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羊を数えてどこまでも。

1 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)14時53分33秒

中学校が舞台のよしごまです。
2 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)14時54分17秒

〜プロローグ〜


『ぼくね、またけんどうでゆうしょうしたんだよ!』


『すごーい!よっちーは、やさしくて、つよくて、かっこいいね!』


『ほんと?ねぇねぇ、まきちゃん。おっきくなったらぼくとけっこんしてくれる?』


『うん、いいよっ!』


『ぼくね、まきちゃんのこと、だぁいすきだよ!』



3 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)15時09分37秒


中学2年生の春。

新しい下駄箱に、新しいクラス書かれた大きな紙が張り出された。

登校してくる生徒がどんどんそこに集まっていった。

そして、その中にごとーも居た。

・・・自分でごとーって言ってるからもうわかると思うけど、

あたしの名前は後藤。後藤真希。

平凡な中学2年生。


「えーと、後藤真希はどこだぁ・・・?」


ごとーは1組から順番に自分の名前を探した。

そして2組の場所で目が止まった。


・・・また2組、か。


そのまま立ち去ろうとした時だった。


「はぁ?また一緒かよー!!」


一番聞きたくない声。

一番会いたくないヤツ。

ごとーは振り返ってそいつを見た。

4 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)15時13分21秒

学ランの第二ボタンまで思いっきり開けて、中は赤いシャツ。

どうみても校則やぶるために学校来てるのが丸出しな格好だった。


「あ?なんだよ、見んなよ。」

「まさか・・・あんたも2組なの?」

「そうだよ、ワリィかよ。」

「最悪ー!!またひとむと一緒だなんて!」

「うっせぇ!こっちだってごめんだ!」


そういってヤツは猛スピードで階段を駆け上がっていった。





そう、ヤツの名前は【吉澤ひとむ】だ。

コイツの変な名前には慣れたけど、コイツの変な性格には絶対に慣れる事はない。

いっつもごとーにイヤミとかイジワルなこと言うし、大嫌いだ!!

なのにコイツはモテる。ごとーにはその理由がわからない。

・・・まぁ、顔はカッコイイ方か。



そしてもっと最悪なことがある。


実は、ごとーとひとむは幼なじみ!!!

親同士も仲良いし、家も同じマンション内だし。

ごとーはコイツを昔から知っているのだ。


5 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)15時21分16秒


・・・でも、ひとむだって昔からこんなひねくれた性格ではなかった。

昔はすっごいすっごいすっごいすっごいモーレツに可愛かった!!

いや、顔もだけど、性格なんかメチャメチャ良かった!!(顔は今もいい。)

自分の事【ぼく】なんて言っててさはあとはあと

いつも泣いてたごとーに優しくしてくれたり、一緒に遊んだり。

今のアイツからは想像もつかないくらい、かわいくて素直な男の子だった。

なのになんなのさ!!今のあのムカツク性格は!!

ごとーをいじめてそんなに楽しいのかって話だよ!!


・・・・


ひとむの性格が変わったのは、小学6年生の時だった。


・・・ひとむのお母さんが、病気で亡くなった時から・・・・

アイツは360度性格が変わってしまった。

まるで今までの優しさなんて記憶の片隅にもないように、

悪戯好きでいつも怒ったような口の聞き方で・・・

でもお母さんが亡くなったっていうショックは、それだけ大きかったのかもしれない。



6 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)15時35分21秒

ま、嫌いなことには変わりはないけどね。


・・・・・


運悪く、ごとーとひとむは席まで隣だった。神様、ごとーになんの恨みがあるのですか?





「新しく担任になった平家です。よろしくなー。」

ちょっと関西弁の訛りが入っていた。

まだこの先生のことはよく知らない。

「出席取るでぇ。」


・・・


「・・・木下は休み、と。後藤っ。」

「はぁい。」

「けっ、どっかネジ抜けてんじゃねぇの?」

「うるさいっ!」


何でいちいち突っかかるかなーこの男は!!







「吉澤。」

「あ?ハイハイ。」

ひとむは面倒くさそうに返事をした。

「ハイは1回でええねん。」

「ほーい。」

教室がどっと笑いに包まれた。


・・・これで学校の人気者っていうのがムカつくんだよなぁ・・・



「ったく、吉澤はスポーツもできるし頭ええんやからもっとビシッとせぇや。」

平家先生は呆れた口調でそう言った。


・・・そう、ひとむは頭もいい。こないだのテストなんか学年5位だよ?!

小さい頃からやってる剣道は、全国大会で何度も優勝してるし!

うぅ・・・・侮れん!
7 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)15時43分38秒


放課後、ごとーは友達と少し喋ってから学校を出た。


いつもの帰り道をいつもの歩調(のんびり)歩いていた。



「真希!」

「・・・?」


振り向くと、そこにはひとむが居た。


「あれぇ?剣道部は?」

「竹刀忘れたから1回家帰るんだよ。」

「ふーん。で、何か用?」

「別に用なんかねぇよバーカ!」

「バカ・・ってアンタ・・・。じゃぁよばないでよね!」

「はいはいすみませんでしたー。家まで俺のボディーガードしろ!」

「はぁ?」


・・・ってかそれって、一緒に帰ろうってこと?!


「お前の馬鹿力には誰も勝てないからな。」

「うるさいなーもう。っていうか誰もあんたなんか襲わないって。」

「はっ、お前オレはこんなの美形の顔を持ってるんだぞ?」


そういってニカッと笑うのだった。



「・・・ばか。」


あたしもつい苦笑い。


・・・なーんか憎めないなぁ。


8 名前:とみこ 投稿日:2002年07月31日(水)15時44分57秒
更新終了です。
中学生って書きやすい・・・vv
9 名前:とみこ 投稿日:2002年08月01日(木)09時00分31秒


「なぁ、真希。」


ひとむは頭のうしろで手を組みながらそう言った。


「・・・なによ。」

コイツは何言い出すかわかんないから、いつも警戒しながら返事をする。



「・・・お前、彼氏とかつくる気ないの?」



は?!



「は??」

突然彼がした質問に、目を点にした。


「いや、別に俺と付き合ってとかいうわけじゃないからな!!!」

「・・・バカ!!わかってるよそんなの!!」


何、何が言いたい訳?!



「なんか俺らの年齢ってそういうの多いじゃん?だから真希はどうなのかなーって。」

「はぁ?だって、ごとーそういうの興味ないもん。」

「・・・ふ、ふ〜ん。そうなんだ。」

「そうだよ。何か文句ある?」

「いや、別に・・・。まぁ真希みたいなヤツは一生できねぇな!!」

「あっそ、勝手に言ってなさいよね!!」


そういってひとむから離れ、道路越しに歩き始めた。
10 名前:とみこ 投稿日:2002年08月01日(木)09時18分24秒


「ひとむなんてモテるじゃん。何で彼女作らないの?」

「・・・別に。」

「だって、いっぱい告白とかされてんでしょ??」

「いっぱいってほどじゃないよ。」

「ふ〜ん。」




何よ、いきなり静かになっちゃってさ。

いつもみたいじゃないとひとむらしくないよっ。







そんなことをいってるうちにマンションについた。

ちなみにひとむは4階、ごとーは6階だった。

一緒にエレベータに乗ると、シーンとした雰囲気が漂った。


「・・・・・。」


お互い沈黙する。



・・・チーン。


あっという間に4階についた。


「・・・じゃぁな。」

「あ、うん。バイバイ。」







そういって空しくドアは閉まった。






・・・なんか変なひとむ・・・。

彼女の話がそんなに嫌だったのかな?


11 名前:とみこ 投稿日:2002年08月01日(木)09時33分00秒

「ただいまー。」

「あ!姉ちゃん、オレ仕事行ってくるから。」

「あ〜いってらっしゃーい。」

「ちゃんとメシ食えよ!」

「はいはい。」


バタン。






今のは弟のユウキ。

仕事っていうのは・・・実はユウキは芸能人で、

去年ジャニーズに入って、今は結構テレビとか雑誌とかによく出るようになった。

まぁお姉さんのごとーから見ても、ユウキはかなりの美少年だ。(よっすぃーに並ぶぐらい)

しかもごとーの3つ上のお姉ちゃんもモデルをやっていて、

有名じゃないのはごとーだけなのだ。

ま、そういうの興味ないからいいんだけどね。


12 名前:とみこ 投稿日:2002年08月01日(木)10時54分12秒


更新終了です。
13 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月01日(木)21時32分23秒
中学生とは新鮮な設定ですね。
かなり期待しちゃいますよ!!
14 名前:とみこ 投稿日:2002年08月01日(木)21時33分01秒




「いってきまーす。」


誰もいない部屋に向かってそういった。


- AM 7:30 - 



エレベーターに乗って1階のボタンを押した。

そしていつものように壁についている鏡で髪を整える。



・・・チーン。


「ん?もう1階?」


シュー・・・


ドアが開くと、そこからひとりの学ランを来た少年が入ってきた。



「あ。」

「・・・あ?」


お互い目が合うと、ドアはゆっくりしまって沈黙だけが残った。












「・・・お、おはよっ。」

ごとーは目をそらしながらそう言った。

「おう。」



1階につくまでの記憶は、それしかない。


15 名前:とみこ 投稿日:2002年08月01日(木)21時34分18秒
>名無しさん
初めての設定ですよ。しかもよしこは男・・・
下書きとか特にないんで、リクとか大歓迎です^^
16 名前:とみこ 投稿日:2002年08月01日(木)21時39分46秒


ごとーたちはお互いに何も言わなかった。

何も言わないで・・・2人で並んで一緒に歩いた。

もちろん会話はなかった。







「なぁ、真希。」

「へ??」

「俺さ、自分の名前キライなんだ。」



・・・・え?


突然の言葉に何を返していいのかわからなかった。



「俺の母さん、俺が小6ん時死んだじゃん?」

「う、うん・・・。」

「母さん言ってた。『絶対にひとみっていう名前付けるって決めてたのよ』って。」

「・・・ひとみ??」

「いくら小学生の俺でもわかったよ。母さん、女の子が欲しかったんだよな。」


・・・ひとむ・・・


17 名前:とみこ 投稿日:2002年08月02日(金)09時19分31秒


「俺さぁ、母さん好きだった。だから一番最高の息子になろうと思ってた。
けど、生まれたときから・・・俺が男で生まれたときから、
母さんの望みはひとつ消えてたんだなーって。」


そういってフッと苦笑いした。

・・・アンタのそんな顔、見たくないよ。


「まぁいいや。変な話してごめんな。」

そういってごとーの頭をポンッと叩いた。

・・・いつからだろう。

こんなにひとむが大きく見えたのは。








「じゃぁさ、ごとー、『ひとむ』って呼ぶのやめるよ!」

「え?」

「"よっすぃー"って呼ぶ!!いい?」

「よっすぃー??なんだよそれ、なんかアホっぽいぞ。」

「うるさーい!いいの、アンタは今日から"よっすぃー"だ!」

「・・・わぁーったよ。」


少し照れくさそうに目をそらすひと・・・いや、"よっすぃー"はあとはあと



あんたもカワイイとこあんじゃん!

18 名前:とみこ 投稿日:2002年08月02日(金)10時16分21秒


「あ、俺ちょっと部長んとこ行ってくるから教室行ってていいよ。」


下駄箱でよっすぃーはそういった。


「あ、うんわかったぁー。」







よっすぃーがその場を去ってから、上履きに履き替えて階段を上り始めた。





「あ・・っ吉澤先輩の・・・」


フッとすれ違った1年生が小声でそう言った。

・・・なに、吉澤先輩のって・・・・

・・・よくわかんないや。


そのまま教室へ向かった。
19 名前:とみこ 投稿日:2002年08月02日(金)10時17分35秒

いったんこうしんしゅうりょう
20 名前:シグナル 投稿日:2002年08月02日(金)16時00分57秒
男よっすぃ〜、いいな〜。
実は、とみこさんからレスもらった日に、この題名に引かれ読んでいたのですが、
なにぶんへたれなもので…。
学園物好きなので、ピアスや、女学院もseek見始めたとき読んでいましたよ。

seekの先輩からレスもらえてうれしかったです。
お互いがんばりましょう。
コテハンでレスするの初めてなので緊張してます。
21 名前:皐月 投稿日:2002年08月02日(金)19時27分49秒
おやっ?とみこ様ここにもかいてらしたんですか?
いいですね・・・中学生ですか・・・。
がんばってくださいね!応援してます!
22 名前:名無し 投稿日:2002年08月03日(土)00時04分42秒
リクいいんですかね?
とみこさんの小説にはほとんど出てくるさやまりも入れてほすぃ。
さやかくんも男で(w。

中学生よしごまは、なんかういういしくてよいですね。
23 名前:とみこ 投稿日:2002年08月03日(土)08時21分19秒
>シグナルさん
レスありがとうございます^^
ピアス・女学院・・・あぁ、今よりもっと文才がなかったときの作品です(ワラ
seekの先輩だなんて・・・いやいや、シグナルさんの方がずっと才能ありまっせ!
seekは心のトモです。頑張りましょう!!

>皐月さん
>おやっ?とみこ様ここにもかいてらしたんですか?
ここにも、といいますと・・・?ここしか書いてませんよ(ワラ
>いいですね・・・中学生ですか・・・。
そうです、ガキです。ちゅーぼーです。
たくさん小説書いてきて、余裕ができた今のこの作品なので、
今まででは一番マシになるかな!って感じです^^

>名無しさん
さやまりですね!わっかりました(ヨシャー
男さやか書くの好きです^^もちろん男よしこも!
楽しんで書いていきたいと思っています。応援よろしくお願いします。

24 名前:とみこ 投稿日:2002年08月03日(土)08時44分07秒
今日は戸田橋の花火大会行ってきます。更新サボります(逝
25 名前:名無し22 投稿日:2002年08月03日(土)10時33分56秒
リク聞いてくれてありがとです!!
とみこさんの書くさやまり大好きなので、嬉しいです!
花火大会、楽しんできてくださいね。
そして、花火大会終わったら更新待ってます(w。
26 名前:豚馬牛 投稿日:2002年08月03日(土)18時32分58秒

ここにいらしてたんですねっ?!
いやぁ…ごっちーん(泣。
とみこさんのよしごま好きです。ガムバテーください。
27 名前:とみこ 投稿日:2002年08月04日(日)12時38分57秒
>名無し22さん
リクいつになるかわからないですけど、絶対出しますので^^
花火大会終わったので更新しちゃいます。

>豚馬牛さん
>ここにいらしてたんですねっ?!
い、いらしました!!(何
>とみこさんのよしごま好きです。
とみこさんはよしごま好きです。(w
ガムバリます。
28 名前:brett 投稿日:2002年08月04日(日)12時55分23秒
新作ですね。こちらも期待してます。しょうもないことなんですが
ひとむの性格が360度変わってしまった。とありましたが180度の間違いでは
正反対の意味としては360度だと1周していて元の位置に戻ってくるので
前にさんまさんがネタにしていたので。
29 名前:とみこ 投稿日:2002年08月04日(日)19時41分14秒
>brett
360度の件ですが、前にメール欄で修正したつもりなのですが
うまく伝わってなくてごめんなさい。
30 名前:とみこ 投稿日:2002年08月04日(日)21時39分51秒
>>29
「さん」付け忘れました。逝ってきます。
31 名前:とみこ 投稿日:2002年08月04日(日)21時54分13秒


「あ、後藤さんくじ引いて〜!」

「へ?」


ボーッとしてるごとーに、後ろの席の女の子が話し掛けてきた。


「へ?じゃねぇよバーカ。」

隣に座っているよっすぃーが笑った。

・・・(ムカッ)


「吉澤ぁ、もっと優しくしてあげなよっ。」

「だって真希からかうのおもしろいんだもん。」


後ろの席の女の子はよっすぃーを軽く叱った。


「いいよいいよ、よっすぃーなんかほっといて。えっと・・・(名前わからん)」

「柴田!柴田あゆみですはあとはあと

「あ、ハイ。柴田サン、ね。わかったぁ。」

「あゆみでいいよ!あたしはなんて呼べばいい?」

「えっと・・・真希とかごっちんとか後藤とかなんでもいーよ。」

「じゃぁ・・・ごっちんってよぶね!」


そういってあゆみちゃんはニコッと笑った。

その横でよっすぃーがフンッとふてくされた。
32 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)15時27分26秒


「ねぇ、ごっちんってさぁ・・・」


あゆみちゃんは小声で話し掛けてきた。


「吉澤と付き合ってるの?」

「・・・・は?!」


今すっごい顔してたな、自分。


「あれ?違うの?だってかなり仲良いじゃん。」

「な、何言ってるのさあゆみちゃん!!そんなわけないって!」

「そうなの?あ、あゆみでいいからね。」

「あ、うんっ。」



もしかしてみんなにもそういう目で見られてるのかな・・・・

あー最悪ぅ・・・

33 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)15時33分29秒


キーンコーンカーンコーン・・・


チャイムが鳴り、みんないっせいに騒ぎ出した。


「あ、真希。あとで剣道部来い。」

「へ?なんで剣・・・」


それだけ言うと、よっすぃーはスッといなくなってしまった。







「なに、告白??」

突然あゆみが後ろから肩を叩いた。


「ち、違うよ!そんなんじゃないって・・・。」

「えーでも吉澤いいやつじゃん!付き合っちゃえば??」

「何言ってんのぉ。よっすぃーはただの幼なじみだよ。」

「でもアイツかなりモテるよね??ファンクラブあるらしいし。」

「・・・なんであんなヤツがモテるのかなぁ。」



ほんっと、ごとーには理解できないよ。


・・・

お昼休み、渋々と第二体育館(道場)へ行った。


34 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)15時40分50秒


パーンッ


体育館を除くと同時に、竹刀の打つ音が響き渡った。


・・・っなに?!


中を見ると、2人の防具を来た生徒がいた。

ひとりは床に横たわり、もう1人はため息をついて防具を外した。



・・・・え、よっすぃー???


面を外し、キラリと光る汗。

切れ長の二重まぶたが妙に色気があった。




・・・よっすぃーってこんなにカッコよかったっけ?・・・



「あ。」


彼はごとーに気付くと、部長を呼んでこっちに来た。



「部長、こいつです。」


・・・は??


「あぁ。君名前は?」

「へ?え・・・後藤真希です・・・。」

「真希ちゃん。君は今日から剣道部のマネージャーをやってもらう。」

「は?!」


何、どういうこと?!

まさか・・・それでごとーをココに呼んだワケ!?


「真希部活入ってないだろ?マネージャー必要だからさ。な?頼むよ!!」

ひとみは手を合わせて頭を下げた。













・・・ってか、何でこーなるのー????!!!

35 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)15時42分54秒
>>34

除くと→覗くと

防具を来た→防具を着た


修正します。
36 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)15時50分19秒

結局、無理やりマネージャーをやることになってしまった。

後藤真希、不覚でした・・・・。






その日の放課後、最初のマネージャーとしての初部活だった。


「マネージャーになりました。2年2組のごとーまきです。よろしくおねがいしまーす」


部員の前で軽く挨拶をした。


「ヒューッ!かわいいマネージャーさんが入ったなぁ!」

「真希ちゃんとかいってマジ可愛いしはあとはあと


そんな言葉はまったく聞こえないふりをしていた。




次々とみんな準備についた。

素振りから始め、何回か対戦をして今日の部活は終わった。

ごとーは横でボーッとしてただけだけど・・・。いいのかな、これで?


「「「お疲れ様でしたー!!!」」」

37 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)15時56分09秒

みんなが一斉に帰った後、後藤も荷物を持って部室を後にした。


カギを閉めようとしたその時、体育館にまだ電気がついているのに気付いた。


そっとドアを開けると、ひとりの防具を来た男の子が素振りをしていたのだ。



「・・・あのぉ。」


ごとーは恐る恐る話し掛けると、彼はスッ・・・っと面を取った。














「・・・・よっすぃー?」


「真希・・・。何やってんだよ、お前。」


一瞬、よっすぃーがすごく素敵に見えた。



「よっすぃーこそ・・・何やってんのよ。」

「見りゃわかるだろ。居残りだよ。」

「・・・ふーん。」

「地区予選が近いんだ。気抜いてらんないんだよ。」



・・・・こいつも、ちゃんと考えてるんだ・・・・。





「・・・何突っ立ってんだよ。帰んじゃねぇの?」

























「・・・・・・・待ってるよ。」




38 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)15時58分09秒



「え?」


よっすぃーの動きが止まった。

ごとーも、ピタッと止まった。



「だからぁ・・・待ってるって。ダメ?そんなにごとーがキライなの?」




・・・素直じゃ、ナイ。



「・・・別に。勝手にしろ!」


そういってまた素振りを始めた。


そんなよっすぃーを、ごとーはただ見つめていた。


39 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)16時09分29秒

−PM 7:00−


よっすぃーは荷物を持って部室から出てきた。

かなり疲れた表情で、ゆっくりこっちへ来た。



「・・・大丈夫?竹刀、持つよ。」

「・・・あぁ、サンキュ。」


ボロボロになった竹刀。

よっすぃーがずっと大事に使っているものだ。



なぜか・・・ごとーはそれをギュッと握り締めた。 

彼と同じ気持ちを感じたかったからかもしれない。








正門まで行くと、ひとりの女の子が時計を見ながら立っていた。


「誰だろ・・・。」

「さぁ?」


女の子は、ごとーたちの姿にハッと気付いた。


「あ、吉澤先輩。」

そしてよっすぃーのもとへかけてきた。


・・・よっすぃーを待ってたのかな??




「あの・・・えっと、1年の高橋といいます。」

「・・・・?」


よっすぃーは無表情で高橋さんを見ていた。








「あの・・・・あたし、吉澤先輩が好きなんです!!!」








――――――・・・・え?




40 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)16時13分49秒


ごとーはただ驚いていた。

あと・・・よっすぃーの隣にいるのが少し気まずくなった。


「あー・・・・。」


よっすぃーはそういって髪の毛をクシャッとして困ったような顔をしていた。



「・・・でも、今わかりました。吉澤先輩は後藤先輩と付き合ってるんですよね。」



――――は?!また???

あゆみに続いて、本日第二回目の同じ質問だった。


よっすぃー、誤解といてよね!!!








そして彼は口を開いた。




・・・








「あぁ・・・そうなんだよね。」



















・・・・は?!


















41 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)16時16分24秒


ごとーは頭のなかがぐるぐるになった。


何?!どういうこと?!?



「ちょっ、よっすぃ・・・んぐっ」


よっすぃーはごとーの口を塞ぐと、後ろ向きで歩き始めた。



「そういうことだから、ごめん!」


そういって今度は一気に走り出した。


「ちょっ、待ってよぉ!」


ごとーもしょうがなく追いかけるのだった。





・・・・ひとり高橋さんを正門に残して。



42 名前:とみこ 投稿日:2002年08月05日(月)16時17分10秒
更新終了です。
43 名前:20 投稿日:2002年08月06日(火)03時55分30秒
ごちーんの気持ちがよっちにかたよってきたぞ。(笑
このまま二人は…いくはずないですね。(笑
よっち、ごちーんを大事にしろよ。
44 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)10時18分58秒
>>20さん
どうなんだろうどうなんだろう・・・!
作者は期待を裏切るやつなので(ぇ)また2人は引き裂かれるかも・・・?
45 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)10時22分33秒

角を曲がったところで、やっとよっすぃーに追いついた。


「ちょっ・・・よっすぃー!!」

「・・・・ふぅ。」


ふぅ・・・じゃねぇっつーの!!!



「どういうこと!?何でごとーたちが付き合ってることになるのぉ〜!!」


ごとーはよっすぃーの肩をポカポカ叩いた。


「・・・わりぃ!理由思いつかなかったから、さ。」

「バカぁ・・・。」


絶対ウワサ広まっちゃうよぉ・・・っ。



「それに、なんで断ったの?・・・えっと、高橋サンだっけ?」

「だって、付き合う気ないから。」

「何でぇ?」

「好きな人いるし。」





















・・・・・へ?

















46 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)10時25分31秒

その日は他に何を話したのかは覚えてない。

気が付いたら、自分の部屋にいた。


ただひとつ、右手によっすぃーの竹刀の感触が残っていた。








『好きな人いるし。』






何度もさっきの言葉が頭を巡った。



・・・よっすぃーの、好きな人・・・・



きっと、ごとーなんかよりずっと素直で可愛くて優しくて・・・


・・・ってそんなのどうでもいいんだけどっ!!


何さ、何意識してんのさっ。よっすぃーなんかキライなんだから!

もう絶対一緒に帰ったりしないんだから!!
47 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)11時38分08秒

次の日。


今日はよっすぃーは朝練で、偶然でも会うことはなかった。

ごとーはひとりで正門をくぐった。





ザッ



突然、目の前に男子が何人か立ちはだかった。


「あれ?今日は吉澤と一緒じゃないのー??」

「・・・へ?」

「付き合ってんだろー!ヒューヒュー!!」


そういって彼らは走り去っていった。

ごとーはただひとりそこに立ったままだった。



「なんでそーなるのさぁ・・・・。」



よっすぃーとのウワサは、からかわれるだけではすまなくなった。
48 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)11時43分42秒

何で知らない男子にまでからかわれなきゃいけないわけ?


・・・


渋々と靴を履き替えようと、自分の出席番号の下駄箱を開けた。



すると、そこに一枚のメモが入っていた。


「・・・誰だろ。」


ごとーはそれを手に取った・・・・その時だった。



ピッ


「痛ッ・・・!!」


気が付くと、親指が軽くスッと切れ、血が滲んでいた。



「・・・何・・・?!」


そのメモにはセロハンテープでカミソリがついていた。

そして、汚い字で 【イチャこいてんじゃねぇよ。男好き 調子のんな 死ね】






















・・・・なん、で・・・・




49 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)11時48分27秒


そのメモを床に捨て、カバンからばんそうこうを取り出して親指に巻いた。


そして重い足取りで教室に向かおうとした。







ドンッ


不意に、階段で三年生の先輩とぶつかってしまった。


「あ、ごめんなさ――――」

「出たよ、男好き。」




・・・・え・・・?



通り過ぎたあと、『キャハハ』という笑い声が背後から聞こえた。









・・・・・どうして・・?

なんでごとーがこんな・・・・



50 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)11時51分38秒

ガラッ


「コラ、遅いぞ後藤。」


教室に入るなり先生の声が飛んできた。


「あ、ごめんなさい。」


カバンを置くと、席について顔を伏せた。

色んなことが頭に巡っていた。


・・・


「おい、真希。」


ビクッ


・・・よっすぃー・・・


「どうしたんだよ、それ。」


そういって彼はごとーの親指を指差した。

その指を見て、さっきの光景がフラッシュバックした。



「・・・な、何でもないって。」

「フッ、またどーせドジったんだろ?」

「うるさいっ。」







あんたのせいなんだから・・・!!







51 名前:とみこ 投稿日:2002年08月06日(火)11時52分14秒
更新終了です
52 名前:( TД T) 投稿日:2002年08月06日(火)18時40分26秒

よくある親子のセレナーデ♪
じゃなくてよくある焼き持ちを妬くとかですね。これは。
自分、こういういじめ(いじめの理由はまったく違いますが)あってます。
53 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月06日(火)21時40分03秒
よっすぃの好きな人がごっちんであって欲しいっす!
54 名前:カム 投稿日:2002年08月07日(水)04時05分58秒

銀板完結&新作おめでとうございます!
おお、今度は中学生の吉後。しかも、よっすぃ男の子ですか?
今読んできただけでも波乱の予感ですね〜、
同じ板になれて嬉しいです、頑張って下さい!
55 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)09時48分06秒
>( TД T)さん
自分が中学生なので、中学生の小説は書きやすいです。
特にいじめや恋愛についてはまさしく中学の青春そのものですからね!!
つらい経験思い出させてゴメソナサイ。でもハッピーエンドで終わらせるので、
応援宜しくお願いします!!!

>名無し読者さん
>よっすぃの好きな人がごっちんであって欲しいっす!
そう簡単にはいかないわよ・・・(`.∀´)

>カムさん
>銀板完結&新作おめでとうございます!
ありがとうございますvv
そうです、中学生のよしごまです!そしてただいま大波乱中(w
いじめってこわいですよね。ごまの今後はいったい・・・?!ご期待♪
56 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)17時23分40秒


下駄箱にあったあのメモとカミソリといい、先輩の陰口といい・・・

これってやっぱり『イジメ』ってやつなのかな・・・。

原因は・・・『男好き』・・・?っていうか、よっすぃーのことだよね。

最近一緒に帰ることが多いから、たぶんそれでだろうなー。

男好きって・・・よっすぃーだけじゃんかっ!

せめて『よっすぃーずき』にしてくれよ!・・・ってか別に好きじゃないけどさぁ。






そんなことを思いながら、日直日誌を取りに1階に向かっていた。




階段をいつものようにのんびり歩いていた・・・その瞬間――――――



「バーカ。」


・・・え?



ドンッ――――


「ひゃっ」



足が階段からズルッと滑って、ごとーのからだは一瞬宙に浮いた。

57 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)17時24分12秒

ガンッドカドカドカドカ・・・・・・!! ガンッ!!



そのまま何段もの階段を転げ落ちたのだ。






――誰かに、突き落とされた。――








意識は途切れることはなく、体中を激しい痛みが襲った。


そして階段の上にはダダッと逃げる足音だけ。



体の痛みより、心の痛みがごとーの気持ちをズタズタにした。



色んなことが積み重なって、ごとーの心は、トゲトゲのたまごのようだった。

58 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)17時25分50秒


階段の下に転がり落ちてから、何分経っただろうか。


もう授業は始まっていて、誰もここを通る人などいない。










ごとーはただ、



床に倒れたまま、頬を伝う涙をウザく感じていた。






















・・・・何でごとーが・・・・・・・・。


















59 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)17時36分10秒
その日、ごとーは授業も受けず、荷物も持たずに家に帰った。

ちょうど家族も誰もいなかった。

床に寝そべって、何時間も、何時間も無言で涙を流した。



・・・・


髪はグシャグシャ、

手足や背中、顔にまでアザができていた。

あんだけ派手に階段から落ちたら、フツーはそうなる・・・よね。アハ。


電気も付けず、夕日で赤く染まった床に、ごとーの涙がたまっていた。




・・・・ピンポーン・・・



突然、家のインターホンがなった。

・・・当然出る気力はなかった。












「おーい、真希っ。」










・・・!!よっすぃ・・・??



「いるんだろー!開けろよ〜。」



・・・・なん、で・・・





「開けるぞ!」



・・・・ガチャ




・・・逆光でよく見えなかった。

ただ、学ラン姿のよっすぃーが部屋に入ってきたのだけがわかった。


60 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)17時42分01秒


ごとーは驚いて立ち上がった。


よっすぃーはごとーの目の前に立った。



「・・・なんで?何しに来たの・・・」

「何ってお前、カバン置いてっただろ!」

「・・・え、あ・・・。」


そっか、ごとー手ぶらで・・・





「・・・お前、いじめられてんのか?」





・・・突然、彼はそう言った。


・・・何で知って・・・



「これ・・・。」


よっすぃーはごとーの通学カバンを差し出した。






・・・もう、それは元のカバンではなくなっていた。


ハサミやカッターでズタズタに切られた跡。

そして、赤い絵の具で乱暴に『死ね』と大きく書かれていた。


・・・それをよっすぃーに見られたのがすごく嫌だった・・・・
61 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)17時44分34秒
ハンパですが更新終了です。
62 名前:( TДT) 投稿日:2002年08月07日(水)18時50分50秒

続きが気になる!!
いいえ、どうやって乗り越えるか見てみたいです。
応援してますよ〜!
63 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)09時37分24秒



バッ


「お、おいっ!」


よっすぃーからカバンを振り払った。

無残にそのカバンは床にドサッと落ちた。






「・・・!!真希、お前その顔・・・」


そして、よっすぃーから伸びた手は、ごとーの頬に触れた。


パンッ


その手も・・・ごとーは思いっきり払ってしまった・・・・。


「おい、真希・・・」

「・・・さわらないで!!!!!!!」






ごとーの大声に、よっすぃーは目を思いっきり開いて驚いていた。




「・・・このアザも、このカバンも・・・、全部よっすぃーのせいなんだから!!!!!」


「な・・・、何で俺なんだよ!!」


「よっすぃーのせいで嫌がらせされたり、階段から突き落とされたり・・・!!!」

「階段・・?!お前そんなことまでやられてんのかよ!!」

「そうだよ!ごとーは、ごとーは・・・」


















「よっすぃーのせいでいじめられてるんだから!!!!!!!!!」









64 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)09時39分27秒







「帰ってよ・・・。」

「・・・え、でも・・・。」

「帰ってよぉ・・!!」

「だって、お前・・なんで俺のせいでなんだよ?!」

「帰ってっていってんじゃん!!!早く!!!!」



そういって無理やりよっすぃーを玄関の外に押し出して、思いっきりドアを閉めた。










バタン。





「・・・・ばかぁ、よっすぃーのばかぁ・・・・・」




65 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)09時56分47秒

次の日。ごとーは学校へ行かなかった。

学校に行ったらまた何かされる。学校に行ったらよっすぃーに会う。

だから、行かない。

お母さんは早くからお弁当屋さんの仕事に行くので、朝は会わない。

会っても「学校行きたくない。」っていったら「いいよ行かなくて。」って言うと思うし。

ごとーのお姉ちゃんがそうだった。

中学んときにいじめられて、学校に行かなくなった。

それでもお母さんは『いいよ。学校なんか行かなくていい。行く必要ないよ。』って。

今、お姉ちゃんはひとり暮らしでモデルの仕事をやっているから、ここには住んでない。

ユウキはジャニーズの仕事で忙しいから、通信教育だ。

今日も朝から何か仕事だって言って・・・・・・・


『はい、おはようございまーす!!ユウキで〜す!!今日は生放送ですよー。』

テレビのなかでニコニコ笑いながらごとーに手をふる我が弟。




・・・忙しいヤツ。



テレビをプツッと切ると、ごとーはボーッと部屋で座り込んでいた。







66 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)10時10分39秒

ごとーは何となくベランダに出てアイスをかじっていた。






・・・・あっついなぁ・・・・



「・・・あ。」



その時、ごとーのマンションからよっすぃーが出てきた。

眠そうに大あくびをして、今日はオレンジ色のTシャツを来ていた。












「おはよー、モテモテ君♪」





声がするほうを見ると、数人の先輩たちがよっすぃーの方に向かって歩いていた。



「・・・・・・。」


よっすぃーは黙って前に進んでいた。




「おいおい、待ってくれよ。」

「・・・・あ?」



先輩たちはよっすぃーをバッと囲んだ。



「・・・どけよ。」


よっすぃーは肩で先輩たちを突き飛ばし、再び進み始めた。


「吉澤君だっけ?」

「・・・・。」


まるで声も聞こえてないように、よっすぃーは歩きつづける。



「後藤真希・・・って、知ってるよなぁ?」











よっすぃーはピタッと止まった。




67 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)10時17分21秒


「あのコ、いじめられてるみたいだねぇ。」


よっすぃーは振り向いて先輩たちの方へ戻ってきた。





「・・・何でいじめられてるか知ってるのか?」


よっすぃーは少し自分より背の高い先輩たちを見上げて言った。



「吉澤くんのせいでしょー。わかんないの?かわいそうだなー後藤サンも。」

「どういう意味だよ!」


「だからぁ、吉澤君が後藤さんと付き合ってるって言うウワサが流れてるわけ。
君らが一緒に帰ったりするからだよ?だからさ、吉澤君のファンは怒るわけさ。わかる?」



よっすぃーはいったん下を向いて、また先輩を見上げた。




・・・やっぱりいじめられてる原因はそれだったんだ・・・


でもなんのためにこの人たちは・・・?




「そういう風に女子にキャーキャー言われてる吉澤くんみたいな人ってさぁ。」

「・・・あ?」






















ドスッ



「・・・っ!!」



後ろからひとりの先輩が蹴りを入れた。
















「目ざわりなんだよ。」



68 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)10時24分01秒


・・・わっ、何かヤバイ雰囲気だよ・・・!!




「ゲホッゴホッ・・・・ごほっ・・・」


よっすぃーはおなかを抱えて座り込むと、ボスっぽい男がその前にしゃがんだ。



「・・・俺ら、お前みたいな目だってるやつウザイんだよね。」



ガンッ


そのまま頭突きを食らわせた。よっすぃーは声も出ずに倒れこんだ。





「調子のんなよ。」


「・・・ぐっ・・・うるせぇ・・・お前らには関係な――――。」


バキッ

大きく握られたこぶしが、よっすぃーの顔を思いっきり殴った。








・・・・・もう、見てられないよ・・・!!!





よっすぃーを助けなきゃ!!

ごとーは下に降りようとベランダのドアを開けようとした・・・・その時だった。



「何やってんだお前ら!!!」




・・・え?



もう一度振り向いて道路を見ると、スーツ姿の男の人が先輩たちを止めていた。





・・・・誰?!
69 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)11時16分59秒
うん、誰?

>「・・・俺ら、お前みたいな目だってるやつウザイんだよね。」
( ´ Д `)<それは僻みじゃないの〜?よっすぃー苛めたらごとー本気で
         怒るよ〜?

続き期待です。
70 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)11時36分56秒


「・・・誰だテメェ!!!」




















「お前らの学校の、先生だ。」



・・・先生??あんな先生いたっけ・・・




「今日から初出勤だってのに・・・・いきなり騒動するなよなぁ・・・」

「・・・チッ、センコーかよ。おい、行くぞ!!」


そういって男の先輩たちは走って学校に向かった。



「おい、大丈夫か?」

「・・・全然大丈夫。新人先生なんかに助けてもらわなくてもね。」

「ナマイキだなぁ。ほら、学校行くぞ。」



そういってふたりは学校へ向かった。

ごとーは部屋に戻ってまた座り込んだ。


71 名前:とみこ 投稿日:2002年08月08日(木)11時42分02秒
>Kattyunさん
誰?!って感じっすね。まだ秘密ですわ。
わけわかんない文です。こうしんしゅうりょう。
72 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)08時36分17秒

− AM 8:20 −


「じゃぁ、まっすぐ教室行けよ。」

「うぃ〜っす。」

「っと・・・名前は?」


スーツ男はひとむに尋ねた。


「吉澤ひとむ。」

「ふ〜ん。吉澤か。覚えとくよ。」

「お前は?」


ひとむは少し背の高いスーツ男を見上げて聞いた。


「あー、俺?新しく2年2組を担任することになった市井紗・・、いや市井でいいや。」

「ふーん。」

「じゃ職員室行くから。またな。」







(俺のクラスじゃん・・・・。)


73 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)08時46分38秒

次の日―――――


ピンポーン・・・





「はーい。」

「あゆみだけど!!」

「・・・あゆみ?」



ごとーはそっとドアを開けると、そこには制服姿のあゆみが立っていた。


「真希、学校行こうよ!」

「・・・・え?」

「早くっ!」

「だって・・・・また何かされるし・・・。」

「絶対されないよ!!」

「・・・!!何で・・・」

「よっすぃーがいじめしてるやつらやっつけたんだよ!!」







・・・・・・へ?




「どういう、こと・・・?」


ごとーはただ頭に『?』のマークが飛び回るだけだった。

・・・・よっすぃーがやっつけた・・・・・?




「きのう、真希の上ばきにラクガキしようとしてたやつらがいてね、ちょうどよっすぃーが発見したの!」

「それで・・・?」

「そいつら捕まえて、『今度真希を傷つけるようなことしたら許さねぇ。』って!!」




・・・よっすぃー・・・・・・・・


ごとーは思わずその場で涙を流した。


「すごかったよ!!カッコよかったよ、よっすぃー!!」

「・・・うん。・・・うん。」


74 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)08時55分07秒

あゆみに話を聞くと、どうやら犯人はよっすぃーのファンクラブだったらしい。

しかもほとんどが3年生。

でも・・・助けてくれたのは嬉しいけど・・・・

これでいじめ、なくなるの――――?









学校へ行くと、みんなの様子は特に変わらなかった。


「真希、よっすぃーにお礼言わなきゃっ」

「うん・・・。」


ちょうどその時、よっすぃーが教室に入ってきた。


「ほらっ。」


あゆみに背中を押された勢いで、よっすぃーの側まで行った。












「あ、よっすぃ・・・・」

「おはよ。・・・・どうしたんだよ?」

「あのっ、昨日は・・・その・・・・」


素直になれないごとー・・・バカぁ・・・



「その・・・えっと・・・・」

「いいって、別に。」


・・・・え?



「俺のせいだったんだろ、あれ?ごめんな。」



よっすぃー・・・・



「でも、もう絶対いじめられないから。」

「・・・え?」

「真希をいじめてたやつらに言ってやったんだ。」










「俺の好きな人は、別にいるから。って。」
75 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)08時58分32秒


・・・・・・・・


何でかな、よっすぃーのその言葉で、心がズキッとなった。

何で?よっすぃーに好きな人がいるから?

それとも・・・どこかでごとー、よっすぃーに期待してた・・・?











「そ・・・そうなんだ!!」

「うん。俺らが付き合ってるとかんちがいしていじめてたんだろ?」

「・・・そうみたい。」

「ごめんな。俺が一緒に帰ろうとしたりしたから。」

「・・・ううん、ヘーキ。」

「ホントもう大丈夫だから。」


そういって教室を出て行った。










・・・・なんだか、ちがう部分が少し傷ついたような気がした・・・・・・
76 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)09時04分28秒


「ちょっ、真希!今のなに?!」


あゆみは驚いてごとーの方に来た。


「いや、なんか好きな人いるって・・・。」

「うそぉ?!ってか真希のこと好きっぽかったじゃんかなり!」

「・・・・そんなことないよ。」

「なんだアイツはー!」


あゆみはひとりで怒ってぶつぶついっていた。








ガラッ





その時。


突然入ってきたスーツ姿の男。



・・・!!あ、あの時の!









「みんな、初めまして。市井と言います。」


いきなりの自己紹介に、みんなザワザワしていた。

77 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)09時09分42秒


「とりあえずみんな席につけー。」


みんな席につき、市井というひとの話を聞いた。(よっすぃーも戻ってきた。)



「えーっと、実は・・・ここの担任の平家先生なんでですが・・・」


市井というひとは、だんだん深刻な表情になった。

みんなにも嫌な予感が走る。













「・・・・結婚、しました。」
























「「「「「「「「「「「「「えーーーーーーーーー?!?!?!!?!?!!」」」」」」」」」」」」」」」






78 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)09時14分07秒


みんな意味もわからずとりあえず大声をあげた。


「ハワイに住む外国人に惚れて、即結婚したそうだ。」


(・・・なんじゃそれ・・・)



「で今は子供も出来ているので、産休ということになります。」


もう子供作ってんだ!!すごーい!!















「というわけで、臨時で担任をすることになりました。」



・・・



「市井です。よろしくっ!」


79 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)09時16分13秒
市井登場です。そのうち矢口も出てきます!
ではまたあとで更新したいと思います。
80 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月10日(土)09時27分29秒
市井登場キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

続き楽しみ楽しみ。
81 名前:名無し22 投稿日:2002年08月10日(土)18時12分08秒
リク聞いてくれてどうもありがとうございます!
市井ちゃんと矢口は、よしごまにどう絡んでくるんだろう・・・?
82 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年08月10日(土)20時02分46秒
いや〜、面白いっす!楽しみにしてます。
更新がんがって下さい。

(0^〜^)<他に好きな人が・・・

( ´ Д `)<・・・えっ・・・・

(0*^〜^)ノ◎<なッ、ベーグル・・・・

( ;´ Д `)<・・・・・・・・人ジャナイジャン。
83 名前:名無し 投稿日:2002年08月10日(土)20時50分34秒
 最近、ただよしごまを探して読んでみた作品が、
気がつけばとみこさんの小説だった、と言うことが
多々あります。
 この小説も面白いです。これからもがんばってく
ださい!
84 名前:とみこ 投稿日:2002年08月11日(日)19時00分54秒
>名無し読者さん
キタネ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
楽しみにしてくださいな!!市井サイコー!!!!!

>名無し22さん
>リク聞いてくれてどうもありがとうございます!
いえいえ!市井ちゃん登場です^^よしごまへの絡みももちろんですが、
やっぱり最終的には矢口かな?^^

>吉澤ひと休みさん
面白いと言っていただくと自信がつきます!^^
これからも少しでもいい作品をつくっていきます!!

(0^〜^)<実は・・・・ケメコが好きなんだ。

Σ( ´ Д `)<えっ・・・・

(0*^〜^)ノ◎<なッ、ケメ・・・あれ?ケメコ?

( `.∀ ´)<お呼び?


>名無しさん
よしごまを探せばとみこですか!!
そうですね、生まれつきよしごましか愛せないんです。(w
いしよしも読むぶんにはいいのですが、書くとのれなくて^^;
よしごまラヴです!!がんがっちゃいます!!
85 名前:とみこ 投稿日:2002年08月11日(日)20時56分09秒

−真希視点−


新しく入った市井先生。

清楚な黒髪に、ハッキリした大きな目、妙に似合うスーツ姿。

確かににカッコイイ。


休み時間になると、女子が市井先輩のところにドっと集まった。

前まではみーんなよっすぃーのとこに集まってたのにさ!

まっ・・・よっすぃーに好きな人がいるってわかったらしょうがないか・・・。






・・・・でも、本当に誰なんだろ・・・・・?





86 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月11日(日)23時26分25秒
ん?今日は更新これで終わり?
87 名前:とみこ 投稿日:2002年08月12日(月)08時52分13秒
>名無し読者さん
すみません、昨日かなりハンパな更新で^^;
今日はちゃんとやりまっせ!!
88 名前:とみこ 投稿日:2002年08月12日(月)09時41分46秒


「ねぇ、真希。よっすぃーの好きな人って誰だと思う?」

「え〜、ごとーも全然想像つかないよっ。」


「・・・好きな人、いるんだ・・・。」




「へ?ごめん、聞こえなかったぁ。」

「な、なんでもないよっ!」

「・・・?まぁいいや。次美術だよー。美術室行こっ」

「うん!」

そういって教室を出ようとした時、ちょうど教室に入ってきた中澤先生とぶつかった。



どんっ


「あ、なかざわせんせー。」

「お、後藤!柴田!いいところに来た!!」

「「へ?」」

「これみっちゃんに渡しといてやー。」


先生は理科の資料やらなんやらをごとーに持たせた。

「重い〜〜・・・」

「頼んだで!!」


・・・


「半分持つよ。」

「ありがとーあゆみぃ。」






そんなささいなことから理科室へ行くことになった。

まさかあんなことが起こるなんて想像もせずに・・・・





89 名前:とみこ 投稿日:2002年08月12日(月)09時51分57秒

−理科室−


ガラ・・・・


「失礼しま・・・あ!!平家せんせ・・・・・・・。」



・・・!!!




ドアを開けた瞬間、目に入った光景。

それは誰も想像してなかった光景だった。







そこにいたのは、平家先生・・・・と、【よっすぃー。】


イスに座る先生に、立ったままかがんでキスをするよっすぃー・・・。


・・・何、ふたりってこういう関係なわけ・・・・


よっすぃーの好きなひとって―――――平家先生・・・・・?











その場に固まるごとーとあゆみ。


フッとあゆみを見ると・・・・・


「・・・あゆみ?!」


ごとーの大声に、やっと先生たちが気付いた。



「ご、後藤・・!!」



もう遅かった。

あゆみは理科室を飛び出して、すでに姿はきえていたのだ。
90 名前:とみこ 投稿日:2002年08月12日(月)10時00分36秒


あゆみの顔を見たとき・・・・泣いてた。


・・・なんで?どうして?




・・・まさか・・・


あゆみは・・・よっすぃーが、好き・・・?











「後藤・・・頼む!!!」


平家先生はごとーに頭を下げた。



「このことは、秘密にしといてくれへん?」


先生のその上目遣いが妙にキレイだった。


・・・男だったら惚れてるな・・・




「別にごとーは言わないけど・・・・・」


スッと視線をよっすぃーへ向けた。

学ランのポケットに手を入れて、ごとーを細い目で見ていた。



「よっすぃーの好きな人って、平家先生だったの?」


「・・・うん。」




・・・・そういうこと・・・だったんだ・・・・




「・・・あ!あゆみ・・!」


ふっとあゆみのことを思い出して、ごとーは急いで理科室を出た。

2人を残して――――
91 名前:とみこ 投稿日:2002年08月12日(月)10時26分01秒

あ〜〜〜〜〜〜〜〜アホです!!!
平家先生は産休でお休みのハズなのに登場させちゃいました!!!

もうダメっす・・・・・立ち直れません・・・・・・・


92 名前:とみこ 投稿日:2002年08月12日(月)10時26分33秒

立ち直れません・・・・・・・
93 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月12日(月)13時18分10秒

  ( ´ Д `;)っ <あゆみっ!
   (]つ   /
   | ─ (⌒)
   (__)⌒^

気にする事ないですよ。よっすぃーに会いに来た…
または裕ちゃんからの荷物を取りに来た、とか…。
94 名前:読者 投稿日:2002年08月12日(月)19時29分18秒
いや、でも結婚して妊娠しちゃったし‥‥。
ここは素直に>>88からはなかったことにした方が
いいんじゃないですか。
面白く読ませてもらってるだけにこれでつまづいたりしたらもったいないです。
とみこさん、がんがれ。
95 名前:ボン 投稿日:2002年08月13日(火)23時11分38秒
でも産休といってもまだ子供は大きくないですし、
あいさつとか、荷物を取りに来たとか……
学校に来る理由はたくさんあると思います。
この小説好きなのでがんばってください!!
96 名前:名無し 投稿日:2002年08月14日(水)11時53分35秒
私は中学生ですが、産休の先生は休みを
とっても、たまに会いに来たりしますよ。
だから特に変だとは感じなかったです。
 私もこの小説好きです。作者さん、がん
ばってください!
97 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)15時36分38秒
>Kattyunさん
>読者さん
>ポンさん
>名無しさん


励ましのレスありがとうございます・・・。

なんていうか、自分の無責任さが情けなく感じます・・・。
昔書いてた小説でも同じようなミスをして、放棄してしまいました。
今度はそんな風にならないように・・・そう思っていてもミスは起きてしまいました。
まだまだ私は未熟です。
皆さんに迷惑をかけたり、色んなアドバイスをもらったり、
ひとりではまだ何もできません。
でも少しずつでも、何かの形で恩返しができれば。そう思っています。
今回のミスは非常にショックですが、もう一度>>88から書き直します。
本当に申し訳ありませんでした。
98 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)15時38分59秒
「ねぇ、真希。よっすぃーの好きな人って誰だと思う?」

「え〜、ごとーも全然想像つかないよっ。」


「・・・好きな人、いるんだ・・・。」




「へ?ごめん、聞こえなかったぁ。」

「な、なんでもないよっ!」

「・・・?まぁいいや。次美術だよー。美術室行こっ」

「うん!」

そういって教室を出ようとした時、ちょうど教室に入ってきた中澤先生とぶつかった。



どんっ


「あ、なかざわせんせー。」

「お、後藤!柴田!いいところに来た!!」

「「へ?」」

「みっちゃん荷物取りに来たみたいなにゃ。これ渡しといてやー。」


先生は理科の資料やらなんやらをごとーに持たせた。

「重い〜〜・・・」

「頼んだで!!」


・・・


「半分持つよ。」

「ありがとーあゆみぃ。」






そんなささいなことから理科室へ行くことになった。

まさかあんなことが起こるなんて想像もせずに・・・・


99 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)15時40分14秒
−理科室−


ガラ・・・・


「失礼しま・・・あ!!平家せんせ・・・・・・・。」



・・・!!!




ドアを開けた瞬間、目に入った光景。

それは誰も想像してなかった光景だった。







そこにいたのは、平家先生・・・・と、【よっすぃー。】


イスに座る先生に、立ったままかがんでキスをするよっすぃー・・・。


・・・何、ふたりってこういう関係なわけ・・・・


よっすぃーの好きなひとって―――――平家先生・・・・・?











その場に固まるごとーとあゆみ。


フッとあゆみを見ると・・・・・


「・・・あゆみ?!」



もう遅かった。

あゆみは理科室を飛び出して、すでに姿はきえていたのだ。

ごとーの大声に、やっと先生たちが気付いた。



「ご、後藤・・!?」

100 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)15時42分30秒


「後藤・・・頼む!!!」


平家先生はごとーに頭を下げた。



「このことは、秘密にしといてくれへん?」


先生のその上目遣いが妙にキレイだった。


・・・男だったら惚れてるな・・・




「別にごとーは言わないけど・・・・・」


スッと視線をよっすぃーへ向けた。

学ランのポケットに手を入れて、ごとーを細い目で見ていた。



「よっすぃーの好きな人って、平家先生だったの?」


「・・・うん。」




・・・・そういうこと・・・だったんだ・・・・







それより・・・・

あゆみの顔を見たとき・・・・泣いてた。


・・・なんで?どうして?




・・・まさか・・・


あゆみは・・・よっすぃーが、好き・・・?











ごとーは急いで理科室を出た。

2人を残して――――
101 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)15時54分16秒


そのころ理科室では―――


― 平家視点 ―



「吉澤・・・。」

小さな声でそう言い、私は吉澤を申し訳なさそうな目で見た。



「・・・いいっすよ。」

「・・・・え?」

「勝手に先生に手出した俺が悪いんだし・・・。」

「吉澤・・・・。」



・・・こんなことになったのは、あの事から始まった。



・・・・
102 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時11分49秒

まずどうしてこの理科室に2人っきりになったのかについて。


ガラッ

「失礼しまーす。」

理科室で備品の片づけをしていたあたしの元に、吉澤はそっと入ってきたのだ。


「あれ、先生どうしたの?」

「ん?今日は荷物取りに来ただけや。」

「あぁ。結婚・・・おめでと。」

「ありがとうな。吉澤はどうなん?好きな人とかおんの?」

イタズラっぽくそういった。

「・・・うん、まぁ。」

「後藤やろ?」

「・・・え?」

「ちがうん?あんたらエラい仲ええやん。」

あたしはニコッ笑った。別にそこは笑っていいところだと思ったから。


「・・・・そう見える?」

カワイイなぁ、中学生ははあとはあと

「アハハっ。2人見てりゃわかるでぇ。両思いちゃうの?」

「真希は俺のことなんかどうとも思ってないよ。」

「どうかなぁ?」



その時・・・


突然吉澤がイスに座っているあたしの前に立った。



「・・・・どないしたん・・?」


吉澤の、トロン・・っとした大きな瞳があたしを真っ直ぐに見た。


103 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時13分01秒






「俺が好きなのは、先生だよ。」















え・・・・



返事を返す間もなく、吉澤は勢いで唇を重ねた。



「んっ・・・・」


突然のことで思わず漏れる声。


・・・・よしざわ・・・?




・・・


そのあとあの二人が理科室に入って来て、こういうことになったと・・・・




あぁ、みっちゃん一生の深くやわ・・・・
104 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時13分33秒
↑深く=不覚
105 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時19分51秒


「先生、ごめん・・・・・。」


後藤と柴田が出て行ったあと、吉澤はあたしに向かって深く頭を下げた。



「吉澤・・・そんな、ええって。あやまることちゃうで。」

「・・・でもっ!先生は結婚してんのに、俺・・・キスなんかして・・・」

「・・・うん・・・でも、吉澤の気持ち、ようわかったから。」


そういって吉澤の髪をクシャクシャッとなでた。



「俺・・・先生が結婚するっていって、マジでどうしようかと思ったよ。」

「・・・うん。」

「でもいいんだ。好きだけど・・・好きだけどさ。」




















「先生には、幸せでいてほしいんだ。」



それこそ本当の真っ直ぐな目で、真っ直ぐあたしを見た。


106 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時20分34秒


「あたしも、吉澤は好きやで。カッコイイし、頭もええし。最高やん?」


ニカッと笑って彼を見た。



「吉澤みたいな最高の男にはな、あたしなんかもったいないくらいやっ。」

「・・・・・先生・・・・」

「あたしが言うことちゃうけど・・・自信持ちぃや?」







「・・・ん、わかった。」


「じゃぁしばらく会えんけど、そういうことで。」

「・・・おう。」



そういってあたしは理科室をあとにしたのだった。







・・・


ごめんな。吉澤。



ごめん・・・。





うち、幸せになるからな。


107 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時25分14秒

――後藤視点―――


学校中を探しても、あゆみの姿は見つからなかった。



・・・もう、どこにいんのさぁっっ!!



・・・



その時、廊下の向こうからよっすぃーが歩いてきた。



「・・・よっすぃ・・・」

「・・・・。」


暗いオーラを背負ってごとーの前を通り過ぎた。




・・・このまま生かしておけるかっっ!!




「ちょっと待ちなよ!!」



よっすぃーはピタッと足を止めた。

そしてフッと振り向いた。



「・・・あゆみは、あゆみはあんたのこと好きだったんだから!!!!」

「・・・え・・・?」

「・・・はやく、行ってあげてよ・・・」











「はやくっ!!!」








よっすぃーはそのまま学校の外へ駆け出していった。







・・・・これでいいんだよね?・・・




108 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時32分29秒


後藤もよっすぃーを追って外に出ると、目の前の公園に二人はいた。


コンビニの陰に隠れてその様子を見ることにした。


・・・あゆみを傷つけんなよぉっ!!





・・・・


「柴田っ!」

「・・・!?よっすぃー・・・?」


よっすぃーはベンチに座って泣いているあゆみの前にしゃがんだ。



「・・・なんか、真希が追いかけろって・・・」

「・・・・ひっく・・・ひっく・・・」


あゆみは泣きつづけていた。

・・・バカよっすぃーめ!!!女を泣かせるなんて最悪だよ!!



「・・・隣、座ってもいい?」

「・・・ん・・。」


二人はベンチに座ってまた沈黙を走らせた。









「俺さぁ・・・・先生のこと好きだった。」

「・・・・っ・・・。」

「でもさ、フラれちゃったんだよね。っていうか、先生結婚してんじゃん?」

「・・・うん・・・」

「バカだよなぁ、俺。それなのに告ってさ、勝手に無理やりキスしてさ。最低だよ。」

「・・・よっすぃーは・・・最低なんかじゃないよ・・・」

「・・・・柴田・・・。」







109 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時37分02秒


なんだか見てるごとーももらい泣きしそうになった。



「・・・あたし、ずっとよっすぃーのこと見てた・・・ずっと・・・」



・・・


「好きだったの・・・・。」



あゆみは泣きながらもよっすぃーにそう言った。



「俺・・・柴田がそんなふうに思ってるなんて知らなかった・・・・ごめんな。」

「ううん・・・」

「それに俺――――――」



『たーけやー さおだけー  たーけやー  さおだけー』



・・・!?


突然、あのありきたりな声とありきたりなセリフのテープを流しながら走るあの車が、

コンビニと公園の間にしっかりぴったりと止まった。



・・・?!?!見えないじゃんかー?!っていうか聞こえないじゃん!!!


うるさ〜〜〜〜〜い!!!



『たーけやー  さおだけー  たーけやー さおだけー』



このヤロー!!!!!なにがたけやだ!なにがさおだけだ!!


ちょっとあゆみたちはどうなったわけぇ?!?!
110 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時38分30秒

すっかり視界をふさがれ、雑音であゆみたちの声も聞こえず、

その車がどいた時にはすでに二人はその場から消えていた。



・・・どうなったんだよぉ・・!!



・・・・



結局そのまま家に帰り、次の日をむかえるのだった。




111 名前:とみこ 投稿日:2002年08月14日(水)16時39分02秒

更新終了です。
112 名前:名無し22 投稿日:2002年08月14日(水)16時50分13秒
更新お疲れ様です。
色々あって大変みたいですが、頑張ってください!応援してます。
113 名前:たけのこ 投稿日:2002年08月14日(水)17時45分04秒
きのう一気に読ませていただきました。おもしろいですね!
このよっすぃーの性格好きです。悪ガキみたいな(?)とにかく応援してます!!
114 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月14日(水)19時36分02秒
 復活されてとても嬉しいです!しかも、面白い!
「たけだー さおだけー」と言うトラック、私の家
の周りにも良く来るので、個人的にツボでした。
 これからも頑張って下さい!
115 名前:114 投稿日:2002年08月14日(水)19時39分48秒
↑ごめんなさい!×たけだ→○たけや、です。
116 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月14日(水)19時42分46秒

毎年、「20年前のお値段です」っていうあれね。
ワラタ。
117 名前:カム 投稿日:2002年08月15日(木)11時43分28秒

更新お疲れさまです。
波乱に満ちた展開は、「さすが、とみこさん!」
といった感じです。やっぱ現役さんは違いますね、うらやますぃ(w
内容に関わるミスって凹みますよね、自分も前にやったんで分ります。
あまり自分を責めすぎないで、これからも頑張ってください!
一読者として、影ながら応援しています。
118 名前:とみこ 投稿日:2002年08月15日(木)20時10分02秒
>名無し22さん
ミスってしまって色々迷惑をかけてごめんなさいです;;
これからは気を付けてがんばります!!

>たけのこさん
>きのう一気に読ませていただきました。
ありがとうございますっ!!一気に読むってなんか楽しいですよね(w
よっすぃーの性格はこのままずーっと変わらないのでがんばります!!

>96の名無しさん
復活しました・・・なんとか(w
これも読者様たちのおかげです。本当に感謝しています。
たけやーさおだけーのせいで行方知らずになってしまいましたが(w
がんばりまっせ!!!

>名無し読者さん
>毎年、「20年前のお値段です」っていうあれね。
それいれればよかったなぁー!!!(w
うちの近くでもよく通りますよ!

>カムさん
いつもレスありがとうございます。
ミスの時は本当に迷惑をかけてしまいました・・・。
でも「たーけやーさおだけー」で一発飛ばして更新ぶっ放したいと思います!!(w
カムさんもがんばってくださいね!一番好きな作品なんですから^^
更新してないときでもいつも前回の更新を見て、復習してるんですよ(w
お互い頑張りましょう!!!では。
119 名前:とみこ 投稿日:2002年08月15日(木)20時57分07秒



『よっすぃーも、好きっていってくれて・・・・』


どぅえおいあ?!?亜:Dyhw;l琉Ogvほうb?!?



「ど、ど、ど、どういうこと??!?!」


落ち着け、落ち着け後藤真希・・・世間では14歳!!!
早まるな、早まるな後藤真希・・・精神年齢10歳!!!




『好きっていったらね・・・「柴田の気持ち、受け止めるよ」って言って・・・』

「まじで・・・?!?」

『それで・・・「俺も好きだよ」って・・・』


あゆみは電話の向こうで泣いていた。

だって、【フラれました】っていってるみたいに超ブルーでさぁ・・・

マジでビビったよぉ、ごとーは!!

でもよっすぃーも・・・やるじゃんっ。



「・・・あゆみ。よかったじゃんっ!!」

『うん・・・ホント・・・よかったよぉ・・・』

「泣くなよぉ!成功したんだから!!ね?」

『ありがと・・・真希。』








そういって一夜は過ぎていった。

これからどういう展開になるのかならないのか・・・?

ごとーも気になるッッ!!
120 名前:とみこ 投稿日:2002年08月15日(木)20時57分54秒
すみません!!!ミスです!!!
>>119から書き直し!!
121 名前:とみこ 投稿日:2002年08月15日(木)21時00分17秒


ごとーは家に帰って少し経ってからあゆみに電話をした。



・・・・プルルルル・・・



『もしもし・・・』

「あ!あゆみ?ごとーだけど・・・。」

『真希・・・・』


めっちゃブルーじゃん!!!!YA・BA・I!!!


「あの、あのさ、あゆみはよっすぃー好きだったんだよね?」

『・・・うん。』

「で・・・今日よっすぃーにちゃんと言った?」

『・・・言ったよ・・・・でも・・・』


え・・まさか――――・・・






『なんか心の整理つかなくって・・・・』

「へ・・・?」


あ・・・やっぱフラれた・・・んだ・・?




122 名前:とみこ 投稿日:2002年08月15日(木)21時01分06秒

『よっすぃーも、好きっていってくれて・・・・』


どぅえおいあ?!?亜:Dyhw;l琉Ogvほうb?!?



「ど、ど、ど、どういうこと??!?!」


落ち着け、落ち着け後藤真希・・・世間では14歳!!!
早まるな、早まるな後藤真希・・・精神年齢10歳!!!




『好きっていったらね・・・「柴田の気持ち、受け止めるよ」って言って・・・』

「まじで・・・?!?」

『それで・・・「俺も好きだよ」って・・・』


あゆみは電話の向こうで泣いていた。

だって、【フラれました】っていってるみたいに超ブルーでさぁ・・・

マジでビビったよぉ、ごとーは!!

でもよっすぃーも・・・やるじゃんっ。



「・・・あゆみ。よかったじゃんっ!!」

『うん・・・ホント・・・よかったよぉ・・・』

「泣くなよぉ!成功したんだから!!ね?」

『ありがと・・・真希。』








そういって一夜は過ぎていった。

これからどういう展開になるのかならないのか・・・?

ごとーも気になるッッ!!
123 名前:とみこ 投稿日:2002年08月15日(木)21時01分38秒
更新終了です。ミスごめんなさい・・・

読めたでしょうか・・・?(超焦
124 名前:たけのこ 投稿日:2002年08月15日(木)22時09分48秒
よっすぃーがOKしてるっ!…でもやっぱりよっすぃーはごっちんとがいいですね
この先二人はどうなるんでしょう?楽しみにまってます!
125 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月15日(木)23時29分36秒
 更新お疲れさまです。よっすぃーは何か企んでいるのでしょうか?!
とみこさんは話の展開が上手いので、毎回ドキドキしてます。これから
も頑張って下さい! 
126 名前:にゃんまげ 投稿日:2002年08月16日(金)00時42分17秒
どうもはじめて読ませてもらいました^^
よすぃーは何かをたくらんでるのか?
俺的にはよしごまのほうがよかったりw
127 名前:とみこ 投稿日:2002年08月16日(金)19時41分24秒
>たけのこさん
レスありがとうございます。
よっすぃーがOKしちゃいましたねぇ。f^^
しばよしはある小説を見てから好きになりましてね。
今回も登場させてみました♪

>96の名無しさん
>よっすぃーは何か企んでいるのでしょうか?!
いえいえ、企むとかはないですよ^^;
よっすぃーは純粋に柴田ちゃんに恋をしてるのです(w
がんばれよっすぃー!!

>にゃんまげさん
>どうもはじめて読ませてもらいました^^
ありがとうございます^^
よっすぃーは企んでませんよ!!(汗
よしごま好きですか?私もかなりかなりかなりかなり好きです!!
今までの小説もほとんどよしごまです(w
でもしばよしもお楽しみください♪
128 名前:とみこ 投稿日:2002年08月18日(日)16時41分33秒


ピンポーン。


「はぁい・・・・」


ピンポンピンポンピンポンピンポン


「うっるさいなぁ・・・」


まだほとんど目をさましていないごとーに、インターホンのウルサイ音が襲った。

AM 7:00




・・・


ガチャ


「はぁい・・・」

「真希〜〜〜!!!」

「ぅおっ、あゆみ???どうしたの?」

「ちょっと心の整理がつかなくって・・・っ。」


・・・またかい!!!いっつも整理ついてないじゃんこのコは!!

129 名前:とみこ 投稿日:2002年08月18日(日)16時43分01秒


「なにさぁ、今度はどうし――――」


・・・突然、あゆみはマンションの階段の方に視線をそらした。

・・・その視線の先には――――


眠そうにこっちに歩いてくる・・・そう、よっすぃーだった。

もちろん制服。(ごとーだけパジャマ・・・)


「あれ、真希になんか用でもあったの?」

「・・・あ、いや・・・ちょっと寄っただけ・・・・です・・・。」


あゆみはよっすぃーが近づいてくると顔を真っ赤にした。



「ほら、行こーよ。」

「・・・あ、・・・うん・・・。」



そういってよっすぃーはあゆみの手を引っ張って階段を降りていった。











「ははぁ〜ん?」



初々しいことしてんじゃないのぉっはあとはあとはあとはあと

130 名前:とみこ 投稿日:2002年08月18日(日)16時46分42秒


あゆみたちが『一緒に登校はあとはあと』ってやつを満喫している間に、

ごとーはもう一度眠りについて、遅刻寸前に目を覚ました。


「どぇぁ?!」


そのまま制服に超高速着替えてタイを締めながら家を飛び出したのだった。








どんな時でも階段を使うことがめんどくさくてしょーがないごとーは、

いつまでもこないエレベーターの前で足踏みをしていた。



チーン・・・


来たっ!!


ようやく乗り込み、1階に到着。



・・・・・



事件が起きたのはそのあとだった。
131 名前:とみこ 投稿日:2002年08月18日(日)16時52分27秒

マンションを出て、猛ダッシュで通学路を走った。

もう遅刻になってもおかしくない時間だったから、ごとー以外の生徒は誰も通ってなかった。



・・・その時。



タッタッタッタッタッタ・・・



「・・・ん?」



タタタタタタタタタタタ・・・



「何?!」


妙な足音に驚いて後ろを振り向いた。



タッタッタッタッタッタッタッッ・・・!!!

「うぁ〜遅刻〜っ!!」



ドンッッ!!!


「うひゃっ」

「イテッ!!」



その猛ダッシュしてきたスーツ男とごとーは思いっきりぶつかった。


・・・ん?


スーツ男・・・スーツ男っていえば・・・



「あ〜ごめん!!大丈夫??」


その【スーツ男】は自分のリュックから飛び出した荷物を急いで拾いながら、

ごとーを見もせずにあやまってきた。


132 名前:とみこ 投稿日:2002年08月18日(日)16時58分02秒


「大丈夫?ケガとか、ない?」


やっとそいつは顔を上げた。



・・・


「あれ?うちの生徒じゃん。」



新任教師・・・



市井。




「せんせーが遅刻していいんですかぁ?」


荷物を拾うのを手伝いながらそう尋ねた。



「ダメに決まってんだろー。だから走ってたんだよ。」

「アハッ!だよねぇ〜。だめじゃん市井ちゃん!!」

「あ?市井ちゃん?!」


とっさに呼んだあだ名に、先生は眉間にしわをよせてこっちを見た。



「いいじゃんはあとはあと市井ちゃん♪」

「〜〜〜〜〜〜ッッ。まぁいいけど。君、名前は?」

「ごとーだよ。ってゆーか担任でしょぉ!市井ちゃん!」

「あ?そうだっけ?」


133 名前:とみこ 投稿日:2002年08月18日(日)17時00分34秒

そういってやっと荷物が全部リュックに入ると、

市井ちゃんは起き上がって、しりもちをついたままのごとーに手を差し出した。



「ほらっ。」



・・・優しいじゃんはあとはあと



ごとーは素直にその手をとった。



・・・そして――――



フッと市井ちゃんの腕力でごとーは軽く立ち上がった・・・・


その勢いで―――



「・・・んっ・・・!」




路上のど真ん中で



ごとーは新任教師に唇を奪われたのだ。

134 名前:とみこ 投稿日:2002年08月18日(日)17時01分31秒


更新終了。
135 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月18日(日)18時07分57秒
なんと…!!
136 名前:たけのこ 投稿日:2002年08月18日(日)19時40分02秒
うわっ!!ビックリデス!
…いちごまですか!…それも好きですけどw
よししばも楽しみにしてます。
137 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年08月19日(月)02時58分31秒
よ、よしごまっすよね(w
いちごまも好きですが・・・ま、こんな展開もありつつって奴ですか、作者さま!
また〜りがんがって下さい!

(0^〜^)<ごっちん剣道の相手してYO!

( ´ Д `)<んぁ・・・いいよぉ〜

(0^〜^)<めーん!どう!こてー!!

( ´ Д `)<んぁ〜、んぁ〜、んぁ・・・・

(0;^〜^)<・・・・・・・・・もぉう、いい。
138 名前:とみこ 投稿日:2002年08月19日(月)09時44分55秒
>名無しさん
なんと…っていう展開になっちゃいました(*_*)
作者的にはよしごま命・・・そしていちごまも命なんですよ。
つまりごまが好きなんです(w

>たけのこさん
びっくりさせてすいません(w
意外な展開になってしまいました^^;
まぁいちごまも楽しんでやってくださいな♪

>吉澤ひと休みさん
>よ、よしごまっすよね(w
・・・あ、ハイ(w
でも・・・いや、どうでしょう・・・うーん(何
こんな展開もありでしょう!!!!(w
がんばります!!
139 名前:とみこ 投稿日:2002年08月19日(月)09時51分44秒

それからあとの記憶はよく覚えてなかった。

突然のことにビックリして、また地面に腰を落として、

立ち上がった時にはもう市井ちゃんはいなくなっていた。



・・・・



「なんなのぉ・・・?」









ちなみにごとーは見事に遅刻。

これで市井ちゃんは間に合ってたら、ごとー怒るよ?!


・・・そんなことを考えながら教室に入った。

140 名前:とみこ 投稿日:2002年08月19日(月)09時57分00秒

「相川・・・伊藤・・・小野・・・加藤・・・木下・・・」


ちょうど出席をとっている最中だった。

・・・もちろん市井ちゃんが・・・




「後藤。」

「ふぇ?!」


突然名前を呼ばれ、変な声をあげたごとーにみんなは爆笑していた。



「遅いぞー。遅刻かぁ?」


市井ちゃんはフッと笑いながらそう言った。



・・・・アンタのせいだろぉ!!!!




141 名前:OK牧場 投稿日:2002年08月19日(月)09時59分13秒
ああー、よっすぃ〜気付け!!
早く「よしごま」に戻ってほしいです。
142 名前:とみこ 投稿日:2002年08月19日(月)10時06分11秒

朝の学活が終わると、市井ちゃんは教室を出た。



・・・逃がすかっ!!



ガシッ


「うわっ!」


市井ちゃんは突然スーツのすそをつかまれて止まった。



「市井ちゃん!!」

「なんだよ、オレぁ忙しいんだよ。」

「なんなのさぁー!!今朝の・・・そのっ!!」


朝のことを思い出して赤面しながらも、ごとーは市井ちゃんに怒鳴った。


「え、今朝って何だよ?」

「とぼけないでよぉっ!だって・・・そのっ・・・」

「オレ後藤になんもしてないよ?」


・・・何言って・・ッ!!


「なんでっ・・・!!」

市井ちゃんのイジワルにごとーは薄っすら涙を浮かべた。


「お、おい後藤・・・?」

「市井ちゃんのバカぁ!!!!」


そういって教室を飛び出していった。


143 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月19日(月)17時38分56秒
 はうぅ。激萌えです。いちごまもいいですね。何より、後藤さんがかわいいで
す。これから何が起きるのでしょうか?楽しみにしてます!
 ところで、銀板の「線香花火」を偶然見つけたので読みました。やっぱり、
とみこさんはすばらしいですね。涙がぁ、、、。感動しました。
144 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)08時34分44秒
>OK牧場さん
よしごまに戻る日はいつの日やら・・・
いちごまも書いてて面白いですよ^^
やっぱりごまが好き!!!!!!(熱

>96の名無しさん
激萌えですかぁッッ!!!嬉しいです!!
ごっちんはかわいいですよね。あのふにゃふにゃしたとこが(w
そんなごまには市井ちゃんもよしこも合うんです!そこが悩みどころですね。
銀板・・・・あのヘボ作ですね(w
夏だからってはりきって書いてみたんですけどイマイチでした^^;
応援宜しくお願いします!!
145 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)16時32分26秒

ごとーは何も考えずに走った。そして気が付くと屋上にいたのだ。


・・・


【オレ後藤に何もしてないよ?】


・・・何で・・・!!そんなに・・・そんなに・・・

忘れるほどあれは軽い気持ちだったの?

キスされたとき、ごとーは・・びっくりして、驚いて、どうして?って思って・・・

でも手を差し出してくれたときは、優しいって思えた・・・。

だから・・・キスはびっくりしたけど、悪い人じゃないって思った。

なのにどうして―――・・・!!









ガチャッ


ドアの開く音に振り向くと、そこにはあゆみが立っていた。


「・・・・あゆみ?」

146 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)16時38分06秒

「真希・・・やっと見つけたぁ・・・」

「え・・・?」

「さっき・・・市井先生が『後藤見てないか?』っていって真希探してたよ?」

「・・・だって市井ちゃんが・・・・」


ガチャ


さらに続いてドアが開く。









「・・・市井・・ちゃん・・・」



息を切らした市井ちゃんがゆっくり歩いてきた。


「・・・あとでね。」

あゆみは小声でそう言うと、そっと出て行ってしまった。










「後藤・・・。」

「・・・っ市井ちゃん・・・」

「ふぅ・・・・。いきなりどっか行ったからビビったよ・・・」

息を切らしながらいう。


後藤の中に色んな思いが巡った。


―どうしてキスしたの?―

―なんで優しくするの?―

―どうしてウソつくの?―



そんな不安も、市井ちゃんの行動で吹っ飛んでしまう。




ザッ

147 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)16時41分04秒


誰もいない屋上で、夏の暑い風が吹く―――







市井ちゃんに

抱きしめられた、ごとーのカラダ。



「・・・市井・・・ちゃん・・・・?」




どうして?どうして抱きしめるの?

いちーちゃん、どうしてそんなにあったかいの?

いちーちゃん、どうしてそんなに切ない香りがするの?















「ごめんな、後藤。俺・・・後藤を傷つけた。」











どうして?

どうして・・・・



148 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)16時46分22秒


しばらく抱きしめられたまま、音ひとつ立てずに止まっていた。



「・・・・なんで・・・?なんでキスしたの・・・・?」

「・・・・・愛しい・・・から。」



イトシイ・・・



「・・・愛しいって・・・どういう感情?ごとーわかんないよ・・・?」




「愛だよ。」














・・・愛・・・








「でもね、今その愛は愛じゃない。」




・・・え?



「どーゆー意味・・・?ごとーわかんないってばぁ・・・」



いちーちゃんはそっと体を離した。



「今、後藤を愛したら・・・・一緒に居られなくなる。」



なんで?どうして?

いちーちゃんは、ごとーの【どうして?】を独り占めしすぎだよ・・・
149 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)16時50分49秒


「後藤はどうなの?」

「・・・・ごとーは・・・」








「ごとーは、いちーちゃんにキスされて・・・びっくりした。」



「・・・・じゃぁ、それはどうしてだと思う?」



・・・え?


・・・どうしてって・・・


ごとー、わかんないよ・・・









「それはね、まだ後藤が、先生の愛の大きさに耐えられないからだよ。」



・・・いちーちゃんの・・・愛の大きさ・・・?






「後藤が、「ごとーも好き。」って言えるまでは、ホントの愛にはなれないな。」



・・・・・なんか・・・むずかしい・・・




150 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)16時54分17秒


「それに、俺の後藤に対する愛だってまだ小さいんだよ。」

「・・・うん?」

「後藤の俺への愛なんて、もーっっっっと小さい。」



・・・うん。

まだ、ごとーはいちーちゃんのこと、何も知らない。

何も知らない・・・・・・・。


でも、いちーちゃんはごとーの事、わかってる。






・・・それが、愛・・・































「ひとめ見たときから、後藤を愛しく思ったんだ。」
















151 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)16時57分54秒


その日、ごとーはなかなか眠れなかった。


改めて知った。

いちーちゃんは、大人なんだ。

ごとーは、まだまだ子供なんだ・・・よね。




・・・【ひとめ見たときから、後藤を愛しく思ったんだ】・・・



いちーちゃんの言葉を思い出して、思わず顔を赤らめた。



・・・・


なんでかな、好きっていわれると、好きになるのっておかしいかな・・・?



ごとーは、人を愛するということがよくわからない。

愛したことがないから。

・・・・いや、愛したかもしれない。知らない間に誰かを愛してたかもしれない。

でもきっとそれを愛とは知らなかった。



もっと前から、【愛】を知ってたかった。





「・・・いちーちゃん・・・・」






152 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)17時05分18秒
「姉ちゃん、俺のピアス知らない?」

ボーッとそんなことを考えていると、ユウキが部屋に入ってきた。


「知らないよー。またなくしたのー?」

「うるせぇっ・・・・ん?」


ユウキは突然ごとーの机をのぞいた。


「これ、姉ちゃんの高校の人全部のってるの?」

「あぁ、のってるよー。」


ユウキが手にしたのは、うちの高校の全校生徒名簿だった。

名前・学年・住所・電話番号・生年月日・・・・写真まで載っているのだ。

ちなみにごとーの写真は半分口開けっ放しの眠そうな写真が載ってる・・・・。



「・・・・・。」

「ん?ユウキどうしたの?」


あるページを見て固まっていた。


・・・ん?



「どうしたの?」


ごとーはそのページをのぞきこんだ。



「・・・かわいい・・・・。」


ユウキはボソッとそういってひとりの女の子を指差した。









「・・・石川梨華?」






153 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)17時09分25秒


「かわいい・・・マジかわいいよ!!!!誰これ?!?!」


ユウキは顔を真っ赤にして興奮していた。

・・・なんだコイツは・・・


「名前書いてあるじゃん。石川梨華って。」

「石川さんかぁー!!!姉ちゃんの友達?!」

「ちがうよ。だってこの人三年じゃん。」


石川さんかぁ。まぁ見たことはあるけど名前は知らなかったな・・・。



「うぉぉ!!カワイイよマジで!惚れた!!」


そんなことを言いながらユウキは部屋に帰っていった。



・・・もう少し芸能人意識持ちなよね・・・

154 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)17時10分02秒
更新終了です。ユウキが恋しちゃいました(w
155 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月20日(火)17時17分34秒
うーむ、ちゃむ、気も手も早いな(w
(〜^◇^〜)<オイラの登場はまだかよ!
156 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月20日(火)18時38分20秒
 市井先生・・・。後藤さんと一緒に「愛」について考えちゃった
じゃないですかー!かっこいいですね、市井先生。
 私も後藤さんのふにゃふにゃしたところ、好きですね。後藤さん
はよっすぃーの彼女になるのか、市井先生の彼女になるの
か、楽しみにしてます。
157 名前:たけのこ 投稿日:2002年08月20日(火)22時01分39秒
よしごまが好きなんですけど…いちごまも好きなんですよぉ〜(w
どっちが結ばれて欲しいのか自分でもわかんないです(w
梨華ちゃん登場!!ユウキは梨華ちゃんに…
これからが気になります。更新がんばってください!
158 名前:とみこ 投稿日:2002年08月21日(水)09時35分03秒
>名無し読者さん
>うーむ、ちゃむ、気も手も早いな(w
そうっすねぇ!恋は焦ってってよくいいますからね(ぇ
(〜^◇^〜)<オイラの登場はもうすぐだYO!

>96の名無しさん
いつもレスありがとうございます。
愛について語っちゃいましたよ〜。はぁ、ごっちんかわいいごっちんかわいい(謎
今んとこよっすぃーはしばっちゃんのものなので。。。(w

>たけのこさん
>よしごまが好きなんですけど…いちごまも好きなんですよぉ〜(w
はいっっその気持ちめちゃめちゃわかります!!っていうか
私はたんにごまがすきなんです!!!!!!!!
梨華ちゃんとユウキもどうなることやら。。。。でわ!!
159 名前:とみこ 投稿日:2002年08月22日(木)18時09分52秒


「あれぇ?いちーちゃん。」

先生の用事で図書室に来ると、いちーちゃんがひとり席に座っていた。
周りにはもちろん誰もいない。


「おう、後藤。」

「何やってんのぉ?」

「あ〜、ちょっと調べもの。後藤は?」

「資料とってこいって先生に頼まれたのぉ。」


そういってごとーは本棚を散策し始めた。



「あ、あった。」


その資料は本棚の高〜〜〜い所にポツンとあった。


「む〜とれなぁいっ。」



イスを持ってきてそれに乗って取ろうとしたその時――――


160 名前:とみこ 投稿日:2002年08月22日(木)18時16分25秒



片足で乗っかって手を伸ばした時、グラッとバランスが崩れた。


「ひゃっ・・・!」


足が外れたと同時に、ごとーは一瞬宙に浮く。


「後藤っ!!」


落ちる・・・っ!!!・・・・・・・・・・・・あれ?


「へ?」


いつのまにかごとーはいちーちゃんにキャッチされていたのだ。



「あれ・・・いちーちゃん?」


いちーちゃんが座っていた席は10メートルほど離れていた。


・・・あんな遠くから・・・?


161 名前:とみこ 投稿日:2002年08月22日(木)18時19分55秒


「お・・おもい・・・」


そんなごとーの考えをそっちのけに、いちーちゃんは苦しそうな声をあげた。


「あ、ごめんね。」


ごとーはスタッと床に降りた。



「・・・大丈夫か?」


いちーちゃんは困ったような表情でごとーに言った。


なんだかそれがすごく、なんてゆーか・・・

ごとーにとって、【ステキ】に見えた。




・・・



「うんっ!ありがとっ」


ニコッと笑っていちーちゃんにむぎゅ〜〜〜〜〜〜〜〜って抱きついてみた。




「うわわわわっっ!!」


そしてヒョイッと体を離した。


真っ赤になるいちーちゃん。

カワイイはあとはあと


「んじゃぁねぇ♪」



ガラガラ・・・・ピシャン。



そういってスキップで図書室を出て行った。





「あ!!資料忘れたっ」


162 名前:とみこ 投稿日:2002年08月22日(木)18時22分36秒
こうしんしゅうりょうです。
おとぼけごっつぁんラブ。
163 名前:たけのこ 投稿日:2002年08月22日(木)22時21分11秒
ああ…やっぱりいちごまいいですねぇ〜
いちいさんにむぎゅ〜〜〜〜〜〜〜〜って抱きつくとか(w
真っ赤な(顔の)いちいさんに浮かれて資料忘れるとか(w
のへ〜みたいな後藤さんがすきなんですよ〜
164 名前:なな 投稿日:2002年08月22日(木)23時50分48秒

殺人的に可愛い後藤さん大好きです!
なんですかその可愛らしい行動は!
ダメです。やっぱかわいいです。やられました。
個人的にはよしごま好きなんですけど、いちごまでもいいやって思いました(w

165 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)08時43分57秒
>たけのこさん
>ああ…やっぱりいちごまいいですねぇ〜
いちごまいいっすねぇ。よしごま派だったんですけどいちごまも・・・(w
のへ〜みたいな後藤さん。よーくわかります(w

>ななさん
>殺人的に可愛い後藤さん大好きです!
殺人的っすか!!(w たしかに殺し文句爆発です^^;
私もよしごま派だったのですが、書いてみるといちごまもいいですね^^
166 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)10時10分37秒


(あゆみ視点)



よっすぃーと付き合い始めてから一週間。

あたしたちは恋人っぽいことは何もしてない・・・。

これって付き合ってるっていうのかなぁ?


・・・ま、よっすぃーを好きな気持ちはずっと変わらないケド・・・。






テニス部に入っているあたしは、休憩時間によく剣道部へ遊びに行く。


「はい、いったん休憩!!」

部長のひとことで、部員があちらこちらに散らばった。


・・・剣道部行こ♪

167 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)11時47分40秒
ガラガラッ


体育館の重い扉を開くと、練習の真っ最中だった。



「おー、あゆみ♪」

イスに座っていた真希が駆け寄ってきた。

・・・そっか、マネージャーなんだっけ・・・


「よっすぃー見に来たの?」

「あ、うん・・・っ。」


とその時・・・

控え室みたいなところから、防具姿のよっすぃーが出てきた。


・・・か、カッコイイはあとはあと


「おっじゃま〜♪」

「ちょ、真希??」

そういって真希は奥へ入っていった。



「テニス部は?」


そういって隣にスッと座った。


「あ、い・・今休憩なんだっ。」

「ふ〜ん。」


















・・・沈黙・・・


気まずいなぁ・・・



「あ〜!!俺ダメだな!!」

「え?!」


突然口を開いたのは(というか叫んだのは)よっすぃーだった。

168 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)11時53分33秒
「あんま柴田と会えないから、こういう時になんか話さなきゃいけないのにさぁ・・・。」


・・・よっすぃー・・・



「ううん、いいよ。なんていうか・・・よっすぃーと居られるだけで嬉しいし・・・」


あたしがそういうと、よっすぃーはフッと顔を合わせて、柔らかい笑顔で笑うのだった。
その無邪気な笑顔がまたカッコいくて、めっちゃ惚れ直した。


「あ、あのさ。」

「・・・え?」

「明日部活ないんだけど・・・どっか行こうか。」

「・・・へ?」


も、もしかして・・・初デート?!?!

あっというまに体温がガーッって上がった。


「いや、もし空いてたらの話だけど・・・」

「空いてるよ!!ってか、空いてなくても空けるもんっ」

あたしは精一杯よっすぃーにそういってみた。


「あはは。かわいいな、柴田。」

「・・・そんなこと・・ない、よ?」

「カワイイって。じゃ、俺練習戻るから。」


フッとよっすぃーの顔が近づく・・・




チュッ



169 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)11時55分53秒



bv;いうgヴぉぃgふぃyh?!?!


「バイバイ。」


そそくさと練習に戻るよっすぃー。



・・・え?え?っていうか・・・今の・・・


え・・・ウソ・・・




キス、しちゃった???




「〜〜〜〜〜っっ」


真っ赤になって固まっていると真希が走ってきた。



「あゆみ、どうだった?いっぱい話せた??」

「・・・・・・。」

「あゆみ?」










しあわせ・・・はあとはあと



170 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時03分10秒



(後藤視点)


「なんだよぉ、なんかイイコトした??」

「え?!イイコトっていうか・・・え・・・何にもしてないよっっ!!」

「はは〜んっ。まぁいいや!」


よっすぃーのやつ、手が早いんだから♪♪







部活が終わると、あゆみとよっすぃーは一緒に帰っていた。

ちゃっかり手なんかつないじゃってはあとはあと


ごとーも体育館のカギを閉めると職員室に返しに行った。


「カギ返しに来ましたー。」


職員室に入ると、ひとりだけ机とにらめっこしている先生が居た。



・・・アハッ!いちーちゃんはあとはあと
「」
171 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時03分43秒
↑最後にカギカッコはミスです。
172 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時15分24秒


ごとーはそーっといちーちゃんに近づいて・・・・・・








「ワッ!!!!」

「うぉ?!??!」


あまりに驚いてイスから落ちそうになっていた。

・・・アハッはあとはあと


「なんだよ後藤かぁ・・・ビックリさせんなっつーの。」

「あはっはあとはあとなにしてんのぉ??」

「テスト採点してんだよ。平均点超えてないぞ。」

「そうなのぉ?まぁいいやー♪」


そういってクルクル回りながら職員室を走り回った。


・・・


「なぁ、後藤。」

「んー?」


いちーちゃんの呼びかけに近くまで寄った。
173 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時20分03秒


「後藤は、誰かと付き合ったことあるのか?」

「ん?ないよ?」

「へー。告白とかはされないわけ?」


イタズラっぽい笑顔でそう聞いた。


「んー・・・何回か『好きです』って言われたことあるけど、ごとーは好きじゃなかったから。」

「じゃぁ誰かを好きになったことはある?」


誰かを好きに・・・?



「わかんない・・・ごとー、人を好きになるっていうのがどんなのかわかんないんだもんっ」

「そうか・・・。」


いちーちゃんはそういうとまた机に目を向けた。



「でも・・・でもね?」

「え?」





























「いちーちゃんは、いいひと。」




















その時、自分でもよくわかんないけど、

自然とその言葉が出た。


なんでだろー??


174 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時23分52秒


ガタッ



・・・突然、いちーちゃんは席を立った。






そして一歩、一歩とごとーに近づく・・・・







「・・?いちーちゃん?」



初めて見た、いちーちゃんの真剣な顔。



そのまま吸い込まれるように、いちーちゃんはごとーを抱きしめた。


おっきいいちーちゃんと、ちっちゃいごとー。

せんせーと、せいと。





・・・


「後藤、俺・・・・・」

「んー?」



抱きしめられたまま、いちーちゃんはボソッと言った。



















「マジで好きになっちゃったみたい・・・・」









175 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時28分07秒



「・・・へ?」

「後藤、ほら。」

「・・・うん?」




「伝わる?俺の心臓の音。」


抱きしめられた体から、ドクン・ドクン・・・と鼓動が伝わる。

それは明らかに通常より早く、重かった。



「うん・・・いちーちゃん、ドキドキしてる。」




・・・


「これが『好き』っていうんだよ。」




・・・好き・・・・?




「俺は、後藤が好きだ。本気で・・・・」






















「愛してる。」



















176 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時31分47秒



「後藤の気持ちも、聞かせて?」


「え・・・・?」






ごとーの・・・気持ち?




人を好きになるって、どういうこと?

ドキドキすること?


ごとー、いちーちゃんにドキドキしてる・・・




「ごとーは・・・ごとーはね、いちーちゃん・・・いいひとって思う。」


「・・・・うん。」



「ぎゅーって抱きしめられると、あったかくて、優しくて・・・なんていうか・・・」














「ずーっとこうしていたいって、思う・・・。」




















抱きしめる力を更に強くなった。


ぎゅーって・・ぎゅーってされるとね、

ごとー、嬉しいんだよ?



















「いちーちゃん・・・大好き。」















これが、好きっていうんだね。


好きって、こういうことなんだ・・・



ごとー、いちーちゃんのこと、『好き』だ・・・



177 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時36分53秒








「じゃぁ、気をつけて帰れよ。」

「・・・うんはあとはあと





「・・・後藤・・・」













・・・自然に、ごく自然に唇が重なった。




「・・・んっ・・・」



最初のキスより、もっと愛のこもったキスだった。

お互い『好き』ってわかってからの、初めてのキス。


ごとー、幸せです。



「じゃぁ、オレ先帰るから。」

「うんっ。」



そういっていちーちゃんは職員室を出ていった。


・・・さてと、ごとーも帰りますか。













ガラッ




178 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時41分07秒


突然、職員室にひとりの女子生徒が入ってきた。


ネクタイの色からして・・・三年生か。


・・・ん?

どっかでみたことあるような・・・




なんだっけなぁ・・・




・・・あ!!!!!!



「石川梨華!!!」



・・・


突然名前を叫ばれた石川さんは当然驚いていた。



「・・・な、何??」


めっちゃ驚いた表情で冷静に尋ねられた。



「あ、ごめんなさい・・っえっと、石川梨華さんですよね?」

「・・うん、そうだけど?」

「あー・・やっぱり・・・」


これがユウキの恋した女の子ですね・・・


近くで見てもカワイイなぁ・・・



「あ、いや・・何でもないんで!」

ごとーはニコッと笑ってごまかした。



「・・?よくわからないけど・・・あなた何してたの?」

「へ?」



179 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時46分37秒



「・・・ごめんね、見ちゃった・・・」

「・・・?!」



見ちゃったって・・まさか・・・まさか

いちーちゃんとの・・・;おうgkグ湯kyg!??!(このパターン多すぎ?)



「え、あの・・・その・・あれは・・・」


あ〜やばいよ〜!!みんなにバレたら!!

先生と生徒の禁断の愛?!みたいな感じで騒がれて・・・!!

あ〜ヤバイ!!YABAIよ!!ちょっと〜!!

いちーちゃんはそれで退職になって、ごとーたちの中はまんまと崩れ・・・


「あ、別に誰かに言おうとかそんなの考えてないから大丈夫だよ??」


そういって石川さんはニコッ笑った。







・・・この人は神様だ・・・!!



「ほ、ほんとですか?!」

「うんっ。だって、好きなんだったら生徒と先生でも関係ないと思うよ?」


神様・・・っっ


「ありがとうございます、神・・いや、石川さん!!」

「梨華でいいよ。あなたは?」

「あ、2年の後藤真希といーますっ。」

「じゃぁ、ごっちんって呼んでいい?」

「はいぃっっ」

「じゃぁまた明日ね。」



そういって石川さんと別れた。



・・・

180 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時49分51秒


「ただいまー。」

「おかえり姉ちゃん。」

「あ、ユウキ!!!大ニュース!!」


ごとーはカバンを放り投げると、ユウキの部屋に突入した。



「な、なんだよ??」

「お姉ちゃん、石川さんとお友達になっちゃったはあとはあと

「どぇェェゥえ?!?!」


ゴンッ

ユウキは驚きのあまり壁に頭をぶつけた。



「だからユウキの恋のお手伝いしてげるよ♪」

「マジで!!やったー!マジ姉ちゃん大好き!!」

「えっへん♪じゃぁとりあえずユウキのこと話しとくよ。」

「よろしく!!マジで〜!やったー!!」



こうして平和な一日は終わった。



・・・いちーちゃん・・・アハッはあとはあと(思い出し笑い)

181 名前:とみこ 投稿日:2002年08月23日(金)12時50分31秒
更新終了です!今日は結構がんばっちゃいました^^;
182 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月23日(金)18時01分37秒
柴田の一生懸命なとこがかわいい
初ういしくて。よっすいーもサラッとかっこいいことしてくなぁ
183 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月23日(金)18時15分23秒
 後藤さん、かわいい、、、。図書室などで2人は何をやってるんですか!
ドキドキしますね(よっすぃー&柴田さんも)。それに、後藤兄弟は2人と
も純粋で、微笑ましいです。
 個人的な要望ですが、私は最終的によしごまがいいです。
184 名前:とみこ 投稿日:2002年08月26日(月)20時10分27秒
>名無し読者さん
>柴田の一生懸命なとこがかわいい
わかります!!とてもわかります!!よっすぃーってそういうとこ上手ですね^^
カッコイイよっすぃーとかわいいごっちんを書くために私はいるのです(w

>96の名無しさん
ハァ・・・ごっちんかわいいですよね。ほんっとカワイイッス!!
いちごま・しばよし共にいい展開になってきました。(石と後藤ジュニアも^^;)

>個人的な要望ですが、私は最終的によしごまがいいです。
すみません、私はよしごまで終わらない小説は書けません(w
185 名前:とみこ 投稿日:2002年08月26日(月)20時28分15秒


「おはよ、後藤。」


背中からあの声が聞こえた。


「いちーちゃんっ。」

今日も遅刻寸前の生徒と先生がここに2人。

昨日、両思いになっちゃいましたはあとはあと


「遅刻すんぞ!ホラッ」

いちーちゃんはごとーの背中をポンッと押した。

「へへっ。」

一緒に早足で学校に向かう。

ごとーはこの時間が一番好きだ。







「ふぅ、今日もギリギリだな。」

「いちーちゃん先生なんだから遅刻はだめだぁよ??」

ちょこっと首を傾けて、背の高いいちーちゃんを見上げた。


「わぁーってるよ!!(かぁ〜〜〜!!メチャメチャ可愛いはあとはあと)」

「じゃーあ、またあとでね!」

「おう。・・・・あ、後藤っ。」


階段を上がろうとした後藤を止めた。



「んあー?」

「明日・・・ヒマ?学校ないよな?」

「へ?うん、ヒマだよぉ?」

「・・・・デート、しよっか?」

「ふぇ??ホント!!するする!!!」

「繁華街でも行こうよ。じゃまたメールするから。」

「うんっ」


やった!いちーちゃんとデートはあとはあと
186 名前:とみこ 投稿日:2002年08月26日(月)20時33分48秒


いちーちゃんとデート♪いちーちゃんとデート♪

ごとーは教室でもひとりうかれていた。

・・・だって嬉しいんだもんはあとはあと

おっきい街に出て、一緒にごはんたべてショッピングして、

いっぱいっぱいいちーちゃんと居られるよぉはあとはあと






「・・・何ニヤニヤしてんだ?」


突然よっすぃーがどついてきた。


「・・・へ?!ごとー、何か言ってた??」

「いや、お前のその怪しい顔どうにかしろ。」

「怪し・・っってアンタ・・」


そんなにごとーがニヤニヤしてたって言いたいわけ?!



・・・

でも、今日は許すはあとはあとはあとはあと


「あら、ごめんなさい吉澤クンはあとはあと

「は?!」

「今日のごとーは機嫌がいーの!」

「・・・わっかんねぇやつ。」








ほんと楽しみだぁ〜〜。



「あ、真希。」

「今度は何・・?」

「明日の剣道部の試合ちゃんと来いよー。」

「・・・へ?」



・・・試合?


187 名前:とみこ 投稿日:2002年08月26日(月)20時44分56秒
「どどど・・・どういうこと?!?!」

そんなぁ!!聞いてないよー!!あ〜でも聞いたかもしれない・・・!!

ほんのり覚えてるよーな・・・

って明日はいちーちゃんとのデートじゃん!!

いやぁ〜〜最悪ぅううう!!!


「ねぇ、それ何時まで?」

「うちの部が出るのは午前だけ。」

「え?ホント?!はあぁ〜〜〜〜よかったぁ!!」


ひと安心だぁ〜〜。せっかくのデートがつぶれたら立ち直れないもんっ!!






188 名前:とみこ 投稿日:2002年08月26日(月)20時45分27秒

その夜、いちーちゃんにメールをした。


【明日の午前中は剣道部の試合らしい(;д;)だから午後だけしか会えないのぉ・・・。】


送信っと・・・


〜〜♪〜♪♪

早っ!!


ピッ

【マネージャーだもんなぁ。仕方ないよ。午後は楽しもう!(^ー^)b】


あはっはあとはあと

いちーちゃんってば優しいんだから〜〜〜♪♪

【うん☆いちーちゃん、だぁいすきだよ(^∀^*)】

そしてやっぱり返事の早いいちーちゃん。

【俺も好きだよ。じゃ、おやすみ。】


やだぁもういちーちゃんってばはあとはあと
クールな一面の裏にはこんなのろけちゃういちーちゃんも最高ッッ!!

明日が楽しみだなはあとはあと
189 名前:とみこ 投稿日:2002年08月26日(月)21時02分51秒

翌日――――


ピンポーン・・・




「んにゃぁ・・・?」


ピンポーンピンポンピンポーン



・・・・誰?!


「ねむいのにぃ・・・」


フッと手元の時計を見た。

長い針も短い針も「6」をさしていた。


・・・まだ六時半じゃん・・・



「・・・だれだよぉ〜〜」


家には誰もいなかった。

みんなきのうからきっと徹夜で仕事だなぁ・・・

しょうがなくパジャマのまま玄関へ向かった。




ガチャ


「はぁい?」

寝ぼけまなこでドアを開けると、そこには剣道着を来た少年がひとり。



「真希、お前なんだよその格好はぁ!!」


よっすぃー・・・?!


「んあー?ってかなんでこんな朝早く・・・」

「もう9時だよバカヤロー!!」

「え?だってまだ6時・・・」

「何寝ぼけてんだ?!2分で用意して来い!」

よっすぃーは怒りながらそう言い放ってドアを閉めた。


もう一度部屋に戻って時計を見ると、どうやらさかさまに見ていたようだった。

・・・ごとーってバカ・・・?


190 名前:とみこ 投稿日:2002年08月26日(月)21時05分19秒


それから10分後、急いでしたくをした。



・・・は〜ぁ、ねむい・・・


まぁいいか、今日はいちーちゃんとデートだし!!


そういって家を出た。









・・・まさかあんなことが起きるなんて思いもせずに――――

191 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月26日(月)23時21分09秒
あんなこと?どんなこと!?
192 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)17時38分20秒
>名無しさん
どんなこと?!何?!何なの?!(壊
なんでしょ〜〜〜〜っっ!!!!(完全に壊れてるので気にしないで下さい。
193 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)17時45分25秒


「ごめ〜んっっ!!」


やっと準備が終わり廊下に出た。

よっすぃーはイライラしてこっちを見た。


「ったく試合の日だってのに、真希の寝坊グセ出やがったっ!」

「う、うるさいなぁ!ごめんって言ってるでしょ!」

「おーコワッ!!ほら、さっさと行くぞ。」

「む〜〜っ。」


そういってマンションの外へと出た。

今日の試合は近くの大きい道場で行われる。
だから家から自転車で行くことになった。


「自転車持って来るね〜」

「おいちょっ真希!」

「ふぇ?」


よっすぃーはもどかしそうにモゴモゴしていた。

「なーにさぁ??」





・・・


「・・・の、乗れよ。」



・・・・へ?

194 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)17時48分39秒


「え?ごとーがうしろ乗るの?」

「そうだよっ!重いけど乗せてやる!」

「・・・一言多いんだからぁ。」


そういってうしろのハブ(2人乗りが出来る台のようなモノ)に乗った。



「真希、竹刀持ってろ。」

「ほーいっ。」


右手で竹刀を持って、左手を上に掲げた。



「しゅっぱーつっ!!」

「・・・あぶないからつかまってろ。」



グイッ


「へ?」


よっすぃーはごとーの左手を自分の腰に回した。



「落ちんなよ。」

「・・・う、うん?」



変なよっすぃー・・・?



195 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月27日(火)19時21分55秒
 来ました!よしごま!中学生の二人乗りって、初々しいですね。
よっすぃーの「重いけど乗せてやる」と言うのは照れ隠しですか
ね? 
 >よしごまで終わらない小説は書けません。
くぅ〜。嬉しいです!もう、とみこさんにお任せします。これか
らも頑張って下さい! 
196 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)20時01分50秒
>96の名無しさん
よしごま来ましたね(w
はぁ〜〜よしごまダイスキっす!!!よしごまがあれば何もいりません!
197 名前:−予想もしてなかった最悪の事態− 投稿日:2002年08月27日(火)20時14分24秒


カラカラと音を立てて走る自転車。


久しぶりだなあ、こうやってよっすぃーと2人乗りするなんて。



「ねぇ、最近あゆみとはどぉなのさ?」

「あ?あー・・・まぁうまくいってるかな?」


その時ごとーは、こないだのあゆみを思い出した。

剣道部に遊びに来てよっすぃーと話した後のあの真っ赤っ赤になったあゆみ・・・

絶対なんかあったなあ・・・?



「ねぇ、よっすぃーさ。」

「ん?」

「あゆみと、キスした?」

「・・っは?!?!」


一瞬自転車がグラッと来た。


「って危ないってばぁ、よっすぃー!」

「真希が変なこと聞くからだろ!!バカ!」

「あははあとはあとコラーっ答えろ吉澤クン!!」


笑いながら冗談まじりでよっすぃーに軽くパンチをくらわした。



「イテテテっっ!!やめろって危なっ――――――」

「うひゃっ」


自転車がバランスを崩したその時――――




パッパーッッッ!!!!



車道に飛び出たごとーたちを、大型のトラックが迎えた。

198 名前:−予想もしてなかった最悪の事態− 投稿日:2002年08月27日(火)20時22分56秒


「真希・・・!!!」



ズザザザザザザー――――!!



・・・



・・・・あれ?



・・・助かった??



トラックに轢かれたような感覚はまったくない。

どうやら最悪の事態は逃れたみたい・・・。



・・・あ、よっすぃーは?!



フッと目を開けると、ごとーはよっすぃーに抱かれたまま道路に横たわっていた。



「大丈夫?よっすぃー・・・?」



・・・反応がない。


・・・ウソ・・・



「ちょ・・よっすぃー?!よっすぃー!」



うずくまっているよっすぃーの顔を見た。



「・・っ・・・」


声も出ないような――――



「よっすぃー!!!」

「・・・いてぇ・・・」

「え?」


フッとよっすぃーの手元を見た・・・・
199 名前:−予想もしてなかった最悪の事態− 投稿日:2002年08月27日(火)20時29分07秒


よっすぃーは自分の右手をギュッと押さえていた――――



「ちょっと、よっすぃー手―――!!」


無理やり押さえている手をはらった。





「・・・・っ!!」



よっすぃーの右手首は痛々しく腫れていた。


「やだ・・・ちょっ救急車――――」


もう声も出ないよっすぃーを見て、ごとーはすぐに携帯から救急車をよんだ。




・・・・



よっすぃー・・・あたしのせいで―――――・・・・!!!


あたし、最低だよ・・・
200 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)20時42分01秒

病院―――


「靭帯が伸びきってますね。亜脱臼です。とりあえず入院して――――」

「何言ってんだよ!!!」


お医者さんの言葉によっすぃーは立ち上がった。


「今から試合なんだ!!入院なんて――――」

「今無理したら一生剣道ができないんだよ?」



先生の言葉によっすぃーはフリーズした。


そしてストンと腰を落とす。



・・・・あたしのせいで・・・


201 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)20時50分13秒

病室を出ると、ごとーはよっすぃーを追いかけた。


「ごめん・・よっすぃー・・ごとーのせいで・・・・・・ごめんなさい・・・」


グスンッと泣きながらよっすぃーに言った。

けれど何も言わずに竹刀を持って歩き出した。


「ちょっ、よっすぃーどこ行くの?!」

「まだ間に合う。試合に行く。」


よっすぃーの足は止まらない。


「やめてよ!!もう剣道できなくなるんだよ?!」









「剣道は左手だけでも出来るんだよ。」




・・・



そう言い残してよっすぃーは病院を去っていった。






202 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)21時00分05秒



結局左手だけなんて無理な話で、

優勝確実とウワサされていたハズのよっすぃーは、まさかの予選落ちした。



・・・ごとーのせいで・・・







試合の後もよっすぃーには会わなかった。

あんなよっすぃー、見たくない・・・

それにごとーのせいであんなことになって・・・・


どんな顔で会えばいいのかわかんないよ・・・








その夜、電気も付けずにひとりで部屋に座り込んでいた。


・・・・もうどうすればいいかわかんないよ・・・・














〜♪♪〜〜♪


その時、足元に置いてあった携帯が鳴った。


鳴り止まない様子から電話のようだ。




ピッ


203 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)21時07分32秒


「もしもし・・・?」

『あ、後藤?!やっと連絡ついたよー!!』

「へ?あ、ごめん病院に―――」

『俺、ずっと待ってた。』








・・・・え?



あっ―――!!!


そうだ!今日の午後はいちーちゃんと約束してたんだ・・・


病院行ってそのまま・・・


『後藤って平気でそういうのすっぽかすんだ?』

いちーちゃんのひとことがグサッと刺さった。


「・・・ちがっ・・・」

『もういいよ。』

「え・・・・―――」



プチッ・・・プーップー・・・



「・・・ごめんね、いちーちゃん・・・」











「ごめんね、よっすぃー。」













「」
204 名前:とみこ 投稿日:2002年08月27日(火)21時08分10秒
更新終了です。最後のカギカッコはミスです。ごめんなさい。
205 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月29日(木)14時15分31秒
つ、つづき気になります!!
206 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)14時30分10秒
>名無しさん
気になるところで止めちゃってゴメンナサイ!!
さてさて更新しますかな^^
207 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時09分41秒


よっすぃーにケガまでさせて、

いちーちゃんの約束もすっぽかして・・・・



ごとー、バカだよ・・・








208 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時18分53秒

次の日、重い足取りで学校に行った。


・・・

下駄箱に行くとちょうどよっすぃーが登校してきた。

「あ・・・」

「よぉ。」


・・・え?


いつものよっすぃーだ・・・


・・・ただいつもと違うのは、右手に巻かれた包帯だった。



「よっすぃー、大会・・・」

「負けたよ。」

目も合わさずに即答した。

・・・だってそんなケガじゃ・・・勝てるわけないもん・・・

ごとーのせいで、・・・・ごめんね・・・



「ごめんね・・ごめんねよっすぃー・・・・」


思わず涙声になる。

だって・・・ごとーのせいでよっすぃーは・・・



「真希のせいじゃないよ。」
















「・・・・へ?」


よっすぃーは平気な顔でそう言う。



「俺の不注意だし。気にすんな。」


ポンッとごとーの肩を叩いて、そのまま階段を上っていった。



・・・・よっすぃー、ホントにそれ、本音??

無理してるよ・・・きっと。


でもよっすぃーそういうとこ昔っから気つかって・・・



「バカ・・・」



209 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時27分58秒


「ほらー早く教室入れー」


市井ちゃんがまだ下駄箱にいる生徒に注意していた。

・・・・昨日のことがフッとよみがえった。



【俺、ずっと待ってた。】

【そういうの平気ですっぽかすんだ?】

【もういいよ】



・・・いちーちゃん・・・



「・・・っ。」


いちーちゃんはごとーに気付いて一瞬動きを止めた。



「後藤・・・・。」







「ほら、早く教室行けよな?」


・・・・え?










いつもどおり・・・いつもどおり、いちーちゃんは優しい声でそう言った。

低くも高くもない優しい声で・・・・



その声にごとーは思わずブワッと涙を流した。



「いぢーぢゃーん・・・ふぇ〜〜んっっ!!」


そしてそのまま抱きついた。

そんなごとーを、いちーちゃんは優しく抱き返してくれた。



「ごめんね、ごめんねいちーちゃんっ・・・グスン・・・」

「・・・もういいよ。大丈夫だから、な?泣くなよ・・・」

210 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時31分47秒



抱きしめられた体を離し、

ごとーは昨日のことを全部説明した。



「・・・そっか、そういうことだったのか。」

「うん・・・ごめんね?」


いちーちゃんは首を振った。


「ばーか、そういう事はさっさと言えよな?」

「・・・うん、あははあとはあと

「あははあとはあとじゃねぇよっ!このヤロッ」

そういって首をしめるマネをして見せた。


「あはは〜いちーちゃん痛いってば!ギブッギブッ!」


・・・


そのまま自然と唇が・・・・・・・・・・



「コラぁ、何やってんのやぁ?」



・・・!?!?
211 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時37分32秒

ドカドカと歩いてきたのは、白衣姿の中澤先生だった。


「あ・・・中澤先生・・・」

「裕ちゃん・・・・・・・」



いちーちゃんとのラブラブシーンをバッチリ目撃されてしまった。

・・・しかも中澤先生に・・・・



「はは〜ん、あんたらデキてたんやなぁ??」


いちーちゃんは顔を真っ赤にしていた。


ごとーはキョトンっと中澤先生を見る。



「ん?ってことは矢口とはもう完全に終わったんか??」











・・・・ヤグチ???




「ちょっ裕ちゃんそれは・・!!」


焦るいちーちゃんを、ごとーはジッと見る。



「あ・・・その・・・」

「市井のモトカノやで。」


中澤先生のキメのひと言。



「裕ちゃん!!!!」

「あはは、ええやん。別に?」



・・・ヤグチ・・・モトカノ・・・・


212 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時42分31秒


「ふーん、いちーちゃんモトカノ居たんだ?」

「あ〜・・・えっと、その・・・・ハイ。」


正直にそう言った。



「で、でも!もう矢口とは終わったんだし!!な?もうこの話題は――――」




ガチャ




その時、下駄箱のドアが開いてひとりの女の子が入ってきた。

キンパツのギャルっぽいコだった。


私服・・・ってことはここの生徒ではないよね。

身長ちっちゃいなー・・・



「ってウワサをすれば矢口やん!!!」


中澤先生はその女の子の元に走っていった。


・・・え?この人がヤグチさん?


・・・いちーちゃんの、モトカノ??






フッといちーちゃんの表情を見る・・・・












「・・・いちー・・・ちゃん?」




そこには、凍ったような表情をしたいちーちゃんが居た。


213 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時46分51秒


矢口さんはまだ裕ちゃんとのおしゃべりに夢中で、いちーちゃんに気付いていなかった。



「いちーちゃん、大丈夫?」


思いっきり凍ったような表情だった。




「・・・・・あ。」



その時、やっと矢口さんがいちーちゃんとごとーに気付いた。



「え・・・紗耶香??」



ん?紗耶香?誰それ・・・



「中澤先生、紗耶香って誰??」

ごとーは小声でそう聞いた。


「え?市井の下の名前やろ?」



え〜〜〜〜〜〜?!??!?


いちーちゃん、紗耶香っていうの?!


知らなかったし!!っていうか・・・女の人の名前・・じゃん?


「自分の名前が気に入らないから生徒には黙ってるらしいで。」

中澤先生は小声でごとーに教えてくれた。



・・・そうだったんだぁ・・・へぇ〜。



214 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時50分53秒

そ、そんなことより――――



「紗耶香?紗耶香だよね??」

「・・・あぁ。久しぶり。」


いちーちゃんの表情は未だにギコちない。


「教師になれたんだ?」

「・・・まぁな。臨時担任だけど・・・」

「そ、そっか・・・」



2人の間に沈黙が走る。


・・・・やっぱ、モトカノだから気まずいのかな・・・・?




「ん?・・・そのコは?」

「え?あぁ、俺の教え子。」


ん?ごとーの話してるの?



「へ〜カワイイね!あたし、矢口真里。」

「あ、後藤真希です・・っ。」

「キャハハッ!超カワイイんだけどー!!」



キャラ変わってません?矢口さん。


215 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時56分24秒


「ごっつぁん、紗耶香のクラス?」


・・・ごっつぁん??


「あ、ハイ。そうです。」

「ちゃんとやってるー?紗耶香。」

「たぶん、ちゃんとやってると思いますケド・・・?」


矢口さんは話を続けた。



「矢口はねぇ〜、紗耶香のモトカノなんだよぉ〜!もう別れたけどね〜」


冗談まじりでそう言った。


中澤先生は「あっちゃ〜・・・」という表情でこっちを見ていた。

いちーちゃんはボーゼンと矢口さんを見ている。



「紗耶香、また背伸びたねぇ〜!!」


今度はいちーちゃんの方を向いてニコニコ笑う。


・・・でもどこか悲しそうな笑顔。



そんな矢口さんに口を開いたのは、中澤先生だった。

「あの〜・・・モトカノさん?」

「ん??」


矢口さんはまだニコニコしながら振り返る。

216 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)15時58分10秒


「こちら、市井の【今の】彼女さん。」


中澤先生はビシッと後藤を指差した。



























沈黙・・・・・






























「どぇぇぇぇ?!?!?!」


矢口さんの叫び声で沈黙は吹っ飛んだ。


217 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)16時00分20秒


「え?!え?!ごっつぁんが、紗耶香の彼女なの?!??」

「はぁ・・・。」


ハイな矢口さんについていけない・・・



「紗耶香、そうなの???」

「・・・・うん。まぁ・・・。」



いちーちゃんに確認すると、矢口さんはまたごとーの側に寄った。



「・・・マジで・・・?」


「・・・マジ・・・ですね・・・」




218 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)16時00分56秒

更新終了
219 名前:ヤグヲタ 投稿日:2002年08月29日(木)16時14分05秒
矢口登場キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
220 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月29日(木)17時34分58秒
 ついに矢口さんの登場ですね。私も、後藤さんと同じく、市井先生は
男かと思ってました、、。フリーズしてしまっている市井先生は、過去
に何かあったのでしょうか?
 やや話が遅いですが、よっすぃーかっこいいっす。ヒサブリのよしご
ま、最高でした。
221 名前:とみこ 投稿日:2002年08月29日(木)21時18分36秒
>ヤグヲタさん
来ましたね^^;どうなるやら!

>96の名無しさん
あの〜・・・・い、市井男ですよ〜〜〜〜〜!!!!!(ワラワラ
後藤さんは紗耶香という名前に驚いてただけッス!!!
わかりにくくてごめんなさい!!!



皆様にも・・・


市井は男です!!!!!

222 名前:たけのこ 投稿日:2002年08月30日(金)00時07分54秒
いちごまも好きですけど…
やっぱりよしごまがいいですね!
よっすぃーがカッケーくていいです!やっぱりよしごまです。
223 名前:ポンコツろぼっと 投稿日:2002年08月30日(金)13時11分39秒
さやまり前提いちごま!?
イイ!!好きな展開です!!

でもやぱ、よしごまが一番っス!
体を張ってごっつぃんを守ったよしこカッケー!!
続きもワクワクしながらROMってます!(w
がんがって下さい!
224 名前:96の名無し 投稿日:2002年08月30日(金)18時24分50秒
ごめんなさい!市井先生は男ですね。
本当にごめんなさい!
225 名前:とみこ 投稿日:2002年09月01日(日)18時34分51秒
>たけのこさん
いちごまよりよしごま・・・どっちにしろごまが命なんです!!
ごま〜あんたはどうして〜そんなにかわいいの〜〜(壊
やっぱりよしごまです。ハイ、よしごま最高です!!!

>ポンコツろぼっとさん
>さやまり前提いちごま!?
ど、どうなんでしょぉ〜〜〜(焦)さやまりも好きなんですけどねぇ^^;
全てはとみこ次第ってヤツですかね?!(w
よしごま最高です!!!

>96の名無しさん
>ごめんなさい!市井先生は男ですね。
いえいえ^^;書き方がへたっぴだっただけですので!
さてさて更新しますかな♪
226 名前:とみこ 投稿日:2002年09月01日(日)18時40分18秒


「そ・・・うなんだ。」


矢口さんは少し下を向いて困ったような顔をしていた。

ごとーはその時、矢口さんの気持ちはわからなかった。

そして、いちーちゃんの気持ちも――――



「ごっつぁんカワイイもん!紗耶香が惚れる理由もわかるよ♪」

「んぁ、ありがとぉございます・・?」


わけもわからずとりあえずお礼を言った。



「紗耶香、大事にしなよ!!」

「お、おうっ。」

「あたしん時みたいになっちゃだめだゾ?!」


矢口さんは人差し指を鼻に当てていちーちゃんにウィンクした。



「・・・・・あぁ。」

「よしっ!それでこそ紗耶香だね♪んじゃ、あたしは裕ちゃんとお茶するから!」

「おう。裕子、矢口に手出すなよ。」

「アホぬかせ!!」


3人のやりとりをしばらくボーッと見ていた。


「ごっつぁん、バイバイっ。」


ニコッって笑った矢口さんの顔は、

最高に可愛かった。


でも・・・・なぜか少し、偽りのような感じもした。


227 名前:とみこ 投稿日:2002年09月01日(日)18時49分27秒

―そのころ中澤と矢口は―



(中澤視点)




「ええよ、座って。」

「あ、うん・・・。」


矢口を客室のソファーに座らせてコーヒーを出した。



「なぁ、矢口。」

「・・・・・。」

「矢口?」

「・・・・・。」

「やぐち〜〜〜。」

「・・・・え!あ、ごめん。何??」



・・・・やっぱりな。

矢口おかしいっちゅーねん。

矢口の様子に、あたしも少しコーヒーを飲んで話しだした。











「紗耶香か?」







「・・・・え?」



矢口は切ない表情で聞き返した。




「あんた、まだ市井のこと好きなんやろ?」

「・・・え、そんなんじゃないって!なーにいってんだよ裕子ぉ!!」


矢口はそう言うていつもの【キャハハ】を語尾につけて笑った。

でも今日はちゃう。



「矢口、裕ちゃんは何でもお見通しやで。」

「・・・え?」

「あんたの様子見てたらバレバレやねん。何がごっつぁん可愛いもん♪やっちゅーねん。」


そういって彼女のオデコに軽くデコピンをした。


228 名前:とみこ 投稿日:2002年09月01日(日)18時56分35秒

そのデコピンで緊張の糸がプツンッと切れたのか、

矢口は溜めていた涙をブワッと溢れさせた。



「う・・ぐっ・・ふぇ〜〜〜ん!!裕ちゃん〜〜!!」


彼女は小さい身をあたしに任せて泣き叫んだ。

・・・もらい泣きしそうやわ。



「あ〜〜はいはい、落ち着きやぁ〜。」

「・・・ぐすん。」



・・・・10分後―――





「落ち着いたか?」

「うん・・・ありがと。」


矢口は袖で涙を拭くと、ようやく話を始めた。



「・・・あたし、まだ紗耶香が好き・・・・大好き。忘れられないもん・・・!!」


「・・・うん。」



「久しぶりに紗耶香に会ったと思ったら・・・あんな可愛い彼女つくってさぁ〜!!!」


・・・せやなぁ、後藤は結構男子生徒にモテモテの美人やしなぁ・・・



「別れたのに・・・もう終わったのに・・・・あたし・・――――」

「後藤に嫉妬してたんやろ?」








矢口は悲しげに頷いた。



そんな矢口の姿が、

かわいそうで、かわいそうで



たまらんかった。



229 名前:とみこ 投稿日:2002年09月01日(日)18時57分43秒
すみません、短いですけど更新終了です。
明日から中学校です・・・はぁ、めんどいっすね。
更新なかなかできないかもしれないですが頑張ります!!
230 名前:96の名無し 投稿日:2002年09月01日(日)20時12分46秒
 とみこさんって、中学生なんですか?実は私も現役(?!)の
中学生です。明日から学校ですね、、、。
 矢口さん、まだ市井先生のことを忘れられないとは、、。三角
関係ですね。(その中に中澤先生が入りそうな予感)
 更新遅くても待ちます。頑張って下さい。
231 名前:たけのこ 投稿日:2002年09月01日(日)22時56分32秒
マジっすか?!わたしも中学生ですよ。
うちは先週から学校ですた。…今日は運動会で真っ黒に…。
矢口さんは市井さんとうまくいってほしいですね。
…あとは吉とごっちんで。(w
232 名前:マッキー 投稿日:2002年09月01日(日)23時17分21秒
みなさん中学生ですか。うちもそうッス。明日から学校めんどいッス。
矢口さんかわいそうですね。出来れば市井さんと幸せになってほしいです。
市井さんもまだ完全に忘れた訳じゃないみたいですし。
233 名前:akihiro 投稿日:2002年09月02日(月)00時09分25秒
作者さん中学生ですか。見ている皆さんも中学生多いっすね。中学生なのにこんな面白い小説を書けるなんてすごいっすね。俺は高校生ですけど駄文の小説しか書けなくて(泣)
すごく面白いので更新期待してます。
234 名前:とみこ 投稿日:2002年09月02日(月)13時49分39秒
>96の名無しさん
中学生だったんですか??偶然ですね^^
まぁ駄作ばかりですが中学生は言い訳になりまっせ(w
ナカザーさんは入るかな〜どうしましょう^^;
とりあえず放置気味のユウキと梨華ちゃんでも書きましょうかね(ヲイ

>たけのこさん
>マジっすか?!わたしも中学生ですよ。
こっちがマジっすか?!ですよ(w
体育祭、私は6月にありました^^
チュウボ〜ですがよろしくです!!

>マッキーさん
またまた中学生さんですね!!いや〜意外といるものですね^^
びっくりです!
矢口切ないっすねぇ〜。イチーはどうなんでしょうか。
期待しててください♪

>akihiroさん
ほんと中学生多いですよね^^びっくりですよ。
いやいや全然駄作っすよ!!来年は高校受験ですし、今のうちに遊ばねば!!(w

235 名前:なな 投稿日:2002年09月02日(月)16時17分12秒
とみこさんが中学生だってことは知ってましたが、
読者の方にも意外と中学生多いんですねー。
私なんてダメ大学生ですよ…。
そして駄文とも呼べないほどの小説しか書けません。
今日から学校なんですね。うちの弟たちもそうです。
わたしはあと一ヶ月ほど夏休みですが。エヘ!(氏ね
これからも更新頑張って下さいね〜。
236 名前:とみこ 投稿日:2002年09月02日(月)19時10分36秒
>ななさん
そうです、中学生なんです^^
にしても読者様に中学生が多いのにも驚きました。
意外とseekって幅広い人たちに知られてるんですね^^;
私がseekとであったのは今から・・・・長くなるのでやめます(w
237 名前:OK牧場 投稿日:2002年09月02日(月)21時23分59秒
はじめまして。別の板で小説を書いてるOK牧場です。
驚きました。とみこさんが中学生だったなんて・・・。
でも才能ありますよね、これだけの小説が書けるのですから。
素晴しい、の一言です。
238 名前:カモノハシ 投稿日:2002年09月04日(水)21時35分50秒
とみこさんの話、毎回楽しんでいます!
まだ中学生だったんですね。
驚きです!
ちなみに私は高校ですよ。。。
239 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)09時43分27秒
>OK牧場さん
>はじめまして。別の板で小説を書いてるOK牧場です。
知ってますよ〜^^いつも小説見てます!
はいぃ、中学生なんですよぉ〜ハイ(汗
毎日ガッコ行って部活やって塾行ってっていう普通の中学生っす(w
そんなオイラですがよろしくおねがいします!(何

>カモノハシさん
>とみこさんの話、毎回楽しんでいます!
ありがとうございます!!いやぁ、嬉しい楽しい大好き♪って感じです(ぇ
カモノハシさんは高校生さんですか〜!早く高校行きたいです!!
またヒマがったら見てくださいね〜!
240 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時02分55秒

放課後――――

(ユウキ視点)



「ここ・・・だよな。」


姉ちゃんの通っている高校。

そして・・・石川梨華さんが通っている高校!!!

石川さんにひとめぼれした俺は、今日決意した!!








石川さんと、お友達になる!!!!





241 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時07分23秒

本来なら俺もこの中学に行くはずだったんだけど、

テレビの仕事が忙しくて・・・いまは通信制だ。

今日は絶対絶対絶対、石川さんと友達になる!!!

そう決めて、今正門に立っているオレ・・・。

ゾロゾロと下校する生徒の中で石川さんを探した。


・・・


「ねぇ、あれ後藤ユウキじゃない?」

「え?!うそ!!あ〜〜!!ホントだ〜!!」

「キャ〜!本物カッコイイ!!!!」


なんだか周りがザワザワ言っている。


そして数分後、一気に俺は女の子に囲まれていた。



「後藤ユウキくんですよね?!」

「キャーかっこいい!!サインください!!」

「後藤先輩そっくり〜!!!」



・・・しまった!!帽子もグラサンもしないで来てしまった。


・・・俺って、バカ?

242 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時12分24秒

自分が芸能人だということを忘れていて、すっかり周りには人が集まっていた。


あ〜〜このまんまじゃ石川さん探せないじゃん!!!



「あれ?ユウキ。」


ツカツカと歩いてきたひとりの男。


・・・よっすぃーじゃん。

よっすぃーは俺の幼なじみ!というか姉ちゃんの幼なじみか?

昔からよく三人で遊んでいた。家も同じマンションだし、いいお兄さんって感じだ。



「よっすぃー!ちょい、助けて!!」

「お前、無防備すぎだよ。芸能人だろ?」

「いいから早く助けろっつーの!!!」


よっすぃーはやれやれという表情で俺を人のうずから引っ張り出した。



「サインはあとでコイツに100人分でも200人分でも書かせとくから。」


女の子たちにそういって俺を引っ張ってそのまま後校舎の裏に逃げた。
243 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時14分56秒


「お前、何しに来たんだ?」

「え?!あ、いや・・・ちょっと・・・」

「なーんてな。全部真希から聞いてるよ。」

「マジかよ!?!?」


姉ちゃんのおしゃべり!!!あとでボコボコに・・・・!!!・・・されるからやめよう。



「石川さんでしょ?俺もよくわからないんだけど、呼んでこようか?」

「え?!いいの?!」

「ちょっとここで待ってて。」


そういってよっすぃーは校舎に走って入っていった。

244 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時18分42秒


俺は心臓バクバクで2人を待っていた。


「あぁ、どうしよう!会ったらまず何を言えばいいんだ?!」

とりあえず独り言の嵐。


「えっと、初めまして。後藤ユウキです。初めて会ったのにいきなりなんですけど、
メールアドレス・・・交換してくれませんか?」



・・・よし!OK!!!



「おい、何独り言いってんだ。」


?!


現れたのはよっすぃー・・・・・と、




「こんにちは。」



石川さん!!!!!!


写真でしか見たことのない石川さん。

生で見ると・・・やっぱりカワイイ!!ヤバイ!さらに惚れた!!!


メチャメチャかわいいよ〜!やっべー!!


「んじゃ俺はこのへんで。」

「え?!」


よっすぃーはそのままそそくさと帰ってしまった。


ちょ、ちょっとまてーーーーー!!?!!
245 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時21分48秒


取り残された俺と・・・石川さんはあとはあと



「あ・・あの!!!!」

「・・はい?」


石川さんは冷静に返事をした。俺の心臓はドッキドキ・ラブメール。(ぇ)



「あの!は、は、初めまして!!後藤ユウキといいます!!!!!」

「え・・・あ、ハイ。」


落ち着け、落ち着け俺!!



「初めて会ったのに悪いんですけど、あ、あの・・・め、め、め、・・・・」

「・・・目?」

「め・・・め、メール・・・メールアドレスを・・・あの・・・教えてくれませんか?!?!」



い、言った!!!!!




246 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時25分56秒


「・・・・?」


石川さんは困った顔をしていた。


・・・ヤヴァイ・・・失敗に終わるのか?!?




「ほ、ほ、ほ、ホントに突然でごめんなさい!!石川さんは俺のこと知らないと思うけど―――」

「え、いや・・・テレビに出てる人ですよね・・・?」

「あ、そうか・・・。」



またもや俺が芸能人だということを忘れていた。



「あんまりあたし、テレビとか見ないんだけど、ユウキ君は知ってるよ。」


そういって彼女はニコッと笑った。


・・・ぬぁ〜〜?!?おghぴwyrgvびy?!カワイイイイイイイ!!!



「メールアドレス、一般人のあたしでよければ全然いいよ。」

「え?!?!!?ホントですか?!!」


またニコッと笑ってくれた。


さ、さ、サイコー・・・



247 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時28分37秒









そのあとの記憶はよく覚えてない・・・・


俺は気が付いたら家にいた。


そして恐る恐る携帯を見ると、アドレス帳に「石川さん」と入っていた。



・・・夢じゃないんだぁ〜〜!!!!



ガチャ

「ただいまー。」

「姉ちゃん姉ちゃん!!!」

「何?うるさいなぁ。」

「い、い、石川さんと友達になった!!!!」

「へ〜!よかったじゃん!」

「もうサイコーだよ!!よっしゃー!!!」

「あ、麦茶いれて。」

「ハイっっっ!!!」



ん?何か俺使われてるような・・・




まぁいっか!!!


248 名前:とみこ 投稿日:2002年09月07日(土)10時29分16秒
更新終了です。やっと石川登場。。。
249 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月08日(日)17時44分36秒
ひとむくんは髪は長いのでしょうか?
突然申し訳ないです。ちょっと気になったもので…。
250 名前:とみこ 投稿日:2002年09月08日(日)19時29分28秒
>名無し読者さん
いえ、短いイメージで行ってます^^男なので。。。
251 名前:たけのこ 投稿日:2002年09月09日(月)16時59分34秒
おお!ついにユウキが動きましたね。
ユウキの性格に笑ったです。(w
そろそろよっすぃーとごっちんが気になってきました…(w
252 名前:249の名無しです。 投稿日:2002年09月10日(火)22時33分56秒
やっぱりそうでしたか。うれすぃーです。(ぇw
髪が短い吉…いいですねぇ。
わざわざすいませんでした。
更新楽しみにしてます。
253 名前:とみこ 投稿日:2002年09月12日(木)18時53分22秒
>たけのこさん
>おお!ついにユウキが動きましたね。
忘れちゃっててゴメンナサイ(w やっと登場ですよ〜!!
さやまりといちごまとよしごまとしばよしと。。。あ〜よくわからんですね(w
とりあえずまとめられるように頑張ります。

>249の名無しです。さん
髪が短い吉、いいっすよね!!(w
更新なかなかできませんが、頑張ります!
254 名前:とみこ 投稿日:2002年09月12日(木)18時56分36秒
夏休みが明けて学校が始まり、ますます忙しい毎日です。
放課後パソコンに向かって更新したいのですが、部活・塾などが毎日続いています。
アホっちいことばかりやってるバカな中学生なので、本当に申し訳ないです。
なかなか更新もできず、今もいつできるかは予想できません。
でも土日に入ったら少しでも更新したいと思っています。
駄作ですが頑張るので、応援宜しくお願いします。



報告age
255 名前:Kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)21時34分26秒

自分、パソコンの授業中に、こっそりワープロ機能で下書きしてます。
もちろん、みんなは違うことしてますが…(w。
256 名前:20 投稿日:2002年09月13日(金)01時00分33秒
私は授業中、メモ帳に書いてます。(手書き…
がんばってください。
257 名前:とみこ 投稿日:2002年09月13日(金)17時54分11秒
>Kattyunさん
>自分、パソコンの授業中に、こっそりワープロ機能で下書きしてます。
すごいですね^^; 見習いたいです。
今日は何もないので更新します。

>20さん
>私は授業中、メモ帳に書いてます。(手書き…
こちらもすごい。。。^^授業ってかったるいですもんね!
がんばります!
258 名前:とみこ 投稿日:2002年09月13日(金)17時58分49秒

(柴田視点)


「よっすぃー、一緒に・・・帰ってもいい?」

「え?あぁ、部活・・・」

「ま、待っててもいいかな??」



思い切っていってみた。

いつも恥ずかしくってまともによっすぃーを誘うことなんてできないけど、

今日は勇気を振り絞った。



「柴田がいいなら・・・別に。」

少し照れくさそうに言う。



・・・オッケーってことだよね??






「うんっ!!」




259 名前:とみこ 投稿日:2002年09月13日(金)18時03分27秒
その頃――――




(真希視点)


放課後、剣道部のマネージャーの仕事が終わると、いちーちゃんと一緒に帰った。

・・・ごとーたちが付き合ってることは、絶対の秘密。

生徒にバレたら、ごとー襲撃されちゃうもん?あはっはあとはあと

だっていちーちゃん、モテモテなんだもん!

いちーちゃんは、どうしてごとーを選んだんだろう・・・・。





最近、よくこの疑問が浮かぶ。









「ねぇ、いちーちゃん?」

「・・・・・。」

「いちーちゃん?」

「・・・・・。」

「いちーちゃんってば!」

「・・・・・。」






「市井ちゃん!!!!!」

「うわっ!?え?ご、ごめん!何・・・?」







・・・・?









いちーちゃんが、おかしい。


260 名前:とみこ 投稿日:2002年09月13日(金)18時09分06秒



「今、矢口さんのこと考えてたでしょぉ??」

「・・・そんなんじゃないよ。」


いちーちゃんはフッと目をそらした。


・・・絶対、矢口さんのこと考えてるよ・・・



「いちーちゃん、矢口さんのこと・・・好きになっちゃったの?」


・・・




「・・・・そんなんじゃないよ。」












いちーちゃんは平然と歩きつづける。

いや、平然なんかじゃない。ごとーの言葉なんて上の空。

今、いちーちゃんの瞳には・・・矢口さんだけしかうつってない。



自然に、距離ができていく。





気持ちが、離れてく・・・




261 名前:とみこ 投稿日:2002年09月13日(金)18時09分56秒
短いですが更新終了!
262 名前:96の名無し 投稿日:2002年09月13日(金)19時14分43秒
 久しぶりの更新ですね。後藤さんと市井先生の関係がギクシャクと
なってきましたね。ついによしごまですか?
 いつまでも待つので、がんばってください!
 
263 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時21分19秒
>96の名無しさん
いつもレスありがとうございます!
更新遅くてすみません。。。
よしごま・・・はまだかな??(w
でもいちごまが危ういかも!今日は更新します!
264 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時26分49秒

(あゆみ視点)


よっすぃーの部活が終わるのを待ち、あたしたちは一緒に帰った。


「あ、・・・毎日大変だね!部活・・?」

「まぁ、うん。でも楽しいから。」

「そっか。」

フツーの中学生がする会話。

そんな会話でも、あたしにとったらとても嬉しかった。

ずっとずっと好きだった人が、今一緒にいる。

あたしって、すっごい幸せモノ・・?



ザッ






・・・


その時、よっすぃーが突然足を止めた。



「・・・・?どうしたの?」


よっすぃーを見ると、前を見たまま凍ったような表情で固まっていた。



視線をたどると・・・














265 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時36分37秒


そこには、真希と・・・市井先生がいた。


・・・へぇ、あの2人付き合ってたんだぁ〜


・・・・。



・・・って、えぇぇぇ〜〜〜?!?!!?


せ、先生と生徒っていいの?!?


あたしはかなり驚いてその2人を見ていた。





「あの2人デキてるんだ〜・・・知らなかったねぇ。」




・・・

よっすぃーの返事はない。


「・・・よっすぃー?」



再び返事はなかった。


・・・どうしたんだろ?



もう一度真希たちに視線を戻すと、どうやらケンカしてる様子だった。

・・・というか真希が一方的に責めているような・・・




266 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時38分57秒



「・・・・真希・・・。」





「え?」


よっすぃーがボソッとそう言ったのを、あたしは聞き逃さなかった。


・・・真希?



「・・・悪い、先に帰る。」


よっすぃーは早足で歩き出した。


「ちょっ、よっすぃー?!」




・・・・




真希たちももういなくなっていた。



・・・よっすぃー・・・・















・・・どういうこと?


267 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時41分03秒

次の日、朝練を終えたよっすぃーのもとに行った。



「お、おはよ・・・」


恐る恐る話し掛ける。



「・・・あぁ。」



一瞬



目も合わさずに、よっすぃーはあたしの横を素通りした。












・・・・なんで?




268 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時43分20秒

嫌な予感がした。



ガラッ


勢いよく教室のドアを開けた。

まだ朝休み。教室は騒がしかった。




「真希・・・!!」


彼女の姿を見つけると、急いで駆け寄った。



「あゆみ?どうしたのー?」


「・・・よっすぃー・・・」

「・・・え?よっすぃーがどうしたの?」












「よっすぃー、真希のこと好きかもしれない・・・」






・・・




それは決して、不正解ではない。



269 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時49分31秒


一瞬、2人とも静止する。




「・・・な、何言ってんの〜??よっすぃーはあゆみの彼氏だよぉ?」


真希はふにゃっと笑った。



「でも、でも昨日・・・市井先生といる真希を見て・・・」

「え?!」

「・・・付き合ってるんでしょ?」

「・・・・・え、あー・・・うん。でもこのことは誰にも――――」


「言わない!!それより、真希たちを見てよっすぃー、ショック受けてた!」


「え?」


真希はきょとんとあたしを見ていた。



「絶対、よっすぃー真希のこと好きなんだよ!今日も冷たかったし!」


あたしはつい怒り口調になってしまった。



「ちょっと、あゆみ落ち着きなって。まだそんな証拠ないじゃん!」

「でも・・・でもよっすぃーは!」

「あゆみ・・・・。」



思わず泣き出してしまったあたしを、真希はずっとなぐさめてくれた。



・・・・もう、どうすればいいの・・・?


270 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時52分36秒



「とりあえず、よっすぃーに確かめてみるんだよ!」


真希はそう言った。


「どうやって・・・?」

「あたしのこと、好き?って!」

「え?!そんなこと聞けないよー!」


そんな恥ずかしいこと・・・聞けるわけな〜〜〜い!!



「でもあゆみ、よっすぃーのこと好きなんでしょ?」

「・・・うん。」


好きだよ、大好きだよ。

だからよっすぃーが他の子を好きになるなんて考えられない!!



「じゃぁ確かめるしかないって!」


「・・・・・わかった。」


「それに、ごとーには市井ちゃんがいるんだから!よっすぃーを好きにはならないよ!」

「・・・真希・・・」

「まぁ、あんまり今はうまくいってないんだけどねっ。」


・・・そういえば昨日ケンカしてたもんね・・・

271 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時55分47秒


「まぁそんなことはいいから!ちゃんと聞くんだよ?」

「・・・うん、ありがとう。」


あたしはなんていい親友を持ったんだろう。

改めてそう思った。



ガラッ


その時、制服に着替えたよっすぃーが教室に入ってきた。

竹刀をロッカーに入れて、ドカッとイスに座る。




「よっすぃー・・・」

「・・・何?」



目をあわさずに返事をした。

・・・やっぱおかしい。



「あとで、話があるの。」
















「俺もあるから。」



・・・



まさか――――




272 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時57分46秒

放課後、誰もいない保健室によっすぃーを呼んだ。


そして話し始めたのはあたしだった。




・・・



「よっすぃー、率直に聞くね。」

「・・・・。」





・・・




「・・・あたしのこと、好き?」




・・・





よっすぃーのリアクションは『無言』だった。

273 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)10時59分45秒








「柴田には、言っておこうと思って。」



よっすぃーは背中を向けたまま話し出した。









・・・



「俺さ・・・。」

































「好きな人がいるんだ。」














・・・




無表情。






―――――――――




「・・・・それって、誰?」










怖い。

怖い。




ホントは聞きたくないの。










よっすぃーのこと、好きだから・・・



ほんとは聞きたくないのに・・・・・・・・・・・








「誰、なの?」









聞いてしまった。



274 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)11時02分49秒


――――



































「真希。」











・・・・・





やっぱり




「・・・やっぱり真希だったんだ。」



「・・・わかってた?」



「・・・うん。バレバレ。」





何見栄張ってんだろ・・・・
















「だから、ごめん。」





・・・










そういってよっすぃーは去っていった。












275 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)11時06分04秒


あたしは泣いた。



ひたすら泣いた。泣いて泣いて、泣ききれなくって・・・・・・



誰もいない屋上。


ここならいくら泣いても平気。






「・・・よっすぃーの・・・バカ・・・・・」





ガチャッ



「あゆみ!」



入ってきたのは真希だった。





真希はあたしのとなりに座ると、「泣かないで・・・」といった。



















・・・



「よっすぃーね、真希が好きだって。」




・・・・



「・・・・え?」



・・・





「もう、いいんだ。よっすぃーには真希しかうつってないんだよね・・・・」



あたしと付き合ったのも、ただの同情。



ニセモノの愛だったんだね。



よっすぃーの笑顔も、優しさも、キスも・・・・・


全部、偽り。





276 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)11時12分23秒


(真希視点)



「なんだよ、話って。」



夕方、よっすぃーを家の下に呼び出した。







「あゆみに何言ったの?」

「・・・・。」



「ごとーのこと好きとか言ったでしょ?」





よっすぃーは面倒くさそうな顔でこっちを向いた。









「うるせぇな・・・」


「・・・え?」


「だったらなんなんだよ!!お前なんか好きじゃねぇよ!」



・・・なっ・・・!




「なによそれ!!じゃぁなんで―――」


「柴田なんか最初っから好きじゃねぇよ!付き合ったのだってなんとなくだよ!」

「・・・なっ、よっすぃー最低だよそれ!!」


「柴田と別れたかったんだよ!お前に関係ないだろ。」


言い合いは続く。

お互いに大声でケンカ越しになっていた。


277 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)11時14分14秒















「お前なんか好きじゃねぇよ。かん違いすんな。」



「・・・ご、ごとーだって!よっすぃーなんか好きじゃない!!」


「だったらそれでいいだろ!」



そのままよっすぃーは走って家に戻ってしまった。






・・・・・なんなんだよぉ・・・・



よっすぃー、変わっちゃったよ?



278 名前:とみこ 投稿日:2002年09月14日(土)11時14分55秒

更新終了。
279 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月14日(土)20時43分25秒
よ・・・よしこ〜・・・!?
どうしちゃったんだ!!!?
続き期待してます!
280 名前:96の名無し 投稿日:2002年09月14日(土)22時58分51秒
 更新お疲れさまです。
 2度目の激萌え!!やばいです、よしごま。よっすぃーは「真紀のこと
なんか好きじゃない」と言ったのは、本心なのか、素直じゃないのか。相
当気になるところです。柴田さんが少し可哀想に思えますが、このままよ
しごまになることを期待してます。
 私も続き、期待してます。頑張って下さい!
281 名前:とみこ 投稿日:2002年09月19日(木)22時23分45秒
>ヒトシズクさん
よしこどうしたもんすかねぇ・・・。
よしこもよしこなりに考えてるの、カナ?(ぅわ
遅くなりましたが更新します!

>96の名無しさん
>更新お疲れさまです。
ありがとうございます。二度目の激萌えっすか!(w
素直になれないのか、それとも本音なのか・・・
そのへん不明ですよね。(ぇ
あと二度ほどでラストです。
がんばります!



更新age
282 名前:とみこ 投稿日:2002年09月19日(木)22時25分47秒


ピンポンパンポーン・・・・・・・


お昼休み・・でもないのに突然の放送。

それは授業中のことだった。



『えー、2年後藤真希。至急中澤のところまで来なさい。』




パンポンピンポーン・・・・・








は?!


283 名前:とみこ 投稿日:2002年09月19日(木)22時28分36秒
また中澤先生が変なこと言い出すのかな・・・


そんなことを思いながら、授業を抜けて職員室に行った。



「・・・あれ?いない。」


職員室には先生の姿はない。


「中澤先生なら生徒指導室にいますよ。」

他の先生がそう言った。

・・・生徒指導室?!なに、ごとーなんか悪いコトした??

してないよね?うん、してない!


・・・



―生徒指導室―




ガラッ


「失礼しまーす。」

「遅いわアホ!!」


いきなり怒鳴り声が飛んできた。
・・・なんだよぉ・・・



「まぁ、座りや。」

「なーに?ごとーなんか悪いコトしたぁ??」

「ええから座れ。」

「・・・ほーい。」



生徒指導室の固いパイプ椅子に座らされた。


先生はごとーの前に立ちはだかる。

284 名前:とみこ 投稿日:2002年09月19日(木)22時33分32秒


「アンタ、市井とうまくいってんのか?」








・・・



ほぇ?





「へ?」


なんですカ、いきなり・・・?


いちーちゃんと・・・




「ううん、うまくいってない・・・。」


素直にそう言った。



「・・・やっぱりなぁ。」


「市井ちゃん、最近冷たい。そっけないしさぁ〜・・・・。」

「なるほどなぁ〜。」












・・・







「矢口さんのこと、好きなのかもしれない・・・・。」











それが、ごとーの今の一番の不安。


それが現実でありませんように・・・



















「そやな、そうかもしれへん。」





「え・・・?」





ごとーの頭を真っ白にしたのは、他の誰でもなく先生だった。


先生のひとことが、ごとーの心にトゲをさした。

285 名前:とみこ 投稿日:2002年09月19日(木)22時37分07秒


「なっ・・・先生ひどいよぉ?そんなことないよ!とか言ってくれないの?」


「いや、先生もそう言いたいけど・・・・・まぁ・・・」


先生は困ったようにこっちを見た。

その表情はどういう意味なのかはわからなかった。

けど、いい意味じゃないってことぐらい、ごとーでもわかった。




「市井が矢口のことを好き。ありえないとも言えないやろ?」


「・・・・ごとー、どうすればいい?矢口さんには敵わないの?」

「・・・いや、なんていうかなぁ・・・話してええんやろか・・・」



また困った表情をする。




「なに?教えてよ、先生。」



「・・・じゃぁ話したるわ。」




















先生のカラーコンタクトが怪しげに光る。






















「市井と矢口の過去の話、話したる。」



286 名前:とみこ 投稿日:2002年09月19日(木)22時37分40秒
更新終了っす
287 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月19日(木)23時34分09秒
おっ!更新されてる〜(^0^)
なんかあるなぁとは思ってたけど市井とやぐっつちゃんの間にはいったい何が
あったんだ!? 続き期待してます
288 名前:96の名無し 投稿日:2002年09月20日(金)16時09分08秒
 市井と矢口の過去が気になりますね。それと、よしごまの行方も。
 もうすぐラストですか〜。ずっとリアルタイムで読んできたから
寂しくなります。
 とみこさんの文章は読みやすいと思いました。続き、頑張って下
さい。
289 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)10時43分05秒
>名無し読者さん
>おっ!更新されてる〜(^0^)
やっと更新できました^^;
市井と矢口の過去・・・後藤と市井の関係にも関わってきますよ^^
期待しててください♪

>96の名無しさん
>市井と矢口の過去が気になりますね。それと、よしごまの行方も。
そうですねぇ。これがこの話の最後のカギといったところでしょうか。
そしてそれがよしごまの今後へつながって――――といったかんじですね^^
文章読みやすいですか?そういわれるのが一番嬉しいです^^
もうすぐラストですが頑張ります!
290 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時14分14秒


中澤過去モード。


・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・



あれはちょうど矢口がこの中学の三年生の時やった。

見習教師として市井がやってきたんや。



それは2人の出会いやった。


291 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時23分55秒

何もかもが初めてで、市井はクラスをまとめるのに時間がかかった。

そんな市井の手助けをしたのが矢口だったんや。


・・・・・・


「せんせー、もっとみんなに慕ってもらうように頑張らないとっ!」

「いや、努力はしてるんだけどさぁ。なかなかうまくいかないんだ。」

「とにかく気合だよっ!明るく、元気に!それで優しく。しかるときはしかってね!」

「・・・ありがとう。俺、矢口を見習わなきゃな。」




・・・・・・



2人が恋に落ちるのも、時間の問題やった。

市井は矢口を生徒としてではなく、人間として尊敬していた。そして愛していた。

矢口は市井を、世話のやける先生。そんな風に思いながらも、心から愛していた。

お互いをよくわかって、何も障害はなかった。

292 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時30分56秒


・・・

けど、ある日2人が学校外で一緒にいるところを他の生徒が目撃した。

それが学校中に知れ、ついに学校長まで触れてしまったんや。


・・・


2人の関係を、学校側は認めんかった。

ウワサやなんやで関係がバレた2人は、学校側を敵にまわしたんや。

市井は矢口の高校受験のことや将来を心配してな。

学校を敵にしたらあかん思うたんやろな。それで市井から別れたんや。

矢口が卒業する前に市井は見習教師を終え、他の学校に移った。

そして今この学校に戻ってきて後藤に恋した。

本当はいけないってわかってたんやと思う。

矢口を守れなかったから・・・それで後藤を変わりに守ろうおもたんちゃうかな。




・・・・









先生はそれだけ言うとコーヒーをすすった。

293 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時38分41秒



ごとーはただ何も言えなかった。


言葉じゃ表せない。初めて抱いた感情が襲った。

胸がムシャクシャする。




でもそれは嫌な意味じゃなくて。


ごとーは市井ちゃんが好きで、好きで好きでしょうがない。



けど・・・・



中澤先生の話を聞いて、2人の過去を知った。




・・・・



どこかで、自分の恋が終わる予感がしてた――――














294 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時42分39秒


「先生、ごとー・・・――――」

「わかってる。」




先生はコーヒーを置いた。



「自分が思ってること、全部言えばいいだけや。」


「・・・・・。」



「市井と矢口に、今の気持ち伝えとき。」


・・・・・



先生は穏やかな表情でそう言った。



ごとーは何も言わずに指導室を飛び出した。


・・・・
295 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時45分29秒




ドンッ

「キャッ」

「うひゃっ」



廊下をまがると、ひとりの女のコにぶつかった。



・・・・それは紛れもなく、矢口さんだった。



・・・



「あ・・・・ごっつぁん。」

「矢口さん・・・あのっ!」

「・・・・え?」



がんばれ、ごとー。

強くなれ、ごとー。

負けるな、ごとー!







































「ごとーのことはいいです。自分に、素直になってください。」

















296 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時49分17秒


矢口さんは固まってしまっていた。


ごとーの言葉の意味、伝わったのかな。





「ごっつぁん・・・・あたしやっぱり紗耶香が―――――」



ザッ






ひとつの足音と共に、階段から市井ちゃんが現れた。




「市井ちゃん・・・・」

「紗耶香・・・・・・」





「なんで矢口がいるんだよ・・・?」


市井ちゃんは不思議そうに矢口さんを見る。






「ほら、後藤教室戻れよ。授業始まってんだから。」




































「矢口さん、素直になってください。」




もう一度、ごとーはそう言った。


297 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時52分15秒


「え、ごっつぁん・・・」


「矢口さんはまだ市井ちゃんが好きなんでしょ?!だったら素直になってよ!!」


「え・・・・?」


市井ちゃんは驚いた表情でごとーたちを見た。






「ごとーに遠慮しないで。ごとーのことは、もういいから・・・・・」


「・・・・ごっつぁん・・・・・・」



「自分の気持ち、伝えて。」




















真剣な眼差しで矢口さんを見た。






ごとーは立ち上がって市井ちゃんの目の前に立った。




・・・・

















「バイバイ。」





















そして、そのまま階段を駆け上がっていった。



298 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)15時59分13秒



・・・


完全敗北。

完全燃焼。



ごとーには今そんな言葉がピッタリだと思う。
299 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)16時00分52秒



でもね、でも



ごとーね、スッキリした。


うーんと伸びがしたい気分っ。



いつもより風が気持ちよく感じた。













300 名前:とみこ 投稿日:2002年09月21日(土)16時01分23秒
いったん更新終了です。
301 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月21日(土)21時08分34秒
市井と矢口が気になる。
このままさやまり終わらないよね?(笑
302 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月21日(土)22時01分12秒
う〜。ごっつあんは大人だなぁ。自分のことより市井と矢口の幸せを願ってるとは。
これでついによしごまへ!?
303 名前:96の名無し 投稿日:2002年09月22日(日)16時20分13秒
 後藤さん、一回り成長しましたね(?!)。いちごまが別れたので、
よしごまを密かに期待してます。
 毎回、更新お疲れさまです。続き期待して待ってます。
304 名前:とみこ 投稿日:2002年09月23日(月)13時39分38秒
>名無し読者さん
市井と矢口が気になるますか・・・そうですねぇ変なとこで切っちゃったんで^^;
>このままさやまり終わらないよね?(笑
終わりません!終わりませんが・・・これからどうなるやら?

>名無し読者さん
>う〜。ごっつあんは大人だなぁ。自分のことより市井と矢口の幸せを願ってるとは。
そうっすねぇ。口あけっぱなしのゴッツァンも、ちゃんと考えてるんですね(w
これからよしごま!!・・・いやいや、甘いですよ〜〜(謎

>96の名無しさん
>後藤さん、一回り成長しましたね(?!)
いやいや、(?!)じゃなくて本当に成長しましたよ^^
市井と矢口のために自分の恋を終わらせて・・・あぁ、悲しい・・・(泣
やはりみなさんよしごまを期待しますか・・・そうですか・・・ヘヘッ(和田風
305 名前:ごっち〜〜んT-T 投稿日:2002年09月24日(火)19時01分36秒
初めまして!
レスはしなかったんですが、ずっと見守ってました(w
ごっちん本当に成長しましたねぇ〜。
吉澤×後藤もそろそろくるかな。
俺的には、ゆうき×石川 期待だけどね・・・。(w
306 名前:とみこ 投稿日:2002年09月25日(水)19時22分16秒
>ごっち〜〜んT-Tさん
初めまして!
よしごまそろそろですかー・・・うーん、すんなりというのはありえないっすね(w
どうなるやらはこのあと!!!
307 名前:とみこ 投稿日:2002年09月25日(水)19時22分56秒
市井視点


「ごっつぁん、追いかけないの?」


矢口は今にも消えそうな声でそう言った。


「・・・いや、でも・・・・」


・・・・

沈黙が走った。

・・・どうしていいかわからない。



「・・・紗耶香・・・あたしさ、」

「え?」

「ごっつぁんのためにも言う。」


矢口はなにかを決心したように真っ直ぐ俺を見た。












「あたしは、紗耶香のことが好き。」








308 名前:とみこ 投稿日:2002年09月25日(水)19時23分49秒
・・・


時間が止まったような気がした。



「・・・・でも俺たちは・・・」

「わかってる!!一度別れたから・・・生徒と先生だったから・・・・」

矢口の瞳はうっすら潤いを見せた。


「でも・・矢口は紗耶香が好きだった!先生と生徒でも・・・」


「・・・矢口・・・」



「紗耶香が学校をやめてからも・・・忘れなかった。1日も忘れなかった。」




・・・・・・・




「ずっと紗耶香のこと、信じて待ってたんだから!!!」




309 名前:とみこ 投稿日:2002年09月25日(水)19時25分06秒



矢口はそう言って俺の目を見た。


涙が次から次へと出てくる。

・・・・



そんな目をするな・・・・



俺だって・・・・・・・・・・







「・・・・っ!」



矢口は驚いていた。


俺はただ何も言わずに矢口を抱きしめた。


強く、強く抱きしめた。






「紗耶香・・・・紗耶香・・・。」



今自分の胸で泣いている彼女が、苦しんでいる。

苦しんで、俺の名前を呼んでる。









「・・・・・ごめんね、矢口。」
310 名前:とみこ 投稿日:2002年09月25日(水)19時27分31秒







「俺も、矢口のこと忘れたことなかったよ・・・・・・・・・」




「ずっと、ずっと愛してた。」





「なのに・・・矢口を守れなかった。俺は逃げたんだ・・・」








「学校を辞めて、矢口との関係を絶った。・・・・でも」










矢口はそっと身体を放し、俺の頬に手を伸ばした。








「・・・・もういいんだよ、紗耶香。」



矢口は笑顔でそう言った。


涙で顔はグチャグチャなのに、

優しい、優しい笑顔でそう言った。





なぜか、その言葉で心が解放されたように








涙が出た。
311 名前:とみこ 投稿日:2002年09月25日(水)19時49分49秒



「・・・・・・もう一度、矢口を愛していい・・・・?」





・・・・



「当たり前じゃん・・・っ。」





泣き顔の彼女を、本気で愛しいと思った。

この人を、もう一度守ろうと思った。




・・・ごめんな、後藤。


いや、ありがとう。




俺は


もう一度同じ人に恋をした。
312 名前:とみこ 投稿日:2002年09月25日(水)19時55分07秒

更新終了。
313 名前:96の名無し 投稿日:2002年09月25日(水)21時42分43秒
 更新お疲れさまです。
 さっ、ついによしごまの登場でしょうか?「関口宏の東京
フレンドパーク」みたいに、よっすぃーへ一直線に抱きつい
ていってほしいです。(ちょっと違いますか?)
 「あと2、3回」とおっしゃっていましたが、まだ続きそ
うで、嬉しいです。これからも頑張って下さい。
314 名前:ごっち〜〜んT-T 投稿日:2002年09月26日(木)07時19分50秒
おおおおお!
とうとう「市井×矢口」復活!ですか(w
この後のごっちんの行動に期待!!
これからも更新頑張ってくださいねー^^
315 名前:とみこ 投稿日:2002年09月27日(金)20時37分58秒
>96の名無しさん
>さっ、ついによしごまの登場でしょうか?
どうでしょう?よしごまくるのでしょうか・・・(ぇ
あと2、3回のつもりだったのですが、結構進みます(w

>ごっち〜〜んT-Tさん
>とうとう「市井×矢口」復活!ですか(w
そうっすねぇ^^ これからのごまの心情やいかに・・・。
がんばります!
316 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月28日(土)14時25分42秒
なかなか、よしごまにならないのですが、どうなるのかワクワクしながら更新待ってます
317 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)09時56分39秒
>名無し読者さん
なかなかよしごまに持っていけなくてごめんなさい^^;
頑張るのでよろしくおねがいします!!
318 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時01分34秒

(後藤視点)





「んーきもち〜!!」


朝。


外に出て思いっきり空気を吸った。


嫌なことなんてぜーんぶ忘れちゃいそうな青い空。


気持ちいい。



・・・・・・



市井ちゃん。

もうごとーに役目はないよ。

矢口さんを愛してあげて。

守ってあげて。


ごとーはね、市井ちゃんのこと大好きだから。

矢口さんも、あゆみも。


それに、
















・・・よっすぃー・・・・・・・・









ザッ


319 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時05分29秒




「よっすぃー・・・。」






珍しく早起きして、制服に着替えてマンションの外に出て、


そこでグーッと伸びをして、いろいろ考えてみたり。


そんなのんきな時間はすぐに終わった。





「・・・おう。」



よっすぃーはスニーカーのかかとを踏んだままごとーの前を通り過ぎた。





【お前なんか好きじゃねぇよ!かん違いすんな。】




・・・・

こないだのよっすぃーの言葉を思い出した。




・・・・気まずいなぁ。


よっすぃーとこんなギクシャクしたの初めてだよ。



320 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時13分36秒


キーンコーンカーンコーン・・・・・・・・・



遅刻ギリギリの生徒が登校するのを、ごとーは教室の窓からボーッと見ていた。

いつもはこの遅刻組の中にいるのかー・・・なんて思ってみたりして。




「真希っ」



ふっと名前を呼ばれた。



「・・・あゆみ・・・。」


彼女はごとーの隣に座って、ため息をついた。



「・・・よっすぃーと話したんでしょ?」



「え・・・・。」


・・・


「よっすぃー・・・なんて言ってた?」



・・・なんてって・・・・・




【柴田なんか最初から好きじゃねぇよ!付き合ったのだってなんとなくだよ。】



・・・・・・・・


ごとーはさすがにそれは言えなかった。






「あゆみのことは、何も答えてくれなかったよ。」


「え?」



「で、ごとーを好きなのはウソだって。お前なんか好きじゃねぇ!って言われちゃった・・・。」



あゆみは驚いたようにごとーを見た。

そして気まずい表情へと変わる。







「・・・・ごめん、真希。」





・・・

「・・・へ?」



321 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時16分09秒


「なんであゆみが謝るのさぁ〜??」


ごとーはあはっと笑って話を流した。


驚いたのは、そのあとのあゆみのひと言だった。



























「真希も、よっすぃーのこと好きなんでしょ?」






・・・・・・




「・・・なっ、何言ってんのぉ?ごとーはよっすぃーなんか・・・」

「ウソつき。」



あゆみはムッとした顔でごとーを見るのだった。



言葉では否定してるのに、





なぜか心の底が軋んだ。

322 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時20分11秒


「好きじゃないってば・・・っ。」



ごとーはあゆみから視線をそらして外を見た。




「あたしは真希の親友なんだから。そのくらいわかる。」



・・・んなマジな顔で言わなくても・・いいじゃん。




「なっ・・・ごとーがわかんないのにあゆみがわかるわけないじゃん!」


「わかるもん!真希はずっとずっとよっすぃーのこと好きだったんでしょ!!」



好きじゃない!

ごとーは、ごとーはよっすぃーなんか・・・・・・












・・・・・・



プツン



・・・・・



何かが音を立てて切れた。


それは小気味よい音で、




何かがふっきれたような――――――――






・・・・・・



「ごとーだってわかんないよ・・・・・」


「え?」








「よっすぃーのこと好きになっちゃったかどうかなんて、わかんないよ!!!」








わかんないよ・・・


わかんないってば・・・・・








323 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時24分33秒



「それに・・・ごとーがよっすぃーを好きになったらどうするの?!あゆみ諦めるの?!」


だんだん口調がキツくなってしまっていた。



「・・・なっ・・・諦めるわけないじゃん!!!」

・・・


「じゃぁ関係ないでしょ!!ごとーだってよっすぃーのこと好きでも関係ないじゃん!!」


「・・・っほら真希、やっぱりよっすぃーが好きなんじゃん!!」


「好きだよ!!だから何なの?!ごとー、あゆみなんかに負けないよ!?」


「・・・っ!!」




・・・・・・・・・・













そのあとのことは覚えていない。


ごとーたちの会話がクラス中に聞こえていたのはわかってる。


よっすぃーはいなかったけど・・・・・



・・・・



ごとーが、


よっすぃーのこと、好き・・・・?







だって・・・よっすぃーは幼なじみだよ?

ずーっとずーっと、仲の良いトモダチ・・・・




トモダチ・・・・・・・・・













324 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時25分31秒






いつからこの感情が生まれたのか、ごとーにはわからなかった。



ただ、気付いたのは間違いなく、




今、この瞬間だった。











ごとー、よっすぃーのこと・・・・好きだったんだ。










・・・・・・・・・・・・・・
325 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時27分47秒


放課後になるまで、ごとーとあゆみは一切口を聞かなかった。


よっすぃーとあゆみも。よっすぃーとごとーも。


この三角関係は音を立てて崩れ去った。



・・・・

このまま終わっちゃうの・・・・?






「真希。」













切り出したのは、



よっすぃーだった。





・・・・・・・




「ちょっと、話があるんだ。」


「・・・・え?」



2人の会話を、あゆみは複雑な表情で見ていた。




・・・・何・・・?

326 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時35分42秒


別に外に呼び出すわけでもなく、話は教室のど真ん中だった。


クラスメイトは教室でボール遊びをしたり、女子は好きな人の話で盛りあがったり。


そんな中で話は始まった。




・・・

























「来週、大阪に引っ越すことになったんだ。」




・・・・







え・・・・・?


























327 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時40分40秒




「・・・ど、どういうこと・・・?」

やっと次の言葉が出た。




「・・・親父の仕事の関係でさ。大阪の方の学校に転校する。」


よっすぃーは冷静に言う。


どうしてそんなに冷静で居られるのだろうか。



「来週って・・・・いつごろ?」



「・・・月曜には、こっちを出るつもりなんだ。」



月曜って・・・・今日は金曜日だから・・・


学校へ来るのは今日が最後・・・・・?







・・・・・うそ・・・。


うそでしょ、よっすぃー。





ごとー、やっと気付いたのに・・・・・・







やっとよっすぃーが好きって、気付いたのに―――――――














・・・・・


「じゃぁな。」




そういってよっすぃーは教室を出た。



・・・・なんで・・・・
328 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時43分05秒


よっすぃーが教室を出た後、あゆみがこっちに向かって歩いてきた。



「よっすぃー、何の話だったの?」



あゆみの言葉も聞こえず、ごとーはただ立ちすくむだけ。



・・・・


「真希?」


・・・


「・・・・よっすぃー、転校するって。」



「・・・・え?」




あゆみも固まってしまった。




「学校に来るのは、今日が最後だって・・・・。」












・・・・・・







これから、どうすればいいの・・・・・・・?




329 名前:ごっち〜〜んT-T 投稿日:2002年09月29日(日)10時43分38秒
やっとキタ━━━━━━(・∀・)━━━━━━ !!!!!!
とうとう自分の気持ちに気づいてしまいましたね。
よっすぃ〜とごっちんが素直になってくれることを祈ります(w
これからの 石川×ゆうき・市井×矢口・吉澤×後藤が気になる!?
ってか、全部まったり待ってます(w 
これからも更新頑張ってください!
330 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時45分05秒


土曜日、日曜日と、ごとーはよっすぃーに会うこともなく過ごした。


よっすぃーの家の前にはダンボールがたくさん積まれていた。














「明日、か・・・・・。」



・・・・


日曜日は、とても長く感じたのだった。







331 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時51分32秒


月曜日。




「おはよう。」


下駄箱であゆみと会った。


「・・・おはよ。」



・・・・・



「あたしね、昨日よっすぃーに電話したの。」


あゆみがフッとそう言った。


「え?」


「ちゃんと言ったよ。好きって。」



・・・・うそ・・・



あゆみは、気が抜けたように笑った。




「ごめんって。言われちゃった・・・・・・・。」


「え・・・」


返す言葉がなかった。

・・・・悲しくて、切なくて・・・・・・


あゆみがかわいそうに見えた。





・・・・・・・・・



「だからあたしはもういいんだ。スッキリした。」



「・・・・あゆみ・・・・」




「真希、がんばれ。」




そういって階段を上っていった。







・・・・・よっすぃー・・・







332 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)10時57分17秒


刻一刻と時間が過ぎていった。




4時間目の授業。



授業がすごく長く感じた。


・・・・



よっすぃー、今ごろ何してるかな。


もう、大阪に向かってるのかな。


まだ家に居るかな・・・・・・・・



・・・・・


ごとー、よっすぃーのこと考えすぎだよ・・・・




だって、好きなんだもん・・・


好きで好きで、しょうがないんだもん・・・・・っ









・・・・・・・・・・・・




・・・まだ間に合うかもしれない!



ごとーが席を立とうとした


その時だった。
















ガラッ





333 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)11時00分33秒


みんなの視線が教室のドアに集まった。





・・・・・



そこには私服のままのよっすぃーがいた。




・・・・



「よっすぃー・・・・・」



ごとーは思わず名前を呼んだ。





荒く息をきらして、よっすぃーはやっと顔を上げた。
























・・・・





「真希!!!」




・・・え?



・・・・・・・・・・












「俺はお前が好きだ!!」










・・・・・・・・・・・・・・・・・・













時が止まった。






334 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)11時14分49秒







うそ・・・・・・・・




よっすぃー・・・・




「・・・・じゃぁな。」



ガラッ・・・・・ピシャン









「・・・・真希っ・・・」


あゆみはすぐさまごとーの側に来た。



教室は一気にザワザワと騒ぎ始めた。



「真希、行きなよ。」


「・・・・・え?」



「行きなってっ!」



あゆみに背中を押された。



「あゆみ・・・・・」


「ほらっ」




・・・・・




















「・・・・・うんっ」













ガラッ









335 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)11時23分26秒


ごとーは走った。


よっすぃーに会うために。


好き。って、ちゃんと伝えるために。











「よっすぃー!!!!」






正門を出たところで、ごとーは叫んだ。


そこにはさっきのよっすぃーの姿があった。






「真希!お前授業・・・・・」


「よっすぃー、・・・」






・・・




そのまま何も言わずによっすぃーに抱きついた。


思いっきり、思いっきり抱きついた。



「真希・・・・?」















「ごとーね、・・・・よっすぃーのこと、大好きだから・・・・・・・」






思わず泣いてしまった。



何年も一緒に居たのに・・・・・・


ずっと気付かなかったこの気持ちを、

やっと伝えられた。伝わった。








「・・・真希・・。」



よっすぃーはごとーを抱きしめ返してくれた。




・・・・・




「俺も好きだよ・・・・・・」


「・・・・うん、ごとーも・・・・。」



336 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)11時24分04秒

・・・・・・・・・・






引っ越しても、遠くに行っても、

気持ちはそばにいるから・・・・・・










大好きだよ、よっすぃー。







だいだいだいだーい好きだよっ!






・・・・・・fin.....





337 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)12時18分22秒


番外編



【そのころユウキは】



「い、石川さん!!!」

「はいっ。」


俺は決心をしていた。

石川さんと知り合って、メールなどなどそんな関係がずっと続いた数ヶ月・・・





待っているのは、【告白】!!







「あの・・・石川さん・・・」

「・・・はい?」















「俺は石川さんが―――――!!!」


『たーけやーさおだけー。20年前のお値段です!たーけやーさおだけー』





え?!



『たーけやー さおだけー たーけやー さおだけー』




結局このパターンかい!!!!




ユウキの恋はまだまだ続く・・・・・のか?






338 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)12時19分51秒
>ごっち〜んT-Tさん
完結してしまいました(w
ユウキ×梨華ちゃんもビミョーに完結・・・?(w
どうでしょうか・・・ねぇ?^^;
339 名前:96の名無し 投稿日:2002年09月29日(日)12時44分12秒
 完結しましたね。お疲れさまでした!
 ただ一つ思ったのは、終わり方(よしごま)が某ドラマに似ているのは、
その番組を元にしてお書きになったからですか(違っていたらすいませ
ん)。いずれにしても2人が結ばれて、なによりです。ユウキ&梨華ちゃん
も?!
 
 
340 名前:たけのこ 投稿日:2002年09月30日(月)16時30分17秒
吉澤君カッコよかったっす!!
「だいだいだいだーい好きだよっ!」…よしごまの最後のカットに感動ですた!!
「さおだけ〜」…またまた一本とられました(w

完結おめでとうございます。素晴らしい作品をありがとうございました。
341 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月02日(水)12時57分34秒
完結おめでとうございます。
おもしろかったです!!!
でも柴っちゃんがなんかかわいそ〜ですね〜。。。
お疲れ様でした〜

342 名前:カム 投稿日:2002年10月15日(火)14時51分25秒

自分がうっかりしてる間に完結してたんですね!(汗。

お疲れさまでしたー(w。
とみこさんの次回作、期待して待ってます。

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