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言い訳

1 名前:リリック 投稿日:2002年06月28日(金)01時16分21秒
優柔不断な吉澤メインの話にするつもりです。
気が向いたら読んでやってください。よろしくお願いします。
2 名前:言い訳 投稿日:2002年06月28日(金)01時18分05秒
私には彼女がいる。
それも相当かわいい彼女が。

「…ねぇねぇそれでね?うちのプーちゃんが…」
うん、うん、と適当に相槌を打つ。


最初はそれでもよかったんだ。
彼女の話す、声を聞いてるだけで。
うれしそうに話す彼女を見ているだけで。

でも…最近は苦痛かもしれない。
こういつもいつも支離滅裂な日常での出来事を聞かされるのは。
3 名前:言い訳 投稿日:2002年06月28日(金)01時19分18秒
「もぉ〜ちゃんと聞いてる?」

「え?聞いてるよ?」

「ウソだぁ〜だってどっちがいい?って聞いたのによっすぃーったらウンしか言わないんだもん。」
彼女はちょっとくちびるを尖らせて上目使いでわたしを見てきた。
この表情…前はすっげぇかわいいと思えたのになぁ…

今はちょっと、ウザイかもしんない。

「あ、ごめん。そうだっけ。うーんどっちでもいいんじゃない?」
ほんとどっちでもいいよ。ていうかどっちでもって何と何のことだっけ?
まぁいいや。もうどうでもいいや。
4 名前:言い訳 投稿日:2002年06月28日(金)01時20分25秒
「…よっすぃーってさ、なんか最近冷たいよね…あんまり話も聞いてくれないし。」


「そんなことないって。わたしはいつでも優しいっての!ね?」
肩を抱いてくちづける。

「もぉ〜」

「へへ。いいじゃん。」
ひとつ年上の彼女の部屋。何やってんだろ、わたし…。
あーあメンドクサイ。
心の中でそう思いながらも笑顔を作って彼女を抱きしめた。
5 名前:言い訳 投稿日:2002年06月28日(金)01時23分00秒
私、結構面食いだからね。かわいくて華奢で儚げで、ちょっと内気な彼女を落とすのにすげー燃えてた。
でも人見知りが激しいだけで実は結構よくしゃべるんだな、これが。
そのくせ落ち込むと手がつけられなくなるくらい暗くなるし。
私が好きだったのは自分の妄想の中での梨華ちゃんであって…
今抱きしめてるこの子とは微妙に違うみたい。
随分勝手な話だけど。

それでも別れを切り出せないのはなんでなんだろう。
淋しいから?あの人のかわり?
どれだけ梨華ちゃんを抱いても梨華ちゃんは梨華ちゃんなのに…。
少しだけ梨華ちゃんに似ているあの人の面影を、いつしか梨華ちゃんに求めるようになっていた。
6 名前:リリック 投稿日:2002年06月28日(金)01時24分47秒
短いですが本日はここまでです。
ご指摘、感想等あったら気軽に書き込みしてください。
7 名前:みるみるみちる 投稿日:2002年06月28日(金)19時37分43秒
おお〜よしいしですか〜〜〜〜!!!!!!
このタイプの話好きですっ!!!!
これからどーなるか要チェックですな!!!
8 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)02時22分32秒
続きを期待してます。
9 名前:言い訳 投稿日:2002年07月29日(月)23時26分17秒
・・・フーッ
ピンク色のシーツの上でタバコの煙に混ぜて溜息をつく。
また今日も梨華ちゃんと一緒にいた。
一緒にいてイライラすることもあるけどやっぱりこのぬくもりを手放せない・・・
純粋にうちのことを好きでいてくれる梨華ちゃんを手放すと、本当に自分が一人になってしまいそうだから。


彼女のことを想うとどうしようもなくキスしたくなったり抱きたくなったりする。
そういうときのために梨華ちゃんがうちのなかに存在してる。
左を向くと梨華ちゃんが小さな寝息をたてていた。
口をむにゃむにゃさせてる寝顔がかわいくて、髪を撫でてみる。
うちが梨華ちゃんに抱いている感情は愛情?それとも同情なんだろうか?
自分でのわかんないや。


・・・それでもただひとつだけわかってることがある。彼女を手に入れることはできないってこと。だって彼女には・・・
10 名前:言い訳 投稿日:2002年07月29日(月)23時26分58秒
学校へ行くといつもの笑顔が迎えてくれた。うちの大好きなあの笑顔。
この笑顔を見るためだけにこんなつまらない学校に通ってるようなもんだ。

「あ、よっすぃーおはよッ」
「おはよー。」
「昨日もさー伸と会ってたんだけど 伸ったらひどいんだよ?
待ち合わせに1時間も遅刻してきてさー!ねぇひどくない?」

伸っていうのはしばっちゃんの彼氏だ。
うちよりも5cmくらい背が高くて、色が黒くて・・・認めたくないけどヤツは女にモテる。
だからってしばっちゃんを1時間も待たせていいわけがないだろ!?
うちがもししばっちゃんと付き合ってたら絶対待たせたりしないのになぁ・・・。
なんだよアイツ。最低野郎。しばっちゃんをあんなに待たせやがって。
11 名前:言い訳 投稿日:2002年07月29日(月)23時28分44秒
でもうちの口からでる言葉は素直じゃなくて・・・
「マジ?しばっちゃん1時間も待ったわけ?バカじゃねぇの?うちなら20分が限界かなぁ。」
・・・また嘘ついっちゃった。しばっちゃんなら2時間でも3時間でも待てるのに。

「あ、よっすぃーそういうこと言うかなぁ。
だって〜」

「だってなに?あー愛のチカラってヤツですか」
「あはは愛のチカラ?どんなチカラだっての。」
「さぁーねぇ?ま、好きだから待てるってことっしょ。」

しばっちゃんのちょっと照れた笑顔が胸を締め付ける。
彼氏のこと本気で好きなんだなぁっていうのが伝わってくるから。


ああそれにしてもなんで優しくできないのかな。。
しばっちゃんにはどうも恥ずかしくて思ってもないことまで言ってしまう。
梨華ちゃんには偽りの優しさでどんな言葉でも言えるのに。
12 名前:言い訳 投稿日:2002年07月29日(月)23時30分53秒
うちはしばっちゃんの友達だ。
昼休みに一緒に弁当を食べたり、放課後に一緒に買い物に行ったり男の子の話をしたり。
そういう友達なんだ。

・・・梨華ちゃんと付き合ってることは言ってない。
うちが女の子と付き合ってるなんて知ったらどう思うのかな。
やっぱひくんだろうな。気持ち悪がられるんだろう。

うちがしばっちゃんのこと好きだなんて絶対言えないよなぁ・・・

それなら一番近くにいて、この笑顔をいつまでも見ていたいって思う。
彼氏の話とかされると他人以上に、クラスメイト以上に友達ってポジションはつらいけど・・・
13 名前:リリック 投稿日:2002年07月29日(月)23時38分46秒
更新が大変遅くなってしまっていすみませんでした(^^;
あとよっすぃーが最初は私と言ってるんですがうちの方がいいかなぁと思って変えてみました。

>みるみるみちるさま
レスありがとうございます!もうこのスレの存在自体忘れてるかもしれませんが、
もしよかったらまた読んでやってください。

>名無しさんさま
一言でもうれしいです。名無しさんさまの期待を裏切るかもしれないですが、ちゃんと完結させるのでラストまで見守ってくれるとうれしいです!
14 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月30日(火)01時56分37秒
いい感じです!
柴ちゃん好きなんで嬉しい〜♪
続き期待してます。
15 名前:言い訳 投稿日:2002年07月30日(火)19時10分09秒
強い雨が降っているある日、しばっちゃんがうちに遊びに来た。

学校では毎日会ってるけどうちに来るのは1週間ぶりくらいだ。
自分の部屋のソファーにしばっちゃんが座ってる。
そんな些細なことが、なんとなくうれしいのはなんでだろ?

でもちょっと今日のしばっちゃん、顔色がよくないみたい。どうしたのかな・・・

「あのね、今日はよっすぃーに言いたいことがあったんだ。」
「また彼氏の話?ノロケはもうたくさんだって〜」
「・・・あの・・・あのね・・・」
聞きたくなかった。せめて二人でいるときはアイツの話は聞きたくなかった。だけど、年頃の女の子だし。
誰でも恋バナが好きなんだよなぁー。はぁー。
16 名前:言い訳 投稿日:2002年07月30日(火)19時10分47秒
「んっ・・・ひっく・・・」

「あ?え?ど、どどーした??」
突然しばっちゃんが泣き出したからうちはかなり動揺した。

「ひっく・・・よっすぃー・・・わたし振られちゃったよぉ・・・二股かけてたんだって。
でね・・・もう一人のほうと女と付き合うから・・・んっく・・・別れて・・うっ・・くれって・・・」

そう言うとしばちゃんがうちに抱きついてきた。

今までもふざけて抱きつかれたことは何度かあったけど、こういうときはどうしたらいいんだろう・・・?
泣いているしばっちゃんを見てるとすごく辛くなってくる。
彼氏と別れてほしいってあんなに願ってたはずなのに・・・・
17 名前:言い訳 投稿日:2002年07月30日(火)19時11分21秒
どうしよう?どうしたらいいんだ?頭が混乱する。
わけがわかんない。
とりあえず泣いてるしばっちゃんを落ち着かせたくて、しばっちゃんをそっと抱きしめてみた。

「・・・しばっちゃん振るなんてさ、アイツ最低だな。」

返事は・・・ない。
なんだか腕の中のしばっちゃんがすごく小さく見えた。

だんだん自分が着ているTシャツの胸のあたりが湿ってきている。
時計の針は11時をまわっていたけど、今日はなんか帰したくないな。
しばっちゃんはいつもは明るくてちょっとなに考えてるかわかんないような子だけど、今日の彼女はすごく女の子って感じがする。

・・・こんなしばっちゃんほっとけないよ。
18 名前:言い訳 投稿日:2002年07月30日(火)19時11分51秒
「今日さー泊まってきなよ」

「・・っく・・・え・・いいの?」
「ああ。もう夜遅いじゃん?それに外すごい雨だし。こんな雨降ってたら傘さしても濡れるしさ。」

「うん・・・ありがとう・・・」

こういうのってチャンスなんだろうなぁ。うちが男なら。
でもこれ以上しばっちゃんを傷つけたくない・・・



「もうそろそろ寝よっか」
押入れから布団を出して敷いてあげた。


「じゃあおやすみ」
「・・うん。おやすみ・・・」

部屋の電気を消す。
真っ暗になった部屋の窓を雨が打ちつける。
さっきより一層雨が激しくなったようだ。
しばっちゃんが彼氏と別れたからって、やっぱり希望なんてひとつも見えないうちの思い。
真っ暗で星なんてひとつも見えないこの夜。


この雨が全部流してくれればいいのに・・・。
しばっちゃんの辛さも、うちの辛さも。

19 名前:リリック 投稿日:2002年07月30日(火)19時17分01秒
更新しました。

>名無し読者さま
いい感じですか?そんなこと言ってくれるのはあなただけですよ〜!(涙)
ありがとうございます。
それと自分もしばっちゃんすごい好きです〜。
でもなぜかしばっちゃんが出てくる小説って少ないですよね。
それなら自分が書いてしまおう!って思ったので書いてみたんですけど。
20 名前:よすこ大好き読者。 投稿日:2002年07月31日(水)20時37分31秒
よししばって、珍しい組み合わせですね。
なので、続き楽しみにしています。ガンガッテください。

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