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栄光に向かって

1 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)21時59分21秒
サッカー小説です。
初めて書きますので、更新速度は遅いと思います。
登場人物はハロー全員出る予定です。
2 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)22時00分14秒
20XX年6月。代表発表日。
この年初めて、日本でインターナショナルカップが開催される。
日本は開催国特権で予選は免除される。
したがって、各国が予選を戦っていた間、何試合かは親善試合が行われたが、
その都度、メンバーが替わっていた。
よって、今日の発表まで誰が選ばれるかは、海外で活躍する4人を除いてはまったく解らなかった。

午後3時、会見場に日本代表監督を務める、つんくと
コーチの夏まゆみが入ってきた。
「それでは代表22人を発表します」
つんくが右手に持った紙を見ながら口を開いた。
3 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)22時01分58秒
「まずGK」
「中澤裕子 ドイツ・バイエルン 背番号1」
「高橋愛 京都パープルサンガ 背番号22」
「以上2名」

「次にDF」
「里田まい コンサドーレ札幌 背番号6」
「木村麻美 コンサドーレ札幌 背番号5」
「大谷雅恵 コンサドーレ札幌 背番号7」
「紺野あさ美 コンサドーレ札幌 背番号4」
「保田圭 柏レイソル 背番号13」
「新垣里沙 横浜Fマリノス 背番号14」
「小川麻琴 アルビレックス新潟 背番号17」
「以上7名」
4 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)22時02分52秒
「次にMF」
「安倍なつみ ブラジル・パルメイラス 背番号10」
「後藤真希 イタリア・インテル 背番号20」
「飯田圭織 フランス・パリSG 背番号11」
「吉澤ひとみ 浦和レッズ 背番号12」
「矢口真里 横浜Fマリノス 背番号15」
「齋藤瞳 アルビレックス新潟 背番号16」
「村田めぐみ べガルタ仙台 背番号3」
「石川梨華 イタリア・ACミラン 背番号2」
「以上8名」

「最後にFW」
「加護亜依 ガンバ大阪 背番号9」
「辻希美 FC東京 背番号18」
「松浦亜弥 ヴィッセル神戸 背番号8」
「柴田あゆみ 横浜Fマリノス 背番号21」
「藤本美貴 コンサドーレ札幌 背番号19」
「以上5名」
5 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)22時03分46秒
「以上の22名です。質問のある方はいますか」
「はい」
記者の1人が手をあげた。
「どうぞ」
「MFの石川梨華、ミラン所属とおシャイましたが聞いた事のない選手ですが」
「プリマヴェーラの選手です。まだトップチームの試合には出たことがありませんがね」
「そんな選手を選んで大丈夫なのですか」
「日本の秘密兵器になるでしょう。そのうち解りますよ」
つんくは笑って答えた。
「では、これで発表会見を終わらせていただきます」
と司会者が言うと、つんくはささっと退場してしまった。
6 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)22時04分47秒
ここで発表会見前まで、少し時間をさかのぼってみよう。


<コンサドーレ札幌宿舎>

宿舎のロビーでは、選手たちがテレビの前に集まっている。
「せんぱ〜〜い、発表始まりますよ」
テレビを見ている藤本が練習場にいる
先輩たち4人を呼んだ。
紺野、大谷、里田、麻美の4人は走って戻ってきた。
「どれどれ」
大谷が覗き込む。
「私は選ばれるのでしょうか」
紺野が不安一杯の顔で言う。
「大丈夫ですよ。うちはJ1最下位ですけれども、失点はリーグ最小。
 北氷の壁といわれているDF4人集じゃないですか、4人とも選ばれますよ」
藤本が笑顔で紺野に言った。

コンサドーレは前半戦を終わって4勝11敗で最下位。
でも失点は15試合でわずか4。完封試合は11を数える。
でも、完封した試合はこちらも完封され、全部PK負けという運のなさである。
失点した試合は、FW藤本が爆発し4試合とも5点以上とっての快勝である。
7 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)22時06分23秒
そんな話をしているとテレビでは発表が始まった。
『「それでは代表22人を発表します」

 「まずGK」
 「中澤裕子 ドイツ・バイエルン 背番号1」
 「高橋愛 京都パープルサンガ 背番号22」
 「以上2名」』

「おお、あのルーキーキーパー選ばれやがった」
大谷が驚いた顔で言った。
「いよいよですよ」
藤本が笑顔で言う。

『「次にDF」
 「里田まい コンサドーレ札幌 背番号6」
 「木村麻美 コンサドーレ札幌 背番号5」
 「大谷雅恵 コンサドーレ札幌 背番号7」
 「紺野あさ美 コンサドーレ札幌 背番号4」』
8 名前:きーあん 投稿日:2002年10月17日(木)22時07分39秒
「やったー」
テレビを緊張の思いで見ていた紺野が飛び跳ねて喜んだ。
「ほら、言ったじゃないですか、4人ともおめでとうございます」
藤本は立ちあがり頭を下げた。
みんなで喜んでいる間にテレビでは発表が続いていた。

『「藤本美貴 コンサドーレ札幌 背番号19」
「以上5名」』

「いま藤本って言わなかったか」
大谷がテレビの方を向き言った。
「言ったよ。美貴ちゃんおめでとう」
紺野は自分のように喜んでいる。
「わたしも選ばれたの」
藤本は信じられないといった顔をしている。
「皆、気合入れて頑張っていこう」
チームでキャプテンを努める麻美が元気良く声をあげた。
「おう」
他の4人も元気良く答えた。
9 名前:きーあん 投稿日:2002年10月22日(火)20時02分19秒
<選手紹介・札幌>

里田まい(20)DF・・札幌で1番の長身。空中戦には絶対的な自信を持つ。
木村麻美(22)DF・・チームでキャプテンを務める。統率力はJリーグで1番とも言われている。
大谷雅恵(20)DF・・タックルの上手さには定評がある。積極的にオーバーラップし、攻撃参加する。
紺野あさ美(19)DF・・1対1の強さはチーム1。でもややメンタル面に弱さがある。
藤本美貴(18)FW・・高卒ルーキー。安定性にやや欠けるが、はまった時の破壊力は凄まじい。
             今シーズン、既にハットトリック4回記録。(通称:みきてぃ)
10 名前:きーあん 投稿日:2002年10月22日(火)20時03分04秒
<京都パープルサンガ宿舎>

発表会見が行われている頃、高橋は先輩相手にPKの練習をしていた。
「ちょっと、休憩しませんか。」
「そうだな、15分休憩にするか。」
「はい。」
高橋はゴール横に座った。
『代表、GK誰えらばれたのかなぁ。中澤さんと、誰だろう』
そんなことを考えながら、ぼんやりしていると、宿舎から誰かが走ってきた。
高橋の所に来ると、大きく深呼吸をして呼吸を整える。
「高橋。代表選ばれたぞ。中澤と2人だから、出番あるかもな。」
「ホントですか。でもなんで私になったのですかね」
「ホームでの強さじゃないか。ここまで、ホームは失点0だからな。もう少し自身を持て」
キャプテンが高橋の頭をポンと叩いた。
「はい。ありがとうございます。頑張ってきます。」
高橋は先輩達に頭を下げた。

<選手紹介・京都>

高橋愛(18)GK・・高卒のルーキー。入団後すぐ正GKが怪我をし、出番が回ってくる。
            ここまでホームでの失点は0。見事チャンスをものにする。(通称:愛きゅん)

11 名前:きーあん 投稿日:2002年10月22日(火)20時04分29秒
あとはまとめて選手紹介といきます。

<選手紹介・横浜Fマリノス>

新垣里沙(18)DF・・高卒ルーキー。チームではCBを務める。相手のパスを読む技術に優れる。
矢口真里(24)MF・・チームでは司令塔とキャプテンを務める。パスが強いがスタミナに不安がある。(通称:まりっぺ)
柴田あゆみ(20)FW・・チーム1の俊足。ドリブルを得意とする。(通称:しばっち)


<選手紹介・柏レイソル>

保田圭(27)DF・・チームではキャプテンを務める。チーム最強のパワーディフェンスを誇る。


<選手紹介・浦和レッズ>

吉澤ひとみ(20)MF・・チームではボランチとキャプテンを務める。積極的にロングシュートも狙う。(通称:よっしぃ)

12 名前:きーあん 投稿日:2002年10月22日(火)20時05分29秒
<選手紹介・アルビレックス新潟>

小川麻琴(19)DF・・攻撃的ディフェンダー。積極的にオーバーラップし、攻撃参加する。(通称:まこっち)
齋藤瞳(22)MF・・ボランチ。ディフェンスのフォローが早い。小川が積極的にオーバーラップ
            する分、負担は多い。


<選手紹介・べガルタ仙台>

村田めぐみ(20)MF・・サイド攻撃を得意とする。センタリングをピンポイントで上げる。


<選手紹介・ガンバ大阪>

加護亜依(22)FW・・大型FW。破壊力はJリーグ1。個人技に走りやすい。(通称:あいぼん)


<選手紹介・FC東京>

辻希美(20)FW・・Jリーグ1の俊足FW。左右どちらでもゴールを狙える。(通称:のの)


<選手紹介・ヴィッセル神戸>

松浦亜弥(19)FW・・2年目のヴィッセル期待の星。こぼれ球への反応に優れる。(通称:あやや)
13 名前:きーあん 投稿日:2002年10月22日(火)20時06分32秒
<選手紹介・海外組>

安倍なつみ(26)MF・・中学卒業後、ブラジルに渡る。パルメイラスでキャプテンと司令塔を務める。
              代表不動の10番(通称:なっち)
飯田圭織(26)MF・・高校卒業後、フランスに渡る。パリSGで司令塔を務める。
              安倍とは中学まで、コンビを組んでいた。(通称:かおりん)
中澤裕子(28)GK・・中学卒業後、ドイツに渡る。名門バイエルンの正GK。
              ドイツサッカー協会から、帰化して欲しいと頼まれているが、その気は無い。
後藤真希(20)MF・・中学卒業後、イタリアに渡る。インテルで左のウイングを務める。
              スタミナはチーム1。
石川梨華(19)MF・・中学卒業後、イタリアに渡る。現在はミランのプリマヴェーラに所属。
              チームではボランチを務める。
14 名前:読者 投稿日:2002年10月23日(水)12時27分08秒
少し突っ込ませてもらいますと
今はPK戦はありませんからPK負けはありませんし、そもそも4勝したら今のJでは最下位は無いです。
それに最下位のチームから代表5人も選ばれるなんて現実ありません。
そこらへんをもう少しリアルに描いて欲しいですね。
15 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月23日(水)17時09分58秒
別にいいじゃん、ちょっとくらいさ
16 名前:きーあん 投稿日:2002年10月23日(水)21時36分27秒
>14
そこの所でまよったのですよね。
今のにあわせたほうがいいですね。

ということで、6の記事訂正です。

************************************

ここで発表会見前まで、少し時間をさかのぼってみよう。


<コンサドーレ札幌宿舎>

宿舎のロビーでは、選手たちがテレビの前に集まっている。
「せんぱ〜〜い、発表始まりますよ」
テレビを見ている藤本が練習場にいる
先輩たち4人を呼んだ。
紺野、大谷、里田、麻美の4人は走って戻ってきた。
「どれどれ」
大谷が覗き込む。
「私は選ばれるのでしょうか」
紺野が不安一杯の顔で言う。
「大丈夫ですよ。1st優勝で、失点はリーグ最小。
 北氷の壁といわれているDF4人集じゃないですか、4人とも選ばれますよ」
藤本が笑顔で紺野に言った。

コンサドーレは1st優勝。成績は14勝1敗。
失点は15試合でわずか1。完封試合は14を数える。
負けた試合で唯一失点し、唯一の完封負け。
17 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月23日(水)22時38分22秒
サッカー小説好きで自分も書いてるので頑張ってください。
面白くなりそうなので期待してます。
18 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)18時30分59秒
大会1ヶ月前、合宿に参加するために、海外組が帰国してきた。

成田空港では、取材人が到着ロビーで選手を待ち構えていた。

まず、姿を見せたのは、ドイツで活躍中の中澤裕子。
だが、その姿を見て、記者たちは固まった。
右腕を三角巾でつるして、表れたのである。
沈黙を破る様に、記者の1人が口を開いた。
「中澤さん。その腕どうなされたのですか。」
「一昨日の練習でやってしまったん。でも、たいしたことないわ。
 と言っても、1次リーグは厳しいかもナ。まあ、決勝トーナメントまでには、なんとかするわ。」
そう言い残すと、左手を振って、出ていった。
「すぐに、本社に連絡だ。明日の1面だ」
記者たちが、慌しく連絡を取り出した。
19 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)18時32分01秒
到着ロビーが再び、落ち付きを取り戻した頃、ブラジルからの飛行機が到着した。
姿を見せたのは、もちろん安倍。
「いやー、凄い数だべさ。みんな、今日帰ってくるんかな」
「安部さん。今大会の目標は?」
「もちろん、優勝だべ。出るからには1番狙うべさ」
「そうそう、中澤さんが右腕怪我されて、1次は出れないそうですが」
「聞いてないよう。まじ?」
安倍は走って、出ていってしまった。
20 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)18時33分47秒
30分後、フランスからの飛行機が到着。
飯田が姿を表した。
「凄い数だね。かおりは人気者だね」
飯田は、満面の笑顔を浮かべている。
「かおりは、札幌に寄っていくから、急いでるから質問はなし」
「じゃあね」
飯田は走って、外に出ていった。
21 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)18時34分35秒
さらに1時間後、イタリアからの飛行機が到着。
後藤と石川が一緒に姿を表した。
記者が質問をしようとすると、後藤は石川の手を掴み、
一気に走り抜けていってしまった。
「ごっちん。いきなりどうしたの。記者達の質問に答えなくて良かったの?」
「実は昨日、監督から電話あってさ。石川の事はなるべく外に知られたくないから
 空港では、よろしく頼むって、連絡もらった。」
「どうしてかな」
「なんか日本の秘密兵器とか言ってたよ。」
「出番あるかもね。同じチームで試合できるかもしれないね。」
そんな会話をしながら、二人は合宿所に向かった。
22 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月26日(土)19時32分08秒
続きが気になってるんで
頑張ってください
23 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)23時37分34秒
>22
頑張ります。
では少し続きを
24 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)23時38分21秒
フランスからの飛行機が着いてから4時間後、飯田は札幌にいた。
監督に頼んで、合流を夜に遅らせてもらい、
しばらく会っていない家族に会いに着ていた。
高校を出て、すぐフランスに渡ってから1度も家族には会っていなかった。
「やっと着いた。8年ぶりかな」
「ただいま」
元気良く玄関のドアを開けた。
「かおり、どうしたの。合宿に行かなくてよかったの」
「8年ぶりに帰ってた娘に、それはないっしょ」
「ごめんね。」
「お姉ちゃん、お帰り」
奥から、中学生の妹の佐紀が出てきた。
「おう。ただいま」
「あまりゆっくりできないけど顔出しにきたぞ」
「はやく、こっちこっち」
佐紀はかおりんの腕をつかみ中へ連れて行った。
25 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)23時39分40秒
4時間くらい話などをし、ゆったり過ごした。

「じゃ、お姉ちゃんをバス停まで送ってくるね」
「2人とも気をつけるのよ」
「大丈夫よ。バス停すぐそこだし」

5分ほど歩くとバス停に着いた。

「ね、次はいつ会える?」
「大会終わったら、フランスに帰る前に寄るよ」
「約束だよ」
「ああ」
「絶対だよ。あっ、バス来たみたい。じゃあね。ホントに帰り寄ってね」
「気をつけれよ」

佐紀は押してきた自転車に乗って車道を渡っていった。
26 名前:きーあん 投稿日:2002年10月26日(土)23時40分39秒
「キャアッ」
ガチャン パァーーーーーーーン キィィィィィィィィ
「佐紀!」
かおりんはとっさに飛び出した。
ミーーーーン ミーーーーン ミーーーーン
「た・・大変だ。早く救急車を・・」
かおりんは、薄れゆく意識の中、せみの鳴き声だけが耳にこだましていた。
この時、すでに左足の感覚は・・・なかった。
27 名前:名無しですもの 投稿日:2002年11月03日(日)04時02分05秒
岬君ですか?
28 名前:きーあん 投稿日:2002年11月04日(月)21時25分22秒
>26
おおまかな設定は、使っております。
試合内容などはオリジナルで行こうと、思いますのでよろしくです。
29 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月09日(土)19時08分10秒
期待sage
30 名前:きーあん 投稿日:2002年11月09日(土)21時22分32秒
飯田が札幌の実家を訪れていた頃
合宿所には、続々と選手が集まってきていた。

「ゆ〜〜ちゃん」
「おう、なっち。久し振りやな」
「そうだね。それより腕大丈夫?」
「大したこと無いわ、と言っても1次は無理やわ」
「まあ、多少失点しても、なっちがなんとかするさ
」「安部さん、守備はキーパーだけじゃありませんよ」
「あ、あさみちゃん、ごめんごめん」
「そうですよ、この札幌4人で守りきってみせますよ。北氷の壁の威力みせてさしあげます。」
「なに言ってのかなぁ。4人ともレギュラーになれるとは限らなくてよ」
「保田さんじゃないですか」
「私もいること忘れないで置いてよね」
「まあまあ、喧嘩はしない。1次はコイツが頑張るさ」

中澤は高橋の頭を軽く叩いた。

「頼むで。高橋」
「はい。ドッキドッキですけど頑張ります」
31 名前:きーあん 投稿日:2002年11月09日(土)21時23分25秒
そんな話をしていると、監督のつんくが部屋に入ってきた。
「おう、みんな聞いてくれ。飯田が札幌で交通事故に遭った。
 命に別状はないが、インターナショナルカップ出場はほぼ絶望的だ」

「なに、冗談言ってんだべさ」
「こんな事、冗談でいえるか」
「かおりん・・・・・」
32 名前:きーあん 投稿日:2002年11月09日(土)21時24分44秒
重たい空気が部屋を包み込んでいた。
その中、コーチの夏が口を開いた。

「これから、飯田に会いに札幌まで行ってくるが、伝言はあるか」
「なっちも行きたいのですけど」
「じゃあ、後藤も」
「やめときな」
「裕ちゃん・・」
「今、私達が訪ねて行ったて、かおりんは喜びはしない。
 試合にでれなくなった、かおりんが一番喜ぶのは、かおりんの
 穴をうめるように、練習して強くなるのが一番じゃないの」
「・・・・・」
「そうだね、みんなで練習して、強くなるべさ」
「かおりんに伝えて下さい。必ず決勝までいくから、絶対戻ってこいと」
「わかったよ。伝えておく。」
33 名前:きーあん 投稿日:2002年11月11日(月)23時47分46秒
それから、代表メンバーは、飯田が抜けた穴を埋めようと、必死に練習を重ねていった。

そんな中、大会の組み合わせがやっと決まった。
1ヶ月前にやっと決まった背景には、アフリカ代表が、不運が重なりなかなか決まらなかったのがある。
34 名前:きーあん 投稿日:2002年11月11日(月)23時49分18秒
<A組>    <B組>    <C組>    <D組>
フランス    スペイン    ブラジル    ポルトガル
モロッコ    ベルギー    ルーマニア   ロシア
ウルグアイ   パラグアイ   中国      アメリカ
デンマーク   エジプト    カナダ     韓国

<E組>    <F組>    <G組>    <F組>
ドイツ     アルゼンチン  イタリア    日本
サウジアラビア ナイジェリア  コロンビア   イングランド
アイルランド  ノルウェー   クロアチア   カメルーン
チュニジア   スウェーデン  メキシコ    オランダ
35 名前:きーあん 投稿日:2002年11月11日(月)23時50分16秒
「おーい、組み合わせ決まったぞ」
コーチの夏が組み合わせ表を持って、練習場にやってきた。
「初戦は、アヤカとミカのいるイングランド
 2戦目は、キタ、スエ、アラのいるカメルーン
 3戦目は、アヤッペとリーンネがいるオランダだ」
「ついてないよ。なんて組み合わせだ」
「矢口さん、でもいつも戦ってる相手じゃないですか。」
「柴っち、だからいやなんだよ。相手はこっちのクセや、プレースタイルなど熟知してるだろ」
「ホントだよ。かおりんと裕ちゃん抜きだし、結構きびしそうだね。」
「圭ちゃん、なにびびってんねん。大会までみっちり私が高橋をきたえるけん、大丈夫や」
「高橋頼むよ」
「はい」
36 名前:きーあん 投稿日:2002年11月15日(金)22時39分41秒
7月7日 いよいよインターナショナルカップが開幕

初戦は、JリーグでプレイしているGKアヤカとDFミカがいるイングランド。
スタイルは4-5-1、守って1発のカウンター型チーム。
会場は札幌ドーム。

37 名前:きーあん 投稿日:2002年11月15日(金)22時40分37秒
<日本選手控え室>

「スタメンは朝発表したとうり、変更はなしや」「はい」「相手は格上だけど勝ちねらうよ。引き分け様なんて思うんじゃないよ」「ごっちん。それなっちが言おうと思ったのに。なっちがキャプテンなんだけどなぁ」「よし、みんな準備はいいね。」「おう」「がんばっていきましょい」

選手たちが気合を入れている頃、会場ではスタメンの発表が行われていた。
38 名前:きーあん 投稿日:2002年11月15日(金)22時43分22秒
「日本スターティングイレブン」
「GK高橋」
「DF里田、木村、紺野、大谷」
「MF吉澤、後藤、安倍、石川」
「FW加護、藤本」


   9加護   19藤本   

      10安倍
20後藤         2石川
      12吉澤

4紺野         7大谷
    5木村 6里田    

      22高橋      

39 名前:きーあん 投稿日:2002年11月15日(金)22時44分15秒
スタンドがどっと沸いた。
地元札幌の選手が5人とも出場であるから当然である。

スタンドが興奮の渦につつまれていると、選手たちが入場してきた。
国家斉唱、写真撮影も、滞り無くおこなわれ、いよいよキックオフを迎えた。
40 名前:きーあん 投稿日:2002年12月03日(火)15時00分14秒
日本のキックオフで試合開始。
センタサークルには、安倍と後藤が立つ。

ピィィィィィィィ

「いくよ。ごっちん」
「うん」
41 名前:きーあん 投稿日:2002年12月03日(火)15時01分13秒
安倍が後藤にパスをちょこっと出す。
と同時に、イングランドは、早くも中盤でプレッシャーをかけにいく。
「なっち」
後藤がパスを出す。
”サッ”
安倍はスルー。
その位置には石川が走り込んできていた。
「ナイススルーです。安部さん」
石川がそのままドリブルで上がる。
『あいぼんがフリー』
石川は大きく前線の、加護にパスを出した。
「ナイスパス、梨華ちゃん」

ピィィィィィィィ
審判の笛が鳴った。
「なにぃ」
副審の旗が上がっていた。
イングランドのオフサイドトラップ。
42 名前:きーあん 投稿日:2002年12月03日(火)15時02分18秒
『そう簡単には、いかないよ』
リベロ・ミカの指示での、一糸乱れぬバックラインのあがり。

イングランドボールで試合再開。
「作戦とおりいくよ」
ミカがイレブンに指示を出す。

イングランドは攻めずにボールを回す。
「引き分け狙いか」
「いくよ。みきてぃ」
「はい」
痺れを切らした、石川と藤本がプレッシャーをかけ、ボールを取りにいく。
そのプレッシャーに負けたのか、相手MFがパスミス。
「よし」
安倍がパスカット。
「ナイスプレッシャーだよ。梨華ちゃん、みきてぃ」
「いくよ、ごっちん」
「なっち」
安倍と後藤が一気に駆け上がる。
見事なワンツーで抜いていく。
43 名前:きーあん 投稿日:2002年12月03日(火)15時03分06秒
「このときを待ってたのよ」
ミカが、後藤から安倍に戻るパスを、コースを予想していたかのように見事にカット。
「よし」
ミカが掛け声と共に、一気にオーバーラップ。
不意をつかれた日本は戻りきれない。
「私が止める」
大谷が鋭いタックル。
しかし、止めれない。
残すは、麻美1人。
「ここは、通すわけにはいかないよ」
「通してもらうわ」
しかし、右左と揺さぶられ、抜かれる。
44 名前:きーあん 投稿日:2002年12月03日(火)15時04分03秒
高橋とミカの1対1。
ミカが右足で鋭いミドルシュート。
「でや〜〜」
高橋は、横っ飛び一番で何とかはじく。
しかし、不運な事にはじかれたボールは、ミカの足元にころがる。
「もらったわ」
ミカが軽く流し込んだ。

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