言われなくても分かってる。

自分だけが悪いことも分かってる。

好きでもないのに付き合って、好きでもないのにキスをして。

矢口が石川と仲良くしていることを吉澤に愚痴ったり、文句を言ったり。

今思えばすごく愚かな自分だったことに気がついた。

そしてそんな自分を好いてくれた吉澤に申し訳なさ過ぎて涙が止まらなかった。

ひとり残された公園のベンチで、止まるまで泣いた。
76 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月25日(火)21時58分08秒
>>56 名無し読者さま
     どっちも分かってしまいました(w
     展開が早くてすいませんm(__)m

>>57 名無し読者さま
     どうもです。
     展開はやっ!って感じに( ´ Д `)が気付いたわけですが。
     (●´ー`●)( ´ Д `)(〜^◇^〜)というより
     ( 〜^◇^)( ´ Д `)になりつつある・・・。

      もう少し続くのでお付き合い下さいませm(__)m
77 名前:キリィ 投稿日:2002年06月25日(火)23時43分04秒
このままやぐごまに…?
そんなのいやだー3人が好きなんだ〜・・・
78 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)12時56分13秒
更新お疲れ様です。
やぐごまでもなちまりでもなちごまでも私は嬉しいです。
3人とも好きですから。
最終的にどうなるか、楽しみにしてます。
頑張って下さい。
79 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)18時49分39秒
ますます面白くなってきましたー。
やぐごまでも全然オッケーですよ。
でもなっちも幸せにしてあげて下さい。
80 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)19時55分53秒
密かになちごま期待してたけど、なっちはやぐが好きなのか〜。
う〜ん、複雑な関係になりつつある(w
今後三人(&よっしぃ)がどうなっていくのか、気になって、気になって・・。
81 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)20時10分52秒
やぐと梨華ちゃんがいい雰囲気が出始めてる気が・・・。
やぐの気持ちは一体?
82 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)20時59分29秒
次の日――
矢口と安倍は、吉澤の口から別れたことを聞いた。


理由を聞いても答えない吉澤。

しつこくしつこく聞いて、

『敢えて言うなら私の浮気が原因です♪』

と冗談っぽく答えるだけだった。


吉澤は後藤と別れたことなど感じさせずにいつもと同じで。


しかし後藤は暗かった。

そんな後藤に声を掛けたのは吉澤。



「ごっちん、暗い顔してたら幸せが逃げるよ?ほらっ、ちゃんと笑って!ごっちんスマイル!」


「よっすぃー・・・・後藤ひどいことしたのに・・・優しいんだね・・」



「・・・私と別れた事後悔する日が来るよお〜♪」

吉澤が明るく言うので後藤も釣られて笑った。


「ふふっ・・後悔しないように頑張る。」

「むっ!後悔させれるように頑張る!」


「「・・・」」





「「あははは」」




吉澤と後藤は別れたことなど全く感じさせずに笑顔で話していた。

吉澤の努力によるものだと言うことは後藤しか知らないが。
83 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時01分10秒

「でさっどうするの?これから。」

「これからってなんのこと?」


「矢口さんのことだよ。好きなんでしょ?」


「・・・うん。でも梨華ちゃん居るから・・・」


「・・・そっか・・・上手いこと行かないもんだね・・・」

「でも、頑張る。梨華ちゃんに分かってもらえるように頑張る。」

「おおっ?マジっすか?」

「マジ!後藤も好きだってこと分かってもらう!」

「お〜燃えてるねぇ・・・」


「あっ・・ご、ごめん。よっすぃーにこんなこと・・」

「ん?あー良いよ別に。まぁ私は中立なので?健闘を祈るってとこですが!」


「・・・祈ってちょーだい!」

「おうっ!」



そして後藤と吉澤は付き合う前の関係に戻ったが、絆は前以上に強くなっていた。



でも、どうしよう・・・
付き合ってるのに、『奪う』なんてこと・・・出来ないよ・・・




後藤は、頑張ると言ったもののどうやって頑張るのか方法が考えつかなかった。
84 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時02分15秒
そして特に石川と接触することも無く、ひにちが過ぎて行った。


「なっち、ごっつぁんさぁ最近元気ないことない?」

「・・・そうだねぇ・・・よっすぃーと別れたって聞いたくらいから元気ないかもね。」

「・・・何か悩みでもあるのかな?」
「聞いてあげよっか。」


「・・・だね。」



と、いうことで今矢口と安倍は仕事の後に後藤を誘ってファミレスに来ている。



「なんか、久しぶりだね、この3人で食事ってさぁ」

「ほんとだね。懐かしい感じがする。ね、ごっちん。」

「そうだね、・・・懐かしいね。」


「ところでさぁ・・ごっつぁん最近元気なくない?なんか暗いよ?」
「なっちも思うよ。なんか・・・悩みとか・・・あるの?良かったら、乗るよ?」
「そうそう。うちらはごっつぁんのお姉ちゃんだからね!」
「ね!」


矢口と安倍は嬉しそうに微笑んでいた。


しかしそれとは対照的に後藤は沈んでいた。
85 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時03分31秒
「・・ほんとに、どうしたの?」


「・・・悩みはさ・・・ないっちゃー無いんだけどあるって言ったらあるのかな・・・。」

「なっちたちには言えない?・・・そりゃ、無理にとは言わないけど・・・

 言えることだったら言ってよね。」

「そうだよ。ごっつぁん!」

「ありがと。でも、大丈夫!もう少し考えてみるから。

 ・・・今日はさ、誘ってくれてありがとね。」



「・・ううん。」
「うん・・」



結局後藤は何も言わずに、食事も適当に済ませて3人は分かれた。

3人が別れて少ししたころ。



『なっちに相談したいんだ。聞いて欲しい。後藤』


後藤は矢口には送らずに安倍にメールを送った。



あれっ・・・ごっちん・・・

矢口には言えないこと・・・?

なんなんだろ・・・?



『いいよ。いつが良い?』

『早い方が嬉しいな。明日、始まる前か、終わった後とか・・・』

『明日は昼からだし、朝会おうか。』

『ありがと。じゃあそういうことで!』
86 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時05分07秒
次の日の朝――

誰も居ない楽屋にふたり

安倍と後藤がイスに座っていた



「ほんとにごめんね?こんな朝からさー」

「ううん。ごっちんのためだったら平気。」
「あはっ アリガト!」


「それで、話してくれるの?」

「あっ・・うん。」




「・・・矢口には言えないことなんだ?」


「うん・・・後藤さぁ・・・やぐっつぁんが好きみたい。」
「えっ?!」


「やぐっつぁんのことをさ、好きだって気付いたのはさ・・・最近なの。

 ずっと引っかかってはいたんだけど・・・はっきりと分かったのは

 やぐっつぁんが梨華ちゃんと付き合いだしてから。

 やぐっつぁんと梨華ちゃんが仲良くしてるのを見て嫉妬してる自分に気付いた。」



「・・・それで、よっすぃーと別れた・・の?」


「・・・結果的にはそうなるのかな。後藤が自分勝手だったから・・・後藤がよっすぃーを

 振り回して・・・結果別れる事になったの。」




「そうだったんだ・・・」
87 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時07分00秒
「でもね、よっすぃーは、後藤にやぐっつぁんのこと頑張れって応援してくれてる。」



「・・・ごっちんの矢口に対する好きって言うのは恋愛感情なの?」



「・・・うん。ずっとね、仕事仲間、お姉ちゃん、そんな感じで好きなんだと

 思ってたんだけどー違ったんだね。そういう好きじゃなかったみたい。」



「・・・どうするの?」


「・・・それが分からなくて悩んでるんだよね・・・まさか梨華ちゃんから

 奪うなんて出来るわけないし・・・それに・・・やぐっつぁんだって

 梨華ちゃんのことが好きなんだし・・・でもね、でも、やぐっつぁんのことは

 本当に好きで、諦める事が出来ないんだよ〜」



「・・・難しいね・・・」

「うん・・・やぐっつぁんには言えないから・・・梨華ちゃんと話してみようかな・・・」
88 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時07分41秒
「・・・取りあえずまたなっちたちと遊ぼうよ。そのうちにどうしたいか分かってくるかもだし・・・」


「でも、それじゃあやぐっつぁんと梨華ちゃんを見なくちゃならないでしょ?

 ・・・でも、傍に居ないと何も分からないし・・・そうしようかな・・・」


「まぁ。ごっちんが決めることならなっちはなんでも聞くからさ!

 相談があったらこうやって呼んでくれたら良いし!」



「・・・アリガト。なっちってほんとに後藤のお姉ちゃんみたいだね。」

「そうだよ〜なっちはごっちんのお姉ちゃん(笑)」



それから仕事の時間になるまでファミレスで時間を潰して、なっちとごっちんは
昔のように楽しく会話をした。

ほんとに懐かしいなって思った。




ごっちんが矢口を好き・・・か。

なんだかすれ違いだね。

みんな、後になってからそのことに気付くんだね。

もっと早くに気付いてたら良かったね。



なっちは・・・ごっちんと矢口の協力したいけど・・・

梨華ちゃんがね・・・


ほんと・・・恋って難しい・・・ややこしい・・・
89 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時08分36秒
それから・・・
ごっちんはまたなっちたちと居ることが多くなった。

仕事中はそうでもないけどプライベートでね、遊ぶ事が多くなったよね。



「お〜いごっつぁん!一緒に帰ろ〜♪」

やぐっつぁんが帰ろうとする後藤を掴まえてそう言った。


「梨華ちゃんは?良いの?」

「うん。今日は用事あるってすぐに帰ったから。」

「そか、じゃあ一緒に帰ろう。」


やぐっつぁんと帰るの久しぶりだなぁ。

梨華ちゃんには悪いけどやっぱり好きだな。





「ごっつぁん、ちょっと寄り道してかない?」

「あ、そうだね。まだ早いもんね」


早いと言っても辺りはもう真っ暗だったが。
90 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時09分36秒
小さな公園に入って座る。


「ほぃ。」
「あ、ありがとー。」


矢口は傍にあった自販機で購入した冷たいジュースを後藤に渡した。



「なんか・・・あれだね・・・もう9月だってのにまだまだ暑いよね。」

「だね。蒸し蒸ししてやる気出ないよねぇ〜」



「・・・」
「・・・」



なんとなく会話が続かないですぐに沈黙になった。





「ごっつぁんさぁ・・・そういえばどうしてよっすぃーと別れたの?・・・って答えにくいか、

 こんなこと。ごめんね。なんかあの後から元気無かったからさぁ・・・気になったというか

 ちょっと心配だって言うか・・・」




「あ〜・・・・・・・・・」
91 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時10分46秒
「や、無理やり聞くつもりはないから言いにくいなら良いよ。それよりさ、もう少ししたら――」


「後藤がね、悪いんだ。全部後藤が、最初っから後藤が悪かった。

 よっすぃーは少しも悪くないんだ。」



「・・・ごっつぁん・・・」


「後藤はさ、他に好きな人が居たんだ。」



「・・・そうなの?!」


「・・・うん。それで、それがよっすぃーに分かっちゃって、それで別れたの。」

「そか・・・そうだったんだ・・・ごっつぁんは悪いって思ったから元気無かったんだ?」



「・・・それもあるけど・・・まぁ色々とあってね。」

それっきりその話題を続けることは出来なかった。



「そうだ、さっき何言おうとしたの?」
「ん?なんだっけ?」
「ほら、もう少ししたら〜って!」


「あ!ああ!もう少ししたらごっつぁんの誕生日だね!って言おうとしたの。
 去年はさぁなっちと3人で祝ったっしょ?今年はどうなのかなぁって思ってさ。」
92 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時11分41秒
「あ〜・・・去年はそうだったね。後藤の誕生日なのに後藤が料理作ってさぁ〜

 やぐっつぁん達は座ってただけ!」


「ううっそれは言わないで・・・・・・今年はどうする?梨華ちゃんも入れて4人で祝う?

 祝っていらない??」



「・・・そうだなぁ・・・ワガママ聞いてくれる?」

「まぁ1年に1回のことだし。良いよお」


「やった!それじゃあ今年はやぐっつぁんとふたりが良い!」


「矢口とふたり?なんで?」

「え?・・・だってあまり話す機会ないじゃん、最近。」

「でも、あれだよ?ふたりってなるとなっちが黙ってないと思うな・・・」

「じゃあ4人でもしてふたりでもする!どうよ!」


いや、どうよって言われても・・・矢口は嬉しいし、大歓迎・・・だよ。



でも、なっちや梨華ちゃんになんて言えば・・・
93 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時12分29秒
「ふたりには黙ってた方が良いね。」


「・・・そうだね。あ、じゃあ良いんだ?」

「うん。そんかわりプレゼント無しね。」
「え〜っ!!」

「ワガママ言わないの!!」

「ほ〜い・・・」






ごっつぁんがよっすぃーと別れた理由。

想像もしていなかった。

まさか他に好きな人が居たなんて・・・

誰なんだろ・・・ごっつぁんは誰が好きなんだろう・・・?

なっち・・・?



それに・・・ふたりでしたいだなんてどういうつもりだろ。

確かに話す機会は減ったけど・・・

ごっつぁんとまた、話すようになって、遊ぶようになったのはすごく嬉しい。

でも、梨華ちゃんが居るのにごっつぁんのことを考えている自分はなんか許せない。


ごっつぁんとふたりで誕生日を祝うことを喜んでいる自分が・・・ヤだ。
94 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時14分02秒
「それじゃあ明日は会えないんですか?」
「ごめんね。約束あってさ。」
「そうですか・・・仕方無いですよね、約束あるなら。」


「どうしたのお〜?矢口が梨華ちゃん泣かせてるの?」

「どこに泣いてる梨華ちゃんがいるのさっ!ばかなっち。」

「明日暇ならなっちと遊ぼっか?なっち明日はすることなくて・・・良かったら

 梨華ちゃん遊びに来ない?」

「えっ・・・!安倍さんちにですか?良いんですか?」

「うん。」



「じゃあ・・・お言葉に甘えて。」


「矢口、梨華ちゃんはモラッタ!」
「ばぁか!梨華ちゃんを宜しく!」

「ほいほい。」


「あっ今日はさ、なっちんちでごっつぁんの誕生日会でしょ?仕事終わったら

 急いで帰ろうね。」


「そだね。」




「ほんと、ごめんね梨華ちゃん。」
「いいえぇ!楽しんで来て下さいね。」



ほんとに、ごめんよ。

隠してごっつぁんと会うこと・・・やましいことは無いけど・・・

なんか・・・言えなくて・・・



ちゃんと、戻って来るから。
95 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時14分36秒
「それじゃあ今日はご馳走さま。みんなも有難うね。」
「ううん!なっちの時もしてもらったし。」
「矢口達のときは同時に出来るから便利だね!」
「そうですね。」

「それじゃあ梨華ちゃん、明日待ってるね」
「あ、はい。お邪魔しました。」



4人でのごっつぁんのパーティーはあっという間に終わって。

今なっちを除く3人で歩いてる。

なんとなく空気が暗いのは気のせいなのかな。

ごっつぁんと別れて梨華ちゃんとふたりになったら急にその空気は消えた。

ごっつぁんが・・・暗かったってことなのかな?

それに・・・梨華ちゃんも急に話し出したし・・・。
96 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月26日(水)21時15分43秒
「矢口さん達ってずっと仲良いんですね。」

「ん?なっちとごっつぁんのこと?」

「なんか・・・邪魔しちゃいけない気がして」


「ばっかだなぁ〜梨華ちゃん。そんなの気にすることないよ!梨華ちゃんも入れて

 4人で仲良くしようよ。」



「・・・はい。あと、ごっちんがすごく変わるなぁって思いますねー」

「そう?」

「ふたりに甘えきってる感じ。なんか羨ましいなぁ」


「明日はさ、ほんとにごめんね。なっちのこと宜しくね」

別れる頃になったので話題を止めて矢口はさっさと言った。



「矢口さんも楽しんで来て下さい。あっ浮気は駄目ですよぉ?」

「しないしない!梨華ちゃんだけだよ!」

「うふふはあとはあと


「それじゃーおやすみ。」
「おやすみなさい。」





明日・・・どうしよう。



ごっつぁんちか・・・
97 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月26日(水)21時23分07秒
>>77 キリィさま
    ( 〜^◇^)( ´ Д `)<駄目?
    あくまでも“なちごまり”の予定です(汗

>>78 名無し読者さま
    なちごまりの争う姿ってあまり想像できませんね。
    ほのぼの行きたいなぁとは思ってます(w

>>79 名無し読者さま
    やぐごまオケーですか(ホ
    3人とも幸せになれるよう、頑張ります(汗

>>80 名無し読者さま
    なちごまですか(ニヤリ
    すいません、まだ続くので気にして下さいm(__)m
    期待はずれだったらごめんなさい。

>>81 名無し読者さま
    やぐいし。ごま宅でやぐの気持ちは明らかに・・・なるかもです(w

    こんな話にレスを下さって本当に感謝しております。
    励みになります、頑張ります!!
98 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月26日(水)22時57分20秒
ごまんちで何があるんでしょう・・・
梨華っちを泣かしたらヤダー!!
とにかく、続き、楽しみにしてます!
更新お疲れ様でした。頑張って下さい。
99 名前:キリィ 投稿日:2002年06月27日(木)01時54分52秒
やぐごまは悪くないんですけど…3人から2人って展開は
残された人が可哀想で好きじゃないんですよ。

せめて、残された人にも救いがあればまだいいんですけどね(でも、やっぱり…
100 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月27日(木)02時43分42秒
明日のごま宅の様子も気になりますが、安倍宅のなちりかの動向も
放っておけない感じ。
なっちが、石川に対して宣戦布告とかすると、ちょっと楽しいかも(W
101 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月27日(木)16時58分15秒
やぐごま大歓迎!!でもやぐいしも気になってしまう。
102 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時41分02秒
ぴんぽ〜ん♪


矢口は梨華ちゃんと付き合ってる
梨華ちゃんが好き
梨華ちゃんを悲しませる事はしちゃぁいけない


何故だかそうやって気合を入れた


「ほ〜い」
「矢口だけど。」
「待って〜」

カチャ

「いらっしゃいはあとはあと

――なんてハート付きで言われて『やっぱ可愛いなぁ』なんて思ったりして


駄目駄目しっかりしないと!

そう決めるのに


「ほらー早く入りなよ。」

なんて手を握られたらやっぱぐらつく





矢口は・・・どこまで自分でいられるのかな・・
103 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時42分38秒
「お邪魔しまぁす。」
「あ、今日誰も居ないから。」
「そうなの?」
「うん。取り合えず先に後藤の部屋上がって待っててよ。」
「そうだね、そうさせてもらう。」


カチャ


・・・相変わらず汚い・・・

気にならないのかな・・・

“寝れたら良い”んだっけ?(笑)



なんとなくごっつぁんが来るまで暇で。

ごっつぁんの机に座っていたら矢口となっちとごっつぁんの3人で撮った写真を見つけた。

3人で遊園地行った時のやつ。

ごっつぁんがまだよっすぃーと付き合う前の・・・まだごっつぁんのことを

好きだなんて気付いて無かった時の・・・思えば、この頃が一番幸せだったのかもね
104 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時43分53秒
「ほ〜いお待たせ。紅茶で良かったよね。」
「あっ、ありがと。」
「何見てたの?」
「あ〜3人で遊園地行った時の写真。懐かしいもん出してるね。」
「昨日ね。なんとなく。」


イスから降りてベッドを背もたれにして横に並んで座った。

ちょぉっと近すぎて緊張する。


「それじゃあ〜まぁ一応16歳おめでとうってことで!」
「うぃ!」
「乾杯!!」





「――でさぁ〜今日は梨華ちゃんなっちんちに遊びに行ってるんだよ〜」

「そうなんだ。梨華ちゃん浮気中なんだ?」

「そそ。なっちに盗られちゃった♪」

「やぐっつぁんも浮気中だからおあいこで良いんじゃない?」

「あははっ そうだね。」



「・・・」
「・・・」



駄目だ、駄目だ〜自分からとんでもない話題振っちゃったよう。

ごっつぁんにその気がないからやっかいなんだこれが・・・


その気があっても困るけど。
105 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時46分41秒

あっ・・・!そ、そうだ!

「ごっつぁん、これ・・・」

「んあ?」
「プレゼント。やっすーいモノだけど。」

「ウソ!無いって言ってたじゃん。」

「そうだけどほんとに無いのも可哀想かな〜って。ほら、矢口って優しいでしょ?」

なんてふざけたのに


「嬉しいっ!大好きやぐっつぁん!!」

なんて横から抱きつかないでよ!!



「ちょ、ちょっとごっつぁん?く、苦しいって!」
「だって嬉しくってさ!」
「喜んでもらえて良かった。」


「使うね、これ。」


ごっつぁんは嬉しそうに矢口からの香水を見ていた。


なんとも・・・はぁ・・・可愛いんだよ・・・
106 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時48分08秒
「やぐっつぁんさぁ梨華ちゃんのどこが好き?」
「えっ?なに?急に。」

「ん〜梨華ちゃんがやぐっつぁんを好きだったのは知ってたけどやぐっつぁんが
 好きだったってのは聞いた事なかったから。」


「どこがって・・・」

どこだろ?
ネガなとこ?
暗いとこ?
声?
アゴンなとこ?


どこなんだろ・・・


「全部・・・?」
「なんだ、分からないんだ。」


「・・・言おうとするとなかなか・・・」

「後藤はさ〜好きな人のどこが好きか言えるよ?」



「・・・言ってみてよ。」

ごっつぁんの好きな人を聞くチャンス?!
どんな子なんだろ・・・


・・・梨華ちゃんのどこが好きか・・・分からなくて・・・ゴメン。




「まず〜後藤より年上。後藤より大人で優しくて面白くていつも頼りになって・・・

 誰かが悩んでたり困ってたりしたら真っ先に飛んでいって話を聞いてくれたりする人。」



「・・・そんな子いたっけ?」



「後藤よりずぅっと背が低い。」
107 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時51分27秒
背が低い?

矢口もだけど・・・結構それは居る・・・

年上で背が低いって・・・
なっち、圭ちゃん、梨華ちゃん、矢口?

誰だろ・・




「今隣に居るよ。」


ふんふん隣に・・・って、ええ?!



「何言ってんの?・・・矢口?」


ごっつぁんは何も言わずにコクンと頷いた。

うそだ・・・!!
信じられない!!
ウソだと言って欲しい・・・



「ウソ付くなんてごっつぁんらしくないぞ〜」

精一杯の笑顔で言ってみたけどごっつぁんは真剣な顔で


「本当のことだよ。」

と、言った。



嗚呼、梨華ちゃんゴメン。

なっちゴメン。

矢口は、矢口は今日罪を犯してしまうかもしれない。

変わってしまうかもしれない。
108 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時52分34秒
ぴんぽ〜ん♪


「石川でーす。」
「ちょっと待ってねー。」


タタタタタ
カチャ

「いらっしゃい。さささ、入ってよ。」
「はい。あ、これお土産です。」
「あらぁ〜良いのに気ぃ使わなくても〜」
「そんな訳にはいきませんよ!」
「まぁ良いや。中に入って掛けててよ。」



今日は梨華ちゃんに矢口とのことを聞こうと思ってる

ごっちんが矢口を好きだって言ってからごっちんは特に何もしてないと思う

なっちにはそう見える

矢口は今でもごっちんのことが好きだと思う

そもそも付き合い始めたのもごっちんを忘れるためって言ってたし・・・


梨華ちゃんはどうなのか・・・気になるよね・・・
109 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時53分20秒
「今度の新曲のよっすぃーってすごいよね。」

「あははっほんとですね。ホストみたい。安倍さんはーおぼっちゃまくんでー
 ごっちんはー学校で人気ありそうな男の子みたい。」


「なんだよ〜なっちはおぼっちゃまくん?なんかヤだなぁ〜」

「可愛いってことですよ!」
「梨華ちゃんもセクシーだけどね!」

「ありがとうございます。」



どうでも良いような会話をずっとして。

適当にご飯を食べて適当に映画なんかを見て。

気が付いたらもう夕食の時間だった。



「夜ご飯どうする?予定無かったらなっち作るけど。」

「えっと・・良いんですか?」

「うん。ひとりで食べてもつまんないから。」

まだ何も聞けてないし。



「じゃあ・・・お言葉に甘えさせてもらいます。」

「うん。テレビでも見ててよ。」
110 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時54分04秒
「どうかな〜不味くはないと思うけど〜」
「美味しいですよ!私は好きだけど下手だから〜」
「そっか。美味しいって言ってもらえて良かった。」
「ほんとですよ。」

「それよりさぁなっち、梨華ちゃんに聞きたいことあるんだよね。」
「なんですか?」

「矢口とのこと。」

「はぁ・・・?」

「梨華ちゃんさ、矢口のどこが好き?」
「えっ・・どうしたんですか?急に。」


確かに急だったかな。
でもこのままじゃいつまでたっても聞け無さそうだし。


「矢口とは古い付き合いだから〜なんとなく気になっちゃって。」
「そうですか。」


梨華ちゃんはお箸を休めると、なっちの方を向いて言った。
111 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時55分07秒
「ひとことで言うと・・・全部です。」

「全部?」

「全部ってなんとなく逃げてるって思われるかもしれないけど全部好きなんです。」


「・・・うん。」




「・・・テレビとかでたくさん発言して“目立ちたがり”って言われて“うるさい”って

 言われてほんとはショックなはずなのにそんな素振り見せないでいつも明るいところとか、

 全然馴染めてない新メンバーに声かけようとして失敗したりしても笑ってて、

 後輩が悩んでたらすぐに飛んで来てくれる。頼んでなくても来てくれる、

 気が付いてくれる。そんなところが大好きです。たまに頑張り過ぎて体を

 壊しちゃうところとか、正直過ぎて喧嘩になることがあってもちゃんと

 納得できるまで話し合うところとか・・・そんなところを含めて全部が大好きなんです。

 ・・・細かく言っちゃいましたけど(笑)」



「・・・ほんとに好きなんだね。」



「・・・褒め過ぎですかぁ?(笑)」

「ううん、良く見てると思うよ、梨華ちゃんは。」

「?そうですか?」
112 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月27日(木)21時56分04秒

ほんと、矢口の良いところたくさん知ってるね。

悪いところも・・・それも含めて好き・・か。



ごっちん、梨華ちゃんはかなり手強いよ。

なっち、応援したくなっちゃったもの。



「それじゃあ今日は楽しかったです。」
「また来てよ。暇なとき。」
「はい。お邪魔しました。」



なっちは・・・どうするかね。


あれっ?なっちもやぐちが好きなんだよね?





協力して・・・へんなの。


113 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月27日(木)22時03分06秒
>>98 名無し読者さま
     ごまんち。・・まで行きませんでした、ごめんなさい。
     明日はやぐごま編で。

>>99 キリィさま
     個人的に△関係は自分も苦手だったり。
     ひとりだけが悲しまないように祈ってもらえたら助かります。

>>100 名無し読者さま
     宣戦布告(汗 期待裏切りまくりですいませんm(__)m
     (●´ー`●)は争いが嫌いなようです(w

>>101 名無し読者さま
     やぐいしですか。やぐが振らつきまくりです(w
     やぐがこんなにもてて良いのだろうか(笑)

     少しの更新ですいません。
     なちごまり。になるように頑張ります。でわ。
114 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月28日(金)12時31分58秒
やぐが、ごまの誘惑に負けないことを祈ります(w
115 名前:100 投稿日:2002年06月28日(金)12時53分29秒
いや、こちらも誤解していたようです。
安倍宅にて、後藤の誕生会をやっていたので、てっきり『お泊り』だと……
(夜、電気を消してから話をしている最中に弾みでって感じを予想してました)

っつーか、誤爆でしたね。。。逝ってきます!!
116 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月28日(金)22時38分29秒
やぐが、ごまの誘惑に負けてやぐごまになることを祈っている者もいます(w
117 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月29日(土)01時14分58秒
すいません。
今帰って来て明日も仕事なので本日は更新出来ません(もう日にち変わってるけど)。
明日の夜、必ず更新いたします。
読んで下さっている方、申し訳ないですm(__)m
118 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月29日(土)20時21分22秒
どうしよう・・・
どうして今さら・・・
どうしてもっと早くに・・・
今更遅いよ・・・
どうしたら良いのさ・・・

「まさか・・・ごっつぁんが・・・」




『ほんとのことだよ。』


『・・らしくないよ?』

『ほんとだって。』


『・・・・止めてってば。』
『どうして?ほんとのことなのにさ。』


ごっつぁんって分からない。
矢口にそれを言ってどうしろって言うの?
矢口は今梨華ちゃんと付き合ってるんだよ?

ごっつぁんのこと忘れようとしてるんだよ?
119 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月29日(土)20時22分39秒
『まぁ良いや。気持ちだけもらっとく〜ありがと。』

ウソ付いてる風には見えないけど答えられないよ。

『どうして冗談だと思うの?!後藤は本気でやぐっつぁんが好きなんだよ!!』

きれたごっつぁんが矢口の腕を掴んで揺さぶって来た。

どうしたら良いのさ・・・


『矢口には!!』


『・・・なに?』
『矢口には・・・!・・・・梨華ちゃんが居る!!!』
『そんなの分かってる!』

『だったらどうして困らせるようなこと言うの?!梨華ちゃんと付き合ってるのに、
 そんなこと言われたって答えられないじゃん!!』


『言うつもりなんて・・・なかった。梨華ちゃんから奪うとか、梨華ちゃん居るのに
 やぐっつぁんにこんなこと言うつもり無かったよ!でも・・・っ、
 ・・・・・やぐっつぁんが好きだから・・・。』


そんな悲しそうな顔しないでよ!
矢口だってずっと好きだったごっつぁんに好きだって言われて嬉しくないはずがない!
でも、でも!どうすることも出来ないじゃんか・・・


矢口は・・・梨華ちゃんを裏切りたくない・・・
120 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月29日(土)20時23分43秒
『ごっつぁんの気持ちは本当に嬉しいよ?でも、それはきっと恋愛感情じゃないと思う。
 矢口のこと、お姉ちゃんとして――』


『違う!!』



『・・・・・・・駄目だよ・・どうにも出来ない。・・・・・・・・・矢口・・・せっかくだけど・・・
 帰る。帰った方が良いと思う。』


『待ってよ!!やぐっつぁんの気持ちは?』


『・・・え?』
『やぐっつぁんは、後藤のことどう思ってる?!なんとも・・・思ってない?!』


裏切りたくないけど・・・梨華ちゃんには悪いけど・・・矢口は今もまだ・・・
ごっつぁんのこと・・・好き

いくらこうやってワガママ言われてもめちゃくちゃなこと言ってても・・・好きみたい

だから早く帰らないとやばい。
121 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月29日(土)20時24分33秒
『聞かせてよ!!』

でもっ・・・!


好きだよ!
『矢口はごっつぁんのこと――』



“浮気は駄目ですよぉ?”



梨華ちゃん・・・!!


“矢口はごっつぁんのこと、好き。”

そう言おうとして梨華ちゃんの言葉と梨華ちゃんの顔が浮かんだ
矢口を信じきって、矢口のこと本気で好いてくれて・・・

すっごく笑顔の梨華ちゃんが・・・



・・・ごめん。傷つけるところだった。

優柔不断の矢口を許して。
122 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月29日(土)20時25分42秒
『後藤のこと・・・なんなの?』


『矢口は、ごっつぁんのこと妹にしか見えない。』
『・・・』

『好きって言ってくれたのは本当に嬉しかったけど・・・矢口は梨華ちゃんのこと
 ・・・・・好きだから!!』



『・・・そうだよね。』

『・・・ごめん。』



そう言った後に見たごっつぁんの顔。
泣くのを我慢して涙を溜めて顔を赤くして・・・
あと一言何かを言えば溢れさせてたと思う。

ごっつぁんのこと、泣かしたかった訳じゃない。

ごっつぁんに幸せになって欲しかった。

だから、身を引いた。

だから梨華ちゃんとも付き合った。

遅すぎたんだよ。
123 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年06月29日(土)20時26分40秒

『・・・からっ・・』


なんて言ったのか分からなかったけど・・・
部屋を出る矢口に後ろからごっつぁんは言った。

恐らくは、“諦めないから”そう言ったんだと思う。




ごっつぁんが矢口のこと好きだったなんて
どうして今なの?
今でなくちゃいけなかったの?
よっすぃーと付き合う前、梨華ちゃんと付き合う前。
いくらでも機会あったのに


どうしていいいか分からないよ
ごっつぁんが泣いても矢口は何も出来ない

声をかけることも・・・

触れることはもっと。
124 名前:なちごまり。 投稿日:2002年06月29日(土)20時32分09秒
>>114 名無し読者さま
     誘惑なんて出来ないごまでした(汗
     でも、それいじょーにてぇへんなことに・・・(汗

>>115 100(名無し読者)様
     急に決まったオフの過ごし方だったので(w
     誤解をさせたようでm(__)m
     (●´ー`●)登場率が減ってしまった・・・(汗

>>116 名無し読者さま
      やぐごま派ですか(w
      でも、114さんの祈りが強かったようです(笑

      ほんのちょこっとの更新ですいませんです。
125 名前:名無し読者 投稿日:2002年06月30日(日)15時05分56秒
ごまはどうする!やぐは梨華ちゃんとどうなるのか。
なっちを含めこの4人は今後どうなっていくんでしょう。
126 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月01日(月)00時59分31秒
めっちゃせつないですねー。
好きなのに好きと言えないやぐと片思いだと思っているごっちん。
今後の展開が気になります。
127 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)02時11分47秒
次の日――

「おはよ〜」
「おはよ。」
「早いね、矢口。」
「そ?普通だけど。それより昨日、梨華ちゃんありがとね。」
「ううん。楽しかったよ。矢口はどこ行ってたの?」

「え・・っ・・別に・・友達と・・・遊んでた。」
「・・・ふぅん。」


「おはよーございまーす♪」
「あっ梨華ちゃんおはよう!!」
「矢口さんはあとはあと
「昨日ごめんねぇなっちなんかにさぁ」
「なんかって何よう、矢口(怒)」
「まぁまぁ。楽しかった?」
「はい。ご飯もご馳走になったし楽しかったですよ。矢口さんも楽しめましたか?」
「うん!楽しかったよ。今度の休みはどこか行こうね。」
「ハイ♪」


ごめんね。
ウソついて。
言えないことしてたんだ。
言えないこと・・・あるなんて失礼だね。
ほんとに、ごめんね。
ちゃんと、梨華ちゃん見るから。

笑顔、壊したくないから。
128 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)02時12分38秒
その日、誰かが楽屋のドアを開けるたびに心臓が飛び出そうになった。
ごっつぁんだったら、ごっつぁんだったらどうしよう。
どんな顔して会えば良いんだろう。
なんて声掛けたら良いんだろう。
梨華ちゃんと居るのを見てどう思うんだろう。

そんなことばかり頭の中ぐるぐる回って・・・気が気じゃなかった。

楽屋を見渡すともうごっつぁん以外は集まってて。
時間まではまだ少しあるけど、ごっつぁんは来ないかもって思った。
ちょうどその時――


カチャ
「おはよーございます。」

のそっとごっつぁんが入って来た。
俯いて表情は良く見えなかった。
入ってきてすぐにごっつぁんを見たけど視線は合わなかった。
129 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)02時13分27秒
「ごっちん遅いゾ〜!!」

よっすぃーがいつものように声を掛けに行ってる。
いつもなら「あはっ寝過ぎちゃった♪」って返すごっつぁんだけど・・・

「・・・あはっ・・・ちょっと寝すぎちゃって・・・」
「またかよ〜相変わらず――ってどしたの?!」
「なにがさ。」
「だって目――」
「やばいよねぇ〜昨日ユウキとけんかしちゃって〜。」
「そんなに目ぇ腫らすほどの喧嘩するなよ〜!!」
「んあ〜ごめん。」

目ぇ腫らす?

「ちょっと、圭織んとこ行ってくる。」
「しぼられるよ〜?売り物なのに〜って!」
「だねぇ〜まいったね。」


「ごっちん遅いよ〜」
「そうだよ〜ごっちん。」

なっちと梨華ちゃんがごっつぁんに声をかける。

「えへへ。寝坊しちった。」

なっちたちから視線を外すように横を通り過ぎて行った。
ちょうど横を通ったとき、視線こそ合わなかったが、目をぱんぱんに腫らしたような
ごっつぁんの目が見えた。
矢口の方がちっちゃいから見えた。
130 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)02時14分17秒
「ね、やぐち〜ごっちん、なんか変じゃなかった?」
「へ?どどんな風に?」
「ん〜・・・なんか変な感じ。したよね?梨華ちゃん。」
「はい。疲れてるのかな〜?」

やっぱり誰が見ても変なんだ、ごっつぁん。
昨日のことが原因なんだ?
そうなんだ?


「後藤?!あんたっ何よその目ぇ!!」
「・・ごめん、圭織。」

「なに?・・・ケンカ・・?うん・・・それで・・?泣いた?・・・・・・ばかっっ!!」
「・・・反省してるってば〜。ごめんなさい。」
「あんた、ウチらはね〜顔も売り物なんだよ?そんな顔でテレビなんか出せないよっ!」
「・・・うん。」

圭織のでっかい声で、事務所のみんながふたりに注目した。


「・・・っとにかくっマネージャーさんに相談して・・・無理なようだったら今日は・・・駄目だからね!」
「・・・ごめん。」
「みんなも、そろそろ始めるから準備して!」

圭織の声でそれぞれがまた自分のことをし出した。
梨華ちゃんはマネージャーに呼ばれて出て行った。

131 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)02時15分19秒
「ごっちんのところ行ってみない?」
「えっ?」
「だって心配じゃない?いつも仕事に対してきちんとしてるごっちんがあんなになってさ。
 よっぽどのことがあったんじゃないかな?」


それは矢口も思うよ。
マスクして風邪引かないようにしたり水分とりすぎて目を腫らしたりしないように
いつも注意しててさ、泣いたりなんて・・・紗耶香が辞めたあと・・見てないもん。

ごっつぁんのあの目。
昨日矢口が帰ったあと、どれだけ泣いたんだろう?
ごっつぁんが泣くなんて、あんなこと言うなんて、思ってもなかったから。
ごっつぁんの泣いている姿が浮かんできて・・・矢口は・・・やるせなくなった。


「矢口?どうしたの?行こうよ。」

あっ・・・

「え?・・・行かない?・・なんで?・・なんでも?・・・わけわかんない。なっち行くよ?
 ・・良い?・・え?」

理由を言わない矢口にどうしても聞きたがるなっち。
あまりにもしつこかったから『マネージャーに呼ばれてるんだ』ってウソついて。
呼ばれてもいないのに楽屋から出た。
132 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)02時16分12秒
ごっつぁんがああなってる原因は100%間違いじゃないく矢口にあるから。
その矢口が声をかけることは絶対に出来ない。
それに矢口もそんな強い人間じゃあない。

なっちに・・・まかせるしか・・・ない。


ほんとにマネージャーに呼ばれた訳じゃないから外に出てもすることなくて。
廊下の角を曲がった所にある自動販売機の前でジュースを買って時間を潰してた。
133 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)02時17分04秒

『やぐっつぁんが好きだから』

消えない。
ごっつぁんちを出てからずっとこの言葉を消そうと、忘れようとするのに消す事が出来ない。
帰る直前に見たごっつぁんの顔も、声も、何もかもが消えない。

矢口は梨華ちゃんと付き合ってる。
矢口は梨華ちゃんを好きに・・・なってる・・・よね。
でも・・・ごっつぁんのことも正直・・・好きだよね。
どっちのほうが好きかなんて・・・分からないよ。
分からないから・・・矢口は梨華ちゃんと居た方が・・・良い・・よね?

あ〜!もうわけわかんない!!
もう消えちゃいたい!


「矢口さ〜ん、そろそろ集合らしいですよ〜」

現実から逃れようとしている矢口はよっすぃーの呼ぶ声であっさりと戻された。

「すぐ行く〜」

どうなるんだろ、これから・・・。
134 名前:なちごまり。 投稿日:2002年07月01日(月)02時21分56秒
>>125 名無し読者さま
     これからどうなっていくのか。
     作者にも分かりません(爆
     ていうのはもう決まっているのでウソですが、
     最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。

>>126 名無し読者さま
     やぐごまでしばらく来ていましたがそろそろ(●´ー`)
     登場します。やぐがどうするのか、なっちがどう動くのか。
     それがキーなのかな。・・・多分。
135 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月01日(月)02時41分36秒
なっち、ガンガレ!
ごっちんを救えるのはなっちしかいない。
なちごまに超期待です。
136 名前:NGM 投稿日:2002年07月01日(月)02時49分47秒
3人がいい関係になれますように…
137 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月01日(月)11時39分03秒
せつないです。やぐち〜
やぐにごっちんを救ってほしいけど、
そうすると梨華ちゃんが・・・
138 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月01日(月)18時52分39秒
なっちの登場が待ち遠しいっス!やぐごまを救って下さい、ついでに梨華っちも(w
139 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時45分54秒
カチャ

入ってすぐにさっきごっつぁんが居た所を見てみた。
そこにはごっつぁんは居なくて。
周りを見渡したらなっちも居なくて。

矢口の知らない間に出て行ったのかな・・・?
居ないことに少しほっとして進もうとしたら。

カチャ
すぐ後ろでドアが開いて・・・

ゴンッ
痛っっ!!

軽くだったけど矢口の頭に直撃した。

「痛い・・誰さ・・・?」
後ろを振り向いてすぐに振り向いたことを後悔した。

(ごっつぁん!!)
「・・・あ、・・・ごめん。」
140 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時46分41秒
矢口の頭にドアをぶつけたことを謝るごっつぁんに言葉を返すことが何故だか出来なくて
固まっていたらその後ろからなっちが顔を出した。

「あっ矢口戻って来たんだ。そんなところに居たら危ないよ〜?はいはい進んで進んで」
「・・・あっ・・そうだね。」
なっちの声で矢口は金縛りが解けたみたいに動く事が出来た。

あ、また見ちゃった。
返事を返さない矢口に悲しそうにするごっつぁん。
だって・・固まっちゃったんだもん。

・・・こんなんで、一緒に仕事なんて出来ないよ・・・!
141 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時47分43秒
マネージャーからスケジュールを聞いてそれぞれに移動を開始。
今日はハロモニの撮り。
スタジオに移動をする。
移動をする前になっちが矢口に言った。

『今日、終わったら時間欲しい。』

ひとことだけ。
通り過ぎる時にぽそっと言った。
矢口は返事を返さなかったけど。

そう言ってごっつぁんと並んでスタジオに向かうなっち。

「今日は涼しくて良いですね♪」
矢口の隣には梨華ちゃん。
いつもと変わらない笑顔で矢口を見て言った。
「そうだね。もうすぐ10月だしね。」

時間欲しいって言うのは・・・やっぱごっつぁんのことなのかな。
ふたり部屋に居なかったし。
ごっつぁん・・・なっちに昨日のこと言ったのかな。
・・・どうなのかな・・・

・・・・・今は、仕事に集中・・!!

出来ないって!

はぁ・・・
142 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時48分54秒
ごっつぁんはやっぱりマネージャーにこっぴどく怒られたみたいで、端っこで見学してた。
2本録りだから大変。

ごっつぁんがこっちを見てると、矢口を見てなくても目のやり場に困る。
ちょうど前を向いたら居るんだもの・・。

その日の仕事は何をやったか全く覚えてなくて、あっというまに楽屋に戻っていた。

・・・・・・・はっ!
ここは・・・・・楽屋?!

「なぁにキョロキョロしてるの?」

あっ・・・
「なっち。」
「もうみんな返ったよ?」
「うそっ梨華ちゃんは?」
「何言ってるのお〜?また明日ねって矢口言ってたっしょ?」

あちゃ〜まったく記憶にない・・・・・・・
ま、いっか。

「・・えと、なんだっけ?話があるとか・・・?」
「あっ、そうそう。なっちんち来れる?」
「ここじゃまずいの?」
「ううん。でも、なっちんちの方がゆっくり出来るっしょ。遅くなったら泊まってけば良いし。」
「明日昼からだし、じゃあそうするか。」
143 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時50分07秒
「早速だけど。」
「ああ、なんなの?話って。」
「ごっちんのこと。」
「へ?」
「今日さあ、色々話聞いたんだけどはっきり言わなくて。何か悩みがあるみたいだけど
 言わないんだよね、ごっちん。矢口何か知らないかなぁって思って。」
「矢口は・・知らない。」
「ほんと?」

ほんと?って・・・カマかけてるの?
ごっつぁんから聞いてないの?
矢口だって誰かに聞いて欲しいけど・・・なっちもごっつぁんが好きなんだもん、言えるわけないよ。

「ほんとだってば!矢口はさ、ごっつぁんのこと忘れようとしてんの。・・・なっちが・・・
 なっちが心配してあげたら良いじゃんか!」

はっ・・・!キツイ言い方しちゃった!!
な、なっち・・・?

「・・・なっちはさ、ごっちんのこと今は好きって訳じゃないよ。」
えっ?
なっちも諦めたの?
「なんでっ――」
「なんでか分からないけどほんとのことだよ。」

なっちはごっつぁんのこともう好きじゃない?
恋愛感情ないの?
だったら・・・それが本当だったら矢口っ・・・相談したいよ・・・!!
144 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時50分50秒
「だからさ、矢口が・・・・・もし、まだごっちんのこと忘れられて無いんだったら話・・・聞くよ?」

「・・・もう、ごっつぁんのこと良いの?」
「うん。今はほんとに妹みたいに見てる。」
「そう・・・。」
「矢口は・・・今でも好き・・・でしょ?」

なっちはなんでも分かるね。
なっちは矢口にとってもお姉ちゃんかも。

「・・・矢口・・なっちに聞いて欲しいことある。」
矢口がそう言ったら、なっちは柔らかく微笑んだ。
なんか、その顔に安心しちゃって、張りつめてた矢口の心が緩んだ気がした。

良いのかな、言っていいのかな?
聞いて欲しいよ、聞いて欲しい
なっちにごっつぁんのこと全部聞いて欲しい。
145 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時52分23秒
「あの・・さ・・矢口・・・昨日実はごっつぁんと会ってて・・・それで・・・その・・ごっつぁんちに
 行ってたんだけどね?」
「ごっちんちに?ひとりで?」
「・・・うん。友達って言ってたけど実はごっつぁんちに遊びに行ってたの。」

「・・・何しに?」
「ごっつぁんが・・誕生日会したいって言ってさ・・それで・・・行ってた。」
「梨華ちゃんには言ってないんだよね?」
「うん。・・・なんかさ、言えなくて。」
「・・・うん。」

「そんでっ・・・!・・・・ごっつぁんに・・・・・・・・・・・好きって・・・言われた・・。」

「えっ!ごっちんが?矢口に?」
「・・・うん。」
「それで・・・矢口はなんて・・・?」

「・・・勿論断ったよ。」
「どうして?好きじゃないの?」
「好きだけど・・・正直、分からない。矢口は今梨華ちゃんと付き合ってるでしょ?
 ごっつぁんを忘れるためって思って付き合いだしたけど・・・梨華ちゃんのこと・・
 好きになりつつある。梨華ちゃんの泣く顔見たくないの。」

「・・」
146 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時53分31秒
「だから、ごっつぁんのことは“妹”にしか見えないって言った。」

「・・・・それでごっちん・・」
「うん・・・泣かしちゃった。矢口の前では泣かなかったけど我慢してた。
 帰った後・・・泣いたんだと思う。」

「だって・・・!どうしようも無いじゃん!ごっつぁんがよっすぃーのこと好きだと思ったから
 諦めようと頑張った!割り込めないって思ったから・・・身を引いたんだよ?それなのにさっ・・・!!
 ごっつぁんのこと・・泣かしたくなんか無かったよ・・・!出来るなら応えたかった・・・!
 でも、無理だもん・・・!!」

「・・や、やぐち」
「ねぇ。ねえなっち!どうしたら良いの?どうしたら良いと思う??」

どうしていいかわかんなくて
どうしたら上手くいくのかわかんなくて
どうすることも出来ないって分かってて

興奮してなっちに言った
147 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月01日(月)21時54分28秒
「ちょ、ちょっと落ち着いて!ちゃんと整理して考えよう?ね?矢口・・」
「だって・・!わかんないよ!!」

なっちに言ってもどうにもならないのは分かってるのにしゃべっちゃったら止まらなかった。
なっちを困らせてしまった。

「矢口!!」

――と、思ったらなっちは大きな声で矢口を呼んで・・・矢口を抱きしめた。

「・・!!」
「落ち着こうよ、やぐち。最初から一個ずつ片付けて行こう?ね?」

なっちの温もりが・・・なっちがすごく近くに感じて・・・なっちの温かさに気持ちが和らいだ

「なっち・・・・うん、ありがとう。」

矢口が返事をしたらなっちは離れて、そしてお茶をいれにキッチンへ向かった。

なっちが居て良かった・・・
なっちが・・・聞いてくれるなっちが居てほんとに良かった。

ほんとうにありがとう・・・。
148 名前:なちごまり。 投稿日:2002年07月01日(月)21時59分16秒
>>135 名無し読者さま
     ごまを救うのは誰なんでしょうか。
     ある意味やぐも気の毒?そしてなっちも。
     なちごま。あるのかなぁ(爆

>>136 NGMさま
     HNがなちごまり??
     良い関係になれるよう持っていけるよう頑張ります。
     見捨てないで下さい(汗

>>137 名無し読者さま
     △どころじゃなくなってしまって困ってます(汗
     みんなが幸せになれるよう頑張ります。

>>138 名無し読者さま
     (●´ー`) <登場したべ。
     梨華っちはついでですか(笑)

     レスを下さる皆さん、どうも有難うございます。
     とても励みになってます。
149 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月02日(火)13時15分05秒
なっち登場!!
続きが気になる。
楽しみにしてます。
150 名前:ががーん!!ビビンバ! 投稿日:2002年07月02日(火)18時23分40秒

なっちやさすぃー!!!!!
151 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月03日(水)00時22分19秒
温かいお茶を入れて戻って来るなっちの顔はやっぱり柔らかくて。
矢口の心がまた少しずつ緩んでいくのが分かった。

「矢口はごっちんのことが今でも好き。そうだよね?」
「・・・うん。」
「でも、梨華ちゃんのことも好きになりかけてる。これも?」

「・・・・・うん、そう。」
「だから今付き合ってる梨華ちゃんを取るべきだって思ってる。そうだったよね?」

「・・・そうだね。・・・間違ってるかな?」
「間違ってるなんて思わないよ。でも、正しいとも思わない・・・。」
「・・・どうしたら良いのかな・・・」

「自分の気持ちだけ偽らないようにしたら・・・偽っちゃったら、誰もしあわせになれないと思うんだよね・・・」
「矢口が・・・優柔不断だからいけないんだ!優柔不断だから・・・!」
「あまり自分を悪く言うもんじゃないよ。難しい問題なんだから。」
「だけどっ・・!!」
「やぐちが困ったら助けるから。やぐちが悩んだら相談乗るから。やぐちの話ちゃんと聞くから。
 だからっ・・あまり自分を責めないで。」
152 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月03日(水)00時23分25秒
「なっち・・・・ありがとう。すごく助かる。」
「気にしないで。」
「ごっつぁんのこと・・・矢口は声かけたりしない方が良いと思うんだよ。なんとなく、
 気持ちが無いって言ったのにどういうつもりなんだ?って思うし。」

「・・・それはそうかもね。でも、無視は駄目だよ?仕事にも影響するし・・」
「無視なんてしないよ!でも、矢口からは・・もう・・しばらくは接触できないし、
 しないでおく。だから・・ごっつぁんのこと宜しく頼みたい。」

「・・・うん、まかせて。」
「ありがと。・・・なんか聞いてもらえて良かった。ここに来た目的は果たせてない気がするけど・・・」
「ううん。ごっちんにも聞いてみるから。それとなく。」

なっちはそう言って矢口にいわゆる天使の笑顔を見せてくれた。
すっごく可愛くて、すっごく幸せにしてくれる顔。
問題が解決したわけじゃないけど、その笑顔に救われる気がした。
ううん、救われた。

その後なっちは泊まりなよって言ってくれたけど、断って帰った。

寄りたいところあったから。
153 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月03日(水)00時24分40秒
消えてる・・・
いつも寝るの早いもんね。
そりゃ寝てるか。寝てるだろうから来たんだけど。

ごっつぁん、ごめんね。
ごっつぁんを選ぶことが出来なくて。
ごっつぁんの気持ちに応えてあげることが出来なくて。
いつか、本音を言える時が来るのかな。
もし来たら、その時は・・・一緒に笑いたいな。
嫌いじゃないからね?
ちゃんと、大事だから。
・・・おやすみ。


終電が無くなったから迎えに来てもらおうかと思ったけどそれはまだせずに。
ひとり歩いて向かった。
今大事にしなくちゃいけない、大事にしたい梨華ちゃんのもとへ。
一人暮らしをする梨華ちゃんの部屋は真っ暗で、ほんの少しの灯りも漏れていなかった。

梨華ちゃんも、ごめんね。
気持ち、はっきりしなくて。
でも、嫌いじゃないんだよ。
ちゃんと見てる。
優柔不断な矢口のせいで傷つけることがあったら・・・あるかもしれない。
その時は・・・ううん、そうなる前にちゃんとケジメつける。
だから・・・ごめんね。
いい加減な気持ちじゃないことは確かだから。

おやすみ・・・。
154 名前:なちごまり。 投稿日:2002年07月03日(水)00時27分49秒
>>149 名無しさんさま
     なちまり。終了です。
     (●´ー`) は優しいですね(w

>>150 ががーん!!ビビンバ!さま
     どうも、初めましてですか?
     (●´ー`) の優しさに(〜^◇^) は気付くのかな

     すいません、ちょっと明日から出張のため更新が週末まで出来ません。
     読んで下さっている方、申し訳ないですm(__)m
155 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月04日(木)10時14分18秒
なちごま期待!!やぐごま期待!なちまりも!
頑張れなちごまり!
156 名前:うまい棒メンタイ味 投稿日:2002年07月04日(木)13時06分06秒
先ほど頭から全部読みました
なっちと後藤と矢口
ナチまりは多いかもしれないですが
ナチごまやまきまりはすくないのでかなりおもしろいです

次回にも期待!!
頑張ってください
157 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時36分29秒
次の日――
「おはようございます。」

同じ空間に長く居ることを避けていつもより遅くに楽屋に入った。
だからって挨拶をしないと“避けてる”って思われそうだから挨拶はする。

「おはよう、なっちとごっつぁん。」
矢口がかばんを置きながら声を掛けたらなっちは優しい顔で返してくれた。
ごっつぁんは少し躊躇いがちに、それでも笑顔を見せて返してくれた。
なんか、無理して笑っているのが伝わってきて、ほんとは“避ける”くらいの態度の方が
良いんじゃないかってすぐに考え直すほどに胸が苦しくなった。
でも、いつまでもそこにいてもどうにもならないから、矢口はすぐに梨華ちゃんの所へと行った。

「おはよ〜」
矢口が声を掛けるとよっすぃーと話をしていた梨華ちゃんがくるっと振り向いてすぐに返事をくれた。
158 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時38分05秒
「おはようございますはあとはあと今日は遅かったですね〜」
「うん、たまにはゆっくり来ようかなって。あ、ゴメンね?よっすぃーと話してたのに。」
「あ〜私は別に良いですよ〜矢口さんが来るまでの暇つぶしの相手だし。」
「やだ、そんなつもりじゃないよ〜よっすぃー!」
「あははっ、冗談だって。それより矢口さん――」
「あ?なになに?」

そういえばごっつぁんは他に好きな人居るのがよっすぃーにばれて別れることになったって
言ってたよね?それって・・・よっすぃーは相手が誰だか知ってるのかな・・・
なんかきまづいんだよね・・・よっすぃーはいつもと変わらない感じだけど・・・

なんて思ってたら急に声を掛けられて・・・びびった。

「あ、・・・いや、なんでもないです。」
「なんだよ〜?気になるよ〜よっすぃー、言ってよ。」
「うあ・・いやほんとに・・そそれより、最近涼しくなって来て良かったですね!」
「ん?あぁそうだね。もっと涼しくなったら過ごしやすいけどね」

あれ?はぐらかされた?
ん〜・・・まぁいっか。
よっすぃーはそれだけをさわやかに言うと少し離れた所で遊んでいる辻加護のところへと行った。
159 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時38分46秒
「なんだったんだろね。」
「よっすぃーはいつもとーとつだから(笑)」
「そうだったね(笑)」

ちょっと真剣な顔にも見えたんだけどな。

「そうだ、梨華ちゃんさ、今度休みもらえたらさぁまた映画とか行かない?」
「映画ですか?行きたいです!」
「何か見たいのあったら言ってよね。」
「矢口さんは観たいのないんです?ないのに行きたいんですか?」
「や〜こないだのオフは遊べなかったし・・・映画じゃなくても良いの。
 梨華ちゃんと遊びたいなって思ったから。」

なるべく梨華ちゃんと居よう。
もてる時間全てを梨華ちゃんと過ごそう。
梨華ちゃんでいっぱいにしよう。
ごっつぁんのこと考える余裕ないほどに。
そう思って言ったことだった。だけど・・・
160 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時39分53秒
「矢口さん・・・石川感激です!!嬉しい!!」

そう言って急に抱きついてきた梨華ちゃん。
喜んでくれたことが素直に嬉しく感じられたけど、その瞬間にごっつぁんの顔が浮かんだ。
梨華ちゃんにくっつかれているせいで見ようと思ってもごっつぁんは見えない。

また、見せたくないもの見せちゃってるかもしれない、ごっつぁんの前で・・・
でも、だからってわざわざ梨華ちゃんにそっけなくするのもどうかと思う。
それは矢口自身したくもないし出来ないことだけど。

「ちょっと、梨華ちゃん!分かったから離して〜!!」
「あっ・・・!」

梨華ちゃんは矢口の言葉を聞いてすぐに恥ずかしそうに離してくれた。

「行きたい所決めてね。」
「楽しみです。」

離れてごっつぁんの方を見たらそこにはなっちもごっつぁんも居なくて、
ほっとした。
161 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時42分52秒
「矢口のことだよね?」
安倍は楽屋から少し離れた自動販売機の前で後藤とふたり座って居た。
そして率直に後藤の涙の理由を問いただしていた。
「・・・」
「昨日はさ、ユウキくんとケンカだって言ってたけど・・・違うよね?」

「・・・なっちには分かっちゃうよね、理由もさ。」
「理由は・・・分からないけど矢口のことが原因だってことは・・・分かるよ。」
「どうしたら良いんだろー。」
「・・・」
「なんかさ、ごとーってさ、バカなんだよね。バカっていうか・・・う〜ん・・・バカなのか。
 ごとーさ、やぐっつぁんにさぁこないだ――」

「そろそろ始まるって〜」
後藤が言いかけた所で遠くの方で安倍達を呼ぶ吉澤の声が聞こえた。
「あっ集合だね。ごっちん、今日仕事終わったら聞かせてくれない?」
「・・・うん。聞いて欲しいや。ごめんね。」
「ううん!仕事、頑張ろう?」
「うん。」

そして順調にスケジュール通りに仕事は進んで行った。

「ほんじゃ〜ご飯でも食べて帰ろっか〜」
「はい♪」
「お疲れさま〜」
「お疲れ様です〜。」
矢口と石川は毎日ではないけれど、たまに食事をして帰っていた。
162 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時43分46秒
「ごっちん、なっちたちもどっか入って話す?あれだったらなっちのウチに来ても良いけど?」
「ん〜・・・なっちんち・・・なっちんちに行きたいかな。外だとゆっくり話せ無さそうだし。」
安倍と後藤も帰る支度をさっさと済ませると並んで帰って行った。


「じゃあ、ごっちんは矢口に気持ち伝えたんだ?」
「うん、そー。いけないことだって分かってたのにやぐっつぁんを前にしたら簡単に口にしちゃってた。
 ・・・やぐっつぁんが返事できる訳ないのに、ばかだよね。」

「・・ばかじゃないよ。」
「そう?梨華ちゃん居るのにやぐっつぁん好きになって告白しちゃってさ、ばかみたいじゃん。
 振られるって分かってたのにさ・・・」
「矢口はごっちんのこと・・・なんて?」
「ん?・・・妹みたいにしか思えないって。」
「・・・」
「でも・・・振られるって分かってたってさっき言ったけどさ、心のどこかでやぐっつぁんは
 後藤のこと好きかもって思う気持ちもあったんだ。いっつも相談に乗ってくれてさ、
 いっつも元気くれてさ・・・でも、それは違ったんだ。」
「ごっちん・・」
163 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時45分08秒
安倍が自分のことのように悲しそうな顔をするのを見た後藤は急に笑顔を作って言った。
「でもさっなっちが心配するほど後藤は落ち込んでないんだよ。」
「ほんと?」
「うん。そりゃおとついは涙が止まらなかったけど・・・吹っ切れた訳じゃないけど、
 なんか・・・もう気にならない感じ。」
「無理するもんじゃないよ!無理してるの分かる、ごっちんが作り笑いなんてらしくない。」
「なっち・・・だって・・どうしようもないじゃん。」
「どうしようもないことないよ!」
「なんでさ!やぐっつぁんには梨華ちゃんが居るんだよ?付き合ってて、それで後藤のことは
 妹にしか見えないって言ってるんだよ?二人が別れたって後藤は“妹”なんだ、
“恋愛対象”にはならないんだよ!それなのにどうすることも出来ないじゃんか!!」
「ばか!!そりゃ・・・梨華ちゃんから奪えとか、二人が別れるのを待ちなよとか言うつもりはないよ!
 でも、ひとりで溜めるの?!」
「何をさ・・・」
「ごっちんひとりで溜め込んでさ!もっと吐き出しなよ!なっち、聞くくらいしか
 出来ないけどさ、ひとりで溜め込んでても良いことないよ!」
「だって・・」
164 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時46分08秒
「ごっちんは矢口のこと諦めないんでしょ?勝負するんでしょ?矢口に後悔させるくらい
 頑張りなよ!」

「どうして良いかわかんないもん!後藤はさ、妹にしか思われてなくてもやぐっつぁんが
好きだし、手に入れたいって思ってる。でもそんなこと出来るわけないんだよ!」

「・・・とりあえず、矢口と1回ふたりで話をした方が良いよ。」
「無理だよ!気まずいのに!」

「だから話すんじゃんか!いつか矢口が妹として見なくなったときに気まずいままじゃヤでしょ?
 これからのためにも話したほうが良いとなっちは・・・思うよ。」

「でも・・・言いにくいよ。」
「なっちから矢口に言ってあげるから!」

「なっちはさ、どうして後藤の協力してくれるの?なんの得にもならないのにさ。」
「損得で動いてるわけないでしょ、なっちはごっちんが可愛いからだよ。」
「そか・・ありがと。」
165 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時47分11秒
安倍は矢口の気持ちも後藤の気持ちも分かっているため、余計に胸が苦しかった
好きなのに付き合えないふたり。
そして自分も好きなくせに言えなくて協力をしてしまう。

「結局なっちは何がしたいんだろう。」

矢口が後藤を好きでなかったら後藤が諦めるようにもっていったであろう安倍。
それをしなかったのは矢口が後藤を好きだから。
矢口は石川との幸せより後藤との幸せを望んでいるような気がする。そう思った。
矢口を好きな自分としては矢口が本当に望んでいることを叶えてあげたい。
自分勝手に思ったことだったが。
166 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時49分07秒
次の日の楽屋。

「おはよ〜。」
「あっ・・おはよ。ごめんね、朝からさ。」
「ううん。」

昨日、なっちから電話があって急にごっつぁんとふたりで話をした方が良いって言われた。
今更何を話したら良いんだろう。
ちゃんと、断ったつもりだし、それにごっつぁんも何を言うつもりかな?
とにかく、ここにふたりっきりってのは正直キツイ。

「で、どうしたかな?」
「こないだのことなんだけど。」
だよね、そりゃ。
「うん。」
「後藤さ、やぐっつぁんと気まずいのイヤなんだよね。前みたいに一緒にご飯食べたり
遊んだりしたいし普通に声も掛けて欲しいんだ。」

「うん・・・矢口は変わってないと思ってるけど?」

「うそ、変わってる。目が合ったときとか外されるもん。気付いてるよ?後藤が言ったことは
やぐっつぁんにとってどうしようもないことだって分かってる、困らせてるって分かってる。
でも、避けられたら辛いよ。」
167 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時51分46秒
「・・ごめん。なんか、避けるとか、そんなつもり全然無いんだけど・・無意識のうちに
してたかもしんない。」

「・・・うん。梨華ちゃんとのことは邪魔しないよ。やぐっつぁんが梨華ちゃんを好きなんだもん、
それに後藤は妹でしょ?どうしようもないもんね?」

妹なんて本気で思ってないよ!ちゃんと女の子に見えてる!

「・・・ごめんね。」
「でもさっ、諦めた訳じゃないんだ。」
へっ?

「ど、どういうこと?」

「梨華ちゃんともし、もしだよ?もし別れるようなことがあって、それでもし、これももしだけど、
後藤のことを妹として見なくなるときが来たら、その時は・・・付き合ってくれる?」

なななななんっ・・!!とんでもないこと言うな、ごっつぁん。

「そんな“もし”はヤだよ。」
答えられるわけないじゃん。梨華ちゃんにも失礼だし。

「ウソでも良いから“良いよ”って言って。お願いだから・・・」

そんな泣きそうな顔して言わないでよ・・・今すぐ良いよって言っちゃいそうになる・・・
「やぐっつぁん・・・返事してよ。」

梨華ちゃん、ごめん。
“もし”だから

「・・・良いよ。」
168 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時53分23秒
「・・・ふぅ。」
“ふう”ってなんだよ、そんな気の抜けたため息して・・

「あの、ごっつぁん?」
「あ、うん、ありがと。その時を期待して待ってる。だから、それまでは後藤が言ったこと忘れてくれる?」
「へ?」
「梨華ちゃんと別れたら後藤が言った事思い出して。」

「・・・・ごっつぁんにも違う人居るよ。」
「居ないよ、やぐっつぁんが良い。・・・その時まで大人しくしてるから、それまでは普通にしてくれる?
無視とか、そんなのヤだから。」

「・・う、うん。」
「良かった。後藤、かなりワガママ言ってると思うんだけどなっちもやぐっつぁんも優しいね。
後藤がやぐっつぁんたちの立場だったらちょっとヤだよ。」

「・・・そう・・かな。」
それはごっつぁんのことが好きだからだよ。
嫌いだったら口も聞きたくない。
普通にか・・・そうだね、ごっつぁんからそういわれたらそうするしかないよね
169 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時54分17秒
「そういえばさぁ、今度の新曲どう?」
「どうって何が?」
「よっすぃーとごっつぁんとなっち、男役じゃん。」
「あぁ〜あははっそうだね。よっすぃーは分かるんだけど後藤が男役ってのはどうも
・・しっくり来ないかなぁ。」
「そう?ごっつぁんもかなりイケテルと思うけど。」
「う〜ん・・・」
「なっちはおぼっちゃまくんみたいだし。」
「新メンバーがさぁ、特に高橋がよっすぃーにメロメロだよね。」
「だね、ごっつぁんにメロメロな子も居るかもよぉ?」
「いたら誘惑しちゃおう!文麿風に!」
「そうそう、ぼぉくには分かるってね!」
「あははっ良い、それ!」
「だね!」

久しぶりにごっつぁんと会話をした気がする。
向かい合って同じ話題で笑顔で話せた気がする。
こうやって少しずつ、またもとの関係に戻って行ったら・・・良いな。
170 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月07日(日)00時55分15秒
カチャ

「おはようございま〜す」
「おっ噂のよっすぃー登場!!」

「は?噂のってなんです?」
「かっけぇ〜ひとむクンの話をしてたの。」

「なんだぁマキにマリ〜僕の魅力に今頃気が付いたのかい?」
「いや、後藤も男だし。」
「あ、そっか。」
「わははっばかよっすぃー!!」
「わぁマリ〜ひどいや・・・ハートブレイクさ。」
「そんな男ヤだよ〜」
「ほんとほんと。」

よっすぃーが入って来たことでいっそう会話が弾んで、なんとなくごっつぁんと
元に戻れる日は近いなって思った。

ごっつぁんと、今日の日を持たせてくれたなっちに感謝だね。
171 名前:なちごまり。 投稿日:2002年07月07日(日)01時00分55秒
>>155 名無し読者さま
      なちごまりな場面が少なくて申し訳ないです。
      ちょっと修正中です。

>>156 うまい棒メンタイ味さま
      初めまして。なちまり多いですか?
      なちごま、やぐごま、なちまり。
      どれもあまり見かけませんよね。
      とにかく頑張ります!

      そして、また月曜から出張です。
      どうして急にってくらいに入れられてます。
      毎日更新のお約束があっけなく終わってしまって申し訳ないです。
      ノートがあれば良いんだけど・・・(T-T)
      多分、次のでしばらく無いはずなので戻ったら一気に行きたいと
      思ってます。では!
172 名前:キリィ 投稿日:2002年07月07日(日)01時20分58秒
ホントになっちは何を望んでいるんだろう・・・???
自分の幸せも望んで欲しいが
173 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時10分02秒
それから数日が経って、矢口と後藤は少しずつ会話をするようになっていった。
時には安倍を交えて3人で食事に行くこともあった。
「ごっつぁん〜ご飯食べて帰ろ〜」
「あっ、うん。なっちも行こ〜」
「ちょっと待ってぇ」

「今度さぁ〜3人で遊園地行かない?」
「遊園地?」
「うん、前に行ったみたいにさ〜すっごく楽しかったから。」
「良いね、でも3人揃ってって結構厳しいかもね。」
「いけたらで良いじゃん、ね!」
「だね。」
少しずつ、少しずつだが元の関係に戻りつつあった。

174 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時10分34秒
「お疲れ様〜」
「お疲れ。」
11月になってユニットの活動がまた増えて、どんどん忙しくなっていった。
「ごっちんさあ、今日この後ちょっと時間くれない?」
仕事を終えて帰る用意をする後藤に声をかけたのは吉澤。
保田は少し前に帰っていた。
「んあ?良いけど。」

「おごってくれるの?」
「うん。たまには奮発しちゃう。ケチってばっかだからね、普段。」
「自分で言わないでよ〜ケチとか〜」
「まぁ、気にせずいっぱい食べてよ。」
「もちろん!」
175 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時11分08秒
吉澤と後藤は付き合っていた時に良く寄っていたファミレスにふたりで居た。
さっきから美味しそうにどんどんと食べていく後藤を柔らかい表情で吉澤は見ていた。
会話はあるものの後藤の返事は相変わらず「んあ。」が多かった。
デザートを平らげて食後のお茶をしている時、後藤が思い出したかのように口を開いた。

「そういえばさぁ今日って何か話あったんだっけ?」
そう言われて吉澤も思い出したかのように頷いた。
「そうだった。あまりにもごっちんが美味しそうに食べるから見とれてたよ。」
「なにさ〜それ〜。」

吉澤は急に真剣な表情を作るとコホンと咳払いをして言った。
「最近どうなの?」
どうなの?と急に言われてもなんのことだか分からない後藤。
「どうって何がさ。」
「その・・・矢口さん・・」
「ああ・・・どうって別に何も変わらないよ。」
「気持ち、伝えたんでしょ?」
「んあ?なんで?」
「前にごっちんと矢口さんがそんな事話してるの聞いちゃってさ・・・」
176 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時11分45秒
「そっか。聞かれちゃってたのか。」
「今でもやっぱり好きなの?」
「うん。でも最近はそんなこと抜きに仲良くしてるよ。」
「そうみたいだね。安倍さんとかと話してるのも良く見かけるし。」
「なに?心配してくれてるの?」
「あったり前じゃんか、これでも少しはごっちんと付き合ってたんだから・・やっぱさ、
好きな人には幸せになってもらいたいじゃん?」

「・・ありがと。でもやぐっつぁんと梨華ちゃん見るの、そこまで辛くないんだ。
梨華ちゃん良い子だし、それにほんとに仲良さそうだからね。」
「なら・・良いんだけどね。愚痴りたいこととかあったら言ってよね。」
「あはっ 優しいね、よっすぃー。」
吉澤はいつも後藤のことを見ていた。

「でも、やっぱり付き合いたいよね?」
「んあ〜?・・・・まぁ欲を言えばね!」
「そだよね・・」
「・・・?」
177 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時12分15秒
数日後の楽屋
「お疲れさま〜」
後藤はユニットでの録りを終えて楽屋へと戻って来た。
「ごっつぁん汗びっしょりじゃん。珍しいね。」
「だってスタジオすっごく暑かったよ〜?後藤達のあれでも動きハードだから。」
「そっか。矢口達に比べたら動き多いもんね。それじゃあ行ってくんべ!」
「うん頑張って〜」

「あっ矢口さんちょっと待って下さい。」
スタジオへと向かう廊下で声を掛けたのは吉澤。
「今日このあと楽屋で待ってます。ちょっと時間もらえませんか?」
「ん?でも長くなるかもしれないよ?」
「良いです別に!矢口さんは良いですか?」
「うん。なるべく急ぐね。」
「すいません。」


なんだろ?よっすぃーとふたりきりって久しぶり。
昔はよくごっつぁんとのこと聞かされたっけ。
今日はなんだろうな〜
178 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時12分47秒
「お待たせ〜よっすぃー。どのくらい掛かりそう?」
「ん〜そんなに掛からないと思いますけど・・どうしてですか?」
「いや、梨華ちゃんとご飯行こうかって今日行ってたんだよね。掛かりそうだったら帰ってもらおうかなって。」
「あ〜・・・」

「良いですよ、矢口さん。カフェでお茶してますから。」
「そう?ごめんね。」
「ごめんね、梨華ちゃん。矢口さん借りるね。」
「返してね(笑)」
「矢口はモノかい!」

梨華ちゃんが片付けて出て行くのを見送ってからよっすぃーは真面目な顔で話し出した。

「率直に聞きますけど、ごっちんのことどう思ってますか?」
「えっ?」
「ごっちんは矢口さんのこと好きですよね?矢口さんはどうなんですか?」
そういう吉澤の表情は少し怖い。
「いきなり何言ってるの?」
大体なんで知ってるの?
「ちゃんと答えて下さい。」
なんでそんなことよっすぃーに言わなきゃなんないの?
大体せっかくごっつぁんとまた普通に話せるようになってきたのに・・・
思い出させないでよ
179 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時13分33秒
「どうしてそんなこと聞くのさ。」
「お願いですから聞かせて下さい」
「矢口には梨華ちゃん居るじゃん・・・」
「それは“付き合っている人”でしょう?私が聞いているのは“好きな人”です。」
「ちっ違うよ!梨華ちゃんは好きな人だよ!!」
「ウソばっかり!!矢口さんだってごっちんが好きなはずです!梨華ちゃんと付き合ってるからごっちんに答えてあげることが出来ないんだ、そうでしょ?」

なんでそんなことがよっすぃーに分かるんだよ!
ひとことでも矢口、言った??

「違うって言ってるでしょ!!大体どうしてそれに拘るのさ!!」
「ほんとのことを聞かせて下さい・・・そうじゃないと・・ごっちんを諦めた意味が無いです・・・」

ちょっと・・どうして泣くのさ・・・!!
よっすぃーのキャラじゃないよ!
“ほんとのことを聞きたい”そう言って泣いてしまった吉澤を見て矢口も答えない訳にはいかなかった。
180 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時14分11秒
「・・・ごっつぁんのことは好き・・・・だったよ。ごっつぁんのこと妹にしか見えてない
時期もあってそれで好きだったことに気付いて・・・でも・・・今は違う。」
「・・・ほんとですか?」
「ほんとのことだよ。」
「・・・・じゃあ・・好きだった時はあったんですね?」
「・・・うん。」
「じゃあ梨華ちゃんと別れたらごっちんと付き合いますか?」
「なんでだよ!梨華ちゃんと別れるとかそういうこと言わないでよ!それに今は
妹にしか思えないから・・ごっつぁんのことは。」
「・・・すいません。」

吉澤が下を向いて黙ってしまったので矢口は「もう帰るね?梨華ちゃん待たせてるから」
と言って出て行った。頷く吉澤を確認してから。

もうそっとしておいて欲しい
やっと元に戻れてきてたんだ
ごっつぁんは普通に笑ってくれて普通に話しかけてくれて矢口もそうで・・
“好き”って気持ちをなくそうと、少しずつなくなりかけてきていたのに・・・
どうして思い出させるの?
もう、やだよ・・
181 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時14分53秒
梨華ちゃんを待たせているカフェへついて中を覗いたけど梨華ちゃんは居なかった。
あれ〜?おかしいなぁ・・・トイレかな?
そう思ってトイレの方へと行こうとしたら梨華ちゃんが歩いて来た。

「ごめんね、遅くなってさ。」
「いえ。もう良かったんですか?」
「うん。梨華ちゃんはトイレ行ってたの?」
「はい。」


「よっすぃー、矢口さんになんの話だったんですか?」
「えっ?」
「よっすぃー、いつもと違ったから。」
そう言う梨華ちゃんの目は矢口を見てなくて注文をしたパスタを巻き取りながら言っていた。
「そうかな・・・矢口には普通だったけど?まぁ内容はさ〜ほら、矢口ってよっすぃーの
教育係だったっでしょ?だからちょっと相談に乗ってただけだよ。」
「私にも言えないことですかー?」
笑いながら下を向いて言う梨華ちゃんはいつもとなんか違う。

「そんなことないけど・・・」
矢口が梨華ちゃんの問いに答えることができなくておたおたしていると、
「ふふっ、冗談ですよ。早く食べないと冷えますよ。」
「あっ・・、そうだね。」
と、いつもの笑顔を矢口に向けて言った。

なんなんだろ・・・梨華ちゃん。
なんか変だよね・・・。
182 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時15分30秒
「あー!!もうっ!遊びたい!!」
そう言ったのはごっつぁん。
12月に入って毎日毎日朝から晩までずっと働きっぱなしでオフなんかもらえなくて窮屈に
なってきていたこの頃。前に約束したなっちとごっつぁんと3人で行く遊園地。
仕事帰りに行っちゃおう!ということになって今遊園地にいる。
ただ、3人じゃなくて梨華ちゃんも含めた4人でだけど。
「梨華ちゃん、次あれ乗ろう!!」
「あっはい〜!」
「後藤たちも乗ろう、なっち。」
「駄目〜なっちもう疲れた〜ちょっと休んでる〜」
「え〜???まだ大丈夫でしょ?まだちょっとしか乗ってないじゃん!」
「そんなこと言ったって〜なっちとごっちんは年の差があるし〜ついていけないって〜」
「そんなあ〜・・・」

「矢口さ〜ん、石川もう駄目ですぅ。」
「えっ?」
「ちょっと酔ってきちゃいました〜」
「ウソ!じゃあちょっと休もっか。ベンチ行こう。」
「すいません・・・・」
183 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時16分05秒
矢口と石川は後藤たちが座るベンチに向かった。

「あれ〜?やぐっつぁん達どうしたの?」
「あ〜梨華ちゃんちょっと疲れたみたいだから休憩。」
「梨華ちゃんも?」
「もって、ふたりも?」
「ううん、後藤は全然いける。なっち疲れたみたい。」
「そっか。」
「矢口とごっちんで乗ってきなよ。なっちたち待ってるし。ね?梨華ちゃん。」
「はい。ふたりで行って来て。」
「・・・どうする?ごっつぁん。」
「ん〜後藤はまだまだ乗り足りない感じだから・・・」
「ほんじゃ、乗るか!!」
「うん!」
「じゃあ適当に乗ったら戻って来るから。ゆっくりしてて。」

そう言い残して矢口と後藤は人ごみに消えて行った。
184 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時16分39秒
ベンチに座っている安倍と石川。
これといって会話は無いのだが気まずいと言う空気でもなく穏やかな空気が流れている。
「矢口たちは元気だね。」
「ほんとですね。あれだけ動いたあとなのに・・・」
「矢口なんかちっちゃいクセに誰よりも元気だもんね。明るくてさ。」
「はい。・・・優しいし、楽しいし、・・・好きです。」
「あらら〜のろけるつもり?(笑)」
「あっ・・そんなつもりじゃないんですけど・・・ただちょっと・・」
「ん?ちょっとどうしたの?」
「矢口さんってほんとに優しいんです。ほんとにみんなのこと考えてて頼りになって
・・・すっごく良い人なんです。」
「・・うん。急にどうしたの?」
「そんな矢口さんと付き合っているのが私で本当に良いのかなって思うんです。」
「何言ってるの!変なこと言うもんじゃないよ。」
「だって・・・矢口さんにはごっちんがお似合いだと・・・思いませんか?」
「えっ?!なんて?」
185 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時17分28秒
「矢口さん、ごっちんと居る時、いつもだけどそれよりももっと優しい顔になって・・・
柔らかい表情でごっちんを見てるんです。矢口さんが本当に好きなのは
ごっちんじゃないのかな・・・。」
「梨華ちゃんが思ってるだけだよ。」
「矢口さん、私と居る時ほんとにたまにだけど苦しそうな顔してるんです。
一緒に居て普通に話している時、急に悲しそうな顔になるんです。」
「・・・矢口がそう言った訳じゃないでしょ?」
「そうですけど・・・それにごっちんも矢口さんのこと好きだと思うんです。
さっきだってすごく嬉しそうだったし・・・。なんか・・・ネガティブになっちゃって・・・」

などと話をしていると何やら視線を感じ、石川は言葉を止めて周りを見た。
「モー娘。の石川と安倍じゃん!!」
そう叫ぶ声が聞こえて、ふたりは猛ダッシュでそこを離れた。

「やぐっつぁんもっかい乗ろう。」
「うん。矢口も結構いける方だけどごっつぁんも好きだよね〜」
「まぁね!いこいこ!」

「モー娘。の矢口と後藤だー!!」

「「げっ!」」

矢口と後藤も正体がばれてそこから猛ダッシュで逃げるしかなかった。
186 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時18分01秒
「「はぁ はぁ はぁ」」

「まいたかな?」
「っ・・ですね・・焦りましたね・・」

安倍と石川は裏門から暗闇に紛れて園外へと出ていた。
「矢口たちに知らせないとね。ちょっと電話してみる。」
安倍はバックから携帯を取り出すと矢口のナンバーをコールした。

「あははっなんか今日走ってばっかだね。」
「まったくだね。さすがに疲れたぁ〜」
矢口と後藤も上手くまいて裏口から出てきた。
そこへ鳴った矢口の携帯

その音がすぐそばで聞こえて音のするほうを振り返った安倍と石川。
「あっ矢口!出てたんだ。」
「うん。ばれちゃって。そっちも?」
「うん。はぐれなくて良かった。」

「ご飯でも食べて帰らない?後藤おなかすいちゃったよ。」
「そうしよっか。」
187 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時18分43秒
先に歩く後藤と安倍の後ろを矢口たちは歩いていた。
「梨華ちゃん、もう気分悪いの大丈夫なの?」
「あっ・・はい。もう大丈夫ですよ。心配かけてすいません。」
「さっきさーごっつぁんともいっこ乗ろうとしてたら見つかってさーめちゃ焦ったよ〜
速攻走って逃げたよ〜」
「私もですよ〜」

(手、繋いでましたね。やっぱり・・・そうなんですね?)
石川の表情はどこか暗かった。
矢口は少し気になったがまだ気分が悪いのだと思い、特に突っ込むことはしなかった。

「明日も朝からだねぇ・・・ちょっと休みたいなぁ・・・贅沢いってらんないけど。」
「ですね。」
「今日は楽しかった?矢口はいっぱい乗ったけど梨華ちゃんあまり乗れなかったよね、退屈だったでしょ。」
「いいえ。」
なんだろ。返事みじか〜っ!矢口なんかしたっけ??
「あの!」
「ん?」
「もう、私達別れませんか?」
188 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時19分28秒
「・・・えっ?・・・なんて言ったの?」
聞き間違いだよね?
「別れませんか?」
「何言ってるの?矢口のこと嫌いになった?・・・何か気に障ることしたかな??
どうして急にそんなこと言うの?」
「・・・矢口さんは何もしてないです。でも、分かっちゃったんです。」
「何を・・・?」
「矢口さんが他に好きな人居るってことです。」
「なっ!何言って――」
「ごっちんですよね?」
「梨華ちゃんだよ!」
「もう良いんです、気をつかってそんなこと言ってくれなくても。」
「気なんか使ってないよ!」
「聞いちゃったんです。前によっすぃーと矢口さんが話しているのを。それでそれから
ずっと矢口さんとごっちんのこと見てました。それで・・・今日確信したんです。」
「・・・っ」
「矢口さんは、私と居る時よりごっちんと居るときの方が優しい顔してるんです。
それと嬉しい顔。ごっちんはどこから見ても矢口さんを好きなのは分かってました。
矢口さんもごっちんを好きだってこと、・・・・認めて下さい。」
「矢口は梨華ちゃんのことが好きだよ。」
「・・・ほんとのことが聞きたいです。」
「ほんとのことだよ。」
189 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時20分06秒
矢口がそう言っても梨華ちゃんは納得してくれなかった。
矢口になんの返事もせずにひとりで帰っていった。
普通だったら追いかけるのかもしれないけど、なんでか出来なかった。

次の日、楽屋へ行ったら矢口と梨華ちゃんは別れたってことがみんなに知られてた。

理由は誰も知らなかった
矢口だって知りたいくらい
メンバーは気をつかってかその話題には触れようとはしなかった。
でも矢口はこんな空気がヤだったから吹っ飛ばす気持ちで梨華ちゃんに話しかけにいった。
「梨華ちゃんおはよう。昨日は疲れたね。また行こうね。」
「おはようございます。今度休みが重なったらまた行きたいですね。」
梨華ちゃんも普通に返してくれた。

それから普通に話して今までと何も変わらないくらいに普通に話して、別れたことが
ウソのように矢口達は普通だった。
梨華ちゃんがそうしてくれたからだけど・・・・

別れた原因
全ては矢口の優柔不断さにあるんだよね。
梨華ちゃんと別れたこと、ほんの少し良かったって思ってる自分が恨めしい。
ごっつぁんのことも梨華ちゃんのことも結局はっきり出来ないままで・・・
矢口は恋なんてしない方が良いかもしんない。
190 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時20分40秒
「やぐち、ちょっと良い?」
「あっ・・なっち。」

「ほんとに別れたの?」
「みたいだね。」
「みたいって・・・なに?」
「もう良くわからなくって。でもなんかほっとしてる自分がいる。」
「そっか・・・・・・ごっちんはどうするの?」
「・・・どうもしないよ。」
「なんで?付き合わないの?」
「・・・・良くわかんない。」
「そっか・・」

それから少ししてごっつぁんも矢口に話があるってやってきた。
「梨華ちゃんとほんとに別れたの?」
「・・・うん。」
「そう。・・・これからは後藤のこと見てくれる?」
「無理だよ。」
「どうして?」
「どうしてって・・・梨華ちゃんと別れてすぐに変わる訳ないじゃん。無茶言わないでよ。」
「少しずつで良いから。」
「・・・ワガママだよ、ごっつぁんは。」
「そうだよ。後藤はワガママ。でもそのくらいじゃないと好きなものなんて
手に入れられないもん。」
「・・・いくら言っても答えられないよ。」
191 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時21分32秒
「なっち、矢口どうしよう?」
「どうしようって?」
矢口は仕事帰りに安倍の家へと寄って相談をしていた。
「ごっつぁんが、わがままばかり言うんだよ。無茶なことをさ・・・でも・・それでも矢口
・・やっぱりごっつぁんが憎めないんだ。梨華ちゃんには悪いけどごっつぁんのことが
好きみたい・・・でも・・・・」
「自分の気持ちに素直になったら良いんだよ、やぐち。梨華ちゃんだって矢口の本音に
気付いたからこそ別れたんでしょ?梨華ちゃんの気持ちも分かってあげないと。」
「・・・分かってるつもりだけど・・でも、矢口は梨華ちゃんのことも好きだった。
だから別れてすぐにごっつぁんと、なんて見せたくないし矢口もいや。矢口は・・・。
なっち、明日ごっつぁんとここに来て良い?矢口言いたいことある。」
「・・ん?良いけど。」
「ありがと。なんか・・・なっちっていつも優しいよね。なっちを好きになってたら良かったのかも。」
「ばか言ってんじゃないよ〜!怒るよぉ!」
「あはは、ごめん。でも、ほんとだよ。なっちには助けられてるから。本当にありがとね。」
「ううん。・・・おやすみ。」
192 名前:ワガママ−恋と気付いたその後− 投稿日:2002年07月09日(火)20時22分26秒
そして次の日――
矢口と後藤は安倍の家へと来ていた。
「話ってなに?」
「なっちも聞きたい。」
「うん。矢口たちのことなんだけど・・・矢口はごっつぁんと付き合うつもりはないの。」
「やぐっつぁん・・」
「・・」
「ごっつぁんが嫌いなわけじゃないよ?でもね、付き合ったら何か変わるのかな?
矢口は何も変わらないと思うんだよね。付き合って、もしヤな別れ方しちゃったら
そんなの耐えられないし・・・こうやってなっちと3人でずっと友達で居る方が良いっておもったの。
ふたりのことすっごく好きだから、いつまでも仲良くしてたいの。」
「・・・なっちも、それは矢口と一緒かもしんない。」
「一緒って?」
「ずっと3人で仲良くしていたい。付き合うとか別れるとかそんなの抜きでさ。」
「後藤は・・・」
「ごっつぁんは・・・駄目かな?矢口わがままかもしれないけど・・・」

「・・・・ううん。それで良い。それに・・・今はってことでしょ?ずっとっていっても
いつか変わるかもしんないし・・だから、良い。」
「ごっつぁん・・・ありがとう。」

そうして3人はずっと関係を崩さずにいくのであった。


fin
193 名前:なちごまり。 投稿日:2002年07月09日(火)20時24分26秒
>>172 キリィさま
     大変申し訳ございませんが個人的な諸事情で終わらせることになりました。
     読んでくださったかた、こんな終わり方で本当に申し訳ないです。

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