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娘。たちは夜の住人

1 名前:たまご 投稿日:2002年08月22日(木)21時47分40秒
初めてです。宜しくお願いします。
2 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月22日(木)21時48分52秒
ここは地底の底 御獄界。

「きゃっ きゃっ」
無邪気にはしゃぐ下級淫魔 石川 梨華。花輪作りに精をだして遊んでた。
「わぁ〜い!うまくできちゃったなあ。
ごっちんに見せよーーっと」

「花が好きか?」
上空から声がした。

「うん。石川花好き〜。」
「もっと咲かせてやろうか。」
「咲かせて〜!」

ふっ
石川の手のひらに、ぴんくのかわいい花が現れた瞬間・・・

ぱあーーーーーん・・・

花畑がさらにたくさんの花を咲かせた。
「きゃん♪」
「ふふ  嬉しいか」

「ありがとう。 石川嬉しーーい!」
きゃっ きゃっ  
はしゃぎまくる 石川。
ふと そのとき初めて上空に目をやった。

檻・・・・

空から伸びている岩の下から無数の柵が地上までささっていた。
そして檻の中に首を鎖でつながれた


 悪魔がいた。


「ねえ でておいでよ。
そんなとこでなにしてるの?
だあれ?」
3 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月22日(木)21時51分49秒
「ここで柱をささえるため 閉じ込められてるべさ。
地を司る 四天王のひとり 地のなっち」

「してんのう? 石川わかりませーん?」
?? きょとんとしてる。

「でも だしてあげよーか?」

「お前には 無理だべさ」

「できますっ だって石川には ごっちんがいるもん!」

「ごっ ごっちん。も・もしかして・・・   後藤 真希のことだべかっ?」
おどろくなっちは思わず柵に飛びついた。

「ごっちーん ごっちーーーん きてえ!」

「ま まてだべ
後藤ってまさか おまえ・・・」
     畜生だべさ。 まさか、あの後藤のはずー
「おい お前・・・」

「ごっっっちーーーーん お願ーーい」

  この御獄界きっての大悪魔だべかーーーー!!


ピシィィッッ

暗闇に いくつもの光が飛び出した。
その光を元に白い煙がもくもくと湧き出し・・・・
4 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月22日(木)21時56分59秒

「ごとーのこと呼んだー 梨花ちゃん」

「ごっちん!」

「あはっ どしたの?母さん? 何に困ってるのー」

バッッ

頭の両端から羊の角。
茶にかかったサラサラのストレートヘア。
すらりと長い足を、ミニスカートからのぞかせた
大悪魔 後藤が現れた。

  母さん・・・ このきゃぴっとした女の子らしい子が母さん?? えーーーっ
なっちは ぽかんと 煙の中に浮かび上がった 悪魔をみた。

「あのねー ごっちん。 この子出してあげてー」
きゃぴきゃぴ と 後藤の腕にからみつく。

「梨花ちゃん こいつ出すと天が落ちるんだよー
あの おっきい太陽をささえている 罪人なんだよねー」
といいながら 梨花を後ろから抱きしめて
檻のなかの悪魔のほうへ向かせた。

「石川 そーゆーの わかんなーいっ
でも出してあげるって いったもーん!」
目をぎゅっとつむり、両手をグーにして 駄々こねている。

「んー じゃあ いいよー だしてあげるよー
四人全部?」
駄々こねる石川の両肩にやさしく手をのせて 石川の顔をのぞきこんだ。

「わーい 出すのー」
後藤にとびついてよろこぶ梨花。

「ちょっ まつべさあんた! 本気だべかー」
5 名前:たまご 投稿日:2002年08月22日(木)21時59分35秒
元ネタありです。
マターリ 更新ですが 宜しくお付き合い下さい。
6 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月22日(木)22時02分11秒

「我が名は 後藤 真希」

手のひらを上に向けた。
後藤の掌から ポゥっと 紫の光の玉が浮かび上がった。

すーっ 

光を天にまっすぐ腕を伸ばすと 
真っ暗の空へ 紫の一筋の光が伸びていった。

「二言はない!」


言い放った瞬間 光の先が大きく爆発した。


------
7 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月23日(金)00時08分59秒
なーんかおもしろそうですね。
自分元ネタわからないけど楽しみです!
ちなみに梨花じゃなくて梨華ですよ〜〜(w
8 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月23日(金)04時08分42秒
ムムム 
柴が ごとーなら
黄金率は 誰だろな^^ 
楽しみです。
9 名前:たまご 投稿日:2002年08月23日(金)18時59分20秒
わー レスがついてる!うれしいです!

>>7 
ごめんなさい。気をつけます〜

>>8
おっ 元ネタ知ってる人だ。
黄金律が誰だかはお楽しみに♪
10 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月23日(金)19時00分04秒


「おのれーーーーーーーーーっ!
石川 ーーーーっ!!! このーーーーっ!」

御獄界将軍カオリ。
御獄界の秩序をとりしまっている責任者である。
自慢のロングヘアーの頭部には、目を赤く光らせ大きく羽を開いた
鷹の剥製を飾っている。

「飯田将軍・・・・」
ひざまずいた石川の表情はおろおろしている。

「いっ・しっ・かっ・わっー!」
カオリは、怒り狂って目が落ちそうなくらい見開いている。

そう 檻は後藤のあの爆発で破壊され 
今 太陽が落ちないよう 御獄界の住人が 必死で支えている。

   重いよおおう

     つぶれるううう
       重い オオオオオオオーーーッ

   つぶれるよおーーーーッ

柱をささえてる叫び声が 絶えず 御獄界に響き渡る。
11 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月23日(金)19時02分07秒
「四天王の支えがないと 地底の陽は天ごと落ちてくるんだよっ
この 大馬鹿者っ!!!!」
ロングヘアーを乱れさせ目をぎょろつかせ カオリは 石川を怒鳴りつけていた。

「また 後藤をそそのかしやがって」

「いや〜ん こわいよおおお・・・」
石川は泣き出してしまった。

「いやああん 飯田将軍
こわいよおおおおーーーーー」

「なくなっ この白痴
下級淫魔の分際で・・・・」
飯田将軍は、黒い長い爪の先を石川の顔へと近づけた。

「いやあああああ」


ボトッ

「う・・・あッ」
飯田の手が 手首ごと ごそっと地面に落ちた。
12 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月23日(金)19時04分33秒
  「さわんなっ」

カオリと梨華の間に、後藤が立ちはだかった。
「ごっちーーーんっ」

「後藤!あんた 石川のしでかしたこと わかってるの!?
泣けばすむってもんじゃない!許されないよ!」 
カオリは手首をひろい ギュッ ギュッ と 腕にくっつけはじめた。

「許されるよ。
ごとーが かわりに責任取ればいいでしょ」
カオリの勢いを制するよう、後藤は掌をかざした。

「さあ 何でも言って。カオリン。
願いをかなえてあげるよ」
首にかけた竜の歯で作られたネックレスを 軽く指でもてあそびながら
余裕シャクシャクの表情な後藤。

「じゃあ 今すぐ天をささえてっ!
これ以上 犠牲がでないうちに!」
カオリは 後藤に詰め寄った。
「そして 地上に逃れた四天王を連れ戻してきてっ
 できる!?」

後藤は梨華を抱きしめながら、髪にキスしたりしてあやしている。
13 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月23日(金)19時05分13秒
「梨華ちゃん 4人を元にもどしてもい〜い?」
「いいよ〜。もうだしてあげたもーん。」

後藤は カオリを見据えた。
「なら 簡単。 こーんなこともできない無能なやつらと
後藤をいっしょにしないでよね」

将軍後ろに控えていたとりまきの子鬼小川は いきりたった。
「なんですってえー
よくもそんな口がきけますね!」

続いても子鬼新垣も顔を突き出し
「あの柱は今一本につき御獄界の住人達が千人でささえてます。
後藤さん ひとりでささえられるはずがありません!」

「支えるもん。ごとーがね」
あいかわらず梨華といちゃつきながらさらっと言った。
「梨華ちゃんの後始末は、ごとーがする!」
すっと 梨華を後ろにさがらせ、 後藤は両手を天に向けた。
14 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月23日(金)19時06分40秒
ゴオオオ
 ゴオオオオオオオオオオオオオオオ

御獄界が震え始めた。

柱をささえている悪魔や鬼達が、次々と柱から離れ空を落ちていく。

あっという間に 太陽は見えない力で支えられていた。

「みて。支えたよ」
後藤は、腰に手をあて 自慢げにカオリと子鬼達の方を向いている。
「じゃ 四天王はこれから ごとーが 捕まえてくるから」

後藤は、利華を抱き寄せ またいちゃいちゃし始めた。
髪にやさしくキスし、梨華をカオリの前に立たせた。
「梨華ちゃん 預けるから。よろしくねカオリン。
言っとくけど ヘマしたら殺すから」

「・・・・いいだろう。預かるよ。
でも 後藤。地上には人間と言う生物がいて強い毒気を出してる。
御獄界の者が毒気に近寄ると 寿命が縮むよ」

「かんけーないね」
後藤は また梨華を抱き寄せた。
「ごとーは うんざりするほど 長生きにできてるもん。
早く眠りたいくらいだよ」


15 名前:名無し読者 投稿日:2002年08月30日(金)10時43分14秒

最高に面白いですね!元ネタ知りたいです!
いちゃつくいしごま萌え〜!
16 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時43分02秒


地上 東京 23:00

 ふーん これが地上か。あんまり御獄界とかわんないじゃん。

東京のビル街を 後藤は歩いていた。
御獄界での悪魔の姿とはうってかわり
明るい青系チェックのミニスカートに白いブラウス。襟元には赤いリボン。
紺のブレザーを身にまとい、女子高生ルックに身を固めている。
そして、大悪魔特有の羊の角は、あたまから消えていた。


 う・・・ッ
 流石に すごーい。 この人間の毒気。 お〜え〜・・・

後藤の足元には、毒気の煙がもくもくと立ち込めている。

ごほっ ごほっ

 こりゃ 早いとこ 精力つけとかないとね。
 よし 食人は 週に一回 かわいい女の子にしよっと。

「さーてとっ 誰から 狩ろうかなーっ?」

 他の三人はいざ知らず 「地のなっち」には 念のため印つけといたんだよね。
 ごとーの紋章。☆マーク。 最初は、なっちにしよ。

 炎 と 風 と 水 と・・・・

  ふふーん♪楽勝 楽っ勝♪ すーぐ だもんねー。
17 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時44分02秒
カツ カツ カツ カツ

 ビル街に響く 足音が 近くなってきた。
「あ〜あ こんなに遅くなっちゃったな・・・ 圭ちゃん 怒ってるかな〜」
小声でブツブツいいながら歩いてくる。

 ほぇ  あれっ?
   えっ えっー?

後藤の身体が、揺らいだ。
そして、近寄ってきた人物の前に倒れてしまった。

「なっ なんだ あんた。大丈夫?」

 こ・・・ こいつ・・・っ!

後藤は、差し出された手をとった。

 ビリッ

「つぅ・・ッ」
 やっぱり!
   くらくらするぞ〜

「ねー 大丈夫?」
大きな瞳に、整った顔立ち…
背が高くガッチリした大きな手。少年のようなスタイル…
吉澤 ひとみは、心配そうな顔で後藤の顔をまっすぐにのぞきこんだ。
18 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時46分32秒
「すいません。 ちょっと具合が・・・・」
 後藤は、くらくらする頭をおさえるようにおでこに手をあてながらそう答えた。

「それは まずいね。どこかで休んだ方が  」
ひとみは 後藤の肩を支えた。

ズキッ
「うっ 」
後藤の身体に電気が通ったような痛みが走る。
「す・・・すみませんけど・・・
さ・・・触らないでもらえる?」
 身体がソクソクするよ〜
後藤は上目遣いで、ひとみに言った。

 初めてみたぞ。
      す・・・っ ごーーーーいっ
    でも、ズキズキするよ〜
      きゅ〜ん・・・・

  地上にいると聞いていた 黄金律・・・
  全身の体液に力を持ってるって
  吸収(食)すれば たいした延命になる--------
19 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時47分39秒
「まいったね。こんな時間だし。そのへんの店ってわけにもいかないし」
ひとみはキョロキョロと 周りを見ている。

   このまま毒気にあたってると ごとーも疲れるし こいつ いただいちゃおーかなー
   そだ、「送ってくれませんか?」で暗がりに連れ込んで・・・  むぅ 甘いかなー
 ---- 一生懸命考えている ひとみの前で邪な考えをしている後藤。

「ねぇ よかったら うちに来て 少し休んで行く?」

「えっ いいの?」

「うん。 うち近いんだ」
そういうと、ひとみは後藤の手をつかんで歩き出した。
 や やったー ひっかかったー♪
   いっ 触られるだけでズキズキするよー  ああっ!
うっとりとした目で、ひとみの後姿を後藤は眺めていた。

  こいつ 欲しい!!
  ぐるぐるぐるぐるぐるぐる 体がほしいぞ〜

後ろの女子高生ルックのかわいい女の子が 邪な考えをもってるとは 
つゆ知らず ひとみは後ろを気遣いながら
圭の待つ家へと 向かった。


20 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時48分26秒
吉澤家 23:00

コトコト・・・
いい匂いが家の中に立ち込めている。

おたまでなべをかきましながら、圭はブツブツ ひとりごちていた。
「ちぇーっ ひとみ 遅すぎるわよっ
ん っとに 自分ばっかし。
食事当番は、交代でって言ったのにさっ
あたしだって 部活あるんだからねーーーっ」
 
紺チェックのスカートに紺ブレ。白いブラウスの襟をブレザーの上に出し
制服を着たまま食事の支度にいそしむ圭は
お茶碗にごはんを盛り ペシペシとたたいた。

「さーっ 先に影膳ねっ 父さん、母さん おなかすいたでしょ」
トン 
仲良さそうに寄り添う父と母の写真の前に お茶碗を置いた。
「ひとみったら まだなのよ。困った子よねーっ」
21 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時49分19秒
圭は再び台所へ戻り、おたまから ちょこっとすくった お味噌汁を小皿に移し
味見をした。

「んっ。おいしっ♪」
満足げに微笑んだ。

  ・・・・ わけないべさっ 
   この味 オンチーーー

ズキッ

「つーーっ
なんだろ最近頭痛持ちよね。 おでこに変なあざできるし」

   これは ごっちんのせいだべ。
   なっちのあざじゃないだべさ。


「ただいまーーー」

22 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時51分25秒
「おかえり ひとみ。遅いわよ。 ごはんできてるのにー
 あらっ? なにその子?」

「さっきそこのビルの前でひろった。
具合悪いみたいでさ」
「あらあら 大変じゃない。おふとんしこっか」

  ふーんこの男前な女の子『吉澤』っていうのか。門のところに書いてあったな。
  よし。 こいつの呼び名は、『よっしぃ』 にしよ♪
  しっかし なんだろねー こいつら。見ず知らずのごとーをこんな簡単に
  家にあげちゃって いいのか?
 ---- 悪魔にしては たまに善人思考になる後藤であった。

「ほら 横になんなよ」
「なんか食べますか?ごはん作ったところだし」
圭は、心配そうに後藤をのぞきこんだ。

「す すみません」

  でも ごとー 親切な人間嫌い
  なんか 気持ちわるーい

「圭ちゃーん」
ふとんに後藤を寝かし、ひとみは台所へ向かった圭に声をかけた。
「圭ちゃーん」
23 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時52分04秒
「なによ ひとみ」

「わたしのいない間 何もなかった?なんか 具合悪いみたいだけど。」

「なにいってんの ひとみ。子供じゃないっつーの
そんなことより食事当番守んなさいよっ」
「でもさー 今朝だって圭ちゃんが・・・」
「こらっ ひとみっ 姉さんと呼びなさいっ」

「両親亡き後 あんたを大学にやって 立派に就職させて
ちゃーんと 結婚するまで あたしは安心できないんだからねっ」
「け・結婚なんてしないよっっ」
ひとみは一瞬にして真っ赤な顔をして、圭にずいっと詰め寄った。

「けいっ・・・ 姉さんのまずい手料理食えんのなんて わたしだけなんだから---」
「わるかったわねーーーっ まっずくって!」

台所では、しばらく姉妹喧嘩が続いた。


24 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時53分05秒


  フーッ フーッ
 ・・・・・
  ぱくっ
後藤は、二人の熱い視線に見守られながら圭の作った料理を口にした。


「おいしいわよね」
「まずいでしょ」
同時に姉妹は口を開いた。

「どうして?おいしいよ」
後藤は、ニコニコしながら答えた。

「ほら みなさい」
「だーっ やだやだやだやだ 皆 味オンチでっ」

「じゃあ あたしおかゆとかつくってあげる」
圭は、また張り切って台所へ向かった。

「ね。いいんだよ。まずいって言って」

クスッ
後藤は、冷ややかに口元だけ笑った。
25 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時53分56秒
「えっ?」
ひとみはなんか嫌な予感がした。

「ごとーってほんとに 運がいいなー
早々と よっしぃに会えて」
「えっ なに?」
「女の子らしいのもいいけど 男前な女の子もいいねー」
後藤は、ひとみの両肩に手をかけて押し倒した。

「まぁ この際だし。 いっただきまーす♪」

「ちょちょちょ ちょーっとー ちょっとまてーーーっ」

「そのすばらしい黄金律の体を恨んでよね」
ぐっと ひとみの体の上にのしかかる。
「黄金律!? なんだ・なんだ・なんなんだよーっ!!」

「左右完全対称の体のこと。悪魔の最も好む肉体なんだよーっ」

「わーーーーーっ」
後藤はひとみにのしかかったまま、爪が黒く長い本来の姿の手を ひとみの顔に近づけた。
「さあて フルコースいってみよー」
26 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時54分40秒
「フルコースってなに〜〜〜
ま まさか、あんなことや こんなことや そーんなことやっ」

「ふっ ちがう ちがう」
後藤の頭の両脇からは、禍々しい大悪魔特有の羊の角が伸びている。

「犯す 殺す 食す  に決まってるじゃん♪」

「わああああああっ」


   ごっちんだ!
   ごっちんがいるべ!

 ------ ピンっ
 誰かいるっ
 ごとーと敵対する 誰か

 なっちか・・・・


27 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時55分22秒
ずきん

ずきんずきんずきんずきーんっ
「いったあ〜 なんなのよこの頭痛」
圭は、苦しげな表情でおでこに手をあてた。

   よっすいには手出しさせないっ 
   ねぇ 圭ちゃん。

 -------

コトッ
圭は、台所の包丁をにぎりしめた。
「よっすいったら、もう見つかっただべか。
さすが黄金律の体だべ。悪魔ならだれでもみつけるんだべな」
圭の額には、柴の紋章である☆マークがくっきりと現れていた。

「逃がしてもらった恩は、あるけどさ
なっちが先に見つけたんだべ。 なっちののものだべ〜」

 -------


ピシィィィィィッ

後藤が寝ていた部屋のふすまが、勢いよく開いた。
28 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時55分55秒
「ちょっと あんた!! なにしてんのよっ」

「あーれー なっちじゃーん」

   ハッ なんでこんなすぐばれるべか?姿は圭のまんまだべ・・・

「さっそくおでまししてくれるなんて、ごとーはほんとに運がいいなあ♪
なっち 額に後藤の紋章がくっきりでてるよ〜」

ばっ
圭はとっさに額に手をあてようと隙を見せた瞬間 ---

後藤は、圭の頭を前からわしづかみにしていた。
そして、長い黒い爪の先を額の☆マークにめり込ませた。

ズッ ズズ

圭の額に、後藤の指がめりこんでいく。

全部の指が圭の頭部にめり込んだとき
「なっち でてきなよ。でないと脳みそごと 引きずりだしちゃうよ」
後藤は、楽しそうに圭の頭に向かって話し掛けた。

29 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時57分01秒
「きゃああああー・・っ」
圭が目をさまし現在の状況に悲鳴をあげた。

あっけにとられて見ていたひとみは我に返り 叫んでいた。
「圭ちゃん、けいちゃーんっ」

ズッ ズブッ
圭は、持っていた包丁を後藤の豊かな胸に突き立てた。
包丁の切っ先は、後藤の豊かな胸にあっさりと埋まった。

「ばーーかっ こんなの痛くも痒くもないもんね」

「放せっ 圭ちゃんを放せっ 死んじゃうーーーっ」
ひとみは、後藤に後ろからすがり付き引き離そうとした。

「邪魔しないでよっしぃっ!!
こいつには 悪魔が取り付いてるんだよっ」

バッ
後藤の体中に 棘棘しいバラの花が 巻きついてきた。

「この花は お前の命をすっていくべ。
手を放すべさーっ」
なっちにとりつかれた圭の口から、なっちが叫んだ。

30 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時57分39秒
「ちーっとも きかないよ。なっち。
そんなことよりさー 圭ちゃんの脳みそ気持ちいいねー」
後藤はずるずると後頭部まで突き出た指先を動かした。

「あったかくて やわらかくて きもちいいー」

「やっ やめ やめなさいよ。放してっ」
圭は、悲痛の声をあげた。

「ごっちん、やめるべっ。なっちたちは同化してるべ。
なっちが死ねばこの子も死ぬことになるべーーーっ」

「ごとーには かんけーないね。死んじゃえ♪」

「やめろーーーーーーーーーっ
圭ちゃんが死んじゃう。放せっ 放せよーっ!」
必死に後藤の背中にしがみついたひとみが叫ぶ。

「ばかだね、よっしぃ。 同化されるともう離れられないんだよ。
圭ちゃんはもう人間じゃないんだよ。」

「いやだっ 圭ちゃん 圭ちゃーんっ
最後の肉親なんだぞ!
死なせたりするもんかっ」
31 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時58分43秒
 っっち

「やってらんない。ごとー お涙頂戴苦手なんだよね」

後藤は、圭のあたまから手を引き抜いた。
そして、血のしたたる手を ぺろっ っとなめる。

ひとみは倒れいる圭を、大事そうに抱きかかえ後藤の顔をみている。

「同化しちゃってるし。どうすんの?
圭ちゃんは もう人間じゃいられなくなるよ」
ひとみをまっすぐ見据えて、後藤は言った。

ひとみは、こめかみから汗をながしながら後藤を眺めている。

後藤は、ひとみに真剣な目つきで語りかけた。
「ほっんとに 最後の肉親?」

ひとみは、何も答えられず ただ 大きくうなづいた。

「うん。わかった。
それなら 圭ちゃん助けてあげる。
ごとーって肉親の情ってヤツに弱いんだ」

「本当に?」
ひとみの目にはうっすらと 涙が浮かんでいる。
32 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)20時59分26秒
「ごとーに 二言はない。
取引しよっ♪ いっつもそばにいてあげる」
後藤が黒い長い爪の人差し指を すーっと伸ばし圭の額の☆マークに
爪先をあて ピタッと止めた。

「なっちは、ひっこんでてっ」
ぐぐぐっ と
そのまま指先を、圭の額に押し込んだ。

圭の体が かくん と 落ちた。
「圭ちゃん!」
ひとみが、支える。

「じゃっ 交換条件ね♪
なっちが圭ちゃんからでそうになったら
ごとーがひっこめてあげる。 そのかわり・・・・」

「へっ 交換条件?」
ひとみは不安げに後藤をみつめた。

「そっ よっすぃの体と♪
大丈夫。ごとーは上手だから♪」
後藤はとっても楽しそうに にこやかに言った。

「いっ やっ だっー!
なにが、上手だ 絶対 いやだっー!」

「あ〜あ。 今日はなんだか疲れたなあっっと」
後藤はひとみが叫ぶのも聞く耳もたず、悠々と腕を上にあげ体を伸ばした。
33 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)21時04分25秒
「いやだっ イヤダッ 
いやだって言ったらゼッタイにいやだ〜っ」

「ごとーおなかすいたー。なんか食べるものない?
人間の毒気って ほんとーにすごいよね。身が持たないよ」
後藤はひょこひょこと 台所に向かった。

「け 圭ちゃーん」
ひとみは、泣きそうな顔で支えている圭に話し掛けた。

「ねーねー ごとーは今夜からどこに寝ればいい?」
にょっ とふすまの脇から顔を出した後藤は 今度は眠たげにひとみに聞いた。

「いっ いすわる気かっ!?
でてけーーーーーっ」
「じゃ とりあえず 遠慮して台所で寝るね。
大丈夫。ごとーはどこでも寝れるタチだから」
34 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年08月30日(金)21時04分58秒
わーーーーーっ
圭を抱きしめたひとみは泣きにはいった。

「人間の親切って ほっんと あだ になるよねーっ」
人ごとの後藤は、寝床であるだいどころへ向かった。

「やだやだっ
こんなのはだめだーーーーーーっ」

「梨華ちゃーん♪ すぐ帰るからねー♪」
後藤は、気持ちよく冷えた台所の床に寝そべって幸せそうな笑顔を浮かべて眠った。

娘。たちの住む 吉澤家は 今日も平和?に終わった・・・・・・


35 名前:たまご 投稿日:2002年08月30日(金)21時37分05秒
>>15さん
ありがとうございます。本当にレスってうれしいです♪

当方、酔いどれ状態で更新しています。
誤字脱字ありましたらお許しください。
36 名前:駄作屋 投稿日:2002年08月31日(土)13時25分09秒
おお、ハマリ役ですねぇ。
元ネタも、けっこー好きでした。
ごっちん=さいってナイス・キャストかも。
37 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)18時51分48秒


「もう十二時よ!ねっなさーーーい!
明日も学校でしょー!」

「はーいっ」

「あたしとなっちは寝るからねっ」

「ごとーってば、台所で寝ないで
ひとみと和室にふとんしいてっ」

「はーーいっ♪」

「ひとみに変ないたずらしたら 許さないわよっ」

「はーーーいっ おっやすみなさーい♪」

 ふふん♪ 返事だけはいいのだ♪

 でわ まいりましょう!

いたずらっこのようにぺろっ舌を出した後藤は、後ろ手にふすまをしめた。

 ---------------------------
38 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)18時53分15秒
ここで キャラクターを把握しきれてない方々に ご説明いたしましょう。

わが名は 『後藤 真希』。
現在 吉澤家の居候である。
地底にある御獄界から 四天王を狩る用事で 地上の人間界に来たんだ。

自分で言うのもなんだけど 大天才的な
『大悪魔』なんだな ごとーは。

まぁ 結局御獄界の太陽を支えてた四天王を逃がした母親の梨華ちゃんの
(正確に言うなら逃がしたのはごとーだけどさっ)しりぬぐいってやつ

梨華ちゃん
  ごとーの母親 か〜わいいんだっ

で よっすぃ
  ごとーをひろった 黄金律の肉体を持つ男前な女の子
  なんと 姉である圭ちゃんにホの字なんだよ ぷぷ

んで 圭ちゃん
  四天王の『地のなっち』に取り付かれてるんだ

地のなっち
  圭ちゃんに取り付いた四天王のひとり

ついでにおまけの 将軍カオリ
  御獄界のまとめ役

そ・し・て ----
 問題の吉澤家には 娘。たちだけが住んでるんだ。
39 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)18時54分17秒


「だってさ しかたないじゃない。
両親は 飛行機事故で死んじゃったの。
こんな予定はなかったんだけど
なんとか保険金で 姉妹は暮らしていけるし」
圭は寝る前のお顔のお手入れをしながら、なっちに向かって言った。

「ふーん・・・・ 死んだときというのは、悲しくなかっただべか?」
なっちは 圭のまねをしてパタパタと頬にコットンをあてている。

「悪魔ってほんとに 無神経ね。 
悲しいに決まってるじゃない!
居候の分際でっ 何いってんのよ」

「ごめんだべ 圭ちゃん。
悪魔には親はいないんだ。
どんなもんかと 思っただべ。
悪魔はある日木のまたから生まれるべさ」

「えっ? でもごっちんには母親いるじゃない。
梨華とかいったっけ」

「ごっちんは生まれ方からして全然違うべ!
大悪魔だべさ。同じ屋根の下にいると思うと
ぞーっとするべ」

「ふーーーん どおでもいいけど。
ね これ離れないの?どうにかしてよ 気持ち悪い」
圭はつま先を、ため息まじりに見つめた。
圭のつま先となっちのつま先は、リボン結びでつながっている。
40 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)18時55分46秒
「そりゃ無理だべ〜 同化してんだべさ。
せめてリボン結びにかわいくしてみただべ」

「じゃ 眠るからもどんなさい」
圭は ぱふっと ふとんを首までかけた。
ふとんの中では、なっちがつま先から圭の体へ 
ずっ ずずっ っと入っていく。

「うう〜」

  しかしよく平気だべ。こんなんと同化して・・・
なっちは、圭の頭の中に話し掛けた。

「あたしはリアリストだもん。
気を失うより共存の手を考えるのよ」

  ふーん

「割となっちって気に入ったし。悪魔の割によ」

  ふーん
なっちはちょっと頬をあからめた。

「これがひとみなら どうにかなったに違いないけどね。
あの子ってほんとに 真面目だから」
ぎゃはははは 
圭は楽しそうに笑った。

  ちがいないべ。あの黄金律はやけに真面目だべ。
41 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)18時56分48秒


そのころ ----
後藤とひとみの寝ている居間では -----

「さ。 よっしぃ。
体がボロボロになるまでやろっ」

「近寄るんじゃない!何言ってるんだっっ!」
ひとみは身を守るように ぎゅーっとまくらを抱きしめた。

きゅ〜ん・・・・
後藤はさみしそうな目でひとみに向かって言った。
「ごとー しんじゃうよ」

「勝手にしねばっ!」

「むうっ ごとーがいなきゃ 圭ちゃんの中のなっち
おさえられないよ」

「べーーーっだ。
圭ちゃんとなっちは仲良くなったみたいだから
もう心配ないもんね」

「ばーかっ 悪魔の気まぐれなんてあてにしてるようじゃ
よっしぃは まだまだだね。
おとなしく ごとーの言うこときいたほうがいいよ」
後藤は、隣のふとんの隅でまくらを抱きしめているひとみに
ずいっと 近寄った。
42 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時00分41秒
「ごとーは 四天王さえ連れもどせばいいんだから
圭ちゃんごとなっちを 御獄界にひきずってったっていいんだよ」

「な なにぃ」
ひとみは、目の前まで顔を寄せてきた後藤に 半泣き状態になってきた。

「ほーっら。 後藤を地上に引き止めたくなってきたでしょー」

「・・・・・」

「だったら この黄金律の体さぁ」
後藤は、ひとみを押し倒す。

「悪魔はね よっしぃみたいな黄金律の体がだーい好きなんだよ♪
体中の体液に力があってね 喰うとたいした延命になるんだ。
毒気の多い人間界じゃ 身がもなたいしー」
ひとみの上にのしかかった後藤は、ひとみの肩を押さえ込む。

「ちょっ ごっちーん」
ひとみは目の端に涙をうかべている。

「相手してくれないなら 罪もないかわいい娘さんたちを
殺したり食べたりしないとーーー」
43 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時01分57秒
「じゃ・・・ じゃ・・・あ 
さ 触るだけ」

「うん♪」
後藤はひとみのやわらかい頬をやさしく両手でつつんだ。
ひとみは、顔を赤らめながらぎゅっと目をつむった。

と、そのとき

  ガラッ

「やめなさいよ!ごっちん!
へんなことすんの!」
圭が、ふすまを勢いよくあけ乗り込んできた。
44 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時02分56秒
 うわーーーんっ
「けいちゃーんっ」
ひとみは圭に抱きついて 泣き出してしまった。

「邪魔すんなっ こっのーーーーっ」

「あたしはひとみを一人前に育てる義務があんのよっ
あんたなんかに わたさないわよっ」
圭は、頭から火がでるような勢いで 後藤にくってかかった。

「圭ちゃん。あ あつい!」

「おうよっ あたしは燃えてんのよっ」

   ばちっ

「違う!!」
後藤のおふざけの態度が、一瞬にして真剣な表情に変わった。
45 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時04分02秒
「ほ ほんとに熱いぞ。 火 ・・・・
火事? 火事だーっ」
ひとみは台所の方へむかって叫んだ。

きゃあああああああ
圭は思わず悲鳴をあげた。

  ゴオオオオオオオオッ

台所からすごい勢いで火が燃え滾っている。

ぱちっ ばちっ
火の粉が、ひとみたちのところまで飛んできた。
「うわっ」
ひとみは、圭を庇うように抱きしめた。

「ばかなっ ガスの元栓しめたはずなのにっ ごほっ」

「でも 火災保険かけておいてよかったわー」
さすがリアリスト圭である。
46 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時06分59秒
「さがって!!」
後藤は、ひとみと圭の前に立った。

後藤は、とっさに右手を上にあげ勢い良く振り下げた。

「退け!炎よ!!!」

   ピシャアアアアン!

後藤の掌から、紫の光が発せられた瞬間
勢い良く燃え滾っていた炎は一瞬にして煙に変わった。

「発破の要領だよっ」
後藤は、振り返りひとみたちにむかってにこやかに言った。

「ごっちん・・・・」

「でもね。 ほんとの火をつけた犯人は-----」
47 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時09分16秒
煙のなかに小さな掌が浮かんだ。
掌からヒュッという音がし、
同時に、後藤は右手を左のわきの下から通し後ろへ力を放った。

  ドンッ 

力同士がぶつかり合った。

「でてきたねっ 炎の矢口!!」

ぶつかり合った力がはじけ、台所の壁にぶつかった。

「ちょっと ごっちん!
人んち こわさないでよ!」
圭が叫んだ。
壁には、丸い割れ目ができた。

その割れ目から、ふわっと赤い光が広がっていく。
きらきらひかる赤い光が 後藤の身を包んだ。

  ちりっ ちりちり 

後藤の髪の毛の先が きらきら光る光に燃やされる。

「やるねー やぐっちゃん。
でも こんなのごとーには子供だましだよ!」

反撃しようと後藤が身構えた。
48 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時13分49秒
「きゃああああ」

後ろからの叫び声に、後藤は圭たちの方へ顔を向けた。

「よっしぃ!?」

圭に後ろから支えられたひとみが廊下に座り込んでいる。

「しっかりーーっ よっしぃ」

「ちーーーーっ なんでこんなときにケガすんのっ」
後藤は、ひとみに駆け寄る。

「ツラの皮の厚いあんたといっしょにしないでよっ こんなに火傷が・・・」
圭は、ひとみを支えながら後藤をにらみつけた。

  きゃっははははははははっ

「ちっ 逃げたな! やぐっちゃんめ・・・・」

後藤は、台所の方を悔しげに睨み付けながら言った。
49 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月07日(土)19時15分46秒
「なーんで うちにあんなんくるのよーーーっ」
圭は、後藤に怒りをぶつけた。

   ごっちんを狙ってきたんだべ。

圭の中からなっちが、口を開いた。

「ごっちんのばかやろーっ あんたのせいだ!あんたの」

   四天王の力 は 正確もあらわすんだべ。
   『風』は気ままで
   『水』は冷たく
    待ちきれない程の 熱い攻撃性をもった『炎の矢口』

   やぐちだったら ごっちんの来るのをまってたりしないべ。

「なっち・・・・」

「そだね。待ってればまたここにくるね♪
ごとーを 殺しに。 あははー」
後藤は、人事のように へにゃーっと 笑いながら圭たちに言った。

「よそでやってよ!そーゆーのはっ
やめてよねっ」
気楽に笑う後藤に圭は、怒り心頭で怒鳴りつけていた。


50 名前:たまご 投稿日:2002年09月07日(土)20時07分10秒
>>36さん
ありがとうございます。
ごっちんがさいのイメージにぴったりと思ったので 書き始めました。
51 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月07日(土)21時27分51秒
んーー元ネタわかんないっす
これの元ネタになったやつ読んでみたいです(w
いしごま萌え〜はあとはあと
52 名前:たまご 投稿日:2002年09月10日(火)22時12分12秒
>>51 さん
元ネタは、ラストまで内緒にしておきます。

ちょこっと 更新。
53 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月10日(火)22時13分21秒
  ------
翌日 吉澤家 6:00

 コトコトとお味噌汁の鍋が音をたてていた。

  これだべか?

「そう。 うちの死んじゃった両親」

  これなんだべ?

圭は、お茶碗を置いて 手を合わせた。
「陰膳っていってね おそなえよ。
あの世でおなかすかないようにね」

  ふーん

圭は、忙しそうに台所へもどり朝食の支度を続けた。
「あっ そろそろよっしぃ起こしてきて なっち」

  うん
 なっちが、圭からにょろっと出てきた。

「あんたは ごっちんと違ってほんとに役にたつわね♪」

「えっ」
なっちは、頬を赤らめて圭の後姿に目をやった。

圭は、その視線には気がつかずコトコトする鍋を見ている。
54 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月10日(火)22時14分24秒
圭の踵となっちの踵はリボン結びでつながったままだ。
なっちがぺたぺたと歩きひとみの部屋へ向かうと
踵がにょろにょろと伸びていく。

  ・・・・圭ちゃんは
  矢口が来ても なっちが 守るべ
  同化してる体なんだから 自己防衛みたいなもんだべな

頬を赤らめながら なっちは圭に聞こえないよう考えていた。

「よっしぃーーーっ
圭ちゃんが おきろって
    あれっ なんだべさ?」

「しーーーーーっ」
唇に人差し指を立てた後藤が、ひとみのふとんの横で正座している。

「今眠ったとこ。
昨日のやけどが痛かったみたい」

「ず・・・ ずっと見てただべか?」

「だって 面白いよー」

「あきれたべ。ごっちん暇なヤツだべな」

「火にさわったくらいで やけどするなんて 
ごとー びっくりだよ」
後藤は、愛しげによっしぃの寝顔をながめている。

  ・・・・大悪魔のくせに
   優しそうな顔 するんだべな
55 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月10日(火)22時14分58秒
「んね」
後藤は、なっちの顔を見て同意をもとめた。

「あ そだべ。 人間ってのは毒気はすごいわりに 
体よわいんだべさ」

「さーーーてと じゃ 一晩たっぷり痛がってるよっすぃ見て楽しんだし
そろそろこのケガ 治してあげるとするかー」

「えっ?ええっ?」
なっちは、驚きのあまり大きく開けた口に手をあてて後藤を見つめた。

「治すって??このケガを!?
契約なしでだべか?」

   ちりっ -------- ☆

56 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月10日(火)22時16分13秒


「ひとみ。 ゆーべのやけどどうなったの? 見せなさい」
圭は、お皿をテーブルにならべながら言った。

「あ。 大丈夫みたい」
ひとみはお茶碗をもって、淡々とご飯を口に運んでる。

「大丈夫なわけないでしょ」

「なんか治ったんだよー」

「あっ はいはいはーい ごとーだよ!
ごとーが 治したのだ♪」

「あそ。よかった」
にこやかに圭と話す後藤を、信じられないといった表情でなっちが見ていた。

「簡単だもん♪」
自慢げな後藤。

「け 圭ちゃん。 ほめてやるべ。ほめるべ」
なっちは、後藤の様子を見て 頭に汗をかいていた。

「でもあれって もとはごっちんのせいじゃない。
ちょっと当然ってカンジ」
圭は、かちゃかちゃとお皿を片付けはじめた。


57 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月10日(火)22時19分52秒
「じゃ いってきまーす!圭ちゃんも遅刻すんなよー」

「あたしは洗いものしてから行くから。
あっ そーだっ
ごっちん 塩買ってきて 塩。切らしてんのよ」

  へんな大悪魔だべーーーー
  悪魔は決して『契約』なしに 人間を助けたりしないべ

「ごっちん 場所わかる? お金落とさないでよ」

「よっしぃと行くからだいじょうぶ」
お金を握った後藤は、玄関へ小走りに向かう。

なっちは、走ってる後藤のブラウスの端を掴み いきなりめくった。

「ちょ なにするの!?」
後藤は、なっちの手を振り払った。

めくったときに見えた部分全体が、痛々しい火傷で覆われていた。
    きっと背中の殆どが 火傷で覆われているべ・・・・

「やっぱりだべっ! 契約もしないで治したりするから・・・・・
そんな背中に大やけどができるだべっ!」

契約なしで人間を救うと 自らその十倍の苦痛をおわなければならないべさ

「なんでだべ・・・・・?
大悪魔のくせに どうしてそんなことするんだべか?」
58 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月10日(火)22時20分42秒
「あははー
ごとーの気まぐれに決まってるじゃん」

  ほんとだべか? ごっちん・・・・

「早くしろ〜 ごっちーん! 遅刻すんだろー」
玄関からひとみが叫んだ。

「あー 待っててくれたのー よっしぃ♪」

「ごっちんが ファミマ知らないっつーからだろー」

「 い いってらっしゃいだべ」

   ・・・圭ちゃん ほめてやれだべ
   なっちきいたことがあるべ。
   大悪魔は、生まれ方から違ってて 親がいて
   ごっちんは梨華ちゃんが 好きで好きで大好きで・・・・

   親ってどんな感じなんだべ?
   ごっちんはホントはどんな奴なんだべ?
59 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月11日(水)17時57分03秒

ごっちん、優しい…(泣。
なんか可哀相にもなってきた。
60 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時46分35秒


「東京だっていうのに ひと気が少ないんだねー」
後藤はひとみの後をのんびり歩きながら、あたりを見渡した。

「まだ早いからね。8時過ぎると会社員でいっぱいになるよ。
そうだ 中央公園突っ切って行こう」
ひとみは、早足に公園の入り口へと方向を変えた。

後藤は、ぼーっとしながらひとみの後をついていく。
「んーーー」

  !!!

顔色が変わり後藤が立ち止まった。

「どしたの?ごっちん??」
ひとみは、不思議そうに立ち止まった後藤に向かって言った。

 どよおおおおおおお〜ん
   公園は、人間の毒気に覆われ 嫌な雰囲気をかもし出していた。

  ・・・・!
  人が集まる場所ってさすがに・・・・ 毒気強すぎっ
  傷をおってる上に 最近栄養もつけてないし。
  よっしぃが させてくんないんだもーーーん・・・・・

後藤は、気持ち悪そうに口元に手をあてている。
「ご ごとー やっぱ外まわって帰るね」

「えっ??」

  ちりっ

後藤の足元に、火花が散った。
61 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時47分56秒
  !!
後藤の目つきが変わった。

  どおん!
  轟音とともに、火柱が後藤たちの前に広がった。
    ゴオオオオオッ ゴオオオオオオ

「うっわーっ!」
ひとみは、思わず鞄で顔を隠した。

  きゃっははは
   きゃーーっはは

「矢口!!」
火柱の中心を後藤はにらみつけた。

「ごっちん」
炎の中かから 真っ赤なマニキュアをした小さな掌が現れた。

  バチッ バッ
   バババババーッ

後藤たちの周りの地面からもやもやと赤いものが浮かび上がってきた。

「火の魔方陣からは、逃げ出せないよー きゃはっ」

  -------
そのころ、吉澤家では・・・・

    キンッ
  なっちの頭に、何かが響いた。
    矢口だべ。 矢口が来たべっ!
62 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時48分51秒
  矢口は 太陽を一緒に支えていた仲間だべ・・・ 元気そうだべ〜

  ごっちんのことは良く知らないべ。しかも大悪魔でこわい・・・

  どうするべっ!? 

「なっちー。 靴下はけないから戻ってよっ」

「圭ちゃん」

「・・・? どーしたのよ?」

なっちは、きょとんとしている圭の顔を見つめた。

「・・・・ う うん」
にょろにょろと 圭の体へ入っていった。

  ま いっか。 圭ちゃんは無事だべ。
  ほっとくべ。

「もーーーっ ごっちん。
たかが買い物ひとつで遅いっつーの」
圭は、いそいそと靴下をはいた。

  -------

  ゴオオオオオオオ ゴオオオ
  後藤たちのいる周りに炎が燃え滾っている。

「ごっちん これって・・・・・?」
 ひとみは、降りかかる火の粉を避けながら後藤にピタッと寄り添った。

「自分から 狩られに来るなんて いい度胸だね。やぐっちゃん♪」
63 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時51分31秒
「きゃはは ごっちんがつかまえにくるのを 大人しく待ってるワケないじゃん」

 ---小さな体に 赤い光沢のあるチャイナドレス。エンジ色の唇・・・・
    そして赤黒いセミロングの髪から、先の尖った耳がのぞき頭上まで伸びている。

   『炎の矢口』 が初めて姿を現した。

「逃がしてくれたのは助かったけど
また連れ戻そうなんて そうはいかない!
きゃはっ きゃはははっはー」
矢口が高らかに笑うと 炎はさらに大きな火柱に変わった。

「馬鹿だね やぐっちゃん。
弱い者は 強い者の言うこと聞いてればいいんだよー」

「なにっ? こっの〜」
後藤の言葉にカチンッ ときた矢口は、さらに公園の地面一帯に魔方陣を広げた。

ひとみたちの周りにも、火の粉が飛び交っている。
後藤は、ひとみを後ろにやり火の攻撃から守ろうと身構えた。
「あはは ぜんぜーん 効かないよ〜」

くらっ〜
後藤の体が突然よろけた。

「ごっちん!」

「くっ 傷がっ・・・ いたたたた・・・」
後藤は、苦痛に顔をゆがめ座り込んでしまった。
「ごっちん。大丈夫・・・? ごめん、あたしのせいで・・・」
ひとみは、ひざまずいて後藤を支えた。

ドンッ
64 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時52分14秒
後藤たちの後方から爆発音が響き空気が揺れた。

ドーンッ ドーンッ

「あれ・・・ 家の方角だ! け 圭ちゃんがっ!!」

ちっくしょ〜。やぐっちゃんめ。 調子にのりやがって・・・・
後藤は体勢をなおし、矢口をにらみつける。

「きゃはは♪ きゃーはははははっ♪」

「あ あたし。帰るっ !!」
ひとみが家へ向かい走り出した。

「だめ!!よっすぃ!! 魔方陣踏んじゃ・・」

「えっ??」
ひとみは矢口が公園を埋め尽くした炎の魔方陣を、右足で踏んでいた。

「うわっ うわああああああ!!」
ひとみの体が 一瞬にして激しい炎に包まれた。

ううっ 人間は体の3分の2 が火傷で覆われると皮膚呼吸できなくなって死んじゃう!
ちいっ よっしいのばかー!!
------ しょうがない、 炎よ!!

「炎よ!!ごとーに来いっ!!」
後藤がそう叫んだ瞬間 さらに激しい炎がかたまりとなって後藤の体を包んだ。

「ぐうっ ぐわああああ!!」
炎に包まれた後藤の 叫び声が公園中にこだました。
65 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時53分47秒
「ごっちん。ごっちーーーーん!!」
ひとみは倒れながら後藤の名前を必死で呼び続けた。

後藤の体から血が噴出し始め、苦しそうに体をゆがめている。

「な なんで??? なんで人間なんかかばうんだ!?」
矢口は、燃え滾る炎に包まれる後藤の姿を見て唖然と つぶやいた。

「そ そんなの・・・・ ごとーの 気まぐれに決まって・・・る・・じゃん・・・」

くぅ いったいよ〜 ・・・ きばって身代わりなんかするもんじゃないや。
さぁ どうする ごとー? この公園の火消さなきゃ・・・・
こんだけ広がっちゃうと発破はムリだ。酸素をなくす?
いや ダメ。 生物もみんな死んじゃう・・・・
水。大量の水が必要・・・・。今のごとーに 嵐を呼ぶ力が残ってるか・・・
ムリだ・・・
今のごとーに、残っているもの・・・ 残っているもの・・・・


塩だ!!!

「ひっく。 ごっちん...ごっちん... ねぇ、ごっちーん」
ようやく後藤の体から火が消え始め ひとみが泣きながら後藤に寄り添った。

「よっすぃ。 ごとーに悪いと思ってんなら 体液ちょーだい」

「へっ?? た 体液ぃ〜? こんなときに、なにごっちん言ってんだよ」
66 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時55分43秒
「いいから・・・・」
突然ひとみの目の前が暗くなった。

唇にやわらかい感触。

後藤は、ひとみの唇を舌で開け 口の中で舌をからませた。

「!!!」
ひとみは目を見開き 顔を真っ赤にしていた。

「ちょっ ちょっと!! やめ・・・」

「よっすぃ。 もっと・・・ もっとちょーだい」
後藤は、後ずさりするひとみをおさえ 再び甘い深いキスを続けた。

唖然と見ていた矢口が、ふたりを見てふと我に返った。
「ちょーっとぉ!なに やってんだよお!!
ど どーでも いいけど あんたには死んでもらう!!」
矢口はふたたび攻撃しようと 手を振りかざした その時・・・

後藤とひとみの周りが、あたたかい紫の光に包まれた。そして・・・

ピシャアアアアアーーーーーン

空から大粒の雨が降り出した。

「な なにこれっ!?」
矢口は、空を見上げた。
67 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時57分11秒
「へへ〜ん♪ あっめ♪あっめ♪ふっれふっれ♪ もっとふれ〜♪」
後藤はひとみから離れ、スキップまじりに 唄いだした。
後藤の傷もみるみるうちに癒えて行く。

「やぐっちゃんの負け〜。 後藤が雨降らしたんだよ。
核になるもの たとえば塩とかね〜♪ それを空中にばらまけば
地上に落ちてくる時に水分含んで 雨になるんだよ〜。
ほ〜んと ごとーって だいてんさ〜い♪」

「くっ !!」
矢口は、悔しさいっぱい唇を噛んだ。

「さて・・・」
後藤の目つきが鋭く光った。

「きゃっ」
矢口の目の前にいつのまにか後藤が立ちはだかっていた。

「やぐっちゃん♪ 脳みそいじらしてもらうよ!」
後藤は、長い爪先を矢口の額へめり込ませた。

「きゃあああああ! 離せぇ! この悪魔〜!!!」

「だからあ ごとーは 大悪魔なんだってばぁ。
ふふ 脳みそやわらかくって あったかくって 気持ちいい」
楽しそうに矢口の頭に入っていく手を むずむずと動かす後藤に
ひとみが背中から抱きついてきた。
68 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時58分22秒
「や やめろよっ!!こんな小さい子にっ!!!」

「はぁ?? 」
後藤は矢口の頭に手をめり込ませながら、不思議そうにひとみの顔をのぞきこむ。

「ちいさい 言うなーーーー!!!」
矢口は、こんなときでもつっこみを忘れなかった。

「お願いっ!お願いごっちん!殺さないであげてっ!」

後藤は、必死でしがみつくひとみを見て 矢口の頭から手を引き抜いた。
「ちぇ〜。 よっすぃにそんな顔されちゃ ごとー楽しめないじゃん」

後藤は、首かけているネックレスの龍の牙をひとつを手にとり 矢口に向けた。
「やぐっちゃん。大人しく ここに入ってて」
矢口の体が、牙にすぅっと吸い込まれていった。

「これでよしっと♪ よっすぃ学校遅れるよ。早くいかなきゃ」
「今日はいいよ。圭ちゃんが心配だ。帰る」
「だいじょ〜ぶ。ごとーが圭ちゃん守ってあげるから。ほら早く」
後藤は、優しく微笑んだ。
69 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)19時59分39秒
ひとみはその笑顔に、かぁっ と 頬を染めてしまった。
「じゃ じゃあ お願いするね。行って来ます」
慌てて後藤に背を向け学校へ向かった。

「うむ。勉学にはげみたまえ♪いってらっしゃ〜い♪」

くくっ よっすぃってば カ〜ワイイ!!
頬赤くしちゃってさ〜
もしかして ごとーに惚れたか? くくっ た〜のし〜 ♪

後藤は、鼻歌まじりに家へ向かった。

70 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時01分30秒
「なあんですってえ〜!!! 買い物わすれた〜!!」
圭は、帰ってきた後藤を怒鳴りつける。

圭ちゃん 怒んないでだべ・・・・

「お金は?? はあ 落としたあ〜!!! なにやってんのーーーー!!」

圭ちゃんってば・・・・

『なんだよ、やぐっちゃん。この家燃やしたんじゃないのか?』
『きゃはは〜 矢口って方向音痴なんだよね〜』

「ちょっと、ごっちん!!聞いてんの!! なにボソボソネックレスに話かけてんのよっ!!」
「だから ごめんってば・・・」
後藤は、怒り心頭の圭に謝った。

「ごめんで済むかーーーっ っ たくっ 買い物ひとつできない この ごくつぶしがーーーーーっ」
圭ちゃん ちがうんだべ・・・・ 怒んないでだべ・・・・・

今日も 朝から平和な?吉澤家であった。

   ------
71 名前:たまご 投稿日:2002年09月13日(金)20時11分20秒
>>59 さん。 レスありがとうございます。
ごっちん 可哀相じゃなくなりました?

続けていきます。次の話から、娘。メンバーたくさん出す予定です。
72 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時12分08秒


「もうっ!!ごっちんっ!!何度言えばわかるの!?
台所で寝るなっていってるでしょっ!!」

「だってさ 圭ちゃん。ごとーは癖になってるんだよ。
はじめこの家に来た時、台所で寝かされたし」

「人聞きの悪いこと言わないでよっ!
あんたが勝手にいついたくせにー!!」

「圭ちゃん、ごっちんなんてほっとくべ。
圭ちゃんに叱られたいから、わざとこんな真似してるんだべ」

「矢口玄関に布団敷いてて寒いんだけど、 火つけていい?」
台所にひょこっと顔だけ出した矢口は、すっかり格好が変わっていた。
赤黒い髪は、金色に近い茶色に。服装も毒々しかった赤の服から
黄色いチェックのTシャツに、赤いオーバーオールを着て 小学生のようになっていた。

「・・・・もうっ!」
圭は、町内に響き渡る程の大声で怒鳴りつけた。

「ごっちんっ!!矢口に変なこと教えるんじゃなーーーーーーいっ!!

ふたりとも ここに布団しいて ねろーーーーーーーっ!!」

さすがの悪魔たちも、圭の剣幕にビックリしたのか おとなしくなった。
73 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時14分05秒

「あは。ふたりで一緒だと あったかいね〜」

「ほんと。火つけなくてもあったかいよね〜。きゃは。
ねー ごっちん。よっすぃってほんとに "黄金律" なの? 」

「そだよ。よっすぃの体液もらうとすごいパワーがつくんだよ。
この間の雨だって、よっすぃにキスしてもらったおかげだもん」

「ふ〜ん。いいなあ〜。矢口もよっすぃの唾液欲しいな〜」
「だよね〜。ごとーは ちょっとだけやらしてくれるだけでいいのにさ〜」

ガラッ

後藤たちの隣の部屋で寝ていたひとみは、隣から聞こえてくる
ふたりの卑猥?な会話に我慢できず、顔を真っ赤にしてふすまを開けた。
「や やめろよなー!!ふたりともへんなこと言うなよっ!!」

「わわわわわっ。」
ひとみはさらに顔を赤くした。
「ななな なんで。ふたり一緒の布団で寝てるんだっ!?」

「さむいから〜♪」

後藤と矢口は ほっぺたをくっつけ ぎゅっ と抱き合った。
74 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時15分16秒


「まってることないれす。こっちから行ってやろうれす」

『水の辻』は、吉澤家のある町内が 一面見渡せるビルの上にいた。

「ふふ。そやね。のの。 こっちからしかけよか」

「後藤さん大悪魔のくせに 弱点まるだしれす。ののがやっつけるです」

「弱点やて?母親の梨華ちゃんやろ?」

「そのようれしたけど。 ふたつ以上に増えたようれす。ののたちの勝ちれす!!」

『風の加護』は、辻の手を握った。
人差し指を立て空に掲げると 地上高く 舞い上がり暗闇へ姿を消した。
75 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時15分49秒

--------------- ここは地底の奥深く 御獄界

「ごっちんに あいたーーーーーーいっっっ!!」
梨華は、御獄界中に 響き渡らんばかりの高い声で叫んだ。

キーーーーーン・・・・・

「ちょ ちょっと石川。そのアニメ声もっと下げて・・・」
御獄界の将軍カオリが、両耳をおさえて目を白黒させて言った。

「ごっちんに あ・い・たー・い!」

「えーいっ うるさいうるさいうるさーーーーっい!
いったい誰のせいだと思ってるの!!」

「ごっちんに 会いたいのおおおおっ!!」

「待ちなさいって。 いったい何が気に入らないの?
不自由させないよう、小川にも新垣にもつくすように言ってあるんだよ」

「だって、ここにはピンクの花咲いてないし。風呂もローズバスクリンにしてくれないし・・・・
カオリ将軍の顔こわいし・・・・」

ピッキッ

「顔怖いだって〜!!こっの 言わせておけば・・・・っ」
76 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時16分42秒
「うっわ〜ん。ごっちんに会いたいよ〜
いつもみたく寝る前にキスしてほし〜よ〜。石川寝つけないよ〜」

あの鬼畜・・・・ そんなことしてるのかっ?
石川が大悪魔の後藤を産んだなんて信じられないね。
鳶が鷹を生むってこのことだね。
  --- 後藤は本当に変わった悪魔だよ。
     残酷・凶悪なことはピカイチだし、力もすばらしいもの持っているし。
     なんでだか母親の石川には絶対服従で いつもいいなりなんだよね。

本当はいったいどんな奴なんだろ?

カオリは一点をじーぃっと見つめ 交信に入ってしまった。

「あっそーだ。いいこと思いつきましたっ。」
そういうと梨華は、首に下がっている首飾りを手にとり 高々と頭上にかざした。

「へへ〜ん。これがあったんだ♪
ごっちんがくれたの。困ったときにはこれに頼みなさいって♪」

カオリは、交信をやめ石川の手にしている竜の牙に目をやった。
「あんたそれっ もしかして・・・・ 後藤の八部衆??? ちょっと待ちなさいっ!!
あっ でも石川に 八部衆を起こす難しい呪文とか儀式ができるはず ないか・・・」
77 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時29分26秒
「石川にだってできますっ♪
だってごっちんが 石川にもできるようにって簡単な呪文にしてくれたもの♪」

「ひあっ ちょっとまて・・・・」
カオリが止めに入ろうとすると、すでに石川は呪文を唱え始めた。

「はちぶしゅ〜 はちぶしゅ〜 チャーミーのお願い聞いてっ♪
ごっちんに会いた〜〜〜〜いっ!!!!」

カッ

ネックレスの牙が、あたり一面を まばゆい光で包んだ。

もくもくと 梨華とカオリの間に、煙が立ちはだかる。すると・・・・

ぼんっ

「私は後藤さまの一の部下。高橋です。およびですか?梨華さま」
白地に青いラインの入った太めのターバン。白いへそ出しキャミソール。
スラッとした細い足を惜しげなく見せるかのような白い短パン・・・
後藤の八部衆のひとりである。

「は〜い!おっ呼びでっすっ! ごっちんところへ連れて行ってっ」
「はい。かしこまりました」
78 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月13日(金)20時31分11秒
「ちょっと待たんかいっ!! 勝手に御獄界をでるなんて
この将軍カオリが許すとでも思ってんのっっっ!!」

「うるさいな〜カオリ将軍。やっつけてっ」
「かしこまりました」

「い・し・か・わーっ お前ってやつはーーーーーっ!!」

高橋は、両手を合わせてまばゆい光の玉を瞬時に作りカオリに投げつけた。

ピッシャアアアアアアアアアア

「な いきなり何を・・・・っっっ てえいっ!!!」

グッ ゴフッ

--------------

「いったーい!!なにすんのよ もうっ!!」
「将軍っ!大丈夫ですかっ?」
子鬼の小川と新垣が、倒れて口から血を流しているカオリに駆け寄っていった。

「大丈夫よ とっさに壁つくったから。 ったくなんなのあの子っ!!
とにかく・・・ 追いかけなきゃっ
行くわよっ 石川も後藤も四天王もカオリが連れ戻すっ!!!」


79 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月13日(金)22時19分18秒
すっげ〜面白い〜♪
高橋も出てきたし続々とメンバーが増えてきましたね(w
早く元ネタ知りたいです
80 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)19時58分43秒


ひとみは学生服に身を包み、朝の通学の道を小走りまじりに歩いていた。
「ついてくんなったらっ!」

「いいじゃん♪」
「ねー。だって地上って初めてでおもしろいんだもん♪」
後藤は、デニムのロングスカートに太陽のように明るい黄色のTシャツ。
アジアンテイストの肩掛けのバックをさげていた。
矢口は、縁にはグレーの模様が入った白いニットのキャミワンピ。
ルーズソックスに厚底サンダルをあわせている。
どーみても遊びに行く格好で仲良く手をつないで
ひとみの後ろをついて歩いていた。

「学校だよっ 勉強するんだよっ
おもしろいことなんてないよっ 変なことしたら怒るよっっ」

「あははー。 変なことなんかしないよー」
「好きにするだけだよねー」
ふたりは手をつないだまま、うれしそうに顔を見合わせた。

「なんだよ。あんたたち敵同士じゃなかったの?」
ひとみは、後ろを振り返り後ろ向き歩きながらふたりを呆れ顔で見た。
81 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)19時59分13秒
「「だって気があちゃったんだもーん!!」」
後藤と矢口は、つないだ手をブンブン振りながら答えた。

「いいかげんな奴らっ」
ひとみは、前へ向き直り再び足を速めた。

「ちがうね〜っだ。もともと悪魔同士って付き合いやすいんだよ。
悪魔は欲望や快楽を満たす たのし〜いことだけ考えてるからね。
人間と違って裏表がないんだ。 あはっ。
好きあうのも 裏切るのも 殺しあうのも 悪魔はいつでも本気なんだよ〜っだ!」
後藤はひとみの、背中に向かって得意げに言った。

ひとみは、ムッ っとしたものの振り返らずにスタスタ歩いた。

後藤は、ムッとしているひとみに気が付いていじわるく言った。
「よっしぃのほうが変だよ。嘘つくでしょ。
ごとーは汚い行為は大好きでも 汚い心は大嫌いなんだ」

ひとみは一瞬振り返り
「っっ悪かったね。汚い心でっ」
と言い捨て、校門を駆け抜けて行った。
82 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時00分12秒
「きゃははっ よっすぃ怒っちゃった。かわいいー!」

「あははは♪ おっもしろーーーいっ♪
かわい〜。かわいいよね、よっすぃって。
「うん。かわい〜」
「やりたいよね〜」
「うんうん。やりたーい!きゃははー」
後藤と矢口は、校門の前でひとみの後姿を眺め きゃっ きゃっと
楽しそうにはしゃいでいた。

------
「なんれすかっ!あの人たちっ!!下品なやつられす」
後藤たちの様子を、校舎の屋上からみていた辻。

「えいっっ こうしてやれれすーーーっ」
辻は、両手を空に掲げた。

パチパチ パチッ

空か小さく鳴いた 次の瞬間 大きな粒の"ひょう"がふってきた。
83 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時03分41秒
「きゃははっ よっすぃ怒っちゃった。かわいいー!」

「あははは♪ おっもしろーーーいっ♪
かわい〜。かわいいよね、よっすぃって。
「うん。かわい〜」
「やりたいよね〜」
「うんうん。やりたーい!きゃははー」
後藤と矢口は、校門の前でひとみの後姿を眺め きゃっ きゃっと
楽しそうにはしゃいでいた。

------
「なんれすかっ!あの人たちっ!!下品なやつられす」
後藤たちの様子を、校舎の屋上からみていた辻。

「えいっっ こうしてやれれすーーーっ」
辻は、両手を空に掲げた。

パチパチ パチッ

空か小さく鳴いた 次の瞬間 大きな粒の"ひょう"がふってきた。
84 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時04分27秒
きゃああーーーっ
いったーいーー
ひょう だぞっ? なんでこんな時期にっ!?

校庭にいた生徒たちから悲鳴が上がった。
誰もが急ぎ足で校舎へと向かう。

「んんっ 悪魔のにおいがするぞ。
いるっ!近くにいるぞぉっ!」
後藤の目がキラッと鋭く光った。

「四天王の 残りの二人って子供なんだよね。
ごとー子供ってきらい」
「矢口もー。うるさいし いたずらばっかするし 言うことちっとも聞かないしねー」
「ねー。ほんとだよねー。子供のいたずらには、お仕置きが必要だよねっ」
後藤は、胸元の竜の牙のネックレスを外した。

「子供はかくれんぼ得意だからさー。この娘達にお願いしよーっと」
7つの牙がネックレスの紐から離れ 後藤の手のひらの上で ふわっと浮いた。
ふわふわと浮かんだ牙たちが 鮮やかな緑色の光を放ちはじめた。
85 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時13分49秒
「三の部下 あややは 圭ちゃんのとこ行って。
二の部下 紺野は よっすいのとこね〜。
四の部下 ミキティ。五の部下 りんね。六の部下 あさみ。七の部下 ミカ。八の部下 レフア。
あいつら探してきて。「水の辻」と「風の加護」だよ」

「「「「「「「かしこまりました。後藤さまの敵はわたしたちの敵!!」」」」」」」
7つの竜の牙は、すぅーっと グリーンの光を線に残しながら
空へ舞い四方へ散った。

----
「ほー。気が付いたみたいやな」
「あれ?八部衆れすよね? ちょっとやっかいれすね
こっちっ 来ますっ! どーします?あいぼん!」
「おちつきや。のの。いったんひこう」
加護は、辻の肩を抱き 人差し指を唇の前に立てた。
ふっ と吹くとつむじ風が起こり 共にふたりの姿は消えていた。


86 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時15分39秒

「ひとみ〜。 変なキーホルダーつけてるね。趣味変わったの?」
クラスメートのソニンは、ひとみの机の上に置かれた鞄の取っ手にぶら下がる
グリーンに光るキーホルダーを手にした。

「なんだこれ?知らないよ。あたしんじゃない」 
ひとみはソニンの手の中で光るものを、いぶかしげに見た。

「なんか牙みたいだねぇ?象牙かな?」

あれ?ごっちんのネックレスに似てる・・・・。またいたずらしたな。
こんなの趣味じゃ ないっつーの。
ひとみは、取っ手からキーホルダーを外した。

ポイッ −−−−− ガコンッ

すぐさま教室の隅にあるゴミ箱へ投げ入れた。

いつもいじわるやいたずらばっかりするんだからっ
それにへんなことしようとする。
・・・・。
もう、何度もキスしちゃったし。
87 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時17分20秒
「ひとみ。顔赤いよ。熱でもあるんじゃ・・・・」
ソニンは、ひとみのおでこに手を当てた。
「わわっ なんでもないっ」

・・・・・・・でも、ごっちん、本当に悪いことってわたしたちにしたことないよな・・・・
本当にごっちんのなら勝手に捨てちゃわるいよな。返そうっと。

ひとみは、教室の隅まで机を避けながら歩きゴソゴソとゴミ箱をあさりだした。

「ひ ひとみ〜。本当に大丈夫 やっぱ熱にあるんじゃ・・・」
ソニンは、ひとみがゴミ箱をあさるのを心配そうに見ていた。

-----

「あれあれ。 後藤さんがはまってる黄金律れす。
先に食べてしまうれす♪」

「そやね。あれ食べれば後藤さんより強くなれそやな」

「あの光ってるの八部衆れすかね?ガードにつかれたみたいれす」

「のの。出番やで。中から入ればいいやん。水の辻。」
88 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時18分35秒

−−−− そのころ 東京のビル街を御獄界の住人がうろついていた・・・・



「きゃーんっ!!地上って気持ちわっるーい!!!
人間の毒気ってすごーい。石川ダメかも〜・・・」

「さあ 梨華さましっかりして。後藤さまのもとへまいりましょう。
この町から後藤さまの香りがします。さがしてあげますね」
高橋は、梨華の手を握りゆっくりと歩きだした。

「あっ ほんとだー。ごっちんの におい♪
ここまでくれば大丈夫よお。ごっちんのにおいは石川がいちばんよく知ってるもん♪」

「まぁまぁ いいですから。高橋がさがしてあげます。さっ 行きましょう」

「そ〜お?わるいわねー
ごっちんどこかなー?早くキスしてもらいたーい」


89 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時19分18秒


ビリッ
えっ

「どしたのひとみ?」
「このコーヒーなんか変な味する。なんか舌が ビリビリする」
「そこの販売機で買ったんだよ」

あっ

ひとみの口からつーっと一筋の血が流れた。
続けてボタボタと口から血が溢れてきた。

「ひとみっ!!」

な なんだ これ?
しゃ・・・しゃべれな・・い・・・
つっ いっつー・・・ 胸が・・・胸が苦し・・・い・・・

ひとみは胸を押さえながら倒れこんだ。

「ひとみーっ」
ソニンがうずくまるひとみを抱え叫んだ。

胃が、胃がやけつくようだ・・・ 死・・んじゃう・・・ 痛い・・・・・

「ど・・・どうしよーーーっ 早く救急車呼ばないとっ」
90 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月24日(火)20時20分10秒


「ほら。ののが支配する水。体内にはいったみたいやな」
「よっすぃすぐ死ぬです。時間の問題れすね」
「後藤さんおこるやろなー。
水が内臓を溶かすんや。硫酸のように」
「全部溶けて水になったら拾いにいくれす。もう誰にもとめられないれすよ」
91 名前:たまご 投稿日:2002年09月24日(火)20時26分12秒
また少しですが 更新です。
>>79 さん
ありがとうございます。今日もハロプロ何人か増えましたが
娘。以外の部下は、今後活躍ありません。名前だけです。

すいません。ひとこと言わせてください。
ごっちんが〜 ごっちんがあああああああ・・・・・・ さみしいです・・・。
92 名前:kattyun 投稿日:2002年09月24日(火)21時41分29秒
面白いーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
梨華ちゃんのキャラとごっちんのキャラ、ナイスです!!
93 名前:たまご 投稿日:2002年09月25日(水)08時36分58秒
82,83同じ内容載せてしまいました。申し訳ありませんでした。
>>92
ありがとうございます。今夜また少しですが更新しようと思ってます。
94 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)19時43分52秒

−−−− 後藤さまーーーっ ひとみさまが危ないです!

ボンッ

ひとみの教室の隅にもくもくと 紫のけむりが現れた。
「紺野〜♪ ごとーのこと呼んだ〜♪」

「後藤さまっ」

ぼんっ

赤いノースリーブに、白とピンクの大きめなチェック柄スカート。
襟から裾にかけてボタンを留める部分には赤いフリルで飾られている。そして赤いハット。
二の部下 紺野が後藤の前に姿をみせた。

「わかってるよ。ごとーはこれからよっすぃの内臓が溶けないようにしてくるからね」
「はい」
「紺野は、やつらを殺してきなさい」
「はい」
紺野はたんたんと返事をして一番近い窓へ向かった。

「あっ やっぱ 半殺しにしといて」
「半殺しですか?」
窓に足をかけた紺野が振り返った。

「うん。とどめはごとーがさす」
95 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)19時45分01秒


く 苦しい・・・・ だっ だれ・・か・・・・

「わーすっごい血だぁー」
後藤は、うずくまるひとみを抱きかかえ上に向かせた。

この血の量。かなりの内臓がやられてるな。
こんなんひきうけたら流石のごとーの内臓でもあぶないぞ。

「・・・・」
ひとみの口端からは、血が止まることなく流れている。

しっかりよっすぃ。今助けるからね。
まー 心臓が残ってればいいかー

後藤は、ひとみの血だらけの唇をちろっとなめ、そのまま唇をふさいだ。

「・・や」
ひとみは、何が起こっているのかわからず顔をそむけた。
「やじゃないの。いーの」
ひとみの唇をふたたび後藤がふさいだ。
  傷よ。ごとーに来い!
96 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)19時48分03秒
  うわっ

どさっっ 急に後藤の全体重がひとみにのしかかった。

「いってー さすがに効くねぇ」

「んんっ??ご ごっちん?」
急に痛みがなくなったひとみは、上にのしかかる後藤を起こしながら言った。
「なっ 大丈夫!?」

「うるさいよー。 よっすぃ。大丈夫だってば」
「大丈夫なんかじゃない!顔がまっさおだぞっ」

あんな・・・ あんな痛かったのにごっちんが全部もっていってくれたんだ・・・・
くっ・・・ どーしよ・・・ 流石のごっちんでも これじゃ・・・・
ひとみの目には涙が浮かんできた。
「あたしにできることある?ごっちん」

「・・・・っ! あるっ!」

「なに?なんでも・・・」

「”いたずらして”って言ってみて」

「いたずらして いたずらして いたずらしてっそんなの何度でも言ってやるっっ」

「やー。そんなんじゃたのしくないぞ」
97 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)19時50分02秒


「みつけましたよ。こんなところに」
八部衆 紺野 が屋上の貯水タンクの上に降り立った。

「ひとみさまに手だすから、後藤さまが怒ってます」

「何いってるれす。人間一人にもたもたしてるかられす」

「後藤さまは 好物は最後に食べるタイプなんです」

紺野やな。後藤の八部衆。その力は後藤と同格。あるいはそれ以上とも言われてる奴や・・・

紺野は、胸の前で両手をクロスし 静かに目を閉じた。
ブーン ブーン 緑色の光が紺野のまわりにいくつも浮かび上がった。

「後藤さまのものっ とりあげられたらっ こまりますっ!」

ブーンーーーーッ!

緑色の光が、さらにあざやかな光を放ち加護たちに向かって突進していった。

バッッ

加護は辻を横によけさせ、飛んできた光を手でふりはらった。

ドスッ
加護が、シリモチをついた。
98 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)19時51分36秒
「あいぼんっっ」
辻は加護の前に立ちはだかり、紺野にむけて攻撃体勢をとる。

「平気や」
加護は、立ち上がり辻を後ろにやった。

「へぇ 仲いいんですね〜」

「八部衆が全員後藤さんの女だってほんなんか?」

「本当よ。今はなっちさんも矢口さんも仲いいわよ。女はみんな後藤さまが大好きなんです」

「じゃ 八部衆って全員そろわないと力が出せへんって言うのも本当なんか?」

「なにいってるの? 
ふふ じゃ 試してみますか?」
99 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月25日(水)21時26分19秒
おぉー紺野キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
続き続き(w
石川は無事会えるかな?w
100 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時33分34秒


「ちょっ ちょっと ごっち・・ん」

後藤は、苦しそうな顔をしながら ひとみのブラウスのボタンを上からひとつひとつ
はずしはじめた。

「ちょ ちょっとごっちんってば!人がくるよっ ・・・ やっ」

「大丈夫。ごとーが目くらましの魔法ちゃんとかけてる・・・・」

「ひとみーーーっ 今救急車よ・・・ん・・だっ・・・!!
って なにやってんのーーーーーーっ」
ソニンが息を切らせて戻ってきた。

後藤は、ひとみの首筋、あご、唇とキスを続けた。
「だーいじょうぶ・・だって・・・ 魔法かけて・・・るも・・ん・・・」
ディープキスをしながら、途切れ途切れに後藤は答えた。

「うそだーっ ぜーーったい 見えてるっ」
ひとみは、バッと後藤から離れた。顔は真っ赤に染まっていた。

「ひ・・とみ・・・−−−−ぃ」
ソニンは、立ち尽くしてひとみたちの様子をうかがってる。
101 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時34分34秒
「体液が足んないの。よっすぃ もっとだよ・・・。」
後藤は、ひとみの顔を両手で包んで再びキスを求めた。

「たたた 体液って 床いっぱいに吐いた血じゃだめなの・・?」

「なっ いやっ 冷たい体液なんて邪道だよっっ
あったかいのじゃなきゃ だめなのっっっ」
後藤は、いつになく真剣な表情でひとみに訴えた。

「じゃ  どーすれば いいんだああああ」

「ほら♪ あれとかあれとか あんなのとかあるじゃん♪」

「えっ あれって あれ・・・?
い い・や・だあああ こんな人前で絶対にいやだあああ」

「うーーーっむ。 何想像したんだ?よっすいったらあ」

  −−−−−−−−
  −−−−−−−−

ちろっ ちろっ

「むむむう。確かにあったかいけどさあ・・・・ なんか ごとーつまんなーい」
102 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時35分05秒
後藤は、ひとみの目の下を舐めていた。

「つまらなくないって うっ しみるーーーっ」
ひとみは、急いで食堂に行って玉葱をもらってきた。
それを自分の顔に寄せ ぼろぼろと 涙をながしている。

「ちぇーーーーっ でもよく考えたねー
まっ よっすいの可愛い泣き顔 こーんな近くでみれたから いっかー♪」

「ひとみっ 具合はっ!? だから さっきから何やってんのよっ!」

「やっぱり見えてるじゃないかーーーーっ」

  ガッシャーーーーンッ

後藤たちのいた廊下のまどから、三の部下あややが 
額から血を流し 飛び込んできた。

「後藤さまっっっ」

103 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時35分49秒
そのころ 吉澤家の前では−−−−−−

  くんくん くんくんくん
「あっ ごっちんのにおいだあ」

「本当。後藤さまの香りですね」

石川と高橋は、吉澤家の玄関のまえで鼻をつきだしくんくんとにおいを嗅いでいた。

「誰かいる気配がしますね。入ってみましょうか?」

「うん。はいりましょー♪ ごっちん いるかなあ?」

「ごめんくださーーーーい」

「ふあーーーーーーーいっ」
ぐわーっと腕をのばしあくびをしながら、矢口がでてきた。
「せっかく昼寝してたのにぃ。どちらさまですかあ??」

「・・・・ 炎の矢口・・・・ なんでここに?
しかもその 幼稚園児のような格好は なに?」
高橋は唖然として矢口をみた。

「ねえ。 ごっちんはどこー?」

「・・!! ご ごっちんだって!」
矢口は、とっさに手を掲げ 火の粉を散らばした。

 バチッ バチッ

「きゃん!」
梨華は、ぴょんぴょん飛び跳ねた。
104 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時37分00秒
「あんたら 御獄界の住人ねっ 何しに来たっ!!」
矢口は攻撃態勢を崩さずに言った。掌には火の玉がメラメラと燃えている。

「ごっちんに 会いにきたのーーーっ」
「そうです」

「えっ 矢口を連れ戻しに来たんじゃないの?」

「ねぇ。ごっちんどこー?」
矢口に向かってだだっこのように、手をぐーに握って喋る梨華。
「関係ないですね。私は梨華さまのおもりですから」
たんたんと答える高橋。

   ・・・なんだ?このアニメ声の女は。こいつとは話できそうにないね。
矢口は、攻撃態勢をくずした。
「ねー。今ごろ御獄会の太陽傾いてるんじゃないの?」

「関係ないですね。私は梨華さまのおもりですから」
たんたんと答える高橋。

「あんたたち なにもの?」

「はーーーっい。石川はごっちんの おかあさんでっす♪」
元気よく右手をあげて、矢口の質問に石川は答えた。

「うっ うそつけーーーっ」
105 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時37分49秒
「うそじゃないですーーーっ 石川がごっちんうんだんですーーーっ」

「んなわけないでしょーっ」

   ぼんっ

一瞬にして高橋は、御獄界での服装に変身した。
「私は 後藤さまの一の部下。八部衆の高橋。
こちらの方は 後藤さまの母上。梨華さまです」

「えーーーーーーっ こっ これが ごっちんの梨華ちゃんーーーっ!?
ひょえーーーっ でっ でも いまごっちんいないよ。
さっき 急にでかけちゃったんだよー」

「では 待たせていただきます。 さっ 梨華さま。あがらせてもらいましょう」

「石川のど渇いたーーっ ジュースのみたーいっ」

「あーーーっ うるさいっつーの」
  変なの家にあげたら、圭ちゃんにまたしかられるよーーっ
矢口は、台所にお茶のしたくをしに入っていった。

「ジュースっ のどかわいたよーーっ」

「だーーっ はいはいはいはい。ちょっとまって」

   ・・・・・ 炎の矢口ってこんなんだったけ?丸くなったな〜
      客にジュース用意するって・・・ 生活感あるな〜
高橋は、冷蔵庫からジュースをとりだしグラスに注ぐ矢口の小さい後姿を不思議そうに眺めていた。
106 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時38分34秒
「あっ これ。午後の紅茶レモンだあ。おいしーっ。
石川これだーーっいすきーー」

「あーそれ。ごっちんが好きだから圭ちゃんが買ったんだ」

「圭ちゃん?誰ですそれ?」

「この吉澤家のボスだよ。人間だけどね。ごっちんも頭あがんないんだ」

「そんな人間いるんですか?」

「きゃはっ そう。人間だけどいい奴なんだ〜」

   −−−− 本当。この家。まったく毒気がない。 まるで・・・・

     聖域 ---

「後藤さま 楽しくやっているようですね」
高橋は、笑顔で言った。

「そっかなー。いろいろ大変だよ〜 ねえ。ところで御獄界の太陽は?」

「心配しないで下さい。私は梨華さまのおもりです。
後藤さまから言われるまで あなたを連れ戻そうとしたりしませんよ」

「矢口もうぜーーったい あの柱の中には 戻りたくないもーーん」

  ゴクッ ゴクッ  ぷっはああ
梨華は勢いよく もらったグラスを空にした。
107 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時44分39秒
「だいじょうぶよお。きっとごっちんがなんとかしてくれるって♪」
梨華はグラスをテーブルに置いた。

矢口と高橋は、きょとんと顔を見合わせた。

「ほんとーに こいつ母親?」

「ほんとですーーっ ごっちん石川の言うことならなんでも聞いてくれるもんっ」
梨華は、矢口の前に立ちムキになって言った。

「はいはい。そーですよね。梨華さま」
高橋は、落ち着かせようと梨華の肩に両手をのせた。



「どーしたのっ あややっ その怪我!?」

「わーん。後藤さまあああ」
三の部下あややは、後藤の胸に飛び込んだ。

「加護にやられましたーっ ミキティもりんねもっ・・・」

「なっにい。加護の奴 調子にのりやがってーーーっ ゆるさないぞっ
あーっ あややこんな血だして。 なめちゃえっ」

「後藤さまっ 助けに行ってあげてくださいっ
紺野ちゃんが 紺野ちゃんが・・・」
108 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時45分09秒
「おしっ ごとーにまかしとけっ」

「ちょっ 待って ごっちん!! そんな体じゃ・・・」
ひとみは、後藤の腕をつかんだ。

「えーーいっ ごとーの女の子たちに手をあげるとどーなるか思い知らせてやるっ」

「後藤さま。加護は知ってます。あたし達八人そろわないとダメだって・・・」

「くっそー。誰もひどい怪我してないでしょうね?」

「それが・・・ わたしたちが駆けつけたときには、すでに紺野ちゃんが・・・」

  ふっ

あややを抱きしめたまま、後藤が消えた。

 −−−
109 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時46分11秒
「紺野ーーーーーーっ」

後藤たちが、屋上へ姿をあらわした。

「きたれすっ」
「思うたより早いおでましやな」

「ご・・ 後藤さま・・」
倒れている紺野は、体を起き上がらせた。その顔には無数の切り傷から血が流れていた。
ノースリーブから伸びている腕のあちらこちらにも 無数の切り傷−−−

「ゆるさないっ」

  ばんっ

後藤が、大悪魔の姿に変身した。
上下ピンクのカーボーイルック。
ミニスカートからはすらりと長い足を見にスカートからのぞかせている。
頭の両脇から大悪魔特有の羊の角も禍々しく伸びている。

大気が揺れ、屋上の床にヒビが入った。

「申し訳ありません。後藤さま」
紺野が、右足をひきずりながら後藤の側に寄った。

「ごめん。紺野。ごとーが悪かった。そんなに強いと思わなかった。
 加護っ 辻っ 殺すっっ!!!」
後藤から波動が発せられた。空全体が唸り 真っ黒に染まった。
110 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月25日(水)21時46分47秒
  ゴン ゴオオオオオオ ゴオオオ

「くっ やばいで。のの結界をはるんやっ!!」
「はいれすっ  きゃあああ」
加護と辻の周りは、あっという間に後藤の波動に包まれた。

「ごとーに結界なんか 効くと思ってんのっ」
後藤は、加護の前に立ちはだかった。

そして、黒く長い爪を加護の額にめり込ませた。

「あいぼんっっ」

「よくも 紺野を・・・ 殺す・・・っ」

  ビリッ   ばんっっ

加護の額にめり込んでいた後藤の手が二の腕までちぎれて吹っ飛んだ。

「!!!」

「「「「「「「後藤さまーーーっ」」」」」」」
八部衆が揃って叫んだ。

「やれるでっ のの。 後藤さん弱ってるでっ!!」

「あいぼんっ よし 今度はこっちの番れすっ!」
111 名前:たまご 投稿日:2002年09月25日(水)21時52分17秒
>>99 レスありがとうございます。 今日はここまで。

今週中にまた更新する予定です。よろしくお付き合いください。
112 名前:kattyun 投稿日:2002年09月26日(木)18時16分04秒
続きがきになる〜〜〜〜〜!!
作者さんのペースで頑張ってください。
113 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月27日(金)11時07分15秒
お、おもしろいです〜!!
続きめちゃくちゃ期待してます。
がんばってください!
114 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時37分26秒

「後藤さまっ 私達がやりますっ」

「来んなっ!!! こいつら・・・ ごとーが絶対殺すっ」

「強がらないほうがいいれすよ」

「絶対にっ!!殺すっ!!」
後藤の周りに紫のオーラが立ち始めた。


115 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時37分56秒

「ごめんくださーいっ」

「あっ また誰か来た。ちょっとまってて」
矢口は高橋に声をかけ、玄関へ向かった。
「はーいっ はいはいっと」

「あーーーーっ」
御獄界の将軍カオリが叫んだ。

「ゲゲッ カオリがどーしてこんなとこにいるんだあっ」

「っどーしたもこーしたもないよっ 矢口っ!!
あんたこそ何してんの? 御獄界の太陽傾いてんだよっ 早く帰るよっ!!」

「やだ」

「何言ってんの!太陽を支えられるのは四天王のみっ
今 後藤が支えてくれてるけど 長くはもたない。ほらっ 帰るよっ!
太陽が落ちてきたらどーなるっ?
何もかも焼かれて 御獄界は大火事になるんだよっ!!」

「やだってばっ!大変なんだよ!太陽支えるのって。柱になんか戻るもんかーっ」

「四天王が何言ってんのよ!」
116 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時38分36秒

「じゃ カオリが支えればいいじゃんかーーーっ
四天王 四天王ってじゃんけんで負けただけじゃん。
矢口ついつい踊りながらじゃんけんしちゃったから 負けちゃったんだよ!」

「はあ?いいかげんにしてっ 後藤の力にも限界があるのっ 
大体後藤はどこっ? あんた達を狩りに来たはずでしょっ」

「ごっちんは あたしを柱に閉じ込めたりしないやいっ!」

「だって かわいそうだったんだもん」
梨華がひょっこり顔を出した。

「なっちが閉じ込められててかわいそーでー
ピンクのお花くれて 石川すごいうれしくってー
ごっちんに出してあげてって頼んだんですー」

「そうよっ!そもそも石川のせいっ! あんた自分の娘に迷惑かけて恥ずかしくないの?」

「恥ずかしくなんかないです〜♪だってごっちんは石川を愛してるんだもーーーーーん♪」

「ねーっ 梨華ちゃん。ごっちんは矢口のこと柱に戻したりしないよねっっ」

「だいじょうぶよぉ。だって、矢口さんも石川にジュースくれたいい子だもん♪」
石川は矢口のあたまを、優しくなでなでした。
117 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時39分14秒
「まあまあ カオリ将軍。そう お気をおとさずに・・・・」
高橋は将軍と矢口の間に入りさわやかに笑った。

「・・・・高橋・・・。カオリさっきあんたの攻撃で大怪我したんだけど」
カオリは目を見開いて高橋をにらみつけた。

「すみません。後藤さまの邪魔しなければ何もしませんよ」

「あーーーーーっ
どいつもこいつも 後藤 後藤ってーーーーっ」

  ビッシイイイイイ

「きゃあああ。いったーーーいっ」

「梨華さまっ」
高橋は、倒れそうになる梨華を支えた。

「ごっちん。ごっちーーん」
梨華は右腕をおさえ、激痛に顔をゆがめている。

「どーしたのっ 石川っ」
カオリも石川にかけよった。

「ごっちんの腕。ごっちんの右腕・・・ どっかでちぎれたーーーっ」

「後藤さまの右腕がっ!!」
118 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時39分56秒
「うえーーん。いたいよーーっ いたいいたいいたいよーーっ」

   くっ 後藤さまの元へ 行かなければっ

高橋は、梨華を抱きしめ目を光らせた。

  ふっ

「ま まって カオリも・・・」

「よっすぃの学校だっ!!」
矢口が叫んだ。

「よ よっすいーー?? 誰 それ??」

「ごっちんが目つけた 黄金律の人間だよ。きっと学校に行ったんだよ」

「はあ?黄金律〜?いったい後藤はなにやってたの?」


119 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時40分34秒
「さ〜て。どこ吹き飛ばしてほしいか言うてみ」
加護は、後藤の目を見据えてツカツカと歩み寄った。

「あいぼんっ。いまのうち早くやっつけるれす!」

「のの。加護の後ろに隠れててや。油断ならへん奴やからな」

「そこの腕とって。あやや」
後藤は、左腕でちぎれた右腕をあややから受け取った。

「なんや?くっつけるんか?くくっ」

「こんな役立たずな腕。あげるよっっ」
後藤は、加護に腕を投げつけた。

「「「「「「「後藤さまっ やめてくださいっ」」」」」」」

投げつけられた腕が、加護の首をつかんだ。

「ぐぅぅ 。がっっ」
容赦なく、加護の喉をつぶそうとしている。
「あいぼんっ このっ 離すれすっ」

「ぐぅ・・・ 風よっ 切り裂けーーーーーっ」

   ザッ  ザクッ

後藤の右腕は粉々にちぎれ風に舞った。

「「「「「「「いやああああっ 後藤さまの右腕ーーーーっ」」」」」」」
120 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時41分16秒
「今度は あんたの番や。どこから切り刻んで欲しい?」

「風の加護。やれるもんならやってみな」
後藤は、加護から目を離さず 左腕を天に掲げた。

「切り刻めっ 風たちよ!」
加護は両手を前にだし、後藤に向かって力を放った。

「こんなんでっ やられるかっ!」
後藤は、構えていた手を振り下げすべてなぎ払った。

加護の足元の床に切れ目が入る。
「やりよるな〜。ののっ。いっしょにやろか?」
「はいれすっ」
辻が、加護に抱きついた。

   シュゥ〜 シュウウウ〜

加護と辻の周りが白く光始めた。

「な 何する気っ! ふたりがかりでなんて卑怯よっ」
紺野は叫んだ。

「大丈夫。紺野さがってて」

「つららです。後藤さま、氷の刃が・・・・・」
紺野は後ずさりしながら、小さな声で言った。

「つらぬけっ」

 ヒュンーーー
121 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時42分14秒
後藤の周りは、あっというまに氷の刃のような柱に囲まれた。
そして間もなく、周りだけでなく後藤の体に氷の刃が突き立った。

  ザン −−− ドスッ 
   ザン −−−−   ドスッ

「やったで!のの!結界も張れんようや!」

「どうしよ・・・ あやや」
「だめっ 手出すなって言われたでしょ」
「愛ちゃん呼ぼう。八人で戦えば勝てるかもっ」

  ザン −−− ドスッ 
   ザン −−−−   ドスッ

いくつもの氷の刃が後藤の体を貫いた。

「「「「「「「いやああああ!! 後藤さま〜っ!!」」」」」」」

「うっるさいな〜。 黙って見ててって言ってるじゃん・・・」

「わかりました・・・・。黙って見てます。っでも 後藤さまが死んだら
私達もすぐ後を追いますっ」
目に涙をいっぱいためた紺野が言った。

「そーだね。死ぬときはみんな一緒に死のう・・・」
後藤は、天を仰いだ。

「今は、そのときじゃないけどさあ・・・。しっかし痛いなぁ・・・。
なんだかごとーってば最近痛い思いばっかりしてるよな〜・・・」
122 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時42分53秒
  くすん くすん
    いたい・・・。 いたいよ・・・・。

「ん??」

「いたいよおおお。ごっちーーん・・・・。ぐすっ いたいよ〜」

「梨華ちゃん!!!!!」
後藤が、横を見ると梨華が立っていた。梨華を支えるように高橋が寄り添っている。

「後藤さまっ な なんでっ・・・」
高橋は、思わず両手を口にあてた。

「ごっちーーん。いたい・・・。いたいよおおお」
梨華は、氷の刃に囲まれた後藤のすぐ前にたち 泣いていた。

「な なんで 梨華ちゃんがここに・・?カオリンめ〜 見とけっつったのに〜」

「いたいよ〜。いたいよおおお。ぐすぐす・・・
今ね。石川・・・。ごっちんとつながってるの。ひとりで痛いとかわいそうだから・・・。
ぐすっ でも いたいよお・・・」

「つ つながってるっ!?やっ 梨華ちゃん。ダメだって。そんなのすぐやめてっ」
後藤は、氷の刃の間から梨華を抱き寄せた。

「行くでっ!! いっしょに始末してやるっ!」
加護は辻を片腕で抱きしめたまま攻撃の態勢をとった。
123 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時43分34秒
「やめろっ!来るなーーーーーーーっ!!!!!!」
後藤から波動が発せられた瞬間、氷の刃は瞬時に溶けて消えた。

「もう 指一本いたくすんな。ごとーに近づくなっ」
後藤は、抱き寄せた梨華の顔をあげさせた。
やさしく唇をつつみ、あたたかいキスをした。

「ごめんね。梨華ちゃん。今痛くなくするからね」

「ん」
梨華は、後藤のキスを一瞬吸い返し後藤から離れた。

「よっーーーとっ」

  ズキッ 梨華の右肩が痛んだ。

   シュルシュルシュルシュル・・・・

後藤の肩から、骨が再生し始めた。
次に筋肉、そして皮・・・・・・・
   後藤の右腕が復活した。

「あっ しまった〜。自慢の黒爪が短い〜」
「や〜ん。ごっちんかっこわるーい」
梨華は再び、後藤の胸に顔をうずめ抱きついた。

「ごとー もう やーーめたっ」

「へっ やめたれすって??」

「うんっ ごとー もう痛い思いするの やだもん。
ねーーっ 梨華ちゃん♪」
124 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時44分17秒
「ねーーっ ごっちーーん♪」
梨華は、後藤の首にぶらさがっている。

「ついつい COOLなごとーがムキになっちゃったよ。
でも ごとー おなか痛いんだし、無理することないよねーっ
じゃ 高橋。まかしたっ」

「はい♪ みんなー!いくよー!」

 ゴゴゴゴゴゴオオ・・・・
大気が揺れ始めた。

「加護ちん達には、特別に八部衆に相手させたげるよっ」

  カーーーッ ゴオオオオ

もくもくと空全体が緑色の煙に覆われている。
煙の中から、何かが蠢いていた。

「あっ ごっちん みーーーっけ! きゃはは」
「後藤っ!!なにやってんのっ 地上で八部衆に戦闘形態とらせるなんてーーーっ!」

「カオリンこそなにやってんのっ? 梨華ちゃん預けたのに勝手に出歩かせて!!
危ないじゃんかっ!!」

「カオリが止めようとしたら、あんたの部下がいきなり・・・」

  ゴオオオッ 

「「あっ」」
カオリと矢口は、空を見上げた。
125 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時45分39秒
大悪魔 後藤の八部衆。
  その戦闘形態である 姿が 煙のなかから徐々に浮かび上がってきた。

   −−−− 八つのあたま。ひとつの体。八つの長い尻尾。
       その姿は 伝説のヤマタノオロチ そのものであった。
    かって 猛威を奮い 娘たちを喰らいながら勢力をふるっていた。
    そして スサノオのに退治されたと言われている 八俣の大蛇 である。

「あはっ 久しぶりにみるね〜 かっこいいよお みんな♪
さすが ごとーと同格だって言われてるだけのことあるよねーっ
加護ちん 辻ちゃん。相手してもらえて光栄だよー」

  ゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴッ

八部衆は、ゆっくりと加護たちに近づいていく。

「紺野 思いっきり仕返ししてやんな♪
でもっ 殺したらダメだよー。こいつらには、太陽支えてもらうんだからね。」

「やられるてたまるもんかっ なー のの。いくでっ!」
「はいれすっ!」

  ゴゴゴオ ゴゴオオオオーッ

「ごっちん。キスしてよう」
「はいはい梨華ちゃん♪」
後藤と梨華は、すぐ側で戦闘がはじまるのはまったく蚊帳の外でいちゃつきだした。
126 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時46分31秒
「ちょっと 後藤ーっ 早くしないと太陽落ちてくるよっ」
「ごっちん。矢口 柱の中に戻るのやだかんねっ」

「あと少しくらい大丈夫だって。あのふたりに支えさせるからさー」
「加護と辻だけで?ちょっと無理なんじゃない?」
「矢口やだよーっ ぜーーったい もどらないよおお」

「やぐっちゃんとなっちは柱に戻すつもりないよ。ねーっ 梨華ちゃん♪」
「うん♪ ごっちん大すきーーーっ」
梨華は、後藤の首にしっかり抱きつき うれしそうにはしゃいでいる。

「ほーーーんとに、 なんなのこの親子っ!? カオリ わかんないよっ!」
「きゃははーーっ いいじゃん。カオリ」




「グウッ のの は・・はやく・・・剣で・・・・・」
「あいぼんっ こっのーーーっ あいぼんを離すれすっ ああっ」

  カシーーーンッ 

辻の作った氷の剣は、八部衆たちの体を貫くこともできなかった。
加護は、紺野の首に巻き疲れ 体からミシミシと鈍い音が聞こえている。

「あはっ 無理しないほうがいいよーーっ 早く降参しちゃいなよーーっ」
127 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時47分07秒
「ひきょうれすっ 手下達つかうなんてっ」
「ふーん・・。誰かの後ろにばっか隠れてる奴が な〜に 言ってるんだか!」
「うううっ あいぼんっ 今ののが、助けますからねっ」

 バターーンッ
「ごっちーーーーんっ!!!!」

校舎から屋上への扉が開き、ひとみが心配そうに飛び込んできた。
「だっ だいじょうぶーー!   ぎゃっ
ぎゃあああーーーーーっ ・・びっ へびーーーーっ」

「あはっ。よっすぃ 元気ぃ?」
後藤は、ひとみに駆け寄り抱きしめた。

「やーーーーんっ ごっちん。 石川もーーーーっ」
後ろから梨華が抱きついた。

「なななな なんだーーーっ どーなってんだーーーっ」

紺野に締め付けられ続ける加護は苦しみながらも力を放った。
「くうっ か 風よっ ハリケーンをっ」

  ビュウッ ゴオオオオオオ

突然の竜巻が、後藤たちの元へ向かう。

「ははーーっ これが最後のイタチっぺってやつーー?
ぜーんぜん 効かないよーーーっ」
128 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時47分47秒
  ゴオオオオッ

後藤は、すぐさま結界をはり風は後藤達をひと触りもせず通り過ぎた。

辻は、いろいろな剣を次から次へと作り出しては、八部衆に刺し続けていた。
虚しくもその刃先は、八部衆にキズひとつつけることができない。

「なんでれすっーー! このっ このおおおおっ てえええーーーいっ」

 -----

「ねぇ。カオリ。なんで太陽は支えてないと落ちてくるんだよお。
あの子たちも、矢口といっしょで じゃんけんぴょ〜んっ♪て踊りながらじゃんけんして
負けちゃっただけなんだよ。どうして、あんな暗い寂しい柱に戻んなきゃいけないの?」
「カオリだって。わかんないよっ。もう何万年もそうなんだからっっ」

「矢口だったら、あんな柱に戻されるなら死んだ方がましだよ。
もともと辻と加護は、仲良しでいっつもふたりで遊んでて・・・」
「な〜に言ってんのやぐっちゃん。やぐっちゃんは、柱に戻んなくていいってば。
ごとーにまっかせなさーいっ」

「ごっちん!なんか ひょうひょうとし過ぎじゃないかっ?あんな小さい子たちにかわいそうじゃん!!」
「よっすぃは、だまってて。なんも知らないくせにっ!!」
129 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時50分41秒
  グッシャアアアアアア

「ああっ あ・・ あ・・ あいぼーーーんん!!!!」

加護の体を、紺野の鋭い牙が貫いた。

「あははーーっ いいぞお 紺野 やっちゃええっ」
後藤は、冷酷に大笑いしながらその様子を見ていた。
「ごっちんっ!ひどいよっ!やめてよっ!ねぇ やめてってらあ!!」
ひとみは、後藤の肩に手をあて揺さぶった。
「ばかだねよっすぃは、なにされたが忘れたの?
内臓溶かされそうになって あーーんなに 痛い思いしたんだよっ」

「ちょっとそこの 黄金律とやら。 後藤にさからわないほうがいいよ」
カオリが、ツカツカと歩み寄った。
「誰?あんた??」
「誰だっていいでしょっ とにかくねっ 後藤から手離したほうがいいって。
後藤は、こういう残忍な流血ごと大好きで、本当に汚い奴なんだよ」
「そんことないっっ ごっちんは、そりゃ いたずらはするけど・・・
あんなことやっ こんなこと・・・ さ  されたけどっ
ちゃんと 買い物当番だってしてくれるし、圭ちゃんの言うこと聞くし
あたしだって、何度も助けてくれたんだっ そんな奴じゃないっ!!」

「はあ?? 買い物当番〜?? ねーっ 寝ぼけてんの?」
130 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時51分25秒
「ほんとだっ いじわるしたって 本気じゃないんだっ」

「きゃーーーっ ドンドンドンドンっ ぱふぱふ〜っ♪ 大あったり〜♪」
突然アニメ声が響き渡った。
「ごっちんはねー 人間にはやさしーんだよ〜♪ なんでかといいますとーーー」

  ゴッキーーーッン

「ああっ いやあああああ。あいぼん あいぼーーん!!!」
加護の右胴体がちぎれかけていた。辻は、叫ぶことしかできない。
「あいぼん。死んじゃうれすーーーっ やめてーーーーっ」

矢口は見ていられず、両手で顔を覆った。
「ちょっと。後藤殺さないんじゃなかったの?死んじゃったらカオリ困るんだけど」

「・・・・ダ ダ・・メやっ・・・・ のの・・・。は・・よお・・・ にげ・・・・」
「・・あいぼん・・・・  うっーーーーーーーーーーーー」

辻は、地面に両手をついた。
そして顔をまっすぐ八部衆に向けた。
「はちぶしゅう・・よっ  その体・・体内のすべての流動体に告ぐっ」
辻は、両手を天に掲げた。
「すべてに告ぐっ 我は水の辻なりっ すべての水分よっ 我が命を受けるれすっ
蒸発してーーーっ ひからびてしまええええーーーーーっ!!!!」
131 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時52分06秒
  しゅーーーー しゅーーー しゅううーーー
     うおおおおおおおおーーーんん

八部衆である大蛇が苦しみだした。
それぞれの首がもがきぶつかりあった。

「あははーーっ そーんなんで ごとーにかなうとでも思ったのっ 辻ちゃん!!
すべての流動体に告ぐ! 水よ蒸発なんてすんなっ ごとーの言うこときけえーーっ
わが名は、後藤。 後藤真希っ!! 言うこときけええええっ」

八部衆のもがく姿が止まった。そして、ふたたび 加護を締め付け始めた。

「くっくーーっ さーどうするー? 辻ちゃん。おしまい?」
後藤は、辻の顎をなでながら自分の顔のほうへ向かせた。

「・・・・ううっ」
「や・・ やっめろーーーっ ののに手だすんやないっ!! このーーっ」

「あはっ 暴れても無駄だよ。 ふふーん。こーんなことしちゃおっかなー・・・」

  ビリリリリリリイイイ

「きゃああ・・・」
後藤は辻の洋服を胸元から引き裂いた。
白い柔らかい肌があらわになる。
132 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時54分23秒
「きゃあ♪ ごっちんかっこいい♪石川惚れなおしちゃうかもーーっ♪」
「やめろよっ ごっちん!やめろってーーーっ」

「さあーって いったずらしっちゃおっかなーっと♪」
後藤はうれしそうに、辻の柔らかい肌に爪をそわせた。
「よくみたら可愛い顔してんじゃん♪ 加護ちんの前で犯しちゃおっかなーっ♪」
「やっ さわらないれーーっ やーーーっ いっやあああっ」
[やめろーーーっ ののをはなせーーーーっ!!!!」

「やだよ。元はと言えばあんた達が悪いんじゃん。
ごとーの大事な八部衆に怪我させて 梨華ちゃんにまで痛い思いさせてさー」
「ねー。ごっちん。石川もう痛くないよお」
「いいんだよ。梨華ちゃん。復讐は美しいもんだからっ♪」

「いいかげんにしろっ いいかげんにっ」
カオリが、ふざける後藤に痺れを切らして歩み寄る。
額には筋が立ち、瞳を見開くカオリは相当の迫力である。

「ちぇーーーっ カオリン。いいとこなのにさー。あやや、こいつ捕まえてて」
後藤の元にあややの首が伸びてきた。辻に巻きつき、紺野が巻きついた加護と並んだ。
133 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時55分08秒
「で カオリン。ごとーになにさせよーってーの?
ごとーひとりで太陽支えるのもう無理だよ。あれ、重いもん。めんどーだし」

「とりあえず 御獄界に戻るわよ」
「・・・??御獄界ってなんだんだっ?ごっちん?」
「はっ 人間って愚かな生き物よね。カオリ人間って好きになれないよっ」
「よっすぃ。人間だってどっから来たのかわかんないでしょ。ごとー達だってそんなの知らない」

「はいはいっ ごっちんは石川が産んだんですーーーっ」
「そっ 梨華ちゃん♪ んーーーーーーっ」
後藤は、梨華の顔を両手ではさみ唇へ愛情たっぷりキスをした。

「さっ 久々の御獄界に 帰るとするかーーっ」
134 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時56分01秒


  −−−−−
  圭ちゃん。

「んっ?なっち どしたの?」

  どこかで御獄界の扉がひらいたべ。

圭は、教室をぐるりと見回した。
「何言ってんの?みんな真面目に勉強してるじゃない。
えっ? あれ? あっれえ??」

教室内に霧が広がっていった。

「圭ちゃん。御獄界へよーこそ♪」
「ちょっとっ!ごっちん。授業中に邪魔しないでちょうだいっ!!なっち でておいで」
圭は、上履きを脱ぎ靴下を脱いだ。

  にょろ

なっちが姿を現した。
「ごっちん。どーいうことだべ。圭ちゃんまで連れてこうっていうんだべか?そうはさせないべっ!」

「あはは。なっち はやとちりすんなよー」
後藤の瞳は、吸い込まれそうなくらい輝いていた。
135 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時56分47秒
「そろそろ時間なんだ。ごとーの魔法が切れちゃうんだよ。
誰かが太陽ささえないと 落ちてくるんだ。すべてが燃える。
ごとーは、どっちでもいいんだけどねーーーっ」

後藤は、大きな菩提樹の豪華に飾られた椅子に悠々と腰を下ろした。

「さーーってと♪ ごとー 久しぶりに仕事しよっかなーっ♪
さ みんな。願いを言って。叶えてあげるよ。
大事なものとひきかえにね。契約の時間だ」
後藤の周りは、紫色のオーラに包まれていた。

「誰からにする。はいっ なっち。 どうぞ♪」

「なっちは・・・・
なっちは、ずっと圭ちゃんと一緒にいたいべ・・・」

「なっち。わかってると思うけど人間の寿命なんてあっという間だよ。
同化したままだと、圭ちゃんが死ぬとき一緒に死ぬんだ。いいの?」

「かまわないべ」

「わかった。次。 やぐっちゃん」
136 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時57分19秒
「きゃははーっ。矢口はねぇ、んーーっと・・・・
吉澤家にずーっといたいな。で、たまに梨華ちゃんが遊びにきてくれると嬉しい!」

「はいっ チャーミー石川。遊びに行きま〜すっ」
梨華が、ぴょこっと手をあげてアニメ声を響かせた。
そして矢口にかけより、あたまをなでなでしている。

「おっけー。じゃ、ふたりが死んだ後、ごとーが力をもらうことにする。
次っ 圭ちゃん いってみよーーっ」

「なにいってんのよっ あたし関係ないじゃない!
どーでもいいけど うちの娘たち無傷で連れて帰るわよっ」
圭は、人差し指を突っ立て腰に手をあて後藤に言い放った。

「ちょっと。カオリの願いを先に聞きなさいよっ
太陽どーにかしなさいっ はやくったら!
えっ 契約〜っ カオリからものとるわけっ」

「加護ちんと辻ちゃんは?」

「なんやてっ!あんたなんかと契約なんかするも・・・」
「ののはっ!!」
加護の前に辻が立ちはだかった。
137 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時58分03秒
「ののは、あいぼんとすぅーーーっと一緒にいたいれす。
願いをかなえてくれるんれすなら、なんれも言うこと聞くれすっ!」
「ののっ!!」

「じゃ・・・ その両腕と両足 ごとーにちょうだい。食べたいな。
いいかげん おなかすいてきたし♪」

「なんやてっ ののあかんっ! こんな奴と契約しちゃ・・」
「いいんれすっ!!!!」
「いやならごとーはどっちでもいいけどねー」
「いいんれす!どうぞ切ってくらさい!!」

「じゃ 遠慮なく」
後藤は、人差し指を立て辻の肩にそって爪を一振りした。

   ズッシャアアア

「ののーーーーーーっ!!!」
「きゃああああっ」
辻は悲痛に叫んだ。

「や やめてーーーっ」
加護は、辻の前に立ちはだかろうとしたが再び辻に引き戻された。
138 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時58分45秒
「いいんれすっ!あいぼんといつでも一緒に遊びたいんれすっ!!
腕も足もいりませんっ はやくっ 全部きってくらさいいい!」

「あはっ」
後藤の顔に冷笑が浮かぶ。
「そんなのつまんなーい。やっぱいらないや
でも一本切らせてもらったからね。契約は執行される。
さて、お待ちかね♪ よっすぃ♪」

「よ よくわかんないけど・・・
あの太陽が支える方法は、他にないの?」

「ごとーでも無理なことあるんだ。あれものすごく重いもん。
でもねーーっ
よっすぃの、その黄金律の体があれば なんとかなるかも♪
よっすぃ。ごとーのものになりなさい」

「なっにぃ〜。結局それかいっ! ごっちんさいてーだよっ
やだよっ あたし。ぜーーったい やだーーーーっ」

「あそ。
ならごとーはかまわないよ。みーんな焼かれて死ぬけどね。
よっすぃは、良心の呵責に一生苦しむことになるよ。
ぜーんっぶ ぜーーーーんっぶ よっすぃのせいだもんね。
あーあっ よっすぃの体があれば みんな助かるのになーーーっ」
139 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時59分17秒
「なっ なんで あたしだけそーなんの?」
ひとみの目に、涙が浮かび始めた。

「じゃーねー・・・・っ
よっすぃから ごとーに キスしてくれたら 許してあげるう。
ほらっ はやく こっち おいでよっ♪」

  くっそお。 い 犬にかまれたと思えばいいんだ。犬に・・・ 犬に・・・・

ひとみは後藤の顔を、両手に挟んだ。
目をつぶって一気に、唇を押し付ける。

「あっ」
後藤からため息が漏れた・・・・・・

あたり一面まばゆい光に覆われた。

「うっ うわあああん・・・ ひっく・・・ うわああん・・・」
ひとみは、座り込んで泣き出した。

「あーーっ ごめんねーっ よっすぃ。泣かないでってばっ
ちょっと 困らせてみたかっただけだよー」
後藤はやさしくひとみを抱きしめた。
「でも よっすぃのキスのおかげで ほら・・・・」
140 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)19時59分56秒


  −−−−−
    太陽壊しちゃったーっ♪
    粉々に砕いちゃった。キラキラしてきれいでしょー。
    やっぱ ごとーって大天才♪だねっ
     
    小さく分ければ軽くなるから、誰も支えなくてすむっしょ。

     えっ どーしてさっさとそl−しなかったって?
       やーだよー。めんどくさいじゃん。
     
かくしてーーーー
御獄界の太陽が、999個 誕生したのであった。

  そして吉澤家の娘。たちは・・・・・
141 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)20時00分43秒
「あーあっ なっちもやぐっちゃんも地上に行っちゃったし。しずかだねーーっ」
「寂しいの?ごっちん?」
梨華は、花輪作りに精をだしていて手を休めずに言った。
「ごっちんってば、本当に人間大好きよねーーーっ」

後藤の頬が赤く染まった。
照れ隠しに、梨華のおでこをつんつんしている。
「なにいってんのー 梨華ちゃーーんっ」

「だって親子だもん。石川も人間大好きだからあ・・・
ごっちんパパ人間だもんねーーーっ♪」

「やーっ それ言わない約束でしょー」
ごっちんは、さらに顔を真っ赤かにしてうつむいた。

「ぱぱもねーっ 黄金律だったんだよーーっ
だから ごっちん、黄金律に弱いんだよねーーーーっ」
梨華はできたての、色とりどりの花輪をごっちんの首にかけた。

「ちーがうってー。あれは役にたつ体だから・・・」
142 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)20時02分28秒
「でもねー 人間って先に死んじゃうんだよ・・・」
梨華は一瞬寂しげな表情をした。
「平気だもん」
「ほーらー。やっぱりごっちん人間大好きなんだああ」
梨華は、はしゃいで後藤の腕に抱きついてきた。

「ちがうーってばー」
後藤は、梨華の手を握り抱きしめた。

「ねーっ また地上い遊びにいこーねっ
矢口さんと約束したもん。なでなでしてあげなきゃー」
「もっちろん♪ 吉澤家の人間達はきっとごとーが二度と現れないと
思ってるだろうから、驚かせに行ってやらなきゃねーーーっ」
143 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)20時03分20秒


 −−−−−  そのころ 吉澤家では・・・・

「あっ 圭ちゃん。ごっちんのお茶碗までならべてるべっ」
なっちは、ごはん粒を頬につけたまま。

「きゃははー。ほんどだーっ」
矢口は相変わらず、大口開けて笑っていた。

「そーだよね。もういないんだよね・・・」
ひとみはなぜかしんみりとしていた。

「どーせっ また来るよっ」
圭は、後藤の箸をテーブルに並べた。


娘。たちは夜の住人 ■■■ 前編・End ■■■

144 名前:たまご 投稿日:2002年09月27日(金)20時07分52秒
>>112,113
レスありがとうございます。前編終了です。
誤字脱字多くて申し訳ありません。

次回からは、過去編です。明日、UPします。
145 名前:kattyun 投稿日:2002年09月27日(金)21時31分12秒
大量更新にビビリました。お疲れ様です。
このお話の雰囲気、大好きです!!前編が終りですかっ?!
後編もあるとは…。次回の更新も楽しみにしています。
146 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時16分10秒
「おまかせください。バンパイア退治は得意中の得意ですっ」

村の外れの教会に住む神父は、胸をドンッと叩いて言った。

「お願いしますっ。このままでは、村の住民がすべてバンパイアなってしまいます。
うちの娘もとうとうやられてしまいました・・・・
昨晩、襲われて今、意識不明です。どうにか目が覚めてもこのままではバンパイアに・・・
どうかっ どうか助けてくださいっ」
村長は、深深とあたまを下げた。

「はい。ですが・・・・」
神父は、困り顔で村長の後頭部に話し掛けた。

「バンパイア退治には、十分な集中力が必要です。それにはたくさんお金が・・・」
神父は、ズタ袋を村長に渡した。

「寄付をお願いしま〜す!!」


147 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時16分46秒
「やったあ!梨華っ!見て見て見てっ〜」
「わーい!お金いっぱいだあ。これで明日のパン帰るねーっ」
「そーだよ、梨華大好きなパフェだっていっぱい食べれるぞ〜!」

「こらこらっ!どこに善良な人間からお金せびる神父がいるんだっ!!」

「まーまー ごっちんってば。悪魔の癖に硬いこと言うなって」
後藤は、ほっぺたをつままれ ぐにぐに回された。

「いったああいっ ちょっと梨華ちゃ〜ん。いちーちゃんどーにかしてーーっ」

「パフェ♪パフェ〜♪」
梨華は、ぴょんぴょん跳ねて喜んでいた。

 −−−−

わたしは後藤真希。
母親は下級淫魔の石川梨華。
父親は、ただの人間 −−−−  神父の市井沙耶香。
普通 悪魔は木のまたからうまれるんだけど ごとーの場合
父親がいたから、ちゃーんとかっわいい梨華ちゃんから生まれたんだ。
148 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時17分19秒
  ごとーは、今では天才的な大悪魔だけど そのころは11歳。
悪魔の寿命は、果てしなく永いんだけど、産まれて17歳になるまでは
人間と同じように体も成長するんだけど、17歳以降は老いることなく
  若々しいぴちぴちのまま生涯の殆どを過ごしていけるんだ。

このとき後藤は、背がまだ伸びてなくて、130cmくらいだったかな〜。
大悪魔特有の羊の角は可愛らしくちょこんと髪から顔を出してる程度。
  かなしいことに ミニごとーは、まだ梨華ちゃんにもいちーちゃんにもかなわなかったよ。
  ハクつけるために金髪にしてたっけな〜・・・・


「さってとー。おなかもいっぱいだしバンパイア退治に出かけるとするかーっ」
市井沙耶香は、黒い神父服の襟をカチッと止めた。

「じゃーっ ごっちん。梨華のおもりよろしくねーっ」
「いちーちゃん、ごとーも連れてって。面白そうだもん」
「だめぇ。妻子に仕事手伝わせてどうする?留守番よろしくなっ」
市井は後藤のあたまに軽くキスをして、バンパイアの住む城へ向かった。

149 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時18分12秒


「よしっ 先に魔法陣描いておこっかな〜」
市井は、村長や村民たちとバンパイア中澤の住む城の前まで来ていた。

「あっ みんなは下がっててね。あっちの森のほうにでも隠れてて」

「そんなとこで なにしてんのや?」
腕を組み、黒いマントに身を包んだ バンパイア中澤が市井の前に立った。

「あっれー。もうでてきちゃったー」

「このインチキ神父めがっ 覚悟しいやっ」

市井は、バッと後ろに跳び 黒十字架を左手に持ち優子の前に突き出した。
「閉鎖封印!! 
逆転する黒い力の法則と正しい図形の十字で魔力を封じる!!」

「ぐぅっ なにするんやっ やめんかっ ぎゃ ぎゃあああああ!」
十字が首元にはりつき、身動きが取れなくなって中澤が叫ぶ。

「あらためよっ!吸血の徒よーーーっ!」

  パシーーーーンッ

「うおおおっ とれんっ! なんやこれっ!はずれないやんかっ!」
150 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時19分51秒
「その黒十字架ははずれないよ。優ちゃんの魔力封じたんだ。
人の血吸おうとすると、十字架が火含んだ。 ははっ」

「なんてことすんのやーっ!!」

「よっし。おっわりー。ずいぶんあっけなかったな〜」


「神父さま〜っ」
木の陰から見ていた村長や村の民が市井を囲んだ。

「無事ですかっ?ありがとうございます。これで娘は、バンパイアにならずに済みます。
これも全て神父さまのおかげです。バンパイア中澤は死んだんですねっ」

ガヤガヤ ガヤガヤ

安堵の表情を浮かべた民たちが、それぞれ喜びを語っていた。そのとき−−−

倒れていた中澤が起き上がった。
151 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時20分27秒
「うっわーーーっ 生きてる。 バンパイア中澤だああーーーっ」

「待て・・・や。・・おい・・・」

「大丈夫ですよ〜。あの首に十字架が下がっている限り
優ちゃんは悪いことできなくなったんですよーっ 皆さん安心してくださーいっ」
市井は、どよめく民ににこやかに言った。

「でも、飢え死にしちゃかわいそうだし〜、たまにわたしの血吸っていいよ」
「ふざけんなっ 誰が好き好んで神父の血なんて吸うかっ」

「市井はねー 妻子ある身だけど 黄金律だから血おいしいよ〜 じゃねー」

市井は、民たちに囲まれ後ろ手に手を振りながら去っていった。


152 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時21分08秒


「くっそ〜 あのバンパイアめ〜。 これも何もかもいちーちゃんのせいだっ」
後藤が、乱暴にドアを開け家に走り入って来た。

「あーーーっ どーしたのお?ごっちーん。顔血だらけじゃなーい」
エプロン姿の梨華が、後藤にパタパタかけよる。

「どーしたも、こーしたも、いちーちゃんのせいだよおお あのくそ親父〜っ」

「まーっ お父さんに向かってなんてこというのっ」
梨華は、後藤の両ほっぺをつまんでぐにぐにと回した。
「いったああーーーいっ 梨華ちゃんまで なにすんのーーっ」

「どーした?ごとー?」
市井がひょっこり玄関先に顔を出した。

「あいつだよ!優ちゃんだよっ!
急に暗がりから出てきてごとーの頭に噛みつきやがったっ!」
「なにぃ〜。懲りないやつだねー」
「来たっっ!」後藤が叫び、振り返った。


バターンッ

勢いよくゴオオと豪風が家の中を駆け抜けドア開いた。
153 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時21分39秒
「沙耶香〜・・・ 血・・・ 血 吸わせ〜」

黒いマントに身を包み、首に黒い十字架を下げたバンパイア中澤が姿を現した。

「やだよ」
市井は、梨華と後藤を後ろに下がらせ ずいっと中澤に詰め寄った。

「なんやてぇ。約束したやんかっ 血吸うてええ言うたやんかっ」

「ごとーをいじめてくれた、おかえししないと・・・・
ライディング基地!! 招霊ーーーー!! 
盟約により基地におりたまえ。そして力を貸したまえーーっ
フールフールよっ 26の軍団を率いて現れよっ」

かつて ソロモンの王に封印されたといわれている悪魔−−−
背には翼が生え、赤い蛇の尾をもち鹿の姿をした 雷伯爵と呼ばれる
フールフールが姿を現した。

どおーーーん

「だあっ どこに悪魔を呼び出す神父がいるんやーっ いいかげんにしぃっ!」

「だって話してみたら いい奴でさ〜。 なっ」
市井は、フールフールの方を見てにまっと笑う。

フールフールは、無言でコクコクとうなずいた。
154 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時22分21秒
「沙耶香〜・・・ 血・・・ 血 吸わせ〜」

黒いマントに身を包み、首に黒い十字架を下げたバンパイア中澤が姿を現した。

「やだよ」
市井は、梨華と後藤を後ろに下がらせ ずいっと中澤に詰め寄った。

「なんやてぇ。約束したやんかっ 血吸うてええ言うたやんかっ」

「ごとーをいじめてくれた、おかえししないと・・・・
ライディング基地!! 招霊ーーーー!! 
盟約により基地におりたまえ。そして力を貸したまえーーっ
フールフールよっ 26の軍団を率いて現れよっ」

かつて ソロモンの王に封印されたといわれている悪魔−−−
背には翼が生え、赤い蛇の尾をもち鹿の姿をした 雷伯爵と呼ばれる
フールフールが姿を現した。

どおーーーん

「だあっ どこに悪魔を呼び出す神父がいるんやーっ いいかげんにしぃっ!」

「だって話してみたら いい奴でさ〜。 なっ」
市井は、フールフールの方を見てにまっと笑う。

フールフールは、無言でコクコクとうなずいた。
155 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時22分54秒
「ごとー。梨華連れて隣の部屋行ってな。
大事なごとーに手あげたお礼。受けとんなっ!フールフール行けっ」

バオーーーンッ ガスッ ガスッ

フールフールの鼻息が荒くなった。

「ひ・・ 卑怯やあああーーーっ」

  ピッシャーーーン

中澤に容赦のない雷攻撃の嵐がふりかかった。

「ねー、いちーちゃん。ごとーに優ちゃん殺させてよーーっ」
市井の神父服のすそを後藤はひっぱりながら、魔法を放つ体勢をとった。

「この ませガキ〜。隣の部屋行けっていっただろ。
妻子を守るのは市井の仕事だってーのっ」
市井は、後藤の頬をつまみぶにーっ横に伸ばした。

「むむむむうっ ませガキだとお!ごとーにだってこのくらいのことできるんだぞっ」

後藤は、人差し指を唇の前に立て腰に手をあて呪文を唱え始めた。
「封印の三角ーーーっ!フールフールよっ この鬼門三角に 静まりたまえっ
地獄の伯爵フールフールを封印し 全ての盟約を無と化せっ」
人差し指は、直角三角形を描いた。
156 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時23分26秒
キッシイイイイーーーーーーーーン

暴れていたフールフールが、後藤の描いた三角形に吸い込まれていった。
そしてその三角形は、黒々とメタルな光沢を放ちながら一枚の▲板になり床に落ちた。

「あーーーーーっ ごとーなにすんだよっ」

「ふふーん。見たかっ。ごとーの力♪」

市井は、床に落ちた三角形を拾い後藤の目の前に持ってきた。
「フールフールかわいそうでしょっ 早く出してあげなよっ」

「やーだよーっ べえーーーーっだ!」


「ふふっ 娘に裏切られたようやな。大人しく血吸わせんかいっ」
「うっさい。大体なんでごとー襲ったんだよ!」
「あんたと同じオーラ発してたんや。間違っただけやっ」

「こーんなっ 乳くさい奴とどーやったら間違えられるんだっ」

「約束は、約束やっ。優ちゃん腹減ってたまらんわっ はよしぃや!」
「梨華の前ではイヤだ。吸血っていやらしいんだもん。」

「大丈夫。ごとーが梨華ちゃん隣の部屋に連れてっといたから」

「ちぇーーっ しょうがない。どうぞっ」
市井は、神父服の首元から胸元にかけて一気に襟ボタンを外した。
157 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時23分58秒
神父服の中の青いタンクトップがまぶしく光る。

中澤は、市井の首筋に顔を近づけていった。

「ほな。いっただきま〜すっ」

カプッ

「あっ」
市井は、声を漏らした。

ちう ちう ちう

中澤は、なめるように市井の首筋を吸っている。

「ねー。いちーちゃんがいなくなったら優ちゃんのお食事はどーなるの?」

「あとは、ごとーでよろしくね。優ちゃん」
中澤は、返事もせず血を吸いつづけている。

「なっ やっぱごとーなんかやな予感したんだよっ やだよ〜」


「ぷっはあ!んまいっ!!ビールよりうまい血なんて久々やっ」
中澤の顔が市井の首筋から離れた。

「ごっそさん。優ちゃんおなかぽんぽんやっ。一週間はもちそうやで。
うまかった〜。ほな 、また来るでっ!!」
中澤は、黒マントをひるがえし夜の闇に消えていった。
158 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月27日(金)23時24分30秒
「いちーちゃん、ほら!レバーだよっ レバーッ!」
後藤が、お皿にてんこ盛りのニラレバ炒めを運んできた。

「おーっ 気が利くね〜」
皿を受け取った市井は、トンッとテーブルに置いてため息をついた。

「ふぅ」
「ねー。いちーちゃん疲れてるんじゃない?
さっき、地下の結界が壊れてたよ。だから優ちゃんいきなり入って来れたんだよ。
毎日 毎日 結界ばっか張ってて疲れてるんじゃない?ごとーがやってあげるよ」

ちぃっ そーだったのか・・・・
最近、御獄界の追っ手が厳しいんだよね。
ま、ねらいは大悪魔のごとーを連れ去ろうって事だろうけど。

「よけーな心配すんじゃないのー」
市井は、後藤のあたまに優しく手を置きくしゃくしゃっとなでた。


159 名前:たまご 投稿日:2002年09月27日(金)23時28分03秒
>>145
毎々レスありがとうございます。うれしいっす。

酔っ払いモード全開なので調子に乗って更新しまっす。
160 名前:たまご 投稿日:2002年09月27日(金)23時36分27秒
おーーっ 呑みすぎたっ 祐ちゃんなのに"優ちゃん"になっとる!!
ごめんなさいっ ごめんなさいっ ごめんなさーーい!

呑みすぎ更新は、控えよう・・・・・・
161 名前:それも間違いです。 投稿日:2002年09月27日(金)23時39分44秒
正しくは「中澤裕子」
162 名前:たまご 投稿日:2002年09月27日(金)23時40分09秒
どーしよーもないっ・・・・・
祐ちゃんじゃなくって『裕ちゃん』ですっ 
ごめんなさいっ ごめんなさいっ もう寝ます。
163 名前:ちなみにもう一つ 投稿日:2002年09月28日(土)00時06分57秒
沙耶香→紗耶香
164 名前:たまご 投稿日:2002年09月28日(土)11時52分39秒
度々スマソ・・・・・
今夜のUP分は気をつけます。ごめんなさいっ
165 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月28日(土)20時11分10秒
おぉ!大量更新!
お父さんはあの人だったのか〜w
続きお待ちしてます。
166 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時17分46秒



「くっそ〜 あのバンパイアめ〜。 これも何もかもいちーちゃんのせいだっ」
後藤が、乱暴にドアを開け家に走り入って来た。

「あーーーっ どーしたのお?ごっちーん。顔血だらけじゃなーい」
エプロン姿の梨華が、後藤にパタパタかけよる。

「どーしたも、こーしたも、いちーちゃんのせいだよおお あのくそ親父〜っ」

「まーっ お父さんに向かってなんてこというのっ」
梨華は、後藤の両ほっぺをつまんでぐにぐにと回した。
「いったああーーーいっ 梨華ちゃんまで なにすんのーーっ」

「どーした?ごとー?」
市井がひょっこり玄関先に顔を出した。

「あいつだよ!祐ちゃんだよっ!
急に暗がりから出てきてごとーの頭に噛みつきやがったっ!」
「なにぃ〜。懲りないやつだねー」
「来たっっ!」後藤が叫び、振り返った。
167 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時18分18秒

バターンッ

勢いよくゴオオと豪風が家の中を駆け抜けドア開いた。

「紗耶香〜・・・ 血・・・ 血 吸わせ〜」

黒いマントに身を包み、首に黒い十字架を下げたバンパイア中澤が姿を現した。

「やだよ」
市井は、梨華と後藤を後ろに下がらせ ずいっと中澤に詰め寄った。

「なんやてぇ。約束したやんかっ 血吸うてええ言うたやんかっ」

「ごとーをいじめてくれた、おかえししないと・・・・
ライディング基地!! 招霊ーーーー!! 
盟約により基地におりたまえ。そして力を貸したまえーーっ
フールフールよっ 26の軍団を率いて現れよっ」

かつて ソロモンの王に封印されたといわれている悪魔−−−
背には翼が生え、赤い蛇の尾をもち鹿の姿をした 雷伯爵と呼ばれる
フールフールが姿を現した。

どおーーーん
168 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時20分59秒
「だあっ どこに悪魔を呼び出す神父がいるんやーっ いいかげんにしぃっ!」

「だって話してみたら いい奴でさ〜。 なっ」
市井は、フールフールの方を見てにまっと笑う。

フールフールは、無言でコクコクとうなずいた。

「ごとー。梨華連れて隣の部屋行ってな。
大事なごとーに手あげたお礼。受けとんなっ!フールフール行けっ」

バオーーーンッ ガスッ ガスッ

フールフールの鼻息が荒くなった。

「ひ・・ 卑怯やあああーーーっ」

  ピッシャーーーン

中澤に容赦のない雷攻撃の嵐がふりかかった。

「ねー、いちーちゃん。ごとーに裕ちゃん殺させてよーーっ」
市井の神父服のすそを後藤はひっぱりながら、魔法を放つ体勢をとった。

「この ませガキ〜。隣の部屋行けっていっただろ。
妻子を守るのは市井の仕事だってーのっ」
市井は、後藤の頬をつまみぶにーっ横に伸ばした。
169 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時21分34秒
「むむむむうっ ませガキだとお!ごとーにだってこのくらいのことできるんだぞっ」

後藤は、人差し指を唇の前に立て腰に手をあて呪文を唱え始めた。
「封印の三角ーーーっ!フールフールよっ この鬼門三角に 静まりたまえっ
地獄の伯爵フールフールを封印し 全ての盟約を無と化せっ」
人差し指は、直角三角形を描いた。

キッシイイイイーーーーーーーーン

暴れていたフールフールが、後藤の描いた三角形に吸い込まれていった。
そしてその三角形は、黒々とメタルな光沢を放ちながら一枚の▲板になり床に落ちた。

「あーーーーーっ ごとーなにすんだよっ」

「ふふーん。見たかっ。ごとーの力♪」

市井は、床に落ちた三角形を拾い後藤の目の前に持ってきた。
「フールフールかわいそうでしょっ 早く出してあげなよっ」

「やーだよーっ べえーーーーっだ!」


「ふふっ 娘に裏切られたようやな。大人しく血吸わせんかいっ」
「うっさい。大体なんでごとー襲ったんだよ!」
「あんたと同じオーラ発してたんや。間違っただけやっ」
170 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時22分09秒
「こーんなっ 乳くさい奴とどーやったら間違えられるんだっ」

「約束は、約束やっ。裕ちゃん腹減ってたまらんわっ はよしぃや!」
「梨華の前ではイヤだ。吸血っていやらしいんだもん。」

「大丈夫。ごとーが梨華ちゃん隣の部屋に連れてっといたから」

「ちぇーーっ しょうがない。どうぞっ」
市井は、神父服の首元から胸元にかけて一気に襟ボタンを外した。

神父服の中の青いタンクトップがまぶしく光る。

中澤は、市井の首筋に顔を近づけていった。

「ほな。いっただきま〜すっ」

カプッ

「あっ」
市井は、声を漏らした。

ちう ちう ちう

中澤は、なめるように市井の首筋を吸っている。
171 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時23分03秒
「ねー。いちーちゃんがいなくなったら裕ちゃんのお食事はどーなるの?」

「あとは、ごとーでよろしくね。裕ちゃん」
中澤は、返事もせず血を吸いつづけている。

「なっ やっぱごとーなんかやな予感したんだよっ やだよ〜」


「ぷっはあ!んまいっ!!ビールよりうまい血なんて久々やっ」
中澤の顔が市井の首筋から離れた。

「ごっそさん。裕ちゃんおなかぽんぽんやっ。一週間はもちそうやで。
うまかった〜。ほな 、また来るでっ!!」
中澤は、黒マントをひるがえし夜の闇に消えていった。

「いちーちゃん、ほら!レバーだよっ レバーッ!」
後藤が、お皿にてんこ盛りのニラレバ炒めを運んできた。

「おーっ 気が利くね〜」
皿を受け取った市井は、トンッとテーブルに置いてため息をついた。

「ふぅ」
「ねー。いちーちゃん疲れてるんじゃない?
さっき、地下の結界が壊れてたよ。だから裕ちゃんいきなり入って来れたんだよ。
毎日 毎日 結界ばっか張ってて疲れてるんじゃない?ごとーがやってあげるよ」
172 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時23分34秒
ちぃっ そーだったのか・・・・
最近、御獄界の追っ手が厳しいんだよね。
ま、ねらいは大悪魔のごとーを連れ去ろうって事だろうけど。

「よけーな心配すんじゃないのー」
市井は、後藤のあたまに優しく手を置きくしゃくしゃっとなでた。



グルル〜 グルル〜

人間ごときに、大悪魔を預けておけるか。さっさとあの下級淫魔とともに
御獄界に連れ戻そうぞ・・・・
市井を殺してしまおう。結界が弱まっている今のうちに・・・

教会から50mばかり離れた草むらに、鮮やかな真紅にそまる鬣をなびかせ、
緑色に目を輝かせた 獰猛な獅子の姿をした御獄界の下級悪魔達が潜めいていた。

「そうはいかん」
バンパイア中澤が、獅子たちの頭上に現れた。
「市井は、裕ちゃんの獲物や。勝手に殺されちゃ困るねん」

ガーッハハハッ
バンパイア中澤。黒十字に操られているのか?バカな奴だ
その十字の封印を解きたければ 市井を殺すしかないのだぞ フハハハハ
173 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時24分10秒
フハハ グルル
フハハハハ グルルルル

「うるさーーーっい!!操られてなんかないっ
あんなご馳走 そうやすやすと死んでもらっちゃ困るんや!
やるときは、この裕ちゃんが一滴残らず血吸い取ってやるんや!
手だすんやないでーーーーっ!!」

  どおおーーーん!!

中澤が、地底に向かい力を放った。
下級悪魔が数匹 粉々に砕け散った。

「あかんでっ 紗耶香に手だしたら ゆるさへんでーっ」
中澤が一喝すると、獅子たちは地底に沈んでいった。

グルルルルル バカな奴め・・・・・
大悪魔の怖さを知らん
目を覚まさぬうちに 早く 御獄界へ連れ戻さねば・・・・


174 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時24分44秒
あーっ また結界が壊されてる。
裕ちゃんの噛み傷もなかなかふさがらないしなあ・・・

市井は、両手を握り合わせ呪文を唱えた。

「ランド!」

ふぅ・・・。

「ねぇ。ねぇ。いちーちゃん。首のとこ 血でてるよ」
後ろから、後藤がタオルを差し出した。

「おー サンキュー後藤」

「ねぇ後藤が結界張ってあげるよ。今いちーちゃん弱ってるじゃん。
御獄界の猛獣たちのにおいが近くにするよ」

「いいんだ。後藤。これは市井の仕事なんだよ。
梨華ちゃんをお嫁にしたときから、覚悟はしてるんだ。
妻子を守るのは、夫の仕事なんだ」
市井は、後藤をぎゅうっと抱き寄せた。

「でも・・・・ きゅーん・・・」


『紗耶香さ〜ん!ごっちーーーん!ごはんですよお!』
上から、キンキンのアニメ声が聞こえた。
175 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時25分23秒
「ほら。ごはんだって。行くよ」
市井と後藤は、手をつないで教会の地下階段を上っていった。

「はやく〜。冷めちゃうよ〜。梨華ご飯つくったのっ♪」

「すごいじゃん。梨華。おいしそ〜」

テーブルの上には、おどろおどろしい料理が大皿にならんでいた。

うう。またすごいにおいだぞ〜。何なんだ?この色は?
いちーちゃん、よくおいしそうなんて言えるよね・・・。

後藤は、見たこともない色の料理にフォークをさし口に運んだ。

ぐえっ まっずう。
ごとーの舌は、こーやって退化していくに違いない・・・

「ねーねー。もうすぐ6月だよねー。石川『ジューンブライド』って
憧れだったんだあ。ウェディングドレスいいよね〜。
ピンクのブーケ持ってさ〜 きゃっ かわいいよね〜」
石川は、ひとり妄想してはしゃいでいる。

「梨華は、なに着ててもかわいいよ」
黙々と食べていた市井は、フォークを置いて梨華を抱き寄せた。
176 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時25分59秒
ちぇ〜っ 始まった。

後藤はいちゃつきはじめるふたりを見てあごをテーブルにのせ足をぶらぶらさせた。

「ねー 石川結婚式あげたいな〜。ほらっ あたしたちふたりって
ばたばたとくっついちゃったじゃない。で、ごっちんが産まれて〜
下級淫魔のくせに、結婚なんておかしいかな〜・・・」

「そんなことないよ。神父市井にまかせなっ」
市井は、胸元にかけているクロスを左手で握り右手の掌を
梨華のおでこの上にかざした。

「汝 健やかなる時も 病める時も 市井を愛すると・・・・・」

「梨華ちゃんっ!後藤がおっきくなったら、何回でも結婚してあげるてばーーーっ」

「だまんなっ ませガキ!梨華は市井のもんだよっ。 結婚したいなら ほか探しなっ!」

と、親子喧嘩がはじまろうとしたそのとき、


ドオーーーーンッ

地下から音が響き、教会を揺らした。
177 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時27分02秒

フハハハ こんなもろい結界 結界のうちにはいらんぞ
いまだ モノども 市井を殺せっ

ワサワサワサ
ウケケケケッ フーーッ フーーーッ

壊れた結界から、御獄界の下級悪魔たちが次から次へと 出てくる。

「ちっ もう破られたかっ」
市井は、食堂から走って地下に向かう廊下へ飛び出した。

「いちーちゃーーんっ」
後藤もすぐさま後を追う。

「や〜ん。梨華も行く〜。追いてかないでえ」
「梨華ちゃんは、あぶないってっ」
後ろを振り返り後藤が梨華を止めようとしたそのとき、

ドーーンッ

「うっ わああああっ」
ザザザザザザーーーーッ

市井が、床をすべり後藤の足元まで吹っ飛んできた。
178 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時27分38秒
さあ 御獄界に帰るぞ石川。 そして大悪魔 後藤。

「ダメだああーーーーっ!!」
市井は、ぱっと起き上がり紫のオーラを発し、波動を放った。
6匹の下級悪魔が、波動により一瞬にして消滅した。
が、後ろからはぞくぞくと新手が出てきている。

人間の分際で生意気な 魔法など使いおって

ワサワサワサ フーーッ フーーーッ

教会につながる廊下は、下級悪魔が所狭しと蠢いている。

「いちーちゃんっ!血っ!おでこ切れてるっ!!
ごとーにまかせてっ こんな奴ら こっぱ微塵にしてやるっ!」

「手だすんじゃなーーいっ これは市井の仕事だっていったろっ」

「・・・でも。無理だよ。いちーちゃん今弱ってるもん・・・」

「まかせなさいって!!」

「うっらあっ!! あんたらなにしてんのんやーっ」
バンパイア中澤が、下級悪魔たちと市井の前に颯爽と現れた。

「裕ちゃんっ!あんたもすっこんでろっっ」
中澤は、壁に突き飛ばされた。
179 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時28分39秒
「〜たっ なにすんねん。せっかく助けようと・・・」
「あ・た・し・の・し・ご・と だっ!」
市井は、まっすぐ下級悪魔たちの方へ歩み寄っていく。


フヘヘヘ ケーーッケッケッケッケーェ

ワサワサワサワサ−−−

ドオーーーンッ

「わああっ くっ」

市井は、下級悪魔たちの攻撃に避けるので精一杯だった。

「や やめてーーーーっ!」
梨華が市井の前に立ちはだかり、両手を広げた。

「やめてっ やめてっ 紗耶香さんいじめないでえーーっ
石川帰りますっ 帰るからっ お願い・・・・」

「ダメッ。絶対ダメ 梨華・・・。一緒にいて・・・・」
石川は、ふわっと後ろから暖かい腕に包まれた。

「梨華とごっちんは、あたしが守るっ」

一番愛するものの名を呪文に変えて・・・・
180 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時29分09秒

「ごとーっ!梨華を頼んだ−−ッ」
そう叫んだ市井は、両手を伸ばし手をクロスさせてオーラの渦を作りだしていた。

「紗耶香っ!はよしぃやっ!!なにもたついとんねんっ!!」
中澤は壁際から離れずに叫んだ。


「汝ら 我に敵対する魔物たちよ  最愛の者の名を
 最強の呪文に変えて!! **ーーーー!!** ーーーーーー!!!!」

ピッシャーーーーン

あたり一面が、まばゆい藤色の光に包まれた。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
181 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時29分58秒



一度だって、いちーちゃんは御獄界の追手たちに負けたことなんかなかった。


「ねーっ いちーちゃん。さっきの魔法どーやったのー?ごとーにも教えてよー」

「はは。ごとーにはまだ無理だね。もーちょっと大人になったらね」

「いーじゃんよお。いちーちゃんのケチンボッ」

あの時の魔法、結界を破って現れた魔物たちを一匹残らず消し去ったあの魔法・・・
ごとーは、すごいまぶしい光に目が開けてられなくて
咄嗟に梨華ちゃんに覆い被さり、床にふせた。
いちーちゃんが、ごにょごにょって呪文唱えたのもよく聞こえなかったんだ。
強かった。ほんと いちーちゃんには、かなわないよ・・・



そんなある日・・・・・


「うわ〜ん・・・・っ 紗耶香さんが 犬かばって車に轢かれて死んじゃったよおおお」

「はあ?信じられない死に方じゃん!!」


182 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時31分14秒



そして数年後−−−−−


「汝の願いを言ってみよ。契約を交わしてやる」

後藤は、人間の少女に呼び出され 菩提樹で飾られた椅子に座り仕事をしていた。
ミニチュアサイズに変身した梨華が後藤の肩にのって きゃっ きゃっ とはしゃいる。

「さあ 願いを言って なんでも叶えるぞ」

「父の・・・ 父の病気を治してくださいっ
変わりに私の命でもなんでも使ってくださいっ」

少女が、膝まづき後藤に願いを言った。

「!! ・・・・・・・・・父。 ちぇーーーーっ」

「きゃっ きゃっ ごっちーん。どしたの?」
183 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年09月28日(土)21時31分54秒
「父の病気治せだって〜。ちぇーーーっ 今月は父の日強化月間だからさあ。
ごとー何にももらえないじゃーーん」

「ごっちん。本当に人間好きねえー」

「ほら。そこの少女。家にに帰りな。元気になったお父さん待ってるよ」

「あ ありがとうございましたーーっ」

ふっと少女の姿が消えた。

「きゃっきゃっ ごっちーん。お花積みに行こうよー」

「そだね。仕事は終わりっ さっ 行こっ」


娘。たちは夜の住人 ■■■ 過去編・End ■■■
184 名前:たまご 投稿日:2002年09月28日(土)21時38分32秒
読んでいただいている皆様。誤字・脱字誠に申し訳ございません。
気をつけているつもりなのですが、今日は、のんだくれる前に更新したにもかかわらず
どうも見過ごしてしまっている個所がありました。。。

>>161,163 レスありがとうございました。ご指摘感謝です。
>>165 レスありがとうございます。今夜はここまで。
さっ のんだくれるでえ〜
185 名前:kattyun 投稿日:2002年09月28日(土)21時42分50秒
うおーーー。
良いですね!よいですね!最高です。
186 名前:たまご 投稿日:2002年10月03日(木)19時14分56秒
>>185 さん:レスありがとうございます。

後編スタートです。
187 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月03日(木)19時15分54秒

大悪魔 後藤が地上から消えてから半年−−−−−



「あたしバイトしよーかな。暇してるのもなんだしさ。むぐ・・・むぐ・・・」
ひとみは、ゆでたまごを頬張りながら言った。

「そうね。若いうちはいろいろやってみなきゃね」
圭は、食べ終わった食器を重ねていた。

「やだべ〜。働くなんてつかれるべ〜。プレステで遊んでるほうが楽しいべ」
圭と同化している悪魔『地のなっち』。

「きゃははっ プレステ〜。無双やろよ〜。矢口アイテム増えたよ〜」
居候 『炎の矢口』。

 −−− 吉澤家は、娘。達だけで まあ うまくやっている。


  ぞっくうううう〜

「うっ・・・・・」
ひとみは、背中に走った悪寒に顔が青ざめた。
188 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月03日(木)19時17分41秒
「どしたの?ひとみ?」
「よっすぃってば 最近、感がいいからね〜」
「なんかやな予感すんべ」

「なんか、寒気するよ・・・」

 ----- ピンポーーーーン

「あっ 誰だろ?こんな時間に??」
圭は、玄関に向かった。


「あーーーーっ」
圭の叫ぶ声に、全員玄関へ向かう。

「あーーーーっ 加護!!辻!!」

「久しぶりだべっ 元気だったべかーっ?」

「あら?辻!腕ついてるじゃない。よかったわねー」

「治してもらったれす」
「おかげさまで 元気にやっとるで」

「さっ 玄関で立ち話もなんだからあがんなさいよ」
圭は、ふたりに向かって手招きした。
189 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月03日(木)19時19分05秒
「いや すぐ帰らないといけないんや」
「なんで〜。久しぶりに会ったんだから矢口と遊んでってよ〜!」
「そういや やけに神妙な 顔つきだべ。なんか話でもあるんだべか?」

「あの〜 実はれすね・・・・」
「ごとーさんのことやっ」

「ごっちんがどーかしたの?」
ひとみはずいっと加護たちに詰め寄った。
「あーーっ そーいえば梨華ちゃん遊びに来てくれてないな〜。
矢口 あたまなでなでしてもらいたいな〜」

「しらばっくれるんやないで」
「そうれす。いいらさんの命令なのれす。おとなしく差し出すれす」

「は?ごっちんきてないよ。
八部衆たちと 御獄界で楽しくやってんじゃないの?」
ちょっとヤケ気味に、ひとみは言った。

「とぼけるんやないっ! 地上で後藤さんが行くところといったらこの家しかないやんかっ!」
加護は、イライラしながら言った。

「ごっちん なんかやらかしたのっ?!」
圭は、少し心配そうにひざを曲げ加護たちの目線まで顔を下げた。
190 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月03日(木)19時20分18秒
「ほんとれすか・・?いないんれすか・・・?」
「おかしいやんっ!! 一番にここに寄ると思ってたでっ!!」

  っく・・・
   ずきん ずきん ずきん・・・
  なんだ?胸が苦しい・・・・ ご ごっちんがうちに寄らなかったからって・・・

「か 関係ないじゃんっ! ごっちんはもともとこの家に住んでたわけじゃないしっ!」
ひとみは、頬を赤くして加護たちにつっかかった。

「ほな 長居してもしょーがないやん。のの 行こっ」
「そーれすね。 行くれす」
加護と辻は、仲良く手をつないで出て行った。

  なっ なんなんだよっ ごっちんがうちに来なかったからって・・・
  なんか気に入らないことしたっけ?  ・・・んっ 
  あたし なに落ち込んでんだ・・・? 関係ない・・・っ 
  くそっ なんだ?この気持ち・・・   くそっ ごっちんのバッカヤローーーっ
191 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月04日(金)19時00分37秒


−−−−その頃 御獄界では・・・・

あなた?だれ?
将軍じゃない・・・・ えっ きゃあああ

「何をするんですか?カオリ将軍!?気でも振れたんですかっ」
高橋は、瞬時に作り出した。光の玉を将軍に放った。

シュッ

将軍は、もろともせず 眼光だけでその光の玉を消し去った。

「くっ!みんな 梨華さまをお守りしないとっ 行くよっ 」
「「「「「「「 はいっ!」」」」」」」

グゴゴゴゴゴゴオーーー

ギャオーーンッ

ピシャーーーンッ・・・・


−−−−
192 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月04日(金)19時01分57秒
「あーっ 夜って気持ちいいねー。きゃはっ♪
ちょっとあの公園寄って遊んでいかない?」
矢口は、秋の夜長の空気を胸いっぱいに吸い込んで腕をのばした。
「そうですね。矢口さん。あっ でも 早くこれ 持って帰らないと圭ちゃん怒りますよ」
ひとみは、醤油の入ったコンビニのビニール袋を軽く掲げた。
「ちぇ〜。よっすぃは真面目だな〜。」

−−−− ピンッ ありゃ?この気配・・・・

悪魔だ。しかも、大悪魔・・・・

ごっちん!!!!

矢口は、街灯に照らされた公園の入り口の方へ目をやった。

「やっぱり!!ごっちんだっ!!」
「えっ どこどこ?」
ひとみはあたりをキョロキョロした。

そして、後藤と横にいる少女姿が目に入る。

「きゃはっ お〜い!ごっちーーんっ そんなとこで何やってんのーっ?」
矢口は、後藤たちの後ろ姿に向かって叫んだ。

ん?あの隣にいる娘は・・・・・
あっ ごっちん・・・ もしかして
193 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月04日(金)19時02分59秒
「ご ごっちん。矢口さんの声聞こえなかったんですかね?
じゃ あたしがっ お〜いっ ごッ・・・むがぁっ」
矢口は、いっぱいいっぱい手を伸ばして、ひとみの口をふさいだ。
「ふごふぐんぐがっ」
突然のことに、目をまんまるくしてビックリ顔のひとみ。

「行こう。よっすぃ」
「えっ だって、矢口さんっ ちょちょ・・ちょっと待ってくださいって」
矢口に腕をとられ引きずられるように、後藤たちとは逆方向に進みだした。

後藤は、チラッと矢口達の立ち去る姿を横目に見ていた。

元気そーじゃん♪ よっすぃ相変わらずかわいいな〜・・・
やぐっちゃんも相変わらず背伸びてないや・・・

「ねぇ?どうしたの?悪魔?」
黒髪のショートカットの少女が
くりっとした目を不思議そうに後藤に向けた。
「ううん。なんでもないよ。明日香」
にっと後藤が笑った。

よっすぃ・・・明日香が見えてたみたいだな。
くぅ〜。成長したんだな〜。さすが ごとーの目をつけた黄金率だっ

仲良さげに腕を組んで、ふたりの少女は公園を抜けた。

194 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月04日(金)19時04分00秒
後藤たちの姿が見えなくなるところまで、引きずられてきたひとみは
ようやく矢口のひきずりから開放された。

「ちょっと〜 矢口さん。どーしたんですかった?」
「よっすぃには見えなかったかもしんないけど、ごっちん 女の子に・・」
「あっ 隣にいたショートカットの子ですか?あの子も悪魔?」
「見えたのっ!?よっすぃ感がよくなったんだねぇ」
「えっ?なんで・・・?」

「あの子 この世には存在していない」
「それってどーゆー・・・?」
「あの子 ごっちんを魔方陣で呼び出したんだ。たぶん・・・。
でも あの子 幽霊だよ。自分が死んでることに気が付いてない」
「ふっ ふえええええっっ!?」

「ごっちん。取り憑かれてた。らしくないよね。ったく。なに考えてんだか」
「ええっ えええーーーーっ 悪魔でも取り憑かれることなんてあるんすかっ?」
「きっと魔方陣で呼び出されて、契約を交わしたんだよ。
ま、そのうちあの子も気が付きゃ消えるっしょ。きゃははっ」

「でも・・・ よっすぃが生きてるうちは無理かもね・・・」
矢口は、また腕をのばし月を仰ぎながら小声で言った。

195 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月04日(金)19時10分11秒
ふふっ 夜這いっ♪ 夜這いっ♪
後藤は、うれしそうに歌いながら吉澤家の前をスキップしながら現れた。

キンッ

黒い長い爪が鍵に触れ、鍵の開く音がした。

窓から忍び込んだ方がらしいかな〜 まっ いっか〜♪
ふん♪ ふふふん♪

鼻歌まじりに、玄関から入った後藤は迷わずひとみの寝室へ向かう。


−− ひとみは、眠れずに布団の中で寝返りをうった。
ごっちん・・・ なんでうちに来なかったのか心配したけど
そーいう理由があったのか〜 いつうちに来るのかな?
圭ちゃんの晩御飯食べにおいでって誘おうかな・・・
そしたら、あの幽霊もついてくるのかな?
あれっ でも矢口さん、『とりつかれてる』って。
悪魔が取り付かれるってなんだろ・・・・?
196 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月04日(金)19時11分34秒

スーーーーーーーーッ

そっと、ひとみのうしろで襖が開いた。

よし。いきなりキスでおどかしてやれ。

ん?なんか気配・・・


バッ

ひとみが布団をはいで、起き上がった。すると唇にやわらかい感触があたった。

?????

「わーーーーーーっ」
「いやん。よっすぃったら大胆ね〜」

後藤が、両頬に掌をあて恥ずかしがる真似をした。

「なんだよっ いきなりっ!さっきは無視したくせにっ!」

「しょうがないじゃん。取り憑かれてるんだもん。
ねっ 助けてよ。明日香が成仏しないとごとーよっすぃと一緒に
いられないんだよっ。さみしーでしょ?」

「なっ 何言ってんだよっ さみしくなんかっ」
ひとみは、顔を真っ赤にして目を伏せた。
197 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月04日(金)19時17分38秒
「来てくれないとよっすぃの生きてるうちに二度と会えないかもよ。
あっ そろそろ行かなきゃ。町のはずれの『福田』って表札のある洋館だから」
後藤は、ウィンクをしてふっと消えた。

「二度と会えない?自由になれないってこと・・・・?町外れのって・・・・
お化け屋敷って言われてるところじゃないかっ」

−−−−翌日

どよよ〜〜〜〜ん・・・・・・・

「うっわ〜。見るからになんかでそうな雰囲気じゃん。勘弁してよ・・・・」
町のはずれにある、洋館の前で立ち尽くすひとみがいた。

ここって、昔からいろんな噂あったよな〜
殺人事件があったとか・・・ 娘が殺されたとか・・・・
やっぱ ひとりじゃ無理だ。矢口さんに一緒に来てもらおう。

『よっすぃ。よっすぃ・・・ 早く 入っておいでよ』
「ん? ごごご ごっちん?」
ひとみはあたりを見回した。後藤の姿は見えない。

ごっちんには、いろいろ助けてもらったよな。
火傷もらってくれたり、内臓溶けるの助けてくれたり・・・・

「よしっ 行くっきゃないかっ!」
ひとみは、わが身を奮い立たせるように ごぶしをピンッとはり洋館の門へと近づいた。
198 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月08日(火)16時00分06秒
これすげー面白い!つづき つづき!
199 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月12日(土)00時49分14秒
すごくおもしろくて、続きが楽しみです。作者さんがんばってください。
200 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月19日(土)19時41分09秒
ギギィィィィィィィ

壊れかけた門は、不気味な音を立てて動いた。
その音に、近くの大きな木から黒いものがザワッ と蠢いた。

「わわわわあああっ!」

バサバサバサッ

クルックー・・・・ クルックー・・・・

「っ!なんだ〜鳩かっ・・・・ 大丈夫おばけなんて怖くない
おばけなんてこわくない おばけなんてこわくない・・・・」
ひとみは、小声でブツブツ言いながら門から洋館の玄関への道を歩いた。

コンッ コンッ

「ごっ ごめんくださ〜ぃ・・・・」
消え入るような声で、玄関をノックしてみた。

誰も住んでないんだよね。中にごっちんがいるんだよね。

キイィィィ

ドアを開けもう一度声をかけてみた。
「ごめんくださ・・・・い・・・・」
201 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月19日(土)19時42分06秒
シーーーーン

薄暗い館の中、凍るような空気が肌につきささる。
ひとみは、一歩足を踏み入れた。

帰って!

「わあああっ 」
突然の低く響くような声に、ひとみはシリモチをついた。

洋館の奥の階段のところに、白いワンピースを来た少女がひとりたたずんでいた。

「ごっ ごめんなさいいいいい。誰もいないと思って」
ひとみは、シリモチをついたままの体制で 目をぎゅっと瞑り両手を合わせた。

しばらく動けずにいたひとみは、そろーっと片目を開けた。階段の少女は消えていた。

帰れっっ!!

再び響くような声が後方から聞こえる。

ひとみの後ろに、宙に浮いた少女が目をオレンジ色に光らせ ひとみに手を伸ばしかけたいた。
「ぎゃあああっ」
バッ ダダダダダーーーーッ
「でっ でたあーーーーーっ」
202 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月19日(土)19時44分29秒
叫びながら、ひとみは方向もわからぬまま駆け出していた。

帰らないつもりっ !!

低い声が、ひとみの後ろにせまってくる。

「うっぎゃあああ。ゆるして〜っ ごご ごっち〜ん。たすけてええええぇ・・・」

そっちには行くかないでーっ 行かないでーっ
低い声は、ひとみのすぐ後方をついてくる。

バターーーーンッ

目の前にあったドアが開く。ひとみは、目を瞑りながら全力疾走でドアを駆け抜けた。

ドンッ

急に前の障害物につまづき、ひとみはドサッ と倒れこんだ。

「ぐぐぅ。たたた」
やわらかい・・・・? なんだ?

おそるおそる目を開けたひとみは、ベットの上にうつぶせになっている。
みないでっ みないでーっ ああっ
低い声は、泣きそうな声で叫んでいた。

ひとみはふと倒れこんだベットの枕もとの方へ目をやった。
203 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月19日(土)19時51分45秒
−−−− まるい影・・・。
あたま・・・? へ ふえええええええっ

ひとみの目の中に飛び込んできたのは、白骨化した人間の頭部であった。

「ぎゃああっ ぎゃあああっ 死んでるっ ぎゃあっ」

うそよっ
低い声は、叫びに近い声を響かせた。

「そう。明日香。あんたは、死んでるんだ」
ベットの横にすーっと後藤が現れた。

うそよっ うそよっ

「あんたはこの屋敷で一人寂しく死んでしまったんだ」

「そんなっ ひとりぼっちで・・・・ かわいそう・・・・」
ひとみは、ようやく起き上がり明日香の眠る枕元に立った。

うそよっ うそよーーーーっ

「かわいそう・・・・
あたしが・・・ あたしが供養してあげるよっ
骨埋めて 花飾ってあげるよっ」
204 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年10月19日(土)19時52分23秒
 −−−−−

ぱぁああああん

ひとみ達のいる部屋が、まばゆい光につつまれた。

「やった!よっすぃ!よく言った!
明日香は成仏できるできるぞ!天界からの迎えがきたっ!」

ありがとう・・・・

少女の声は、明るくキレイな透き通るような声だった。
そして恍惚とする光の中へ吸い込まれていった。

「明日香は、自分が死んだことに気が付いてなかったんだ。
80年。毎日ひとりで館で暮らしていた。
ひとりじゃさみしくて、ごとーを呼び出していっしょにいてって言われた。
ごとー暇人だしさ。いっしょにいてあげよーかなーって思って契約しちゃったんだよ あははー」


「あははー っじゃないよっ ごっちんが成仏させてあげればよかったじゃん!」

「悪魔が手を貸したんじゃ、天界に魂をおくることはできない。
御獄界で人魂になっちゃうんだよ。かわいい子なのにかわいそうじゃん。
だから人間の手で、死を知らせる必要があったんだ。そうすれば生まれ変われるんだ」

「はあ・・・・。ごっちんってば、気まぐれなんだからっ 変な悪魔っ!」

「ねー、はやく埋めてあげて帰ろ♪
ひさしぶりに圭ちゃんの晩ご飯食べたい! ごとーおなか減ったよ〜」
205 名前:たまご 投稿日:2002年10月19日(土)19時56分02秒
>>198,199さん
レスありがとうございます。ほんの少しですが更新です。

風邪ひいてなかなか治りません。皆さんもお風邪にはお気をつけ下さい。
206 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月20日(日)01時12分45秒
よかったー上手くいって。
いつも楽しく読んでます。更新がんばってください。
気まぐれ大悪魔後藤、ぴったりでオモロイ(w
207 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月27日(日)22時31分21秒
風邪の方はいかがですか?
更新待っとります!
208 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月01日(金)23時33分54秒
この小説好きなんですよ。気軽に読めて笑わかしてくれるんで(w
気長に更新待ってますんで、作者さんたのんますよ〜
209 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)17時55分24秒
◇◇◇

昨日、帰ってきた後藤と楽しい夕食を過ごした吉澤家。

−−−そして翌日・・・

「じゃー、留守番よろしくね〜。今日は、みんなで焼肉よ。お肉買いに行ってきまーーすっ」
「圭ちゃん、早く行くっしょ〜。スタバ寄ってお茶すんべ〜」
圭となっちは、晩ご飯の買い物にでかけた。

「きゃはっ この服。かわいいっ よしっ 買いに行こうっと」
矢口は、開いていたファッション誌を勢いよく閉じ立ち上がった。

「矢口さん。買い物いくんですか?わたしも新しいジーンズ欲しいんだ〜。
ついていっていいですか?」
矢口の横で、本を読んでいたひとみが遠慮がちに聞いた。

「もっちろん♪行こうーっ ごっちん、仕事行っちゃったしね〜。暇だもん。
きゃはっ 買い物〜♪買い物〜♪」

今日も、吉澤家の娘。たちは平和に休日を過ごしていた。

−−−−−
210 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)17時55分58秒
◆◆◆ バンパイアの城 −−−

「あ〜。腹減るたびこれやらんといけないって面倒やな〜。 よっと んしょ」

黒いマントに身を包んだバンパイアは、床にキコキコと魔方陣を書いていた。

「できたでっ!さっ 腹いっぱい吸わしてもらうで〜」

ボンッ

魔方陣の上でモクモクと煙が立ち始めた。

「お前の大事なものとひきかえに契約を交わす。さ、願いを・・・
あーーっ また裕ちゃんっ!ちょっとーっ!
ごとー忙しいんだから、ちょくちょく呼ばないでよねっ!」
大悪魔後藤が、姿を現した。

「そやかて 腹が減っては戦ができんいうやろ。
裕ちゃんを はよ おなか一杯にさせてえな♪」

「も やだ」

「なんやてっ 父親の遺言は守るべきやっ この親不孝もん!!」

「いちーちゃん 遺言なんて残してないもん」

「血吸わしてもらえんと、裕ちゃんひからびてまうんや!
文句があるなら、こんな黒十字なんてもんでうちを縛りよった紗耶香にいいやっ!」

「とっちゃえばいいじゃん。そんなの」
211 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)17時56分36秒
「とれるもんなら はなっからとってるっちゅーねん!」
中澤は、首に張り付いた黒十字をバンバンたたいた。

「ビクともせん。ほな 大悪魔ならとれるんか!」

「ムリ」

「かあーっ 情けない大悪魔やのぉ」

「いちーちゃんの魔法は、黒十字から炎がふくっていう炎との契約だもん。
炎の悪魔じゃないと・・・・ あっ!!」

「なんや!?素っ頓狂な声だして」

「いるっ 炎の悪魔いるっ。やぐっちゃんがいるじゃん!」

「やぐっちゃん??」

「うん。炎の矢口。御獄界の四天王だよ。今、よっすぃの家に居候してる」

「よっすぃ???居候????」

「行こっ 裕ちゃん!」
後藤は、中澤の腕をつかみ魔方陣の中へひっぱった。

「った。なにすんねん!このバカ力!!」

「行くよっ」
後藤は、人差し指を唇に軽く当てた。

すーっ

魔方陣の中の、後藤と中澤の姿が消えた。
212 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)17時58分54秒
◇◇◇

ボンッ

「よっすぃ〜 ただいまーーーーっ やぐっちゃんはっ!!」
後藤は、バタバタとあちこちの部屋をのぞいている。
「あれーっ? 誰もいないぞ?」

「うっわ〜。庶民臭い家やわ〜。よくこんな狭い部屋に住めるな」

「広いところに住んでたって、せま〜い棺桶で寝てるくせに」
後藤は、テーブルの上に置かれた置き書きを手にとった。
「なんやとっ 棺桶の寝ごごち知らんやろ?まるで、赤ん坊がお母さんのおなかで・・・」
「ふむ・・・ あー、みんな買い物行っちゃったって。
しばらく帰ってこないかもな〜・・・」

「しばらくって、どのくらいや?2,30年か?
勘弁したり〜。裕ちゃん、干からびてしまうやん」

「あのねー、人間ってうちらみたいに長生きしないんだよ。
しばらくっつったって数時間ってとこ」

「数分でも待てん。これとってもらえんなら探しに行こうや」

「えーっ デパートって毒気すごいんだよ〜。やだやだ」

「ええやんか。普段人里離れたところでひとり寂しく暮らしとんのや。
たまには、世間っちゅーもん見てみたいんや。案内して〜な・・・」
中澤は、後藤の服の裾をつかんでだだっこのマネしてひっぱった。
213 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)17時59分42秒
「え〜っ めんどうだからやだ〜。 ごとーお昼寝の時間だし。
裕ちゃんテレビでも見ててよ。そのうち帰ってくるよ」
後藤は、畳の上にごろんと寝転がってあっという間に寝息を立て始めた。

「たくっ なんやねんっ 人引っ張って来といて寝やがったなっ
まっ ええか。この辺を探索でもするか・・・・」
中澤は、フラフラと居間をでて玄関へ向かった。

外は、日が暮れ始め夕陽がオレンジ色に町を染めていた。

「こんな日差しじゃ裕ちゃん火傷しちゃうやん。外には出れんな」

パタン−−−

「あーあ。裕ちゃんもねむぅなってきた。太陽が高い間は、おねむの時間や・・・
炎の悪魔が帰ってくるまで、ごっちんと一緒に寝てよう。 ふあ〜あ・・・」
居間に戻ろうとした中澤の背後で、ドアを叩く音が響いた。

ドンッ ドンッ・・・・!!

ドッサアアアアアッ

「ん?帰ってきたんか?」

中澤は少し玄関を開け隙間から外をのぞいた。

「んっ?なんや、倒れてるこの悪魔?」
214 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時00分31秒
足元には、1m程の長さの竜のちぎれたしっぽを握りしめる加護が倒れていた。

中澤は、加護を仰向けに向かせ抱きかかえた。
「家の玄関で、悪魔が倒れてたら目立ってしまうやん。んしょっと
なんや!?血だらけやん!!裕ちゃん血は好んでも流れ出た血は嫌いやねん」

ブツブツいいながら、抱きかかえた加護を家の中へ連れて行った。

「ウッッ ごと・・・ ごとー・・・さ・・・・ん・・・」
加護は、うわごとのようにつぶやいた。

「やっぱごっちんの知り合いか・・・。 おーい!ごっちんお客さんやでえーーっ」

シーーン・・・・

「爆睡してんやな。しょーがない、とりあえず手当てせな」

中澤は、居間の隣にある和室に加護を寝かせ 加護の傷に掌をあて傷を癒し始めた。
力の強いバンパイヤは、再生能力も優れているが極まれに他人に対して癒しの
力を持っている。中澤は、その極まれなバンパイアであった。


こいつが、火の悪魔なんかな〜
治したお礼に、この邪魔くさい十字架とってくれへんかな〜

「うぅっ のの・・・ はよ 逃げやっ 将軍・・・・」

「おっ 気がついたんか?」
215 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時01分03秒
「・・・・ ここは・・・・? はっ あんただれやっ!」

加護は、ガバっと起きたかと思うと攻撃の構えをとった。
掌には、小さな竜巻がいつでも投げつけられるよう 浮かんでいる。

「なんやっ このちびっ!恩知らずなやっちゃな〜」

「うるっさい!ごとーさんはどこやっ はよ伝えなっ 梨華ちゃんが・・・」

「ごっちんか?ごっちんなら居間でぐーすか寝とるで。起こしても起きひん。
その前に、あんた火の悪魔か?」

「うちは、風の加護やっ あんただれやっ!」

「ちぇ〜っ 違うんかい。治してやって損した〜」

加護は、構えたままキョロキョロと部屋を見渡した。
「うちが、もってた八部衆のしっぽはどこや?」

「竜のしっぽか?廊下にあるで」

加護は、襖を勢いよく開け しっぽを握り居間へ走った。
「ごとーさんっっ!!」
後藤にかけより、肩を揺すった。
「んあっ よっす・・・ぃ そんな・・・ ダメったら・・・」

「ごとーさんっ ごとーさんっ 加護ですっ 八部衆がやられたんやっ!梨華ちゃんもさらわれ・・・」
216 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時02分48秒
ガバッ

後藤は、目をぱっちりと開け起き上がった。
「なんだ?加護ちゃんじゃん。ごとーのかわいい梨華ちゃんと八部衆がどうしたって?」

「やられたんです。こっぱ微塵に・・・。残ったのは、このしっぽだけ・・・っ」
後藤は、一瞬にして無気力で冷たい目つきに変わった。
「誰に?」
「将軍です。カオリ将軍が・・・ 気が狂ったんや・・・ うっ うちが行ったときには
ののが、血だらけで倒れてて・・・・
八部衆が戦闘隊形組んで、カオリ将軍を攻撃してたんや。
カオリ将軍、めっちゃ強くてっ 八部衆は殆ど反撃できない様子だった。
うちが、のの安全な場所に移して将軍の前に出て行ったらうちも攻撃されたんやっ・・ くっ」

加護は、何もできなかった自分に腹がたち涙がこぼれだした。

後藤は、加護の頭をやさしく抱えた。

「ありがとう。加護ちゃん。八部衆助けてくれたんだね・・・・」

「うちっ ・・・・ うちっ なーんも、できなかったんや。しっぽだけになってもうた。
愛ちゃん・・・ あさ美ちゃん・・・・ あやや・・・」
後藤の胸に顔をうずめたまま加護の肩は震えていた。
217 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時03分30秒
「加護ちゃん。八部衆のしっぽ貸して」
後藤は、加護の手に握られたしっぽを受け取った。

「隣の部屋使うから、しばらく誰も近寄らせないで」
後藤は、中澤と加護に背を向け和室に入り ピシャリと戸を閉めた。

「なんだか 面倒になってきたの〜。裕ちゃん一旦帰ろうかな〜」

「さっきからあんただれやっ 将軍の手下やったらゆるさへんでっ」

「あほか。裕ちゃんは、バンパイヤや。炎の悪魔さがしてんねん。
やぐっちゃんって悪魔あんた知らんか?」
「矢口さんのこと?この家の居候や」

「「ただいまーーーっ♪」」

「きゃははー。よかったね〜。ちょうどサイズあって。
よっすいも、たまにはこーいうの着ればいいのに〜」
「試着したとき、腹抱えて指差して笑ったのだれですか?」

「冗談だよ〜。あれだったらきっとごっちんもメロメロになったよ。きゃははー」

「あれっ 加護?どしたの?隣の人だれ?」
和気藹々と買い物から、ひとみと矢口が戻ってきた。
218 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時04分09秒
「大変なんやっ!将軍がキレて、八部衆がこっぱ微塵で梨華ちゃんがさらわれて・・・」

「「なんだって〜!!」」

「ご ごっちんは?」
ひとみは、部屋をキョロキョロ見回した。

「和室に・・・ 八部衆のしっぽ持って入った。しばらく誰も近寄るなって言うとった」

「で、この金髪のおねぇさんは誰?」
矢口は、指差して不思議顔で中澤を見た。

「かっ」
中澤は、ビックリしたように口を開いたと思うと、
「かっわええええええっ」
矢口に抱きついた。

「ひゃああああ。ちょっとーっ なんなのーっ やめろよーっ」
中澤にいきなり抱きつかれ頭を抱え込まれた矢口は、手をバタつかせていた。

「ちゅうさせてーな。かわええおじょーさんっ」
押さえつけた矢口の唇を奪おうとした瞬間・・・・
中澤のお尻に火がついた。
「ちゃーーっ あちゃちゃちゃーっ」
ぴょんぴょん飛び回り、お尻をたたいて火を消している中澤。
219 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時04分45秒
「なにすんのよーっ 加護こいつ何者?」
矢口は、ぷんすか怒っている。

「よく知らんねん。後藤さんの知り合いだとか・・・」

「ねーごっちんは、何しようとしてるの?」
ひとみは、心配そうに和室の襖を見つめている。
「矢口が思うに、たぶん・・・・・
反魂の儀式してるんじゃない。八部衆の一部があれば生き返るかも・・・ でも・・・」

「でもっ て矢口さん。なんかあるんですかっ?」

「反魂の儀式は失敗することが多いんだ。人格が変わって生き返ったら
殺戮を繰り返したりとんでもない事件を起こしたり・・・
ごっちんは、昔反魂で生き返らせた父親を殺したって噂が・・・・」

「やばいじゃないっすかっ!!」
ひとみは、和室にかけより襖を開けた。

和室は、ブラックホールのように暗闇が広がっていた。
一点ボウッ と紫にひかる明かりの中に、魔方陣が描かれしっぽらしきものが
中心に置かれ、その横に後藤は立っていた。
220 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時05分18秒
「暗黒の国より出でよ。八部衆。この光をめざして!」
後藤は、魔方陣に向かい紫色にオーラをおびた掌をかざした。

「戻れ!八部衆よ!ごとーのところに戻ってこい!」

ポウッ
ポウッ ポウッ

緑の光が、魔方陣の上に浮かび始めた。
やがて人の形に変化し、八部衆たちの姿が浮かんだ。

ザックーーーッ

緑に光るひとりが、後藤の腕をいきなり切りつけた。

「やめよーよ。紺野。せっかく生き返ったのに。ねぇ。思い出して」

後藤は、悲しみいっぱいの顔で八部衆たちに話し掛けた。

八部衆はみな、無機質な目を後藤に向けた。

「ねえ?楽しくやろう?高橋。ごとーだよ?思い出して」

「「「「「「「「コロスッ!!!!」」」」」」」」
無表情で、冷たい目をした八人はそれぞれに近寄り ふたたび変化をはじめた。
八人は空へと舞い上がり八部衆の戦闘隊形であるヤマタノオロチに姿を変えた。
221 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時05分55秒

グゴゴゴゴゴゴオーーー

ギャオーーンッ
ギャオーーーーンッ

「くっ またなの・・・ あはは・・・ 辛いなあ・・・・」
後藤は、魔方陣を冷めた目で睨みつけていた。

「ごっちーーん。やばいよ。早く御獄界に行かないとっ 梨華ちゃんさらわれたってーっ」
矢口は、立ち尽くす後藤に声をかけた。

「あはは。やぐっちゃん・・・ そだね。八部衆とりあえず御獄界に連れてく。
梨華ちゃんも必ず助けるっ ここも狙われるかも。圭ちゃんと、よっすぃ頼んだ」

「きゃははー。矢口におまかせー。加護もいるしー。
ひゃあっ 抱きつくなよ〜っ 」 裕子がまた矢口に抱きついている。

「裕ちゃん。みんなの手伝いしてて。ごとー 行ってくる」
「ええでーっ ここのことはまかしときっ このかわええ娘は、裕ちゃんが守ったる!」
「なんだよーっ はなせよーっ 自分の身ぐらい自分で守れるって。また火つけるぞーっ」
矢口は、抱きつく中澤を引き離すのに必死である。
222 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時06分30秒
「まっ まちなよっ 」
ひとみが、暗闇に立つ後藤の元へと駆け寄った。

「あ あたしも行くっ 黄金律だもん。やっ 役に立つんでしょ」
−−− だって・・・ごっちんのあんな顔はじめて見た。泣きそうだった。ほっとけないじゃん!
ひとみは、顔を真っ赤にして言った。

「今回は、やばいんだ。あぶないかもよ」
「いいっ 早く行こうっ」


ボンッ


後藤とひとみが消え、和室に夕陽が差し込んできた。
223 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時07分21秒
−−−−−

将軍の城の廊下を子鬼たちが、しゃべりながら歩いている。

「ねーきいたー。八部衆が戻ってきたらしいよ」
子鬼の小川が言った。
「聞いたー。反魂の儀式したんでしょ。しかも、元に戻ってないって。
御獄界ぐちゃぐちゃになるね」
子鬼新垣が、目をくりくりさせて小川に返事した。

「後藤さんも帰って来てるって」
「やばいねー。血の雨が降るよ〜。将軍どうしちゃったんだろうねー」

「みんな我儘ばっかいうから、キレちゃったんだよ。
すごいよねー。加護さんいっぱつでやっつけちゃって・・・」
「でもさー、 何もあんな人いじめなくてもねー」
「そーだねー」
子鬼のふたりは、立ち止まり目の前の檻をのぞきこんだ。縛り付けられた梨華が泣き叫んでいた。

「石川こんな遊びいやーっ ごっちーんっ たすけてーえ
将軍こわいよーーーっ おなかすいたよーーーっ 」

カチャリ

子鬼たちは、梨華をかかえ将軍のもとへ連れて行った。
224 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時07分55秒
「うるさい女だ。しずかにしろ」

「いやっ 離して。あなた 将軍じゃないっ ここの人じゃないっ!
誰もこんなことして遊ばないもんー!」

「うるさいヤツだ。いいから早く後藤をここに呼べ」

「石川にこんなことしたら ごっちんが許さないんだからっ
あんたなんか ひとひねりで殺されちゃうんだからっ」

「えーい。うるさい」
ボンッ

将軍は、梨華に攻撃を放った。梨華の洋服がボロボロになり肌があらわになった。

「ゲッホ・・・ ゲホッ・・・・ ごっ ・・・ごっち・・・」

「少しは大人しくする気になっただろ」

「ゲホッ ゆるさないんだからっ 花畑もボロボロにしてっ ごっちんにやっつけてもらうんだからっ」

カオリ将軍は、掌を石川の顔に押し付け口と鼻をふさいだ。

「んくっ んーっ んーっ」

「先におまえから殺すことにした。どっちにしろ後藤はここにくるからな」
225 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時09分37秒
「んーっ ・・・・」

しゅうううううーーーっ
しゅうーーーーっ

「あっっつ。 なんだ貴様っ!」

「ゲッホ・・・ ゲホッ・・・」
咳き込む梨華の頭上に藤色の光が浮かんでいた。



なーに ひとの女に手だしてんだよー

藤色の光の中に浮かぶ凛とした姿。



これ以上 梨華に手だしたらあんた殺すよ

透明な姿は藤色のオーラを発し、その腕がやさしく梨華を包んだ。
梨華のあたまに、優しくキスをして 消えた。

「なっ なんだっ なんでこんな女に守護がついてるんだっ!!」
将軍は、焼け爛れた手を抱え座り込んでいた。

「うっわーーーん。ごっちーーんっ!」
梨華は、泣きながら走り去っていく。
226 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時10分11秒
「あっ ちょっと待ちなさいって」
小川が止めようとしたとき

「いいっ!!ほおっておけ!!どうせこの城からは逃げ出せん!!」
将軍が、小川を怒鳴りつけた。


そのころ後藤は、 −−−−−

「ねぇ。やめようよ。せっかく生き返ったんだよ。前みたく楽しくやろうよ」

八部衆が御獄界の空を飛び回り、いたるところに攻撃している。
前に立ちはだかり、何度も何度も話し掛けている後藤は、
その度に攻撃され、地面に叩きつけられ、体中切り傷だらけになっていた。

「 ぐわああああっ つぅっ 手加減してよねー。たたた・・・」

「ごっちーん・・・ もうやめなよっ 」
ひとみは、傷だらけの後藤のそばに寄っては説得を止めようとしていた。

「くっ ぜったいやだ。あんな思いは二度としたくないんだ。
あいつらがごとーのこと忘れるはずない・・・・忘れるはずないんだっ」
227 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月08日(金)18時10分41秒
「なにいってんの?このままじゃ、ごっちんが死んじゃう・・・」
「んじゃ、よっすぃ キスして・・・・・」
「なっっ!!!」
「だぁってそのつもりで、ついて来たんでしょー」
「・・・えっ そのっ・・・ んーーーーーっ」
後藤は、ひとみの唇を奪い吸い寄せた。

しばらくしてひとみから離れた後藤は、再び宙へと舞い八部衆の前に浮かんだ。

「ねぇ。やめよーっ ごとーだって 怒っちゃうぞ。みんな 戻って来てーっ」

八部衆は、再び後藤に向かって突進してきた。

「いいかげんに 目え覚ませ−−−−−っ」
後藤は、波動を発した。
その勢いに、八部衆は地面に叩きつけられ戦闘隊形が崩れた。−−−−−


◇◇◇
228 名前:たまご 投稿日:2002年11月08日(金)18時16分39秒
>>206
いつもありがとうございます。気まぐれごっちん自分も好きです(w
229 名前:たまご 投稿日:2002年11月08日(金)18時17分15秒
>>207
更新遅れてすみませんっ 今年の風邪はつらかった〜 
3週間咳がとれなくて そのうち肋骨が折れるんじゃないかって・・・(w
230 名前:たまご 投稿日:2002年11月08日(金)18時18分25秒
>>208
笑っていただいてましたか。ありがとうございます。
たのまれましたっ
231 名前:ななしのよっすぃ〜 投稿日:2002年11月08日(金)22時58分50秒
はじめまして。
いや〜面白いっす。一気に読んでしまいました。
続き、楽しみに、待ってます!!
232 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月09日(土)18時42分26秒
おぉ?!
おかりなさいませ。風邪今年は喉にきて辛いそうで…
自分も辛かったです。治った様子で更新お待ちしてます!
233 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時29分20秒
◇◇◇


「愛ちゃん!愛ちゃん!」
紺野が、高橋をかかえ呼びかけた。

「んっ・・・・ あれっ?」

「愛ちゃん!!やったーっ 全員揃った〜!!」
八人は、高橋を囲みわきゃわきゃ騒いでいた。

「こおら〜。あんた達〜。ご主人さまを攻撃するなんて どーゆーことなのーーっ」
後藤は、腰に手をあて八部衆に向かい優しく怒った。

「「「「「「「「あーん。後藤さま〜。ごめんなさーいっ」」」」」」」」
「反魂の儀式に失敗したからってさー。ごとー・・・・・ くっ・・・」

みんなに背を向けた後藤の目の端には、うっすらと涙が浮かんでいた。

八部衆は、後藤にかけより背に抱きついた。
「後藤さまっ ほんとーに申し訳ありません。」
「後藤さまっ 梨華さまはあの塔に捕らえられています。助けに行きましょうっ!」
「「「「「「「「わたしたちっ どこまででもついて行きますっ!!!」」」」」」」」
234 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時29分53秒
「あっ いやん。目から鼻水・・・・っ」
そういいながら、背を向けた後藤が満面の微笑みで向き直り八部衆たちを抱き寄せた。

「ふむ。よしよし。よく戻ったね。じゃ、みんな〜 行くよっ♪」

「「「「「「「「はーい♪」」」」」」」」

「ちょっ ごっちんどこ行くの?梨華ちゃんは?」
ひとみは、八部衆越しに後藤に聞いた。

「んー。とりあえず腹ごしらえー。梨華ちゃん?
あー。まだ大丈夫そう。それに、本当は梨華ちゃん殺せるヤツなんて
どこの世界にもいないんだ」

「それって どーゆー意味??」

「先におやつの時間だ〜♪」

「「「「「「「「おーーーーっ」」」」」」」」


−−−−−−−−−
235 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時31分01秒
「だあああーーっ キリがないやんっ なんやねん このドロドロはっ」

「知らないべさーっ 圭ちゃんと買い物してたらついて来たんだベーっ」

「矢口が燃やしても、すぐ復活するよーっ!」

「加護が切り裂いても、またくっつくんや!どないしよーっ」

「ちょっとー、あんた達家壊さないでよーっ」

−−−吉澤家では、圭となっちが家に駆け込んでくると同時に
将軍の追っ手の黒いドロッとしたアメーバに追われ攻防戦を繰り返していた。

「ちょっとーっ バンパイアーっ 矢口のこと守るんでしょーっ
とっとと こいつら追っ払ってよーーーーっ」

「裕ちゃんかて、自分守るんに必死やーっ
ちぃっ この黒十字さえとれれば もっと、パワーがでるんやけど・・・・・
これとってくれへん?矢口〜ぃ。」

「ダメッ 言ったじゃーん!
それ、矢口の師匠の綾さんがどっかの牧師と契約したもんなんだ。
師匠の契約勝手に破棄したら、矢口殺される・・・・」

「ちぃっ 大悪魔だの、四天王だの言うわりには 情けないやつばっかやの〜
裕ちゃん も疲れてきてん。そろそろ、本気で行くかーーーーっ!!」
236 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時31分48秒
中澤は、黒いマントをひるがえし青い目を光らせた。
すると、あたり一面が青白い光に包まれた。

「裕ちゃん 本領発揮やっ!見とれーっ 矢口!惚れんなよーーーっ」

「いいから早くしろっ」

「いやん。少しくらいカッコ付けさせてや」

中澤は、両手を掲げ呪文を唱えはじめた。
「我は地上に降りし 魔王の使い。バンパイヤ中澤−−−−
魔王よ、力を貸したまえ。この邪悪な生物をこの光の中に消滅せしたまえ」


−−−− ピッシャーーーーーンッ


あたり一面が よりいっそう濃い青白い光につつまれた。

黒いアメーバは 一匹残らず中澤の発した光に蒸発し消滅した。


ふらっ

「あっ」
よろけた中澤を、矢口が支えに駆け寄った。
237 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時32分34秒
「きゃははー。裕ちゃんすっごいじゃーん♪」

「はははっ まかせときぃ・・・・ でも・・・ 裕ちゃんも・・・ ダメや・・・・」
「大丈夫かい?力使いすぎたんでないかい?」
「ねーっ ちょっと。家、壊しすぎよ。修理すんの大変じゃない」
なっちと圭も倒れた裕子を、覗き込んだ。

「ゆ・・ 裕ちゃん・・・ 腹減ってん・・・・ ごっちんが血吸わせてくれへん・・・・」
「よっしゃ。加護が人間捕まえてくるねん。がんばってや!」
加護が、外へ向かい走り出した。

「まって!加護!炎との契約は、人間の血を吸おうとすると業火に焼かれちゃうんだ。
いいよ。裕ちゃん。矢口の血吸わせてあげる」
「ほんまかっ いいんかっ」

「きゃははーっ 矢口、血の気多いから大丈夫ー。
でも、吸血ってやらしーからみんなの見てないところで・・・ ね・・・」
矢口は、顔を真っ赤にした。
238 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時33分14秒
「くくっ 裕ちゃんに惚れたな」
「ばかっ ちがうよー。助けてくれたお礼だよーっ バカ裕っ!!」

「さっ なっち。片付け手伝って。こんなに散らかってちゃ晩ご飯の準備できないじゃない」
「んだべ。きっとごっちんたち達もおなか減らせて帰ってくんべ」
圭となっちは、居間の部屋へと入って行った。

「加護、のの心配だから御獄界へ帰る。ほな、またなっ!」
加護は、ふっと 姿を消した。

「さっ 矢口誰も見てへんで〜。ほなっ いっただきまーす♪ かぷっ」
中澤は、待ってましたといわんばかりに、矢口の白い首筋に吸い付いた。

「あっ・・・」
声を漏らした矢口は、中澤に身をまかせた・・・・
239 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時33分52秒


−−−− そして 御獄界

「はい、どうぞ。吉澤さんの分です」
紺野が、小さなワニを半分に契りしっぽの方をひとみに渡そうとした。

「いっ いい・・・・ おなか減ってない・・・」
ひとみは、ワニを見ないようにして顔を背けた。

「おいしいですよ」
紺野は、吉澤の目の前にワニを差し出した。
「いや、いらないってっ」

「・・・・・で、花畑で梨華さまと辻さまが遊んでいた時、急に将軍の手下が梨華さまを押さえつけ
連れて行こうとしたのです。辻さまは、背後から攻撃を受け倒れました。
申し訳ありません。私たちの力不足で梨華さまをお守りきれず・・・・」
高橋は、ワニをほおばる後藤に状況を話していた。

「むぐっ むぐっ いんや。みんな悪くないよ。食べ終わったら梨華ちゃん助けに行くし」
後藤は、ワニ頭にかぶりついた。
240 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時34分40秒
「むぐっ でも、変だよね〜。カオリンって八つ当たりするタイプでもないし、案外気弱いし・・・
しかもこのあたりの強い毒気。建物はボロボロ。花畑も丸焼け。
なーんか、変な気配があっちの塔から流れてくるし・・・」

「はい。将軍なんかおかしかったです」

「まっ ごとーにかかれば、あっという間にやっつけれるから大丈夫。 むぐっ むぐっ
梨華ちゃんもあんま強く呼んでないから まだ大丈夫だよ」

「ですが、この強い毒気が御獄界に広がり続けるとちょっとやっかいです」

「そだね。ごとーは、頭を殺しにいくから高橋たちは雑魚を頼んだ」

「「「「「「「 はいっ おまかせくださいっ!! 」」」」」」」
7人は、元気に返事をした。

「いやっ だから いらないって・・・・」
紺野は、まだひとみの目の前にワニをかざしていた。


◇◇◇
241 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時35分25秒
「さっ 腹ごなしに 行くかーっ みんな ムリすんなよっ」

「「「「「「「「後藤さまもお気をつけてーっ」」」」」」」」

グゴゴゴゴゴゴオーーー

ギャオーーンッ

八部衆は戦闘隊形に変化した。

「よっすぃは、辻ちゃん見ててね。ここにいれば安全だから」

「あっ ごっちんっ!」

「なにっ よっすぃ?」

「あの・・・ がんばって・・・」
顔を真っ赤にしているひとみは、目を伏せて言った。

「な〜んだ。行ってらっしゃいのキスしてくれんのかと・・・・ んっ!」
後藤の唇に、押し付けられるひとみの唇。

「あんっ んーーーっ !・・・・ ぷっはぁ・・・。よっすぃ・・・ キスうまくなったねえ・・・」
息を切らし気味な後藤は、振り返り唇に人差し指をたてた。
ひとみは、顔から火が吹きでそうなくらい耳まで真っ赤にしてうつむいた。

「じゃ、いってくる」

ふっ と後藤は消えた。
242 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時35分55秒
◇◇◇

「ふえーーん。ここどこお・・・・ ごっちーん・・・ おなかすいたよお・・・ ぐすっ」
将軍がいた部屋から飛び出した梨華は、下へ下へと階段を下り逃げたが迷ってうろうろしていた。

「こんなとこじゃ 呪文唱えられない・・・ ぐすっ こわいよおお おなかすいたよおお・・・」
梨華は、石の床にペタッ と座り込み岩に寄りかかった。

ぐにゅっ

「きゃああああっ」
梨華の手に気色悪い感触があたった。

「あっ おいしそうなワニ♪」
寄りかかった石の影から小ワニのしっぽがでていた。
「ちょうどよかったーっ 石川おなかペコペコですっ いっただきまーーっす♪」

石川は、両手でワニのしっぽをつかみ、大きく口をあけた。そのとき・・・・


ちょっと ちょっとーーーーっ 石川ーーーっ やめてーーっ
わたしよっ わたしっ カオリよーーーーっ

小ワニが、キーキーと騒ぎ出した。
243 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時36分25秒

御獄界のさらに地底の魔物が、急にカオリを襲ったの。
で、呪いをかけられて こんな姿に・・・・
石川助けてーーーっ

キーキーと、涙目で泣きつづけるワニを石川は、不思議そうに見ていた。

石川っ お願いっ カオリの名前を呼んでっ
名前を呼んでくれればもとの姿にもどれるの。呪いを解いて・・・・・

ワニは、小さな前足をパタパタとさせている。

「?????」
石川は、小首をかしげた。

ねっ 早く名前を・・・・・

ワニの目から、涙が一滴落ちた。

「石川っ わっかりませーーーんっ♪♪」

カップーッ

ぎゃーーーーーーっ


◇◇◇
244 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時37分15秒
「やっときたか」

「ふん。やっぱね。あんた、その顔やめて。紛らわしいったら」
後藤は、将軍の前に姿を現した。

「なんでこんなことすんの?カオリンどこ?何者?」

「何者でもない。全てを覆い尽くすもの」

「どーでもいいーから、はやくやっちゃお」

「ふはははははっ 勝てるつもりでいるのか?愚か者め」

「あー 御託はいいから。そっちから来ないなら こっちから行くよっっ!!」
後藤の体から、紫のオーラが立ち込めた。

半歩後ろへ下がり、将軍の体めがけて攻撃を放った。

あっけなく、将軍の体は粉々に散った。

黒い塵があたりを舞う。そして黒い塵は、わさわさと集まり黒いドロドロとした
塊になり、後藤の方へ寄って来た。

後藤は、正体不明の魔物めがけて連続して攻撃を放つ。
再び塵となった魔物は 後藤に体に降り注いだ。
245 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時38分01秒
そして、また集まり後藤の体のあちらこちらに黒いドロドロがまとわりついた。

「あーっ やめてよーっ 汚して帰ると圭ちゃんにまた怒鳴られる」
後藤は、波動を発し黒い物体をなぎ払った。

魔物は、ふたたび合わさりあい後藤に近づいてくる。

あー そーいえば 昔 いちーちゃんから聞いたな〜。
数々の欲 がはびこり何れ全てを覆い尽くしたとき全てが終わるって。
地上の世界も、御獄界も、天界も。
毒気が集まり、増殖し、ひとつになりすべてを覆いつくすんだっけ?

こいつがそーかなー?

ごとーは その欲を多く欲する人間の『願い』を消化しなさいって。
それが、梨華ちゃんを守ることだって・・・・

後藤は、寄ってくる魔物を吹き飛ばしては、散り散りになった小さい塵を
ひとつひとつ消滅させていた。

ごとー よくわかんないや。
ごとーは やりたいことをやってるだけ。
梨華ちゃんとキスしていちゃいちゃして・・・・
カオリンからかったり・・・・ 八部衆と遊んだり・・・・
246 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時38分54秒
後藤は、そんなことを考えながら攻撃の手を休めることはなかった。

バシィッ
シュウウウッ シュウウウウッ
    バシィイイ

そして塵の数がだんだんと減ってきた。
だが、少数の塵が集まり黒いドロドロになると
地底から暗闇をひいて来たようにさらに、増殖し始めた。

なーんか疲れちゃったな〜
何れ全てがなくなるなら、今でもいいじゃん・・・・・

でも・・・・・

圭ちゃんの料理また食べたいな・・・・
よっしぃと最後までいってないんだよね〜
   梨嘉ちゃんとも6月に結婚しなきゃ〜

後藤は、攻撃の手を休め壊れた天井から御獄界の空を見上げた。
247 名前:たまご 投稿日:2002年11月15日(金)19時40分33秒
梨嘉ちゃんってだれ?おいっ(T_T)
ごめんなさい。梨華です。ほんますんません。
248 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時42分09秒
太陽がいっぱいだなー。でも、なんで御獄界って暗いんだろ?
人間の寿命って、100年もないんだっけ?
そんな、ごとーにしてみれば瞬きのような一瞬・・・・・

まだ

その一瞬の間は

明るい太陽の下で

みんなと

過ごしても

いいかなあ・・・・・

魔物は、後藤の攻撃が無くなったのを見計らってか
どんどん増殖し巨大な黒いアメーバになりつつあった。

「ごとー またお腹減ってきたーっ 力たくさん使ったもんね」
口をへにょ〜っと曲げて、無気力な笑顔を浮かべた。
249 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時42分46秒
無気力な笑顔が、後藤の最大フルパワーのときである。

「さあて とっとと帰りましょっか〜っ!!行くよーーーーっ!!!」

後藤の、オーラが御獄界全域に広がる勢いで光を増した。
両手を胸の前で クロスし力を貯めている後藤が 両手を広げた。

「じゃっ 消えてもらいましょーーっ!!」

体全体から、波動を発し後藤のオーラが魔物を照らす。

声にならない地響きのような叫びが御獄界を揺らした。





グオオーーーーン
グオオーーーーン

オオオオオオオオオ

ドドドドドドドドオオオオー


−−−−−−
250 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時43分34秒






◇◇◇

そして、吉澤家の夕食が始まった。

「圭ちゃん 早く座るべさ」
「なんか ホルモン系多くない?あたし、タン塩サンチュに巻いて食べたかったな〜」
「コラッ 裕子ーーっ 生のまま食べるんじゃなーーいっ!」
「ええやんかっ 血が滴る方がうまいんやっ!」

「ごとー ご飯 おかわりっ♪」

「やっぱ 休日の夕食は、みんなで焼肉っしょ。圭ちゃん。はい。焼けたよ」
「なっち あたしの皿もういっぱいだから自分も食べなさい」
「裕子ーっ ちゃんと焼けってーっ」
「うっさい。好きに食わせてーな」
「タン塩・・・ 食べたかったな〜」
「ごとー ワカメスープおかわりーっ」

「あっ」

「なによっ ひとみ!急に大きな声出さないでっ!」
「ごっちん・・・なんか忘れてない?」
「ごとー タレなくなちゃったーっ おかわりーっ」

「ごっちんってばっ!! 梨華ちゃんはっ!!」
251 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時44分25秒


◇◇◇

後藤が、魔物を消滅させ2時間ほど経っていた。

−−−−

キー キー
いいから いいかげん気が付けって。カオリだってーのっ!

梨華は、しっぽに歯型のついた小ワニを従えてまだ地下をうろついていた。

「あーん。石川出口わかんなーいっ ぐすっ ぐすっ」

キー キー
ここさっき通ったでしょーっ!あそこのドア入らないと上にいけないんだってばっ
どーしょーもない 下級淫魔だねっ!!

「このおいしくないワニ 石川の後ずっとついてくるしぃっ ぐすっ」
石川は、歩き疲れてまたペタンと床に座り込んで岩に寄りかかった。

「あーあ・・・ 石川足痛い〜っ ぐすっ それに眠くなったきちゃいました・・・・
ごっちん 早く迎えに来てくれないかな〜・・・・ ふあ〜あ・・・・」
252 名前:娘。たちは夜の住人 投稿日:2002年11月15日(金)19時44分59秒

い・ し・ か・ わーーーっ !!
寝てる場合じゃないっ!
早く名前呼んでってばーっ!!!!

キーッ キーッ

「むにゃ・・むにゃ・・・ あっ 紗耶香さ・・ん ひさしぶりぃ・・・」
石川は、微笑みながら眠っている。

あーん・・・ 誰か カオリの名前呼んで呪いを解いてーっ!!!




娘。たちは夜の住人 ■■■ 後編・End ■■■
253 名前:たまご 投稿日:2002年11月15日(金)19時47分24秒
>>231
一気読みありがとうございます(w
一気に読むと、二重投稿が気になりましたでしょう・・・ゴメンナサイ
254 名前:たまご 投稿日:2002年11月15日(金)19時49分17秒
>>232
毎々ありあとございやすでした。レスとっても励みになりました。
風邪にも・・・ このスレにも・・・・
255 名前:たまご 投稿日:2002年11月15日(金)19時58分02秒
これにて終了です。

まず、おわびです。
名前間違え、おかしな漢字変換、二重投稿・・・・
数々のご無礼をお許しください。
元ネタは、高河ゆん様:子供たちは夜の住人/大陸書房<<<最高♪です。

毎日、色々な小説読ませていただいておりました。
つい触発され大好きな作品で書かせていただきました。
お付き合いいただいた方々には、誤字・脱字・駄文で申し訳ない
気持ちでいっぱいでしたが、自分なりに楽しんで取り組めました。


256 名前:たまご 投稿日:2002年11月15日(金)20時08分05秒
いったいどのくらいの方々の目に触れたのかしら・・・・?
名前間違えご指摘くださった方、ありがとうございました。
他毎々レスくれた方、励みになりました。
また、感想などいただけたら大変嬉しいです。

さっ 金曜やっ 飲んだくれる時間です。
おっとー 冷蔵庫にビールが・・・・ないっ(;_;)
買いに行ってきまーす♪

重ね重ねお読みくださった方々ありがとうございました。
では、失礼いたします。
257 名前: 投稿日:2002年11月15日(金)21時48分08秒
完結ですかっ。梨華ちゃん放置可哀相な気もする…。
おもしろかったです。
258 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月23日(土)19時55分36秒
完結おめでとうございます!
でも石川・・・w続きあるんですか?
あったら嬉しいです!それと…元ネタの漫画はなんだったんですか?
終わったら教えて頂けるといっていたので気になります!
259 名前:たまご 投稿日:2002年12月10日(火)21時08分11秒
>>257
まとまった時間できたら 夜の住人キャラで番外編書きたいです。梨華ちゃん主役で・・・が夢です。
12月ってなぜ?忙しいのっっ

>>258
ありがとうございます。元ネタは>>255に書いてあります。
わかりにくかったようですね。ゴメンナサイ。

悪魔ってなんかスキなんです。
いろいろ考えているのですがラストまで話がまとまりそうもなく
作品になりそうもないものばかり下書きして
忙しい中気分転換したりしてます。

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