Delusion of Sentence
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月15日(月)17時30分42秒
- 適当に、短編をちょこちょことやっていきたいと思ってます。
更新は、不定期になります。
- 2 名前:【カエナイモノハ…見るべきじゃない】 投稿日:2002年07月15日(月)17時44分23秒
- 「やめろってば…」
そういって、煙たがった所で…あいつは諦めたりなんかしない。
額にしわを寄せて、唇をとがらせて…文句をいいながら
でも、オイラにまとわりついてきた。
「キショイってば!」
そんな事を言うのは、あいつから自由を奪いたくないからで…
決してあいつが嫌いだったからじゃない…
むしろ…無理やりにでも手に入れたかったんだ…。
- 3 名前:【カエナイモノハ…見るべきじゃない】 投稿日:2002年07月15日(月)17時45分17秒
- **********************************************************
籠の中の鳥は束縛した内に入らない。
だって入り口を空けたら飛んでいってしまうだろ?
そうならない様に、飛べない様にしてしまうから…
だからあいつはオイラから離れるべきなんだ。
…オイラの理性があるうちに。
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- 4 名前:【カエナイモノハ…見るべきじゃない】 投稿日:2002年07月15日(月)17時48分07秒
- 「…うざいんだよ…」
ある日、とうとうあいつはオイラから離れていった。
それはオイラの1番の望みでもあったはずなのに
…なぜか涙が止まらなかった。
…買えないものは、見るべきじゃない。
だって、手に入らないものほど…飼いたくなるのだから…。
〜END〜
- 5 名前:〜雨の日も悪くない?〜 投稿日:2002年07月15日(月)18時02分53秒
- 早く終わった仕事帰りの午後、
何時間かぶりにみた空は曇ってた。いやむしろ小雨が降ってたんだよねぇ。
なんか、柄にもなくちょっと憂鬱で、出来れば晴れててほしかったな.....
そんな事を考えて窓の外をみてたら....
「保田さ〜ん!」ってあの独特の声をしたあいつが
後ろからダッシュしてきた。
「きゃっ!」っとかいって乙女チックに転びそうになったのをなんとか受止める。
「雨の日はすべるんだから....気をつけなさい。」
「すっすみません」
...キツク言ったつもりはなかったけど、すっかりネガティブモード突入ですか....
さっきまでの元気は一体どこいったわけ?!
まっ今回位はだまって、こいつの話を聞くのも悪くないかな…。
- 6 名前:〜雨の日も悪くない?〜 投稿日:2002年07月15日(月)18時04分49秒
- 「でっ…何?!」
………(沈黙)………
「あっ、その....帰らないんですか?」
「…あぁ、雨だしね......」
こいつといるとどうも調子が狂う。
- 7 名前:〜雨の日も悪くない?〜 投稿日:2002年07月15日(月)18時06分09秒
- 結局、タクシーを呼ぶのをやめて…石川と同じく電車で帰ることにした。
当然、傘なんか持ってないから....石川の小さなピンクの傘を二人で使って相合傘。
―石川と相合傘…(矢口が聞いたら、かんぱつ入れずに吐かれたかもしれない)
女の子チックな傘。
だけど大人二人が塗れずに帰るにはちょっとキツイ。
しょうがないから、石川が塗れないようにして歩く。。
「あっ…あの…」
「うん?!」
「…ごめんなさい…」
「…?…何が?」
さっきの事も考慮してなるべく、さりげなく返してみる。
- 8 名前:〜雨の日も悪くない?〜 投稿日:2002年07月15日(月)18時07分13秒
「やっぱり傘小さかったですね…。」
「えっ?!石川、濡れてた?」
「いえ、そうじゃなくて…その…保田さんが…」
「あっあぁ…」
―別に、分かってた事だから…
「寒くないですか?」
「まぁ、家近いし大丈夫でしょ…」
―何時間もかかる訳じゃないし。
「だっ駄目ですよ!風邪引いたらどうするんですか?」
「っつても…(この状況ではどうにもなんないだろうに…)」
そしたらいきなり傘を持ってる手に腕を組んで来たりして…。
「うわっ」
バランス崩すだろうが!
「もっと近づいて下さい!」
「あぁ…うん」
- 9 名前:〜雨の日も悪くない?〜 投稿日:2002年07月15日(月)18時08分56秒
「保田さん?...顔赤いですよ.....やっぱり熱あるんじゃないですか?」
それが自分の性だなんて気づいてないちょっと天然入ったこいつは心配そうに顔を近づけた。
「ばっ...大丈夫だよ!」
「照れてるんですか?....」
なんて言ってくる…調子のりすぎよあんた!
「ば〜か!」って耳元で囁いたりして....ちょっと頬にキスなんてしてみたり。
(ふっ、柄じゃないなぁ…)
「えっ…、あっ…」
あらら顔を真っ赤にして俯むいちゃった…まだまだ甘いよ石川。
…まぁ、雨の日も悪くないって事かなぁ、なんてね…。
〜END〜
- 10 名前:<大切なもの> 投稿日:2002年07月15日(月)18時24分16秒
- 簡単な事で、世の中のものは全てつりあいが取れている。
+と−で、善と悪で…表と裏で。
そして、全体は一定レベルより増える事も減る事もない。
「何かを捨てなきゃ、何かを手に入れられない」
小さい時。
ウチは欲張りだったから…何も捨てたくないと思ってた。
ウチは欲張りだったから…新しいものを手に入れたいって思ってた。
そして、絶対に捨てないって、思ってた。
「何かを手に入れたら、何かを失う」
けれど大きくなって。
手に入れたくなくても、何かは勝手に増えて。
そして、大切だった何かは気付く事もなく消えていってる事を知った。
それは自然の流れで、ウチ1人の意思ではどうにもならないって思いしらされた。
- 11 名前:<大切なもの> 投稿日:2002年07月15日(月)18時25分30秒
でも…悪あがきして見たい。
- 12 名前:<大切なもの> 投稿日:2002年07月15日(月)18時27分03秒
- これ以上なにもいらないから…。
他のものは何でも捨てれるから…。
梨華ちゃん…
キミだけは消えないで。
キミだけは捨てたくないから…。
ウチを捨てないで、
ウチは消えたりしないから…。
〜END〜
- 13 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)17時53分20秒
とん、とん…
誰かに、肩を叩かれて後ろを振り返るた。
「きゃっ!」
予想だにしなかった……
タンポポのわたげが、急接近していて…
私はつい声をあげてしまった。
「へへへっ…」
視界がもとに戻った時、最初に見に飛び込んで来たのは
楽しそうに笑う年下の悪戯っ子。
- 14 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)17時54分41秒
- 「もうっ!ひとみちゃん!!」
ひとみちゃんには効果が無いって分かってても…
少しキツメの声で怒ってみた。
すると予想に反して、彼女は急に真面目な顔をする。
「………………」
いつもの様にからかわれると思ってたからなんだか拍子抜け…。
「…?…ひとみちゃ……」
「シィー!」
彼女の人差し指によって言葉はさえぎられる…。
- 15 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)17時56分14秒
- ひとみちゃんは何を言う訳でもなく…
そっと私の頬に手を伸ばしてきた。
そして、だんだん彼女の顔が近づいてきて…
あと、少しでくっつくって所まできて…
だから…慌てて目をつぶった。
なのに…
私の想い?とは裏腹に、「クスクス」笑う声が耳元から聞こえてきた。
- 16 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)17時57分29秒
- 彼女は…ふっと私から離れて…
『ははっ、キスされると思った?』
なんて平気で聞いてくる。
「なっ、思ってないもん!!」
「へぇ〜、そうなんだぁ…」
からかうような彼女の言いぐさにカチンときた。
「思ってないって言ってるでしょ!大体、ひとみちゃんが……」
最後の方は声が小さくなる…
だって、彼女はこっちをみていなかったから…。
「ちょっと、聞いてるの?」
- 17 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)17時58分34秒
「あっ!!」
「えっ、何?」
彼女は何かを見つけたみたいで、
いきなり私に背を向けて走り出した。
「ねぇ〜、ごっちん!!聞いてよ、さっきさぁ…梨華ちゃんね…」
そんな事を大声で言いながら…
ひとみちゃんは一気に土手を駆け上がっていく。
「ちょっと!やめてよぉ」
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- 18 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)18時00分16秒
「はぁ、はぁ…ひとみちゃん?」
やっとの事で土手を上りきったけど…
そこには、ひとみちゃんも真希ちゃんもいなかった。
緑と黄色と白のタンポポ畑が広がっているだけ…
「ひとみちゃん!!」
今度は、はっきり彼女を呼んでみた。
するとまるで、待ってましたといわんばかりに…
強い風が吹いて、多量のわたげが風にのって舞い上がり…
梨華の周りにも飛んできた。
「…んっ……」
とっさに目をつぶって、手でさえぎろうとした時。
誰かに、その腕をつかまれて…強引にひっぱられた…。
反射的に目を開けると…彼女が立ってた。
次の瞬間、くちびるが…ほんの一瞬だけ重なった。
- 19 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)18時03分18秒
目をつぶる事も出来ない程に、一瞬の出来事。
びっくりして…動けなかった。
『キスされないって、思ったでしょ?』
と、ひとみちゃんは得意げな顔で言う。
私はとっさに「思ってないもん!」と叫んでしまった。
すぐに、間違いに気づいたけど…それと同時に突っ込まれる。
「キスして欲しかったんだぁ」
「なっ…」
「顔、赤いよ」
自分でも顔が赤くなってるのが分かった。
- 20 名前:<春、真っ盛り> 投稿日:2002年07月16日(火)18時05分13秒
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それから、ずぅ〜っと下を向いて黙りこんでいる私に
「どうしたの?」
なんてすっとぼけた顔をして覗き込んでくるひとみちゃん…。
「………………」
チュッ!
「…なっ!何するのよ!」
「えっ?…いやぁ、足りないのかなぁと思って」
そんな風に考えれるひとみちゃんには、
かなわないって思った…でも…くやしいから…
「ひとみちゃんなんか大っ嫌い!!」
って、思いっきり叫んだ
………なのに………
「ウチは、梨華ちゃんの事大好き!!」
って叫び返された……。
………うぅぅ、でも!絶対に負けないんだからぁ………
〜END〜
- 21 名前:《 幸せ? 》 投稿日:2002年07月16日(火)18時28分37秒
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「すごく仲いいんですよ!ねっ、柴ちゃん」
「全っ然!寒いから近づきたくないし…」
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そうやって答えてたのは、
無くさないって思ってたから。
他人からみたら…身勝手で、
ただ浅墓なだけでしかない自信。
『無くした時に、初めてそのありがたさに気付く』
耳にタコが出来る位言われていた言葉。
その時は、そんな訳ないじゃんって思ってた。
でも今、確実に思い知らされてる…。
- 22 名前:《 幸せ? 》 投稿日:2002年07月16日(火)18時30分38秒
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「ばかじゃない…?」
「ひっどぉ〜い!」
「ははっ、柴田は毒舌だねぇ(苦笑)」
「梨華ちゃんが、寒いだけですよ」
「柴ちゃんのギャグよりましでしょ…」
「どっちもどっちだって…」
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ずいぶんたったのに…、まだ忘れてない。
忘れられない…。
―ばかなのは私じゃんか…。
- 23 名前:《 幸せ? 》 投稿日:2002年07月16日(火)18時32分43秒
彼女は今どうしてるだろうか…。
あの人と幸せに過ごしているのだろうか…。
〜♪
メールの着信メロディが部屋に響いた。
歪んだ視界で表示は見えなかったけど…。
差出人は分かってる。
彼女はきっと、幸せなんだろう…。
〜END〜
- 24 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月16日(火)20時36分35秒
- せつない感じがいい感じ
- 25 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月17日(水)12時13分27秒
- 石オタにとっては嬉しい限りなんですが。
- 26 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月17日(水)12時54分28秒
- 石川以外のCPもお願い
- 27 名前:僅かな香りに、心惑わされて… 投稿日:2002年07月17日(水)18時17分54秒
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街角ですれ違う…
あなたと同じ髪型、あなたと同じ背格好の女性。
2度と巡り合う事はないとわかっていても…
その奇跡を信じて、降り返らずにはいられない…。
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- 28 名前:僅かな香りに、心惑わされて… 投稿日:2002年07月17日(水)18時20分30秒
本当の事を言えば…覚えてないのかもしれない。
ただ…
長く綺麗な髪。
独特の口調と雰囲気。
それだけは…忘れてない。
―出会ったのは、多分偶然。
産休の先生がでて…かわりに急遽あなたが来た。
- 29 名前:[ 僅かな香りに、心惑わされて… ] 投稿日:2002年07月17日(水)18時21分59秒
偶然にもウチの好きな科目の担当…。
偶然にもウチが入ったバレー部の副顧問…。
口では悪くいってたけど…本当は嫌いじゃなかったんだ…
授業だってまじめに受けたし、手伝いだってした…。
―きっと…、あなたに良く思われたかったんですね。
離任式の日がきて…。
結局、…ちゃんと挨拶もできないまま…別れてしまった。
- 30 名前:[僅かな香りに、心惑わされて…] 投稿日:2002年07月17日(水)18時24分15秒
あれから、ずいぶんな月日がたって…
もうすぐ、あの頃のあなたの年と並びそうです。
―あなたは今どうしてるんですか?
- 31 名前:[僅かな香りに、心惑わされて…] 投稿日:2002年07月17日(水)18時28分16秒
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街角ですれ違う…
あなたと同じ髪型、あなたと同じ背格好の女性。
2度と巡り合う事はないとわかっていても…
その奇跡を信じて、降り返らずにはいられない…。
僅かに香る…秋のみち
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〜END〜
- 32 名前:<本当の意味。> 投稿日:2002年07月17日(水)18時40分58秒
「”サヨウナラ”…。」
それは、いつものように何気ない挨拶のはずだった…
あれからウチは意識的に、この言葉を使っていない。
- 33 名前:<本当の意味。> 投稿日:2002年07月17日(水)18時43分43秒
―どうして、あの時気づかなかったんだろう…。
―どうして…。
『また』 じゃなくて…
『じゃぁね…』 じゃなくて…
『バイバイ』 じゃない…
「サヨウナラ」
- 34 名前:<本当の意味。> 投稿日:2002年07月17日(水)18時45分47秒
なんて事ないはずだった、いつもの別れの挨拶…。
「ひとみちゃん…”サヨウナラ”……。」
―どうして、あの時気づけなかったんだろう…。
それの本当の意味に…。
〜END〜
- 35 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年07月17日(水)18時56分51秒
- >24さん
>せつない感じがいい感じ
本当ですか?!…最初レス間違いかと(苦笑)。
でも、多分切ない話は読めなくなるかも…(限界が)。
>25さん
嬉しいのならば…良いのですが…
(穿った見方をすると…石オタは嬉しいだろうが…
俺は嬉しくないともよめなくもない)←あぁ、すみません!。
>26さん
一応、石川さん以外のCPも今回の更新で載せてみましたが…どうでしょうか?
もしや…、〜雨の日も悪くない?〜 や <春、真っ盛り> のような話の方向で
期待してたのならすみません。
それでは、また次の更新まで…。
- 36 名前:皐月 投稿日:2002年07月17日(水)20時42分12秒
- せつないっす(泣
がんばってくださいな。影で応援してます!
- 37 名前:酸素?二酸化炭素? 投稿日:2002年07月18日(木)15時02分17秒
「どうしたの?圭ちゃん…」
苦笑いしてたら圭織に声をかけられた…。
ほらっ、指差した先には…じゃれあってる、矢口となっち。
「いや、本当…よくあきないなぁと思ってね…」
「…だって、空気だからね…」
...
..
.
―圭織と出会ってからずいぶん経つけど…
いまだに、圭織ワールドには入れない時がある。
- 38 名前:酸素?二酸化炭素? 投稿日:2002年07月18日(木)15時03分54秒
『なっちが植物だとするでしょ?
そうしたら…矢口は空気なんだよ』
「空気ねぇ…」
話の内容を敏感にキャッチした矢口がトコトコと近寄って来た。
「矢口はそんなに、影薄くないぞ!!」って、頬を膨らませながら。
ふと、なっちに目をやると、いつもと同じ様に笑ってた
けど…どこか苦しそう。
―なるほどねぇ…。
- 39 名前:酸素?二酸化炭素? 投稿日:2002年07月18日(木)15時06分04秒
となりをみたら…
”ほら!圭織の言う通りでしょ?”って感じで微笑み返された。
「なんだよ…ムカツク〜!!」
アイコンタクトしてる私達に…、
矢口は、馬鹿にされてると思ったらしい。
―矢口は分かってないのか…しょうがない同期だねぇ…。
- 40 名前:酸素?二酸化炭素? 投稿日:2002年07月18日(木)15時10分48秒
「ほらほら、さっさと戻りなさいよ…、花が枯れちゃうでしょ」
「そうだよ、だって呼吸と光合成には必要不可欠なんだから…」
「はぁ?!…全然、分かんねぇ…」
不機嫌ながらも矢口は戻っていった。
なっちは嬉しそうに、矢口の愚痴を聞いている。
―きっと枯れないだろう…。
―なっちには、矢口が必要だから。
(花には、空気がついているから…)
―矢口にも、なっちは必要だから。
(空気は、花のおかげで一定の割合で保たれてるから…)
〜END〜
- 41 名前:<ずるいの…境界線…> 投稿日:2002年07月18日(木)15時42分44秒
「本当に、子供なんだから…」
梨華ちゃん…
キミがウチに良く言った言葉…、”子供”。
確かにそうなのかもしれない…
―でも、”子供”と”大人”の境はどこなんだろう…。
- 42 名前:<ずるいの…境界線…> 投稿日:2002年07月18日(木)15時45分38秒
*********************************************************
ふとした瞬間に気づいてしまった。
それは、意図的だったのかもしれないし…
彼女のちょっとした油断によって垣間見れたものかもしれない。
―彼女がウチ以外の人を見てる事に。
…そう、気づいた。いや、そう気づかされたのかもしれない…。
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『別れようか…』
そう、ウチに切り出させようとしてるのはキミがずるい”大人”だからで、
それでも、別れを切り出せないのはウチが”子供”だから。
- 43 名前:<ずるいの…境界線…> 投稿日:2002年07月18日(木)15時52分44秒
「大好きだよ…」
何も知らない振りして、
そうやってウチに囁けるのはキミが”大人”だからで…。
「どうして?いじわるするの…」
泣きながらそういうキミに、
愛の言葉を囁く事が出来なかったのはウチが”子供”だからか…。
違う…ずるいのはウチ…、
子供の振りをしているずるい”大人”なんだ…。。
〜END〜
- 44 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年07月18日(木)15時58分23秒
- >皐月さん
ありがとうございます…。
がんばります(きっと…)。
- 45 名前:「冗談は…」 投稿日:2002年07月19日(金)20時56分30秒
―ウソツキ…。
「よっすぃ〜、好き〜!!」
それは、Like ですか? Love ですか?
ギュッて抱きついてくるのが…
上目遣いの、その視線が…
気付いてますか…?
吉澤の心をみだしてるって事に…。
「よっすぃ〜は、オイラのなんだからな!」
そんな事かるがるしく言わないでくださいよ…
―吉澤……本気にしちゃいますよ!
それが本気じゃないって分からない程…子供じゃないけど…
それを笑って流せる程…ネタに出来る程…大人でもないんです…
- 46 名前:皐月 投稿日:2002年07月19日(金)21時17分45秒
- はい。空版と月板に書いてるヘボ作者です。
空版の方といえば「〜青の世界〜」ですね。
作者さんもがんばってくださいね。
私の方も更新がんばりたいと思います。
- 47 名前:“知らない感情” 投稿日:2002年07月22日(月)16時48分47秒
*************************************
目を閉じれば、今でも浮かんでくる。
おぼろげだけど…、あの娘の笑顔。
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あの娘はいつも笑ってた…
その笑顔で私は、何度もガンバらなきゃって思った。
いつも…元気をもらってた。
―なさけない先輩だよね…。
ずーっと、気づかなかったの…
あんなに近くにいたのに…。
よっすぃ〜に言われるまで…
ぜんぜん気づかなかった…。
―先輩失格よね…。
あの娘はいつも無理してた。
笑顔しか思い出せないのは…
それがいつわりだって気づけなかったから…。
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目を閉じれば、今でも浮かんでくる。
おぼろげだけど…、あの娘の笑顔。
*************************************
でも…
“あの娘の本当の笑顔を、私は知らない…。”
- 48 名前:“知らない感情” 投稿日:2002年07月22日(月)17時26分03秒
- 〜END〜
- 49 名前:酸素?二酸化炭素?BADVer 投稿日:2002年07月22日(月)17時27分31秒
なんで、生きてるんだろう…。
なんで、生きれてるんだろう…。
『なっちが植物だとするでしょ?
そうしたら…矢口は空気なんだよ』
だいぶ前に、圭ちゃんと圭織が話してた…。
でも、違ったね…
なっちは、矢口がイナクテモ生きてるから…。
酸素はあるから…
呼吸はできてるから…
―でも、なんかおかしいいよ…。
なんで、心臓が痛いんだろう…。
なんで、こんなに苦しんだろう…。
きっと、今のなっちは過呼吸なんだ…
なっちの回りは酸素しかなくなっちゃったから。
―BAD END―
- 50 名前:{守れない悔しさは…} 投稿日:2002年07月22日(月)18時07分11秒
―そこに彼女を置いとけなかった。
なっちの手を取ると、強引に楽屋を飛び出した。
「ちょっと…ごっちん痛いっしょ!?」
「………………」
「何かあった?」
―何かあるとしたら…それはなっちの方だ。
- 51 名前:{守れない悔しさは…} 投稿日:2002年07月22日(月)18時08分10秒
「ぅん〜、どうした?」
私をいすに座るように促して…自分は床にしゃがみこむ…。
まるで…子供をあやすように…下からのぞき込んで…聞いてくる。
強引に捕まれた手を外す事もなく…。
”にこにこ”といつもみたいに微笑んだままで…。
―それが余計につらかった。
- 52 名前:{守れない悔しさは…} 投稿日:2002年07月22日(月)18時10分32秒
「………………」
「黙ってたって、分からないっしょ?」
本当に、ごっちんはしょうがないさぁ…。
そういって、頭をなでなでしてくる。
(やばっ、涙でそう…)
そう、思ってたら…ギュッてなっちに抱きしめられた…。
- 53 名前:{守れない悔しさは…} 投稿日:2002年07月22日(月)18時11分57秒
「今日はもう仕事ないし…泣いてもいいよ…」
「でも…、圭織と圭ちゃんからは後でお説教くらっちゃうねぇ…
そん時はごっちんも一緒だかんね…共犯なんだから!」
―なんで、そんな普通に名前を出せるんだろう。
「圭織のは…時々話が飛びすぎるから…きっと長くなるっしょ?」
そういって笑ってる…。
- 54 名前:{守れない悔しさは…} 投稿日:2002年07月22日(月)18時13分44秒
「辛い時にはさ…頼っていいんだよ…
なっちの方がお姉さんなんだから…」
なっちがボソッといった…
―違うよ…なっち…違うんだよぉ…。
嗚咽が止まらなかった…。
涙も止まらなかった…。
―後藤はね…なっちに頼って欲しかったの。
なっちを守りたかったの…
でも、何にもできなかった…
ミーティングをすっぽかして…
なっちを困らせる事しかできなかった…
でも、あの時なっちをあの空間に置いとけなかった…。
- 55 名前:{守れない悔しさは…} 投稿日:2002年07月22日(月)18時15分09秒
「…ありがとう…」
なっちには何も言ってないのに…なっちはお礼を言った…。
「んっ…」
顔を上げたら…やっぱりなっちは笑ってた…。
―後藤…いつかはなっちを守れるかな?
〜END〜
- 56 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年07月22日(月)18時24分43秒
- >皐月さん
がんばりたいんですけど…
PC工事により9月後半まで使えなくなる予定(オイ)
…更新が…。
>その他の読んでくださる人へ(いるのか?)
今後は、携帯とかから…少しずつ更新予定ですので
更新速度、量ともに…いまより格段にへります…
(今でも、少ないのに…)。
それでは、次回更新まで…。
- 57 名前:―雨上がり― 投稿日:2002年07月26日(金)16時50分44秒
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雨上がり、下を見詰めてたら、キミが声をかけてきた。
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「何、みてるの?」
私は黙って、空を指差す。
下を見ているのに…上を指差す私に、
首をかしげながらも、愛ちゃんは空を見上げた。
- 58 名前:―雨上がり― 投稿日:2002年07月26日(金)16時52分55秒
「うわぁ…」
あなたは、歓喜の声をあげた。
空には、7色の橋がかかっていたから。
「よく見つけたね?!」
「うん…」
―下を向いてたから…、水溜りに映ってたから…。
そうは言えなかった。
- 59 名前:―雨上がり― 投稿日:2002年07月26日(金)16時59分58秒
-
愛ちゃんは…何も言わなかったし、何も聞かなかった
「…もう、帰ろっか?」
「…うん…」
そういって手を差し出した、彼女の事を見る事が出来なかったのは…
眩しい西日が彼女を独り占めしてたからだと思いたかった…
〜END〜
- 60 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時32分09秒
- 従来通り短いんですが…途中までしかできてません。
しかし!梅雨が終わってしまうので…自分を追い込んでみようと…。
途中までですがUPします。
- 61 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時33分56秒
------近くて遠い距離------
部活の片付けがやっと終わりウチは下駄箱へと向かっていた。
―あれ、梨華ちゃん…?
こんな時間になっても彼女が学校にいるのは珍しい事だ。
外は、朝の天候とは裏腹に、雨が降っている。
人がまばらなになった放課後校舎…
昇降口に佇むあなたにウチは声をかける事が出来ないでいた。
『”ピーンポーンパーンポーン”下校の時刻となりました…
校内に残っている生徒は速やかに帰りましょう……。繰り返します…』
- 62 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時36分04秒
校内放送からお決まりのアナウンスが流れてくる…
―あぁ、もう午後7時?
ウチは決心して梨華ちゃんに声をかける事にした。
息を吸って、話しかける一歩手前という時、
誰かが後ろから飛びついて来た。
微妙に体を前に傾けさせていたウチはよろけて…
頭から下駄箱突っ込んだ。
「いってぇ〜!」
大きな声を出してしまった…
慌てて、先輩に目をやると…もろに視線がぶつかった。
―カッコ悪すぎるよぉ…。
- 63 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時37分24秒
「誰だよ!」
早く視線を解きたくて、後ろを向いて犯人を睨み付ける。
本当は振り返らなくてもこんな事するやつは早々いないから分かってるんだけど…。
―後藤真希!!(怒)
「あれぇ、梨華先輩!傘忘れたの?」
それより、謝れよ!
でも……許そうかなぁ…。
だってウチが聞けなかった事を
なんなく聞いたから…悔しいが…………ナイス!!
- 64 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時39分21秒
「……うん、それよりも大丈夫?」
心配してくれてるのだろうか…
でも、梨華ちゃんの視線はウチじゃなくて…
ごっちんに向けられている訳で。
そりゃ話し掛けたのはごっちんだけどさ…
被害者はどう見たってウチじゃん。
ちょっと、なんか…やな感じだったりして…
なんかムショウにイライラする。
「後藤は平気!平気!体は丈夫だからね…
よしこだって……は…ヤバイかもねぇ…」
戻ってこぉ〜い!なんて言って、バシバシウチの肩を叩くごっちん。
―後藤さん?シバカレたいんっすか?
- 65 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時40分48秒
「痛いんだけど…」
「あはっ、戻ってきた戻ってきた」
「戻ってきたじゃない!力を加減しろってば!」
「裕ちゃんから開放された喜びから…ついねぇ…」
「ついじゃない!」
「それにねぇ、後藤は梨華先輩を守ったつもりだったんだけど…」
「はぁ!?何から守るっていうのさ」
「う〜ん、なんかねぇ。先輩をずーっと怪しい視線で見てた……」
「…………?…………」
「よしこ!からねぇ…」
「なっ…ちがっ…」
梨華ちゃんの方を見たら…パッと視線を外された…。
ちょっと…どころか結構ショックなんですけど。
―くそっ、やっぱりごっちん許すまじ。
- 66 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時42分49秒
------羨ましい…関係。------
「あっ、柴ちゃん…。」
「あれ?まだ帰ってなかったの?」
「うん…傘持ってる…んだね。」
「自分のはね…でも梨華ちゃんを入れるスペースはないですねぇ。」
「別に入れてって…いってないもん…。」
何時の間にか柴田先輩がいて、
梨華ちゃんと話………いや梨華ちゃんで遊んでる。
- 67 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時44分10秒
「あっ…あゆみちゃん!ナイスタイミング」
「柴田先輩!でしょ…後藤さん!!」
「あはっ、だって〜よしこと梨華先輩しかいないし」
「だってじゃない!」
「傘入れてってよぉ〜」
「やだ、濡れちゃうもん」
《そんな事を言ってても結局、柴田先輩はごっちんを入れてあげると思う。
だって、二人は…仲が言いから。幼馴染だから…。好き同士だから…。》
- 68 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時46分59秒
「よしこは傘ないの?」
―あるにはある…。
「あるけど…ごっちん家、反対方向じゃん…」
「んぁ?!、よしこと相合傘なんかやだよ」
柴田先輩の腕をキープしつつそんな事を平然というごっちん。
―悪いけど、それをはウチの台詞だ…。
「なら、問題解決!OK!OK!」
「はぁ?」
「じゃぁ、柴ちゃんこれで心置きなく後藤と帰れるね…」
「帰らないよ…」
「やだぁ…一緒に帰る!」
そういって柴田先輩に抱きついてるごっちん…
- 69 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月29日(月)16時49分23秒
「重いよ…真希!」
「帰るまで離れないもん…」
「わかったから…」
「へへっ、柴ちゃん大好き!」
「調子良い事言って…高く付くからね!」
やったぁ!ごっちんは嬉しそうに言って柴田先輩から離れた。
《同じ幼馴染同士なのに…
ウチらと、ごっちん達はこうも違う…。》
「よしこぉ〜、梨華先輩バイバイ〜♪」
手を繋ぎながら上機嫌で帰っていくごっちん。
嫌そうにしてるけど…顔は微笑んでる柴田先輩。
そんな二人は、校門を曲がって、すぐに見えなくなってしまった。
- 70 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月30日(火)16時08分54秒
------嫌われた傘------
―どうしたもんか…。
彼女は一向にこっちを向く気配がない。
ず〜っと、窓の外の雨を見てる。
「先輩、帰らないんですか?」
やっと、降りかえった梨華ちゃんの顔は……困ってた。
”一緒に、帰りましょう”そう言えなかった自分が情けなかった。
「雨が止むまで、もうすこし待とうと思って…」
「だって、もう7時まわってますよ」
「午後には止むって言ってたし…」
―嘘。天気予報は全チャンネル共通なんですよ!
- 71 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月30日(火)16時10分39秒
「だから大丈夫よ…」
「……………………」
彼女の作り笑いを見るたびに…胸がズキっていう。
―何で、嘘付くんですか?
そんなにウチと帰りたくないですか?
ごっちん相手だったらなんて事はない沈黙が…今は凄く辛い。
「…帰りますよ」
「うん、気を付けてね…」
誘いを込めた言葉はなんなく流される。
―あぁ、そうですか…分かりましたよ!!
「どうぞ!!」
先輩に傘を押し付けて…ウチは雨の中に飛び出していた。
- 72 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月30日(火)16時34分21秒
------あるのにないもの------
あれから距離にしてはほんの数百メートルしか来てないのに…。
ペースなんて考えず全力で走ったからか…
雨で足がもつれたからか…
今どきマンガでも有り得ないだろう勢いで
顔面から道路に突っ込んで転んだ。
―っ、つ〜ぅ、痛ってぇ…。
雨のせいでジャージは重いし、足は痛いし…
結局少し先の神社で、今更ながら雨宿りをする事にした。
- 73 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月30日(火)16時35分54秒
誰もいない寂れた境内は、気味が悪いって言われるけど…
今のウチの心境にピッタリな気がした。
神社の手洗い場で擦り剥いた手を洗う
それでも、擦り剥いた場所が、
心臓の音に合わせてズキンズキンと痛む。
「くそっ、何だってんだよ…」
誰にでもなく、独り言がでる。
―カッコ悪ぅ…。
気が生い茂ってる境内の中は…
さっきまでのザーザー雨が嘘みたいに…
静かに、シトシト音がするだけだった。
- 74 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月30日(火)16時56分14秒
**********************************************
「「「先生さようなら、みなさんさようなら」」」
「雨降ってるから気を付けて帰るのよ!」
「「「はぁ〜い!!」」」
天気予報士も予測できなかった突然の雨。
傘をもってない小学生達が昇降口にあふれていた。
『あっ、お母さん!!』
『雨だからお迎えに来たわ』
目の前で繰り返される光景…
でも、決して自分の親は迎えには来てくれない。
そんな事は分かりきった事で…でも悲しかった。
- 75 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月30日(火)16時57分19秒
「ひとみちゃん…」
振り返った先には、お隣のお姉ちゃんが立っていた。
「傘持ってないの?」
「……………」
返事の変わりに、頭を縦にコクコクと振る
「じゃ、一緒に帰ろう?」
そういって差し出された手を握って二人して帰る。
その手は雨で濡れてたけど…でも暖かかった。
- 76 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月30日(火)17時03分19秒
.
.
.
.
.
「あっ…」
「うん?どうしたの?」
道路の端に、ダンボールが置いてあった。
箱の側面には”かわいがってください”と
子供の文字で書かれた張り紙がはってある。
駆け寄って覗いたら、
中にはまだ幼い子犬が1匹…
雨に震えるように蹲っていた。
- 77 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)14時21分21秒
「駄目よ!ひとみちゃん」
子犬に手を伸ばそうとしたら…
お姉ちゃんに怒られた。
「…だって、ぬれてるよ…」
「…ひとみちゃん家も私ん家も動物は飼えないでしょ?」
「可哀相だよ…」
「ダメ!」
―1人ぼっちは、寂しいんだよ…。
下から見上げるようにお姉ちゃんの顔をみる。
「いやだよぉ…」
「…ひとみちゃん……」
それから暫く、雨の中2人して立っていた…。
**********************************************
- 78 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)14時23分45秒
―ん、寝ちゃってたんだ。
何かの鳴き声で…、目を覚ました。
周りはまだ少し薄暗い程度。
―どん位寝てたんだか…
ほんの数秒の様で…
でも、もしかしたら相当寝てたのかしれない。
それでもまだ、雨は降っていた。
「やっぱ、止まないじゃん…」
ふと、足元に何かがじゃれ付いてるのに気づく。
ウチの目覚めの原因はこいつか…。
手を伸ばして、そいつを抱き上げる……
今のウチの傍には注意してくれる彼女は居ない。
- 79 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)14時26分43秒
「なんだぁ、お前。帰る所ないのかぁ?」
そいつは、かるく小首をかしげてる。
「うん?分かるか…」
子犬に話し掛けた所で返事が返ってくるはずもないのだが…。
「首輪してるじゃん…迷子でちゅか?」
どうやら、みなしごな訳ではないらしい。
宙ぶらりんだったそいつを自分のひざの上にのせる。
ギュッって抱き込むようにして話し掛ける。
「お家に帰れないのかぁ…?犬は自分で帰れるらしいぞぉ」
「ウチと同じなのかな…帰れるんだけどね帰りたくないんだ…」
「帰っても誰も居ないんだ」
ずぅ〜と、鍵っ子なんだ…。
平気な振りしてたけど…本当は寂しかった。
遅くまで外で遊んでた、みんな帰って1人になっても…。
家の中一人ぼっちは嫌だった…
- 80 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)14時38分06秒
------無茶するのも程ほどに------
キャンッ!
「あっ!、悪ぃ…」
どうやら、強く抱きすぎたみたいで、
子犬は非難の声をあげた。
反射的に開いた腕から…ポンと飛び出す。
「あっ、こら…そっち行ったら濡れるだろが…」
境内の軒下から鳥居の方に走っていく子犬。
「ほんっとに…しゃーねぇーな…」
立ちあがって子犬を追おうと上げた目線の先には。
傘をさした彼女がたっていた…。
「あっ……」
バツが悪くて…目線をおとすと…
あいつは嬉しそうに彼女の足元でじゃれていた。
- 81 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)16時04分34秒
立ちあがったものの…あいつの元へ行くわけにもいかず…。
結局その場に座り直しただけとなった。
「……………」
いたずらが見つかった時のような居ごごちの悪さを感じる。
別にヤマシイ事を何一つしているわけではないのだが…。
「……………」
お互いに、何も言葉を発する事はない。
ただ、子犬のじゃれ付く声が淡々と耳に入ってくる。
さっきまで心地よかったはずの雨の音は…
なぜか…響いてこなかった。
- 82 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)16時09分07秒
気づくと目線の先に彼女のスニーカーが見えた。
首をすくめたまま…彼女が言葉を発するのをただじっと待っていた。
傘を閉じるカチッという音がして…。
彼女が隣に座るのと同時に頭にタオルを掛けられた。
上げようとした頭をタオルの上からクシャクシャとされる。
「…ひとみちゃんのせいで怒られたわ…」
ここ数年呼ばれてなかった、
その名前の響きがすごく懐かしい…
「…ごめんなさい」
こんな言葉を口にするのも同じ位久しい気がした。
「………バァカだね………」
そう言われても、ムカつかないのは…
彼女の声が震えてたから…。
- 83 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)16時25分04秒
「心配するでしょ?」
「ごめんなさい……」
「でもね、バァカだけど…優しい子だから」
「はい完了、わかりましたか?」
そういって、タオルの上から頭をポンと叩かれた。
「……………」
「分かった?」
返事の変わりに首を縦に振る。
「じゃ、一緒に帰ろう?」
そういって傘を渡された…。
もうウチらは1本の傘で濡れずに帰れるほど幼くはないのだ…。
- 84 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)16時31分16秒
動かないウチに、あの時と同じように彼女は手を差し出した。
「ほらぁ…」
遠慮がちに出した手を彼女が握ってくれた。
同じように手は暖かかったけど…
大きかったはずの彼女のては、何故かすごく小さく感じた。
「お風呂沸いてるから…ひとみちゃんも呼んできなさいって」
「…うん」
「ついでに、ご飯も食べていくように…って」
「…うん」
子犬はいつの間にか居なくなっていて…
雨も小降りになっていた。
- 85 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)16時48分51秒
------いつかは、きっと------
帰り道を2人して、傘を差しながら手をつないで帰る。
あの時と違うのは…
傘が2本に増えた事だけじゃないはずだ…
でも、やっぱりお姉さんな彼女と…
甘えん坊で…、心配かけてるウチ。
人と比べられるもんじゃないのに…
勝手に比べて、寂しがってた…。
でも、今はちゃんと近くにいてくれる
お姉ちゃんがウチにはいるって気づいたから寂しくないよ。
―でも、いつかごっちん達みたいになれるかな?
「ねぇ、…...........どうかな?」
「うん?何?」
梨華ちゃんが、微笑みながら聞いてきた。
”なんでもないよ”という風に、横に顔を振る。
―あぶない、あぶない…。
- 86 名前:<幼馴染は難しい?> 投稿日:2002年07月31日(水)16時53分58秒
梨華ちゃん家について…、
お風呂をもらう。
あがって来て、彼女の部屋に向かったら。
救急箱をもって梨華ちゃんが待っていた。
「はい、腕みせて」って
彼女にはなんでもバレてしまうのかもしれない。
―ウチの気持ちもバレてるの?
ご飯をご馳走になってる頃には雨は完全にやんでいた…
「…天気予報も、あたったね…」
〜END〜
- 87 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年07月31日(水)16時59分12秒
色んな呼び名を使ってみたものの…
ちゃんと使い分け出来てない罠。(爆)
次回は、次のが書きあがれば明日か明後日にUP。
無理なら…9月空けになる予定。
- 88 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年08月01日(木)16時29分15秒
- <幼馴染は難しい?> の石視点でいきます。
いや、前回のは吉視点になりきれてないだろうという
突っ込みは無しの方向でお願いします(苦笑)
- 89 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時31分17秒
イキナリ先生に委員会の仕事をたのまれてしまった。
やっと終わって昇降口に向かう…そとを見ると雨が降っていた。
天気予報を見なかった事をちょっとだけ後悔。
薄情な友達達はとっとと帰ってしまったらしく…。
雨のなか帰るのもどかと…立ち往生していた。
『”ピーンポーンパーンポーン”下校の時刻となりました…
校内に残っている生徒は速やかに帰りましょう……。繰り返します…』
スピーカーから下校の催促をされてしまった…
雨は一向にやむ気配がない。
- 90 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時32分29秒
-
(…雨の中走って帰ろうかな…)
そんな事を考えていたら後ろから大きな音と声がした。
ガン!!
「いってぇ〜!」
後ろを振り返ったらひとみちゃんがいた…。
どうやら、真気ちゃんがぶつかったみたい。
「あれぇ、梨華先輩!傘忘れたの?」
「……うん、それよりも大丈夫?」
−−柴ちゃんには悪いけど心配なのはひとみちゃんの方。
それでも、彼女の方をみれないのは…私が意気地なしだから…。
- 91 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時33分34秒
「後藤は平気!平気!体は丈夫だからね…
よしこだって……は…ヤバイかもねぇ…」
真希ちゃんは、バシバシひとみちゃんの肩を叩いてる。
−−真希ちゃんとは仲がいいんだよね…。
ちょっとなんか変な気になる。
それが嫉妬してるんだって気付いたのはすごく最近。
駄目だって思うけど…二人の会話を聞こうとしてしまう。
「……けど…」
「あはっ、戻ってきた戻ってきた」
「戻ってきたじゃない!力を加減しろってば!」
「………から……ついねぇ…」
「ついじゃない!」
「………は……だったんだけど…」
「はぁ!?……」
「う〜ん、…………」
「…………?…………」
「よしこ!からねぇ…」
「なっ…ちがっ…」
何言ってるのか、よく分からなくて…ジーっとみてたら
ひとみちゃんがイキナリこっちを向いたから
びっくりして、あまりにも不自然に視線を外してしまった…。
- 92 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時34分31秒
「あっ、柴ちゃん…。」
「あれ?まだ帰ってなかったの?」
ひとみちゃん達はまだ話してるみたいだけど…
当然聞いてる訳にもいかず、肩身がせまかった。
そこへタイミング良く?柴ちゃんが現れる。
「うん…傘持ってる…んだね。」
「自分のはね…でも梨華ちゃんを入れるスペースはないですねぇ。」
「別に入れてって…いってないもん…。」
「…ひ・と・みちゃんがいるじゃん…」
柴ちゃんは、やっぱり微妙に意地悪だと思う。
- 93 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時35分08秒
「あっ…あゆみちゃん!ナイスタイミング」
「柴田先輩!でしょ…後藤さん!!」
「あはっ、だって〜よしこと梨華先輩しかいないし」
「だってじゃない!」
「傘入れてってよぉ〜」
「やだ、濡れちゃうもん」
−−柴ちゃんと真希ちゃんはとっても仲が良いよね…。
(…あぁ、イジワルしちゃって…。)
こういう時の柴ちゃんは小学生の男のコみたい…。
柴ちゃんにとって真希ちゃんはお気になんだもんねぇ〜。
- 94 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時35分50秒
「よしこは傘ないの?」
「あるけど…ごっちん家、反対方向じゃん…」
「んぁ?!、よしこと相合傘なんかやだよ」
(…ひとみちゃん傘持ってるんだ…)
「なら、問題解決!OK!OK!」
「はぁ?」
「じゃぁ、柴ちゃんこれで心置きなく後藤と帰れるね…」
「帰らないよ…」
「やだぁ…一緒に帰る!」
じゃぁれてる真希ちゃん…
ちょっとだけ昔のひとみちゃんを思い出す。
−−ひとみちゃんはあんなにワガママな事しなかったけどね…
- 95 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時36分39秒
「重いよ…真希!」
「帰るまで離れないもん…」
「わかったから…」
「へへっ、柴ちゃん大好き!」
「調子良い事言って…高く付くからね!」
−−柴ちゃんは素直じゃないけど…それでも二人は仲良くやれてる。
「よしこぉ〜、梨華先輩バイバイ〜♪」
手を繋ぎながら上機嫌で帰っていく真希ちゃんと…。
嬉しいって顔にでてるのを必死で隠そうとしてる柴ちゃん…
後で可愛いかったなんていったら…怒られるかな?
- 96 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時37分35秒
二人が見えなくなって…それでもひとみちゃんは帰らなかった。
「先輩、帰らないんですか?」
誘ってくれるかなってどこかでほんのちょっと期待してて…。
だけど、柴ちゃん達みたいには帰れないから…迷ってた。
けど…彼女の顔をみたら…もし誘われても断ろうって思った。
だって、……すごく嫌そうだった…多分、二人で残された事が。
でも彼女は優しいから、無理してでも誘うんだろうなって…。
「雨が止むまで、もうすこし待とうと思って…」
「だって、もう7時まわってますよ」
「午後には止むって言ってたし…」
- 97 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時38分11秒
「だから大丈夫よ…」
「……………………」
ひとみちゃんの顔が、だんだん仏頂面になっていく…。
(…一緒に帰ってなんて無理言わないから…そんな顔しないでよ…)
「…帰りますよ」
「うん、気を付けてね…」
−−これ以上、嫌われたくないから…だから断ったのに。
「どうぞ!!」
ひとみちゃんは傘を置いたまま…雨の中へ飛び出していってしまった。
「ひとみちゃん、待って…」
彼女に私の声は届かなかったのだろうか…。
(…余計、嫌われちゃったかも…)
- 98 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時38分41秒
あれから、少しまって…
ひとみちゃんが戻ってくるかもなんて、
淡い期待をいだいていたけど…
それは簡単に打ち砕かれた。
「…あっ、はい今帰ります」
昇降口にいるのを用務員のおじさんにみつかり…
本日2度目の催促をうけるはめになってしまった。
ひとみちゃんが置いていった傘を開く…
綺麗なスカイブルーのジャンプ傘。
(…追いつけるかな?、無理だよね…)
少し早足で歩いたけど…ひとみちゃんの姿は見当たらなかった。
- 99 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時39分29秒
「…いつから、こうなっちゃったのかなぁ…」
小学生の頃は仲が良くて…、一緒に帰ったりもしてた。
−−あの時は、一本の傘で帰ったのにね…。
『…お姉ちゃん……』
そういって遠慮がちに呼ばれていたのが…
大分前のようにも感じる。
そんな事を考えていたらもう目の前は家だった。
結局、彼女に追いつく事は出来なかった…。
- 100 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時41分10秒
家のドアに手をかけるとやっぱりカギが開いていた。
「お母さん、無用心だっていってるでしょ!」
「あっ、梨華!あんた傘忘れてったでしょう…ドジね…ちょっと玄関にいなさい」
そういいながら奥からお母さんが玄関までタオルをもって出てきた。
「…ただいま。」
「…あれ?その傘どうしたのよ」
「……………」
「盗んだわけ?」
笑いながらそう聞いてくる、自分の親でもそのギャグは笑えない。
「そんな訳けないでしょ!……ひとみちゃんが……」
渋ってる私をせかすように聞く。
「そう?一緒に帰ってきたの?
それならごはん一緒しましょうって言ってきて」
「……一緒、じゃない…」
「?ひとみちゃんは?」
「…雨ん中走ってった…」
- 101 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時41分57秒
その後、怒られた事はいうまでもなく…。
タオルと傘を渡されて…
ひとみちゃん捜索隊として外へ戻されてしまった。
「お風呂入れとくから…、みつけたら連れてくるのよ」
「…う〜、」
「分かったの?」
「はい!分かりました」
誰も帰ってきてないという母の言葉を疑うわけではないが
一応お隣のチャイムを鳴らしてみる…。
(…どこかで雨宿りしてるのかなぁ)
- 102 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時42分41秒
通学路をたどって、雨宿りできそうな所をさがす。
学校から家までの間に寄れるような店もなくて…。
みつけたのは古びた神社だった。
恐る恐る階段を上がっていって鳥居をくぐったら。
おさい銭箱の近くの軒下にひとみちゃんはいた。
どこから来たのか子犬が足元をくるくるまわってた、
蹴らないように気を付けながら…ひとみちゃんに近づいていく。
(…何て、声をかけたらいいだろう…)
「……………」
立ってたはずの彼女はそこに座ってしまって。
視線を伏せていた…。
(…怒ってるかなぁ…)
すぐ目の前にいっても彼女は顔をあげてくれなかった…。
- 103 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時43分48秒
傘を閉じる…。
鞄からタオルも取りだして…、
覚悟を決めて、彼女の隣に座った。
でも、顔をみたら…喋れなくなりそうで、
頭の上からタオルをかぶせてしまった。
拭こうとしない彼女の変わりに手を動かす。
「…ひとみちゃんのせいで怒られたわ…」
すごく一方的な事を言っていると自分でもわかったけど…。
ひとみちゃんは…「…ごめんなさい」って謝ってきた。
その弱々しさは、小学校の時のひとみちゃんみたいで…。
懐かしくて、それが嬉しくかった…
- 104 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時44分33秒
「………バァカね………」
正直、自分に言ったのか彼女にいったのか
自分自信でもわからなかった。
「心配するでしょ?」
「ごめんなさい……」
「でもね、バァカだけど…優しい子だから…」
−−だから…好き。だから…嫌われたくなかった。
「はい完了、わかりましたか?」
そういって、タオルの上から頭をポンと叩く。
「……………」
「分かった?」
返事の変わりに首を縦に振る彼女。
そんな仕草も、可愛いなって思ってしまう…
- 105 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時45分24秒
「じゃ、一緒に帰ろう?」
「ほらぁ…」
こんな事はもうないのかもしれない…
そう思ったら、自然に何かが突き動かしてくれた。
遠慮がちに差し出された手を少し強引に握る。
幼かった彼女の手は、私よりいくぶん大きくなっていた。
「お風呂沸いてるから…ひとみちゃんも呼んできなさいって」
「…うん」
「ついでに、ご飯も食べていくように…って」
「…うん」
雨は、学校にいた時より少し小降りになっていた。
- 106 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時47分00秒
帰り道を2人して、傘を差しながら手をつないで帰る。
「ねぇ、…お姉ちゃん………」
「うん?何?」
最後の方は良く聞こえなくて…
でも確かにお姉ちゃんって呼んだよね?
聞き返したけど…ひとみちゃんは顔を横に振るばかり…。
手も、体も私より大きくなっちゃって…
それに比例してどんどん、離れていっちゃう気がして…
最近は嫌われてるのかと思ってた…。
−−でも、嫌ってないよね?傍にいてもいいんだよね?
彼女が手を振り払わない中は…傍に居たいって思う。
- 107 名前:<幼馴染は難しい?石Ver> 投稿日:2002年08月01日(木)16時48分29秒
.
.
.
.
ひとみちゃんがお風呂に入ってる間に慌てて救急箱を探す。
彼女のジャージの腕の部分が汚れてた…多分転んだんだと思う。
しっかりしてるのに…たまにドジな所はかわってない。
出てきたひとみちゃんに…「はい、腕みせて」って言ったら。
「どうして、わかったの?」って驚かれた。
−−幼馴染のなせるわざでしょう(笑)
ご飯を食べる頃には雨は完全にやんでいた…
〜END〜
- 108 名前:皐月 投稿日:2002年08月01日(木)20時33分42秒
- 幼馴染は難しいですね・・・・しみじみ読んでて感じました。
石川視点私は好きですよ。何か悲しい感じがして・・・
切ないのが好きなんですよ(聞いてないちゅーに!)
がんばってください!影で応援してますので(ちゃんと小説読んでますからね)
- 109 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月26日(月)17時49分10秒
- 保全
- 110 名前:Determination to be childish 投稿日:2002年09月03日(火)13時40分56秒
**********************************************
【ずっと、一緒に居よう!】
【あなただけを愛してる】
そんな事をいっても...結局は別れるのだ…
いつかは....距離が、心が、すべてが、
時間と共に離れてく。
−−だったら、自分で終わらせた方がいい。
**********************************************
- 111 名前:Determination 投稿日:2002年09月03日(火)13時42分47秒
- .
.
.
.
----------------------------------------------
『別れようか?』
『だから、別れようつってんの!!』
『わかんねぇ?他に好きな奴が出来たんだよ!』
『てか、もう付き合ってんだよね...』
-------------------------------------------
.
.
.
.
- 112 名前:Determination 投稿日:2002年09月03日(火)13時44分54秒
- 113 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月03日(火)13時48分10秒
キーンコーンカーンコーン
何事もなく、予定調和で流れるはずだった。
めったに連絡のない帰りのHPのはずが...今日は違った。
「石川が、今学期でこの学校を転校する事になった」
主人公の居ない教室で...淡々と事態を話す担任。
そして、何て事はないと受け流すクラスメイト。
その内容にも、反応態度にも誰も驚く奴は居ない。
元々、学校を休みがちだった、生徒の1人が
夏休み明けに居なかったからといって
彼らに何らかの影響が出るわけではないのだから。
「今月も、もう学校には来ないらしいから
仲の良かった奴は病院にいって挨拶しとけ
場所は....の...........」
そこまでで、もう限界だった。
担任教師の声も、世間話をするクラスメイトの話も
フェードアウトして行く.....
- 114 名前:Determination 投稿日:2002年09月03日(火)13時50分33秒
.
.
.
.
.
『...どうしてぇ?...』
『ひとみちゃん...待ってよ...』
頭の奥底に響く、少し高い声。
『...やだよぉ...』
真っ暗な視界に目を凝らすと、
そこには、ウチとウチにしがみついている彼女....
.
.
.
.
.
「...ぉしざ...」
「よ...ぃざぁ...」
「吉澤!大丈夫か?」
「...はっ、...ハァハァ...」
「大分、うなされてた様だけど...」
上半身を起こして周りに目をやる。
そこは、ウチの嫌いな白い壁が広がっていて、
彼女と同じ消毒液の臭いがする場所...保健室。
- 115 名前:Determination 投稿日:2002年09月03日(火)13時52分30秒
「教室で倒れたんだよ、貧血だね」
「今何時ですか?」
「そうねだいたいねぇ〜♪」
「....帰ります」
ちぇノリが悪いわねぇとかなんとか文句を言う先生。
ベットから飛び降りるとまだ、少しふらっとした。
「あんた、ちゃんと御飯食べてる?
夜更かししてんじゃないの?」
(...今時、高校生にもなって
規則正しい奴なんてそうそういるかよ!)
- 116 名前:Determination 投稿日:2002年09月03日(火)13時53分52秒
「まぁいいけどね、
そういや担任が気づいたら職員室来いって伝言」
「そうっすか...それじゃぁ」
誰が用意してくれたのかは知らない空っぽの鞄を手に、
保健室を出るクーラーの効いてない廊下の蒸し暑さは絶えがたい。
「あっ、吉澤!」
「何っすか?」
「自分にさ、嘘つくと後で後悔するぞ〜」
「……………」
「気をつけて帰るのよ」
何も答えないウチに、
ウィンク+投げキスをくらわせると
先生はさっさと保健室へ戻っていった。
- 117 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月03日(火)14時01分34秒
- >108 皐月さん
レスどうもです。
なんか、全然オイラはレスってないのに恐縮です。
でも、読んでますので(苦笑)
>109 名無し読者さま
保全どうもです。
予定通り(?)1ヶ月更新してなかった訳ですが(汗)
どうも9月中旬までPCは使えないようなので…。
今後もスロー更新となるでしょう。
その後は、週1回更新できればいいなぁと…。
- 118 名前:皐月 投稿日:2002年09月03日(火)21時01分22秒
- 面白いですねぇ〜・・・いしよしですか?
楽しみにしてます!期待してます^^
- 119 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月04日(水)13時08分16秒
- 色々訂正。(汗)
>113
HP→HRですね…。
タイトルの意味的には「resolution」の方が正しいかも…。
そしてタイトルが途中から…。
「to be childish」が無い。
いや、それ以前の話も間違えだらけなんですけどね…(苦笑)
- 120 名前:Determination to be childish 投稿日:2002年09月09日(月)12時09分24秒
伝言なんて無視してさっさと帰った。
用件なんて聞かなくたって分かってるから…。
きっと…いや、100%に限りなく近い確立であいつの事だから。
- 121 名前:: Determination to be childish 投稿日:2002年09月09日(月)12時11分18秒
いつも通りに家に着く。
そこは…
ついこの間までカラフルだったとは思えない位、
殺風景で…なのに。
まだ、箱づめにされたそれが残ってるのが
未練たらしくて気にくわない。
そんな部屋。
−−誰がこんな細かい分別決めたんだか…。
缶・ビン・プラ・紙…
玄関脇にはってある収集日が記入さた紙をみてると眩暈がする。
到底リサイクルされてるとは思えない。
いつも収集されている風景を目にすれば誰もがそう思う。
- 122 名前:Determination to be childish 投稿日:2002年09月09日(月)12時13分38秒
「…っ、くだらねぇ…」
なんで、ごみの事でこんな考えなきゃならないんだ。
そもそも、それが…それがあるから…。
所詮捨てるはずのものなのに…
ちゃんと梱包してあるのもどうかと自分自身呆れる。
きっと、几帳面であるがゆえの…性なんだと理由をつけながら。
- 123 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月09日(月)12時25分36秒
- >118 皐月さん
毎度レスどうもです…。
一応、いしよしです!
(あんまり、直接的な、接触ないだろうけど…)
期待をされると弱いんです〜♪(by本気で熱いテーマソングぱくり)(笑)
でも、がんばりますですはい。
- 124 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月13日(金)18時28分59秒
- Determination to be childish
えぇ、UPし始めたばっかりなんですけど…。
続きを保存していたFDが壊れちゃいまして。
なかなか、続きを書けませんので…、
息抜きとして新しいの始めたいと思います。
放置じゃなく、完結させたいとは思ってます。
見てくださってた方がいる訳ですから、
ほんと、すいません…
- 125 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時30分40秒
彼女の家に遊びに行って、なんつ〜か勢いで告白しちゃったりして。
まぁ、OK!貰っちゃったりして…へへへっ、
そこまでは良かったんだけど…
そりゃ、叶うはずないっておもってたから…
彼女もウチの事好きだって聞いたときは
「もう、どうなってもいい」とか思っちゃったりもしたけど。
それにしたって、これはあんまりじゃないですか?
- 126 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時31分55秒
−−神様なんて信じない、信じれるわけないじゃん。
- 127 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時33分48秒
- ******************************
「きゃぁーーーーーーーー!!!!!」
朝っぱらから聞く彼女の声は、高くて甘い声じゃなくて。
ただ、煩いだけのハイトーンボイスに聞こえてしまうのは
まだまだ愛が足りないからでしょうか?
そんな事を思って、目を開けた先にいた彼女…。
てか、梨華ちゃん…背伸びた?てかデカクない?
これで、飯田さんデカモニ。できますね…
なんて、回らない頭でぼーっとしてたら、
いきなり、クッションを投げつけられた。
ボスッ、
クリーンヒット…。
- 128 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時34分52秒
(てか、朝から何する!……ってなんで!?)
「コケッ、コッコ……コケッー!?」
(はぁ?てか、ウチ、鳥になってるーーーー!!!!)
「コ、コケコッコーーーー!!!!」
「っ、きゃぁぁ、ぃやぁーーー!!!」
- 129 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時36分00秒
−数分後。
部屋の中はウチの羽と、梨華ちゃんが投げつけた物が散乱していた。
「…コ、ケッ……」
「はぁ、はぁ、ハァ…」
疲れた…。
人間、一通り暴れるとそれなりに冷静になってくるらしい。
ひとまず、錯乱状態の梨華ちゃんからしばし離れて、
部屋の隅に隠れることにする。
- 130 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時36分43秒
朝からこんな騒いで、下の階から苦情がくるだろうな…。
しかし、問題なのは今のウチの状態だ、
梨華ちゃんの錯乱ぶりからみて…
やっぱりウチは、ニワトリなんだろうなぁ…。
なんで?ネコとかイヌとか
もっと可愛いげのある動物じゃなかったんだろう。
いや、魚とかだったらもう死んでるだろうけどさぁ。
もっと、ライオンとかカッケーのにしてくれればいいのに。
どんどん、頭の中で話しはそれて行く。
- 131 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時37分28秒
「よっすぃ〜…」
冷静になった彼女はどうやらウチを探し始めたみたい。
「ひとみちゃん!!」
.
.
.
「…ひとみちゃぁ〜ん」
あぁ、泣きそうになってるよ…。
ウチはここなんだけどなぁ…出てったらもっと泣くしなぁ。
てか、でてったらウチの命ないかも…(汗)
- 132 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時38分33秒
そんなに、広くない梨華ちゃんの家のドアというドアが開けられていく。
いや、タンスの中には居ないでしょう。
しかし、冷静で要られるのもここまで、
彼女がウチの居るカーテンの裏へと近づいている訳で…。
「…ひとみちゃん…?」
シャーッ!
勢いよく開けられたカーテンの後ろにいるのは間違いなく
ウチな訳だけど…姿はニワトリな訳で…
「いやぁ〜〜!!!」
そうなるよね…
- 133 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時39分44秒
(痛いっ、てか見境なさすぎ…)
「コケッ、コココ…」
そこら中にあるもの手当たり次第に投げつけてくる彼女…
あぁ、こりゃニワトリである事を説明する前に、
お空の世界へ、いってしまうかもしれない…。
- 134 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月13日(金)18時41分14秒
そんなのやだ、折角両想いになれたのに…、
恋人として、デートもしてないのに…
馬路なキスだってしてないのに…
その先だって…。
(ぐはっ!)
「コケッ!」
ビデオテープが顔面ヒット!
−−こんな時に邪な事を考えるべきではない。
- 135 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月13日(金)18時44分20秒
−−−−更新終了−−−−
- 136 名前:オガマー 投稿日:2002年09月13日(金)19時24分14秒
- 面白そうです。
全然先が読めない…w
- 137 名前:名無しどくしゃ 投稿日:2002年09月13日(金)21時43分20秒
- イイ!考えたことなんてないですよ。ニワトリ
次の更新待ってます。
- 138 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時19分24秒
元々、ノーコンな梨華ちゃんの攻撃はそれほど
ヒットはしないものの、なげてる物に遠慮が無いから当たると痛い。
必死に逃げ回りながら、なんとかウチの携帯を見つけ出し…
早々に、隣の部屋へ逃げ込む。
(はぁ、はぁ…)
携帯を開いて、メールを打ち始める。
(あぁ、傷ついちゃうよ…)
当然、鳥足でメールが打てるはずもなく、
くちばしで突つくたびに携帯に傷がつくのはやむおえない。
- 139 名前:名無しさん 投稿日:2002年09月18日(水)18時20分39秒
送信。
〜〜♪
梨華ちゃんの携帯の着信音がなる…
「"実はウチ鳥なんです!"理解して♪」作戦第一段階OK!
電源切られてたりしてたら最悪だった。
そそくさと携帯に近づきメールをチェックする梨華ちゃん。
- 140 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時23分03秒
「受信メール
差出人:よっすぃ〜。
○月×日 AM6:30
題名:鶏になっちゃった…(汗)
梨華ちゃん…信じられないと思うけど、
その鶏は、ウチなんだよ…。」
- 141 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時23分45秒
〜〜♪
早速メールが帰ってきた。
「受信メール
差出人:梨華ちゃん
○月×日 AM6:32
題名:よっすぃ〜。ひどい!
私が、鳥駄目なの知ってて…
なんで、こういう事するの!?
鶏なんてどこから持ってきたのよ。」
- 142 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時24分16秒
「実はウチ鳥なんです!」作戦第一段階あえなく失敗。
- 143 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時26分10秒
.
.
.
メールで信じてもらえないとなると…
電話はぁ…できないし、実力行使(?)しかないよね?
でも、それはとっても危険な訳で。
〜〜♪
と思ってたら携帯がまたなった。
メールとは違う着信音。
(あっ、柴ちゃん…)
『結果報告してね〜♪』
って、いわれてた事を今思い出す。
- 144 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時27分05秒
タイミングが良すぎ(ある意味悪すぎですが…)だよ、
梨華ちゃんとは大違い。
夏じゃないし、夜でもないけど…
ただいまデンジャラスな事に変わりはない。
鳴り続ける着信音に気がついたのか…
梨華ちゃんの足音が近づいてくる。
慌てて、電源を落としたけどすでに時遅く。
「きゃぁーーーー!」
てか、もうそろそろ慣れてよ梨華ちゃん(涙)
- 145 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時28分07秒
慌てて、ベットの下に隠れたウチ…
不覚にも携帯を置いてきてしまった。
「もう、ひとみちゃん…どこに隠れてるのよ!」
目の前には、怒ってるであろう梨華ちゃんの足…。
人は、確信を持つと強気に出るみたい。
- 146 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月18日(水)18時29分22秒
その手にはしっかりウチの携帯が握られてる訳で。
絶対絶命のピーンチ!
どうする、どうする、どうする、どうする
3・2・1・カモーン!
と飛び出しては行けない…。
「ひとみちゃんー!!」
さっきから、あなたの目の前にいるのがそうですよ〜
と、誰か教えてあげて下さい(泣)。
- 147 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月18日(水)18時41分30秒
−−−−更新終了−−−−
>136 オガマーさん
レスありがとうございます。
オガマーさんの作品も読んでます。
今後の展開はバレバレでしょうが(苦笑)
暇つぶしにでもどうぞ。
>137 名無しどくしゃさん
ありがとうございます(←こればっかですね(苦笑))
待ってると言ってくださる方がいるのはうれしい限りです。
ご期待に添えるかどうかわかりませんが、 がんばります。
- 148 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月19日(木)02時50分08秒
- うわ、どう解決すんだろ…
これは楽しみw
- 149 名前:オガマー 投稿日:2002年09月19日(木)03時36分35秒
- いや、全くわかりません(w
楽しみにしてますねw
- 150 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時01分23秒
すでに1時間は探しつづけてる彼女。
普通なら居ないって諦めると思うっしょ?
ところがどっこい…負けず嫌いの彼女…。
携帯が部屋にあったんだからって…
靴が玄関にあったんだからって…
諦める気配はこれっぽっちもない。
- 151 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時04分03秒
この間、ウチは何もしてなかった訳じゃない。
彼女の目を盗んでせっせと行動してた訳。
ジャッジャジャーン
手に、握られた二枚の紙。
片方には、
○×、あいうえお、かきくけ…略 わをん
の文字がならぶ。
もう片方には、「状況説明文」
そして、嘴にはペン。
(完璧!)
「コケッ!」
ニワトリな吉澤ひとみ!これで会話をしたいと思います。
‐‐傍から見たら…鳥と一緒に、
ペンバージョンこっくりさんである。
- 152 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時04分49秒
- .
.
.
.
.
.(数時間後)
.
.
.
.
.
.
- 153 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時05分51秒
「本当に、ひとみちゃん?」
この台詞を言わせるのに、
どれだけの時間と労力を要したかは、
いわずとも想像できますよね?。
(てか…想像して下さい。)
昇ったばかりだった太陽は、もう沈みかけている。
「…本当に?」
まだまだ疑いの眼差しでウチを見つめる彼女。
(本当だってば…)
「コケッ、ココッ…」
もうペンで○印をさすのも嫌になってくる…。
- 154 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時07分03秒
「…………………」
疑い半分、いや、全快の眼差しのまま台所へむかった彼女。
しばらくして、ウチの元へ戻ってくる。
「ひとみちゃんなら…食べれるよね?」
そういってゴーグルにマスク、
ゴム手袋の完全防備(?)な姿で返ってきた彼女は
お盆にのった、ベーぐるとゆで卵、
ミルクティーを棒で押しながら…
ウチの前へと、差し出してくる。
(…それって、トイレの手袋じゃないよね?(汗))
「…コケッ、コココッ、コケッコ?」
‐‐突っ込むべきは、そこよりゆで卵である。
- 155 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時08分45秒
「…食べれないの?」
(んなぁ、訳ないじゃん!)
「コケッ、コケコッコー!」
ガツガツガツ…もの凄い勢いで食べだすよっすぃ〜…。
朝から、食べ物を一切口にしていないのだから
当然といえば当然である。
しかし、所詮ニワトリ…
そこら一面、パンクズと…ミルクティまみれである。
- 156 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時09分57秒
「ちょっ、ちょっとひとみちゃん…?」
そういって、恐る恐る手をだした彼女に
野生と化したニワトリもといよっすぃ〜の目が光る。
ギロッ!
「コケッ、ココッ!!」
食べている最中の獣に理性などという言葉は通用しない…
本能丸出しの今のよっすぃ〜に近づくのは大いに危険である。
- 157 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時11分11秒
理性を失った、ニワトリの容赦ない攻撃が彼女へと向けられる。
「きゃっ、ちょっと…やぁ…」
部屋の中を逃げ惑う彼女。
キラーン!!
その時、あるものを発見した。
とても目に付く色の、あるもの…。
.
.
.
.
- 158 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時13分18秒
標的は、彼女からベットサイドにある、
ぬいぐるみへ…。
ドスッ、ドスッ…、
まるで、ボクサーの連打の様なぬいぐるみへの、嘴攻撃。
「…やだっ、やめてよ!ひとみちゃん!!」
当然、中身が出てきて…
ボロボロな姿になっていくぬいぐるみ。
- 159 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時15分09秒
「っやめてってば!!」
さっきまでの、ビビリようとは裏腹に…
もの凄い勢いで…ニワトリからぬいぐるみを奪い取った
彼女の腕の中では、大切なピンクのプーさんが
見るも無残な姿になっていた。
- 160 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月24日(火)18時17分12秒
「なんで…、なんでこんな事するのよ…」
いきなり豹変したよっすぃ〜をにらみつけるようにしていう彼女。
「コケッ、コココッ?」
相手は馬鹿にした様な眼差しで小首をかしげてると、
うさばらしは完了とばかりに、またベーぐるに食らいついた。
- 161 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月24日(火)18時39分36秒
−−−−更新終了−−−−
>148 名無し読者さん
レスありがとうございます。
解決方法?………(汗)………
期待を裏切ってごめんなさい(悪い意味で…)
いや、逃げました。ご想像にお任せという事で。
>149 オガマーさん
又久、レスありがとうございます。
楽しみにして下さってるというのに…
ごめんなさいm(_ _)m 。
てか多分現実的に鶏と石川さんの和解は無理ぽ(略)
- 162 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月25日(水)17時54分41秒
涙を浮かべる彼女をよそに…、
食事を終えたよっすぃ〜は、
理性をというか人間意識(?)を取り戻したのだが…
「ひどいよ…、っ…やっぱり……、
ただのニワトリじゃない!!」
(えっ…?)
「コケッ…?」
「…嫌い!大っ嫌い!!」
「もう、でてってよ!」
- 163 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)17時56分48秒
泣き出した、女の子は止められないのが定説って訳で。
持っていた、棒を振りまわしてニワトリを追い出そうとする。
(なっ…ちょっと、何するんだよ!)
「コッ…コケッコ、コケコッコー!」
ガッ!!
(ぐはっ…)
「ゴゲッ…」
無駄な鉄砲もなんとやらで、
その一つが頭にクリティカルヒットした。
よっすぃ〜はその場に倒れると、
ピクリともしなくなってしまった。
- 164 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)17時58分22秒
「ばかっ、ばかよっすぃ〜…」
「鶏にあんな調教して…
大体どっから持ってきたのよ!」
ボロボロになったプーさんを抱きながら
まだこの時の梨華の頭の中は…
”ひとみちゃん”への文句と
彼女をどう懲らしめるかで一杯だった…。
ノックアウトしたニワトリなんて…、
目にもくれずに、彼女の帰り(?)を待っていた。
- 165 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)17時59分23秒
-
.
.
.
.
ところが、アレカラ何分立っても一向にその気配はない。
携帯も、靴も、鞄も何もかもそのままで…
彼女の物で無いのは、着ていた服位である。
時計の針はもうすぐ両芯ともに、
12の数字に近づいている。
「……何処いったのよぉ…」
誘拐?…事件とか…
怪我してうごけないとか…
頭の中は悪い事ばかりがめぐっていく。
- 166 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時01分31秒
ふと、あのニワトリの事がきになった。
そーっとドアの隙間から隣の部屋を覗き見る。
そこには、ぽてっと横になったままのニワトリが一羽。
「…もしも〜し、鳥さん…」
声を掛けるが、何の反応も示さないニワトリ…。
「…………」
プーさんをクローゼットの中にしまってから…
ニワトリに近づいた。
「…鳥さん?…」
叩いたまま放置してあった、棒をとって、
ツンツンと突いて見る…。
しかし、動く気配は一向にない。
- 167 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時02分54秒
「…ねぇ、ひとみちゃんは何処いったの?」
「ねぇってば…、起きてよ…」
.
.
.
梨華にだって、ニワトリが横になって寝ない事位は分かる。
そーっと手をかざしてみる。
近づけば分かるはずの体温が感じられない。
「ウソでしょ?…ねぇ、」
思い切って触ったその体は温かくなかった。
- 168 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時03分56秒
-
「もう、どうしたらいいのよ…」
ニワトリの目の前で崩れたまま…
目には涙が溜まっていく。
吉澤がいれば、ぬぐってくれたかもしれないが…
当の本人はここにはいないのだ。
- 169 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時04分31秒
「…っく、ひとみちゃん…帰ってきてよぉ〜」
いくら願っても叶えられないその想いに、
ついに…梨華の瞳から…雫が流れ落ちた
と同時に…真夜中の12時を告げる時計の音楽がなる。
.
.
.
.
.
- 170 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時05分21秒
.
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.
.
「神様のばかやろー!」
「きゃっ!!」
- 171 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時05分53秒
「…へっ……?」
目の前には何故か、愛しいはずの彼女のドアップ。
でもね、ウチ、ニワトリだから…多分いや絶対。
「ふぇ〜ん、ひとみちゃん〜」
やっぱこうなるよね…って、えぇぇ!!!
予想に反して彼女は、ウチに抱き着いてる。
てっきり、甲高い声で叫ばれて…絞められて…
んでもって、鶏肉大好きな彼女の事だから食われるのかと…。
- 172 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時06分28秒
「なんで…?!」
ウチの質問に答える事なく彼女は泣きじゃくっている。
「っ、ひとみちゃ…っ、ご、めんな…ぃ…ひっく」
なんで、驚かないの?
なんで、泣いてるの?
なんで、謝ってるの?
なんで?
てか、なんで頭痛いの?
頭の中ほとんど”なんで?”〜♪状態である。
- 173 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時07分06秒
でも、愛しい彼女が腕の中にいるんだから
細かいことは後回しである。
「泣かないでよ、梨華ちゃん…」
「…ひっく…」
しゃくりあげてる彼女の髪にそっと触れる。
その手は、鳥足でも鳥の羽でもなくて…人だった。
「…へへっ、ウチ人間に戻れたみたい…」
「よっ、すぃ〜の事…ひっく、信じれなくて…」
「もういいよ…」
呆れてじゃなくて、諦めじゃなくて…でもそう思った。
- 174 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時07分49秒
「ぐすっ…、あのね…私がっ、悪いの…ひっく…だってね…」
まだ何か言いたげな彼女の言葉をさえぎるように、
髪をなでていた手でそっと、彼女の唇をなぞる…。
あのさ、
「例え、梨華ちゃんが、ニワトリになっても…
多分、きっと、うんうん、絶対に好きだよ!」
そういって、そっと彼女に唇を落とした。
恋人になって、初めてのキスは
彼女の涙の味だった。
とか、カッケく語ってみたりして…。
- 175 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時08分47秒
今の心境?
もちろん、昨日の夜と一緒!
彼女がいれば、もうどうなったっていいっす。
.
.
.
いや、前言撤回「もう、どうなってもいい」訳ないし
「ニワトリにもなりたくない」っす…
もう二度と、絶対に!。
−−人間誰しも少しは、学習するものである。
- 176 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時09分39秒
本当は、こんな悪戯する神様なんか許せないけど…
ひどい事されても腕のなかにいる彼女は許せちゃって、
神様なんか信じてないけど…
でも、彼女に逢わせてくれたであろう恋の神様には
”感謝してもいいかもしれない”と思ってしまう。
−−12時だから解けたのか…
彼女たちの想いがそうさせたのか…。
「まぁ、なんにせよ…人間に戻れてよかったじゃん…。」
まだ、なき続けてる彼女にそういってのける吉澤君。
−−ポジティブすぎるのも問題である。
- 177 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時10分28秒
*****************************
次の日…
.
.
.
.
- 178 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時11分21秒
「ふぁぁ〜、梨華ちゃん…、仕事行く準備しないと…。」
「…………」
「ねぇってば…」
そう言って彼女を揺り動かそうとしたけれど…
ぐにゅっ
(ふぇ?)
そこには、寝相の悪い彼女じゃなくて…
- 179 名前:<神様なんて信じない!> 投稿日:2002年09月25日(水)18時13分39秒
「へっ?…ヘビ…って、うわぁぁぁあ!!!!!」
昨日の甲高い声と、羽ばたく音と、
ニワトリの鳴き声とは違う…
低くて擦れた声と、何かを擦る音と、
シャァー!!って音が…マンション中に響き渡る。
(ひとみちゃ〜ん(泣))
「シャァー!!」
「くそっ!やっぱ、神様なんて信じないーー!!」
***おわり?***
- 180 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年09月25日(水)18時17分21秒
***おわり?***となってますが…
今回の更新でこの話は終了です。
また、出来次第UPしてきます。
- 181 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月27日(金)02時32分05秒
- おもろい、おもろいよ作者さん!
コメディータッチのもの大好きです。がんがってください。
- 182 名前:(ケーキより好きなもの。) 投稿日:2002年10月03日(木)19時42分56秒
「市井さぁ〜ん!!」
今日も石川は全力疾走で愛しい人の下へ………。
桜並木を抜けて、同じ敷地内の学生ホールへと向かう。
「きゃっ!」
みごとに、地面と仲良くなる…
周りからクスクスといった笑い声と
同情の声が聞こえる、けど…
そんなのはお構いなしと…、
お目当てのあの人は颯爽と近づいてくる。
「ドジだなぁ…」
そう言いながらも、ヒョイッと軽々しく石川を引き上げてくれる
そんなこの人に石川は、恋をしている。
- 183 名前:(ケーキより好きなもの。) 投稿日:2002年10月03日(木)19時43分32秒
「そんな焦んなくてもいいのに」
「だって…、」
「ぷっ、眉間にしわよってるよ」
軽く額を小突いてみた。
「……………」
(あぁ、ネガティブ入ってるのかよ、シャーネなぁ…。)
市井は、前髪をガシガシと掻き揚げる
- 184 名前:(ケーキより好きなもの。) 投稿日:2002年10月03日(木)19時44分03秒
「そんな急がなくったって、ケーキ屋は逃げないって」
「…、違います!」
「そう、じゃぁもう1個奢ってあげようとしたけど止め……」
「いいです……」
石川は怒った様に、一人でずんずんと歩いていってしまった。
(ありゃりゃ、失敗したかなぁ…)
慌てる事もなくのんびりと後をついて行く市井。
ちょこちょこ歩く石川と
大またで歩く市井
歩幅からいってもこの程度の速度で十分追いつくのである。
- 185 名前:(ケーキより好きなもの。) 投稿日:2002年10月03日(木)19時44分42秒
-
「石川〜、置いてくなって」
石川の予想より遥かに早く追いつかれてしまった。
「別にぃ…置いてってないです」
「何時もより速いじゃん…」
「…そ、そんな事っ、ないです」
「息切れてるっぽいけど?」
「…………」
そういったら石川は無言で歩くのを止めた。
(そうとう、ご機嫌ななめだなぁ…)
- 186 名前:(ケーキより好きなもの。) 投稿日:2002年10月03日(木)19時45分30秒
-
「悪かったって…怒るなよ」
「怒ってません」
そっぽを向いたまま言われては
説得力に欠けるというものである。
「わかってるよ、ちゃんと2個奢るからさ…」
「…………」
「なっ、キゲン直せってば…」
石川の顔を向かせようとして驚いた。
だって、その目には涙が溜まってたから。
女の涙にはとことん弱い。
- 187 名前:(ケーキより好きなもの。) 投稿日:2002年10月03日(木)19時46分13秒
「なっ、泣くなってたかがケーキじゃんか」
「市井さんは、解ってないです!」
「…なんだよ、それ…」
仮にも大学生である、高校生に
市井にしてみりゃ”たかが”な
ケーキで泣かれるわ、切れられるわ…
気分がいいものではない。
「ケーキの事なんて市井は知らねーよ」
「違います!、市井さんはケーキの事もわかってないですけど…
………だ、っ………ない………です。」
「はぁ?何だよ!はっきりいえよ」
「市井さんはケーキの事も解ってないけど…
石川の事も解ってません」
- 188 名前:(ケーキより好きなもの。) 投稿日:2002年10月03日(木)19時47分25秒
なっ、勢いよく手が伸ばされたから…
叩かれると思って反射的に目をつぶった…、
けど、どこにもそんな衝撃はこなくて…
変わりに、唇に柔らかいものが触れた。
「…なっ……」
「石川が好きなのは、ケーキよりも…
市井さんです…」
「……何、言って……」
そう言い返そうとしたら…また唇を塞がれた。
(こんな積極的な石川初めてだ……)
そっと、離された後に目に映った石川は、
高校生の女の子じゃなくて…大人の女性に見えた。
〜END〜
- 189 名前:(ケーキより好きなもの。)プロローグ 投稿日:2002年10月03日(木)19時48分00秒
「あのさぁ…さっきの本当っすか?」
「…………」
照れてるのか顔を真っ赤にしてうなずいた。
「じゃぁさぁ、ケーキは無しって……」
「ダメです!」
こんな所はやっぱ年下だと思う。
「へぇ、さっきのはウソだった訳ですか?」
「これと、それとは話が別です。」
「そう?」
「当たり前じゃないですか」
”たかが”ケーキでこんなにムキになるんだから
やっぱまだまだ、子供だなぁ…って安心安心。
- 190 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年10月03日(木)19時53分55秒
- >181 名無し読者さん
レスありがとうございます。
コメディ物がお好きですか…
気分しだいなので期待にそえないかも知れませんが…
暇つぶし程度にまた読んでくださればうれしいです。
さて、次回は10月18日更新予定です。
( ^▽^)<何で?
- 191 名前:<欲しい…> 投稿日:2002年10月04日(金)17時54分12秒
「ねぇ、梨華ちゃん…ウチの事好き…だよね?」
あさっての方向を見ながら、
唐突にそんな事をうあなた。
−−どうしてそんな事聞くの?
「……………」
「ねぇ…答えてよ…」
答えないでいる私を、後ろから強引に抱き寄せる。
- 192 名前:<欲しい…> 投稿日:2002年10月04日(金)17時55分36秒
「……ひとみちゃんは、私の事好き?」
そう聞き返したら、後ろからまわされてる手に
力が加わったのを感じた。
「ずっけ〜よ。ウチが聞いてるのに…」
−−あなたは何時もそう…、私にはくれない…。
「…好きだよ当たり前でしょ…だって…んっ…」
言葉は彼女によって妨げられ…。
そして、またいつもの様に、私はソファに押し倒される。
−−だって、告白したのも…してるのも私なんだから。
- 193 名前:<欲しい…> 投稿日:2002年10月04日(金)17時57分14秒
-
「…っん、ぁっ…やぁ…」
「ウチの事好きなんでしょ?」
「…ぁ…ひ…とみちゃ…っん…」
−−あなたの気持ちがわからないの…
あなたは誰を見ているの?
あなたは誰を思ってるの?
凄く不安で…
本当は愛されてなんかないんじゃないかって…
それでも彼女の行為を拒否できないのは…
私が彼女を好きだから。
- 194 名前:<欲しい…> 投稿日:2002年10月04日(金)18時01分56秒
「…欲、し…いっ……」
「ん…わかった」
彼女の細くて長い指は…
更に深く侵す様にソコに入り込んでくる。
−−違っ、私が欲…しっ…いのは……。
望みとは裏腹に、
あなたが与えてくれるのは…
快感だけ…。
だけど、私はどうしようも無くあなたに溺れ
また、今日も欲しいものを手に入れる事無く
高みへとツレテテイカレル…。
〜END〜
- 195 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月05日(土)00時27分34秒
- 一気に読ませていただきました。
個人的には市石がええなぁ〜フワフワ〜って感じでした。
あと<神様なんて信じない!>が特におもしろかったです。
次回作も期待してまっす!
- 196 名前:“不思議な日、Moonlight party” 投稿日:2002年10月16日(水)18時52分37秒
−−小川麻琴 14歳! 只今先輩の家にいます…。
先輩の家は、ピンクばっかりって聞いてたけど…
想像してたよりは全然マシで。
周りが言うほど部屋も汚くはなかった。
楽屋とは違う…。
二人っきりな訳で…なんつ〜か、
嫌いな人の家ならつゆしらず
そりゃ少しは甘い事もあるかな?って期待してる半面
怒られるのだろうかっていう…不安もあって、
緊張真っ只中です。
- 197 名前:“不思議な日、Moonlight party” 投稿日:2002年10月16日(水)18時54分15秒
当の先輩はさっきから台所で、
せっせと何かを作ってて…。
手伝いましょうか?って言ったのに
「小川は座ってていいから」って…。
−−私、一体なんの為に呼ばれたんだろう。
言わずとも先輩は…私の教育係な訳で…。
やっぱ何かへましたのかな?
いやぁ、全然、完璧じゃないのは分かってるけど…。
こんな事は初めてだし…、
私が知らないだけで、
愛ちゃんやあさ美ちゃん里沙ちゃんも
それぞれの先輩家にいったりしてるのかな…。
- 198 名前:“不思議な日、Moonlight 投稿日:2002年10月16日(水)18時56分40秒
「きゃっ!…」
もの思いに耽ってたら、台所でガシャーンって音がした。
「先輩!?、だっ、大丈夫ですか?」
「駄目!」
「あっ、今行きますっ!」
「ちがっ、だっ、大丈夫だから、小川は来ちゃダメ!」
「へっ…?」
ピカーンと自分の頭ん中で電球が光った気がした…。
そうですか、なら行きます。
.
.
.
.
- 199 名前:“不思議な日、Moonlight 投稿日:2002年10月16日(水)18時58分12秒
- .
.
.
.
「何してるんですか…?」
たいして遠くはない台所だじけど、すぐに飛んでいった。
そこには、床にペタンと女の子座りして、
白い粉だらけになってる先輩がいた。
「……(色白になりたかったんですか?)……」とは聞けない。
「来ちゃダメって言ったのに…」
「……………」
”眉毛が八の字になってる”って表現は正しいんだって実感。
普段はしっかりしている先輩のこんな姿は
悪いけど…可愛いと思うし、悪戯心をくすぐられる。
- 200 名前:“不思議な日、Moonlight 投稿日:2002年10月16日(水)18時59分35秒
「粉なんかどうするんですかぁ?」
「……………」
そういって、先輩を横切って、
台所の上にあった粉の袋を取ってみる。
…白玉粉
『白玉は得意なんですよ!』とかなんとか、
何かの番組で言っていた先輩が目に浮かぶ…けど…
あぁ、”白玉は!”ねぇ…それもどうかと…。
- 201 名前:“不思議な日、Moonlight 投稿日:2002年10月16日(水)19時01分09秒
「おがわぁ〜!」
あっ、やばっ!笑ってたのバレました?
ん、でもそんな怒った顔しても
今は全然怖くないってわかってます?
だって、ここは楽屋じゃないんです…
先輩の家で…他には誰も居なくて…、
この状況どう考えても小川の方が有利ですよね?
「先輩、動かないでくださいね!」
「なんで…?」
「だって、動いたら余計広がるじゃないですか…」
って言っても、片付ける気なんて
さらさらないんですけどね…。
- 202 名前:“不思議な日、Moonlight 投稿日:2002年10月16日(水)19時02分06秒
そうだよね…じゃぁよろしく!なんて言って、
安心した顔見せるから、もっといじめて見たくなる。
「…先輩は、小川の事どう思ってますか?」
「へっ?」
「小川は…、先輩の事好きです!」
「もちろん…私も好きだよ、だって…」
「そうじゃなくて、違う意味の好きです!」
「え………」
先輩は目をみひらいて、ついでに言えば顔も真っ赤。
予想通りの反応。
ここまで、予想通りだと、行動はエスカレートする。
調子に乗って、唇を先輩のと合わせてみた…。
いつも楽屋でしてる遊びのキス。
- 203 名前:“不思議な日、Moonlight 投稿日:2002年10月16日(水)19時03分23秒
そんなツモリだった。
でも、顔を離して、様子をみてみたら…
先輩は、泣いてた…。
「…あっ、…その…」
謝罪の言葉は続かなかった。
一瞬にして、胸のうちはワクワク感じゃなくて
後悔でいっぱいになっていく…
- 204 名前:“不思議な日、Moonlight 投稿日:2002年10月16日(水)19時04分57秒
「…うそ」
「…………」
「うそ、ウソ、嘘だよ」
そういって、肩を押しかえされてしまった。
「なっ!」
そりゃ軽い気持ちだったけど…
そこまで否定されたら…
こっちだっ……。
文句のひとつでも返そうとした…
でも、涙を流しながら私を見上げてる先輩を見たら
胸がズキってするんじゃなくて…
いやそれもあったけど…
それ以上にドキドキした…。
- 205 名前:“不思議な日、Moonlight party” 投稿日:2002年10月16日(水)19時06分49秒
「…ウソばっかり…」
「……………」
最初は、イタズラ心からで…、
だけど、それONLYだったかと聞かれれば、
否定は出来なくて、
でも、なんていうか…
きっと、好きなのかもしれなくて…
だったら、好きになっちゃったものはしょうがなくて…
あぁ、訳わかんなくなってきた…
- 206 名前:“不思議な日、Moonlight party” 投稿日:2002年10月16日(水)19時07分54秒
-
けど…
泣いて欲しくなくて…
笑ってて欲しくて…
「…あぁ、っとウソだったけど……本当です……」
「…そんなの、わかんないよぉ……」
目の前で泣きじゃくってる先輩は、
まだ粉まみれで…ぬれたそれは白く痕を強調するから…
「小川は石川さんの事好きです」
「…ウソ。」
「本当です!!」
結局、押されて断言させられてしまった…。
- 207 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年10月16日(水)19時36分26秒
- 後1レスで完結なのですが…時間なのでPC室が閉まってしまい…続きは明日します…レス返しもその時にしますm(_ _)m
- 208 名前:“不思議な日、Moonlight party” 投稿日:2002年10月17日(木)16時57分18秒
忌々しいそんな痕は今すぐぬぐいさりたくて…
そっと先輩の頬に手を伸ばす…。
触れた瞬間ビクって反応したのがわかって。
そしたら…勝手に口が動いてた。
「キスしてもいいですか?」
「……っん」
コクてうなずいた先輩はとても年上には見えなくて。
でも、やっぱ好きです。
〜END〜
- 209 名前:次の日…。 投稿日:2002年10月17日(木)17時02分27秒
「…ぁ〜、まこっちゃん…」
「ん?何…?!」
「昨日、お月見した?」
「へっ?大分前にやったけど…」
「違うよ、前のは15夜で、昨日のは13夜だよ」
「へぇ…物知りだねぇ……」
.
.
.
.
.
「……だから、石川さん家は、狼でたんだね…」
「…えっ?何?」
「うんうん、なんでもないよ…」
(いつでも情報収集、完璧です!)
- 210 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年10月17日(木)17時11分19秒
- >195 名無し読者さん
レスありがとうございます。
市石よかったですか?嬉しいです。
<神様なんて信じない!>はこのスレの中で
一番好評のようで(笑)
あれ実は、夢で見た話を修正したものなんです…
なんで、なかなかあんな話は書けなかったり(オイ)
今後もちょこちょこ更新ですが、お暇な時にでも暇つぶしにどうぞ。
↓訂正。
>189 (ケーキより好きなもの。)プロローグ
(ケーキより好きなもの。)エピローグ が正しいです。
いや、他にも、誤字脱字はあるのですがこれだけは
間違っちゃだめだろうって事で訂正させていただきました。
- 211 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月17日(木)18時23分02秒
「じゃぁまた、明日!」
「柴ちゃん、ばいばい〜」
そういって、2人は手を繋いで帰っていった。
最近、日常となった光景…。
親友の梨華ちゃんは…よっすぃ〜と付き合い出した。
―はぁ…。
まぁねぇ、こうなるとは思ってた。
梨華ちゃんは可愛くて。よっすぃ〜はカッコ可愛くて…
お似合いだから…。
そりゃ、未練が無いっていったらウソだけど。
親友のあんなうれしそうな顔みたら…奪い取るなんて出来なかった。
……なんてね、まっ、どっちにしろ無理だっただろうけど……。
- 212 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月17日(木)18時25分16秒
「さてと、さっさと帰ろう…」
職員室に向かう為、廊下へ出ようとしたら…
教室のドアの隙間から誰かが見てた。
「………………」
「………………」
―ストーカー?な訳ないよね…。
意識しない様にして、後ろのドアから出ようと方向転換をする。
「ふぅ…」
ドアの前で態勢を整えて…
―ドアを開けたらダッシュ!
- 213 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月17日(木)18時26分59秒
「なっ…」
危うくぶつかる所だったのを
なんとかすんでで止める事ができた。
「柴田あゆみさんですか?」
「………………」
「そうですよね?!」
「……何か?……」
そう答えると、その人物はふにゃっと笑った。
そして、
「後藤と、付き合いましょう」
と笑顔で手を出してきた。
- 214 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月17日(木)18時28分39秒
-
対応できないでいいる私の手を勝手に握ってぶんぶん振っている。
―はぁ?、一体なんなのこの人…。
―ていうか…最近、暑いしね…。
変な人にはかかわらないのが一番。
柴田は、その人物の手を振り払うと一目散に職員室へ駆け出した。
「んぁ?!」
その後ろ姿をみながら、要注意人物が声をあげていた。
- 215 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月21日(月)18時10分22秒
はぁはぁはぁ。
―もう、何なのよあの人。
息を整えて、職員室の扉をたたく。
「2年C科 柴田あゆみ。日誌を返しに来ました、失礼します。」
職員室内を見渡すが…担任の姿は無い。
―最悪。
日直はその日の最後に、日誌に担任の判子もらわなくてはならない。
そうしなければ、帰れないのだ。
- 216 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月21日(月)18時11分32秒
「おぉ、柴っちゃん!早かったな…」
「そうですか?」
「何そんな息切らしてるん」
「そんな事ありませんけど…」
変な人にあったため走ったとは言えない…。
「なんやそんなにみっちゃんに逢いたかったんかぁ?」
「違います!」
先生の手をなんなく交しながら即答する。
「つれないなぁ…」
「今度したら…セクハラで教育委員会に訴えますよ」
その一言により、先生の顔が青くなってく…
.
.
.
.
.
- 217 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月21日(月)18時12分29秒
はずもなく…
「嫌やなぁ、スキンシップやんか」
さわさわと柴田のお尻に手がまわされる…。
「……先生?………」
「ん?なんや…」
バシッ!
「痛っ、ツ〜」
「ハンコ下さい。」
アイドル顔負けのスマイルであるが…
目は笑ってない柴田がそこにはいた…。
- 218 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月21日(月)18時13分32秒
「じょっ、冗談やがなぁ〜」
「早く!」
なにも日誌で殴らんでも…しかも角やで…とかなんとか
ぶつぶつ言いながら渋々ハンコを取り出す平家先生。
「ん?何や柴っちゃん顔青いで…」
「……別に…」
背中に突き刺さる視線に気づかないほど
柴田は鈍感ではないのである。
「…失礼します!」
そういうと窓側のドアに向かう柴田。
「へっ、そっちはグラウンドやで………」
その声が届く間も無く、柴田の姿はすでに無かった。
- 219 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月29日(火)18時47分05秒
<次の日>
キーんコーンカーンコーン
「よーし、今日はここまで、
次はP.46からだからな…予習しておくように!」
チャイムと同時に教室はざわつき始める。
誰も、最後の方なんて聞いちゃいないだろう…。
ノートを取るのもままならないでいた今日の授業。
「特に、柴田君…君は…わかってるね?」
わざわざ後ろの席まで来た先生に、念を押されてしまった。
まったくもって、ついてない…。
今日に限って、平家先生休みなんだもんなぁ…。
臨時に3年担当の和田先生が教えに来ていた…。
事もあろうにその授業中。
居眠りをしてしまった…ここまではいい(良くはないだろうが…)
平家先生なら見逃してもらえるものの和田となればそうはいかない。
ことある事に、質問され…息つく暇もなかった。
《このとき、柴田は知らなかった…
平家先生が休んだ理由は昨日の一打にあった事を…。》
- 220 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月29日(火)18時49分57秒
「柴ちゃん、災難だったねぇ…」
「……そうですね……」
授業を終えて、隣の列の石川が話しかけてきたが、
眠い柴田はぶっきらぼうに答えている。
しかし、空気の読めない石川での事である…話が止まるはずもない。
「ねぇ、聞いて…あのねひとみちゃんとね……」
いつもは、心臓のズキズキに耐えながら…。
チャチを入れてからかうもあり…、
乗ってあげるのもあり…、
聞いてあげるのもあり…そんな柴田だけど…
(梨華ちゃん、悪いけど…今日は無理。)
「それ、聞いたから…」
「えぇ〜、違うよぉ…だってねぇ…」
「はい、吉澤ひとみさんは。
ベーぐるが好きです!
ゆで卵が好きです、オムライスが好きです。
カッコイイです、可愛いです、ステキです。
んでもって、…梨華ちゃんが好きです……以上!。」
切捨て御免!
バタっと音を立てて机に、つっぷした…。
- 221 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月29日(火)19時03分10秒
「柴ちゃん!ちゃんと聞いてってば…」
寝に入った私をゆすりながら、イジケソウになってる梨華ちゃん。
マジで無理です。
もう、勘弁してよ梨華ちゃん…。
柴田は、眠いんです……。
.
.
.
「梨華ちゃん…」
自分の中でケジメを付けたつもりでいても…、
体は正直ならしく…
その声に即座に反応してしまう。
「あっ…ひとみちゃん…」
「柴田さん、疲れてるんだよ……ねっ?!」
話しかけてる吉澤さんをみる事なんてできなくて…。
机に、顔をつけたままコクコクとうなずく。
顔なんか上げられない、
きっと、うんうん絶対…だって
多分上手に笑えないよ。
- 222 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年10月29日(火)19時05分27秒
「ほらぁ…睡眠じゃましちゃだめだよ。」
「だってぇ〜…、柴ちゃんとぉ、お話、したいもん。」
こんな甘えた声をだすのも…、
よっすぃの前だけになったと気づいてる、
だけど、心臓が反応するんだ。
そんな甘えた声にイライラするのも…、
多分未だに、割り切れてない証拠。
.
.
.
.
「…迷惑してるでしょ!」
「……そんな事ないもん………」
(…そんな事は多いにあります……)
「…なんでそんな事、言うの?」
「…別に……」
きっとさぁ、嫉妬してるんじゃないの?
よっすぃ〜の事だからさ。
そんなはずないのにねぇ…。
.
.
.
《そんな二人の痴話喧嘩は、
大して睡眠妨害にならなかった様で
いつの間にか、柴田は眠りについていた。》
- 223 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月13日(水)19時06分07秒
- この3人の三角関係(?)って、ありそうであまりないので新鮮です。
柴ちゃんフクザツですね・・・
続き楽しみにしてます!
- 224 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年11月15日(金)18時46分20秒
- ****************************************************
『しばちゃぁ〜ん…』
『うん〜…?』
あの日、思い切って告白したであろう梨華ちゃんは…
教室に戻って来た時、泣いてて目が真っ赤だった。
『…ひっく、…っ』
『…大丈夫だって、ほら…よく言うでしょ?
世の中には、もっと良い人五万といるって。』
あの日、思い切って告白したであろう梨華ちゃんは…
教室に戻って来た時、泣いてて目が真っ赤だった。
てっきり、失恋したんだと…
うんうん、本当は心の何処かでそうなれば良いなって…
そんな気持ちがあって、だからそう思い込んだんだと思う。
- 225 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年11月15日(金)18時48分04秒
『…違うよぉ〜…』
『……うん?』
『ひとみちゃんもねぇ…
”私も先輩の事好き…です”って言ってくれたのぉ〜』
『……………』
『ぐすっ、それでねぇ…ひとみちゃんがねぇ…。』
『梨華ちゃん…』
『ふぇっ?』
『いたいょ、どうして叩くのぉ〜?!』
人が必死に慰めようとしてたのに…、
惚気ようとするから…一発叩いてやった…。
『………………』
『柴ちゃん…?』
『へへっ、よかったね梨華ちゃん…』
『うん!ありがとう』
この時、私は笑えてただろうか…。
梨華ちゃんの、告白記念日。&二人の恋人記念日。
そして、それは…私の密かな失恋記念日でもある。
****************************************************
- 226 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年11月15日(金)18時51分18秒
>223 名無し読者さん
レスありがとうございます。
最近自分、柴ちゃん好きでして…(苦笑)
ご期待にそえるかわかりませんが…がんばります。
お暇な時にでもまた読んで下さると嬉しいです。
- 227 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月18日(月)16時01分16秒
- 初レスさせていただきます。
自分も最近柴ちゃん押しなんです(w
続き期待してます。
- 228 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年11月29日(金)17時33分35秒
- ・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・
「…う〜ん……」
目を覚まして、ぼやけた視界を手でぬぐったら、手が濡れた…
多分こういうのを悲劇のヒロインぶってるっていうんだろうなぁ…。
そんな自分が自分で嫌だとは思うけど…夢自体はどうする訳にも行かないし。
「しーん…」
あまりにも静かだと、誰か1人はこう口にするよね…。
また、梨華ちゃんに寒いとか言われるなぁ…。
反応を伺おうと回りに目をやってみた。。
「…えっ!……。」
人っ子一人いない…。
一瞬、”そして誰もいなくなった!”を
リアルで体験してしまったのかと思った程に…。
あわてて腕時計に目をやると…ガーン!!(死語?)
昼休みはとっくに過ぎていた…
立ち上ってみた先には
丁度梨華ちゃんが、ジャージ姿で走っているのが見えた。
- 229 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年11月29日(金)17時35分41秒
「はぁ〜……。」
(本当今日は、…いや、あれからついてないよ…)
ため息が口をついで出る…
周りを気にする事もなく、ドカッと椅子に座った時…。
人っ子一人いたわけですよ!しかも…この原因の当事者が…。
「なっ………」
本当にびっくりした時、人は言葉を失うってのは本当みたい。
「…………………」
目の前には、爆睡している……誰だっけ!?。
「ちょっとどうしてここにっ……きゃぁ!」
「……んぁ?……」
「痛ったぁ〜」
まるで漫画みたいに、立ち上がった拍子に転んでしまった…。
でもそのおかげ(?)で変な人は、目を覚ました見たい。
「んあぁぁぁ!!」
まだ転んだままの私を指差しながら…叫ぶ変な人…。
寝起きでよく声がでるね…。
「…何よ?」
さっきのせいで鼻に掛かったような声なのが自分でもわかったから、
ぶっきらぼうに答えた。
よくよく、自分の下をみてみる、
どうやら、変な人のブレザーと思わしき物を
もろに、踏んづけてしまっていたらしい。
何で…?
- 230 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2002年11月29日(金)17時38分50秒
「………はい!」
謝るのもシャクだし……でも一応、ホコリは叩いて返してあげた。
「…………………………」
「って、何っーーー!!」
ガシッて音がしたみたいに確りその手ごとつかまれて…
廊下に引っ張りだされた…。
「ちょっと何なのよ!」
私の言葉なんて完全無視でズンズンと進む変な人…。
…いったいどこ連れてくつもりなのよ。
「痛いってば…」
「大丈夫だからっ!」
何を根拠に…引き摺られてるこの状態がすでに大丈夫じゃないって!!
そうこうしている間に、ある扉の前で止まった…。
ここって、あれですよねぇ…ベットがある所。
「………きゃっ…」
バッシーン!!
大きな音を立てて扉が開かれた…
ていうか、今鍵かかってたよね…そこ…。
そんなのお構い無しで、ベットまで連れて行かれて…
押さえつけられたというか…押し倒されたというか…
って、えぇぇーーー!!
- 231 名前:へたれな作者。 投稿日:2002年11月29日(金)17時48分12秒
- >227 名無し読者さん。
レスどうもありがとうございます。
おぉ、同士発見!柴ちゃんいいですよね(笑)
ぶっちゃけ、更新遅いのですでに違う人押しかもしれませんが(苦笑)
ご期待にそえてますかねぇ…(汗)
まぁ、暇つぶし程度にでも読んでください。
- 232 名前:227 投稿日:2002年12月01日(日)23時41分22秒
- >作者さま
まだまだ柴ちゃん押しですよ(w
テンポがよくておもしろいです。
続き期待してます。
- 233 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月14日(火)22時04分09秒
- 保全
- 234 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月24日(金)16時58分18秒
「ちょっと、どこ触って…やっ、…」
同じ女の子同士なのに…なんで、こんなにも力の差があるの?!
「待っててば、ストップ!!」
・
・
・
「んぁ?…あぁ…。」
違う!ってば…。
断じてベッド脇のカーテンを閉めて欲しかった分けじゃない。
「大丈夫!」
「全然、大丈夫じゃない!」
「分かってるから……」
分かってない!!寧ろ分かってヤッテルなら最低だよ。
シャレになってない。
「痛っ…、もぅいい加減に…」
えっ?!て……、どこ行く訳?
- 235 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月24日(金)16時59分44秒
「あっ…、駄目だよ」
起き上がったら、またベッドに寝かされた。
でも、今度はさっき見たいに強引にじゃなく…。
「何で……。」
すると、ふにゃって笑った。
その顔は…全然、イヤらしくなくて…
その…なんていうか…なんか…。
「今、圭ちゃん呼んでくるから…」
「えっ…」
「すぐ、呼んでくるから…大丈夫だから…」
そういうと、保健室を出て行った。
すぐに、パタパタ走る音が聞こえて遠くなった。
−−−大丈夫だから。
って、そういう意味だったんだ…。
彼女は、少しも最低なんかじゃない…最低なのは自分だ…。
…まだ眠い……。
…いいよね…少しなら、だって保健室だし………。
- 236 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月24日(金)17時20分05秒
・
・
・
・
「ちょっと、後藤!どういう事よこれ!!」
「ん?建て付けが悪いからだよぉ〜」
「って、鍵壊してるじゃない!」
「圭ちゃん…廊下は静かにぃ」
ガラッ
ん、……先生きたのかなぁ?
「こら、後藤走るな…」
後藤?……。
「あっ…」
薄っすら明けたら、目の前にはさっきの彼女のドアップ。
…後藤さんっていうんだっけ?!
「圭ちゃん、呼んできたよ…」
そう耳元でいうと…離れてパイプ椅子に座った。
「んー、どうした?」
保田先生が、額に手をあてて聞いてきた。
「…えっと、…」
別にたいした事ではない、寧ろ全然健康体だとはいい難い。
- 237 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月24日(金)17時57分54秒
「んあ?具合が悪いに決まってんじゃん」
「あんたには聞いてないわよ!」
「柴田、熱ないみたいだけど…一応測ってみて」
体温計を受け取ると脇に挟んだ。
「寝不足かな?クマ出来てるぞ」
そういって先生は私の髪をくしゃくしゃなでた。
「……………」
「圭ちゃん、後藤の時と違ぅ」
「あんたは、いつも寝てるから大丈夫よ」
しばらく誰も声を発しないでいて…
でも、その無言の空間は…別に息ぐるしくなかった。
ピーッ、ピーッ、ピーッ。
しばらくして、体温計のアラームがなった。
「柴田は平熱なんど位?」
「えっと、…35度2、3分ですかねぇ…」
「ちょっと、あるかなぁ…まぁ、微熱って所だけど…」
先生は、用紙に書き込みながら聞いてきた。
「どうする?あと1時限だけど…早退する?」
「いえ、大丈夫です…」
「そう?まぁ、一応保健室にいなさい…」
「お茶位だすから…」
「後藤もぉ!」
「あんたは、授業でなさい」
「えーっ、ケメコのケチ!」
そういって子供みたいにホッペをつまんで
口を横に広げてる後藤さん。
その後、3人で笑った…。
- 238 名前:へたれな作者。 投稿日:2003年01月24日(金)18時09分24秒
- >227さん。
レス再びどうもありがとうございます。
やっぱレスもらうと書かなきゃと思います(遅いですが(苦笑))
>233 名無し読者さん
保全どうもです。
前回保全していただいた方と同じなのでしょうか?
メロン記念日は絶好調だというのに…
へたれな自分は絶不調です(苦笑)しばらく遅更新となりそうです。
- 239 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月29日(水)18時20分10秒
トントン
「失礼しまぁーす……。」
「あっ、柴ちゃん!!」
「んぁ、梨華ちゃん先輩!!」
えっ…?!
ドアの方へ向くと同時に、
梨華ちゃんがベッドに駆け寄ってくた。
「…やっぱりココに居たんだ、怪我でもしたの?」
言うが早いかギュッて抱きつかれて、
心配そうな目でみられる。
「…う〜ん、いや、……」
「?」
「ちょっと疲れただけ…かなぁ」
「本当に?」
この上目遣いに、よっすぃ〜もやられたんだろうなぁ…。
「本当だから…」
「昼間からねぇ…、眠そうにしてたし…
体育にも出てないから、心配したんだからね…。」
「ダッタラ、寝ようとしてたの邪魔しないでよね!」
額をコツンってぶつけて抗議する。
でも、すぐ間じかに見える目は潤んでるから…
やっぱり許してしまう。
「だってぇ…柴ちゃん、元気でも冷たいじゃない」
「失礼な…」
「はい、はい…保健室では静かにしなさい」
何時もの、口喧嘩(?)になる前に保田先生が止めに入ってくれた。
まぁ、口論になった所で梨華ちゃんが負けるのは目に見えてるけどね…。
- 240 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月29日(水)18時25分51秒
「そこの二人も、んな所に突っ立ってないで、
さっさと相手つれて帰りなさい…んっとに!」
ふと、梨華ちゃんの肩越しに向こうを見ると、
ある意味、みた事ないような顔で二人がこっちを睨んでたりして…。
何で?
よっすぃ〜は分かるとして…、後藤さん?も……?
そうなんだねぇ〜、ん〜モテル女は辛いね梨華ちゃん。
「ん?柴ちゃんどうしたの?」
「ん〜、あのさぁ…向こう…」
私の指につられる様に、梨華ちゃんが後ろを向くのを見計らって、
彼女のホッペにキスをした。
まぁねぇ…相手がいるから唇は保留って事…。
- 241 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月29日(水)18時26分27秒
「なっ、…!!!」
「んあぁぁ!!!」
へっへーんだ!どうだ?
「吉澤、イジケテないでさっさと石川連れて帰る!」
「後藤も、ほらっ…保健室閉めるんだから」
「柴田は……、」
「後藤が送ってく!!」
先生の声をさえぎる様にして、後藤さんが叫んだ。
「えっ、でも……」
断ろうとしたら…、
タタタッて走ってきて、
さっき梨華ちゃんがしたみたいに、ギュッてされてしまった…
「危ないから、後藤が送る!」
離れようとしてくれないし…断れなかった。
ドアを出る時、先生がバカップル…とか、若い奴等は…とか
なんとかいってたのが聞こえてたけど…気にしない。
- 242 名前:大丈夫!きっと大丈夫? 投稿日:2003年01月29日(水)18時29分23秒
結局、後藤さんに家まで送ってもらった…。
「待ってるから…、後藤。」
玄関先でそういわれたけど、未だどうとも返事できなかった。
中途半端にしとくのはすごく、ズルイ気がする。
それでも後藤さんは、いつも見たいにふにゃって笑って、
また明日!って元気に手を振りながら帰っていった。
この先どうなるかなんて分かんないけど…
まぁ、なんでか”大丈夫!”な気がする。
なんとかなるんでしょう?
『大丈夫?きっと大丈夫!』
〜END〜
- 243 名前:==本当の理由?== 投稿日:2003年02月10日(月)18時49分47秒
最近、ミキスケが冷たい。
そりゃぁ、ご飯炊いてくれるけど…。
お風呂だって、焚いてくれるけど…。
掃除だってしてくれたりするけど…。
冷たいんだもん。
最近仕事で一緒だし…、
前みたいに、中々2人で会えないって訳でもない…。
だけどさぁ…。
「なんで、溜め息つくんだよぉ…。」
そんな事いった所で当の本人は、スッカリ夢の中だから。
返事なんて返ってくる訳じゃないんだけど…。
「オイ、聞いてるのかぁ、ミキスケ。」
ベットに腰かけながら、頬をつついてやる。
自分の歌のプロモが終わっても、
すぐに、ごまっとうが始まって…。
コンサートだってあるし…。
分かってる…わかってるけどさぁ…。
ヤダ。
- 244 名前:==本当の理由?== 投稿日:2003年02月10日(月)18時51分37秒
「ねぇ、ミキスケ起きてよぉ。」
「…う〜ん?」
目ゴシゴシやりながら、やっとこっちを見てくれる。
「寝れない!」
「……………」
「……むぅ!もういいよ!」
「…うん?」
ミキスケは気づいてないかも知んないけど…
今、確かに、絶対溜め息ついたもん。
「ミキスケのバカ、アホ!」
イジケてる、私をミキスケは頭なでながら…
抱きしめるみたいに、ベットに引き寄せた。
「横になってるだけでも違うからさ…。」
分かってない、全然分かってない、何でわかんないんだよぉ〜!!
「……バカ……」
その言葉が聞こえてたか定かじゃない…、
多分聞こえてないんだろうなぁ…、
だって、また夢の中に戻っちゃったんだもん。
「ミキスケのバカ…、バカ、アホ…。」
そう、いってるうちにいつの間にか寝ちゃってたみたい。
気がついたら、朝だった…。
- 245 名前:==本当の理由?== 投稿日:2003年02月10日(月)18時53分03秒
「ちゃんと寝れたじゃん…」
「……うん……」
う〜、だってさぁ、だってミキスケの腕のなかは暖かかったし、
寝心地がよかったんだからしょうがないでしょ…。
「最近、ご機嫌斜めだったのは寝不足のせい?」
「……だってさぁ、…ミキスケがぁ…」
「ん?…あっ!!時間!あやちゃん早く準備してよ」
「抱っこぉ〜」
「うっ、……」
「はぁ…っとにしょうがないなぁ…」
ってミキスケは持ち上げようと手を伸ばしてきたけど…
それをかわしてベッドにもぐった。
「あやっぺ!!」
「…バカ、ミキスケのばかばかばかぁ〜」
「はぁ?」
「溜め息ついた…今すんごい嫌そうにしたぁ!!」
・
・
・
・
・
「はぁ〜!!」
思いっきり溜め息をついて、ミキスケは布団を剥いだ。
「ばぁかぁ〜はぁ、あやっぺの方だぁ〜」
そういって、キスしてきた。
唇を離した後の、ミキスケは顔を真っ赤にしてた…。
ミキスケ曰く、緊張したりドキドキしたりすると…
息を深く吐く癖があるとか…
嫌だから溜め息ついてる訳じゃなくて…ようは深呼吸だったと…。
だから今回だけは許す。
でも、今度ため息ついたら…わかるよね?
【END】
- 246 名前:<恋愛ゲーム> 投稿日:2003年02月10日(月)18時59分19秒
****************************************************
知らない方が幸せな事ってきっと在ると思う。
だって、知らなければ…
今は笑ってられたのだから。
良く間が悪いって言われてたけど…
この時程それを実感した事はない。
本当に偶然だった、うんうんもしかしたら…
故意にだったのかも知れないけれど。
恋人とその友達の会話を耳にしてしまった。
知りたく無かった真実。
否定された現実。
****************************************************
- 247 名前:<恋愛ゲーム> 投稿日:2003年02月10日(月)19時03分33秒
- 日が傾き始めて薄暗くなった放課後の校内は
昼間の賑わいとは打って変わり
ひっそりとしていて…どこか、薄気味悪い。
こんな所に長く居るつもりは毛頭なくて…
彼女を探して、すぐに一緒に帰るつもりだった。
静かな廊下に、かすかな音が響いてきて…。
ふとそれに耳を傾ける。
それが彼女の発する声だと分かるまでに
さほど時間は、要さなかった。
少しの好奇心に背中を押されるように、
私はそっと彼女達がいるであろう教室に近づいた。
「前回も後藤が勝ったし、これで3勝0敗!」
「ずっけーよ、ごっちん騙すんだもん!!」
「んぁ?…………じゃ…?」
「だっ…、…キスまで……………訳?」
「別に、キスだけじゃ落とした……ならないじゃん」
「なっ…、だって最後までヤル…‥‥聞いてないし」
- 248 名前:<恋愛ゲーム> 投稿日:2003年02月12日(水)12時12分59秒
「今回は、最後までいってそれでカウントね?」
「えぇー、そこまでウチに行けと…」
「後藤もう3人落としたけどさぁ…」
「げっ、マジ!?ウチまだ1人‥‥‥だけど…」
「1人に時間掛け過ぎなんだよ吉子はぁ…」
「真面目だといってくれぇい!」
「ゲーム‥‥‥だし、………!」
「………軽すぎ……だよ」
「………、市井ちゃん‥‥‥‥」
何!?
キスだとか、最後までヤルだとか…。
軽いとか…落とすとか…。
これって…、
肝心な事を聞きに出れるはずもなくて…。
私は急いでその場を後にした。
聞かなきゃよかったと後悔しながら…。
- 249 名前:<恋愛ゲーム> 投稿日:2003年02月12日(水)12時16分05秒
次の日、校門近くでひとみちゃんと会った…
「おはよう」って定番の挨拶を交わして
特に、何を話すでもなく一緒に下駄箱まで向う。
廊下を歩いている時、ひとみちゃんはしきりに
チラチラっと私の様子を窺ってた様だったけど…、
チャイムの音に促されるようにして、それぞれの教室に入った。
先生のまだ来ていなかった教室は、軽く賑いを見せていて、
普段だったら、どこかのグループに混じって参加したりもするけれど…。
昨日の今日で、そんな気も起きなくて、さっさと自分の席についた。
ぐたっと、机につっぷしているとタタタっと人の走る音が聞こえて。
クラスがある程度静かになった、
ガラッと勢いよくドアが開いて目をやると…
入ってきたのは、先生じゃなくて、息を切らした大谷さんだった。
「セーフ!!」
大げさに、両手を広げて野球の審判の様な仕草をしてみせた。
「2分15秒の遅刻」
腕時計を大谷さんの目の前に突きつけて、
冷静に突っ込みを入れたのは隣の席の柴ちゃん…。
- 250 名前:<恋愛ゲーム> 投稿日:2003年02月12日(水)12時18分39秒
「あゆみん〜、ツレナイ事言うなよぉ〜。私らの仲じゃん?」
「どんな”仲”な訳!?」
「後1回でトイレ掃除なんだよぉ〜頼むよ。」
「頑張って奉仕してね!」
「ケチ、ぜってぇ〜バックレてやるぅ…」
いつもの様に言い争いをしてたと思ったら
急に大谷さんが私の前の席に後ろを向いてドカッと座った…。
「あれ?、元気なさげだねぇ…」
「………………」
と思ったらじーっとこっちを見ながらそんな事を言い始める。
「トイレ掃除代わっちゃ駄目だからね!梨華ちゃん」
「んな事頼むかっつ〜の…」
「じゃぁ、何んで手なんか握ってるのよ」
「あゆみには関係ないじゃん…?」
「馴れ馴れしく名前で呼ばないでよ!」
そんな二人のやり取りをボーッとみてたら
急に何か思いついたみたいに大谷さんが叫んだ。
- 251 名前:<恋愛ゲーム> 投稿日:2003年02月12日(水)12時20分30秒
- 「あっ!吉澤ぁひとみぃ!!!」
その名前にビクッってなってしまう。
「なぁんだ、やっぱ吉澤がらみかぁ…」
バシッ!
「ってぇ〜何でなぐるかなぁ」
「鈍感……」
「…はぁ?」
柴ちゃんに引きづられる様にして…
大谷さんは自分の席に連れていかれる。
暫く、言い争いをしてたみたいだけど…、
視界の隅で、大谷さんが柴ちゃんに
お腹をパンチされたのが見えた。
お腹を押さえてる大谷さんをそのまま無視して、
柴ちゃんはこっちに戻ってきた見たいで。
柴ちゃんのバックで…大谷さんがベーって舌を出してるのが見える。
「……喧嘩でもした?……」
柴ちゃんは頭をポンポンってしながら…聞いてきた。
−−喧嘩した訳じゃないの。
「…うん、そんな感じ…なのかなぁ」
そういって曖昧に笑ったら、デコピンされた。
柴ちゃんは何か言おうとした見たいだけど…
ちょうど運悪く先生が来てしまって何も言わないままに席についた。
- 252 名前:へたれな作者。 投稿日:2003年02月21日(金)18時32分46秒
- へたれな作者。はへたれな為、諸事情により…
4月頭まで…更新できる環境ではなくなってしまいます。
誰も期待してないだろうけど…すみません。
UP出来る環境になりしだいUPしたいと思います。
放置ではないので…それだけでも宣言しときます。
- 253 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月14日(金)23時47分02秒
- あやみき(・∀・)イイ!!
また書いてくだせい(w
いしよし他もいつも読んでます、マータリ待ってます。
- 254 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月27日(日)23時59分44秒
- 保全
- 255 名前:へたれな作者。 投稿日:2003年05月29日(木)16時57分10秒
- ごめんなさい…まだ全然書けてません(汗)
近日中に少しでもUPしたいと思ってます。
レスだけ返しておきますね…。
>253 名無し読者さん
あやみき…喜んでもらえて幸いです。
更新の方はもう暫くお待ちください。
>254 名無し読者さん
保全、ありがとうございます。
おかげで倉庫送りを免れました(苦笑)
- 256 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月23日(月)23時34分23秒
- マターリ保全
- 257 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月13日(日)15時37分52秒
- 柴ゴマまた書いてください。
「大丈夫!きっと大丈夫?」最高でした。
柴ゴマここでしか見たことないので、ぜひお願いします。
- 258 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月08日(金)17時07分38秒
- ホゼン
- 259 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月31日(日)23時11分22秒
- 保
- 260 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/02(木) 19:14
- 全
- 261 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/05(水) 19:46
- 保全
- 262 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/16(火) 23:41
- hozen
- 263 名前:へたれな作者。 投稿日:2003/12/19(金) 19:33
- どうもお久しぶりです…、
どこが近日中なんだ!とお怒りの事と思います…。
しかし、未だにほとんど書けてません。_| ̄|○
約束はしない事にします。(汗)
ちょっと休憩で短編をひとつ(保全の意も込めて)
- 264 名前:《拘束したいのは何ですか…。》 投稿日:2003/12/19(金) 19:35
-
手かせが欲しかった…
欲望のままに動いてしまわないように…
自分自身を抑える為の脚枷が…
- 265 名前:《拘束したいのは何ですか…。》 投稿日:2003/12/19(金) 19:36
-
珍しく、二人で出かける事ができたあるオフの日。
ふと通りかかった道で、偶然見つけた店。
入ろうと彼女にせがまれて…
渋々じゃないにしても
やっぱりどこか違うセンスに戸惑いながらの入店。
店のなかは壁一つ隔てただけなのに、
中に入ると、完全に外の世界からシャットアウトされた様
一言でいえば…メルヘンワールド?
まぁ、男の人は入りにくい雰囲気ではある。
そんな店
彼女が大好きなピンク色で埋め尽くされている様な…
そんな店。
まるで、彼女そのものを象徴した様な…
そんな店。
- 266 名前:《拘束したいのは何ですか…。》 投稿日:2003/12/19(金) 19:39
-
その中に似つかわしくない雰囲気のコーナーが一角…
目を輝かせている彼女を置いて、ふとそっちへ足を向ける。
そこに並べてあったモノは、冷たい金属で出来た……。
「……、手錠?」
「…っ!」
何時の間に、来ていたのだろう…、
肩の後ろから覗き込む様にしながら不思議そうな目を向けてくる。
「どこに行ったのかと思ったら………
あぁ、それで誰か拘束するんだぁ」
カラカイ気味に、そんな声を上げる彼女は珍しい。
「……………」
「嘘だよ、大谷さんにでもあげるんでしょ?」
まるで、アナタの事ならなんでも分かるんだから…
とでもいいたげなその口調は、私たちが
仲の良い女の子同士の関係だと無意識の内に発気がする。
- 267 名前:《拘束したいのは何ですか…。》 投稿日:2003/12/19(金) 19:42
-
いくら、マサオがボーイッシュ担当でも…
さすがに、手錠はないと思う。
「そうかもね………でも、さぁ………」
「………えっ?」
「でもさ、珍しいよね…」
「珍しいね…。」
それは、私がそんなものに興味を持った事に対してか、
こんな所に、そんなものが存在している事に対してか。
どちらにしても、それは確かにあって…
片隅に、ひっそりと…それでも強く主張する様に…
存在しているのだ。
- 268 名前:《拘束したいのは何ですか…。》 投稿日:2003/12/19(金) 19:43
-
『柴ちゃんは、すっごいお姉さんなんですぅ』
―そんなんじゃない。
『私のコト守ってくれるんですぅ』
―そんなんじゃないよ…。
- 269 名前:《拘束したいのは何ですか…。》 投稿日:2003/12/19(金) 19:46
-
「ありがとうございます!」
愛想笑いと共に形式化された声が返される…。
嬉しそうに、何かを買う彼女とは裏腹に、
こっそり手錠を1つ買った。
- 270 名前:《拘束したいのは何ですか…。》 投稿日:2003/12/19(金) 19:48
-
手かせが欲しかった…
欲望のままに動いてしまわないように…
自分自身を抑える為に、脚枷が必要だった…
でも、きっともうこんなんじゃ足りない位。
欲望という名の力は大きくなりすぎてるんだろう…。
【END】
- 271 名前:へたれな作者。 投稿日:2003/12/19(金) 19:58
- レス返しを…。
>257 名無しさん
なんか、ごたごたな感じで終わった話ですが…
喜んで頂けて幸いです。
まぁ、柴ごまは書ければという事で…(期待しないでください)
>256、258ー262 名無しさん&名無し読者さん
保全ありがとうございます。
またしばらくPCに触れない日が続きます。
良くて1月下旬…。
それでは、また次回まで。
- 272 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/24(土) 20:35
- 保全
- 273 名前:名無しさん 投稿日:2004/03/11(木) 14:10
- 保全
- 274 名前:へたれな作者。 投稿日:2004/03/18(木) 16:36
- すいません…_| ̄|○
しばらく更新してないですが生きてます、
更新する気もあります。
- 275 名前:名無し読者さん 投稿日:2004/03/26(金) 14:17
- よかった。楽しみにしてます
- 276 名前:名無しさん 投稿日:2004/05/03(月) 04:31
- 待ち保全
- 277 名前:へたれな作者。 投稿日:2004/08/16(月) 18:01
- えっと…かなり停止してましたが、放置では無いです(汗)
更新する気もあります
今現在PCが動かせる環境ではないのでもう暫く待って下さい。
- 278 名前:へたれな作者。 投稿日:2004/08/16(月) 18:01
- えっと…かなり停止してましたが、放置では無いです(汗)
更新する気もあります
今現在PCが動かせる環境ではないのでもう暫く待って下さい。
- 279 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/27(土) 13:47
-
- 280 名前:甘い、あなたの味。 投稿日:2004/12/04(土) 16:06
- 梨華ちゃんは、甘い…。
ガチャッ、
控えめな音を立ててドアが開いたと思えば。
お得意のハの字眉毛で、瞳はうっすらと潤んでる…。
「美貴ちゃん、聞いてよぉ〜。あのねぇ…」
携帯をイジッテルこっちの都合なんてお構い無しで
ほら、甘い香り漂わせて、甘い声で囁くんだ。
悩み相談と称した、甘い二人の話をね…。
「ひーちゃんがね、『石川、キショイ!』って真里っぺと一緒にいじめるのぉ」
「……へぇ〜、じゃぁさ、美貴に乗り換える?」
ホンの数センチ近づけば、キスできちゃう距離で話す
梨華ちゃんの首に腕を回して、そっと耳元で囁いた。
- 281 名前:甘い、あなたの味。 投稿日:2004/12/04(土) 16:06
-
冗談半分、本気半分。
だけど、望みは0パーセントの駆け引きにもならない言葉遊び。
梨華ちゃんは、ドアを見つめる様に振り返った後、
美貴を見て笑いながらこう言った。
「……うん、いいよ!」
「美貴ちゃんは、優しくしてくれるでしょ?」
「…じゃぁ、さぁ」
美貴の声をさえぎる様に、携帯のバイブの音が響く。
「残念、タイムリミットだね……お姫様。」
「……、亜弥ちゃん?」
- 282 名前:甘い、あなたの味。 投稿日:2004/12/04(土) 16:07
-
フッと、二人の距離が広がって、王子様の作戦は見事成功したらしい。
「さぁ…」
「駄目ぇ、美貴ちゃんは私のだもん」
「いや、キショイから」
「ひっどぉい!…ウソ付きだぁ、優しくないじゃない」
「えぇー、美貴優しくするとは言ってないし」
「もういい!麻琴ん所に行くもん」
「はいはい、」
ちょっとすねた後姿を目で追いながら、
美貴の指は、携帯のボタンを押していく。
送信っと。
- 283 名前:甘い、あなたの味。 投稿日:2004/12/04(土) 16:08
-
梨華ちゃんと、入れ替わるみたいに、亜弥ちゃんが入ってきた。
まるで、自分の物みたいに、美貴の携帯をひったくって中を見る。。
「甘いねぇ…みきたんはぁ…」
「うーん、そうかなぁ…って、なんでここに入る訳?」
「突っ込みも、あ・ま・い!」
「手厳しいねぇ…まぁ美貴もそう思うよ」
- 284 名前:甘い、あなたの味。 投稿日:2004/12/04(土) 16:18
-
あまい、甘い…砂糖菓子みたいな、あまい梨華ちゃん。
胸焼けを恐れて、誰も手を出しそうになかったんだよ?
美貴が覚悟を決める前に、手に取ったのは…よっちゃんさんだった…。
ただ、それだけの事。
美貴食べてないのにねぇ、すんげー胸痛いわけ。
何でだろうねぇ…。
- 285 名前:甘い、あなたの味。 投稿日:2004/12/04(土) 16:20
-
「良い、お医者さん紹介したぁげよっか。」
「…へぇ、なんて名前?」
「………ん、松浦亜弥ってのぉ…えぇ、っと治療方法はぁ」
「うわぁ、ヤブっぽい…」
「荒療治に決定ぇ!」
次の瞬間。
グイって、胸元をつかまれて…目の前には亜弥ちゃんのドアップ。
目をつぶった瞬間に、唇が触れた……と思う…。
美貴から離れていく、亜弥ちゃんがスローモーションみたく見えた。
「…にゃはは、どう?」
「…いや、全然っ、くぅ効かないし…」
「泣いてすむなら泣きやがれ〜♪」
「っ、似てないから」
美貴は亜弥ちゃんにギュっとされて、久しぶりに泣いた気がした。
…なんだよ、美貴のが数倍甘いじゃん。
あまったるい、超がつく、甘ったれだよ。
- 286 名前:甘い、あなたの味。 投稿日:2004/12/04(土) 16:23
-
【EDN】
- 287 名前:へたれな作者。 投稿日:2004/12/04(土) 16:26
- 約1年ぶりの更新なのに…短編で申し訳ないです。
_| ̄|○ もう少し早い更新を目指します。
- 288 名前:==友達以上、恋人未満==(甘い、あなたの味。【松浦編】) 投稿日:2004/12/06(月) 19:21
-
−私が来てあげたのにそんな顔しないで。
- 289 名前:==友達以上、恋人未満== 投稿日:2004/12/06(月) 19:22
-
たんの所へ行くと、最近お決まりの渋い顔。
どうせ、いつもの事だろうとたんの携帯を盗み見る。
『よっちゃんさん。美貴を巻き込まない様に…』
「梨華ちゃんに手出してんじゃねぇよ!」
『次は、マコっちゃんだよ…。』
繋がってないようで、繋がっている会話…、
他人から見ればその奥の意味なんて到底分からない。
なのに分かっちゃう私…
人は、「さすが…友達以上。恋人未満。の仲だね」なんてちゃかすけど。
”友達以上。恋人未満。”なんて、結局の所は体のいい…理由づけ。
- 290 名前:==友達以上、恋人未満== 投稿日:2004/12/06(月) 19:23
-
「甘いねぇ…、みきたんはぁ…」
「う〜ん、そうかなぁ…って、なんでここに居る訳?」
無理して、突っ込んでるのがばればれ。
私を騙そうなんて100年早いんだから。
「突っ込みも、あ・ま・い!」
「手厳しいねぇ…まぁ美貴もそう思うよ」
ぼーっと、ドアの方をみながら…
手はグッとTシャツの胸元をつかんでる。
”痛いよ…”、みきたん自身、意識してないであろう声。
もしかしたら、口になんて出てなかったのかもしれないけれど…。
- 291 名前:==友達以上、恋人未満== 投稿日:2004/12/06(月) 19:25
-
−ねぇ、みきたん知ってる?
−それはさぁ、恋の病って言うんだよ。
−でもね、どんな名医だって治せない…
「良い、お医者さん紹介したぁげよっか?」
「…へぇ、なんて名前?」
そっけない…、興味なんてないくせに。
むしろ今は放って置いてって空気漂わせて、
そのくせ、そんな風にのっちゃって…
−甘いんだよ…たんは…。
「……、松浦亜弥ってのぉ…えぇ、っとぉ治療方法はぁ」
「うわぁ、ヤブっぽい…」
「…荒療治に決定ぇ!」
- 292 名前:==友達以上、恋人未満== 投稿日:2004/12/06(月) 19:27
-
−ねぇ、みきたん泣いていんだよ?
私の前でもそんな顔で、無理しないでよ。
だって…私たちは…”友達以上”…そうでしょ?
たんの襟元を無理に引き寄せるて、
誘われる様に、そっと震える瞳にくちづけた…
- 293 名前:==友達以上、恋人未満== 投稿日:2004/12/06(月) 19:27
-
我慢している涙を導ければ…
そう、それだけで良いなんて…やっぱり、きれいごと。
「…にゃはは、どう?」
「…いや、全然っ、くぅ効かないし…」
普段は、クールぶってる彼女を腕の中に抱きこんで。
ちょっとした優越感に浸りながら…
何時もと逆だと、ふと想った…。
- 294 名前:==友達以上、恋人未満== 投稿日:2004/12/06(月) 19:30
-
「泣いてすむなら泣きやがれ〜♪」
そう、全ての恋はシャボン玉。
結局の所。
私の方が、みきたんに甘々だよねぇ。
だからさ、たまには私の事も見て欲しいの…
”恋人未満”で、かまわないから。
【END】
- 295 名前:名無し 投稿日:2004/12/15(水) 21:14
- 面白かったです。
次回も楽しみにしています。
- 296 名前:へたれな作者。 投稿日:2005/02/20(日) 18:06
- どこらへんが早い更新なんだ!とお怒りかと思います、
いや、もう誰もみてないかもですが…_| ̄|○
今回は、<恋愛ゲーム(未完)>の番外編。
時系列的には、過去の話となっています。
多少キャラ設定等かわってしまってます…
がっ、よろしければどうぞ…。
本編は、もう少しお待ちを。
- 297 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:07
- ここは、日本。
どこにでもある普通の女子高。
なんでもない、普通の1日になるはずだった。
そう、十数年前に…
お菓子メーカーが、キャンペーンなんて打ち出してなきゃね。
- 298 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:08
-
2月14日。
本来の目的なんですっかり何のその…。
お菓子メーカーの狙いだって何のそのその…。
”友チョコ”なんてのが罷り通って…
でまわるチョコは、どれもそれも深い意味なんてこもってない。
女子高ならば、どこでもある普通の光景。
沢山の甘いチョコレート。
その中の、ほんの一握り、甘くてちょっぴり苦い、
そんなチョコがからんだお話。
- 299 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:10
- *****
「あっ、やっぱり準備してたんじゃない…」
部活に行く、塾に行く…理由はなんであれ、人気のなくなった教室に
ちょっぴりいやいや、かなり高い声が、ぽつんと…1つ。
「……………」
「えっ、何が?」
疑問の声など一切無視で話を続けようとする彼女は、石川梨華。
何故かこういう時に限って?彼女は空気が読めないらしい。
「私のじゃないって…」
冷たい声でさらっと否定したのは、
空気の読めない彼女曰く、無二の親友。
柴ちゃんこと柴田あゆみ、実はこの話の主人公。
「そうそう、あゆみが手作りなんて出来る訳ないじゃん」
めずらしく悪態をついてるのは、大谷さん家の雅恵ちゃん。
自称マサオ、ヘタレで低血圧。
軽くヒッキーなくせに、微妙にモテてる超鈍感。
- 300 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:13
-
「悪かったわね、女の子っぽくなくて」
「今頃、きづいたのかよぉ」
「えっ、え?あっ…、だって柴ちゃ、んがぁ!」
口を押さえられた梨華は、頭に???を浮かべながらも、
睨みあう二人の顔を交互に見やる事しか出来ない。
「ふぁんふぇ?ひぃばぁひゃん(何で?柴ちゃん)」
「良かったねぇ〜、今年は可愛い後輩から貰えて」
「……別にぃ」
空気は重く、軽い冷戦状態の二人の間で、
場違いに梨華の顔は赤くなっていく。
「んっ、ふぅひぃよぉ(苦しいよぉ(泣))」
「はいはい、惚気話聞いてあげるからぁ…おとなしく帰ろうねぇ…」
後一歩…、落ちる寸前で、
梨華はあゆみにすりびかれる様にして教室を出て行った。
- 301 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:13
-
- 302 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:20
- *****
「ねぇ、柴ちゃんどうして?」
「んー…」
「だってぇ、チョコ準備したんでしょ?」
「ん、あぁ…それはぁアイツが毎年貰えないって嘆いてるからぁ…」
ブツブツ、呟くように理由を付けるあゆみ。
「それにさ、っ今年は1個は貰えてたみたいだし…、いらないでしょ?」
「…だからって……」
「はぁ…、もういいのぉ、この話は終了ぅ!」
あゆみは大きな溜息をつくと、両手を高くあげてひとつ伸びをする。
すると今まで罰が悪そうにしていた、顔が急に不敵に笑う。
- 303 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:25
-
「むぅ、全然良くないんだからぁ…」
「そ・れ・よ・りぃ〜。梨華ちゃんはぁ、どうしたのかなぁ?」
「えっ?」
「クマが出来る位遅くまで、鏡相手に告白の練習でもしてた?」
「なっ、私の話は関係ない」
すっと梨華の目の下をかすめるように触るあゆみの手を
振り払うと、唇をとがらせる。
眉毛もキュット真ん中によせてお得意のハの字を描いている。
「年下のひとみちゃんはそんな梨華ちゃんに落とされちゃって」
「柴ちゃん!」
立場は一転すると、どんどん梨華が不利な方へと傾く。
「もうキスとかしちゃった?」
「なっ…」
「ほう、顔を赤くしちゃって可愛いねぇ…」
「オヤジなんだから!」
所詮あゆみの方が何枚も上なのだった。
- 304 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:27
-
*****残された一方は*****
*****
「はぁ、なんでこうなるかなぁ…」
後輩に貰ったチョコを目の前に、
一人教室に残された大谷は机につっぷしたまま
大げさに溜息をついていた。
とそこへ…。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャ―ン!!」
「いや、村っち呼んでないから…」
何故か机の下から飛び出してきた村田に
冷静な突っ込みを入れられる大谷はある意味すごい。
- 305 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:30
-
「ホウホウ、大谷君そんな事をいってもいいのかね?」
「何が?」
「これが、何かわかるかねぇ」
「はぁ…チョコレートじゃないんでしょうか?」
「ブッブー&ピンポーン」
「ある意味正解である意味不正解です。」
「……もう帰るから…」
どうにも、村田のテンションにはついていけそうにも無い。
音を立てて椅子から立ち上がると…ドアの方へ足を進める。
「いいにょかなぁ、帰っちゃって…
柴田君が誰にチョコを渡そうとしてたか
気にはならにゃぃのかねぇ」
柴田という言葉が出た瞬間、大谷の目の色が変わる。
胸倉をつかむと、強引に村田へと詰め寄った。
- 306 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:31
-
「ぐっ、苦しいから…」
「あ、あゆみが何だってぇ?!」
「げっほっ、げほっ、……これはぁ、
柴田君が準備した手作り本命チョコです!」
「なっ、なんで持ってるんだよぉ」
咳き込む村田を無視して、視線は完全に手の中にある四角い箱へ…。
それに気づくと、お得意のにやりという笑いをもらしながら、
箱を持つ手を左右に振り始める。
「さぁて、何ででしょうにぇ?」
「ぐっ、んなの偽物に決まって………」
「欲しい?欲しい?」
「村っちのは、ヤバイから要らないよ」
その箱の中身が気になるものの、
前に食べさせられた村田の料理を思い出してか
大谷は、意識はそのままに顔を背けた。
- 307 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:32
-
「あっそう…それじゃぁむあっちが美味しく頂くとしようかなぁ…」
そういって、ガサガサと包み紙を開けると中のチョコを取り出す。
「おぉ、本当に手作りだよぉ」
「推測で話してたのかよ!」
「おっ、チョコペンで相手の名前が書いてありゅ」
「…あっそう、だから何だよ……」
「何々、マサオへ、相手はマサオ君ですかぁ」
ニヤニヤ笑いながら大谷の方を見やる村田。
「どこぞのマサオ君だろうねぇ?」
「さぁ…」
- 308 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:33
-
「んじゃぁ、いただきまーす!」
「くっ、待った!」
危うく村田の口に入るところだったそれは、
大谷の一声でとどまる事ができた。
無論、村田にはこの声がかかる事はわかっていたのだが…。
この学校にマサオと呼ばれてるのは、
大谷しか居ないとかそんな単純な理由ではない。
まぁ、彼女は博士ですから。
「何かね、大谷君」
「………っ、いくら?」
「はぁ、なんて無粋な…愛を金で買おうというのかにぇ?」
「うっ、じゃぁどうすればいいんだよ」
「そうだねぇ、次のケーキバイキングの日におごるという事で…」
「分かったよ、おごりゃぁいいんでしょ?」
結局金じゃないかよ!という言葉をすんでの所で飲み込む。
ここで、切れてはチョコを手に入れられない。
- 309 名前:恋愛ゲーム〜番外編。〜 投稿日:2005/02/20(日) 18:35
-
「教育がなってないようですなぁ」
「…くっ、分かりました、奢らせて頂きます」
「はっはっはっ、それじゃぁ……あでぃゆー」
手早く包みを元に戻すと、大谷に向かってポーンとチョコをほおった。
「うわっ!…くっ、イッつ〜ぅ!!」
勢い余って机の脚に足をぶつけつつもなんとかキャッチする事に成功した。
「…………」
残っていた他のクラスの生徒も帰宅の路次についていて
とっくに、人っ子一人いないというのに…
キョロキョロと周りを見渡して、再度人が居ない事を確認する大谷。
1つ溜息をついた後、
丁寧に箱の包装紙を包みなおすと、慎重に鞄にそれをしまうのだった。
- 310 名前:へたれな作者。 投稿日:2005/02/20(日) 18:39
- 本日の更新は以上です。
続きは近々。
>295 名無し さん
ありがとうございます。
不定期ですが又暇なときにでも読んでやってください。
_| ̄|○…更新もレスなんてさらに久々で
どうやって返してたか忘れてた。
- 311 名前:へたれな作者。 投稿日:2005/08/23(火) 23:13
- えっと……
更新滞ってますが、書く気はまだあります。
- 312 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 03:34
- 突然失礼します。いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
- 313 名前:へたれな作者。 投稿日:2006/02/13(月) 00:16
- 一年も更新して無くてあれですが…
書くつもりですので…
_| ̄|◯お願いします
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