裕ちゃん第一主義 2集
- 1 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月02日(金)06時43分36秒
- 引越しのご挨拶
金板の皆様はじめまして赤板から引っ越してまいりました。
裕ちゃん大好きの駄文作家です。
気を付けているのに誤字・脱字が大変多いんです。
読者さまが意訳して読んでくださると有り難いです。
- 2 名前:前スレの続きなので 投稿日:2002年08月02日(金)06時49分44秒
- これからココに載せようと思っているのは前スレの続きです。
初めての方はこちらへ
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/red/1011082264/341-400
よろしくお願いします。
- 3 名前:戯言 投稿日:2002年08月02日(金)06時56分10秒
「ところで裕ちゃん、話が変わるんだけど」
「なんや、相談事か?」
「斎宮のことなんだけど…どうやら好きな公達がいるらしいんだけどどうしたらいいか…」
「なんや、応援したらへんの?可愛い妹やん」
「いや、応援したいよ。したいけど相手も解かんないし、こういうの苦手だよ〜」
「ふ〜ん。そっか、やから裕ちゃんを呼んだんやな。任せなさい。けしからん輩やったら傷つかんよう別れさせたる。りっぱな公達やったらちゃんと取り持ったる。」
「裕ちゃん、頼むね」
「じゃ、報告待っててや」
- 4 名前:戯言 投稿日:2002年08月02日(金)06時57分57秒
中澤は宿直明けで館に帰るが西の対にも東の対にも顔を出さずに寝殿へ向かう。
ああ、なんか疲れたけどすっきりしたなぁ…
いつの間にかウトウトと寝てしまった。
眠りが浅くなり、誰かの膝に抱えられているのに気がつく。
心地いいので目は開けずにそのままでいると肩を優しく撫でられる。
「… なっち……気持ちいいなぁ…」
「裕ちゃん、起きたの…」
「うん、起きとったけど気持ちいいから暫く此の侭でもえぇ?」
「いいよ、手 まだ暖かいから眠いんだよね」
お互い何も喋らず、ただ安倍の柔らかい手が中澤を髪を優しく撫でていた。
暫く穏やかな時間が過ぎていく。
- 5 名前:戯言 投稿日:2002年08月02日(金)06時59分17秒
「…何か辛い事あったの…帝の話とか…やっぱり、彩っぺのこと…」
中澤は起き上がりキチンと安倍の前に座り直し、手を握りなおして言う。
「なっちは気付いてたんやな…でも、もう大丈夫や全部ちゃんと昇華した。ウチも彩っぺも圭織も。」
安倍の目をしっかり見て話す中澤にはもう一点の曇りもない晴れ晴れとした表情をしていた。
そして、もう目にはいつものように悪戯っ子の輝きがある。
そんな時は当然、安倍に不意打ちのキスをする。
「な・何するべさ!こ・子供たちお昼寝から起きたかもしれないから見てくる」
安倍は照れを隠すのに焦りながら慌てて部屋を出て行った。
可愛ぇなぁ…何年経っても、何があっても、絶対汚れない…そんな強さが好きや
なっち、ずっと側に居ってや…
- 6 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月02日(金)11時24分52秒
- 新スレおめでとうございます!!!
ほのぼのなっちゅーVERY GOOD!!
- 7 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年08月03日(土)16時48分10秒
- >>6 名無し読者さま
早速のレスありがとうございます。
暑さとハロプロ大事変で筆が進まない・・・
少し、更新します。
- 8 名前:戯言 投稿日:2002年08月03日(土)16時49分38秒
なっちを見送った後、溜まっていた書簡に目を通していると
ダダダっという足音と共に矢口が駆け込んできた。
「裕ちゃん、お帰り!!」
「あっ矢口vvただいまやでvv」
なんかもう、この娘見てるだけで楽しくなるんやけど…
中澤の顔は矢口を見たとたんフニャっと崩れて自然に笑顔になる。
腕はしっかり矢口を抱きかかえて、もう気持ちは満足であった。
が、なぜか矢口が腕の中でごそごそ動いていている。
「ちょ・や・矢口、何してるんや?!」
「ん?何って、脱がしてるの」
「や、だから…まだ、昼間なんですけど…」
「そんなの関係ないじゃん。放っとくと裕ちゃんまたどっか行っちゃうじゃん」
「何処へいくんや…こんな愛しい彼女置いて何処へも行かれへんって」
- 9 名前:戯言 投稿日:2002年08月03日(土)16時50分55秒
二人は着物の海の中で素肌で抱き合っていた。
気持ちえぇなぁ…
なんで、矢口にはこんなに簡単にもってかれるやろ…
もう、何やっても可愛イイ
ああ、認めるわ…矢口にベタ惚れです…
中澤は矢口の唇にチュッと軽く触れるだけのキスをする。
二人は楽しい気分が何処から湧いてくるのか解からないが顔を見合わせ
矢口は中澤にしか見せた事の無い極上の笑顔を
中澤は矢口にしか見せた事がない至上の幸福という顔をしていた。
お互いに見つめあいながら段々その目の色に欲が混ざってくる。
矢口が中澤の下唇を吸い上げる。
矢口は中澤の柔らかい唇の感触を何回も唇で挟みながら時には歯で軽く噛み
中澤の気持ちを煽る。
口付けは段々深くなり中澤の欲情が押さえ切れないくらい高くなる。
今が昼間だろうがもう関係ない。
二人の世界に何も制約はない。
- 10 名前:戯言 投稿日:2002年08月03日(土)16時52分05秒
腕の中で矢口は上目づかいに中澤の目を覗き込んでいる。
ああ、この表情たまらん…なんでこんな可愛いんやろ…反則やで…
「矢口、好きやで…」
「うん…やぐちも…」
二人の身体が重なろうとしたまさにその時、館の庭からみっちゃんの能天気な声が響いた。
- 11 名前:名無し読者。 投稿日:2002年08月03日(土)18時02分23秒
- この作品面白いですね。
なっちゅーいいなーとおもったらやぐちゅーもいいぞ!!って感じで(w
- 12 名前:戯言 投稿日:2002年08月05日(月)16時09分25秒
- 中澤は慌てて着衣を整え、矢口が居るのでみっちゃんを部屋へ上げない為に
庭へ降りるが既に遅くもうそこまで彼が来ていた。
「ああ、裕ちゃん。わざわざ出迎えてくれんでも…ん・あっごめん…お楽しみの邪魔やった?」
「兄様!!ほんとにもぅ…なんで先触れも無しにくるかなぁ…」
「やぁ!可愛い妹よ、裕ちゃん借りるで〜」
「ちょ・なに・やだぁぁぁあ」
矢口が着衣を整え追いかけたが既に遅く中澤は連れ去られた後だった。
- 13 名前:戯言 投稿日:2002年08月05日(月)16時12分28秒
「なぁ、みっちゃん、何しに来たん?」
「えっ?、約束しましたやん…対決」
「ああ、あれか…」
「さっ、行きますよ」
「今から行くん?ちょっ待っとって仕度する。」
- 14 名前:戯言 投稿日:2002年08月05日(月)16時14分45秒
二人は並んで歩きながら昨日の朝議で出たみっちゃんの結婚話をしていた。
「なぁ、何んで帝の紹介やったらあかんの?」
「えぇえ、だって帝の紹介ですやん、きっと身分の高い扱いにくい姫に決まってますやん
そんな気位の高い姫が正室になったら思うように遊べなくなりますやん」
「あんたなぁ、そろそろ落ち着いて本気の相手探さなあかんよ」
「裕ちゃんは結婚してからも結構自由にしてますやん、なっちみたいな子がええなぁ…我が妹は…」
「なんで矢口はあかんの?」
「や、真里っぺは嫉妬深いんとちゃう?」
「そうか?そうかも…でも、なっちがフォローしてくれるから丁度ええで、なっちも矢口と居るから落ち込まんと明るくしてられるんやけど…どっちも大事な我が妻やで、いいやろ?」
「う〜ん、なっちと真里っぺの良いとこだけ持った娘、何処かに居らへんかなぁ…」
- 15 名前:戯言 投稿日:2002年08月05日(月)16時17分21秒
だらだら歩いていたが目的の小さいが小奇麗な館の前に来ていた。
さあ、どうしようかと思っていると少し低めの垣根の向こうに綾小路の侍女、石川の姿が見えた。
みっちゃんが石川を小声で呼び寄せる。
「あっ、平家さん。いらっしゃいませ。」
「ところで前から話してたこと、今日ええかな?裕ちゃん連れてきたんや」
「ああ、ごっ・ちがう、文麿さまに伝えてきます」
そう言うと石川は館の奥に消えた。
待たされている間に雲行きが怪しくなってきた。
- 16 名前:戯言 投稿日:2002年08月05日(月)16時18分40秒
「なぁ、みっちゃん、これは雷雨かもしれんで…今日は止めにしてかえろうや」
「えぇえ、折角、来たのに〜」
不服そうにホッペを膨らましているみっちゃんは男にしておくには惜しいほど可愛かった。
帰ろうとして石川の来るのを待っていたところとうとう雷の音と共に雨が降り出してしまった。
きゃっ!!
悲鳴のする方へみっちゃんと中澤が向かう。
玄関のところで石川が丸くなって震えていた。
「大丈夫か?」
「ああ、怖かった…平家さん、中澤さん、良かったらお天気が回復するまでいてくださいませんか?
今、館には女ばかりで心元ないんで…主もそう言ってますから…」
おっ、文麿ナイスやで〜これで計画どおり実行や♪
中澤とみっちゃんは奥の部屋へ通される。
- 17 名前:戯言 投稿日:2002年08月05日(月)16時22分02秒
案内している石川の横を通り過ぎるときみっちゃんはスッとお尻を撫でていく。
「いい尻やねぇvv後でみっちゃんと遊ぼうやvv」
「みっちゃん、相変わらずやな。そのうちセクハラで訴えられるで(w」
「う〜ン、もぅ平家さんたら…石川は中澤さんが好きなんだもん」
げっ、石川なんてこと言うの
部屋の御簾の奥に館の主がいた。
- 18 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年08月05日(月)16時36分06秒
- >>11 名無し読者。さま
レス有難うございます。
CPはもうぐだぐだで今後どうなるか解かりません(w
もうキャラが勝手に動いちゃって・・・でも、先が見えてきたかな・・・
今週、もう一回更新したいんですが出来なかったら次は8月末。
(帰省するのでパソが使えない・・・)
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月06日(火)00時12分09秒
- 昨日のANN−SSで、裕ちゃん泣いていましたね。
圭ちゃんやごっちんの卒業話や、ユニット編成の時には、気丈に大人の意見を
いっていたけれど、
みっちゃんのことになった途端に・・・。
そういえば、裕ちゃん卒業のときに、みっちゃんは自分のラジオで、
泣きながら、卒業についてのコメントをしていましたね。
この二人、本当にお互いの支えになっていたんでしょうね。
この一連の展開、自分としても、凄く凹んだんですけれど、泣くまでには至らなかった。
ヤグチの泣きのコメントにも、「辛いだろうけど、頑張れよ」って、
気持ちが重くなりながらも静かに聴けた。
だけど、裕ちゃんのみっちゃんに対する言葉に、自分も堰が切ったように、
泣いてしまった。
「作者さん」の文章にある言葉通り、本当に「えげつないこと」しますよね。
娘。もみっちゃんも、きっと何も悪くない。
だから、応援することで、彼女達の存在を認識することが、自分にできる
精一杯のことだと思い、ずっと娘。たちについていきたいと思います。
そんな娘。たちに対する、温かい想いに溢れた「作者さん」にもついていきます。
これからも、優しい作品と表現をお願いします。
- 20 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月06日(火)12時20分24秒
- こんな裕ちゃんスレがあったとは(w
赤板からいっきに読ませていただきました。
もう面白くて・・・ホッとする文章の虜になりました。
昨日東北のラジオで裕ちゃんが
「北海道のロケでは矢口に引っ付きまわり右は矢口・・・左はなっち、
他メンはまた裕ちゃん・・・って感じでです」って言ってました(w
やぐちゅーかと思いきや・・・なっちは左に当たり前にいるようです(w
ほんとにたらしの裕ちゃんですね(w
- 21 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年08月07日(水)23時03分33秒
- >>19 名無し読者さま
レスありがとうございます。
ハロプロふぁんとして思うことは多々あります。
裕ちゃんが言うように悪い事は何もないと信じたいですが・・・ま、複雑です。
>>20 名無し読者さま
わざわざ赤板から読んで頂きありがとうございました。
>昨日東北のラジオ
そうですよね。番組のHP見ました。
東北でも、あ〜やっぱり裕ちゃんは可愛かった!!
ちょっと更新します。
- 22 名前:戯言 投稿日:2002年08月07日(水)23時05分14秒
――― ドクン
みっちゃんの心臓が不規則に大きく刻まれた。
御簾越しでよう見えんけど、女装した文麿…何かめっちゃ可愛いで〜
アカンアカン、私が妖しの恋に走ってどないすんの…裕ちゃん引っ掛ける悪戯なんやから…
裕ちゃんはどないやろ…
みっちゃんが中澤を見ると丁度、石川に何か耳打ちをして手紙を渡しているところだった。
ああ、やっぱり何やカンや言っても手が早いで、裕ちゃん…
石川は手紙を御簾の向こうの人に渡し再び中澤の元へ来る。
御簾の向こうの人は渡された紙を見て中澤に一瞬笑顔を向ける。
――― ズキン
何やの…さっきから私の心臓どないなっとんのやろ…
みっちゃんはその胸の痛みが嫌で立ち上がり天気の回復を探るふりをしながらその場を離れた。
- 23 名前:戯言 投稿日:2002年08月07日(水)23時08分20秒
御簾の中の人は中澤を見たのは一瞬だけでその後はずっとみっちゃんを見ていた。
「暫く、収まりそうもないですねぇ、この雷雨は」
「どうか、帰るなんて仰らないでくださいね…ほんとに雷怖いんです。」
文麿…こんな声しとった?本物の女の子のようやん…
「ええよ、今夜はココ居ったるわ、な、みっちゃん」
「えっ?ああ、ええよ。ずっと付いてたるよ…」
- 24 名前:戯言 投稿日:2002年08月07日(水)23時10分40秒
結局その晩は綾小路邸に泊まることになった。
雷もどうやら遠退き雨も止んで月が出てきた。
中澤は沢山の侍女たちに囲まれ最近流行の噂話を聞かされている。
みっちゃんはそんな会話に入る気がせず月を見ていた。
さっきの胸の痛みは何やったんやろ…
あーーーもぅ、考えても解からんわ
こんな時は寝よ。寝てまえば忘れるわ…
みっちゃんは用意された部屋で先に休むことにした。
中澤が庭に目をやるとみっちゃんの休む部屋に丁度人影が消えるところだった。
ふたりとも、頑張りぃや…
- 25 名前:戯言 投稿日:2002年08月07日(水)23時13分49秒
結局その晩は綾小路邸に泊まることになった。
雷もどうやら遠退き雨も止んで月が出てきた。
中澤は沢山の侍女たちに囲まれ最近流行の噂話を聞かされている。
みっちゃんはそんな会話に入る気がせず月を見ていた。
さっきの胸の痛みは何やったんやろ…
あーーーもぅ、考えても解からんわ
こんな時は寝よ。寝てまえば忘れるわ…
みっちゃんは用意された部屋で先に休むことにした。
中澤が庭に目をやるとみっちゃんの休む部屋に丁度人影が消えるところだった。
ふたりとも、頑張りぃや…
- 26 名前:24、25二重投稿しちゃった 投稿日:2002年08月07日(水)23時31分25秒
- 二重投稿してしまいました。
どっちか飛ばしてお読みください。
- 27 名前:戯言 投稿日:2002年08月08日(木)21時12分44秒
――――
――――――
- 28 名前:戯言 投稿日:2002年08月08日(木)21時14分07秒
「で、どうなったのさ?」
翌日、中澤は事の成り行きを色々想像しながら待っていた二人に話して聞かせている。
「そらもう、上手くいったに決まってるがな」
「じゃ、とうとう、みっちゃんも年貢の納め時だべ?」
「そうだよね、帝の妹に手ぇ出したんじゃいくら兄様でもねぇ…」
「ところで いつ、文麿が斎宮やって気付いたん?」
「んっと、雷のあった日。それまですっかり忘れてた…ごっちんが外で身分を隠して遊ぶ時の呼び名が『綾小路文麿』って名乗ってたの思い出した」
「裕ちゃんはいつ気付いたんだべさ?」
「側付きの侍女が石川やった…」
「ああ、それじゃバレるべさ」
- 29 名前:戯言 投稿日:2002年08月08日(木)21時16分25秒
「当然、裕ちゃんがごっちんに入れ知恵したんだべ?」
「バレとった?石川通じて渡した文に『みっちんのとこに夜這いに行きや。きっと上手くいくから』って書いたんや」
「ところで、裕ちゃん。ごっちんのとこで侍女たちの誘惑にあったっしょ?」
「…………」
ああ!!やっぱり裕ちゃん!お仕置き決定!!
了。
- 30 名前:あとがき 投稿日:2002年08月08日(木)21時21分49秒
- 帰省前なので一区切りできてよかった。
ちょっと、無理やり終わらせた感もあるがこんなもんで・・・
読んでくださった方、ありがとうございました。
帰ったらまた何か始めます。
次は8月末かな・・・
- 31 名前:オフレコハロプロニュースin北海道 投稿日:2002年08月18日(日)14時51分12秒
ここは北海道花畑牧場内牛の放牧場。
中澤・石川・紺野は撮りのインターバルに木陰で雑談していた。
石「中澤さん、ホントに動物苦手ですよね?」
中「そんなことないで」
石「さっき、牛から逃げ回ってましたよ。中澤さんの弱点発見!(喜)」
中「なんか嬉しそうやな…でも、苦手なん大きい動物だけやよ。小動物は好きvv子犬とか兎とか飼ってるし…」
紺「中澤さん一人暮らしなのにペット飼ってるんですか?」
中「ん?…まぁな…」
石「(笑)中澤さんのペット、手掛かりませんもんね(ニタ)」
紺「?」
中「そうでもないで…二匹ともキャンキャン良く喋るし、口悪いし、焼きもち焼きやで…」
紺「兎も喋るんですか?」
石「お喋りですよね。(笑)」
紺「??」
- 32 名前:オフレコハロプロニュースin北海道 投稿日:2002年08月18日(日)14時54分01秒
石「ところで、羊は中澤さんにとって小動物ですか?」
中「最初は小動物やったのになぁ…最近は重いで…籠つき羊の『嘘泣きごめんなさい』に何回騙されたことか…」
紺「羊って籠に入れて飼うのですか?」
石「とにかく、大抵セット扱いされるわね」
紺「???」
石「でも最近、中澤さんの子犬 元気ないですよ」
中「そうなんや…もともと二匹とも暑さに弱くってな…子犬は特に小さい分、貧血持ちやし、氷食べ々頑張っているんやけど…ここんとこ精神的にもダメージあったしな…心配やわ…」
石「大丈夫ですよ、中澤さんがいないときは保田さんが支えてますから」
紺「????」
- 33 名前:オフレコハロプロニュースin北海道 投稿日:2002年08月18日(日)14時57分37秒
中「でもな、この夏、こんなに暑いのに野外ばっかやん…倒れんで…八月には24時間テレビもあるやん、夜弱いねんであのコ…」
石「大丈夫です13人いますから…。24時間テレビといえば私ドラマやるんですよ!」
中「そうやてな…」
石「台本貰ってビックリしました。私の恋人の名前『ゆーちゃん』というんです」
中「ああ、なんかその方が感情移入し易いから変えてもらったって言っとった…」
石「主役は私なのに…」
中「その名前じゃやり難いん?」
石「そんなことないです。でも、私は普段『中澤さん』って呼んでますからちょっと照れますけど」
紺「?????」
中「ドラマでも紐パンやろか…」
石「あっ、あれですね、中澤さん居る時だけですよ。他の日は割りと地味ですから」
中「そやったら嬉しいけど…」
石「紐パン、矢口さんの勝負パンツみたいですね」
紺「あの〜…なぜ、ペットのことから矢口さんの話になるのですか?」
石「えっ?だって中澤さんのペットといったら…ねぇ」
紺「!!!!」
了。
- 34 名前:潮騒 投稿日:2002年08月22日(木)17時05分03秒
―――― ザザザザ……
「ぼっちゃま、そろそろ帰りましょう」
(あれ、裕ちゃん?…でも、すっっごく若いよv野菊の墓の民さんみたいイイっvv若い裕ちゃんも素敵!!)
―――― ザザザザ……
「んと…もうしゅこし…もっとちれいな貝殻 さがしゅの…」
(私も若い っていうより幼い!かっわいいvv安倍かわもち君みたい…思わずナルっちゃった)
「もう、こんなにありますよ。」
「裕たん…その中にしゅきなのある?」
「えっ?」
- 35 名前:潮騒 投稿日:2002年08月22日(木)17時07分41秒
―――― ザザザザ……
「なっちね、ちれいなのぜんぶあげゆ
なっちね裕たんしゅきなの(●´―`)」
「(微笑)ありがとうございます…裕ちゃんもぼっちゃまのこと大好きですよ」
(あっやっぱり…さっきも裕ちゃんこの小さいなっちのこと「ぼっちゃま」って呼んでた…)
(ってことは、このなっちは男の子かぁ…やっぱ、かわもち君ね)
(で、裕ちゃんはこの言葉遣い…子守りさんみたい…)
「うんvvじゃ、なっちと裕たん両おもいらね!
おおきくなったらなっちは裕たんのおよめさんになゆ!
なっちのことは『なっち』と呼んれね」
(だぁぁ、かわもち、おい!アンタ、男だべ!お嫁さんになってどうすんだべ!)
(裕ちゃんをお嫁さんにもらってあげなよ!)
- 36 名前:潮騒 投稿日:2002年08月22日(木)17時10分28秒
「クスっ。。かわええなぁ…ハイハイ、大きくなったらぼっちゃまをお嫁さんにしてあげます(笑)」
(こら…裕ちゃんものっちゃうんだから…)
「だから、『ぼっちゃま』はいやなの!なっち!」
「ハイハイ『なっち』さま、おんぶしてあげますから帰りまひょ」
(でも…私のこの目線…上から見下ろしてる…神様の目線みたい…なんか、変…夢?夢かぁ…)
- 37 名前:潮騒 投稿日:2002年08月22日(木)17時11分38秒
ザザザ…ザザザ――――
ああ、やっぱり夢。
目が覚めると自分の部屋、点けっ放しのテレビは「砂の嵐」。
部屋の明かりは煌々と点いていた。
面白い夢だったなぁ…
裕ちゃんに電話してみようかな
時計を見ると3時半。
さすがにこの時間じゃ怒るよね…今度会った時のネタでいいっか。
「さて、ちゃんとベットで寝よっと。よっこいっしょ」
目線…見下ろしてたのに
裕ちゃんの背中の感触伝わってきた。
21歳誕生日の夜の不思議な夢。
- 38 名前:潮騒 投稿日:2002年08月22日(木)17時12分53秒
裕ちゃんの背中、
華奢なのに暖かくってなっちが安心する背中…
もう一度見たいな…夢の続き…
- 39 名前:潮騒 投稿日:2002年08月22日(木)17時15分20秒
あれから殆ど毎日と言っていいほどあの夢を観ていた。
同じ夢ではなくドラマのように話が進展していく。
裕ちゃんに今なっちが観ている夢の話教えたいな…
電話はよくしてるけど夢の話はまだ一度もしていない。
教えたら、『なっちはやっぱり変な夢ばかり観てるんやなぁ』って笑うんだろうけど…
笑顔の裕ちゃん大好きだから電話じゃなく会った時に話そうっと…
それに、今日は久しぶりに裕ちゃんと一緒の仕事だよvv
もう出会ってから6年、いい加減腐れ縁かなって思うときもあるけどやっぱり会える日は嬉しい。
朝から優しい気持ちになっているのが自分でも分かる。
鏡を見ながら出勤の準備をする。
この髪、裕ちゃんの薦めで短くしたけど…
夢の中のかわもち君と同じ…
- 40 名前:潮騒 投稿日:2002年08月23日(金)01時49分38秒
夢の話をしたくて遅刻魔の安倍とは思えないほど早めに楽屋入りする。
「おはようなっち、今日は早いやん」
中澤は娘。の楽屋じゃなく中澤の部屋に違和感なく入り込んだ安倍に声を掛けた。
「裕ちゃんおはよv早いっしょ」
得意満面で世界が落ちるほどの極上笑顔で安倍がこたえる。
「裕ちゃんにとっては普通やけどな」
「いいじゃん早いんだから…で・ね、裕ちゅん、裕ちゃん、あのね」
「ああ、なっち、何慌ててんの?落ち着いて話しぃや」
「だって、普通の時間なんでしょ…あまり、時間無いのかなって思って…」
「大丈夫や、まだ時間ある。大事な話やの?」
「そうじゃないんだけど…ぷぷっ」
思わず思い出し笑いが出てしまう。
- 41 名前:潮騒 投稿日:2002年08月23日(金)01時51分22秒
「ほんまに何やの…」
中澤もなっちの笑顔に吊られて可笑しさがこみ上げてくる。
「悪い話やないんやな…よかった…
最近、ちょっと落ち込んでるから楽しい話買ってでも笑いたいって気分やってん」
ああ、その気持ちわかる…なっちもそうだよ…でも、なっちは毎日見る夢で癒されてる…
中澤は目の前に立って話をしていたなっちの手を取り
自分の方へ引き寄せ背中から抱きしめる。
「ち・ちょっと、裕ちゃん!何してるの!」
「えっ、だって久しぶりやん…なっちの身体気持ちええなぁ…」
「ぅんもう…裕ちゃんエロいよ…」
- 42 名前:潮騒 投稿日:2002年08月23日(金)01時52分19秒
そう言いながら なっちは矢口のようにジタバタするのではなく大人しく抱きしめられている。
毎日、裕ちゃんの夢を見ている所為か
前にも増してなっちは中澤に対する愛おしさが大きくなっているのに自分でも驚いていた。
…なっち、話しに来たのに…ま、いっか
背中に感じる中澤の感触も捨てがたいが
顔が見たくて腕の中でもぞもぞ動いて向きを変える。
向きを変え顔の表情を覗き込もうとした瞬間、
中澤お得意の不意打ちのキスをホッペに受ける。
「ちょっ・裕ちゃん!いきな・・」
チュッ
- 43 名前:潮騒 投稿日:2002年08月23日(金)01時54分39秒
今度は本当に久しぶりに唇にキスされた。
もう一度怒ろうと思ったら中澤がいつもと様子が違う。
えっ?裕ちゃん?今にも泣きそうだよ…
泣かないで…
「泣かないで…裕ちゃん…」
今度はなっちから優しく労るようなキスを額に瞼に頬に
そして、唇に送る。
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月24日(土)07時25分52秒
- 続き期待〜
- 45 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年08月28日(水)01時50分29秒
- >>44 名無し読者さま
レスありがとうございます
期待に添えるかどうか・・・まっ頑張ります。
少し更新します。
- 46 名前:潮騒 投稿日:2002年08月28日(水)01時52分47秒
- 暫くの間、優しい時間が流れる…
「ごめんなぁ…」
なっちについ、あの人のように甘えてしまうなぁ
なっちはあの人と雰囲気がよう似てる…
アタシに守ってやらなと思わせる位可愛いのに、実はしっかりもので
年下のくせに弱いアタシを笑顔で支えてくれる。
夢の中のあの人。
21歳の時から繰り返し見る夢。まさかと思いながら行った海。あの海は確かにあった。
夢の話…なっちに話したいけど…したらアカンやろな…。
- 47 名前:潮騒 投稿日:2002年08月28日(水)01時53分39秒
コンコン。
「中澤さん、安倍さん、スタンバイお願いします。」
何も用意をしてなかった二人は慌てて準備をするのだった。
―――
―――――――
- 48 名前:潮騒 投稿日:2002年08月28日(水)01時54分33秒
―――― ザザザザ……
バシャン
「ああ、やっぱりお風呂は気持ちいいべさ〜」
今日も一日頑張ったべ…あとはベットに入って楽しみにしてる夢をみよう…
自分と裕ちゃん主人公の連ドラ観てるみたいで先が気になってるんだよね〜
- 49 名前:潮騒 投稿日:2002年08月28日(水)01時55分31秒
あれだよね
夢の中の裕ちゃんとかわもち君、私と裕ちゃん程歳離れてないみたい…4つぐらいかな…歳の差
最初、裕ちゃん、子守りさんかと思ってたら違ってた…んにゃ、半分当たってるか…家事手伝いだもんね
裕ちゃんはかわもち君の死んだお母さん方の親戚の子。
どうやら、お母さんにソックリだからかわもち君のお父さんの後妻にってことで家にいるみたいだけど
夢の中の裕ちゃんどうみてもまだ子供だべさ…
ああ、だからかわもち君のお父さんは大人になるの待ってるんだぁ…最愛の奥さんソックリだもんね
裕ちゃんはどうなんだろ後妻の話知ってるのかな…本人知らないみたいなんだけど…
単なる家の手伝いって言われて来てるみたいだべさ
裕ちゃんの実家なんかかわもち君ちに弱みがあるみたいだし…
うぅぅ、考えると観た事無い昼ドラのような設定だべさ…きになるぅぅぅ
早く、寝るべ!!
- 50 名前:潮騒 投稿日:2002年08月29日(木)00時17分57秒
―――― ザザザザ……
ああ、あんなに天気よかったのになぁ…
傘持ってくれば良かったなぁ…
あれ、かわもち君はどこ?
今、頭の中にかわもち君の声がっていうよりテレパシーみたいなのが響いた。
窓のガラスに映る姿で自分がかわもち君に同化している事が分かる。
ここは学校で今は放課後か回り誰もいないね…なっち、かわもち君の中なんだぁ…今日は
かわもち君大きくなってる…中学生ぐらいかな…
見えているのは校舎の窓から見える景色。
お天気は土砂降りの雨。
あれ?!
- 51 名前:潮騒 投稿日:2002年08月29日(木)00時18分51秒
校門の前で佇む人影。
遠くからでも分かる…少し猫背で華奢な身体。
ホントは今すぐ飛んでって「裕ちゃんvv」って抱きつきたいけど
ここは、かわもち君の世界。なっちの自由になんないべさ〜
なんて思っていたら身体がすごい勢いで走り出した。
速っ。なっち、こんな速さで走ったことないから目が回るべさ…
「裕ちゃん!!」
「あっ、ぼっちゃま」
なっちを見つけた裕ちゃんは花が咲いたみたいにパッと明るい笑顔になった。
- 52 名前:潮騒 投稿日:2002年08月29日(木)00時20分01秒
か・かわいい!!
こんな初々しい裕ちゃん、滅多に見られないよぉ…
そんな裕ちゃんを見てもかわもち君は何か少し怒ってる。
「裕ちゃん!ぼっちゃまは止めろって何時も言ってるだろ!それに迎えになんか来るなよ」
こんな土砂降りの中…オマエが濡れるだろ…
あぁあ、最後の部分もチャンと言わなきゃ…裕ちゃん誤解するべさ〜
ほ〜ら、やっぱり、裕ちゃん凹んでる
あっ!言葉悪いけどかわもち君手ぇ早い
言葉では憎まれ口を叩きながらそっと優しく肩を抱き雨で冷えた身体を温めてやる。
- 53 名前:潮騒 投稿日:2002年08月29日(木)00時21分24秒
ああ、なんかドキドキしてきた…
ってこれかわもち君の心臓だよね…
なっちがボーっとしてたら突然、唇に柔らかい感触を感じた。
現実では何回か経験があるから分かるけど…
裕ちゃんの唇の感触…
でも、今日は雨の味がした…
- 54 名前:潮騒 投稿日:2002年08月31日(土)18時03分47秒
なっちは楽屋で深くゆっくり深呼吸をしていた。
最近、夢の中でなっちは夢のなっちと完全に同化して
毎晩裕ちゃんと楽しい時間を過ごしてる。
沢山話して笑って
じゃれ合って楽しんで
触れ合って温もりを感じて
でも、現実では裕ちゃんに会ってない
夢とのギャップで胸の中にすっぱいものを詰め込んだみたいで苦しい…
こんなこと今までなかった…
夢があまりに楽しくて
現実はそうでなくて切なくなる。
もっと裕ちゃんと一緒の時間を持ちたい…
もっと裕ちゃんの声を聞いていたい…
もっと裕ちゃんの温もりを感じたい…
これって…やっぱり…あれだよね…まいったべさ…
そりゃずっと好きだったし、矢口と三人でじゃれ合いも楽しんでたけど
自分の中にこんな気持ちが隠れてたなんて
どうする?…どうしよう…告る?…駄目だ〜なっちには無理だべ?…想ってることに気がついてよ
変なとこに鋭いじゃない!!
はぁ〜
大きなため息がでる。
逆切れしても仕方が無い…
今はまだ夢の裕ちゃんで…
今日もまた、裕ちゃんのいない長くハードな一日が過ぎていく。
- 55 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月03日(火)01時44分57秒
- (・e・)ノ<ここまで読んだ…ラブラブ
- 56 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年09月04日(水)21時58分42秒
- >>55 名無し読者さま
読んで頂いてありがとうございます。
なっちの誕生日企画だった筈なのに気がつけばもう9月…
さっさとこの話も終わらせます。
- 57 名前:潮騒 投稿日:2002年09月04日(水)22時02分08秒
中澤裕子は一日の仕事を終え友達と食事をし、やっと家に帰ってきた。
暇な時間を持つといろいろ考えてしまう
だから、極力出かけるように自分で仕向けてきた
それでも一人になって想うこと…
なっち…
今どうしてる?
アンタは気付いてへんよなあ…前世の恋人は私やで…
前世の話なんて気付かんかったらこんな想いせぇへんかったのに…
なんでアタシは探してしまったんやろ…
緊張しぃのアタシがオーディションまで受けて入った世界
ここやったら絶対なっちに会えるって思ってたんや
会えたんは良かった…けど、アンタ、うんと年下で女の子やったから初めめっちゃムカついて
アンタ等が騒いだ時、怒ってしもた…せめて男で生まれてくれたら良かったのに…
でも、そんなん関係ないわ、アンタの笑顔、大好きや
- 58 名前:潮騒 投稿日:2002年09月04日(水)22時05分24秒
21歳のとき始めてみた夢。
夢の中では突然父親が多額の借金を残して他界した。
借金の肩代わりをしてくれた家へ家事手伝いに行くとなっちが居った…
なっちも母親を亡くしたばかりやのに…
見知らぬ土地、知らない人々に怯えてたアタシに太陽のような笑顔で走り寄ってきて
『あたち、なっちだよ。おねえたんは?』ってギュッと抱きつかれた。
なんかそれだけで、もう回りが怖くなくなったんや…初めから不思議な子やった…
最初、あんまり可愛ええから女の子やと思っとった…女の人の中で育った所為か女ことばやったし…
だから人見知りのアタシも心からホッとしたのかもしれん。
アタシ、なっちの腕の中で安心して笑ってた。
次に見たのは
夕焼けの砂浜でなっちが一心不乱に貝殻を集める姿。
ほのぼのした雰囲気に涙が出そうになる。
なんで…
波が寄せては返すように繰り返し見る夢。
泣きたくなる理由が解かってきた。
こんなに大好きなのに
こんなに会いたいのに
いまここにアナタがいない
- 59 名前:潮騒 投稿日:2002年09月04日(水)22時08分31秒
最後に見た夢は
なっちがアタシを罵倒して離れていく夢。
それでも好き。
会いたい…夢なのに…もう夢じゃなくなってた
夢の中の海を見つけたとき確信した…これは魂に刻まれた記憶
なっちもこの夢みててくれたらええのに…
そしたら素直に告れるやん…自分でもへタれやと思うわ
けど、やっぱキモいとかいわれるん怖いやん…
アタシはなっちがあの人やと確信してる…でも、なっちの反応がないから…
もしかしたらちゃうかもしれんと思うと告れんくなる…
何度も言いかけて…今の関係を壊したなくて…黙ってしまう…
ずっと長い間グダグダやってきたんやけどなんか最近雰囲気がちゃう…
なっちの誕生日あたりからや…21歳…アタシが夢に見たのもその頃…
- 60 名前:潮騒 投稿日:2002年09月04日(水)22時10分00秒
なっちもひょっとして夢見てる?
なっちに告ってもええ?
ハローのメンバーや矢口たちに言う『Like』の『好き』は簡単に言えるのに
心の底から沸き起こるホンマの気持ち、『Love』の『好き』は胸が苦しくてなかなか言葉にならない
でも、言わなこの苦しさはどうにもならへん…
もう、我慢も限界や
なっちとあの海に行こう…全部話をしよう…
そして、何度でも『好き』と言おう…
この気持ちが伝わるまで
了。
- 61 名前:潮騒(番外編) 投稿日:2002年09月04日(水)22時11分03秒
光の空間の中にポカンとドアが一つ。ドアのプレートには…
―――運命製造委員会―――
何だべ?これ?
何処へ行く宛も無いので取り合えずドアをノックする。
「いいよ。かってに入って」
部屋の主は男でも女でも無く
大人でも子供でもないって感じの人がコタツに入ってテレビを観ていた。
何見てるんだべ?ドラマ?
- 62 名前:潮騒(番外編) 投稿日:2002年09月04日(水)22時11分56秒
―――― ザザザザ……
「ぼっちゃま、そろそろ帰りましょう」
―――― ザザザザ……
「んと…もうしゅこし…もっとちれいな貝殻 さがしゅの…」
「もう、こんなにありますよ。」
「裕たん…その中にしゅきなのある?」
「えっ?」
―――― ザザザザ……
「なっちね、ちれいなのぜんぶあげゆ なっちね裕たんしゅきなの(●´―`)」
「(微笑)ありがとうございます…裕ちゃんもぼっちゃまのこと大好きですよ」
「うんvvじゃ、なっちと裕たん両おもいらね!
おおきくなったらなっちは裕たんのおよめさんになゆ!
なっちのことは『なっち』と呼んれね」
「クスっ。。かわええなぁ…ハイハイ、大きくなったらぼっちゃまをお嫁さんにしてあげます(笑)」
「だから、『ぼっちゃま』はいやなの!なっち!」
「ハイハイ『なっち』さま、おんぶしてあげますから帰りまひょ」
―――― ザザザザ……
あれ?これ身に覚えが…って、
- 63 名前:潮騒(番外編) 投稿日:2002年09月04日(水)22時12分53秒
- 「これなっちの過去だべさ!!」
「ん?そうだよ〜」
「どうしてそんなのあるんだべさ〜?」
「好きなのれす〜こんな悲恋もの。。。だから、ついこんな人生量産しちゃうのれす」
なんかムカついてきた
こいつ何者?何が悲恋ものだべさ!!
「ここは何?アンタ誰?〈怒〉」
「ああ、ごめんなさい。つい夢中になっちゃって。
ここは運命製造委員会。次の人生の設計をするとこなのれす。
ま、ののは管理人ってとこかな」
「じゃあ何、前の人生で裕ちゃんのこと誤解してあんな事言っちゃて
裕ちゃんとうまくいかなかったのってアンタの所為?!」
「い・いや、ま・そぅぃぅことかも…」
- 64 名前:潮騒(番外編) 投稿日:2002年09月04日(水)22時16分15秒
もう!!完全に切れた!
管理人の胸座を掴んで睨みつける。
「責任とってもらおうべさ!」
「あ・う…すいません。。。次は是非お好きなように…」
うん、それはいいかも…次こそは裕ちゃんとラブラブになるべさ〜
なっちは掴んでた手が緩み顔がニヤける。
「ところで裕ちゃんは もう、生まれてるの?」
「ああ、とっくに。京都の福知山で女の子として生まれのれす」
「じゃ、急がないと人生すれ違っちゃう!なっちも京都で男の子にして」
「ちょっと待っててほしいのれす。今在庫調べるから」
「在庫って何?」
「魂を入れる入れ物。肉体のことね。。。魂の型で入れるボディ違うから」
「魂の型?」
- 65 名前:潮騒(番外編) 投稿日:2002年09月04日(水)22時18分25秒
「そ、えっと、アナタはなっち型だから…あ!男の子は出払ってるぅ…
あの人に絡みそうなのはこの室蘭生まれの女の子だけだけど…どうします?」
「女の子?!だめだべさ!今度こそ裕ちゃんと幸せになるんだから」
「その点は大丈夫。あの人、性別には拘らないから…
ただこの人生に賭けるっていきこんで生まれていったから
今回の恋人が永遠の恋人になるんじゃないのれすかね?」
それってやばい…今回が勝負ってこと?
ええい、成るように成る。
「その子で頑張るよ…絶対、裕ちゃんとラブラブ幸せにしてよ!!」
「じゃ、決まりれすね。では、いってらっしゃい」
ああ…意識が遠退く…今度こそ裕ちゃんと…
- 66 名前:潮騒(番外編) 投稿日:2002年09月04日(水)22時20分20秒
さてさて、出発したのれすね。。。単純にいったら詰まらないれすよね…
ライバル送っとこ、ええっとこれこれ、矢口真里こいつがいいや!
…それに…もっとグタグダになるようにっと
後藤真希と石川梨香を送っとくとしよう…
何々、『注)石川には吉澤がセット』、じゃ仕方ないからこいつもっと
何かすごい人数になるぞ…何か面白くなりそう…
この人生、ライブで観たいなぁ…よっし、じゃ行きますか
じゃ、私の型に合ったのは…辻希美…
では、がんばっていきまっしょい
了。
- 67 名前:恋する気持ちは… 投稿日:2002年09月07日(土)15時05分59秒
「彼氏と呼べる人はここ数年いません」
「恋はいつもしています」
裕ちゃん、どういうこと?
他に好きな人がいるの?
なっちはその人の変わり?
なっちとの関係は何?
裕ちゃんのインタビューを観てて思いっきりブルーな気分になる。
やりきれない気分でクッションを抱えながらフローリングでゴロゴロ転がっていると
能天気なあの人からのコール音。
悔しいから不機嫌そうに電話にでてやる
- 68 名前:恋する気持ちは… 投稿日:2002年09月07日(土)15時08分36秒
「裕ちゃん、こんな時間に!遅いよ!」
「えぇえ!いつもと一緒ぐらいやん…それに、なっち起きてるしぃ…ええやん」
「んもう…」
何やカンや言ってもこの人には勝てない…惚れた弱みと言うより、いつも自分の気持ちに真っ直ぐ偽りのない子供のような人だから…ほら、よく言うじゃない、動物と子供には勝てないって…
「で、どうしたべさ?」
「ほら、此間、テレビで可愛いフライパン貰ったんよ、アタシが持ってるよりなっちに使ってもらったほうがフライパンも幸せかと思って…近いうちにうちに来ぃひん?」
「ああ、蓋が立つレミパンね…いいよ、明日仕事終わってから行ってよい?」
「ええよ、お泊まりの用意してきぃ…待ってるわ」
- 69 名前:恋する気持ちは… 投稿日:2002年09月07日(土)15時10分27秒
裕ちゃんちのお泊りは久しぶり…
ワクワクする気持ちの裏にモヤモヤと燻る不安…前と部屋の様子が変わってませんように
3ヶ月前に行った時は男の人の影は感じられなかった…
ハロプロの仕事で一緒の時もあるけど昔と違って知らない時間が増えた
知らない時間の長さがそのまま私の不安になっていく…最近、とっても綺麗になった…何かあった?
- 70 名前:恋する気持ちは… 投稿日:2002年09月07日(土)15時11分48秒
久しぶりに入ったその部屋は
やっぱり、裕ちゃんの匂いがした。
色んな小物が増えていたけど裕ちゃんが選んで揃えた物ばかり
「どうしたんや?早よ入りぃ」
「うん、ひさしぶりだからさぁ…緊張するんだべさ…」
「なん、裕ちゃんちが緊張するんか?アホやなぁ」
裕ちゃんがすっとなっちのとこに寄ってきて抱きしめられた。
「ホンマ、アホやなぁ…なに凹んでるん?」
「だって…ここ4、5年恋人はいないって…なっちは何?」
- 71 名前:恋する気持ちは… 投稿日:2002年09月07日(土)15時13分07秒
「ああ…あの会見…あれは彼氏はってことやん…アンタ彼氏違ゃうし…アンタと付き合ってるから
他に素敵な人見つからんのやで…なっちはあたしの大切な人や」
「ねぇ、それって恋人って言わない?」
「だから、アホや、会見で恋人います宣言してみぃ、今度は『誰ですか?』って攻められるんやで…ホンマのこと言うわけないやん」
裕ちゃんの言葉に会えなかった時に抱え込んだ不安や疑念が少しずつ溶けていくのを感じていた。
「けど、ついうっかり、本音が出そうになってな困った…」
「アレかな?『じゃ、デートもなんにもしてないの?』って聞かれて噴出した時?」
「そうや、なっちもアタシも忙しくてデートは出来ひんけど、突然会えた時は物凄く嬉しい…
それに…なにもしてへんわけや…ないし…」
「ん?」
「なぁ、今日は朝までずっと一緒におってな」
裕ちゃんの言いたい事、なっちが思ってたことだから恥ずかしくなって抱きついて火照ってきた顔を隠す。
- 72 名前:恋する気持ちは… 投稿日:2002年09月07日(土)15時14分47秒
恋する気持ち。
貴女に会ってからずっと恋してます。
いつも、会えなくても、結婚しても
恋はずっとしていたい。
貴女がいる限り。
そして、きっとずっと貴女に恋してる。
了。
- 73 名前:Silent・Eve 投稿日:2002年09月15日(日)02時06分02秒
- もうすぐ北海道には真っ白な粉雪が舞う季節になる
そんな寒い日も5年前全然気が付かないくらい暖かい腕の中にいたのに…
気持ちは今もあの頃に立ち止まって苦しい…
心が求める場所を思いだす…
「裕ちゃん、手、暖かいね…眠いの?」
「ん、そう?…なんかな…なっさぁん抱っこしてると安心するんや」
嬉しい…大好きな人に安心をあげられるの…そして私も
「なっちもだよ」
と呟いて裕ちゃんにしがみつく…ホントに暖かい
「ねぇ…裕ちゃん」
「なんや」
「来年も一緒にいられるかな?」
「何言ってんの、うちらはずっと一緒やで…それとも、なっさぁんは別れたくなったんか?」
その言葉に不安になって少し離れて顔を上げてみるとニタニタ笑う貴女…
「もぅ!変なこと言わないでよ〜」
裕ちゃんの胸をポカポカ叩いて甘く抗議してみるとギュと再び抱きしめてくれた
- 74 名前:Silent・Eve 投稿日:2002年09月15日(日)02時08分03秒
苦しい時も忙しい時でも二人で過ごした
身体はいつも一緒にいたのに貴女の心が違う方に向いていく
いくつも愛を重ねて貴女の心を引きよせても少しずつ確実に離れていくのに気がついた
「ねぇ、ねぇなっち、今年のクリスマス何が予定ある?」
「えっ?」
クリスマス…やっぱり裕ちゃんと過ごしたい…
「あのねぇ、裕ちゃんとも話したんだけどみんなでパーティしようよ」
!!
「ねぇ、それって裕ちゃんが言い出したの?」
「ううん、矢口がクリスマスしたいなぁ〜って呟いたら裕ちゃんが『ええよ』って」
なぜ?裕ちゃんはなっちと二人っきりで過ごしたくないの
「矢口さぁ…クリスマス大好きなんだよね。だから、やっぱ大好きな人たちと過ごしたいじゃん!」
矢口の気持ちは良く分かる…でも私は二人っきりで過ごしたかった
私が行かなかったら貴女、私の側にきてくれる?試す訳じゃないけど…賭けてみたい…
「ごめん、なっちは行けないや」
「ふ〜ん…そっか、残念だな…」
- 75 名前:Silent・Eve 投稿日:2002年09月15日(日)02時10分36秒
なんであんな事いったんだろう…あの時一緒にパーティに行っていたら今も一緒にいてくれただろうか…
こんな静かな夜に一人でいるのは辛すぎる
なぜ 今ここにあなたはいないの
クリスマスの日から裕ちゃんとまりっぺが急接近した
まりっぺ…そこは私の場所だよ
まりっぺは一つ年下だけどとても気が合う仲間だった
親友だった
好きな歌も好きな映画も好みが同じ…じゃ好きになる人も同じかも…予感はあった
さようならを決めたことは 決してあなたのためじゃない
- 76 名前:Silent・Eve 投稿日:2002年09月15日(日)02時12分18秒
裕ちゃんが離れていく…一緒にいても不安に心が揺れる…ずっと一番近くにいたいのに二人でいると苦しい
貴女もつらそう…もう私は貴女に安らぎを与えられない?
そんな二人が 悲しかったから…私から別れを告げた
「裕ちゃん、友達に戻ろうよ…なっちはそうしたい」
「?!…ええんか?なっちはそれで…」
「いいも、悪いもないよ…もともと二人は友達だべ…だから、これからもってこと」
精一杯の強がりでそう告げた
裕ちゃんは何か言いたそうに唇が少し動いたけど思い直したようにグッと言葉を飲み込んでいた。
自分で言ったことだけど“ともだち”でいるって難しい
まだこんなに好きなのに…裕ちゃんが好き…まりっぺも大好きな友達…
だから、二人のことは邪魔したりしないから
心で想うのだけは許してよ
- 77 名前:Silent・Eve 投稿日:2002年09月15日(日)02時13分34秒
本当は私でもやさしくなりたいと思ってるんや
けど私は、天使やないから上手くいかへん…ごめんやで
今も瞳をそらさずに私の目を見て話すあの子…
「ねぇ、裕ちゃんこの頃どうなの?ライブ内緒で観に行っちゃった よかったべさ〜」
「来てくれたんや…ありがとう…気付かんかった…めっちゃ上がってて客席見れへんの」
気付かんかった…矢口が大きく手を振ってくれたのに舞い上がってしまったんや…
なっち…私の心の一角に住む想い出はうるむけれど
夏が過ぎ秋が来て冬を越し春を迎える
繰り返し繰り返し移りゆく季節がページをめくる
あの日さようならを決めたことは
決してなっちが言い出したせいやない
ずっとなっちが上手く笑えなくなってるのに気付いとった
なっちの笑顔を壊してるんは私や…あのまま一緒に居ったら作り笑いも出来なくなる
そんなふうになってしまった私たちの関係が悲しかった…
- 78 名前:Silent・Eve 投稿日:2002年09月15日(日)02時16分22秒
あのクリスマスの日パーティに来なかったなっち…
あとで一人で過ごした事を知って愕然としたんや…
一人で飾った花、カードも自分から…
私を待って寂しく送ったと思うと居たたまれない…
無理して“ともだち”って微笑まんでええよ
泣いて私のこと責めればええんや…でも、それが出来ひん優しい子…
今も心に燻る思いはあるけれどもう一度付き合ったとしてもきっと同じことの繰り返しになる
時間をかけてやっとちゃんと笑えるようになったなっち…
好きやけど私はもうなっちの笑顔を壊したない…だからもう
だけどこんな寂しい夜はたまには貴女を想って泣かせてや
もう過ぎてしまったこやけど…もうありえんことやけど…
もう一度…
了。
- 79 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月15日(日)16時50分48秒
- いつも読ませていただいています。
「読者が逃げてしまった・・・」っていうのは、
レスがないからってことですか?
私は、口下手というか、文章を上手くかけなくて、
下手にレスすると、作者さんを傷つけてしまうんじゃないかと思って、
あまり書いたりしないんですが、これからは自分が感じた、
「寒太郎さん」へのファンレターを書こうと思います。
「寒太郎さん」の大ファンで、前のスレからずっと楽しみにしているんです。
次回作は、自分でも大好きな「やぐちゅー」ということで、
これも期待して楽しみにしていますので、
たくさん、「寒太郎さん」の作品をお願いします。
いままで、読むばかりでごめんなさい。
- 80 名前:中澤好き 投稿日:2002年09月15日(日)20時53分26秒
- 今日はじめて最後まで読んだけど、楽しいひとときを有難う。理想のモテ中澤
が読めて嬉し過ぎました。やぐちゅーでSFを、ニセ西部劇も好きですが、最
初の全員で中澤争奪とか、みんなに邪魔されるなっちゅーとか、結婚してもら
いたい矢口とか、すごい好きです。幸せでした。
もしリクエストが許されるなら、メロン×中澤を見てみたい…。
- 81 名前:レスありりがとうございます 投稿日:2002年09月19日(木)02時22分44秒
- >>79 名無し読者さま
励ましのお言葉ありがとうございます。
作者は裕ちゃん以上に小心者で時々こんな駄文は早く倉庫に送った方が・・・など考えてしまいます。
メール欄はそんな作者のぼやきで、申し訳ありません。
どうぞ、無理してレスを付けようとなさらず今までどおり読んで頂ければ幸です。
>>80 中澤好きさま
感想ありがとうございます。
メロン×中澤ですか・・・今回の話は登場人物が多くなりそうなのでひょっとしたら
絡ませることが出来るかもしれません。
次作「フォアグラよりお茶漬け」、少しだけUPします。
- 82 名前:フォアグラよりお茶漬け<プロローグ> 投稿日:2002年09月19日(木)02時29分01秒
今日は矢口は婚約者の裕ちゃんの引越しの手伝いをしている。
矢口と住むために広い部屋へ移るんだもんね
いままで半同棲していたこの部屋も悪くはないんだけどちょっと狭い。
裕ちゃんのことはもちろん、矢口の親にも紹介済みさ
結納とかは面倒だしお金の無駄だから省略しちゃったけどちゃんと
此間、裕ちゃんのお母さんと妹さんに紹介してもらった。
今、とっても幸せなのだ矢口は。
で、矢口の王子様は今何してるかというと…京都のお母さんと電話で話してて…困ってる?
「うん、うん、矢口と仲良くやってるよ…えっ?うぅぅ行かなあかん?…おかんから上手く言っといてぇな…
うっ…分かった…今度の休みに矢口連れてくわ」
電話を置いた裕ちゃんは難しい顔をしていた。
「裕ちゃん、どうしたの?」
「やぐちぃ〜…」
ゆ・裕ちゃん、どうしたの?今にも泣きそうな情けない顔をしてるよ!
「今度の連休におかんの田舎にいっしょ行って欲しいんやけど…」
「えっ?いいよ。親族紹介ってこと?」
「ていうか…ここで説明するより行けば分かるから」
なんか歯切れ悪いぞオイ、ユウコォおいらに何か隠してる?
- 83 名前:フォアグラよりお茶漬け<小見合いって?> 投稿日:2002年09月19日(木)17時43分51秒
裕ちゃんと初めて会ったのは「小見合いパーティ」。
小見合い…変なネーミングって思ったさ
主催者の話ではお見合いほど堅苦しくなく呑み屋の合コンよりお付き合いすることに真剣なって感じを出したかったんだそうだ…そこで受付のバイトをしてたら裕ちゃんがやってきた。
パーティ券の名前と出席表を確認するのが矢口の仕事。
中澤裕行…なかざわ…??…え〜と…ゆう…行楽のこうだから…ゆうこう?
「なかざわゆうこう様ですね、こちらへ」って言ったら裕ちゃんびっくりしてた。
「!!アンタよう読めたな?いつも、ひろゆきって間違えらるんで 今、構えとった」って素敵に笑ったんだ。
あの一瞬で惚れちゃったんだな…たぶん
- 84 名前:フォアグラよりお茶漬け<小見合いって?> 投稿日:2002年09月19日(木)17時45分54秒
受付の仕事が人段落ついたころ雇い主が矢口のところにやって来て
「パーティのご馳走食べていけば」って言ってくれた。
ご馳走を頬張りながら改めて参加者を観察してみる。
このパーティ結構レベル高いなぁ…
あの人開業医だっけ…でも、運動不足だねお腹に何か詰まってそうだよ…
あっちは大学の助教授…頭っま良さそう…あの頭将来は禿げるぞたぶん…
あそこで女の子に囲まれてるのは建築屋さんだ…一級設計士ってやっぱりもてるんだね
そうだ…裕ちゃんは…勝手に呼び名きめちゃった…どこかな…あの人も綺麗な人だから囲まれてる筈
っておもってたら…
裕ちゃんは他の人とは殆ど喋らずに隅の方で静かにビールを飲んでた。
女の子達が近づこうするとなんかギロッと睨んでる。
- 85 名前:フォアグラよりお茶漬け<小見合いって?> 投稿日:2002年09月19日(木)17時47分44秒
ああ、あれじゃ怖くて近寄れないじゃん…
お見合いパーティに来てどうして女の子にガン飛ばすかな…矢口がアドバイスしてあげようっと
「ねえ、裕ちゃん」あっ!ついさっき付けた呼び名で呼んじまった…
「ん?」でも、矢口にはガン飛ばさないぞ?なんか嬉しい
「裕ちゃん、裕ちゃんって呼んでいい?」
「いいも悪いも もう呼んでるやん…まあ、かまへんよ」
「ありがとう、わたし、矢口だよ。矢口って呼んでいいから」
「矢口か…アンタちっこくて可愛えぇなぁ…」
「裕ちゃん、矢口のことはどうでもいいよ!お見合いに来たんでしょ?女の子にガン飛ばしてどうすねのさぁ」
「えっ?ガンなんて飛ばしてへんで…人見知りなんや…昔っからなんか目つき悪いらしくよく先輩に呼び出されたんや…けど、そんなつもりないやで、ホンマ」
一生懸命弁解している裕ちゃん、何か滑稽で可愛かった。
- 86 名前:フォアグラよりお茶漬け<小見合いって?> 投稿日:2002年09月19日(木)17時50分36秒
「でも、そんなんじゃ彼女できないよ」
「べつにいいんや、『小見合いでもしてみなさいよ』って田舎の母が五月蝿いからちょっと知り合いに頼んで覗かせてもらってるだけやし…」
あれ…小見合いって…
「そう、『小見合い』って中澤のネーミングだよ、矢口君」
声を掛けられた方に振り向くと矢口の雇い主、バイトの上司が立っていた。
「中澤!どうだ、いい子いた?お前んちいろいろ五月蝿そうだからお前の為に旧家の令嬢いっぱい誘っておいたんだぞ。あっ受付の矢口君、こいつは大学時代の悪友だ、昔っから金儲けの天才だったけど女泣かせだったなあ」
「なに言ってるんや、もう、お前んとこの帳簿みてやらへんで…ったく、大学時代もその後もあんまりもてた記憶ないで」
- 87 名前:フォアグラよりお茶漬け<小見合いって?> 投稿日:2002年09月19日(木)17時51分38秒
裕ちゃんは不満そうに言っていたけど、バイトの上司は矢口に
「やつの周りの男はみんなやつに彼女取られたようなモンなんだ。中澤は知らないみたいだけどみんな中澤のルックスを見た後自分の彼氏を見ると幻滅するみたいで『わたし中澤君が好きなの』って別れるんだけど中澤のあの人を寄せ付けないオーラで告れないんだよな」
って耳打ちした。
お見合いパーティは大成功で終わり主催者も参加者も満足顔でお開きになった。
パーティの後、裕ちゃんが矢口の側に来て
「なぁ、このバイト単発なんやろ?うちの事務所でバイトしいひん?」
って誘われた…新手のナンパかぁ?って期待しちゃたけど、ホントに信用できるバイトの子探してたんだって
- 88 名前:フォアグラよりお茶漬け<平家みちよ> 投稿日:2002年09月21日(土)09時37分19秒
結局、矢口は裕ちゃんの事務所でバイトする事になって、それがきっかけで仲良くなったんだけど
短大の友達とかはなんでそんな年上でデートもまともにしてくれない忙しい人と付き合うことにしたのさって
いわれる。
でもね
会計事務所独立したばかりでお金なくても、
10歳も年上でおじさんでも、
仕事している裕ちゃん、カッコよかったんだもん…
外でデート出来なくたって
事務所で残業の裕ちゃんが矢口の作った夜食のお茶漬けを美味しそうに食べてくれる
それを見てるだけで幸せになれるんだよ
なんて、裕ちゃんの事を考えてたら待ち合わせの時間をとっくに過ぎてることに 今、気がついた。
- 89 名前:フォアグラよりお茶漬け<平家みちよ> 投稿日:2002年09月21日(土)09時38分26秒
今日は裕ちゃんのお母さんの田舎へ行く日。
東京駅で待つ合わせしている間にトリップしてしまった。
裕ちゃん遅い!
普段、自分で言ってるじゃん 「遅刻は絶対いかん!」って
ペナルティだね…来たら何してもらおうかな…
言うこと全部きいてもらうんだ…っていつも矢口のわがままきいてくれてるけどね
「やぐっちゃん、顔、にやけてるでぇ」
「あれ?みっちゃん?どうしてここに居るの?」
「裕ちゃんの代わり。『急な仕事で行けんくなった、ごめん、謝っといて』って言っとった」
「ええー!そりゃないよ!矢口初めて裕ちゃんの親戚の人に会うんだよ!」
「や、だから、ごめん、うちがちゃんと皆に紹介するから」
裕ちゃんと矢口の間に入ってオロオロしているこの人が気の毒になった
はぁ〜…悪いのはみっちゃんじゃないのに…困らせちゃった…
「みっちゃん、ホントにごめんなさい。悪いのは裕ちゃんなのに八つ当たりしちゃった」
- 90 名前:フォアグラよりお茶漬け<平家みちよ> 投稿日:2002年09月21日(土)09時39分46秒
二人で新幹線に乗り込んであれこれ思いを廻らす。
みっちゃんは平家みちよ。裕ちゃんより先に結婚してしまった妹。
今回の事でも解かるようにとっても人がいい。
此間会ってから仲良くなったんだみっちゃんとも裕ちゃんのお母さんとも…
二人ともとってもいい人だから矢口は嫁としてラッキーだよね。
嫁姑問題なんてぜったい起きないさ…
前に裕ちゃんの友達がいってた「お前んち五月蝿そうだから」っていうの当たってない…
ん?もしかしてこれから行く親戚関係が面倒なの?
恐る恐るみっちゃんに質問してみる。
「みっちゃん…これから行くとこって…怖い?」
みっちゃんの顔が急に強張り、ちょっとの間絶句して
思い直したように笑顔作っていう
「な・なぜそんな風におもうんや?自然がいっぱいでいいとこやで」
「じゃ、なくて、親戚の人たち怖い?ってきいてるの」
「う〜ん…ここで説明するより行けば分かるから」
みっちゃんもそういうか…ほんとこの兄妹は何かやっぱり隠してる?
- 91 名前:フォアグラよりお茶漬け<安倍なつみ> 投稿日:2002年09月22日(日)01時10分03秒
東京を出て半日は電車に乗っていた。
新幹線を降りローカル線に乗り換え今やっと目的の田舎の小さな駅に着いた。
もう薄暗い駅の周りには人影も疎らで寂しいロータリーの中に一際はえる黄色の改造軽乗用車。
あっ田舎によくいるなんちゃて暴走族…いるんだよなぁ何処にでも…
なんて思ってたら、運転席のドアが開き中から出てきたのは想像していたのとは全然違う可憐な少女。
「みっちゃん!こっち!」
「おお!なっち!迎えにきてくれたんや」
「この子が裕ちゃんの?」
「そう。裕ちゃんの婚約者、矢口真里さん」
「よろしく、私、安倍なつみ。みっちゃん達の従兄弟だべさ」
「あっよろしくお願いします。矢口真里です。」
- 92 名前:フォアグラよりお茶漬け<安倍なつみ> 投稿日:2002年09月22日(日)01時16分28秒
なんだ心配して損しちゃった…親戚の人もいい人じゃん…素朴でさ…
こんないい笑顔する人に悪い人はいないって
でも、改造車だ…人は見かけによらないのかなぁ…
改造車の件はすぐにわかった。
この道じゃ仕方がない。
大変細く急な坂道を延々登っていくのだ。
普通の軽では馬力がたらない。
4駆ではこの道幅きっといまごろ転落している。
曲がりくねった山道をこの軽自動車は凄いスピードで走っていく。
信用できないジェットコースターのようで怖い。
そんな中でも慣れているのか相当疲れているのか みっちやんは平気で寝ている。
- 93 名前:フォアグラよりお茶漬け<安倍なつみ> 投稿日:2002年09月22日(日)01時20分20秒
「なつみさん、まだ、遠いの?」
「もう少しだべ。矢口さん呼び方、なっちでいいべさ〜」
「やぐちも、やぐちでいいよ。真里っぺって呼ぶ友達もいるけど…どっちでもいいから」
「呼び捨てもなんなんで、真里っぺでいいべか?」
歳が近い所為か天使のような笑顔の所為かなっちは話易い…
あのふたりが話せないことなっちなら話してくれるかな?
話し掛けようと顔をあげると大きな鳥居が目の前に迫ってくる。
車は躊躇することなくそのままのスピードで其処を通過し山に向かって突進すると思ったら
突然トンネルが現れた。
トンネルだ…トンネルって異次元空間を繋ぐ入り口ってイメージだよね…特にここのはそんな感じ…
なっちは平気で突っ込んでくなぁ…お化けとか妖怪とか出ませんように…
- 94 名前:フォアグラよりお茶漬け<安倍家にて> 投稿日:2002年09月23日(月)01時43分35秒
目的の村に着いたのはもうとっぷりと日が暮れてしまっていた。
なっちの家では家族が、山の中とは思えない位の海の幸山の幸のご馳走で大歓迎してくれた。
もう、満腹で動けなくて、それでもあれやこれや世話をやいてくれる。
そんな流れで親戚が写っているからって家族のアルバムを見せてもらうとその中に
裕ちゃんと仲良く写るなっちの写真が沢山あった。
じゃれ合いながら裕ちゃんに抱きついてるなっち。
酔っ払った裕ちゃんから一升瓶を取り上げようと苦労しているなっち。
そして、
カレーでも食べてたのかスプーンを片手になっちのホッペにキスしてる写真に目がとまる。
写真の中のなっちは照れくさそうだけど嬉しそう…
その写真に釘付けなのになっちが気がついて聞こえないくらい小さな声で
「私たちいとこ同士だから…」と寂しそうに微笑んだ
ああ、なっちも裕ちゃんのことが好きだったんだ…
- 95 名前:フォアグラよりお茶漬け<安倍家にて> 投稿日:2002年09月23日(月)01時45分27秒
複雑な想いでなっちをみるとそんなこと何でもないよって笑顔で話す。
「村の人たちはさぁ早く休んじゃうから紹介は明日するべ」
「そうやな…とくに年寄りは夜が早いから…」
「やぐっちゃん、疲れたやろ?今日はゆっくり休みぃ」
その夜はさすがに疲れて泥のように何も考えずに寝てしまった。
- 96 名前:フォアグラよりお茶漬け<安倍家にて> 投稿日:2002年09月23日(月)01時47分22秒
翌日、早く寝るとさすがに起きるのも早くなる。
顔を洗い、庭に出て山の空気を胸いっぱいに吸い込んでいたらなっちが横に並んで同じようにしていた。
「どうだべ、此処の空気美味いべ?」
「うん、上等だよね。胸が綺麗になる気がする」
「…裕ちゃんさ…なっちの初恋の人だったんだ…」
「うん、写真見てそうかなって…」
「真里っぺこれから大変だべさ」
「えっ?」
「裕ちゃんから何も聞いてないべか?」
ひょっとして裕ちゃんが隠してる事聞けるかも…
- 97 名前:フォアグラよりお茶漬け<安倍家にて> 投稿日:2002年09月23日(月)01時48分19秒
「何の事?」
「言っていいべか?でも、真里っぺ知ってた方がきっといいべ…うん
あのね、うちの一族、神降ろしの一族でちょっと他のとこと変わってるかも」
「神降ろし?」
「イタコや巫女みたいなことしてるべさ。一族の能力が高くて公に出来ないけど昔から政治の中枢にくい込んで歴史を動かしてきたみたい。今もいろいろやってるから本家の資産って凄いよ」
「どうして、本家の資産が関係あるの?」
「だって、裕ちゃん一族で200年ぶりの男性なんだべさ」
「えっ?」
「ホントに全然聞いてないんだ…一族の長老は裕ちゃんを寺田一族の長にするつもりだべさ」
寺田一族の長???聞いてないよ…
- 98 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月23日(月)10時56分22秒
- 面白いです。
- 99 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年09月23日(月)23時10分02秒
- >>98 名無し読者さま
レスありがとうございます。
更新します。
- 100 名前:フォアグラよりお茶漬け<寺田一族> 投稿日:2002年09月23日(月)23時12分08秒
こんなに何も教えてもらってなかったことに腹が立った。
八つ当たりだとは思うけど
みっちゃんを捕まえて色々聞き出す。
なっちが言うように寺田一族は神憑り的な能力を大なり小なり持っているらしいが
男神に捧げた一族であるため女の子しか生まれなかった。
だから寺田だとか中澤だとか安倍とか、一族の苗字がてんでバラバラである。
過去たまに生まれる男の子は神の化身として奉られてきた。
中澤の母は若い頃 、そんな一族の存在とか生活が疎ましく反発して村を飛び出した人である。
それに中澤家は分家も分家で末端の方なので まさか男の子が生まれるとは思わなかったらしい。
親としては生まれてきた子供は普通に育てたかった。
男の子が生まれたと解かると一族に取り上げられると心配した中澤の両親が付けた名前が「ゆうこう」。
聞き様によっては「ゆうこ」に聞こえ女の子と思わせることが出来ると…
中澤の父が生きてる間は何とか誤魔化せたが父親の死は家族に色んな変化をもたらせた。
まず、母親が変わった。
- 101 名前:フォアグラよりお茶漬け<寺田一族> 投稿日:2002年09月23日(月)23時13分20秒
一族の力によって最愛の夫の声を聞くことが出来ると一族の存在を否定できなくなり和解した。
しかし、中澤はその頃はすでに自我が確立していて自分を神扱いして奉るなんて冗談じゃない。自分は人を愛し愛されたい一人の人間であると考えていて、中澤は一族の中で暮らす事は出来なかった。
そして、これからもするつもりがない。
一族の方はなんとか村に定住させようと色々画策してくるのでここ数年、村から遠ざかっていた。
でも、今回は人生の大事な儀式の一つ結婚である長老に認めさせないとどんな事となるか…
一族の力は本物なのだからと。
ここまでがみっちゃんから聞いた話。
- 102 名前:フォアグラよりお茶漬け<寺田一族> 投稿日:2002年09月23日(月)23時14分39秒
「これから、長老に会いに行くんけど、冷静でいてや。」
「じつは長老ね、真里っぺの対抗馬になるように一族の中から結婚相手を数人候補として選んでるべさ」
「やっぱり…裕ちゃん、言ったとおりや…一昨日の夢見でそのことみたらしいんや。それで今いろいろ準備してる」
「そんなこと、聞いてないよ〜〈怒〉ユウコーはどうして教えてくれなかったのさ!!」
「裕ちゃんのこと諦める?」
「………」
そんなこと出来ないよ(鬱)…一日離れただけなのにもうこんなに寂しくなってる…矢口はもう裕ちゃん無しでは生きていけないことちゃんと分かってるよ…でも、何で裕ちゃんから連絡来ないのさ…携帯圏外だし…
声聞きたいよ(半泣)
「この村電話無いから」
??
「あっごめん。心の声に答えちゃったべさ」
!!!
- 103 名前:フォアグラよりお茶漬け<寺田一族> 投稿日:2002年09月23日(月)23時16分34秒
「なっち!テレパシスト?!」
「似てるかな…なっちの力は『拾心』。でも、能力弱くて…とっても気持ちが強い人の心の叫びがちょっと聞こえる程度だべさ」
「今も矢口の心 分かる?」
「ううん、分からないべさ。さっきは裕ちゃんへの気持ちで溢れてたっしょ…
ホントに裕ちゃんのこと好きなんだべ…安心した…なっちは真里っぺを応援してるから」
心を読まれたことに少し抵抗を感じたけど疑問の方がいっぱい…
「ねえ、裕ちゃんの能力は?」
「ん?ああ、さっきもちょっと言った思うんやけど『夢見』。予知夢みたいなもんや。夢か予知夢か分からんって本人言ってるけどな」
「みっちゃんは?」
「笑わんといてや」
ん?なっちはすでに声を殺してお腹をかかえてる?
- 104 名前:フォアグラよりお茶漬け<寺田一族> 投稿日:2002年09月23日(月)23時20分00秒
「うちの力は『座敷童のいたずら』や」
みっちゃんは真っ赤になって俯いたまま何も言わなくなった。
なっちが笑いを堪えながら説明してくれる。
「移動術の一種だべさ。でも、自分の意志に関係なく物が動くし移動する物も小石とか虫とかちょっとした物だけだから…子供のいたずらみたいでそう呼ぶべさ」
何故かいつも何も無かったとこで躓いたり転んだりしていたみっちゃんの姿が思い出されて
ああ、あれは自分で移動した小石に躓いてたんだって分かると可笑しさが込み上げてきた
つい、笑いを堪えきれなくなって なっちと声をあげて笑う。
キャハハハハハハ…
「もう、知らん…」
あっ拗ねちゃった…ごめんね
息を整えて努めて真面目に言う。
「超能力あることだけでもすごいと思うんだけど…それに能力関係なくみっちゃんいい人だよ」
みっちゃんの機嫌が少しなおった。よかったって…もう全快かよ
「そうやろ!うん、うちは能力無くても人間的にできてるんや」
ああ、つい調子に乗っちゃうとこ裕ちゃんそっくりだよ…やっぱ兄妹だね
- 105 名前:フォアグラよりお茶漬け<長老邸> 投稿日:2002年09月25日(水)00時38分20秒
長老の屋敷に向かう道すがら村民に何回も声を掛けられたことか…
この村での裕ちゃんの地位を感じさせる…
偉い人だから崇めてるって感じじゃなく本当に慕われてるって感じ
なんか、矢口まで嬉しくなってしまう。
なっちの家も決して小さくは無かったが
それとは比べ物にならない位大きな屋敷の前まできた。
敷地内に神社が併設してある。
そこの庭掃除をしていた巫女のひとりがなっちに駆け寄ってきた。
「安倍さん、安倍さん」
「あ、まこっちゃん どうしたべ?」
「あのですね『向こうの挨拶終わったらこっちにも寄ってね』って飯田さんが言ってました」
「うん、わかったべさ、じゃまたあとでね」
- 106 名前:フォアグラよりお茶漬け<長老邸> 投稿日:2002年09月25日(水)00時40分04秒
なっちは再び矢口たちの方に向き直り
神社とは別棟の大きなお屋敷に向かう。
そして屋敷の客間に通されて三人は暫く長老の来るのを待っていたら
眉毛のしっかりした童女がお茶を持ってきた
「おはようございます。安倍さん、皆さま…お茶どうぞ」
「あ、お豆ちゃん、えらいべさ。こんな朝早くから手伝いにきて」
「あれ?この子だれ?」
「ああ、そうだべね…みっちゃんも、真里っぺも初対面だべさ…この子は長老の孫で新垣まめ…じゃなかった
新垣里沙ちゃん。とってもいい子だべさ」
なっちがベタ褒めするので照れて逃げるように部屋から出て行った。
「あっ、お豆ちゃんに真里っぺとみっちゃん紹介してあげようとおもったのに…」
- 107 名前:フォアグラよりお茶漬け<長老邸> 投稿日:2002年09月25日(水)00時41分16秒
「いらっしゃいませ、その人が中澤さんの彼女ですか?」
「石川?石川やないの なんで此処におるん?」
「平家さん、もうすぐこのチャミー石川がお姉さんになりますよ」
「「ええ、それはまだ決まってないじゃないですか」」
「あれ?柴田に松浦?あんたら何してるん?」
「みっちゃん、この三人が長老公認の花嫁候補だべさ」
「「「各派閥代表で〜す」」」
「『朝』派代表、石川梨華です」「『瓜』派代表、柴田あゆみです」「『独』派代表、松浦亜弥です」
同時に喋んなよ…何とか聞き分けたけど…『朝』派『瓜』派『独』派って?
とにかく、自己紹介っと…
「矢口真里です」
「長老は?」
「今日はいませんよ。腰痛めて湯治場ですから」
みっちゃんはさっきから頭を抱えて絶句している。
そうだよね、こんな三人がお姉さんなんて頭痛もんだよね…
でも、みつちゃん、大丈夫だよ矢口頑張るから
- 108 名前:フォアグラよりお茶漬け<飯田圭織〜高橋愛> 投稿日:2002年09月28日(土)01時03分50秒
長老の家でライバルたちの顔を見た…
矢口より若い子ばっかりそれにかなり可愛い…やっぱり裕ちゃんも若い子がいいのかな…
裕ちゃんのこと信じてるけど不安だよ…矢口のどこを好きになってくれたの?
「凹むことないっしょ。裕ちゃんは大丈夫だべさ」
「そうや、妹のうちからみても裕ちゃんはやぐっちゃんにベタ惚れやから」
「ありがとう」
「さっ圭織が待ってるから神殿いくべ」
神殿に入っていくと板の間を巫女の格好をした三人の少女たちが雑巾がけをしていた。
「あ、安倍さん!」
「やった!雑巾がけから開放される!」
「だめっしょ!あなた達はここに修行にきてるのよ。いい、今、この空が青いのも日の光が暖かいのも全て関係があるんだから。そもそも…」
「ああ!かお!圭織!矢口連れて来たんだから!お説教切り上げて!」
今までお説教していた綺麗な女性が矢口の方に向き直ると今まで怒られていた少女達は今がチャンスとばかりに神殿から逃げ出した。
「ちょ・ちょっとまちなさ〜い!!辻!加護!紺野!!」
- 109 名前:フォアグラよりお茶漬け<飯田圭織〜高橋愛> 投稿日:2002年09月28日(土)01時06分58秒
「ごめんねぇ忙しいのに…」
「はぁはぁ…なっちは悪くないよ、カオが来て欲しかったんだから」
「そうだね。じゃ、紹介するね。裕ちゃんの婚約者の矢口真里さん。」
「矢口真里です」
「こっちが飯田圭織。なっちの幼馴染だべさ。此処の一番の巫女だべさ」
「圭織ってよんでね。矢口さん元気ないみたい…ちょっと手かして」
矢口が返事をする前に手を取られていた。
- 110 名前:フォアグラよりお茶漬け<飯田圭織〜高橋愛> 投稿日:2002年09月28日(土)01時08分09秒
うわっ!何これ…
頭の中いっぱいに矢口の好きな裕ちゃんの笑顔が広がる。
裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ
裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ
矢口の心は嬉しさの反面切なさがこみ上げてきた
「ご、ごめん…カオの力で真里さんの見たいもの見せて、元気付けたかったのに泣かせちゃった…」
えっ?矢口泣いてた?
頬を拭う手の甲に湿り気があった
あの裕ちゃんは『カオの力』?
「あの…いま、頭の中に映像が浮かんだのだけど…それが飯田さんの力なの?」
「ああ、圭織に『願望映像化』してもらったんだ…すごいっしょ、めっちゃリアルだもんね」
「うん、すごかった…」矢口の見たい裕ちゃんそのものだったもん…ああ、はやく会いたいな…
「ところで圭織、なんで各派は花嫁候補出してきたん?『朝』派代表の石川はアンタが推してるんか?」
「まさか、圭織は裕ちゃんの味方だよ。石川は長老の保田ばあちゃんのお気に入りだもん」
「それについて私から。」あれ、どっから出てきたんだ?
- 111 名前:フォアグラよりお茶漬け<飯田圭織〜高橋愛> 投稿日:2002年09月28日(土)01時09分40秒
「長老の保田のばあちゃんは、先日、亀の甲占いで『澤』の字が石の上に乗っかるのを見たのだそうです
…そしてですね、『瓜』派の柴田さんはですね、
メロン果樹園の期待を一身に背負っての出馬です。
メロン果樹園経営危機だそうです。
村田さんが事業拡大のため手を出した株が暴落したのが響いてるみたいで
このままだとハワイのココナッツ農園との業務提携も危ういとかで
なんとしても一族の資産と力が必要みたいです。
『独』派は各派が候補を立ててるので対抗意識から無理やり候補を立てたみたいです。
以上ラブリーがお届けしました。」
おいっオマエは何モンだよ…自分の紹介していけよ
- 112 名前:ななし 投稿日:2002年09月29日(日)00時07分10秒
- お、おもしろい(^^)
以前の板の時から読んでました。
頑張ってくださいね。
- 113 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年10月01日(火)18時14分30秒
- 面白いです!
今後の展開を激しく楽しみにしてます。
- 114 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年10月02日(水)23時34分42秒
- >>112 ななし 様
前の話も読んでくださったんですね
ありがとうございます。
>>113 読んでる人@ヤグヲタ 様
レスありがとうございます。
>今後の展開を激しく楽しみにしてます
今後もノンビリだらだらと進めていきます。
よかったらこの先もお付き合いください。
更新します。
- 115 名前:フォアグラよりお茶漬け<メロン果樹園> 投稿日:2002年10月02日(水)23時37分39秒
矢口がこの村に来てから数日が過ぎた。
この村は外部との接触が殆ど無いらしい
ここと外の世界を繋ぐのはあのトンネル一本。一種変わった空間である。
この閉ざされたような空間…ちょっと異様だよなぁ
あぁあ…こんなに裕ちゃんに会ってないのは今まで無いよ…
会えない日もメールとかあったし、寝る前には必ず声を聞いていたのに…
うぅぅぅぅ矢口の中に裕ちゃんが足りないよ!!
何かしてないと禁断症状で矢口壊れちゃうよ…
そうだ!みっちゃんとなっちに協力してもらって
いろいろ事態の打開を図ろう
まずは相談、相談。
「他の花嫁候補に辞退して貰おう」とみっちゃんが言う。
結局それしか思いつかない。
まずは行動あるのみ。
各派のリーダーに殴り込みだ!…じゃなかった交渉、交渉だ…ことは穏便に。
『朝』派のリーダーは圭織だけど…石川を推してるのが保田のばあちゃんじゃ湯治から帰ってくるまで話にならないじゃん。まずは、他の候補から…
- 116 名前:フォアグラよりお茶漬け<メロン果樹園> 投稿日:2002年10月02日(水)23時38分53秒
『瓜』派の拠点、メロン果樹園に来てみると何やら言い争っている。
「めぐちゃん、どうして柴ちゃんが候補なの!絶対斉藤の方がいいって!このセクシーボディで中澤さんを一発で悩殺してみせるって」
「ダメだよ瞳ちゃん。矢口さん、見たでしょ。アレが中澤さんの好みだとするとセクシーよりスレンダーがいいんだよ。。ってことで雅男にしよう!」
「二人とも勝手なこと言わないの!この果樹園の未来が掛かってるんだっちゃ…それに中澤さんの好みは…ロリ…だっちゃ…たぶん…だから一番若い柴ちゃんでいいの」
何か何気に酷いこと言われてる気が…
でも、ここで怯んではいられない
「あの…」「〈怒〉裕ちゃんはロリコンじゃないべ!!」
えっ?
「「「うわぁ!あ・安倍さん、矢口さん(焦)」」」「なっち!いつ来たの?」
「ずっと 真里っぺの後にいたべさ!なっちが話し掛けても全然気がつかなくてさぁ 裕ちゃんのことでも考えてたんだべ?」
うっ図星だよ…
- 117 名前:フォアグラよりお茶漬け<メロン果樹園> 投稿日:2002年10月02日(水)23時41分39秒
- 話題を変えよう(焦)
「あの…」
「話戻すけど、裕ちゃんはロリコンじゃないべさ」
「安倍さん、その根拠はどこからくるんですか?」
なっちは急に赤くなったと思ったら消えそうな声で何かいっている…どうしたの?
「・・・そんなこと言えるわけねえべ…なっちのこと好きって言ってくれたんだべさ…なっちはどっからみても大人でセクシーな女性だべ…間違ってもお子様好きじゃねぇべさぁ…」
- 118 名前:フォアグラよりお茶漬け<メロン果樹園> 投稿日:2002年10月02日(水)23時42分47秒
「なにやってるんや…」
「あっみっちゃんも来てくれたんだ」
「へ・平家さん!」
「よっ、村田。アンタ等に1こ貸しあったよなぁ…」
「はい!ここの収穫物、有名デパートで高級フルーツとして販売できるのは平家さんのお陰です」
「じゃ、話は早いね、花嫁候補取り下げて」
「いや…でも…ちょっと、経営が…」
「分かってるがな、その辺はまかせときぃ。経営の相談は裕ちゃんにしたらええねん。うちがまた新しい仕事とってきたる」
「分かりました。じゃ、柴ちゃん説得してくださいね」
「えっ?あんたが無理矢理、柴ちゃんたてたんやないの?」
「違いますよ、柴ちゃん『裕ちゃんにプロポーズされたことあるんだから。だから婚約者は私』って」
!!
裕ちゃん!どういうこと…(泣)
一気に気分が滅入ってくる。。。。。。。
- 119 名前:フォアグラよりお茶漬け<メロン果樹園> 投稿日:2002年10月02日(水)23時43分44秒
あ、柴ちゃんだ…
「あっ柴っちゃん、こっち、こっち」
「何?めぐちゃん」
「裕ちゃんにプロポーズされたんだよね?」
「うん、『かわええなぁ、大きくなったら裕ちゃんのお嫁さんにならへん?』って」
大きくなったら?
「ねぇ…それっていつの話?」
「七歳の七五三の時」
お〜い!柴ちゃんそれ本気にしたの?
まだ、信じてるの?
- 120 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年10月03日(木)21時48分14秒
- なっちが言った、裕ちゃんがロリじゃないっていう根拠に笑いました(w
- 121 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年10月08日(火)23時27分32秒
- >>120 読んでる人@ヤグヲタ様
感想付くと本当にうれしいです。
ありがとうございます。
すこし更新。
- 122 名前:フォアグラよりお茶漬け<稲葉貴子> 投稿日:2002年10月08日(火)23時28分51秒
よかった…柴ちゃんは何とか納得してくれたし…
でも、みっちゃん結構やり手だったんだ…ごめんなさい、矢口ずっと誤解してたよ。
あの後メロンか果樹園で矢口の歓迎会をしてくれた。
次から次に珍しいおいしい果物が振舞われる。
メロン果樹園の人たちの能力は『緑手』『甘実』『芳潤』『新鮮』で
村田さんが土を触るとアッと言う間に植物が育ち
斉藤さんが手をかざすとイイ薫りが辺りに広がり果実は美味しそうに色づいた。
あまり美味しそうなので矢口が思わずそれを取って食べると
耳の前の頬が強張るくらいすっぱかった。
あわてて大谷さんがその実に触るととたんに甘くなった。
地方に出荷する時は柴田さんが梱包すると鮮度が長く保たれるそうだ。
この4人は果樹園をやるのにとっても恵まれた能力を持ってんじゃん…
地道にこの道でやっていけるよ
- 123 名前:フォアグラよりお茶漬け<稲葉貴子> 投稿日:2002年10月08日(火)23時34分50秒
お腹いっぱい果物をご馳走になってそろそろ引き上げようとしていたら
アフロヘアの女の人が凄い勢いでやってきた。
「村田〜!ちょっと話があんねん…!!…みっちゃんらも居ったんや…」
「あっちゃん、うちらが居ったらアカンのですか?ひょっとして『瓜』派を買収しに来はったんやない?」
「うっ…痛いとこ突いてくんなぁ…ってことは先こされたんか…あちゃ…この稲葉さんともあろうことが…」
「へん、うちかていつまでも負け犬やありませんで!今日から誰もうちのこと『へタレみちよ』と呼ばせませんで」
「アカンかったか…しゃあない…あとは松浦に期待するか…」
「みっちゃん!稲葉さんの機嫌を損ねちゃだめだべさ!」
このアフロの人は『独』派のリーダーらしい。
平家は大切な事思い出したようにハッとした。
みっちゃん、前言撤回…ホントなにやってんだか…
- 124 名前:フォアグラよりお茶漬け<稲葉貴子> 投稿日:2002年10月08日(火)23時36分59秒
「ああ、なっちも来とったんや。小っこいから見えんかったって…
もっと小っこいのが居るやん、アンタか裕ちゃんの婚約者っちゅうんは。
でも、うちの子は負けへんで!押しの強いの選んだんやから…
『独』派ずっと外様扱いで肩身の狭い思いしてきたんや、
この下克上のチャンスを棒にふるわけにはいかんのや。
なっ『瓜』派の皆さんもそうやろ?」
アフロの人の言葉に村田さんはビクッと反応したけど
なっちがギロッとひと睨みしたら存在が消えるぐらいに小さくなってしまった。
なっち…怖っ…普段穏やかな人ほど切れると恐ろしいって実感…
「こうなっちゃ、帰って松浦に裕ちゃんを落とす技を仕込まな…じゃまたな」
アフロの人は来た時と同じように怒涛のように去っていった。
- 125 名前:フォアグラよりお茶漬け<最後の晩餐?> 投稿日:2002年10月09日(水)13時51分28秒
今日はいよいよ長老の『保田ばあちゃん』に会えるらしい。
さっきお豆ちゃんが手紙を持ってきてくれた。
真っ白の封筒の中身は…
―――――――――――――
§§ 招待状 §§
本日、午後6時より長老邸にて晩餐会を行ないます。
ここで、中澤様の花嫁が決まります。
各派から推薦頂いた娘が一番候補ですが他の方々にもチャンスがあります。
館主は全ての人を歓迎いたしますので恐れずおこしください。
尚、本日は正装でおこしくださいますようお願いいたします。
主催
寺田一族長老職 保田 圭
―――――――――――――
な・ななんだ!これは!!〈怒〉
- 126 名前:フォアグラよりお茶漬け<最後の晩餐?> 投稿日:2002年10月09日(水)13時57分08秒
「みっちゃ〜ん!これ見て」
「どうしたん…あちゃぁ…一族側も強硬手段に出よったんや…」
「どうしよう、みっちゃん…(半泣)」
「大丈夫やて、裕ちゃんのこともっと信じたりぃよ。矢口が婚約者やん。堂々と晩餐会行って長老に言ってやろ
『裕ちゃんの花嫁は矢口です』って」
裕ちゃん…早く矢口の側にきてよ…へタレじゃなくてもヘタリそうだよ…
「真里っぺ!そんな情けない顔してちゃダメだべ!なっちの分まで頑張ってくれなくっちゃ!」
!!…なっちは裕ちゃんのこと諦めて矢口を応援してくれてるんだった…
「そうだよね。矢口が諦めちゃいけないよね。うん!もう、大丈夫だよ!」
「よかったべさ〜。なっち、これから晩餐会の招待客を駅に迎えにいかなくっちゃなんないべさ…
一緒にいてあげられないけど頑張って」
「大丈夫や、この平家さんが付いとる」
「二人ともありがとう」
「したっけねー、なっち行ってくるべさ〜」
「さ、うち等も衣装の準備せんと…」
「ああ!矢口、ドレスなんてもってないよ!」
ホント…どうしよう…
- 127 名前:フォアグラよりお茶漬け<ブトウカイ???> 投稿日:2002年10月09日(水)21時14分16秒
ほんとにこんな服でいいのかな…
結局、なっちのおかあさんに頼んで貸してもらった
「真里ちゃんは…やっぱり、マリーだけにこれかな」って
なっちのお母さんの感覚ってわっかんな〜い??
でも、なんでこんなの持ってるの?
長老邸に行くとすでに沢山の人が…
みんなすごい格好で驚き
矢口のこの格好もマシな方じゃん…
「ねぇ、みっちゃんは仮装パーティだって分かってたの?」
「えっ、パーティっていったら仮装やん」
- 128 名前:フォアグラよりお茶漬け<ブトウカイ???> 投稿日:2002年10月09日(水)21時16分14秒
アマデウスのような格好のみっちゃんにエスコートされた矢口の衣装はまんま、マリーアントワネット。
恥ずかしいのとコルセットで動きにくいので大広間の隅っこで皆んなの様子を観察してみる。
女系の一族ってだけに若い女の子で会場はいっぱいである。
男装してきた背の高い女の子に人気が集まってる…
あ、飯田さんのとこで見た辻ちゃん、加護ちゃんに紺ちゃんだ…
飯田さんは…いつもと一緒で巫女さんの格好か…モデルさんみたいに背が高いからパリコレの服なんて似合いそうなのに…何、叫んでんだろ…
飯田さんの声に集中して聞いてみる
「辻、加護、紺野!アンタ達ねぇ何の為に修行にきてるの?そんなんじゃ圭織親御さんに顔向けできないっしょ
あなた達の能力『宇宙の胃袋』は飽食の日本だからいいけど世界の飢餓地域では大変なことになるんだから
それこそ地球滅亡、宇宙の危機になるのよ!だから、ちゃんと食のコントロールが出来るまで絶食っていったっしょ!10日間の断食修行、1度ぐらい成功させなさいよ!!」
そう言いきると飯田さんは三人を引き摺るように連れて行ってしまった。
- 129 名前:フォアグラよりお茶漬け<ブトウカイ???> 投稿日:2002年10月09日(水)21時17分09秒
そのあと荘厳な音楽と共にモナリザのような格好の高齢のご夫人が…うぇっ…失礼
ご婦人の微笑みは強烈に会場の皆んなにヒットしたようであちこちで隠れるように嗚咽が聞こえる
「お集まりの皆さんようこそお出でくださいました。
さあ、ブトウカイを始めます。勝者には裕ちゃんが与えられます。
では皆さん頑張ってください」
???
彼方此方で能力合戦が始まる。
舞踏会…???
!!
武闘会!!
- 130 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年10月10日(木)15時00分45秒
- 能力合戦!?
矢口は、どーするんだ!?
- 131 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年10月12日(土)01時17分16秒
- >>130 読んでる人@ヤグヲタ 様
突っ込みありがとうございます。
ちょっと変なとこで切ってしまったんでそんな感じになってしまいました。
やぐっちゅーですって宣言してたのに全然裕ちゃん出せない・・・
この話ももうすぐ終わります。
呆れずにお付き合いください。
- 132 名前:フォアグラよりお茶漬け<ブトウカイ???> 投稿日:2002年10月12日(土)01時19分16秒
能力の高い人たちのところに沢山の人が集まっている。
みんな力が出せる初めのうちに強敵を倒してしまおうと思っているみたいで
一族じゃない矢口としてはこの展開は助かる。
それでも、ちょっと目が合っちゃったりしてやってきた人には
矢口の秘儀―――…『小っちゃくなる』を
…なんて技があるわけない
矢口が無事でいられるのはメロンのみんなやみっちゃんのお陰。
メロンのみんなが矢口の前に植物のバリケードを作ってくれて
その前に裕ちゃんの身内のみっちゃんが立ってるので
さすがに攻撃して裕ちゃんの身内に嫌われたい人はいない。
そして、矢口と同じように戦いを避けて空中に浮いている人がいる。
- 133 名前:フォアグラよりお茶漬け<ブトウカイ???> 投稿日:2002年10月12日(土)01時20分44秒
「すごい!みっちゃん、あの人!」
「ああ、吉澤、よっしぃ〜やね。彼女の力は『浮遊』。あんまり長時間はできないみたいやけど3分ぐらいは可能やで」
「それから、あの子、ラブリーって言ってた子の周りでどんどん人が沈むように倒れてくよ」
「彼女は高橋愛、『ナマリ』の力を使ってるんや」
「『訛り』の力?」
「そや、相手の身体に鉛を入れ込んだように重くなるんや。っていうより重くなったと感じさせるんや」
「ああ『鉛』の力ね」
矢口は一族の人たちの能力をサーカスを鑑賞するように楽しんだ。
結局、最後まで残ったのは
石川さん、松浦さんを含む数人。
こうなるとさすがに逃げおおせない。
「矢口さん…」
松浦さんの流し目が…矢口、なんかグデグデになりそうなんだけど…
裕ちゃん!たすけてぇ…
- 134 名前:フォアグラよりお茶漬け<ブトウカイ???> 投稿日:2002年10月12日(土)01時26分13秒
「オレの矢口に手ぇ出さんといて!」
あっ!vv裕ちゃんvv!
本物の裕ちゃんであることを確かめるために
思いっきり抱きついた。
裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ
裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ裕ちゃんだ
裕ちゃんをチャンと見たいのに目が霞んでる…
出会ってから今まで何事もなく過ごしてきた…当たり前の幸せ…
でも、今回離れてみて思う
自分でもこんなに裕ちゃんを求めてたなんて…
会いたかったよ…
- 135 名前:フォアグラよりお茶漬け<ブトウカイ???> 投稿日:2002年10月12日(土)01時28分28秒
ずっと待っていた暖かい腕の中で矢口は大きな安心感に包まれながら裕ちゃんが喋るのを聞いていた。
「みんなにも言っとく。オレの矢口やから。矢口に手え出すヤツは覚悟しときぃ」
裕ちゃんの迫力に大広間で意識のある人たちはもう何もいえなくなっていた。
あの保田のばあちゃんさえ。
矢口はもう裕ちゃんしか見ていない。
裕ちゃんも矢口を見つめてる。
そして、ふたりの顔がドンドン近づきそっと目を閉じる…
久しぶりのキス…を阻まれた
ズッシ〜ィン!!
凄い物音に振り向くと石川さんは空中から落ちてきた吉澤さんの下敷きになっていた。
「うぐっ…痛っっったぁぁぁい!!」
「いや〜〜梨華ちゃんがクッションになってくれて助かったよ」
「もう!ひとみちゃん重い!退いてよ!!」
「保田ばあちゃんの予言、あたったべさ〜」
- 136 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年10月12日(土)16時01分21秒
- お、久々に裕ちゃん登場!
でも随分と唐突に現れましたね・・・ホンモノ?
- 137 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年10月16日(水)22時29分06秒
- >>136 読んでる人@ヤグヲタさま
毎度ありがとうございます。
この話はヤグ視点なので勢い裕ちゃん突然現れたような気がするだけで・・・
めいっぱい言い訳です。。。
話も終わりなので裕ちゃん出しとかないと・・・ってことで
エピローグへ。
このあと
番外編を2本ほど書きたいなと思っているんですがどうなるか
全く別のハロモニネタやラジオネタもやりたいし・・・
兎に角、本編仕上げます。
- 138 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時30分54秒
矢口は何が何やら分からないうちに
裕ちゃんの新居に帰ってきた。
新しい部屋の匂い新しい家具、新しいソファー座って新聞を読む裕ちゃんに寄りかかる。
落ち着かない筈の新しい部屋も裕ちゃんがいるだけで心地いい空間に変わる。
あの時…
裕ちゃんが来ただけで問題が簡単に収束した。
裕ちゃんが連れてきた鳩を型に乗せた少年…
彼を見ただけで石川さんの周りの空気が暖かくなり、
石川さんの攻撃で凍えて固まった人たちに赤みが差して復活していた。
裕ちゃんが『ごっちん』と呼ぶその少年が石川さんの側により何か話すと彼女は真っ赤になり急に大人しくなった。
- 139 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時31分58秒
そして、松浦さんと彼女の隣に居たもう一人の少女に裕ちゃんが手紙を渡して
「よかったな」って。
そしたら、彼女達「キャー!」と喜びの奇声を上げると大広間から勢いよく去っていき、
その後を稲葉さんが慌てて追っていった。
どういうこと??
極めつけは『長』候補が裕ちゃんから『よっすぃー』と呼ばれてる男装の麗人に代わったこと…なぜ??
裕ちゃんが保田のおばあちゃんに「吉澤の診断書や」って茶封筒を渡したら
よっすぃーは保田のおばあちゃんと裕ちゃんに何か言い含められたように
どこか不安気な表情で
「みんなが自分でよければ…中澤さん、ちゃんとフォローしてくださいよ」
って言ってた。
- 140 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時33分40秒
一族のことは口出ししたくないのだけど
聞いても良いよね?
分からない事を分からないままにしとくの気持ち悪いじゃん…
「ねぇ、裕ちゃん」
「ん?なん?」
「どうしてよっすぃーが『長』候補になったの?」
「個人的なことやしな…矢口だけやったらええか…吉澤のな性染色体XXYなんや」
「??」
「秋の健康診断で吉澤、引っ掛かったや
再検査で最新の遺伝子検査もやったんや将来的な病気もわかるらしいで
それで出た結果が吉澤は男でもあり女でもあるってことや」
「??」
「男であることだけで俺は長にされようとしてたんやで
やったら、吉澤にもその資格あるし実際村に住んでるんやから適任や」
- 141 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時35分10秒
「そうだね…じゃ、松浦さん達に何渡したの?」
「あん?…ああアン時のか…オーディションの合格通知や」
「オーディション?」
「そや、松浦と藤本はアイドルになりたいんやと。あの村、連絡手段が乏しいんで裕ちゃんとこの住所使って応募してたんやな…で、勢い後見人なってしもた…花嫁レースに出たのも冷やかしやしな」
そうだよ、あの候補たち真剣みたんなかったモン…
ホントに裕ちゃんと、って思ってたの矢口だけって感じたから…
だから何がなんでも負けられないって…
あ、でも石川さんは少し裕ちゃんに気がありそうだったけど
どうして『ごっちん』とああなったんだろ…
「ごっちんと石川さん付き合ってたの?」
「ああ、付き合いまではまだや、ずっと伝書鳩で文通してたみたいやけど、
その伝書鳩が迷子になってな
で、お互い自然消滅してしもたと思ったんやな…
そこを裕ちゃんがやな
迷子鳩を探し出しいの、ごっちん探して説得しいの大変やったやで…そこんとこストーリーにして欲しいワ
でもまあ、これも矢口と一緒になる為やってオカンの予知夢で分かってたし…」
あれ?オカンの予知夢?
- 142 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時40分01秒
「裕ちゃん…裕ちゃんの能力が『夢見』なんじゃないの?」
「誰から聞ぃたん?」
「みっちゃん…」
「ああ、そっか…裕ちゃんの力は『増幅器』なんや…
えーっとつまりな自分ひとりじゃ能力ないのと同じやけど
少しでも力持ってる人にシンクロするとその人の能力を増幅してしてしまうんや…
オカンは流石親子やからしょっちゅうシンクロしてしまって
特に寝てる時なんか無意識やろ離れてても同じ夢見んのや。
このこと、みっちやんには内緒やで。
みっちゃんが大ドジした時な、大抵シンクロしてしまった時や」
- 143 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時41分15秒
「どんな人でもシンクロできるの?」
「いいや、お互い好きやないとな、肉親愛や友情、恋愛の好きってやつがないとダメや。」
「裕ちゃんが力使ったら大きな力になるんでしょ?」
「そや、まかり間違って石川と一緒になってら寒さ倍増、氷河期がくるで」
「ああ、石川さんの力、冷やす事なんだ…」
「矢口も力もってるやん」
「えっ?」
「周りにいるひとを幸せな気分にする力や」
裕ちゃんが矢口のことをギュっと抱きしめてくれる…それだけで矢口は幸せな気分…
「ほら、幸せな空気が広がってるやん…それだけで裕ちゃんもめっちゃ幸せや!」
矢口も!ほら、裕ちゃんの『増幅器』の力?どんどん幸せな気分になってくよ!!
グ〜…
- 144 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時42分29秒
「幸せな気分でも腹は減るもんやな…」
「何か作ろうか?保田のおばあちゃんからもらったフォアグラがあるよソテーして食べよっか?」
「それより、いつもの矢口のお茶漬けずっと食べたかったんや」
そんなんでいいのか…あっそうだ
「ところで保田のおばあちゃんの能力は『占い』?」
「占いは趣味や。あんまり当たらん」
保田ばあちゃんの能力は?
- 145 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時43分21秒
「保田ばあちゃんの能力は・・」
- 146 名前:フォアグラよりお茶漬け<エピローグ> 投稿日:2002年10月16日(水)22時44分10秒
「長生き」
了。
- 147 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年10月17日(木)13時42分37秒
- 脱稿お疲れ様でした。
オチの保田のおばあちゃんの能力に笑いました。
- 148 名前:竜之介 投稿日:2002年10月20日(日)22時12分33秒
- 赤板の頃からの追っかけ(笑)です!
初レスでキンチョーしちゃってますが、いつも楽しませていただいている
御礼を!!と。 本当に更新されていると嬉しいです♪
毎回お話のジャンル・世界(って言うんですかね?)が変わっていて
最高に素敵!です♪
これからの番外編・ラジオネタ・ハロモニネタの裕ちゃんも
とっても・とっても楽しみにお待ちしております!!
- 149 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年10月22日(火)23時51分11秒
- >>147 読んでる人@ヤグヲタ様
いつもレス頂きありがとうございます。
圭ちゃんちょっとmyブームで。
>>148 竜之介様
初レス、ありがとうございます。
ずっと読んでてくださったんですね。嬉しいです。
では、更新。
本編でやぐっちゅー宣言しときながら殆ど裕ちゃんを出せなかったので
番外編は裕ちゃん視点で。
- 150 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子犬とじゃれるの好きなんです> 投稿日:2002年10月22日(火)23時52分34秒
新しい部屋、新しい家具。
引っ越したてで落ち着かない筈の空間も
今、矢口を腕に抱いてソファにもたれていると幸せを実感する。
「ねえ、裕ちゃん」
「ん?なに」
「裕ちゃんって一目惚れしか信じないんでしょ?」
「そうや…」
「じゃ、矢口の第一印象は?」
「ちっこいなぁって…」
ドシッ
「痛っ…頭突きすることないやん…」
ホンマは一目惚れや…でも十も年上のオジサンが初対面でそんなこと思ってたって知ったらキショいんちゃう?
- 151 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子犬とじゃれるの好きなんです> 投稿日:2002年10月22日(火)23時54分10秒
初めて会った『小見合いパーティ』。
ハナッからあんたしか目に入ってなかった…
あの時のことがPLAYBACKする。
ああ、どないしょ
どないして声掛けたらええんやろ…
いつもは美味しく咽を通るビールも味がしない。
オカンの予知夢のとおりや
夢は声聞けんかったけど
――― なかざわゆうこう様ですね、こちらへ
可愛い声してるんや…
それに一発でオレの名前読みよった…可愛いだけやないやん、結構賢そうやし
ごっつうタイプのコなんやけど…
緊張する〜…緊張したらアカン、いつもこれで失敗すんねん…
緊張すると怖い顔になんねん、女の子にはいつも怖がられっぱなしや
笑顔、笑顔…―――…って無理やぁぁ!!
あれ?あのコ何処いったんや…受付に居らんやん…か・帰ったんか?
追っかけなあ!
- 152 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子犬とじゃれるの好きなんです> 投稿日:2002年10月22日(火)23時56分16秒
うわっ!なんで、ここに居るんや
振り向いたとこにあのコが居った。
「ねえ、裕ちゃん」
なあ、あんたオレのこと怖ないんか?
オレ、ちゃんと笑ってるか?
「ん?」
「裕ちゃん、裕ちゃんって呼んでいい?」
裕ちゃんか…そう呼んでくれるんか?
オレの近くにきてくれるんや…
「いいも悪いも もう呼んでるやん…まあ、かまへんよ」
「ありがとう、わたし、矢口だよ。矢口って呼んでいいから」
矢口…下の名前も知りたいんやけど…会ったばっかやし聞けへんよなぁ…
ああ…可愛えぇなぁ…
「矢口か…アンタちっこくて可愛えぇなぁ…」
あっアカン…つい本音が出てしもた…
- 153 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子犬とじゃれるの好きなんです> 投稿日:2002年10月22日(火)23時59分02秒
「裕ちゃん、矢口のことはどうでもいいよ!お見合いに来たんでしょ?女の子にガン飛ばしてどうすねのさぁ」
矢口の事考えてたとこ、ずっと見られてたんや…なんや恥ずかしい…一目惚れしたってバレたんやろか?
「えっ?ガンなんて飛ばしてへんで…人見知りなんや…昔っからなんか目つき悪いらしくよく先輩に呼び出されたんや…けど、そんなつもりないやで、ホンマ」
「でも、そんなんじゃ彼女できないよ」
「べつにいいんや、『小見合いでもしてみなさいよ』って田舎の母が五月蝿いからちょっと知り合いに頼んで覗かせてもらってるだけやし…」
ああ…もう、なに喋ってんやろ…オカンの話なんてあかんやん…マザコンやって思われるやろ…
どないしょ…あああ…
- 154 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子犬とじゃれるの好きなんです> 投稿日:2002年10月23日(水)00時00分08秒
「中澤!どうだ、いい子いた?お前んちいろいろ五月蝿そうだからお前の為に旧家の令嬢いっぱい誘っておいたんだぞ。あっ受付の矢口君、こいつは大学時代の悪友だ、昔っから金儲けの天才だったけど女泣かせだったなあ」
お!山田。助かった…もう、どないしたらええんか分からんのや
お前と漫才して場繋ぎや
「なに言ってるんや、もう、お前んとこの帳簿みてやらへんで…ったく、大学時代もその後もあんまりもてた記憶ないで」
おい!山田!矢口に近づきすぎや!
おいこら!何、耳打ちしてるんや、裕ちゃんの悪口やないやろな?
オレの矢口に手え出すなや…『オレの』は気が早いか…
でも、早く次の約束取り付けないと…
やっとの思いで掛けた言葉。
「なぁ、このバイト単発なんやろ?うちの事務所でバイトしいひん?」
- 155 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子犬とじゃれるの好きなんです> 投稿日:2002年10月23日(水)00時01分27秒
今から思うと間抜けな愛の告白やな
なあ、矢口…あんた、一目で人を虜にする魅力持ってんねんで
そんな、無邪気に笑わんといて
あ、最近は無邪気とちゃうわ…確信犯や。
裕ちゃんは一生アンタに囚われ続けるんやな…それって結構幸せやな。
了。
- 156 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子兎で遊ぶのも好きなんです> 投稿日:2002年10月24日(木)23時47分14秒
「ねえ裕ちゃん、裕ちゃんって一目惚れしか信じないんでしょ?」
「ん?なに」
「じゃ、初恋も一目惚れ?」
「そうや…初恋の話、聞きたいんか?」
「うん!ねえねえ、初恋はいつ?写真ある?」
「教えん!」
「矢口の知ってる人なんでしょ?だから教えたくないんだ!!」
そうや、これからも付き合いある子やからな知らんでいいことは知らんでいいんや!
- 157 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子兎で遊ぶのも好きなんです> 投稿日:2002年10月24日(木)23時48分26秒
一目惚れ…
初めてやったから、初めは分からんかった…
空っぽの笑顔。
いや、まだ世の中の感情の渦を知らない
相手に何も求めない与えるだけの天使の笑顔。
心臓の真ん中にズシンと響く感じ。
初めて会ったのは小学生の時。
朝起きるとオカンが旅行の用意をしていた。
オカンの田舎に死んだ父ちゃんに会いに行くのだと…
死んだ父ちゃんにどうやったら会えるんだ?子供心に不思議だった。
行った村も不思議な感じで初めは怖かった。
村の人たちの大歓迎も怖かった。
- 158 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子兎で遊ぶのも好きなんです> 投稿日:2002年10月24日(木)23時50分17秒
長老の保田ばあちゃんに挨拶に行くと
そこには生まれたばかりの圭織となっちが
一般でいうところの『お宮参り』、一族では『顔見せ』でやって来ていた。
一族の『顔見せ』は長老に生まれた子を見てもらいその長年の経験からその子の能力を見立ててもらうのである。
赤ちゃんは二人とも目鼻立ちがハッキリしていてとても可愛かった。
村の人たちはそんなふたりを競うように抱っこする。
特に圭織は彼女の持つ『願望映像化』の力をすでに発揮していたのでみんな彼女を抱っこしたがった。
もちろん、オカンも圭織を抱っこするために、
死んだ父ちゃんを見せてもらうためにここに来たのだから、長老宅で彼女に会うとすぐに抱っこさせてもらっていた。
オレは一緒にいたもう一人の赤ちゃん、なっちから目が離せないでいた。
「裕ちゃん、従兄弟のなつみよ。抱っこしてみる?」
安倍の叔母さんが声を掛けてくれるまで固まっていたらしい。
コクンと頷いてなっちを抱っこする。
- 159 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子兎で遊ぶのも好きなんです> 投稿日:2002年10月24日(木)23時51分22秒
至近距離の笑顔。
空っぽの笑顔。
いや、まだ世の中の感情の渦を知らない
相手に何も求めない与えるだけの天使の笑顔。
心臓の真ん中にズシンと響く感じ。
なんや、この感じ?なんか変や…心がむず痒い感じ…嫌や
「叔母さん、もうええ。返す」
初めての感情が怖くて手の中の暖かいものを返してしまって
あとでずっと後悔した。
- 160 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子兎で遊ぶのも好きなんです> 投稿日:2002年10月24日(木)23時52分21秒
次に会ったのは就職して2年経ち纏まった休みが取れるようになったころ
村で大きな祭りがあり、保田ばあちゃんに呼び出しをくらった。
祭りの主宰に勝手にされ、オカンの説得もありどうしても行かなくてはならなかった。
田舎の小さな駅。
安倍の叔父さんと一緒に迎えにきてくれた少女。
あの時と同じ笑顔。空っぽの笑顔。
もう、色々経験しただろうに、まるでまだ世の中の感情の渦を知らないような
相手に何も求めない与えるだけの天使の笑顔。
再び心臓の真ん中にズシンと響く感じ。
ああ、あの時の赤ちゃんや
なっち…
この感情が何か今はわかる…八つも年下のコに心が囚われてしまってたんや
この気持ち伝えたい…伝えてもかまへん?
このときはあんな事になるとは思わんかったんや
なっちの能力も知らんかったし。
- 161 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子兎で遊ぶのも好きなんです> 投稿日:2002年10月24日(木)23時53分16秒
祭りの期間中、なっちをずっと側において色んな話をした。
むちゃくちゃ可愛いのに面白い事をして笑かしてくれる。
祭りの最終日の夜、
村で一番美しい場所
降るような星で満たされた野原の真ん中
なっちの秘密の場所。
「ここね、なっちの宝物なの。裕ちゃん大好きだから教えてあげる」
また、あの笑顔。
ああ、もう言ってしまいたい…いうぞ
「なっち…」
「裕ちゃん?」
「なっち…好きや」
「えっ?」
「ホンマに好きなんや」
なっちの大きな瞳から涙がこぼれる。
えっあっしまった泣かしてしもた…
「ごめん、ごめんやで…こんなオジサンは嫌やったな…ごめん忘れて」
なっちが服の袖を付かんで
今までとは違う笑顔。
暖かいふわっとした天使の笑顔。
「ちがう!うれしいの!なっちも好き!大好き!!」
嬉しくなってなっちを抱きしめキスをする。
心がなっちでいっぱいになる…ふたりの気持ちが重なる…
- 162 名前:フォアグラよりお茶漬け<番外編・子兎で遊ぶのも好きなんです> 投稿日:2002年10月24日(木)23時54分07秒
突然、なっちの力が暴走する。
大勢の人の心の声をいっぺんに拾い混乱し始めるなっち。
訳がわからなくなる。
とうとう、なっちは気絶してしまった。
慌てて、保田ばあちゃんのところへなっちを抱きかかえて運んだ。
なっちの能力『拾心』と中澤の能力『増幅機』、相性が悪かった。
ふたりは心に封印をし、ただの仲の良い従兄弟に…。
好きだけでは一緒になれない…
いまでも、なっちの笑顔は心臓の真ん中にズシンと響く。
了。
- 163 名前:昼下がりの打ち合わせ 投稿日:2002年11月02日(土)01時59分46秒
ここは郊外のファミリーレストラン。
店の中ではいつもの常連主婦達が今日もどうでもいい話に盛り上がっているようで
じつは全然話がかみ合ってないような…。
其の奥の席にはこんな店には不似合いのハイソな中年女性が深くため息をついている。
はぁ〜…
あの日、綾小路様とご一緒にここへ来なければこんな苦しい思いもしなかったでしょうに…
あのかわいい店員さんは今日はお休みなのかしら
ここに居られるのもあと少しだわ…それまでに来てくれないかしら…
なんてことを考えてわざわざ毎日通ってきているのである。
- 164 名前:昼下がりの打ち合わせ 投稿日:2002年11月02日(土)02時02分39秒
―――… カランカラン
入ってきた新顔に常連客たちは一応品定めしようと入り口の方に注目する。
一同は入ってきた客の顔を見て一瞬ざわめいた
あのシロガネーゼにソックリでみんなコソコソ話はじめた。
入ってきた方は落ち着いて店員を呼ぶ。
「すいません…どなたかいらっしゃいませんか」
「いらっしゃいませ、店長のオスカル飯田です。」
「ディレクターの山田さんって方お出でどすか?」
「山田様ですねまだいらしてませんが、ご予約いただいてます。どうぞこちらのテーブルへ」
暫くして、慌しく駆け込んだ男性が京言葉をしゃべる女性のテーブルに着いた。
- 165 名前:昼下がりの打ち合わせ 投稿日:2002年11月02日(土)02時05分02秒
- 「はんなり〜裕子さんですね。はじめまして、ディレクターの山田といいます。すいませんわざわざこんな郊外での打ち合わせになりまして。僕の掛け持ちの仕事、ロケがこの近くだったんですよ」
「裕子どす。はじめまして」
「コメンテーターの話、急な事なのに受けていただいてありがとうございます」
「いえ…それでどす、モーニング娘の石川さんにお会いできるんですか?一度お会いしてみたい」
「石川さんですか…メインキャスターですから、確実に会えます。」
「それは楽しみどすなぁ〜…あ・保田圭さんにもお会いしたいんですけど…」
「それは、今検討中なのでどうなるかまだ分かりませんが、出来るだけ善処します」
- 166 名前:昼下がりの打ち合わせ 投稿日:2002年11月02日(土)02時08分03秒
- 「ところで、前のお方はどうなさいはったんどす?あの噂はほんとうどすか?」
「前の方…ああ中澤セリーヌさん…(共演のミニマム矢口さんと駆け落ちなんて言えないよな)
ちょっと忙しくなったらしくコメンテーターの仕事が出来なくなったんです。」
「はぁ〜 そうどすか…」
気に入った子をお持ちかえり出来るんだと内心喜んでいた裕子だったが
今日のディレクターの説明で一気にテンションが落ちるのだった。
つづけ
了。
- 167 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年11月02日(土)16時05分02秒
- なんかワラタ(w
- 168 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年11月08日(金)23時51分03秒
- >>167 読んでる人@ヤグヲタさま
いつも、レスありがとうございます。
>なんかワラタ(w
そういって頂けるとありがたい。
新作は暫く先になりそうなので繋ぎ話で更新。
- 169 名前:『企画会議』 投稿日:2002年11月08日(金)23時54分56秒
「次回のハロモニ。は何にしましょうか?」
「前回好評だった写真大会はどうです?」
「ああ、前回、一番のヒットは矢口さんの撮った中澤さんの写真ですよね」
「あの『やぐちぃ〜大丈夫?』ってとろけそうな笑顔の中澤さんの表情は矢口さんしか見れないと思ってましたから美味しかったですねぇ〜」
「僕は安倍さんのヤキモチやくとこ見てみたいんですが…」
「と、いうことは安倍さんと矢口さんを対決させようってことですね」
「あまり露骨なことやると中澤さん切れますよ」
「分からないように吉澤さんと高橋さんを混ぜましょう」
「カメラ位置がここですから手前から…この並びでいいですね」
「これでバッチリ3人のカット入ります」
「チャンとこの『裏シナリオ』どおり行くでしょうか?」
「大丈夫ですって絶対いいもの撮れますよ」
- 170 名前:『企画会議』 投稿日:2002年11月08日(金)23時56分11秒
「う〜ん…矢口さんのいい写真もみたいね…」
「中澤さんに撮って貰いたいくらいですが…娘。の対決ですからねぇ…」
「何かいい考えはないかね?」
ポンと一人のスタッフが手を叩く
「ビックリ箱の中に中澤さんの写真を入れるのってどうです?
矢口さん、きっと箱にはゴキブリのオモチャが入っていると思ってるでしょう
ところが箱の中身は大好きな人の写真。絶対いい顔 撮れますって」
「これも対戦形式ですね…
カモフラージュに『ダルマさんが…』のメンバーみんな被写体になってもらいましょう」
「でも、矢口さんはちゃんと中澤さんの写真の入った箱を選んでくれるでしょうか…」
「その辺も大丈夫。初めに箱選ぶのは年功序列だろうから矢口さんの目の前に箱を置いとけば人間心理から
自分に一番近いもの選ぶ筈です。安倍さんはプロ意識の高い人ですから目の前のっていうより、よりテレビに映る回数の多い、当たりビックリ箱を引く筈ですから」
今回も企画会議は『やぐちゅらー』の思惑通り進むのだった。
- 171 名前:『企画会議』 投稿日:2002年11月08日(金)23時56分57秒
―――――
――――――――
- 172 名前:『企画会議』 投稿日:2002年11月08日(金)23時57分57秒
「裕ちゃん、ちょっと来て」
テレビ収録の後、圭坊と圭織に連れて行かれた。
なんか非常にいや〜な空気が流れてるんですけど…
誰もいない使われていない楽屋の中、二人を目の前にただひたすら気まずい空気に耐えている中澤裕子。
問題は
番組の写真対決。『だるまさんが…』やな
確かにアレは自分でも悪かったと反省してますって
「裕ちゃん、こんなもの拾ったんだけど…」
中澤裕子の目の前には『裏シナリオ』が…
ハロモニ。スタッフの幸運を祈る。
了。
- 173 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年11月09日(土)18時31分36秒
- リニューアル後のハロモニは
やぐちゅーヲタを萌えさせる要素が盛りだくさんですね。
全部スタッフが狙ってやっていたとしたら凄い(w
- 174 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年11月19日(火)00時15分48秒
- >>173 読んでる人@ヤグヲタさま
レスありがとうございます。
>全部スタッフが狙ってやっていたとしたら凄い(w
いや、狙ってるって、スタッフの中に絶対やぐちゅーヲタいますって
倉庫に行かないようにコネタ更新。
- 175 名前:中澤裕子仔犬を飼う 投稿日:2002年11月19日(火)00時16分55秒
- 「やぐっつぁん、よかったねv」と久しぶり会ったごっつぁんが言う。
「何のことだぁ?」
「えぇえ?やぐっつぁん、裕ちゃんのラジオ聞いてないの?」
「えっ?ラジオ?聞いてるよぉ!此間なんてタクシーの運転手さんに頼んで裕ちゃんのラジオに変えてもらったぐらいちゃんと聞いてるサ」
「じゃ、聞いたよね、裕ちゃん仔犬飼いたいって言ってたじゃん、あれやぐっちゃんのことでしょ?」
「はぁ?」
ごっつぁんは何言ってんだ?裕子は仔犬って言ったんだぞ!矢口のどこが仔犬なんだ?
- 176 名前:中澤裕子仔犬を飼う 投稿日:2002年11月19日(火)00時17分44秒
- 「膝の上に乗っけて一緒に新しくしたテレビで映画観るんだって?いいなぁ…」
「ごっつぁん!裕子は仔犬って言ってたじゃん、矢口じゃないよ」
「だって、前に裕ちゃん仔犬抱っこしながら『矢口を抱っこしてるみたい』って言ってたじゃん裕ちゃんの中じゃ仔犬とやぐっつぁん一緒だよ。」
「ごっつぁん!!」
「だからぁ、裕ちゃんのとこ転がり込んじゃえってば」
なっ!何を言うんだこの後輩は…
「ごっつぁ…」
「後藤!行くよ」
反論しようしたらごっつぁんはマネージャー呼ばれて「じゃあ、頑張ってね」と行ってしまった。
- 177 名前:中澤裕子仔犬を飼う 投稿日:2002年11月19日(火)00時19分09秒
――― 数日前 ―――
矢口から電話が掛かってきた。
「裕ちゃん、休みの日何してるの?」
「ん?溜まった洗濯とか、買い物とかかな…突然、どうしたん」
「んっと…最近、休みがあると不安になるの。矢口だけ休みなのかなって」
「ああ、分かるわ。人気だけが命のこの業界やもんな…アタシも休みが怖いわ」
「裕ちゃんも?」
「あたし等似てんな」
- 178 名前:中澤裕子仔犬を飼う 投稿日:2002年11月19日(火)00時20分33秒
矢口、大丈夫か?かなりネガティブモードなんですけど…
何か元気づける方法ないんかな…前みたいに一緒におったらそんな気持ちにさせへんのに
そや!一緒におったらええねん
よっしゃ!アタシのラジオで大告白や
ちゃんと聞いといてや
――――
――――――
中澤裕子、仔犬を飼いたいんです。
了。
- 179 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2002年11月19日(火)13時02分10秒
- この前の裕ちゃんのラジオで「犬を飼いたい」って聴いたとき、
瞬時に矢口のコトを連想しました(w
- 180 名前:竜之介 投稿日:2002年11月20日(水)21時46分17秒
- 遅レスですが156〜162 切ないですね…なっちはもう吹っ切れているよう
でしたが、やっぱり女性の方が強いのかな?でも、なんて痛い系の似合う二人。
163〜172 絶対!狙い(笑)
175〜 子犬=矢口♪ 思った!激しく思った!!
- 181 名前:休暇 投稿日:2002年11月30日(土)00時46分42秒
- 突然の三連休。
いきなり休みもらってもやることがない。
こんな時は大好きな人と電話で話をしたいけど最近、裕ちゃんからも電話が来ない。
いつも矢口ばっか掛けてるからたまには向こうから掛けて欲しい
向こうから掛かってくるまで矢口からは掛けないぞってちょっと意地になっている。
暇だと善からぬ考えが浮かぶので溜まってたビデオを消化していく。
- 182 名前:休暇 投稿日:2002年11月30日(土)00時51分31秒
- ハロモニ。…この回は…ああ、運動会のだ…
モーママは矢口出てないから早送りっと…おっと裕子だ!ん?泣いてるの?
オイラの裕子を泣かしたのは何処のドイツじゃ!
早送りで見ていたテープを巻き戻して普通に見てみる。
!!
「ゲテモノおもちゃじゃん!」
矢口休みでよかった。。。よっすぃー、今度会った時説教部屋決定!
裕子もダメなんだよなぁ〜
こういうの『おもちゃでもちょーイヤ』っていってたもんなぁ…
ん?
続きをみると座席シートに散らばったゲテモノおもちゃをごっつぁんが払い落としている。
ごっつぁん!ありがとう、オイラの裕子守ってくれて。
後で電話しとこっと…
- 183 名前:休暇 投稿日:2002年11月30日(土)00時54分08秒
- ごっつぁんの仕事が終わったころを見計らって電話してみる。
電話の向こうには話し声が聞こえる。
「ごっつぁん、ありがとね」
『あ!やぐっつぁん、どうしたの?何がありがとうなの?』
「いや〜今日、ハロモニ。のビデオ見たんだけど、ゲテモノおもちゃ裕ちゃんの為に払ってやってたじゃん。」
『ああ、あの時の』
「矢口もあれ苦手だけど、裕ちゃんもダメだからさぁ」
『うん、そうだね。でも、お礼いいよ。もう裕ちゃんに貰ったから』
「えっ?」
ごとー、まだかぁ
電話の後ろで聞こえ来たのは裕ちゃんの声。
『やぐっちゃん、ごめん。いまFS3のリハの休憩終わっちゃった。またね』
ツーツーツー…
電話が切られてしまった。
- 184 名前:休暇 投稿日:2002年11月30日(土)00時56分43秒
- おい!裕子!お礼に何したんだ…
何かとっても不安なんだけど…
裕ちゃんから電話がないのは…やっぱり矢口飽きられた?
悪い考えがぐるぐる廻る。ダメだぁぁぁぁぁ
こんな時は寝るに限る。起きてても色々考えてダメなんだから…
!
あっ!
矢口、携帯替えたの裕ちゃんに教えてなかった
了。
- 185 名前:レスありがとうございます 投稿日:2002年11月30日(土)01時05分19秒
- >>179 読んでる人@ヤグヲタさま
>この前の裕ちゃんのラジオで「犬を飼いたい」って聴いたとき、
>瞬時に矢口のコトを連想しました(w
この発言はやぐちゅーヲタ100%そう思ったでしょう。
もちろん、自分もそう解釈してます。
>>180 竜之介さま
いや〜
丁寧に感想頂けて嬉しいです。
今後ともよろしく。
>子犬=矢口♪ 思った!激しく思った!!
これは常識。そのうち一般常識になるでしょう。。。
- 186 名前:今後の予定 投稿日:2002年11月30日(土)01時12分58秒
- 今月の更新はこれで終わりです。
12月、ちょっと忙しいので更新できないかも
年明けすぐも無理だろうな・・・
暫く間が空くと思います。
戻ってきたときまだ倉庫落ちしてなければ新作たぶん近未来もの始めます。
以上。
- 187 名前:キダムの国から 投稿日:2002年12月14日(土)02時31分54秒
- 吉澤ひとみ、17歳。
中澤さんと下関の海以来なかなか絡みがなかった不幸な吉澤にも
やっと、2ショットになれるかもしれない願ってもないチャンスがやってきました。
な・なんと、あの中澤さんと海外ロケです。それも矢口さん抜きです。ほんとチャンスです!!
マネージャーのスケジュール通達に浮かれていたら矢口さんがコッチを睨んでます。。。
ど・どうしよう…
「よっすいー」
「何ですか?矢口さん」
さっきまで考えてた事がちょっと後ろめたいので心臓をドキドキさせながら矢口さんの次の言葉を待った。
- 188 名前:キダムの国から 投稿日:2002年12月14日(土)02時34分17秒
- 「よっすぃーを見込んでのお願いがあるんだけど…」
「はぁ…」
「今度の海外ロケ代わって!」
「や・矢口さん、無理言わないで下さいよぉ…ラジオどーするんですか!代われませんよ!」
矢口さん、やっときたチャンスなんですよぉ…吉澤から奪わないで下さいよぉ…
「わかったよぉ…じゃ、こっちは必ずお願いだよ」
「何ですか?」
「裕子を魔の手から死守すること」
はぁ?何ですかそれ?中澤さんを守ればいいんですよね?
「中澤さんを見張れればいいんですね?」
「…(裕ちゃんを見張らせると『なかよし』になられても困る…)
いや、なっちを見張ってて。なっちが裕子に近づかないようにしてくれればいいから」
魔の手って安倍さんのことだったんですか…
- 189 名前:キダムの国から 投稿日:2002年12月14日(土)02時35分45秒
- そういえば一緒に行くメンバー表の中に名前があった…う〜ん強敵だぁ…マークの必要アリですね…
「了解っす!」
引き受けたものの、
矢口さんには悪いですけど吉澤には吉澤の気持ちってもんがありますから
今回は吉澤のやりたいようにやります!
もちろん、安倍さんには気をつけますとも!それは吉澤の利害とも一致しますから…
ロケ中も自由時間も移動中も中澤さんと安倍さんがイイ雰囲気に成らないように
やりました『吉澤ひとみの世界のジョークショー』。
安倍さんに大ウケで
吉澤、ちょー嬉しくなりまして延々とジョークの連発をして
ふと、気がつくと
中澤さんがいません!!た・高橋もいません…
うぉぉぉぉ!!
そうだった…最近、高橋は上目使いを覚えたんだった…
此間、ハロプロニュースの収録で中澤さんを落とそうとしてたじゃないか!
高橋も中澤さん狙いだったことすっかり忘れてた!!!
- 190 名前:キダムの国から 投稿日:2002年12月14日(土)02時37分25秒
吉澤ひとみ、17歳。
中澤さんと下関の海以来なかなか絡みがなかった不幸な吉澤
やっと、2ショットになれるかもしれない願ってもないチャンスだったのに…
『なかよし』時代はいつ到来?
了。
- 191 名前:やぐちゅー命 投稿日:2003年01月01日(水)02時40分21秒
- 作者さんの書く話し、すごくおもいろいです。
ここの中澤さんがすごくいい!
キンダムの国 最高!
モテモテですね、ここの中澤さんは。
- 192 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年01月10日(金)21時39分16秒
- >>191 やぐちゅー命 さま
レスありがとうございます。嬉しいです。
今年も素敵な裕ちゃんがいろんな世界で見られますように。
次作「擬態」。ひっそり更新。
- 193 名前:擬態 投稿日:2003年01月10日(金)21時40分39秒
ねぇ…裕ちゃん…
ん?
今、しあわせ?
私が初めて裕ちゃんを見た日―――…
やぐっつぁん、矢口真里の二十歳の誕生パーティ。
- 194 名前:擬態 投稿日:2003年01月10日(金)21時41分58秒
やぐっつぁんも私もデザインチャイルド…卵子の遺伝子を操作して親の希望通りに作られた試験管ベビー。
彼女の親はいつまでも子どもでいて欲しいと考えたらしい…彼女は二十歳の現在でも小学生位の身体で可愛らしい。
私の親も細かく遺伝子設計をしたらしいが…その頃、あの人は退屈だったのだ。
私の母親は自分の気分によって私を可愛がった。私は態のいい玩具に過ぎない。
それでも母親が資産家でかなり裕福な暮らしをしてきたことは恵まれていると思うけど…デザインチャイルルドを作ることが出来るのは一部の金持ちだけなのだけど。
私はそんな母親だけしか知らない。人から愛してもらった記憶がない…だから、愛するってどういうことなのか分からない。人を好きになるって分からない。
- 195 名前:擬態 投稿日:2003年01月10日(金)21時42分50秒
友達…私には親が選んだ金持ちの令嬢、令息とか母親がパトロンしている芸術家とかしか話をした事が無い。
いつも、当り障りの無い社交界のゴシップとか流行の服の話とか大した話はしない。私はそんなあいてに自分の話をした事が無い。そういう人たちを友達と呼べるのか疑問だが、私の周りにはそんな人しかいないのだ。
そんな中でも、やぐっつぁんは仲のいいほうで同じデザインチャイルドってこともあるのか比較的、話易かった。
「やぐっつぁん、誕生日おめでとう」
「おっ!ごっつぁん、来てくれたんだ。ありがとう」
「盛大なパーティだね」
「うん、何てったって二十歳だもんね」
「うん、大人だね…」
やぐっつぁんと話てたらピアノの伴奏がムードミュージックを奏でる。
その音と共に雰囲気のある歌声。
私の心の中の何かがかき乱される。
- 196 名前:擬態 投稿日:2003年01月10日(金)21時45分57秒
歌声の主を慌てて探すとピアノのそばに亜麻色の髪、ブルーダイヤの瞳、真紅のシンプルなドレスの女性がいた。
彼女だ!!
何が彼女なのか分からないがそのときはそう思ったのだ。
そしてつい、感情が先走り、切羽詰った声で聞いてしまう。
「やぐっつぁん!彼女は誰?!」
私は普段、あんまり感情を露わにした事が無いのでやぐっつぁんは少しびっくりしながら答えてくれる。
「ごっつぁんが声を荒げるなんて珍しいね…で、聞きたいのはアレこと?」
『アレ』?あの綺麗な人に対して『アレ』呼ばわり?やぐっつぁん…相変わらず口悪い。
- 197 名前:擬態 投稿日:2003年01月10日(金)21時46分43秒
「アレはね、矢口の玩具。裕ちゃんだよ」
「えぇえ!あの綺麗な女性を玩具にしてるの?!やぐっつぁんの人でなし!」
「ち・ちがうよぉ!アレは人じゃなんもん!矢口のセクサイト」
セクサイトって…ああ、あれか性欲処理用のロボット…
やぐっちゃんもお嬢様だもんね…結婚相手以外とはしないんだよね、良家の子女は。
私は必要を感じた事が無いからそういうのいないけど…彼女なら…
「ごっつぁんが変なこと聞くから大声になっちゃったじゃん…でも、裕ちゃんのこと気になるの?」
「うん…」
「いいよ、今夜貸したげる」
- 198 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月11日(土)00時22分51秒
- 姐さんがロボット…。
なんだかこれからの展開に期待♪
- 199 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年01月15日(水)21時46分57秒
- >>198 名無し読者 さま
レスありがとうございます。
毎度のことながらゆる〜い感じでいきますので期待はずれかも・・・
では、本来の成人の日ってことで少しやぐちゅー気味で更新。
- 200 名前:擬態 投稿日:2003年01月15日(水)21時48分02秒
えっ?そんなに簡単に貸せるもんなの…
でも、彼女をもっと近くで感じてみたい
「ホントに貸してもらっていいの?」
「イイに決まってるよ、ごっつぁんと矢口の仲じゃん」
やぐっつぁんは私が思っている以上に私に親近感があったのに少しこそばゆい感覚がした。
「あっ、でも裕ちゃんは少し壊れてるからね」
「壊れてる?」
「うん、裕ちゃんはアンティークで耐久年数切れてるからAIも少しおかしいみたいで感情の起伏が激しいよ」
感情の起伏が激しい…ロボットなのに?
私は人間なのに大きく心が動いた事が無い…
裕ちゃんと一緒にいると私も人間らしく愛情が分かる様になるだろうか…
- 201 名前:擬態 投稿日:2003年01月15日(水)21時49分33秒
「やぐち〜ぃvv歌、あれでよかったかぁ?」
裕ちゃんがやぐっつぁんに抱きついてくる。
「アホ裕子!離れろよ!!ホント、ロボットのくせにアホなんだから…
ほら、こんなに手ぇ震えてる。なんで歌、唄うぐらいで緊張するんだよ、まったく…」
悪態を吐きながらも優しく裕ちゃんの手を撫でるやぐっつぁん…やさしいなぁ…
なぜあんな風に自然と思いやりが表現できるのだろう…同じ造られた人間なのに…
「やぐっつぁん、裕ちゃんといると楽しそうだね」
「何言ってんだよ!この状況みて言ってんの!裕ちゃんといると怒ったり、泣いたり、忙しいってば」
とたんに裕ちゃんの顔色が曇る。
「なぁ…やぐちぃ…裕ちゃんのこと迷惑なんか?」
情けない顔に裕ちゃんが本当にやぐっつぁんのことが好きなのがわかる。
やぐっつぁんは照れたのか
「裕ちゃん、今夜、ごっつぁんの相手してあげて」って言うと逃げるように主賓の挨拶をしにいってしまった。
- 202 名前:擬態 投稿日:2003年01月15日(水)21時51分18秒
後に残された私と裕ちゃんとの間に少し気まずい空気が流れる。
こういう時、何て言えばいいんだろう…
黙りこくっていたら裕ちゃんに話し掛けられた。
「なぁ…何て呼べばいいん?」
「はぁ…後藤、でもごっつぁんでも…」
「うーーん、よっしゃ。ごっちんでええか?ごっちんって呼ぶ」
えっ?ロボットにあだ名付けられたよ…何かへん!
思わずクスッと笑ってしまう。
「あっ!ええ顔するやんvごっちん、笑うとめっちゃ可愛いで」
チュッ
!!!
- 203 名前:擬態 投稿日:2003年01月15日(水)21時52分13秒
なっ何?いまキスされたの?!!
「ごっちん、ホンマ可愛えぇなぁ〜顔、真っ赤やで」
うそ!自慢じゃないけどポーカーフェイスで顔色なんか変えたこと無いのに…
裕ちゃんといると調子が狂う。まるで感情豊かな人間みたい…
げど…ちっともイヤじゃない
「裕ちゃん、今夜、後藤と一緒にいて…」
私はこの短い会話の中でやぐっつぁんの言葉に一喜一憂するロボット裕ちゃんに心が囚われてしまっていた。
- 204 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月18日(土)00時13分04秒
- おー!新作!
やぐちゅー好きですが、ごまゆうも好き。
つづき楽しみです。
- 205 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年01月20日(月)18時01分12秒
- >>204 名無し読者さま
レスありがとうございます。
続き、まだです。すいません。
やぐっちゃん、りかちゃん誕生日おめでとうってことで
二人しか出てこない話をちょこっと乗せます。
でも、やぐっちゃん二十歳ってことで矢口主体。
- 206 名前:キタク 投稿日:2003年01月20日(月)18時02分27秒
- 新しいメンバーの発表の後、楽屋で着替えていると石川が話し掛けてくる。
「やぐちさぁ〜ん、一緒に帰りましょうv」
きしょっ!
「いっしかわぁ!そのきしょい言い方やめろよぉ!」
「いいじゃないですか!今日はわたしの誕生日なんですから」
「関係ないじゃん、誕生日なのに一緒に過ごすヤツいないのかよ!」
「そ〜なんです、やぐちさん、一緒に誕生日祝いしましょうよ」
「なんでオイラが!!」
「いいじゃないですか、12時になったらチャーミーが一番に『HappyBirthday』を歌ってあげます。」
「それだけはお断り!!」
- 207 名前:キタク 投稿日:2003年01月20日(月)18時03分32秒
なんてことを言いながも大人メンバーで軽く食事をして石川の18歳の誕生日を祝い
方角が一緒なので結局、石川と一緒のタクシーで帰るはめになる。
タクシーの中で此間行った温泉旅行の話がやぐちのお父さんにウケて石川に会いたがってた話をしていると
ラジオから11時の時報とANNのジングルが聞こえてくる。
「あっ、運手さん、ラジオ大きくしてもらっていいですか?」
石川が気を利かせたのかそんなことを言う。
- 208 名前:キタク 投稿日:2003年01月20日(月)18時05分05秒
裕子のラジオ。
オープニングは当然石川とオイラのバースディネタだろ?
――― 今日、19日は石川梨華の誕生日、メールしといたんですけど…
えっ?裕子?おい、オイラの誕生日のことは?二十歳になるだよ!
ブールーな気分でいるとさらに続く言葉。
――― 最近、アタシ石川、好きでして…
なんだ?!
オイラはぁぁぁぁ…
- 209 名前:キタク 投稿日:2003年01月20日(月)18時06分23秒
もう、気分は半べそ状態で、その雰囲気を読めない石川が追い討ち。
「中澤さん!チャーミーも愛してます!」
「おい!裕子は愛してるって言ってない!!」
「ええっ!矢口さん、ひょっとして、つまりそれって、ジェラシーかしら」
「石川!」
「だって、此間、メロンのライブも中澤さんと行ったんですよ」
もう、いいよ…石川相手に声を荒げてもスポーツ誌のネタにもならないんだから
空も飛びかねないほど上機嫌の石川を先に家へ送り、
凹んだ気分でいると
ラジオはリスナーのメールを読む裕子の声が中断する。
ピッ、ピッ
――― ぴーん、やぐち、ハッピーバースディ…
えっ?
低い声でさりげなく言われた言葉に呆気に取られる。
世界で一番最初に大好きな人から二十歳を祝ってもらった幸せ。
これからの人生も楽しく活けそうな気がした。
了。
- 210 名前:キタクあとがき 投稿日:2003年01月20日(月)20時26分14秒
- メール欄に誕生日企画と入れ忘れてしまいました。
一応、そういうことで。
ついでに、19日の6期メン発表は18日収録だったとか・・・
「キタク」を書いた時は知らなかったので・・・いい訳です。
兎に角、矢口さん二十歳おめでとうございます。
石川さん、18歳おめでとうございます。
- 211 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月24日(金)09時56分01秒
- たしかに、あの一言にはグッときましたね。
私にきても仕方がないんですが。
- 212 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年02月03日(月)15時16分21秒
- >>211 名無し読者さま
レスありがとうございます。
あの「Happy Birthday」は
本人じゃないのにかなりドキリとさせられました。(w
最近、気分が鬱。話を作るのもそれが反映されてるような・・・(困惑
分からないように こっそり更新します。
- 213 名前:擬態 投稿日:2003年02月03日(月)15時18分52秒
- バースデイパーティは主役のやぐっつぁんの姿が見当たらない。
それでも集まった大勢の招待客はそのままダンスを踊ったりお酒を飲んだり
其々の楽しみ方で盛り上がっている。
私と裕ちゃんはイマイチ其の雰囲気が楽しめないので
招待客独りひとりに用意された個室に飲み物とオードブルを持ち込んで引きこもる。
私が飲んでるのはフルーツポンチ。
そして、裕ちゃんが飲んでるのはワイン…って裕ちゃんロボットでしょ?飲み食いしていいの?
ワインを飲む裕ちゃんを不思議そうにみていたら私の疑問を察したのか裕ちゃんが言う。
「お酒はアタシのエネルギー源やから(w」
- 214 名前:擬態 投稿日:2003年02月03日(月)15時21分00秒
- えっ!ぇえ!!
「ごっちん、目玉飛び出しそうやで(w……ホンマ可愛ぇえなぁ〜」
うそ!私驚いてる?!
いつもホーカーフェイスで驚いても表情に出ない。
周りの人たちはつまらなそうに
最近ではもう驚かすことは『無駄』と思っているようで誕生日プレゼントも在り来たり…
その私が見た目も分かるくらい驚いた表情をしてるの?
自分でも分からない感情の変化が何か可笑しくなって笑い出してしまった。
- 215 名前:擬態 投稿日:2003年02月03日(月)15時23分57秒
「今度は笑うんや(w…ええなぁ若いって何でも可笑しいんやなぁ…ごっちんは感受性豊かなんやなぁ…」
えっ?ちがうよ、こんな自分は初めてで
フッとやぐっつぁんが言った言葉が頭をよぎる。
―――― 裕ちゃんといると怒ったり、泣いたり、忙しい ――――
これってやっぱり裕ちゃん効果なのかなぁ…
裕ちゃんの説明によると
裕ちゃんのボディは特注品で殆ど人間と変わらない造りになっていて新陳代謝も人間並みに自己再生するらしい。
エネルギーも人間と同様の物で食べ物と飲み物で摂取する珍しいアンドロイドだった。
つまり、人工の人間ってこと。
デザインチャイルドの私と大した差はない。
ワインでほんのり赤くなった頬。
酔って潤んでる瞳。
小首を傾げて微笑む口。
心の奥が『ドクン』と大きく鼓動を打った。
- 216 名前:擬態 投稿日:2003年02月03日(月)15時26分08秒
私は心の動揺を隠すようにいつもより饒舌に話し掛ける。
「ねぇ、裕ちゃんとやぐっつぁんの馴れ初めは?」
「『馴れ初めは』ってアタシと矢口は恋人同士やないし」
「えっ?恋人じゃないの?」
「矢口は私の持ち主や」
そう言う裕ちゃんの瞳が悲しげに感じたのは気のせいだろうか…
「やぐっつぁんは裕ちゃんのこと好きだと思うけど…」
「好きとか嫌いとかそういう以前にアタシが人間とちゃうから…」
「私はそんなの関係ないよ!私は裕ちゃんが好き!!」
そうか!私が周りのみんなに感じる違和感…私は自分で自分を人間と認めてないんだ…
そんな気持ちを裕ちゃんなら理解してくれそうな気がして思わず出た言葉だった。
しかし、裕ちゃんは「ありがとう」と少し寂しいそうに微笑んだだけだった。
- 217 名前:擬態 投稿日:2003年02月04日(火)17時56分08秒
- 「どうして、そんな悲しい顔をしてるの?」
「ん?何でもあらへんよ…」
そんな悲しい顔が何でもないわけない…
私が持ってる情報を総動員してみる。
やぐっつぁんは二十歳の誕生日に許婚に初顔合わせすることになっている。
やぐっつぁんは今日、二十歳になった。
裕ちゃんはやぐっつぁんのセクサイト。
セクサイトとは良家の子女が婚前にパートナーの代わりをさせるロボット。
やぐっつぁんはパーティの途中でどこかに消えた。
やぐっつぁんは裕ちゃんに今日は私の相手をするように言っていった。
裕ちゃんはやぐっつぁんが好き。
- 218 名前:擬態 投稿日:2003年02月04日(火)18時02分39秒
そういうことなんだ…
やぐっつぁんは今日、今、許婚に会ってる。
結婚が決まれれば裕ちゃんがいらなくなる。それでその後の事、私に任せたのか…
でも、私から見ても分かるくらい
裕ちゃんはやぐっつぁん一筋だよ…一緒にいて心が痛い。
ああ、でも裕ちゃんもその事分かってるんだ…だからこんな悲しい笑顔。
やぐっつぁん、ほんとにいいの?
私が貰うよ
やぐっつぁんのこと忘れさせるよ
私、裕ちゃんとなら解かり合える。
私は気持ちを込めて不安そうにしている裕ちゃんの唇にちょっと触れ、その後すぐ行動にでた。
私は裕ちゃんを掻っ攫うように車に乗せ矢口邸から抜け出していた。
冬の澄んだ空。
満天の星。
気持ちはこの澄んだ夜空のように凛として心地よかった。
さて、これからどうしよう。
- 219 名前:名無し 投稿日:2003年02月05日(水)01時52分23秒
- いつも楽しみにしています。
やぐちゅー好きなものですから、今後の展開を
ドキドキしながら待っています。
- 220 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月07日(金)20時06分46秒
- 3人がどうなるか、すごい楽しみです。
続きが楽しみです。
- 221 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年02月07日(金)22時50分07秒
- >>219 名無し様
>いつも楽しみにしています。
では、いつもありがとうございますですね。
今後もまったりお付き合いを。
>>220 名無し読者様
レスありがとうございます。
楽しんでいただいて何よりです。
更新します。
- 222 名前:擬態 投稿日:2003年02月07日(金)22時53分17秒
やぐっつぁんの家から裕ちゃんを連れ出してから1週間が過ぎた。
もともと裕ちゃんにはお笑いのセンスがあるのか
私を笑わかすことを色々してくれる。
私としては楽しくアッと言う間に過ぎる時間。
けれど裕ちゃんが時折みせる淋し気な表情にヅキリと心が痛む。
裕ちゃんを黙って連れ出したことに気が惹けて
一度やぐっつぁんの家に電話を入れた。
やぐっつぁんは誕生日のあの日からどこかに旅行へ行ってしまったらしい。
- 223 名前:擬態 投稿日:2003年02月07日(金)22時54分38秒
- 電話に出たのはやぐっつぁんのお母さん。
「あら、真希ちゃん久しぶりね。
真里の誕生パーティに来てくれてたんですって。
ごめんなさいね、忙しくて挨拶も出来なかったわね」
「いえ、こちらこそ…あの、真里さんは?」
「それがねぇ、いないのよ。きっと、いつもの気まぐれ旅行よ」
「はぁ〜…実は裕ちゃんを連れてきてしまったんです。」
「『裕ちゃん』て中澤さん?」
「??」
「あらごめんなさい。真里のロボット、フルネームで『中澤裕子』っていうのよ」
「そうです、その裕ちゃんです。」
「そう、真希ちゃんが預かっててくれたの…
そうよね、真里ももう婚約者がいることだし、中澤さん離れしないとね…
そうだわ、真希ちゃんそのまま中澤さんの面倒見てもらえないかしら?」
やぐっつぁんのお母さんの提案は私には嬉しいかった。
- 224 名前:擬態 投稿日:2003年02月07日(金)22時56分08秒
- 電話を切って裕ちゃんを見るとやはり何処か不安気でやぐっつぁんのこと聞きたそうだった。
「裕ちゃん、やぐっつぁんねえ居なかったよ。旅行中だって」
「そうかぁ…」
うな垂れている裕ちゃんが可哀想だった。
わたしならこんな想いさせないのに…
そんな様子をみて私は決心した。
『早くやぐっつぁんを忘れさ裕ちゃんを私のものにする』と。
- 225 名前:擬態 投稿日:2003年02月07日(金)22時57分11秒
そして、今日ロボット製作では有名どこのメーカーに来ている。
裕ちゃんのメモリーをイジってもらう為に。
「後藤様、診断の結果が出ました。
彼女は特注品ですね。素晴らしい出来です。
もう、まったく人間といっていいほど完璧です。」
「で、どうですか?」
「申し訳ありませんがメモリーはイジれません」
「ええ?!どうしてですか?」
「今も言ったとおり、普通のロボットと違うんです。
とても複雑な造りになってましてメモリーをイジると正常に機能しなくなります。
人間の脳をイジるのと一緒です。」
「じゃ、嫌な事とか消去できないの?」
「そうですね…人の記憶と同じでしょうね…
時が立てばメモリーの隅に追いやられ取り出されなくなれば
所謂『忘れた』ってことになるのでしょうね」
「つまり、他の記憶でいっぱいにすればいいんですね」
「そうですね。理屈はそうですがどうなるか分かりません。この手のアンティークは初めてなんで」
手っ取り早くメモリーを書き換えてもらおうとしたが結局何も出来なかった。
- 226 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月09日(日)16時17分41秒
- どうなるんでしょ?
裕ちゃんが切ないな〜
- 227 名前:竜之介 投稿日:2003年02月11日(火)15時55分20秒
- 明るく楽しい『裕ちゃん話』でなくても
寒太郎さんの話にはいつもドキドキやキューンをいただいております!!
裕ちゃん・後藤さん、それぞれの一途な「心」に自分も揺れます…
ヤグチさんの動向も気になります…
- 228 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年02月13日(木)22時41分08秒
- >>226 名無し読者さま
レスありがとうございます
>どうなるんでしょ?
どうなるんでしょ・・・一応方向性は出来てるんですけど・・・
思ってるとこに到達できるだろうか(笑
>>227 竜之介さま
レスありがとうございます
>ヤグチさんの動向も気になります…
いいところにお目が・・・ってことで
言葉を濁しときたいです。。。
では、更新。
- 229 名前:擬態 投稿日:2003年02月13日(木)22時43分12秒
- 駐車場にとめた車に向かいながら
やぐっつぁんとの思い出をどうやって消していくか考えていたら
運転席側のドアで裕ちゃんの手とぶつかった。
え?
「なぁ…アタシが運転したいんやけど…」
「???」
「矢口と出かける時、いつもアタシが運転してから
乗せてもらうとなんか…こう…お尻が浮いたみたいで居心地が悪いんや」
「いいけど…なんで後ろのドア開けるの?」
「いやあ…運転席の後ろが一番安全やろ…」
「普通、二人で乗る時隣り合って座るのが普通じゃない。助手席に座るよ!」
「いや、矢口が助手席は一番危ないから座らせるのは矢口だけやって…」
やぐっつぁん、それって
彼女が彼氏に『私以外は助手席に乗せないでね』ってヤツじゃん。
じゃあ、私としては益々その通りにする訳にはいかない。
「これは私の車!私が好きなとこに乗る!!」
と言って強引に助手席に座った。
- 230 名前:擬態 投稿日:2003年02月13日(木)22時44分39秒
「さあ裕ちゃん、どこに連れてってくれるの?」
「いや…どこって…アタシが決めるわけにいかんやろ…
ロボットは主に従うように出来てんねんで」
「なぜ?私は裕ちゃんと私は対等だとおもってるよ。
だって、裕ちゃんには自分の意志があるじゃん」
本当にそう思う。裕ちゃんは心がある珍しいロボット…
いや、もうここ数日で分かる、
裕ちゃんは人間以上に感情豊かで気持ちの暖かい人。
裕ちゃんは困りながらも私の想いを察して行動する。
「じゃ、ちょっと寄り道して帰ろうか?」
「うん」
裕ちゃんが連れて行ってくれたのは小高い丘。
そこは街の灯りが地上の銀河の様に美しく見渡せるところだった。
- 231 名前:擬態 投稿日:2003年02月13日(木)22時46分47秒
「綺麗やろ?…裕ちゃんの取って置きの場所やで」
「うん」
「ここ、一緒に来たのごっちんで三人目や」
「他はやぐっつぁんと誰?」
「アタシを作った、初代の矢口。」
初代の…やぐっつぁんの曾お祖母ちゃまだ…
「やぐっつぁんの曾お祖母ちゃまとやぐっつぁん、どっちが好き?」
「初代の矢口はもう思い出や矢口は…もう…ええやん」
辛そうな裕ちゃんを目の前に自分でもバカな質問をしたと思うけどバカさ加減が止まらない。
- 232 名前:擬態 投稿日:2003年02月13日(木)22時47分39秒
「じゃ、私は?後藤のことは好き?」
私の切ない顔を見ている裕ちゃんが言う事は決まっている。
「ん?好きやよ…」
私を傷つけない為に言った言葉。
それでもいい。
私は裕ちゃん首に手を廻し心を込めてキスをした。
キスの合間に裕ちゃんが呟いた言葉。
――― 矢口ともここでこんなキスをしたなぁ
私は気持ちが更に煽られ切羽詰った抱擁をするしかなかった。
- 233 名前:つかさ 投稿日:2003年02月13日(木)23時49分46秒
- 矢口さんはどこ行ってるんだ〜〜?!
ん〜〜、複線ありそうで・・・・・楽しみっす。
- 234 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月14日(金)22時52分32秒
- 矢口・裕ちゃん・ごっちん、
この3人がどうなってゆくのか楽しみです。
- 235 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)21時22分03秒
- 続きがすごいきになります!!
矢口は本当に結婚するのー!
- 236 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年02月19日(水)19時27分10秒
- >>233 つかさ様
つかさ様からレスいただけるとは・・・(感涙
某所、某病室ではお世話に・・・ってお前は誰だですよね
(あそこではHN違いますから・・・でもばれてます?)
今後も呆れずお付き合いを。
>>234 名無し読者さま
レスありがとうございます
ありきたりの話ですよ。
たぶん、ご想像通り展開していくと思います。
>>235 名無し読者さま
レスありがとうございます
らぶらぶ、ごまゆうを書くはずだったんです。当初は・・・
何故にこんな話に
更新します。
- 237 名前:擬態 投稿日:2003年02月19日(水)19時28分49秒
- 毎日、裕ちゃんと過ごすようになって再確認するやぐっつぁんと裕ちゃんの絆の深さ。
出会ってからの時間が違うのだからと自分で何とか納得しようとするけど
『ここ、矢口とよく来たんや』とか 『これ、矢口が美味しそうに頬張って食べとった』とか
裕ちゃんが言うたびに胸の奥がカッと熱くなる。
たぶん、これが嫉妬というやつだ。
私の中にいろんな感情が蠢き始めている。
愛するってこういうこと?結構辛いじゃない?
そして、私の中の黒い部分が活動始めている。
今まで一番の友人として付き合ってけど
やぐっつぁんを切り捨てる!
やぐっつぁんの情報が入ってこないようなとこに行こう!!
そうだ
暫く使ってなかった海辺の別荘に行こう。
- 238 名前:擬態 投稿日:2003年02月19日(水)19時29分46秒
よく愛しい相手を何処かに閉じ込めて誰の目にも触れさせたくない
愛しい人の目には自分しか映したくないという。
そんな気持ちはドラマや小説だけの大げさな表現だと思っていた。
まさか私がそれを其の侭実行しようとしてる。
- 239 名前:擬態 投稿日:2003年02月19日(水)19時30分32秒
海の別荘へ行く事を母親に告げようと自室から下りてきたら
いつものようにリビングは社交界の有閑マダムのサロンになっていた。
話題は相変わらずゴシップ…えっ?
やぐっつぁんのこと?
「奥様、最近YAGUTI.CO.株の下落原因、お聞きになりました?」
「ええ、何でもJコンツェルンとの提携話がなくなったからだとか…」
「そう!それよ。ほら、矢口家のお嬢さま、素行不良でJ会長のお孫さんとの縁談が破談になったからよ」
「そうそう、そのお嬢さま、旅行中って言ってらっしゃいますけど父親の分からない子を身ごもったとか
それで、何処かよそで産んでいるそうですよ」
「まあ!今時、遺伝子デザインもしないでご自分のお腹を痛めての出産なんて考えられませんわ!」
口々にいい加減なことを言っている。
- 240 名前:擬態 投稿日:2003年02月19日(水)19時31分24秒
人の不幸は蜜の味こんな噂話、尾ひれがついてるに決まってる。
大抵、殆どがガセネタでホントのことなんて5%もないだろう。
旅行は本当。破談は分からないが可能性はある。妊娠は嘘だと思う。
やぐっつぁん、そんなに素行悪くないよ。自分でこうと思ったことはやるけど。
恋敵の不幸なのにやはりやぐっつぁんは友達と思う私が居て、こんな話は胸くそ悪くなる。
この話を中断させるために割ってはいる。
「私、暫く海の別荘に行ってる。それとこれ、電話番号変えたから」
「えっ?真希、これかれらすぐ行くの?あそこずっと使ってないから埃だらけよ」
「いいよ、裕ちゃんと掃除くらいするから。」
電話番号を書いたメモ書きなんて気にしてないよな
うちの母親は私に無関心だから私が何処にいるかなんてすぐに忘れてしまうだろう。
- 241 名前:擬態 投稿日:2003年02月19日(水)19時32分33秒
別荘に行く途中で買い物をする。
すべてを新しくはじめる為に
すべてを新しくしよう
まずは形からだよね。
新しいカーテン、新しいシーツ、新しい水着。
水着?おいおい、今は冬だよ。泳げないよ。
でも、裕ちゃんの水着姿見たいから買っちゃおう。
さあ、これから裕ちゃんを私の虜にするぞ!
- 242 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月20日(木)23時06分12秒
- 裕ちゃんの水着姿・・・見たい!!!(笑)
更新まってました。
頑張ってください。
- 243 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年02月22日(土)00時39分03秒
- >>242 名無し読者さま
レスありがとうございます
>裕ちゃんの水着姿・・・見たい!!!(笑)
自分も見たいです(w
で、更新。
- 244 名前:擬態 投稿日:2003年02月22日(土)00時40分28秒
青い空、白い雲、輝く…
太陽はない。
ここは人工のビーチ。
だって、折角買った新しい水着着たいし、見たいし…
で、来ました。会員制リゾートビーチ。
ここなら一年中偽物だけど真夏を楽しめる。
「ねえ、裕ちゃん。そんなとこ居ないでこっちおいでよぉ」
ヤシの木に隠れるようにして中々傍に来てくれない裕ちゃんに言ってみる。
「や…ごっちんはええなぁ…胸大きいし…若いし…」
えっ?ロボットのクセに何気にしてるの?
「いいからこっちに来て!裕ちゃんも可愛いよ!!私が水着見立ててあげたんだから」
- 245 名前:擬態 投稿日:2003年02月22日(土)00時41分18秒
水着の色は黒。これは裕ちゃんが譲ってくれなかった。
黄色のワンピも可愛かったんだけどなぁ
マリンブルーのも裕ちゃんの白い肌が際立って綺麗だったのに…
『黒以外の水着は着いひん!絶対黒!!』って言い張るんだもん。
「ほらあ、裕ちゃん希望の黒いビキニじゃん、早くこっちきてよぉ」
「……色、黒やけど…何でこんなに布の部分が無いんや?サイドが丸見えやん…」
や、ね。やっぱり綺麗な肌は見せたほうがいいでしょ
それにココ、プライベートビーチだからね
この眺めは私だけのものだしね。
「裕ちゃん、折角来たんだからぁ泳ごうよぉ」
「アタシはいい…泳げへんから…」
前に裕ちゃんの診断をしてもらって機能的には人間と同じだから身体は浮くはず…
でも、泳げない?
- 246 名前:擬態 投稿日:2003年02月22日(土)00時42分08秒
そう言えば裕ちゃん、ロボットとしては変なとこがいっぱい。
海の別荘に来る時の運転も…
海の別荘までの道のりを裕ちゃんの運転でドライブした。で迷いました。
「裕ちゃん!道、分かってないの?!私、目的地言ってなかったっけ?」
「ん?ちゃんと聞いた迷った…」
普通、ロボットって最低『ナビ機能』ついてるもんでょ?
何でロボットの裕ちゃんが道に迷うの?
- 247 名前:擬態 投稿日:2003年02月22日(土)00時42分44秒
どうやら裕ちゃんは意図的に方向音痴でカナヅチに性格づけされてるみたいだ…
つまり、裕ちゃんって誰かをモデルに作られた?
こんな疑問が頭を掠めたが今は目の前の美味しい状況を
楽しむことにしました。
だって、裕ちゃんの白い肌が目の前にチラつくんだもん
冷静な分析が出来るわけ無いじゃん
青い空、白い雲、輝く白い肌。
ホントの夏じゃなくても大満足です。
- 248 名前:擬態 投稿日:2003年02月24日(月)18時14分33秒
欲情するってこんな気持ちだったんだ…
海での雰囲気からムーディに決めたつもり。
ベッドに座ってビーチからの帰りに買ったファション雑誌を読んでいる裕ちゃん。
読書するロボットっていうのも変わってると思うけど、そんなの気にせずに
裕ちゃん目掛けてダイブする。
「ダァーー、なんや?ごっちん、危ないやん」
と言ってはいるけど倒れながらも小柄な身体で優しく受け止めてくれる。
好きな人に優しくされるって嬉しいぞ!!
- 249 名前:擬態 投稿日:2003年02月24日(月)18時15分58秒
ベッドに押し倒した裕ちゃんの胸のあたりに頭を埋めてグリグリと動くと
裕ちゃんは擽ったそうに笑いながら私の頭を退かそうとする。
でも、もう止まりません。
海での裕ちゃんの水着姿。
私が男だったら鼻の血管切れてますって。
押さえようと思っても空気が薄くて鼻の穴が広がっちゃって
自分でも分かるから何とか頑張っていい雰囲気を作ったつもりなんだけど…
裕ちゃんはその気になってくれたかな?
ちょっと、やぐっつぁんのことが頭を掠めたけど
もともと、そうしていいよって言ってたんだし…
それにもう、裕ちゃんは後藤もの。私のこと好きでしょ?
裕ちゃんも楽しそうだしいいでしょ?
ねぇ…裕ちゃん…
ん?
今、しあわせ?
その夜はお互い身体を擽りながらスキンシップの延長のような行為をした。
- 250 名前:擬態 投稿日:2003年02月24日(月)18時16分43秒
夜中に冷たい風が頬を走り目を開けると
別荘の寝室のベランダで海を眺めている裕ちゃんの姿があった。
その背中は何処か寂しげで
私はそんな裕ちゃんを守ってやりたくてたまらず後ろから抱きついた。
ベランダですっかり冷えてしまった裕ちゃんの身体。
こんなになるまで何考えてたの?
やっぱり、やぐっつぁんのこと?
そう思うとさっきまでの行為が途端に空しく思えてきてたまらなく悲しくなった。
「裕ちゃん、ちゃんと私のことを好きになってよ…」
「ん……」
「私だけを見てよ…」
「………」
裕ちゃんの返事はなかった。
- 251 名前:擬態 投稿日:2003年02月24日(月)18時18分29秒
裕ちゃんとは結局、友達以上恋人未満ときどきのスキンシップという関係が続いた。
どうして私を好きになってくれないのだろうというイライラは時々爆発し
かなり険悪に裕ちゃんを罵ったり時には手を上げたりしてしまった。
そんな中、ずっと気になって調査会社に依頼していた
『中澤裕子に関する調査書』
が届けられた。
- 252 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月24日(月)19時54分08秒
- おっ、ついに裕ちゃんの過去があきらかに!?
しかし、ごっちんが切ないですね・・・
- 253 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年03月01日(土)00時02分55秒
- >>252 名無し読者さま
レスありがとうござます。
過去・・・過去らしい過去は・・・
今回の更新は報告書メインなのに報告書読む必要ないです。(w
スレの無駄使い?このスレ自体迷惑かも・・・
皆さんの寛大なお気持ちで書かせて頂いてます。
もう少しで終わりますので引き続き広いお心で。。。
- 254 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時03分57秒
朝早く届けられた郵便物の中に調査会社の茶封筒。
裕ちゃんは今熟睡中。彼女は低血圧で朝は苦手なのだ。ロボットなのに…
調査内容が見られたくないので早速開けてみる。
調査会社の封筒の中には
表紙に『中澤裕子に関する調査書』と書かれた報告書とビデオチップが1つ。
チップをセットしながら報告書に目を通す。
ビデオは随分昔のテレビ番組やコンサート映像だった。
報告書の方に気を取られて映像を見逃していたら
私の大好きな歌声が聞こえてきた。
モニターに集中すると画面の中は『裕ちゃん』。
いや、裕ちゃんソックリの人物が歌っていた。
報告書の内容の『中澤さん』だ…
- 255 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時09分45秒
『中澤裕子に関する調査書』
1. 依頼主 … 後藤真希 様
2. 案件 … 矢口家製作、現後藤真希様所有ロボット『中澤裕子』に関する以下の情報を調べて報告をする。
イ. 名前の由来
ロ. 製作の目的
ハ. その他調査中に知り得た情報の全てを報告する。
3. 調査報告
イ. 名前の由来
製作依頼主YAGUTI.CO.創設者 故矢口真里会長(以下故矢口会長)の命名。
『中澤裕子』という名前は故矢口会長の友人の名前である。
ロ. 製作の目的
表向きは故矢口会長の老後の話相手として製作される。
- 256 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時15分58秒
ハ. その他の情報
a. 製作者故矢口会長について
故矢口会長は10代20代と芸能活動においての得た資金を基に設立した
10代をターゲットに商品開発をする企業YAGUTI.CO.の成功で一財産を築く。
『中澤裕子』とは芸能活動時代懇意にしていた歌手の名前である。
かつてその『中澤裕子』と故矢口会長は恋人同士というゴシップが流れたが
真偽は定かではない。
b. 歌手『中澤裕子』について
故矢口会長と同時期に芸能活動をしていた歌手。
性格はかなり個性的で「弱肉強食、I'll Do It My Way」をモットーにしていたらしい。
本人はかなりモテる容姿をしながら
全く気付かず回りの人間を振り回すはた迷惑な恋愛の噂が多々ある。
可愛い女の子、綺麗な女性、カッコいい男の子、
素敵な男性など大好きで気が多く、かなりの浮気性であったらしい。
- 257 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時17分15秒
- 浮気性??
ロボットの裕ちゃんは、気持ちはずっとやぐっつぁんのとこにあるみたい…
こんなに私が尽してるのに…
やぐっつぁん一筋で浮気なんて…返って浮気心でもあってくれれば…
「ごっちん!これ立体画像にして!!」
「えっ?」
いつの間にかモニターの前に齧り付くように陣取っている裕ちゃん。
画面はコンサートの楽屋裏レポートの様でいろんな人物が入れ代わり立ち代りカメラの前にやってくる。
そして…やぐっつぁん??
「ぁあ!!アンタ!離れぃ!!オレの矢口やで!!」
映像は…やぐっつぁんに楽しそうに絡んでるの裕ちゃんじゃん!
- 258 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時18分44秒
「あれ、裕ちゃんじゃん…どうして自分に妬くの?」
「あれ、アタシと違ゃうもん!けど、アイツの腕の中に居んのアタシを造ってくれた矢口やもん」
「あれ、やぐっつぁんじゃないの?そっくりなんだけど」
「ん、あれが今の矢口の曾おばあさんや。で、アタシに『オレの矢口』って言わせてたんや」
「『オレの矢口』…」
「そうや、何故かアタシはあの矢口の言う事は絶対やったから…」
ああ!
思い当たる報告箇所があった。
- 259 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時20分23秒
c. ロボット『中澤裕子』について
ロボットの『中澤裕子』は外見、行動パターン等、
故矢口会長の友人歌手『中澤裕子』をモデルとして作られているが
本人と一部異なる部分は故矢口会長に従順であるということ。
つまり、もし、ロボットに恋愛感情があるのなら
このロボットは絶対浮気をしない故矢口会長一筋の恋人である。
ちなみにこの手のロボットの耐久年数は100年程度で
この『中澤裕子』ロボットはとっくに耐久年数が切れているので
いつ止まってもおかしくない。
- 260 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時21分53秒
耐久年数切れてる…いつか止まっちゃうの?
それより、気になる一文。――― 故矢口会長一筋の恋人―――
じゃ、何故、やぐっつぁんを好きなの?
曾おばあちゃんにそっくりだから?
この疑問にも回答があった。
- 261 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時24分40秒
- d. その他
故矢口会長が実在の人物の『中澤裕子』のレプリカとも取れるロボットを造ったことは
『クローンとロボットに関する法律・レプリカ禁止条項145条(以下禁レプリカ法)』
に違反していると思われるが既に時効となっている。
入手したレトロビデオ(別途資料としてビデオチップ同封)
から故矢口会長と現矢口家令嬢『矢口真里』氏の酷似に気が付き調べたところ
矢口家令嬢『矢口真里』氏は故矢口会長と同意地遺伝子を持つものと思われ、
こちらもは『禁レプリカ法』に抵触しているが
矢口嬢出生時に故矢口会長は他界してたため
問題にされなかったものと思われる。
なお、矢口嬢も同様の調査を2年ほど前に行った模様。
どうやら矢口嬢も『禁レプリカ法』に引っ掛かるようなことをしているようである。
- 262 名前:擬態 投稿日:2003年03月01日(土)00時25分34秒
- d. その他
故矢口会長が実在の人物の『中澤裕子』のレプリカとも取れるロボットを造ったことは『クローンとロボットに関する法律・レプリカ禁止条項145条(以下禁レプリカ法)』に違反していると思われるが既に時効となっている。入手したレトロビデオ(別途資料としてビデオチップ同封)から故矢口会長と現矢口家令嬢『矢口真里』氏の酷似に気が付き調べたところ矢口家令嬢『矢口真里』氏は故矢口会長と同意地遺伝子を持つものと思われ、こちらもは『禁レプリカ法』に抵触しているが矢口嬢出生時に故矢口会長は他界してたため問題にされなかったものと思われる。なお、矢口嬢も同様の調査を2年ほど前に行った模様。どうやら矢口嬢も『禁レプリカ法』に引っ掛かるようなことをしているようである。
やぐっつぁん…何やってんの?
そんな思いが伝わったのか突然のコール音で電話の表示を見ると『矢口真里』。
やぐっつぁん、今頃電話してくるなんて…
- 263 名前:ミスった 投稿日:2003年03月01日(土)00時27分58秒
- すいません。
261ミスった。無かった事にしといてください。
- 264 名前:名無しさん 投稿日:2003年03月01日(土)12時31分36秒
性格はかなり個性的で「弱肉強食、I'll Do It My Way」をモットーにしていたらしい。
- 265 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月01日(土)12時36分27秒
- ↑のやつ失敗しました。スミマセン。
「弱肉強食、I'll Do It My Way」って今井絵里子さんが出たときにできたやつですね(笑)
矢口さんの行動が気になります。
どうなっていくのか楽しみです!!
- 266 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年03月05日(水)00時13分13秒
- >>265 名無し読者さま
>↑のやつ失敗しました。スミマセン。
気にしないでください。作者が誤字脱字ミス投稿だらけの駄文ですから
>「弱肉強食、I'll Do It My Way」って今井絵里子さんが出たとき
何言うトンの・・・あれは新垣仁絵さんやで…と、軽く突っ込み(笑
駄文ですのであまり引っ張っても申し訳ないので
終わらせます。
- 267 名前:擬態 投稿日:2003年03月05日(水)00時16分57秒
「やぐっ…」
「ごっつぁん、元気だった?」
「やぐっつぁん、どこ行ってたのさ!!ちょっと勝手過ぎない?!」
「あ…うん…ごめんなさい」
?
いつもだったらキャハハ笑いとともにふざけた口調で誤魔化すのに…
私の剣幕が凄かったのか神妙なやぐっつぁん、でも心に決めたものがあるのか
「これからそっちに行っていくから」
と、一方的に言って電話を切ってしまった
まるで私が拒絶するのを阻むように
- 268 名前:擬態 投稿日:2003年03月05日(水)00時19分01秒
やぐっつぁんが来たら裕ちゃんには会わせない。
裕ちゃんを大事に出来るのは自分の方だと言ってやろう。
裕ちゃんの想いも私の想いも全てぶつけてやるつもりだった。
実際、やぐっつぁんが来た時
一人じゃなかった。
手の中に大事そうに抱えた宝物。
透けるような白い肌、丸い鼻、少し垂れている目、つややかな柔らかそうな口
まるで裕ちゃんとやぐっつぁんを足して2で割ったような…
その子を見たときやぐっつぁんがいままで何をしてどうして消息をたっていたのか分かる気がした。
「ごっつぁん、しばらく…」
「うん…」
「裕ちゃん、返してもらっていいかな?」
「裕ちゃんしだいだよ…」
「そうだね…矢口、海岸で待ってるから裕ちゃんと話をさせて」
「分かった…」
- 269 名前:擬態 投稿日:2003年03月05日(水)00時21分16秒
海岸の水際を歩いてるやぐっつぁんを見つけた時の裕ちゃんの笑顔。
やぐっつぁんに会ったらいろんなことを言ってやろうと思っていたのに…
あんな笑顔を見せられたんじゃ何も言えないよぉ
こうなることは初めからわかっていた気がした。
風に乗って二人の声が聞こえた気がした。
ねぇ…裕ちゃん…
ん?
今、しあわせ?
了。
- 270 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月05日(水)13時14分08秒
- すごい展開がはやくなりましたね。
イキナリな感じが・・・でもすごく面白かったです!!
- 271 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月06日(木)16時54分18秒
- 裕ちゃん&やぐっちゃんは幸せそうだけど、ごっちんが切ないです・・・。
ところで、やぐっちゃんの婚約相手はどうなったんですかね?
やっぱり・・・破談?
- 272 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年03月11日(火)01時46分30秒
- >>270 名無し読者さま
すいません、こんな話しか書けませんでした。
それなのに、番外編をやろうとしてます。
>>271 名無し読者さま
本編はごっつぁん視点だったので
ごっつぁんが知りえる情報はこのくらいかなと
消化不良になりますね・・・すいませんです。
- 273 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月11日(火)01時50分18秒
矢口が初めて裕ちゃんを見た日―――…
お祖母さまの埋葬の日。
矢口家の墓地(ぼち)は南極にあって曾お祖母さまの遺体が生前と同じように冷凍保存されている。
お祖母さまも同様に埋葬されるので一族でお葬式の後、南極の墓地にいった。
中に入るのは初めてで奇妙な感じがした。
みんながお祖母さまを綺麗に着飾っている間、矢口はやることが無くウロウロと…
気が付いたら曾お祖母さまのところにいた。
曾お祖母さまはまるで蝋人形のように安楽椅子に腰掛けて今にも矢口に向かって話し掛けそう…
- 274 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月11日(火)01時51分26秒
- そう思っているところに
「矢口?」と
話し掛けられたから驚いて声の方を見ると綺麗な女の人。
曾お祖母さまに寄り添うように床に座っていた人形が突然矢口に向かって手を伸ばしてきた。
きゃああああああああああああ!!!!
矢口の悲鳴でお母さんが飛んで来てくれた。
「真里!どうしたの?!」
「し・死体が…死体が動いた!!」
「えっ!」
矢口が指す方を見てお母さんは旧友に会ったような懐かしそうな感嘆の声で彼女に話し掛けた。
「中澤さん!起きたの?動ける?」
「ああ…何や…まだ、ぼんやりしてる…」
矢口には訳が分からない…
- 275 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月11日(火)01時52分39秒
「お母さん、お母さんってば」
「えっ、ああごめんなさいね。彼女はお祖母さま、あなたの曾お祖母さまの友人ロボットよ」
「ロボット?」
「そう、ほら昔、そんな歌があったじゃない…
お爺さんが逝っちゃたら時計も止まったって、
あれと同じで曾お祖母さまの埋葬が済んだ時に中澤さんも停止しちゃて、
どうやっても動かせなかったのよね…」
「じゃ、どうして今、動き出したの?」
「たぶん、真里の所為ね」
「私の?」
- 276 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月11日(火)01時53分21秒
「だって、あなた、曾お祖母さまと遺伝子配列同じですもん」
「!!!聞いてないよ!!」
「当然でしょ、言ってないもの。」
「お母さん!!!」
「お父さんには内緒よ。
だって、お母さんねお祖母ちゃん子で
真里を創るときお祖母さま亡くなったばかりで寂しかったのよ。
で、そうなっちゃたの」
矢口のお母さんって信じらんな〜い…
つまり、矢口は曾お祖母さまのクローンじゃん…
お母さんとトンでもない話をしていると後ろからフワッと抱きしめられた。
「やっぱ、矢口やん」って。
その腕も抱きしめられた感触も悪いものじゃなかった。
- 277 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月12日(水)00時52分38秒
- お祖母さまの葬儀も無事終えて
思いがけず起動してしまったロボット『中澤裕子』なるものを引っ提げて
矢口家の本宅へ帰ってきた。
矢口も親戚関係の付き合いを果たし疲れきった身体をお風呂で癒して
やっと自分の部屋で寝ようとベッドルームのドアを開けた。
「やぐちぃ〜vv早よここおいで」
って、どうしてオマエがここにいるんだよ!!
文句の一つもいってやろうと矢口のベッドに腰掛けてるヤツの側にいくと
腕を引っ張られバランスを崩した。
矢口の身体はそのままソイツの膝の上に腰掛ける形になってしまった。
そしてあろうことかソイツは矢口の首筋に顔を埋めてくる。
「う〜〜ん…矢口の匂いや…やっぱ落ち着くなぁ…」
「って、おい!オマエ!!何恥ずかしいこと言ってるんだよ!!」
「哀しいなぁ…やぐち、『オマエ』ってなんや他人みたいやん…いつもみたいに『裕ちゃん』って言ってぇや」
といいながら何やってるんですか?
- 278 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月12日(水)00時53分35秒
さっきまで膝の上で抱きかかえられた筈なのに今は何故かベッドの上で組み敷かれてパジャマをドンドン脱がされていく。
「えっ?何?えっ??」
「何っていつものように寝る前の運動vv」
えっ?えっ?
訳が分からず抗議しようとする言葉も口付けで奪われ
状況を判断しようとする冷静な思考も体中を愛撫する柔らかな手と唇で機能しなくなっていく。
もう後は言葉のない世界。
矢口の初めてがこんなムードもへったくれもないものだったにも拘わらず
翌朝、気持ちよく目覚めたのだった。
- 279 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月12日(水)01時51分47秒
- ワーイ!番外編だ!
- 280 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月12日(水)14時20分05秒
- 曾お祖母さま・矢口母・矢口・・・・・・この家系の人達、いい性格してるな〜(笑)
番外編すごい嬉しいです!!
- 281 名前:つかさ 投稿日:2003年03月12日(水)23時27分38秒
- いや、一番いい性格してるのは・・・会ったばかり(?)なのに早速いただい
ちゃってる姐さんのような気が・・・(w
番外編、めっちゃ嬉しいっす♪
ラブラブやぐちゅー♪v
- 282 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年03月21日(金)16時07分14秒
- >>279 名無し読者
レスありがとうございます。
番外編なので短めに終わらせます。
>>280 名無し読者
レスありがとうございます
>この家系の人達、いい性格してるな〜(笑)
やぐっつぁんの遺伝子持ってたらこんな性格かなぁ・・・と
>>281 つかさ
レスありがとうございます
>いや、一番いい性格してるのは・・・会ったばかり(?)なのに早速いただい
ちゃってる姐さんのような気が・・・(w
いえいえ、裕ちゃんの行動は全てやぐっつぁんによって設定されたものですから
一番いい性格してるのは・・・
時期的に浮かれてもいられないのですが
それでも、裕ちゃんを応援する気持ちは変わらない。
- 283 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時09分22秒
矢口のスタイルが裕ちゃんが来た事によってだいぶ変わった。
朝、目覚しアラームがいらなくなった事。
起きるとまず、シャワーを浴びる事。
寝る時パジャマを着なくなった事。
毎日ちゃんと学校に行く事。
- 284 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時11分10秒
朝、6時ジャスト。
いつものように唇に柔らかく暖かい感触に目が覚めると
裕ちゃんがまだ眠そうだけど「おはよ」って笑う。
矢口は裕ちゃんをベッドに残し自室のシャワールームに入り
身体を洗いながら僅かに赤くなったところを数えてみる。
今日は少し多いな…
なんてもう普通に思ってしまった自分に苦笑する。
昨夜の激しさは自分が欲しがった所為。
裕ちゃんは矢口のバイオリズムを完璧に把握しているんだと、
矢口の身体のことは矢口より知っていると事ある毎に思わされる。
- 285 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時11分53秒
シャワーを出て再びベッドの所に来てみると
毎度のことながら二度寝する裕ちゃん。
こんにゃろ!!矢口のことだけ起こしといて!
と軽く怒りの気持ちを込めて布団の膨らみ目掛けてダイブしてやる。
「!!!何いすんのや!裕ちゃんアンティークもんやで!壊れんで!!」
「いい度胸してるじゃん。矢口を起こしておいて自分はまた寝てるなんて」
「だって、6時に起こしてって矢口が言ったやん。そんなことよりほら学校行く用意せんと遅刻すんで」
あっ!そうだった朝のシャワーで時間ギリギリなんだよ
でも、放っておくとまたコイツは寝てしまう筈、強引に起こして朝食を食べさせないと。
- 286 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時13分30秒
食堂に下りていくとお母さんたちも丁度食事を始めるところだった。
「おはよう」
「真里、おはよう。裕ちゃんが来てから朝調子いいみたいね」
夜のことがフッと頭を霞め思わず焦ってしまう。
「えっ、そ・そんなことないよ」
「いいえ、前はすぐ『お腹がいたい』だの『咽から血が出る』だの言ってたじゃない」
うーーーーん、それは…半分は仮病なんだけど…
「あっやっぱり仮病だったのね」
バレてたんじゃん…
でも、仮病使う回数もへったってことか…
毎日、裕ちゃんの送迎付だもんなぁ…サボれないよ
- 287 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時14分42秒
「矢口!行くで、早よしぃ!」
「待ってよ、今行くから」
「あ、真里、ちょっと待って。お母さんも一緒に行くから」
「えっ?」
「買い物よ、買い物。」
買い物に出るというお母さんと一緒に裕ちゃんの運転で登校する。
本当は校則で車での送迎は禁止されている。
でも、実際はみんな校門の近くの目立たないとこで車を降りているだけ。
矢口も学校関係者に見つからないように車から降りる。
「真里、いってらっしゃい」
と後部座席から助手席に移動しようとしているお母さんが目に入り
「あっダメ!」思わず声が出てしまった。
- 288 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時15分32秒
「何がダメなの?…ああ、そうね…助手席は真里の指定席なのね」
「い・いや、そう言う訳じゃ無いけど…ほら、え〜と助手席危ないから…
お母さんは矢口の大事な人だから…ね、だから裕ちゃん助手席は矢口だけってことで
安全運転でお母さん乗っけていってね」
お母さんに全部見透かされているようで恥ずかしくなって
早くその場から離れたくて走って学校に向かった。
- 289 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時16分45秒
矢口が学生の間は矢口家の会社の経営とは無縁の生活をしていた。
18歳を過ぎた辺りからお父さんがいろいろ会社のことを話したり
大事な行事に出席させられたりするようになった。
お父さんは仕事大好き会社人間でそんなとこが先代に気に入られて婿養子になった人だから
会社の為になることなら何でもする。
自分の娘の見合い話も勝手に進めて来るのだ。
その度に『や、まだ早いから、見合いは二十歳過ぎてから』って言ってきた。
その二十歳が近づいてくる。
- 290 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時17分58秒
この歳になると自分の気持ちも分かるようになる訳で
他の人との結婚なんて考えられなくなっていた。
そして、その気持ちに沿うべくあることを密かに進めていた。
そんなときお母さんが言った。
「真里、お母さんに何か隠してるでしょ?」
ドキッとした。
「それ、誕生日の日に実行しなさい。これ、軍資金と隠れ家の住所よ」って。
!!!
今まで知らなかったのだ。
ただのお嬢様育ちの母親だと思っていた人が
こんなに強かで根回しのいい人だったなんて。
- 291 名前:擬態<番外編:矢口の双子> 投稿日:2003年03月21日(金)16時18分49秒
海風に当たりながら
裕ちゃんが来るの待つ。
裕ちゃんは人間の『中澤裕子』の代わりとして作られたけど
矢口にとっては裕ちゃんがホンモノだから
裕ちゃんの代わりに人間の『中澤裕子』の遺伝子使わせてもらっちゃた。
「やぐちぃ〜!!☆塔ウ○♪‡☆塔ウ○♪‡!!!!」
砂に足を捕られながら走ってくる裕ちゃんは
涙でぐっしょり頬を濡らしながら破顔の笑顔。
ねぇ…裕ちゃん…
ん?
今、しあわせ?
了。
- 292 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月24日(月)22時29分21秒
- 不治の病、オトコヒデリミソジ病に冒され急な入院生活を送ることになった
ハロモニ学園教師、中澤裕子にある朗報が届いた。
病室の外をブラッ●ジャック&Pノコと思われし人物が通ったというわけではない。
朗報をもたらしたのは、中澤が所属している秘密結社「矢口フリークス」からの会報である。
その中の記事に闇オークション出品予定品についての記載があった。
- 293 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月24日(月)22時30分27秒
次回のオークション開催日時
2003年X月XX日 XX時〜
出品予定品
DJマリー踏み台,ミニマム矢口使用ドロボウ髭,アルバイト矢口ネームプレート,アイドル矢口愛用ナポリタンヘルメット…etc.
尚、今回の目玉は『真里っぱ』!!
矢口フリークの皆さんにとっては見逃せない商品です。それに加え河童のエキスは若返りに効果抜群☆
最近の研究ではオトコヒデリミソジ病に絶大な効果を出している云々。。。。
- 294 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月24日(月)22時31分18秒
おお!!河童エキス!!
今度のオークションには絶対いかなあかん!!
で日時は…あしたやん!!
はよ、石川先生に外出許可を出してもらわな…
ハロモニ学園教師、中澤裕子転げるように病室を後にした。
- 295 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月24日(月)22時33分19秒
そのころ川底では
加護っぱ、辻っぱが何かコソコソ書いていた。
「加護っぱ、辻っぱ、ナニヤッテルっぱ?」
「あっミカっぱ姉ちゃん…」
「アレ、コレッテ…」
「ん、オークションの出品申込書ケロ。」
「うちら〜もう、こんなキュウリばっかの食事、耐えられないッパ!!」
「ダッテ、内ニハオ金ガ無イっぱ。仕方ナイっぱよ」
「だから、真里っぱ姉ちゃんを出品して大金をGETするッパ」
「!!」
「大丈夫だケロ…どうせ、ミニモニ卒業だし真里っぱ姉ちゃん消えても誰も気がつかないケロ」
- 296 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月24日(月)22時34分53秒
「デモ、真里っぱ姉ちゃんデ大金ガ動クっぱ?」
「それも大丈夫っパ、そういう市場があるッパヨ。『矢口グッツなら大金を出しても』っていう秘密結社が」
「「ねぇ〜ミカっぱ姉ちゃん、いいでしょ?」」
「どうせ、放っておいてもポロリ星人何でも裕子女王に連れていかれるケロ」
「ソウネェ…其ノ方ガイイカモ…」
所詮、人のいい
もとい、河童のいいミカにこの小悪魔二人を制御することは不可能なのだった。
- 297 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2003年03月25日(火)11時07分55秒
- 今更ですが「擬態」面白かったです。
やぐちゅー万歳!!(w
しかし、矢口と裕ちゃんの遺伝子を持った子供って
どんな性格なんでしょうね。想像すると、なんかちょっとコワイなぁ(w
新作の「DARKAUCTION」も面白そうですね。
こちらも期待しています!
>秘密結社「矢口フリークス」
は、入りたい・・・(w
- 298 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月26日(水)04時22分55秒
- こんどは、コメディですか?
わくわく。
- 299 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月29日(土)00時08分16秒
- >>297 読んでる人@ヤグヲタ
>秘密結社「矢口フリークス」は、入りたい・・・(w
結社入会は審査が厳しいかも
今ヘタに入会すると危険な目に会う・・・(嘘?
>>298 名無し読者
>こんどは、コメディですか?
楽しい話になればいいのですが・・・
やたらと登場人物が多くなってきてます。
自分の弱い頭じゃ混乱するのも間近。。。
では、キリの悪い更新。
- 300 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月29日(土)00時09分52秒
- オークション前日の夜。
秘密結社「矢口フリークス」本部ではオークション出品のお披露目も兼ねてレセプションが行われていた。
会場にはそこここに角界の有名人、有力者が見え隠れしている。
部屋の中央でボーイからシャンパンのグラスをとったのは
暫く前に失踪し消息の分からなくなっていた写真家、中澤セリーヌ裕子であった。
シャンパンのグラスを傍の小さい人にわたしながら小さく呟く。
「矢口、ごめんなぁ…」
「何てことないよ。だって裕ちゃんがいろいろしてくれたから当たり前じゃん」
- 301 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月29日(土)00時11分13秒
メルヘン界のアイドルだったミニマム矢口と逃避行の末
事務所の圧力で仕事を干されていた写真家、中澤セリーヌ裕子は
この度貯金を叩いて矢口の事務所に違約金を払い和解することが出来たのである。
しかし、それで自分の写真家としての運転資金を使い果たしてしまったため
折角、撮り貯めておいたミニマムの秘蔵写真が写真集に出来ないのである。
本を出せば絶対売れる筈であるが印刷するにも一度落とした信用が回復するには時間が足りない
製本作業に掛かるお金さえあれば…
という理由から今回、矢口が大切に持っていたドロボウ髭を手放すことにしたのである。
- 302 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月29日(土)00時12分29秒
そのドロボウ髭は厳重に管理されたガラスケースに展示されている。
ちょっと異様なのは
頬袋に食べ物を詰め込んだ少女がケースの中のものを物欲しげに
へばり付いていることである。
彼女の名前は辻希美。駆け出しのカルト教団専門の捜査官である。
「いいらはん、ほれいいれすへぇ」
「ノンちゃん…口の中の物無くなってから喋ろうね…」
返事をしたのは辻の上官、飯田圭織捜査官である。
数年前の『渋谷ラブホテル・デート嬢殺人事件』の被害者デート嬢矢口が
この秘密結社のオークションに関わりがあるというタレコミで
捜査したところ結社は殺人とは関係ないことが判明したが
その際の捜査でいろいろな疑惑が浮かび上がり
カルト教団専門の捜査官が派遣されたのである。
- 303 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年03月29日(土)00時13分38秒
- そして飯田と辻は只今潜入捜査中である。
「ノンちゃん、ちゃんと捜査しないと
暮れのオークションの時は手が出せなかったけど
今度こそ人身売買の尻尾をつかむんだから」
「そうれすよ!暮れの『矢口はな』は絶対、チワワじゃありませんよ!!」
「ノンちゃんもそう思うっしょ?」
飯田は胸ポケットから一枚の写真を取り出しながら話を続ける。
「これ、この頭の茶髪といい、つぶらな瞳といい、モロ、矢口そのものっしょ!」
「れったいそうれす!!今度こそなのれす!!」
「ノンちゃん…言葉おかしい…ま、いいわ」
飯田は例の会報を握りつぶしながら言葉を続ける。
「この『真里っぱ』は絶対人間よ。
河童なんていないんだから…もし、河童だったとしても希少動物だから
ワシントン条約に違反してる筈…」
「いいらさん…ワシントン条約のリストに河童はありません…」
- 304 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2003年03月29日(土)12時01分29秒
- 最初の会話を見たとき、中澤セリーヌ裕子が
ミニマム矢口を出品するのかと思いました(w
フツーに考えれば(?)どんなに貧困な状態になっても
ミニマム矢口を放出するワケはありませんね(w
- 305 名前:川o・-・)ダメです… 投稿日:川o・-・)ダメです…
- 川o・-・)ダメです…
- 306 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月01日(火)23時13分28秒
二人の捜査官の横をケーキのトレーを抱えたボーイとは言いがたい人が接客をしている。
その姿は労務者風で背中に抱えた年代物のラジカセから聞こえてくる曲。
ルールー ルル ルル ル〜
彼が目を留めた先にはイブニングドレスもゴージャスなシロガネーゼ。
- 307 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月01日(火)23時14分16秒
「大金様、今日はお珍しいおレセプションにお連れ頂いて嬉しゅうございますわ」
「そうですの、今回は特にお珍しいものがオークションに掛かるらしくてお披露目のこのパーティーも人が多うございますわね。宜しければ綾小路様も会員になりませんこと?」
「いえ、私は『イニシャルiの会』の方の役員をやっておりますから…」
「そうですわね、役員がお浮気をなさってはお会員にお示しがつきませんわね」
「今度は私が『イニシャルiの会』のパーティにご案内いたしますわね」
「それは、楽しみですわ」
などと何気ない会話をしている大金持子であるが、
実は今日は大きな目的が会って内心胸が破裂しそうなのである。
- 308 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月01日(火)23時15分17秒
『アルバイト矢口』のいたファミレスにはもう何週間も通ったのに目的の彼女には会えず
もう永久にあの可愛い「かしこマリ〜」が聞けないのかと思うと
世界中の色が消えてしまったように侘しい気分になっていたのだ。
そこに例の会報で『アルバイト矢口のネームプレート』の文字を見たとき
コレを出品するのは本人しかいない思ったのである。
そして、会員ではなくても出品者はこのレセプションに招待されるので
この広い会場の中に彼女がいる可能性は高い。いや、絶対いるはず。
今日こそはお持ちかえりするのだと勢いこんで、でもやっぱり少し不安なので綾小路と共にやって来たのであった。
- 309 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月01日(火)23時16分18秒
綾小路とグラスを傾けながら展示してある出品予定品を見て廻っているといや〜な雰囲気が…
背後から聞こえてくる曲。
ルールー ルル ルル ル〜
!!!
「はるこおばちゃん!!はるこおばちゃんじゃないかい?!」
大金は条件反射のように目じりから涙がこぼれる。
「何も泣くことないじゃないかい?」
一生懸命、平常心でいようとするがツボにハマッているので仕方がない。
「いや、私ははるこおばちゃんではないですから。それより、何故ここにおいでになるの?」
「じゅん…お父さんは富良野に帰るお金がありません…毎日、日雇い仕事ばかりです。ココも今日と明日だけの仕事です。」
話している間も腹筋がプルプル振るえ涙が止まらない大金持子であった。
- 310 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年04月01日(火)23時22分06秒
- >>304 読んでる人@ヤグヲタ さま
レスありがとうございます。
- 311 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月04日(金)00時20分57秒
それで『アルバイト矢口』はどうしているかというと
ちゃんと会場にきていて
来賓客にメイドと間違えられ軽くキレている。
「矢口も招待客だっちゅうの!!ったく」
結構ハイソなサークルだって聞いたから美味しいものたくさん出ると思ったのに
カクテルパーティじゃん…お酒じゃぁなぁ…
甘いのは嫌いじゃないけどあんま飲めないし
なんか見た顔ばっかな気がするし
好みの顔の人もいるんだけどナンパしようにもみんなカップルで来てるし
つまんないや
誰かいないかなぁ
- 312 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月04日(金)00時22分30秒
あれ?
あの人見たことある…えーと、あ・バイト先のお客さんだ
顔は好みなんだけど話かみ合いそうもないから無視しとこうっと
げっ!気が付いた?
こっち来るじゃん!!
大金は連れの綾小路を捨て置いて
まっすぐ矢口のもとへ猪突猛進という勢いでやってくる。
「矢口さん!矢口さんじゃございませんこと!!」
すごい勢いに引き気味になりながらも矢口は「ち・ちーっす」と挨拶をする。
「あら、ごめんなさい。私、大金持子と申します。
覚えていらっしゃいせんよね
ほら貴女の働いてらっしゃるお店に何度が行きましたのよ。」
- 313 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月04日(金)00時24分01秒
いや…あれだけ印象的な客はいないから
そして、今日も印象的というか目のやり場に困るぐらいセクシーなドレス
顔は好み
声は大好き
薫りにはクラクラくる
矢口は何とか意識を保ちながら会話を続ける。
「もっち、覚えてま〜す。矢口マリーで〜す」
「矢口さんは明日のオークションに出品なさるの?」
「ああ、ダチにここのサークルはハイソでオークションも高額になるって聞いたから」
「矢口さんはお金がお要りになるの?」
「ん。ちょっと欲しいモンがあって、あそこのバイト時給チョべリバでさぁ
もっと割のいいバイトにしようと思って
指し当たって売れるモン売っといた方が徳じゃん」
「ああ、矢口さんは高額の仕事を探してらっしゃるのね」
「そ、そういうこと」
「私、いま私設秘書を探しておりましたの。
詳しいお話をしますからウチに行きましょう。
後はちゃんとお宅までお送りいたしますわ」
大金の口車に乗ってしまったのか、外見に落とされたのか
二人はリムジンに乗って会場を後にするのだった。
って綾小路はどうするの?
- 314 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2003年04月04日(金)07時22分20秒
- いろんな矢口&裕ちゃんが見れて楽しい(w
- 315 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月04日(金)20時56分05秒
- 同じく、色々な裕ちゃん&やぐっちゃんが出てきて楽しいです!!
何気に綾小路さんが放置なのが面白いです(w
続き楽しみに待っています。
- 316 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年04月04日(金)23時06分16秒
- >>314 読んでる人@ヤグヲタさま
>いろんな矢口&裕ちゃんが見れて楽しい(w
今回のテーマですから、でもそろそろ打ち止めかな・・・
>>315 名無し読者さま
>何気に綾小路さんが放置なのが面白いです(w
すみません、綾小路さんこのまま放置します。
勝手にお屋敷へ帰ってください(笑
では、更新。
- 317 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月04日(金)23時07分41秒
大金と入れ違いに入ってきたミニモニ。カフェの矢口元店長。
何かブツブツと独り言が大変妖しい。
「ユーちゃん、ほんとにココにくるの?」
「ぜーったい来る。あのポロリ星人が『真里っぱ』を易々人手に渡すわけあらへん」
「ユーちゃんってポロリ星人に詳しいね」
「小学校が一緒やった…あのアホ、タカビーで好かんかってん」
独り言のように見えたが実は矢口元店長の胸ポケットに
女王ナキャジェリーヌ29世ユーコ・ナカザーが顔を出していた。
- 318 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月04日(金)23時08分43秒
「性格、似てんじゃん」
「何言うてんの!アンなのと一緒にせんとって!性格極悪やで」
「そこまで言う、何されたのさぁ?」
「ん、帝王学を勉強しに通わされていた小学校で
いたいけな少女やった私からアレをとりあげたんや」
「アレって今探してる願いの叶う指輪?」
「そや、アレはもともと私んやったのに…」
「ユーちゃんのことだから賭けでもしたんでしょ?」
「何んで分かんの?ちっこい頃のカワイイ遊びやってん…
あの時ケーキさえ食べんかったらそんなことにならんかったのに…」
「ケーキの所為?ミニモニ。カフェ元店長としては聞き逃せないセリフじゃん…
どんな賭けしたのさぁ?」
- 319 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月04日(金)23時09分50秒
「ヤツと私は同じ誕生日で背格好もあんま変わらんかったんや。
で、何でも競争してていつも決着がつかんかったやけど、
あの日、午後から身体測定で、いつものように競争や。
背比べで高い方が相手から一つ好きなもん貰えるってことにしたんや。
前の日の背比べで私の方が高かったから絶対勝つ筈やったのに
給食でケーキが出たんや…ケーキ食べたらどうなるか知ってるやろ(怒)」
何も矢口に怒んなくても…と思うのだが
今、胸ポケットで騒いでる姿がケーキを食べたときの状態。
ナキャジェリーヌ29世のこの姿を改善する為に
ポロリ星人の願いが叶う指輪を追ってここまで来たのだが。
「今のままでも充分カワイイと思うけどなぁ、矢口は」
「アカン!このちっこい身体やったら矢口とアンナことやコンナことが出来へんやん!!」
「何いってんだよー!! 」
なんて言ってはいるがそういうことを密かに期待してる矢口は
ナキャジェリーヌ29世のいうとおりポロリ星人を探しに人ごみの中に消えていった。
- 320 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月04日(金)23時54分15秒
- 今度は矢口店長とナキャジェリーヌ29世ですか〜。
矢口&中澤さんがどんどん増えてきましたね(w
どんな結末になるのか楽しみです!!
- 321 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月06日(日)00時09分45秒
- 色々な中澤&矢口のコスプレ(?)が出てきて、非常に楽しいです。
しかし、どんな二人でも網羅している作者さんの、
本当の「やぐちゅー」ぶりには脱帽です。
楽しませてもらっています。
いつもありがとうございます。
- 322 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年04月09日(水)00時37分07秒
- >>320 名無し読者 さま
>矢口&中澤さんがどんどん増えてきましたね(w
増えてきましたねぇ〜
この二人は自然増殖のようにワラワラと発生していくので
目の毒です。(w
>どんな結末になるのか楽しみです!!
結末はグダグダで・・・
>>321 名無し読者 さま
>色々な中澤&矢口のコスプレ(?)が出てきて、非常に楽しいです。
実際、この二人コスプレ多いんで妄想のし甲斐があるんで・・・
>しかし、どんな二人でも網羅している・・・
いえいえ、ザル頭ですから抜けてるキャラがいる筈。。。
兎に角、そろそろ締めくくります。
- 323 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月09日(水)00時38分19秒
会場の招待客の殆どが金髪、茶髪の中、一際目立つ黒髪、着物のカップル。
一人は下町の娘のような格好。
もう、一人は『くノ一』のような…にしては派手な格好の少女。
まるでお江戸の町から抜き出てきたような二人は少し心細げにあたりを見渡している。
格好が示すとおりこの二人は何らかの力が働いて過去から現代にタイムスリップしてきたのだ。
「なぁ…ほんまにここに居んねんな?」
「そうだよ。矢口の情報を信じないのかよ!これでも一流の忍者なんだってば!!」
「そうかぁ?アンタが長屋にお姫さま、探しに来とったときアホなことばっかやっとったやん…」
「あれはぁ辻・加護がドジってたんだってば!」
「出来る上司が部下のせいにするか?」
「ぶぅぅぅぅでも、この情報は確かなの!迷路座の怪人が教えてくれたんだから」
- 324 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月09日(水)00時39分31秒
二人が探しているのは「時をかけたことのある少女」、芳山和子こと安倍なつみである。
彼女なら元の時代に戻る方法を知っているというので『BARウッドストック』を訪ねたら
今日はこのパーティの手伝いに来ているとマスターに言われたのだ。
「ゆーちゃん、さっきから気になってるんだけど…なんで上方の言葉喋ってるの?」
「わからん…ココ来たらなんかその方がえぇ気がしてるだけや…
って、なんでゆーちゃんって言うん?
おゆきさん、とかゆきちゃんとかなら分かるんやけど、まるでお夕さんみたいやで」
「矢口もココ来たらこう呼ぶのが普通のような気がするだけなんだよね…」
- 325 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月09日(水)00時40分48秒
時空を越えた所為で違和感だらけである。
手元にある会報も殆ど意味不明のことが書いてあるが
暗号解読も仕事のうちと矢口が会報を読んでいると目がある言葉のところで留まった。
「ゆーちゃん…ゆーちゃんも『オトコヒデリミソジ病』って言っていたよね?」
「ん。栄次さんが死んでから発病したけど矢口と逢えたから大丈夫やで」
「それ、どういうことですか?」
おゆきは背中から聞こえる声に振り返るが
目線の先には誰もいない
って訳ではなく目線の下に
茶髪、グレーのブレザーの高校生矢口が強い視線で見つめてくる。
- 326 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月09日(水)00時42分08秒
「いやあ…そんな熱い視線で見詰めんとって…私には矢口が居るから…」
おゆきはくノ一矢口を腕の中に引き込んで声を掛けてきた少女に柔らかく微笑む。
「じゃなくて、オイラにも大事な人いますから…オイラの大事な人その病気で死にそうで…」
「『オトコヒデリミソジ病』って不治の病だけど、死に至る病じゃないじゃん!」
「いや、矢口、『オトコヒデリミソジ病』って怖い病気なんやで。
でも、恋人が優しゅうしてくれたら大丈夫なんや。」
「それって、ゆーちゃんのたんなる願望じゃん!!」
「や、違ゃうねん。『オトコヒデリミソジ病』はな彼氏が居らんから
その…えーと…恋人同士の営みがなできんやろ…
そうすると女性ホルモンの分泌に異常出て致命的な婦人病に罹り易くなるんや。
だからそうならんように、矢口、可愛がってや〜vvチュッ」
「人前で何すんだよ!!」
とほっぺをガシガシと袖で拭っているが嫌だったのではなく単に照れているのだ。
- 327 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月09日(水)00時43分51秒
高校生矢口はそんな二人を羨ましげに見ていた。
「ゆーちゃんさん、病気に詳しいんですね?」
「ゆーちゃんさんって…変やで。まっいいんやけど…
私が医術に明るいんはお父つぁんが医者やからな…
って、アンタのいいひと相当悪いん?ちゃんとしてあげなあかんで。頑張ってな
さあ、私らは早よ安倍さん探して家に帰ろ、なんやお父つぁんのこと恋しなってしもた。
おみやげにパンカレーもってこ」
そういうと町娘ゆーちゃんはさっき開店したばかりの飲食コーナーでカレーパンをいっぱい抱えて
くノ一矢口と共に何処かへ消えていった。
- 328 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月09日(水)20時10分25秒
- お雪だんまで出てきた(w
やっぱり、どんな中澤さんと矢口さんでも必ずイチャイチャしてるな〜。
中澤先生、はやく『オトコヒデリミソジ病』治してください(笑)
すごい面白いです、更新が毎回たのしみです。
- 329 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年04月11日(金)22時06分31秒
- >>328 名無し読者さま
いつもレス頂きありがとうございます。
パロディーなにのかなり引っ張りました。
今度こそ〆ます。
- 330 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時07分45秒
- 後に残った高校生矢口は病院から無断外出した中澤先生を探す事にする。
数時間前、矢口は久しぶりに登校した学校で中澤先生の入院を知った。
授業を放って直ぐにでも看病に行きたかったのだが
意外と職務に真面目な中澤先生だからそんなことをすると追い返されてしまうので
放課後まで我慢し帰りにお見舞いへ行ったのだ。
ところが、ナースセンターの中は酷く慌ててて
何とか一人の福井訛りの看護婦を捕まえて事情を聞く。
仕事にはあれほど真面目な人なのに自分のこととなると途端に我侭になる困った大人…
中澤先生が病室から消えたのだ。
- 331 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時09分01秒
「あのですね…午後の回診あと中澤さん、外出の許可を取りにみえたんですけど…担当の石川先生、勤務終わっちゃってたんですよ」
「で、中澤先生どこいっしゃったの?」
「どこいっちゃったんでしょうねぇ〜」
矢口は慌てててもなんかノンビリ聞こえる喋り方に段々イラついてきてくる。
「そんなんでいいの?!中澤先生、大変な病気なんじゃん!早く探してよ!!」
中澤先生が心配だというのもあるが喋り口調もついつい荒くなってしまう。
「も、申し訳ありません…手がかりといえばこんな物が病室のベッドに…」
怯えた看護婦は何かの会報を矢口に渡すともうそれ以上何も教えてくれなくなってしまった。
- 332 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時09分57秒
キレてしまって大事なこと聞きそびれてしまった。
中澤先生の病気『オトコヒデリミソジ病』ってどんな病気?病状は?治るの?矢口の事好き?
矢口とどんなことしたい?
頭の中は疑問符だらけで早く中澤先生に会って直に聞き出したい。
- 333 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時10分51秒
そして、今、手掛かりの会報に書いてあった場所にいる。
会場をウロウロしていると中澤先生の方から探し出してくれた。
中澤先生はフロアーに這い蹲って足元に向かって
「矢口さん!!」と。
「先生!先生、こっち、こっちです」と矢口が返す。
二人の仲で密かに交わす親愛の挨拶が一通り済むと本題に入る。
「裕ちゃん!」
学校関係者の前では絶対呼ばない呼び方…
「裕ちゃん!!どうして黙っていなくなるの?みんな心配してるんだよ!!」
「ごめん…」
「矢口に謝るんじゃなくて、病院!」
「ああ、だってな、石川先生居らんのやモン…矢口も会報見たんやろ?」
「気持ちは分かるけど…心配かけないで!!」
- 334 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時14分07秒
矢口に怒られてシュンとなってしまった中澤先生。
矢口の前だけの弱気なとこを見せてくれる。
そんなところが可愛くて、ちょっとキツク言い過ぎたかな…なんて思う。
だから今度は優しく手をとって矢口がリードするように会場を出る。
「や・矢口、なぁ、待って」
中澤先生が懸命に訴えてくる。
「なぁ〜、私まだ河童エキス手に入れてへん!アレ大事なんや…」
「必要ないよ、矢口がいるから」
「へっ?」
「矢口がいれば大丈夫。優しくするから…」
「言ってる事わからん…私の病気にはアレが要るねん!」
「だから、病気のこと詳しく聞いたよ。矢口とやれば良くなるよ!矢口が元気にしてみせる!!」
- 335 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時15分12秒
-
ここはある種のホテルの前。
矢口の言ってることってやっぱアレのことかな…
でも、矢口は生徒やん担任教師としては倫理的にやな…
チャラララ〜ン
耳元で吉澤デビルが囁く。
「やっちゃえよ〜、好きなんだろ、ずっとしたかったんだろ、誰も見てないからやっちゃえよ〜やっちゃよ〜…」
チャラララ〜ン
今の何やったんやろ…
でも、いいやな…
繋いだ矢口の手をぐいっと引っ張り一歩踏み出す。
- 336 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時16分24秒
チャラララ〜ン
また、一瞬時が止まり今度は、石川天使の囁き。
「ダメ、本能に流されちゃ、鬼畜よ。高校教師が教え子にそういうことしていいのはドラマだけよ。ダメよ。ダメよ…」
チャラララ〜ン
そうやね、ここまで我慢したんやから卒業まで待つわ…
ハロモニ劇場ならここで天使の声が勝って終わりなのだが現実は悪い誘惑の方が強いのだ。
チャラララ〜ン
再び、吉澤デビル。いつもながら吉澤デビルの言葉は鋭く的を突いてくる。
「卒業?この子が?今年も留年したこの娘が卒業するの待ってたら三十路どころか四十路だろ?ほら、この娘も二十歳じゃん…やりたがってるんだからやってあげなよ〜やっちゃえよ〜やっちゃよ〜…」
そこへ生真面目な石川天使が食い下がる。
「ダメ、ここで負けてはダメ。」
しかし、アドリブに弱い天使では説得力に欠ける。
吉澤デビルは石川天使の腰をクイっ抱きかかえると踊るように回転しながら目の前の建物へ消えていった。
耳に残るのは「やっちゃえよ〜やっちゃよ〜…」の囁き。
- 337 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時17分47秒
「なあ…矢口、いいんか?…」
気持ちを決めたとはいえ飽くまでも弱気な中澤先生に痺れを切らした矢口は繋いでいた手を放し
しっかりと腕を絡めて先へ進んでいく。
「いいんだよ!いくよ!!」
中澤先生は戸惑いながらも矢口に引きずられて目の前の天使と悪魔が消えた建物に入っていった。
- 338 名前:DARKAUCTION 投稿日:2003年04月11日(金)22時18分37秒
秘密結社「矢口フリークス」。。。別名「中澤sの幸せを願う会」の本部一室から
二人のやり取りを一部始終監視していた者がいた。
一人は『オトコヒデリミソジ病』の権威、平家みちよ医師。
一人は結社の金庫番、石黒彩。
「裕ちゃん、入っちゃいましたねぇ…」
「ええやん、今までもった方が不思議やもん…」
「そうだね…でも、このカップルココまで長かったね」
「ん、だから病気が悪化してもうて…時々、こっそり経過観察しとったんやけど…」
「学会で発表するんでしょ?」
「ん…もうちょっと症例採ってからかな…」
「でも、裕ちゃんのこの病気矢口が原因って気がつかないのかな?」
自分から好きにならないと恋愛関係に発展しない中澤s。
矢口が大好き、矢口しか目に入らない中澤s。
オトコになんて目がいく筈もなく…
「なんにせよ、中澤sは幸せそうだからいいっしょ…」
今日も何処かの中澤と矢口は周りの迷惑も気にせずに
二人の道を進んでいくのであった。
了。
- 339 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月12日(土)00時46分00秒
- すごい面白かったです!!
吉澤デビル&石川天使に笑ってしまいました(w
『矢口フリークス』にあんな別名があったとは・・・
色々な2人が見れて楽しかったです、「DARKAUCTION」お疲れ様でした!!
- 340 名前:読んでる人@ヤグヲタ 投稿日:2003年04月12日(土)09時37分15秒
- 「DARKAUCTION」の完結お疲れ様でした。
いろいろ盛り沢山で楽しい作品でした。
次回作も期待してます♪
- 341 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年04月22日(火)20時55分42秒
- >>339 名無し読者さま
感想ありがとうございます。
>>340 読んでる人@ヤグヲタさま
レスありがとうございます。
次回作・・・いくつか考えているのですが只今駄文整理用にHP作成中のため進みません
ここ、落ちない程度にコネタ更新するつもりですが・・・
では、コネタ更新。
- 342 名前:らいばる 投稿日:2003年04月22日(火)20時58分57秒
- ――― らいばる ―――
娘。の中でも特に身体の小さい人が蹲って読書をしている。
矢口が雑誌やマンガ以外の本を読んでるところを見るのは珍しい。
「やぐちぃ何読んでるん?」
矢口の手の中には青いカバーの本。
「なっちのエッセー…」
「ああ、裕ちゃんも読んだで。もうな、なんかな、泣かせるね。」
「うん、裕ちゃんがいた頃のこと思い出しちゃった。」
裕子も昔のなっちを思い出しているのか、お母さんの様に優しい顔になっている。
- 343 名前:らいばる 投稿日:2003年04月22日(火)21時01分40秒
昔の裕ちゃんは矢口のものじゃなかった…
どっちかというと何時もなっちの心配をしていたよなぁ
だから、『やぐち、大好きv』なんて言われても素直に聞けなくて
一番じゃなきゃ嫌だ!なんて思ってて…あの頃の自分を見るのは嫌だな
・・…………………
でも、なっちは今でも裕ちゃんのこと好きだよね…
裕ちゃんのページでしっかり言ってるし
メンバー話の中でも一番ページ数取ってるし
千と千尋のページは矢口に宣戦布告してる?
『ほら、今でも裕ちゃんはなっちのこと一番気にかけてるんだよ』って
「やぐちぃ、何でそんな難しそうな顔してんの?」
裕子が抱いていたハナちゃんを降ろして矢口を後ろからギュと抱きしめる。
この温もりが好き
ハナちゃんが来てから抱きしめてくれなくなって
番組の中なのに催促してしまった…けど、よかった…この腕は矢口のものなんだからね
何か記しを残したくてカプッと…
- 344 名前:らいばる 投稿日:2003年04月22日(火)21時03分12秒
「痛っ、何すんの!もう、まったく…ああ、歯形ついたやん…」
痕が残った事に満足し、機嫌がよくなった矢口。
千と千尋に対抗するものが欲しくなった。
「ねぇ、裕ちゃん。『千と千尋』はなっちとして観てたんでしょ、矢口は?」
「何ちゅう質問の仕方するん…『何が矢口は?』なん?…ん、映画の主人公を矢口に例えるんか?」
「そう」
「んーーーーーーと、…あっブーや!!」
「ブー?…モンスターズ・インクのブー?」
「そう、それ、めっちゃ可愛かってんvv」
「ふ〜ん、で、矢口が自分の部屋に帰れるように心配してくれたんだ」
「いや、気分はサリー。もうな矢口に自分の世界引っ掻き回されてオロオロと…ちなみにマイクはみっちゃんな」
「矢口と一緒は嫌なのかよ!!」
「何怒ってるん??映画の通りやん。引っ掻き回されるんも矢口やから楽しいんやで」
裕子の腕に残る歯形を見ながら矢口は思う。
矢口、勝ってる?
了。
- 345 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月23日(水)19時35分16秒
- 千尋とブー・・・やぐっちゃん勝ってるのかな〜?
みっちゃんがマイクってのが、ピッタリです(w
コネタ楽しみです!!
- 346 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年05月06日(火)19時37分35秒
- >>345 名無し読者さま
レスありがとうございます。
コネタばっかりになるかも・・・
圭ちゃん卒業おめでとう。1日遅れてしまいました。。。m(_ _)m
で、コネタです。
- 347 名前:素。の部屋その後 投稿日:2003年05月06日(火)19時38分37秒
- 番組でパジャマパーティーのような収録をした。
一見、何事もなく楽しい収録だったような気がするが、若干一命険しい表情の人がいる。
「大人チーム部屋に残って反省会!!」
一同、一斉にえっ?!と言う顔をする。
「大人チームって二十歳からですかぁ?」
「何言ってるの!私たちで大人チームって言ったら18才以上よ!!だから石川も当然居残りだからね!」
「ええー!!何でですか・・・あっ!じゃあ、ヨッスィーも居残りネ」
帰り支度をしていた吉澤が今の言葉に『梨華ちゃん、また余計な事を』と思うのだが
しぶしぶと居残りを受け入れる。
その横で矢口と戯れていた中澤が場の険しい雰囲気にやっと気がついた。
「矢口、先帰ってるわ」
「あ、裕ちゃん逃げんなよぉ」
中澤がそそくさとその場を去ろうとしていたら空かさず保田が引き止める。
- 348 名前:素。の部屋その後 投稿日:2003年05月06日(火)19時40分06秒
「裕ちゃんも残って」
大声ではない。しかし、有無を言わさぬ強さが感じられる。
それでも、このまま残ってはいけない予感が口から言い訳を押し出す。
「い・いやー、な、ほら、裕ちゃんこれからまだ仕事あんねん・・・」
「嘘だべさ!今、マネージャーさんに確認したら今日はコレ一本だけって言ってたべさ!!」
「ほら、みんなで怒られれば怖くないって」
圭織やなっちに宥め賺され矢口の傍に戻る。
収録に使ったweeklyマンション。
訊けば1週間契約で借りたから今日はこのまま使って良いらしい。
一度退室した部屋に再び戻って反省会を始めた。
- 349 名前:素。の部屋その後 投稿日:2003年05月06日(火)19時41分12秒
「な、圭坊、何が悪かったん?アタシが見る限りみんな良うやっとったやん」
そう言った中澤は矢口が先程催促した体勢で矢口を後ろから抱えて座っている。
「ほら、そういうとこ!」
「ん?何ん?」
「そうですよ!!石川だってそういうことしてもらいたいです!!」
「なぁんだ、じゃ、吉澤が・・・」と言いながら吉澤が石川の腰を抱く。
「ヨッスィーじゃなくて・・・」石川は恨めしそうに保田に何か訴えようとする眼差し。
- 350 名前:素。の部屋その後 投稿日:2003年05月06日(火)19時42分08秒
- 困ったようにでもケジメはキチンと付けたい保田は説教を続ける。
「だいたい、石川も石川よ。ベットのところでの
『皆さん普段どうやって寝てるんですか?』の質問はNGよ!」
「だって・・・気になるじゃないですか・・・好きな人とどうやったら上手くいくか・・・矢口さんと中澤さんはどうしてるのかな・・・なんて」
下を向いて恥ずかしそうに消え入りそうな声で呟くセリフが保田に聞こえているのかいないのか、でも確実に頬を赤らめ八つ当たりのように中澤に食って掛かる。
「それ以上に裕ちゃん!
石川のセリフの所為にしてもベッドでふたり重なるのはダメでしょ!!
私が飛び込まなきゃどういうことになってたか!!」
「「返す言葉もありません」」矢口と中澤は反省した面持ちで頭を下げたが・・・
上げた時の中澤の顔はニヤッと笑っていた。
- 351 名前:素。の部屋その後 投稿日:2003年05月06日(火)19時43分36秒
「何?」
「圭坊、八つ当たりはアカンよ」
「何言ってるの・・・」うろたえる保田に核心を得たと中澤の言葉は続く。
「圭坊、石川と付き合ってんやろ?隠さんでええよみんな知ってるし、な?」
「「「もちろん!!」」」「「えっ?」」
「卒業の理由もそれやろ」
「どうして知ってるの?」
「そんなの常識。明日香の卒業は純粋に進路の問題やったけど、他はな。
ほら、一般企業でも同じ部署で恋愛関係になると片方部署替えされるんと同じや。
ただ、うちらのグループは年上が配置換えになるんやな。でも、別れる必要ないねんで。」
保田の卒業の日が近づくにしたがって暗い表情になっていた石川の顔がパッと輝いて中澤の続く言葉をまっていた。
- 352 名前:素。の部屋その後 投稿日:2003年05月06日(火)19時44分40秒
「まわりを見方につければいいねん。なっ矢口。」
「うん、そうだよ圭ちゃん。矢口たちも心配だったけど結構応援してくれる人多くてびっくりしたよ」
「大丈夫だべさ。『石保ファン』も多いべさ」
落ち着きを取り戻した保田に安堵の表情の石川をみて飯田が反省会を閉める。
「じゃ、これで反省会はお開きだね」
初めて大人チームの反省会に参加した吉澤は何が何だか分からないまま部屋に置き去りにされ
大人になる理不尽さを身に沁みていた。
了。
- 353 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月06日(火)20時54分58秒
- やぐちゅーほどではないですが、石保も結構好きなんです。
吉澤さん放置が何気に面白い・・・
コネタ大歓迎!!!
- 354 名前:娘。藤本初仕事。 投稿日:2003年05月13日(火)00時07分24秒
- Folk Song特集の番組がOn Airされた。
グループで歌う事の経験が少ない藤本にとっては色々試練が・・・。
一人のときはあまり気にならなかった立ち位置が当然ながら問題になっていた。
藤本は娘。を卒業したとはいえ一番面倒見が良く、話し易い保田に問題の番組のビデオを持って相談する。
「保田さん、こないだのビデオ持って来ました。」
「じゃ、隣の部屋のテレビで観よう」
ふたりは事務所の会議室でビデオをチェックする。
「ほら、ココです。ここ、やっぱり安倍さんとの距離ありすぎですよね・・・」
問題の箇所は出演者全員で歌う場面。藤本はなっちの隣で歌っている。
「なぜ、そう思うの?」
「えっ?矢口さんから中澤さんまで均等に間が空いてるのに私と安倍さんの間が・・・」
- 355 名前: 娘。藤本初仕事。 投稿日:2003年05月13日(火)00時09分11秒
確かに藤本の指摘のように安倍との間が他より空いている。
「私、安倍さんに嫌われているのでしょうか?」
「はぁ?そんな訳無いじゃん!あっ!藤本、ネットの悪口サイト見たでしょ?」
「えっ?あ、はい・・・安倍さんが私を嫌って距離をとってるんだと書かれて・・・」
「はぁ・・・矢口と一緒だねぇ・・・あんまり悪口サイト、見ない方がいいよ。アンチっていうのは必ずいるんだから」
「はい・・・」
いまいちすっきりしない藤本にあることを教えようかどうしようか迷ってた保田が意を決したように言う。
「教えようかどうか迷ったんだけど・・・藤本もモーニングに入ったことだし、知っといたほうがいいわね・・・」
「はい?」
「藤本はちゃんと立ち位置の印のとこにいたでしょ?」
「はい」
- 356 名前:娘。藤本初仕事。 投稿日:2003年05月13日(火)00時10分52秒
- 「ということはね、なっちがずれてるってこと。なっちと矢口は放っとくと裕ちゃんにべったりくっ付くからね」
「えっ?」
「ほら、ココ見て。なっちと裕ちゃん同じように揺れてるでしょ。もう、ふたりは一心同体みたいなもんだから・・・」
ビデオを観ると安倍と中澤が同じように踊っている。
「あっ、ホントですね」
「私が裕ちゃんと矢口の間にいるのは矢口の暴走を押さえる為。このコントロールが難しいのよねぇ・・・」
保田は今までも苦労を噛みしめるようにしみじみと言う。
「ま、知らないふりするのが無難ってもんよ」
「保田さん、ありがとうございました。」
全てのことが納得でき晴れ晴れとした藤本の前にはモーニング娘。の複雑な人間関係が待ち受けているのだった。
了。
- 357 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月13日(火)00時40分15秒
- なるほど、そういうことだったのか(w
自分もMF21見てて、さすが中澤さんと安倍さん
息が合ってるな〜って思ってたんです。
どうせならずっと安倍さん・中澤さん・矢口さんで
並んでいてほしかった・・・tsunagi最高。
- 358 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月13日(火)21時47分34秒
- 同じく、ぬるほど納得(笑)
オープニングはいきなりtsunagiでしたし、ハモリもキレイでしたし、いい番組でした。
個人的にあのメンバーなら、飯田さんもいて欲しかったですけど・・・
- 359 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年05月22日(木)19時50分27秒
- >>357 名無し読者 さま
MF21ほんとよかったです。この番組は好きです。
本当に音楽を中心に余計な演出がなくて。歌の良さだけで充分って思います。
>>358 名無し読者 さま
>飯田さんもいて欲しかったですけど・・・
そうですよね。自分もそう思います。
あとは明日香がいて、彩っぺがいて、市井が・・・
って初期・娘。じゃん。懐古してもしかたない・・・
で、またまた繋ぎ更新。
- 360 名前:今日こそは・・・ 投稿日:2003年05月22日(木)19時51分52秒
- 今日こそはちゃんと言うんだ!
裕ちゃんに改めてほしいこと。
もうすぐ30歳の誕生日を迎えようとしている人がアレでいいのか?
そんなことを思ってしまったのは先日放送されたクイズ番組でのこと。
なんで矢口以外の女の人の胸触りたがるんだぁぁぁ!
そりゃ…矢口にはあんなりっぱなおっぱいはないけど…
でも!番組はハロプロファンだけじゃなくて一般の人も見る番組じゃん
あんなの見ると一般の人は裕子のことどう思う?
噂どおりのセクハラおやじと思われるんだよ!!
矢口の身にもなって欲しい。矢口の好きな人の評判は良い方がいいじゃない。
ほら、あれが矢口の好きな人って自慢できるぐらい。
- 361 名前:今日こそは・・・ 投稿日:2003年05月22日(木)19時54分45秒
それにほらあの発言。
「何でみんな(恋人が)いないって決め付けるんですか?」って。
あれ見てて焦ったんだから。
裕子、ばか、やめろ!何を言う気だ?!
矢口と付き合ってるなんて全国放送で公表するな!!って。
なんとか誤魔化したみたいだけど…。
そういう関係って一般社会じゃまだまだ認知されないんだぞ!
全国放送じゃない番組だったけど矢口との仲がバレないようにって
スタッフさんたちが気をきかせて別コーナーばかり持たせてもらったけど・・・
それはそれで寂しいので
矢口のミニモニ。卒業を機会に一緒の場面を増やしてもらったら
度が過ぎて放送できない映像多発。
ご迷惑をかけた所為で裕ちゃん司会外されちゃったし…。
もっと一緒のお仕事したかったのに…。
- 362 名前:今日こそは・・・ 投稿日:2003年05月22日(木)19時55分47秒
注意すべきことがいっぱい。
今日こそは言ってやるんだ!もっと大人の付き合いをしようよって。
- 363 名前:今日こそは・・・ 投稿日:2003年05月22日(木)19時56分32秒
勢い込んで裕ちゃんの部屋になやってきた。
「裕ちゃん!」
「あ、矢口!こっちおいでv」
座ってる裕ちゃんは矢口を後ろからギュッと抱きしめスリスリと顔を擦り付けてくる。
ゆ・裕ちゃん、カワイイ。今日の裕ちゃん特別に可愛いぞ?
「裕ちゃんな、今、矢口のドラマ観てたんや」
言葉に促されてテレビを一緒にみる。
「こないだの警察職員のだ」
「うん、柔道着カワイイなって」
「ありがと。」
「で、いちばんはここ。」
- 364 名前:今日こそは・・・ 投稿日:2003年05月22日(木)19時57分30秒
矢口の見せ場、泣きのシーン。
「このシーン、何回も巻き戻して観てんねん」
確かにテープが少し伸びきって線が走ってる。
「裕ちゃんやったら絶対矢口を捨てたりせえへん!」
矢口を抱いている裕子の手に力がこもる。
裕ちゃんの目は涙目で、ああもうアレはドラマだからそんな顔しないで。
「裕ちゃんアレはドラマだから」
それでも何が不安なのか情けない表情の裕子が可愛くて
そんな裕子は矢口しか知らないのが嬉しくて
結局、今日も何も言えずに済んでしまう。
- 365 名前:今日こそは・・・ 投稿日:2003年05月22日(木)19時58分06秒
そして、今日も
今日こそは。と一日が始まるのだ。
了。
- 366 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月22日(木)22時26分51秒
- 良かったですね、矢口さんのドラマ。
柔道着も可愛かったですが、泣きのシーンは結構お気に入りです。
来週は中澤さんもドラマに出ますし、極妻役(?)でウエディングドレスや着物とかも着るみたいだし。
しかし矢口さん、「今日こそは・・・」こんな調子でいつか言える日が来るんでしょうか(笑
- 367 名前:新・加勢大周 投稿日:2003年05月24日(土)13時31分24秒
- オモロイノネ。
- 368 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年05月26日(月)23時05分37秒
- >>366 名無し読者さま
やぐっつぁんのドラマ良かったです。
思った以上に出ずっぱりで。
そして、裕ちゃんの姐さん姿、もう!ごっつう綺麗だった!!
肌の綺麗さにばっか目が行ってしまいストーリーが???アホです。
>>367 新・加勢大周さま
レスありがとうございます。
今後ともよろしく。
さて、新作の題名は『おかると矢口くん』
オカルトやってみたかったんですが
自分が書くものです、タカが知れてます。
ご容赦ください。
- 369 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年05月26日(月)23時07分27秒
- 第1話。私mэrryさん。
アタシは子どもの頃お気に入りの人形を持っていた。
何をするのも一緒。何処にでも連れて行った。
人形と約束したのだ。
ずっと、一緒にいると。
そんな少女の頃の想い出も中学・高校と成長するに従ってもっと大切な関係の方に気持ちが移っていく。
- 370 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年05月26日(月)23時08分16秒
中学生の頃、流行った怖い話『私、mэrryさん』。
幼い少女がお友達として可愛がっていた人形のmэrryさん。
少女が成長するにしたがって友達としての必要性がなくなりなおざりにされ
ある時とうとう捨ててしまう。
あんなに「ずっと友達だからね。絶対いつまでも一緒だよ」と約束していたのに。
人形は約束を果たそうとする。だから必ず落し物として戻ってくる。
捨てても捨てても手元に戻ってくる人形に恐怖を覚えたのは少女の方で
捨てられないなら燃やしてしまえと。
遠く離れた海岸で流木の焚き火の中に人形を放り込み逃げるように家へ帰る。
- 371 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年05月26日(月)23時09分23秒
電車の中で携帯が震える。
電車の中マナー的にも放置しておけばいいものを友達からかもと出てしまう。
「はい?」
「私。私、mэrryさん。今、海岸駅のホーム。すぐに追いつくわ」
一瞬ギョッとするが誰かの悪戯だろうと気分を害するが大して気に留めず帰路を急ぐ。
家の玄関の前、再び携帯が。
「・・・」
「私、mэrryさん。今、駅に着いたとこ。もうすぐ家に帰るわ」
流石に二度目の電話に恐怖が募り慌てて家の中へ入る。
すると、今度は家の電話が鳴る。
取ってはいけないと思いつつも恐る恐る電話に出る。
- 372 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年05月26日(月)23時10分19秒
- しかし、予想通りの相手。半分キレかかった少女の口調は険しくつっけんどん。
「いい加減悪戯はやめなさいよ!!警察に言うよ!何とか言いなさいよ!」
「私、mэrryさん。今、あなたの後ろにいるの。さぁ、あなたも私と一緒になるのよ」
きゃああああああ
夕方、母親は帰宅したときに玄関で顔を半分焼け爛れて倒れている娘とそして同じように半分顔の焦げた人形を目の前に呆然とするのだった。
- 373 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年05月26日(月)23時11分16秒
そんな怪談話が出た頃流石に自分の人形のことが心配になり母親に尋ねたりしたのだが。
東京に出て何度も引越しをするうちに人形も何処かにいってしまった。
きっと引越しのゴミと一緒に捨ててしまったのだろう。
なんせ実生活の方が大変だったから人形どころの話じゃない。
最近、見かけないなぁと思っていたちょうど同じ頃、
アタシが常々密かにカワイイと思っていた黒髪プヨプヨのヤグチが変ったんは。
そしてヤグチがアタシに急接近してきたんもその頃。
アタシは時々、このヤグチはアタシが最初にカワイイと思ったヤグチと同じか?と馬鹿な事を考える。
そんなアホなことあるか!
- 374 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年05月26日(月)23時12分22秒
安心するためにヤグチの顔を見に娘。の楽屋を訪れるとヤグチは新垣と何かしとった。
「にいがき。娘。グッツ結構持ってるんだよね?」
「はい!矢口さん。いっぱいありますよ。今度自慢のコレクション見せましょうか?」
「いや、いいから。それよりコレ。プレミアもんなんだけどいる?」
「ぁあ!欲しいです!!でも、いいんですか?中澤さん指人形。コレないんですよ」
「いいよ。矢口にはホンモンがあるから」
「えっ?コレ偽物なんですか」
「いや、そういう意味じゃないから気にしないで」
新垣と話していた矢口がアタシに気がついてニコッと笑顔を見せる。
か・かわいい・・・
- 375 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年05月26日(月)23時13分01秒
「ヤグチい〜vv」
「裕ちゃんv」
「ヤグチ、アタシの楽屋行こv」かわいいヤグチを見せられたら辛抱なんて出来まへん・・・
さ、さ行こう。少々無理やりぽっく楽屋に連れ込んでヤグチを抱きしめる。
目の前には茶色に染め直したつやつやしたヤグチの髪。
これが、昔は黒かったんやな・・・と思う。
再び過ぎる思い。
このヤグチはアタシが最初にカワイイと思ったヤグチと同じか?
「なぁヤグチ、アンタ変ったな・・・」
「何、裕ちゃん?」
「アンタ、アタシが最初にカワイイと思ったヤグチと同じ?」
「さあ、どうかな」
ヤグチの表情はまるで幼いときの人形のよう
「私は私、mаrry。今度捨てたら許さないよ」
第1話了。
- 376 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月27日(火)14時14分55秒
- オカルトなのに、矢口さん可愛いと思ってしまう・・・
今度捨てたらって、捨てろと言われても絶対に捨てないでしょ中澤さん(笑
伝説のマダム良かったですね、着物姿の中澤さんが綺麗でした。
色白だなーとか、キレーだなとか考えてて、自分も内容はホトンド入ってませんね(爆
- 377 名前:新・加勢大周 投稿日:2003年05月28日(水)15時34分26秒
- コワイヨ。ヨナカおといれイケナイヨ。
国会中継ノあほ。
- 378 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月02日(月)00時22分51秒
- 第2話。人形(ひとがた)。
人形とはもともと『ひとがた』として人に降りかかってくる災難を
人形に移して身代わりになってもらうものだった。
今でも流し雛などは幼子が健やかに育つように
その子に降りかかるであろう病気や災いを
雛人形に移して流してしまうのだ。
- 379 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月02日(月)00時24分41秒
そんな由来とは程遠く
ただただモーニング娘。大好きの一小学生だった里沙が
彼女達の人形を集めるのは自然の事で、
まして夢多き少女、ドールハウスを改造したコンサートホールで
人形遊びに興ずるのは当たり前である。
「あぁあ、モーニング娘。になりたいなぁ・・・」
里沙のモーニング娘。熱は冷めることなく中学生になり
人形遊びも益々リアルになっていく。
一番のお気に入りは矢口真里。
彼女の人形を取り出しては曲に合わせて踊らせたり、
テレビのコントを再現させたり、
矢口が髪を染めると里沙はすぐに同じ色に塗り替えたりしていた。
人形の購入時は一緒だったにも関わらず他のメンバー人形と比べると
矢口人形だけ磨り減っているようだった。
- 380 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月02日(月)00時26分03秒
そして、今日もため息混じりに呟く言葉。
「モーニング娘。になりたいなぁ・・・」
すると、頭の中に矢口の声が響いた。
『なればいいじゃん。』
「えっ?」
『こんなに想いが強いんだから成れるよ。なる方法教えてあげる。』
どうやら手の中の矢口人形が喋ってるみたいだった。
不思議と思う以前にモーニング娘。になれる方法があるなら聞きたい
と思う気持ちが勝ったしまった。
「どうしたらなれるの」
『自分ソックリの人形を作ってごらん。元々人形の役目は願いを叶える為にあるんだから』
半分自分の願望が作り出した妄想かもしれないと思いつつ
それで本当にモーニング娘。に成れるんだったら何だってやる気持ちはいつも持っている。
だから、半信半疑ながらも自分ソックリの人形作りに精を出す。
ドールハウスのコンサートホールに立つ人形達の中に、
出来上がった自分の人形を一緒に並べながら願う。
モーニング娘。・・・この中の一員になりたい。
- 381 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月02日(月)00時28分15秒
里沙は気がつくといつものように娘。楽屋に居た。
ずっと前からそこに居た居た気がする。さっきまでの想いの方が空想のよう。
同期のメンバーと話している自分に現実味がない。今の現実が虚構の世界のようで。
「里沙ちゃん、知ってる?新月の晩に赤い月を見たら凄いことが起こるんだって」
「赤い月?」
「そう。もともと新月って月が無いっしょ?その赤い月は別の世界のものだって」
「んな、ばかな・・・」
一番物知りの紺ちゃんがまた空想っぽいことをホントっぽく言ってくるから
益々、夢と現実の区別が難しくなってくる。
- 382 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月02日(月)00時29分29秒
そしてまた夢じゃないかと思うほど嬉しいこと、憧れの矢口さんが話し掛けてくる。
「にいがき。娘。グッツ結構持ってるんだよね?」
「はい!矢口さん。いっぱいありますよ。今度自慢のコレクション見せましょうか?」
「いや、いいから。それよりコレ。プレミアもんなんだけどいる?」
「ぁあ!欲しいです!!でも、いいんですか?中澤さん指人形。コレないんですよ」
「いいよ。矢口にはホンモンがあるから」
「えっ?コレ偽物なんですか」
「いや、そういう意味じゃないから気にしないで」
自分で口にしている言葉もセリフのようで実感が無い。
中澤さん人形?初期メンバーは全部そろってたはず???
なのに自分の口からは持ってないと出た。
- 383 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月02日(月)00時30分34秒
しかし、里沙は「ここが私の現実」と思う。
ただ、この世界の矢口は里沙がお気入りだった分磨耗して
プロフィールの記述より0.5p背が低かった。
第2話了。
- 384 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年06月02日(月)17時46分58秒
- >>376 名無し読者さま
>捨てろと言われても絶対に捨てないでしょ中澤さん(笑
中>当たり前やろ、矢口もなっちもごっちんもかわいい子は全部アタシのもんや
ヤンタンで「ごっちん好き」と発言なさったそうで・・・
相変わらず気が多いなぁと感心するしだい。改心なさったはずでは(w
>>377 新・加勢大周さま
盛り上げて頂いてありがとうございます。
>国会中継ノあほ。
ほんとツイてない。。。でも、またの機会が絶対ある!
HPW
メインキャスター昇格。
でも、両脇が紺野と小川。
大切りの時、5期の中でこの二人だけ裕ちゃんに自発的に
絡もうとしてた気がするので、今後の活躍を期待してます。
- 385 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月05日(木)00時03分43秒
- 第3話。アタシの矢口。
芸能人は霊感の強い人が多い。
アタシの周りにも怖い体験をした人たちがたくさんいる。
もちろんアタシも小さい時からそういう類のものをよく見る。
そういうものを見るのははっきりいって怖い。
それよりも怖い事。今、その中にいる。
- 386 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月05日(木)00時04分36秒
アタシの記憶の中にある矢口は振り向くといつも笑顔で迎えてくれた。
「にいがき。娘。グッツ結構持ってるんだよね?」
「はい!矢口さん。いっぱいありますよ。今度自慢のコレクション見せましょうか?」
「いや、いいから。それよりコレ。プレミアもんなんだけどいる?」
「ぁあ!欲しいです!!でも、いいんですか?中澤さん指人形。コレないんですよ」
「いいよ。矢口にはホンモンがあるから」
「えっ?コレ偽物なんですか」
「いや、そういう意味じゃないから気にしないで」
新垣と話していた矢口がアタシに気がついてニコッと笑顔を見せる。
頭の中にあの日の矢口の笑顔が反芻する。
しかし、あの日以来アタシはそれを見ることが出来ない。
- 387 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月05日(木)00時05分40秒
ハロモニ。の収録の後、反省会と司会の引継ぎと言う名目の飲み会があった。
いわゆる6時間の反省会というヤツだ。
お酒の弱いものには長い6時間も酔っ払いにはアッとい間である。
帰り道、暗い夜道の一人歩きは危険だと分かっていたけど
あの日は不思議と人の気配が無く赤い月光がライトのように街を照らし、
ドラマのセットの中を歩いているようだった。
ココを抜けると自分のマンションは目の前と
慣れた曲がり角、ビルとビルとの間の狭い道。
俯き加減に歩いていたオデコにコンと当たる。目の前には見慣れない壁が。
アレ?
酔って一本曲がり角、間違えたんや
まわれ〜右!っと。
????
- 388 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月05日(木)00時06分42秒
廻れ右した筈なのに目の前にはやはり壁。
「なんや、一回転ターンしてしもうた・・・」
振り返り道を戻ると目的の自分のマンションの前に出た。
あれ??
再び来た道を振り返るがそこには壁らしきものも無く
さっきまで出ていた月も姿を消しただ冷たいビル群が広がっているだけだった。
ブルッと寒気を感じたがマンションには一緒に暮らしている矢口が待っているはず。
早く帰って矢口の寝顔がみたい。
薄暗い部屋の中既に愛しい者の寝息が聞こえ
さっき感じた不気味な肌寒さを払拭する。
その日は遅くなりすぎたので起こさずに静かに客間に布団を敷いて寝た。
- 389 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月05日(木)00時07分36秒
- 普段低血圧で朝はコーヒーだけである。が、飲んだ次の日は和食が食べたくなる。
そんな思いを汲み取ってくれたのか翌朝、味噌汁の匂いで目が覚める。
ああ、たまにはご飯に味噌汁の朝食もええよなぁ
なんて布団の中で思っていたら声をかけられた。
「裕ちゃん、早く起きてごはん食べよ」
?????
アタシ寝ぼけてるんか?
そう言えば確かにここはアタシの部屋なんやけど少しずつ雰囲気が違う。
矢口が持ってきたフォトフレームが無い。テレビの横にあったゲームが
いつも掛かってる筈の矢口の服が。
そして、矢口がいない。
- 390 名前:おかると矢口くん 投稿日:2003年06月05日(木)00時08分45秒
目の前にいる人に恐る恐る聞いてみる。
「なぁ、矢口は?」
「朝から矢口?恋人は私なのに」
目の前の彼女はぷぅと一瞬頬を膨らませ怒ったふりをしてすぐに笑顔で何寝ぼけてるのさと
唇に軽くチュッとしてくる。その自然な動きに慣れを感じ変なのは自分の方だと思い知らされる。
ここは、アタシとなっちが恋人の世界。
でも、アタシは矢口が恋人の世界の住人だった。
幽霊を見るより怖い事、アタシの矢口がいないこと。
だから、赤い月が出ている夜、再びあの通りを抜ける。
今度こそ、アタシの矢口の元へ帰る為に。
第3話了。
おかると矢口くん
了。
- 391 名前:妄想駅前交番物語 本妻 Versus 愛人 編 投稿日:2003年06月06日(金)13時02分04秒
新垣里沙は大好きな幼稚園の先生の為に一芝居打つため
駅前交番の近くで大声で泣いていた。
『いーい?お豆ちゃん、何を聞かれても泣いてるだけでいいからね』
『はい、せんせい』
先生が何故そんなことを言うのか分からなかったが
タレント活動もしていた里沙の演技力が買われたのだと思う。
里沙の先生、安倍なつみには人には言えない事情があった。
安倍はみんなに内緒で結婚していた。
周りが気がつかないのは相手の意向で通い婚だからである。
『結婚していつも一緒やったらいつか飽きてまうで』とか
『仲ええときはええねんけどたまには一人になりたいときもあるやろ』とか
『日本は元来通い婚なんやで。平安貴族がいい例やん。な、寝室だけ一緒やったらええやろ』とか
いいように言いくるめられた気がする。
そして、最近「夜勤やから」と帰らない日が何日かあった。
駅前交番に勤務替えになってからである。
これは怪しい。
いちどこっそり交番を覗きにいくと入り口のところに可愛い婦警さんが立っていた。
あの子が今度の、と確信した。
何とか気持ちをこっちに戻さなくてはならない。
それで、「この子が貴女の子よ」作戦である。
- 392 名前:妄想駅前交番物語 投稿日:2003年06月06日(金)13時03分46秒
ええ〜ん、ええ〜ん
ベタな泣きまねに半分呆れ気味で小さい婦警さんが声を掛けてくる。
「ね、どうしたの?」
ええ〜ん、ええ〜ん
「迷子なの?」
ええ〜ん、ええ〜ん
「まゆげでも落とした?」
ええ〜ん、ええ〜ん
「ああ、もうダメ。交番に行こ?」
小さい子にお手上げの矢口は交番の中につれていく。
そして、どこか甘えた口調で愛しい人を呼ぶ。
「せんぱ〜いv」
「何?どうしたの?」
- 393 名前:妄想駅前交番物語 本妻 Versus 愛人 編 投稿日:2003年06月06日(金)13時05分41秒
普段はばりばりの関西弁を喋る人なのに公の場では極力標準語を喋ろうとする中澤。
そんなとこがちょっと気取ってるようで「今は勤務中やから甘えたらアカンよ」といっているみたいで
いつでも何処でもぴったりしていたい若者矢口には不満なのだが。
やはり泣いてる子を目の前にしていちゃつくわけにはいかない。
「この子、何故泣いているのか分からないんです」
ええ〜ん、ええ〜ん
「わかったわ、アタシが聞いてみる。迷子なの?」
「それ、聞きました。」
「あっそ、まゆげでも落としたの?」
「それも聞きました」
「じゃあ、お豆に似てねからでしょ!」
「ああ!さすが先輩。それ聞いてません」
ええ〜ん、ええ〜ん
「ちがったみたいね・・・」
泣き止まない里沙にお手上げ状態のふたり。そこへ安倍が乗り込んできた。
- 394 名前:妄想駅前交番物語 本妻 Versus 愛人 編 投稿日:2003年06月06日(金)13時07分00秒
矢口は彼女が中澤の奥さんであることは知っていた。
でも、気持ちは確実に自分の方にあると確信していたので
安倍が乗り込んできたことは中澤の気持ちをさらに冷めさせて事は自分に有利に働くと成り行きを見守る事にする。
「裕ちゃん」
「あ、なっち・・・なんでここに」
中澤の言葉が関西弁になっているということはもうかなり焦っているのだろう。
「この子、裕ちゃんの子なの・・・」
「えっ?」
よく見ると広いおでこが自分に似ている気がする。
えっえっ、ぇぇえーー?!!!
「裕ちゃん、そんなわけないじゃん!」
つっこみを入れてる矢口の言葉もパニクッてる中澤には届かないようで
呆然と安倍に連れられ交番を出て行った。
安倍のまず一勝ということで。
矢口は「さすが矢口より年上、やるじゃん」と相手の実力を素直に認めるのだった。
- 395 名前:妄想駅前交番物語 本妻 Versus 愛人 編 投稿日:2003年06月06日(金)13時08分22秒
後に残った里沙は放置状態に困りはて矢口の袖を掴む。
やっと里沙の存在に気がつき矢口ができることは・・・
裕子のあほー!!
と叫ぶことだけだった。
了。
- 396 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月06日(金)20時27分47秒
- やっぱり本妻の方が一枚上手ですね(笑
やぐっちゃん頑張れ!!
>あの子が今度の、と確信した。
今度のって、いっぱい浮気してるんですね裕ちゃん(苦笑
- 397 名前:新・加勢大周 投稿日:2003年06月07日(土)14時29分53秒
- オモロイ、オモロイヨ。
- 398 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年06月13日(金)20時26分33秒
- >>396 名無し読者さま >>397 新・加勢大周さま
レスありがとうございます。
ハロモニ。劇場が「駅前交番・・・」をやぐちゅーでやってくださるので
ついつい妄想してしまいます。
番組で続けて下さっている間は妄想が止まりそうもありませんので
妄想駅前交番物語はシリーズ化しそうです。
(すでにもう1編自HPにてやっちゃいました)
続きは自分のとこでやるとして
ぐだぐだ話で更新。
- 399 名前:入籍・大人のケジメ 投稿日:2003年06月13日(金)20時28分53秒
ココは居酒屋の個室。
久しぶりに中澤、保田、飯田で食事をしていた。
話題は仕事の話に始まって、恋愛、結婚の話になる。
- 400 名前:入籍・大人のケジメ 投稿日:2003年06月13日(金)20時30分34秒
-
「ねえ、裕ちゃん結婚しないの?」
と言いながらユッケとチューハイの生グレープフルーツを注文する飯田。
「ん?娘。の誰かの方が早いんちゃう」
と言いながらゴーヤチャンプルと大ジョッキを追加する中澤。
「いや、それはないから。裕ちゃん頑張ってよ」
と軟骨とチューハイのお湯割りを注文する保田。
- 401 名前:入籍・大人のケジメ 投稿日:2003年06月13日(金)20時32分10秒
「裕ちゃんそろそろ、モゴモゴ(@@@)こと何とかしてやらないといい加減待たせすぎ・・・グビッ」
出てきた料理を頬張りながら言葉の最後にチューハイで流し込んで飯田が言う。
「そうよ、裕ちゃん。いくら幼く見えるからってコリコリ(***)は親の承諾なく結婚できる歳なんだからね」
目の前の軟骨を砕きながら保田が言う。
「二人して何や、裕ちゃん標的か?あんたらやって、ちゃんとしてるん?」
二人の攻めに焦った中澤はビールを一気に飲み干し、イカ刺しとビールの追加を注文する。
「だって、かおのノンちゃんは まだまだだからゆっくり育てていくつもり」
辻の笑顔を思い出したのか辻の分まで食べる気なのか、ピリ辛春巻きとチューハイのライムを注文する。
「私だって順調よ。でも、まだ18だから焦ることないでしょ」
メニューを見ながらホヤにしようか白子にしようか迷いながら結局いつもの白子と焼酎をボトルで注文する。
- 402 名前:入籍・大人のケジメ 投稿日:2003年06月13日(金)20時34分19秒
「裕ちゃんかてちゃんと考えてるんや。33までには子どもをって公言してるやん」
あのメッセージ伝わってへんのかな・・・とボヤキながら再びジョッキが空になり
白子を持ってきた店員さんにジョッキを振ってオカワリを注文する。
「そんな回りくどいいいかたアフォアフォ(@@@)が判るわけないじゃん。」
来たばかりの熱々ピリ辛春巻きを頬ばりながら喋る飯田。
「ああ!アレ。33までには入籍しよってことでしょ?じゅるじゅる(***)は、知ってるよ。」
白子を啜りながら届いた焼酎いいちこの瓶を3分の2空けた保田がいう。
「そうなんや。大人のケジメや。日本じゃ今んとこ、同性同士の結婚は養子縁組しか方法がないねん。でもそれはそれで裕ちゃんとしては好都合。。。。」
ひとり、ニタニタ笑いながらゴーヤに箸をのばす。
- 403 名前:入籍・大人のケジメ 投稿日:2003年06月13日(金)20時35分50秒
「で、裕ちゃん結婚しないの?」
と言いながらチューハイの生グレープフルーツを注文する飯田。
「ん?娘。の誰かの方が早いんちゃう」
と言いながら大ジョッキを追加する中澤。
「いや、それはないから。裕ちゃん頑張ってよ」
と軟骨とチューハイをお湯で割り中の梅を潰しながら保田が言う。
ラストオーダーまで居座って散々飲み食いし、ずっと同じ話題をエンドレスで繰り返した。
- 404 名前:入籍・大人のケジメ 投稿日:2003年06月13日(金)20時37分57秒
二人と別れ際、さっきの話に念を押される。
「「ちゃんとしてあげてね、同期として心配だよ。
なっち(上記@@@にはなっちと入る)のこと」
ヤグチ(上記***にはヤグチと入る)のこと」
ハモッた言葉も最後の部分が濁り、飯田と保田は大きな目を更に大きくしてお見合いをしている。
「なんや、二人とも話噛合ってなかったんか・・・でも、心配いらんで、なっちも矢口も裕ちゃんの戸籍に入れたるから。養子縁組っていいねぇ〜何人でも籍入れられるんやで。なんなら、石川も辻も」バキッ
二人の怒りの鉄拳がとんだことはいうまでもない。
了。
- 405 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月14日(土)21時27分10秒
- スゲー裕ちゃん(笑
こりゃ殴られますね、すごい面白いです。
- 406 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月17日(火)04時18分04秒
- 裕ちゃんの気の多さはあいかわらずですね。
個人的にはののかおテイストもよかったし。
あと、作者さんの自サイトがあるとは知らなかったのですが、できたら教えて頂けませんか?
お願いします。
- 407 名前:祝☆誕生日 投稿日:2003年06月19日(木)09時40分02秒
- 裕ちゃん、誕生日おめでとう!!
30代に入ってきっと仕事の質も幅も広がると思います。
これからの「中澤裕子の活躍」を楽しみにしています。
>>405 名無し読者さま
レスありがとうございます。
>>406 名無し読者さま
レスありがとうございます。
>自サイトがあるとは知らなかったのですが
どの辺に入れたか忘れましたが、
上の駄文のメール欄をチェックしてもらえれば幸せになれるかも
駄文「らいばる」あたりかな・・・
さて、裕ちゃんの誕生日です。
当然、誕生日企画いきます。
30thアニバーサリー <吉澤編>
です。
- 408 名前:時の流れ 投稿日:2003年06月19日(木)09時43分10秒
中澤は仕事が終わって鞄の中から携帯を取り出し思わず唸ってしまった。
普段以上のメールの数。
それは、今日が誕生日だから。
仕事上のお付き合いの人とか昔の友人とか、
あまりの多さに一人一人対応するのは面倒で
---
メールありがとうございました。
中澤は女ざかりの30代に突入しました。
しかし、何が変わったわけではありません。
これからも末永いご指導ご鞭撻をお願いします。
まずはお礼まで。
中澤裕子
---
と一斉返信をした。
- 409 名前:時の流れ 投稿日:2003年06月19日(木)09時47分26秒
その直後遅れてきたメールがひとつ。
名前は吉澤ひとみ。
---
中澤さん、お誕生日おめでとうございます。
コントでは年増あつかいさしてもらってごめんなさい。
本当は全然そんなこと思ってないです。
本で読んだんですが昔と今では時間の流れ方が違うから
今の年齢は昔の人の年齢にすると8掛けだそうです。
30歳の8掛けは24
中澤さんは全然若いです。
24歳と18歳は普通のカップルですよね。
吉澤の受け入れ態勢は万全です。
今日はひとまず中澤さんが生まれたことに感謝して眠ります。
では、また。
吉澤ひとみ。
---
- 410 名前:時の流れ 投稿日:2003年06月19日(木)09時50分03秒
相変わらずオモロイ子やな
ツッコミどこ満載やん、このメール。
このメールにはさっきのような定例文では申し訳ない。
吉澤が笑ってくれるだろうと送った返信。
---
吉澤、メールありがと。
めっちゃ、面白かったで。
でも、自分にも8掛けしなアカンやん。
18の8掛けは14.4か・・・
裕ちゃん、淫行条例に引っ掛かりたくない
受け入れ万全の吉澤さんには悪いんやけどまたの機会に。
メール嬉しかったで。
じゃ、またな。
中澤裕子。
---
- 411 名前:時の流れ 投稿日:2003年06月19日(木)09時51分19秒
ジョークのメールに冗談で返したと思っている中澤。
本心のメールにはぐらかされた返信と感じた吉澤。
中澤に流れる時間と吉澤に流れる時間の差のように
この行き違いの関係は当分続くのである。
了。
- 412 名前:新・加勢大周 投稿日:2003年06月20日(金)09時13分34秒
- 30thアニバーサリー企画、全部読ましてもらいました。
ボクは<矢口編>が一番好きだな。なんかホントっぽいんだもん。
- 413 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年06月24日(火)23時40分27秒
- >>412 新・加勢大周さま
>30thアニバーサリー企画、全部読ましてもらいました。
発見してもらえて嬉しいです。
いつも誰にも読まれてないんじゃないかと思っているので
レスもらえると安心します。
では、新しいの始めます。
- 414 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月24日(火)23時41分39秒
世の中には説明しきれない現象が多々ある。
映画「青春ばか☆ん料理塾」の主演若手女優が何故に必要以上に痩せてしまったのか。
国民的アイドルグループの元リーダーがデビュー当時より若返って見えるのは何故か。
ソロで頑張っていてそこそこ喋れる娘が何故に5期メンより下位でトークしているのか。
etc.
そんなことでも何でも相談できる場所。
それが『織綿萬相談所』である。
- 415 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月24日(火)23時43分01秒
相談所は常時事務所にいる、
所長の中澤、霊媒師の飯田、事務の安倍に、
パートの石黒と午後からアルバイトに来る福田の5人で構成されていた。
『織綿萬相談所』によく持ち込まれるのは
やっぱり、不思議現象。所謂、除霊関係が多い。
世情不安の世の中、
こんな時は禍禍しい空気がはびこって良くない気が彼方此方に存在するのだ。
本来なら猫の手も借りたいほど忙しい筈なのだが・・・。
「ふぁああ、暇や〜」
中澤は欠伸と共に伸びをして机にのっていた物差しを手にとると
ペシペシと手のひらを打ちながら窓の外を見る。
- 416 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月24日(火)23時44分48秒
お茶を運んできた安倍が言う。
「やっぱり、アレだべ?」
安倍が言うアレというのは今中澤が険しい顔で見詰めている看板に関係がある。
向かいのビルに最近できた看板には『尼来不思議研究所』の文字がある。
つまり、同業者、ライバルである。
最近では「あなたのお悩み、憑きに変ってお仕置きを!」のキャッチコピーで
テレビコマーシャルも流している大手になっている。
後発のくせに急成長して
一匹狼的だが占い等で若い子に人気だった五丁目の『散奇占術道場』や
古の儀式や祈祷で有名な7丁目の『御祈祷会』を吸収して
さらに力をつけてきている。
『尼来不思議研究所』はこの辺の同業者と合併して大きくなっていくタイプの組織である。
噂では、『四気社』や『録記修行舎』も落ちたとか落ちないとか、時間の問題らしい。
そうなるとこの辺の同業者はもう『織綿萬相談所』だけである。
- 417 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月24日(火)23時45分47秒
この相談所も吸収されンやろか・・・
それだけはご免や
アタシは人に使われのめっちゃ気に食わんし
はっきり言ってムリ
ま、がんば・・
「そうだよ、頑張れるとこまで頑張ろうよ、裕ちゃん!」
「かおりぃー!また、心読んだやろ〈怒〉それは、アカン言うてるやん!」
「まあまあ、裕ちゃん。圭織がそういうの無意識なの分かってっしょ」
「彩っぺも悔しないんか?アンタの教え子やで」
- 418 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月24日(火)23時46分58秒
中澤が悔しがるのも仕方が無い。
もともと『尼来不思議研究所』の主要メンバーに仕事を教えたのは何を隠そう石黒である。
『織綿萬相談所』は駅ビルカルチャースクールに週一で石黒を派遣して占い講座を講義している。
そして、そこに来ていた生徒、
市井が中心になって教室で仲の良かった保田、矢口と共につくった組織が
『尼来不思議研究所』なのである。
「いいんじゃないの・・・こんな混沌とした時代だもん、ココだけじゃ仕事サバキきれないっしょ」
「そうだべ。それに裕ちゃんの仕事は丁寧に納得いくまでだから一件解決するのに物凄く時間が掛かるべさ〜」
「当たり前やろ。粗悪なもの量産するより良いもの一つ作った方がいいんやで。例え、年間1曲のペースでも良いモンやったらファンは納得してくれる…」
「って、何いってるべさ??兎に角、うちで処理できない分やってもらってるって思えばいいべさ」
こんな会話もココのとこ多くなって
そろそろ新しい顧客も開拓努力が必要かとみんな内心思っていた。
- 419 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月27日(金)23時41分36秒
コンコン
予定もなく突然の来客。
『織綿萬相談所』は広く宣伝している訳ではないので大抵は固定客か
その常連の紹介で来る人が殆どである。
今、応接室に通された新客も常連の骨董屋の名刺が入った紹介状を持っていた。
中澤と飯田が客の対応するが客は中国人のようであまり会話が成り立たない。
「コレ、日本 ノ 友達 書イテクレタアル」
紹介状を見せら依頼の内容を確認する。
内容は、いつものように骨董品に取り憑いた念を祓うことのようだ。
- 420 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月27日(金)23時42分37秒
「紹介状によりますと、指輪に取り憑いたものを祓えばいいんですね?」
客は頷き、持っていた鞄から何重にも厳重に箱に収められた指輪を皆に見せる。
信じられなく大きなエメラルドが付いた大変凝った細工の指輪に二人は感嘆の声と共に魅入られる。
確かに魔性の輝きを放つ指輪には曰くありげでこういうものは迂闊に触っては霊に取り憑かれるので要注意である。
そこへ入ってきた安倍が客にお茶を出してから指輪に目を向ける。
「わぁぁ!綺麗!!」
思わず安倍の手が指輪にのびそれに触れようとする。
「アカン!なっち、それに触ったら取り憑かれる!」
そう言いながら安倍の手を払おう中澤が手を出した先に
指輪があり軽く触れたと思ったときにはもう、中澤の指に納まっていた。
指輪を持ってきた客は厄介払い出来たというような顔をし
慌しく出て行ってしまった。
- 421 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月27日(金)23時43分33秒
午後から出てきた福田がいろいろ調べてわかったのは
紹介状は知り合いの骨董屋が書いたものではなく名刺を勝手に利用されたものだったということと
その指輪が世界的に有名な不幸の指輪ということ。
「ねえ、裕ちゃん。早くそれ外した方がいいよ。それ、持ってた人みんな結婚できないで亡くなってる・・・」
「外れれば外してるっちゅーねん。ったく、何でダメなんやろ」
実際、すぐに飯田がお祓いをしたり、石黒が占ってみたりしたのだが外せなかったのである。
「霊が取り憑いてる風でもないね」
―― だって、幽霊じゃないモン
- 422 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年06月27日(金)23時45分17秒
「えっ?誰?」
中澤は聴きなれない声の主を探して辺りを見渡す。
「裕ちゃん、誰としゃべってるべさ〜?」
「皆んなには聞こえてへんの?」
―― 皆には聞こえないよ。だって、裕ちゃんの頭を直接刺激してるんだモン
「アンタ、誰や?」
―― オイラ、指輪の精だよ
指輪の精?
中澤は自分の指に納まっている指輪を見ると
指輪のエメラルドの中に人影が見えた。
- 423 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月30日(月)12時06分50秒
- おー新作!
オイラってことは指輪の精はあの人?
つづき楽しみです。
- 424 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年07月05日(土)00時01分16秒
- >>423 名無し読者さま
レスありがとうございます。
>オイラってことは指輪の精はあの人?
いや、指輪の精は指輪の精でしかないです。って言ってること分かんないですね(苦笑
ちょっと忙しくなってきました。
この先、更新が停滞するかもしれませんが放置はしませんので
よろしくお願いします。
- 425 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月05日(土)00時02分37秒
独り言のようにブツブツ指輪に向かって話をしている中澤の姿が皆の目には不気味に映ったらしく
「裕ちゃん、疲れてるんだべ?今日は早く帰った方がいいべさ」
「そうそう、今日もあんまりお客さん来ないみたいだからこのあとも心配ないっしょ」
「ああ、あとの戸締りちゃんとしときますからもう帰ったら如何です?」
なんて優しいんだか厄介払いしたいんだか分からないが
一応、心配してくれてると解釈しておこう。
- 426 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月05日(土)00時03分27秒
中澤は自分にしか見えない聞こえないこの現象を整理したくて
皆の言葉に甘えて家に帰ることにした。
自宅で落ち着いて指輪に話し掛ける。
「なぁ、何で矢口なん?」
―― ん、オイラ、矢口?
「だって、その姿、矢口やん」
―― この姿、嫌い?・・・嫌なら変えられる
ポンッ
「!!なっち?!」
- 427 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月05日(土)00時04分40秒
―― 裕ちゃんの頭の中を刺激して映像作ってるだけだべさ
「誰が『裕ちゃん』と呼んでいいっていった〈怒〉」
―― えぇえ!だって、頭の中に裕ちゃんと呼んでって書いてあるべさ〜
「もう、ええわ。けど、相談所のメンバーの姿は止めてぇな、OFFやのに仕事してる気分になる」
―― じぁ・・・
ポンッ
「ぁぁぁああ!オカンもあかん!もう、矢口でええから」
ポンッ
―― 矢口でいいだと〈怒〉この姿が一番お気に入りじゃん!
「うっ、矢口がいいです。矢口の姿でお願いします。」
すっかり、頭の中を覗かれてしまっている相手に嘘をついてもしょうがない。
矢口の姿が気に入っていることをあっさり認める。
- 428 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月08日(火)01時22分24秒
矢口真里。
中澤が彼女の存在を意識始めたのはかなり前のことである。
石黒が講師をしている占い講座の教室は
占いという特殊なことをしている所為でよく悪い気が溜まってくるのである。
その日も気の流れがあまり良くないので講義の後、
中澤と石黒で教室の浄化をする筈であった。
中澤が教室前の廊下にやってくると教室の中はざわついている。
ザワザワザワザワザワザワ
- 429 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月08日(火)01時24分17秒
教室の中には石黒はいない。
殆どの生徒も帰って残っているのは二十歳前後の女の子が少しいるだけだった。
生徒達は帰り支度と多少の雑談をしているだけで
そんなに騒いでいるわけではなかったが
中澤には非常に騒いでいるように聞こえる。
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
ざわつくきは益々大きくなっていく。
- 430 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月08日(火)01時25分19秒
この教室、ホントうっさっいなぁ!
中澤は堪りかねて教室に入るなり一喝をする。
「うっさいで〈怒〉!!早よ、帰りぃ!!!」
中澤の気迫の篭った声に残っていた生徒達が注目するが
教室の湿った重たい空気は清清しいカラリとするものに浄化されていた。
事務室に行っていた石黒が戻ってきて皆の唖然とする顔に苦笑しながら言う。
「あ〜あ、裕ちゃん、またやってくれたっしょ?」
「ぁあ…」
「ほら、生徒さんたち怯えてっしょ」
中澤はすまなそうに残っていた生徒の前にくると素直に頭を下げる。
「ごめん。みんなに言ったんやないねん。ホント、ごめんなさい」
そう言うと中澤は知らない人は苦手というようにその場を出てしまった。
- 431 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月08日(火)01時27分14秒
ああ・・・またやってしもた・・・
しゃないやん、思い立ったら体が動いてまうんは、O型気質やし、
悪いもん放っておくことでけへん・・・
廊下で立たされ坊主のように石黒が出てくるのを待つ姿は
気弱な小娘にしか見えない。
暫くして石黒が教室のドアに鍵を掛け中澤の傍にやってきた。
教室に残っていた生徒がすれ違うときに挨拶をしていく。
一番後ろの小さい子が他の生徒の陰に隠れるようにシャイな様子なのに
中澤の目をジッと射るように真っ直ぐ見てペコリと可愛く頭を下げていった。
- 432 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月08日(火)01時30分02秒
- みんなの姿が見えなくなってから
中澤は石黒にさっきの生徒について聞いてみた。
残っていた生徒は今回のクラスの中で
ピカイチ占いのセンスがいい3人組なのだそうだ。
特に中澤が気になった中学生くらいかと思った少女は思ったより大人だった。
それが矢口真里、彼女だったのだ。
話ではその三人は霊感が強く今後本格的にそっち方面に進みたい
というような話だったので中澤は石黒に三人が自分のとこに来る気がないか
それとなく勧誘してもらうが結果はガッカリするものだった。
- 433 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月08日(火)01時32分24秒
やっぱり、最初の印象が悪かったんかなぁ・・・
と幾度となく事務所の窓から隣の窓を見て思うのだ。
相手の窓のところによく矢口が立つということも窓を見詰める一因であった。
矢口の容貌は中澤にはツボだったのだ。
まともに話したことがないのでそれが恋愛対象としてなのか
愛玩物としてなのか誰にも分からないが
とても気になる存在なのだ。
その姿が今は目の前に四六時中一緒なのだ。
- 434 名前:新・加勢大周 投稿日:2003年07月09日(水)18時56分30秒
- 何週先になろうが待ってるよ。
ガンバッテネ!
- 435 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年07月25日(金)22時58分17秒
- >>434 新・加勢大周さま
待ってて頂けてるんですね。。。感謝
更新します。
- 436 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時01分32秒
中澤が指輪の精のことを
『矢口』と呼ぶことに抵抗を感じなくなるのに
大して時間は掛からなかった。
頭では矢口とは違うと分かっていても
目の前の妄想と言ってもいいくらいの存在に思いを寄せる。
妄想でも矢口はカワイイのだ。
「なぁ・・・矢口」
「ん?」
「実体化出来ひんの?指輪の精やろ?魔法ぐらい使えるんやろ?」
「このままじゃダメ?」
小首を傾げて見上げてくる仕草がとても愛くるしい。
- 437 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時04分35秒
「矢口の体があった方がいろいろ都合がええん違ゃう?
アンタが探してるランプの精も見つけ易くなると思うで」
「そうだよ!早く、あのアホを見つけなきゃなんないんだけど、
出来ないんだよ〈怒〉オイラ、この体の大きさじゃん。
魔力もそれに比例するんだよ〈怒〉」
ランプの精の話になると矢口は急に気合が入ったようにキッとしてくる。
中澤はその未知の存在、
ランプの精にライバルを感じ妬けて話を逸らすように
矢口をからかい始める。
「何、キレてるん。誰もちっこいなんて言ってへんやん」
「あー、今、言った!ちっこいって言った!!」
こんな言い争いをしたい訳ではないけど
ムキになってる矢口の姿を目を細めて堪能してしている中澤がいた。
- 438 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時06分46秒
この指輪の精矢口には重大な使命があった。
中澤が初めて指輪を家に持ち帰った日矢口が言った。
『オイラのパートナーを探して!
早くしないとランプの持ち主の精力を吸い取ってしまう!!
オイラはヤツの良心だからそれを止められる』と。
オイラのパートナー、ランプの精は指輪の精が制御しないと暴走するらしい。
- 439 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時08分39秒
指輪の精矢口には対になる宝石があった。
それをあしらったランプに精霊が宿った。
それが指輪の精のパートナー、ランプの精である。
ランプの精には強力な魔力があるがその源は持ち主から調達する。
だから、単体となったランプは
それこそ持ち主の命を縮める呪いのランプとなってしまっている。
指輪の精の使命、ランプの精を制御すること。
- 440 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時27分55秒
指輪の精、矢口の切実な訴えに
中澤は有名な呪いの掛かった過去の物品を調べているのだか
未だ消息が分からないでいた。
報酬の無い仕事だからあまり焦っていないというのもあるが
目の前の指輪の精矢口との生活が楽しいので
『此の侭でもいいやん』
と思う気持ちがランプ捜索を進ませない理由になっていた。
- 441 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時29分33秒
-
それでも多少の良心を持ち合わせているので
指輪の精矢口が実体化したらもっと捜索もし易くなると言ったのだ。
そう思ったのは事実だが
心の奥は矢口に触れてみたいという気持ちがどこかに燻り続けていた。
しかし、指輪の精は幻覚を見せるだけで実体化することは出来なかった。
触れることが出来ない欲求不満は中澤の中で大きくなっていく。
それを紛らすように
CGやアニメのように矢口にいろんな格好をさせたり、
思い通りに動いてもらったりした。
- 442 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時31分42秒
ある日は、雑誌を見ていてちょっと気に入った衣装があった。
「矢口、この雑誌の服可愛いからちょっと着替えてみようか?」
ポンッ
「どう?」
「かわぇえ!やっぱ裕ちゃんセンスは最高や!似合うと思っとったんや」
- 443 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時33分30秒
-
ある日は、リモコンを手に矢口をコントロールする遊びに興じる。
「はい、矢口、早送りピッ」
高速でダンスを踊る矢口。
「ピッ停止。」
ムリな格好で止まっている矢口。
「はい、再生巻き戻しピッ」
今踊っていたダンスを逆に再現する矢口。
「次は・・・」
「はぁはぁ・・・裕ちゃん!もう、いい加減にしてよぉ。オイラ壊れるぞ!」
- 444 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月25日(金)23時35分20秒
- 「はぁ?アンタ、実体ないのに疲れるんか?」
「そうだよ〈怒〉!実態無いっていうより存在次元が違ってるんだよ」
「?」
「精霊の世界には実態があるの!
その映像を裕ちゃんの頭を刺激して見せてるの。
だからちゃんと疲れるんだよ〈怒〉」
「ふ〜ん・・・その精霊世界の体こっちに持ってこれへんの?」
「だから、何回言わせるんだ?
実体化するってことはそういうことだけど
オイラにはその力が無いんだってば」
「お子様だから(笑)」
「なんだとー〈怒〉」
こんな、漫才みたいなじゃれ合いがお互い楽しくて時がたつのが早かった。
- 445 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月26日(土)14時00分40秒
- ランプの精がいるところはなんとなくわかったきがする。w
- 446 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年07月28日(月)23時02分13秒
- >>445 名無しさん 様
レスありがとうございます。
>ランプの精がいるところはなんとなくわかったきがする。w
ランプの精は自分のとこにいます。。。
更新します。
- 447 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月28日(月)23時06分03秒
指輪の精との甘い生活に慣れてこのまま調査を放置したわけではない。
ちゃんと、ランプの調査は福田に頼んでネット中心で情報を集めていた。
そんな変り映えのしない日常生活の中に一つだけ気がかりなこと。
いつものように窓辺に立って隣ビルの窓を覗くのだがここのところ
ホンモノの矢口の姿を見ることが出来ずにいた。
相変わらずあの事務所は忙しいんやなぁ・・・
ホンモノの矢口が見られへんのは寂しいけど
ま、今はアタシにはコレがいるから気分が紛れるか・・・
- 448 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月28日(月)23時10分12秒
- 相変わらず暇そうな『織綿萬相談所』の事務所内で
飯田は新しく購入した水晶玉の中を覗いて
フフフッと不気味に一人笑っていて
安倍は殺風景な事務所内を丸で自分の部屋のように装飾している。
ひとり忙しそうにパソコンに向かって仕事をしているのは福田だけで
中澤は相変わらず窓の外を眺めていた。
そんな喉かな午後のひとときを破断するように
事務所のドアが乱暴に開いたと思うと
ツカツカと勢い込んで入ってきた人物は真っ直ぐ窓際の中澤のもとへ進むと
バッシーーン
と無言でビンタをし、睨みつける。
叩かれた中澤も部屋のみんなも突然のことで
唖然とするが何がなんだかわからない。
後からもうひとり慌ててやってきた。
- 449 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月28日(月)23時13分23秒
-
「紗耶香!やりすぎ!!」
入ってきたのは『尼来不思議研究所』の市井と保田である。
保田の表情も険しいが態度は市井より穏やかで落ち着いているようである。
その保田が中澤に向かって話を続ける。
「中澤さん、矢口のことでは私も一発殴りたい心境ですが
暴力で物事が解決するとは思っていませんから
紗耶香の暴挙、一応謝ります。
すいませんでした。
今日は冷静に話をする自信がないので
このまま紗耶香を連れて帰りますが後日改めて話し合いをさせて下さい」
「圭ちゃん!こんなヤツにあやまんな!」
「いいから、紗耶香、帰ろう!」
保田は市井を抱え込むようにして出て行った。
- 450 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年07月28日(月)23時15分38秒
- 事務所内は異様な雰囲気が漂う。
口火をきったのは安倍。
「裕ちゃん、またスケこましたんだべ?」
「なっち、そんな品のない言葉、使ったらアカン」
「じゃー、また女騙したっしょ?」
「圭織・・・アンタもそれ同じや。
スケこましって何?
女騙したこと?
ないっちゅーねん。ったく〈怒〉」
「裕ちゃん、隣の事務所の覗きがばれたんじゃない?」
「なんでや?そんくらいでか?
って何で彩っぺがそんなこと知ってるんや!」
みんなに好き勝手言われているが
中澤には本当に叩かれたわけが分からなかった。
- 451 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月29日(火)21時47分41秒
- 落とし穴に落ちました。「ランプの精は自分のとこにいます」ってそういう事だったのか…
そりゃ圭ちゃんや紗耶香も殴り込みに来るっちゅうねん(w
続き、楽しみにまってま〜す。
- 452 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年08月01日(金)00時04分59秒
- >>451 名無しさん さま
落とし穴落ちちゃったんですか・・・
惜しかったですね30th企画、そっからさらに地下へ どうぞ
帰省する日が近づいているのでサッサと終わらせます。
終わらせたい。。。できるだろうか
とにかく更新。
- 453 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月01日(金)00時08分57秒
-
いったいどないしたんや?
ずっと姿の見えない矢口が関係してんのかな・・・
そやったら・・・
その時そんな騒ぎの最中も
黙々とパソコンに向かっていた福田が珍しく声を荒げた。
「裕ちゃん!!ランプの行き場分かった!!」
「ほんまか?何処にあんのや?」
「いいのかな・・・また、トラブりそう・・・」
「何、ブツブツ言うてんのや。何処。何処にあんの?」
「尼来不思議研究所。」
「はぁ?あそこか?」
中澤は窓の外を見詰め深いため息を吐いた。
- 454 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月01日(金)00時10分24秒
-
今日叩かれた理由、矢口が絡んでるみたいで妙に気になるし
あの子らも少しは落ち着いたやろ
善は急げやん
「尼来不思議研究所、行ってくる」
と一言残し中澤は隣のビルへと乗り込んでいった。
- 455 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月01日(金)00時12分50秒
-
『尼来不思議研究所』。
ファンシーショップのように可愛い内装の店舗に隣接する事務所。
事務所の方も若いスタッフに合わせたお洒落な造りになっていた。
中澤の流行らない探偵事務所のような造りとは大違いである。
店の前では待合室に入りきらなかった高校生のような客も
廊下まで列を作って待っている。
彼女らは中澤を見て
『場違いなオバサンが来た』というような目をしているが
中澤本人はそれには慣れたものでスタスタと横をすり抜け
事務所の方へ向かう。
ライバル会社の所長の来訪に
怪訝な顔をする受付の子に取り次ぎをお願いする。
「中澤さん、どうぞこちらへ」
- 456 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月01日(金)00時15分17秒
-
中澤が通された部屋はさっきと違って落ち着いた感じの応接室。
ここのブレーンはちゃんと仕事の出来る人物がいるなと感じさせる。
「さっきは失礼しました。
所長はまだあなたと話が出来る状態ではないので私がお伺いします」
中澤を応対したのはさっきと共にやってきた保田だった。
「保田さんやね。
私は向かいの織綿萬相談所で所長をやってます中澤裕子です。」
と頬の赤い手形を全く気にするでもなしに
淡々と名刺交換をする中澤の真意が保田には図りかね困惑気味である。
「今さっきのこと矢口さんが関係してるんやろ?」
さっきは何とか怒りを抑えた保田だが、
矢口のことを他人事のように話態度に苛立つ。
「あなたが一番ご存知でしょ〈怒〉
矢口をあんな風にして!!元気な矢口を返してよ!!!」
- 457 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月01日(金)00時17分34秒
-
矢口が元気がない?
じゃ、やっぱり矢口がランプを持っていったんや
「あまり時間がないみたやねん、
喋りも気にせんとってほしい。矢口が。矢口さんが変なんやろ?」
「なっ?!!〈怒〉あなたの所為でしょ!!」
「落ち着いて欲しい。
アンタもいいオーラもってるみたいやから
たぶんこれ見せた方が話がはやいな・・・」
そういうと中澤は保田の手をクッと掴んだ。
- 458 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月01日(金)00時19分49秒
-
保田の頭の中に中澤の指輪の精のこと、
たぶん矢口が持っているであろうランプのことを
映像交じりで一気にデータを送り込む。
そんなことが出来るのは
指輪の精の力をかりているのだが
中澤の能力の高さもあってのことである。
一瞬でことの事態の深刻さを理解した保田は青ざめた。
「矢口さんの家に連れてってくれへんか?」
- 459 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月01日(金)19時40分16秒
- やっと姐さん、本物の矢口さんと対面ですね。
姐さん矢口を助けろー(w
- 460 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月04日(月)16時59分28秒
-
保田は中澤を伴って再び矢口の部屋の前まで来ていた。
部屋に入ろうとしたとき
中澤にここから先はひとりでやらせて欲しいと言われる。
保田にとって矢口は掛け替えのない同志で親友なのだ。
中澤と一緒に魔物とかしたランプの精と戦いたい。
しかし、反って足手まといにならないともかぎらない。
守らなければならないものが増えると防御に力を割かれ過ぎる。
保田は中澤の力を知っているので大人しくドアの外で待つことにした。
- 461 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月04日(月)17時01分36秒
-
中澤が緊張した面持ちでドアを開けようとして跳ね返された。
結界を張られていたのだ。
中澤は手に念を込め再びドアノブを廻すと勢いよくドアが弾けた。
矢口!!
矢口は中澤の姿を見ると力なく倒れてしまった。
その姿を見たとたん中澤の怒りがパワーになる。
中澤の力を使って指輪の精が実体化し
魔物ランプの精の胸に飛び込んだ。
中澤は倒れている矢口の元へ駆けつけ抱きしめる。
おひさまの子どもみたいだった矢口が
見る影もなく痩せてしまっていた。
自分がもっと早くこの件に真剣に取り組んでいたらと
後悔ばかり浮かんでくる。
- 462 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月04日(月)17時03分56秒
-
指輪の精の矢口はランプの精を見上げながら頬には涙を這わせて言う。
『アホ!他人様に迷惑かけんなよぉ!!』
ランプの精は驚いたけど、フッと優しい顔になっていう。
『ごめん・・・アンタがおらんかったんが寂しかったんや』
そして、ランプの精と指輪の精は熱いラブシーンを見せてくれる。
中澤にとってランプの精と指輪の精のやり取りなんてどうでもいい。
目の前の矢口を元気づけたかった。
気絶している矢口に少しでも気力が戻るよう優しく口付けて自分の気を送る。
やぐち!
矢口!!
「矢口!!大丈夫か?」
- 463 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月04日(月)17時06分12秒
-
矢口は中澤の声で目を醒ました。
辺りを見渡しキョンとしている矢口に中澤が言う。
「もう、全て終わったから。安心しぃ」
あれ?
部屋の中にもう一組矢口と中澤がいることに矢口がびっくりしている。
覚醒して混乱している矢口に中澤が説明する。
「あれはランプの精と指輪の精や。
カップルさんやったのに引き離されてキレとったんやな」
「あれがランプの精の恋人?何故、矢口なの?」
「えーと・・・あんな・・・指輪の精はアタシんとこに居ったんや・・・」
- 464 名前:ココは織綿萬相談所 投稿日:2003年08月04日(月)17時08分45秒
-
中澤の言葉に自分がランプの精を中澤の姿にしてしまったことを考えて
矢口はアッと頬を赤らめた。
「うーんと、矢口さん。
ホンマは初対面みたいなもんやのに・・・呼び捨てやった・・・ごめんやで」
「矢口でいいよ。矢口も裕ちゃんって呼んで良い?」
「ええで。というよりそう呼んでほしいねん。な、こんな時になんやけど・・・」
中澤は自分が指輪の精を矢口にしてしまったように
ランプの精を自分の姿した矢口の気持ちに気がついて
言えずにいたこと言う決心をする。
あんな浮気な魔物と別れて今度は裕ちゃんと憑き合わへん?
了。
- 465 名前:ここから番外編 投稿日:2003年08月04日(月)17時10分57秒
- 番外編 『ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間』
- 466 名前:ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間 投稿日:2003年08月04日(月)17時12分43秒
-
中澤と矢口がいい雰囲気で見詰め合っていた。
ランプに精と指輪の精はそろそろ自分の世界に帰りたいので
そんなふたりに声を掛ける。
指輪の精(以下ユ):「あの・・・」
中澤 裕子(以下中):「は?」
ランプの精(以下ラ):「そろそろアタシら帰りたいやけど・・・」
矢口 真里(以下矢):「あ・・・そっか、勝手に帰っいけないんだ・・・」
ユ:「一応主従契約があるんで」
中:「そんなんあったんかい!
今まで自分のお願いばっかアタシに押しつけとったやん」
ユ:「・・・」
- 467 名前:ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間 投稿日:2003年08月04日(月)17時15分04秒
-
中:「ま、ええわ。矢口と仲良うなれたモンな・・・
主従契約って、やっぱアレか?3つのお願い」
ユ:「うん。精霊界のきまりなんだ」
ラ:「矢口はいっぱいきいたったからええやろ?」
ユ:「ダメだよ。無条件に3つのお願いをきくんじゃん!
オマエはまた精力と引き換えにしてただろ!!」
ラ:「うっ・・・そうやけど・・・今までの人たち全員満足しとったで」
矢:「今までの人たちはどんなお願いしたの?」
ラ:「アンタと一緒や。好きな人になってって。
でみんな腹上死してまうんや・・・何でやろ」
バッコーーン
指輪の精の鉄拳が跳ぶ。
- 468 名前:ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間 投稿日:2003年08月04日(月)17時17分33秒
-
ラ:「い痛ったぁぁ・・・何すんねん〈怒〉」
ユ:「あったり前だろ!!
そんなんだからオイラが目を光らせとかなきゃなんないんじゃん!!」
ラ:「けど、来んの遅かったな・・・
ずっと迎えに来てくれるん待ってたんやで」
ユ:「うっ・・・ごめん。
主になってくれた人がさぁ中々探し出せないんだよ。
その人たちも天寿を全うして次の持ち主に期待するんだけど
同じことの繰り返しでさぁ・・・
でも、裕ちゃんの前の持ち主の人親切でね裕ちゃんとこ連れてきてくれたの」
矢口と中澤を無視するようにいちゃつき始めた精霊たちに
自分たちのことは棚に上げて半ば呆れながら中澤が声を掛ける。
- 469 名前:ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間 投稿日:2003年08月04日(月)17時20分23秒
-
中:「なぁ・・・お願いきいてくれるんやろ?」
ユ:「あっ!忘れてた。。。ごめん、でお願いは何?」
中澤は人に聞かれるのが恥ずかしいのか指輪の精に耳打ちする。
ユ:「うん、分かった・・・これでどう?」
ボン!
矢口は目の前の中澤が急に家牢脚部ばりの爆乳になり驚く。
矢:「こんなの裕ちゃんじゃない!!元に戻してよ!!」
ラ:「ふぅ〜ん・・・矢口は貧乳フェチか・・・
了解、一個目のお願いきいたったで」
ボン!
中澤はまた元のようなスタイルに戻っていた。
いや、本当は矢口が頭に描いた中澤像のとおりにしたので
さっきより少し色っぽい。
中:「なにすんの・・・お願い一個無駄使いしてもうたやん・・・
でも、矢口がこのままがええんやったらええか・・・
次のお願い何にしよ・・・」
- 470 名前:ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間 投稿日:2003年08月04日(月)17時22分25秒
-
中澤が次のお願いを考えている間に矢口が言う。
矢:「一個無駄使いしたって裕ちゃんが変なお願いするからじゃん・・・
矢口も一個ソンした・・・じゃ矢口のお願いいくよ。矢口の身長を伸ばして」
ラ:「よっしゃ!このくらいでどや?」
ボン!
考え込んでいた中澤は目の前に自分より大きくなった矢口に驚く。
中:「アカン!絶対裕ちゃんより大きくなったらアカンて!!
矢口は小さい身体も含めてカワイイんやから!!
コンくらいにもどしてぇや!!」
ユ:「二個目だね」
ボン!
矢口は再び元の大きさ・・・
じゃなくて中澤が指定した大きさ145cmもなさそうである。
矢:「ったく。どうしてくれるんだよ、せっかく大きくなれたのに」
中:「アカンて。この大きさが好きなんや。お願いやから、なっ機嫌直して」
まったく・・・とブツブツ文句を言いながらも
中澤が気に入ってくれているんならいいかと思う矢口であった。
- 471 名前:ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間 投稿日:2003年08月04日(月)17時24分15秒
-
3つ目のお願いを考える二人。
思うことはどうすればこの先もずっと相手の気持ちを繋ぎ止めて置けるか
ということ。
矢口は指輪の精にコッソリ尋ねる。
矢:「裕ちゃんて恋愛経験豊富なの?」
ユ:「歳相応ってとこかな・・・」
それを聞いて矢口は考え込む。
経験の少ない自分に飽きないようにするにはどうしたらいいかと。
同じように中澤もランプの精に質問していた。
中:「矢口はエロいのOKなん?」
ラ:「口では大きいこと言ってるけど殆ど未経験やで。
あまりエロいことすると嫌われるで」
少しばかり考え込んでやっとお願いを口にする。
- 472 名前:ココは織綿萬相談所と尼来不思議研究所の狭間 投稿日:2003年08月04日(月)17時26分29秒
-
中:「アタシのエロいんのに引かんくらいの情報通にして」
矢:「オイラの経験不足に呆れないように裕ちゃんの経験を消して」
と同時に言う。
ランプの精と指輪の精は「分かった」と一言いうと
願いを叶えて煙のように消えてしまった。
ラプホのような部屋にすっかり攻守が逆転した
テクニシャンになった矢口とウブな小娘になった中澤が残される。
後は作者も知る由もない
ただドアの外の保田さんには時間延長を申し出といてあげます。
矢口さんはファイルの角で叩かれるかもしれませんが
ま、耐えてください。
了。
- 473 名前:あとがき 投稿日:2003年08月04日(月)17時27分26秒
- 更新しました。
- 474 名前:あとがき 投稿日:2003年08月04日(月)17時31分56秒
- オチ隠しの番外編が結構意味もなく長くなってしまいました。
今度のハロモニ。はなっちゅー満載のようですね
いつもは3倍モードで使いまわし録画ですが
やっぱ保存版になるだろうから新しいテープを買ってこなくては。
予告だけでも充分期待がもてるんですけど。
- 475 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年08月04日(月)17時35分17秒
- >>459 名無しさん さま
レスありがとうございます。
帰省するのでちょっと間が空きます。
- 476 名前:目指せ!ファーストレディ 投稿日:2003年08月22日(金)01時16分42秒
「おじゃマールセ紺野でした!」
収録に託けて中澤さんに取り入る方法を入手する筈だったんですけど・・・
私の分析ではハロプロを上手に渡るのは
表番の中澤さんの庇護を受けるのが一番だと出てるんです。
いい例が安倍さんや矢口さんそれと後藤さん。最近では松浦さんです。
安倍さんはモーニング娘。の顔とまで言われた人です。
彼女曰く『裕ちゃんは唯一甘られる存在』だそうで
中澤さんの方もいつも彼女のことを気に掛けているようです。
後藤さんの人気は言うまでもありませんが
ドンドン綺麗になっていったのは
中澤さんがしょっちゅう『カワイイ』とか『よかったよ』とか
言っていたからだと思います。
ポーカーフェイスの後藤さんは嬉しい気持ちを顔に出すことはありませんが
その気持ちを擬音語で表現するので面白いです。
此間も黒髪にしたことを中澤さんに『可愛い!』といわれて
本当なら顔が赤くなるとこですが
そうならない後藤さんはそれを言葉で
『ボッ』と顔から火が出る時の擬音で表現していました。
- 477 名前:目指せ!ファーストレディ 投稿日:2003年08月22日(金)01時20分12秒
そして、今やトップアイドルとなった松浦さんは
デビューのときから中澤さんの応援のもと格歌番組を回ってました。
中澤さんが裏工作したとは思いませんが
何かジンクスのようなものがある気がします。
だから、HPWは私には大きなチャンスで、頑張ろうと思っていたら
麻琴っちゃんもそのことに気付いたらしく
いろいろと中澤さんの気を引こうとしています。
コントでは負けてしまったけど、
これ以上同期に負ける訳にはいかないんです。
そこで中澤さんの一番のお気に入り矢口さんに相談することにしました。
矢口さんは中澤さんの手厚い加護を受け今では裏番を張ってます。
その矢口さんの手口に学ぼうとしたのですが、
あのアドバイスは参考になりません。
『中澤さんに苛められちゃうんですよ』
『ああ、裕ちゃんね。試練試練、あれも愛のムチだから』
矢口さんはいいんです。アレを愛だと思えるんですから・・・
- 478 名前:目指せ!ファーストレディ 投稿日:2003年08月22日(金)01時22分01秒
期待はずれの相談結果に深いため息をついていたら
どっから沸いたのかHPWの前番組キャスター、
チャーミー石川さんが少しタカビーに話してきます。
「フッ・・・おじゃマルセは甘いわね。」
「チャーミー先輩・・・」
「その相談はチャーミーに相談しないと真の成功者はチャーミーよ!」
「どっから聞いてたんですか?」
「初めからに決まってるでしょ」
「はぁ・・・」
チャーミー先輩は確かに数々の努力の結果、
一時期、中澤さんのマイブームになった人です。
その時期は写真集もバカ売れ、タンポポのオリコン1位獲得、
ピースでのセンターなど絶好調でした。
- 479 名前:目指せ!ファーストレディ 投稿日:2003年08月22日(金)01時24分31秒
チャーミー先輩に相談してもな・・・
キャスター降ろされた人だし
「今、失礼なこと考えたでしょ?
中澤さんのことで矢口さんにライバル視されてるのは私だけよ!」
「はぁ・・・」
「ついでに言っとくけど、おじゃマルセ最近キャラ似てきてる。
キャラ被らせないで!!」
キャラ被らせるつもりはないんですけど・・・
「チャーミー先輩は弄られキャラですよね?」
「そうよ!中澤さんに弄られて面白いのは私だけよ!!
キャスターの座絶対あなたから取り戻すんだから!!」
そっか!!
その手があった・・・
私には麻琴っちゃんのようにギャグキャラや
矢口さんのように溺愛されるのはムリだけど
チャーミー先輩のような弄られキャラはできるかも・・・
「チャーミー先輩ありがとうございました!お陰で吹っ切れました。」
特に助言された気はしないんですけど
『ほら、やっぱり私の助言が一番ね』と
自慢げにチャーミー先輩は去っていきました。
私がハロプロのファーストレディになる日ももうすぐです。
了。
- 480 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月22日(金)19時10分03秒
- 紺野おもしろいですw
ファーストレディとは違う方向にいってますね。
- 481 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003年09月03日(水)16時12分24秒
- >>480 名無し読者さま
レスありがとうございます。
紺野じたいおもしろいですよね、飄々としていて。
でも、6期の前だとちゃんと先輩の顔になってましたね。
- 482 名前:みっくりきゃすてぃんぐ 投稿日:2003年09月03日(水)16時15分06秒
- ハロモニ収録日。
司会を交代してめっきり出番の少なくなった中澤はそれ程早くスタジオ入りする必要は無い。
それでも娘。メンバーと会える貴重な時間なのでいつも出来るだけ早めに楽屋入りをする。
そして各コーナーをモニターで見ながら思うこと。。
新垣塾をもっとブッシュしなあかん!
中澤は紙とペンを取り出すと何やら書き始めた。
「ゆぅちゃ〜ん♪出番だよ〜」
婦警姿の矢口がノックよりも良く通る声で部屋に入ってきた。
楽屋では本を読んでるかメールすることの多い人なのに珍しく
紙にペンで書き物というアナログなことをしている。
「裕ちゃん、何書いてるの?」
「ん、新企画提案しようかとな・・・まだ下書きやけど」
矢口は書き込んでる手元を覗き込む。
- 483 名前:みっくりきゃすてぃんぐ 投稿日:2003年09月03日(水)16時16分54秒
企画:新小芝居『さいゆうき』
目的:若手を広く視聴者に愛される存在にする
キャスティング
孫悟空: 新垣里沙(アラガキリサ)
沙悟浄: 田中麗奈(タナカレイナ)
猪八戒: 道重さゆみ(シゲサユミ)
玄奘三蔵: 亀井静香(カメイシズカ)
東海龍王: 飯田圭織
西王母: 中澤裕子
牛魔王: 吉澤ひとみ
本妻の鉄扇公主: 安倍なつみ
妾の玉面公主: 矢口真里
牛魔王の息子・紅孩児: 藤本美貴
金角大王: 辻希美
銀角大王: 加護亜依
白骨夫人: 保田圭
こ・これは・・・
「ゆうちゃん!」
『中澤さん、矢口さん、出番です!スタンバイお願いします!!』
矢口が何か言いかけたときスタッフの呼び出しで話は中断させられた。
- 484 名前:みっくりきゃすてぃんぐ 投稿日:2003年09月03日(水)16時19分58秒
- 中澤の書いていたメモは風に飛ばされヒラヒラと廊下に落ちていく。
その後そこを通った飯田がメモを拾う。
文字が中澤のものなのでツイ書いてあることに興味が湧いて盗み見てしまう。
何、裕ちゃん!間違い多すぎ(w
相変わらず人の名前憶えないよねぇ・・・
直しといてあげよっと
- 485 名前:みっくりきゃすてぃんぐ 投稿日:2003年09月03日(水)16時21分56秒
孫悟空: 新垣里沙(アラガキリサ)
ああ、ヒトエちゃんはアラガキだもんね・・・
うちらにとっては新垣はそうなっちゃうよね・・・でも、ま・ち・が・いっと
孫悟空: 新垣里沙(アラガキリサ)←×(ニイガキリサ)←○
沙悟浄: 田中麗奈(タナカレイナ)
おしい!本名だよ・・・
レナと間違えるから芸名ひらがなにしたんだよね・・・こっちが正解
沙悟浄: 田中麗奈(タナカレイナ)←× 田中れいな←○
猪八戒: 道重さゆみ(シゲサユミ)
本名しらないのかぁ・・・『シゲさん』は愛称だから
猪八戒: 道重さゆみ(シゲサユミ)←×(ミチシゲサユミ)←○
玄奘三蔵: 亀井静香(カメイシズカ)
ん〜〜ン、裕ちゃん渋い。。。
亀井のおっさん連れて来るのかなぁ・・・んなわけないっしょ
玄奘三蔵: 亀井静香(カメイシズカ)←× 亀井絵里
- 486 名前:みっくりきゃすてぃんぐ 投稿日:2003年09月03日(水)16時22分49秒
これでよしっと
ああ?これもイメージ違うと思う
私の方がみんなを見守る観音様って感じじゃない?
ええい、こっちも修正。
東海龍王: 飯田圭織←× 中澤裕子←○
西王母: 中澤裕子←× 飯田圭織←○
自分の配役を直しているとマネージャーに呼ばれ
飯田はついうっかりメモガ気を娘。の楽屋に置いたままにしてしまった。
- 487 名前:みっくりきゃすてぃんぐ 投稿日:2003年09月03日(水)16時23分50秒
- リーダーと入れ違いに楽屋に入ってきた4期メンバーたちが例のメモ書きを見つけてしまった。
収録を終えた矢口の手にはボロボロになったメモ書きがあった。
はぁ〜
これ、持ってくのかぁ・・・
裕ちゃん探してたしなぁ・・・
深いため息と共にもう一度、手の中の紙を読んでみる。
- 488 名前:みっくりきゃすてぃんぐ 投稿日:2003年09月03日(水)16時25分05秒
企画:新小芝居『さいゆうき』
目的:若手を広く視聴者に愛される存在にする
会場:メルクパルクホール
演出脚本:プロフェール裕子
キャスティング
孫悟空: 新垣里沙(アラガキリサ)←×(ニイガキリサ)←○
沙悟浄: 田中麗奈(タナカレイナ)←× 田中れいな←○
猪八戒: 道重さゆみ(シゲサユミ)←×(ミチシゲサユミ)←○
玄奘三蔵: 亀井静香(カメイシズカ)←× 亀井絵里
東海龍王: 飯田圭織←× 中澤裕子←×
東海竜王はおっとこまえ。だからハロプロいちの男前、吉澤ひとみに決定!!
西王母: 中澤裕子←× 飯田圭織←○
牛魔王: 吉澤ひとみ←×
安倍さんと矢口さんの旦那さんは中澤さんしかいません
二人の間でオロオロしててくださぁーーい!!
本妻の鉄扇公主: 安倍なつみ
妾の玉面公主: 矢口真里
牛魔王の息子。紅孩児: 藤本美貴
金角大王: 辻希美
銀角大王: 加護亜依
白骨夫人: 保田圭
これはイメージどおり!!当たり役× はまり役です。けってーい!!
特別特典
入り口にてアノマノカリスご提示の方、観覧無料になります。
矢口は憂鬱な気分になりながら中澤の部屋をノックするのだった。
了。
- 489 名前:おまけ 投稿日:2003年09月03日(水)17時09分36秒
(〜^◇^)「どうして新垣塾が善いもんなのさぁ〜」
从 #~∀~ 从「企画書に書いたとおりやん」
(〜^◇^)「若手育成のため?」
从 #~∀~ 从「そうや、若手はモーニング娘。の未来やかんな、そんでやっぱ善いもんの方が視聴者さんには受けがいいんとちゃう?」
(〜^◇^)「そっか!」
- 490 名前:おまけ 投稿日:2003年09月03日(水)17時10分48秒
从 #~∀~ 从「でも、これ・・・ひどいやん・・・(凹」
(〜^◇^)「だってー、裕ちゃん間違い多すぎ・・・まだ、6期の名前憶えてないでしょ?」
从 #~∀~ 从「うっ・・・ええやん!キッズもおるし少しずつ憶えていこうと思ってるんやから〈怒〉」
- 491 名前:おまけ 投稿日:2003年09月03日(水)17時13分05秒
- (〜^◇^)「またそうやって(逆ギレでごまかそうとする)・・・でも、裕ちゃんって言い間違いも多いね」
从 *~へ~ 从「うっう・・・矢口が苛めるぅ・・・」
(〜^◇^)「へん!(矢口が『攻』だもんね)」
从 #~∀~ 从「でも、アンタもラジオでよう噛んでるけどな(笑」
(〜^◇^)「・・・」
了。
- 492 名前:キッズといっしょ 投稿日:2003/09/09(火) 02:52
-
今日は矢口はキッズのみんなお仕事だった。
裕ちゃんも同じキヌタのスタジオで仕事だと聞いたので
終ったあと食事に行こうと待ち合わせをしている。
撮影は矢口には時間に余裕が無いが
キッズは入れ代わり立ち代りで出待ちで退屈している様子。
矢口はバタバタしている中でもキッズの控え室を覗く。
と、中澤が舞ちゃんを膝の上に抱え
千聖ちゃん、梨沙子ちゃん、愛理ちゃん、
理奈ちゃんを前に優しい顔で話をしている。
みんなの顔を見ていると
まるで某教育テレビ「おはなしのくに」の世界のよう。
裕ちゃん、みんなの相手してくれいるんだ・・・
此間のzyxの名前、
言えなかったのがこたえたんだなぁ、きっと
何はなしてるんだろ・・・
気になるけど、今時間ないし後で聞こっと
- 493 名前:キッズといっしょ 投稿日:2003/09/09(火) 02:56
-
さてさて、中澤が何を話しているかというと
みんなはモーニング娘。のことちゃんと知っとるかぁ?
テレビとか雑誌で言ってることは違ってること多いやろ?
裕ちゃんがな〜ん?裕ちゃんのことも分からんの?
モーニング娘。最初のリーダーやったんやで
で、今のリーダーの飯田さんと安倍さんは分かるやろ?
あとはこの本出した石黒さんと
明日香・・・明日香の写真が・・・ごめん今無いわ、また今度な
この5人がモーニング娘。はじまり。
石黒さんとこの赤ちゃん可愛いでぇ
お父さんソックリや・・・って関係ない話やった
- 494 名前:キッズといっしょ 投稿日:2003/09/09(火) 03:00
-
今日は特別の秘密を教えたるね
リーダーの飯田さんはホッカイドウってとこから来た宇宙人なんや
ぇえええ!!うっそだー
ほんまやって。マネージャーさんに聞いてみぃ?
部屋の隅でマネージャーが笑いをかみ殺しながらウンウンと頷いている。
んで、ナッチ、あ、なっちって安倍さんのことやで
ナッチはあみちゃんと双子なんや
あみちゃんを知らん?そやね事務所違うからな・・・よう似てるで
裕ちゃんなんてナッチんち行った時、間違えてキスしてしもたぐらいやから
本当に間違えたんですか?とマネージャーが突っ込みを入れてくる。
中澤はコホンと技とらしく咳払いをして誤魔化しながら話を続ける。
- 495 名前:キッズといっしょ 投稿日:2003/09/09(火) 03:02
-
ん〜んと、アンタらちっこい子はやっぱミニモニ。かな・・・
これこそとっておきや
実はな、加護は辻で辻が加護なんやで
キッズたちは言ってることが分からず、キョンと不思議そうに聞いている。
あんな、秋の虫に鈴虫っておるやろ
あれな昔は松虫って名前やってんで
そんで松虫が鈴虫やったのにいつの間にかみんなが逆に名前を呼ぶから変ってしまったんや
辻と加護も同じや
あんまり一緒におるんで合宿ん時取り違えたまんま芸名にしたんやで
子ども達は胡散臭そうに中澤の顔を見ている。
- 496 名前:キッズといっしょ 投稿日:2003/09/09(火) 03:06
-
信じてへんな・・・
じゃ、これはどうや
昔、横浜に住んでる夫婦がなかなか子どもが生まれへんで
神様にお願いしたんや
すると夢に女神様が現れて明日の朝雪が積もるからそれで雪人形を作りなさいとお告げがあってん
横浜ってあんま雪積もらへんから嘘っぽいなぁって思ってたんやて
けど、朝起きてみると薄っすらと雪が積もってて、兎に角雪人形を作り始めたんやけど
いかんせん雪の量が少ないやっとの思いで小さい女の子の人形を造ったんや
それが矢口さんや
だから矢口さんはなあ、しょっちゅう氷食べてへんと溶けてまうねん
子ども達は中澤の立て板に水のようにスラスラ出てくる話の中にすっかり入り込んでしまっている。
そんな表情の子ども達に満足した中澤が一通りキッズの顔を見渡して
行き着いた先に仁王様のように怖い顔をした矢口がいた。
裕ちゃん〈怒〉!!
嘘ばっか教えないでよ!!
あー、お伽噺しとっただけやん・・・怒らんといて
な、みんなも面白かったやろ?な?な?
こうしてキッズの子どもたちはハロプロの力関係を学んでいくのだった。
了。
- 497 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/11(木) 00:24
- 裕子さんろくなこと教えてませんねw
飯田さんが宇宙人ってところでちょっと笑いました。
- 498 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/09/19(金) 00:52
- >>497さま
レスありがとうございます。
感想はちょっとでも嬉しい。
読者がいるんだと(まだココで書いてもいいんだと勝手に)なんかホッとする。
やぐちゅーモノ増えてきてるので自分は変りモノを。
でも、やっぱパロディなんだけど
- 499 名前:深夜ですのでお間違えのないよう… 投稿日:2003/09/19(金) 00:55
- ☆娘。テレビ直販☆ 0120-***-***
♪〜
モォウ♪モォウニングむ〜す〜めのぉ♪テレビちょ〜くは〜んv
「皆さん、今晩は。今日から始まりました『娘。テレビ直販』司会の中澤裕子です。そしてアシスタントは」
「まだ、モーニング娘。安倍なつみです。」「『まだ』っていうなや」
中澤の袖をツンツン引っ張る手が画面に映る。
「あ、今回の商品を説明してくれるモーニング娘。の矢口真里さんです。」
「ハイ☆矢口真里で〜す。今回の商品はコレ!裕ちゃん、ナッチ、コレ見たことあるでしょ?」
「あぁ・・・まあなぁ・・・」
「なんだぁー!こいこら!コレほど重宝な物はないんだから!!」
「まあまあ、矢口、落ち着いて。裕ちゃんもさぁコレを観たら納得するから。じゃ、皆さんでVTRを観ましょう!」
- 500 名前:深夜ですのでお間違えのないよう… 投稿日:2003/09/19(金) 00:58
-
☆娘。テレビ直販☆ 0120-***-***
皆さんもこんな場面に出くわしたことがありませんか?
程よく混んだ電車の中、何処にもつかまっていなかった女性がアッ危ない。
吊革を掴みたいけど全て塞がっている。
せめて吊革がぶら下がっている手すりに手が届けばと。
そこで活躍するのが『ナガイゾウくん』。
VTRは颯爽と『ナガイゾウくん』を手にした矢口が車内天井に這わされている手すりに捕まっている映像が流れる。
さぁこれで電車がどんなに揺れても大丈夫。
『ナガイゾウくん』の掴みの部分には特殊なストッパーが装備されていて手すりを滑ることはありません。
アーム部分も3段階に延びるので高さが違う手すりにも対応。
掴み部分をハンドパーツに取り替えればマジックハンドとしても利用可能です。
VTRは場面が変りパーツを取り替えている矢口の映像。
意味も無くタンスの上の帽子をマジックハンドになった『ナガイゾウくん』で取っている。
『ナガイゾウくん』があればあなたの生活の幅が格段と広がります。
もう、吊革に掴まれなくて困ったり、高い所の物が取れなく想い踏み台を移動したり、
そんなことから開放されます。
あなたも一度『ナガイゾウくん』を使ってみてください。
テレビの映像はスタジオに戻る。
- 501 名前:深夜ですのでお間違えのないよう… 投稿日:2003/09/19(金) 01:01
-
☆娘。テレビ直販☆ 0120-***-***
ワァアアアア
パチパチパチ
「すごいなぁ・・・ソレ。裕ちゃんも欲しなったわ・・・」
「でしょ、でしょ!ナッチもコレいいと思ったもん!!」
「や、でも、こんだけの機能やん?きっと高いんやろ?」
「気になるのはやっぱ、値段だよね。」
「そや、でも☆娘。テレビ直販☆で扱うんやから安ぅしてくれるんやろ?」
「もちろん!本体の『ナガイゾウくん』とハンドパーツ。そして、今回特別用意しました高いところの枝を切るのに重宝な剪定用鋏パーツを付いて○,800円」
安っ〜〜い!!
「ホンマに安いやん?『ナガイゾウくん』とハンドパーツ。そして、剪定用鋏パーツが付いて○,800円?」
「いえいえ、今回、番組スタートを記念して同じセットをもう一組付いて ○,800円」
- 502 名前:深夜ですのでお間違えのないよう… 投稿日:2003/09/19(金) 01:04
-
☆娘。テレビ直販☆ 0120-***-***
「ナッチ、間違いの無いよう視聴者の皆様にちゃんと説明な」
「ん。じゃ、いきます。商品番号NK-XX001 商品名 『ナガイゾウくん』。付属として ハンドパーツと剪定用鋏パーツ。価格が ○,800円です。なお、今回番組スタート記念として同セットがもうワンセット付きます。」
「大事なこと忘れとるやん。☆娘。テレビ直販☆では分割購入ができるやで」
「そうだったべさ、あ、せっかく標準語喋ってたのに・・・」
「ええやん、その方がナッチらしいしv」
「分割の説明、途中じゃん〈怒〉」
「妬かんでもええやん、やぐちぃ〜あいしてるぅ」
「アホ!!」「裕ちゃん〈怒〉!!」
「コホン。ええーっと、分割のことやった。☆娘。テレビ直販☆では分割購入ができます。手数料は全て人気上昇中の辻希美が負担いたします。深夜ですのでお電話お間違えの無いように」
♪〜
モォウ♪モォウニングむ〜す〜めのぉ♪テレビちょ〜くは〜んv
再び先ほど同じVTRが流れる。
- 503 名前:深夜ですのでお間違えのないよう… 投稿日:2003/09/19(金) 01:06
-
☆娘。テレビ直販☆ 0120-***-***
皆さんもこんな場面に出くわしたことがありませんか?
程よく混んだ電車の中、何処にもつかまっていなかった女性がアッ危ない。
吊革を掴みたいけど全て塞がっている。
せめて吊革がぶら下がっている手すりに手が届けばと。
そこで活躍するのが『ナガイゾウくん』。
云々。
某所では深夜放送の終わった時間、延々と繰り返しこの番組は流されている。
了。
- 504 名前:新・加勢大周 投稿日:2003/09/19(金) 15:31
- 更新あるたび見てますよ! HPだって見ています。
なので足を洗うとかサミシイこと言わんといてくださいよ〜!!
あと、あやゆゆ超読みたいです。
- 505 名前:名無し読者。 投稿日:2003/09/20(土) 21:55
- こんな番組あったら延々同じ内容が続いても
ずっと見ていたいです。
tsunagiで番組やって欲しいな〜。
- 506 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/21(日) 00:19
- こんな番組あったら面白そうですね、商品より3人が気になるみたいな‥w
こーいう短編好きなので赤板の頃からずっと読んでました。
足を洗うって言われるなら仕方ないですが、
気が向いたら程度でいいから続けて欲しいな……
- 507 名前:名無し 投稿日:2003/09/22(月) 23:12
- ゆっくりでいいですよ。
保全、かけにきますし。
仕方ないかもしれないけど、好きな作家さんがいなくなるのはやっぱり寂しいです。
- 508 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/09/30(火) 12:08
- レスを下さった皆様、ありがとうござます。
いろいろご心配をお掛けしまして。
一応、このスレは使いきろうと考えておりますので当分駄文は続きます。呆れないで下さい。
残りの容量と自分のペースを考えると一年ぐらいはお世話になりそうですね(焦
あやゆゆ、書こう思ってたらぁゃゃのM黙卒業とか。。。鬱ってます。
- 509 名前:やさしい背中 投稿日:2003/09/30(火) 12:11
-
今日はオフで家にいるという裕ちゃんに
「絶対、今日中にいくから寝ないでねvビール飲まないでねv」
と念を押して午後からのダンスレッスンを受ける。
さくら組でもそれなりに全員がフォーメーションを憶えるのに時間が掛かるのに
本体のとなると14人分だから大変だ。
当然、おしちゃって約束した「今日中」に裕ちゃんのマンションに行けるか?
という時間になってしまった。
ここのところ裕ちゃんも映画の撮りでスケジュールが合わず
ハロモニの収録でも3人だけの別スケジュールだったので会えずじまいで
今日は絶対顔が見たかった。
兎に角、1分1秒が惜しい。
シャワーも浴びずに飛び乗ったタクシーの中で自分の汗臭さが気になりだした。
やっぱ、シャワーぐらいしてくれば良かったと、
いやいや、それでは裕ちゃんはビールを飲んで着いたときには
セクハラ大王か3年寝太郎で会いに行く意味がないじゃん
なんて思いが行ったり来たりして家に着いた時はギリギリ0時前。
- 510 名前:やさしい背中 投稿日:2003/09/30(火) 12:14
-
ホントはいの一番に抱きつきたかったけど
湯上りで綺麗になった裕ちゃんを汚したくなくて
「お風呂貸して」と脇をすり抜けるように通ってバスルームに飛び込んだ。
横を通る時、
裕ちゃんの手が身体を捕まえようとして空を切ったのが気になったけど
機嫌は損ねなかったようで
優しく「アタシが入った後やで?お湯張り直そか?」と訊いてくる。
当たり前だが
「そんなのいつものことじゃん気にしない♪汗臭いから」と返事を返す。
けど、ホントは裕ちゃんが入った後の香を楽しんでる。
いつも着けてるホワイトムスクの香水ではなく
リラックスする為のアロマオイルの香。
これは自分だけが知ってるんだとちょっと優越感に浸れる。
そんな話を裕ちゃんにするとまた子ども扱いされそうだから言わない。
- 511 名前:やさしい背中 投稿日:2003/09/30(火) 12:15
-
お風呂から上がると花ちゃんは気持ち良さそうに寝ていた。
その横で裕ちゃんは寝転んでファション雑誌を見ている。
「ふぅ〜、気持ちよかった。やっぱ、お風呂はいいね。シャワーだけだと疲れ取れなくてさぁ〜」
部屋に入ってきたことを知らせる為に少し大きめに喋るけど、
裕ちゃんはちょっと顔を見ただけでまた雑誌を見始めてしまった。
なんかちょっと悔しい気持ちで裕ちゃんの後ろ姿を眺める。
バスロープが弛んで色っぽい項にドキリとなり思わずゴクリと唾を飲み込んだ。
その音を聞かれたんじゃないかと顔をみると
やっぱりこころの中を覗かれたように裕ちゃんはニタニタしている。
雑誌はそんなページじゃないのに。
「何、ニタニタしてんのさぁ〜」
「ん、『アタシの矢口が居るぅ』って思ってんの」
ねえ、今エロいこと考えてたこと気がついてる?気が付いてない?
- 512 名前:やさしい背中 投稿日:2003/09/30(火) 12:18
-
「ば〜か・・・そうだ、裕ちゃんマッサージしてあげるよ」
裕ちゃんの首筋から肩、背中にかけての緩やかな曲線を撫でたくて出た言葉。
でも、そこにいきなり触っては心の中がバレそうだから指の先から徐々に近づく。
途中バスローブは邪魔だからと脱がしてその上に寝かせる。
足、すらりとして程よく筋肉のついた足。
ずっと眺めていたい気になる。
肌のすべすべ感が手触り良くて
太もも、お尻、腰、背中と順番にほぐしていき
やっと目的の場所に到達する。
細い首筋、丸い肩、手で撫でた後、
大好きな背中に覆い被さって身体全体で裕ちゃんを感じる。
半分寝かかっていた裕ちゃんが振り返って訊いてくる。
「そうしてると気持ちいいん?」
「うん・・・重い?」
「うんにゃ、べつにええよ。暫くそうしとりぃ」
「うん・・・」
- 513 名前:やさしい背中 投稿日:2003/09/30(火) 12:19
-
いままでたくさん裕ちゃんの背中を見てきた。
守るように庇ってくれる背中。
悔しさ寂しさで震えた背中。
なんでも受け止めてくれる背中。
この背中とずっと一緒にいたくて抱きついた腕に力を込める。
もうしばらくこの背中が自分のものでありますように。
了。
- 514 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/04(土) 01:43
- わーい。やぐちゅーだ。
ほのぼの温かくていいですね。
- 515 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/04(土) 23:34
- 矢口‥‥‥エロ親父化してるw
- 516 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/07(火) 01:07
- ハロモニのモーム素の部屋(だっけ?)をおもいだしました。
- 517 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/10/14(火) 21:58
- >>514さま
最近、やぐちゅーに傾倒してます。
>>515さま
矢口さん最近男前なんでね(w
>>516さま
ばれたか・・・そんな感じです。
「おいら」入手しました。
で、こんな話を。。。
- 518 名前:対談試行 投稿日:2003/10/14(火) 22:00
-
矢口は出来上がったばかりの本を保田に渡すために食事のを共にしていた。
食事の席で矢口は対談の苦労話をしてきかせる。
対談の前日、中澤と矢口は過密なスケジュールを無理矢理調節して密会していた。
なぜそんな無理をするのかというと矢口のエッセイに二人のクロストーク載せることになった為である。
「さ、いくよ」
「ん・・・いつものとおりでいいんちゃう?」
「ダメ!おいらの初めてのエッセイなんだから」
「暴露本やろ(笑)」
バッコ〜ン
「痛ったーっっっ・・・何でスリッパで叩くんや〈怒〉」
「裕ちゃんがふざけるからだろ!〈怒泣〉」
「ご、ごめんって。泣かんといて、また目が腫れるやんか・・・な、大丈夫やから。へんなこと言わへんて」
「ん・・・じゃ・・・ドアから入ってきてよ」
「分かった」
コンコン
- 519 名前:対談試行 投稿日:2003/10/14(火) 22:01
-
「どうぞ」
「やぐちぃぃい〜vv」
いつものとおり思いっきり矢口を抱きしめmouth to mouthの軽いkissをする。
バッコ〜ン
「痛ったーっっっ・・・何で・・・」
「アホー!!対談だぞ!ハロプロのみんなは黙認してくれてるけど本のSTAFFはそんなことすると退くって」
「そんなことって・・・ああ、チューね。分かったチューはなしにしといたる」
「(あたりまえだろ)・・・ったく、質問いくよ。たぶんこんな感じだと思うんだ。はじめて会った時の矢口の印象は?」
「もろ、タイプ!!どうやって落としたろかって」
バッコ〜ン
「痛ったーっっっ・・・本当はこれやったんやでアタシ一目惚れが恋愛の基本やから・・・」
「だ・か・ら〜本になるんだよ!いつもの建前でいいから」
「あー、ええっとあれか・・・はじめてあったのはサマーナイトタウンのジャケット撮影ン時でハ〜ンこの子らがって」
「ゆ・裕ちゃん、今の目つき怖いよ・・・」
「ええやん、このくらいやっといた方が二人の関係バレへんのとちゃう?」
「そ、そうかな・・・」
- 520 名前:対談試行 投稿日:2003/10/14(火) 22:02
-
「なぁ、時間も時間やからNGワードだけ決めとこうや?」
「そうだね。」
「ま、当たり前のからな。まずは『付き合ってます』宣言はせぇへんこと」
「当然だね。キスは?」
「これはアタシがキス魔で『メンバーにしてます』って
流れてるから矢口だけしてへんて反ってへんやろ。軽いチュー話はOKにしようや。
いや、自分からちょっと話題にした方が突っ込まれへんから・・・
そのへんは裕ちゃんに任しときぃ」
「後は・・・お互いの家に行ったことはとかお泊りとか・・・」
「それは無しにしとこう。お互いの家に行って何するんですかなんて聞かれたら矢口、顔に出そうやん」
バシバシと未だに手にしているスリッパで中澤の肩のあたりを叩く。
「だから、痛いって・・・何やっても可愛いなぁ(笑)」
叩く手を止めるようにギュと抱きしめて頬を寄せる。
そんな感じで予行演習しといた。
その甲斐あって無事対談が終わった。
- 521 名前:対談試行 投稿日:2003/10/14(火) 22:03
-
そんな話を自慢げにする矢口を目の前にパラパラと本を捲っていた保田が中央部分の写真で固まってしまった。
アンタ達ねぇ、トーク内容も端々に出てるけど
何がって、このトロケそうな顔の写真が全てを物語ってるわよ
と、保田は深くため息をつくのだった。
了。
- 522 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/16(木) 11:41
- なるほど、あの対談の裏にはそんなことが…
って、まだ手に入れてないんですよ〜(泣)
- 523 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/17(金) 23:48
- 対談読んで、ほんと姐さん矢口ヲタだなーって思ったりしましたw
- 524 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/10/24(金) 16:55
- >>522さま >>523さま レスありがとうございます
「おいら」と「みんな大好き、チュッ!4」は
やぐちゅー書きには突っ込みどこ満載で嬉しいです。
それをネタにいくつか書くつもり。
では、ひっそり更新。
- 525 名前:メインは私 投稿日:2003/10/24(金) 16:57
- 土用ハロプロ劇場
「湯けむり旅情シリーズT『メインは私』
卒業娘。は見た!
四散家一家が繰り広げる愛憎劇。
小京都、色づく紅葉の中を猛スピードで駆け抜ける車。
湯けむりの中忍び寄る影。」
ジャ・ジャ・ジャ〜ン↓♪
ジャ・ジャ・ジャ〜ン↑♪
- 526 名前:メインは私 投稿日:2003/10/24(金) 16:59
-
「こら!何歌っとんの?!」
「あ、中澤さん。可愛いです、ソレ」
!!
「なななななななな!!!」
「耳触ってもいいですか?ふわふわvほンとぉに可愛いですよ猫耳。。」
「な、何で?何でアタシだけ豹柄ビキニに猫耳しっぽ付なん?」
「ええっとですね・・・あ、これだ」
粉引き少年のような格好をしたあややが脇でゴソゴソやりながら一枚の葉書を取り出す。
「千葉県のT・Yさん。
『あやや、ねえさん、こんばんわ。』
こんばんは。
『僕はお二人の大ファンです。
お二人の絡みが見れる某番組が大好きでした。
また、お二人の共演が見たいです。
それから前に深夜テレビで
中澤さんが猫の真似をしていたのが妙に可愛かったです。
だからもう一度それを見たいので宜しくお願いします。』
ありがとう!松浦もこれは是非やりたいです。
それで、実現しました。みなさん、楽しんでください!!」
「何やソレ?!」
「だって同様のお葉書がこんなに着てるんですよ!」
- 527 名前:メインは私 投稿日:2003/10/24(金) 17:01
-
「グズグズ言ってると劇団ひまわりの先生連れてくるわよ!!」
野道をチンタラ歩く二人。
突然、何処からとも無くぶち切れた農夫姿の保田が出てきた。
「保田さん、出番じゃないですよぉ・・・」
「いいじゃない。出番待ってたら日が暮れるわよ。
自分から前に出るのがハロプロのモットーなんだから!」
「圭ちゃん偉い!よう言った。成長したなぁ・・・おねえさんは・・・」
「そんなことはどうでもいいわよ!
あやや、早く家に帰りなさい。親御さんが危篤よ!!」
保田の言葉にあややは台本に目を通し慌てて走り出す。
中澤は訳が分からず兎に角あややの後を追っていった。
- 528 名前:メインは私 投稿日:2003/10/24(金) 17:03
-
場面は貧相な小屋の一室。
ベッドに横たわる人物を囲む家族達。
ここはあややの家、粉引きの一家である。
部屋に駆け込んできたあややがベッドに駆け寄る。
「お父さん!・・・おかあ・・さん?」
ベッドから半身起き上がった危篤の人物はまるで
ゴッホの画いた「農婦」のようなメイクである。
そこへ遅れて駆け込んできた中澤と農婦は目を合わせる。
もう涙が浮かんでいる中澤に
「何が可笑しいんですか?」とおが坂六郎口調で話し掛ける。
「ちょ・・・ちょう待って・・・くくくっ」
と手で笑い泣きの顔を隠しながら農婦に背を向けた先の正面壁に掛かった絵はお約束通りの高橋による実写版絵画。
中澤はもうノックアウトで喋れない。
あとは声の無い笑いでお腹を痛くするのだった。
- 529 名前:メインは私 投稿日:2003/10/24(金) 17:06
-
そこへ突如見知らぬ人物が入り込んできた。
「お、これはコッホ作の『農婦』ですね。いい仕事してますねぇ」
「ちが〜う!それはのののかあちゃん。絵はそっち。・・・ところで、あんた誰?」
「申し遅れました。街で骨董商を営んでます、加護島 誠之助です。」
「あ、辻ちゃん、いいの。私がお願いした鑑定士の先生だから。ほら、こんな家だけと一応色々古いものとかあるじゃない。相続とか大変そうだから今のうちに鑑定してもらおう思って。」
「ちょう待ちぃや。アンタらのお父さんだかお母さん、まだ生きとるやないの。相続問題より介護が問題なんちゃう?」
「大丈夫ですよ。もうじきご臨終ですから。ほら、いってるそばから・・・12時55分と。」
「また・・・どっから湧いてくるんや」
「だって裕ちゃん、今回これだけしか出番ないべさ」
白衣を着た安倍は小川扮する農婦の死を宣告するとそそくさと退場していった。
舞台袖に引っ込んだ安倍を中澤は追いかけて捕まえる。
- 530 名前:メインは私 投稿日:2003/10/24(金) 17:07
-
猫コスプレの中澤に嬉しそうに抱きつく安倍。
「ゆう〜ちゃんvかわいいv」
「なぁ、どないなってんの?コレ台本あんの?」
「あるよーーチュッ・・・ゆうちゃんだけ無いの。猫だから」
「猫は気まぐれってか?」
「そう。でも、何の話かわかるっしょ?」
「まぁなぁ・・・アタシにはアドリブ勝負でいいってか?上等やん!楽しなってきた・・・なっち、ありがとなチュッ」
安倍に軽くキスを残すと中澤は再び舞台へと戻っていった。
- 531 名前:メインは私 投稿日:2003/10/27(月) 22:38
-
小屋の中では一家の主の死でしんみりしているかと思いきや
少ない財産分けに兄弟3人で血肉の争いの真っ最中?のはず・・・台本では。
「この家の鑑定結果をお知らせしま〜す。」
一同は加護島 誠之助に注目する。
「一番の財産は不動産関係ですね。
つまり、粉引き小屋のこの家。次があのコッホ作の「農婦」ですね。
あと猫は鑑定不可です・・・ヤンキーですしね、三十路じゃ・・・」
中澤が「言わせておけば言いたい放題いいよって〈怒〉」って感じで加護島に拳を振り上げた時あややはここで中澤に暴れられたら流れが変わるとばかりに「まぁまぁ抑えて」と止めに入るが一食触発の危険な雰囲気。
しかし、そんな空気が読めないのか無視してるのか粉引きの長女梨華は話を進めていく。
「やっぱり?粉引き小屋は私が引き継ぐのが当然よね!絵はののにあげるから」
梨華の横では話を全然聞いてない次女の希美が加護島にアイスを薦めている。
- 532 名前:メインは私 投稿日:2003/10/27(月) 22:39
-
「あいぼん、バニラアイスとチョコアイスどっちにするのれすか?」
「バニラとチョコのダブル。」と言った後に小声でののに耳打ちする。
「ツージー、あんないうとおり粉引き小屋は梨華ちゃんにあげたらええねん。
粉まみれになって働くの嫌やろ?」
「白くなって喜ぶのは梨華ちゃんだけなのれす。テヘテヘ」
「じゃ、ツージーはあの絵を貰うんやで。
アレはかなりの値打ちモンやからアレを売って2人で一生豪遊しよ」
- 533 名前:メインは私 投稿日:2003/10/27(月) 22:41
-
部屋の脇にぽつんと佇むあややに中澤は声を掛ける。
「なぁ・・・アンタもここの子どもやろ?待遇異わへんか?」
「はぁ・・私は・・・」
カンペの『妾腹』の文字が読めずに言葉が詰るあややへ「しょうふく、しょうふく」と囁く中澤とあややの関係が妙に艶めかしく映る。
「妾腹なので仕方ないです。」
「でも、なあ・・・」
「いいんです。決めました。あややはですね、中澤さんを貰います!」
ドコ〜ン・・・
・・・・
・・
- 534 名前:メインは私 投稿日:2003/10/27(月) 22:42
-
あややは舞台袖から飛んできた巨大プーさんヌイグルミに後頭部を強打しうっぷしてしまった。
プーさんのチョッキには手紙が貼り付けてある。
「『小さな巨人』・・・何やこれは???果たし状か?
この中澤さんに喧嘩売るとはええ度胸してるやないの〈怒〉
誰か分からんけど覚悟しいや!!
松浦!殺(い)くで!!」
中澤は倒れたままのあややの足を持つと人形を引き摺るように舞台袖にはけていった。
- 535 名前:メインは私 投稿日:2003/11/06(木) 11:29
- 場面は変り田舎の風景。
畦道をあややと二人歩きながら中澤は眉間にシワを寄せながらずっと考え込んでいる。
きっと、プーさんをぶつけた相手に腹を立てて報復の計画でも練っているのであろう。
やがて大きな気が木陰を作っているところでやっと口を開いた。
「よっしゃ!計画は完璧やで」
「何が完璧なんですか?」
「ま、この中澤さんに任しときぃ。計画が上手くいったら一石二鳥やから。
折角アタシを選んでくれたんやモンな・・・いい想いさしたるって」
「はぁ・・・」
「まずは・・・松浦、その『亜弥トラ』とアンタのブーツ、貸しぃ。中のモン貰うで」
「ぇええ!」
「ええやない!どうせアンタのCDとか写真集やろ!すぐ戻ってくるから」
「ほんとですね、じゃイイです。貸すだけですよ」
「分ぁってるって。 ちょぉ、ここで待っときぃ」
そう言うと亜弥トラをもってあややのブーツを履き中澤は一人颯爽とお城に向かう。
- 536 名前:メインは私 投稿日:2003/11/06(木) 11:31
-
「たのもう」
・・・
「誰も居ぃひんの?!」
・・・・
「中澤さんが来てるんやで〈怒〉!!」
「・・・ぁ・ぅ・・・」
城門の袖で中澤の迫力に出るに出れないでいる亀井である。
「裕ちゃん!ダメだよ・・・亀井、怖がってるじゃん」
そこへどっから湧いたのか農夫保田が仲介に入る。
「亀井もそんなに怯えることないから」
「でも・・・」
「大丈夫だよ、裕ちゃん自分で丸くなったって言ってるんだから、ね?」
最後の部分は中澤に向かって発せられた。
- 537 名前:メインは私 投稿日:2003/11/06(木) 11:36
-
保田の仲介によって大人気なく怒りを発することが出来なくなってしまった。
中澤は仕方なくテンションを落として穏やかに言う。
「ごめんな、大声だしてしもうて。王様に献上したい物があんねん。取り次いで?」
「はい・・・あの・・・保田さんも一緒にきていただけませんか?」
穏やかな口調になったとはいえ中澤と二人っきりになることは恐ろしく緊張するので保田に付き添いを頼む。
が、「もうすぐホントの出番だから」と断られ亀井は仕方なく、右手と右足が同時に前に出るというぎこちない動作で王の間まで先導するのだった。
- 538 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/06(木) 14:30
- タハーッ!!オモシロイ!!
あやゆゆちゅきちゅき
- 539 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/11/10(月) 22:32
- >>538さま
レスありがとうございます
少しずつの更新で何をやりたいか分かりにくいと思うのですが呆れないでお付き合いを
- 540 名前:メインは私 投稿日:2003/11/10(月) 22:34
- ヴェルサイユ宮殿のような城の中、太陽王ルイ14世のごとく玉座に座っていたのは100人乗っても壊れない稲葉さん。
「おおおお王様、こここの者が王様に貢物をももももって参りました」
震える声でやっとセリフのいえた亀井に稲葉はハロプロ重鎮よろしく応える。
「ふむ、ここは大事無い。下がっておれ」
「は!」
やっと役目が終わった亀井はホッとした表情で退室していく。
二人っきりになったことを確認して声を掛けたのは中澤の方からであった。
- 541 名前:メインは私 投稿日:2003/11/10(月) 22:38
-
「よっ」
「よっ」
王様とのやり取りらしからぬ物言いであるが
二人の関係は釣りバカでいうところの「スーさん」「浜ちゃん」という関係なのだ。
「このところどう?」
「ちょっとね、困ってるんや。」
「藤本っちゃんのことやろ?」
稲葉の後継者である藤本は若いがやり手なので国力拡大の最前線で指揮を任されていた。
ところが国政の財政難から急に中央に呼び戻され地道な財政改革を命ぜられたところだった。
「なんや知ってたんや。そうや美貴がなぁ荒れてんねん」
「そりゃしゃあないやろ。無理矢理慈善事業やらせてんねんから」
「や、でもそれは王族の使命みたいなもんやろ?」
「そやね・・・」
「どうしよ?なぁ、裕ちゃんなんかいい手あらへんか?」
「世話好きの貴っちゃんやのに分からなへんの?ま、そう思って今日はイイ話を持ってきたんや」
「何、何?勿体つけんと早よう教えぇや〜」
「見合いさせへん?」
- 542 名前:メインは私 投稿日:2003/11/10(月) 22:41
-
予想しない中澤の言葉に呆気にとられる稲葉であったが
見合い・結婚と言えば年の順からいっても自分達の方が先、
特に人に薦めるぐらいいい相手なら先に自分に紹介しろよ!と抗議の声をあげる。
「はあ?見合い?美貴より先にアタシやろ!というより裕ちゃんが先やん!!」
「あほ!うちらが片付いてどうするんや!ここまで待ったんやからトビッキリを捕まえるまで待ったるぅ!!って、違ゃうやん 恋人というオモチャを宛がって藤本っちゃんのフラストレーションを緩和して非行に走らんようにするんやろ!!」
「ああ、そうやった」
「で、イイ子居んねんけど・・・」
とまるでポン引きのお兄さんのように耳打ちする。
割と読みの深い藤本を嵌めようと
ふたり大人は楽しそうにヒソヒソと段取りを決めたようであった。
- 543 名前:メインは私 投稿日:2003/11/10(月) 22:44
-
「あ、ところでその相手の松浦は財産持ち?」
「う、痛いとこ突いてきよるやん・・・」
「じゃ、文無しかぁ?」
「その辺はなんとかするからちょぉ待っとおて・・・それよりこれに見覚えないか?」
困る話なので誤魔化す為か四次元ポケットからドでかい道具を取り出すように亜弥トラの中から巨大プーさんを出して見せる。
「見たこと無いなぁ」
「そおか、これだけ大きくて豪華な縫ぐるみやからアンタんとこの物かとな・・・や、だったらええねん。じゃ、段取りどおりにまた後で」
そういうと中澤は企ての準備に急いで退出していった。
- 544 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/12(水) 19:20
- あぁ‥‥あややはミキティに取られてしまうのか(´・ω・`)ショボーン
もうそろそろ『小さな巨人』登場ですかね
- 545 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/11/13(木) 20:08
- >>544さま
どうもです。
M黙の裕ちゃんとあややの絡みが好きだったのでもう少しこのふたりでいきます。
ひっそり更新。
- 546 名前:メインは私 投稿日:2003/11/13(木) 20:10
-
「中澤さん、中澤さん。ここは?」
「ん?アンタが言ったんやろ?やりたいって」
「えっ?」
「それにこんな葉書がぎょうさんきてるしね。ひとつ読んだろ」
「埼玉県のM・Sさん。
『中澤さん、松浦さん、こんばんわ。』
はい、こんばんは。
『日に日に空気が冷たくなり温泉の季節になってまいりました。
以前、ある音楽番組のどんなことをやりたかという企画で
松浦さんが言っていた「お客さんを前に」というのと
「屋形船」が実現したのに「温泉ロケ」がなかったのが哀しいです。
他の番組でもかまいませんどうか「温泉ロケ」実現してください。』
そうですね、松浦さん言ったことには責任を持ちましょうということで
実現しました。みなさん、楽しんでください!!あややの入浴シーンですv」
- 547 名前:メインは私 投稿日:2003/11/13(木) 20:12
-
温泉地にお約束の浴衣姿のあやや。そうここは露天風呂の脱衣場。
そしてその中ではお代官様が小娘の帯に手をかけて「アレ〜〜〜ぇ」という情景が繰り広げられる。
あれよあれよ言う間に松浦は浴衣を剥ぎ取られ、きゅっきゅっと大きめのバスタオルを巻かれた。
事の成り行きに驚きながらいつの間にか中澤の腕の中で二人は見詰め合ってしまった。
さっきまでおふざけしていた中澤が真剣な表情をしている。
当初こそ怖いイメージがあったものの一緒に仕事をしていく中、
中澤の優しさに気がついていた松浦だがそれに応える機会がなかった。
今、二人の間には微妙な空気が流れる。
誰に促された訳でもなくお互いの目が閉じられ二人の空間がなくなろうとした瞬間、
ガコ〜ン
ゴチン!!
松浦の後頭部に何かが当たりおデコとおデコをぶつけてしまった。
- 548 名前:メインは私 投稿日:2003/11/13(木) 20:14
-
「「痛っっっっったぁぁぁっ」」
赤くしたおデコを摩りながら中澤が転がる木の実を拾い上げる。
松浦の頭にゴムゴムの実が直撃したのだ。
「何なんですか〈怒〉それ?!っっっ」
「椰子の実みたいやけど、ここに思いっきり可愛い字で『ゴムゴムの実』って書いてあるんや」
「そんなの台本にないのに・・・」
「そうなんや・・・ちょっとその辺調べてくるわ」
「え?」
「アンタはこれもって進行しときぃ。じゃあ、な」
そういうと右手にプラカード左手にマイクを持たされて松浦は湯船に放り込まれた。
プラカードには
温度 ◆ 35〜100度
泉質 ◆ 単純温泉・弱食塩泉・塩化土類弱食塩泉・塩化土類泉・石膏泉
効能 ◆ 神経痛・リウマチ・婦人病・高血圧・糖尿病・皮膚病など
と温泉説明。
- 549 名前:メインは私 投稿日:2003/11/13(木) 20:15
-
中澤は手掛かりの木の実を手にそれが飛んできた方へ行ってみるが何も情報を得ることは出来なかった。
再び脱衣場に戻った中澤はそっと露天風呂の方を伺う。
度胸の据わっている松浦はこんな状況にもめげず温泉レポートをこなし、続いて自分の持ち歌を歌い始めた。
それを確認すると中澤は脱衣場の衣服を全部持つとそっとそこから立ち去ったのだった。
- 550 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/14(金) 13:50
- 裕ちゃんがあややに鼻にケーキつけられたのとかよかったっすよね
あたしもこのコンビなにげにスキです
- 551 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/11/21(金) 22:04
- >>550さま
鼻にケーキ。。。よかったすよね・・・
また懐古してしまう。。。
ではダラダラ話を更新。
- 552 名前:メインは私 投稿日:2003/11/21(金) 22:06
-
温泉といえば付き物。
崖の上の茂みの中ではコッソリ隠れて覗きが一人。
ガサゴソと
そしてもう一人。
!!
「誰?!」
「ええ眺めやね〜」
二人が見ている先は丁度松浦の後姿。
「な・中澤さん!」
「可愛いやろ?お肌もスベスベの17歳やで」
言われて再び崖下を覗くと
アップした髪が少し乱れて可愛い項にかかっている。
大きめのバスタオルとはいえ肩は出ていて滑らかな曲線と背筋の閉まり方にゴクリと唾をのむ。
- 553 名前:メインは私 投稿日:2003/11/21(金) 22:08
-
「なんや結構、初心なんやね」
「中澤さん〈怒〉中澤さんこそ私より年下にも手を出してるんですか?!」
「ハハハ、まだ、出してへんって。なんで誰も彼も裕ちゃんを見境なくあっちこっちに手を出す人でなしみたいに言うんやろ・・・」
「えっ?違うんですか?」
「ひどいなぁ・・・オレ優しいんやで・・・」
「優しいのは知ってますけど・・・手が早いってのも有名な話で・・・」
「手ぇ早いんは藤本やろ?なんや幅広くやってるって聞いてるで」
「そ・そんなの違いますよー!!私のは耳年増ってだけで実践経験なんて・・・」
「ん、そうなんか?なんなら中澤さんが手取り足取り教えてあげんで」
と言いながら藤本に覆い被さる中澤。
「なななな中澤さん!受は嫌です!美貴はボケではないですぅぅ!!」
「何言うよんの。言ってること破茶滅茶やんvカワイイっと」
セクハラ全開バージョンの中澤が藤本の胸座に手を突っ込み強引に口付けようとせまる。
- 554 名前:メインは私 投稿日:2003/11/21(金) 22:09
-
カコーーン コーン コン
二人目掛けて飛んできた物体は
中澤が済んでの所でかわしたからそれは藤本の頭部に見事にヒットし、
藤本は声もなく「くてっ」と気絶してしまった。
投げつけられた物体を拾ってみるとゲームソフトで
『BIOHAZARD 』とプリント文字の上に白くバッテンがあり
『ダメーー!怖い!』と見た事ある筆跡で書いてある。
「またか!もうええちゅうんじゃ!!」
「あほーー!!オマエが変なことばっかするからだろ!!」
天から声が降ってくるから
中澤も仕方が無いから天を仰いで返答する。
「なに言うてんの!全部台本どおりやってんで!!」
「あほー!裕子には台本なしって言ってたじゃん!!だいたい・・・」
天の声は誰かに無理矢理引き摺られて遠ざかるように声は段々小さくなっていった。
- 555 名前:メインは私 投稿日:2003/11/21(金) 22:10
-
「まったく、どうしてくれるんや。藤本、気絶してしもうたやないの・・・」
そう言いながら中澤は下の方から冷たい視線を感じた。
すごい騒動になってしまったので崖下にいる松浦が気がつかないわけが無い。
「中澤さん、そんなところで何やってるんですか?」
中澤は脇に抱えた松浦の服を茂みに隠しながらおずおずと答える。
「あー、えーと、その、ほらそこの脱衣所の服がなくなってたんや。泥棒にあったらしいんや」
「ええーー!!着る服ないんですか?!」
「な、困るやろ。丁度ここにアタシの知り合いが居ったから服借りれるよう話しとったんや。そう、これがソイツ。あのお城の子やけど結構見所のあるヤツなんや。きっとアンタと話合うと思うから仲良ぅしたって」
中澤は猫を首の皮で持ち上げるように後襟を掴んで気絶している藤本を見せる。
後はお城からきた迎えの馬車に稲葉が用意した衣装は特攻服(なぜに特攻服と首を傾げる二人だが、コスプレ好きの稲葉のことだからそれもアリかなと)松浦に着せて藤本と共に馬車へ押し込んだ。
松浦には
「王様には話通してあるけどこっから先はアンタの力量によるから上手く取り入られるよう頑張りぃ。ま、松浦のことやからきっと大丈夫や。重鎮になるのも藤本とイイ仲になって玉の輿も可能やろ」
と耳打ちしておいたのだが、やはり充分松浦に思い入れがあったのであろう心配そうに馬車を見送ったのだった。
- 556 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/23(日) 00:12
- 「天の声」がかわいくて、いいっす!
裕ちゃんとあややも好きなんですけどね・・・
- 557 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/23(日) 22:44
- あやや・ミキティ……「小さな巨人」はとことん邪魔してきますねw
- 558 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2003/12/02(火) 21:48
- 寒太郎さんの長編スキ。
あっ!モチロン短編もスキ。
- 559 名前:レスありがとうございます 投稿日:2003/12/03(水) 21:42
- >>556さま
>>557さま
>>558さま
レスありがとうございます。
変なとこで切りたくなくて更新の間隔が開いてしまいました。
では、一気に最後まで。
- 560 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:43
-
気持ちよく松浦を送り出したつもりだが
まるで女三宮を柏木に寝盗られた光源氏の気分であった。
「あーーー!何やこのもやもやは!〈怒〉
そんなことより持参金の用意しといたろ」
「時代設定は中世なんやから領土なんて取ったもの勝ちやもんな」
「松浦、遺産相続で裕ちゃんを選んだアンタは偉い!待っとうてや、仰山の財産拵えたるから」
中澤はブツブツ独り言をいいながら田舎道を進みやがて立派な見渡す限り豊かに実った農地に出た。
声を掛けてきたのは本来ここで初めて会うはずの農夫、保田だった。
「遅いよ、裕ちゃん。いったいいつまで待たせる気?」
「だってここまで大変やったんやで・・・」
「ま、いいわ。時間押しちゃってるのよ、1500Mは800Mリレーに変更ね」
「ちょっ、待ちぃ圭ちゃん台本違ってへんか?」
「ああー!これ此間の・・・。あ、でも時間押してるのは本当よ」
「ぅぅぅぅんと、ここまでアタシ頑張ったんやで。こっから圭ちゃん後頼むわ」
「ええーー、私だって裕ちゃんとぽぁんとした雰囲気でやりたいわよ」
「ぽぁんって何?」
「甘えてるの!」
- 561 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:44
-
「まあ・・・ええけど・・・」
「あ、いけない話進めないと。えーと、
裕ちゃんのセリフが『この見渡す限りの農地はいったい誰のものか?』で」
「ふむふむ」
「私が『大魔王さまのものでございます』と言って
裕ちゃんが『大魔王から開放してあげるからお城からきた人達にはあやや様のものと言ってください』と言うのよって私に言わせてどうするのよ!!」
「ええやん。ま、そういうことやからあっちの果樹園とか牧場の方にも話し通しといてや」
そういうと中澤は大魔王の城へと急ぐのだった。
- 562 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:45
-
大魔王の城は悪の居城と言うより
シンデレラ城を思わせるような乙女チックな造りで
内装も可愛らしい女の子の部屋のように彼方此方に花が飾られていた。
中庭には黄色いタンポポが一面に咲いていて
そして、大広間には披露宴でもあるのかといわんばかりのご馳走の用意がしてあった。
無いのは主の姿。
「おーーい!誰も居いひんの?!」
「あ、裕ちゃん。いらっしゃいvv」
!!
中澤も予想していなかったのであろう人がそこに居た。
- 563 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:46
-
「彩っぺ・・・」
モーニング娘。を卒業してずっと芸能活動を休止していた人の登場である。
驚かないわけがない。
「彩っぺ・・・娘。絡みの仕事はせぇへんと思っとった・・・」
「うん、別に拘ってた訳じゃないんだけど・・・なんかね」
中澤は駆け寄り久しぶりに会った妹のようにギュッと抱きしめた。
「・・・おかあさんの匂いがする・・・」
「そりゃあ、アタシこれでも二児の母だからね」
以前のロックなイメージは影を潜め、
母親らしい慈愛に満ちた表情の彼女に中澤は暫く恍惚として見とれていた。
「ところで裕ちゃんアタシを抱きしめにきたわけじゃないっしょ?」
「・・・ここにアンタが居るってことは・・・彩っぺが大魔王?」
「まぁね・・・大魔王@ってとこかな・・・」
「何か歯切れ悪いな・・・」
- 564 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:48
-
「裕ちゃん、大魔王の財産が必要なんでしょ?」
「そうなんやけど・・・」
「いいよ。アタシと対決して勝ったら全部裕ちゃんにあげるから」
「ホンマ?ホンマにええの?」
「いいよ。じゃやりますか『芸能界NO.1主婦は誰だ!決定!アイアン主婦V』対決!」
「だめぇぇ!!そんなん彩っぺが勝つに決まってるやん!絶対あかん!!
ほら、な、原作どおりいこうや」
「仕方ないなぁ・・・裏で唸ってる人もいるからそれでいいよ」
「じゃ、大魔王さま。大魔王さまは魔法の天才でしょ?大きい生き物になってみてv」
中澤は跪いて胸の前で手を組み目をキラキラ輝かせ上目遣いで大魔王を見上げる。
「裕ちゃん、カワイ子ぶりっこはキショいよ。」
「〈怒〉ええから、早よしぃ!!」
「ハイハイ」
- 565 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:49
-
ボンッ
一瞬立ち上った煙の中で石黒が消え代わりに大魔王の衣装の飯田が現れた。
「かおりん・・・」
「裕ちゃん!ネコみみ、カワイイvvv」
飯田はそう言うなり中澤を抱き潰しブチュっと無理矢理キスをした。
「ぅぅぅっはぁ・・・苦しい。かおりん、圭織!ちょっ苦しいって!!」
「ええーー!裕ちゃんはいつも矢口ばっか可愛がるんだから、たまにはいいっしょ?」
「ん・・・ま、なっ。プッ(笑)アンタの衣装サイズ合ってへんで」
「でしょ?どうして彩っぺサイズなの!
袖もズボン丈も足らないし一番酷いのは腰まわり!
二度も出産しているひとより圭織の方が大きいなんてどういうこと!!」
「圭織・・・言ってること結構めちゃめちゃやで。
ま、役者が代わっても同一人物を強調する為の同一衣装やろ」
「あ、そうなんだ・・・」
「今頃気ぃついたんか・・・
さっき、彩っぺが大魔王@って言ってたから、かおりんは大魔王Aか・・・」
そんなふうに中澤が考えていると飯田が再び中澤を抱いて奥に消えようとする。
- 566 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:49
-
「ちょっ、ちょお、待ち!何する気ぃや!」
「えっ、だって原作どおりでっしょ?
『ネコはベッドで飼いならされ大魔王と末永く幸せに暮らしました。めでたし、めでたし。』って」
「違ぁぁぁぁ ―― う!!」
「えっ、圭織が読んだ絵本はそんなのだったよ」
「アンタいったい何処の国に住んどったんや・・・違ゃうから、まだ対決の途中やから」
「じゃ、さっき彩っぺにやったみたいに可愛くお願いしてみてよ」
中澤は仕方なく先ほどと同じように
跪いて胸の前で手を組み目をキラキラ輝かせ上目遣いで大魔王を見上げる。
「大魔王さま。大魔王さま凄ーーいv魔法の天才!今度は小さい生き物になってみてv」
「裕ちゃん、カワイイvvもう、最高にカワイイから」
「〈怒〉ええから、早よしぃ!!」
「ハイハイ」
- 567 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:50
-
ボンッ
一瞬立ち上った煙の中で飯田が消え代わりに大魔王の衣装の矢口が現れた。
「やぐちぃーーvv」
煙が消えるか消えないかのうちに中澤はもう矢口を抱きしめている。
矢口の衣装はやっぱり石黒サイズの大魔王衣装で当然袖丈もズボン丈もダボダボだった。
「矢口ぃカワイイ。その衣装もよう似合ってるv矢口ぃ好き。」
「・・・・・・・・・」
矢口を抱きしめた中澤はこの世の幸福といった感じで
ずっとハイテンションで矢口に語りかけているが
対照的に矢口はムッとして一言も口を開かない。
- 568 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:51
-
「矢口ぃ、矢口ぃ好き。可愛い。好き。」
「あほーー!あんまり好き好き言うな!〈怒〉」
「お、やっと口利いてくれたv」
「ムカツクときぃー」と矢口に言われて
「ムカツクときぃー」と中澤は反射的に反復する。
「彼女が見てるの知ってて彼女より若い子にアホがちょっかい出すときぃ」
「ムカツクときぃー」と段々涙声になっていく矢口に
「ムカツクときぃー」と心配しながら反復する中澤。
「彼女が傍にいるのに・うっ・・アホが他の子に抱きついてるときぃ・・っく・」
「ム、うっく・・ム・カツクときぃー・・・っく・・・」
「わぁぁぁぁ、分かったから。裕ちゃんが悪かった。ゴメン。ごめんなさい。」
「・・・・・・・・」
「な、機嫌直して。ほら、これ矢口の宝物やろ?」
と、中澤目掛けて投げ込まれた数々の品々を渡す。
宝物を大事に抱えた矢口を更に大事そうに抱えて中澤は舞台袖に捌けて行った。
- 569 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:52
-
後は舞台袖から聞こえてくる艶めかしい声から想像するだけ。
チュッ・・チュッ・・
「・・んぐっ・・」
くちゅ・・くちゅ・・
「・・あっ・・、ダメ・・そんなとこ・・さわっちゃ・・」
「・・・だいじょうやから・・・」
ぐちゅ・・ぐちゅ・・
「・・んやっ、・・やっ、も、ダメ・・ダメぇ・・ゆ、ゆうちゃ・・」
「うん、やぐち・・・すき・・・すきやで」
「あ、あ、あ、ああああああああああ」
どうやら『大魔王』矢口は『長靴をはいた猫』中澤にきれいに食べられたようだった。
再び登場した中澤は流石に疲れた様子で寝乱れた衣装で乱れた髪を整えながら王様一行を向かえ
無事大広間で松浦と藤本の婚約披露パーティが行われフィナーレとなる。
以上。
中澤ヲタ報告 in UFAパーク
- 570 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:53
-
Originalタンポポ復活
モーニング娘。が参加する多くのユニット誕生のきっかけとなったグループ「タンポポ」が発足当初のメンバーで1週間だけ復活することになった。
1998年モーニング娘。の石黒彩・飯田圭織・矢口真里の3人で結成されたユニット「タンポポ」は、シングル「ラストキッス」でデビューし数々ヒット曲を出しながら2000年 1月、石黒彩の卒業、同7月には石川梨華・加護亜依が加入し、そして2002年 9月に飯田、矢口、加護が卒業し、現在は、紺野、新垣、柴田(メロン記念日)で活動している。
メンバーの変革を行いながら進化している「タンポポ」ではあるがオリジナルメンバーのファンも多く、今回その熱望が届いたようだ。石黒彩・飯田圭織・矢口真里の3人は1stアルバム 「TANPOPO 1」を中心にラストキッス、センチメンタル南向き、Motto 、たんぽぽなど数曲を熱唱した。
劇中のミニライブのため曲数は少ないものの、かつての素晴らしいハーモニーは健在で当時より円熟した歌声は
彼女たちが大人になった分よりセクシーに聴ける。
「Originalタンポポ ミニライブ」は6日まで奥多摩UFA(Universal Fancy Amusement )パークで上演されて「メインは私」にて鑑賞できる。
(30日 ライター通信)
- 571 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:53
-
安倍なつみ(22)
モー娘。紺野あさ美(16)舞台で新境地。
2004年1月にモーニング娘。を卒業した安倍なつみ(22)とモーニング娘。紺野あさ美(16)の二人劇がUFA(Universal Fancy Amusement )パークオープン記念としてメインステージで上演された。
この劇は舞台がはるた役者安倍なつみ(22)が楽屋で独り日頃の不満や将来の夢を語る一人舞台なのだがちょっと変わっているのが楽屋にある鏡に映る安倍を紺野あさ美(16)が演じている。鏡に映る影は本体と微妙にタイミングをずらしたり、歌の場面では同じパートを歌ったかと思うとハモリになりハモリかと思うといつの間にかメインにと芝居の方も影が本体と入れ代わろうと虎視眈々と狙っている。
モーニング娘。の楽屋はこんな風なのかと覗き見欲望も満たされ楽しい時間を過ごせる。
二人の演技は鬼気迫る真実味を帯び役者としてアイドルを超えた演技を見せてくれた。
(30日 倦怠ネット)
- 572 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:54
-
奥多摩にUFAパークOPEN
30日、東京・奥多摩にUFA(Universal Fancy Amusement )パークがオープンした。当園のプロデュースはモーニング娘。松浦亜弥(17)などのプロデューサーであるつんく♂(35)が行った事で企画当初から話題に上がっていたがオープン行事としてもまたしても度肝を抜かれることとなった。
初日から1週間はアトラクションは運転されず変りにつんく♂(35)率いるタレント集団によるオムニバス劇『メインは私』が上演される。この劇は舞台をテーマパーク中に広げ園内にあるアトラクションを舞台装置として前代未聞の広域劇となった。観客は役者と共に園内を移動し自然にパークの下見が出来る仕掛けである。
(1日 産気新聞)
- 573 名前:メインは私 投稿日:2003/12/03(水) 21:56
-
モー娘。あやや歌って踊る
つんく♂今度は多重劇
人気アイドルユニット「モーニング娘。」を中心とするハロープロジェクトがまたもや奇抜な劇『メインは私』に挑戦した。この劇は演題通り出演者全員がある意味主演者と言ってよい内容になっている。
メインストーリーは二つ有り、上演場所がテーマパークなので子どもを意識した題材になっている。一つは若手中心による「オズの魔法使い」で話は新垣里沙(15 )がストーリーテーラーとなり、もう一つはアダルトメンバーによる「長靴をはいた猫」は中澤裕子(30)、松浦亜弥(17)が中心となり話を盛り上げていく。二つの話の登場人物が微妙に入り乱れるため話が複雑化し全体を把握するには2、3度足を運ぶ必要がありそうだ。
当劇は6日まで奥多摩UFA(Universal Fancy Amusement )パークで上演されている。
(1日 放置日報)
了。
- 574 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/04(木) 18:10
- 「ムカツクときぃー」に笑いましたw
小ネタ満載で面白かったです。
- 575 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/17(水) 22:05
- 作者様のHPはないのですか?
もうめちゃめちゃ作者様のファンです
これからもガンバッテください。
- 576 名前:年末のご挨拶 投稿日:2003/12/19(金) 23:05
- まずは、レスありがとうございます。
>>574さま
感想有難うございます。
>>575さま
ありがとうございます。
大っぴらにすることではないのですが>>343 のメール欄に(ry
ちょっと年末年始忙しいのと急遽勉強しなければならなくなりまして
1月半ばまで更新が出来そうにありません。
サザエ様皆様今年はお世話になりました。
来年も暖かく駄文をおおめにみてやってください。
では、良いお年を。。。
- 577 名前:575 投稿日:2003/12/23(火) 19:25
- 作者様。めちゃめちゃうれしいです。
即効お気に入りに加えさせていただきました。
勉強がんばってください。
楽しみに待ってます。
- 578 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/28(日) 19:52
- 「ららら」の誕生日映像もらいました。
愛溢れる感じで、いいもの見せていただきました。
来年も小噺、楽しみにしちょります。
- 579 名前:泣き虫はお互い様 投稿日:2004/01/27(火) 01:19
-
「泣き虫・・・」
目を真っ赤にして手を差し伸べながら耳元でそっと彼女が言う。
大事な人の門出やのにそんなに泣いたらあかんやんって
はにかんだ笑顔で
なんだよぉ
自分だってさっきまで鼻水垂らしながら
タオル握り締めて舞台みてたじゃんか
そう強がって彼女の手を握り締めた。
それでも込み上げて来る気持ちは止めどなく涙となってつたっていく。
- 580 名前:泣き虫はお互い様 投稿日:2004/01/27(火) 01:20
-
舞台袖で散々泣き尽くしたらしい彼女は
自分のことは棚に上げて
人のことを元気づけようと
まるで泣きべそかいてる幼児のご機嫌をとる母親のように
繋いだ手をブンブン振り回しながら
顔を覗いて歌い続ける。
- 581 名前:泣き虫はお互い様 投稿日:2004/01/27(火) 01:22
-
一緒に過ごしたのはたった6年半。
けれど、ほんとに濃い時間。
色々ありすぎて
この感情をあらわす言葉が見つからない。
でも言葉にするなら
ありがとう。
沢山の感謝の気持ちと
ガバレの気持ちが会場全体に溢れている。
- 582 名前:泣き虫はお互い様 投稿日:2004/01/27(火) 01:23
-
笑顔で送ってあげたかったけれど
泣いててごめん
本当だったら今日はこの手はなっちと繋いでいたのに
裕ちゃんの手を独占していてごめん
明日からまた元気な矢口にもどるから
今だけは泣かせてほしい
- 583 名前:泣き虫はお互い様 投稿日:2004/01/27(火) 01:24
-
なっち、卒業おめでとう。
了。
- 584 名前:あとがき 投稿日:2004/01/27(火) 01:28
-
なっち、卒業おめでとう
今回のハロコンはいろいろあって大変そうで
でもこれからも頑張っていってほしいと素直に思います。
前に裕ちゃんが言っていた「卒業メンバーで何かできたら」って
いうのを激しく期待しているこの頃です。
- 585 名前:訂正 投稿日:2004/01/28(水) 21:50
- いつもパンチミスばっかして
削除依頼するのもなんなんで放置なのですが
今回は酷すぎなので訂正です。
すいません、読み手の皆さん頭の中で置き換えてください。
×一緒に過ごしたのはたった6年半。
○一緒に過ごしたのはたった6年半。
×ガバレの気持ち
○ガンバレの気持ち
- 586 名前:訂正の訂正 投稿日:2004/01/28(水) 21:52
-
すいません、訂正でさらに誤爆
×一緒に過ごしたのはたった6年半。
○一緒に過ごしたのはたった5年半。
- 587 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/02(月) 23:04
- ソロとして活躍してくれることを期待しつつ、
ソロ同士裕ちゃんと一緒にテレビ番組とか出てくれたら嬉しいなー
なんて思ったりしています‥‥。(●´ー`●)なっちありがとう
- 588 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/02/05(木) 23:18
- >>587さま
>ソロ同士裕ちゃんと一緒にテレビ番組とか出てくれたら嬉しいなー
ほんとにね、そう思います。
保全代わりに駄文更新。
- 589 名前:Growing−up 投稿日:2004/02/05(木) 23:23
-
紅白のあとにあいぼんといっしょに卒業と言われた。
嬉しいとか悲しいとか不安とかより先に
「ナゼイマワタシナノ?」
と思った。
兎に角メンバーに報告しなくてはとあいぼんと顔を見合わせた。
メンバーの反応は今まではいつも
『ええー行かないで!もう少しいっしょにやっていきたいのに』
という気持ちだったから
私達もってちょっとは期待していたけど・・・。
やっぱりね。
そうだと思ったよ。そんなモンでしょ・・・。
「ええーうっそー」
「まじで」
「まったーふたりでドッキリでしょ?」
ふぅ・・・
あいぼんと溜め息ついちゃった。
- 590 名前:Growing−up 投稿日:2004/02/05(木) 23:25
-
私の大好きなかおりんは・・・
ちょっとおいでと手招きしてる。
「ノンちゃん・・・」
「いいらさん・・・どうしたのれすか?」
「『ナゼイマワタシナノ?』」
「へっ?」
「そう思ってるっしょ?」
流石は私のかおりんです。
私の戸惑いをちゃんと汲み取ってくれていたのです。
私は素直にコクンと頷くと部屋の隅に二人で腰掛けて話を続けます。
- 591 名前:Growing−up 投稿日:2004/02/05(木) 23:28
-
「ノンちゃん、卒業はね『モーニング娘。』って同じ形の小箱から飛び出すことだと思うのね。箱の形は同じだからグループとしては調和は取れているけど大きさは其々だから中身がいっぱいになるのにかかる時間はみんな違うけど箱満たされたら外に出ないとね」
「箱の中にずっといちゃいけないのれすか?」
「そのままだと箱の形で固まっちゃうよ。果物とか・・・うーーんとねりんご。りんごを箱の中で育てると四角くなるの」
「そうですよね、中国で小足の人が美人ってされていたころ子どものうちに足を硬く縛っていたのと同じですよね
それ以上成長しないように」
「ああ!知ってる『豚足』でしょ?」
「違うよ〜まこっちゃん。『纏足』だよ・・・」
「???こんちゃん・・・読めないよ〜」
「あっごめん『てんそく』ね」
いつの間にか傍に来ていた紺ちゃんとまこっちゃんが漫才で話に加わってきた。
- 592 名前:Growing−up 投稿日:2004/02/05(木) 23:31
-
「ああー!だから安倍さんも矢口さんも加入当時で身長とまっちゃったんだ!!」
突如乱入の新垣先生がトンでもない方向に話を持っていく。
ま、彼女にしてみれば安倍さんのファンだったのだからいろんな話が安倍さんに繋がるのも当たり前だけど
この流れは解かんない。
「ろうして矢口さん達の身長の話になるの?」
「だって、身体を固定しとくと成長が止まるんですよね?安倍さんも矢口さんも中澤さんの腕の中にいることが多かったじゃないですか」
ああ、なるほど
安倍さんも矢口さんも中澤さんサイズだ
遠征の時も一緒に寝てたし、固定されてたってことか・・・
と納得していると耳元であいぼんが囁く。
- 593 名前:Growing−up 投稿日:2004/02/05(木) 23:33
-
「だからな、中澤さんの胸の大きさも矢口さんの手のひらサイズなんやで(w)」
ええ?!
中澤さんの胸に矢口さんの手があったってこと?
でも、矢口さんは・・・。
「らって、矢口さんは胸大きいよ!」
「あほやな。胸は揉まれると大きくなるんや」
「じゃ!毎晩、矢口さんは中澤さんに胸を揉まれれるってこと?!!」
ドコン!!!
「いったい何やってるんだよ?!!」
痛っっっっい!!!
話の流れを総合して出た結論に興奮して声が大きくなってしまったらしく
それを聞いた矢口さんにドヤされた。
「や、圭織はただノンちゃんと成長について話してただけ・・・」
「そうれす。いいらさんは悪くないれす。」
- 594 名前:Growing−up 投稿日:2004/02/05(木) 23:34
-
「ところで、いいらさん。ナンデワラシガ卒業なんれしょう?」
何故かかおりんは大きく溜め息をおつきになりました。
了。
- 595 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/09(月) 22:57
- 飯田さん、いいこと言ってるのに‥‥
オチがののたんらしいw
- 596 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/11(水) 01:39
- 更新おつかれさまです
「安倍さんも矢口さんも中澤さんサイズだ 」ていうのがかわいらしくてスキです
ホントに裕ちゃんサイズですよ その二人。
- 597 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/02/18(水) 03:11
- >>595さま
>>596さま
細々と続けているスレにレスありがとうございます。
ここのところボツネタが多くて書きあがらない。
韓国ツアーに行けないのがいけないのだろうか…
また、保全代わりの駄文更新です。
- 598 名前:グレンミラーを聴きながら 投稿日:2004/02/18(水) 03:12
-
バレンタイン前のある晩。
矢口はふぅと小さく息を吐き出した。
目の前にはチョコクッキーの材料と茶色の小瓶。
その光景は毎年のバレンタイン前日の光景と何ら変わらないようで実は大きく違う。
茶色の小瓶は一見バニラエッセンスの様であるが実は仕事の帰りに露天で手に入れた眉唾物。
矢口は自他とも認めるロマンチストで
世間の人が本気にしないような物も信じるし夢を持っている。
だから月の土地を買ったり宇宙人の存在を信じたり、そして今回のような場面にも出くわすのだ。
- 599 名前:グレンミラーを聴きながら 投稿日:2004/02/18(水) 03:13
-
それは正月から続いたハロコンも終わり
さくら組の活動が忙しく裕子会う機会が格段に減りメールでのやり取りが続いた頃である。
2月に入り女の子には大切な行事に心が浮き立ちぎみで
勿論矢口もその女の子の一人なのでその日は仕事の空き時間にメールで
『今年も手作りしてやるぞー!!』とちょっと得意げに送ったメッセージ。
帰ってきたのは
『なんやー、太巻き作ってくれんの?今年の恵方は東北東やで』と的外れな返信。
冗談でしょ?
女の子の2月と言ったら節分よりバレンタイン
本気でそんなこと言ってるのだろうかこいつは
ああ、また矢口のことからかうつもりなんだ
と呆れながら再び返信の返信。
- 600 名前:グレンミラーを聴きながら 投稿日:2004/02/18(水) 03:14
-
『ちがうよー!!チョコ!バレンタイン!!今年はどんなのがいい?』
と挑発にも乗らず自分でも素直にメールしたのに裕子の返しは
『バレンタイン義理チョコか?
ホンマは本命しかあげたないんやけど去年えらい目にあったから
アタシも今年は義理チョコ渡さななぁ・・・
矢口も思うやろ?
義理なんて変やん。
あ、でも矢口はまた気ぃ使ってみんなに作るんやろ?
アタシのは簡単なのでええよ。』
裕子のば〜か。。。
オマエのが本命だよ
本命を手えぬいてどうすんだよ・・・
って思いながら携帯を仕舞い、
曲がった角にまるでまるでかつての投稿番組
「使えないシリーズ」のおばあさんのような露天商に声を掛けられた。
- 601 名前:グレンミラーを聴きながら 投稿日:2004/02/18(水) 03:21
-
「お嬢さん、何か欲しい物があるだろ?」
そう声を掛けられても矢口の頭の中は「?」だらけ。
そんなことにはお構い無しに話を続ける。
「コレが欲しいのだろ?
永遠の愛を誓うエッセンス。」
「これ効くの?」
「さぁてね、かつて使った人はいないからどうだろうね」
「なんだー?いいかげんだな・・・」
そういいながら渡された茶色の小瓶から視線を上げたときにはおばあさんの姿はなかった。
そんな不思議体験で手に入れたエッセンス。
このところ会えないから録画した番組で寂しさを紛らわせようとするのに
最近とった番組は加護や道重と仲良さそうに写っているのに苛立つ。
- 602 名前:グレンミラーを聴きながら 投稿日:2004/02/18(水) 03:22
-
ええーい!
この際だから裕子に永遠の愛を誓わせちゃえ!
と小瓶に手がいく。
暫く、矢口は瓶を見つめていたが
愛を誓わせてもこのエッセンスの所為だと空しさだけが残る。
矢口は茶色の小瓶をマンションのごみ捨て場に捨てようと外へ出た。
そこにはあのおばあさんがいて瓶を返すと
「やっぱり、あなたも使わないのね」と煙のように消えていった。
悩んだけれどやっぱり自分を磨くことで一生釘付けにしてやると密かに想いを込めて
ある意味呪いに近い気持ちを込めて
本命プレゼント用洋菓子を作るのだった。
了。
- 603 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/20(金) 05:19
- だあ、使っちゃえよ。(いや、そうぢゃなくて)
ネタ…こないだのラジオで言ってた、ミキティと遊園地にいった話でやぐちゅう&あやみき
ってのはどうですかね…
- 604 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/21(土) 01:54
- バレンタインより節分を重視してる、
なんとなく裕ちゃんらしいなー。
「使えない物シリーズ」のおばあさん……すごい懐かしかったですw
- 605 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/02/26(木) 20:41
- >>603さま
ネタ提供有難うございます。
>ミキティと遊園地にいった話
ラジオ聞いてなかった… そのうち妄想してみます。
>>604さま :名無し読者 :2004/02/21(土) 01:54
>バレンタインより節分を重視してる、
>なんとなく裕ちゃんらしいなー。
でも、今年は節分で太巻きやらなかったらしいですね。
ラジオと言えば久々に
「私のごっちん」「私の大事な矢口」(ちょっとうろ覚え)発言が聞けた。
やっぱ、裕ちゃんにはラジオ番組がほしい。。。
では、コネタ更新。
- 606 名前:ブリーダー養成中 投稿日:2004/02/26(木) 20:43
-
「矢口さん、有難うございます。」
「忙しいのによく買えたね」
「美味しい!さすが行列の出来る有名パテシェのケーキですね」
楽屋に置かれた綺麗な彩りのケーキに群がりながら
メンバーが矢口にお礼を言っていく。
そんな中、ひとり勝ち誇ったような笑顔でイチゴタルトを取って矢口のところにくる安倍。
その笑顔に矢口はムッときながら
ちぇっ
裕子のアホ〜
と、心の中で言ちる。
- 607 名前:ブリーダー養成中 投稿日:2004/02/26(木) 20:45
-
事の起こりは数年前。
そう、中澤が娘。を卒業したあたりにまで遡る。
いつものように安倍と矢口が他愛の無い雑談をしていて
そして、行き着く先はいつものように話はやはり中澤の話題になってしまう。
「人見知りがあんな大勢の舞台人の中で大丈夫かな・・・」
「ヘタレだもんね・・・」
「寂しがってないかなぁ・・・・・・」
「そうだね・・・・・・寂しがりやだもんね・・・・・・」
主語が抜けているのに話が通じ合っているのは二人の感性が一緒だから。
「裕ちゃんさ、絶対近いうちにペットを飼うね。」
「えっ?それって矢口を飼うってこと?」
「またぁボケないでよ〜。オイラ、これでも人間なんだからさ!!」
「人間だったべか?虫っぽいけど(w)」
「ったく、違うよ。犬か猫。」
「ハハハ。。。ん〜、そうだね。なっちは犬だと思うべさ」
「そうかな・・・・・・」
「裕ちゃん、構って欲しいのに甘え下手っしょ?」
「ん、犬向きだね」
とこの辺まで二人で盛り上がって喋っていたのに・・・。
- 608 名前:ブリーダー養成中 投稿日:2004/02/26(木) 20:46
-
笑ったり楽しんだりすることのツボが一緒だと一緒にいて居心地がいいのだけど
それ故に好きな人も被ってしまうから困りモノ。
「きっと、なっちに似た白い小型犬だべさ〜」
この安倍の一言で雲行きが変わった。
「なんでなっちに似の犬なのさ!」
「だってほら裕ちゃんがいつも気に掛けてるのはなっちだべ?家に帰ってなっちみたいなのがいると気持ちが和むべさ〜」
「裕子がいつも一緒に居たいのは矢口!『矢口はアタシのペット』といつも言ってるじゃん!ぜったいぜったいぜっーーたい、矢口に似た茶髪だから!!」
もう声も荒げちゃって周りも呆れ顔で二人を見ているのも気付かずに
脇でボソッと飯田が「圭織似のミニチュアダックスだよ、きっと」と言うのも無視されて
話は周りを巻き込んだ賭け事に進展する。
「じゃ、裕ちゃんが飼う犬がどっちに似てるか賭けようじゃん!」
「受けてたつべさ!」
「負けた方がみんなにケーキをご馳走するってのでどう?」
「いいよ、みんなが証人だよ」
- 609 名前:ブリーダー養成中 投稿日:2004/02/26(木) 20:47
-
こんなやり取りがあったことを知ってか知らずか
中澤が初めて飼ったペットは『まるで矢口』と言わんばかりの
頭部は茶色く、ミニモニ。矢口のツインテールの髪型を思わせる耳と毛並みのチワワ『花ちゃん』。
そして、中澤の『花ちゃん』への接し方も文句無く矢口と同じ扱い。
賭けの結果は誰の目にも明らかで
メンバーは安倍の手作りケーキを堪能することが出来たのである。
悔しい気持ちをいつもの笑顔の陰に隠していたのに気分のいい矢口がそれを逆撫でした。
「やっぱり、裕子には矢口がいればOKじゃん」
その一言に安倍はムッと顔色を変えた。
傍で見ていた保田が同期の行き過ぎ発言と賭けに負けた安倍への同情心から安倍に話し掛ける。
「でも、あの裕ちゃんが一匹で満足するとは思えないんだけど・・・」
しかし、その言葉が2回戦の開始となった。
- 610 名前:ブリーダー養成中 投稿日:2004/02/26(木) 20:48
-
「そうだよね・・・うん、そうだべさ」
「そんなことない!裕ちゃんは矢口ひとりで満足するって!!」
「いんや!次こそなっち似の白いチワワだべさ!」
「ちがうもん!!」
「じゃ、賭けるべさ!みんなが証人で有名ケーキ店のお菓子だからね!」
中澤さんが一番幸せそうなのって右手に安倍さん左手に矢口さんって形だよね
とそこに居る全ての人たちは思ったのだが
関係ないのにお菓子にありつけるとおもうと
この賭けはどう見ても安倍の方が有利であることを隠してこのまま二人を放っておく。
脇でボソッと飯田が「今度こそ圭織似のミニチュアダックス・・・」と言うのも前回と同じく無視されて期限の無い
賭け事は成立する。
- 611 名前:ブリーダー養成中 投稿日:2004/02/26(木) 20:49
-
そして、矢口こと『花ちゃん』を飼って約一年後。
安倍かわもち君こと『タロー』のお披露目となったのである。
「これで裕ちゃんも落ちつくべさ」
矢口は傍に来て言ったなっちの言葉に「ちえっ」っと舌打ちをしたのだけど
どこかでこれが自然と思う自分もいる。
部屋の隅では飯田が「次こそ圭織似のミニチュアダックス・・・」と言うのも空気のように流れていった。
- 612 名前:ブリーダー養成中 投稿日:2004/02/26(木) 20:50
-
さて、そのころ中澤は2匹の愛犬のために通うペットショップで
「このマメ柴カッコええやん。よっつぁんみたいや。」
「そうですね」
「アタシんちでお客さん来てこんなん出てきたらちょっと笑えるやろ?」
「中澤さん、中澤さん。こっちのはどうです?」
「ああ!辻加護みたいやん!ええ!ええよ。ああ、あのコントの300万あったら買えるのに、待っててな。」
「中澤家、愛犬モーニング娘。計画ですね。あ、男の子混ざってますけど」
「細かいこといいの。見た目が一番やから」
こんなやり取りがあるなんて誰も知らない。
了。
- 613 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/05(金) 00:31
- 花ちゃん=矢口 タロウ=なっち
全く同じこと考えてましたw
- 614 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/03/12(金) 22:27
- >>613さま
レスありがとうございます。
ROM専に戻りつつある今日この頃。
そろそろ春休みの時期ですし
更新しないとスレが無くなりそうなので
駄文と分かりつつコネタ更新を続けます。
- 615 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:29
-
ある深夜の安倍家東京別宅ではこんなやりとりがあった。
「ねえねえ、お母さん。『ストレスで危 険 娘。』って何んだべさ?」
「さぁ・・・何だべね?・・・」
「ん?あ、ほら、お母さんきっと『うたばん』のだべさ」
「ぁあ、アレね。」
「何?」
「あのさ、ほら、こないだ新聞見てたら『うたばん』にモーニング娘。って書いてあっていつもの癖でなつみが出るべかとな録画したらいなかったんやね・・・ちょっとガッカリしてしまったべさ」
「お母さん、だから『ストレスチェックで危 険 娘。』は?」
「お姉ちゃん、鈍いべさ。『うたばん』のアンケートでその『ストレス度チェック』っていうのやってたの」
なんとも微笑ましい家族団欒ではある。
この会話のきっかけは中澤からのメールだったのだが・・・。
- 616 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:31
-
その内容はというとこんな風である。
ナッチ、どうしよ・・・
私また矢口を怒らしたみたいや
「矢口がストレス度チェックで危険娘。
になったのはバカ裕子の所為だかんな!」
やて。
アタシ、矢口が凹むようなこと
言ったんやろか?
裕ちゃん、心当たりがないねん。
ナッチ、何んか知ってへんか?
ふだんテレビ画面からお茶の間でイメージする中澤ではこんなヘタレメールが安倍に頻繁に送られるなんて想像もつかないがコレも日常のひとコマである。
そして、それについて安倍がいろいろ考えるのもいつもこと。
しかし、娘。とべつの仕事をしている今となっては中々思い当たらない。
唯一、『ストレスで危 険 娘。』ってフレーズが何かの番組の匂いがする。
- 617 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:33
-
昔は自分で撮っていたビデオも母親や妹と同居するようになってからはビデオ録画もふたりに任せて出かける事が多いので撮り逃しや録画ミスで憤慨することもシバシバある。
今回それが幸し自分の出てないビデオを単なる視聴者になって観ていた。
妹の言うようにみんなが『ストレス度チェック』してアンケートの結果ボード掲げてる。
占いや性格判断などのチェックは女の子が大好きなこと。
当然、安倍もこのチェックがしたくなりビデオを止めて自分もそれをしてみる。
- 618 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:35
-
【精神的ストレス度チェック表】
(1) ペットを飼いたい、または飼っている。
飼ってる!メロンたん!ちょーかわいいんだから
だからこれは○っと。
矢口もこれは○だよね。クッキーも人懐っこいべさ〜
次はっと・・・。
(2) 無性に甘いものを食べたくなる時がある。
なる〜〜v。○。絶対、○。
女の子なら当然だべさ。甘いのだ〜いすき。
あ、裕ちゃんはならないっか・・・あの人女の子じゃないからなぁ。
(3) 仕事中でも、ふと違うことを考えてしまう事がある。
うん・・・。ホントはいけないと分かってるべさ・・・。
でも、気が付いたら裕ちゃん今、何してるかな〜とか考えちゃってるなぁ・・・。
- 619 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:36
-
(4) たまには仕事を忘れて、のんびり旅行したい。
行きたいべさ!!
いっつも地図ドライブしかできなくて・・・
あそこ行く時はお気に入りの服着て普段野菜嫌いで不健康な裕ちゃんのために春野菜たっぷりのお弁当もってくべさ!でさ、裕ちゃんは「もう、裕ちゃんの野菜嫌い知っててやってるやろ」って言いながら顔しかめながら箸を運ぶんだけど以外に美味しくてパッと顔が明るくなるの・・・
ああ、行きたいな・・・ホントに行きたくなってきた・・・。
(5) ときどき怖い夢を見る。
うん・・・。
娘。のラストコンの時だって鹿児島だったのに仕事あるって言ってたのに来てくれたし、
卒コンだってずっと見守っててくれたし
ミュージカルの初日には必ず励ましメールくれるし
時間が空いたら観にきてくれるし
言葉でもいつも「ナッチがいつも気に掛かる」って言ってくれるし
なっちが裕ちゃんの一番だって分かってるんだけど
夢の中の裕ちゃんは矢口にべったりくっついてて
なっちが傍に行っても知らん振りで「矢口、かっわいい〜矢口が一番好きやで」って。
もう気がついたら泣いてて自分の嗚咽で目が覚める。
そのあと「夢でよかった〜」って思うべさ。
- 620 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:37
-
(6) 家に戻ると「ホッ」とできる。
ホッするべさ。
一人暮らしのときは帰ってもシーンしちゃって嫌だったけど今は家族といっしょだから
一人は寂しいよね。
裕ちゃんは一人暮らし長いから平気とか言ってたけどやっぱり寂しかったんだべ?
なっちが家でお迎えしてホッとさせたいけどそれも今は無理だから花ちゃん、タローちゃん、なっちの裕ちゃんのことよろしくね。
裕ちゃん、今何してるかな・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・
あっまた違うこと考えちゃった。
次の項目は・・・。
- 621 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:38
-
(7) 嫌なことがあると、ずっと気にしてしまう。
気になるっしょ〜ふつう。
ハロモニ。コントとかでやけに他メンにちょっかい出してたり
最近お気に入りの小川を楽屋に連れ込んだりしてるの見たら気にならない方が不思議っしょ?
(8) ときどき淋しくなる時がある。
時々どころかいつも寂しいべさ!
大勢で動いててもその大勢の中にはあの人はいないんだから!
一人ぐらい混ざっててもいいべさ!
(9) 朝起きるのがツラい時がある。
いっつも!
傍にいて「ナッチ、朝やで仕事おくれるやん。チュッ」って起こしてくれないから目覚めが悪いっしょ!
ファンにばっかボイス目覚ましなんてプレゼントしてさ
あのやさしい声で目覚めるのはなっちだけにしてほしいべさ!!!
・・・・・・
はあはあ、何か疲れてきたべさ。
次いこ、次。
- 622 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:39
-
(10) 占いの話は大好き! 自分も占ってほしい。
占い好きv
昔はよく一緒に占ったべさ・・・相性占いとかね・・・。
(11) 大切な時にお腹が痛くなったり、身体の調子がおかしくなる。
ある・・・。
やっと一緒にとれた休みの日に求められてその気になってたのに急にお腹が痛くなってアレが始まって
そう言ったら怒り出しちゃって大変だったべさ。
(12) 眠った後でも、何となく疲れが取れない。
ネタ後?・・・。
疲れ取れないの普通っしょ?
他の人は疲れるほどやらない?なっちたちだけ?たまにだから張り切りすぎるべか?
う〜ん・・・・。
兎に角、集計してみよっと。
え、全部○だべさ・・・。
って、ことは・・・はははは。
やっぱり・・・。
- 623 名前:Take me to a drive 投稿日:2004/03/12(金) 22:39
-
♪♪〜
おっ、やっとナッチからの返信や
なんか分かったんやろか
裕ちゃん!
なっちが『ストレス度チェック』で
危険娘。になったのは裕ちゃんの所為だべさ。
責任とって今度の休みにはどっか連れて行くべし!
中澤の頭の中では「???」と「なんでー」でいっぱいになったことは言うまでもない。
了。
- 624 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/12(金) 23:11
- スゲーおもしろかったです。
- 625 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/14(日) 15:59
- はは。着眼点がいいね。
- 626 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/03/29(月) 00:57
- >>624さま
>>625さま
ありがとうございます。
そう言っていただけるとやっぱり嬉しい
コネタばっかですがこっそり更新。
- 627 名前:運転手は君だ車掌はボクだ 投稿日:2004/03/29(月) 00:59
-
番組収録が終わり
「「「お疲れ様でした。」」」
「ありがとうございましたぁ」
「おつかれー」
等々の言葉が飛び交う中
「今日はご協力ありがとうございましたー!」と
飯田一人だけのスタッフに向けての言葉が違和感を醸し出している。
そんなことはお構い無しに飯田は淡々と自分の仕事を粉していく。
- 628 名前:運転手は君だ車掌はボクだ 投稿日:2004/03/29(月) 01:00
-
「はい、石川。コレ、待ち合わせ場所と時間ね」
「はい?飯田さん、何なんですか?」
「さっきのゲームで休日一緒に遊びにいくって言ったっしょ?」
「飯田さん、加護はぁ?加護も飯田さんに入れたぁ〜」
「あいぼん、ごめんね。裕ちゃんがさぁ18歳未満はダメだって」
ここで『裕ちゃん』の言葉に敏感に反応する二人が空かさず突っ込む。
「「何で裕ちゃんが関係してるの!!!」」
二人の剣幕に臆することなく飯田は自分のペースで話し続ける。
- 629 名前:運転手は君だ車掌はボクだ 投稿日:2004/03/29(月) 01:01
-
「此間、裕ちゃんと圭ちゃんと食事してて
『温かくなってきたからどっかいきたいねぇ』
『海、見に行かへん?』
『どうせ行くなら温泉とかにも入りたいし魚の美味しいのも食べたいね』
ってことになって、
裕ちゃんが車出してくれることになったんだけど
まだ座席に余裕があるからって娘。から誰か誘うことになったの。
それで、スケジュール分かってる圭織が決めることになったんだけど
やっぱ平等にしてあげたいから悩むっしょ?
で、ゲームで意識調査してみたの。」
- 630 名前:運転手は君だ車掌はボクだ 投稿日:2004/03/29(月) 01:02
-
「あ、それで業と人気がでないようにコメントしてんだべ?」
「ぅん・・・まぁね。だって仕方ないしょ?空きはあと一人か二人なんだもん」
「それってひどいじゃん!矢口は絶対行けないってことじゃん!!」
「だって、矢口は魚より肉っしょ?だから最初から対象外。今回は魚好きが行くの」
「で、ナッチはどっちだったの?」
「ここで訊くの?・・・」と弱弱しい安倍の態度に
「安倍さんは矢口さんに上げてました」とスタッフの魔の声がする。
- 631 名前:運転手は君だ車掌はボクだ 投稿日:2004/03/29(月) 01:03
-
「でも、何で18歳未満なんですか?加護はお魚も好きですよ食べれないのもありますけど・・・」
「ああ、それはね裕ちゃんが連れてってくれるのが熱海でロープウェーに乗るからっしょ」
その言葉に矢口と藤本は呆れ顔になり、
安倍以下18歳未満組みはキョトンとし
吉澤は急に顔色を輝かせ
「初めは飯田さんにいれたんですから連れてってくださいよー」
とせがむのだった。
了。
- 632 名前:補足 投稿日:2004/03/29(月) 01:12
- 「運転手は君だ車掌はボクだ」はハロモニ。の
『休日二人で過ごすならどっち対決、飯田vs矢口』のパロディです。
本文中、説明不足ですね。
すみません。
- 633 名前:名無し読者 投稿日:2004/03/31(水) 18:51
- 18歳未満、熱海、ロープウェー……
なんのことかと思ったら、アレのことかぁ〜。
- 634 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/05(月) 23:39
- ああそうかぁ。
ロープウェーって年齢制限あったっけ?
とか考えてたわたしはアホですか。
- 635 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/04/13(火) 01:09
- >>633さま
>なんのことかと思ったら、アレのことかぁ〜。
はい、アレのことでございます。ってなんのことでしょうか(笑)
>>634さま
キーワード「18歳未満、熱海、ロープウェー」でググれば
裕ちゃん企画ツアーの目玉観光場所が・・・
ドライブネタで3部作と思ったけどいいのが思い浮かばない。。
ネタがあったら教えてください。
保全代わりの更新。ちょっと続き物になる予定。
- 636 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 01:10
-
人生には幾つかのターニングポイントがある。
そして幾つかある選択肢の中から自分が進むべき道を選びながらより良い生き方を模索している。
アタシは今一つの分岐点に立っている・・・
「中澤さん、何シリアスめいてるんですか?」
「ええやん、たまには。でも、なんで村田が案内人してるん?それよりコレは何?アタシにどーしろつぅの?」
「いやぁ、日頃お世話になってるハロプロメンバーの皆さんにお礼を兼ねて王子様お姫様気分を味わって貰う為、『村田のメルヘンの国』にご招待です。・・・で、どっちにするんですか?」
「村田のなんや・・・何を決めんの?」
「お姫様と王子様どっちにするんですか?」
「どっちにするかな・・・」
「さぁさぁ」
「決まってたで・・・王子様にする」
「ええ?!お姫様じゃないんですか?」
「当たり前やろ・・・お姫様なんて割に合わんものな」
「白馬に乗った素敵なナイトを待つお姫様。いいじゃないですか?」
- 637 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 01:11
-
「アホ、中世のお姫様っていったら悲惨やで。
貧乏領主は自分の領土を守る優秀な騎士の気持ちを惹きつけておくために自分の姫や奥方に色仕掛けさせてたんやで。それに国同士の和平の為によく婚姻が使われたけどその場合国同士の条約やからちゃんと結婚したことを確認する為初夜で王子のモノが姫に入ったことを立会人に確認させるという作業があるんや。愛情も何もないから前戯なしやで。準備も出来てないとこに突っ込まれるんやで、この場合の姫は12〜4歳ぐらいの初めてやから考えただけでも悲惨極まりない。
それに待ってるだけの姫なんてつまらんやん」
- 638 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 01:12
-
「中澤さ〜ん・・・そんな長文、誰も読みませんから、夢のない話しないでくださいよぅ。一応、メルヘンの王子と姫なんですから」
「そやった。お伽噺ね・・・と、話は選べるん?」
「いいですよ。どの話にします?」
「どんな話があったっけ?サンプルはないん?体験してみたいなぁ・・・」
「村田のお薦めはですねぇ・・・『ラプンチッェル』はどうですか」
「『ラプンチッェル』?なんやったっけ・・・」
「ほら、魔女によってあの塔に閉じ込められている娘を助ければいいんです。簡単です。」
「ああ、魔女の畑の作物があんまり美味しそうなんでうっかり食べてしまった農夫たちの娘やね。って姫やないやん!」
- 639 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 01:14
-
「細かいことはいいじゃないですか。綺麗な娘は好きでしょ?」
「ぅうう、そうや。可愛い子、綺麗な娘。大好きや・・・けど」
「裕ちゃ〜ん!裕ちゃんが圭織のこと助けてくれる若者の役やってくれるの(喜)」
「圭織?!何で圭織が捕まってるん?」
「・・・う〜ん・・・よく分からないんだけどメンバーがさぁここの畑の南瓜とかメロンとか食べちゃってさぁ
魔女がカンカンになってて謝ったんだけどリーダーが責任取れって」
「出口ないん?」
「ないよ〜。裕ちゃん助けてよ」
「助けてあげたいんは山々やけど・・・アタシ、高所恐怖症やで。こんな高いとこよう登らんわ・・・」
- 640 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 01:17
-
「いいらさん、だいじょうぶれすか?ツジたちのためにごめんなさいなのれす」
「おお、ツジ、いいとこに。今から君はこの話のヒーローや。飯田さんを助ければ飯田さんが辻の為に美味しいもの食べ放題でご馳走してくれるやて」
「ほんとれすか!いいらさん、いまいきます!!」
某局のゲーム、ウォール蔵ッシュを彷彿させるように
辻は塔の石組みをガシガシ掴んでアッというまに30メートルはあるかと思われる塔を一気に登りきった。
そして、飯田を背中に負うとアニメのように窓からドンと飛び降りると其の侭ドドドと何処かに消えてしまった。
「な、中澤さ〜ん(泣)。この話の見せ場が・・・」
- 641 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 01:18
-
そう、この話の見せ場
『ラプンチッェル、ラプンチッェル。おまえの長い髪を垂らしておくれ』といって塔をよじ登るというシーンが
まったくもって無くなってしまってお伽噺として台無しに。
「ええやん、経過は変っても結果同じやん」
「どこがですか〈怒〉」
「この話はアタシにむかへん。次いこ、次。あ、次はちゃんと姫がおる話にして」
「・・・わかりました。次こそは村田の望む乙女チックな物語にしあげてくださいよ」
「任せときぃ」
村田は一抹の不安を抱きながら次の話へ中澤を案内するのである。
- 642 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 02:45
-
「さぁ、着いた」
「って。村田この茨は何んや?!」
「『茨姫』ですから」
「あ?『茨姫』って『眠れる森の美女』の原型の話やね」
「そうです。この茨の森を切り開いて100年間閉ざされた城へ行き、眠り続けている姫を口付けで目覚めさせるという超メルヘンちっくな話です。」
- 643 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 02:46
-
「この茨を?この剣一本で切り開く?非力なアタシには無理やって・・・ん?いいもんあるやんv」
ガガガガドドドガガガガドドドガガガガドドド
「な、中澤さん!!姐さん!やめてください、メルヘンにブルドーザーは似合いません!!!!」
「いまどき、何言うてんの。使えるモンは何でも使えって時代やで。効率いいほうがええやん」
ガガガガドドドガガガガドドドガガガガドドド
アッと言う間に城までの道が整備されていく。
「乙女チックめるへんが(泣)・・・」
- 644 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/13(火) 02:47
-
王子は大変な苦労をして辿り着く筈が文明の利器によりいとも簡単にふたりは姫の部屋に着く。
ベットの中を覗くとそこには休みの日は寝て過ごすと言うすっかり本気で寝こけている石川のジャージ姿が。
「むらたー!コレは何や!!姫や無いやん!」
「い、いえ、この話のヒロインは梨華ちゃんで・・・」
「ジャージやんか!お姫様衣装ぐらい着せといてぇや」
その時、完璧王子姿で吉澤がやってきた。
ちゃんとお伽噺の王子らしく苦難を乗り越えてきたようで着衣に多少の汚れと髪荷幾らかの茨が刺さっていた。
そして陶酔し切った吉澤はベットの中も確認せずに自分の台詞を忠実に述べる。
「姫!遅れてごめん。でも、もう安心してください。ボクが幸せにします」
「えらい!よっつぁん。よう言うた。やっぱり同期、名コンビやね〜。」
「えっ?ここの姫はカオリンじゃ・・・」
慌ててベットの中を覗くとよっぽど疲れているのかこの騒ぎの中でも寝続ける石川が居た。
「り、梨華ちゃん・・・」
「ということで、ココの役者は君だ。最後までちゃんと面倒みるように」
中澤は体よくこの場を吉澤に押し付け次の場所へと移動する。
- 645 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/14(水) 23:56
-
可愛らしいお姫様王子様の物語になるはずが中澤によってドンドン現代風に変化していく。
それでも景色だけは村田ワールド。特異な色彩と雰囲気を放っている。
「村田ぁ、洋物の姫はアカンは奥ゆかしい日本の姫にしてや」
「はぁ・・・日本の姫といえばやっぱり・・・わかりました。行きましょう。こっちです」
道を進むと見事な竹林がアジアの風景に変った。
「ああ『竹取物語』やね。かぐや姫か・・・可愛いと思うけどナルシストな姫やろ、というと多分姫は道重か松浦とちゃうん?」
「やっぱりそう思います?さすが中澤さん」
- 646 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/14(水) 23:57
-
ふたりが竹林の中のお屋敷を覗くとそこには松浦がライブばりに元気にMCをしていた。
「みなさ〜ん!元気ですか?!まつぅうらあやで〜す!!今日は訳あってかぐや姫やってま〜すvv」
ウォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ
パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
「条件をクリアして松浦とツーショット写真を取りましょう。皆さん頑張ってくださ〜いv」
「まずは石作皇子さんへのお題はですね『仏の御石の鉢』です。
車持皇子さんは『蓬莱の木の枝』を
阿倍の右大臣さんは『火鼠の皮衣』を
大伴の大納言さんは『龍の五色に光る玉』を
石上の中納言さんは『燕の子安貝を』とってきてください」
ぇぇぇぇぇぇええええええええええ
理不尽なお題にどよめきが広がる。
- 647 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/14(水) 23:58
-
その様子を塀の外から木箱を立てかけ中を覗いていた中澤が言う。
「気の毒にな・・・」
「何がですか?」
「かぐや姫が言った物って実際には無いもンばっかやん。そのことみんな知ってるンやで。
それでもちょっとの望みに賭けたるんやけど・・・みんな人生棒に振ってからに。
けど気持ちは分かるわ可愛い子には弱いもんな・・・無理を承知で馬鹿やってまうねん」
「じゃ、この話でいいですか?」
「いや、アタシに松浦はムリ。
アタシのタイプは子犬みたいなのがええの。
『かまって、かまって』って訴えてくる目に弱いねんなぁ・・・・
松浦はネコタイプやろ?」
「そうですか?亜弥ちゃん、美貴にはよく甘えてきますよ」
「あ!藤本っちゃん。アンタそこで何してるん?」
- 648 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/14(水) 23:59
-
中澤、村田から少し離れた所でやはり二人と同じように踏み台に乗って中の様子を伺っていたようだ。
「亜弥ちゃんの十二単姿を拝みに。やっぱり何着てもカワイイですよね」
「たしかに・・・力士背ってても、着ぐるみでも似合うもんな・・・」
「ああ、アレ、村田も『ポポーッ、ポポーッ』ってやりたいにゃ・・・
でも、柴田くんの方がカワイイからもっと似合うっちゃ」
「ああー!村田さん、聞き捨てならないことを!亜弥たんの方がカワイイっしょ!!」
「えっ?そう言う意味では・・・村田よりって意味で。でも、村田的には柴っちゃんの方がカワイイ」
「村田も藤本もいい加減にしぃ!一番はごっちんやろ!!」
- 649 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/15(木) 00:00
-
「・・・一番は亜弥たんだと思うんだけどな・・・・
それより、中澤さん、そろそろ『ミキティ』って呼んでほしいんですけど」
「『ミキティ』か?『美貴ティ』ね・・・『美貴てい』。」
??
「ええよ、『美貴帝』。アンタこの後の帝の役な」
「おーい!松浦。アンタの帝連れてきたで。このままココで帝と仲良く暮らすのも帝と月へ駆け落ちでも好きなようにしたらええから」
「中澤さん、また勝手に話を作るしぃ・・・」
「あっ!しまった。この話、手切れ金がわりに不老不死の薬貰えるんやった・・・」
「もう、ダメですよ。藤本とラブラブストーリーになってしまいましたから」
「うーーーん、しゃーない。次は何か貰える話にしたって」
お姫様王子様話にそんな話あったかなと首を傾げながら次へと向かう。
- 650 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/15(木) 19:34
- すごい面白いw
次はどんなお姫様が出るんだろー。
- 651 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/16(金) 09:01
- あやみきかぐや姫のつづきも期待し(ry
矢口はなんの姫か想像つくんだけれど、なっちはわかんないなあ。
- 652 名前:名無し読者 投稿日:2004/04/16(金) 19:26
- なっちも矢口さんもわかんないっす(汗)
飯田さんはすげ〜イメージ通りだったんで期待して待ってます。
- 653 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/04/23(金) 13:12
- >>650さま
ありがとうごさいます。
>次はどんなお姫様が出るんだろー。
一応、最初はメンバーみんなに姫を当てはめてみたんですが・・・
話が長くなりすぎるので省略です。
>>651さま
>あやみきかぐや姫のつづきも期待し(ry
ハロプロ新聞の藤本っちゃんのサイン入り写真を見て
自分の中ではこのふたりはそのイメージでして(笑)
番外編書けたらそのうちに
>>652さま
ありがとうございます。
自分の感覚は一般人と少し離れてるらしいので
我の持っているイメージは違うかもしれませんが大目にみてくださいな
今書いてる話が書きあがるまでの繋ぎ話だったはずなのに長くなりすぎてしまった。
更新します。
- 654 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:14
-
暫く歩くと目の前が急に開けた。
微かに潮の匂いがする。
「ここ、干潟か?」
「にゃんだー??海が広がっているはず???」
「海なんか?きっと、大潮なんやろ」
「でも・・・」
「あ!アレ何や?!」
干潟の彼方に何かキラリと輝いた。
中澤はそこに向かった駆けていく。
海の水がなくなったことに動揺していた村田だったがその様子を見て慌て出した。
「な、中澤さ〜ん!待ってくださ〜い!!手順が違います!!!」
海岸では悪ガキに苛められている亀がふたりを恨めしそうに見送っていた。
- 655 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:15
-
すぐ近くに見えた建物は意外と遠くて
二人はちょっとしたマラソンをしてしまった。
「はぁはぁ・・・近くに見えたのになぁ・・・ああ、疲れた」
「当たり前です・・・はぁはぁ・・・竜宮城が海岸近くにある訳無いです。ほんとだったら海の底深い筈なのに」
「なるほど、竜宮城らしい門構えやね・・・ん、つうことは乙姫さんと大宴会やねvv」
乙姫はんは何処でっか♪
なんて飲んでもいないのに中澤はオヤジ口調で城の中をウロウロする。
そして回廊の端でハタと立ち止まった。
「中澤さん、勝手にあっちこっち行かないで下さいよぉ」
「悪リぃ・・・迷った・・・どっち行ったらええの?」
「・・・案内しますからちゃんと付いて来てくださいね」
- 656 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:16
-
城の中は中華風というか和風というか
まるで外国映画の中に出てくる日本屋敷のように不思議な内装。
「ここが客間です」
「うん」
「こっちが大広間」
「大広間は後でええから宝物殿に行こうや。
きっと珊瑚や真珠なんかの宝玉が仰山あるんやろ?
目の保養、目の保養」
「・・・・」
「ここが宝物殿ですけど・・・」
「何やコレ?」
部屋の中はレトロなオモチャの数々やメロンのライブグッツ、ファンからのプレゼントと思われるヌイグルミが。
「・・・私のコレクションです・・・」
「そっか・・・ん、そやね。宝物なんてその人の価値観やからな」
「中澤さんの宝物ってなんですか?」
「んんーん。私は物に執着せんからコレってものは無いよ。一番は人とのいろんな関係が大事。」
「その割りに人の名前覚えてませんよね」
「しゃーないやん。他の人が頭の中に名前が入っているとこは私は誕生日が入ってるねん!」
「またそんな・・・」
「もう!ええやん!それよりこの部屋は?」
二人の目の前には『立ち入り注意』のプレートがついた部屋があった。
- 657 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:18
-
「あ、『四季の部屋』です。入りますか?」
「や、あれやろ春夏秋冬其々の窓からの景色がとても素晴らしくて浦島太郎が何周も観てしまったという部屋やね」
「そうです。一周、一年ですからここで浦島太郎はあっと言う間に年月を費やしてしまったというい部屋です。」
「『君子危うきに近寄らず』や。他行こ」
「亀は助けてないし、『四季の間』も素通りだし、浦島太郎の話に全然ならないじゃないですか・・・」
「んなこといっても、乙姫、居らんやん。鯛や鮃の踊り食いもないやん」
そんなことをブツブツいいながら二人は大宴会場に来ていた。
「裕ちゃん、『踊り食い』食べれんの?甘えびの活造りで泣いてたん誰(笑)」
「貴っちゃん!」
ただっ広い宴会場の真ん中で勝手にご馳走を食べている稲葉が居た。
- 658 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:19
-
「稲葉先生!!マサオんとこじゃなかったんですか?」
「さっきまではね。マーシー王国って動物いっぱいやね。
矢口もなっちも小さい子みたいにふれあい広場で大はしゃぎしとったで」
「え、矢口となっちは大谷んとこなん?」
「うんにゃ、みんながこっちでお姫様ごっこしてるって知ってこっちに来たから」
「どうやって来たんですか」
「大谷に向こうとこっちを繋ぐ穴あけてもらった」
あああ!!!
「何や?突然大声出しなや・・・」
「じゃ、じゃあ、海の水がなくなったのはその穴の所為・・・」
「ま、そういうことで・・・
今、大谷と柴田で穴塞ぎにいってるから
時期、海の水も元通りやろ」
「あ、それで乙姫も留守だったんだ・・・柴田くんの乙姫姿みたかったのに・・・」
「乙姫はどうでもええわ。貴っちゃん!矢口となっちは何処?!」
「ま、落ち着きぃ。ちっとは私の話に付き合ってぇな」
中澤はすこし不満そうな表情をしたが普段同世代の仲間としてお世話になっている手前、話ぐらいは聞かなくては「ふぅ」と一息吐いて話を聞く体制に入る。
- 659 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:20
-
「分ぁったわ、何?」
「こっち来て最初にいったとこがお姫様モノの王道、『白雪姫』。姫はもう決まっててガラスの中には色白の娘が白鳥伯爵夫人の衣装で眠っていたので7人の小人に王子役を勧められたけど私らは丁重にお断りして
森の中にいったんや」
「あ、その辺まで手が回らなくてひとちゃんにお願いしたのだ」
「そうそう、途中で斎藤にあった。森の中で赤頭巾ちゃんにあったんやけど傍観してたらアッと言う間にオオカミに食べられてしまったんや。お婆さんも。あ、この場合の食べられたはアッチの意味やで。で、そこで楽しそうに何かしている斎藤に会って、手元を覗いてみたら>>651さんご期待の『親指姫』の箱庭があった」
- 660 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:22
-
「なんか想像つくで、親指姫も小金虫や蛙や土竜と次々に輪姦される話になってるんやろ?」
「当り」
「はぁ・・・あかんやん、小さい子も居んのに・・・その辺いったい18禁の黄テープ巻いときぃ」
「結構な広さやで・・・テープ貼るの大変や。矢口もなっちも手で顔を隠してるんやけど指の隙間から覗いててキャーキャー言いながらエロ話に喜んでたで。」
「森のあたりだけじゃなかったですか?」
「ん、もうちょっと広い範囲かな。日本昔話の方もちょっとね。で、『一寸法師』んとこで矢口が」
「矢口が?」
- 661 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:23
-
「一寸法師になりたいって言うんです。」
「ああ、打ち出の小槌で大きくなるんですよね」
「そ、でナッチももう少し身長がほしいって話になって・・・」
「でも、この話の流れやったらこの『一寸法師』はナニが大きくなる話やろ?矢口もナッチも一寸法師か?それやったら私もそこ行って相手の姫役やるぅ!!『愛の劇場夜偏』みたいな話にしたんねん!!」
「いやぁ残念やわ。それ私もその『愛の劇場夜偏』見たかったなぁ」
「ん?そこに居てへんの?」
「そ。ワイワイやってたら『かぐや姫』のエリアに入り込んでたみたいで藤本に裕ちゃんは海の方に行ったって聞いたらふたりして『あ、きっとあの話!』って駆けていってしまって私も追いかけたんやけど逸れてしまった」
「近くまでは来てんねんな?」
「そう。私は裕ちゃんは『浦島太郎』だと思ったんだけどふたりは別の話だと思ったみたいやね」
中澤は眉間に皺を寄せながら暫し考えて何か思い当たったらしい。
- 662 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:24
-
「アレかな?」
「たぶんね。あ、そろそろ海水も溜まったみたいやん。ココの水槽から外に出られるから」
そう言うと稲葉は中澤を水槽に突き落とした。
中澤にそんなことを出来るのはハロプロメンバー多しといえどもこの人しかいない。
貴っちゃん!何すんねん〈怒〉
私泳げへんねん
溺れる〜〜〜〜〜
- 663 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:25
-
「裕ちゃん、裕ちゃん」
誰や?
「裕ちゃん、大丈夫だべさ〜」
い、息ができへん・・・
「息できるべさ。この世界じたい村ちゃんの幻想のようなものだから海水の中でも大丈夫」
「あ、ホンマや・・・て、なっち・・・」
場所は海の中なのにそこはやっぱり『メルヘンの世界』、普通に息が出来るのだ。
「どう、裕ちゃん。似合う?」
「似合うけど・・・そんなセクシーな格好他に見せたないんやけど・・・」
「当たり前っしょ!裕ちゃんに見せるためだけにこの格好してるべさ」
人魚姫の格好をしているなっちは普段、衣装で隠されている大人の姿態が露になり
艶めかしい身体は中澤の心を大きく揺さぶる。
- 664 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:27
-
「このままここで『人魚姫と幸せに暮らしました』って話にしようよ、裕ちゃん」
「んーーー、それでもいいんやけど・・・人魚姫って卵生やろ・・・できればなちゃんとすることしたいし人間にならへん?」
中澤が何を言いたいのか暫く考えていたなっちだったがそれが分かった瞬間、頬がポッと朱に染まる。
そんな様子を嬉しそうに中澤は眺めていた。
「うん、じゃ、海岸まで送るね」
それが合図だったかのように丁度その時急激に海水を戻した。
その反動で大波が起こり泳ぎの苦手な中澤だけ波に浚われてしまった。
「裕ちゃ〜〜ん!!」
「なっち!!海岸で会おうなぁ!!」
- 665 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:28
-
ドバ〜〜〜ン
ザブ〜〜ン
ゴン
最初の二つは勿論、波が砕ける音、最後の擬音は中澤が岩に頭をぶつけた音。
ま、人魚姫のお約束で王子には軽い記憶喪失になってもらわなくてはなりません。
「裕ちゃん、裕ちゃん、大丈夫?」
「ん、んん・・・ん、矢口?やぐちぃ〜〜vv」
気がついたと思ったら既に矢口を腕に抱きしめている中澤。
「矢口、何の姫?」
「王子様を海岸で見つけて介護した隣の国の姫」
「物語の主人公やないやん」
「いいの、矢口は名より実をとるのさ」
「そっか、矢口は賢いなぁ・・・」
「王子様と末永く幸せに暮らのは名前もわからん隣の国の姫じゃん。いいでしょ、裕ちゃん」
物凄く可愛くしたから見上げてくる矢口に中澤はもうクラクラで
無意識のうちに唇を近づける。
そのとき薄ら寒い空気に振り返るとクイズの時間違ったペナルティでするようなバッテン印つきのマスクをしたなっちが中澤を睨んでいた。
- 666 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:30
-
「「あ、なっち」」
「なっち、どうしたん?」
「ああ!喋れないだ!!」
「このシチュエーションは・・・なっちが人魚姫?」
なっちが可愛くコクコクと頷く仕草に中澤は忘れていた海の中での光景を思い出す。
「ああ!」
なっちの顔がパッと明るくなるのとは反対に矢口に怪訝な表情が浮かぶ。
「裕ちゃん、何か矢口に隠してるでしょ?」
「隠してたんや無い、忘れてただけ、記憶喪失や」
「わかったから言って」
「・・・んとな・・・なっちとパッピーエンドの約束してた」
「そんなの『人魚姫』の話じゃないじゃん」
「や、だって、ほら、矢口が隣の国の姫になってるなんて知らんかったし・・・それにこのままやったら人魚姫は海の泡となって消えるんやで。」
「あ!」
「な、矢口。あんたなっちが海の泡になって消えていいん?」
「そんなこと言ってない」
「そやろ?それに何も原作どおりやなくていいやで。どうせ村田ワールドやし、みんなで仲良ぅやったらええねん」
「そうかな・・・」
「そうやって」
なんとなく中澤に言いくるめられたようなふたりだが幸せそうなので良しとする。
- 667 名前:メルヘン街道中記 投稿日:2004/04/23(金) 13:31
-
さて、海の中の乙姫様はというと。
「マーシー帰っちゃったよ」
「うん」
「稲葉さんも行っちゃったね」
「うん」
「ふたりっきりだね」
「うん」
「めぐちゃん、さっきから何で『うん』しか言ってくれないの?」
「・・・う〜んと・・・」
「ま、いっか。めぐちゃん、私の気持ち気付いてるんでしょ?」
「・・・うん・・・」
「好きだからね」
「・・・うん・・・」
兎に角、『村田のメルヘンの国』では全ての人がパッピーエンドになれるのだ。
了。
- 668 名前:651 投稿日:2004/04/24(土) 09:19
- あいたた。予想がはずれたうえに、見透かされてる orz
- 669 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/04/26(月) 00:12
- 最後はやっぱりtsunagiかなーって思ってたんですけど、
まさか矢口がこのお姫様だとは…w
- 670 名前:生存報告 投稿日:2004/05/28(金) 23:37
- 気がついたら1ヶ月以上書き込んでませんでした。
実は先日PCが逝かれました。
で、やっと初期状態に戻したとこで消えたファイルが多々(泣)。
環境整備にもう暫く掛かりそうです。
スレは使い切りたいと思っておりますので
管理人さま、倉庫送りはどうぞご容赦くださいませ。
- 671 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/29(土) 20:24
- ここの話が好きなんで、
のんびり待ってまーす。
- 672 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/05/29(土) 21:08
- 上に同じく、のんびり待ってます。
あと、HP1000ヒットおめでとうございます。
- 673 名前:ナニカチガウ 投稿日:2004/06/19(土) 00:11
-
6月19日。
今年もこの日がやってくる。
デビューするまでは
「お誕生日おめでとう。幾つになったの?」
「××です。」
「若いね。まだ××才なんだ。いいね」
なんてやりとりしてたのに。
芸能界は子役から働く人も多いし
アイドル年齢の上限も低いから二十歳でもおばちゃん扱いされてしまう。
『もう誕生日なんて来なくていいのに』と思うけど
やっぱり祝ってもらうのは
ちょっぴり照れくさくて
でも嬉しい。
それに今年は自分でもプレゼント買っちゃった。
- 674 名前:ナニカチガウ 投稿日:2004/06/19(土) 00:13
-
それは仕事で海外に行き白いハーフコートを作った時のこと。
帰国前にホテルまで届けに来てくれた店主がまた言葉巧みに掘り出し物の話をする。
世界で一つだけの素材が手に入ったからもう一着どうかと言う。
白いコートが短期間でできたのにそれはちょっと加工に時間が掛かるらしい。
計算するとちょうど誕生日あたりに出来そうだ。
出来るのが誕生日なんてちょっと運命的かな、なんてね。
それに世界に一つだけってきいたらねぇ、ほら。
それで、頑張ってる自分にご褒美だと高かったけど思い切って注文した。
そして先日国際便で送られてきた箱を開けて憤慨した。
箱の中身が何も無いのだ。
「なんや!何も入ってないやん〈怒〉」
腹が立って箱をひっくり返したらドサッと物が落ちる音に「アレ?」っとなった。
音がした場所に手を置いてみると確かに何かある。
それは目に見えないけどちゃんとコートの形をしていた。
つまり『裸の王様じゃなくて天狗の隠れ蓑』が送られてきたのだ。
なんか段々楽しくなってきて
「これでみんなを威かしてやろ」
なんて久々にいたずら心が沸々と湧いてきた。
- 675 名前:ナニカチガウ 投稿日:2004/06/19(土) 00:14
-
最初に機会が訪れたのはなっち。
大阪の仕事で同じホテルに泊まることになった。
早速、例のコートを着て
なっちのとこに夜這いにいったらいきなり
「嫌…」
って言われた。
(なっち…裕ちゃんこと大好きっていってたやんか… orz )
「怖い!」
(ひどっ…怖いはコンサのネタやなかったんか… ○| ̄|_ )
もう再起不能でその日は眠れなんくて次の日の仕事が大変やった。
次の日になっちのマネージャーが
なっちが初めいた部屋は何かの気配がして怖かったらしい。
またそれはそれで私が怖くなるやん。
暫く目を開けたまま洗顔、洗髪で過ごすはめになってしまった。
でもよかった私が怖かったんやないんや
こんどこそちゃんと夜這いしたんねん。
了。
- 676 名前:螺旋<横断歩道(中)> 投稿日:2004/06/29(火) 00:28
-
黄昏の時間帯。
世界は古い映画のようにモノクロ化し、
帰宅を急ぐ人々はまるで自動人形のように進み私の横をすり抜けてく。
都会の人の流れは線となって其々の目的地に向かっいる。
私だけがその流れに乗れず観客のように佇みながら
まるで夢の中に居るような錯覚に陥る。
夢。
人にはよく繰り返し見る夢がある。
もちろん私にもそれがある。
私は急いでいる。
早く道路を渡って向こう側に行かなければならない。
なのに、車の往来が激しく
人の波も多くて掻き分けるように少しずつ先の横断歩道まで行く。
信号は赤。
イライラしながら対岸を見ていると
白黒の夢の中でその人だけが色彩を持って立っている。
顔は夕暮れの逆光でよく見えない。
沢山の人の中、周りは猛スピードなのに
私達二人だけはまるで違った時間軸にいるような
そんな感じ。
ずっと待っていたような
ずっと待たせていたような
青信号を待つのももどかしく駆け寄ろうとするけれど中々近づけなくて
夢は終わる。
- 677 名前:螺旋<横断歩道(中)> 投稿日:2004/06/29(火) 00:34
-
その日は私にとっては特別な日。
大切な打合せを終えて
私だけのセレモニーをする場所に向かう為、タクシーを捜していた。
金曜の夕方6時過ぎ、
車も人も込みだして
オフィス街と繁華街が対峙しているこの交差点は特に込み合いも酷い。
ここでタクシーを止めるなんて人迷惑にもほどがあると思うがタクシー乗り場まで辿り着けそうに無い。
やっと見つけたタクシーは運悪く通りの向こう側だったけれどドライバーさんと目があったのでに手を上げた。
タクシーは交差点を渡って横断歩道を越した先に停車した。
マナー違反やなぁと思いつつも
『今日だけは皆さんごめんなさい』
と呟いてそこまで急ぐのだが
人口の少ない土地で育った所為か人ごみが苦手で中々前に進めない。
まるでいつもの夢のようと思っていた。
焦りながら対峙する信号を見るとその下に私を見つめる人がいた。
ドクンと心臓が大きく打つ。
ああ、やっとこの瞬間がきたと思う気持ちと
相手が自分の想像とかなり違っていたことへの驚き。
吸い寄せられるようにその人の前で後で考えると可笑しな台詞を口にしていた。
- 678 名前:螺旋<シティホテル(後)> 投稿日:2004/06/29(火) 00:38
-
タクシーに乗ると彼女は夜景で有名なシティホテルの名を口にした。
そして付け足すように
「東京タワーのそばを通ってほしいんですけど」と。
大阪のきつい雰囲気となんか違うやんわりとした関西訛りは魅惑的に感じた。
冷静に考えてみると今の状況は
はっきり言って初対面の人間の車に乗り込むなんて危険極まりない。
それなのに彼女が持っている空気が心地良くて
わたしたちは殆ど会話も無くただ寄り添うように座っていた。
ちょっとトロケそうな柔らかい感じ。
この感じなんて言うんだっけ・・・
はんなり
そうそう、『はんなり』。
自分も仲間に良くぽあんとしてると言われるけど波長が合っている気がする。
- 679 名前:螺旋<シティホテル(後)> 投稿日:2004/06/29(火) 00:41
-
余りにも自然な空気に全然気にしてなかったが
わたしは人違いでココにいるのではといまさらハッとする。
それはちょうど東京タワーが見える辺りで彼女はそれを感慨深げに見つめていた。
やがて「ここの蝋人形館、来たことある?」と唐突に訊いてきた。
わたしは何を聞かれてるんだぁ?と理解する前に反射的に首を横に振っていた。
彼女の言葉は続く。
「そうかぁ・・・そうやろなぁ・・・地元民は来ぃひんよなぁ・・・あ、東京の人?」
「・・・うん・・・あなたは大阪の人?」
「違ゃうよ。京都。」
「ふぅ〜ん・・・」
「蝋人形館、結構リアルで面白いんやで。」
「・・・・・」
「何ん?」
「人違いと違うよね?」
「分からへん・・・私はそうやと思ったんやけど・・・人違い何ん?」
この出会いが間違いであって欲しくなくてわたしは首をおおきく横に振った。
すると、彼女は嬉しそうに
「そうやろ。もし、違ってたらまたアッコに立てばいいねん。今日は私に付き合ってな?」って
はにかんだように笑った。
- 680 名前:螺旋<シティホテル(後)> 投稿日:2004/06/29(火) 00:44
-
連れて来られた43階建てのホテルの部屋は
南側が前面ガラス張りで東京の夜景が一望できた。
アレが新宿副都心。
アレが東京タワー。
ルームサービスが運んできた軽い食事とワイン。
カップルがやる一通りの儀式の様なモノをして
ホテルの夜景を楽しんで
ムードを盛り上げて・・・。
なのに彼女は一切わたしに触れてこなかった。
「今日な、特別な日やの・・・この街の灯綺麗やろ?私もここで輝くってここに来た日。・・・この眺め見ながらね想いを強くするねん」
彼女はただそう言って東京タワーを見つめていた。
- 681 名前:螺旋<クラブM(中)> 投稿日:2004/06/29(火) 19:54
-
『クラブ M』。
話の流れで彼女が告げた店の名前。
「大抵そこで遊んでいるから」と。
そこは私でも知っている若者のが集まる人気スポット。
会員制でもないのに入店の審査がある。
常連客の紹介か並み以上のルックスとセンスが必要で
店に行ったというだけでちょっと羨望の視線を受ける。
店内は腕のいいDJが常に流行の曲をガンガン掛けていて
ちょっとしたダンススペースには身動きできないほどの若者が犇めき合っているらしい。
- 682 名前:螺旋<クラブM(中)> 投稿日:2004/06/29(火) 19:56
-
カランカラン
「ああ〜お腹すいた〜。アッちゃん、何か作ってぇ」
「店に入るなりそれかい?!言っとくけどココ、ワンショットバーなんやけどなぁ」
「ええやん。アッちゃんが作るご飯が美味しくて他で食べられへんのやから」
「はいはい。焼きうどんぐらいしか出来へんで?」
「ええよ。焼きうどん大好き。アッちゃんも大好きや」
「ほんま、相変わらず口が上手いなぁ」
「そんなことない。私は嘘がつけへんモン。ほんまのことしかよう言わんわ」
「・・・その口に男も女も騙されんねんで・・・」
「ん?何か言うたか?」
「何でもない・・・ビールどうする?10時からのステージもあるんやろ?」
「ん、そや。だから、一杯だけにしとく」
カランカラン
「あ!やっぱりここだった」
「お、圭織」
「マネージャーが探してたよ、次のステージ10分前に入れって・・・あ、焼きうどん!いいな。圭織もそれ食べたい」
「はいはい。焼きうどんね。うちは鉄板焼き屋ないねんで」
ここは雑居ビルの中、カウンター席が8つしかない小さなワンショットバー。
この店のママ、アッちゃんは関西人で同級だった。
そんなこんなで急速に仲良くなり
私の我侭をきいてくれる気のいい人のひとりだ。
アッちゃんは苦労人だがけっして暗くならない。
割りと器用で情報通。
この界隈の情報は殆ど知っている切れ者でもある。
- 683 名前:螺旋<クラブM(中)> 投稿日:2004/06/29(火) 19:57
-
「なぁ・・・『クラブ Mのごっちん』って知ってる?」
「『クラブ M』って今20代前半いや10代の子の溜まり場やん。誰?ごっちん?」
「『真希姫』のことじゃない?真希姫、仲間内だけ『ごっちん』って呼ばせてるらしいよ」
「圭織、詳しいな?店に行ったんか?よく年齢制限に引っ掛からへんかったな」
「圭織、まだ二十歳そこそこの可愛い女の子っしょ!!」
「いやいやアンタのゴージャスなその容姿は27・8に見えるって」
「裕ちゃん、ひど〜い!」
「はははは、褒めてるんや。『いい女や』って。で、行ったんや?」
「そ、同郷の友達がね東京で流行のとこ行ってみたいって。で、常連の子にあたりをつけて連れてってもらったの『真希姫』可愛かったよ」
「『真希姫』の話なら聞いた事あるで。彼女がアッコに通うようになって客が3割増えたんやて。で、彼女の知り合いやったらドリンクフリーらしい」
「『クラブ M』の女王様やったんや・・・」
「裕ちゃん?どないかしたん?」
「いや、何でもない・・・」
- 684 名前:螺旋<クラブM(中)> 投稿日:2004/06/29(火) 19:58
-
店に行けば会える。
あの日は全然そんな雰囲気やなかったけど
やっぱり、私は遊ばれたんだろうか
もしあの時の言葉を真に受けてMに行けば『おばさん、誰?ここ場違いだよ』って笑われてしまうかもしれない。
そんな考えが邪魔をして
臆病な私が10日間も自問自答を繰り返した。
けれどやっぱり
彼女にもう一度会いたい
いや、一目だけでも
という気持ちに推されてやっと店を訪れたのだった。
- 685 名前:螺旋<クラブM(中)> 投稿日:2004/06/29(火) 19:59
-
流行の若者のクラブには一人では入りにくくて
仕事仲間に付いてきてもらう。
彼らは身体も大きく見栄えがするのでそれだけで弱気な私のガードになってくれる。
店に入るとすぐに彼女が目に入った。
そこだけスポットライトが当たっているように輝く存在だったから。
格上の容姿を持った数人の中心で楽しそうに談笑している。
ここまで来て途端に彼女の反応を想像してが怖くなる。
ちょっと目立つ行為をしたらこっちに気付いてくれるだろうか。
一緒に来たふたりとホールで踊るふりをしながら彼女を見ると
明らかに不快な表情をしていた。
さっきまでは子どもの元気な遊び場風だったホールの雰囲気も
私達三人は店の雰囲気をすっかり壊してしまったようだ。
やってしまった・・・。
せめて彼女に謝りたくて側に行くと俯いて泣いていた。
「泣かんといてな・・・ごめんやで、ここの雰囲気壊してしまったみたいや。アンタの居場所やのに・・・もう、来ぃひんから・・・」
「えっ!」
「コレ、よかったら来て。私のステージが8時と10時にあるから」
それでも未練がましく
一縷の望みを託して私の仕事場の名刺を渡した。
- 686 名前:螺旋<ジャズカフェBN(後)> 投稿日:2004/07/02(金) 01:00
-
午後6時。
店に入ろうか迷い背を向けた。
数メートル離れてまた振り返る。
なんとなく、店の看板が見えるドーナツ屋に入り
コーヒーとドーナツを食べながら通りを眺める。
わたしは一人でボーっとするのは得意で
時折洒落た格好の人々がその店の中に入っていくのを観察する。
午後7時半。
今度こそ店に入る決心をして
店のドアに手を掛けた。
しかし、重いドアに負けて再び通りの別のファーストフード屋に逆戻り。
- 687 名前:螺旋<ジャズカフェBN(後)> 投稿日:2004/07/02(金) 01:01
-
『ジャズカフェBN』。
そこはそっちジャンルの人達には有名な店らしい。
数日前、
テーブルに置いた名刺を見てパパが珍しく薀蓄を語る。
「真希はジャズを聞くのか?」
「ん?」
私の返事を聞くわけでもなくそう若くないパパは
若者の好きそうなことも知ってるよという感じで
得意げにちょっと斜めを見ながら
知らない外人ジャズメンの名前を並べたくりながら話を続ける。
「この店は結構有名なアーティストのライブが時々あるんだ。ライブの無い日も契約のバンドのステージがかなり評判らしいぞ」
「パパは行ったことあるの?」
「いや無い。忙しくてな。真希が興味があるなら今度いいのが来たとき連れて行ってやろう」
彼女が働く店にパパとは行きたくなかった。
それに有名アーティストのライブの日では彼女に会えない。
そんなことは口に出さずパパの申し出をやんわりと断る。
「忙しいんでしょ別にいいよ・・・」
「そうか・・・悪いな。じゃ、代わりにこれで好きな物でも買いなさい」
いつものように小遣いを受け取った。
小遣いというには多すぎる金額ではあるけれどそれは彼なりの罪悪感からでてくる額なのでいつも何も言わずに貰うことにしている。
- 688 名前:螺旋<ジャズカフェBN(後)> 投稿日:2004/07/02(金) 01:03
-
午後10時5分。
ファーストフードの店も追い出されそれでも帰る気になれずに
再びドアの前に立つ。
やはり決心がつかず固まっていると背後から声を掛けられた。
振り向くと一見してクラブママとわかる容貌の着物姿の女性が微笑んでいた。
「どうしたの入らないの?」
「・・・・・・」
「ああ、初めてなのね。この重厚なドア。あなたのような若い人は最初気後れしちゃうわよね」
「・・・・・・」
「大丈夫よ。中はふつうのライブハウスよ。結構良心的な店だからテーブルチャージもドリンクもリーズナブルだから。あ、でも初めはカウンター席の方がいいかしら。そっちはチャージがつかないから」
背中を押されるように中に入ったら
いきなり胸を突くサックスの音色にステージへ目がいく。
彼女が演奏している。
その姿は恋人と抱き合っているように見える。
わたしは愛しそうに抱いているサックスに何故か妬けてくる。
そこに色っぽい歌声が絡みつくように入ってくる。
サックスの音と歌声はまるでお互いがパートナーのようにダンスする。
その色っぽい歌声の人は彼女とアイコンタクトをとりながらのステージ。
胸にモヤモヤしたモノがこみ上げる。
- 689 名前:螺旋<ジャズカフェBN(後)> 投稿日:2004/07/02(金) 01:04
-
「あなた大丈夫?」
一緒に入ってきた人がまだ側にいて
入り口で立ちすくんでしまったわたしを心配して世話をやいてくれる。
「ステージ始まっちゃったのね・・・今連れ出すのは無理っぽいし、こっちで私に付き合いなさいよ」
わたしは導かれるままカウンター席についた。
「いいバンドでしょ?」
素直に頷く。
ジャズは知らないけどこの音、メロディーは泣けてくる。
「レコードと違って生が一番心に響くわね」
「レコード?」
「あらいやだ。今の子はCDなのね」
「うん」
「CDは機械的な音で冷たい感じがあまり好きじゃないわね。まだレコードの方が温かみがあるわよ。でも、ジャズはやっぱり生演奏が一番ね。特に裕ちゃんのサックスは裕ちゃんそのものの音がするもの。彼女の音は熱いわね。惚れ惚れする。彼女のファンって結構いるのよ。」
「えっ?」
「ほら、ステージ右のテーブルの辺りがファンの塊り。あの辺がサックスを見るには特等席ね。ああやっぱりそこにいた。ちょっと失礼。私、あの子を呼びに来たのよ。うちの店のbP」
そう言うと優しい人は前列に行ってしまった。
- 690 名前:螺旋<ジャズカフェBN(後)> 投稿日:2004/07/02(金) 01:05
-
演奏中、彼女が何度かコッチを見た。
思わず顔がほころびたが彼女の視線はすぐに他へと移っていった。
ステージが終わっても彼女はやってこない。
ファンと思われし人たちに捕まって、抱きしめられたりキスをしたりされたりしている。
わたしはやっぱり単に客引きにあっただけなんだろうか。
そう思いながらもそこから離れることは出来なかった。
ボーっとしていたらさっきの人が前の席にいたちっちゃい人を連れて戻ってきた。
「ごめんなさいね。あなたを放っておいてステージも終わったしよかったらうちの店にこない?」
「いや・・・」
やさしいママさんの影から小人のようにひょっこり顔を出した
彼女の店のbPが明るい笑顔と元気な声で話を乗っ取る。
「おいでよ。オイラが楽しませてあげるから。あ、これオイラの名刺」
「・・・知・さん?」
「ぷっ(笑)どうしてそれがそう読めるかな?ヤグチだよヤグチ。ね、いこうよ」
「ここ・・・ホストクラブ?」
「そうよ。オナベバー。女の子の楽園。でも、あなたはここにいたそうね」
「えっそうなの?オイラまた振られちまった。今日は厄日だ。帰って寝よ」
「ちょっと矢口、これから仕事よ!わたしがあなたを呼びに来たのだから逃がさないわよ。さ、いくわよ」
「痛っ。圭ちゃん、ちょっとは優しくしてよ。可愛い子ちゃん、気が向いたら来てね。そして、オイラにご指名を」
そう言うとクラブママさんは矢口さんの首根っこを掴んで引きずるように出て行った。
男装をしている割にキンキンと響く矢口さんの声が耳に残る。
- 691 名前:螺旋<ジャズカフェBN(後)> 投稿日:2004/07/02(金) 01:06
-
午前0時。
もう何を考えていいか分からなくなって
カウンター向こうに並ぶお酒のラベルを頭の中でローマ字読みしていると
柔らかい香りと共に彼女が横に座った。
- 692 名前:螺旋<my room(中)> 投稿日:2004/07/08(木) 08:21
-
いつもの2回目のステージが始まって少しして
店の空気が変わったのが解った。
彼女が来たのだ。
もうずっと頭の中に存在していた彼女。
そちらの方を見なくても私は体全体で彼女の存在がわかる。
ステージ前のテーブル席ではなっちを口説いている矢口。
その矢口を迎えに来たのだろう筈の圭ママが彼女と一緒にいる。
圭ママは元来の面倒見の善さ放っておけないのだろう
初めてココに来た客がみせる態度を忠実にとっている彼女の世話をやいていた。
半分諦めかけていた。
でも、来てくれた。
ドキドキしながらステージをこなし
彼女のそばに行ったときはもう24時を回っていた。
トロンとした表情がいつもより幼く見える。
彼女の反応を気にしながらそっと可愛い耳に話し掛ける。
「今日、一緒に帰えろ?」
一瞬、驚いたように目を見開いたが
すぐに細められ子供のような笑顔をくれた。
言葉は無かったが確かに心が通じ合えている感覚。
腕をギュッと抱きかかえられながら
ふたりしてタクシーに乗り込んで私のアパートへ帰った。
- 693 名前:螺旋<my room(中)> 投稿日:2004/07/08(木) 08:24
-
必要な物の他何も無い1DKの部屋。
「片付いてるんだね」
「寝るだけの部屋やからね」
帰ってから片付けをするのが嫌でどんなときでも出かける前に掃除する。
だから急な来客も気にすることはないけれどどんなに狭くても自分ひとりの空間を持っていたくてココに誰かを上げたことはない。
狭い部屋を好奇の目で見渡している彼女。
やっと一通り満足したらしく私と目を合わせてくれる。
遠慮がちに唇を合わせると首に腕を回されガッシリと抱え込まれた。
一緒にベッドに傾れ込みながら
何か言いたそうな口元に再び吸い付いた。
二人は一晩ぴったりとくっ付いて離れなかった。
- 694 名前:螺旋<my room(中)> 投稿日:2004/07/08(木) 08:27
-
朝、タイマーセットされたラジオから聞こえる曲『朝の挨拶』で目覚めた。
隣では幸せそうに寝ている彼女。
自分の胸の中に暖かいものが流れ込んでくる。
なんや、自分じゃ気がつかんかったけど私の生活って殺伐としてたんやなぁ、と思った。
それが潤される感じ。
クラッシックの曲が2・3曲流れる間、彼女の寝顔を見つめ続けた。
『ニュルンベルクのマイスタージンガー』が掛かっているときに彼女が
「この曲…ドラクエのテーマに出だしが似てる」と目を覚ました。
「ドラクエ?」
「ドラゴンクエスト」
「それ何ん?」
「ぇえー!ドラクエ知らないの?」
「うん」
「RPG!ゲームだよ!超ー流行ったんだから」
「RPG??テレビゲームか?」
「ロールプレイングゲーム。ストリー仕立てのテレビゲームのことだよ。ゲームしないの?」
「まあな。あ、最近はパソコンに入ってるヤツはやるよ」
「ふぅ〜ん。ドラクエのテーマね後藤、小学校で鍵盤ハーモニカで合奏したんだ」
「鍵盤ハーモニカ?」
「鍵盤ハーモニカも知らない?」
「何やの!」
「30cm位の大きさの鍵盤に息を吹き込んで演奏するヤツ」
「ああ、ピアニカか!」
「裕ちゃん、姉ちゃんと同じ反応する…年いくつ?」
「な・何、女性に歳聞いてるん、そういうごっちんはいくつなんや」
「18だよ」
「う…一回りも違う…」
正直、一回りも歳が違うなんて思わなかった。
クラブMで女王然としている姿は十分大人の女性だったし
昨日の艶かしい体は完成された女性だった。
歳の差をネタにからかわれながら
笑いながらパンとコーヒーだけの朝食をとった。
しかし、この歳の差はずっと私の中の大きな不安として膨らんでいった。
- 695 名前:螺旋<車中(後)> 投稿日:2004/07/15(木) 00:58
-
久しぶりにきたクラブ「M」。
同世代の会話は楽しいはずなのに言葉が上滑っていく。
たくさんの仲間に囲まれてても孤独感を感じクラブを出た。
行く当ても考えずタクシーに乗り込んで考えるのは彼女のこと。
いつも何か言いたげな微笑みに
わたしが「何?」と聞こうとすると
タイミングをはずすように
彼女はいつも「ごっちゃん可愛い」と誤魔化す。
何が言いたいのか大体想像がつく。
「いつまでそんな生活続けてるんや」とか
「人間働いてなんぼやで」とか…
「何か一つでもちゃんと打ち込めるもん見っけや」とか…
でも、結局それって自分が気にしていることだったりする。
- 696 名前:螺旋<車中(後)> 投稿日:2004/07/15(木) 00:59
-
このままの生活が良くないことなんて分かってる。
彼女に出会うまで持っていた世界観が少しずつ崩壊してる。
いろんなことに意味付けするなんてナンセンス。
在るものはそこに在るだけ。
成るものがそう成っただけ。
成り行き任せの生き方。
友達?面白いヤツ便利なヤツがいればいい。
恋人?楽しければ一緒にいるし、つまならければ離れるだけ。
セックス?キモチイイからするだけ。愛情とか言ってるヤツはキモイ。
ただ今が楽しければいい…
そう思っていたはずなのに
人から貰ったお金で綺麗に着飾って
周りにチヤホヤされて
結局自分の力で輝いてる分けじゃない。
- 697 名前:螺旋<車中(後)> 投稿日:2004/07/15(木) 01:00
-
彼女の働く店に何度も通った。
ステージ上の彼女も
生活費のためにしている店の片付けのバイト姿さえも輝いてみえた。
掃除のバイトなんてしなくても魅力的な彼女のことだからパトロン候補はたくさんいるだろうに。
ステージの後に一度聞いたことがある。
「今日の演奏はどうやった?」
「うん、よかったよ。裕ちゃんだったらスポンサーがいっぱいつきそうだね」
「そんなことないで」
一呼吸おいて真面目な顔をして照れくさそうに言う。
「私は弱いから一旦、誰かに援助してもらったらそこで安住してしまいそうや。エンタティメンは弱肉強食の世界やから自分自身が強気で居らなあかんの」
彼女の弱肉強食の生き方は
対人があるわけではなくて対自分に対してである。
そんな生き方が小さな肩幅で華奢な体を何倍にも大きく見せている。
今のわたしはこれでちゃんと生きてるといえるのだろうか。
- 698 名前:螺旋<戸内(中)> 投稿日:2004/07/15(木) 01:02
-
部屋に帰って狭い部屋を見渡す。
彼女と出会って僅かの期間に変わっていった部屋。
ロックな装飾が好みの彼女。
壁には一緒に選んだ海賊の旗のような絵がついた黒いTシャツが掛かっている。
枕元に並んだ目覚まし時計の横に彼女が私の鍵につけた骸骨のキーホルダーを置いた。
床に座りながらピアスを外す。
過って左耳のピアスをベッドの下に転がしてしまった。
ピアスを拾おうとベッドの下を覗き込んだ。
落ちたピアスの傍にあった釣りゲームに目が行く。
- 699 名前:螺旋<戸内(中)> 投稿日:2004/07/15(木) 01:02
-
いつやったか二人で海に行きたいって話になった。
「海?」
「そうや、ええやろ?」
「泳ぐの好きなの?」
「海って言って泳ぐことしか考えんの?子供やね〜」
「うっ…どうせ、子供だよ…」
「ごめん、ごめんって。私、泳げんから海は見てるだけ」
「泳げないなんて、裕ちゃんの方こそ子供だね〜」
「べつにええやん」
「いいよ。でも、海見てるだけで楽しい?」
「楽しいで」
「………そうだ、釣りしようよ!」
「釣り?」
「うん、面白いよ!!」
釣りもしたことがないと言う私に「練習しようよ」と持ってきたのがコレ。
大笑いしながら真剣にふたりで対戦ゲームをした。
彼女の笑顔が目に浮かぶ。
- 700 名前:螺旋<戸内(中)> 投稿日:2004/07/15(木) 01:04
-
いい大人が一回りも年の違う少女にこんなにものめり込んでいいのか。
頭を目が回るくらい振って浮かんだ画像を消そうとしてみた。
しっかりしようと洗面所に顔を洗いに行く。
コンタクトを外して顔を洗い化粧水をつける。
化粧水の横にはイソフラボンの錠剤。
生理前に頭痛や肩こりが酷いと話した翌日に彼女が持ってきてくれた。
「お姉ちゃんもね生理前コレ飲んでた。イソフラボンって女性ホルモンの代用になるんだって」
子供のようででも実はとてもしっかりしている彼女。
- 701 名前:螺旋<戸内(中)> 投稿日:2004/07/15(木) 01:05
-
私の部屋のどこを見ても彼女が感じられる。
こんな日は寝付けそうにないから寝るのを諦めた。
読みかけの本を取りヘッドホーンをしてベッドに寝そべる。
枕から彼女の残り香がする。
無理やり本に集中しようとするけれど考えるのは彼女のことばかり。
空が白みかけた頃、玄関ブザーがなったような気がした。
こんな時間に来るのは彼女しかいない。
私は慌てて起き上がり玄関のドアを開けた。
「ごっちん?!」
- 702 名前:螺旋<戸内(中)> 投稿日:2004/07/15(木) 01:06
-
彼女は質素なTシャツにGパンGジャン姿でそこにいた。
何故か目頭が熱くなってくる。
「裕ちゃん、東京でいきなりドア開けたら無用心だよ。裕ちゃんの田舎じゃないんだから」
「私ん実家のほうでも今はドアチェーンやりよるよ。今はたまたまや、なんかごっちんが来たような気がしたから」
彼女とは思えない高いテンションで喋ってくる。
「ん?ごっちん、呑んでるんか?!」
「飲んでるよ。これ、お土産」
彼女が差し出したコンビニ袋には私の気に入り銘柄のビール。
彼女の体がバランス悪くふらつくいている。
「こんなに酔ってからに…どないしたんや…」
彼女の様子をじっと見る。
私の反応にびくびくしながら不安げに立っている彼女。
彼女は全てを捨てて来たのだと直感した。
「部屋、出て来たんか?」
彼女は幼子のようにこくりとうなずく。
「『パパ』さんみたいにいろいろ買ってあげられへんよ」
再び彼女は何も言わずにこくんとする。
「いつか飽きてしまうかもしれへんで」
彼女は唇を噛み締めてうなずく。
私は自然と顔が緩んでいくのが自分でもわかった。
「もう、こんなに酔うまでのんでからに。どうやってここまで来たか覚えてるん?」
そう言いながら彼女を腕の中に抱きしめた。
- 703 名前:螺旋<戸内(中)> 投稿日:2004/07/15(木) 01:07
-
人生は螺旋に延びる蔓のような物。
私の蔓は彼女にしっかり絡んで解けそうにない。
このまま行けるとこまで絡んでいこう。
外は朝焼けで黄金に輝きやがて極彩色に彩られていった。
了。
- 704 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/07/15(木) 23:12
- ごまゆういいですね、螺旋かなり好きです。
シリアスなのに、所々に小ネタが散りばめられていて面白かったです。
こんなカフェがあるなら是非行ってみたいw
- 705 名前:生存報告 投稿日:2004/08/06(金) 01:24
- >>704さま
この手の話は自分には駄目かなと思っていたのでレスもらえて嬉しいです。
管理人様
最近、遅筆になってますが
まだ駄文を書き続けるつもりですので倉庫送りはご容赦ください。
- 706 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:16
-
フッフッ…
何処ともなく不気味な含み笑いが聞こえるやんか。
ジャ〜ン
誰に見せてるんや、免許証を掲げている怪しい影。
「そう、私、念願の免許を取りました!」
免許証の指名手配犯のような写真は…保田圭。
♪♪〜
メール着信を知らせる音。
相手は、車を買ったことを何処からか聞きつけ可愛いアイツ。
圭ちゃん、車買ったんだって?
いいなぁ〜
どっか連れてってよ
今度の休みオイラとドライブいこうよ
そんなん読んでも受信者は
そんなこと言われても
最初に乗せるのはあの子って決めてるの!
と思いっきり顔をしかめている。
- 707 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:17
-
どうやら彼女はこれからお出かけのよう。
「免許証の写真は可愛いし
素敵な赤い車も買ったし
完全保障の保険には入ったし
絶対安心のロードサービスにも登録したし
今日の私は最高に可愛いし
なんてったって最新ナビがついてるから何処へでもいけちゃうわ♪」
まるで若い娘のようやん、異常なはしゃぎ様である。
彼女は車に乗り込みナビに行き先を入力しようとしている。
「あっいけない。エンジン駆けないとナビに電力取られすぎちゃってバッテリー上がるんだっけ?」
最新カーナビのくせにそんなに電気食うんかいと思ってる方、
それはやっぱり最新機能の所為だったりするのでここは静観していてほしい。
- 708 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:18
-
「設定は…車屋さんがあるしてくれてるからOKっと。では、行き先は地図から入力?」
大抵の女性は地図を読むのが苦手であるが…
「うぅぅぅ…わかんない!」
やっぱりそうだった。
だからナビに頼るんやけど地図同様女性は機械イジリも苦手やったりするんよな…
アタシ?
アタシは地図得意やで、地図ドライブが趣味やから。
機械関係もな…自分のこと自分でせんと気がすまんから。
でも…圭坊、行き先設定に時間掛かりすぎやで
付き合いきれんて。
ふぁあ…眠くなってきたわ…暫く、寝たろ。zzzzz
「ぁあ!電話番号でもいいんじゃん!ええっと090の…」
「あれ?あっそうか携帯のは駄目なのか…じゃ、住所からっと」
- 709 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:21
-
「やっと、設定が終わった!では、出発と」
「zzzzzzzz」
「どっち行けばいいんだっけ?」
「zzzzzzzz」
「????」
「zzzzzzzz」
「音声ナビ設定してあったわよね????」
「zzzzzzzz」
ブルルルン、ブルルルン、ガックン、プシュ〜…
「何や!折角、心地よう寝とったのに〈怒〉」
「裕ちゃん?」
「ちゃう、ナビやナビ」
「でも、裕ちゃんの声…」
「ああ、もうめんどい!裕ちゃんでも何でも好きなように呼んだらええ!」
ガガ、ガガガ、ブルルルン、ガックン、プシュ〜…
なんや、動揺しとるんか?
「オートマやのになんでエンストするん?」
「えっ?ぇえ!!何で裕ちゃんが助手席に?!!」
「ちっとは落ち着きぃ。ホログラムやホログラム」
「助、助手席はあの子だけ乗せるつもりだったのに…」
「ん?何、乙女チックなこといってるんや。圭坊のくせに」
「私だってイタイケな乙女なのよ(泣)」
泣きなや…
分かってるって
大好きな人を隣に乗せのドライブデートがどんなに楽しいかってくらい。
でも、ホンマに大事な人やったら助手席に乗せたらアカンと思うけど…
事故の時の死亡率が高い席1やんか助手席なんて。
「分ってるって。ただのホログラムや、助手席に座ってるわけやない。この姿も運転席からしか見へんし」
「他からは見えない?」
「安心した?でも結構優れモンなんやで」
「何処が?」
「ぶっさいくなヤツが助手席に座っても運転席からはこの姿に見えんねん」
「それって好きな人乗せてても運転席からは裕ちゃんの姿に見えるってこと?」
「そうや。ええやろ?」
「よくな〜い!!」
「やっぱ、そうか。ほな、あとでホログラム解除したらええ」
しぶしぶ納得したようでやっとドライブ再開。
- 710 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:22
-
アタシも真面目にナビしていたら道が混み始めた。
「渋滞ハマっちゃったね」
これこそアタシの出番っちゅーもんで。
「抜道しようか?」
と提案してみる。
「次の信号を右に」
彼女は右ウィンカーを点滅させてハンドルを右にきる。
「ガソリンスタンドのある交差点、右から2本目の道を斜め直進」
ハンドルを若干右にきり直進する。
「たばこ屋のある交差点を左折…」
左ウィンカーを点滅させてハンドルを左にきろうとする。
「左折、左折!みぎ!右や!!」
彼女は慌ててそのまま直進してしまった。
- 711 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:23
-
「裕ちゃん!左折は左に曲がること!!いったいどっちに行けばいいのよ」
あ!そうやった。
左折は左、右折が右やったなぁ…
でも、素直に謝るんは癪やしアタシらしくないやん。
「圭坊、知ってるかぁ?女性の脳幹は太いから右脳と左脳の情報が行き来しやすくて右と左をよく間違えるんやて」
「……はぁ、いいわけするとこまで裕ちゃんじゃん…」
そんな感じで右に曲がったり左に曲がったりしてたら…
「裕ちゃん、次どっち?」
「…………………………」
「裕ちゃん?」
「………………………」
「裕ちゃん、ひょっとして迷った?」
「いや、だって、ほら右行ったり左行ったりでね…」
「迷ったね?」
「ぅぅぅう…はい」
「はぁ〜…ナビのくせに」
「いや、アタシだって分かるとこはある!」
「あ!もしかしてアイツのとこ?」
「そや!アタシの矢口探知機は凄いで」
「じゃあ、行ってみて」
- 712 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:25
-
アタシが本領発揮したらアッと言う間に目的地に到着した。
「圭ちゃん!」
とびっきりの笑顔、可愛ぇなぁ…
「やぁ…」
「矢口を迎えに来てくれたんだv」
圭坊にそんな愛想よくせんでええのに…
「そういうわけじゃないんだけど…」
「なにブツクサ言うてんのや。目的地にちゃんとついたやろ?」
「えっ?裕ちゃんの声がする???」
「やぐちぃvv何処に行きたい?」
驚いた表情も可愛い矢口。
「そんなとこ居らんと後ろに乗りぃ。で、何処いきたい?」
後ろに乗り込みながら「海」と答える矢口。
やっぱアタシと行きたいとこ一緒やなんて思いながら
圭坊に運転させて矢口の行きたいとこにドライブして回った。
- 713 名前:若葉の季節 投稿日:2004/08/27(金) 03:26
-
【りこーる商品】
最新人工知能付カーナビ裕子をご愛用の皆様方には大変ご迷惑をおかけいたしましたことを、心よりお詫び申し上げます。該当商品は上記のような暴走行為に及ぶ恐れがあります。ご愛用のお客様には、販売会社からダイレクトメールまたは電話連絡等でご案内させていただきますので、お手数をお掛けいたしますが、お客様のご都合の良い日時をお知らせいただき、修理(無料)をお受け頂きますようお願い申し上げます。
ご迷惑とご心配をお掛けしたことを心からお詫び申し上げます。
了。
- 714 名前:つかさ 投稿日:2004/08/27(金) 23:44
- 思わず爆笑。
こんなカーナビあったら絶対買います。
ナビの指示通り走るかは激しく疑問だけど(・・・・何のためのカーナビなんだ w)
- 715 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/29(日) 23:00
- カーナビ裕子欲しいー!
- 716 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/10/08(金) 22:13
- >>714 つかさ様
いつも有り難うございます。
>>715 名無飼育さん 様
レスありがとうございます
自分がこんなの欲しいな話に共感していただけると
「おっ同士発見」なんて勝手に思ってしまいます。
気が付いたら9月は全く更新してなかった。
反省です。
今日も保全代わりの駄文です。
適当にスルーしてください。
- 717 名前:スランプです。スルーして 投稿日:2004/10/08(金) 22:14
-
ある会社での日常のひとコマ。
「矢真剣!!!」
「えっ??」
「おまえ、またやったな〈怒〉」
「はい?」
二人の前にはお客様コールセンターから上がってきた苦情書類の山が。
「Aの時は栄養投与回数ミス、Wは甘味量をポンド計算、Yは放置による細胞増殖、Oはかぼちゃ…」
「課長!お言葉ですがOは担当外です」
「〈怒〉そんなことはどうでもいい!!Nに関してはまただぞ!!」
「えっNですか?Nは大したことないじゃないですか!!」
「大したことなくてこんなに書類が上がってくるか!!始末書だ始末書!!」
言いたいこと言うと課長はしっしっと矢真剣を追い払う。
矢真剣は「Nなんてしょっちゅうモデルチェンジして重量の増減が激しいし
それに今回だってもう戻り始めてるし何も問題ないじゃんか。だいたい、日本の基準が変なんじゃん。世界的に見てガリガリやロリロリなんてウリにならないのに。」なんてブツブツ言いながらも始末書作成に取り掛かった。
- 718 名前:スランプです。スルーして 投稿日:2004/10/08(金) 22:15
-
【始末書】
《責任者》
所属部署:製作部重量管理係
社員名:矢真剣 伊豆実
《事故内容》
(発生日時) 平成16年夏
(概要) 設定重量枠越
(原因)
平成16年度初夏から異常気象による気温の上昇により商品の消耗が懸念された。
その対策として品質保持に有効な特殊液体「Bル」が使用される。
特殊液体「Bル」は酷暑対策としては一定の効果を上げることが某研究機関の報告で実証済みである。
今回も夏季中のスタミナ源として十分な効果を示し、夏季業績も目標に達することができた。
しかしながら素材がある特殊液体「Bル」に過剰に反応し、特殊液体「Bル」の副作用である過剰摂取による膨張現象を考慮しなかったことは大いに反省するところであります。
《対策》
特殊液体「Bル」の摂取度による素材の膨張度を早急に検証し
特殊液体「Bル」の投与を徹底管理する。
また、今後の諸々のストレスに対抗する手段として特殊液体「Bル」の代替となる物質の研究および
過去消費者苦情により廃案になった「生け麺」の採用も再検討を申請する方針です。
了。
- 719 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/02(火) 23:13
-
安倍、お疲れさん。
ソロツアーのことやけど俺からちょっとご祝儀や
スタッフ打ち合わせ楽しみにしておれや
こんなメール貰って
直感でぴーーんときたべさ!
つんく♂さん!ありがとうございます!!
これから安倍なつみ全力でつんく♂さんの期待に応えるよう頑張ります!!
そして
ソロツアーの企画会議兼スタッフの初顔合わせの日。
逸る気持ちを抑えながら事務所への道を急ぐ。
途中、キャッチセールスかアンケートか知らないけど何度も
「ねぇ」とか
「ちょっと」とか
「(アン)ケー(ト)」がどうとか声を掛けられたけれど
今はそれどころじゃなくて走って逃げ出した。
足がもつれそうになりながらも
やっと会議室のドアの前に到着しドキドキしながらドアの前に立つ。
- 720 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/02(火) 23:14
-
ドアの向こうにはもうすでに人の気配。
そーーっと覗くようにドアを開けると
やっぱりvvvv
「裕ちゃ〜〜んvvv」
「よっ」にこっ
と可愛くなっちに笑いかける裕ちゃん
ィイ!!最高!
「なっちのゲストに呼ばれたんや。一緒に頑張ろうな」
うれしいうれしいうれしい!!
そう!
思ったとおりなっちの大好きな人がそこにいた。
- 721 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/02(火) 23:15
-
最近ずっと矢口に押されぎみだったけど
ほら、遠距離恋愛は出来ないって裕ちゃんいつも言ってるべさ
『いつも傍にいる』
それって結構大事っしょ?
だからねずっと一緒にいられる
このツアーに
全力投球をして
つんく♂さんの期待に応えて
裕ちゃんを完全になっちのモノにします!!!
- 722 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/02(火) 23:17
-
裕ちゃんに抱きついたまま
背中に回した手でガッツポーズを決めているとドアが
ガチャ
っとあいた。
「なっちぃぃ…ちょっと、酷いんでないかい」
「えっ?」
「裕ちゃん、なっち、おはよう」
「圭ちゃん?」
「おはようさん、圭ちゃんどないしたん?」
「あのね、さっき近くの交差点でなっち、見かけて声かけたのに思いっきり無視されて」
「えっ、先刻の圭ちゃんだったの?」
「そうだよ、街中で『なっち』って言ったら悪いと思って「ねぇ」とか「ちょっと」とか「私、圭よ」って気い遣ったのに…」
「ごめ〜ん」
「もう、いいよ」
「でもどうして圭ちゃんがここにいるべさ」
「あ!それこそ酷いなぁ…私、今回のツアーのゲストよ」
「ん、そや。なんか矢口がつんく♂さんに圭坊のことめっちゃ宣伝しとったで」
「そうなのよ。何故か矢口が『圭ちゃんは昔からなっちのファンだから初ツアーは絶対、力になるはずだから』って推挙してくれたのよ。同期ってありがたいわね。なっち、私も頑張るからツアー成功させましょうね」
「そや、圭坊と裕ちゃんがついてるんや、大船に乗った気分でド〜ンといこうな」
「あ、ありがとう…」
その後、微妙な雰囲気でツアーの初回打ち合わせが行われた。
矢口…なっちの作戦に気が付いたんだべ?
娘。のツアーで身動きとれないはずと思ってたら圭ちゃんを送り込んでくるとは…
結構侮れないじゃない?
なんて思いながらも安倍は
ソロ初ツアーに燃えているのだった。
To be continued
- 723 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/10(水) 21:55
-
DVDパンフ…
別にねいいんだけどね…
なっち、ちょっとアカラサマでないかい?
確かに
今回、私はお邪魔虫ですよ。
矢口が山ほどの漫画を持ってきたとき断っておけばよかったかな…
漫画に目がくらんだというか
いままで漫画免疫がなくて只今中毒中のとこを付け込まれたというか
『圭ちゃん、この漫画面白いから読んでごらんよ』
『えっ、いいの?こんなに沢山?!』
『そのかわり…なっちのコンサートよろしくねv』
『なんで矢口がなっちの心配すんのよ?』
矢口がやけに熱心になっちの応援をするのよね。
ふたりが仲がいいのは知っているけど
それは表向きってことで実際は…ねぇ
と思っていたらやっぱりあの人が絡んでた。
『だって…なっちの助っ人、裕子にオファーがきてるんだもん』
『はぁ?』
あの人どこまで面倒見がいいというか過保護というか
そういえば紗耶香が復帰一発目めの仕事も絡んで応援したし
ごっちんの卒業後のソロ最初のコンサートはFS3だっけ
誰にでも優しいとほんとに優しくしたいのが誰なのか分からないじゃない。
あの人自分じゃ好きな人には自分にだけ優しくて
他では怖く見える人がいいって言ってる割に罪作りなことしてんのよね。
矢口が私に懸命に機嫌をとってるのが健気で可愛く見える。
『つんく♂さんに圭ちゃんのゲスト出演、頼んどいたからさぁ』
『アンタねぇ…』
『だから、これでネ?お願い』
極力、裕ちゃんの名前を控えて喋っている矢口が
私に頼みたいのは「なっちのことよろしくね」じゃなくて
本当は裕ちゃんのことね。
まあねぇ、同期ってこともあるし
矢口の恋ごころ分からないじゃないし
結局、引き受けちゃったのよね。
- 724 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/10(水) 21:58
-
でも…
このパンフ、矢口が見たら
「圭ちゃん、なにやってたのさ!!」って、
怒るだろうなぁ…
出来上がったDVDパンフは
まるで私が添え物であるかのように端っこに置かれ
なっちの熱い視線は常に裕ちゃんに向かっている。
お絵描き企画…
たぶん、なっちが考えたんだろうなぁ
絵は描く人の心が表れるという。
モデルに対する気持ちがマル判り。
なっちが私を描いて
私が裕ちゃんを描く
そして肝心の裕ちゃんはなっちを…
裕ちゃんの気持ちを確かめるだけの企画に
絵が苦手な私を巻き込まなくてもいいじゃん!
そしてまた裕ちゃんが
『愛をかんじるよね』とか
『かわいいっていったじゃん』とか
『私の中ではなっちって笑顔ってイメージがあるでしょ』とか
『私が一番愛を感じるよね』とか
サービストークするからなっちの嬉しそうな顔ったらなかった。
出来上がった裕ちゃんの絵も実際可愛い仕上がりで
裕ちゃんがなっちのこと本当に可愛く思ってるんだって分かるから
私にとってはまた厄介なことになりそうで怖い。
そうだ
矢口にはこのパンフはなかったことにしておこうその方が双方の幸せってことで。
そんな保田の配慮も空しく
既になっちから挑戦状のように送られてきた試作DVDを見て
「なっち…やってくれるじゃんか…このままでは終わらないからね」と
沸々と闘志に燃える矢口真里であった。
To be continued
- 725 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/20(土) 04:18
-
コンサート会場の楽屋前に張られた名前の紙。
安倍なつみ 様
中澤裕子 様
保田 圭 様
いいよねぇ〜
今まで「モーニング娘。」って一括りにされてたり
名前の後ろに「(モーニング娘。)」ってついてたりしたものね
だけど何でなっちだけ別なんだべさ
裕ちゃんとずっと一緒にって思ってたのに
なんかねぇ
なんだろね
あ、でもこうやって圭ちゃんの名前隠すと
なっちと裕ちゃんの結婚式の控え室みたいだべさv
もちろん、なっちが花嫁さんで裕ちゃんがお婿さん
うんうん
そーだよね
ずっと、裕ちゃんとなっちの関係って何かなって考えてたべさ
同期っで先に卒業していった彩っぺや福ちゃんとも違うし、
長い間一緒にやってきた圭織ともなっちの想いが違うっしょ?
今ね
解ったよ
なっちと裕ちゃんは夫婦だべさ!
裕ちゃんはなっちの旦那様!
そういえば最初、おとうさんが「娘をよろしくお願いします」なんて挨拶して
その時はまるで裕ちゃんのとこにお嫁に行くみたいだべさって
ちょっと焦ったけど
今思えば、おとうさんにはちゃんとなっちのこと見えてたってことだったんだべさ
うんうん、そうだべ、そうだべ
そりゃね、長い付き合い
新婚ラブラブ気分の時もあったし
3年目の浮気?みたいなのもあったし
けど、このライブツアーが始まって倦怠期を乗り越えた夫婦って感じで
裕ちゃんの愛を再確認しちゃったよ
- 726 名前:紫は貴女色… 投稿日:2004/11/20(土) 04:19
-
今回のなっちのコンサートは、裕ちゃんにとって結構激しすぎるセットリスト
それでも息を切らして汗を飛ばして頑張ってくれるのは
内助の功ってやつだべ?
そんな健気な旦那様にお礼をしなくてはね?
誕生日、楽しみにしててねv
そうそう、誕生日といえば
今回スケジュールをくんでくださったスタッフ様ありがとう!
今年は裕ちゃんの誕生日にずっと一緒にいられるなんて嬉しすぎるべさ
♪♪〜
そんなことを考えながら準備をしていたところにメールの着信音
なっち、頑張ってるかい?
今度、中野だね
圭織と行くからね
裕ちゃんによろしくね
矢口からのメール…
「いつでもどこでも矢口が見てるからね。裕ちゃんに変なことしちゃダメだよ」って
密かな牽制が感じられる。
裕ちゃんにとってなっちは奥さんでしょ?
じゃ、矢口と裕ちゃんはどうだろう?
裕ちゃんの矢口の可愛がりは
愛犬の花ちゃんやタローちゃんといっしょってことは…
ペット?
そんなわけないか
あの溺愛っぷりは可愛いい娘持つ父親にそっくり
親バカそのものだべさ!
うんうん
矢口と裕ちゃんは父子だべさ!
ということは
なっちと矢口も母子?
そっか、仲良し母子だね
でも、矢口のファザコンっぷりは害があるかな
「そういえば、お父さんとお母さんが仲がいい子はグレないって何かの本に書いてあったべさ。
ここはひとつ
裕ちゃんとなっちのラブラブぶりを見せつけて矢口に親離れをさせるべさ」
途中から声に出して話しているなっちは怪しい人になっていた。
一緒にストレッチをやろうと呼びにきた保田はその様子を見て深くため息をつくのだった。
To be continued
- 727 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/11/23(火) 20:42
- 圭ちゃん苦労人だな〜w
- 728 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/12/15(水) 00:28
- 作者さんが書くほのぼのなtsunagiが好きです。
更新待ってます。
- 729 名前:レスありがとうございます 投稿日:2004/12/17(金) 00:18
- レスありがとうございます。
実は、パソコンが逝ってしまいました。PCを何とかするまで2・3ヶ月ご容赦ください。
宜しくお願いします。
- 730 名前:紫は貴女色… 投稿日:2005/01/26(水) 17:28
-
なっちのソロ初コンサート、無事に千秋楽。
公演後、私に抱きて挨拶したあと裕ちゃんに抱きついて泣き始めたなっち。
裕ちゃんの耳元で何か言ってた。口の動きでなんとなく解った。
「ずっと裕ちゃんと一緒に居たかったのに、終わっちゃったよぅ」って。
裕ちゃんはなっちの背中をポンポンと叩いてあやしているた。
二人の間にはやっぱり見えないけど絶対切れない絆があるんだなって思ってちょっと妬けちゃった。
こんなこと矢口には報告できないからしてないけどね。
あ〜ほんと、大きな修羅場も無く済んでよかった。
毎晩のように掛かってくる矢口の電話からもこれでやっと開放だわ。
ずっと一緒にいる方が有利にことが運ぶから
矢口がそうとうなっちのこと気にするのも分かるけど
一緒に公演まわってると
なっちが裕ちゃんといることで気持ちが安定して
とってもいいステージが出来るの分かるし
何てたって
抜群に可愛くなるのよね。心からの笑顔ってのかしら。
そうそう
思わず「カワイイ…」って言ったら裕ちゃんと声かぶってて
二人して「私らどこまでなっち好き」みたいなこと言い合ったりしてね。
そんななっちを間近で見てるからねぇ…
ほんと、矢口となっちの板ばさみで困るのよね。
そんなことを考えながらお風呂から出てきたら丁度、なっちと矢口の「二人ごと」。
ああ、暑いのに温泉か…
ま、足湯だけだからね…って!
チョット!!
アンタたち!何やってるの!!
浴衣姿だけでもエロいのに、そんな裾をたくし上げて!!
エロおやじ達を喜ばせるだけじゃない!!
そんな時にメールの着信音。
圭坊、テレビで「二人ごと」すぐ見て
ちっこいのがふたり
超エロかわいいv
なんてことを言ってくるんだ裕ちゃんは。
!
ああ、そっか
あの二人、裕ちゃんに大サービスなのね。
夜のおかずってやつ?
って裕ちゃんそこまでオヤジじゃないから。
- 731 名前:紫は貴女色… 投稿日:2005/01/26(水) 17:29
-
裕ちゃん、「自分が一番」とか言いながら
ホントはハロプロ大好きだからみんなの番組よく観てるのよね。
私の出た番組もよくチェックしてて感想くれたりするモンね。
きっと他の人には
ほのぼのと仲のいいふたりが和気藹々とトークするように観える番組。
二人の気持ちを知ってる私には
トークのやり取りの一つ一つが計算し尽くされた牽制に見える。
あ、矢口なんてことを。
「なっちの入ったお湯なら飲める」って、
そんななっちの様子見の発言だろうけど
それ裕ちゃん誤解するよ?
あっ
なっち、「してやったり」って笑顔が怖い…
その言葉を引き出したなっちの方がディベートが上ってことね。
何でも無い言葉の裏に意味するもの。
それを知っている者には凄い激しい言葉の応酬に息をもつけぬ攻防が見て取れる。
大奥の女たちのように笑顔の下に隠された真実。
自分で考えて背筋が寒くなっちゃった。
でも私の「二人ごと」が裕ちゃんと二人っきりじゃなくてよかった。
矢口となっちから吊るしあげになるモンね。
裕ちゃんと圭織と三人楽しかったな…。
けど参ったな
撮影の後、矢口から早速電話が来て
収録の裕ちゃんの様子とか
撮影のときにプライベートで裕ちゃんと一緒に焼肉いく約束したことも喋らされて
矢口に言ったらなにソレ!って怒られたけど
結局それに矢口を呼ぶことで決着がついたんだけど。
あ、またムカツクこと思い出しちゃった。
そんときジャン、「待ち合わせには遅れてきてね。裕子を夜景を楽しむんだから」
なんて言いやがって全面協力してるこのお圭さんになんてことを言うんだホントに。
実際は遅れていって正解だったな
その後の裕ちゃんが機嫌がよかったし楽しい食事会ができたし…
ただなっちに声掛けなかったんだよね
後でバレると怖いことになりそう。
もちろんこの事は何にも考えてない裕ちゃんの口からラジオで語られたり
計算ずくの矢口がコメントしたりし、
なっちの知ることなりそのうえ運悪く「三人ごと」の放映こともあり、なっちの矛先が保田圭に向うこととなる。そんなこととは露とも知ず平和な日々を過ごす保田圭だった。
To be concluded
- 732 名前:紫は貴女色… 投稿日:2005/02/01(火) 19:08
-
ひょっとして圭ちゃんも裕ちゃんが好き?
だから食事会にも呼ばれなかったの?
あんなにずっと三人で公演回ったのに…
三人ごと…
圭織が裕ちゃんの側では妹モードになって可愛くなるのは知ってべさ
けど、圭ちゃんまで甘えたムードだった…
ってことはいままで矢口ばかり気にしてたけど
実は圭ちゃんが一番要注意だったってこと?
ぇえーー
この後の秋のツアーもずっと一緒っしょ!
どうするべさ?!!
とりあえず
パンフDVDは前回のように一緒にしないようにスケジュールして
あっ!
何か対決して裕ちゃんに手を出さないようにしてもらうっていうのもいいべさ
圭ちゃんと対決して勝てそうなのは
うーーん
スタッフさんたちに相談するべさ
で、あとはもちろん裕ちゃんとデートvv
ふたりとも忙しくて時間がとれないけど仕事絡めちゃえばOKだもんね。
デートといえば水族館。
だって、ほら水族館って薄暗いから自然とほら引っ付き易いじゃない?
で、手なんか繋いじゃったりするべさ
してさしてさ、水槽の幻想的な明かりが二人を照らすべさ…
気分が最高潮に盛り上がっていつしか二人の距離がなくなるべさ…
………
…
つい、トリップしてしまったべさ
そうそう、裕ちゃんとの撮影は後にしてもらって
仕事の後、ホントのデートをするべさ
夕暮れの淡い光の中で
色白の裕ちゃんの顔、綺麗だろうな…
そんな綿密な計画も空しいく
半年後に中澤裕子から保田圭に向かって「ものすごい今はね私の掛替えの無いパートナー」発言が飛び出すのだった。
Concluded
- 733 名前:紫は貴女色… 投稿日:2005/02/01(火) 19:09
-
主観的参考事項
紫。
日本では歴史的に高貴な色です。
聖徳太子が制定した冠位十二階(身分制度)では最高位の色になりました。
平安の時代でも貴族階級に紫色が使われてきました。
また、それとは別に昔から紫色には病を癒す効果があると信じられてきました。
よく時代劇などで「病気の殿様が頭に紫の鉢巻」というシーンがありますが
あれは「紫紺」と言う薬効成分のある植物で染めた紫色の鉢巻です。
他にも古代ローマでは紫貝の汁が消毒液として用いられていました。
現代では紫の光の波長がDNA損傷などの治療に一部効果があると言われています。
精神的には紫は交感神経の赤(気分を高揚させ興奮させる色)と
副交感神経の青(気分を落ち着かせ冷静にさせる色)を混ぜたもので癒しの色です。
つまり体調が悪かったりストレスが溜まってたり気持ちが不安定な人がより紫色を好む傾向があります。
結論を申しますと紫(中澤裕子)は、高貴、気高いと言うイメージを持っています。
そして、それを好む者(例えばなっちとか矢口とか…)は体調が悪かったりストレスが…
とにかく、裕ちゃんに癒しを求めて癒されてます。
了。
- 734 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/02/17(木) 23:54
-
かってしまった‥‥;。
や、だってあんなトコにあんなモノあるんが悪いんや!
誰だって経験があるはずや
例えばいたいけな小学生の頃学校の帰り道、
それはそれはかわいいひよこに
露天のおっちゃんの「大きくなったらいっぱい卵産むで」
なんてちょっとおいしいこと言われて
なけなしお小遣い叩いて買ったひよこはオスで絶対卵を産むことはなく
隣のおばちゃんには「ひよこなんて飼ってたら夜に蛇がくるよ」
なんて言われ結局は学校の飼育小屋に持っていくことなんて
みんながしてるはずや
いやだから何だってわけではないんやけど…
つまり、えーーと
露天にはそんな魔物が居るんやきっと!
それは
長く寒い雨の後の春の初めを思わせるようなよい天気、いい陽気に誘われて
仕事の空き時間、
コンビニにお買い物がてらお散歩に出た。
通学路を示すグリーンの道路。
車通りも少なくて歩き易い。
そんな路地の路肩が大きく広がったスペースに露天商。
売り物の前に子どもが2・3人しゃがみこんでいる。
手作りのノボリには「ハロプロエッグ」。
その文字はバッタモンですって言っているような明らかに怪しい商売。
幼児を遊ばすようなビニールプールの中には驚きのお人形が踊ってる。
かっ
かわいい〜〜
「ねえちゃん、ねえちゃん。凄いでしょ?最新のクローン技術とナノテクノロジーで出来たオモチャだよ」
と怪しげな露天商が訳の解らないことを言ってくる。
「なんやのそれ?」
「たまごっちとかやったことない?」
「あれか?こう小っこくてちまちま世話せなアカンかったヤツ」
「そう、それの実態版みたいな最新育成型ペットロボだよ。商品はこっちね」
見せられたのはエッグチョコのような卵が入った小さい箱。
「じゃ、こっちで踊ってるのは…」
「そう見本版。上手に育てるとこういったアイドルになるよ」
ちよっと心が迷ってる時にビニール脇のダンボールに書かれた文字が目にとまった。
『矢口有りマス。』
チ〜〜〜ン
中澤裕子、ハロプロエッグいっこ御買い上げ
となったのだった。
- 735 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/02/24(木) 00:06
- 新作の続きを楽しみにしています。
- 736 名前:レスありがとうございます 投稿日:2005/03/01(火) 23:19
- >>735 名無飼育さん様
レスありがとうございます。
短編のくせに更新が遅くて申し訳ない。
こうタイムラグがあると同じ話が脳内で3度ばかり違うパターン完結してしまう。
で実際文字お越しするとやっぱりたいした話ではなくなってしまうのです。
今回もそのパターン。。。
いい訳ついでに更新します。
- 737 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/03/01(火) 23:21
-
ウチの名は中澤花。
花も恥らう華麗な乙女や。
歳は…何女性に歳訊いとるんじゃ!ボケ〈怒〉
花姐さん、花姐さん。落ち着いてくらはい…
タロー!姐さんは止めいや!其の筋の人ちゃうやろ!!
だって、花姐さんは花姐さんれす…
もう、ええわ。
それに、ホンマにキレてた訳やないんやで。
ボスが「花の乙女に歳の事訊くヤツがいたらキレとけ」って言うからや。
えーーと、自己紹介の途中やった。
続き行きます。
家族は弟のタローとボスの裕子。
男性経験はもちろんボスを見習って処!やない
何言わす気や〈怒〉!!
花姐さん、花姐さん。誰もそんなこと訊いてないれすよ…
はあはあ
とんでもない事言わされるとこやった…
そや、今日は取って置きの話をしたろと思たんや
訊きたいか?
姐さん…誰に話してるんれすか?
そんなん決まってるやろ
ここ読んでくれてる皆さんにや
な、知りたいやろ?
それはな
いつものようにボスが夜遅うにご機嫌で帰ってきた日のことや。
「花タローただいまー!」
って、まるで辻加護のようにワンセット呼ばわり。
そんなことを言いたいんやなくて
どうもお酒も呑んでないよう。
それなのに上機嫌で抱きしめられたかと思うと
おもむろにかばんの中の得体の知れないものを見せられた。
- 738 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/03/01(火) 23:22
-
「花〜、これええもんなんやで?」
何もったいぶってんねん。
どうせファンから貰った新しい犬のオモチャやろ?
ウチのボスは親バカで困る。
どうやらアッチコッチでウチ等ことを自慢しまくってるらしい。
もう、ええから早よ新しいオモチャくれよ…
「かわええなぁ〜そんなに嬉しそうにアタシの周り回って。やっと懐いてくれたんやモンね」
なんの話や?それより早くソレ!
「明日っからまたちょっと一緒にいてあげられへんから今日も一緒にソファーで寝よか?」
はぁ?
懐いたってこの前のヤツか?!
アレはボスがめっちゃ酔っ払ってウチ等を毛布代わりに雁字搦めにして
タローとウチは諦めてそのままボスの胸で寝ただけやん!
やっぱポスには近寄らん方が身のためや
ちょっと遠巻きにしとこ。
「なにイジケてるん?コレの所為か?これはかわいいお人形になるねん」
え?ウチにお人形くれるの?
「あ、ごめんな。花ちゃんのやない。これ矢口に成るねん」
け!矢口!
矢口じゃしょうがねぇ
アレはボスの大好物だからな
花姐さん…
- 739 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/03/01(火) 23:24
-
ぼ、ぼくの名前は中澤タロー。
ぼくの家族はボスの裕子さんと花姐さん。
ぼくは頼もしいふたりの女性に囲まれた緊迫した空気の中で暮らしてます。
我が家はいつも上のような情景が普通れすが
文字だけ見てると一見ほのぼのとした一家団欒のやりとりも
実際、脇にいるとふたりの「弱肉強食」のオーラがでまくりで
ぼくは胸をドキドキさせて見ています。
ドキドキさせすぎると息が苦しくなってきます。
今もドキドキが続いて…意識が…
「タロー!」
ああ
タローまた風邪惹いたな?
オスってなんでこんなに熱に弱いんやろ?
こうして、
中澤裕子のギャラの殆どはタローの医療費に消えていくのだった。
- 740 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/03/20(日) 01:12
- ほのぼのしてこういう話好きです
- 741 名前:レスありがとうございます 投稿日:2005/04/07(木) 22:51
- >>740さま
ありがとうございます。
短編なのに進行が遅くてすいません
そしてまた少しの更新で申し訳なく・・・
でもそれも気が付かれないかも
- 742 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/04/07(木) 22:54
-
えーーと、
どれどれ…
ハロプロエッグの作り方
1.ハロプロエッグを箱ごと冷凍庫(−4℃以下)で12時間凍らせる。
2.12時間後、鍋に500ccの水を火にかけ沸騰させる。
3.鍋の水が沸騰したら箱からハロプロエッグを取り出し中袋(レトルトパウチ)の封を切らずに鍋に入れきっかり3分間温めます。
4.湯煎したハロプロエッグを火傷しないように注意しながら袋から取り出し5分間そのまま室温で放置します。
5.冷めたハロプロエッグを生卵を割る要領で割ると出来上がり。
電子レンジの場合
1.ハロプロエッグを箱ごと冷凍庫(−4℃以下)で12時間凍らせる。
2.中袋(レトルトパウチ)からハロプロエッグを取り出します。
3.耐熱用の容器にハロプロエッグを乗せレンジにかけてください。
500Wの場合レンジ強で20秒を5回
600Wの場合レンジ強で20秒を4回
4.レンジで温めたハロプロエッグをそのまま室温で5分間放置します。
5. 生卵を割る要領で割ると出来上がり。
なんや簡単やんか
ハイテク商品や言うからちょっと心配してたけど
インスタント食品みたいに作ればええんやね?
でも12時間か・・
仕事に行く前に冷凍庫に入れとけばええか
軽く朝食を済ませ
身支度を整えてさぁ行ってきますっと
おっと
エッグを冷凍庫に入れて
「今度こと花ちゃん、タローちゃん行ってきます」
中澤裕子は冷凍庫に「矢口になるもの」を突っ込んで仕事に行くのだった。
そして、帰りはどうせ今夜も遅い。
- 743 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/04/09(土) 00:59
-
ボスが出かけてすぐまた戻ってきた。
なにやら忘れ物らしいと思ってたら
ウチ等がカバンに詰め込まれたって忘れ物はウチ等かい!
どうせまた地方の仕事を忘れてて
ひょろっとしたメガネの兄ちゃんの迎えで気がついたんや
ホンマうちのボスはアホやから自分の行くとこもわからへん。
ところでバタバタと荷造りをするから変なものまでいれてるんといてや?
ベッド脇にあるボスの一番のお気に入り「矢口」の写真。
寝るときにかかえる薄汚れたミニモニ。矢口の縫いぐるみ。
「裕ちゃん起きて」と甘く囁く様な矢口の生声いり目覚まし時計。
いつもの三種の神器やね。
けど、人様に見られんようにな
ウチ等から見ても
いい大人の御泊りグッズとしては恥ずかしいと思うで。
はぁ…
ボスのことを呆れるように見ている花姐さん。
でも、花姐さんもペットホテルの時に持っていかないと機嫌が悪くなるものがあるのれす。
ボスが可愛く笑ってる写真。
お気に入りの青い犬の縫いぐるみ。
「花ちゃん、タローちゃん。もうすぐ帰るからないい子しといてな」ってボイスメッセージ入りオモチャ。
何かにつけボスの事で
ブツブツ文句をいっているようれすが
結局、このふたりはよく似てるのれす。
で、ふたりはすっかり忘れてしまってるみたいなのれすけど
また暫くホテルに行かなきゃならないのれすよね
ぼくは冷凍庫の「矢口になるもの」が心配でたまらない
ああ・・胃がキュゥと痛くなってきます。
今もキリキリと痛みが続いて…意識が…
「タロー!」
ああ
オスってなんでこんなに熱に弱いんやろ?
こうしてまた今日も、
中澤裕子のギャラの殆どはタローの医療費に消えていくのだった。
- 744 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/04/13(水) 00:11
- 三日ぶりの家。
花ちゃんもホテルから連れて帰ったけどタローはまだ入院中。
「花ちゃん、男の子は繊細なんやね…あんた、お姉さんなんやからもっとタローの面倒みたってな」
なんて言われて花ちゃんは迷惑そうに中澤を見上げている。
「さぁてと、冷蔵庫のもので何か作れるかな?」
料理が好きとか出来るとかを売りにしたくなくてよそで料理の話をしない中澤だが長い一人暮らし、自炊経験と普通の味覚を持っているので作らせればそれなりの物が出来る。しかし、御料理教室に通った訳ではないので『ビシソワーズ』だの何だのと名前のある料理を作る事は無い。
冷蔵庫の中はいつものながら殆ど何も無い。
冷凍庫の中には保存食あったかな?と覗き込む。
「アレこれなんやったっけ?」
通販グッズといっしょで
仕舞い込んだら何だったか忘れてしまうタチの中澤は
霜で覆われたものが何であるかパッと思い出さない。
とりあえず
何でも温めの簡単機能のボタンでレンジでチン。
- 745 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/04/13(水) 00:12
-
ブーーーン
という音とともに部屋の照明が幾分暗くなる。
数分後
『ボン』と爆発するような
っていうか実際レンジ内で爆発したようで爆音とともに家中の電気が落ちた。
レンジの中からは灰色の煙が上がっている。
こう暗くては何がどうなったか解らないので
兎に角、安全装置が働いて落ちた電気のブレーカーを上げにいく。
部屋中に焦げ臭い匂いが広がって慌てて換気扇を回す。
恐る恐るレンジを開けると
『けふけふ』と黒い煙を吐きながら
ミニチュアにしろ爆破コントの御約束をチャンと守って
爆発した頭、
煤で汚れた顔と
ボロボロの服の
黒くこげた人形が這い出てきた。
「何てことするんですか!黒焦げになってしまうとこだったじゃないですか!」
なんて言いながら黒こげもとい色黒の人形が
こっち見たかとおもうと私をみて怯えごしで物陰に隠れようとする。
この段階でやっとチンしたものがハロプロエッグだった事に気が付いた。
しかし…
矢口になるはずだったものがなぜボンバー石川…
この憤りを誰にぶつけたらよいのかパッケージに書かれたお客様センターの電話番号はレンジの中で消し炭とかしてしまったのだった。
- 746 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/05/20(金) 01:05
-
「アレは痛かったなぁ…」
「自分でも久々に凹んだわ…アタシの可愛い矢口になるはずやったのに…」
「何事もタイミングが合わんと上手くいかへんなぁ」
「でも、アタシは諦めへんで」
ボスがキッチンでいつものように一人なのに何かお話をしているのれす。
タロー、あんま心配する事ないねんで
人間は年取ると独り言が多くなるらしいで
別に独り言を心配してる訳ではないのれす。
やっぱり矢口さんのことがショックなのれしょうか?
ああこれか?
花姐さんがボスのパソコンをネットに繋いで某所のトピックを読んれます。
花姐さんは凄いのれす。
何でも自分でちゃっちゃっとやれて。
ビデオ予約なんかも得意です。
ボスはDVDデッキを新しくしてから多分時々失敗するかられしょう
ドラマを予約して観ることはしなくなったのれす。
ぼくは花姐さんにお願いして毎週「保゜知多摩」を撮ってもらいます。
全国を放浪している番組の雅男様はぼくのあこがれれす。
話がそれてしまいました。
- 747 名前:こんなことはよくあること 投稿日:2005/05/20(金) 01:07
-
ネットに矢口さんのことが載っててみっくりしたのれす。
ボスは矢口さんがミニモニ。を卒業する時も泣いてしまったらしいれすから
今回はもっと大変かもしれないのれす。
だから〜大丈夫やって。
ボスの様子見てみぃ。
な、楽しそうにハロプロエッグ作ってるやんか。
「うわぁ!」
「何でまたこないになるん!」
「あっ、穴あいてるやん」
「そうや!ちょこっとお酢入れたろ。お酢入れるとたんぱく質は固まるんやったよね」
「おお、いい感じやん」
ボスは本当に楽しそうにエッグを作ってるのれ少し安心しました。
花姐さんは初めからあまり心配してなかったようれす。
あんな〜
ボスの愛情の掛け方いいかげん気づいてるやろ?
こっちの都合もお構い無しに抱きついてきよるやん。
つまりなぁ、矢口さんが誰とどうこうなっても変わらんぐらい
ボスの矢口さんビイキは世界一なんやで
それって矢口さんにとって幸せなんだろうか不幸なんだろうか…
「ぁあああ!また、やってもうた!!」
ボスの雄叫びに
花姐さんとキッチンへ駆け込むと
流し台の上に「汗かきダンシング保田人形」が出来上がっていたのれす。
中澤裕子はこのようにして「ボンバー石川」や「ダンシング保田」や「奇跡の小川」などのレアものと呼ばれる数々のハロプロエッグを作り上げて殆どのハロメンをそろえた中で未だに「矢口」なるものだけが手に入れることが出来なかったのだった。
中澤裕子の挑戦はまだまだつづく。
了。
- 748 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/05/30(月) 02:55
- ハロプロエッグかわいらしい
ボンバー石川ははっきり想像できた
頑張れ中澤裕子
- 749 名前:レスありがとうございます 投稿日:2005/07/20(水) 01:38
-
>>748名無飼育さん 様
かなり亀レスなってしまいましてすいません。
レスありがとうございます。
暫く書いてないと書き方が解らなくなってます。
保全がわりの駄文置いときます。
- 750 名前:正しいPVの見方 投稿日:2005/07/20(水) 01:41
-
今年のシャッフルは
娘。卒業後ずっと参加の無かった中澤の名前があったことに
関係者一同驚きと共に歓迎の声が上がった。
「かお、よかったね。」
「・・・」
「念願だったんでしょ?裕ちゃんのこと」
「・・・」
「コンサートで出が一緒になったって喜んでたら『圭織、アッチから出て。私、矢口と出たいから』なんて裕ちゃんに言われてすっごい悲しかったって言ってたものね」
「・・・」
「かお?」
「・・・」
飯田の側にいた保田がしきりに中澤について話し掛けるが飯田は心ココにあらずなのか
娘。時代のしっかり者役もやっと荷が下ろせた所為か彼女本来の魅力ともいえる天然ブリ復活の兆しをみせている。
「圭織!」
「あ〜、圭ちゃん」
「かお〜!また私の話聞いてなかったわね(怒)」
「ん?」
大人になった飯田の笑顔は天下無敵。
極上の笑みと共に振り返られたら閻魔様だとて微笑み返すしかない。
「裕ちゃんとまたいっしょ歌えることになってよかったね。」
「うんv」
「今回は矢口もナッチもごっちゃんもいないから、かおチャンスじゃん」
「でも…」
「でも?」
「あっちゃんがつきっきり」
「あっちやんか…でも、あれは単なる背後霊だし悪いもんじゃないから大丈夫でしょう」
「そうかなぁ…」
- 751 名前:正しいPVの見方 投稿日:2005/07/20(水) 01:42
-
なんてやり取りをしているころ
中澤の周りではしきりに稲葉がちょっかいを掛けていた。
「ひゅうひゅう☆裕ちゃん、圭織と久しぶりのユニットやんか!」
「あっちゃん、あんま言わんといて。緊張してくるやんか」
「圭織は裕ちゃんのこと前から好きやからあんまウチ等に当てつけへんでぇな」
「圭織がアタシのこと好きなんてうそや〜ん」
「裕ちゃん、ホンマ鈍いねんな。実際、何べんも圭織告ってるやんか」
「???」
「うそ!ホンマ、気づいてへんかったん?!!!!」
「いや、だって、ほら、好きって言うんも同期のお姉さんって…あっ…そういえば、突然キスしてきたり理解しにくい行動とかいっぱいあったけど…それってやっぱそういうことやったんか?」
「今ごろ気づくなんて鈍すぎ!圭織が可哀想やんか」
「あっちゃん、どないしよ…そんなん言われたら急に意識して恥ずかしくなってきた」
まるで初めて好きな人が出来たみたいにうろたえる中澤を面白そうにからかう稲葉である。
おかげで今度のシャッフルのPVはそんなふたりの様子が満載である。
了。
- 752 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/07/22(金) 23:20
- この二人は凄い勢いである意味ガチでありますが、
とにかく了であってもその先が気になるのであります
乙でした
- 753 名前:レスありがとうございます 投稿日:2005/09/19(月) 03:13
- >>752さん
レスありがとうございます。
卒メンは食事にいったり買い物にいったり仲イイみたいで
そんな場面を見たいんですが・・・
死スレ状態で申し訳ないです。
- 754 名前:鉄壁の彼女(SIDE H) 投稿日:2005/09/19(月) 03:14
-
女を惚れさすのはやっぱり自分の一番カッコいい姿を見せる事。
そんなの嘘っぽいけどやってみる価値はあるかな
なんて考えて
スタッフにムリを言って
スタジオにゴールポストを入れてもらった。
中澤さんに認めてもらうことから第一歩が始まると思う。
イケメン好きの中澤さんに
『よっしぃーは綺麗な顔立ちしてる』って言われたから
顔のハードルはクリアしてると思う。
年収も中澤さんの希望額がダウンしてきてるし
リーダー手当ても付くからこっちも大丈夫。
あとはちょっとしたきっかけだと思う。
今日こそハートにシュートをきめて、
一緒にお酒を飲みに行けたらこっちのもの。
お酒を飲むと
『帰えらんといて』って
中澤さんから甘えて誘ってくるって圭ちゃんが言ってた。
「よっしぃ〜、ゆうちゃん、なんか酔うてしもうたみたいや」なんて言ってくるんだろうな。
そしたら
「だいじょうぶですよ。吉澤がちゃんと家まで送りますから」って言うんだ。
で送っていったら
「なぁ、よっしぃ…帰えらんといて…」って中澤さんが
吉澤はすこし惚けて意味が分からないふり
そしたら顔を赤らめてうつむいた中澤さんが
吉澤のTシャツの裾をちょっと引っ張りながら
「お願いや、今夜だけ側居って…」って最後の方は消えそうな声で言ってきて
そのあとは…
「吉澤さん」
「………」
「吉澤さん、よだれ。コーナー始まりますよ。メイク直しといた方がいいですよ」
「あ、シゲさん。ありがとね」
誰かみたいにちょっと妄想してしまった。
シゲさん、何か気付かれたかな…
- 755 名前:鉄壁の彼女(SIDE H) 投稿日:2005/09/19(月) 03:16
-
さて、メイクを直してコーナーの収録。
PK合戦は台本なし。
紺ちゃんとシゲさんのPKは難なく終わった。
次はシゲさんと中澤さん。
「シゲさんは経験ある人なの?」
えっ?中澤さんなんという質問するんですか!
こんなとこでそんなこと訊いていいんですか?
吉澤はもちろん中澤さん一筋ですから未経験です。
「ないです」
シゲさんも未経験なんだってそんなこと素直に答えることないじゃん!
「シュートするというより中澤さん目掛けていきます」
「最近つよくなったなぁ…来い!!」
やばいなんか中澤さんとシゲさんがイイ感じじゃないか
イイ感じなるのは吉澤のはずだ!!
「いきますよ。ナカザー!!」
ぽ〜ん
ぱ〜ん
テンテンテン。
「あの〜アタシ全然動かへんかったよ。な、アンタなにげに呼び捨てにしたもんな」
よっしゃ!!
シゲさんの蹴ったボールはポールに当たってハズレ。
よしよし
これで吉澤の勇姿が引き立つってもんだ。
次は中澤さんがキッカー吉澤がキーパーですから
吉澤が中澤さんの愛のポールをガッチリ受け止めますからね。
「え゛ー届くのかしら」
なんて運動苦手な中澤さんが可愛いんだよな…
「中澤さん、空振りだけは注意してくださいね」
紺ちゃん、空振りも可愛いんだからそんなプレッシャー掛けなくていいのに
ここは自分も怖がってるってアピールして親近感を持たれた方がいいかな
「PKって怖いんだね」
中澤さんが蹴った。
- 756 名前:鉄壁の彼女(SIDE H) 投稿日:2005/09/19(月) 03:17
-
ぽ〜ん
ぱん
ゴール!!!
「入った!!よっしゃー!!!」
「イター…」
いたたた…コレはイタイ。計画が…
「俄然強め!!」
「オレを誰だと思っている!!」
うわっ
かっけーじゃないか
「くっそーー。やばい。PKって怖い」
まぐれだって分かるけどまじかっけーよ
惚れ直したよ
「入っちゃった」
中澤さんが嬉しそうに小声で言うのが聞こえた。
さっきまでカッコよかったのに今は可愛いぞ。
このギャップがこの人のよさだったりするんだよな…
ってこといってらんない。
自分をアピールするんだった。
「そんな中澤さんに受けてもらおうかな」
「えっ?」
「招待状ですよ」
「この人なんか招待状やって。挑戦状の間違いじゃないですか」
やべ
やっぱり、シゲさんに作戦、気付かれてるかな…
このPKは吉澤との目眩く愛の時間への招待状。
でも、気付かれては水の泡。否定しとこ。
「招待してないから」
そうそうイイとこみせるんだから
ハンデぐらいつけないと
「でも、左足で蹴りますから」
「あれ、チョット待って。それなに」
「ハンデですよハンデ」
ぽ〜ん
バン
テンテンテン。
- 757 名前:鉄壁の彼女(SIDE H) 投稿日:2005/09/19(月) 03:18
-
「あれ?これって何のコーナーでしたっけ?」
あれ?
あれ?
「ガッタスいいところなしですよ」
なんでだー?!!!
まさか、こんなに大ハズレするなんて!!!
「も、いっかいやらせてください!!」
計画が…
今回は仕方が無い
潔く退くのも粋ってもんだ
「じゃ、あの、このまま帰りますんで」
中澤さん、鉄壁過ぎます。
少しは隙を作ってくださいよ。
でも、次は必ずいただきますから待っててください。
了。
- 758 名前:訂正 投稿日:2005/09/20(火) 01:46
- 毎度いい加減なタイピングで・・・
×よっしぃ
○よっすぃ
ですよね。
読者様、脳内置換しておいてください
- 759 名前:鉄壁の彼女(SIDE S) 投稿日:2005/09/20(火) 01:50
-
吉澤さんは分かってないです。
わたしなんて匂いで分かっちゃったもん。
中澤さんの好みは自分より背の低い可愛い子ですよね。
残念ながらカッコイイ吉澤さんは対象外です。
わたしも身長はちょっとだけど可愛いさ十分カバーできてますから。
それになにより
わたしと中澤さんの相性は最強です。
前の音楽情報番組もエリと中澤さんのコーナーも乗っ取りに成功です。
わたしと中澤さんは磁石のSMが引き合うように自然と組まされたんです。
そう、あややよりわたしの方が可愛いし
エリより中澤さんとのいろんな相性ぴったりですから。
って、誰か突っ込んでください。
ホントは誰かじゃなくて中澤さんに突っ込んでほしいんですけど…
磁石はS極とN極であるぐらい知ってます。
わたしがライトSで中澤さんがライトMなので掛けてみただけです。
いじめっ子のわたしには
安倍さんや矢口さん、辻さん、加護さんが
中澤さんを虐めてた気持ちがわかります。
中澤さんにはS人しかわからない「ねぇ、いじめて」光線が出ているのです。
征服欲っていうんでしょうか
高い山ほど上りきったときの達成感は素晴らしいですよね、
人を調教し従順にさせる快感は
日頃、強そうな人をそうするほど楽しいのです。
中澤さんは言葉でいたぶられるのが好きです。
音楽情報番組の時はわたしがまだ幼くて
中澤さんを満足させることができませんでしたが
今度は大丈夫です。
中澤さんにはわたしがついてますからね。
さぁ、今日も楽しい収録です。
了。
- 760 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/09/22(木) 21:54
- いい子で間抜けな吉澤が読める良いなかよしでした
そしてゆゆさゆが書かれないものかと前から渇望していたところに
大変なストライクがきてしまいました
- 761 名前:レスありがとうございます 投稿日:2005/10/16(日) 01:47
- >>760名無飼育さん
レスありがとうございます。
更新が遅くで申し訳ないです。
- 762 名前:鉄壁の彼女(SIDE E) 投稿日:2005/10/16(日) 01:53
-
ふっふっふ
みんな中澤さんの壺、外しまくってますね。
唯一のライバルは小川さんですけど。
中澤さんはアホな子が大好きなんですよ。
そして、実は中澤さんも
交差点の真ん中で「あるある探検隊」をしてるくらいアホアホなんです。
「アホはアホを呼ぶ」これ、鉄則です。
さて今日も写真集の宣伝があるからあの手が使えるか…
写真集の宣伝で
出来上がりが遅れてカバーだけの時
中身はわたしの悩殺写真集。
中澤さんが開くページにはもちろん、わたしのメッセージ付。
中澤さんはああ見えて人の気持ちを大切にしてくれます。
わたしの想いをこめたメッセージを他に見られないようにそっと読んでくれるんです。
初めてその手を使った時の中澤さんのビックリするようなリアクション。
収録にあとで
「写真集のアレ、ホンマびっくりしたわ。お陰でイイ表情ができたありがとう」
って言ってくれました。
わたしは「書いた事ほんとうですからね」
って念を押したけど年の差の所為かどっか本気にされてないみたい。
でも、回数こなせば気持ちも伝わるってもんです。
最近ではスキンシップもOKになってきました。
ハローのコンサートでもちょっかいを出してくるのは
わたしのことが気になりだした証拠です。
もうすぐエリの時代がきます。
みなさん、今のうちにエリ株をお買いになることをお勧めします。
では、きょうも絶好調、収録がんばります。
了。
- 763 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:32
-
(1)
むか〜しむかし、あるところのあるお城のお話です。
古くから続いた由緒正しいお城には幸せな一家が住んでいました。
勇敢で頼もしい領主様。
綺麗で優しいお妃様。
そして、聡明で美しいお姫様。
お姫様の肌は陶磁器のように白くトゥルトゥル。
髪は黒檀のように嘗ては黒く美しいものでした。
お姫様は領民にも愛されて親しみと敬愛を込められて「白雪姫」と呼ばれていました。
そんな絵に描いたような幸せも
美人薄命の言葉のごとく綺麗で優しいお妃様はまもなく他界してしまいました。
思春期に入ったお姫様は最愛の母親を失ったのをきっかけにグレ始め、
こともあろうことか美しかった黒髪を脱色してしまい目つきも鋭くいわゆるヤンキー風になってしまいました。
落胆した領主様は自暴自棄になり自ら進んで戦場へと赴くことなりました。
月日が経ち幾分落ち着いた領主様はあんなに可愛かったお姫様がグレてしまったのは
やはり母親の不在が大きな原因とお考えになり再婚を決意されました。
お姫様に母親を与えることが一番の結婚です、迎えるお妃様は
自分よりお姫様が気に入った相手を探すようにと戦地から手紙が届けられました。
お姫様は早速、結婚相談サイトで条件を入力し花嫁を探します。
ある秋の晴れた日に若くて可愛らしい花嫁はやってきました。
- 764 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:33
-
「矢口真里です」
「ちっちゃ…」
「ちょっと、失礼じゃない?仮にも矢口がここの女主人になるんだよ?」
「ん?結婚契約書読んだか?」
「もちろん!で、義理の娘になる『裕ちゃん』はどこ?」
新しい花嫁の前に自己主張をするように応対していた女性がない胸を張ります。
「何でアンタが立ちはだかるかな…きっと、可愛らしい姫だよね。巷で『白雪姫』って言われてるくらいだから」
「ん…それは一昔前の話やけどな…」
「先刻からうざいんだけど、アンタ誰?」
「『うざい』って言うたな〈怒〉それに先刻からアンタ呼ばわりはないやろ?親子になんのに」
驚愕の顔で矢口は震える指で目の前の人を指さします。
「ゆ、ゆうちゃん…?」
「そやで、中澤裕子です。これから、よろしゅうお願いします。お義母さまv」
驚きのあまり声も出なくなった矢口に
お姫様の裕子は優雅にお辞儀をしたかと思うと素早く抱きつき挨拶にして濃厚すぎるキスをするのでした。
- 765 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:34
-
(2)
はぁ〜
ココ、白雪城では新しいお妃様を迎えてから
屋根裏で大きなため息が聞こえてくるのです。
はぁ〜
そのため息の数も音量も日に日に増してきているようでそろそろお城の七不思議になりそうでした。
屋根裏部屋にはお城で使われなくなった多くの備品がたくさん置いてありました。
そんな埃っぽいところへは鼻炎もちの姫はやってきません。
もちろん召使達も用がないので普段は屋根裏なんて誰も来ません。
はぁ〜
今日も聞こえるため息の主は新しくこの城のお妃様。
お妃様は几帳面な人で主が留守でいい加減になった備品管理にメスを入れるため
屋根裏にある家具に掛けてある埃よけの白い布を一枚一枚外しながら自ら備品のチェックをしていたのです。
はぁ〜
ため息の原因はずさんな管理に呆れただけではありません。
それより大きな問題は自分より年上の義理の娘です。
今日も今日で朝の起こし方でやりあいました。
『裕ちゃん、朝だよ。そろそろ起きなよ』
『……ん、やぐちぃ〜おはようのチュ〜は?』
『ち、ち、ちゅー!!!できるわけないだろ!!!』
『ぇえ!娘に「おやすみ」と「おはよう」のキスは常識やろ?』
『ど、どこの世界に義理の娘と朝晩ディープなキスをする継母がいるんだよ!』
『ここにおるやん。それに結婚契約書の145頁にちゃんと書いてあるやろ?』
『詐欺だぁ〜!騙された!145頁の「娘は低血圧で目覚めが悪いから優しくキスして起こす」ってなんだよ!!』
『さっ、チューしよ?』
『もう、起きてるじゃん!』
『ええから、こっち来ぃ?』
お妃様はベッドに引きずり込まれそうになるところを寸でのところでかわし
キスをしないと後がこわいのでお姫様のおデコに素早くキスをすると逃げるようにお姫様の部屋を退室したのでした。
お姫様はことがあるごとにお妃様に執拗に甘えるというかせまるって来るので
お妃様はいつのまにか屋根裏に逃げ込むようになったのでした。
はぁ〜
また一つため息を落としながらお妃様は家具に掛かった布を外しました。
現れたのはロココ調のみごとな三面鏡でした。
- 766 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:35
-
(3)
「ねえちゃん、ねえちゃん。何悩んどるん?」
え?
お妃様は、辺りを見渡すが人の気配はありません。
「どっちみてるん?こっち、こっち」
はぁ?
「ののたちは鏡です。」
左右の鏡の中に少女の姿が浮かび上がりました。
「リダーのツジノゾミと」
「サブリダーのカゴアイ」
「「二人合わせてダブルユーで〜す」」
と三面鏡の左右の鏡が自己紹介します。
「この城、おかしいと思ったけどやっぱり化け物屋敷だったんだ…と、いうことは裕ちゃんは魔物の親分?」
自分の肩を抱いて振るえ出すお妃様を気遣いもせずに話を進めます。
「ふう〜、久しぶりにあいぼんの顔が見れたのです」
「ほんと久しぶりだね。って、あ!またセンターの鏡外されてるぅ」
見ると三面鏡の筈なのに真ん中の鏡は無く枠だけがガッシリと構えているのでした。
幾分落ち着いたというかこの城に来ていろいろ度胸がついたというかお妃様は鏡の話に混じり始めました。
「どうして肝心のセンターの鏡が無いの?」
「ええっとですね…なんていうか」
「梨華ちゃんはいつも一言多いから…」
「失礼な!私はいつもミンナのことを思って忠告してるだけよ。お母さんからあなた達のことちゃんと面倒みなさいって言われてるのよ」
さっきまで気がつかなかったが三面鏡の後ろの白い布ありました。
その塊がイキナリ喋りだしたのです。
お妃様が布を外すとそこにあったのは鏡で、やっぱり鏡の精映っていました。
長年使われていなかったせいか鏡が暗く感じお妃様は外した布で鏡をキュッキュッ擦ります。
「あれ?黒いの直らない…」
「ホントにさっきからワザとですか?私は元々色黒なの!」
「え?ごめん。ワザとじゃないよ。ごめんね。鏡元に戻してあげるから許してよ」
お妃様が鏡をセットすると三面鏡のかしましさは一段と増しましたが
この三人は意外とは気が合いお妃様の丁度よい話し相手となったのでした。
- 767 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:38
-
(4)
屋根裏でお喋りな魔法の鏡を見つけてからお妃様は朝から晩までそこに居座るようになりました。
それでもとうとうある日いつものように楽しく鏡とお喋りをしているところを白雪姫に見つかってしまいました。
「やぐちぃ〜vvみっけ!こんなとこに居ったんv」
「ゆ、裕ちゃん…」
まさかこんなとこまで白雪姫がやってくるとは思ってなかったお妃様は上機嫌で話し掛けてくる姫に冷ややかな態度をとろうとしましたが驚きのほうが大きくて上手くいきません。
「もう、ずっと探しとったんやでv」
といいながらお姫様はしっかりとお妃様を腕の中に抱き寄せて頭に口付けしました。
慣れとは怖いもので最近、お妃様はその腕の中が心地よく感じられるようになり自分でも困惑気味なのでした。
「…………」
白雪姫のご機嫌はお妃さまが側に居ることでますます上がります。
「かくれんぼ、楽しかったけどお城ん中で迷子になってへんか心配やったんやで」
「迷子って、そこまで子供扱いしなくてもいいじゃん!」
と、つい自分の気持ちに正直になれないお妃様はまだ最後の砦とばかりに反発を繰り返します。
それでも機嫌のいいお姫様の言葉は滑らかに続きました。
「子供扱いなんてしてへんて。アタシでもよく迷ってしまうねんで。」
確かにお城は敵の侵入に配慮して迷路のように作るのがデフォですが
お城の中でもここはシンプルな造りになっていて
とても迷うなんてものではなかったのでお妃様が
「そんなに複雑な構造してたっけ?」
と呟くのも無理の無いこと。
そして、鏡の精の辻がお妃様にそっと
「矢口さん、矢口さん。中澤さんは自分チで迷う馬鹿なのれす。」
と耳打ちするのでした。
- 768 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:41
-
上機嫌なお姫様は脇でそんな会話をしていることには気にも止めず独り言のように話を続けています。
「気がついたら拷問部屋でさ。いろんな道具があるんやけど。『あ、これ矢口とのプレイに使ったら面白そう』とか思ったりしてな。そういえばこの間、やぐちの縄の縛りっぷりには萌えたななんてね。アタシやったらもっときつく縛ってくれてもええななんて思ったりして」
お姫様のとんでもない言葉に一同は言葉も無くしてしまいました。
「プ、プレイ!」
「縄?!」
「縛り???」
「(絶句)」
やっとのことでお妃様が叱咤の言葉でお姫様を諌めました。
「裕ちゃん!!!〈怒〉」
そしてお姫様は再びお妃様をギュッと抱きしめなおして耳元に謝りましす。
「あっ、ごめん矢口。つい暴走してしもうた」
その後のイチャつきようはR指定もので邪魔するものは馬に蹴られてしんじまぇって雰囲気に声を掛けられるのはこの者しかいません。
- 769 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:42
-
「中澤さん、中澤さん」
鏡の精、石川が声を掛けました。
「ん?」
お姫様は途端に不機嫌そうな声で答えます。
「中澤さん、そんな見せ付けるとこでイチャつかないでくださいよ」
「何や石川やん。何で石川が鏡台にセットされてるん?」
「矢口さんに直してもらったんですぅ」
「ふうん、そうか。矢口は優しいからな。ま、ええわ。けど、ちゃんと仕事せぇへんかったら割ってまうで」
「ぇえ!鏡を割ると縁起悪いんですよ!結婚できませんよう!!」
「うっさいわ!!」
「鏡の仕事って?」
「あっ、言ってませんでしたっけ?」
「鏡の中の世界は繋がってるのれす」
「だから他の鏡に写ったもののことも分かるんやで」
「鏡の精は物知りなのれす」
「そや、久しぶりにアレやるか?」
「「「ハイ」」」
?
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだぁれ?」
「「「それは中澤さんです」」」
「よし!!」
「じゃぁ…」
「「「??」」」
「鏡よ、鏡。世界で一番可愛いのはだぁれ?」
「「「それは…」」」
「チャミー石川です」「あいぼん」「のの」
「さゆ!!」
え?
中央の鏡の中に鏡の精がふたり争ってます。
そんなことまったくどうでもよくてもっと根本的にお姫様の気に触れたようでした。
お姫様はワナワナと怒りに震えながら叫びました。
「アホー!世界で一番可愛いのは矢口やろうが!!」
それを聞いてお妃様はこの姫を何とかしなくてはと思うのでした。
- 770 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:46
-
(5)
貞操の危機と毎日格闘しているお妃様はこの年上の継娘のこと誰かに相談してみようとお考えになりました。
一番に浮かんだのが実家の乳母です。乳母はもう高齢のため一緒に連れてくる事が出来なかったのですが心から信頼していましたし長く生きている分やっぱり「亀の甲より年の功」で的確なアドバイスがもらえるはずです。
お妃様は早速、メールをなさるのでした。
圭ちゃω、l+〃ω(‡→?
矢口レ£今ぃЗぃЗ大変†ニ〃ょ~(T0T)
継女良カヽ〃、ちょ→ぅL+〃ぃ
彳テ(‡遅яёσ女臣カヽ〃ぃゐ†ょωτ思ゎ†ょカヽっナニょ…
亭主元気τ〃留守カヽ〃ぃぃ†ょωτロ虚†ニ〃Йё
£〃→っ`⊂一日中々┣ヮl)イ寸カヽяёτ
于ュ→レ£ιτ<ゐゎ才包(‡⊃<ゎτ〃
矢口困っτω†ニ〃ょ
ナ冫カぃぃ矢ロ恵†ょぃ?
矢口真里
(訳)
圭ちゃん、げんきー?
矢口は今いろいろ大変だよ~(T0T)
継娘が、ちょーうざい
行き遅れの姫がいるなんて思わなかったよ…
亭主元気で留守がいいなんて嘘だね
ずーっと一日中マトワリ付かれて
チューはしてくるわ抱きつくわで
矢口困ってんだよ
ナンカいい知恵ない?
矢口真里
- 771 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:47
-
乳母からはすぐに返信が参りました。
矢口、御金持ちに嫁いでも相変わらずね。
そっちの噂は聞いてるわ。
いま私、仕事があってそっちにいけないけど
昔の仕事仲間の息子さんが狩人でそのへんが猟場らしいわ。
その息子さん、裕ちゃんとも親しいらしいわ。
ああ、裕ちゃんと言っては悪いわね。
私は面識ないものね。
その人がいつも「裕ちゃんがね〜」って言うんでつい伝染っちゃったんだけど。
その人に矢口が少し息抜きできるように御姫様を連れ出すように頼んであげるわ。
名前は後藤さん。通称、『ごっちん』。又は、『ごっちゃん』。
一般ゴシップには『ゴマキ』って載るけど本人はあまり好きじゃないみたいね。
その子と矢口が直に連絡取れるように矢口のメルアド教えてもいいかしら?
お妃様は乳母のメール内容にたいそう喜びになられました。
なぜなら、ゴマキといえばファッション雑誌にもたびたび登場するイケメンのひとりでしたから。
自分の問題解決とは別に既婚者にとっては美しい若者と知り合う機会なんてそうそうあるものではありません。
お妃様にとってこの話は魅力的に思われ是非もなく後藤様とメル友になることを承諾されたのでした。
- 772 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:50
-
(6)
今日もお城の屋根裏からお約束の言葉が響きます。
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだぁれ?」
「「「それは中澤さんです」」」
「よし!!」
「鏡よ、鏡。世界で一番可愛いのはだぁれ?」
「「「それは…」」」
「チャミー石川です」「あいぼん」「のの」
「さゆ!!」
「ちゃう!毎回同じことしよって」
「「「「だって、お約束じゃないですか?」」」」
「アホー!何がお約束や!素直に「世界で一番可愛いのは矢口です」って言いや!!」
お妃様の憩いの場所だった屋根裏がすっかり乗っ取られてしまいました。
ブルルル、ブルルル…
そんな時お妃様のミニモニポシェットが振動しました。
待っていた狩人の後藤からメールが来たようです。
お妃様は白雪姫に気付かれないようにそっと屋敷を出て裏庭に行きました。
ひまわり畑の真ん中のベンチでそっと携帯を見ます。
件名:後藤真希
知さん
はじめまして
後藤真希といいます。
圭ちゃんから聞きました。
裕ちゃん、悪い人じゃないとおもうんですが
ま、お妃様のお立場を考えると
そろそろ息抜きも必要ですよね。
この件は後藤にお任せください。
私が何とかします。
では、また
後藤真希
お妃様はメールを読んでたいそうお喜びになりました。
早速返信をなさいます。
件名:Re後藤真希
ぉぉ!後藤L+ω!
£⊃〃→ぃ!£⊃〃→ぃ!束頁м○Uぃ!!太っ腹!!
м○ぅ、レまω┗⊂⊃〃っ⊃ぁωL+маL+маτ〃£。
×яаょЗU<τ〃£。
ぁっ!
才ィяа心酉己小生ナょωτ〃
〓┗⊂カゞ上手<ぃっ†ニ言正才処┗⊂ぃぅカヽ石寉言忍τ〃(‡ゐ牛勿
後τ〃見世レニ来τレまUぃω†ニ〃レナ`⊂〃
ぉネしм○U†ニぃU
ι〃ゃ、ζぅぃぅ〓┗⊂τ〃
矢口真里
- 773 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:51
-
お妃様はこのやり取りでここ数日暗かった気分も晴れ
傍目から見ても分かるくらい明るい表情になられました。
しかし、それも束の間。
どこから沸いたのかいつの間にかお妃様の横にちょこんと腰掛けている白雪姫。
「急に城から出て行くから心配したんやで。やぐちぃvこんなとこで何してるん?」
「えっ?」
「あっ、うんこか!失礼しました。ホンマお城って不便や。トイレぐらい造れっちゅう話や。ベルサイユ宮殿にもトイレないから舞踏会んときなんかみんなバラ園で用をたしてたんやでバラは芳香剤がわりに植えられてんねん」
「ち、ちがうから。トイレじゃないよ」
「えっ、トイレじゃない…じゃ、あれか『今、会いに行きます』か?ええでやろ」
ちがうと言う間も奪われて
『今、会いに行きます』ごっこをやらされるお妃様は
早く後藤さんがことを起こしてくださるのをただただ心待ちにしているのでした。
- 774 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:54
-
(7)
お妃様はメールを送られてから
狩人の後藤が動いてくれるのを心待ちにしていましたが
後藤は携帯の電波が届かない地方での仕事が多くどのような活動をしているのかさっぱり分かりませんでした。
それにはわけがありました。
実は世間に疎い後藤はお妃様から頂いたメールの意味がさっぱり解らなかったのです。
そこで、森一番の物知り森番の紺野の家にメールの解読をしてもらいに行くことにしました。
古風由しい紺野は最新の表現法が使われているらしいメールを上手く読み解くことが出来ませんでしたが
そこには紺野の他にたまたまフットサル仲間の吉澤が次の試合の打ち合わせにきていました。
三人よれば文殊の知恵といいます、後藤、吉澤、紺野でなんとか訳してみました。
- 775 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:54
-
件名:Re後藤真希
「これは〜」
「こんちゃん、これは後藤でもわかるから」
ぉぉ!後藤L+ω!
「『おお!後藤』のあとは『L』」
「『L』はきっとLOVEでしょう」
「『+』はアンドだね」
「じゃ、後ろのωは何?」
「LOVEときたらPEACE」
「じゃここは『おお!後藤はLOVEandPEACE』ってこと?」
「そうじゃないかな…」
「意訳すると『後藤の好意に感謝します』って書き出しの常套句ですね」
£⊇〃→ぃ!£⊇〃→ぃ!束頁м○Uぃ!!太っ腹!!
м○ぅ、レまω┗⊂⊇〃っ⊃ぁωL+маL+маτ〃£。
×яаょЗU<τ〃£。
「こ・これは何?」
「ああ、きっと依頼に対する謝礼の計算式でしょう」
「『£』だてか…今はユーロだから『』で欲しいよね」
「!!!」
「これってかなりの高額だよ」
「じゃ…依頼内容ってやっぱり…ヤッてしまえってこと?」
「ば・ばかな?そんなはずないよ」
「でも…」
「ほら、やるって言ってもいろいろあるし…」
「そうですよ。おいそれとそんな危ない発言をしてはいけません。続きを訳してみてから」
ぁっ!
才ィяа心酉己小生ナょωτ〃
「■塔ウ●‡塔ウ▼‡刀I!」
「『心を酉』って!!!」
「やっぱり…」
兎に角次のように最後まで訳してみるものの
『〓┗⊂カゞ上手<ぃっ†ニ言正才処┗⊂ぃぅカヽ石寉言忍τ〃(‡ゐ牛勿』は
『上手くいった証拠に確認できる臓物』となりました。
『後τ〃見世レニ来τレまUぃω†ニ〃レナ`⊂〃』は
『後で見せに来ないとキサマノ命はないが上手くいった暁には』となり、
『ぉネしм○U†ニぃU』は
『お礼は十分に』となりました。
そして、最後の1文は呪いの言葉が…
『ι〃ゃ、ζぅぃぅ〓┗⊂τ〃』
暫くの間3人はなんとも言えない沈黙にさらされたのでした。
- 776 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:57
-
(8)
下町の庶民の間では
『どうも今度きた新しいお妃様と我が姫様がかなり険悪な仲らしい』とか
『いや、お妃様は殺し屋を雇ったらしい』とか
『お妃様は実は魔法で御領主さまを誑かし今度は姫様まで手にかけようとしている』とか
噂が広まりつつありました。
もちろん、ネタ元は森小屋の会話を盗み聞きしていた輩が勝手に解釈し
話が大きくなっていったものですが
噂話がぐるぐると人の間を巡っていくうちに尾ひれがついたり全くソースがないネタまで加わったりで
真実を知っている発信もとの人たちも噂に惑わされて何が真実か分からなくなっていくのでした。
そんな噂が当事者の耳に入るのは大抵一番最後で、もっと、ことが大きくなってからです。当然、まだお城の内部にこんな話は届いていませんでした。
- 777 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:58
-
そんなある日
後藤の代理という者がお城を訪ねてきたました。
全体的にバランスの取れた肢体、綺麗な顔つきの若者は後藤と並ぶ当代切っての伊達男
「美少女キラー」の異名を持つ吉澤ひとみでした。
吉澤の手に掛かれば2歳の幼女から108歳の妖女まで落ちない女はいないと有名です。
そんな吉澤にも難攻不落の砦がありました。それが白雪姫でした。
身分違いの姫様とまともに会う機会はあまりありません。唯一白雪姫がお忍びで下町に遊びにいらしていた時でさえ自分で勝手に感じる身分(キャリア)コンプレックスの所為でドギマギとしてしまい一方的に遊ばれるか遠巻きに観てるしか出来なかったのです。
それでも、白雪姫に自分のことを認めさせることがいつしか吉澤の野心となっていたのでした。
しかし、後藤に依頼されたは話が何故吉澤に回ったのでしょう。
実は、
紺野の森小屋での一件以来、巷の噂を聞きつけ吉澤と後藤、紺野の密会は数回続けられたのでした。
長年この白雪姫の領内で暮らしてきた3人に姫様の殺害はできません。
しかし、噂が本当なら後藤が最初のメールで承諾してしまった以上依頼を遂行しなければ後藤だけでなく狩人組合の人々すべてに危険が迫る恐れがあります。
『ごとー、裕ちゃんをヤっちゃうことなんてできないよーー』
『あたりまえです。あの中澤さんですよ返り討ちにあってしまいます。』
『いたいけな子供の頃、エレベーターの中で他の人もいるのにキスされたりね』
『いや…ごとーはそういう意味で言ってないから』
なんて押し問答の末、白雪姫をお城から連れ出し森の中に匿う計画が立てられました。
正直過ぎる後藤に姫様を連れ出しお妃様を騙すなんて役は難しいと紺野は判断しこの役は吉澤が引き受ける事になったのです。
吉澤のほうでもこの役は願ったり叶ったりです。
なんせ下心満々ですから。
- 778 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 02:59
-
「ガッタスの吉澤ひとみと申します」
何事も慎重な吉澤はお妃様の前で丁寧な挨拶をします。
吉澤はお妃様に会った瞬間、こんな可愛らしいお妃様が白雪姫を殺そうとしているなんて何かの間違いじゃないかと思いました。実際にお会いしたお妃様は小さく可憐な人だったからです。
お妃様はもともとそんな意地が悪いわけでもありません。
相手が緊張しないようにフランクに接します。
「はいはい、圭ちゃんからきいてるよー」
しかし、暗殺の依頼にこの明るさは何かおかしいです。
吉澤には理解できませんでしたがここで顔色を変えては計画が台無しです。
冷静に話を進めます。
「ごっちん、いえ、後藤にご依頼された件で伺いました。」
吉澤のあまり固さにああやっぱり緊張してるんだなぁと思いお妃様さらにやさしくフレンドリィにします。
「いやいや、そんな堅苦しくしなくていいからさ、でも吉澤さん、ん、言いにくいから今日から『ヨッシィー』って呼ぶよ」
お妃様の自然な明るさが一層不気味に感じられ吉澤の態度は余計に芝居がかってきました。
「おおせのままに」
もう完全に固まってしまった吉澤が気の毒になったお妃様は吉澤の本業の話にすれば少しはリラックスしてもらえるかと話題を変えました。
「そうそう、よっしぃーも狩人なんだよね?矢口さぁ、焼肉大好きなんだ。今度来るときイイ部位、持ってきてよ。言値で買うからね」
しかし、もう先入観の塊の吉澤の耳には『イイ部位』=『白雪姫の心臓』にしか聞こえません。
お妃様は白雪姫を殺してその心臓を食べるつもりなんだと吉澤の頭の中は真っ白になるのでした。
- 779 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:03
-
(9)
何とか白雪姫をお城から連れ出す事に成功した吉澤でしたが
いったい何を話していいやらわからず
まるで中学生の初デートのようにモジモジと居心地の悪そうにしているのでした。
白雪姫はいつもプレーボーイぶっている吉澤なのに
今日はやけに初々しくしているのが可笑しくて自然と微笑んでしまいます。
それにちょっと悪戯心が出てきました。
「何?せっかくのデートやのに何でそんなに怯えてんの」
「い・いや…デートじゃ…」
いつも男前なのに照れてる吉澤妙に可愛くてしょうがありません。
白雪姫のからかいは続きます。
- 780 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:04
-
「えっ、デートちゃうん?こう、好意のある二人がもっと親密になるためにお出かけすることがデートやろ?」
「はぁ…」
「な、これデートやん」
吉澤はニヤニヤしている白雪姫の態度が気に入らないというより
ちゃんと告白できない自分が情けなく、苛立ちます。
そんな吉澤に姫は突然とんでもないことをいいます。
「な、裕ちゃんとキスしよ?」
「な・何いうんですか!」
「すぐすむから」
白雪姫はそういうと
エレベーターの中で…もとい
木陰の中で軽くチュッとするのでした。
!!!!
この展開に吉澤はパニックに陥ります。
折角、二人きりという状況にもかかわらず
迫るつもりが迫られてかっこ悪いやら情けないやら…
そして、かっこ悪さを隠すため逆切れ気味に怒鳴ったしまうのでした。
「って、中澤さんは矢口さん狙いだったんじゃないんですか?!」
「ん?矢口?矢口ってカワイイやろ?でも、あかんでアレはもうアタシのもんやから」
そんな言葉に吉澤は一層気持ちがヒートアップしていきます。
「じゃあ!私は何なんです?!」
「よっつぁんは国一番の綺麗どこやもん、ずっーと気になってたんやで」
そういうと姫は極上の笑顔を向けるのでした。
白雪姫をモノにするつもりで意気込んでいたのに
一枚も二枚も上手な姫に吉澤の力が一気に抜けて呆然としてしまいました。
さて、白雪姫は自分の手の中に落ちそうな吉澤に満足したのか
得意げにいかに吉澤の事を気に掛けていたのか話を滔滔としながら
自分の語りに陶酔してるのか
毒気を抜かれた吉澤を木陰に残しているのにも気が付かず
森の中をドンドン進んでいきました。
吉澤が我を取り戻した時にはあたりに白雪姫の姿はありませんでした。
- 781 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:05
-
(10)
白雪姫は自分が如何に吉澤の事を見ていたかを語るのに夢中でした。
当然、吉澤は付いて来ているものと思いすっかり安心して森の深いところまで踏み込んで行くのでした。
よっすぃは私が知ってる中でも一番顔立ちが整ってる
すごい美人さんやとおもうで
そのうえ礼儀正しいし
持ってる空気も清清しくて一緒にいて心地ええな
裕ちゃんなカッコイイ男性はもちろんやけど
可愛い女の子とか綺麗な女性も大好きなんや
等々
そして、延々と続いていた吉澤への口説き文句も終わり
吉澤の反応を確かめるべく振り向いた先には空虚な森がつづいているだけでした。
「吉澤?」
「どこ?隠れてへんで出てきて?」
………
「アタシ、迷ったんか?!!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
s@uedqoeey7!!!
方向音痴のお姫様に自力でお城に帰ることはできません。
しかし、白雪姫は強運です。
白雪姫は右も左もわからない森の中で途方にくれていると何処からかスパイシーな香りが漂ってきました。
犬のようにくんくんと匂いの方へ進みます。
暫く行くと森の中に突然
そう彼の国のサッカーの貴公子が子供の誕生日プレゼントに建てたというチャイルドハウスのような可愛しい一戸建てが現れました。
すっかり日も傾いてしまいこのまま森を彷徨い続けるよりこの家に泊めてもらう方が賢明です。
- 782 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:06
-
コンコン
し〜〜〜ん
「どなたかいらっしゃいませんか?」
し〜〜〜ん
家の中は留守のようでした。
他人の家に許可も無く入り込むのはいけない事とは知りつつも
毎週のようにエリック亀造に不法侵入されている身ですのでそこは多めにみてくだいと
言い訳のように人の家に上がりこみました。
くしゅん
家の中に入ると白雪姫はくしゃみが止まりません。
部屋は暫く掃除をしてなかったのでしょう白雪姫の動きに合わせて埃が舞います。
鼻炎もちの姫には埃は耐えられません。
仕方なく窓を開け掃除をします。
もともと掃除と洗濯はそこそここなしていたのでそんなに苦になりません。
しかし、料理のほうは面倒です。
それなのに暖炉に掛けられた鍋は主もいないのにグツグツと煮立ってます。
「アカンやんか!鍋かけっぱなししてたら焦げてまう」
といいながら鍋底をオタマでかきまわします。
森の中で嗅いだスパイシーな香りの正体はこれだったのです。
鍋の中身はカレーです。
リビングのテーブル上に7人分食事の用意がしてありました。
普段なら人の物に手を出すなんて絶対しないのですが
飲まず食わずで一日中森の中を彷徨い本当にお腹がすいていたのです。
悪いと思いながらテーブルの上で一番少なめのお皿に一口手をつけました。
そしてそこに腰掛け背もたれに持たれかかった時ギシっと言う音がして慌てて立ち上がりました。
お腹に少し食べ物を入れたら急に疲れが襲ってきました。
もう目を開けているのも辛い位です。
食堂のドアの向こうにふかふかの布団が手招きをしています。
白雪姫は隣の部屋に行きベッドへ倒れこみそのまま気絶したように眠りについたのでした。
- 783 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:07
-
(11)
日も落ち森の中はすっかり暗くなりましたが明るく可愛らしい歌声が段々小屋のほうに近づいてきました。
歌声の主たちは小屋の前でいつもと家の中の様子が違います。
ちょっと躊躇しながらそっと中に入りました。
「ああ!誰かが私のカレー食べた!!」と清水佐紀がいいました。
「ああ!誰かが私の椅子壊しちゃった!!」と菅谷梨沙子がいいました。
「ああ!中澤さんが私のベッドに寝てる!!」と嗣永桃子がいいました。
このセリフの三段オチという手法はよく使われます。
ちなみにこの部分は「三匹のくま」という話をインスパイヤしてみました。
なんてことはどうでもよくて
そうです。
この家は宝石加工業の「Berryz工房」の宿舎だったのです。
今は「Berryz工房」の従業員は先日、石村舞波が退職したので清水佐紀、熊井友理奈、須藤茉麻、菅谷梨沙子、夏焼雅、徳永千奈美、嗣永桃子の7人です。
んん〜ん
白雪姫は相当疲れていたのか
辻加護の騒々しさに慣れてしまったのか
Berryz工房の礼儀正しい騒ぎ方では寝返りをうっただけで目覚めません。
みんなは起こすべきか話し合ったのですがそれはもう
ねずみの会議と一緒です。だれも猫に鈴をつける役割を申し出る物はいません。
今日のところは桃子は他の子のベッドに入れてもらうことにしました。
しかし翌朝、白雪姫に丁重に謝られて反って恐縮してしまうのでした。
そんなこんなで一息ついたところで
「ところで中澤さんが何故こんなとこにいらっしゃるのですか?」と清水が聞きました。
白雪姫はこれまでのいきさつをわかり易く話します。
- 784 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:08
-
「あるお城に
たいへん仲のいいお姫様とお妃様が住んでいました。
ふたりは血のつながりは無い義理の親子でしたがそれはもう
毎日楽しくラブラブに過ごしていたのです。
そんなある日、町の若者がお姫様のことをデートに誘いにきました。
お姫様はお妃様が大好きだったので
『裕ちゃん、たまには外の空気も吸った方がいいよ』って言葉に素直に従い森の中にハイキングへいきました。
お姫様は若者と楽しい時間をすごしたのですが
慣れない森の中のこと若者とはぐれてしまいました。
そして森の出口を探して歩いているうちにこの家を見つけたのでした。」
「大変だったんですね」と熊井と菅谷が素直に同情します。
- 785 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:11
-
その話を避けるように夏焼、徳永、嗣永が清水にこっそり進言します。
「ネットのココみて」
「今話題の巨大匿名掲示板?」
「そうなんだけど、噂板の白雪城のトピックなんだけど」
393 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:30:17 0
今度北、沖先と氏等逝き姫仲悪いらしいぞ
394 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:32:38 0
ソースうp
395 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:38:00 0
山小屋音源
ttp://xxx-server.xxx.org/php/sound/img/xxxxx454.mp3
396 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:40:51 0
>>395
マジか?
397 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:44:37 0
>>395
フット猿ヲタ?
398 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:48:13 0
盗聴タイ━━━━||Φ|(|´|Д|`|)|Φ||━━━━ホ
399 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:52:08 0
でもこれマジだと凄すぎ
リアル暗殺計画じゃん
- 786 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/10/28(金) 03:12
-
400 :名無し募集中。。。:xxxx/10/16(日) 23:55:36 0
城出入りのやつからの情報だけど
朝、ピクニックに出て行った姫がまだ帰ってないらしい
401 :名無し募集中。。。:xxxx/10/17(月) 00:16:40 0
やられたのか?
402 :名無し募集中。。。:xxxx/10/17(月) 00:21:21 0
クリ紺
★ 「中澤裕子クリスマスライブ〜プリマ アトリーチェ〜」日程
※ 開場時間・開演時間など変更になる場合があります。予めご了承下さい。
12月18日(日)
会場名:大阪・なんばHatch
1回目:(開場)14:00 /(開演)15:00
2回目:(開場)17:30 /(開演)18:30
12月23日(金・祝)
会場名:神奈川・横浜BLITZ
1回目:(開場)14:00 /(開演)15:00
2回目:(開場)17:30 /(開演)18:30
12月25日(日)
会場名:愛知・Zepp Nagoya
1回目:(開場)14:00 /(開演)15:00
2回目:(開場)17:30 /(開演)18:30
※ ファミリー席の設定はありません。
※ ご入場時にドリンク代(500円)が別途必要になりますので、予めご了承下さい。
※ チケット料金は一般販売での価格は¥5,700(税込)になります。
403 :名無し募集中。。。:xxxx/10/17(月) 01:21:21 0
誤爆か?
・
・
・
云々
ネットの情報を鵜呑みにするのは危険ですが用心するに越した事は無いです。
すっかりお妃様のことに心酔してしまっている白雪姫にこのことを言っても信用してもらえそうも無いので
良い子のBerryz工房のメンバーは自分たちでなんとかこの姫を守る事にしたのでした。
- 787 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/11/11(金) 02:39
-
(12)
白雪姫がピクニックに行った日、
お城では久しぶりにお妃様がひとりで自由な時間を持てて暫くの間はうれしそうでした。
しかし、いつもちょっかいを掛けてくる人がいないだけなのに
何か体がムズムズするような居心地の悪さがあります。
もともとワーカーホリックで忙しくないと不安に思ってしまうので
折角こんなノンビリとした時間を持てたのに十分に楽しむ事が出来ませんでした。
いつもより念入りに城の内部の点検をしたり領主に代わってのいろいろな書類に目を通したり
ワザと仕事を作って忙しくしていましたが胸の中の苛立ちが何なのか突き詰めてみるに
煙たかったはずの義理の娘がいないと寂しいという事実に気付きお妃様は愕然となさいました。
こうなっては吉澤とピクニックに行った白雪姫が
早く帰ってこないかと城の中で一番見晴らしの利く塔の窓から
森のほうをずっと眺めているのでした。
- 788 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/11/11(金) 02:39
-
白雪姫は夜になっても帰ってきませんでした。
不安は募ります。
屋根裏に上がり最近すっかりお妃様の相談相手となった鏡に話し掛けます。
「梨華ちゃん、まだ帰ってこないんだけど大丈夫かな…」
「いったい誰の心配してるんですか!中澤さんだって30過ぎた大の大人ですよ、朝帰りの一つや二つあっていいじゃないですか」
「そうなんだけどさ…一応嫁入り前じゃん、何かあったら留守を預かってるの矢口だし御領主さまに申し開きができないじゃん」
「やぐっちゃん…なんか、心配の焦点がずれてるみたいに感じるんだけど…」
「あっ!ち・ちがうって、矢口はほんとに純粋に裕ちゃんのことが心配なんだよ。もし、森の中で吉澤と逸れてたら方向音痴の裕ちゃん絶対遭難してしまう」
「そうだけど…兎に角、少し様子をみてはどうかしら」
なんて鏡の精の頼りない助言でも不安を分かち合えば少しは気がまぎれるもので
ひょっとしたら吉澤といいムードになってお泊まりなっちゃった
なんてことになってたら1日2日ぐらいそれこそ大の大人ですから他所へ泊まりしてもことを荒げるほどではありませんし、そうであれば姫に意中の人が出来たということで大変喜ばしいことです。
しかし、1週間近く立っても何の連絡もありませんでした。
さすがに普通じゃありません。
何度も言うようですが嫁入り前の姫です。何かあったではすみません。
大変心配していたところに吉澤と後藤のふたりがなにやら木箱を抱えてやってきたのでした。
- 789 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/11/17(木) 01:36
-
(13)
話は少し戻ります。
白雪姫とはぐれた吉澤は懸命に辺り隈なく探しましたが見つかりません。
仕方なく始めに計画していたとおり紺野と後藤の待つ小屋に一旦戻ることにしました。
ドアをあけると丁度猪の皮を焼いて毛の始末をしているところでした。
「あ、吉澤さん」
「おかえりぃ、何、しょげてるの?」
「ああ、分かった!狩が坊主だったんだww」
当初、吉澤の予定は姫に華麗に獲物を仕留めるところを見せて
グヮシと姫の心を掴み、獲物は姫の身代わりとしてお妃様へ献上するというものでした。
「狩はいつも上手くいくとはかぎらないですよ」
「そうだね、猿もおだてりゃきにのぼるとか河童の平泳ぎとかベリーズ工房も不出のあやまりとかいうもんね」
「ごっつぁん…全部違う」
「まあまあ、そんなこともあろうかとコレ用意しといたんだから」
「イイ猪でしょ?この森の中じゃ猪の肉が一番人に似ているんですよ。姫の心臓と肝臓の代わりにコレをお城に届ければいいですからね」
最後のセリフが気になった方もいらしたと思いますが、
この3人はお妃様から暗殺依頼を受け
姫を殺した証拠に内臓の一部を持っていかなくては自分たちに呪いが掛けられると思い込んでましたからこんな話にもなります。
「じつは…」
「「?」」
「姫とはぐれた」
「はぁ〜、やっぱり」
「やっぱりってなんかあったの?!」
「じつはこんこんがボランティアでやってる「よい子のためのこんこんweb相談室」の相談に『お城の姫が突然お泊りにきたらどのようにしたらいいですか?』って書き込みがあったからひょっとしてって思ってて」
「じゃ、その書き込みした子のとこいかなくっちゃ!」
「よっすぃ、今は止めたほうがいいよ。姫は無事みたいだから予定とは少し違うけどこのまま計画遂行しよ」
「わかった」
「ということでコレ燻製にしよう」
狩ばかりでなく料理も得意な後藤の手により猪肉は見事なポークハム・ソーセージに仕上がりました。
- 790 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/11/19(土) 03:08
-
(14)
後藤たちは「約束の品が計画実行の印になるから箱は執事に渡してすぐ戻るように」との紺野の助言に従ってお妃様には直に会わず出来るだけ早くお城から離れました。
お妃様は後藤たちが持ってきた木箱が暮れの挨拶の定番「ハム・ソーセージ詰め合わせ」だったのでそれはお歳暮として受け取りました。
こういう双方の意識の差が過去の歴史的悲劇を産むのですが当事者には後の祭りになってから気が付く事です。
お妃様は後藤たちのお歳暮が
姫が吉澤か後藤、どちらかとイイ仲になったという証だと思いました。
乳母の保田は姫に誰かいい相手がいたらこっちに掛かるちょっかいが減るから
まずは出会いの機会を作らなくっちゃねってことで城の外へ連れ出し作戦。
事が上手くいっていい相手が見つかったらその報告を貰おうと
後藤からきたメールの返信に
件名:Re後藤真希
おお!後藤さん!
すごーい!すごーい!頼もしい!!太っ腹!!
もう、ほんとごっつぁんさまさまです。
メラよろしくです。
あっ!
オイラ心配性なんで
ことが上手くいった証拠というか確認できる物
後で見せに来てほしいんだけど
お礼もしたいし
じゃ、そういうことで
矢口真里
と送ったのですが
あとで言葉足らずのメールだったかなと心配してましたがちゃんと通じていたようで安心しました。
しかし、こうなってしまうとなぜかさみしいのです。
じぶんには今は留守にしているとはいえ伴侶がいる身。
なのに姫の一番の座を誰かに取られるかと思うと何かおなかの中で嫌な物がグルグルと回るのでした。
- 791 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/11/19(土) 03:09
-
お妃様は屋根裏に行き
鏡に訊きます。
「裕ちゃん、今何処で何してるかわかる?」
「ずいぶん、情けない顔してますよ」
「だいじょうぶなのれすか?」
「中澤さんの顔見れますよ」
「どうすればいいの?」
「呪文をとなえればええねん」
「呪文?」
「いつものやつ!」
ああ!
「鏡よ、鏡。世界で一番可愛いのはだぁれ?」
「「「それは…」」」
「チャミー石川です」「あいぼん」「のの」
「さゆ!!」
「はいはい、じゃ…鏡よ、鏡。世界で一番セクシーなのはだぁれ?」
「それは、まいちゃんかな?」
「愛ちゃんかも」
「ミラクル!!」
「ちがーーーう!!!一番は矢口!」
段々、白雪姫のやり方がお妃様にも伝染しているようです。
そして、最後の呪文を唱えます。
「鏡よ、鏡。世界で一番美しいのはだぁれ?」
「「「それは中澤さんです」」」
鏡は一瞬、ホワイトアウトしたかと思うと森の小さな小屋で小さな子たちと
落ちたペンをフォックスで拾ってコーンと渡す練習をしている姿が映し出されました。
- 792 名前:名無し飼育さん 投稿日:2005/11/19(土) 23:10
- おもしろいです。
最後の一文で笑ってしまった。
- 793 名前:名無飼育さん 投稿日:2005/12/12(月) 04:02
- 突然失礼します。
いま、2005年の飼育を振り返っての投票イベント
「2005飼育小説大賞」が企画されています。よろしければ一度、
案内板の飼育大賞準備スレをご覧になっていただければと思います。
お邪魔してすみませんでした。ありがとうございます。
- 794 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/12/17(土) 03:31
-
(15)
森の中の山小屋で朝一番にすることは
「よい子のためのこんこんweb相談室」用のメールBOXに届いたメッセージを読むことです。
そして、今朝届いたBerryz工房からの相談メールはかなり危ないことになっていたのです。
Subject: 不審者です!!
Date: Tue,x X 20xx 20:45:57 +0900 (XXX)
From: べりーずこうぼう
To: こんこん先生
こんこん先生、大変です!
白雪姫が死にそうになりました!!
けど、今はもう大丈夫です。
白雪姫は元気です。
何があったかというと
私たちが仕事から帰ってきたら家にいなくてみんなで
近くを探したら裏庭で白雪姫が紐で縛られ倒れてました。
その側に『矢口真里』と書かれた色紙が落ちてました。
コレはやっぱりあの人の仕業でしょうか?
これからどうしたらいいのですか?
このメールは予想していた事とはいえやはりショックでした。
遅かれ早かれ白雪姫が生きている事がお妃様にバレルと思っていましたがこんなに早いとは
紺野も思いませんでしたから。
とにかく良い子たちに返事を出さなくてはなりません。
Subject: よい子のお約束
Date: Fry,x X 21xx 09:05:44 +0800 (XXX)
From: こんこん先生<こんこんmembers_xxx@xxx.xxco>
To: べりーずこうぼう<ベリーズmembers_xxx@xxx.xx>
べりーずこうぼうの皆、よい子のお約束を知ってますか?
『きょうはいかのおすし』を白雪姫にも教えてあげてください。
しばらくはそれで大丈夫。
お城のあの人のことはこちらでなんとかしますから
あと少しお姫さまをよろしく。
紺野はこうメールすると暫く静かに考え始めました。
- 795 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2005/12/17(土) 03:33
-
白雪姫は兎に角大事な言葉が足りずよく誤解を招く人でしたが
今回の出来事も何も説明しませんでした。
実は本当のところはこんな感じでした。
Berryz工房たちが出かけた後、白雪姫は軽く掃除をしていると
ハロプロ物産のエリック亀造という人がコルセット用の紐を売りに来ました。
「やあやあ、いいお天気ですね」
「あんた誰?!」
「怪しい者ではありません」
「十分怪しいンやけど…」
「私はハロプロ物産営業部課長、エリック亀造〜です」
「ああ!テレビで観たことあるわ!あの番組終わって亀造さんどないしてはるか心配してたンやで。そうそうこんな顔やった!」
「忘れるなんて酷いじゃないですか!中澤さんですよね」
「そや、けど、あの中澤さんやないねん」
「どこが違うんですか?一緒に番組やった中澤さんですよね」
「やから違ゃうっていってるやん」
「ええー一緒じゃないですか!何でも買ってくれる中澤さんですよね」
「ああー、もう、わった。買います。今日は何もってきたの?」
「ハイ!今日はとっておきの商品を用意しました。ハロプロロゴ入りコルセット用の紐です。」
「コルセット用の紐?なんで紐なん?」
「白雪姫が最初に買った商品はコレなんですって」
「まあええわ、買います。ちょうだい」
「どうしようかな…」
「買う言うてるやん」
「チョット待ってください。今ならハロプロメンバー直筆のサインをお付けします。中澤さんのことはちゃ〜んと調べてあるんですよ。はい、矢口さんのサイン色紙。」
色紙の文字は『矢口真理』。
「それ、自分書いてるやろ!」
「……………」
「やっぱり…ええわ、もう。」
「さ、ではコルセットお付けしますね。」
エリック亀造はギュウギュウにコルセットの紐を締め上げたので、白雪姫は苦しさに声もでませんでした。
その後、さすが自分でも『わたしがわたしが』の人と言っているエリック、窒息しそうな白雪姫にも気付かず
いい商売ができた事を喜んで次のお得意さんの所へ行ってしまったのでした。
- 796 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2006/01/09(月) 03:06
-
(16)
Berryz工房のお子たちは
体の大きさでいえば白雪姫を遥かに追い越した子もいるのですが映画なんかはまだ小人料金のお子様です。
そのうえ大変いい子なのでこんこん先生の言い付けを守ります。
「あの…」
すこし遠慮がちに白雪姫に話し掛けます。
「なん?」
「えーっとですね、こないだみたいな事がありますから訪問販売にはくれぐれも気をつけてください。」
「ん?ああ、こないだのは亀ちゃんがちょっと行き過ぎただけや。もう、ちょいゆるくコルセット締めてくれたらよかったんやけどアレは手加減しらへんから」
「はぁ、でもくれぐれもも気をつけてください。欲しい物があったらおっしゃってください。私たちがなんとかしますから」
そんなことを年下に言われてもイイ大人が
「はいそうですか」
というわけにはいきません。
「今日も仕事あるんやろ?子どもがそんな心配せんでもええから」
と無理やりみんなを送り出すのでした。
- 797 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2006/01/09(月) 03:07
-
そして、もちろん今日もエリック亀造は来ます。
まるでBerryz工房のお子たちがいなくなるのを何処かから見てたかのように突然草むらからエリック亀造が現れました。そして、いつものように漫才トークが始まりました。
「なっかざわさんv」
「ぅわ!みっくりした!いきなり何ンやの?」
「今日も取って置きの品を持ってきました。」
「買います!」
「ぇえ〜!ちゃんと説明聞いてくださいよ〜」
「亀ちゃんのこと気に入ってるからいっつも何でも買ってあげてるやん」
「えっ?も、一回言ってください」
「何でも買ってあげてるやん」
「じゃなくて嬉しいこと言ってくれたじゃないですか」
「気に入ってるから?」
「疑問形じゃなくてもっと頭からお願いします。」
「亀ちゃんのこと気に入ってるから」
「も、一回言ってください」
「亀ちゃんのこと気に入ってるから」
じ〜んといい気分に浸っている亀造をよそに話を進行するのが白雪姫です。
この人がいるから話が横道にそれてもなんとか軌道修正してコーナーが成り立ちます。
「亀ちゃん?何か売りにきたンやろ?」
「そうでした。ジャ〜ン。世界の王室ご用達櫛職人が精魂込めて作った超高級櫛。これで髪を梳けば一週間で輝く髪に」
「うそや〜ん」
「ホントですって。それに他には同じモノなしの一点モノですよ」
一点モノに弱い白雪姫は即決で超高級櫛をお買い求めになられました。
エリック亀造が帰ったあと白雪姫は池のほとりで
自分の姿を水鏡に映しながら買ったばかりの櫛で髪を梳かします。
しかし、何回も染め直した髪は痛みまくりでスムーズに櫛は通りません。
池のほとりは日も指して今日はぽかぽかのイイ陽気だったので髪を梳かしてる途中で白雪姫は頭には髪に櫛を引っ掛けたままうとうとと死んだように寝てしまいました。
- 798 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2006/01/23(月) 01:12
-
(17)
「やぐち!!!!」
けたたましい叫び声とともに城内に入ってきた人物はお妃様の乳母、保田ばあちゃん。
走ってるとはいいがたい歩みでしたがお年寄りには精一杯急いで来たようで髪は振り乱し険しい表情はそれは山姥を思い起こさせ一種異様な雰囲気に城の召使たちは後退さる中それがいつものことと落ち着いた様子でお妃様がいらっしゃいました。
「圭ちゃん!何そんなにあわててるのさ」
「はあはあはあはあ…うっ…くっ…くるしい…・・」
「きゃーー!圭ちゃん、死なないで」
呼吸困難になっている保田ばあちゃんを見てパニックになってしまったお妃様は保田ばあちゃんの襟元をつかんではげしく揺さぶりました。そのせいで益々ばあちゃんの顔は真っ青になっていきます。
でも、こんなことは日常茶飯事。
お妃様がプレッシャーに弱くてすぐパニックになることは長い付き合いでよ〜く知っていたのですがことが緊急事態のせいでお妃様に対する配慮を欠いてしまった結果がこれです。
「や、やぐち!やめい!」
保田ばあちゃんはやっとのことお妃様を制止することができました。
「あ、ごめん」
「とにかく、水、一杯ちょうだいよ」
「はいはい」
保田ばあちゃんはお妃様にも水を飲ませ落ち着かせます。
「で、どうしたのさ、そんなにあわてて」
「どうもこうも、やぐち、町の噂知らないの?」
「噂?」
「コロボックル族の熊井ちゃんの身長が矢口のバストの倍になったんですって」
「えっ?!170cm超えたの?!!」
「冗談よ。裕ちゃんじゃあるましいし矢口のバストサイズ知ってるわけ無いでしょ。で、少しは落ち着いた?」
「うん、大丈夫。噂って矢口にとって悪いことなんだね。覚悟できたから言って」
「じゃあ言うわよ。」
「うん」
- 799 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2006/01/23(月) 01:16
-
「実はねここ1週間ばかり腰痛に効く湯治場に行っていたんだけどそこで白雪城下町からきた湯治仲間が『もう長い間、白雪姫が行方不明らしい』というと別の仲間が『姫は森の7人の小人(未成年者)たちに匿われていたけど新しいきたお妃様が2度も暗殺を企てたらしいが何とか姫は生き延びてるらしい』と。そしてまたべつなのが『そうそう、1度目は魔法の紐で絞め殺そうとしたって。2度目は毒を塗った櫛を突き刺したってさ』って言うのさ。あげくに『どうやら新しいお妃様は夜な夜な魔法の鏡に向かって、鏡よ鏡。世界で一番美しいのはだあれ?ってやってるらしいぜ。そんでよ鏡が一番美しいのが自分じゃなくて他のヤツ名前をいったらそいつを殺して回ったから今ではお妃様が一番ですっていってたらしいが』とね。じゃ、どうして白雪姫を殺さなきゃならないのってきいたら『白雪姫、エステに行ったり、ジムいったりして綺麗になったからきっと鏡の精に一番って認められたのさ』っていうじゃない。矢口、まさかあなた魔法の鏡と話なんてしてないでしょうね?」
- 800 名前:たぶんこれが「白雪姫」かな? 投稿日:2006/01/23(月) 01:17
-
「………」
「やぐち?」
「やぐちさんと毎日話しますよーー」
突然、廊下に掛かった鏡が話し出します。
「うわっ、誰?!」
「世界一かわいい鏡の精、さゆみんで〜す」
「鏡の精…あの話は本当だったのね…」
「鏡と話してるけど、そんなんじゃないから」
「はあ、わかったわ。けど、相変わらず自分のことに無頓着というか無用心というか。前から言ってるでしょ。有名になったら壁に耳あり障子に目ありだから慎重に行動しなさいよって。世間なんて話してる内容がどうのこうのってんじゃなくて状況とかで勝手に話し作られちゃうんだから」
「だってそんなことになってるなんて知らなかったんだよ」
「やぐちさんらしいですよね」
とまた勝手に鏡が口をはさみます。
何が矢口さんらしいんだかさっぱりですがなにかあるとこの言葉は結構便利なのよく使われます。
「兎に角、裕ちゃんをつれて帰らなくっちゃ、誰かに頼むとまた余計な誤解が生じるかもしれないから矢口自分で迎えにいきなさいよ」
「わかった」
「ああ、でもそのままいくときっといろんなとことでアンチ連中に袋叩きだわね。コレを着て」
変装のつもりなのでしょうお妃様は保田ばあちゃんが着てきた服を着せられ何処から見ても老婆の格好になりました。
「そうそう、お世話になった7人の小人たちにお礼にこの蜜入りりんごを持って行きなさいね」
常識的な保田ばあさんの指示に従いお礼をもってお忍びで白雪姫を迎えに行っきました。
しかし、この話が何処でどう間違ったか毒入りりんごをもった悪い魔女が白雪姫に永遠の眠りをあたえる話になってしまったのでした。
了。
- 801 名前:お礼のことば 投稿日:2006/01/23(月) 01:27
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サザエさま
長々、駄文をのせていただいてありがとうございました。
読んでくださった方
遅筆で自己満足な駄文にお付き合いくださいましてありがとうございました。
途中で容量が増えたときはいかがしたものかと思いましたがなんとか使い切ることが出来ました。
駄文はまだ書き続けると思いますがそのときはまたよろしくお願いします。
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