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トオイキオク

1 名前:作者 投稿日:2002年10月19日(土)00時54分32秒
いしよしを書きたいと思います。
たいしたものではないですが、お付き合いいただければ幸いかと。
2 名前:作者 投稿日:2002年10月19日(土)00時55分04秒

それはきっと、とおいとおい前世のキオク

3 名前:プロローグ 投稿日:2002年10月19日(土)00時55分49秒


『なんで、同じ種族に生まれなかったんだろう。そしたら、こんなに苦しまなかったのに』
『きっといつか対立も終わるよ。そうすれば、きっとしあわせになれる』
そう言って笑う…悪魔らしくない優しい微笑みが好きだった。

『ヨッスィー、これ…この髪飾り…』
『チャーミーには、悪魔の黒よりその色のほうが似合うよ』
わたしは、今でもその色が大好きだよ。

『ヨッスィー、今度会う時はしあわせになろうね…』
『チャーミー…今度は、ちゃんと同じ種族で…争わなくていいように…』
そして、意識がとぎれる。



4 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月19日(土)00時57分09秒
――――石川視点

「…またこの夢だぁ…」
ここのところ毎晩見るこの夢。
でも、これはただの夢じゃない…
これは、わたしの前世の記憶…そう思ってる。
夢に出てくるのは、わたしにそっくりな悪魔と、すっっっっっごくかっこいい天使。
大きな瞳、天使らしく明るい性格、優しい声…
わたしは、彼の全てを愛していた。きっと、夢の悪魔も。
「また毎晩見るようになったってことは…もしかして今度こそ本物のヨッスィーに会えるのかなぁ…うん、きっとそうだよね」
この夢を最初に見始めたのは小学校の頃。
その時から運命を感じて、夢を見るたびに会えるんじゃないかな?とは思ってたけど、いままで確実に『この人がヨッスィーだ!』と言える人には会ったことがなかった。
「会いたいな…ヨッスィーに…」
そして、わたしはまだ会ったこともないヨッスィーのことを考え始めた…
5 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月19日(土)00時57分39秒

「また梨華ちゃん夢の話…?」
「もぉーっ!ちゃんと聞いてよぉーっ!」
学校に行ってお友達のごっちんに夢のことを話すと、なんかすっごい呆れてる。
「だってさあ、高校入ってからもう10回くらい聞いてるよ、その話。そのわりに1回も会えたことないじゃん…今度も無理だってば」
「今度こそぜーったい大丈夫なのおっ!」
「はいはい…今度は頑張ってね」
ううっ…なんて冷めた反応…
6 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月19日(土)00時58分11秒
ううっ…なんて冷めた反応…

まともに取り合ってくれないごっちんにイライラしながら歩く帰り道。
今日はごっちんは「いちーちゃんのとこ寄って帰るねー」とか言って消えちゃったから1人だし…
それが、よけいにわたしをイライラさせたんだと思う。
「なによもう…いいわよねごっちんは市井さんと上手くいってて…わたしなんか…」
ずーっと下を向いたままぶつぶつ言ってたから、前にいる人のことなんて全く見えて無くて。
その人とすれ違っても、わたしは全く気づかなかったんだ。

その人が、私がずーっと探していた運命の相手だって。

7 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月19日(土)00時58分42秒

「チャーミー?」
え…?夢で聞いた、声…?
ふとふり向くと、そこに立っていたのは…帽子を目深に被った、Tシャツにジーンズ姿のかっこいい人。
そして、その顔は…夢でずっと見ていたあの人。
「チャーミー、だよね…」
「ヨッスィー?ヨッスィーなの?」
やっと、会えた…
わたしは嬉しくなって、そのままヨッスィーに抱きついた。


8 名前:作者 投稿日:2002年10月19日(土)01時00分29秒
今回はここまで。
最初からタイトル間違えました。
2の作者のところはプロローグです…

ご意見、ご感想などいただけると嬉しいです。
9 名前:名無しさん 投稿日:2002年10月19日(土)22時44分37秒
前世?!w
なんかこーゆうの好きですよ
頑張ってください
10 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月21日(月)21時55分16秒
――――吉澤視点

「またこの夢…」
あたしは、また毎晩見るようになった夢で目を覚ました。
夢…それもただの夢じゃなくて、きっとこれは前世の記憶なんだろうな。
あたしにそっくりな天使と、むっちゃくちゃ可愛い悪魔の夢。
華奢な体、悪魔なのに優しい性格、甘く響く声…
あたしは、彼女の全てに惹かれていた。きっと、夢の天使も。
「ここに引っ越してきてからだよね…またこの夢見始めたの。近くにチャーミーがいるのかな…」
両親の離婚で数日前に姉ちゃんが住んでるここに引っ越してきてから毎晩見る彼女の夢。
小さい頃からずっと見てきたけど、未だに運命を感じる人には会えなくて。
「チャーミー…どこにいるんだろ…」
あたしは、またため息をついた。
11 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月21日(月)21時56分07秒

「あたしがこんど女になったってことは、チャーミーは男の子か…」
近くの女子高に転入手続きをしに行った帰り、ふと考えた。
「おとなしくて内気な男の子…なーんか可愛いな。」
きっと、チャーミーは男でも女でも可愛いんだろうと想像してみる。
「ひとみ、なに笑ってんの…きもいよ」
「圭織姉ちゃん…」
姉ちゃんのつっこみで現実に戻る。つーかきもいってさぁ…言い方あるでしょーが…
「何、また夢の話?また見るようになったの??」
姉ちゃんはこういう話が好きで、よく『圭織もひとみみたいに運命の人に会いたーい』とか言ってたりする。
「ここに引っ越してきてから見るようになったんだよねー」
「わぁー。じゃあ今度こそ運命の人?」
「だといいんだけど」
今まで会えた試しがないからなぁ…
12 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月21日(月)21時56分41秒

『圭織画材選んでくるからー』
と言って、姉ちゃんはあたしを画材屋の前に放置していってしまった。
「どーしろってのさ…あたしこのへん詳しくないのに…」
しかたないので、画材屋の前でずっと待ってみる。
つーか、暇…
その時、前から一人の女の子がぶつぶつ言いながら歩いてきた。
って、え…この、女の子って…
どこからどう見ても、前から来る人は女の子。
でも、でもこの感じは…
すれ違った瞬間に、その感覚は確信に変わる。

この人は、あたしの運命の人だ…
13 名前:1−記憶の中のあの人− 投稿日:2002年10月21日(月)21時57分12秒

「チャーミー?」
おそるおそる訊ねてみる。
その声に反応して振り返ったその子の顔は…紛れもなく、夢で見た彼女の顔。
その顔を見た瞬間に、あたしの中で男とか女とかっていう問題は吹っ飛んでしまった。
「チャーミー、だよね…」
彼女の顔は、凄く驚いている。
あたしも、心臓が早鐘のように鳴り響いているのがわかる。
「ヨッスィー?ヨッスィーなの?」
震える彼女の声は、夢と同じあの甘い声。
やっと、会えたんだ…
そう考えていると、彼女はあたしに抱きついてきた…
14 名前:作者 投稿日:2002年10月21日(月)21時59分48秒
少量ですが更新です。
>>9名無しさん
こういうの好きですか!
期待通りの展開にはならないと思いますが…頑張らせていただきます。
15 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年10月25日(金)22時30分33秒
――――石川視点

ヨッスィー…やっと会えたよぉ…
最初はヨッスィーもびっくりしてたみたいだけど、ゆっくり背中に腕が回ってきた。
夢じゃないぬくもりが嬉しくて…ヨッスィーにぴったりくっついて…

…ん?
あれ?あれれ?
何か、いま、柔らかい感触が…
16 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年10月25日(金)22時31分14秒

ばっと驚いてヨッスィーから離れる。
「よ、ヨッスィー…そっ、それ…」
「それ?」
「その柔らかい感触って…まさか…まさか…」
「あー、気づいちゃった?」
信じたくない可能性がぐるぐる回ってる。
でも、聞かなきゃ…まだ、希望があるうちは諦めちゃダメ。ポジティブよ…
「ヨッスィー…女の子なの?」
「……うん」
う、うそおおおおっ!!
ずっと、ずっと探してたのに…やっと会えた運命の人が…女の子!?
ずっと夢に見てたあのステキな彼が…今は女の子なのぉ!?
17 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年10月25日(金)22時31分54秒
ああ、なんか頭痛くなってきた…
わたしの17年間、夢を見始めてからの約10年間は何だったの?
そんなことを考えてたら、自然に涙が出てきた。
「…っく…ふえっ………くっ………」
泣いちゃダメだよぉ…ヨッスィー悪くないのに困っちゃうよ…
でも、涙は止まってくれない。目の前のヨッスィーはおろおろしてる。
周りの人もわたしたちに注目しはじめちゃったみたい。どうしよう…

「あーっ!ちょっとひとみっ!!また女の子泣かせてんの!?」
その時、お店から出てきた女の人がそう言ってヨッスィーの方へ歩いていった…
え?またって何?何なのぉー??
18 名前:作者 投稿日:2002年10月25日(金)22時34分02秒
更新終了…少ない…少なすぎる…
えーと、最初に書くと面白くないと思ったのであえて書かなかったこと…

『このお話は、前世の記憶を共有する2人とその周りの愉快な面々が繰り広げる
シリアスとギャグが入り交じったどたばたラブコメデイです』
19 名前:名無しさん 投稿日:2002年10月26日(土)13時18分54秒
続き更新!
ってこの話ラブコメだったんですねw
それでも面白そう(w
続きお待ちしてます
20 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月03日(日)00時09分19秒
――――吉澤視点

目の前に、チャーミーがいる。
夢じゃない、本物のチャーミー。
女の子ってことにはそりゃーびっくりしたけど、あたしの夢の中にいたのは女の子のチャーミーだし…こんなにかわいいならOKかなぁ…
ゆっくりと、チャーミーの体に腕を回してみる。
あー、抱き心地いいなぁ…今までも女の子に抱きつかれることとかはあったけど、やっぱりチャーミーが一番抱きつかれて気分いい…
21 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月03日(日)00時11分00秒

と、いきなりチャーミーが凄い勢いで離れてしまった。
…なんか寂しい。もーちょっとくっついてて欲しかったんだけど…
「よ、ヨッスィー…そっ、それ…」
「それ?」
チャーミーの声はさっきとは違う…なんかちょっと信じられないって感じに震えてる。
「その柔らかい感触って…まさか…まさか…」
「あー、気づいちゃった?」
いくら今日男っぽい格好でもあんなに密着してたらさすがに気づくよね…
聞かれることの予想はついてるけど、とりあえずチャーミーの言うことを待ってみる。
「ヨッスィー…女の子なの?」
「……うん」
ほら、やっぱり。
彼女の夢に出てくるあたしも多分男だろうからなぁ…
絶対、あたしが女だなんてこと予想してなかっただろうな。
今日、ただでさえ紛らわしい格好してるし。
22 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月03日(日)00時12分05秒
「…っく…ふえっ………くっ………」
色々考えてるうちに…チャーミーが泣き出してしまった。
やっぱりショックだったのかな…ずっと探してた彼は女でしたっていきなり言われたら。
って、やばいよこの状況!ぱっと見あたしが泣かしたように見えるって!
ああ、道行く人がこっち見てる…
でも、どーすりゃいいんだ…『泣かないで』なんて軽率だし…同じ状況ならあたしも泣くかもしれないし…
23 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月03日(日)00時12分46秒

「あーっ!ちょっとひとみっ!!また女の子泣かせてんの!?」
天の助けか疫病神か、圭織姉ちゃんが店から出てきたのはその時だった。
「姉ちゃん違うっ!これにはふっかぁぁぁぁい事情があるの!」
「そんなこと言って!ひとみいっつも逆ナンしてくる女の子こっびどく突っぱねて泣かしてるじゃない!圭織はそんな言い訳聞かないよ!」
…天の助けじゃなかったっぽい…事態よけいこじれてんじゃん…
チャーミーもシラーっとした目で見てる。まずい。非常にまずい。
「だいたいひとみはいつも…」
「姉ちゃんストップ!!あーもうどう説明すればいいかなぁ…とにかく、ゆっくり話そう。ね?チャーミーもいいよね?」
「え?う、うん…」
いきなりでびっくりしてたようだけど、チャーミーはとりあえずあたしについてきてくれるみたい。
そしてあたしは、まだ怒ってる姉ちゃんとわけがわかってないチャーミーを連れて家に帰ってきた。
24 名前:作者 投稿日:2002年11月03日(日)00時14分52秒
遅筆、少量更新、age進行…ダメ作者です。

>>19名無しさん
ラブコメです。一応。
いまいちラブコメの定義って物がどこまでなのかわかっていないのでただのコメディになる可能性もありますが…
25 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月05日(火)19時56分46秒
続きが気になる。
面白いっす。
26 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月09日(土)20時32分05秒
――――石川視点

何で、わたしここにいるんだろう。
ここは…ヨッスィーとお姉さんの住んでいるマンションみたい。
わたしが道ばたで泣き出しちゃって…お姉さんがそれを見て怒っちゃって、すごい人だかりとか出来ちゃってたからとりあえずここに来たんだけど…
どうしよう、すっごく気まずいよぉ…
「ごめんねぇチャーミーさん。圭織早とちりしちゃってさぁ。ひとみ前の学校でもよく女の子泣かせてたからつい…」
「姉ちゃん余計なこと言わないで!!」
「あっ、いえ…私も、泣き出しちゃってごめんなさい…」
…また気まずい沈黙…さっきからこんなのばっかり…
「そういえばチャーミーさんはチャーミーが本名じゃないよね、やっぱり…」
「はっ、はい」
「名前なんて言うの?ああ、圭織は飯田圭織。で、こっちが妹の…」
「ひっ、ひとみです!!」
「あっ、わたし石川梨華です!」
そういえばお互い今の名前知らなかったんだね。
ヨッスィーは、ひとみさんっていうんだ…ホントに女の子なんだなぁ…
27 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月09日(土)20時33分28秒

「で、石川さんは実際の所今のひとみのことどう思ってるの?」
「え?」
「ほら、石川さんはずっとひとみのこと探してたわけじゃない。実際会ってみてどう?」
どう、って言われても…
ひとみさんの方を見てみると…なんだか真っ赤になってうつむいてる…
でも、女の子って言われたけど、うつむいたところからちょっと見える顔はやっぱり変な男の人よりはかっこいいし…
「わかんない、です…」
「わかんない?」
「女の子って言うのはショックだったけど、やっぱりその、ひとみさんはかっこいいと思うし、えっと…」
わ、わたし何言ってるの??わかんなくなってきちゃった。
「うーん、難しい問題だねぇ…圭織はべつに石川さんとひとみがくっついても祝福するけど、他の人とか…石川さん自身もちょっと抵抗あるでしょ?」
「はい」
「だから軽々しく圭織も言えないんだよね…」
圭織さんはそう言って頭を抱えてしまった。
ひとみさんは…さっきから一回もこっち見てくれないし、しゃべってくれないし…
もしかして、ひとみさんは私が女の子だったからショックで話したくもないとか!?
それもやだなぁ…よし、ひとみさんにちゃんと聞いてみなきゃ!!
28 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月09日(土)20時36分06秒
「あの、ひとみさんはどう思ってるんですか?わたしのこと…」
「ふえっ!?」
わたしが話し掛けると、ものすごーく間抜けな声を出して離れちゃうひとみさん。
び、びっくりさせちゃったかなぁ?
「びっくりさせちゃいました?ごめんなさい…あの、ひとみさんはわたしのことどう思ってるんですか?」
ひとみさんの顔をのぞき込むように言うとさらにひとみさんは顔を真っ赤にしてしまう。
あれ?どうしたんだろう?わたし何かしたかなぁ?
「ど、どう思うってその…」
「やっぱり、がっかりしました?やっぱり女の子同士って嫌ですよね…」
「い、いえとんでもない!いや、むしろあたしは夢の中で見たとおりでまんざらでもないっていうかなんていうか…あーっ!何言ってんだあたし!!」
ま、まんざらでもない?それって…女の子でもOKな人ってこと?
29 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月09日(土)20時38分08秒
「あっ、か、勘違いしないでくださいっ!別に女好きとかそんなんじゃなくて、石川さんだから…チャーミーだから特別で!」
ひとみさんが何か言ってる…けど、わたしにはあんまり聞こえない。
だってだって、そう言えばさっき圭織さんも『また女の子泣かせてる』って言ってたし…
え?え?じゃあわたしどうしよう。ひとみさんとつきあうべきかなぁ?
ひとみさんがかっこよくて、夢で見た運命の人そのままなのは事実なんだし…
「ああもうっ!!なんでだいたい女同士なんだよ…ちゃんと今回も男女だったらきっとうまくいったのに!!」
ひとみさんがいきなり大声でそう言いだした…そういえばそうよね。
わたしたちがちゃんと今回も男の子と女の子だったらこんなに悩まなかったのに…
「やっぱり、運命に嫌われちゃったのかなぁ、わたしたち…」










「「それは、私達から説明します!!」」


わたしがつぶやいた時、頭の上から…きれいにハモった大きい声が聞こえてきた…

30 名前:作者 投稿日:2002年11月09日(土)20時40分32秒
石川さん、けっこう鈍感です。
そして飛躍しすぎです(笑)

>>25名無しさん
続き、気になりますか。
みなさまの期待に…応えられてますかね…
とにかく、がんばります。
31 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月09日(土)20時48分07秒
鈍感石川さん好きです(w
頭上からの声…いったい誰なんでしょう?w
気になります
32 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年11月10日(日)00時14分40秒
いいですね、このテンポ!

やっぱり、声の主は、白い羽が生えてるんでしょうか?
33 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月16日(土)17時43分52秒
――――吉澤視点

「あの、ひとみさんはどう思ってるんですか?わたしのこと…」
「ふえっ!?」
いきなりのチャーミーこと石川さんからの問いかけにあたしは反応できずに間抜けな声を出すだけだった。
いっ、いつの間にこんな近くに…って、あたし照れちゃって石川さんのことほとんど見れてなかったから気付かなかったのか。
「びっくりさせちゃいました?ごめんなさい…あの、ひとみさんはわたしのことどう思ってるんですか?」
また近づいてきて、あたしの顔をのぞき込みながら言う石川さん。
てか、その表情、反則…
な、なんだろう…今まで女の子見てこんなにドキドキしたことないのに。
やっぱりチャーミーに対しての感覚は男になってるのかな…
「ど、どう思うってその…」
「やっぱり、がっかりしました?やっぱり女の子同士って嫌ですよね…」
石川さんはなんだか落ち込んだ表情をうかべてしまっている…
「い、いえとんでもない!いや、むしろあたしは夢の中で見たとおりでまんざらでもないっていうかなんていうか…あーっ!何言ってんだあたし!!」
34 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月16日(土)17時44分34秒

一瞬、空気が凍った気がした。

あ、石川さんひいてる…
「あっ、か、勘違いしないでくださいっ!別に女好きとかそんなんじゃなくて、石川さんだから…チャーミーだから特別で!」
言い訳にしか聞こえないセリフをあせりながら言ってるけど…石川さんはなんだかぼーっと考え込んだ様子…
やばい。絶対変な奴だと思われた。
ああ、なんだこんなことになったんだろ…って
「ああもうっ!!なんでだいたい女同士なんだよ…ちゃんと今回も男女だったらきっとうまくいったのに!!」
今思った不満を叫んでみる。
そうだよー。男女だったら今頃石川さんと幸せになってたかもしれないのに!!
「やっぱり、運命に嫌われちゃったのかなぁ、わたしたち…」
石川さんが諦めたようにつぶやいた、その時だった…










「「それは、私達から説明します!!」」


頭上から、2つの大きな声が聞こえてきた。
35 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月16日(土)17時46分23秒

「あっ、あんたたち、誰!?」
あたしは頭上に浮いている2人組を見つめて叫んでいた。
当たり前だよな。いきなり家の中にいるわ、浮いてるわ…
しかも、その人物達の格好も普通ではなく、なんだか真っ白なワンピースに白い羽根をつけた…天使と、金髪で黒いしっぽと羽根を生やした…悪魔。
「なっちは、天使ナッチだべ!」
「おいらは、セクシー悪魔マリーはあとはあと
「「2人あわせて、なちまり・メッセンジャーズでぇーっす!」」
やたらハイテンションの2人。なんなんだ…
「いやー、やっと会うとは…17年間ずーっと見てたけど、見事にすれちがってたから…」
「なっちずーっと見ててもどかしかったよぉー。『そっちに行って!』って思わず言いたくなっちゃったこと何回もあるよ」
浮きながらしみじみと話す2人。
36 名前:2−歯車は狂い始めた?− 投稿日:2002年11月16日(土)17時46分58秒
って、ずーっと見てたぁ!?
「なっ、何のために…」
「ん?ああ、おいら達の王様の命令。2人のこと監視してろってね」
「ユウちゃんもケメコも人使いが荒いべさ!」
何?何なんだ?全然ワケわかんない。ユウちゃんとかケメコって誰?
圭織姉ちゃんも石川さんも上を見上げながら固まってるし…
「まーこれだけじゃわかんないから説明したいんだけど、その前に…」
その前に何?何する気!?

「降りていい?この部屋ずっと浮いてると狭いんだけど…」
「あ…」
そう。この2人は天井ギリギリのところに、頭がぶつかりそうになりながら浮いていた…
37 名前:作者 投稿日:2002年11月16日(土)17時51分59秒
よすこさん天然石川さんに迫られ苦悩中(w
そして声の正体はこの人達でした。

>>31名無しさん
鈍感石川さん好きですか。なぜか私が書くと石川さんはこうなってしまう。
頭上からの声…こんな感じでした。

>>32ひとみんこさん
このテンポいいですか?このテンション保ち続けるために頑張りたいですが…
ちなみに、声の主は白い羽が生えてる人と黒い羽が生えてる人でした。
38 名前:31 投稿日:2002年11月16日(土)21時03分22秒
おぉ?!あの二人ですか(w
石川さんは鈍感がいいっす自分も…(w

何か色々名前も出てきましたね、どうなってくのか楽しみです♪
39 名前:3−コトの真相− 投稿日:2002年11月30日(土)12時45分56秒

「いやー、あそこにいるのしんどかったぁー」
「マリーがかっこつけようとするからだべ!もぅ!」
さっき出てきた2人はちょこんとあたしたちの間に座っている。
…ふつーの人だよね…背中から生えてる羽根がなければ…
「あのー、あたしたちが女同士のワケを説明してくれるって言ってましたけど…何なんですか?」
「…わたし、17年間ずっと待ってたんです、それなのに…」
「ああ、わーかった!わかったから落ち着いて!!」
涙ぐんできた石川さんを見てこの2人は見事に慌ててる。
いやー、天使や悪魔にも女の涙って有効なのかぁ…女の子って強いなぁ…
あれ、あたしも女の子だよね…なんか石川さんに会ってからだんだん思考が男化してるような気がする…
「じゃあ説明するけど…聞いて怒らないでね」
「なっちたちは一応事情を知ってるだけだから」
最初に一応言い訳(?)をして2人は説明を始めた。
…そんな、怒るような内容なの…??

40 名前:3−コトの真相− 投稿日:2002年11月30日(土)12時47分07秒

―――――それは、遙か昔のこと―――――

天使と悪魔はお互いいがみ合い、争い合っていた。
毎日が戦争で、老若男女問わず戦場にかり出されていた、そんな時代。
互いが決して相容れない物としており、和平と言う考えも持っていなかった。

そんな中であった特異な2人…それが、チャーミーとヨッスィーだった。

チャーミーはその時の悪魔には珍しく純粋で優しい心を持っていた。
天使軍の陣地の森の中で傷付いた動物を介護していた時…ヨッスィーと出会ったのだ。

ヨッスィーは天使の女王ユウコの弟で、天使軍の将軍。
とても正義感の強い若者で、天使達のためにその悪魔を殺そうとした。
だが…できなかったのだ。
チャーミーの汚れのない瞳と、その手の中で安心したように眠っている動物。
それを見た時、ヨッスィーは今まで戦ってきた悪魔達とこの娘は何か違うと気付いた。
この娘を、殺してはいけない…そう察したのだ。

41 名前:3−コトの真相− 投稿日:2002年11月30日(土)12時49分45秒

『わたしを…殺すの?それが天使さんの役目だもんね…でも、この子に怪我させないでね』
そう言って、自らの死が近づいていても手の中の命を守ろうとするその言葉。
そして、今まで見たどの天使達よりも清らかな笑顔。
ヨッスィーは、その笑顔に強く惹かれた。
『殺さないよ…なんなんだあんた?本当に悪魔か?』
『悪魔だよぅ…これでもれっきとした女王ケメコの妹なんだから』
『女王ケメコの妹が何でこんな所に…あんたが捕まったら大変なことになるだろ!?』
『戦い、嫌いだから…誰かわかってくれる人がいれば…そう思ってここに来たの。捕まるとか死ぬことも覚悟…あ、もちろん姉様にも内緒だよ』
42 名前:3−コトの真相− 投稿日:2002年11月30日(土)12時51分15秒
ヨッスィーはわけがわからなかった。
今まで悪魔は邪悪で話など通じない…だから交渉なども無駄。そう教えられてきたのに。
悪魔の方から、和平を持ち出してくるなんて…
『姉様には…天使はこちらを一方的に邪悪と決めつけ戦闘をしかけてくるから、わたしたちも力でねじ伏せるのみって言ってたけど…違うよね。わかりあえると思うのに…』
『俺も…ずっとあんたの姉さんが言ったようなこと思ってたけど…あんたに会ってなんか考え変わったな…わかりあえそうじゃないか…』
『そうだよ!だってあなたはわかってくれたじゃない』
チャーミーの顔が輝く。
ヨッスィーは今まで悪魔には…いや、天使にすら持ったことのない感情が芽生えるのを感じた。
それがなにか、まだヨッスィーにはわかっていなかったのだが。

43 名前:3−コトの真相− 投稿日:2002年11月30日(土)12時52分24秒

『あんた、名前なんて言うんだ?』
『えっ?』
『名前。あんたみたいな悪魔に会ったのは初めてだからな…聞きたいんだ』
理由はそれだけではなかったけど…もやもやする気持ちが何なのかわからないのでヨッスィーはそれ以上口に出すのをやめた。
『チャーミー…魔界の女王ケメコの妹、チャーミーです…あなたは?』
『俺はヨッスィー…天界の女王ユウコの弟、ヨッスィーだ…』
『あなたも、女王の弟君だったんだ…だったら、私達のことがちゃんと姉様たちに伝われば、天界と魔界はわかりあえるかな』
『きっと…な。とりあえず今日のことは誰にも言わない。きっとチャーミーが危なくなるだろうから…』
『うん、ヨッスィー…また、会えるかな』
『会えるよ…いや、また会おう。時間があればこの森で待ってる…』
その言葉を聞いて、またチャーミーは柔らかい微笑みを浮かべた。
『その約束、絶対だよ!わたしも時間があったらここに来るから!またね、ヨッスィー』
『ああ、またな、チャーミー』

それが、この森での小さいようで大きな出会いだった。
44 名前:作者 投稿日:2002年11月30日(土)12時55分23秒
とりあえず過去話前半を。

>>31さん
あの2人でした。さらに名前出てきた人たちも今回ちょこっと正体が明らかに。
石川さんは鈍感がいいですよねー。
45 名前:TUBU 投稿日:2002年12月26日(木)14時54分40秒
初めて感想書きます!
いやー、結構おもしろい!
今までありそうでなかった感じの話ですね!
いしよし最高!
続き待ってます!

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