インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板
Beautiful Songs
- 1 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月01日(月)22時14分08秒
- 歌を題材にした短編をいくつか書いてみたいと思います。
更新は気の向くままにマターリと、、、
- 2 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月01日(月)22時15分32秒
- 基本的なカップリングは娘。×男です。
- 3 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月01日(月)22時21分31秒
- 私は矢口真理。
チビなのとちょっぴりうるさいのを除けば普通の女の子。
今私には彼氏がいる。とっても優しい人。
そんな彼と付き合いだしてアッと言う感じに2ヶ月がたった。
- 4 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月01日(月)22時31分07秒
- 「真理、早くしろよ。おいていくぞ。」
「ひどーい。ちょっと待ってよ。」
今日は久しぶりのデート、私の見たかった映画を見に行くの。
私達みたく甘いラブストーリー、、、なんちゃって。
「準備できたよー。Let's Go!!」
「ちなみに予定より5分遅刻な。」
ブーッ、彼はいつもクール。悪く言えば素っ気ないんだけど。
私達は手をつないで映画館へ向かった。
そういえば、彼の元カノってどんな人だろう。
彼女がいたってことは聞いたけどどんな人だったかは知らない。
よーし、思い切って聞いちゃえ!!
- 5 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月01日(月)22時44分24秒
- 「ねぇ、あんたの元カノってどんな人だった?」
「何で突然そんなこと聞くんだよ?」
「えっと、それは、別にいいじゃん。聞きたいだけ。」
ただ知りたいから、、そうそれだけ、、、のはず。
「う〜んと、まず真理より背が高くて、料理がうまくて
それからスタイルも良くて性格もよかったかな。」
「それって私より全然いいじゃない。私と付き合ってていいの?」
わざと皮肉っぽく言ってみる。彼の反応が見たいから。
「そりゃ真理はチビだしとてつもなくうるさいけど
俺はそのチビの所がかわいいと思うし、一緒にいると元気になれるよ。」
ふぅ〜よかった。やっぱり優しいなぁ。でも、、
「私といて幸せですか、、、?」
「え?何だって?ゴメン聞こえなかった。」
「ううん。何でもないの。ほら映画館に着いたよ。」
- 6 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月02日(火)21時53分08秒
- 映画は期待通りすごくおもしろかった。
私も彼とああいう感じの恋愛したいなぁ、とか思っちゃった。
「ちょー感動したよね。もう私涙ボロボロォ。」
「そうか?感動はしたけど泣きはしねぇな。」
彼はそう言うけどつまんなそうな顔してたな。
・・・同じ映画で一緒に泣けますか?
- 7 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月02日(火)22時01分04秒
- その後デートはいつもみたく進んだ。
ご飯を食べたり、買い物に行ったり、楽しかった。
彼はいつも私の言うことにうなずいたり笑ったりするだけ。
私の質問にも優しく答えてくれた。
でも、元カノのことについては詳しく教えてくれなかった。
それどころか、時々すごく悲しそうな顔をするの。
もしかして、まだあってるの?
それで私に申し訳なくてそんな悲しそうな顔をするの?
- 8 名前:名無し君 投稿日:2002年07月03日(水)16時40分08秒
- こういう矢口もイイ!!
- 9 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月04日(木)21時31分00秒
- >>8 名無し君さん
初レスありがとうございます!私もこういう矢口は初めてです。
矢口の女の子らしいところが見てみたいなぁ。
- 10 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月06日(土)21時56分11秒
- 帰り道を歩きながら最後にちょっと甘えてみた。
「ねぇ、キスして。」
「と、突然何を言ってるんだよ。人たくさんいるしダメ。」
それから何となく沈黙が続いた。
いつも別れる公園で彼にさっき聞こうとしたことを聞いてみた。
「幸せですか?」
「え?何だって?」
「私といて幸せですかって聞いてるの。」
私はちょっと口調を強めて言う。
- 11 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月06日(土)22時00分32秒
- 「俺は、、、真理といて幸せだよ。」
「ホントに?」
「あぁ、ホントだよ。真理はどうなんだよ?」
「私は幸せに決まってるじゃない♪」
うれしかった。怖いくらい。
その日はそのまま別れた。だけどまだどっかで不安を感じてる。
彼を信じたい、、幸せなままでいたい。
- 12 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月06日(土)22時10分52秒
- ある日私はよっすぃーに彼の元カノのことを聞いてみた。
よっすぃーは私と彼の共通の友達。
だから元カノのことも知っているはず。
「ねぇよっすぃー、あいつの元カノってどんな人だった?」
「元カノって梨華ちゃんのこと?」
へぇー名前は梨華ちゃんっていうんだ。初めて知った。
「梨華ちゃんはやぐっつぁんよりも背が高くて、料理がうまくて
それからスタイルも良くて性格もよかったかな。」
「あいつもまったく同じこと言ってた。」
つまり私なんかより世間的にいい女なんだ。
「矢口がさ、あいつの元カノのこと聞くと
あいつ時々悲しそうな顔するんだよね。どうしてかな?
考えたくはないんだけどまだ会ってるとかあるかな?
私ってそんなに魅力がないのかな?」
私は思っていたことを全部よっすぃーにぶちまけた。
気がついたら涙が流れていた。
- 13 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月06日(土)22時21分28秒
- 「あ、あれ、、おかしい、な、なんで、泣いてんだろ?」
「大丈夫?やぐっつぁん。」
しばらく涙が流れてたけど止まってきた。
私が落ち着いたのを見てよっすぃーが話し始めた。
「私もあいつと長い付き合いだけどそんなことする奴じゃないよ。
だって、いつもやぐっつぁんのことばっか話してくるしさ。」
最後に笑いながら「ちょっと嫉妬しちゃうぐらい」だって。
そうなんだ。少し救われたかな。
「でも、何でそんないい人と別れちゃったのかな?」
「梨華ちゃんが他に好きな人ができたからってフッたみたい。」
「そうなの!?全然そんな感じしなかった、、、」
「あいつ、実は見た目以上打たれ強いからね。」
私はそんなことも知らずに彼に元カノのことばっか聞いてたんだ。
- 14 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月08日(月)21時53分42秒
- 次の日、私は彼とあの公園で会うことにした。
今までのことを謝るために、そしてこれからのことも、、、
昨日よっすぃーに話を聞いてからずっと考えた末の結論。
もう終わりにしよう、別れよう。
私はすごく幸せだけどあなたはきっと幸せじゃないから。
ベンチの座って待っていると彼がやってきた。
- 15 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月08日(月)21時59分44秒
- 「ゴメン遅れちゃって。」
「そんなことないよ。矢口も今来たとこだし。」
「嘘付け、ちょっと汗ばんでんじゃねぇか。ホラよっ。」
彼は冷たい缶ジュースを投げてこっちに渡してくれた。
その優しさに触れると本当に別れていいのかわかんなくなる。
しばらく他愛もない世間話をしていた。
私はまるで彼と最後の時間を惜しむように。そして、、、
「ねぇ、うちら別れない?もう終わりにしない?
- 16 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月08日(月)22時08分23秒
- 彼は驚いた表情で矢口の方を見ている。
「矢口だって別れたくないよ。でもあんたは幸せじゃないでしょ?」
声が自然と涙ぐんでくる。すると彼は呆れた表情で
「バーカ。前にも言ったろ。俺は真理といて幸せだよ。」
「嘘つかないで。よっすぃーから聞いたんだ。梨華ちゃんのこと。」
「あぁ、梨華に他に好きな男ができたから別れたってことか?」
彼は遠くを見つめて昔を思い出している感じだった。
矢口は覚悟を決めた。よし、、、
「うん、そうだよ。だからあんたの心には矢口じゃなくて
梨華ちゃんがいるんでしょ?なら矢口といるのは苦痛でしょ?
だったら別れた方がいいよ!」
ふぅ〜、言っちゃった。
- 17 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月08日(月)22時17分41秒
- それから一呼吸おいて今度は彼が
「真理、お前は俺といて幸せか?」
「決まってるじゃない。幸せだよ。」
「どのくらい?」
え?何で今さらこんなこと聞いてくるんだろう?
「すっごく、すっごく、すっごーく幸せだよ。」
なんか自分で言っててむなしい。
すると彼はニコッと笑顔になっていく。
「俺も真理と同じくらいすっごく、すっごく、すっごーく幸せだ。」
「でも、あんたは梨華ちゃんが、、」
私がそう言いかけると彼がそれを遮るように
「梨華は梨華、真理は真理だ。
それにあの時の傷なんて とっくの昔に真理が癒してくれたよ。
だから別れるなんて言わないでくれ。」
- 18 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月08日(月)22時27分55秒
- 「なんかクサイこと言っちゃったな。」
彼は照れ笑いを浮かべながら言った。
そうなってくると自然にわきでる疑問がある。
「なんで矢口が梨華ちゃんのこと聞いた時に悲しそうな顔したの?」
「それは真理が梨華のことばっかきいてくるからもしかしたら、、、
真理にはそういう趣味があったんじゃないかと、、、」
「どーいう趣味だバカヤロー!!!」
一気に安心したと同時に涙があふれてきた。
よかった。本当によかった。
「あれ、泣いちゃった?ゴメンよ真理ちゃ〜ん♪」
こいつ、、、殺したろか、、、、?
「な、泣いてなんかないわよ。泣いてなんか、、」
「だけど、ゴメンな。変な心配させちゃって。
お詫びに何でもしますよ。愛する矢口さんのためなら。」
フフフ、、この言葉を待っていたのだよ。
「それじゃ、今この場所でキスしなさい。」
- 19 名前:幸せですか? 投稿日:2002年07月08日(月)22時32分37秒
- 「げ!またキスかよ。こんな昼間から。」
「何でもするって言ったわよねぇ、、、」
「わ、わかったよ。んじゃ、目を閉じろよ。」
「は〜い♪」
幸せですか?今のあなたは。幸せなんですか?
矢口と彼はめちゃくちゃ幸せだよ。これからもずっと、、、
(Fin)
- 20 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月08日(月)22時36分19秒
- 一気に更新して終わらせました。
女の子っぽい矢口はどうだったでしょうか?
自分的にはけっこうよかったかなって思います。
もちろんセクシー8推しですよ!
さて次回作ですがもうすでにアイデアはバンバンできてます。
今度はちょっとマイナーな曲かもしれません。
ではまた逢う日まで、、、
- 21 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月17日(水)22時02分15秒
- どうも、妄想男@作者です。
明日から次回作を書き始めようかなと思っております。
さてその作品の題材ですが、予告したとおりマイナーです。
ゆずの「チョコレート」って曲にする予定です。
知ってる人いますかね?
- 22 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月18日(木)21時31分28秒
- あの時、君は何故そんなにも優しかったの?
僕のそばに居てくれたね。
- 23 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月19日(金)21時13分36秒
- 負けた。これで俺達の夏は終わってしまった。俺のせいで、、
俺がエラーさえしなければそのまま勝っていただろう。
試合後、俺は皆の前にいるのが辛くなり雨の中一人で帰宅した。
「石川さん、泣きやんだかな?」
石川梨華は野球部のマネージャーで部員のアイドルだ。
彼女が今回の大会に向けて見えない所で一番がんばっていた。
最後まであきらめなかったが負けが決まった瞬間、泣き出した。
部員達が後片づけをしていた時もただ泣き続けていた。
- 24 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月19日(金)21時24分19秒
- はぁ〜、何であんな簡単な打球をエラーするかな?
部屋で自分を責めていた。外では雨がまだ降っている。
みんなと一緒にがんばった3年間が雨に流されていくような感じがした。
部員や、石川さんにあわせる顔がないな、どうしようかな?
ピリリリ、ピリリリ、、
急に家の電話がなりだして慌てて我にかえる。
「もしもし、西山か?私だ、和田だ。」
野球部の顧問の和田先生だ。ヤベッ、怒られるかな?
「先生すみません、勝手に抜け出しちゃって、、」
「怒鳴ってやりたいところだがしばらく家で頭を冷やしてろ。
それより石川を知らないか?あいつもどっか行っちゃったんだよ。」
「え!石川さんが!」
- 25 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月19日(金)21時33分51秒
- あの真面目な石川さんでも抜け出すことってあるんだ。
「俺には何の連絡もないから知りませんけど。」
「そうか、、あいつが一番泣いていたからな、、、
もし、連絡があったら知らせてくれ。それじゃ。」
電話が切れると俺は一気に心配になってきた。
石川さんって意外とネガティブだからもしかしたらこのまま失踪、、
いや、きっと大丈夫だろう。いくらネガティブでもそこまでしないだろう。
自分に言い聞かせた。石川さんがいなくなったのも俺のせいだから。
気がついたらもう夜になっていた。まだ雨は降っている。
石川さん、見つかったかな?案外もう家に帰ってたりして。
ピーンポーン、ピーンポーン
誰だよ、人がブルーになってる時に。
- 26 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月20日(土)21時32分06秒
- ドアを開けるとびしょ濡れの少女が立っていた。
「あ、石川さん!どうしたんだよ!?」
「西山君のことが心配で来ちゃった、、、♪」
彼女はイタズラっぽく笑うとそのまま倒れてしまった。
試合で疲れていたのに、俺の家を知らないくせにわざわざ
雨の中探し歩き回っていてくれたからだろう。
とりあえず彼女をの体をタオルでふき(服の上から)
自分のベッドに寝かせることにした。
先生には連絡しようか迷ったけどやっぱりやめておいた。
- 27 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月24日(水)21時59分31秒
- 30分位すると彼女は目を覚ました。
自分が倒れたことに今気づいたらしくひどく慌てている。
「ご、ごめんね。私倒れちゃったんだ、、」
「いいよ、別に迷惑じゃないし。雨強いからもう少しうちにいなよ。」
それからコーヒーを口にしたら彼女も落ち着きを取り戻した。
最初は他愛もない話で盛り上がっていたけど話は自然に
今日の試合の話題になっていった。
「俺のエラーのせいで負けちゃって、、、ごめんな、、、」
「どうして謝るの?西山君は精一杯がんばってたじゃない。」
彼女は笑顔で言ってくれた。同情には聞こえなかった。
「ありがとう。でも、石川さんが一番がんばってたから、、、」
「私は選手のみんなが全力を尽くせるようにサポートするだけ。
あくまでも主役はあなた達なの。」
そんな石川さんの瞳は俺をまっすぐに見ていた。
しばらく沈黙が続いた。
- 28 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月24日(水)22時08分33秒
- 気付けば雨の降る中に互いのため息と
後戻りできないという怖さを知った。
「俺なんか全然下手だったってことだよ。だからあんなエラーを、、」
長い沈黙を俺の言葉がとうとう破った。
「そんなことないよ。あれは仕方がないって。」
「いやいや、あれが俺の実力だって。」
「嘘!そんなこと言わないで!!」
石川さんが突然口調を強めた。
今にも泣き出しそうな顔で僕の過ちを一瞬で気付かせてくれた。
- 29 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月25日(木)21時06分15秒
- だからって僕は強くなったわけじゃなく
君だって弱いから泣くんじゃなくて
石川さんは泣き出してしまった。俺の胸を叩きながら。
「どうしてそんな嘘をつくの?全力を尽くしたんでしょ!?
本気でやってエラーしたって言うのが恥ずかしいの!?」
彼女にそう言われ俺は自分の情けなさに気付いた。
- 30 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月25日(木)21時13分18秒
- 忘れる事に怯えるから知らない方がマシだなんて思わないで
「ゴメン、俺って石川さんの言う通り恥ずかしかったんだ。
だからあのエラーを忘れようと、なかったことにしようって思ってたんだ。」
「いいの。私こそごめんね。急にヒステリックになっちゃって、、、」
彼女と俺に笑顔が戻った。
自分に正直に生きることの大切さが少しわかった気がする。
嘘の数が増えるくらいなら一生が一瞬で終わったほうがいい
- 31 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月25日(木)21時22分25秒
- 時は流れ、俺達は卒業を迎え、それぞれの道を歩みだした。
俺は大学でも野球を続けることにした。あの夜のおかげで。
偶然にも石川さんも同じ大学に通うことになった。
「どうしたの?ボーッとしちゃって、考え事でもしてるの?」
「うん、昔のこと思い出してな。そういや、俺が打ちのめされた
雨の日の夜に梨華が俺のそばにいたなぁって。」
あの時と同じく外は雨が降っている。でも、あの時と違う。
優しく洗い流してくれるような雨。
だから君のこと考えるとき優しい気持ちになれるんだよ、、、
- 32 名前:チョコレート 投稿日:2002年07月25日(木)21時26分05秒
- 「チョコレート」いかがだったでしょうか?
こういう展開の短編は難しいですね。途中で詰まったときもありました。
ご感想いただけると嬉しいです。
さて、次回作は夏のイメージたっぷりでいきたいと思います。
- 33 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月25日(木)21時27分53秒
- >>32
名前が「チョコレート」になってしまいました。
正しくは「妄想男@作者」です。
- 34 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月27日(土)00時30分54秒
- 「チョコレート」読みました。
この曲は恋人ことを歌ってるんだと思ってましたが
こういう捉え方もありですね。面白かったです。
- 35 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月28日(日)17時28分37秒
- >>34 名無し読者さん
ありがとうございます。
自分も最初は恋人の話にしようと思ったんですけどナゼか青春物が
書きたくなり思いつきで書いてしまいました。
- 36 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月28日(日)17時32分44秒
- 次回作は予告通り、夏たっぷり(?)な感じでいかせてもらいます。
RIP SLYMEの「楽園ベイべー」です。
作者がハマっている曲です。では、明日から。
- 37 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月29日(月)21時25分13秒
- うち寄せる波の音、照りつける強い日差し。
暑いなぁー。ここが憧れのハワイか。
初めての海外旅行。商店街の福引きで当てちゃった。
フフフ、これまで日本で過ごしてきたパッとしない夏を忘れてやる。
イチかバチか花でも咲かせてみせますか、ここハワイで。
- 38 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月29日(月)21時25分52秒
- さて、今日のビーチはどんな感じかな?かわいい娘はどこじゃ?
目線がバレないようにサングラスで隠しながらビーチのシーツを眺める。
その瞬間、向こうからの光に目を奪われてしまった。
カ、カワイイー!ばっちり俺のタイプだ。
なかなかのスタイルに天使のような笑顔
そして、時折見せるちょっと大人びた表情
どうやら一人のようだ。まずは声でもかけますか。
「ヘェーイ!彼女、お一人ですか?」
声をかけてから気付いた。ヤベェ、この台詞かなり死語じゃん。
初日から失敗したか、、、。トホホ、、、、。
っと思ったけどもしかして意外とウケてる?
「あはは!おもしろい人ですね。」
よっしゃ。何かよくわかんないけどやったぞ。
- 39 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月29日(月)21時26分23秒
- 彼女の名前は「後藤真希」ちゃん。彼女も旅行で来ているそうだ。
話を聞いてみると日本での住所も俺と近いらしい。
俺達はすぐに打ち解けることができ、携帯の番号も交換した。
「もし良かったら、明日デートしませんかぁ?」
真希ちゃんからの思わぬデートの誘いが、マジですか!
「もちろんオッケーだよ!待ち合わせはどこにしようか?」
「じゃあ、10時にそこのホテルの前に来てくださいねぇ。」
そう言って真希ちゃんは自分のホテルに帰っていった。
- 40 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月29日(月)21時27分07秒
- 底抜けの欲望にただ身を任せていると不意にラッキーなこともあるもんだ。
俺はその晩、ずっとニヤニヤしながら眠れなかった。
浜で待つギャル、俺に群がる
いっぺんに愛されちゃ俺もこまる
キスマークだらけで浜辺を去る
イメトレだけで今日もオナる、、、
- 41 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月29日(月)21時27分54秒
- 翌朝、俺は早く目を覚まし身だしなみを整えた。
自分で言うのも何だけどファッションセンスはいい方だろう。
おっと、レンタカーも予約しておかなくちゃな。
それと雑誌でおすすめのデートスポットでもチェキっとくか。
「真希ちゃんはどんなコースがいいんだろう?」
相変わらずニヤニヤしながら着々と準備を進めていった。
外に出ればホラ、平和 カンカン照りの日で今Suntan
予約しておいたレンタカーを取りに行く。赤いオープンカーだ。
車を待ち合わせのホテルの前に止め真希ちゃんを待った。
今日はバンパーが一段と光っているように見える。
ついさっき初めて見たばっかの借り物なんだけど、、、
- 42 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月29日(月)21時28分28秒
- 「遅いなぁ〜、、、もう30分も遅刻だぞ。」
彼女はなかなか現れない。俺はあまり待つという行為が得意ではない。
きっと女の子だから髪の毛とかセットするのに時間がかかっているんだろう。
だったら電話くらいくれても良いと思うんだけど、、、
どんどん苛立ちと同じように暑さも増してくる。
気がつけば11時、もう1時間も約束から過ぎている。
TEL片手に持って待ってる
いつになったって鳴らないベルを、、、
- 43 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月30日(火)09時48分06秒
- あれから何時間が経っただろうか?
バックミラーに映る夕日が沈むまで待つことにしたが
結局彼女は姿を見せず、俺はたまらず帰ることにした。
「ちっ、あんな女を信用したからいけないんだ。俺って惨めだなぁ〜。」
レンタカー代を損してしまった。結構バカにならないんだぞ。
独りブツブツぼやきながらのホテルへの足取りは重かった。
缶ビールを一気に飲み干し、ベッドの上で大の字になった。
「ヴァー!今日は気分が悪い!このまま寝るか。」
これからのハワイ生活に半ば自暴自棄になりながら目を閉じた。
- 44 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月30日(火)09時48分42秒
- そのままそっとしておけば眠りにつけていただろう。
しかし、携帯の着信によって眠りを妨げられてしまった。
「ったく誰だよ、、、こんな時に、、、」
ディスプレイを見ると今まであまり見たことのない文字が
「後藤真希」とでている。俺は急いで電話にでた。
「もしもし、真希ちゃん!?今日はどうしたんだよ?」
「あはは、ごめんなさ〜い。後藤さっきまで寝てました。」
一体何時間寝てんだよ、、、。
- 45 名前:楽園ベイベー 投稿日:2002年07月30日(火)09時49分17秒
- 「それでもし良かったら今から後藤の部屋に来ませんかぁ〜?」
「マジ!?もちろん行くよ。」
やっぱここはハワイだな。日本とは違うのだよ、日本とは。
さっきまでとは全く逆のテンションで俺は準備を始めた。
常夏の楽園ベイベー
ココナッツとサンシャインクレイジー
持ってく明日の朝まで Summer day
罠はまるワンタイム たまんねぇな
- 46 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年07月30日(火)09時52分34秒
- 以上です。
いかがでしたか?「楽園ベイベー」
今回は全部仕上げてから一気に更新といった方法で書きました。
とりあえず作者が題材にしたかった曲は書けました。
次回作はいつになるかわかりませんが、また近いうちに、、、
- 47 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月01日(火)10時49分10秒
- 「幸せですか?」
矢口真理→矢口真里 ですな
短編は逆に大変かもしんないけど、次も期待してますよ
紺野、加護主役の作品期待!
- 48 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年10月02日(水)16時10分24秒
- 久しぶりに見に来たらレスがあるじゃないですか。
>>47 名無し読者さん
すいません、間違ってました。長編でも同じ間違いを・・・
ではリクエストに応えて紺野or加護の短編を書いてみたいと思います。
- 49 名前:またここであいましょう 投稿日:2002年10月03日(木)21時51分37秒
- 高校生になり初めての夏休みも終わり
もう暑さも感じなくなり日が沈むのも早くなった。
特に何もない平凡な日々を過ごしていた。
私からすれば、にぎやかな町の騒々しさでさえも
ただの人の群にしか見えない。
夢というモノはあると言えばある。
だけど無謀な期待に胸を膨らませたりはしない。
また部屋の隅で膝を抱え座り込んでいた。
- 50 名前:またここであいましょう 投稿日:2002年10月03日(木)21時52分15秒
- ふと、7ヶ月も前の卒業式のことを思い出した
同じ時間を共有してきた人達との別れの日
特に仲の良い友達なら今でも連絡は取っている
でもほとんどの人とはあの日以来会っていない
校門の前に堂々と立っていた大きな木があった
その木の下であの時あの人はこう言っていた
「会いたくなったら、またここで会おうな」
- 51 名前:またここであいましょう 投稿日:2002年10月03日(木)21時53分01秒
- それだけだった、別に告白でもなかった。
ただそのシーンが鮮やかに記憶の中に蘇ってきた。
冗談と思っていたけど何故だか会いたくなった。
あの人になら相談できるかもしれない。
今の自分に何が足りないのか。
それから友人に彼の携帯のアドレスを聞いた。
何だか緊張してしまう。
考えに考えぬいた末、彼にこうメールを送った。
「あの木の下で待ってます。紺野あさ美」
- 52 名前:またここであいましょう 投稿日:2002年10月04日(金)21時00分23秒
- しばらく待ってみたが返事はなかった。
だけど私は行くことにした、彼を信じようと思う。
窓の向こうには微かだけれど春の匂いがした。
約束の場所にはすぐに着いた。
さっきから携帯を眺めているがやはり返事はない。
夕陽が私と木を照らしていた。
それを見つめていると泣きたくなってしまった。
待ちぼうけしている自分が虚しくって
- 53 名前:またここであいましょう 投稿日:2002年10月04日(金)21時00分58秒
- ちょうど人影が私の前に現れた。
ずっと待っていた人、会いたかった人
「ゴメン、急いできたから返事できなかった。」
彼に今の私のことをうち明けた。
無意味な日常、そしてハジかれそうな夢のこと
黙って聞いていた彼はこう言った。
「紺野のやりたいようにやればいい、勇気の問題だよ。
今ここで立ち止まるのも逃げ出すのもそれも勇気だと思うから。」
- 54 名前:またここであいましょう 投稿日:2002年10月04日(金)21時01分50秒
- 彼の言っていたことが正しいかどうかは解らない。
ただ、そう言われてすごく救われた気がする。
おそらく彼の言葉に温もりが感じられるから。
会いたくなったらまた会いに来てよ、ねぇ
何気ない会話の節々にある温もりに気付くから
寂しくなったらまたここへ来てよ、ねぇ
私は行く、そうあの約束の地へ果てしない祈りを抱きしめて
fin
- 55 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年10月04日(金)21時04分06秒
- 元ネタはGLAYです。
あまり歌と絡みがなかったかもしれませんがどうでしょうか?
自分の初めての紺野主役です。
意外に難しく悩みながら書いてました。
- 56 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年10月07日(月)22時02分16秒
- 俺はここでもTMCというHNで書かせてもらっています。
俺よりも優れた作者さん達がいっぱいいるので
ぜひ読みに来てください。
http://tv2.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1028689392/
- 57 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年10月17日(木)16時53分52秒
- とりあえず保全
- 58 名前:保全 投稿日:2002年11月19日(火)20時27分30秒
- ほっほっほぜむ
- 59 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年11月29日(金)21時05分37秒
- 明日にでも一本載せます。
- 60 名前:シングルベッド 投稿日:2002年11月30日(土)10時35分48秒
- シングルベッド
俺は眠れなかった。
このごろはあれだけ続いた熱帯夜もなくなり、
少しずつだけど過ごしやすくなってきた。
しかし、その分だけあいつと出逢った頃と同じ匂いがして
不意にあいつが隣で寝ていた時のことを思い出す。
どんなくだらないことも2人で笑えたあの時を、、、
無謀とも言える夢を追って出てきた東京
流行の歌やファッションなんかも全然知らない
俺は周りの奴らから見たら、ただの田舎者だったろう。
でも、そんな俺にあいつは普通に接してくれた。
「出身は田舎でも今は東京に住んでるんだから
同じ都会人だよ。そんなこと気にしてたの!?
そんなの気にしない、気にしない!キャハハ!!」
あの出逢い人生の寄り道だったのかもしれない
でも、俺はあいつと過ごした2年間を無駄だとは思わない。
寄り道だとしても、もうあんな出逢いをすることは
ダイアモンドを見つけるよりも難しいだろう。
- 61 名前:シングルベッド 投稿日:2002年11月30日(土)10時36分26秒
- 「ねぇ、うちらが別れる時ってさ、
どっちから別れ話するか賭けない?」
狭いシングルベッドで2人がくっつく様に寝ていると
小さいあいつはこんなどうでもいい事を良く聞いてきた。
結局その賭けには俺が負けてしまった。
「きっと俺からだろうな。」
あいつと離れてから一年が過ぎ、
俺は車を買った、オシャレもするようになった。
それでも心は何の変化もないまま
あんなありふれた別れを忘れられずにいる。
次の恋でもしてりゃ、辛くはないだろう
だけど、もしあの頃に戻れるならお前を離さない
今夜も思い出してしまう。
シングルベッドで夢とお前を抱いていた頃を、、、
- 62 名前:妄想男@作者 投稿日:2002年11月30日(土)10時38分16秒
- 元ネタは見ての通りです。シャ乱Qの「シングルベッド」
この作品は前にある所に載っけたので読んだことがあるかもしれません。
まぁ、保全代わりってことで(w
Converted by dat2html.pl 1.0