刻
- 1 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)02時48分43秒
- えー、長編初挑戦でございます。
久しぶりにちょっと書きたくなったので頑張っていきたいとおもいます。
が、思いっっきり見切り発車なので更新速度は非常に遅いと思われます。
元ネタアリです。
タイトルは適当です。
文章書くのはへたくそです。
ド素人です。
徹底sageです。お願いします。
- 2 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)02時50分33秒
- 「お、気がついたみたいやな」
私が目覚めたのと同時ぐらいに女の人の声が聞こえた。
「あの…」
「ん?」
「ここは……?」
周りを見渡しながら女の人に聞く。
私の記憶の中にこんな場所はない。
プレハブに保健室があるような、ちょっと変な場所。
「うーん、仮設の病院ってとこかな」
いまいちよくわからない。
怪我もしてないし病気ってわけでもない。
仮設ってのも意味わからない。
「ようわからんって顔してるな。
頭打った形跡なかってんけどな。
あんた落ちてきたんやで?」
まったくもって意味不明。
落ちてきたとか言われても…。
「まあ3日も眠ってたんやし起きたばっかりやから
まだはっきりしてないんかな。
先生呼んで来たるからゆっくり思い出しとき」
困惑顔(多分)の私にそう言い残して女の人は出ていった。
ここに運ばれる直前のことを思い出そうと私は頭を巡らせる。
- 3 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)02時51分36秒
たしか梨華ちゃんに遊ぼうって言われてバイクで梨華ちゃん家に向かって…
…………
そう、高速で事故ったんだ………
じゃあ高速道路から落ちたってこと?
でもそんな大事故だったら怪我がない今の私の状況は説明できない。
- 4 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)02時52分31秒
≪ガチャ≫
「おはようさん」
「あ、おはようございます」
いきなり入ってきた女の人に挨拶され、反射的に応対する。
「割としっかりしてるやん。
3日も寝てたからもっとボーっとしてる思たわ」
「は、はあ」
また関西弁。
ここは関西なのか?
ってありえないか…
事故ったのは埼玉だし、関東に優秀な病院はたくさんあるはず。
- 5 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)02時53分26秒
「じゃあちょっと色々質問するで。」
「はい」
「名前は?」
「吉澤ひとみです」
「年齢は?」
「16です」
「出身地は?」
「埼玉です」
「…埼玉?」
「はい」
「なにそれ?」
「埼玉県ですよ」
「……そんなコロニーあったかな?」
- 6 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)02時55分23秒
- とりあえずここまで。
ストックはほとんどないっす。
ではまた。
- 7 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)13時11分01秒
私はわけがわからなかった。
どう見ても日本人の女の人が埼玉県と聞いて
こんなリアクションをするのは理解できなかった。
「あ!!」
女の人が突然声を上げた。
何か閃いたらしい。
「あのさあ、トウキョウとかカナガワとかって分かる?」
「あ、はい。」
突然何を言い出すんだ、この人は。
知ってるに決まってるじゃないか。
「そーかそーか。
そっちの子か」
いや、ひとりで納得されても困るんですけど…。
「あの、私にはさっぱりわけがわからないんですけど?」
「ああ、ごめんごめん。
えっと…なんて説明したらええんかな
……っとその前に。
あたしは平家みちよ。
さっきから胡散臭そうな目で見てるから言うとくけど、
これでも医者です」
「あ、すみません」
- 8 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)13時11分44秒
そーか、さっきの人はちゃんとお医者さん呼んでくれたんだ。
「ま、医者に見られへんことのほうが多いから気にせーへんけど。
んで、話戻すけど、あんた…吉澤さんの住んでるサイタマやっけ?は、
地球にあるんやろ?たしかニッポンって国の。」
「はい、そーですけど」
「んで、今おる場所やねんけど、地球じゃないんや。
ここはムーンライトってゆーコロニーやねん」
精神的には全然余裕ないけど頭ではなんとなく理解する。
コロニーという響き。
私の頭の中にはとある有名アニメしか出てこなかった。
- 9 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)13時12分46秒
「あ、ごめん。
コロニーって言われても分からんのか」
「あ、いえ、多分わかります。
宇宙で人が住めるように造った建造物?ですよね?」
「お、大体正解。
なんで知ってるんか聞きたいけど、とりあえず話進めるわ。
んで、多分間違いないと思うねんけど、
吉澤さんの住んでた世界とは別世界や。
パラレルワールドっちゅーやつやと思う」
なんてアニメチックな……。
ってゆーか今時漫画やアニメでも使われないようなネタを。
まさか現実に起きてしかも自分が体験するなんて……。
「んで…」
「あ、もういいです。
あんまり聞いても混乱するだけだと思いますから」
「そーか、…そやな。
でも吉澤さん割と冷静やな。
他の子は取り乱しまくってたけどな」
そりゃそうだろう。
目が覚めたら「別世界です」だもんね。
普通じゃいられないよね。
- 10 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)13時13分37秒
「多分現実離れしすぎて逆に冷静になってるんですよ」
「そんなもんなんかな。
何かあたしに聞きたいことある?」
聞きたい事は山ほどある。
何から聞いていくか……。
「元の世界に帰れるんですか?」
今一番聞きたい事。
答えはなんとなく想像つくけど。
元の世界のことを考えると聞かずにはいられない。
「…………」
「……やっぱり帰れないんですね」
「100%帰れないとは言い切れへん。
でも帰られへんと思っといたほうがええと思う。
異世界に移動する技術なんかないからな」
予想通りの答えが返ってきた。
「じゃあ、東京や神奈川から来た人達もこっちの世界にいるんですよね?」
「おるよ」
「会えます?」
「会えるよ。
一緒におったほうがええやろうしね」
同じような境遇の人と一緒にいたい。
漠然とそう思った。
- 11 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月04日(水)13時16分01秒
- とりあえずここまで。
ではまた。
- 12 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月04日(水)21時36分21秒
- なんか面白そうですね最初から気になります。
いしよしなのかな?期待(w
- 13 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月07日(土)03時38分49秒
「どこに行けば会えるんですか?」
「ああ、ちょっとまってな。
勝手に出歩かれたら困るから」
そう言って平家さん(医者っぽくないから心の中で勝手にそう呼ぶことにした)は
どこかに電話し出した。
「あ、姐さん?
例の子やけど……………………」
平家さんが電話してる間はやることなくて。
私はこれからどうなるんだろう?
とりあえず住む場所ぐらいはなんとかしてくれるよね。
やっぱり働かないといけないんだろうな。
なんて考えていた。
「…………わかりました。
待ってますんで」
…電話が終わったらしい。
- 14 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月07日(土)03時39分25秒
「姐さん来るからもーちょっと待っててくれる?」
「姐さん?」
「あ、ごめん
吉澤さんが起きたときにここにおった人や。
中澤裕子ってゆーねんけど」
「……はあ」
あの人か。
金髪でカラコンしててガラ悪そうな人だったような気がする。
「姐さんは外見あんなんやけどそんな怖ないで。
へたれやしスケベやし女ったらしやけどな」
「…女ったらしって………
…そ、その……れ、レズなんですか?」
「いや、べつにそーゆーわけじゃないんやろうけど。
あかんか?」
「あ、いえ、別にダメってわけではないです。
そういう人は身近にいないですから」
私自身昔からかっこいい男の子よりはかわいい女の子の方が
好きなんだけれど、普通隠してるものだと思うんだよね。
だからびっくりしただけ。
- 15 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月07日(土)03時40分42秒
「みっちゃ〜〜ん
人のおらんとこで何話してんのかな〜〜?」
突然の声。
だと私は思ったんだけど。
普通に扉開いてた。
そりゃ外からでも聞こえるか。
「ね、姐さん!?
いつから聞いてはったんですか?」
「『姐さんは外見あんなんやけど〜』ってとこからや。
みっちゃんあとでお仕置き決定な」
「そ、そんな〜」
平家さんはちょっぴり泣きそうになった。
お仕置きってきついのかな?
「ほな、吉澤さんやっけ?
行こか」
「はい」
私は中澤さんって人のあとをついていく。
外の景色は私が思っていた某アニメのものと大差なかった。
『巨大な円筒の内側にいる』って感じ。
上を見上げても街がある。
なんだか改めて違う世界に来たんだなあと実感した。
- 16 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月07日(土)03時43分00秒
「あ!」
「な、なんや?」
突然大声を上げる私にびっくりする中澤さん。
「モビルスーツだ……」
モビルスーツ。
頭頂高20m前後の2足歩行ロボット。
某アニメそのままの実物がある。
「あんたも知ってるんやな。
チバとかゆーとこから来た奴も知っとったわ。
名前まで知っとったしな。
なんかアニメであったとかゆーてたな」
「え、じゃあこれってジェガンですか?」
千葉から来た人が知ってたってことは。
名前までアニメと一緒ってことになる。
不思議な所だ……。
「よう知ってるな。
あんたもそのアニメ見とったんか?」
「はい、まあ…」
「ふーん。
あ、あそこやから」
向かっているのはなんか学校の寮みたいな建物。
ここに東京とかから来た人達がすんでるのかな?
- 17 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月07日(土)03時44分02秒
寮のような建物に入って向かった先は地下。
中澤さんが入っていった部屋は地味なレースゲームの筐体の様な物が
並べてある部屋。
「後藤おる?」
中澤さんが後藤さんって人を呼んだ。
「ほえ?
裕ちゃん呼んだ?」
眠そうな声と共に筐体から顔を出したのは茶髪の美少女だった。
- 18 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月07日(土)04時00分15秒
- とりあえずここまで。
>>12 名無し読者様。
レスありがとうございます。
石川さんは出さない予定でしたが……。
まだ先のことは書いてないし決まってないので
もしかしたら出すかもしれないっす。
ただ、いしよしにはならないです。
ごめんなさい。
都合により吉澤さんともう一人がガンダムマニアという設定。
ではまた。
- 19 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月08日(日)19時44分11秒
- 千葉でマニアックな人・・・ってあの人ですよね?
- 20 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月10日(火)03時51分24秒
「裕ちゃんがこんなとこ来るなんて珍しいね」
「まあそうやな。
他の二人はいつものとこか?」
「うん。
そーだよ」
可愛い子だ…。
「あれ?その子だれ?」
「ああ、サイタマ出身の吉澤さんや」
「ふーん。
祐ちゃんも大変だね」
「まあな。
あたしはこれからみっちゃんにお仕置きせなあかんから
吉澤さんは後藤にまかせるわ」
「はーい」
「二人にもちゃんとゆーといてや。
ほんなら後はまかせたで」
- 21 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月10日(火)03時52分21秒
「えーっと、吉澤さんだっけ?
……あれ?」
めっちゃ可愛い……。
一目惚れだよ……。
「おーーい!
吉澤さーん?」
「…あ?
え…あ、ごめん」
やばいやばい。
後藤さんに見惚れててボーっとしてたよ。
「あはっ
吉澤さんって変な人〜」
…………。
笑った顔は究極に可愛かった。
「ちょっとー?
吉澤さーん?」
- 22 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月10日(火)03時53分19秒
しまった…
「うっ……ごめん
ボーっとしてたよ」
「うーん…
まあいいや
かっこいいから許す」
「あ、ありがと」
後藤さんにかっこいいって言われた。
ガッツポーズしたいぐらいだったけど
また変な人って言われそうだったからなんとか自制。
「あ、そーだ
吉澤さんは裕ちゃんにこの世界の事聞いた?」
「あんまり聞いてない。
一度にたくさん聞いても混乱するだけだろうからね」
「じゃあいろいろ説明しなきゃだね」
「うん、そーだね
よろしくお願いします」
私は真剣に話を聞こうと思った。
- 23 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月10日(火)03時54分28秒
「でもごとーは説明とかへたくそだから〜
みんないる時に聞いて」
「なんだよ〜(笑)
まじめに聞こうとおもったのに〜」
「ごめんねー」
「まあいいや
可愛いから許す(笑)
ところで後藤さんってどこ出身?」
とりあえず気になった。
よく考えたら中澤さんは後藤さんのことを
どこの人か言ってなかったと思う。
「ごとーは東京だよ」
「そっか、よかった」
「へ、なんで?」
「さあ?
なんでだろ?」
「もーっ
吉澤さんってばー(怒)」
「あはは(笑)
ごめんごめん」
- 24 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月10日(火)03時55分24秒
私たちはそのまま私たちの世界の話で盛り上がった。
後藤さんとは考え方や趣味がすごく似てて
すぐに昔からの親友の様に親しくなった。
私は後藤さんのことをごっちんと呼ぶようになり、
ごっちんは私のことをよしこと呼ぶようになった。
- 25 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月10日(火)04時04分48秒
- とりあえずここまで。
>>19 名無し読者様。
レスありがとうございます。
千葉でマニアックな人は多分その人です(笑)
ではまた。
- 26 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月10日(火)16時28分13秒
- ガ、ガンダム・・・この切り口は珍しいと言うか、読んだ事ないタイプですね。
楽しみです。
ジェガンと言うと年代は・・・
- 27 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月11日(水)04時19分58秒
- 私はごっちんに連れられて食堂へ。
・
・
・
・
「ガンダムって知ってる?」
ごっちんから市井さんと矢口さんを紹介されていきなりの質問。
まあ私がこの世界の事をほとんど知らないって言ったから
多分いろいろ説明してくれるんだろう。
「はい、知ってます。
かなり詳しいですよ」
私は周りから頭おかしいとまで言われたほどのガンダムマニアだった。
「じゃあスーパーロボット大戦は?」
「プレステとかでやってましたけど?」
これもかなりハマってた。
周りからはそんなキャラじゃないとか似合わないとか言われてたけど
ロボット物のゲームは結構好きだった。
「似合わねー(笑)
よっすぃーはスポーツでもやってろよ」
矢口さんから普通につっこまれた…。
どーせ外見は体育会系ですよ…。
- 28 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月11日(水)04時21分13秒
「やぐちー
いきなりそれはいくらなんでも失礼だろー
そーゆーことは思ってても口にしちゃ駄目だって」
とか言いながらも市井さんも矢口さんと同じことを思ってるみたい。
ごっちんの反応が気になったけど、
ごっちんは無表情で淡々とピスタチオを食べていた…。
「ごめん よっすぃー」
「あ、いえ
よく言われるんで慣れてます。
気にしないで下さい」
「話戻すよ。
吉澤はスーパーロボット大戦Fってやった?」
「やりましたけどあんまり覚えてないですよ」
古い…。
- 29 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月11日(水)04時22分28秒
「ストーリーはどーでもいいんだけど
単語がね…分からなかったら説明しないといけないから」
「あ、だいたい分かると思います」
「じゃあ説明するけど、
この世界ははっきり言ってロボット大戦の世界そのまま。
地球では恐竜帝国やらミケーネ帝国やらが侵略してきてるし、
宇宙でもポセイダル軍やネオ・ジオン、ゲスト軍なんかが攻めてきてる」
「地球人同士でも内戦みたいな状況になってて、
OZとかティターンズとかがエゥーゴと敵対してる」
「んで、うちらっていうか、このコロニーなんだけど、
連邦軍に所属してたんだけど、裏切り者扱いされて
今はエゥーゴに所属してるような感じ」
市井さんと矢口さんの大雑把?な説明にガンダムとスパロボの知識を
総動員して理解していく。
「じゃあここは軍事コロニーなんですか?」
「うん、そうだよ。
ここは新型モビルスーツとか試作モビルスーツのテストとか
最終調整をやってるから結構敵に狙われやすいんだ
ここを抑えたら新型が手に入るしエゥーゴやティターンズの
モビルスーツのデータが手に入るからね」
厄介なところに来たもんだ。
- 30 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月11日(水)04時23分59秒
「おおまかな説明はこれだけ。
それで、吉澤のことなんだけど、
はっきり言ってここで働く以外に選択肢はありません」
「……え?」
「市井も矢口も後藤もそうなんだけど、
こっちの世界で身分を証明するものがないからどうしようもない」
「民間人がここに来ることなんてないからね。
ここに来るのは軍の船か軍事企業の船しかないんだよ」
なるほど。
「多分パイロットになるだろうから。
いま一番人手が足りないとこだから」
「うちらが決める事じゃないけど、
ほぼ間違いないだろうね」
「じゃあ今日はもう遅いしうちらは寝るよ。
ここの生活に関しては後藤に聞いて」
「わかりました…」
「じゃあね〜」
市井さんと矢口さんは疲れたーとか言いながら席を立った。
「ほえ?もう説明終わった?」
……………ごっちん。
ずーっとピスタチオ食べてたんだね…。
「後藤ー
ちょっとは話聞いとけよー
後はまかせたからなー」
市井さんは笑いながらそう言って出ていった。
- 31 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月11日(水)04時25分35秒
「じゃあごとー達も部屋戻ろっか」
「え?」
「あれ?いちーちゃんから説明なかった?
ごとーとよっすぃーは相部屋だよ」
ま、まじっすかー?
「いや、ここの生活はごっちんに聞けって市井さんが…」
「いちーちゃんもめんどくさがりだなー
まあいいや、そーゆーわけだから部屋行こっ」
ごっちんは私の腕をつかんでそのまま部屋まで私を引きずって行った。
ごっちんと相部屋……。
ごっちんに一目惚れした私には天国となるのか地獄となるのか…。
とりあえずしばらくは理性と本能(欲望?)の闘いになるんだろうな…。
- 32 名前:名無し読者。《説明?》 投稿日:2002年09月11日(水)04時26分31秒
- 恐竜帝国
帝王ゴールが地底に作った帝国。
二足歩行のトカゲの国。
ゲッターロボの敵。
ミケーネ帝国
かつてエーゲ海沿岸に栄えたミケーネ文明の末裔。
マジンガーZ、グレートマジンガーの敵。
ポセイダル軍
ペンタゴナを統一したポセイダルの軍隊。
いわゆる異星人。
ヘビーメタルと呼ばれるモビルスーツのようなロボットを多数所持。
重戦機エルガイムの敵勢力。
ゲスト軍
地球連邦に宣戦布告した異星人。
ロボット大戦オリジナル。
ネオ・ジオン
一年戦争終結時にジオン軍残党がミネバ=ザビを中心に組織。
機動戦士ガンダムZZの敵勢力。
OZ
ロームフェラ財団の尖兵として組織された私兵集団。
新機動戦記ガンダムWの敵勢力。
ティターンズ
優れた軍人による地球圏統制を目的とした組織。
エリート意識の塊のような軍人の集まり。
機動戦士Zガンダムの敵勢力。
エゥーゴ
ティターンズに対抗するために組織された反連邦組織。
機動戦士Zガンダムの味方勢力。
この小説の唯一の味方勢力になる予定。(予定は未定ともいう…)
- 33 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月11日(水)04時32分25秒
- とりあえずここまで。
説明(こじつけ?)終了(多分)。
こんなんで理解できるんだろうか……。
>>26 名無し読者様。
レスありがとうございます。
ガンダムというよりはロボット大戦の世界観でやっていく予定なので
シャアがサザビーに乗ってアクシズ落とすようなことはないでしょう(笑
- 34 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月11日(水)04時38分47秒
- しかし>>32は説明になってるんだろうか……
まあ、これから先も後付け設定山ほどでてくるだろうから
そのときにでも補足しよう…。
この小説に出すMSが決まらない…。
マニアックなものを考えてるのだが…。
- 35 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月11日(水)06時55分21秒
- ガンダムかと思ってたら、スパロボとは・・・
どんなキャラ・ユニットが出てくるか楽しみです。
- 36 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時04分07秒
- 訂正
「あれ?いちーちゃんから説明なかった?
ごとーとよっすぃーは相部屋だよ」
↓
「あれ?いちーちゃんから説明なかった?
ごとーとよしこは相部屋だよ」
それでは更新。
- 37 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時05分05秒
ごっちんに連れられてやってきた所はワンルームマンションって感じの建物だった。
私がこれから住むことになる部屋は445号室だった。
「なんか思ってたより居心地よさそう」
部屋に入って最初に持った感想がこれ。
いかにも女の子が一人暮らししてますって感じの部屋だった。
兵舎って聞いて生活感のない殺風景な部屋をイメージしてたからびっくりした。
「そーいえばさ、なんで最初にルームメイトだって言ってくれなかったの?」
「忘れてたんだよ〜
だから部屋も片付けてないんだ
ごめんね〜」
確かに部屋はかなり散らかってる…。
「じゃあ一緒に片付けますか?」
「えー
今日はもう寝ようよー」
「しょうがないなー
明日は絶対片付けるからね」
「はーい」
普段だったら絶対部屋の掃除をするんだけど、
もう時間も遅いしごっちんは疲れてるかもしれないと思って
私は割とあっさりと掃除を諦めた。
ごっちんはただ単に掃除がいやなだけかもしれないけど。
- 38 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時05分42秒
「よしこ先シャワー浴びていいよ」
「わかった」
お風呂場は広かった。
二人一緒に入っても余裕がありそう。
ま、ごっちんと一緒に入ったら鼻血出そうだけど。
・
・
・
私は着替えを持ってないからごっちんにジャージを借りた。
ジャージ以外はウエストが…。
ちょっとダイエットしよう……。
「ごっちーん
あがったよー」
・・・・・・
「…あれ?
ごっちん?」
「んあ?
あ、あがった?」
「うん、ごっちんも入っておいでよ」
「…うん、そーする」
「お風呂場で寝ちゃ駄目だよ」
「……わかってるぅ」
私はちょっとだけ掃除しようと思って部屋を見渡した。
・・・・・・
私の布団がなかった…。
私が使うであろうベッドはごっちんの物置状態だった。
・・・・・・
押し入れにも布団は無かった…。
ワタシハ キョウ ドコデ ネルンデスカ?
- 39 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時06分50秒
「あー、さっぱりした」
ごっちんがシャワールームから出てきた。
Tシャツに短パン。
生足がセクシー。
・・・・・・・・・・・・
違う違う。
「ごっちーん」
私はちょっとすがるような目でごっちんを見た。
「ん?
よしこどーしたの?」
ごっちんは髪を乾かしながら尋ねる。
「布団ないんだけど…」
ごっちんの髪を乾かす手が止まる。
・・・・・・・・・・・・
「そーだね」
・・・・・・・・・・・・
「どーしよ?」
ごっちんは少し考えてまた髪を乾かしはじめた。
- 40 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時07分30秒
「……一緒に寝る?
せまいけど…」
「……いいの?」
「しょーがないじゃん
忘れてたごとーも悪いんだし」
髪を乾かし終えたごっちんはベッドに腰掛けて
おいでなんて言いながら布団をポンポンっとたたいた。
……ま、まじっすか?
「じゃ、じゃあえんりょなく…」
私はかなり緊張した面持ちでごっちんの横に座った。
「あはっ
よしこかわいい〜」
「うっ……」
ごっちんにかわいいと言われて私は真っ赤になった。
同世代の女の子にかっこいいと言われたことはあっても
かわいいと言われたことはなかったからかなり照れた。
「かわいいなぁよしこは」
なんていいながらごっちんは布団にもぐりこんだ。
「よしこぉ
いつまで座ってるの?
ごとーもう寝るよ」
「あ、私も寝るよ」
ごっちんと同じ布団…。
襲っちゃったらごめんね、ごっちん。
- 41 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時08分25秒
遠慮がちに布団に入ろうとした時に部屋に突然の警告音。
「召集だ!」
ごっちんはそう叫んで跳ね起きた。
「よしこついて来て」
ごっちんはそう言うと同時に駆け出した。
私はすぐ後を追いかける。
・
・
・
・
ごっちんを追って着いた先はブリーフィングルーム。
ブリーフィングルームに着いたものの、
私はどうしたらいいかわからずただおろおろしていた。
「よしこはパイロットじゃあないからね…
とりあえず後ろのほうで座ってて」
ごっちんがそう言ってくれたから一番後ろに座っていると
女性が話し掛けてきた。
- 42 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時09分00秒
「吉澤ひとみさんですね?」
「そうですけど?」
「ブリーフィング終了後に御同行願えますか?」
「かまいませんけど…」
女性はりんねと名乗った。
・
・
・
・
ブリーフィングはすぐに終わった。
ネオ・ジオンの軍隊がここに向かっているらしい。
・
・
・
・
「りんねです。
吉澤ひとみさんをお連れしました」
りんねさんがドアの前でそう言って私を連れて中に入っていった。
そこは司令部って感じの所だった。
- 43 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時09分39秒
「お、来たな」
声をかけてきたのは金髪でグラサンかけてる30代ぐらいの男の人だった。
「悪いな
突然こんなとこ呼んで」
「あ、いえ…」
「俺の事はつんくって呼んでくれ
一応ここでは一番偉いってことになってるけど
まあ気さくな兄ちゃんやと思っててくれ」
兄ちゃんっていうか、若作りしたおじさん……。
なんて失礼なことをちょっと思ってしまった。
「いま俺の事おじさんや思たやろ
失礼なやつやなー」
「あ、す、すみません」
「……まあしゃーないか
吉澤の倍ほど年食ってるからな…」
「あの、つんくさん
そんな話をするために吉澤さんを呼んだわけでは……」
「お、すまんすまん。
今日起きたばっかりで悪いねんけどモニター通してでも
戦闘がどんなもんか見てほしかったんや。
吉澤にはパイロットしてもらうつもりやからな」
「は、はい」
返事をしながら私は軍って大佐とか階級があったりして
もっと規律が厳しいものじゃないのかな?
とか別の事を考えていた。
- 44 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時10分23秒
「戦闘までもうちょい時間あるけどなんか聞きたい事ある?」
「えーっと、ここって階級とかないんですか?」
普通に今思ってたことを口に出した。
「なんや、市井から聞かんかったんか…
あいつはめんどくさがりやな…
えっとな、俺がいやなだけやねん。
堅苦しいのが嫌いやからな」
「そ、そうですか…」
軍隊ってこんなもんなの?
「他にある?」
「これから戦闘なのにあんまり緊迫してないですね」
…失礼なことを言ってしまったかも。
「ああ、あの程度の敵にはやられへんからな…
過信はあかんけどあいつらのことは信頼してるからな」
「つんくさん
戦闘に入ります」
オペレーターの女の人が声をかける。
- 45 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時11分53秒
「安倍と飯田映してくれ」
中央のモニターに映し出された映像は2機のエビル・Sと
交戦している1機のリック・ディアスU。
ビームサーベルを片手に不規則な転舵を繰り返し、
エビル・Sを撹乱している。
そして右のモニターではもう1機のリック・ディアスUが
エビル・Sにまとわりついているリック・ディアスUの動きが
あらかじめ分かっているかのように後方から的確な射撃で
エビル・Sの頭部、左腕、右脚と順番に破損させていく。
中央のモニターに目を戻せば後方のリック・ディアスUに
気を取られ、距離を取ろうとしたもう1機のエビル・Sに
接近しているリック・ディアスUが距離を詰め、両断する。
「あいかわらず芸術的や…
接近戦してんのが飯田で援護してんのが安倍や
ほな、次辻と加護と矢口映してくれ」
- 46 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時12分39秒
モニターの映像が切り替わる。
中央のモニターに映し出されたのは2機のネロと2機のエビル・S。
リック・ディアスU(飯田機)ほどではないがトリッキーな動きで
エビル・Sを撹乱している。
右のモニターではジェガンがネロの少し後方で
ネロとエビル・Sの戦闘に他のMSが加勢して来ないように
時々ビームライフルで威嚇射撃を行っている。
2機のネロは左右対称の動きをし、同時に1機のエビル・Sに
ビームサーベルで切りつけると見せかけて1機は反転、
ビームライフルでもう1機のエビル・Sを打ち抜く。
切りつけられたエビル・Sはぎりぎりでかわすが
後方から一気に距離を詰め、ビームサーベルで両断する。
「相変わらずのコンビネーションやな
最初に接近してたのが辻と加護で残りが矢口や
ほな次、市井と後藤映してくれ」
- 47 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時13分28秒
右のモニターではZプラスが3機のエビル・S相手に
軽々と立ち回っているように見える。
1機のエビル・Sが突進して来るが、余裕でかわし、
かわした勢いそのままに別のエビル・Sに接近、
ビームサーベルで一気に両断、さらにすぐさま転進し、
ビームライフルでもう1機撃墜する。
左のモニターではガンダムMk−Vがダギ・イルスを相手に
互角の闘いをしていた。
ガンダムMk−Vが2連装ビームキャノンで威嚇、そのまま
接近しようとするが、ダギ・イルスはビームライフルを発射、
接近を許さない。
まさに一進一退の攻防といった感じだが、
突然ガンダムMk−Vの後方から援護射撃が来る。
ダギ・イルスはぎりぎりでこれをかわすが、ガンダムMk−Vは
立て直す隙を与えず、ビームライフルで左腕を撃ち抜く。
左腕を失ったダギ・イルスは撤退のそぶりも見せず、
ガンダムMk−Vと対峙する。
右のモニターではZプラスが今度は4機のエビル・Sと対峙している。
さすがに余裕であしらうことはできず、お互いにしかけられないでいる。
「真中のモニター見ててみ」
- 48 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時14分07秒
つんくさんに言われて中央のモニターを見る。
広範囲を映し出しているので個々の戦闘は見れないが、
右側でZプラス、左側でガンダムMk−Vが戦闘している。
お互いに互角に近い戦闘をしているようだが、
時々左側から右側、また右側から左側へビームが撃たれる。
左側から右側へビームが撃たれた直後に右側で火花が見える。
「こいつらはお互い別々のところで戦闘しながら
援護射撃もかかさへんねん
すごいやつらやで
ちなみに右側が市井で左側が後藤や」
私は一言も発しないままモニターを食い入るように見ていた。
- 49 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月16日(月)05時21分20秒
- 中途半端な感じですがとりあえずここまで。
誤字、脱字チェックしてないので結構不安。
話が進まなそうだったんで無理やりです。ごめんなさい。
>>35 名無し読者様。
レスありがとうございます。
スパロボです。
ガンダム系がメインですが…。
ユニットはマイナーどころを出していく予定。
一部メジャーなのも出てきますが…。
キャラは…………出すのかな?
だせたらいいな(w
訂正の補足
訂正箇所は>>31の3行目っす。
ではまた。
- 50 名前:名無し読者。《説明?》 投稿日:2002年09月16日(月)05時22分27秒
- 説明?忘れてたー。
リック・ディアスU
MSA−099−2
リック・ディアスの改良版。
武装は2連装メガビームガン、ビームサーベル
Zガンダム・モビルスーツ・プランより
ネロ
MSA−007
ガンダム系超高性能機の開発成果として生まれた
ジム系量産機。
武装はバルカン、ビームライフル、ビームサーベル
ガンダムセンチネルより
ジェガン
RGM−89
ジムシリーズの発展型。
ネモの設計コンセプトが導入されている。
武装はバルカン、ビームライフル、ビームサーベル、
ハンドグレネイド、2連装ミサイルランチャー
逆襲のシャアより
Zプラス
MSZ−006C1
Zガンダムを量産機として再設計した機体。
大気圏内専用機のA1型と宇宙用のC1型があるが
ここでは宇宙用のC1型。
武装はバルカン、大腿部ビームカノン、ビームサーベル、
ビームスマートガン
ガンダムセンチネルより
- 51 名前:名無し読者。《説明?》 投稿日:2002年09月16日(月)05時24分50秒
ガンダムMk−V
MSF−007
ガンダムMk−Uを入手したアナハイムが開発した機体。
武装は2連装ビームキャノン、ビームライフル、ビームサーベル
Zガンダム・モビルスーツ・プランより
エビル・S
XM−03
偵察行動を目的に開発されたMS。
偵察ポッドをとばし、情報を収集、敵と遭遇した場合は
戦闘を行い、データを採取する。
武装はショットランサー、ヘビーマシンガン、ビームスプレーガン、
4連ショットクロー、ビームサーベル、3連グレネードラック
ガンダムF91より
ダギ・イルス
XM−06
指揮官用偵察型MS。
武装はビームライフル、3連拡散ビーム砲、ビームサーベル
ガンダムF91より
多分合ってると思いますが、まちがってたらごめんなさい。
今度こそほんとに更新終了です。
ではまた。
- 52 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月20日(金)08時45分56秒
- スパロボの文字に釣られて読みました。面白いです!
私もスパロボは大好きなんで続きが楽しみです!
- 53 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月22日(日)02時15分54秒
>>46
訂正
切りつけられたエビル・Sはぎりぎりでかわすが
後方から一気に距離を詰め、ビームサーベルで両断する。
↓
切りつけられたエビル・Sはぎりぎりでかわすが
後方から一気に距離を詰めたジェガンがビームサーベルで両断する。
- 54 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月22日(日)02時17分03秒
しばらくしてダギ・イルスは信号弾を打ち上げた。
戦闘空域から背を向け、一斉に撤退していく敵軍を、
味方軍は情け容赦なくビームライフルを乱射し、
残りわずかとなった敵軍を次々に沈めていく。
ダギ・イルスは背後から乱射されるビームライフルをかわすが、
Zプラスがウェーブライダーに変形し、一気に距離を詰めて撃破した。
「終わったな…。
吉澤、どやった?」
「なんか…すごかったです…」
私はつんくさんの問いかけにそう答えるのがやっとだった。
「いきなりこんなん見せて悪かったな。
せやけど、早いうちに見てほしかったんや。
吉澤が住んでたとこは戦争なんかなかったやろうからな」
「…はい」
「ほな今日はおつかれさん
聞きたい事はいろいろあるかもしれへんけど、
俺はこれでも忙しい身やからな…
市井にでも聞いてくれ」
「……はい」
失礼しますと言って司令部を出た私はほとんど無意識のうちに部屋に戻り、
床に座り込んで放心状態になっていた。
- 55 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月22日(日)02時17分50秒
「ただいまー」
ごっちんが帰ってきた。
「…あれ?
よしこそんなとこでなにしてんの?」
わたしはまだ床に座り込んだままだった。
「……あ、ごっちんおかえり」
「ちょっとよしこ?
どーした?」
私のあまりの気の抜けた返事に戸惑ったごっちんは
私の顔を覗き込んできた。
「……ちょっとね
違う世界なんだなって実感してた」
- 56 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月22日(日)02時18分43秒
≪コンコン≫
「ど〜ぞ〜」
ノックの音にごっちんが返事すると、
市井さんと矢口さんが入ってきた。
「うぅーっす
……あれ?」
「二人ともそんなとこでなにしてんの?」
「よしこが変なの」
私は市井さんと矢口さんが来てもほとんどノーリアクションだった。
「吉澤ー?
どーしたんだ?」
「…いやぁ
異世界なんだなって思って……」
「もしかしてつんくさんに呼ばれた?」
「…はい」
「なるほどねー
矢口も初めて戦闘見た時はブルーんなったよ」
市井さんもごっちんも頷いている。
「まあそのうち慣れるよ。
慣れることがいいことかどうかは別にしてね」
その後少し雑談をして市井さんと矢口さんは帰っていった。
聞きたい事は色々あった気がするけど、
疲れてるみたいだったし明日でもいいと思って聞かなかった。
- 57 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月22日(日)02時19分25秒
「あ!!」
私は突然声を上げる。
「なに!?
よしこなんかあった?」
「布団無いの忘れてた…」
「もーしょーがないじゃん
ごとーのふとんで一緒に寝よ」
「でもごっちん疲れてるんじゃ…」
「だいじょーぶだよ。
ちょっと狭いだけじゃん。
それともなに?
一緒に寝たらごとーおそわれちゃう?(笑)」
はい、おそっちゃいそーです…
なんて言えるはずもなく……
「そ、そんなことしないよっ!」
思わず叫んでしまった。
- 58 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月22日(日)02時19分58秒
「あはっ
じゃあ寝よっ」
ごっちんはそう言って先に布団に潜り込んだ。
私はできるだけごっちんに近づかないように端っこに寝転んだ。
「よしこ〜
そんなに端っこにいたら落ちちゃうよ?」
ごっちんは私の手をひっぱって私を布団の中央に引きよせた。
そしてごっちんは。
布団の中で私に抱きついてきた。
あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!
ごっちんの…む、胸が……。
「ん〜〜
よしこあったかい」
「ご、ごっちん?」
「んふふ
よしこおやすみ〜」
あまりに無防備で(って女同士だからあたりまえ?)
無邪気なごっちんが愛しくて。
さっきの興奮はどこへやら?って感じで。
私はごっちんの頭を撫でているうちにすっかりまどろみの中へ。
- 59 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月22日(日)02時25分51秒
- ちょっとだけ更新。
>>52 名無し読者様。
レスどうもです。
一応スパロボの世界観でやっているのですが
スパロボっぽさを出せるかどうかは……。
ではまた。
- 60 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月23日(月)23時48分47秒
- なっちのMSがリックディアスUでちょっと凹む折れ(w
- 61 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月27日(金)15時23分22秒
次の日から私は大変だった。
モビルスーツのパイロットになるべく、毎日シミュレータで戦闘訓練。
もっとも、初めはモビルスーツを動かすだけで大変だったけど。
それから筋トレ。
バレーボールで結構鍛えてたつもりだったけど、
初めは毎日筋肉痛でかなりつらかった。
まあ毎日ごっちんと一緒だったからそんなに嫌ではなかったけど。
ごっちんは
『ごとーも最初は大変だったよー
いちーちゃんもやぐっつぁんもスパルタだったしー』
なんて言ってたけど、
ごっちんも充分スパルタですよ…。
- 62 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月27日(金)15時23分57秒
ここで暮らすようになって分かった事といえば…。
生活環境はかなり良いって事。
まあ戦争中ということを考慮してってことだけど。
それから男性が少ないって事。
初めの1週間はつんくさん以外の男性には会わなかった。
私はずっと訓練ばっかりだから仲良くなる人も少ない。
今のところ仲がいいのはごっちん、矢口さん、市井さんの異世界組だけ。
矢口さんと市井さん(っていうかごっちん以外のパイロット)は
新型や試作型のMSのテストパイロットをしてるからなかなか会えないけど。
はっきり言って分からない事、知らない事ばっかりだけど。
だからって色々聞く時間もなくってちょっと寂しかったりする。
- 63 名前:名無し読者。《人物紹介》 投稿日:2002年09月27日(金)15時27分22秒
- 人物紹介をしていなかった事にいまさら気付きました。
吉澤ひとみ
主人公の予定。
16歳。
埼玉出身。(異世界組)
かなりのガンダムマニア。
後藤真希
16歳。
東京出身。(異世界組)
吉澤のルームメイト。
異世界に来て半年。
パイロット歴3ヶ月。
搭乗機は今のところガンダムMk−V。
矢口真里
18歳。
神奈川出身。(異世界組)
異世界に来て3年。
搭乗機は今のところジェガン。
市井紗耶香
17歳。
千葉出身。(異世界組)
異世界に来て3年。
ガンダムマニア。
搭乗機は今のところZプラス。
安倍なつみ
19歳。
パイロット歴4年。
搭乗機は今のところリックディアスU。
飯田圭織
19歳。
パイロット歴4年。
搭乗機は今のところリックディアスU。
辻希美
14歳。
パイロット歴1年。
搭乗機は今のところネロ。
加護亜依
14歳。
パイロット歴1年。
搭乗機は今のところネロ。
他にも数名出てますが、今後どうなるか全く決まってないのでこれぐらいで。
今日の更新は気持ちだけ。
- 64 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月27日(金)15時32分37秒
- >>60 名無し読者様。
レスありがとうございます。
MSはそのうち乗り換えると思いますが…。
何がいいっすかね?(w
授業中の更新は周りの目が怖いのでこのへんで。
ではまた。
- 65 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月27日(金)15時58分53秒
- 訂正。
>>58
あまりに無防備で(って女同士だからあたりまえ?)
無邪気なごっちんが愛しくて。
さっきの興奮はどこへやら?って感じで。
↓
あまりに無防備で(って女同士だからあたりまえ?)
「かわいいなぁごっちんは」
「へへっ」
「明日からもよろしくね」
「うん」
「おやすみごっちん」
無邪気なごっちんが愛しくて。
さっきの興奮はどこへやら?って感じで。
コピペしてるだけなのになんで間抜けてるんだろう…。
さて、課題出してくるか…。
- 66 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時14分19秒
その日、私は眠れなかった。
妙な胸騒ぎがしていた。
落ち着いてはいるんだけど、
不安が心の中を駆け巡っていた。
いつまでたっても眠れない私はベランダで
ぼんやりと外の景色を眺めていた。
代わり映えしない景色。
人工的な昼と夜。
見慣れた景色のはずなのに
なにか切ない感じがする。
「…よしこ?」
後ろから声が聞こえた。
窓を開けっ放しにしてしまっていた。
- 67 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時14分54秒
「ごっちん…
起こしちゃった?」
「ううん
ごとーもなんか眠れない…」
「…そっか」
私はため息をつく。
「……どーしたの?」
ごっちんは心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「…なんでもないよ」
ごっちんを不安がらせまいと少し微笑む。
「ごっちんこそなんかあったの?
ごっちんが眠れないなんてめずらしいじゃん」
「…うん
なんかね…不安なの
嫌な予感がする」
「…大丈夫だよ」
不安がるごっちんが妙にはかなげに見えた。
私はごっちんを優しく抱きしめた。
「よしこはやさしいね」
「…まあね」
私とごっちんはまったりと静かな外を眺めていた。
・
・
・
- 68 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時15分41秒
≪ピーッ ピーッ≫
「ごっちん
召集だよ」
「わかってる
いってくるよ」
招集がかかったときのごっちんは別人のように
表情が引き締まる。
「待って 私も行く」
わたしは胸騒ぎがしていた。
ごっちんも嫌な予感がすると言った。
何かある…。
そんな気がして仕方なかった。
- 69 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時16分18秒
ブリーフィングの後、私はりんねさんに許可をもらって司令部に来た。
「なんや?
めずらしいな」
つんくさんは私がここに来たことに驚いているようだった。
「なんだか胸騒ぎがするんです。
少し見させてもらっていいですか?」
「…まあええやろ」
「ありがとうございます」
ブリーフィングではガザEが二十数機という説明だったけど、
なんかそれだけじゃない気がする。
「胸騒ぎってのはいつからや?」
「2時間ほど前からです」
「後藤には言ったか?」
「はい。
ごっちんも嫌な予感がするって言ってました」
「…そうか」
- 70 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時18分30秒
えーっと、
戦闘シーンに突入するんですけど、
吉澤視点では書けないので書き方変えます。
読みづらくなってしまうかもしれません。
ごめんなさい。
- 71 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時19分39秒
はじめに飛び出したのは辻、加護、矢口。
続いて市井、後藤。
最後に安倍、飯田が飛び出した。
辻、加護、矢口が右に、
市井、後藤が正面に、
安倍、飯田が左に展開する。
戦闘空域に入った直後、それは起こった。
安倍機のすぐ近くにあった小さなMSの残骸のあたりから
突然ビームが発射、安倍機の左脚に被弾した。
「えっ!?
なんで?」
安倍は突然の出来事に動揺してしまった。
「なっち!」
飯田は声を上げる。
しかし、目前まで迫ってきたガザEが飯田機と安倍機の
接近を阻止しようとビームカノンで威嚇する。
(なんで?あそこになにがあるっていうのさ?)
安倍は完全に混乱していた。
普段なら絶対に避けられるような攻撃も、
安倍は避けられないでいた。
残骸付近からのビームが2度3度被弾する。
- 72 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時22分32秒
一方、市井は焦っていた。
(あれってファンネルじゃん)
安倍機が被弾したところを偶然見た市井はそう判断した。
ファンネルの存在を(おそらく)知らない安倍と飯田では
対処できないと市井は判断した。
市井は自分がサポートしなければと安倍機の元へ行こうとするが、
目の前のガザEは数と機動性を生かして市井に安倍機との接近を許さない。
後藤は市井のサポートをしようとするが、ガザEに阻まれて
動けないでいた。
飯田も市井も後藤もガザEが自分を撃墜しようとしているのではなく、
足止めを目的としている事に気付いていた。
しかし、焦りがあるため、冷静な対処が出来ないでいた。
「何が起こったんや…?」
つんくは愕然としていた。
つんくは自軍の戦力を完全に把握しているため、
誰かがやられることなどありえないと決め込んでいた。
自軍に対する絶対的な自信が打ち砕かれたつんくは
すでに冷静さを失っていた。
- 73 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時23分53秒
吉澤は冷静だった。
(あれがファンネルだってことを
市井さんは気付いているはず。
気付いているから焦ってるんだ)
存在を知っている者と知らない者では
ものの見え方が違う。
知らない者は見えるものも見えないことがある。
「つんくさん
私も出撃します」
吉澤はそう言い残して司令部から駆け出していった。
つんくは反対しようとしたが、中澤がオペレーターに指示を出していた。
「中澤、なんでや?」
つんくは中澤の行動が理解できなかった。
訓練を始めて1ヶ月にも満たない人間を戦場に出すなど、
つんくには考えられなかった。
「吉澤は何か知っているような気がします。
あれが何かも分かっていない私達よりは役に立つと判断しました」
「…そうか」
- 74 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月02日(水)16時25分29秒
- 本日の更新終了。
ageてしまいました。すいません。
ではまた。
- 75 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月02日(水)19時28分14秒
- 中澤は何者ですか?
- 76 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月13日(日)03時32分13秒
「吉澤ー、こっちこっち」
吉澤が格納庫に着くと、保田が手招きしていた。
「今出れるのはこれしかないけどいい?」
保田が指差したのはGP04ガーベラだった。
「良いも何もこれしかないんでしょ?
問題ないですよ」
吉澤はすぐにGP04に乗り込んだ。
「あんた達の世界のアニメではどうか知らないけど
これは機動性を重視した機体だからね。
訓練機と同じ様に扱ったらあんたがもたないからね」
「了解です」
- 77 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月13日(日)03時32分44秒
辻と加護は混乱していた。
敵の得体の知れない攻撃に自分達より強い
安倍と飯田がほとんど抵抗できずにいる。
辻と加護はどうすればいいのか分からなかった。
一方、矢口は冷静だった。
人一倍頭の回転が速い矢口は自分達と安倍、飯田機の位置、
敵の行動を考え、自分のやるべきことを的確に判断する。
(とりあえず目の前の敵を蹴散らさないと…)
「辻! 加護!
なにやってんの!」
矢口は辻と加護に檄を飛ばしつつ自分達を足止めしている
ガザEの右側に回りこむ。
矢口の声で多少落ち着いた辻と加護は
ガザEの右側に回り込もうと加速する。
「のの、狙いは目の前の奴や
安倍さん助けんのはそのあとやで」
「りょーかいなのれす」
ガザEは辻、加護機を安倍、飯田機に接近させまいと
ビームカノンを乱射するが、辻、加護は意に介さず
ガザEの右側に出る。
辻、加護機に右に抜けられたガザEはMA形態に変形し、
辻、加護機に接近しようとする。
- 78 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月13日(日)03時33分26秒
「のの、いくで」
「りょーかいれす」
辻、加護はそのまま安倍、飯田機に向かうと見せかけて
同時に反転し、ガザEにビームライフルを撃つ。
矢口機は辻、加護に突然攻撃されて怯んだガザEに接近し、
ビームライフルとビームサーベルで1機ずつ撃破した。
「辻!加護!
あとまかせたからね」
「「りょーかい(れす)」」
矢口はそう言い残して市井と後藤が戦っている空域に向かっていく。
矢口は自分が安倍達を助けに行くよりは
機体性能で上回っている後藤や市井が助けに行ったほうが
確実だと判断していた。
(それに紗耶香はヲタクだからなんか知ってるかもしれない)
後藤と市井は矢口機が向かってきていることに気付いていた。
「後藤、矢口がこっち来たら市井はなっちのとこに行く」
「おっけーだよ」
後藤も市井がヲタクだと知っているから市井が行くべきだと考えていた。
- 79 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月13日(日)03時34分16秒
吉澤が出撃した時に、ちょうど市井機が安倍達の方に向かっていたので
吉澤は市井を追いかけるような形で安倍達の方に向かっていった。
市井が安倍達に近づいたときには安倍機は戦闘不能どころか
いつ爆発してもおかしくないような状況だった。
飯田機もすでに戦闘できる状態ではなかったが、
必死で安倍を守ろうとしていた。
「なっち!
その機体は危険だ!
カオリの方に移ってくれ」
市井はそう叫んだ。
しかし、安倍には聞こえなかったのか、動く気配がなかった。
市井はファンネルに気を配りながら、飯田機に接触し、
飯田に安倍を乗せるように指示を出す。
「でもその間ってめっちゃ危険じゃない?」
「市井がなんとかするから急いで!」
- 80 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月13日(日)03時34分57秒
吉澤は市井が安倍、飯田機を守っているのを横目で見ながら
その横を素通りしていく。
「おい!おまえ誰だ!
なにやってる!!」
市井はいつのまにか出撃していたGP04に向かって怒鳴りつける。
「隠れてる奴を探してきます
市井さんは安倍さんたちをお願いします」
「吉澤!?」
市井は吉澤が出撃している事に驚き、声を上げるが吉澤は
気にせず目の前に広がる暗礁空域に突っ込んでいった。
吉澤が暗礁空域に入ったとたんに吉澤機にビームが襲いかかる。
吉澤はファンネルの攻撃をぎりぎりで避けながら
攻撃が厳しい方へ向かって進んでいく。
つんくの焦り方を見てファンネルのことを知らないと判断した吉澤は
ファンネルを操っている方もまだそんなに慣れていないと考えた。
ならば敵の攻撃も単純なはず。
(人の意思で操ってるなら当然自分を守るために、
自分がいる方に来させないように攻撃を激しくする)
吉澤は出撃する直前に考えた自分なりの答えを信じるしかなかった。
一種の賭けだった。
- 81 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月13日(日)03時38分53秒
- 本日の更新終了。
>>75 名無し読者様
レスありがとうございます。
中澤さんについては次回更新時ぐらいに人物紹介入れたいと思います。
- 82 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月13日(日)03時43分55秒
そー言えばMSの強さなんですが、Gジェネ−Fを目安に選んでます。
あくまで目安ですが…。
MS以外はいつ出てくるんだろう…
出てくるのかな(汗
ではまた。
- 83 名前:名無し読者。の読者 投稿日:2002年10月15日(火)23時54分03秒
- >>82
まあ、リアル系ルートを選んだと思えば(w
スーパー系ってほとんど専用機か、同じ作品内のみだから扱いが難しいしね…
- 84 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月22日(火)04時07分11秒
(見つけた!)
吉澤の進行方向の先に赤いMSが見えた。
「サザビー?
違う、ギラ・ドーガサイコミュ試験型だ!」
吉澤がギラ・ドーガに向かって加速する。
ギラ・ドーガは自分が発見されたことに気付き、
ビームマシンガンを撃つ。
吉澤は紙一重でかわすがファンネルでも狙われている為、
動きが鈍くなってしまった。
(やばい…あれを倒す方法なんて全然考えてなかった…)
動きが鈍くなってしまった吉澤機をファンネルが襲う。
(どうやったらあれを倒せるんだ…?)
吉澤はなんとかかわそうとするが、かわしきれずに
ビームライフルを破壊されてしまう。
- 85 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月22日(火)04時07分58秒
「カオリ、なっち生きてる?」
「うん、だいじょーぶ」
「辻と加護がこっち向かってるから後は任せる。
無事に帰還してね」
「オッケー
紗耶香は?」
「吉澤のとこ行く」
「わかったそっちも気をつけてね」
「了解」
市井は安倍の無事を確かめてすぐに吉澤が向かっていった
暗礁空域に飛び込んでいった。
「いいださーんだいじょーぶですかー?」
「辻ぃ加護ぉ へーきだよぉ」
「あべさんもだいじょうぶなんですか?」
「うん、なんとかね
二人はどうするの?」
「ののもあいぼんもたまぎれなんできかんします」
「分かった」
- 86 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月22日(火)04時08分32秒
後藤と矢口はガザE相手に苦戦していた。
ガザEが数で押してくるのに対して後藤と矢口は
飯田達の方にガザEを行かせないようにしなければならず、
まったくといっていいほど敵を倒せないでいた。
「やぐっつぁんそっちやばい!」
「わかってるよ」
後藤に応えると同時にビームライフルで威嚇。
さっきから何度も同じことを繰り返している。
「ごっつぁんもそっち!」
「わかってる!」
矢口に応えると同時に2連装ビームキャノンで威嚇。
こちらもさっきから何度も同じことを繰り返している。
- 87 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月22日(火)04時09分09秒
吉澤はビームライフルを失ったことで逆に元の動きを取り戻していた。
吉澤が敵を倒すにはビームサーベルで切りつけるしか選択肢が
無くなった為、迷いが消えた。
ギラ・ドーガはビームマシンガン、拡散ビーム砲、ファンネルと
中〜遠距離武器で攻撃してくる。
(今は援護が来るのを待つしかない…)
吉澤は敵の攻撃をぎりぎりでかわしながら味方の援護をひたすら待ち続けた。
(見つけた!)
市井は吉澤機を確認し、すぐに援護に向かった。
しかし、吉澤機に近づく前に突然横からビームが襲いかかる。
「うそぉ!!」
あまりに突然の攻撃に市井は満足に避ける事はできず、
右腕と右脚を破損させてしまった。
「なんでこんなとこにサイコ・ドーガが隠れてんだよ…」
市井は愚痴りながらもサイコ・ドーガと対峙した。
- 88 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月22日(火)04時09分49秒
吉澤は市井機が損傷したところを目撃したが冷静だった。
あまりの突然の出来事にショックを受ける間すらなかっただけかもしれないが。
ギラ・ドーガは市井機が攻撃された直後、吉澤機に猛攻を仕掛けてきた。
「市井さんがやられたからって私が動揺すると思ったら大間違いだよ!」
吉澤はそう叫んでギラ・ドーガに突進していった。
ギラ・ドーガのファンネルが向かってきた瞬間に吉澤は突然不思議な感覚に襲われた。
(なんだ…?)
ギラ・ドーガの動きが手に取るようにはっきり分かる。
吉澤はギラ・ドーガに向かって加速しながら
ビームサーベルを一振りし、ファンネルを2基切り落とす。
さらに流れるような動きでビームサーベルを振って、
残りのファンネルを全て切り落とした。
ギラ・ドーガは焦ってビームマシンガンと拡散ビーム砲を乱射するが、
吉澤は苦も無くすべてかわしていく。
突然の吉澤機の動きに慌てたのか、吉澤機の後方にいたサイコ・ドーガも
ファンネルで吉澤機を攻撃するが、吉澤は近づいてきたファンネルを順に
切り落としていった。
吉澤機は動きを止めることなくギラ・ドーガに接近し、左腕と左脚を切り落とした。
- 89 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月22日(火)04時10分23秒
「引くぞ」
吉澤に突然声が聞こえる。
サイコ・ドーガはその声と同時に身を翻して有線ビーム砲で吉澤機を狙いながら
退却して行く。
「私はこいつを倒さないと元の世界に帰れないんですよぉ」
ギラ・ドーガから聞こえた声は吉澤の知っている声だった。
「今は引け。
機会はまだある」
サイコ・ドーガからの声でギラ・ドーガはしぶしぶといった感じで撤退していく。
吉澤は追いかけようとしたが、サイコ・ドーガは威嚇射撃を続けている上、
市井のことが気になった為、思いとどまった。
市井は吉澤の理解できない動きを見せ付けられ、ショックを受けていた。
(なんなんだよアレ…
信じられない……
まるで…刻の流れに逆らったみたいじゃん…)
- 90 名前:名無し読者。 投稿日:2002年10月22日(火)04時19分54秒
- 本日の更新終了。
>>83 名無し読者。の読者様。
レスありがとうございます。
>まあ、リアル系ルートを選んだと思えば
宇宙での話なんでまあそういうことになるような…(汗
でもエルガイム系は出してみたいところ…。
最終的にはロンド・ベルの皆さんもちょっとぐらい出したい
などと考えてるんですが…。
登場人物紹介書くつもりしてたんですが今ちょっと余裕ないので
また後日の方向で…(汗汗
ではまた。
- 91 名前:和尚 投稿日:2002年10月27日(日)18時21分44秒
- 始めから読みました。
吉澤さんはニュータイプに覚醒ですか?
ギラ・ドーカから聞こえた吉澤さんの知ってる声・・・
気になります。
楽しみにしています。
- 92 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月12日(火)00時41分23秒
- やっぱり声の主は・・・
- 93 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月06日(金)23時29分09秒
- 待ってます。
- 94 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月25日(水)03時30分31秒
帰還したらすぐにつんくさんに呼ばれた。
まあ勝手に出撃したようなもんだし、
怒られるんだろうな、なんて考えていた。
「市井も行くよ
言わなきゃいけないことあるしね」
できれば私の事もフォローしてください…
って無理? 都合良過ぎ?
- 95 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月25日(水)03時31分04秒
≪コンコン≫
「吉澤です」
『おう、入ってええで』
≪ガチャ≫
「失礼します」
「…ん?
なんで市井も?」
「報告したい事がありますから」
「そうか、ちょっと待ってくれ
んで吉澤」
「はい」
やっぱ怒られるよね…
おとなしくしてれば良かったのかな…
「初めての実戦はどーやった?」
「…は?」
「なんや?
なに間抜けな声だしてんねん?」
「…あ、いえ、
てっきり怒られるものだと思ってましたから」
ってゆーか、怒るどころの騒ぎじゃないと思うんですけど…
命令違反(?)ですよ…
自分で言うのもなんですけど…
- 96 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月25日(水)03時32分10秒
「怒る?
…ああ、勝手に出撃した事か。
勝手に出撃しようとしたのは事実やけどな。
俺が…じゃなかった、中澤が許可したからな。
今回に限って言えばまあ命令違反でもなんでもないからな。
今後は気をつけてくれよ」
「はい、すみませんでした」
「んで、どーやった?
実戦は?」
「…怖かったですけど、割と冷静だったと思います」
「そーか。
…ま、ええやろ。
ほとんど強制的にパイロットやらしてるから
あんまり強くは言われへんけど
戦争…殺し合いをしてるんやってことは忘れるなよ」
「…はい」
「んじゃあもうええで。
おつかれさん」
「おつかれさまです」
こんなにいいかげんでいいのかな…
つんくさんは全然軍人っぽくない…
- 97 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月25日(水)03時33分10秒
「んで、市井の話はなんや?」
「はい、えっと…吉澤?
あんたも関係あるからもうちょっといててくれる?」
「はい、いいですよ」
市井さんの話は多分敵MSのことだろうな。
「安倍機を墜とした敵のことなんですけど」
「ああ、なんか知ってんのか?」
「はい、まあ市井達の世界のアニメの中でですけど」
「あれはなんや?」
「ファンネルってアニメの中では言ってました。
簡単に言えばパイロットの思ったとおりに動く攻撃端末ってとこですね」
「…ん?昔そんな敵おったような……」
「エルメスですか?」
「そうそう、それ!
…けどもっとデカかったような気がすんねんけど?」
「そりゃ技術が進歩したら小型化ぐらいできますって。
あれとは若干違うものになってた様な気もしますけど」
「そうか、対処法をなんか考えなあかんな」
「はい。
それと吉澤のことなんですけど」
私なんかしたかな…?
- 98 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月25日(水)03時33分47秒
「おう、なんや?」
「後で圭ちゃんからちゃんとしたデータ持って報告に来ると思うんですけど
ニュータイプかもしれません」
…は?
私がニュータイプですか?
「…まじか?」
「可能性は高いと思います。
後藤よりも」
ごっちん?
ごっちんってニュータイプなの?
「吉澤はどう思う?
自分ではわからんか?」
「……は、はぁ
なんか突然言われてこっちがびっくりですよ…」
マジでびっくり。
そんなこと言われるとはまったく思ってもみなかった。
- 99 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月25日(水)03時34分17秒
≪コンコン≫
「お?
誰や?」
『中澤です』
「おお、入れ」
「失礼します…って市井に吉澤?
どーしたん?」
「あ、ちょっとつんくさんに話があって…」
「市井と吉澤
悪いけどこの話は保田から報告来てからにしよか」
「はい、分かりました。
では、失礼します」
市井さんはすぐに出て行こうとした。
けど…。
「すいません、もうひとつだけ」
敵パイロットの事。
「なんや?」
「私が戦った敵パイロットなんですけど、
多分私達の世界の人間です」
「……マジか?」
「はい。
元の世界に戻るとかって声が聞こえましたから」
「わかった。
それも保田から報告あるやろ」
「はい、それでは失礼します」
私の知ってる声だとは言わなかった。
多分間違いないと思うけど、違う可能性だって当然ある。
それに別に知り合いってわけじゃあないから…。
- 100 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月25日(水)03時42分49秒
- えー、気が付けば2ヶ月もたってしまってました。
すいません。
>>91 和尚様。
ギラ・ドーガの人は次の更新で。
せっかくはじめから読んで頂いたのに放置ぎみになってしまって
申し訳ありません。
>>92 名無し読者様。
声の主は…誰にしようかな(w
>>93 名無し読者様。
2ヶ月も放置してすいません。
今後気をつけます。
まだ待ってくれている方はいらっしゃるのでしょうか…
またそのうちコッソリと…
- 101 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時12分07秒
市井と吉澤が退室すると、つんくはため息をついた。
敵の新兵器の所為でもあったが、ここがこんなに被害が出たのは初めてだった。
つんくは市井と吉澤には士気に関わるために
あまり落ち込んだところを見せるわけにはいかなかったが、
やはりショックだった。
「安倍の状態ですけど」
「ああ、大丈夫なんか?」
「命に別状はありません。
ただ、頭を打っているので精密な検査が必要です」
「そうか…
しばらくは安倍無しでいかなあかんな」
「はい、おそらく精神的にもダメージが大きいと思います。
復帰には時間がかかるかと」
「……しばらく考えさせてやれ。
死にそうになったのに無理強いはさせられへん」
つんくは少し考えて答えた。
「分かりました」
- 102 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時12分40秒
「現状を考えたらやめんといて欲しいけどな。
俺からは言われへん。
飯田あたりが説得してくれるのを祈るだけやな。
…それと監視ポッドには戦艦は映ってなかったか?」
少し重い空気の中、つんくはもうひとつの疑問を口にする。
「はい、こちらに送信された映像を確認しましたが全く…」
「やっかいやな…」
空気がさらに重くなる。
「監視ポッドの方も調査した方が良いと思いますが?」
「そうやな、後藤と矢口にやらせといてくれ」
「分かりました」
- 103 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時13分14秒
「よしこ何言われた?」
司令部から戻ってきた私にごっちんは少し暗い表情で尋ねてきた。
「別にたいしたことは言われてないよ。
それよりごっちん、安倍さんは大丈夫なの?」
私がいま一番気になる事。
「うん、命に別状は無いって」
「…そっか、よかった……」
とりあえずホッとする。
「でも頭打ってるらしいから検査が必要だって…」
「そうなんだ……」
- 104 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時13分45秒
「「よっすぃー!」」
重い空気が漂ってる中、明るい声が響く。
「辻ちゃん、加護ちゃん…」
「なんや辛気臭いなぁ…」
「そんなこと言ってもさぁ…」
「安倍さんはきっとだいじょうぶれすよ
みんながくらかったら安倍さんもくらくなるからあかるくいきましょう」
辻ちゃんとはあんまり話したこともないけど、
辻ちゃんの笑顔はみんなが癒される。
「辻はいいこだね」
「へいっ!」
ごっちんも笑顔になる。
「ごっちん、矢口さんが呼んでたで」
「まじで?なんだろ?
ちょっと行ってくるよ」
「ほーい」
ごっちんは私に声をかけてすぐに出て行った。
「じゃあののはあいぼんとおやつ食べにいってきます」
「おっしゃ のの行くで」
それだけ言って辻ちゃんと加護ちゃんは駆け出して行く。
「辻!加護!食べ過ぎるなよ!」
辻ちゃんと加護ちゃんは市井さんの声に答えるように
少し手を振って出て行った。
- 105 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時14分18秒
「あの二人は無邪気でいいな…」
市井さんが少し羨ましがるように呟く。
「そうですね…」
「ところで吉澤はなんで出撃しようと思ったんだ?」
市井さんから突然の問いかけ。
「安倍さんがやられたのを見てたんですよ。
それで、いてもたってもいられなくなったっていうか…」
「そうか…
実は後藤が出撃前に不安がってたんだよ。
つんくさんのとこで少し言ったけど後藤もニュータイプの素質が
あるっぽいから気にしてたんだけどな。
市井にはなにもできなかったな…
吉澤はすごいよ、きっとニュータイプだな」
「私にはわかりませんよ。
自分がニュータイプだって言われてもピンとこないし…
ギラ・ドーガと戦ってたときは無我夢中でよく覚えてないですし…」
「ま、そのうちはっきりしてくるんじゃない?
戦闘データも残ってるし、
これからは敵の襲撃ももっと激しくなるだろうしね…」
「はぁ…」
正直言って少し嫌な気分…。
なんか特別視されてる様で…。
ごっちんは特別視されてるのかな…。
もしごっちんが特別視されてたらごっちんはやっぱり嫌なのかな…?
- 106 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時15分19秒
「それとさぁ、つんくさんのとこで何か言いたそうにしてなかった?」
「…そんなことないですよ」
市井さんってけっこう鋭い?
「敵パイロットが〜ってときにさ、
なんか隠してるような気がしてね…
言いたくなかったら別にいいけどね」
「市井さん鋭いっすね。
実はギラ・ドーガに乗ってたパイロットの声、知ってるんですよ」
「…それって知り合いってこと?」
「知り合いじゃあないんです。
私がこっちに来る1ヶ月ぐらい前なんですけど、
アイドルの女の子の失踪事件があったんですよ。
その子の声だなって…」
「アイドルねぇ…
じゃあ市井達も知ってる声?」
「いえ、デビューしたのが半年前ですから
みんな知らないと思います」
「ふ〜ん…
自分は相手の事知ってるけど向こうは自分の事知らない。
しかも確信があるわけじゃないから言うに言えないって事か…」
「はい、そーいうことです」
市井さんは少し考え込む様な仕草をした。
自分達と同じ世界の人間が敵だってことを気にしてるんじゃないかなって
勝手に思った。
- 107 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時16分01秒
「そのアイドルの子ってかわいいの?」
市井さんがすっごく真剣な顔して尋ねる。
「かわいいんですよ
松浦亜弥ちゃんっていうんですけどね
なんかいかにも女の子って感じで…
って何言わせるんですか!」
市井さんの表情に騙されたようなかんじで思わず答えてしまった。
反省……。
「ふーん…。
好みのタイプ?
彼女にしたい?」
「市井さん!!」
彼女にしたい?なんて聞かれて頭をよぎるのはごっちん…。
ごっちんに会わなかったらまた市井さんに乗せられて『彼女にしたい』なんて
言ってたかもしれない。
「ははっ ごめんごめん
吉澤って面白いな」
「もう…からかわないでくださいよ」
「わかったわかった
じゃあ市井はなっちのとこ行ってくるよ」
市井さんは笑いながら病室(?)へ向かっていった。
…好みのタイプ、か……
好みのタイプはごっちんです、なんてね。
言える訳ないか…。
- 108 名前:名無し読者。 投稿日:2002年12月31日(火)03時16分32秒
- 更新終了。。。
- 109 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月03日(金)04時35分17秒
- 更新されてる(w
乙です。
続きを期待してます。
- 110 名前:名無し読者。の読者 投稿日:2003年01月14日(火)01時58分54秒
- 更新されてた(w
声の主はぁゃゃでしたか、てっきり色黒の子かと(w
がんがれ〜
- 111 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時02分07秒
市井さんと別れて部屋に戻って。
ごっちんが戻ってくるまで待ってようと思ったんだけど。
初めての実戦で疲れたのか、すぐに眠ってしまった。
熟睡したらしくって次の日は気持ち良く目を覚ました。
けれどいつも隣にいるごっちんは居なくて。
部屋を見渡したらソファーの上で毛布に包まっているごっちんがいた。
ベッドを一人で占領しててごっちんが寝るスペースがなかったみたい。
補足すると…。
ごっちんのベッドと私のベッドは別々なんだけど。
ごっちんが一緒がいいって言って私用の布団は新品のまま袋にしまい込んである。
ってわけで
- 112 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時03分07秒
- ↑ ミスりました。
- 113 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時03分52秒
市井さんと別れて部屋に戻って。
ごっちんが戻ってくるまで待ってようと思ったんだけど。
初めての実戦で疲れたのか、すぐに眠ってしまった。
熟睡したらしくって次の日は気持ち良く目を覚ました。
けれどいつも隣にいるごっちんは居なくて。
部屋を見渡したらソファーの上で毛布に包まっているごっちんがいた。
ベッドを一人で占領しててごっちんが寝るスペースがなかったみたい。
補足すると…。
ごっちんのベッドと私のベッドは別々なんだけど。
ごっちんが一緒がいいって言って私用の布団は新品のまま袋にしまい込んである。
ってわけでごっちんは仕方なくソファーで寝たんだと思う。
「ごめんね、ごっちん」
私は眠っているごっちんに小さく謝って。
ごっちんをベッドに運ぼうとお姫様抱っこした。
「……んっ………よし…こ?」
「あ、ごっちん起きちゃった?
寝てていいよ」
私はごっちんを抱っこしたまま囁くように言った。
- 114 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時04分35秒
「…ん………ふぇ?」
「ん? どした?」
「…このじょーきょーは……なに?」
ごっちんは私にお姫様抱っこされてるって状況がいまいち理解できてないのか、
上目遣いに私を見た。
ってゆーか上目遣いのごっちんかわい〜〜!!
昨日あんなことがあったのにこんなこと思ってる私は不謹慎ですか…?
「ソファーだと寝にくいでしょ
布団まで運ぼうと思って。
布団占領しちゃってごめんね」
そう言ってごっちんを布団まで運んで寝かせる。
「ごっちんおやすみ」
そう言ったらごっちんは私の手をつかんで。
「ごとーが寝るまでそばにいてくれる?」
なんて言ってくれた。
「ごっちんが望むならいつまでもいてあげるよ」
「あはっ よしこはやさしいね」
「ごっちん疲れ取れてないでしょ
早く寝たほうがいいよ
起こしちゃってごめんね」
ごっちんの頭を撫でながら囁くように言うとごっちんはすぐに眠ってしまった。
- 115 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時05分10秒
ごっちんが眠ってすぐ私はMS整備工場へ。
「保田さん」
「お、吉澤 早起きだね」
「昨日すぐ寝ちゃいましたから」
「それで今日はどうしたの?
ここに来るなんて珍しいじゃない」
「昨日市井さんにニュータイプかもしれないって言われて気になったんですよ」
「ああ、そのことね
可能性は高いと思うわ
昨日の戦闘記録を見た限りではね」
「そうですか……」
「なんか嫌そうね?」
私の微妙な表情を見て保田さんが尋ねる。
「なんか特別視されるみたいで嫌なんです」
私は本心を言う。
「まあ、ある程度はしょうがないんじゃない?
あんたが気にしなかったらいいのよ」
「…はい」
「悩んでても解決しないわよ
悪いけどMSの修理と調整で忙しいから」
保田さんは私の頭をクシャッと撫でて行ってしまった。
悩んでも解決しない…か。
その通りかもしれないけど、悩まずにはいられないよ…。
- 116 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時05分46秒
しばらくボーっと整備工場を眺めてたんだけど。
「吉澤ー、早起きだね」
「市井さん…」
市井さんがやってきた。
「なんだ、やけに暗いな
どーしたんだ?」
「いえ、別にたいしたことじゃないっす」
「ふーん…
それよりさ、新しいMSあるらしいぞ」
新しいMS?
「うん、見に行かない?
自分が乗ることになるかもしれないんだし」
「そうですね」
気分転換になるかもしれないと思って見にいくことにした。
- 117 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時06分33秒
「あ、あれだな」
そう言って市井さんが指差したのはガンダムF90。
「F90ですね」
「ああ、誰が乗るんだろーな」
「よっさんやん めずらしいな
こんなとこ何しに来てん?」
突然声を掛けてきたのは中澤さん。
随分疲れてるみたい。
「裕ちゃんこそ珍しいじゃん
りんねはどーしたの?」
「ああ、りんねは昨日の戦闘データの解析でずっと篭ってるわ
おかげで忙しなってたまらんわ」
「ふーん、ところでよっさんって何?」
「え? 吉澤のことやん」
「私ですか?」
「いや、わかるやろ」
まあ分からなくも無いですけど。
- 118 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時07分12秒
「別になんでもいいですけど
あれってF90ですよね?
オプションいっぱいあったと思うんですけど」
「よー知ってるな
あるんやけどまだまだ調整中でな」
「誰が乗るの?」
市井さん、自分が乗りたいって顔してますよ。
「ごっちんや」
「はぁ…市井じゃないんだ……」
「乗るゆーてもテストタイプやで
調整終わったらサナリィに返さなあかん」
「でも乗りたいんだよ」
「市井さんってほんとMS好きなんですね」
市井さんがあまりにも未練がましくF90を見てるもんだから
思わず言ってしまった。
「市井も新しいMSに乗ってもらうんやで」
「え?まじで?」
市井さんの目が急に輝く。
「こっちや、ついてきて」
中澤さんに促されて市井さんはスキップでもしそうな勢いでついていく。
- 119 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時07分55秒
「あれあれ」
中澤さんが指差したのはZU。
「ZUかよ…
代わり映えしないな…」
「ええやん
可変MSに一番慣れてんのは紗耶香やねんから」
「まあそーなんだけどさ
市井的にかっこいいのに乗りたいんだよ」
「ZプラスとMk−Vはどーするんですか?」
とりあえず質問。
Zプラスは破損したけど修理できないほどじゃない。
Mk−Vに至っては無傷で帰還してるし。
それに昨日までのここのMSの中では1、2を争うほどの高性能機のはず。
「Zプラスはアナハイムにお返しや
あれもテスト機やしな
Mk−Vは吉澤が乗るから」
「え?私ですか?」
突然言われてびっくり。
「フルアーマーパーツ付けるから
圭坊がやたらはりきっとったわ」
「圭ちゃんも働き者だね〜」
市井さんが感心するように呟く。
「忙しいと燃えるタイプらしいで」
「矢口には新しいのないの?」
市井さんの質問。
ジェガンも新しいMSだと思うんだけどやっぱり量産機なわけで。
性能は他のMSと比べると若干見劣りする。
- 120 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時08分29秒
「あるよ
忙しいねんから後回しにしたらええのに
矢口だけ前のままってのはあかんとか言って
圭坊が徹夜で調整しとったわ」
「どれ?」
「あれ。
ディジェSE−Rや」
「おお〜マニアックな機体だ」
「いや、市井さん…
ここにあるのってほとんどマイナーですよ」
アニメに登場したのってジェガンぐらいでしょ。
他のMSってみんな知ってる?
……って誰に聞いてんだ、私は。
「圭織とかなっちとかのもあるの?」
「ん?ここにはないわ
昨日あんなにやられるとは思ってなかったし
FAZZ2機回してもらえることになったけど
しばらくかかるやろな」
「辻ちゃんと加護ちゃんのもあるんですか?」
「あるけど…
あとで紗耶香に見せてもらって
紗耶香の方が詳しいわ」
「結構意外でびっくりするかもよ」
「そうなんですか?」
「いや、ウチにはよーわからん
…あ、やばっ
えらい時間たってるやん
ちょっとしゃべりすぎたわ
これでも忙しい身やから」
そういって中澤さんは走って行く。
- 121 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時09分13秒
「辻加護のMS見に行くか?」
「はい」
私達が向かった先は整備工場の奥のほう。
「あれだよ」
市井さんが指差した先にあったのはVガンダム。
「な〜んだVガンダムか」
「なんだとはなんだよ」
「いや、だってびっくりするとか言うから…」
「あれは市井と圭ちゃんの共同制作だぞ」
「え? 市井さんが作ったんですか?」
いや、まじびっくりだよ。
「作ったって言っても市井は設計思想とか言っただけだよ
あとは圭ちゃんが作った」
「じゃあそのうちV2とか作るんですか?」
「いや〜無理だろ
技術力がついていかないって」
それもそうだ。
光の翼かっこいいから見たいんだけどね。
「そうですね
でもなんで作ろうと思ったんですか?」
大体人手不足だっていってんのになんで作ってんの?
「圭ちゃんがオリジナルのMSを作りたいって言ってたからね
でも圭ちゃんデザイン力ないから市井がパクった
それにVガンダムってコストパフォーマンスいいじゃん」
「じゃあオリジナルじゃないじゃないですか」
「この世界じゃオリジナルだからオッケーだろ」
まあいいんだけどね。
- 122 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時09分50秒
「安倍さん大丈夫かな〜」
一通りMSも見終わって。
なんとなく呟いた。
昨日はそんなに気にならなかったけど。
1日経って戦争の怖さってのを実感しはじめたからかもしれない。
「大丈夫だよ、きっと」
「でももう戦うの嫌がるんじゃないですか?」
「なっちは戦うよ」
「なんで言い切れるんですか?
死にかけたんですよ?
私だったらもう戦いたくないって思いますよ」
安倍さんがあんな目にあったのに戦うって言い切る市井さんが理解できなかった。
「……なっちは昔一度だけ戦うのが嫌だって逃げた事があるんだ」
市井さんが過去を語りだした。
- 123 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時12分36秒
「市井と矢口がこっちに来て少したったぐらいの時だったかな
裕ちゃんやみっちゃんもパイロットだった
なっちは多分ずっと前から戦闘が怖かったんだと思う
市井と矢口がパイロットになることになって
それが原因かどうかわからないけど
なっちがMSに乗る事を拒否したんだ
なっちが怖い怖いって部屋に閉じこもってたときに
敵が攻めてきたんだ
偵察じゃなくって制圧にね
当時はまだネモとかGMVとか量産型のMSのテストしかしてなかったから
そんなに重要な場所ってわけじゃなくって
制圧に来るなんてのは珍しい事だったらしい
敵の数が随分多くて混戦になったんだけど
なっちはその戦闘の間ずっと部屋に閉じこもってた
- 124 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時13分15秒
勝ったことは勝ったんだけど
一人…死んだんだ……
当時の市井達の中では一番強かった明日香―――福田明日香が死んだんだ
他にも彩っぺ―――石黒彩も怪我してMSに乗れない体になった
なっちはその事でずいぶん落ち込んでたよ
なっちのせいだって…
なっちがちゃんと戦ってれば明日香は死なずに済んだんだ
彩っぺも怪我なんかしなかったに違いないってね
それからなっちは逃げなくなった
怖いとも言わなくなったしね
自分のやるべきことをしっかり見極めたんだろうね
だからなっちは戦うよ、絶対
仲間のために戦うんだ」
市井さんは静かに語ってくれた。
当時の事を思い出すのもつらいだろうに。
- 125 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時13分53秒
「なんか暗くなっちゃったな
飯でも食いに行くか」
「はい
…あ、その前にごっちん起こしてきます
まだ寝てると思うんで」
「そーだな、市井も矢口起こしてくるよ」
「じゃあまた後で」
「ああ」
市井さんと別れて部屋に戻ると。
ごっちんはまだ眠っていた。
「ごっちん 起きて」
「…んあ?
……よしこ?」
「もうお昼だよ」
寝起きのごっちんは何回見てもかわいい。
さっきの市井さんの話で暗くなった気分も明るくなる。
- 126 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時14分26秒
ごっちんと食堂に行って、市井さん達と合流してご飯食べて。
再びMS整備工場へ。
新しいMSの感触を確かめに試乗するためだ。
「ごとーが乗るのはこれか〜」
ごっちんはF90を見上げて呟く。
「ちっちゃ〜」
とは矢口さんの弁。
確かに他と比べると小さい。
「よしこはどれに乗るの?」
「ガンダムMk−Vだよ」
「ほんと?」
「ほんと」
辻ちゃんと加護ちゃんが乗るVガンダムはまだ完成していないし、
飯田さんが乗る予定のFAZZは搬入すらされていない為、
今日の試乗は私、ごっちん、市井さん、矢口さんの4人だけ。
私達4人はMSに乗り込み、コロニー内部の訓練場に移動する。
- 127 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時15分31秒
「よしこ、乗り心地はどう?」
ごっちんが尋ねる。
「…ごっちんのにおいがする」
私は素で恥ずかしい答えを返してしまった。
「よっすぃーヤラしー」
矢口さんが茶化す。
モニターに映っているごっちんの顔は真っ赤だった。
「もう…よしこのバカ」
「おまえらなー
じゃれるのもいいけどちゃんと機体の癖とか確認しとけよ」
市井さんに怒られてしまった。
それからは真面目に機体のチェックをし、
無重力空間での乗り心地も確認した。
- 128 名前:名無し読者。 投稿日:2003年01月19日(日)04時20分16秒
- 更新終了。。
>>109 名無し読者。様
更新しました。
続きは期待せずに待っててください(w
>>110 名無し読者。の読者様
ぁゃゃですた。
色黒の子はいまだに扱いが決まってないので…。
なんかどんどん話がずれていく…。
はじめの予定と違うよ(涙
- 129 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月05日(水)13時37分21秒
- 遅レスですが更新乙です
なにげに初レスですがとてもおもしろいですね
これからにも期待しております また〜りお待ちしております
- 130 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)22時46分16秒
- よしごまのイチャツキが好きです。
作者さん待ってますね〜
- 131 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月24日(月)22時38分34秒
- 保全っす
- 132 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時43分45秒
- 「ごっちん、ごっちん!」
真夜中。
「……よし…こ?」
「ごっちん大丈夫?
すっごいうなされてたんだけど…」
ごっちんは肩で息をし、汗だくだった。
「…なんか…嫌な夢見た」
暗闇の中で表情は見えなかったけど声が震えてた。
「大丈夫、大丈夫だよ…」
私はごっちんに声を掛ける事しか出来なかった。
「よしこ…抱きついていい?」
「おいで…」
ごっちんが何かに怯えている様で。
私は思わずごっちんを抱きしめた。
「よしこ…ごめんね」
私が抱きしめてあげるとごっちんはすぐに眠りについた。
・
・
・
- 133 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時44分19秒
≪ピーッ ピーッ≫
ごっちんを抱きしめたまま眠っていた私を起こしたのは召集のコール。
「ごっちん起きて 召集だよ」
「…ん……わかった…」
ごっちんを起こして速攻で着替えてブリーフィングルームへ。
「あれ?」
急いでブリーフィングルームに来たものの、
そこには中澤さんしかいなかった。
「朝早くに悪いな」
「いえ、それより私達だけですか?」
てっきりまた戦闘だと思ってみんな来てると思ったのに。
「そうや 偵察に行ってもらいたいねん」
「どーゆーこと?」
このコロニーはレーダー類が充実していて。
偵察なんて少なくとも私がこっちに来てからは
1回も行ったことなかったのに。
- 134 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時44分53秒
「なんかよーわからんけど一瞬だけレーダーに
反応あったんやけどすぐ消えたんや
この前の襲撃のときもレーダーに映らんかったし
なにが起こるかわからんから頼むわ」
中澤さんの結構いいかげんな説明もそこそこに
私達は偵察に行くことになった。
「なんなんだろね」
「わっかんない…
でもここで話してても仕方ないし行こ」
「そだね」
私達はとりあえずレーダーに反応のあったポイントへ向かった。
「なんもないね」
私はごっちんに話し掛ける。
私達が向かったポイントは暗礁空域の近くだったけど
レーダーに映った物の大きさから考えて私はなにもない様に思えた。
「待って なんか嫌な予感がする…」
「嫌な予感?」
私にはよくわからないけどごっちんの嫌な予感ってやつはよく当たるらしい。
- 135 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時45分23秒
「レーダーには反応ないよ」
「分かってる」
ごっちんの声は緊張している様に聞こえる。
「よしこ!!」
ごっちんが叫ぶ。
「くっ…!!」
ごっちんの声が響いたのとほとんど同時に私は猛烈に悪寒がして
反射的に回避行動を取る。
私の目の前をビームが通過した。
それと同時にレーダーに反応があった。
――――MS8機。
- 136 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時45分55秒
飯田はコロニーの内部をあてもなく歩いていた。
自分の乗っていたMSは大破し、
パートナーの安倍が怪我をし、
精神的に参っていたので気分転換にと思って散歩していた。
(はぁ…………)
いくら歩いたところで気分は晴れない。
4年もパイロットをしているけれど。
前回のように自分が一方的にやられたのは初めてだった。
(吉澤って訓練始めてまだ1ヶ月だったよね…)
4年もパイロットをやっていた自分を倒した敵を
初陣の吉澤が倒したこともショックだった。
「なっち…うちらって役に立ってるのかな……」
少なくとも前回の戦闘では役に立ってない。
むしろ足手まといだった。
- 137 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時46分45秒
飯田は時々こうして一人で散歩して一人で反省会をしていた。
そのたびに自分の欠点を探してそれを補うように努力してきた。
けれど今回ばかりは解決の糸口が見つからない。
何も抵抗できずに一方的にやられた。
敵がどんな攻撃をしかけていたのかは戦闘が終わってから
りんねに聞いて初めてわかった。
けれど、今度また同じように攻撃されてもどう対処すればいいのかわからない。
市井や吉澤に聞けばあるいは分かるのかもしれないが、
飯田のプライドが許さなかった。
- 138 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時47分23秒
「敵襲?」
つんくは少しとまどいながら聞き返した。
「後藤からの通信によればMS8機だそうです」
りんねが事務的に告げる。
「市井と矢口に出撃命令。
飯田と加護と辻は待機命令を頼む」
それでもなんとかりんねに指示を出す。
レーダー反応があった場所と後藤達が戦闘に入った場所。
敵にレーダーをかいくぐる技術があるならあまりにも不自然な場所。
伏兵がいる可能性は充分だ。
- 139 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時47分55秒
「いちーちゃんとやぐっつぁんが来てくれるって」
後藤が吉澤に告げる。
「それって微妙じゃない?」
吉澤は敵の攻撃をかわしながら後藤に話し掛ける。
「なんで?」
「敵に指揮官っぽいのいないじゃん
陽動っぽくない?」
吉澤のつっこみは正しいように後藤は感じた。
確かに今目の前にいる敵は自分達を倒そうとしているというよりも
時間稼ぎをしているように見えた。
「じゃあ一応指揮官いないって言っとく」
「うん」
- 140 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時48分42秒
飯田は待機命令が出て自分が結構遠くまで歩いていることに気付いた。
(急いでもどらなきゃ)
飯田はMSデッキに向かって走り出した。
(あれ?)
飯田は横に流れていく景色に違和感を感じた。
(気のせいかな?)
なんとなく気味悪くなって辺りを見渡す。
「…なにあれ?」
飯田が見つけたものは――例えていうなら周りにノコギリの刃がついた空飛ぶ円盤。
しかし、それはただ浮いているだけではなく、次々と建物を破壊していく。
(あれも敵?)
飯田は動揺しながらも急いで戻ろうとまた走り出す。
- 141 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時49分45秒
飯田が走りながら空飛ぶ円盤を見ていると空飛ぶ円盤から
小さな円盤が無数にばら撒かれ、そのうちのいくつかが飯田めがけて飛んできた。
「ちょっとシャレになんないって」
飯田は叫びながらも走りつづける。
今は逃げるしかない。
しかし、人間の走る速度はたかが知れている。
小さな円盤は容赦なく飯田を襲う。
「きゃあっ!!」
飯田は円盤から逃げ切れず、左足を切断された。
(こんなとこで死ぬんだ…)
飯田にはどうする事も出来なかった。
戦う術もなく逃げる術も失った飯田は生きのびる術を失った。
(なっち…みんな……さよなら)
――飯田は円盤に切り裂かれた。
- 142 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時51分06秒
「コロニーの中に敵やと?」
市井と矢口に出撃命令を出してすぐにりんねが言った言葉に
つんくは自分の耳を疑った。
コロニー内部に敵に侵入されたのは初めてだった。
りんねは口では答えずにモニターにコロニー内部を映し出す。
そこには円盤状の兵器が建物を破壊していく様子が映し出されていた。
「くそっ 市井と矢口にはコロニー内部の敵の殲滅に当たらしてくれ
加護と辻もや!」
飯田はまだ戻ってこない。
気分転換に外出するとは聞いていた。
つんくは飯田の無事を祈る事しかできなかった。
- 143 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時52分02秒
コロニー内部に敵が侵入している。
後藤と吉澤は敵MSを殲滅した直後にそのことを聞いた。
「よしこ! ちょっと急ぐよ!」
「オッケー!!」
吉澤と後藤のコンビネーションは絶妙だった。
とても初めてのコンビとは思えないほどの動きで敵を確実に仕留めていった。
吉澤のFAガンダムMk−Vがハイパービームキャノンとビームライフルで
敵の足を止め、後藤のF90がビームサーベルで各個撃破していった。
敵の数が減ると吉澤のMk−Vもビームサーベルで敵を切り裂いていった。
8機のMSがほんの2,3分で全滅した。
「うちらって相性いいね」
コロニーに戻る途中に吉澤が話し掛ける。
「そだね こんな簡単に倒せるとは思ってなかった」
後藤も答える。
実際市井や矢口が来るまで膠着状態になると思っていた二人にとって
今回の戦闘は予想外の出来だった。
- 144 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時52分32秒
「ねぇ あれ何かな?」
コロニーに戻る途中にごっちんが奇妙な物体を発見した。
発見したという表現はおかしいかもしれない。
その物体はとても大きく、目立つものだった。
その物体はコロニーのすぐそばにたたずんでいる巨大で真っ赤なモビルアーマー。
吉澤はすぐにそれが何か気付いた。
- 145 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時53分02秒
「なんでこんなとこにこんなもんがばら撒かれてんだよ!」
市井はもちろんそれが何かはわかっていた。
―――バグ。
人間の呼吸や体温を感知して自動的に人間を抹殺する無人兵器。
確かラフレシアプロジェクトとか言ったっけ。
「紗耶香! これなんなの?」
「無人の敵だよ いいから片っ端から片付けていって!」
市井は矢口の質問に答えながらビームサーベルでバグを撃破していく。
「ちっちゃい奴は自爆するから気をつけてくれよ!」
ついでに忠告も。
「そんなこと言ったって数多すぎるって!」
加護と辻はつんく達がいる付近でつんく達を守るようにして戦っているが
向こうも苦戦しているようだった。
- 146 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時54分00秒
「やばいっ!!」
矢口が突然叫ぶ。
矢口機の周りにバグが4,5機迫ってきていた。
「矢口!!」
市井は一瞬ビームライフルを撃とうとしたが躊躇した。
コロニー内でのビームライフルはご法度。
コロニーに穴をあけることが自殺行為であることはよく分かっている。
しかし矢口を助ける術は他にない。
「まったく…汚い戦いしてんじゃねぇよ!!」
突然矢口にとっては聞いたことのない、
しかし市井にとっては聞いたことのある声が響く。
「助けてやるよ 成り行きだけどな!」
矢口の周りのバグが一瞬ですべて真っ二つに切り裂かれた。
姿をあらわしたのは真っ黒いガンダム。
(デスサイズじゃん…)
「あ、あんた誰?」
矢口がパニックに陥りそうになりながら尋ねる。
「矢口! 今はそんなことどうでもいいから!
とりあえず今は敵じゃないから!!」
市井の声にとりあえず納得し、矢口は再びバグを退治し始める。
- 147 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時54分32秒
「なっちこんなところで何してんだろ…」
安倍は病室のベッドで呆然と呟いた。
みんなが必死に戦っているというのに。
自分はベッドで寝ているだけ。
ただみんなに守られているだけ…。
安倍は自然と昔の事を思い出した。
あの時は裕ちゃんがいた。
みっちゃんがいた。
カオリがいた。
そして…
……明日香、彩っぺがいた……。
- 148 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時55分07秒
あの時自分はみんなに何をした?
ただ怖いと逃げて。
危険な戦いをみんなに押し付けて。
彩っぺが日常生活もままならないほどの怪我をした。
明日香は…帰らぬ人となった…。
今の自分は確かに怪我をしている。
けれど、みんなの為に戦うことはできるはずじゃないのか…?
安倍は歩き出した。
MSデッキへと。
戦う為に。
みんなの為に。
- 149 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時55分54秒
「だから! コロニーのすぐそばにラフレシアがいるんですって!!」
「そんな話聞いてないって! ほんとなのか?」
「ほんとですよ! 今戦ってるんですから!!」
私はとりあえず市井さんにラフレシアの存在を伝える。
「おっきいMAがいるんですよ」
私が市井さんに連絡している間にごっちんはつんくさんにMAの存在を伝えている。
「レーダーには反応ないぞ!?」
「でもごとーとよしこは今戦ってるんですよ! なんとかしてくださいよ!!」
ごっちんにしては珍しく声を荒げていた。
ラフレシアは強かった。
100本以上あるテンタクラーロッドと呼ばれる触手のような物が
それぞれ自在に動き、その先端からはビームが放たれる。
私もごっちんもそれを避けるだけで精一杯。
こちらからビームを撃ってもラフレシアにはIフィールドが搭載されていて
全くダメージを与えることが出来ない。
せめてF90のミッションパックがなんかあったら…なんて考えてしまうけれど
ないものねだりをしても仕方がない。
私とごっちんはひたすら敵の攻撃を避けつづけることしか出来なかった。
- 150 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時56分33秒
「まったく…数多いんだって!」
市井、矢口、加護、辻は文句を言いながらも確実にバグを仕留めていった。
しかし、それぞれも無傷というわけにはいかず、
機体の部分的な損傷はあちらこちらに見られた。
(後藤達の援護には行けないな…)
市井は自分や他のみんなの機体を一瞥してそう感じた。
ラフレシア相手なら万全の状態でも役に立てるかわからないのに。
今の自分達の状態では足手まといになるだけなのは明白だった。
- 151 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時57分06秒
「ちょっとなっち! 何処行くつもりなの!?」
保田は突然MSデッキに現れた安倍を見て叫んだ。
「なっちも戦わなきゃ…」
歩く事もやっとな感じの安倍がMSに乗り込もうとしているのを見て
保田は思わず止めに入る。
「あんたそんな身体で出撃なんて何考えてんの!?
死ぬわよ!!」
安倍は必死に自分を止めようとしている保田をまるで無視をしてMSに乗り込んだ。
「ちょっと!! なっち!!」
保田の叫び声もMSに乗り込んだなっちには届かない。
安倍はMSデッキを飛び出した。
宇宙に向かって…。
- 152 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時57分57秒
「よしここいつどーやって倒すの?」
「そんなの私に聞かれてもわかんないって」
私達は完全に手詰まりだった。
Iフィールドを搭載した機体に有効な武器を搭載していない
私とごっちんの機体ではラフレシアを倒す手段は無かった。
「でもこのままってわけにはいかないじゃん」
ごっちんは何度かビームライフルを撃つがIフィールドに弾かれる。
「こいつムカツクー」
ごっちんはちょっとキレぎみだった。
「ごっちん落ち着いて! 無駄弾撃ってもしかたないじゃん」
私はなんとかごっちんを静めようとするがごっちんを落ち着かせた所で
どうにもならないのが分かってるからそれすら適当になってくる。
- 153 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時58分50秒
私達がどうしようもなくって困っているとジェガンが1機
こちらに向かっているのが見えた。
「誰が乗ってるの?」
「なっちだよ」
乗ってるのは安倍さんだった。
怪我が酷いはずなのになんで出撃してるのか私にはわからなかった。
もちろんごっちんにも…。
安倍さんは何度かビームライフルを撃つ。
それが役に立たないのを確認した安倍さんはビームサーベルを片手に
ラフレシアに向かって突っ込んでいった。
「安倍さん危険です! 戻ってください!!」
私は安倍さんを静止しようと声を上げるが安倍さんは速度を落とすどころか
さらに加速してラフレシアに向かって突進する。
ラフレシアはテンタクラーロッドでジェガンを墜とそうと攻撃するが
安倍さんは脚部や腕部を破損させながらも怯む様子も無く突進していく。
「安倍さん!!」
「なっち!!」
私達は叫んだ。
明らかに自殺行為だ…。
- 154 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)04時59分32秒
「…悲しいけど…これは…戦争だから!」
安倍さんはそれだけ言ってラフレシアに体当たりした…。
安倍さんの乗っていたジェガンが爆発する…。
「なっちーーー!!」
ごっちんは大声で叫んでいたけど私はビームライフルを構える。
安倍さんの死を無駄には出来ない。
ジェガンが爆発したけれどラフレシアは健在だった。
私は安倍さんが体当たりした場所に照準をあわせて
ビームライフルと肩部のハイパービームシャノンを撃つ。
何度も、何度も…。
- 155 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)05時00分04秒
気が付けばビームライフルもハイパービームキャノンもとっくの昔に弾切れしてて。
ラフレシアは動かなくなっていた。
パイロットが乗っていたであろう部分に大きな穴を開けて。
(安倍さん……)
私は久しぶりに泣いた。
目の前で知り合いが死ぬ所なんて見たくなかった。
「よしこ…戻ろ……」
私はごっちんの声にかろうじて反応して。
ふらふらと帰還した。
- 156 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月08日(土)05時07分27秒
- 更新終了。
久々の更新ですた。
>>129 名無し読者様
おもろいっすかね?
書いててもよくわかんないっす(蹴
>>130 名無し読者様
よしごまヲタですから(w
待たせ過ぎですいません。
>>131 名無し読者様
保全ありがとうございます。
- 157 名前:ななしのよっすぃ〜 投稿日:2003年03月09日(日)21時36分39秒
- 作者さま、はじめまして。
すっごく面白いです。MS、マイナーなのが多いですが...。(笑)
続きも楽しみに待ってます。
- 158 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月17日(月)02時04分48秒
- うわあ・・・かおりとなっちが・・・ ・゚・(ノД`)・゚・
デスサイズも気になる・・・
でもかおりとなっちが・・・・゚・(ノД`)・゚・
- 159 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月01日(木)13時22分38秒
- ほ
- 160 名前:名無し読者 投稿日:2003年06月15日(日)19時20分56秒
- 保全します
- 161 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月16日(水)10時26分44秒
- 作者さん、もどってきて
- 162 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月16日(土)03時48分41秒
- もうダメなのですか?
- 163 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/13(土) 13:58
- あきらめへんで・・・・
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