カース!

1 名前:マーチ 投稿日:2002年07月31日(水)02時14分13秒
某板でリリカル系いしよしを書いていた者ですが、
問答無用のエロが書きたいのでハンドルは変えます。
というわけで、sage進行でお願いします。
しばしおつきあい下さい。
2 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時15分45秒
それは呪い
愛し合う者たちの悲しき呪い

3 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時16分16秒
「梨ー華ちゃーん!!」
ひとみはバタバタと走り回る。
今にも泣き出しそうに、必死の形相で。

だってここは墓地だから。

「つぅじーー!!かごぉーーー!!!」

ひとみの悲劇は亜依の『きもだめししよう』の一言で始まった。
ちょうどその日止まったホテルの側に墓地があったこともあって、4期メンの4人でここに来たわけだが。
4 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時17分05秒
ひとみは一人置いてきぼりをくらっていた。
普段オトコマエだのなんだの言われているが、ひとみはオバケが大嫌い。
ちくしょう加護、一生うらんでやる、なんて呟きながらぐるぐると走り回っていると、なにかにぶつかった。
「「ぎゃああああ!!!!」」
お互い悲鳴を上げてしりもちをつく。
ぶつかってきたのは梨華だった。
「な、なんだびっくりしたぁ。よっすぃー、探したんだよぉ」
「いてて…なんだ梨華ちゃんかぁ。ひでーよ、置いてくなんて。」
「置いてってないよぉ。よっすいーがはぐれたんでしょー?」
5 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時18分18秒
お互い情けない表情で口論を始めた二人の元に希美と亜依も走ってきた。
「よっすぃーおったん?」
「よっすぃー!」
駆け寄ろうとした二人の体はしかし、ひとみと梨華の数メートル手前で阻まれた。
「あ、あれ…?」
「うごけなーい!!」
「え??」
顔を上げたひとみは絶句した。
目の前にいる梨華の頭上には、青白い火の玉が渦巻いていたのだ。
6 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時19分29秒
「うわああああ!!!」
「えっ、なに、きゃあっ!!」
そしてひとみの頭上には、オレンジ色の火の玉。
二つの火の玉は、それぞれにひとみと梨華の体を覆い尽くす。
ぐるぐると体を這い回り、やがて消えてしまった。
あとに残ったのは深い暗闇と、静けさ。
何事もなかったように虫が鳴き始めた。
「「「「ぎゃああああああ!!!」」」」
そして四人は、一目散にホテルへと逃げ帰ったのだった…
7 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時20分56秒


「…だいたい加護がきもだめししたいなんて言うからだよぉ」
ホテルに戻ったひとみは、相部屋の梨華に半分泣きながら文句を言っていた。
「そうねー。でもあれなんだったんだろ?幻覚…にしてはおかしいよね。みんな見たわけだし…やっぱひとだまとかそういうやつだったのかなあ…」
シャワーを浴びたばかりの髪をタオルで拭きながら梨華が呟く。
「もういいよ、思いだしたくねえ〜」
「そんな、よっすぃーから振っておいて…」
呆れたようにそう言って梨華はひとみの座っていたベットの隣りに腰掛る。

濡れた髪の隙間から覗く首筋に、ひとみは一瞬ドキッとした。
『…梨華ちゃんってなんかえっちぃなあ…』
そう思った瞬間。
8 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時21分41秒
ズキン

『え…?』
ひとみの目の前が暗くなった。
オレンジ色の火花が飛び散っては消える。
なんだこれ。なんだこれ。
心臓がドキドキとその動きを早め、体の奥が熱くなる。
そして、気がつくと。
9 名前:1.発症? 投稿日:2002年07月31日(水)02時22分25秒
「よ、よっすぃー?」
「梨華ちゃん…」
ひとみは梨華の手を取って、自分のTシャツの裾からその手を胸の膨らみへと導いていた。
「ど、どうしたの、よっすぃー…」
梨華が困惑している。
それがわかっているのに、やめたくてもやめられなかった。
それどころか。
「梨華ちゃん、お願い…触って……」
やめろ。ヤメロ。
理性が頭の隅で喚いているというのに、ひとみは潤んだ目でそう呟いていた…。

10 名前:マーチ 投稿日:2002年07月31日(水)02時24分26秒
こんな感じです。(どんな感じだ?)
とりあえず今までのいしよしとはひと味変えていきたいかな、と。
11 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月31日(水)03時13分54秒
おぅっと…いしよしの新作…
|▽^)ミツケタ

エ、エロですか…そして、ひと味ちがうと…期待しています
12 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月31日(水)03時45分28秒
確かに一味ちゃいますね!
エロはげしく期待しております。
13 名前:マーチ 投稿日:2002年07月31日(水)11時08分21秒
>11
>12
ありがとうございます、がんばります!
14 名前:2.自失。 投稿日:2002年07月31日(水)11時08分56秒
「よっすぃー、なんでいきなり…こんな…」
何か言いかけた梨華の手をさらにギュッと握ると、ひとみはさらにその手を引き寄せる。
梨華の細い指が、尖り始めた頂点をなぞるようにすべる。
甘い疼きがひとみの背中を駈け抜けた。

ひとみは必死に理性を引き戻そうとする。
―落ち着け、今なら冗談で済ませられる…いや、ていうかそもそも梨華ちゃんはただの同期で友達で、好きだけどそういう好きじゃなくて、ましてやこんなことする仲じゃないし、しかも自分からするならまだしもしてもらいたいなんて思うのはおかしいわけで…なのに…
されたい。梨華ちゃんに触られたい。
…壊され、たい…
15 名前:2.自失。 投稿日:2002年07月31日(水)11時09分28秒
なけなしの理性はどんどんしぼんでいき、むき出しの欲望だけが高ぶっていった。
ほとんど無意識的に手を伸ばし、梨華の頬を両手で包む。
「…来て、梨華ちゃん…」
普段なら絶対言えないような甘いささやきまでするりと口から出る始末。

そして、梨華にも変化は訪れていた。
潤みきった上目遣いでひとみに熱く見つめられた瞬間、目の前で青い炎がはじける感覚。
鼓動はどんどん早まって、胸の底から這い上がるように黒い衝動がこみ上げる。
「…よっ、すぃー…」
普段ボーイッシュで、オトコマエなんて言われてしまうひとみが可愛らしい女の子に見える。
伏せられた長い睫毛。懇願するように潤んだ瞳。
…壊したい。
めちゃめちゃにしたい。
16 名前:2.自失。 投稿日:2002年07月31日(水)11時10分02秒
抑えきれない衝動に、気づけば梨華は荒々しくひとみを押し倒していた。
非力なはずの梨華の腕は信じられないくらい力強く、ひとみは思わず肩を震わせた。
「…よっすぃー、怯えてるの…?そっちから、誘ったくせに…」
「…あっ…ご、めんなさ…」
弱々しく揺れる瞳。
梨華の熱はさらに激しく渦巻いていた。
「…許してあげない。めちゃめちゃにしてあげるよ、ひとみ…」
「んぅっ…」
ひとみを組み敷いたまま噛み付くように口づける。
舌がひとみの薄い唇をゆっくりとなぞり、やがてひとみの舌を探し当てる。

17 名前:2.自失。 投稿日:2002年07月31日(水)11時10分38秒
「ん、ふ…」
…梨華ちゃん、こんなにキスうまかったの?
そう思わずにはいられないほど、キスだけで腰が砕けるような快感だった。
上顎をなぞり、ときどき噛まれ。
唇が離れる頃には、ひとみの頭はもうなにも考えられなくなっていた。
「…そんなに気持ちよかった?」
「やぁ!…っん」
尖りきった胸の先を突然摘まれて高い声が漏れた。
「感じちゃってるの?かーわいい…」

18 名前:2.自失。 投稿日:2002年07月31日(水)11時11分15秒
――あたし、なんで…
「えっちなんだ、ひとみって…」
――こんな意地悪なことばっかり言ってるの?
梨華は自分自身の行動に戸惑ったが、それはひとみも同じだった。
「や…梨華ぁ」
梨華にされたい放題で、言葉で責め立てられて…しかしそのことによって、余計に興奮してしまっている自分がいる。
『『あたし、どうしちゃったの――!?』』
二人の心の声がキレイにハモった。
19 名前:マーチ 投稿日:2002年07月31日(水)11時11分53秒
更新です。どうなることか。
20 名前:名無し読者 投稿日:2002年07月31日(水)21時40分00秒
いい感じですねーおもしろい!
いしよしで梨華攻めなのがちょっと新鮮だ…
21 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月01日(木)01時38分09秒
うむ〜…面白い!!
ちゃんと話のスジのあるエロ…最強ですw
22 名前:マーチ 投稿日:2002年08月06日(火)00時18分11秒
>20
本スレは『梨華攻め上等!』の精神でお送りします(笑)
>21
スジにちゃんとオチがつくようにがんばります…(^_^;)
23 名前:3.狩る人、狩られる人。 投稿日:2002年08月06日(火)00時19分36秒
「ほら、背中あげて…シャツ脱がすから。」
「ん…」
普段は憎まれ口の一つも叩くところだろうが、ひとみは梨華の要求に素直に応じた。抵抗する気力すらない。
熱く高ぶる肩があらわになると、ひとみはぎゅっと梨華にしがみついた。
「…興奮、してるの?」
悪戯に微笑みを浮かべると、ジャージを脱がせないままショーツの中にすっと手を差し入れた。
「んあっ…!」
「…こんなに濡らしちゃったの?…悪い子。」
そこは下着まで濡れてしまうほど溢れていた。

24 名前:3.狩る人、狩られる人。 投稿日:2002年08月06日(火)00時20分18秒
妖艶に蠢く指が蕾を撫でると、潤んだそれはどんどん固さを増していく。
「はっ…あぁんっ!…っく…」
長い睫毛が揺れ、眉間に寄ったしわがおそらく快楽への最後の抗い。
「…そんなにカワイイ声出したらあたしも興奮しちゃうよ…?」
「はぁあ……」
耳から入った梨華の声。意地悪な言葉のひとつひとつ。
そのすべてを脳が快楽へと処理する。
「梨…華ぁ…」
なんでだろう。
なんで、こんなに…
ひとつ、またひとつとタガが外されて、これで最後かと思う度にまた新しいカギは開けられる。
終わりのない、自分の中の欲望。
乱されたいこの気持ち、屈辱的なほどの快感。
25 名前:3.狩る人、狩られる人。 投稿日:2002年08月06日(火)00時21分11秒
「…あぁあっ!もっとぉ!!もっとしてぇ…っ!!」
もう抑えられなかった。
こんなことを言ってしまうのは恥ずかしくてたまらないのに。
「…ふふ…いいよ…」
濡れた指先をひとみの目の前に持ってくると、梨華はそれをぺろりと舐めた。
どこまでも艶っぽく。
「…ひとみの味。」
そう言って口の端をゆがめると、一気にその指をひとみの中に押し込んだ。
「んあぁあぁっ!」
「…気持ちいいの?」
指先が熱い内壁をこする。
26 名前:3.狩る人、狩られる人。 投稿日:2002年08月06日(火)00時21分52秒
「うっ…はぁあ…」
神経の集約する一点に刺激は集約され、痛いほどに熱く疼く。
今やもうひとみの目は虚ろで、口はだらしなく開いたまま。
無意識に腰を動かしてることにも気づいていない。
理性も、思考力も、どこかへ飛んでしまった。
「ダメぇ…っ…あっ、はあ、あ、あたし、なんか…」
「イきそう?」

27 名前:3.狩る人、狩られる人。 投稿日:2002年08月06日(火)00時22分41秒
真正面から深く目を見つめると、梨華はますます強くひとみの肩をベッドに押しつける。
梨華の細いその肩は、まるで獲物を押さえ込んだ豹のようにしなやかで、熱いまなざしは捕らえられたひとみを掴んで離さなかった。
「あぁっ…イ、イきそ…ぅ…んんっ…!」
「…いいよ、イって…ふふ、可愛いね、ひとみは…」
「ふぅっ…」
尖らせた舌がざらりと脇腹を通り、腰の疼きは最高潮に達する。
「あぁ…っ!!いやあぁあぁ!!」
涙をこぼして腰を降り続けるひとみの目の前には、いつまでもほの赤い火花がはじけていた。


28 名前:マーチ 投稿日:2002年08月06日(火)00時23分46秒
更新です。エロは難しいなあ。萌えてもらえるといいんですが。
29 名前:オガマー 投稿日:2002年08月06日(火)05時55分35秒
 萌 え
ますたw
よし責め派なんですが、この話だと受けもよいw
30 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月06日(火)15時22分30秒
萌 え す ぎ ま し た が な に か
31 名前:名無し読者。。。 投稿日:2002年08月06日(火)19時04分43秒
よし受け最高!
32 名前:スティンガー 投稿日:2002年08月07日(水)09時07分59秒
超萌えましたが何か?(ヲイ
続き期待sage
33 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
34 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
35 名前:スティンガー 投稿日:2002年08月07日(水)14時03分35秒
ごめんなさい!連続投稿してしまいました!
36 名前:姫子 投稿日:2002年08月08日(木)00時28分01秒
↑よっぽど萌えたみたいですね(w

自分の意思に関係なく欲情する吉澤さん萌え〜。
今後の展開に激しく期待。

最後に一言
「吉受けマンセー!!」
37 名前:マーチ 投稿日:2002年08月10日(土)16時04分17秒
>29
吉受けにはまってください(笑)
>30
やったー!☆
>31
ええ、最高!
>32
>36
有名人さんからレスもらってしまった、嬉しいなあ☆
がんばります!
38 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時05分26秒
さっきまでさんざん絡み合っていたベッドの上で、二人は正座して向かい合っていた。
「…ごめんね?」
「い、いや、梨華ちゃんが謝ることないって、そ、その、誘ったのは…アタシだし…」
「でも、あたしひどいことしちゃったし、ひどいこといっぱい言っちゃったし、なんか自分が自分じゃないみたいで…」
泣き出しそうに俯いている梨華の表情にさっきの妖しい色はすっかりない。
39 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時06分19秒
「あ、あたしも同じだよ、自分が自分じゃないみたいで…なんか、なんでかわからないけど、すごい、むしろ梨華ちゃんにひどいことされて嬉しかったっていうか…いや、もちろん今までこんなこと絶対思ったことないよ?でも…なんていうか急に目の前暗くなって、オレンジっぽい…そう、さっきお墓で見たみたいな火の玉が頭の中に出てきて…」
ひとみがたどたどしく説明し始めると、梨華もようやく顔を上げた。
「そ、そう、あたしも青い火の玉がちかちかして…そしたら急に意地悪な気持ちになって…」
そこでふう、とため息をついて、二人は同時にため息をついた。
「「なんでだろう?」」
首をひねっていたところで、部屋のドアがノックされた。
40 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時06分58秒
コンコン

「遅くにすみませーん、小川です。起きてますか?」
「あっ、ちょっと待ってねー。」
お互いおかしいところがないか急いでチェックした後、ひとみがドアを開けた。
「うわっ」
思わずのけぞったひとみの目の前には、麻琴とあさ美、そしてその後ろにやたら顔色の悪いホテルの女従業員が立っていた。
「あのー、吉澤さんたちさっき火の玉見たって言ってたじゃないですか。そんでうちらが廊下でその話してたら、立ち聞きしてたこの人がどうしても会わせろって…」
「失礼な、立ち聞きなどしてないです。」
不用意なあさ美の言葉に不服そうな従業員。
「あれは盗み聞きです。」
「「もっとダメじゃん!!」」
ひとみと麻琴のつっこみがななめ45度の角度で鮮やかにキマる。
41 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時07分35秒
「とりあえず、入ってもよろしいでしょうか?あなたがたが見たものについて話があります。」
「はあ、まあいいですけど…どうぞ。」
ひとみは従業員を部屋に入れた。
「あのー…じゃああたしたちはこれで…」
「いえ、あなたがたもいてください。」
遠慮して帰ろうとしていたあさ美たちを従業員が制した。
「死者の声を再現するにはそれ相当の素質を持った人が必要です。そこのあなた。」
「はい?」
従業員がびしっと指さしたのはあさ美だった。
「あなたには後ほど降霊術を使うときに協力していただきます。その前に…」
従業員はひとみと梨華に向き直った。
「単刀直入にききますが、火の玉にまとわれた後何か体の変化がありませんでしたか?」
「えっ…」
「あ…」
先ほどの行為を思い出して二人は赤くなる。
42 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時08分09秒
「その…なんていうか、あたしは梨華ちゃんにひどいことされたい気分になりました…」
「あ、あたしはよっすぃーを、いじめたくなりました…」

「うわっ!」
「イヤッ!」
もじもじしつつ妖しい発言をした二人から麻琴とあさ美は1メートルほど遠ざかる。
「…聞きました紺野の奥さん、吉澤さんちのひとみさん…マゾらしいですわよ。」
「ええ聞きましたとも小川の奥さん、しかも石川さんちの梨華さんはサド。」
「おまえらうるせえ!」
ひそひそと遠回しに引いている二人をとりあえずひとみが叱りつける。
従業員はまったく意に介さない様子で深く頷いた。
「…そうでしょうね。まあ結論から言いましょう、お二人は死者の呪いにかかってしまったのです。」
「「呪い?」」
「ええ、以前このホテルの一室で亡くなられたカップルの霊です。とりあえず、彼らの声を聞かせましょう。」

43 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時11分18秒
そこで従業員はおもむろに懐からお札を出すと、ぴしゃりとあさ美の額にそれを貼った。
「…死者の男性よ、ここに蘇りその想いを伝えよ。」
低いトーンでそう告げると、あさ美がゆらりと動いた。
「…ああ…う…」
「あ、あさ美ちゃん!?」
慌てて麻琴がすがりつく。
夢遊病者のような動きでその麻琴の体を引き寄せ、あさ美は熱い瞳で見つめた。
「…君の激しい愛にいつまでも溺れていたかったよ…ああ、その美しい手でもっとぼくをいじめて…」
「へ?ええ?」
おろおろする麻琴の髪に指を差し入れて優しく頬にキス。
「うわっ」
真っ赤になって硬直する麻琴。なんだかわからないけどとりあえず傍観するひとみと梨華。従業員はあさ美に歩み寄ると、再びお札に手を触れた。

44 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時12分19秒
「…では死者の女性よ、ここに蘇りその想いを伝えよ。」
するとあさ美の表情が一変し、麻琴の肩を掴んで押し倒した。
「ひゃあっ!?」
「あなたの怯える表情が愛しくてたまらない…もっともっといじめたかった…」
「なっ…」
麻琴は首筋をするりとなで上げられて口をぱくぱくさせている。
しばらく麻琴を組み敷いていたあさ美だったが、やがて脱力するように麻琴の胸に倒れ込んだ。
「あ、あさ美ちゃん!?大丈夫?」
あさ美を抱き起こすも、返事はない。代わりに返答したのは従業員。
「大丈夫です、気絶してるだけですから。」
「大丈夫じゃねえー!」
喚く麻琴を無視して彼女はひとみと梨華の方に向き直ると、静かに告げた。

45 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時13分14秒
「…というわけです。わかっていただけましたか?」
「「さっぱりわからねえー!」」
頭を抱える二人。
「…わかりませんか?つまりこういうことです。以前ここのホテルにとあるカップルが泊まっていたんです。ちょっとSっ気のある女性とマゾの男性だったんですが…彼ら、ここで腹上死したんです。二人同時に。」
「あ、あり得ない…」
驚きを通り越してひとみは呆れている。
「それから、彼らはこのホテルに泊まりに来るカップルの体に取り憑いて呪いをかけるようになったのです。お互いの体に性的欲求を感じると、彼らの呪いが発動してSMな行為に及ばせるように…」
「そ、そうですか、でもあたしたち別にカップルじゃないんですけど…」
遠慮がちに梨華がそう告げると、ずいっと顔を近づけられた。
「でも欲情したでしょ?二人とも。」
「あ、いや…」
「まあ、その…」
歯切れの悪い二人を、あさ美を抱いたままの麻琴が訝しげに見ている。
46 名前:4.そんなわけで。 投稿日:2002年08月10日(土)16時13分55秒

「…まあそういうわけなんで、これは呪いです。以上。」
「そ、そんな無責任な。」
「呪いを解く方法はないんですか?」
梨華は眉毛をハの字にしている。
「…ないなあー。」
「ないのかよ!アンタなにしに来たんすか!」
「単なる忠告ですよ。まあ一つ言えることがあるとすれば、呪いをはねのけたいという強い想いがお二人にあるかどうかってことですかね。…じゃ、私は仕事が残っているのでこれで…」
そう言い残すと、従業員は部屋を出ていった。
「…そんなぁ。」
残された二人と、意識のない人を抱えた一人は呆然と座り込むのであった。

47 名前:マーチ 投稿日:2002年08月10日(土)16時16分15秒
多めに更新。当作はおがこんを激しく応援します。
ていうか名もない従業員出張りすぎ。
48 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月10日(土)20時38分06秒
私もおがこんを激しく応援します。
49 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月12日(月)06時02分08秒
川o・-・)ノ降霊術も完璧です

(;^▽^)ノ(;O^〜^)ノなんでやねん

面白い展開ですね(w  そして、なんなのなによな従業員にワロタ
50 名前:姫子 投稿日:2002年08月13日(火)23時51分54秒
でこにお札貼られてる紺野ってすげぇ想像できて笑った。
願わくば、なるべく長い間ふたりの呪いが解けませんように・・・(ニヤリ
51 名前:マーチ 投稿日:2002年08月17日(土)01時37分49秒
>48
仲間発見(笑)
>49
こんこんカワイイです☆おがこん広まるといいなあ。
>50
先がまったく見えないので呪いかかりっぱなしかもしれない…(ひどい)
52 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時39分58秒
「ところで吉澤さん、本当に石川さんとSMなことしちゃったんですか?」
単刀直入な麻琴のつっこみに、にわかSMカップルはそろって真っ赤になった。
「…ホントなんですね。」
「頼む誰にも言うな」
脅しに近い頼み方に麻琴はぎこちなく頷いた。
「わ、わかりました。…じゃああたしそろそろ戻ります。あさ美ちゃん寝かせてあげなきゃいけないし…」
あさ美をおぶって部屋を出ようとした麻琴に何かを察したようにニヤリと嫌な笑いを浮かべると、ひとみはその背に声をかけた。
53 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時40分58秒
「とか言って今夜は寝かさないつもりなんじゃないのか?んー?」
その言葉にぴたりと動きを止めた麻琴はどろりとしたオーラを吐き出しながらゆっくりと振り向いた。
「…おやすみなさい。……マゾ。」
ガチャばたん。
「なっ、なにおう!!?なんだ今のはあ!失礼なことを言うなー!」
「しょうがないよよっすぃー。今はホントのことだし。」
「そっそんな梨華ちゃんまで!」
わめくひとみの声は当然麻琴には届かなかった。


                    *
54 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時42分37秒
「よいしょ…っと。」
なんとかあさ美をベッドまで運んだ麻琴は、頭に近い方の床に膝をついてあさ美の寝顔を眺めた。
無垢な寝顔に、思わずいたずらしたくなる。

…ほっぺた、やーらかそうだなぁ。えいっ。
ぷにぷに
「んー…」
ちょっと顔をしかめたあさ美に少し逃げ腰になったが、あさ美は起きなかった。
――かーわいいなあ…
寝顔だけでもこんなにドキドキさせられてしまう。
今度は指で唇に触れてみた。
乾いた感触。
妙にくすぐったい気持ちになって、すぐに指を引っ込めた。
55 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時43分08秒
あさ美とは何度もキスをしてきたはずだし、それ以上のことだって、ほんのちょっとだけしたこともあったけど。
なんで、たったこれだけのことでこんなにも胸が苦しいんだろう。

麻琴は我慢できずに立ち上がると、覆いかぶさるようにそっとキスをした。
起きているときとは違って、少しだけ冷たく感じる。唇を離すと、あさ美は少し体をよじった。
目覚めた様子はないのに、口元がかすかに笑っている。
「んふ…まことちゃん…」

うわっ…
あたし?もしかしてあさ美ちゃんあたしの夢とか見ちゃってる?
56 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時44分03秒
ふにゅふにゅと幸せそうに口を動かすあさ美がたまらなく愛しくて。
もう起こしてしまうかもしれないことなんて考えられなくなって、その胸にぎゅっと頭を押し付けた。
「んー…まこちゃん…?」
「おはよー…」
やさしく微笑む麻琴に見つめられて状況がつかめないでいる。
「あ、あれ、なんで…?」
「あさ美ちゃん、気絶してたんだよ。あの変な従業員のせいでさ。覚えてる?」
「え、と…」
あさっての方を向き、しばし回想。

57 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時44分49秒
「…あ、思い出した。うん、夢かと思ってたけど、違ったんだね。」
ふにゃっと笑って、麻琴の頬に手を伸ばした。
「ねえ、麻琴ちゃん。あの従業員さんが夢の中で、『亡霊がカップルに取り付いて呪う』って言ってるの聞いたの。それで、石川さんたちが自分たちはカップルじゃないって言ってた。あれって夢?それともほんとに言ってたの?」
「本当だよ。そう言ってた。」
「そっか…」
何か考え込みながら、あさ美は麻琴の首に腕を回した。
「わっ」
強く引き寄せられて、ベッドに体ごと倒れこむ。
至近距離で見つめられてまた胸が高鳴った。

58 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時45分50秒
「…なんであたしたちじゃなかったのかな。」
「え?」
「呪いかけられちゃうのって、カップルなんでしょ?じゃあなんであたしたちじゃなかったのかなぁ」
どこか残念そうにそう言ったあさ美の言葉に麻琴は目を潤ませた。

―ああもう、なんでこの人はこんなにあたしをドキドキさせるのがうまいんだろう。

「…麻琴ちゃん?」
ぷいと背中を向けてしまった麻琴の肩を掴んでこちらを向かせようとするが、頑なに抵抗する。
「ど、どうしたの?怒っちゃった?」
がばっと体を起こしたあさ美は、麻琴の顔を覗き込んですぐにそれが間違いだと気づいた。

59 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時46分29秒
耳まで赤くなった麻琴はぎゅっとシーツの端を握って、決して目を合わせようとしない。

「…麻琴ちゃん、もしかして照れてる?」
「うっ、うるさいな、違うよっ」
口でそう言っても顔は思い切り肯定している。
「かわいい!」
「ぎゅ」
息が止まるほど強く頭を抱きしめられて、変な声が漏れた。
「ね、こっち向いて?」
優しい声に誘われてしぶしぶ顔を上げると、熱くなった頬を両手で挟まれる。
「麻琴ちゃん、大好き。」
ちゅっ
「…っ」
肩を強張らせた麻琴にかまわず、ついばむように何度もキスをした。
60 名前:5.誘惑も完璧です。 投稿日:2002年08月17日(土)01時47分01秒
最初は小さな子供がするように不器用だったそれが、次第に深いものへと変わっていく。
「…ん…ふ…」
体の芯がビリビリしびれて、思わずあさ美に強くしがみついた。
「はぁ…っ」
やっと唇を開放されて、少し呼吸が荒くなる。

「…あ、あたしも、大好き…」
うつろに溶けた目でそう告げると、あさ美は無邪気に微笑んだ。
「…麻琴ちゃん。あたし、麻琴ちゃんが全部欲しい。いい?」
か細いわりに過激な言葉と同時に、有無を言わさず麻琴を押し倒す。
「え…うわ、あ、ちょっと、あさ美ちゃん!?あっ…や、やめ…」

結局、あさ美には敵わない麻琴なのだった。
61 名前:マーチ 投稿日:2002年08月17日(土)01時49分33秒
更新です。紺野攻めに照れる小川推奨。
この後エロに突入させるべきか自粛するべきか…
62 名前:マーチ 投稿日:2002年08月17日(土)01時50分08秒
あ、自分で上げちゃった…まあイイか。
63 名前:オガマー 投稿日:2002年08月17日(土)08時28分47秒
オガコンのコン責め?
よいではないですかw
で、続きはないのですか?w(浮気全開
64 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月17日(土)11時12分26秒
5期写真集より
ttp://coimbra.on.arena.ne.jp/data/data0721.jpg
65 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月18日(日)01時57分33秒
キタキタキタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!

ぐおおおぉぉぉ
もう全然冷静になれない
こんまこ激しく(・∀・)イイ!
66 名前:スティンガー 投稿日:2002年08月18日(日)18時23分23秒
こんまこエロ出走の方面でよろしく!(をぃっ!)
67 名前:マーチ 投稿日:2002年09月01日(日)23時46分26秒
>63
では続きますw
>64
いいっすよねえ、これ…☆
>65
こんまこ同志発見!やった!(笑)
>66
じゃあ、その方面で(笑)
68 名前:6.やっちゃいます。 投稿日:2002年09月01日(日)23時49分46秒
パーカーのジッパーを下げられて、ゆったりとした動作でキャミソールまで脱がそうとその手がかけられる。
「あ、あさ美ちゃん、ちょっと…え、本気?」
組み敷かれたままの体勢で焦る麻琴の目をじっと見つめて、少し首を傾げた。
「…ダメ?」
「う…」
他のどんなものより、麻琴はこの目に弱い。
…確かにダメではない。ダメではないのだが。
「は、はずかしい…」
「?なんで?」
なんでってアナタ、しかもそんな可愛いカオで。
69 名前:6.やっちゃいます。 投稿日:2002年09月01日(日)23時50分31秒
「あっそうか、こういうとき電気ついてると嫌だってよく言うよね。消そうか?」
「いや、そういう…」
言い淀んでいる間に電気は消されてしまい、明かりはベッドサイドの薄ぼんやりしたライトのみ。
…雰囲気は大変にエロい。
心拍数はいやがおうにも上がる一方だが、麻琴としてはなんだか腑に落ちなかった。

そもそも俗に言うシタゴコロってやつは普段から自分の方があさ美より上だったという自信は多分にある。だから本格的にこういう行為に及ぶときが訪れるとしたら主導権を握るのは自分だと思い込んでいた。
…それなのに、自分がこんなに押しに弱いなんて。
しかもこの少々突飛で天然なコイビトは、不器用ながらなかなかどうしてストレートで芯が強い。
…つまり敵わないってことなのか?
自分自身で悲しい結論に気付いてしまった麻琴は両手を挙げて敗北の溜息をついた。

70 名前:6.やっちゃいます。 投稿日:2002年09月01日(日)23時51分13秒
「…あたしの負けです。好きにしてください。」
「ホント?」
至極嬉しそうににっこりされてしまうと、嘘だなんて言えるはずもなく。
「…一応言っとくけどあたし初めてだから、優しくしてね?」
お約束のボケにぶりぶりポーズでつっこみ待ち。の、はずだったのに。

「大丈夫、本とかいろいろ読んで勉強したから!それにそんなハードなことはしないよ?」
「は、は、ハードって…ていうかそんな勉強するなー!」
意に反して思わずこっちがつっこんでしまった。
71 名前:6.やっちゃいます。 投稿日:2002年09月01日(日)23時52分05秒
「だっていっつも麻琴ちゃんのこと考えてたんだもん。たまにはえっちなことだって考えちゃうもん…」
そう呟いて麻琴の髪をかきあげると、そっと耳に歯を立てた。
「ふっ…」
胸がざわつくような感覚に溺れて、吐息が漏れる。
「気持ちいい?あのね、あたし女の子が気持ちよくなれる場所いっぱい本で調べたの。あんまり上手くないかもしれないけど…」
それでなくても普段から細い声なのに、耳元でそんなことを囁かれるともうわけがわからなくなりそうだった。
妖艶とは程遠い動作でぺろぺろと耳を舐められる。
「あっ…や…はぁっ…!」
舌先が耳の中に触れる度、脳が侵されそうなほどの電流が走る。
72 名前:6.やっちゃいます。 投稿日:2002年09月01日(日)23時52分56秒
あさ美はキャミソールをめくりあげて、脇腹をつーっと爪でなぞった。
「くぅっ…!」
びくりと体が跳ねる。
「あとはね、えーと、ここ…」
勃ち上った左胸の先を口に含んで、右手は背中をまさぐる。

すべてが不慣れで不器用。なのにすべてがピンポイント。
73 名前:6.やっちゃいます。 投稿日:2002年09月01日(日)23時53分56秒
学習の成果を思い出すようにゆっくりとした愛撫を、ただでさえ快楽に免疫のない体は痛いほど強く受けてしまう。
「あっ…あ…んっ」
首筋を甘噛みされ、舌で脇をくすぐられ、自分でも聞いたことのない自分の声に戸惑ってしまう。
「も、もうやめ、ようよぉ…」
「待ってー、これから本気出すからー。」
むしろ本気出されちゃ困るからストップかけたつもりなのに、逆の意味に取られてしまったらしい。
もどかしそうに麻琴のパーカーを剥ぎ取ろうとしている。
74 名前:6.やっちゃいます。 投稿日:2002年09月01日(日)23時54分35秒
「いや、そうでなくてあの」
「おとなしくしてて?」
「あ、はい…」
上目遣いにやられてしおしおと頷く。
されるがままにおとなしくしていると、健康的な肩と白い胸があらわになった。
「…やっぱはずかしい。」
「そう?うーん…いいよ、じゃああたしも脱ぐから…」
「えっ!?あの、でも…」
どうしていいかわからずにオロオロする麻琴の前で、あさ美はゆっくりとシャツのボタンをはずしていく。
ピンクのブラジャーに白い肌が一層映える。

使い物にならなくなりつつある思考回路を抱えて、麻琴はこれからどうなるんだろうなんて、他人事のように考えていた。
75 名前:マーチ 投稿日:2002年09月01日(日)23時55分19秒
更新です。またあげちゃった。もういいか、あげあげ。こんまこ広まれー。
76 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月02日(月)00時36分43秒
こんまこ(・∀・)イイ!
最 高 で す
マーチさんがんがってください!
77 名前:読者 投稿日:2002年09月22日(日)10時54分42秒
続きはまだかなあ〜。
待ってます。
78 名前:マーチ 投稿日:2002年09月25日(水)00時57分54秒
遅くなりましたが再開です。そろそろいしよしに返さねば…
79 名前:マーチ 投稿日:2002年09月25日(水)00時59分05秒
>76
ありがとうございます同士!(笑)
>77
遅くなってしまってすみません、がんばります。
80 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時00分14秒
「麻琴ちゃん…」
「あ…」
きゅっと抱きつかれた素肌は、とても熱かった。心臓の音が伝わってしまうんじゃないかと思うくらいに、鼓動が早い。
「…好き、だよ…」
胸に頬を摺り寄せて、再び胸の頂をぺろ、と舐めた。
「んっ…」
ゆっくりと顔を上げたあさ美と、麻琴の視線がぶつかる。赤くなった頬はもう隠せない。潤みきった目が、戸惑いがちにあさ美を見つめている。
その表情を見て切なそうなため息をついたあさ美は、震える手で拙い愛撫を繰り返す。
「麻琴ちゃん…!」
「んぅ…っあ…あ…」
どうやら『本気』を出し始めたらしいあさ美の手つきは、先ほどよりも少しだけ艶かしさを増している。
81 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時00分46秒
『…そういえば、キスマークのつけ方ってのが本に載ってた気がする…』
ふとそんなことを思い出して、実践してみることにした。
シャツに隠れそうな鎖骨の下辺りにそっと口づける。
「ふ…」
『ん?強く吸うのってけっこー難しいなあ…空気がもれる…』
ぞくぞくと体を震わせる麻琴に気づいているのかいないのか、あれこれ角度や強さを変えたりしながら鎖骨へのキスを繰り返す。
試行錯誤した末に、あさ美は皮膚を少しだけ噛んでからそこを思い切り吸った。
「ぁんっ!」
「やったぁ、できたぁ」
唇を離すと、小さな赤いしるし。
麻琴が自分のものになったみたいで、なんだかうれしい。
82 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時01分16秒
にこにこしているあさ美とは対称的に、麻琴は辛そうな顔であさ美にしがみついている。
「…麻琴ちゃん、どうしたの?」
「…ん…あのさ…もっと…」
「ん?」
「もっと…して?」
上目遣いのその顔が妙に可愛くて。
再びあさ美を興奮させるのには十分だった。
「うん…」
首筋に舌を這わせると、肩口で麻琴が喘ぐくぐもった声が聞こえた。
乳首を甘噛みされ、あさ美を抱きしめる腕に力がこもる。
「…あぁん…!や、やぁっ…!」
下半身の妙な疼きを止められない。なにもかもが初めての感覚。
「な、なんか…あたし変…あさ…美ぃ…」
「…感じてくれてるんだ。麻琴…」
83 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時01分48秒
お互い初めてで要領なんて全然わからなくて、それでもちゃんと愛してる。
確かなことはそれだけだった。
ためらいながらもあさ美はゆっくりと麻琴のジーンズのジッパーを下ろして手を差し入れた。
「いいかな?」
「ん…いい、よ…」
恥ずかしさを押し隠すように横を向いたまま、それでもあさ美の言葉を受け入れる。
細い指が触れたそこはとても熱かった。
「あ…んっ!」
「…あ。よかったぁ、ちゃんと濡れてる。」
あさ美はどうにも緊張感がない。
それでも麻琴の反応を見るのは楽しいらしく、探るように指を動かし続けた。
84 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時02分25秒
「やだぁ…んっ…あ、あぁ…」
耐え切れないように嬌声をあげてしまった麻琴が、自分の出した声におどろいたように慌てて指の付け根を噛んだ。
「…ん…くぅっ…」
あさ美が敏感な場所を撫でるたびに、自らの指が押し込まれた麻琴の口から潰れた声が漏れる。
羞恥心から逃れるための行為だといえばそうなのだが、悲しいかなその仕草が余計にあさ美を興奮させるということを麻琴は知らない。
「…麻琴ちゃん。そんなに強く噛んだらダメだよ。」
泣きそうな顔で自分を見つめる麻琴の指をそっと口から外させる。
赤く残った歯形が痛々しい。
「っ…でも、声…なんか、嫌だから…」
自分のものではないような声が、恥ずかしくてたまらないらしい。
あさ美の目が、少し妖しく光った。
85 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時03分01秒
「…じゃあ、あたしの指、噛んでて。ね?」
「え…んぅっ…!?」
有無を言わさず自分の左手の親指を麻琴の口に深く差し入れた。
そして間髪入れずに右手で愛撫を再開する。
「んんんんんっ!!んふっっ…!!!」
口が利けなくなった麻琴は必死であさ美にしがみついた。
「いいよ、思いっ切り噛んじゃって。」
強く噛まれる指に走る鋭い痛みで、麻琴の快楽の深さを知る。
麻琴はどんどん内側にたまっていく熱を開放するすべも知らずに感じ続けた。
―まるで、あさ美の腕の中で溺れるように。

86 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時03分32秒
「く…ひゃ、う…ぅうん…」
「…麻琴。」
とろとろと溢れ出す蜜にまかせるままに指を滑り込ませると、ひときわ高く鳴いて腰をビクつかせた。
しがみつく手が、あさ美の背に爪を立てる。
「・・・!!…んんぅ!!ぅむう…っっ!!!!」
しっかりと抱きついていないと体が壊れてしまいそうで。
まだ中学生なのにこんなことしていいのかな、とか、あたしの体おかしくなっちゃうんじゃないかな、とか、脳の裏側でなんだか的外れなことばかり考えていた。
「ん…んふっ…」

あさ美ちゃんの指…
気持ちいい…

好き…
87 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時04分04秒
目を開けると、あさ美は目の前でちゃんと微笑んでいた。
「…んんんんっ!!ぁはああぁっっ!!!」
なにがなんだかわからないままに、怖いほどの快楽の波が麻琴を襲った。
「や、んっ、くぅぅっっんん!!!」
瞬間、口の中で鉄の味が広がる。
「あ…」
放心している麻琴の口から引き抜いた指に、かすかに血がにじんでいた。
「ご、ごめん…」
焦点の定まらない目で、それでも済まなそうな声を出した麻琴の頭を撫でるとあさ美はどこか嬉しそうにその指を眺めた。
「いいよ、麻琴ちゃんがつけた傷だから。」
ちゅ、と傷口に唇をつけるあさ美を、蜘蛛の巣がかかったように不明瞭な頭のどこかで綺麗だなと思っていた。
88 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時04分45秒
目が合って、照れたようにお互いが微笑み合った瞬間。
それはそれはけたたましくドアがノックされた。
「小川ー!!おーがわー!!!」
ガンガンガンガン。
「なっ」
「こ、この声は吉澤さん!」
動こうにもろくに動けない上にほとんど裸な麻琴に毛布をかぶせ、意外にもすばやくパーカーを羽織ったあさ美がドアを開けに行った。
「…はい」
そこには予想通りのひとみと、付き添うように梨華が立っていた。
「あれ、紺野?もう大丈夫なの?小川は?」
「あ、あ、あたしはもう大丈夫です。なんかでも麻琴ちゃんがちょっと疲れたっぽくて、今寝ちゃってて…」
やけにしどろもどろなあさ美を訝しげに見つつも、梨華は納得したようだった。
89 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時05分26秒
「そう、よかったー。紺野急に倒れちゃったからさ、様子見に来たんだ。」
「そ、そうですか、ありがとうございます。」
わたわたとおじきをした紺野の左手が、梨華の目に止まった。
「紺野?血が出てるじゃん、どうしたのよこれ?」

ぅわー!!

心の中でまた慌てたあさ美は、二の句が浮かばずおろおろとそれを隠した。
「あ、あのこれは、ちょっとその…」
真っ赤になってしまったあさ美をいよいよ怪しく思ったひとみが、抵抗する手を持ち上げてまじまじと傷を見つめた。
90 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時05分57秒
「…ほほー」
「なっ…なんですか?」
意味ありげに笑ったひとみに臨戦態勢をとるも、不敵な先輩はまったく動じることなく余計に顔を近づけてきた。
「…可愛いペットちゃんにかじられちゃった…いや、ワザと噛みつかせたのかなぁ?」
「なっ…」
麻琴ちゃんはペットなんかじゃないです!と、違うところを突っ込みそうになって慌てて口をつぐむ。
「そっ、そんなことしてません!違います!」
「あれ?そうなんだ。あたしの勘違いかー…あれ、ところで紺野、そのパーカー、さっき小川が着てたやつじゃなかったっけ?」
「えっ!?」
確かにあさ美が着ていたのは麻琴の赤いパーカーで、指摘されて初めて気がついた。
91 名前:7.イケナイコトカイ 投稿日:2002年09月25日(水)01時06分32秒

「なーんか、怪しいんだよねー。はいはい、じゃあ小川の寝顔を拝見したいからちょっくらお邪魔するよ。」
「あ、じゃああたしもー。」
あまりわかっていないようだった梨華も、なぜか後ろに続いた。
「え!?あぁ、ちょっと待ってくださいぃ!!」
のらりくらりとあさ美の脇をすりぬけて中へ入ったひとみと、部屋の奥のベッドで毛布にくるまっていた麻琴の目がばっちり合う。
「よ、よしざわさん、いしかわさん!!」
よほど焦ったのか、がばっと体を起こした拍子にバランスを崩した麻琴は毛布を絡ませたままぼてっとベッドから転げ落ちた。
「あだっ」
「うわ!」
素肌の上半身があらわになってしまった麻琴に梨華が目を丸くする。あさ美は泣きそうな赤い顔でうつむく。

ひとみはその横で腹を抱えて笑っていた。

92 名前:マーチ 投稿日:2002年09月25日(水)01時07分26秒
横道にそれたこんまこエロ編、終了です。やっといしよしに戻れる…
93 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月25日(水)23時43分20秒
感 激 で す 。
こんまこ有難う
94 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月30日(月)02時30分08秒
も・・・萌えつきますた(w

マーチさんありがとう(●´ー`●)
95 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月09日(土)00時13分29秒
保全
96 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月14日(木)23時24分56秒
待ってますよほ
97 名前:マーチ 投稿日:2002年11月18日(月)01時26分42秒
お待たせしてすみません。今月末くらいには更新のめどが立つので、ついてこれる方だけ気長に待っててやってください。
98 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月01日(日)10時36分20秒
そろそろかな?
99 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時36分46秒
次の朝。打ち合わせ用に借りたホールにひとみと梨華が早めに来て待っていると、あさ美が入ってきた。
「おはようございまーす。」
「…おはよーございます。」
そしてその後ろから入ってきた麻琴は、なんとなくあさ美の後ろに隠れるようにしている。
それは見たひとみはここぞとばかりにニヤリと笑った。
「…おはよう。受け。」
「…なんですかマゾ。」
予想通りからかってきたひとみに、麻琴は果敢にも応戦する。
100 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時37分23秒
「マゾ言うな!仕方ねえんだよ、呪いなんだよ!喜んで受けにまわってるオマエと一緒にすんな!」
「はぁ?!あたしだって最初は攻めに回るつもりでいたんです!つーか受けはマゾよりマシです!」
「おォ?開き直りか?つーかこのキスマークはなんなんだい麻琴ちゃーん?」
「なっ」
鎖骨の痕を指摘された麻琴が真っ赤になる。
「ほっといてください!!!あーもう!マゾ!マゾ!」
「うるせぇ!!マゾ言うなっての!!だいたいなぁー、みんなして太った太った言いやがってそんなん自覚してるってんだ!ほっとけっつーんだよ!オレだってがんばってんだよ!!」
「あ、あたしだって地味だとか性格悪そうとか汚川イラネ。とか言われてるけどがんばってるんですっっ!!」
先輩後輩の言い争いはすっかりあさっての方向に迷走している。
「あっ、あの、二人とも、あたしのためにケンカしないでください…」
「…紺野、それ違う。」
二人を交互に眺めてオロオロするばかりのあさ美にため息をついて、梨華はエスカレートするバカ二人の間に入った。
101 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時38分09秒
「やめろっつーの!」

めきっ

「あでっ!」
「ぐぅ」

二人の後頭部をがっちりつかんで、鮮やかにおでこを打ち合わせたのだ。
「か、かっこいいです石川さん…」
額を押さえてもだえ苦しむ二人を尻目に、あさ美は感嘆の声をあげている。
「…まったくもう、仲いいくせにくだらないことでケンカしないの!」
「「…ひゃい…」」
おでこにたんこぶ作った二人は弱弱しく握手。
「…やれやれ。ごめんね、痛かったでしょ?」
「あ…いえ、大丈夫です…」
すぐに笑ってみせた麻琴を見て安心したように頷くと、今度はひとみの額に触れた。
「ひとみちゃんは?」
「平気だけどさー。ちょっと手荒だよ梨華ちゃん」
そう言ってこちらも笑って見せたのだが、なぜか梨華はひとみに触れた姿勢のまま動かない。
102 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時38分49秒
「…?梨華ちゃん?」

バシッ!!

「いてぇ!…え?なに?なに??」
思い切り平手打ちをくらい、もんどりうって倒れたひとみがびっくりして梨華を見上げる。そして、ひとみもまた梨華を見つめたまま硬直してしまった。
「…梨、華…」
「…ひとみちゃん。口答えするなんて、悪い子…。梨華が、おしおきしてあげる。」
目つきも口調も妖艶に色を変えた梨華が、依然倒れたままのひとみの顔を足蹴にする。
細めにとがったブーツのヒールが、柔らかな頬に容赦なく押し当てられた。
「…梨華ぁ…ごめんなさい…ひとみは悪い子です…。いっぱいおしおきしてください…」
ひとみの方も、うっとりと梨華を見上げて恍惚の表情を浮かべている。
103 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時39分26秒
「な、なんかあの二人おかしいよ!??」
ハタで見ていた麻琴は半ばおびえるようにあさ美のシャツを掴んだ。
「…ま、まこっちゃんあれ見て!二人の頭の上になんか火の玉みたいなのが…!」
「え…?」
あさ美の声に目を凝らすものの、麻琴にはなにも見えない。
「あさ美ちゃん、何か見えるの?」
「…あたしにしかみえないの・・・?!…あれ多分、二人にかけられた『呪い』が発動してるんだよ!」
「ええ!?」
すぐそばにあさ美たちがいることなどお構いなしに、すでに二人は自分たちの世界に入りかけている。
「もうすぐみんなが集まってくるよ…!と、とりあえず止めないと!」
「わ、わかった!え、えーと…」
麻琴はあたふたとホールを駆け回った後、どこからかパーティーグッズ用の大きなピコピコハンマーを探し出してきた。
104 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時40分55秒
「ご、ごめんなさいっ!!」

ぱきょっ!!

「だっ」
「いたっ!!」

フルスイングで発動させた麻琴のショットは梨華の脳天を直撃し、その反動で梨華の頭はひとみの額に思い切りぶつかった。

「いてて…あれ?」
「あ…」

正気に返った二人は、痛みによるそれとは別の理由で即座に頭を抱え込んだ。
「…うちら今…」
「うん…またおかしくなってた…」
ひとみはたんこぶが二倍に膨れ上がったマヌケ面で神妙な顔をしている。
105 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時41分41秒
気まずそうに反省する二人に、あさ美はまたしても感嘆の表情を浮かべた。
「…あの…二人ともすごいです。今の石川さんみたいなの、あたしもちょっと憧れます…。そのうちあたしも…」
後ろでそれを聞いていた麻琴はぎょっとした顔をしている。
「…とりあえず…紺野。さっきうちらがぶっとんでる間ちょっとだけ聞こえたんだけど、紺野はあたしたちの火の玉が見えるの?」
「…はい。多分、昨日の降霊術の影響で一時的に霊感が上がってるんだと思います…」
梨華はそう言ったあさ美を見て立ち上がると、あさ美の手をがっちり握った。
「…紺野。そんな紺野と、ついでに小川にお願いがあります。」
「え?」
「ついでって…」
訝しげな顔で二人が梨華を見る。
106 名前:8.協力命令。 投稿日:2002年12月06日(金)01時42分33秒
「…あのね、もしあたしとひとみちゃんがお互いに変なことしそうになってたら、気づいた時点で止めて欲しいの。紺野は火の玉が見えるんでしょ?小川のフルスイングもばっちり衝撃的だったわ。」
「は、はあ…いや、でももし止められなかったら…」
不安げな表情を浮かべた麻琴ににっこりと微笑みかけると、梨華は特上のチャーミースマイルでこう言った。
「小川は『受け』だって、みんなに言っちゃうぞ☆」
「…………(涙)。死ぬ気で止めます…」

「…梨華ちゃん。一番怖いな。」
「かっこいいです…」

麻琴が梨華に服従を誓った瞬間であった。
107 名前:マーチ 投稿日:2002年12月06日(金)01時44分27秒
ものすごく久しぶりに再開です。遅くなって申し訳ありませんでした。
厳しいエロシーン以外はもう上げ下げ気にしないで行くことにします。こんまこ普及委員会なんで。
108 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月06日(金)12時52分26秒
「…おはよう。受け。」
「…なんですかマゾ。」

このやりとりに爆笑!
続き楽しみにしてます。お忙しいようですが、がんがってください。
109 名前:9.やるったらやるの。 投稿日:2002年12月18日(水)02時33分33秒
それからというもの。

「吉澤さぁぁん!!」
ばきっ

「はぁどっこい!」
べきょっ

移動中のバスの中、楽屋、スタジオ、ツアー先のホテルと、至るところでいしよしコンビの動向を見守るあさ美と、指令を受けてピコピコハンマー片手に出動する麻琴の姿が見られるようになった。
そして、麻琴が出動するとどういうわけかひとみばかりがたんこぶだらけになる。
110 名前:9.やるったらやるの。 投稿日:2002年12月18日(水)02時34分32秒
「おがわあぁぁ!わざとか!オマエわざとやってんだろ!!」
「ちっ、ちがいますよ!!吉澤さんがデカぃ……げふ、げふっ、いやなんでもないです」
「デカい!?今でかいって言おうとしただろ!!あ?このヘタレ受けがぁ!」
「へ、ヘタレはお互い様じゃないですか!!」

おバカさんコンビがケンカを始めた横で、あさ美は冷静に自分の手帳とにらめっこしている。

「石川さん…なんか、だんだん呪いが発動する間隔が短くなってきてる気がするんですけど。」
「え?…それってどういうこと?」
「…わかりませんが…最近まこっちゃんのフルスイングでも、一発じゃ止まらなくなってるんです。…ねえまこっちゃん、吉澤さんも、ちょっとこっち来てください。」
111 名前:9.やるったらやるの。 投稿日:2002年12月18日(水)02時35分15秒
「マゾ!マゾ!」
「受け!!受け!!」

「………ああもう、またこいつら…まったくしょうがないんだから。ねえ、紺…」
止めに入ろうとした梨華はちらりとあさ美を振り返って、そのままフリーズした。
「ちょっ!!ひとみちゃん、小川!!あれを、紺野を見て!」
「え?…なっ!!」
「うわ!」
112 名前:9.やるったらやるの。 投稿日:2002年12月18日(水)02時36分43秒
「はいなんでしょうか紺野様っっ!」
「ええ、ちゃんと聞いてますよあさ美様っ!」
そろってあさ美のご機嫌取りにまわるヘタレコンビ。

「…なんでダメなところばっかり似てるのよ…」
梨華は人知れずため息をついた。

「で、うちらどうなっちゃうの?呪いが強くなってるのは自分でも感じるけど…」
「そうなんです。これを見てください。」
気を取り直したあさ美が麻琴の手を取って二人に見せる。
「なっ…」
「こ、これは…!」

麻琴の手のひらは、野球選手のように豆だらけになっていた。
113 名前:9.やるったらやるの。 投稿日:2002年12月18日(水)02時41分48秒
「小川…こんなにしてまであたしたちを止めようと…」
梨華は目を潤ませた。
「そうなんです。まこっちゃん、二人を止めたい…というか受け疑惑を蔓延させたくない一心でバッティングセンター通ったりしてたんです…。それでなおかつ最近はピコピコハンマーくらいの威力じゃ止まらないから、もっぱら餅つきの杵で…」
「…そっか、小川、そんなにうちらのこと……ってオイ!杵かよ!!殺す気か!あたしを殺す気なのか!!どうりでたんこぶだらけになるわけだ!あァ!?」
例によってひとみが麻琴に詰め寄った。

胸倉を掴んで持ち上げられた麻琴の足は地面を離れている。
114 名前:9.やるったらやるの。 投稿日:2002年12月18日(水)02時46分46秒
「こ、殺す気だなんて滅相もない!!ていうかだいたいSMなんて、あんまりアレなことになったら読み手もひくし、ひたすらsage進行でひっそりこっそりやる羽目になるじゃないですか!それに石川さん殴るより吉澤さんの方が罪悪感が少なくてす…げふ、げふっ、いや、なんでも…」
「おぉぉがぁぁわぁああ!!!ていうかsage言うな!読み手言うな!!」

「ああ、また…」
がっくりとうなだれる梨華のシャツを、あさ美はつんつんとつついた。
「…あのー、石川さん。実はまだ続きがあるんです。あたしからの提案なんですけど。」
「ん?何?」
一瞬神妙な顔をして見せたあさ美が、ぱたんと手帳を閉じた。
「無理矢理止めるのももう限界みたいなんで…一度思い切り呪いを開放してみたらどうですか?」
「へぇっ!?え、えーと、それって…」
115 名前:9.やるったらやるの。 投稿日:2002年12月18日(水)02時47分31秒
「つまりですね、思いっきりやっちゃってくださいってことで」
「オマエは黙っとれ!」
横から口を挟んだ麻琴が、ひとみにチョップをくらっている。

「で、でもそんな、あたしとひとみちゃんは別に付き合ってるわけじゃないし…そんなつもりも…」
しどろもどろの梨華に、あさ美は小さく、でもはっきりと言い放った。

「呪いを解く糸口が見えるかもしれません。」

梨華は、なにもいえなかった。

相変わらず後ろではバカ二人が騒いでいる。
116 名前:マーチ 投稿日:2002年12月18日(水)02時49分23秒
更新です。どんどん話がバカになっていく。あらあら。

>108
小ネタ拾ってくれてありがたいです☆なにぶん遅筆ですが最後までお付き合いくださると嬉しいです。
117 名前:名無しさん 投稿日:2002年12月18日(水)22時29分02秒
続き、きたーっ!w
楽しみにしとります。
118 名前:マーチ 投稿日:2002年12月18日(水)22時59分11秒
111の最後の行に

二人が顔を上げると、そこにはいまだかつて見たことのないほど怖い顔で麻琴を睨んでいるあさ美がいた。

っていうのを入れ忘れました。失態★
119 名前:名も無き作者改めKKGL 投稿日:2002年12月20日(金)00時03分02秒
海板で小紺書いてるものです(w
マーチさんついに更新キターー!
この後も楽しみにしてます〜。
がんがってください!
120 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月07日(火)22時53分12秒
まさかついに…?
期待してます!
121 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時47分25秒
「…で、なんでこうなるのかな。」
ひとみがぽつりと呟く。
「…なんだろう。成り行きという言葉が適切なのか、それとも…」
梨華もぽつりと呟く。

ツアー先である、ホテルの一室。
ここは確かひとみと梨華がツアーの疲れを癒す、平和空間だったはずだ。
それなのに。
『一度思いきり呪いを開放したらどうか』というあさ美の提案で、半ば強引にここに閉じ込められたのだ。

「…やらなきゃダメなのかな、やっぱ。」
「気は進まないけどな…」

ため息をついて座り込んだひとみの足に、何かがぶつかった。
「…なんだ、これ?」
部屋の真ん中にどかっと置かれた段ボール箱。
「なんだろう。紺野が置いたのかな?」
がさがさと梨華がそれを開けると、とんでもないものが目に入った。
「わっ」
「こ、これは…!」
122 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時48分09秒
いかにも怪しいその箱の中には、男性器の形を模した電動のアレや、コードつきのスイッチの先に丸いものがついたピンク色のアレとか、果ては手錠やムチやろうそくや、とても口では言えないものがどっさり入っている。

「…あ、手紙がついてる…。」
ひとみが箱に張り付いていた白い封筒を開けると、丁寧な字で書かれた手紙が入っていた。

『要らなくなったそうなので知り合いからもらってきました。呪いを解く手助けになれば幸いです。好きに使ってください。危険な事態が起こったら、必ず助けに行きます。  紺野あさ美』

「……紺野って…」
「……おそろしいね。」

123 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時48分49秒
***** ***** *****

…梨華とひとみがあさ美の恐ろしさに身震いしていたその時。
あさ美と麻琴は二人と同じの部屋のクローゼットの中にいた。
つまり、梨華とひとみが見える場所にいたわけだ。

「…ねーあさ美ちゃん。こっからはよく見えないけど…あの箱の中身なんだったの?」
「………ただのおもちゃだよ。」
クローゼットの隙間からそっと二人の様子を伺いながら、無邪気100%の表情で問いかけてきた麻琴の目を見ずにあさ美が呟く。
「ふーん、おもちゃかあ。…ところでさ、なんでうちらこんなところに…?」
「だってあの二人にもしものことがあったら大変じゃん?」
「……そっか。そだね。」
何か納得したように頷くと、再び外の二人の観察を始めた。

少なくとも麻琴はあさ美の30倍は単純である。
124 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時49分30秒
***** ***** *****


「うははは!なんだこれ、おもしれー」

ウインウインウイン。

「なにやってんのよーひとみちゃん。やめなって。」
「だってこれ、動き超変!!ぇははは」

その頃。
あさ美の心づくしの贈り物たちは、ひとみに文字通りおもちゃにされていた。

「もー、なんでそんなんで遊べるのよ…」

はっきり言って、ひとみはおバカでお調子者だ。
黙ってればキレイなのにな…とため息をつきつつ、梨華はまじまじとひとみの横顔を見つめた。
大きな瞳に縁取られた長い睫に、白い肌。

――うっ

…ヤバい、またなんか目の前が…
125 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時50分01秒
ふらふらとしゃがみこんだ梨華に気づいたひとみが、驚いて駆け寄った。
「どしたの、梨華ちゃん?大丈夫?」
「ん…ぁ…」
下を向いて何かを堪えるように声を震わせていた梨華だったが、ややもあって耐え切れなくなったようにひとみを突き飛ばした。
「わあ!?」
「…ひとみちゃん…ごめん!」
突き飛ばしたそのままの勢いで、ひとみをベッドに押し倒す。突き上げる衝動に流されるように、足元にあった手錠でひとみの手を拘束した。
「なっ…梨華ちゃん!?」
「…いじめたいの。ひとみのこと、いっぱいいっぱい、いじめたいの…」
妖しく揺れる梨華の瞳の色に思わず惹き込まれてしまったひとみは、押し倒されたまま抵抗もできずに動けなくなる。
「…梨、華…」
「ひとみ…」
『呪い』の力でどんどんとひとみを壊したい衝動に侵されていく梨華と、その色香に完全にやられたひとみ。
理性が、溶けていく。
126 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時51分15秒
「…邪魔だね、コレ…」
少しだけ冷たく色を変えた梨華の目がひとみの着ていたトレーナーをとらえ、細い指がそれをゆっくりとめくりあげた。
「…っ!」
わき腹をかすった爪の感覚に、軽い快感が背筋を這い上がる。
「…ふふ。もう感じちゃったの?」
「ち、ちがぅ…」
すっかり弱弱しくなってしまったひとみは、それでも抵抗を試みた。
「…違うの?じゃあ、これは…?」
ブラジャーをつけていなかった胸の先端を、ごく軽く爪でひっかく。
「…うぅん!」
「意地張った、おしおき。」
そう言って妖艶に微笑むと、触れるか触れないかの微妙なタッチで体中をなぞり始めた。
「…っ!ふぅ…くっ……!」
体をびくびくと跳ね上げて、ひとみは静電気のような快感に耐える。
しかし、それ以上の刺激は与えてもらえない。
127 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時51分51秒
「…やぁっ…や、じらさないで…」
「ダーメ。言ったでしょ?お・し・お・き。」
「うぅ…っ」
少しずつ脱がされたトレーナーは、手錠をしたままのひとみの手からは完全に抜けずに腕のところでとどまったまま。
徐々に脱がされつつあるジーンズも、中途半端に降ろされた状態でそのままにされた。
完全に脱がされないことが、かえって強姦されているようなアブノーマルさを思わせる。

「あれ?ひとみちゃん。ちゃんと触ってないのに、なんでココこんなに濡れてるのかなぁ?」
「はぁん!」
意地悪く笑った梨華の指先が、ひとみの敏感な部分を掠める。
それもやはり、かする程度の微弱な刺激で。

こんなことくらいでこんなに濡らしてしまっている自分が恥ずかしくてたまらないのに、自分でもはっきりとわかるほどそこは熱く溢れてしまっている。

「…梨華ちゃん…お願ぃ、もっとちゃんと…」
「何?聞こえない。」
「だから、あの…もっと…」
「なーにー?」
「う……」
128 名前:10.一番楽しいのは誰ですか? 投稿日:2003年01月09日(木)01時52分36秒
欲しいのに、おねだりの言葉がどうしても出てこない。
わずかに残る理性と、今すぐ快楽に溺れてしまいたい本能が脳内をぐちゃぐちゃに駆け巡る。
「…おしおき、されたいのかなぁ…?」
至極楽しそうに笑った梨華は、例の箱の中から何かを取り出した。
その手に握られているのは、大きな赤いろうそく。
「!!」
怯えた顔でベッドの隅に逃げたひとみを満足そうに見つめると、梨華はろうそくにおもむろに火をつけた。
「…逃げてもダメ。あたし、わかるんだから。…期待、しているでしょう…?」
ろうそくの炎に照らし出される梨華の表情は、息を呑むほど奇麗で。
自らの両手首につながれた手錠の『がちゃり』という硬質の音がやけに大きく聞こえる。
「………ぅぅ。」
胸の中でちろちろと揺れる欲望の炎を否定できなかったひとみは、小さく、ゆっくりと頷いた。
129 名前:麻ーチ 投稿日:2003年01月09日(木)01時56分10秒
某作者さんとハンドルがかぶっていたことにいまさら気づいたのでちょっと変更。
更新遅くて申し訳ありません。次あたりから厳しいエロになりそうなんで多分sageで行きます。

>119
遅筆ですが、まったりついてきてくださいませ…
>120
これからSM大会です。クローゼットの二人もどうにかなるかもしれません(w
130 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月09日(木)10時56分56秒
キタ━(0^〜^)人(^▽^ )━ッ!!
sage進行万歳!
マターリ待ちます!
131 名前:名無しさん 投稿日:2003年01月12日(日)16時15分40秒
いつまでも待ってます!!
132 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月02日(日)14時55分33秒
(;0^〜^)ドッキドキドン…
133 名前:11.結局そうなるのね。 投稿日:2003年02月07日(金)15時49分53秒
ろうそく片手に、薄い微笑を浮かべて迫る少女。
迫られる少女は、手錠をされて動けない。

どこまでも妖艶な目で自分を見下ろす梨華に、背筋がぞくぞくと震える。
自分の手を拘束する冷たい鉄の輪でさえ、ひとみの心を攻め立ててやまない。
「大丈夫、ひとみ…痛くないから…」
細く揺れる炎の根本から溢れ出す赤いロウが、白い肌に落とされた。
「…あぅっ!」
――実際のところ。
ロウは見た目ほど熱いものではなかった。が、『虐められている』という状況が、快楽を増幅させている。
「う…あぁ…」
首筋に、脇腹に。真っ赤な花びらのように飛び散るそのコントラスト。
身動きの取れない不器用な身体をよじりつつも、ひとみは潤んだ眼で懇願した。
134 名前:11.結局そうなるのね。 投稿日:2003年02月07日(金)15時50分39秒
「…梨華…もっといじめて…あたしのこと…」
「…ふふ…いいよ…可愛い、ひとみ」
ジーンズとショーツを膝まで降ろされると、堪えきれない蜜がしたたり落ちる。
「…ひとみ、やらしい。」
「やっ…見ないで…」
体をよじって逃げようとすると、柔らかい肉の中にいきなり指を突き立てられた。
「ああぁぁん!!」
「こんなになってるくせに。」
一番感じるポイントをわざとずらして中をかき混ぜられたひとみは、たまらないといった様子で腰を暴れさせる。
「や、あっ、あっあっ・・・!やだ、ん…」
「つらい?つらいよねえ…じゃあ、ちゃんとおねだり…できる?」
ニヤリと笑って自分を見下ろす梨華を見て少し涙目になりながら、ひとみはいやいやと首を振った。
「…へえ。じゃあこのままでいいんだ。」
「!やだっ…」
引き抜かれそうになった指を追いかけるように腰を浮かせるしぐさにまた笑うと、梨華は冷たく言い放った。
「じゃ、言って。」
「う…」
言いよどんでいると、またぐるりと中を撫でられる。
135 名前:11.結局そうなるのね。 投稿日:2003年02月07日(金)15時51分12秒
「ああっ…お、お願い…もっと、もっとしてぇ…!」
「何を?」
追い打ちをかける言葉に打ちひしがれた表情をすると、ヤケのように叫んだ。
「さ、触って…あたしのカラダもっといっぱい触って、めちゃくちゃにしてっ…!!」
涙声で懇願するひとみを見てどこか冷たい、それでいて満足そうな笑いを浮かべた梨華はさきほどひとみがおもちゃにしていたオモチャを取り出した。
「り、梨華ちゃんそれ…あぅっん!!」
「ふふ。大丈夫、怖くないから。」
ひとみが何か言うより先にそれをひとみの奥深くに差し入れた。
「んああっ!や、や……あっ!」
「スイッチ入れま〜す♪」
やけに楽しそうな梨華の声の後、いかにも電気的な音とひとみの嬌声が部屋に響き渡った。
136 名前:11.結局そうなるのね。 投稿日:2003年02月07日(金)16時05分38秒
******

「…あ、あさ美ちゃん…あの、石川さんが吉澤さんに…え?あれっておもちゃじゃないの?あんなことに使っていいの?」
クローゼットから一部始終を見ていた麻琴がおろおろとあさ美のシャツをひっぱった。
「…大人の世界はいろいろなんだよ。」
「………そう。」
納得したのかしないのか、曖昧に頷いてまた視線を外に移す。
耳を澄まさなくてもわかるほど、部屋にはひとみのえっちな声が溢れていた。
「……うぅ」
「どうしたの?まこっちゃん。」
「や、なんでもない、けど…なんか暑い。」
ぴったりと密着した麻琴の体は、確かに熱い。
「大丈夫?具合悪い?」
心配になったあさ美が熱を測ろうと麻琴の額に手を伸ばす。が、暗闇で照準を外れた右手は思いがけず麻琴の耳たぶを掠めた。
「んっ…!」
「あ、ごめ…」
思ってもみない過剰な反応に慌てて手を引っ込めてから、あさ美はふと気がついた。
137 名前:11.結局そうなるのね。 投稿日:2003年02月07日(金)16時06分29秒
…まこっちゃん、もしかして…
「まこっちゃん。」
「え?…!いやっ…」
暗闇だと言うのに的確に麻琴の胸の頂点を捉えた『紺野流秘奥儀・指先乳首プッシュ』が炸裂した。
良く見えないけど、きっと麻琴の顔は真っ赤だ。
「なっ、なにすんのぉ」
いつもより甘さを増した語尾に確信を強めて、あさ美はなおもそこに指をぐりぐりと押しつけた。
「麻琴、欲しくなっちゃったんでしょ?」
「あっ!……ほ、欲しいって??」
体は熱くてしょうがないはずなのに、今の自分の状況がよくわからないらしい。
「つまり麻琴は石川さんたちの行為を見てえっちな気分になってしまった、と」
「!そっ、そんなんじゃ、ないもん…」
身を捩じらせて逃げる麻琴の、かすかに荒くなった息遣いにあさ美は外の二人そっちのけで詰め寄る。
「…そんなんじゃないなら…確かめてあげようか?」
「えぇ?」
キラリと光るあさ美の眼光。
…麻琴は知らなかった。
あさ美が言うところの『おもちゃ』を、あさ美がたったいま所持しているということを。

138 名前:11.結局そうなるのね。 投稿日:2003年02月07日(金)16時07分00秒
*****

ウイィィィィィ
「あっ、っ…り、梨華ぁ!痛い、痛いよぅ…」
「大丈夫、もう少し我慢して…」
ウイィィィィ
「う、くうっ!!あぁあ……」
「…もっともっと、気持ち良くさせて上げるから…」
「あ、あぁぁ!やぁ、お、おかしくなっちゃうよぉっ…!」
「…いいから、もっとおかしくなって…」
手錠、ろうそく、オモチャ…
初めてのことだらけで体が悲鳴を上げるほどの快楽に引き裂かれそうなひとみは、大して機能しない頭で口走った。
「あぁああん!!う、壊れちゃうぅ…!た、たすけて…」
139 名前:11.結局そうなるのね。 投稿日:2003年02月07日(金)16時07分40秒
…そしてあさ美はこの時点ですでに忘れていた。

「やんっ、あ、あさ美ちゃんやめてぇ…」
「ほら麻琴、こんなに濡れてるよ…なんで?」
「や、そんなの…わかんないっ…」
「川o・∀・)アヒャ!」

『なにかあったら助ける』という外の二人との約束と、自分の立場を…

140 名前:麻ーチ 投稿日:2003年02月07日(金)16時13分05秒
ヒサブリの更新です。お待たせしてすみません。
いつのまにか「暴走する三人と不幸な一人の物語」になりつつあります。

ていうかsageで更新してもみなさん気づくのかな?
141 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月07日(金)17時18分34秒
更新きたー!気づきましたぁ。
待ってましたよぉ、約束を忘れるて……な紺野…イイ!!
142 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月07日(金)18時46分16秒
キタ━(0´〜`0)━(〜`0 )━(`0 )━( )━( `)━( `▽)━( `▽´ )━ッ!!
待ってました(w
おがこんは何故か笑ってしまいました。紺ちゃんイイ味だしてますね(w
143 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月28日(金)23時33分58秒
待ってるデス
144 名前:名無しさん 投稿日:2003年03月05日(水)14時08分22秒
まっとぇまする。
145 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月27日(木)18時45分02秒
ホゼむ
146 名前:11.助けてよ紺野さん。 投稿日:2003年04月08日(火)01時28分56秒
「あっ…ん…ふぅう…」
クローゼットの奥に体を押し付けられて、逃げ場のない状態でこれでもかというほど敏感なところばかりを攻められる。
「あさ美ちゃん…やだ、だめだってばぁ…」
「…嘘つき。いいんでしょ?声が可愛くなっちゃってるよ。ふふ…」
大きな声が出せないからというわけではなく、普段から小さく細い声が耳元で卑猥なセリフをつむぐ。
確かに、最初にきっかけを与えてしまったのは麻琴の方かも知れない。それは事実だから仕方のないことだ。
…だけど。

『…だからってなんで縛られてるんだあたしはーーーッ!!!』

めいっぱい叫んだ心の声はあさ美には届かない。
耳をくすぐられ、わき腹を舐められ、なんだかんだされてるうちにクローゼットにあった浴衣の帯で手を拘束されていた。
とまらないあさ美の連続秘奥儀にわけがわからなくなって気づかなかったのも問題なのかもしれないが。
「あっ…あぁあ」
「まこっちゃん、声おっきいよ。我慢して。」
「だって…無理だよぅ…はぁっ!」
声を出すなと言いながら、悪戯し続ける指の動きは止めない。
わがままな人である。
147 名前:11.助けてよ紺野さん。 投稿日:2003年04月08日(火)01時29分47秒
「すっごく可愛いよ、麻琴…聞こえる?」
狭いクローゼットの中に、あさ美が指を動かすたびに濡れた音が響く。
「やだっ…!あさ美のスケベ!バカっ!」
「…ふふ。」
涙声で怒られても、あまり反省心は沸かないようだ。あさ美はにこにこしている。
「じゃあそろそろ…コレ使ってみようかぁ?」
こっそり所持していたピンク○ーターを取り出すと、スイッチを入れてまずは麻琴の首筋に押し当てた。
「ひぁっ…!な、なにコレ…?」
「ただのおもちゃだよ。」
「…っ…くすぐったいよ…」
小刻みに震える小さな機械が首筋を這い回る感触。焦れた感じが、心の均衡を崩していく。
「…麻琴。触ってないのに、濡れてる。」
「うう…だって…ぁ…」
見られている恥ずかしさと、縛られている屈辱感。それに、中途半端な愛撫。
もっと触って、なんて言えるはずがない。
「素直じゃないねー。」
「ぁあぁ…やだ、やだぁ…」
148 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時30分22秒
○ーターの先を、膨らんだ蕾に押し付ける。それだけで、軽く意識が飛びそうになった。
縛られた手首が、暴れるたびに締め付けられる羞恥。
麻琴のさらさらの黒髪が頬に触れて、甘い匂いが鼻を掠める。
「ねえ、もっとぉ……」
「…なに?何を?」
わかっているのに、わざと訊いた。振動は、入り口付近で止めたまま。
「だから…それ…それを…」
泣き出しそうに震える声が、あさ美の興奮を煽る。もう少し、もう少しだ。
「これ?これを…どうしたらいい?」
「だから…もう…ぁ…もっと、奥まで入れてぇ…お願い…」
149 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時32分17秒
キタ━━━━川o・∀・)━━━━ッ!!

あさ美は思わず心の中でガッツポーズをした。恥ずかしがりでうぶな麻琴に、恥ずかしいおねだりをさせたという達成感。
紺野流秘奥儀がまた一歩完成に近づいた瞬間である。  

「じゃあ、いくよ…」
「ん…は、あぁ…」
つぷりと奥まで進んでいく感触。麻琴の目が、どんどんうつろに潤んでいくのがわかった。
「あさ美、あさ美…はぁん…ねえ、ぁ、ぎゅって、ぎゅーってしてて…」
「いいよ…」
右手は動かしたまま、左手を使って身体ごと抱きしめる。
「ん、あ、ぁっ…!はぁ、ああっ…!!や、やぁ…!!」
さらに密着した勢いで、奥の壁まで到達した。抜き差しを繰り返すと、身を捩じらせて暴れた。
「あさ美…あ、あ…っ!ふ…」
興奮している麻琴が、噛みつかんばりに激しくあさ美に口付けた。
我を忘れて必死に唇を奪い、ほとんど無意識に腰をゆすっている麻琴にあさ美は感動する。
「あぁ、はあぁ…ん、うぅんっ…!!ねえ、もういきそう…いっちゃうよぅ…っ!」
「あ、待ってもうちょっと…」
長く楽しみたいあさ美は、焦らすように手の動きを緩めた。
150 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時32分54秒
「やっ…!もう無理、無理ぃ…!!だめ…あ、あっ、ああ…」
どうにかもたせようとしたが、我慢し切れなかったのか果ててしまった。
「あ、いっちゃった…?もう、じゃあもう一回…」
「…ちょっ…ダメだよ…もぅ抜いて…う、あ…」
一度いってしまった体の余韻で、麻琴は頭が働かない。
「ダーメ、まだこれから」

「うあぁあぁああああ」

「……ん?」
二度目に突入させようと思った瞬間、外から悲鳴が聞こえた。
「ぁ、紺野…!助けてぇ…!!」

「…あ。吉澤さん…」
151 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時34分09秒
そのときやっとあさ美は思い出した。
自分は今ひとみと梨華の呪いを解くための手伝いをしようとしていたこと。なにかあったら助ける、と言ったこと。
「い、今行きます!!」
『やばいよ、忘れてたよ!』とばかりにいきおいよくクローゼットを飛び出し、颯爽と二人のもとへ駆け寄る。
そこで目にしたのは、信じがたい光景だった。
「い、石川さん…!!」

梨華がひとみに馬乗りになって、首を絞めている。
「く、苦しい…紺野…」
「よ、吉澤さん…」
目が合ったひとみは、すっかりいつもの彼女に戻っていた。頭上で、火の玉が二つ、絡まるようにうごめいている。
『殺せ…』
『この二人を…』
152 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時35分06秒
「うわああ〜」
わたわたと手を振って慌てるあさ美に、ひとみがかすれる声でうめいた。
「梨華ちゃん…自分のしてることわかってな…うぅ…」
「ひとみちゃん…殺してあげる…」
焦点の合わない目で首にかけた手に力を込める。このままではひとみがあぶない。
「石川さん!やめてください!!」
羽交い絞めにして引き剥がそうと試みたが、信じられないほど強い力だった。
「うぅう…!!梨…華…っ」
「吉澤さん!身体を蹴って動けなくさせて逃げてください!」
あさ美の指示に、ひとみはうっすら目を開けると力なく首を振った。
「…いや…だ…」
「…でも!このままじゃ吉澤さんが…!!」
必死で梨華の身体にしがみつくあさ美に、ひとみは弱々しく笑いかけた。
「梨華ちゃんに殺されるなら…悪くない最後…かもね…」
「吉澤さん!!ダメです!!!」
153 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時35分37秒
首にかけられた手に無理やり頬擦りをして、梨華の顔を見上げる。
「…手錠してるから抱きしめることもできないけどさ…くっ…最後だから言わせて…」
うつろな梨華の目が、ぼんやりとひとみを見下ろす。
「こんなことになっちゃったけど…好きだよ…愛して、る…」
「……!!」

梨華の手が、緩んだ。

「…石川さん…?」
異変に気づいたあさ美が、頭上の魂を見上げる。

『愛してる…?』
『愛…』

火の玉が、困惑したように揺れた。
その言葉を聞くことのできたあさ美が、はっとしたように顔を上げる。
154 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時36分09秒
「そうですよ!この二人は愛し合ってるんです!あなたがたじゃ殺せません!!」

『あぁあぁああ…』

あさ美の声をきっかけにしたように、火の玉は急速に小さくなっていった。

『忘れてた…思い出したよ…』

形に伴って、声もどんどん小さくなっていく。

『俺たちも、愛し合ってたんだ…』

どこか安らかな声を残して、火の玉は消えた。

「…梨華ちゃん!」
「…石川さん!?」
155 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時39分43秒
振り向くと、糸が切れたように脱力した梨華がひとみの腕に倒れこむところだった。慌ててあさ美も梨華にすがりつく。
「息は…してますね。」
「…はぁ…よかった…しかし、本気で死ぬかと思ったよ…」
肩で息をしているひとみが、少し苦笑いをする。
「とりあえず、この手錠外してくれない?」
「あ、はい…」
付属のカギでひとみの手を自由にすると、乱れた服を着なおしてからやれやれといった様子で梨華を抱き寄せた。
「とりあえず、助かったよ。どう?呪い、解けたのかなあ。」
「多分…火の玉の気配がないですし…」
天井を見上げても、なにも感じられない。
「あのタマシイたち、身体を重ねることに夢中になって愛し合うことを忘れたまま亡くなったんでしょうね、きっと…」
「…そうかぁ…」
感慨深げにひとみも遠くを見つめる。
156 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時40分24秒
「…でも、自分でもびっくりした。あんな状態でも『好きだ』なんて言えるほど、梨華ちゃんが好きになってたなんてさあ。」
自分でも気づいていなかった気持ちにようやく気づいたといった感じで、ひとみが照れ笑いした。
「あ、でも梨華ちゃんがどう思ってるかわかんないけどね。あはは。」
「いや、…石川さんもきっと、吉澤さんを愛してますよ。」
眠る梨華の背中をそっと撫でて、あさ美がつぶやいた。
「…気づいてました?我を忘れて首絞めながらも、石川さんの手、震えてたんです。迷いがありました。」
精神が乗っ取られているときに自我をあらわすのは容易なことではない。それなのに、梨華は葛藤していた。
「愛してるんですよ。」
ふわりと笑いかけて、梨華の身体を起こそうと肩に手をかけた。
「さ、一応救護室に連れて行きましょうか。」
「そうだね…あ、あたしがおんぶするから。ちょっと手伝って。…よいしょっと。」
三人で、部屋を出る。
あさ美は満ち足りていた。よかった、呪いが解けて本当に良かった。
そして、『こんなふうに愛し合える二人がうらやましいなあ』などと思いながら廊下を歩いた。
157 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時41分37秒
ん…待てよ…何か忘れてる気がするなあ…

不思議な気持ちに駆られて、ふと立ち止まる。
「?紺野?どうしたー?」
前を歩くひとみに声をかけられて、あさ美は首を振った。
何も忘れてるはずはない。無事に二人を助けられたわけだし、完璧だ。
「なんでもないですよー。」
笑顔で歩き出すあさ美は、完璧だった。
…完璧に、忘れていた。

麻琴と、行為の途中であったということを。


………両手を縛られ、稼動中のピンク○ーターを突っ込まれたまま気を失っている麻琴が、夕食の時間を告げにきた愛によってクローゼットから助け出されるのはもう数時間後の話である…。
158 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月08日(火)01時42分19秒
カース!

<一応終了>
159 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年04月08日(火)01時46分11秒
あげてしまった。あーあ。まあいいか。
放置期間が長かった上に微妙な終わり方になってしまってごめんなさい。レス下さった皆様、ありがとうございました。
いしよしにはじまり、すっかりおがこんにハマってしまった作者ですが、また短編とか続編とか書きたくなったらここに書きたいと思います。

ていうか小川さんが不憫…
160 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年04月08日(火)10時44分21秒
ていうかタイトルが『名無し読者』になっていた。おぉい!
えーと、最終話のタイトルは『助けてよ、紺野さん。』でした。
ごめんなさいm(__)m
161 名前:達吉 投稿日:2003年04月13日(日)19時23分14秒
感動しましたよ!
目が潤んでしまいました!!
そして、更新お疲れ様です。
162 名前:(^▽^) 投稿日:2003年04月15日(火)00時38分33秒
番外編があったら見たいです〜(^▽^)♪
163 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月24日(木)15時32分38秒
面白かったです。おがこんも良かったー!
164 名前:名無しさん 投稿日:2003年04月28日(月)21時29分51秒
紺×麻の番外編読みてぇー!
165 名前:小川さんの災難。 投稿日:2003年05月18日(日)21時42分06秒
「正直、スマンかった。」
「…………。」
「…や、違くて……申し訳ありませんでした。」
「…………。」

――それは、一見するとちょっと異様な光景である。

土下座しているあさ美と、あぐらをかいてそっぽ向いている麻琴。
あさ美の心からの謝罪にも、返事はない。

…端的に言えば、原因は例の一件である。
『紺野流秘奥儀・クローゼットに放置プレイ。』

わざとやったわけではないにせよ、オモチャをつっこまれたまま何時間も放置されたダメージは大きい。
実際愛に発見された当初の麻琴は意識もなく、脱水症状を起こして死にかけていた。
親友が縛られて気を失っている惨状に驚いた愛が慌てて警察に通報しようとしていたところを、ひとみが止めてくれたそうだ。

あっちの世界とこっちの世界をいったりきたりしている頃、わずかに耳に届いた会話が思い出される。
166 名前:小川さんの災難。 投稿日:2003年05月18日(日)21時42分40秒
〜〜〜〜
「…ほやって、麻琴あれ、レ、レイプされたんやないですか!?やっぱケーサツに…」
「いや、違うよ、あれは多分小川も一応承諾した上で…」
「そんなんおかしいでぇ!大体相手は…」
「…高橋。大方想像ついてるだろうけど、相手は空手の茶帯だよ。余計なマネすると、こっちも危険だ。」
「…!ほ、ほやったら麻琴、無理やり…」
「や、それも違う。これはあたしの予想だけど、小川は多分…」
「……多分?」
「……………Mなんじゃないかなって。」
〜〜〜〜

…ああ、思い出しただけでも憤りで鼻血が出そうだ。
いくら先輩といえどもあんまりじゃないか。
ていうか愛ちゃんも信じるなよ。あれから妙に態度がよそよそしいあたりがリアルだよ。
…いや、それもこれも、全部…
167 名前:小川さんの災難。 投稿日:2003年05月18日(日)21時43分35秒
「あさ美ちゃんが悪いんだ!放置するから!縛ったりしたから!!だいたいスイッチ入れっぱで放置ってありえねえよ!!マジで死ぬかと思ったよ!!!ってかむしろあんとき愛ちゃんに通報させとけばよかったぁぁあ!!」
突然うずくまり、激昂してばんばんと床を叩いている麻琴にあさ美も少しオロオロした。

「…いや、あの、忘れてたとかそんなんじゃなくて…」
「………忘れてたじゃん。」

一蹴。
当然だ。だって実際忘れてたわけだし。

「…ごめん!!ごめんなさい!!もう一度麻琴と仲良くできるなら何でもするから許してください!!」
再び土下座。床におでこをこすり付け、こちらも必死だ。
「…うぅーん…」
元来気のいい麻琴のことだ、ここまで謝り倒されたら邪険にはできない。
許してあげようかな、どうしようかな、と、ちらちらあさ美の方を気にしている。
168 名前:小川さんの災難。 投稿日:2003年05月18日(日)21時46分11秒
…でも、ここで簡単に許してしまったら今後の関係に響くこともわかっていた。
このままじゃ完全にあさ美の主導権。それはちょっといただけない。

「…やっぱまだ許してあげない。もーちょっと頭冷やしなさい!」

心を鬼にしてできるだけ冷たく言い放つと、麻琴はそのまま部屋を出て行った。
後に残されたのは、土下座したまましおしおと意気消沈するあさ美のみ。

「…まこっちゃん…どうしても許してくれないんだね…こ、こうなったら奥の手を…」
麻琴の拒絶に悶えながら、あさ美はポケットに手を入れた。
指に触れる、小さな薬品のビン。

いかにも妖しそうなそれには、一言『媚薬』とだけ書かれている。
「保田さんにもらったこの媚薬…これを使うときがきたんだ…。麻琴、私無しじゃいられない体にしてあげるからね…」
あさ美はどこか妖艶な、それでいて街を歩いていたら確実に『あんた捕まるぞ』と人に指摘されるような笑みを浮かべた。

『もう一度麻琴と仲良くできるなら何でもする』というあさ美の言葉は、今まさに間違った方向で発揮されようとしていたのだった…。
169 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年05月18日(日)21時48分11秒
レス下さったみなさまありがとうございます☆なんかおがこんが好評で嬉しかったんで続編。
紺野さんがどんどんやばくなってるとか、そういうことは気にしちゃいけません。
川o・-・)ノ<そこに愛があるからです。
170 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月18日(日)22時36分48秒
続編キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

紺野さん、なんかキテるよ、紺野さん。
つーか、保田さんなんでそんなの紺野さんにあげたのさ。

続き楽しみにしてます。
171 名前:2.責任取ってください。 投稿日:2003年05月29日(木)00時05分31秒
その日の夕方。
あさ美は帰ろうとするひとみをつかまえて、食事に誘った。

都内某所のカフェレストラン。
ひとみはスープパスタ、あさ美はかぼちゃのグラタンを食べている。

「…ていうかさあ、珍しくない?紺野の方から食事しようなんてさ。」
「ひふはほーはんはありはいえ」
「…うん。紺野、口の中の物飲み込んでから喋ろうね?」
「はひ」
もぐもぐごくん。
172 名前:2.責任取ってください。 投稿日:2003年05月29日(木)00時06分21秒
「…実は相談がありまして。」
「…なんでしょう。」
一瞬きらりと光ったあさ美の眼光に言い知れぬ不安を感じて身構える。
「吉澤さん、愛ちゃんに『まこっちゃんはMだ』って言いましたよね?」
「!!…なぜそれを…」
「まこっちゃんに聞きました。それが原因で、今ケンカ中なんです。」
真顔のまま、水を一口。
ことさら冷静なその様子に、ひとみはますます不安になった。
なんでもない顔して、実は心の中で烈火のごとく怒っているんじゃなかろうか?
それとももうすでに、どのワザで自分を殺すつもりか考えているのかもしれない。
「……ご、ごめんなさい。」
フォークをテーブルに置いて、慌てて頭を下げる。

落ち着いて考えれば、ケンカの原因として妥当なのは『ひとみが麻琴をMだと愛に話した』ことよりも『あさ美が麻琴を行為中クローゼットに放置した』ことの方だと思い当たるはずなのだが、いかんせん冷静さを欠いたひとみにはそこに気づく余裕がなかった。
173 名前:2.責任取ってください。 投稿日:2003年05月29日(木)00時07分08秒
「…いや、べつに吉澤さんを責めてるわけじゃないです。ただちょっと・・・仲直りするために吉澤さんに協力してもらいたくて。」
「な、なんなりと協力いたします!」
指詰めや切腹などなど、やけに古風な償い方法で頭がいっぱいになっていただけにひとみは一安心である。
仲直りのための協力?お安い御用だぜベイベー!といった風情だ。
「で、あたしは何をすればいい?」
「それなんですけど…これ。」
「ん?」
あさ美がそっと取り出した小瓶を受け取って眺めた。
殺風景な茶色い薬品の瓶には、無愛想な文字で『媚薬』とだけ書かれている。
「…なにこれ。」
「媚薬だそうです。保田さんに頂きました。」
「…なにしてんだよ圭ちゃん…」
174 名前:2.責任取ってください。 投稿日:2003年05月29日(木)00時09分50秒
あさ美はしばしあさっての方向を見つめた。
「思い起こせば一週間前…たまたま保田さんの家に遊びに行ったとき、野球拳で勝った私に保田さんが」
「ま、待て!なんかおかしいぞその状況!!」
「気のせいですよ。で、潔く脱ごうとした保田さんに『それだけは勘弁してください』と言ったら代わりにこれを…」
ほう、とため息をついて、誇らしげに瓶を掲げる。
「わっかんねーよ!あの人わけわかんねーよ!!」
頭を抱えるひとみの肩をぽんぽんと叩いて、
「娘。には不思議がいっぱいですね。」
と変なフォローを入れるあさ美。
確かに不思議はいっぱいだ。

「で、ここからが本題なんですよ。この媚薬を、まこっちゃんの飲み物とかにこっそり入れてもらえませんか?私は今ちょっと気さくに近づける状況じゃないんで。」
「いや、それはまあいいけど…ホントにこんなん効くの?」
疑わしそうに瓶のふたを開けてみると、小粒の白い錠剤が入っている。

175 名前:2.責任取ってください。 投稿日:2003年05月29日(木)00時10分26秒
「ターゲットにその錠剤を飲ませて、自分は香水をつけるらしいですよ。ほら、これ。」
今度はブルーの瓶を取り出して見せると、ひとみは興味深そうにくんくんと鼻を近づけた。
「んー…甘くていい匂いだけど、普通だね。」
「薬を飲んだ人だけが反応するらしいです。」
「へー…」
しばらく無言で香水を見つめていたひとみが口を開いた。
「…効果が証明されたら、あたしにも貸してね。」
「……必要ないじゃないですか。」
「いや、なんか楽しそうだし…」
誰に使うつもりかということは深く考えないことにして、あさ美はとりあえず薬品の瓶をひとみに託した。
「…じゃあこれを一粒、まこっちゃんの飲みものに潜ませてください。水に溶けるそうですから。」
「よし、まかせろ!」
胸をどんと叩いて、ひとみはいかにも頼もしそうにそう言った。
あさ美が『吉澤さんいかにも「まかせろ!」って感じだけど、これが何かの前フリじゃなきゃいいけどなあ。』なんて考えていることも知らずに。
176 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年05月29日(木)00時12分19秒
更新です。この先どうしよう。

>170
保田さんと紺野さんはアブノーマルつながりです、多分。(ひどい
177 名前:名無しROM専 投稿日:2003年06月11日(水)22時55分38秒
川o・-・)b<GOODです。
続き楽しみにしてます!!
178 名前:3.吉澤さん、やっちゃった? 投稿日:2003年06月12日(木)17時40分48秒
撮影の合間の休憩時間。
ひとみは言われたとおりに、預かった薬をジュースに仕込んでいた。
『しゃきりり』にしようか『午後ティー』にしようか迷った挙句、独断と偏見で梨華の好きそうな午後ティーにした。
別に目的を忘れているわけではないが、こんなときでも梨華の好みを取り入れてしまうひとみの悲しい性である。

「おがわー!!」
準備ができたひとみは、紙コップに入れた午後ティー(媚薬入り)を持って意気揚々と麻琴に接近。
元気いっぱいのひとみと対称的に、廊下の長椅子に座り込んでいた麻琴はジト目でひとみを見上げた。
「…なんですかマゾ。」
「もうマゾじゃねえ!!」
思わず鉄拳をかましそうになったのをぐっとこらえて隣に座る。
きっと麻琴も、自分に対して怒っているに違いない。
179 名前:3.吉澤さん、やっちゃった? 投稿日:2003年06月12日(木)17時41分26秒
「……えーと…とりあえず、高橋に変なこと言って、ごめん。」
ここは男らしく潔く謝ろう、と決めて頭を下げる。
「高橋がホントに警察呼びそうな勢いだったから、ああするしかなかったんだ。大事になったら困るっしょ?」
素直に自分を心配してくれている様子のひとみに、麻琴もちょっとうつむいてから首を振った。
「…まあ、もういいですよ…」
吉澤さんだって悪気があったわけじゃないんだしなあ、と思い直して遠くを見つめる。

…それにしても、だ。
自分と目が合うたびに頬を染めて逃げていく愛の姿を思い出すとため息がとまらない。
…おおかた、あさ美に虐められて興奮しているあたしの姿でも想像しているんだろう。
た、たしかにイヤじゃなかったけど…でも納得はいかないし…
とにかく、愛ちゃんはあたしが縛られてなんやらかんやらつっこまれて、それで悦んでる奴だと思ってるんだ。
きっとそうだ。絶対そうだ。
………
……

180 名前:3.吉澤さん、やっちゃった? 投稿日:2003年06月12日(木)17時41分59秒
「…なぁんであんな言い方したんですかぁ!!もっと他のやりかたあるじゃん!あんた鬼だよ!!ぐあぁあぁあああ」
「!?うぉおい!!たった今もういいって言ったじゃん!この数秒の間に一体何を考えた小川!!」
錯乱して頭を抱える麻琴をどうしていいかわからずに、ひとみまで慌ててしまう。

どうしよう、とりあえず小川を落ち着かせて、ええと、なんて言ったらいいんだ?ええと、うー…あ!待て、その前にあたしが落ち着かなきゃな!そうだそうだ、あたしって頭いい!落ち着くには…あ、なんか飲むか。お?なんだよあたしちょうど飲み物持ってたじゃん、そうそうこれこれ、やっぱ紅茶はあややのアイスティーだよね!♪アズィ、アズィ、タンバディダンバディ、ハァ〜♪
…ごく、ごく、ごく…

「……ってぉおーい!!なに飲んどんじゃあたしはぁぁ!!!」
持っていた飲み物は麻琴に飲ませるために持ってきたこと、そして媚薬入りだったということを今さら思い出す。
大失態だ。前フリ通りの大失態だ。
しかもコップ一杯飲み干してるし。
181 名前:3.吉澤さん、やっちゃった? 投稿日:2003年06月12日(木)17時43分00秒
「…なにやってんですか吉澤さん…?お茶飲んだくらいで大騒ぎして。」
いつのまにか正気に戻っていた麻琴に呆れられる始末である。
「いや、あの…わ、わけは言えないけどやばいんだって!げほ、げほ!」
どんどんと胸を叩いてどうしようどうしようとうろうろしているひとみの視界に、さらに大変なものが映った。
「…吉澤さん?」
「!紺野!」
廊下の向こうから現れたのは、あさ美だった。

やばい、失敗したのがばれたら空手パンチされる!
そう思ってわたわたするも、あさ美は迷うことなく近づいてくる。
ひとみが麻琴にもう薬を飲ませたのだと思っているらしい。
「あ、あの、紺…ぐっ!」
すぐ目の前までやってきたあさ美から、甘い香りを感じてくらくらした。
182 名前:3.吉澤さん、やっちゃった? 投稿日:2003年06月12日(木)17時43分31秒
確かに最近可愛くなったよなあ、とは思っていたけど、ここまで魅力を感じたことはない。
うるうるとした大きなひとみに長いまつげ。薄く開いた唇は、まるで自分を誘うようにつやつやとしている。

…こ、これが媚薬効果!!

「こ、紺野!!」
「は、ぅわっ!?なんですか吉澤さん!」

湧き上がる衝動に、勝てない。
冗談でも媚薬でも何でもいいから、この子を抱きたい。
「…紺野…世界で一番オマエが可愛い……今だけは。」
「な、何言ってんですかちょっと!」
突然あさ美を抱きしめて何か口走り始めたひとみを見て、麻琴も変な顔をしている。
183 名前:3.吉澤さん、やっちゃった? 投稿日:2003年06月12日(木)17時44分04秒
「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいからチューさせて。お願い、ちょっとだけだから。」
「いやです!絶対いやです!なんなんですかもう……はっ!ま、まさか…」
長椅子に置かれた空の紙コップを見て、あさ美は顔色を変えた。
「…ご、ごめんなさい…」
抱きしめる腕も、背中を撫で回す手も止められないまま情けない声で謝るひとみ。
「…な、なんでまた吉澤さんが…」
ひとみの腕の中でため息をついたら、麻琴と目が合った。
「…あ…」
言い訳しなきゃ、と思った瞬間、麻琴は俯き加減に目をそらして走って行ってしまった。
「ま、まこ…っ!あぁあもう、吉澤さんのバカ!!!わかったからもう離してください!一回シャワー浴びてきますから!」
とりあえずひとみが薬を飲んでしまっている以上、こっちの香水の匂いを落とすしかない。
「か、かたじけない…」
どうにかこうにかあさ美から体を離すと、後ろにものっすごい殺気を感じた。
184 名前:3.吉澤さん、やっちゃった? 投稿日:2003年06月12日(木)17時44分45秒
「……ひとみちゃん…?」
「……!!!」

この声。
この空気。
振り向かなくてもわかる。…いや、恐ろしくて振り向けない。

「紺野にシャワー浴びさせて、何するつもり……?」
「あっ、あぁ…あの、これは…」

あさ美は修羅場の匂いを感じて、すばやくその場を離れた。
ダッシュで廊下を走りぬけ、角を曲がり…

「ぎゃあぁぁああああああ!!!!!」

ひとみの絶叫を背中で聞き、『私は悪くない私は悪くない…』とひたすら呪文のように繰り返しながらあさ美はシャワー室に向かったのであった…。
185 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年06月12日(木)17時46分15秒
>177
ありがとうございますm(__)m吉澤さんのおバカ全開…。
186 名前:186 投稿日:2003年06月12日(木)18時30分58秒
ゼッタイニ コンノサンガ ワルイト オモウ デス

ヨシザワサン ハ ヤッパリ マゾ デス

サクシャサン サイコー
187 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月12日(木)21時27分09秒
自分も、吉澤さんはマゾだと思います。
188 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月12日(木)22時02分18秒
作者さん、更新乙です。吉のおバカ全開、
腹よじれました。自分も吉澤さんはマ(r
189 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月13日(金)00時53分28秒
おもしろい
けどエロい
けどおもしろい
けどエロい

いい作品にめぐり会えました。
CP分類のお陰です。
マーチさんと企画した方二人に感謝感激!!!
190 名前:186 投稿日:2003年06月13日(金)02時20分17秒
あ、やべっ……
>>189さんのレス見て気がついた。
えーっと、自分、まことに勝手ながら、こちらの小説を「CP分類板」で紹介させていただきましたです。「いしよし」と「おがこん」スレで。
ご挨拶が遅れましてすみません…ほんと失礼しました。やっべ〜〜。

続きを心より楽しみにしております。
昇天された吉澤さん(マゾ)の御冥福を、心よりお祈りします。
間もなく昇天されるであろう小川さん(受け)の御冥福も、今のうちにお祈り申し上げます。
191 名前:4.苦悩。 投稿日:2003年06月17日(火)13時48分54秒
「…というわけで、弁解を兼ねて事情を説明したところ梨華ちゃんも紺野の仲直り計画を手伝ってくれるそうです」
「……はあ、それはまあありがたいんですが…」
あさ美は少し言い淀んで、目の前の先輩の顔を見上げた。
「…吉澤さん、顔がのびてます。」
「ふ…気にするな。」
かっこよくキメてみせたものの、ひとみの顔はキズだらけの上に頬が腫れあがり、さながらカレーパンマンのようになっている。

「なんていうか…メロン記念日が『あなたの愛はおみやげの花束』と言うのと同じように、これはきっと梨華ちゃんの愛なんだよね…」


…それはつまり、石川さんの愛は暴力ってことですか…?

突っ込みたい気持ちをぐっと抑えて、あさ美は健気で不憫な先輩を見つめた。隣でにこにことチャーミースマイルを浮かべている梨華のあの細腕が、どうしてひとみを屈服させられるんだろう。
やっぱり娘。は不思議がいっぱいだ。
192 名前:4.苦悩。 投稿日:2003年06月17日(火)13時49分29秒
「まったくさぁ、だいたいよっすぃーが高橋に変な言い方したから小川が怒っちゃったんでしょ?ホントにごめんね紺野ー。」
「…あ、ぃやそんな、滅相もない。」

この人はピラミッドの頂点だ。

そう認識して、あさ美は慌てて頭を下げる。
「…あのね、お詫びと言っちゃなんだけど、これあげる。こないだお買い物してたら見つけたんだ〜」
「え…いいんですか?」
笑顔満面で渡された、ピンクの包み。
思いがけず梨華にもらったプレゼントに、あさ美はちょっとだけわくわくした。 

なんだろうな。おいしいものかな。あ、でも『お買い物してたら見つけた』って言うくらいだから小物とかかな?

がさがさと紙袋を破り、ついに中身とご対面。
鮮やかな黄色に、流行りのレザー。シルバーの飾りがアクセントになっている、可愛い…
193 名前:4.苦悩。 投稿日:2003年06月17日(火)13時50分09秒
「……首輪?」
「そうなのー、可愛いでしょ?」

え、まあそりゃ、可愛いけど…

「うち、犬は飼ってないんですが…」
「ワンちゃんのじゃないでしょー、小川のだよ?」
「……………。」

あまりにもかっとんだプレゼントに、さすがのあさ美も絶句してしまった。
…と、思いきや。

「…可愛い…。」
「でしょー?やっぱり、紺野はきっと気に入ると思ったんだぁ♪」
「おぉい!いいのかよ!!異論は無しなのか!?」
斜め45度のカッティングで決まったひとみのツッコミもキレイに受け流される。
194 名前:4.苦悩。 投稿日:2003年06月17日(火)13時50分58秒
「まこっちゃんには言えなかったけど、こういうの似合うだろうなあって思ってたんです…」
うっとりと宙を見つめるあさ美の脳裏には、すでに首輪をはめてわんわんと自分にじゃれつく麻琴の姿がリアルに描かれているに違いない。
「よかったぁ、喜んでくれて。何色にしようか迷ったんだけど、やっぱり黄色が似合うかなーと思って。あ、ちなみによっすぃーと色違いなんだ、それ。」
「えぇっ!?」
なにも知らなかったらしいひとみ、隣で驚愕。
「なっ…梨華ちゃん!なんであたしまで…そもそもあたしもう呪いは解けてるし、マゾじゃないし…」
必死で弁解するひとみの目を上目遣いでじっと見つめて、梨華がぽつりとつぶやいた。
「…ひとみちゃんがこれつけてくれたら、私いっぱい可愛がってあげるのになあ…」
「…………。」
195 名前:4.苦悩。 投稿日:2003年06月17日(火)13時53分00秒
ひとみは想像した。
オサレな首輪をつけて、梨華に甘える自分。
いっぱい可愛がってもらう自分。
いっぱいいろんなことをされる自分。

「………吉澤さん?」
「…え?」
「鼻血出てます。」
「え!?うわ、あぁああ!」
あさ美の指摘に慌てて鼻を押さえると、ホントに流血していた。
「大丈夫よっすぃー!?ほら、ティッシュティッシュ!」
「め、面目ない…」
しゃがみこんで、しばし自己嫌悪。
マゾ゙じゃない、あたしはマゾ゙じゃないぞ!!と心の中で繰り返して目を閉じると、生意気なアイツの顔が浮かんできた。
『……マゾ。』
いつもの拗ねた目とは違う、自信たっぷり大上段の流し目だ。

…このヤロウ!!

「…マゾじゃねえっつってんだろこのヘタレ受けがぁ!!」
「よ、吉澤さん!!誰とケンカしてるんですか!!」

…ひとみのマゾ疑惑はいまだ健在である。
196 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年06月17日(火)14時02分15秒
ちょっと更新。本編とはあんまりつながってないけど石吉。
吉がどんどんダメになっていきます。石紺はどんどん恐ろしくなっていきます。
プッチの未来がいろんな意味で心配です。

>186
紹介してくださってありがとうございます。ステキな紹介文に小躍りして喜びました(笑
ラストどうなるか決まってませんが、どのみち小川さんはひどい目に遭うと思われるので早めの祈祷はまったく正しいと思われます。(ひどい
>187
>188
自分も吉澤さんは(ry
>189
ありがとうございますm(__)m
ヴァカ全開ですが今後もどうぞごひいきに…
197 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年06月17日(火)14時08分53秒
追加
>188
投稿者欄にどっきりしました(笑
でもいしよしはいっぱいありますからね、バレてないバレてない…
198 名前:186 投稿日:2003年06月17日(火)19時33分46秒
紺野くん、君の先輩は健気ではあるが断じて「不憫」ではないのだよ。
なにせマゾなんだから。
不憫なのは君のお友達のようだね。
なにせ君がステキなプレゼントを手にしてしまったのだから。

小川ー、運命は受け入れちまったほうが楽だぞー。
それに、下を見れば確実に君よりナニな人がいるだろう、先輩に。
そう思えば気も楽になるって。
199 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月17日(火)22時34分32秒
ここの、プッチって、マゾとヘタレの集団?
タンポポは、サドの集まり?

 カレーパンマン吉澤さんと首輪をつけて
じゃれ回る小川さんを想像して悶えました
が、何か?
200 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月24日(火)06時07分06秒
首輪つけた小川さん可愛いんだろうなぁ…川o・д・)b ッシャァ!
201 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月27日(金)16時25分10秒
あ、よかった・。
首輪付小川にドキッとしたの自分だけじゃなかった・・・
202 名前:5.わくわくわくわく 投稿日:2003年06月28日(土)02時43分22秒
「…じゃあ、行って来るね♪うまくいったら、小川を角の楽屋に行かせるからそこで待ってて。」
「はい、よろしくお願いします。」

媚薬を預けたあさ美は、営業ばりに気合の入った一礼で梨華を送り出した。
あさ美の方もすでに香水を付け直して準備万端だ。
「大丈夫だよ紺野、心配要らないから!紺野はとりあえずこれ飲んで待っててちょうだい。」
梨華はあさ美に『しゃきりり』のペットボトルを差し入れして、ステップも軽やかに去っていった。

「…さすが石川さん、頼もしいですねぇー。」
「……それってあたしは頼もしくないってことすか…?」
心底寂しそうにつぶやくも、鼻に血止め用のティッシュをつめたひとみはどう見ても頼もしくない。
「…しかし気づいたぞ、こうして鼻に栓をしておけば薬の効果が残っていても紺野の香水に反応せずに済むのだ!Let'sDo大発見!これぞ私のすごい方法!」
「…単なるケガの功名じゃないですか。…あ。」
「どした?」
ポケットに手を入れたあさ美が、はちゃー、と眉を下げた。
203 名前:5.わくわくわくわく 投稿日:2003年06月28日(土)02時44分43秒
「薬と一緒に、香水まで石川さんに預けちゃいましたあ。」
「あー。でも紺野はもう香水つけてるわけだし、いいんじゃない?」
ひとみの指摘にしばし考えると、それもそうだと頷いた。

「…そうですね。じゃあ私は言われた楽屋で待機してます。吉澤さんは?」
「そーだなあ、ならばあたしは梨華ちゃんの様子を見に行ってこよう。」
ひとみがキラリと目を光らせたのを見て、あさ美はぽそりとつぶやいた。
「石川さんの邪魔しないで下さいね。」
「しねえよ!私は柱の陰からこっそりと舐めるように梨華ちゃんを見つめてるだけだから大丈夫!!」
全然大丈夫じゃないどころかそれじゃ気持ち悪いです、とあさ美は思ったが敢えてなにも言わなかった。
「…そうですか。いってらっしゃい。」
「おう!紺野の幸せと小川の不幸を祈ってるぜぃ!」
そう言い残してくるりとあさ美に背を向けると、後ろから抗議の声が飛んでくる。
「ひ、ひどい!私が幸せならまこっちゃんだって幸せです!」
「…そーれはどうですかねぇ。」
思わずヘタレな後輩と同じ口調でつぶやいてしまったひとみは、あさっての方向を眺めつつ走り去っていった。
204 名前:5.わくわくわくわく 投稿日:2003年06月28日(土)02時45分23秒
「…まったくもー。」
やれやれと息をつくと、あさ美は言われたとおりの楽屋に入ってドアを閉める。
日の差さない、狭い部屋。

梨華が指定したこの楽屋は、隅っこにあるためなかなか利用されない。おそらく、それを見越してここを選んだのだろう。
さすが自分が見込んだ人だ。おまけに差し入れのジュースまでくれるなんて。
「…せっかくだから、いただきます♪」
にこにこと『しゃきりり』を開けて、一気に半分ほど飲んだ。
心なしか気持ちがしゃきっとした気がするから不思議である。

…さて、しゃきっとしたところで。
あさ美は上半身を伸ばし、暇つぶしがてら一人考えた。
205 名前:5.わくわくわくわく 投稿日:2003年06月28日(土)02時46分05秒
媚薬の効果で自分が欲しくてたまらなくなった麻琴は、どんなおねだりをしてくれるんだろう。
『…あたし、もうあさ美ちゃんのこと怒ってないから…だから、お願い…今すぐ、抱いて…?』
きっと麻琴は羞恥に目を潤ませ、頬を赤く染めているに違いない。
少し体を震わせて、不器用にキスしてくれるに違いない。

…ああ、考えただけでたまらない!

あれこれと楽しい妄想を繰り広げていると、楽屋のドアがノックされた。

キタ━━━━川o・∀・)━━━━!!

「はぁい♪」
あさ美はさながらアルプスの少女のようにキラキラとドアを開けに行った。

まこっちゃん…
麻琴…
マコーーー!!!!
206 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年06月28日(土)02時50分49秒
ちょっとだけ更新です。いよいよ佳境…か?
ていうか書いてる自分でもこんこんが恐ろしいです。

>198
CP分類のおかげでレスがつくようになって嬉しいです(笑)
果たして本当に不幸なのは、吉澤さんなのか小川さんなのか…。
>199
>200
>201
首輪とかって趣味丸出しだからいいのかなあ…なんて後ろめたく思っていたら同士がいっぱいいたので一安心しました(爆
207 名前:186 投稿日:2003年06月28日(土)08時11分31秒
おおおお、佳境だー!
どどどどどうなるんだろう? 寸止め作者さん、最高!
吉澤がどんどんバカになっていく…マゾの上にバカ。やっぱり小川よりも…
でも石川さんは、そんなバカ犬・吉澤に首輪をつけて思う存分(妄想中)
首輪、作者さんの趣味だったんすね。やっぱ作者さん、最高です。
自分もカミングアウトすればよかった。
208 名前:名無しROM専。。。 投稿日:2003年06月28日(土)13時52分19秒
交信乙です。

小川さん大丈夫なんでしょうかw
>マコーーー!!!!
って紺野さんマコヲタ丸出しですけど。
麻ーチ。さんの作品にはアヒャ美さんの出演回数が多いですねw

川o・∀・)アヒャ
209 名前:6.天国発、地獄行き。 投稿日:2003年06月30日(月)14時18分30秒
期待で張り裂けそうな胸を抑えて、あさ美は夢の世界へと続く扉を開ける。
天使なっちもびっくりな笑顔で出迎えると、そこには期待していたのとは違う人が立っていた。

「……い、飯田さん!?」
「あ、この部屋紺野が使ってたんだ、ごめんごめん。」
思わぬ人の登場に少々面食らい、あさ美は一瞬わけがわからなくなってしまう。
「ちょっと他の部屋がいっぱいでさ、荷物だけここ置かせてくれる?」
「あ、はい、どうぞ…」
どうにか返事をして、力が抜けたようにすとんと椅子に座りなおした。

…確かに。
考えてみれば、媚薬を託したのはほんの五分前。麻琴がここに来るにしては少々早すぎる。
先走ってしまったことを反省しつつ、あさ美はちらりと圭織の方を伺い見た。
本当に荷物を置きに来ただけらしく、長居する様子はない。
部屋を変える必要はなさそうだと判断して、ふうと息をついた。
210 名前:6.天国発、地獄行き。 投稿日:2003年06月30日(月)14時19分00秒
「…あ、しゃきりりだ。これ紺野の?」
「はい、飲みますか?」
机に置いてあった『しゃきりり』を指摘した圭織に、あさ美はペットボトルを手渡した。
「サンキュー、喉渇いてたんだ。」
そう言って半分残っていた中身を1/3ほど飲むと、圭織はCMのように爽やかに笑った。
「うーん、やっぱこれ飲むとしゃきっとするよねえ。」
「ですよねぇ〜、やっぱしゃきりりですよ!」
妙なところで意見の合って嬉しそうな圭織は、ペットボトルを机に返すとあさ美の後ろを通って部屋を出て行こうとした。
「じゃ、私そろそろ行くね。…あれ?」
「?なんですか?」
ふと立ち止まった圭織は、あさ美の首に顔を近づけてふんふんと匂いをかいだ。
「紺野、香水つけてる?なんかいい匂いするねー。」
一瞬どきりとしたものの、薬を飲んだ者でなければ反応しないことを思い出してにこりと笑ってみせる。
「…はい、ちょっと変わった香水を頂いたんで…いいでしょ、これ。」
適当にごまかすと、圭織は見惚れるようにじっとあさ美の顔を見つめた。
「…飯田さん?」
211 名前:6.天国発、地獄行き。 投稿日:2003年06月30日(月)14時19分36秒
「…紺野、最近色っぽくなったよね…」
「えっ?ひゃぅっ!」
いきなり首すじを指でなぞられて、変な声が漏れた。
「い、飯田さ…」
「キスとか、したことあるの…?」

ありますいっぱいあります、そりゃもう気づいたらまこっちゃんが酸欠になってたってくらい激しくしてますー!!!
と、言えるわけもない言葉が頭を駆け巡って消えていった。
「真っ赤になっちゃって…可愛い、紺野。」
「ふっ…」
首をくすぐっていた指がだんだん上がってきて、頬をたどり、唇に到達する。
するりと唇を撫でた後、フェイントのように耳に口付けられた。
「ぁっ…」

…やばい、なんかくらくらしてきた…
圭織のペースに飲まれそうになるのを必死で推しとどめて、あさ美は考えた。

212 名前:6.天国発、地獄行き。 投稿日:2003年06月30日(月)14時20分27秒
…飯田さんのこの行動、吉澤さんが媚薬にかかったときのものと似てる…。
でもなんで?飯田さんは薬を飲んでいないはず……いや、まさか石川さんが失敗したとか?
それとも吉澤さんが間違って飲んだときの残りを飯田さんが飲んだとか…?
わからない、さっぱりわからない!!

耳、首とを同時に攻められる快楽と、思考の錯乱で訳がわからなくなりかけたそのとき、楽屋のドアが突然開けられた。
「あさ美ちゃん…?」
「!!」
聞きなれた声にびくりとしてそちらを見ると、ショックを受けたように立ち尽くしているのは麻琴だった。

麻琴―――――――!!!!!

とっさのことでなにもできずにただ固まっていると、麻琴は俯いたままゆっくりと近づいてきた。
あさ美の背に、嫌な汗が流れる。
「お、小川、あの…」
なんとか言い訳を試みようといている圭織の方も、言葉が出てこないようだ。
213 名前:6.天国発、地獄行き。 投稿日:2003年06月30日(月)14時21分26秒
殴られるか、蹴られるか、はたまた絶縁宣言か。いずれにせよただでは済まないかもしれない、と覚悟を決めてあさ美は目をつぶった。
しかし、いつまでたってもなにも言われない。
「……?」
不思議に思って顔を上げて、ぎょっとした。
あさ美のシャツの袖口をきゅっと掴んだ麻琴は、無言でぼろぼろと泣いていたのだ。
「ま…麻琴…」
余計に動転してしまったあさ美は、ただただ呆然と麻琴を見つめた。
「……だよぅ…」
「え?」
「あたし、あさ美ちゃんがあたし以外の人とそーいうコトしてるの、やだよぅ…」
じっと下を向いてぽたぽたと涙のしずくを落としている姿に、ぎゅっと胸をつかまれる思いだった。
「おっ…小川、ごめん、ごめんね?カオリがちょっといたずらしちゃって…紺野は悪くないんだよ、だから…」
我に帰ってわたわたとしている圭織の腕をそっと掴むと、あさ美は小さく『後はまかせてください』とつぶやいた。
214 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年06月30日(月)14時25分11秒
更新です。
紺野さん泣かしちゃいました。いーけないんだーいけないんだー。(爆)

>207
吉澤さんはおバカでナンボです、と思ってる自分はダメダメでしょうか(笑
>208
現在進行形で不幸な目にあってる小川さんですが、これからもっと憂き目にあうと思われます。ご注意下さい。
そして紺野さんはリアルでマコヲタだと思います(w
215 名前:186 投稿日:2003年06月30日(月)21時42分33秒
更新お疲れさまです。
いったいなにがどうなってこうなったのか…気になる。
けども、紺野に「まかせる」とどうなっちゃうんだ。
やっぱもう、紺野の幸せと小川の不幸、なのか?
小川の大不幸が楽しみ楽しみ。です。
216 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月30日(月)23時23分00秒
作者さん、更新乙です。

そして紺野さんはリアルでマコヲタだと思います(w
加護胴!!これからの小川の地獄逝きにわくわくわく(r
でも、何故?いいらさん・・・あまりの生々しさに、思わず
リアル妄想してしまいました。

最後に、おがこんと作者さん、 最高っす。
217 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月18日(金)02時25分51秒
待ってます。
218 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時42分50秒
へこへこしながら逃げるように部屋を出て行った圭織の背中を見送った後に残るのは、気まずい空気。
麻琴は依然としてあさ美のシャツを掴んだまま泣いてるし、あさ美は困ったように沈黙するのみ。
ひとまず心配させないように、そしてこれ以上話がこじれないように『まかせてください』と言ったものの、むしろ圭織を出て行かせてしまったことを後悔するほどの空気の重さに胃がちくりと痛んだ。

……でも、しかたない。自分が何とかするしかない。

「まこっ…」
「もう、すきじゃないの?」
「え?」
219 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時43分31秒
話を切り出そうとした瞬間にかぶせられた、麻琴の言葉。
大粒の涙をぽたぽた落としながら、それでも泣くまいと必死に歪められた唇からかすれた声が漏れる。
「あっ…あたしがあさ美ちゃんを許してあげなかったから、もうあたしのこと嫌いになっちゃった…?だから、よ、吉澤さんとか飯田さんと、あーいうことしてたの?」
「!!そ、そんなんじゃ…」
慌てて否定を試みる。これは本心だ。

だって、どんなに姑息な手を使おうとも、麻琴以外の人に心を奪われることなど一度もなかった。
可愛いのも、愛しいのも、麻琴だけ。
でも、なかなかストレートに伝えることはできないもので。
「…嫌いになんて、ならないよ…。」
そう言うのが、精一杯だった。
「………ほんとに?」
下がりがちな目に涙をいっぱい溜めて、おそるおそるたずねる麻琴。
可愛いなぁ……。
220 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時44分16秒
そもそも麻琴ともう一度仲良くなることに、薬なんて必要なかったんだって、あさ美は今更ながら気づいた。
「…大好き、だよ。」
誘われるようにそう言うと、麻琴は一瞬大きく目を見開いてから、ふにゃあっとした顔で微笑んだ。
「……よかったぁ…」

……ドキン。

あまりにも無垢な表情にドキドキしていると、麻琴はぎゅっと抱きついてきた。
「…へへ。あたしも、あさ美ちゃん大好き…。」
久しぶりに感じる麻琴の体温。麻琴の、匂い。

麻琴の…

「……!!」

こ、この匂い!!

麻琴に抱かれながら、すぅっとあさ美から血の気が引いた。
麻琴の首筋から香るのは、間違いなくあの媚薬の匂い。
一度は引いた体の血が、一気に逆流してあさ美の体を熱くさせる。
221 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時45分33秒
「な、なんで…」
「え?」

至近距離で見つめられた麻琴の、潤んだ瞳。
薄く開いた唇に、涙が乾いたばかりの白い頬が食べてしまいたいくらい愛しい。
下半身から這い上がる妙な疼きが、脳までびりびりと痺れさせた。

…でも、なぜ?
万が一何かの間違いで麻琴が媚薬の香水をつけてしまったんだとしても、自分は薬を飲んでいないのだから媚薬の匂いには反応しないはずでは…。
不埒な思いと不可解な気持ちでぐちゃぐちゃになりつつも、目の前の麻琴はきょとんとしているし。
…本当なら、麻琴があさ美の香水に反応しなくてはならないのに。
「どうしたのあさ美ちゃん?」
唇が触れるほどの距離でおそるおそる顔を覗き込んできた麻琴の上目使い。
うるうるとした瞳と頼りなく揺れる声に、あさ美の理性のダムはついに決壊した。
222 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時47分25秒
「ま、麻琴っ…!」
「ひゃぁっ!え、な、どうした…んんッ!」
腰を強く抱き寄せて、噛み付くように首筋に口づけた。くらくらするほど甘い媚薬の匂いが肺を満たしていく。
「まこっちゃん、ごめん…もう無理、絶対我慢できない。」
「はッ…ぁあ…なに、いきなり?こんなとこで…や、やだぁ…」
抵抗してみせる麻琴の腕も、今やあさ美の興奮材料にしかならない。絡み合うようにして、二人は激しく床に倒れこんだ。
…床に頭を打ち付けたらしい麻琴の「いだっ」という声はこの際聞かないことにするが。

223 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時48分06秒
「…藤本さん風に言うと、世界の誰よりあなたを可愛く感じるの…お願い…今すぐ、抱かせて…?」
「なっ…意味わかんないから!!ちょっ…あ、あぁっ…」
当初のあさ美の計画とは180度ベクトルが違う状況だが、やってることは結局同じである。
耳にかすかに触れる唇に過敏に反応して、体を震わせた麻琴をぎゅっと抱きしめる。
「好き…好きぃ……」
「あ、あさ美、ちゃん…」
どんなにきつく抱いても、体の芯の疼きは脳に欲望を流し続けて止まらない。
「…全部ちょうだい?麻琴…」
細く懇願する声が耳に届くと同時に、麻琴はたまらなくなったようにあさ美の体をきゅっと抱きしめ返した。
224 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時48分39秒
*****

―――その頃。

ひとみたちの楽屋では、大変な事実が発覚していた。
225 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時49分23秒
「ええぇ!?香水って、小川につけるんじゃなかったの!!?」
「ち、違うよ!!香水は紺野がもうつけてて、小川には薬の方を飲ませなきゃなんなかったんだって!!」

あの後梨華に追いついたひとみが知った、大失態。

媚薬の使用法を勘違いした梨華は、楽屋でぽつんと座り込んでいた麻琴に『新製品の香水だよ』と嘘をついて媚薬をつけさせた後、『紺野が話があるって。』と言ってあさ美の待つ楽屋に行かせたのだ。

「…で、でも紺野は薬の方を飲んでないわけだから、今ならまだなんとか…」
慌てて廊下に出ようとしたひとみの肩を捕まえて、梨華は悲痛な表情でゆっくりと首を振った。
「……ごめんよっすぃー。…さっき紺野に渡した『しゃきりり』…薬入りだったんだ…。」
「……ぬはっ!!」

今度こそ、ひとみの目の前が暗くなった。
226 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時50分07秒
「ごめん…つい、どうせなら紺野が飲む薬の方のことまで世話してあげたいという先輩風が吹き荒れてしまって…。」
申し訳なさそうにうなだれる梨華のしおらしさが一瞬可愛く思えてしまったが、今はそれどころではない。
「ど、どうしよう…やられる、今回ばかりはマジで殺られる…!」

どんなに言い訳をしたところで、『チャーミー党』のあさ美はひとみの説明不足を指摘するだろう。
一瞬にしてひとみの頭は、空手着でにじり寄ってくるあさ美のビジョンでいっぱいになる。
「と、とにかく今ならまだどうにかなるかもしれないから、止めに行こう!!」
テンパったひとみは即座に立ち上がり、梨華の手を引いて例の楽屋に向かった。

あさ美が、『しゃきりり』に手をつけていなければ。
もしくは、麻琴がまだあさ美と対面していなければ。

闇は、避けられる……!!

楽屋の前に立ち、二人は一抹の期待をかけてそっとドアを開いた。

……そこで、二人が目にしたものは。
227 名前:7.どっちにしたって、さ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時50分44秒
「あっ…あぁああ、やだ、誰かに聞かれちゃうぅ…!」
「…いいよ、聞かれたって…ほら、もっと感じてよ…私だけ見て…!!」

床に麻琴を押し倒したまま、溺れるように体を求めているあさ美と、その下で半泣きになっている麻琴。
「………。」
「………。」

廊下の二人は、西日を浴びながらその光景に目を細め、どちらともなくそっとドアを閉めた。

「……うちら、何も見てないよね…。」
「…うん、なんにも見てない…。」

とてもいい顔で現実逃避を決め込んだ二人は、逃げるようにその場を去ったのだった…。
228 名前:麻ーチ。 投稿日:2003年07月20日(日)03時56分33秒
少し間が開いてしまってすみません。更新です。

>215
不幸への第一歩を歩み始めた小川さんと、どっちにしろ幸せな紺野さんのはじまりです(笑
飯田さんと媚薬の謎はしゃきりりにあったのでした…。
>216
加護胴に笑いました(笑)もう、誰に任せたところで小川さんは不幸なんで。(ひどい

さて、次からはエロか…
むずかしいなあ。
229 名前:186 投稿日:2003年07月21日(月)11時31分58秒
わーい更新だー。お疲れさまでございます。
しゃきりりにね…。ま、主人の失敗は下僕の失敗ですけんね。
カレーパンがうぐいすパンのように真ん中をヘコまされるのでしょう、吉澤。
次週、えろ、ですか。一層わーい。
のんびりお待ちいたします。
230 名前:フェンリル 投稿日:2003年07月22日(火)17時21分15秒
初めまして。フェンリルと申します。
この小説を知ったのは元々いしよしの小説を追いかけて知ったのですが、
こんまこもイイw次回も楽しみです。
いしよしの遠い目+現実逃避・・・良すぎです。では
231 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2003年07月22日(火)23時19分35秒
まこっちゃん可愛すぎ。
232 名前:達吉 投稿日:2003年07月23日(水)12時02分23秒
更新っスねww
オイラも↑のフェンリルさんと同様、いしよし小説探してて、この小説に出会ったンスけど、この小説読んだおかげで、こんまこにハマってしまいました☆
作者さんに期待してます。
これからも頑張ってください!!
233 名前:sage 投稿日:2003年07月23日(水)12時03分02秒
すいません!
sageるの忘れてました・・・
234 名前:達吉 投稿日:2003年07月23日(水)12時03分39秒
何度もすいません・・・
sage忘れです・・・
235 名前:ゆでたまご 投稿日:2003年07月24日(木)21時30分01秒
(〜^◇^〜)<こんまこマンセー!!
       お前ら有り得ねぇよ!!きゃはは!!
       マーチさん最高!! 
236 名前:無し募集中。。。 投稿日:2003年07月25日(金)00時38分05秒
sageましょう・・・
237 名前:名無しROM専。。。 投稿日:2003年07月25日(金)00時42分43秒
なんだかえらい事になってますねw
紺野さん暴走ですか・・・計算通り?!

作者さんの好きなように進めて下さい。
待ってます。
238 名前:ゆでたまご 投稿日:2003年07月25日(金)09時42分03秒
すみません!
sage忘れました!!
239 名前:吉好 投稿日:2003年07月30日(水)13時50分45秒
初めまして。リアルタイムで小説を読むのは初めてで嬉しいです。
たったいまはじめから一気に読んじゃいました(>_<)
こんな感じで書かれているのは新鮮です。
つづき待ってます!!
240 名前: 投稿日:2003年08月17日(日)09時07分47秒
最高っすね〜♪M吉S石 SこんMまこ!!
241 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月31日(日)21時26分13秒
更新待ってますー
マーチさん最高です
242 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/13(土) 19:08
更新待ってます!
243 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/01(水) 01:56
tp://homepage3.nifty.com/maccha/source/kon3640.jpg
244 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/08(水) 02:43
まだでつか?
もう辛抱堪りません ハァ━━━(;´Д`);´Д`);´Д`)━━━ン
245 名前:8.飲まされちゃった。 投稿日:2003/10/09(木) 01:25
「あさ美ちゃん…なんか、今日ちょっと、はっ…違う人みたいだよぉ…」
「そんなこと、ない…」
そう言ったものの、あさ美だってわかってる。
薬のせいで、自制ができなくなっていること。麻琴を抱く腕が、荒々しくなってしまっていること。
いつもより強引にシャツのボタンを外して、舌先でつーっと体を舐める。
「…っ、あっ、やぁん…」
肩口から始まり、ゆっくりとわき腹へ。ざらりとした感触と、熱い吐息が麻琴の上を這い回る。
「あっ…ねぇ、ホントにこんなとこで…っ」
やんわりと拒絶の色を示す麻琴を、あさ美はケモノにも似た鋭い目で見つめる。
「……あ…」
「麻琴…欲しいの…。今、ここで…」
自分の見たことのないあさ美の表情。
麻琴はぞくりと体を震わせて、あさ美の顔が見えないように胸にしがみついた。
246 名前:8.飲まされちゃった。 投稿日:2003/10/09(木) 01:26
「あさ美ちゃん…怖いよぅ」
知らない人に抱かれているようで、不安になる。
「……麻琴。」
さすがのあさ美も、涙声で自分のことを『怖い』と訴える麻琴にそれ以上強引なことはできなかった。
「わかった、麻琴…ごめん。その気もないのに、無理強いさせて辛かったよね…」
「え…」
そっと目尻にキスをして涙を掬い取ると、あさ美は麻琴の頬に両手を添えた。
エロく妖しく、生々しく。

「…だったら、その気にさせてあげるよ…」
「うえぇえ!?な、なんでそーなるのぉ…っ、あ…」
たまらずに驚愕の声をあげた麻琴の唇をぺろっと舐めて、あさ美は床に転がっていた『しゃきりり』のペットボトルを拾った。
247 名前:8.飲まされちゃった。 投稿日:2003/10/09(木) 01:27
さっきの圭織との一件と、自分の変化で大方の予想はついている。
薬が仕込まれているのは、このペットボトルだ。

あさ美はふたを開けて一口自分の口に含むと、麻琴の口にそれを移した。
「ん…ふぅん…」
甘い液体を、ゆっくりと麻琴の口内に移動させる。
自分はこれ以上薬にやられるわけにいかないので、なるべく残さずに。
唇の端からこぼれて頬を伝った分を舐めとるのはやめて、また新しい一口を流し込むことに集中する。

「あっ…あさ美ちゃん…なんでジュース飲ませるのぉ…?」
キスだけで酔ってしまったらしい麻琴が舌足らずな声で口を開いた。
「…いいから…おとなしくして…ね?」
「なんで…んっ…んぅ…」
媚薬入り『しゃきりり』を含んでは口移しで飲ませるということを何度か繰り返すうちに、ペットボトルは空になった。
248 名前:8.飲まされちゃった。 投稿日:2003/10/09(木) 01:28
「麻琴…おいしかった?」
「…………。」
何度も何度もぬるま湯の中にいるようなゆっくりとしたキスをし続けられた麻琴の表情はうつろで、甘い息を吐き出した唇は何の言葉を発することもなかった。
「……麻琴?」

あまりにもぼんやりしている麻琴の表情に不安を覚えて、あさ美はぐったりと横たわったままの体を抱きしめる。
麻琴の体から立ち上る香水の香りにまた妙な気分になりかけたが、そこはどうにか堪えて。
具合でも悪いのかと顔色を見ようとした瞬間に、思い切り首のあたりをホールドされた。
「んぎっ!?」
「あさ美ちゃん…いーにおい…」
「え、あ…え?」
首筋に顔を埋めてうっとりした声をあげる麻琴の表情が、まるでいつもと別人なことに少なからずあさ美は驚いた。

普段のふにゃふにゃとした笑顔とは違う、妖艶な微笑み。
249 名前:8.飲まされちゃった。 投稿日:2003/10/09(木) 01:28
「あさ美…抱いて…?」
自然に送られた流し目と、両手を伸ばして抱擁を求める仕草がものすごくセクシーで。
あさ美は、少し震える手で麻琴の体を抱きしめた。
「なんか…変な気分になってきちゃった…。ねえ…」
「あ…あぁあ、は、はい…。」
なんだかマヌケな言葉しかでてこないことに自分でも呆れるあさ美だったが、昂ぶる気持ちはどうしようもない。

…とにかく、薬は効いたわけだ。

「あ、あの…麻琴…。し、していいんだよね…?」
「……いいよ…早く…して?」

その言葉に無言でこくこくと頷いて、あさ美は迷わず麻琴の唇を奪った。
250 名前:麻ーチ 投稿日:2003/10/09(木) 01:31
多忙のため長いこと放置していて申し訳ありませんでした。
みなさま、たくさんのレスありがとうございます。感謝の気持ちと、『早く続き書かないとなあ』という申し訳なさでいっぱいでした(爆)
二ヶ月も開いてしまうとは。

…ていうか更新ヒサブリすぎてsage忘れた…
251 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/09(木) 06:25
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
252 名前:伊央 投稿日:2003/10/09(木) 17:29
はじめまして!
この小説が始まったときから見てました!
そして更新!おがこん!!
私、無類のおがこん好きなので…!
次回はいよいよ…ですか?!
まってます!!
253 名前:ゆでたまご 投稿日:2003/10/10(金) 20:02
キタキタキタァー!!!!
更新キター!!
麻ーチさんお帰りなさい!!
254 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/10(金) 22:02
おお、更新お疲れさまです。
いやはやなんとも、こうなりますか。これからどうなることやら…(妄想中)
食うか食われるかっつーやつですか?
またのんびりお待ちしますね。

>253 感想はsageましょう。
255 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2003/10/12(日) 01:08
ワラタ
久ブリに川o・∀・)アヒャ美が見れそうで楽しみです。

>>253
前にも同じ事言われてるんだから
学習しようよ。
256 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/29(水) 23:24
マコおめ。
ってことで早く書いてーん
257 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/01(土) 12:41
待 つ て る よ ー
258 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/14(金) 02:16
御膳。
259 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/14(金) 02:18
保全
260 名前:9.ヘタレ、言うな! 投稿日:2003/11/14(金) 17:37
「ん〜…ふ…っ」
「…ふふ、あさ美ちゃん、可愛いね…」

自分からしかけていたつもりが、いつのまにか麻琴にペースを奪われてあさ美は戸惑う。
こんなに、色っぽかったっけ?こんなに、キスうまくなってたの?
心に浮かぶそんな思いを口に出す暇もなく、また次の口付けがやってくる。
息ができないほどきつく抱きしめられて、体勢を入れ替えるように押し倒された。

「いつもされてばっかりじゃ嫌だもん…今日は、あたしがしてあげる…」
「えぇ!?あ、いや…っ」
いいよ、と言おうとした瞬間、背中に回した腕がすばやくシャツの中に侵入してくる。
「!ひ、ぁっ…」
片手だけで器用にブラジャーのホックが外され、麻琴はスッと目を細めて微笑んだ。
「教えて?どこが感じるか…。」
きれいに伸びた爪の先で、胸の突起のまわりをそっとなぞる。
ゆっくりとそこをなでた後、ふいをうっていきなり頂点に触れた。
「!!あぁあ…やっ…!」
唐突に与えられる快感に耐えられずに、身を捩る。
腕から逃げ出すような素振りを見せたあさ美の体を、麻琴はすかさず捕まえた。
「…逃げないでよ。ねえ、もっと知りたいの。あさ美ちゃんの体、よく見せて…」
吐息交じりの声で、普段は見せない彼女の興奮を知る。
261 名前:9.ヘタレ、言うな! 投稿日:2003/11/14(金) 17:38
「脱いじゃおう、ね?」
いつもの穏やかな表情がなりを潜めてしまうほどに、麻琴は理性は奪われているはずだった。
それなのに、その強大な力に抗うようにやさしい手つきでシャツを脱がせていく。
「麻琴…」
段々とあらわになる体。される側になってみて初めて、脱がされる恥ずかしさに気づいた。
「私のものだよね…?」
うわごとのようにつぶやいて、ぺろ、と先端を舐める。
「…んんっ…」
確かめるように舌先でしばらくくすぐった後、おもむろに口に含んだ。
「あっ!…ふぁ、ひゃあぁ…!」
くちゅくちゅと淫猥な音が響いて、あさ美は胸に顔をうずめている麻琴の頭を強く抱きしめる。
「やだ、やだぁぁ……」
拒否したいわけではないが、この気持ちを言葉に変えないと壊れてしまいそうだった。
「あさ美ちゃんの声、可愛い…」
恍惚とした表情でつぶやくと、紅く勃ちあがったそこを甘噛みする。
「ぁあ!…ぅうん…っ!!」
電流が走ったように、びくりと体が跳ねた。それとともに、全身を駆け巡った快楽は下半身を疼かせた。
自分でも気づいていなかった、野生の欲望が目覚め始めるのを感じる。
与える喜びとはまた違う、『めちゃくちゃにされたい』という願望。
あさ美は自分でも無意識のうちに腰を動かし、麻琴の体に押し付けていた。
262 名前:9.ヘタレ、言うな! 投稿日:2003/11/14(金) 17:39
「……あさ美ちゃん、欲しいの?」
「………うん…。」
泣き出しそうに揺れる瞳には、普段の気の強さはどこにもない。
ただただ快楽だけを欲して、強く体にしがみついていた。
「もっと…もっと気持ちよくしてぇ…」
羞恥心をかなぐり捨ててそうつぶやいたあさ美は、震える手で麻琴の腕を掴む。
「あ…」
あさ美のその言葉に一瞬おどろいたような表情を見せた麻琴だったが、すぐにやさしく笑った。
「わかった。今すぐしてあげる…」
「ふっ…」
唇を重ね、少し荒々しく舌を絡める。キスで思考を奪いながら、下では器用にジーンズのジッパーを降ろしていた。
「あっ…!」
「熱いね…」
するりと指先だけで撫でられたそこは、布越しにでも熱く湿っているのがわかる。
ショーツをずらして手を入れると、柔らかな陰毛が指に絡んだ。
「…ぁ・・・」
わずかに漏れた吐息。それは、麻琴の理性を崩すのには十分な響きだった。
「声、思いっきり出しちゃってよ…。」
行為には邪魔でしかないジーンズを膝まで降ろさせると、探るように指を進め、とろりと熱い粘液を掬い出すようにくすぐる。
「は!ぁ、ぁあぅ……」
抱きしめていた腕に、知らずに力が入った。
「あぁん……あはぁ…っ…!」
じんわりとした快感が、だんだんと足の感覚を奪っていく。それなのに、麻琴の指から与えられる快楽にだけは全神経が集中するのだ。
「ま、まこ……っ…まこぉおお…」
我慢したくても、声は止まらない。いやらしい嬌声がとめどなく溢れてくる。
いつものやさしい笑顔ではない、麻琴の妖しい微笑み。
それが至近距離で、あさ美のくちびるを撫でるように舐めているのだ。
丁寧な指使いも、普段とのギャップも、堪らない。
263 名前:9.ヘタレ、言うな! 投稿日:2003/11/14(金) 17:40
「……感じちゃう?」
耳元でこそっと囁いて、後ろの方までするりと触られた。
「いやぁっ…!」
「可愛い…いいね、そういうカオ……大好き…。」
麻琴の中にも、少なからず『壊したい』願望があったんだろうか。
少しだけいじわるな口調になって、それでも目は熱っぽくあさ美を見つめている。
「まこ…と…」
「ほら…もっとイイ顔してよ…」
左手で胸を弄び、右手でさらに敏感なところを擦り上げる。
「あぁ!はぁ…はぁあぁん!!やだぁ…!」
「ここ、好きなんだ…じゃあもっとしてあげる…」
うっとりとそう言うと、何度も何度もそこを撫でた。
「ずっと、こうしたかったんだ…ねえ、気持ちいい?」
「ふ、ぁ…!ああぁ、気持ちいい…気持ちいいよぅ…!!!」
普段主導権を握っていることなどすっかり忘れて、あさ美は乱暴に腰を動かした。
声が大きくなってしまっていることなんてもう気にならない。
「まだいっちゃだめだからね…?」
「!?あぁ!ちょ、やぁあ…!」
ぐっ、と指が入り込んでくる。体の芯まで響く、麻琴の存在。
少し冷たかった麻琴の指が、あさ美の中でどんどん温度を上げていく。
264 名前:9.ヘタレ、言うな! 投稿日:2003/11/14(金) 17:40
「あ、ぁ…だめ、い、いっちゃう…」
「待ってって。」
麻琴は笑ってあさ美の左足を抱え上げると、さらに足を開かせた。
「!!うぅん、あぁ、やだ、見ないでぇ…!!」
「嫌だ。見たい…。」
つー、とわき腹を舐めてから、激しく指を暴れさせる。
壊れそうなのは、あさ美なのか、それとも自分なのか。
壊れているのは、あさ美なのか、それとも自分なのか。
無意味な問いかけを頭の中で繰り返しながら、麻琴は歯止めの利かなくなった機械の様に指を動かし続けた。
「麻琴!!まことぉお!!くっ、んんぅ!!あぁ、もう無理だよぉ…いく、いかせてぇ…」
「我慢して…まだ、まだだよ…」
「あぁあ、あぁ…はっ、はぁあん!!」
精一杯耐えている表情に、麻琴の方が果ててしまいそうだった。
でも、いつも自分がされているようにじらすことが愉しいということもすでに知っている。
「あさ美、好き…すきだよ…」
ガクガクと体を震わせるあさ美の耳に、この言葉がちゃんと届いているだろうか?
265 名前:9.ヘタレ、言うな! 投稿日:2003/11/14(金) 17:40
「ひゃ、ぁあっ、あぁん、…あ、ああ、はぁああぁん!!お願い、もうダメ、ダメぇえ!!」
一層強く刺激を与えた瞬間、あさ美は体を硬直させて麻琴にしがみついた。
びくん、と体を大きく揺らせて、壊れそうなほどに腰を振る。
「あ、ぁぁ…あぁあ、はぁ…!!あっ!!」
腕の中であさ美の体がさらに痙攣したのを感じた。
「あさ美……?」
「はぁう…」
あふれ出したものが太ももを伝っているのを見て、麻琴も空いているほうの手であさ美を抱きしめる。
指が締め付けられる規則正しい動き。
『大丈夫?』と言おうとして顔を覗き込むと、あさ美はしばらく細い息を吐いた後に、うつろな瞳を麻琴に向けた。
「……ごめんね…いっ、ちゃった…。」
「え…」
ドキッとして動きが止まってしまった麻琴を見つめてふっと微笑むと、あさ美はぐったりと脱力した。
266 名前:麻ーチ 投稿日:2003/11/14(金) 17:42
毎回毎回お待たせして申し訳ありませんm(__)mエロは難しいです。頭が回りません…(汗)
とりあえず小川さん逆襲編はここまで。

…次はまたいつものアレです。
267 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/14(金) 17:46
おお、偶然リアルタイムに更新してる様子が見れた。w
乙&ひさびさに、キターーーーー(゚∀゚)ーーーーー!
待ってましたよ!
268 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/14(金) 19:15
グッジョブ!
269 名前:ゆでたまご 投稿日:2003/11/14(金) 20:52
サイコ―!
270 名前:186 投稿日:2003/11/14(金) 22:37
更新お疲れっす。
攻めマコ最高です。エロ最高でした。次もますます期待しつつマターリ待ちますね。

>>269
sageたかったら全角じゃダメ! 半角じゃないとageられちゃうよ。そんな豆知識。憶えておこう。
271 名前:伊央 投稿日:2003/11/15(土) 00:50
更新おつかれさまです!
受けもいいけど攻めもヨシ!
モー最高です!!次も期待してますよぉぉ!!
272 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/15(土) 01:47
攻めマコキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!

次の「またいつものアレ」…何かはわかりませんが激しく待ってます
273 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/15(土) 11:14
キタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
更新乙です。
激しく萌えますた(;´Д`)ハァハァ
274 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/15(土) 21:48
作者殿、更新乙です。いつも楽しく愛読しています。

は、は、鼻血がぁー 。鼻血が吹き出て止まらんです。
サブタイトルとマコの行為をみて思わずガッツポーズを
とってしまいました。 でも次はいつものアレですよね?


やっぱり、小川さんは不○で地獄逝(r でつか?
275 名前:ゆでたまご 投稿日:2003/11/15(土) 21:53
いつも、いつもすみません・・・;
276 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/15(土) 23:32
落としてみる
277 名前:YURI 投稿日:2003/11/16(日) 19:45
更新キターーーーーー!!
マーチさんサイコーー!!
こんまこサイコーー!!
278 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/17(月) 00:01
…落としておきます。
279 名前:YURI 投稿日:2003/11/17(月) 19:32
・・・すみません、先輩・・・(^▽^;)
280 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/17(月) 19:41
>>279
もしかしてsageかた知らない?
メール欄に半角英数で「sage」と入れる。
というかFAQと案内板の自治スレを熟読してください。
281 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/17(月) 22:14
・・・
282 名前:YURI 投稿日:2003/11/20(木) 14:19
sage…すみませ〜んm(_ _)m
283 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/20(木) 14:24
意図的age荒らし(゚听)カエレ
284 名前:280だけど 投稿日:2003/11/20(木) 17:49
こういうやりとりが続くのもスレ汚しだしなあ……作者さんごめんなさい。

小川にはまだまだ強気でいてほしくもありつつ、マッド紺野を心待ちにしたりも。
期待してますよー。
285 名前:rio 投稿日:2003/12/08(月) 20:46
うきゃーーーーーー!!!!
すっっすごいっす!!小川ぁーー!!
286 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/08(月) 21:03
あがってたので落としておきます

>>285
トリップのつもり?
287 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/27(土) 22:50
保全
288 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/11(日) 17:52
ho
289 名前:名無し読書 投稿日:2004/01/11(日) 22:03
「更新」という名のXmasプレゼント&お年玉はございませぬか…
290 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/18(日) 23:17
今日のハロモニで小川さんが東西南北の南のことを
「カース!」と言ってここを思い出したのは、私だけ
では無いと思います。

更新、マターリお待ちしてます。
291 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/21(水) 15:11
小川さんもここを読んでるのかな?
なんて思ったりしたのは私だけだと思います・・・
292 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:12
夢を見た。

床に押し倒された私の上で、麻琴が笑う。
『…今日から形勢逆転だね。』
え、なんですかソレ。形成?逆転…?
『今まであさ美ちゃんの好きにさせてたけど、もうそうはいかないよ。だってあさ美ちゃん、私にイカされちゃったんだもんねえ。』
!…待って、いや、それはそうだけども、別に私は麻琴を支配したいとかじゃなくて、ただ麻琴が…
『言い訳してもダメだよ。もう逆転しちゃったの。今日から、ぜーんぶ。』
ま、まこっ…あ、あたしそういうつもりじゃ…
293 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:12
『……あ、それはそうとあさ美ちゃん。“南”って英語でなんていうんだっけ?』
は?なに突然。南?南はたしか、サウスだったような…や、でもなぜ?
『あたしがこの問題に答えられなかったら、あたしはヨシザワさんにお持ち帰りされちゃうんだよねー。』
はっ!!?お持ち帰り?…しかもなんで吉澤さんに!
ダメ、それは絶対ダメ!!
『ほら、アレだよ。なんだっけなぁ。か、か…』
……!!違うよまこっちゃん!カはつかない!
『カ…カー…』
いや、だからカはつかないって!
『!わかったぁ!!…カーs(ry』
294 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:12
「カはつかないぃぃ!!!!」


お腹の底からありったけの声で叫ぶと、目の前には涙目の麻琴がいた。
……あれ?
焦点が合わないほどの距離で、しばし見詰め合う。

えーと、えーと。
まずは状況確認。
真っ白い天井に、固い床。
そして、私の上にのしかかるようにして不安げな顔をしているまこっちゃん。
……これは…。
295 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:13
「あ、あさ美ちゃん…。よかったぁ、急に失神しちゃったから、びっくりしたよぅ…」
ふぇぇ、と泣き出してしまったまこっちゃん。可愛い。
…じゃなくて!!

…………失神?
あたしが?

「あっ…あたしが無茶なことしちゃったから、あさ美ちゃんどうにかなっちゃったのかと思って…」
無茶なこと。
無茶なこと。
あさ美は必死で回想した。意識が途切れる前、何があったのか。

そして

「…あぁっ!」

思い出してしまった……。
296 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:13
「ごめんね、ごめんねあさ美ちゃん…あたし、なんかおかしくなってて…その、すっごい、ヘンな気分で…。」
麻琴のこの様子からすると、薬はもう抜けているらしい。
いや、だけど、それにしたって。
「まこっちゃん…」
「え?」
あさ美は、麻琴の胸にぎゅっと顔をうずめた。
「あ、あさ美ちゃん、どうしたの?」
どうしたもこうしたもないよ。
…あんなふうに乱れてしまった後で、マトモに顔なんか見れやしない。
「…かっこわるいよ、あたし…。あんなにされて、気絶しちゃうなんて…」
「ご、ごめん…。」
楽屋の床に不恰好に抱き合ったまま、転がる二人。
…そこにあるのは、妙な沈黙。
抱きしめる腕にわずかに力を込めて、麻琴がおずおずと口を開いた。
297 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:14
「あ、あのさ、あさ美ちゃん…。」
「な、何?」
「さっきあさ美ちゃんがうなされてるときに言ってた、『カはつかない』って、なんのこと…?」

「…………なんでもない…。」

言えない。麻琴が吉澤さんにお持ち帰りされるのがイヤだったなんて。

二重に恥ずかしい気持ちになってため息をつくと、麻琴の肩口から甘いにおいがした。
あさ美ももう薬は抜けていたが、香水の香りで記憶が呼び覚まされていく。
どうにかしてこの気まずさを消したい、と思いをめぐらせていると、ひとつの思いが胸に浮かんだ。

『同じ思いをさせれば引き分け。』
…そうだ、まこっちゃんを返り討ちにあわせれば、私のこの羞恥心は消えるに違いない…!
298 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:15
あたかも素晴らしいことを思いついたかのようにキラリと目を光らせたあさ美だったが、彼女はこの時点ですでに忘れていた。
麻琴の「初めて」をおいしくいただいたのはあさ美の方で、なおかつ麻琴をクローゼットに放置したのもあさ美の方で、さらには薬を盛って強引にそれをもみ消そうとしたのもあさ美の方だということを。

見かけによらずわがままな人である。

「まこっちゃん…!」
「え?な、…なに?」
バイク野郎のヘッドライトよりもまぶしく光るあさ美の眼光におびえつつ、麻琴が体を起こす。
すると次の瞬間にはもう、あっさり押し倒されていた。
「な、あ…あさ美ちゃん?」
さすがに、茶帯の実力は伊達ではない。
ぱくぱくと口を開けて絶句している麻琴に思い切り顔を近づけて、ゆっくりとこう言い放った。
「…ねぇ、もう一回……しよ?」
「!!!」
299 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:15
やらしさ大爆発の表情や声ももちろんだが、麻琴が更に驚愕したのはあさ美の手に握られたものだった。
「あ、ぁさ、あさ美ちゃん…それ…」

思い出していただきたい。
以前あさ美が梨華から貰い受けたステキグッズ・黄色い首輪の存在を。

「…この首輪は石川さんからのプレゼントだから。大事にしてね?」
口調は柔らかいが、有無を言わさないあさ美の言葉。
シャツがはだけた麻琴の首に、問答無用で首輪がはめられる。
あうあうと言葉にならない言葉を発しながら、今にも泣き出しそうな表情を浮かべる麻琴に、悲しいほどそれは似合っていた。
なんでこんなことになっているのか、そして自分の想い人はなんでこんななのか…数え上げればきりがないほどの疑問と混乱が、生来のヘタレ顔をより助長させている。
「すっごい似合う……。」
「うれしくない!!全然嬉しくないよ!!!」
ぶんぶんと首を振りながらの叫びさえも、うっとり顔のあさ美には届かない。
300 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:16
「…で、ここからは私からのプレゼント。」
なにやら次のアイテムがあるらしい。
近くにあった自分の袋からつかみ出したものを、麻琴の頭にすぽっとかぶせた。
黒くて目立たないカチューシャについている、ふわふわととがった、三角の茶色い耳。
ていうか、犬の耳。

「なに!?なにつけたの?」
自分の姿が見えていない麻琴は、されるがままに付けられたものを手で確認しようとするが、それは叶わなかった。
「触っちゃダメ!!」
「わあぁ!」
至近距離で怒られて、しゅんと目を伏せるあたりのリアクションはもうほとんど本物の犬のようだ。
301 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:16
「…つーかあさ美ちゃん…なんでこんなもの持ってんの…?」
「細かいことは気にしない。…プレゼントはもうひとつあるんだから。」

プレゼント。

先の二つの『プレゼント』を見る限り、最後のもロクなもんじゃないなってことは麻琴もうすうす気づいていた。
しかし、あさ美が袋に手を突っ込んだときに聞こえた『かちゃり』という金属音で、不安ははっきりと恐怖に変わる。
「やっぱり、首輪にはこれがないと…」

がちゃん。
「!!ひぃ!?」

首輪から、あさ美の手へと自分の体を繋ぐもの。
とても冷たく、重たいもの。

……………鎖。
302 名前:10.身勝手なあなた。 投稿日:2004/01/22(木) 18:17
「ぎゃあぁぁああ!!!!!!やだ!!嫌だあぁあ!!!」
「ちょっとまってまこっちゃん、逃げないで!すっごい可愛いから!すっごい可愛いから、ね!ね!」

手足をばたつかせて逃げようとするも、鎖に首輪じゃ逃げようがない。
ぴんと伸びた鎖の反動で、ボテッと転んでしまう始末である。
一方、『ヘタレわんこ仕様』の麻琴の可愛さにやられきっているあさ美は、とてもいい表情で鎖を手繰り寄せた。
「ぐぁ!首絞まる!絞まる!」
ずるずると至近距離まで引きずられた麻琴の耳元で、小さく囁く。
「やさしくするから…ね?」

天使のような笑顔。
天使のような声。

…で、悪魔のような仕打ち。

すっかり怯えてしまった麻琴は、『何でこの人好きになっちゃったんだろう…』と、心の奥底で弱々しくつぶやいた。
303 名前:麻ーチ 投稿日:2004/01/22(木) 18:24
かなり放置してしまっていて申し訳ありませんでした。
∬∬´▽`)<カース!
でここのことを思い出した記念に更新。(ひどい)
やっちゃいけない、と思ったこと(ハロモニネタ・犬マコ・プチSMなどなど)をいっぱいやってしまったんで逃げ腰です。
雲隠れする準備はオーライ。

レスくださったみなさま、ありがとうございます。
304 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/23(金) 11:55
よおっっっっっっっしゃぁぁぁぁぁ!!!!!
 イイですよ!!鎖つき首輪マコ、すんげぇイイっす!
 作者サマさいこー。
305 名前:名無し読書 投稿日:2004/01/24(土) 00:41
キトゥア━━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━ !!!!
紺野さんのペットな小川さん・・・萌えぇ
続きも期待(*゚∀゚)ワクワク
306 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/25(日) 14:27
ひでえ・・・
でもよいです。やっぱりこうでなきゃいけません。
続きが楽しみだ!
307 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/25(水) 00:48
作者さん、更新乙です。

犬マコキタ━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
紺野さんの逆襲、天使のような笑顔と声での悪魔の
仕打ち楽しみです。

ここのマコさんは、柴犬?ゴールデンレトリバー?
それとも、バ○ー犬ですか?
308 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/07(日) 10:46
ヒサブリに覗いたら更新キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
犬マコ最高です!マコ、お前最高だよ!(ノД`)
309 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/16(火) 01:45
一昨日のハロモニでのいいらさんの、

「犬といえば、マコト」との一言で
ここのことを思いだしました。

更新、マターリ待ってます。
310 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/28(日) 13:18
作者様、生存報告を・・・
311 名前:名無し読者 投稿日:2004/05/03(月) 21:18
雲隠れから出てきて下さい。
312 名前:名無し読者 投稿日:2004/06/03(木) 00:36
まだまだ続きお待ちしてます
313 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/18(金) 18:34
おなか・・・
314 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/06/29(火) 14:08
いきなりあがってたからビックリしたじゃないですかw
315 名前:11.言い訳ゴム用。 投稿日:2004/07/02(金) 12:59
冷たい鎖は、首から繋がれてあさ美の手へと伸びている。
頭には犬耳、そして黄色い首輪。

羞恥と屈辱に耐える目は、うるうると濡れている。

「…麻琴。」
「………な、なに…。」
エロティックセンサーを完璧に鷲掴んでいる麻琴の姿態に、思わず正座をしてしまっているあさ美がつぶやいた。
「最初に言っておくけど、あたしは別にこういう趣味があるわけじゃないのね。」
「…………それは嘘だ。」
きっぱり即答されても、あさ美は動じない。
「ううん。ない。ないけど、やっぱり先輩からの頂き物(首輪)は大事にしないといけないでしょ?」
「……じゃ、じゃあこの耳のカチューシャは何!?そして鎖はなんなの!?」
いきり立つ麻琴に、あさ美は遠い目をして答えた。
「これは……オプション。お寿司で言うところの、ニセモノの葉っぱね。」
「ォオイ!!」
江頭ばりのつっこみも、焼け石に水。
316 名前:11.言い訳ゴム用。 投稿日:2004/07/02(金) 13:00
相変わらず遠い目のままだったあさ美が、ばしっと麻琴の目を見た。
「…とにかくね、結論的なことを言うと麻琴が可愛いのがいけないの。そういうことだから…」
「どういう…んっ…」
やや強引に話を完結させて、あさ美はおもむろにキスをした。
鎖がじゃり、と重たい音を立てる。
「……ぁ…」
差し込まれる舌にあわせて開いた口の中に、さらにあさ美が侵入する。
「…………。」
あさ美の少し荒くなった息遣いをぼんやりと聞くうちに、麻琴の方も力が抜けていった。
逃げ腰だった舌は、出て行こうとする動きを慌てて追いかける。
あさ美が唇を離しても、麻琴の舌は物欲しそうに薄く開いた口から出たままだった。
『……ぅわー、写真撮りたいっ!』
うつろな目と紅い頬に惹き込まれて動きが止まったあさ美だが、
「…どう、したの?」
と首を傾げる麻琴の表情で我に帰った。

これは先を続けてもいいということだよね?そうだよね?

勝手に自分の中だけで商談を成立させ、一人頷くとがばっと麻琴の胸に顔を埋めた。
317 名前:11.言い訳ゴム用。 投稿日:2004/07/02(金) 13:00
…と、そのとき。
今まで沈黙を守っていたドアが外側から叩かれた。

「紺野ー?いる?もうすぐカメリハだってよー。」
「!」
「!!!」

バリバリにやましいことをしていた二人は、動きを止めた。
…とりあえず、この状態の麻琴を見られるのはマズい。

「い、今行きまーす!!」
 
慌ててそう叫んで、名残惜しそうに麻琴を見た。
「……いいところだったのに…。」
「う…うん、まぁ…。」
なんだかんだでその気になりかけていた麻琴も、ちょっと残念そうな顔をする。
「麻琴、続きはおうち帰ってからね?約束だよ?」
「い、いいけどぉ…鎖とかは嫌だなぁ…」
犬耳と鎖を外していたあさ美は、その言葉に少し顔を背けた。
「…ちょっとあさ美ちゃん!なんでそこで返事しないの!!」
「いや、承諾できかねるなぁと思って…」
「承諾してよ!!お願いだから!!」
泣き出しそうにそう叫んで、麻琴はあさ美にすがりつく。

…こういう表情が余計いじめたくなっちゃうんだよなあ、と、あさ美はほのぼのと思った。
318 名前:マーチ 投稿日:2004/07/02(金) 13:01
もう夏ですね。夏なのですね。

とりあえず、土下座しておきます。m(__)m
319 名前:ループでEND☆ 投稿日:2004/07/02(金) 19:52
次の日。

撮影現場であるスタジオに入る途中、ひとみと梨華は入り口で何かを見つけた。

「…梨華ちゃん。なんかいる。」
「ん?…ホントだ。なんだろ、こう…でっかい野良犬みたいな…」
遠目で見ている二人にはまだ全貌がわからないが、確かに動いている。
「もうちょい近くに行ってみる?」
「…なんか怖いなあ。」

おっかなびっくり二人で近寄っていくと、徐々に正体が明らかになっていった。

「…これは…!」
「……ちょ、ちょっと!オイ!」

二人がそれに気づいたとき、叫び声はキレイにユニゾンした。
「「小川ーーー!!」」
320 名前:ループでEND☆ 投稿日:2004/07/02(金) 19:53
「……あぁ…おはようございます…」
地面を這いつくばって、それでも前進しようとしているボロボロの麻琴。
首には首輪と鎖がついていて、長い鎖をじゃらじゃらと引きずりながら前進している。
「おっ、おが、おが……どうした!?何があった!?」
オロオロと麻琴のまわりを歩き回るひとみに、瀕死の麻琴は弱々しく微笑んだ。
「…承諾できかねるって言ったのは、その通りだったんですよね…。はは、あたしもついつい乗せられてその気に…ごふっ。」
うわごとのように何かを話し続ける麻琴の様子から何かを悟って、梨華はぽつりとつぶやいた。
「……犯人は茶帯ね…。」
「茶帯って…はっ!まさか紺野!!」
すべてを理解したひとみは、麻琴を助け起こした。
「と、とりあえずなんでオマエそんなボロボロなんだよ!しかも鎖とか首輪とかついてんだよ!」
「あぁ…これはですね、先ほど家を出るときにあさ美ちゃんにカギを外してもらおうと思ったんですけど、あさ美ちゃんぜんっぜん起きなくて…。」
ぜえぜえと話す麻琴は、今にもコト切れそうである。
「…とりあえずあさ美ちゃんは今日休みだから寝かしといてもいいとして、私は仕事に行かなきゃならないんで、ちょっと不本意ですが全部つけっぱなしで来ました…。」
ぷるぷると震える体でそれでも前に進もうとする姿は、圧巻だ。
321 名前:ループでEND☆ 投稿日:2004/07/02(金) 19:54
「そ、それもすごいけどまあいいとして、なんでほふく前進してたの?」
素朴な疑問を投げかけた梨華を見上げて、麻琴はぼそっと言い放った。
「………腰が…。」

「……あぁ…。」
「………腰か……。」
妙に納得してしまった先輩二人の目には、くっきりと哀れみの色が浮かんでいる。
その様子を見て、麻琴は遠くを見ながら笑った。
「…でも、いいんです…。あたし、あさ美ちゃん愛してますから…。あは、あはは…」
「…うん、うん…。いいよ、もうオマエ喋らなくていいよ。ってかこのまま救急車呼んでやるから、いろんなとこ治療してもらえよ…。」
憐れな後輩を見つめながら、ひとみは泣いた。
…隣に立っている同期が、目の前にある首輪と同じものを所有している事実を思い出して、ひそやかに泣いた。

そして…
322 名前:ループでEND☆ 投稿日:2004/07/02(金) 19:54
「おはようござ…い…」

背後からの声に、三人は振り返る。
そこには、怪訝そうに麻琴を見つめる愛の姿があった。
「…愛ちゃん…あぁっ!」
麻琴は自分の首輪と鎖を見て、思い出す。

そういえば、愛にMだと勘違いされたままだったということを。

「麻琴、やっぱり…!」
「いや、違う!違う…と思う…。じゃなくて、違うんだって、違うから!!」
訳のわからない言い訳をするが、時すでに遅し。
愛は、頬を染めつつ全力で逃げていった。

「あぁあああ…」
がっくりとうなだれる麻琴。

…そういえば、コトの発端はコレだったよなあ、なんてことを梨華もほんのりと思った。

「…小川ぁ、もういいじゃん…Mってことでよぉ…」
「……じゃあ吉澤さんもマゾってことでいいですか?」
「それはなあ…やっぱりちょっと…」
二人で顔付き合わせ、しみじみと嘆く。
似たもの同士、ヘタレ同士。

「…とりあえずコレ、なんとかなりませんかねえ…」
首輪と鎖を引っ張りつつつぶやいた麻琴の言葉が、虚しく朝の空に吸い込まれていくのだった…。
323 名前:ループでEND☆ 投稿日:2004/07/02(金) 19:55
小川×紺野編 【完】
324 名前:麻ーチ 投稿日:2004/07/02(金) 19:58
最後の方自分のハンドルも忘れる始末でした。申し訳ありませんでした。
でもおがこんは今でも好きです。ずっと好きです。
石吉編から数えると約2年、皆様ありがとうございました。

では、拙者本格的に雲隠れいたします。
325 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/03(土) 02:25
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!と思ったら、隠れてしまうのれすか?
復帰、お祈りしておりまする。
326 名前:名無し飼育@188 投稿日:2004/07/04(日) 20:29
作者殿、更新乙です。

<では、拙者本格的に雲隠れいたします。

マジですか?某版のリリカル系石吉に集中されるのですか?
他のいしよしとは一味違う( ^▽^)(0^〜^)と∬´▽`)o・-・)
毎回楽しませられ、悶えさせてもらいました。雲隠れは惜しいですけど
御降臨お待ちしております。

最後に、麻ーチさん あ ん た 最 高 だ よ 。
327 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/04(日) 21:09
完結おめでとう
楽しいやらエロいやらで実に満足度の高いものでした
お疲れさま
いつかどこかで復帰作にお目にかかれることを願いつつ
328 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/09(金) 01:48
更新お疲れ様と完結ありがとうございます
約2年めちゃめちゃお疲れ様でした 楽しかったです

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