ずっと一緒に・・・・

1 名前:orangepeko 投稿日:2002年09月10日(火)18時15分01秒
初投稿です!読みにくい文や誤字脱字などがあったら、遠慮なく指摘されて結構ですよー。
あと、更新の遅さは気にしないでくださると嬉しいです!!

主な登場人物は 吉澤、後藤、矢口、市井、石川、安倍、辻、高橋です。

それでは!これからも宜しくお願いします。
2 名前:第一章 投稿日:2002年09月10日(火)18時41分53秒

第一章〜初恋〜




キーンコーンカーン・・・・
授業終了のチャイムが鳴った。

ここは中学校から高校、大学へとエスカレーター式で有名な『M学園』という女子進学校である。


高等部 1−Aの教室。

ザワザワザワ・・・・・・
「(ち・・・かったりぃ。やっと終わりやがったか・・・)」
金髪で背が高く、首元にじゃらじゃらと装飾品をつけ、いかにも『不良』な男子という感じの少女は、
平和すぎるこの学園にあきあきしていた。

その名も吉澤ひとみ
「(・・・なんか楽しいことねえかな)」

この吉澤の唯一の楽しみといえば・・・・・

ガラッ!!どどど・・・・
「ひとみ様〜〜」
休み時間になれば、必ずと言っていいほど来る女の子の集団。
「ね〜え、今日は一緒に帰ってくれるんでしょう?」
「さぁ〜なぁーー。」
「ちょっと!何ぬけがけしてんのよ!ひとみ様は私と帰るの!!」
「あんたはひっこんでなさいよっ!!」
ぎゃあぎゃあわめき散らす女子生徒たち。

「あのぅ・・・・・・」
ひょこ!っと教室のドアから顔をだしたその少女はひとみに向かって言った。
3 名前:第一章 投稿日:2002年09月10日(火)19時01分47秒
「今日、吉澤さんの家に行ってもいいって言いましたよね?」

一気にみんなの視線がその少女に集まる。
少女は、どこからどう見ても高校生には見えない。中学の制服を着てはいるが、どちらかというと小学生にみえる。
何言ってんのこの子?といった感じな冷たい視線が次々に刺さる。

「あ、そのぅ・・・・すいません。失礼します・・・」
その視線に耐え切れなくなったその少女はぺこっとおじぎをすると、パタパタと廊下を駆けて行ってしまった。

「あ、待って!!」
ひとみはガタッ!と椅子から立ち上がり、そのままダッシュでその少女を追いかけた。

ひとみの足は校内でもとても速いと有名なので、すぐに追いついた。
「ごめん・・・・名前は?」
「辻れす。辻希美れす・・・・」
「そっか!希美ちゃんか!今日うちに来るんだったね?」
「はい、昨日誘われましたけど・・・・」
「うんうん、じゃ 行こうか!」
正直にいうと、ひとみはまったくこの少女に見覚えはなかった。
《タラシ》で有名なひとみは、一回に5〜6人と付き合ったり、かわいい子には必ず声をかけるというくせをもっているので、昨日声をかけまくった子の中に、この子がいたのであろう。
4 名前:第一章 投稿日:2002年09月10日(火)19時29分01秒

その少女は、見た目以上に幼い子だった。

舌ったらずな喋り方でも、一生懸命に喋るその喋り方がかわいくて、ひとみはどんどん好感を持つようになった。
「(かわいいなぁ・・・でもこんな幼い子とやっちゃったら犯罪かもな・・・)」

ひとみにとって、『好き』は『Hする』ということで、Hしなければ好きじゃないという考えを持っていた。
いかにもタラシっぽい考えだが、ひとみにも本当に好きな人ができたらこのような考えは無くなるだろう。
今まで30人近くと付き合ってきたが、心の底から本当に好きになった子はいないというのだ。

「吉澤さんはぁ、いままでどのくらいの人と付き合ってきたのれすかぁ?」
「う〜〜〜ん、よくわかんないけど、いっぱいなのはたしかだよ。」
「わかんないくらいたくさんなのれすか・・・・」

一瞬にして希美の顔が暗くなった。

5 名前:第一章 投稿日:2002年09月10日(火)23時22分39秒

「でも、今好きなのは希美ちゃんの事だけだよ・・・」
「吉澤さん・・・」
純粋で、澄みきった黒い瞳をウルウルさせている。

「(よっし!おちた!!あとはどうやって押し倒すかだよな・・・・・・)」

吉澤は女の子をおとすとき、必ずこの手を使っていた。
今までの成功率は100%!!失敗したことがない。たしかに彼女はいないし、その瞬間瞬間で人を好きになるのだから、嘘は言っていない・・・
6 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)22時03分49秒

「(よっし!おちた!!後はどうやってこの子を押し倒すまでいかせるかだよな・・・・)」
ひとみの頭の中には、たくさんのシュミレーションが浮かんできた。
1、まず辻を部屋の中にいれ、たわいない話をしてから徐々にHな雰囲気を作っていき、最終的にやさしくゆっくりとベットに押し倒す。
う〜ん・・・最近この手ばっかだなぁ。まぁ相手はほとんど高校生だから効くかどうかわかんないけど。
2、家に行く前にどこか落ち着けるところに遊びに行って・・・・
だめだ。この子の性格から考えると、そんな雰囲気のかけらも無い所(例えば、遊園地や水族館など・・・)に行きたい!って言うだろうし。そんな事になったらその日は絶対『Hする』なんて雰囲気作れなくなるだろう。これは却下だわ。
3、家に入った瞬間押し倒してみて、反応を見る。
う〜〜〜〜〜!これも微妙だな・・・・こーゆう子って、拒否られた時の反応怖いし。
てか、こんな幼い子初めてだから今までのやり方なんか通用しないかーー!
じゃあ今日はとりあえず、成り行きで頑張ってみよう!!

こうして、吉澤は着々と準備を重ねているのでした
7 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)22時23分40秒
次の日、学校へ行くと校門の前に誰かが立っていた。

その女の子はひとみの存在に気づくと、ゆっくりとした足取りでひとみのすぐ傍までやって来て話しかけてきた。

「よっすぃ・・・・」
「安倍さん」
ひとみはこの女の子を知っていた


安倍なつみ  
ひとみより二つ年上の先輩。
道を歩けば誰もが振り返って見てしまうほど可愛く、髪の毛を肩までぐらいにのばして、髪をうすくブラウンがかった茶色で染め上げている。
肌は白くてふっくらしていて、思わずギュッと抱きしめたくなるような女の子らしさが溢れているのだ。

ひとみは、二ヶ月ほど前に安倍に告白をされ付き合っていたが先週破局した。原因はひとみの浮気。
目に涙をいっぱいに溜め、ひとみの頬をおもいっっきり叩き「大っ嫌いっ!!!」という言葉を残してひとみの前から走り去って行ってしまった・・・・


「何か用ですか?」
ひとみは沈黙を断ち切るように尋ねた。


8 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)22時41分14秒
「昨日、中等部の辻って子と一緒に帰ってたんだべ?」

「そうですけど・・・」

「そのこになにかした?」

「・・・・はい、キスと・・あとセッ」

ひとみの言葉は突然の安倍の大声にかき消されてしまった

「わかった!!!」





「わかったわよ・・・・・」

「それで?用は済んだんですか?」

「・・・・・」

「安倍さん?」

「・・・・・」


「あの、チャイム鳴るんで行きますよ。」

「・・・・ばかっ!」
そう言うとダッ!と校舎とは違う方向に走って行ってしまった。
ひとみはまったく追いかけようともせず、走っていった方向をチラッと見ただけで、ポリポリ頭をかきながら校舎の中に入っていった。

9 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)22時52分42秒

 ・・がらっ!!

「ちーーーーっす!」
「こらっ!吉澤、遅れて来といてそんなに堂々と入ってくるんじゃない!!!」
「・・ちっ・・・・いいじゃないですか別に。ほっといて下さい。」
スタスタと自分の席まで行くと、ドカッと机の上に足をのせ、えらそうに先生の顔をじろじろと見つめた
「どうぞ?はやく今日の日程はなんちゃらかんちゃら〜って話してくださいよ。うざったいんで」
「・・・・くっ!!まぁいい、今日は転校生が来る。遠い所から越してきたばかりでまだ近くのことなど何も知らないそうだから、みんな仲良くしてやってくれ!・・では入って来なさい」

みんなの視線が一斉にドアに集まる。
10 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)23時04分59秒

がらら・・・

ざわざわっ!!と教室が騒ぎ始めた。
「かわいい〜〜!!」
「かっこいい〜!!」
「大人っぽ〜〜い!!」
あちらこちらからそんな声が聞こえてくる
「・・・・あ?うるっせぇな、宇宙人でも来たのかよ・・・」
そんな事にまったく興味が無かったので、転校生の顔も見ずにひとみは寝る体制になっていた。
しかし、あまりにもみんなが騒ぐので、顔だけ上げてその転校生の顔を拝見した。

か・・・・かわいい・・・
11 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)23時06分41秒

少し茶髪の髪、整った顔立ち、大きな目、そして愛らしい唇・・・・・
12 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)23時11分03秒

「まず、名前と自己紹介してくれるか?」
「はい」

ひとみの身に未だかつて無いほどの衝撃が走っていった。だんだん頬が赤くなっていっているのが窺がえる。
ま・・・・・・、まさか!!!

これが一目ぼれってやつなのか・・・・・・?
13 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)23時18分56秒

 「後藤真希です、よろしくおねがいします」

その子は、あきらかに他の人とは違うオーラを持っていた。
他人を寄せ付けない。というようなオーラとはまったく違った、なんというか・・・甘い感じのものだ。
まるで全身をやさしく包み込まれているような・・・・・少なくともひとみにはそう感じた。

ふと、その子と目が合った
きり!とした強い目ではなく、どこかぼーーーーっとしたような目だ。
それでもひとみはその瞳に吸い込まれそうになる・・・・・・
恥ずかしくなって、下を向いた。寝たふりをしながら・・・・・
14 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)23時28分33秒
「もう座ってもいいですか?」
「あ、ああ・・・いいぞ。席は・・・・・あの一番後ろから二番目の席だ。ありがとう」
また視線がひとみの方へ向く。
席はひとみの隣だった

机に突っ伏して寝たふりをしていたのだが、ちょっとだけ顔を上げて恥ずかしそうに言った。

「よろしく後藤さん」
「よろしく〜」

そう言うと、ふにゃっとやわらかく笑った。

「(まじかよ・・・・・心臓のドキドキがとまんね・・・・・)」

ひとみはその日一日中机から顔を上げることができなかった・・・・

15 名前:第一章 投稿日:2002年09月13日(金)23時43分02秒

「よっすぃ〜〜!」
「ごっちん!」


二人はすぐに仲良くなった。席が隣で、両方忘れ物が激しかったのでかしあいっこなどをしているうちに段々と仲良くなっていったのだ。
しかし、驚くべきことに後藤と知りあってからは女の子と一切付き合わなくなった・・・まぁ当然といっちゃあ当然なのだが。

ひとみは後藤に恋をしている

「(ごっちん・・・・う〜〜〜、愛しいなぁ!!かわいいなぁ。でも、Hしたいとかそういうのよりは大切にしたいな・・・・・絶対ごっちんの泣くところなんか見たくないよ。悲しませたくないし。嫌いになられたくない・・・・・・)」

そして、いつもの休み時間が来た。
16 名前:orangepeko 投稿日:2002年09月14日(土)00時31分08秒
とりあえず、ここまでです。
もしも読んでくれた方がいるなら、どうでしょうか!?(^^)/
多分かなり痛めの話になると思います・・・・
つたない文ですが、これからも読んでくれるととても嬉しいです(*−*)
17 名前:orangepeko 投稿日:2002年09月14日(土)18時10分41秒
あの〜、もし良かったらハートとか星とかの出し方教えてくれませんか??
18 名前:kattyun 投稿日:2002年09月14日(土)21時14分32秒

星は解りませんが、ハートは
はあとを二回うてば→
19 名前:orangepeko 投稿日:2002年09月14日(土)21時24分28秒
あ、ありがとうございます!

できたかな〜?
20 名前:第一章 投稿日:2002年09月14日(土)23時14分57秒

がらっ!! どどど・・・・・

「ひとみ様〜〜〜」
「げっっ!!また来やがった!」
「最近冷たくない〜!?」
「だ〜か〜ら〜もう来んなっていったろ?うぜぇんだよ!!」
「こわーーい!でもかっこいい〜〜〜〜」

あいかわらず休み時間のたびにやってくる女の子達。ひとみも最近まではまんざらでもなかったようだが、後藤が越してきてからは、他の女の子なんかどーでもよくなっていた。
しかし、ひとみが何を言ってもきゃあきゃあ騒ぎ出すので、ひとみも半ば諦め気味である。

「じゃま、どきなよ」

「な、なにこの子」
「ああ、最近ひとみ様につきまとってる子だよ!」
「ほんとに?!」
「ええ〜〜何それ〜むかつく!」
「どけとか言ってさぁ、何様のつもりぃ!?」
本人を目の前にして言いたいほうだいの女の子達・・・
「ってゆうか何なの?あんたら。よっすぃ〜困ってんじゃん。嫌だって言ってんだから、いいかげん付きまとうのやめときなよ・・・・そのうち嫌われるよ?」
「はあ?何言ってんの?!あんたに言われたくないし」
「そうだよーほんとうざいよ!」
後藤が喋り終わると、口々に悪口を言い始める・・・
21 名前:第一章 投稿日:2002年09月14日(土)23時25分55秒

  ガンッ!!!

ものすごい音と同時に、机がとんでくるのがわかった。
それまでは大人しく自分の席に座っていたひとみが突然自分の机を蹴り飛ばしたのである。
そして、ゆっくりと少女達のもとへと歩いてきた。
少女たちはひとみの未だかつて見た事のない表情に震え上がってきた。
「・・・・・もういいから、自分の教室帰れ。これ以上ごっちんの悪口言いやがったら許さねぇからな!!」

「ふ・・・ふん!」
教室のドアを乱暴に開け、ぞろぞろと女の子達は退散していった。
22 名前:第一章 投稿日:2002年09月14日(土)23時33分36秒
「よっすぃ〜・・・ごめんね」

先ほどまでの強い口調ではなく、やわらかい・・・・・どこか甘えきっているような声になっている。

「いいって!あいつらが悪いんだし」
ひとみもいつものやさしい顔に戻っていた。そしていたずらが見つかって怯えている子供のような後藤に向かって、これまたやさしい声で答えた。

後藤は遠くを見つめ、溜息をしてぼそっと何かを呟いた
「よっすぃ〜は・・・・・・・ぃいからなぁ・・・・」
23 名前:第一章 投稿日:2002年09月14日(土)23時41分21秒
「ん?なんか言った??」
「なんでもないよ!あ、今日はベーグル屋さん行くんでしょ?早く帰る用意して行こうよ」
「う・・・うん」
内緒にされて、ちょっと嫌な気分になったが後藤の笑顔には敵わず目じりが下がり、口元が緩んでしまった。
「さ、行こう」
二人は学校を出ようとした。が、ある人物によってベーグル屋にはもう行けなくなってしまった・・・・・
24 名前:第一章 投稿日:2002年09月14日(土)23時55分46秒
「よっす!」


「・・・市井先生?!」
「市井ちゃん!」

市井と呼ばれるその人は、黒髪のショートカットで、白衣をだらしなく着ている数学の教師だった。
そしてひそかにひとみの次にもてている市井は、女の子に興味が無いといっては、言い寄ってきた子を振り続けていた・・・

「久しぶりだな、二人とも元気か?」
「は、はぁ・・・・」
「元気だよぉ!!」
「はは・・・ほんと後藤はかわいいなあ・・・よし!ご褒美にキスしてあげよう!!」

「(なんですと!!!)」
ひとみはその言葉におもいっっきり動揺した。
「(市井先生って、こーゆうキャラじゃないはずだろ!?一体どうしちゃったんだよ!)」
「(先公じゃなかったら蹴りの一発入れてんのになぁ・・・・ごっちん・・・)」
無意識に拳をぎゅう!っと握っていた。手には汗がにじんでいる・・・
「いいよっ」

・・・・がくっ!!!
「(了解すんなよっ!!!!)」

「じゃ、遠慮なく」
「(やんのかよ!!!)」
25 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)00時03分25秒
後藤は目をとじ、唇をつきだしている。市井はそれに合わせるかのように顔を近づけてゆく・・・

「(へ・・・まじで?まじですんの??ちょ、ちょっとまたんかーーーーい!!)」
ひとみの手が市井のシャツにのびた時、突然遠くの方から叫び声に近い大声が聞こえてきた。

「沙耶香ァッッツ!!!!!」

「・・・・のわァっ!!」
その大声にびっくりして市井はキスをするのをやめた。顔色がどんどん悪くなっていることから、市井は相手の知っているらしい。
26 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)00時09分56秒
「あ・・・・・あんたってやつはっ!!!」
「ご、ごめんなさい・・・」
「バカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

ひとみが見たところ、その人はここの生徒なようだ。派手な色の金髪にしていて、一番驚いたのは身長の小ささである。145〜150センチといった所だろう。
しばらくその人を見つめていたが、目を開けた後藤が急に喋りだしこの沈黙を破った。

「やぐっつあん・・・?」
27 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)00時22分42秒
しかし当の本人はそんな後藤の眩きも聞こえないらしく、ただひたすら市井に向かって怒鳴っている。

「昨日の約束ってのは嘘だったの!!!?」
「ほ、ほんとだよ・・嘘じゃないよ・・・・」
「じゃああの子と何やってたのさっ!!!」

「え・・・キス・・・・」
パアーーーーンッ!!

矢口に平手をもらった後、
「もう知らない!!」
と言われ走り去られてしまった。

「矢口ぃ〜〜〜なんでだよ〜〜!」

殴られた頬があまりに痛むせいか、かなり情けない声をだして半泣き状態である。

「(正直すぎだよ・・・・・市井先生・・・)」
ひとみは市井に彼女がいることを知って、少々驚いたがあまりに市井が情けない声をだすので、フォローしてあげた。
28 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)00時26分31秒
「市井さん・・・正直なのはいいんですけど、あれは相手に失礼だと思いますよ。早く追いかけて謝ったほうが・・・・」
「うっ・・・吉澤がゆうなら間違いないな・・・・待ってくれ矢口ぃ〜〜〜!!!」

すっかり赤くなった頬をさすりながら、矢口が走っていった方にヨロヨロ追いかけていった。
29 名前:( `.∀´)ダメよ 投稿日:( `.∀´)ダメよ
( `.∀´)ダメよ
30 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)17時11分37秒
「あ・・・れ・・」
「ん?」

市井たちが去ってからも、後藤の様子がおかしい。
「どしたの?」
ひとみは何やら不安な気持ちになり、再度後藤に尋ねた。

「や・・・・・・」
「?」


「やぐっっつあんだああぁ〜〜〜〜〜!!!」
「おわっ?!」

突然大声を上げた後藤はそのまま二人がいった方向にダッシュで走っていってしまった・・・

31 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)17時20分48秒
「な・・・・なに・・・!?」

ひとみはわけがわからず、その場に立ち尽くしていた

あのごっちんの反応・・・・少なからずとも嫌な感じの人ではなさそうだ。
ってゆうか!ごっちんは越してきたばかりで、学校ではいつも私と一緒なのになんであの人の事知ってんだぁ?
やぐっつあんなんてハートマーク付けちゃったりして、かなり親密な関係なんじゃないの!?あ〜〜〜〜私も『よっすぃ』なんて呼ばれてみてぇ!!
って違う違う!今はこんな事言ってる場合じゃない、三人を追いかけないと!!


ひとみは三人の後を追った。
32 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)17時27分56秒
とりあえず、ひとみは三人の走っていった方向に行ってはみたが、どこを探しても姿もなにも見つからない。
しばらく校舎の中や体育館、校庭、学校付近など探し回ったが結局見つからず、あきらめて家に帰ることにした・・・


「(はぁ〜〜、まったくどうしちゃったんだよごっちん・・・・結局ベーグルも一緒に食べられなかったし・・・・家帰ったらごっちんの携帯に電話してみっか!)」


33 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)17時39分01秒

 がらら・・・・

「たーだーいま!」
「おかえりぃ〜」

 ・・・・・・

「・・・ってなんであんたがうちんちに・・・・・!!」
「お帰り!」

「・・・ごっちんまで?!」
「あの・・お邪魔してまーーす」
「謎の女まで〜〜〜〜!(泣)」

家にはなぜか市井、後藤、矢口とよばれる少女が勝手に上がっていた。

「何勝手にあがってるんですか!」
「吉澤のお母さんが快く家に入れてくれたぞ」

「(くっ・・・!!あの面食いばばぁめ!!いくら顔が良いからって勝手に招きいれてんじゃねーーー(泣))」

市井、後藤はもちろん。近くで見る金髪の少女もかなりの勢いでかわいかった。



34 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)17時56分49秒
「んで?なんの用すか?」

風呂に入り、肩にタオルを掛けたままジュースを冷蔵庫から取り出すと四人分コップに注ぎ、ゆっくりとソファーに腰をおろした。

「いやー、後藤があの後さー俺らの所に来て話を聞いたら、ここに越してくる前に渋谷で矢口と友達になったんだと。で、その後携帯の番号とか聞き忘れたからもう会えないと思ってたのに、偶然今日同じ学校だったって事に気づいたらしいんだ。たしかにうちの学校無駄に広いからな〜!学年違うとわかんないもんかもな。
まぁそれで親友の吉澤に矢口の事紹介したいらしいんだ。な?後藤?」
「うん!」
「だからお邪魔させてもらってたわけだ。別に俺は明日でも良かったんだけどよ、後藤がど〜〜〜〜〜っしてもってゆうからさ。」

「はいはい、わかりましたよ。じゃあ紹介でもなんでもしてください!」

心なしかひとみの機嫌が悪い。
35 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時02分21秒
「よっすぃ〜怒ってる??」

「別に・・・・」
「怒ってんじゃん!」
「怒ってねぇよっ!!」

 はっ・・・・

言った後に気がついた。

ひとみの声は昼間、いつも教室に遊びに来ている少女達に浴びせたような、低く、怒鳴りつけるような声になっていた
36 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時09分51秒

「ご・・・・めん・・」


「・・・・・」
「・・・ごっちん?」
「う・・・・・・」
「ごっちん!!」
「・・・・・・・・・」



「よっすぃ〜の・・・・ばか・・・・」


後藤はそう言い終えると置いてあった自分の鞄をもって、家から出て行ってしまった・・・・

ひとみが見た後藤の顔は、見たこと無いくらい寂しげで・・・・頬がちょっと濡れていた。


そう・・・後藤は泣いていたのだ。


泣かした・・・・・?

私が・・?

誰よりも大切な人を・・・・・?
37 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時23分52秒
「おいおい〜〜なんでそんなに怒ってんだ?あれじゃ後藤がかわいそうじゃねーか」

「・・・・・・」

なんで私はこんなに怒っているのだろう・・・・何がこんなに私の心の中に溜まっているのだろう


「おい聞いてるのか?」

「・・・・・帰ってください・・」

「は?本当にどうしたんだよ吉澤!」

「・・・私のせいですか?」
突然、今まで黙っていた少女が口を開いた。
38 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時41分14秒

「私がいるから、そんなに機嫌が悪いんですか?」

「・・・・・そうだっていったら?」
「吉澤!!!」
がっ!!と市井がひとみの胸倉をつかむ。


「離せよ」
「・・・んだとぉ?」


今にも大乱闘になりそうな二人を、少女は必死になって食い止めた。

「やめてよ沙耶香っ!!よくわからないけど私が悪いみたいだから、今日の所はもう帰ろうよ!!」
「矢口はなにも悪くねぇよ・・・・・俺はコイツの口からその理由を聞きたいね!」
「だめだよっ!今こんな状態で聞いたって解決なんかしないと思うよ・・・・・だから・・・・・・かえろ?沙耶香・・・」


その少女は今にも泣きそうになっていた。おそらくこんな修羅場を経験した事がないのだろう、手や足が小刻みに震えているのがわかる。

「・・・・・ふん・・」
ばっ!と掴んでいたシャツを乱暴に離した。
ひとみはフローリングの床に叩きつけられた・・・

「沙耶香っ!?」
「おまえがどんな理由があろうとも、矢口を傷つけるのだけはゆるさねぇからな、吉澤・・・・・」

ひとみは下を向いたまま答えようとしない。



39 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時43分56秒

「明日、ちゃんとさぼらないで学校来いよ・・・・今日中に頭冷やしておけ・・」

それだけ言うと、市井と矢口は家から出て行ってしまった。


なんなんだろうこの気持ちは・・・・・・
40 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時47分46秒

あの子は何も悪くない。

悪いのは私だってことも知ってる

でも、よくわからない感情に支配されて自分でもよくわからないような言葉がどんどん出てくる・・・・

醜い言葉・・・・・・・・・この感情は・・・・・・

『嫉妬』
41 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時54分06秒

私の知らないところで知り合った二人。

私の知らないごっちんをあの人はたくさん知っているだろう

そう思うと胸がぎゅっと締め付けられて痛い・・・・・

彼女の事は私だけが知っていたい

そんな事は無理だとわかっているけど・・・・

彼女を他の人に渡したくない・・・

彼女には私だけを見てほしい。

こんな感情もあったのか・・・・・・

『独占欲』

42 名前:第一章 投稿日:2002年09月15日(日)18時58分17秒

「・・・・はぁ・・・・・・・・」

自然と溜息が出た。

私は彼女と知り合って数週間で、こんなにも彼女を好きになってしまったのだ。


「どうしようもねぇな・・・・・本当に・・・」


明日になったら必ず彼女に謝ろうと思った

そして、そのまま深い眠りについた・・・
43 名前:orangepeko 投稿日:2002年09月15日(日)19時22分39秒
とりあえずここまで!一旦休憩です。
何か感想あったら言ってくださいね。
44 名前:第一章 投稿日:2002年09月16日(月)22時59分43秒

次の日、学校へ行ったらごっちんの姿がなかった。
友達に聞いても
「知らな〜い」
「風邪でもひいたんじゃない??」
とかあいまいな事ばっかり言っている・・・・

やっぱり私のせいだろうか・・・・?
そう思い始めたとき、教室の後ろのドアが開いた。

がらら・・・・

「おはよぉ〜〜〜〜♪」

「ごっちん!!!」
「お、よしこ!おはよっす!」
「おはよっす!・・・・って違〜う!!あのさ、昨日のこと覚えてる・・・・?」
「覚えてるよぉ〜☆よしこがいきなり私に怒鳴ったんだよねぇ」
「あ・・・・(しっかり覚えてんじゃねぇかっ!!)」
「じゃ、なんでそんなに元気なの?」


う・・・・・またいらん事聞いてしまった。別に気にしてないなら気にしてないでいいじゃんか!
余計なことまで知りたがるのは、私の悪い癖だ・・・・・・はぁ・・・・
45 名前:第一章 投稿日:2002年09月16日(月)23時03分21秒

「だって、よしこがなんの理由もなしに急に怒ったりしないもん!」
「ご、ごっちん・・・・・」

やべっ!!感動しちゃった・・


「じゃあ許して・・・・くれる?」
「もっちろ〜〜〜〜〜ん」

ほっ・・・・・よかった!!
46 名前:名無し読者 投稿日:2002年09月17日(火)12時53分33秒
よしごま〜
47 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)15時08分47秒

がらっ・・・・!!

「お〜〜〜〜っす!吉澤はちゃんといるな?!」
「市井・・・・先生」
「市井ちゃん」

市井は、おそらく授業で使うであろうでっかい三角定規と、何やら大量のプリントを持っていた。
48 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)15時18分53秒

「ほい!」

市井は、その大量のプリントの中から一枚を吉澤に差し出した

「なんすか?これは・・・・」

そのプリントには『豪華優勝賞品付き、深夜のどっきり校内探検ゲーム!!』と書かれていた。

「あ〜それな、うちの校長が考えたゲームらしいんだよ。ま、はやい話が学校を使う肝試しみたいなもんだ!」
「なになに〜〜〜??楽しそ〜〜〜〜♪♪」
「ごっちん・・・・・・(子供みたい目輝かせちゃって)で?これがどうかしたんですか?」

「んっとな、それに吉澤が出場してもらいたいんだ」
「はっ?!」
49 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)15時27分20秒

「せっかく考えたものの、出場者がまだ誰もいないんだよ。このままこの企画おじゃんにするとあの校長がうるせぇから、なんとしてでも出場者が大量にほしいわけなんだ・・・・・そこで・・・・」

「わかりました!」
「お?」
「つまり、私をダシにして・・・・・出場者を多く取ると!?」
「ファィナルアンサー?」
「ファィナルアンサー!!!」


だらららららららららららららららららららららら・・・・・・・・・・・

どこからともなく太鼓の音が聞こえる。ひとみは唾を飲み込んだ・・・





「・・・・・・・・・・・・・正解っ!!」
50 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)15時38分32秒

がくぅっ!!!

「やっっぱりな・・・・・・・」

ひとみは床に膝をついた。


「ま、こんな事言ってもおまえはokしないだろうからさ・・・・・・・・ちょっと耳貸せ!」

ぐい!っと市井に耳を引っ張られ、ちょうど内緒話するようなカッコになった。

「「この企画、実は二人一組で校舎を回るんだ。途中に怖くなるもんとか仕掛けてあるから、怖がりな彼女だったら抱きつかれたり、そりゃもうウハウハよ!!」」
「「でも・・・・ここにペアはクジの抽選で決めるって書いてあるじゃないですかっ!」」
「「そ・こ・で・だ」」
「「・・・・??」」
「「俺がうまくクジに細工して、吉澤と後藤がペアになれるようにしてやるよ!」」
「「はあぁ!!?」」
51 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)15時46分01秒

その頃の後藤・・・・・・

「(何よぉ〜〜〜!!!市井ちゃんとよしこったら、内緒話なんかして!後藤も混ぜろっつーの!!)」

少しふてくされているようだが、二人は話に夢中で気がつかない・・・・


いつのまにやら、教室の周りに大きな人だかりまでできている。

「かっこいい〜〜〜〜〜」
「あの二人が揃うなんて・・・・もうっ最高!!」
「内緒話なんかしてるよーーーー?かわいいっ」


どうやら美男子コンビ(女だが・・・)を見に集まってきたようだ。
52 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)15時51分40秒

「「な、な、な・・・・何言ってるんすか?!」」
「「ばーーか、俺が気づいてないとでも思ったのか??おまえ、後藤の事好きだろ!!」」
「「・・・・う・・・・・・・・・・」」
「「だから、昨日矢口と後藤が仲良いって聞いて機嫌悪くなったんだろ!」」
「「・・・・・・・おっしゃるとおりです」」
「「なら決まりだな!!後藤と二人っきりなんて嬉しいだろ♪俺もなんとか矢口となれるようにすっからよ!!」」
「「え?市井先生も出るんすか?」」
「「あったりまえよ!!!俺も『ダシ』だからな・・・・」」
「「(・・・・・・なるほど・・・)」」
53 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)15時59分13秒
「じゃ、そーゆう事で・・・詳しい事は後ほど!」

市井は爽やかにそう言うと、教室から出て行ってしまった。

「よしこ〜〜〜〜〜〜!!!」

どすんっっ!!!

後藤がひとみの背中に飛びついた

「いってぇ〜!!何すんのごっちん!」
「市井ちゃんとなんの話ししてたの?!」
「そ・・・・それは・・」
「あのゲームのことだったら後藤もでるからねっ!!」

「(よっしゃぁぁああ!!)うん、そのことについて話してたんだ!ごっちんも出るの??ペアになれるといいね♪」
「うん」
「(市井先生に感謝だな〜〜〜〜〜♪)」
54 名前:第一章 投稿日:2002年09月17日(火)21時14分03秒

「ねーねー聞いたー?学校開催の『深夜のどっきり校内探検ゲーム』に市井先生とひとみ様が出るんだって!!」
「うっそ〜〜それほんとぉ?!」
「ほんとほんと!!中澤校長が言ってたの聞いたもん」
「えーーーーーじゃあ私も出る!!」
「でもさ、市井先生が持ってるゲームの参加プリントが無いと出場権ないんだって〜〜〜〜」
「絶対ゲットしなきゃだね!!あっ〜市井先生だぁ」


きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

どどどどどどどどどどどど・・・・・・・・・・


市井「うわぁああっっ?!!喰われるっ!!!!」


市井の持ってるプリントは一瞬にして無くなりました・・・・・・


これで、後は3日後のゲームの開催を待つだけ!!

乞うご期待♪
55 名前:作者 投稿日:2002年09月18日(水)23時01分00秒
<46さん よしごま・・・・・・じゃないんですよね〜(・д・)

今のところまだよく決まってません。すいません!
56 名前:第一章 投稿日:2002年09月30日(月)21時45分11秒

夕食を食べ終えた後、ひとみは一人で部屋にいた。

ここの学校はひとみの家からとても遠くて、毎日家から通うには無理があるので学校の寮に住むことになった。


同室の後藤はまだ帰って来ていない



「(今日・・・・ついにごっちんと夜の校舎を回れる日だ〜〜)」


『深夜のどっきり校内探検ゲーム』

実は開催日が今日なのである。

ひとみはこの日をずーーーっと前から待ち望んでいた。

自然と目じりが下がり、口元が緩んでくる





ピンポンパンポ〜〜〜〜ン♪





『今日の夜、深夜の校内どっきり探検ゲームに参加する生徒は、この後私服に着替え速やかにロビーに集合しなさい』





・・・・・・市井先生の声だ。
57 名前:第一章 投稿日:2002年09月30日(月)22時37分53秒

ごっちん遅いな・・・・・・



その後しばらく待ってはみたが、後藤が帰ってくる気配がないので着替えて一人ロビーに行くことにした。
58 名前:第一章 投稿日:2002年09月30日(月)22時59分31秒

私は、すばやくティーシャツとジーパンをはいてロビーへと向かった。





「・・・・・・・ってあれごっちんじゃん?!」



私の視線の先には、嬉しそうに市井先生と話しているごっちんの姿があった。





・・・・・ん??なんか市井先生の様子が変だぞ?



私が声を掛けようとしたその時、ごっちんの口からとんでもない言葉が発せられた。





「わぁ〜〜〜〜〜〜〜!市井ちゃんと一緒に回れるなんて嬉しいな〜〜〜〜」





・・・・・なんですと?
59 名前:第一章 投稿日:2002年09月30日(月)23時06分15秒

「いや・・・・はは・・・市井も嬉しいよ・・・・ははは・・・・・」
「なんか市井ちゃん、全然嬉しそうじゃないよ」
「そんな事ないって・・・・・・・・って吉澤ぁ?!!いつからそこにっ!!」

「・・・・・・・」

私は言葉を失ってただボー然としていた。

「あっ!!ほんとだよしこじゃんあのね、後藤市井ちゃんとペアになったみたい〜〜〜」

、、、、、がくぅっ!!!



私はその場に倒れそうになったが、なんとか堪えた。




「・・・・・・っ市井先生・・・・?」
「は、はい・・・」
「ちょっと・・・・・・」



そう言って市井先生の腕を引っ張り、ごっちんから少しはなれた所まで来た。
60 名前:第一章 投稿日:2002年09月30日(月)23時22分28秒

「どういうことですか?」
「い・・・いや・・・あのさ、市井失敗?みたいな??」
「真面目に答えないと・・まじで殺しますよ」
「わ、わぁかったから・・そんな怖い顔すんなってば!!」

そして市井先生からすべての事情を聞いた

市井たちの名前を書いたクジを四枚ちゃんととっといたまではいいんだけどよ、いざそれを矢口、市井、吉澤、後藤の順に箱に入れようとしたら・・・・・中棟部の悪ガキいるだろ??たしか加護とかいうやつ・・・・・あいつがふざけてタックルかましてきやがって、クジがばらばらになって箱の中に入っちゃったんだよ。いやぁ〜〜〜偶然って怖いなぁ・・・まさか矢口とおまえがペアになるなんてな・・・・・・

市井も矢口と回るのすっごい楽しみにしてたんだけど・・・・・こうなったら仕方がないから諦めようぜ?ドンマイってことで・・・はは・・・・・・・



「(ふっざけんじゃねぇえーーーーーー!!!(泣)」
61 名前:第一章 投稿日:2002年09月30日(月)23時38分21秒


今にも殴りかかりそうな私の拳をじっと見つめて、

「あ・・・あのさ・・良かったら途中で入れ替わるって作戦もあるんだぞ??」

と、二三歩下がりながら答えた。

「入れ替わる?」
「そ、始まった瞬間後藤を吉澤の方へ行かして、代わりに矢口をこっちに来させる」
「そんなことできんの?」
「学校に入った時と出た時だけ、ちゃんとペアになってりゃばれないだろ」
「そうかなぁ・・・・・」
「なんだよ吉澤。せっかく人が考えてやってんのに!」
「なに言ってるんですか!!元はといえば市井先生が失敗したからでしょう!!!」
「そ・・・・そうだけど・・・・・・・んで??吉澤はやるの?やんないの?」
「・・・・・・・」


私は少しだけ考えて、「やります」とすぐに答えた。
やっぱごっちんと二人っきりになりたいしね
62 名前:第一章 投稿日:2002年09月30日(月)23時54分23秒

そしてすぐにゲームが開催された。

一組ずつどんどん夜の校舎に入ってゆく。私たちの順番は後ろから二番目。ごっちんと市井先生が一番最後となっている。




さっきから隣にいるのは金髪の少女・・・・・・・矢口さん。

私はなんとなく嫌だったけれど、この前みたくあんなには嫌じゃなくなっていた。
今思うとこの人には悪い事したなぁー勝手に切れたりして。一応謝っておくか・・・・・



「あの・・・・・・」
「ん?」

一瞬でこっちを向いた矢口さんの顔は、とても嬉しそうで。なんだかすごく可愛く見えた・・・




「こ、この前はすいませんでした」

何動揺してんだ吉澤ひとみ!!!


「いいっていいって!!あ〜〜〜〜今日もあの時と同じような態度とられるかと思ってびびったぁーーーー!!!あはは♪」

実はとっても明るい人だったんだな・・・・・



「そうですね。あの時はほんとすいませんでした」
「だからいいって!もう全然気にしてないからさっ♪」
「そうですか・・・・・」
「あのさ、名前なんてゆーの??」
「へ?」

いきなり何を言うんだこの人は・・・・・



63 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時00分31秒

「だーかーらー名前っ!」
「あ、はい吉澤ひとみです」

そんな事聞いてどうするつもりだぁ?


「ふ〜ん・・・・・吉澤・・・・・よし・・・・・・・」



ブツブツと何やら考え込んでいる様子。





「よっしー!!!」
「は!?」

あまりの大声に体がびくっ!と反応してしまった。



「いや・・・・・よっ・・・・よし・・・・・・・よっすぃ〜でいこう♪」


いや・・・てかそれは、もう結構前から言われてるんですけど・・・・・
何をあんなに真剣に考えてるかと思いきやあだ名なんか一生懸命考えてたのか・・・・・・



なんか・・・・この人おもろい(笑)
64 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時06分36秒

「それじゃよっすぃ〜!次矢口たちの番みたいだよっ早く入ろう♪」
「は・・・はぁ・・」



やべっ!!!途中で入れ替えること言ってないや!!!




「矢口さん・・・・??」
「ん?」


嬉しそうに私の腕にしがみつき、中に入っていく矢口さん。




「あの・・・・これからの事なんですけど・・・・」
「何〜?」



私は市井先生から教わった通りに、丁寧に一部始終を伝えた。




しかし・・・・・




「・・・・・いや」



「え??」





私は最後の希望まで打ち砕かれた感触がした。
65 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時15分24秒
「なんでですか!」
「嫌なもんは嫌!!ぜーーーーーーーったいに嫌っ!!!」



そう頑固に言い張る矢口さん。私はもう半ベソ状態である・・・・



「理由をおしえてくださいよ」
「・・・・・・・・・・紗弥香のやつ・・・浮気してたことまだ絶対許してやんないんだから!」
「えっ!?市井先生浮気なんかしてたんですか??」
「うん・・・・・・矢口が冗談で、『紗弥香浮気してないよね?』って聞いたら『うん・・・・え??あ、ないよ!!』とか言って超慌ててんの!!!正直すぎんのもいいかげんにしろっつーの!」
「はは・・・・・(市井先生、本当に馬鹿だね)」
「だから、もうしばらく顔も合わせてやんないの!!さっ行こう!」
「え・・・て、ことは入れ替わるのは・・・」

「嫌っっ!!」




がびいいぃぃ〜〜〜〜〜〜ん!!!

66 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時19分11秒

そんな事も知らない市井は、のん気に鼻歌なんか歌ったりして入れ替わる時を楽しそうに心待ちにしていた。



「(ふんふんふーーん♪まぁ、後藤と一緒にいれるのも悪くないんだけど、今は矢口と仲直りが先だよな♪)」
67 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時30分56秒

ずんずんと歩いてゆく矢口&吉澤ペア



「(も・・・・もう何もかもが終わった・・・・・・)」



そう思っていた時だった。

廊下を曲がろうとしたときに、理科の人体模型が飛び出してきた。



「(またこんなベタな物を・・・・・)」
「きゃあっ!」
「ん?」


矢口が吉澤の体に抱きついている

「矢口さん、怖いんですか??」

そう言うとコクンと、顔を胸に埋めたまま頷いた。

体がまだ小刻みに震えている



「・・・・ははっ!かっわいいですね!」


本当に可愛いいと思った。
ごっちんはこんなもんじゃ絶対に怖がらないし、ちっちゃい体を震わせて子犬のような顔で見つめてくるんだもん。
68 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時40分36秒

「だ、だ、だって・・・・怖いじゃんかっ!よっすぃ〜は怖くないの??」

「全然!」

「すっごい!紗弥香以上かもしれない・・・・頼りにしてるから・・・・・」
「わかりました」



左腕にがっちりと矢口さんの両腕が絡みついている。



「(すっごい身構えてる・・・・・)」


今か今か!という感じに体を硬直させて少しばかりまたぷるぷる震えてきていた。



「矢口さん・・・・大丈夫ですよ」
「「うがあああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」」
「きゃあああああーーーーーー!!よっすぃ〜の馬鹿ばかぁ〜〜〜!!出たじゃんかよぅ!」


ゾンビのような物(私にはこうゆう風にしか見えない)が私たちに襲い掛かってきた。


「きゃあーー!!」
「こっち来て!」


すばやく手をぐいっ!と引っ張りなんとか私たちはゾンビが来ないところまで走った。
69 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時50分39秒


「「はぁ・・・はぁ・・・・・・・・」」



矢口さんは床にペタンと座り込んでしまった。



「疲れましたね・・・・ちょっと休みますか?」
「う、うん・・・・・」


私もその場に腰を下ろした









「怖かったよぉ・・・・・・」
「私は平気でしたけど・・」
「あれって絶対中に人入ってるんだろうけどさ、そうは思ってても怖いものは怖いって!!」
「あのゾンビ、じゃがいもが潰れたような顔してませんでした?」
「そんな、見てるわけないじゃん!!ってかじゃがいもが潰れたような顔って(笑)」



はははっ!と二人で笑いあった。


矢口さんって、今更ながらすごいいい人なんだなぁ〜〜



しばらくして、すっかり意気投合した私たちはそろそろゲームに戻ろうという事になった。



70 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時56分23秒

「・・・・・さて、そろそろ行きますか!」
「おう!!」



「・・・・・・・・・」

「矢口さん?」



いつまでたっても立ち上がろうとしない矢口を見て不審に思い、声を掛けた。




「・・・・・・あはは・・・・・・腰ぬかしちゃってるみたい・・・・」

はぁ〜しょうがないなぁ・・・・・・



「じゃあ、私の腕に掴まってください」
「うん、ごめんね〜」

「よい・・・・・しょっと!」



そのときだった!





ズルッ!!!



「おわぁっ?!」
「きゃっ!」




吉澤と矢口の足が引っかかって、バランスを崩し床に二人とも倒れてしまった・・・・・

71 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)00時59分29秒


「・・・・・っつつ・・・・矢口さん、大丈夫ですか?」



ってあれ?矢口さんは??


辺りを見渡しても誰もいない



「・・・・・よ・・すぃ〜〜〜〜・・・・」


下の方から苦しそうな矢口さんの声が聞こえてきた。
まさか・・・・・・・



「重いよぉ・・・」


私は矢口さんの上に覆いかぶさるようになっていた。
72 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)01時01分57秒

「す・・すいませんっ!!!すぐどきますからっ」
「え・・・・」

すると矢口さんは少し残念そうな声を出した。なんでだろ?


あ・・・・・・・





考える前に、私は矢口さんに抱き寄せられていた。
73 名前:第一章 投稿日:2002年10月01日(火)01時06分31秒

「なんで・・・・?」


「わかんないよ・・・・」



わからない?なんじゃそりゃ。

こんな事するんだから何か理由があるはずだろう?



ってかこの体制はやばいっ!!!



私が矢口さんを押し倒してるみたいじゃんっ!!



・・・・こんな所誰かに見られたら・・・・・・・・





















「・・・・あっ」





気づいたころにはもう遅かった。




私の見ている先には・・・・・・・・ごっちんと市井さんがいた。
74 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月02日(水)10時45分20秒
紗弥香→紗耶香ですよ☆
楽しく読ませてもらってます!!がんばってくださいね〜
75 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月03日(木)15時19分54秒
おもろいぞよ。
76 名前:作者 投稿日:2002年10月05日(土)20時58分14秒

<74 名無し読者さん 

レス有難うございます!「紗耶香」でしたか・・・・・・漢字が難しいので分かりませんでした。
教えてくれてどうもありがとうございました、これからも名無し読者さんの期待に応えられるように頑張ります!!

<75 名無し読者さん

おもしろいですか!?まじですか。嬉しいです・・・
今回は少ないのですが更新です。また感想でも頂けたら・・と思います
レス有難うございました!


77 名前:第一章 投稿日:2002年10月05日(土)21時02分06秒

「え・・・」


突然の出来事に、私はただ呆然とする事しかできなかった

私の下になっている矢口さん。
それに抱きしめられている、はたから見れば私のほうが矢口さんに抱きついているこの体制。




そして 目の前には市井先生と・・・・・

私が愛して病まない人・・・ごっちんがいる
78 名前:第一章 投稿日:2002年10月05日(土)21時08分58秒


「・・何 やってんだよ!」


先に口を開いたのは市井先生だった。



「吉澤ぁっ!!てめー今自分が何やってるのか分かってやってんのか!?」

ムカっ!!!

そりゃーこれを見れば、私が矢口さんを押し倒してるかの様に見えますよ!
でも浮気なんかして、矢口さんに嫌がられてる市井先生には言われる筋合いなんか無いっ!!



「よしこ・・・」




  ご、ごっちん・・・





何で泣いてるの!!?
79 名前:第一章 投稿日:2002年10月05日(土)21時20分03秒

「やぐっつあんに何してんの?」






・・・あぁ、そっか

ごっちんの目には矢口さんしか映ってないんだね



私はそっと矢口さんの首に巻きついている腕を解いて、ゆっくりと体を起こした。




「別に・・・・何しようと私の勝手でしょう?」



「吉澤、てめー!!このやろうっ」

「よっすぃ〜?!」




うるさいなぁ市井先生は・・・ちょっと黙ってろよ。
矢口さんは・・・『何でそんな事言ってるの?』みたいな、不思議そうな顔してるな・・・そりゃそうか。




私だって、こんな事言うつもり全然無かった。すぐに誤解を解いて許してもらおうと思ってた。



でも・・・

あのごっちんの態度は何?

私の事はどうでもいいの?



市井先生には悪いけど・・・・ごっちんの私に対する気持ち、ちょっとこの場で聞かせてもらうよ
80 名前:第一章 投稿日:2002年10月05日(土)21時26分42秒

「ごっちんは・・矢口さんの事が好きなの?」



「・・はぁ?」



「ごめんね〜こんな事になっちゃってさ!いやぁ、あまりに矢口さんが可愛いからつい・・・」

「それで?」



うわ・・・・怒ってる・・・

あんな冷たい顔見たことないよ私・・・・

いつもふにゃふにゃ笑ってるから気づかなかったけど、時折そうゆう顔してたもんな。



でもそれは うざい勧誘の兄ちゃんだったり、ファンクラブの子に対してだったり・・・・私に対してではない




「ごっちんはどう思うの?」

81 名前:第一章 投稿日:2002年10月05日(土)21時31分00秒

「だから・・・何を?」




「私と矢口さんがもし・・・・これよりすごい事やってたりしたら・・どう思う?」


避ける?怒る? ・・どんな反応を示すのか・・・・




しかし、返ってきた答えは・・・私とごっちんの今までの関係が簡単に崩れ去ってしまうような・・・・そんな答えだった。




「別に・・・・よしことやぐっつあんがどうなろうと、後藤には関係ないし 」



82 名前:第一章 投稿日:2002年10月05日(土)21時33分38秒


そっ・・か そうだよね。


何とも思わないはずだよ・・・

私がどんなにごっちんのことを想っていてもごっちんは私のことなんか何とも思っちゃいないんだ。


私とごっちんはただの友達だもんね





そっか・・・・・・・・そっかぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・
83 名前:第一章 投稿日:2002年10月05日(土)21時42分54秒


「よっすぃ?!」
「吉澤っ!!」







私は走った

暗くて硬い学校の廊下を、とにかく走り回った



あれ・・・私泣いてるよ・・・恥ずかしいなぁ・・・




「・・・・はは・・・」





私は技術室の前に座り込む。あの場所からは棟もかわりずいぶん遠い所にある教室だ。




「・・・・ちっくしょ 」



涙がでるなんて何年ぶりかな・・・・




自分が思ってたよりも私は・・ごっちんの事が大好きだったみたい



胸の痛みが治まらない・・・・



ごっちん・・・・私のこのどうしようもない気持ちは

あなたに届いてる?



お願いだよ・・・・・私のことをただの友達だなんて思わないで・・

こんな馬鹿な私を愛して・・・・・愛して欲しいの・・・
84 名前:作者 投稿日:2002年10月05日(土)21時44分41秒

なんかシリアスになってしまいました。

また、時間があったら更新します

何か感想でも頂けたら光栄です・・・・
85 名前:ごっちんLOVE 投稿日:2002年10月08日(火)01時36分25秒
作者さん、(・∀・)イイ!
マターリがんがって下さい!
シリアス好きですよ〜
ごっちん、よしこの気持ちわかってあげて・・・
86 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月04日(月)17時50分54秒
続き、楽しみに待ってますよ〜!
87 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月04日(水)23時43分07秒
待ってます
88 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月20日(月)17時38分13秒
保全です
89 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)19時54分01秒


「よ〜しこっ!」


「・・・」



あの日から数日間、
私とごっちんは口をきかなくなった。
しかしそれは、私が勝手にごっちんのことを避けているだけだ。


今だって、折角ごっちんが話しかけてくれているのに、私は無言のまま。
自分の席に座りながら俯いて、視線を合わせようともしない。



なんで、こう・・・素直じゃないかな〜。あたしって・・・。
90 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時00分07秒


「よしこって、ばっ!」



俯いている私の顔を、覗き込むようにして見るごっちん。
頬に空気を溜めながら、少し怒ってます!といったような顔をしているようだ。



あ〜。
なんでこんなに可愛いんだろ?
でも・・あたしがこんなに好きでもごっちんは、私の事なんかどうも思っちゃいない。


そう考えると心が苦しくて。
自分の気持ちを伝える事が出来ないと思うと苦しくて。



「ねぇ、よしこってば〜」




・・あたしはごっちんと、もう『友達』でなんかいられないんだよ。
91 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時04分13秒



「・・・・うるさいなっ!!」





私の腕に触れていたごっちんの手を乱暴に振り払って、
これ以上無いくらい怖い顔を『作って』見せた。
ごっちんの目を睨み、視線を逸らさないで絶対零度の瞳を向ける。


・・・・



それでも、
ごっちんはふにゃっと力なく笑いながら、私の腕にしがみ付こうとしてくるんだ。



「そーんな怒んないでよぉ。その顔そぉ〜と〜怖いって!」
92 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時07分55秒




「もう・・・うるさいっつってんだろ」
「よしこ・・?」

「離れろって!」
「なに、そんなに怒ってるの?」


バッ!!




再び、ごっちんの手を振り解いて教室から出て行こうとした。
授業開始のチャイムが鳴っている事に気がついてはいたが、
もうごっちんと一緒にいる事に、私は耐えられなくなっていた。
93 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時10分30秒



「よ〜しこぉ。」



教室を出て行く時、あたしの背中にごっちんの声が聞こえた。
その声も、いつもと全然変わらなくて、
どちらかといえば普段より温かみを帯びたような声だった・・・



「今日も、一緒に帰ろうね?」



あたしは、振り返ることなく無言で教室から出て行った。
94 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時17分11秒



「はぁ〜・・・」




私はごっちんが好きだ。
ごっちんが私の事をどう思っていたとしても、ごっちんの事が大好きだ。





「ごっちん・・・」




手を振り払った瞬間に、
一瞬、ほんの一瞬だけ見せたごっちんの悲しそうな表情。

泣きたいのをぐっと我慢して無理やり見せたようなあの笑顔




「好きだよ・・・」




ごっちんに、言いたいけど言えない言葉。
こんなに苦しいのなら、もう恋なんてしたくないよ・・・。



95 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時21分45秒



「吉澤?」



突然の声にびっくりしてバッと振り返ると、
そこには白衣姿の市井先生が立っていた。




「おい、どうしたんだ?こんな所で。」
「なんでもないです・・」
「なんでもないとは思えないけど、なぁ」
「・・・」
「顔、これで拭いとけよ」




私の視界は、段々とぼんやり歪んで見えた。
市井先生にハンカチを受け取って、
そこで初めて私は自分が泣いていることに気がついた。

96 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時24分48秒



「言いたい事はわかるけどさ・・・」



私は市井先生に連れられて、教材室の中へ入っていった。
頬を伝う涙はまだ止まらなくて、
市井先生からもらったハンカチはもう涙でぐしょぐしょになっていた。


「先生・・」





「俺、矢口と別れたんだ」






・・・えっ・・?
97 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時30分37秒



「あの日から、矢口、市井を避けるようになってさ。
理由を聞こうとしても、市井の顔を見てもくれねぇんだ・・・」


市井先生の顔が段々険しくなっていっている。
白衣の裾を掴む手に、いくつも血管が浮きだっていた



「それで・・・」

市井先生の話は、これだけじゃ終わらないと思った、

「ははは・・・昨日さ、ここに矢口を無理やり呼び出して、
別れようって言ったんだ。あいつ、どんな反応するかなって思って・・・」



「はい・・・」


「言い終わった後、少し考えるふうに下向いてさ・・・、
しばらくしてから決心したようにパッて顔上げて、市井に言ったんだ。」

98 名前:第一章 投稿日:2003年01月20日(月)20時35分03秒



「何て、言ったんですか・・?」




私はゴクリと唾を飲み込んだ。
市井先生は、
険しい顔を一気に寂しそうな顔に変えて、私の事をじっと見つめた。
その瞳に含まれているのは、『悲しい』『寂しい』
そんなものだけでは無くて・・・・


あたしの予感が正しければそれは、







「矢口、おまえの事が好きになったんだと。」





その市井先生の視線が痛いのは、
私に対する『怒り』からくるものだった―――――――――
99 名前:作者 投稿日:2003年01月20日(月)20時36分59秒

更新ここまでです。
100 名前:作者 投稿日:2003年01月20日(月)20時38分51秒
長い間更新出来なくてすいません。
保全をしてくださった方、レスをくださった方、
とても感謝しています。
有難うございました!!!

これからは、もう少し更新ペースを上げて書き続けていきたいと思います。

また、感想でも頂けると嬉しいです。
101 名前:作者 投稿日:2003年01月20日(月)21時12分19秒

ちょっと下げます。


102 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月29日(水)18時24分31秒
はじめて発見しました!
全然気付かなかった。
好きです、こーゆーの。
さやまり好きにはちょっと辛かったのですが。

あ、でも四人とも幸せになって欲しいです。
頑張ってください。
103 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)14時14分02秒
まだかなぁ
104 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月10日(月)17時53分26秒
ほぜん
105 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月02日(水)16時51分42秒
まってる
106 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月18日(金)14時19分42秒
高橋出現待ちです
107 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月22日(木)02時22分53秒
ほぜん
108 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月21日(土)17時57分35秒
保全
109 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/11(土) 00:49
今日初めて一気に読んだんですけどこーゆーの好きです!
よしやぐ期待!!
更新待ってます☆

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