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同級生

1 名前:tomato 投稿日:2002年07月13日(土)16時30分22秒
やぐっつぁん小説
2 名前:tomato 投稿日:2002年07月13日(土)16時51分48秒
「聞いてる?」
「はいはい。聞いてますって。」
そういうと、真里はまたぺらぺらと喋り出した。よくもまあこんなに長々と喋れるもんだ。
俺はコーヒーを一口飲み、わざとらしいため息をついてやった。
「なによ。私のオハナシがつまらないってゆーの?」
俺は笑みを浮かべ、言った。
「そんなことねーよ。」
「変な奴〜。」
半年前の俺には想像つかない事だった。
今、目の前で楽しそうに喋っているのがモーニング娘。の矢口真里だなんて。
そりゃぁ、彼女が欲しいとは思っていたけど、それが矢口真里になるなんて。
とりあえず、俺は、半年前の冬に一生分のツキを使ってしまった。
いや、一生分じゃ足りないかもしれない。俺の来世にも影響するだろう。きっと。
3 名前:tomato 投稿日:2002年07月13日(土)17時12分39秒
今年の冬、とある大学の試験を受けた。俺はどうでもよかったのだが、
親がどうしてもと言うので仕方なく、という感じだった。
それがすべての始まりだった。

驚いた。試験会場の教室の半分くらいは男なのだ。むさ苦しさに絶えながら、
俺は自分の席を見つけて座った。隣はまだ空席だ。
…男じゃねぇだろうな。
試験開始20分前。隣の人がきた。女だ。しかもなかなかカワイイ。
彼女は席につくなり参考書を読み始めた。それをちらちらと見る俺。
…こいつ、どっかで…
俺の視線に気が付いたのか、彼女がこっちを見た。もちろん、目が合った。
…マジかよ、おい
血の気がひいていくのが自分でもわかった。隣の彼女は…。こいつは…。
「しー。だまっててくれぃ。」
矢口真里だった。

4 名前:tomato 投稿日:2002年07月14日(日)11時33分50秒
いろいろな事が頭をよぎる。なんで大学受けるの?趣味は?彼氏いるの?
気付いたら、目の前に問題用紙がおかれていた。時計を見る。試験開始まで
あと3分。俺は腕時計を外し左前方に置いた。その隣、彼女の受験票が目に入る。
「矢口真里」、と、そこには記されている。周りを見渡してみたが、俺以外に彼女に
気付いてる奴はいないようだ。どうしよう。声をかけようか。
そんな事を考えていたら、試験が開始していた。

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