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からくり屋敷の王子様

1 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)10時28分52秒


「行っちゃやだよぅ…。」
「必ずまた会えるから。」

「置いてかないでよぉ。」
「ずっと忘れないよ。だから…。」



「バイバイ」


2 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)10時34分59秒

朝。

どうしようもなくだるい。

「学校、さぼろっかな?」

優等生に見られがちなあたしは仮病を使って学校へ連絡した。
あたしは私服を着て、土手へ向う。


「覚えてるかな、あの子…。」

あたしはサボる時、必ずここへ来る。
幼い頃大好きだった親友と、別れた場所へ。

「いつかまた会える」

彼女の言葉を信じて…今日もまたここで過ごす。


3 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)10時44分01秒

草むらに寝そべる。
空は雲一つ無い。あたしはこの空が大好きだ。

「梨華ちゃん。」

気持ちよく寝ようとしたら、声を掛けられた。
こんな時間に、だれ?

「梨華ちゃんもサボリ?最近多いよね。」
「なぁ〜んだ、よっすぃー?」

草むらの坂をあたしのいる位置までスルスルッと滑り降りてくる。
夕やけ色の髪の毛をした彼女は、吉澤ひとみ。あたしと同年代。

「最近よく見るの。あの子の夢。」
「あぁ、名前も覚えてない、例の女の子?」

ハンバーガーをかぶりつきながらよっすぃーは話を聞いてくれる。
そうなんだよね…名前も知らない、女の子…。

「にしてもさ〜ここの川奇麗だよねぇ〜。」
「あたしが小さい頃からね。」

良い天気の日は、川も一段と奇麗に見える。

4 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)10時48分09秒

「待てこら!」
「くそっ!しぶといなっ!」

あたし達は顔をあげる。

「何々、なんの騒ぎ?」
「泥棒じゃないみたいだけど…。」

追いかけられている男性は、追いかけている少女に銃を向けた。
これって?

「来るな!撃つぞ!」
「あんたに撃つ勇気があるわけないでしょ!おとなしく捕まれ!」
「この野郎!」

バァン!!

銃を放つ。

「梨華ちゃん、逃げよう!」
「でも、あの子が…。」

追いかけていた少女は、消えてしまった。
5 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)10時51分58秒

「手間かけさせないで。ったく。はい、お仕置き。」

さっきの少女は二十メートルくらいはなれていたはずなのに、
男の手に手錠を掛けていた。

「このっ!」

男は抵抗し、こっちにやってくる。



え?



6 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)10時55分52秒

「よっすぃー!」
「う、わぁっ!」

よっすぃーが人質に取られた。

「こいつがどうなっても良いのか!」
「………………。」

少女は黙って俯いた。

「よっすぃー!よっすぃー!」
「梨華ちゃん!助けてぇ!」

少女はふっと顔をあげた。




「…………………死ね。」


何が起こったか解らなかった。

ただよっすぃーは解放され、男が感電しているという事は解った。


7 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)11時02分01秒

「ぐわぁあ!」

男は気絶した。
少女の周りにはバチバチと電気が通っている。

「…………殺してやる。」

そういうと、少女は倒れている男に手を向ける。

「駄目!殺しちゃ駄目!」

あたしは咄嗟に立ちふさがった。
少女の目を見た時、背筋が凍った。

ガラスのような瞳。その瞳には何も写っていない。
氷の目。絶対零度の世界だった。

「どいて。」
「いや。」

少女はふっと消えたと思うとあたしの後ろに立っていた。

「殺人犯、逮捕。……判決、死刑。」

そう言って男を燃やしてしまった。


彼女は一体なんなの?


8 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)11時07分07秒

多分あたし達と同い年…か一個上かな?
よっすぃーは目を輝かせて見ていた。

「ごめんね、危険な目に合わせて。」
「い、いえ!助けて頂いて有り難うございました!」

彼女の目は元に戻っていた。体の回りの電気も無くなっていた。

「………あたしが何者か悩んでる?」
「え?」
「あたしは犠牲者だよ。ろくでもない大人達の…。」

あたし達の前に来るといった。

「お礼にあと一回だけ助けてあげる。困った時にこの指輪をはめて。」

そう言って指輪を渡すと消えてしまった。



9 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)11時10分38秒

「夢…じゃないよね?」

よっすぃーがいった。

「うん…。」



でも、彼女の香り。

独特のオーラ。

透き通った声。

大人っぽい雰囲気。


全てをかたどる物が、あの時の女の子に似ていた。




「必ずまた会えるから…。」


10 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)11時11分45秒

更新終了。誰の台詞か分かり難いかもしれませんが、ご勘弁を。
11 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)18時40分19秒

午前中はブラブラしていた。
彼女が普通の人間でない事はわかったけれど、一体何者なんだろう。
大人の犠牲者?

「梨華ちゃん、この指輪、どうする?」
「あたしが持ってる。よっすぃーより喧嘩弱いでしょ、あたし。」
「そうだね。」

よっすぃーはあたしに指輪を渡し、ベーグルをかじり始めた。
ベーグルばっか食べて飽きないのかなぁ?

そう思いながら、コンビニへ寄った。

「ふぁ〜あ、今日は人が多いねぇ。」
「よっすぃー、立ち読みは駄目だからね!」
「ちぇ…隠れてしようと思ったのに…。」

12 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)18時44分21秒

あたし達がお昼ご飯を買っていると…
変な人が入ってきた。

「動くな!動いたら撃つ!」

きゃぁっ!

あたしはヘルメットを被った男に捕まった。
どうやら人質らしい。

嫌よ!怖い、怖い!
誰か助けて!

「梨華ちゃん!指輪!」
「へっ?」

あ、そうか!
ゆっくりと、気付かれないように、指輪をはめる。


眩い光が当たりを照らす。


13 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)18時49分45秒

すたっ。

さっきの少女が音も無く現れた。

「なんだお前は!」

強盗はあたしのこめかみに銃口を押し付ける。

「いち、にい、さん、しぃ…。」

辺りの人数を数えている。
助けてくれるんだよね?
少女は呟く。

「参ったな、こんなに大勢じゃ使えないじゃん。」
「黙れ!動いたらこいつを撃つぞ!」

ため息をつき、またもぼやく。

「今日はこればっかだね。はいはい、ツイスターいっきま〜す!」

少女は一瞬にしてあたしを男から離し、抱き留める。
そして小さな声で囁く。

14 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)18時52分20秒

「弱い振りしてないで、戦えば良いのに。」

…え?

あたしそんな事…。

華麗な技、ツイスター。見事に決めて、ヘルメットの男をノックアウトさせる。
カッコイイ…はあとはあと

少女の目は前みたいにはなっていなかった。

穏やかな優しい目をしていた。
15 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月08日(木)19時00分15秒

「大丈夫?」
「あ、はいはあとはあと
「…………そ。」

彼女は何のためらいも無く買い物をしようとしている。

「あの…お名前は?」
「ん…?名前……?」
「あたし、石川梨華って言います。」
「いや、名前って…なに?」


はぃ?


「え、名前を知らない?」
「うん。」
「あなたは何て呼ばれてるの?」
「別に?」

少女は買い物を済ませて帰って行った。
16 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月08日(木)21時27分36秒
なんか面白そう。
17 名前:とみこ 投稿日:2002年08月09日(金)08時56分33秒
おもしろいっす!
18 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)09時54分12秒

>>16ありがとうございます!マジ感激です!そう言って頂けて!

>>17はい!とみこさんは尊敬する作者さんの一人なので、ずうずうしくも
  読んで頂きたかったので…。ありがとうございます!!
19 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時07分21秒

彼女が出ていった後、一人の若者が言った。

「俺、あいつしってるよ。」

私達は彼の近くにより、話を聞かせてもらう事にした。

「あれ、知らないの?俺ファンでさ。この記事読んだら。」

雑誌の切り抜きを目の前に掲げる若者。

――――――――――――――――――――――――――――――
『YGP発動!痴漢撃退・殺人犯逮捕・強盗逮捕の数しれず!』

Y(ヤング)G(グレート)P(ポリス)の特攻隊員長が、発動した日に
予想を上回る活躍を見せた。しかも、それは女性。まだ16歳という若さで
就任。本人も美形な為言い寄ってくる人は多いだろうが、即座に追放するだろう。
写真↓
――――――――――――――――――――――――

記事を読み終わるなり、よっすぃーは叫ぶ。

「カッケー!あの人!」
「本部が書いてある。ねぇ、この指輪返しに行こうよ。」
「よし、行こう行こう!」

お昼ご飯を買い、急いで本部へ行った。
20 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時11分55秒

着いたのは何かの屋敷みたいだった。

「あれ?何してんの、アンタ等。」

ショートカットの女性が言った。

「あの、この指輪を返しに来たんですけど…。」
「?」

彼女は指輪を手にとっている。

「これ、あいつのじゃん。」
「知ってるんですか?」

思わず聞き返した。

「M510のだろ?」

・・・・携帯の新機種ですか、さっきの彼女は?

「悪い悪い、ここではそうよんでるんだ。あたしはS11。」
「なんか携帯の機種みたいですね。」

よっすぃーがあたしの思ってる事を言ってくれた。
なんか聞きにくかったし。

なのに
21 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時16分48秒

「悪い、ケイタイって何だ?」
「「えぇええええ?!!!」」
「お、驚く事か?」

彼女はびっくりした顔をしている。

け、携帯を知らない?!

「こ、これの事ですよ!持ってないんですか?!」
「あ、それね。持ってるよ。ほら。」

………出てきたのはカブトムシ型の携帯だった。それ、本当に携帯?

「なに、これじゃないのか?」
「いや…なんですかこれは。」

よっすぃーは相変わらずカッケー!といいながら見ている。

「電話するやつだ。テレビとか、電子文とか送る…。」

い、いつの時代ですかあなたはっ???!!
今時メールを電子文って…。

22 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時21分17秒

「あぁ、それで…。後藤だっけ、用があんの。」
「後藤さんって言うんですか?」
「え、聞いてない?本名後藤真希。」

さっきは教えてくれなかったのに。
なんだ、後藤さんは原始人じゃないものね。

「あいつなら悪いけど今充電中だから。中入って待ってて。」

や、やっぱり後藤さんは携帯なんだぁ〜〜〜(泣。
あたしは充電器にはまっている後藤さんを想像した。

「いやぁああぁあ!!」
「なんだ、市井は別にナンパしてるわけじゃねぇぞ。あ、あたし市井紗耶香
 っていうんだけどね。」

この人たちの世界には入っていけない気がする…


23 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時40分01秒

中は本当に別荘みたいな感じだった。

けど、少し違うのは…

いろんなからくりがあった事。

「そこ、踏むと上の階に行っちゃうから気をつけて。」
「え、え?」

あたし達は指示に従って恐る恐る後を追う。

周りはほとんど木で造られていて、風通しもよく、ひんやりした感じ。
からくり人形も置いてあったり、もちろん普通の階段もある。

さわやかな印象を持つこの建物には、色々な人がおり、同好会やサークルで
ここに来ていそうな感じだった。

一階の部屋のドア付近にくると、市井さんは悩み始めた。



24 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時45分57秒

「うーん…この部屋が後藤の充電室なんだけど…他人を入れると
 怒るかな?ちょっと待ってて。」

市井さんはそう言うと部屋の中へはいっていった。

「すごいよね、このお屋敷。」
「うん…凄く広いし…外見からは解らないほどね。」

よっすぃーと話していると優しそうな女性が話しかけてきた。

「ごっちんに会いに来たの?」
「「あ、はい。」」
「へぇ…もしかして惚れちゃった?」

あたしは俯いた。図星だったから…
よっすぃーもそれは一緒だった。

「ごっちんってクールでカッコイイ、イメージがあるでしょ?」
「はい…はあとはあと
「だからね、ここのからくり屋敷の王子様って言われてるんだよ。」
「そ、そうなんですか?!」

やっぱり、人気があるんだ…

25 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時50分26秒

「どうしてここを知ったの?」

女性はなおも私達に問い掛ける。

「あの、雑誌で知りました…。」
「ここがじゃあ本当に本部だと思った?」
「え、違うんですか?」

あたしが女性に詳しく聞こうと思った、その時・・・・・・・

「あれ?さっきの…。」

後藤さんが部屋から出てきた。

オレンジのTシャツに黒のシャカパンをはいている。
カッコイイはあとはあと

26 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時54分11秒

「ふぅん、ごっちんが人を覚えてるなんて珍しいじゃない。」
「うるさいよ、なっち!馬鹿にするなよぉ!」
「あはは、ゴメンゴメン…。」

後藤さんと「なっち」さんが楽しそうに話してる。

「でもさぁ、何しに来たの?」
「ご、後藤さんに指輪を返しに…。」
「あぁ、忘れてた。ありがと。」

後藤さんはニコッと笑った。

あ〜ん、可愛いはあとはあと
27 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月09日(金)10時58分25秒

更新終了…。
ごっちんがなぜ名前を教えなかったのかは…次回。

( ´Д`)<名前…ってなに?
( ^▽^)<し、知らないの?!
( ´Д`)<…………。
(o^〜^o)<知らないなんてビックリだYO!
( ` Д ´)<もういい!(怒。バチバチ…
( T▽T)<怒らないで、ねっ?
28 名前:とみこ 投稿日:2002年08月10日(土)09時21分15秒
いいっすねぇ!!ごっちんカッコイイ!!
充電気にはまってる姿みたいっす(w
29 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月11日(日)17時16分13秒

>>28有り難うございます!カッケーごっちん大好きです!
  充電器にはまるごっちん…。いつの日か…(w。

                         ∩ミ    ペタンペタン
      充電器は窮屈だよ〜…(泣⊂(T Д T⊂⌒`つ ))
 
30 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月12日(月)13時28分36秒


後藤さんは自分の休憩室へ呼んでくれた。
きしむ階段を上りながら後藤さんはそっとあたしに囁いた。

「あたしの……名前、ていうんだっけ?思い出したりしなかった?」
「え、いいえ。」
「そっか。」

後藤さんは残念そうな顔をしてさっさと階段を上ってしまった。



なんなんだろう?


どっかで会った事会ったっけ?



31 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月13日(火)13時41分45秒


部屋に着くと、後藤さんは話し始めた。

「あなた達、一緒に働かない?」
「「え?」」
「素質があるよ。あなたは体力回復させる能力を持っている。そして・・・。」

よっすぃーを見ていった。

「あなたは真っ直ぐな強い攻撃が出来る。」

後藤さんは優しく微笑んで言う。


「ね、一緒に仕事しよ?」




 
32 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月13日(火)13時50分20秒

後藤は優しく微笑みながら石川達に言う。

「でも、命に関わる事だし拒否権はもちろんあるけどね?」

そう言いながらゆっくりベッドに座る。
殺風景な部屋は、何処もそうらしい。真っ白な世界。

「うーん、あたしはいいっすよ。カッケーですもん。」
「あはっ、カッケー…か。」

吉澤は決まった。というより、本人はそれを望んでいた。



「あたし、も…。」


あなたと一緒に居たいから。

あなたに惹かれてしまったから。

もっともっとあなたを知りたいから。


石川はそう言う意味を含めて言った。



けれど、後藤が誘ってしまった為に……





後藤と石川に残酷な運命が待ち受けることになったのだ…


33 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月16日(金)02時36分59秒
面白いです!
なんか雰囲気ありますね〜。
続きも楽しみに待ってます〜♪
34 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月27日(火)12時27分00秒

>>33雰囲気出てますか?嬉しいです!!ゆっくりゆっくり頑張ります!
35 名前:Kattyun 投稿日:2002年08月30日(金)09時43分51秒

三人は自己紹介をした。
それから後藤は指輪を石川に返した。

「これ、まだ持ってていいよ。一応あたしが教育係だから。何かあったら
 またはめてね。聞きたい事はなんかある?」

石川は一度に抱えきれないほどの質問があった。

「あの、私達の能力って…?」

まず最初に聞いておきたかったのはこれだった。

「ん、梨華ちゃんが持ってる能力は体力回復とボマー。んで、
 よっすぃーは体のいたるところから攻撃できる光線を放てるよ。
 まぁ簡単に言えば…ちょっと謎な保健室の先生と、正直すぎる体育の先生、
 みたいな感じ…。」


36 名前:Kattyun 投稿日:2002年09月07日(土)17時22分56秒

「全然わかんないんだけど…。」

石川は吉澤と顔を見合わせて言った。
後藤は特に気にする事もなく続ける。

「能力の開花は、なっちがしてくれるから。」
「なっちって、誰ですか?」

吉澤は身を乗り出す。
瞬間、さっきの優しそうな女性が現れた。

37 名前:kattyun 投稿日:2002年09月07日(土)17時29分03秒

「なっちこと安倍なつみだべ!よろしく!」
「…訛りくらいとって話そうよ。」

後藤が呆れて言うと安倍が怒った。

「酷いべ、個性を馬鹿にしてはいけないべ!」
「…はいはい、二人の能力を開花させてあげて。」

二人のやり取りを見つつ、微笑む石川。
つまらない学校生活よりも、こっちの方が何倍も面白そうだ。

38 名前:Kattyun 投稿日:2002年09月07日(土)17時33分47秒


安倍さんは、あたし達二人を前にやり背中に手を当てる。
後ろからブツブツと声が聞こえ始めた。

「……?!」

弱々しいピンクのオーラがあたしを包む。
なんだか、意識がとてつもなくハッキリし始めて、やる気が出てきた。

「オッケー!これでもう平気。あとはごっちん、任せたべさ。」
「えぇ〜、ごとーがするの〜?」

後藤さんは面度くさそうに言う。

あれ?自分の事、「ごとー」って言ってたっけ?
なんでそれを言わなかったのかな、あたし達に。




39 名前:Kattyun 投稿日:2002年09月07日(土)17時34分25秒

能力データを発表します。
40 名前:YGPメンバー・データ 投稿日:2002年09月07日(土)17時52分55秒

後藤真希……16歳にしてYGP中最も強い証として特別なピアスをしている。
      オールラウンダーで色々な技が出せる。特に得意なのが、電気を
      変化させて自在に操る事とオーラを恐ろしい刃に変える事。
      普段の温厚な性格と、ガラスのような鋭い刃を操る性格といつ
      どのように変るのかは、不明。

市井紗耶香…後藤の教育係で、しっかり&ちゃっかり者。
      恐ろしい性格の後藤の理性を守ってやれる唯一の人物。
      得意技は物体を強化させる事。

41 名前:YGPメンバー・データ 投稿日:2002年09月11日(水)22時13分34秒

安倍なつみ…屋敷の社員兼シェフ。手を一切使わずに足のみで攻撃。
      耐えず笑顔だが、得意技は「丸焼き地獄。」
      精神を燃やすという残酷な物。

矢口真里…特攻隊忍び班リーダー。
     (↑通称ミニモニ。)得意技は「センチメンタル矢口サイズ」。
     必ず145センチにされ、その分技も衰える。

飯田圭織…一日3時間は宇宙と交信する。明日の天気が予想できる。
     得意技は「タイム・マジック」。
     本人が生まれた時代まで戻ることが出来る。        
     しかし、その姿を人に見られると元の時代に戻れない。

42 名前:YGPメンバー・データ 投稿日:2002年09月12日(木)20時48分10秒
辻望美…矢口と同じ、特攻隊忍び班(ミニモニ)。
   お菓子が大好きで、罪が重い人を捕まえるとなんでもお菓子にしてしまう。
   ある意味、一番恐ろしい存在。

加護亜衣…特攻隊忍び班(ミニモニ。)
    なぜか後藤をとても崇拝しており、いつもくっついて行こうとする。
     猛獣を操る。朝は必ずアイーン体操を踊るらしい。

吉澤ひとみ…攻撃がとても正直。
      自分がカッコイイと思うものは全て手に入れたがる。
      吉澤がカッケー!というと、一時間のみその技が使える。

石川梨華…真面目で嘘を付くのが下手。得意技は死者蘇生・回復と爆弾仕掛け。
     通常一回しか蘇生できない。(それも、一週間に一回。) 
43 名前:kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)20時58分20秒

「後藤さん、やる気出てきたんですけど…。」
「あはっ。梨華ちゃんの方が年上だし…よっすぃーだってタメだしさ、
 『後藤』でいいよ。」

「よ、呼び捨てになんて出来ません!せ、せめて『ごっちん』とか…。」
「そうだよ。そっちの方がそぉ〜とぉ〜良いよ!」

談笑が出来るようにまでなり、時間はあっという間に過ぎて行った。
44 名前:kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)21時14分22秒

次の日、荷物を屋敷に運び終わると、ごっちんは仕事でいなかった。

「……よっすぃー?」

振り向くと、よっすぃーの姿が無い。

「だーっはっはー!!」
「いやーっ、よっすぃー面白いー!」

金髪の女性と楽しそうに話している。

「矢口さんこそー…。あ、梨華ちゃん。この人、矢口さん。で、
 お隣が飯田さん。」
「あ、始めまして。」

背の高い、スタイルの良い女性が飯田さん。
背の低い、コギャルっぽい女性が矢口さん。

「石川梨華です、よろしくお願いします。」
「よろしくね〜」
「明日の天気は雨です。布団は干さないように!」

飯田さんがコンピューターのような動きをするのが、
とてもおかしかった。

45 名前:kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)21時19分31秒

「師匠はまだか〜。」
「あいぼん、さっき出かけたばっかりなのれす!」

背の小さい女の子が二人。

「うち、加護亜衣や!師匠の一番弟子やで!」
「ののは辻望美っていうのれす。」

あたしがキョトンとしてると自己紹介してくれた。
年下なのに、しっかりしてるなぁ…。」

「ねぇ、師匠ってだれ?そぉ〜とぉ〜カッコイイ?」
「カッコイイも何も、優しくてクールで可愛くて…。たまらんで!」

よっすぃーは誰だろうね、と目線をよこした。
46 名前:kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)21時27分34秒

すると、玄関からごっちんが現れた。

「もう最悪〜!なんで痴漢退治ばっかなの!」

ごっちんが「YGP」のマークのはいったジャンパーを脱ぐと、
加護ちゃんが駆け寄る。

「師匠!おかえりぃ〜!」
「おう、あいぼん?ただいまぁっ!」

ごっちんは屈んで加護ちゃんを抱きしめる。

「師匠って、ごっちんかぁ。梨華ちゃん当たってた?」

よっすぃーが問い掛けるけど、その問いかけは耳に入っていても、
思考回路には届いていなかった。

ごっちんの、笑顔。

心底楽しそうな、嬉しそうな、無邪気で純粋な笑顔に見とれていた。


あんな可愛い笑顔、するんだ……。


「ねぇ、師匠ってだれ?そぉ〜とぉ〜カッコイイ?」
「カッコイイも何も、優しくてクールで可愛くて…。たまらんで!」


加護ちゃんの言ってる事、どれも当てはまってる。
あたしも、それくらい仲良くなりたい。

ずっと、傍にいたい。


この日からかな?ごっちんに真剣なキモチを抱くようになったのは。


47 名前:kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)21時29分57秒

更新遅くてすいません。

次回はごっちんの幼い頃の物語です。
どうしてこの屋敷にいるのか、など。

がんばります。
48 名前:Kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)21時54分41秒

「石川!ちょっと来い。」

市井さんに呼ばれて、あたしは市井さんの部屋に行く事になってしまった。

なんだろう?

部屋に入ると、真っ黒の世界。ごっちんとは対照的。

「石川、後藤の事好きだろ?」
「はい…えっ?!」

ななな、なんでっ?!確信したのは今さっきだよ?

「後藤も、石川の事受け入れてる。」
「どういう意味ですか?」
「石川とはまだ違うだろうけど、好きなんじゃないかな。」
「そんなわけないじゃないですか。」

即座に否定した。

嬉しいけれど、そんなはずが無い。
49 名前:Kattyun 投稿日:2002年09月12日(木)21時57分23秒

「あいつ、指輪を簡単に渡したんだ。市井にでさえ、ためらったのに…。」
「御二人はどういう関系で…?」

「市井が後藤の事見つけたんだ。安倍川で泣いてるところをね。」
「?」

「その頃の後藤の話、してやるよ。」

50 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月12日(木)21時59分15秒

うえーん、うえーん…。

なんでよう…。


ごとーのおともだちはこわくなんかないよう…。


ねぇ、なんでみんな悪口ばかり言うの?


みんな優しい子だよ?



うえーん…

51 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月12日(木)22時02分28秒

後藤は、幼い頃に両親から捨てられた。
引越しする際に、後藤の能力が何かの弾みで開花したからだ。

そのころの後藤の能力は

猛獣・怪獣を操る事だった。もちろん、粘土で作っていた物が
具現化し、大きくなったのだが。

両親は奇妙な子供だといい、後藤を捨てた。

まだ幼い、世の中の事なんてしらない、小さな小さな後藤を。



52 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月12日(木)22時05分20秒

「パパぁ?ママぁ?」

後藤は一生懸命両親を呼んだ。
でも家にはもう誰もいなかった。

「ふぇっく、ふぇえ…ママぁ〜パパぁ〜!」

後藤は小さな獅子の縫い包みを抱いて。



大きな声で泣いた。


53 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月12日(木)22時23分55秒
ママぁ〜…!パパぁ〜…!
マキなんにも悪いことしてないよぉー。


だから…だから…出てきてよぉ…。


ふぇぇ〜ん…。
54 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月13日(金)19時40分45秒


そして後藤は泣きつかれ、眠った。
優しい、いつも通りの両親が帰ってくるだろうと信じながら。


後藤が抱き付いている獅子の縫いぐるみの目が、紅く光った事に、
まったく気が付かなかった。


獅子は言う。


「汝の怒り、悲しみ、憎しみ…幼さゆえに閉じ込められているうちは、
 我が心にしまっておこう…。」


55 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月16日(月)18時16分36秒

獅子は巨大化し背中に後藤を乗せ家を出た。

そして、ある事務所へ連れて行った。



「汝の力、汝の想い…ここで晴らすが良い…。」



そこは悪玉能力の使い手が集まる所だった。
56 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月16日(月)18時19分38秒


次の日。

「むにゃ…あれぇ、此処はどこ…?」

後藤は知らないベットに寝かされていた。
そこには、自分の大好きな獅子の縫いぐるみも横たわっていた。

小さな、子供部屋。
木で創られた木造のドア。

そのドアから一人の女性が現れた。


57 名前:後藤物語 投稿日:2002年09月16日(月)18時26分51秒

「お目覚めか。今日からあんたの母親代わりや。それと、ここではあんたの自由で
 いつでも大きなお友達を呼べるで。」
「パパとママは?」
「あんたを捨てたんや。」


後藤は目を見開いた。

ベッドの上でちょこんとおかれた獅子の縫いぐるみを抱きしめながら。


「もう、会えないの?」
「あんたが言う通りに働いてくれれば平気や。そのうちあわせたる。」
「ほんとに?」
「ほんまや。」

関西弁の女性はそう言って後藤の首筋を噛んだ。

「うひゃっ!」

幼い後藤は顔を真っ赤にして驚いた。


後藤の首筋に、ゆっくりと龍の刻印が浮かび上がる。


「これであんたも仲間や。うちは中澤裕子や。裕ちゃんでええで。」
「?」

きょとん、と首をかしげる。


後藤は、まだ知らなかった。
自分の首筋に、龍の刻印がある事を。

後藤は、解らなかった。
その刻印が、もたらす意味を
58 名前:kattyun 投稿日:2002年09月16日(月)20時59分57秒
更新終了。
59 名前:kattyun 投稿日:2002年09月21日(土)19時42分02秒


何も解らない後藤は言われた通りの事をこなしていた。
自分が創った恐竜の粘土にオーラをためて具現化させる。

そして一般人にはそれが見えないから盗みをやる。
幼い後藤の可愛い笑顔は、悪党集団によって封印されてしまった。


60 名前:いち読者 投稿日:2002年10月06日(日)03時36分00秒
先が読めない設定ですね。とても楽しみに更新を待っています!
顔を真っ赤にしている幼い後藤って、想像しただけで萌えます(w
61 名前:kattyun 投稿日:2002年10月22日(火)19時53分37秒
>>60更新待たせたまますいませんでした。
  初心なごっちん、可愛い!!
62 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月26日(土)03時11分51秒
アンリアルで面白い話ですね。
続き楽しみにしてますよ〜。
63 名前:kattun 投稿日:2002年11月08日(金)20時58分50秒
>>62感謝です!!今でも涙が止まらない♪
  遅くてゴメンナサイ。
64 名前:後藤物語 投稿日:2002年11月08日(金)21時38分49秒
そして、後藤と市井が始めてあったのは土手だった。
多分、仕事が終わったあとだったんじゃないかな?

「すぅ〜…すぅ〜…。」

まだちっちゃい後藤は、獅子の縫いぐるみを抱えたまま
眠っていた。

「お母さん、あの子、なんであそこにるの?」
「サヤ、そういうことは言わないの。」


すると、後藤は突然目を覚ましたんだ。


「!!」
65 名前:後藤物語 投稿日:2002年11月08日(金)21時39分24秒
「お母さんは何処?」


母さんは聞いた。

「パパもママもいない。」
「そう…いつもどこで暮らしているの?」
「サンヴァリエのボロビル。」

あたしは後藤の獅子に触ろうとした。


「駄目!さわんないで!」
「あ、ごめん。」


沈黙。
後藤はあたしとお母さんが手をつないでいる事に気付いた。
66 名前:後藤物語 投稿日:2002年11月08日(金)21時39分54秒
「ふえぇええ…う、うぇええぇえぇぇええん!!」

獅子に顔を沈めながら泣いた。
母さんは後藤を抱きしめてあげたんだ。

「ママッ…パパッ…。」

幼かったあたしにはよくわかんなかったんだ。
後藤の気持ち。

なんで泣いてるんだろう、ってね。
67 名前:kattyun 投稿日:2002年11月08日(金)21時40分28秒
更新終了。
68 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月11日(月)22時20分12秒
更新されてる〜♪
後藤の過去編マターリ待ってます
69 名前:kattyun 投稿日:2002年12月02日(月)18時24分16秒
>>68いつのまにか12月です。すみません。
70 名前:後藤物語 投稿日:2002年12月02日(月)18時30分01秒


「あなた…怪盗510号?」
「え、母さん何言って…」

母さんは後藤を優しく抱っこしてやっていた。

「こんなに幼いのにねぇ。可哀相に…。」

ふと、あたしは気付いたんだ。
後藤の首筋にある龍の刻印に。


71 名前:kattyun 投稿日:2002年12月02日(月)18時35分38秒

「いちーちゃん?何人の昔バナシしてるのかなぁ?」
「げっ!後藤?!」

ごっちんは市井さんのほっぺたをつねる。

「言っちゃ駄目って言ったよねぇ?」

口は笑っていても、目が笑ってない。
ごっちんのオーラが充満している。

「うわっ、馬鹿!電撃はよせっ!」

市井さんはアタフタしてるけど、ごっちんは手を放さない。

「何度も言ったのに覚えられないなんてねぇ。体おかしいんじゃない?
 レントゲンとろうか〜?」
「い、いいよっ!いいからっ!」
「だ・めはあとはあと



バリバリバリッ!!!

「うぎゃああぁあああ!!!」



72 名前:kattyun 投稿日:2002年12月02日(月)18時40分55秒

市井さんの骨が見えたような気が…。
だからレントゲンなんだ。

恐ろしい…。

「梨華ちゃん。何処まで聞いた?」
「え?い、いや全然聞いてないよぉ?」

慌ててごまかそうとしたんだけど。

ドカッ!

机の上に不良みたいな座りかたして、あたしの胸座を掴んで笑ってる。

「いや、疑ってるわけじゃないんだ、別にはあとはあと
「(こ、この手はじゃあ何っ?!)」

ごっちんの顔が近づく。
自分の頬が真っ赤になっていくのが解る。

至近距離は辛いよぉ…。
だって…ごっちん可愛いしカッコイイし…。

73 名前:kattyun 投稿日:2002年12月02日(月)18時43分55秒

「後藤っ!!時間平気なのかぁっ?!」
「あ、はいはい今から行くよー。」

ごっちんはこっちに向き直る。

「っていうワケで梨華ちゃんも一緒に行こう?」
「ど、どこにっ?!」




「お仕事はあとはあと



あたしはなんでごっちんが妙なテンションなのかが
早く知りたかった。

だって



笑顔の裏がこわいんだもぉん…


74 名前:kattyun 投稿日:2002年12月02日(月)18時49分16秒

「仕事って?!」
「ん、梨華ちゃんメイドね。ごとーはボディーガードだから。」
「はっ!?」

降りていた階段に躓きそうになった。

「ボディガードォ?!」
「そ。依頼内容はは高橋財閥の長女愛お嬢様を外的から護る事!
 ちなみに期間は犯人がわかるまでずっとね!」
「え、えぇえええ!?」

ごっちんはいろいろと詰め込んでありそうなパンパンの鞄を肩にかけ
言った。

「警察が操作してくれるから、あたし達一緒にいて守ってあげればいいだけ。
 簡単でしょ?…行ってきまーす!」
「ちょっとまってよぉ!」

あたしは何がなんだか解らないまま初めての任務に付く事になった。



75 名前:kattyun 投稿日:2002年12月02日(月)18時49分49秒
更新終了
76 名前:いち読者 投稿日:2002年12月02日(月)20時15分58秒
更新されてる〜!
自分勝手なごっちんに振り回されてる梨華たんが可愛いですね。
ちゃんと任務をこなせるんだろうか……心配(w
77 名前:kattyun 投稿日:2002年12月07日(土)19時11分40秒
>>76これからもっと振り回されてしまう梨華ちゃん。
  任務をこなせなければごっちん式人間ドックが待っています(w。
78 名前:Kattyun 投稿日:2002年12月07日(土)19時19分18秒

「ねぇ、なんであたしも一緒なの?」

ずっと疑問に思っていた事。
ボディーガードがごっちんなら、メイドなんていらない。
っていうかなんで守るのにメイドなの?

「……そこまでは話がまわってなかったみたいだね。」
「え?」
「ん、いや別に。」

ごっちんは黙ってしまった。

話ってなんだろ?

さっきの市井さんの事かな?
79 名前:Kattyun 投稿日:2002年12月08日(日)14時01分04秒

「とにかく。まだ梨華ちゃんは力を自由に使えないんだから、
 あたしの傍から離れないでね。」
「メイドっていったらジュースとか運んだりするんでしょ?
 その時はどうするの?」

ごっちんは立ち止まる。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「考えてなかったの?」
「…うん。」

ずっと歩いていると豪邸が見えてきた。
80 名前:Kattyun 投稿日:2002年12月08日(日)14時26分08秒

「その時はなるべく独り言を言ってて。っていうか状況をごとーに
 報告する事!」
「ブツブツいうだけじゃ駄目なの?」

ごっちんは玄関の警備員に敬礼して続ける。

「…ごとー耳良いから。100メートルはなれたところで小さく呟いても
 隣で喋ってるのと同じだよ。」
「すっごい!!…あ、じゃあ隣で話しててうるさい?」
「調整できるから平気だよ。」

ごっちんは中へはいっていった。

81 名前:Kattyun 投稿日:2002年12月08日(日)14時33分39秒

なんか今日のごっちん怖い…っていうか自分勝手。
なんでなんだろ…?

「ごっちん?」
「なに?」

うわっ!目が座ってる。

「愛お嬢様泣いちゃうよ?そんな怖い顔してると。」
「………。」

ごっちんはタメ息を吐いた。



82 名前:Kattyun 投稿日:2002年12月10日(火)16時38分47秒

「それも…そうだね…。じゃあ、会いに行くよ。」
「は〜い。」

執事の人に通してもらい、愛お嬢様の部屋にたどり着く。

「お嬢様、後藤様と石川様がいらっしゃいました。」
「どうぞ。」

あたし達は中に通される。

「始めましてぇ。あたしが高橋愛です。」

目の大きな可愛い女の子。
83 名前:Kattyun 投稿日:2002年12月10日(火)16時46分34秒

「はじめまして。後藤真希と申します。」
「石川梨華と申します。」

愛お嬢様は嬉しそうに椅子から立ち上がり、あたし達に近づいてくる。

「ねぇ、二人の事、もっと知りたいなっ♪お友達を呼んでもいい?」
「お嬢様、お稽古の時間です。」
「イヤよっ!二人の方が先決!」

ごっちんは優しくお嬢様に言った。

「お嬢様、お稽古事は大切にございます。私どもは常にお側に
 おりますので直にわかることでしょう…。」

お嬢様は嬉しそうに笑っている。
この子、素直そうで可愛いな…。

「じゃあ二人も一緒に来てよっ。」
「かまいません。」

私達は地下に降りる事になった。

ごっちん、カッコイイ…。



84 名前:Kattyun 投稿日:2002年12月10日(火)16時49分49秒

「弓道…ですか?」
「うん。」

驚いた。お嬢様のお稽古が弓道なんて…。
あたしやったこともないし…。

「お嬢様、お着替えをお持ちしますので、少々お待ちを…。」

ごっちんがこっちを見ながら言った。
え、あたしっ?


言われるがまま、あたしは執事の人に尋ねながら着替えを取りにいった。
といっても、普段着であって、お嬢様ははかまをはいている。


85 名前:ラヴ梨〜 投稿日:2003年01月07日(火)02時34分25秒
今日発見しました
おもしろいですね
梨華ちゃんの恋は成就するのかドキドキ
辛抱強く待ちます
待ちますとも

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