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きみは、ぼくの、太陽だ。2

1 名前:カム 投稿日:2002年08月03日(土)05時25分04秒


アンリアルよしごま、学園モノです。
はっきり言って、内容やテーマは特にありません。
「甘い」のだけがとりえの駄文ですが、読んでいただければ幸いです。
吉後好きでモテ吉好きな方なら、多分きっと楽しんでいただけると思います。

ちなみに前スレです。
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi?dir=blue&thp=1006797556&ls=25

2 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月03日(土)05時29分48秒

以下は、前スレ(>417)からの続きになります。
3 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月03日(土)05時31分10秒




…しゃべり方も全部いつもと変わらないのに
こんなごっちん、あたし、ちっとも知らなかったよ。


すごく大人っぽくて、色っぽくて、今までに見たことない。
なんだか全くの別人みたいで怖いような気もするけど
実は、そんな『見知らぬごっちん』にワクワクしてるような気もしてて。



でも、あたしの中では
『怖い』って思う気持の方がちょっとだけ強くて
そんな気持を隠したいせいもあって、つい怒鳴るみたいな声で言った。








「一体どうしちゃったんだよ!?あたし、ちゃんと話したくてっ」




あたしは身体をグイっと捻って
思いっきり顔を斜めに反らせて、ごっちんの指を振り払った。


4 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月03日(土)05時33分35秒





「いーからいーから、ね」



そう言って、ごっちんはあたしの頬に片手を添えて
反らせた顔を再び向かい合わせになるように戻した。





ごっちんは、さも当然のようにあたしのタイを外すと
「ちょっとの間だけだからねぇ〜」と、いつもの間延びした声で言って、
手に持ったソレで、サッとあたしの視界を覆い隠した。


すぐ傍でごっちんの息づかいを感じたせいか、
胸のドキドキが更に高まっていくのが分かった。






…ったく、手の次は目隠しかよぉ〜!?
一体何するつもりなんだろ?うわあぁぁぁん、マジで怖いよぉ〜!!




ごっちんは、そんなあたしの気持ちを察したのか
「怖くないからね〜?」なんてのんびり言いながら、
見た目に不似合いなバカ力で、今度はあたしの体をソファに横たわらせた。

5 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月03日(土)05時49分35秒





「ちょっと、ごっちん!?いい加減に…」



あたしは真剣に不安で堪らなくなって
つい大声を上げようとしてしまった瞬間、

いきなり下っ腹の辺りにググっと重みが加わった。



そして、スカートの上から
じっとりした温度が段々と伝わってくるのを感じて。




…マウントポジションかよ!?
ああもうムリ、あたし終わったな。
もー煮るなり焼くなりごっちんの好きにしろ!!





半分ヤケっぱちになりながら、あたしは覚悟を決めた。





6 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月03日(土)05時59分07秒






「あんま動いちゃダメだからね〜、じっとしててね〜?」



ごっちんは、あたしの耳元で楽しそうに言うと、
クスクス笑いながらあたしのシャツの一番上のボタンに手をかけた。




上から順にボタンが1つ、2つ、と外されていく。



あたしの上を少しずつごっちんが動くたびに、
その長い髪がサラサラと揺れるせいで、毛先がシャツの上を掠めていく。









「じゃぁ、いくよ?」






その瞬間、ごっちんが悪戯っぽく笑ったような気がした。


7 名前:カム 投稿日:2002年08月03日(土)06時10分56秒

では、レス返し〜!


>さるりんさん
いよいよ後藤さんの調教&躾が始まってしまいました(w
吉澤くんは一体どうなってしまうんでしょう?作者もワクワクしてます。

>とみこさん
気に入ってもらえて良かったです(w。
今回ちょっと後藤さんが怖い人みたいになってしまいました(汗

>名無しさん
初めまして、吉後好きの方ですか?レスありがとうございます(w。
お待たせして本当にすみません。今後ともよろしくお願いします。

8 名前:カム 投稿日:2002年08月03日(土)06時28分31秒

7月末までに大量交信するつもりでしたが、
例の一件のショックでかなり凹んでしまいまして…。
一時は本気で放棄も考えました。


けれど今はもう大丈夫です。
例えキショヲタとパラノイアと言われようと構いません。
これからも私の中では吉後の愛は不滅です!吉後鉄板!
(9/23前後は、かなり荒んでると思いますが…)(ニガワラ

残された時間のうちは出来る限り
特に「甘い」吉後を描いていきたいと思っています。
9 名前:カム 投稿日:2002年08月03日(土)06時29分25秒

 交信終了です。
10 名前:とみこ 投稿日:2002年08月03日(土)08時26分46秒
やったー!!一番レスだ!!(w
更新お疲れ様です。ごっちん、○○プレーっすか?!(w
いやいや、こういうのも好きですよ♪カムさんが書くのならば何でもぉ!!
同じ板同士頑張りましょう!!!でわ!

ps キショヲタもパラノイアもメロン(?)もほっといてやっちゃってください^^
11 名前:シューヤ 投稿日:2002年08月06日(火)12時09分02秒
2スレ目おめでとう御座います。
カムさんの甘い吉後、いつも楽しみにさせて頂いてるので、
放棄されずに継続された事、大変嬉しいです。

卒業は事実ですし悲しいことですが、僕の中でも吉後の愛は不滅です。
吉後真実!吉後鉄板!!
調子乗って新作も始めました。

これからもお互い頑張っていきまっしょい!!(w
12 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時14分33秒


          暗転中

13 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時16分27秒


≪諸事情により、音声、
 描写その他など、以下省略させて頂きます。
 何とぞ御理解下さいませ。
 それでは、一部のみ音声にてお楽しみください。≫



「ん、…ぁっ、ご、っちん…い、一体どこで、んなテク…!?」

「……いいから黙って、リラックスして」

「ぁ、ふぁっ?」



≪「ナニか」を期待されていた
 一部の読者さま方には大変申し訳ありませんでした。≫

14 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時17分40秒


          暗転明け

15 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時18分34秒



「はーい、今日はココでおしまぁーい!!」

「……ぁ?え、えぇ――っ!?」





その間延びした声に、あたしは極上の夢の中から突然たたき起こされた。



16 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時23分11秒


ごっちんは、「ふぅ〜!」っと少し疲れたように
大きく息を吐くと、うっとうしそうに長い髪をかきあげた。


「そんなぁ…、急に止めるなんで…ごっちんヒドイよぉ〜!!」

ごっちんは、あたしの声なんか聞こえないって風に
すっかり緩くなって鼻の辺りにまでズレ落ちたタイを
サッと抜き取ると、放り出されたままのあたしの足をよけて
ソファの端っこのほうにスマシた顔でちょこんと座った。







今のあたしは正に、
こないだの帰り道で食べかけだったアイスを
いきなり矢口さんに取り上げられた時と同じ気分。





つーか、ここまでしといて「ハイおしまいっ」って、どーいう事!?
今更そんな『ちょっと』だけなんかじゃ、全然もの足りないってばー!!

17 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時31分58秒


不満タラタラのあたしは
ソファの上を四つんばいになって
素知らぬ顔でタイをほどいてるごっちんの傍へ
手首を使ってズリズリとにじり寄っていった。





うがーっ、動きにくいー!!
ちくしょう、ごっちんめ〜
先に手首のをほどいてくれたって良いじゃんかよぉー!




あたしがごっちんの隣で止まると同時に、
ごっちんはクルッと身体ごとこちらを向いて
タイを片手にあたしの首元にスルスルと両腕を回してきた。



あたしはてっきり、
タイをしめなおしてくれるんだと思って
ごっちんに「ありがとう」って言おうとした。








けど、それよりも一瞬早く、ごっちんが口を開いた。



18 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時33分52秒


「よっすぃさぁ〜、今のもっとしてほしい?」

「………ぅん」

「じゃ、もう2度と浮気しないって約束して」

「へっ!?何それ…?てかさ、あたしはそもそも浮気なんてしてな…」

「あっそぉ?ふーん、じゃあもう『さっきの続き』してあげなぁーい!」

「ちょっ…!?待って!…分かった、分かりました。約束します!!!」

「それじゃダメ。ちゃんとごとーの目を見て言ってくんなきゃダメ」



あたしの顔を両手で挟みこんで、じぃと見つめてくるごっちん。









その表情からは、
さっきまでの挑発的な声とは不似合いな、
切ないくらいの真剣さが、ひしひしと伝わってきて。




…あぁ、ごっちんを安心させてあげなきゃ。
あたしなんかのせいで、こんな表情させちゃいけないって



あたしは本当に、心底そう思った。
そして想いを込めて、ごっちんを静かに見つめ返した。







「2度と浮気はしません。誓います。」


19 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月07日(水)03時39分15秒


ごっちんは、一瞬、満足そうに微笑むと
すぐにいつもの「にへっ」とした笑顔になって、あたしの腕をとった。




「はい、手ぇ出して。ごとー、ほどいたげる〜」

「ん〜」



言われるままに、両手を差し出すと
ごっちんは自分でやったくせに、固く結びすぎたのか
「んしょ、んしょ」なんて言いながらほどくのに必死になってて。




そんな姿を見て、あたしはピーンと閃いた。



つーか、浮気疑惑うんぬんは
どーせ濡れ衣なんだから関係ないとして
なーんか、やっぱちょっとムカつくんだよね〜。
このままやられっぱなしってのは、どーも気が済まないっつーか。












……へっへっへっ、
という訳で、かるーくシカエシといっときますかねぇ〜?


20 名前:カム 投稿日:2002年08月07日(水)03時52分24秒

>とみこさん
早速レスありがとうございます。
この展開にヒいてませんか?それなら嬉しいです(w
何プレイなのかどうかは次回更新の時にでも…(逝け

>シューヤさん
無駄に長いだけの駄文ですが…、そう言って頂けて嬉しいです(w。
ええ、現実がどうなろうと乗りかかった船ですし
吉後が真実な事になんら変化はありませんから(w。
もちろん、いつまでも吉後で頑張っていきまっしょい!です(w。
のちほど新作読みに行かせてもらいますね〜。
21 名前:カム 投稿日:2002年08月07日(水)03時58分26秒

中途半端な交信ですみません。
次回更新で吉後の微妙な仲直り編は一旦終わりになります。

えー、長らくお待たせいたしました、いよいよ真打ち登場!?…の予定です。

22 名前:とみこ 投稿日:2002年08月07日(水)09時39分55秒
超鈍感のよっすぃーにも、ごっちんを思う気持ちはあったのですね。
いいですね。青春です。今後の展開が気になります。期待!!
23 名前:YUKI 投稿日:2002年08月08日(木)02時04分08秒
一気に1から読みました。なんつーか、悶えます。ごっちんもよしこもカワイイ!
なんでよしこがプール嫌いなのか、すごく気になる!
よしこは運動全般好きだから、プールでもはしゃいで泳ぐタイプだと思ったが……。
これからも甘いよしごまに期待してます。更新ガンガレ!
24 名前:カム 投稿日:2002年08月12日(月)02時40分40秒
今夜、仲直り編をラストまで更新する予定でしたが急にパソの具合が悪くなってネットに繋げません。直り次第すぐ更新しますので、本当に申し訳ありませんが、どうかお待ちください。
よろしくお願いします。
25 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時23分39秒







あたしは頑固な結び目と格闘してるごっちんの
両手首をガシっと掴んで、グイっと力ずくで引き寄せると




「っ、ふぇぇっ!?」



思いがけない突然の反撃にビックリして、
可愛らしい声をあげるごっちんの様子を楽しみつつ
あたしは、そのまま両腕の間へごっちんの体をくぐらせて、抱きしめた。




「ちょっ、とぉー、…よっすぃ!?いきなり何すんのぉ〜?」



大げさにほっぺたを膨らませて、
上目遣いに抗議の声をあげるごっちん。






あはは、さっきと違って全然ちっとも怖くない。
つーかむしろ最高にカワイイぜ!たまんねーなっ、こんちくしょう!!

26 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時26分31秒





「んっへっへ〜、密着だよ、みっちゃくー!!」

「ヤぁダー、もう暑いってばぁ〜!よっすぃのばかー!」

「ばかで良いもーん、
 なんたって、あたしは世界一の『ごっちんバカ』っすから!」

「……っ!? もぉ、ほんと、…ばかなんだからぁ」



腕の中でジタバタともがいてたごっちんは、
少し怒ったような顔をしたかと思うと、何故か急に大人しくなって。




「ん?どした、ごっちん?」



ごっちんは答えずに
首元に静かに顔を埋めて、くぐもった声で







「…でも、だいすき」






すこし掠れ気味の、愛おしい涙声。

甘い痛みと共に突き刺さる、ごっちんの言葉。








あたしの心の一番深いところを最短コースで一直線に貫いていった。



27 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時29分14秒



瞬間、





あたしは抱きしめる腕に力を込めて、
2人の間にあった隙間を一切なくすと
ごっちんのこめかみ辺りから鼻筋に沿って
ひとつ、ふたつと、ゆっくりとキスを落としていった。

なんだか自分でもビックリするぐらい、
そうするのが、ごくごく自然なことのように体が動いてた。



けど、それはごっちんにとっても同じだったみたいで
スルスルとあたしの背中に両腕を回して抱き締めかえしてきた。

28 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時33分53秒








…ん、、どくん、どくん、どくん。




心臓の音が大音響で頭に直に伝わってきて。



同時に胸いっぱいに広がっていく、ごっちんの香り。

もう息をするのも苦しいくらい、
甘く、かぐわしく、あたしを優しく包み込んでいく。









あたしのくちびるが、その肌を掠める度に、
ぴくん、ぴくん、と体を小さく震わせるごっちん。

静かに閉じられたまぶたも、わずかに震えていて。

29 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時36分30秒



あたしはもう、愛しくてたまらなくなって、
揺れるまつげに、震えるまぶたに、
まるで繊細なガラス細工に触れるように、そっとくちづけた。




けど、一旦、くちびるを離した途端に
何故かすごい気恥ずかしさに襲われて。


さっきとはまるで反対に不自然に固まるあたしの体。





…うわーっ!?あたし一体どうしちゃったんだ?
もうキスなんて毎日の挨拶みたいな感じだったのに…。
そりゃ確かに、ここ何日かは全然キスどころじゃなかったけど、でも、でも…


30 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時45分21秒





必死になってそんな事を考えてるうちに
よけいに心臓がもの凄い勢いでバクバクしてきて、
頭にカーッて体中の血が集まってきて、まるで体中が沸騰してるみたい。




「…よっすぃ?」



うがあぁぁ――っもうダメだぁっっ!!
もうっ、あたしもう、何にも考えられないぃぃ―――!!





そう思った瞬間、
あたしは衝動的にその場に立ち上がろうと、ソファを蹴った。



ピタッとピタッと向かい合わせに
抱きしめ合って座ってる2人のうち
その片方が急に暴れだしたとしたら
果たして2人は一体どうなるでしょうか???











――――当然、転ぶ。



31 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時47分40秒





「「うわぁっ!?」」




バランスを崩してしまったせいなのか、
あたしのケダモノゴコロががそうさせたのか
どうしてなんだかはカミサマにしか分からないけど、





……幸か不幸か、
あたしはごっちんに覆い被さるカタチ。



カーペットの床に左肘をつっぱって
必死で体を支えてはいるんだけど。

…なにせ手首がこんな状態なんで、
もうお互いの鼻と鼻がくっつきそうな感じで精一杯。

32 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)01時53分27秒



かたや、ごっちんはあたしの腕の中でキョトンとしてて。




「えーと、…ごめん、ね?」

「ほぇ?」



小首をかしげて見上げるその仕草が
あんまりにも無邪気で、可愛くて可愛くて。




あたしは思わず恥かしくなって視線を泳がした。







けど、結局それはものすごい大失敗…。





…なんでかって言うと
あたしの目に飛び込んできたのは




大きく開かれたシャツからのぞく艶っぽい肌。

細く綺麗に伸びた鎖骨のライン。

息をするたびに上下する、ふくよかな胸元。





つい、ゴクリ、と喉が鳴った。



33 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)02時01分51秒





うがぁぁぁ―っっ!?
ヤバイっす!マズイっす!

つーか、つーかさ?ごっちぃ〜ん!?
いくら暑いからって、そんなにボタン外すのはいかがなものかと!?


…ああでも、あと少しでも力を抜けば……きっと(以下略。




アタマにサクっと浮かんできたのは、
……ミダラにミダレたあたしとごっちん。





どはああぁぁぁ―――!?
あたしってば、な、なな、何てことヲalさkィ?w」q3orい亜ウェh
そそそそ、そうだよなに考えてんだよあたしってばそもそもそんなコト
あたし達にはまだ早いっつーか大事なのはごっちんの気持であって
それ確かめないでだいいちこういういのはムードってもんが
肝心なんだって市井さんが言っててそんでそんであうあうあう(以下略。




無限ループに突入しかけたあたし的脳内会議。





34 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)02時07分45秒



突然、古ぼけたスピーカーから轟く
不機嫌まるだしの関西弁がソレを断ち切った。


「…1-D吉澤ヒトミ、至急職員室まで来なさい。
 つーか、1-Dのよしざー言うたらワレ1人しかおれへんねんから
 1分、いや2秒でちゃっちゃと来たらんかい!言うとくけど
 また逃げたらシバきあげるからなぁ?分かったかアホンダラァ!!」



ギョッとして、思わずごっちんと顔を見合すと
ごっちんは何故かクスクスと可笑しそうに笑いながら




「あはっ、よっすぃったらそんな顔しないの〜」



そう言って、あたしの鼻先を指でプニッと押したかと思うと
「そろそろ本格的にココも暑くなってくるねぇ〜」なんて
のんびり言いながら腕をくぐって、あたしの下からするりと抜け出した。







…っっっんだよおぉ〜〜!?
ごっちんのヤツぅぅぅぅ!!!!


35 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月13日(火)02時12分58秒






「そんじゃ、職員室行きますかね〜」



やれやれとばかりに、あたしが立ち上がると




「んぁ、ごとー、教室もどるからぁ」



ドアにもたれかかって、
ふにゃりとした表情でこちらを向くごっちん。








あたし達はヒミツ基地を出て、
誰もいない静かな廊下を静かに歩く。

もちろん、しっかりとお互いの手を握って。




別れ際、ごっちんは、あたしをグイっと引き寄せて
「いってらっしゃーいはあとはあと」なんて
いわゆるひとつの新婚さんがするみたいに、
ほっぺにチュッと、とても素敵なケイキヅケをくれた。

そして、ふにゃっと笑ったかと思うと
とたんに耳まで赤くして階段を駆け上がっていった。






硬直茹でダコと化したままのあたしを踊り場に1人残して。


36 名前:カム 投稿日:2002年08月13日(火)02時20分08秒

 
〜突発的AA劇場(ネタバレとも言う)〜(吉後編)

( ´ Д `)<「えへへー、アレ、けっこーキモチかったでしょお?」

(#0^〜^)<「…うん、ごっちんが
        こんなにマッサージ上手だったなんて知らなかったよ」

(#´ Д `)<「ズバリ名づけて、『ごとーすぺしゃる』!!あはっ」

(;0^〜^)<「…。(『ごとーすしゃる』恐るべし!!)」

37 名前:カム 投稿日:2002年08月13日(火)02時27分24秒

レス返しです。

>とみこさん
いつもレスありがとうございます。
天然鈍感モテで性質悪いよっすぃですが、
本人曰く、「ごっちん一筋!」だそうです。ハイ。(w

>YUKIさん
ありがとうございます(w
前スレから一気に……お恥ずかしい限りです(焦
もっと悶えさせられるようにがんがりますよほ〜!


38 名前:カム 投稿日:2002年08月13日(火)02時37分58秒

えーと、昨夜は1人でパニくって大騒ぎしたんですが >>24参照
……一晩明けたら勝手に直ってました。
結局、原因不明なままなので不安は残るんですが(汗。
はっ! もしや「早く書き上げろ!」という神の啓示なのかっ!?(逝け


兎にも角にも、お騒がせして本当にすみませんでした。
次回交信から徐々に「○○よし」に入っていくと思います。

39 名前:カム 投稿日:2002年08月13日(火)02時39分29秒

交信終了です。
ご意見、ご感想お待ちしてます!
40 名前:OK牧場 投稿日:2002年08月13日(火)20時08分00秒
このまま、「よしごま」がいいです。
やっぱりハッピーエンドが望ましいです。はい。
更新、がんばって下さい。
41 名前:カム 投稿日:2002年08月15日(木)02時41分33秒

>OK牧場さん
はじめまして、レス有難うございます!嬉しいです。
基本は「よしごま」なんで大丈夫かと思います。
エピソードの1つとして楽しんでもらえれば
幸いですが「いしよし」は全然ダメな方ですか?
この話では、痛いとか黒いテイストを出す気は無いので
良かったら今後も読んで頂ければと思います。
42 名前:OK牧場 投稿日:2002年08月15日(木)14時15分36秒
ありがとうございます。
素敵な小説なんで、今後も楽しみに更新を待ってます。
「いしよし」が基本ではないのなら、全然OK牧場です。(笑)
43 名前:YUKI 投稿日:2002年08月16日(金)07時29分05秒
カムさんの小説に影響されつつある今日この頃(笑)。
いいですね、やっぱりよしごまは……。癒されます(笑)。
これからもがんがって更新してください。おいらもがんがります!
お互い死なない程度にがんがりましょう(笑)。
44 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時18分53秒





―――――――――――――――



―――――――――――



―――――――





吉澤と後藤がイチャついてるのとほぼ同じ頃、
高等部職員室は、某ゴリ押し転入生が
無意識的に振りまくブリザードに侵されつつあった。


他の教員達がぎこちなさを隠せずにいる中で
中澤は自分の持っている自制心をフル稼働させて、
来賓用ソファに佇む諸悪の根源に、ゆっくりと近づいていった。
心の中で、呪文の様にひとり言を繰り返しながら。






…逃げたらアカン、逃げたらアカン、逃げたらアカン、――――





彼女の前で静かに立ち止まると、
その心中とは正反対の、驚くほど穏やかな声で話し掛けた。




「あなたが石川リカさんね、…我が校へようこそ」


45 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時20分28秒




実は、中澤は、ここ最近ずっとイラついていた。



『絶対理事長命令!』という
職業教員にとってのリーサルウェポンを片手に
『特別かつ個人的で非常に複雑な事情』をひっさげて、
1学期の途中という、えらく半端な時期に
突如として現われた転入生のおかげで
本来しなくて良いはずの仕事を山の様に、
しかも無理矢理に押し付けられる羽目になり
ここ2〜3週間、残業残業の毎日を送っていたのだった。


そのせいか、いつもより化粧ノリは悪く
肌も幾分くすんでしまっているようだった。




お肌の曲がり角を曲がりきった中澤の肌に
致命的ダメージを与えたのが自分だとは知る由もない石川。



中澤の声に視線を上げて、その姿を見た途端




キャッ、この人かわいそぉー!
なんかすごくヤツレちゃってるぅー、
頑張って若い感じにしてるっぽいけど、これじゃ絶対ムリだよぅ。




一瞬、気の毒そうな顔をしたかと思うと
すぐに何事もなかったように微笑んで
その場にふわりと立ち上がって、軽く会釈をした。

46 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時30分08秒



周囲の人間から見れば
そんな石川の可愛いらしい様子を
血色は悪いが穏やかに見つめる中澤といったところ。


どちらかと言えば、
微笑ましい一場面なのだが…





おーおー、ついに来よったなぁ。
ワレの訳分からんワガママのせいでなぁ
こっちは好きな酒もろくに飲まれへんとなぁ〜、
毎日どんだけ辛どい思いをさせられたか知らんやろっ!
みっちゃんとも遊ばれへんし、ケイ坊には逆恨みされるし。
確かにパッと見やったら顔はかわいいかもしれんけど、
ここの生徒らと一緒にしたら別に大したこと無いっちゅーか普通やな。
何でケイ坊はこんな小娘にハマっとんのやろ??全然わかれへんわー。

まぁ、ケイ坊には悪いけどやな、
とりあえずこのガキしばいたらな
気ぃが済めへんっちゅーのは、今なんか確信できたわ。うん。





いざ、ふたを開けてみればモロにケンカ腰状態の中澤だった。


47 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時32分14秒




そんな中澤に対して石川は
顔中に完璧なアイドルスマイルを浮かべると




「はじめましてぇー、チャミ…じゃなかった
 石川リカですぅ。これからよろしくお願いしまぁ〜す!」



えぇ〜っとぉ、先生達の事は
現場スタッフか、バイトと同じだって
思っとけばイイってオジさまも社長も言ってたしぃ〜。
うん、いつも通りのチャーミースマイルでって事よねっ♪





間違った知識のせいもあるだろうが
とりあえず、場の雰囲気も中澤の本性も
何もかも全く読めていなかった。

48 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時39分44秒




「……はじめまして、学年主任の中澤です。よろしく」


な、何やねんな、その目一杯に媚びまくった表情は!?
…くっ、なんか分かれへんけど、ごっつムカつくわ!!
寒っ!!寒過ぎるでっ!!…あかん、このコとは絶対性格合えへんな。



思わず、硬く引きつる中澤の表情筋。






しかし石川は、そんな中澤の様子に気づいているのかいないのか
小首をかしげながら、甘ったるい声で早口にペラペラとまくし立てる。




「あのぉ〜中澤先生にお願いなんですけどぉ、
 私のことぉ、学校では『チャーミーはあとはあと』って
 呼ばないでくださいねー?あくまでも一般人の石川リカとして
 この学校の一生徒として、普通に高校生活をやり直したくって
 来たんですからぁ。やっぱバレちゃうと色々とご迷惑かけちゃうと思うしぃ」

「ええ、もちろんです。
 事情はよぉーっく聞いてますから大丈夫ですよ。
 あの『チャーミー』とは親戚で、見た目も声も全部が
 すごく良く似てるそっくりさんって事になってますから」


49 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時47分37秒



そう言って、にっこりと微笑む中澤に
安心したのか、照れくさそうにはにかむ石川。




「それじゃ、早速だけど今から校内を見学してもらうから」



三十路を目前に控えただけあって流石に大人。
表面上では絶えず、にこやかな表情を崩すことなく
それでいて平然と胸の中では猛毒を吐き出し続ける





…誰も『チャーミー』のチャの字も呼んどらんわ!
それにさっきからそのアニメ声は一体どこから出しとんねん!!

そもそもチャーミーいうて、
ワレはどこの国の人やっちゅーねん!!
つーか、ひとめ惚れした相手を追っかけて
コネをかさにゴリ押しして来ただけのヤツの
頭のどこに『普通に高校生活をやり直したい』
なんて考えがあるっちゅーねんっ!?このドアホがっ!!

50 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時49分54秒





中澤は割りと世情に疎い方だった為
えらく甲高くて特徴のある声で
素っ頓狂な事をのたまった生徒が
最近、巷で人気のアイドルだということを
もらった資料を読んで初めて知ったのだった。









人気アイドルか何なんかよう知らんけど
この学校の生徒になった限りは覚悟せぇ。
数少ない楽しみを奪われた、この恨み、
100倍返しでかましたるからなぁーっっ!!


ま、せめて初日くらいは
ひとめ惚れの『理想の王子様』とやらと
一時の夢でも見さしといたるわ……。

51 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年08月20日(火)16時52分16秒




「もうすぐ来ると思うけど、石川さんの入るクラスの学級委員の
 吉澤さんが案内するから、何か質問があったら彼女に聞いてね」

「はぁい!超楽しみでーすはあとはあと



心底から嬉しそうに笑って、
弾けんばかりに体中で喜びを現す石川に対して
1人、不敵な笑みを浮かべては、ほくそえむ中澤。









……くっくっくっく、せいぜい楽しんどきや…石川ぁ。





ちょうどその時、
正にウワサをすれば何とやらで。




奥の方で勢いよくドアが開いて、
吉澤が大声で一本調子気味に
入室の挨拶をするのが聞こえてきた。



 
52 名前:カム 投稿日:2002年08月20日(火)17時03分08秒

>>43YUKIさん
ども、某所ではお世話になってます(照。
レス頂けて嬉しいです。返しが遅くなってすみません。。
…影響ですか!?や、dでもないです、畏れ多いです(焦。
新作読んでますよ〜、部活の雰囲気がイイ感じっす(w。
で、前にメール送ったんですけど届いてますか?(汗
53 名前:カム 投稿日:2002年08月20日(火)17時26分14秒

変なところで切ってすいません。
えー、今週から来週にかけて里帰りするので
あまり推敲もせず見切り更新してしまいました(焦。
いつも以上に読み難い部分も多いと思います。申し訳ないです。

レスしにくい駄文で大変恐縮なんですが、
帰ってきた時にレスがあると非常に励みになるので
意見、批評、感想、ひと言で結構ですので
何か書いてもらえると嬉しいです。

実は今、自分のHPの制作を考えてまして
その関係もあって何人くらいの人が
このスレ読んでくれてるのか知りたいってのがありまして(苦笑
54 名前:カム 投稿日:2002年08月20日(火)17時35分22秒

うぎゃあー!?
OK牧場さんへのレスがうっかり抜けてました(逝け。
本当になんて失礼なことを…、申し訳ありませんでした。

>>42OK牧場さん
素敵な小説だなんて…褒め過ぎです(汗
おだてに弱い人間なんで、あんまり褒めないで下さい(w
更新がんがりますので、今後ともよろしくお願いします(w。
55 名前:カム 投稿日:2002年08月20日(火)17時38分01秒


交信終了です。
56 名前:シューヤ 投稿日:2002年08月20日(火)17時51分16秒
>…逃げたらアカン、逃げたらアカン、逃げたらアカン、――――
ぶつぶつ呟くなかざーさんが想像しなくても浮かんできて笑えました。
いしかーさんvsなかざーさんの(一方的な)バトルが楽しみです(w

HP作られるんですか!?
楽しみにしております。がんがって下さい!
57 名前: 投稿日:2002年08月21日(水)02時26分33秒
読んでますよ!挙手しておきます。
はい、とても楽しみにしています。
いしよしごまは、永遠の素敵なトライアングルです。
更新頑張ってくださいね。
58 名前:とみこ 投稿日:2002年08月21日(水)09時32分21秒
チャーミー登場ですね!!波乱期待っ!!!
59 名前:なな 投稿日:2002年08月23日(金)00時00分45秒

こんばんは。こないだは書き込みありがとうございます。
少し取り乱していたかもしれません(w
やっぱりカムさんの吉後は最高です!後藤さん可愛い!
こんな可愛いと色々ヤバイです(私が
二人のラブラブっぷりにドッキドキです。
お互い更新頑張りましょう!
60 名前:読者 投稿日:2002年08月23日(金)00時44分14秒
やっぱりなかざーさんはこの後
暴走して相手を喰っちゃったりするんですかね。
sage予告か
61 名前:YUKI 投稿日:2002年08月23日(金)14時24分13秒
高校時代のダレきった部活をやり直したい大人から見て、青春送っている高校生、いいなぁと思いつつ、部活の話を書いています(笑)。
しかし、石川……。中澤先生にイヂめてほしいよなぁ。いぢめられキャラだからね。
帰ってきたら、おみやげ更新してくださいね(笑)。
あと、サイト構築で困ったら、なんでも相談してください。ぜひ相互リンクの方向でお願いします(笑)。
62 名前:カム 投稿日:2002年09月02日(月)22時26分49秒

どもー、帰ってまいりました(w。
というわけで遅ればせながらレス返しです。

>>56シューヤさん
大人気なさ全開のなかざー先生でした(w
シューヤさんの犬吉、楽しみにしてますよほ!
ちびちびとですがサイト作成もがむばっております(w。

>>57凪さん
某所では夜毎にお世話になってます(w。
△ですがドロドロには(筆力の無さで)ならない罠(w
早めに更新出来る様にがんがります。

>>58とみこさん
やっと出てきましたチャミ子さん(w。
波乱期待ですか?…楽しみにしててください(ニヤリ

>>59ななさん
こちらこそレスありがとうございます(w。
気に入って頂けてる様で嬉しいです(w。励みになります。
そんなに褒められると調子に乗ってしまいそうで
私の方がいろいろと危険な罠(逝け。

63 名前:カム 投稿日:2002年09月02日(月)22時42分11秒

>>60読者さん
初めまして、レスありがとうございます(w。
なかざー先生…暴れすぎでした??
この後暫らくは出番が無さそうですが、
今後ともお付き合い頂けると幸いです(w。

>>YUKIさん
ただいまですー(w。おみやげ無くってごめんなさい(汗。
サイト構築は手探り状態ながらコツコツ頑張ってます(苦笑。
一段落ついたら、こちらからリンクのお願いに伺いますねー(w。


そういうわけで、上の方にもにもあるように
恥ずかしながら駄文のみのヘボサイトを作ってしまいました(汗。
一度のぞいてみて頂けると大変ありがたいです(w。

以下アドレスです。tp://members.tripod.co.jp/CofC/

64 名前:カム 投稿日:2002年09月06日(金)15時53分02秒
昨日、急にPCがネットに繋がらなくなってしまい(これはIモードから書いてます)、当分更新出来そうにありません(氏。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。
来週には業者さんに来てもらえそうです。直り次第必ず早急に更新しますので、お待ちくださいませ(平伏。
65 名前:カム 投稿日:2002年09月06日(金)16時00分13秒
一応、『お知らせ』という事でageさせて頂きます。
66 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)01時31分30秒



―――――――――――――――――




―――――――――――




――――――






案内の最後にひとみちゃんは地階の広い中庭に面した
渡り廊下の前へ私を連れてくると、のんびりと口を開いた。



「んーと、あっちから先が中等部ね」




最初に「じっくり隅々まで案内してほしいな〜?」って
プロデューサーもイチコロのの上目遣いでお願いしたら
ひとみちゃんは、「どこから見たい?」なんてニコっと笑って。


本当に校内を隅から隅まで、丁寧にゆっくりと案内してくれた。

67 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)01時37分39秒



おかげで、ひとみちゃんと沢山お話できて
私はとってもとっても嬉しかったんだけど…。

ひとみちゃんは何故かお疲れだったみたいで
途中から気づけばボーっとしちゃってて、さっきなんかアクビまでして!



…もうっ、せっかく私がお話してるのに聞いてないのかしら!?

でもでもっ無防備にアクビするひとみちゃんって、とってもカワイイのはあとはあと



「…そんで〜、あっちが、…ふあぁ〜ぁ…でぇ…」


あぁっ!?またあくびしたぁ♪ステキぃ――♪
ジュニアのコなんかハッキリ言って全然目じゃないわっっ!!

こんなにカッコ良くて優しい人と再び出会えたなんて
やっぱりひとみちゃんは運命の相手なのよ!

そう、正にThis is 運命よ!!!
68 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)01時42分55秒





「あの〜、石川さん…だいじょうぶ?」

「えっ?あ…、きゃぁ!?」





気がついたら、すぐ目の前に
ひとみちゃんのステキなお顔があって。


まるで吸い込まれそうなキレイな目を
ちっちゃな子供みたいにキョトンとさせて
小首をかしげて心配そうにのぞきこんできた。



「なんかボーっとしてたみたいだけど疲れちゃった?
 普段使うところは一通り行ったし、そろそろ教室戻ろうか?」

「ううんっ!全然平気!大丈夫っ!」
 



…ひとみちゃんが、あの『運命の出会い』を
憶えてなかったのは、かなりショックだったけど
ふふ♪でも大丈夫よ、ひとみちゃん!私が気づかせてあげるからねはあとはあと

69 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)01時53分24秒




そうよ、だってだって私とひとみちゃんは
運命で結ばれた恋人なんだもん!私には分ってるんだもん!

きっと、ずっと一緒にいればひとみちゃんも
私たちの運命の糸に気づくはずよ!!


その為には、少しでも長く2人っきりの時間を過ごさなくっちゃ!!



「ねぇ〜ひとみちゃ〜んはあとはあと
 私もっと他のところも見てみたいなぁ〜、いいでしょ?ね!?」




今度は上目遣い&抱きつきのダブルアタックで。

ふふ♪思いっきりひとみちゃんに抱きついちゃったぁ〜はあとはあと
やっぱり愛情表現の基本は、アイコンタクトとスキンシップよねっ!

70 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)01時59分03秒




「おわぁっ!?ちょ、い…石川さん、くっつきすぎ!」

「あぁ〜、また『石川さん』って!
 さっきから『リカ』って呼んでねって言ってるのにぃ〜」


そう頬を膨らませて、キロリとにらんで見上げたら
ひとみちゃんは「いやぁ〜、はははっ」なんて困ったように笑って



「じゃ、おわびに今からイイトコ連れてったげるよ」




そう言って、私のオデコを軽く小突くと
いたずらっぽくウィンクなんかしちゃって…








っっきゃああぁぁぁ――っ!?
ステキぃ――!!愛してる――っはあとはあと!!
そう!そうなのよ、私のひとみちゃんはこうでなくちゃ!


…あぁんっ、やっぱり私の思ったとおりの人だわっはあとはあと
カッコ良くて運動神経抜群でとっても優しくてクールで
オトナな感じなんだけど実は結構コドモっぽいところもあって
2人っきりになると急に甘えてきたりして…(以下、本人の妄想続く…。

71 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)02時05分53秒



「おぉーい!?早く来ないと置いてくよー?」

「えっ!?」





いやぁん!?
私ったらついボーッとしちゃってたみたい。


気がついたらいつのまにか、
ひとみちゃんは、ずっと先の方で
軽くうで組みなんかして呆れたようにこっちを見てて。



ああ、そんなクールな様子もとってもカッコイイ!!!!
この世界にひとみちゃん以上にステキな人なんていないわっ!
そして、私とひとみちゃんは運命の赤い糸で固く結ばれているの!!









「あーもう、先行くからねっ!?」

「いやーん、待ってよぅ〜!ひとみちゃあーん!!」


72 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)02時10分58秒



……………………………


……………………


……………





「…ねぇ、もう目開けてもイイ??」

「ダァ―メ!もう着くからガマンしてよ」

「えぇ〜?イヤだよぅコワイよぅ〜、ひとみちゃぁん」

「あははっ、大丈夫だってば」




ひとみちゃんは明るく言って
優しく手を握り返してくれた。





さっきの嫌がる素振りは、もちろんフェイク。


思った通りのひとみちゃんの反応が嬉しくて
つい、笑っちゃいそうになっちゃった。

確かに、目を瞑ったまま歩くのは怖いけど
そのおかげで、さっきより気持が落ち着いていられるみたい。

それに、前が見えない怖さなんかよりも、
こうしてひとみちゃんに手を引かれて
歩いてることの方が私には嬉しくてたまらないの。



73 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)02時21分01秒



ふと、左手の温もりが消えたと思ったら
キィ―ッて錆びた金具のきしむ音がして
耳元で、笑いを含んだイタズラっぽい声が。




「はーい、到着〜!目、開けてみ?」


「…あっ」




そこには太陽の光を一身に受けて
色とりどりに咲く花々が一面に広がってて。




そのあまりの美しさに、自然と足が前に進んでいくと






「すごぃ…、なんて綺麗…」







全てキチンと手入れの行き届いた緑の生垣や
あざやかな花壇の様子に目を奪われて、思わず溜息がこぼれる。




こんな素敵な所に連れてきてくれるなんて…
やっぱり…やっぱりひとみちゃんは、私の……


74 名前:カム 投稿日:2002年09月12日(木)02時28分25秒

前回更新から間が開いてしまってすみませんでした(汗。

この石吉シーンは、まだ後少し続くんですが
パソから変な音がしてきたので一旦ここで切らせて頂きます。
明日になってパソの調子が良かったら続き更新します。
75 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)14時38分14秒




「えへへ〜、どう?キレイでしょ〜?」



どこか得意そうな感じの声に振り返ると、歩きながら
頭の後ろ辺りで両手を組んで、ニコニコと子供みたいな笑顔が。



「なんか話してたらさ、リカちゃんって
 花とか 好きそうだなーって思ったからさぁ、
 ここの花壇見せたら喜ぶだろーなって思ったんだ〜」

「ひとみちゃん…」





とっても満足そうに
ニカッと笑うひとみちゃんが愛しくてたまらない。



その優しさがすごく嬉しくて、もう泣いてしまいそう。


なんだか恥かしくて、つい、俯いてしまう。



76 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)14時40分54秒




「…んじゃ、そろそろチャイム鳴るから戻ろっか?」

「えっ?…あ、うん」





ハッとして視線を戻すと
ケイタイ画面を見てるひとみちゃんの姿。




慌てて駈け寄ろうとしたら
途中で足元に何かぶつかって







「きゃっ!?」




瞬間、体がガクンって膝から大きく揺れた。



77 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)14時42分57秒




…でも、私が飛び込んだ先は
冷たい土の上なんかじゃなくって






「…っと!?リカちゃん大丈夫?」




鼻先にわずかに漂う爽やかな香り。

耳元から微かに聞こえる、心臓の音。


そして、ほんのりと体に伝わってくる優しい温もり…












…っって、
っきゃああぁぁぁ――っっっ!?!?



わ、わた、わた私って
今もしかして、ひとみちゃんと、ひとみちゃんと!?
いやぁ〜〜〜んっ♪そんな…ダメよ…、ひとみちゃんたら!
そんな…私たちにはまだ早すぎるわ…それに、こんなところじゃ…


78 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)14時47分26秒




「ん?リカちゃん??」






その声に顔を上げるのと同時に
両肩をゆっくりと支えるように押しあげられて。



すぐ目の前に佇んでいる
私をじっと見つめる穏やかな眼差し。





こらえきれない愛しさに
私のまぶたは自然と閉じていって…







…ひとみちゃん。


誰よりも大好きな私の運命の王子様。
あなたの為にずっとファーストキスを守ってきて良かっ……


79 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)14時54分55秒







「あ゛ぁーっ!?やっべー!次ってなかざーだった!!」




高らかに鳴り響く鐘の音と、
何故か妙に焦ったひとみちゃんの声が重なって。










…え??なぁに?


どうしたの、ひとみちゃん?
鐘の音でよく聞こえなかったけど何て言ったの?

でも、それより…ねぇ、なんで早くキスしてくれないの??








「何じっとてんのー?
 リッカちゃぁーん、早くーっ!ダーッシュ!!」







んもうっ、ひとみちゃんたらぁ―!
おかしなこと言って焦らす気ねはあとはあと

あ、そっか分かった!
ふふ♪照れちゃってるんだ?いやぁんはあとはあとカワイイ!





…でも、
どうしてひとみちゃんの声が遠くに聞こえるのかなぁ?


ねぇ、どうして?ひとみちゃん??


80 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年09月12日(木)15時00分23秒





…一方、
石川の居る所から少し離れた茂みの中。
じっと石川と吉澤の一部始終を見ていた2つの視線――――





「あんのカマトト女ぁっ!!
 オイラのよっすぃーに何してくれんだよっ!?」

「う〜ん、こりゃいよいよ面白くなってきたなぁ〜♪」

「サヤカっ!何バカなこと言ってんだよ!!
 あー…これでまたごっつぁん荒れちゃうじゃんよぉ…」

「大丈夫だって、あのバカには後藤しか見えてないから」

「そうかもしんないけどさぁ〜」

「んなことよりも…、
 さぁっ、続き続きぃ〜!やぐっちゃあ〜んはあとはあと

「わっ!?ちょ、サヤっ?…ぁんっ」




81 名前:カム 投稿日:2002年09月12日(木)15時02分43秒

今日の更新は終了です。
昨晩は中途半端な所で切ってすいませんでした。
82 名前:とみこ 投稿日:2002年09月12日(木)18時47分00秒
ヤター!更新だぁ!!^^ワッショイ!!
今夜はお祭りでっせ!!(謎
カムさんの更新と同時に私も更新しようかな♪(w
83 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月30日(月)17時33分37秒
更新待ってます。こういう展開大好きです。
84 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年09月30日(月)20時25分54秒
まだかな、まだかな〜。
85 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月14日(月)02時23分44秒




「ひとみちゃん、おはよ〜はあとはあと!」


「ひとみちゃん、ここの訳が分かんないんだけどぉ…」


「ひとみちゃん、お手洗い行こ?」


「ひとみちゃん、お昼ごはん食べに行かない?」


「ひとみちゃーんはあとはあと


「ひとみちゃぁん…」










あたしが石川さん、…あ、やべ。

ちがうちがう…えーと、
先週にリカちゃんの『お世話係』に任命されてから約半月、




毎日がずっとこの調子で―――――、……はぁ。


86 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月14日(月)02時25分38秒



朝の登校から始まって、
下校するまでリカちゃんとあたしは
殆どずっと、どこに行くにも何をするにも一緒。



…つーか、リカちゃんの勢いは
日に日に増してきてる様な気がする。





さっきトイレの中まで付いてこようとしてきたし。
これじゃまるで幼稚園児か金魚の○○だよ…。はぁ。



87 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月14日(月)02時29分52秒






最初、ごっちんに事情を話した時は
「何それ〜、そういう手でくるわけぇ!?ずるーい!」なんて
ブツクサ言いながらめちゃめちゃものすごく不満そうにしてたけど、

結局は「ユーワクされんなよーっ!?」ってほっぺにチュってしてくれてさぁ。
しかも、自分からしたくせに耳まで真っ赤になっちゃって…。




んははは、やべー!思い出しただけでニヤけてきちゃうよっ!
てかさぁ〜、やっぱし、ごっちんてかわいーよなぁ〜。









「…ちゃん、ひとみちゃんってば!もぅ、聞いてるのっ?」


「…はぃ?」





ひとり幸せ浮かれモードに浸っていたあたしは、
その甲高いアニメ声に呼ばれて、一気に現実に引きもどされた。

88 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月14日(月)02時35分12秒




思わずグルッと辺りを見回すと、
夕焼け色に染まりかけた教室には、あたしとリカちゃんの2人だけで。






「…あ、ごめん、で、何だっけ?」



リカちゃんの声って目覚ましに使ったら
きっとすごく効き目あるだろうなぁー、なんて思いつつ視線を戻すと、
リカちゃんは机に両肘をついて唇をアヒルみたいに突き出してて。

…あれ、どしたんだろ?
なんかわかんないけど、えらく不機嫌そうな感じ。
んー、まいっか。





「もぉ〜、今度の日曜日どこ行こっか?って言ってるの!
 あのね、私はやっぱりオーソドックスに遊園地とかかなぁ」

「え、日曜?遊園地??」

「もぉっ、聞いてなかったのぉ?
 今度のデートの事を話してたのにぃ!」

「…デート?誰が?って…ああ、リカちゃんが?」

89 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月14日(月)02時40分19秒



へぇ、リカちゃんって恋人いるんだー?
そっかぁー、知らなかったなぁ〜、
ま、こんだけ可愛いんだったら当たり前かぁ

って、そういや今度の日曜って
久々にごっちんとデートなんだよなぁ〜♪


うひょおー!考えただけでもワクワクしてくるぅ―――!!

あー早く日曜になんないかなぁ〜はあとはあと






「…ちゃん、ひとみちゃんっってば!!」

「ふぇ?あー、ごめんごめん!
 …その、ちょっと考えごとをね?で、デートがどうしたの?」



その途端、リカちゃんはさっきよりもっと不機嫌そうな顔で
頭のてっぺんから例のキンキン声で一気にまくし立てた。


90 名前:カム 投稿日:2002年10月14日(月)02時43分15秒


更新途中ですが、一旦ここで切ります。スイマセン。
出来れば又明日続きを更新しますので、お待ちくださいませ。
えと、レス返しもその時にてことで。
91 名前:某Y 投稿日:2002年10月14日(月)02時51分04秒
待ってましたぁ!
今回はリアルタイムで読めて、幸せです(笑)。
アヒルみたいに口を突き出す梨華ちゃんの顔が想像できて、思わずクスっと(笑)。
これからどうなるんでしょうか。すっげー楽しみです!ガンバってください!
92 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)13時22分13秒




「昨日ゆびきりしたじゃない!日曜日にデートしようねって!
 まさか…忘れちゃったの??ひとみちゃん、ひどいよぉ〜!」

「デ、デート??…あの、ソレってこの辺の事
 まだよく分らないから案内してほしいっていう…」

「ひどいぃ〜っ!そんなの悲しすぎるぅぅ〜」




まるであたしの声を遮るかのように
突然、リカちゃんは両手で顔を覆うと
俯いてグスングスンとすすり泣きはじめた。










…てか、自分こそ人の話聞けよっっ!


93 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)13時27分13秒




「ひっく、…デート、楽しみにしてたのにぃ〜」






…マジで泣いてんの?


うぇ――?あ―――っ、もうっっ!!!



しょうがないなぁ〜、りかちゃんは。。。
てかさぁ、あたし泣かれちゃうとホント弱いんだよぉ…。





「えーと、…ごめんねリカちゃん?あたしが悪かったよ
 ほんとごめん、あの、イイ子だからもう泣かないで、ね?ね?」


……はぁ、我ながら情けない姿だよなぁ。


94 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)13時35分50秒




リカちゃんに一日中振り回されっぱなしで
ごっちんと一緒に過ごす時間が全然減っちゃってて。

それだけでユーウツだってのにさぁ…。



ただの『お世話係』のハズなのに
なんでこんな風になっちゃってんの?




…あーあ、ごっちんに会いたいなぁ…。




溜息半分に視線を戻してみると
机にうつ伏せのりかちゃんは、
ヒックヒックとしゃくりをあげて
まだまだちっとも泣き止みそうになくて。






ううう、どうしよぅぅ。…困ったなぁ。
これじゃまるで、あたしが泣かしたみたいじゃんか?


95 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)13時39分58秒





「あの、…もう泣かないで、ね?謝るからさ…」

「…日曜日、デートしてくれる?」

「えぇ!?いやぁー、それはちょっと…予定あるしさぁ」

「じゃぁ、今キスしてくれる??」
「絶対ムリ」

「イヤー!迷わず断るなんてひど過ぎるぅーーー!!」



超音波級の声でそう叫ぶと、
また机の上に崩れるように顔を伏せるリカちゃん。





うっわ―――?やべー!
また泣き出しちゃったよーっ!?
と、とりあえず早く泣き止ませないとー!!

96 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)13時46分18秒





横から顔を覗き込みながら、
あたしは少し身を乗り出して、囁くように優しく話しかけた。






「ねぇ、リカちゃん…?」








突然、





目の前がオレンジブラウンに染まって。
唇にはフワリと柔らくてわずかに湿った感触が。




……教室中が、リカちゃんの甘いニオイに包まれたような気がした。


97 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)13時53分02秒




!?!?!?!?!?!?!?




一瞬、

何が起きたのか全然分からなかった。




ただ目の前で、リカちゃんが顔を真っ赤にして
恥かしそうにしながら「やん、そんなに見つめないでぇ〜」
なんて言いながら妙に色っぽく体をくねらせていて。



「…リ、リ、リリ、リカちゃんっっ!?今なに…」

「だって、ひとみちゃんが、キス…してくれたら
 1人で寂しくても、我慢できるって思ったから…」





…そしたら、
すぐ目の前にひとみちゃんの顔があって
たからぁ…つい、キスをしちゃいましたっはあとはあと




そう言ったかと思うと、
リカちゃんは「キャー!」なんて奇声を上げながら
もの凄い勢いで教室を飛び出していってしまった。





唇に残る柔らかな感触に、
あたしは、いつのまにか手で自分の口元を覆っていた。

98 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)13時56分57秒






すっかり夕焼け色に染まった教室、
あたしはその場に1人で立ち尽くしてた。






…自分からしといて
「キャー!」じゃないだろ…、ヲイ。


つーかリカちゃん、泣いてたんじゃないの?
もしかして最初ッからウソ泣きだったのかぁー!?









リカちゃんって、リカちゃんって
無邪気で素直ですごくイイ子なんだけど、



けど、……やっぱ、あたしには分かんないや。…はぁ。。。


99 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年10月15日(火)14時06分41秒



つーか、他に誰も居なくて助かったぁ。
もしごっちんにバレたりなんかしたら、あたし――――――











……うう、考えただけでも危険過ぎる。



もう今日はさっさと帰って風呂入って寝よう。
そんで全部何かも忘れてしまおう。うん!


そうだ、そうしよう!そうすべきだぁ―――っ!!!









…花壇に続き、またもや、
ドアの影から一部始終を見ていた3つの視線――――



「あら〜、吉澤のヤツ見事に向こうのペースに押されてんじゃん?」

「てか、ごっつぁんにバレたらよっすぃ絶対ぶっとばされるよ?」


「…あはっはあとはあと、もぉー手遅れでぇーす!
 今からソッコーでよっすぃ拉致ってシバいちゃいまーす!」

「ごっつぁんっ!?(あはっはあとはあとって…全然目が笑ってねーよ!?)」

「ご、後藤っ!?(…吉澤、骨は拾ってやるからな!!)」



100 名前:カム 投稿日:2002年10月15日(火)14時19分02秒

では、レス返しっす!

>>82とみこさん
前回から間が空いてしまいまして…(汗。
てか、祭ですか!?(w。
そこまで言われちゃがんがらないわけにはいきませんね(w。

>>83名無し読者さん
お待たせしました(汗。
なんだか同じような展開ばかりでスマソ(苦笑。
こうも続くといいかげん飽きられた感もある罠(汗。

>>84ひとみんこさん
ほんとにお待たせしてしまって…(汗。
これからもよろしくお願いします、はい。

101 名前:カム 投稿日:2002年10月15日(火)14時25分07秒

>>91某Yさん
いやはや、なんとも安直な展開でスマソ(苦笑。
石川さんの特有の可愛らしさを表現したくて色々考えましたが
やっぱり簡単には浮かばないもので、がんがります。はい。



つーか、普通にsage忘れた…。鬱だ。

102 名前:カム 投稿日:2002年10月15日(火)14時32分20秒


前回更新から約一ヶ月近く空いてしまいました(汗。
待ってくれていた方々、どうもすいませんでした。
軽い放置はあっても放棄だけは無いので、今後もよろしくお願いします。

103 名前:カム 投稿日:2002年10月15日(火)14時32分52秒

今回はこれで交信終了です。
104 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月15日(火)21時54分09秒
出たー、恐怖の魚眼ビーム!

@ノハ@
( `д´)<あほや! 師匠怒らせたらどんなに怖いか知らんねんやろ!
       よっすぃ〜、南無阿弥陀仏や。
105 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年10月17日(木)16時42分56秒
( ´ Д `)<・・・・・・アハッ

ごっちん・・・・・・イイ(・∀・)!!
思いっっっきり、よしこシバいて来ぉ〜い!

そのあとは・・・・・・・♡

作者さん、がんがってくらはい。
106 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月08日(金)17時33分35秒
待ってます。
107 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月10日(日)03時17分50秒




「…と、ゆーワケで、今からバカ犬をシバキあげたいと思いまっす!」

「って、あたしには全然ワケわかんないんですけど… 
 そもそも何でまだ学校いるの??先帰ったんじゃなかったっけ?」
 
「るっさい、バカよしこっ!浮気もの!ニワトリあたま!!だまってろっ」

「…はぁ?浮気ぃ〜?あたしがぁ!?」
 


ごっちんは、言い訳なんぞ聞くもんか!とばかりに
ふんっ、とソッポを向いてドカっと傍にあった机の上に座る。



「てか、何をそんなに怒ってんのさぁー?
 ねぇってばぁー!おーい、ごっち〜んっ??」





…つーか、ここドコだよ??


108 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月10日(日)03時20分13秒



さっきまでリカちゃんと一緒に教室にいたハズなのに。


気が付いたらリカちゃんはどこにも居なくて、
いつのまにか、あたしだけ妙にうすぐらーい部屋の中。




「うひひひっ、吉澤のその格好、萌えるねぇ〜!
 くぅーっ、たまんねーなぁ!いちードキドキしてきちゃったよ♪」



そう言いながら心底楽しそうな顔した市井さんが、
あたしの膝の上にまたがって、ぺちぺちと頬をたたく。







…市井さん、やっぱりヘンタイだったんですね??


109 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月10日(日)03時24分03秒


あたしの体は椅子に縄みたいなモンで
全身ぐるぐる巻きに縛り付けられてて。

振り落としてやろうと思っても、動かせるのは首から上だけ。




「いやぁ、こーして見るとさぁ吉澤って結構ソソるわ。うん」




…ヲ―――――ッイ!?


ソソるって何ワケわかんない事言ってんだーっ??


つーか今すぐその変な目つきを止めろ!
おいっ、ハァハァ言うなって!やめろ!生ツバ飲みこむんじゃねー!!





「…ねぇねぇあのさぁ、いちーの好きにしてもイイ??」


110 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月10日(日)03時30分22秒



真っ赤な回転灯がウーウー鳴って
頭ん中で緊急防衛本能がソッコー発動。


そうだ、人生はサバイバル。



同時に脳内に叩き込まれていくコマンド。



≪にじり寄ってくるヘンタイヤローの
  上向き気味の鼻めがけて一撃必殺、ヘッドバットで仕留めろ。≫





「いーワケねーだろっ!」



喰らえ!このヘンタイ好色ヤロ――がっっ!!





勢いつけてぐいんと頭を振りかぶった―――――――その瞬間!


111 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月10日(日)03時33分10秒




「んぁ、いちーちゃんも一緒にシバかれたいの?」

「ご、ごひょ……!?」




横からニュっと突き出た手が
ヘンタイの顔をガッチリとベアークローで固定する。



「あは、はははっ、冗談だって!うそぴょーん!」


そう言うが早いか、ヘンタイは脱兎の如く部屋の隅っこへ。





「…あの、ごっちん、ありが…」

「よしこのばーか」




遮るようにそう言って、
ごっちんは冷たく一瞥くれると、
さっきと同じように鼻を鳴らしてそっぽを向いた。






……やべぇ、これはマジで怒ってるぽい。




ど、どどどどーしよう???
…ホントに全然何で怒ってるか分かんないのに。。。

112 名前:カム 投稿日:2002年11月10日(日)03時38分00秒

更新途中ですが、PCの調子がが不安定なのでここで一旦切ります。
明日、様子を見ながらでも更新出来たらしたいと思います。
レス返しもその時にさせてくださいね。
113 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月10日(日)22時10分31秒
おっ!更新だ。PCの調子大丈夫ですか?楽しみに待ってます!
114 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月11日(月)20時28分04秒



「やぐっつぁーん、かおりー、もう『審議』終わったぁ?
 てゆーか、よしこは有罪に決まってんだし、もうシバいてイイでしょ?」

「ちょっ、有罪って!?待ってよごっちん!
 矢口さん!飯田さん!これって一体どういう事なんすかぁ!?」




ごっちんが呼び掛けた方向に向かってグイッと身体をひねって叫ぶ。



視界の端ギリギリに映ったのは
廊下側の方で何やら楽しげに話し合ってる様子。


うーん、なんつーか審議っていうよりも井戸端会議って感じ。



115 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月11日(月)20時31分03秒



察するに、
どうやらここじゃあたしは被告人で
矢口さんと飯田さんが陪審員みたい。

で、あたしへの判決を下す(てゆーか刑執行人?)
裁判長役がごっちんっていう事になってるようだけど。





えーと、あたしの弁護人はどこですか??




不安に視線をキョロキョロ泳がせてると
部屋の隅っこから自信たっぷり満面の笑みでピースサイン。





…ま、まさか、あのヘンタイが!?

116 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月11日(月)20時36分15秒



そう思ったと同時に
自然とさっきより大きな声になって叫んでた。


あんなのに弁護されるくらいだったら自分でやった方がマシだ!




「矢口さぁーん、あたし、何にも悪い事してないっす!
 飯田さんも信じてくれますよね?あたしは無罪っすよねー?」

「…キャハハハッ、いいじゃんソレ!
 すっげー面白そう!ヤグチ、その話ノった!」

「うん、カオリもその話ノった。
 大事な後輩の為だもん、カラダ張ってあげるよ!」




けど、あたしの悲痛な思いも空しく
矢口さんも飯田さんもすっかり話に夢中になってるみたいで。




ちくしょうぅぅぅ、放置かよぉ〜〜!?









…って、あれ?
あの悪趣味な網タイ&ピンヒールは…。



117 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月11日(月)20時39分04秒




「よっしゃっ!
 アンタらさえ協力してくれたら大成功まちがいなしや!」




…な、なんで中澤先生までいんの??



つーか、そもそも浮気ってどういうこと?
ごっちんは何でまたあんなに怒っちゃってんの?


あと、何故か後ろ頭がずーっとガンガンしてて痛いしさぁ。
知らないうちにどっかでぶつけてたのかなぁ?





はあぁ、ほんとワケわかんない事ばっかだよ…。



それにしてもリカちゃんは一体どこ行っちゃったんだろう??

118 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月11日(月)20時43分01秒


……ん?リカちゃん??



そういや、さっき教室でリカちゃんと
デートがどうのこうの言ってたような…。


んー、気のせいかなぁ?





…つーか、どうしてなんだかよく分からないけど
今、リカちゃんの事を考えるのは物凄くデインジャーな気がするっす。



しょうがない!
この際リカちゃんは放っとくとして。

とにかく今は、この危機的状況をなんとかしないとっ!!


119 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月11日(月)20時45分41秒



「ねぇってばー、まだ終わんないのぉー?」




あからさまに不機嫌そうな声を出すごっちん。
手持ち無沙汰らしく、両腕をブンブン振り回したりして。








…ヤバイ、
このままじゃ確実に殺られる。


考えろっ、生き残るんだ!あたし!




ごっちんは浮気とか何とか言ってたけど、
あたしにはそんなの全然身に憶えないしなぁ…。


うん、きっとまた何か勘違いしてるに決まってる!
そうだ、落ち着いて冷静になって話し合えば誤解だって分かるはず!


120 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月11日(月)20時54分15秒



あたしは、ごっちんを優しく見つめながら


≪自分が椅子に縛り付けられてる現実なんか忘れさって、
 まるで、2人っきりで甘い時間を過ごしている時のように≫


とびっきりソフトな声で穏やかに話しかけた。





「ねぇ、とりあえずこの縄ほどいてくれないかな。
 それから2人でゆっくり話し合おうよ?ね、ごっちん?」

「よしこ、うるさい」




ごっちんは、あたしを冷たく見据えたまま低く呟いた。











――――――ねぇさん、作戦失敗です…。


121 名前:カム 投稿日:2002年11月11日(月)21時46分29秒

それでは、レス返しっす!


>>104ひとみんこさん
魚眼ビームて!(w。 なんだか今回ずっと怒ってばっかり
(どっちかっていう嫉妬の怒り?)のごっちんですよね(汗。
加護ちゃんと一緒によしこの無事を祈ってやってください(w。

>>105吉澤ひと休みさん
や、ごっちんが思いっきりシバくと生命に危険が及ぶかと…(苦笑。
よしこへの誰よりも深ーい『愛情』の裏返しなんでしょうけどねぇ(w。
所で、その白抜きのハートマークの出し方はどうやるんですか?

>>106名無し読者さん
レスありがとうございます(w。
毎度ながらお待たせしてしまってすいません(汗。

>>113名無し読者さん
PCも不調なんですけど体調も崩してまして…(苦笑。
応援ありがとうございます、読んでもらえてると分かって嬉しいです(w。


122 名前:カム 投稿日:2002年11月11日(月)21時51分46秒

少し前から胃痛に悩まされているのですが
昨日はいつも以上に痛みまして更新できませんでした。
待っていてくれた読者さん、すいませんでした(汗。


123 名前:カム 投稿日:2002年11月11日(月)22時00分13秒



今回は、これで更新終了です。


またレスしてもらえると大変励みになるので
ご意見など、よろしく御願いします。





…次回交信は早めに出来るようにがんがります!
(とか言っておきながら気持ばかり先行して結局いつも通りになる罠)
124 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年11月12日(火)08時28分42秒
ひーさま、ご臨終の時は、刻、一刻と・・・・?
ご冥福を祈ります。(w

私は、いしよしオタなんですが、ここのよしごまは良いです。

大正漢方胃腸薬を送っておきますので、飲んでがんばってください。
125 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月19日(火)18時43分43秒



思わず引きつる自慢のほっぺた。
あたしは一瞬にしてヘビに睨まれたカエルさん状態。げこげこげこ。





「は、ははは。…た、大変失礼いたしました」









……はあぁぁ、頼む、誰か教えてくれ。
マジで、一体あたしが何をしたっちゅーんだよ??


126 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月19日(火)18時46分43秒



ガクリと視線を床に落すと
そこには待っていましたとばかりに
特有のニヤニヤ笑いをうかべたヘンタイの姿が。


目が合うと、「にひひっ」と一層イヤラシく笑ってみせた。







ちくしょうっ、そんなキラキラした目つきで見んな!

あたしはオモチャじゃねーっつーの!!
さっさと助けやがれ!この役立たず!ばかやろー!!!





軽く殺意を込めて思いっきり睨んでやったってのに
怯むどころかヘンタイはニヤついた顔のまま。

127 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月19日(火)18時51分01秒




「で、どーだったよ、おにーさん?
 あの石川さんってコのキスの味は?あぁ〜ん?」

「…はぁ!?何なんすかソレ??」

「ふふん、あくまでもシラを切るってつもりかぃ…。
 しかし石川さんってコ、かなりの上物じゃねーか?なぁオイ?」




…エロオヤジかよっっ!!!!!





まるで安っぽいリアクションタレントみたいな小芝居。

しかも微妙に時代劇っぽいニュアンスまで入ってるし。






…あー、バカバカしい!
ったく、ヘンタイのお遊びなんかに付き合ってられるかっ!!


128 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月19日(火)18時52分49秒





「いい加減にしてくださいよ、市井さん!
 ったく、何ワケ分かんない事言ってんすか!?」





ニヤケた顔のまま「わお!」なんて、
形のいい眉毛を弓なりにヒョイっと軽く上げて。




「しっかし、最近の若いヤツは
 信じられないくらい手が早くてビックリしちゃうねぇ〜」





やれやれと呆れたように肩をすくめながら
更にヘタな芝居じみた素振りで言いかけた瞬間





「ゴルァ!!サヤカっ、これ以上ごっつぁんを刺激すんじゃねーっ!」




そう言うが早いか、すっ飛んできた矢口さんは
市井さんの背中にドロップキックをかまして廊下へ放り出すと
「邪魔すんならどっかいってろ!」と、ピシャリとドアを閉めた。


129 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月19日(火)18時53分50秒


ヘンタイとはいえ一応は恋人なのに…
さすが矢口さん、少しも情け容赦ないっすね。



そんなところもカッケーっす!
やっぱ矢口さんはスゲーっす!憧れるっす!!









当の矢口さんは
何事もなかったようにトコトコとごっちんの隣へ。
ぶんむくれてるごっちんを一生懸命なだめようと猫なで声。





頑張ってください!矢口さん!
こうなったらもう、あなただけが頼りっす!!

130 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年11月19日(火)19時18分41秒




「あのさ〜、ごっつぁんも少し落ち着こうよ、ね?」 


そうそう!ごっちん、まずは落ち着こう。
そんなに怒ってばっかじゃダメだよ、うん。


「なに?やぐっつぁんはよっすぃの味方なワケ!?
 目の前で堂々と浮気されて落ち着いてられるわけないじゃん!」


だから浮気なんかしてないっつーのっ!
ごっちんがいるのにそんな事するわけないじゃん!


「いや、アレは浮気とかっていう次元じゃなくて
 あっちからの一方的なだまし討ちって感じって見てて分かったし」



さっすが矢口さん!!
なんかよく分かんないけど
今すっげー良い事言ったっぽかったよ!







そして矢口さんは、
すうっと息を吸ってから
むずがる子供を諭すように穏やかな声で








「ごっちんもさ、ほんとは分かってるんでしょ?」






その途端、
ごっちんは悔しそうにグっと口をつぐんだ。


131 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年11月22日(金)00時37分21秒
怒るごちーん可愛い…
作者さん、がんがって下さい!

( ` Д ´)プンプン!!

(0;^〜^)コワイヨ〜…
132 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月02日(月)19時12分44秒





だけど、次の瞬間
何か溜まってたものを一気に吐き出すように



「でもっ!でも、ごとーは絶対にヤなの!
 よしこがごとー以外の誰かとなんて…」
 



スカートの端っこを握り締める手。
華奢な肩をグッと強ばらせて。






それは感情が昂ぶってる時の
ずっと昔からの、ごっちんの無意識の癖。







…それ、ヤバイって。


その仕草、あたし的にマジたまんない。



133 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月02日(月)19時14分37秒




じっとなんかしてらんない。

ありえないくらいに愛おしすぎる。




あたしは思わず、生つばを飲み込んだ。
ゴクリ、と喉が鳴ったのが自分でもよく分かった。





「そんなの絶対ダメなの!だから…、だからっ」



そこでキュッと唇を噛みしめたかと思うと、
ほんの一瞬、潤んだ瞳で拗ねたようにあたしを睨んで




「もう絶対、ゆるさないのっ」



134 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月02日(月)19時16分08秒









うっがああぁぁ――!?


ごっちんってば、あたしを萌え殺す気かっっ!?
つーか、いっそ殺せ!!殺してくれっ!!!
ああっ、可愛過ぎるぜっ!どちくしょおおぉぉ――!!



もう市井のバカでも誰でもいいから
今すぐソッコーでこの縄ほどきやがれぇぇぇ――っっ!!








燃え上がる情熱のまま
無理矢理に立ち上がろうとした瞬間





キツめの香水の香りが
より一層強くなったと感じたのと共に、
あたしはいとも簡単に椅子ごと押し戻された。

135 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月02日(月)19時17分47秒





「まぁまぁ、落ち着きぃや?な、ふたりとも?」




それまでの緊迫した空気とは
場違いなくらいのんびりとした関西弁。


視線の端ギリギリに映った両肩の上には
ネイルアートがバリバリに入りまくってる長い爪。



あたしの背後に立っているであろう
その人は、恐らくきっと…いや、絶対に
笑いたいのを必死で我慢して、神妙な顔を演じてる筈。


136 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月02日(月)19時22分57秒




…うん、きっとそうだ。


さっきのちょっと呆れたような
諭すような微妙な声の中にも
笑うのを堪えようとする気配があった。








ああ、そうでしたよね。


すっかり忘れてたけど
ここには市井のボケなんかよりも
ずっとずっと性質の悪いイジり方で
ちょっとした問題を巨大化させるのが
とっても大好きな三十路の魔女がいたんですよね…。





「なにも後藤かて本気で
 吉澤シバきあげたいわけやないんやろ?」

「…だってよしこ、おバカだから全然反省しないんだもん」

「吉澤が能天気にホイホイとヨソにオンナを
 つくらんかったらエエっちゅうだけやろ?簡単な事やんか」

「そんな風に言うんなら、ゆうちゃんが何とかしてよっ!!」



137 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月02日(月)19時26分33秒



八つ当たりのようなごっちんの言葉。





それを聞いた途端、
ナカザーは待っていましたとばかりに言い放った。





「フッ、後藤…、この中澤”グラマラス”裕子様に任しとき!
 浮気どころかそらもうアホみたいに嫌われまくり、間違いない!」



 
そう言うが早いか、ナカザーは
「矢口、カオリ、さっき話した通りやで…エエな?」と、
2人をそそくさと呼び集めて何やらコソコソ耳打ちし始める。









あの、なんか、あたしだけ話が見えてこないっつーか
とんでもなくもの凄い勢いで嫌な予感がするんですけど……??


138 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月02日(月)20時38分33秒

前回に引き続き更新途中ですが
ここで一旦、切らせて下さい。

前回の時もそうだったんですが、どうもPCが不調で…(汗。
また後で、様子をみながら更新できればと思います。
出来ればレス返しも、その時に。

では、皆さんまた後で。
今日中にPCの機嫌が良くなってくれる事を願いつつ(苦笑。


139 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月03日(火)01時19分55秒




「ちょっとぉ、何の話してんのさー?
 ごとーも仲間に入れてよー!ねぇってばー!」

「安心しぃって、先生がバッチリうまいことやったるから
 アンタはおとなしぃーく待っとったらそんでエエねん、な?」





穏やかだけど反論を許さないナカザーの口調に
ギャーギャーわめいてたごっちんも、渋々ながらおとなしく頷いた。



あからさまに妙なオーラを出してるナカザ―。


まるで千年を生きた魔女のような雰囲気をかもし出しながら
矢口さんと飯田さんを従えて、部屋の隅からゆっくりこっちを振り返る。


140 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月03日(火)02時19分07秒



3人ともニタニタヘラヘラと
思いっきり怪しげな笑顔をうかべていて。






…あのぅ、もしもしみなさぁーん?
何をそんなに楽しそうにしてんですかぁっ!?



そのままスタスタと、
足取りも軽くこっちへ歩み寄ってきた。




それほど広くない部屋なのに
ピンヒールの床を蹴る乾いた音や
動きに合わせて揺れるスカートの擦れる音が
なぜかバカみたいにゆっくりと、じわり、と伝わってくる。


どうしよう?どうしよう?どうしよう?



実はちょっとワクワクしてるけど、
きっとこれはマズイ。かなりキケンな感じ。

つーか絶対そぉ〜とぉ〜ヤバイってばよーーーーっっ!!!



その瞬間、やたらアツイ視線を感じて
混乱の彼方から意識を呼び戻された。


すると、あたしの目の前には既に――――――




141 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月03日(火)02時22分54秒





……あの、飯田さん??
そんなに妖しげに微笑まないでくれませんか?
いや、ほんとにもう御願いします。マジで!コワイから!!



それに矢口さんまで
オモチャを見るような目つきで見ないで下さいよ!!
つーか、ぶっちゃけ楽しんでるんでしょ!?
ねぇ!そんなに目がキラキラしてるのは何でなんですかっっ!!







けど、中でも一番邪悪な笑顔を見せていたのは
今まで見たことも無い位に心底楽しそうなナカザー。




ピンヒールをカツンと響かせて、
1人、ズイッと歩み寄ってきたかと思ったら






「心の準備はええかなぁ?よしざわく〜ん?」

142 名前:カム 投稿日:2002年12月03日(火)02時30分46秒

二回目更新できました。あー良かった、一安心。

えーと、それはともかくとして。
なんか中途半端なところで申し訳ないんですが
もう眠さの限界なので、とりあえず今回はこの辺で(汗。
143 名前:カム 投稿日:2002年12月03日(火)02時44分34秒

では、レス返しっす!


>>124 ひとみんこさん

おお!いしよしヲタさんでしたか(w
自分は、いしよしもよしごまも両方オッケーです。
胃腸薬ありがとうございます(w。
ぶっちゃけ、内科に通院しながら書いてます(苦笑。

>>131 吉澤ひと休みさん
良かったー!可愛いと思ってもらえてる(w。
某よしごまスレのAA、密かに楽しませてもらってます。
続き楽しみにしてるんでがんがってくださいね!
144 名前:カム 投稿日:2002年12月03日(火)02時46分49秒


それでは交信終了っす。
145 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年12月05日(木)16時13分15秒
相変わらず、いいっす!
よしこ視点ってほんとおもしろい!いや、カムさんだからこそですね。
続きが激しく読みたい!また〜り待ってます☆

某スレ拝見ですか・・・は、恥ずかしい(汗)オイラもまた〜り更新・・・(早くやれ・・・)

( *` Д ´)<バカバカバカ!

(0*^〜^)。o0(かわえぇ・・・)
146 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月11日(水)01時01分27秒




1人だけやたらと楽しそうなナカザー。

その姿はもう教師というよりむしろ
生贄を目の前に嬉々とした魔女そのもの。


ナカザー、じゃなくて魔女の手元には
何やらユラユラと怪しげに揺れる妙な物体。




…ぉあぁっ???
な、何なんだよそれわっ!?



頭ではダメだダメだと、
100%危険だと分かってるのに
どうしてか、両目が勝手にその動きを追ってしまう。





…つーかヤバイ、普通にヤバイ。
なんかマジで頭がボ〜っとしてきたっぽい。




「…こ、心のって?…う、ぁ、何する気だょ…」


147 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月11日(水)01時12分18秒




「だぁーいじょうぶ♪ヤグチを信じろぉ〜
 ほんと、マジ全っっ然怖いことないからね〜?」




そう言うが早いか、
前からギューッと抱きついてきて
あたしの体を完全ホールドする矢口さん。







って、…うおぅ!?


そんなにくっついたらダメですってば!
や、やぐやぐ、矢口さんのいわゆる素敵な感触がぁ!?
うあああぁぁぁ!や、やぐちさんのっ!あうあうあうあぅ――!!


148 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月11日(水)01時14分24秒




「はーい、よっすぃ深呼吸して〜?
 カオリと一緒にリラックスぅ、リラックスぅ〜♪」




と、今度は後ろから絡みつくように
あたしの顔と体をがっちりホールドしてくる飯田さん。





って、…どわおぅ!?
こここ今度は背中からっすかぁーっ?
つーか、い、いいい飯田さんってば何でそんな密着体勢??


いやそんなことより一体何ですかこれわ!?
こ、こここの超ド級に素晴らしい感触ってもしかして??
なんかよく分んないけど前からも後ろからも
めちゃめちゃものすげーやらけーのが当たってるぅぁ――!!






やべーマジやべーってなんだこのきもちーのわけわかんないもうだめごっちんたすけヲアAいHウェjqwgべY―――――――








「…さぁて、そろそろエエかな?
 吉澤くん、あなたはだんだん…、あなたは……」




149 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月11日(水)01時29分48秒



……………………………


……………………


……………







「…うぁ、っ?」




一瞬、ヘンな寒気にぶるっと体が震えて目が覚めた。




ハッとして辺りを見回したら
いつのまにか自分のベッドの上で大の字。






目が覚めた――――



っていっても頭は変にぼんやりしてて
なんだかまるで脳みその中、一面に霧か靄でもかかってるみたい。


150 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月11日(水)01時36分52秒



つけっぱなしだったぽいTVがチカチカしてる。


コギレイな顔した優しそうなおねーさん達が
プーだかペーだか何とか言ったかと思うと、
わざとらしさまんまんで、何か楽しそうに話をしてるとこだった。






うわあー、もうこんな時間!?
あーあぁ…帰ってそのまま爆睡しちゃったんだぁ



つーか、なんかすっごい寒気するかも…




とりあえず、やたらダルい身体を起こしながら、
ぼやけた頭をフル稼働させて今にいたる過程を思い返してみた。


151 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月11日(水)01時39分47秒




えーっと、たしか急に拉致られて
しかも何故かみんなであたしの浮気がどーのこーの言ってて
ごっちんがキレちゃってて、あたしもつい売り言葉に買い言葉で―――











…そうだった。




あたし、またごっちんを怒らせちゃったんだ。
つーか、あたし、ごっちんに謝ったっけ?





どうしよぅ…、まだ怒ってるかなぁ??






その時、ごっちん専用の着メロが鳴り響いた。



152 名前:カム 投稿日:2002年12月11日(水)01時48分42秒

>>145 吉澤ひと休みさん

いつもレスありがとうございます。
面白いと言ってもらえてホント嬉しいです。
お互いマタ〜リ更新でがんがりましょう(w。
153 名前:カム 投稿日:2002年12月11日(水)01時54分22秒


年末に向けて、少し更新ペース上げていくつもりなので
多少というか今まで以上に分り難いところや雑な部分が
かなり出てくるかと思いますが、自分なりに頑張りますので
なるべく最後までお付き合い頂ければ幸いです。はい。
154 名前:カム 投稿日:2002年12月11日(水)01時55分12秒

それでは交信終了です。
155 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月24日(火)19時07分54秒




「あのね、…ごとー、なんだけど」




おずおずと篭りがちなその声だけで、
心配そうなごっちんの顔が目の前に浮かんでくる。



あー良かったぁ〜〜!!
もうそんなに怒ってないみたいだ。


けど、…??
…なんかあたし…耳、変かも。

なんだかよく分んないけど
ごっちんの声が妙に遠くに聞こえるような…。

つーか、そんな事よりも
ちゃんとごっちんに謝るのが先!!




「ごっちん…、あの…ごめん、ね?」

「うん」

「ちゃんと、大好きだからね?」

「ん、…分かってる」

「…そっか、良かった」


156 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月24日(火)19時16分13秒



ちょっと言葉は少なかったけど
いつも通りの柔らかいトーンにホッとした瞬間







一層、ぼやけた意識の向う側に
やたら、うす気味悪い笑顔のナカザーがゆーらゆら――――









……えっっ!?
な、何だ…今のキショいのはっっ??



あーあ、やっべぇー。
こりゃ多分半端じゃなくタチの悪い風邪ひいたね。
つーか多分じゃなくて絶対確実にそーとー性悪の風邪だわ。
それだけはもう誰が何と言おうと間違いないな。うん。良かった良かった。




…って全然良くないじゃんっ!?

この大事な時に
なに風邪なんかひいてんだよー!
あたしのおバカー!!うおーーー!?



157 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月24日(火)19時21分35秒



「…もしもぉーし、聞いてる?よしこぉー?」

「あー、ごめんごめん、頭がボーっとしちゃって
 なんか体もダルくてさー、風邪引いたかもしんないわ」

「じゃ、今からよしこん家行く!ごとー、看病したげる!」

「や、へーきへーき、薬飲んで一日寝ればスグ治るし」

「遠慮しなくていーって、すぐ行くから、ね?」

「…どーしてもって言うなら家まで迎えに行く
 だから、ごっちん絶対に1人で来ちゃダメだよ?」

「はぁ!?あのね、よしこ何言ってんの?
 そんなんもっと風邪ひどくなっちゃうじゃんっ!!」

「だって、もう夜だし時間も遅いし。
 もし来る途中でごっちんが危ない目とかに遭ったらヤダもん」

「むぅ〜、分かった…けど!
 明日は絶ぇぇ対に看病しに行くからね!?」




不満そうでいて妙に甲高いその声に
今度はやたらごっちんのムキになってる顔が目に浮かんできた。

158 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月24日(火)19時35分47秒



「よーし言ったな?明日絶ぇっ対に来いよぉ〜?」

「あったりまえじゃんかー!」

「ははは、んじゃ明日ねー」

「うん、オヤス…あ!」



どした?って聞こうとするより早く
甲高い声でごっちんは一気にまくしたてた。




「ごとーも、よしこの事
 大大大好きだからねっ!?オヤスミっ!!」




ごっちんの声と入れ違いに切り替った
味気ない機会音すら愛しい響きの名残のように思えて
ケイタイを掴んでる右手に自然と力がこもった。



うっわー、…やっべぇ。


どうしようもなく性質の悪い風邪ひいてるってのに
あたし、今、ものすんごい勢いで幸せいっぱい夢いっぱいだー。






えへへへぇ〜、早く明日になんないかなぁ〜?








……………………………


……………………


……………
159 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)20時28分52秒






「う゛ぅ〜、…おかしいなぁ?」




まったくもって残念なことに
一晩明けても、頭のモヤモヤは消えなくて。


ぼんやりした気分のまま、ダラダラと学校へ。



せめて、ごっちんと一緒なら少しは楽なんだろうけど
今日は朝イチでナカザーに呼び出されたとか、
休み時間は圭ちゃんに用事を頼まれたとかで、
まだ声を聞くどころか、一回も顔を会わせてない。





ううぅ、ごっち〜ん!
早く会いたいよぅ…、こんなままじゃヤだよぉぅ…。


160 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)20時32分46秒



そんなわけで朝からずっと
頭はモヤモヤ、気分はネガネガなまま
気がつけば、いつのまにやら昼休み。




ああぁ、
時間が過ぎるのってこんなにも早かったのね…。






けど、昼メシ時とはいえ、こんな状態のあたしに
普段どおりの食欲が起こるはずもないわけで。





…はぁ〜あ、顔でも洗ってくるかぁ。




ダルさの抜けない頭と体を引きずるようにして
モサモサのっそりと教室から1歩出た途端



「よぉっすぅいぃー!」



まるで待ち構えてたみたいに
元気いっぱい響いた甲高い声。

身体が声の方へ向こうとしたのと同時に
あたしの胸の辺りに飛びついてきた金髪の小動物―――じゃなくてっっ!

161 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)20時34分38秒




「ややや、やぐっ、やぐちさんっ!?」

「よっしゃー今だっ、カオリ!かかれぇ〜〜〜!!」

「カオリ、いっきまぁ〜〜〜すっ!」





…なっ!?い、いいいい飯田さんんっ??




胸元の矢口さんを引っぺがしてから
グルッと反対側を振り返る――――よりもソレは全然早かった。




「ぅお"おぉぅっ!?」




二人に抱きつかれたんだと分かった瞬間、
心臓が新品のゴムボールみたいにドビュンと跳ね上がった。


ちょうど肩甲骨の辺りと胸元のすぐ下辺りから、
それぞれとっても素敵で絶妙に幸せな感触がガンガン伝わってくる。

162 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)20時36分28秒




でも、…あれ??

…なんか、この感じって前にどっかで??





瞬間、妙な既視感が津波のように襲ってきた。
連鎖のするように身体から一気に力が抜けていく。




…うわ、ヤッバ…ぃぞ。





「ちょっ、よっすぃ!?」




矢口さんと飯田さんの心配そうな声が
キレイなハモりをみせつつ遠くのほうから聞こえてきた。


薄暗くなっていく意識の向うにぼやけたナカザーが
くにゃりと妖しく笑ってだんだん世界がマーブル模様。
ジャーマンホイール縦ノリバージョンもビックリの
ぐるんぐるんぐるんと高速から音速回転へ一気にブラックアウト。

163 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)20時37分37秒







……も、…もぉ、だめ、ぽ…。








……………………………


……………………


……………


164 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)21時55分36秒





突然、廊下のど真ん中で
崩れるように倒れこんだ吉澤を慌てて抱き起こすと
今にも泣き出しそうな顔で矢口が飛びついてきた。




「うそっ、なんで!?しっかりしてっ!」

「……」

「ヤグチ揺すっちゃダメッ、気失ってる!」





矢口の金切り声に、自然と人が集まってきて
段々とカオリ達を囲むように人だかりが出来てきた。


そこかしこから、ヒソヒソ声や「キャ!?」なんて驚く声が聞こえる。




「マジで!?…そんな、どーしよぅ!?」

「…とりあえず、みっちゃんか裕ちゃん呼んで来て!」

「分かった!カオリ、よっすぃを頼んだよっ」





そう言うがはやいか、矢口は
集まりだした人の間を縫うようにすっ飛んで行った。

165 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)21時58分34秒




小さな背中が廊下から見えなくなったのと同時に
倒れたままピクリともしなかったよっすぃが低くうめく声がした。



「…ぅ…ぅん?」

「あ、よっすぃ!気がついた!?
 大丈夫だよ、カオリがついてるからね」

「カ、…オ、リ?」

「ん?もしかしてどっか痛むの?気持悪い?」

「…う、ぃや、平気…」




そういったまま、
よっすぃは何故か遠くを見るような目つきで
ぼんやりしたようにカオリをじーっと見つめてきて。






「美しぃ…」




噛みしめるように熱っぽく呟いて、
琥珀色の大きな瞳をまぶしそうに細めた。



166 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)22時01分55秒




瞬間、カオリの全身を何かが一気に駆け抜ける。
それと同時に体中の血液がゾクゾクと波打ち出した。





…なんか、ちょっと
ヘンな気分になってきた…かも??





「よっすぃ…、っ!?」



自分でも何を言おうとしたのか
よく分らないまま、呟きかけた途端。






「嗚呼…教えておくれ美しいひと、
 ここは一体どこなんだい?パラダイス?それとも秘密の花園?」


167 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)22時04分20秒




もたれてた身体を、ゆっくりと起こしながら
カオリの髪の先に指を絡ませながら、そっと頬にキスをすると



「突然ごめんよ?ベイベー、
 花々よりもかぐわしいキミに
 挨拶のキスもせずにいるなんて、
 ボクにとっては耐えがたい苦しみなんだ」




よっすぃは、なんだかそうするのが
とっても自然なことの様にカオリを見つめながらサラリと言った。






その途端、これ以上ないくらいに
カラダが火照っていくのが分かった。


あああぁぁっっ!!
カオリ、きっと耳まで真っ赤になってる!
そうだよ、そうに決まってるっ!!



168 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)22時06分58秒



けど、よっすぃは、そんなカオリのことはお構いなし。
イタズラっぽい上目遣いのまま楽しそうにクスリと笑って。



「オー!ベイベー!恥かしがっているのかい?
 なんて可愛らしいひとなんだ、もうボクはキミにメロメロさ!」





…そんな、どうしよぅ!?

っていうか、よっすぃー変だよ、絶対にヘン!
いきなりこんな…、どうしちゃったの??



でも、でにカオリ
今すごく…ドキドキしてる…。

けど…ダメ、こんなの違う!
こんなのって、こんなの絶対おかしいよっ!


わかんない!わかんない!わかんない!




カオリ、もうどうしたらいいのか、
どうしたいのかも全然わかんないぃぃーーっ!!


169 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)22時09分03秒




「ん?どうしたんだい、ボクのアフロディーテ!
 そんな思い詰めたような顔をして、まるでロボ…」




ふいに、よっすぃの優しい声が耳に届いた。
大きな手で頬を包まれて温もりが伝わってくる。


その琥珀色の瞳で、今、カオリだけをじっと見つめてる。







そう思った途端
カオリ、全部分かっちゃった。




屈みこんで抱き起こそうとするよっすぃの背中に
スッと両手をまわして肩の辺りに顔を埋めた。
よっすぃがそよ風みたいに笑ったから、カオリはそっと息を吐く。

170 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2002年12月30日(月)22時11分47秒





―――そう、最初からこうしてれば良かったんだ。




だって、もうカオリはおかしいんだもん。


もっとよっすぃに触れたくておかしくなりそう。

もっとカオリに触れててほしくてたまらない。






頭の中はただそれだけ。
ううん、それだけで十分だよ。




「…カオリ!?よっすぃ!?
 ちょっ、ふたりとも何やってんだよーっ!!」




立ち上がったよっすぃの肩越しから
人垣を押し分けながら怒ってるような困ったような顔で叫ぶ矢口が見えた。







ほんと、ごめん。
矢口、ごめんね?

カオリにも何が何だかわからないけど
ただ、今のカオリはよっすぃのことで一杯なの…。



171 名前:カム 投稿日:2002年12月30日(月)22時41分47秒

一旦ここで切ります。

もし間に合ったら次は矢口編からスタート。
出来なかったら次回更新は年が明けてから。
172 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月07日(火)22時43分50秒
んあー面白い!
次回更新も楽しみに待ってます。
173 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時21分01秒



……………………………


……………………


……………




「つーか、ちょー信じらんない!
 マジで何やってんだよおぉっっ!!」



ヤグチが必死になって校内駆け回ってたってのに
何でよっすぃ〜とカオリがイチャイチャしてんだよーっ!!

あーもう、バカバカしーったらねーよ!



オイラだって、オイラだってホントはなぁっっ!!!!
ちっくしょおおおぉぉぉーーっっ!1人だけズルイぞカオリっ!!

174 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時22分37秒



ソッコーで駆け寄って2人の間に体をねじ込ませて
しなだれかかってるカオリをグイッと後ろへ押しやる。




「ホラッ、早く離れろってばっ!」

「いやぁーん!」

「おっと!?」



ったく、「いやぁーん」じゃねーよ!
カオリのおバカ、さっさと離れろっつーの!!
公衆の面前でいつまでも引っ付いてんじゃねー!!




ボケーッとしてふらつくカオリを支えようとしたらしい
後ろから伸びてきた白い腕を素っ気なくつっぱねる。



つーかさぁ、よっすぃーおかしくない?
だって、さっきあんなハデにぶっ倒れたくせに
いつの間にこんなに元気になってんだよ!?

ヤグチ、ほんとに心配で心配で
マジ泣きそうになったってのにさぁ!?
あー、クソッ!ムーカーツークーー!!!!

175 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時25分55秒




いつもに増して、ぼんやりと焦点の合わない目の
足元のおぼつかないカオリを素早く壁際に座らせると
ヤグチの怒りの矛先は完全によっすぃーにロックオン。


可愛さ余って憎さ100倍どころか1000倍だい!!
いつもの「優しい先輩・矢口さん」じゃねーぞ!
今日はマジで泣き入るまでガチンコ説教してやる!!
ちびっこいからってなめんなよゴルアァァァーーー!!!!





「オー!マイリトルプリンセス・マリー!!
 そんなに殺気をみなぎらせて一体どうしたというんだい?」

「…は、はいぃぃっっ!?!?!?」


176 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時27分54秒


突然、背後から聞こえてきた
耳を疑わずにはいられない程に間抜け過ぎるそのセリフに
ヤグチの中で燃えさかってた怒りの炎はアッサリと勢いを失った。

だけど、その声は間違いなく
愛しくも憎さ1000倍のヤツのもので。





えーとえーっと、ちょっと待ってね?
今の「マイリトルプリンセス・マリー」って…その…。
もしかしてひょっとしてヤグチのこと…だよねぇ??



…うわー!うそおー!?まじでー??
つーか、マリーってヤグチ、外人なのかよー???


177 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時29分55秒




ぅあっちゃー、どーしよぅ…。
カオリもそーとー様子おかしいと思ったけど
実はよっすいーの方が全然マジでヤバイのかも。

…そうだ、絶対さっき倒れた時に頭打って
どっか頭ん中がおかしくなっちゃったんだ……。




「あ、あのー、あのさぁ?
 えーっと、その…よっすぃー頭だいじょぅ」



普通っぽく言おうとしたのに
つい情けない声になって思わず口ごもりながら
恐る恐る反応をうかがう様に、ゆっくりと後ろへ振り返った。

178 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時31分02秒





その瞬間…、


心臓の一番奥のもっと奥が
ありえないくらい思いっきり跳ね上がった。
体の隅々に一気に熱が伝わってくのが分かる。

今まで感じた事のないそれにキツイめまいを覚えながらも
頭の中じゃ意識の全てを目の前の笑顔に集中させろと大忙し。


よっすぃーの元へ向かって自然と足が動いてく。

1歩、また1歩と近づいて行くたびに、
周りで騒いでるギャラリー達が視界からぼやけていって
よっすぃーと、その声だけがヤグチの世界になっていくような気がした。

179 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時32分34秒




「心配してくれたのかい?
 優しいんだね、マリー。
  けどもう大丈夫、ボクは元気だよ」


 
うっとりするような柔らかい微笑み。



「ああ、ボクのマリー!!
 プリティーでテンダネスなキミにボクはもうクラクラさ!」



とろけてしまいそうな熱っぽい眼差し。





よっすぃに見つめられてる。
それだけですごく息苦しくて、でも全然嫌じゃなくて。



ああもう、そんな目で見つめないでよ?
ダメだってば!ヤグチまで頭おかしくなっちゃうじゃんよぅ…。

180 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時34分41秒





ほんとにどーしちゃったの、よっすぃ?
だってこんなのってありえないよ。

そうだよ、この想いはずっと
…ずっとヤグチの一方通行でしかなかったんだよ??



ねぇ、もう怒ったりしないから、
頼むからこれ以上ドキドキさせないで?

せっかく、絶対マジにならないようにって
よっすぃにはごっつぁんがいるんだからって思ってたのに




だけど、そんな風に見つめられたら…ヤグチ、もう…もう……。

181 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時36分39秒




気がつくといつのまにか、
よっすぃの胸の中に飛び込んでて。




「今日は随分と積極的だね?
 フッ、ボクは嬉しいよ、マリー」
 


まるでしがみつくように
背中にギュッと腕をまわして。




「…よっすぃー、しゅきぃ〜はあとはあと

「ボクも同じさ、愛しいマリマリマリー」





耳元でそっと囁く声が聞こえたのと同時に
よっすぃ〜に体ごとギュッと抱きしめられる。


その途端にもう、何もかもがどうでも良いように思えてきた。

182 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時38分32秒





ねぇ、よっすぃ〜
お願いだからずっとこのままでいてね?

だって、だってヤグチ…
さっきから体がフワフワしてて
よっすぃ〜がギュッと抱きしめててくれないと
マジでどっかに飛んで行っちゃいそうなんだもん。




かがんだよっすぃーの肩口からフワリと漂う
シャンプーの香りの清々しさの中で心からそう願った。




――――――――と、その時。






「ディァアアアァァァァァーーーーーッッッ!!!!」




ぼんやりと顔だけ後ろへ振り向くと
壁際で力無くへたりこんでた筈のカオリが、
いつの間に立ち上がったんだか仁王立ちになってて
超合金巨大ロボアニメの合体完了シーンの時みたいな
ちょっと人間技とは思えないくらいの物凄い雄叫びをあげていた。

183 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年01月14日(火)16時44分01秒

>>172 名無し読者さん

そう言ってもらえてホッとしてます。
そろそろ終わりも近いので、それまで宜しくお願いします。
184 名前:カム 投稿日:2003年01月14日(火)16時50分58秒

うああぁぁぁぁっっっ!?
上げてしまったあぁぁぁぁ!!!!
なんて事してんだこのヴォケがぁあ!!



……逝ってきます。

185 名前:カム 投稿日:2003年01月14日(火)16時54分03秒


ヘコミ気分のままに交信終了です。
186 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月07日(金)20時32分58秒
187 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時31分20秒



……………………………


……………………


……………


「いいわね石川!?
 明日までにそのプリントやってくるのよ!キリキリとね!」

ってゆーか、どうして補習プリントの事で
わざわざ職員室まで呼び出されなきゃいけないのよぅ!

「はぁい、ちゃんと分かってますよぉ〜!
 それじゃあ保田せんせい、失礼しまぁ〜す♪」

だけど、こんな最悪緊急事態の時でさえ
完全無欠のチャーミースマイルでキチンとご挨拶。

そう、いつでもどこでも誰にでも『清く、正しく、美しく』
これもトップアイドルとして生きてきた悲しい習性ってやつね…。

でも、ドアを閉め終わった今。
その場でクルッと華麗に180度ターン!

さあっ!教室まで一気にダッシュよ!!レッツラゴーよっ!!

188 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時33分58秒



…ああっっ!?
私とひとみちゃんの大事なランチタイムはあとはあと
もう10分も過ぎちゃってるぅーーー!イヤーーーー!!
保田先生のバカぁーー!!般若顔ーー!!大酒飲みーー!!

……ううん、これくらいでへこたれちゃダメよ、リカ!
きっとひとみちゃんは何も食べずに私のことを待っててくれてるわ!

そうよ、私が教室に戻って
「待たせてごめんね?」なんて謝ろうとするのを、
ひとみちゃんは優しく微笑みながらそれを遮って
のんびりと「さぁて、何を食べようかなぁ?」なんて言って
嬉しそうにニコニコしながら私の手をそっと引いて歩き出すの。
そして2人で楽しくおしゃべりしながら素敵なランチタイムはあとはあと
ウキウキドキドキ過ごすのよ〜ぅ!!





「…って、コレは一体なんなの?なによ!?」


189 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時35分30秒


目の前の異様な光景に、
私、思わず廊下で仁王立ち。

だけど、もちろん普段はこんなはしたない格好しないわ?
だって私、なんてったってアイドルですものっ♪

でもこの状況じゃ仕方がないと思うの。
なぜって、愛しのひとみちゃんが待ってる教室の
ちょうど真ん前あたりにナゾの巨大な人だかりがあるんだもん。




ってゆーか!


もおぉぉぉうっっ!!
これじゃ教室に入れないじゃないっ!
おなかを空かせたひとみちゃんが
私の帰りを待ちわびてるっていうのにぃ!


まったく保田先生といい、
どうしてみんな私たちの仲をジャマしようとするのかしら!?
そのうち馬に蹴られて死んじゃっても知らないんだからね!プンプン!!

190 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時37分07秒






……だ・け・ど♪



みんなキャーキャー騒いでて
何だかとってもすっごく楽しそうねぇ??

あらヤダ、どうしよう!?
なんだかウキウキしてきちゃったわはあとはあと

周りの人からは、おしとやかで上品で美しくて
まるで『お姫様』みたいに思われてる私だけど
本当は昔からとっても好奇心旺盛なお茶目さんなのっ♪

ああ、だんだん燃えてきたわ!
そうよ、この盛り上がりの正体を確かめずにいるなんて
たとえお天道様が許しても、この私の血が許さないわっ!!!


191 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時39分19秒


「はいはいはぁ〜い♪すみませぇーん!
 みなさん、ちょーっとどいて下さいねぇ〜??」

「ちょ、押さないでっ!ってリカちゃん!?」

「あ、柴ちゃぁ〜ん!ちょうど良かったぁ!!
 ねぇ何でこんなに盛り上がってるの?何があったか知ってる?」

「えっ!?それは、えーと…何ていうか…」

「なぁんだ、柴ちゃんも知らないのぉ?
 ふふっ、分かったわ!いわゆる…ヤジ馬さんね?
 もう、柴ちゃんったら意外とミーハーなんだからぁっ♪
 いいわ、さあ一緒にこの盛り上がりの正体を………」



なぜか困ったような顔になって
妙にうろたえてる柴ちゃんの手を掴んで、
再び人だかりの中をかき分けていこうと足を動かした、その時――――――――



192 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時42分56秒


輪の中心から聞こえてきた
とても人のそれとは思えないような訳の分からない雄叫び。


一瞬遅れて湧き起こる、どよめき、歓声、嬌声、エトセトラエトセトラ。
それらに連鎖するように、なんだコラどうした見えねーぞヴォケ!!





…えーっと、つまりこれって、
いわゆるひとつの押し合いへし合いドツキアイの大フィーバー??




って、いぃったあぁーーーい!!!!!


ちょおっとぉー!誰よー!?
今、私の頭を思いっきりハタいたのはぁーっ!?
しかも、ドサクサにまぎれて足まで踏んでったしぃーー!!
ったくどいつもこいつも私を誰だと思ってんのよっ!?

あーもぉイヤッ!こんなの耐えられない!!
お願い、今すぐ助けに来て!ひとみちゃー…???

193 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時44分28秒



「…ひ、ひひ、ひと、ひとみちゃあぁぁ〜〜〜〜んっっっはあとはあと



その人だかりの中心で場違いな程に悠然佇んでいたのは
白い歯のキラキラリンと輝く王子様スマイルを携えた愛しいあの人はあとはあと




「フッ…ベイベー、呼んだかい?」



私のピンチを知って駆けつけてくれたのね!?
リカ、嬉しい!!やっぱりアナタは私だけのヒーローね♪

ああっ、こんなにも強い愛情で結びついてるなんて
もう私達、結婚するしかないわ!そう、そうすべきよ!!

ひとみちゃん、2人で幸せになろうねっ♪

…あ!ヤダ、いっけなーい!
リカったらおバカさんなんだからっ♪
もう『ひとみちゃん』じゃなくて『ダーリン』って呼ばなくちゃねはあとはあと

194 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時46分30秒



「…って、きゃぁあっ!?」

「オーベイベー!
 危なかったね、ケガはないかい?」


そう言うが早いか、
ひとみちゃんは倒れかけた私をサッと助け起こすと、
そのキレイな瞳からは、じっと熱い視線を。


「オーウ!サプラーイズ!!
 なんてチャーミングなベイベーだと思ったら
 リカちゃん、キミだったんだね?つい見とれてしまったよ!」



いやぁ〜ん!もぉ〜う!!
ひとみちゃんったら大胆なんだからぁん!!
花壇では恥かしがってしてくれなかったくせに
急にこんなに大勢の人の前で迫るだなんて…イヤン♪
でもでもっ、強引なひとみちゃんも…ス・テ・キはあとはあと


「フッ…ベイベー、チャーミングな口唇だね?」



ここぞとばかりに、
いたずらっぽい笑顔でウィンク


195 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時47分30秒











…っっきぃゃぁああああぁぁぁ――っ!!!!


もうダメぇ――!!
ステキ過ぎるぅ――!!
もうどうにでもしてぇぇ――んっはあとはあと




「愛してるわ!マイダーリンはあとはあとはあとはあと
 …って、いいぃっったあぁぁ〜〜いっっっ!?」



ゆ、許せない!断じて許せないわ!!
一度ならず二度までも、この私をどつくなんて!!

しかも愛し合う2人の邪魔をするだなんて
こんな酷い仕打ち、普通の人間のすることじゃないわ!
愛と正義とひとみちゃんの名にかけて成敗してくれるわ!!

196 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時49分52秒




「新参が調子乗ってんじゃねーぞゴルァッ!!!」

「ガガ…ヌケガケハユルサン イノチガオシカッタラサッサトウセロ」







な、なに!?この口の悪い小人さんはっ!?
金髪だし思いっきりメンチ切ってるし…さてはD●N!?D●Nね!!

しかも隣の大女の方はヘンな喋り方して
まるでロボ…って間違いないわ、コレって本物よ!!!


197 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時50分54秒





………はっっ!?



まさか、この小人とロボ…ダーリンのことをっ!?
きっとそうだわ、そうに決まってる!
ダーリンほど素敵な人を目にしておいて
なんとも思わない方が絶対おかしいもの!!

ああっ、何てことなの!
この私としたことがウカツだったわ!!


…ダメよ、リカ!これ位でへこたれてちゃ!!
そうよ、私がダーリンを守らなくてどうするの!!

小人だかロボだかよく知らないけど
こんな馬の骨なんかに、この私が負ける筈がないじゃない!!!

198 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月19日(水)13時54分26秒



「てめコラ、シカトぶっこいてんじゃねーよ!
 マジでドタマかち割るぞ!コノヤロウッ!!」

「モウイチドダケイウ ウセロコムスメ コロスゾ」

「ふんっ、おだまりなさい!このデコボココンビ!!
 私の大事な大事なダーリンに手を出そうなんて
 100万年どころか100万光年も早いわよっっ!!!!」






頑張るのよ!リカ!!
この勝負だけは絶対に負けられないんだから!!
ひとみちゃんは、ダーリンは私のものなのよぉぉぉーーーっっっ!!!!


199 名前:カム 投稿日:2003年02月19日(水)14時01分04秒

>>186さん
保全ありがとうございます。


筆の進み具合の波が激しすぎる作者ですいません。ほんと。
書けないなりにも、チビチビとマターリとやっていきたいと思ってます。
200 名前:カム 投稿日:2003年02月19日(水)14時02分16秒

交信終了です。
201 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月19日(水)15時19分02秒
なんだかものすごい様相を呈してきましたが、
これこそ石川であり吉澤であり矢口であり飯田であるのさ
とか喜んじゃってる自分は間違いなくD●Nです。
202 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時01分59秒






……………………………


……………………


……………







「…な、なんでや!?」




一体どないなっとんねん。
まさか、こんなんなるなんて…そんな、ありえへん。

ちゃんと計画した通りにいっとったやんか!?
シュミレーション段階では何の問題もなかったやんかっ!?


203 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時07分13秒


@催眠術で万年発情アホホストと化した
 天然タラシの鈍感ヘタレ(吉澤)が圭織と矢口による 
 きっかけを境に誰かれ関係なく口説き倒しだす。
Aその様子を目の当たりにして、
 夢の中に脳みそ置忘れとる世間知らず(石川)は激しく幻滅。
B当然、吉澤への熱烈な愛情も急激に冷める。
C一件落着!万事OK!!



うーん…、やっぱり何の問題もあらへん。
それ以前に単純すぎて問題点なんかでてけーへんわ。

そうや、あの世間知らずの性格、行動パターン、と
手に入るだけのあらゆる資料と首っ引きになった末にいきついた
この中澤特製の完全無欠の計画やったはずや…せやのに…。
間違いなく100%成功するはずやったのに…!!!

204 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時09分37秒


「あ゛ぁん!?てめコラ黒いの!今なんつった!?
 てめーの方こそなぁヤグチのよっすぃーに
 ヘンな色目つかってんじゃねーよ!ツブスぞゴルァッ!!」

「カオリウソキライ,ヨッスィーハカオリノモノデカオリハヨッスィーノモノ」

「ふふーんだ!何とでも好きに言ってればぁ??
 昔から弱い犬ほどよく吼えるっていうしぃー?オホホホホー♪」

「リ、リカちゃんっ!?そんなこと言って…ダメ、落ち着いて!!」
 



石川…アンタめちゃくちゃ負けん気強いやん…。
資料に載せてるのんは気弱で繊細って、
『泣き虫でぇ、すぐ泣いちゃうんですぅ〜』とか書いとったやん。
そんな真っ向勝負上等の負けず嫌いキャラと全然ちゃうやん……。
205 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時15分50秒



「心配しなくても大丈夫よ、柴ちゃん!
 このチャーミーがこんなデコボココンビに負けるとでも思って!?
 …いい?そこのD●Nとロボ!よーくお聞きなさい!!
 私とダーリンの仲を邪魔するのだけは絶対に許さないんだから!!」

「んだとぉー!?上等だー!かかってこいやーっっっ!!!!」

「…カンプナキマデタタキノメス」

「もうやめてー!誰かリカちゃんを止めてーー!!」

「いいわっ!まとめて返り討ちにしてあげるっっ!!!!」




うーっわぁあー!?
石川のヤツ、ものごっつやる気出してるわぁ。
柴田、必死で抑えようとしてんのに引きずられてるし。
なんちゅーか、さしずめ暴走列車やな、石川。

しかしなぁ、あれやなぁ人は見かけによらんっていうか、
石川は絶対ライバルとかそういうのがおったほうが
めちゃくちゃ燃えるタイプなんやろなぁ。
うん、きっと勝ち負けとか勝負事には人一倍こだわるで、アレは。


おとなしそうな顔して実はギャンブラーかぁ、…うっわ、えげつなぁー!


206 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時18分27秒



…って
今は悠長にキャラ分析してる場合やないっちゅーねん!!!

廊下でこんな大騒ぎしとったら
いくらなんでも後藤に気付かれてまうやん。
アカン、バレたらどないしよう…ってバレたらアカン、アカンがな!!
と、とにかく早よ何とか収拾つけんことには一番マズイことになる!!




「…マズイ、マズイで」

「んあ?どしたの、ゆーちゃん?なにがマズイの??」



…ぅひぃぃいいいいいっっっっ!?


207 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時20分39秒



「ご、ご…後藤なんでここ…」

「それはごとーのセリフですー!!
 ったく、人のこと呼び出しといて自分は野次馬なんて、どーかと思うよー?」

「いや、こ、これには複雑怪奇な出来事と
 大人の事情が入り組んだ、それはもう混迷を極める悲しい物語が…」

「……ゆーちゃん、これは一体どーゆうこと??」




な、なんや急にドスの効いた声だして
…って目つきまでごっつキツなっとる――――――!?


何を見てそんなんなったんか大体想像つくし
後藤の気持ちも分からんではないけども、ないけども…



ごっつ恐すぎるっちゅーねんっっっ!!!!


208 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時22分45秒


「ベイベー、なんて素敵なモチ肌なんだ!
 ん、どうした?苦しそうな顔をしているね
 …オー!…心が痛むというのかい!?」

「は、はいっ!紺野アサミと申します!か、かかっ完璧です!!」

「きゃー!?アサミちゃーん!!
 しっかりしてっ!こんな所で倒れちゃだめだよ!!」

「ん〜ベイベー!それは恋!恋煩いさっ!!」

「なっ!?なに呑気なこと言って…、か、かっこいぃ〜〜♪」

「フッ、なんて可愛らしいベイベーだ。
 きっと…ボクと出逢ったからキミは恋をしたんだね」

「わ、私、小川マコトって言います!がんばってますっ!!」

「イヤぁー!?倒れんとってぇーマコトー!!」

「さぁもう大丈夫、ボクはここにいるよ?」

「何を言うとるんですかっ!?
 ちっとも大丈夫じゃ…、なんて素敵なん人じゃろ〜♪」

「オーベイベー!キミこそとってもラブリーさ!」

「あ、あのっ、わたしぃっ高橋アイですぅっ!!」

「…おいで、踊ろう!!」

「ああぁっ!?アイちゃーんっ!?
 マコトちゃんもアサミちゃんも、みんなしっかりして―――っっ!!!」

209 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時24分39秒





……何ちゅうこっちゃ、
あのアホホスト、ついに中等部のガキにまで手ぇ出しよって…。


それにしても吉澤…恐るべしやな。
元々の素養があるにしてもあのタラシっぷりには参るわ。
多分、今の吉澤やったらきっと圭ちゃんでもイケるな、うん。

あー、せやけどなー?
やっぱ催眠が強くかかりすぎたんやろなぁ?

けど、初挑戦でしかも見よう見まねやったのに
こんなに巧くいくなんて我ながらビックリやわ、ホンマ。
実はガッコの先生よりも催眠術師の方が適性あるんちゃうんかな?


『ウワサの美人カリスマ催眠術師、中澤ユウコ!』


キャー♪なんちゃってぇー!!なんちゃってぇー!!


210 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時29分08秒



「…ねぇ、ゆーちゃん、よっすぃに何したの?」

「え゛ぇっ!?…あ、あは、あはははー!
 何したって?一体何のこと言ってんのかなー?
 悪いけど、ゆーちゃん全っっっ前分かれへんなぁー??」

「ふーん、あっそ」





…アカン、バレてるわ
ものごっつ確信的に疑われとる。
間違いない、あの目は確実に『諸悪の根源はお前や』て言うとった。



「…じゃ、本人に聞いてこよっと♪」

「あー、うんうんそうやね
 それが一番ええんちゃうんって…、え゛ええぇぇ―――っっっ!?」



211 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時31分50秒


ああああ、ア、アカンがな!アカンがな!
後藤!そんなんしたらアカンがなーっっ!!!!

もう今でも充分マズイ状況やっちゅうのに
アンタまで首つっこんでもうたら、それこそ収拾つくどころか
確実に火に油、保田に白子のどえらい騒ぎになるっちゅーねん!!!




「んあ、後始末よろしくねー?
 それでチャラにしたげるからさ、あは♪」

「ちょっ!?ごとっ!!」




にひぃ〜っと不敵に微笑んでみせたかと思うと―――――


次の瞬間には、
栗色の髪を悠然となびかせて颯爽と輪の中へ消えよった。






いややぁあーー!?!?

どないしょー!?どないしょー!?
うわあぁぁーん!みっちゃーん助けてぇ―!!!
ゆーちゃん、もうどないしてええか分かれへーん!

212 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時36分53秒







と、その時。
水を打ったような、一瞬の静寂が。


少しの間も置かないうちに
廊下中どころかきっと校舎中に響き渡るような、
どよめきと嬌声、歓声と悲鳴、その他、声にならない叫び声の数々。
それまでに無い勢いで加速度的に興奮していく野次馬たち。




「…んなっ!?」





一瞬、垣間見えたそれは映画の一場面を思わせた。



なんて率直で強烈なアピール。
これ以上ない最強のパフォーマンス。


その姿はまるで、これは自分のものだと。
自分以外の何人たりとも手出しはさせないと。


周囲の全てに向かってこれでもかと見せ付けるような―――――


213 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時40分58秒


ごとおまいなンちゅk?lサc!fぐ?frいちぇふぇgyるお"ぉkjlshiw!?!?




…ああぁーっっ!くそ!!
どいつもこいつもホンマ手の焼ける!!

ったく、いっぱしに色気だけ一人前に身に付けやがってからに!!!
あぁーもうっっ!ホンマしゃーないガキどもばっかりやっ!

こーなったらもう何とでもしたるわい!!
この、ゆーちゃんに怖いもんなんかあるかーい!
矢でも鉄砲でも何でも持ってこんかーい!!



後は野となれ山となれやー!
あーっはっはっはっ!!あーーはっはっはっは―――――!!!!!

214 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年02月27日(木)16時51分01秒

>>201さん
レスありがとうございます。
我ながらこんなに騒ぎを大きくして収拾つくのか心配です。
えーと実はD●Nの意味よく知らないんで…。つ、使い方合ってました?(汗。
215 名前:カム 投稿日:2003年02月27日(木)16時54分29秒


名前欄間違えるし、sage忘れるし…鬱だ。


逝く前にちょっとだけ。

すっかりドタバタ喜劇になってますが、
次からは(ё)<ラヴ、コメちっく浮かれモードに戻す予定です。
乞う、ご期待。(うまく応えられるかどうかは甚だ疑問ですが…。)

216 名前:カム 投稿日:2003年02月27日(木)16時55分43秒


更新終了です。
217 名前:なな 投稿日:2003年02月28日(金)02時46分34秒

更新お疲れ様です。
これからよっちぃはどうなるんだぁ〜!!
非常に気になります。気長に待ってますので、頑張って下さい。

218 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月22日(土)09時55分25秒
hozenn
219 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月16日(水)15時33分20秒
220 名前:カム 投稿日:2003年04月20日(日)23時36分27秒

>>217 ななさん
よっちぃは…どうなるんでしょう?
恐らく、全ては後藤さんの心ひとつ次第ですね(w

>>218 名無し読者さん
保全ありがとうございます。

>>219 名無し読者さん
保全ありがとうございます。


今月中には何とか更新を、と思っています。
恐れ入りますが、もう少々お待ち下さい。
221 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月08日(木)18時07分12秒




……………………………


……………………


……………







…よっすぃは昔からそうなんだ。
小さい時から、みんなに優しくて、人一倍鈍感で。
いつも無意識に人のことをその気にさせて。

だから、タラシだなんて言われちゃうんだよ。
ほんっと、どーしよーもないんだから。ばーか。


『んー?吉澤の浮気癖を治すにはどうしたらいいか?
 ハッハッハ!どうするも何も一生無理だろー?…って
 いってーなっ!んなに怒んなよ〜、冗談だっつーの!』

あのね、ごとーだってほんとはね?
ほんとはちゃんと分かってるんだよ?

柴ちゃんとのこともリカちゃんとのことも
その他の今までのコ達とのことも全部、違うんだって。
浮気とか全然そんなんじゃないんだって。



222 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月08日(木)18時08分17秒



『けど、治すってもなぁ…あ!ホラ、アイツほんと無自覚っつーか
 【ナチュラルボーン・タラシ】のくせに実は全然ウブだろ?な?
 つー事でぇ、ショック療法とかが一番キクんじゃないっすかねぇ?』


でもねぇ…ごとー、ダメなんだよね。
頭では分かってても、全然気持ちがダメで。

よっすぃが他のコと仲良くしてるの見るたびに
すっごいヤな気持ちにガーって一気になって
違うって分かってるのにマジでムカついちゃうんだ。

ほんともうどーしよーもなくムカついて、
自分でもどうしたら良いのか分かんなくなって
どんどんヤな気持ちでいっぱいになって、余計にイラついちゃうんだ。

223 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月08日(木)18時10分21秒


『いやぁ〜それにしても後藤も運が無いっていうかさぁ
 あんなタチの悪いのにそこまで惚れこむってのもどうかしてる
 …って、痛い!ほんとに痛いからっ!マジで殴んないでっ!!
 イチイが悪かったです!もう言いません、ごめんなさい!!
 ……え、何?それでって?あ、はい、ショック療法っすね? 
 そーっりゃあ、なんつってもアレしかないでしょー!?
 イチイ的にはぁ最も簡単で効果テキメンなアレがイ・チ・オ・シ☆』

いっそ「他のコと仲良くしたらヤダ」なんて
言っちゃえばスッキリするのかもって何度も思ったけど。

そんなの…恥ずかし過ぎて言えないよ。



『あぁ?お前、人のアイディアをバカにしたな!?
 オンナならなぁ、思い切ってやってみろっ!
 浮気癖直るどころかモー大変なことになるゾ♪』


……………………


……………


224 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月08日(木)18時13分34秒




おかしなことに、昼休みの廊下は
真夏の太陽みたいにギラギラムード。


この目の前の大騒動は、
どうやらよしこをめぐってのバトルロワイアル。

参加メンバーはカオリ、やぐっつぁん、リカちゃん、
中学生ズ…その他エトセトラエトセトラ。


仕掛け人のゆーちゃんをとっちめるのは後にして
人だかりをかき分けて一直線にアイツを探すこと、約3秒。

いつの間にか端っこの方で、
どこを見てるんだか虚ろな目をして、ひとり。
まるで他人事みたいに飄々とたたずんでる
アイツの前に一目散にすべりこんで振り向かせる。

225 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月08日(木)18時15分32秒



「よしこっ!?」

「オー!マイスウィート!マイプレシャス!
 逢いたかったよ、ボクの愛しい子猫ちゃん!
 今まで一体何処へ行ってしまってたんだい?」



…ふえぇえ〜〜??
よしこ、マジで目ぇすわってるよぉ!?

なんか別人みたいってゆーか、
うん、ほんとにその目はヤバいって。
軽くキメちゃってる人みたいになってるし。



「…あの、よしこ?
 ほんと、もーいいから帰ろ?」

「オォウ!その上目遣い!
 なんて目で見つめるんだい、マイハニー!
 こんなにもボクをドキドキさせて、罪つくなハニーだ!」



はあぁ〜??
まだ言ってんの、よしこ〜!?

てゆーか、何なのそれ?
ごとーにまでそーゆーお芝居するわけ?


人がせっかく、その変なお芝居は
ゆーちゃんの仕業みたいだから
今回は特別に許してあげようと思ったのにぃー。





……あーったまきたっっ!!!



226 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月08日(木)18時23分24秒



もぉーいーよっ!
ごとーにだって考えがあるんだから!

いちーちゃんっ、こないだはバカにしてごめんね
いちーちゃんの考えたやつ、やっぱ使わせてもらうね!


…てゆーか、よしこはごとーのモノなんだってことを
いい加減にみんなにも分かっといてもらわないとねぇ?あは!

お仕置きのかわりと言っちゃあナンだけど
イイ機会だし、みんなにキチっと見せしめときますかぁ♪




「オーマイベイベー!ボクのハートはキミのモノ!
 永遠にキミのトリコさっ!ラブユーオンリー!!」



目を見つめてニコっと笑ったのが良かったのか
よしこは両手を広げながら、いっそう大きな声をあげた。

みんながこっちを向こうとするなかで
素早く両腕を伸ばして色白の首元を引き寄せる。





さぁ、お遊びはもうおしまい。
ごとーがよっすぃの目、覚ましてあげるはあとはあと



227 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月08日(木)23時20分54秒
やった。更新されてる!
つづき気になる。つぎの更新楽しみにまってます。
228 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時02分16秒




……………………………


……………………


……………




いつのまにかソレは段々と激しさを増していった。



首元を引き寄せられて温度が伝わる。
鼻先をくすぐる甘くてイイニオイ。
あったかくて、やわらくて、すごく素敵な感じ。


熱っぽく、ねっとりと絡みついては滑らかにうごめく。
逃れようとしても捕まえられて弄られる。



内臓わしづかみの気持ちよさに
あたしはもう夢中になってギュっと抱き寄せる。


229 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時04分04秒



何がなんだか訳が分からない。
零れる吐息がやたらリアルに聞える。
漏れる声は甘ったるくて気が狂いそう。
やべぇ、マジでもう頭ん中ぐちゃぐちゃだ。




コレはナニ?ナニはアレ?ココはドコ?




…あ…あたし、
今どーなっちゃってんのーっ!?






とうとう息苦しさも限界になって
あたしは倒れこむようにしがみついた。



つーか、この感じって…絶対。
ああ、そうだ…これは間違いなく…。






「…ご、っちん」


230 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時06分24秒



「あはっ、目ぇ覚めた?」




ヨロヨロと身体を起すと、
そこにはやっぱりごっちんが立っていた。



「え…?あー、うん」




いつのまに出来てたんだか、
あたし達をとりまく人だかりに内心ビビリつつ、ごっちんに視線を戻す。


それにしても、この微妙な空気はナニ?
どーしてごっちんがここに?用事はもういいの?
つーか、今まだ昼休み中だよね?みんな何してんの??



231 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時08分44秒




「良かったぁ〜!
 ごとーね、かなり頑張ったんだよぉ?」



ニヘヘと笑うと褒めてと言わんばかりの
上目遣いで、するりと首に腕を絡められて。






ぐ、ぐあぁーっ!?
こ、こんな人前でなんつー大胆な!!!


あぁ〜、でも可愛いーなぁー。
ホントになんでこんなにかわいんだろ?
ヤッベー、なんか無性に抱き締めたい。
ついでにチューとかしちゃたい。
そんでもって、出来ればもっと色んなことも…。


232 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時10分55秒



あーあーあーあー、ちょと待てストップ。
何を考えてんだ、あたしー!?


っつーかですね、
ソレはあんまりってもんですよ後藤さん!?

ここんとこ最近、色んな意味でゴブサタだったんですよ?
それなのに、それなのにそーゆーコトするってのはどーなのよ?
今、自分がナニをどーしてるのか分かってないだろ?え?オイ。
こんなに人いっぱいいるとこで何ムラムラさしてくれてんだよ!




「んぁ?よしこ、だいじょぶ?どっか痛い?」







……っっっ!?!?



あーっ、たまんねーーっっ!!!


ちくしょーもうダメ、完全ムリだ。
そーゆうわけで、グッバイ理性さんサヨウナラ。



……吉澤、マジ限界です。



233 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時14分21秒





「ごっちん、大好き」





こぼれでた告白は、呆れるほど単純明快。

うわごとみたいな擦れた声でボソリと呟いたら
ごっちんはこれ以上ないくらいに
嬉しそうな顔して小さく小さく頷いた。



重なるように抱き締めようと腕をまわしたその瞬間。







「いーかげんになさいよ!
 アンタたちぃーっっ!!!」


「「ぅげ、けーちゃんっ!?」」


234 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時17分46秒




廊下に響き渡る怒声の方向に
人だかりがパカッときれいに割れる。



そこにはナマハゲも泣いて逃げ出しそうな程
えげつない形相で突っこんでくるオニババ。
もとい大魔神…じゃなくて、保田ケイ。
ちなみに、お見合い連敗記録驀進中で万年恋人募集中。






…こりゃあ、そぉーとーマズイ。かーなりヤバイ。
つーか捕まったらマジで食われるかも…。



チラリと視線だけ隣にずらすと、
笑えるくらいバッチリのタイミングで目が合った。


ごっちんがいたずらっぽく目をクリクリさせてニヒーッと笑う。
見るからにモー楽しくってたまんない!って感じのすっごい笑顔。



あはは、ごっちん分かりやすいなー。
けど、あたしも今きっと同じような顔してんだろうなぁ。


235 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時19分44秒



「OK牧場ぉーう!」





思いっきり叫んだのを合図に
クルッと身体を後ろにひねって人混みかきわけ仲良くダッシュ。
お手てつないで歓声あげて、校門めざして一目散。



「よしざわぁーっ!ごとーっ!!
 コラッ、二人とも待ちなさーーーい!!!」

「よっすぃ〜!?」

「あー!?ごっつぁん!独り占めはズリィぞ!!」

「イヤー!リカを置いてどこ行くの!?
 ひとみちゃああぁぁ〜〜〜〜〜〜ん!?」

「ダメ、リカちゃん!お願いだから理解して!」




ごめんね、けーちゃん。
そして矢口さん、飯田さん、リカちゃん、柴田さんに
えーっとえーっと……他のみんなも、ごめんね?


けど、走り出したら急には止まれないんだ。
オーイエス!!キモチが大事っ!!!


236 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時22分15秒




「ねーねー、これって愛の逃避行ってやつー?」

「つーか、ウチらってばB&Cみたいー?」








アハハハーっと笑いあって、
横付けといたチャリに2ケツしてかっ飛ばす。




校門を抜けて川沿いの土手を走ると、
風にごっちんの髪がサラサラとなびいた。



237 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時25分25秒




「あは!きもちぃーい!」

「だねぇ〜」





あたしの顔をのぞきこむようにして
ごっちんは楽しそうにふにゃりと笑う。


それだけでもう、なんかすごく嬉しくなってくる。






きみが落ち込んでる時は、あたしが笑わせてあげる。
あたしがへこたれてる時は、君に抱きしめてほしい。


これからも一緒に遊んで騒いで、おっきくなろう。
タマにはケンカなんかもしたりしてね。


238 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時26分40秒




見上げれば、青い空に白い雲。
頭の上の太陽は、今日も高くでっかく輝いてる。







何だかたまらなくなって声の限り叫ぶ。





「イエー!ごっちんLOVEー!!」




そう、あたしにとって
きみはかけがえの無い愛しいひと。

239 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時28分50秒



「ごとーもー!
 ごとーも、よしこLOVEー!!」




えへへへ〜〜〜♪
分かってるけど、言われるとやっぱ嬉しいねぇ。





「相思相愛、カッケー!!!!」

「あははあとはあと



240 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時32分11秒





キラキラ眩しい、太陽みたいなその笑顔。
ずっとずっと、きみが好き。



そう、きみは誰よりも何よりも大事なひと。
この世で一番大切な、あたしのタカラモノ。





241 名前:吉澤くんの災難!? 投稿日:2003年05月16日(金)01時37分36秒




           〜 おしまい 〜




242 名前:カム 投稿日:2003年05月16日(金)01時40分02秒

(0^〜^)ノ<流すYO!
243 名前:カム 投稿日:2003年05月16日(金)01時42分06秒


( ´ Д `)ノ<んあ、いちおーラスト隠しとくねー。


244 名前:カム 投稿日:2003年05月16日(金)01時46分17秒



   ( ´ Д `)<そんじゃ、さよーならー>(^〜^0)



245 名前:カム 投稿日:2003年05月16日(金)01時51分34秒

>>227 名無し読者さん

お待たせしてすみませんでした(汗。
なんとか書き上げる事が出来ました。

246 名前:カム 投稿日:2003年05月16日(金)02時07分29秒

ダラダラと続けてきましたが
とりあえず『きみは、ぼくの、太陽だ。』は
これをもちまして完結というカタチを
とらせて頂きたいと思います。

まだスペースも残っているようなので、
出来れば短編などでちゃんとスレを最後まで
使い切りたいと思っています(吉飯とか吉紺とか吉安とか)

最後に、
レスをくれた方、ROM専だった方、とにかく読んでくれた方々
今までお付き合い頂いて本当にありがとうございました。
247 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月21日(土)17時56分33秒

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