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『Do it! Now』

1 名前:三田村 投稿日:2002年07月12日(金)19時38分56秒

視覚障害の物語を書きます。
読んで下さる方をお待たせしてしまうかもしれませんが、
頑張って更新したいと思いますので、よろしくお願いします。
2 名前:三田村 投稿日:2002年07月12日(金)19時45分37秒



「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
「なぁに?」
「見てみて!腕相撲大会で優勝したの!」
「すごいね!」
「うん!」


「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
「どうしたの?」
「あたしね、今度の学習発表会で主役やるの!」
「すごいじゃない。良かったね。」
「うん、お姉ちゃんも頑張ってね。ソロの歌!」
「わかったよ。」


懐かしい、愛しい妹との思い出。
元気にあたしを呼ぶ奇麗な透き通った声。





――――もう、聞く事は出来ないけれど。



3 名前:三田村 投稿日:2002年07月16日(火)13時30分48秒

あれは、冬の雨の日だった。

「寒いねぇ、お姉ちゃん。」
「風邪ひかないうちにかえろっか。」
「うん!」

視界の悪い中、あたし達は歩いていた。

そして…道路を渡…た

信号は紛れもなく青。

なのに


キキキキ・・・・・・!!

4 名前:三田村 投稿日:2002年07月16日(火)13時40分38秒


「な、ま、真希ぃ!!」
「おねぇ…ちゃ…ん…。」
「真希、真希!」
「痛いよぉ…おねぇ…ちゃん…。」

あろうことか、小学三年生の真希は、あたしに向って走ってくる。

「怖いよぉ、怖いよぉ…。」
「大丈夫だから。ね?」
「うえ〜ん…。」

怪我は、ほとんどなかった。かすり傷程度。

病院に連れて行こうと、思ったけれど。

二人だけのあたし達はそんなお金、なかったし。それに…

ひき逃げされてしまったし。


5 名前:三田村 投稿日:2002年07月16日(火)13時43分48秒

二人で家に帰って、真希はこういった。

「お姉ちゃん、あたし、ムコウでお昼寝していい?」
「ん、いいよ。」

これが、いけなかった。

真希は、夜になっても目を覚まさなかった。
あたしがあげた抱き枕に抱き付いたまま・・・・


真希は、死んでしまったのだ。


6 名前:三田村 投稿日:2002年07月16日(火)17時17分23秒

・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・

いけない!今日はよっすぃーと遊びに行くんだった!

あたしは急いで着替えてバスに乗った。

「危ない…。乗り遅れるところだった。」

『あのこと』を思い出すといつも調子が狂う。
なんでだろう?どうしてなんだろ?

そう考えていると、噴水公園の前までやって来ていた。

7 名前:三田村 投稿日:2002年07月16日(火)17時21分24秒


「梨華ちゃん、おっそーい!」
「あ…ごめん…。」

あたしはよっすぃーと共に座っている少女を見て驚いた。

「ま…き…?」
「えっ?なんでしってるんですか?」
「梨華ちゃん知り合いだったの?」
「真希?真希じゃない!どうして?良かったぁ、生きてたんだね!」

沈黙の後、真希は呟いた。

「あのぅ…何方ですか?」
「…え?」
「あたし、その…目が見えなくって…。」

あはっ、と乾いた笑いをする彼女は紛れもなくあたしの妹真希。


なのに真希は…覚えてない?


8 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月18日(木)12時55分50秒
少しわかりにくい文章です・・・。
9 名前:三田村 投稿日:2002年07月21日(日)13時06分07秒

名無しさん:ごめんなさい…気を付けます…。(T_T)
10 名前:三田村 投稿日:2002年07月21日(日)13時08分21秒

「梨華ちゃん、おっそーい!」
「あ…ごめん…。」

あたしはよっすぃーと共に座っている少女を見て驚いた。
奇麗な茶色の髪の毛、整った顔立ち…



そのすべてが


彼女をかたどる全てが



あたしの愛しい妹、石川真希だった。


11 名前:三田村 投稿日:2002年07月21日(日)13時24分44秒


「梨華ちゃん、どうしたのさぁ。あ、この子はね、あたしの義理の妹で
 吉澤真希って言うんだ。かわいいでしょ〜?」
「ま…き…?」

少女は、私の方を見ていった。

「始めまして…ひとみの妹の吉澤真希です。」
「あ、どうも…。」

驚いて何も言えない。

よっすぃーに妹いたっけ?
弟の翔君は知ってるけど…

「かたまんないでよ。今日はさ、公園でゆっくりしよう?」
「ひとみ、やっぱり私は良いよ…。」
「大丈夫だって。梨華ちゃん優しいから。真希は安心しなさい。」
「うん…でも…。」

『吉澤』真希ちゃんはなんか遠慮している風だった。
やっぱり…あたしの妹『石川』真希は死んだのか…。

12 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月21日(日)15時55分29秒
気にせんくても読みやすいですよ〜。
続き楽しみにしてます。
13 名前:三田村 投稿日:2002年07月21日(日)18時06分49秒

>>12あ、ありがとうございますぅ〜…(泣。
  一生懸命ガンバリマス!!
  本当にありがとうございます!!
14 名前:三田村 投稿日:2002年07月25日(木)18時59分38秒

「……あの、石川さんってどんな感じの人ですか?」
「え、あたし?うーん…見た目そのまま…かな?」

「あのこと」を割り切って和やかに話していた時、真希ちゃんは言った。

「ごめんなさい…あの、あたし…目が見えないんです。」
「え?」

奇麗な瞳。でも、その瞳には何も写っていなかった。

「そ、そうなんだ。じゃあさ、ちょっと聞いても言い?」
「はい…?」
「あたしの声、初めて聞く?」
「どうして…ですか?」

よっすぃーはジュースを買いに行っている。
今のうちに……やっぱり聞いておきたい。

「あぁ…うーん…。」

真希ちゃんは考えている。


なんか、可愛いはあとはあと

15 名前:三田村 投稿日:2002年07月25日(木)19時03分25秒

「どうしてですか?」
「目の見えない人って、他にすごい能力を発揮するの。あたしどっかで会ったような
 気がするから、覚えてないかな、って。」
「ぅ〜・・・。」

頭を掻きながら悩んでいる。

「すっごく昔に、そのアニメ声を聞いたような…?」
「ほ、本当?!」
「あ、でも不確かですけどね。」

真希ちゃんは…ううん、真希は覚えている?



これはチャンスだわ!





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