そして二人は・・・・

1 名前:和尚 投稿日:2002年10月13日(日)02時11分55秒
始めまして和尚と言います。小説が書きたくなりまして現れました。
パラレルで時代設定が滅茶苦茶で、娘。視点と全体視点・・
そして、オリジナルキャラが出ますが読んでもらえると嬉しいです。

いちごま・やすいし・よしやぐでかなりいちごま度が高いです。
2 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月13日(日)02時19分15秒
21世紀、芸能界は更なる輝きを放っていた。

しかし、それと同時に暗黒の面も多くなっていた。

そう、芸能界とは光と暗闇を合わせ持つ世界。

その暗闇に捕らわれている人を助ける人がいた。

しかし、その人は表の世界に決して出ようとしなかった・・・
3 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月13日(日)02時24分19秒
モーニング娘。今や国民的アイドル集団となっている。

順調に活動しているモーニング娘。はある問題に悩まされていた。

メンバー全員が不可解な出来事が起こっていたのであった。

スタジオの大道具の落下、セットが突然壊れる、音響の故障等・・・

どれも原因不明の出来事であった。

事態を重く見たプロデューサーつんくはある人に依頼をした。その人とは・・・
4 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月13日(日)02時41分52秒
ここは、天王洲スタジオの中にある楽屋。

モーニング娘。が楽屋にいるがメンバー全員に覇気がなかった。

それもそのはず、この収録もまた不可解な出来事が起こっていたからであった。


「また変な事が起きたネ」
リーダーの飯田圭織がボソッと言う。
「なんでこんな事が起きるんだろう」
安部なつみも続けて言う。
「もう、いやー!」
後藤真希はキレ気味に叫んだ。
「落ち着いて後藤!!」
サブリーダー保田圭がまきを落ち着かせようとしたが、
それが合図のように辻希美、加護亜衣が泣き出した。
それを見た矢口真里は二人を抱きしめた『大丈夫だから』と自分自身に言い聞かせる様に・・・
しかし、真里自身も身体は恐怖で震えていた。
新メンバーの高橋愛、小川麻琴、紺野あさ美、新垣里沙の四人も固まって震えていた。
それはそうだろう、目の前に起こった出来事を平然としている人はいないであろう。
静寂の中、楽屋のドアが開いた。
「つんくさんがロビーに集合してくれって」
スタッフが言った。
「!?」
全員は言われたとおりそのままロビーに集合した。
5 名前:プロローグ訂正 投稿日:2002年10月13日(日)08時41分58秒
安部なつみを
安倍なつみでお願いします。
6 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月13日(日)14時44分52秒
あぁ。
何があったんでしょう?
楽しみにしてます。
頑張ってください
7 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月14日(月)02時02分36秒
「皆集まったな」
つんくの前に集まったメンバー。
つんくの隣には髪はセミロングの長さで歳は18ぐらいの中性的な人が立っていた。
その人を見たメンバーは驚いた。
「紗耶香!?」
「市井ちゃん!?」
モーニング娘。を2000年5月21日に脱退した[市井紗耶香]にそっくりだったのであった。
しかし、紗耶香は脱退した直後に海外へ留学したのだが、留学先で行方不明になっていたのであった。
行方不明になった地点に大量の血痕があり、その血痕は紗耶香本人と断定された。
新聞、テレビでは一面トップで【市井紗耶香死亡!遺体は行方不明!?】の報道にメンバーは愕然となった。
同期メンバーであった圭、真里は深く悲しみ、真希は大声で泣き叫んだ。
その紗耶香が目の前に!?
「市井ちゃーーん!」
真希はその人向かって抱きついた。
「どわぁぁぁぁ!」
真希の抱き付きでその人は後ろに倒れてしまった。
「いってぇぇぇ!」
「市井ちゃん生きてたんだね!会いたかったよ!!」
まきはその人の胸の上で泣き続けた。
「後藤、その人は娘。にいた紗耶香とは違う人なんや」
つんくは後藤の肩を叩きながら優しく言った。



8 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月14日(月)02時30分35秒
「ふえ・・・違う人?」
「この人は退魔師さんや。この事件を解決してもらおうと思って呼んだんや。
今回は原因不明の事件が多すぎる。これ以上騒ぎになる前に策を取った。
この人はこの道のエキスパートだから、皆安心しぃや」
「[市井紗耶香]と言います・・よろしく・・モーニング娘。にいた人とは別人・・・ですのでそこんとこ・・よろしく・・」
彼女に似ているだけで・・・依頼が・・・来ないんだから・・・んで・・後藤さん、いい加減に・・・どいてくれない?
・・・すっげぇ重いんですけど・・・」
「ごめんなさい・・・」
真希は慌ててその人・・・市井紗耶香から退いた。
よく見ると紗耶香の右眼は青色、左眼は黒色であった。
(市井ちゃんじゃないのかなぁ?)
真希は訝しげに紗耶香を見ている。
「今日の仕事はこれで終わりや。この後は市井さんに話を聞いてもらうから残る様に。
それと、この事件が解決するまで市井さんのいう事をちゃんと聞く様に」
つんくはロビーを出て行った。
「それじゃ・・えと・・」
「紗耶香でいいよ、飯田さん」
「あっ、はい・・それじゃ紗耶香さんこちらへ」
圭織は紗耶香を楽屋へ案内した。
9 名前:和尚 投稿日:2002年10月14日(月)02時39分01秒
レスです
6>名無し読者様
感想有難うございます。
初めての事ですのでどうなるか判りませんが宜しくお願いします。
放置は絶対にしませんのでご安心を・・・
10 名前:きいろ 投稿日:2002年10月14日(月)20時32分12秒
顔がそっくりで同姓同名なんてすごいですね。
更新楽しみに待ってます・・・
11 名前:和尚 投稿日:2002年10月14日(月)23時17分44秒
「どうぞ」
圭に椅子を出された紗耶香は座った。
紗耶香を囲むようにメンバー全員は座った。
しかし【モーニング娘。市井紗耶香】にとても似ているのか、メンバーの囁き合いが聞こえてくる。
紗耶香はとてつもなく不満らしく、テーブルを叩いた。
「あのさー、人のいる前でヒソヒソ話すのやめてくんない?すっげーむかつくんだわ」
「「ごめんなさい・・・」」
「まったく、そいつと市井が似ているからって仕事の依頼はこないし、こっちは商売上がったりなんだから」
紗耶香は一人一人の顔を見て回した。
紗耶香の睨みでメンバーは萎縮してしまっていた。
ただ真希だけは逆に紗耶香を見詰めている。
12 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月14日(月)23時54分05秒
紗耶香は咳払いをした。
「つんくさんから話を聞いているけど、詳しく聞きたいと思って残ってもらいました。
怖い事を思い出させる様で悪いけど話してくんない?」
紗耶香の問い掛けに圭織が重い口を開く。
「初めて起こったのは去年の10月ぐらいだったと思います。
【うたばん】の収録時の事でした。
そこにいる新メンバーのお披露目って事でゲームをしたのですが・・・
ゲーム時にスタジオの照明が突然落ちてきたのです」
「ああ、その事はつんくさんから聞いた。
現場検証をしたけど、照明機材、セット自体に何も問題が無かったと」
「ハイ、原因不明で片付けられました。
しかし、その後の歌の収録時の音響の不調、【ハロー・モーニング】の収録時にセットが倒れた等、
スタッフが収録前に念入りにチェックしていたハズなのに必ず不可解な事が起きるのです。
もうメンバー全員は・・・」
「ギリギリの所まできている・・・と」
「はい」
「仕事以外では何か起こってんの?」
「数人は部屋にいても嫌な視線を感じるそうです。
これからシャッフルユニット、それにライブがあるのに、これ以上また何か起きてしまったらと思うと・・・」
「なるほどね・・・ってシャッフルユニット!?」
紗耶香が驚きの声を上げた。

13 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月15日(火)00時04分45秒
「シャッフルユニットってつんくファミリーと呼ばれる全メンバーを混ぜて三つのグループにわけるヤツ?」
「そうですけど」
圭織は恐々と言った。
「そんなの聞いてないよ!13人を三つに分けたら市井一人じゃできないじゃん!!」
紗耶香の怒りに全員が引いている。
よほど怖かったのか、希美、亜依は涙目になっていた。
それを見た紗耶香は慌てて取り繕った。
「ゴメンゴメン、怖い顔していた。
皆はこの事件が終わるまである所へ行ってもらうから、そこから仕事に行ってね。
大丈夫、変な所じゃないから」
「そこってドコですか?」
なつみが怪訝そうに聞いた。
「市井の家」
紗耶香はニッコリと笑った。
14 名前:和尚 投稿日:2002年10月15日(火)00時15分21秒
レス&訂正です

10>きいろ様
更新楽しみ有難う御座います。
更新時間はバラバラですが、必ず更新しますので宜しくお願いします。


訂正
亜衣を亜依に訂正して下さい・・・
ファンとしてあるまじき行為でした。
15 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月15日(火)23時14分40秒
某都内の閑静な住宅地、その中にひときわ大きな家の門の前に紗耶香とメンバーは立っていた。
「すごい・・・」
事務所の車から降りたメンバーは口をそろえてため息混じりで言った。
「そう?」
紗耶香はあっけらかんと言いながら門に付いているボタンを押した。
「はい・・・紗耶香様、お帰りなさいませ」
「ただいま。
今回護衛する人を達を連れてきたから、門開けてくれる?」
紗耶香が言うと閉まっていた門が開いた。
「はい、どーぞ」
紗耶香はメンバーを招き入れた。
16 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月15日(火)23時23分56秒
大きな玄関を紗耶香が開けると、20代後半のキャリアOL風の女性がメンバーを迎えた。
その女性は妖艶な瞳、抜群のプロポーション、世間一般には美人と言われる容姿だった。
「お帰りなさいませ、紗耶香様」
「うん、皆はいる?」
「帰ってきています」
「あっそう、呼んで来てくれない?」
「畏まりました」
「皆はこっちへ来て」
紗耶香はメンバーをリビングに通した。
17 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月15日(火)23時41分17秒
リビングは15畳はあるかと思われる部屋だった。
ソファーも大きく、メンバー13人楽に座れる程だった。
紗耶香はメンバーをそのソファーに座らせた。
と同時にノック音。
「失礼します」
先程の女性とその後に20歳ぐらいの男性二人がリビングに入って来た。
「紹介するよ、こちらの女性は朱、この二人・・・長髪が青、短いのが玄。
紗耶香のサポートをしてくれる」
紗耶香が三人を紹介すると圭織と圭は慌てて立ち上がる。
「モーニング娘。リーダー飯田圭織です」
「同じくサブリーダーの保田圭です」
「「よろしくお願いします」」
「「「こちらこそよろしくお願いします」」」
「さて、挨拶も済んだ事だし・・・・おっと忘れてた」
紗耶香は閉まっていたドアを開けて、外にいたモノを抱き上げて中に入れた。
「「きゃー!かわいいー!!」」
希美、亜依が悲鳴を上げた。
18 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月15日(火)23時53分10秒
紗耶香が連れて来たのは小さくて白い虎であった。まだ子供らしく足が太い。
「コイツの名は【白】。白もサポートするからよろしく」
「虎がサポートするんですか?」
なつみが驚きの声を上げた。
「白はただの虎じゃないんだよ。安心して大船に乗った気持ちで構えてな」
紗耶香はムッとしながら言った。
「ここはいろんな設備があるから好きに使っていいよ。
トレーニングジムとかあるからダンスも出来るよ。
あっと、その前に客室に案内しないと。
客室は基本的にツインなんだけど、一部屋キングサイズのベットがあるからそこを三人にしてくれれば寝られるよ。
飯田さん、部屋割りをよろし・・・」
「後藤は市井ちゃんと同じ部屋!!」
紗耶香が話し終わらない内に真希はきっぱりと言った。
19 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月16日(水)00時09分51秒
「あの後藤さん、イキナリ何言ってんの?しかも初対面で【市井ちゃん】って」
紗耶香は呆れて言う。
「この場合は皆と一緒にいた方がいいんだよ。
こっちも仕事がやり易いし」
「ヤダ!市井ちゃんと一緒の部屋がいい!!」
「あのさー、後藤さんはあなたのしってる【市井紗耶香】と私を重ねているようだけど何度も言うように・・・」
「一緒の部屋!!!」
真希は頑として首を立てに振らない。
紗耶香は何とかして貰いたいと思い圭織の方を見た。
しかし、圭織はひたすら謝っていた。
圭織を見る限り、真希は相当な頑固者なのが伺えた。
「しょーがねーなー。
後藤さんは市井の部屋においで。
白も一緒だけどいいよな?」
紗耶香は根負けして真希の頭を撫でながら言った。
真希は頭を撫でられたのが気持ちいいのかウットリとしている。
(この感じやっぱり市井ちゃんに似てるんだよね)
紗耶香の行動が真希の知ってる【市井紗耶香】と同じ人じゃないかと思い始める真希であった。
ちなみに部屋割りは圭織・なつみ、真里・圭、梨華・亜依、ひとみ・希美、愛・麻琴、あさ美・里沙である。
20 名前:和尚 投稿日:2002年10月16日(水)00時23分15秒
こっそりと大量に更新・・・
次からは娘。視点からになります。

それにしても長いプロローグ・・・
21 名前:きいろ 投稿日:2002年10月16日(水)21時47分59秒

和尚さんの、この話大好きです。

更新待ってます!
22 名前:石川梨華の悪夢 投稿日:2002年10月17日(木)21時48分00秒
暗い・・・何も見えない・・何で私こんなトコにいるの?
走っても走っても暗闇が私の身体にまとわり付く・・
誰か・・誰か助けて!!
どのくらい走ったのか解らない、私は目の前に人がいるの感じた。
私はその人に向かって走って行った。
(保田さん・・)
私は保田さんだと確認すると走るスピードをあげた。
保田さんのトコへたどり着いた。
保田さんは私を見て微笑み、そして倒れた・・・
私は保田さんを支えた。
だけど、支えたその手から嫌な感触を感じた。
手を見ると私の手には真っ赤な血が!?保田さんから流れてる血!?
「保田さん!保田さん!!」
私は半狂乱になって叫んだ。
だけど保田さんの身体は動かない・・・
周りを見るとごっちん、よっすぃー、矢口さん・・メンバー全員が血を流して倒れていた。
「私が、私が悪いんだ!私がここにいたから・・保田さんが・・皆が!!」
私は何も考えられなかった・・
いやーーーーーーー!!
私は飛び起きる。
心臓の鼓動が止まらない。
気が付くと肩で息をしていた。
髪をかきあげると見慣れない景色に一瞬戸惑った。
そうだっけ・・と思った。
つんくさんが娘。に不可解な事件が起こったから対策として退魔師を雇った・・・
そんな事しても無駄なのに・・・
私・・石川梨華は力なく笑った・・・
23 名前:和尚 投稿日:2002年10月17日(木)23時00分57秒
レスです
21>きいろ様
ありがとうございます。
ちびっとですけど更新しました。
市井「このたわけ!!」
和尚「イキナリ何すんですかぁ」
市井「アンタ間違って、きいろ様のトコに間違って書き込みしたでしょ!!」
和尚「・・・はい」
市井「大変申し訳ありません!!以後このような事をしない様によく言い聞かせておくので許してやってください!!」
和尚「削除依頼も出しましたのでお願いします!」
市井「恩をアダで返すって感じだな・・・」
和尚「ぐはぁ!!・・・
次回は間違って書き込んでしまった吉澤さんの悪夢ともう一人○○さんの悪夢です・・・」
ガクッ
市井「こんなんで死ぬんじゃない!!」
24 名前:吉澤ひとみの悪夢 投稿日:2002年10月19日(土)13時26分37秒
私は娘。に入った時から彼女が好きだった。
彼女はこの世界の事を何も知らなかった私にいろんな事を教えてくれた。
番組の収録時、ライブ、PV等私を出せる様にとサポートしてくれた。
今までの人生で一番嬉しかった。
この世界に慣れて来た頃、私は彼女を気になっていった。
仕事の時、ライブの時は完全に私の視線は彼女を追っていた。
これが恋なんだと思った・・・・
だけど、私と彼女は同じ女性同士・・・同姓の恋なんて可笑しいのではないかと思ったりした。
彼女が他のメンバーと一緒にいるのを見ると嫉妬で心がメチャクチャになってしまう。
でも、私にはどうする事も出来ない・・・
この時から変な声が私に聞こえて来た。
『自分のモノに出来ないのなら殺してしまえ』
やめて・・・
『無理やり自分のモノにすればいい』
やめてってば・・・
『だったら、早く殺しちゃえよ・・・』
やめてーーー!!
私は目を覚ました。汗を掻いていたらしく、パジャマの袖で拭くと私・・吉澤ひとみは彼女の名を呟く・・・
「矢口さん・・・」
25 名前:後藤真希の悪夢 投稿日:2002年10月19日(土)13時46分48秒
「市井ちゃん大好き!」
私は市井ちゃんに笑顔で言う。
市井ちゃんも私を抱きしめながら少しぶっきらぼうに
「市井も後藤が好きだよ」
と言ってくれる。
他愛も無いかもしれないけど、私はすごく幸せだった。
この幸せが続くと思っていた。
「市井は娘。を脱退する事に決めた」
「どうして!?」
「シンガーソングライターになりたいんだ。
それに自分で作詞作曲もしてみたいし・・・
勉強するなら早い方がいいと思うんだ。
勉強する為に留学する事も決めたんだ」
「市井ちゃん・・遠くに行かないでよぉ・・会えなくなるのは嫌だよぉ・・・」
「そんな事言うなよ、芸能界を辞めるわけじゃないんだし、留学も頑張って勉強して早く帰ってくるよ」
「だから・・・待っててくれるかな」
「後藤待ってるよ・・・待ってるから早く帰ってきて・・
遅いと後藤は・・寂しくて泣いちゃうから」
「解ってるよ、後藤が寂しくて泣かない様におまじないをしてあげるよ」
市井ちゃんの顔が近づいてくる・・私は瞼を閉じて待っている。
・・・・・・・・
私と市井ちゃんは同時に目を開けた。
市井ちゃんは顔を赤くしながら
「これで大丈夫」
と言ってくれた。
私は市井ちゃんの優しさが嬉しくてまた泣いた。
それなのに留学先で行方不明になって・・・
【生死不明】の文字が私の目に焼きついて動けなかった・・・
私の心に悲しみが襲ってきた・・・
26 名前:後藤真希の悪夢 投稿日:2002年10月19日(土)14時01分51秒
「あああああ!!!」
私は叫び声を上げた。
目を覚ますと市井ちゃんが私の顔を見ていた。
「大丈夫?うなされてたみたいだけど・・・」
「あ・・・うん、悲しい夢見ちゃって」
「ふーん、ホイこれ!汗かいてるからこれで拭きなよ」
「ありがとう」
私は市井ちゃんが渡してくれたタオルで汗を拭いた。
「明日は早いんだっけ?眠れないなら何か飲む?」
「ううん、寝るから大丈夫。
あのう・・後藤が寝るまで手を握ってて欲しいの」
「握っていると安心するっていうしな・・いいよ」
「ありがとう市井ちゃん・・・」
私は市井ちゃんに手を握ってて貰いながら眠りに入った。
「・・・な・とう・・」
市井ちゃんは何かを言ったみたいだったけど、私は深い眠りに入ってしまったのでよく聞こえなかった・・・
27 名前:和尚 投稿日:2002年10月19日(土)14時04分42秒
更新しました!!

感想お待ちしています。
痛い感想もお待ちしています(怯え)
28 名前:夏先生ご乱心!? 投稿日:2002年10月23日(水)02時24分06秒
保田圭の視点

「へぇーここでダンスレッスンすんの?」
次の日、紗耶香さんは珍しそうにスタジオを白と見ていた。
ちなみに服装はカジュアルで動き易いカッコ。
もしもの為に【常に動き安いファッション】を心がけているんだとか・・・
「珍しいんですか?」
「あ、保田さん・・・うん、こーゆーのって来た事ないから」
「でも、紗耶香さんのトコもここと同じ位立派だったけど」
「あれはトレーニングルーム。退魔師は身体が資本だから、戦えない退魔師は論外だよ」
「そうなの?」
「そりゃそうさ!人を護って戦うのに自分が死んじゃったら話しにならんよ」
紗耶香さんは笑って言った。
「おはよー!皆そろってる?」
ダンスの先生の夏先生がスタジオに入って来た。
「あの人は?」
「娘。のダンスを教えてくれる夏まゆみ先生」
「ふーん・・つんくさんから話いってると思うけど一応挨拶しとくか」
紗耶香さんは夏先生の側に行った。
「あのー・・つんくさんから話聞いてると思いますが、私・・・」
「紗耶香ー!!」
「またですかぁぁぁぁ!?」
紗耶香さんは絶叫をあげて倒れてしまった。

29 名前:夏先生ご乱心!? 投稿日:2002年10月23日(水)02時37分28秒
夏先生が言うのも解る気がする。だって【娘。にいた紗耶香】とここにいる【退魔師の紗耶香】さんはアタシが見ても本人と思う位にているから・・
「あの市井は【娘。にいた市井紗耶香】ではなく【退魔師市井紗耶香】です!!つんくさんから話聞いてませんか!!」
「あ、ゴメンゴメン話は聞いてるよ。
あんまり似てたから」
夏先生の言葉に恐らく、メンバー全員は心の中で納得していたハズ。
そして、夏先生は紗耶香さんの身体を触り始めた。
紗耶香さんは突然の事で驚いたのか、素早く壁際に移動し、首を左右に振っていた。
「何すんですか!!」
「いい筋肉してるね。ダンスやってみない?」
「やりません!!」
「残念・・じゃ始めるよ!」
相変わらずマイペースの夏先生に紗耶香さんは呆然としていた。
30 名前:和尚 投稿日:2002年10月23日(水)02時40分09秒
ちょっと更新しました。
31 名前:動揺・・・ 投稿日:2002年10月24日(木)02時14分06秒
後藤真希視点

「12345678、12345678、よしOK!」
夏先生の声がスタジオ全体に響き渡る。
今回のダンスは前の曲以上に激しい踊りなので息が上がってくる。
「1時間休憩!!」
夏先生の合図で休憩が始まったので、すぐに市井ちゃんのトコに行った。
「市井ちゃん!」
「お疲れさん。ハードなダンスでびっくりしたよ」
「へへへ後藤のダンスはどうだった?」
「市井は素人だから判んないけど、凄くカッコ良かったよ。
何だか市井もダンスやってみたくなっちゃった」
「ホントに?」
「う、うん」
「夏先生!市井ちゃんがダンスやってみたいって言ってます!!」
「はぁぁぁぁぁい!?」
わたしが夏先生に言ったので市井ちゃんは驚いてた。
夏先生と話した結果、休憩の時間だけダンスを教えて貰う事になった。
32 名前:動揺・・・ 投稿日:2002年10月24日(木)02時30分15秒
「でも、市井は着替えとか持ってないし・・・」
「後藤の貸してあげるよ」
「ハイ決まり!後藤、更衣室に連れてってあげて」
「はーい」
わたしは市井ちゃんを更衣室に連れて行く。
「ううう・・・なんでこんな事に・・・」
「いーじゃん、いーじゃん」
わたしは自分のTシャツを市井ちゃんに渡した。
市井ちゃんはため息を付くと白をわたしに渡してから来ていた服を脱ぎ始めた。
わたしのTシャツを着る時に一瞬見ちゃったけど、市井ちゃんの背中に右肩から斜めに大きな傷が三本あった。
「その傷どうしたの?」
「魔物にやられた傷だよ」
市井ちゃんは着たTシャツを捲って背中の傷を見せた。
見てるだけでわたしの背中が痛くなってきそう・・・
「大丈夫なの?」
「やられたのは随分前だし平気だよ・・・っと準備完了!」
「じゃあ行こうよ」
わたしと市井ちゃんはスタジオに戻った。
33 名前:動揺・・・ 投稿日:2002年10月24日(木)02時53分38秒
スタジオに戻ると皆が壁際に座って談笑したり、飲み物を飲んだりしていた。
「お待たせしました」
市井ちゃんの登場で皆は一斉に見た。
皆は市井ちゃんを見てウットリしていた。
無駄なく鍛えられていた市井ちゃんの身体は問答無用でカッコ良かったから・・
「カッコイイ・・・」
やぐっつあんがため息混じりに言っていた。
「じゃあ、準備運動して」
「市井がやってるヤツでいいですか?」
「いいよ」
「では・・」
市井ちゃんは柔軟を始めた。開脚、屈伸、前屈等ありとあらゆる箇所を伸ばし、
その場で軽くジャンプした。
市井ちゃんの膝は普通の人よりバネがあるらしく、わたしの身長を超えるジャンプ力だった。
市井ちゃんのジャンプ力に驚きの声が上がってる。
「市井ちゃんすごーい!」
「そう?・・・では夏先生お願いします」
市井ちゃんは夏先生からダンスを教えてもらっていった。
34 名前:動揺・・・ 投稿日:2002年10月24日(木)03時11分58秒
飲み込みが早く、すぐに踊れるようになっていった市井ちゃん。
わたしは【娘。にいた市井ちゃん】と今踊ってる【退魔師の市井ちゃん】を重ねて見ていた。
そういえば市井ちゃんて踊ってる時にちょっとした癖が出てたっけ。
ターンした時に右足が少し下がるんだよね。
夏先生も他の人達、勿論市井ちゃん自身も知らないわたしだけが知ってる癖・・・
そうそう、今踊ってる市井ちゃんがターンして右足が少し下がったあの感じ、
【娘。にいた市井ちゃん】にそっくりだぁ・・・
!?
わたしは目が点になってしまった。
いくら【娘。にいた市井ちゃん】と【退魔師の市井ちゃん】がそっくりで、
【退魔師の市井ちゃん】が【娘。の市井ちゃん】と別人って言ったって、癖が同じのは別人とは言わない・・・
まさか・・・まさか・・・市井ちゃんは!?
わたしの胸の鼓動が速くなっていった・・・
35 名前:和尚 投稿日:2002年10月24日(木)03時13分03秒
更に更新。
36 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月24日(木)17時15分49秒
どうなんだどうなんだ?w
やっぱりそうなのかな?
37 名前:きいろ 投稿日:2002年10月25日(金)22時00分24秒

実は・・・・!?
市井は市井なんでしょうかね・・・。
更新楽しみにしています。
38 名前:紗耶香の秘密? 投稿日:2002年10月27日(日)20時37分14秒
矢口真里の視点

退魔師の紗耶香さんと一緒に行動して数日過ぎた。
今日は【ハローモーニング】の収録日。
紗耶香さんの要望でいつもより入りの時間を二時間早くスタジオ入りした。
前回の収録の時に不可解な事が起きたから予防策を取りたいとの紗耶香さんの案によってから。
ごっつあんは紗耶香によく懐いていた。
辻加護5期メンも紗耶香さんに懐いてた。
っていうか側にいる白が気に入ったみたいだったけど・・・
それをいうあたしも実は白が気に入ってんだけど。
あたしは飲み物を買う為楽屋を出ようと思ってドアに手をかけた。
辻加護達と遊んでいた白は楽屋を出ようといたあたしを見つけてこっちへ歩いて来た。
楽屋に出たいという仕種をした。
「一緒に出たいの?」
白は手を出したあたしの手に頬擦りをして甘えた。
可愛いー!
「行こっか」
白と一緒に廊下を歩き、角を曲がると紗耶香さんがいた。

39 名前:紗耶香の秘密? 投稿日:2002年10月27日(日)20時49分20秒
白が紗耶香さんの所まで歩いて行った。
「はくぅ、辻さん加護さん達と遊んでたんじゃないのか?」
紗耶香さんは白を抱き上げながら言った。
そしてねあたしを見ると・・・
「白を連れて来てくれたんだ。ありがとう」
紗耶香さんはニッコリと笑った。
その笑顔が【娘。にいた紗耶香】とホントにそっくりで・・・
不意に涙が込上げてきた。
紗耶香さんに気付かれない様に慌てて目を擦ると、紗耶香さんがゴソゴソと何かを始めようとしていた。
「なにすんの?」
「何て言ったらいいかなぁ・・・【結界】・・【結界】を貼るトコだよ」
紗耶香さんはポケットから小型のナイフを取り出すと右の人差し指を傷つけた。
40 名前:紗耶香の秘密? 投稿日:2002年10月27日(日)21時14分22秒
「なにしてんの!!」
あたしの声など気にしないで紗耶香さんは黄色い紙を取り出し、
傷口から出てるちで文字のような物を書くと(何書いてあるのか解らないけど)壁に貼り付けた。
黄色い紙はスッと壁の中に吸い込まれていった・・・!?
「よし、終わり」
「紙が壁の中に入っちゃったよ!?なんで!!」
「企業秘密なもんで教えられませーん」
紗耶香さんは人差し指を前に出して、内緒のポーズをした。
「教えてよぉ!!」
「まーまー、秘密があった方がミステリアスっぽくていいじゃん」
今の娘。の状況からミステリアスもあったモンじゃないけど・・・
「それはそうと矢口さんに聞きたい事があったけどいい?」
「え!?矢口に答えられる事だったら何でもいいよ。
今回つんくさんから紗耶香さんに協力する様に言われてるし・・・
この事件は早く終わって欲しいからさ」
「それなら早い、吉澤ひとみさんてどーゆー人?」
・・・・・何でよっすぃーの名前が出てくんの!?
41 名前:石川梨華の異変?? 投稿日:2002年10月27日(日)21時28分24秒
保田圭の視点

最近石川の様子が可笑しい・・・
何がどうっていう根本的な事は解らないけど変だ。
一応仕事はこなしてるけど、あまり寝てないみたい。
待ち時間とかもボーとしてるし・・・
圭織に相談しても
「考えすぎじゃん」
て終わってしまう。
収録が始まるまで時間があるしもう一度聞いてみた。
「石川、最近寝れてる?まだ始まんないから少しは寝られるよ」
「は、はいありがとうございます。
でも、大丈夫ですから」
石川はそそくさと楽屋を出てってしまった。
・・・・私嫌われてる!?
「保田さん、何唸ってんの?」
石川と入れ違いに紗耶香さんが楽屋に入ってきた。
「んー、石川の様子がちょっと・・・」
「石川さんと言えば、市井も聞きたい事があったんだ」
「何?」
「石川さんてどーゆー人?」
・・・何で石川の事をあたしに聞くの!?
42 名前:決戦!紗耶香VS裕子 投稿日:2002年10月27日(日)21時55分58秒
中澤裕子視点

「なんや話というのは?」
うちは不機嫌な顔して娘。の楽屋に入った。
うちは娘。メンバーに変な事件が起きていたのはつんくさんから話を聞いていたし、
勿論、ハロプロ全メンバーに話は入っていた。
当然やけど、マスコミには完全シャットアウトや。
マスコミまで話がいってしまってたら、あのコらに余計な負担が掛かってしまう。
それでなくても辛い思いしてんのやから・・・
んで、不機嫌なのはあのコらに事件が起こってるのに自分が何も出来ない苛立ち。
何であのコらがこないなめにあうんや!!
それにつんくさんが雇った退魔師が何で紗耶香に似てるんや!!
うちは側にあったパイプ椅子にドカッと座った。
「出演者全員が揃ったので始めるよ。
前回このスタジオで事件が起きたそうなので、念の為にこの建物四方に結界を張った。
この結界で低級魔物は入って来られないから」
「【低級魔物】やて!?それ以上の魔物が来たらどないすんや!!」
あのコらに怪我なんかさせたくなかったからつい声を張り上げて言ってしまった。
43 名前:決戦!紗耶香VS裕子 投稿日:2002年10月27日(日)22時06分01秒
周りの空気がピシッピシッと張り詰めてるのを感じるがそんな事気にせん。
「逃げてくんない?」
退魔師のあっさりした言葉にうちはコケてしまった。
うちはどうにか立ち上がると
「な、なんやそれ!?」
思わずどもりながら言ってしまった。
退魔師は侘びることなく平然と言っておった。
「ゴメン、言葉が足りなかった。
魔物は来るじゃなくて【かも】しれないって事だからさ。
もし、魔物が来ても市井が戦うから素早く逃げてほしいんだわ。
それで、もしもの為にスタッフの人達も最少人数にしてあるんで・・・その逃げる時の誘導を中澤さんにお願いしたいっす」
44 名前:決戦!紗耶香VS裕子 投稿日:2002年10月27日(日)22時24分56秒
「ほぉ・・いうてくれるやん。あんた1人で大丈夫やの?」
「中澤さんはこの世界のプロですよね?」
「そうや、それがどないしたんや?」
「あなたがこの世界のプロなら市井は魔物を退けるプロなんですよ。
素人が口を出さないで頂きたい」
「な、なんやと・・・」
「そうそう、魔物が出るかもしれないってビビらんで下さいね。
以前・・確かSPEEDの解散後一回だけライブをやった事があったよね?
市井はそこから依頼があって護衛の仕事したんだけど、彼女達はそんな時でもしっかり仕事をこなしてましたよ」
退魔師は笑いおった。
うちの怒りは臨界点突破してしまった。
「そこまで言われるのは我慢できんわ!
アンタの仕事振り見せてもらうで!!」
うちは退魔師に言い捨てると楽屋を飛び出した。
45 名前:和尚 投稿日:2002年10月27日(日)22時52分11秒
大量に更新しました。

レスです

36>名無し読者様
和尚 市井さんどうなんでしょうかねぇ?
市井 市井は市井。それ以上もそれ以下でもないよ。
和尚 皆さん気にしてますよ?
市井 一つだけ言えることは・・・
和尚 言える事は?
市井 話が進んでいけばわかるって事。
和尚 だそうです。名無し読者様。

37>きいろ様
和尚 きいろ様も聞いてますけど・・・?
市井 うーん、市井は・・・
中澤 こんなガキ、【娘。にいた紗耶香】と同一人物じゃないで!!
市井 あっ、ヒステリ女。
中澤 誰がヒステリ女や、このガキ!!
市井 ま、とにかく名無し読者様と同じで話が進んでいけば解りますのでお待ちください。
ピュー(紗耶香が逃げた音)
中澤 またんかい!!こらぁ!!
(裕子紗耶香を追いかけた)
和尚 という訳で、これからの更新をお待ちください。
46 名前:不器用な優しさ 投稿日:2002年11月02日(土)22時38分47秒
保田圭視点

刻々とハロモニ収録時間が迫っていた。
楽屋で紗耶香さんの言った事が耳に残っているみたいで皆に覇気が無くなっていた。
あたしは気分転換にと飲み物を買いに自販機に行った。
自販機の隣に紗耶香さんが物静かに立っていた。
長椅子には白が座って紗耶香さんを見ている。
紗耶香さんはあたしに気付いたようだったけど、あたしは声を掛けず隣に立った。
「皆はどうしてる?」
「テンションが下がっているよ・・・この分だと収録ができるかどうが・・・」
「そこをやるのがプロってもんだよ」
「でも、辻、加護、小川・・・新垣なんかまだ子供だよ!
わざわざ怖がらせるなんて!!」
「でもね、魔物が襲って来た時にパニックに陥って、
こっちがピンチにならない様にしたかったからこの方法をとったんだ。
それに市井は皆に怪我をさせたくないから・・・」
「・・・・・・」
あたしは紗耶香さんの悲痛な想いを感じた。
47 名前:不器用な優しさ 投稿日:2002年11月02日(土)22時43分56秒
あたしは紗耶香さんの言葉に何も言わず、黙って飲み物を買って楽屋に戻ろうとした。
「保田さん」
「何?」
「白を楽屋に連れて行ってくれません?
白が行けば少しは皆落ち着くと思うから」
「いいよ・・・」
あたしは白を抱き上げた。
白はあたしに抱かれて大人しくしている。
同時にあたしの心が落ち着いてきた・・・
アニマルセラピーってヤツかな?
「連れてくよ」
「よろしく・・」
あたしは白を連れて楽屋に戻った。
48 名前:溢れる想い・・・ 投稿日:2002年11月02日(土)22時58分20秒
石川梨華視点

楽屋ではハロモニ劇場の衣装にメンバー達は着替え終わってた。
私は制服に着替え終わってからずっと、白ちゃんを抱っこしていた。
そうでもしないと恐怖に押しつぶされそうだったから・・・
「石川大丈夫?」
「保田さん・・・」
「その顔じゃ大丈夫じゃないね」
衣装を着て【保田おばあちゃん】のメイクをした保田さんはため息付きながら言った。
「保田さんは怖くないんですか?
石川は魔物が襲ってくる恐怖で潰されそうです」
「そりゃ怖いよ」
保田さんは私が抱いていた白ちゃんを抱き上げると
「辻加護達のトコに行ってね」
と、白ちゃんを下ろすと、白ちゃんは保田さんの言った事が解ったのか、ののちゃん達のトコに行っちゃった。
私の身体が震えてきちゃった・・・
49 名前:溢れる想い・・・ 投稿日:2002年11月02日(土)23時05分53秒
保田さんは隣に座って震えている私の手を握りしめた。
「ほら、あたしも怖くて震えているよ」
見ると保田さんの手も震えている。
「あたしも怖いし、辻加護・・・皆も怖がってる。
でも、それを隠して収録に臨まなくちゃいけない・・・
芸能人は大変だねぇ」
保田おばあちゃん風に話す保田さん。
「石川は怖がりかい?」
「はい・・・」
「じゃあ、こうしてあげるよ」
保田さんは私を抱きしめた。
50 名前:溢れる想い・・・ 投稿日:2002年11月02日(土)23時25分18秒
「や、保田さん!?」
突然だったから顔が一気に真っ赤になっちゃう!!
「人って抱きしめられると安心するんだって」
「そ、そうなんですか!?」
そういえば、衣装越しから保田さんの胸の鼓動をかんじる。
赤ちゃんはお母さんの心臓の鼓動で安心するって言うけど、それと同じかな?
「少しは落ち着いた?」
「はい、ありがとうございました」
「収録が始まるから一緒に行こっか?」
「あの・・保田さんお願いがあるんですけど・・・手を繋いでくれませんか?」
多分・・・ううん絶対に真っ赤になってる顔した私のお願いに
保田さんはわたしの胸がドキッとする微笑をした。
「いいよ」
保田さんは手を繋いでくれた。
保田さんの優しさに私はあらためて思ってしまう。
保田さんが好き・・・
これは誰にも言わない。だって私の想いは絶対に叶わないから・・・
だから避けていたのに・・・でも、既に私の心は保田さんで溢れてしまっていた・・・
51 名前:カン!? 投稿日:2002年11月02日(土)23時45分30秒
わたしはテクテクとスタジオに向かって歩いていた。
収録前に市井さんは魔物が来るかもと言ってたけど、来ないかもしれないし・・・
なるようになれって感じかな。前の方に矢口さんが1人で歩いていた。
随分早くにスタジオ行くなぁと思っていると矢口さんはわたしに気が付いた。
「よっすいー」
と手招きしたので矢口さんの側に走って行く。
「何ですか?」
「ちょっと来てくれる?」
有無を言わさず矢口さんはわたしの腕を掴むと階段の踊り場に連れてかれた。
52 名前:訂正 投稿日:2002年11月02日(土)23時48分21秒
51〜吉澤ひとみの視点でお願いします

53 名前:カン!? 投稿日:2002年11月02日(土)23時58分55秒
「どうしたんですか?」
矢口さんは素早いスピードで踊り場に連れてかれたので、わたしの息は乱れていた。
矢口さんは突然わたしに抱きついて来た。
「や、矢口さん!?」
突然の事でわたしはうろたえてしまう。
「よっすいーは怖くないの?」
「・・・・はい?」
「だからよっすぃーは魔物が怖くないのって聞いてんの!」
矢口さんの身体が震えていた。
楽屋では怯えていた梨華ちゃん、のの、あいぼん達を励ましていたけど、
本当は矢口さんが一番怖がりだった事を思い出した。
わたしは矢口さんを安心して貰う為に抱きしめた。
わたしの心の中は理性と欲望が喧嘩してたけど、こんな時だったので勿論前者が勝った。
54 名前:カン!? 投稿日:2002年11月03日(日)00時11分52秒
「矢口さん、市井さんは魔物が来るとは言ってませんでしたよ。
来る【かも】って言ってたじゃないですか。
もし、来たとしても市井さんが絶対助けてくれますよ」
「・・・・・」
「矢口さんは市井さんを信じてないんですか?」
「・・・・・」
「吉澤は信じてますよ。
市井さんは絶対助けてくれます」
「何でよっすぃーは信じられるの?」
「カンです」
「カンかよ!!」
わたしのボケに素早い突込みを入れた矢口さん。
いつもの矢口さんに戻ってきたみたい・・・
「でも、自分で言った事は守る人だと吉澤は思いました。
中澤さんと楽屋で話した時の市井さんの目は嘘をついてなかったです。
よく言うじゃないですか、目は口ほどものを言うって・・・」
「・・・プッククク・・・」
あれ違ってたっけ!?何て言うんだっけ???
「よっすぃー」
「は、はい!」
「ありがとう、何だか落ち着いてきたよ」
「そ、そうですか!?」
「声、裏返っているよ。
そろそろ収録が始まるから行こっか!」
「は、はい」
わたしと矢口さんは一緒にスタジオに行った。
55 名前:聞きたい事 投稿日:2002年11月03日(日)00時29分13秒
後藤真希の視点

わたしは【文麿】の衣装に着替えてスタジオに入った。
市井ちゃんはスタジオに既に入っていてセットを見つめていた。
「市井ちゃん」
わたしは市井ちゃんの側に歩いて行く。
「これが後藤さんの衣装?」
「そうだけど・・・変?」
「変ていうか・・何で袖がフリルなん?」
「だって、そーゆー役なんだもの」
わたしは市井ちゃんに聞こうと思った事があったんだ。
それはダンスレッスンに見た【娘。にいた市井ちゃん】と同じ癖について。
もしかしたら、ここにいる市井ちゃんは【娘。にいた市井ちゃん】と同一人物なのって事。
その事だけがわたしを急き立てる。
56 名前:聞きたい事 投稿日:2002年11月03日(日)00時40分07秒
「市井ちゃんあの・・・」
「後藤さん大丈夫?」
「え、何が?」
市井ちゃんに言葉を遮られてしまい中途半端な返事をしてしまった。
「市井が楽屋で脅かしちゃったから皆怖がっちゃったし」
「皆はどうかわかんないけど、後藤は市井ちゃんを信じてるモノ。
後藤を・・・皆を守ってくれるって」
「そうか・・・市井を信じてくれるのか・・・そう言ってもらえると嬉しいよ」
市井ちゃんは照れ隠しにわたしの頭をワシャワシャと撫でた。
ココにいる市井ちゃんの笑顔と【娘。にいた市井ちゃん】の笑顔が重なっていく・・・
わたしはたまらず市井ちゃんに聞いた。
「市井ちゃん!あのさっ!!」
「リハーサル始めまーす!!」
スタッフの合図が全体に響き渡った。
「スタッフさんが呼んでるよ」
「・・・・うん」
市井ちゃんにうながされわたしはスタンバイに入った。
57 名前:和尚 投稿日:2002年11月03日(日)01時18分11秒
更新終了。
58 名前:きいろ 投稿日:2002年11月03日(日)08時42分28秒

・・・気になりますね・・・・。
次の更新も大期待です!!
59 名前:事件発生!! 投稿日:2002年11月03日(日)23時21分57秒
全体視点

カメラの前では裕子、なつみ、圭、真里、ひとみが本番中であった。
圭織、梨華、真希はセットの裏でスタンバイし、希美、亜依、愛、麻琴、あさ美、里沙は既に出番が終わったので、
同じく裏で休憩していた。
紗耶香は集中して魔物の気配を探っていた。
真希は梨華の出番がもうすぐなのにボーとしていたので話しかけた。
「梨華ちゃん、もうすぐ出番でしょ?」
「あ、ゴメン」
耳を澄ますと圭の声が聞こえる。
[あのコ・・・いつも泣いてるコはどうしたんかねぇ・・・]
「出番だ。ありがとごっちん」
「頑張って」
真希の言葉に梨華は頷いた。
梨華が泣きながら出た時、紗耶香が動いた。
60 名前:事件発生!! 投稿日:2002年11月03日(日)23時35分09秒
「来る!収録を中止して早くこの場から離れて!!」
裕子が紗耶香の襟を掴む。
「こんな静かなスタジオで何抜かしとんねん!!」
「こんな事ギャグで言うわけないだろう!早く離れろ!!」
紗耶香の顔が真剣だったので裕子は大人しく紗耶香の指示に従った。
「皆落ち着いてココが出るんや!」
裕子の指示で迅速で避難して行く。
スタッフ全員が避難して、次はメンバーの番という時だった。
突然スタジオのドアが閉まってしまったのだ。
「何や!?」
外にいるスタッフがドアを開けようとしているがビクともしない。
「あかん!閉じ込められた!!」
裕子が紗耶香に向かって叫んだ。
そして、地の奥底から響く声が聞こえてきた。
『見つけた・・・』
「きゃあああああーーーー!!」
梨華は叫び声をあげた。
「一箇所に集まって!!来るよ!!」
紗耶香が叫んだと同時に目の前の空間が歪む。
その中から1人の男が20人の兵隊を連れて現れた。
兵隊は剣、槍など武器を手にしている。
61 名前:事件発生!! 投稿日:2002年11月03日(日)23時47分47秒
紗耶香はこんな状態でも比較的落ち着いているメンバーに向かって叫んだ。
「保田さん!吉澤さん!メンバー達を落ち着かせて!!
それに中澤さん!飯田さん!アンタ達はハロプロリーダー、モーニング娘。のリーダーだろ!!
こんな時こそリーダーシップとらなくてどうする!!」
紗耶香の叱咤にどうにか落ち着きを取り戻した裕子と圭織。
それを見て紗耶香は白に指示を出した。
「白【結界】張って!!」
白は直径5mほどの結界を張った。
紗耶香はメンバーを見ると恐怖で震えていたが、やっと落ち着きを取り戻せた事を確認した。
「これで完全にあっちからの攻撃は防げるから安心して。
そして、ココから絶対に出ない事。いいかい?
それと石川さん、怖いなら目を閉じてなよ。
すぐ終わるからさ」
紗耶香は怯えている梨華に向かってニッコリと微笑んだ。
62 名前:事件発生!! 投稿日:2002年11月03日(日)23時56分26秒
紗耶香の微笑みに梨華はやっと落ち着きを取り戻した。
紗耶香は白に向かって言った。
「白、頼んだよ」
紗耶香は結界を出ようとするが、服が引っ張られていて上手く歩けない。
「服引っ張っているのは誰?・・・後藤さん」
紗耶香の服を引っ張っていたのは真希だった。
「どうした?」
「・・・・・」
真希は俯いたまま黙っている。
「後藤さんさ、正義の味方っていると思う?」
「・・・・・」
「市井が皆の・・・後藤さんの正義の味方になるから」
「市井ちゃん・・・」
「泣くなよ、すぐに終わるからさ・・・
怖かったら目を閉じてな」
「ううん、見てる」
「そうか。じゃ、行って来る」
紗耶香は結界の外へ足を踏み出した。
63 名前:男の名は 投稿日:2002年11月04日(月)00時11分01秒
結界の外へ出た紗耶香は異常な魔気(魔物が発する気)が立ち込めているのに閉口してしまう。
(結界は役に立たなかったか。
でも、このスタジオから外に出る事も出来ない良しとしよう)
兵隊を引き連れている男が紗耶香に話しかけた。
『貴様は何者だ・・・我らの邪魔をするのか・・・』
「おいおい、人に聞く前に自分から名乗るのが礼儀だろう?」
紗耶香に言われたのか、男は自分の名を言った。
『我が名は高力士〔こうりきし〕妖鬼妃様の命によりあの者達を迎えに来た・・・』
「妖鬼妃・・・あの楊貴妃の事か!!」
64 名前:和尚 投稿日:2002年11月04日(月)00時20分52秒
設定

楊貴妃−中国唐の時代、五代皇帝玄宗の夫人。
    豊麗の美女【世界3代美女の1人】として名高く玄宗に溺愛される。

高力士−玄宗に仕えていた大臣。
    近衛兵の反乱により玄宗に死の危険が迫り、玄宗の命により楊貴妃を殺した。

と、これは一部の説明ですが、ここでは楊貴妃を妖鬼妃としています。
65 名前:紗耶香の力 投稿日:2002年11月04日(月)00時36分14秒
「退魔師、市井紗耶香。
悪いけどアンタ達のその願い叶えさせるわけにはいかない」
『1人で我らに勝てると思っているのか』
「やってみなきゃ解らないよ。
それに1人に対して大勢で戦いを挑むアンタ達に負けるわけないけど」
紗耶香は高力士に向けて不敵に笑った。
『行け』
高力士の命令で近衛兵が紗耶香に攻撃を開始した。
紗耶香は爆発的な脚力で槍を手にしている近衛兵に向かって走って行き槍を蹴り上げる。
普通の人の目では紗耶香の姿が消えた様に見えただろう。
蹴り上げた槍が円を描いて回っているのを紗耶香は空中で掴んで戦闘体勢に入る。
着地をする直前に槍を回すと近衛兵は衝撃で弾き飛ばされた。
槍で傷つけられたはずの近衛兵は痛みを感じないのか、起き上がって紗耶香に再び攻撃を仕掛ける。
(魔物だから効かないか・・・アレをやるか)
紗耶香は近衛兵の剣を槍で受け流すと攻撃を開始した。
66 名前:紗耶香の力 投稿日:2002年11月04日(月)00時49分46秒
紙一重で攻撃をかわし、隙を見て槍を回す、両脇から同時に攻撃がきたらジャンプでかわし回し蹴りで応戦する・・・
紗耶香の攻撃は京劇の踊りを見ているようで美しかった。
高力士は紗耶香を殺せずイライラしている。
突然懐から小刀を取り出し紗耶香に投げた。
「市井ちゃん!」
高力士が小刀を投げたのを見ていた真希は紗耶香に向かって叫んだ。
紗耶香は小刀が来る方向に右手を出した。
グッ!!
紗耶香の右手は貫通して小刀が刺さっている。
「市井ちゃん!!」
真希の悲痛の叫びが響き渡る。
しかし、紗耶香は平然な顔をしていた。
「手間が省けた」
小刀を抜くと紗耶香は手を握り締めた。
握り締めた手から大量の血が流れている。
『気がふれたか』
高力士は言った。
67 名前:紗耶香の力 投稿日:2002年11月04日(月)01時16分15秒
「準備完了っと。床を見てみなよ」
高力士が床を見ると紗耶香自身の血で作られた【龍】が出来上がっていた。
近衛兵20人を楽に囲める大きさであった。
『こ、これは・・・?』
紗耶香はニヤリと笑うと右手を上げて呪文を詠唱した。


我が声に聞こえし全ての精霊達よ
我が血に答え、浄化の道を示せ
霊覇天陣!!

右手に金色に輝く気を作り出しそれを【龍】に叩きつけた。
龍が光り輝くと、近衛兵は次々と塵になって消えていく。
紗耶香は高力士に言った。
「後はアンタだけだよ高力士。
だから言っただろ、負けるわけないと」
『まだまだ!!』
高力士は紗耶香に攻撃を仕掛けた。
しかし、所詮側近の1人。
20人の近衛兵を楽々に相手していた紗耶香に勝てるわけなかった。
68 名前:紗耶香の力 投稿日:2002年11月04日(月)01時36分20秒
紗耶香は高力士の喉に槍を突きつけた。
「高力士、大人しく浄化してくれないか?」
『私は妖鬼妃様に命令に背くわけにはいかぬのだ』
「仕方ない、強制だ」
紗耶香は攻撃を仕掛けようとするが、突然歪んだ空間から槍が投げられて阻止されてしまった。
間一髪槍をよけた紗耶香だったが、サングラスが外れてしまい、右目の瞼から血が出ていた。
空間から声が聞こえてきた。
『高力士ここは引け・・・』
『そうはいかぬ・・鬼妃様の為にここは離れるわけには行かない』
『その鬼妃様のご命令でもか?・・・』
『わかった』
高力士は歪んだ空間の中に飛び込んだ。
立ち込められていた魔気は消え静寂が訪れた。
セットは近衛兵との戦いでボロボロになっていた。
紗耶香は両手をかざして呪文を詠唱する。

大地に連なる全ての精霊達よ
我が声に答え、壊れた物に再生を!!

紗耶香の両手から気が流れ出す。
ボロボロになっていたセットが光を放って、セットが元通りに復元された。
69 名前:紗耶香の力 投稿日:2002年11月04日(月)01時45分56秒
「白、結界解いていいよ」
紗耶香の言葉で白は結界を解いた。
「市井ちゃーーん!」
結界が解かれると真希は紗耶香の所まで走った。
「来ないで!!」
紗耶香は真希に冷たく言い放つ。
「え・・何で・・・?」
「あ、ゴメン・・市井血だらけだし・・汚れちゃうから」
紗耶香は苦笑すると着ていた上着を脱ぎ、少しでも血を見せない様に右手に巻きつけた。
「この場は治まったから、収録できるよ。
後、空いてる楽屋借りるから・・・」
紗耶香は白と一緒にスタジオを出た。
入れ違いにスタッフがスタジオに入って来て、収録の準備を始める。
真希は落ちていた紗耶香のサングラスを拾った。
「市井ちゃん・・・」
真希は紗耶香の名を呟いた。
70 名前:和尚 投稿日:2002年11月04日(月)02時04分10秒
更新終了。
レスです。

58>きいろ様
いつも駄文を読んでいただきありがとうございます。
期待されると嬉しいです!!
頑張りますのでこれからもよろしくお願いします!!
71 名前:静寂・・・そして・・・ 投稿日:2002年11月05日(火)00時43分15秒
数時間後、どうにか収録を終了し、わたし達メンバーは楽屋に戻った。
わたしは市井ちゃんがいる楽屋を探していた。
今日はこれで仕事は終わりだったし、市井ちゃんと話したかったから・・・
そして、ドアが半開きになっている楽屋があった。
覗いたら、右手に包帯を巻こうとしている市井ちゃんがいた。
利き腕を怪我しているので包帯が上手く巻けてなかった。
わたしはドアをノックした。
「誰?」
「後藤・・・」
「入って来なよ」
市井ちゃんに言われ、わたしは楽屋を入った。
市井ちゃんの隣には白が寝ていた。
そして市井ちゃんの右目の瞼が腫れていたのを見てわたしは驚いた。
「市井ちゃん、その腫れはさっきの・・・?」
「ん?ああ血が溜まって目が腫れたんだ。
手当てしたいけど、包帯が上手く巻けなくて」
市井ちゃんはわたしを見ず、包帯と格闘していた。
「後藤がやってあげるよ」
わたしは笑って包帯を取った。
「ありがと」
包帯を巻きながら話を続けた。
「右手は大丈夫?」
「貫通はしていたけど、すぐ塞がるから」
「そうなの?」
「新陳代謝が早くって治りが早いんだ」
「そうなんだ・・・っとできたよ」
「サンキュ♪後藤さんは包帯巻くの上手いよ」
市井ちゃんは包帯を巻いてあるてをマジマジと見て言った。
「えへへ・・・
市井ちゃんに言われるとテレちゃうよ・・・」
市井ちゃんの言葉にわたしの顔は赤くなっちゃう・・・
72 名前:静寂・・・そして・・・ 投稿日:2002年11月05日(火)01時16分09秒
「さてと・・・」
市井ちゃんはジーンズのポケットからナイフを取り出した。
「ナイフ出してどうすんの?」
「腫れてる瞼に傷つけるの」
「へ!?」
市井ちゃんは素早く瞼を傷つけた。
ブシュッと、市井ちゃんの瞼から血が流れ始めた。
「こうしないとずっと腫れたままで、早く治らないんだよ」
タオルで血を拭取りながら市井ちゃんは平然と言ってのけた。
わたしは慌てて市井ちゃんからタオルを取り上げ、血を拭いてあげた。
「ありがとう」
市井ちゃんは照れくさそうにお礼を言う。
「痛くない?」
「大丈夫だよ」
「市井ちゃんの仕事って、こんなに大変なの?」
「まあね。でも、こんなの大変な内に入らないよ・・・・もういいよ、血が止まったから」
市井ちゃんは、傷を洗って新しいタオルで拭いてからテープを貼ろうとしていた。
「市井ちゃん消毒しないの?」
「めんどくさい」
「ダメだよ、ちゃんとしなきゃ。
消毒薬とかないの?」
「バックの中に一式入ってるっす」
わたしはバックの中から消毒薬と塗り薬を取り出して市井ちゃんの瞼につけた。
塗り薬を瞼につけた後、その上にガーゼを貼りテープで止めた。
瞼の上だから右目は塞がったまま・・・
「右目が見えないよね」
「平気、仕事に支障はないから・・・
後藤さん、着替えたいんで悪いけど後向いててくれるかな?」
「解ったぁ」
わたしは後を向いた。
73 名前:静寂・・・そして・・・ 投稿日:2002年11月05日(火)01時25分34秒
わたしは後を向いたまま話を続けた。
「皆はどうしてる?」
「んあ・・・市井ちゃんがスタジオ出た後、震えていたけど、何とか収録が終わったよ」
「そっか・・・」
「後藤さんは怖くなかったかい?」
「怖いというか・・・市井ちゃんがカッコよかった」
「はい!?・・なんでカッコよかったのさ?」
「踊ってるみたいで見とれちゃった。
よっすいーも【カッケー】って言ってたよ」
「【カッケー】か・・・」
市井ちゃんは笑った。わたしも笑った。
空気が和んできた所で、市井ちゃんに聞いてみた。
「市井ちゃんは【娘。にいた市井ちゃん】とおんなじ人でしょう?」
市井ちゃんの動きが一瞬止まった・・・
74 名前:静寂・・・そして・・・ 投稿日:2002年11月05日(火)01時40分28秒
しかし、市井ちゃんは何でもないように
「だから、初めて会った時に違う人だって言ったじゃん。
アイツの所為で、こっちの仕事に支障が出てるんだよ。
むしろ、こっちが迷惑してんだから」
「それも嘘」
「何を根拠に言ってんの?」
「娘。のダンスレッスンの時、市井ちゃんは夏先生に簡単なダンスを教えてもらったでしょ?
後籐は市井ちゃんのダンスを見てたんだけど、市井ちゃんがターンした時に右足が少し後に下がっていたんだ。
これはね、【娘。にいた市井ちゃん】も知らない後藤だけが知ってる市井ちゃんの癖なの・・・」
「着替え終わったから、こっち向いていいよ」
わたしは市井ちゃんを見た。
市井ちゃんは切ない顔をしていた。
「もし市井が後藤さんの言ってた通り同一人物だとしても後藤さんは悲しくなると思うよ・・・」
「・・・・・」
「市井は人間じゃないから・・・」
「え!?」
「ははは・・・この話はこれでお終い。
もうすぐココを出るから支度してきなよ。
いつまでも衣装のままだとスタッフさんが迷惑するよ」
市井ちゃんはわたしを楽屋から出した。
【人間じゃない】市井ちゃんの言葉にわたしはどんな意味があるのか考えた。
75 名前:紗耶香の想い・・・ 投稿日:2002年11月05日(火)01時57分41秒
市井紗耶香視点 

あたしは隣に寝ていた白を撫でていた。
後藤との会話を思い出す・・・
「後籐はそこまで市井の事を見ていたのか・・・
せっかくここまで隠してたのに・・・
バレた原因がダンス・・しかもターン時の僅かな右足の下がりで解っちゃうなんて」
後藤の恐るべき観察力に笑ってしまった。
あたしは椅子に座り、天井を見上げた。
「市井が人間じゃなくても後藤は好きになってくれるかなぁ・・・」
あたしはボソッと呟いた。
76 名前:和尚 投稿日:2002年11月05日(火)02時01分45秒
キリが悪かったので、キリが良いトコまで更新。

訂正
71〜74まで『後藤真希視点』でお願いします。
入れるの忘れてました。
77 名前:きいろ 投稿日:2002年11月05日(火)19時53分06秒


お!?人間じゃないなんて・・・・!
まったく予想が付きませんでした・・・
次の展開にも期待です。
78 名前:数日後・・・ 投稿日:2002年11月10日(日)17時59分04秒
全体視点

数日後・・・
この日はシャッフルユニットPV収録日。
大きい敷地内のスタジオで3グループ合同で収録するので、
朝早くから全ユニットメンバーが集合していた。
79 名前:紗耶香の悩み相談室−ひとみ編 投稿日:2002年11月10日(日)18時26分55秒
吉澤ひとみ視点

【セクシー8】の衣装に着替えたわたしは皆が来るまで収録現場にいた。
わたし、ごっちん、梨華ちゃんはピンクのキャミソール風の衣装。
矢口さんは黒の衣装。
矢口さんは色っぽくて似合ってたなぁ・・・
わたしの頭の中はとたんに矢口さんでいっぱいになってしまう・・・
「どあああ!何考えてんだわたしは!!」
「おいおい大丈夫か?」
声を掛けられた方へ振り向くと白を抱いている紗耶香さんが引きつった顔して立っている。
怪我の為に右目はテープを貼っていた。
「市井さんどうしてここに?」
「聞いてなかったのか?
3グループ同時の護衛は市井だけじゃ無理だから手伝いに朱、玄、青に手伝ってもらうって最初に言ったじゃん。
そんで、市井は【セクシー8】の担当になったんだよ」
市井さんは怒り気味に言っている。
「ゴメンなさい」
「まあいいや、これが【セクシー8】の衣装?」
「そうですけど」
市井さんはマジマジとわたしを見ている。市井さんは不意にニヤッと笑うと・・・
「市井が男だったら惚れてるね!」
ドキン!!
わたしは胸が痛くなった。
市井さんの【惚れてるね】の言葉でなく【男だったら】の言葉に反応してしまったから。
やっぱり、同姓同士の恋愛はおかしいのかも・・・
80 名前:紗耶香の悩み相談室−ひとみ編 投稿日:2002年11月10日(日)18時42分03秒
「市井さん質問していいですか?」
「答えられることなら」
「市井さんは同姓から告白されたらどう思いますか?」
「は・・・?同姓!?うーーん勿論嬉しいよ」
わたしの突拍子もない質問をあっさりと簡単に答えてくれた。
「それに好きになったのが同姓だっただけだし、そんな男も女も関係ないと思うよ」
「・・・・・」
市井さんの純粋で真直ぐな言葉は今のわたしには眩しかった。
「市井も聞いていい?」
「何です?」
「吉澤さんの好きな人って矢口さんでしょう?」
市井さんの口から【矢口さん】の名が出て来たのに驚き、わたしはうろたえてしまった。
隠してたのに何でバレたんだろ?
「吉澤さんが矢口さんを見る時優しい顔してるから。
ハッキリ言ってモロバレだよ」
わたしの顔は段々と真っ赤になって行き、ブシューとうな垂れてしまった。
「頑張れ・・・」
市井さんはわたしに囁いた。
81 名前:紗耶香の悩み相談室−梨華編 投稿日:2002年11月10日(日)19時26分41秒
石川梨華視点

3グループの収録が順調に進み合同のお昼時間。
同じメンバーは違うグループの人達と一緒にお弁当を食べていたけど、
私は食欲がなかったので1人離れていた。
「ふぅ・・・」
「なーにため息ついてんの?」
「ほえ!?」
突然話しかけられた私は変な声で返事をしてしまった。
慌てて振り向くと大きなお弁当を手にした紗耶香さんが笑っていた。
右目にテープが貼ってあるのが痛々しく見えちゃう・・・
「お弁当食べていい?」
「え・・・はい」
市井さんは私の隣に座ると大きなお弁当をあけて食べ始めた。
あまりの大きいお弁当に私の目は点になっていた。
「大きなお弁当ですね」
「そうかぁー?市井はこれくらい食べないと、もたないんだ」
「もたないって・・・!?」
「うん、市井の血は魔を退ける力があるんだ。
そんで、血を出し続けると貧血になっちゃうから、補う為にたくさん食べるんだ」
私はスタジオで市井さんが魔を退けた事を思い出した。
「ありがとうございました!」
「フガッ!?」
市井さんは【何の事?】という顔をしていた。
「スタジオで助けてくれた事ですよ」
市井さんは考えると思い出した様に手をポンと叩いた。
「あー、それ位どってことないよ」
「ゴメンなさい。すぐお礼を言おうと思ってたんですけど・・・」
「いいよ、そんな事。
それよりお弁当食べないの?」
「食欲がなくて・・・」
「少しでも食べないと倒れるよ。あ、玉子焼き食べる?」
紗耶香さんは食べていた自分のお弁当から玉子焼きを差し出した。
あまりにも美味しそうだったので、玉子焼きを一つもらった。
82 名前:紗耶香の悩み相談室−梨華編 投稿日:2002年11月10日(日)19時50分22秒
「だろ?市井は料理が得意で、その中でも玉子焼きが得意なんだ」
「凄いなぁー、私お料理苦手なんですよ。お料理できる人って尊敬しちゃいますぅ」
現に私が料理できない事はテレビでも放送され有名になってしまったほど。
「料理ぐらい練習すればすぐ出来るって!何なら教えるよ」
「良いんですか!是非お願いします!!」
「この事件が終わったら教えるよ」
市井さんは笑って言ったけど、私は沈んでしまっていた。
だって、この事件は解決する事はないから。
「どうした?」
「市井さん、質問があるんですけど」
「何?」
「市井さんがもし・・・もしですよ、【退魔師】でなく普通の人で、魔物に狙われていたらどうします?
しかも、好きな人を魔物に殺されそうになったらどうします?」
「はー、こりゃまた難しい質問だな。うーん、1つだけ言えるのは戦うよ。
逃げるのは嫌だし、逃げてても解決しないし」
市井さんは人差し指を前に出して言った。

83 名前:紗耶香の悩み相談室−梨華編 投稿日:2002年11月10日(日)20時10分03秒
「それに・・・」
市井さんの話は続く。
「こーいう事が無い様に【退魔師】がいる。石川さん、あんまり悩むなよ」
市井さんの優しさが私の心に入り込む・・・
もしかしたら市井さんは石川の全てを知ってるのかもしれない」
「ッ・・クウ・・ウウウ・・・」
私の目から涙が溢れてくる。
そして、何かスッキリした感じがする。
「もう少しで午後のPV撮りが始まるから、それまで泣きやんでよ」
「ハ、ハイ・・」
「こちらも1つ聞いて良い?」
「石川さんの好きな人って保田さんだろ?」
紗耶香さんから保田さんの名前が出て来たので驚いて涙が止まってしまった。
「ヤッパリ」
「な、なんで解ったんですか!?」
「さーて、何でですかねー?」
紗耶香さんは微笑んで言った。
84 名前:悩み、考える・・・ 投稿日:2002年11月10日(日)20時36分45秒
後藤真希視点

【セクシー8】の後半のPV撮りは普段着の衣装での収録。
でも、雨の設定という事なので、全員濡れる状態になるって聞いた。
風邪引いちゃうかも・・・
わたしはため息を付きながらスタジオに入った。
空いている椅子に座ってボンヤリと考えていた。
PV収録中なのに考えている事はただ一つ・・・
市井ちゃんの事ばかり・・・
あの時【同一人物】ってわたしが言った後の市井ちゃんのに切ない顔。
そして市井ちゃんが言ってた【人間じゃない】ってのはどういう意味なんだろう?
考えてもわたしには解らない・・・
グル・・・
「ひゃあ!?」
足にふわっとした感触があったので声を上げてしまった。
「何だ〜白かぁ〜」
わたしは足元でじゃれていた白を抱き上げ膝の上に乗せた。
わたしの膝の上は気持ち良かったみたいで、白は直ぐに寝てしまった。
「白は【退魔師の市井ちゃん】を知ってるんだよね・・・
ココにいる市井ちゃんと後藤の知ってる市井ちゃんは同じ人かなぁ?
白・・・教えてよぉ・・」
わたしの問いかけに白は気持ち良さそうに喉を鳴らしてるだけ。
「後藤さんどうしたん?元気ないよ?」
「別に・・・」
市井ちゃんが話しかけてくれたのに、素っ気無い態度をとってしまう自分が嫌になる。
でも、そんな態度をとったわたしを何も言わないで側にいてくれる市井ちゃん・・・
85 名前:悩み、考える・・・ 投稿日:2002年11月10日(日)21時00分09秒
「後藤さんのその衣装、後半のPVの衣装でしょ?」
「そうだよ」
「似合ってるよ」
「!?」
市井ちゃんの何気ない一言にわたしの顔が赤くなる。
わたしは市井ちゃんに気付かれない様に下を向いた。
下を向いた時にわたしは包帯をしていない右手に気付いた。
「包帯取れたんだ」
「手を貫通したわりには骨に当たってなかったし、
傷も塞がったし、包帯取っても大丈夫と思ったんだ」
右手をニギニギして見せた。
「瞼に貼ってあるテープは剥がれないけど」
「腫れは無くなったね」
「血を出す程度で傷つけるはずか、思いっきり切っちゃって治りが遅くってさー」
「市井ちゃんのドジ」
わたしは笑って言った。
「少しは元気でた?」
市井ちゃんは優しい顔で聞いてくれた。
「・・んと・・・少しだけ・・」
「そっか」
「そろそろ始まるよー」
梨華ちゃんがわたしを呼びに来た。
86 名前:悩み、考える・・・ 投稿日:2002年11月10日(日)21時09分32秒
梨華ちゃんに言われ、わたしは椅子から立ち上がろうとした。
が、白が膝の上で寝ていたので動けなかった。
「市井ちゃーん・・」
わたしは白を指して言った。
市井ちゃんは笑いながら寝ていた白を抱き上げた。
白は気持ち良さそうに寝ていたる
「あと少しだから頑張れよ」
「うん」
わたしは梨華ちゃんと一緒にステージに上がった。
87 名前:PV収録見学 投稿日:2002年11月10日(日)21時21分23秒
途中で圭ちゃんが来ていた。【おどる!!】の撮りが終わったのかな?
わたしの出番はほぼ終わっていたので、圭ちゃんの側まで近づいた。
「圭ちゃんが見学に来るなんて珍しい」
「【おどる!!】と【ハッピー7】の撮りが終わったんで、暇だから見学に来た」
「ふうんーーーねっどう?【セクシー8】は」
「風邪引きそう」
「やっぱり?」
わたしはクスっと笑った。
「ほら、出番じゃないの?」
スタッフさんがわたしを手招きで呼んでいた。
「行ってきます・・・」
わたしは再び撮影に戻った。
88 名前:和尚 投稿日:2002年11月10日(日)21時27分26秒
更新しました。

レスです
77>きいろ様
これから更に展開があります(その予定)ので
楽しみにして下さい。

89 名前:和尚 投稿日:2002年11月11日(月)00時07分16秒
訂正です。
【おどる!!】ではなく【おどる11】でお願いします。
申し訳ありませんでした。
90 名前:再び事件発生!! 投稿日:2002年11月11日(月)20時23分24秒
全体視点

「OKでーす!【セクシー8】PV収録終了でーす!お疲れ様でしたー!!」
「「「「「「「「お疲れ様でしたー」」」」」」」」
無事収録が終了して収録に携わった人達が安心している。
だが、その安心も直ぐに終わってしまった。
スタッフの1人が舞台上で叫び声を上げた。
「な、なんだぁ!!この空間歪んでるぞ!!」
紗耶香は歪んだ空間をキッと見据える。
「皆、ココから出て行って!」
紗耶香はスタジオにいる人達に向かって怒鳴った。
その声でスタッフ、メンバー達が慌てて出ようとする。
「慌てないで!落ち着いて下さい!」
紗耶香は冷静にスタッフ、メンバー達を誘導した。
誘導した後、スタジオの空気が変化する。
耳を澄ますと他のスタジオからも悲鳴が聞こえていた。
(今度は同時攻撃かよ・・・他のトコはあいつ等がいるから大丈夫だろう。
それにここの結界は二重にしたから少しは時間が稼げるハズ)
紗耶香は思いながらスタジオの入り口を見たとたん驚いてしまった。
非難したと思ったら圭、真里、梨華、ひとみが残っていたからだった。

91 名前:再び事件発生!! 投稿日:2002年11月11日(月)20時43分34秒
「何で残ってんの!?」
「矢口とごっつあんが怪我して動けなかったんだ!」
圭の返事に紗耶香は駆け寄った。
見ると真里、真希は強く足を捻ったのか蹲っていた。
「大丈夫か!」
「ゴメンネ・・・矢口達ドジった」
「ごめんなさい・・・」
「よくまぁ、二人揃って捻挫するとは」
突然、紗耶香の顔が嶮しくなった。
「吉澤さん!矢口さん連れて入り口のトコへ!保田さんと石川さんも一緒に!!
後藤さんは市井が連れて行くから!!」
言い終らないうちに紗耶香は真希を抱き上げた。
いわゆるお姫様抱っこである。
「足に響くかもしれないけど我慢して」
「う、うん」
真希は心なしか顔が赤い。紗耶香は入り口まで走って行った。
圭、梨華も後に続いた。
それを見ていたひとみも紗耶香に習う。
「矢口さん、失礼します!!」
「よ、よっすぃー!?」
「吉澤!早く来い!!」
真里を抱き上げて離れようとしたその時、空間が歪み始めた。
ひとみは漸く紗耶香の所へ辿り着いた。
92 名前:再び事件発生!! 投稿日:2002年11月11日(月)21時03分35秒
「白!白!!」
紗耶香が呼ぶと目の前に白がやって来た。
「結界張って!!」
「がアアアアア!」
白は咆哮をあげ、ドーム状の結界を張った。
「ちょっと足見せて」
紗耶香に痛めた足を見せる真里と真希。
(少し貼れてるな・・)
紗耶香は左手を握り締めた。
直ぐに左手がボヤーと光り始めると真里の痛めた足にかざす。
「どう?」
「痛くなくなって来た」
「よっし、次は後藤さん」
今度は真希の痛めた足の上に手をかざした。
「痛くない?」
「うん、ありがと市井ちゃん」
真希は立ち上がった姿を紗耶香に見せた。
「市井は行くから、ココを動かないでよ」
「市井ちゃん・・・」
「大丈夫だから泣きそうな顔すんな!」
紗耶香は笑って言った。
「早く終わるから、ちょっと待ってて!」
紗耶香は圭達に明るく言うと結界の外へ出た。
93 名前:敵は1人 投稿日:2002年11月11日(月)21時15分38秒
スタジオ全体に魔氣が立ち込めている。
紗耶香が歪んでいる空間を睨んだ。
歪みが大きくなりその中から身長2mの筋肉質の男が現れた。
男の手には身長と同じぐらいの大刀と鎧を着けていた。
鎧を身に着けている事で男は戦いに長けているのが分かった。
男は紗耶香を見つけると不気味な笑顔を浮かべる。
『俺の名は安禄山、貴様と戦う為にここに来た』
94 名前:和尚 投稿日:2002年11月11日(月)21時31分39秒
設定

安禄山−営州の生まれ。この時代では珍しい混血児。そのせいか体格が良い。
    人の気持ちを推し量るのに優れ、異民族との貿易の仲買や通訳をしていたらしい。
    宮中へ参内し、次々と権力を手中に収め、後に楊貴妃と養子縁組となる。

一説では、強い軍人だったので、ここでは軍人、残忍で強情、戦い好きでいきます。 
95 名前:安禄山の実力 投稿日:2002年11月11日(月)22時01分18秒
「今度は同時攻撃かよ。妖鬼妃は卑怯者かぁ?」
『義母上を侮辱するな!』
安禄山は大刀を振り下ろした。
紗耶香は安禄山の攻撃をかるがるとかわした。
ピッ・・・
紗耶香の服が大刀によって切られていた。
服が切られたと言う事は大刀の振り下ろすスピードが速いという事・・・
「へーなかなかやるじゃん。
だけど、アンタはデカイ武器を持ってて、市井は武器無しってのは卑怯じゃないの?」
『そんなのは俺の知ったことではない!
貴様は義母上を侮辱した!その行ないは万死に値する!!』
「侮辱って・・・卑怯者を卑怯者と言ってどこが悪い!!
アンタの大事な義母上の所為で、この人達が辛い目にあってるのが解らないのか!」
『義母上の命令は絶対だ!それに俺は義母上の為なら何でもする!!』
「義母上、義母上って・・・アンタはマザコンかぁ!!」
紗耶香は安禄山に攻撃を仕掛けた。
だが、安禄山は武器を使用している為、上手く間合いがつめられない。
(ただ振り回しているだけなのに、間合いがつめられない!!)
『がっははは!どうした、どうした!!高力士を倒したのは偶然か?
弱い・・弱いぞ!!』
安禄山は豪快に笑いながら攻撃を続けた。
「うるさいよ!!」
紗耶香は一瞬の隙をついて拳を安禄山の腹に叩き込んだ!


96 名前:安禄山の実力 投稿日:2002年11月11日(月)22時21分34秒
ドコォォォン!!
しかし、紗耶香の攻撃は安禄山の身体を浮かせただけだった。
『効かねぇなぁ・・・だが、俺に攻撃をしただけでもたいしたものだっ!』
安禄山は紗耶香に向けて大刀を振り下ろした。
安禄山の間合いに入っていた紗耶香はよける事ができない!
ガッシィィィィ!!
『ふむ・・・そうでなきゃな』
「グッウウウ・・・」
紗耶香は白刃取りで安禄山の大刀を受け止めた。
しかし、安禄山は紗耶香が次の行動を解っていたのか不気味に笑っている。
『だけど、この攻撃はどうだ?』
安禄山は大刀を離し、紗耶香に向かって体当たりをした。
体当たりといってもアメフトやラグビーでする【ショルダータックル】を安禄山が紗耶香にしたので、
小柄な紗耶香は砲弾を受けた様に身体が弾き飛ばされた!
そして、弾き飛ばされた紗耶香はPVで使用したセットに突っ込んだ!
崩れたセットの中から紗耶香の手が見える・・・
「・・・・市井ちゃん・・・?」
真希は崩れたセットから動かない紗耶香の手を呆然と見ていた。
97 名前:和尚 投稿日:2002年11月11日(月)22時23分59秒
更新終了
98 名前:だけど・・・ 投稿日:2002年11月12日(火)19時50分13秒
『グワッハハハ!近衛兵20人と高力士を倒したから、どんなヤツだと思ったら口ほどにも無い
やはり偶然だったか!!』
安禄山は紗耶香に向かって怒鳴った。
ガタン!!
紗耶香の手が動き、瓦礫から紗耶香が飛び出した。
「市井ちゃん!」
「「紗耶香さん!!」」
「「市井さん!!」」
圭、真里、真希、梨華、ひとみは紗耶香の名を呼んだ。
「ありゃ、何泣きそうな顔してんの?
いやぁ・・瞼にテープ貼ったままだと攻撃が見えなくて参ったよ。
どーりで攻撃が見えないと思った」
紗耶香はテープを剥がしながら明るい声で言った。
『あんなに弾き飛んだはずなのに俺の攻撃が効かないのか』
「少しは効いたさ・・・アンタが体当たりする直前に市井は自分からジャンプしてダメージを半減させたんで、
大きなダメージは無い。普通の人だったら死んじまうけど」
首をコキコキ鳴らし、軽くフットワークをする紗耶香。
「テープも剥がしたし、もう一度始めようか?」
『何度やっても俺の勝ちに決まっている!!』
「そうか・・・よっ!!」
紗耶香はもう一度安禄山に攻撃を仕掛けた。
安禄山は向かってくる紗耶香に大刀を下ろす!!・・・が、紗耶香の動きが先程のより早いので大刀は空を切った。
99 名前:反撃! 投稿日:2002年11月12日(火)20時17分04秒
『何!?』
紗耶香は安禄山の目の前に姿を現した。
「なーんだ、たいした事ないじゃん」
紗耶香は不敵に笑った。
安禄山は紗耶香にバカにされたのか、怒りで顔が真っ赤になった。
『俺をバカにしたなぁ!!』
安禄山は振り下ろした大刀の持つ手を逆にして下から紗耶香を斬った。
しかし、紗耶香は余裕でかわし、そこから今まで以上の早い動きで安禄山に再び近づく。
紗耶香は攻撃する直前に深く呼吸をし、腕を螺旋状に伸ばしながら掌底突きを叩き込んだ。
ドカァァァァァン!!
『グハァァァァ!!』
「どうだい市井の攻撃は?」
『何故こんな攻撃が効くんだ!』
「アンタはその体格からして打たれ強いと思って、内側からの攻撃に切り替えた」
『内側・・の攻・・・撃?』
「そう唯の攻撃じゃない、市井の氣と一緒にアンタに叩き込んだ。
市井の氣はアンタ達魔物にとっちゃ厄介なシロモノだろ?」
『まだ・・まだだ!!』
安禄山は痛みに耐えながら攻撃を続ける。
だが、スピードが遅いので紗耶香は楽々と攻撃をかわしていく。
トン・・・
紗耶香は大刀の上に乗った。
『そんなバカな!?』
「アンタ・・・浄化と消滅どれがいい?」
100 名前:反撃! 投稿日:2002年11月12日(火)20時35分53秒
紗耶香の冷淡な顔を見て安禄山は後ずさりしてしまった。
それだけ紗耶香の氣に圧倒されてしまったのだろう・・・
この時点で、紗耶香の強さは安禄山を上回っていた。
『俺は・・・俺は義母上の為に負けるわけにはいかん!!』
「わかった・・・」
紗耶香は大刀から降りるともう一度呼吸をする・・・
今度は両手で安禄山に掌底突きを叩き込む!!
ドオオオオオン!!
『グオオオーーーー!!』
「【双闘龍激掌】・・・アンタの身体にある陰の氣と市井の陽の氣が混ざり合い・・・消滅する」
安禄山の身体が粒子状になり消えていく。
『義母上・・申し訳・・あり・・ません』
安禄山は完全に消えてしまった。
「最後の最後まで義母上か・・・中国史の教科書に書き加えとくか【マザコン】だったって」
紗耶香は苦笑した。
そして、紗耶香は目閉じて魔物の気配を探ってみる。
(気配無がない・・・という事は終わったか・・・)
紗耶香はゆっくりと深呼吸をした。
101 名前:紗耶香の決意! 投稿日:2002年11月12日(火)21時05分33秒
頭をかきながら壊れたセットを見た。
「うわっ、派手にぶっ壊したなぁ・・・直さないとダメだ」
「市井ちゃーーん!」
「「紗耶香さん!」」
「「市井さーん!」」
真希、圭、真里、梨華、ひとみが紗耶香のもとへ駆け寄る。
白が無断で結界を外したので紗耶香は驚いた。
「白!市井に断りもなく結界を外すな!!」
紗耶香が白に怒鳴った直後、真希が紗耶香の胸に飛び込んだ。
「市井ちゃん身体大丈夫?痛くない?後藤、市井ちゃんが死んぢゃったと思ったよぉぉ!」
真希抱きしめながら泣いている。
そんな真希を紗耶香は優しく抱きしめた。
「泣くなよ・・・市井は大丈夫だから・・・」
「市井ちゃん、市井ちゃん・・・」
圭、真里、梨華、ひとみは二人の様子を微笑みながら見ている。
紗耶香は真希の両肩を掴んで真希の目をジッと見つめた。
「あのさ、前に後藤さん言ってたじゃん?
【娘。にいた市井紗耶香】とここにいる市井は同じ人だって」
「うん」
「真実を知ったら後藤さんは辛いかもしれない・・・それでもいいなら話してあげるよ」
「うん」
「それじゃ言うよ・・・市井は・・・」
紗耶香は真実を話そうとした時、突然真希を突き飛ばした。
「キャーーーーー!!」
梨華の悲鳴がスタジオ全体に響いた。
102 名前:妖鬼妃登場! 投稿日:2002年11月12日(火)21時29分44秒
真希は慌てて起き上がった。
真希の視界に入って来たものは・・・脇腹を真っ赤に染まった紗耶香だった。
「いち・・・い・・ちゃん!?」
「ごと・・怪我・・・ないか?」
紗耶香は笑顔で真希に聞いた。
「市井ちゃーーーん!!!」
真希は大声で泣き叫ぶ。
圭は急いで紗耶香の側に行き、止血を始めようとした。
「いち・・はだい・・じょ・・・だ・・から・・はく・・のトコ・・へ」
その時、再び空間が歪み始めた。
歪んだ空間から古代中国の衣装を着た貴婦人が現れた。
紗耶香は戦おうとするが、傷の所為で倒れてしまった。
『オホホホ!貴様の隙が出来る瞬間を狙っていた』
「きさ・・まが・・妖・・鬼妃・・か?」
『そうじゃ!よくもわたしの息子・・・安禄山を殺したね!!』
「なに・・が・・むす・・こだよ・・ぎり・・なのに」
『うるさい!貴様はこれで死ぬのじゃ!娘達は連れて行くぞ!』
「「そうはさせん!!」」
朱と青が妖鬼妃の前に現れた。
『雑魚は下がれ!!』
妖鬼妃は持っていた扇子を横に振った。
軽く扇子を振っただけなのに、その風がかまいたちとなって朱と青に襲いかかる!!
「フンッ!!」
青は手をかざして妖鬼妃の攻撃を防いだ。
その隙に朱は傷の手当てを始めた。
「市井ちゃんしっかりして!!」
真希は泣きながら紗耶香を呼び続けた。

妖鬼妃
103 名前:絶体絶命・・・ 投稿日:2002年11月12日(火)22時01分47秒
『私を倒せると思っているのか!!』
妖鬼妃は2つ同時にかまいたちを飛ばし、青、朱そして、白に襲い掛かった!!
「「ウワァァァ!!」」
青、朱、白は妖鬼妃の攻撃に吹飛ばされてしまった。
残っているのは圭、真里、真希、梨華、ひとみのみであった。
「よくも市井ちゃんを・・・許さない・・絶対に許さない!!」
真希は妖鬼妃を睨みつけた。
「ホホホホ!威勢の良い娘だこと。早速、連れて行こうぞ!!」
妖鬼妃の合図で黒い手が現れ、圭達を連れて行こうとする。
黒い手が真里に襲いかかる!
「矢口さん危ない!!」
真里を突き飛ばしたひとみ。ひとみは真里の代わりに黒い手に捕まってしまった。
「よっすぃー!」
「よしざわぁ!」
そして、圭の背後から黒い手が忍び寄る!
「保田さん!!」
同じく梨華も圭を突き飛ばし、圭の代わりに捕まってしまった。
「きゃーー!!」
「いしかわぁ!!」
「イヤァァァァァ!!!」
真希も捕まってしまったのだった。
「悲鳴は心地良いのう・・事は済んだ」
妖鬼妃は空間を歪めてこの場から立ち去ろうとした。
「そせるかよ!!」
紗耶香が力を振り絞り妖鬼妃に飛び掛った。
『死にぞこないが!!』
妖鬼妃は扇子で攻撃を防いだ。
「ぐはぁ・・」
紗耶香は再び倒れてしまった。
「市井ちゃん!市井ちゃん!!」
(ちきしょう・・・助けられなかった・・・)
紗耶香は真希の悲痛な声を聞きながら意識を失った。
104 名前:和尚 投稿日:2002年11月12日(火)22時04分28秒
更新終了。

訂正
102のラストの妖鬼妃の文字は削除です。
何故か打ってしまいました(苦笑)
105 名前:きいろ 投稿日:2002年11月13日(水)14時07分42秒

くそぉ・・せっかく市井の正体がわかると思ったのに・・・
なんだか、またもや急展開ですね。
つぎの更新も楽しみにしています!
106 名前:真相 投稿日:2002年11月17日(日)17時26分11秒
矢口真里視点

「申し訳ありません」
あたし達は紗耶香さんの家にいた。
朱さんは自分達の所為で3人が連れ去られた事を謝っていた。
白は頭を垂れたままジッとしていた。
紗耶香さんは妖鬼妃にやられた傷が深い為、奥の部屋で応急処置をされていた。
病院に行った方が良いと思うけど、行けない理由があると言っていた。
あたしがあそこでコケなきゃ・・ちゃんと逃げていたらよっすぃー達がさらわれなかったのに・・・
それだけが頭の中で呪文の様に繰り返していた・・・
「圭ちゃん、矢口・・・大丈夫?」
圭織があたしと圭ちゃんを心配している。
圭ちゃんもあたしと同じで圭ちゃんを庇って石川をさらわれたからあたしと同じ状態になっている。
けいちゃんがこんなに落ち込んでいるの始めて見た。
「朱さんは真相を知ってるんでしょ?」
「・・・・・」
「答えてよ!!」
口を閉ざして話そうとしない朱さんをあたしは怒鳴った。
「それは・・・」
「市井が話すよ」
「紗耶香様!?安静にしなくては!!」
紗耶香さんがガウン姿で奥の部屋から出て来た。
顔色は悪く、歩くのも辛そうに見える。
「こちらの不手際でこの様になったんだから、そんな事言ってらんないよなぁ・・・はくぅ?」
紗耶香さんが怖かったのか、白はガタガタと身体を震え始めた。
107 名前:真相 投稿日:2002年11月17日(日)17時40分53秒
今回の事件は二つの原因が考えられた。建物の原因か、人が原因で起こっているのかと。
建物に結界を張ったのに事件が起きた・・という事は人が原因であると考えられた。
魔物は人の魂を好む。
だけど、ただの魂ではなく、苦しみ、悲しみ、憎悪、嫉妬が含まれている魂が極上とされているんだ。
何故ならその魂を食べた者は永遠の強さと美を得られるという。
大概の魔物は強さを求めて人間を襲うけど、妖鬼妃は違っていた。
【楊貴妃】は歴史上の人物で世界3代美女と言われているのは知ってる?
実際に楊貴妃は美女だったけど、次第に自分が歳を取る事に耐えられなくなってきた。
そして、楊貴妃は自分の美を永遠に保ちたい為、夫であった玄宗皇帝に隠れて女性の魂を食べたんだ。
楊貴妃は妖鬼妃になっていった。
108 名前:真相 投稿日:2002年11月17日(日)17時56分59秒
そんで、調べてみた所、石川さんの魂は妖鬼妃にとって普通の魂以上の価値があるらしく、幼い頃から彼女は妖鬼妃に狙われていた。
その度に他の退魔師が石川さんを守って戦っていた。
勿論、命を落としてしまう退魔師もいた・・・
ある退魔師が石川さんが普通の生活が出来る様【術】をかけ、普通の生活が出来る様になったけど、
術をかけた退魔師が死亡し術がとけてしまい、石川さんは再び妖鬼妃に狙われる日々が始まった。
彼女は大好きなメンバーに迷惑をかけたくないと思ったんだろうな・・・
自分の所為で大好きな人に怪我をさせたくないと思って、メンバーと一緒にいないようにしようと思ったみたい。
圭ちゃんは紗耶香さんの言葉を聞いて俯いていた。
109 名前:真相 投稿日:2002年11月17日(日)18時33分33秒
「よっすぃーは!よっすぃーは何で!!」
「吉澤さんは恋で悩んでいた。
告白して今の関係が壊れたらどうしようと思い悩み、そこを妖鬼妃に狙われた。
妖鬼妃は吉澤さんの夢の中に入り込んで苦しみ、嫉妬を魂に含ませていって食べようとしたんだ
彼女の精神力は凄いよ・・・普通だったら気が狂ってしまうほど辛いハズなのに
平然としているから・・・」
「よっすぃー!よっすいー!!」
あたしは大声を上げて泣いた。よっすぃーの優しさが心に入って切なかったから・・・
110 名前:真相 投稿日:2002年11月17日(日)19時07分50秒
「そして、後藤さんは【娘。にいた市井紗耶香】が生死不明になった時の悲しみ、
彼女に似ている市井が後藤さんの前に現れ、もしかしたら同じ人ではないか?の悩み、
妖鬼妃によって市井が目の前で傷つけられた怒り・・・憎悪。
その憎悪が妖鬼妃は気に入ったらしい」
「あのコ達を助け出す事は出来ないの!!」
泣き顔のまま圭ちゃんが紗耶香さんに聞いた。
「恐らく、妖鬼妃が3人を連れ去った場所はこの世界と別の次元。
普通の退魔師では行く事が出来ない」
圭ちゃんの身体がガクリと落ちる。
そして、あたしの視界は真っ暗になっていく・・・
よっすぃーにもう会えないの?そんなのイヤだよぉ・・・
「普通の退魔師では助け出す前に、二人のいるトコへ行く事が出来ない」
何度も言わなくていいじゃんか!余計に悲しくなる!!
・・・ん?普通の退魔師では出来ないって・・・なら!!
あたしは紗耶香さんの顔を見た。
「市井達は行く事が出来るよ」
「「本当!?」」
あたしと圭ちゃんは同時に叫んだ。
111 名前:召喚!! 投稿日:2002年11月17日(日)19時42分38秒
保田圭視点

朱さん達は20畳あろうかと思う何も無い部屋にメンバー達を入れた。
紗耶香さんが着替えて来るまで暫くお待ち下さいとの事。
あたしは壁際に立った。
思い描くのは石川の事ばかり・・・
大丈夫なのか?無事でいるのか?・・・とそればかり考えていた。
「お待たせ」
紗耶香さんは袖を捲った白いTシャツとカーゴパンツ姿で入って来た。
ちなみに靴はスニーカーだった。
「ここで、3人がいる次元の扉を開く。
それについてお願いしたい事があるんだ。3人が無事で帰って来るように祈っててほしい。
人の想いってのは限りなく強くてさ、想いが強ければ強いほど帰ってくる確率が高くなる。
【神頼み】ってわけじゃないけどさ・・・じゃあ朱、青、玄、白・・やるぞ」
「ちょっと、待って!」
「保田さん何?」
「あたしも連れて行ってくれない?」
「それはどうして?もしかしたら帰って来られないかもしれないんだよ」
紗耶香さんは真剣な顔してあたしに言った。
「あたしは石川に言いたい事がある。直に言わないと絶対に後悔するかもしれないから」
「矢口も連れて行って!矢口もよっすぃーに言わなきゃいけない事があるの!お願い連れって!」
紗耶香さんはあたしと矢口を見るとため息を付いた。
112 名前:召喚!! 投稿日:2002年11月17日(日)20時38分29秒
「解った・・・・」
「「ありがとう!!」」
「ダメって言っても聞かないだろうし・・・2人とも頑固だし」
「だしって、何で決め付けるの!?」
「まーまー、それは置いといて・・・・白!!」
紗耶香さんは白に向かって指を鳴らした。
白はグングンと大きくなり、大人の虎と変わらぬ大きさになった。
「驚いたでしょ?白は普通の虎じゃないんだよ」
紗耶香さんは笑って言った。
そして紗耶香さんから時計回りで、青さん、玄さん、白、朱さんが円状に立っていた。
「始めるよ」
紗耶香さんが神聖な顔となって呪文を唱え始めた。

火、水、風、土四つの種より出てたる
脚光よ鎖の糸となれ
生きづる者に必要な四つの柱よ
そこに手繰らん

青さんは【龍】の形した青いもや、玄さんは【亀】の形した茶色いもや、
白は【虎】の形した白いもや、朱さんは【鳥】の形をした赤いもやが出てきた。
紗耶香さんの呪文はまだ続いていた。

瞬きの間 かの地へ開く門よ
姿を現せ!!

朱さん達から出た四つのもやが集合し、一つとなって大きな光になった。
その光が床に吸い込まれて大きな門が出現した。
「白の背に乗って」
紗耶香さんがいうと白は前かがみになった。
紗耶香さんに言われ、あたしと矢口は恐々と白の背中に乗った。
「しっかり、白に掴まっててよ」
紗耶香さん達は開いた門に飛び込んだ。
あたし達を乗せた白も紗耶香さんに続いて門の中に入った。
「待ってて、石川・・・アンタに話したい事があるんだから」
113 名前:和尚 投稿日:2002年11月17日(日)20時42分35秒
更新終了

レスです
105>きいろさま
はい、市井さんの正体、物凄く引っ張っています。
あと少ししたら市井さんが話してくれるはずです(?)
暫しお待ちを。
114 名前:美の執着 投稿日:2002年11月19日(火)00時43分50秒
後藤真希視点

「・・・・ごっちん・・ごっちん!」
「・・んあ・・?」
「ごっちん大丈夫?」
「梨華ちゃん・・よしこ・・なんてカッコしてんの・・?」
2人のカッコは着物一枚だけだった。
なんか江戸時代で悪い人が牢屋にいる時の着物みたいだった。
「ごっちんだってウチラと同じカッコだよ」
よしこに言われ、慌てて自分のカッコを確認する。
「ゲッ!下着も着けてないし、裸足だ!!・・・って、ここドコ?」
わたしは辺りを見回した。
周りは壁に囲まれていて、広い庭の中にポツンとわたしとよしこと梨華ちゃんがいる。
『ここはわたしの世界・・・』
わたし達の背後から憎い声が聞こえた。
「妖鬼妃!!」
わたしは憎しみを込めて妖鬼妃の名前を呼んだ。
『そなた達は私の【美】の為に糧となってもらう』
「糧?糧って何だよ!」
よしこが妖鬼妃に向かって怒鳴っている時、梨華ちゃんが話し始めた。
「妖鬼妃は自分の美しさを保つ為、多くの女性を殺して魂を食べていたの。
ただの魂ではなく苦しみ、悲しみ、嫉妬、憎悪を含んだ魂を好まれるの。
その魂を食べた者は永遠の美と強さを与えられるって」
「梨華ちゃん・・・なんで知ってんの?」
よしこは梨華ちゃんに聞いた。
「私・・・小さい頃から妖鬼妃に狙われていたの」
わたしとよしこは驚きを隠せなかった。
梨華ちゃんにこんな時があったなんて・・・
115 名前:美の執着 投稿日:2002年11月19日(火)01時14分21秒
『そなたの魂は他の者と違って極上なのでな・・
いつもあと少しで私の物になるはずだったのに、その度に邪魔をする退魔師。
一度そなたは封印され、所在が分からなくなったが・・・封印が解け、所在が分かった時私は歓喜したわ!
そなたと同等の魂が持った者が3人もいたからな!」
「それが後藤達なの?」
『そうじゃ、始めからそなた達を更に私好みの魂にする為に周りの者達をジワジワいたぶり始めた。
そなたらが追い詰められていくのは見ていて楽しかった。
それなのにあの退魔師が来てからそなたらは生気を取り戻していった・・
でもまあよい、あの退魔師が傷ついて倒れた時のそなたの顔、見てて恍惚したわ!
あの傷では助かるはずもないからのう・・・
やっと・・やっと私の物になるかと思うと・・・』
あの傷・・・市井ちゃんの事を言ってるんだ。
この女の所為で市井ちゃんが・・・市井ちゃんが!!
『そなた達のお蔭で私はまた美しくなる!ホッホホホホー!!』
妖鬼妃は高らかに笑っている。
何なのこの女・・自分の為にこんな事してバカじゃないの!
「アンタ、バカじゃないの?こんな事して綺麗になれるわけないじゃん!」
あまりにも自分勝手な妖鬼妃にわたしはキレてしまった。

116 名前:説教、ピンチ、登場!! 投稿日:2002年11月19日(火)01時36分32秒
「美しさってのは見かけだけじゃなく、中身も綺麗にならなきゃダメなんだよ!
そんな自分の我が儘で、梨華ちゃんをずっと狙っていたなんて【バカ】しか言えない!!」
「そうだ!ごっちんの言うとおりだ!!永遠の美と強さ?そんなの本物じゃない!」
「ごっちん・・よっすいー・・・」
梨華ちゃんは目に涙を浮かべていた。
「その上、市井ちゃんをあんな目に・・・絶対許せない!!」
わたしは妖鬼妃に向かって叫んだ。
『高貴な私に暴言をいうとは無礼な者達じゃ!』
「無礼なのはそっちじゃん!人を殺して魂を食べる・・・
アンタに殺されて、残された人達の事考えた事あんの?」
『うるさい・・・黙れ、黙れ、黙れ!!』
妖鬼妃は右手を高く上げた。
がシャン!!
突然両手首に太い手錠がかけられ、わたし、梨華ちゃん、よしこは吊るされてしまった。

117 名前:説教、ピンチ、登場!! 投稿日:2002年11月19日(火)01時51分48秒
『そなた達と話すのは飽きたわ・・・高力士!高力士!!』
妖鬼妃の声が広い庭一帯に響き渡った。
『ハッ!』
高力士が地面から現れた。
『この者達を殺しておくれ!殺した後はいつも通りに魂を私の前に持ってくるのじゃ!!』
『畏まりました』
高力士は答えるとわたしの前に立った。
妖鬼妃はわたしを見ると思い出した様に話し始めた。
『そういえば・・・何時だったか私が異国の地に赴いた時に、そなたが私に言った言葉と同じ事を聞いた事があった。
その者も極上の魂の持ち主であったので殺したのだが、私を追っていた退魔師に邪魔されてしまい魂まで奪う事は出来なかった・・・
今思い出しても口惜しい・・・
まあよい、ここでは助けを呼ぼうにも普通の人間では来る事さえ出来ない・・・
高力士、その者達を殺せ!!』

誰が来られないって?

「市井ちゃん!?」
わたしの耳に市井ちゃんの声が聞こえた。
118 名前:説教、ピンチ、登場!! 投稿日:2002年11月19日(火)02時05分32秒
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
地響きと共に地面から門が出てきた。
そして門の扉から市井ちゃん、朱さん、玄さん、青さん・・・白より大きい虎が、
圭ちゃんとやぐっつあんを乗せて現れた。
「市井ちゃん!!」
「保田さん!!」
「矢口さん!!」
わたしは、市井ちゃんを、梨華ちゃんは圭ちゃん、よしこはやぐっつあんの名前を呼んだ。
「市井ちゃん!死んじゃったかと思ったよぉー!!」
「オイオイ、勝手に人を殺すなよ!って言っても、市井は妖鬼妃に殺された事あるんだよ」
「それってどういう事!?」
「ちゃんと話すから、ちと待ってな。朱、青、玄!!」
「「「ハッ!!」」」
妖鬼妃によって吊るされていたハズのわたし達は一瞬の内に市井ちゃん、圭ちゃん、やぐっつあんの前にいた。
「おーい大丈夫か?」
ボーゼンとしていたわたしに市井ちゃんはヒラヒラと手を振った。
「市井ちゃん!!」
わたしは市井ちゃんに会えた事が嬉しくて抱きついた。
だって、二度と会えないと思ってたから・・・・・
119 名前:和尚 投稿日:2002年11月19日(火)02時10分50秒
更新終了。

尚、116〜118は続きで後藤真希視点です。
120 名前:圭の告白 投稿日:2002年11月24日(日)20時02分49秒
石川梨華視点

「石川大丈夫だった?」
保田さんは私の肩に手を置いて優しい声で話し掛けてくれた。
私は嬉しさのあまり何も言えなかった。
だって、保田さんが来てくれたから・・・
「石川は小さい頃から妖鬼妃に狙われ続けてたんだって・・・
今回の事件も石川が狙われていたなんて・・・なんでその事を教えてくれなかったの?」
保田さんに聞かれた私は答えにつまってしまう。
「それは皆に・・・保田さんに迷惑かけたくなかったから・・・」
「石川は優しいな・・・でも誰が迷惑なんて言ったの?
周りが迷惑と思ってても、あたしは絶対迷惑なんて思っていないよ。
それに知ってたよ・・・石川がずっと見ていた事を・・・」
「保田さん・・・」
「それと、さっきは助けてくれてありがとう・・・でも、もう助けないでいいから・・・」
「・・・どうしてですか?」
私は保田さんの言葉に悲しくて泣きそうになってしまった。
だけど、反対に保田さんは顔を赤くしながらハッキリと言った。
「これからは石川を助けたいと思っているから・・・
だから石川はあたしを頼って欲しい・・・ずっと側にいてほしい・・・」
「保田さん・・!?」
「好きだよ」
保田さんの言葉に私は嬉しくて涙が止まらなかった。
121 名前:真里の告白 投稿日:2002年11月24日(日)20時27分38秒
吉澤ひとみ視点

「ゴメンネ、よっすぃー・・・
矢口がドジったから、よっすぃー達がこんな目に・・・」
「吉澤は大丈夫ですから・・・
矢口さん泣かないで下さい・・・あなたが泣くと吉澤まで悲しくなります・・・
お願いですから泣かないで下さい・・・」
あたしにしがみ付いて泣いている矢口さんを抱きしめていた。
「よっすぃー聞いたよ・・・よっすぃーが悩んでるなんて矢口知らなかったよ。
ゴメンネ、気付かなくて・・・よっすぃーの悩みは矢口が気が付かないといけなかったんだ」
「そんな事ないですよ。吉澤が矢口さんに言う勇気がなかったから」
「あのねよっすぃー、矢口はよっすぃーの教育係になった時嬉しかったんだ・・・
矢口も初めて人に教えるって事が嬉しかったんだと思った。
でも、違ってた・・・次第によっすぃーといる事が楽しくなっていって・・・
そして、心が嬉しくなっていった理由が何だろうと気付くのに時間はかからなかった・・」
「あの時よっすぃーが抱き上げた時、実は嬉しかった・・・」
「矢口さん・・・」
「その後よっすぃーが矢口を庇って目の前でさらわれた時、矢口はいっぱい泣いたよ・・・
その時やっと気付いたんだ・・・矢口はよっすぃーの事が大好きなんだって・・・・」
「矢口さん!!」
あたしは矢口さんの言葉が嬉しくて胸がいっぱいになってしまった。
122 名前:紗耶香の告白 投稿日:2002年11月24日(日)20時54分14秒
後藤真希視点

「後藤さん・・・」
市井ちゃんがわたしを抱きしめてくれる。
会えた事が嬉しくて思わず力を入れて抱きしめた。
「痛い・・」
「あっ・・・ゴメン」
わたしは抱きしめていた市井ちゃんから身体を離した。
「市井ちゃん、怪我大丈夫なの?」
わたしは泣きそうな顔しながら市井ちゃんに聞いた。
だけど、市井ちゃんは笑顔でわたしの顔をジッと見つめていた。
「何とか・・・でも、驚いちゃったよ、いくらずっと一緒居たからって、
市井と同じ事を妖鬼妃に言ってんだモノ。ずっと一緒だと似ちゃうのかなぁ?」
「ふぇ!?」
「後藤さん・・・いや後籐は市井に言ってたよね?
【娘。にいた市井】とここにいる市井は同じ人でしょって・・・
後藤の言うとおり、ここにいる市井紗耶香は後藤の知ってる市井紗耶香だよ」
「「「「!!!」」」」
市井ちゃんの告白にわたしを始め圭ちゃん達はビックリしている。
「い・・いち・・いちゃん・・それホントなの?」
「ホントだよ・・・ゴメンネ今まで辛い思いをさせてしまって・・・」
市井ちゃんはわたしの頭を優しく撫でてくれた。
「市井ちゃーーーーん!!」
わたしは大粒の涙を流しながら市井ちゃんの胸に飛び込んだ。
「市井ちゃん・・・市井ちゃん・・・」
市井ちゃんは泣いてるわたしを優しく抱きしめてくれてた。
123 名前:和尚 投稿日:2002年11月24日(日)20時56分24秒
更新終了。
市井さんだけ違う告白(苦笑)
124 名前:きいろ 投稿日:2002年11月24日(日)21時46分44秒

やっぱり!!(笑)
市井ちゃんは市井でしたね。
ずっと読んでいて、やっと喉に引っかかった何かが取れたような気がします・・・
自分の方の作品も、今月中にはなんとか更新したいと思っています。
今、色々な作者さんたちの小説を読ませていただいているのですが、みなさん本当に上手ですね。
きいろも和尚さんを含め、作者様達を見習って頑張りたいと思います!!
125 名前:異形の姿 投稿日:2002年11月27日(水)20時55分30秒
全体視点

『何故、唯の人間が私の世界に来られたのだ!』
妖鬼妃は物凄い形相で紗耶香を睨んでいる。
「私の世界・・・?こんな居心地の悪いアンタが作った世界なんて近くのコンビニに行くよか簡単!」
『簡単だと・・・』
「そう、簡単。自分の美しさの為に人間を殺し続けたバカな女が作った世界に行くのは簡単」
『バカだと・・・高貴な私に向かってバカだと!!』
「アンタさー、自分の事を高貴、高貴って言ってるけど、人を殺して魂を食らった時点で高貴じゃなくなってんだよ!
今のアンタは唯の魔物なんだよ!!」
『どこまで貴様は私を愚弄するのだ・・・
貴様らは生きて帰さぬ!特に貴様は身体を切り刻んでくれるわ!!』
妖鬼妃は紅蓮の炎を身体から出しながら殺意を込めて紗耶香に怒鳴った。
『高力士!そなたの力をもらうぞ!!』
妖鬼妃は高力士の胸を貫いた。
『グハァ!』
妖鬼妃に胸を衝かれた高力士は首をガクンと落ちた。
そして、高力士の身体が黒い粒子状となって、妖鬼妃の身体に入っていった。
妖鬼妃の身体が段々と変化していく・・・
顔は絶世の美女とは思えない犬の様な顔、
獣特有の鋭い爪、硬い体毛に覆われていて猿みたいな身体になった妖鬼妃・・・
大きさはゆうに五m位あるのではなかろうか・・・妖鬼妃の視線は完全に紗耶香達を見下ろしていた。
『グッハハハ!この姿を見た以上貴様らには死ぬ事しか残されていない!
覚悟するがいい!!』
地を這うような低い声が紗耶香達の耳に入ってくる。
126 名前:思い出される恐怖 投稿日:2002年11月27日(水)21時12分33秒
圭、真里、真希、梨華、ひとみは魔物の姿になった妖鬼妃に怯えていた。
特に梨華の怖がり方は尋常ではなかった。
それもそのはず、幼い時から妖鬼妃に狙われ続けていたのだから恐怖が蘇ってきたのだろう。
「キャアアアアアーーーー!!」
「石川!石川!!落ち着いて!!!」
梨華が取り乱し泣き叫んでいるのを圭は身体全体を使って梨華を抱きしめた。
圭は安心させる為に梨華の背中を撫でた。
「保田さん・・・」
「大丈夫だから・・・あたしが側にいるから・・・」
圭の言葉に梨華は少しずつ落ち着きを取り戻して行った。
127 名前:ひとみのモットー 投稿日:2002年11月27日(水)21時29分00秒
「矢口さん大丈夫ですか?」
ひとみは恐怖で震えていた真里の身体を抱きしめた。
「あっはは・・・よっすぃー、矢口達、皆のトコへ帰れるかなぁ」
「帰れますよ」
ひとみが素直に答えたので真里は慌てた。
「矢口さん、こーゆー時って怖がったらダメなんですよ。
怖がったら負けなんです。
どんなにヤバイ状況になっても立ち向かう勇気を持つ・・・
それが吉澤のモットーなんです」
ひとみの笑顔に真里は顔が赤くなってくる・・
「矢口、よっすぃーの事ちょっと知ったような気がした」
「矢口さん・・?」
ひとみの胸の中で真里はひとみの事を好きになっていくのを感じた。
128 名前:怖がる真希、のん気な紗耶香 投稿日:2002年11月27日(水)21時38分49秒
「市井ちゃん・・・」
真希は紗耶香の身体にシッカリとしがみ付いた。
そんな真希に優しく抱きしめた。
「怖いか?」
「怖いよぉ・・・」
「後藤が怖がっているし、早く終わりにして皆のトコへ帰るかな」
「へ!?」
紗耶香の言葉に真希は思わず聞き返してしまった。
「市井ちゃん・・・?」
紗耶香はニッコリと微笑んだ。
129 名前:紗耶香の正体 投稿日:2002年11月27日(水)22時18分21秒
「玄、青、朱、白、四聖獣神変化!!」
紗耶香は四人に命令する。玄、青、朱、白の身体を光が包んでいく。
玄は尻尾が蛇の大きな亀に、青は空想上の生き物と言われている青い竜に、
朱は全体を火に包まれた大きな鳥に、そして白は今の身体より更に大きく、鬣が長い虎になった。
「四方陣!!」
紗耶香が続けて命令すると四人は紗耶香達を囲むように四角形に結界を張った。
「市井ちゃん・・これは・・」
真希は呆然としながら紗耶香に聞いた。
「玄武、青竜、朱雀、白虎って知ってる?
方角と精霊の王なんだけど、玄武は北の神で大地の精霊王、青竜は東の神で水の精霊王、
朱雀は南の神で火の精霊王、白虎は西の神で風の精霊王なんだ。
四人が作った結界はどんな攻撃でも跳ね返すから安全だよ」
「安全って・・・この後どうするんですか?」
梨華が紗耶香に聞いた。
笑顔だった紗耶香の顔は真剣な顔になった。
「市井が戦うからココから出ないでよ。出ると死んじゃうから」
「何で市井ちゃんが戦うの!人間じゃないんだよ!!市井ちゃんが死んじゃうよ!!」
真希が紗耶香を引き止めるが紗耶香は笑って真希に言った。
「市井・・・人間じゃないんだ」
紗耶香は苦笑しながら結界から出た。
130 名前:紗耶香の正体 投稿日:2002年11月27日(水)22時37分42秒
『貴様・・四聖獣を使うとは唯の人間じゃあるまい・・・』
「アンタ後藤に【遠い異国の地でそなたが私に言った言葉と同じ事を聞いた事ある】って言ったろ?
それって市井の事だよ」
『だが、そいつは私の手で殺したはず・・・』
「そうだよ、アンタに背中を切られて市井は殺された。傷も残っている。
だけど、死ぬ直前に市井はある人から【力】をもらった。
その瞬間、市井は人じゃなくなった・・・
ここで質問です。四聖獣達には長がいます。
その長は人間界に存在する火、水、風、土の精霊達全ての王であり、
四聖獣はその王の命令でしか従いません。その人はだ〜れだ?」
『貴様・・・まさか!?』
「その【まさか】さ。
玄武、青竜、朱雀、白虎しっかり踏ん張ってろよ」
「「「「ハッ!!!」」」」
ハアァァァァ・・・・
紗耶香は深く深呼吸をした。呼吸を丹田に集め、力を入れた。
「ハァ!!」
紗耶香の身体から【金色の龍】のもやが出てきた。
131 名前:紗耶香の正体 投稿日:2002年11月27日(水)22時56分07秒
【金色の龍】は空高く駆け登り、紗耶香の元へ戻って来る。
カッ!!
紗耶香の身体が光り輝いた。
その光に思わず両手を前にして光を遮ろうとするが、あまりの眩しさに真希達は目を閉じた。
ゴゴゴゴゴゴ・・・・
「市井ちゃん!?」
真希は紗耶香の変わった姿に驚きを隠せなかった。
セミロングの紗耶香の髪は膝下まで伸び、スレンダーな紗耶香の身体は筋肉で一回り大きくなった。
そして爪は鋭く伸び左眼が黒色だった紗耶香の目が右目と同じ青色になっていた。
『黄龍王!!』
「黄龍王の力をもらったんだ・・・
アンタは私利私欲の為に罪のない人達を殺し続け、
その上、私の大切な人達を亡き者にしようとした罪は万死に値する・・・
黄龍王の名において・・・貴様を倒す!!」
紗耶香の身体から金色の闘氣が立ち上った。
132 名前:和尚 投稿日:2002年11月27日(水)23時31分03秒
更新終了。

レスです。
きいろさま
いつもありがとうございます。
市井さん、実はこーゆー人だったんです。
嫌ですよぉ〜。きいろさまだって上手いじゃないですか♪
和尚も皆様を見習って頑張ります。
焦らず、自分のペースでお互い頑張って行きましょう♪

白板で『作者フリー短編用スレ』で短編を書きました。
いちごまです。宜しかったらいかがでしょうか?

133 名前:きいろ 投稿日:2002年11月28日(木)01時11分06秒

市井ちゃんがなにやらすごいものになっておりますね・・・
白版も、もちろん見に行ったのですが、どれが和尚さまの作品か
わかりませんでした・・・
また、探しに行って来ます!
134 名前:黄龍王の戦い 投稿日:2002年12月01日(日)22時24分19秒
圧倒的な威圧に妖鬼妃はたじろいだ。
『高貴な私が気後れするなどど・・・』
「私に何度も言わせるな!アンタは高貴な者じゃないんだよ!!」
紗耶香は妖鬼妃に攻撃を開始する。
加速力は普段の数倍。
そのまま勢いでジャンプし、妖鬼妃の顔に一撃を放った!
紗耶香の攻撃の威力で妖鬼妃は地面に減り込んでしまった。
紗耶香は空中で体勢を立て直し、そのまま着地した。
「立てよ・・・まだ半分も力出してないよ・・・」
紗耶香の声が聞こえたのか、妖鬼妃は減り込んだ地面から飛び出し紗耶香の前に立ちはだかる。
妖鬼妃の口からおびただしい血が流れていた。
妖鬼妃の姿を見て紗耶香は笑った。
『ガッ・・何が可笑しい・・・』
「アンタさ【世界三代美女】と言われてるけど、この姿を見たら絶対違うと思ったら笑っちゃったよ」
『な・・なに・・・』
「今のアンタの姿はアンタの心そのもの・・・心が醜いって事だ」
『貴様!!』
妖鬼妃は爪を伸ばして紗耶香に振り下ろした。
135 名前:黄龍王の戦い 投稿日:2002年12月01日(日)22時41分03秒
ガッシィィィ!
紗耶香はその爪を難なく掴んだ。
しかし、掴んだ衝撃が強かったのか、ケガをしていた右脇腹から血が出ておりTシャツが赤く染まっている。
『私が付けたその傷は深かったようだな』
「それがどうした」
紗耶香は平然と言い返した。
『な・・!?』
「【怒りが痛みを凌駕する】って知っているか?今の私はまさにそれなんだよ!!」
妖鬼妃は後にジャンプして体勢を立て直した。そして、今度は両手の爪で紗耶香に襲い掛かった。
『グォォォォォ!!』
妖鬼妃の叫び声は、もはや人間の意識が無くなったように思えた。
妖鬼妃の攻撃を軽々かわしていく紗耶香。
だが、かわしても妖鬼妃は高速で攻撃をしているので、紗耶香に当たらなくても腕を振り回している事によって、
それが衝撃波となって紗耶香の身体に刻み込まれいく。
ガッ!!
傷の為か紗耶香の体勢が崩れ、僅かながら隙が出来てしまった。

136 名前:黄龍王の戦い 投稿日:2002年12月01日(日)23時06分27秒
『しねぇぇぇぇぇ!!!』
両手の爪が同時に紗耶香に向かってきた。
妖鬼妃の爪が当たる直前に紗耶香は不敵に笑った。
『何!?』
ガッキィィィィンン!!
紗耶香に当たるはずの爪は突然現れた剣によって防がれた。
その剣は龍の装飾品が施されていて、剣からは神々しい光を放っていた。
『な・・なんだ・・この剣は!見ているだけで身体が焼けるようだ!!』
「この剣の名は【黄龍剣】。その名の通り、私にしか使えない剣」
紗耶香は剣を掴み、妖鬼妃に向かって構えた。
身体から出ている紗耶香の闘氣が剣に伝わっていく。
剣が闘氣によって金色に輝いている。
妖鬼妃は再び紗耶香に襲い掛かった。
「アンタに殺された人達の無念をこの一撃で晴らす!!」
紗耶香は剣を振り下ろした。
剣から放たれた闘氣が巨大な黄金の龍となって妖鬼妃を襲った。
『ギャアアアアアーーーー!!』
妖鬼妃は一瞬で消えてしまった。
「再見」
紗耶香は呟いた。
137 名前:封印 投稿日:2002年12月01日(日)23時38分28秒
市井紗耶香視点

あたしは黄龍剣を担いで後藤達のトコへ戻って来た。
「朱雀、玄武、青竜、白虎、結界外していいよ」
あたしの命令で四聖獣は結界を外し、人の姿に戻った。
それを見たあたしは安心したのか座り込んでしまった。
少し無理したかな・・・
座り込んだはずみで黄龍剣が消え、あたし自身も元の姿に戻ってしまった。
「市井ちゃん!!」
後藤があたしの側に来た。
あたしは立とうとするがフラフラして上手く立ち上がれない。
やっと立ち上がったのも束の間、後藤はあたしが着ているTシャツを捲った。
脇腹の傷を見た後藤は泣きそうな顔をした。
「市井ちゃん・・・血が出てるよ」
「かすり傷だよ」
あたしは後藤を心配させない様に言ったつもりだったけど、それは逆効果でしかなかった。
後藤は自分の着ている着物の裾を持ち上げ、手で裾を破くとあたしのお腹に巻き付けた。
「止血ありがとな」
あたしは後藤の頭を撫でた。
それを合図に後藤は泣き始めた。
「ングッ・・い・・ちーちゃーん・・」
後藤ゴメンネ・・あたし後藤を泣かしてばかりだ・・・
138 名前:封印 投稿日:2002年12月01日(日)23時59分11秒
「紗耶香・・・やっぱり私達が知ってる紗耶香なの?」
矢口が話しかけて来た。
「うん」
あたしは頷くと矢口はあたしに向かって飛び込んできた。
「紗耶香ー!助けてくれてありがとう!!」
「いてぇぇぇぇぇ!」
矢口に抱きつかれたあたしは思いっきり倒れてしまった。
疲れきってる身体に響くよ・・・
あたしは矢口に抱きつかれたまま起き上がり、矢口を吉澤に渡した。
「矢口は吉澤のモノなんだろ?」
あたしは二カッと笑って吉澤に言った。
「紗耶香のバカ・・・」
「ハハハ・・・さて石川」
「は、はい」
「後一つ、市井がやらなきゃならないのが残ってんだが・・・」
「何ですか?」
「石川自身も解っている通り、石川の魂は妖鬼妃にとって最高級のモノ・・・
以前、他の退魔師に【術】をかけてもらってたが、それが外れたんだよな」
「はい・・」
「このままだと第二、第三の妖鬼妃が出てくるかもしれない・・・
それを防ぐ為に市井が封印をしようと思うが・・・やっていい?」
「はい、お願いします」
「玄、青、白、回れ右!朱は手伝って」
朱は石川の背後に回った。
「石川、我慢できるよね?」
「はい、できます」
「いい返事だ・・・やってくれ」
朱は石川の着物の帯をほどいた。
帯がない着物は当然の様に胸がはだけてしまう。
石川の胸があたしの視界に入っている。
139 名前:封印 投稿日:2002年12月02日(月)00時32分35秒
石川はポカンとしていたが、状態を把握したらしく・・・
「キャアアアアア!!」
と叫び声を上げた。
石川の悲鳴が引き金となり、後藤と圭ちゃんがあたしに怒鳴った。
「市井ちゃん・・・」
「紗耶香・・・・」
「「何してんの!!!」」
「ゴメン、石川ってプロポーションがいいから見とれてた」
「市井ちゃん・・」
「紗耶香・・・」
ヤバ、後藤と圭ちゃんがマジに怒ってる・・・
あたしは慌てて両手を胸の前に持ってきた。

我を去らずに眠る時 昼の如く守り
我 黄龍の安息を持ちて かの魂の守護を

あたしの手の中にソフトボール大の【光の玉】が出来上がった。
その光の玉は自然に石川の胸に吸い込まれた。
「どんな感じ?」
「あったかくて、何だか日向ぼっこしている感じです」
「おっし、これで大丈夫だから・・・」
あたしは落ちてる帯を拾って、石川に渡した。
「黄龍王の属性は【光】・・・浄化、封印を得意としているんだ。ちなみに封印は無期限・・・
これで魔物に狙われる事はなく普通に生活できるよ」
「ホントですか!!」
「市井の腕を信用しろい!」
あたしの言葉に石川の目に涙が浮んでいた。
よっぽど嬉しいんだろうな・・・
「市井さんありがとうございます!ホントにありがとうございます!!」
あたしの手を握りブンブンと振ってる石川・・・
手が痛いっす・・・
「皆が待ってるから帰るよ!」
あたしは皆が待っている所へ帰る為に再び門を開けた。
140 名前:和尚 投稿日:2002年12月02日(月)00時52分56秒
更新終了

きいろさま
本当に毎回ありがとうございます。

白板の方は見つかりましたでしょうか?
題は『こーゆーのも有りと言う事で』です。
ハロプロ見てたら急に書きたくなってしまって・・・
つい書いてしまいました(笑)


141 名前:真実を知りたい 投稿日:2002年12月06日(金)00時30分49秒
矢口真里の視点

「矢口、着いたよ」
紗耶香の声であたしは閉じていた瞼を開けた。
視界には泣いてるメンバー達が見えた。
「無事でよかった・・・」
「おかえり!」
「ごとーさん!」
「梨華ちゃん!!」
「よっすぃー!」
圭織達が矢口達に向かって走って来た。
辻と加護はいっぱい泣いていた。
ごっつあん、石川、よっすぃーは戻って来た喜びで泣いていた。
圭ちゃんもあたしもいっぱい泣いて帰って来た喜びをかみしめていた。
でも、喜んではダメ・・・
何故なら彼女に聞きたい事があったから・・・
特にごっつあんは絶対に聞きたいに違いない。
「紗耶香・・・」
怪我の所為で顔色が悪くなっている紗耶香にあたしは話しかけた。
「何?」
「何じゃないよ・・教えてくれるよね・・・留学先で行方不明になってから今までの事を・・・
それに妖鬼妃に殺されたと言ってたけど・・・ホントなの?」
殺された・・・その言葉にメンバー達はざわめいた。
「何があったの?」
圭織は怪訝な顔してあたしに聞いてきた。
「ここにいる【退魔師−市井紗耶香】さんはウチラの知ってる紗耶香だったの・・・」
「「え!?」」
圭織となっちが驚いていた。
そりゃそうだ。あたしだって、まだ驚いてんだから・・・
142 名前:真実を知りたい 投稿日:2002年12月06日(金)01時39分37秒
「うーん、言わなくちゃダメかい?【問題解決!】だけじゃダメ?」
「紗耶香・・・それじゃあたし達は納得しないよ。
特にごっつあんが納得しないと思う」
紗耶香はごっつあんの顔を見た。
ごっつあんは紗耶香の顔をジッと見ていた。
さすがの紗耶香もごっつあんには勝てなかったみたい。
「解った話すよ・・・
話す前に傷の手当てして来ていいでしょ?服も着替えたいし・・・」
「ゴメンネ・・・」
「そんくらい構わないよ・・・奥の部屋に行くから、皆も着替えて来なよ」
「後藤も一緒に・・・」
ごっつあんは紗耶香と一緒にいたかったけど、紗耶香はそれを断った。
「ゴメン、これだけは後藤に見られたくない」
「市井ちゃん・・・」
「着替えておいで」
「うん・・・」
紗耶香はごっつあんに言うと朱さん達と一緒に奥の部屋に入ろうとしていた。
あたしは紗耶香を呼び止めた。
「裕ちゃんを呼んでイイでしょ?」
「裕ちゃんにも聞く権利があると思うから」
紗耶香は少し考えると・・・
「裕ちゃんに電話しといて」
あたしに言うと奥の部屋に入って行った。
143 名前:告白・・・ 投稿日:2002年12月06日(金)02時04分40秒
市井紗耶香視点

あたしは手当てを終えて部屋に戻って来た。
「お待たせ・・」
「「「「!?」」」」
あたしの顔を見たメンバー達は小さい悲鳴を上げた。
あたしの顔は切り傷がたくさんあって、その上疲れ切っていて目に大きなクマが出来ていたんだから。
後藤、石川、吉澤は私服に着替えてソファーに座っていた。
ちなみにあたしは短パンにTシャツ・・・
「矢口、祐ちゃんに電話した?」
「【タクシーフッ飛ばして行く】って言ってたから・・・後20分ぐらいで着くよ」
あたしは返事をせず、空いてるソファーに座った。
座ったとたん後藤が立ち上がって、あたしの左隣に座り腕にしがみ付いてる。
「後藤、なした?」
「・・・・・」
話し掛けたけど無言のまましがみ付いている後藤。
トントントン・・・
あたしの頭が?状態になっていた時に朱が部屋に入って来た。
「中澤様がお越しになりました」
「通してくれる?それとお茶の用意して」
「わかりました」
朱は部屋を出て行き、そして裕ちゃんを部屋に入れた。
「凄い部屋やなぁ〜。この部屋だけでウチの部屋全部入ってしまうのとちゃうか?」
裕ちゃんは入ってくる早々オヤジ言葉を使っていた。
「矢口から聞いたわ。アンタウチラの知ってる紗耶香なんやってね」
「とにかく座ってよ・・・ちゃんと話すから」
裕ちゃんが座り、あたしは行方不明・・・イヤ、生死不明になった時から今まで何をしていたのかを話し始めた。
144 名前:告白・・・ 投稿日:2002年12月06日(金)02時19分15秒
「改めて言うけど【娘。にいた市井紗耶香】とココにいる【退魔師の市井紗耶香】は同じ人です」
「紗耶香、留学先で行方不明って新聞記事にあったけど無事だったんだ」
「無事でよかった〜」
なっちと圭織は泣きながらあたしに言った。
「無事じゃなかったよ・・・市井は妖鬼妃に殺されたもの」
「殺されたって・・・!?」
裕ちゃん始め、皆が驚いていて、その中で一番後藤が驚いている。
当たり前だよなー、殺されたと言ってる本人がココにいるから。
「嘘じゃないよ。ホラこれ見てよ」
あたしは着ていたTシャツを脱いで背中を見せた。
あたしの背中は右肩から斜めに大きな傷と右脇腹に大きなガーゼが貼ってあった。
「見える?斜めの大きな傷・・・・この傷は人間だった時に妖鬼妃に傷つけられたんだ。
そして、この傷によって市井紗耶香は死んだ」
あたしはTシャツを着た。
ガチャ・・・
朱が人数分のお茶を持って来た。一人一人朱からお茶を渡されるメンバー達。
裕ちゃんがお茶を飲んだのを見てから、あたしは話を続けた・・・
145 名前:和尚 投稿日:2002年12月06日(金)02時22分13秒
更新終了。
次は市井さん過去編(少しだけ)に入ります。
146 名前:誕生・・・・ 投稿日:2002年12月08日(日)00時03分31秒
その日、買い物帰りに【たまには違う道を通ってみようっと】と思って、寂れた公園を通った。
今思えば、その時から嫌な空気が漂っていたけど、人間だったあたしは判らなかった・・・
(突然霧が出てきたな・・・あと少しでいつもの道に出るから突っ切っちゃえ)
そして歩いているときれいな女性が立っていた。
(なんか中国にいる人が着る服みてぇ・・・)
そのまま通り過ぎようとした時に女性が話しかけてきた。
『そなたの高貴な魂を私に献上せよ』
「はあ!?何ですかイキナリ???」
(やべ!変なのに捕まったか?ムシムシ・・・)
女性の言ってる事を無視して通り過ぎたハズなのに、目の前に同じ女性がいた。
『私の名は楊貴妃。永遠の美を得るために魂が必要・・・
そなたの魂は私の美を得るために相応しい魂・・・そなたの魂貰うぞ』
「何ふざけた事言ってんだ!市井の魂は市井の物!自分の美の為に人を殺すなんて何考えてんだ!!
美ってのは外見じゃなく中身・・・心も美しくなきゃダメなんだよ!
バカ言ってんじゃねぇ!!
だいたい楊貴妃って昔の人だろが・・・」
ブツブツ言いながらもう一度通り過ぎたその時、あたしの背中に強烈な痛みが走った。
あたしは痛みを我慢して後を振り返った。
あたしが見たものは鋭い爪を生やした楊貴妃だった。
恐らく、その爪で背中を切ったんだなと思った。
そしてあたしは倒れた。
背中から血が流れてるのが解った。
(ココで死んじゃうのかぁ・・・シンガーソングライターになりたかったなぁ・・・
もう一度メンバーに会いたかった・・・アイツに会いたかった・・・)
あたしの意識はそこで途切れた。
147 名前:誕生・・・・ 投稿日:2002年12月08日(日)00時28分23秒
気付いたら何もない白い場所にあたしは居た。
何もせずボート立っていたら何処からか声が聞こえた。
“生きたいか?”
「何だ!?」
“生きたいかと聞いている”
「そりゃ生きたいに決まってる。自分の夢を叶える為に頑張ってきたんだ!!
それなのにあんな事になって・・・何も判らず死ぬなんて嫌だ!何より市井の好きな人に会えなくなるのは嫌だ・・・
だから生きたい!!」
“お前の生きたいという願いは叶えられるかもしれない・・・
が、夢とお前の想い人に会いたいという願いは叶わないかもしれない”
「何で!ワケわかんないよ!?」
あたしは困惑しながら言った。
するとあたしの目の前に金色の珠が浮かんでいた。
“この珠の中に四聖獣の長−黄龍王の力が入っている。この珠を受け取ったなら、
運が良ければ黄龍王として生きる事は出来るが人ではなくなる。
運が悪ければ身体が粉々になって死ぬ・・・二つに一つの選択だ・・・”
「どっちを取っても人でなくなるなら・・・」
あたしは迷わず金の珠を受け取った。
受け取った瞬間、珠から温かい光が溢れ・・・【黄龍王−市井紗耶香】が誕生した。
148 名前:誕生・・・・ 投稿日:2002年12月08日(日)00時53分28秒
次に気が付いたらあたしは自然が満ち溢れている場所にいた。
その場所は・・・【幻想界】と言う。
そして目の前には四聖獣が立っていた。
四聖獣に黄龍王としての知識、力、戦い方・・・武術を教えてもらった。
筋が良かったのか一年後には完璧に力を使えるようになり、武術も四聖獣を上回る事ができた。
幻想界は今の所は平和だったし、一旦人間界に戻ってみようと思って四聖獣を連れて戻って来た。
帰ってきたらあたしは行方不明、生死不明、遺体不明になっているのは驚いたけど・・・
実は人間界では裏で魔物が人間を襲っているのが解って、その人達を助ける為に退魔師を始めた。
裏でコッソリ活動していたけど、一回だけ芸能界から依頼が来て仕事した。
前にも言ったけど【SPEED】の解散後のコンサートで仕事したら、関係者、本人達に評判が良かったらしく、
それ以来芸能界からの依頼が多くなった。
勿論、【娘。にいた市井紗耶香】と【退魔師−市井紗耶香】は別人だと言い張って・・・
そして、今回の事でつんくさんから依頼が来た。
事件自体、簡単そうだったら朱達に任せても良かったし・・・
とりあえず話だけでも聞いてみようと、変装してつんくさんに会いに行ったけどスグバレた。
つんくさんから事件について話を聞いた後、直感でこの事件をヤバイと感じて依頼を受けた・・・
149 名前:和尚 投稿日:2002年12月08日(日)00時54分48秒
短いけど更新終了。
現在の話に戻ります。
150 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月08日(日)16時37分38秒
そういう事情だったんだ。
151 名前:拒絶と愛情 投稿日:2002年12月08日(日)21時16分39秒
あたしが行方不明になった時から現在までの経過を話したけど、話し終わったとたん部屋一帯が静寂に包まれた。
そのうち、メンバーの何人か嗚咽を漏らし始め、後藤はあたしの腕にしがみ付いて泣き始めた。
やはり重かったか・・・
裕ちゃんはあたしの顔見て話しかけた。
「紗耶香、四聖獣って何や?」
「ココに残ってた圭織達と裕ちゃんは知らなかったな」
隣に立っていた朱に目をやると、朱は青、玄、小さい虎になっている白を部屋に呼んだ。
「改めて紹介するよ。
青、正体は東の神で水の精霊王−青竜。玄、正体は北の神で大地の精霊王−玄武。
朱、正体は南の神で火の精霊王−朱雀。白、正体は西の神で風の精霊王−白虎。
こいつらは方角の神、そして人間界に存在する水、大地、火、風の精霊達の王・・・四聖獣と呼ぶ。
そして、市井はその四聖獣の長であり全ての精霊の王・・黄龍王なんだ」
「な・・・アンタ神様になったって言うんか?」
「簡単に言えばそうだね。右目だけ違うでしょ?
この目は龍眼と言って、黄龍王の印なんだ」
裕ちゃんに龍眼を見せた。
「紗耶香様」
朱が皆に聞こえない様にあたしに耳打ちしてきた。
「・・・ありがとう」
「ん、何や?」
「つんくさんに依頼完了の報告したんだ。そのつんくさんから伝言。
明日はオフ、明後日から【ハロモニ】の収録だって。
明日ここを出て行ってもらうから」

152 名前:拒絶と愛情 投稿日:2002年12月08日(日)21時37分38秒
「何で!!」
それまで泣いていた後藤があたしに向かって叫んだ。
「依頼は終了した。皆には本来いる場所に戻るだけ・・・もうココにいる必要ないんだよ」
「市井ちゃんは!市井ちゃんはどうすんの!!」
「言ったろ、本来の場所に戻るって・・・市井は裏の世界に戻るだけ」
「一緒にいられないの?」
「いられない」
「何で・・・ヒック・・やっと会えた・・・ック・・のに・・」
後藤が涙を流しながらあたしに言った。
「いちーちゃんは・・・ンック・・知らないんだ・・ヒック・・ごとーが・・どんな想いで・・・
いちーちゃん・・ック・・待ってた・・・か・・・」
「知ってるよ。白から聞いたから」
あたしは白を膝の上に乗せた。
「白はこの状態でも、人語を理解し話す事が出来る。白が見て聞いた事は全て市井の耳に入ってる」
「だったら!!」
「それは市井が人間じゃないから」
「そんなん関係ないよ!」
声を張り上げる後藤にあたしは言い聞かせる。
「見たただろ?市井の戦っている姿・・・あれが黄龍王の本来の姿なんだ。
それに四聖獣と同じで龍に変身する事が出来る。そんな姿を皆には見られたくない・・・」
いつの間にかあたしの目から涙が流れていた。
擦っても擦っても涙が止まらない・・・何でだろ?・・涙は枯れてしまったハズなのに・・・
あたしは泣き顔を見られたくなくて俯いてしまった。
153 名前:拒絶と愛情 投稿日:2002年12月08日(日)22時06分38秒
それを見た後藤があたしを抱きしめながら言ってくれた。
「後藤は市井ちゃんが龍に変化しようが不思議な力を使えようが、大好きだよ・・・」
「後藤・・・」
「そうや、ごっちんの言う通りや。ウチは紗耶香がどんなんなっても、紗耶香の事、大好きやで。
皆も絶対そう思っているハズや」
圭織、なっち、圭ちゃん、矢口、吉澤、石川・・・
メンバー達があたしの顔を見ていた。
「だいたい、紗耶香はいつも自分で勝手に決めちゃうんだからさー」
「うちらはそんな事ぐらいで、紗耶香を嫌ったりしないべさ」
「紗耶香に借りを返さないまま居なくなるのはあたしは許さないから」
「紗耶香が生きてた時、矢口凄く嬉しかったんだよ」
「市井さんのおかげで吉澤は・・・吉澤は・・・」
真っ赤な顔した矢口が吉澤を軽く肘で突く。
「市井さんは石川を救ってくれた恩人です!!」
皆の温かい言葉があたしの心を溶かして行く・・・
「ありがとう・・・」
「いや、礼を言うのはこっちやで。メンバーを守ってくれて・・
魔物が襲ってきた時にうろたえてたあたしに【渇】を入れてくれたおかげで冷静さを取り戻すことが出来た。
ありがとうな・・・」
「裕ちゃん・・・」
あたしは涙を拭いてニッコリ笑った。

154 名前:拒絶と愛情 投稿日:2002年12月08日(日)22時14分18秒
その後、時間も遅くなりメンバー達は各自部屋に戻った。
そして裕ちゃんも泊まる事となった。
【残ってる客室を使って】と言ったら【広いから圭織となっちを呼んで酒飲みだ】と言って同じ部屋になった。
明日はオフだから飲むんだろうな・・・。
酒はたくさんあるから好きなの飲んでいいよと言ったけど大丈夫かな・・・
でも、裕ちゃんも明日オフなのか?
155 名前:和尚 投稿日:2002年12月08日(日)22時24分01秒
更新終了。
やっとこさ終盤になりました。

レスです
名無し読者さま
はい。そういう事情だったんです。
やっと市井さんの心に安堵が広がりました。
これからどうなるのですかねぇ・・・(人事の様に)
156 名前:ひとみの告白 投稿日:2002年12月11日(水)23時14分48秒
矢口真里視点

あたしはよっすぃーがいる部屋の前にいた。
今日はよっすぃーと話したい事たくさんあったし・・・そんで、辻と部屋を代わってもらった。
(その前に石川と部屋を代わったんだけど・・・)
「はーい、どぉぞー」
ノックすると、返事が返ってきたのであたしはドアを開けた・
「どうしたんですか?」
あたしが突然部屋に来たので、よっすぃーは驚いた顔をしていた。
「よっすぃーを夜這いに来たんだよ」
「よ・夜這いっすか!?」
「へへへ夜這いは言いすぎだけど、よっすぃーと話したいと思ってさ」
あたしはよっすぃーに抱きついた。
よっすぃーはあたしを優しく抱きしめてくれた。
気持ちいいかもしんない・・・
「よっすぃーってさぁ優しいよねー」
「何でですか?」
「だってさー、自分が悩んでるのに他の人に迷惑かにないようにしてたじゃん。
その上メンバーに気を使ってたり・・・
矢口わからなかったよ。鈍感だったし・・・」
「・・・・・・」
「で、よっすぃーは矢口のドコが好きになったの?」
「え!?・・・・あの・・・その・・・」
「よっすぃー気が付いてる?あの時矢口から告白したのによっすぃーからの告白聞いてないんだよ」
あの時というのはごっつあん、よっすぃー、石川が妖鬼妃に捕まってた時の事。
「そうでした・・・」
「矢口の事・・・嫌いなの?」
「そ、そんな事ありません!!」
「じゃあ・・よっすぃーからの告白聞きたいんだ」
抱きしめていたよっすぃーはあたしから離れ、向かい合わせになった。
157 名前:ひとみの告白 投稿日:2002年12月11日(水)23時35分17秒
よっすぃーの瞳はあたしの瞳を見ている。
それだけでもあたしの顔は赤くなっちゃうよ。
「吉澤は歌もダンスもまだまだで、優柔不断で子供だし、嫉妬深いし、悩んでいても相談しないで、
考え込んだら魔物に狙われ皆に迷惑かけちゃうヤツですけど・・・
矢口さんを想う気持ちは誰にも負けません・・・
初めて会った時から矢口さんが好きでした・・・
吉澤と付き合ってください」
あたしはよっすぃーの告白を身体全体に感じてから
「勿論!」
その後あたしのサイコーの笑顔で抱きついた。
よっすぃーの目が潤んでいる。
「でも、条件があるよ」
あたしの【条件】という言葉にドキッとしたよっすぃー。
「よっすぃーが悩んでるは遠慮しないでちゃんと矢口に言ってよ」
「はい」
「後1つ・・矢口の前から消えないで・・・
もう二度と・・・あんな悲しい事したくないよぉ・・・」
あたしの目から溢れている涙を優しく拭ってくれるよっすぃー・・・
「約束します・・・絶対に矢口さんの前から消えたりしませんから・・・」
よっすぃーは約束した後・・・優しくキスをしてくれ・・・一緒にベットに沈んだ・・・
158 名前:和尚 投稿日:2002年12月11日(水)23時46分17秒
更新終了
159 名前:保田さんと石川さん 投稿日:2002年12月14日(土)22時13分57秒
保田圭視点

「はぁ〜疲れた」
荷物をまとめ終わったあたしは大きく伸びをするとベットに倒れた。
トントントン
矢口が帰って来たかな?
「開いてるよ」
あたしが声掛けると部屋に入って来た。
矢口かと思ったあたしはそのまま話しかけた。
「矢口、まだ荷物まとめていないでしょ?早く荷物まとめ・・・」
「保田さん」
聞き覚えのある声にあたしは起き上がった。
「石川、アンタは加護と同じ部屋だったんじゃなかったけ?」
「代わって貰いました」
「そう・・・」
石川はドコに座って良いのか分からず、ジッと立っていた。
「おいで」
あたしは石川を隣に座らせた。
「あれから身体の調子はどう?」
「最初は身体が温かかったんですけど、今は何ともないです」
「良かった・・・ところで石川は何時からあたしの事好きだったの?」
「えっ!?」
顔を赤くなりながら石川は懸命に答えようとする。
「最初に会った時は厳しそうな人だと思ったんですよ。実際に厳しかったんですけど・・・」
石川を褒めてくれた時に見せてくれる保田さんの笑顔、さりげない優しさに見せられて好きになってしまいました・・
でも、石川は小さい時から魔物に狙われていたし、好きになったら保田さんが危険な目にあう可能性があったし・・」
「だからあたしを見ていたの?」
「はい・・石川が見ていたの保田さんは知ってたんですか?」
「艶っぽい目でずっ〜と見てんだもの、そりゃ判るわよ。
でも、石川がそんな風にあたしを見ていたのは知らなかった」
「迷惑だったんですか・・・?」
石川は泣きそうな顔をしていた。
160 名前:保田さんと石川さん 投稿日:2002年12月14日(土)22時52分59秒
「そんな事あるわけないでしょ!」
あたしは石川を抱きしめた。
「迷惑じゃないって、あの時言ったでしょ?」
「あの・・・保田さんは石川のドコが好きになったんですか?」
「・・・・・・」
「保田さーん・・・」
石川が再び泣きそうな顔をする。
あたしが石川に対して想っていた事を言った。
「娘。に来た時石川はうちらに追いつこうと一生懸命に頑張っていたよね?
それを見たあたしはスゴイ頑張り屋だなーと思った。
そんな石川に頑張って欲しくて、あたしも教えていたんだけど・・・
ホラ、教育係って一緒に行動するでしょ?移動の時とか、ご飯の時とか、ツアー中一緒の部屋になったりとか・・・
何か一緒にいて楽というか安心できるんだよね。
今回の事件が発生してから、一緒にいた石川があたしを避け始めた時『実は嫌われていたのか!?』って思ってた」
「そんな事・・・」
「でも、石川があたしを庇って妖鬼妃に捕まっちゃった時に悲しくなっちゃって、気付いたら泣いていた・・・
その時わかったんだ・・・石川が好きなんだって・・・」
「嬉しい・・・です・・」
あたしは泣きじゃくる石川に言った。
「好きだよ」
あたしの言葉に石川は笑顔になり、真っ赤になっているあたしに石川も・・・
「好きです」
と言った。
そしてあたしと石川はキスをする。
「保田さん・・・」
「何?」
「しませんか・・・」
「は!?」
石川の突然のお願いにあたしは驚いてしまった。
だけど、あたしの答えは決まっている。
「いいよ・・・」
あたしは石川の首筋にキスをしながらベットに押し倒した。
そして、もう一度石川に言ったる
「好きだよ・・・」
161 名前:お互いの欲しいモノ 投稿日:2002年12月17日(火)00時22分30秒
市井紗耶香視点

あたしと後藤はベットに座っていた。
後藤はあたしの顔をジッと見つめていた。
「市井ちゃん・・・後藤に会えて幸せ?」
「うん。一番会いたかった後藤に会えたから」
「本当・・・?」
「こんな事冗談じゃ言わないよ。市井が死ぬ直前に一番に思い出したのは後藤だったし、
そして市井が後藤を好きなのは今でも変ってないんだから」
「でも、最初に会った時別人装ってたじゃん」
「あれはね、仕事に徹底していないと命をおとす可能性もあったし・・・
かと言って、護っている人にわずらわしくない様に気も使うし、
後藤と石川、吉澤だけ護っても他の人が狙われる可能性もあったから、仕事に徹底していたワケ」
「そうだったんだ・・・」
後藤は納得してくれた。
そして後藤はあたしの顔をもう一度見つめた。
「市井ちゃん、後藤に言う事あるんじゃないの?」
後藤に言われ考えてみる・・・が、解らない。
「やっと、市井ちゃんと後藤がこうしていられるんだよ」
後藤に言われピンときた。そしてあたしは笑顔で後藤に言った。
「ただいま後藤、会いたかったよ」
「ヒック・・お帰りなさい・・・ンック・・・市井ちゃん・・・」
「泣くなよ・・・っても無理か。二年経ったのに変ったのは外見だけか?」
「・・・・?」
「大人っぽくなったのに、泣き虫なのは変んないって事」
「後藤が泣き虫なのは市井ちゃんの所為!市井ちゃんが後藤を泣かしてばっかなんだよ!!」
「それを言われると辛いっす・・・市井の所為なら後藤を泣きやむ様にしないとな」
「ふえ!?」
後藤の返事を待たずにあたしはキスをする。久しぶりのキス・・・
後藤の目は潤んでいた。
162 名前:お互いの欲しいモノ 投稿日:2002年12月17日(火)00時50分25秒
「市井ちゃん・・・もう一度して・・・」
後藤が唇を出す。あたしは苦笑すると後藤に少し長いキスをする。
お互いに感情が高ぶってきているのが解って来た。
「市井ちゃん・・・・しよぉ・・・」
「いいよ・・・でも、市井怪我しているから協力してよ」
「うん・・」
キスをしながら後藤の服を脱がしていく・・生まれたままの姿になった後藤・・・
あたしは後藤の身体に見とれていると突然こんな事を言い出した。
「後藤と梨華ちゃんとどっちがキレイ?」
「は!?いきなり何を??」
もしかして、封印の時に石川の裸を見た事を妬いているのか?
後藤は真剣に聞いているけど、あたしにとっちゃ、その事自体が可愛いと思ってしまう。
「後藤に決まっているだろう」
あたしの言葉で後藤の顔が微笑んでいる。
後藤のそんな顔が愛しくて思わず抱きしめてしまった。
「市井ちゃん・・好き・・」
後藤はあたしに言うともう一度深いキスをした。
今度は後藤があたしの服を脱がしてくれた。
だけど、背中の傷と右脇腹に貼ってあるガーゼを見た後藤は突然止まってしまった。
163 名前:お互いの欲しいモノ 投稿日:2002年12月17日(火)01時24分30秒
「ゴメン・・・後藤の所為で市井ちゃん怪我しちゃった・・・」
「この位の傷はスグ治るよ」
「でも・・いっぱい・・ヒック・・血が出たじゃん・・・」
泣いてる後藤にあたしはガーゼを剥がした。傷は真一文字に赤く残っていた。
「ホラ、大丈夫だろ?傷は臓器まで達してたけど・・・
ココに帰ってきた時、朱達と部屋に籠もったでしょ?傷を治してもらってたんだ。
あいつ等の治療は荒療治だけど早く治るんだよ」
あたしは泣いている後藤の頭を撫でながら言った。しかし、それでも後藤は泣きやまなかった。
「じゃあさ、この傷が後藤の所為なら、後藤は市井の言う事を聞かないとダメだよな?」
あたしは後藤の顔を見ながら言った。
「後藤が出来る事なら何でもするよ!!」
あたしはニヤリと笑いながら言った。
「笑ってよ・・・市井は後藤の笑顔が大好きなんだ。
後藤の笑顔で市井は苦しい事、悲しい事を乗り越える事が出来た」
あたしが言うと後藤は頑張って笑顔を見せてくれた。
そしてココに帰って来てあたしは後藤に【あの】言葉を言った。
「好きだよ」
あたしの言葉は後藤と愛し合う始まりの呪文となって部屋に響き渡った。
164 名前:和尚 投稿日:2002年12月17日(火)01時25分23秒
更新終了。
次で完結になります。
165 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月17日(火)23時26分38秒
ずっと読んでました。
次で終わりなんて残念です。
最後までがんばって下さい。
166 名前:桜流 投稿日:2002年12月20日(金)23時55分21秒
甘い甘い二人の時間……
ああ、二人が愛しあえるこの時が来て本当によかった!
よっすぃーとやぐ、やっすーに梨華ちゃんも通じ合うことができたし☆

次で完結なのですね、どうかがんばってください。
更新待っております!!
167 名前:エピローグ 投稿日:2002年12月21日(土)13時14分49秒
二週間後・・・
つんくファミリー全員が事務所にある大会議室に集まっていた。
その中にいた真希は自分自身に怒っていた。
「せっかく市井ちゃんに会えたのにケータイナンバーとメアド聞くの忘れたなんてバカだ」
そう、真希は紗耶香にナンバーを聞くのを忘れていたのであった。
その後、時間が空くと何度も紗耶香の家に行ったのだが不在・・・イヤ、紗耶香を始め、朱、玄、青、白がいなかった。
まるで存在していなかったように消えていたのであった。
「会えたのにまた離れちゃったよ・・・もう会えないの?・・」
真希の目に涙が浮んできた。
「おう、忙しいトコご苦労さん」
つんくが大会議室に入って来た。慌てて真希は目を擦った。
「さて、今年も【Hello!Project】がやってきた。
急な事で皆にはスマンと思っているが、コレで復帰させたいヤツがおってな・・・
といっても、シャッフル、ソロ、その他のユニットでは入りきれないから、
今回はソロで歌ってるバックダンサーに入れたいと思ってる」
「バックダンサーですか?」
裕子が眉を顰めて言う。
「せや。松浦のソロ【The 美学】
後藤は2シングルの【溢れちゃう・・・BE IN LOVE】を担当してもらう。
後藤は今の曲と2つ歌ってもらうが大丈夫か?」
「はい」
「そうか・・・コイツにはダンスの他にオレの補佐もしてもらおうと思ってるからそこら辺もよろしく頼むな」
「はい!」
全員の声が部屋に響いた。
「入ってくれ」
つんくが部屋の外にいる人に声をかけた。
168 名前:エピローグ 投稿日:2002年12月21日(土)13時40分48秒
大会議室に入って来た人物は・・・
カジュアルな服装にサングラス、帽子を深く被っていた。
裕子が・・・娘。全メンバーが嬉しい顔を浮かべている。
その中で真希の顔は涙でグシャグシャであった。
「お前らどないしたんや?」
つんくは全てを判っていたのか顔がにやけている。
「自己紹介をしてくれや」
つんくはサングラスしている人物に挨拶するよう促した。
「市井紗耶香です。出戻りですけどよろしくお願いします」
紗耶香が挨拶を言い終らない内に真希は紗耶香に飛びついた。
「市井ちゃーーーん!!」
真希に続いて真里、圭、梨華、ひとみと次々にメンバー全員が紗耶香に飛びついた。
「紗耶香ー!!」
「市井さーーん!!」
「どあああああああ!!」
さすがの紗耶香も13人も抱きとめられず床に倒れてしまった。
真希は皆に気付かれない様に紗耶香の顔を見つめる・・・
「市井ちゃん、これからはずっと一緒だよね」
「後藤がイヤだと言ってもずっと一緒にいるよ・・・」
「市井ちゃん・・・」
「後藤・・・・」

そして二人はキスをする・・・

                      おわり
169 名前:和尚 投稿日:2002年12月21日(土)13時55分27秒
更新終了です。
そしてレスです。

名無し読者様。
ずっと読んで下さってありがとうございます!!
最後はこうなりましたがお気に召したら嬉しいです。

桜流様。
いらっしゃいませ!
読んで下さってありがとうございます!
いつの間にか甘くなってました(苦笑)
イタイのも好きなんですけど(笑)
レスして下さった次の日に更新・・・
天邪な和尚です(笑)

書き上げたのは良いんですけど、いっぱい余ってるので短編書いてから
そして二人は・・・の続きを書きたいと思います。

短編は白板でフリーで書いた続きを・・・
後藤さん『市井ちゃんへの仕返し』を

( ´Д`)<仕返しするよぉ〜

それでは!!
170 名前:マーチ。 投稿日:2002年12月21日(土)20時57分35秒
完結お疲れ様でした。
最後はそれぞれがハッピーエンドで暖かくなりました!
次は白板の続きですか、楽しい話になりそうですね。
がんばってください!
171 名前:桜流 投稿日:2002年12月21日(土)22時56分55秒
いちーちゃん戻ってきたあああぁぁ!!と、めっちゃニヤけました☆
完結、お疲れ様です!でも続きも書いてくださるんですね、楽しみです。
白板の短編も読みましたよ。
和尚さまが書いたと知らない時に既に読んでいたんですよ、
「これすごくイイ!本当にあったらすごく見てみたいなあ〜」って思いました。
この続きは仕返しですか〜期待しちゃいます☆
172 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月24日(火)23時14分56秒
紗耶香は事務所に呼ばれてマネージャーから話を聞いていた。
「え!?もう一度でるんすか?」
「視聴者から絶賛だったらしく、プロデューサーも是非と言ってさ・・・
撮影日は12月24日だからよろしく頼むな」
「はあ・・・」
マネージャーのいう絶賛とは、以前『ハローモーニング』でやった『昼下がりのモーママたち』に出演した時の事。
紗耶香は裕子演じる『持子』の従姉弟役『サクヤ』を演じ、真希が演じる『綾小路真希』を口説いたのだか、
視聴者で(特にプロデューサーが)絶賛だったらしい。
紗耶香はテーブルに置いてある一冊の台本を手に取った。その台本とは・・・

聖なる鐘がひびく夜!?

「何で【!?】がついてんだろ?」
紗耶香は疑問に思ったが、深く考えずに読み始めた。
「フムフム、要するにごとーが演じている『綾小路真希』が
どんなクリスマスを過ごしたかの回想シーンに出るのか。
そんで、真希はクリスマスイブにサクヤを呼び出してデートする。
デート中に元々サクヤに好意があった真希はもっと昨夜のことが好きになり、
旦那がいるのに告白する。が、サクヤは旦那の事を考えて断る・・・と」
「撮影は朝からだからな」
「わかりました」
マネージャーは部屋を出て行った。
173 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月24日(火)23時30分09秒
撮影当日・・・
「おはよー!いちーちゃん!!」
既にサクヤの衣装に着替え終わり、ボーっと空を見ていた紗耶香は背中から真希に声を掛けられ振り向いた。
「おはよ、ごと・・・!?」
紗耶香は真希の衣装に驚いた。
髪を下ろし、ブランドスーツを着こなし、その上にコートを着て、ヒールを履いていた。
そして実際、紗耶香より2つ年下のはずなのに、大人の雰囲気が漂っていた。
「いちーちゃん、どーしたの?」
「何でもないよ。その衣装似合ってる」
「ありがとー♪いちーちゃんもその衣装似合ってるよ。ホントの男の人みたいでカッコイイよ♪♪」
「ありがとう・・・って、それって喜んでいいのか?」
「当たり前じゃん!」
真希は自信たっぷりに言い切った。
ちなみにサクヤの衣装はジーンズにムートンのジャケット、そしてマフラー。ジャッケットの中はブランドのセーターを着ていた。
靴はNIKEのバッシュ。髪型は全体に後に流していて、どこから見てもイケてる男。
「今日はイブなんだよね・・・」
「そうだねー。いちーちゃん、撮影終わったら一緒に過ごそうよ」
「そうだな。NG出さない様に頑張るよ。今日はよろしくお願いします」
「ごとーも頑張る!ごとーもよろしくお願いします!!」
二人はお互い挨拶をした。
174 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)00時04分13秒
サクヤは駅前にボンヤリ立っていた。
駅前はたくさんの人が賑わっていた。
大勢の人達の中からサクヤはある人を見つけた。
「真希さん」
真希と呼ばれた女性はサクヤの顔見て微笑んだ。
「サクヤさん・・・待ちました?」
「いえ、今来たトコですけど・・・それよりどうしたんですか?突然オレを呼び出すなんて・・・
それにオレのナンバー知ってましたっけ?」
「奥様からお聞きしましたのよ。それで、今日お付き合いして貰いたいと思って連絡しましたの。
あのー御時間ございますか?」
「バイトは昨日までだし、今日は友達と騒ぐ予定でしたが・・・いいですよ。それでドコに行きますか?」
「サクヤさんにお任せしたいと思いますが・・・よろしいですか?」
「わかりました。それでは月並みですが映画でも行きましょうか?」
サクヤは真希に向かって腕を出した。
「あの・・・腕を組んでもよろしいのですか?」
「今日はたくさんの人で街は賑わっているからはぐれちゃいますよ」
サクヤはニッコリ笑って真希に言った。
真希はオズオズしながらサクヤと腕を組んだ。
「あの・・・サクヤさん」
「何ですか?」
「私の名を呼び捨てで呼んで下さいませんか?
敬語も止めて欲しいのです・・・あの・・その・・」
真希は顔を赤くして次の言葉を言えないでいる。
「わかった。オレの名を呼ぶ時も呼び捨てでいいよ。
行こう真希、映画が始まっちゃうよ」
サクヤは真希に言うと歩き始めた。
175 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)00時08分49秒
映画館の中で二人はペアシートに座った。
ペアシートとは文字通り二人掛けのイスである。
二人は肩を寄せ合い映画を熱心に見ていた。
映画は純愛ストーリー。
雰囲気もあって、離れていた二人の手は握って、いつしか二人の手は恋人つなぎになっていく・・・
176 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)00時22分33秒
次は展望台の見晴らしの良い席で食事。
まずはワインで乾杯。
二人はお互いの事を知ろうと懸命に話をする。
「大学は忙しいのですか?」
「んーそうだな・・大学も忙しいけど、今はバイトに忙しいよ。
いろんな仕事をして、いろんな事を学びたいんだ。だから今現在、凄く充実しているよ」
「そうなんですの」
「ああ。真希はどうなの?優しい旦那さんと一緒だから幸せかぁ」
サクヤは笑いながら真希に言った。
だが、笑っているサクヤとは反対に真希は悲しい顔をしていた。
「旦那様は仕事仕事で私など見ては下さらないの・・・
私は両親に言われ大学卒業と同時にお見合いをして結婚。男性の方とはお付き合いした事ないんですの」
「恋は?」
「幼稚園から大学まで女子ばかりでしたので恋もした事は・・・」
「そうなんだ。美人なのに勿体無い」
「お上手ですわ・・・私が美人だなんて・・・」
「ホントだって。今日だって真希と一緒に歩いてた時、真希を見た男が皆振り返ってたぜ」
「そうなんですか?」
「真希は自信持った方がいいよ」
「ありがとうございます」
サクヤは真希に自信をつけていたが、、それと同時に胸が痛くなっていくのを感じた。
(なんだろこの痛み?まさか真希の旦那に嫉妬しているのか!?)
「サクヤ、どうしたのですか?」
「ん?何でもないよ」
サクヤは真希との会話を楽しんだ。
177 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)00時30分32秒
そして二人は待ち合わせしていた場所、駅前に着いた。
「少し歩きませんか?」
「そうだね」
二人は少し歩き始めた。
公園まで歩いた二人・・・真希は立ち止まってサクヤを見た。
「今日はお付き合いして下さってありがとうございました」
「オレも楽しかったし、お礼を言うならこっちだよ」
真希は目を潤ませながらサクヤに言った。
「私は初めてお店であなたを見て、胸がドキッとしました。
これが恋なんだと知ったのは後になってからでした・・・・」
「・・・・・」
「私はあなたより年上です・・・でもこの想い止められないんです・・・」
サクヤは黙って真希を見ていた。
真希は更に顔を赤くしてサクヤに言った。
「あなたが好きです・・・」
真希の告白は静寂に包まれた・・・
178 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)00時36分23秒
サクヤは真希の告白に返事をした。
「真希・・・ありがとう・・・・で・・」
「嬉しい!!」
真希は嬉し涙を流してサクヤに抱きついた。
「??????」
サクヤ・・・イヤ、紗耶香は目が点になっていた。そして頭の中で台本を思い出している。
(確か『でも、旦那さんを大事にした方がいいよ』のハズ。何で!?)
「あの真希・・・」
「実は旦那様とは離婚しているの。早速教会に行きましょう!」
真希は紗耶香の腕を掴むと教会に向かって走って行った。
「何でだぁぁぁぁぁぁ!?」
紗耶香の叫びが公園内に響き渡った。
179 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)16時08分37秒
二人は教会の中にいた。
中は神父がいて、真希が神父に向かって何かを話していた。
(何で、NGじゃないの!?)
紗耶香は焦りを顔に出さないにしろ、心の中では焦っている。
「サクヤ!」
「へ!?な・何?」
「神父様におっしゃったらご了承してくださいましたの」
「な・何を?・・・」
「私達の結婚式♪」
「なんだってぇぇぇぇ!?」
「行きましょう紗耶香!!」
真希に祭壇の前に連れて行かされる紗耶香。
神父がニッコリと祝福する様な笑顔で二人を見た。
紗耶香は呆然となってしまっている。
「あんたは」隣の人を信じて、幸せにする事を誓うか?」
(これって、NGじゃねえのかよ・・・・ってこの声は!?)
紗耶香はハッとして神父を見た。
「あ゛ーーーーー!!」
紗耶香は悲鳴を上げた。それもそのはず、神父は裕子だったのだ。
180 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)16時18分25秒
「すまんな紗耶香。ごっちんに頼まれたんよ」
裕子は申し訳ない顔して紗耶香に謝った。
「それってどういう事?」
紗耶香の質問に裕子は答えた。
紗耶香に驚かされた仕返しをしたいと真希に頼まれ、作戦を提案した事。
そして紗耶香だけ違う台本を渡した事など、洗いざらい話した。
「そうだったのか」
紗耶香は釈然としないらしく、裕子の話を聞いた。
「ごとー」
「いちーちゃん驚いた?」
「十分に驚きました」
紗耶香は真希の頭を撫でながら言った。
「もう一つあるんよ」
「何?」
「紗耶香の驚いてる顔を撮れとごっちんから命令されてなぁー」
パンパン!!と裕子が手を叩いた。
181 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)16時36分27秒
「「「「ジャーン!!」」」」
教会に入って来たのは圭織、なつみ、圭、真里の四人だった。
四人の手には、各自ビデオカメラを手に収まっていた。
「まさかそれに撮ってあんの?」
四人は無言で頷いた。
「ご・と・う・・・・」
「だってコレ位しないと、満足しないんだもーん♪」
「コラ!!!」
紗耶香は真希を追いかけた。真希も紗耶香に掴まらない様懸命に走っている。
「二人とも、これからウチの家でパーティーするから時間が有ったら来てなー」
「「はーい♪」」
裕子は教会から出て行った。四人も裕子に続いて教会を出た。
182 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)16時43分57秒
「捕まえた!」
紗耶香は息切れしながら真希を抱きしめた。
「全く、手の込んだ事しやがって・・・」
「ゴメンネ、いちーちゃん」
「もういいよ。いちーも楽しかったし」
「実はごとーも楽しかった♪」
「そうか・・・」
紗耶香と真希は笑っていた。
「いちーちゃん、裕ちゃんの家いこーよぉ」
「ちょい待ち」
紗耶香は真希を制した。
「どーしたのいちーちゃん?」
紗耶香はジャケットのポケットから小さい袋の包みを出した。
「ほい、クリスマスプレゼント」
紗耶香からのプレゼントに真希はとっても幸せそうな顔をする。
183 名前:聖なる鐘がひびく夜!?  投稿日:2002年12月25日(水)16時53分22秒
「ありがとーいちーちゃん!・・開けていい?」
「いーよ」
ガサガサと包みを開ける真希。
小さい箱をそっと開けると、それはシルバーリングだった。
「いちーちゃんこれって・・・!?」
紗耶香は真希からリングを取った。
「後藤真希はいつまでも市井紗耶香と一緒にいて、仕事で会えない時でも市井紗耶香を想う事を誓いますか?」
「いちーちゃん・・・」
「誓いますか?」
「誓います」
「いちーちゃんもごとーの事を想ってくれる事を誓いますか?」
「勿論、誓います」
紗耶香は真希の指にリングをはめた。
そして二人は顔を見合わせると自然にキスをした。
カランコローン♪カランコローン♪
教会の鐘が二人を祝福するかの様に鳴り響いた。

おわり
184 名前:和尚 投稿日:2002年12月25日(水)17時20分57秒
ヽ^∀^ノ<・・・・・・
(#´ Д `)<仕返しの仕返しされちゃったけど幸せ〜

どうやら、いちーちゃんの方が一枚上手だった様です(笑)

というわけで短編書いてみました。ホントはイブにあげるはずだったのに・・・(苦笑)
25日もクリスマスだからよし!としよう。

レスです。
マーチ。さま。
楽しい話になりましたでしょうか?
書いている内に段々と話がズレてしまったようで・・・(苦笑)
やはり、いちーちゃんが一枚上手だったようで、仕返しの仕返しをされてしまったようです(笑)

桜流さま
既に白板を読んで下さって、和尚は嬉しさを隠せません。
ごとーさん頑張っていちーちゃんに仕返しをしましたが・・・
やはり、いちーちゃんが一枚上手でした。

最後は結婚式の様になってしまいましたが・・・
ごとーさんとしてはどーでしょー?
(#´ Д `)<♪〜♪〜〜♪〜
ごとーさんは幸せそうです・・・(笑)

次はそして二人は・・・の続きを書きます。
いちーちゃん『ハロプロ』に参加。どうなる事でしょう?

花板も大量更新しなければ・・・
185 名前:マーチ。 投稿日:2002年12月27日(金)18時08分11秒
続編も、楽しかったです!
最後のアツアツぶりもよかったし、こういうアイディアが
浮かぶ人が羨ましいです。
186 名前:桜流 投稿日:2002年12月30日(月)21時25分49秒
うわぁ〜いいですね〜!
誓いの言葉、すてきですよね!
幸せな二人の想いがずっとずっと続きますように☆
甘いいちごま大好きです、是非また書いていただきたいと思います☆
187 名前:和尚 投稿日:2003年01月04日(土)00時35分09秒
年も明けました。皆様いかがお過ごしでしょうか?
和尚です。今年は喪中なので寒中見舞い申し上げます。

更新する前にレスです。
マーチ。さま
楽しんで頂いてなによりです。
羨ましい・・・勿体無いお言葉。
こちらの後藤さんは縦横無尽に動くので、いつの間にかこうなっていました。
( ´ Д `)<わーい♪わーい♪
ヽ;^∀^ノ<少しは大人しくしろって

桜流さま
是非書いていただきたい・・・ですか。
今回の作品基本は『甘い』を目標にしておりますので
ご期待に応えられるかも・・・少しイタイのも入れたりして・・・
( ´ Д `)<イチャイチャ出来るって♪
ヽ;^∀^ノ<イチャイチャする前に市井自身が疲れる予感がする・・・

市井さんの予感は当たってるかもしれませんよ(ニヤリ)
それでは始めます。『オールマイティー』
ヽ^∀^ノ<何だよそのタイトル!!
188 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月04日(土)00時55分43秒
紗耶香の復帰挨拶が終わった後に真希に連れて行かされた喫茶店での事であった。
「市井ちゃんはダンサーで復帰すんの?」
「復帰っていうか、二年ちょいのブランクがあるし・・・取り敢えずは様子を見るって感じかな。
後はつんくさんの手伝い」
コーヒーを飲みながら紗耶香は答えた。
「市井ちゃんに歌って欲しかったのに・・・」
「ボイトレしてないし、市井が歌えるのは娘。とプッチモ二しか歌えません。
それに卒業してんだから」
「いーじゃん、歌ってよぉ」
「こーら、無茶なこと言わないの。
後藤のソロだけでも一緒のステージに上がれるんだから、それだけでも我慢してよ」
紗耶香は真希の頬を優しく触れる。
真希の頬を触っている紗耶香の手がとても優しくて思わずウットリしてしまう。
「我慢する」
「後藤は良い子だな」
「エヘヘヘ」
真希の頭を優しく撫でる紗耶香。
「あれ!?市井ちゃんこのイヤリングは何?」
真希は紗耶香の両耳に付いているイヤリングを触りながら聞いた。
そのイヤリングは耳に挟むタイプの物。
189 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月04日(土)01時32分25秒
「これ?黄龍王の力をある程度抑える事が出来るんだ。
ちなみにコレは念じると指輪になるんだよ」
「やって見せて〜」
「いいよ。・・・ん!」
イヤリングを外した紗耶香は真希の目の前で念じて見せ、指輪に変化させた。
「すごい・・・」
「コレは幻想界に生えている木で作ったんだ。
ちなみにこの木で作ったアクセサリーには慣わしがあるんだよ」
「どーゆーの?」
「それは秘密」
「えー何それ!」
「まーまー。そろそろ行こうか?」
「・・・うん」
「そんな声出さないの。またレッスンで会うんだし・・・おっと忘れるトコだった」
落ち込んでいる真希の前に紗耶香は携帯番号とメールアドレスを書いた紙を置いた。
「市井ちゃんコレは?」
「市井の携帯番号とメアド。スグ返信ってわけにはいかないけど、必ず返すから」
「ありがと市井ちゃん!」
真希の落ち込み顔がスグに笑顔になった。そんな真希に笑いを隠しつつ・・・
「行こっか?」
「うん!」
紗耶香は伝票を持って席を立った。真希も紗耶香の後を付いていく。
喫茶店から出ると真希は紗耶香の腕にしがみ付いた。
「おいおい後藤」
「途中までこうしたいよ」
「いいよ」
真希の願いに紗耶香は素直に答えた。
離れていた時間を取り戻す様に二人は寄り添って歩いた。



190 名前:和尚 投稿日:2003年01月04日(土)01時35分31秒
短いですが更新終了。
191 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月09日(木)21時12分12秒
「紗耶香のテーマは『男』な」
「・・・は?」
振付師の夏先生に突然言われた紗耶香は眼が点になってしまった。
「何で『男』なんですか?」
「後藤の歌は男のコへの想い、松浦は男のコへの告白を歌ったものだからそれで決まった」
「んな簡単に・・・文字通り市井は『男』になれと・・・?」
「そうだよ」
「・・・わかりました」
既に決まった事だろうし、反論しても無駄だと思った紗耶香は返事をした。
「それじゃ、後藤と松浦のPVを見てもらうから。紗耶香は後藤と松浦の歌は聞いた事あるの?」
「テレビで少し見たぐらいで、全部は聞いた事はないです」
「このPVを見て感じを掴んどいて」
夏先生はビデオを回し始めた。
最初は亜弥のPVが流れ始めた。
(ちょっとリズムが早いけど、このコにあってるなぁ・・・
このダンスだったら大丈夫だな・・・ってあれ!?)
「先生、このシングルまだ発売されてないんですか?」
紗耶香はPV、CMバージョンを見ながら言った。
CMの告知では9月19日となっていたからだ。
「そうだよ。今回のコンサートで初披露するんだ」
「・・・聞いてませんよ」
「そーゆー事だから。次が後藤な」
真希の2シングルPVが流れた。
(これが後藤のソロか・・・後藤にしては随分大人っぽい・・・)
最初は熱心に見ていた紗耶香だったが、段々前のめりになっていった。
(この歌、市井の事言われているみたい)
「どうした紗耶香?」
「何でもないです」
「そう?紗耶香踊れる?」
「大丈夫です」
「あたしが前で踊るから合わせてみて」
「はい」


192 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月09日(木)21時29分01秒
二時間後・・・
「PVのダンスは2曲とも完全に踊れるようになったね」
「ありがとうございます」
「後藤の曲はこれをベースに変えていくから」
「わかりました」
2時間、夏先生は休憩なしで踊っていて息が乱れていた。しかし、紗耶香は息1つ乱れていなかった。
「紗耶香は疲れてないの?」
「はい、全然」
「タフだなぁ」
それもそのはず、紗耶香は黄龍王の力を身体に宿しているので、
身体に負担掛けないように徹底的に四聖獣に身体を鍛えられていた。
なので、2時間休憩無しで踊ったぐらいでは疲れない身体になっていたのだ。
「今日のレッスンはこれで終了だから」
「お疲れ様でした。ありがとうございました!・・・あの暫く場所借りたいんですけどいいですか?」
「11時にはココを出るから、その間ならいいよ」
時計を見ると午後8時を過ぎていた。どうりで外が暗いと思った紗耶香。
「すみません」
「いいよこのくらい、紗耶香は練習熱心だったものな」
夏先生がスタジオを出た後、紗耶香はもう一度真希のPVを見た。
「切ない歌・・・」
呟くように言った紗耶香。
♪♪〜♪
携帯の受信音がバイブと一緒に鳴った。
見てみると登録していないメールアドレス。紗耶香はメールを開いた。
193 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月09日(木)21時42分19秒
やっほー♪今『ハロモニ』の収録が終わったトコ。
            市井ちゃんは終わった?
                    真希

                    
「後藤か・・そういえばメアド教えるだけ教えて、後藤から聞くの忘れてた。返事出さなきゃ・・・」


夏先生とのレッスンが終わった所。
     もう少し練習したいから11時ぐらいまでいるつもり。
          その時に後藤のPVを見た。大人っぽかった。
                          市井   

「これでよしっと」
紗耶香はメールを返信した。一分も経たない内に返事が返ってきた。
「早いなぁ・・・どれどれ」

見たの!?恥ずかしいー!
   後藤の仕事はこれで終わったので直ぐにレッスン場に行くから待っててね 
                                 真希
194 名前:和尚 投稿日:2003年01月09日(木)21時59分12秒
「すぐって・・・まさか!?」
「市井ちゃーん!来たよ!!」
「はやっ!!」
声をした方向を見るとドアに真希が立っていた。
「後藤・・・」
「市井ちゃん♪」
真希がスグに紗耶香に抱きつく。紗耶香は真希を抱きしめ、優しく頭を撫でた。
「後藤、仕事終わったら寄り道しないで家に帰らないと・・・」
「だって、市井ちゃんと一緒にいたいんだもん」
「まったく」
真希の行動を結局は許してしまう紗耶香であった。
「メールでもしたけど、後藤のPV見たよ」
「恥ずかしいなぁ・・・で、どうだった?」
「ダンスも良かったし、市井も踊りがいがあるよ」
「ありがとう♪」
「ただ歌が・・・」
「歌下手だった?」
「歌は下手じゃないよ。ただ歌詞が切ないなって思った」
真希は少し考えてからポンと手を叩いた。
「PV撮りの時、市井ちゃんを想いながら歌ってた・・・」
「やっぱり、なんか市井の胸に突き刺さるなぁって思った」
「そうなの?」
「うん。あっそうだ、ダンス踊れるようになったよ」
「後藤の?」
「松浦さんのと両方。PVのダンスをベースに変えていくって言うから、踊れるようになれって」
「そうなんだ。市井ちゃん踊ってよ」
「OK。後藤、音出しよろしく」
「おっけー♪」
真希はコンポの前に行き、音楽を流した。
195 名前:和尚 投稿日:2003年01月09日(木)22時15分04秒
音楽が終わり、紗耶香も踊り終わった・・・
「どう?」
紗耶香は真希を見た。真希は顔を真っ赤にして目が虚ろな状態であった。
「後藤・・・後藤?」
紗耶香が真希の前に行き、手をヒラヒラさせる。
「後藤、大丈夫かー?」
「カッコイイ!!」
どうやら紗耶香のダンスがカッコ良くて真希は見とれていたのだった。
「そうすか」
紗耶香は赤い顔して頬をポリポリとかいた。
ふと見ると時間は10時半を指していた。
「そろそろ帰るか」
「うん」
「着替えてくるから待ってて」
「はーい」
紗耶香はロッカーへ行った。


「お待たせ」
紗耶香は着替えて後藤の所へ来た。
「後藤は何で帰るの?」
「タクシーだよ・・・市井ちゃんは?」
「歩き。最近歩くのが楽しくて♪」
「歩くの疲れない?・・・そういえば市井ちゃん今ドコに住んでるの?あの後、市井ちゃんの家に行っても誰もいなかったし」
「○○区に引越したんだよ・・・ありゃ、そういえば言うの忘れてた・・・」
紗耶香のど忘れに真希は怒り始めた。
196 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月09日(木)22時37分31秒
「信じられない!何でそんな大事な事を教えてくんないの!!」
「ちっとバタバタしてたし・・・忙しくてさぁー」
「市井ちゃん!!」
「ゴメンなさい!!」
紗耶香は両手を合わせて拝む様な感じで真希に謝った。
「市井ちゃん・・・勝手にいなくならないでよ・・・後藤こんな思いすんのヤダ・・・」
真希の目が潤み始めた。
「ゴメン後藤・・・また悲しい想いをさせていたんだな・・・」
紗耶香は真希の頬に触りながら唇にキスをした。
キスをした後にもう一度真希の顔を見た。
「ゴメン・・・」
「市井ちゃん・・・」
紗耶香の胸に顔を埋める真希。真希を優しく抱きしめる紗耶香。
「明日のスケジュールは?」
「昼からで夕方からダンスレッスン」
「市井も昼から打ち合わせ、その後ずっとダンスレッスン・・・
お互い昼からだし、今日はウチに来ないか?」
「いいの?」
「おいでよ」
紗耶香はニッコリと笑った。
「行く・・・」
197 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月09日(木)23時06分31秒
2人は夏先生に挨拶をしてレッスン場を出た。
大通りに出てタクシーを捕まえると乗り込んだる
「○○区の△△までお願いします」
紗耶香が行き先を告げるとタクシーは動き出した。
「市井ちゃん、いつ引っ越したの?」
「あの事件が終わってすぐ。
あの家は広くて良かったけど、管理が大変でさー、思い切って引越ししたんだ」
「聞いていい?」
「何?」
「市井ちゃんの家族はどうなってんの?」
真希は紗耶香に再会してから気になっていた事を聞いた。
それは紗耶香の家族の事。『退魔師』として紗耶香と再会した時は大きな屋敷で四聖獣と暮らしていたし、
今も紗耶香の口から家族の事は何1つはなしていなかったからきになっていたのだ。
「家族?」
「市井ちゃんのお母さんとかお姉さんとか・・・」
「あっ、ここで良いです」
紗耶香は運転手に言ってタクシーを止めた。
「2980円です」
「おつりはいいです」
紗耶香は金を払ってタクシーを降りた。続いて真希もタクシーを降りる。
ブロロロー・・・
タクシーが走り去った後に紗耶香は言った。
「いるよちゃんと・・・市井が人間界に戻って来た時にちゃんと会った。
行方不明になってから現在まで話したよ。そしたら・・・」
「そしたら?」
「『紗耶香がどんな姿になっても大事な娘だよ』って言ってくれた」
「市井ちゃん・・・」
紗耶香の目から涙が流れていた。真希は紗耶香の涙を手で拭った。
「泣いてたんだ・・・カッコわりぃー」
「そんな事ないよ」
真希は優しく微笑んだ。その微笑みはまるで太陽の様に暖かく感じた。
198 名前:和尚 投稿日:2003年01月09日(木)23時18分36秒
更新終了
194、195の題名間違えた・・・。

( ´ Д `)<にこぉ・・・ 後藤・・・>ヽ^∀^ノ
199 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月10日(金)21時07分46秒
ありゃ。新作が始まってる!
今回は甘くなるそうなんで、楽しみです。
頑張って下さい。
200 名前:マーチ。 投稿日:2003年01月11日(土)20時56分45秒
いい雰囲気になってますねー!
続きが楽しみです。
201 名前:桜流 投稿日:2003年01月12日(日)18時44分18秒
( ´ Д `)<わぁい☆
ちょいとのぞいてみたらば、お話が進んでいるではないですか!!
LOVE2いちごま、楽しませていただきます、がんばってください!
202 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月18日(土)23時13分54秒
数分後・・・
家に着いた2人。
「ひゃあ〜おっきい〜!」
大きな門が聳え立つ家に真希は感嘆の声を上げた。
時刻は深夜の為、近所迷惑にならない様に紗耶香はゆっくりと門を開けた。
家の建物は二階であったが、一部屋が15〜20畳ぐらいあるのではないかと思うほど大きい。
「前の家に比べたら狭いよ」
「でも都内でこれだけの大きな家は見たことないよ」
「ふーん」
紗耶香は頷きながら玄関を開けた。
「ただいま」
「お帰りなさいませ紗耶香様」
「お帰りなさい紗耶香様」
2人を迎えてくれたのは朱ともう1人・・・歳は真希と同じぐらいで髪がロングの明るい女の子であった。
その女の子の右目は金色に光っている。
「後藤を連れてきたよ」
「お久しぶりです後藤様。お元気そうで何よりです」
「はっ!いえっトンでもないです!!」
「緊張してんの?」
「そ、そんな事ないよ!」
真希は慌てて否定した。
「後藤様、皆様はお元気ですか?」
「市井ちゃん・・・このコ誰?」
真希は不機嫌な顔で紗耶香に聞く。
「あれ!?・・・そうか前回は見なかったんだっけ。コイツ『白』だよ」
「どえっ、白!?」
真希の驚き顔に紗耶香は無言で指を鳴らした。
ボンッ!と白は小さい虎になった。
「ホントだ・・・」
「納得したトコで部屋に行こうか?」
「お食事はどうなさいますか?」
「軽いモノを頂戴。荷物置いたらリビングに行くから」
「畏まりました」
紗耶香と真希は二階へ上がった。
203 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月18日(土)23時30分40秒
「で、ここが市井の部屋」
真希が通された部屋は15畳もあるフローリング部屋。
テレビ、ビデオ、DVD、パソコン、ダブルベットにソファーが置いてあった。
「広い部屋だね」
「まあね、仕事部屋も兼ねているから。あっ、荷物はその辺に置いといて」
「仕事って『退魔師』?」
「そう。あの事件が終わってからというもの依頼数が極端に減ったから、今は開店休業って感じだけど」
「ふーん・・・って、何荷物探ってんの?」
「夏先生からテープ借りたんだ。ご飯食べながら見とこうと思って」
「テープってPV?」
「松浦さんのデビュー曲から6thの【The 美学】と
後藤のソロデビュー曲から4thk【やる気!IT’S EASY】まで入ってるテープ。
踊るのにその人が歌ってる曲を知らないと話しにならないから・・・っとあった♪リビング行くよ」
「はーい」
紗耶香と真希はリビングに向かった。
204 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月19日(日)00時00分43秒
♪〜♪♪〜〜♪〜♪
画面上には真希の3th【手を握って歩きたい】が流れていた。
朱が作ってくれたサンドイッチを食べながら見ている紗耶香と真希。
「何か歌のお姉さんみたい」
「んあ〜そうだね。レコーディングの時つんくさんに『みんなの姉貴になった気分で歌って』って言われたから」
「なるほどね・・・ホントに歌、上手くなったよなぁ」
「後藤、市井ちゃんに言われると嬉しいよ」
「市井が娘。にいた時は『後藤は絶対、大人っぽい曲なんか歌えないだろう』って思ってた時あったもの」
「えーそうなの!?初めて知った!!」
「言っとくけど悪口じゃないかんね。
市井と一緒にいる時の後藤は、元気で甘えん坊という印象が強かったからそーゆーふーに思ってただけ。
でも、市井がいなくなってからの後藤はどんどん成長して大人っぽくなって、切ない曲も歌えるようになっちゃって・・・
月日は流れてんだなぁって感じちゃってるよ」
「市井ちゃん・・・年寄りくさいよ」
「ほっとけ!」
「でも、後藤が大人っぽくなっても、切ない曲歌えるようになっても中身は変わってないよ」
「へ?」
「市井ちゃんの前では後藤は甘えん坊になるって事。何でだかわかる?」
真希は真剣な眼差しで紗耶香を見ている。
「・・・・・」
「わからない?それは後藤が・・・」
「何見てんですか?」
「「わあ!?」」
突然、声をかけられたので2人は驚いてしまった。
205 名前:オールマイティー 投稿日:2003年01月19日(日)00時31分55秒
「何だ白か・・・驚かすなよ」
リビングに現れたのは白であった。
「驚かしてませんよ。何ですかこの画像は?」
白の問いかけに真希が答える。
「これはPV・・・プロモーションビデオ、新曲を売り出す為に製作するテレビ向け宣伝用ビデオなの」
「そうなんですか・・・で、何で見てんですか?」
「ホラ、今度市井がバックで踊ることになったろ?
そんで、歌ってる人の曲を知らないんじゃ話にならないから、全部の曲を一通り見てみようと夏先生に借りたんだ」
「そういえば、後藤様と一緒のステージに立つんでしたよね?・・・あの紗耶香様、こちらの方もですか?」
画面には松浦亜弥の6th【The 美学】が流れていた。
「この曲を踊るんだけど・・・市井1人で踊るみたいなんだ」
「え!?このPVでダンスしてる人、3人いるよ。1人だと変じゃない?」
「私もそう思います」
「だよなぁ。最低でももう1人いないと絵にならないし」
「紗耶香様、私が出ましょうか?」
「!?」
「そうだな、白と一緒だと市井としては楽かもしれないし」
「えっ、市井ちゃん白踊れるの?素人だと夏先生困っちゃうよ!」
真希は思わず立ち上がって紗耶香に言った。
「それは大丈夫。後藤がを初めてダンスを踊る時、何をするトコから始めたっけ?」
紗耶香に言われ真希は少し考える。そして、一言だけ紗耶香に言った。
「『マネをする』トコから」
「そう、武術を始める時もそこから始めるんだ。そして、四聖獣は武術の達人・・・大丈夫だよな?」
「はい」
「おっし、そうと決まればつんくさんに許可取らないと」
サンドイッチを食べ終えた紗耶香は電話を掛けに行った。
206 名前:和尚 投稿日:2003年01月19日(日)01時10分09秒
テーブルの前に朱が作ってくれたサンドイッチが置いてある・・・
( ´Д`)<市井ちゃん食欲旺盛だね。フランスパン一本のサンドイッチって・・・
ヽ^∀^ノ<そうか?寝る前だからこんなもんだよ。普段はもっと食べるよ。
( ´Д`)<『もっと』ってどのくらい?
ヽ^∀^ノ<五人前かなぁ・・・?
( ´Д`)<そんなに!?

大食漢の市井さんでした・・・

レスです。
名無し読者様。
はい今回は甘いです。
気が付けばいつの間にか甘くなってしまって・・・(苦笑)
こんなんで宜しければ・・・読んでやってください(泣)

マーチ様。
いい雰囲気・・・なってますねぇ。
今回はさらっと行きましたが、次は和尚・・・乱心します。
でも痛目にはなりません!

桜流様。
風邪はどうですか?
また流行ってるみたいですので・・・
LOVE×2いちごま、頑張ります!っと言いたいですが、
次回は和尚は乱心します。
でも痛目には絶対なりません!

207 名前:マーチ。 投稿日:2003年01月19日(日)22時20分15秒
乱心…!?
それはいい意味なのか悪い意味なのか…
とても気になります。
208 名前:和尚 投稿日:2003年02月02日(日)20時59分58秒
レスです

マーチ。様
乱心しようと思ったのですが、話がややこしくなるので止めました。
ホントすみません!!
しかし、ホンの少しですが【後市】で乱心してみました。
ヽ^∀^ノ<なに−!!
( ´Д`)<がんばるぞー!!
209 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月02日(日)21時28分40秒
「紗耶香様があんなに楽しそうな顔しているの始めて見ました」
「そうなの?後藤の前だといつもあんな感じだよ」
「だとしたら、紗耶香様は後藤様に心を許しているんですね」
「?」
「後藤様もご存知の通り、紗耶香様は四聖獣の長・・・全ての精霊王である【黄龍王】です。
黄龍王になられた時、その使命を全うする為に紗耶香様はいつも気を張りつめていらっしゃいました。
紗耶香様は黄龍王としての使命を重く捕らえていたのでしょうね」
「・・・・・・・」
「しかし、後藤様と再会なさった紗耶香様は段々と笑顔をお見せになられて・・・」
「おーい、つんくさんの許可が取れたぞ・・・って何話してんの?」
紗耶香がのん気に真希と白の所へ戻って来た。
「紗耶香様が幻想界にいた時の話ですよ」
「何!?」
紗耶香は慌てて白の口を閉じた。
「白!余計な事を言うな!!」
「いいじゃん、後藤は聞いて良かったと思ってるよ」
「後藤はいいかも知んないけど、市井はヤダ!」
「話しちゃったものはしょうがないです」
「お・ま・え・は・・・ったく、もういいよ。
明日は、市井と一緒につんくさんのトコに行って顔見せてから夏先生のトコに行くぞ。
スグにダンスレッスンだと。
朱、聞いてただろ?暫く白を借りるから」
紗耶香が言った後に朱がタオルと着替えを持ってリビングに入って来た。
「畏まりました・・・後藤様、お風呂のご用意が出来ましたのでどうぞ」
「すみません」
「市井も風呂入るかなっと。
白、テープ貸すから覚えてから寝ろよ。お前だったら一回聞けば大丈夫だろ」
「わかりました」
紗耶香はテープを白に渡した。
210 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月02日(日)21時55分36秒
「ふぁ・・気持ち良かった〜」
「だろ?このお風呂は自慢なんだよ」
風呂から上がって紗耶香の部屋でのんびりする真希に紗耶香は言った。
ちなみに真希は朱が用意してくれたパジャマを着ている。
ご飯も食べて満足な真希はご機嫌な気分。
「明日から忙しい日々が続くなぁ」
「そだねー。でも後藤は市井ちゃんと一緒だから大丈夫!」
「後藤は元気だなぁ〜」
「後藤は市井ちゃんと一緒だから元気なんだよ」
真希が潤んだ目で紗耶香を見ている
「市井ちゃんはどうなの?」
「市井・・・?市井は後藤と一緒だと安らげるよ」
紗耶香は真希を抱きしめた。
「市井は黄龍王であり、退魔師でもあるじゃん?後藤の前だと【市井紗耶香】に戻れるんだ・・・
勿論、黄龍王になった事は後悔してないけど、たまに疲れちゃう時があるんだ」
紗耶香は哀しそうに笑った。
紗耶香の顔を見た真希は切なくなり力強く抱きしめた。真希の胸に埋まる紗耶香。
「ご・後藤!?」
「後藤は悔しいよ・・・」
「何で?」
「だって市井ちゃんが苦しんでるのに後藤は何も出来ないんだもん!」
「そんな事ないよ。さっきも言ったろ?後藤といる時は黄龍王でなく市井紗耶香に戻れる・・・
市井はそれだけで十分だ」
紗耶香は穏やかな顔して真希をジッと見た。
「ありがとう・・・後藤に弱いトコ見せちゃったな」
「もっと見せてよ・・市井ちゃんのそういうトコ」
真希はもう一度紗耶香を抱きしめた。
ゆっくりと身体を離し、紗耶香を見つめた。
「市井ちゃん・・・」
「・・・いいよ」
紗耶香は真希の頬をさわりながら微笑んだ。
211 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月02日(日)22時24分10秒
ベットの上で生まれた姿になった紗耶香と真希。
真希は優しく紗耶香を押し倒した。
真希は紗耶香にキスをした。ふれるだけのキス・・・
「ん・・・」
紗耶香は真希の頭を抱きこんで自らキスを深くしていく・・・
そしてお互いの唇が離れた時、紗耶香は真希に言った。
「好きだよ」
「後藤も・・好き・・」
真希は紗耶香の首筋に口付け、ゆっくりと胸まで唇を落としていく。
そして、右胸の先端を口に含む。同時に左胸は優しく円を描くように揉みほぐす。
「あっ・・・ご・・とう・・」
真希は紗耶香をうつ伏せにした。
紗耶香の背中の大きな傷が真希の目に入る。真希は迷うことなく背中の傷にキスをした。
紗耶香の身体が一瞬ビクッと強張った。
「ん!!・・・後藤!?」
「市井ちゃん、市井ちゃん、市井ちゃん・・・」
紗耶香の背中の傷を癒すようにキスをし続ける真希。
真希の想いに強張っていた紗耶香の身体が落ち着いた。
真希はもう一度【好き】という想いを乗せて紗耶香にキスをした。
「ん・・・んん・・」
名残惜しそうに唇を離す紗耶香と真希。
潤んだ眼差しでお互いを見る2人。
「市井ちゃんの目・・・吸い込まれそう・・・」
真希は紗耶香の右目・・・龍眼にキスをした。
それから真希は右手を紗耶香の下腹部にそっと手を添えた。
212 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月02日(日)22時45分58秒
クチュ・・・
「あっ・・・!」
紗耶香は思わず真希に抱きついた。
「市井ちゃん・・・シーツまで沁みてる・・・」
「そんな・・こと・・いう・なっ・・あ・・!!」
紗耶香は意識が飛ばないように必死に耐えている。
「ちょっといい?」
真希はシーツを握っていた紗耶香の手を外し、腰に手を回して紗耶香を膝立ちさせる。
紗耶香は頑張って立とうとするが身体に力が入らない。
紗耶香の身体は真希に持たれかかっている。
目の前にある紗耶香の胸にキスをしながら紗耶香の中に指を入れた。
「っ・・・あああああっ・・・!!」
紗耶香は我慢をしていたが、真希の指の動きに段々と力が入らなくなって膝が落ちていく。
膝が落ちた瞬間に真希の指が奥まで進む。
「はあっ・・・んっ!!」
真希はもう一度ゆっくりと指を動かし始めた。
1本から2本へと指を増やし、指を動かすスピードも速くする。
「んっ・・あっ・・あっ・・はぁっ・・」
紗耶香の腰は真希の動きに合わせて自然と動く。
「ごとッ・・う・・やっ・・はぁ・・・っ」
「・・・市井ちゃん好き・・・」
「いち・・いも・・っあ・・すきっ・・だよ!」
紗耶香は真希にキスをした。
激しく舌が絡み合う。
「んっ・・はぁっ・・っ・・」
キスをしている時でも真希は指を動かす事を止めない。
その直後、紗耶香の身体が一瞬硬直した。
「・・・あっあああああーーーー!」
紗耶香は真希にギュッと抱きついた。
「「はぁ・・はぁ・・はぁはぁ・・・」」
「市井ちゃん」
真希は紗耶香を優しく包み込むように抱きしめた。
213 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月02日(日)23時02分28秒
並んでベットで寝ている2人。
「今日は後藤に甘えてばっかりだったな」
「ん〜でも後藤は嬉しいよ。いつも市井ちゃんは後藤に甘えないから」
「ん〜じゃ今度からもっと後藤に甘えよっと♪」
紗耶香は真希を抱きしめた。
「ねぇ市井ちゃん、後藤は市井ちゃんの前だけ甘えてるの知ってた?」
「リビングでの話か?知ってたよ。2人きりの時よく甘えていたよな。
他のメンバーには全然甘えてるの見たことなかったし、何でかな?って思った」
「後藤の全てを受け止めてくれる市井ちゃんが好きだから・・・だから後藤は甘えちゃうの」
「後藤・・・」
「後藤も市井ちゃんの全てを受け止めるから・・・だから市井ちゃんも後藤だけに甘えてよ」
真希は紗耶香の胸に顔を埋めた。
紗耶香は微笑みながら真希の背中に腕を回して優しく抱きしめた。
「市井ちゃん・・・?」
顔を上げた真希に紗耶香は頬にキスをした。
そして、真希に囁く・・・
「・・・ありがと」
214 名前:和尚 投稿日:2003年02月02日(日)23時10分40秒
更新終了

ヽ#^∀^ノ<後藤・・・
(#´Д `)<大好き♪

結局は仲が良いということで・・
215 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月04日(火)14時27分54秒
仲良き事は麗しきかな
216 名前:マーチ。 投稿日:2003年02月06日(木)20時35分13秒
どんどん甘えあって!って感じです。
いいですね〜、仲良しな二人!
217 名前:桜流 投稿日:2003年02月08日(土)16時08分16秒
お久しぶりです☆
しばらく読めなかった間に。。。後市!!
いちごまもいいけど後市も好きです☆
支えあう二人が実にステキなのです!!
そしてなにげに白の活躍超期待ですよ、更新楽しみにしております☆
218 名前:和尚 投稿日:2003年02月16日(日)01時35分36秒
レスです。

名無し読者様
仲良き事は麗しきかな・・・いい言葉です。
この言葉を胸に精進・・・
ヽ^∀^ノ<するのか?
( ´ Д `)<するんでしょ!
219 名前:和尚 投稿日:2003年02月16日(日)01時55分02秒
久々だから失敗してしまった・・・

レスの続きです
マーチ。様
そうですね。この2人は仲良しが似合うと思っていますが・・・
そろそろここら辺で・・・?
( ´ Д `)<仲良し♪仲良し♪中吉♪
ヽ;^∀^ノ<後藤、何気に漢字が違うのがあったが・・・

桜流様
後市・・・たまには良いかなぁ〜っと。
エッチシーンは強引だったので精進したいと(笑)
ヽ^∀^ノ<白、活躍期待してるって。
(白虎)<紗耶香様、意外と人使い荒いから嫌でも・・・
ヽ^∀^ノ<ピキッ・・・(切れた音)
(白虎)<あっ嘘です!冗談ですよ!!だから黄龍王にならないで下さい(悲鳴)
220 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)02時13分34秒
事務所の空き部屋につんくはいた。
曲を書いているらしく、テーブルの上には紙が散乱していた。
つんくは白の全身をジロジロ見ている。
「お前が推薦したのはこのコか?」
「はい、白と言います」
「ふーん顔も可愛いし、スタイルもええなぁ・・・デビューする気あらへんか?」
「は!?」
つんくの話に紗耶香は驚いてしまった。
「あの〜つんくさん、それはちょっと・・・」
「ハハハ冗談や、事情は知ってるし言ってみただけや」
(ホントかよ!)
紗耶香は怪訝な顔してつんくを見た。
「おっ、そうや!白は何に変身できんの?」
「虎です・・・白い虎」
「デカくなれんのか?」
「はい。本体はそれなので・・・」
つんくの質問に答える白。つんくはそのまま考え始めた。
「・・・・・・」
「つんくさん?」
「ちょい聞くけど、市井は退魔師の力使えるんやろ?」
「使えますけど、それが?」
「おっしゃ!ええこと考えたで!!」
「「はい!?」」
「ちょっと耳かせや」
紗耶香と白はつんくの側に近づいた。
221 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)02時25分44秒
「無理ですよ!そんなの!!」
「大丈夫や、絶対にごまかせるって!」
つんくの自信満々に紗耶香は眉を顰めた。
「・・・・・・」
「紗耶香様・・・」
考え込む紗耶香に白は心配する。
「わかりました」
「紗耶香様!?」
「一つだけ聞きたいのですが、市井と四聖獣の事を知っているのは誰ですか?」
「事務所関係者と娘。メンバーや。他のメンバーは知らんハズや」
「その人達にちゃんと口止めしてますか?」
「しとるで」
「それ以外の人に絶対に口外しないのであればやります」
「オイオイ大げさやな・・・」
つんくは笑っていたが、紗耶香の真剣な顔に息を飲んだ。
「つんくさん、ここは市井紗耶香ではなく、四聖獣の長黄龍王としてはなしています。
もし、約束を破るのであればあなたの命はありません」
紗耶香の右目がギラリと光る。
「わ、わかった・・・守る・・絶対守る!!」
「では、つんくさんに従います。
それではダンスレッスンなので失礼します」
「お、おう宜しくな」
紗耶香と白は部屋を出た。
222 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)02時51分27秒
「珍しいですね、紗耶香様があんな態度とるなんて」
廊下を歩きながら白が言った。
「まあな、保険をかけとこうと思ってさ」
「保険・・・ですか?」
「つんくさんって前から滅茶苦茶な事いうから、ここでビシッと言っとこうかなと」
「まー、イキナリ『退魔師の力と四聖獣の力を貸してくれ』ですもの」
白は溜息を付いた。
「それでどうなさるんですか?」
「誤魔化せる範囲で使うよ」
紗耶香は一枚の紙を白に見せた。
「これは?」
「つんくさんのトコからこっそりと取ってきた今回のコンサート曲の予定表。
松浦さんと後藤のトコ見てごらん」
白は紗耶香から紙を受け取り紙を見た。
「・・・・・お2人とも二曲続いてますね」
「だろ?2人とも二つの曲のイメージが違うから衣装の早替えとかさせたり、
他の曲の演出とかを考えているからハズだからそれを・・・」
「退魔師の力で?」
「多分・・・だから保険をかけたのさ。
コレでつんくさんが無茶な事言ったら拒否することが出来る」
「なるほど」
「こういう事になったけどさ、白にとってダンスとかコンサートとか初めての経験だから楽しめると思う」
「はい!!」
「んじゃ、ダンスレッスンに行くか。夏先生待ってるし。」
先生はうちらの事情も知っても普段通りに接してくれるいい人だよ」
「お会いするの楽しみです」
2人はレッスン場に向かった。
223 名前:和尚 投稿日:2003年02月16日(日)03時10分34秒
更新終了。
(白虎)<紗耶香様。夏先生とおっしゃる人は、どのような人なんでしょう?
ヽ^∀^ノ<そうだな・・・なんとなくだけど裕ちゃんみたいな感じかなぁ〜
(白虎)<中澤様ですか?
从 #~∀~从<呼んだか?
ヽ^∀^ノ<ビクッ!?いつの間にいたの!
从 #~∀~从<ええやないか、それよかこいつが人間の姿の白か?
ヽ^∀^ノ<そうだよ
从 #~∀~从<かわいい〜♪抱きしめたくなるわ〜♪
(白虎)<中澤様、既に抱きついてますが・・・
从 #~∀~从<中澤様なんて他人行儀はやめてなぁ。裕ちゃんて呼んで〜!
224 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)13時33分08秒
「おはようございます」
紗耶香はドアを開けながらレッスン場でストレッチしている夏先生に挨拶した。
「おはよう紗耶香。このコがつんくさんが言ってたコかい?聞いた話だと神様とか・・・」
「はい。白、こちらは夏まゆみ先生。モーニング娘。筆頭にメロン記念日、カントリー娘。等、
ソロでデビューしている松浦さん達の振り付けを全部担当しているんだよ」
「夏先生、こちらが白です」
「白と言います。夏様、宜しくお願いします」
「『様』!?・・・様はいいよ。先生って呼んでくれればいいから、後いくら神様でもビシバシ鍛えるよ」
「わかりました」
「それでは着替えてきますので」
「松浦があと一時間でここに来るから、早く着替えておいで」
「「はい」」
2人はロッカールームに向かった。
225 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)13時46分17秒
レッスン着に着替えた紗耶香と白。
紗耶香は黒いジャージに黒いTシャツ、白は紺のハーフパンツに白いTシャッ姿で夏先生の前にいる。
「それじゃ準備運動を始めるよ」
夏先生の動きを真似して体のいろいろな所を伸ばす2人。


「では『The 美学』の基本ステップを教えるよ。まだこの曲は発売してないから白は知らないと思うけど」
「いえ、昨日紗耶香様にテープを見せて頂いたので、曲は覚えました」
「覚えた!?」
「はい」
「なら話は早い。早速教えるから、わからなかったらすぐ言って」
「お願いします」
タンタタタターン♪〜
夏先生はゆっくりとわかりやすい様にステップを踏んで見せた。
白は夏先生のステップを見よう見まねでやっている。
紗耶香も一緒に復讐のつもりで同じステップをする。
紗耶香もそうだったが、白も覚えが早く、瞬く間にダンスをマスターしていく。
226 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)13時54分31秒
「覚えが早いな。30分しか経ってないのにもう覚えたなんて」
「白達四聖獣は『武術の神様』と呼ばれているんです」
「武術・・・?」
「武術を教える時って動きを真似するところから始めるんですよ。それで覚えるのが早いんです」
「もしかして、紗耶香も武術をやってるのか?」
「はい、武術は四聖獣に叩き込まれましたから」
紗耶香は苦笑しながら夏先生に話した。
「そのおかげで紗耶香様は私達より強くなられました」
白は笑顔で夏先生に言った。
227 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)14時10分01秒
「松浦が来るまで時間があるから、それまで休憩しよう」
「「はい」」
紗耶香と白、それに夏先生は床に腰を下ろした。
「初めてのダンスはどう?楽しいかい?」
「はい。でも、やはり武術と違って難しいです。表情がわからないですから」
「表情?」
「武術の場合、表情は関係なく鍛錬をするので・・・
ダンスは人に見せることを想定しますから、どんな顔したら良いかわからないんです」
「そういえば、ダンスをする事に夢中で言ってなかった」
「あ、あの・・・夏先生?」
「ゴメン、ゴメンつい忘れちゃったよ。
この曲は今までの松浦の曲と違ってCOOLでカッコイイ曲だから、表情は・・・挑発的にすればいいよ」
「挑発的ですか・・・」
白は考え込んだ。
「ダンスの基本は楽しむ事。楽しんでやってごらん。きっと出来るから」
「悩んでもしょうがないぞ。悩む前にまず行動・・・踊ろっか?」
夏先生と紗耶香は笑いながら白を励ました。
紗耶香と白は横に並んで鏡の前に立った。紗耶香は俯き、集中力を高める。
夏先生は2人を見ながら音楽を流し始めた。
228 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)14時25分54秒
♪♪♪〜♪♪〜♪♪♪〜♪〜♪〜
2人同時に動き出す。
少しのブレもなく確実に丁寧に踊る2人。白の表情が段々と変っていくのを感じる紗耶香。
(やっぱり、白の場合は悩む前に行動だな)
心持ち笑顔になる紗耶香。
夏先生も満足そうに頷いている。
音楽が終り、2人は決めのポーズをする。
「出来るじゃん」
白自身も手ごたえを感じたのだろう。満面な笑顔を浮かべていた。
229 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)14時46分28秒
パチパチパチ!!!
入り口の方から拍手する音が聞こえた。
2人が見ると笑顔が可愛い女のコが拍手をしていた。
女のコの名は・・・・松浦亜弥。
亜弥は高揚しながら紗耶香に近づいて行った。
「すっごいカッコイイです」
「あ・・・ども・・・松浦さんですね?始めまして市井紗耶香です。こちらは白と言います。
コンサート期間の間ですけど、宜しくお願いします」
「よろしくお願いします」
紗耶香と白は亜弥に挨拶をする。
「松浦亜弥ですぅ。よろしくお願いします。あやや、市井さんのファンだったんですぅ」
「それはどうも」
ニカッと笑って亜弥と握手する紗耶香。
「それじゃ松浦も来た事だし、レッスン開始するよ。松浦時間が惜しいから早く着替えておいで」
夏先生の声に亜弥は急いでロッカールームに走って行った。
230 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)15時03分30秒
レッスン着に着替えてきた亜弥はすぐにウォーミングアップをする。
念入りにアップした亜弥は夏先生の前に行った。
「アップ終わりましたぁ」
「始めるからスタンバイして。紗耶香は正面右に、白は左に立って。
白はさっきの通りにすれば大丈夫だから」
「はい」
「先生、市井は?」
夏先生は笑いながら・・・
「紗耶香は言わなくても大丈夫だろ?」
「・・・・・」
紗耶香は髪を掻き揚げて集中を始める。
集中している紗耶香は周りから見ても男前といわれるほど凛々しい。
「松浦・・・松浦・・!何ボーとしてるの!!」
「・・あっすみません!!」
気分を切り替える為に自分の頬を軽く叩く亜弥。
頭をブンブンと左右に振ってどうにか気分を切り替える事に成功した。
「先生、お願いします」
「音楽出すよ」
夏先生はコンポのスイッチを入れた。
♪〜♪♪〜〜♪〜♪♪♪〜
曲が流れる。同時に夏先生の注意する声がレッスン場に響く。
「松浦、手の動きを丁寧に!」
「松浦、顔が下に向いている!正面向いて!!」
「松浦、前に出来たステップなのに出来なくなったのか!」
亜弥への注意が何度も続く。
231 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月16日(日)15時17分03秒
「休憩!15分後にもう一度最初から始めるから」
亜弥は息切れして座り込んでしまっている。
紗耶香と白は汗をかいているが、息切れもせず平然としていた。
「松浦」
「は、はい!」
「はっきり言っておくけど、紗耶香と白のダンスレベルは高いよ。ちゃんとやんな!!」
「はい・・・」
夏先生は事務所に用事があるからと戻って行った。
未だ息切れしている亜弥に紗耶香は話しかけた。
「松浦さん大丈夫?」
「ハァハァ・・・大・・ハァ丈夫・・ですぅ」
亜弥は笑顔で答えた。
「はは、それなら大丈夫だ。少し休んで体力回復しなよ。
仕事が忙しくて疲れがたまっているから身体が動かないんだろ?」
「ハァハァ・・・疲れ・・・ハァ・・ないんですかぁ?」
「市井達?全然疲れてないよ」
「タフ・・・ですねぇ・・」
「身体は鍛えてますから。疲れている時こそ、ダンスは丁寧にそして笑顔。
それと自分自身も楽しまなくっちゃ」
「はい・・・がんばりますぅ」
亜弥は立ち上がって紗耶香に礼を言った。

232 名前:和尚 投稿日:2003年02月16日(日)15時41分13秒
深夜、昼間と続き更新終了。
从‘ 。‘从<市井さん、何でこんなにタフ何ですか?
ヽ^∀^ノ<さっきも言ったじゃん、身体鍛えてるからって。
从‘ 。‘从<どんなトレーニングメニューを?
ヽ^∀^ノ<ジョギング、筋トレ・・・武術やってるから白と組み手かな?
从‘ 。‘从<武術やってるんですか!?
(白虎)<そうですよ。昨日後藤様と何かやってましたよね〜(微笑)
ヽ#^∀^ノ<は、白!?
从‘ 。‘从<後藤様ってごっちん?ごっちんも武術やってるの?
ヽ#^∀^ノ<いや・・やってないよ。(白・・・)
(白虎)<(はい?)
ヽ#^∀^ノ<(今度組み手する時、手加減しないよ・・・)
(白虎)<!?・・・あはははは・・・・

口は災いの元でした。
233 名前:マーチ。 投稿日:2003年02月17日(月)23時17分22秒
いちーちゃん、かっこいい。
でも、そんなに凛々しい姿をあややに見せちゃだめだよ!
惚れちゃうよ!?
234 名前:和尚 投稿日:2003年02月23日(日)01時27分17秒
レスです。

マーチ。様
ここでの市井さんは教育係の市井さんを意識してみました(笑)
このカッコイイ市井さんに後藤さんは好きになったと思われます。
(#´ Д `)<それだけじゃないよ!優しいし、後藤が辛い時だずっと一緒にいてくれたし!
という事なので、松浦さんも例外ではないかも?
235 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)01時34分32秒
夏先生が紙を持ってレッスン場に戻ってきた。
「紗耶香、つんくさんから手紙を預かってきた」
「なんて書いてあるんですか?」
「コンサートで曲の演出と曲目ごとの入りと抜けをやってほしいって」
「えっ、マジっすか!?」
紗耶香は驚愕し、夏先生から手紙を受け取った。

市井へ

スマンがコンサート曲での演出、曲の始まりと終りの入りと抜け(人の入れ替え)をやってほしい。
全部と言いたい所だが、自分が出来そうな範囲でやってくれ。
もし残ったら俺がやる。
別紙にコンサート曲の予定表を渡すから、
明日から他のダンスレッスンを見学して、それを参考にして検討しておいてくれ。
紗耶香は無言で二枚目の紙を捲った。
236 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)01時45分03秒
M1  幸せビーム!好き好きビーム   ハッピー(はあと)7
M2  幸せですか?            セクシー7
M3  幸せきょうりゅう音頭        おどる(はあと)11
〔MC1〕
M4  夏の思い出              全員
〔MC2〕                    中澤、稲葉、前田
M5  東京、宵町草             前田有紀
M6  東京美人               中澤裕子
〔MC3〕
M7  色っぽい女〜SEXY BABY〜  カントリー娘。に石川梨華
M8  ムラサキシキブ              平家みちよ
〔MC4〕
M9  真夏の光線(ハワイアンVer)      ココナツ娘。 メロン記念日、松浦、石井
M10 そっと口づけて ギュッと抱きしめて  藤本美貴
M11 溢れちゃう・・・BE IN LOVE    後藤真希
M12 やる気!IT’S EASY         後藤真希
M13 アイ〜ン!ダンスの唄          ミニモニ。
237 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)01時49分05秒
〔MC5〕
M14 かもめの水兵さん            石井、平家、稲葉、カントリー娘。、前田、藤本
M15 夏の夜はデインジャー!        メロン記念日
M16 Yeah!めっちゃホリディ      松浦亜弥
M17 THE 美学              松浦亜弥
〔MC6〕
M18 Do it!Now
M19 Mr.Moonlight〜愛のビックバンド〜
〔MC7〕                     モーニング娘。  
M20 I WISH
M21 ザ☆ピ〜ス!
M22 恋愛レボリューション21
〔MC8〕
M23 ふるさとメドレー             全員  
M24 そうだ!Weie ALIVE

238 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)01時51分37秒
(・・・・・・・・)
紗耶香は倒れそうになってしまった。
「どうした紗耶香?」
「いえ・・・あまりの凄さに眩暈がしまして・・・は・・はは・・・」
「大丈夫ですか?」
紗耶香の顔色の悪さに心配する白。
「あはは・・・大丈夫だよ。夏先生再会しましょう」
手紙を無造作にポケットに入れた。
「わかった。松浦!紗耶香!白!スタンバイして!!」
夏先生の号令で低位置に立つ。
「松浦さん」
「はい?」
「本番のつもりで・・・そして楽しもうな」
鏡越しに亜弥に向かってウインクする紗耶香。
「はい!!」
「白、ウチラも楽しむよ」
「はい」
亜弥、紗耶香、白は目を瞑って下を向いて音楽を待つ。
それを見計らって夏先生はコンポのスイッチを押した。
♪〜♪♪〜〜♪〜♪♪♪〜
ダッ!!
音楽にあわせて踊りだした。

239 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)01時53分57秒
音楽がラストに近付く。
♪〜♪♪〜〜♪〜♪♪♪〜
バッ!!
フニッシュを決め踊り終わった。
「OK!松浦この感じを忘れない様に!
紗耶香と白はこのテンションを本番まで下げない様に!!」
「「「はい!」」」
「今日はこれまで!三日後のダンスレッスンにもう一度やるから!!」
「「「ありがとうございました」」」
亜弥、紗耶香、白は夏先生にお辞儀をした。
「お疲れ様でした」
夏先生もお辞儀をし、事務所に戻って行った。
「はぁ〜終わりましたぁ」
「お疲れ様松浦さん」
「お疲れ様でした」
「市井さん、白さんもお疲れ様でしたぁ・・・あの市井さんこの後の予定は?」
「は!?」
「もし良かったらご飯でも一緒にどうかなって・・・」
亜弥はモジモジしながら紗耶香に言っている。
「ゴメン。この後の時間に、後藤とのダンスレッスンがあるんだ」
紗耶香は手を前に出して謝るポーズをした。
「それじゃ、しょうがないですね・・・」
「仕事で身体が疲れてんだから、今日は家でゆっくりしなよ」
「・・・残念だけどそうしますぅ・・・お疲れ様でしたぁ」
「お疲れ様」
「お疲れ様でした」
亜弥はロッカールームに入って行った。
240 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)01時55分47秒
亜弥がロッカールームに入ったのを見て、白は紗耶香に話しかけた。
「紗耶香様、モテますね」
「何感心してんだよ。そんなんじゃないだろ『ご飯を一緒に』って言ってたじゃん」
「それだけで松浦さんあんな風にガッカリなりますかぁ・・・アタッ」
白が最後まで言い終わらない内に紗耶香は白の頭を叩いた。
「バーカ、つまんないこと言ってんじゃないよ」
「・・・申し訳ありません」
白は紗耶香に叩かれた頭を擦りながら言った。

241 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)01時59分03秒
「おはようございまーす」
突然、レッスン場の入り口から勢い良くドアを開けて入って来た。
その人物は紗耶香を見るとわき目もふらず走って紗耶香に抱きついた。
ガシッ
そんな真希を軽く受け止める紗耶香。
「おっと、元気だなぁ〜」
「あはっ、市井ちゃんおっはよう♪」
「おはよう後藤」
「おはようございます後藤様」
「おはよう白」
白もそんな真希を微笑ましく見ながら挨拶をし、
紗耶香は抱きついている真希を剥がしながら優しく言った。
剥がされた真希は少し拗ねたように紗耶香に言った。
「何で抱きついちゃダメなの?」
「さっきまで、松浦さんとのダンスレッスンだったから汗掻いてんの」
「そんなの後藤気にしないのに〜」
「まーまー、後藤様早かったですね。時間まで随分ありますよ」
「早く仕事が終わったんでスグに来たんだ」
「そっか。ウチラも終わったトコなんだよ」
紗耶香は真希の頭を撫でながら言う。
「これから後藤とのダンスレッスンが始まるけど・・・・白どうする?待ってるか?」
「待ってます。後藤様のダンス見てみたいし」
「そうだな・・・きっと勉強になると思うよ」
「・・・・・・・・」
「後藤、何笑ってんの?」
「だって、市井ちゃんがそんなこと言うの始めてなんだもん。何か嬉しくって」
「そうだっけ・・・・?」
「そうだよ」
真希は紗耶香の腕にしがみついて言った。

242 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)02時02分42秒
ガチャ
私服に着替えた亜弥がロッカールームから出て来た。
「あれ?ごっちん来てたんだ」
「うん、市井ちゃんに会いたかったから」
「ちょっ・・・後藤!さっきそんな事言ってなかったじゃん!!」
笑顔で答える真希に紗耶香は顔を赤くして叫んだ。
「えーだって、言ってないだけでホントの事・・・・っんぐ」
慌てて真希の口を塞ぐ紗耶香。
「あははは・・・そういえば外・・・暗くなって来たよな。
白、女の子1人じゃ危ないから、明るいトコまで松浦さんを送ってあげて」
「え!?タクシーで帰りますから大丈夫ですよ」
「んじゃ、タクシー乗るまで送ってやって。最近物騒だしな
白が戻ってくるまでレッスンしないで待ってるからさ」
「わかりました」
「そのままじゃ寒いでしょ?後藤の上着貸してあげるよ」
真希は着ていた上着を脱いで白に渡した。
「ありがとうございます。それでは行きましょう」
「白さんすみません。市井さん、ごっちんお疲れ様でした」
「お疲れ様」
「お疲れ様。松浦さんまたね♪」
「は、はい!失礼します!!」
亜弥は顔を赤くしながらレッスン場を出て行った。
「待ってくださいよ!」
白は急いで亜弥の後を追った。
243 名前:オールマイティー 投稿日:2003年02月23日(日)02時05分50秒
顔を赤くしながらレッスン場を出て行った亜弥に真希は不審に思った。
(亜弥ちゃんのあの顔は好きな人を見る目だ・・・・まさか市井ちゃんに!?)
「ん・・・どした後藤?」
考え込む真希に紗耶香は心配そうに話しかける。
「何でもないよ。後藤、着替えてくる」
紗耶香に言ってロッカールームに行こうとした時に夏先生がレッスン場に入って来た。
「おっ、後藤来てたんだ」
「はい、仕事が早く終わったので」
「そうか。紗耶香、一時間後に後藤のダンスレッスンするから、その間にご飯とか食べてきな」
「わかりました。その前にお願い・・・というかお話があるんですが・・・」
「なんだい?」
「明日から他の人達のダンスレッスンの見学を白と一緒に許可して頂きたいのですが・・・」
「ああ・・・いいよ。レッスン始める時にスケジュール表持ってくるから」
「ありがとうございます。この後のダンスレッスンに白を見学させたいのですが・・・」
「いいよ。んで、その白はどこ行った?」
「松浦さんを近くまで送って行きました」
「ふーん。白が来たら伝えといて」
夏先生は紗耶香に言うとレッスン場を後にした。
244 名前:和尚 投稿日:2003年02月23日(日)02時41分15秒
更新終了。
尚、コンサート曲の予定表は
『Hello! Project 2002』みんな幸せにな〜れっ!後編を引用しました。

( ´ Д `)<市井ちゃん、ご飯どうすんの?
ヽ^∀^ノ<朱がお弁当を持ってきてくれるハズ
( ´ Д `)<お弁当?
ヽ^∀^ノ<市井を筆頭に白も結構食べるんだよ。食べに行くとお金掛かるから(笑)
( ´ Д `)<それでお弁当を?
ヽ^∀^ノ<そうなんだ
ガチャ
(朱雀)<紗耶香様お弁当を持ってきました。
ヽ^∀^ノ<ナイスタイミング!ありがとう朱。道に迷わなかったか?
(朱雀)<大丈夫です。
ヽ^∀^ノ<朱、ちょっと耳貸して。
ボソボソボソ・・・
ヽ^∀^ノ<と、いう訳で、もしかしたら朱の力も借りるかもしれないけど・・・
(朱雀)<わかりました。それでは紗耶香様、後藤様失礼します。
ヽ^∀^ノ<はいよ、お疲れ様。
バタン・・・
( ´ Д `)<何、内緒話してんの?
ヽ^∀^ノ<実はさ・・・

本編に続く(苦笑)
245 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時15分00秒
同時刻・・・・
会社帰りの人達とかで街はごった返していた。
タクシーに乗る為、大通りまで亜弥を送る白。
亜弥は帽子を深く被っている。
「白さんダンス上手いよね。ダンスやってたの?」
「前に少し紗耶香さ・・・いえ紗耶香姉さんに教えて貰った事があるぐらいで、
このような本格的なのは初めてですよ」
「市井さん、ごっちんの教育係やってたから教えるの上手いのかな?」
「へ〜そうだったんですか、それは知りませんでした」
白は笑いながら言った。
「ねぇ、白さん聞きたい事があるんだけど」
「何ですか?」
「市井さんと白さんってどんな関係?」
「は!?『どんな関係』ですか・・・・?遠い親戚ですよ」
紗耶香と白は自分達の正体を隠す為に事前に打ち合わせしといたのだ。

246 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時17分43秒
「だからなのかぁ、市井さんと白さんの右目の色が違うのは・・・
あのさ、市井さん娘。脱退して留学してたんだよね?後に新聞に『事件に巻き込まれ生死不明』になってたのは何で?
そして、何で退魔師として娘。メンバーの前に現れたのは何で?
白さんは市井さんの親戚って言ってたけど、退魔師の事知ってるの?」
「松浦さん、『何で』ばかりですね」
白は笑いながら言った。
「申し訳ありませんが、これは紗耶香姉さんの個人的な事なので、私から松浦さんに言うわけにはいきません」
「そうだよね・・・ゴメンなさい」
「逆に聞きますが、どうして紗耶香姉さんの事を聞きたいのですか?」
白が亜弥に聞いたとたん亜弥の顔が一瞬で赤くなった。
「えっ、あ、あのそのっ・・・!あっ、タクシーが来た!」
亜弥は右手を上げ、タクシーを止めた。
ガチャ
ドアが開くと亜弥は直ぐに乗り込んだ。
「白さん、き、今日はお疲れ様でした!次回のダンスレッスンで!!」
「はい、次回もお願いします」
バタンッ!
ブロロロロ・・・・
タクシーが動き出し、走っている車の中に混ざっていった。


247 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時23分01秒
再びレッスン場・・・・・
「えっ!?市井ちゃん、演出家になったの?」
レッスン着に着替えた真希は隣に座って紗耶香の話を聞いていた。
「演出家って・・・そんな立派なモンじゃないよ。」
紗耶香は苦笑しながら言った。
「おかげで、他のダンスレッスンを見学だよ」
「何で?」
「ん〜、とりあえず全部の曲を聴かないとダメだし・・・
なにしろ、この紙に書いてあるほとんどの曲知らないから」
紗耶香はつんくからの手紙を真希に見せた。
「後藤も何かしてほしい事あったら遠慮なく言ってよ」
「『してほしい事』って?」
「基本的には自分の曲をどの様に演出したいかを聞いてからやるつもりだから」
「どうやってやるの?」
「術を使う・・・例えば後藤の曲『やる気!IT’S EASY』をどんなステージで歌いたいかを市井に細かく言って、
それを具現化するって感じかな」
「市井ちゃん凄い・・・・」
「バーカ、そんなんじゃないよ。人に聞いてやった方が楽だからだよ。
それに会場は代々木第一体育館だよな?
ステージ中央にはオーロラビジョンを設置すると思うからそれがメインになると思うし、
市井は何曲か手伝う感じになると思うよ。いくらなんでも全部はなあ・・・」
紗耶香は頭を掻きながら真希に言った。
248 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時24分40秒
ガチャ
「ただ今帰りました」
「お帰り白。ちゃんと送って行ったか?」
「はい。後藤様上着ありがとうございました」
白は上着を脱ぎ、丁寧にたたんで真希に渡した。
「どういたしまして」
真希は笑顔で受け取った。
「白、お前が行った後夏先生が来て、今からだと・・・45分後ぐらいか?
後藤のダンスレッスンが始まるから見学していいって。
それと、明日から他の人のダンスレッスンも一緒だからな」
「わかりました。明日のレッスンは何ですか?」
「後藤知ってる?」
「明日はシャッフルユニット、カントリー娘。、ココナツ娘。、ミニモ二、メロン記念日。モーニング娘。だよ」
「そんなに!?全員じゃないか!!」
「以前もやったダンスだし、確認の意味の感じでやると思う」
「それだったら、早く進みそうだな。おしっ、ご飯食べよう」
紗耶香は脇に置いてある包みを前に出してほどいた。
包みの中は三段重ねの重箱。一段目はひじきのおにぎり、
二段目は玉子焼き、キムチトンカツ、ナスときゅうりのからし漬け、
三段目は野菜サラダ、新鮮なフルーツが入っていた。
「豪華〜」
真希の目は輝いている。
249 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時26分39秒
真希の目は輝いている。
「紗耶香様、これは?」
「朱が持ってきてくれた。後藤お腹空いてない?一緒に食べようよ」
「うん、食べる!いっただきま〜す!!」
真希はひじきのおにぎりに手を出した。
「モグモグモグ・・・美味しい!」
「それは良かった」
「紗耶香様、私達も食べましょう」
「いただきまーす」
紗耶香は手を合わせて言うと食べ始めた。
「この玉子焼きも美味しいよ」
「この玉子焼きは紗耶香様が朱に教えたんですよ」
「そうなの?」
「まーね」
紗耶香は食べながら頷いた。

250 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時27分15秒
15分後・・・・
重箱に入ってた食べ物を完食した3人。
「「「ごちそうさまでした」」」
重箱を包んで後片づけする白。紗耶香は立ち上がり身体を伸ばした。
「市井ちゃん達、食べたよね〜」
真希は感心する様に言った。真希はこれからの事を考えて少ししか食べなかった。
「松浦さんのダンスレッスンの前に白とのダンスレッスンがあったから、動きすぎてお腹減ってたんだ」
「あは、お疲れ様♪」
「まーな。白、変化」
片付け終えた白は紗耶香に言われ、大きな虎に変化する。
「市井ちゃん?」
「眠くてさ、少し寝るからさ十分前ぐらいに起こして」
白は大きな虎になったまま寝そべり、紗耶香は白を枕にしてスースーと寝てしまった。
「寝るの早いよ・・・・1人で起きてるのもヤダから、後藤も寝よっと。
白、後藤も一緒にいいかな?」
『はい、どうぞ』
真希は携帯のアラームを始まる10分前に合わせて、同じく白を枕にして紗耶香の隣に寝そべった。
紗耶香と白は既に寝入っていた。
あどけない紗耶香の寝顔に真希はそっとキスをした。
「少しだけおやすみなさい・・・・」
251 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時28分57秒
ピピピピピピピヒ・・・・・
デジタル音でムクっと起きた真希。
「10分前だよ起きて」
真希は身体を揺すりながら紗耶香を起こした。
「ふぁ〜・・・起こしてくれてサンキュ・・・白〜起きろぉ・・」
紗耶香は思いっきり揺すって白を起こした。
『ぐあ〜・・・おはようございますぅ』
白は虎の姿のまま前後に身体を伸ばすとボンっと人間の姿に変化した。
「準備運動しよっか?白も見学だけど、付き合ってな」
「はい」
3人輪になって真希を中心にアップを始める。
「ねーなんで後藤が中心になんの?」
「後藤の曲だし、中心になんのは当たり前だろ?」
紗耶香は笑いながら身体を伸ばしている。
アップを終えた紗耶香は首を回しながら手をポキポキと鳴らしていた。
「おっし!」
紗耶香は気合を込めて叫ぶとスッと立つ。
「何すんの?」
真希は不思議そうに紗耶香に聞いた。
252 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時29分38秒
「武術の基本姿勢をね。白、よろしく」
「はい、いいですか?」
「おう」
「騎馬!」
バッ!
白が言うと紗耶香は両足を平行にし、両膝を曲げて腰を垂直に落とした。
「弓箭!」
両足を前後に開き、前に出ている足をつま先を前に向け膝を曲げ、膝から床に垂直に立てた。
そして、後ろの足は膝を伸ばして真直ぐにし、つま先を前足に対して外に向けた。
「朴式弓箭!四六!独立!坐盤!」
白が声を出す度に紗耶香は姿勢をとっていく。
「最後、鉄鎖!」
床に腰を下ろして左足を前に出し、左足は伸ばした足に対し直角の方向に出し、
更に膝を直角に曲げた。
「終了〜♪」
紗耶香は両手を床につき、スタッと立った。
見ていた真希に向かって簡単に説明する。
「タンスにも基本があるように、武術にも基本があるんだ。
これはその基本。一日に一回はやらないと身体の調子が悪くなるんだ。
まあ、この他にも基本動作があるんだけど時間がないので省く」
「省いちゃダメですよ」
「だって時間がないぜ」
紗耶香は壁に掛けてある時計を見て言った。
「時間が空いたらしたら、ちゃんとやって下さいよ」
「はいよ」
紗耶香が返事すると夏先生がレッスン場に入って来た。
253 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時31分57秒
「アップはすんだかい?始める前にちょっと見て貰いたいものがあるから」
夏先生は白を呼ぶと、隅においてあったテレビ棚(デッキも入ってる棚)を持ってこさせた。
そして、手に持っていたテープをデッキに入れて再生ボタンを押す。
「変更した『溢れちゃう・・・BE IN LOVE 』のダンスが入ってるから良く見ておいて」
夏先生が言い終わった直後に映像が映し出された。
画面中央に女性の姿、右斜め後ろにバンダナを被ってサングラスをした男性が映っていた。
曲が流れ、曲に乗って踊りだす2人・・・
途中まではPVで通りのまま、変更は間奏の後COME ON CRAZY MY BABYからだった。
離れて踊っていた2人が段々と近づき、女性が男性を抱きしめようとするが、男性はスッと離れる。
それを幾度も繰り返し、最後は女性の想いに気付き、男性が女性を包み込む様に後ろから抱きしめる。
そして女性は嬉しくなって身体を向いて、サングラスを外しキスをしようとする時に曲が終わった。
(この映像でやるなら、市井は頭にバンダナ巻いてサングラスしなきゃならんのか?)
仕事に関しては真面目な紗耶香に対して、真希は顔が真っ赤になっている。
しかし顔は嬉しそう・・・・
254 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時32分40秒
(後藤、市井ちゃんに抱きしめられるの!?市井ちゃんに抱きしめられるなんて嬉しいなぁ〜。
顔がニヤケちゃうよ・・・あっ、ダメダメ!曲の主人公になりきらなきゃ!)
辛うじて嬉しさを抑えている真希。
「というわけで、コレでいくから」
「先生質問。この映像だと男性は頭にバンダナ被ってサングラスしていますけど、市井もやるんですか?」
「そうだよ。ちなみに後藤は今回に限りヘッドホンマイクで歌って貰うから」
「わかりました!」
「おっ、元気いいねぇ。始めるよ」
「「はい」」
紗耶香と真希は所定の位置に立つ。
「あっ、ちょっと待って下さい」
紗耶香は夏先生に言うとスッと手を出した。
カチャッ
紗耶香の掌にはサングラスとバンダナが乗っている。
スグにサングラスをしてバンダナを巻く紗耶香。
「こんな感じかな・・・?先生お願いします。後藤、よろしくお願いします」
「う、うん。よろしくね市井ちゃん」
(い、市井ちゃんカッコ良すぎだよ!!)
「音楽出すよ」
夏先生はコンポのスイッチを入れた。
255 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時33分24秒
♪〜♪♪♪〜〜♪〜♪♪〜〜♪〜
音楽が流れ2人は同時に踊り始めた。
音楽が進む度に紗耶香の顔が緩んでくる。
(後藤と一緒に踊れるなんてもう無いと思ってたのに・・・それにダンスが上手くなってる)
真希のダンスが上達していることに嬉しさを隠せない。
一方後藤も紗耶香と同様に笑顔になっている。
(市井ちゃんと一緒に踊るなんて夢みたい。嬉しいなぁ〜♪)
「2人とも!一緒に踊れて嬉しいのはわかるけど、笑顔になってるよ!」
夏先生に言われ慌てて顔を戻す紗耶香と真希。
見ていた白も思わず笑ってしまう。
これまで順調に踊っていた紗耶香と真希。
変更になったダンスも紗耶香は完璧に、真希はたどたどしいがなんとか踊れている。
最後のダンス・・・真希は紗耶香のサングラスを外してキスをしようとして音楽は終了した。
止まったと同時に真希は紗耶香から離れ、顔をペチペチと叩いていた。
「うわぁ〜!照れちゃうよぉ〜!!」
「そりゃ、こっちのセリフだ!」
紗耶香の顔はほんのりと赤い。
それを見ていた夏先生と白は笑っていた。
「紗耶香は文句なし。後藤も何回か数を重ねれば大丈夫だね」
「「そうですか」」
「後は表情だね。笑顔になってはダメだからね」
「「は、はい」」
「もう一度やるよ」
「「はい」」
真希からサングラスを受け取り紗耶香は所定の位置に戻った。
256 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時34分10秒
「はい終了!今日はこれで終り!」
休憩を挟んで、何回か踊った後に夏先生はレッスン終了を告げた。
「「ありがとうございました!」」
「紗耶香、久しぶりに後藤とダンスしてどうだった?」
「えっ?そうですね・・・・楽しかったし、嬉しかったです」
「!?」
「どうしてだい?」
驚いている真希を横目で見ながら夏先生は紗耶香に尋ねた。
紗耶香は踊っている時に自分が思っていた事を夏先生に話した。
「後藤ともう一度踊れるなんて思ってもみなかったし、それとダンスが上達していたのが嬉しかったからかな」
「そうだったな・・・後藤が入った当時に比べると全然違うな」
「先生〜、娘。入ってもうすぐ三年ですよぉ〜ダンスだって上達しますよぉ〜」
「ゴメンゴメン。白は後藤のダンス見てどう思った?」
「ダンスに切ない想いが出ていて凄いの一言です・・・」
「これなら明日は大丈夫かな?紗耶香、松浦の方はどうだ?」
「疲れがたまってるみたいでしたが、それが取れれば大丈夫ですよ。ダンスも大丈夫ですし」
「わかった」
「先生、明日は何時集合ですか?」
「明日は9時集合、9時半から始めるよ。紗耶香と白は8時までにここに来ること」
「マジッすか!?」
「つんくさん、明日は朝しか時間が取れないっていうから、打ち合わせするそうよ」
「わかりました」
「後はやっておくから、早く帰りな」
夏先生はレッスン場を出て行った。
「帰ろうっか?」
紗耶香は真希と白に言うとロッカールームへ向かった。
257 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時36分01秒
バタン!
「あ゛ー!づがれだー!!」
私服に着替えた紗耶香はレッスン場で両腕を上げて思いっきり背伸びをした。
「市井ちゃん、ずっとだったからね」
「それに睡眠不足だったからでしょう?」
「「・・・・・・・・」」
「あっ・・・」
白の言葉に紗耶香は引きつった笑いをし、真希はボッと真っ赤な顔して俯いた。
しかし、時は既に遅し・・・・
「はくぅ・・・小虎に変化してくれるかなぁ〜」
「は、はい・・・」
ボンッ!
白は小さい虎に変化した。
258 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時36分50秒
突然紗耶香は指を噛み切りって血を流す。流れた血は紋章の形を浮き出した。
「市井ちゃん!?」
「白、今日は大変だったよなぁ・・・
つんくさんと会って、松浦さんとのダンスに、後藤と市井のダンスを見学・・・疲れたろ?」
『は、いえ・・・全然大丈夫です・・・』
「いやいや、疲れて眠いだろ?送ってやるよ・・・」
『紗耶香様と一緒に帰りたいな〜なんて・・・』
「問答無用!」
紗耶香が白に向かって手を翳した。
血で浮き出た紋章が金色に輝いた。
「ただ今午後9時ジャスト、2時間後の午前0時までに帰ってこい!」
『紗耶香様〜!』
輝きが消えたと同時に白の姿が消え、紋章も消えていた。
「市井ちゃん、白どうしたの?」
「送ってやったんだよ。エベレストの頂上に」
「へ!?」
「あいつ、松浦さんの前でも言ってたんよ・・・だからお仕置きした」
「えっ、亜弥ちゃんの前で!?でも、エベレストは酷いんじゃ・・・」
「大丈夫、修行も兼ねているから。それに白が本気出せば2時間で家に着く距離」
紗耶香はニッコリ微笑んだ。
「後藤、タクシー乗るまで送っていくよ」
「ありがと、市井ちゃん!!」
紗耶香は真希の手を繋いでレッスン場を後にした。
259 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月02日(日)22時37分54秒
夜の雑踏の中で、紗耶香は不意に真希に話しかけた。
「後藤さ、市井が寝てる時にキスしたろ?」
紗耶香に言われた真希はドキンッとなった。
「えっ、何でわかったの!?」
「寝てても唇に触れた感触はわかるよ」
「嫌だった?」
「んにゃ、全然。ただ市井は・・・・」
深く帽子を被っていた真希にキスをした。
「・・・・・・・!!」
「されるより、する方が好きなんだ」
紗耶香は更に二カッと笑った
「市井ちゃ〜ん」
「あっ、タクシーが来たぞ!」
紗耶香はタクシーを止めて、真希をタクシーに乗せた。
真希は車の窓を開けて紗耶香を見つめる。
紗耶香は真希の頭を撫でる。
「お疲れ様、また明日な」
「うん、また明日」
真希が言い終わるとタクシーは動き出した。
手を降っている真希を見て紗耶香は笑顔で答える。
タクシーが見えなくなると紗耶香は家路に向かって歩き出した。
260 名前:和尚 投稿日:2003年03月02日(日)22時40分58秒
更新終了

午前0時・・・・
(白虎)<ただいま帰りました・・・
ヽ^∀^ノ<お帰り白。時間ピッタリだな
(白虎)<紗耶香様、酷いですよ
ヽ^∀^ノ<バカ、お前が余計な事を言うからだ
(白虎)<それはわかってます・・・自分でも余計な事言ってるって
ヽ^∀^ノ<それがなきゃ、良いんだがな・・・
(白虎)<ごめんなさい
ヽ^∀^ノ<もういいよ。明日は早いから、風呂に入りな。マッサージしてやるから
(白虎)<ありがとうございます

長い一日だった・・・
261 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)22時51分03秒
『あの人間から力を感じる・・・あの人間の力を貰おう』
暗い道を歩いている人を見て迫力のある声の主は言った。
「こんなのもう嫌だよ・・・」
『ここで止めたらお前の好きな人に想いを遂げる事ができないぞ』
「・・・・・・・」
『神である私がいれば何でも思いのままに出来るぞ・・・』
「・・・・・・・」
『どうする・・・止めるか?』
「・・・・やる」
『よし、やるぞ』

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

叫び声が闇に吸い込まれた・・・・・


262 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)22時52分02秒
「ふわぁぁぁ〜」
「紗耶香様、見っとも無いですよ」
「ん〜、流石に朝からの打ち合わせは辛いものがあるよ」
紗耶香は首をコキコキしながら白と夏先生と一緒にレッスン場に向かっていた。
「しかしこの打ち合わせで、プランがだいたい固まってきたからよろしいんじゃないでしょうか」
「そうだな。でも、これからが大変なんだよ」
夏先生は苦笑しながら白に言った。
「そうですか?」
「メンバーの人数が29人、うちらを入れて31人。
全体練習だけでも大変だよ。各自、ファンに見せられるレベルまで達しなきゃダメだし」
「まゆみ先生、今日はコンサートの予定表どおりに進めるのですか?」
「そうだよ。紗耶香は以前やったから大丈夫だと思うけど、白は初めてだから戸惑っちゃうかもしれないかも」
「白は大丈夫ですよ。とりあえず打ち合わせで決まった事だけでも全員に言わないといけませんね」
「そうだな」
夏先生はドアを開けレッスン場に入った。紗耶香と白も後に続いた。
263 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)22時54分14秒
ハロプロメンバー全員がいるレッスン場は賑やかだった。
窓際に三つテーブルが置かれてあって、
テーブルの前はステージで使う広さのスペースが設けられている。
各メンバーはテーブルの前でアップをしていたり、壁際で話していたりしていた。
夏先生がレッスン場に入るとメンバー全員が挨拶をする。
おはようございます!!
「おはよう。レッスンを始める前に話したいことがあるので前に来て」
ダッタタタ!
メンバー全員が一斉に夏先生の前に集まった。
メンバーの視線は紗耶香と白に集中する。
娘。メンバーと裕子は嬉しそうな顔して、特に真希は眩しい位の笑顔で紗耶香を見ている。
紗耶香は娘。達に手を降った。
ふと亜弥が頬をほんのり赤くして紗耶香を見ていたので、紗耶香は微笑んだ。
亜弥はそのまま俯いてしまった。
(何で俯くんだろう?)
と思いながら亜弥を見ていたが夏先生の話しが始まり、紗耶香は夏先生の顔を見た。
「知ってるかもしれないけど、後藤と松浦のバックダンスをする市井紗耶香と白。
紗耶香は娘。にいたから知ってる人もいるだろう。
白は紗耶香の親戚で、今回は紗耶香たっての希望でコンサートに参加する事になった。
そして、2人には裏方として人の入れ替え、曲の演出をやってもらう事となったのでよろしく頼むよ」
「どうも、以前会った人は久しぶり、初めての人には初めまして市井紗耶香です。
ワケありで退魔師をしてましたが、今回ダンスで復帰します。よろしくお願いします」
「白です。至らぬ所があるかもしれませんがよろしくお願いします」
白はお辞儀をした。
264 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)22時55分34秒
紗耶香は全員に説明を始めた。
「夏先生が仰った【人の入れ替え】ですが、
要するに歌い終わった人とこれから歌う人の入れ替えをスムーズにしようとするだけの話です。
後、曲の演出・・・メインはステージ中央のオーロラビションですが、
どんな感じで歌いたいかを聞いてそれを再現すると。
そして、後藤、松浦に関しては早替えもします。
でも、着替えを手伝うわけじゃないのでご安心を」
紗耶香はニカッと笑って説明した。
紗耶香の説明を受けたメンバーは怪訝な顔してした。
「しつもーん」
「何でしょう?中澤さん」
「【人の入れ替え】について詳しく聞きたいんやけど」
「わかりました。白、アレを」
紗耶香に言われ白はパンッと手を叩いた。
周りから驚きの声が聞こえる
白の両手には今回のステージの模型が乗っていた。
そして白はその模型をテーブルの上に置いた。
模型を使いながら説明を続ける紗耶香。
「今回のステージは二段になっており、円形型に階段を作ります。
しかし中央部には別に階段を作りますので、中央から下に下りる時はその階段を使ってください。
そしていつもは中央階段の間に出入り口を作りますが今回は作りません」
「どうやって【人の入れ替え】をするんや?」
「既に曲ごとの【入れ替え】は決まっているのでこの紙を使います」
紗耶香は緑、茶、青、黄、ピンク、オレンジ、黄緑、白の紙を取り出した。
「この紙に特殊な術をしてあります。この紙を予め立ち位置に置きます。
もう一枚同じ色の紙を衣装に近づけるとその紙は自動的に吸い込まれます。
そして、市井が術を発動させると瞬間移動するしくみになっています」
265 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)22時57分31秒
「市井ちゃーん、早替えはどうなるの?」
「これは見せるのが早いか。後藤ちょっと来て」
真希はスタスタと紗耶香の側に寄った。
紗耶香は真希の頭に手をかざした。
パッとレッスン着だった真希の姿が一瞬の内に【やる気!IT’S EASY】の衣装に早替わりした。
メンバーからどよめきの声が響いた。
真希も唖然として自分の格好を見た。
「とまあこんな感じで、早替え可能になります。よろしいでしょうか?」
紗耶香はもう一度真希の頭に手をかざした。
レッスン着の姿に戻った真希。
「ありがとう、戻っていいよ」
紗耶香に言われ真希は元の位置に戻った。
「というわけで、各ユニットリーダー、ソロの人は曲をどういう風にしたいかを市井のトコまで言って下さい。
尚、【セクシー8】のメンバーは進行の都合により瞬間移動をしますので、メンバーの方はよろしくお願いします」 
「説明聞いたところで、10分後にレッスン始めるよ。最初はシャッフルユニットから!3曲連続で通しするよ!!」
「ついでに入りの場所確認と、【セクシー8】の瞬間移動もした方が良いですね?」
「そうだな。紗耶香頼めるか?」
「わかりました。白、お前は【パッピー7】メンバーの入りの説明を。
市井は【セクシー8】と【おどる11】の説明をするから」
「はい。【ハッピー7】のメンバーは集まってください」
白は【ハッピー7】のメンバーを集めて説明を始めた。
266 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)22時59分34秒
「まず最初に【セクシー8】のメンバーは中央に集まって、最初に歌う位置に立って下さい」        
紗耶香に言われ【セクシー8】のメンバー、
みちよ、アヤカ、まい、雅恵、真里、梨華、ひとみ、そして真希が集まり歌う位置に立った。
紗耶香は最初にみちよの側に行った。
「久しぶりやな。姐さんから話は聞いてるで」
「えっ!?もしかして全部知ってる?」
「知ってるよ」
「この事は他言無用にしてよ」
「わかってる」
「サンキュー。じゃあ右足上げて」
「こう?」
紗耶香は右足についていた床に黄紙を置く。紙は床に吸い込まれていった。
そして、もう一枚の黄紙をみちよのレッスン着につけた。
床に吸い込まれた紙と同様にレッスン着に吸い込まれていった。
「ふわぁ・・・・すごいわぁ〜」
「もういいよ」
紗耶香は笑ってみちよの肩を叩いた。
次にアヤカ、まい、雅恵の順に行き、みちよと同じ動作をする。
続いて真里の側に行った。
「大変そうだね」
「まーね。わかっていたけど、つんくさん人使い荒いよな」
「同感」
紗耶香の言葉に真里は笑って言った。
「んで、吉澤との進展は?」
「ばっ・・・・!そんな事言えるわけないでしょ!!」
「何だ教えてくんないの」
紗耶香の意地悪な笑顔に真里は紗耶香の肩をポカポカと叩いた。
「冗談だよ」
紙がレッスン着に吸い込まれたのを確認すると紗耶香は笑いながら真里の側を離れた。
267 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)23時02分01秒
「おっ、あれから身体の調子はどうだい?」
紗耶香は黄紙を床に置きながら話しかけた。
「大丈夫です。最近グッスリと眠れますよ」
「それだけじゃないだろ?誰かさんは優しいかい?」
「・・・・はい」
梨華は顔を赤くしてボソッと返事をした。
すると遠くから鋭い声が飛び込んできた。
「紗耶香!石川に何聞いてんのよ!!」
「うわっ、圭ちゃん耳いいなぁ〜」
紗耶香は逃げる様に梨華の側を離れた。
ひとみの側に近付く紗耶香。
ひとみは笑顔で紗耶香を迎えた。
「おすっ」
「市井さん、前回はありがとうございました」
「いいってことよ。ところで、その後の進展は?」
「決まってんじゃん、矢口とのだよ」
「えっ!?」
ひとみは周りを見渡し紗耶香に耳打ちした。
「・・・・・・・」
「へぇ〜あの矢口がねぇ・・・」
紗耶香は感心した様に頷いた。
「まだあるんですよ。あのですね・・・・」
ひとみが真里の事に付いて語り始めたので、
長くなりそうだと思った紗耶香は黄紙をひとみのレッスン着に付けたらさっさと側を離れた。
「市井さ〜ん」
「悪い、時間がないから後で聞くよ」
268 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)23時03分01秒
「おはよ後藤」
「おはよ市井ちゃん♪」
「朝弱い後藤にしては元気だな」
紗耶香は黄紙を床に置きながら言った。
「何言ってんの市井ちゃん。後藤だって進歩してるんだからね」
「そりゃそうだ」
「そういえば市井ちゃん【やる気!IT’S EASY】の衣装知ってたの?」
「今朝の打ち合わせの時にジャケット写真見せてもらったんだ。それで知った」
「そうなんだー」
「衣装似合ってたよ」
真希の頭を撫でながら紗耶香は言った。
「市井ちゃんに言われると嬉しいな」
「そっか♪」
紗耶香は真希に黄紙を付けた。
【セクシー8】メンバーに黄紙を付け終わった紗耶香は説明を始めた。
「用意は終了しました。後は市井が術を発動させれば瞬間移動する仕組みになってます。
ちゃんと歌い始めのポーズをとるように心がけて下さい」
「動いても・・・」
「大丈夫だよ」
紗耶香はそれだけいうと【おどる11】の元へ急いだ。

269 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)23時03分53秒
紗耶香が【おどる11】のメンバーの元へ駆け寄った。
「おまたせしました。【おどる11】ですが、
最初に安倍さんがファンの前で一言話してから、上手と下手二つに分かれてステージに上がって下さい。
歌い始めはセンターで輪になるので、グループ分けはそちらでやって下さい」
「OKだよ。時間もないしサクサクとやっちゃお」
圭織が手際良くグループ分けを始めた。
一分もかからないうちにグループ分けが終了した。
「終わったよ」
「では、そちらのグループは上手からこちらのグループは下手から同時にステージに入ってください。
ちゃんとセンターで輪になるようにして下さい。いいですか?」
紗耶香は言うと夏先生のところへ戻ろうとした。
270 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)23時04分35秒
「市井さん♪」
紗耶香が振り向くと亜弥がニッコリと微笑んでいた。
「んっ?松浦さんおはよう。昨日の疲れは取れた?今日は頑張ろうな」
「はい!頑張りますぅ!!」
「こんなに元気なら昨日の疲れも取れてるみたいだな・・・・んっ、このコは?」
亜弥の隣に妖艶な雰囲気を漂わせている女の子が一緒に立っていた。
紗耶香が言葉に詰まっていると亜弥は女の子を紹介した。
「このコは藤本美貴ちゃん。今年デビューしたばっかりなんですよぉ」
亜弥に紹介された美貴は紗耶香に挨拶をした。
「始めまして藤本美貴です。よろしくお願いします」
「市井紗耶香です。ワケありで退魔師してたけど苛めないでね♪」
「市井さんって面白い〜♪」
おどけて挨拶をする紗耶香に美貴は思わず笑ってしまった。
「そうかなぁ・・・とにかくよろしく」
紗耶香は言いながら美貴に握手をする。
!?
美貴に握手をした瞬間、紗耶香は身体が固まってしまった。
271 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)23時05分06秒
(何だこの感覚は!?全身の毛穴が開いちゃう様な嫌な感覚。あの感覚はまさか・・・)
「・・・市井さん、市井さん?」
亜弥に話しかけられ紗耶香は気が付いた。
「ああゴメン。ちょっとボーとしちゃって」
「いつまでみきたんの手を握ってんですか?」
亜弥に言われ慌てて手を離す紗耶香。
「あははゴメン・・・って【みきたん】?松浦さん、藤本さんの事【みきたん】って呼んでるの?」
「そうですよぉ♪あややとみきたんすっごく仲良いんですよぉ♪♪」
なるほど・・・と思いながら亜弥と美貴を見る紗耶香。
亜弥は美貴を守る様に接しているのに対し美貴は満更でもない様子。
(藤本さんから感じたあの感覚・・・気の所為だと思いたいが・・・・)
「紗耶香ー!説明は済んだかー!!」
夏先生が紗耶香を呼んだので思っていた事を中断した。
「はい終わりました!・・・・先生に呼ばれたから市井行くね」
紗耶香は夏先生の側へ走って行った。
272 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月09日(日)23時06分14秒
「市井さん、カッコイイでしょう」
亜弥はウットリとしながら美貴に言った。
「え〜!この程度じゃわかんないよぉ!」
「踊ってる時とか真剣な顔がカッコいいんだよぉ〜♪それに優しいし・・・・」
キャッと言いながら頬を赤くする亜弥。
美貴から見てもわかる様に亜弥の顔は恋する女の子。
その瞬間、美貴の心の奥底から何かが湧き上がってくるのを感じた。

273 名前:和尚 投稿日:2003年03月09日(日)23時36分57秒
更新終了。
藤本美貴さん登場。怪しい雰囲気出てます(笑)

そして市井さんは・・・

ヽ;^∀^ノ<始まる前なのに忙しすぎだよ〜(ドタバタ ドタバタ)

走り回ってます(苦笑)
274 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月21日(金)17時00分23秒
続き待ってます♪
275 名前:和尚 投稿日:2003年03月29日(土)02時04分32秒
レスです

名無し読者様。
読んで下さってありがとうございます。
ヽ^∀^ノ<こいつゲームにハマって更新してなかったんだぜ!
はい・・・大変申し訳ありませんでした。
少しですが更新しますので読んでやって下さい。
276 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月29日(土)02時06分50秒
「紗耶香、準備はいいのか?」
「OKです・・・・あっ、ちょっと待って下さい」
紗耶香は【セクシー8】のメンバーの方へ向き直した。
「術の発動させるタイミングですが、
【ハッピー7】の曲が終ってハケ始めた時に発動します。
そして、曲が終わったら下手に全員ハケて下さい。
安倍さんは上手でお願いします」
「「「「「「「「はい」」」」」」」」
「それじゃ曲を流すよ!【ハッピー7】のメンバーはスタンバイして!!」
夏先生に言われメンバーは定位置に立ちスタンバイをする。
277 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月29日(土)02時08分58秒
♪♪〜♪〜〜♪♪〜♪〜〜♪〜
音楽が流れメンバーは軽快に動き始めた。
暫くすると夏先生の厳しい声がレッスン場に響き渡る。
紗耶香はパイプ椅子に座ってメンバーの動きを見落とさない様に真剣な眼差しで見ている。
(へぇ〜加護がセンターなんだ)
紗耶香が娘。辞める直前に入ったひとみ、梨華、希美、亜依の四期メンバー。
(あの頃はあどけなくて一生懸命にメンバーに追い付こうと必死だったのに・・・)
月日は確実に流れているんだな・・・・と紗耶香は感じた。
(おっと、そろそろか・・・・・)
音楽が終る直前に紗耶香はスッと立ち上がった。
紗耶香が立ち上がった時【セクシー8】のメンバーは緊張の面持ちで脇でスタンバイを始める。
(今から緊張してどうするの!?)
紗耶香は緊張しているメンバーを見て笑った。そして、パンッと手を叩き握りこぶしを作った。
拳を包むような感じで紗耶香の手が光り始めた。
そして、曲が終り【ハッピー7】のメンバーが左右にハケた瞬間紗耶香は術を発動させる。

278 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月29日(土)02時10分16秒
パッと姿を見せた【セクシー8】のメンバー達。
それを見ていた人達は声こそ出さなかったものの驚いていた。
始まってすぐにが中央に現れたと同時に【幸せですか?】が流れ始めた。
そして、スグに夏先生のダメ出しが始まった。
「矢口、平家タイミングずれてる!石川、アヤカ遅い!吉澤ちゃんと正面向いて!
大谷うつむかない!後藤もタイミングずれてる!しっかり周りを把握して!!」
ひときわ厳しく夏先生の声が響く。
(この曲は儚さと切なさを出さないとダメだから先生は厳しいんだろうけど・・・・)
紗耶香は思いながら【セクシー8】を見つめていた。
(ん?後藤の視線が・・・市井を見ている様な気が・・)
ダンスをしている後藤の視線は常に紗耶香を見つめていたのだ。
(オイオイ、挑発的な目で市井を見んなよ)
しかし、挑発的な目で好きな人に見られるのは満更で無い様子。
紗耶香は心の中で微笑んだ。
279 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月29日(土)02時13分07秒
【幸せですか?】の曲が終りメンバー達は下手にハケた。
なつみのセリフが終わった後に【おどる11】のメンバーが上手側と下手側と両方から一斉に入って来た。
中央で綺麗な輪となってダンスを始めた。
(こちらは団扇を持ってのダンスですか・・・・って盆踊りじゃん。つんくさんもいろんな事にチャレンジする人だな)
紗耶香は感心しながら【おどる11】のダンスを見ている。
「紺野!指先まで神経を集中して!!松浦!藤本!辻!移動はスムーズに!」
夏先生は容赦なくダメ出しをする。言われた人達はスグに直そうと一生懸命だ。
紗耶香は先程亜弥に紹介された美貴を見つめていた。
(ん〜、あのコから魔物の特有の嫌な感覚を受けるんだよなぁ・・・。でもあのコ人間だし・・・)
280 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月29日(土)02時14分42秒
≪どうしたんですか?ボーとして・・・≫
白が小声で話しかけて来た。
≪あの右端でダンスしているコなんだけど、魔物特有の嫌な感覚を感じたんだ≫
≪あの人ですか?≫
≪そう。でも彼女人間だし魔物じゃないんだ≫
紗耶香に言われ白は美貴をジッと見つめた。
≪確かに、ただの人間ですね≫
≪やっぱり・・・あのコをちょっと気にしておこう≫
≪わかりました≫
白との会話が終わったのと同時に【幸せきょうりゅう音頭】の曲が終わった。
「どのチームとも、ファンの前で見せるレベルに達してないじゃないか!
もう少し気を引き締めてやってくれないと!!」
夏先生の厳しい言葉に下を向いて黙っていた。
「もう一度全部通すから、これで完璧にして!紗耶香、もう一度お願いできる?」
「大丈夫ですよ」
「それじゃ【ハッピー7】スタンバイして!!」
夏先生に言われメンバー達は素早く動き、スタンバイに入った。
281 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月29日(土)02時16分08秒
「やっと、ファンの人達に見せられるレベルにはなったね。次は全員で【夏の思い出】をするよ」
シャッフルユニットのレッスンが終わり休憩する間もなく夏先生は次の曲に移った。
「紗耶香説明!」
「はい。【夏の思い出】は、三列になって歌います。
今から名前を呼びますので、呼ばれた人は前に出て来て下さい。
一列目、ミカさん、小川さん、辻さん・・・・・」
紗耶香に呼ばれた人達が前に出て列を作り始めた。
「・・・・最後にアヤカさん。以上、この位置でやりますので隣同士の人を良く覚えといて下さい。
今は台が無いので三段目の人達は前が見えませんが、本番は階段状の台を使いますので、
三段目の人達は前が見えるようになります。そして、稲葉さんは指揮をお願いします」
「わかったわ」
「これは一回しか練習しないからシッカリやってよ。音楽流して!」
♪〜♪〜♪♪〜〜♪〜

夏がく〜れば思いだす〜遥かな尾瀬〜

貴子を除くメンバー28人の歌声がレッスン場に優しく、心地良く流れる。
紗耶香と白は目を閉じて気持ち良く聞いている。
(昔の歌っていいよなぁ〜。気分を穏やかにさせてれるっていうか・・・やっぱ歌は凄いや)
「はいOK!次は前田、中澤、カントリー娘。平家のソロやるよ。
その前に30分休憩入れるから、各自ダンスのチェックする様に。他のソロの人達もこの休憩の間にチェックしといて」
「ん、休憩か?」
夏先生からの休憩の合図に紗耶香は身体を「ん〜」と背筋を伸ばした。
「白、ちょっと外の空気吸いに行かない?」
「はい」
紗耶香と白はレッスン場を出た。
282 名前:オールマイティー 投稿日:2003年03月29日(土)02時17分39秒
「ふあ〜・・・・大人数でレッスン場に籠もりっきりだと空気が悪いや」
紗耶香はあくびをしながら白に言った。
「でも、凄いですよね。皆さん一生懸命頑張ってる」
「そりゃそうさ、あそこにいる人達は光り輝くステージに全てをかけてんだもん。
いくらレッスンとはいえ、手を抜いたら歌の神様に失礼だ」
「神・・・・様?」
神様と聞いて白は紗耶香を指した。
紗耶香は笑いながら否定した。
「おいおい、市井じゃなくて歌の神様だよ。
たくさんレッスンして、一生懸命頑張った人にだけ歌の神様はちょっことだけご褒美くれるんだ・・・」
「何のご褒美ですか?」
「それはわかんない。ご褒美っていっても、いろんなご褒美があるから」
「紗耶香様はもらった事あるんですか?」
「あるよ。市井が娘。を脱退した日・・・・武道館ライブ。
あの時は来てくれた大勢のファンの人達と一体になったんだ・・・・あれが最初で最後のご褒美」
紗耶香は目を閉じてその時の事を思い出していた。
「紗耶香様・・・・・」
「おっと、物思いにふけっちゃったよ。そろそろ戻ろうっか」
二カッと笑う紗耶香に白は頷いた。
283 名前:和尚 投稿日:2003年03月29日(土)02時27分34秒
更新終了
芝居の神様、歌の神様はホントかどうかはわかりません。
でも、芝居の神様はいるって聞いた事あったんだよなぁ・・・・。

ヽ^∀^ノ<聞いたただけかよ!!(ビシ)
284 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月19日(土)01時40分22秒
こちらの作品好きで更新楽しみにしています。
みきてぃ…どうなってんだろ(w
285 名前:和尚 投稿日:2003年05月07日(水)01時26分07秒
レスです
名無し読者様
楽しみしているとは大変嬉しいです!
更新遅れて申し訳ありませんでした。
何とかストックが出来ましたので更新します(バカ)
286 名前:和尚 投稿日:2003年05月07日(水)01時28分38秒
「市井ちゃ〜ん」
「ん、どした後藤?」
タタタと走って来た真希に紗耶香は言った。
「『どした?』じゃないよ。ドコ行ってたの!」
「白と一緒に外の空気を吸いに・・・何だ市井を捜してたの?」
「そうだよ、ずっと捜してたんだから。ちょっと来て!」
「はいよ。っと、それじゃ白行ってくるから、先に中に入ってて」
「判りま・・・」
「行くよ、市井ちゃん!!白、後でね!!」
真希は紗耶香の腕を掴むと物凄い勢いで走って行く。
「ちょっと、待ってよぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・」
ドップラー効果の様に紗耶香の叫び声が廊下に響き渡った。
「いってらっしゃ〜い」
紗耶香と真希がドタバタと走り去った方向に向かって、白はにこやかに手を振っていた。

287 名前:和尚 投稿日:2003年05月07日(水)01時30分03秒
真希は人気のない階段の踊り場に紗耶香を連れて来た。
「どうしたんだよ、こんなトコに連れて来てさ」
掴まれた腕をブンブン降る紗耶香。
真希は俯きながら拗ねる様に言った。
「・・・後藤・・・市井ちゃんと2人っきりになりたかったんだもん」
「後藤?」
「だって・・・市井ちゃん・・・後藤と一緒にいてくれないし・・・」
「いるじゃん」
「違うの〜、後藤はこうしたいの」
真希は紗耶香に抱きついた。
いきなり真希に抱きつかれて、紗耶香は一瞬焦ったが優しく抱きしめた。
「後藤・・・。そうだよな、市井は後藤に甘えてばっかりだったし、後藤だって甘えたい時あるよな・・・」
「市井ちゃん・・・」
真希は目を閉じて紗耶香を待った。
紗耶香も目を閉じて真希の顔に近づけた。
「後藤・・・」
紗耶香の甘い言葉に真希の心は幸せに満たされていく。
あと少しで2人の唇が重なる瞬間、何かが割れる大きな音が二人の耳に入って来た。

288 名前:和尚 投稿日:2003年05月07日(水)01時31分55秒
バリバリバリ!!ガシャーン!!

「キャッ!?」
「後藤!」
突然の激しい音に紗耶香は真希の身体を包み込むように座り込んだ。
キャーーーーー!!
レッスン場から悲鳴が聞こえてきた。
ただ事ではないと感じた紗耶香は、真希の手を取ってレッスン場に向かって走り始めた。

289 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月07日(水)01時34分06秒
紗耶香が真希に連れられた直後・・・・

白はレッスン場に戻ってきた。
休憩中なのでレッスン場は騒がしかった。
(始まるまでどうやって時間つぶそっかな〜)
思いながら歩いていると、目の前に真希を除く娘。メンバーが白の目の前に立っていた。
「あれ、どうされたんですか?」
「白って、以前紗耶香が連れていたあの白?」
真里に言われた白は自分の指を前に当てて【内緒】のポーズをする。
≪すみませんが他の人には内緒にして下さい≫
≪何で?≫
≪こちらの事情もありまして・・・私の正体が判ってしまうと後々面倒になるんですよ≫
≪わかった≫
「白って何歳なの?」
「15歳です」
≪で、実際は?≫
興味しんしんのひとみはこっそりと聞く。
290 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月07日(水)01時35分11秒
≪1215歳です。他の3人・・・玄、青、朱より若いですけど≫
≪へ!?≫
≪私は二代目なんですよ。白虎に300年前になったばかりで≫
≪そ、そうなの・・・≫
とてつもない年齢に驚く梨華。
≪でも、今は辻さん達と同じ歳ですので仲良くしてください≫
≪勿論♪≫
頷いた亜依。希美はニッコリ微笑みながら白に言った。
「レッスンが始まるまで遊びましょう」
「え、良いんですか?」
「はいれす♪」
白は希美達の所へ行こうとした瞬間・・・・
「白さ〜ん♪」
奥から亜弥に呼ばれてしまった。
「すみません、松浦さんに呼ばれましたので・・・・」
白は希美達にお辞儀をして亜弥の所へ行った。
291 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月07日(水)01時37分14秒
白は緊張しながら亜弥の所へ歩いている。
何故、緊張しているのかというと亜弥の隣に美貴がいたからであった。
普通の人間ではわからないが美貴の身体から不快な氣が発生しているのを白には感じていた。
白は美貴に悟られない様に亜弥に話しかけた。
「何ですか?」
「市井さんはドコ行ったんですかぁ?ダンスの確認しようと思っていたんですけどぉ」
「紗耶香姉さんですか・・・後藤さんが用があると言って連れて行かれちゃいましたけど」
「ごっちんと?」
「そうですけど」
「連れ戻してくる」
亜弥は怒った様に言ってレッスン場を出ようとした。その時・・・
「亜弥ちゃん、もうすぐレッスンが始まるから待ってなよ」
亜弥の腕を掴んだ美貴が制した。
292 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月07日(水)01時38分42秒
「嫌だもん」
「何で嫌なの?もうすぐ始まるんだよ。待ってれば来るのに何でなの?」
美貴が小さい子供に言う様に亜弥に言った。
亜弥は少し黙ってから、顔を赤くしながら美貴に言った。
「亜弥は・・市井さんが好きなの・・・だからごっちんと一緒にいるのが亜弥は嫌なの・・・」
(!?)
白は美貴の身体から出ていた不快な氣が膨れ上がったのを感じた。

バリバリバリ!!ガシャーン!!
突然レッスン場の全部の窓ガラス、そして全部の照明が一斉に割れた。
ガラスの破片が窓際にいた娘。メンバー梨華、ひとみ、希美、亜依達に襲いかかる
「ヤバイ!!」

キャーーーーー!!

レッスン場に悲鳴が響き渡り、大勢の人数がパニックに陥っている。
美貴は驚いて掴んでいた亜弥の腕を離しそのままレッスン場を出て行った。

293 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月07日(水)01時39分59秒
ドン!
走っていた紗耶香にぶつかってしまった美貴。
「藤本さん!?」
美貴は紗耶香を睨みつけるとそのまま走り去ってしまった。
「市井ちゃん?」
「・・・・・・何でもない、それよか急ぐよ」
「う、うん」
紗耶香はそのままレッスン場に向かった。
294 名前:和尚 投稿日:2003年05月07日(水)01時47分50秒
更新終了
久々に更新したので文の切り方を間違ってしまった・・・
それに題名も名前のままだったし・・・
( ´ Д `)<ちゃんと更新しないからだよー
ヽ^∀^ノ<文章もダメダメだし・・・
うっ・・・何も言えない・・・
295 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月18日(日)00時38分00秒
おぉ更新してある!
やっぱり藤本は…
マータリ待っていますので頑張ってください
296 名前:和尚 投稿日:2003年05月20日(火)02時15分50秒
レスです
名無し読者様。
藤本さんは・・・もう少し経ったらわかると思いますので、
暫しお待ち下さい。
297 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月20日(火)02時17分42秒
「何・・・これ・・・」
真希は全窓ガラスと、全照明が割れているレッスン場を呆然として見た。
「白!白!どこにいる!!」
「は〜いここですぅ」
白は紗耶香に向かって手を振った。
「状況は・・・・!?」
言いながら白の元に走った紗耶香、
しかし、白の姿に紗耶香は口を噤んでしまった。
「その傷はどうした!」
白の右肘に大きなガラスの破片が刺さっていて大量に血が流れていたのだ。
「ののを助けようとして白しゃんが!白しゃんが!!」
「全部の窓ガラスと蛍光灯が割れたので結界を張ろうとしたのですが、
辻さんに大きい破片が落ちてきたので・・・・
でもその後すぐに結界を張ったので辻さん始め、ココにいた人達は怪我してません」
白は紗耶香のTシャツを引っ張っり小声で話した。
298 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月20日(火)02時19分24秒
≪この状況を作ったのは藤本さんです。ガラスが割れる瞬間、彼女から嫌な氣を感じました≫
≪嫌な氣か・・・・≫
≪ハイ≫
紗耶香は頷くとレッスン場にいる人達に向かって叫んだ。
「ゴメン皆ここから出て行って!ガラスも散乱してるし危ないから!」
「でも!・・・でも!白しゃんはののの所為でこうなっちゃったから!」
希美は顔をクシャクシャにしながら紗耶香に言った。
「辻、白は大丈夫だから安心しろ」
「本当れすか?」
「おう、市井は嘘付いた事ないんだぞ」
希美の頭を優しく撫でながら言う紗耶香に真希はボソッと呟いた。
「嘘ついたことあるじゃん」
「ゴホン・・・・あー・・・とにかく、白は大丈夫だから安心しな」
紗耶香に言われてレッスン場にいた人達が出て行こうとする。
「そうだ後藤、吉澤、辻ちょっと手伝ってくれない?」
「えっ、ウチ?」
「のの・・・ですか?」
紗耶香の申し出にひとみと希美は驚いた。
真希は紗耶香の言葉を待っていたかの様に頷いた。
「そう・・・辻手伝ってくれるよな?」
「はい!頑張ります!!」
「ごっちん達が手伝うならあややも・・・・!」
「その気持ちすげぇ嬉しい。でも手伝いは後藤達だけで十分だから大丈夫だよ」
紗耶香は亜弥に向かって微笑んだ。
「わかりました・・・」
紗耶香の言葉に頷いたものの納得いかない亜弥。
「圭織達は夏先生にこの事を伝えて。そんで、すぐ終わるから外で待っててって」
「まかしといてよ」
圭織達娘。メンバーと亜弥・・・怪我していない人達がレッスン場を出て行った。
299 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月20日(火)02時21分17秒
レッスン場は紗耶香、真希、ひとみ、希美、そして怪我をしている白が残った。
「長椅子まで移動するけど歩けるよな」
紗耶香は壁際にある長椅子を指差して言った。
「大丈夫です」
紗耶香と白は長椅子がある所まで移動を始めた。続いて、真希、ひとみ希美も一緒に移動した。
「白、長椅子に寝っころがって。後藤と吉澤は片方ずつ白の足を押さえつけて。辻は左腕」
紗耶香に言われ三人は白の左腕、両足を押さえつけた。
「後藤、吉澤、辻、これから白の右肘に刺さっている破片を抜くから血がいっぱい出ると思う。怖かったら目を瞑ってろ」
紗耶香の言葉に三人は頷くのがやっとだった。
そして紗耶香は自分のバックからタオル二枚とミネラルウォーターを持って来た。
「時間が無いからとっとと始めるぞ」
「お手柔らかにお願いします」
持って来たタオルを白に銜えさせた紗耶香。
瞬時に白の右肘に刺さっている破片をシュッと抜いた。
300 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月20日(火)02時23分58秒
「ングッ!」
白の声と同時に血が噴出した。
「「!?」」
声にならない叫び声を上げるひとみと希美。
「怖かったら目を瞑ってろって言ったろ」
紗耶香はジャージのポケットからビニールの紐を取り出した。
「雑誌に結んであった紐が役に立つとはね」
手馴れた感じで白の腕に巻きつけた。
あふれ出ていた血はピタッと止まった。
「おし、止血完了。ココからが肝心。
今から氣で傷を塞ぐから、三人は痛みで白が暴れない様に更にギュッと押さえ込んで」
「痛いんれすか?」
「すっげえ痛い。うちらは傷が治るのは異常に早いんだけど、
市井と他の四聖獣達の氣を当てる事によって瞬時に治る事が出来る。
でもその代償に激しい痛みが付いてくる。血が流れ過ぎて身体が弱っているから尚更・・・・痛い」
「・・・・・・・」
「だから泣くなって。白・・・・我慢しろよ」
白は大きな汗をかきながらコクッと頷いた。
301 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月20日(火)02時25分26秒
パンッ!
紗耶香は手を叩き握り拳を作る。両手が球状に光り輝き、白の右肘にかざした。
肉が裂けていた傷がみるみる塞がれてゆく。
「ア゛ーーーーーー!!」
痛みで白の身体がジタバタ暴れまわる。
真希、ひとみ、希美は持てる力を振り絞って白を押さえつける。
「後少しで終わるから我慢しろ!・・・・・おっし終り!」
紗耶香の言葉で白の身体を押さえつけていた3人は一斉に手を離した。
そして、紗耶香は止血していた紐を素早く解き、白に加えさせていたタオルを取った。
「・・・・・・・・・」
「白しゃん大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ」
紗耶香に渡されたタオルで希美の涙を拭く白。
「さて、後はこの状態を元に戻すだけだな」
紗耶香は親指を噛み切った。

302 名前:和尚 投稿日:2003年05月20日(火)02時57分47秒
短いけど更新終了

( ´v`)<エグエグエグ・・・・
(白 虎)<泣かないでくださいよ〜。大丈夫ですから(ウデヲブンブンフル)
( ´v`)<エグエグエグ・・・
(白 虎)<辻さんが泣いてると私が悲しくなります。
( ´v`)<エグエグ・・?
(白 虎)<辻さんは笑顔が一番です。笑って下さい。
(#´v`)<テヘテヘテへ。わかったれす。

ヽ^∀^ノ<何か良い雰囲気だな
( ´ Д `)<後藤と市井ちゃんの方がラブラブだモン!
(0^〜^)<ウチと矢口さんの方がもっとラブラブだよ!
ヽ;^∀^ノ<言ってる意味が違うだろ(ビシ)

303 名前:和尚 投稿日:2003年05月20日(火)10時18分56秒
お知らせ
赤板作者フリー短編用スレで『かなり前に』短編書きましたのでよろしかったら読んで下さい。
92〜103までです。いちごまで、この話の前フリといった感じです。

ヽ^∀^ノ <今、思い出したんかい!!
304 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時22分59秒
ガタガタガタ・・・・・
美貴は屋上の隅の方で震えていた。レッスン場の窓ガラス、蛍光灯を自分が割った事に信じられなかった。
『何を怯えてる』
「あんたがやったんでしょ・・・」
『おいおい、私はお前の感情に手を貸しただけだぞ』
「手を貸した?」
『そうだ・・・お前はあの女の言葉に憎しみを感じたのだ』
その声に美貴は亜弥の言葉を思い出した。

亜弥は・・市井さんが好きなの・・・だから市井さんがごっちんと一緒にいるのが亜弥は嫌なの・・・

「だからって!」
『だが、女の言葉で市井とかいう女に憎しみを持ったのは確かだろう?』
「・・・・・・」
『何も言えないのは図星の証拠・・・・』
美貴はうな垂れたまま動かない。
『なあ、あの女を殺さないか?』
「イキナリ何言ってんの!そんな事するワケないじゃん!!」
『あの女がいなくなれば・・・お前の好きな人に想いを遂げる事ができるぞ・・・』
その言葉が美貴の頭の中を駆け巡る。
『それにあの女は退魔師だそうだが、本当の力を隠している。その力を奪い私に渡せば・・・思いのままに出来るぞ・・・』
うな垂れていた美貴の身体が反応した。そして美貴は顔を上げた。
「やる・・・・」
『それではお前に力を貸してやる』
その瞬間、優しい美貴の目が妖しい目に変化した。
305 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時23分55秒
「美貴たーん!どこにいるのー!」
「亜弥ちゃん・・・ここにいるよ」
屋上に来た亜弥に反応して美貴は亜弥の前に姿を現した。
「美貴・・・たん?」
「何?・・・・どうしたの?」
美貴はニッコリと笑って微笑んだが、亜弥は動けなかった。
(なんか、美貴たんの雰囲気が違う・・・・でも気のせいだよね・・・)
亜弥はブンブンと首を振った。
「何やってんの亜弥ちゃん」
美貴は笑いながら亜弥に言った。
「なんでもないよ。それより亜弥ちゃんどうしてココに?」
「レッスン場のガラスが突然割れた時、美貴ちゃんが走って行っちゃたから怪我しちゃったと思って心配になって・・・・」
「心配してくれてありがと。美貴はドコも怪我してないよ・・・」
「良かった」
「レッスン場はどうなってるの?」
「なんか市井さんがどうにかするって言って、
ごっちんとよっすぃーと辻ちゃんと怪我しちゃった白さんを残して全員追い出されたの」
「そうなんだ・・・」
「亜弥ちゃーん!美貴ちゃんいたぁー?」
階段から梨華の声が聞こえてきた。
「うん、いたよー!」
「んじゃあ、もうレッスンが始まるから戻ってだって」
「わかったー!・・・ってええ!?」
梨華の言葉に驚いている亜弥と美貴。
「レッスンが始まるんだって!?」
「きっと、レッスン場を変えるんだよ」
「うん、そうだよね。行こう美貴たん」
亜弥は美貴の手を繋いで屋上を降りて行った。
306 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時25分02秒
「はりゃ〜!?」
レッスン場に戻って亜弥が放った第一声がそれだった。
驚くのも無理はない。ガラスが割れてメチャメチャになっていたレッスン場が割れた形跡もなく、綺麗になっていたからであった。
「ほら、2人とも始まるから準備して」
「は、はい!」
紗耶香に言われ亜弥は慌てて準備を始める。
反対に美貴はペコリと頭を下げ、黙々と準備を始めた。
「変った・・・か?」
美貴の後姿をジッと見つめていた紗耶香は呟いた。
307 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時26分07秒
休憩後、何も問題なくスケジュール通りにレッスンは進んで行った。
夏先生が的確に指示を出し、それを紗耶香は真剣に見つめていた。
しかし、カントリー娘。の時紗耶香は驚いてしまった。
(石川がカントリー娘。に入っていたのはこの紙を見て知っていたけど、こんなセクシー路線で行ってるとは!?)
あまりにも紗耶香が知っているカントリー娘。と違い、思わず魅入ってしまった。
そして、カントリー娘。が終わる直前に真希と目が合った。
≪・・・・・・・・≫
真希が口パクと手招きで紗耶香を見た。
(ん・・・後藤が呼んでる?)
紗耶香は自分を指差して真希に確認する。それを見て真希はコクリと頷いた。
≪白・・・白!≫
≪は、はい!?何ですか?≫
白は慌てて返事する。やはり怪我を治療した跡なのか顔色が少し悪い。
≪後藤が呼んでるからちょっと出るぞ≫
≪わかりました≫
≪M15まで終了したら昼御飯だから頑張れ・・・≫
≪ありがとうございます≫
紗耶香は物音を立てない様に慎重に動き始めた。
308 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時26分57秒
≪なした後藤?≫
≪なしたじゃないよ、後三個終わったら後藤の番だよ。打ち合わせもしてないしどうすんの?≫
≪【どうすんの?】って、昨日やったヤツで十分だよ。
後藤は市井が娘。にいた時と違ってダンスが格段に上達しているし大丈夫だって!≫
≪ホントに?なんか後藤緊張しちゃってドキドキしちゃって・・・≫
≪緊張しぃのトコは変ってないなぁ≫
紗耶香は手を口元に持っていき笑いを堪えている。
≪市井ちゃん、ココ笑う所?≫
ジロッと睨む真希に紗耶香は素早く手を出して【ゴメン!】と謝った。
≪とにかく大丈夫だから落ち着きなよ・・・・
ん?・・・そうだ、ついでだからアレもやってみっか≫
≪何?≫
≪市井の出るトコなんだけど・・・≫
紗耶香は真希に近づき耳打ちを始めた。
≪うん・・・うんうん・・・・≫
≪という事。突然やると後藤は驚いちゃうだろ?≫
≪そりゃそうだよ〜≫
真希は笑って紗耶香を見た。
≪おっ、笑ったな♪その顔が出来たら大丈夫だよ≫
紗耶香は真希の頭を優しく撫でた。
309 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時30分09秒
「次、藤本!!」
「はい」
夏先生の合図で美貴がレッスンに入った。
美貴の曲が流れ始めた。

そっと口付けて〜ギュッと抱きしめ〜て♪

曲にあわせてダンスを始めた。
美貴が踊ってる姿を見て紗耶香は美貴のプロフィールを思い出す。
(2001年 4月 上京。デビューを目指してトレーニングを重ねる。
     10月 テレビ東京「新・美少女日記」(2001年10月〜2002年3月放送)にレギュラー出演
 2002年 1月2日 中野サンプラザから始まった、「Hello! Project2002〜今年も凄いぞ!〜」に、
     モーニング娘。、松浦さんと共にステージに立つ。
     2月20日 リリース、Hello! Projectのメンバーによる「ザ・童謡ポップス2春のうた集」に参加。     
     3月13日 デビューシングル「会えない長い日曜日」リリース。
     3月30日〜4月28日 「モーニング娘。CONCERT TOUR2002春”LOVE IS ALIVE!"」にゲスト参加。
     6月5日 にリリースされた、Hello! Projectのメンバーによる「ザ・童謡ポップス3 夏のうた集」に参加。
     6月12日 セカンドシングル「そっと口づけてギュッと抱きしめて」リリース。
     6月26日 高木ブーとモーニング娘。・ココナッツ娘。・藤本美貴・石井リカ 「モーニング娘。シングルメドレー〜ハワイアン〜」に参加。
ソロデビューは3月か・・・・まだ半年も経っていないから芸能界は慣れていない)
310 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時31分21秒
≪後藤、藤本さんについて聞きたいんだけど≫
≪何で美貴ちゃんの事聞きたいの?≫
心なしか真希の顔が不機嫌になる。
≪ちょっと気になる事があってね・・・・言っとくけど、浮気じゃないぞ≫
紗耶香の言葉に少し安心する真希。
≪んで、何聞きたいの?≫
≪藤本さんって今年の3月にソロデビューしたでしょ、まだ芸能界に慣れてないじゃん。
イロハみたいなのは誰から教わったん?≫
≪亜弥ちゃんだよ。不慣れな美貴ちゃんにアレコレと教えていたの後藤見た事あるもん≫
≪公私共に仲良いんだ≫
≪うん≫
≪ふーん・・・≫
(一人で心細い時に話し掛けてくれた人・・・)
<白、白!>
紗耶香は白に向かって念を送った。
311 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時32分18秒
<はい何でしょう?>
<さっき言ってたよな。松浦さんが市井の事言った後に藤本さんの氣が膨れ上がったと>
<はい、その直後全部の窓ガラスと蛍光灯が割れました>
<という事は藤本さんは松浦さんの事好きだという事か・・・・>
<そうですね>
<だとすると、市井は藤本さんにとって邪魔な存在・・・>
紗耶香は頭を掻いた。
<・・・・・・・>
<白、気付いたか?藤本さんの雰囲気が違っているのを>
<え!?>
<怪我をしたし本調子じゃなくなったから判らないけど、雰囲気が違ってる・・・・恐らく魔物が憑いた可能性がある>
<ではどうすれば・・・>
<市井が囮になろう。正体を掴まない限り、手が出せないし・・・>
<いえ、私が!>     
<藤本さんは松浦さんが好き、松浦さんは市井が好きという事はターゲットは市井という事になるだろ?>
<紗耶香様!?>
<この事を朱、青、玄に伝えろ!そして藤本さんを見ても過剰な反応しない冷静を保つ事!いいね>
<・・・・わかりました>
<スマン>
紗耶香は苦笑している。
<そう思っているなら私達四聖獣をもっと使って下さい。まったくもう・・・朱、青、玄に伝えます>
<ありがとう>

312 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時33分32秒
≪市井ちゃんどしたの?≫
紗耶香のTシャツをツンツンと引っ張る真希。
≪ん?ああゴメン、何でもないよ。ちとボケてた≫
紗耶香は笑いながら真希に言った。
≪なんか後藤に隠し事してない?≫
真希に聞かれ一瞬ギクッとなるが紗耶香は顔に出さないようにした。
≪してないよ≫
≪ホントに?≫
ジーと紗耶香を見る真希。
「OK!藤本段々良い感じになってるよ!!」
美貴のレッスンが終わった。夏先生は美貴のダンスに満足なのか嬉しそうな顔をしている。
「ありがとうございます」
「次!後藤、市井!!」
「はい!・・・・ほら後藤出番だよ」
「・・・はーい」
紗耶香と真希はレッスンに入った。

313 名前:オールマイティー 投稿日:2003年05月31日(土)03時35分03秒
「先生、少し変更したい所があるんですが」
紗耶香は夏先生元へ行った。
小声で変更したい箇所を話している紗耶香。
「わかった、とりあえずやってみて。可笑しかったら元に戻すよ」
「はい」
「それと2曲続けてやるから紗耶香は入れ替え準備をして」
「はい」
「メロン記念日は紗耶香のトコへ行って説明受けて」
「「「「はい」」」」
メロン記念日のめぐみ、瞳、雅恵、あゆみは紗耶香と真希のトコへ行く。
「最初の曲が終り次の曲に変るまで10秒の時間を貰ってます。
その10秒間の間に次の曲の準備をしなきゃならないけど普通に考えても無理・・・
という事でコレを使います」
紗耶香はドコからともなく、ピンクの紙を出した。
「瞬間移動」
あゆみが言った。
「そう、説明はレッスンが始まる前に説明したから良いですよね?準備するので、立ち位置よろしく」
紗耶香に言われ真希とメロン記念日のメンバーはスタンバイする。
スタンバイ中に紗耶香が真希にピンクの紙を付けていないのを不審に思い尋ねる。
「市井ちゃん、後藤は?」
「後藤は市井が直接この場所に連れて行くから大丈夫だよ」
「連れてってくれるの?」
「そうだよ・・・・っと、コレで終わり。
10秒経ったらこの場所に瞬間移動します。それと同時に曲が流れるのでスタンバイをしていて下さい」
紗耶香の説明に頷くメロン記念日メンバーと真希。
314 名前:和尚 投稿日:2003年05月31日(土)03時42分00秒
更新終了

暫くはこの2人がメインになります。
( ´ Д `)<うわーい!イチャイチャできるぞー♪
ヽ^∀^ノ <それは違うと思うし(それにしてもお腹すいたな・・・)
315 名前:ROM読者 投稿日:2003年05月31日(土)13時37分06秒
更新お疲れ様です。最初の頃は展開に戸惑いましたが、読むにつれ
次第に物語に引き込まれました。今では、更新が待ち遠しく感じら
れます。ROMってはおりますが、これからも愛読させて頂きます。
316 名前:和尚 投稿日:2003年06月07日(土)10時55分19秒
レスです。

ROM様
勿体無いお言葉有難う御座います。
この話は殆ど妄想で作っておりますので、突然妄想が切れてしまうかもしれませんが、
これからもよろしくお願いします。
317 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)10時58分33秒
「先生OKでーす!」
「よしっ、始めるよ!!」
夏先生の合図でスタンバイする真希。
≪後藤、楽しもう!≫
≪うん!≫
コソッと耳打ちする紗耶香に真希はニッコリ笑った。

♪〜♪♪〜♯♪♭〜♪〜
真希が踊り始めた。

愛なんて〜本気で言っ〜てるの?
私が〜騙されるだけなの〜?

ボンッという感じで踊っている真希の右に紗耶香が現れた。
見ていた人達のどよめきが沸き起こった。その直後に歓声が響く。
紗耶香はサングラスをかけていて踊っていたのだが、そのサングラス姿が普通の男性以上に格好良い。
紗耶香を見ている殆どの人達は心なしか頬が赤く染まっている。
特に亜弥の顔が真っ赤に染まっていた。
ダンス変更の部分から歓声と悲鳴が一段と沸きあがる。

溢れちゃう〜BE IN LOVE 〜♪

変更前は紗耶香が真希を包み込む様に後ろから抱きしめ、
真希が後ろを向いて、紗耶香がキスをしようとする直前で終わったが、
変更後は紗耶香は真希を横側から抱きしめ、真希は嬉しそうな顔をして紗耶香のサングラスを外す。
そして上手く顔を隠す様にして真希とキスをしようとする直前で曲が終了した。

318 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)11時00分34秒
キャーーーーー!!

黄色い歓声が響き渡る。
その後、紗耶香と真希は突然消え、脇で見ていたメロン記念日も一緒に消えた。
キッカリ10秒後に次の曲【やる気!IT’S EASY】流れ始める。
ボンッと横一列にめぐみ、あゆみ、真希、瞳、雅恵のに現れた。
曲に乗ってダンスを始める5人。

大丈夫〜♪き〜っと大丈〜夫♪

5人の登場に驚いている人達、しかし1人だけ冷静な人がいた。美貴であった。
いや、美貴の中にいる【何か】と言った方が良いのか・・・。
『やはりな・・・アイツの持っている力は並の者ではない・・・』         
(どうしたの?)
『アイツが1人の時に・・・・』
(殺すの?)
『ああ・・・』
(周りにいる人達を巻き込まないでよ・・・)
『わかっている・・・』
【何か】はニヤリと笑った。

319 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)11時01分34秒
フッと白の隣に姿を現した紗耶香。
≪お疲れ様でした≫
≪ふぃ〜さすがに疲れた≫
≪当然ですよ。傷の治療したり、ココにいる皆さんに指示を出したりといろいろやってるんですもの≫
≪傷の治療は予想外だったが・・・・まぁ〜これで市井をターゲットにするだろう≫
≪・・・・・・・≫
≪大丈夫だよ。四聖獣にも手を貸してもらうから≫
≪絶対ですよ≫
≪おう・・・・ほら、辻が見てるよ。手でも振ったらどうだ?≫
紗耶香に言われ白は希美を見た。
自分の所為で白に怪我させたのを責任を感じているのだろうか?不安そうな顔して白を見ていた。
白はニコッと笑って手を振った。
それを見た希美は笑顔で小さく手を振った。

320 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)11時02分53秒
紗耶香は真希のレッスンを真剣に見ていた。
(やっぱ上手くなったよな〜。この曲も後藤に合ってるし、イキイキしてる)
真希の成長に嬉しくもあり、取り残された様で寂しい気持ちの紗耶香。

全部〜自分次第〜♪

真希の曲が終了し、一旦曲を止めた夏先生。
紗耶香は夏先生に変更した部分の感想を聞こうと思い話しかけた。
「先生、どうですか?」
「ああ・・この変更だと雰囲気が更に出ていて良いよ、コレで行こう。
それと、本番はバンダナ無しでサングラスだけ。髪型は・・・・誰かムース持ってないか?」
「私、持ってます」
真希は自分のバックからヘアムースを取り出した。
「ちょっと貸して」
ヘアムースを受け取るとプシューと泡を出して、紗耶香の髪を軽くオールバックにした。
「サングラスして」
夏先生に言われた紗耶香はサングラスをした。
キャーーーーー!!
一斉に黄色い声が沸き起こる。
「えっ?何、変なの??」
紗耶香のボケた言葉に真希は頬を真っ赤にして目を潤ませながら鏡を見るようにジェスチャーをする。
レッスン場にある鏡で自分の顔を見た紗耶香。
「うおっ!何じゃこりゃ!?もろに男じゃん!!」
「紗耶香、カッコイー!」
真里が黄色い声援を送る。
「先生〜」
「決定だから」
夏先生の言葉に紗耶香はガクッとうな垂れた。
321 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)11時04分00秒
「次はミニモニ!【かもめの水兵さん】!メロン記念日!!連続で行くよ!!」
夏先生の合図でミニモニがスタンバイする。
ミニモニの激しいダンスに驚き、【かもめの水兵さん】に可愛らしさを感じ、
メロン記念日の曲【夏の夜はデインジャー!】で紗耶香は自分が娘。脱退したときの事を思い出したりと、
何事もなくダンスレッスンは消化されて行った。
322 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)11時07分14秒
「よし、昼食休憩!!一時間取るから御飯を食べてきな」
夏先生の言葉でメンバー達は賑やかな声を上げ始めた。
お弁当を持ってきた者、外に出て食べに行く者、買いに行く者と様々だ。
「ふぃー腹減った・・・」
紗耶香は伸びをしながら呟いた。
「市井ちゃん」
汗を拭きながら紗耶香の側に行く真希。
「なした後藤?」
「お昼どうするの?」
「食べるよ。腹へってんモン」
「その肝心のお昼は?」
真希が言った直後にレッスン場のドアに立っている男性がいた。
「ええっと、紗耶香さ・・紗耶香と白はいますか?」
「青、待ってたよ〜!入って来て!!」
紗耶香に言われ青が入って来た。右手には大きな紙袋を左肩にはクーラーボックスを下げている。
「お弁当持って来ました」
「サンキュー♪」
紗耶香が紙袋を受け取ろうと手を出した瞬間青は紗耶香の手を掴んだ。
「せ、青!?」
青は小声で話す。
≪【サンキュー】じゃないでしょう。白から聞きましたよ・・・囮だなんて全くもう≫
≪しょうがないだろ・・・・こうでもしないと、彼女に憑いたモノがわかんねーんだから≫
≪とにかく、朱がこの事についてかなり怒ってます≫
≪マジ!?≫
紗耶香は目を見開いた。
≪青〜・・・≫
≪フォローはして起きますけど・・・≫
≪サンキュー≫
「囮って何?」
「後藤!?」
紗耶香が顔を上げると真希が冷たい眼差しで見ていた。
323 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)11時09分45秒
「えーと、そのー何だ」
真希の冷たい眼差しに紗耶香の目は泳いでいる。
「お、お久しぶりです後藤様」
青は慌てて真希に挨拶をするが、目は冷たい眼差しのまま。
「青さんお久しぶりです。で、市井ちゃん囮って何?さっき話してたのと関係あるの?」
「えーと・・・」
真希の捲くし立てる質問に紗耶香は言葉を濁す。
「市井ちゃん、ちょっと出よっか」
「えっ・・・でも、お弁当・・・・」
「何?」
「何でもないっす・・・」
真希の迫力に何も言えず、紗耶香は真希の後について大人しくレッスン場を後にした。

紗耶香と真希を呆然と見送る白と青。
「大丈夫かなぁ・・・」
「さぁ・・・彼女には頭が上がらないみたいだし、この際言って貰った方が良いかもしれない」
「そうだね。今回の囮にしろ、前回の件にしろ無茶苦茶な案を考える人だし、私達はいつもヒヤヒヤしっぱなし」
「でしょう。言っても聞かないし、ここの所は先代に非常に似ておられる」
「納得」
白と青が頷いたその時、突然大きな声で白は呼ばれた。
324 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月07日(土)11時10分56秒
振り向くとメロン記念日の瞳が目をキラキラさせながら目の前にいた。
「は、はい何ですか?」
「この人は誰!」
「誰って・・・・そうか、斉藤さんは【パッピー7】だったからこの間は会わなかったですね」
「うんうんうんうん!」
白の言葉に瞳は頷くばかり。
「改めて紹介します。え〜と兄の青です。以前の件で【おどる11】の担当だったんですよ」
「青です。白がお世話になってます」
「斉藤瞳です!こ、こちらこそお世話になってます!!」
瞳はガバッとお辞儀をする。
そんな瞳を押し退けてめぐみは笑顔を青に振りまく。
「お久振りです!村田です!!覚えてますか!」
「勿論ですよ。お久振りです・・・・!?」
青は深々とお辞儀をした。しかし、顔を上げたとたん青は驚いてしまった。
白と青を中心にメンバー達に囲まれていたからだ。しかも全員目をウルウルとさせていた。
青は顔を引きつらせながら白に言った。
「じゃ、私はもう行くから・・・それでは皆さん失礼します」
「またねー」
青は人ごみを掻き分けながらレッスン場を出て行こうした。
不意にあさ美と目が合い、青は二コリと笑った。
「紺野さん、お元気でしたか?」
「は、はい・・・青さんもお元気そうで・・・」
あさ美の顔はトマトの様に真っ赤だ。
「はい。白がご迷惑かけると思いますがよろしくお願いします」
青は優しく言うとレッスン場を後にした。
325 名前:和尚 投稿日:2003年06月07日(土)11時22分36秒
更新終了

(+` Д ´)<・・・・・・
ヽ;^∀^ノ <ご、後藤?(怒ってる・・怒ってるのか!?)

いちーさんピンチ!
326 名前:しばしば 投稿日:2003年06月13日(金)10時51分14秒
お礼参りに来ました。
和尚さんの話もちゃんとROMってましたよ(ぉぃ
一通りね、ネタがかぶらないように読むんですけど、この話は、おもしろいっすね

メロンがくるって事は、柴田の予感w
327 名前:和尚 投稿日:2003年06月17日(火)15時07分16秒
レスです

しばしば様
お礼参り有難うございます。
しかもROMっていて下さったとは嬉しいです。
その上、おもしろいとのお言葉を嬉しすぎです!
ほとんど妄想で書いているモノで(オイ

柴田さんですか?そうですね、ちょっと絡ませてみようかなと思ってます。

以前ごとーさんコンサートに行った時、柴田さんがファンの前で見せた優しさに

(#´ Д `)<後藤胸キュン
ヽ;^∀^ノ<なんだって〜!?市井というものがありながら・・・

上の二人はほっといて(笑)思わずジーンときました。
328 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月17日(火)15時16分14秒
雲1つない良い天気。心地良い風が吹いている。
外で御飯食べたり、昼寝したりするのには絶好の場所だったが、紗耶香と真希の周辺は冷気が漂っていた。
紗耶香と真希はレッスン場の側にある公園にいた。昼間という不規則な時間なのか誰もいなかった。
ベンチに座っている紗耶香。真希はジッと紗耶香を見ていた。
(後藤が怖くて、目が合わせられない!どうしよう・・・・絶対怒ってるよ〜)
「市井ちゃん」
「は、はい!」
「ここなら誰もいないし話してくれるよね」
「・・・・・・・・・・・」
紗耶香は真希の目をもう一度逸らした。
「市井ちゃん!!」
「・・・・言わなきゃダメ?」
オズオズと聞く紗耶香に真希はコクリと頷いた。
諦めたのか、紗耶香は話し始める。
「さっき、レッスン場の窓と蛍光灯が全部割れたのは、その場にいた女の子によって起こった事だったんだ。
普通の人が手も触れずに割る事は出来ない。割る事が出来るのは人では無い者・・・・」
「もしかして・・・」
「そう、魔物。そのコに魔物が憑いたみたいなんだ。白がそのコから嫌な氣を感じたから間違いない。
で、魔物が憑かれた原因は市井の所為なんだ」
329 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月17日(火)15時18分20秒
「何で市井ちゃんが!?」
「その理由はゴメン言えない。
とにかく、そのコから魔物の正体をつきとめないと手が出ないんで、原因である市井が囮になったというワケ」
「囮なんて危ないよ!市井ちゃんが死んじゃう!!」
真希の顔が青ざめている。紗耶香は優しく抱きしめた。
「大丈夫だよ。ちゃんと四聖獣達にも手伝ってもらうし安心して。
それに・・・人間に魔物が憑くと次第に身体を乗っ取られてしまって人ではなくなってしまう。そんなの嫌だろ?」
「うん・・・」
「そういう人達を助ける為に【退魔師】がいるんだ」
「市井ちゃん・・・」
「という事で以上です。いいかい後藤、内々でカタをつけようと思ってるから、この事は誰にも言っちゃダメだからな」
「うん」
「あとさ〜多分、市井と一緒だと危ないと思うんだ。だから・・・・」
「嫌!」
「まだ全部言ってないけど?」
「全部言わなくったってわかるモン!後藤と離れようって事でしょ?そんなの嫌だよ!!」
「嫌だと言っても危ないし・・・」
紗耶香が言いよどんでいると真希は叫んだ。
「市井ちゃんと一緒なら後藤危ない目にあってもいい!」
「後藤・・・」
「市井ちゃんが何を言おうが後藤は絶対離れないよ!!」
真希の目から涙がボロボロ落ちている。
そんな真希を見て紗耶香は力強く抱きしめた。
330 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月17日(火)15時19分26秒
「市井バカな事言った」
「・・・・・・・・」
「後藤が危ない目に遭うと思ったから弱い事を言った」
「・・・・・・・・」
「ゴメン」
真希は紗耶香の身体を離して顔を見た。
「市井ちゃん後藤と・・・」
「うん、一緒にいる。もし後藤に何か遭っても市井が守るよ」
「市井ちゃん・・・・・」
紗耶香の【守る】という言葉に真希は顔はほんのり赤くなった。
「なんで顔が赤くなるんだよ?」
「だって・・・嬉しい・・・」
「そっか・・・」
真希の素直な答えに紗耶香はニッコリと微笑んだ。
「………あー!」
突然紗耶香は大声を上げた。
331 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月17日(火)15時20分38秒
「何!?どうしたの市井ちゃん!」
「後藤、今日の夜空いてる?空いてたら市井の家に来ない?」
「空いてるけど…何で?」
「青が言ってたんだけど、今回、市井が勝手に決めた事に朱が怒ってる」
「うん。後藤が怒ったんだから、青さんとか顔に出ていなかったけど白だって玄さん、朱さんも怒ってると思うよ」
「…青、白、玄は大丈夫なんだけど、一番怖いのが朱なんだ」
「朱さんが!?」
「そう…」
紗耶香は頭を掻きながら俯いた。
<そんなに怖いですか?>
!?
紗耶香は驚き顔を上げた。
「市井ちゃんどうしたの?」
「朱が念を送ってきた…」
「ホントに!?」
「うん。聞かせてあげるよ」
紗耶香は真希と手を繋ぎ始めた。
「こうすると聞こえるようになるんだよ」
紗耶香は緊張しながら真希に言った。
332 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月17日(火)15時21分54秒
<白から話を聞きました。あなたはいつもいつも……>
(あっ頭の中から朱さんの声が聞こえてきた)
<あーゴメンってば!今回だけだから許してよぉ〜>
<前回もそういってましたよ>
<だからゴメンてば〜>
<言いましたよね、今度やったらお仕置きしますよと…>
<えっ!?おしおきって何ですか?>
<この声は後藤様ですね。紗耶香様は私達が心配しているのもかかわらず、
いっつも無茶な事をなさっていたんですよ>
<それ以上言わないでよ!今回、後藤に言われて反省したし、今度から絶対に相談するからさぁ>
<わかりました。でもお仕置きはさせて頂きますからね>
<わかったよ。んで、そのお仕置きの内容は?>
<今晩と朝の食事をお願いします>
<い!?マジ?>
<はい、お願いします>
<……リクエストは?>
<エビフライを始めフライ各種。朝はサンドウィッチでいいですよ、但しパンはご自分で作って下さい>
朱から【エビフライ】という言葉が出て耳をピクンと立てる真希。
<………わかった。材料は買って来てくれないか?帰ってきたら作るからさ。
お金は市井のトコから持ってっていいよ>
<はい…そうだ後藤様、ご一緒に如何でしょうか?>
<えっ、良いんですか?>
心なしか真希は喜んでいる。
333 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月17日(火)15時23分07秒
<なんだったら他の方も誘ってみては如何でしょうか?>
<朱!?>
<それでは失礼します>
<あっ、てめ朱!ちょっと待て!!>
朱の声が聞こえなくなったのがわかると紗耶香は思わず頭を抱えてしまった。
「市井ちゃん、どうしたの?」
「ん〜市井は良く食べるんだけど四聖獣達も良く食べるんだよ。
その食べる量は普通の人の倍以上。作るのが大変だなと……思ってさ」
「でも朱さんは毎日やっていたんでしょ?そこのトコは感謝しなきゃ」
「うっ、後藤に諭される日が来るとは……」
「市井ちゃん、それは酷いんじゃないの」
紗耶香の言葉に真希の頬が膨らむ。
「ゴメン悪かった」
「いいよもう………。ねえ市井ちゃん、後藤も市井ちゃんのご飯食べたいな」
「そういえば、後藤はエビが大好きなんだよな」
「覚えていてくれたの?」
真希は嬉しそうに紗耶香に言った。紗耶香は知ってて当然の顔して胸を張って真希に言った。
334 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月17日(火)15時24分26秒
「当たり前だろ、忘れたりしないよ。家においでよ……後藤」
紗耶香の言葉が真希の胸に浸透していく……。
「行く!……市井ちゃん大好き!!」
真希はとびっきりの笑顔を紗耶香に見せた。
そんな真希を紗耶香は笑いながら言った。
「戻ろうよ後藤、市井腹減った」
「うん!!」
「おわっ、気付いたら手を繋いだままだった」
繋いだ手を離そうとする紗耶香に真希は
「いいじゃん、このまま戻ろうよ」
「でも恥ずかしいなぁ…」
「行くよ市井ちゃん」
真希は紗耶香の手を繋いだまま走り出した。
「後藤、いきなり走り出すなよ」
「だって、市井ちゃんと同じ様に後藤もお腹空いてんの」
2人は騒ぎながら公園を出た。
心地良かった風が二人が公園を出た瞬間に強い風に変ってゆく……
この後から2人……特に紗耶香にとって辛く(多分)長い日々が始まった。

335 名前:和尚 投稿日:2003年06月17日(火)15時36分53秒
更新終了

ヽ^∀^ノ<マジで辛い日がくんの?
川σ_σ||<そう聞いたよ。
( ´ Д `)<柴ちゃん何でいんの?
川σ_σ||<呼ばれたから来たの。これからの展開を展開を市井さんに教えれやってって。
ヽ^∀^ノ<んだよそりゃ・・・あの野郎ぶん殴ってやる!
( ´ Д `)<ダメだよ暴力は〜
ヽ^∀^ノ<だってさ!
( ´ Д `)<後藤も一緒にいるから・・・
ヽ^∀^ノ<後藤・・・
川σ_σ||<二人がイチャ付いてきたから帰ろうっと
336 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月25日(水)20時48分21秒
むむむ…
続きが気になります、頑張ってください
337 名前:和尚 投稿日:2003年06月26日(木)20時16分53秒
レスです

名無しさん様。
続きが気になる様で・・・嬉しいです♪
ヽ^∀^ノ<市井も凄く気になるぞ!
(白 虎)<結構凄い事になるんじゃないですか?
ヽ^∀^ノ<!?
(白 虎)<だってあの朱を怒らしたんですよ。それに
ヽ;^∀^ノ<それに?
(白 虎)<秘密です
ヽT∀Tノ<マジかよ・・・
338 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時19分06秒
「う〜腹減ったなぁ、早く弁当を・・・・うお!?」
紗耶香はドアを開けて思わず叫んでしまった。
それもそのはず【Hello!Project】メンバー29人の内、真希と亜弥、
それに美貴を除く全メンバーが輪になって御飯食べていたのだ。
輪の中心には青が持って来た紗耶香と白のお弁当が置いてあった。
「あ゛ー市井の弁当!!」
紗耶香が悲鳴をあげた。その声を聞いて裕子がにこやかな顔して紗耶香に言った。
「お紗耶香、ご馳走になっとるよ。美味いなぁ〜このお弁当、朱さんが作ってくれたんやって?」
「いや、確かに作ったのは朱なんだけど…これ一人分なんだ」
紗耶香はボソッと呟いた。
「えっ、ホンマ?あれ1つが一人分なん!?白が紺野とか高橋とかあげてたから、皆の分だと思って全部開けちゃった」
(白は裕ちゃんの押しに負けて【自分のです】と言えなかったんだろうな)
「うん……でもいいよ。食べちゃった物はしょうがないしさ…」
紗耶香は苦笑しながら裕子に言った。
339 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時20分01秒
そんな紗耶香に裕子は手を前に合わせ大声で謝る。
「ホンマにゴメン!とりあえずこれ、紗耶香とごっちんの分なんやけど……足りんよな?」
「市井は足りないけど……別にいいよ、コンビニで何か買うから。
ところで白はちゃんと食べたのか?」
裕子から残りのお弁当を受け取り、申し訳なさそうに紗耶香を見ていた白に聞いた。
「他の方達がお弁当を買ってきたのを貰ったので…」
「そっか。……後藤食べようか?お昼持ってきた?なかったらこれ食べなよ」
「あっ、待って市井ちゃん」
「どした?」
「後藤、市井ちゃん達の分のお弁当を作ってきたの。良かったら食べて」
「マジっすか?」
真希の言葉を聞いて笑顔になる紗耶香。
「あっ、でも…白は食べ終わっちゃったんだよね?」
「大丈夫!市井が全部食べるから!!いいよな白?」
紗耶香に聞かれ頷く白であった。
340 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時21分42秒
パクパク…モグモグ……
一生懸命に口を動かしながら食べる紗耶香に一同唖然としている。
真里は顔を引きつりながら紗耶香に言った。
「紗耶香、凄い食欲だね。娘。の中で良く食べる辻、加護、紺野より凄いかも」
「ん、まあね。今日、朝早くから打ち合わせがあったじゃん。
朝ご飯食べないまま来たからさ、すっごくおなか空いちゃってたんだ」
「そ、そうなんだ。でもいくらなんでも食べすぎ…」
「市井と白はたくさん動くから、それ以上に食べないとホントにもたないんだ…っと、ご馳様。
じゃ、次は後藤が作ったお弁当を…・いっただきまーす♪♪」
カパッと弁当箱を開ける紗耶香。
「おっ、ピーマンの肉詰めだぁ♪んで、これは茶巾しぼり……かぼちゃだ。
そして玉子焼き…。手がこんでんじゃん♪」
「えへへ、そう?」
真希は真っ赤になって照れている。
「しかも…美味いし」
「ホントに?ホントに美味しい?」
「すっげぇ美味い」
「市井ちゃんに言われると嬉しいね♪♪」
真希は笑顔タップリで紗耶香を見た。
341 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時22分56秒
紗耶香は辺りを見渡して思っていた事を真里に聞いた。
「そういえば、松浦さんと藤本さんが見えないけどどしたの?」
「雑誌の打ち合わせなんだって」
「へ?休憩中なのに!?」
「あの二人は売り出し中だからねー。
んでプライベートでも一緒が多いから二人で共通にしている事を記事にしたいんだって」
「ふーん…大変だなー」
「なーに人事のように言ってんの。紗耶香だって、芸能人でしょ?違うの?」
「あはははは……っとご馳走様でした」
「はやっ!」
真里が突っ込むのも無理はない。紗耶香は二つの弁当を食べ終わってしまった。
「だって、お腹減ってたし、お弁当が美味しかったからさ〜。後藤、ご馳走様でした」
「おそまつさまでした♪」
「白、そのクーラーボックス、市井の分ある?」
「ありますよ」
「ゴメン、持って来てくれる?」
紗耶香は白にクーラーボックスを持ってくるよう指示した。
342 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時23分55秒
「はい、どうぞ」
紗耶香は白からクーラーボックスを受け取り蓋を開けた。
「あれっ、食べてないじゃん。どしたん?」
「お腹いっぱいで食べれなかったんです」
「ふーん、食べる後藤?」
弁当を食べ終わった真希に話し掛ける紗耶香。
「なにそれ?」
「桃のシャーベット。朱はこーゆーのも得意なんだよ」
シャーベットが入ってる器を出しながら紗耶香は言った。
「美味しそう…食べていいの?」
「どうぞ、お弁当貰ったお返し」
紗耶香はシャーベットが入った器とスプーンを一緒に渡した。
「ありがと、市井ちゃん♪では、いただきます」
スプーンですくってシャーベットを一口食べた。
「美味しい♪そこら辺に売ってる物より美味しいよ!」
「へー、その言葉朱に言ってやって。喜ぶよ」
「はーい」
紗耶香は笑いながら真希に言った。
343 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時26分28秒
「いちーさん、ののもシャーベット食べたいです」
希美が指を口にくわえて紗耶香の側にやってきた。
「ずるいでのの!市井さんウチも食べたいです!!」
亜依もすかさず紗耶香に言う。
私も食べたい、あたしも〜とゾロゾロと紗耶香に言ってきた。
「う〜ん、皆に渡したいんだけど、後三つしかないんだ。ジャンケンで決めてくれるかな?」
紗耶香に言われ、ジャンケンを始める面々。




「おっしゃ〜!」
「勝ち〜」
「貰ったよ」
ジャンケンで勝利を得た三人は希美、あゆみ、アヤカであった。
「ほい、おめでと」
紗耶香は三人に桃のシャーベットとスプーンを渡した。
スグにシャーベットを食べ始めた三人。
「おいし〜♪」
「どうやって作るの!?」
「fantastic♪」
三人は恍惚した顔でシャーベットを食べている。
「ねね、柴ちゃん一口頂戴」
瞳があゆみにねだっている。
「いいよ…・あ〜ん」
「あ〜ん」
パクッと食べた瞳。
「ホント美味しい〜♪」
どうやら満足した様子。ジャンケンで負けた人達は勝った三人に一口、一口とねだっている。
344 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時27分26秒
食べ終わったあゆみは紗耶香に尋ねた。
「市井さん、作り方知ってます?」
「知ってるよ」
「じゃあ、教えて下さいよ」
「口で説明するのは難しいんだよね〜」
紗耶香は腕を組んで考えていた。少し考えたと思うといきなりポンッと叩いた。
「おっ、そうだ♪突然だけど今晩ヒマ?」
「えっ、何でです?」
「話せば長いけどちょっと朱を怒らせちゃって、
んで、お仕置きで晩御飯作らなきゃいけなくなったんだ。
そんでもって、朱からの要望で人を大勢連れて来いって言われてさぁ
後藤は行くって言ってるけど…よかったらどう?」
「行きたいです〜!」
あゆみは目を輝かせながら紗耶香に言う。続いて瞳が紗耶香に激しく聞いた。
「市井さんの家って事は青さんも居るって事ですよね?」
「う、うん…市井と白、朱に青、玄は一緒に住んでるからいるけど」
「じゃあ、あたしも行きます!絶対行きます!!何があっても行きます!!!」
345 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時29分26秒
「そ、そう…」
紗耶香は瞳の勢いに思わず後ろに下がってしまった。
「瞳が行くなら、あたしも行く」
「ののも行きたいです!」
「ウチも行きたい〜♪」
次々と紗耶香の家に行きたい人達が紗耶香の周りに集まってきた。
「ちょっ、ちょっと待って!行きたい人手を上げて!」
「「「「「「は〜い♪」」」」」」
「1、2、3、4っと……行くのはモーニング娘。メンバーと
メロン記念日に裕ちゃんに平家さんか…結構大人数だな」
「市井ちゃん大丈夫?」
「ん〜、何とかなるか……な?」
≪紗耶香様…≫
≪しょうがないだろ…市井が悪いんだし…≫
≪自覚はしてるんですね≫
≪うっさい!≫
「紗耶香どうしたん?」
コソコソと白と話している紗耶香に真里は話しかけた。
「な、なんでもないよ!」
「というわけで、今夜は紗耶香の家で御飯を食べるってわけだ♪」
「姐さん、嬉そうやな」
「当たり前やん、一食浮くんやよ」
「裕ちゃんビンボ臭いよ」
「やかまし!」
みちよ、裕子、真里が親子(?)の会話をしている所で、ひとみが言った。
346 名前:オールマイティー 投稿日:2003年06月26日(木)20時31分19秒
「打ち合わせに行ってる松浦さんとか藤本さんとかにも聞いた方が良いんじゃない?」
ひとみの言葉に一瞬ギクッとなる紗耶香。
「さすがよっすぃー!優しいね!!」
「いやぁ〜それほどでも…」
真里にお褒めの言葉に頭をポリポリと掻きながら照れているひとみに裕子は言った。
「なんや、ここだけあっついわぁ〜」
「ホンマやな〜、ちょっと窓開けて風でも入れよか?」
さっきの仕返しとばかり裕子とみちよが真里に言った。
「こら、裕子!」
「さっきの仕返しやん!」
真里がドタドタと裕子に向かって走り出した。裕子も捕まるものかとバタバタと逃げ出した。
それがキッカケとなり、レッスン場は慌しくなっていった。
(おいおい、まだ食べ終ってない人がいるのに埃たてるなよ)
と思いながら食べていると真希がスプーンを持って笑顔で言う。
「市井ちゃん、あーん♪」
「おっ、あーん」
パクッと紗耶香シャーベットを食べさせてもらった。
口の中でとける食感が絶妙にマッチしている。
(相変わらずいい仕事しているな)
「ホント美味しいね♪」
「そうだな」
紗耶香は真希の頭を撫でながらニッコリ笑った。
347 名前:和尚 投稿日:2003年06月26日(木)20時49分35秒
更新終了

(#´ Д `)<あ〜ん♪
ヽ^∀^ノ <あ〜ん♪
(#´ Д `)<朱さんが作るお菓子美味しいね
ヽ^∀^ノ <市井が作るお菓子もちょっとしたモンだよ
(#´ Д `)<そうなの?後藤食べたいよぉ
ヽ^∀^ノ <いいよ、作ってあげるよ。
(#´ Д `)<ほんとー?
ヽ^∀^ノ <ホントだよ
(#´ Д `)<うれしーなー♪(ガシッ)
ヽ^∀^ノ <(やっぱ後藤は可愛いな)
348 名前:しばしば 投稿日:2003年07月01日(火)16時17分09秒
少し、目を離したすきに柴田が……
これからの展開が楽しみです

と、プレッシャーを与えてみたりw
349 名前:ROM読者 投稿日:2003年07月29日(火)09時12分39秒
保全。
350 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月22日(金)00時56分08秒
作者降臨期待保全
351 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/12(日) 05:56
密かに待ってます

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