インデックス / 過去ログ倉庫 / 掲示板

ひとつ屋根の下。

1 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)12時43分54秒
ある2人の美少女が出会った。


ひとりは全てに置いて常に完璧を目指し、穏和な性格を持つ美少女。

ひとりは自分以外信じず、全身で大人になることを拒否する美少女。


彼女らは次第に惹かれあい、お互いを知っていく。
2 名前:\(^▽^)/ 2get 投稿日:2002年09月29日(日)16時38分40秒
新スレおめでとぉございま〜す。
http://fukuoka.cool.ne.jp/black_eagle/omedeto.htm

HITOMI AIRLINESのヘタレ管理人EAGLEです。
「ひとつ屋根の下」の人物紹介とhtml化を担当している輩です。
読んで下さる方、これからよろしくです。
人物紹介などは
http://fukuoka.cool.ne.jp/black_eagle/yanenoshita.htm
にあります。

では、長話もなんなんで、今日はここらで退散させてもらいます。
3 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)20時33分05秒
>EAGLEさん
ありがとうございます^^
いやぁ〜EAGLEさんあってこそのこの作品ですので!
すでに下書きはどっさり・・・(w
では初更新でーす〜
4 名前:―美少女1 吉澤ひとみ― 投稿日:2002年09月29日(日)20時33分47秒
「吉澤、お疲れ。」

「あ、保田さん。」

彼女は冷たいコーラを持ってあたしの隣に座った。

向こうにはカメラのフラッシュを浴びるモデルさんが撮影中。


「先月号の吉澤がメインのページ、評判良かったよ。」

「あ、ホントですか?」

「今月号は表紙やらせてもらえるらしいから、頑張って。」

「はい、ありがとうございます。」






私は吉澤ひとみ。私立M高に通う16歳。
あんまりハイなテンションは苦手で、
クール(?)な極フツーの女子高生・・・だったんだけどさ。

保田さん曰く、『あんたはもう有名人』・・・らしい。



話は1年前にさかのぼる。


5 名前:―美少女1 吉澤ひとみ― 投稿日:2002年09月29日(日)20時35分04秒
『ごめん、付き合えない。』

『え・・・あの、付き合ってる人とかいるんですか?』

『・・・・・・ごめんね。』




・・・いつからこんなことが日常茶飯事になっただろう。

男っぽい性格からか、昔から女の子に告白されることは多かった。

中学・高校と女子校で、女同士で付き合うという光景も見慣れていた。

告白されて断る理由は、う〜ん・・・同性愛を軽蔑してるわけじゃない。

なんていうか、あたしはただ恋愛をするのが苦手で、

付き合うとか付き合わないの関係も好きじゃない。

告白される相手が女だろうと男だろうと、あたしは興味がなかった。




成績もまぁまぁよかった。

いちおー上位1ケタはキープしてたし、中途半端もキライだし。

それにお母さんのためにもね。

うちはずっと昔に父を亡くしていて、兄弟もいない。

つまりお母さんと二人暮しってわけだ。

お母さんは警察官。家に居ることは滅多にない。

そんな風にあたしを女手ひとつで育ててくれたお母さんを尊敬してる。

まあ照れくさい話はこのへんで。



普通の女子高生をしていたあたし。

それを変えたのは・・・『モデル』という道だった。

6 名前:―美少女1 吉澤ひとみ― 投稿日:2002年09月29日(日)20時35分50秒



『ねぇ、君。』

渋谷を歩いていた時、ひとりの女性に話しかけられた。

『モデルとかって、興味ある?』


・・・またか。
繁華街を歩いているとよくこういう人に止められる。
モデルだの芸能界だののお誘いだ。


『ないです。ごめんなさい。』

そういっていつものようにその場を去ろうとした。


『あ〜っ!ちょっと待ってよ。一応、考えといて。』

『え?』

『これ、あたしの名刺。ちょっとでも興味わいたら電話してよね。』


そういってその人は走り去っていった。






変なヒト・・・

そんなことを思いながら名刺に目を向けた。


『保田・・・圭、か。』


怖そうなオバさんだったなぁ・・・いや、オバさんって年でもないか。

まぁどうせ断るけどさ。

そんなことを考えながら家に着いた。

7 名前:―美少女1 吉澤ひとみ― 投稿日:2002年09月29日(日)20時36分35秒



・・・・・・



ガチャ



『ひとみ、おかえり。』

『あれ?お母さん?!』

そこにはいつも仕事でいないお母さんの姿があった。


『仕事、今日は休みなのよ。』

『え、うわ〜すごい久しぶり!元気してた?』


久しぶりに見たお母さんはいつもの元気そうな顔で笑った。
一ヶ月ぶりくらいだろうか。電話でしか聞かない母の声がここにある。

嬉しい。



『あら、それ何?』

お母さんは持っていた名刺を指差した。

『あぁ、これ?なんかモデルになりませんかーっていうやつ。』

そういってヘヘッと笑った。

『え!!ひとみスカウトされたの??』

『へ?う、うん。よくされるよ。でも断ってる。』


・・・・だって、お母さん忙しいじゃん。
あたしがもしモデルになったりしたら、なんか余計な心配させちゃうし。
お母さんには絶対心配かけないって決めてるんだもん。



8 名前:―美少女1 吉澤ひとみ― 投稿日:2002年09月29日(日)20時37分13秒


『なんでよ〜、入ってみなさいよ!』

『へ?』


お母さんの一言にピタッと動きが止まった。


・・・どゆこと??


『あ!また余計な心配かけたくないからとか思ってるんでしょ?』

お母さんはイタズラっぽく笑った。

・・・お見通しってか。


『そうだよ・・。』

『アハハ、何言ってるのよ、もう。入ってみなさいよ!ね?』


唐突な勧めにちょっと困ってしまった。


『でも・・・・。』

『ひとみが有名になったら嬉しいわよ〜〜。』

『お母さん・・・』

『ね、やってみなさいよ!』




そんなことがキッカケで、あたしはモデルの仕事を始めた。


9 名前:―美少女1 吉澤ひとみ― 投稿日:2002年09月29日(日)20時38分18秒



そして現在―――

特に興味もなかった仕事。

でも保田さんはいい人だし、モデルも悪くない。

収入のほとんどはお母さんへ渡している。

あたしが専属モデルとして出てるのは、今若者の中で1番人気の、

【Going My Way】という雑誌だ。名前を付けたのは保田さんらしい・・・

しかも今月号は初めての表紙にひとりで写ることになった。

だんだん有名になっていってるのかな・・・??



・・・


「おはよー、ひとみちゃん!」

「梨華ちゃん。」


このコはクラスメイトの石川梨華ちゃん。

中学からの友達だ。


「ひとみちゃん、お母さん再婚するかもしれないんだって?」


梨華ちゃんは上履きを履きながらあたしに尋ねた。






そう、ちょうど1週間前ぐらいかな?

お母さんから突然、『再婚するかもしれない。』と聞いた。

母の再婚に、あたしは別に反対なんてしようとお思わなかった。
10 名前:―美少女1 吉澤ひとみ― 投稿日:2002年09月29日(日)20時39分09秒






相手は子供服のデザイナーをやっている・・・えっと、後藤さん?だっけな。

後藤・・・ダイスケ?そんな名前の人だった気がする。

後藤さんちも奥さんと死別しているらしい。

・・・・・・しかも、あたしと同い年の娘がいるとか・・・。


・・・


そのことをついこないだ梨華ちゃんに話したのだ。


「あぁ、そうらしいね。」

軽く流す。

「ひとみちゃん、興味まったくないの?」

「いや、お母さんが幸せならそれでいいかなーって。」



・・・ちょっと照れくさい。まぁ、ホントのことだけど。


「ひとみちゃんは親思いだね。」

「そう?そんな風に見える?」

そういってニコッと笑いかけた。


・・・

最近お母さんは、再婚相手の後藤大輔さん(思い出した)の家によく行く。

大輔さんの娘はどうやら再婚に反対してるみたい・・・・?

11 名前:とみこ 投稿日:2002年09月29日(日)20時40分58秒

初更新終了です。

次回は『―美少女2 後藤真希―』です。

12 名前:EAGLE@(0^〜^)つ◎ ベーグルぅ 投稿日:2002年09月30日(月)02時58分23秒
Going My Way
キタ--------------!
これからの展開が楽しみだ♪


>とみこs
オイラは大したことはやってないっすよw
13 名前:とみこ 投稿日:2002年09月30日(月)18時38分03秒
>EAGLE師匠
いえいえ^^だいぶ助かってますよ。
さてさて下書きもたまってることですし更新します!
14 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時38分33秒








「ごとーは再婚なんか認めないよ。」


いつものように、パパにそんな言葉を投げつけた。



「真希・・・吉澤さんはいい人だよ。真希だって母親が居た方が―――」

「そんなのいらない!!ごとーはパパだけ居てくれればいい!」

「でも吉澤さんは―――」

「うるさいな!ごとーは母親なんていらない!!」

・・・・・どうして?


どうしてパパはその女の肩ばかり持つの?

ごとーより、その女の方が大切なんだ。そうなんだきっと。

しかもごとーと同い年の連れ後がいるらしいのよね。

そういうの絶対許せないのよね!

ごとーはパパしか好きじゃない。母親なんていらない!!!

15 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時39分09秒




ガチャン

・・・ガチャ


学校が終わると、いつものように誰もいない家に帰る。

パパは仕事。


ママはごとーを産んだ時に死んじゃった。


だからその他には誰もこの家には住んでない。

いつもひとりでカギを開けて、「ただいま」といっても返事はない。

そんな毎日。ごとーだって「ただいま」も言わなくなった。



三階建ての吹きぬけの天井。

ひとりになると、この広い家の広さが寂しさに変わる。

・・・


ピンポーン



突然の訪問者。

・・・誰?



「はぁい。」



ガチャ


大きな両開きのドアを開けた。

16 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時40分37秒


「あら、真希ちゃん。」

「・・・・・!」


そこに立っていたのは、パパの再婚相手だった。



吉澤かおる・・・だっけ。




「何の用?」

「えっと・・・大輔さんは?」

「パパならいないわ。」

「・・・そう。あ、ホットケーキ作ろっか!真希ちゃん、一緒に食べよう。」


そういってかおるさんは台所に向かった。



「ちょっ・・・勝手に台所使わないでよ!」

「え?」


「帰って!帰ってよ!!」

「ちょっと・・、真希ちゃん・・・」


17 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時41分17秒


ガチャ

「ただいまー。」


その時、ちょうどパパが帰ってきた。


「あれ?真希。それに・・かおるさん?」





パパの声さえも耳に入らない。


「母親ぶらないでよ!!ごとーの母親でもないくせに!」

「・・・でも、これからそうなっていくでしょう?だから・・・」

「ごとーは母親なんていらない!新しい家族なんていらない!」

「真希ちゃん・・・・」

「パパみたいにカッコよくてお金持ちな男、そうそういないものね!」

ごとーは鼻で笑って見せた。


「そんなつもりじゃっ・・・あたしは―――」

かおるさんの手はごとーの肩に触れた。





バシッ





「触んじゃねぇよ、ババア。」










パンッ





その直後

乾いた音が部屋中に響いた。


18 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時41分53秒



・・・・・

・・・パパの手がごとーの頬を強く打った。

何がなんだかわからなくって、涙がどんどん出てきた。

それは、ごとーにとって初めての感情で―――



「・・・パパ・・・・?」


ごとーは自分の頬を押さえてひたすら泣いた。

どうしてパパはその女の肩ばかり持つの?

いつからパパはそんな風になっちゃったの?

変だよ?変だよパパ!!








「どうして?!パパはもうごとーが可愛くないんでしょ?!」



「真希・・・?!そんなわけ―――」


ごとーは走って二階に上った。

そして自分の部屋に入って思いっきりドアを閉めた。




「・・・なんで・・・なんで?パパ・・・」



パパはもう、ごとーなんて可愛くないんでしょ・・・?



かおるさんの方が大事なんでしょ?


19 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時42分39秒



コンコン


数分後、ドアを叩く音がした。

ごとーは袖で涙をぬぐった。



ガチャ


「真希・・・。」



・・・パパ・・・


「パパは真希への愛情がなくなったわけじゃないんだよ。

真希が産まれたときママに先立たれて、もうどうすればいいかわからなかったよ。

でもここまでやってこれたのは真希が居たからなんだ。」


「・・・っ!でも今まで2人でやってこれたじゃない!なのにどうして?!」


「・・真希・・・・・・。」








どうして?なんで?

ごとーわかんないよ!パパはいつもごとーのこと考えてくれてた。

なのに女が現れたらそんなのどうでもいいんだ!!

ひどいよパパ、ひどいよ――――



「真希、すぐに再婚するとは言わない。けど、真希も一緒に考えて欲しいんだ。」




「・・・・。」




「もっといい幸せ、考えて欲しいんだ。」











そういってパパは部屋を出て行った。


20 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時44分01秒




【幸せ】






・・・幸せ?

ごとーにとって幸せは、パパといること。

大好きな大好きなパパと、ずーっと一緒にいることだよ?

パパの幸せは何?

ごとーと居て幸せ?

それとも、【吉澤かおる】と居ることが幸せ?

ごとーは・・・かおるさんなんか居ても幸せじゃない。

もしパパの幸せが再婚なら、

再婚は、パパの幸せのためにごとーがガマンするってことになるよ?

ごとーはパパにガマンっていうことを教えてもらわなかった。

パパはごとーに何でも与えてくれたんだもん。

それが普通だと思ってたもん。

だからごとーはガマンなんてしなくていい。



それは、間違ってるの?






でも・・・もしかして、

パパはごとーに何でも与えてあげるために・・・・

いくつものことをガマンしてきたかもしれない。

いつもごとーを甘やかしてきたパパが、







初めてごとーをぶった。




・・・・・



初めてパパが折れなかった。







あの甘いパパが初めて――――



21 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時44分51秒



ごとーはゆっくり階段を降りて1階に行った。


ガチャ



「パパ。」






「真希・・・、。」

「ごとー・・・もういいよ。」


「え?」



・・・


「ワガママ言ってごめんね・・パパ。」

「・・・真希。」





もう、勝手にして。





「ありがとう、真希。ありがとう・・・。」









・・・・もういいや。



これでいいんだよね?

パパが言う幸せはこれなんでしょ?


・・・・もういいや。

こんなつまらない世界、

変われるわけないんだから。

新しい家族が増えても、何も変わらない。



もう、どうでもいいや。


どうにでもなればいい。



22 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時46分49秒
そして日曜日――――





かおるさんとかおるさんの娘と4人でに会うことになっていた。




東京タワーの中にあるでっかいレストランで待ち合わせをした。

パパと一緒に行くと、もうすでにかおるさんが席に座っていた。


「真希ちゃん、こんにちは。」

何もないように笑うかおるさんに、ごとーは目をそらした。

この人を好きになるわけがない。

ごとーは一生この人を母親と思いたくない。





そして――――







「遅れてすみません。」



突如現れた【美少年】。


・・・誰?!


23 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時47分27秒



「遅いわよ!早く座りなさい!」


かおるさんはその【美少年】を席に座らせた。

パパも目を点にして見ていた。



「あのー、かおるさん?そのコは誰ですか?」


パパは恐る恐る尋ねる。




「え?うちの娘のひとみですけど?」



え?!む、む、む、娘?!ってことは

この美少年は・・・女?!




「宜しくお願いします。」








彼女の名前は吉澤ひとみというらしい。

背も高く、髪は微かに茶色い感じ。

ショートカットのボーイッシュな少女だった。




・・・にしても綺麗な人だなぁ・・・

顔もすごい整ってるし、目はパッチリ二重。

美白だし、髪は痛んでないしサラサラだし、

背もごとーより高くてスタイルもいい!!

ひゃーモデルさんみたい!!


そんなことを思いながらひとみさんをじーっと見ていると、

かおるさんが口を開いた。



「この子、ちょっとモデルの道をかじってるんですよ。」





ふーん、モデルなんだー。


・・・

・・・

・・・






も、モデル?!


24 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時48分00秒



「へぇ、ひとみちゃんはモデルをやってるんだ。」

パパは興味津々で彼女に尋ねた。


「はい。大輔さんはデザイナーと聞いたんですが?」

「あぁ、そうだよ。今度モデルお願いしようかな。」

「はい、是非。」

パパはニコッと笑う。そして吉澤ひとみも笑う。

・・・もう和んでるし・・・・・



・・・


それにしてもほんと美人。

モデルかぁ〜有名人さんなんだ〜

ごとーはあんまり雑誌とか見ないからわからないけど・・・。



「あの、そちらは大輔さんの娘さんですか?」


丁寧な口調で彼女はパパに尋ねた。


「ほら、真希。」

パパが背中をポンッと押した。



「えっと・・・・後藤・・真希です。」


いくら美人とはいえ、他人は他人。

ごとーは警戒しまくりで自己紹介した。


25 名前:―美少女2 後藤真希― 投稿日:2002年09月30日(月)18時48分31秒



「真希ちゃんっていうんだ。あたしはひとみ。よろしく。」


ハスキーボイス+超さわやかボーイッシュスマイルでキメられた。

・・・不覚にもごとーは少しドキッとしてしまった。



「お母さん、あたしは再婚いいと思うよ。」

彼女はかおるさんに向かってそう言った。

かおるさんは「そう?ありがとう。」といって笑う。


・・・ごとーはよくな〜〜〜〜い!!!


「大輔さんもいい人だし・・・それに、」




突然、ごとーの方を見てニコッと笑う。





またその笑顔っすか・・・・。


何、ごとー狙われてる?

だって姉妹になったら同じ家で過ごすワケでしょ?!

いくら女だからってこのボーイッシュぶりを見たら、




・・・こいつ、女慣れしてるな。


って思う。





「ど、どーも・・・。」

ごとーは笑わずにそう言った。



この再婚、厄介になりそう・・・・?

26 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年09月30日(月)18時49分09秒



次の日。

学校が終わって、ごとーは近くの本屋さんに立ち寄った。

ボーッと雑誌を立ち読みしながら昨日のことを思い出していた



【吉澤ひとみ】



一度見たら忘れない。

知的な眉。優しい目。

筋の通った高い鼻に、キュッと閉じた唇。

きっと彼女は、パーフェクトだろう。

ごとーは一瞬でそう思った。

パパとかおるさんが再婚したら、あの人と【姉妹】になる。

一緒に、同じ屋根の下で過ごす。








不思議なカンジ。







「あ、今月号の表紙よっすぃーだぁ!!」


隣で数人の女子高生が雑誌を見てそう言った。


・・・・Going My Wayという雑誌だった。

名前くらいはごとーだって聞いたこともある。


ごとーはその雑誌を手に取った。



そして表紙に目をやる。














――――――――


ピタッと動きが止まった。




27 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年09月30日(月)18時49分48秒

・・・これって、吉澤ひとみ・・・・?




その雑誌の表紙には、紛れもなくあの人が。

昨日一緒に食事をした   あの人が。

姉妹になるかもしれない  あの人が。




・・・・・・・・・・



「500円です。」


さっきの女子高生は雑誌を既に会計していた。




ごとーもいつの間にかそれをレジにもっていっていた。




本屋を出ると、さっきの女子高生がその場で雑誌を読み始めた。


「よっすぃー最近売れてるよね〜。」

「そうそう。しかもM高通ってるらしいよ!!」

「ウソ?!超頭いいじゃん!!」

「今度押しかけてみよ〜!生よっすぃー見てみたいし!」



・・・かなり有名なんだぁ。

よっすぃーって吉澤ひとみのあだ名、だよね?







そんんことを考えながら、ごとーは家に帰るためにバス停に向かおうとした。





その時だった。



28 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年09月30日(月)18時50分23秒



「ねぇ!!あれ、よっすぃーじゃない?!」


さっきの女子高生のひとりが、大声をあげた。



「え〜違うよ〜!あ、でも・・・あ〜どうだろ?」

「絶対よっすぃーだよぉ!!」



・・・ん?



ごとーは彼女たちの視線をたどった。

すると、帽子を深くかぶった人が携帯で誰かと話していた。




「はい、じゃぁ事務所に向かいます。」



そういって電話を切った。






すぐにわかった。


だって、昨日聞いた声と同じなんだもん。

少しかすれた穏やかなアルトな声。


吉澤ひとみの声。


・・・



女子高生はあっという間にその人の元へ走っていった。




「「「あの!吉澤ひとみさんですよね??」」」


一斉に声をかけた。

彼女は一瞬戸惑う。


「・・え、あぁ・・・ハイ。」

「「「キャー、本物だぁ!私たちファンなんです!雑誌読んでます!」」」

「ありがとう。」



モテモテじゃん。まぁあの顔だったら世の中の女子高生は放っとかないよね。

29 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年09月30日(月)18時51分01秒


そんなことを考えながら、ごとーは背中を向けた。

そしてさっきの雑誌を読みながらバス停に向かったのだ。



【★特集★人気爆発中の『よっすぃー』こと吉澤ひとみちゃんに直撃!!】


表紙はそんなタイトルで飾られていた。




―――今から姉妹になるかもしれない人が、こんなにも遠い存在だと知った。


吉澤ひとみは、世界が違う人間なんだ。

みんなのアイドル。有名人。人気者。

そんな存在なんだよね。






数分後、停車したバスに乗った。

ごとーの好きな一番後ろの広いイスに座る。


そしてもう一度雑誌を広げた。



プシュー・・・・バタン。


バスのドアは閉まり、発車する・・・・・その時だった。



プシュ〜・・・・・・・


再びドアが開いた。




「ふぅ・・・・すみません。」



飛び込み乗車だ。

その人はお金を払うと席を探して後ろの方に歩いてきた。



深く帽子をかぶっていた。




・・・・ん?





吉澤、ひとみ・・・・?



30 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年09月30日(月)18時51分35秒



もう一度よく見ると、間違いなく『吉澤ひとみ』だった。



「・・・あっ。」


彼女はごとーに気付いた。

ごとーは軽く頭を下げて、また雑誌に目を落とす。







・・・うわ〜、何でまた会うのぉ〜〜

やだな、パパもかおるさんもいないのに。

この人と会っちゃうなんて・・・・・



ごとーは焦りを隠して雑誌を見ていた。






「あの・・・」



その時。耳元で声がした。


・・・それはあの優しい声・・・




ごとーはフッと顔を上げる。

















「となり、座ってもいいかな?」



・・・・・・・








二度目の出会いだった。

31 名前:とみこ 投稿日:2002年09月30日(月)18時56分11秒
更新終了です。
次回は明日。。。。
32 名前:ダンサー 投稿日:2002年09月30日(月)21時21分52秒
新スレおめでとうございます!
前作よりも大人なよしごまが
見れそうですね(^O^)
33 名前:名無し読者。 投稿日:2002年09月30日(月)22時58分51秒
初カキですが今までの作品も読んでました!とみこさんとはなにげにマンガの趣味が合いそうです(>_<)今回のはカレカノちっくな設定ですね。
34 名前:とみこ 投稿日:2002年10月01日(火)11時18分51秒
>ダンサーさん
>新スレおめでとうございます!
ありがとうございます。そうですね、前回は中学生よしごまということで、
今回はすこし大人っぽくなるかもしれません^^

>名無し読者。さん
読んでくださってたんですか!ありがとうございますvvうれしいです!!
マンガの趣味合いますか?^^そのまま丸写し(?)はしませんが、
今回はカレカノの初めの設定だけをコピーさせてもらいました^^
これからは全然違う話になります(w
35 名前:後藤真希 ―最高のパートナー― 投稿日:2002年10月01日(火)11時19分34秒



隣に座っている人に、ごとーは意味もなくギクシャクしてしまった。


「あ、その雑誌。」


彼女はごとーの広げている雑誌に目を落とした。



「あ・・・ちがっ、これは―――――」

ごとーは慌てて雑誌をカバンにしまった。



・・・


そんなごとーを見て、彼女はニコッと笑った。


・・・・なんだよ、その笑顔は・・・・



36 名前:後藤真希 ―最高のパートナー― 投稿日:2002年10月01日(火)11時20分07秒



「真希ちゃん、だっけ?」

「・・・へ?」



「何て呼べばいい?真希、でもいい?」


気安くそう言われた。

・・・何て答えたらいいのやら・・・・



「・・・別に・・・何でもいい。」


人見知りが激しいのは、自分でも知っていた。

特にこういうキャラの人は苦手だ。




「じゃぁそう呼ぶね。あたしのことはヨッスィーでも何でもいいよ。」



「・・・・うん。」



早くバス、着かないかな・・・・



37 名前:後藤真希 ―最高のパートナー― 投稿日:2002年10月01日(火)11時21分26秒




「真希。再婚、反対してるらしいね。」


微かに笑顔を見せながらそう言った。

それは決して嫌味な笑顔じゃなく、とても落ち着くような表情だった。

あぁ、きっとこの人はみんなから慕われてるんだな。

そう思った。



「再婚自体は別に・・・。ただあなたやかおるさんを家族とは一生思えない。」


ごとーはまたそんなセリフを吐いた。


「・・・『あなた』じゃなくて、ちゃんと名前呼んでよぉ?」

ふざけたように彼女は言う。


・・・はぁ、この人ホント苦手だ・・・

・・・・




「うるさいなぁ。ほっといてよ。」


・・・

ごとーはふてくされたように外を眺めた。



「かわいいな、真希は。」

・・・またからかう・・・



そして初めて沈黙が流れた。














「うちのお父さん、あたしが小さい頃に死んじゃったんだ。」




彼女は突然話を始めた。


その内容に少し驚いた。
38 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月01日(火)11時22分03秒




「刑事だったんだ。事件に巻き込まれてね。犯人に撃ち殺された。」


そういってまたあの笑顔を見せる。


・・・・


「どうして笑っていられるの?」

「え?」

「父親が死んだ話で笑うなんて・・・・・」

「・・・あぁ、そうじゃないよ。ただあたしは悲しいことだとは思ってないから。」


髪の毛をいじりながら話を続ける。



「寂しいけど、悲しくはないよ。お父さんを誇りに思ってる。」




・・・

初めて見た彼女の真剣な表情。


どこか、共通点を見つけたような気がした。


39 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月01日(火)11時22分31秒




「真希の話も聞かせてよ。あたしだけじゃズルいよ?」


すぐに笑顔に戻る。

それが偽りなのか本心なのかはわからない。

ポーカーフェイスのうまい人だ。



「・・・・ママはごとーを産んだ時に死んじゃった。」


スッと言葉が自然に出た。


「だからママのことは何も知らないの。」






「ふーん。じゃぁ大輔さんと2人でずっと?」

ごとーはコクリと頷いた。



なんだか彼女の冷静な言葉ひとつひとつが穏やかで、

あったかくて、優しくて。




すごく、安心した。






もっと話がしたいな。



・・・

40 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月01日(火)11時37分03秒
・・・・


「お母さんから聞いたけど、真希んちはお金持ちらしいね。」

「・・・そんなことないよ。」

「でも三階建ての一軒家でしょ?すごいなぁ。あたしんちは普通のマンションだもん。」



そんな会話が心地よかった。

―――


『次は、大和通り・・・・』


バスのアナウンスが言った。


「あ、あたしここで降りなきゃ。」

彼女は荷物を持って席を立った。

・・・


「ごめんね、まだ会って間もないのにこんな馴れ馴れしくして。」


苦笑いを見せながらそう言った。


「別に・・・。」

ごとーはプイッと向こうを向いた。


・・・はあ、素直じゃないなぁ・・・




「あれ、あたし真希に嫌われちゃったかな?」

「・・・えっ、いや・・・ちが・・」


どうしても素直になれない。

このままじゃカンチガイされたままお別れ―――ー


41 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月01日(火)11時37分36秒




「・・・・ん?どうしたの?」


バスは刻一刻と停留所に向かって走る。


もうすぐ大和通りに着いちゃう・・・



「あのっ・・・あのね、・・・」


ごとーはモゴモゴしながら彼女を見つめる。



「?」

そんなセリフが今彼女にはいちばんお似合いだろう。



・・・・・・・









「ま、また会える・・・よね?」





自然にそんな言葉が出た。














彼女はまた、ニコッと笑った。



42 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月01日(火)11時38分14秒





「よかった、嫌われてるかと思った。」


ほら、またその笑顔。


その笑顔に、ごとーは初めての感情を覚えた。


安心とはまた違って、癒されるっていうか・・・・


なんか・・・・・わかんないけど・・・・





プシューッ・・・・・・


バスが揺れと共に停車した。



『大和通りです。ご乗車ありがとうございました。』


・・・・



「じゃぁね、真希。」



彼女は最後の最後までその笑顔で・・・・


ごとーに手を振った。





・・・バイバイ、よしこ。



43 名前:とみこ 投稿日:2002年10月01日(火)11時39分04秒
更新終了です。
なんか文才ないっすね・・・(w
44 名前:EAGLE 投稿日:2002年10月03日(木)18時00分23秒
とみこs
>EAGLE師匠
オイラはそんなに偉く無いッスよw
やべぇ、続きが気になる…
すんげぇ、気になるw
次は誰が来るかな、っと
45 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月04日(金)23時27分29秒
あ〜!とみこさんの新作だ^^
とみこさんの作品すきなんでがんばって下さい。
46 名前:とみこ 投稿日:2002年10月05日(土)19時08分18秒
>EAGLEさん
またまたEAGLE師匠じゃないですか!(嬉
ありがとうございますvv
これから出てくるのは・・・誰でしょう??(w
ごっつぁんの気持ちの変化がそろそろ表れますよ^^

>名無し読者さん
>あ〜!とみこさんの新作だ^^
見つかっちまいましたか(w
全作というとヘボ時代のころも・・・(w
いえいえいまもまだまだヘボですが^^;
応援ありがとうございます!頑張ります!
47 名前:とみこ 投稿日:2002年10月05日(土)19時42分10秒


『まもなく、西小学校前・・・』


アナウンスの声で目が覚めた。

ごとーはいつの間にか眠りについていたのだ。





・・・・


夢を見てた。

よしこと姉妹になって、同じ屋根の下で笑ってる夢。

夢は自分が望んでる物が写るんだよってパパから聞いたことがある。

・・・変なの。




プシュー・・・・バタン



西小学校前で降りると、ごとーは家に向かって歩き出した。

48 名前:とみこ 投稿日:2002年10月05日(土)19時42分40秒


・・・




「真希ちゃん!」


突然。

背後から誰かに名前を呼ばれた。




そこにはパトカーが1台止まっていた。



パトカーの中からヒョコッと顔が出る。


それは・・・


警官の制服を着たかおるさんだった。

かおるさんの警官の仕事をしている姿は、初めて見た。



バタンッ


かおるさんはパトカーから降りて、ごとーに歩み寄ってきた。


「今ちょうどパトロールが終わった所なのよ。いま学校の帰り?」



・・・ごとーはプイッと後ろを向いて歩き出した。



「あっ、ちょっと真希ちゃん?」

「うるさいなっ!!」



咄嗟に振り向いた。


・・・何なのよ。

また母親ぶってさ。


点数稼ぎとかウザいんだよ。



49 名前:とみこ 投稿日:2002年10月05日(土)19時43分23秒





「真希ちゃん、再婚のこと・・・まだ怒ってるの?」

「再婚でもなんでも勝手にすればいいじゃん!!」



・・・

「え・・・?」


「でも・・・再婚しても、あなたのこと家族とは思わない。」

「そんな・・・」

「ごとーの家族はパパと死んだママだけなんだから!!」



そういってそのまま歩き出した。





・・・・・・その時―――



キキィッ――――ッッ


ドンッッ――


「キャーッ」






目の前で、車が人をはねた。









・・・・



「やだ・・・」


ごとーは目を見開いてその様子を見ていた。


・・・


するとその車は何もなかったように発進し始めた。

・・・


ひき逃げ!!?




「ちょっ、待ちなさい!!」




かおるさんは車に向かって叫んだ。

けど、その車は止まることなく進み始める。



50 名前:とみこ 投稿日:2002年10月05日(土)19時45分27秒
すみません、名前欄にサブタイトル入れるの忘れてました。
今の3レスは「後藤真希 最高のパートナー」です


51 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月05日(土)19時46分00秒




「真希ちゃん!!救急車呼んで!早く!!」


突然かおるさんはごとーに命令した。



「は、はいっ」


何が何だかわからなくって、とにかく携帯で救急車を呼んだ。



「逃がさない!!」



かおるさんは一瞬でパトカーに乗り込むと、さっきの車を猛スピードで追いかけた。





ごとーはただ、あっけに取られていた。


52 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月05日(土)19時47分19秒






・・・


その日の夜。

パパが帰ってくると今日のことを話した。



・・・

「パパはね、かおるさんの警察官の仕事をしている姿に1番惹かれたんだよ。」


ごとーが今日のことを話し終わると、パパはそう言った。



「真希もかおるさんを見て、カッコイイと思わなかった?」

「・・・思ったよ。」


パパはニコッと笑った。



「パパはそういうかおるさんが好きだ。」



・・・・



そう言ったパパの目は、まっすぐ前を見ていた。


輝いていた。






ごとーは、何か心のモヤモヤが、




ふっとんだような気がした。




・・・

53 名前:後藤真希 最高のパートナー 投稿日:2002年10月05日(土)19時47分51秒




「真希。ご飯にしよっか。」


そう言ってパパは席をたった。



ごとーも立ち上がる。



そして――――――









・・・




「パパみたいな頼りない人には、かおるさんみたいな人がいないとダメみたいね。」





「え?」







ごとーはただニコッと笑って台所に向かった。




「え、真希それってどういう意味―――」



「ふふっ」





さぁ、新しい幸せ見つけよう。



ね、よしこ?

54 名前:とみこ 投稿日:2002年10月05日(土)19時48分33秒
更新終了です
55 名前:とみこ 投稿日:2002年10月05日(土)19時49分17秒
ちなみにかおるさんは犯人捕まえたってことで(w
56 名前:EAGLE 投稿日:2002年10月05日(土)20時44分53秒
>夢は自分が望んでる物が写る
そ〜なんだぁ、まぢで知らなかったりもするw

>捕まえた
犯人検挙か、えがったえがった。

>さぁ、新しい幸せ見つけよう。
いよいよっすねぇ。
これからも楽しみッス。
57 名前:とみこ 投稿日:2002年10月07日(月)18時59分26秒
>EAGLEさん
いよいよですね^^どうなるやら・・・
明日更新します。
58 名前:96の名無し 投稿日:2002年10月08日(火)23時21分30秒
 とみこさんの新作!!、、、実は私もこの原作知ってます。読んでいって、
ごっちんがつばさちゃんに似てるなぁ、と思いました。設定がうまくマッチし
てますね。これからも頑張って下さい!
59 名前:とみこ 投稿日:2002年10月09日(水)18時36分54秒
>96の名無しさん
久しぶりです^^今回も見てくださってありがとうございます。
そうですね。なんかごっちんの不思議っぽいところとかがすごくマッチしてて、
原作とかすごく感動するじゃないですか^^
でも今からはほとんど変わってしまいますが・・・(w
よしごまだけではないっすから^^;
つばさと一馬のようにライバルなしってわけにはいかないですよぉ〜(w
60 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月09日(水)19時07分39秒


「はい、20分休憩入りまーす!」


スタッフの人の声がスタジオに響いた。

・・・・

あたしは楽屋に戻って、ソファーに座った。

この休憩時間がどれだけ幸せか・・・。




ガチャ


「よっすぃ〜!お疲れ〜っ!」

勢いよくドアを開けて入ってきたひとりの少女。


「矢口さん。お疲れ様です。」



矢口真里さん。

あたしと同じ雑誌のモデルをやってる先輩。

金髪で、背が小さくて(これは本人の前では禁句)、すごくカワイイ。

一緒に仕事をしている人たちの中で、矢口さんとは1番仲がいい。

あたしはあんまり喋ることが嫌いだけど、矢口さんはいつもハイだしね。

気が合うっていえば合うのかも。


61 名前:とみこ 投稿日:2002年10月09日(水)19時08分12秒




「よっすぃー今回表紙らしいじゃん!」

「えぇ。そうみたいですね。」

「矢口より後から入ってきたのに〜コノヤロ〜っ!!」


そういって小さい体をめーいっぱい使って体当たりしてくる。

それ見てると、すっごいカワイイんだよね。


「イテテテ、降参っス・・・」

「キャハハッ」


矢口さんと居るとすごく楽しい。

いつも笑ってて、カワイイなっていうのもあるけど、

たまに何もいわずに気を使ってくれたり、

遠まわしな言い方でさりげなく励ましてくれたり。

そんなところは、すごく尊敬してるし憧れてる。

62 名前:とみこ 投稿日:2002年10月09日(水)19時08分47秒



ちょうど今日は楽屋にはあたしと矢口さんだけだった。

2人っきりだと、ちょっとアガる・・・。



「・・・ん?どうしたよっすぃー?」


ポーッとしてたのか、矢口さんはあたしの顔を覗き込んだ。


「あっ、いえ、だいじょぶ・・・デす・・・」

「変だよよっすぃーっ!あっ!変なこと考えてたんでしょぉ〜!?」

「え、か・・考えてないっスよ!そんな・・・少し緊張してるだけです・・・。」



ドモりながらそんなこと言ってる自分が情けなくなる。


「そうなの?へへ〜んカワイイなぁよっすぃーははあとはあと

「いえいえ、マリーの方がめっちゃ可愛いっスよ!吉澤惚れちゃいますよ?」


冗談でそんなこと言ってみたりして。

いつものフツーの会話。

たのしー会話。

63 名前:とみこ 投稿日:2002年10月09日(水)19時09分21秒





「バカ・・・。」


急に矢口さんが大人しくなってしまった。


「え?」


矢口さんが静かだとうちらはこんなに沈黙するものなのか・・・


・・・


それにしても、矢口さんは顔を赤くしたまま下を向いてしまった。


「矢口さん?あたし、なんか悪いコト言っちゃったかな?」


そう言うと矢口さんは思いっきり首を横に振った。

髪のいい香りが心地よかった。



「そゆこと言われると、矢口だってテレるんだよっ」


そういって力が抜けたようなパンチをあたしに当てた。



そんな矢口さんが可愛くって、なでなでしてあげたりして。




ほんっと、平和だなぁー。



64 名前:EAGLE@musixって未だに全部見たのが第1回の放送だけなんだよね(ワラ 投稿日:2002年10月09日(水)23時14分29秒
>ヤグ
よっすのおもちゃキタ------------------------!!!(爆
あとはナッチ&ちゃーみー待ちか、

>平和だなぁー。
荒れるのもみてみたいオイラはアフォですかw
65 名前:とみこ 投稿日:2002年10月10日(木)13時07分30秒
>EAGLEさん
レスどーもっす!!
ヤグ来ましたね、ハイ。梨華ちゃんはちょこっとだけ出ましたが?^^;
なっちはまだ出てこない様子です。。。
荒れてるヨシコ・・・(妄想)あ、いいかも(w
66 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月10日(木)17時45分37秒



「そういえばさ、さっきなっち来てたよ」


矢口さんはふとそんなことを言った。

彼女の言葉にあたしは思わず目を思いっきり開いた。


「安倍さんが?!マジっすか?!」

「よっすぃーの憧れの先輩でなんしょ??」

「そうですよぉ〜!!!ちょっと会ってきます!!」


そういってあたしは勢いよくドアを開けて楽屋を飛び出た。



「ちょっ・・・よっすぃー待っ・・・」






バタン


67 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月10日(木)17時48分49秒



全速力で廊下を走り、スタジオに向かった。



安部さんに会える!!

憧れの先輩。


・・・・・


安部なつみさん。

そう、先輩というのはモデル界での先輩だ。

『Going My Way』が出だしたころ、

安部さんがずーっとぶっちぎり表紙を飾っていた。



そう、彼女は有名なモデルだった。

今の雑誌が売れてるも、安倍さんのおかげみたいなもんだ。

もちろんすごいカワイイし、おしゃれだし、とにかく優しい。

あの笑顔は・・・マジ、たまんねぇっス!


68 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月10日(木)17時49分22秒



安部さんはちょうど3年前くらいにモデルを引退した。

突然『Going My Way』の事務所に申し出たという。



理由は

女優になるから。


そう。今安部さんは、数々のドラマや映画に出演してて、

誰もが知っている有名な【大女優】だ。



演技はピカイチ。

そしてあの穏和な性格といい、芸能界が放っておくわけがない。



そんな安部さんが、今日は久しぶりに遊びに来たという。



・・・

実はあたしは会うのは初めて。

テレビとか出てるからこっちは知ってるけど、

多分安倍さんはあたしのこと知らないと・・・




いや、知ってるか。

後輩だもんね。

会ったことはないけど、同じ雑誌の表紙に出ているあたしぐらいは・・・

知っててくれたら嬉しいなーっなんて。

69 名前:EAGLE改 投稿日:2002年10月10日(木)17時50分46秒
ん?リアルタイムかな?

更新に期待。
70 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月10日(木)18時01分27秒




ガチャッ


スタジオに入ると、スタッフや事務所の人が誰かを囲んでいた。



もちろん、それは安部さんだった。

あたしは後ろからチラッと覗いた。


「なっち、ホント久しぶりね。」


どうやら保田さんと話しているようだった。


「圭ちゃんも元気そうでよかった。」


そこにはあの笑顔で笑う安倍さんがいた。


・・・今日も可愛い。・・・なんちゃって。


「圭ちゃんのおかげなんだから。ここまで行けたのは。」



そう、安部さんを大女優の道へ導いたのは保田さんだ。

ずっと彼女を支えてきて、ここまで成長させた。

みんな保田さんのことを『マネージャー界の神』と呼んでるとか・・・

71 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月10日(木)18時03分57秒



いつしかスタッフや事務所の人は仕事に戻り、

安部さんと保田さんが2人で話していた。


その時。




「あれ、吉澤じゃない。」



ふと、保田さんがあたしに気付いた。


「あ、どうも。」


あたしは軽く会釈する。


そして安部さんをチラッと見た。


・・・カワイイ・・・・


・・・・・



「なっち、この子はいまあたしが担当してる吉澤ひとみ。」


保田さんがそう言うと、安部さんはあたしの方を見てくれた。

一瞬、ドキッとする。

だって、あの憧れの人がここにいて、あたしを見てるんだもん・・・


「あ!『よっすぃー』ってコでしょ?本物だぁはあとはあとカッコイイねぇ。」


そういって笑いかけてくれた。


やば、ニヤけそう・・・・

72 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月10日(木)18時10分21秒



「初めまして。安部さんのことずっと憧れてました。」


ぎこちなくだけどあたしはそう言った。


「ありがとう。よっすぃー、今回表紙載ってたじゃないっ。」

「あ、ハイ・・・」


うわ〜よっすぃーとか呼ばれちゃったし!

いいのか〜?!?(壊


「なっちね、よっすぃーは才能あると思うよっ。ホントに。」

「え・・・?」


安部さんの意外な言葉に少し驚いた。




「みんなを引き寄せる、不思議なオーラ。感じるよ。」

「・・・オーラ、ですか?」



保田さんはフッと微笑みながらあたしたちを見ていた。



あたしには、よくその意味がわからなくって。



でも、ちょっと嬉しかった。




73 名前:吉澤ひとみ ―恋を知らない美少女― 投稿日:2002年10月10日(木)18時14分50秒



「よっすぃーはね、絶対これから伸びていく。なっちが保証する。」



・・・・



「じゃぁね。」





そういって安部さんは去っていった。











なんか・・・



やっぱり、安部さんってすごい人だ。

改めてそう思った。


・・・・・・・


よし、仕事がんばろっ!!!
74 名前:とみこ 投稿日:2002年10月10日(木)18時16分53秒
>EAGLEさん
リアルです^^

今日の更新はこのへんで。。。。。。。
75 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月11日(金)23時22分56秒
よしこはモテモテですね^^
76 名前:とみこ 投稿日:2002年10月15日(火)22時12分44秒
>名無し読者さん
>よしこはモテモテですね^^
モテよしこ好きっスから!!かなり!(w
更新遅くなってすみませむ。。。
77 名前:とみこ 投稿日:2002年10月15日(火)22時15分47秒
更新予告age

今週中に更新します。木曜日は中学開校記念日で休みなのでその日にでも・・・
更新遅くてすみませむ。。。
78 名前:とみこ 投稿日:2002年10月17日(木)15時46分18秒
すみません、開校記念日は明日の金曜日です。
申し訳ないっス。。。明日更新します。
79 名前:吉澤ひと休み 投稿日:2002年10月17日(木)16時51分44秒
休校日間違えたとみこさんイイ(・∀・)!!

モテモテよしこいいですね!
今後の展開に期待してます^▽^
頑張って下さい!
80 名前:96の名無し 投稿日:2002年10月18日(金)00時49分53秒
 更新が遅くても気長に待ってますよ〜。ところで、開校記念日があるとは
うらやましいです。ではでは、頑張ってくださ〜い!
81 名前:とみこ 投稿日:2002年10月18日(金)19時42分03秒
>吉澤ひと休み。さん
>休校日間違えたとみこさんイイ(・∀・)!!
あ、ありがとうございます(w
今日はメチャクチャ更新します。頑張ります!

>96の名無しさん
更新遅くてスミマセム・・・。
開校記念日サイコーですよ!(w
昼間は遊びほうけてました・・・(ヲイ
なので夜はおもっきし更新です!!!

82 名前:とみこ 投稿日:2002年10月18日(金)19時44分31秒




「お疲れ様でした。」


事務所にひところそうつげた。


・・・

PM 11:20

・・・

仕事が終り、夜の街を重い足取りで歩いた。



最近、仕事がキツイ。

毎日学校もろくにいけないほどのハードスケジュール。

なのにカメラの前では笑ってなきゃいけない。

ツライ。

でも、終わった後のこの街の風景は好きだった。

まだ夜は始まったばかり。

そう言わんばかりの街に、サヨナラを告げる。

そんないつもの夜。


けど、今日は違った。

83 名前:とみこ 投稿日:2002年10月18日(金)19時46分01秒
>ひところそうつげた。

>ひとことそうつげた。

です、スミマセム・・・
84 名前:とみこ 投稿日:2002年10月18日(金)19時47分29秒
またサブタイトル忘れてました。

『Up and Down』でお願いします。
85 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)19時48分20秒


明るすぎる街を見て、ウンザリする。

疲れた。つらい。お腹減った。眠い。

そんな不満が頭ん中をビュンビュン飛び交う。


・・・・・・・



煩い街を抜けると、少し静かな商店街にたどり着く。

ここからバスに乗って家に帰るのだ。



あたしは眠気と戦いながらバス停のある場所へ向かった。




「はぁ・・・。」


ため息も、情けないくらいダラしない。


ザッ



フッと足を止めた。


・・・目の前に見える歩道橋の階段が、エスカレーターに見えた。


この長い階段が、エスカレーターだったらいいのに。

そんな気持ちから幻想にまで現れたしまった。


疲れた。

86 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)19時49分01秒



いっそ、ここで寝てしまいたい。

本気でそう思った。

目の下のクマをメイクで隠すのにも精一杯。

カメラの前で頬を上げるのも精一杯。

でも、それは仕事だから。

お母さんのため。

それに・・・最近は、自分のため。



安倍さんも、こんな感じだったのかな。

毎日ヘトヘトになるまで、働いたのかな。





あたしには・・・・そんなの、無理みたい・・・







「よしこっ!」








87 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)19時51分18秒



ひとりの少女があたしの名前を呼んだ。



・・・

それが、最後の記憶だった。

気が付けばあたしは眠りについていた。





見たことのないベッドの上で、目を覚ます。

天井には高級そうなシャンデリアが優しく光っている。





ここは・・・どこ?





―トントンッ


突然、ドアを叩く音がした。




ガチャ・・・






そこに立ってたのは、


真希だった。
88 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)19時57分30秒


「真希・・・?」


彼女は何も言わずに手に持っている深皿を差し出した。



「・・・七草粥。ごとーが作ったの。」

そう言ってじっとあたしを見た。

・・・不思議な目・・・



「ありがとう。」


あたしはそれを受け取ると、真希にもう一度視線を合わせた。

聞きたいことがいっぱいあった。

・・・

ここはどこなのか。

誰があたしを連れてきたのか。

どうして真希がいるのか。

・・・

そんな質問は不要だった。

89 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)19時59分47秒



「ここはごとーの家。よしこが倒れてたから連れてきたの。」


・・・何て単純な・・・・


「え、真希が?」

「うん。」


彼女はまた簡易に答えた。


「どうやって・・・?」

「うちのタクシーを呼んだの。」

「・・・うちのタクシー?」

「ごとーんちの専用の車。」



マジかよ。


「パパもかおるさんも1階にいるから。」

「え?」



ガチャ・・・バタン。


そう言って部屋を去っていった。


なんでお母さんが真希の家に・・・?

あれ、真希って再婚に反対してるんじゃ・・・・・

90 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)20時07分24秒

よくわからないけど・・・・

とりあえずここは真希の家。

あたしはあの歩道橋の前で倒れた。

そっか・・・あの時あたしを呼んだのは真希だったんだ。

で、1階にはお母さんと大輔さんがいる。


・・真希ってば、よくお母さんを家にあげたなぁ・・・

相当嫌ってるって聞いたんだけど・・・。



カチャン・・・


とりあえず側に置かれた七草粥に手をつける。


ひとくち食べて驚いた。





「・・・メッチャおいしー・・」



思わず声に出てしまった。


・・・
91 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)20時11分34秒

絶品・七草粥を残さず食べると、あたしは1階に降りた。







「あら、ひとみ。」


階段の下にはちょうどお母さんが居た。


「お母さん・・・」

「あんた倒れたんだって?!大丈夫なの?」

「うん、平気だよ。少し疲れてただけ。」


そういって少し笑った。

「・・・あまり無理しないのよ。あ、リビングに大輔さんがいるからいらっしゃい。」

「うん。」


広い廊下を通ってリビングへ向かった。


リビングもハンパじゃなくデカかった。


92 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)20時19分18秒


「お〜!ひとみちゃん。大丈夫だったかい?」

大輔さんは心配そうにそう言った。


「はい、色々ありがとうございました。」

「アハハ。いいんだよ、家族なんだから。」

「え?」


大輔さんのひと言に思わず聞き返した。


「真希ちゃん、再婚を認めてくれたみたい。」



お母さんはニコッと笑って言った。


「ホントに?よかったじゃん。でもどうしていきなり?」



それが聞きたかった。

だってあんなに反対してた真希が、突然認めるなんて・・・
93 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月18日(金)20時19分55秒




「どうやら真希は、ひとみちゃんが気に入ったみたいでね。」


「え、あたしですか?」


大輔さんはニコッと笑った。


「ひとみちゃんなら姉妹になってもいいと思ったみたい。」



・・・マジ?

あたしなんかのどこが気に入ったんだろう?

いちばんの疑問が頭に浮かんだ。



「真希の部屋は2階にあるから、行ってあげてくれないかな?」


大輔さんがそう言うと、あたしはハイと言って2階へ向かった。

94 名前:とみこ 投稿日:2002年10月18日(金)20時21分19秒
ハンパなところですが更新終了です。
明日も更新する「予定」です!(w
95 名前:96の名無し 投稿日:2002年10月19日(土)00時42分28秒
 >どうやら真希は、ひとみちゃんが気に入ったみたいでね
いいですね〜。再婚を認めた理由がよっすぃーだなんて。
 それと、再婚をしたのを知らなかったよっすぃー、あなた
仕事のしすぎです。ごっちんの相手もして下さい。
 これからも頑張って下さい。 
96 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)20時30分26秒
>96の名無しさん
>ごっちんの相手もして下さい。
非常にワラタ(w
ごっちんどうなるやら・・・^^;
更新します。
97 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月19日(土)20時35分58秒




コンコン


「真希?ひとみだけど。」


「うん。」


すぐにドアの向こうから返事が聞こえた。



ガチャ

そっとドアを開けると、だだっ広い部屋が目に入った。

向こうの壁まで20メートルはあるだろう・・・。

家具はほんの少しだけ。ベットとソファーと大きな鏡。

真希はベットにちょこんと座っていた。




「真希、・・・」

「座りなよ。そこ。」


あたしの言葉を遮り、ソファーを指差した。



一息つくと、あたしは口を開いた。
98 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)20時42分03秒

「再婚、認めたんだって?」


「・・・・。」

真希は目をそらしてしまった。

やば、質問間違えたかも・・・


「ごめん、なんでもない。」

あたしは足元に目をやって気まずい雰囲気を飲んだ。


・・・・


「かおるさん、ってさ・・・」


突然。真希は喋りだした。

「うん?」


「ただの、パパの財産狙いかと思ってた。」


・・・真希の言葉に、あたしは一瞬固まった。



「でも・・・ちがうみたい。」

「・・・え?」



真希はやっとこっちを向いた。

未だ、無表情のまま。

99 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)20時48分53秒



「仕事してる姿見て、ごとー・・・ちょっと尊敬した。」


真希は少し恥ずかしそうにそう言った。

そんな彼女が、一瞬愛しいと思った。


「かおるさんってば、すっごい仕事に一生懸命なの。」








「ひとりで・・・・一生懸命働いて、よしこを育てたんだよね。」





・・・・・・




「それってなんか、スゴイよね。」





初めて、彼女が笑った。
100 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)21時02分32秒



真希は優しい表情で笑った。


カワイイじゃん。

もっと笑えばいいのにな。

そう思った。


・・・・・・


「よかった、真希が再婚認めてくれて。」

「・・・・どういう意味?」


・・・


「だって、真希みたいなカワイイ姉妹ができるんだもん。」


そういってニコッと笑って見せた。

真希は照れてプイッと向こうを向いた。


「それが、あたしの再婚を認めた1番の理由かな。」



・・・・・

無口で、ちょっぴり無愛想で、

でも笑ったときは、とびっきり可愛い。

そんな彼女に、どこか魅力を感じてた。

101 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)21時09分46秒


「じゃぁ、またね。」

立ち上がって真希にそう告げると、ドアに手をかけた。


「あっ!そうだ」

「え?」



・・・・・




「七草粥、ありがとう。おいしかった。」


最後にそう言って、あたしはドアを開けた。



ガチャ・・・

バタン。





・・・・その時。




102 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)21時11分06秒


ガチャ


再びドアが開いた。

・・・・




「・・・真希。」


「・・・よしこ、あの・・あのね、」


「・・・?」








・・・・・・


「ごとーも、よしこと姉妹になれて・・なんていうか・・・その・・・」



言いかけで真希は言葉をとぎらせた。


・・・


もじもじする真希に、あたしはニコッと笑った。








「ありがとう。」










彼女に、一歩近づいたような気がした。
103 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)21時12分40秒
また気付かずにサブタイトル抜いてました・・・・・

すみません。
104 名前:―Up and Down― 投稿日:2002年10月19日(土)21時21分18秒


・・・

翌日。

お母さんと大輔さんは籍を入れた。

お母さんは『後藤かおる』になったけど、

あたしは一応モデルの身なので、「『吉澤』ひとみ」のまま。

・・・


そして翌日。

あたしとお母さんは、後藤家に家を移した。

ちょうど撮影の日だったので引っ越しの手伝いはできなかったけど、

その日の夜は家族みんなで食事をした。


・・・・


こうしてひとつ屋根の下で、

新しい生活が始まった。

105 名前:とみこ 投稿日:2002年10月19日(土)21時22分40秒
更新終了です。
次回は矢口・石川が再び登場!
106 名前:96の名無し 投稿日:2002年10月19日(土)23時45分33秒
 2日連続の更新、お疲れさまです。
 ちょっと不器用なごっちんに萌え。そして、逆に真っ直ぐなよしこ
とごっちんのバランスがナイスでした。とみこさんのよしごまの雰囲
気は、どの作品でもいつも和んでます。
107 名前:シグナル 投稿日:2002年10月20日(日)00時17分20秒
2日連続更新ご苦労様です。
てか、ごちーんの部屋でか!
金とは無縁の私にはいいなぁ〜。
これからもがんがって。
108 名前:EAGLE改 投稿日:2002年10月20日(日)01時55分19秒
連夜の更新、おっつです。
オイラが中間考査で貯め込んでた分の更新を一気にやりました。
結局、テスト勉強は1日1〜2時間しかやんなかったけどw
そんな話はゴミ箱に丸めてポイっと。
人物紹介の画像もちゃんと更新しておきましたよ。

いいなぁ〜、ごっちんの部屋。
広くて羨ましい…w
後藤家の総資産っていくらだ?
確定申告が大変そうやなw
109 名前:とみこ 投稿日:2002年10月20日(日)11時03分20秒
>96の名無しさん
>2日連続の更新、お疲れさまです。
今日も更新するので、3日連続で頑張ります!
>ちょっと不器用なごっちんに萌え。そして、逆に真っ直ぐなよしこ
セリフのひとつひとつの語尾などで、性格や感情をコントロールしてるのです(w
今日もがんばります!!

>シグナルさん
し、し、シグナルさんだー!!!!(嬉
いやはやこんな作品にレスをくれるとは!
感・激です!!
金の方見てます!メッチャ見てます!!応援してるのでがんばって下さい!

>EAGLEさん
>連夜の更新、おっつです。
ご無沙汰更新なので・・・^^;
>中間考査・・・(ニガワラ
私はイマイチって感じでしたね(w
EAGLEさん学年はいくつですか??
>人物紹介の画像もちゃんと更新しておきましたよ。
見ました^^ありがとうございます〜!!
後藤家の金持ちさをこれからもアピっていきます!(w
110 名前:とみこ 投稿日:2002年10月20日(日)11時06分30秒

―新生活・新発見―
111 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月20日(日)11時11分14秒


―――(後藤視点)


ピチチチ・・チチチ・・・


窓の外で、小鳥が鳴いていた。

彼らが、朝を知らせる。



AM 6:00


・・・


「んー・・・よく寝た。」


ベッドからゆっくり降りると、部屋のドアを開けた。



ガチャ


「あっ。」

「あ・・・。」



バッタリ。


112 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月20日(日)11時16分21秒


「おはよう、真希。」

「・・・うん、おはよう。」



そうだ、今日からよしこがいるんだよね。

ごとーの隣の部屋がちょうど空いていて、そこがよしこの部屋になった。

どうやらよしこも、小鳥に起こされたようだ。






「寝グセ、ないのな。」


彼女は突然そう言ってごとーの髪に触れた。


・・・・人に触れられるのは苦手だった。



「・・・・?」






けど



なぜか、よしこは平気だった。



「行こうか。」

「・・・うん。」


ぎこちない会話だけど、なんかうれしー。

お互い恥ずかしくって、かすかに距離を置いて階段を降りた。



いい、朝だった。
113 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月20日(日)11時21分45秒


(ひとみ視点)

「おはよう、ひとみ。真希ちゃん。」


台所ではお母さんが忙しそうに朝ご飯をつくっていた。

香ばしいかおりが鼻をつく。



「かおるさん、これ・・・何?」


真希はテーブルに置いてある黒い物体を指差した。



「え"・・・あ、それは・・・その・・・目玉焼きよ!ちょっとコゲちゃったけど!!」


お母さん、焦りすぎ・・・

昔っから料理ヘタなんだよなあ・・・。



「ごとーがやるよ。」


そういって真希はそそくさと台所に立つと、手際よく料理を始めた。



・・・


「はい、できた。」



テーブルの上には、おいしそ〜〜なものが並んだ。

目玉焼きトースト、コーンスープ、そしていい香りのカプチーノ。


・・・・真希、あんた料理上手すぎ・・・



114 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月20日(日)11時25分08秒

「かおるさん、もしかして料理苦手?」

真希は目を細めてお母さんに尋ねた。


「あ・・・実は、ね。今まではひとみが作ってたのよ。」


「も〜、ちゃんとしてよね!お母さん。」

・・・







「「え?」」















初めて真希が『お母さん』と呼んだ。



「真希、ちゃん・・・今なんて?」

「んー?何?早く朝ご飯食べちゃおうよー。」



・・・・


「そうねっ。」

お母さんは、すごく嬉しそうに笑った。


あたしもなんだか、嬉しかった。

115 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月20日(日)11時29分57秒










――『も〜!ちゃんとしてよね、お母さん』――


さっきの真希の言葉がまた頭に浮かんだ。


いいな、家族って。


・・・・・・・・・






・・・


部屋に戻ると、あたしは制服に着替えた。


あたしが通っている私立M高は、一応トップ校だ。

制服は白いワイシャツに紺のネクタイ。そしてチェックのスカートに紺のハイソックス。


結構この制服は気にっている。


・・・
116 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月20日(日)11時35分21秒


(真希視点)


ごとーは朝ご飯を食べると、部屋に戻って制服に着替えた。

・・・

ごとーが通っているのは、私立K校。

レベル的には中の上くらいの高校だけど、ごとーは受験だけ頑張って、

今は全然勉強してない。

なんで受験は頑張ったかって言うと、この高校が1番家から近かったから。

だって、そっちのほーがラクじゃん?







ちなみに制服は紺のセーラー服。スカーフはエンジ色。

まぁ制服は結構どうでもいい。









着替えが終わると、荷物を持って玄関に向かった。



「行ってきまーす。」

「あ〜〜ちょっと待って!!」



いきなり、うしろからストップがかかった。



「真希、一緒に行こ?」



それは制服姿のよしこだった。


117 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月20日(日)11時49分12秒


(ひとみ視点)


家を出ると、ごとーたちはバス停に向かった。

偶然にも同じバス通学だった。


・・・


「真希、どこのバス停で降りるの?」

「んー?白川神社前だよ。よしこは?」

「M高前だよ。じゃぁ真希の方が先に下りるんだね。」

「あ、そだね。」


そんなことを言いながらバスに乗った。


118 名前:イチイ 投稿日:2002年10月20日(日)14時30分59秒
とみこさん、初めまして
イチイです。
この小説メチャメチャおもしろいっす(w
コレからもガンバってください。。。
119 名前:神威 投稿日:2002年10月26日(土)01時03分05秒
いいなぁ・・・書き方がうまいから、シーンが頭の中に浮かびますよね。
声とかも・・・。 素晴らしい!(CMのジョン・カビラ風

なっち推しの僕は「安倍」がたまに「安部」になってるのが気になりましたね。
それと、ごっちんは自分称は「ごとー」のままなんでしょうか? それも気になりました。

後はかなりいいです! これからも頑張って下さいね!
120 名前:神威 投稿日:2002年10月26日(土)01時04分25秒
期待&素晴らしい!ageしておきました。
121 名前:とみこ 投稿日:2002年10月26日(土)20時21分15秒
>イチイさん
>とみこさん、初めまして
初めまして!レスありがとうございます!
応援ありがとうございます!がんばりますよー!

>神威さん
レスありがとうございます。
>「安倍」がたまに「安部」
はい、気をつけます!
ごっちんはごとーじゃおかしいでしょうか?
このままいくつもりですよ。
122 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月26日(土)20時33分47秒

(後藤視点)


ごとーたちは1番うしろの席に座った。



「いつも登校はひとりなの?」

よしこはふいにそう聞いた。


「うん、よしこは?」

「ひとりだよ。だって学校行くなんて週に1日ぐらいだから。」

「・・・仕事?」

「そう。最近忙しくてね。」

「ふ〜ん。」



よしこは有名人さん。

なんてったってモデルだからね。

やっぱり、ごとーとは別世界の人なのかな?



・・・

せっかくいいパートナー、見つけたなのに。






何か、引っかかる。


123 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月26日(土)20時42分01秒


(ひとみ視点)


真希と別れたあと、あたしは1週間ぶりの学校に行った。

学校は結構好きだ。

勉強も好きだし、友達とのおしゃべりも好き。

仕事ではない新鮮感があるしね。


・・・



「ひとみちゃん!」


うしろからは梨華ちゃんがパタパタ走ってきた。



「おはよう、梨華ちゃん。」

「おはよ〜!1週間ぶりだねぇ。元気してた?」

「うーん、それがそうでもないんだな。体力もたなくって。」

「え、大丈夫なの?無理してない?」

「あ、してるかな。今も倒れそう。」

「え〜〜??!!」


梨華ちゃんは本気でびっくりしていた。

マジ、見てるだけでおもしろいっす・・・。



「あはは、まぁほどほどにやってるよ。」

「も〜、からかわないでよぉ!」



やっぱ学校っていいなー。とか思う。
124 名前:とみこ 投稿日:2002年10月26日(土)20時46分22秒
すみません、本当にハンパですが今日の更新は終わりです・・・。
更新遅い上にすみません・・・。
次の更新は必ず大量更新します!!!
125 名前:とみこ 投稿日:2002年10月26日(土)21時56分46秒
更新できそうなのでします!
126 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月26日(土)22時03分38秒


「ん?吉澤やないか!」


梨華ちゃんをからかっていると、向こうから白衣姿の人が歩いてきた。

金髪にカラコなのに白衣っていうこのギャップがまた・・・。


「おはようございます、中澤先生。」


...理科担当・中澤裕子。年齢不詳。独身。




「アンタ仕事と勉強両立して、ホンマにえらいな〜。」

「いえ、たいしたことないですよ。」

「何を言うてんのや!これもアタシのおかげやけどなっ」

「はは、そうですね。」

「なんや?その作り笑いはっ!!」


いきなり先生は、ガバッとあたしに襲い掛かってきた。

先生の悪いクセだ・・・。



「痛いっす!先生、痛いっすよ〜。」

「このやろ〜っモテモテ美少女モデルめ!!チュ〜してやる!チュ〜!」



いったいこの人は何歳なんだろう・・・・。
127 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月26日(土)22時07分19秒


やっと先生から逃げて教室に行った。



「ひとみちゃん、大丈夫だった?」

「うん、なんとかね。」

「それよりテスト結果見た?3組の前に貼られてるよ!」

「あ、まだ見てないや。」


あたしは荷物を置くと、廊下に出た。

3組の前には人だかりができていて、あたしはスッとのぞいた。




バッ



すると

みんなは一斉にあたしに視線を移した。


・・・な、何?!
128 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月27日(日)09時31分36秒


「よっすぃーすごいね!」

「やっぱりすごいよ、吉澤は!」

「こんなカッコよくて頭もいいなんてさすがです〜。」



ん??


みんなが一気に順位表の前をあけてくれた。


あたしはチラッと表を見た。

大きな髪に10人の名前が載っていた。

テストのベスト10の順位だ。



【1位 吉澤ひとみ】





その文字が目に入った。
129 名前:とみこ 投稿日:2002年10月27日(日)09時35分25秒

× 大きな髪
○ 大きな紙

130 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月28日(月)16時38分14秒



1位、か・・・。

あ、だから中澤先生があたしに機嫌よかったんだ。

まぁ結構どうでもいいんだけどね。



「やっぱりひとみちゃんはすごいや!」

横にはいつの間にか梨華ちゃんが居た。


「梨華ちゃんこそ。6位じゃない。」

「でもひとみちゃんは仕事と両立しててすごいよ♪」

「まぁ、中途半端はキライだからね。」

「ふふっ。あたし、ひとみちゃんが友達で自慢だなはあとはあと


そう言って、彼女はニコッと笑った。


・・・


「あ、そろそろ仕事行かなきゃ。」

「え、もう行くの??」

「うん。今日は出席入れたかっただけだからね。テスト結果も見たし。」

「そっか、頑張ってね!!」

「ありがとう。」


・・・
また多忙な一日が始まる。
131 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月28日(月)16時48分14秒

学校を出ると、制服のままバスに乗った。

そしてカバンの中からスケジュール表を取り出す。


「はぁ・・・」

思わずため息もつきたくなるような仕事の山。


・・・

AM 10:30 Bスタジオ

   11:00 表紙撮影

   12:00 休憩

   12:15 ポスター撮影

   13:00 新コーナーコメント取り
   
    ・
    ・
    ・
    ・
    ・

なんでこんな忙しーかな・・・
132 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月28日(月)16時52分41秒


「おはようございまーす。」


バスを降り、都内のスタジオに入った。

忙しそうに小道具を運ぶスタッフの人や、

メイク中おしゃべりをするモデルの人たち。

学校とは全然違う雰囲気だ。



バッ


「おーっす!よっすぃー!」

「うわっ!!」


突然物陰から矢口さんが飛び出してきた。


「お〜制服も似合うねぇはあとはあとさすがオイラの弟子だな!」


そう言ってキャハハっと笑う。

どっからこんなに元気が出てくるんだろ・・・。


「着替えてきます。」


そう言って楽屋に向かった。
133 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月28日(月)16時59分45秒

まずは表紙の撮影からだった。

今回のテーマは冬の人気グッズらしい。

あたしは細身のジーンズに大き目のコートに真っ白なマフラーという衣装だった。



「ん?」


着替え終わると、テーブルに置いてある紙が目についた。


【29号 表紙・吉澤ひとみ、矢口真里】


あれ、矢口さんも表紙なんだ!

ってことは撮影一緒かぁ。

まぁ、ひとりより2人の方が気が楽だし。

矢口さんと一緒だと心強いかな。


・・・


そんなことを思いながらスタジオに戻った。
134 名前:とみこ 投稿日:2002年10月28日(月)17時00分58秒
更新終了です。
最近多忙なもので、本当にすみません・・・。
塾いってきます!(泣
135 名前:EAGLE@浴槽でフルーチェを作ろう!牛乳5倍でw 投稿日:2002年10月28日(月)22時16分49秒
更新、おっつです。
忙しくてもちゃんと更新してるって偉いね。
オイラはちょっち凹んでるから連載中の3作品、全て仮放置になってるっす…
他人から見ればしょーもない理由なんすけどオイラにとっては重大な問題…死活問題…
受験勉強もやってない(苦笑
まぁ、勉強しないのは常日頃からだから気にはしてないけど、
塾かぁ…
オイラは塾は嫌いなんだよね、ペース速いし1回休むと途方もない問題数をこなす必要有るし。
そんなことはどーでもいいね、


よっすぃ〜とごっつぁんが気になりつつも
やぐっつぁんとよっすぃ〜の絡みの方がカナーリ気になる…w
136 名前:とみこ 投稿日:2002年10月29日(火)19時01分43秒
>EAGLEさん
レスありがとうございます^^
3作品も連載中なんですか?!初耳です・・・(恥
よければどこで連載中か教えていただけますか?
ヒミツでしたら必死に探します(w

よしやぐ・よしごまが今メインですねぇ〜。
でも他の人物もちょこちょこ出てきます^^
頑張ります!!応援お願いします。
137 名前:EAGLE Makes Revolution 投稿日:2002年10月29日(火)22時43分33秒
>とみこs
現在、書いてるのは
「空板」:『ACE COMBAT 04 -HITOMI'S SKY-』
「M.NovelSpace2nd」:『ポップコーンラブ -if stories-』
「M.NovelSpace2nd」:『Spirit of Morning V』
っす。
元ネタとしては「ACE COMBAT 04 -shattered skies-」「ポップコーンラブ」「ガンダム」かな、
そーいや、飼育時代のポプコンに、とみこsのカキコあった気がしたけど気のせいかな?
138 名前:とみこ 投稿日:2002年10月30日(水)20時01分20秒
>EAGLEさん
ありがとうございます。コソーリ見ます(w
ポプコンの飼育時代の時・・・あ!書いたかもしれないです!
あ、これすごいいい小説だなーっておもわず書いたと思われます(w
さぁ、更新しますかね。
139 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時08分32秒

「矢口さん。」


スタジオに行くと、矢口さんもあたしと同じような格好をしていた。



「お〜ヨッスィーはあとはあと撮影同じだね♪よろしく頼むぜ!」

「はい。いやぁ、マリマリマリーと一緒で嬉しいっすよぉ〜」

「・・・ばか・・。早く行くぞ!」


少し照れながら矢口さんは軽くパンチを食らわして来た。



・・・・・・・・
・・・・
・・



「撮影入りまーす。照明!」



パッ



眩しい光が一気にスタジオに溢れた。

あたしと矢口さんはその中心に向かった。


・・・


「じゃぁとりあえず好きなポーズでいいよー」


スタッフの人がそう言うと、あたしは矢口さんの後ろに立ち、後ろから手を回した。


「お、いいねぇ〜!」

監督のひとことに、スタジオはドッと笑いに包まれた。


140 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時12分35秒



ちっちゃい矢口さんは、あたしの腕にすっぽりはまった。



「いいねぇ、もっと仲が良さそうな感じ出していいよー。」


監督の言葉に、あたしは矢口さんにもっとくっついた。



「よ、よっすぃー・・・?!」


少し驚いて矢口さんは顔を上に向けてあたしを見た。


「矢口さぁん、撮影中はカメラ見ましょう。ね?」

ちょっとイタズラっぽく下を出して笑った。



「そのショットいい!ハイ、OKでーす!お疲れ様!」


・・・・・・・へ?







141 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時17分43秒

ほんの一瞬で撮影は終了した。

ん?いいショットって・・・??


・・・・



「よっすぃー!見て見て!これ!」


矢口さんが向こうから手招きをしていた。

あたしは少し早足でそっちに向かう。


・・・

そこには撮影したポラロイドの写真が貼られていた。

ここに貼られるのはいつも、実際に採用されるものである。


・・・


「あれ、これさっきの会話の時のじゃん。」

あたしはおもわずそう言った。


・・・

だってそこには、恥ずかしそうにあたしのほうを見ている矢口さんと、

矢口さんをからかうように、下を出して笑っている自分。



・・・これが採用ってワケね・・・。



「なんかハズかしいよぉ、ヨッスィ〜〜!!」

矢口さんはピョンピョンとジャンプしながらそう叫んでいた。



「いいじゃないですかぁ。矢口さんとあたしの関係が丸わかりではあとはあと

「なんだよそれぇ・・・もう、矢口をからかうな〜〜〜っっ」

「だってカワイイんだもん!しょーがないっすよぉ〜〜。」


この矢口さんとの絡みがまた楽しいんだよね。

やっぱ仕事にも楽しみはなくっちゃ。


142 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時24分13秒

表紙の撮影の後、コメント取りや新コーナーの打ち合わせetc....


そしてかれこれ・・・


― PM 10:00 ―



「ふぅ、疲れた・・・。」


やっと最後の撮影が終わり、あたしは楽屋のソファーでぐったりしていた。

その時


ガチャ



「おーっす、よっすぃー!」


私服に着替えて矢口さんが楽屋に入ってきた。

そして同じソファーにダイブする。


「あー、疲れたぁ〜〜っっ!」





・・・いや、元気マンマンじゃないですか。

・・・


「矢口さん、お疲れ様です。」

「ありがとぉはあとはあとよっすぃもお疲れ♪」


あたしは立ち上がって私服に着替えた。


そして荷物を持ってドアに手をかける。



「じゃあ矢口さん、また明日。」

「うん、バイバ〜イ。」



ガチャ



「あ、待ってヨッスィー!」

「・・・え?」


ドアを開けた瞬間、矢口さんに止められた。

ん・・・?
143 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時26分48秒




「今から・・・2人でご飯でも食べに行かない?」


彼女は少し照れくさそうにそう言った。


・・・そうだなぁ・・・まあちょうどお腹も減ってるし。



「あ、いいですね。行きましょう。」

「ホント?!あ、じゃぁ矢口すぐ用意するね!!」


矢口さんは突然はしゃぎだして荷物をまとめていた。

・・・よくわかんないけど、なんかすごい嬉しそう。


・・・


「よし!行くぞ!!」



そう言って近くのファミレスに入った。


144 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時30分45秒


注文をして少し落ち着くと、矢口さんが話し出した。



「よっすぃー、最近どう?」

「・・・え?」

「あのぉ・・・その、恋愛関係とか・・・?」


矢口さんはモジモジしながら上目遣いでこっちを見た。

なんかカワイイんですけどぉ。



「う〜ん、別に好きな人とかそういうの出来なくって・・・」


ホントだよ・・・まったく。


「よっすぃー女の子にモテるでしょ?付き合わないの?」

「あー・・・告白とかはされますけど、話したことない人とかだとちょっと・・・」

「そうなんだぁ〜。ふーん・・・」


なんでみんなこういう話好きなのかなぁ?

あたしはちょっとニガテ・・・。

145 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時44分17秒


「でも今は家族のことが色々あるんで。」


今度はあたしから切り出した。


「家族・・・?」


「新しい姉妹ができたんです。」

「え?!どういう意味??」

「お母さんが再婚したんです。それで再婚相手の娘が姉妹になったんですよ。」

「え、え、どんなコ??何歳??カワイイ??」



・・・矢口さん、質問しすぎ・・・



「名前は後藤真希。あたしと同い年で、今風のコですよ。」

「同い年!?うそぉ・・・ヤバイ・・・」

「え?」

「あ、何でもないよっ!!真希ちゃんかぁ・・・カワイイ??」

「あ、かなりカワイイですよ。べっぴんさんですよ〜〜。」

「えぇぇ?!?!ほ、ほ、ホントに・・・!?」


矢口さんはすごい勢いで驚いていた。

???
146 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時51分23秒


「・・・ど、どうしたんですか??」


「あ、ゴメンゴメン!なんでもないよ!あ、料理来たぁはあとはあとはあとはあと



・・・ん〜?何か今日の矢口さん、ヘンだよなぁ。


・・・


ご飯を食べ終わるとお店を出た。


「よっすぃー、今日はありがとねはあとはあと

「いえいえ。あたしも楽しかったですよ。」

「ふふっ。じゃあ、帰ろうかな!」

「あ、矢口さん。」


・・・


「ん?」









あたしはそっと矢口さんの手を取った。





・・・




「駅まで送りますよ。」










なんだか、矢口さんが今日は違って見えた。







147 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時56分10秒


・・・・・・・・・


駅につくと、手をそっと離した。

矢口さんは照れくさそうに下を向いて赤くなっていた。



「いきなり手なんかつないじゃって、すみません・・・。」

「え?!全然、そんな迷惑とかじゃないよ!嬉しかったし!!」



・・・・・え?






「あ・・・。」


ハッという表情で矢口さんは口を押さえた。



「いや、その・・・これは・・・・」



えっと・・・こういうときは何て反応すればいいんだ?









うーん・・・



・・・・


うーん・・・









あっ!







「矢口さん。」


「へ?!」



「今度は、2人でどこか出かけましょう?」



・・・・・・


よし、完璧!

・・・自分で言うなよって感じだけど・・・・













「う、うん!!行く!絶対行く!!」


「じゃぁまた連絡しますね。」

「うんっ。今日はホント・・・ありがと。」

「いいえ。じゃぁ気をつけて。」

「・・・うん、バイバイっ」










148 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)20時59分04秒


・・・・・


― PM 11:20 ―


やっと家に着いた。



ガチャ・・・


「ただいまー・・・」



そーっとドアを開けて家に入った。

みんな寝てるんだろうな・・・







「よしこ・・・?」



「え?」



突然、うしろから声が聞こえた。






ザッ




「・・・真希。」



149 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)21時04分08秒



「まだ起きてたの?」

「うん。眠れなくって・・・。」



なんだか真希がすごく子供っぽく見えた。

容姿はこんなに大人っぽいなのに。

きっと世の中の野郎共は、真希を見たらグラッとムラッと来ちゃうんだろうな・・・。



・・・


「お風呂入ってるよ?」

「あ、ホント?じゃぁ入ろうかな。」

「うん。お疲れ様。」

「ありがとう。」



・・・・・


なんだかまだ姉妹って感じがしないよなぁ・・・。

とか思った。


150 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)21時08分15秒


お風呂からあがると、部屋に入ってベッドにダイブした。



ぼふっ



「あ〜きもちぃー・・・。」



ほんと癒されるよ、この時間は・・・。



・・・

トントン



その時、ドアを叩く音がした。


・・・真希、かな?



「真希?」

「・・・うん。」

「いいよ、入って。」



ガチャ・・・



「ん?どうしたの?」


「・・・眠れないの。だから・・・よしこと話がしたい。」



・・・・・


この子は、どうしてこんなに不思議な目をするんだろう。

まるで何もかもが見透かされているような、そんな気がした。


・・・・・・・・・・・・・




「いいよ。あたしでよければ。」

「ホント?」

「そこ、座りなよ。」

「うんっ。」



大きなソファーに真希は座った。

あたしはベッドに腰掛けて真希の方を向いた。



・・・・

2人っきり。


151 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)21時13分29秒



「ねぇ、よしこは学校でどういう人なの?」

「え?・・・うーん、普通だよ。っていうかあんまり学校にいけないからね。」

「仕事、忙しい?」

「かなりねぇ〜。真希は学校、楽しい?」



一瞬、真希は表情を固めた。



「うん、まぁまぁ楽しいよ。」

「そっかぁ〜。彼氏とかつくんないの?」

「・・・ごとー、男の子は興味ないの。」

「あ、そうなの?」


まぁ真希を扱える男なんていないだろーなぁ・・・。



「ひとりだけ・・・女の子となら、付き合ったことあるよ。」

「マジで?あ、女子校?」

「そう。」

「へ〜。あたしも女子校だから女同士っていうのも多いよ。」



そんな話で少し盛り上がった。

・・・いや、盛り上がってはないか・・・・
152 名前:―新生活・新発見― 投稿日:2002年10月30日(水)21時21分53秒



― 真希が付き合った人って、どんなコ?



会話の最後に、あたしは真希にそう尋ねたんだ。


そしたら真希は、こう言った。



― 年上の人だったの。今はもう・・・ごとーにとって、手の届かない人。
              ごとー、本気でその人のこと、好きだった。―





・・・・


彼女はそれ以上何も言わなかった。

だからあたしもそれ以上聞かなかった。


・・・・真希が好きになった人。





どんな人なんだろう。



すごく気になって、仕方がなかった。








153 名前:EAGLE@人間ってオモシロイね…(Gackt風 投稿日:2002年10月30日(水)22時13分05秒
大量更新おっつです。

>>138
オイラのポプコンは駄作っすから、
ちなみに本編はSeasonWまで進んでます。

>>152
やっぱりあの人なのか?!
気になる…気になって夜も眠れん…今、睡魔の猛攻にあってるけどw
154 名前:とみこ 投稿日:2002年10月31日(木)17時33分39秒
>EAGLEさん
ポップの方見ました!更新されてますたー^^
>あの人
私は期待を裏切る人なので(ww
どう来るかはお楽しみにvv
155 名前:96の名無し 投稿日:2002年11月01日(金)17時04分02秒
 約1週間ぶりに見たら、更新されてて、ビックリ&嬉しかったです。とみこさん、
いつも更新お疲れさまです。
 矢→吉ですかね?それと、ほんの少しだけ吉→後??(個人的な判断です)。今1
番気になるのは、ごっちんの元彼(彼女)ですね。すごく気になってるよっすぃー、
さり気なくイイです。
 また1週間位したら読みに来ます。頑張ってください!
156 名前:とみこ 投稿日:2002年11月04日(月)20時44分25秒
>96の名無しさん
更新ゆっくりですみませむです・・・^^;
>矢→吉ですかね?それと、ほんの少しだけ吉→後??(個人的な判断です)。
どうでしょぉ〜・・・(w  まぁ平和な感じですね〜(?
前作からのレスありがとうございます!がんばって更新します!
157 名前:― あなたをもっと、知りたいの ―(後藤真希) 投稿日:2002年11月04日(月)20時59分34秒


『どうして?!どうして市井ちゃん!!!』


冷たい雨が頬を叩いた。

でも、市井ちゃんは・・・ごとーに傘を差し伸べてはくれなかった。




『後藤、もうあんたにあたしは必要ない。』

『・・・どうして?ごとーは市井ちゃんがいないとダメなの!!』

『・・・後藤、もうダメなんだよ。』








・・・どうして?ダメって何がダメなの?

ごとー、何か悪いことした?

市井ちゃんに、何か悪いことした?









『もうあたしは、後藤の知ってる・・・「市井ちゃん」じゃないんだよ。』



・・・・・・


最後にそういって市井ちゃんは行っちゃったの。

ごとーを置いて行っちゃったの。

さいごまで、市井ちゃんが言った言葉の意味は、

わからなかった。



今も、わからないまま――――


158 名前:― あなたをもっと、知りたいの ―(後藤真希) 投稿日:2002年11月04日(月)21時06分16秒


ジリリリリリリ....


「んぁ・・?」



うるさいなぁ・・・


ジリリリリリリ


うるさいなぁーもう!




ジリリリリリリリリリリリリリ!!!



バンッ


ジリッ・・・・

・・・
・・




♪めっざまーしどっけいーがこわれてしーまった

 めっざまーしどっけいーをかいましょぉ〜〜



・・・・



あ〜今日もねむい・・・。

159 名前:― あなたをもっと、知りたいの ―(後藤真希) 投稿日:2002年11月04日(月)21時09分38秒


「また市井ちゃんの夢、見ちゃった・・・。」


・・・・


最近は見なくなったのに、よしこが家族になってから、

なぜか市井ちゃんの夢をよく見る。



・・・無意識に、よしこと重ねてみちゃってるのかも。



あたしと市井ちゃん。




恋人だった。

いっぱい思い出つくった。

楽しかった。

大好きだった。

愛してた。

愛されてた。

市井ちゃんが全てだった。




全部過去の話。



160 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月04日(月)21時10分51秒


それは、市井ちゃんとごとーが出会う前の話でした。

ごとーは、自分以外の人間を信じていませんでした。




161 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月04日(月)21時14分46秒

ごとーが14歳の時。

中学2年生。


学校が、ものすごくつまんなかった。

なんでこんなもんがあんのか、不思議でしょうがなかった。

学校の規則が嫌い。

先生が嫌い。

友達が嫌い。

男も嫌い。


・・・
なのに、何でこんなところに居なきゃいけないんだろう。

そんな疑問を、誰も聞いてくれなかった。


・・・・・・


ごとーのママは、ごとーを生んだ時に死んだ。

だからパパはごとーの欲しい物を全部与えてくれた。


・・・・・・


だから、ごとーは【パパ】という大きな殻に守られていた。


だけどそれが、いつの間にか




ごとーの心を、固く閉ざしていた。



162 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月04日(月)21時16分49秒

中2の時は、友達はいなかった。

話し掛けてくる女の子にも、冷たく接していた。

まじめな男から、下心丸出しの男まで、全部貶してきた。


・・・・


だけど、ほんっとつまんなかったから


ごとー、変わって見せた。

163 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月04日(月)21時20分19秒


中学3年の夏。


不良とつるむようになった。

自由気ままな彼らを、ごとーはキライじゃなかった。

・・・・

髪も金髪に染めた。

ピアスも4つ開けた。

学校はろくに行かなくて、行っても携帯打ってるか寝てるか。

・・・

たしかにごとーはその時、ものすごく不良だった。

目立っていた。


・・・・・


けど、本当は心のどこかで気付いてた。

中2ん時と変わらないってことを。



いつもごとーは、ひとりだってことを。



164 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月04日(月)21時28分14秒



「臨時担任をすることになりました。市井紗耶香です。よろしく。」


突然やってきた新任教師。


市井紗耶香。

ごとーはそいつが嫌いで仕方がなかった。

だって、ごとーのすること全部を否定するから。


・・・・

市井が始めてごとーに話し掛けた言葉。

それは、


『その金髪似合わないよ。』




そんな単純な言葉だった。


『・・・は?』

『カワイイ顔してんだから、髪なんかで目立とうとするな?』

『うるさいな、どっか行ってよ。』


いつも突っかかってくる市井に、

ごとーはそんな態度で接していた。
165 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月04日(月)21時36分38秒


あるとき、ごとーは体育館裏で不良友達と喋っていた。


そこに市井が来たんだ。




『後藤・・・あんた学校つまんないって思ってるでしょ?』

『うん。』

『じゃぁ学校なんか来るな。』


・・・


『・・・は?』

『だからぁ、来るなっつってんの。わかった?』

『・・・アンタ、教師でしょ?そんなこと言っていいの?』

『あたしだってひとりの人間だ。教師だろうがなんだろうが、関係ないね。』

『・・・ワケわかんないし。』





その時から、何かがごとーの中で動きだしていた。
166 名前:とみこ 投稿日:2002年11月04日(月)21時37分36秒
更新終了。
167 名前:イチイ 投稿日:2002年11月04日(月)23時47分04秒
うわぁー、
いちーちゃんがでてきた(w (うれすぃー(笑) by.吉

>『カワイイ顔してんだから、髪なんかで目立とうとするな?』
コノ台詞(・∀・)イイ!!

>『あたしだってひとりの人間だ。教師だろうがなんだろうが、関係ないね。』
かっけー!この台詞マジ(・∀・)イイ!!っす。
168 名前:EAGLE@今日は学校やっちゅのに… 投稿日:2002年11月05日(火)02時01分26秒
いちーちゃんキター!
総統閣下!待っておりましたぞw
かっけー紗耶香、ボーノ!

めちゃめちゃ個人的な話なんやけど、
html版、ちょっち更新できてないのよね。ごめんちゃい。
も少し待って(汗
169 名前:とみこ 投稿日:2002年11月05日(火)10時19分04秒
>イチイさん
イエス。市井ちゃん登場ですわ。。。
市井ちゃんかっこええですわ〜もちよしこも。。。(w
>台詞
作文する時に1番台詞をかんがえるのが楽しいです^^
これからも心にズキュンドキュン来る台詞かんがえていきまーす。(w

>EAGLEさん
>いちーちゃんキター!
はいぃ〜〜盛り上がって下さい!!!(w
やっぱごまには吉と市がいないとダメっすね!
紗耶香ラヴ〜〜

>html版
了解でっす!全然ゆっくりで構わないですよ!
ありがとうございます!
170 名前:とみこ 投稿日:2002年11月05日(火)10時46分39秒
文化祭振替休日なので更新します。
171 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)17時44分28秒

ごとーが変わったのは、ある事件からだった。

・・・


『真希、コンビニ行くけど来る?』

『あぁ、うん行くー。』


いつものように不良仲間3人ぐらいと一緒にコンビニに行ったことから始まった。



『・・ねぇ、真希カバン開けて。』

『え?』


彼女たちは周りを気にしながらあたしのカバンに手をやった。


『ちょっ、・・何?!』

『バーカ、盗むんだよ。』

『え・・・ちょっ、それはやめようよ。』

・・・万引きなんて・・・


『何寝ぼけたこと言ってんの?早くカバン!』

『真希、どうした?うちら仲間っしょ?』


・・・・でも、

犯罪はちょっと・・・



『もう、とろいなぁ、真希は。』

『チクんなよ。』


そういって彼女らは商品を自分のポケットに入れてコンビニを飛び出した。


『ちょっ、待っ・・・』



―――

ごとーの友達って・・・


ごとーの仲間って・・・



平気で万引きとかする


そういうヤツだったの・・・・?




172 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)17時47分42秒



『あのっ!!万引きです!今出て行った人たちが万引きしてました!』


気付いたら、ごとーは店員さんにそう言っていた。


『なんだって?!』

男の店員はすごい勢いで彼女らを追いかけた。


・・・・・



ごとーは自分の居場所が間違っていたことを、改めて知った。


・・・・


ごとーは・・・ごとーは犯罪をするような人とは違う!!

だからこれで・・・いいの。


173 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)17時55分14秒

次の日



『真希、ちょっと来いよ。』

『話があんだよ。』


学校へ行くと、昨日の不良仲間たちに呼ばれた。


・・・落とし前ってワケ・・・。


・・・・・
体育館裏


『何、話って。』



『・・・昨日の万引き、チクっただろ。』


・・・やっぱり。


『うん。それがどうしたの。』


・・・目の前には、3人の【敵】が居る。

信頼していたはずの仲間は、ただの万引き女子高生だった。

ただ、それだけ・・・

それだけ。


『うちらがそのあとどうなったか知ってんの?!』

『真希、アンタがチクったせいで親とか呼び出されて大変だったんだから!』


・・・なにそれ・・・・





『あんた達が悪いんじゃん。万引きなんて、くっだらないことするから。』


ごとーは冷たい目で彼女らを見た。

174 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)17時58分45秒


『・・・何コイツ。』

『調子のってんじゃねぇ!』



ガッッ


『・・・っ!!』


・・・・

痛い。




ただそれだけが脳裏を過ぎった。



『今度チクったら、ただじゃおかないから。』

『覚えてなよ。』



・・・
そういって彼女たちはその場を去っていった。



『痛いなぁ・・・くちびる切れたじゃん・・・』


ひとり残されたごとーは、ただ痛さを憎んだ。


そして、自分を情けなく思った。


175 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)18時02分09秒


『おー、後藤。なに授業サボってんだよ。』


校舎内に入ると、市井とバッタリあった。



『別に。』

『・・・おい、お前その顔・・・・』


市井はごとーの頬に触れた。



パシッ



『触んないでよ、変態。』

『・・なっ・・変態ってお前・・・』

『バイバイ。』



・・・

ムカツク。

何もかもがムカツクの。

学校も、世の中も、万引き女子高生も、市井も。



もう、自分しか信じられない。


それでいい。




176 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)18時10分40秒


『みんな、先生のサイフ知らないかな?』


ホームルームの時間、市井がみんなに呼びかけた。


『見当たらないんだよなぁ・・・。落としたのかなぁ・・・』


市井は困った表情でそう言った。


その時。



『先生、あたし見ました。』


昨日の不良のひとりが手を上げた。


『・・・何を見たんだ?』

市井は聞き返す。



『体育の時間、真希が教室入ってくの見たんです。』


え?!



『・・・ちょっ、どういうこと!?』


ごとーは立ち上がった。



『真希が盗んだんじゃないの?』

『っていうか、真希なら平気で盗みとかするし。』


不良たちはそう言った。

・・・また万引きの仕返し?


・・・何で・・・



『後藤・・・お前・・・』

177 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)18時17分20秒

市井は困ったようにごとーを見た。



『ごとーは盗んでない!』


必死に市井に叫んだ。



『わ、わかってるよ。そんな証拠もないのに疑ったりはしないよ。』

『なんならカバンの中見てもいいよ。』


ごとーは自分からカバンの中身を机にあけた。



ドサドサッ



『・・・え?』


そこには見慣れない黒いサイフが入っていた。



『ほら、やっぱり真希が盗んだんじゃん!』

『真希ならやると思った。』


不良たちはせせら笑うように言った。



『後藤・・・これはあたしのサイフだよ。』

『・・・ちょっと待ってよ!ごとーは盗んでなんかいない!!』

『でも・・・』


なんで・・・

先生まで疑うの?!




『誰かが、ごとーのカバンに入れたんだよ!』


どうせ彼女たちだろう・・・

そう思った。







悔しい・・・


悔しいよ・・・・・
178 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)22時01分37秒


『だから盗ってないって言ってんじゃん!!』


あのあと、ごとーは生徒指導室に呼ばれた。

市井先生と校長とごとーで話をした。



『でもねぇ、後藤くん。君のカバンに入っていたことは間違いないんだろう?』

校長はフッと笑いながらごとーにそう言った。

・・ムカツク。だから学校はイヤなんだよ。



『まぁまぁ、校長先生。後藤がやってないっていうなら信じましょうよ。』


市井は場を和ますように校長に言う。

どうせ市井だって・・・



『どうせあんたもごとーを疑ってんでしょ。』

『そんな・・・あたしは疑ってなんかない。』

『うるさいな!所詮あんただって先生じゃん!ごとーは先生なんか信じない!!』



バンッ


・・・・


そう言ってごとーは出て行った。


・・・別に、疑うなら疑えばいい。

ごとーは、先生なんか信じない。

大人なんて信じない。


信じても、裏切るだけなんだから。

結局は、上っ面だけなんだから。



179 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)22時08分02秒


『ちょっと来て。』


放課後、ごとーはあの不良たちを体育館裏に呼び出した。


・・
・・
・・


『何、うちら呼び出して何しようってワケ?』

『そうだよ。お前は先生のサイフ盗むようなヤツだもんなー。』


彼女らはまたふざけて笑った。

・・・ムカつく。



『あんたたちでしょ?ごとーのカバンにサイフ入れたの。』

『・・・はぁ??』

『なんでそういう卑怯なことするの?!正々堂々、言えないわけ?』


・・・・・

突然、彼女たちの目付きが変わった。



『・・・・うるせーんだよ。』

『っていうか、ナマイキ。』

『ぶっ殺されたいの?』



・・・・


『アンタたちのやってることがバカバカしいって言ってるの。』


ごとーはそう言い切った。



・・・ごとーのその言葉が、

彼女たちの怒りに火をつけた。



『てめぇ!!』




180 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月05日(火)22時14分25秒

バンッッッ―――――


『・・・・っ!!』


3人がかりで、ごとーを壁に叩きつけた。


『っつ・・・』


その反動で跳ね返ったごとーを、ひとりが思いっきり殴った。



ドスッ


ごとーのお腹に命中。


苦しいと同時に、軽いめまいが襲う。



『真希・・・アンタ、調子乗ってんじゃねぇよ!!』


ガンッ

バキッ  ドカッ


ドスッ・・・・ズルっ・・・



ザッ・・・




フッと意識が遠くなった。



『キャハハ、もうくたばってんのー?』

『いいよいいよ!行こー。』



彼女たちの足音とともに、意識が消えた。




181 名前:とみこ 投稿日:2002年11月05日(火)22時15分45秒
更新終了です。
悲しい終わり方ですみませむ。。。
助けに来るのはやはり・・・・・・・・?(w
182 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月10日(日)19時47分21秒
来るか?来るのか?!(w
次回期待w
183 名前:きいろ 投稿日:2002年11月13日(水)10時16分27秒

続き期待!!
いちごまもよしごまも好きですっ。
184 名前:イチイ 投稿日:2002年11月13日(水)20時42分56秒
続き期待っす(w
やっぱりあの人が登場?!
つーか来て欲しいっす(w
185 名前:とみこ 投稿日:2002年11月18日(月)10時27分43秒
>名無しさん
>来るか?来るのか?!(w
き、き、・・・き、来ます!!!(w
ご期待ください!

>きいろさん
ありがとうございます!!
私もいちごま&よしごまラヴれすばい!

>イチイさん
あの人といえばやっぱり?!(誰
あの人が、後藤の運命を変えます!

186 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時30分46秒


薄い意識の中


痛みだけが感覚として残っていた。

立ち上がる気力も体力もない。

体のあちこちから激痛が走っていた。

・・・そりゃぁ3人に殴られたらこんだけ痛いもんだよね・・・



・・・あぁ、ごとーどうなっちゃうんだろう。


このまま、死んじゃうのかな?

・・・死ぬってことはないか・・・。

こんな建物の裏なんて




誰も来るハズ・・・・・・・














「後藤?!」



187 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時32分26秒


足音と共に誰かがこっちへ向かってきた。


でも後藤は本当に少ししか意識がなくて、

それが誰だかわかんなくって・・・・・・・



「後藤、お前なにやってんだよ!」


・・・

だれ?



・・・


―おい、後藤?後藤!




誰なの?



―しっかりしろって!



・・・・・・・



プツン


188 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時35分14秒
――――意識は途絶えた。



・・・・


気が付くとごとーはベッドの上にいた。


少し薬品くさい部屋。


・・・・保健室かな。


・・・

そっか、ごとー殴られて・・・

それで誰かがここに――――?



ガラッ




「後藤っ、気が付いた?」



・・・誰?

さっきの・・・?



「いちー・・・ちゃん・・・?」



どうしてわからなかったんだろう。


いちーちゃんの、あの声。しぐさ。雰囲気。






ごとーを助けてくれたのは、市井ちゃんだった。



189 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時37分49秒


「いちーちゃん・・・ごとー・・・」



ガバッ


・・・



ごとーが言いかけた時


市井ちゃんは全身でごとーを包み込んでいた。




「後藤・・・無事でよかったぁ・・・」


市井ちゃんは涙を流していた。


初めて見た、市井ちゃんの涙。



・・・・

ねぇ、市井ちゃん?



・・・・抱きしめられるって、こんなに、気持ちが落ち着くものなのかな。


こんなに安心するものなのかな。




こんなに涙が、溢れるものなのかな・・・・







190 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時40分27秒


「後藤・・・お前、バカなことすんなよ・・・」



市井ちゃんはまだごとーを抱きしめたまま、そう言った。



「・・・心配、させんな。」



「・・・ごめんなさい。」



・・・・・



市井ちゃんの前では、素直になれる自分がいる。


・・・

これってなんなの?

・・・






191 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時42分57秒






次の日。



「後藤、お前・・・その髪・・・?!」



ごとーは金髪をやめて、髪を黒く染めた。



「なんなんだよ、いきなり・・・。」


市井ちゃんは驚いた様子でじっと髪を見ていた。


「そんな見ないでよねっ・・・。」

「あっ、ごめん。」



・・・・



「ごとー、もう不良はやめた。」





「・・・え?」















「先生に泣かれたら、こっちが困るから。」





・・・・



照れくさかった。



でも、ごとーは市井ちゃんのおかげで変われたんだ。


自分以外を信じることを、知った。


192 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時46分45秒


それからごとーは、もう不良とかかわるのをやめた。


友達と呼べる友達はいなかったけど、

クラスのコとも話せるようになった。


・・・・これも全部いちーちゃんのおかげ。



いちーちゃんへの、『信頼』『憧れ』『尊敬』


そういう気持ちが

『愛』に変わったのは



いつごろだっただろうか。



193 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時48分49秒


「いちーちゃんっ」

「おぉ、後藤。どうした?」


「数学、わかんないから教えて?」

「おっ!ついに勉強する気になったか?」

「まぁね〜。ここなんだけど・・・。」

「どれどれ・・・」



・・・・


ごとーはいつしか、

いちーちゃんのことが好きになっていた。


それは先生としてじゃなくて、


ひとりの人として。


・・・・・・
194 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)10時58分06秒


「ごとー、市井ちゃんの彼女になりたい。」



夕日で辺りが紅く染まった頃。


ごとーは、告白した。




「・・・・え?」


市井ちゃんも流石にとまどっていた。

ごとーは自分の気持ちとか、そういうのマジで言ったことないから。



「市井ちゃんのことが好きなの。好きに、なっちゃったの・・・・」


「そ、そりゃぁあたしだって後藤のこと好きだよ。かわいいと思うし。」


「ちがうの。ごとーは市井ちゃんを先生としてじゃなくて・・・・・」









「ひとりの人として、愛してるの。」




・・・・



そのあと。


市井ちゃんはこういったんだ。



――後藤が本気なら、受け止めるよ。


・・・・・・・・



後藤の堅く閉ざされた心の扉から


光が差し込んだ瞬間だった。


195 名前:あなたをもっと、知りたいの。(過去) 投稿日:2002年11月18日(月)11時14分22秒


それからいちーちゃんとは順調に付き合っていた。


前から変わった事って言えば


・・・特にない。



・・・

でも、本当に市井ちゃんが大好きだった。

愛してた。

この関係が、ずっと続くと思ってた。



思ってたのに・・・・
196 名前:とみこ 投稿日:2002年11月18日(月)11時14分53秒
こうしんしゅうりょうです。
197 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月18日(月)21時05分24秒
ぬぉーーどうなるんだぁ(w
期待
198 名前:イチイ 投稿日:2002年11月20日(水)00時00分50秒
うわぁー
(・∀・)イイ!!トコロで終わりだYo!
続きムチャクチャ気になります
とみこsガンバってください
199 名前:nanasi 投稿日:2002年11月20日(水)20時44分34秒
なんかよく本編の進行止めて「過去編」「回想編」始めちゃう人いるけど、
少量ならともかく延々やられると、もはや本編への愛着すら薄れてくるような・・・
作者さんのエネルギーも本編に戻る頃には確実に薄まる場合が多い。
書きたければ番外編でやればいいと思うのだけど。
200 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月23日(土)06時24分20秒
>199
書いてる側では、中にはそーゆう人もいるかもしれん。
でも読む側の自分は、『過去』と割り切って読んで
その上で「萌ぇー」とか「うぉー」とかしてる。
201 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月23日(土)22時57分34秒
自分も過去編、楽しみにしてます。
とみこさん、頑張って下さい。
202 名前:とみこ 投稿日:2002年11月26日(火)18時02分15秒
>名無し読者さん
更新遅くなってごめんなさい!!
期待にそえるようがんばっちゃう気分です!!

>イチイ
ありがとうございますっ^^
本気で頑張ります!!!!

>nanasi
気を付けます
ありがとうございます

>名無し読者さん
>199
>「萌ぇー」とか「うぉー」とかしてる。
ありがとうございます^^
こんなに色んな人からレスがあって嬉しいです。
頑張ります!!

>名無し読者さん
>自分も過去編、楽しみにしてます。
はいっ。そろそろ過去ヘンも終わりますが、頑張ります。



期末考査でなかなか更新できず、すみません。
今日は更新します。

203 名前:とみこ 投稿日:2002年11月26日(火)18時02分59秒
>202

イチイさん、nanasiさんに『さん』を付け忘れました・・・

申し訳ないです。・・・鬱
204 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月26日(火)18時05分28秒


「ねぇ、市井ちゃん?」

「んー?」

「ごとーと市井ちゃん、ずーっと一緒にいられる?」

「あぁ、ずっと一緒だよ。」

「ほんと?」



・・・


いっつもごとーは、そんな質問ばっかりしてた。

なにげないことが、色々不安だった。

でも、市井ちゃんは嫌がらずにごとーに答えてくれる。


・・・本当に、本当に大好きだった。


ごとーは、市井ちゃんさえいれば、何もいらなかった。
205 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月26日(火)18時22分11秒



「市井ちゃーん。帰ろ?」

「おー。ちょっと下駄箱で待っててくれないかな?」

「んぁ、わかったよぉ。」

「あ、市井のカバン持ってて!」

「はいはい、しょうがないなぁ〜。」


・・・

いつもの普通の会話だった。

市井ちゃんのカバンを持って、ごとーは下駄箱で待っていた。


〜♪♪〜♪


「あ、電話。」


ごとーは自分の携帯をカバンから取り出そうとした。

その時―――



ドサッ



市井ちゃんのカバンが床に落ちて、



中から一通の手紙が床に滑り出てきた。
206 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月26日(火)18時25分40秒
なんだろ・・・


〜♪♪〜〜♪


あ、電話。


〜♪・・・。


「あれ、切れちゃった。」




ごとーはなんとくなく落ちた手紙を手にとった。


そこには


【紗耶香へ】


・・・下の名前?

お母さんとかかなぁ。


ごとーは裏を見た。


【矢口 真里】


・・・


誰・・・?

・・・

聞いたことの無い名前に、ごとーは少し嫌な予感がした。


パサッ

いけないとは思ったけど・・・

ごとーは・・・その手紙を開いてしまった。
207 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月26日(火)18時31分48秒
――――――

・・・紗耶香へ

突然の手紙、ごめんね。

電話番号とかアドレスとかわかんなくってさ。

とりあえず住所があってればこの手紙を今手にしてると思います。

えっと・・・報告があります。

今月の末に、そっちに行くことになったの。

やりたいことがあってね。

それで、もし紗耶香がよければ、矢口は、紗耶香に会いたいと思ってるんだ。

今さらこんなこといってゴメンね。

もし紗耶香が会ってくれるなら、30日の夕方4時に、

矢口と紗耶香の思い出の場所で、待ってるね。

じゃぁ、またね。


矢口


―――――



208 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月26日(火)18時40分51秒


・・・


・・・・すぐわかった。

この人、市井ちゃんの恋人だったんだ。



・・・・

矢口・・・真里、か。


手紙の内容だと、今は遠くに住んでるんだよね・・・

で、今月の末にこっちに来る。


市井ちゃん、矢口さんに会うのかな・・・・



「後藤!」


その時、市井ちゃんが向こうから走ってきた。



「あ、市井ちゃん。」


ごとーは手紙をサッと封筒に入れた。



「ごめんなぁ、遅くなって。」

「ううん、平気。あ、これって・・・誰?」

「え?」


ごとーは手紙を市井ちゃんに渡した。



「・・・あ、後藤・・・手紙読んだのか?」

「え?ううん、読んでない・・・。」

「そ・・・そっか。」

「その封筒に書いてある名前の人、誰なのぉ?」

・・・


「あー・・・幼なじみだよ。」


別に隠さなくたっていいのに・・・。


・・・あ!そうだ!



「市井ちゃん、今月の30日あいてる?」

「え・・・?」



・・・市井ちゃん、矢口さんと、会うのかな・・・

209 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月26日(火)18時41分31秒


「いや、ちょっとその日は無理なんだ・・・ごめんな。」







え?




「・・・あ、ううん、平気。」



「おう。じゃぁ帰ろうか。」






・・・・・

市井ちゃん・・・?


210 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月26日(火)18時43分02秒

市井ちゃんの返事に驚いた。


市井ちゃん・・・本当に矢口さんと会うんだ。


・・・


いや、会うだけだよね。うん。



・・・30日、か・・・


211 名前:とみこ 投稿日:2002年11月26日(火)22時13分53秒
ハンパですが更新終了です。
212 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月26日(火)22時54分33秒
やった!更新だ。
期末考査とかで大変そうですね。無理しない程度にがんばって下さい。
楽しみにしてます
213 名前:イチイ 投稿日:2002年11月27日(水)14時35分24秒
んー、やぐっつぁんまで
でてきた・・・      (←嬉しいんです(w
30日、気になるなぁ...
更新期待ですが、無理しないようにしてください。
Ps.名前の件(>203)全然気にしないでください
  コッチも気になりませんし、
  何だからそのままイチイって呼び捨てでもイイっす(w
214 名前:とみこ 投稿日:2002年11月29日(金)10時22分02秒
>名無し読者さん
期末考査おわりました!
ふぅ、今日はやっと更新できます!

>イチイさん
昔の矢口登場ですね^^;
これからどうなっていくのやら。。。
>名前の件
いやいや、よびすてだなんて!
これからもイチイさんで(w
215 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月29日(金)10時54分32秒

そして30日が訪れた。

市井ちゃんと矢口さんが会う場所も時間も知ってる。

・・・でもごとーは、その場所に向かわなかった。



なんだか、ごとーが介入しちゃいけないみたいな

そんな気がした。


1日中時計を見つめていた。

・・・いまごろ市井ちゃん、矢口さんと会ってるんだよね。

楽しそうに、笑ってるの?

今も一緒にどこかを歩いてるんだよね。

昔、付き合ってた頃の話とかしてるのかな?

市井ちゃん、昔の気持ち思い出してるのかな?








その日は1日が、すごく長く感じた。

216 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月29日(金)10時58分38秒


そして次の日


想像もしてなかったことが起きた。


・・・・学校の朝の朝礼の時だった。




『えっと・・・短い間でしたけどありがとうございました。』


体育館が一気にざわついた。


ごとーは何が何だかわからなかった。


・・・・・・・・・・・



突然









市井ちゃんは、この学校をやめた。

217 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月29日(金)10時59分10秒


「市井ちゃん!!!」


ごとーは体育館を出て行った市井ちゃんを追いかけた。

そのまま荷物を持って学校の外へ出ようとしている市井ちゃんを、

ごとーは無理やり止めた。



「・・・後藤・・・。」

「市井ちゃん?!ねぇ、どういうこと?なんで?」

「・・・・・・・。」


市井ちゃんは何も言わずに下を向いた。


「ごめんな。」


市井ちゃんはそう言って走って去っていった。



・・・やだよ


やだよ市井ちゃん!


ごとーを置いていかないでよ!


市井・・・ちゃん・・・・

218 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月29日(金)10時59分41秒

あたり前のように、次の日から市井ちゃんは学校に来なかった。


ごとーは学校へ行っても力が抜けたように無表情で・・・

・・・・・・・・


その日の帰り道。


ザー―――――――・・・・・・・・


突然雨が降り出した。


「やば、傘ないよ・・・」


ごとーはカバンを頭の上に翳しながら走った。




・・・その時







「後藤!」


219 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月29日(金)11時00分13秒



そこには

傘をさした市井ちゃんが立っていた。



・・・そう、ここは市井ちゃんのアパートの前だった。

市井ちゃんの横にはトラックが1台。

男の人が何人かでダンボールを積み込んでいた。



「市井・・・・ちゃん・・・・・?」



ごとーはびしょ濡れなことも忘れて市井ちゃんを見た。



「後藤・・・・」


そんな顔でみないで・・・

市井ちゃん、市井ちゃん・・・・



220 名前:あなたをもっと、知りたいの(過去) 投稿日:2002年11月29日(金)11時01分14秒



「どうして?!どうして市井ちゃん!!!」



ごとーはいきなり大声でそう言った。


でも市井ちゃんは驚いた表情をひとつも見せなかった。


―――冷たい雨が頬を叩いた。

でも、市井ちゃんは・・・ごとーに傘を差し伸べてはくれなかった。




「後藤、もうあんたにあたしは必要ない。」

「・・・どうして?ごとーは市井ちゃんがいないとダメなの!!」

「・・・後藤、もうダメなんだよ。」








・・・どうして?ダメって何がダメなの?

ごとー、何か悪いことした?

市井ちゃんに、何か悪いことした?









『もうあたしは、後藤の知ってる・・・「市井ちゃん」じゃないんだよ。』



・・・・・・


最後にそういって市井ちゃんは行っちゃったの。

ごとーを置いて行っちゃったの。

・・・・【矢口さんが好きになったから】なの?


そんなことも聞き損ねてしまった。


市井ちゃんは、もう後藤の手の届かないどっかに

行っちゃったの。
221 名前:とみこ 投稿日:2002年11月29日(金)11時02分12秒
―あなたをもっと、知りたいの(過去)―


終わり
222 名前:とみこ 投稿日:2002年11月29日(金)11時16分53秒


後藤と市井の過去編が終わったので、現在編に戻ります。


・・・

次は後藤真希中心です。(現在編)


【幻であれ】


・・・
223 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年11月29日(金)11時20分23秒
(真希視点)



「・・・?真希・・・真希?」



・・・ん・・・?

・・・誰?


―――

ガバッ

―――
ごとーはベットで突然起き上がった。


「あれ・・・朝?」


「真希?」


目の前にはよしこが居た。


・・・
ごとー、また市井ちゃんの夢を・・・・?




「よし・・・こ・・・」


「大丈夫?うなされてたよ。」

優しい声と表情で彼女はそう言った。


「・・・うん、ちょっと悪い夢見てただけ。」

「大丈夫?」

「うん、平気。」

「そっか。さ、起きよ。遅刻しちゃう。」


・・・・・・・・

いつになったら、忘れられるんだろう・・・
224 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年11月29日(金)11時27分26秒


リビングに降りると大輔さんとお母さんが待っていた。


「「いただきます。」」


・・・・・


「あ、お母さん。今度矢口さん家に呼んでいい?」

「あぁいいわよー。」



・・・?


矢口さん?



「よしこ、矢口さんって・・・だれ?」


「んー?仕事の先輩だよ。」

「・・ふーん。」



・・・いや、そんな矢口なんていっぱいいるよね。

・・・まさかね。


それに、もうごとーは市井ちゃんのことなんか忘れたんだから。

関係ないよね。



「ごちそうさま。真希、行こう!」

「あ。うん!」


食事が終わると急いで準備をして家を出た。


・・・・


そう、今はごとーにはこういう生活があるから。


もう、市井ちゃんのことはいいんだ。


225 名前:イチイ 投稿日:2002年11月29日(金)19時56分07秒
うわぁー
また(・∀・)イイ!!ところで終わってるっす(w
よっすぃーが矢口さんを家に招待 v
ごっつぁんにとって矢口さんは・どういう人になるのか・・・?
みたいな感じに思ってます(笑
226 名前:名無し蒼 投稿日:2002年11月29日(金)21時11分14秒
どもぉ、同じ板で書いてるものっす。
とみこさん凄いですね〜。
描写が上手い!オレも上手く書きたいっす(泣

続きがどうなるのかドキドキしながら待ってます…(w
227 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月01日(日)14時57分56秒
とみこさん、あなたは本当に中学生ですか?文章が素晴らしすぎます
つづききたいしてます
228 名前:とみこ 投稿日:2002年12月02日(月)08時20分38秒
>イチイさん
いつもレスありがとうございます^^
矢口も絡んできてますますフクザツに・・・(w
矢口の顔を知らないごっちん・・これからどうなるやらやら^^;
アドリブ満開で頑張ります!

>名無し蒼さん
初めまして。
いえいえまだまだですよ^^
名無し蒼さんも同じ板ですよね。見てますよ。
近々レスさせてもらいます^^

>名無し読者さん
>とみこさん、あなたは本当に中学生ですか?
はい、現役中2です(w
でもまだまだっす^^; ありがとうございます!!
229 名前:とみこ 投稿日:2002年12月02日(月)08時22分01秒

PS 今週中に実は私、引越しのため転校するのです^^
なので今はどちらの学校でもないので朝から更新します!
学校サボって何やってんだ!とか誤解されぬように・・・(ww
230 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)09時05分57秒
(真希視点)


「ねぇ、君ひとり?」

学校の帰り道、バス停で男に話し掛けられた。

金髪でいかにもチャラチャラしてる高校生ぐらいの軽そうな男。


・・・

「どう見てもひとりじゃん。」

ごとーはくだらない返事をかえした。

「冷たいなぁ、ねーねー。今からどっか行かない?おごるからさ!」

「やだ。お金はあるからいい。」

「え?」

ごとーはそういってサイフから万札を何枚か見せた。

「・・うぉ・・・すげぇ」

「そういうことだから、バイバイ。」

「あ、ちょっちょっと待てよ!!」



バッ


ごとーは腕をつかまれた。

・・・・ウザ・・・・

「離してよっ。」

「やだね。遊ぼうよ、俺と。」

「やだ!離して!!」

「いいから来いっつってんだよ!」





バキッ




その時

鈍い音と共にその男は倒れた。


横にはもうひとり、誰かが立っていた。
231 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)09時06分29秒


「さっさと失せろ、ボケ。」

その男はヒィッと言って、走り去っていった。


・・・・

「ったく、こんなとこでナンパしてんじゃねぇっつーの。」

ごとーはその声の主に目を向けた。




「ケガ、ないか?」



・・・・・・え?


――――――――


そこには

見覚えのある、キリッとした顔。



本当に、何も変わってない





昔のまんまの・・・・





「市井・・・ちゃん・・・?」








―――2年ぶりの再会だった。

232 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)09時07分04秒



「おっす、久しぶり。」


夢かと思った。

ありえないよ・・・なんで市井ちゃんが・・?


――――


「この辺に引っ越してきたんだ。」

「・・・え?」

「いや、でも後藤に会えるとは思わなかったよ。」


市井ちゃんは昔と変わらない笑顔でそう言うのだった。

・・・・でもごとーは・・・・・



あの日のことを、忘れてなかった。




「あ!後藤さ、喫茶店でも行こうよ。久しぶりの再会なんだから。」



再会なんか、嬉しくもない。



市井ちゃんは、ごとーを捨てた人。


233 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)09時07分34秒

・・・

「話すことなんかないよ。」


ごとーは市井ちゃんを思いっきり睨んだ。


「後藤・・・。」

彼女はごとーに一瞬触れた。


パンッ


「触んないでよ。変態。」


思い出したくない

思い出したくない・・・・・



「・・・あたしと後藤が会ったばっかの時も、そんなこと言われたよな。」

まだ市井ちゃんは笑顔でそういう。


「・・・んなの、覚えてないよ。」



「あたしは覚えてるよ。」






「後藤のこと、忘れなかった。ずっと。」


234 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)09時08分44秒




・・・忘れなかった? 後藤のことを?



・・・なにそれ

なんなの?



・・・・

「あんた何言ってんの?」


ごとーはきついことばを投げかけた。


「むしが良すぎるんだよ。人のこと簡単に捨てて、他の女に走ったくせに。
中学ん時、ごとーはあんたに助けられた。だからごとーはあんたを信じてた。けど、裏切られた。
結局ごとーはあんたにとってただの遊びだったんでしょ?ごとーが中学生だからって騙してたんでしょ?
矢口さんが戻ってきたから、ごとーはもう必要なくなったから捨てたんでしょ?わかってんだよ。
なのに今度は何なの?またごとーが騙されるとでも思ってんの?ふざけるのもいいかげんにしてよね。」




「後藤、お前・・・」


「ごとーも、もう高校生なんだよ。もうあんたなんかに騙される歳じゃない。」


「・・・後藤、あたしは後藤を騙してたんじゃない!本気で好きだったんだよ。
それに、なんで矢口のこと・・・知ってるんだよ。」

・・・・
235 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)09時09分23秒



「手紙見たんだよ。あの時。」


「・・・手紙・・・?・・・あっ・・・」


「あん時からもうわかってた。やり直したんでしょ?矢口さんと。
だから後藤を捨てた。そうでしょ?わかってたんだよ。中学生のごとーでも。」


「・・・でもあたしは後藤を捨てたわけじゃない!」

「うるさいな!!」



・・・・・



「もうなんだっていいよ!なんだっていいから、もう後藤の前に現れないで!」


「おい、後藤っ!」

市井ちゃんはごとーの腕を掴んだ。



その手は、あの時にあたたかい手じゃない。

ごとーにとって、冷たい手。


バッ

ごとーはその手を思いっきり振り払った。





・・・・


「信じ込ませて、あとで捨てるなんて・・・・最低の手口だよ?」









それ以上なにも言わず、ごとーは走って去っていった。
236 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月02日(月)13時08分55秒
市井ちゃんと再会ですか・・
何だか波乱の展開になりそうな予感が・・
とみこさんのよしごまはイイですね。
更新、楽しみにしておりまする。
237 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)17時01分42秒



ごとーは走った。

もうなにも考えずに、とにかく走った。

その場を去りたかった。

市井ちゃんを見ていられなかった。

思い出したくなかった。

思い出したくなかったの・・・・・


もう、あんな思い、したくない―――

・・・・・・



「はぁ・・・はぁ・・。」


ごとーは近くの公園まで走ってきた。


ここまでくれば市井ちゃんも来ない。







ごとーはベンチに座ると、携帯を取り出した。

画面のデジタル時計は夕方5時を指していた。



238 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)17時02分15秒


なんかもう、つらいよ・・・ごとー。

どうしていいかわかんないしさ・・・・







昔だったらこんな時、市井ちゃんがいたのに。


・・・・・


なーんてね。

今は市井ちゃんがいない。


今のごとーには、誰もいないの。


誰もごとーを助けてくれる人は、いな・・・



♪〜♪♪〜


その時

ふっと携帯から音楽が流れた。



239 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)17時02分45秒


ピッ


「もしもし・・・?」


『あ、真希?ひとみだけど。』



・・・よしこ・・・?



「・・・どうしたの?」

『ん〜?なんか真希の声聞きたくなってね。』



よしこは低くかすれたあの優しい声でそう言った。


なぜかごとーは・・・・


そんなよしこの声を聞いた途端

緊張の糸が切れて、




涙があふれた。


240 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月02日(月)17時03分23秒



「・・・よしこ・・・」

『ん?どうしたの?なんか泣きそうだよ?』

「・・・ううん、大丈夫。なんでもないよ。」

『本当?何かあったんじゃないの?』

・・・

ごとーは電話越しに首をふった。


「ちがうの。よしこの声聞いたら、なんか安心したの・・・。」

『え・・・・?』

「全然へーきだよ。ありがとう、よしこ。」

『・・・そぉ?ならよかった。』

「うんっ。」

『じゃぁ、休憩時間終わるから、またね。』

「うん、お仕事がんばって。」

『おー、ありがとう。』


ピッ



電話を切った後も

なんだかよしこがすぐそばにいるみたいで


ほんっとに安心したよ。



ありがとー・・・・よしこ。

241 名前:とみこ 投稿日:2002年12月02日(月)17時06分47秒
更新終了です。


>名無し読者さん
レスありがとうございます^^
市井ちゃんとの再会、痛いことになりそうです。。。
これからが波乱ですよぉ!!(w
242 名前:名無し蒼 投稿日:2002年12月03日(火)02時46分54秒
レスありがとうございます。
読んでくれているんですか?w
ビックリですw今止まってるんですが(w
この後どのようになっていくのか気になりますねぇ…
転校だそうで、自分もついこの間引越したんで忙しいでしょうが
頑張って下さい。
243 名前:ななし? 投稿日:2002年12月04日(水)15時01分10秒
カップリング人気投票
来週は準決勝最終組
いしよしVSよしごま
とみこさんも投票してやってください。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/7323/second/cp.html
244 名前:107の者 投稿日:2002年12月06日(金)05時20分38秒
レス見て、ごちーんかよっすぃ〜が転校するのか、と思って読んでたら、
転校するのはとみこさんのようで。(w
それにしても更新早いですね、うらやましい。
これからもがんばってください。
245 名前:とみこ 投稿日:2002年12月07日(土)21時52分35秒
>名無し蒼
お互い頑張りましょうね^^
ってほんとうにがんばらないと・・(w

>ななし?さん
行って見ます^^

>107の者さん
>レス見て、ごちーんかよっすぃ〜が転校
アハハ。私ですよぉ(w
>それにしても更新早いですね、うらやましい。
更新遅いですよ〜(wメッチャメチャで(w
もっとスピード出さないと(w
246 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月10日(火)18時44分30秒


(真希視点)

そのあとごとーは家に帰った。


・・・さっきのよしこの電話で、だいぶ安心した。

一瞬だけ、一瞬だけだけど


ごとーはひとりじゃないって、そう思えた。

よしこは、ごとーにとって大切なヒトなんだって思えた。



・・・・・・


「真希ちゃん、あたし仕事行ってくるわね!」


PM 10:20

かおるさんはそう言って仕事場に行った。

婦警さんってやっぱり大変そうだなぁ・・・。


・・・

パパは昨日から事務所に泊まりっ放しで仕事だしさ。

なんか大手の会社から依頼が入ったみたい。

パパは結構有名な子供服のデザイナーらしいのよね。

ごとーも小さい頃はよくモデルをさせられてた。







だーれもいない大きな家で


ごとーは静かにドアを見つめていた。




よしこ、まだかな。


247 名前:イチイ 投稿日:2002年12月10日(火)20時20分24秒
うわぁー
メチャクチャ続き気になるっす(w
ぅ〜ん、いちーちゃんが再登場!!+矢口さんが家に来る
つーところが真希とよしこに何かありそう(w
色々妄想!?しながら次回更新期待の
自分がいます♪
248 名前:とみこ 投稿日:2002年12月12日(木)17時30分43秒
>イチイ
色んな妄想ありがとうございます(w
>矢口・市井登場に何かが起きる
そうですねぇ、その前にあの人が登場します!!(w
249 名前:とみこ 投稿日:2002年12月12日(木)17時33分18秒

ギャァァ〜(死
またイチイさんに「さん」を付けるのを忘れてしまいました!!
もうなんといったらいいのか・・・・うぅ・・・(鬱
逝ってきます
250 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月12日(木)17時33分56秒


ピンポーン


「あっ!」


よしこだ!


ごとーは走ってドアのそばに行った。


「・・・よしこ?」


ドア越しに確認。


「はぁい、よしこだよー。」


そう言ってドアの向こうの人はハハッと笑った。

・・・



ほら


またその優しい声。


かすれたアルトの声。


ごとーを安心させてくれる。



ガチャ



「・・・おかえり、よしこ。」
251 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月12日(木)17時45分09秒



ドアの前で待ちつづけていた人が、やっと現れた。

まるで何年も離れていた親友との再会のようだ。


「ただいま。真希、まだ起きてたの?」

「うん。全然まだ起きてる時間だよぉ?」


なーんてね。ごとー強がってる。

なんてったって今、夜中の2時だよ?

いつもより全然夜更かししてる。

自分でも不思議だよ。こんなによしこのために・・・さ?




・・・・


「お風呂あるよ?先にごはんにする?」

「あ、じゃぁお風呂先入ってもいい?」

「うんっ。じゃぁごはん作っておくね。」


まるで新婚さんみたいな会話だ。

ごとーもここまで人につくしたことは、正直ない。
252 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月12日(木)17時45分45秒


よしこがお風呂から上がるのを、ごとーはリビングのテーブルで待っていた。


「今あがったよー。おっ、うまそー!!」


よしこはテーブルの上にある料理に目を輝かせた。

ごとーはそれよりそんなよしこに視線が行ってしまった。


彼女は濡れた髪をサッとかきあげた。



・・・うわぁ、なんか本当にモデルっぽいよぉ・・・


「なんかよしこ、色っぽいよ?」

「え?」

さすがのよしこも戸惑った。





・・・ん?


「・・・プッ!よしこぉ、なんかオールバックみたいになってるよぉ!!」

「うわっ、え?あ・・う、うるさいなぁ〜〜!」


よしこは慌てて髪を元に戻した。



「アハッ!タモさんだぁ〜」

「も〜真希うるさぁい!!」


広い広い部屋は、ごとーとよしこの笑い声でいっぱいになった。
253 名前:―幻であれ― 投稿日:2002年12月12日(木)17時50分42秒


プルルルルル・・・・



2人で騒いでいると、突然家の電話が鳴った。


「あ、あたし出るよ。」


よしこは受話器を取った。


「もしもし、後藤ですが。」



・・・こんな夜中に誰だろう・・・


ごとーはよしこをずっと見ていた。


・・・

「え?!梨華ちゃんが?!」


突然。

よしこは大声でそう言った。


「よしこ、どうしたの?」

思わずごとーは電話中のよしこに話し掛けた。


「どこの病院ですか?・・・中央病院。わかりました!!」

でもよしこはそんなごとーの言葉は聞かずに電話を切った。



「ちょっと病院行って来る!!」


そういって彼女は嵐のように家を飛び出していった。



・・・・また、ごとーはひとりになった。


なんだかもう、よしこが戻ってこないような――――


254 名前:とみこ 投稿日:2002年12月12日(木)17時51分53秒
いったん更新終了です。
255 名前:イチイ 投稿日:2002年12月13日(金)21時57分29秒
梨華ちゃんどうしたのか・・・
よしこのあわてっぷりがスッゲーから
何かでっかいことが起こりそう(w
ごっちんちっと心配そうです
よしこは帰ってくるさ・・・    

名前の件>いやいやホント逝くまでしないでください
     全然気になってないので(ホンキ
     マジ気にしなくでください。
     
256 名前:深久 投稿日:2002年12月14日(土)13時38分47秒
なんか雰囲気が好きです…☆
最初の方、なんか『彼氏彼女の事情』ってマンガに似てまして。
自分そのマンガ好きなん惚れてしまいました(笑)
気を悪くしたらゴメンなさい!
これからの展開に目が離せませんね♪
これからも頑張って下さい☆★
257 名前:真奈 投稿日:2002年12月17日(火)17時38分51秒
初めまして!
私、とみこさんの小説大好きなので
楽しみにまってます。
258 名前:とみこ 投稿日:2002年12月21日(土)16時15分27秒
>イチイさん
>梨華ちゃんはどうなるでしょー・・・^^;
病院=大事?!(w 

名前の件>いえ、逝ってきます!!!(w
     
>深久さん
カレカノちっくですって最初の方に書いてありますよ^^
がんばります!

>真奈さん
初めまして。
大好きだなんて^^;
ヘボ作を見てくださってありがとうございます!!
259 名前:とみこ 投稿日:2002年12月21日(土)16時24分04秒
更新遅れてごめんなさい。
えー報告があります。
これからしばらくパソコンを修理に出すのでネットが使えません。
なので今年中ぶは更新ができなさそうです・・・・(泣
こんなアホ作者でゴメンなさい。

それまでsage
260 名前:とみこ 投稿日:2002年12月21日(土)16時27分10秒
sageます
261 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月02日(木)20時39分46秒

(ひとみ視点)


【梨華が倒れたの。】


突然。梨華ちゃんのお母さんから電話でそう言われた。

あたしは血の気がサッと引いた。


【梨華が吉澤さんに会いたいって・・・・。】


あたしは電話を切ると何も考えずに外へ出た。

そしてすぐにタクシーを捕まえて病院に向かった。



・・・梨華ちゃん―――
262 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月02日(木)20時44分58秒


「あ、吉澤さん!」


病院へつくと、ロビーで梨華ちゃんのお母さんが待っていてくれた。


「おばさん、梨華ちゃんは・・・!!」

「今病室にいるわ・・・。」

「一体どうしたんですか?倒れてたって・・・」


興奮するあたしとは裏腹に、おばさんは冷静に答えた。


「疲労がたまってたのよ。勉強や部活のストレス症みたいなの。」

「・・・え?」

「とにかく今は安静にしれてば大丈夫らしいわ。」

「・・・そうですか・・・。」

「吉澤さん、梨華のところに行ってあげてくれないかしら?」

「・・・はい!もちろん。」


・・・・・


それからおばさんはニコッと笑ってあたしに病室の場所を教えてくれた。


263 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月02日(木)20時51分40秒


ガチャッ・・・


あたしは静かに病室へ入った。

真っ暗な部屋に、わずかな月明かりが照らしていた。


・・・・

あたしはベットの横のイスに座りスヤスヤと寝息を立てて寝ている梨華ちゃんを、

そっと覗き込んだ。



・・・



「・・・・っ。」




それは




まるで眠り姫のように――――




とてつもなく綺麗で、美しかった。


・・・

264 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月02日(木)20時53分52秒



「・・・ひとみちゃん・・・?」


思わず見惚れていると、彼女は目を覚ました。


「・・・あ、ごめん起こしちゃった?」

「ううん・・・。本当に・・・ひとみちゃんなの?」

「ん?そうだよ。」

「来て・・・くれたの?」


泣きそうな瞳で、あたしを見た。

胸が鳴った。

・・・

「もちろん。すぐ駆けつけたよ。」

そういってあたしはフフッと笑った。


「・・・うれしい。」







その笑顔は

一体どこから――――

265 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月02日(木)20時59分04秒


「体・・・大丈夫?」

「うん、ちょっと疲れてて・・・。」

「あんまり無理しない方がいいよ。」

「ひとみちゃんに言われたくないわよっ。」

「あたしは大丈夫だよ。梨華ちゃんなんてそんな細い体でさ・・・」







あたしは、そっと梨華ちゃんの手を取って優しく握った。


彼女はあたしの目を見て顔を真っ赤にする。


「ひとみちゃ―――・・・」

名前を呼ぶ彼女の唇に、人差し指を当てて言う。


「コラ、しゃべらなくていいの。」


梨華ちゃんは頭の上に【?】をつけてこっちをみる。

まだ頬は赤く染まったまま。
266 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月02日(木)21時09分23秒


「梨華ちゃんはさ・・・」


あたしはゆっくり語り始めた。

・・・



「あたしの大事な親友なんだよ?あたし、梨華ちゃんが倒れたって聞いて、

ホントに血の気が引いたよ。もし・・・もしも死んじゃったらどうしよう・・・って。

梨華ちゃんがいなくなったら、誰があたしを支えてくれるの?」



真剣な眼差しで梨華ちゃんを見つめ返した。

・・・


「ひとみちゃん・・・・・・」


泣きそう。いつも梨華ちゃんはいつもそうだよね。


そんな梨華ちゃん・・・・守りたくなるよ?
267 名前:とみこ 投稿日:2003年01月02日(木)21時09分56秒
PC復活です。

短いですが更新終了。
268 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月03日(金)12時21分58秒


スッと彼女の手を離すと、困ったように梨華ちゃんはあたしを見た。


「ひとみちゃん、もしかして仕事中だったとか?」

それをごまかすように口を開いた。


「ううん、もう今日は終わったよ。」

「そっか・・・ならよかった。仕事中なのに来てくれたなら悪いなって思って。」


安心したように梨華ちゃんが笑うと、あたしも一緒に笑った。


「仕事中でも来るつもりだったけど?」


・・・

あたしには、そんなことしか言えなかった。


「ひとみちゃん・・・・。」



月明かりが、ほのかに2人を照らす。
269 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月03日(金)12時43分45秒


「あたしね、学校・・・なんかイヤなの。」


ふっと、梨華ちゃんはそう言った。

そのひとことは、なんだかすごく深い意味がこめられているようだった。


「ツライって?」

「勉強とか、部活とか・・・なんかもう学校自体が・・・。」

泣きそうな表情を見て、あたしはどうしても気にかかることがあった。


だって

梨華ちゃん、前に言ってたじゃん。


――――・・・・

『ひとみちゃん!あたしね、学校ってすごく楽しいと思うっ。』

『ははっ。いきなりどうしたの?』

『勉強も、部活も。ぜーんぶ楽しいの!』

『いいことじゃん。結構めずらしいよ、学校好きになるのって。』

『そうかなぁ??』


―――――・・・・


なのにどうして―――?


「前は楽しいって言ってたじゃん・・・なのにいきなりどうしたの?」

思っていたことをそのまま梨華ちゃんにぶつけた。


「・・・・・わかんないの。」


ベットに寝たままそう言った。

うっすらと瞳に涙を浮かべて。


270 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月03日(金)12時49分01秒


「なんかあったの?学校で・・・・。」


梨華ちゃんは大きく首を振った。

友達関係とかってわけじゃないんだ・・・。



「理由は・・・あたしにはわかんないけどさ、悩んだら何でも言ってよ。」

そっと背中をさすりながらあたしはそう言った。

そんなことしかできない自分が、バカみたいで―――。






「じゃぁ・・・ひとつ聞いてくれる?」

「うん?何?」




271 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月03日(金)12時59分44秒










「戻ってきて・・・・ひとみちゃん。」

・・・・



「・・・・え?」



「ひとみちゃんが仕事忙しくて、学校ほとんど来れなくなってから、
あたし、もう学校イヤになっちゃったの・・・。」


「・・・あたし・・・が?」


「あたしにはひとみちゃんがいないとダメなの・・・。ダメなの・・・。」

――――――






・・・








「ひとみちゃんのことが、好きなの。」




・・・・・・・・・・・・・・

身体の中で



何かが燃えた。



272 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月03日(金)13時05分15秒


「え・・・。」



何も答えられなかった。

どうしていいかわからなかった。

彼女の言っていることが、あたしにとって何なのか。



わからない。


・・・・



「ごめんね、わかってるの・・・・。」


梨華ちゃんは薄く笑いながら言った。


「ひとみちゃんにとって、あたしは友達でしかないんだよね。」


・・・・・


友達・・・


梨華ちゃんはあたしにとって―――



「あたしは・・・ひとみちゃんを好き。ずっと前から・・・」


「ずっと・・・?」


「うん。でもね、言わないつもりだった。」

「え?」

「友達の関係、崩したくないから・・・・・」



・・・梨華ちゃん―――



「ごめん、ごめんね。ひとみちゃん。」




・・・どうして




どうしてあやまるの?



梨華ちゃんは何も悪くなんか・・・・・・
273 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月03日(金)13時06分57秒


「ただ・・・ひとみちゃんの気持ちだけ、聞かせてほしいの。」


梨華ちゃんは真剣な目であたしに言った。


あたしも、真剣に考えなきゃいけないと思った。


・・・・・・

・・・




「・・・あたしは・・・・」
























――――――







ドクンッ

















・・・


「あたしは、梨華ちゃんを守りたい。ほっとけないんだ。」







それは本当に、



正直な気持ち。
274 名前:―幻であれ― 投稿日:2003年01月03日(金)15時16分32秒


「あたしもよく・・・わからないけどさ・・・」


最後にあたしはそう付け加えた。

別にごまかすわけじゃないけど、

どっかそういうの弱い自分がいたから。


・・・






梨華ちゃんが黙ったままなのでそのまま話しつづけた。


「梨華ちゃんがツライのとか、泣いてる梨華ちゃん・・・見たくないんだ。

だから守ってあげたいって・・・・そう思うんだよね。」



・・






「梨華ちゃんがのぞむなら・・・・・・・・・」








・・・・・・−−−−











































「ずっと、そばにいてあげる。」



275 名前:とみこ 投稿日:2003年01月03日(金)15時19分02秒

【―幻であれ―】





276 名前:とみこ 投稿日:2003年01月03日(金)15時32分16秒




【―万華鏡―】



277 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月03日(金)15時46分04秒

(ひとみ視点)


AM 3:00


「ただいま。」


病院を出て、あたしはまっすぐ家に帰った。


・・・・・・


真希ももう寝てるだろう。

待たせちゃって悪かったなぁ・・・。


・・・・・・


フワッっとソファーに座ると、腕を組んで目を閉じた。








―――――『ずっと、そばにいてあげる。』―――――


最後に

あたしは梨華ちゃんにそう言った。


まぁ、それで梨華ちゃんの気持ちを受け止めたってことになるんだよね。

多分、『付き合う』みたいになるのかな?


・・・・



「はぁ〜・・・・・」


大きくため息をついた。





「梨華ちゃん・・・か。」


今まで梨華ちゃんを恋愛対象で見たことがなかった。

だから驚いたんだ。好きって言われたとき。


親友だって、思ってた。


だからこそ、告白されると余計にびっくりした。




親友だから・・・・・・



ほっとけないんだよね。




・・・だから、これでいいと思う。



うん。



「よしっ、寝るか!」


278 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月03日(金)15時49分49秒

次の日――――



「真希、朝だよ。」


あたしはいつもどおり真希を起こすことから始まった。



「・・・う〜ん・・・」


「あはは、カワイイなぁ、真希。」

思わず微笑んだ。




「・・・うどん。」


?!?!


・・・・・

・・・


279 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月03日(金)15時53分33秒


意味不明な真希を起こすとあたしは制服に着替えた。



「よしこぉ〜昨日どこ行ってたの?」


真希はまだパジャマのままで、ずーっとあたしについてくる。


「病院だよ。大事な友達がちょっとあってね。」

「ふぅん。大丈夫だったの?」

「うん。平気みたい。」

「ふぅん・・・。」

「ねぇ、真希。うどんって何?」

「へ?うどん??」


覚えてないの?!


「んー・・・なんでもない。」

「なにそれ〜!!」




今日も平和だ。
280 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月03日(金)16時03分37秒

今日は学校に出席だけ取るために登校した。

9時半から仕事だからね・・・トホホ。



「真希、バス来たよ!!」

「あーちょっと待ってよぉー」



のろのろ歩く真希を引っ張ってバス停まで行った。


・・・

プシュー・・・バタン



「ぎりぎりセーフだねぇ、よしこ。」

「ハイハイ・・・。」


真希の手をつないで(というか引っ張って)そのまま一番後ろの席に座った。



・・・

バスはあっという間に真希の降りるバス停についた。


・・・


「じゃぁ気をつけてね。」

「はぁーい。ちゃお♪」


・・・・

そのあともあたしはバスに揺られた。

281 名前:真奈 投稿日:2003年01月03日(金)16時04分45秒
あけましておめでとうございます。
とみこさん、更新早いですねぇ
私と一つしか年齢変わらないのに 
尊敬します。
もうすぐ学校始まるけど
頑張ってください。
282 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月03日(金)16時05分50秒


梨華ちゃん学校来てるんだよねぇ。


なんて話し掛ければいいんだろ・・・


なんか緊張するなー・・・。






そうだ!

今日は矢口さんを家に誘ってみよっかな。


スタジオ行ったら聞いておこう。




・・・

そして学校に向かうのだった。
283 名前:とみこ 投稿日:2003年01月03日(金)16時07分07秒
>真奈さん
あけましておめでとうございます。
更新遅いですよ〜〜〜まだまだっす!!
中学生なんですかぁ!一緒ですね^^
今年もがんばります!




更新終了です。

284 名前:ヒトシズク 投稿日:2003年01月03日(金)19時56分28秒
おぉ〜!
梨華ちゃん・・・・なんかせつないっすねぇ〜・・・よしこを想って・・・・
これからもがんばってください!
応援してます!
285 名前:とみこ 投稿日:2003年01月05日(日)15時44分08秒
>ヒトシズクさん
梨華ちゃん切ないですか・・・そうですね〜^^;
でもむくわれるのはないでしょうか!!
応援ありがとうございます!がんばります!
286 名前:Cool Girl 投稿日:2003年01月05日(日)20時05分16秒
う〜ん…てっきりよっすぃはごっちんと
付き合うかと思っていたのに残念です。
ぜひ、よしごまがみたいです。
287 名前:とみこ 投稿日:2003年01月06日(月)08時14分14秒
>Cool Girlさん
よしごまはないとは言えません^^;
今はいしよしですが、最後にどうなるか・・・
このままいしよしなのか、それともよしごまなのか、
さらには他のカップリングか?!(w
288 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)08時25分49秒

(ひとみ視点)


学校につくと、その足で職員室に向かった。


・・・

「お!吉澤やないか。」

「先生。おはようございます。」

ちょうど向こうから来た中澤先生に、出席届けを頼んでおいた。


・・・さて、少しだけ梨華ちゃんに顔合わせてこようかな。


「ちょっと教室寄って行きますね。」

「あ、ちょい待て吉澤!」

「え?」


「石川なら休みやで。」

「・・・へ?」


なんで梨華ちゃんに会うこと・・・


「退院はしたらしいけど、まだ家で寝てるで。」

「あ、そうなんですか。わかりました。」

「お見舞い行ってあげたらどうや?」


先生のぶっきらぼうな言い方に、どこか気遣いを感じた。



「・・・はい。ありがとうございます。」



・・・・
289 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)08時36分34秒

梨華ちゃん大丈夫かな・・・。


あたしは携帯の時計を見た。


まだ時間はあるし、このまま梨華ちゃんの家行こうかな。

電話してみよっと・・・


あたしはメモリーから「石川梨華」を選んで通話ボタンを押した。


・・・


『もしもし。』

「あ、梨華ちゃん?ひとみだけど・・・」

『うん、どうしたの?』

「今からお見舞い、行ってもいい?」

『え?』

「あ、ごめん。迷惑だったらいいんだ。」

『・・・ううん、そんなことないよ。』

「そう?じゃぁ今から行くね。」

『ありがとう。』


・・・ピッ



「ふぅ・・・。」



なんかあたし、ドキドキしてる。


自分じゃないみたい・・・。
290 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)08時44分15秒

石川家――――



「おじゃましまーす。」


梨華ちゃんの家は何度か来たことがあった。

でもなんか今日はいつもと違って、ちょっとぎこちないっていうか、

梨華ちゃんに対して意識しちゃうっていうか・・・


・・・まぁ、今はただの友達じゃないんだもんね。







「ひとみちゃん、わざわざごめんね。」

「ううん、全然!それより体調は大丈夫なの?」

「うん。だいぶ良くなったよ。」

「よかったぁ。心配したんだからぁー。」


そういってあたしは梨華ちゃんのおでこをコツンっと叩いた。

彼女は「もーっ」といって、でも少し嬉しそうだった。



「あ、座って。紅茶飲む?」

「いや、もうすぐ仕事だからいいよ。ごめんね。」

「ううん、忙しいのになんかごめんね。」


梨華ちゃんは心配そうにシュン・・・としてしまった。

291 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)08時59分26秒


そんな梨華ちゃんを、あたしはじっと見つめた。


・・・・




ふっと顔をあげた彼女は、あたしの視線でピタッと止まった。


・・・



「梨華ちゃん・・・・・。」



まるで吸いつかれるように

あたしは梨華ちゃんをそっと抱きしめた。



「ひとみちゃん??」


腕の中で顔を真っ赤にする梨華ちゃんを、あたしはさらに強く抱きしめた。



そして、疑問に思っていたことを聞いてみた。






「うちらって・・・【恋人同士】に、なったんだよね?」




292 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)09時07分56秒



あたしはじっと梨華ちゃんの言葉を待っていた。









・・・・・・・・・・












「ひとみちゃんがいいなら・・・ずっと一緒に居たいよ。」



・・・

ずっと

一緒に―――――















「あたしも・・・梨華ちゃんと居たい。」




・・・・



・・・



こうして、梨華ちゃんと恋人同士になりました。


293 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)09時17分15秒

10分後―――



「じゃぁ、お大事にね。」

「うん、ありがとう。」

「じゃぁ、ね・・・。」

「バイバイ。」



ガチャン








「ふぅ・・・」



梨華ちゃんの家を出ると、あたしは緊張の糸が切れたようにへろへろと歩いていた。



・・・うーん、やっぱり恋人と友達って違うもんだなぁ・・・


勝手に抱きしめちゃったけどいいのかな?



・・・キス・・・とか、した方がよかったのかな?



あ〜あ、もうちょっと恋愛経験しておけばよかった。


なにしろ梨華ちゃんが初めて付き合った人だもん。

今まで告白されても断ってばっかりだったし・・・・・



うーん、恋愛って難しいかも・・・・。






そんなことを思いながらスタジオに向かった。


294 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)09時21分29秒


スタジオ―――


「おはようございま〜す。」


気が緩んだようにスタジオ入りした。


「オーッス!よっすぃー!」

「あ、矢口さぁん。おはようございまーす。」

「なんか顔緩んでるぞ?なんかいい事あった?」

「え!?いや、べ・・・別にないっすよ!さぁ〜仕事仕事〜〜♪♪」

「ホントかよぉ??変なヤツゥ〜」



なんかよくわかんないけど、今日は気分がいい。







『吉澤さん次撮影お願いしまーす』

カメラマンさんの声が飛んだ。


「はい!!」


295 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)09時36分22秒


撮影が終わると、あたしは撮ったポラロイドを見ていた。


「うーん、なんかやっぱ今日顔ゆるんでるなぁ・・・」


やっぱ梨華ちゃんのせいなのかな??



・・・


「よっすぃー。」



突然、うしろから名前を呼ばれた。

振り返るとそこには―――――



「安部さん!!」


「撮影お疲れ様。」


突然の安部さんの姿に思わず大声を上げてしまった。


「ど、ど、どうしたんですか?!いきなり・・・」


だって、はたから見たら大物女優が目の前にいるんだよ?!




「実はね・・・」















「よっすぃーに話があるの。」




296 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)09時46分09秒

そう言って安部さんはあたしを楽屋に連れてきた。


2人っきり・・・・・・

何ドキドキしてんだ吉澤ひとみ!!!!!


・・・でも話って一体――――








「ごめんねぇ、いきなり。」

「あ、いえ!!でも、どうしたんですか?」






「あたしさ、この雑誌でモデルやってたでしょ?」

「あ、はい。」

「それからスカウトされて、モデルをやめて女優になった。」

「そう、ですね・・・」


まだ話の意図が読めなかった。



「それでね・・・・」














「よっすぃーにも、あたしと同じ道を歩いて欲しいの。」






・・・・

突然の


出来事だった。




297 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)09時49分55秒




「ど、どういう意味ですか?」


・・・・
あたしは真剣な目で質問をした。



安部さんは一息ついて口を開いた。









・・・・・・
















「モデルを卒業して、女優の仕事・・・やってみない?」



・・・


「・・・え?」


「いい返事、待ってるね。」



へ??



・・・・


安部さんはそのまま楽屋を去っていった。





・・・ど、どういう意味?!?!








298 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年01月06日(月)09時54分01秒


「あれ〜?よっすぃーどうしたの??」


向こうから撮影を終えた矢口さんが走って来た。



「なんかボーッとしてるじゃん!どうしたのさ??」

「矢口さん・・・」

「ん?どうしたの?」

「今日うちに泊まりに来ませんか?」

「え?!いいの??」


・・・

矢口さんに相談してみよう・・



「ちょっと相談があるんで、いいですか?」

「う、うん?いいけど・・・」

「じゃぁ帰りにまた。」











あたしのモデルの道は、



変わろうとしていた。



299 名前:とみこ 投稿日:2003年01月06日(月)09時55分22秒
更新終了です。

後藤と矢口の顔合わせはどうなるやら・・・・・
300 名前:シグナル 投稿日:2003年01月06日(月)10時10分30秒
遅いですけどあけましておめでとうございます。
更新お疲れ様です。
とみこさんのいしよし、読むの初めてのような気がして、いしよし好きとしては、
うれしいです。
これからも、更新楽しみに待っています。
301 名前:イチイ 投稿日:2003年01月06日(月)10時19分44秒
続きかなり気になります、
梨華ちゃんと【恋人同士】、
ごっちんはよしこが気になる+ちょっといちーちゃん出てきて・・・
安倍さんに同じ道(女優業)に進んでほしいと言われ
矢口さん相談+家に来てもらう 
ごっちんと矢口さんの顔合わせ
どれもこれも気になるなぁ、(つーかよしこモテ×2っすね(笑 )
更新期待っす!!
302 名前:あけおめです〜 投稿日:2003年01月07日(火)02時22分56秒
う〜〜ん石吉とよしごま気になる

今更ですが、安倍なつみ。
安部??両方あるんですが。。。
どっちだろう?
今後も楽しみにしてまぁ〜〜っす
303 名前:とみこ 投稿日:2003年01月10日(金)20時51分10秒
>シグナルさん
お久しぶりです。あけましておめでとうございます。
いしよし・・・いやぁ、これは通過点というか・・・(w
これからどうなるでしょぉかー(w

>イチイさん
色々重なって大変なよっすぃーですが。。。
よしこモテモテっす(w はははっ
更新がんばります!!

>あけおめです〜さん
安倍さんの件、気を付けます^^;
いしよし・よしごま・・または・・・?(w
お楽しみに!!
304 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時07分24秒

(ひとみ視点)


仕事が終わると、もう夜の11時過ぎになっていた。


「矢口さん、帰りましょう。」

「うん!今行くねっ。」

そういってあたしたちは事務所を出た。







「そういえばさ、なんでいきなり矢口を家に呼んだの?」

帰りのバスに乗った直後、矢口さんはあたしに聞いた。


「いや、今日安倍さんに会ったんです。」

「え?あぁ、来てたね!それで何かあったの?」

「・・・実は、女優やらないかって、言われたんです。」



あたしがそう言った途端、矢口さんは口をポカンと開けた。



「・・・う、うそ?!よっすぃースゴすぎだよ!?」

「え?」

「なっちと同じ道を歩けるんだよ??それってスゴいよ!」

「・・・そうですかね?」

「うんうんっっ!スゴイって!」

「そのことで今日はゆっくり矢口さんに相談にのってもらいたくて。」

「あ!そういうことなら任せてよね♪この矢口様が一晩中付き合ってやるっ!」



そんな中、バスは到着した。

305 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時08分11秒



「うひゃ〜・・・でっかい家だね・・・」


矢口さんは家を見て驚いていた。

「真希の家がお金持ちですからねぇ。」


・・・

ガチャ


「ただいまー・・・・あ、お母さんと大輔さんいないや。」

「大輔さんって?」

「再婚相手の人です。真希のお父さんですよ。」

「あぁ、そっかそっか。真希ちゃんは?」

「寝てるのかなぁ?」


リビングの電気を付けると、真希がソファーですやすや寝ていた。


「あ〜こんな所で寝たら風邪ひいちゃうよ。」

「・・・・この子が、真希ちゃん?」

「はい、そうですよ。」


矢口さんは寝ている真希をじーっと見た。


「よっすぃーの言ってた通り、かなり美人だね・・・」

「でしょ?自慢の妹です。・・・・よいしょっ!」

あたしは真希をお姫様だっこすると、部屋のベッドで寝かせた。


306 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時08分42秒


真希を部屋に送ると、あたしの部屋に向かった。

ガチャ


「これがあたしの部屋です。」

「えぇ!?超広いじゃん!キレイだし!」

「いえいえ。そのへん座ってください。」







・・・・・・


「それで、相談なんですけど・・・」

「あ、なっちのことだったよね。」

「はい、なんかもうすごい悩んじゃって。」


全く本当の事だ。

こんだけ悩んだのは初めてかもしれない。

307 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時09分21秒


「よっすぃーは女優やりたいの?」

「・・・もちろんやってみたいですけど、まだあたしは未熟だし、子供だし・・・」

「あぁ〜なるほどねぇ。でもさ、よっすぃーは今の仕事に満足してる?」

「・・・え?」

「よっすぃーは今うちらの中で、1番売れてるじゃん?でもさ、だからこそ今の仕事ではその上がもうないと思う。矢口はまだよっすぃーを抜かして1番人気になるとか、そういう目標がある。けどさ、変な言い方だけど、よっすぃーは今の仕事で上を目指さずにやってて楽しい?」





・・・


目標・・・・・・・



矢口さんの言葉に、一瞬言葉を飲んだ。



「でも満足はしてます・・・今の仕事。」

あたしはそう言うと、矢口さんの目を見た。



308 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時09分53秒



「よっすぃー、満足って・・・本当はそんなものないんだよ。」



矢口さんの意外な言葉にあたしは頭の上に「?」マークを浮かべた。






・・・・・・・・




「上を目指している人にとって、目標がある限り満足なんてないの。」


















その日、私は眠れなかった。



309 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時10分29秒

(真希視点)


「んぁー・・・よく寝た。」


あ・・・昨日はよしこ遅いから寝ちゃったんだっけ。

朝だし、もう帰ってるよね・・・?



そう思ってあたしは自分の部屋のドアを開けた。


その時―――――






ガチャ










廊下にはひとりの女の人が立っていた。

第一印象=小さい。



「あっ・・・・」


彼女はごとーを見てそう言った。



「誰?あんた。」

思ってたことを率直に聞いてみた。


「え?あ、よっすぃーの友達の矢口真里です。」



・・・・!


「矢口真里?!」



ごとーは思わず驚いてそう叫んだ。



「え?」

当然彼女も突然叫ばれて驚いていた。






矢口真里って・・・・・・


市井ちゃんのモトカノの名前を同じ――――



310 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時11分22秒


その時


ごとーは前によしこと交わした会話を思い出した。


【今度矢口さん家に呼んでもいい?】

【・・・矢口さんって?】

【仕事の先輩だよ。】


あ、そっか。

この人はよしこの仕事の先輩の【矢口真里】なんだ・・・。

よく考えたら市井ちゃんのモトカノがこんなところにいるわけないもんね。



「な、なんでもないですっ。」


てきとーにごまかすと、ごとーはよしこの部屋に行った。








・・・・・・

「よしこぉ、起きろ〜」

ごとーはベットの横に立ってよしこを起こした。



「ん・・・あ、真希。おはよう。」

「おはよぉ。お母さんとお父さんいないからゴハン作っとくね。」

「ありがとう。あ、昨日から矢口さんって人が来てるから。」

「知ってるよ!廊下で会ったもん。」

「仲良くするんだよ。」

「はーい。」




そういって部屋を出た。


311 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時11分56秒

1階に降りて朝ご飯の支度をしようとした。

その時――――




・・・

ピンポーン






突然の訪問者だった。




「はぁーい。」




ガチャ








それはごとーにとって、


過去を蘇らさせられる人物だった。




312 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時12分29秒




「よ、後藤。」



「・・・市井ちゃん?!」



そう

そこに立っていたのは、笑顔の市井ちゃんだった。



その笑顔が妙にゾクッとした。



「よっ、こないだはごめんなまた後藤に会いたくなって。」


彼女のそんなことばを聞かないフリするように、遮った。


「ふざけるのもいいかげんにしてよ!!」

「後藤、話だけでも聞いてよ。ね?」

「何言ってんの?!過去のこと忘れたわけ?!」

「でも・・・っ」

・・・



ドンッ


ごとーは思いっきり市井ちゃんを押した。




「お願いだからもうごとーを振り回さないで!!」





313 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時13分04秒



ケンカの声が聞こえたのか、よしこが2階から降りてきた。



「真希、どうしたの?」


そして玄関まできたよしこに、ごとーは思いっきり顔をうずめた。

「真希・・・?」

よしこは腕の中で震えるごとーを見て、何かを悟ったように市井ちゃんに視線を向けた。

その時、ピタッとよしこと市井ちゃんの目線が合った。



「真希に何したんですか。」

「何もしてないよ。だいたいあんたこそなんで後藤の家にいるんだよ?」

「あたしは真希の義理の姉です。あなたこそ誰ですか。」


冷静な言い合いは続いた。


「あたしは市井紗耶香。中学ん時の後藤の臨時担任やってたの。」

「・・・臨時担任?」

「そう。それでもって、あたしと後藤は付き合ってた。」







「え・・・?」






空気はピタリと止まった。



ただひとり、市井ちゃんだけが余裕の笑顔を浮かべて。


314 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時13分46秒


(ひとみ視点)


真希が前に付き合ってた人がいたっていうのは・・・・・・・


この人―――・・・?



・・・

あたしは突然真希の過去を知ってしまったことと市井さんが現れたことで驚いた。



「っていうことで、今ここで再会をしてたんだ。」

市井さんがそう言うと、真希は目の色を変えて声を上げた。


「ちがう!ごとーはもう会いたくないっていったもん!」

「あたしは会いたかった。真希にずっと・・・」

「ふざけないでよ!自分から捨てといて何なの?!」


あたしはただ2人のやりとりを見ることしかできなかった。






その時、矢口さんがちょうど2階から降りてきた。



まさかそれでこの問題がさらに拗れるとは、誰も思わなかっただろう。
315 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時14分17秒





「よっすぃーどうしたの?」

矢口さんは3人のちょうど間ぐらいに入ってきた。


事情を話そうと思った瞬間、意外にも口を開いたのは・・・




「矢口?!」











市井さんだった。




「え?」


矢口さんも突然名前を呼ばれて市井さんを見た。


なんで市井さんが矢口さんのこと・・・・・?



・・・・・




「・・・・さ・・・紗耶香?」



・・・・・・




驚いたことに、矢口さんも市井さんを知っていた。


「矢口さん、知り合いなんですか?」

「・・・知り合いも何も――――」


316 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時14分54秒

(真希視点)




【まさか】



その言葉が今ピッタリだろう。

そう思った。



ここにいる【矢口真里】は・・・・・



ただの、同姓同名の矢口真里じゃない。







この人は

















市井ちゃんのモトカノ。


・・・・



317 名前:とみこ 投稿日:2003年02月05日(水)15時15分40秒
更新終了です。遅くなってすみません。。

あと、今日の更新分のサブタイトルは全部【万華鏡】です。
入れ忘れてしまいました・・・・・・



318 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時15分11秒


(真希視点)


「矢口・・・矢口なの?」


市井ちゃんは目を見開いて矢口さんを見ていた。

まるでごとーの話なんかどっか行っちゃったように。


「そうだよ、なんで紗耶香がここに・・・?」

矢口さんも他のことなど一切考えてないような目だった。


「あたしが後藤に用があって・・・」

「え?」


矢口さんはごとーに視線をうつした。


「後藤さんと紗耶香・・・知り合いなの?」

「知り合いも何も付き合ってましたから。」


ごとーはキッパリ言った。

そんな様子をただ何もわからず黙ってみているのは、

ただひとり。よしこだけだった。

319 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時15分44秒



「え?!いつ・・・?」

矢口さんは驚いて更に質問した。


「矢口さんと市井ちゃんがやり直す前だと思いますよ。」

「え、・・・」

「矢口さんと市井ちゃんは1回別れたんですよね。簡単に言えばそのあと市井ちゃんはごとーと付き合ったんです。けど矢口さんがまた市井ちゃんとやり直したくてに会いに来て、その時ごとーが市井ちゃんにフラれたんです。」


自分でもこの冷静さにびっくりしていた。


「ちょっ・・・紗耶香、あたしそんなこと知らないよ?!」

「いや・・・言ってなかったんだ。ごめん。」

市井ちゃんも妙に冷静だった。


「紗耶香、じゃぁあたしがやり直そうって言ったとき、後藤さんと付き合ってたんでしょ?」

「うん・・・まぁ。」

「それなら・・・今彼女いるとか言えばよかったじゃん!」

「・・・・・・。」



市井ちゃんは黙りこんだ。

320 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時16分21秒



「そんなの・・・後藤さんがかわいそうじゃん・・・」


矢口さんは本当に泣きそうな顔でそう言った。


でも・・・

ごとーはそんな矢口さんの顔見たくなかった。

だって、悪い言い方すれば、矢口さんはごとーから市井ちゃんを奪った人。

ごとーが市井ちゃんに捨てられたのは、矢口さんのせいなんだから・・・・



「そんなキレイゴト・・・言わないでよね。」


ごとーは冷たく矢口さんに言った。


「キレイゴトなんかじゃないよ!あたしのせいで後藤さんは紗耶香と別れちゃって・・・」

「そうだよ。あんたのせいなんだから。」



今自分は、なんて酷い言葉を吐いただろう。



「後藤、それはちょっと言いすぎ・・・・」

「うるさいな。元はといえば市井ちゃんが悪いんだから!!」

321 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時16分51秒




「・・・後藤、ごめん。矢口も・・・ごめん。」


市井ちゃんはうつむいて謝った。


「別にどうでもいいし。矢口さん、市井ちゃんとやり直せばいいじゃん。」

ごとーはスッと矢口さんの方に向きを変えて言った。


「そんな・・・あたしは別に―――」



「ちょうどいいじゃない。ごとーには、よしこがいるし。」


そういってスッとよしこの腕に手を通した。


「え?」

よしこは不思議そうにごとーを見た。


「ごとーとよしこは、付き合ってるの。だから市井ちゃんも二度とごとーに会いに来ないで。」

「ちょっ・・・後藤!」

「バイバイ。市井ちゃん、矢口さん。」




バタン



そういって2人を追い出し、ドアを閉めた。

322 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時17分29秒



「・・・真希・・・」


よしこは場の悪そうな声でそう呼びかけた。


「・・・・ごめんね。付き合ってるだなんて・・・」

「・・・いや、それはいいけどさ。大丈夫?」

「え?」


「・・・涙、出てるよ。」



――――・・・え?






よしこは、その細長い指でごとーの目尻をそっとなでた。



そこには確かに涙の感触があった。


その涙の意味はなんなのか、ごとーにはわからなかった。

けど・・・


ただ、そんなよしこの優しさに



涙はどんどん流れるのでした。


323 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時18分01秒



あのあと、矢口さんと市井ちゃんがどうなったのかは知らない。


けど

ごとーはちょっと意地を張りすぎた。


まだまだ、子供なのだ。



・・・・・



しばらく、ごとーはよしこの胸を借りて泣いた。

泣いて、泣いて、いっぱーい泣いて、

スッキリした。



「あーあ。ごとー、よしこのこと好きになっちゃおっかなぁ。」


冗談でポロッとそんな言葉を言った。



「あはは。ダメだよ、あたしにはちゃんとそういう人がいるから。」



・・・


・・・・え?



・・・


「え、まさかよしこ、彼女がいるとか?」



そんなわけ―――







「・・・うん、まぁそういうことになるかな。」








・・・・

うそ・・・・だよね・・・・




「そ、そうなんだ。誰なの?」

「え・・・っと、梨華ちゃんっていうコだよ。」




【梨華ちゃん】


その言葉が妙に重かった。

324 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時18分35秒



自分でも、本当に驚いたんだ。


よしこが他の女の子といるところを考えると、

胸がズキッて痛くなる。


ごとーの心が、トゲトゲのたまごになるの。



・・・・


この気持ちは何なの?


・・・わかんない。

ごとー、わかんないよ・・・・



よしこ、行かないで――――



よしこ・・・・・・


325 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時19分14秒



(ひとみ視点)



次の日―――


今日は日曜なので朝から仕事だった。


午前に学校行ってそのあと仕事っていうパターンより、

全然こっちの方がつらいのだった。



・・・・

真希は昨日泣きつかれたのか、まだ部屋で寝ていた。

あたしは起こさずにそっと家を出た。








バスを乗り継ぎ、今日は雑誌のCM撮影でテレビ局に向かった。


・・・・・

『次は ○○テレビ局・・・次は○○テレビ曲―――』




アナウンスがなり、あたしはドア際に立った。




その時、ふと思い出した。



・・・そうだ、今日は安倍さんも来るんだよね・・・


こないだの返事、しなきゃな。



プシュ――――・・・

バタン



326 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時19分49秒



「おはようございまーす。」


『吉澤さん入りましたー。』

スタッフの声が飛び、同時に向こうから矢口さんが歩いてきた。


昨日のことがあって、なんだか気まずかった。


「よっすぃー、おはよう。」

「あ・・・おはようございます。」

「安倍さんなら向こうにいるよ。」


矢口さんは普通だった。


それが、すごいと思った。



「あ・・・ハイ。」

「じゃぁまたあとでね。」



・・・


「あの、矢口さん!!」

「・・・え?」


少し歩き出した彼女は再び振り向いた。





「昨日は、・・・すみません。」


あたしの言葉に、矢口さんはフッっと笑ってくれた。


「気にしてないよ。また泊まりに行くね。」

「はい!」

「・・・あ、でも次は真希ちゃんがいないときにねはあとはあと


冗談っぽく言った彼女の顔には、なんだか先輩っぽさが感じた。

327 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時20分25秒




安倍さんのことで矢口に相談のってもらって、

なんだかあたしは決心できたことがあった。


みんな、成功したくて挑戦するんだ。

それで失敗しても、それは普通なんだよね。


よしっ!







あたしが控え室に行くと、中には安倍さんがいた。



「安倍さん、おはようございます!」

「あ、おはよぉ。」

「あの・・・こないだのことなんですけど・・・・」

安倍さんはニコッと笑った。


「考えてくれた?」

「はい!あの・・・あたしやってみます。」

「・・・そっか。よかった!がんばろうねはあとはあと

「はい!!!!!」


メチャメチャ元気に返事をすると、あたしはすぐにスタジオに戻った。



これは・・・自分を変える、チャンスかもしれない。

328 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時20分59秒



CMの撮影は無事終了した。仕事も予定より早く終わったので
テレビ局を出たのはちょうど夕方の4時ごろだった。


帽子とサングラスをかけてバス停に向かう途中、携帯が着信した。


【石川 梨華】



梨華ちゃんだ。


・・・ピッ


「もしもし?」

『ひとみちゃん?今大丈夫?』

「うん。ちょうど仕事終わったトコ。」

『ホント?今日って、・・・会える?』

「うん、会えるよ。今からそっち行くよ。」

『わかった。待ってるね。』



・・・ピッ




さて、行きま・・っしょい!


・・・なんちゃってっ。


329 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時21分40秒


――― 17:00


「じゃぁ、ひとみちゃんモデルやめちゃうの?」

「うん。これからはテレビの方中心にやるからね。」


あたしは梨華ちゃんに全部を話した。


「そうなんだぁ。なんだかひとみちゃんが遠くに行っちゃうみたい。」

「ハハ、そんなことないよ。いつでも会えるし。」

「本当?」

「うん。休みの日は梨華ちゃんのために空けとくから!」

「・・・ありがとう、ひとみちゃん。」






はたから見ればのろけカップルだった。

330 名前:―万華鏡― 投稿日:2003年02月06日(木)12時22分15秒



「じゃぁ、そろそろ帰ろっか。」

あたしはスッと立ちあがった。


「うん。忙しいのにゴメンネ?」

「平気だよ。あ、送ってくよ。」

「ううん、ここで大丈夫。」

「そう?じゃぁ・・・また学校で。」

「いつ来れるかわかんないけどねぇ〜??」

「ハハ、本当だよ。」


そしてあたしは自然と梨華ちゃんの片手を握っていた。


そしてそのままクイッと身体を引っ張った。



当然、勢いで近づいた2人は唇が触れ合った。



「・・・・んっ・・。」


短いキスだった。




「バイバイ。」


331 名前:とみこ 投稿日:2003年02月06日(木)12時29分12秒
更新終了です。

よしこがテレビデビューすることで何かが変わります・・・・
332 名前:真奈 投稿日:2003年02月06日(木)20時25分24秒
すごいことになってきましたねぇ
ごっちんはどうなるんでしょうか。
ごっちん頑張れ〜
とみこさんも頑張れ〜
333 名前:とみこ 投稿日:2003年02月07日(金)15時08分31秒

これからはちょっとごっちん中心になります。


・・・


―遠くに行っちゃうの?―



334 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時09分02秒


(真希視点)


朝起きるとよしこがいなかった。

たぶんよしこのことだから、気を使って起こさなかったのだろう。

学校が無い日はいつもそうだもん。

・・・

最近パパは出張で外国に行っててしばらく帰ってこない。

かおるさん・・・いや、お母さんは大きな事件抱え込んでずっと仕事場だ。

だからごとーはよしこの帰りをひとりで待っていた。



「・・・夕飯でも作ろうかな。」


そう思ったのはちょうど7時ごろだった。


335 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時13分39秒


夕飯を作り始めてしばらくすると、ドアが開く音がした。


その音と共にいつもの声が聞こえた。

・・・


「ただいまー。」


よしこだ。


「おかえり。」

「いいにお〜い。うまそぉ〜!!」



・・・今はあんまりよしこの顔、見たくなかった。

だってよしこの顔見ると、【梨華ちゃん】のこと思い出しちゃうし。



・・・・あんなに、キッパリ告白しなくてもよかったのに。・・・


「どうしたの?真希、元気ない。」

「・・・べ、別に。」



完全にごとーはヤキモチを焼いていた。


336 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時16分05秒


何にヤキモチ妬いてるのかわかんない。

っていうか・・・わかんなくていい。わかりたくないもん。


・・・なんで?

よしこが姉妹だから?いい人だから?



「あのさ、真希に話さなきゃいけないことがあるんだ。」


突然よしこはそう言った。


何、話って・・・また梨華ちゃんのこと?

それならもうゴメンだよ・・・。


「んぁー・・・何、梨華ちゃんっていうコのことなら昨日聞いたよ。」


完全に今のごとーの言葉はイヤミだ。


「はい??そんな話じゃないってばぁ〜!」


―――真希、なんでそんなスネてんだよぉ・・・



よしこはそんな顔をしていた。
337 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時20分37秒



「梨華ちゃんのことじゃなくて・・・」


・・・










「あたし、芸能界に入ることになったんだ。」





・・・・・・


へ?




ゲイノウカイ・・・?

なにそれ?

よしこはモデルさんじゃないの??



「・・・どういう意味?」



「・・うーん、つまりモデルをやめて、テレビの仕事をすることにした。」

「テレビ?!」

「うん。タレントっていうか女優とか色々挑戦する。」




・・





「・・・ふぅん・・・そう。そうなんだ。」


「うん。だからこれからはあまり家に帰れないと思う。」

「え?」



その言葉が、ごとーには1番刺さった。

338 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時23分19秒


「真希の手料理もあまり食べれなくなるんだよな〜。」


よしこは冗談っぽくニカッと笑った。


でもその笑顔は、ごとーにとってとてもツラかった。


・・・・

・・・

・・


だって、せっかくできた姉妹なのに・・・・



せっかく、よしこには心を開いたのに――――







また、ごとーはひとりになるの?




ひとりに・・・・―――――












・・・



「ごとーは・・・別に大丈夫だよ。」




強がりなごとーは、そんな言葉しか思いつかなかった。



「・・・そっか。それならいいんだ。」



よしこはそう言って部屋に戻ってしまった。









またごとーは・・・ひとりになるの?


339 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時27分24秒

(ひとみ視点)


真希はあまり寂しがってなかったなぁ・・・・


ちょっと残念かも。

なんてったって真希はあたしのカワイイ妹だし。

もうすこし甘えてほしいなぁなんて思うこともたまにあるんだ。







あ、そうだ。


矢口さんにも芸能界入り決まったこと報告しなきゃ!


あと保田さんにも・・・あ〜まだ今日は寝れないなぁ!!

340 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時32分06秒


あたしは携帯のメモリーから矢口さんを探し電話をかけた。


「あ、矢口さん?」

『もしもーし!ヨッスィーじゃぁん。どうしたの??』

「あの・・・安倍さんのことなんですケド・・・」

『あ、ちゃんと決めた?』

「はい。あたし、やることにしました。」

『マジで?!よしよし、エラいぞ!』

「ははっ。これから頑張ります。」

『うん!でももうよっすぃーとモデルの仕事できないのかぁ・・・』


電話越しに矢口さんは悲しそうな声で言った。


「本当に矢口さんにはお世話になりました。」

『ううん、こちらこそ。よっすぃーには色々学んだよ。』

「いえ。これからも仲良くしてくださいね。」

『モッチー♪じゃぁ、がんばってよね。』

「はい!」

『それじゃおやすみ〜』



・・・ピッ


そういって電話は切れた。
341 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時33分30秒


さて・・・次は保田さんに・・・



そう思った時だった―――


・・・

〜♪♪〜〜♪

突然電話がかかってきた。

・・・誰だろ。


携帯を開き、ディスプレーを見ると

【矢口真里】とでていた。


あれ?何か言い忘れたことでもあったかな??


あたしはとりあえず電話に出た。



「もしもし?」

342 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時35分23秒


『あ、よっすぃー?何度もゴメンネ!』

「いえ。どうしたんですか??」

『・・・あ、あのさ・・・聞きたいことがあって。』

「え?」


・・・なんだろ・・・


『こないだ後藤さんが言ってたけど・・・付き合ってるって本当?』

「へ?」


付き合ってる??誰と誰が?






・・・・あ!!


―――――【あたし、よしこと付き合ってるの】


あれのことか!


あれはメッチャうそだからなぁ・・・



343 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時38分25秒


「あ、あれは・・ウソっす。」

正直にそう言った。


『ウソなの?!なんだぁ〜〜』

「すみません。真希、そうとう市井さんとはもう会いたくなかったみたいなんで。」

『なるほどねぇ。それならしょうがないかもね』

「ハイ・・・あのあと、市井さんとどうしたんですか?」


ちょっと気になっていたんだ。

真希がいきなり矢口さんと市井さんだけ追い出しちゃうから・・・・


『あぁ・・・昔の話をちょっとだけしたけど、何もないよ。』

「そうですかぁ。じゃぁやり直したとかは・・・」

『ないない!!あたし他に好きな人いるし〜』

「え!そうなんですか?」


意外だった。なんか矢口さんってみんなと仲良いから、

いい意味でそんな感じはしなかったのだ。
344 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時41分31秒

『そりゃぁいるよ〜』

「え、あたしの知ってる人ですか?」

『うん。知ってる人。』

「えぇ?!だ、誰ですか・・??」

『・・・え・・・・・・』

矢口さんは黙ってしまった。


「あっ、いや、無理に言わなくてもいいです!すみませんっ・・・」

『ううん、ちがうの!ちがくて・・・・』

「え?」


矢口さんは妙にうろたえ始めた。


・・・どうしたんだろう・・・




『あ、あのね・・・』


そうして口火を切った。



「はい?」













『矢口の・・・好きな人は――――』



345 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時42分32秒


『矢口の・・・・好きな人は―――――』








―――――――


・・・














『よ・・・・よっすぃー、なの。』







・・・・

・・




―――・・・・え?



346 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時46分31秒


「あ、あたしですか・・・?」


矢口さんは小さい声で頷いた。


・・・矢口さんが・・・あたしのこと?





『よっすぃーが事務所入ってきた頃から、ずっと・・・』


矢口さんはそう付け加えた。

なぜかあたしの体温が徐々にあがった。




「・・・そう、だったですか・・」


『ご、ごめんね!いきなり言われても困るよね・・・』

「いえ、嬉しいです。矢口さんにそんな風に思ってもらってたなんて。」


たしかに矢口さんからの告白は嬉しかった。



『うん・・・それで、もしよければだけど・・・・』


「はい・・・」


『付き合って・・・ほしいの。』






347 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時52分16秒


沈黙が走った。


意外と、それは長かった。


妙に焦る気持ちと、矢口さんの小さい吐息が頭を巡っていた。


そして『矢口さん通話料大丈夫かな・・・』などと意味不明なことも考えていた。







「あの・・・」


あたしは何も考えずに話を切り出した。


『うん・・・』






「・・・矢口さんの気持ちは嬉しいです。でも・・・あたしには今、付き合ってる人がいます。」



人間は正直がいちばんだ。


おじいちゃんの口癖だった。



・・・



『・・・・そ・・そっか。そうだよね。よっすぃーモテるもんね。』

「いえ・・・ごめんなさい。」

『なんであやまるのさぁ〜!矢口は平気だよ。』

「はい・・・」

『これからも友達としてよろしくね?』

「はい、そうですね。」

『じゃぁ・・・・バイバイ。』

「・・・あ、あの!」

『え?』



・・
・・・
・・・・



「キライにならないで下さいね。」

348 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時52分46秒








わけもわからず、自然にその言葉は出ていた。







『・・・あ、当たり前だろっ!』

「・・・・・はいっ。」

『じゃ、じゃぁね!』

「はい。おやすみなさい!」



・・・ピッ




そういって今度こそ最後の電話を切った。




矢口さん、ごめんなさい。


・・・いえ、



ありがとうございます。



・・・


吉澤、がんばります!!!






349 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時54分10秒


そのあと保田さんにも電話をした。

保田さんはひとことだけ、


―――『あんたなら、やると思ってたわよ。』


そういってくれた。


あたしは本当に色んな人にお世話になった。

吉澤ひとみは、幸せものだ!



これから芸能界、がんばるぞ!!

オー!・・・なんちゃって。


350 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時56分41秒

次の日から一気に仕事が入ってきた。


芸能界デビューの記者会見、雑誌のインタビュー、

出演ドラマの打ち合わせ、制作発表、衣装合わせ、

ドラマは明日から撮影らしい。

それからラジオ、バラエティ番組の出演などなど・・・・

モデルをやっていたころとはケタ違いの仕事の量だった。

休憩時間もまったく無い。



・・・こりゃきつい。


その日は家に帰れなかった。



351 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)15時58分36秒


次の日も、その次の日も、

どんどん仕事依頼がたくさん来た。

最初はなれない仕事にすごく戸惑ったけど、

優しいスタッフさんたちに囲まれて、頑張っていた。


「吉澤さん、最近すごいよね。」

「注目だな、吉澤ひとみ。」


テレビ局の人がそんな話をしているのを聞いた。


・・・・少しは有名になって来てるのだろうか。


そんな思いもつかの間。



【少しは有名人に・・・】なんてもんじゃなかった。




すでに街では――――



352 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時02分37秒



(真希視点)

・・・


よしこが芸能界入り宣言してから2週間がたった。

あれからまだ一度も家に帰ってきていなかった。


・・・


ごとーは学校の帰りに、ひとりで渋谷に出かけていた。






静かなところにいると、さみしくなるから。






――――


街は煩かった。

歩けばチャラチャラした男が声をかけてくるし、

路上ではギターの弾き語りが声をはりあげていた。




ごとーはフッと空を見上げた。




いつも、こんなに空は青かっただろうか。



そんなことを思っていた



その時―――




『今日のゲストは、吉澤ひとみちゃんでーす!!』




・・・え?

353 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時09分24秒


目の前の大きなビルの大画面に




あのよしこが映し出されていた。






『最近いきなり芸能界に現れた美少女として有名ですねぇ!!』

『なんか美少年って言われる方が多いんですよ〜』

『なるほどぉ!たしかにカッコイイですよねぇ!!』

『いえいえ、ありがとうございます。』

『そのカッコよさから、ひとみちゃんは男の子だけじゃなく女の子にもモテるらしいですよ!』

『女子校なんで・・・そんなこともたまにあるんですよ。』

『すごいですねー!ますます人気急上昇中の吉澤ひとみちゃん、みなさんよく見といてくださいね〜!』



路上の若者たちも大画面に釘付けだった。



・・

・・



もう、よしこは



【みんなのモノ】


なんだね。







ごとーのことなんか







もう、忘れちゃったのかな・・・・・



354 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時15分39秒


家に帰ると、久しぶりにパパとママが2人とも居た。


・・・


「あ、真希おかえり。」

「真希ちゃん。おかえりなさい。」

「ただいま。」


「見て、ひとみがテレビに出てるのよ〜!!」

・・・

ママはリビングにある大きなテレビを指差した。



そこには、さっきの番組がまだ流れていた。

よしこがアナウンサーの人に質問されているところだった。



「うん、知ってる。」

「ビックリしたわ〜いきなり仕事場に電話してきて、『お母さん、あたし芸能界入る』とか言い出すんだもの!驚いたわ〜」


それに続いてパパも話し始めた。


「パパもかおるさんから聞いてびっくりしたんだよ〜真希ちゃんは聞いてたのかい?」

「うん。よしこから聞いた。」



2人ともずっと仕事だったので、実際よしこがテレビに出ているのを見るのは初めてらしい。


よしこは相変わらずブラウン管の向こうで質問に答えていた。



・・・・

ごとーしか知らないハズのよしこが、何千、何万人もの人に知られてしまう。




それが、ものすごく怖かった。







怖かった・・・・・


355 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時19分46秒


ごとーには学校でも特別友達とよべる友達はいなかった。



けど、よしこがテレビで有名になってから妙に周りに人が寄るようになった。


「よっすぃーと同じ家に住んでるなんて羨ましい!!」

「サインとかもらってくれない?」

「後藤さん、今度家行ってもいい??」



・・・みんなよしこが目的なのが丸出しだった。



ごとーは使いっぱじゃないっつーの。



・・・




学校に行くのも嫌になった。


356 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時27分07秒


(ひとみ視点)


芸能界に入ってから、もう1ヶ月がたとうとしていた。


初めての『OFF』というものが訪れた。

といっても半日だけ・・・

・・・

あたしは梨華ちゃんに会いに行くことにした。

あたしは帽子を深くかぶり、サングラスをして梨華ちゃんの家に向かった。


・・・

そして梨華ちゃんちの前につくと、携帯に電話した。




「・・・あ、もしもし梨華ちゃん?」

『ひとみちゃん?!』

「今家の下に居るんだけど、出れる?」

『うん、ちょっと待ってね。』


・・・


電話を切って数分後、梨華ちゃんは家の下に出てきた。



「ひとみちゃん!仕事は??」

「今日はOFFだよ。会いにきましたはあとはあと

「そ、そうなんだ・・・あ、入って。」

「うん。」



久しぶりの梨華ちゃんの家に入った。

357 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時31分00秒


「おじゃましまーす。」


久しぶりに来た梨華ちゃんの部屋は、変わってなかった。

全体的にピンク色っていうところなんかそのままなんだよね。


「座ってて、お茶入れるね。」

「ありがとう。」


・・・・

しばらく芸能界の話や、梨華ちゃんの学校の話をしていた。

そんな間に時間はすぐに過ぎていった。



「あ、梨華ちゃんそろそろ塾じゃないの?」

「ううん、今日は休んだわ。せっかくひとみちゃん来たんだし。」

「そう?ありがとう。」

「それより・・・・」



「・・・え?」




・・






「ひとみちゃんに、言いたいことがあったの。」




・・・・・・・・・


・・・え?
358 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時33分01秒


「・・・な、何?」


なんだか不吉な予感がした。


だって、そんないきなり深刻な顔してさ・・・

今ずっと普通に話してたのに。



「・・・ひとみちゃんが芸能界に入ってから、なんか・・・違うの。」


・・・違うって・・・?



「何が?」


「あたしはひとみちゃんが好きだけど・・・一緒に居られないのは辛い・・・」

「あ・・・それは・・・」



芸能界に入ってからも、こまめに電話やメールはしていた。


・・・
でも、たしかに全く会っていなかった。


一緒に、居られなかった。


359 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時36分16秒


「こんなの・・・付き合ってるなんて言わないよ・・・」




梨華ちゃんはうっすら涙を浮かべた瞳でそう言った。


その瞳はあまりにもせつなくて、悲しくて―――




・・・

あたしは、今まで梨華ちゃんにすごく悲しい思いをさせていたことに気が付いた。



今まで気付かなかった自分を、すごく情けなく感じた。









「ごめん、梨華ちゃん・・・これからは――――」


「もういいの!!」




―――――・・・・・・え?








・・・


「もう・・・いいの、。」












・・・・







「別れよう、あたしたち。」




360 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年02月07日(金)16時36分53秒





その梨華ちゃんの最後の言葉に、あたしはただ、

『ごめん』




そう言って梨華ちゃんの家を出た。









あたしは、少し調子に乗りすぎていたのかもしれない。



・・・



ごめん、梨華ちゃん・・・




ごめん・・・ごめんね―――













あたしは沈み腰で家に着いた。



久しぶりの家だった。


361 名前:とみこ 投稿日:2003年02月07日(金)16時39分49秒
更新終了です。

>真奈さん
レスありがとうございます。
>すごいことに・・・
そうですねぇ〜波乱おおいっすね〜〜
これから再び市井が来るカモ?!(無責任w
応援よろしくお願いします!!!

かなり大量更新で頭ポーンって行きそうです(謎
更新終了後、ずらーっとレスが来るアレ、夢です・・・なんてワガママっすか?w
362 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月07日(金)16時43分40秒
とうとう芸能界ですね。
あぁ、ごっちんはどうなるのだろう?
363 名前:boiya- 投稿日:2003年02月11日(火)20時43分08秒
初めてよまさしていただきました。この小説かなり良いですね。
読んでて鳥肌が立ってきましたw更新がんばってください。
応援してます
364 名前:市真 投稿日:2003年02月12日(水)22時39分12秒
どうも、久しぶりです。
って言っても分からないっすよね、えーっと前まではイチイって名乗ってましたけど
コレからは市真でよろしくお願いします(ペコリ

よっすぃ〜、大忙しっすね。
芸能界に、矢口さんカラの告白(w  梨華ちゃんと別れる・・・
なんか目がまわっちまうっす(笑い
んぁ〜、コレから何か凄いことが起きそうな気がするんですケド?(w
いちーちゃんも出てくるかなぁ?
365 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)14時08分47秒
今思ったんですけど矢口、いい人ですね。
だって吉澤が芸能界に行ったら会える回数少なくなっちゃうのに
芸能界入りを進めたんですから。
366 名前:とみこ 投稿日:2003年02月20日(木)18時19分15秒
>名無し読者さん
>とうとう芸能界ですね。
そうですねぇ。展開はここからでしょうか・・・。
更新遅くてすみません^^;

>boiya-さん
鳥肌がたつだなんてっ!w
嬉しいお言葉ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします。

>市真さん
イチイさんですか!どうもどうも^^
いつもレスありがとうございます!!
波瀾万丈ですねぇ・・・w 市井ちゃん登場は・・・あるのでしょうか!(w
応援よろしくです!!

>名無し読者さん
>今思ったんですけど矢口、いい人ですね。
自分で言うのもなんですが確かに・・・^^;
でも矢口は強いですね。いい人です。
がんばれやぐち!?
ってことでレスありがとうございます^^

367 名前:とみこ 投稿日:2003年02月21日(金)12時48分06秒
学年末試験なので更新遅れています。中学生なので^^;
終わり次第更新します。
368 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月01日(土)13時54分03秒
私も高校受験生!
仲間ですね。
お互い頑張りましょう。
369 名前:とみこ 投稿日:2003年03月01日(土)19時38分52秒
>名無し読者さん
私は来年受験ですね^^4月からは中3になるんです。
名無し読者さんも小説書いてらっしゃるんですか?
もしそうならお互い頑張りましょう!



学年末終わりました。
更新します!
370 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月01日(土)21時07分00秒

(ひとみ視点)




「ただいまー。」


約2ヶ月ぶりの帰宅だった。



ガチャ


そのとき、リビングのドアが開いてお母さんが出迎えてくれた。



「ひとみ!あんた久しぶりじゃないの〜!!」

そういってあたしの体を強く抱きしめた。


「イテテテ・・・ただいま、お母さん。」

「ひとみ、おかえり〜〜!」


お母さんはよっぽど嬉しいみたいだった。


・・・


「お〜ひとみちゃん、お帰りなさい。」


今度は奥からお父さんが出てきた。

371 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月01日(土)21時09分05秒


「あれ?お父さん海外に出張じゃ・・・」

「あぁ、今日帰ってきたんだよ。かおるさんもね。」



なんて偶然だろう。

こうやって3人で顔を合わせられるなんて。



・・・・・



あれ?








「真希は・・・?」


・・・




家にいるのかな・・・・。



お母さんとお母さんはあたしの質問を聞いた途端、


表情がスッと消えた。









そう。


あたしはまだ何も知らなかったのだ。



この2ヶ月間、真希の中で何が起こっていたかを。
372 名前:とみこ 投稿日:2003年03月01日(土)21時11分24秒
修正

お母さんとお母さん→お母さんとお父さん

です。
373 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月01日(土)21時24分08秒



・・・・


月夜を見ていた。


寝るにも眠れなくて・・・


最悪の夜になるだろう。







お母さんとお父さんの話を聞いたあと

あたしは放心状態だった。




というより



自分が情けなくなった。

自分を責めた。

自分が・・・・








真希の何なのか










わからなくなった。





374 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月01日(土)21時40分15秒


・・・・・






頭の中で話をまとめた。


・・・

真希は、ここ一週間近く学校に行っていないらしい。


お母さんとお父さんも、今日家に帰って知ったらしい。

ちゃんとしたごはんも食べずに、学校も行かずに

ずっと部屋に引きこもっていたんだってさ。



・・・

驚いたのは、その理由だった。



真希は・・・お母さんとお父さんにこう言ったんだ。



―――『よしこがいない生活なんか、もうやだ。』


   『ごとー・・・もういなくなっちゃいたいよ。』





・・・・・・




全部、あたしのせいなんだ・・・・・




・・・・

何が芸能界だよ・・・

何が有名人だよ・・・・



あたし、調子にのってた。



だから梨華ちゃんを傷つけた。




だから



真希を傷つけた。




全部・・・・









あたしのせいなんだ・・・・



375 名前:とみこ 投稿日:2003年03月01日(土)21時44分44秒


少ないですけど更新終了です。
明日も更新します。
376 名前:真奈 投稿日:2003年03月02日(日)12時24分52秒
学年末テストが終わり久しぶりにきてみたら更新されてた^∀^
よしこはどうするんでしょう?
377 名前:96の名無し 投稿日:2003年03月02日(日)21時09分06秒
 お久しぶりです。受験で親からストップされていましたが、
やっと読めるようになりました。
 この作品、最高です。なんか、泣きそうになりました。これ
からは毎日来ます。頑張って下さい。
378 名前:boiya- 投稿日:2003年03月03日(月)10時28分38秒
更新乙です。

次の更新待ってますよ〜
379 名前:とみこ 投稿日:2003年03月03日(月)22時06分44秒
>真奈さん
私も終わりました!更新なるべくがんばりますます!

>96の名無しさん
受験でストップですかぁ!ってことは中三ですか??
私は4月から受験生です。お互い頑張りましょう。
>この作品、最高です。なんか、泣きそうになりました。
そんなお言葉がもらえるなんて!感動です!!励みになりました!!

>boiya-さん
はい、更新しますw
遅くてすみません^^;部活・塾などで・・・・
でもこの作品はいい作品に仕上げます!!

380 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月03日(月)22時13分45秒


「よっすぃー!」



寒い空気の中で白い息を吐きながら走ってくる彼女。



「矢口さん。」


・・・


深夜だった。

真希のことで頭がいっぱいで、眠れなかった。

意味もなく矢口さんに電話をした。

そしたら矢口さんは何も聞かずに会おうと言ってくれた。






AM 2:00



近くの公園のベンチにあたしたちは腰をおろした。

肩を寄せ合い、未だ何も話し出せないあたしに、


彼女は何も言わずにただ黙って言葉を待っていた。



焦りなのか、自然となのか、


あたしは口を開いた。
381 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月03日(月)22時20分41秒


「真希が、家に閉じこもってるんです。学校にも行ってないんです。」


・・・

矢口さんはあたしの言葉に、うん、と一言だけ言った。

そして、「それで、どうしたの?」と付け加えた。



「ろくなご飯も食べずに、なんかもう・・・変わっちゃってたんです・・・」


初めて、涙が出そうな感覚に襲われた。


「あたしのせいなんです・・・あたしが悪いんです。」


「どうしてよっすぃーのせいなの?」


「・・・だって、真希が言ったんです。よしこがいないのなんてイヤだって・・・
いなくなっちゃいたいって・・・・・・・・。」



矢口さんは黙ってうつむいていた。



382 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月03日(月)22時27分21秒


「気がつかない間に、あたし真希を傷つけてた・・・・・」



真希の気持ちも考えずに・・・・


「それでよっすぃーは、真希ちゃんにどうしてあげたいの?」

「・・・・え?」



唐突な質問に思わず戸惑った。



「どうって・・・あたしは真希に合わせる顔がありません・・・」



真希だって・・・自分を傷つけた相手に会いたいわけない・・・



「でも真希ちゃんは今ひとりなんだよ?」




・・・・真希は・・・・



ひとり・・・・?



「真希ちゃんはよっすぃーに出会って、やっとひとりじゃなくなったんだよ?」


「あたしに・・・?出会って・・・・」


「そうだよ!だから、よっすぃーと会えなくなって、またひとりになっちゃったんでしょ?」


・・・・


また真希は・・・ひとりぼっち・・・・





・・・




「よっすぃーしかいないんだよ。」




「・・・・え?」











「助けてあげられる人は、よっすぃーだけなんだよ?!」


















矢口さん――――――







383 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月03日(月)22時32分15秒







―――――『関係ないじゃん。』



――――『ごとーにかまわないでよね。』







そうだ。


初めて真希にあったとき、


本当に口数の少ない、人見知りの激しい子だった。







けど


・・・


家族になった今、


真希は変わった。


もう、殻に閉じこもってるだけじゃない。








暗い部屋から真希を救い出したのは・・・



自分・・・・・・・




そして今、


真希を傷つけてしまったのも


自分。













だから











助けてあげられるのも、






・・・


自分しかいない!







・・










あたしは無心で走っていた。





早く、本当の事実を確かめるために。



自分がなんなのかを知るために。





真希を、再び助けるために。



384 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月03日(月)22時35分33秒


ガチャッ



玄関で靴を脱ぎ捨て、


階段をかけあがった。



そして薄いブラウンの扉を開いて――――――













・・・・・・・








ガチャ・・・・・














「真希・・・・。」












そこには、眠り姫がいた。




美しい容姿。


きっと、それは世の中のどんな人間よりも美しい。



神秘的な少女。




・・・・・





「真希、・・・」



呼びかける声に、



眠り姫はゆっくり瞼を開く。





385 名前:―遠くに行っちゃうの?― 投稿日:2003年03月03日(月)22時40分03秒


「・・・ん、。」





寝起きの声が、妙に色っぽい。


そんなこと、よく思ってた。


・・・・・・



「よし・・・こ・・・・・?」



彼女はあたしの名前を呼んだ。


その透き通った瞳と

かすれた声は



狼をも呼び起こすだろう。









「よしこ・・・?本当によしこなの?」


「うん。そうだよ。帰ってきたよ。」


・・・

彼女の瞳にみるみる涙がたまっていく。


その滴をそっと指でぬぐってあげた。





「ごめんね。」




一番言いたかった言葉を、一番に口にした。






真希は



その言葉に、何度も、何度も首を横に振った。




「あやまらないで・・・あやまらなくていいから・・・」





・・・・







「だからずっとごとーの・・・・・・・・そばにいて・・・・・?」






















あたしは目の前にいる17歳の少女に












恋をした。











・・・・

386 名前:―ふたり― 投稿日:2003年03月03日(月)22時46分59秒


1年後―――――







「よしこー。よしこ、朝だよぉ?」



朝日が差し込む、春の早朝。


そのほのかな暖かさと


彼女の癒される声。









今、あたしは幸せの絶頂にいる。








・・・・・・・・





「ん〜真希、おはよ。」

「おはよぉはあとはあと今日は遊園地に行くって約束したでしょ?」

「あぁ。覚えてるよ、晴れてよかったね。」

「うんっ!!」




・・・・


あたしは真希に恋をしてから


仕事をやめた。


テレビでは、突然現れ突然消えた美少女として騒がれた。



今では、ただのフツーの女子高生。




ね、真希。

387 名前:―ふたり― 投稿日:2003年03月03日(月)22時48分17秒


・・
・・・



「はやく〜起きてってばぁ〜」


彼女はドタドタと騒ぐ。


・・・


「・・・・あと5分寝かせてくれたらイイコトしてあげるはあとはあと




こんな風にからかうのも好きなんだよねー。








もそもそ。。。





「?!」



真希はあたしのベッドにもぐりこんだ。



















「あと5分だけだよはあとはあと






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・








今、吉澤ひとみは・・・・・














世界一の幸せ者です。









































――――...fin
388 名前:とみこ 投稿日:2003年03月03日(月)22時50分34秒
更新終了&完結しました。
長い間ありがとうございました。
たくさんのご声援、うれしかったです。
また機会があれば次作でお会いしましょう。


とみこ。
389 名前:真奈 投稿日:2003年03月04日(火)17時53分08秒
完結おめでとうございます。
ごっちんは幸せ者ですねぇ 次作も期待してま〜す。
390 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月04日(火)21時47分38秒
完結お疲れ様でした。
ハッピーエンドで良かった。末永くお幸せに♪
391 名前:市真 投稿日:2003年03月05日(水)00時10分13秒
完結、オメデトウゴザイマス。
そしてご苦労様でした(ペコリ
『突然現れ突然消えた』なんかココの部分が
よっすぃ〜ぽいなと思いました、
何故だかは解らないっすケド(笑
392 名前:とみこ 投稿日:2003年03月15日(土)18時03分51秒
>真奈さん
ありがとうございます^^
無事完結できてよかったです!

>名無し読者さん
ハッピーエンドですね♪ww
応援ありがとうございました。
やっぱりよしごま好きっす(w

>市真さん
度々レス頂きありがたかったです^^
やっぱりよしごまが1番っす!!(w
ありがとうございました。
393 名前:とみこ 投稿日:2003年03月15日(土)18時04分26秒
現在金板の方に新作たてました^^
394 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月31日(月)17時16分01秒
作者さんって男?女?
395 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月07日(月)00時58分33秒
↑それって何か重要なの?

Converted by dat2html.pl 1.0