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SISTERS

1 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)04時52分21秒
えっと、小説書きます。
M-seekはヒサブリなので緊張気味ですが・・・。
主役はヽ^∀^ノ君でまいります。
軽くシリアス入ってますが、序盤だけなんでお気になさらずに。
2 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)04時53分43秒

親が離婚して私は父親を選び一緒に暮らしていた。
妹は母親を選び一緒に暮らしていた。

私、紗耶香6歳のこと。
妹、麻琴2歳のこと

正直麻琴のことは覚えていなかった。
いつしか一人っ子なんだと思うようになっていたから。
それに彼女だって私のことを忘れているだろう。

そんな姉妹があるきっかけで再会する。
そのきっかけは母さんの通夜だった。
3 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)04時55分35秒

私、18歳の出来事。

ある日の午後、家に電話がかかってきた。
母方のばあちゃんからだった。
父さんが出て、そこで初めて母さんが亡くなったと聞いた。
涙は出なかったし、別に悲しいとも思わなかった。
どこまで冷めた人間になってしまったんだろうって思ってみた。
まぁ、仕方ない。
こんな人間にしたのは他ならぬ母さんなんだから。

次の日の午後、通夜の行われる母さんの実家へ向かった。

行ったからといって手を合わせる事もしなかった。
私は母さんの実家裏にあるの大きな木の下に座り込み、
手を合わせに来る人たちを見ていた。
もう夜空は暗くなり始めていた。
なんだか、少し闇が怖く感じた時間だった。

「はぁ〜・・・暇すぎ・・・」

そう一言呟いた。
私は気付けば木にもたれ、眠っていた。
4 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)04時56分36秒
「お・・ちゃん・・・?お姉ちゃん・・・なの・・・?」
誰かに呼ばれている気がした。
眠い目こじを開けると私をものすごい近距離で見ている一人の少女と目があった。
「うわぁぁぁ!!・・・」
びっくりして思わず、大声をあげた。
「あ・・・ゴメンなさい・・・」
「だ、誰だよ!?」
また、大声を撒き散らすと少女は少し後ずさりをしてこう言った。
「麻琴・・・だよ・・・?わかんないの・・・?」
麻琴・・・?誰のことだ・・?
「麻琴!?はぁ!?知らないよ!」
私は本気でわかってなかった。
見た事も無い顔、聞いたことも無い声。
イキナリお姉ちゃん何て言われたって・・・わかんないよ・・・。
5 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)04時57分48秒

「お姉ちゃん・・・ヒドイよ・・・ヒドイ!」
少女はそう捨て台詞のように言ってその場を立ち去った。
ん?泣いていたかもしれないな・・・。
追いかける気はさらさらなかったけど、泣いてたとなると話は別物だ。
私は全速力で闇へと走り去った「麻琴」という少女を追いかけた。
6 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)04時58分47秒
「おい!待てよ!!」
少し走ると、少女は止まってくれた。
「ホントに覚えてないの・・・?」
こちらを振り返るわけでもなくそう問いかけられた。
「マコト・・・まこと・・・麻琴・・・う〜ん・・・ん?・・・あ!・・」
私の頭の中では迷惑ばかりかけられた麻琴の思い出が走馬灯のように蘇っていた。
そう、彼女は紛れも無く私の妹なのだ。
母さんの分娩に付き添ったことも思い出される。
「思い出してくれたの!?」
彼女はこちらに向きかえると、泣いていたせいか真っ赤に腫らした目で
私に満面の笑みをくれた。
「ああ・・・思い出したよ。ちょっと不確かだけど・・・。
小川麻琴、14歳O型のさそり座。だな?」
『小川』これは母方の姓。
よくもまぁ、ここまでよく思い出せたな・・・。
自分でちょっと自分に感心してみる。
「うん!」
もう一度笑顔を一つ。
7 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)04時59分59秒

私たちは暗闇のなかをまるでそれを打ち消すかのような、明るい笑い声を響かせ
元の場所までゆっくりまで歩いてきた。
そこに着くと父さんがいて
「話がある。仏間にすぐに来い。」
そう言うと、足早に私達の前から姿を消した。

「「何なんだろね?」」
私達は顔を見合わせた。
同時に互いの顔を見たら、ものすごい近い距離で目が合った。
ちょうど、さっきのと同じ感じで。

どう表現すればいいのかわからないけど・・・私を少し見上げていた彼女の
きょとんとした表情を見て・・・「可愛い・・・」と思った。
そんな感情を人に持ったのはいつぶりなんだろうか?
8 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)05時01分08秒
仏間には母さんの遺影があった。
楽しそうな顔だった。
けど、目が悲しげだった。
まだ、あのことを私同様に引きずっていたんだろう。
当然だ。
私をメチャメチャにしたんだから。

そんな私の思考を遮るかのように父さんが話し始めた。
「紗耶香、父さんは実は来月からフランスへ転勤になったんだ。
帰ってくれば、もう外務省のトップに立てるとこまで来ている。」
あぐらをかいて話す父さんに、同じくあぐらをかく私。
麻琴だけは正座をして聞いていた。
9 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)05時02分06秒
父さんは外務省のエリート官僚で将来も約束されている。
そんな父さんの転勤は昇進前の荒修行といったところだろうか。

「で、いつ帰ってくるの?私は行くの?麻琴どうすんの?」
虎視眈々と父さんに問い掛ける。
「帰ってくるのは、3年後だ。紗耶香はもう来年で大学生になる。自由にしなさい。
麻琴は・・・残ってお婆ちゃんと暮らすか、一緒に来るか決めなさい。」
事務的に話をすすめる父さんに腹が立ったが、
ここでかんしゃくを起こしても始まらないので私は黙って、
麻琴の返事を待った。

「あ、あのぉ・・・私は、日本に残ってお姉ちゃんと
一緒に暮らしたいです・・・。」
ん?麻琴、今なんて言った?
「そうか・・・う〜ん・・・わかった。
今の私と紗耶香の家に住むといい。」
「や、ちょ、待ってよ!なんで勝手に決めるのさ!
私、いいなんて言ってないよ!?」
思わず立ち上がって抗議した。
10 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)05時03分24秒

潰されたくないのだ。
一人の時間を。
今は、夜遅くにしか帰ってこない父さんだから許せていただけなのに。

「お姉ちゃん・・・麻琴のこと嫌いなの・・・?」
止めろよ・・・そんな顔・・・反則だよ・・・。
「い、いや・・・そういうわけじゃないけど・・・」
口ごもってしまう。

その後、私は何を言うわけでもなく父さんの細かい話を聞いていた。
麻琴は明日の葬儀の後もう、ウチに来るらしい。

「なんだか急展開だな・・・。まぁ、いいけど・・・。」

誰に言うわけでもなく小さな声で
麻琴と父さんがいなくなった仏間でそう呟いた。
11 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)05時04分45秒
葬儀にも出席しなかった私は、先に家に帰っていた。
父さんに
「葬儀に出ないなら家に帰って麻琴の部屋の用意をしておけ」
と、言われたから。

家はいつもどおりの静けさで、とても心地良かった。
ただ一つ違うのはこの蒸し暑さ、だろうか。

私は2階に駆け上がると、使っていなかった空き部屋に走り込んだ。
その部屋はなんだか埃っぽくて咳き込んでしまった。
そして、咳き込みながらも素早くその部屋の窓を開け放った。
ビュンっと風が流れ込んだ。
埃臭い部屋に一瞬だけ訪れた爽快感だった。
12 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月24日(水)05時07分17秒
>>2-11
更新しました。
不明な点、感想等あったらお気軽にどうぞ。
あ、ちなみに名前は(♂´ Д `)「ユウキ」と呼んでやってください(w
13 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月24日(水)07時33分19秒
狭山湖の予感(w
14 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)01時29分30秒
ちょっと訂正です。
>>9
の>「紗耶香はもう来年で大学生になる。」を
 >「紗耶香はもう大学生なんだから。」に直してお読みください。

ヽ^∀^ノが18歳で大学生なのは誕生日がまだだから。との解釈を。
∬`▽´∬は14歳ですけど中3です。同じく誕生日がまだだから。との解釈を。

訂正をお詫び申し上げます。

15 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)01時32分00秒
「さてと・・・始めますか。」

最近独り言が多くなったな・・・まぁ、いい・・。

ずいぶんと使われていなかった学習机にベット。
持ってきていたハタキで軽く埃を払うと、
ベットのシーツを私の部屋の押入れまで取りに行こうとした時、
父さん達が帰って来た。

「紗耶香〜帰ったぞ!」
大きな父さんの声がこの大きな家にコダマする。
「は〜い。」
私は階段を駆け下りると、玄関まで走った。

「うっす。麻琴!」
麻琴の荷物を預かると上がるように促した。
父さんはというと勝手に自分の部屋へと消えていった。

そういうのが嫌いなんだよ。
16 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)01時34分30秒
「さ、部屋へ案内するよ。」
そう言って、私は麻琴を部屋に案内した。
麻琴は何も言わずに着いて来た。

部屋に入ると、私は荷物を置く。
「ちょっと待っててくれるか?シーツ取って来るから。」
そう言い残して部屋を出た。

「うん、わかった。」

と、呟くような声が後ろから小さく聞こえた。
麻琴の様子が少しおかしかったがソレには触れることはしなかった。
いや、出来なかったんだ。
そりゃ、一緒に暮らしてた母親を急に失ったんだ。
悲しみだってわかる。

けれど、私はその悲しみ賛同は出来なかった。
17 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)01時36分36秒

あの日から2週間が過ぎ、父さんはフランスへ発った。
そして、麻琴と私の二人きりの生活が始まった。

麻琴は近所の女子校に通うことが決まっていた。
父さんが勝手に決めてきた。

私は家から遠く離れた寮制の学校に小学校から居たのに。
どういう扱いの違いなんだろうか?
不思議に思ったが口には出さなかった。

当の本人の麻琴はというと・・・。
母さんの死のショックから少しは立ち直っただろうか。
最近は笑顔も見せるようになっていた。
立ち直ったという演技かもしれないが、
その笑顔でいくらか私の心配はなくなってきていた。
18 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)01時38分33秒
そして、麻琴が学校に通い始めて3ヶ月が過ぎた。
初めのうちはマメに面倒を見て弁当なんかも作っていたが、
この頃は早く起きて自分で作り、さっさと家を出て学校に行っていた。
私だって一応、勉学に励まなければならない大学生である。

日に日に麻琴と接する時間が減り始めた、そんな3ヶ月目の出来事。

「ねぇ、お姉ちゃん〜今日さ、友達連れてきてもいいかな?」
珍しく同じ時間に朝食をとる。
「友達?男じゃないだろうな?」
まぁ、そんなわけないだろうけど・・・一応聞いてみる。
「違うよ〜、先輩。」
「ふ〜ん・・・まぁ、別にいいよ。」
トーストを咥えながら話す。
「やった!ありがと!じゃあ、行ってくるから!」
バーッと一気に喋ると鞄を掴んで麻琴は家を出た。

「友達ねぇ・・・。」
急に静かになったダイニングでそう呟いた。
あいつが友達を連れてくるか・・・でも、良かった。
やっぱり元気になってくれてたんだな。
そう思うとなんだか安堵感が訪れた。

19 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)01時41分02秒
>>15-18
更新しますた。

感想等あったらどうぞ。
20 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)17時02分36秒
この日、私は珍しく単位取得すべき講義が無かったので一日を家で過ごした。
麻琴が家を出てからは部屋に篭りテレビを見たり本を読んだりと
普段出来ないことを有意義に楽しんだ。

そして、気付けばもう3時になろうとしている。
そろそろ麻琴が「友達」を連れて帰ってくる時間。
と、その時玄関の開く音が聞こえた。

「お姉ちゃ〜ん!帰ったよ〜」
麻琴の大きな声が聞こえた。
ゆっくりと玄関へ向かうと、麻琴とは少し違う制服を着た、
透き通るような白い肌の少女が恥ずかしげに立っていた。
「こんにちわ。麻琴の姉の紗耶香です。」
頭をポリポリ掻きながら挨拶をする。
その少女も頬を少し赤らめながら、軽く頭を下げた。
「あ、まこっちゃんの先輩で高橋愛といいます。」
クリクリとした目でジーット見つめられる。
「じゃあ、部屋行くから〜お姉ちゃんお菓子とジュース持って来て。」
「はぁ?自分でやれよ。」
「いいでしょ!別に!普段何もしないくせに!」
「ば、バカ!人前で言うなよ!」
「頼んだからね!行こう、愛ちゃん。」
麻琴は一気にまくし立てて彼女の手を引き階段を駆け上がっていった。
21 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)17時04分09秒
たった3ヵ月でここまで仲良くなれたんだ。
ケンカをするほど・・・ってね。
なんだか少し嬉しくなった。

少し気分をよくした私は鼻歌なんか歌いながら台所へ行き、
お菓子とジュースを用意すると、麻琴の部屋へ向かった。

コンコンっとノックをする。
「はぁ〜い。」という間抜けな声が聞こえた。
「よいしょっと・・・」
ま〜た独り言・・・なんて思いながらドアノブを握りドアを開ける。
「おう〜お姉ちゃんありがとぉ〜」
部屋に入るとベットに座る麻琴の前の小さなテーブルにおぼんに乗っけていた
お菓子とジュースを置いた。
「んじゃ、いちー部屋にいるから。」
短く淡々と告げると麻琴の部屋を後にした。

バタンっと扉を閉めると、「はぁ・・・」と息をつく。
やっぱり自室はいいもんだ、と思いながらベットに座ろうとしたその時だった・・・
隣だった麻琴の部屋からとんでもない声が聞こえてきた
22 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)17時06分23秒
                                              
「やっ・・・ちょっ・・・まこっちゃん・・・あんっ・・・お姉さんに聞こえるってばぁ・・・」

「大丈夫だって・・・いいじゃん・・・楽しもうよ・・・ね?」

我が耳を疑った。
そして、まだまだ聞こえてる来る麻琴や彼女の淫らな声。
もう聞いていたくなかったから音楽をつけた。
二人の交わりを遮るような大きな音の音楽を。
23 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)17時07分43秒

「おね・・・お姉ちゃん・・・お姉ちゃんってば!」
眠っていたみたいだ。麻琴に体を揺すられ起こされる。
「ん・・・?なんだ・・・?」
「もう、いつまで寝てるの!?」
さっきの声からは想像出来ない、甘えた声で私を叩き起こす。
「んだよ・・・で、今何時?」
未だベットから立ち上がらない私はそのままの格好で麻琴に聞く。
「今?えっと・・・7時前かな。」
「そか・・・わかった。んで、あの子は?」
ようやく立ち上がってもう一度質問。
「少し前に帰ったよ。ねぇ、ご飯作ったから食べよう?」
「OK、先行ってて。」

「うん」とだけ言って麻琴は階段を降りて行った。

なんだかやっぱり信じられなかった。
あの幼い麻琴が・・・信じられないんじゃない・・・信じたくなかったんだ。
24 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月25日(木)17時11分49秒
>>20-23
更新しました。

これから、少しずつですが他のメンバーも出していきます。

感想等あったらどうぞ。
25 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月25日(木)17時41分57秒
オガタカ発見!
これからどういう展開になるのかな。
26 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月26日(金)02時00分04秒

その日から麻琴は毎日のように愛(愛と呼ぶように言われた)を連れて来ては行為に溺れていた。
私はなるべく彼女が来る時間、家にいないことを心がけた。
それでも、どうしても家に居なければいけない時は音楽を聴くことでソレを紛らわせていた。
麻琴は私が気付いているということに気付いていなかった。
まぁ、その方が都合がよかったし無理に言おうともしなかった。

そうした日々がもう3週間続いた。
さすがにもう麻琴は気付いているだろうか?いや、気付いていないだろう。
そうした日々とは常に麻琴に心情探られないようにと、気遣う毎日でもあった。
27 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月26日(金)02時01分20秒

そんなある日の出来事。

「行って来ま〜す!」
大きな声が家中に響く。
「行ってらっしゃい。」
と、玄関まで届く最小限の声で言う。

「さて・・・片付け開始っと。」
大学へ行くまで時間のある私は、二人で食べた朝食を片付けようと台所へ入った。
そこにはペットボトルのお茶と小さなお弁当がその2つがやっと入るぐらいの大きさの袋に入っていた。
ん?ひょっとしてコレは麻琴が忘れていったんじゃ・・・。
そう思って追いかけようと思ったけど、もう大分進んだだろうし
今追いかけても時間の無駄それより朝食を片付けて大学へ行くついでに届けよう。
そう考え直すと、ダイニングへ戻り片付けを始めた。
28 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月26日(金)02時02分30秒

片付けもそこそこに終えると、部屋に戻り適当に服を物色する。
スカートはない。ヒラヒラしてムカツクから。
「これでいいか・・・ってまた男前なんて言われるな・・・ま、いいけど。」
鏡を見ながら自分でコーディネートした服着てみる。
ジーパンに長袖の薄いシャツ。帽子を被り、サングラスでも掛けてみる。
「さ、・・・行こ・・・。」
自分にそう言い聞かせ、鞄と麻琴の弁当袋を持って家を出た。

家を出て数十分、麻琴の学校へたどり着けない。
麻琴の話だと15分もあれば行けるなんて言ってたのに。
住み慣れたはずの近所の学校。けれど、・・・わからない。
完全に道に迷ってしまった。
と、そこに愛と同じ制服を着た少女を見つけた。
道・・聞いてみるか。
29 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月26日(金)02時04分47秒

「あ、あのぉ〜・・・ちょっといいですか?」
「は、はい?」

この少女は少しおびえた目をコチラに向けた。
どうやら警戒されているらしい。

「如水館女子まではどうやって行くのかな?ちょっと迷っちゃって。」
「え、・・あ、・・・いや・・・その・・・。」
俯き加減でモジモジしてる。なんだか怖がっているみたいだ。
「あ、なんか警戒してる?いや、あたしは妹にお弁当届けないといけなくて。」
そう言って左手に持っていた弁当袋を少し上げて見せる。
「あ、そうですか。じゃあ、案内します。」
急に警戒心を解いた少女は「こっちです。」と行ってある方向へ歩き出した。
30 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月26日(金)02時06分16秒
「お兄さんも大変ですね〜。妹さん忘れて行っちゃったんですか?」
「へ?お兄さん?・・・一応、お姉さんなんだけど。」
やっぱりそう思われてたか・・・。まぁ、しゃーない。
私は「お姉さんってのを強調したくて帽子とサングラスを取った。

「あ、・・・ごめんなさい!あ、あたし・・・そ、その・・。」
急に立ち止まって少女は深々と頭を下げた。
「い、いや・・いいんだって。よく間違えられるしさ。気にしないで?ね?」
優しく言葉をかけてあげる。
会ったばかりの少女おびえさせても何にもならないから。
「そ、そんなことよりさ・・・君、名前なんて言うの?」
少し落ち込みモードに入った少女を励ますべく、問い掛けた。

彼女は美しかった。
私を救い出してくれる気がした。

でも、そんなのはアテにならないのはわかってた。
ずっと前からわかってた。
31 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月26日(金)02時09分56秒
>>26-30
更新しました。

珍しくハイペースで書ける自分が怖いです(w
いちーさんが美しいなんて思った少女は誰なのでしょうか。

>>25
名無し読者さん
オガタカは、最近えらく気に入っております。
この二人、どうなってしまうのでしょうか。
32 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月26日(金)16時16分11秒
面白そうな展開ですね。
美しい人とはもしやアニメ声の御方?
33 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時14分45秒
「え、あ・・・石川・・・梨華といいます。」
ゆっくりとした歩調の中でゆっくりとした口調で話す。
「あ、あなたのお名前は?妹さんは何年生なんです?」
「私は市井紗耶香。妹は中3の小川麻琴。知ってる?いや、知るわけないか。」
「え!?まこっちゃんのお姉さんなんですか!?」
少し大きめの声で驚く石川さん。
「ん・・・そうだけど。知ってるの?」
「知ってるも何も!私の大切な後輩の一人です!」
興奮気味に話す彼女。
「へぇ・・・麻琴は高校生の友達が多いんだな・・・。知らなかった。」
愛の話以外学校のことはあまり話さない麻琴。
少し心配していたけど・・・よかった。
心配が少しだけ解消された気がした。
34 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時15分52秒
「え?高校生の友達が多い?誰か知ってるんですか?まこっちゃん家で学校の話しないって言ってたから。」
「高橋愛って子。家によく来るんだ。知ってるのかな?」
「・・・よく来るんですか・・・。」
「へ?なんか言った?」
ボソボソと小さな声で石川さんが何か言ったように聞こえた。
「あ、いえ・・・なんでもないです。あ、それよりもうすぐ着きます。」
彼女が指差した先には大きな体育館らしき建物があった。
なんでもないなんて言った彼女を
少し、いや大分不思議に思ったがそれにはあえて触れないことにした。

変な空気が流れたから気分を変えようととりとめのない話でその場を繕った。
5分もすれば校門が目に入った。
35 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時17分08秒

「えっと・・・この時間だと・・・」
石川さんは時計を見る。
つられて私も時計を見た。
時間は9時20分を指している。
ん?ちょっと待てよ・・・?
石川さんはひょっとして・・・遅刻なのか・・・?
「ねぇ・・・遅刻したの?」
「あっ、ばれちゃいました?言わないから気付いてないのかと」
そう言って微笑む石川さん。

・・・キレイな顔してんな・・・。
36 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時17分57秒

「あと5分で授業終わりますからここで待っててもらえます?
まこっちゃん呼んできます。」
「いや、いいよ。これ、悪いけど渡してもらえる?」
弁当袋を石川さんに差し出す。
石川さんはきょとんとした顔をしてそれを受け取った。
「いいですか?会わなくて・・・」
「いいのいいの。それよりさ、今日3時に校門に迎えに来るからって言っといてくんない?」
「へ?あ、わかりました。伝えておきます。」
一瞬戸惑った表情を見せた石川さん。
けれど、すぐに返事をした。
「んじゃ、よろしく。こっちの道行ったら駅かな?」
指を指して聞く。
「あ、はい。そうです。」
私は手を振って「ありがとう!」と言うと走って指差した方向へ進んだ。

・・・あ・・・石川さんの歳聞くの忘れた・・・。まぁ、いいわ。

そんなことをぼんやり考えながらまた加速して駅まで駆け抜けた。
37 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時18分39秒
SIDE-rika

ちょっとかっこよかったよね?市井さん。
誰もが認める男前よっすぃーにだって負けてないかな。
まこっちゃんのお姉さんか・・・なんか微妙な心境だな・・・まぁ、いいや。

私が校舎入ったトコで一時間目を終えるベルが鳴る。
ゾロゾロと教室から出て来る人・人・人。
相変わらず人多いんだから・・・この学校・・・。

私がまず向かった先は北館2階のまこっちゃんのクラス。3−1

「まこっちゃ〜ん!いる〜?」
教室の後ろから顔だけ覗かせてまこっちゃんを探す。
「マコトー!先輩来てるよ〜!」
教室の一番奥にいたまこっちゃんを呼んでくれる。
38 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時24分20秒

「石川さ〜ん♪どうしましたか?」
妙にご機嫌な感じ。
「あのさ、コレ。」
市井さんから預かったお弁当の袋を手渡す。

「あ・・・お弁当・・・ってどうしてこれ・・・」
「お姉さんから預かったの。」
そう言いながら思い制鞄を床に置く。
「へ?お姉ちゃん?・・・なんで・・・」
「来る途中に会ったの。あ、それでね、今日の3時に校門とこに迎えに来るって。」
時間もないので素早く要件を告げる。
「あ、ありがとうございました!ホント、スイマセン。」
深々と頭を下げるまこっちゃん。
「いえいえ。いいの、気にしないで♪ね?」
「あ、ハイ・・・」
「それじゃ、行くから♪またね〜」
39 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時25分32秒
私はそう言うと床に置いていた制鞄を手にとり本館の私のクラスまで走る。
北館の3階に渡り廊下があるため、1階だけ階段を上る。
渡り廊下に出ると見覚えのあるヒトがかっこつけて本館側に立っていた。

「遅い!・・・」
私に聞こえるぐらいの大きな声でどなるこのヒト。
「いいじゃない・・・遅刻ぐらい・・・。」
「ダメ。ってかさ〜なんで遅刻とかすんの!?信じらんない。」
少しカチーンと来た。
なによ・・・中学3年間と高校1年と半年間一度も欠席・遅刻がないからって・・・。
「あなたと一緒にしないで。私はあなたみたいに完璧主義じゃないの。」
「ふん・・・。せっかく心配してあげたのに・・。もういい。」
短気なこのヒトは捨て台詞のようにそう言うと私の前から姿を消した。
「ふん・・・こっちこそ、そんな心配して欲しくないわよ・・・」
ボソっと呟くようにそう言った。

はぁ・・・もっと素直な方がいいのかな・・・?

自問自答しても答えは返ってこなかった。
40 名前:(♂´ Д `) 投稿日:2002年07月29日(月)21時28分12秒
>>33-39
更新しました。

さて、このヒト誰でしょう?
まぁ、想像するのは簡単かと思いますが。

>>32
大正解です。
そう、アニメ声の御方でした。
( ^▽^)チャーミー、ヘリウム吸ってるんです♪
41 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月06日(火)15時07分22秒
おぉ石川さん(w
完璧ってことは…(w
続きまってまーす
42 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月03日(火)23時34分40秒
続きマターリ待ちsage

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