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わたしの望み。

1 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月15日(木)13時46分41秒
初投稿させて頂きます。
未熟者ですが、どうぞよろしくお願い致します。

いしよしです。
他にもちょこちょこカップリングは出て来ますが、基本的にいしよしです。
2 名前:プロローグ 投稿日:2002年08月15日(木)13時47分42秒

 わたし以外の人に触れないで。
 わたし以外の人を抱きしめたり、手をつないだりしないで。
 冗談でも、わたし以外の人に『好きだ』とか『愛してる』とか言わないで。
 二十四時間、どこにいてもわたしの事だけ考えていて。
 そして…
 毎日わたしを『好きだ』と言って。
 愛されてるって、確かめさせて。
 ワガママ過ぎるかも知れない。
 けど、これが現在のわたしの一番の望み。
3 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月15日(木)13時48分54秒
プロローグ、これだけです。短すぎたかなぁ…?
次から、第一話です。
どうぞ☆
4 名前:第一話 投稿日:2002年08月15日(木)13時49分44秒

 あなたと付き合い始めてから、一年が経とうとしている。
 でも、もしかしたら…現在のわたしには、あなたに愛されてるって言う自信がなくなって
しまったのかも知れない。
 前は、こんなにヒドくなかった。確かに嫉妬深い所があるって、自分でも思っていたけど
…ここまで追い詰められてはいなかった。
「「きゃーっ!!」」
ののとあいぼんの二重唱(?)で、わたしは現実に返った。
 いけないいけない。考え事し過ぎて、飯田さんの交信状態みたくなっちゃってた…。
「コラ、辻!加護!静かにしなさい!周りの人に迷惑でしょ!?」
「だって、飯田さ〜ん。」
「だってじゃないの!静かにしてなさい!」
「「はぁ〜い。」
全然懲りてないような顔つきで、二人はまた唱和する。そんな二人に、飯田さんは怒った顔
のまま、安倍さんの隣の席に戻った。
 ののとあいぼんが一時的に静かになったけど、それでも楽屋はかなりザワザワとしている。
そりゃそうよね。女の子が十三人もいる休憩時間の控室で、水を打ったように静かになる方
が普通じゃないと思うし。
 そのザワザワの中で、わたしは無意識に彼女の声を探していた。
5 名前:第一話 投稿日:2002年08月15日(木)13時50分37秒

「ごっちん、今日この後ヒマ?」
ちょっと低めの、優しい声。わたしが世界で一番大好きな声。
「うん、今日はヒマだよ〜。」
ごっちんの眠そうな声が答えたと思うと、わたしが世界で一番大好きな声は、はしゃいだよ
うに続けた。
「じゃあさ、今日この後、一緒にごはん食べに行かない?」
「いいよ〜。行く。何食べよっか?」
それ以上聞いていたくなくて、わたしは両耳にイヤホンを突っ込んだ。
 前は、真っ先にわたしを誘ってくれたのに…
 そう考えると、胸が痛くてたまらなくなるから。
6 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月15日(木)13時58分12秒
本日は以上です♪
感想とか頂けたら嬉しいです。
7 名前:ポンタ 投稿日:2002年08月15日(木)15時01分02秒
よしこの浮気者!!
おもしろいです。更新楽しみにしてます。
8 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月15日(木)17時41分36秒
独占欲の強い梨華ちゃん好きです!
頑張って下さい!!楽しみにしてます。
9 名前:とみこ 投稿日:2002年08月15日(木)19時07分40秒
よしこの浮気モノ!!でもよしごまかなり好き・・・(w
10 名前:第一話 投稿日:2002年08月16日(金)16時39分43秒

 耳に突っ込んだイヤホンから流れて来るのは、わたしのお気に入りの曲達。だけど、わ
たしの頭の中でまわっているのはあなたの声。
『はじめまして、吉澤ひとみです。十四歳、中二です。』
『大丈夫だよ、梨華ちゃん。失敗しない人間なんかいないんだから。もっと自信持って行こ
うよ。大丈夫、あたしがついてるよ!』
『梨華ちゃん可愛いな〜。超「女の子ーッ!」って感じで、可愛いよね。』
『…嬉しいよ。実はあたしも、梨華ちゃんの事好きなんだ…。』
『梨華ちゃん、好きだよ…。誰よりも、何よりも…。』
 三ヶ月前までは、ひとみちゃんはこんな感じだったのよね。それなのに…
『…ごめん、今日はごっちんと約束があるから。』
『すっげー眠いから、ちょっと寝るね。オヤスミ。』
『地元の友達と遊ぶ事になったから…オフの間は会えない。』
 思い出して、またわたしの胸がずきずきと痛み出す。
11 名前:第一話 投稿日:2002年08月16日(金)16時40分37秒
 …三ヶ月前から急に、冷たくなっちゃったんだよね…。何があったんだろう?わたし、ひ
とみちゃんに何かしちゃった?…もしかして、ごっちんの方が好きになっちゃったのかな?
 教えて欲しい…でも、訊くのは怖い。
 根掘り葉掘り聞き出して、わたしの願いをぶつけてしまったら…きっとひとみちゃん、わ
たしの事が鬱陶しくなる。そうしたら、別れようとか言われちゃうかもしれない。
 ひとみちゃんの恋人じゃなくなっちゃうなんて…わたし、そんなの絶対耐えられない!!
12 名前:第一話 投稿日:2002年08月16日(金)16時41分16秒


 「…かわ。…しかわ!石川ってば!」
肩をゆすられて、わたしはようやく呼びかけられている事に気が付いた。
 保田さんだ。
「ほいっ!」
驚きすぎたせいか、とっさに変な返事をしちゃった…。
「…『恋愛レボリューション21』?」
「い、いえ、そんなつもりは…。」
保田さんは呆れながらも、わたしの肩に手を置いて言った。
「どんな大音量で聴いてたんだか知らないけど、収録の合間の休憩時間なんだから、呼ばれ
たらすぐにわかるくらいの音にしておきなさいよ。」
「す、すみませんっ!」
慌ててMDの音量を確認したけど、別に大して大きな音にはなってなかった。
「…まぁ、良いわ。次から気をつけてね。アンタももう『先輩』なんだから。
 それよりも石川。もうすぐリハーサル始まるから、準備しないと。」
保田さんに言われて、控室を見回してみると…みんなもう、控室から出て行こうとしている
所だった。
13 名前:第一話 投稿日:2002年08月16日(金)16時41分54秒
「はい、今行きま…うきゃっ!?」
慌てて立ち上がって歩き出そうとしたら、テーブルの足に弁慶の泣き所をぶつけてしまった
…。地味〜だけど耐え難い痛みに、情けない気持ちまで湧き上がって来ちゃって…わたしは
思わず、うずくまってしまった。
「だ、大丈夫!?石川!」
「うう…大丈夫です、歩けます!」
情けない気持ちと痛みをこらえて立ち上がったわたし。そのわたしの両脇に、小川と紺野が
駆け寄ってきてくれた。
「石川さん、大丈夫ですか!?」
「立てますか?」
心配そうな表情で顔をのぞき込んで来る二人に、わたしは猛烈に感動した。
 なんてイイ子達なのかしら…!
「ありがとう、大丈夫。今はちょっと痛いけど、もう少し経てば痛みは引くだろうし。」
心配顔の小川と、自分が痛みをこらえてるみたいな表情の紺野。二人にチャーミースマイル
を投げかけて、わたしは歩き出した。
14 名前:第一話 投稿日:2002年08月16日(金)16時42分39秒
 まだかなり痛いし、ちょっとヨロヨロしてるけど…それでも歩けない事はない。それにこ
れ以上グズグズしてたら、みんなに迷惑がかかっちゃう。
「石川さん、私の腕につかまって良いですよ?」
ヨロヨロ歩くわたしに、小川が腕を差し出して来た。それを見て、紺野もおずおずと腕を差
し出す。
 なんて優しい子達なのかしら…!!
差し出された腕に、お礼を言ってつかまらせてもらう。
 そうしながらちらりと同期を見遣れば、あいぼんとののはあからさまにわたしを指差して
笑ってるし…ヨッスィーは見事に、わたしの事なんか見ていない。
 あいぼんとののは良いのよ。
 足をぶつけた時点で、あの二人はああするだろうって想像がついたし、逆にそれくらいし
てもらった方がいっその事、気が晴れるって事もあるし。
15 名前:第一話 投稿日:2002年08月16日(金)16時49分34秒
 問題は、ヨッスィー…いや、ひとみちゃん。
 なんでこっち見ないの!?どうして助けてくれないの!?わたしが痛がってるの、わかっ
てるんでしょ!?
 わたしがどうなろうと、ひとみちゃんはどうでも良いのかなぁ?
 頭の中が、怒りと悲しみでいっぱいいっぱい…だけど、顔には出さない。わたしに腕を貸
してくれてる小川と紺野に悪いし、それに…顔に出したりしたら、ひとみちゃんに嫌われちゃ
うかも知れない。
 そこまで無理してでも、わたしはひとみちゃんの恋人でいたい。その地位だけは失いたく
ない。最後まで、しがみついていたい。
 それ程までに、わたしはひとみちゃんを愛してる。
 …わたしがこんなんだから、ひとみちゃんは冷たくなっちゃったのかなぁ?
16 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月16日(金)16時50分26秒
 更新しました〜♪いちおう、これで一話は終了です。
 次からは二話がスタートです!

>ポンタ様
 ありがとうございまっす♪浮気モノよしこ…今回は一言も喋ってなかったりもしますが(笑)
 楽しみにして下さってるなんて…嬉し過ぎます!!がんばりますね!

>8名無しさん様
 独占欲の強い梨華ちゃんは、私の好みだったりもします♪
 頑張ります!どうぞよろしく☆

>とみこ様
 よしごま好きですか…うふふふふvこの先どうなるかは、書いてる私にもわかりません☆ 
17 名前:あおのり 投稿日:2002年08月19日(月)00時39分04秒
一人で自己完結してしまっているワチャワチャ梨華ちゃんかなりカワイイ。
クール吉もかなり気になります。
これからお話がどう転んでゆくのかヒジョーに楽しみです。
18 名前:第二話 投稿日:2002年08月19日(月)17時06分24秒
 リハーサルも収録も終わって、控室に帰って来た時には…わたしはもう、ヘトヘトに疲れ
てた。
 わたしに冷たいひとみちゃんと、最近すっごく仲の良いごっちんとの絡みが多いのは、ハッ
キリ言ってかなり辛かった。『文麿様〜』とか言いながらごっちんに密着した瞬間に香って
来るごっちんのいい香りにも、心が痛む。カメラが回ってないふとした瞬間に、『ひとみちゃ
んも、ごっちんのこの香りを知ってるのかな…』なんて思ってしまうから。
19 名前:第二話 投稿日:2002年08月19日(月)17時07分15秒
 マネージャーの、明後日のスケジュールの話が済むと、すぐに解散になった。明日は久々
のお休み。最近忙しかったから、みんなちょっと浮かれてるのがわかる。
「お疲れ様でしたー。」
わたしは誰よりも早く着替えを終え、誰よりも早く帰り支度をし、誰よりも早く帰ろうとし
た。
 これ以上、わたしに冷たいひとみちゃんを見ていたくなかったから。
 それに、早く帰って…頭から布団をかぶって泣きたい。どうせ明日はお休みなんだもの。
きっと、ひとみちゃんからのお誘いもメールも電話もないだろうし。目が腫れても大丈夫。
 何も気にせず、号泣したい。そしてそのまま、深く深く眠りたい。そんな気持ちでいっぱ
いいっぱいだった。
「ちょっと待った、石川。」
そんなわたしを、無情にも止めたのは…保田さん。
20 名前:第二話 投稿日:2002年08月19日(月)17時13分26秒
「なんですか?」
「今日この後、アンタも暇でしょ?アタシに付き合いなさい。」
「…すみません。ちょっと、体調悪いんで…」
「嘘ブッこくんじゃないわよ。」
保田さんは、ちょっぴり猪木の入ったわたしのアゴ(天然)に人差し指で触れた。
「いーから、付き合いなさい。」
この目に見据えられて、NOと言える人間っているのかしら。いや、いないはず。だって断
ったら石にされそうだし…。ここは逆らわない方が、身の為かも。
「わ、わかりました。」
ため息混じりに答えた直後、わたしは…ななななななんと、

 保田さんに抱きしめられてしまった。
21 名前:第二話 投稿日:2002年08月19日(月)17時14分13秒
「な、な、何するんですか、保田さん!!」
「静かにっ!!…吉澤、見てるわよ。」
その言葉に、心臓が跳ねる。
 も、もしかして、嫉妬とかしてくれちゃったりする!?
 でもって、『あたしの梨華ちゃんに何するんですか!』とか言って、助けに来てくれちゃっ
たりする!?
かなり期待して、『やだぁ〜』とか言いつつ嫌がる素振りを見せる。そしてちらりとひとみ
ちゃんを盗み見る。
 でも、ひとみちゃんはぷいっと顔を背けるだけ。
「・・・・・・。」
 馬鹿みたい、わたし。
 期待なんかしなきゃ良かった。
 そしたらきっと、こんなにこんなに悲しくならずに済んだはず。
「…重症ねぇ。」
保田さんに耳元で囁かれ、わたしはギクッとした。
22 名前:第二話 投稿日:2002年08月19日(月)17時21分56秒
「じゅ、重症って、何がですか?」
「アンタ、メチャメチャ棒読みだから。…つくづく嘘が吐けないコよね。」
「…放っておいてください…。」
これでも、多少は良くなってるもん!『ピンチランナー』の時よりは上達してるもん!『は
いからさんが通る』では、かなり上手にできてたもん!!『父さんの夏祭り』では手応え感
じられたもん!!!
 …そんな事より保田さん、最近ひとみちゃんがわたしに冷たいって、気付いてるの?…まぁ
あそこまであからさまなんだから、気付かないワケないか。それに保田さんはサブリーダーな
んだし…。
「ま、良いわ。詳しい話はまた後で。行くわよ、石川。」
「は、はいっ!」
キリキリ行こうとする保田さんを追いかけながら、わたしはふと疑問がわいた。
「…あのぉ〜、所で、どこ行くんですか?」
「決まってるじゃない。アタシの家よ。」
23 名前:第二話 投稿日:2002年08月19日(月)17時22分26秒
「…はい?」
わたしの思考が、一時停止する。
「石川は、今日はアタシん家にお泊まり。そう決まってるの。」
「はぁ?」
何故決まってるのか、よくわからないんだけど…。
 とりあえずわたしは、『着替えとかどうしよう』と思いつつも、保田さんに引きずられて
行った。
24 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月19日(月)17時23分17秒


第二話、開始です〜♪
例にもよって、吉澤さんが一言も喋ってない…(汗)

>あおのり様
 ありがとうございます♪がんばりますね〜☆
 クールな吉澤さん…そうしてるつもりはないんですが、自然にクールになって行ってしまいます。
 この先どーなるのか、書いてる私にもちょっとわからないのですが(笑)、がんばりますね♪どう
ぞよろしくお願いします☆
25 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年08月19日(月)18時42分39秒
すんげぇ〜。すげぇ続きが気になる!!!いしよし好きにはたまりませんっ!
よしこの浮気者!!でもこの後のよしこの行動とか気になります。
続き大期待!更新楽しみに待ってます!
26 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月19日(月)23時08分56秒
なんか、今のいしよしに被るものが…
すごく気になります。続き期待!
27 名前:オガマー 投稿日:2002年08月20日(火)04時19分39秒
どもどもw
先が楽しみな展開ですねw
ヨシは少々無口でもよい(何
28 名前:とみこ 投稿日:2002年08月20日(火)08時29分07秒
気になるっすねぇ!ヤッスーかっこええ!!
よっすぃーはごっちん病に・・・(汗
でもよしごまも見たいです♪♪
29 名前:第二話 投稿日:2002年08月20日(火)21時39分49秒
 保田さんのマンションのすぐ近くまで来ると、コンビニに寄って晩御飯を買おうと言う話
になった。…まぁ、わたしも保田さんもあんまり料理得意じゃないし…。
 そう言えば、ひとみちゃんは上手だったな。わたしのマンションに来るとよく、残り物で
夜食とか作ってくれたっけ。
 ちょっと思い出したけど、わたしは頭を振って思考を止めた。
 もう、前のひとみちゃんを思い出すのはやめよう。胸が痛くなるだけだわ…。
それでも思い出してしまう、あなたの優しい笑顔を振り切りたくて…わたしは保田さんが持っ
てるカゴの中身に視線を移す。
 …希望通り、わたしの思考は停止する。
30 名前:第二話 投稿日:2002年08月20日(火)21時40分37秒
「…あの、保田さん。」
「ん?何?」
「今日って、わたし以外の人も来るんですか?」
「来ないわよ。場合によっては呼んでも良いけど。」
「とりあえず、二人だけなんですね?…じゃあ、この大量の食べ物は何なんですか?」
わたしの視線の先にある、カゴの中には…お弁当二つの他に、お菓子とおつまみが山のよう
に積まれていた。
「そりゃーモチロン。アンタとアタシで食べるのよ。」
「ふ、太っちゃいませんか!?」
「今日くらい良いでしょ。無礼講無礼講♪」
わたしは、ものすごい脱力感を感じた。
「…てゆーか、こんなに食べられないですよ〜!ののやあいぼんじゃないんですから!」
「時間かければ食べられるわよ。」
楽しそうに、鼻歌まで歌いながらそう言ってくれた保田さんは…次に、飲み物コーナーへと
向かって行った。
 困惑しつつも後に付いて歩くわたしに、保田さんは一本の缶をかかげて見せる。首をかし
げてその缶に書いてある文字を読んでみると…
 『缶チューハイ』と書いてあった。
「今夜は、寝かさないわよ☆」
 わたしは、腹を括るべきなのかしら…。
31 名前:第二話 投稿日:2002年08月20日(火)21時42分39秒
 わたしは進んで、重い方の袋…主に飲み物(と言うよりお酒)の入っている袋を持った。
…だって保田さん、『今夜はアタシのオゴリよ!』とか言って、全額払ってくれちゃったん
だもん…。重い方の袋を持つくらいしないと、なんか申し訳なくて仕方がない…。
 しっかし、このお酒の量…かなりスゴイ。コンビニの店員さんも、『パーティーでもする
のか?』みたいな目で見てたし。これは、今夜は徹夜になりそう…。
 本来なら、徹夜で飲み会(しかも保田さんと二人っきり)なんてダッシュで逃げる所なん
だけど…断ったら保田さん怖そうだし。
 それに、さっきから保田さんの(ワケわかんない)言動に、ずいぶんと救われてる。突拍
子もない事ばっか言ってくれるから、驚いたり脱力したりでひとみちゃんの事を思い出して
る暇も、胸を痛めてる暇もない。
32 名前:第二話 投稿日:2002年08月20日(火)21時43分11秒
 …てゆーかこの袋、ちょっと重すぎるんだけど…。武器として使えば、人一人くらいは簡
単に殺せそうなくらい重い気がする…。一体わたし、どれくらい飲まされるのかしら…。
 で、でも、相手は何と言っても保田さん。わたしの教育係でもある人だもの。無茶な飲ま
せ方はしないわよね?…この袋の重さを考えると、ちょっと自信なくなって来るけど。
 それに、『一晩中一人で泣いてる』よりも『一晩中二人で飲んでる』って方が、なんとな
くポジティブな感じするし!…わたし、未成年なんだけどね。
 そんな事を一人で考えてるうちに、保田さんのお家に着いた。
「どうぞ。」
そう言われて、先に上がらせてもらう。初めて入るお部屋だから、ちょっとドキドキ。
 シンプルな印象を受ける、きちんと片付いたお部屋。保田さんらしいなぁ。わたしの部屋
とは正反対。性質的に言うと、保田さんってわたしよりもひとみちゃんに似てるかも。きっ
と料理も、あんましないだけで…作ったらけっこう上手なんだろうな。
33 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月20日(火)21時44分14秒
 第二話、ココで終了〜♪
 次回からは第三話に突入です!
 レスがだんだん多くなって来てるのが、すっごく嬉しいです♪

ヒトシズク様>
 ありがとうございます!!ご期待に沿えるよう、頑張りたいと思います♪
 吉澤さん、この後どーするんでしょうね…(←オイ)

26名無し読者様>
 最近のテレビでのいしよし、ちょっと意識してみました♪感じ取って下さって、超嬉しい
です☆

オガマー様>
 どーもー♪来て下さいましたかー♪
 無口な吉澤さん(笑)、オッケーですか。ヨカッタヨカッタ。
 …つーか今回の更新分では、登場してもいませんね…(汗)。石川さん視点ですから(大汗)
 頑張りますね!どうぞよろしくv

とみこ様>
 ヤッスーはカッケーと思う今日この頃♪
 卒業は悲しいですが、ソロにも大期待でっす!

 皆様、読んで下さってありがとうございます!
 つたないつたない文ですが、頑張って行きますので、皆様どうぞよろしくお願いします!!
34 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年08月23日(金)20時37分46秒
おお〜!!!やっすぅ〜やりますねぇ。。
この後の梨華ちゃんの行動がすごい気になります!
いしよしはどーなるんでしょうかねー?
更新楽しみに待ってます!
35 名前:第三話 投稿日:2002年08月24日(土)15時39分03秒
 テレビを見ながら、二人で黙々とお弁当を食べる。あんまり会話はないけど、気まずいと
は思わない。逆に、この沈黙が心地良いとまで感じるくらい。
 お弁当を食べ終わって、酒盛りタイムが開始。酔いも手伝ってか、わたし達はさっきとは
打って変わって、イロイロな事を話した。
 仕事の事、つんくさんの事、メンバーの事…。そうしている内にだんだんとペースが上がっ
たみたいで、気が付くとわたしはカクテルの小瓶を数本、保田さんは缶チューハイを数本空
けていた。
 話に一区切り付いた所で、保田さんはしみじみと…わたしの度肝を抜くような事を言った。
「そーいやぁ、アンタと吉澤が付き合い始めて、もうすぐ一年になるのね。」
36 名前:第三話 投稿日:2002年08月24日(土)15時39分39秒
 一瞬、保田さんが何を言ってるのかわからなかった。
 認識した後は…即座に酔いが醒めた…。
「んな、な、な、な…!!そ、そん、そん、そんな事…!!何で知ってるですか!?」
「見てりゃーわかるっての。」
驚きのあまりカクテルをちょっとだけ噴出してしまったわたしに、保田さんはティッシュを
箱ごと渡してくれた。
「しっかも、アンタらのイチャつき様ったら…見てるこっちが恥ずかしくなるくらいだった
じゃない。」
缶チューハイ片手に『ケッ』とか言ってる保田さんは、男らしいと言うよりもオヤジくさかっ
た。
「…あ、あの…それって、サブリーダーだからこそわかる事とかじゃないんですか?みんな
の様子をよく見てるから、わかる事ですよね?」
ティッシュをゴミ箱に放り込みながら言うと、保田さんは首を横に振る。
「いーや。アタシや圭織だけじゃなくって、なっちや矢口やごっちんはもちろんの事…辻加
護だってわかってたし。裕ちゃんや紗耶香も知ってたっぽいわよ?
 一年ちょっと前くらいにみんなで『あの二人、いつくっつくんだろう』って話もしたし。
あ、多分新メンバー四人も知ってるハズ。」
「それって全員じゃないですか!!!」
37 名前:第三話 投稿日:2002年08月24日(土)15時40分11秒
 っがぁぁぁぁぁぁんっ!!!
 思わず効果音を口で言っちゃうくらいショック!!!
 わたしは、隠してたつもりだったのにー!!
 …そりゃまぁ、バレてないとは思ってなかったわよ。で、でも、そんな初期…しかも付き
合う前からバレバレだったなんて…しかも新メンバーにまで知られてたなんて…!!!
「だって、アンタも吉澤もわかりやすいんだもん。」
「そ、そんな事ないですよ!けっこうわかりにくい所もあったハズです!」
「いーや、史上最強にわかりやすいって。わかりにくいって言うのは、アタシらみたいな事
を言うのよ。」
そう言って保田さんは、缶チューハイをぐびっとあおる。
 …アタシら?
「あの〜…『アタシら』って言いましたよね?誰と誰の事なんですか?」
わたしが恐る恐る訊いてみると、保田さんはニヤリと笑った。…ちょっと怖いかも…。
38 名前:第三話 投稿日:2002年08月24日(土)15時40分47秒
怯えるわたしに気付いてか気付かずか、保田さんは本棚の上のほうに置いてある写真立てを
取り、わたしに手渡した。
 見てみると、二人の人物が写っていた。片方の人が、片方の人に後ろから抱きついている
って構図。二人とも女の人だけど、その幸せそうな表情やなんとなく感じられる雰囲気から、
二人はかなりラブラブな恋人同士だってわかる。
 その二人の人物に、わたしはすっごく見覚えがあった。

 …てゆーかこの二人…まぎれもなく、保田さんと安倍さん。
39 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月24日(土)15時41分19秒
 三話が開始いたしました〜♪
 ヤッスーのかっこよさが出し切れなくて、ちょっと悔しい今日この頃…。

ヒトシズク様>
 はやく吉澤さんが出したい〜っ!!でもヤッスーが…!ヤッスーが『アタシを書け』と夢の
中まで追いかけて来る…(泣)
 いしよし、どうなっちゃうんでしょうか…。きっとハッピーエンドだとは思いますが。
 がんばりますね〜☆ありがとうございます!
40 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年08月24日(土)20時07分30秒
おえええええ〜!!!
やっすぅ〜となっちが!?
意外な展開に頭がついていきませんっ!
吉澤さんすごい気になるんですが・・・。。。
この後すごい期待してます!
更新楽しみに待ってます!
41 名前:オガマー 投稿日:2002年08月24日(土)23時54分21秒
おそるべしケメ子w
続き期待しておりますw
42 名前:あおのり 投稿日:2002年08月25日(日)02時15分44秒
やっぱ締めるところは締めている圭ちゃん凄い!
オマケになっちとも付き合ってるとは!ビクリ
とりあえず梨華ちゃんのことは大明神に全部お任せしますから
よっすぃ〜と元通りにしてあげてください。
南無南無
43 名前:とみこ 投稿日:2002年08月25日(日)10時24分34秒
ケメコ飲みすぎには注意よ!!
ケメコの見すぎには注意よ!!(w
44 名前:第三話 投稿日:2002年08月26日(月)14時50分23秒
「う、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
わたしは驚きのあまり、写真をまじまじと見ながら叫んでしまった。
「嘘でしょー!?だって、あんまりくっついてるの見た事ないし…それに保田さんって、
安倍さんよりも飯田さんと一緒にいる方が多いじゃないですかー!!」
実は密かに『保田さん&飯田さんはデキてる説』を支持してたのにー!
「そりゃまぁ、リーダーとサブだし。二人で話し合う事が多いのは当たり前でしょ。」
「そ、そりゃそうですけど…それでも信じられません!この保田さんにあの安倍さんだ
なんてぇぇぇぇぇ!!!」
「あっははは。アンタ何気に失礼よね。」
確かに、今のわたしの発言は失礼だったと反省。
 いや、別にそんな、大した意味があるワケじゃないのよ?
「…気付かなかったでしょ?」
してやったり、みたいな表情の保田さんに、わたしはこくこくと頷く事しかできなかった
45 名前:第三話 投稿日:2002年08月26日(月)14時54分03秒
「ま、アタシらは絶対に気付かれないように徹底してたしね。」
「なんで、そこまで徹底してたんですか?」
「アタシはサブだし、なっちは後藤とツートップで娘。の『顔』だし。そんなアタシらが
付き合ってる事がメンバーの中で公になれば、ちょっとやりにくい事が増えるでしょ?例
えば、なっちがどれだけ努力しても『なっちは保田の彼女だから、優遇されてる』みたい
に思う人が、出て来ないとも限らないし。」
 …確かに…。
 安倍さんが努力家なのは皆知ってるし、保田さんがそんな事をする人じゃないってわかっ
てるけど…それでも、もしかしたらそう思ってしまう事があるかも知れない。
「ま、でも、裕ちゃんと圭織にはバレたけどね。侮れないわよ、あの二人は。」
缶チューハイをちびちび飲む姿は、相変わらずオヤジくさいけど…でも、今のわたしには
後光が差して見えるわ!尊敬します、保田さん!!
46 名前:第三話 投稿日:2002年08月26日(月)14時55分25秒
「…でもまぁ、バレないように徹底するのは大変だったわよ?二人の性格…て言うか性質
が正反対だからね。最初の頃はアタシがなっちを振り回してる形になっちゃってね。」
「え?そうなんですか?」
「そうよ〜。『真夏の光線』を歌ってた頃ね。なっちは不満をアタシに言えなくて、スト
レス溜めちゃってさぁ。」
わたしの脳裏に、見る者全てを癒すような『天使の微笑』を浮かべる安倍さんが浮かぶ。
「アタシは、アタシの気持ちさえしっかりしてりゃー良いと思ってたのよ。二人きりになっ
た時に、しっかりイチャイチャしてりゃー全部オッケーだと。でも、なっちはそれじゃ不
満だったみたいでね。」
缶チューハイ最後の一口をぐびっと飲み干して、空き缶をテーブルの上に並べる保田さん。
その保田さんの目は、ちょっと遠くを見てる感じだった。
47 名前:第三話 投稿日:2002年08月26日(月)14時57分42秒
「だけどアタシは、なっちがそんな不安を抱いてるなんて知らなくて…なっちが知らない
所で、なっち以外のメンバーと二人っきりで遊びに行ったりしてたの。それも、何度も何
度も。
 でも、アタシは『そんなの言う必要ないわよね』って勝手に思ってて、なっちには一言
も言わなかったんだけど…そう言うのって、話題になるじゃない?だから、なっちは常に
アタシ以外の人から、アタシが他の人と二人っきりで遊びに行ってるって聞かされてたの
よ。」
「ひ、ひどい!それはヒドいですよー!!」
『天使の微笑』を浮かべる安倍さんをもう一度思い出して、わたしはぐびっとカクテルを
胃の中へと流し込んだ。
 そんなヒドい話、飲みながらじゃなきゃ聞いてられないわ!
 そんなわたしに苦笑しつつ、保田さんも次の缶チューハイのプルトップを開ける。
「落ち着け落ち着け。今思うと『アタシもヒドい事してたなぁ』って思うわよ。でもその
当時は、それがヒドい事だなんてわからなかったのよね。若さ故ってヤツかしら。」
…若さ故って…まだ21じゃないですか…。そんなんだからののとあいぼんに『おばちゃ
ん』とか『さぶちゃん』とか言われるんですよ、保田さん。
48 名前:第三話 投稿日:2002年08月26日(月)14時58分38秒
 でも、怖いから面と向かっては言えないわたし。
「…アンタ今、すげー失礼な事考えたでしょ?」
「いえいえいえいえ。そんな事ありませんです、ハイ。」
「…まぁいいけど…。」
 …なんでわかったんだろ?エスパー…?
「で、話の続きだけど。そんなアタシに、ある時なっちがね…。」
神妙な顔になった保田さんに、わたしはごくりとつばを飲む。

 「キレたのよ。」

 一瞬、その言葉が何を意味しているのか…わたしには理解できなかった。
 …キレた?
 …ええっと…それってどういう意味だっけ?
49 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月26日(月)15時00分10秒
 今日はここまで〜♪

>ヒトシズク様
 ヤッスーとなっち…最近けいなち好きなんです♪
 実はかっけーヤッスーと、永遠の少女・なっち…なかなか良いカップリングだと思うのですが(笑)。
 この先の展開の方針、ほぼ決まりました♪最後の最後まで『意外』を貫きたいと思ってます(←オイ)どうぞよろしく☆

>オガマー様
 ハジけたケメ子、最近けっこうお気に入りです。
 がんばりますね〜!

>あおのり様
 今回の大明神、いかがだったでしょうか?
 この師弟関係、けっこー好きなんですよ♪

>とみこ
 かなり笑いました(笑)。注意いたしますわ!
 私の中でケメ子さんは、かなり酒強いです。
50 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年08月26日(月)20時09分13秒
おおっ!意外な展開ですね。。。クロイツさんにはいつも驚かされてる感じがしますね^^
それがいいところなんですよー^^
石川さん&吉澤さんどうなるんですかっ?
いしよし好きな私には我慢が・・・
今後期待してます。更新楽しみに待ってまーす^^
51 名前:オガマー 投稿日:2002年08月27日(火)02時54分06秒
楽しいですよー、ケメ子の若かりし頃の到り話(w
いしよしも気になりますが、
なちけいも気になるw
52 名前:第二話 投稿日:2002年08月27日(火)22時49分40秒
 きっとわたしは今、すっごい間抜けな顔してると思う。
 それは自分でもわかってるけど、どーにもならない。
 だ、だって、ちょっと待ってよ。
 キレたって…怒ったり叫んだり物投げたりするアレでしょ?
 わたしだって、一度や二度はあるわよ。姉妹喧嘩の時とか…。
 でも、それを…あの安倍さんが!?
そんな事をぐるぐる考えていると、保田さんは楽しそうに言った。
「…信じられないって顔、してるわね。」
「そ、そりゃー信じられませんよ!ええぇ!?だ、だってあの、安倍さんでしょ!?」
「うん。」
「あの、ほわわ〜んとしてて笑顔が可愛くて、特に遅刻して来た時の気まずそうな笑顔が、
ちょっと犯罪!?ってくらい可愛い…あの安倍さんが!?」
「そう。」
「そんなに可愛い笑顔して、実はかなり打たれ強くて、何があってもへこたれないで、元
気いっぱいにふるまって見せてる…あの安倍さんが!?」
「ははは。よくわかってるじゃない。ま、それだけなっちも追い詰められてたって事よ。」
「ほへぇ〜…。」
それが真実にあった事だとは、俄かに信じがたいわ…。
53 名前:第三話 投稿日:2002年08月27日(火)22時51分25秒

「も〜、すっごかったわよ?裕ちゃんに怒鳴られるより怖かったかも。北海道弁丸出しで、
たま〜にちょっと聞き取れない所とかもあって。」
保田さんは、その光景を思い出したのか、くくくっと笑ってたけど…わたしには笑えない。
想像もつかないし、想像がついたとしても笑えないでしょ。だって、北海道弁丸出しで怒
鳴る安倍さんなんて…ちょっと怖過ぎる気がするし。
「ま、それでアタシらはちゃーんとわかりあったってワケよ。」
「へぇ〜…。」
写真をもう一回、まじまじと見る。
 …幸せそうに微笑む二人だけど、この二人の歴史には、驚かされるような事がいっぱい
あって…それを乗り越えたから、こんなに幸せそうに笑えるのね。
 なんか、とってもうらやましい…。
 そこまで考えて、わたしはふと疑問にぶつかった。
「あの〜…中澤さんや飯田さんくらいしか知らないお二人の関係のお話を、わたしなんか
が聞いてちゃって良かったんですか?」
「良いのよ。アタシは来年春には卒業だし。
 それに、知ってた方がアンタも話しやすいでしょ?」
54 名前:第三話 投稿日:2002年08月27日(火)22時53分59秒
 よーく聞いていなければ、多分さらりと聞き流してしまっていたと思う。
 それくらい、そっけない口調で発せられた言葉に…わたしはきょとんとした。
 …話しやすい?わたしが?
「あ、あの、わたし…保田さんに…ヨッスィーの事とか話しちゃっても…悩みとか言っちゃっ
ても…良いんですか!?」
「ナニ馬鹿な事言ってるのよ。アタシはアンタの教育係よ?」
 ああ、そうか!!今、やっとわかった!!
 もともと保田さん、わたしの悩みを打ち明けさせる為に、お家に招待してくれたんだ!!
 でもって、わたしが打ち明けやすいように、安倍さんとの事とかを先に話してくれたん
だ!!!
 な、なんか感動…。涙出そう…。
55 名前:第三話 投稿日:2002年08月27日(火)22時54分29秒
「あ、ありがとうございますぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
涙目になりながら言うと、保田さんは左手をぱたぱたと振って見せた。
「はっはっは。別にかまわないわよ。アタシも、あんま他人には言えないなっちとの事を、
のろけてみたかったってのもあるし。」
 …それが謙遜なのか本音なのかはわからないけど…謙遜だと受け取っておきます、保田
さん。
「で、どうよ?アタシは話し終わったし…アンタも話したきゃ話しても良いわよ?」
保田さんのその言葉を合図に…わたしの目からは、滝のような涙が流れ始めた…。
56 名前:第三話 投稿日:2002年08月27日(火)22時55分02秒


 わたしは『号泣』としか呼べない泣き方をしながら、保田さんに全てをぶちまけた。
 膨れ上がり過ぎて、自分ではどうしようもなくなってしまったひとみちゃんへの想いも、
誰にも言えなかった不安も、現在のわたしの望みさえも、全て…。
 きっと、聞き取りにくかったと思う。しゃくりあげちゃってたし、呂律も回ってなかっ
たハズだし。
 それでも、保田さんは聞いていてくれた。
 保田さんの優しい手に頭を撫でられながら、保田さんの胸で、わたしは思いっきり泣い
た。
 そうしながら、わたしは眠ってしまったらしい。
 久々に、夢も見ない程深く深く眠れた気がする…。
57 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月27日(火)22時55分37秒
今日はココまで〜♪
多分、次回で『保田さん編』が終了します♪
でもって、多分明日も更新すると思われます☆
皆様、どうぞよろしくv

>ヒトシズク様
 あああああ、もーちょっとです!!いしよしまで、あとちょっと!!
 もー少しで吉澤さんが出てくる予定ですので、どうか辛抱して下さい(切望)っ!
 てゆーか見捨てないでぇぇぇぇっ!!
 期待に沿えるよう、がんばりたいと思いまっす♪

>オガマー様
 私の中で、なっちの話をする圭ちゃんは『でれでれ』な顔してます(笑)。
 がんばりますね〜!
58 名前:あおのり 投稿日:2002年08月28日(水)00時26分06秒
う、う、圭ちゃん良い人や・・・・
来春辞めるなんていわずにずーっといしよしを見守ってくださいよ〜
圭ちゃんカンバーーーック(未だ辞めてないって!)
59 名前:オガマー 投稿日:2002年08月28日(水)01時05分39秒
でれでれなんですかw
ヤッスーすみにおけないねー、コノコノォ(氏
なんかこういう師弟コンビの会話ってのはほのぼのしてていーですなー
僕には書けそうにありません(w
60 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年08月28日(水)21時11分57秒
おおーーー!!!
言っちゃいましたか。ヤッスー頼りになりますねぇ。。。かっけーっす!
いしよしもうすぐですか(ワクワク。楽しみにしてますね。
では、更新楽しみにしてます!
61 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時09分59秒
 わたしを起こしたのは、『いいニオイ』だった。
 花とか香水とか、そーゆーニオイじゃなくて…すっごく、おいしそうなニオイ。
「・・・・・・。」
ごそごそっと掛け布団(てゆーかタオルケット)を顔の上からどかせて、何のニオイだか
分析してみる。
 …コレは、お味噌汁…?それと、焼き魚かな?それから、炊飯器から炊き上がりを知ら
せる音も聞こえて来る。

 …アレ?

 わたし、実家に帰って来てたんだっけ?…いや、そんなハズはないな。それにウチのお
母さん、朝に和食なんて作らないし…。
 なんだかすっごく頭が重くて、よく働かない。まぶたも重い。
「…ニッポンのアサゴハン…。」
思ったままを口に出してみる。すると。
「ぶっ…あ、あっはははははははははは!!!ナニそれ!梨華ちゃん、超面白いね〜!!」
ちょっと頭に響くくらいの爆笑…って…こ、この声…。
慌てて顔を上げてみれば、そこには…爆笑してる安倍さんの姿が!!
62 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時10分57秒
「・・・・・・!?」
驚きで目を見開いてるわたしに、目の端に涙を浮かべて笑っている安倍さんは手を振った。
「おはよう、梨華ちゃん。…っはははは、面白いー!!笑えるー!!最高だべー!!」
「・・・・・・お、おはようございます…。」
とりあえず、挨拶をしておく。その瞬間、わたしの頭は急に活発に動き出した。
「あ、あああああああああああ安倍さんっ!?」
何故安倍さんがココに!?と、一瞬思ったけど…思い出した。
 そうだ、ココって保田さん家なんだ!
 昨日、お酒飲んで号泣してそのまま寝ちゃったんだ!!
 んでもって、安倍さんと保田さんは付き合ってるんだ…!!!
わたしはガバッと起き上がって、安倍さんに頭を下げた。
「あの、安倍さん!ごめんなさい!!その、わたし、昨日保田さんに話をきいてもらった
だけですから…本当にすみませんっ!!」
悲鳴みたいな声を上げたわたしに、安倍さんはきょとんとしてるけど…やっぱ怒ってるよ
ね…。わたしだって、付き合ってるひとが別のひとを家に上げてたら、すっごいショック
だし。
63 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時11分30秒
 だけど安倍さんは、ぽんぽんっとわたしの頭を撫でて、笑顔を向けてくれた。
「わかってるよ。知ってる。てゆーか昨日、『今日は石川を家に泊めるから。』って圭ちゃ
んに聞かされてたから。悩み相談してたんでしょ?」
「は、はぁ…でも…。」
「大丈夫だって。梨華ちゃんはヨッスィー一筋だって知ってるし、圭ちゃんだってそんな
器用な事はできないって、なっちはちゃんとわかってるべさ。」
「…ありがとうございます…。」
それでもすっごく申し訳なくて、わたしは俯いた。
「圭ちゃん今お風呂入ってるから、圭ちゃんが出たら梨華ちゃんも入って…それから朝ご
はんにしようね♪なっちの力作を食べさせてあげるよ!」
そう言う安倍さんの顔は、まさに『天使』。
その『天使』がキッチンに向かうと同時に、保田さんがお風呂から出てきた。
 Tシャツにジーパン姿で、髪をバスタオルでわしわしと拭いてる保田さんは、ハッキリ
言って…かなりの男前。
64 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時12分04秒
「あ、石川。起きたのね。お風呂入って来なよ。」
「は、はいっ。」
思わず返事をしちゃったけど…よく考えたらわたし、下着の替えすら持ってない。
 どうしよう、と思ってたら、安倍さんが思い出したようにカバンの中をさぐり…わたし
に紙袋を手渡した。
「サイズは合ってるハズ。なっちの好みで選んだから、梨華ちゃんの趣味とはちょっと違
うかも知れないけど。」
そう言われて中身を見てみたら…新品の下着一式とTシャツが入っていた。
「あ、ありがとうございます!!…すみません、気を使わせてしまって…。」
「良いって。娘。のメンバーは、なっちにとっては家族みたいなモンだから。」
「それに、アタシが強引に誘ったんだしね。何も気にする事ないのよ。ハイ、バスタオル。」
「安倍さん…保田さん…。」
天使の微笑みを浮かべる安倍さんに、かなり男前な保田さん。
 ああ、ココに赤ん坊がいたら…きっと絵に描いたような『理想の家庭』になるんだろう
なぁ。お父さん女だけど。
 そんな事を思いつつもう一度お礼を言い、わたしは脱衣所に入って行った。
65 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時12分35秒


 脱衣所で服を脱いでいたら…ものすごい怖い顔をした女と目があってしまった。
「…ッ!!?」
 もう少しで叫びそうになったけど…寸でのところで踏みとどまってよかった。
 だって、よーく見たらわたしの顔だったんだもん…。
「うわ〜…ヒッドい顔…。」
ちょっと絶望的な気分になる。これじゃ貞子も真っ青だわ…。でもまぁ、仕方がない。寝
る直前にあんなに水分を摂って、しかも号泣しながら寝たんだもん。無理もない。
 あまり鏡を見ないようにしてお風呂から上がる。安倍さんがくれた下着もTシャツも、
丁度良かった。
「はい、どうぞ。」
安倍さんからお味噌汁を手渡されて、朝食が始まった。安倍さんお手製の、純和風のあさ
ごはん。
 とってもおいしいそれを食べながら、心の中でこう思う。
 …お母さ〜ん…。
66 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時13分08秒

 昨夜、わたしの話を全部聞いてくれて、眠るまでずっと頭を撫で続けてくれた保田さん。
 おいしいあさごはんと、『いつでも相談してくれてかまわないんだよ?』って言ってく
れた安倍さん。
 その二人に心の底から感謝しながら、わたしは自分の家へと帰って行った。
 帽子を目深に被っているけど…もしかしたらそんな必要はないかも知れない。だって現
在のわたしの顔、目ぇ腫れ過ぎて別人みたいになってるし。
 きっと、家族以外には『石川梨華だ』ってわかんあいんじゃないかなぁ?
 でもまぁ、用心するに越した事はない。
 平日のお昼過ぎだから、電車は空いていた。でも席には座らず、扉の横に立って流れる
景色を眺めていた。
67 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時13分41秒
 スッキリしちゃったなぁ。
 号泣して、もう涙も出なくなるくらいまで泣いて、その後そのまま寝ちゃって。
 頭もまぶたもすっごい重い。
 だけど…気分はすごく良い。
 溜まってたモノを全部吐き出させてもらって、からっぽになった所に保田さんと安倍さ
んの『暖かい優しさ』を入れてもらったみたい。
 …帰ったら、ひとみちゃんに電話しよう。
 そして、二人っきりで会う約束をしよう。
 二人っきりで会ったら、現在のわたしの気持ちを伝えよう。
 『わたしは変わらず、世界で一番あなたを愛してます』って。
 『あたしはもう好きじゃない』とか、『別れよう』とかって言われたら…そう考えると
ネガティブになりそうだけど。
 でも、その時はその時。
 優しさをくれて、心配してくれてる保田さんと安倍さんのためにも、わたしは前に進ま
なきゃ!!
68 名前:第三話 投稿日:2002年08月28日(水)22時14分26秒
 そんな事を考えているうちに、電車が家の最寄り駅に到着する。
 方針が決まったわたしの足取りは軽く、いつもと同じ帰り道の風景も、いつもとは違う
風に見える。なんだか皆、生き生きとしているように見える。
 マンションの入り口も、すぐに見えて来た。ああ、もう着いちゃったのか。もーちょっ
とこのまま歩きたかったな。
 そんなわたしの目に、信じられないモノが飛び込んできた。
 マンションの門の前に、誰かいる。
 わたしと同じように、帽子を目深に被っている、男の子。
 …いや、性格には『男の子みたいな格好をした女の子』。
 遠くからでも、帽子で顔を隠していても、サングラスをかけていても、一目見れば誰だ
かわかる。
 間違えるハズなんかない。だって、誰よりも何よりも大好きなひとなんだもの。

「…ヨッスィー?」

彼女は、ゆっくりと振り返った。
69 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月28日(水)22時15分00秒

保田さん編、終了です!!長かった…よーな気がします(笑)。
よーやく吉澤さんが出て来ました!!次回からは4話がスタート!!
多分明日も更新するカモ。

>あおのり様
 私も圭ちゃん、卒業しないでほしいですー(泣)。
 お父さ〜ん!!(←オイ)

>オガマー様
 ほのぼの、してますか?嬉しいです♪
 私の中で保田さん&石川さんペアは『ほのぼのまったり』なんですよ(笑)
ちなみに矢口さん&吉澤さんペアは『異常にテンションが高い』で、後藤さん&加護さん
ペアは『加護さんおおはしゃぎ』で、飯田さん&辻さんペアは『縁側で放心』だったりして。

 いよいよ次回からいしよしが始まります!!
 がんばりますので、どうぞよろしくお願いします!!
70 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月28日(水)22時19分20秒
 すみません、上に入りきりませんでした(汗)
>ヒトシズク様
 うっふふふふふふ!!(←キショい)次回からよーやくいしよしですよー!
 書く私も楽しみ楽しみ♪
 どうぞお楽しみに!(←そんな事言っちゃって良いのか、私…)
71 名前:オガマー 投稿日:2002年08月28日(水)23時29分25秒
こっちまであっかい気分になれたべさー
なっちは天使ww
ケメ子は男前!w
梨華ちゃんはその二人の子供?(w
ののかおが縁側で放心…ワロタ!!
72 名前:あおのり 投稿日:2002年08月29日(木)09時49分25秒
お母さんがなっちでお父さんが圭ちゃんですか?
なんか違和感がない(w
なっちってやっぱ朝はご飯なんでしょうね。
「朝はお米食べないと力でないべさ〜」とか言いながら
どんぶりめしをもりもり食べてそうな雰囲気があります。(でも天使)

さて、リフレッシュした石川さんはどう出るんでしょうか?
楽しみにお待ちしております。
73 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月29日(木)11時42分12秒
すみません、間違いを何個か発見したので、訂正させて頂きます(汗)

×わかんあいんじゃないかなぁ?→○わかんないんじゃないかなぁ?
×性格には『男の子みたいな格好をした女の子』。→○正確には『男の子みたいな格好をした女の子』。

ごめんなさーいっ(泣)
74 名前:第四話 投稿日:2002年08月29日(木)17時50分45秒
 ゆっくりと振り向いたあなたの顔は、目深に被られた帽子に遮られてよく見えなかった。
 どんな表情をしているのかも、本当にわたしを見ているのかさえわからない。
 でも…それでも、わたしの近くにあなたがいるってだけで…こんなにも胸をときめかせ
ている。
 保田さん、安倍さん。ごめんなさい。
 わたしはきっと、ワガママ過ぎる望みを捨てられない。
 わたしの中にある全ての欲が失われたとしても、この望みだけは捨てられない。
 それ程までに、わたしは…
 このひとを、愛してしまった。
75 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月29日(木)17時51分30秒


 本当は『ひとみちゃん』と呼びかけたかったけど…でも、あえて『ヨッスィー』と呼び
かけてみた。
「…梨華ちゃん…。」
ゆっくり振り返ったものの、ひとみちゃんの顔はかなり強張っていた。
 こんな所で、何してるんだろう。
 三ヶ月前まではよく遊びに来たり泊まりに来たりしてたけど、最近は寄り付きもしなかっ
たのに…。
「来てくれたの?ごめんね、わたし…ちょっと留守にしてて。」
「…いいよ、別に…。」
わたしの顔を見ず、ふいっとあさっての方向を向いてしまう。
 …わたし、今すごい目ぇ腫れてるし、見ないでくれた方が嬉しいんだけど…でも、あか
らさまに目をそらされると、やっぱりちょっと傷つく。
76 名前:第四話 投稿日:2002年08月29日(木)17時52分45秒
 でも、久々に二人っきり。
「ねぇ、せっかくだから部屋に上がって行ってよ。待たせちゃったみたいだし…紅茶淹れ
るし。」
ちょっとでもこの二人っきりを長引かせたくて、わたしはそう言った。
棒読みにならないように、焦った声にならないように…できるだけ、いつも通りの口調に
なるように努力する。
「…うん、上がってく。」
断られちゃうかな?と思っていたわたしは、その言葉に内心大喜び。
 お掃除が苦手なわたしのお部屋は、あいぼんに呆れられるくらい散らかってるのが普通
なんだけど…でも、今は片付いてる。実は三日前にお部屋の大掃除をしたんだけど…して
おいてよかった!久々に来てくれたひとみちゃんをご招待するなら、キタナい部屋よりキ
レイな部屋の方が絶対良いもん。
 うきうき気分でエレベーターに乗り込んだ。…沈黙がちょっと辛い。
 昨夜、保田さんと夕飯食べてる時の沈黙は、心地よかったのになぁ…。
77 名前:第四話 投稿日:2002年08月29日(木)17時54分58秒
 エレベーターを降り、カバンから鍵を取り出して、玄関の扉を開ける。
「どうぞ、上がって。」
ひとみちゃんを先に入れて、わたしは後ろ手で扉を閉めた。それと同時に、先日回って来
た回覧板の文字が、わたしの頭の中に蘇る。
『夏休みが始まり、最近イタズラで部屋に侵入する小学生が多数います。戸締りをきちん
としてください。』
…せっかくのひとみちゃんとの二人っきりを、イタズラ小学生なんかにブチ壊されたくな
いわたしは、きっちりと鍵を閉めて…ドアチェーンまでかけた。
 そして部屋の中に入ろうとして振り向いたけど…ひとみちゃんは部屋の中に入らずに、
入り口の所で立ち止まって、固まっていた。
「…どしたの?」
訊いてみたけど、ひとみちゃんは無反応。
 もしかして、イタズラ小学生に入られたのかしら?それで、部屋がメチャクチャに荒ら
されてるとか…。
 ひとみちゃんの横から部屋の中をのぞき見たけど…でも、部屋の中には異常はなかった。
昨日の朝、出かけた時のまま。…珍しく片付いてるけど、それは異常って言わないよね?
78 名前:第四話 投稿日:2002年08月29日(木)17時55分28秒
「何があったの?」
もう一度訊いて、ひとみちゃんの顔を見て…わたしは驚いた。
だってひとみちゃん、ものすごく怒った顔してたんだもん。
「ひ…ヨッスィー?どうしたの?」
「どうもしないよ。」
ぷいっと顔を背けるけど…そんなハズない。
「じゃあ、なんでそんな怒った顔してるの?」
「怒ってないよ。」
「怒ってるってば。眉間にシワ寄ってるよ?何があったのよ?」
「…何もないってば!」
ひとみちゃんに手を振り払われた衝撃で、わたしが目深に被っていた帽子が下に落ちてし
まった。
79 名前:第四話 投稿日:2002年08月29日(木)17時56分04秒
「・・・・・・ッ!!!」
真正面からわたしの顔を見たひとみちゃんは、顔を凍りつかせた。
 …ひ、ヒドい…。
 確かに目が『これでもかッ!』ってくらい腫れてるけど…貞子も真っ青な顔してるけど
…そうあからさまに顔に出す事ないじゃない!ヒドい顔してるって、自分が一番わかって
るわよ!!
 そう考えると、ものすごく腹が立ってきた。
 …もとはと言えば、ひとみちゃんが最近急に冷たくなったのが悪いんじゃない!!
 『嫌いになった』とか『別れたい』とか、そう言う話も一切して来ないクセに、ごっち
んとすっごく仲良くして見せたりして…わたしを宙ぶらりんの状態にしたのが悪いんじゃ
ない!!
 そうでなければ、保田さんや安倍さんに迷惑かけつつ、こんな目になるまで号泣したり
しないわよ!!
 こんなに目ぇ腫れてるのは、ひとみちゃんのせいなんだからね!!
 あまりに腹が立ったので、文句の一つも言ってやりたい衝動にかられたわたしは、腫れ
た目でひとみちゃんをガッとにらみつけた。
 …けど、そこでまたビックリ。

 ひとみちゃんは、突っ立ったまま…泣いていた。
80 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月29日(木)17時56分35秒
 四話始まりました〜。
 ようやく吉澤さん出て来てくれましたね。喋ってくれましたね♪梨華ちゃんと会話して
くれましたね〜☆
 次回からはもっと喋ってくれるでしょう。
 多分きっと、明日も更新するハズ。

>オガマー様
 ミスムンのなっちの衣装を、圭ちゃんに着てもらいたいと思う今日このごろ♪
 なっちは天使です!初めて見た時(オーディションの時)から、ずぅぅぅぅっとそう思っ
てました!!

>あおのり様
 ですよね!!なっちの朝食は和食であってほしい…!!
 なっちって和食好きっぽく見えますしv
 リフレッシュした梨華ちゃん、ポジティブなんだかそうじゃないんだかよくわからんテ
ンションになってしまいました…(汗)
81 名前:オガマー 投稿日:2002年08月29日(木)19時44分25秒
ぉぉw
素敵です(w
GOGO!(何
82 名前:あおのり 投稿日:2002年08月30日(金)02時07分12秒
ヨシコがしゃべった!ヨシコがしゃべった!わーいわーい!

・・・でもなんか微妙・・・・
梨華ちゃんポジのまんまヨシコを押し倒してしまえ〜(←ヲイ
83 名前:第四話 投稿日:2002年08月30日(金)18時55分49秒
大きな瞳から、ぼろぼろと大きな涙を流すひとみちゃんを前にして…わたしは、声が出な
かった。…いや、何か言わなきゃとは思ってるんだけど、驚きすぎて声が出ない。
 な、何で泣くの!?わたしの顔、そんなにヒドいの!?泣く程怖いの!?
 そうだとしたら…立ち直れないわ、私…。
 驚きとショックで立ち尽くすわたしの耳に、ひとみちゃんの囁くような声が聞こえて来
た。
「…だ…か…んだよ…?」
「え?」
あまりにも小さな声だったからほとんど聞き取れなくて、わたしは訊き帰す。するとひと
みちゃんは涙を流しつつも、今まで見たこともないような怖い顔でわたしをにらみ付けた。
「!?」
その表情にわたしはかなりビビッて、数歩後退る。そんなわたしに向かって、ひとみちゃ
んは叫ぶように喋り始めた。
「…誰に片付けてもらったんだよ、この部屋!!」
84 名前:第四話 投稿日:2002年08月30日(金)18時56分34秒
「は!?」
ひとみちゃんは、後退ったわたしの肩をつかんだ。
「ちょ…ひとみちゃん!!痛いよ!」
「誰に片付けさせたの!?あたしが片付けようとしたら『やめて』とか言ったクセに!!」
ひとみちゃんに掴まれた肩が痛い。そう言えばひとみちゃん、元バレー部で…かなりの握
力の持ち主なんだっけ。
 でも、このままじゃ肩に手のアトが残っちゃいそう。なんとか落ち着かせなきゃ!
「何言ってるの!?ひとみちゃん!!わたしの部屋なんだから、わたしが片付けたに決まっ
てるでしょ!?」
「嘘だ!!料理よりも洗濯よりも苦手で嫌いな掃除を、梨華ちゃん自身が進んでするワケ
ないじゃん!!」
…そ、その通りなんだけどね…。さすがはひとみちゃん。わたしの事よくわかってるじゃ
ないの…。でも、ここで引き下がるワケにはいかないわ!ワケわからないけど、この部屋
は本当にわたしが片付けたんだから!!
85 名前:第四話 投稿日:2002年08月30日(金)18時57分05秒
「し、失礼だよ、ひとみちゃん!!確かにこの部屋は、わたしが三日前の夜中に片付けた
んだもん!!」
「夜中!?誰の為に片付けたんだよ!!夜中に、誰かこの部屋に呼ぶつもりだったの!?
あたし以外の人を!?」
「だ、誰の為って…誰かの為じゃなきゃ、わたしは部屋を片付けちゃいけないの!?ちょっ
とおかしいよ、ひとみちゃん!」
 そう言い返しながらも、わたしは…ひとみちゃんが何を言いたいのか、全っ然わからな
かった。でも、それを深く考えてるような暇はない。
「おかしくない!!しかも、何だよその目!!泣いたの!?泣いたんでしょ!?誰の為に、
誰の所で泣いたんだよ!!そんなになるまで!!」
責めるようなひとみちゃんの目。いつの間にか涙は止まっていて、その目は怒りの色に支
配されてる。
「それとも、あたしはもういらないってワケ!?誰だか知らないけど…新しい相手の為な
らせっせと苦手な部屋の掃除もするし、そいつ以外の前では涙も見せないってワケ!?」
「はぁ!?」
本当に、全然話が見えない。
86 名前:第四話 投稿日:2002年08月30日(金)18時57分38秒

 何が言いたいの?
 何でそんなに怒ってるの?
 新しい相手って何?
疑問点はいっぱいあるのに、頭のなかがぐちゃぐちゃになってて…口に出す事すらできな
い。
 ふと顔を上げると、ひとみちゃんはまた大粒の涙を流し始めていた。
「…あ、あのね、ひと」
「あたしより、好きなひとが…できたの?」
わたしの言葉を遮って、ひとみちゃんが発した言葉は、まるで血を吐くように苦しげに聞
こえた。その言葉に、わたしの思考が数秒程停止する。
 今、ひとみちゃんは何て言ったの?
 頭の中が真っ白だ。理解できない。
 はっと我に返ると、ひとみちゃんはその場にしゃがみ込んで、嗚咽をもらしていた。
「あの…ひとみちゃん?」
わたしも慌ててしゃがみ込み、ひとみちゃんと目線を合わせる。
「…う…っく、う、うちより好きなひと、で、できちゃったんだ…梨、華ちゃん…。あた、
しより、好きな…」
しゃくりあげながらそう繰り返すひとみちゃん。
87 名前:第四話 投稿日:2002年08月30日(金)18時58分09秒
 こんなひとみちゃんは、初めてだわ…。
 わたしの知ってるひとみちゃんは、すっごく頼り甲斐があって、いつも明るくて、わた
しなんかよりずっとしっかりしてて…わたしはそんなひとみちゃんに甘えてばっかりで。
いつも『もっとわたしに甘えてくれれば良いのに』って思ってた。
 でも、今目の前にいるひとみちゃんは…ずっと年下の女の子みたい。なんか、妹が小さ
かった時を思い出す。
 そんなひとみちゃんにも、わたしはすっごくときめいてる。
「…ねぇ、ひとみちゃん。」
わたしの声が、自然と優しくなる。心の底からにじみ出て来る愛しさが、そうさせるみた
い。
「…さっきからひとみちゃんが何を言ってるのか、わたしには全然わからないんだけど…
でも、これだけは言えるよ。」
わたしは床に膝をついて、ひとみちゃんを抱きしめた。腕の中のひとみちゃんがビクッと
なって、身体をかたくしたのがわかる。それに気付いたわたしは、抱いている両手により
一層力を込めて、ひとみちゃんの頭をわたしの胸に押し付けた。
88 名前:第四話 投稿日:2002年08月30日(金)18時58分47秒
「…ねえ、わかるかな?わたしの心臓、すっごくどきどき言ってるでしょ?」
ひとみちゃんは何も言わない。けど、かまわず続けた。
「ひとみちゃんに触れてるだけで…ひとみちゃんが側にいるだけで、わたしこんなにどき
どきしてるんだよ?
 ひとみちゃん以外に、わたしをこんなにどきどきさせてくれるひとなんていない。
 …ひとみちゃんより好きなひとなんて、わたしにはいないの。
 だってわたしは…誰よりも何よりも一番…世界で一番、ひとみちゃんの事が好きなんだ
もん。
 過去も現在も、きっと未来も、わたしはひとみちゃんが一番大好きだよ。」

 …やっと、言えた…。
89 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月30日(金)18時59分27秒
 …やっと言ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
ついに言いましたね、梨華ちゃん!!
長かった…。まだ続きますけどね(笑)。
しかし、今回のヨッスィーの台詞の量、過去最高!?
明日も更新、できると良いなぁ。

>オガマー様
 GOGO〜!行かせて頂きました!!いかがだったでしょうか?

>あおのり様
 今回はか〜な〜り〜喋ってますよ〜、吉澤さん♪
 押し倒しはしませんでしたが…うふふ☆(←キショ!)
90 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年08月30日(金)20時24分43秒
おおおおっ!いしよし〜!!!
楽しみにしてました〜!
石川さん言っちゃいましたね。弱い吉澤さん好きです。。。ちょーいいっす!
がんばってくださいね!応援してます!
91 名前:突然来訪者 投稿日:2002年08月30日(金)22時13分44秒
すご〜い、おもしろ〜い!!ですつ。楽しみでねれない。ガム場って下さい。
梨華ちゃんすきいいー!
92 名前:オガマー 投稿日:2002年08月31日(土)03時14分13秒
号泣よすこがかわいい(w
でも、あんれぇ?
よしざーさん、最近梨華たんに冷たいのではなかったっけか?(w
その辺りも知りたいww
93 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時20分42秒
 三ヶ月前、急に冷たくなったあなた。
 だけど、だからこそわかったのかも知れないこの気持ち。
 わたしにはやっぱり、ひとみちゃんしかいない。
 それをようやく伝えられたんだ…。
 そう思うと、なんだか急に心に余裕が出来てきた。わたしはひとみちゃんを少しだけ離
した。ひとみちゃんの顔は、涙にぬれている。
 そんなひとみちゃんが、無性に可愛くて愛しくて…わたしはこつん、と、自分のおでこ
をひとみちゃんのおでこにくっつけた。
「…で、ひとみちゃんはどうなの?」
涙にぬれた、ひとみちゃんの名前の由来にもなった大きな瞳。その瞳が、わたしを見つめ
ている。それだけでこんなに幸せな気分になれる。
94 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時21分25秒
「・・・・・・。」
そんな幸せな気分も、長くは続かない。
何も言わないひとみちゃんに、わたしの心に絶望の影が見え始める。
 …もしかしてわたし、フラれるのかなぁ。
 さっきのひとみちゃんのワケわかんない言動も、もしかしたらわたしと別れたいって言
う意思表示だったのかも知れない。
 …でも、それは仕方のない事よね。
 人の気持ちは、どうにもならない。だからこそ気持ちが通じ合った時、最上級の幸せを
感じられるんだし。
 わたしより、ごっちんの方が好きになっちゃったのかなぁ。でも、それを止める事は…
誰にも出来ないのよね。
 失恋したら、保田さんはまた話を聞いてくれるかなぁ?泣かせてくれるかしら?
 今度は安倍さんも一緒に、大騒ぎしだいな。…あ、安倍さんはお酒飲めないんだっけ。
95 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時21分55秒

 勝手にそこまで考えていたら、ひとみちゃんにまた、思いっ切り肩を掴まれた。
「いたっ!」
さっきの所、アザになってるのかな?さっきよりもものすごく痛く感じる。
「…あたしが好き?世界で一番!?」
そう言ったひとみちゃんの顔は、今までで一番怖かった。
「嘘だ!!あたしの事が一番好きなら…あたし以外の人とあんなにいちゃいちゃするワケ
ない!!」
「はぁ!?」
これまた、何言ってるのかわからない。
「ののやあいぼんにちゅーされても、保田さんや飯田さんに肩抱かれたり抱きしめられた
りしても、梨華ちゃん嫌がる素振りさえしないじゃん!!
 それに、嬉々として矢口さんや安倍さんに抱きついたり!!ごっちんにも、カメラ回っ
てないのに『文麿様ぁ』とか言って甘えるし、紺野や高橋や小川や新垣と手ぇつないだま
ま、放そうとしないし!!!」
96 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時22分26秒
呆然としてるわたしにかまわず、ひとみちゃんは続ける。
「あたしが人前で抱きついたりキスしようとしたりすると『仕事中だよ』とか『みんな見
てるからやめてよ』とか言ったのに!!あたしにはあんまり抱きついて来ないクセに!あ
んなに甘えて来ないクセに!!あたしと手ぇつないでる時は、真っ先に放そうとしたクセ
に!!」
ひとみちゃんの手から、力が抜ける。
「…何なんだよ…。嫌われてるかと思ったら、『世界で一番好き』とか言うし…。ワケわ
かんないよ…。」
 がっくりしてるひとみちゃん。…わ、わたしだってワケわからない。
「…ちょっと待ってよ。それはひとみちゃんだって同じじゃない!!」
わたしは、猛烈に腹を立てていた。
97 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時22分58秒
「ひとみちゃんだって、ののやあいぼんに嬉しそ〜にちゅーされてたじゃない!!それに、
ミスタームーンライトの時なんて、ほ、本番中に飯田さんの肩抱いてたり!!矢口さんや
安倍さんに『愛してる』とか繰り返し繰り返し言っちゃってさぁっ!!
 わたしよりごっちんに会ってる時間の方が長いんじゃないの!?新メンバー4人を追い
掛け回してるのはひとみちゃんの方じゃない!!」
「あたしは本気じゃないもん!!」
「わたしだって本気じゃないわよ!!」
そのままの状態で、む〜っとにらみ合う。
「…あと梨華ちゃん、昨日帰りに保田さん家行ったんでしょ!?」
「それを言うなら、ひとみちゃんだって!!ごっちんをごはんに誘ってたじゃない!!」
「あたしはごはん食べて、その後すぐに別れたもん!梨華ちゃんは、保田さんの家に上がっ
たんでしょ!?」
わたしは、言葉につまる。
98 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時23分31秒
 確かに上がった。しかもお酒まで飲んだ。更に(何もなかったけど)お泊まりまでした。
 ちょっと後ろめたくて、あからさまに目線をそらして気まずい顔をしてしまったわたし。
そこに、ひとみちゃんの痛恨の一撃。
「…あたし、このTシャツ見た事ないんだけど。てゆーかコレ、あきらかに梨華ちゃんの
趣味じゃないよね。」
「!!」
しまった!!コレ、今朝安倍さんにもらったヤツだった!!
 確かに、青地に白いプリントのTシャツなんて、わたしはあんまり選ばない。どこかし
らピンクが入ってるTシャツばっかりだ。
「ま、まさか梨華ちゃん…保田さん家に泊まったんじゃ…!!」
真っ青になったひとみちゃんの顔に、わたしは焦る。
「ちょ、誤解しないでよ!!保田さんとは何もないもん!ただ、わたしの話を聞いてもらっ
てただけで…」
「…泊まったんだね…。」
あああああっ!!!しまった!!墓穴掘っちゃったぁぁ!!!
99 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時24分06秒
「…て事は、その目…保田さんの前で泣いたの?胸とか貸してもらったの!?
 どうして…どうして、あたし以外の人に、そう言う事するのさ…!!」
また、ひとみちゃんの大きなひとみに涙が溜まり始めた。
 …ああ…こんな状況でナニなんだけど…
 わたし、ひとみちゃんのこの表情にもときめいてる。
100 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時24分38秒

 なんとか弁明しようとして、はたと気付いた。
「確かにわたし、保田さんの家に泊まった。保田さんの胸で泣いた。でも、保田さんとは
本当にそれ以上は何もなかったし…もとはと言えばひとみちゃんが悪いんじゃない!!」
わたしの中で、何かが切れる。
「あんなにラブラブで幸せだったのに、三ヶ月前からいきなり冷たくなって!!ごっちん
とばっかりいるようになって!!散々わたしをないがしろにしたのが悪いんじゃない!!
そーでもなければわたし、保田さんに胸を貸してもらう事もなかったし、目がこんなんな
る程泣く必要もなかったんだからね!!」
「それには理由があるんだよ!!」
「ほー、理由ですか!!どんな理由なんでしょーかねぇ!?」
キレ過ぎてて、まるでコントみたいな喋り方になっちゃってるけど…この際、しょうがな
いわよね…。
「・・・・・・。」
また、ひとみちゃんは黙ってしまった。
「それにわたし、まだひとみちゃんの気持ちを聞いてないよ!?わたしはちゃんと『世界
で一番好き』って言ったのに!!」
自分で言って思い出した。そう言えばわたし、まだひとみちゃんの気持ちを聞いてないん
だ。
101 名前:第四話 投稿日:2002年08月31日(土)15時25分08秒
「い、言ったじゃん!!一年前から三ヶ月前まで、毎日のよーにっ!!」
「三ヶ月前からは一っっっっ言も聞いてませーーーーーーん!!わたしの聞きたいのは、
ひとみちゃんの『現在の気持ち』!!どうなのよ!!」
目を泳がせてるひとみちゃんに、プレッシャーをかけるようにじーっと見つめる。
 …こんなに強気に出てるけど、これでも内心はハラハラドキドキ。
 …嫌いって言われたら、どうしよう。
102 名前:クロイツ 投稿日:2002年08月31日(土)15時25分40秒


さぁ、どーなっちゃうのかー!!
次回、『吉澤さん・現在の気持ち大暴露』です!!

>ヒトシズク様
 ありがとうございます。
 今回はなんか、喧嘩してるだけのような気がしますが…(汗)。
 がんばりますよ〜♪どうぞよろしく☆

>突然来訪者様
 やったー♪ありがとうございまっす☆
 頑張りまっす!!

>オガマー様
 多分、冷たかった理由は、次回かその次かでわかるハズ!!
 今回も泣いてます、吉澤さん。
 私、カッケー吉澤さんよりこーゆー吉澤さんの方が好みなのかも知れません。
 …でも、最後はカッコよく決める予定ですので。
 よろしくおねがいしまっす。
103 名前:姫子 投稿日:2002年08月31日(土)16時01分57秒
怒鳴りあいながら愛の告白をする二人って新鮮ですね。
でも何気にありそうでおもしろいです。
吉澤さんの事情が気になるなぁ〜。
104 名前:オガマー 投稿日:2002年08月31日(土)18時07分29秒
怒鳴りあってるいしよし萌え(爆
喧嘩するときはこんな感じかも?(w
105 名前:ぷ梨梨 投稿日:2002年08月31日(土)20時00分52秒
なんの気なしに見てたら目に留まり一気に読みました。おもしろい!っていうかほんとわざとらしいくらい
最近のお二人は一緒にいるとこ見掛けません・・・。頑張って下さい。
106 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年08月31日(土)21時42分09秒
おおっ!いしよしケンカですかね?
まぁ、それのほうが面白いですから^^
がんばってください!応援してます!
107 名前:あおのり 投稿日:2002年09月01日(日)00時47分21秒
ありゃりゃ禿げしくやりあっておりますなぁ
ところで『世界で一番好き』って
梨華ちゃんこの修羅場にどさくさにまぎれてなんちゅうーことを言ってるんだか・・・・
ヨスコ羨ますぃ〜!
まあ、夫婦喧嘩は犬も喰わないってことで、暫く私はニヤニヤしながら見てます。
108 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時14分22秒
 内心ハラハラ、でも表面的には強気に。
 とっても疲れる作業だけど、やめるワケにはいかない。
 だってここで内心のハラハラを悟られてしまったら…『振り出しに戻る』だもの!!
 わたしは強気な視線で、じ〜っとひとみちゃんの顔を見つめた。するとひとみちゃんは
たじろいだ表情をして、顔をそらす。
 でも、それは許さない。
 わたしはひとみちゃんの頬袋…いや、ほっぺを両手ではさんで、こっちを向かせた。
「ひ・と・み・ちゃ・ん?」
わざとらしいくらいのチャーミースマイルで脅迫。でも、ひとみちゃんは口を開かない。
 わたしは、ため息をつく。
「…さっきまで、あんな早口でわたしと互角にイロイロな事言ってたのに…どうしてこの
事だけには口を開かないの?」
もう、怒りでも悲しみでもない。呆れに近い感情がわたしを支配している。
 それでも、目の前のひとみちゃんの焦ってる顔にときめいてるし、ひとみちゃんのほっ
ぺにわたしの手が触れてると思うとすっごく嬉しい。
 …そんな自分がちょっと悲しい…。
109 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時14分57秒
「…わかったわ。」
何も言わないひとみちゃんに業を煮やし、わたしはそのままの体制で言った。
「じゃあ、勝手に解釈する事にする。
 ひとみちゃんはもう、わたしの事なんて好きじゃないのね?別れたいと思ってるけど、
口に出せないのね?
 だから、『現在の気持ち』を訊かれると困るのね?」
「違う!それは絶対違う!!」
わたしの言葉が終わるか終わらないかくらいで叫んだひとみちゃんに、わたしはちょっと
びっくりした。
「違うの?」
そう言うと、ひとみちゃんはこくこくこくっと焦って首を縦に振る。
「…じゃあ何なの?三ヶ月前から…どんな理由があって、わたしを避けてたのよ。」
するとひとみちゃんは、また黙ってしまう。
110 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時15分29秒

 …なんか、すっごぉぉぉぉぉくじれったい…。
 わたしの事が嫌いになったワケでも、別れたいワケでもないって事はわかった。それは
すっごく嬉しいし、安心もした。
 でも、こうもじれったいと、なんかすっごいムカついて来る。
 わたしの内心の苛立ちが、ピークに達しそうになった瞬間。
「…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!もうっ!!限界ッ!!ごめんごっちん!!」
ひとみちゃんが雄叫びを上げる。
 そして、強引にわたしを引き寄せて…わたしはひとみちゃんの腕の中に、すっぽりとお
さめられてしまった。
「何なにナニ!?」
混乱するわたし。
 ひさびさの、ひとみちゃんの腕の感触もひとみちゃんの香りも、わたしの混乱を招くだ
け。心臓がばくばく言ってるのは、ときめきのせいだけじゃないかも知れない。
「…梨華ちゃん。」
「うひゃぁっ!?」
そんなわたしの耳元で、ひとみちゃんが囁く。
 あああああ、もう!!驚きとときめきで、心臓が壊れちゃうじゃないのっ!!
111 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時16分06秒
「…現在のあたしの気持ちなんて、決まってるじゃないか。
 好きだよ。大好き。…いや、愛してるんだよ、梨華ちゃん。
 いつだってウチは、梨華ちゃんが好きで好きで好きでたまらないんだ…。」
112 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時16分55秒
わたしの度肝はさらに抜かれた。
「…ふぇ?え?…はい?」
展開についていけなくて、わたしは混乱するばかり。
 今、何て言った?
 …愛してる?
 何を?
 え?わたし?
混乱してるわたしを置いて、ひとみちゃんはどんどん先に進む。
「…だからお願い。あたし以外のひとを、あたしと同じように愛さないで…。
 いや、あたし以外を愛さないでよ、梨華ちゃん…。」
ひとみちゃんのアルトの声が、かすれたようになる。こんな時にこんな事思うのもどーか
と思うけど…すっごいセクシー…。
113 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時17分52秒
 混乱した頭でそんな事を考えていると、ひとみちゃんは無理矢理、わたしを抱き上げた。
 そう、俗に言う『お姫様だっこ』。
混乱してるから、頭がよく働かなくて…されるがままになっていた。でも、ベッドの上に
下ろされて、ひとみちゃんが上に覆いかぶさって来たので…正気に戻る。
「ちょ、ちょぉっ!!ちょっと待ってよ!!何なの、急に!!どうしたのよ!?」
必死で起き上がろうと試みるけど、両腕を押さえられちゃってるから無理だった。ひとみ
ちゃん相手にわたしが腕力で勝利するには、あと十年は山にこもって修行しなき無理みた
い…。
 で、でも、いくらひとみちゃんが好きだからって…こんなワケわかんないまま抱かれる
のは嫌ぁぁぁぁっ!!!
114 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時18分33秒
「梨華ちゃん…」
切なそうな瞳で、更にハスキーな声でそう言われると流されちゃいそうになるけど…で、
でも、女・石川梨華!!こんな勝敗もついてないよーな状況でこんな事になるなんて、わ
たしのプライドが許さないっ!!
「待って、待ってよひとみちゃん!!」
「待てない。」
「まだ、三ヶ月前から冷たい理由を教えてもらってないよ!?」
「終わったら言う。」
「駄目っ!!それじゃ駄目なのぉっ!!」
無駄かも知れないわたしの抵抗を、ひとみちゃんは軽々と押さえ込んで行く。

 だっ、大ピンチ…!!
115 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時19分03秒
 うわーん、助けて安倍さん、保田さぁぁぁぁぁんっ!!
 いや、別に、嫌なワケじゃないのよ?むしろ嬉しいって言うか…。
 でもでも、こんな…こんなワケわかんないままするのは…
だけどひとみちゃんの力は強くて…絶体絶命!!(?)と思った、その時。

 ちゃちゃんちゃ〜んちゃ〜ん、チャ〜ちゃちゃちゃちゃちゃんちゃ〜ん♪

「「・・・・・・。」」
シーンとした二人の間に響き渡る、『Mr.MoonLight』のメロディ。
 …助かった、のかな…?
116 名前:第四話 投稿日:2002年09月01日(日)10時20分05秒
無理強いよしこです。
今回は吉澤さん、泣いてません。
男前に仕上げてみようかと思ったら、こうなりました(笑)。

>姫子様
 ありがとうございます♪夫婦漫才目指してみました(笑)。
 吉澤さんの事情は、多分次くらいに出て来そうです。

>オガマー様
 私の中でのいしよしの喧嘩は、こんな感じなんですよ♪
 楽屋とかで喧嘩始めたら、メンバーは呆れて見てそうですね。

>ぷ梨梨様
 ありごとうございます☆がんばりますね〜!!
 一緒にいるトコ、見かけませんよね…寂しい…。

>ヒトシズク様
 がんばります!!いしよし喧嘩、何気に人気?(笑)
 お互い、相手が愛の告白してる事に気付いてないのがミソです☆

>あおのり様
 見守っていて下さいませ!!
 梨華ちゃん、大胆ですよね(笑)。私だったら言えない〜。
117 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月01日(日)13時55分37秒
面白いですね^^
いや〜・・・たまんないっす^^
続き大期待です^^
更新楽しみに待ってますね!
118 名前:オガマー 投稿日:2002年09月01日(日)17時29分08秒
何なにナに!?
ひとみちゃんは何を考えているんだろう…
気になりますw
119 名前:第四話 投稿日:2002年09月03日(火)20時09分52秒
 『Mr.Moonlight』のメロディは、ひとみちゃんの携帯から流れて来ている。
それは、間違いない。
「…ひとみちゃんの携帯じゃない?」
一応そう言ってみる。するとひとみちゃんは、かかってくる覚えがあるらしくて、こくり
と頷いたんだけど…無視してわたしのTシャツに手をかけた。
「ちょっと、ひとみちゃん!!出ないの!?」
「それ所じゃないし。」
ひとみちゃんがそう言った直後、ひとみちゃんのカバンから携帯が転がり出て来た。
 …まるで、『出ろ』って自己主張してるみたいに…。
心霊現象っぽくて怖過ぎる…。
これにはさすがのひとみちゃんも観念したらしく、わたしの上から降りて電話に出た。
「もしもし。」
ちょっと不機嫌そうなひとみちゃんの声を聞きながら、わたしは脱がされかけたTシャツ
を着なおす。
 …あんなに強引なひとみちゃんは、初めてかも。
 ちょっと怖かったけど、でも…ときめきもした。
 なんか今日は、わたしの知らなかったひとみちゃんの表情をたくさん見られた。…そし
て、その初めて見る表情に全てときめいてしまった。
 やっぱりわたしには、ひとみちゃんしかいないのね。
120 名前:第四話 投稿日:2002年09月03日(火)20時10分29秒

「梨華ちゃん。」
「きゃあっ!?」
いきなり声をかけたられたので、小さく悲鳴を上げてしまった。
 振り返ると、困り顔のひとみちゃん。
「な、何?」
あわてて答えると、ひとみちゃんは携帯を差し出して来た。
「ごっちんが…梨華ちゃんと話したいって。」
電話の相手は、ごっちんだったらしい。
 ちょっと複雑。そう言えばひとみちゃん、さっきわたしに『愛してる』って言ってくれ
た時(正確にはそのちょっと前)、『ごめんごっちん』って言ったのよね…。
 わたしはその気持ちを抱えたまま、電話を耳につけた。
「…もしもし。ごっちん?」
『梨華ちゃんっ!?』
珍しい、ごっちんの焦った声。どうしたんだろう。
『梨華ちゃん、ご、ごめん!!全部ごとーが悪いの!!』
「へ?」
121 名前:第四話 投稿日:2002年09月03日(火)20時11分01秒
『自分の事しか考えられなかった、ごとーが悪かったの!!本当にごめんっ!!』
「はい?」
ワケがわからずきょとんとしていると、ごっちんは電話の向こうで泣き出してしまった。
 な、何なの!?何がごっちんのせいなの!?
「ごっちん?あの、わたし、何がごっちんのせいなんだかわからないんだけど…」
『ごめっ、ごめんね…ホントにごめん…っく…』
それから先は、ほとんど会話にならなかった。
「どうしたの?」
「…どうしよう、ひとみちゃん。ごっちん泣いちゃって…」
すっかり困っていると、電話口のごっちんの泣き声が遠くなる。
 そして、代わりに出たのは…
『もしもし、石川?市井だけど。』
…市井さんだった。
「市井さん!?」
わたしは驚いてひとみちゃんの顔を見たけど…ひとみちゃんは驚いてないみたい。
 …なんで?
122 名前:第四話 投稿日:2002年09月03日(火)20時11分33秒
『後藤は、石川に説明しなきゃいけない事がイロイロあるみたいなんだ。』
「わたしに?説明?ごっちんが?」
『そう…それと、謝らなきゃいけない事もある。…今、どこにいる?』
「わたしの家…マンションですけど。」
『後藤、場所知ってる?』
市井さんの後ろで、ごっちんの「知ってる…」って弱弱しい声が聞こえる。
『それじゃあ、石川。これから私ら、石川ん家行く。良い?』
「はぁ…かまいませんけど…。」
『それじゃ、また後で。』
市井さんのその言葉を最後に、電話は切れた。
「市井さん、何だって?」
「これからウチに来るって…。ねぇ、なんで市井さんが出て来るの?」
わたしの問いに、ひとみちゃんは苦笑いで答えた。
「それは、ごっちん達がここに来てから話すよ。」
 …わたしには、わけがわからない。
 どうなるですかー…?
123 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月03日(火)20時12分15秒
 前々回に、『次の次には、吉澤さんが冷たかった理由がわかる』とか書いたクセに、
理由は次回回しになってしまいました…皆様、ごめんなさいっ(汗)
 何はともあれ、四話終了です。次回から五話です。
 次回こそは、冷たかった理由が出てくるハズです(大汗)。

>ヒトシズク様
 ううう、今回はあんま進まなかったですね〜…ごめんなさいっ!!
 面白いって言って頂けると、すっごく嬉しいです!!ありがとうございます!
 頑張りますね♪

>オガマー様
 ごめんなさいごめんなさいごめんなさい(大汗)。
 ちょっぴり嘘をついてしまいました。今回、まだ冷たかった理由が出て来てません(泣)。
 次回こそ、わかるハズ!!ああああ、見捨てないで下さいませ〜〜〜!!!
124 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月03日(火)20時56分52秒
おおっ!吉澤さんが冷たい理由が・・・・期待してます!
更新楽しみに待ってます!がんばってくださいね!
ホントっ!面白いですから^^
125 名前:オガマー 投稿日:2002年09月04日(水)00時38分53秒
なんかますますよめなくなったよほ(笑
でも、その方がワクワクしますw
続き期待してまっせぃw
126 名前:ぷ梨梨 投稿日:2002年09月05日(木)00時50分25秒
無理せず頑張ってください。
127 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時36分05秒
 電話を切ってから三十分も経たずに、ごっちんと市井さんは家に到着した。
 でも、二人ともなんだか様子が変。
 市井さんはなんだかイラついてる…てゆーか怒ってるみたいだし、ごっちんは真っ青な
顔で黙りこくってるし。そんな二人を前にして、ひとみちゃんも暗く沈んでる。
 ごっちんと市井さんを待っている間に用意したダージリンティーを出す。お茶請けは、
クッキー。
 実はこの紅茶とクッキー、保田さんと安倍さんからのもらいもの。
 紅茶の茶葉は保田さん。クッキーは安倍さん。しかもクッキーは安倍さんお手製。
 今朝、保田さんのお家を出る時に二人から手渡された。

 『圭ちゃんオススメの紅茶の茶葉と、なっちが焼いたクッキーです。
  元気出してね、なっちも圭ちゃんもついてるべさ!梨華ちゃんがハッピーな気持ちに
  なれますように…。 なっち&圭ちゃん』
128 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時36分49秒

 ひっそりと添えられていたメッセージカードの上に踊る、安倍さんの書いた文字。
 わたしの目頭が熱くなる。
 ありがとう、安倍さん…保田さん…。
 今から、この三ヶ月間の決着がつく(はず)。
 このみんなの様子からして、無事に済むとは思えない。
 逃げ出したくなっちゃうけど…でも、向き合わなきゃいけない。だってわたし、何があっ
てもひとみちゃんを諦められそうにないんだもの…。
 だから、安倍さん。そして保田さん。

 わたしに、勇気を下さい。
129 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時37分19秒

 紅茶とクッキーを出して、わたしは席に付いた。
 …ううぅ、空気が重いよぅ…。
「あの、ごっちん?」
わたしは耐え切れなくなって、口を開く。すると市井さんやひとみちゃんまで、ビクっと
なってわたしを見る。
 そのみんなの反応にビビってるわたしに、ごっちんは頭を下げた。
「ごっちん!?」
「ごめん、梨華ちゃん!!ごとー、ホントに自己中だった…自分の事でいっぱいいっぱい
で、梨華ちゃんの気持ち全然考えてなかった!!」
ごっちんの目からは、また涙が流れ始めた。
「あんな事されたら、どんな気持ちになるかなんて…ごとーが一番よくわかってたハズな
のに…それなのに、いちーちゃんに言われるまで気付かなかったなんて…」
「ちょ、ちょっと待ってよ。何の事だか全然わかんないよ。」
わたしの頭に、またしても混乱が訪れる。
 てゆーかわたし、ごっちんに何されたの?
 それすらも全然わからない。
130 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時37分51秒
ごっちんは濡れた瞳で、ひとみちゃんを見る。
「…よしこぉ…よしこもごめん。ごとーが作戦なんて立てなきゃ…」
は?作戦?
「いや…乗ったあたしも悪かったんだよ。」
ひとみちゃんの声にも、元気がない。
 そんな二人を交互に見つめて、わたしは頭上に『?』を飛ばすしかなかった。そんなわ
たしに、市井さんが気付いたらしい。
「ちょっと待った。石川がワケわかってないみたい。吉澤、まだちゃんと石川に説明して
ないの?」
「…はい。」
「じゃあ、一から説明しなきゃじゃん。私はもう後藤からきいてるけど。」
市井さんの声は、ため息混じり。それを聞いて、ごっちんは涙を拭こうともせずに身を乗
り出した。
「あのね、梨華ちゃん。実はごとー…」
「ごっちん待って。ウチから話す。」
頭上だけじゃなく、目の中にも『?』を飛ばし始めたわたしを、ひとみちゃんは正面から
見据える。

 そうして話してくれたのは…とんでもない話だった。
131 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時39分20秒


 話を要約すると、こう。
 わたし達がモーニング娘。に加入する前から、ごっちんは市井さんと付き合っていたら
しい。そんな二人は三ヶ月前、大喧嘩をした。
 理由は、『市井さんは浮気してるかも知れない』と言う事。
 最初はごっちんが一方的に疑って、一方的に怒ってるだけだったんだけど…その内市井
さんの方も『後藤だって、吉澤とか圭ちゃんと仲良いじゃん。後藤は良くて、私は駄目な
ワケ?』とか言い出して、別れる別れないの騒ぎになる程の喧嘩に発展しちゃったんだそ
うだ。
 そして、決着がつかないまま、その日はそれぞれ帰宅。家に着いたごっちんは、親友で
あるひとみちゃんに電話をして、一切合切ブチまけたらしい。
 …と、ここまではわかるのよ。
 とんでもないのは、ここから先。
132 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時39分50秒
 ひとみちゃんに全てブチまけたごっちんだったけど、怒りは収まらない。でも、市井さ
んを他人に取られるのは絶対に嫌。できれば市井さんの方から謝って来て欲しいと思った。
そこで、ひとみちゃんにとある計画を持ちかけた。

 作戦名は『後藤、本当に吉澤と…!?駄目だ、後藤は私のモノだ!!うん、そーだよ♪
ごとーはいちーちゃんのモノ☆…だからもう二度と放さないでね?もちろんだとも!大作
戦』。

 …作戦名で作戦内容丸わかりな気もするけど、一応解説すると…ひとみちゃんと急接近
して、市井さんの嫉妬心を煽るって作戦らしい。向こうから謝ってもらえるし、前よりも
ラブラブになれるし、一石二鳥だと思ったんだって。
 つつがなく実行されるハズだったこの作戦だけど、問題が一つ。ひとみちゃんには、わ
たしと言う恋人がいるって事。これは市井さんも知ってた。
 この作戦を成功させる為には、市井さんに『吉澤も石川とうまく行ってないみたい』っ
て言うのを印象付けなきゃいけなかった。
 それでひとみちゃんは、三ヶ月前からいきなりわたしに冷たくなったんだそうだ。
133 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時41分02秒

 「そ、そんな…!!そんな勝手な…!!」
わたしはショックで、頭がクラクラして来た…。
「…ごめん、梨華ちゃん。ウチもあんまりよく考えないで、ごっちんの作戦に乗っちゃっ
て…。」
心底申し訳なさそうなひとみちゃん。その顔に、無条件で許したくなっちゃったけど…で
も、ココで無条件に許しちゃ駄目だわ!!
「…さ、三ヶ月前からいきなり冷たくなった理由は、わかったわ…。」
まだ、頭はクラクラしてる。
「わかったけど…それならそれで、わたしに一言言ってくれれば良かったじゃない。『こ
う言う作戦があるから、しばらく避けるね』みたいに。」
そうすればわたし、あそこまで追い詰められなかったのに…。
134 名前:第五話 投稿日:2002年09月05日(木)14時41分41秒
「ごめん。よしこはそうしようって言ったんだけど、ごとーが止めたの!!」
「えぇ!?」
「だって梨華ちゃん、嘘とか吐けなさそうだったし…もしもいちーちゃんが梨華ちゃんに
接触したりしたら、計画がバレちゃうと思って…。」
み、身勝手…!身勝手過ぎるわ、ごっちん…!!
 でも、ごっちんの顔は本気で苦しそう。本気で反省してるみたいで、叱られた小学生み
たいに青い顔して俯いてる。
 ううう…憎み切れない…。
 てゆーか実は、全然腹が立たない。『怒り』って感情がわいてこない。
 …なんでだろう?
135 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月05日(木)14時42分12秒

よーやく明らかになりましたね〜、ヨッスィーの理由。
遅くなりまして、申し訳ございません(汗)。

>ヒトシズク様
 ご期待に沿えたでしょうか?
 『意外性』を追求したあまりに、こんな事になってしまいました(汗)

>オガマー様
 よーやく…よーやく出せました、理由…。お待たせしてしまって、申し訳ありません。
 ご期待に沿えたかどうか、心配です。

>ぷ梨梨様
 ありがとうございまっす♪
 ちょっと悩みましたが、よーやく『理由』が書けました☆
136 名前:とみこ 投稿日:2002年09月05日(木)16時31分33秒
梨華ちゃんショックですね〜。
ごっちんは天然ですか?(w
そしてのっちゃうよしこもよしこですが・・^^;
がんがってください。
137 名前:オガマー 投稿日:2002年09月05日(木)23時27分24秒
作戦名、めちゃ笑ったw
大丈夫ですよ(w
充分、期待に添えております。
138 名前:あおのり 投稿日:2002年09月06日(金)01時06分38秒
なるほどヨスコそういう訳だったのねって、ヲイ!
あまりのごっちんの滅茶苦茶ぶりに笑ってしまいますた。
それだけテンパッてたごっちんかわいいです。
それいじょうにあっさり許してしまう梨華ちゃんもかわいい。

梨華ちゃんこのままヨスコを許しちゃダメですよ。
何かお仕置きしないとね。(w
139 名前:第五話 投稿日:2002年09月06日(金)15時43分53秒
なんか、腹が立たずに逆に笑えて来ちゃう。
でも、こんなに反省してくれてるごっちんを前にして大爆笑するのは失礼よね。
どう反応して良いかわからず困っていると、市井さんは苦笑して話し出した。
「でもさぁ、正直ビビったよ。圭ちゃんから電話もらった時は。」
「…保田さん?」
「そう、圭ちゃん。」
市井さんはカップに口をつけて、ダージリンティーを一口飲む。
「今朝、圭ちゃんから電話があったんだ。
 『昨夜から石川が家に来て泣いてる。原因は吉澤と後藤。…アンタと喧嘩した後藤が、
吉澤を巻き込んでるみたいよ。傍迷惑だから、サッサとアンタから折れなさい』
 ってね。」
市井さんが発した保田さんの言葉は、モノマネ付きだった。
 …に、似てる…!!
140 名前:第五話 投稿日:2002年09月06日(金)15時44分40秒
「…って事は圭ちゃん、ごとーといちーちゃんが喧嘩してた事、知ってたの!?」
「そりゃーもう。後藤が吉澤に全部ブチまけたと同じように、私も圭ちゃんに全部ブチま
けたからね。」
…み、みんな…。
友達に心配かけたくない、とか思わないの!?
わたしは今回の事、保田さん以外には誰にも相談しなかったのに…。
 なんか、損した気分。
 どーせだったら柴っちゃんにでもブチまけるんだった…。
そんなわたしを無視して、市井さんは続ける。
「…それで今日、私も午後からはオフだったから、後藤の家に行って話をして、この作戦
が露見したってワケだ。」
「…ごめんなさい…。」
完全な涙声のごっちん。
141 名前:第五話 投稿日:2002年09月06日(金)15時45分12秒
「い、いちーちゃんが浮気してるって…思って、ごとー…テンパっちゃって…。自分の事
以外考えられなくなっちゃって、こんな事しちゃったけど…
 でも、梨華ちゃんだって辛かったよね?ごとーのせいで…。
 ダイスキなヒトが、自分以外のヒトと…その、そーゆー事してるって思うだけで、胸が
張り裂けそうになる気持ち、ごとー…ごとーが一番良くわかってたハズなのに…!!」
ごっちんの声は、だんだんしゃくりあげるようになって行く。
「な、殴ってくれて良いよ、梨華ちゃん。ごとーはそれだけの事したんだ…。」
「待ってよごっちん!梨華ちゃんに殴られるとしたらウチの方だよ!!」
「でも、首謀者はごとーだもん!!」
「いや、あたしが乗らなければ良かった話なんだし…」
「二人とも、落ち着いて!!」
わたしが叫ぶと、二人とも仲良く黙る。
「もうっ!なんで、わたしが誰か殴るって事で話が進んでるのよ!
 わたしは誰も殴らないし、怒ってもいないよ。」
「「「へ?」」」
聞き返す声は、三人同時だった。
142 名前:第五話 投稿日:2002年09月06日(金)15時45分45秒
「だからぁ、怒ってないの。腹が立ってないの、わたし。
 …もしかしたら、昨夜保田さんになぐさめてもらったせいかも知れない。」
ひとみちゃんの顔色が、さぁぁぁぁっと青くなって行く。
 どんな事考えてるのか知らないけど、わたしの思惑通りに誤解してくれてるみたい。
 ふん!!ごっちんの計画に乗った罰よ!本来なら、『やりたくない』って言わなきゃい
けない立場だったんだから!!
「とにかく、ごっちん。ごっちんの気持ちはわからなくもないし、許してあげる。ただ、
欲を言えば…もうそんな作戦立てないで欲しいけど。」
「もうしない!絶対!!ほ、本当にごめんね…梨華ちゃん…。」
ごっちんは両手で顔を覆って、大泣きし始めた。
 そんなごっちんを、市井さんが優しく抱きしめる。
143 名前:第五話 投稿日:2002年09月06日(金)15時46分25秒
「…圭ちゃんにも言われたけど…もともとは私が悪かったんだよな。
 後藤が寂しがり屋だって事、ちゃんと知ってたハズなのに…後藤以外のヤツと必要以上
に仲良くしたりして…。
 でも私、後藤だけだからなっ!浮気なんてしてないぞ!!」
「い、いちーちゃぁぁぁぁぁんっ!!!」
 …どうやらこっちは、ハッピーエンドになってくれたみたい。
 こっちは、まだ片付いてないみたいだけどね。
 ちらりとひとみちゃんを見てみれば、ものすご〜く青い顔をしていた。
 きっと頭の中で、わたしと保田さんの関係を疑ってるんだろうなぁ。
 保田さんオススメのダージリンティーをすすりながら、わたしは心の中でため息をつい
た。
144 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月06日(金)15時46分57秒

 梨華ちゃん、反撃開始(笑)!!
 ごっちんに対しては腹を立ててない梨華ちゃんですが、ヨッスィーに対してははらわた
煮えくり返ってます。

>とみこ様
 ごっちん、いっぱいいっぱい過ぎました。悪気ナッシングです(笑)
 乗っちゃうよしこにも、実はちょっと理由があったりします。
 多分、次回出てくるかと。

>オガマー様
 作戦名、悩みました。
 長すぎるんじゃないかと(笑)
 笑って頂けて…うれすぃ〜です。

>あおのり様
 まだ、ヨッスィーには理由があるんですねぇ〜♪
 ごっちんは許したけど、ヨッスィーは…?
 お仕置き…ナイスアイデア♪どうしましょうかねぇ☆
145 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月06日(金)21時31分29秒
おおっ!?梨華ちゃん反撃しだしましたね(笑。
すんごぉい楽しみです。
更新楽しみにしてます!がんばってくださいね!
146 名前:あおのり 投稿日:2002年09月07日(土)00時04分39秒
お仕置き!お仕置き!
ワクワクワクワク
147 名前:オガマー 投稿日:2002年09月07日(土)01時26分43秒
(゚∀゚)イイ!
ちょっと強気な梨華たん萌えw
148 名前:第五話 投稿日:2002年09月07日(土)14時14分01秒
 ごっちんと市井さんは、仲良く手をつないで帰って行った。
 帰り際の、その幸せそうな顔ったら…もう、うらやましいくらいだった。
 よかったね、ごっちん。
 三ヶ月間も頑張った甲斐があったよね。
 ごっちんもわたしと同じだったんだと思う。市井さんに浮気されてるって思い込んで、
嫉妬と不安で胸を痛めて…。
 わたしと違ったのは、性格だろうな。わたしは一人でうじうじ悩むしかなかったけど、
ごっちんは前向きだったんだよね。
 そう考えるとごっちんってば可愛い♪
「…梨華ちゃん…。」
いまだに青い顔をしているひとみちゃんに呼ばれて、振り返る。
「何?」
「や、保田さんと…保田さんと何にもなかったんだよね!?梨華ちゃん、そう言ってたよ
ね!?ただ、悩み相談してただけなんだよね!?」
ちょっと震えてるみたいなひとみちゃん。
149 名前:第五話 投稿日:2002年09月07日(土)14時14分33秒
 …そう、ごっちんは良いのよ。気持ちはわかるし。
 でも、ひとみちゃんは良くない。
わたしは安倍さんの手作りクッキーを口に放り込み、ゆっくりと噛み砕く。程よい甘さが
たまらなく美味しい。作った人の暖かい性格が、そのまま味に出てるみたい。
 こくん、と飲み込んだ後に、取って置きのチャーミースマイルで答えた。
「ナイショ♪」
「梨華ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」
…情けない顔…。しかも瞳には涙も浮かんでいる。
 ま、その顔が見られただけでも十分だわ。
「冗談よ。」
ひとみちゃんの口に、クッキーを一枚放り込む。
「保田さんとは、本当に何もありませんでした。わたしの言葉で納得できないなら、安倍
さんにきいてみれば良いわ。」
その言葉に、ひとみちゃんの顔色が戻って来る。
 でも、わたしの怒りが収まったワケじゃないのよ、ひとみちゃん?
 そこの所、ちゃんとわかってる?
150 名前:第五話 投稿日:2002年09月07日(土)14時15分03秒
「…それで、ひとみちゃん。さっきはごっちんと市井さんがいたからあんまり訊かなかっ
たけど…」
わたしは、ひとみちゃんのティーカップに紅茶を注ぎ足しながら、真顔で訊いた。
「なんで、ごっちんの計画に乗ったの?」
「そ、それは…さっきも言ったけど、あんまよく考えてなくて…」
「それだけじゃないでしょ?」
「う…。」
あからさまに目が泳ぐひとみちゃん。
 やっぱり!!
「ひとみちゃんが、本当は全然関係ないのに市井さんに喧嘩売るなんて、できるワケない
じゃない。」
「・・・・・・。」
ひとみちゃんは、がくっとうなだれた。
「白状しなさい?じゃないと…」
ひとみちゃんをビシィっと指差す。
「これから二週間、わたしには指一本触れさせないわよ?」
「い、いいいい言いますっ!!それだけは勘弁っ!!」
 よろしい。
151 名前:第五話 投稿日:2002年09月07日(土)14時15分34秒
 ひとみちゃんは、気まずそうに目線をそらしてぽつぽつ話し出した。
「…あんまり考えてなかった、ってのも本当にあるんだけど…でも、あたしは最初はごっ
ちんを止めようと思ってたんだ。だけど…」
「だけど?」
「…梨華ちゃんが、嫉妬してくれるかな〜…って…。」
「はぁ!?」
「…梨華ちゃんを避けて、ごっちんと一緒にいたら…梨華ちゃんは妬いてくれるかな?と
期待して…」
「なにそれ!!」
煮えくり返ったはらわたが、更に煮え立つ。
「ごめんなさいっ!!試そうとか考えてましたぁ!!」
手を合わせて、頭を下げる。
 …な、なんて事…!試されてただなんて…!!
「た、試したいのは、こっちの方よ!!」
「へ?」
152 名前:第五話 投稿日:2002年09月07日(土)14時16分37秒
ひとみちゃんの間抜けな顔を前に、わたしの目からは涙が流れる。
「ひとみちゃんに出会ってから今まで、わたしが嫉妬しなかった日があるとでも思ってる
の!?」
流れ落ちる涙を、手の甲でぐいっとぬぐう。
…ああ、更に目が腫れそう…。
「誰にでも優しくて、誰にでもすぐ『愛してるよ』とか言うし!!」
「梨華ちゃ…」
「ひとみちゃんの恋人になれたのは、ごっちんや矢口さんや…他の人の誰よりも早く出会
えてたからで、もしかしたらわたしじゃなくても良かったんじゃないかな?とか…」
「そんな…。」
「本当はもう飽きられてるんじゃないかな?とか、いっつも不安だったんだから!」
ぐし、ともう一回涙をぬぐう。
「だけどわたしは…そんな試すような事したら嫌われちゃうと思って、できないでいたの
に…それなのに!ひとみちゃんは、そ、そんなに簡単に…!!」
153 名前:第五話 投稿日:2002年09月07日(土)14時17分07秒
「梨華ちゃん…。」
ひとみちゃんが、わたしの涙をぬぐおうと手を伸ばして来るけど…わたしはその手を拒む。
「触らないで!…黙って、そのまま見てて。」
 そう、これはお仕置き。
 なぐさめさせてなんか、あげないんだから!!
 案の定、ひとみちゃんはつらそうな顔でわたしを見てる。
 わたしはあんなに傷付いたんだから、そんなに簡単に許してあげないんだからね!!
154 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月07日(土)14時17分39秒

五話終了〜。
次回からは最終話に突入です。

>ヒトシズク様
 お仕置きお仕置き〜♪まだ続きます☆
 怒った梨華ちゃんは怖いのれす。

>あおのり様
 うっふふふふふふ☆
 彼女のお仕置きはきっと、よしこさんには大打撃となるでしょう♪

>オガマー様
 萌えて頂けて、うれしいです♪
 強気な彼女は無敵です!!
155 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月07日(土)14時23分55秒
お仕置きおもしろすぎです(笑。
笑いが止まりません。
更新楽しみに待ってます!がんばってくださいね!
156 名前:オガマー 投稿日:2002年09月08日(日)03時57分01秒
梨華たん、目痛そうで心配です...
なんかかぁいいなぁw
じゃれてる一部って感じがw
157 名前:あおのり 投稿日:2002年09月08日(日)07時33分09秒
あ〜自分がまいた種とはいえ、これはかなり辛そう。
これが一番効果的なお仕置きかも。
でも「待て!」ヨスコちょっとかわいい・・・
ヨスコ!よだれよだれ!(w
158 名前:最終話 投稿日:2002年09月09日(月)10時36分45秒
 ひとみちゃんが、わたしを想ってくれてる。
 以前のわたしだったら、それで十分だった。
 例えそれが、わたしの抱えてる想いよりよりも少なくても、気持ちがこっちを向いてい
てくれさえすれば、それで良かった。
 でも、現在はそうじゃない。
 わたしだけを見てほしい。
 わたしがあなたを想うのと同じくらい、わたしを想ってほしい。
 だってわたし、あなたが大好きなんだもん。愛してるんだもん。
 人間は、欲深い生き物なの。
 だから、これから先もわたしの望みは成長し続ける。
 あなたはそれでも、わたしを想ってくれる?
159 名前:最終話 投稿日:2002年09月09日(月)10時37分15秒

「…うっく、ふぇ…」
子供みたいな泣き方で、泣き続けるわたし。
手の甲で目をふさいでしまっているから、ひとみちゃんがどんな顔をしているのかは見え
ない。
 てゆーか、見るのが怖い。
 さっきまでは辛そうな顔してくれてたけど…今は?まだ、辛そうな顔しててくれてる?
 ひとみちゃんの顔を見るのが怖い。
 面倒くさそうな顔してたらどうしよう?
 うんざりした顔してたらどうしよう?
 それならまだしも…もうそこにはいなかったりして…?
色々な可能性(しかもネガティブなのばっかり)が頭の中を駆け巡る。
「もう、嫌ぁ…。」
「何が、嫌なの?」
即座に返って来る、あなたの声。
 ああ、そこにいてくれてるのね?逃げたりはしてないのね?
160 名前:最終話 投稿日:2002年09月09日(月)10時37分46秒
ちょっと安心したけど…その平坦な口調に、ちょっと傷付く。
 わたしが目の前で泣いてても、冷静でいられるの?
 あなたの想いは、その程度のものだったの?
「わ、わた、しばっか…り…。」
しゃくりあげちゃってるから、喋りにくい。
もしかしたらコレ、お仕置きになってないんじゃないかしら?わたしが辛いだけなんじゃ
ないかな?
 だとしたら…意味ないじゃない…。
 だったら…もう良い。ひとみちゃんに抱きつきたい。さっきは混乱の為にあんまり味わ
えなかったひとみちゃんの感触を味わいながら、なぐさめてもらいたい。
 だけど、わたしは…信じたいの。
 あなたの想いが、そんなに弱いものじゃないって。
 だから、これは『賭け』。
 こう言ったらあなたは、どんな反応をする?

「わたしばっかり、ひとみちゃんが好きなのは、もう嫌なのぉ…。」

 サイは、振られた。
161 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月09日(月)10時38分16秒


始まりました、最終話!!
予定としては…あと一回か二回です。
で、その後…ちょっとイロイロ考えてマス☆

>ヒトシズク様
 おもしろいですか〜♪ヨカッタ。
 でも、梨華ちゃんの中では『大いなる賭け』です。
 ネガティブ石川、かなり好きなんです、私…。

>オガマー様
 これは痛いですね。
 私も昔、こーゆー泣き方した事ありますが…目の腫れは二日間くらい続きました(汗)

>あおのり様
 ど〜なんでしょうねぇ〜。
 効果アリですか?よしこさん、どんな顔してるのか?
 そのあたりで、勝敗が決まりますね♪
 ど〜なっちゃうのかっ!?
162 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月09日(月)20時52分02秒
面白い^^マジで面白すぎですっ^^
「大いなる賭け」楽しんでます^^いや〜よしこ、どんな顔してるんでしょうかね?
私もネガティブ石川好きです^^
続き楽しみにしてます!がんばってくださいね!
163 名前:あおのり 投稿日:2002年09月10日(火)00時00分37秒
「わたしばっかり、ひとみちゃんが好きなのは、もう嫌なのぉ…。」

そのお言葉だけでおなかイパーイです。
164 名前:最終話 投稿日:2002年09月10日(火)14時00分34秒

 それでもわたしを好きだと言ってくれれば、勝ち。
 これであなたが離れて行ってしまったら、負け。
「・・・・・・。」
ひとみちゃんは黙ったまま。
 駄目なのかな?わたし、重すぎる?
 だけど、そんなわたしも愛してほしい。
 そんなに軽い関係じゃなかったはず。
 女の子同士だし、しかもわたし達は有名人同士でもある。おおっぴらにデートしたり、
お互いの両親に紹介しあったり、娘。のメンバーにすら関係を知らせる事はできなかった。
 でも、だからこそ普通のカップルよりも強い結びつきができたよね?
 そう思ってたのは、わたしだけじゃないよね?
 お願い。
 そうだと、信じさせて。
 祈るような気持ちのわたし。体が震えてるのがわかる。
「…ぶっ。」
165 名前:最終話 投稿日:2002年09月10日(火)14時01分04秒

 へ?
 何?今の…。
「ぶはっ…う、うっはははははははははははは!!!!!」
一瞬、空耳かと思ったけど…これはそうじゃないみたい。ひとみちゃんの大爆笑が響いて来
た。
 驚いて顔を上げると、お腹をかかえて笑っているひとみちゃんの姿が。
「…な、何で笑うの!?」
「あははははは!!ご、ごめっ、だ、だって…うっははははははははは!!!」
「笑わないでよ!!」
「ごめんってば〜!!で、でも、だってさぁ、くっ…あははははははっ!!!」
怒るわたしに、笑うひとみちゃん。
 …ハタから見たら、かなり変な状況よね。コレ。
 でも、笑うひとみちゃんに、腹が立ってくる。
 何で笑うのよ!!こっちは真剣なんだから!!それに、わたしの全てを賭けてると言って
も過言じゃない『賭け』の真っ最中に爆笑するとは、何事!?
「もう!わーらーうーなぁぁぁぁぁっ!!」
「あっはははははははは!!」
このやりとりは、しばらく続いた…。
166 名前:最終話 投稿日:2002年09月10日(火)14時01分41秒


しばらくして、ひとみちゃんの笑いが収まると…わたしはまた、紅茶をいれなおした。今度
はロイヤルミルクティー。
「…は〜、笑った笑った。こんなに笑ったの、久しぶりだよ。」
キッチンに立つわたしの背後で、ひとみちゃんが言う。
「・・・・・・。」
「…梨華ちゃ〜ん、怒んないでよ〜。」
「・・・・・・。」
意地でも、返事なんかしてやらないんだから!!
それでもミルクティーは二人分いれちゃうわたしは、甘いのかしら…?
で、でも、口はきいてやらない!!
 だって普通、あんな緊迫した場面で笑う!?あんな大爆笑する!?もう、信じらんない!
「・・・・・・。」
ちょっと乱暴に、ひとみちゃんの前にマグカップを置く。
「おっ、ありがと〜。あたしコレ好きなんだよ〜。」
知ってます。
「久々だね、梨華ちゃんのミルクティー飲めるのは。」
ひとの気も知らないで!!
167 名前:最終話 投稿日:2002年09月10日(火)14時02分11秒
 実はわたし、ロイヤルミルクティーをいれるのは三ヶ月ぶりだったりする。
 ひとみちゃんが冷たかった間は、なんとなくいれられなかった。
「う〜ん、おいすぃ〜。」
「…そりゃどーも。」
「お、ようやく喋ってくれたね。」
「・・・・・・。」
わたしはぷいっとそっぽを向いた。
「…ところでさぁ。」
ひとみちゃんは、ことっとカップを置いた。
「梨華ちゃんばっか、あたしを好きだって?」
「・・・・・・。」
大爆笑したクセに、そんな真顔でその話を振って来ないでよ!
 ああ、わたしの気持ちは、また宙ぶらりんに戻るのね…。
「そんな事、梨華ちゃんが考えてるとは思わなかったよ。」
 そうでしょうとも。

「てゆーかアレ、あたしの台詞だっての。」

 ・・・・・・。
168 名前:最終話 投稿日:2002年09月10日(火)14時02分43秒
「はぁ!?」
「だから、あたしの台詞。」
「何が!?」
ひとみちゃんはひとつ咳払いをして、真剣な顔で言った。

「あたしばっか、梨華ちゃんが好きみたいで、嫌だっつーの。」

 わたしは、口をぽっかりと開けて絶句するしかなかった。
169 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月10日(火)14時03分16秒

更新終了〜。
次回、最終回でっす☆
その後、ヨッスィー視点の話が始まる予定です♪
話の中にある矛盾点が、解消される…かも?(←オイ)

>ヒトシズク様
 おもしろいだなんて…ありがとうございまっす♪うれすぃ〜です☆
 ヨッスィーの表情も気になるけど、それ以上に梨華ちゃんの目の腫れが痛々しいです(笑)。
 なかなか直らないんだよなぁ、ここまで来ると…(汗)。

>あおのり様
 次回、最終話で決着がつくこの試合(笑)、次回はヨッスィーもお腹いっぱいにさせてくれる
事でしょう(多分)。
170 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月10日(火)19時55分59秒
ホント面白すぎです^^いや〜・・・ハマっちゃいました^^
梨華ちゃんの目の腫れ、想像するとなぜか笑えてきます^^
ま、痛々しいですけど。。。腫れが治ってくれますように祈ってます(笑。
それでは、次の更新を楽しみにしてますね!
171 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時17分08秒
「あたしは、梨華ちゃんなしでは生きていけない。」
好きで好きでたまらないひとにこう言われて、ときめかない人なんているのかな?わたし
も例にもれず、自分でも信じられないくらいときめいてしまった。
「…でも、梨華ちゃんはそうじゃない。きっとあたしがいなくても生きて行ける。」
「そ、そんな事…」
「ない、とは思えないんだよ。」
ひとみちゃんの顔が、苦しそうにゆがむ。
「この三ヶ月間、梨華ちゃん…あたしが側にいないのに笑ってた。元気にしてた。」
ひとみちゃんの手の中で、マグカップが小刻みに揺れる。
「…くやしいよ。あたしはこんなに好きなのに…」
「わたしだって!」
耐え切れなくなって、叫んでしまった。
「わたしだって、ひとみちゃんなしでは生きて行けないもん!!
 …この三ヶ月間、わたしすっごい無理してたの!!」
どうして涙ってなくならないんだろう?
わたしはまた、涙がこみ上げて来るのを感じた。
172 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時17分41秒
「ひとみちゃんに嫌われたくなくて…『重い』って思われたくなくて、無理してたの!!
…本当は、辛かった…辛くて辛くて、壊れちゃいそうだった!!」
「梨華ちゃん…」
「保田さんに相談したのは、この事なの。」
「…へぇ。」
あからさまに不機嫌そうな声。
「…あのさ。」
ひとみちゃんは真剣そのものの顔で、わたしに言った。
「この三ヶ月間で、思い知ったんだ。」
「え?」
「やっぱりあたし、梨華ちゃんが側にいないと駄目だ。」
ああ、真剣な顔でそんな事言われたら…心臓が壊れちゃうよぉ。
「梨華ちゃんがどれくらい、あたしの事好きでもかまわない。」
口を開きかけたけど、ひとみちゃんの大きな目に捉えられて動けない。

「お願い、あたしの側にいて。」
173 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時18分16秒

 また、涙が流れ始める。もう止まりそうにないってくらいに。
 そんなわたしを前にして、ひとみちゃんはすごく辛そうな顔。…そうだ、何か言わな
きゃ…。でも、声が出ない。
 するとひとみちゃんは席を立って、わたしの横に立った。
「…もし、あたしの事が好きで…側にいてくれるなら…梨華ちゃん。
 なぐさめさせて…?」
 …そう言えばわたし、ひとみちゃんに『なぐさめ禁止令』出してたんだっけ。だから
見てるだけだったのね…律儀なんだから。
 わたしはすっと立って…ひとみちゃんに抱きついた。

「…大好き。こっちこそ、側にいさせて…?」
174 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時18分48秒

 ぎゅっと抱きつくと、ひとみちゃんは恐る恐るわたしの背中に手を回した。
 ひとみちゃんの香り、ひとみちゃんの腕の感触、ひとみちゃんのぬくもり…。
 それらを感じながら、わたしは言った。
「でも、ひとみちゃん。わたしの方が絶対『好き』の量は多いよ?」
「そんな事ないよ!絶対、あたしの方が多い。」
「違うもん!わたしの方が多いもん!」
至近距離でひとみちゃんの顔を見ながら、言う。
「わたしは、たとえひとみちゃんと同じ顔したひとに『好きだ』って言われても、それ
がひとみちゃんじゃないならときめかない。
 もし、ひとみちゃんが事故とかで身体が動かなくなっちゃっても、愛し続けられる。」
ひとみちゃんは、すごく驚いた顔をしていた。
「愛してるよ、ひとみちゃん。ひとみちゃんがひとみちゃんである限り、わたしはひと
みちゃんを愛してます。」
 するとひとみちゃんは、ぎゅううううっとわたしを抱きしめて…震える声でこう言っ
た。
「…ずるいなぁ、梨華ちゃん。梨華ちゃんはいっつもフライングなんだよ。」
175 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時19分20秒
「えぇ!?」
「さっきの『わたしばっかりひとみちゃんを好きで…』ってヤツも、今の言葉も…
 一年前の告白も。
 あたしから言おうと思ったのに、先に言っちゃうんだもん。」
「…うそ…!」
「本当だよ。」
ひとみちゃんにあずけた身体が、ちょっと震える。
「初めて会った時に一目惚れして…それ以来、梨華ちゃんに会う度、梨華ちゃんを知る
度に、どんどん好きになって行った。」
ひとみちゃんは耳元で、囁くように言う。
176 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時19分50秒

「愛してるよ、梨華ちゃん…。
 もう、梨華ちゃん以外の人に触れたいなんて思えない。
 抱きしめたり手をつないだりは、梨華ちゃん以外の人と進んでしたいなんて思えない。
 本気で『愛してる』なんて言えるのは、梨華ちゃん以外にいない。
 どこにいても、何をしてても梨華ちゃんの事が頭から離れないんだ。
 愛してるよ、梨華ちゃん。
 もう、絶対離したくない…。」
177 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時20分22秒

 …こんな事って、あるんだろうか?
 望みが…ワガママ過ぎるわたしの望み。
 それが全て…叶っちゃった…。
「ひ、ひとみちゃん…!!」
うるんだ瞳のわたしに、ひとみちゃんはそっとキスをする。
 優しい優しい、確かめるようなキス。
「…良い?」
この言葉をきくのも久しぶり。
前まではこくん、と頷くだけのわたしだったけど…今日のわたしは、ちょっと違う。
「…良いよ。わ、わたしも…ひとみちゃんが、欲しいな。」
178 名前:最終話 投稿日:2002年09月12日(木)13時20分53秒
か、顔から火が出そう…。
 ちらりとひとみちゃんの顔を見れば、またまたすごーく驚いた顔。でもすぐに、笑顔
に変わる。
「初めてだね、そんな風に言ってくれたの。ウチ、そんな事言われちゃったら…止まれ
ないよ?」
そう言ったひとみちゃんの顔は、すっごく色っぽくて…わたしの胸は、どきどきと激し
く打ち始めた。
 それを伝えたくて…わたしはひとみちゃんの唇に、自分からくちづけた。

 …こ、ここから先の事は…内緒ッ!!
 恥ずかしすぎて、わたしには言えないッ!!
179 名前:エピローグ 投稿日:2002年09月12日(木)13時21分25秒

「っぎゃ────────────────────────ッッッ!!!」
わたしの顔を見るなり、マネージャーは絶叫した。
 そりゃそうよね。これから収録だって言うのに、こんな腫れた目してるんだもん。
「い、石川ッ!!何なのその目ッ!!昨日何があったの!?」
飯田さんも焦ってる。
「…コレもうメイクで誤魔化せる範囲は超えてるね…。」
矢口さんは呆れ顔。
「でも梨華ちゃんは、目ぇ腫れてても可愛いよ。」
「やだぁ、ひとみちゃんってばぁ!」
しっかり手をつないでるわたしたちに、周囲は冷たい視線を向けて来てるけど…そんな
の全然気になんな〜い♪
 そんな冷たい視線の中で、保田さんと安倍さんだけは微笑んでくれてる。
 お二人とも、本当にありがとうございましたっ!!
180 名前:エピローグ 投稿日:2002年09月12日(木)13時21分57秒

 マネージャーが顔面蒼白になりながら、氷をくれた。
 わたしはその氷を、じっくりとまぶたにつける。
「…妬けるなぁ。」
「へ?何に?」
隣で雑誌を見ていたひとみちゃんは、まぶたの上の氷をどかせて…やさしくキスした。
「梨華ちゃんに触れて良いのは、あたしだけなんだぞー。」
「…氷相手に、何言ってるのよ…。」
「だってさぁ…」
今度はまぶたにキス。
 ああ、幸せ。
 冷たい視線は増えてるけど、かまわない。
 わたしはひとみちゃんのもの。そしてひとみちゃんは、わたしのものなんだから!
「…大丈夫。わたしが愛してるのは、ひとみちゃんだけだから。」
「うれすぃ〜。あたしもだよ、梨華ちゃ〜ん!!」
181 名前:エピローグ 投稿日:2002年09月12日(木)13時22分31秒

「やかましいっ!!」
飯田さんの厳しい声が飛ぶ。
「ったく、このバカップルは…!」
「きゃぁぁぁぁ!!いや〜ん、バカップルだなんてぇ〜!!」
「…圭織。何言っても喜ばせるだけだから。放置しとこう。」
「…そうだね、矢口…。」
 ひとみちゃんも、ののとあいぼんに何か言われて喜んでるみたい。
 わたしは、しっかりとつながれた手を見て…望みが叶った幸せを、しっかりとかみ
しめるのでした♪

              おわり。
182 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月12日(木)13時23分03秒

 はい、梨華ちゃん視点、完結でっす♪
 意外性を貫こうとがんばってみたのですが、いかがでしたでしょうか?
 つたない私の小説をここまで読んで下さって、本当にありがとうございます!!

 そして、次からはヨッスィー視点の『あたしの望み。』を始めようと思います。
 こっちは、ギャグに近いです。
 がんばりますので、そうぞこちらもよろしくお願いします!!

>ヒトシズク様
 そう言って頂けると、すっごい嬉しいです!!ありがとうございます!!
 ヨッスィー視点も頑張りますので、どうぞよろしく!!
 …腫れ、なおらなかったみたいですね(笑)。
183 名前:未唯 亮 投稿日:2002年09月12日(木)15時27分35秒
くっはぁぁぁ〜・・・
更新そして、『わたしの望み』完結お疲れ様です!
かなり感動しました!最初はハラハラドキドキして、どーなる
んだろうって心配してたんですけど、ラストはもう・・・たま
んなかったです(涙)梨華ちゃんとよっすぃ〜二人の気持ちが
通じ合ってよかったです〜。ホント感動しました!!
そして・・・例のあのシーン。よっすぃ〜視点で明かされるの
でしょうか?(笑)
まぁとにかく、梨華ちゃん視点完結お疲れ様です!よっすぃ〜視点
がんばって下さい!!
184 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月12日(木)21時27分31秒
うおぉぉぉぉ!!!
完結お疲れ様です!
もう、最後までドキドキ、ワクワクさせてもらいました。ありがとうございます!
よっすぃ〜視点楽しみに待ってます。
腫れ、治らなかったですね。。。ま、そこも面白かったですから^^
それでは、更新楽しみに待ってます^^
185 名前:あおのり 投稿日:2002年09月13日(金)15時04分43秒
梨華ちゃん視点編完結乙彼様です。
バカップル復活で私も涙涙でございます。オナカイパーイ
でもちょっとリーダー飯田さんの胃が心配です(w
186 名前:オガマー 投稿日:2002年09月13日(金)16時52分11秒
いいよ!いいよ!
終盤ほんとにサイコーだった!!
感動しました。
笑えてジーンとできて…w
バカップルバンザーイ(氏
187 名前:番外編『あたしの望み。』〜プロローグ〜 投稿日:2002年09月15日(日)15時12分45秒
 あたしのどこが好き?
 つんくさんに『天才的』って言ってもらえた、この顔?
 娘。のなかでは飯田さんの次に高い、この身長?
 バレーボールで鍛えた、この身体?
 女の子にしてはちょっと低めの、この声?
 『Mr.Moonlight』で磨き上げた、この男前キャラ?
 自分だと上手いんだか下手なんだかわかんないけど…えっちのテクニックとか?
 訊いてみたい。でも訊けない。
 そんな表面的なものだけを愛されてるんだったら…しかもそれを知っちゃったら…
 あたしはきっと、壊れてしまう。
 あたしの全てを愛して欲しい。
 あたしの、内面のどろどろした所まで、全て。
 それが…贅沢過ぎる、あたしの望み。
188 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月15日(日)15時13分30秒

 ごっちんに『後藤、本当に吉澤と…!?駄目だ、後藤は私のモノだ!!うん、そーだよ♪
ごとーはいちーちゃんのモノ☆…だからもう二度と放さないでね?もちろんだとも!大作
戦』(何度聞いても長い作戦名だなぁ…)を持ちかけられた時、あたしはものすごく眠かっ
た。モノをよぉぉ〜く考えられるよーな状態じゃなかった。
 だって、夜の八時から深夜三時まで、ずぅぅぅぅっとごっちんの愚痴を聞かされてたん
だもん…。なんか『いちーちゃんが浮気してるかもーっ!!』って泣いてるから、邪険に
するワケにも行かなくて…結局、最後まで付き合っちゃったんだよね。
 しかもごっちん、長電話になる事見越して、家電から家電にかけて来てたし…用意周到
過ぎるぜ、ごっちん…。おかげで梨華ちゃんからの電話に出られなかったよ。
 梨華ちゃんって、電話出られなかったりすると落ち込むんだよね。
 ま、あたしとしては『そ〜と〜愛されてる』って感じがするから、嬉しい限りだったり
するんだけどね〜♪
 …それはさておき。
 とにかく、あたしはすっごく眠かったんだ。だから、ごっちんの作戦に乗っちゃったん
だ。…だって、あんまよく考えられなかったんだもん。
189 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月15日(日)15時14分00秒
 それに、あたしはずっと不安を抱えていた。
 梨華ちゃんにどれくらい愛されてるのか、イマイチわからなかったんだ。
 だからそれが、どうしても知りたかった。
 作戦に乗って、梨華ちゃんに冷たくすれば…それがわかると思ったんだ。
 誰よりも何よりも愛しい、可愛い可愛い梨華ちゃん。
 その梨華ちゃんを試そうだなんて…。
 あたしは、馬鹿だった…。
190 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月15日(日)15時14分30秒


 はじまりました、番外編(吉澤視点)『あたしの望み。』!!
 ギャグ路線で行くつもりですが…最後まで貫けるかどーかはわかりません!!(←オイ)
 どうぞこちらも、よろしくお願いします!!

>未唯 亮様
 ありがとうございます!!
 例のあのシーン…あそこですね!?うっふふふふふふ。どうなんでしょーかねぇ♪
 (まだ決めてなかったりもする)
 どうぞ、よろしくおねがいしますね!

>ヒトシズク様
 そう言って頂けると、本当に嬉しいです!!ありがとうございます!!!
 ヨッスィー視点はギャグ(の予定)です♪どうぞよろしく!

>あおのり様
 おなかいっぱいになって頂けましたか?それはヨカッタ♪
 飯田さん…がんばれ!!道は君の後ろにできるのだ!!(笑)

>オガマー様
 ありがとうございます♪
 バカップル推進委員会ですから、私(笑)。
 ヨッスィー視点では、笑い所をたくさん作りたいと思ってます。よろしくどーぞ☆
191 名前:REDRUM 投稿日:2002年09月16日(月)00時46分30秒
ずっと読ませて頂いていたのにレスする勇気がなくて。。。
よっすぃ〜と梨華ちゃん、お互いを好きな気持ちがいっぱい伝わってきます!
バカップルまんせーーーーーー!!!!!(*^▽^)σ)^〜^o)
192 名前:マチ 投稿日:2002年09月16日(月)11時56分59秒
大好きです、この話!!
ヨスコ視点も期待しています!!
いしよし、甘すぎ(w
バカップルまんせーーーーーー!!!!!
193 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時49分41秒

 「カット!石川さん、台詞違いま〜す!」
「え!?あ、ご、ごめんなさい!!」
NGを出してしまった梨華ちゃんは、必死で台本を確認し始めた。
 梨華ちゃんって、必死な時ほど声が高くなるんだよなぁ。しかも困り顔もすっげぇ可愛
くて…。
 思わず抱きしめたい衝動に駆られちゃって、あたしは梨華ちゃんの横顔から目を逸らし
た。いけないいけない。これ以上見てたらあたし、我慢できなくなっちゃうよ。
 作戦開始から、約三ヶ月(この言い方、超カッケ〜!!)。
 長くても一週間で決着が着くかと思われたこの作戦だったけど…ものすごぉぉぉぉぉ〜
く難航してて、いまだに作戦遂行中だ。
 …ああ、辛いよぉ。
 目の前に、愛しい愛しい梨華ちゃんがいるってぇのに…抱きしめる事はおろか、話しか
ける事しかできない。ごっちんに止められてるんだよ。『よしこは一回でもらぶらぶに戻っ
ちゃったら、もう二度と冷たくなんかできなくなる』って言われて。…くそぅ。否定でき
ない所が悲し過ぎる。さすがは親友。あたしの事、よくわかってんじゃん。
194 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時50分11秒
 でも、梨華ちゃんに接近できない事よりも…梨華ちゃんが全然平気そうな事が悲しいよ。
今だって、中澤さんにいじられながら眩しいくらいの笑顔を浮かべてる。カメラ回ってな
いのに…。

 Oh,My Baby…君は僕がいなくても、生きて行けると言うのかい?
 僕には無理だ…。君がいなくては、月も太陽も昇らない…。

 頭ん中でミスムン風に言ってみると、心の中の寒さが増した。冷房効き過ぎよ〜、ウチ
のギャグ。んもぅ、世界のジョークショー並み?…いやん。自分で思ってて虚し過ぎる。
 …それはさておき。
 マジな話、あたしはもう限界が近い。
 こんなに近くにいるのに、ウチと梨華ちゃんの距離は遠すぎる。しかもその距離は、あ
たしが作ったものだと来てる。
 …それもこれも全て、あたしがごっちんの作戦に乗っちゃったせいなんだけどね…。
 でもなぁ。ここまで来ちゃうと『やめよう』って言えないんだよ。つーか、市井さんが
カラんだごっちんってば怖過ぎ。ハンパなく怖いよ、ごっちん…。
195 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時50分42秒
「はーい、オッケー!お疲れ様でした〜!」
その声にハッとしてセットの方を見ると、梨華ちゃんがとろけるような笑顔を浮かべなが
ら中澤さんと話していた。
 くそう!!うらやましいぞ、中澤裕子!!(コレを本人に面と向かって言う勇気はナイ)
「梨〜華〜ちゃぁぁぁぁぁんっ!!」
セットから離れた梨華ちゃんに、あいぼんが思いっ切り抱きつく。
 …いいなぁ。
 あたしも、思いっ切り抱きついて…でもって、押し倒したい。いや、その前にキスか?
キスだな。ふざけたフリして『梨華ちゃん、ちゅ〜♪』とか言って、強引に…
「梨華ちゃん、ちゅ〜♪」
 そうそう、そんな感じ…って、え?
驚いて振り返ると…あ、あああああああいぼんが!!あいぼんが梨華ちゃんにちゅーを!!
「えっへへへへ〜。いただき〜!」
「もう、あいぼんってばぁ。」
そう言いながらも、梨華ちゃんは笑顔であいぼんを抱きしめてる。

 …おのれ、加護亜依…!!許すまじ…!!!

 それに、梨華ちゃんも梨華ちゃんだよ!!ナニ嬉しそうな顔してんのさ!!あたし以外
のヤツにちゅーされたんだよ!?ちょっとくらい嫌そうな顔しろってんだー!!
196 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時51分23秒
 ああ、胸が痛い。
 嫉妬の炎で、体の中が焼き尽くされそうだ。
 ちらりとごっちんを見てみたら…隠し持っていた携帯を、しきりに気にしてる。
 …ごっちんもこの、焼き尽くされるような痛みを感じてるんだろうなぁ。だって喧嘩の
原因は『浮気疑惑』だったらしいし。
 なんか、仲間意識がわいて来た。
 今日、ごはんに誘おう。
「モーニング娘。さん達、二時間休憩で〜す!!」
ウチらはぞろぞろと、控室に戻った。
197 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時52分35秒

 控室でも、梨華ちゃんは大人気だ。ののや飯田さんをはじめとするいろんな人が、梨華
ちゃんに話しかけて笑わせたりしてる。
 …なんだよ、本当に楽しそうじゃん。あたしが側にいなくても。
「「きゃーっ!!」」
普段は全然気にならないののとあいぼんの二重唱(?)にも、ちょっとイラつく。
 あたしはちょっといたずらをしたくなって…梨華ちゃんの近くでぼ〜っとしてるごっち
んに話しかけた。
「ごっちん、今日この後ヒマ?」
いつもよりもちょっと大き目の声。梨華ちゃんはウチの声、気付いたかな?
「うん、今日はヒマだよ〜。」
「じゃあさ、今日この後、一緒にごはん食べに行かない?」
をををっ!!けっこう演技うまくないか!?あたし!!
はしゃいだような声、ちゃんと出せてるじゃん!!
「いいよ〜。行く。何食べよっか?」
「パスタ食べたいなぁ。」
「あ、それだったらごとー、隠れ名店知ってるよ!」
「それ良いね!そこにしよう♪」
「オッケー。」
198 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時53分07秒
ちらりと視線を滑らせて、梨華ちゃんを見る。
 …嫉妬とか、してくれてる?泣きそうな顔、してくれてるかな?
 期待して見たけど…梨華ちゃんはいつの間にか、イヤホンを耳に突っ込んで目を閉じて
いた。…ちぇ。
 気付かなかったのかなぁ。あたしの声。あたしは、梨華ちゃんの声だったら100m離
れててもわかる自信あるのになぁ。
 それってすっごく、梨華ちゃんの方がズルくない?
 あたしはそんな思いを振り切るかのように、ごっちんと世間話を始めた。
199 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時53分38秒

 そんなこんなで、二時間はあっと言う間に過ぎて行った。
 マネージャーに呼ばれて控室から出たけど…梨華ちゃんがまだ動こうとしてない。
「あの、石川さんがまだ…。」
小川がおずおずと、飯田さんと保田さんに言う。
 …あたしの方が、先に気付いてたもん!!
 保田さんが梨華ちゃんに駆け寄って、肩をゆする。
 …うあぁぁぁっ!!ケメ子ぉぉぉぉぉ!!触るなぁぁぁぁぁっ!!
 梨華ちゃんは焦った様子で立ち上がった。
「はい、今行きま…うきゃっ!?」
どうやら、足をぶつけちゃったらしい。乙女チックな悲鳴を上げて、梨華ちゃんがうずく
まる。
200 名前:番外編『あたしの望み。』〜第一話〜 投稿日:2002年09月16日(月)15時54分10秒
 どうした!?大丈夫!?そんなに痛いの!?
 喉まで出掛かった言葉を、寸前で飲み込む。

 駆け寄りたい…!!抱きしめてなぐさめたい!!ぶつけた所をさすってあげたい!!そ
して、お姫様だっこをしてスタジオまで運びたい!!!

 体が、動きそうになった。
 だけど…あたしよりも先に、小川と紺野が走り出していた。
「石川さん、大丈夫ですか!?」
「立てますか?」
心配そうな二人の声。だけど、絶対あたしの方が心配してる。
 小川と紺野は、梨華ちゃんに腕を貸した。…あたしはもう見たくなくて、あさっての方
向を向く。
 小川と紺野に対して、ものすごい嫉妬心が沸き起こる。
 それを顔に出さない事でいっぱいいっぱいだ。
 誰かに話しかけられたみたいだけど…あたしは誰から声をかけられたのかとか、どんな
事を言われたのかを認識できる程にも、心に余裕がなかった。
201 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月16日(月)15時59分18秒
第一話、終了でっす♪
次回からは第二話♪はりきって参りましょう!!

>REDRUM様
 どうもありがとうございまっす♪
 ずっと読んでて下さったなんて…うれすぃ〜です!!
 がんばりますので、これからもどうぞよろしくお願いします!!

>マチ様
 甘過ぎるのが丁度良く感じる私♪そう言っていただけると、本当に嬉しいです!!
 ありがとうございます♪
 ご期待に沿えるよう、がんばります♪

最後に私も…バカップルまんせーーーーーー!!!!!
202 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月16日(月)20時19分01秒
おおお〜!!!!面白すぎっ^^
めちゃ笑いました^^
吉澤さんホント面白すぎ^^
この話結構好きです
今後の更新楽しみに待ってます!
203 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月17日(火)13時50分42秒
 リハーサルも収録も終わって、控室に帰って来た時には…あたしはもう、ヘトヘトに疲
れてた。
 最近、梨華ちゃんとのからみが少ない。
 作戦的にはめちゃめちゃラッキーなこの状況。だけど、恋する乙女・吉澤ひとみ個人と
しては辛すぎる…。せめてカメラ回ってる時くらいはイチャイチャさせろよ!!プライベ
ートではほとんど触れ合えないんだから!!
 それもこれも全部、自業自得なんだけどね…。だからこそ余計にやりきれない。
 ああ、うらやましいぜごっちん…。文麿は梨華ちゃんとらぶらぶだからなぁ。梨華ちゃ
んのあのなんとも言えない甘くて優しい香りを、収録中に満喫できるんだから。
204 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月17日(火)13時51分13秒
 しかも今日の収録では…キス寸前まで行ってたんだよ、あの二人!!
 ちょっとぉぉぉぉぉ!!!台本書いたヤツと責任者出て来い!!でもってごっちん!!
綾小路文麿は、あたしが責任持って引き受けるから…ミスムンで磨き上げた『男前』を、
存分に発揮して演じるから、頼む!!代わってくれ!!でもってごっちんは、『マキ・ゴ
トウの世界のジョークショー』をやっててくれ!!マジで!!!
 つーか最近の梨華ちゃんとのからみの少なさは、誰かの陰謀!?事務所!?
 …そんな風に、心の中だけで一人で怒ったり落胆したり疑惑を抱いたりしてたモンだか
ら、もーすごい疲れちゃったよ…。
205 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月17日(火)13時51分46秒


 明日は、久々のオフ。
 梨華ちゃんには『地元の友達と遊ぶから、会えない』とか言ってるんだけど、実はソレ
は真っ赤な嘘。大抵は一人で買い物したりしながら過ごしている。
 確かに、地元の友達から遊びに誘われる事もあるんだけど、断るようにしてる。
 だって、頭から梨華ちゃんの事が離れないんだもん…。
 服屋のディスプレイに飾られたピンクの服とかを見ると、会いたくて会いたくて泣きた
くなっちゃうんだよ。梨華ちゃんの話題なんか振られたら最後。会いたくて会いたくて、
気が狂いそうになっちゃう。
「…ねぇ、ごっちんの知ってる隠れ名店って、どこにあんの?」
それ以上思い出したくなくて、帰り支度をしているごっちんに話しかける。
「んあ?…えへへ、実はこの近所なんだ〜。」
「そうなの?」
「うん。前にこのスタジオに来た時に、やぐっつぁんと二人で見つけたんだ。ちょっと奥
まったトコにあるから、みんな気付かないけど…超オイシいんだよ〜!」
「へ〜、楽しみだなぁ。」
カバンの中に、お菓子の残りやらペットボトルやらを詰め込みながら、ちらりと扉を見る。
するとそこには、梨華ちゃんがいた。
206 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月17日(火)13時52分18秒
 いるとは思わなかった所に梨華ちゃんを見つけてしまった…幸せ♪
 よーく見ると…梨華ちゃんはもう帰り支度を済ませていた。早ッ!!
 そんな梨華ちゃんに、やっぱり帰り支度を終わらせている保田さんが声をかける。…早
過ぎだぜ、二人とも…。
 …保田さん、梨華ちゃんに何の用なんだろう?梨華ちゃん困り顔してるじゃん。保田さ
ん、梨華ちゃんの事誘ってるのかなぁ?
 …そ、そんなの嫌だ!!駄目だ、ケメ子!!
 そんな事を考えていたら、ケメ…いや、保田さんと目が合ってしまった。焦って目を逸
らそうとしたけど…無理だった。
 だって保田さん、いきなりにや〜って笑ったと思ったら…梨華ちゃんを抱きしめたんだ
もん!!
 っくぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ケメ子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!何しやがる!!!
 保田さんが梨華ちゃんに何か囁くと、梨華ちゃんは真っ赤になって『やだぁ〜』とか言
いはじめた。なんだかとっても楽しそうだ。
207 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月17日(火)13時52分49秒

 あたしは…顔を背けた。
 見たくない。
 誰かの腕の中にいる梨華ちゃんなんて…!!
 あたしは一心不乱に、カバンの中身を整理した。
「よしこ、お待たせ!行こ〜♪」
ごっちんの声で、我に返る。
反射的に扉の方を見ると、梨華ちゃんと保田さんは消えていた。
 …二人で一緒に、どこかに行ったのかな?
 焼け付くような痛みが、胸を焦がす。
「…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!行くぜごっちん!!」
「おー!」
胸に燃え盛る嫉妬の炎を誤魔化したくて、あたしはでかい声と共に走り出した。
 その後食べた、ごっちんオススメの店のパスタは、ごっちんは『超オイシ〜』とか言っ
てたけど…
 あたしは何の味も感じる事ができなかった。
208 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月17日(火)13時53分32秒


 二話スタートでっす♪
 痛くしよーと心がけてるのに、石川さんの時ほど痛く感じないのは何故なんでしょうか…?
 謎です。

>ヒトシズク様
 ありがとうございます!!好きだなんて…超嬉しいです♪
 がんばりますね〜☆どうぞよろしく!!
209 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月17日(火)18時34分54秒
よしこぉぉぉぉ〜!!!!
思わず私も叫びたくなりました(笑。^^
ホントに面白すぎ^^
作者さんがんばって更新してください!
210 名前:オガマー 投稿日:2002年09月18日(水)02時27分32秒
『女の子』なのに『カッケー』よしこが
なんだかすごくイイ!
がんがったください!w
211 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月18日(水)09時21分58秒

 「…ただいまぁ〜…。」
なんか今日はものすごく疲れた…。
そう思いながら家に入ると、弟がゲームをしていた。恋愛シミュレーションだ。…おいお
い、ちょっと早いんじゃないか?
 冷蔵庫を開けて、牛乳を取り出す。
 ごきゅごきゅと飲むあたしの耳に、甘ったるい声が聞こえて来た。
『…最近のヨシザワ君…わたしに冷たいよね…。わたし、何かしちゃったのかな?』
 思わず牛乳を噴出しそうになってしまった。
 こ、このヒロインの声ってば、梨華ちゃんにちょっと似てない!?
『ご、ごめんねっ!!わたし、変な事きいちゃったね。…忘れて。』
ムセそうになりながら、TVの画面を見る。
 ちょっと黒っぽい肌に黒い髪の美少女が、黒目勝ちの瞳を潤ませてこっちを見つめてい
た。
 …このキャラクターをデザインしたヤツ…石ヲタだろ。絶対。
212 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月18日(水)09時22分33秒
「あ〜あ、どうしようかなぁ。」
弟の独り言を聞きつけて、あたしは言った。
「何が『どうしよう』なの?」
「ああ、姉ちゃんお帰り。…このコの事だよ。オレ、このコじゃなくて別のコ落とそうか
なぁと思ってるんだけど…」
「な、なんで!?メッチャ可愛いじゃん!!このコでいいじゃん!!」
「でもさぁ…確かに、健気だし可愛いんだけど…やたらマイナス思考で、正直重いんだよ
ね。」
「何言いやがる、このマセガキ!!」
あたしは弟の胸倉をつかんだ。
「ネガティブになっちゃってるのを、あの手この手使いながらなぐさめたり元気出させた
りすんのが楽しいんじゃん!!」
「そ、そうかなぁ?」
「そうだとも!!」
213 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月18日(水)09時23分35秒
愛しい梨華ちゃんの、ネガティブから立ち直った時の顔を思い出して、胸がきゅるるん♪
とする。
「でもってなぐさめたりした後、頬赤くして『…ありがとう』なぁんて言われてみ!?し
かも潤んだ目で、上目遣いで!!もー、マジでBABY!恋にKNOCK OUT!状態
だから!!」
「…へぇ…。」
「ま、それが見たいが為に、ちょっと冷たくしてみせたりもするんだけどね〜。『嫌われ
たんじゃなくて、本当に良かった…』とか言われたらもう、秋でも冬でも止まれな〜い♪
から!!」
「…姉ちゃん?」
「後々も盛り上がれるしー!!それに何より、ちょっとくらいネガティブな方が、『ああ、
あたし愛されてるなぁ』って実感できるし、良いんだよねー!!」
「姉ちゃんってば。」
弟に服の袖を引っ張られて、我に返る。弟はあたしに、冷たぁい視線を送って来てた。
214 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月18日(水)09時24分37秒
「もしかしてこのゲーム、やった事あるの?」
「え!?あ、い、いや…その、ないけど…」
「でもなんか、達人っぽい事言ってたじゃん。」
「それは…その〜…ホラ、あたしも一応女だし!!なんとなぁくわかるって言うか…女の
勘!?みたいな!?あっはははははははははは!!」
しどろもどろになりながら、あたしは部屋に逃げ帰った。
 …言えない。
 いや、梨華ちゃんと付き合ってるって事が言えないワケじゃない。
 それはもう、できれば明日にでも『あたしの恋人の石川梨華さんです』って家族に紹介
したいくらい。できるモンなら、そのまま結納しちゃいたいくらいだ。
 …だけど…
 あたしが梨華ちゃんに、そんな手段を使って『上目遣い』をさせてるって事が言えない…。
 だってなんか、そんな事してるあたしってサドっぽくない!?
215 名前:番外編『あたしの望み。』〜第二話〜 投稿日:2002年09月18日(水)09時25分07秒
 まだまだ幼い弟に、姉がサドっぽいだなんて…しかも愛してるひととのえっちを、そん
な姑息な手段を使ってまで盛り上げようとしてるだなんて、言えなくない!?
 くそぅ。弟ともっと年齢が近かったらなぁ。きっとこの気持ちを共有できるに違いない。

早く育て、弟よ。

 そんな事を考えて、拳をにぎりしめようとして気がついた。
 牛乳のパック、持って来ちゃったよ…。
216 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月18日(水)09時25分37秒

 第二話、終了です♪
 次回からは第三話ですよ〜!!

>ヒトシズク様
 いつもいつも、ヒトシズク様の『面白い』って言葉に狂喜乱舞してます♪
 本当に本当に、ありがとうございます!!

>オガマー様
 男前なんだけど女の子、を表現したくてもがいております(笑)。
 そう言っていただけると嬉しいです♪がんばりますね!!
217 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月18日(水)10時20分34秒
お、面白すぎ〜^^
腹が痛くなるまで笑っちゃいました^^
いや〜、よしこの熱弁(?)ちょー面白かったです^^
更新楽しみに待ってます!
続き大期待です!!!!
218 名前:あおのり 投稿日:2002年09月18日(水)11時26分52秒
よ・・よすこさん。弟にいきなり何教えてるんですか・・・・

読んでいてめちゃくちゃ笑いました。そして笑いすぎてむせました。ゲフォゲフォ
219 名前:オガマー 投稿日:2002年09月19日(木)03時50分15秒
ちゃんと出てますよ!男前なんだけど、やっぱり女の子なんだよね、よちぃ。
かわいいよ、よちぃ、と思いつつ読んでおります(w
それにしても!サドよちぃの考えてるたまらない梨華たん像にめちゃめちゃ
萌えてしまいました…w
220 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月19日(木)17時52分37秒
 パックに半分くらい残ってた牛乳を、一気に胃の中に流し込む。
 冷蔵庫には買い置きがあったし、遠慮する事はない。
 牛乳と一緒に、胸のもやもやも流れてくれれば良いのに…。
 だけどやっぱり、もやもやは物理的なモノではないみたいで…牛乳が口の中からなくなっ
ても、もやもやは心の中に残ってしまった。
 さっきの、梨華ちゃんに似たゲームのキャラクターを思い出す。
 ああ、梨華ちゃん。
 会いたい。会って抱きしめたい。その甘い声で、あたしの名前を呼んでほしい。
 キスもしたいし、それ以上の事ももちろんしたい。梨華ちゃんを腕の中に感じながら眠
りたい。
 だってもう、三ヶ月も御無沙汰なんだよ?我ながらよく耐えてるよなぁ。でも、もう限
界が近い。…そうやらあたしの性欲は、気持ちとか想いとかに直結してるみたい。だって
梨華ちゃん以外の人にそーゆー事したいって、カケラも思わないんだもん。
 だけど、ごっちんがなぁ…。前にも言ったけど、市井さんがカラんだごっちんってすげぇ
怖いんだよ。
 それを考えると、作戦が終わるまではおあずけか…つ、辛〜い…。
221 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月19日(木)17時53分08秒

 ちゃ〜んちゃちゃちゃちゃ、ちゃちゃ〜んちゃちゃ〜ん♪

『そうだ!We’re ALIVE』のメロディが、携帯から流れ出した。この曲は矢口
さんだ。
「もしもーし?」
『やっほ〜!矢口だよ〜!!ヨッスィー、今日ごっつぁんと例のパスタ屋さん行ったんだ
ってね!うまかっただろぉ〜!』
「は、はい。超美味かったですよ!」
実は梨華ちゃんの事で胸も頭もいっぱいいっぱいで、味は全然わかりませんでした、とは
言えない…。
『矢口はね〜、圭織と二人で焼肉行ったんだ!なっちも誘ったんだけど、なんか用事ある
とかで帰っちゃってさぁ。』
「へぇ〜。」
矢口さんには悪いんだけど…あたしは上の空。
 そんなあたしに気付いてか気付かずか、矢口さんは興奮気味に続けた。
『今日はなっち以外は全員、誰かとごはん行ったみたいだね。
 矢口と圭織は焼肉でしょ、ヨッスィーとごっつぁんはパスタでしょ、辻加護と五期メン
は揃ってファミレス行ったみたいだし…』
六人連れかぁ…そんなに目立つ席には座れないし、ファミレスでも席用意すんの大変だっ
ただろーなぁ。
222 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月19日(木)17時53分40秒

『…で、圭ちゃんと石川はコンビニ弁当っぽい。』

「は?」
思考が、一瞬止まる。
「な、なんでコンビニ弁当…?」
『圭ちゃん、今日は石川を家に招待してるんだよ。でもってあの二人って、二人とも料理
できないじゃん。キャハハ!だからきっとコンビニ弁当だって、矢口と圭織は話してたん
だ〜。』
楽しそうに話す矢口さん。その声が、すごく遠くに聞こえる。
 その後は、どんな会話をしたのか覚えてない。機械的に頷いてただけのような気もする。
 電話を切った後、あたしはベッドに突っ伏した。
 …聞くんじゃなかった。
 聞かなければ、わからなかったのに。もやもやしてるだけで済んだのに。
 こんな胸の痛みを感じなくても済んだのに。
 …梨華ちゃん。
 胸が痛くて、死にそうだよ…。
223 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月19日(木)17時54分40秒

 眠りたいけど、眠れなかった。
 胸の痛みと嫉妬の炎があたしを襲う。…もう、死にそう。
 こんなになってまで、あたしの頭から梨華ちゃんが離れる事はない。
 梨華ちゃんは今、何してるんだろう?…もう十時過ぎるけど…まだ保田さんの家にいる
のかな?
 …てゆーか、保田さんの家に上がるなんて…何考えてんだよ、梨華ちゃん!!しかも二
人っきりだなんて!!!手ぇ出してくれって言ってるよーなモンじゃんか!!
 梨華ちゃんはもー、ホントにホントに可愛いんだから、そーゆートコもっと気を付けな
きゃ駄目だってば!!
 …まぁ、今のあたしにそれを言う資格はないんだよね…。
 表面的に見ればあたし、ごっちんに乗り換えてるよーにしか見えないし。てゆーか見え
てなきゃ作戦失敗だし。
224 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月19日(木)17時55分10秒
 でも、実際にあたしの心を捕らえて放さないのは…梨華ちゃんだけなんだけど。
「…〜〜〜〜〜〜!!!」
いてもたってもいられなくなって、あたしはがばっと起き上がる。
 立ち上がって部屋の中をうろうろと歩き回り、視線をさまよわせてるあたしの目に入っ
て来たのは、カラの牛乳パックだった。

 …明日って、資源ゴミの回収日なんだよな…。

 あたしは肩を落とし、牛乳パックを持って部屋から出た。
225 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月19日(木)17時55分42秒

始まりました、第三話!!
今回のよしこさんはちょっとネガティブ(笑)
笑いどころはないかも(汗)

>ヒトシズク様
 よしこの熱弁…あれは私の魂の叫びだったりもします(笑)
 笑ってくださいましたか!よかったぁ〜♪

>あおのり様
 弟に熱く熱く語る彼女は、固〜くコブシを握っております(笑)
 大丈夫ですか〜?背中さすりましょうか?
 笑って頂けて、マジ嬉しいです!!

>オガマー様
 そう言って頂けると嬉しいです♪
 よしこだってお年頃なのよ〜♪と思いながら書いてるんですよ〜!私。
 がんばりますね〜!!
226 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月19日(木)21時10分41秒
矢口さん登場に少しビビりました・・(何故?)
資源ごみの回収日・・・よしこ何気に主婦ですね・・・(笑。
よしこの胸のむらむらが早くなくなることを祈ってます。
更新楽しみにしてます!
227 名前:オガマー 投稿日:2002年09月19日(木)22時47分05秒
ぐぁ〜
しのごの言わずにぶちゅっとズバっといっちゃえ!よしこ!!
思わず熱くなってしまいますなぁ〜
228 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月20日(金)13時58分01秒

 牛乳パックを持ってキッチンへ行く。ダイニングでは、弟がまだゲーム中だった。
「明日も学校だろ〜?早く寝な!」
姉らしく言ってみたけど、弟は完全無視。
 …昔は可愛かったのに…。
 くすん、とか思いつつ、キッチンに立つ。
 ハサミで牛乳のパックを開いて、スポンジで中を洗う。…ああ、あたしってばなんて地
球に優しいんだろうっ!!我ながらこの男前具合に惚れ惚れするねっ!!
 てゆーか、こうする事を教えてくれたのは梨華ちゃんなんだけどね。
「・・・・・・。」
しまった。思い出しちゃった。
 こうなっちゃうと、止まれないのがあたしの常。
 脳裏に、たくさんの梨華ちゃんが浮かび上がって来る。満面笑顔の梨華ちゃん、困り顔
の梨華ちゃん、無理に笑ってる梨華ちゃん、驚いてる梨華ちゃん…
「…うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
たまらず叫んでしゃがみこむ。
229 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月20日(金)13時58分34秒
 そんなあたしに、弟は冷たい。
「姉ちゃん、ウルサイ。」
くそう!本っ当に生意気になりやがって…誰に似たのかしらねっ!この子は!!
 一言文句を言わなきゃ気がすまない!!
 そう思って顔を上げたあたしの目に、TV画面が飛び込んで来た。
 さっきの梨華ちゃんに似たキャラクターが、頬を真っ赤にしている。
『わ、わたし…ヨシザワ君の事、大好きです!…付き合って…下さいっ!!』
ピンクの耳あてに、ピンクのコート…なんか『ぴったりしたいX’mas』のあたしの衣
装を思い出すなぁ。
『もしOKなら…このチョコ、受け取って!!』
これまたピンクのハート型の箱を差し出している絵に変わった。どうやら、バレンタイン
のイベントらしい。
 …つーかこのコ、マジで梨華ちゃんに似すぎ…。
 必死な時の眉毛の寄せ方が、梨華ちゃんそっくりだ。…デザイナー…やっぱり石ヲタだ
ろ…。
230 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月20日(金)13時59分06秒
 画面に『受け取る・受け取らない』と書かれた二択のウィンドウが開く。
「…ど、どどどどど〜すんの?」
「…なんで姉ちゃん、そんなに緊張してんだよ…?」
「う、うるさいなぁ。」
愛しの梨華ちゃんソックリなコが、『ヨシザワ君』相手に告ってるんだぞ!?これが落ち
着いてられるか!!と言う言葉は、寸での所で飲み込む。
 だって、実の弟に惚気るなんて…ちょっぴり恥ずかしいし〜。
「心配しなくても、受け取るよ。」
「え!?だってさっき、マイナス思考で重いとか言ってたじゃんか!!」
「…姉ちゃんが薦めたんだろーが…。それにもう一回考えて見て、やっぱこのコが一番か
な〜?とか思って。」
「・・・・・・。」
 そう。そうなんだよ。
231 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月20日(金)13時59分38秒
 あたしは、もともと女の子が好きだったワケじゃない。梨華ちゃんだから好きになった
んだ。それまでは彼氏だっていたし…女の子に告られても『はぁ?』って感じだったし。
 それに、女の子だって可愛いのは梨華ちゃんだけじゃない。
 娘。の中だけでも、安倍さんも矢口さんもそれぞれ、たまらなく可愛い。飯田さんやごっ
ちんなんか、思わず見とれちゃうくらいキレイ。保田さんと…あと小川も最近超カッケ〜
し、ののや紺野や新垣は守ってあげたくなっちゃう。あいぼんと高橋は笑顔が超好みだっ
たりする。

 だけど、梨華ちゃんが一番なんだよ。
 梨華ちゃん以外だと、駄目なんだよ。

 …よくわかってるじゃないか、弟よ!!
 あたしと血がつながってるだけあって、なかなかスジが良い。さすがはあたしの弟!!
232 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月20日(金)14時00分09秒
「てゆーかさぁ、このコって石川さんに似てない?」
「似てる。似過ぎ!?ってくらい似てる。」
「可愛いよなぁ、石川さん。オレ、石川さんけっこー好きなんだよ。」
「…へぇ。」
 さすがはあたしの弟。
 だけど『けっこー』って何だ!?どの程度好きなのか、ハッキリしろよ!!
「なぁ、今度家に連れて来てよ!」
 まぁ、ハッキリした所で梨華ちゃんはやらんがね。
233 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月20日(金)14時00分39秒
あたしは、弟の頭を一発殴る。
「…ってぇ!!何すんだよ!!」
「やかましい!!オマエに梨華ちゃんなんて、百億光年早いんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
どうしても欲しいって言うなら…あたしの屍を越えて行け!!」
「何マジギレしてんだよ!?てゆーか、なんで姉ちゃん殺さなきゃ家に来てもらう事すら
できねぇんだよ!?」
「うるさいっ!!梨華ちゃんはあたしのモンだ!!」
「ワケわかんねぇ〜!!」
いつの間にか、取っ組み合いの喧嘩になっていた。そうなるとさすがに、今まで傍観して
ただけのお母さんも口を出して来る。

「もう、あんた達!!いい加減にしなさい!!やめないと、梨華ちゃんはお母さんがもら
うよ!?」

「「なんでそうなるのさ!!」」
234 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月20日(金)14時01分11秒

 兄弟喧嘩です。…いや、姉弟喧嘩ですね。
 母も参戦してますが(爆笑)。吉澤一家、好みが似てます。

>ヒトシズク様
 矢口さん…もうあんま出て来ないかも(汗)
 梨華ちゃん視点で梨華ちゃんの背中を押したのは保田さんでしたが、ヨッスィーの背中を
押すのは、果たして誰なのか!?
 頑張りますね〜♪

>オガマー様
 ぶちゅっとぶちゅっと…行ってほすぃ〜ですねぇ。
 でもこのよしこさん、ヲトメ過ぎちゃって自分からは行けないみたい(泣)
 黒よしを書いてみたい気もします…。
 熱くなってくださいましたか?よかった〜♪ 
235 名前:あおのり 投稿日:2002年09月20日(金)18時16分34秒
よしざーさん一家、滅茶苦茶オモロイ家族だー。特に姉!
梨華ちゃんのことになると理不尽大王ぶりが全開。
姉弟で女の子の好みが一緒ってありえないんだけど
よしざーさん一家の場合自然にかんじてしまう。オモロすぎ!
「オマエに梨華ちゃんなんて、百億光年早いんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」でついに噴出しますた。
吉澤さんお約束ですけど「光年」は時間でなく距離ですよ。と思わずマジツッコミ。
236 名前:オガマー 投稿日:2002年09月21日(土)04時29分10秒
めちゃくちゃ笑った!
おもしろ過ぎます!w
237 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月21日(土)15時12分32秒
よしこ一家マジでおもしろい・・^^
しかも最後に母が参戦しているところがまた・・^^
更新楽しみに待ってます!
がんばってくださいね!
238 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月23日(月)10時23分54秒

 …われながら、そ〜と〜馬鹿馬鹿しい争いをしてしまった…。小六の弟と、梨華ちゃん
取り合って取っ組み合いしちゃったよ。しっかし、お母さんまで出てくるとは思わなかっ
たなぁ。吉澤一家、好みは皆同じか?だとしたら、家に連れて来る時は気を付けないと…。
 でもまぁ、気は紛れたな。こーゆー時、家族ってありがたい。
 そんな事を考えつつ、あたしは部屋に帰る。
 携帯を見ると、メールが二件来ていた。ごっちんと矢口さんだ。
 まずは、ごっちん。
『おいしかったでしょ〜、あのお店!また一緒に行こうね! ごとー』
…ごめんよごっちん…。ウチ、味わかんなかったんだ…。
 次に、矢口さん。
『さっきオイラ、もしかして余計な事言っちゃったかな?なんかヨッスィー最後の方、元
気なかったし…。深い意味はないから、気にすんな!!じゃーね、オヤスミ。 矢口』
…余計な事なんかじゃないっスよ。こっちこそ、イキナリ沈んだりして悪かったなぁ。
 それぞれ適当に返信をして、ごろりとベッドに横になる。
239 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月23日(月)10時24分24秒
 気にすんな、かぁ…。
 気にしないでなんかいらんないよ…。頭でいくら気にしないように努力しても、胸が勝
手に痛くなっちゃうんだ。
 …こんなに他人を好きになったの、初めてだ。女の子相手にここまでのめり込む日が来
るとは…想像もしてなかったよ。

 まだ、なくしたくないよ。梨華ちゃんの事。

「ぃよしッ!!」
あたしは勢いをつけて、ベッドの上に立ち上がる。
 明日、梨華ちゃんに会いに行こう。ごっちんには内緒で。
 だってあたし達、恋人同士だもん!!こっちから一方的に冷たくしてるけど、別れ話は
してないもん!!だから…会いに行っても、全然不自然じゃない…よね?
 そう考えると、なんだかわくわくして来た。…それと同時に、不安にもなる。
 久しぶりに間近で会える。話もできる。でも、会ってくれなかったらどうしよう?ずっ
と冷たくしてたんだもん。それもありえる。
 あぁ…例えそうだとしても…会いたい!!
 期待と不安で、今夜は眠れそうにない…。
240 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月23日(月)10時24分55秒


 やっぱり、眠れない。
「・・・・・・。」
時計を確認してみると、深夜三時半。両親も弟たちも寝静まっている。
 一人で悶々としてるのも辛いし…何より、真っ暗闇に一人なのが何か出そうで怖い。友
達に電話とかしたいけど…さすがに寝てるだろうなぁ、みんな…。
 あたしはむっくりと起き上がり、電気をつけた。これで怖さ半減。
 弟から借りた漫画を手に取る。ぱらぱらとめくってみるけど…内容が全然頭に入って来
ない。
 てゆーか…登場人物全員、梨華ちゃんに見えて来た。
 …ああっ!!梨華ちゃんがヒト殴ってる!おおっと、殴られた方も梨華ちゃんだ!!て
ゆーか腕!!梨華ちゃん、腕のびてる!!ゴム!?ゴムなの!?え!?足ものびるの!?
なんかワケわかんなくなったので、漫画を閉じた。
 …我ながら重症だね、こりゃ。
 『頭の中、ほとんど梨華ちゃん』だよ。いや、ほとんどっつーか全部?しかも思い出す
度に胸がじんじんと痛む。
241 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月23日(月)10時25分27秒

 Oh…心が痛むと言うのかい?う〜ん、BABY。それは恋…恋煩いさ。

 まさにそんな感じだとも。
 あたしが言ってるんだけどね、この台詞。コレを毎日毎日カメラの前で言ってた頃は、
こんな事になるとは思ってもみなかったんだよなぁ。ラブラブだったし。
 恋人役は小川だったけど、実は梨華ちゃんに向けて言ってたって言うのは秘密の話。
 そんな事を考えていると、携帯が震えた。
 安眠妨害をされたくないあたしは、いつも寝る前に携帯をマナーモードにしておく。そ
れを知ってるメンバー達は、よく眠れない夜とかにメールを送って来たりするのだ。朝起
きたら、あいぼんからメールが三十件近く入って来てた事もある。…あいぼんは甘えん坊
だからなぁ。
 携帯を見ると…ののだ。しかもメールじゃなくて着信。
「もしもーし?」
『ををっ!本当に出たのれすっ!』
242 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月23日(月)10時25分59秒
「…なんじゃそりゃぁ…。」
『だって、あさ美ちゃんが「今なら起きてるハズ」って言ったから、ののはかけたのれす。
そしたら本当に起きてたのれす!びっくりれすよ!!』
こ、紺野…。不思議ちゃんだとは思ってたけど…まさかそこまでとは…。
 そう言えば、飯田さんもそーゆートコあるんだよなぁ。
『それよりもヨッスィー。ひとつききたい事があるのれす。』
「はいはい、何かな〜?」
『馬鹿にしないできくのれす!!』
「きいてるって。何?」
するとののは、こほん、と咳払いをひとつしてから言った。

『ヨッスィーは、梨華ちゃんから後藤さんに乗り換えたんれすか?』

 …あたしは、おったまげるしかなかった。
243 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月23日(月)10時26分31秒

 ののたん登場〜♪
 『れす』口調にするか普通の口調にするか、メッチャ悩んだんですが…個人的に『れす』口調
が可愛くて好きなんで、こっちにしました。
いかがでしょうか…?

>あおのり様
 よしこさん、興奮のあまり我を忘れて叫んでます。
 『百億光年』は、最高に早いと言う事を表したかった為に出てしまった言葉です(笑)。
 ちなみにウチの姉妹だと、私は梨華ちゃんが超好みですが、姉はごっちんイチオシです。

>オガマー様
 ありがとうございまっす♪
 ハズしてたらどーしよう、とか思ってたので…嬉しいです!!

>ヒトシズク様
 一家全員石ヲタな設定です(笑)。
 父は風呂に入ってたのですが、きっと父もその場にいたら参戦してた事でしょう。
 がんばりますね!!よろしくお願いします!!
244 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月24日(火)20時27分23秒
辻の一言に私もおったまげました(笑!!!
紺野がなぜ、よしこのコトを知っていたのか謎ですね・・・。
すごい面白いです!!!
今後の更新楽しみに待ってます!
245 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時27分52秒

 今、ののは何て言った?
 『乗り換えた』…?
 いやぁねこの子はっ!マセた言葉使っちゃって!!
 …って、いや、そーでなくて…
「…はい?」
思考がまとまらなくて、聞き返す。
『だってヨッスィー、梨華ちゃんと付き合ってるハズなのに、最近は後藤さんと一緒にい
る事の方が多いのれす。』
「ちょ、ちょっと待った!!」
『へい。』
「な、なんでののが…あたしらの事知ってるの!?」
メンバーにバレないように、日夜血の滲むような努力をしていたと言うのに!!
『アレで隠してたつもりれすか?ヨッスィーも梨華ちゃんも甘いのれす!!
 娘。の先輩達はもちろんの事、ののもあいぼんも愛ちゃんもまこっちゃんもあさ美ちゃ
んも里沙ちゃんも…ってゆーか、ハロプロの中で知らない人はいないれすよ?』
「マジかよ!!」
『マジれす♪』
246 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時28分25秒
 っがぁぁぁぁぁぁん!!
 思わず口に出して言っちゃうよ!?だって、それくらいショックなんだもん!!
 あんなに…あんなに努力したのに!!みんながいる前ではいちゃいちゃするのも控えた
のに!!
 いや、あたしはバレても別にかまわなかったんだけど…梨華ちゃんがなんか嫌がってね。
…でもアレ、絶対恥ずかしがってるんだよね〜。そーゆートコも可愛いんだよ〜、梨華ちゃ
んってば♪
 でも…努力が報われてなかった事にはショックを受ける…。
 てゆーかハロプロで知らない人はいないっつー事は…まさかキッズ達にもバレてるのか!?
何気に頭良いからなぁ、あの子達…。
「あ、あたしの努力って一体…!」
『無駄れしたね。』
「うわーん!ハッキリ言うなぁ!!」
『まぁ、それはこっちに置いといて…どうなんれすか?乗り換えたんれすか?』
ののの言葉に、あたしは焦って口を開く。
「乗り換えたなんて、そんな事は…!!」
そして、はっと口をつぐむ。
 いかん、ここで下手な事口走っちゃったら、作戦が…!!
247 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時28分55秒
『それじゃあヨッスィーは、梨華ちゃんを試しているんれすね?』
「うぐっ…。」
す、スルドイ…。最近の中学生ってば侮れない…。
『…ヨッスィー…ののは思うのれす。今のヨッスィーの行動は、ハッキリ言って無駄なの
れす。』
「・・・・・・。」
『梨華ちゃんには、駆け引きとかそーゆーモノは効かないのれす。だから、言いたい事が
あるなら直接言わなきゃ駄目なのれす。
 じゃないと梨華ちゃんは、どんどんネガティブな方向に考えて行ってしまうのれす。』
「梨華ちゃんは、あたしなんかいなくても楽しそうにしてるじゃん。」
ふてくされたように言うと、ののはため息まじりに言う。
『そりゃー、梨華ちゃんは意地っ張りの負けず嫌いれすからねぇ。
 でも、ののにはわかるのれす。梨華ちゃんは今、かなりのネガティブれすよ。』
くっ…。なんか、ののの方が梨華ちゃんの事わかってるみたいでムカつくっ!!
『ま、ヨッスィーにはヨッスィーの都合があるんれしょーけろ、早いトコなんとかしない
と…誰かに持って行かれちゃうかも、れすよ?』
「な…ッ!!」
248 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時29分37秒
 確かに、その危険性は大いにある。
 あたしが冷たくするようになってから、ずいぶんいろんな人が梨華ちゃんに近づいてる
気はしてた。
 そーゆー人達…例えば飯田さんとか保田さんとかの顔を思い出して、あたしの背筋に冷
たい汗が流れる。
 …の、ののに言われて気付くなんて…!!
『梨華ちゃんを独り占めする事に目が眩んでるから駄目なんれすよ。』
「・・・・・・。」
…ぐうの音も出ない…。
 てゆーかのの、今あたしの心の中読まなかったか!?
 …さすがは飯田さんの一番弟子…!!
『てへてへ。それほどでもないのれす。ののなんてまだまだなのれす。
 それから、ここだけの話なんれすが…実はまこっちゃんも梨華ちゃんが好きみたいなん
れすよ。』
249 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時30分09秒
「嘘ッ!!」
『本当れす。』
おぉぉぉぉぉぉがぁぁぁぁぁぁわぁぁぁぁぁぁ!!!!!
なんか最近、みょ〜に梨華ちゃんにひっついてると思ったらぁぁぁぁぁぁ!!!
『…それで…それを知った時…ののは正直、迷ったのれす。』
「迷う?何を?」

『まこっちゃんの応援を、するべきかしないべきか。』

「…え…?」
 ののが、小川を応援…?
 って事は、梨華ちゃんと小川をくっつけるかどうか、迷ったって事!?
「な、んで…!?」
衝撃で、頭がくらくらする。
250 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時30分40秒
そんなあたしの耳に、ののが鼻をすする音が聞こえて来た。
『ののは…ののは、梨華ちゃんが大好きなんれす。恋愛感情とかそーゆーのじゃなくて、
同期で一緒に頑張って来た仲間として、ホントにホントに大好きなんれす。
 特に梨華ちゃんは、娘。に入った時にまだ十二歳だったののとあいぼんを、本当に心
配してくれて…それがウザく感じる事もあったけど…いろいろ世話を焼いてくれたのれ
す。』
ののの声は、すでに涙声だった。
『そんな梨華ちゃんには…ののは、いつも幸せそうに笑っててほしいのれす。
 だからののは…梨華ちゃんを泣かせてる今のヨッスィーは許せなくって…それで、ま
こっちゃんの応援をしよーかと思ったのれす。』
「…のの…。」
電話の向こうからは、嗚咽の声も聞こえて来た。
『れも、れも、きっと梨華ちゃんはまこっちゃんじゃ駄目なんらと…ののには、わかっ
たのれす…ひぃっく…ヨッスィーでなきゃ、きっと…うっく…駄目なのれす…。』
「…そう、なの…?」
『絶対そうなのれす!!』
断言するのの。
 それは…本当なんだろうか?
 だとしたら、死ぬ程嬉しいんだけど…。
251 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時31分14秒
『それにののは…うぇっく…ヨッスィーにも、し、幸せになってほしいのれす…。』
「あたし?」
『…っく、そうれす…。』
ののは、しゃくりあげながらもしっかりと喋っていた。
『ヨッスィーの事も、ののは…大好きなのれす。
 ヨッスィーもいつも、まだ小さかったののとあいぼんを気にかけてくれて…えっく…
梨華ちゃんみたく、直接手を出す事はなかったけろ、いつも見守っててくれたのれす。
 そんな梨華ちゃんとヨッスィーが、ののとあいぼんは大好きなのれす…うっく。』
 あたしは、とっさに声が出ない。
 気付いてたの…?あたしがハラハラしながら二人を見てたって事…。
『その、大好きな二人が幸せそうにしてない今の状況は…ふぇっく…ののにとっても不
幸なのれす…。らから…ヨッスィー…。はやく、仲直りしてくらさい…。』
 やべぇ。
 目頭が熱い。
 ののがそんな風に思ってたなんて…ののにそんな辛い思いをさせてたなんて、全然知
らなかった。あたしはただ、梨華ちゃんに夢中で…。
252 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時31分46秒
「ごめんね、のの。ウチ、自分の事しか考えてなかった。」
『いいのれす。ののもけっこー自分勝手を言ってるのれす。…れも、良かったれす。』
「え?」
『ヨッスィーが梨華ちゃんを嫌いになったんじゃなくって、本当に良かったのれす。』
電話越しのののの声は、とても幸せそうだった。
「…もう大丈夫だからさ。明日は休みだけど、もう夜遅いから寝な。…ありがとね。」
『へいっ!あいぼんにメールしてから寝るのれす!』
「あいぼん?」
『あいぼんも心配してたのれす。』
また、目頭が熱くなる。
「…そっか。あいぼんにも大丈夫だからって、伝えておいて。」
『了解なのれす♪』
その言葉を最後に、電話は切れた。
 携帯を充電器にもどして、ベッドの上にごろんと横になる。

 明日、梨華ちゃんに会いに行こう。
253 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月26日(木)08時32分19秒

 …明日っつーか、もう今日だけど。
 ごっちんとの友情にかけて、作戦の事は話せない。現在の気持ちを伝える事もできな
い。
 でも、それでも会いに行かなきゃ。
 会いに行って、あたしは何をするんだろう?
 それすらもわからないけど…でも、何かを破りたい。二人っきりで会って、間近で顔
を見れば…何かが変わるかも知れない。
 『何も言わなくてもわかってもらえる』なんて思ってない。でも…ほんの少しでも、
何かが変わってくれれば…。
 何も言わずに何か変えようだなんて、あたしは卑怯なのかな?
 そんな事を考えてるうちに、あたしは深い眠りに落ちて行った。
254 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月26日(木)08時32分57秒

吉澤一家って感じですね(笑)。
( ;´ D`;)<パパもママも、喧嘩はやめるのれす!!

>ヒトシズク様
 いつもレス、ありがとうございまっす♪
 紺野は…不思議ちゃんです(笑)
 がんばりますね〜!どうぞよろしくお願いします♪
255 名前:オガマー 投稿日:2002年09月26日(木)10時33分02秒
ああ、ジーンときたよほ。。
素敵なのれす。
吉澤一家バンザーイ!(ヲイ
256 名前:あおのり 投稿日:2002年09月26日(木)12時15分01秒
ニュータイプのの登場ですね。4期の絆ウルウルきちゃいましたよ。
しかしこんな長台詞をしゃべるののはじめてみました。
まさか下にカンペが出ているのでは・・・(w
(〜^◇^)<読むなよ!
257 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月26日(木)20時53分11秒
ののにうるっときました。さすが飯田さんの弟子!!?
よっすぃ〜がんばれ!ののとあいぼんの努力(?)を裏切るなよ!?
それでは、更新楽しみに待ってます!
がんばってください!
258 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時45分07秒

 夢を見た。
 なんか、あたし以外のみんなが泣いてる夢。
 飯田さんも安倍さんも保田さんも矢口さんも、小川も新垣も高橋も紺野も泣いてる。
 『どうしたの?』って声かけても、みんなただ首を横に振るだけ。
 右を向いたら…ごっちんも泣いてた。その隣で市井さんも泣いてる。
 左を向いたら…ののとあいぼんが、抱き合って泣いてる。
 そして…後ろを向いたら…
 梨華ちゃんも泣いてた。
 …みんなが泣いてるのは、きっとあたしのせいだ…。
 あたしはその場に座り込んで、泣こうと思ったけど…泣けなかった。
259 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時45分38秒

 「ひとみー!起きなさい!」
掃除機を持ったお母さんに、叩き起こされる。目覚めは最悪。
「ほら、片付かないじゃない。さっさと起きて、ごはん食べて!」
「…ふあぁ〜い…。」
あくびをしながら、洗面所へと向かう。お父さんも弟達もそれぞれ出かけちゃってて
いないから、家の中はいつもより静かだ。
 顔を洗い終わって、ふと鏡を見る。
 …すげークマ。
 ため息を一つ吐いて、食卓に座る。そして、お母さんがごはんを出してくれると同
時に、マッハで食べる。
「落ち着いて食べなさい!」
「落ち着いてられないんだよ〜!!ごちそうさま!」
ダッシュで部屋に帰り、すばやく着替える。
 …はやく家を出なきゃ、決心が鈍っちゃいそうで…。
260 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時46分09秒
「おかーさん!!ちょっと出かけて来る!」
掃除機をかけてるお母さんに言うと、ちょっと驚いた顔をした。
「あんたが休みの日に出かけるなんて、何ヶ月ぶりかしらねぇ。
 …その割りに、あんまり楽しそうじゃないけど。」
「…決戦なんだよ、これから…。」
「は?決戦?」
「とにかく、行って来ま〜す。」
「ちょっと待って、ひとみ!」
んもぅ、決心鈍るじゃん!!引き止めないでよぉ!!
そう思って振り返ると、お母さんは必死の形相でこう言った。
「ねえ、何か武器とか持って行かなくて良いの!?」
 …おかん…。
261 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時46分41秒

 出かけに、ものすごく腰を砕かれてしまった…。
 確かにあたしの言い方も悪かったかもだけどさぁ…『決戦』であって、『決闘』じゃ
ないっつの。
 履き慣れたはずのスニーカーが、やけに重く感じる。
 でも、行かなきゃ。
 あたしのせいで、ずいぶんといろんな人が傷付いちゃってる。
 ののもあいぼんも傷付けたし、きっと小川だって傷付いてるはず。ごっちんだって
そうだ。あたしが作戦に乗ったりしなければ…あの時ちゃんと止めていれば、ここま
で喧嘩が長引く事はなかったんだ。市井さんからの電話を待って、あんな辛そうな顔
をする必要もなかっただろう。

 …それに、誰よりも梨華ちゃんを傷付けた。

 あたしは本当に、自分の事しか考えてなかったんだな。もっとよく考えて行動すれ
ば良かった。
 帽子をぐっと、目深にかぶる。
 後悔を胸に持ったあたしを乗せて、電車は発車した。
262 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時47分11秒
 梨華ちゃんの家の最寄駅に電車が近付くにつれ…あたしの胸は、高鳴って来る。あ
んなに重かった足が、羽のように軽くなってる。
 正直に言う。あたしは、かなり浮かれてる。
 今の状況で梨華ちゃんに会うのは、確かに辛い。辛過ぎる。『会って何を話すつも
りなんだろう、あたし?』とか考えると、マジで頭が痛い。
 だけど、久々に…本当に久々に、梨華ちゃんと二人っきりで会える。
 それを考えると、胸が高鳴っちゃって高鳴っちゃって…ときめいちゃってときめい
ちゃってどーしよーもない。
 平日の真っ昼間だけあって、電車はガラガラ。あたしは座ってたんだけど、なんか
うずうずしちゃって…座ってられなくなってしまった。
 立ち上って、扉の横の所に立つ。
 あと、ふたつ。
 …遊園地に行く子供か、あたしは…。
263 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時47分42秒
 ああ、あたしが『モーニング娘。の吉澤ひとみ』だって事、周囲の人に気付かれて
ませんようにっ!!
 こんな乙女チック全開の姿を写真に撮られちゃったりして、それが週刊誌とかに載っ
ちゃって、万が一にでも梨華ちゃんの目に入ったりしたら…嫌われちゃうかも知れな
いよ。梨華ちゃんの前では『カッケ〜吉澤』でいなきゃいけないんだから!!
 …本当は、『乙女チック吉澤』でも『カッコ悪過ぎる吉澤』でも愛して欲しいんだ
けどね…。
 でも、それはきっとわがままだから。
 贅沢過ぎる望みは、そっと心の中にしまっておかなきゃいけないんだ。
 外に出したりするから、今回みたいなこーゆー事になるんだよね。
 でもね、梨華ちゃん。
 あたしは…ネガティブな梨華ちゃんも、イタ〜イ梨華ちゃんも、放置されてる梨華
ちゃんも…その他の、どんな梨華ちゃんも、大好きだよ。
 梨華ちゃんが梨華ちゃんである限り、あたしは梨華ちゃんを愛してるんだよ。
 世界中の誰よりも何よりも、梨華ちゃんが一番大好きだよ…。
264 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時48分14秒


 梨華ちゃんのマンションに着くまでの道が、こんなに長く感じられた事は…いまだ
かつてない。不安があたしの足を重くして、期待があたしの心を急かす。
 …なんかスッゲェ疲れた…。
 ようやく着いて、オートロックの所で梨華ちゃんを呼び出そうとするけど…お…

 押せない…。

 押し慣れたハズの呼び出し番号も、暗証番号も…押せない。
 手が震えちゃってるんだ。
 『今更、何しに来たの?』とか言われたらどうしよう?
 それ以上に、あたしじゃない人を部屋に上げてたらどうしよう?
 小川とか保田さんと一緒にいたりしたら…どうしよう?
 てゆーか昨日は、何時まで一緒にいたんだろう?
 いろんな事が頭の中でぐるぐるし出して、あたしはマンションのロビーで立ち尽く
した。
 …うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!あたしの意気地なしぃぃぃぃぃぃぃ!!!
 暗証番号を押せないまま、マンションの門の外に出た。…だけど、帰る事もできな
い。
265 名前:番外編『あたしの望み。』〜第三話〜 投稿日:2002年09月27日(金)13時48分46秒

 …何やってるんだろう、あたし。
 ものすごい自己嫌悪。
 そんなあたしの頭に、昨夜のののの言葉がよみがえる。
 
『その、大好きな二人が幸せそうにしてない今の状況は…ふぇっく…ののにとっても不
幸なのれす…。らから…ヨッスィー…。はやく、仲直りしてくらさい…。』

「…よし!!」
自分の両頬を叩いて、気合を入れる。
 深呼吸をしよう。そして、梨華ちゃんを呼び出そう。
 もう、ぐずぐずなんかしてられない!!
 と、その時。

「…ヨッスィー?」

 可愛い、愛しい…ずっと聞きたかった、その声。
 あたしは…自分でも驚くくらいゆっくりと振り返った。
266 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月27日(金)13時49分16秒

第三話、終了っ!!次回からは第四話です〜♪

>オガマー様
 ジーンと来てくださいましたか♪よかった〜!!
 吉澤一家、長女・あいぼんは陰ながら心配しております。

>あおのり様
 仲良し四期だいすっきなんです〜私!!
 長台詞…確かに、あんま見ませんね(汗)。
 カンペ、見てるのか!?あいぼんに『指導』は受けてそうですが(笑)。

>ヒトシズク様
 飯田さんと紺野に、稽古つけてもらってたりして(笑)。
 乙女チック吉澤…どうするんでしょうねぇ…。
 がんばりまっす!! 
267 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月27日(金)20時56分17秒
吉澤ー!!!!
つ・・・ついに梨華ちゃん登場ですね。
よしこの見た夢、悲しい夢ですね。。。
よしこがんばれ!
更新楽しみに待ってます!
268 名前:オガマー 投稿日:2002年09月28日(土)00時21分51秒
あー、もう展開はわかってるのにドキドキするー(w
続き楽しみ!
がんがってくださいね。
269 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月29日(日)09時15分04秒

 振り向いたは良いけど…あたしは、梨華ちゃんの顔が見られなかった。
 見たら絶対、駆け寄って抱きしめてキスしたくなっちゃう。
 …本当は見たい。久々に、至近距離で梨華ちゃんの顔が見られるチャンスだし。
 ああ…固めた決心が鈍りそう。
 カンペとか、作って来ればよかった。
 そっと心の中にしまっておこうと決めた、贅沢過ぎる望みが顔を出す。
 このひとに愛されたい。
 誰よりも何よりも愛されたい。
 …だって…
 あたしは、誰よりも何よりもこのひとが好きだから。
270 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月29日(日)09時16分06秒

 「…梨華ちゃん…。」
 振り返って、愛しい愛しい彼女の名前を呼ぶ。だけど…あたしは泣きそうだ。
 『ヨッスィー』
 梨華ちゃんは今、あたしの事をそう呼んだ。その事に、少なからず傷付いてる。
 この呼び方、矢口さんがつけてくれたものだし、あたしもかなり気に入ってる。でも、
梨華ちゃんには『ひとみちゃん』って呼ばれたい。それは、梨華ちゃんだけが使う呼び方
だから…。
 『ひとみちゃん』って呼ばれる度、『あたしはこのひとの特別なんだ』と思えるから。
 もう、そう呼んでくれないのかな?
 そう考えると泣きそうになる。…でも、泣いたら駄目だ。嫌われちゃう。
「来てくれたの?ごめんね、わたし…ちょっと留守にしてて。」
「…いいよ、別に…。」
留守だったのか。とうとう呼び出せなかったから、わからなかった。
 あたしは、心の中を見られたくなくて…顔をふいっと背けた。
271 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月29日(日)09時16分38秒
「ねぇ、せっかくだから部屋に上がって行ってよ。待たせちゃったみたいだし…紅茶淹れ
るし。」
その申し出に…正直、あたしは戸惑った。
 今、ここで全部話しちゃった方が良いんじゃないか?
 部屋に上っちゃったりしたら…あたしはきっと、現在の気持ちを伝えたくなっちゃう。
 …だけど…!!
 だけど、久しぶりに二人っきりなんだ…!!
「…うん、上がってく。」
 誘惑に負けて、あたしは思わずそう答えていた。
 マンションの門をくぐり、オートロックの所の自動ドアが開く。
 …あたしは、不安と期待で…頭が真っ白だった。
272 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月29日(日)09時17分11秒


 「どうぞ、上がって。」
はっと気が付くと、梨華ちゃんの部屋の前に着いていた。
 …いかんいかん…放心状態だったよ。無理もないけど…。緊張し過ぎだっての、あたし。
 梨華ちゃんより先に部屋に上ると…なんとも言えない、甘い香りがして来た。
 この甘い香りも、久々にかぐ。
 …ちょっとなつかしいなぁ。
 そうそう。それで、玄関から中に入るとすぐにたくさんの荷物が顔を見せるハズ。
 掃除が苦手な梨華ちゃんの部屋は、あいぼんに呆れられるくらい散らかってるのが普通
だから。
 そう思って、部屋の中を見回して…あたしの心臓に、衝撃が走った。

 …片付いてる…!!!

 まるで別人の部屋のようだ。
 洋服も脱ぎっぱなしにされてないし、雑誌もその辺に放り出されてない。机の上にもベッ
ドの上にも床にもゴミが放置されてない。洗濯物も溜まってない!!
 これは一体どう言う事だ!?梨華ちゃんが掃除したのか!?いや、それはないハズ。梨
華ちゃんが自主的に掃除なんて…太陽が西から昇ってもあり得ない!!
273 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月29日(日)09時17分47秒
 …って事は…
 誰かに…片付けさせたって言うのか!?
「…どしたの?」
背後から訝しげな梨華ちゃんの声が聞こえて来たけど…今のあたしに、返事をするような
余裕はない。
 あたしが答えないで突っ立っていると、梨華ちゃんはあたしの横から部屋の中を覗き込
んで…首をかしげた。
「何があったの?」
もう一度きかれたけど、やっぱり答えられない。
 …誰に片付けさせたんだよ…!!
 誰だかわからない、この部屋を片付けた相手に…ものすごい嫉妬が湧き上る。
 保田さん?小川?飯田さん?紺野?メロン記念日の誰か?それとも、あたしの知らない
人?
「ひ…ヨッスィー?どうしたの?」
あたしの顔を覗き込んだ梨華ちゃんに言われて気付く。きっとあたし、今考えてる事が全
部顔に出てるんだ。
「どうもしないよ。」
あんまり見られたくなくて、顔を背ける。
274 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月29日(日)09時18分19秒
「じゃあ、なんでそんな怒った顔してるの?」
「怒ってないよ。」
「怒ってるってば。眉間にシワ寄ってるよ?何があったのよ?」
 …見られた…!!
 嫉妬丸出しのこの表情を、見られちゃったんだ…!!
 もう、駄目だ。
 こんな『カッコ悪過ぎる吉澤』を見られちゃうなんて…!!
「…何もないってば!」
泣きたい気分を振り払いたくて、梨華ちゃんの手を振り払う。
 すると、その衝撃で梨華ちゃんの帽子が床に落ちた。
「・・・・・・ッ!!!」
 表れた梨華ちゃんの顔を見て…あたしはショックを隠しきれなくなった。

 梨華ちゃんの目は…ものすごぉぉぉぉ〜く腫れていた。
275 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月29日(日)09時18分52秒

 ここまで腫れるのって…やっぱり昨夜寝る前に泣いたんだよね。
 …昨夜って言うと、梨華ちゃんは保田さんの家に…!!
 って事は、保田さんの前で泣いたの!?
 じゃあ、この部屋を片付けたのも保田さん!?
 保田さんはキレイ好きだし、考えられない事じゃない。
 点と線がつながるように、あたしの中で一つの真実が出来上って行く。

 その真実が、現実だとしたら…。

 あたしの目からは、大粒の涙が流れ始めた。
276 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月29日(日)09時19分24秒

第四話、スタートです♪
明日から授業が始まるので、更新スピード落ちると思います。すみません(汗)

>ヒトシズク様
 よしこの方がネガティブになってます(笑)。
 恋する乙女は大変ですね〜♪
 がんばります!!更新スピード落ちるけど、どうぞよろしくお願いします!

>オガマー様
 どきどきして下さいましたか♪よかった♪
 がんばりますよー!見捨てないでくださいね〜(笑)
277 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月29日(日)19時27分37秒
よしこぉぉぉ〜!!!!
思わず叫びたくなりました。。。
ネガティブよしこ、面白いです。よしこの心の中の声とか・・・
更新楽しみに待ってます!がんばってください!
278 名前:あおのり 投稿日:2002年09月30日(月)16時18分58秒
どんどん深みにはまっていくヨスコ…
なぜかそんなヨスコに萌え萌えな私は逝ってヨシ?(w
梨華ちゃんの部屋は汚いのは既出ですが、それを聞くたびヨスコの言っていた、
あのゴミ箱いっぱいの綿棒は何に使ったのかと小一時間、問(ry

作者さん学校も大切なのでマターリやってください
279 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月30日(月)18時59分46秒
 カッコ悪いってわかってる。なのに、止まらない。
 こんなの初めてだ。そのくらいショックが大きいんだ。
「…だ…か…んだよ…?」
喉がカラカラで、うまく声が出ない。
「え?」
聞き返す梨華ちゃんのソプラノの声を聞いて…あたしの中で、何かが音を立てて崩れて行っ
た。きっと崩れたのは、あたしの心の堤防に違いない。
 あたしはぐっと、梨華ちゃんをにらみつけた。
 …いや、にらみつけてるのは梨華ちゃんじゃない。梨華ちゃんを通して、この部屋を片
付けたヤツをにらんでるんだ。
「!?」
梨華ちゃんの腫れた目が、驚愕によって見開かれる。
 そんな梨華ちゃんに向かって、あたしは叫ぶように言った。
「…誰に片付けてもらったんだよ、この部屋!!」
280 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月30日(月)19時00分24秒
「は!?」
梨華ちゃんの驚愕の表情のなかに、戸惑いまでもが生まれる。
 その表情が、あたしには肯定のしるしに見えて…あたしはガッと梨華ちゃんの肩を掴ん
だ。
「ちょ…ひとみちゃん!!痛いよ!」
「誰に片付けさせたの!?あたしが片付けようとしたら『やめて』とか言ったクセに!!」
梨華ちゃんが痛がってる。でも、今のあたしに力の加減をするような余裕はない。
「何言ってるの!?ひとみちゃん!!わたしの部屋なんだから、わたしが片付けたに決まっ
てるでしょ!?」
「嘘だ!!料理よりも洗濯よりも苦手で嫌いな掃除を、梨華ちゃん自身が進んでするワケ
ないじゃん!!」
だからあたしは、いつか梨華ちゃんと同棲するようになったら絶対、掃除を引き受けてあ
げようって決めてたんだから!!
281 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月30日(月)19時01分35秒
 即答したあたしに、梨華ちゃんはちょっとムッとしたような顔をする。
「し、失礼だよ、ひとみちゃん!!確かにこの部屋は、わたしが三日前の夜中に片付けた
んだもん!!」
その言葉に、あたしの気が遠くなりそうになった。
「夜中!?誰の為に片付けたんだよ!!夜中に、誰かこの部屋に呼ぶつもりだったの!?
あたし以外の人を!?」
「だ、誰の為って…誰かの為じゃなきゃ、わたしは部屋を片付けちゃいけないの!?ちょっ
とおかしいよ、ひとみちゃん!」
誰かの為とかじゃなきゃ、梨華ちゃんが片付けようとするハズないじゃないか!!しかも、
あたしの為に片付けてくれた事なんか一度もなかったじゃないか!!!
 それを考えると、嫉妬の炎が勢いを増す。
「おかしくない!!しかも、何だよその目!!泣いたの!?泣いたんでしょ!?誰の為に、
誰の所で泣いたんだよ!!そんなになるまで!!」
 勢いを増した嫉妬の炎は、あたしの心に怒りの煙を吐き出している。 あたしはその煙
に身を任せた。
282 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月30日(月)19時02分07秒
「それとも、あたしはもういらないってワケ!?誰だか知らないけど…新しい相手の為な
らせっせと苦手な部屋の掃除もするし、そいつ以外の前では涙も見せないってワケ!?」
「はぁ!?」
考えたくなんかない。聞きたくなんかない。あたしの側から離れないでくれるだけで…そ
れだけで十分。
そう言う気持ちが、ないワケじゃない。でも、嫉妬の炎に支配されてるあたしの口からは
勝手に言葉が出て来てしまう。
 梨華ちゃんを見ると…呆然としていた。
 それがまるで『その通りだ』と言ってるように見えて…あたしの心に、悲しみが蘇って
来た。
「…あ、あのね、ひと」
「あたしより、好きなひとが…できたの?」
梨華ちゃんに別れを切り出されたくなくて、あたしは無理矢理口を開く。…本当はそんな
事、ききたくないのに…。
 すると梨華ちゃんは、沈黙してしまった。
283 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月30日(月)19時02分39秒
 …そう、なんだ…。
 あたしよりも好きなひと、できちゃったんだ…。
 馬鹿だった、あたし。
 試そうなんて馬鹿な事、考えるんじゃなかった。
 贅沢過ぎる望みなんて、抱くんじゃなかった…!!
 後悔で、胸がいっぱいいっぱい。そんな思いが、あたしに涙を流させる。
 こんなに痛い涙を流すのは、初めてだ。
 あたしはもう、形振り構ってられなくて…子供みたいに、しゃがみこんで泣きじゃくっ
た。
「あの…ひとみちゃん?」
ああ、梨華ちゃんも呆れてる。
「…う…っく、う、うちより好きなひと、で、できちゃったんだ…梨、華ちゃん…。あた、
しより、好きな…」
あたしは、本当に情けない気分になった。
 フラれた時にここまで情けなくなれる人間って、あたし以外にはあんまいないんじゃな
いか?自分でもここまで思うんだから、きっと梨華ちゃんはもっと呆れてるんだろうな。
 もう、駄目だ。
 完全に、嫌われちゃった。
 だけど…いや、だからこそ涙が止まらない。
284 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月30日(月)19時03分10秒
「…ねぇ、ひとみちゃん。」
いつもよりもずっと優しくて、甘い声で名前を呼ばれる。
「…さっきからひとみちゃんが何を言ってるのか、わたしには全然わからないんだけど…
でも、これだけは言えるよ。」
その言葉が聞こえると同時に…あたしは、声と同じくらい甘い香りに包まれた。そして、
香りの後には…ぬくもりを感じた。

 …あたし、梨華ちゃんに…抱きしめられてる…!!

 驚きで、体がビクッとなる。そして、無意識のうちにかたくなる。そんなあたしに、梨
華ちゃんは…あたしを抱く腕に、力を込めた。
 梨華ちゃんのちょっと大きめの胸に、頭を押し付けられる。
 ふにょっと言う感触にどぎまぎするあたしの耳に、ものすごく速い鼓動が聞こえて来た。
285 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年09月30日(月)19時03分41秒
「…ねえ、わかるかな?わたしの心臓、すっごくどきどき言ってるでしょ?」
 手で触ったりする時とはまた違う、梨華ちゃんの胸の感触に戸惑ってて、正直それどこ
ろじゃないんだけど…確かに、梨華ちゃんの鼓動はすっごく速い。
 何も言えないでいるあたしに、梨華ちゃんは優しい口調のままで…言った。

「ひとみちゃんに触れてるだけで…ひとみちゃんが側にいるだけで、わたしこんなにどき
どきしてるんだよ?
 ひとみちゃん以外に、わたしをこんなにどきどきさせてくれるひとなんていない。
 …ひとみちゃんより好きなひとなんて、わたしにはいないの。
 だってわたしは…誰よりも何よりも一番…世界で一番、ひとみちゃんの事が好きなんだ
もん。
 過去も現在も、きっと未来も、わたしはひとみちゃんが一番大好きだよ。」

 その言葉に、あたしは…驚く事しかできなかった。
286 名前:クロイツ 投稿日:2002年09月30日(月)19時04分12秒

乙女チック吉澤、全開です。
実はこーゆーよしこが一番書きやすかったりします(笑)。
…って事は私、『乙女チック吉澤』が一番好みなんでしょうか…?

>ヒトシズク様
 ありがとうございます!!そう言って頂けるとめっちゃ嬉しいです♪
 がんばりますね!!

>あおのり様
 萌えて下さいませ、どんどんと(笑)!!
 てゆーか萌えてくださったなんて、マジ嬉しいです!!
 綿棒…何に使ったんでしょうねぇ…。私も気になります。
 学校も頑張りますが、更新もがんばりますよ〜!!
287 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年09月30日(月)20時40分57秒
よしこの嫉妬すごいですねぇ〜。。。
あの発言にちょい驚いてたりして。。。(←小心者でして・・)
梨華ちゃん、がんばれ!
次の更新楽しみにしてます!
頑張ってください!
288 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月01日(火)18時01分45秒
へたれなよしこ、可愛い〜。
梨華ちゃんのネガティブが乗り移ってます。

梨華ちゃん編も良かったけれど、よしこ編がたまらな〜い!
289 名前:未唯 亮 投稿日:2002年10月01日(火)18時58分03秒
よ、よっすぃ〜カワイイー!!
かっこいいよっすぃ〜も好きなんですけど、
ヘタレなよっすぃ〜もまた、たまんないです(笑)
少し切ない場面にはいってきましたね。
読んでて、胸がきゅ〜んとしちゃいます☆
更新がんがってください!
今いちばん楽しみに読んでる話なんです♪
290 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時25分16秒

 自分の耳が信じられない。
 今、梨華ちゃんは何て言った!?

『だってわたしは…誰よりも何よりも一番…世界で一番、ひとみちゃんの事が好きなんだ
もん。
 過去も現在も、きっと未来も、わたしはひとみちゃんが一番大好きだよ。』

頭の中で繰り返すと、ますます混乱が起きる。
 嫌われたんじゃなかったの?
 あたしよりも好きなひと、できたんじゃなかったの?
 保田さんはどうなったの!?
 …よしこ、オーバーヒートしそうです…。
291 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時25分53秒
「・・・・・・。」
 混乱し過ぎて、言葉が出て来ない。
 もしかして梨華ちゃん…あたしと保田さん、二股かけるつもりなのか!?
 それとも…梨華ちゃんは優しいから、流されてるだけとか?同情!?
 いろいろな可能性が駆け巡る。
 てゆーか…保田さんじゃないかも知れない。最近の梨華ちゃんは、マジでいろんな人と
いちゃいちゃしてるし…。
 そんな事を考えてるうちに…あたしの怒りが、もう一度こみあげて来る。
 がしっと、もう一度梨華ちゃんの肩をつかむ。
「いたっ!」
「…あたしが好き?世界で一番!?」
痛がってる梨華ちゃんの顔をのぞきこんで、あたしは言う。
「嘘だ!!あたしの事が一番好きなら…あたし以外の人とあんなにいちゃいちゃするワケ
ない!!」
292 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時27分27秒
「はぁ!?」
「ののやあいぼんにちゅーされても、保田さんや飯田さんに肩抱かれたり抱きしめられた
りしても、梨華ちゃん嫌がる素振りさえしないじゃん!!
 それに、嬉々として矢口さんや安倍さんに抱きついたり!!ごっちんにも、カメラ回っ
てないのに『文麿様ぁ』とか言って甘えるし、紺野や高橋や小川や新垣と手ぇつないだま
ま、放そうとしないし!!!」
思い出すだけで、胸が焦げそうだ。
「あたしが人前で抱きついたりキスしようとしたりすると『仕事中だよ』とか『みんな見
てるからやめてよ』とか言ったのに!!あたしにはあんまり抱きついて来ないクセに!あ
んなに甘えて来ないクセに!!あたしと手ぇつないでる時は、真っ先に放そうとしたクセ
に!!」
…あたし、マジでアホだわ…。
自分で言って、自分で思い出して、なんかヘコんでるし…。
「…何なんだよ…。嫌われてるかと思ったら、『世界で一番好き』とか言うし…。ワケわ
かんないよ…。」
293 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時27分59秒
 ほんと、女心ってわからない。
 どっちなの?もっとわかりやすくしてくれなきゃ、あたしにはわからないよ…。
 そう思ってうなだれてると…今度は梨華ちゃんが口を開く。
「…ちょっと待ってよ。それはひとみちゃんだって同じじゃない!!」
 …なんだとぉ!?
「ひとみちゃんだって、ののやあいぼんに嬉しそ〜にちゅーされてたじゃない!!それに、
ミスタームーンライトの時なんて、ほ、本番中に飯田さんの肩抱いてたり!!矢口さんや
安倍さんに『愛してる』とか繰り返し繰り返し言っちゃってさぁっ!!
 わたしよりごっちんに会ってる時間の方が長いんじゃないの!?新メンバー4人を追い
掛け回してるのはひとみちゃんの方じゃない!!」
…た、確かにした。記憶もある。
 でも、あたしは梨華ちゃんみたく、嬉々としてそれをやった事はないもん!!
「あたしは本気じゃないもん!!」
「わたしだって本気じゃないわよ!!」
くっそぉぉぉ〜!!なんか悔しい!!
294 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時28分34秒
 む〜っとにらみ合うあたしの頭に、一つの事実が思い出された。
「…あと梨華ちゃん、昨日帰りに保田さん家行ったんでしょ!?」
そうだ!!それを忘れちゃいけない!!
「それを言うなら、ひとみちゃんだって!!ごっちんをごはんに誘ってたじゃない!!」
「あたしはごはん食べて、その後すぐに別れたもん!梨華ちゃんは、保田さんの家に上がっ
たんでしょ!?」
梨華ちゃんは、言葉につまった。
 そして、うろうろと視線をさまよわせる。表情もなんだか気まずい顔。
 …そんなんだから、あたしは気付いてしまった。
 梨華ちゃんのTシャツに。
 梨華ちゃんが今着てるのは、青地に白いプリントのTシャツ。梨華ちゃんはあんまり選
ばないデザインだ。梨華ちゃんの選ぶのは、どこかしらピンクが入ってるTシャツだ。
「…あたし、このTシャツ見た事ないんだけど。てゆーかコレ、あきらかに梨華ちゃんの
趣味じゃないよね。」
「!!」
梨華ちゃんの顔色が、一瞬にして青くなる。
 その様子に、あたしの脳裏にはひとつの可能性がよぎった。
「ま、まさか梨華ちゃん…保田さん家に泊まったんじゃ…!!」
295 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時29分16秒
ケメ子の家に…お泊り!!
 それを考えただけで、あたしの背筋には冷たい汗が流れた。
「ちょ、誤解しないでよ!!保田さんとは何もないもん!ただ、わたしの話を聞いてもらっ
てただけで…」
「…泊まったんだね…。」
しまった、と言う言葉が顔に出てるよ、梨華ちゃん…。
「…て事は、その目…保田さんの前で泣いたの?胸とか貸してもらったの!?
 どうして…どうして、あたし以外の人に、そう言う事するのさ…!!」
涙が出る。
悔しい…!!あたしじゃない人に、そんな事させるなんて…!!
いつだって、梨華ちゃんを励まして来たのはあたしだったのに…!!それを、たった三ヶ
月冷たくしただけで保田さんに持って行かれるなんて!!!
 そんなあたしに、梨華ちゃんは強い口調で言う。
「確かにわたし、保田さんの家に泊まった。保田さんの胸で泣いた。でも、保田さんとは
本当にそれ以上は何もなかったし…もとはと言えばひとみちゃんが悪いんじゃない!!」
 なんだとぉ!?
296 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時29分46秒
「あんなにラブラブで幸せだったのに、三ヶ月前からいきなり冷たくなって!!ごっちん
とばっかりいるようになって!!散々わたしをないがしろにしたのが悪いんじゃない!!
そーでもなければわたし、保田さんに胸を貸してもらう事もなかったし、目がこんなんな
る程泣く必要もなかったんだからね!!」
「それには理由があるんだよ!!」
「ほー、理由ですか!!どんな理由なんでしょーかねぇ!?」
 そこであたしは、我に返る。

 い…言えない…!!

 『ごっちんの作戦にうっかり乗っちゃって、ちょっと梨華ちゃんを試してみよーかな☆』
なぁんて事を思ってたなんて…言えない!!
「・・・・・・。」
黙るあたしに、梨華ちゃんはなおも言いつのる。
297 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月01日(火)22時30分27秒
「それにわたし、まだひとみちゃんの気持ちを聞いてないよ!?わたしはちゃんと『世界
で一番好き』って言ったのに!!」
ぐはぁ!!!
痛い所をつかれてしまった…!!
 な、なかなかやるのぅ、石川梨華…!!
 でも、吉澤ひとみ。
 ここで退くワケには行かないぜ!!
「い、言ったじゃん!!一年前から三ヶ月前まで、毎日のよーにっ!!」
「三ヶ月前からは一っっっっ言も聞いてませーーーーーーん!!わたしの聞きたいのは、
ひとみちゃんの『現在の気持ち』!!どうなのよ!!」
…どうやら、梨華ちゃんの方が一枚上手らしい…。
 だ…大ピンチ…!!
 でも、梨華ちゃん。
 怒った顔も可愛いなぁ…。
298 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月01日(火)22時31分17秒

よしこ。大ピンチです。
苦し紛れだったんですね〜、ココ。書いてて楽しい楽しい(笑)。

>ヒトシズク様
 よしこの嫉妬はすごいです。
 普段あんま外に出さない分、内面では大変な事になってる気が…します(笑)。
 がんばります!どうぞよろしく♪

>ひとみんこ様
 へたれよしこは可愛いですよね〜♪私の好みです!!
 たまらないだなんて…そう言って頂けると、マジ嬉しいです!!
 ありがとうございます!!

>未唯 亮様
 ありがとうございます!!超うれすぃ〜です!!
 >今いちばん楽しみに読んでる話なんです♪
  マジですか!?嬉しい!!嬉し過ぎです〜〜〜〜〜(感涙)!!
  も〜〜〜、超がんばりますね!!
299 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月02日(水)08時21分37秒
へたれよしこは、今日も梨華ちゃんに突っ込まれまくり。
へたれのくせに、試そうなんてするから、そんな目に逢うのです。

現実には余り見かけなくなった「よしりか」ツーショット。
梨華ちゃんの部屋で、同じ光景が見られるかも。

書いているクロイツさんも楽しいかも知れませんが
読んでいる方は、もっと楽しいで〜す♪
300 名前:あおのり 投稿日:2002年10月02日(水)14時15分23秒
ヨスコさん思いっきり空回りして飯田さんも真っ青なオーバーヒートっぷり。
で、梨華チャンに思いっきり突っ込まれる…
見事なヘタレっぷりに私の萌え度もさらにヒートアップです。(w
ついに佳境に入りましたね。今回は一段と筆の切れ味もよいようで。
結末はわかっているのにどきどきして、作者さん上手すぎ!
301 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年10月02日(水)21時07分48秒
梨華ちゃん、おいあげて(?)きましたね♪
楽しいです(笑。梨華ちゃんのつっこみがマジで面白い^^
これからどうなるのか、わかってるんですけど楽しみです^^
がんばってください!
302 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月02日(水)21時15分26秒
 ってゆーかもう…どうすれば良いんだろう?
 言いたい。ブチまけちゃいたい。そうできたら、どれだけ気が楽になるんだろう…。
 …でも、言えない…。
 ものすごいジレンマの中で、あたしは梨華ちゃんから顔を背けた…けど、それは梨華ちゃ
んに阻まれた。
 頬を両手で挟まれて、顔を梨華ちゃんの方に向けさせられる。
「ひ・と・み・ちゃ・ん?」
ああ…こんな至近距離で微笑みかけられるなんて、超久しぶり…。
 ちょっぴり幸せかみしめたけど、すぐに思い出す。それどころじゃないって。
「…さっきまで、あんな早口でわたしと互角にイロイロな事言ってたのに…どうしてこの
事だけには口を開かないの?」
 呆れ顔も可愛い。でも、できればもう一回微笑んで欲しいなぁ。…だからあたし、それ
どころじゃないんだってば。んもぅ、我ながら緊張感欠けまくりで嫌んなっちゃう…。
 でもあたし…今、梨華ちゃんにほっぺ触られてるんだ…。
 それを考えるだけで…顔がニヤけそーになっちゃうよ。気を付けなきゃ。
303 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月02日(水)21時15分56秒
「…わかったわ。」
唐突に、何かを決心したような顔の梨華ちゃんに言われる。
 え!?何がわかったの!?
「じゃあ、勝手に解釈する事にする。
 ひとみちゃんはもう、わたしの事なんて好きじゃないのね?別れたいと思ってるけど、
口に出せないのね?
 だから、『現在の気持ち』を訊かれると困るのね?」
「違う!それは絶対違う!!」
言葉が終わるか終わらないか、のうちにあたしは叫んだ。
 全然わかってないよ、梨華ちゃん!!
 あたしが梨華ちゃんの事好きじゃなくなるなんて、あり得ない。
 好き過ぎて、自分でも困るくらいだ。
「違うの?」
念を押されて、あたしはこくこくと頷く。
「…じゃあ何なの?三ヶ月前から…どんな理由があって、わたしを避けてたのよ。」
 そ、それは言えないんだよぉぉぉ〜!!
304 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月02日(水)21時16分26秒
 ああ、スッゲェじれったい…。
 言葉に出せないならいっその事、行動に移してしまいたい。
 だけど、言葉で伝えない事にはそれも叶わない。きっとこんな状況でそーゆー事される
のは、梨華ちゃんは嫌がるだろう。
 嫌われたくない。
 他はどうなっても…嫌われて、去られちゃうのだけは避けたい…。
 でも、目の前にいる梨華ちゃんは本当に本当に可愛くて…もう、今すぐにでも抱きしめ
てキスして押し倒したい。てゆーかそのTシャツ、脱がしたい。
 それをする為には、言葉で伝える事が必要。
 今のこの状況、あたしにしてみりゃ地獄に近い。
 そしてあたしは、そんなに忍耐強い方じゃない。

「…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!もうっ!!限界ッ!!ごめんごっちん!!」

 当然の事ながら、あたしの忍耐力は…尽きた。
305 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月02日(水)21時16分59秒
 あたしは、目の前できょとんとしてる梨華ちゃんを思いっきり抱き寄せる。
「何なにナニ!?」
 抱き寄せた瞬間、甘いニオイがあたしの鼻をくすぐる。すると…あたしの中で、ものす
ご〜く熱い塊が生まれた。
 もう、耐えられない。
「…梨華ちゃん。」
「うひゃぁっ!?」
熱い塊に突き動かされながら…でも、怖がらせないように、梨華ちゃんの耳元で囁く。
 ふふふ…梨華ちゃん、耳も弱いんだよね…。
 口元に寄せられた耳を、あまく噛みたい衝動に駆られるけど…まだ、駄目だ。
 あたしはもう一度、心の中でごっちんに謝ってから言った。

「…現在のあたしの気持ちなんて、決まってるじゃないか。
 好きだよ。大好き。…いや、愛してるんだよ、梨華ちゃん。
 いつだってウチは、梨華ちゃんが好きで好きで好きでたまらないんだ…。」

 それが、本心。
 多分きっと一生変わる事のない、あたしの気持ち。
 梨華ちゃんはあたしにとって…空気とか水とかみたいなもの。
 なくなってしまったらあたしは、生きて行けない。
306 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月02日(水)21時17分36秒

「…ふぇ?え?…はい?」
 さすがに梨華ちゃんは大混乱中みたいだ。…そりゃそーだろうーなぁ。
「…だからお願い。あたし以外のひとを、あたしと同じように愛さないで…。
 いや、あたし以外を愛さないでよ、梨華ちゃん…。」
 混乱してるってわかってても、あたしは続ける。
 もう、止まれないよ。
 だって、こんなに密着しちゃってるんだよ?
 けっこう力を込めてるから、梨華ちゃんのちょっと大きめの胸もあたしにひっついて…
ふにって感触をあたしに与えてる。
 それに、言えって言ったのは梨華ちゃんだもん。
 混乱のあまり放心状態の梨華ちゃんを、抱き上げる。
 胸の感触が離れちゃうのは、ちょっともったいないけど…もう、我慢できない。
 今度は、手で触りたい。
 胸だけじゃなくて、他のトコにも…。
 可愛く鳴く、梨華ちゃんが見たい。
 だって、思い返してみたら…あたし三ヶ月も我慢してたんだからさ。
307 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月02日(水)21時18分11秒
 そんな事を考えつつ、梨華ちゃんをベッドに下ろして覆いかぶさる。
「ちょ、ちょぉっ!!ちょっと待ってよ!!何なの、急に!!どうしたのよ!?」
正気に戻ったらしい梨華ちゃんが、ちょっぴり切羽詰った声を出す。
そして梨華ちゃんは起き上がろうとしたけど、梨華ちゃんの両腕はもう押さえてある。無
駄な抵抗ってヤツだ。
「梨華ちゃん…」
あたしの、今の想いを全て込めて…名前を呼ぶ。すると梨華ちゃんの顔が朱に染まった。
 行けるかな?と思ったけど、さすがは梨華ちゃん。
「待って、待ってよひとみちゃん!!」
チッ…流されなかったか…。
「待てない。」
「まだ、三ヶ月前から冷たい理由を教えてもらってないよ!?」
「終わったら言う。」
「駄目っ!!それじゃ駄目なのぉっ!!」
梨華ちゃんはもぞもぞと動いて抵抗するけど…梨華ちゃんの力なんて、たかが知れてる。
まさに『赤子の手をひねるよう』な感じで、それらを全て押さえつけた。
308 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月02日(水)21時18分43秒
 そして、まずは…この憎々しいTシャツに手をかける。
 サイズも梨華ちゃんにぴったり。…これを保田さんが買ったのだとしたら…かなり梨華
ちゃんのサイズを熟知してる事になる。
 スタイリストさんに聞いたか…それとも、よくよく梨華ちゃんを観察しているか。
 どちらにしても、許せない。
 梨華ちゃんを熟知してて良いのは、あたしだけなんだ!!
 Tシャツを、胸の上までたくし上げて…ブラと谷間が見えた、その時。

ちゃちゃんちゃ〜んちゃ〜ん、チャ〜ちゃちゃちゃちゃちゃんちゃ〜ん♪

「「・・・・・・。」」
シーンとした二人の間に響き渡る、『Mr.MoonLight』のメロディ。
 …イイ所でぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
309 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月02日(水)21時19分16秒

えろよしこ。
オヤジっぽいですね、よしこさん。
(;0^〜^)<梨華ちゃんが可愛過ぎるのがいけないんだYO!
人のせいにしちゃいけません。

>ひとみんこ様
 今回、へたれって言うかえろです、吉澤さん。
 楽しんで下さってますか?よかった〜♪
 書いてる方が一人で暴走してたらどーしようかと…(笑)
 ありがとうございます!!

>あおのり様
 上手すぎだなんて、そんな…嬉しいです!!ありがとうございます!!
 このままのテンションでがんばりますね!!どうぞよろしく☆

>ヒトシズク様
 追い上げて…ピンチに陥ってますね(笑)。
 そんな梨華ちゃんが大好きだ!!
 がんばります!!
310 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年10月02日(水)21時28分14秒
よしこ・・・君はエロおやじかいっ!
心の中で思わず突っ込んでしまいました(笑。
面白いです♪
がんばってください!
311 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月03日(木)09時20分23秒
昨日の夜、チェック出来なかったので
仕事前に読みました。

顔が「ふに〜〜」となってます。

やはり夜に読むことにします。(^_^)
312 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月03日(木)16時07分49秒
 『Mr.MoonLight』のメロディは、あたしの携帯から流れてる。
 この曲は、ごっちんなハズだ。
「…ひとみちゃんの携帯じゃない?」
梨華ちゃんに言われ、こっくりと頷くけど…
 すまん、ごっちん。
 出ない事に、決めさせて頂く。
「ちょっと、ひとみちゃん!!出ないの!?」
Tシャツを脱がすのを続行しようとするあたしに、梨華ちゃんが焦ったような声を出す。
梨華ちゃんがそう言うなら、出ようかな〜?とも思ったんだけど…梨華ちゃんのTシャツ
の下のブラを見て、その気持ちも消えた。

 このブラも、見た事ない。

 …Tシャツに、ブラ。って事は、もしかして下も?保田さんにもらったの?
 それを思うと…胸が張り裂けそう。これ以上想像力を働かせちゃったら、あたし絶対梨
華ちゃんと保田さん殺してあたしも死にたくなる。
313 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月03日(木)16時08分22秒
「それ所じゃないし。」
今は一刻も早く、このTシャツと下着を脱がせるべきなんだ。
 そう思って、無理矢理脱がそうとした…その時。

 ごとっ。

 …なんと携帯が、あたしのカバンから転がり出て来た。
 マジかよ!?ごっちん…キミの執念は怖すぎる…。
 背筋に薄ら寒いものが走って、あたしは梨華ちゃんのTシャツ&下着を脱がす手を止め
て携帯を拾った。
「もしもし。」
声が不機嫌になるのは当然だ。イイ所を邪魔されたんだから。
『ああ、ようやく出た〜!!よかった〜!!なかなか出ないからごとー、思わず呪いっぽ
く念じちゃったよ〜。』
 …キミの念は、確かに届いてたよ。
 携帯、転がり出て来たしね…。
314 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月03日(木)16時08分55秒
「何?今、取り込み中なんだけど。」
『大変なんだよ!!梨華ちゃんが…ケメ子ん家に泊まったらしいの!!』
「…知ってる。今、その事で梨華ちゃんと話し合ってるんだ。」
事実は、ちょっぴり曲げられた。
『げ!!うそ、マジ!?…じゃあ、作戦の事は…』
「まだ言ってないよ。」
『・・・・・・。』
ごっちんは、しばらく黙った。
『…ごとーが、いけないんだ…。よしこまで巻き込んで、こんな馬鹿な事して…。
 だから梨華ちゃん、ケメ子に…』
「…まだ、そう決まったワケじゃないけど。」
 嫉妬と怒りと悲しみと後悔が、同時に心の中に巻き起こる。
 心が、引き裂かれるみたいだ。
『…実は、いちーちゃんに作戦の事ばれちゃって…』
「うそ!?」
『ねえ…梨華ちゃんに代わってくれない?』
「え?」
『ごとー、梨華ちゃんに謝らなきゃ…。』
ごっちんの声には、涙が混ざり始めていた。
315 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月03日(木)16時09分27秒
「梨華ちゃん。」
「きゃあっ!?」
声をかけると、ちょっと後退さられてしまった。
「な、何?」
 梨華ちゃんの顔は、驚愕に満ちていた。
 もしかしてあたし、怖がられてる?
 …そりゃそうだよね。よく考えればあたし、強姦まがいの事したんだもん…。未遂だっ
たけど。
 梨華ちゃんは、あたしが脱がしかけたTシャツを着直してしまっていた。
 その事が…あたしの心に嵐を起こさせる。
 …さっき言った、『ひとみちゃんが世界で一番好き』って言う言葉。
 信じられないワケじゃない。
 でも、訊きたい。
 そのTシャツと下着をくれた人と、目の前にいるキミの恋人。
 どっちの方が、大切?
「ごっちんが…梨華ちゃんと話したいって。」
 携帯を差し出しながら、努めて普通にそう言う。
 顔に出てないよね?悲しそうな顔なんて、あたししてないよね?
 すると梨華ちゃんは、ちょっと顔を曇らせて携帯を受け取った。
 …その曇りは、誰のせい?
316 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月03日(木)16時11分29秒

 ごっちんと話してる梨華ちゃんの、背中をまじまじと見つめる。
 泣かないだけで精一杯だ。
 今、梨華ちゃんの声を独占してる、ごっちんにまで嫉妬してる自分が情けない。
 …ねえ、梨華ちゃん。
 あたしだけのものになってよ。
 あたしはとっくの昔に、梨華ちゃんのものなんだからさ…。
そんなあたしの心の中も知らず、梨華ちゃんはいつもより甲高い声を上げる。
「市井さん!?」
そう叫んで、あたしの顔を見た。
 ああ、市井さんごっちんのトコにいるんだな。
 そう思いつつも、心の中では梨華ちゃんがあたしの顔を見た事に喜んでる。
 …重症って言うか…やっぱり単純なのかな、あたし…。
317 名前:番外編『あたしの望み。』〜第四話〜 投稿日:2002年10月03日(木)16時12分02秒

 しばらく市井さんと会話していたらしい梨華ちゃんは、ぴっと携帯を切った。
 その携帯をあたしに返しながら、梨華ちゃんは首をかしげる。
「市井さん、何だって?」
そう問いかけると、梨華ちゃんの眉毛が寄る。
「これからウチに来るって…。ねぇ、なんで市井さんが出て来るの?」
あたしは、苦笑いを浮かべながら答えた。
「それは、ごっちん達がここに来てから話すよ。」
 …あたし以外の人に、目を向けないで…。
 その心の叫びは、梨華ちゃんには届かないみたいだ。
318 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月03日(木)16時12分33秒


えろおやじ吉澤。そんな吉澤さんも書いてて楽しいですが、にぶにぶの梨華ちゃん書くの
もたのすぃ〜♪ですねっ!!
 そして、第四話が終了☆次回から五話がスタートです!!

>ヒトシズク様
 ありがとうございます!!
 えろおやじ吉澤。なかなかイイ味出してくれます(笑)。

>ひとみんこ様
 >顔が「ふに〜〜」となってます。
 なってくださいましたか!!光栄です♪
 てゆーかヨッスィー…暴走気味ですね〜(笑)
319 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年10月03日(木)20時56分00秒
とうとう、ここまできましたかっ!
待ってました!てか、梨華ちゃんにぶいっすねぇ〜。
読んでて思わず「にぶっ」って言ってしまいました・・・。
5話楽しみにしてます!がんばってください!
320 名前:ななしのよっすぃ〜 投稿日:2002年10月03日(木)22時20分16秒
はじめまして。
最近、いしよしにはまっています。一気に読んでしまいました。
続きも期待です。梨華ちゃん視点もよかったですが、暴走気味のよっすぃ〜が最高です!!
321 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月04日(金)12時41分04秒

 電話を切ってから三十分も経たずに、ごっちんと市井さんは梨華ちゃんの家に到着した。
 梨華ちゃんがお茶の準備をしている最中、あたし達は無言だった。
 …空気が、すっごく重い。
 ごっちんも市井さんもあたしも、黙りこくっている。ごっちんは可哀想なくらい落ち込
んでるし、市井さんは見てすぐわかるくらいに怒っていた。
 …バレちゃったと言うのは、もしかしたら『感付かれた』って事じゃなくて『言っちゃっ
た』って事なのかな?
 …この二人にも、悪い事したなぁ。
 あたしがちゃんとごっちんを止めてればよかったんだ。
 きっとあたしは、ごっちんにとって『良い親友』ではないだろう。梨華ちゃんにとって
『良い恋人』でもない。
 すごい自己嫌悪で…あたしは力なく俯いていた。
 そして、頭に浮かんだのはののとあいぼん。
322 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月04日(金)12時41分36秒
 夢の中で抱き合って泣いていたあの子達。
 情けない『同期』でごめんね…。二人の大切な梨華ちゃんを泣かせまくって、本当にご
めん。ののとあいぼんは、どんな気持ちであたし達を見てたんだろう…。
 こんなあたしでも見捨てずに、『仲直りして』と電話をかけて来てくれたのの。
 直接的に何もできなくて、陰からずっと心配してくれてたあいぼん。
 二人とも、あたしに力を貸してくれ。

 絶対、決着つけてみせるから。
323 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月04日(金)12時42分40秒

 梨華ちゃんが、紅茶とクッキーを出して席につく。
 そして、居心地悪そうに身じろぎした後…口を開いた。
「あの、ごっちん?」
その声がやけに大きく感じられて、あたしはびくっとなって梨華ちゃんを見た。どうやら
びくっとなったのは、あたしだけじゃないみたいで…ごっちんと市井さんも、同じように
梨華ちゃんを見ていた。
 そして、ごっちんが…頭を下げる。
「ごっちん!?」
「ごめん、梨華ちゃん!!ごとー、ホントに自己中だった…自分の事でいっぱいいっぱい
で、梨華ちゃんの気持ち全然考えてなかった!!」
ごっちんの目からは、また涙が流れ始めた。
「あんな事されたら、どんな気持ちになるかなんて…ごとーが一番よくわかってたハズな
のに…それなのに、いちーちゃんに言われるまで気付かなかったなんて…」
「ちょ、ちょっと待ってよ。何の事だか全然わかんないよ。」
うろたえる梨華ちゃん。…そりゃーそうだろう。あたしまだ、何も説明してないし…。
フォローを入れようと口を開きかけると、ごっちんがあたしの方を向いた。
「…よしこぉ…よしこもごめん。ごとーが作戦なんて立てなきゃ…」
324 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月04日(金)12時43分11秒
「いや…乗ったあたしも悪かったんだよ。」
てゆーかむしろ、乗ったあたし『が』悪かった気もする。
「ちょっと待った。石川がワケわかってないみたい。吉澤、まだちゃんと石川に説明して
ないの?」
「…はい。」
「じゃあ、一から説明しなきゃじゃん。私はもう後藤からきいてるけど。」
あたしはこくんと頷いた。
 するとごっちんが身を乗り出して、梨華ちゃんに言う。
「あのね、梨華ちゃん。実はごとー…」
「ごっちん待って。ウチから話す。」
あたしはごっちんを止めた。
 これは、あたしの口から梨華ちゃんに伝えなきゃいけない。
 そう思って、梨華ちゃんを正面から見据える。
325 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月04日(金)12時43分43秒

 そしてあたしは…『後藤、本当に吉澤と…!?駄目だ、後藤は私のモノだ!!うん、そー
だよ♪ごとーはいちーちゃんのモノ☆…だからもう二度と放さないでね?もちろんだとも!
大作戦』の事を、洗いざらい梨華ちゃんに話した。

 梨華ちゃんの顔が、だんだん驚愕に満ちてくる。
 …これを知ったら梨華ちゃん…
 あたしを、嫌いになる?
326 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月04日(金)12時44分13秒

 「そ、そんな…!!そんな勝手な…!!」
当然の事ながら、梨華ちゃんはショックでよろめいた。
「…ごめん、梨華ちゃん。ウチもあんまりよく考えないで、ごっちんの作戦に乗っちゃっ
て…。」
心の底から、反省してる。
あたしさえ乗らなければ、こんな事にはならなかったんだって事、今ならちゃんとわかる
から。
「…さ、三ヶ月前からいきなり冷たくなった理由は、わかったわ…。」
梨華ちゃんは頭を押さえながら言う。
「わかったけど…それならそれで、わたしに一言言ってくれれば良かったじゃない。『こ
う言う作戦があるから、しばらく避けるね』みたいに。」
「ごめん。よしこはそうしようって言ったんだけど、ごとーが止めたの!!」
「えぇ!?」
ごっちんが、助け舟を出してくれた。
「だって梨華ちゃん、嘘とか吐けなさそうだったし…もしもいちーちゃんが梨華ちゃんに
接触したりしたら、計画がバレちゃうと思って…。」
ありがたい…。今ここであたしがそれを言ったら、ただの逃げ口上になっちゃう所だった。
 でも、ごっちんの顔はすごく苦しそう…。
 ごめんねごっちん…そして、ありがとう。
327 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月04日(金)12時44分44秒

五話、開始です!!
 今回はえろおやじでも乙女ちっくでもなく、ただひたすら『ヘタレ』ですね(汗)。
 でも、そーゆー吉澤さんほど書きやすい。
 この夫婦の二人の娘(のの&あいぼん)も、そーゆーお父さんが大好きなんでしょう(笑)。
( ‘д‘)<ったく、しゃーないチチオヤやな〜。オカンももっとしっかりせいや〜。

( ´D`)<やっぱり、ののとあいぼんがいなきゃ駄目なのれす。
 まったくもって、その通り(笑)
 でもって、こちらは妻のご両親(笑)
( `.∀´)<ホンットに、いつまでたっても手のかかるコね!

(●´ー`●)<心配だべ…。


>ヒトシズク様
 梨華ちゃんはにぶいです。天然です。
 言ってもらわなきゃわからないタイプです。
 だからよしこ…もっと口に出してあげて!!って感じなのです(笑)。
 がんばりますね!!

>ななしのよっすぃ〜様
 はじめまして、クロイツと申します♪
 読んでいただき、本当にありがとうございます♪
 どうぞ、これからもよろしくでっす!!
328 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年10月04日(金)20時53分02秒
ついにごっちん&イチイさんの登場ですね!
ここからが本番って感じですかね?
がんばってください!
期待してます!
329 名前:あおのり 投稿日:2002年10月06日(日)00時13分33秒
あー遂に作戦がばれちゃった…梨華ちゃんおっかねぇ〜
しかし長い長い作戦名読むたびに、
ごっちんとヨスコが声を合わせて一息に作戦名を言って
ゼハゼハしてる絵が浮かんできて笑ってしまいます。
330 名前:ななしのよっすぃ〜 投稿日:2002年10月06日(日)09時09分31秒
クロイツ 様
更新お疲れ様です。
最近の楽しみの1つです。いつもクールでかっこ良くいようとするよっすぃ〜のへたれ具合が最高です!
ショックでよろめく梨華ちゃんが目に浮かびました(w

次回の更新も楽しみに待っています。

PS:最近、娘。小説の保存をはじめました。
   クロイツ様が、ご自分のHP等でUPのご予定が無いようでしたら
   ぜひ、保存させていただきたい思います。
   ずうずうしいお願いですが、よろしくお願いいたします。
331 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月06日(日)10時48分32秒
雰囲気を楽しみたいので、更新されたらいつも最初から通しで読んでます。
おかげで時間が掛かってしょうがないです。(^_^)

でも、いつ読んでも、何度読んでも良いです。

更新が楽しみ♪
332 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月07日(月)19時27分31秒
 …ごっちんに謝ったり感謝したりしてる場合じゃない…。
 いやいやいや、それはそれで大切な事だけど…それよかまず梨華ちゃんだよ。
 梨華ちゃん、やっぱ怒ってるよね?
 そりゃそーだ。あたしが梨華ちゃんの立場だったらマジギレしてるし…。
 怖くて梨華ちゃんの顔が見られなくて、市井さんをちらりと盗み見る。市井さんも怒っ
てんだろーなぁ…と思ったけど、意外や意外。市井さんは苦笑していた。
「でもさぁ、正直ビビったよ。圭ちゃんから電話もらった時は。」
「…保田さん?」
梨華ちゃんの声に、あたしはちょっとびくっとなった。
そんなあたしを見て、市井さんの苦笑は本物の笑みになった。
「そう、圭ちゃん。」
市井さんはカップに口をつけて、ダージリンティーを一口飲む。
「今朝、圭ちゃんから電話があったんだ。
 『昨夜から石川が家に来て泣いてる。原因は吉澤と後藤。…アンタと喧嘩した後藤が、
吉澤を巻き込んでるみたいよ。傍迷惑だから、サッサとアンタから折れなさい』
 ってね。」
市井さんが発した保田さんの言葉は、モノマネ付きだった。
 スゲェ!!似てる!!まるでケメ子がそこにいるみたい!!
333 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月07日(月)19時28分04秒
「…って事は圭ちゃん、ごとーといちーちゃんが喧嘩してた事、知ってたの!?」
「そりゃーもう。後藤が吉澤に全部ブチまけたと同じように、私も圭ちゃんに全部ブチま
けたからね。」
 …そ、そうなんだ…。
 保田さんは事情を知ってたのか…。
 でも、全部知ってて梨華ちゃんに近付いたのか!?そうだとしたら保田さん、マジで梨
華ちゃん狙い!?
 頭の中で疑惑がぐるぐるしてるあたしを無視して、市井さんは続ける。
「…それで今日、私も午後からはオフだったから、後藤の家に行って話をして、この作戦
が露見したってワケだ。」
「…ごめんなさい…。」
完全な涙声のごっちん。
「い、いちーちゃんが浮気してるって…思って、ごとー…テンパっちゃって…。自分の事
以外考えられなくなっちゃって、こんな事しちゃったけど…
 でも、梨華ちゃんだって辛かったよね?ごとーのせいで…。
 ダイスキなヒトが、自分以外のヒトと…その、そーゆー事してるって思うだけで、胸が
張り裂けそうになる気持ち、ごとー…ごとーが一番良くわかってたハズなのに…!!」
ごっちんの涙声が、しゃくりあげる声に変わる。
334 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月07日(月)19時28分37秒
 …ごめん、ごっちん…。
 あの時、あたしがしっかり断ってれば…。
 そう思うと、あたしまで切なくなって来るよ…。
「な、殴ってくれて良いよ、梨華ちゃん。ごとーはそれだけの事したんだ…。」
しんみりしてるあたしの耳に、とんでもない言葉が聞こえて来た。
「待ってよごっちん!梨華ちゃんに殴られるとしたらウチの方だよ!!」
あわててそう言うけど、ごっちんは首を横に振る。
「でも、首謀者はごとーだもん!!」
「いや、あたしが乗らなければ良かった話なんだし…」
「二人とも、落ち着いて!!」
梨華ちゃんに言われて、おとなしく黙る。
 なんだかんだ言ってあたしら、梨華ちゃん大好きーズだからね…。
「もうっ!なんで、わたしが誰か殴るって事で話が進んでるのよ!
 わたしは誰も殴らないし、怒ってもいないよ。」
「「「へ?」」」
聞き返す声が、ハモッた。
335 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月07日(月)19時29分09秒
「だからぁ、怒ってないの。腹が立ってないの、わたし。
 …もしかしたら、昨夜保田さんになぐさめてもらったせいかも知れない。」
 その言葉に、自分でもわかるくらい血が下がる。
 なぐさめてもらった!?
 ど、どどどどどどんな風に!?
 何もされてないって言ってなかったっけ!?
 アレは嘘なの!?
「とにかく、ごっちん。ごっちんの気持ちはわからなくもないし、許してあげる。ただ、
欲を言えば…もうそんな作戦立てないで欲しいけど。」
 内心、ものすごく動揺してるあたしを置いて、梨華ちゃんは話を進める。
「もうしない!絶対!!ほ、本当にごめんね…梨華ちゃん…。」
ごっちんは両手で顔を覆って、大泣きし始めた。
 そんなごっちんを、市井さんが優しく抱きしめる。
336 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月07日(月)19時29分39秒
「…圭ちゃんにも言われたけど…もともとは私が悪かったんだよな。
 後藤が寂しがり屋だって事、ちゃんと知ってたハズなのに…後藤以外のヤツと必要以上
に仲良くしたりして…。
 でも私、後藤だけだからなっ!浮気なんてしてないぞ!!」
「い、いちーちゃぁぁぁぁぁんっ!!!」
 よかったね、ごっちん。頑張った甲斐があったね。
 …でもあたし…心の底から祝福できそうにない…自分の事でいっぱいいっぱいで…。
 あたしの頭の中では、『最悪の事態』がぐるぐると回っていて、それどころじゃないの
であった…。
337 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月07日(月)19時30分28秒
第五話…今回もヨッスィーはへたれですね…。
いちーちゃんはちょっとカッケーのに…。

>ヒトシズク様
 いちーちゃんの『ヤッスーの真似』は、達人クラスです(笑)。
 私の書くいちーちゃん&ごっちんは、『技アリ』系が多いんですよね〜。何故だろう。
 がんばります!!どうぞよろしく♪

>あおのり様
 私も想像してみました。
 ナイス!!ナイスですよ、その図!!
 そして、今回出てきた『後藤&吉澤・梨華ちゃん大好きーズ』(笑)。
 ごっちんはいちーちゃん命ですがね(笑)。

>ななしのよっすぃ〜様
 へたれヨッスィーは、んもぅ私の好みそのまんまです(笑)。
 そして、『わたしの望み。』を保存して下さるとか言うお話。
 ありがとうございます!!こんなんでよければ、どーぞ保存してやって下さい!!
 嬉しいな〜♪マジありがとうございます!!

>ひとみんこ様
 >雰囲気を楽しみたいので、更新されたらいつも最初から通しで読んでます。
 マジですか!?きゃ〜〜〜〜!!!嬉しいです〜〜〜!!ありがとうございます〜〜〜!!!
 そんなに楽しんでもらえて…クロイツは幸せ者です♪
 がんばりますので、どうぞよろしく!!
338 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年10月07日(月)21時12分25秒
いちーいさんの物真似達人クラスですね^^
さすがいちーいさん!(←は?)
・・と、よしこはへたれですね(笑。ま、それがよしこらしいんですけど・・・
これからもがんばってください
応援してまーす!
339 名前:あおのり 投稿日:2002年10月07日(月)22時16分20秒
うひゃぁ!「梨華ちゃん大好きーズ」私もめっちゃチームに混ぜてもらいたい〜
え?入会資格はモー娘。メンバーであることなんですか?
ぐはぁ!(喀血
340 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月08日(火)16時20分53秒
ヘタレで、やきもち焼きで、物事深く考えれない
ここのよしこのキャラ、大好きで〜す。

今、事務所で読んでいて、思わず笑ってしまって
まわりに変な目で見られています。(^_^;
341 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月08日(火)18時58分59秒

 気がついたら、ごっちんも市井さんも帰った後だった。
 頭の中では、まだ『最悪の事態』がぐるぐる回ってる
『石川…アタシ、アンタの事が好きなの…』
『駄目ですっ!わたしにはひとみちゃんが…!!』
『アタシは絶対、アンタを泣かせたりしないわ!だから…』
『保田さん…。』
『大事にする。だから、アタシのものになってちょうだい…!!』
『…わたしも実は、もうひとみちゃんには疲れてたんです。
 大事にして、くださいね…。』
『石川っ!!』
『保田さんっ!!』
 だ、駄目だぁぁぁぁぁっ!!何するんだケメ子ぉぉぉぉぉぉぉ!!!
342 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月08日(火)18時59分32秒
 耐え切れなくなって、現実の梨華ちゃんを見ると…なんかニコニコとしていた。
「…梨華ちゃん…。」
不安にかられて、声を出す。
「何?」
「や、保田さんと…保田さんと何にもなかったんだよね!?梨華ちゃん、そう言ってたよ
ね!?ただ、悩み相談してただけなんだよね!?」
身体が、震える。
 梨華ちゃんがあたし以外の人のモノになるなんて…考えただけで死にそうだ…!!
 そんなあたしの心も知らず、梨華ちゃんはクッキーを口に放り込み、ゆっくりと噛み砕
いたりしてる。
 こくん、と可愛らしい音を立てて、飲み込んだ後…眩しいくらいのチャーミースマイル
を浮かべて言った。
「ナイショ♪」
「梨華ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!」
「冗談よ。」
 …く、くそう…やるじゃないか、梨華ちゃん…。
343 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月08日(火)19時00分02秒
 梨華ちゃんはあたしの口に、クッキーを一枚放り込んでくれた。
 すっごく、美味しいクッキー。手作りみたいな味。保田さんも梨華ちゃんも料理はサッ
パリだし…誰にもらったんだろう?
「保田さんとは、本当に何もありませんでした。わたしの言葉で納得できないなら、安倍
さんにきいてみれば良いわ。」
その言葉で、あたしはちょっと安心した。
 …安倍さんも一緒にいたんだ…。
 このクッキーもきっと、安倍さんの手作りだろう。
 …あああああああっ!!よかったぁぁぁぁぁぁぁ!!!
「…それで、ひとみちゃん。さっきはごっちんと市井さんがいたからあんまり訊かなかっ
たけど…」
あたしのティーカップに紅茶を注ぎ足しながら、梨華ちゃんは真顔で言う。
「なんで、ごっちんの計画に乗ったの?」
 …クッキーが、のどに詰まりそうになった。
 『んっがっぐっぐ』の世界だ。
344 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月08日(火)19時00分33秒
「そ、それは…さっきも言ったけど、あんまよく考えてなくて…」
「それだけじゃないでしょ?」
「う…。」
とっさに返した答えも、アッサリと見破られる。
「ひとみちゃんが、本当は全然関係ないのに市井さんに喧嘩売るなんて、できるワケない
じゃない。」
「・・・・・・。」
 あたしは、がくっとうなだれた。
 図星過ぎて、返す言葉もございません…。
「白状しなさい?じゃないと…」
梨華ちゃんはビシィっとあたしを指差して、揺ぎ無い瞳をした。
「これから二週間、わたしには指一本触れさせないわよ?」
「い、いいいい言いますっ!!それだけは勘弁っ!!」
梨華ちゃんは、こくんと頷いた。
 これ以上二週間も『おあずけ』されたらあたし、きっと気が狂うよ…。
345 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月08日(火)19時01分05秒

 あたしは、きまずくってきまずくって…梨華ちゃんから目線を逸らした。
「…あんまり考えてなかった、ってのも本当にあるんだけど…でも、あたしは最初はごっ
ちんを止めようと思ってたんだ。だけど…」
「だけど?」
「…梨華ちゃんが、嫉妬してくれるかな〜…って…。」
「はぁ!?」
「…梨華ちゃんを避けて、ごっちんと一緒にいたら…梨華ちゃんは妬いてくれるかな?と
期待して…」
「なにそれ!!」
 …うああ。やっぱ怒ってる…。そりゃそーだよなぁ…。
「ごめんなさいっ!!試そうとか考えてましたぁ!!」
手を合わせて、頭を下げる。
こーゆー時はちゃんと謝っとかないと駄目だよなぁ…。
 だけど、梨華ちゃんの怒りは収まらないみたいで…ちらりと見えてる手が、ちょっと震
えてる。

「た、試したいのは、こっちの方よ!!」

「へ?」
聞こえて来た言葉に、あたしは思わず聞き返す。
346 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月08日(火)19時01分38秒
 顔を上げると、梨華ちゃんは泣いていた。
「ひとみちゃんに出会ってから今まで、わたしが嫉妬しなかった日があるとでも思ってる
の!?」
手の甲でぐいっと涙をぬぐって、続ける梨華ちゃん。
「誰にでも優しくて、誰にでもすぐ『愛してるよ』とか言うし!!」
「梨華ちゃ…」
「ひとみちゃんの恋人になれたのは、ごっちんや矢口さんや…他の人の誰よりも早く出会
えてたからで、もしかしたらわたしじゃなくても良かったんじゃないかな?とか…」
「そんな…。」
「本当はもう飽きられてるんじゃないかな?とか、いっつも不安だったんだから!」
ぐし、ともう一回涙をぬぐう。

「だけどわたしは…そんな試すような事したら嫌われちゃうと思って、できないでいたの
に…それなのに!ひとみちゃんは、そ、そんなに簡単に…!!」

「梨華ちゃん…。」
347 名前:番外編『あたしの望み。』〜第五話〜 投稿日:2002年10月08日(火)19時02分10秒

嬉しかった。そんなに嫉妬してくれてるなんて、思わなかった。
あたしの事で、こんなにも心を痛めてくれてたなんて…!
 そして、思い知る。
 あたしは何て、独りよがりだったんだろう。
 自分ばっかり梨華ちゃんが好きで嫌だなんて、何で思ったりしたんだろう。
 このひとは、こんなにもあたしを愛してくれてたのに…。
 そんな想いを込めて、梨華ちゃんの頬に触れようとした。
 涙を、ぬぐってあげたかった。
 …でも…
「触らないで!…黙って、そのまま見てて。」
そう言われて、びくっと手を戻す。
 胸が、痛い。
 目の前で愛するひとが泣いてるのに、なぐさめる事すら許されない…。
 それがこんなに辛い事だなんて…あたしは生まれて初めて知った。
348 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月08日(火)19時02分40秒

 第五話、終了です!!次回から最終話!!
 てゆーかヨッスィー。
 へたれな君ほど可愛く感じるのは何故なのだろうか…。

>ヒトシズク様
 達人・市井(笑)。
 やぐっっつぁんの真似も上手いと言う裏設定もあったりなかったり(爆笑)
 がんばります!!

>あおのり様
 梨華ちゃん大好きーズ!!私もメンバーですから(笑)
 あおのり様もどうぞ、お仲間に!!
 会員資格は『梨華ちゃんが大好きである事』のみですわ!!

>ひとみんこ様
 ありがとうございまっす♪
 これが、私の理想のヨッスィーだったりもします(笑)。
 私もよく、学校のパソコンの前でニヤニヤしちゃって、周囲にビビられてたりします(爆笑)
 わーい♪仲間だー♪(←オイ)
349 名前:ななしのよっすぃ〜 投稿日:2002年10月08日(火)20時18分08秒
へたれな、よっすぃ〜は、めっちゃかわいいですよね。
最終話も楽しみに待ています。

>>337 保存の件
ありがとうございます。さっそく保存作業に入りたいと思います。
350 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年10月08日(火)21時31分53秒
いや〜、よしこなんだかかわいいですね^^
カッケ―のに可愛くて、へたれなのにカワイイ・・・
これからもがんばってください♪
続き期待してます!
351 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月09日(水)08時54分09秒
基本的に、このお話の主な情景って、2カ所だけなんですよね。
(今頃、気が付くな!)
それでここまで引っ張れるのは(悪い意味ではありません)、すごいです!
おちゃらけな題材なのに、心理描写に引き込まれてしまします。

ここまで書けるのは、作者さんの実体験では? と思ったり。
ほんとはそうなんでしょ? きりきり白状してください。


352 名前:ななしのよっすぃ〜 投稿日:2002年10月09日(水)21時29分43秒
クロイツさま
こんばんは。
保存ページにアップしました。
http://
isweb45.infoseek.co.jp/novel/kuni0416/text/IWish/index.html
になります。
不慣れなため、至らない点もあると思いますが、ご不満な点などありましたら、お知らせ下さい。

よろしくお願いいたします。
353 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月10日(木)15時13分49秒

 あたしはずっと、自分の事しか考えてなかった。
 あたしを見て欲しい。あたしだけを好きになってほしい。あたしのものになって欲しい。
 欲しい、欲しい、欲しい…。
 なんて子供じみてるんだろう。
 あたしはちゃんと、梨華ちゃんに想いを伝えられてたんだろうか?
 そう考えた事は、なかった。
 …それで、愛して欲しいなんて…虫が良すぎる。
 贅沢過ぎる、あたしの望み。
 それはが叶うのは…きっと、あたしがもっと大人になって、ちゃんと梨華ちゃんを愛せ
るようになった時。
 今の、子供過ぎるあたしは…望んだりしちゃいけなかったんだ。
354 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月10日(木)15時14分20秒

 「…うっく、ふぇ…」
梨華ちゃんは子供みたいに、両手で両目を覆って泣いてる。
 …胸が、痛いなんてモンじゃない。
 痛いのなんか通り越して…むしろ、ものすごい脱力感。
 いや、これは脱力感じゃないな。無力感だ。
 梨華ちゃんが泣いてるのに、あたしは何もできない。…『しないで』って言われてるん
だけどさ。
 それで、あたしは思う。
 あたしが知らない所で、あたしの為に…梨華ちゃんはどれくらい泣いたんだろう…。
「もう、嫌ぁ…。」
「何が、嫌なの?」
平坦に即答したけど、内心ギクリとする。
 もしかして梨華ちゃん、あたしの彼女でいるのが嫌になっちゃったの…!?
355 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月10日(木)15時14分52秒
「わ、わた、しばっか…り…。」
 続きを聞くのが怖い。
 何て言われるんだろう。
 『わたしばっかり、泣かされてばっかりでもう嫌』…とか?
 …愛想、つかされちゃったかな…。
 …でも、ここで逃げるワケには行かない。
 あたしは一回、ぎゅっと目をつぶって…ゆっくり開いた。
 目を開くと同時に、梨華ちゃんは口を開く。

「わたしばっかり、ひとみちゃんが好きなのは、もう嫌なのぉ…。」

 眩し過ぎるくらいの梨華ちゃん。
 梨華ちゃんはそう言って、またわっと泣き出した…。
356 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月10日(木)15時15分23秒


最終話、開始です!!
ヨッスィー、今回はちょっと男前ですねっ!!

>ななしのよっすぃ〜様
 ありがとうございます!!さっそく行かせて頂きますね!!更新終わったら(笑)
 へたれだけど男前…今回はそんな感じです♪いかがでしょうか?

>ヒトシズク様
 よしこは男前ですけど、やっぱり女の子ですからね〜♪
 可愛くないと!!
 あともーちょっとですが…どうぞ、最後までお付き合い下さいませ!!

>ひとみんこ様
 いやいや、そんな…すごくなんかないですよ(照)。
 そう言って頂けるとうれすぃ〜です♪ありがとうございます!
 >ここまで書けるのは、作者さんの実体験では? と思ったり。
 …ごめんなさい。実体験じゃないです…(汗)。
 こんな情熱的(?)に恋した事はございません…。
 …てゆーか私、梨華ちゃん似の彼女募集中の十九歳女性ですから☆(←オイ)
357 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年10月11日(金)20時38分28秒
おおっ!とうとう最終話突入ですね^^
ちょい今回のよしこカッケ―ですね♪
最終話楽しみにしてます^^
がんばってくださいな!
358 名前:通りすがり 投稿日:2002年10月11日(金)22時13分11秒
わたし壊れてま〜す♪ (適当にメロディー付けてください)

仕事さぼっちゃいました。
一日中「よしりか」ばっかり読んでました。
最後にここへ来ました。

「わたしばっかり、ひとみちゃんが好きなのは、もう嫌なのぉ…。」

もう出ないとと思った涙がこの一行でまた出てきました

なんだかよくわかりません

ごめんなさい、変なこと書いて


359 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月12日(土)14時26分23秒
「・・・・・・。」
あたしは、とっさに声が出ない。
 ええっと。
 今、なんて言われたんだっけか?
 頭の中で、さっきの梨華ちゃんの台詞を再生してみる。

『わたしばっかり、ひとみちゃんが好きなのは、もう嫌なのぉ…。』

確かに、そう言われた。
 …梨華ちゃんばっかり、あたしの事が好き?
 ちょっと待って。それはこっちの台詞…
 あ!!
 って事はウチら、同じ事考えてたって事!?
「…ぶっ。」
あたしは、思わず噴出した。
360 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月12日(土)14時26分56秒
「ぶはっ…う、うっはははははははははははは!!!!!」
そうなると、もう止まらないのが人の常。
あたしは、思う存分爆笑し出す。
 すると、ずっとうつむいていた梨華ちゃんも、顔を上げた。
 すっごく驚いたみたいな顔をしている。
 そんな顔も可愛いなぁ。
 だけど、爆笑は収まらない。
「…な、何で笑うの!?」
「あははははは!!ご、ごめっ、だ、だって…うっははははははははは!!!」
「笑わないでよ!!」
「ごめんってば〜!!で、でも、だってさぁ、くっ…あははははははっ!!!」
怒る梨華ちゃんに、笑うあたし。
まるでコントみたいだ。でも、止まらないんだからしょうがない。
 梨華ちゃんの驚きの顔が、だんだん怒りに染まって来る。
 そんな顔も、可愛い。
「もう!わーらーうーなぁぁぁぁぁっ!!」
「あっはははははははは!!」
このやりとりは、しばらく続いた。
361 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月12日(土)14時27分28秒

 気がつくと、梨華ちゃんはキッチンに立っていた。
 梨華ちゃんが移動した事に気づかないくらい、大爆笑してたんだ、あたし。
「…は〜、笑った笑った。こんなに笑ったの、久しぶりだよ。」
「・・・・・・。」
「…梨華ちゃ〜ん、怒んないでよ〜。」
「・・・・・・。」
キッチンに立つその背中が、『返事なんかしてやるもんか!』って言ってる。
 …ったくもう、可愛いなぁ、梨華ちゃんは。
 そんな所まで可愛いなんて、反則だぞ?
「・・・・・・。」
ごとっと音を立てて、梨華ちゃんはあたしの前にマグカップを置く。
 そこに注がれていたのは、あたしの好きなロイヤルミルクティー。
「おっ、ありがと〜。あたしコレ好きなんだよ〜。」
つーん。
そんな音を立てるかのごとく、梨華ちゃんはそっぽを向く。
「久々だね、梨華ちゃんのミルクティー飲めるのは。」
つーん。
362 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月12日(土)14時28分02秒
 実はあたし、ロイヤルミルクティーを飲むのは三ヶ月ぶりだったりする。
 梨華ちゃんに会えない間は、喫茶店でも注文できなかった。だって、梨華ちゃん思い出
して切なくなっちゃうんだもん。
「う〜ん、おいすぃ〜。」
「…そりゃどーも。」
「お、ようやく喋ってくれたね。」
「・・・・・・。」
つーん。
また、そっぽを向いてしまう。
 すねたみたいな横顔も可愛いから良いんだけど…できればこっち向いて欲すぃ〜なぁ。
 そんな事を思いつつ、あたしは口を開く。
「…ところでさぁ。」
ことっとカップを机に置く。
「梨華ちゃんばっか、あたしを好きだって?」
「・・・・・・。」
つーん。
363 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月12日(土)14時28分32秒
「そんな事、梨華ちゃんが考えてるとは思わなかったよ。」
つーん。
「てゆーかアレ、あたしの台詞だっての。」
「はぁ!?」
さすがに、梨華ちゃんはあたしを見た。
「だから、あたしの台詞。」
「何が!?」
あたしは咳払いを一つして、真剣な顔をした。
 これだけは言わなきゃ。
 そうじゃなきゃきっと、あたしは後悔する。今じゃなきゃ言えない。
 自分の気持ちを伝えてからじゃなきゃ、あたしの望みなんか叶わない。

「あたしばっか、梨華ちゃんが好きみたいで、嫌だっつーの。」

 梨華ちゃんのぽかんとした顔も、最高級に可愛かった。
364 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月12日(土)14時29分06秒

次回、本当に本当に最終回っ!!
次回で完結です!!なちけい番外編とかいちごま番外編とか考えたんですけど、
やっぱやめます。
次回で本当〜に完結です!!(←しつこい)

>ヒトシズク様
 次回は完結ですよ〜。
 今回は『爆笑よしこ』でしたね(笑)。
 あともーちょっと…頑張って書きます!!

>通りすがり様
 どーも、ありがとうございます♪
 涙を流してくださいましたか〜!!光栄です!!
 次回完結なんですが、どうぞ最後までお付き合い下さいませ!!
365 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月12日(土)21時24分03秒
いちごま番外編よみたいなぁ〜〜〜!!
残念・・・
366 名前:あおのり 投稿日:2002年10月13日(日)02時09分44秒
つんつん梨華ちゃんに萌えるバカ旦那に萌えている私はもっとバカ?
やっぱりよしいし最高です。
いよいよ大団円に向かってラストスパート、読んでいる方も手綱を引き締めてっと

367 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月13日(日)11時32分22秒
いよいよファイナルですか。
ラストスパートがんがってくらはい。

いやーほんとにこの話好きです〜。
製本化、決定しますた。

ほんの少しだけでも、エピローグが有ると、うれしいな。
368 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月14日(月)00時02分33秒
最終回ですか…残念!
なちけいの番外編読みたかったっす!
369 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時36分16秒
 「あたしは、梨華ちゃんなしでは生きていけない。」
これは、ずっと思ってた事なんだけど…口に出すのは初めてかも知れない。
「…でも、梨華ちゃんはそうじゃない。きっとあたしがいなくても生きて行ける。」
「そ、そんな事…」
「ない、とは思えないんだよ。」
苦々しい想いが、あたしの心を苦しめる。
「この三ヶ月間、梨華ちゃん…あたしが側にいないのに笑ってた。元気にしてた。
…くやしいよ。あたしはこんなに好きなのに…」
手が、震える。いや、手だけじゃない。身体全体がちょっと震えてる。
「わたしだって!」
梨華ちゃんの高い声が、あたしの耳を貫く。
あたしは顔をあげて、梨華ちゃんの顔を見た。
「わたしだって、ひとみちゃんなしでは生きて行けないもん!!
 …この三ヶ月間、わたしすっごい無理してたの!!」
梨華ちゃんの目からは、また涙が浮かんで来ていた。
370 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時36分46秒
「ひとみちゃんに嫌われたくなくて…『重い』って思われたくなくて、無理してたの!!
…本当は、辛かった…辛くて辛くて、壊れちゃいそうだった!!」
「梨華ちゃん…」
「保田さんに相談したのは、この事なの。」
「…へぇ。」
出て来た『保田さん』と言う単語に、あたしはいたく不機嫌になる。
 …駄目だ。今はそんな、嫉妬なんかしてる場合じゃない!
「…あのさ。」
気を取り直して、梨華ちゃんの腫れた瞳を見る。
「この三ヶ月間で、思い知ったんだ。」
「え?」
「やっぱりあたし、梨華ちゃんが側にいないと駄目だ。」
きょとんとした顔の梨華ちゃんに、ちょっと傷付く。
 だけど、言わなきゃ…何があっても、これだけは言わなきゃ。
「梨華ちゃんがどれくらい、あたしの事好きでもかまわない。」
抱きしめたい。でも、禁止令出されてるしなぁ…。
 抱きしめられない分、あたしは目で想いを伝える。
「お願い、あたしの側にいて。」
371 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時37分22秒

 梨華ちゃんの目から、また大粒の涙が流れ始める。
 …辛い。
 泣いてるのに…他の誰でもない、梨華ちゃんが泣いてるのに!!あたしは何もできない
なんて…。
 あたしは耐え切れなくなって、席を立って…梨華ちゃんの横に立った。
「…もし、あたしの事が好きで…側にいてくれるなら…梨華ちゃん。
 なぐさめさせて…?」
すると梨華ちゃんはまた、きょとんとした顔をする。
 一瞬置いて…梨華ちゃんはすっと立って、あたしに抱きついて来た。

「…大好き。こっちこそ、側にいさせて…?」

 震える梨華ちゃんの背中に、恐る恐る手をまわす。
 ぎゅっと抱きしめると、梨華ちゃんの甘い香りがあたしを包む。
 し…幸せ…!!
 そんなあたしに、梨華ちゃんは言う。
「でも、ひとみちゃん。わたしの方が絶対『好き』の量は多いよ?」
「そんな事ないよ!絶対、あたしの方が多い。」
「違うもん!わたしの方が多いもん!」
至近距離で、梨華ちゃんは『一生懸命っ!!』て顔をして…こう続けた。
372 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時38分04秒

「わたしは、たとえひとみちゃんと同じ顔したひとに『好きだ』って言われても、それ
がひとみちゃんじゃないならときめかない。
 もし、ひとみちゃんが事故とかで身体が動かなくなっちゃっても、愛し続けられる。」

 …え…!?
 何…!?嘘…!!!
 梨華ちゃん…!!

「愛してるよ、ひとみちゃん。ひとみちゃんがひとみちゃんである限り、わたしはひと
みちゃんを愛してます。」
373 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時38分38秒

 あたし…あたしは、もう…どうする事もできないくらいの幸せを手に入れてしまった。
 贅沢過ぎて…未熟者のあたしには絶対叶うはずもない、あたしの望み。
 それが…それが叶った…!!!
374 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時39分10秒

 あたしは、力いっぱい梨華ちゃんを抱きしめた。
「…ずるいなぁ、梨華ちゃん。梨華ちゃんはいっつもフライングなんだよ。」
声が震えてるのが、自分でもわかる。
「えぇ!?」
「さっきの『わたしばっかりひとみちゃんを好きで…』ってヤツも、今の言葉も…
 一年前の告白も。
 あたしから言おうと思ったのに、先に言っちゃうんだもん。」
「…うそ…!」
「本当だよ。」
梨華ちゃんの身体も、ちょっと震え始める。
「初めて会った時に一目惚れして…それ以来、梨華ちゃんに会う度、梨華ちゃんを知る
度に、どんどん好きになって行った。」
あずけられた華奢な身体を引き寄せて、耳元で言う。
 今、梨華ちゃんに一番言いたい事。
 伝えなきゃいけない事。
 …いや、伝えなくてはいられない事。
375 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時39分40秒
「愛してるよ、梨華ちゃん…。
 もう、梨華ちゃん以外の人に触れたいなんて思えない。
 抱きしめたり手をつないだりは、梨華ちゃん以外の人と進んでしたいなんて思えない。
 本気で『愛してる』なんて言えるのは、梨華ちゃん以外にいない。
 どこにいても、何をしてても梨華ちゃんの事が頭から離れないんだ。
 愛してるよ、梨華ちゃん。
 もう、絶対離したくない…。」
梨華ちゃんの身体がびくっとなる。
「ひ、ひとみちゃん…!!」
ますます潤む梨華ちゃんの瞳を見て、あたしはそっと梨華ちゃんにキス。
 優しく優しく。壊さないように。
 そうしてるうちに…あたしはちょっと、耐え難くなって来た。
 だって腕の中に、完全に身体をあずけて来てる最愛の彼女がいるんだよ?
 何が耐え切れないって、そりゃー…ねぇ?
「…良い?」
ためしに聞いてみたら…梨華ちゃんは一瞬硬直してから、耳まで真っ赤にして言った。

「…良いよ。わ、わたしも…ひとみちゃんが、欲しいな。」
376 名前:番外編『あたしの望み。』〜最終話〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時40分12秒

 …お、驚いた…。
 梨華ちゃんがこんなに積極的なのは、初めてだ。
 今まではこくんって頷くだけだったのに。…まぁ、それも可愛かったんだけど。
 でも…こんな積極的な梨華ちゃんも…もっと可愛い!!!
 頬がゆるむ…。
「初めてだね、そんな風に言ってくれたの。ウチ、そんな事言われちゃったら…止まれ
ないよ?」
 そう言って…あたしは、真っ赤になった梨華ちゃんをベッドに押し倒した。

 ここから先は、内緒。
 こんな可愛い梨華ちゃんを、他人に見せられる程…ウチの心は広くないっ!!!
377 名前:番外編『あたしの望み。』〜エピローグ〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時40分45秒

 「っぎゃ────────────────────────ッッッ!!!」
マネージャーの叫び声が、こだまする。
梨華ちゃんの目の腫れが、すごいせいだ。…十分可愛いじゃないか。叫ぶ事ないのになぁ。
「い、石川ッ!!何なのその目ッ!!昨日何があったの!?」
飯田さんも焦って駆け寄って来る。
「…コレもうメイクで誤魔化せる範囲は超えてるね…。」
矢口さんは呆然って感じ。
 …可愛いのに。わからないなんて、見る目のない人たちだ。
「でも梨華ちゃんは、目ぇ腫れてても可愛いよ。」
「やだぁ、ひとみちゃんってばぁ!」
ほら、こんなに可愛い♪
つないだ手が、あたしに幸せ感を与えまくってる。
 そんなあたし達を、ののとあいぼんが笑顔で見守っていた。
 ごめんね、二人とも。
 そして、本当にありがとう!!
378 名前:番外編『あたしの望み。』〜エピローグ〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時41分17秒


 梨華ちゃんは、マネージャーにもらった氷をまぶたにひっつけている。
 …なんかムカつく。
「…妬けるなぁ。」
「へ?何に?」
あたしは梨華ちゃんのまぶたから氷をどけて、キス。
「梨華ちゃんに触れて良いのは、あたしだけなんだぞー。」
「…氷相手に、何言ってるのよ…。」
「だってさぁ…」
今度はまぶたにキス。
ちょっと冷たい。それが、氷に『俺は梨華ちゃんに触れてるんだぞ〜』とか言われてる気
分にさせる。
 そんなあたしに、梨華ちゃんは言う。
「…大丈夫。わたしが愛してるのは、ひとみちゃんだけだから。」
「うれすぃ〜。あたしもだよ、梨華ちゃ〜ん!!」
379 名前:番外編『あたしの望み。』〜エピローグ〜 投稿日:2002年10月15日(火)12時41分50秒

 「…バカップルに逆戻りやな。」
おおっ!!久々に関西弁のあいぼんだ!!
「いいじゃないれすか。ふうふなかは良い方が、家庭はあかるいのれす!!」
「のの〜!うれすぃ〜事言ってくれるじゃ〜ん!!おいで、アメあげる。」
「わーい♪」
「あいぼんも、ほら。」
「ありがと〜!!」
アメをなめながら、二人は顔を見あわせた。
「…やっぱり、こーでなきゃ。」
「そうれす。」
そして、二人そろって走り去って行く。
 残されたあたしは…梨華ちゃんとしっかりつないでる手を見て、幸せをかみしめたのだっ
た♪
                  おわる。
380 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月15日(火)12時43分53秒

 か…簡潔…じゃなかった、完結です!!!
 いやぁ、長かったようで短かったような、短かったようで長かったような…不思議な気分
…。
 でも、もう『わたしの望み。』『あたしの望み。』のネタ考えなくて良いんだなぁ…とか
思うと…猛烈な寂しさに襲われております…。
 皆様、長い間お付き合い頂きまして、本当に本当にありがとうございました!!!


>>365名無し読者様
 も、申し訳ございません…(汗)。
 書きたいなぁ〜、とは思ったのですが…(大汗)やっぱり書かない事にしました。
 あの二人の事は、このまま置いておきたいと思います。
 ありがとうございました!!

>あおのり様
 書いてる立場なのに、つんつん梨華ちゃんに萌えまくってる私のが馬鹿ですね(笑)。
 あおのり様は初期から読んで下さって…本当にありがとうございました!!
381 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月15日(火)12時44分36秒

>ひとみんこ様
 がんばりました…そして、燃え尽きました…(笑)。
 ありがとうございます。本当に本当に…(感涙)。

>>368名無し読者様
 ご、ごめんなさい〜〜〜!!!
 なちけい…いちごまと同じく、書きたいとは思ったのですが…(汗)。
 読んで下さって、本当にりがとうございました!!!!
382 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月15日(火)12時45分14秒


 そして…宣伝です(笑)。
 銀板で『専属ケーキ屋さん』と言う連載、始めました。
 いしよしです。
 興味がございましたらどうぞ、読んでやって下さいませ!!
383 名前:名無しベーグル。 投稿日:2002年10月15日(火)19時35分11秒
完結お疲れさまですた。
非常に面白かったです。梨華タンも可愛いし。
吉もヘタレだけど良かったです。
新作も楽しみにしてます〜。
384 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年10月15日(火)20時50分34秒
お疲れさまでした。

いや〜ここの2人、最高〜! たまりません!!!
今からもう一度通しで読み返してみます。

完全保存、製本化、決定です。

「ケーキ屋さん」にも逝って来ます。
385 名前:あおのり 投稿日:2002年10月16日(水)00時21分52秒
完結おめでとうございます&お疲れ様でした。
最後までテンションを保っての完結ぶりお見事ですた。いやあ才能のある人はウラヤマしい

この小説を読むたび合間合間のねたに笑ったり、
よしいしの甘〜いバカップルぶりにかなり萌えさせていただいたり。
ずーっとこの小説の更新を楽しみにしておりました。
最後で収まるところに収まってよかったという反面、
もう読めないのかと残念に思う気持ちもあったりして…

私の場合時々小説世界と現実が微妙にごっちゃになる妄想バカなもんで
TVとかで二人が出てるとこの小説のよしいしがダブったりして…
吉澤さんが他メンに目線をくれたり(実際はそんなことはないんでしょうが)していると
はらはらして石川さんを見てたり…
吉澤さんが後藤さんと仲良くしていると
石川さんを試しちゃ駄目だって!なんて画面に向かって突っ込んだり…

オイラかなり い た い やつでした。スイマセン…

銀板で新作ですか?新作カッケー!早速炒ってきます!
386 名前:クロイツ 投稿日:2002年10月20日(日)17時38分41秒
>名無しべーグル。様
 ありがとうございます!!
 面白かったですか…よかった〜!!
 梨華ちゃんもヨッスィーもあんまうまく動かせなくて、ちょっと悩んだりもしたのですが…
 楽しんで頂けて、幸せです♪
 ケーキ屋もよろしく(笑)

>ひとみんこ様
 お付き合い頂いて、感謝感激でございます。
 こんな長いの(しかも番外編の方が長いし…)、読み返して下さったんですか!?
 ありがとうございます!!うれしいです!!
 ケーキ屋さんもがんばりますね!!

>あおのり様
 いたいだなんて…大丈夫です!!私なんぞ、TVの中のいしよしに向かって
 『ねえ、こーゆー風にしたいんだけど、そーゆー風に動いてくれないかなぁ?』
 とか呟いたりしてましたから(笑)。私のがイタイですわ(笑)。
 あおのり様は、最初の方からずっと読んでて下さって…もう、本当に感謝してます。
 今度はケーキ屋に、全力をかけますので!!どうぞよろしく!!


 皆様、お付き合い頂きまして…ほんとうにありがとうございました!!
 たくさんの方にレスを頂いて…私は幸せです♪
387 名前:ななしのよっすぃ〜 投稿日:2002年10月25日(金)22時47分08秒
クロイツ さま
完結、お疲れ様でした。
作品保存、できました。

ttp://
isweb45.infoseek.co.jp/novel/kuni0416/text/index.html
です。
ありがとうございました。
388 名前:ヒトシズク 投稿日:2002年11月03日(日)14時09分26秒
おおー!!
私のPCが壊れている間に終わっちゃうなんて・・・(泣。
銀板のほうの読みたいと思います^^
完結おめでとうございます。
とても笑えるお話(よしこ版)ありがとうございます!
これからもがんばってください!

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