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心の瞳

1 名前: 投稿日:2002年07月13日(土)11時59分27秒
こんにちは。今、赤版で「仲間」やってる者です。
ここではやぐちゅーやりたいです。
登場人物はだいたい
中澤さん、矢口さん、
少し市井さん、後藤さんです
下手な文ですがよろしくおねがいします
2 名前:プロローグ 投稿日:2002年07月13日(土)12時04分24秒

外とか学校とか人がいっぱいいるところは大嫌いだった
心の声がきこえたから
いっぱいきこえたんだ

それでも・・それでも妹は・・・。
優しい声 優しい人

力のせいでみんなに迷惑をかけたくなかった
だからできるだけ他人に知られないように・・・

でも、心の声がいっぱいきこえて怖かったんだ
だって、こんなにも偽善者がいたから
だから、きっと知らない間に心の扉も閉めちゃったんだね
3 名前:皐月 投稿日:2002年07月14日(日)16時00分50秒
市井さん?
4 名前:冷たい雨 投稿日:2002年07月16日(火)19時03分07秒

雨。どしゃぶりの雨。
さっきからずっと降りつづけてる
もう心はずぶぬれ。
カサがないんだ。

ー出逢いは突然だったー

寒いよぉ。心も体も。
もう雪がふってもおかしくなくて
クリスマスツリーもいっぱいで

でもアタシは何にも無い
逃げてきたんだ あの家から・・・
アイツに会いたいなぁ・・・。
5 名前:冷たい雨 投稿日:2002年07月16日(火)19時06分24秒
「どしたん?」
ーこんな格好で、なにやっとるん?ー
あなたこそどうして?
なんでホントに心配してるの?
こんな人初めてだよ・・・

「ちょっとウチに来ぃ、あっためてやるから」

関西弁で、金髪で、カラコン。
第一印象は変わった人。

今いるのはこのひとの家。
6 名前:冷たい雨 投稿日:2002年07月16日(火)19時17分18秒
無言・・・
でもあなたがなに考えてるかはわかるよ。

ー何はなそ?−
ー寒くないんかー
優しい人だね。初めてだよ。
生まれてからホントに優しくしてくれたのはアイツだけ。
たった一人。
「詳しい事は聞かんけど・・いくとこないんやったらココに住みぃ?」

ホンキ・・・なんだ。ありがとね。
コクリ。
アタシは小さく頷いた。
「アンタの名前は?」
ん?名前?声、ださないとわかんないね。
「矢口真里。」
「かわええ名前やな。」
「ありがと。」
「ウチ、中澤裕子ゆうねん。裕ちゃんって呼んでや。」
アタシは裕ちゃんと握手をした。
その時、裕ちゃんの手はあったかかった。
7 名前: 投稿日:2002年07月16日(火)19時22分35秒
いつもと矢口さんのイメージかわるかもしれませんが・・・。
>皐月さん
字、あってるでしょうか?違ったらゴメンナサイ・・・。
市井さんではないです。さっき書いた通り実は矢口さんです。

8 名前:皐月 投稿日:2002年07月17日(水)16時52分16秒
字あってますよ。
そうですか・・・矢口さんでしたか。
すいません。勘違いしちゃって。
がんばってください。
9 名前:再会 投稿日:2002年07月31日(水)11時29分57秒
裕ちゃん家の居候から
もう二週間がたった
裕ちゃんは私のことをなんにも聞いてこなかったから
嬉しかった
自分でも最初会ったときよりも喋るようになったと思う

ピーンポーン・・・・。
チャイムがなった。

誰だろ?今は裕ちゃんいないから私がでないと・・・
ガチャ。

ウソ・・・。なんでここにいるの?
「お〜やぐっつぁん。久しぶり〜。元気ぃ?」
「紗耶香・・・・?なんでここ知ってるの?」

久しぶりに見た紗耶香の顔は変わってなかった
でもそれが嬉しかった
「あ〜。なんかここらへんにいたのを後藤が見たんだよ。
だからちょっと近所の人に聞いてみた。大変だったんだよ〜。」

あー。そっかぁ。ここらへんの人にあいさつしたんだっけ。

「紗耶香、あがりなよ。」
「うん。そのためにきたんだし。」
「おっじゃましま〜す。」
10 名前:再会 投稿日:2002年07月31日(水)11時41分02秒
「へ〜。結構キレイだし広いじゃん。」

片付けたからね・・・。
「紗耶香、ごっつぁん元気?」
「後藤なら相変わらずだよ。
一応まだラブラブですよ。」
「そっか。」

そう。紗耶香とごっつぁんは今付き合ってる。
このまえ聞いたんだけど。
紗耶香の紹介で仲良くもなった。
後藤も紗耶香も私の<力>のことは知ってる
まぁ、紗耶香は当たり前なんだけど。
ごっつぁんも『平気だよ』って言って受け入れてくれた

「で、誰と住んでるの?」
「中澤裕子って人。」
「いい人?」
「うん。」

「でも・・・・まだ言ってないんでしょ?<力>のこと。」
「・・・うん。」
決まってんじゃん。このこと言うのってものすごく勇気いるんだよ
だって、拒絶されるのがほとんどだから・・・。
あの人も『大好きだよぉ』っていってくれたのに
<力>のことをいったら拒絶されたからね

11 名前:再会 投稿日:2002年07月31日(水)11時56分49秒
「ねぇ、やぐっつぁんにとって他人は他人でそれ以上でも
それ以下でもなくて、一生そうやって生きていくつもりなの?
やぐっつぁんが、一生そうやって1人ぼっちでいていいはずないから。
他人があふれるこの世界に、やぐっつぁんを大切に想ってくれる他人が
1人もいないなんてそんなことあるはずないから。

会いにきてください。
遠い国にいるのなら飛行機にのって早く
できるだけ早くやぐっつぁんの前に・・・現れてください・・。
私はいまでもやぐっつぁんが大好きだよ?
前から変わらないよ。
それは後藤も同じ。
こんな私のでも側にいてくれる
人がいるように・・・。大丈夫。

やぐっつぁんはやぐっつぁんが思ってるほど一人じゃないよ。」
「うんっ・・・。紗耶香っ。ありがと・・・。」

涙がでた・・。こんな気持ち初めてだ・・・。
ホントにありがとう・・・。

「どういたしまして。こんなことなら、
いつでも言ってあげるよ?ちょっと恥ずかしいけどね・・・。」
12 名前: 投稿日:2002年07月31日(水)12時00分59秒
ホントにちょこっと更新です。
遅れましたね。
はい・・・。ごめんなさい。
おおまかの内容を整理してみたら
どうやらなっちさんもでてくる模様です。
>皐月さん
いえいえ。勘違いなんかしてもらっても全然構いませんよ。
イヤ。私も自分でよんでみると市井さんに感じるときもあったので・・・。
13 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月31日(水)12時49分44秒
やぐちゅー見っけ!
楽しみです(w
14 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年07月31日(水)13時00分34秒
やぐちゅー発見!
やぐちゅー増えてきてホントにうれしいっす
15 名前:再会 投稿日:2002年08月02日(金)14時52分58秒
「ただいま〜。」
少しして裕ちゃんの声が聞こえてきた
「中澤さん?」
「うん。」

すぐに裕ちゃんは、アタシ達のいる部屋に入ってきた。
「なんや?矢口の友達かぁ?」
「あ、市井紗耶香です。やぐっつぁんとは一応
姉妹なんですよ。両親が離婚して、別々に今は暮らしてるんです。」
「そっか。ウチ、中澤裕子。裕ちゃんってよんでや。」
「はい。」

いろんな話をした。
裕ちゃんのこと、紗耶香のこと
そして・・・あたしのことも
この時は時間がすごくはやく感じた。

「あ、そろそろ帰んないと・・・。」
「なんや〜。時間過ぎるのはやいわ〜。」
うん。ホントだね。時間が止まればいいのにね・・・。
このまま・・ずっと・・・ずぅっと・・。

「それじゃあ。おじゃました。」
「またいつでも来ていいからなぁ。」
「うん。」

「じゃあね。やぐっつぁん。」
「うん。」

そして、紗耶香は帰っていった。
16 名前:心の声 投稿日:2002年08月02日(金)14時55分46秒

どうなるのだろう
閉じた蓋を
開いた時

何を得るのだろう


何を失うのだろう
17 名前:心の声 投稿日:2002年08月02日(金)15時11分02秒
信じてもいいのかな?
裕ちゃんのこと・・・・

紗耶香が前に言ったように
あたしの事を大切に想ってくれる他人いるのかな?

前に誰かが言ってた気がする・・・・

たとえばキミが、それはもう足もとまで溜まって
身動きできないほどの、洗濯物に囲まれてしまったとするよ?

しかも、洗濯機がなくて1枚1枚手で洗わなくちゃいけない。
キミは途方にくれる

本当に全部洗濯できるかな
キレイにできるかな
満足のいく結果を自分はちゃんとだせるのかなってね。

考える度に不安になっていく
けれど時間は刻々と過ぎてゆく

さて、キミはどうするべきか

とりあえず足もとにあるものから洗濯してみるといいかもね
先を気にするのも大切だけど
先ばかりみていると
足もとの洗濯物に足がからまって転んでしまうでしょう?

「今」や「今日」何ができるか考えるのも大切
そうやって1枚1枚洗っていけば
なんだかあっけないくらい
アッサリとお天道さまがのぞいていたりするものだから

不安がそれでも込み上げてきたりするけれど
そういうときはちょっと一休みするんだよ

やっぱり言ってみようかな?

18 名前: 投稿日:2002年08月02日(金)15時16分21秒
ホントに中途半端に更新。
>13さん
はい。やぐちゅーです。出来る限り頑張るつもりなので・・・
>やぐちゅー中毒者セーラムさん
確かに最近増えてますよね〜。やぐちゅー。
19 名前:心の声 投稿日:2002年08月06日(火)16時20分49秒

「ゆ、裕ちゃん・・・」
いろいろ考えてたから、気付かなかったけど
もう紗耶香が帰って、もう結構たっていた。

裕ちゃんもさっきまでの沈黙は、つらかったみたいだね。

ーなんでさっきから、黙ってんねん、矢口ぃ・・・ー
ー何考えてんねん・・・ー

「大切な話・・・・あるんだけど、聞いて・・くれる?」
自分でも気付くくらい、ビックリするくらい声が震えていた。
不安・・・なのかもしれない。

「ん?なんや?ウチでよければ、いつでも聞いてやるで?」
優しい声・・・。

「うん・・・。あのね・・・」
20 名前:心の声 投稿日:2002年08月06日(火)16時28分54秒




「アタシね・・アタシ・・・人の心の
声・・がきこえるんだ・・。」



21 名前:心の声 投稿日:2002年08月06日(火)16時35分43秒
「どうゆう事やねん?」

まだ・・話、聞いてくれる?
「心の声がきこえてくることは、ほんの一部の人しか知らなかった。
アタシのお父さんは、必要以上にアタシに過保護だった。
お母さんは・・・・アタシのことを嫌った。
紗耶香は、普通に人と接するようにしてくれた。
たぶん、紗耶香のアタシに対しての接し方が一番嬉しかった、と思う・・・。
それでね、アタシが中学3年のときに・・・。
22 名前:心の声 投稿日:2002年08月06日(火)16時59分18秒
ーー5年前ーー
「真里、アンタは高校どこ行くの?
アナタ、<力>あるでしょ?それでも高校行って平気なの?」

お母さんはいつもアタシの進路のこと、勉強のことぐらいしか言わなかったし
話もしなかった。
お母さんが、進路のこと話すたびにアタシは、ずっと俯いてた。
まるで、アタシを何か物を見るような目で見てた。

それで、アタシもお母さん嫌い・・・だったのかな?
中学3年の時の三者面談の時にね・・・・。
お母さんはキッパリ先生の前でこう言った。

「この子、高校を行かせません。」

え・・・・?アタシ、ビックリした。
アタシね、高校楽しみにしてたんだよ?
こんな<力>もってたけど友達いたし
学校好きだったんだ。

時々、イヤで怖くて、ききたくない声もあったけど。

23 名前:心の声 投稿日:2002年08月06日(火)17時06分46秒
そのあと家に帰ったあと
「お母さん、アタシ高校行くよ。
高校、行きたいもん。」
アタシ、すごく勇気だして言ってみたんだ。
そしたら・・・。
「アナタ何言ってるの!アナタ、人の心の声が読めるのよ!?
わかってる?!小、中学校は義務教育だったから我慢したけど
高校なんて行かせないわよ!もしばれたら、どうするつもり!?
人の・・・人の心を読むなんて、普通の人じゃないわよっ!
ばれたら、私たち家族まで変な目で見られるのよ!
もう!・・・いい加減、私たちに迷惑かけないでよっ!!」

このとき・・・・
アタシは・・最低なことをしてしまったんだ・・・。
24 名前: 投稿日:2002年08月06日(火)17時07分59秒
またちょっと更新です。
少しづつ進んで行きます。
25 名前:皐月 投稿日:2002年08月06日(火)21時38分24秒
や・・・やぐちぃ〜・・・・
がんばってください!更新楽しみにしてます!
26 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)14時51分03秒


バタッ




27 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)14時54分03秒
アタシが気付いたときには、お母さんは倒れていた。

その後何が起きたかはよく覚えていない。
ただ1つ、覚えていることはお母さんが
原因不明で倒れて病院に運ばれたということだった。
28 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)14時58分52秒

それからだった。

お父さんは急にアタシをさけるようになった。
アタシとはほとんど口もきかなくなった。

でも・・・紗耶香は・・・・。妹の紗耶香は優しかった。いつもどうりだった。
アタシの・・・せい?
アタシのせいでお母さんは、倒れたの?


あの時、紗耶香から聞いた話だと、お母さん死にかけたって。


29 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)15時00分02秒


もう誰の死も望みたくない・・・・。

消えない罪
消えない汚れ

アタシはただ裁かれる存在で・・・
30 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)15時03分22秒


そんなある日だった。
もともとお金があるわけでもない家だったから、高校も行かないでバイトをした

そこで、ある女の子に出会った。

アタシはなぜかその子に恋をした。
その子ともすぐに仲良くなった。

もちろん<力>のことは言わなかったけど。
31 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)15時06分50秒
その子と仲良くなってから、少し経ったら
その女の子がアタシに告白してきたんだ。

最初は、ビックリしたよ。
夢かと思ったもん。

でも、すぐに付き合った。
もともと気があったし好きだったから。

一緒にいっぱい笑った。
一緒にいろんなところへ行った。

だから・・・だから・・・信じてあげた。
<力>のこと、話した。
そしたら・・・
32 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)15時07分25秒




「気持ち悪い・・・。」



33 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)15時09分52秒
すぐに、嫌われた。
『どうしてそんなこと隠してたの?』
とかいろいろ言われた。
その子、ずっとおびえてた。

<力>のことしったら、壊れちゃった。
お母さんみたいに・・・。

34 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)15時10分24秒


「別れよう」
35 名前:心の声 投稿日:2002年08月15日(木)15時11分39秒

そう言われた。
言われるままにしか出来なかった。
これ以上、あの子を傷つけたくなかったから・・・。


あの子のこと・・・愛してたから・・・。
36 名前: 投稿日:2002年08月15日(木)15時13分18秒
矢口さんの過去です。
この次からは、現在に戻ります。
>皐月さん
ありがとうございますっ!
頑張ります。
37 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年08月16日(金)10時44分52秒
矢口にそんな過去があったんでですね
次の更新楽しみにしております
38 名前:心の声 投稿日:2002年08月20日(火)10時53分05秒
現在に戻ります

「・・・その子のことも苦しかった
でも、でもいつか温かい思い出になるって信じてるから
信じていたいから・・・。」

「なんやぁ、矢口大変やったんやなぁ・・・。」
うん。大変どころじゃなかったけどね。
裕ちゃんは、アタシのこと・・・・・

―ウチは・・・・矢口のこと嫌いやないから―

そっか。そう思ってくれてるんだ。やっぱ裕ちゃんいい人だ。
「ウチ、これからも矢口に優しくしたい。
そんな過去あっても、ウチは矢口のこと大好きやから・・・。」

あれ・・・?裕ちゃん泣いてるの?泣いてくれるの?アタシのために・・・。

「うん・・・。ありがとう、裕ちゃん。」
39 名前:心の声 投稿日:2002年08月20日(火)10時55分34秒



どんな思い出もちゃんとこの胸に抱いて信じていきたい

まけない自分になるように

いつかそれすらも越えて

尊い記憶となるように・・・



君は1人なんかじゃないよ



40 名前: 投稿日:2002年08月20日(火)11時00分16秒
ちょっと遅れてしまいました。
すいません。
えっとやぐちゅー好きな人には申し訳ないんですが
あるマンガをよんでいてそのあとに気付いたらなんと!
個人的には辻、加護にあてはまってしまい・・・。
書きたくなってしまったのです。
なので少しやぐちゅーはお休みさしていただきまして
辻加護の友情物語を書かせてもります。
できるだけ、はやく終わりにするつもりなので・・・。

>やぐちゅー中毒者セーラムさん
楽しみにしてもらってほんとに嬉しいです。
ありがとうございます。すいません。次から
辻加護の友情物語となりますが・・・
なるべくすぐにやぐちゅーにしたいと思います。
41 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月20日(火)11時09分22秒
あたし、加護亜依っていいます。
・・・敬語疲れるし、頭つかうからやめるわ。
今、高校一年生。
入学したてやけどな。
あたしには、1人親友がおる。

『のの』ゆうねん。

絶っ対、高校生に見えんけどな。
ま、いいやん。入学したばっかなんやから。

「あいぼーん!」
ほら、来たでぇ。あたしの親友。のの。

「なんやねん。のの。」
あたし、関西出身やから関西弁やねん。
「今日は、一緒にご飯食べにいくんれすよね?」
なぜかののは語尾が『れす』になる。
本人そう言ってるつもりやないらしいけど。

「当たり前やん!約束したやろぉ。」
「うんっ!」
今日は、ののと一緒にご飯を食べにいくんや。
おなかすいてきたし、そろそろ行くかぁ。

「のの、行くでぇ。」
「あ、まってー!あいぼ〜ん!」
42 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月20日(火)11時16分28秒
―レストラン―
「ののぉ。お金もってきたんかぁ?」
「もちろんれすよっ!いっぱいもってきたのれす!
さ〜、いっぱい食べますよぉ〜!」
ののの食欲は人一倍すごいねん。
あたしも最初ビックリしたで。ほんまに。

「でも、あれやな。」
「ん?なんれすか?あいぼん」
もう、メニュー見とる。食べ物のことになると早いからなぁ・・・。のの。
「もう、結構経つんやなぁ・・・。」
「・・・?あっ!のののお母さんが死んでから・・・れすか?」
「そうにきまっとるやん!でも、今でもどっからか出てきそうやなぁ・・。」

「・・・そうれすね。」
あっ!ヤバイこと言ってしもうた!
のの、悲しいやろなぁ。あたしもそうやけど。
あたしもショックやったんやで?
「あいぼん!今日は、初めて会ったときのことでも話しますか?
ののも、初めて会ったとき思ったことはなすのれす。」

「ま、そうやな。」
43 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月20日(火)11時27分16秒
「そういえば、あいぼんはいつから、不良さんやってたのれすか?」

「あたし?あたしはなぁ、小5で族デビューやった。」
そう。あたし、もうちょっと前まえ不良やってたんや。
以外やろ?あたしだって今こんなののと一緒にいることビックリしとる。
あの時はほんまにとんがってたでぇ。
あれやな。エサもらってないライオンみたいで。
親もガッコのせんせも手におえない問題児やった。
「『悪くなる』ってのはなんであんなに簡単なんやっ?って思うほど
簡単やった。」
「でも、小5ってののお菓子がご飯だった時じゃないれすか・・・。」
あ・・・そう。
気付いたら、レディースに入ってて、強面の連中にかこまれて
悪い事ばっかしてた。
「人も殴ったし、殴られたりもした。火ぃつかって警察に
追いかけられもしたなぁ・・・。やらかしたこと全部言ったら
ののの耳腐らせちゃうでぇ。」

「の、ののの耳腐っちゃうんれすか・・・?」
「・・・イヤ、例えだよ。」

とにかくどうしようもないバカやったってこと。
「でもな、どうしようもないバカやったけど、すごく憧れる人がいた。」
44 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月20日(火)11時58分45秒
「あ、それが・・・。」
さすがにののでも気付いたか。
「それが、あの真希さんやった。」

男をさしおき、女だてらに特攻隊長。
別名「赤い蝶」

「彼女がバイクをころがすと赤のテールランプが舞う蝶のように見えたって。
ケンカも強くて、でもマイペースで。笑った顔なんて不良に見えなくて。
そんな話を先輩達からきく度に憧れは募った。
なんかあるやろ?ヒーローを作りあげて無性に崇拝しちゃうってヤツ。
あたしにはそれが真希さんやった。」

「憧れてたのれすか・・・?」
のの驚いとる。そこまで詳しく話したこともなかったしな。

「それでさ、先輩から聞いたんや。その真希さん、同じ町に住んでるって。
あたしとタメの娘もおるって。」

45 名前: 投稿日:2002年08月20日(火)12時01分17秒
みんな年違います。
ちょっと読みにくいかもしれませんが・・・。
あ、マンガそっくりってわけじゃないので・・・。
46 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)09時04分34秒
「それでさ、久しぶりにあの時、中学行ったんや。
ほんまに中学はあんまり行かなかった。
でも先輩が『もしかすっと同じ中学通ってんじゃねーの?』
なんて言ってさ。」

ちょっと期待して、学校行ったんだ。
「あ・・・・。」
のの、そりゃあビックリするわな。
あの、ののがまだ食べモン頼んでない。
すごくめずらしい。
きっとそれほど真剣なんやろか?

「あたしなぁ、『大体あの真希さんの娘ってんだから、きっとかなりの
ヤンキー女やし・・・。そんな奴見逃さねぇと思うんやけど』
とか『でも、これで上手くいきゃあ、ホンモンの真希さんに会えっかも
しれねぇ。』とかいろいろめっちゃ考えてたんやで?」

「そんなに憧れてたんれすかぁ・・・。」
のの、感心するほどか?

そ、それでそんなこと考えてた時やった。
47 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)09時17分52秒
―中学3年―
そんなこと考えてたときやった。

「・・・ごっ、ごめんなさいなのれす・・・。」
後ろから誰かぶつかってきた。
この話し方でわかると思うんやけど、それがののやった。
ののが大量のノートを重ねて前が見えるか見えないぐらいまで
つみあげててさ。それで、あたしは
「・・・・って・・な、気ぃつけろっ!タコッ!!」

話し方ってか謝り方聞いたときになんかそんなに怒る気にならなかったんや。
「はっ、はいなのれすっ!申し訳ないのれす。
これからは気をつけるのれす。」
その後、ののなんて言ったと思う?

「・・・でもののは、タコさんではないのれす。食べられちゃうのれす。」
は・・・・・?コイツ・・バカ?

それがののの第一印象やった。
「あっ!そろそろののは、教室に戻らせてもらうのれす。」
そのときののは、あたしにむかって礼って感じのをした。

・・・ん?礼?
そうののは・・・。
48 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)09時19分22秒



大量のノートをもっていた。



ってことで・・・・。


ずざーーーーーー!!!



49 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)09時27分50秒


大量のノートがいっきに、しかもキレイに落ちてきた。

「ああっ!!・・・・のの、やってしまったのれす・・・。」
のの、めっちゃあせってた。
「ど、ど、どうしよう・・・。大変なのれすっ!
ののはもうほんとにっっ・・・・・。」

なんなの・・・こいつ?
でさ〜、見てるとなんっかイライラするっつーの?
よくわからへんかったけど手伝った。

「ざっけんなよ、てめぇっ!こんなあたしにこんなことさせやがってっ!
名前なんてんだ!!」

「あ、ののれすか?ごとう、後藤希美というのれす。
覚えてくださいねっ!」

「後藤だぁ!?あんたが、赤い蝶の娘とかって
オチだったらぶっとばすでぇっ!!」
「・・・あっ!それはお母さんの現役時代の名前なのれすっ!
よく知ってますねぇ。すごいのれすっ!」

50 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)09時35分46秒
「・・・歯ぁ食いしばれ・・・っ。」

「えっ!えっ!!のの・・・れすか?」

マジで・・・。最初ほんまに信じられなかった。
それで放課後、真希さんに会わせてもらうことになったんや。
「ぜひ、お母さんに会ってほしいのれすっ。」
マジで・・・・・?
コレが・・・。
あの真希さんの娘?
これじゃあ気付くわけないやろ・・・・。
まるっきし地味女やないか・・・。
しかも・・・なんつーか。
「あのっ!加護さん・・・・とよんでいいれすか?」
「えっ?あ、いいで。」
「よろしくれす!加護さんっ。」
こう・・・フインキが
・・・なんつーか
妙なヤツやなぁ・・・って。

で、そんなこと考えて歩いてたら。
51 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)09時41分55秒

ガバッ!!
「!?」
うしろから誰かがののに抱きついてきた。
「ののちゃ〜ん。
おかえりぃ〜。
おかえりぃ〜。」
「お、重いのれす〜。ただいまれす〜。」
「帰り道で会うなんて運命だねっ!」

なんだぁ・・・?
もしか・・・・・しなくとも
この人が・・真希・・・・
「あっれ〜?この人だぁれ〜?ののちゃんの新しい友達〜?」
「加護亜依さんなのれすっ!」

なんか、そのとき見事に憧れは崩された。
ガラガラガラ〜って頭ん中で音きこえたもん。あたし。
52 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)09時51分08秒
―現在―
「憧れの真希さんは、思いっきり親バカになっとった。」
「なつかしいれすねぇ・・・。
あ、でもあいぼん。もうそろそろご飯・・・注文しませんか?」
結局、それなわけね。あたしも、お腹すいてきたしな。よっしゃ!
「そやな。のの、頼も。」
「はいなのれす。」

ピッ。

「ご注文、何にします?」
「えっとぉ、チャーハンとぉ、チョコのパフェとぉ
コーラとぉ・・・・・。」
そんなに食べるん?
「あ、あたしは、餃子定食。」

「さ、話の続きや。あん時のあたしはがっかりやった。
勝手な話やけどな。勝手に、ヒーロー像をつくりあげといて
本人に会ったら『こんな奴と思わなかった』とか思うなんてさ。
そんなん、想像と違って当たり前なのに、勝手やった。
真希さんは、笑ってたけど。」

そのころのあたしの身勝手さを、いつも笑って許してくれたけど

53 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)10時00分18秒
―中学3年―
「いやぁ・・・。ゴメンねぇ・・・。散らかってて。
まぁ、そこらへん座ってね。立ってるの疲れるでしょ?」

・・・・赤い・・赤い蝶が洗濯物をとりこんどる・・っ。
「ところで、あいぼん、夕ご飯食べてく?」

「あっ!あいぼんっ!?」
「え?亜依ちゃんでしょ?だから、あいぼん。」
真希さんは、きょとんとした顔で言った。
ちょ、ちょっと待ちぃ。
あ、あいぼんって、あいぼんって言ったら
どっかのコンタクトのなんかやないかぁっ!!

「うわぁ!是非食べていってくださいなのれすっ!あいぼん!」
もう定着してやがるっ!
「いや・・・。あの、あたし・・・帰ります。」
「なんで〜?ののちゃん、結構料理できてうまいんだよぉ?」
「えぇっ!?そうれすか?嬉しいのれすっ!」


なんかさ、そんな光景見てたら・・・・。

54 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)10時13分38秒
「ほんまに帰ります。」
「あらららら。お家、厳しいの?」
「こんな奴、家が厳しいわけないじゃないですか・・・。」
「そんなこと言い切れないでしょ?事情はそれぞれだもんね。」

「あたしは、ガッカリしとるだけや!赤い蝶やったやつが
こんなに所帯臭くてなれなれしくて!
しかも、親バカやん!そんな、カッコ悪い奴になりさがってたなんてな!!」
このとき、真希さんもののも驚いてた。・・・と思う。

「肩の力を抜いただけだよ。」
真希さんは、やわらかい笑顔で言った。

あたし、やんなってとっとと出てった。
「あ、あいぼんっ!あいぼんっ!」
外にでたら、ののが追いかけてきた。
「あいぼんっ!忘れ物なのれす。」
って言って、あたしのカバンを差し出した。
カバンって言っても大したもの入ってたわけやなかったけど。
「気安く、あたしの名前を呼ぶなっ!!もう、あんたになんか用はないんや!
さっさとお家に帰ってママに甘えてろやっ!バッカやないの!?
気色悪いんや、あんたの家はっ!!」

あたしは、すぐに帰って行った。


55 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)10時16分43秒
どうしてこんなにイラつくのか
何かにせっつかれているような
でも追いてかれてるような
漠然としたイラ立ち
なんなんだろう
性にあわないムードの中にいたからかな
なんか居心地の悪いあのムード

56 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)10時24分10秒
「結局、蝶には会えたんか?」
先輩が聞いてきた。
「あー・・・いいっス、それはもう。
学校行く自体めんどいっスよ。」
「あんなトコ行く価値ねーって。」
あたしに合ってるのはこっちのムードだ。

それから前と変わらなくなった
「何様ぶっこいてんだぁ。クソアマァ!死にてぇのか?!
消えない傷残したろかー!?」

「ウチの親父『帰ってくんな』ってさ。」
「そんなんいつもだ」
「バカじゃん?そんなガキ作っんはおめーらだっつーの!」

墜ちるだけ墜ちていけるトコロ
57 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)10時31分50秒
「今日、行くトコねぇし、たまには家帰るよ。」
「おまえんトコ親父だけだっけ?寝こけてたら口ふさいだれっ!
金ちょっぱってこいやー!」

母親は小1の時に他に男作って出て行った
それ以来、父親と二人暮し。
酒ばっか飲んどる

もうなれたけど
なれるモンだろ

いつもすぐ家にはいった途端すぐにいつも自分の部屋に行く。
それで、力強くドア、閉めるんや。

そしたら・・・今日はなぜか自然にアイツらが思い浮かんできた。
もう憧れでもなんともなくなったあの人。
それから、変な話かたをする奴。

58 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)10時56分26秒
何日かたって外の道の角で、誰かにぶつかった。
誰かと思ったら・・・。

「あ・・・あいぼ・・じゃなくて、加護さん・・。
またぶつかってしまったのれす・・・。」
ののだった。
「加護ぉー!どこだー!?」
あ、そやった。あたし、他の不良ってーのから逃げてる途中やったんや。
人数むこうのほうが多かったし逃げないと・・・。

え・・・?
「いたぁっ!」
「てめぇ、何逃げてんだぁ!?」

何って
勝手に・・・
コイツが・・・。

ののが急にあたしの手をひぱって逃げた。
・・・のの・・・?

59 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時09分21秒
バタン・・・。
ドアが閉まった。
「な、なんで助けたんや・・・っ。恩でも売るつもり・・・」

「ぜーはーぜーはーぜーはー・・・・・。」
ののは、必死で走ってきたのか息をめっちゃしてた。
「あ・・・はい・・・・なん・・れす・・・。」
「いや・・・大丈夫か・・?」
「はいなのれす。どうぞ上がってください。」

結局またココに来ちまった
ボーっとしてたら父親の写真があった。
あたしは名前をわからなかったけどなんだっけな?
ほら、死んだ人の写真が置いてあってろうそくがあった。

死んだんだ・・・。

「・・・・・・・。」
窓から風が吹いた。
温かい風。
60 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時18分12秒
「あいぼ・・・加護さんっ!今日は是非夕飯を一緒に・・・。」
「居心地悪くて・・・当たり前やな。」
ののはきょとんとしとる。でも、でもなんかののになら
話せそうな気がした。
「こういうムード、あたし知らないもんな。持ってないんやから。」

だから、なんか自分だけのろけ者みたいで
居心地が悪い
「でも知ってたってどうせ『お前なんか親やない。』とか『死ね』とか
平気な顔で言うんや。」

もしあのクソ親父が、夕メシ作ったとしても
『帰らねぇ』とか『クソマズイ』って言って食べなかったりそういう事を
「平気な顔でするに決まっとるんや。だったら結局持ってようが
持ってなかろうが何が違うんや?一緒やろ?」
61 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時19分28秒



一緒のはずやろ?




62 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時21分06秒

なのに

ウソやろ

羨ましいとか

欲しいとか

思うなんて


63 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時23分33秒
「バッカやないの・・・」

「あいぼん・・・?あ、じゃなくて・・・。」
「なんや・・・?」
ののは、優しい顔で笑った。


64 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時30分31秒


夕闇せまる街


夕げの香り
光のともる家

友達に
バイバイと言って
帰る家


帰りを
待つ人

ほほえんで
迎えてくれる



優しい人

『肩の力を抜いただけだよ』


あたし
もしかして
さびしかったのかな

もう 
もう
ずっと前から
さびしかっただけなのかな

他愛もない時間
でも大切な時間


求めていたんかな




65 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時33分37秒

そのあとすぐに
真希さんが買い物から
帰ってきた


みんなで夕はん食べた

ちょっと気恥ずかしい
それから後の自分

やっぱコレは
誰にも言えない



66 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時41分54秒


あれ以来よく行くようになった後藤家。
いつだって気持ちよく迎えてくれた真希さん。

青臭いあたしの話を聞いて考えてくれた真希さん。

いつの間にか居心地のよくなってた空間
やっぱ真希さんとののの力やったのかな

ともかくそうして二人の側にいる時間が増えていって
ののとも仲良くなって
中学にも行くようになった

だって学校にいけばののがいて
ののに会えたから

勉強は理解できれば
面白いもんだった

ののと仲良くなるのも簡単やった
だってののは最初から近くに立ってくれていたんだ

素直にふり返ればもうそこには
ののは立ってくれていたんや

67 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)11時49分11秒
「加護さんっ。あなた、何やってるの?」
「何って?話してるだけやろ?」
「え・・・?」
でも、先生とか周りにはあたしらが『友達同士』には見えなかったらしい

仕方ないけどさ


「最近、加護見ねぇな。」
「なーんか、マジメに学校とか行ってるらしいじゃん?」
「何それっ!?ムカつく!呼びだせっ」
「ちょっと思い知らせなきゃなー。」


68 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時01分14秒
「加護さんと、後藤さんって・・・親友なの?」
ののが誰かに聞かれてた。あたし、そこにはいなかったけどさ。
「え?え!?」

「しっ、親友れすかっ!?そ、そんなすごい・・・」
あ、でもそう思ってるのはののだけなのかもれす・・・・・。
「ご、ごめんなさいなのれす・・・。」
「は・・・?」


「親友のはずないじゃん。全然つりあってないもんね。
加護と後藤さん。」
「先生も見張ってるポイし・・・ヤバイよ。」
「後藤さんにもあんまり近づかないほうがいいよ。」
「それに、後藤さんもああ見えて、裏ではけっこうしてるかもだし・・・」
「だねー。あの加護と一緒にいるくらいだもん。」

教室・・・入るにも入れないじゃん。遅刻したのはわるいけどさ。
まぁ、あたしはともかくのののことまで言われたくないなぁ・・・。
もしか・・・しなくてもあたし
ののの側にいないほうがいい・・・のかな?
離れたほうが・・・・
69 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時07分32秒

「ああ!?」
「抜けたいだぁ!?」
「加護が、族抜けしたいってよー!」
「なーに言ってんだ。バーカ」
「はい、そうですかって許すと思ってんのか?
族抜けの制裁ぐらい知ってるよなぁ?」
「・・・知ってます。」
「じゃあ受けろや、ガキっ」
「全員集めろ」

・・・やべぇ
怖い
逃げたい
逃げたいけど
でも・・・。

「思い知れや」
ベチン!!

変わりたいって思った
70 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時10分22秒
初めて自分からそう思った

もうこんな自分はやめだ
変わりたい


変わりたいって


・・・だって
だってあたしは
あたしは・・・・。



バシっ!!
ダンっ!!

ざわっっっ!!!

あれ・・・?
真希・・・・・さん?


71 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時34分05秒
「う・・・っ。」
「気が付いた?」
「!?」
「真、真希さんっ!?」
「動かない、動かない。足けがしてるよ。」
気付いたら、あたしは真希さんの背中にいた
やっぱり夢じゃなかったんだ。
「あいぼんの先輩の『保田』って人が来てさ、『私には止められない』って。
『加護を助けて。あの子、けっこう気に入ってたんだ。あの子は、まっとうに
生きたいならそうすればいい。あの子はそうして生きたほうがいい』って。」

先輩・・・。保田先輩・・・。
のののことを教えてくれたのも、保田さんだった。
ありがとう・・ございます。
72 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時47分24秒
「でも、族抜けなんて思い切ったね。偉いよ。」
「偉くないよ。迷惑かけて・・・。真希さんにも。」
「あはっ。そんなことないよぉ?ガキ共払いのけて逃げてきただけだよ。
あ、でも運はいいね。優しい先輩もいたし、族抜けで、もっと辛い思いをした
人はたくさんいる。あいぼんは、運がいいよ。」
でも・・・でも・・・。
「バカだ。痛い目みないとわかんない。あたしはバカだ・・っ」
ドロドロに甘えてただけの自分
「・・・痛い目みて、迷惑かけないとわからない気持ちだってあるよ。
人生の底まで墜ちて初めてわかる気持ちだってあるよ。
キレイなものに反発して、でもドロドロになって初めてキレイなモノが
恋しくなったりもする。痛みには優しさが必要で、暗闇が目立つには
お日様が必要で、どっちもバカに出来ない。どっちもムダなモノじゃない。
だから、つまずいて間違ってもそれはムダじゃないよ。『ムダにするもか』って
思ってれば、きっと自分を育てる肥やしになるよ。
・・・・これ、ワタクシ論。」
涙がでた。涙が止まらなかった。
73 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時53分33秒
「あたし・・・ののの『親友』になりたいんや。
ののが自慢に思ってくれるような、そういう『親友』になりたいんだっ」

そのためなら
自分を変えたいって

変えていきたいって
思ったんだ

真希さんは、ビックリしてた。けど、いつも通りすぐに優しい顔に戻った。
「うん。」


今、思い返すと
少し、気恥ずかしい
おんぶされて
ベロベロ泣いた自分
でも・・・


ムダなんかじゃなかったよ


74 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時56分06秒
それから
しばらくケンカも売られたけど
なんとかのりきった

1人じゃないってホントにすごい

保田先輩とはその後会ってない
遠くに引っ越したって噂だ

真希さんもののもあたしも
楽しそうに笑って
なのに・・・
75 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時57分10秒





死んじゃうなんて・・・・嘘だろう・・・?




76 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)12時59分08秒


大好きだった

なんの義理もないガキを
助けにきちゃうような


お人好しで
まっすぐで



あったかい
真希さんが






大好きだったよ







大好きだよ








77 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)13時02分06秒
―現在―
「あいぼん?」
「あ、そろそろ、ご飯も食べ終わったし帰るか?」
「帰りましょうっ!」

「それじゃあ、あいぼん。また明日なのれす。」
「そやな、じゃあな、のの。」
「はいっ!バイバーイ!!」



78 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)13時10分29秒
今、考えるんや。

父親が死んで、母親が死んで
それで、どうして
暗い影を落とさずいつも笑顔で
明るくいられるんやろ?



ののは、頑張ったんやろな。
ああして一年後笑っていられるようになるまでの間
きっと、何度もめげそうになる
自分を叱ってきたんやろうなぁ・・・。


あたしは・・・
例えばののが死んでしまったら
あたしは
同じように一年後笑えるかな?
いっそ出会ったことすら
忘れてしまいたいなんて願ったりしないかな?


ののは頑張ったんや


79 名前:親友になりたいから 投稿日:2002年08月21日(水)13時12分50秒


真希さんには
もう会えない


・・・もう


でも残してくれたものがある


たくさんの言葉や心



そして・・・のの




みんな
みんな






あたしを育てる
肥やしになるから










80 名前: 投稿日:2002年08月21日(水)13時14分41秒
いや・・・。ビックリです。
すぐに書き終わった。
親がいないから・・・。
すぐ、やぐちゅーに戻ります。
よければこの友情物語の感想を書いていただけたら嬉しいです
81 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年08月23日(金)02時41分53秒
元ネタを知っていても。文才を持つ人が書くと
ひと味も二味もちがいますねぇ。
自分は書いても、読み返すと才能なさ露呈してる感じなんですよ(w
なので、とても面白く読ませて頂きました。
やぐちゅーの方。楽しみに待っています。
82 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月30日(金)14時29分03秒


忘れていい思い出なんて
ひとつもないと思うんだ



ひとつも



83 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月30日(金)14時31分31秒
今日は、裕ちゃんとあたしと紗耶香と紗耶香の彼女、ごっつぁんと
4人で遊園地に行くことになっていた日。

でも、裕ちゃんとごっつぁんは会った事ないんだけど。
でも、あたしも遊園地は好きだったからずっと楽しみにしてたんだ。


84 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月30日(金)14時40分34秒
―遊園地―
待ち合わせ場所は、遊園地の入り口。
あたしは、裕ちゃんと来たんだけど、まだ二人は来てないみたい。
もう冬だから、寒いんだけどね。

「それにしても、遅いなぁ・・。」
ほら。裕ちゃんだって同じこと考えてる。
ま、あたしは裕ちゃんの考えてることはすぐにわかるんだけど。
でも、最近は聞き逃してるんだよ。聞こえない振りをするだけだけど。


「やぐっつぁ〜ん!裕ちゃ〜ん!」
あれ?この声は紗耶香?ってことはごっつぁんも一緒かな。

「裕ちゃん、来たみたいだよ。」
あたしは、裕ちゃんの洋服をひっぱた。
だって、ぼーっとしてるんだもん。
「っ!!」
『どうしたの?』って裕ちゃんに聞きたかったけど聞けなかった。
裕ちゃん、二人ってゆうかごっつぁん見た瞬間、顔が引きつったんだもん。
ごっつぁんのこと言ったはずなのに・・・。
名前は言ってないけど。


紗耶香たちがこっちに近づいたときに、ごっつぁんも裕ちゃんの顔を
見てビックリしてたみたい。裕ちゃんほどではなかったけど。
どうしたんだろう?知り合い?
85 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月30日(金)14時48分59秒
そんなこと考えてる中、紗耶香が1人で、紹介を始めていた。
気付かなかったのかな?それとも、あたしの気のせい?

「裕ちゃん、こっちが私の彼女の、後藤真希。」
「後藤、こっちがやぐっつぁんと一緒にすんでる中澤裕子さん。」

「・・・・・・」
「・・・・・・」

「よろしく。」
「・・・あ、はい。」

なんかあったのかなぁ?

「あ、あの、後藤さん・・・やっけ?ちょっと話あんねん。来てくれへん?」
「・・・・いいですよ。」

やっぱりなんかあったんだ。
なんか・・・裕ちゃんの心の中、真っ暗だよ?どうしたの?
いままででこんなに真っ暗になった裕ちゃんの心、初めてだよ?

86 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月30日(金)14時59分40秒
―裕ちゃん視点―
ウチは、後藤真希を少し離れたところに連れてきた。
まさかまた会うなんて思わなかったな。
「久しぶりやな。」
あんたが覚えてればの話やけど。
「そうですねぇ。」
相変わらずやな。こいつ。
「あんた、なっちはどうしたん?」
なんであんた今、紗耶香と付き合ってるん?
「なっちの事、心配なんですね。なっちは今、北海道です。」
「北海道っ!?」
は?どうゆうことやねん?北海道って?
「なっちは、今北海道です。驚いてます?そりゃあそうですよね。
なっちの夢、もしなっちが叶えたいなら北海道なんか行きませんから。」
「驚いてるに決まっとるやん・・・。なんで?」
「なっち・・・なっちは、少し休憩したいって。疲れたって。」
87 名前: 投稿日:2002年08月30日(金)15時04分11秒
ごめんなさい。かなり更新遅れました。
その上ほんとにちょっと。
すいません。
>やぐちゅー中毒者セーラムさん
いえいえいえいえ・・・。文才なんてないんですよ・・。ほんとに。
じゃあ、このあのマンガ知ってるとなると知ってるセリフもよく
でてくることかと・・・。

それと、間違い発見しました。
84の
裕ちゃんの洋服をひっぱた。
 ↓
裕ちゃんの洋服をひっぱた。
です。
88 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月31日(土)02時10分31秒
裕ちゃんの洋服をひっぱた。
 ↓
裕ちゃんの洋服をひっぱった。

ですよね?(w

再開待ち望んでました。期待してます。
89 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月31日(土)15時09分33秒
「なっちとは、別れました。北海道に行ったってゆうのもあるけど。
でも、今は友達として仲良くやってますよ。メールとか。
なっち、北海道行く前に、言ってました。
『ばらばらになっちゃったとしても、薄情とか寂しいとかそんなことないよ。
つづいていくものはきっと必ずあるはずだから。』って。
北海道に行くってゆうのはなっち自身で決めたことだし。」
なっちが・・・北海道ねぇ・・・。
「で、今は紗耶香と付き合ってるっちゅーことか。」
「そうですよ。」
まぁ、ウチもあん時は仕事、結構大切やったからなぁ。

あの時は、大好きで大好きだった気持ちを貫きたくて、元気なくなってること
気付いていたのに何もしなくて、逃げるように仕事、仕事って
それでもまだ、あの子のことを好きと思っていた自分は、ずるかった。

「中澤さんは・・・・後悔・・してるんですか?」
なっちを助けてあげられなかったことに・・・・。
「まぁ。今でも、自分をいたみつけるだけの思い出やけど、
でもいつか、温かい思い出になるって、ウチも信じていたいからなぁ。」

矢口も、信じてる・・・らしいからな。


90 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月31日(土)15時11分00秒
「でも、あの二人は知らないんやから、仲良くやろうや。」


「ごとーは全然いいですよぉ。」

91 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月31日(土)15時20分00秒
―矢口と紗耶香―
「あの二人、何があったのかな?」
あ、紗耶香も気付いたんだ。
「あたしもわかんない。」

「あ、ねぇねぇやぐっつぁん」
「ん?何ぃ?」
急に紗耶香の顔が、真剣になった。
どうしたの?
紗耶香にしては、めずらしいじゃん。

「裕ちゃんに・・・話したの?」
あぁ、その話だからか。よく覚えてたねぇ。紗耶香。
「うん。話したよ。」
「えぇっ!?それでそれで?裕ちゃんなんだって?」
「・・・平気だよって言ってくれた。」
こう言った途端に、紗耶香の顔がパァッっと明るくなった。
「そっかぁ。よかった、よかったぁ。」
裕ちゃん、あたしの<力>のこと言ってからも全然変わらなかったし。
「・・・裕ちゃん、きっとやぐっつぁんのこと寂しい想いなんてさせないよ。」
「へ?」
紗耶香は、小さな声でなんか言ったみたいなんだけど全然聞こえなかった。
何言ったんだろ?
こんな時、心の中を読めるあたしは、結構わかるんだけど。
でも、紗耶香はもう全然違うこと考えてた。

そのあと、裕ちゃんたちが戻ってきて、遊園地で遊んだ。

92 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月31日(土)15時21分45秒



君の逢う
その人は
きっと寂しい思いなんて
させはしない

93 名前:雪の日のクリスマス(番外編) 投稿日:2002年08月31日(土)15時27分35秒
今日は、クリスマス。
裕ちゃんと、あたしと紗耶香とごっつぁんで
クリスマスパーティーするんだって。

今ではすっかりみんな仲良くなった。


ピーンポーン。

あ、二人がきたみたい。
「矢口ぃ、ちょっと出て。」
「あ、うん。わかった〜。」
裕ちゃん、忙しいのかな?

ガチャ。
「「メリ〜クリスマ〜ス!!」」
「わあっ!!」
あぁ、ビックリした。開けた途端に言わなくても・・・。

「二人とも、あがってあがって〜。」
94 名前:雪の日のクリスマス(番外編) 投稿日:2002年08月31日(土)15時33分57秒
その後、みんなでケーキ食べたり遊んだりして盛り上がった。
「あ〜!!ねぇねぇ、みんな〜!!」
外を眺めていたごっつぁんがバタバタと走って来た。
ん?なんだろ?
「雪!雪降ってるよぉ!!!」
雪っ!?ってことは、ホワイトクリスマスだぁ〜♪

みんな、ビックリしてたけどすぐに外を見た。
「あっ!あのね、あのねっ!みんなにクイズ〜!!」
は?クイズ?何言ってんの?
「後藤、お前何言ってんの?」
どうやら紗耶香も考えてたらしくて。

「雪がとけるとなんになるでっしょ〜?!」

「「「んなの、水に決まってるじゃん。」」」
おお。3人の声がそろった。
「ごっつぁん、そんな簡単な問題だして、ウチらなめとるんか?」
もっともな意見。

ごっつぁんが黙ってる。

「ぶっぶ〜!!みんな、はずれっ!!」
95 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月31日(土)15時35分13秒




「春になるんだよっ!!」




96 名前:いたみつけるだけの 投稿日:2002年08月31日(土)15時38分36秒
「「「・・・・・・」」」
「不思議だよねぇ。雪は必ずとけるんだよっ。」
ごっつぁんが真剣になった。
ごっつぁんが真剣になることってあんまりないよね。

でも、なんとなくわかった気がした。


「さ〜ってと、いちーちゃん達何固まってんの?
ごとー、お菓子持ってきたんだよ。みんなで食べよっ。」

すぐにいつものごっつぁんになったけど。


97 名前: 投稿日:2002年08月31日(土)15時42分19秒
ああっ!また間違えてる・・・。
95〜96も雪の日のクリスマス(番外編)です。
季節、違うし。
>88さん
ありがとうございます。そうなんです。
そう書きたかったんです。私がバカなばっかりに・・・。


それから、質問なんですけど、こうゆう掲示板みたいなところに
歌の歌詞とかのせていいんでしょうか?
やぐちゅーっぽいのがあったので・・・。
98 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月31日(土)16時10分47秒
過去のなちゅー+ごまも登場したりして欲しいな。
99 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年09月01日(日)01時47分09秒
自分は一部だけですけど
歌詞を載せましたよ
だから、載せても構わないかと思います
100 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月02日(月)14時19分36秒
クリスマスパーティーが終わって数日後。
またいつもと変わらない日々が続いた。
別に嫌いじゃないんだけど。
でも、変わったことがひとつあった。
それは、裕ちゃん。
ときどき、何か考えてる。

―矢口に、話したほうがいいんか?―
とか、
―でも、言ったらどうなる?―
とか。
なんだろ。どうやらあたしに関係してるみたい。
よくわかんないんだけど。
でも、いつか話すことに決めたみたい。


あたしも少し不安になった。


そんなある日のことだった―――
「なぁ、矢口。」
裕ちゃんは、そのとき話しずらそうにあたしに話し掛けた。
「何?裕ちゃん。」
なんとなくわかった。
裕ちゃんが今、いままで考えてたよくわからないことを言うってこと。
101 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月02日(月)14時39分28秒
「あんなぁ、矢口が言ってた付き合ってた女の子、ウチ知ってるんや。」

え・・・?
マジで?
そんなこと・・・だったの?
でもなんでわかるの?
だって名前言ってないよ?

「なんで?」
なんで知ってるの
「その話し、聞いたことあったからや。」

―なっちから―

裕ちゃん・・・なっちを知ってるの?
今、言ったよね。
心の中でだけど
無意識かもしれないけど

「なっちのこと、知ってるの?」
「そうや。昔、付き合ってた。」

うそ・・・。
ホントに?

裕ちゃんの目は真剣だった。
102 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月02日(月)14時46分29秒
「今は?今、なっち、何処にいるの?」
いまさら心配したり、なっちに興味もっても意味ないけど
「北海道や。ウチも最近知った。」
は?裕ちゃん、最近知ったの?
「誰から?」
「ごっちんから。」
は??ごっつぁん?ごっつぁん、なっちのこと知ってるの?
そんなん聞いてない。
「ウチが別れたあと、ごっちんとなっちが付き合ってた。」
はぁ?それも知らない。そりゃ、そうだけどさ。
だって、ごっつぁんと初めて会ったのだって紗耶香と付き合ってたし。
でもさっきから気になってたことが。
1つ。

「なんで、別れたの?」

103 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月02日(月)14時50分54秒
「ウチが悪い。」
裕ちゃんは、キッパリと言った。
裕ちゃんの心は、後悔って感じの気持ちがいっぱいだった。
「裕ちゃん、何・・・したの?」

よく考えると今紗耶香とごっつぁんは付き合ってるわけだから、
ごっつぁんもなっちと別れたんだよねぇ?
二股じゃ、ないよね?
ごっつぁんはそんなことする子じゃないし。たぶん。
あたしが見るからにはね。
紗耶香ともラブラブじゃん。
これも、あたしが見るからになんだけど。

「矢口、聞いてくれるんか?」
いや・・・・。あたしから聞いたんだしさ。
「うん。」
104 名前: 投稿日:2002年09月02日(月)15時06分25秒
ちょい、更新。
>98さん
はい。出します。
なっちゅーも、ごまも。
>やぐちゅー中毒者セーラムさん
大丈夫なんですか。
ありがとうございます。
今度、歌詞のせますね。
105 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月08日(日)12時30分44秒
ウチ、なっちと付き合う前から、仕事やってたんや。
その仕事、忙しくてなぁ・・・。
なっちと初めて会ったときは、たまたま仕事休みやったん。
それで、どんどん仲良くなった。
告白は、なっちのほうからやった。
別になっちのこと嫌いやなかったし、むしろ好きやったから
付き合うことにしたんや。


「え〜?裕ちゃん、今日も仕事だべかぁ?」
「ん〜・・・。ごめんな。なっち。あとで絶対一緒にどこか行くこ?」
「別に怒ってないよ。絶対、遊びにいこーね!」
「うん。」
ウチ、結構仕事で疲れてたん。
でも、なっちの笑顔見ると急に元気がでるんや。
なっちは、そういう子やった。
だから、いつも癒された。

なっちは、何かあってもすぐに抱え込んでしまうんや。
何か抱え込んでいても、ウチの前ではなんでもないように笑ってた。
ウチ、少しして気付いたんや。
『もしかしてなっち、わざと笑ってないか?』って。
ウチ、仕事ちょうど仕事一番忙しい時期で、何にもしてやれへんかった。
ずるいやつやろ?
それなのに、ウチはいつもなっちのにせものの笑顔みて癒されて・・・・。
だんだんなっちとも逢えなくなってきたんや。
106 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月08日(日)12時37分57秒
久しぶりになっちと逢うことが出来て、そん時なっちが
ほんまに嬉しそうに、ウチが大好きやったなっちの戻ってた。
『何かあったんかな?』って思ってたらなっちが全部話してくれたんや。

「あのね、なっち『ごっちん』って子と友達になったんだぁ。」
「ごっちん、とってもいい子なんだべ。」
「ごっちん、可愛いんだべ。」
「ごっちん、なっちのこと『好き』っていってくれたんだべ。」
「今度、ごっちんと遊ぶんだべ。裕ちゃんも来る?仕事?」

なっちは、『ごっちん』に癒されるんや・・・・。
なっちにはもう、ウチは必要ないんか?

悔しかった。
大好きな人の力になるのは
いつも自分ひとりでありたいのに。

なっちは、どんどん『ごっちん』に惹かれていった。
1回だけ『ごっちん』となっちとウチで遊んだ事があった。
なっちは、幸せそうに笑ってた。

それで、そのときがきた。
107 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月08日(日)12時42分54秒
「ねぇ、裕ちゃん。話しがあるんだべ。」
なっちはいつもの笑顔を見せずに話した。
「裕ちゃん、なっちごっちんのことが好きなんだべ。
だから、なっち別れたいんだべ。」
予想はしてた。
でも、なっちの口から聞くと予想以上にショックやった。
でも、ウチにはとめる権利はない。
だから
「なっちが、いいならウチはいいで。」

最初は辛かった。
そんな簡単な気持ちでなっちのこと
必要と思ってたわけじゃなかったし。

108 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月08日(日)12時53分15秒
ウチはそれでもなっちのこと好きやった。
愛してた・・・。

それで、気付いたんや。
たとえいくら裏切られようと
信じる限り、こちらから敵対することなく
疑いを持たずにいられることこそが
何より自分自身の、幸せであること

それが愛なのだということ。

なっちは、ごっちんのことを愛していても
ウチは、なっちのことを愛していた。

今は、ようわからん。

でも、それからは人に優しくしたいんや。
109 名前: 投稿日:2002年09月08日(日)12時54分21秒
更新です。
だいたい半分ぐらいいったのかなぁ?
たぶん・・・。
110 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月16日(月)10時58分27秒
「あんなぁ、前、なっちと付き合ってた頃に聞いたことがあるんや。」
「何・・・・を?」


「矢口の、こと。」
なっちがアタシのことを?
どういうこと?
よくわかんないよ。裕ちゃん。
ちゃんと、説明してくれなきゃ。わかんない。

「なっち、何言ってたの?」
「『なっち、前に大好きな子がいたんだべ。付き合ってたりしてたんだべ。
その子、とっても可愛いかったんだべ。背もなっちよりもちっちゃいんだべ。
いっぱい、いっぱい笑うんだべ。太陽みたいな子だった。
でも、その子よくわからなかったけど、心の声ってやつが聞こえるらしいべ。
だから、なっち怖くなって、別れたんだべ。』って。
名前は言わへんかったけど、なっちも背がちっちゃい方なのにそのなっちよりも
背がちっちゃいやつかぁ。とかって思って聞いてた。
それで、矢口にその・・・<力>ってやつ?聞いたときにわかったんや。」

そっか。なっち、話してたんだ。裕ちゃんにも。
そうだよね。こんな奇妙な<力>もってるのこの世でアタシぐらいしか
いないもんね。へんだよね。

「でも、ウチは、今矢口のこと嫌いやないで。」


この一言で、アタシは、すごく安心した気がする。

111 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)11時03分57秒




嬉しかった
関わっちゃいけないと
何度も思ったのに


気がつくと
いつも側には
裕ちゃんや、紗耶香や、ごっつぁんがいて
うれしくて
うれしくて



自分の立場に気付いたのは少し後のことだった







112 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)11時05分42秒


予感がする
呼びかたもわからないのに


胸に・・・・・
のどまでひろがって
生まれてくるもの



予感がするんだ



声さえも見失うほどの



113 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)11時10分33秒
いつもと変わらない日のつもりだった。
今日も。そして明日も。

でも、そんなことは無理だった。

裕ちゃんの家に、といってもアタシもすんでるけど。
ごっつぁんと紗耶香がきた。

ここまでは、変わらない毎日。
でも、違った。

ごっつぁんは、ものすごい急いで、いつもマイペースのごっつぁんまで
驚かされる事実。

アタシも、裕ちゃんも驚いた。

114 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月16日(月)11時11分19秒




「なっち、帰ってくるって。」





115 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)11時20分27秒
たった一言だったけど、誰もが驚いた。
紗耶香も、事情は知らないはずなんだけど、たぶんごっつぁんが教えた。
なんとなくだけど、わかる。


「さっき、ごとーのところにメールがきたんだ。
『なっちねぇ、今戻ってきたんだべ!びっくりしたべ!?びっくりしたべ!?
今からそっち行くからねー!!』って。だから、ごとーびっくりして、
いちーちゃんに話して、それで『裕ちゃん家にいるから』ってメールした。」

はぁっ!?じゃあ、じゃあ、なっちはここにくるの?

「なっちは、ここにくるんかい?」
「うん。」

「なんで、ここにしたんや?」
「え?だってぇ、裕ちゃん達だって会いたかったでしょ?だからだよ。」
なっちとは、別れた日以来、会ってない。
どうしよう・・・・・・。怖い・・・・・。

でも、その時はやってきた。

116 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)11時26分43秒


ピーンポーン


来た・・・・。なっちが来たんだ。
みんな、みんな緊張してた。
アタシも、体が動かなかった。

「ウチ、でるわ。」
「あ、ごとーも行くよ。」


ガラガラガラ―――
「あれ?裕ちゃんに、ごっちん久しぶりだべっ!!」
部屋にいても、聞こえる声。
昔と全然かわってない。

「なっちぃ、久しぶり〜。」
「しばらくやな。」
「うん。そうだべ。」

「ま、中に入り。」
「じゃあ、おじゃまさせてもらうべ。」

来る・・・・・。でも、もうここからは逃げられないんだ。
もう、逃げ場はない。

「やぐっつぁん、大丈夫?」
紗耶香が心配そうな声で聞いてくる。
「・・・・うん。大丈夫。」
声、震えてないかな?
紗耶香は、優しいね。

扉が、開いた。

117 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)11時28分12秒


「やぐち・・・・・?」




118 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月16日(月)11時34分15秒
「なんで、やぐちがここにいるんだべ?」

「あ、やぐっつぁんはねぇ、今ここで裕ちゃんと一緒に住んでるんだよ。
偶然だよねぇ。」

前がむけない。
なっちの顔が怖くて見れない。

「やぐち、こんなところにいたんだべか。もうなっち、ほんとはあんまり
会いたくなかったべ。だってやぐち――」

「なっち!!」

ごっつぁんの声がした。
ごっつぁんの声はなっちの言葉をさえぎったように聞こえた。
でも、次になっちの口からでる言葉なんて、聞かなくてもわかる。
なっちの考えてることなんて、すぐわかるんだ。

―だってやぐち、人の心よめるんだべ。だからあんまり会いたくなかったべ―

怖かった。予想はしてた。でも、なっちの口からでるともっともっと怖くて
ここにはいられない気がした。


「矢口!」
「やぐっつぁん!」


119 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月16日(月)11時37分57秒
「なんで、やぐちがここにいるんだべ?」

「あ、やぐっつぁんはねぇ、今ここで裕ちゃんと一緒に住んでるんだよ。
偶然だよねぇ。」

前がむけない。
なっちの顔が怖くて見れない。

「やぐち、こんなところにいたんだべか。もうなっち、ほんとはあんまり
会いたくなかったべ。だってやぐち――」

「なっち!!」

ごっつぁんの声がした。
ごっつぁんの声はなっちの言葉をさえぎったように聞こえた。
でも、次になっちの口からでる言葉なんて、聞かなくてもわかる。
なっちの考えてることなんて、すぐわかるんだ。

―だってやぐち、人の心よめるんだべ。だからあんまり会いたくなかったべ―

怖かった。予想はしてた。でも、なっちの口からでるともっともっと怖くて
ここにはいられない気がした。


120 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月16日(月)11時40分57秒
「痛っ・・・・・。」
・・・?
なっちが急に頭をかかえた。
「頭・・・・痛い。」
そう言った。ふいに、あのときのことがよみがえる。

お母さんが倒れた瞬間。

「やぐち・・・・今もしかして<力>つかったべか?」

怖かった。

「矢口!!」
「やぐっつぁん!!」
121 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月16日(月)11時43分43秒
アタシは、走った。
アタシの大好きなところへ。
ただ、がむしゃらになって走った。
あの場所、紗耶香ならしってるかもしれないけど。
それでもよかった。


もう、あの家にはいられない。
アタシは、<力>があるから。
一人のほうがいいんだ。
一人じゃないと、いけない。


あの場所にいちゃ、いけないんだ。

ごめんね、裕ちゃん


122 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)11時52分38秒
―市井視点―
やぐっつぁんが走ってどこかにいった。
どこかなんて、すぐにわかるけど。
やぐっつぁんの大好きなあの場所。
私も、大好きなあの場所。

裕ちゃんが、すぐに追いかけた。
でも、裕ちゃん、どこにいるかわかんないでしょ?

ここはこの私、市井紗耶香の出番。
自信あるんだよ。
やぐっつぁんがどこにいるかなんて。

小さい頃から、毎日のように行ってたあの場所。
私もよく行ったっけ。
あの場所は、いつまでたってもかわらない。


私も、裕ちゃんを追って部屋をとび出した。
123 名前:キミの笑顔 投稿日:2002年09月16日(月)12時16分23秒
「裕ちゃん。」
私は、走ってる裕ちゃんをよびとめた。
裕ちゃんは、汗をかいていた。

やぐっつぁん、やぐっつぁんにはこんなにもやぐっつぁんのことを想ってくれる
人がいるじゃん。
やぐっつぁんは気付いてる?

「・・なんや?ウチ、今急いでるんや。」
裕ちゃんが私を睨んだ。
するどい目。
・・・・・怖いよ。

「まぁ、裕ちゃん、落ち着いて。」
「落ち着けぇ?今ウチは、矢口を捜してるんや!紗耶香も捜せぇや!!」

やぐっつぁん、今私の目の前にやぐっつぁんを大切に思ってくれる人がいます。
やぐっつぁんのほうが、一緒にいた時間長いでしょ?
やぐっつぁんは、わかってないね。

「裕ちゃん、聞いて。やぐっつぁんね、お母さん殺しかけたあの日から
絶望だけがあった。笑うどころか、顔すらも、上げようとせずに『死』にも似た
匂いだけが、満ちていたんだ。」

裕ちゃんはようやく落ち着いてきて、私の話を聞いてくれるようだった。


124 名前:心の太陽 投稿日:2002年09月16日(月)12時23分04秒
話は続く。
「不安や恐れを抱えきれず、耳を塞ぎ、目を閉じていた。
でも、でも今やぐっつぁんは、変わりつつある。ようやく、絶望から立ち上がり
歩みだそうとしている。成長しようと・・・・。裕ちゃんのおかげだよ。
ありがとう。やぐっつぁんは、この近くの公園の奥にいる。
夕陽が一番キレイに見えるんだ。裕ちゃん、今からやぐっつぁんのとこに
行くのは、裕ちゃんだからできることだよ。」

裕ちゃんにしか、できないことだから。

裕ちゃんは少しの間、かたまってた。
早く行きなよ?やぐっつぁん、泣いちゃうよ?

裕ちゃんは小さな声で『ありがとう』と言った。
そのあと、全力で走っていった。

頑張ってね、裕ちゃん。


125 名前:未知への扉 投稿日:2002年09月16日(月)12時43分49秒
―後藤視点―
やぐっつぁんが走っていったあと、裕ちゃんも追いかけていった。
裕ちゃんなら、大丈夫かなって考えてたらいちーちゃんも走っていった。

今ここにいるのは、ごとーとなっちだけ。

「久しぶりだべ。ごっちん。」
なっちから話しかけてきた。
「うん。そーだね。」
いちーちゃんのことは、まだ話してない。話さなきゃいけないね。

「なっち、あのね、今ごとーね
さっきここにいたいちーちゃんと付き合ってるの。」
ごめんね、なっち。

「そっか。怒ってないべ。よかったべ、ごっちんが幸せで。なっちも
嬉しいべ。」
ありがと、なっち。

「なっちの夢、叶いそう?」
なっちの夢、それは歌手になることだった。

「なっちには無理かもしれないけど、それでも叶えられたらステキって
思うから。なっちは、信じてみるんだべ。」
なっちらしいね。
126 名前:未知への扉 投稿日:2002年09月16日(月)12時48分30秒
ごとーはときどき考える。

この世界にはいろんな人がいて
いろんな夢があって

ぶつかって
泣いたり
笑ったり

その中で
自分の夢を叶えた人はどれくらいいるんだろう
夢を叶えて満足した人はどれくらいいるんだろう

それはたぶん誰にもわからない
答えは、いつも自分で決めることだから

127 名前: 投稿日:2002年09月16日(月)12時49分49秒
またまた遅れました。
そんでもって大量更新。

もうすぐ終わります。
128 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年09月17日(火)02時36分51秒
もうすぐ終わりなんですか?
寂しいですが、頑張ってください
129 名前:未知への扉 投稿日:2002年09月20日(金)15時54分05秒
「なっち、何が大事かは、人の勝手だから。
だから、その人が本気でやってれば、上も下もないよ。だからさ、
なっちも頑張ってねっ!」
「うんっ!ありがと。誰にだって夢を実現する力はあるんだべっ!
よ〜し!なっちも頑張るぞぉ〜!!」

ごとーもなっちの夢、応援したい。
いつか、なっちをテレビの中で、笑ってるなっちをみたい。

あ、でもそしたら、ごとー、アイドルの友達だぁ。
なんか自慢できるね。

「ねぇ、ごっちん、もしかしてなっち、やぐちに酷いこと
言っちゃたのかなぁ・・・・・。」
「うーん・・・・。でもきっとやぐっつぁんも心の中で見つけ出そうと
してるんだよ。たくさん、あるんだよね、闘っていくものって。
やぐっつぁんの体の中にも渦巻いて辛いことがあるのかもしれないね。」

でも、大丈夫だと思うよ、ごとー。
だって、裕ちゃんや、いちーちゃんも追いかけていったから。
ごとーはやぐっつぁんが笑顔で帰って来ると思う。
そしたら、ごとー達も笑顔で、迎えてあげなきゃだね。
130 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)15時58分48秒
ーやぐち視点ー
走ってここまできちゃったけど、疲れたけど、ここの景色見たら
そんなことまで忘れちゃう気がした。

これから、どうしよう?
まだ全然きまってなくて、行く場所もなくなっちゃったけど。
でも、あの場所は楽しかった。
みんなでいつも笑っていれる場所。
温かい場所だった。
でも、今では思い出なんだ。

131 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)16時05分47秒
遠くから、声が聞こえた。
気のせいかもしれないって思ったけど。

裕ちゃんの声だった。
その声はだんだん近づいてきた。

「矢口?どないしたん?」
裕ちゃん、わかってるんでしょ?ほんとは。

もう、誰も傷つけたくないんだよぉ
怖い

消えない罪
消えない汚れ

「もう、もう裕ちゃんとは一緒にいられないよ・・・・。」
こうなったら、思ってること、今全部言っちゃえば、いいんだ。
そうすれば、きっと裕ちゃんも離れてく。
裕ちゃんの心の声が聞こえた。


でも、あんまり信じたくなかったし、怖かったから聞こえないふりをした。
「矢口、ウチと矢口はまだ、知らないことがたくさんあるから
ウチはもっと矢口のこと知りたい。ウチは、矢口のこと大好きやから。」

なんでだか、わからないけど涙がでてきた。


132 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)16時09分37秒


傷つけてしまうかもしれないのに・・・・・
許されないことかもしれないのに・・・・・


「これから、矢口が進む道は、矢口の心で決めるんや。
矢口は、あの家から、出て行きたいん?
ウチらと、一緒にいたくないん?
ウチが知りたいのは、それだけや。」

裕ちゃんは、きっぱりと言った。
これは、裕ちゃんの本心?

そんなのわからない。


133 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)16時11分44秒


前は見上げる空が震えるくらい寂しく見えた

不思議・・・・。
いつのまにか優しく見えて


のびてゆく影が一つじゃなくなった
それだけのことなのに


たったそれだけのことなのに



134 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)16時12分38秒






「一緒にいたい・・・・」







135 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)16時16分16秒

ずっとずぅっと・・・・。
一緒にいたかった。


これが、アタシの本心。
これは、心で決めたこと。

裕ちゃんが言ってる事が、もし裕ちゃんの本心じゃなくても
裕ちゃんの言葉が嬉しかった。


がんばってみる
ほんのささいな言葉で

傷ついたり
救われたりしながら・・・・。




136 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)16時18分40秒


祈るよ

大切に思ってくれる他人が
一人もいないなんて
そんなことあるはずがないから


祈るから

だから


諦めないで






137 名前:のびてゆく影 投稿日:2002年09月20日(金)16時19分25秒



アタシはもう一人なんかじゃないから





138 名前:その後・・・・・ 投稿日:2002年09月20日(金)16時22分52秒


「あ、今聞こえなかったよ。」

うん。確かに聞こえなかった。
誰の心の声も聞こえなかった。

「ホンマか!?」
裕ちゃんが・・・
「やったじゃんっ!」
紗耶香が・・・
「おめでと〜!!」
ごっつぁんが・・・
「やればできるべ!」
なっちが・・・


みんなが、嬉しそうにしてくれた。


139 名前:その後・・・・・ 投稿日:2002年09月20日(金)16時27分56秒

胸が痛むときがあるの
あんなに、妹・・・紗耶香に愛されていながら
満たされなかった、アタシの心

紗耶香は、今でも嬉しそうに笑ってくれるけど
勝手で、薄情だったって。

そう思うたび、裕ちゃんの言葉を思い出す

人間ってさ、他人を求められずにはいられないんや、多分。
どんなに人に虐げられても、絶望しても、妹に愛されても
やっぱり、他人に受けいれてほしくなるんや。
きっと・・・。


140 名前:その後・・・・・ 投稿日:2002年09月20日(金)16時32分07秒

今ではもう、全てを託し、信じられる友達のなっち。
「もう一度、友達としてやりなおしてくれる?ごめんね。」って言ってくれた。
たった一言だったけど、すぐに仲良くなった。

力をコントロールできるようになったのは少し後のことだった
でも、面白半分にはつかわなかった

お母さんも元気でやってると紗耶香がそっと教えてくれた
いつか、謝れたら・・・・

141 名前:その後・・・・・ 投稿日:2002年09月20日(金)16時35分24秒

裕ちゃんは、心の瞳で、アタシを見てくれた

今、考えるとアタシの口からは『好き』って言ったことなかったから・・・


いつかきっと言えるようになるって信じていきたい・・・・・





     ――――――END――――――


142 名前: 投稿日:2002年09月20日(金)16時41分20秒
終わりました。
あと、>118読まないで下さい・・・。
すいません。ミスです。
もうちょっと前にいっておけばよかったですね・・・。
忘れてました。

なんか、無理矢理って感じのような気もしたんですが・・・。
こうしないとおわらなそうだったもので・・・。
やっぱ、才能の問題でしょうか?

あ、それから、このあとやぐちゅーっぽい歌詞書きます。
これ、人によって違いますよね。
私にとってやぐちゅーっぽかったので・・・・。
143 名前:歌詞です。 投稿日:2002年09月20日(金)16時49分52秒
いつでも笑っているけど 時々どうしようもなく 一人が不安になるから ねぇ
その手を大きなその右手を 私に下さい そして 何度でも 飛び立つことが
できるから 大空に舞う飛行船 夢をちりばめて 見上げるみんなの胸に
舞い降りますように・・・
どしゃぶりの雨に うずくまったまま 歩き出せない 一人じゃダメだよ
ずっとそばで その手を やさしいその右手を 私に下さい 
そして いつまでも 飛び立つことができるから 大空の飛ぶ飛行船
夢をふりまいて 見上げるみんなの瞳 輝きますように・・・

その手で 力強いその手で私を包んでください 永遠に
飛び立つことができるから 大空に舞う飛行船 夢を彩って 
見上げるみんなの胸に 届きますように・・・
144 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2002年10月06日(日)07時43分09秒
遅れましたが、脱稿お疲れさまでした。
歌詞の方、良い詩ですね♪


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