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運命の翻弄

1 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月15日(月)23時28分12秒
ちょっと歴史的な話が入ったいしよしっぽい話です。
2 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月15日(月)23時37分54秒
「援軍は・・・来ないのね。」 
あきらめきったような声でひざまずいている男の前で
似つかない軍服を着た少女はつぶやいた。



 
3 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月15日(月)23時46分58秒
その少女は報告を聞くと後ろの部屋に下がった。
そこには額にしわを寄せた男達が目を血走らせて話し合っていた。
少女に気付いた白髪の老人が叫んだ。
「おお、梨華様援軍は!?」
4 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)00時13分03秒
答えは解ってるのに・・・・・
そう思いつつ横に首を振る梨華
その場にいた皆ががくりと肩を落とした
しばらく沈黙が続く・・・
その場の静寂を破るかのように梨華は「この上はお父様とお義母様、それとカールはラヴェンナに逃げてください。
このミラノは私が守ります。」と言うと、
「それがいいわ、梨華さん、あなたが守ってくれるなら安心ね。遠慮なくそうするわ」と
梨華がお義母様と呼んだ人物が意地悪そうに言った。
「ナポリの軍勢が迫っています!フランスに亡命するにしてもここよりラヴェンナのほうが
近くてしかも堅固です。お早い決断を」と梨華は言ってその部屋を後にした。
5 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)00時15分07秒
あのー初心者なんでアドバイス下さい。
あ、それから最初はわかりにくいですけどどんどんわかりやすく
していきます・・・。
6 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)00時27分55秒
ナポリ軍宿営地
「いいか、みんな明日はミラノに着く・・・。敵の頼みとするフランスの援軍はまず来ないと踏んでいい」
ミラノは一日で陥落させる。いいな」
そこには冷静そうな顔、冷静な口調の軍服を着た少女がいた。
「姫・・・いやひとみ様そろそろおやすみになられては・・」
「いや、いいもうしばらく起きている」
そういうとひとみは幕舎からでていった。
7 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)00時43分00秒
           フランス パリ
「ねー後藤聞いた?ナポリ王国がとうとうミラノ公国攻めるんだって!」
「うそ・・!」
「ミラノには援軍出さないんだってさ。仕方ないよね・・この国も反乱が相次いでるわけだし。」
「梨華ちゃん・・大丈夫かな。」
「ナポリの軍に勝てる国はイタリアには一つもないよ・・。」
「よっすぃーのことだからひどい事しないと思うけど・・・」
「あんなに仲良かったのに・・・ね私達さ」
後藤と呼ばれた少女と金髪のちっちゃな少女は悲しそうにうつむいた。
8 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)00時56分56秒
           ミラノ 宮殿   某月某日  12時30分
斥候「ナポリ軍です!すぐそこまで迫っています!」
ミラノ公「・・そうか・・・・・梨華!梨華はどこにいる!?」
梨華「はいお父様、ここにいます。」
ミラノ公「お前も逃げろ・・・・死ぬのは私1人でいい・・」
梨華はもう無理ですよ・・逃げ切れませんといって微笑んだ
9 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)01時05分22秒
それから5時間後ナポリ軍はミラノの守備隊を蹴散らして王宮に迫った
そこには陣頭指揮を執るナポリ王女吉澤ひとみの姿があった。
「何を手間取っている!蹴散らせ蹴散らせ!敵はわずかだ!」と叱咤激励するひとみに
敵の王女が自ら守っていて敵の士気が高いのですと注進する者がいた。それを聞くや
「梨華・・」と誰にも聞こえないようにつぶやき前線へ向かった。
10 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)14時30分18秒
          ナポリ 王宮 謁見の間 18時頃
(ここまでか・・・)
そのとき石川梨華は限界を超える戦いをしていた。
周りにいる自分の兵士は満身創痍で20人にも満たないというのに
敵は次々と新手を繰り出してくる。
ここが突破されるのも時間の問題だった。
それでもなお奮闘を続ける梨華だったがそんな彼女に対して一発の銃声が響いた。
「いやぁぁぁーーっ」
梨華の肩を弾が貫通したのだ。梨華が倒れかけたのを周りの家臣が支えて
「姫、お下がり下さい!ここは危険です」
と言うが早いか梨華を奥へと連れて行った。
梨華の性格からして家臣を見捨てて逃げる事などできないと判断したからだろう。
梨華の後ろからは家臣達の最期の声が響いていた・・・・

11 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)14時40分58秒
10でナポリじゃなくてミラノです
          
12 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月16日(火)15時02分15秒
それから数分して吉澤ひとみが謁見の間に到着した
「敵は・・・?」
「皆殺しにしました!しかし敵の王女は奥へと逃げました!」
「そうか・・王女は私自身が追うからお前達は王を見つけだせ!王女はどこに逃げた!?」
「はっ!あちらです。」
兵士の指さす方にひとみは1人の供もつれず向かった。

             ミラノ 王宮 ある部屋
「姫、ここなら安心です。ここでしばらくお隠れになっていて下さい。傷薬を取って参ります。」
そういうとその兵士は部屋から出た。が、その瞬間その兵士は血反吐をはいて倒れた。
「な、何・・?どうしたの!」
そういって駆け寄ろうとした梨華だが足が止まった。
「ここにいたんだ・・・」
誰にも聞こえないような小さなつぶやきに梨華は戸惑った。
「だ・・誰よ」
そお言おうとしたときその声の人物から剣がくりだされた。
「やっ・・・・」
とっさのことにあわてた梨華だが剣を怪我をしていない左手でもってこれに応えた。
しかしその人物は梨華の左手を即座に捕まえてひねりあげた。
「いやっ!痛い!痛い!離して!」
そう悲鳴をあげる梨華から剣を取り上げるとその人物は梨華の後ろに回って剣を梨華の喉に突きつけた。
13 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月17日(水)20時58分26秒
「い、いや・・・助けて・・」
「・・・・・・」
「誰なの・・あなたは?」
「・・・・・・」
「それぐら・・・ひっ!ごっごめんなさい」
梨華に剣がゆっくりと近づけられたのだ。
「吉澤・・・」
「えっ・・?」
「ひとみ・・」
「よしざわひと・・・あっあああああーイやーっ!」
梨華の怪我をしている方の肩にじわじわと痛めつけるように剣が差し込まれたのだ。
「イヤっ!痛いっ!痛いよーーっ!抜いてーっ!」
この痛みに耐えかねたのか梨華の両眼からは涙がしたたり落ちていた。
しかし責め苦はそれだけでは終わらなかった、
ひとみは梨華の願いを叶えたかの様に剣をすっと梨華の肩から抜いたかと思うと
梨華の体の向きを自分の方に向かせて強引に抱きしめた。
「な・・っ」
しかし梨華は次の言葉を発することはできなかった。
「んっ・・・・・」
梨華の唇はひとみの唇に強引にふさがれていた。
これが二人の皮肉な再会と全ての始まりだった・・・・・。




14 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月18日(木)09時32分56秒
            第一章 再会 完結
15 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月18日(木)10時02分11秒
              第二章 梨華の処分(石川視点)
「んっ・・・ここは・・・・?」
(あれっ・・確か今は戦闘中のはず・・・どうして・・・・?)
「ここは地下牢だ」
「誰っ!」
「お前覚えてないのか・・?ひとみ様と戦って捕らえられたのを」
その時梨華はあの部屋での出来事を思い出した。
(そうだったわ・・あれからの記憶がないって事は気絶しちゃったのね・・私)
「今のうちにお祈りでもしときな・・なんなら神父様でも呼んでやるぜ」
「どういう意味ですか?」
「・・・・処刑の前のお祈りだよ」
(私殺されるのか・・しょうがないよね、私は敵国の王女だもんね。)
「まあ、まだそれは決まった訳じゃあない。だがお前にとって悪い知らせがある。」
「・・何ですか?」
「お前の父親のミラノ公は戦死した」
「えっ・・・」
梨華の声が牢中に響いた。
(そ、そんな・・・覚悟はしてたけど・・そ、そんなの・・・)
「うそよ・・・」
しかしその否定の声は牢番には届かなかった。
「まあ、気の毒だったな。まあ心配するな、お前もすぐ後を追えるさ」
(お父様・・・お父様・・・)
梨華は声にならない声で今は亡き父親を呼び続けた。
16 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月18日(木)10時30分37秒
               ミラノ 王宮 謁見の間
「断る!」
大きな声がその部屋中に響き渡った。
その声に続くように
「その通りだ!」
「我々をなめるな!」
などの声が発せられた。
「諸君の気持ちはわからないでもない。しかし従ってもらわなければ困る」
その冷たい声にさっきまで大声を出していた男達が凍り付く。
その場は一瞬静寂に包まれたが、その場の空気に耐えられなくなったのか最初に断るといった男が、
「き、貴様それでも女かーっ」
その言葉にを発するやいなや、
「ひとみ様を侮辱するとはゆるさん!」と周りの兵士達が次々とその男に槍を突き立てた。
「うっ・・梨華様・・」
その言葉がその男の最期の言葉となった。
それを見ていたひとみは眉一つ動かさず、
「見苦しい・・・町の外に捨ててこい」と冷たい口調を全く変えず言った。
その言葉に兵士達は即座に反応して肉塊となったその男を引きずっていった。
「さて、どうしても我々に従わないと言うのか?」
「くどい・・・」
先ほどより目に見えて男達の声は小さくなっていた。
「そう・・・しかたないな、おい衛兵、あの女を連れてこい!」
その言葉に男達は動揺し始めた。
「お、女とは・・・?」
「まさか梨華様は生きているのか?」
「馬鹿な・・・ミラノ公様と一緒に戦死なさったと・・」
彼らの予想は衛兵が連れてきた女とぴたりと一致した。
「みんな・・・」
彼らの聞き慣れた愛らしい声だった。
17 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月18日(木)18時19分39秒
              ミラノ 王宮 謁見の間
(みんな・・生きてたんだね、よかった・・・。)
自分の家来達が思っていたよりも多く生き残っていたことに梨華の顔からわずかだが笑みがこぼれた。
(やだ・・・こんな時に笑っちゃうなんて・・どうかしてるわ、私)
そんなことを梨華が考えている間に梨華は衛兵にひとみの前に連れて行かれた。
「梨華様!」
「ご無事でしたか!」
家来達から歓喜の声がわき上がった。
「みんなも・・無事でよかった・・」
しかし感動の再会はひとみの冷たい声でうち消された。
「そこまでにしてもらおう」
「あ、あなたは・・確かよしざわ・・・ひとみ・・さん」
「ひかえろ!ひとみ様に対してひとみさんなどとよぶな!」
周りの兵士達が怒りをあらわにした。
(そういえば、番兵がひとみ様って言ってたっけ・・何でそのとき気づかなかったんだろう)
梨華がそんなことを考えていると、ひとみは周りの兵士達を制して言った。
「ミラノ公国の家臣全員が我がナポリ王国に忠誠を誓わないのならばこの女は死ぬことになる・・・」
「なっ!」
「なんだと!」
ひとみはその声には反応せず続けて言った。
「だが、もしおまえ達が忠誠を誓うなら・・・」
家来達は何も言わずにひとみの次の言葉を待った。
「この女の命だけは助けてやる・・・」
18 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月18日(木)18時20分38秒
その言葉にも家来達はしばらく反応しなかったが、しばらくしてそのうちの1人が意を決したのか
「本当か・・・・・?」
ひとみはそれに対して凍りつくような笑みで応えた。
「わかった・・忠誠を誓う・・・」
と言うとその男はひざまずいた。
忠誠を誓うといった証だった・・・・・・
それに倣うかのように他の家来達もひざまずいた。
「いいだろう、ところでこの女の処分だが・・」
そう言うとひとみは梨華の方を見た。
「私の召使いにでもなってもらおう」
もう梨華には何も考えられなかった・・・・・・・・

第二章 梨華の処分 完結
19 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月18日(木)18時46分04秒
             第三章 ハロー騎士団
         
           ナポリ 王宮 王の間
「ごくろうだったな、ひとみ」
「・・・べつに」
「これでナポリはミラノを併合し、北イタリア征服は目の前だ」
「・・・おめでとうございます。父上様」
「うん、これもみんなお前のおかげだ・・・・・」
「・・・何か言いたいことがあるんですか?」
「いや、その言いたい事というか・・・うん、そのな感謝しとるんだ」
「・・・父上様?」
「・・・すまん!ひとみ、何も言わずにパリへ行ってくれ!」
「・・・どうしてですか?私はナポリ王国の後継者ですよ・・なのにどう・・」
ひとみが言い終わらないうちにナポリ王が言葉を発した。
「やはり女のお前には国は継がせられない・・国内外からの反発も大きい・・」
「そんな・・約束が違います!ミラノを滅ぼした暁には・・と」
「あきらめてくれ・・・・王位はお前の弟に譲る・・・」
20 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月18日(木)18時59分17秒
沈黙が親娘の間に流れた。
珍しく興奮していたひとみだったがしばらくして冷静さを取り戻して言った。
「じゃあ、どうしてパリへ?人質ですか?」
「悪く言えばそうなる。しかし正確にはそうではない」
「どういうことですか?」
「今我がナポリ王国はイタリア征服をめざしておる、しかしミラノを滅ぼした今、
フランスにとても近くなってしまった。フランス王国に媚びを売っておかねばイタリア征服など
とてもできない」
「それで私を人質に・・・」
「違うと言っているであろうが、最後まで話を聞け。最初は人質を送ろうと思った・・が
その旨をフランスに告げるとフランス王は騎士団に入れたらどうかと言われてな」
「・・騎士団ですか?」
「そうだ、ハロー騎士団と言って女だけだそうだ」
「ハロー騎士団・・・」
「行ってくれるな?」
「・・・わかりました」
「そうか、できるだけ早く出立してくれ・・」
「いえ、今晩立ちます」
「!・・そうか、体に気をつけろよ」
「・・・はい」


 
21 名前:ナナシー 投稿日:2002年07月18日(木)22時51分13秒
なんとなく、絵が浮かんできます。
吉の騎士姿似合いそう…
次回更新、楽しみにしています。
がんがってください。
22 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)00時09分12秒
>>21 ナナシーさん
どうもありがとうございます
状況がわかりにくければ言ってください
世界地図を見れば少しわかりやすいかな・・・
23 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)00時39分32秒
            ナポリ 王宮 ひとみの部屋
バタッ!
大きな音がしてドアが開いた。
「お帰りなさいませ、ひとみ様!」
召使い達の声が揃って聞こえる。
「旅の支度をして・・・」
「はい・・お出かけでございますか?」
召使い達をしきっている老女が聞き直す。
「何回も言わせないで・・・・・」
だるそうに答えるひとみに慣れているのだろう、
その老女は頭を下げると召使い達にてきぱきと指示し始めた。
「そう・・それはそこに・・ねえ、そこのあなた名前なんていったかしら」
「・・石川梨華です」
「石川さん・・・何度言ったら解るの?ひとみ様の命令がでたらすぐに動くって教えたでしょう」
「でも私・・何やったらいいか解りません」
「まったく・・・いい、あなたはもう姫様ではないのよ、召使いのそれも見習いよ!しっかりしなさい!」
老女のその言葉に梨華以外の召使いがくすくすといやな笑い声をこぼした。
当の梨華は、
「ご、ごめんなさい、わ・・・・わたし・・・ううっ」
と泣き出してしまった。
「泣くんじゃないよ、ひとみ様の前でみっともない!もういいから外にでてなさい!」
梨華は泣きながらその部屋から走り去った。
それまで椅子に座って何の反応も示さなかったひとみだったが梨華がいなくなると、
「・・・あの娘には礼儀は教えた?」
と突然話し始めた。
「え、ああ、はい一応言葉使いとかは・・」
「そう・・・今回の旅にはあの娘だけ連れて行く」
「えっ・・しかし身の回りのお世話などは・・」
「かまわない、あの娘に準備しとく様に伝えて」
ひとみが一度言った事に変更は無い。
老女は少しあきれたかの様に頭を下げた。
24 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)01時14分33秒
             フランス パリ ハロー騎士団本部
「なあ、今度来るやつって後藤と矢口の昔の知り合いなんやろっ、どんな娘や?」
「どんな娘って・・もう十年も会ってないし、ねえ、ごっつぁん」
「うん・・・」
「なんやねん、もったいぶるんかい」
「違うよ、裕ちゃん!本当にわかんないんだって」
「・・・でも」
「ん、でもなんや後藤?」
「昔はよく梨華ちゃんをいじめてた。」
「なんやそれー、それに梨華ちゃんって誰やねん?」
「知らないのー!?、裕ちゃん団長なのに情報知らなさすぎ!」
「いやーほんまに聞いたこと無いわ、わからんから教えて」
「ほんとに・・もうっ、ミラノ公国のお姫様だよ!」
「ミラノ・・・確かつい最近滅んだ北イタリアの小国家やな、ふーんそうなんや」
「そういえばさあ、いっつも吉澤がいじめて、梨華ちゃんが泣いて、最後は後藤と吉澤の喧嘩になってたよね」
「昔の話だよ・・そんなの」
「あのさあ、話の途中悪いねんけど何であんたらイタリアのお姫様二人と知り合いなん?」
「そうだよー、かおりもしりたーい!」
「わっ!いつから居たの圭織!びっくりするからやめてよー」
「まあいいから、いいから、どうしてなのー」
苦笑いする後藤だったが、話を始めた。
「実は・・私と矢口さんはイタリア出身の貴族なんだ。今のフランスの家は養女として来たところ、
まあ遠縁なんだけどさ。十年前は今と違ってイタリアの諸国は仲良くしあっててさ、パーティーも
よく開かれたから、そこで一緒に遊んでたってわけ」
25 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)01時15分34秒
「そうやったんか・・・それで梨華ちゃんはどうなったんや?ミラノは滅んだんやろ」
「わかんないよー、消息不明だってさ」
「それなら、その吉澤って娘に聞けばいいじゃん!」
「いや・・圭織・・それはちょっとまずいやろ」
「どうして?」
「どうしてってなあ、考えたらわかるやろ?吉澤はミラノを滅ぼした張本人やぞ?」
「だから〜一番早いンじゃん!」
(あかん、この娘には何言っても無駄や・・)
そう思って説明をあきらめた中澤だった。
26 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)01時30分14秒
              フランス ベルサイユ宮殿
「そなたがナポリ王の娘の吉澤ひとみか?」
「・・・はい、陛下」
「そなたはハロー騎士団に配属されるわけだが、よいな?」
「・・・はい、陛下」
「よかろう、この者が案内する、ついて行くがよい」
フランス国王に言われた人物は人なつっこい笑顔で話しかけてきた。
「いや〜よろしくよっすぃ〜っ!私の名前はね安倍なつみっ!なっちでいいよ〜」
「よっすぃ〜?」
「あ、何で知ってるって思ったっしょ?矢口やごっつぁんから聞いたんだなー」
「吉澤ひとみです・・よろしくお願いします」
「あ・・よ、よろしく」
最初は歩きながら笑顔でしゃべりまくっていたなつみだったがひとみの冷たい表情と言葉に
言葉を失ったようだった。
27 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)18時20分54秒
            フランス パリ ハロー騎士団本部
「さあーいよいよやで、どんなつらしてるか拝ましてもらおうか」
「裕ちゃん!団長なんだからちゃんとした言葉使いをしてよね!」
「わかった、わかったよ〜矢口はかわいいな〜」
「関係ないでしょ!」
そう言ってふくれっ面をした矢口だったがまんざらでもなさそうだ。
「あっ!ナッチが帰ってきたよー」
飯田の声にみんながふりむいた。
28 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)18時39分23秒
「みんな、ただいまーっ」
「おかえりナッチ、ってあれっ吉澤さんはどうしたのー?」
「うん、なんか少し休んでから来るってさ、長旅に疲れたんだって」
「なんやそれ!ったく最近の若い奴は・・・」
「裕ちゃーんそれって自分が若くないって言ってるのと同じだよ」
「なんやと、矢口!いつからお前はそんな口が叩けるようになってん!」
「まあまあ・・それでさぁ、ナッチ、ちゃんとよっすいーにここの場所教えたの?」
「あっ・・・忘れたべさ・・・・」
「何だよそれーっ!全く・・・しょうがないなーっ、私がよっすぃーの宿舎まで行って来るよ」
「悪いね、矢口」
「その代わり・・・・」
「何?」
「キスさせて」
「えっ・・・やだよー」
「なんだよー、いいじゃんか」
そう言うが早いか矢口は安倍の唇を奪った。
しばらくして、矢口の唇が安倍の唇から離れるやいなや
なつみは、
「何するべさ!」と言って顔をしきりに赤らめていた

29 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)21時24分33秒
フランス パリ 吉澤の宿舎
「えーと、ここか・・・」
矢口は安倍に教えられた宿舎のドアを叩いた。
「はい・・少しお待ち下さい」
(うわーかわいい声だなー。よっすぃーの召使いかな?)
そんなことを考えながらドアの開くのを待つ矢口だった。
しばらくすると、ガタッとドアが開いた。
「申し訳ありません、お待たせしました。どちら様でしょうか?」
その時矢口は即座に反応できなかった。
はっきり言うと見とれていたのだ。
ドアを開けた召使いとおぼしき女性に。
「あの・・・どちら様ですか?」
その言葉でようやく矢口の思考回路は再び起動した。
「あっ、あのよっ・・いや吉澤ひとみさんいますか?」
矢口の言葉にその女性は微笑みを浮かべて答えた。
「はい、ご主人様ですね。今お呼びして参ります。失礼ですがお名前を・・?」
「あっ、ああごめんね。おいらの名前は矢口真理ってんだ。ハロー騎士団の者だけど・・」
「はい、わかりました。それでは中に入ってしばらくお待ち下さいませ」
そういうとその女性は奥へと消えていった。
(なんかあの子、どこかで見たことあるような・・・)
自分の記憶をたぐり寄せながら矢口は宿舎の中に入ってそこにあった椅子に座って
吉澤が来るのを待った。




30 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)22時20分23秒
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(・・・何よ〜ゆすらないでよ〜)
「・・ち・・さん、・・ぐち・・」
(な、なんなのよ〜)
「・・きてください・・やぐちさ・・」
(ん、今起きてって聞こえたような)
「起きてください、矢口さん・・・」
(何言ってんの、矢口は起きてるよ・・)
「ご主人様、矢口さん起きません・・・どうしましょう」
「何言ってるんだよ!おいらは起きてるよ!」
矢口は気づくと椅子を倒して立っていた。
(あれ、やっぱり寝てたのか?)
どう見てもさっきまでの世界違う。
さっきまでの世界とは矢口の夢のような世界なのだが・・・
しかも・・・
「矢口さん・・口元・・」
さっき吉澤を呼びに行った女性が可笑しそうに言った。
(あっ!よだれだ・・はずかし〜)
矢口は照れ笑いをしながら急いで口元をふいた。
その時、
「矢口さん、お久しぶりです」
と矢口の後ろから話しかけてくる人物がいた。
「あっ・・よっすぃー!?」
「そうです。可愛くなりましたね矢口さん」
「な、何言ってるのよー」
つい最近にもこんな事を言われたのを覚えてないようだ。
それに対する自分の対応も・・・

31 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)22時52分10秒
「それでは私は用事をして参ります」
そう言って召使いの女性はその場から離れた。
「あっ寝ててごめんね、そんなつもりはなかったんだけど」
「いいんですよ」
「それにしてもよっすぃー・・・なんていったらいいのかな・・」
「なんですか?」
「うーん・・男っぽくなったていうか・・かっこよくなったよね」
「そうですか・・」
(やばっ!怒ったかな・・・・?)
吉澤の冷たい反応に矢口は少し身を固くした。
少し話題を変えようと矢口は召使いの女性の方を見て、
「あのさー、あの娘なんて言うの?可愛いよねー」
「あ、あの娘ですか・・・矢口さんの知ってる娘ですよ」
「え、やっぱり・・そう思ってたんだよね・・誰だったかな・・」
「石川梨華ですよ・・・」
「えっ・・・」
矢口の顔から血の気が引いた。
32 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)23時55分08秒
            フランス パリ ハロー騎士団本部
「矢口遅いねー、ねえナッチ」
「知らないよ!矢口の事なんて!」
「まだ怒ってるのー?いいじゃんキスぐらい。女同士なんだし」
「ちょっ・・圭織!他人事だと思ってさあ・・」
「あ、矢口だぁー、おーい矢口ー」
「無視すんなよー」
「矢口の後ろに二人いる・・どっちが吉澤さんなのかな」
「二人?」
「何で二人もおるん?」
「そんなのわかんないよー。あ、でも1人は召使いの恰好してる。」
「圭織、よくそこまで見えるなー。あんな遠いのに」
「へっへーん」
「ま、あの子らがここまで来るまで待とか」
33 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)23時56分45秒
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ただいま戻りましたぁー」
「どうした矢口元気ないで」
「うん、まあね・・。あ、紹介するねこの娘が吉澤ひとみさん。ほらみんな自己紹介して」
「おほんっ!えーっ、私がハロー騎士団団長の中澤裕子や。よろしくな」
「えっと飯田圭織で〜す。カオリンでいいよ。」
「あ、安倍なつみです。もう知ってるよね。」
安倍にはまだ吉澤が少し怖く見えるらしい。
「いまこの本部にいるのはこんだけや。他の団員は反乱鎮圧に行って留守や」
「ねえ、吉澤さん。その娘は誰〜?、すっごくかわいい〜」
「私の召使いの石川梨華って言います」
「ふーん、そーなんだ。よろしくね石川さん」
(納得するなよ!)
そう思う矢口だった。
「え、どういうこと。石川梨華ってもしかしてミラノのお姫様ちゃうの?」
「その通りだよ」
代わりに矢口が答えた。
「梨華ちゃんは家来達の命のためによっすぃーの召使いとして働いてるんだって。
家来達も同じく梨華ちゃんのためにナポリ王国に忠誠を誓わされてるそうだよ」
「ほんまなん、吉澤?」
「はい」
「それはむごくないか・・・ちょっと」
「いいんです!」
初めて梨華が口を開いた。
34 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月19日(金)23時57分33秒
「これは私達の国の問題です・・」
「いや、そういってもなミラノ公国はフランスの同盟国やったわけやし。その姫様が
召使いやなんてフランスの面子にもかかわるんやわ」
「・・・ふざけないでください」
「何?」
「あなた達フランスはミラノの援軍要請に全く応えてくれなかったじゃないですか!
それを今更になって面子ですか?・・ひどすぎます」
そう言うと梨華は泣き出してしまった。
中澤は頭をかきながら矢口に目で助けを求めたが矢口とてどうしようもなかった。

第三章 ハロー騎士団 完結
35 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月20日(土)04時48分18秒
第四章 反乱
             フランス パリ ベルサイユ宮殿
「陛下、お呼びでございますか」
「おお、中澤か。そなたを呼んだのはそなたに聞きたいことがあったのだ。」
「はて、何でございましょうか?」
言われることは解っているくせにわざと中澤はとぼけた。
「ナポリから来た吉澤の召使いがミラノ公の娘と聞いたのだが」
「はい、その通りでございます」
「ふむ・・・こまったのお。それを許せばフランスの面子は丸つぶれだ。
かといって反乱の相次ぐ今、ナポリとの仲を悪くするわけにはいかんし」
「陛下、それにつきましては私に考えがございます」
「ほう・・・何かな」
「石川も騎士団に入れてはどうでしょうか」
「何?」
「そうすれば、一応フランスの面子も立ち、ナポリも文句はつけられないでしょう」
「・・・・・・・・・・・よかろう、そなたに任せる」
「ありがたき幸せ」
中澤の退出する足取りは軽やかだった。
36 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月20日(土)05時05分06秒
            フランス パリ ハロー騎士団本部
「私が騎士団に・・ですか?」
「そや、陛下のご指示や」
「で、でも私は・・・・」
「なんや、陛下の命令が聞けんのか?」
「いえ、でも・・・・」
チラリと吉澤の方を見る石川を見た中澤は、
「吉澤、おまえはどうやねん。かまわんよな?」
「べつに・・・・・・」
「よっしゃ、それなら後はあんたが決めることや」
「あ、あの私・・その・・」
「ん?」
「・・・・・・・入ります」
「そうか、おーいみんな聞きや!団員が又増えたで」
「おめでとう!石川!」
吉澤をのぞいた3人から祝福の声が響いた。
「ありがとうございます・・」
対照的に石川は少しもうれしそうではなかった。

37 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月20日(土)21時55分05秒
フランス パリ とある街道
「矢口さん、お話って何ですか・・?」
「なんだよ〜、矢口さんなんて言うなよ〜。昔よく遊んだじゃん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ん?どうした石川?」
「あの、矢口さん。私、矢口さんと昔会った覚えは無いんですけど・・・」
「また〜。何言ってるの!」
そう言うと矢口は梨華の肩を力一杯叩いた。
「痛いです・・矢口さん」
梨華の目が少し潤んでいた。
「本当に覚えてないの?」
矢口が石川の顔をのぞき込んで訪ねた。
「はい・・・・・」
矢口は愕然とした。
「そんな・・・・じゃあよっすぃーの事も、ごっちんの事も覚えてないの!?」
「ご主人様にお会いしたのは最近です。それにごっちんなんて・・・・」
(ご主人様って・・もう敬語が身に染みついちゃってるよ)
そう思いつつ何とも言えない顔になっていた矢口であった。
38 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月20日(土)22時22分29秒
             南フランス ボルドー 周辺の陣地
そこでは3人の騎士が作戦会議を行っていた。
「今の兵士では数が足りないか・・・」
「そうだねー。いくら騎士団が強くてもこの数の差は埋めきれないよ」
「ねえ、後藤あんたパリに戻って援軍を頼んでよ。」
「うん・・ボルドーの反乱軍がこんなに多いなんて思わなかったね」
「圭ちゃんと私はそれまでここをくいとめとくから」
「だいじょーぶ?いちーちゃん」
「守るぐらいならなんとかね・・・」
その言葉を聞くと後藤は安心したかのように笑みを浮かべすぐにパリに発った。
39 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月20日(土)23時00分36秒
             フランス パリ ベルサイユ宮殿
「・・・・というわけで援軍を要請します。」
よっぽど急いで戻ってきたのか後藤はぼろぼろの軍服のままだった。
「ふむ・・市井が弱音を吐くとは珍しい」
「今回は敵の数が多すぎます!敵は我が軍の8倍です!」
後藤の目に妖しい光が浮かんだ。
「わかった、わかった。そういきり立つな」
「援軍を出していただけますね!?」
「・・・うむ。援軍の将は中澤でよかろう」
「ありがたき幸せ!」
それだけ言うとすたすたと後藤は退出した。
(師が師なら弟子も弟子だな・・・)
後藤の剣幕に市井の面影を見たフランス王であった。
40 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月21日(日)21時10分01秒
南フランス ボルドー 
後藤が援軍を求めている間に反乱軍は鎮圧軍が少ないのを見て一気に攻撃を掛けてきていた。
反乱軍二万五千人、鎮圧軍三千人である。
いかに反乱軍をなめていたかが解る。
「圭ちゃんは左翼を守って!私が中央と右翼を守るから!」
「わかった!気をつけてね紗耶香!」
味方の前衛は既に崩れ始めているのが見て取れた。
しかし、
「ひるむな!押し返せ!」
市井の姿とこの一言で兵士達は再び敵に向かった。
今まで市井が大敗したことはかつてない。
その事を知っているから兵士達は勇気を持って敵に向かうことができるのだ。
それにしてもこの数の差は大きすぎた。
『後藤・・・援軍はまだなの?』
41 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月21日(日)22時01分37秒
            フランス パリ ハロー騎士団本部
後藤の救援要請によりハロー騎士団に出動命令が下されていた。
「ええか、援軍は二万人。総司令官は私になった。矢口と圭織には副司令として
来てもらうとして・・ナッチはいつも通り留守をを頼むな」
「うん、わかった」
その時いつもは何も話さない吉澤が安倍に話しかけた。
「いつも通りって?」
吉澤に話しかけられた事を少し戸惑った安倍だがすぐに、
「私ね、二年前戦いで大怪我を負って剣をふりまわせなくなったのね。本当はその時騎士団やめなきゃいけなかったんだけど裕ちゃんが陛下に頼んで残してもらったの」
「まあな、ナッチは人気があるからな〜。やめさせたら騎士団のイメージが悪くなるやろ?」
「なにそれ〜。そんな理由だったの〜?」
「冗談やって、そう怒るなや」
その時後藤の怒声がとんだ。
「ちょっと、早く会議を進めてよ!こうしている間にもいちーちゃんと圭ちゃんは・・・・!」
「わかった、わかった。だいじょーぶやって!市井は騎士団の中でナンバー2の戦上手やで?」
「それでも早く!」
「解ったって言ってるやろ!それより後藤着替えてき!胸まで見えかけとうやんけ!」
中澤のその言葉にようやく自分の服の状況に気づいた後藤は顔を赤らめて服を着替えに行った。
「ったくあの子は!市井の事になるとムキになりよるわ」
「しょうがないよ〜愛の力ってやつだべ?」
「ハロー騎士団は原則として恋愛禁止や!」
「女同士の恋愛も?」
「うっ・・・!それは・・・」
「そんな決まりはないべさ?」
安倍の正論に中澤は返す言葉を失った。
42 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月21日(日)22時03分19秒
その時石川と矢口は小声で会話を交わしていた。
「ねえ、今出ていったのが後藤なんだけど本当に覚えてないの?」
「はい・・・・」
「そっかぁ〜。どうして覚えてないんだろうねえ、ねえ、よっすぃー?」
「さあ・・・」
「なんだよ〜。石川は昔よっすぃーと遊んだ事も覚えてないんだぞ!気にならないのかよ!」
その言葉に吉澤は多少動揺した様だったがそれは一瞬だけだった。
「今はただの召使いですよ・・・」
「ったくさ!冷たいご主人様だこと!」
そう言うと矢口は立ち上がって安倍と中澤の話の間に入っていった。
「ご主人様・・・申し訳ありません」
「・・・・・・・・・・・・」
43 名前:筆者からのお願い 投稿日:2002年07月21日(日)22時10分11秒
              お願い
え〜っと読者の方いるかどうか解りませんがおられましたら
男の登場人物考えて頂けませんか?つんくとかのぞいて・・・
全然足りなくなってくるんです・・・・・・この後の展開からして。
44 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)13時31分59秒
とりあえずお願いします。できるだけ早く教えていただくと幸いです。
それでは続きを書かせてもらいます。
45 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月22日(月)13時51分35秒
しばらくして安倍と中澤の言い争いは終わった。
「ほんまに・・ナッチには口では勝たれへんわ」
中澤の事実上の降伏宣言に安倍は得意そうに微笑んだ。
「可愛い顔してるくせに・・まあ、ええわ。会議を続けるで!」
「だいたいは決まったから・・・あとはよっすぃーと石川だね」
「あんたら実戦経験あるよな。じゃあ大丈夫やな」
「はい」
「・・・・・はい」
「じゃあ準備しときや。明日の未明出陣や」
中澤の目つきは先ほど言い争いをしていたときとは大きく違っていた。
それは安倍、飯田、矢口の3人も同じだった。

46 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)14時22分02秒
             フランス パリ 吉澤の宿舎
「お食事が出来ました・・」
「・・・・・・・・・・・」
梨華は頭を下げるとひとみの剣と自分の剣の手入れを始めた。
ひとみはそんな梨華を見ながら何も言わず梨華の作ったスープを飲んだ。
そしてスープを飲み終わるとだるそうに寝室に戻った。
それを見た梨華は急いでワインをしまっている場所から取り出してグラスを持ってひとみの寝室に向かった。
寝る前にワインを飲むのがひとみの癖なのだ。
梨華はひとみの寝室のドアをノックして
「失礼します、ワインをお持ちしました」
そう言うと寝室に入ってグラスにワインを注いだ。
ひとみは考え事をしているようだった。
梨華がグラスをひとみの前に置いて立ち去ろうとしたその時
「えっ!?」
梨華は手首が何かに掴まれている事に気づいた。
「ご主人様・・・」
ひとみは何も言わずに梨華をベッドの上に引っ張っていき、そして押し倒した。

47 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)14時44分02秒
梨華は何が起こったのかまだ解らないようだ。
ただひとみの目をじっと見つめ続けている。
しかしひとみの手が服にのびるとその態度は急変した。
「いやっ!やめて!」
急いで身をよじって逃げようとする梨華だったが、力の差は歴然だ。
あっという間に押さえつけられてしまった。
「お願い・・・やめて・・・」
涙混じりの眼で懇願する梨華だったがひとみは全くお構いなしに
服を脱がせ始めた。
「いやっ・・・見ないで・・」
梨華がそう言うのも当然だ。服の下は何も着ていないのだから。
しかし、ひとみは梨華をひととおり脱がせ終わると梨華の上から立ち上がって寝室から出ていった。
「えっ・・・?」
こういう事は未経験な梨華だが、この後何をするかぐらいは知っている。
ひとみが突然部屋を出た事に戸惑った梨華は何もすることができなかった。
そしてすぐにひとみは部屋に戻ってきた、手に何かを持って・・・。
梨華はそれを見た瞬間顔色が変わった。
それはまるで生き物のような革鞭だった。
48 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月22日(月)17時02分36秒
ひゃ!!こわっ!!革鞭!!
読んでるんで、がんばってくださいな。

男の名前は適当じゃまずいの??
49 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)17時15分32秒
            フランス パリ 城門 未明
そこにはハロー騎士団と、二万人の軍勢が集結していた。
「全員集合したな。石川!あんた青い顔してるけど大丈夫か?」
「はい・・・大丈夫です」
「そうか?しっかりしいや!」
そう言うと中澤は石川の背中をおもいっきり叩いた。
中澤としては気合いを入れるつもりだったのだろうが・・・・
「ひいっ!」
石川のかん高い声がまだ太陽の出ていない空に響いた。
「どうしたんや、石川〜?涙でとるで・・ほんまに大丈夫か?」
「はい・・・大丈夫です!」
「ほんまに・・騎士やねんからあんま泣くなや」
「すいません・・・」
(吉澤は・・・大丈夫そうやな・・。あんまこの子に話しかけたくないわ。)

こうしてパリからの援軍は出発した。
援軍の内訳はこうなっている。
総兵力 二万人
総大将 中澤裕子
副将 飯田圭織 矢口真理
副官 ・・・・・
砲兵司令官 ・・・・・
弓兵司令官 ・・・・・
歩兵司令官 ・・・・・
斬り込み隊長(歩兵所属) 吉澤ひとみ
弓隊隊長(弓兵所属) 石川梨華
こうしてボルドーの戦役が始まることになる。
50 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)17時19分10秒
>>48 名無し読者さん
読んでくださっている方がまだいてほっとしています。
書く気力がわいてくるというものです。
男は悪役に使いたいのでどうしても・・・
つんく、たいせー、あとふたりぐらいなんとかならないでしょうか?
51 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)17時24分04秒
          第四章 反乱 完結
52 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)17時24分56秒
           第五章 ボルドーの戦役    
53 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)17時39分21秒
             南フランス ボルドー
「あと三日もてばいいほうだよ・・」
「弱音を吐くなよ、圭ちゃん!後藤は必ず援軍を連れてくる」
「うん・・・それは信じてるけど・・・。もう半分の兵が死傷してるし」
「負けるわけにはいかないんだよ・・・」
「えっ?」
「何時までもナンバー2でいたくない・・・」
「紗耶香・・・」
保田には市井の気持ちがわからないでもなかった。
市井は負けるような戦はした事はないが華やかな勝利を飾ったことはそれほど無いのだ。
「しょうがないよ。あの娘は、外国で戦ってたんだから。」
「だからこそ・・・負けられないんだよ!圭ちゃん・・・・」
「わかったよ、紗耶香!がんばろう!」
「うん・・・」
54 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)18時04分33秒
    南フランス ボルドー 
「突撃ー!!」
反乱軍の総攻撃が再び開始された。
反乱軍はもう既に荒れ果てている農園を改めて踏みつぶすかのように
雲霞のごとく襲ってきた。
市井、保田も負けずに反撃を開始するが・・・・
「第一砲兵隊 弾薬つきました!」
「第四弓兵隊 矢を使い果たしました!」
もう残された手は白兵戦(歩兵、騎兵によるぶつかり合い)
しかなかった。
しかしまともにぶつかるなど無謀にすぎない。
「もうだめか・・・」
幕舎から出て戦況を眺めていた市井はついに抵抗を諦めた。
「降伏の使者を・・・」
そう副官に伝えようとしたその時・・・・
「紗耶香〜!!」
「この声は・・・矢口!?」
「はあはあ、紗耶香!間に合ってよかった・・・」
そう言って矢口は乗っていた馬を飛び降りた。
「矢口が援軍の総大将なの!?」
「ううん、違うよ・・・総大将は裕ちゃん。私はとりあえず騎兵だけ連れて急いできたんだ」
「そっか、ありがとうね。矢口」
「いいって事よ!さあ蹴散らそうか!」
そう言うと矢口は自分の部隊の所に戻っていった。
それを見送る市井の心境は複雑だった。
一番助けられたくない相手に助けられたのだから・・・・・
55 名前:名無し 投稿日:2002年07月22日(月)21時49分46秒
うーん、シ○乱Qのメンバーとか娘。の前マネージャーとかかな?

あと、レス以外の更新はなるべく「sage」ボタンにチェック入れると
良いと思いますよ〜
自分も読んでいるので頑張って下さ〜い♪
56 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)22時15分33秒
>>55 名無しさん ご忠告と愛読ありがとうございます。
ちょっと長くなりますが最後までつきあってください。
放棄は絶対しませんから!!
57 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)22時51分46秒
矢口と騎兵隊が到着したことによって市井、保田の両軍は元気を取り戻した。
しかし、弓矢と砲弾が無いのは致命的だ。
敵の激しい砲撃、矢の嵐により矢口の部隊も本領を発揮できない。
「くっそ〜!後続の軍はまだかよ!」
矢口は時折後方をにらむがそこには傷ついた市井と保田の軍しか見えない。
「しょうがね〜!やるっきゃねえよ!」
矢口は自分の部隊をまとめると敵の放火の中に斬り込んでいった。
58 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)23時37分30秒
         南フランス ボルドー近くの街道
「後藤、あとどれくらいや?」
「あの砲煙があがっているところだからもう少し!」
「そうか、急がなあかんな・・」
中澤は今全軍を大急ぎでボルドーに向かわせていた。
後藤の報告から判断すると市井達の軍はもう武器弾薬が尽きてると思われるからだ。
そのため矢口に先に行かせたが矢口が率いているのは騎兵だけである。
市井達を救うには本隊の一刻も早い到着が必要なのだ。
「矢口・・・・無茶してへんやろか・・・・」
中澤は矢口の身が急に心配になってきた。
「急げー!もっと急げー!」
中澤は不安を振り払うかのように大声を出して馬に鞭を当てた。
59 名前:筆者 投稿日:2002年07月22日(月)23時55分01秒
          南フランス ボルドー 戦場
「ひるむなっ!!敵は小勢だ!」
「あの小さい女を狙え!ハロー騎士団の連中だ!」
矢口隊はまるで一本の矢のように当たる敵を寸断していった。
後方支援が全く期待できないという不利な状況でありながら・・・
「みんな、あと少しだ!すぐに後続の軍が来る!それまで敵をかき乱せ!」
矢口の戦いぶりは敵も味方も眼を見張るものがあった。
自分の部隊をまるで手足のように指揮し、敵を翻弄していた。
その間、市井と保田は何をしていたかというと自分の部隊を収容するだけで手一杯だった。
矢口の援護に向かうにも武器がもう無い上にまともに戦える兵士が残っていなかった。
ただ矢口の戦いぶりを見ていることしかできなかった。
その時、矢口の乗っていた馬が倒れた。
馬の体には数本の矢が突き刺さっていた。
そんな矢口を捕らえようとする敵と矢口を守ろうとする矢口の騎兵隊
が再び大きくぶつかり合った。
60 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)07時48分13秒
あと一時間本隊の到着が遅れていたら矢口は今頃捕らえられるか
もしくは屍となり果てていただろう。
矢口の危機は後方からの銃声によって救われた。
「やっと来た・・遅いよ・・!」
突然の大軍来襲に敵は驚きを隠せないようだ。
それでもなお執拗に矢口の元へと迫ってくる。
「圭織は弓隊を引きつれて敵の背後へ!私は歩兵を連れて矢口を救援する!
後藤は市井と保田の兵の元に武器弾薬を届けてき!」
中澤のてきぱきとした指示が飛ぶ。
その間にも中澤の連れてきた砲兵隊は敵の砲の元へと的確に打ち込み
次々と敵の砲を沈黙させていた。
数の差がほとんどなくなったのであとは兵士の強さの問題である。
反乱軍は所詮寄せ集めにすぎない。
中澤の正面攻撃によってそれまでの戦闘で疲れている反乱軍は
蜘蛛の子を散らすようにボルドーへ逃げ戻ろうとする。
しかしそこへ飯田と弓隊の矢の雨が待ちかまえていたのであっという間に
敵は壊滅した。
それでも、かろうじて生き残った者達はボルドーに逃げ込んで立てこもった。

61 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)07時52分12秒
中澤はこれ以上追撃はしなかった。
もう暗くなっていたので夜戦を恐れたのだ。
夜戦では何が起こるか解らない。
それにもうボルドーは陥落するはずだ。
よって追撃は中止された。
62 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)08時19分17秒
            南フランス ボルドー 
「いち〜ちゃ〜ん!無事でよかったよ〜!」
そう言うが早いか後藤は市井に飛びついた。
「ああ、ありがとう。後藤!」
「えへへへへ」
その時中澤達が凱旋してくるのが見えた。
「ちょっと離れてくれる?後藤・・」
「うん」
後藤が離れると市井は中澤達の元へと向かった。
「あんま戦場でいちゃいちゃすんなや・・・」
「すいません、危機を救ってくれてありがとうございました」
「礼やったら矢口に言っとき」
それだけ言うと中澤は保田の陣へと向かった。
市井はあとから来た将校に矢口の居場所を尋ね
教えられた場所へと向かった。
その場所は怪我人で溢れていた。
おもしろいように腕がちぎれている者や眼が飛び出ている者など
見るに耐えない惨状だった。
そこで又市井は矢口の居場所を尋ねると一つの幕舎に案内された。
そこには矢口と暴れる矢口を取り押さえている医師達がいた。
「矢口・・・・?」
63 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)10時07分50秒
「はなせよ!このやろー!・・・・・痛い!痛いよ〜!」
「暴れるからですよ・・・少し落ち着いてください」
医師が疲れ果てた顔で矢口をなだめる。
「少しの我慢です・・・あとは弾を摘出するだけですから」
「イヤだ!イヤだ!もう耐えられない!」
そう言って又矢口は暴れ出した。
しかし医師達がけんめいに矢口を押さえつける。
「これ以上動くと危険です!お願いですから動かないで!」
「イヤだ〜!助けて〜!」
その時矢口は市井に気がついた。
「助けて!紗耶香・・・・痛いよ〜!」
矢口の顔は涙でもう見るに耐えなくなっていた。
それにしても矢口の腹から流れ出している血の量に市井は驚いた。
「お願いします!!押さえつけるのを手伝ってください!これ以上は危険です!」
市井は一瞬考えたがすぐに矢口の元へと近寄った。
「助けて・・・・」
そう言って市井の手をつかむ矢口に市井は、
「ごめんね」
と言うが早いか矢口の顔をおもいっきりぶん殴った。
矢口は何が起こったかも分からず気絶した。
唖然とする医師達に
「これで治療できるでしょう?」
そう言うと市井は自分の陣に戻っていった。
64 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)15時50分13秒
             南フランス ボルドー
「何か手はないんかい!頭を使いや!頭を!」
幕舎の中では中澤が怒りを誰彼無くぶつけていた。
そんな中澤の怒声に皆頭を垂れて何も言えない。
中澤は今とても焦っていた。
予想外のことが立て続けに起こったのだ。
まず一つは市井と保田の軍が全く使い物にならない状態であること。
次に騎士団随一の戦上手の矢口が思った以上の深傷を負って戦線復帰できないこと。
そのため全軍の士気が振るわないこと。
最後にボルドーの反乱軍の根強い抵抗である。
しかし鎮圧にあまり時間をかけるわけにはいかないのだ。
フランスの敵はあまりに多い。
いくらフランス軍がヨーロッパ最大最強とはいえ近年の反乱で
かなり弱っているのだ。
中澤が焦る理由はそこにある。

65 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)16時02分29秒
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どれほどの間沈黙が続いただろう
その沈黙を破るように中澤が再び話し始めようとしたとき
末席の方から声が上がった。
「少数精鋭による奇襲はどうでしょう・・・・」
皆の注目がそこに集まる。
なんと提案者は吉澤ひとみであった。
続けて吉澤は言った
「夜陰に紛れて気づかれないほどの少数部隊で町に潜入して
敵の立てこもっている城館に火をかけてはどうでしょうか
そして本隊はその火にめがけて一気に突入すれば敵を殲滅できます」
吉澤の提案に皆息をのんだ。
確かにこの作戦を取れば町は落ちるかもしれない。
しかし実際この作戦をやる勇気はなかった。
成功より失敗する確率の方が高いのだから。
66 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)16時09分56秒
その場の空気を察した中澤は
「確かにええ作戦や。でも実際誰がやる?かなり危険な作戦や」
「もちろん、自分がやります。」
吉澤のあっさりした返答に中澤は多少驚いたようだ。
しかし驚きはそれにとどまらなかった。
「私も行きます!」
その声の主は石川であった。
67 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)16時21分30秒
              南フランス ボルドー
作戦は決まった。
吉澤と斬り込み隊二十人を
石川と弓隊十人が援護することになった。
決行は明日の夜となった。
こうして作戦会議は終了した。
各々が自分たちの陣に戻ろうとする中、吉澤と石川は中澤に呼び止められた。
「いや〜あんたら勇気あるわ〜!裕ちゃんはいい後輩を持って幸せや!」
中澤のうれしそうな褒め言葉に石川は素直に頭を下げたが、
吉澤はただぶっきらぼうに
「べつに・・・」
と言っただけであった。
(やっぱこいつは苦手や・・・・)
中澤は吉澤を呼び止めたのを少し後悔した。
68 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)19時12分30秒
南フランス ボルドーの町
その日の攻防戦が終わり反乱軍の兵士達はくたくたになって町に戻ってきた。
見張りの者達以外は城館の中へと入っていった。
そうして日は沈み見張りの者達はたいまつを持って町を見回った。
町の人々は戦を恐れてか暗くなったからかおそらく両方だろうが
誰1人として歩いていなかった。
「はあ、見張りはいやだな〜!前線に回されないとは言え眠い、眠い」
「いつになったら終わるんだろうなこの戦い・・・・」
しばらく見張り達の勝手な会話が続いていたが1人の見張りが
「おい、あそこに誰かいないか?」
と路の角のあたりを指さした。
「見間違いじゃないのか・・・?おまえそんなに眼よくないだろ」
「そんなこと無い、絶対誰かいた!」
他の見張り達は半信半疑であったが役目上調べないわけにもいかない。
「しょうがない・・・・行くぞ!」
めんどくさそうに見張り達はその路の角へと向かった。
しかし
「誰もいないじゃないか!」
「全く・・・しっかりしてくれよ!」
見張り達はさっきここを指さした見張りに非難を浴びせ始めた。
その見張りは申し訳なさそうに頭を垂れて仲間達に謝った。
そして頭を上げようとしたその時その見張りはばったりと倒れた。
「おい!どうした!」
他の見張り達が倒れた見張りに駆け寄るとその見張りの
首筋には矢が突き刺さっていた。
「敵か!」
しかし他の見張り達はそう叫ぶことさえ許されなかった。
次の瞬間数本の矢が彼らに向かって放たれ一本もはずれることなく
彼らを絶命に導いた。
69 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)23時32分17秒
『片づいたわ・・・・』
『よし、行くぞ・・・』
暗闇の中から屈強そうな男達と吉澤、石川の二人が出てきた。
吉澤と石川はそのまま周りの警戒をしながら城館の正門へと向かった。
当然城館には町以上に見張りがいる。
「思ったよりも多いですね・・・」
「・・・・3分いや2分でいい、敵を引きつけろ」
吉澤の命令に石川は迷いもせずに立ち上がって弓隊を連れて城館の裏 
「敵は少ないぞ!捕まえろ!」
正門の見張り達も自然注意がそこへと向く。
吉澤はそれを見逃さず見張り達に襲いかかった。
あっというまに斬り捨てられた見張り達の声は後方の喊声でかき消された。
その一分後城館から火の手が上がるのが中澤達にもはっきり見えた。

70 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)23時33分47秒
はあ、戦闘シーンは疲れます・・・
読者の方感想できればお願いします。
注意点でも結構です。
71 名前:筆者 投稿日:2002年07月23日(火)23時36分17秒
あっ!69で城館の裏に回った。ですね
72 名前:筆者 投稿日:2002年07月24日(水)23時13分05秒
ちょっと69を書き直します
吉澤の命令に石川は迷いもせずに立ち上がって弓隊を連れて城館の裏に回った。
その後すぐに裏門から喊声が上がった。
73 名前:名無しさん 投稿日:2002年07月24日(水)23時58分26秒
まだ男役の名前は募集してますかね?
してたら「杉本」とかはどうでしょ?
元ネタはハピサマってことで。
74 名前:筆者 投稿日:2002年07月25日(木)10時57分59秒
>>73 なるほど・・・杉本さんは盲点でした。
ありがとうございます。是非使わせていただきます。
75 名前:筆者 投稿日:2002年07月25日(木)11時24分30秒
            南フランス ボルドー
「吉澤達成功したみたいやな」
町に上がる火を見て中澤は吉澤達が任務を遂行したことを確信した。
「圭織!予定通りや、任したで!」
飯田は既に攻撃の用意を住ませた軍団と共に町に突入した。
「反乱軍は皆殺しにしなさい!でも町の人に手を出さないように!」
今の飯田は普段のおっとりした彼女と全く別人であった。
敵を見つけるや自ら斬り捨てていった。
そして飯田の部隊に個人として参加していた市井、保田、後藤の
活躍も目覚ましかった。(市井、保田の部隊は壊滅していたからだ)
そうして城館の辺りまで攻め込んだとき数倍の敵と戦っている吉澤の姿があった。
おしつつまれているというのに吉澤は冷静に1人ずつ斬り殺していた。
「後藤!吉澤を助けに行って!」
市井から後藤に指示が飛ぶ。
「わかった!」
後藤の参戦によりそれまで吉澤達に手こずっていた反乱軍はじわじわ城館に押し込まれた。
騎士団の戦闘能力は他を圧倒していた。
後藤には敵と戦いながら吉澤に話しかける余裕さえあった。
「よっすぃー!梨華ちゃんは!?」
「裏に回って敵を引きつけている!」
「わかった!圭ちゃん、梨華ちゃんのとこに行って!」
後藤は近くにいた保田に石川の救援を頼んだ。
76 名前:筆者 投稿日:2002年07月25日(木)11時42分15秒
           南フランス ボルドー 城館の裏
「隊長!もう逃げ切れません・・・」
「・・・みたいだね」
石川と弓隊は敵を引きつけるために裏門の兵士に弓で攻撃をかけたわけだが、
もちろん敵は反撃してくる。
石川達は弓隊なので逃げながらも攻撃して戦っていたが袋小路に追いつめられた。
「武器を捨てろ!!」
敵の数は百人あまり・・・こちらは十一人、しかも武器は弓。
追いつめられた今、弓では戦いきれるわけがない。
石川は涙をのんで武器を捨てるように部下に命令した。
77 名前:筆者 投稿日:2002年07月25日(木)13時53分50秒
             南フランス ボルドー 城館の裏
「石川!石川!どこにいるの!答えなさい!」
保田が石川の名をいくら叫んでも全く返答はない。
その上石川の代わりに敵が続々と現れた。
「全く・・・懲りない奴らね・・・・!」
78 名前:筆者 投稿日:2002年07月25日(木)14時14分10秒
             南フランス ボルドー 正門
ここではしばらく一進一退の攻防が続いていたが、
飯田隊の猛攻についに門が突破された。
こうなれば流れは完全に攻撃側のものである。
吉澤と斬り込み隊は疲れも見せずに城館の中に我先にと突入していった。
飯田はその光景をただ見つめていた。
その時の飯田の顔はもう普段のおっとりした顔に戻っていた。
79 名前:筆者 投稿日:2002年07月25日(木)21時12分30秒
         南フランス ボルドー 城館の裏
「石川〜!どこにいるの!」
保田に襲いかかった不幸な襲撃者達は五分としないうちに
屍となり果てていた。
保田は石川を捜し続けたが結局見つからず諦めて城館への攻撃に戻った。
と言っても城館の方は炎上して微弱な抵抗が残っていただけなのだが・・・
80 名前:筆者 投稿日:2002年07月25日(木)21時28分37秒
           南フランス ボルドー 城館の中
「うぐっ!」
又1人倒れた。
吉澤は倒れた兵士の体から剣を引き抜き又次の敵の体を血に染めた。
反乱軍は既に戦意を失っていた。
抵抗する敵の数はどんどん減っていき武器を捨てて降伏する者が続出した。
「ザコに用はない!敵将はどこだ!」
吉澤は城館の中で敵将を探し求めた。
そのうちいかにも高貴な人がいそうな立派な部屋の前に来た。
「ここか!」
吉澤は剣を構えてその部屋の中に踏み込んだ。
しかし、
「・・・・・・」
吉澤は剣をおろして部屋の中に足を進めた。
「死んだか・・・・」
そこには自分の頭を銃で撃ち抜いて自殺している敵将の姿があった。
81 名前:筆者 投稿日:2002年07月26日(金)22時27分56秒
南フランス ボルドー
「ご苦労やったな、圭織」
「うん、吉澤がすごい活躍だったんだよ。ねえ〜!」
「うん」
「すごかったよ、よっすぃー!」
「で、当の吉澤はどこにおるん?」
「よっすぃーは逃げた敵を追いかけてるよ。たぶん1人も逃げられないだろうね、あの執念じゃあ・・・くくくっ・・・あははははははっ!」
後藤はその時の吉澤の顔を思い出し笑いだしてしまった。
「何笑っとんねん!、あと石川と圭坊は?」
「梨華ちゃんは城館の裏で敵と戦っていて圭ちゃんは梨華ちゃんを助けに行ってそれっきり・・・」
「そうか・・・・まあ圭坊に任しといたら大丈夫やろ」
82 名前:筆者 投稿日:2002年07月27日(土)02時23分11秒
          南フランス ボルドー 城館の周辺
「はあはあはあ・・・どこにいるのよ石川〜」
城館が陥落したので保田は再び石川を捜しに戻っていた。
「まさか戦死したんじゃあ・・・まさかね・・・」
周りでは戦闘は終了しており、残敵の追討戦に移っていた。
「もうだめだ〜!」
保田は石川を捜すことを完全に諦めた。
83 名前:筆者 投稿日:2002年07月30日(火)12時45分45秒
南フランス ボルドー とある街道
ボルドーの町が炎上している頃この街道に息を切らして走ってきた男達がいた。
その中には後ろ手に縛られた者もいた。
彼らは石川の部隊と石川達を捕まえた反乱軍兵士達だ。
「おい、こいつら始末してさっさと逃げようぜ!!」
血の気が多そうな反乱軍兵士の若者が我慢しきれなくなったように言った。
「いや、そういうわけにもいかんだろう。人質が必要だ」
いささか思慮分別のありそうな髭を生やした将校がその兵士をなだめるが
「なら、この女1人でいいじゃねえか!?こいつの服、騎士団の者だぜ!」
他の兵士からもその兵士に同調する者がでてきた。
その様子を石川達は不安そうに見つめていた。
(誰か助けに来て・・・・・)
石川ははかない祈りを炎に映えた星空に託した。
84 名前:筆者 投稿日:2002年07月30日(火)12時58分22秒
            南フランス ボルドー 町
城館が落城してから2時間ほどたって戦闘は完全に終了し
フランス軍は町に入場した。
中澤は町に入ってすぐに町の人には危害を加えないから安心するよう
お触れをだした。
これによって戦におびえていた人々は落ち着いて自分の家に戻っていった。
その後再び中澤は騎士団だけの会議を開いた。
といってもここにいる高級将校はほとんど騎士団なのだが・・
「圭坊!!どういうこっちゃねん、石川はどないした!!」
早速中澤の怒りが保田の元へ飛んだ。
「そんなこと言ったって、私が行ったとき石川はもういなかったんだよ〜!!」
保田は中澤に負けないように言い返した。
「それやったら探してきいや!!」
「探したよ!!でも見つからなかったの!!」
「それは探したうちに入らんわ!!」
そのうち二人の距離はだんだんと縮まってきてついには胸ぐらのつかみ合いに
なってしまった。
後藤が間に入ったので事なきを得たが・・・・・
戦場というのはやはり人を変えてしまうものらしい。
85 名前:筆者 投稿日:2002年07月30日(火)13時58分22秒
            南フランス ボルドー とある街道
「よし・・・・この女だけ連れて行こう」
ついに将校が決断を下した。
「よし!じゃあ、こいつら始末するか」
気の立った兵士達は石川以外の捕虜を無理矢理立たせようとした。
「やめとけ・・・」
将校はそちらに目もくれず遠い彼方を見ながらつぶやくように言った。
「なんでだ!?」
怪訝そうに将校を見つめる兵士達。
「無益な殺生はやめとけ・・・神の怒りをかうぞ」
この言葉に兵士達は急におとなしくなった。
なぜならフランスの人々は信仰心が非常にあつい敬虔なキリスト教徒なのだ。
彼らは石川以外の捕虜の縄を解きそして解放した。
「隊長!!」
「隊長!」
「みんな、大丈夫だから・・・・心配しないで・・・」
その時の石川の微笑みをその後も生き抜いた反乱軍兵士はこう語っている。
「あれは天使だった・・・天使の微笑みだった・・・・」
86 名前:筆者 投稿日:2002年07月30日(火)14時00分08秒
更新しました・・・・
っていうかまだ話が全然進みませ〜ん!!
考えている話のまだ四分の一いや八分の一もいってない・・・
どうすればいいんだろうか・・・・
87 名前:筆者 投稿日:2002年08月01日(木)16時19分02秒
           南フランス ボルドー 城館の跡
「あれから三日か・・・」
もちろんボルドーが陥落し石川が行方不明になってからである
「梨華ちゃん・・・・」
後藤は今にも泣きそうである。
「入り立ての奴が死ぬなんて・・・かわいそうになあ」
「梨華ちゃんは・・死んでない!!」
後藤は否定するがその声に力はない。
「そやけどこんなに待っても帰ってこおへんねんで・・・・」
中澤は精一杯優しい声で後藤を諭すが
「そんなはずないよ〜っ!」
と後藤は泣き崩れるばかりだった。
(いつからこんなに騎士団は涙もろい連中の集まりになったんやろ・・・)
と中澤は心の中でため息をついた。
そしてこんな空気の中から逃げ出すように見回りに行って来ると言って
その場を抜け出し町へと向かった。
「ああ〜っ!!かったるいわ〜!」
中澤は町の外へと馬を走らせた。

「ねえ、後藤。裕ちゃんの言うことももっともだよ。あきらめな・・・」
「そうだよ、梨華ちゃんはかわいそうだったけどしょうがないよ」
中澤が飛び出して行ってから市井と保田が後藤を懸命になだめていた。
「うっ・・・ううっ・・ううっっ・・」
「ほら、涙をふいてさ」
「そうだよ、明日はパリに戻れるんだよ。後藤だってうれしいでしょう」
まるで子供をあやすように・・・・。




88 名前:プリン 投稿日:2002年08月06日(火)17時07分57秒
age
89 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月11日(日)00時29分25秒
うぉー
石川どうなったんだぁ??
90 名前:筆者 投稿日:2002年08月11日(日)21時53分20秒
ようやく後藤さんと保田さんの脱退及び新編成のショックから立ち直りました
更新したいと思います。
91 名前:筆者 投稿日:2002年08月11日(日)21時56分01秒
>>89 しばらく石川さんはお休みするかと思います 
    申し訳ありません あしからず 
92 名前:筆者 投稿日:2002年08月11日(日)22時03分51秒
          南フランス ボルドー 
ついに石川は帰ってこなかった。
先刻戻ってきた石川の部下によると石川は人質として生きているようだ。
探索の部隊を出したが結局見つからなかった。
しかし私達は明日の早朝パリに戻らなくてはならない。
石川はかわいそうに思う。
でも探している時間はない。
少数の部隊をここに残しておく。
石川が無事に戻ってくることを祈る。
神よお許し下さい・・・・・・・・

某月某日 中澤裕子

中澤裕子の日記より・・・・
93 名前:筆者 投稿日:2002年08月11日(日)22時20分13秒
          南フランス ボルドー 早朝
「出発!!」
高らかにラッパの音が鳴り響く。
その音に合わせるようにフランス軍の兵士達は軽やかに行進する
そして兵士達の顔は皆笑顔だ。
騎士団の人々をのぞいて・・・
石川はやはり戻ってこなかった。
後藤も今は泣いてはいないがその跡がくっきり残っていた。
対照的に吉澤は全くその表情に変化はない。
そしてさらに騎士達の心を重くしたのは矢口の傷はやはり深く
一緒にパリに戻れないということである。
ボルドーに矢口をおいていくことを最初中澤はためらった。
しかし矢口の事を考えるとそうせざるを得なかった。
深い悲しみに包まれた騎士団がパリに凱旋している最中
パリではある恐ろしい事態が進行しつつあった。

第五章 ボルドーの戦役 完結
94 名前:筆者 投稿日:2002年08月12日(月)23時32分13秒
第六章 革命と運命 
95 名前:筆者 投稿日:2002年08月12日(月)23時48分34秒
            フランス パリ
「あ〜よく寝た〜」
安倍は窓の隙間から差す日差しをまぶしそうに見つめた。
「今日もいい天気だなあ〜。みんな元気かなあ」
そんな独り言をはきながら安倍は騎士団の制服に着替えた。
騎士団の制服にはいくつか種類がある。
まず平服、これがいま安倍が着たものなのだがその名の通り
普段着るものだ。
次に礼服、これは国王に会うときや儀式の時などに着用する。
最後に戦闘服、鎖帷子の上に服をつけたような感じのものだ。
甲冑もあるのだがさすがに重くて女性には無理な代物だ。
それに今や甲冑は時代遅れのものとなりつつあった。
「それじゃ、いって参ります!」
もちろん誰の返事もないが安倍の挨拶はいつも団長に対するように
大きな声であった。 
96 名前:筆者 投稿日:2002年08月23日(金)11時33分01秒
             フランス パリ 街
日が昇り市場が開かれ人が集まってきたころその中に安倍の姿があった。
「おはよう、ナッチ」
「ナッチだ〜!!」
「おはよう、みんな。今日も元気か〜い?」
安倍はパリの街で知らないものはいないというほどの人気者だ。
怪我をして戦場に行けなくなってからずっと街の見回りをしているうちに
街の人々と仲良くなったのだ。
「ねえ、ナッチ。遊ぼうよ〜」
もちろん子供にも人気でいつもひっぱりだこなのだ。
「ごめんね〜、今日の見回りが終わったら遊んだげるからね」
「じゃあ、いつものところで待ってるよ〜」
「必ず行くからね〜」
安倍は子供達が見えなくなるまで手を振って見送っていた。
「いつ見ても子供は可愛いよ〜」
再び安倍は見回りを始めた。
そして街の外れまでやってきたときほとんど人の姿が見えなくなってきた。
「うん、今日も異常なし!」
97 名前:筆者 投稿日:2002年08月23日(金)11時33分38秒
そうして見回りを終え子供達の元に向かおうとしている安倍を
物陰から見ている小さな二つの人影があった。
「あの人やんな・・・・」
「うん、あの人だ」
「よっしゃ行くで!」
二人は一気に安倍の前まで駆け寄った。
「なあ、一緒に遊ぼうや」
「遊んでほしいのれす」
安倍はいきなり子供達が現れたことにすこし驚いているようだ。
「あなた達、どこにいたの?誰もいないと思っていたのに」
「そんなことどうでもええやん」
「来てくらさい」
二人の少女は安倍に有無を言わさぬ口調だ。
そのしゃべり方に安倍は少し不快を感じたが顔には出さず笑顔で
「ごめんね〜。お姉ちゃんもう約束が入ってるんだ。また今度遊ぼうね」
そう言って少女達の頭を軽くなでて立ち去ろうと歩を進めた安倍だったが
その瞬間背後に殺気を感じ足を止めた。
安倍はゆっくりと後をふりむいた。
そして目に入ったのはものすごい早さで拳を繰り出す二人の少女の姿・・・
安倍は腹に激痛を感じ、その場に崩れ落ちた。  
98 名前:筆者 投稿日:2002年08月23日(金)15時52分01秒
             それから十日後
パリの街には凱旋してきた中澤達の姿があった。
「やっぱ、パリはええわ。二度と離れとうないな」
「そうだね〜」
「じゃあ私は陛下に報告だけしてくるから、あんたらは先戻っとき
 ナッチが待ちこがれてるやろうしな」
「じゃあお言葉に甘えて〜」
そう言って後藤は軍の列から抜けようとした
「あほ!!まだや、ちゃんとここにいる間は行進せんか!」
「は〜い」
「ほんまに・・・しっかりしてや」
99 名前:読者 投稿日:2002年08月31日(土)18時32分28秒
続きをまったりとお待ちしています
100 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月07日(土)18時57分32秒
         フランス パリ ベルサイユ宮殿
中澤は王に戦の結果報告を行いに謁見の間に向かっていた。
その時見慣れた顔の人物がこちらに歩いてくるのが見えた。
「おう、みっちゃん元気そうやな!」
その声に相手も気づいたようで笑顔で話しかけてきた。
「なんや裕ちゃんか・・。大声で話しかけんといてや、びっくりするから」
「久しぶりに会ってなんやは無いやろ」
みっちゃんと呼ばれたのは国王軍近衛隊司令官の平家みちよである。
もともとハロー騎士団の副団長をしていたがその才能をかわれて
近衛隊に引き抜かれたのだ。
それから今日まで一年ほどたつわけだがその間二人が会うことは無かった。
中澤は中澤で平家のいなくなった騎士団をとりまとめるのに必死だったし、
平家はある意味騎士団よりハードな近衛隊の任務でお互い忙しくて会う暇
もなかった。
しかし二人の間に亀裂が入ることもなく今日まで二人の友情は続いていた。
「反乱軍を鎮圧に行ってきたんだって?大変だね〜」
「まあな、でもあんたも大変やろ。最近不穏分子が増えてるしな」
「大丈夫やって、この私がいる限り陛下には指一本ふれさせへんで」
その顔に全く不安の色はない。
「相変わらず自信満々やな。それじゃ私やることあるからまた今度な」
二人の再会は五分足らずで終わった
101 名前:筆者 投稿日:2002年09月08日(日)02時29分07秒
      フランス パリ ハロー騎士団本部
「ナッチ〜!たっだいま〜!」
後藤の声が建物の中に大きく響いた。
しかしそれに対する反応は無かった。
「あれ?ナッチ〜どこにいるの〜?」
後藤に続いて市井、保田、吉澤が中に入ってきた。
「おっかしいな〜。いつもはここで待っているのにね」
後藤は首を傾げながら玄関から安倍の部屋の前に向かった。
そして安倍の部屋のドアをノックして
「ナッチ〜。いるの〜?」
いくら待っても返答はない
後藤は部屋に入ろうとドアノブに手をかけた。
しかしドアは開かなかった。
鍵がかけられていたのだ。
「ナッチ、いるの?いるならあけてよ!」
後藤の大声に市井と保田が駆けつけてきた。
「何かあったの!?」
「ナッチが部屋にいるはずなのに出てこないの!」
「どういう事よ、ナッチ中にいるの?」
「絶対いるよ、外からは鍵かけられないし・・」
「しょうがないわね・・・ナッチ、入るわよ!!」
「どうするの?」
怪訝そうな顔つきをする後藤
「こうするに決まってるでしょ!」
次の瞬間市井の蹴りはドアに炸裂し、いとも簡単にドアは吹っ飛んだ。
「なるほど・・・」
唖然とした後藤
「ちょっとやりすぎでしょ・・・」
保田も少しあきれたようだ。
102 名前:筆者 投稿日:2002年09月08日(日)02時30分08秒
そんな二人を後目に市井はツカツカと安倍の部屋に踏み込んだ
「何だ、ナッチいるじゃん・・・」
拍子抜けした市井の声
安倍は椅子に座って窓の向こうをぼんやりと見つめていた。
「ナッチ、いるならいると言ってよね・・・」
しかしその声にも全く安倍は反応を示さなかった。
ただひたすら窓の外を見続けていた。
「ナッチ・・?」
市井が安倍の肩に手をやると
「ヒッ!?」
その時の安倍の眼はまるで狼に襲われた時の羊のそれのようであった。
103 名前:筆者 投稿日:2002年09月08日(日)02時31分25秒
            フランス パリ 街
そのころ飯田は軍隊の行進が終わり見物していた人々もいなくなり人気も少なくなってきた街の酒場にいた。
飯田はその店の馴染みのようでカウンターに座るとマスターは何も言わずに
酒をグラスに注ぎ飯田の前に置いた。
飯田も何も言わず前におかれたグラスを一気に飲み干した。
そしてマスターは再び酒を注ぐ。飯田はまた飲み干し・・・
こんな事が繰り返されるうちに飯田の飲むペースは少しずつ落ちてきた。
その時の飯田の眼には大粒の涙が浮かんでいた。
「もう・・いやだ・・・」
酒場で騒ぐ男達の声に飯田の呟きはかき消された。
104 名前:筆者 投稿日:2002年09月08日(日)02時33分46秒
>>99 読者さん 
更新遅くなりました。すいません。
少しずつですが進めていきたいと思います。
105 名前:読者 投稿日:2002年09月14日(土)12時31分22秒
更新ありがとうございます。
筆者さんのペースで頑張って下さい。
106 名前:筆者 投稿日:2002年09月20日(金)20時34分00秒
  フランス パリ ハロー騎士団本部安倍の部屋
「あ・・紗耶香・・・・?」
「ナッチ、大声出さないでよ。びっくりするじゃないの」
「あ、ごめん・・急だったからびっくりして・・」
「あんなに大声出してたのに気づかなかったの!?」
「考え事してたから・・」
「それでも・・・」
言葉を続けようとする市井を保田が手で制した。
「まあ、いいじゃん。何もなかったんだしさ」
市井は少し不満そうだったがその場は保田に従った。
「じゃあ、後は圭ちゃんに任せるよ」
それだけ言って市井は吉澤の部屋へ向かった。
もちろん後藤もその後に従った。
(なんで私だけなんだよ・・)
いつもの事ながら少し怒りを感じる保田であった。
107 名前:筆者 投稿日:2002年09月20日(金)20時35分53秒
フランス パリ ハロー騎士団本部吉澤の部屋
ノックも無しに扉が開いた。
「ノックぐらいしてくださいよ・・」
「ごめんね〜、つい忘れちゃった」
本当に悪いと思っているのだろうか?
吉澤の眼には怒りの色が浮かんでいた。
「よっすぃ〜の部屋きれいだね〜。ちゃんと片づいてるよ」
「後藤の部屋が汚いだけだろ」
「ひどいよ〜。よく遊びにくるくせに」
二人のじゃれあいをうっとおしそうに見ていた吉澤だが
「何か用があるんですか?用が無いなら・・」
「あるよ。石川についてだけど・・」
石川と言う言葉に吉澤は微かに反応した。
「それが何か・・?」
「きっと帰ってくるよ」
市井の言葉に吉澤は呆気にとられたようだ。
「そんな事をを言いに来たんですか?」
「そうだよ」
「べつに私は気にしてませんよ。ただの召使いが1人いなくなっただけですから」
「そんな言い方ひどいよ!」
吉澤の冷たい言葉に後藤は怒りをあらわにした。
「まあまあ、後藤落ち着いて。吉澤、あんたもう少し自分に正直になった方がいいよ」
「えっ?」
「あんた昔の私に似てるんだよ。なんて言うか一匹狼みたいな?でもね・・それじゃ人生寂しくなるよ。その事を教えてくれたのは後藤なんだけどね」
「・・・・・」
「私は後藤のおかげで変われた。今では私にとってかけがえのない人だよ」
「いちーちゃん・・」
「もし・・・・吉澤にそういう人がいるなら・・大切にしたほうがいいよ」
「・・いませんよ」
「そう、私は石川じゃないかと思ってたんだけど・・気のせいかな?」
「・・・・・」
108 名前:南風 投稿日:2002年09月22日(日)17時02分08秒
今日初めて読ませていただきました。
こういう作品好きッス。
頑張って下さい。
109 名前:筆者 投稿日:2002年09月23日(月)01時12分34秒
   フランス パリ ハロー騎士団本部
「今帰ったで〜」
中澤の帰館を知らせる声に奥から市井と保田が出迎えた。
「お疲れ!」
「また何か言われた?」
「言われてなかったらこんな暗い顔はしてへんで」
中澤の顔に先ほどまでの覇気は全く欠片もなかった。
それを見て、
「石川の事でしょ、そりゃ怒られるよね」
と中澤のいらついているのをまるで楽しんでいるかのように市井が言った、
「それだけやないで!紗耶香と圭坊の部隊が壊滅したのも私のせいにされたんやで」
それを言われると市井も保田も返す言葉がない。
二人は気まずそうに中澤の鋭い視線をただかわすしかなかった。
「それで!圭織達はどこにおる?」
「ええっと、圭織はまだ戻ってきてない。後藤と吉澤は自分の部屋にいると思うよ。」
「そうか、そんなら全員会議室に集まるように言っといてや。三十分後に集合や」
言い終わると中澤は自分の部屋にすたすたと戻っていった。
よっぽど疲れていたのか背後からの市井達の声は届かなかったようだ。
「あの〜、圭織がどこにいるかわからないんですけど・・・・・・」
(無視かよ・・)
110 名前:筆者 投稿日:2002年09月23日(月)01時20分39秒
>>105 読者さん 愛読ありがとうございます
これからもよろしくお願いします。

>>108 南風さん 読んでくれてどうもです。
もしかして耳に残るはをの作者さんですか?
間違いならすいません。自分も読ませていただいています。
かなり参考にさせていただいています。
111 名前:南風 投稿日:2002年09月23日(月)21時03分23秒
そうっス。
読んでいてくれるなんて嬉しいです☆
自分本当この作品本当好きなんで頑張って下さい。
112 名前:筆者 投稿日:2002年09月27日(金)01時19分58秒
     フランス パリ
それから何日かたった頃ある情報が匿名で騎士団の元に送られてきた。
それはパリの市長が反乱を企む者達の一味であるという衝撃的なものであった。
それは宮殿にいる中澤の元へもすぐに知らされ騎士団の緊急会議が開かれた。
「市長が反乱に関わっているのか・・」
「まだ本当かどうかわからんが、これはうかつな事は出来へんで」
今のパリの市長は今まで二十年間ずっと市長を続けており、パリの民衆の支持も厚かった。下手に手を出すと民衆の反感をかうおそれがあった。
「じゃあどうするの?」
「まずナッチ、吉澤。直接調査していたあんたらの意見を聞きたいがどうや?」
全員の視線が安倍と吉澤に集まった。
そして安倍は考えるそぶりも見せず即座に答えた。
「市長は無実だよ」
「何でわかるの?」
飯田は大きな眼を見開いて安倍に尋ねた。
「市長とは戦場に立てなくなってから以来の知り合いなんだけどあの人に限ってそんなことはないよ」
「そうか・・・・吉澤、あんたの意見は?」
「今のところわかりません・・・・が」
「が?」
「市長の身辺調査をするべきです」
「必要ない!!」
横から安倍の声があがった。
113 名前:筆者 投稿日:2002年09月27日(金)01時20分50秒
「ナッチ・・気持ちはわかるが今回は吉澤の意見が最もやないか?」
「それでも・・!」
「ナッチどないした?なんかあんた最近変やで・・」
「何がさ!」
「そんなムキなとこだよ」
その市井の声に賛同するかのように保田、後藤がうんうんとうなずく。
確かに安倍の様子は誰が見てもおかしい。
自分が疑われているわけでもないのにその愛らしい眼を強張らせ
必死になって市長を弁護する様子は異常と言うほかなかった。
「そんなこと・・」
「とりあえず、調査だけでもしてみよ。ね?」
そんな飯田の言葉にも安倍はすでに反論する気力を失ったように椅子にぐったりと座り込んでいた。
そして市井達は不審そうにそんな安倍を見ていた。
114 名前:筆者 投稿日:2002年09月27日(金)01時22分10秒
    フランス パリ 騎士団本部会議室
それからさらに数日たった。
市長の身辺調査は飯田、後藤、吉澤の三人が行っていた。
安倍はもちろん外されたわけだ。
そして今日三人からの調査結果が報告された。
「黒だね・・・・・・」
「そうだね」
「・・・・・・・」
「その根拠はなんや?」
「私は市長の友人関係を調べたんだけど・・これがちょっと問題ありなんだよね」
意味ありげに飯田が説明を始めた。
「まず三日前市長の秘書が深夜に官邸を出てから街の外れに向かったんだよね」
「それで後藤がその後を尾行したんだけど・・」
「したけどなんや!?」
「疲れたよ〜いち〜ちゃ〜ん!」
後藤が大きく腕をひろげて市井に抱きついていた。
場にしらけた空気が流れた。
もしここに矢口がいたら
「ヒューヒュー、熱いねお二人さん!」
とでも言ってフォロー(?)してくれたのかもしれないが・・
当の市井でさえ唖然としていた。
「後藤・・っ!場所を考えろよ!」
市井は恥ずかしさと怒りで顔が真っ赤になっていた。
「だって・・一週間も会えなかったんだもん!」
「とりあえず・・・・!離れろ!」
後藤はこの一週間の間に愛に飢えた獣と化していた。
「いち〜ちゃ〜ん!!」
「やめろ!後藤!!」
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
会議は中断となり後藤と市井は後で中澤に一時間近くしぼられたという。
被害者の市井としてはいい迷惑であるが・・可愛い後藤を怒れるわけがなかった。
115 名前:筆者 投稿日:2002年09月27日(金)01時23分31秒
フランス パリ ハロー騎士団会議室
その後会議が再開され、飯田だけによる説明が行われた。
それによると、市長の秘書が闇の武器商人との密会を繰り返していたということ。
そしてその商人から買った武器を街外れの倉庫に隠してある可能性が高いということ。
そして市長はその権限で今までに反乱の罪に問われた者達を釈放、又は刑期を短くしたりしているということ。
他にも疑わしい所はたくさんあった。
つい最近パリ市の警察長官を自分の息のかかったものにすげかえたこと。
貧民達と謎の集会を開いているなどである。
「よっしゃ、ここまで調べがついてる問題は無いやろ。紗耶香!市長にここまで来るように伝えろ!」
「了解!」
市井はドアを開けて駆けだしていった。
「ナッチ・・ええな?」
中澤はしおれた花のようになっている安倍に精一杯の気遣いの言葉をかけた。
「わかってるよ・・」
このとき中澤は
(この娘は優しすぎるな・・)
と思っただけであった。
116 名前:筆者 投稿日:2002年09月27日(金)01時25分53秒
>>111 南風さん 
どうもありがとうございます。
ところで本当に素人なんですか?
その文章力に感銘を受けています。
117 名前:南風 投稿日:2002年09月28日(土)19時37分37秒
更新お疲れ様です。
南風はめちゃめちゃ素人ですよ(笑)
しいていうなら国語とか結構評価が低いようなヤツです←まじです。
なんかありがとうございます。
ちょっと照れてしまいます。

こっちの話し続きが気になりますねぇ。
頑張って下さい。
楽しみにしてます☆
118 名前:キュ〜 投稿日:2002年09月29日(日)18時00分04秒
更新!更新!
119 名前:筆者 投稿日:2002年09月29日(日)21時13分31秒
 フランス パリ ハロー騎士団本部のとある一室
「いいかげん何か話してもらえませんか?」
「・・何をだね」
「これだけの証拠がそろっているんです。これでもまだしらばっくれますか?」
中澤は丁寧な口調で話しているが相手のノラリクラリとした返答にいらついていた。
「私は知らんよ」
中澤を軽くあしらっている紳士はその立派に生え揃った髭を引っ張りながら笑みを
絶やさず答えた。
それがさらに中澤の神経を逆撫でした。
「いい加減にさらせや!!こっちがおとなしくしとったら・・!」
そんな様子を見かねたのか飯田、保田が二人の間に割って入った。
「裕ちゃん!落ち着きなよ!相手のペースに呑まれてるよ!」
相手の男に聞こえないように保田は小声で中澤に注意を促した。
とりあえず飯田が市長の尋問を交代することになった。
そして今度は飯田のペースで尋問が行われ、これには市長も辟易したようで
あるが、やはり口を割らなかった。
「何も言ってくれないよ〜」
「あんたじゃ無理やと思ったわ・・じゃあ次は・・」
中澤が団員を見渡し次の担当者を選ぼうとしていると
「私がやる!」
「ナッチ・・あんたに尋問は無理やろ・・」
「大丈夫・・私に任せてよ・・」
安倍は真剣な面持ちで市長の元へと歩み寄った。
「・・二人だけにしてくれるかな・・・」
こうしてその部屋の中は安倍とパリ市市長の二人だけとなった。
120 名前:筆者 投稿日:2002年09月29日(日)21時14分19秒
  フランス パリ ハロー騎士団本部会議室
安倍と市長を部屋に残し、他の者は会議室に集まり安倍による尋問の結果を待っていた。そこに近衛兵の服装をした兵士がドアを慌ただしく開けて入り込んできた。
「おい!レディーの部屋にノックもせんと入って来んなや!」
しかしその兵士は中澤の剣幕にこたえることもなく
「それは失礼しました!しかしこれは平家司令官の火急の要請です!」
「次からはちゃんとしいや!で、何やその要請ってのは」
「つい先ほど街で暴動が起こりました!近衛兵は宮殿の警備で動けません!それで騎士団の方々に鎮圧に向かってほしいとのことです!」
「警察は何を・・」
そこまで言って中澤は先ほどの飯田の報告を思い出した。
「畜生!警察にも手が回ってるって事かい!」
「暴動を起こしているのは主に貧民階級の者達ですが、なぜか相当数の武器を持っています!このままでは宮殿も危うくなります!」
「わかった!圭織!あんたは先にみんなを引きつれて鎮圧に向かってくれ!」
「裕ちゃんは何をするの?」
「市長にこの暴動を止めさせる!」
中澤は安倍と市長のいる部屋まで走った。
事は一刻を争うのだ。
部屋の前までたどり着いた。そしてドアを走ってきた勢いのまま蹴り開けた。
「市長・・・・・・!!」
息を切らしながら中澤は部屋を見渡したがそこには市長はおろか安倍の姿も見えなかった。
121 名前:筆者 投稿日:2002年09月29日(日)23時45分12秒
フランス パリ
そのころパリの街は昨日までの華やかな様子が嘘のように銃声と混乱に包まれていた。
街の人々は恐怖に震えながら各々の家に隠れその様子をうかがっていた。
貧しい恰好をした者達が銃や剣を持ち街中を歩き回り金持ちの家、役所などを
襲い各地で悲鳴が上がっていた。
飯田達が到着した時、通りは役人、又は王直属の兵士達の死体で溢れていた。
「どういうこと・・これ・・」
「酷い・・」
死体を見慣れているとは言えこのパリでこの地獄絵図を目の当たりにすると誰が予測し得たであろう。
そして危険は彼女達の身にもすでに迫っていた。
彼女達がその場に立ちつくしていると警官の恰好をした者達が数名こちらに歩み寄ってきた。
「騎士団の方々ですか?」
その中で一番歳をとっていそうな警官が礼儀正しく尋ねてきた。
それに対し飯田が最初に答えた。
「そうだけど・・これはどういう事!警察は何をしてたの!?」
「落ち着いてください、我々は最善を尽くしています・・ところで騎士団の方々ならばご同行を願いたいのですが」
「どういう意味?」
訳がわからない様子で保田が尋ねた。
「あなた方に対し逮捕命令が出ています・・おとなしくついてきてください」
「はあっ!?意味わかんないよ!」
堪らず市井が叫んだ。
「おとなしくついてこいって言ってんだよ!」
市井の剣幕に驚いた若い警官が銃を市井に突きつけた。
「いちーちゃん!」
市井をかばおうと後藤は市井と若い警官の間に入りこんだ。
122 名前:筆者 投稿日:2002年09月29日(日)23時46分00秒
しかしそれより早く吉澤の手が動いていた。
吉澤は抜く手も見せずに剣を抜き若い警官の持つ銃をはじき飛ばしていた。
それを見てようやく他の団員達も普段の行動力を取り戻した。
彼女達は剣を抜くまでもなく素手で警官達を瞬く間に気絶させた。
「警官も敵って事を忘れてたよ・・サンキュ〜吉澤!」
「それより市井さん、この場は私達だけではどうにもなりません。
ひとまず宮殿に退却して宮殿の守りを固めた方が賢明です」
「珍しく吉澤が喋るね〜。でも吉澤の言うとおりだね、ひとまず退却よ!」
飯田の指示の元彼女達は素早く宮殿に向かった。
その途中、中澤も合流した。
そして事態はますます悪化していった。
123 名前:筆者 投稿日:2002年09月29日(日)23時49分38秒
>>117 南風さん ホントサンキュっす。
自分も応援してるんでお互い頑張りましょう。
>>118 キューさん はい、更新しました。
124 名前:南風 投稿日:2002年10月11日(金)21時56分24秒
更新まち〜

続き、気になりますなぁ。

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