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クインベリーフィールドの首長さん

1 名前:chimaira 投稿日:2002年08月25日(日)19時44分40秒
はじめまして、chimairaといいます。
他のみなさんの作品をよんでて、私も書きたくなったので小説初挑戦します。
表現がつたない部分があるかとおもいますがよろしくお願いします。

ファンタジー物で、主人公は矢口でまずはチャレンジします。
元ネタは某漫画をもとに、ちょっとニュアンス等追加して書いていきます。

元ネタわかった人は遠慮なくつっこんでください。
2 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)19時48分24秒
いまでない時、ここでない場所
東方の地にある小さな村を司る首長さんは
金の髪のまだうら若い少女でありました。


「Zzzz・・・・」

天気のいいお昼さがり、首長さんは庭の芝生の上で
お昼寝中のようです。
3 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)19時51分08秒


ぎりっ・・・・


シュッ


どす

矢を引き絞る音、放つ音。
そして、矢が獲物につきささり、地面に落ちる音。

その音で、首長さんは目を覚ましたようです。
4 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)19時52分54秒
「ん・・・」

「やぁ。。。あいぼん。今のはやっぱり、あんたか。。。」

「ごめんなさい、矢口さん。起こしちゃいました?
でも、この鳥は矢口さんの夕飯になるんですよ。
鍋にするとおいしいので、あとでいっしょに食べようね。」

「ありがと、あいぼん」(チュッ)

「な、な、な、な、、、なにすんねん」

「そうそう、あいぼんはそうでなくちゃ。やぐちの前では
 そんなかしこまらなくていいんだよ」

「でも、うちこの村きて、まだそんな日たってないんで。。。」

「いいって、いいって。さすがに村人たちの前じゃ困るかもしれないけど
 ここでなら、堅いこといいこなしって。」

「そんなんいわれても。。。なぁ。。。。」


首長にこういわれて、思いっきり照れてるあいぼんでありました。
5 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)19時57分48秒

「しかし・・・それにしても、あいぼんの弓の腕ってすごいね。
 もう村じゃ右にでるものもいないんじゃない」

と話をつづけたその時、

「しゅ〜〜〜ちょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」


と、遠くから呼ぶ声が聞こえてきました。
そちらを見ると、だれかがこっちに走ってきます。
6 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)19時59分23秒
「「お」」


「もう、こんなところにいたのれすか。
 ずいぶん探したのれすよ」

「やぁ、のの」


「なにが「やぁ」れすかぁ!!」

ののと呼ばれた少女は息をはぁ、はぁと切りながらも
つづけて叫んだ。

「やぐちさん、のんきすぎるれす!
 保田おばばは、とっくにお祈りすませてやぐちさん
 くるのまってるんれすよ!
 遅刻になったら、お世話役のののが怒られるんれすから!」

「おぉ、こりゃめずらしいもん見せてもうたわ。
 ののがこんなに一気にまくしたてるなんて、
 めったに見られへんからなぁ」

「あいぼん、何かいった!」

「いいや、なにもいってへんで〜」

「まぁ、まぁ、2人とも、それくらいにして。。。
 ののもそんな怒らないで。すぐに着替えて
 広場に向かうからさぁ。」

と、ののの頭をなでて2人をなだめようとする首長矢口。

突然矢口に頭をなでられて、ちょっとテレながら

「ほんとうに、はやくしてくらさいれすよ〜」

7 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時03分46秒
さてさて、ここクインベリー村(フィールド)では
年に1度、お日様が一番高く昇る日に盛大なお祭りが
催され、太陽神に捧げ物をする慣わしがございました。

で、本日がその捧げ物を選ぶ大切な日でございます。

捧げ物を選ぶといっても、何かを決めるというものではなく
神からの命(みこと)を受け継ぐことができる村のお婆が
そのご神託を受け、村のみなにつたえる儀式の日という
こととご理解願います。
8 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時05分41秒
「おまたせ〜、圭ちゃん」

「あんた、この私をまたせるなんて、いい度胸してるわね。。。
 って、その呼び方、村人たちの前ではやめてっていってるでしょ!」

「ごめん、ごめん。じゃぁ、あらためて・・・こほん・・・

 待たせたな。お婆。」

「遅かったのぅ。。。首長殿。このお婆、まちかねたぞ。」
9 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時08分15秒
と、広場に設置された舞台の上でやりとりされているころ
その舞台の袖からちょっと離れた場所では・・・

「ぷふふふ」

「どうしたのれすか?あいぼん」

「なんや、村の首長とお婆やというのに、変なやりとりしとんのが
 おかしゅうてなぁ。。。」

「そんなんで笑うなんて2人に失礼れす。公の立場というのが
 あるのれすから、わかってほしいれす」

「・・・ごめんなぁ。。。のの。。。
 うち、まだこの村きて半年やねん、公の行事ってほとんど
 みてないやろ。。。まだ、なれてへんやさかい。。。
 ほんま、ごめんなぁ。。。」

「ののもいいすぎたのれす。でも、やぐちさんの首長という
 村での立場があることもわかっておいてほしいのれす。」

「うん、わかった。。。注意するよ」

10 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時15分35秒
さて、場面をもとにもどして。。。

「さて、首長殿もいらしたことだし、そろそろ
 祈祷の結果を発表するとするかのぅ。
 落ち着いて聞かれよ。。。皆の衆。。。。
 ことは重大だからのぅ。。。」

  し〜〜〜〜〜〜ん

 お婆の言葉が始まると、いままでざわついていた
 村の衆が水をうったようにしずまりかえる。。。

 そして、ついに保田お婆から、今年の捧げ物の
 発表がなされた。
11 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時17分00秒
「いにしえの時から我が村を守りたる太陽の神は
 今年の祭りの供え物に・・・・」

ごく。。。
昨年までとは違う保田お婆の物言いに、広場中に緊張がはしる・・・

「今年の祭りの供え物に・・・あの青龍の卵を選ばれたのじゃ!」

「「「「「「「「青龍の卵!!!」」」」」」」」

          ざわっ

発表がすむかすまないかの内に、広場中にざわめきが広がる。

「ブルー。。。。ドラゴンの。。。卵。。。だって。。。」

さすがに、このお告げには、首長矢口も絶句した。。。

そして一言。。。
「こりゃ、長老たちとの話し合いをするまでもなく
 やぐちが自らいくしか。。。ないかな・・・・」
12 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時19分59秒
〜〜〜広場での発表から1時間後〜〜〜

「圭ちゃ〜〜ん、なんなんだよ〜。青龍の卵ってさぁ〜
 めちゃくちゃ危険じゃないかぁ〜」

「そんな文句言われても、私のせいじゃないわよっ!
 そうお告げがあったから、しかたないじゃない!!」

「そりゃ、わかってるんだけどさぁ。。。」

ご神託発表後、ざわめく村人たちの相手そこそこに
お婆と首長はその場を引き上げて、お婆の家にきていた。

矢口のお供でついてたあいぼんとののは、このあと長老たちとの
会合があるからということで先に家に帰らせて、
保田お婆のところへ愚痴りにきていたのであった。。。
13 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時21分12秒
青龍(ブルードラゴン)

通常のドラゴンが100〜150年の寿命と言われているのに対し
何百年と生き続けていると言う伝説のドラゴン
また、その狂暴さもともない、魔の生き物とされている・・・
14 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時24分59秒
「はぁ。。。青龍の卵じゃ。。。このあとの長老たちとの
 会合ひらくまでもなく、村の中からいく奴なんていないだろうなぁ。。。
 結局、矢口がいくしかないんよね。。。」

「まぁ、そうだろうね。仕方ないじゃん。それも首長の
 役目だって、やぐち。」

「まったく、ひとごとだとおもって・・・」
15 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時26分06秒
「ははは。ごめん。ごめん。そのかわりといっちゃ
 なんだけど、ちゃんと青龍の住み処までの地図と
 お守り用意したから、それで許してよ。」

「・・・それって、最初からおいらがいくってわかってたってこと?」

「もちっ!」(といいながらウインクするお婆)

「オエッ!」

「・・・な、なによっ!その「オエッ」って!」

「や。。その。。。なんとなく(てへ)」

「これはいらないってことだね。せっかく用意したけど
 すてちゃうか。」

「あ〜〜〜〜〜〜〜!
 ご、ごめん。圭ちゃん。捨てないで!謝るからぁ」
16 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時27分06秒
「冗談だよ。ほら、持ってきな」

といって地図とお守りを矢口に渡す。

「圭ちゃん、ありがと〜。あと、矢口が
 無事かえってこれるように祈っててね。」

「お安いご用よっ!・・・っていってもそれくらいしか
 力になれないからね。。。気をつけていっておいで」

「うん、それじゃね、圭ちゃん。」



17 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時35分27秒
「え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!
 なんれすって〜〜〜〜〜、しゅ〜〜ちょう〜〜〜〜!!」

矢口が戻ってきて、青龍の卵をとりにいくことを告げると
ののの叫び声が家中にひびきわたった。。。

「正気れすか!?やぐちさん!
 あの青龍の卵を取りに行くのれすって!」
18 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時36分50秒
「のの。。。そう怒鳴らないで。。。耳が痛い。。。
 祭りまでそんなに日にちがないんだ。
 明日の朝には出発するから、用意を頼むよ。。。のの」


「れも。。。やぐちさん。。。青龍は・・・」


「のの。言われなくても分かってるよ。
 けれど、村のだれかが行かなきゃいけないんだよ。
 長老たちとの話し合いでも、村の民はみなおびえて
 しまっているということだったんだ。。。
 となると、おいらが行くしかないだろ。。。」
19 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時39分12秒
「れも。。。やぐちさん。。。」

「だいじょうぶ。だいじょうぶ。心配ないって!
 体は小さいかもしれないけど、これでも剣は
 村1番なんだから。。。」

「そ。。。それなら、ののも連れってってくらさい!
 お供します。やぐちさんに、もしものことが
 あったら。。。。ののは。。。ののは。。。死」

(すぱーーーーーーーーーーーん)
 
20 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時40分34秒
「アホかぁ!縁起でもないこというてんやないで!のの。」
 
なぜかハリセン片手に、ののの頭を張り倒して、あいぼんが登場。

「やぁ、あいぼん」

(いきなりの登場のうえ、いま、どこからハリセンとりだしたんだ。。。)
21 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時42分18秒
「安心しぃな、首長さん。うちが神かけて守るやさかい。
 首長の剣とうちの弓があれば、青龍なんて楽勝、楽勝」

「も。。。もちろん!ののも、いっしょにいくれす!」

「ののがついてきても、じゃまなだけやんか!
 こわがりでなんもできへんくせに」

「うるさい!うるさい!うるさい!うるさ〜〜〜い!
 そりゃ、剣や弓はあつかえないれすよ。
 れも、ののはこれでも白の魔法使いの末裔なんれすよ。
 代々首長にお使えしてきた一族の名にかけて
 命に代えてお守りする覚悟はれきてるんれす。」

そういうののの目には、強い決意が表れており、
その気迫にあいぼんは一瞬たじろいだ。
22 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時43分52秒
「といっても、まだ見習いなのれ、この程度の
 魔法しかつかえないれすけどね」

といってののが魔法で出したのは・・・・

”イチゴのショートケーキ”

「いったっらきま〜〜〜っす」

(がくっ!)
・・・結局役たたへんやんか・・・
23 名前:1.お告げ 投稿日:2002年08月25日(日)20時44分54秒
「ま、ともかく役者はそろったで、矢口さん」

「あぁ、3人いれば心強いよ。ありがと。あいぼん。のの。」

「まかせとき」
「がんばるのれす」

「それじゃ、旅の無事を祈って・・・
 (そして、とてもありがたい2人の仲間に感謝と愛をこめて。。。)
 乾杯!」

24 名前:登場人物紹介〜1〜 投稿日:2002年08月25日(日)20時45分37秒
首長:矢口真里
クインベリー村の首長をつとめる小さいけど、誰にも
負けないパワーの持ち主。剣の腕も村1番の使い手。
また、きれいな金髪の持ち主でもある。
あまり物事にこだわらないタチであり、公の場でなければ、
首長と呼ばせないような気軽さももちあわせている。

加護亜依(あいぼん)
半年前、クインベリー村にたどり着いた旅人。
今はこの村が気に入り住みつくようになった。
首長の家のとなりに住んでおり、弓の名手でもある。

辻希美(のの)
クインベリー村の首長に代々つかえる白の魔法使いの末裔
とはいえ、いまだ見習いの身である。普段は首長の身の回りの
お世話をしながら、修行にはげんでいる(?)らしい。

保田お婆(保田圭)
クインベリー村の祈祷師。村で唯一神からの神託を
聞けることができる。まだ当人は21歳だがその立場上
不本意ながら、お婆とよばれている。。。
#歴代その能力をもったものはそう呼ばれるしきたりらしい
25 名前:chimaira 投稿日:2002年08月25日(日)20時47分15秒
とりあえず今日のところはここまでです。
表現がつたないですが、今後もがんばって更新していきますので
みなさん、よろしくお願いします。
26 名前:名無しさん 投稿日:2002年08月26日(月)00時53分22秒
ミニモニですか!すごい楽しみです。
がんばってください!!
27 名前:名無し 投稿日:2002年08月26日(月)20時30分42秒
期待しちゃってもよいのかな〜♪
あと、登場人物は今後増える予定でしょうか…?
28 名前:chimaira 投稿日:2002年08月26日(月)21時38分35秒
レスありがとうございます。
>>26
結果的にミニモニ。の3人になってしまいましたが、ミカの登場予定ないです(苦笑)
期待していたらごめんなさい。

>>27
次の章でも何名か新たに登場予定です。だれが登場するかお楽しみに〜♪

しかし、表現が難しくてなかなか準備に四苦八苦してます。
なんとか週2、3回は更新できるようにがんばりますのでよろしくお願いします。>ALL
29 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時37分36秒

翌朝・・・

「やぐちさん、青龍のところまでどうやっていくのれすか?」

「あぁ、それなら私の飛竜においらとののがのって。。。
 あいぼん、悪いけど地上を馬でおっかけてきてくれるか」

「ま、しゃーないわな。ええで、それで」

「よし、これで決まったな。。。で馬はそこのなかから
 好きなの選んでいいよ、あいぼん。。。。で。。。」

ぴぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪

と指笛をならす矢口。
30 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時40分33秒
「首長、なにしたのれすか。」

「もうじきわかるって・・・」

”パオ〜〜〜〜〜〜〜〜ン”

「お、きたきた。。。」

バサッ、バサッ、と1匹の飛竜が現れた。

「なっち、ひさしぶり〜。今日もおいらを乗せてね」

「やぐっつあん、ひさしぶりだべ〜。たまには呼んでくれないと
 なっち、ぐれちゃうぞ(わらい)」

「「・・・・・・・・」」

矢口の指笛によばれて、なっちという飛竜があらわれた。
しかし、しゃべる飛竜を見て、絶句してるつじかごの2人。
31 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時44分40秒
「あれ、どうしたの。2人とも。」

「や、や、や、や、やぐちさん!な、なんで飛竜がしゃべってるんれすかっ?!」

さすがに、しゃべる飛竜を見て混乱しているのの。
だが、そんなこと気にもせず、さもあたりまえのように、

「そりゃ、なっちがやぐっつあんの友達だからだべさぁ」
と矢口は平然と答えるのでありました。

(答えになっとらへんやん。。。。)
あいぼんのその感想、もっともなことです。
32 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時48分27秒
「とにかくよろしくだべ」(ぺろ)

といってののの頬をなめるなっち。

「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜」
突然の出来事に、パニックになったののは、あいぼんの背中にまわりこみ
なにかさわいでます。

そこへ・・・

すぱ〜〜〜〜〜〜〜〜ん
「やかましいやっちゃ!おちつかんかい」

どこからともなく、ハリセンをとりだし、ののを張り倒すあいぼん。

「あいぼ〜ん。。。ハリセンはかんべんれす。。。。。(涙」

きびしいツッコミをうけて、涙目になるののでありました。
33 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時51分05秒
「はいはい、2人とも、それくらいにして。
 時間ないから、とっとと出発するよ。」
(しかし、あいぼん。。。そのハリセンどこから。。。。
 それにしてもこんな調子で本当に大丈夫かなぁ。。。。)

と、まぁ出発前にちょっとした騒動があったようですが、
矢口首長ご一行は、無事出発できたようです。
34 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時52分20秒
「のの。しっかりつかまってるんだよ」

「はいれす。」

当初の予定通り、飛竜なっちの背中には首長とののがのっているみたいですね。

「お〜い、やぐちさ〜ん。そんなとばさんといてぇなぁ〜。
 こっちは、なっちについていくだけで精一杯やねん。」

「あ、あいぼん。ごめ〜ん。でも、いそがなきゃいけないから
 がんばってついてきて」

「ちっ、しゃぁないなぁ」

あいぼんはこちらも、当初の予定通り馬でおいかけているようです。
35 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時55分31秒
空を飛ぶのになれてきて、ようやく落ち着いてきたころ
ののが首長に、なにげなく聞きました。

「ねぇ、やぐちさん。青龍のいるところまでって遠いのれすか?」

「えとねぇ〜、かるく1日半はかかるかな。この樹海をぬけて
 ずっといった北のはずれの渓谷にいるらしいからね。」

「そうなのれすか。。。。とおいれすね。」

「そうだね。だから、できるだけいそがないとね。」

(往復で3日。急がないといけないなぁ。。。祭りまであと5日もないし・・・・
 それに。。。青龍かぁ。。。どうやって相手すればいいか。。。)

なにかと悩みがつきない矢口であります。
36 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)20時59分52秒
〜〜〜〜〜〜とある地下室にて〜〜〜〜〜〜〜

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒髪の少女が、なにやら呪文を唱えて、水晶球にある光景を
映し出している。

「高橋!水晶球はなにか映し出したんか?」

「はい、ご主人様。とてもおもスろい光景をひとつ。」

「ほう。。。なんや」

「クインベリ村のこうるさい連中の神への捧げ物。。。
 今年は青龍の卵が選ばれたようでス。」

「青龍の卵やと!・・・・
 こざかしい。。。たかが人間の分際で、青龍を狩るだと。。。
 ほんま身のほどしらんやっちゃ。。。ふふふ。。。」

「ご主人様?」

(この手でじっくりひねりつぶしたるわ。。。)

37 名前:2.旅立ち 投稿日:2002年08月27日(火)21時03分04秒
”ぞくっ”
「うわっ!」

「ど、どうしたのれすか、やぐちさん?」

「あ、いや。。。なんか今思いっきり悪寒が。。。。」

「だいじょううれすか?」

「あぁ、大丈夫だよ」
(おっかしいなぁ。。。昨日は十分睡眠とったはずなんだけど。。。)

妙な気配を感じつつも、旅は続いていくのでありました。
38 名前:登場人物(?)紹介〜2〜 投稿日:2002年08月27日(火)21時09分49秒
なっち:クインベリー村の首長である矢口の大の友達の飛竜
    なっちの一族もまたクインベリー村の首長に代々つかえる飛竜の一族であり
    小さいころからよく遊び相手になっていた。
    大きさは大人が2人程度乗せることができるほどの大きさである。
    ただ、飛竜にしては珍しく人の言葉をしゃべることができるという特殊能力をもっている。
    そのため、飛竜の中でもプライドが高く、矢口を唯一の主人と認めて使えている。
    とはいえ、普段は村からやや離れた渓谷の中に生息している。
39 名前:chimaira 投稿日:2002年08月27日(火)21時14分56秒
今日のところはここまでです。

謎のご主人様と高橋の人物紹介はまた改めて。。。ということで。。。

なっちの登場の仕方にいろいろご意見あるかと思いますが、
飛竜にも個性をもたせようと考えた結果こうなっちゃいました。
ごめんなさ〜〜〜い。
40 名前:名無し 投稿日:2002年08月29日(木)16時51分01秒
なっちが変化の術を使えたら
常に矢口のそばにいられるのに。

と言ってみるテスト
41 名前:chimaira 投稿日:2002年08月30日(金)00時23分25秒
>>40
それは、考えなかったわけじゃないですが・・・(苦笑)
でも、人間くさい面をがんばって出していきたいと思ってますので
それでご勘弁ください。
42 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年08月30日(金)00時25分24秒

「やっぐっちさぁ〜〜〜〜ん。そろそろ夕飯にせぇへんかぁ〜」

「あ、、、そうだね。なっち、その先の開けたところにおろして。」

「わかったべさ」

「わ〜い、ごっはん。ごっはん。」

「だぁ、のの。降りかけてるときに暴れない!あぶないじゃない!」


日も傾きかけた夕刻、樹海の途中の開けた場所で矢口首長ご一行は
夕食をとることとなったのでした。

そして、食事もとりおわり、休憩をとっているところでのお話。。。
43 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年08月30日(金)00時26分49秒
「やぐちさぁ〜ん。まだまだ。。。。その。。。遠いのれすか?」

「そうだね。お婆からもらった地図によると、この先にある
 奇脳粉荘(きのこそう)付近の北の渓谷に住んでいるらしいんだよね。」

「奇脳粉荘?」
聞きなれない名前を聞いてののはきょとんとしている。

「あぁ。。。それならうちも昔旅をしているときに聞いたことあるで。
 奇脳粉荘って、あの館のあだ名とちゃうか、矢口さん」

「そうね。。。。かなり昔に滅んだ城だったかな?
 今でも誰か住んでいるらしいんだけど。。。」

「あのー、やぐちさん。。。なんで奇脳粉荘っていうのれすか?」

「のの。。。それはね・・・」
44 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年08月30日(金)00時27分49秒
”断崖絶壁の上に建てられた堅固な城・・・・
 
 そのまわりに、あらゆる種類のきのこが異常発生したことから
 きのこ荘とよばれるようになり・・・・

 およそ100年前、そのきのこ荘の近くで
 近隣の村の若者の変死体が発見された・・・

 見た目は特におかしくなかったのだが、その死体に一点だけ
 奇妙な点があった・・・・

 後頭部から脳を抜き取られ、また水分をすべて吸い取られた
 ような死体は・・・・

 触れるとまるで粉のように散ってしまった・・・・

 それ以来この館のことを人々は奇脳粉荘というようになった・・・”
45 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年08月30日(金)00時29分09秒

「いや〜〜〜〜〜、のの怖い話だいっきらい!!!
 暗くなってきてるのに、そんな話きかせないれくらさい」(涙

「ののったらこわがりやなぁ。。。。
 でも、その被害者。矢口さんと同じような
 みごとな金髪やったらしいで」

「そ。。。そういう変なこといわないれくらさい。。。
 あいぼんの意地悪!」(だきっ

と、ののは矢口首長にだきついて、あいぼんに文句をいってました。。。

「まぁ、まぁ、あいぼん。それくらいにしときなさい。
 ののも十分こわがってるし。。。
 それに、そろそろここをたたないと。。。」

「そやな、いそがへんと・・・」

「あぁ。。。夜になるまえに、樹海はぬけとかないとな・・・」

夜の樹海は特に危険だ。。。。
どんな魔獣がいつ何時おそってくるか分からない上
周りが木々に囲まれているためどっちから襲ってくるか
ほとんどつかめない。。。

「なっち、もうひとひとふんばりたのむよ」

「おうよ、なっちもうひとふんばりがんばるべさ」
46 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年08月30日(金)00時30分40秒
〜〜〜〜〜〜

ふふふ。。。

「ご主人様?」

「来おったでぇ〜。さぁて、どう料理しようか。。。。」

高橋が水晶球にうつしている矢口たちの姿をみて
ほくそえむ、謎の主人・・・

「ところでご主人様。いつまでこうスてればいいんです?」

「やかましぃ。うちがええいうまでにきまってるやろっ!」

「はっ、はいっ!」

ふふふ。。。。

ふふふ。。。

〜〜〜〜〜〜〜
47 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時18分42秒
「見えた!樹海の出口だ!」

矢口首長ご一行様、どうやら無事樹海は抜けたようです。
しかし、もうすでに回りはかなり暗くなってきていて、
これ以上すすむのは、難しそうです。

「なっち、そこに着地ね。」
「まかせるべさ」

「着地〜〜〜〜〜〜」ずささささ〜〜〜〜

樹海を抜けたすぐそばにある湖のほとりになっちが
着地し、あいぼんの到着をまつこととなりました。
48 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時20分07秒
「矢口さぁ〜〜〜ん」

「あいぼん、おつかれっ!」

「馬やから、ちょっと遅れるのはしゃあないねん。
 しかし、今日はここで野宿やな。」

「もう樹海の方は真っ暗れす。。。
 何もみえないれすね。。。。」

さて、ののが今まで来た道を気にしている間、
あいぼんは寝床をどうするか、周囲をあるいて
いろいろな確認作業をしてるようです。。。
49 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時21分16秒
「矢口さん、寝床どないします?木の上にでも確保しまっか?
 それとも。。。。」

「そうだなぁ。。。木の上だと、いざというとき動けないから、
 そこで火を焚きながら地上で寝たほうが、安全だと思うけど」

「そうやな。。。地上で火を焚きながら眠る方がよさそうやんな」

「で、寝ずの番は、おいらがやるよ。なっちのおかげで楽できたから
 少々寝なくても平気だからさ。」

「わかったで。。。すまへんなぁ。。。ま、途中でうちがかわるさかい
 途中までたのんます。お〜ぃ、のの〜〜〜〜。ねるで〜〜〜〜〜」

「あいぼん。。。そこみて。。。」

「Zzzzzz。。。。。。」

「なんや、もう寝取るんか!ま、おこちゃまはしゃぁない。
 ほなうちも寝るから、あとよろしゅうな。」

「はいはい、おやすみ」

あいぼんとののは、無事寝ついたようです。


(しかし、祭りまで残り4日。。。。
 無事、青龍を見つけれるといいのだけど。。。。)

首長さん。。。悩みの種は尽きないようです。
50 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時24分22秒
矢口が火を焚きつづけ、夜がかなり深まってきたことそれはおきました。





ヒューーーーーーーー




「ん?」



ズサン


「いっ!」
(なんだ!今の落下音は?!)


「やぐちさん?なんなん、今の音は?」

「あ、あいぼん。気にせず寝てな。おいらが見に行ってくる」

「Zzzzzz」

「はやっ!」

音に気づいて反応したものの、どうやらあいぼんは
寝ぼけて反応しただけだったようです。

・・・・
「仕方ない、いくか。。。。」
(しかし、まずいな・・・樹海の中か。。。)

こうして首長さんは謎の音の正体を確かめるために樹海の中へ
入っていくのでありました。
51 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時25分23秒
たいまつを左手にもち、音の正体を見極めるために樹海の中へ入っていく。
しかし、すこし入ったあたりでは、特に何も見当たらなかった。。。

「やぐちの気のせい・・・・?
 でも確かにこのあたりに何か落ちる音を聞いたんだよね。。。」

ガサッ

びくっ

「な。。。何か。。。いるの?」

と、その音がした木陰に近づこうとしたその時

「びぇ〜〜〜ん
  びえぇ〜〜〜ん
   びぇぇ〜〜〜ん」

ひっ!
「な。。。なんで子供の声が!?ばかな、、、
 こんな樹海で。。。。!」

突然の子供の泣き声らしきものに驚きつつも、
その声の方に向かった・・・
52 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時26分10秒
「こんな・・・・」

そして、その先に見たものは。。。。

「お。。。女の子?!」
(ばかな。。。。)

というような非常識な現実に向かい合って呆然としていると。。。

「ふぇっ。。。。。
  ま。。。
   ママァ〜〜〜〜〜〜〜〜
    ママァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     びぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
      びえぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

女の子が大きな声で泣き出してしまいました。


おっと、呆然としてる場合じゃないや。。。
「何も恐れなくてもいいんだよ。。。
 おいらはとって食べようなんてことはしないから。。。」
(とにかく今は、この子をあいぼん達のところまで
 つれていかなければ。。。)

「ふぇっ・・・」

「ほら、いいこだから。。。。」
やさしくその子を抱きしめる。。。。

「ママァ。。。。」(すぅ。。。。)
どうやら安心して眠ってしまったようだ。。。。

「よし、これでこの子の保護はできた。。。と。。。
 さて、もどるか・・・・」
(しかし、この子はいったいどこから。。。。)
53 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時27分58秒
「いいかげんにしてくらさい!!しゅ〜〜〜ちょ〜〜〜〜〜!!!!」

朝、日が昇り、矢口が夜見張っているときに樹海で子供を
拾ってきたのをしって、ののが大声で叫んだ。

「どこの世界に青龍狩りにこんな幼女つれてるバカがいるんれすかっ!
 いくらののでもおこるれす!!!」

「のの・・・そんな、バカって」

珍しくののに言われ放題の矢口。さらにこれで止まらずののは、

「しかも、夜中に樹海で拾った子なんて。。。。
 人間(ひと)の子やないのにきまってるれす。」

「のの!!!」

この発言にはさすがに怒った矢口。
54 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時28分50秒
矢口とののが大声でやり取りしてるのを聞いて、泣きそうになっていた
この子をあいぼんが優しく慰め、いろいろ様子を見てました。
そして、あいぼんが、あることに気づき、こういいます。

「のの、そりゃいいすぎや。気になるのはわかるけどなぁ。
 この娘。全く魔の者の匂いせぇへんで。悪いもんちゃうやろ。」

各地を旅してきたあいぼんは、魔力はもってませんが、魔の者を
嗅ぎ分けることができるのです。特殊な能力に思えますが、
あいぼんに言わせると「魔のにおいに敏感やないと、旅なんて
いくら命あってもたりへんで」ということらしい。

そのあいぼんにそういわれては、ののは引くしかなくなり・・・

「別にいいれすけど。。。。。」

ちょっといじけてしまいました。

2人の言い争いもおさまったことと、あいぼんに優しく抱きかかえられて
この子も機嫌がなおってきたようです。
55 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時29分50秒
「なぁ、お嬢ちゃん。自分の名前いえへんか?」
と優しく聞くあいぼん。

「・・・・?」

「まだ、いえへんか。。。」

「あ。。。え。。。こん・・・」

「ん?」

「こん・・・」

「こんこんっちゅうんか?」
とあいぼんがいうと、この子はふるふると首をふります。

「こんのあさみ!」

(なんか反応鈍いやっちゃなぁ)
「そか、こんのあさみっちゅうんか。うち加護亜依っちゅうねん。あいぼんって呼んでや」

「ぁ・・・あぃぼ〜ん」(だきっ)

(なんや、むっちゃかわいいやん)
とちょっとテレながら
「そ、、、そやな。。。こんのあさみって長いさかい、
 これから「こんこん」って呼ぶで。ええな。」

「うん」

うれしそうに答えます。
56 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時30分55秒
などとやり取りしているうちに、ののから解放された首長が
あいぼんのところまでやってきました。

「やぐちさん、はい。」

といって、こんこんを手渡します。

「こんこ〜ん。よしよし。」
と優しく抱き上げます。

「ところで、こんこん。どっから来たんや?」
と、あいぼんが聞くと・・・

(きょとん・・・・)
と目をぱちくりさせるだけのこんこん。

(なんや。。。またかいな。。。)
とあいぼんが思っていると、

「んとね。。。お空からおっこっちゃったの!」

「「「いぃっ!!!」」」

こんこんからの思わぬ答えに、頭パニック状態の3人。
そりゃ、そうですね。。。
どこから来たか分かればと思ってした質問に対して
「空から落ちてきた」なんて答え。普通だれも想像なんてしません。

3人がパニックしているのを知ってか知らずか、
こんこんは、ず〜っとにこにこしていた。
57 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時31分49秒
そして、3人の中でようやく落ち着きを取り戻した矢口が
こんこんへの質問を続けた。

「き、君は空から降ってきたというのか?」

「うん!わたし。。。まだ、空とべないからぁ」

「「「!?!?!?」」」

またも予期せぬ答えにパニくる3人。。。。。

でも、そこはさすが首長である矢口さん。すぐに気を取り直し・・・
(ま、、、確かに並の子じゃないようだね。)

「こんこん・・・」

「・・・・・はぃ」

「青龍の卵狩りを終えたら、君の村までおくってくよ。
 それまで寂しいかもしれないけど、
 やぐちたちがそばにいるから我慢してね。」

と優しく語り掛ける。
まんまるの目をぱちくりさせて、ちょっと間があいてから。。。

「うん。ひゅちょー、どわぁぃしゅきっ!」
矢口にそういわれて、安心したのかびったり抱きつくこんこん。

(わっ。やわらかくて、ふわふわだぁ。。。。
 ほんと、不思議な樹海の子・・・)
58 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時32分26秒
さて、ようやくパニックから立ち直ったあいぼんとのの。
まだなんとなく引っかかるものがあったようですが、
うれしそうに首長とたわむれるこんこんを見て、
「ま、いっか」と思ったようです。
ということで、一段落したところで、

「のの、おなかすいたれす。朝食にするれす!」

なにはともあれ、食欲の方が優先されるのはあいかわらず。

「首長。朝食は干し肉でいいかな〜」
「いいとも〜。なんちて。」
などと、めずらしくののとあいぼんがやりとりしてると、
それをくすくす笑いながら、ながめてます。

「あぁ、それでいいよ。ちょっとその辺、探索してくるから
 こんこんのことはよろしくね。」

「「あいあいさ〜」」

こんこんの面倒はあいぼんとののにまかせ、矢口は
周辺の探索にでかけたのでありました。
59 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時33分17秒
探索といっても、そう遠くまでいくこともできず
どちらかというと散策といったほうが正しかった。

樹海をぬけたとはいえ、まだまわりは木々の多い地帯。
目的地の影もみえず、さすがの矢口も心配になってきていた。

「よっ」


「ほっ」


遠くの様子を見るために、おもむろに手近な木に登る。
さすが小さいだけ身軽そうだ。


木の頂点まで登りつき、遠くを見渡すが、、、、
見えるのは、この木々の波をぬけて、その先に広がる平原。。。
はるかかなたに、稜線はかすかに見える程度であった。。。

60 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時33分52秒
「はぁ〜、けっこう北の渓谷まで近づいてるはずなんだけどなぁ。。。
 青龍の影すらつかめないよ〜。ようやく渓谷の影がみえる程度なんて。。。」

まだまだ先はながそうだな。。。と思っていると。。。


「きゃぁぁあああぁあああぁあぁああぁぁぁぁぁ」


「しゅちょ〜〜〜〜〜、こんこんが〜〜〜〜〜」

こんこんとののの叫び声が聞こえてきた。
叫び声が聞こえてきたほうを振りかえると。。。

「なっ! 青とかげ!
 なんでこんなところに。。。」
61 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時34分23秒
青とかげ:体長3mから大きいものになると6mくらいになる肉食恐竜
     イメージとしてはティラノザウルスの小型版。
     一説には青龍の魔力の影響をうけている魔物との話もある。
62 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時35分06秒

ふしゅ〜、ふしゅ〜

と不気味なはく息の音をたてている青とかげ。
そんな青とかげの右手にこんこんがつかまっている。

「ちっ。いまいくから」
急いで戻る矢口。

「このっ!くそとかげ野郎めっ!」
弓に矢をつがえ、ねらいを定めるあいぼん。。。


しゅっ



ばしっ!


ギャァアアアァァアァァ

あいぼんのはなった矢が、青とかげの目にささり、叫び声をあげる。
と、同時にその右手につかまえていたこんこんを、ぽろりと手放す。。。

「おっと」

急いで走りより、あいぼんは地面に落ちる前に、無事こんこんを捕まえた。

「ふぅ、あぶない、あぶない」
63 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時35分36秒
「あいぼん、よくやった。あとはおいらにまかせとけっ」

ようやく走ってもどってきた矢口。そのまま青とかげに走りよる。
片目を失い、暴れまわり、まわりの木々をなぎ倒している青とかげ。
その暴れまわしている手やしっぽをかわし、大きくジャンプ。
そして、背中を踏み台にし、青とかげの頭上高く飛んでいる矢口。

「くたばれ〜〜〜〜〜〜〜」

ズサッ!


ギャァァアアアアァアアァァァアアァア

眉間の急所に剣を突き刺し、矢口は一撃の元に青とかげを葬りさった。

64 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時36分19秒

「ハァ。。。。ハァ。。。。」
と息をきる矢口。

「こんこんは無事?」

「あ、はい。らいじょうぶれす。ところで、首長こそ、怪我ないれすか?」

「あぁ。大丈夫さ。ピンピンしてるよ。」

と、そこへこんこんを抱きかかえたあいぼんが話に加わった。

「いや〜、さすが矢口さん。急所を一撃なんてあいかわらず
 みごとの腕やんなぁ〜。」

「あいぼんこそ、見事な弓の腕じゃん。目を射抜くなんてさっ」
などとやりとりしている間に、こんこんは安心したのか、

「ふえっ。。。
  ふえ〜〜〜〜〜ん 
   ふえ〜〜〜〜〜〜ん
    ひゅちょ〜〜〜、ひゅちょ〜〜〜、だっこ〜〜〜〜」

泣き出して、矢口にだっこして〜とおねだりしてきました。

「あぁ。。。はいはい。大丈夫だったかぁ〜、こんこん。
 よしよし。もう大丈夫だからねぇ。」
 
「ふえぇ。。。ひゅちょ〜〜〜〜」
矢口にだっこされて、ご機嫌のこんこんなのでありました。
(う〜ん、すっかりなつかれてしまった。。。ポリポリ)
65 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時37分16秒
などと、さっきまでの騒動はどこへやら。ほのぼのした雰囲気がただよってます。
その一方・・・

「はぁ。。。のの、なんのお役にもたてなかったれす。。。
 たんなるうるさいだけの役立たずなんれそうか。。。」
首長のお世話役であり、白の魔法使いの末裔でありながら
今回なにもできなかったののはちょっと落ち込んでいるようです。

そんな様子に気がついたあいぼんは、
「どしたんや、能無し魔法つっかいぃ〜〜〜〜」
などと、意地悪くからかいはじめました。

「う、うるさーい。今回は油断してたらけれす!」
「や〜い、や〜い、能無し〜」
「うるさ、うるさい、うるさ〜〜〜〜い」

「あぁ!もう!2人ともいいかげんにしなさ〜い」


66 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時38分00秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ほう、なかなかやるやないか。あのこわっぱものが。」

高橋と呼ばれる少女が映し出す水晶球の光景を眺めながら
謎の主人が、そうつぶやいた。

「あの青とかげを倒すとはなぁ。。。。」
というつぶやきに対し、

「えぇ。。。本当に。。。。」
と静かに高橋が答えるのでありました。
67 名前:3.樹海の子 投稿日:2002年09月01日(日)14時38分39秒

「さ、時間もないことだし、そろそろいくよ〜」
「「あいあいさー」」

「あ、そうだ、のの」
「なんれすか?」
「ここからは、あいぼんの馬の後ろの乗せてもらって。
 この子もいっしょにつれていかなきゃいけないし、
 それに、のの高いとこ怖がってたし、いいよね。」
「はい、いいれすよ。でも、首長。
 無茶して先に行きすぎないれくらさいね」
「わかってるって。それじゃいくよ。なっち、よろしく〜」
「まかせるべさ。」

ということで、まだ影さえつかめぬ青龍をもとめて
さらなる北の地めざして旅がつづくのでありました。。。


68 名前:登場人物紹介〜3〜 投稿日:2002年09月01日(日)14時41分29秒
紺野あさ美(こんこん)
青龍の卵を求めて旅をしている途中の樹海で首長矢口が拾った女の子
一応見た目は3〜4歳。
お空から落っこちたとか、空を飛べないとか不思議なことをいっている。
まだまだいろんな秘密を持っていそうな女の子である。
69 名前:chimaira 投稿日:2002年09月01日(日)14時44分31秒
と、今日はここまで。
樹海に突然現れて拾われたこんこん。ってのは、どうなんでしょうね(笑)
まだまだ表現が安定しませんが、みなさんの感想とかいただけるとうれしいです。
70 名前:名無し 投稿日:2002年09月01日(日)16時04分56秒
矢口達が寝てる時は
なっちはどこにいるのでしょうか?
全然会話に入ってこないので
71 名前:chimaira 投稿日:2002年09月03日(火)18時27分39秒
>>70
は。。。鋭すぎるご指摘。。。(アセアセ
この場面登場予定を考えてませんでしたので、ごもっともな疑問かと。。。
以下のなっちへのインタビューでお許しください。
72 名前:chimaira 投稿日:2002年09月03日(火)18時41分18秒
というわけで、読者からのご質問に対して聞いていきましょう。
*こういう旅の時、なっちは夜どうすごしてるんですか?

「なっち、本当はやぐっちゃんの近くでいっしょに寝たいんだけど
 ちっちゃいころにね、村の長老さんたちややぐっちゃんの両親に
 懇願されたんだべさ。いっしょに寝るのは勘弁してって。当の
 やぐっちゃんもわんわん泣きやまなかったし・・・
 で、こういう旅の場合は空飛んでる時にみかけた、丘陵地の穴場で
 寝てます。やぐっちゃんに呼ばれたらすぐに駆けつけれるようにね。」

73 名前:chimaira 投稿日:2002年09月03日(火)18時42分14秒
*なんで、いっしょに寝れないんですか・・・
「えっと。。。それは。。。ちとはずかしいべ。
 実は、なっち寝てるときのいびきの音がうるさいらしいだべさ。
 (飛竜の)仲間たちの中にいるときは気が付かないけど、
 どうも人間たちにはうるさいってさ。特に子供は怖がって
 泣きやまなくなるし。。。やぐっちゃんも小さいころ
 なっちのいびき聞いて、泣き止まなかったことがあってね。。。
 なっち、やぐっちゃん泣かせたくなかったから、それ以来誓ったんだ。
 いつでもやぐっちゃんの近くにいるけど、泣かせるようなことしないって。
 だから寝るときは人知れず離れたところで寝るようにしてるんだべさ。」

*つまり、そうすることが、なっちの愛情ってことですね?
 「そうなんです」
74 名前:chimaira 投稿日:2002年09月03日(火)18時50分53秒
*でも、青とかげに襲われてるときもいませんでしたが。。。
「それは言わないで〜。なっちだって急いで駆けつけたんだよ。
 やぐっちゃんの叫び声が聞こえてすぐに・・・
 でも、もう駆けつけたときには片付いてたんだべさ。
 さすがやぐっちゃんって思ったよ。」

*なるほど。。。でこのあとすぐに旅だったんですね。
「そうです。でもまだまだ目的地まで遠そうなので
 なっち、まだまだかんばらないとね」

*そうですねがんばってください。
「あまり登場できないかもしれないけど、なっちの活躍
 みんな期待してね〜」

*以上なっちへのインタビューでした。
75 名前:chimaira 投稿日:2002年09月03日(火)18時53分10秒
と即興でつくってみました。つたないけどこんなものでいかがでしょう?

あと、なっちの大きさはどれくらいかと想定しているかというと
ファイアーエンブレムのドラゴンナイトが乗っている竜を若干大きくした程度
とご想像いただければと思います。
76 名前:70 投稿日:2002年09月03日(火)23時34分17秒
納得しました。
これからも頑張ってね。
77 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)20時59分55秒
朝から移動しつづけて、そろそろ日も傾き始めようとするころ
「やぐっちゃ〜〜〜ん、なんか見えてきたよ〜」

「ん〜、どっち〜」
 と、なっちにいわれて矢口が前方をみると、たしかになにか建物が
 見えてきた。こんな北のはずれにある建物といえば。。。

「あいぼ〜ん、のの〜。奇脳粉荘がみえてきたよ〜。」
 下を馬でついてきてる2人に声をかける。

「つうことは、あとすこしやな。よっしゃ、こっから
 一直線でええんはずやし、全速力でいくで〜」
と乗る馬のスピードをあげる。
78 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時01分23秒
樹海を抜けてきたとはいえ、まだところどころ木々の生い茂る森があり
地上を走る馬の行く手をはばみ、思ったようなスピードが出せない。
そして、奇脳粉荘の手前最後の森に到達したとき、矢口があいぼん達に
声をかけた。

「これが、最後の森だよ。なっちで先に様子みてくるから、
 あとで、森を抜けたところで合流ねぇ〜」

「りょーかーい」
と返事をして、あいぼんとののを乗せた馬は森の中につっこんでいった。
 
「さ〜て、こっちもいくよ」
「はいだべさ〜」
となっちがスピードをあげて、いっきに最後の森を飛び越える。
当然森を抜けなきゃならいあいぼんたちが到着するまでまだまだ時間がある。

「ということで、あいぼん達くるまで、このあたりちょっと見まわるよ」
「なにが、『ということで』なんだべさ〜」
などとやりとりしつつ、周辺を調べはじめた。
79 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時02分23秒
「うわ〜、すっげー断崖絶壁。こんな上にどうやって城つくったんだ?」
「ほんとだべ。どうやってつくったんだろうね。」

と矢口となっちがやりとりしているところに、こんこんが話し掛けてきた。

「ひゅちょ〜、ひゅちょ〜。」
「ん、こんこん。どうしたの?」
「んとね、あの城とおーい昔に魔力によってつくられたって、ママがいってたよ〜」
「?!?!」
と、そういうこんこんを不思議そうに思いながら、笑顔で答える。

「そうなの?こんこんってよく知ってるね〜」
といいながら頭をなでる。
「えへへ。。。ひゅちょ〜」
頭をなでられて、こんこんはうれしそうだった。


その後周辺をうかがうが、その感想といえば。。。
「本当にうわさどおり、あたり一面きのこだらけだねぇ〜。なんでここだけ
 こうなんてるんだろうね。」
「ほんと、なっちもこんなの始めてみるよ〜。」
80 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時03分12秒
「やぐちさ〜ん、ついたで〜」
「やぐちさ〜ん、どこれすかぁ〜」

と、森を抜けてようやくこのあたり一面きのこだらけの場所にたどり着いた
2人が大きな声で呼んできたので、周辺をうかがうのをやめて、合流をした。

「やっと来たね。」
「ほんま、やっとついたで。」
「ののつかれたれす〜」

無事合流できて、これから先まだまだいろんな難関がひかえているわりに
緊張感のない会話がかわされる。

「あれ、あいぼん。馬はどうしたの?」

「あぁ、森抜ける少し手前でとても馬では通れんようになってたんで
 適当なところにつないできたわ。」

「あ、そうなんだ。。。。じゃぁ、なっち」

「ん、なに?やぐっつあん」

「なっち。ここまでありがとね。お婆の地図だと目的地まですぐのはずだから
 森の付近でくつろいでて。っていうか馬の近くにいて守っててあげてね。
 また、帰るときに呼ぶから、その時はお願いね。」

「そだね。。。なっちは戦えないしね。うん、わかった。
 でもね、やぐっつあん。なにかあったらすぐになっち呼ぶんだよ。すぐにかけつけるから。」

そう言い残して、なっちは森の中へ消えていった。。。
81 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時06分17秒
「しっかし、このキノコの大群っちゅうもの、気味悪いな〜」
「そうれすか?おいしそうれすよ。」
あいぼんの感想に対し、ののがあいかわらずの反応をすると、

スパ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン

どこからともなくハリセンをとりだし、ののをはたき倒すあいぼん。

「あいかわらず食い意地はったやっちゃなぁ。
 青龍の住み処に近づいてるっちゅうに、緊張感なさすぎやで、のの」
「あいぼん、ハリセンはやめてくらさい、ハリセンは」
(おいらは、あいぼんがどこからともなく取り出すハリセンが不思議だよ)
などと相変わらずのやり取りをしていると。。。

「ぷはははははっ」
と4人以外の笑い声が聞こえてきた。
82 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時07分17秒
その声に気づき、緊張感の走る3人。慌ててその声の聞こえた方を見る。
そして、そこに見たものは、黒くて長い髪、黒い瞳に、黒のドレス。
黒いマントに黒の手袋をはめた全身黒ずくめのかわいらしい少女であった。

「これは失礼いたスまスた。
 ・・・・ようこそ・・・・奇脳粉荘へ・・・・
 旅の方々、お泊まりになられまスか?」
と、この少女が話し掛けてきたのだが、

(なんか、むっちゃあやしいんだけど?)
(なんで、こんなところに、こんな少女がいるんや?)
(はぁ〜、とってもきれいなひとれすねぇ〜)
(ひゅ〜ちょ〜、だっこ〜)
なんかそれぞれ別のこと考えているようであった。
83 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時08分56秒
4人がなにも、反応ない様子をみて、その少女がさらに口を開いた。
「あ、これは失礼しまスた。まだ、名前を名乗ってませんでしたね。
 私、高橋愛っていいます。」

と、その少女が名乗ったところで、ようやく正気を取り戻したようだ。
「いえ、こちらこそ。私は矢口真里といいます。こちらの
 2人は旅の仲間の加護亜依と辻希美です。」
「加護です」
「辻れす」
と2人が続いた。
「で、この抱えてる子はこんちゃんです」
と紹介した。
84 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時10分04秒
「ところで、奇脳粉荘はいまは旅館かなにかなんですか?」
続けて矢口が聞くと、高橋はそれに・・・

「いいえ・・・さるお方の別荘です。この辺には宿もございませんので
 お招きするよう、ご主人様がおっしゃったのです。」

「それはどうもご親切に。」
(なんかむっちゃあやしいんだけど・・・)
などと矢口が考えていると

「野宿は大変危のうございまスてよ。もう夕暮れ時・・・
 どうぞご遠慮なさらずにいらスてくださませ。」

ここいわれると、さすがの矢口も。
(こんこんもいるし。。。ここは、せっかくだし、この申し出うけるしかないか。。。)

「せっかくですので、その申し出ありがたくお受けいたします。高橋さん。」


「それでは、ついてきてください」
と高橋という少女はいい、4人は奇脳粉荘へ入っていくのでした。
85 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時12分09秒
〜奇脳粉荘内部にて〜

「うひゃ〜、館の中まできのこはえてるやんか〜」
館に入ったとき、あいぼんが思ったことはこの一言につきた。

館の中は広く4人はしずかに、高橋のあとをついていき、
館の奥に位置する広い客間に通された。

「どうぞ、こちらの部屋になります。ご主人様を呼んで
 まいりますので、それまでごゆるりとお過ごしください。」

といいのこし、扉を閉めて高橋はひとまず退室した。
86 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時12分58秒
「つかれたのれす〜」
とさっそくベットに倒れこむのの。

「なんや。もうダウンか、のの?」
「ふみ〜」

「それはそうと、矢口さん。なんでこの申し出うけたん?
 むっちゃあやしいやん。空気も重いし。。。」
奇脳粉荘周辺にきてから、まとわりつく魔の感じをずっと
受けてたあいぼんは、ここにきてその感覚が鈍りつつあったが
やはりなにかを感じているようであった。

「ん〜、そう思ったんだけどさ〜、あれだけ丁寧にいわれて
 なんか断りにくかったし、それにこんこんもいるじゃん?
 さすがに、私ら3人やったら断ったかもしれんけど
 こんこんいたから、まぁ、丁度いいかなって思ってさ」
「そやな。こんこんいるもんな。そう考えれば、ちょうどいいかもな」

矢口もあいぼんも、あの高橋という少女が現れてからずっと疑問に思ってたことを
お互いに口に出して話したことによって、なんとなくすっきりしたみたいです。
(ま、ここら一帯があやしいから、その空気が全体しめてるみたいなもんやろ)
87 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時16分34秒
「ひゅちょ〜、だっこ〜」
「はいはい、わかったよ、こんこん」
といってちょうどこんこんを抱きあげた時

”とんとん”
「あ、はい」
扉をたたく音が聞こえ、返事をすると、さきほど案内をしてくれた
高橋と、もう1人貫禄のある女性がはいってきた。

ベットでよこになってたののもおきあがり、矢口はこんこんを
あいぼんにあずけ、2人を出迎えた。
88 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時17分04秒
「ようこそ、ご客人。私がここの主、中澤裕子と申す。
 なにもないところであるが、心置きなく好きなだけ滞在するがよい」
その姿にまけずおとらない貫禄の物腰でその女性はそう話し掛けてきた。

「クインベリー村の矢口真里と申します。
 今回のこのような申し出、まことにありがたく存知あげます。
 お言葉に甘えて、しばらくお世話になります。。」
(しかし、めずらしいなぁ。。。青銀色の髪って)

(なんかお互い堅苦しい挨拶かわしとんなぁ。ってこの際しゃぁないか。
 矢口さんも、立場っちゅうもんあるさかいなぁ。)
2人のやりとりをそのように眺めてるあいぼんであった。
89 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時17分46秒
「ところで矢口殿。この度はどんな御用で、こんな辺境までいらしたのですか?」
「実は青龍の卵を探して・・・北の渓谷に住んでると聞いているので
 ここまで探しにまいりました。」
「ほう。。。青龍とな・・・」

そう聞いた中澤は、その部屋の入り口から一番遠い窓まで歩いていき
外をかるく指さして、矢口たちにこう告げた。

「この窓から見るか・・・お客人。北の渓谷の全貌が窺える」

そう、この奇脳粉荘の北側に目的の渓谷が広がっていたのである。
反対側から来た矢口達は、それにいままで気がついていなかった。

そして進められるままに、窓から渓谷を眺めて、その様子を窺った。

木が1本もはえず、岩肌が剥き出しになり、なにも生き物が
すんでいなさそうな渓谷がそこには広がっていた。。。
90 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時18分32秒
「すごい・・・渓谷だ・・・」
「こりゃ一筋縄じゃいかんなぁ」
「こんなところに青龍は住んでるのれすか?」
3人それぞれにつぶやいた・・・

「この渓谷に青龍はつがいで住んでおる・・・あの中央の奥の山を見よ」
と渓谷内のやや奥目に他より少し高い山を指して話をつづける。

「あそこに見えるほら穴にオスが卵を温めている。。。だが、
 メスが卵を産んだあと、あの通りいつでも旋回して
 見張っているのだ。」

と説明をうけた先をよくみると確かに、龍が山のまわりを飛んでいた。
ここから見た目だけだと、なっちよりやや小さめか?という感じを
うけるが、距離とかを考えると、実際はなっちより数倍〜10倍くらいの
大きさになるんじゃないのか?と矢口はそう考え、無意識のうちに
ゴクッと息をのんだ。。。。

(メス龍に尻をしかれてるなんて青龍はかかか殿下なのれすかねぇ)
などととぼけたことを考えているののであった。。。
91 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時19分19秒
「お客人・・・あのほら穴に登るまでに、龍に頭から喰われるのがオチやな。
 まぁ、無理せずに帰られた方がいいのではないか?」
とこの館の主人が告げた。

「ばっかでか龍やな〜。あんなんどうすんねんや。矢口さん。」
「ほんとどうしよっか。。。」
(青銀色の魔物。。。こりゃ真剣に策ねらんといかんな。。。
 さてどうしようか。。。)

92 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時20分01秒
ほう・・・
「この美しい金の髪は本物か?お客人・・・」
青龍をどうしようか、矢口が悩んでるところに、この館の主人
中澤が近づいてきて、突然その髪をなでながら、そうつぶやいた。

(えっ・・・)
「あ。。。はいっ・・・地毛ですけど・・・・」
突然のことに、とまどいながら、その手を振り解いて
あわてて離れる矢口。

(ん〜、むっちゃかわいいわぁ)
それでも続ける中澤。
「ん〜、めっちゃ魅力的やわ〜」(だきっ)

(だぁ〜)
ぶんぶんと両手をふりまわし、離れようとする矢口。
「矢口さんになにすんねん。われぇ。」
「うちの首長になにをするんれすかぁ。」

右からののが、左からあいぼんが矢口の腕をとり、中澤から引き離す。
93 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月06日(金)21時21分04秒
(まったく、ご主人様ったら、困ったものでスね。。。。。。
 。。。ん?この感じは。。。。。)
周囲からなにか違う匂いを感じ周囲を窺う高橋。
そして、その元を見つけた・・・・
(まさか・・・あのののとか呼ばれてい者・・・)


そんな風に見られているとは露知らず、
「うちらの首長さんに変な病気がうつったらどうするのれすかぁ〜」
などといいながら、矢口の腕につかまっているのでありました。
94 名前:chimaira 投稿日:2002年09月06日(金)21時23分07秒
今日のところはここまで。
やっと裕ちゃんと愛ちゃんを登場させることができました。
ほっと一安心です。
95 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月07日(土)17時06分18秒
はじめてよみました〜
楽しいお話しで・・・。
頑張ってください
96 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時50分22秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
矢口たちの部屋を去った後、別室にて・・・

「ご機嫌でスね、ご主人様」
「ふっふっふ・・・こうまで事がうまく運ぶとは思わなんだわ・・・
 青龍を狙う奴らをここにおびき寄せてみれば・・・・
 見たか?あの見事な金髪を・・・」
「えぇ・・・100年前のあの若者に勝るとも劣らず・・・」

と、不穏な会話を交わす中澤と高橋。



そう。。。それはちょうど100年前。。。
近隣の村から美しい金髪の若者を連れ去り。。。
その生き血を吸い尽くし、脳髄を食べた。。。
100年に一度美しい金の髪の若者を食べる。。。
それを繰り返すことにより魔に生きる私は何世紀も生き長らえる。。。
そして今日は、その獲物が自ら飛び込んできてくれたわけだ。。。
97 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時51分01秒
などと、中澤が思いにふけっていると・・・

「あのー、物思いにふけっているところ、もうスわけないんでスけど。。。」
と高橋がおずおずと話かけてきた。

「ん、なんや?」
「あの、ののっていう者。。。なにか匂うんでスけど。。。」
「匂う?あの舌ったらずのチビか、高橋よ」
「白の魔法使い特有の匂いを感じるのでス。といっても黒の魔法使いである
 私に気付きもスないほどの、未熟ものでスが。。。
 黒と白は相反するものゆえ、ご注意されたほうが。。。」
「そやな、用心にこしたことはないわな・・・」

2人の怪しい会話は続くのでありました。。。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
98 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時51分37秒
そのころ、矢口たちのいる部屋では・・・

「のののんのんのんのん、なにぬねのー。しろのかみがみのなにおいて〜、でるのれす〜」

”ボンッ”

とそこに現れたのは・・・・

“ぶたのまるやき”

どうやら魔法で夕食となるものを出していたようです。

(ま、いいけどね・・・)
矢口さん、あきれているようです。
「うぁ〜。すごい、すごい〜」
こんこんは素直に歓心しています。

「あたりまえれす。ののは白のまほうつかいのちょっけいなのれすから」
喜ぶこんこんをみて、自慢げにいうのの。

「食いもんだすだけは、りっぱやなぁ〜、のの。」
と窓から北の渓谷を眺めていたあいぼんがいやみを放つ。

「ふん!いまにみてるのれす。とびきりじょうとうのまほうつかいに
 なってみせるのれす」
と、あいぼんのいやみに、ちょっといじけながらもそう答えるののでありました。
99 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時52分16秒
そんなののはほっといて。。。という感じで、外を見ながらふと気付いたことを
あいぼんが語りはじめました。
「ねぇ、矢口さん。あのメス龍なんやけどな。。。」
「なにか様子でも変わったのかい?」
「いや、そうやないんやけど、片時もほら穴から離れようとしないんや。」
「片時も?」
「あぁ。。。疲れるっちゅうこと知らへんとちゃうか〜。
 ほんま、化け物ってああいうやつをいうんやなぁ。」
「メス龍をなんとかしない限り手がだせないな。。。。」
とあいぼんにいわれて、改めて思う矢口でありました。

『お客人・・・あのほら穴に登るまでに、龍に頭から喰われるのがオチやな。』

ここの主人、中澤にいわれた言葉が脳裏をよぎる。。。。

「あぁ、もう。。。ほんとにやっかいな奴だ。祭りまであと3日だというのに。。。」
100 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時53分52秒
「ひゅちょー、ひゅちょー」
そんな悩んでる矢口のところに、こんこんがなにやら話したそうによってきました。

「ん?なんだい。こんこん。」
「あのですね、青龍っていうのは、メス龍はおっきいんですけど、
 ちっこくてかわいいんですよ。だから、メス龍に頭があがらないんですけどね。
 っていうことをママがいってました。」

”なっ!”
「こんこん?」
突然の話に、矢口は困惑し、あいぼんは不思議そうにこんこんを見つめた。
ちなみに、ののはすでに眠たそうにして、話をしっかり聞いていない。

「ほんとですぅ。こんののママ、なんでもしってるんですからぁ。」
「うん、わかったよ。こんちゃん。この話は真実ならとても
 すてきな情報だよ。」
すてきな情報をくれたこんこんをその胸の中にだきしめる矢口。
そのなかにこんこんはうれしそうにうずくまった。
101 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時54分29秒
(となれば、手ごわいのはメス龍だけってことか。。。)

「矢口さん。うちもそういやそういう話をお婆から聞いたことあるで。
 それに・・・」
「それに・・・?」
「こんこんは、樹海の子やんか。本当にうちらの知らんことを知ってても
 不思議はないっちゅうこっちゃ。信じてもいいんちゃうか?」
「そだね、あいぼん。となると、問題はあの旋回している龍のみってことか。
 ・・・うん、よし。となれば、明日起きてから龍の様子を見ながら
 どうしようか考えよう。今日はもう休んで明日にそなえるか。」

手前のベットに矢口とこんこん。奥のベットにののとあいぼんが
いっしょに寝ることとなりました。
そうして矢口さん一行は、早々とベットに眠るのでありました。
102 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時55分52秒
〜〜〜〜〜〜〜
そして、深夜・・・・

「およびでしょうか、ご主人様」

「来たか、高橋。。。
 あの金の髪の娘。早々に料理してまうで。
 奴らが青龍を狩りに動き出す前にカタつけたほうが、手を煩わさずに
 ケリつくさかいに・・・」

「わかりまスた。では、今晩中に・・・・」

「うちは食堂でまってるさかい、はやめにたのむで」

〜〜〜〜〜〜〜〜
103 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時56分32秒
高橋の部屋にて・・・

高橋が水晶球をつかって、矢口たちの部屋を見ている。
「よく眠っているようね。さてとりかかりまスか。」
そして呪文を唱え始めた・・・
○▽◇▲●□▼◆§※川’ー’川◎●◆▽∵◎・・・
《さぁ、あなたは、もう呪縛のとりこ・・・
 クインベリー村の首長矢口真里よ・・・
 かわいい私の僕よ・・・起きなさい・・・》

高橋の唱える呪文により、矢口の周りを黒いもやが覆う。
そのとき、お婆から預かった首飾りがそのもやに反応し
徐々に光始めた・・・

「なっ、白の守りか。。。こざかしい。。。はっ!」
高橋の一括で首からかけていた守りの鎖がきれ、ぽとりとおちる。

「よス、あとは・・・・」
○▽◎●◆▽∵川’ー’川◇▲●◎□▼◆§※・・・
《さぁ、起きなさい・・・いらっしゃい。。。真里・・・
 私の声のするほうへ・・・そう、そのまま・・・そのまま・・》

高橋の呪力にとらわれた矢口は無意識のまま起きあがり
歩き出し、部屋をでていく。。。
そして、その声に誘われるまま、ある部屋まで行くのであった・・・
104 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時57分26秒
んん!?
「なんれすか。この妖気は・・・」
なにか今までに感じたことのない妖気を感じ取り
他より先に寝ていたののが、寝ぼけ眼でむくりと起きあがった。
そして、この妖気をさらに感じとりつつあった。。。

(なんれすか。。。これ。。。あたりに漂う重くて冷たい感じは・・・)

”黒魔法の匂いれす”

そう自分の中でたどり着いたとき、いままで寝ぼけていた頭が
すっきり晴れ渡り、とっさに声をだしあいぼんをたたき起こした。

「あいぼん、起きるのれす。」
「・・・ぁ。なんやねん、のの。」
さすがにたたき起こされたあいぼん。。。
こちらも半分寝ぼけながら機嫌悪そうに答えていたが
次のののの台詞で、こっちも目を一気に覚ました。
105 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時58分37秒
「黒魔法の匂いをびんびんかんじるのれす!
 ののでさえ感じる強烈なやつなのれす!」

「なんやて!」

「わかんないのれすか?!危険だっていってるのれす!」

いままで見たことないのののいいっぷりを見て、あわてて
矢口たちのベットの方を向き、あいぼんは声をかけようとしたが。。。

「矢。。。って、矢口さんおらへんやんか!」

そう、そこにいるはずの矢口がおらずこんこんが1人で寝ているだけであった。
106 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時59分16秒
だがそのベットにある光るものが。。。

「これ、矢口さんがお婆から預かったお守りれす。なんか光ってるのれす・・・
 って、これが反応したから、ののでも気がついたの。。。かなぁ。。。(しゅん)」

矢口がお婆からうけとった、お守り。それは黒の魔法から身を守るために
白の魔力を帯びていたのである。そのため、黒の魔法に反応し、それを破るために
より強い黒の魔法が使われ、それによりののにもわかるくらいの黒魔法の
気配を残したのである。

「こら、のの。へこんでる場合ちゃうで。そのお守りもてば、多少役立つんちゃう?
 それで矢口さんのあと追うで。」
「は。。。はいれす。」

と、お守りを手に取り、急ぎ部屋を飛び出しあとを追いかけていく2人であった。


107 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)22時59分46秒
〜〜〜〜〜
その頃・・・

「うわぁ、なんじゃこりゃ〜〜〜〜〜」
矢口は正気にもどり、気付いてみれば、椅子にいばらの蔓で
しばりつけられていた。

「な、なんのつもりだ!?こら!はなせってんだいっ」

「ふふふ・・・うるさいこと・・・
 ご主人様があなたを食べたいとおっしゃるのよ。
 おとなスくスてな。」

なんとかふりほどこうと暴れる矢口を不適な笑みを浮かべて
見つめている高橋。

「あなたのような金の髪の美スい若者の血と脳髄が
 あのお方に100年の命を与えてくれるわ。
 さぁ、そろそろ覚悟はいいかスら・・・・」
そして呪文を唱えはじめる。

◎△◇×○◆▼・・・

(くそっ、こんなところで・・・・)
108 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)23時00分25秒
ともうすぐ呪文が完成するかというところで

バン!

「「首長!」」

扉を叩き開け、あいぼんとののの2人が部屋へ雪崩れこんできた。

(なにっ)
突然の乱入者に驚き、呪文が止まる。

「首長!その人黒の魔法使いれす。闇の女れす!」
と叫ぶののに対し

「えぇぃしゃらくさい!石になっておスまい」
と振り向きざまに指先から光をほとばしらせ、石化の呪文を投げつける高橋。
109 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)23時01分29秒
「ひっさつ!呪文かえしれす!」
どこからともなく鏡を取り出し、高橋から放たれた石化の呪文を
ののははじき返す。

「げっ」
かちっ〜〜〜〜ん

ののの呪文返しが決まり、石になったのは呪文を放った高橋のほうであった。

(のの。。。その鏡いったいどこから。。。
 それに、呪文かえしに鏡って。。。せこい手つかうんやな・・・)

「今れす。早く逃げましょう。首長。」
魔法で絡まっていたいばらの蔓をはずし、ののがそういって、走り出す。
「こんこんはうちがつれてくるさかい、矢口さんは先にいってや」
「うん。わかった。」

そうして、4人は奇脳粉荘からの脱出をはたした。
110 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)23時02分13秒
そして奇脳粉荘からやや離れた北の渓谷との間の森の中にて。。。

「はぁ〜。ここまでこれば、ひと安心かな。しかし、魔女とはねぇ。
 あいぼん、のの、さっきは助かったよ。」
「当然のことをしたまれれす」
「さすがに、こういう展開とは読めんかったけどなぁ」

はぁはぁ肩で息をしながら、奇脳粉荘からの無事脱出し
そう会話を交わす3人。

そして、やや落ち着いてきた頃
「しっかし、のの。あんな鏡どこからだしてんねん。
 体よりでかかったんちゃうか?」

さきほどの呪文返しにつかった鏡にたいしての疑問をののにぶつけた。

「そういうあいぼんこそ、いつもどこからともなくハリセンとりだして
 ののの頭はたくじゃないれすか〜」
「うちのはほんの身だしなみやん。ののの鏡にくらべたらささいなこっちゃで」

「だぁ、2人ともやめやめ。矢口も気になるけどそれぞれの持ち技ってことでしょ」
なんかだんだん低次元ないい争いになってきそうだったので
矢口は2人をとめた。
111 名前:4.奇脳粉荘 投稿日:2002年09月09日(月)23時03分26秒
「ひゅちょ〜」
「ん?こんこん。よしよし。」
おさまったところで、こんこんが甘えてきたので、
矢口はこんこんを懐に抱きかかえ、つぶやいた。

「こうなった以上、野宿のほうが安全だね。しかし、前途多難だ・・・」

そう、魔女の手から逃れたとはいえ、当面の問題、青龍の卵をどう入手するか
という問題は手付かずのままのこっているのであった。
112 名前:登場人物紹介〜4〜 投稿日:2002年09月09日(月)23時11分44秒
中澤裕子:奇脳粉荘の主人。別荘ということは本当の住み処はどこ?
     黒の魔法使いである高橋が仕えているということはそれ以上の魔の者であるということは間違いない。
     また金の髪の若者を100年に1度食べることにより何百年も生きつづけているという魔物でもある。
     が、当然矢口たちは、そこまでのことは気がついていない。

高橋 愛:中澤につかえる黒の魔法使い。こちらも100年以上生きつづけている魔の者。
     ただ、どうしてもなまりがぬけず、それをネタにいじめつづけられていたりする。
     しかし、その外見に似合わずののなんかと比べ物にならない魔力をもっている。
113 名前:chimaira 投稿日:2002年09月09日(月)23時13分34秒
ということで、今日はここまでの更新です。
なんとか次回でこの話は終わればなぁ〜という感じで準備すすめてます。
最後までよろしくお願いいたします。
114 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時11分09秒
奇脳粉荘を脱出してから、あいぼんはずっと青龍の様子を見てました。

「なぁ、矢口さん。青龍のやつ、こんな真夜中でも旋回してるやんか。
 朝も、昼も、夜も。。。こりゃ普通やないで。」

「確かにそうだね。」
矢口もその意見に同調する。

「でもな、矢口さん。もう1つ気付いたことあんねん。」
「ん?なに?」
「あんな、ずっと見てて気づいたんやけど、奴の飛ぶ飛行航路って
 ずっといっしょやねん。それも怖いくらい狂わんとな・・・」
「そんなバカな!?」

あいぼんからそう言われ、首をかしげる矢口。
115 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時12分00秒
そこで、なにかを感じ取ったか、ののが呪文を唱え始めた。

”エマタイクスヲニクミエマタメガアヲヨミヨミカガラレワスマシマニンテ”
「のの、なんかみえる?」
「ちょっとしずかにしててくらさい」
あいぼんからの問いかけに、ののは軽く答え呪文をつづけた。

”イサナセミニシタワヲテベスノノモノクオトノア”
そう呪文をとなえつづけると、飛んでいる龍の様子が
ののの脳裏に浮かんでくる。そしてそこに見えたのは。。。

「やぐちさん。あの龍には黒魔法がかかってるのれす。
 あの龍の首に黒魔法の標がみえるのれす。」

「黒の魔法が?」

「まぁ、そやろうな。餌をずっとくわんと、長いこと
 飛べるわけあらへんわな。」

ののからの報告をうけて、首長とあいぼんはそう答える。
さらに、そこでふと思いついたことをあいぼんが口にした。
116 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時13分52秒
「なぁ、のの。青龍そっくりなもんつくって、それを生きているように
 飛ばすことって、黒魔法で可能なんか?」

「黒だけじゃなく、白魔法でも可能れすよ」

(あっ!)
このやり取りで首長も気がついた。。。。

「あそこに飛んでる龍はダミーだってことか・・・あいぼん・・・」

「10中8,9そうやと思うで。水素かなんかで浮かせて
 魔力で飛ばしてる風船みたいなもんやないかって、うちは思うんやけど。
 生きてるんなら、腹もへるやろうし休みもするんちゃうか?それに
 卵の様子をうかがって穴へ入ってもいいはずちゃう?」

”ダミー・・・”
そう考える矢口の脳裏に奇脳粉荘の中でこんこんが教えてくれたことが思い浮かぶ。

『あのですね、青龍っていうのは、メス龍はおっきいんですけど、
 ちっこくてかわいいんですよ。だから、メス龍に頭があがらないんですけどね。
 っていうことをママがいってました。』

そして、矢口の腹は決まった。
117 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時14分43秒
”ピィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜”
まず矢口はなっちを呼ぶ指笛を吹き、そしてこうつづけた。

「あいぼん。」
「あいよっ」
「善は急げだ。試してみる価値がある。あいぼんとののの2人で
 あの龍を破裂させてくれ。風船の龍ならあいぼんの弓で
 割ることできるだろうから。」
腹をきめると矢口の決断は早い。そうつげすぐに行動に移ろうとする。
118 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時17分03秒
その反面・・・
「あいぼんの弓に白魔法の力くわえれば、この距離でもとどくだろうけど・・・
 のの・・・自信ないれす。。。。」(ぐす)

「のの、大丈夫やって。仮にも白の魔法使いの直系やんか。
 もっと自信もち。」
自信なさげのののを見て頭をなでて慰めながら、あいぼんはこうつげた。
そんなやり取りをみて安心したか、矢口は
「じゃぁあとは頼んだ」
「頼んだ・・・って、矢口さんは?」
119 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時19分00秒
”ぱぉ〜〜〜〜〜ん”
「やぐっちゃん。こんな夜中になっち呼ぶなんてなにかあった?」 

「おいらはなっちの乗って一気にほら穴を襲撃。卵を取ってくる。」
「へ?なっち、なんのことかわらんないんだけど・・・」

夜中にいきなり呼ばれるは、状況がまったくわかってないなっちに
矢口はいままでのことを簡単に説明した。

「なるほど。ってことは、なっちはあの北の渓谷のほら穴まで
 一気に飛んでいけばいいんだね。まかせなさい。」
「よし、それじゃいくぞ!」
なっちへの説明もおわり、行こうとしたその時

「ひゅちょ〜〜〜〜〜〜(涙)」
涙ぐんだこんこんが矢口の服のすそをつかんできた。

「こんちゃん・・・大丈夫だよ。すぐに戻ってくるから
 ここであいぼんたちといっしょにいてね。」
こんこんをあやし、おでこに優しく”Chu”とキスをした。

首長に優しくあやされ、こんこんはおとなしくなり、その場に
ちょこんと座りこんだ。

「よ〜し、作戦開始!」
「「「がんばっていきま〜〜〜〜っしょい」」」
120 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時20分24秒
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

▼■○▽×川’ー’川◆◎◇△・・・・

「だぁ〜、やっと石化が解けたぁ。あのこわっぱども、
 しゃらくさいことスてくれるやないの!!
 ・・・あぁ、苦しかった・・・(ぜぃぜぃ)」

ののの呪文返しをくらって逆に石になってしまっていた高橋。
しかし、そこは長年生きぬいてきた黒の魔法使い。
自分の魔法に完全にかかることなく、石化の呪文を解呪したのであった。

だが、魔法が解けたからといってのんびりしているわけにはいかない。
「蘇生に時間かかりスぎたわ。早くご主人様にお知らせスなければ・・・」

部屋をとびだし、ご主人様の元へ・・・

”バンッ”

「ご主人様っ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
121 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時21分49秒
「のの。用意はええか?」
「ちょっとまってくらさいね。」
といって深呼吸をする、のの。

「よし、いくのれす。」
”エマタイクスヲニクミエマタメガアヲヨミヨミカガラレワスマシマニンテ”
ののは、呪文を唱え始める

あいぼんは弓を引き狙いを定め始める。
(くそっ、なかなか定まらんやんけ)
122 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時22分58秒
「なっち、龍に矢がささったら、一気にほら穴に入れる位置まで
 近づいて。さすがにダミーだといっても、近づきすぎると
 なにがあるかわからないから。」

「お安い御用だべさぁ。なっちにまかせといて」

矢口を乗せたなっちは、北の渓谷、青龍の住み処と思われる
ほら穴へと近づいていくのであった。
123 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時24分06秒
「ご主人様っ!」


「は〜い」
左手にフォーク、右手にナイフをもち、今か今かと待ちわびてた中澤。
そんな主人の姿をみて

”ズコッ”

高橋は思いっきりこけたのであった。
(ご主人様、なんかかわいい・・・・)
って、そんなこと考えている場合ではない。
高橋は自分の主人に矢口らが逃げたことを告げた。

「なんやて!やつらが逃げたやと!」
「は、はい。。。でもまだこの付近にいるものと・・・」
124 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時24分55秒
”ヨセカドトデマコソアエタアヲラカチニヤ”
その言葉に、あいぼんの構えている鏃に白の魔法の力が宿った。

(今や!)

矢を放つ。

そして・・・・

”パァーーーーーン”
125 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時25分54秒
「よし、なっち。今だ!突入〜♪」
「あいあいさ〜」

青龍の(風船の)破裂音とともに穴へ突入していった・・・
126 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時26分38秒
”パァーーーーーン”

「「へっ!」」

突然の大きな破裂音に2人そろって声をあげる。
そして、その音の聞こえたほうの窓から外をみてみると・・・

「あ。。。あやつらめ〜〜〜〜〜」
(さすがに風船ってばれなんやな・・・)
そう。。。先ほどまで空を飛んでいた青龍がしぼみながら
地面に落ちていくのが見えたのであった・・・

・・・許さんぞ。。。やつらめ・・・
怒りをあらわにしつつある中澤に目に、さらに信じられない光景が映し出された。


・・・卵が・・・・!


そう、青龍の卵をかかえ、空を飛んでいる矢口の姿がその目に映ったのである。

127 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時27分26秒
「しゅちょー、こっちはばっちしなのれす」
「どや、ばっちしやろ、矢口さん」
無事青龍の風船を打ち落としたあいぼんのののは、空に
なっちに乗った矢口の姿をみつけ、そう呼びかける。

「こっちもばっちりさ。素敵な青銀色の卵だ」
「へへへ、やぐっちゃん。ばっちしだね」
それに答え、悠然と空を飛んでいる矢口となっちである。
128 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時27分58秒
・・・くそ、あいつら・・・
なめくさりおってからに・・・・
うちを目の前のこんななめた真似をされたこの上は・・・・

怒りの頂点に達していた中澤はその怒りにまかせて・・・

”◇▽◎×从#`∀´#从◆△□▼×・・・・
 闇の女神よ・・・我に力を与えたまえ・・・・
 闇の王よ・・・我に魔の力を・・・・”

やがて、その呪文は完成した。

129 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時29分23秒
「でも、やぐっちゃん、無事卵も手にいれれたし、よかったね。」
「うん、これであとは村まで帰れば、無事祭りが迎えれるよ」

渓谷をはなれ、あいぼんたちのところへ向かっているとき、それは起きた。


            ”カッ”

巨大なカミナリが一閃! 
空を照らし、それは奇脳粉荘へと落ちた。
それにより、奇脳粉荘は燃えあがる・・・・

「なっ!」
「なんだべ?」

そのカミナリを背にしていた矢口となっちはなにが起きたかわかっていないが・・
130 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時31分45秒
「奇脳粉荘が燃えあがっとるで・・・」
「なにか大きな闇の力を感じるのれす」
あいぼんとののの言葉に、後ろを振り返り、奇脳粉荘の方を振り返る矢口。

燃えあがる奇脳粉荘に浮かび上がりだんだん大きくなっていく影・・・

そう・・・それは・・・

     ”    青   龍     ”
 
「な、、、なに?なっちの5倍くらいの大きさの龍だよ〜
 なんなの?やぐっちゃん??」

まだ、その姿が大きくなっているのだが、あたり一帯に声が響き渡った。

『我が名はセイリュウ王ユウコ。よくもうちの卵を・・・・』

(ユウコ・・・まさか、あの館の主人が。。。龍の化身か?)
矢口の脳裏にそうよぎる。
131 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時32分45秒
『金の髪の若者よ・・・100年の命を得るために、あんたの
 血と脳髄を食らおうとおもったが・・・それだけでは飽きたらぬ!
 頭から噛み砕いてくれるわっ!』
132 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時35分39秒
あたりには闇の気配が充満し、青銀色の衣をまとった龍が現れ
その頭上には、黒の魔法使い高橋の姿も見うけられた。

その姿に圧倒されていたのだが、はっと我に気付き叫ぶ。
「のの。手伝え!」
弓をかまえるあいぼん。

その声に我に返り、魔法を唱えるのの。
”エマタイラハチウヲマエタアヲラカチニヤ”

矢に力が宿ったその瞬間
「このバケモノめ!くたばりな!!」
白の魔法の力が宿った矢が龍にむかって飛んでいく・・・

”ハァッ”
しかしその矢は、高橋の一括で燃えあがり、届く前に地へ落ちた。
そして、その矢に気がついた龍が振り向きざまにその鋭い鉤爪のついた手を
振り下ろし、あいぼんをはじき飛ばした。

「うわぁぁあぁぁぁぁぁぁ」
ガツッ・・・ドカッ・・・・

岸壁にたたきつけられた!


「あいぼん!」
「や。。。矢口さん。。。うちはいまのとこだいじょうぶや。。。」
133 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時37分29秒
『ふっふっふ。。。そろそろ観念したらどうや?うちの卵を狙う不届き者め・・・』

不敵にわらいあたりに響き渡るセイリュウ王ユウコの声。

(こんな馬鹿でかい龍相手にどうすりゃいいってんだよ〜
 なっちもなんかブルってるのわかるしさぁ。。。。)
絶対絶命の状態であたりをみわたし、あることが閃いた!が・・・
(いちかばちかやってみるしか、もう手はないか・・・)
と腹をくくり、こう叫んだ!

「なっち!全速力で北の渓谷へつっこむんだ!」
[え。。。全速力って・・」
「いいから早く!」
なにかよくわからないまま、全速力で北の渓谷につっこむなっち。
134 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時38分17秒
『にがさへんで〜』
矢口の叫びに気がつき、こちらも全速でおっかけてくる。
『ほらほら、もうすぐおいつくで〜。観念せいや〜』

「やぐっちゃ〜ん、おいつかれちゃうよ〜」
「いいから、早く渓谷まで!で、うまく渓谷の合間を縫うように飛んでよ、なっち!」
「そんな無茶なぁ〜」
といいつつ、なんとか渓谷までたどり着いた。
そして、矢口にいわれたとおり、渓谷の合間をぎりぎりかすめるように飛んでいく。
(なっちより体のでかい青龍は、この険しい剣山の密集した渓谷じゃ
 身動きがとれなくなるはずだ!今はそれを信じるしかない!)
135 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時38分56秒
『ギャァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』

がっ!

ピキ・・・・ピキピキピキ・・・・

がらがらがらがらがら・・・・・

卵をとられ、怒りに身をまかせていたこと。
圧倒的力をもっていたために、相手を見下していたこと。
そして、その大きさからいつでも追いつけると相手を侮っていたこと。
ほかにも要因があるかもしれない。

しかし、相手に対して油断があったため、矢口のねらいが見事的中し
剣山のひとつに激突。そしてその山がくずれ、今はくずれた山であった
岩の下敷きになってしまった青龍および黒の魔法使いの高橋。

『くそ。。。身動きがとれん』
「ご主人様。。。高橋、つぶれちゃうです」
136 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時39分40秒
「のの、いまだ!」

”エマタイクスヲニクミエマタメガアヲヨミヨミカガラレワスマシマニンテ”
(ご先祖さま、どうか・・・・)
”白の神々よ闇より出でし者・・・”
(ののの一生のおねがいれす・・・)
”神と精霊の御名において永遠に闇の中へ封じこめたまえ”
(どうかののにちからを・・・)
”啓示の光よ・・・闇から出でし者を永遠に闇の中へ・・・”
「封じこめたまえ!!!!」


      ピカァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あたり一面を白い光りが覆う・・・・


そして・・・・
137 名前:5.青龍の卵 投稿日:2002年09月13日(金)23時40分51秒
「やったぜ!のの!」
「ののちゃん、よくやったね」
大喜びする矢口となっち。


「首長!ののにもできたのれす」
自分でも信じられないってくらい全身でよろこびを表すのの。

「ま、これくらいはやってもらわんとな・・・」
「ひゅちょ〜」
怪我をしてるため、壁にもたれて休んでるあいぼんに、
その近くにいるこんこん。

今はただ無事に生き残ったことを喜ぶ4人と1匹でありました。

138 名前:エピローグ 投稿日:2002年09月13日(金)23時41分54秒
恐ろしい青龍と魔女高橋はどうなったかというと。。。
ののの魔法で、しっかりその渓谷の谷間に封じ込められてしまいました。

「なんでうちがこんな目に・・・」
「ご主人様・・・・(涙」

いくら高橋のほうが魔力がうえとはいえ、相反する白属性の魔法で
完全に封じ込められていては、その力をはっきすることができない。
しかしこうして古より伝えられた奇脳粉荘の謎もはっきりし、
人々はこの地全体をのろわれた土地として言い伝えていくであろう。
そして封じこめられた2人はその中で悠久の時を過ごしていくのであった。
139 名前:エピローグ 投稿日:2002年09月13日(金)23時42分28秒
そして・・・

「よく無事で帰って来たのう。。。矢口首長殿」
「保田お婆も出迎えご苦労」

保田お婆をはじめとしてクインベリー村の人々は
卵をもちかえってきた彼女らを大歓迎で出迎えた。

この旅で始めて大きな魔法を成功させたののは
すっかり自信をつけたようですし、
最後青龍にやられたあいぼんの傷も、思ったより軽かったようです。

神への供え物も無事整った村の祭りは今年も大盛況!

久しぶりに首長といっしょに過ごせたなっちは
祭りが終わると再び住み処の山へと帰っていきました。

そして、うら若くちっちゃな村の首長さんは
いっそう村人から親しまれたということです。
140 名前:エピローグ 投稿日:2002年09月13日(金)23時43分40秒
しかし・・・・

「ちゅちょ〜、だっこ〜」

(はぁ。。。こんこんの母親、どうやって探そう。。。)

問題はまだのこっているようですね。


***クインベリーフィールドの首長さん***   終わり
141 名前:chimaira 投稿日:2002年09月13日(金)23時48分59秒
ということで、クインベリーフィールドの首長さんはこれで終了です。
安定しない表現で読みづらかったと思いますが、最後まで読んでいただいた方
まことにありがとうございます。

この後の話も大枠は考えているのですがまだ煮詰まってませんので
感想、要望等ございましたら、いろいろいっていただけるとうれしいです。

また、今、別の物語のプロットもだいたいできてきまして
そちらも近いうちに別のところでスレッドをたてる予定ですので
その時はよろしくお願いいたします。
142 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
143 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月20日(日)05時38分27秒
某所で紹介されてるのを見て、読んでみました。
会話の面白さ、テンポのよさなんかですごく読みやすかったのですが、
自分の卵を守ろうとした姐さんが当然のように倒され、その卵を奪われるというストーリーは
ちょっと首を捻るものでした。

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