星の王子様。
- 1 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月19日(土)13時52分21秒
- こんにちは。某板で連載中のOK牧場と申します。
今回も吉澤さん中心で書きたいと思いますが、駄文すぎるので連載中は批判でも感想でも
書いてやって下さい。
話は痛くなると思います。苦手な方は読まない方がよろしいかと・・・。
- 2 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月19日(土)13時56分38秒
- ━━━━━━━━僕は星の王子様だから。
君の願いを叶えられるかもしれないし、叶えられないかもしれない。
けど、僕は出来る限り叶えてあげたいんだ。
君が、僕と過ごした日々を忘れないように━━━━━━
- 3 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月19日(土)14時04分26秒
- 「ねぇ、お母さん。お父さんは何処へ行ったの?」
「お父さんはね、お星様になってお母さんとアナタを見守っているんだよ。」
「へぇ、じゃあ僕は星の王子様だね。」
「何で?」
「だってお父さんは、あの一番大っきくて明るい星でしょ?
だったら、お父さんは星の王様じゃないか。僕は王様の子供だから星の王子様だぁ。」
母親が少年を抱きしめます。
「お母さん、何で泣いているの?」
「うっ・・・っく、アナタは最高の星の王子様よ・・・。」
「へへへ、最高かぁ。」
二人は、また手を繋いで歩き出しました。
- 4 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月19日(土)14時30分49秒
- 「よぉっすぃー!!!」
・・・ガタン。パタパタ、ガチャッ。
「あ、ごめんね。おはよう真希ちゃん。」
「おはよう、じゃないよぉ!ホラ、急いで行くよ!!」
「・・・ハイ。」
僕は吉澤○○。私立の高校に通う高校二年生です。お父さんは僕がまだ小さい時に病気で死にました。
隣で急いで歩いているのは後藤真希ちゃん。
昔からいつも真希ちゃんの後をくっついて歩いて、近所の人からは姉弟みたいだって言われてたらしいです。
僕はこの通り、おっとりした性格だから、いっつも真希ちゃんに世話を焼いてもらっています。
「よっすぃー、ネクタイちゃんとできてない。もぉ、子供なんだから。」
真希ちゃんは僕のネクタイを解いてから、またネクタイを締め直してくれてます。
「真希ちゃん、僕、もうちょっと大人になる。いつも真希ちゃんに迷惑かけてばっかだから。」
今日の僕、ちょっとイイ事を言ってませんか?
「プッ、ネクタイもちゃんと締められないよっすぃーが大人?ムリムリ。一生経っても子供だよ。でも・・。」
ありゃりゃ。笑われちゃいました。もう学校の前だ。早いなぁ。
「でも?」
「よっすぃーには、ずっと子供のままでいてほしいナ。」
- 5 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月19日(土)14時35分06秒
- ・・・チュッ。
今、僕のほっぺたに柔らかい感触がしたのは気のせいかなぁ?
「よっすぃー、何やってんの?朝練に遅れるよぉ。」
「あ、うん・・・。待ってよ、真希ちゃぁーん!!」
僕たちは校舎に向かって走っていくのでした。
- 6 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月19日(土)18時38分35秒
- ったく、よっすぃーったら。また寝坊?ネボスケさんですねぇ・・・。
「よぉっすぃー!!!」
・・・ガタン。パタパタ、ガチャ。
よっすぃーったら寝グセがついたままの顔でニッコリ笑って一言。
「あ・・・ごめんね。おはよう真希ちゃん。」
だって。カ・・・カワイイ。今の顔は「よっすぃーの超プリティな顔ベスト3」に入るね、うん。
今朝は、よっすぃーがいきなり大人になる、なんて言ったから一瞬驚いたけど。
本音は子供のままでいてほしいから勇気を持って、よっすぃーのプニプニしたホッペにチュウしちゃったぁ(照)
よっすぃーは呆然と立ち尽くしている。刺激が強かったカナ?ごとーってば大胆・・・。
「よっすぃー、何やってんの?朝練に遅れるよぉ?」
そう言ったら、やっと走ってきた。やれやれ・・・。
- 7 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月19日(土)18時49分50秒
- あたしは教室に入る前に体育館に寄った。
ナゼって?それは、よっすぃーが朝練をやってるからです!!
よっすぃーって一見、おっとりとしたカンジなんだけど男バスに入ってて次期キャプテン確実ってウワサなんだぁ。
でもさぁ、よっすぃーの身長って167cmしかないんだよぉ?
だって男バスって皆180cm代なんだよね。学校中の男子も180cm以上あるし。だからよっすぃーは小さくなるんだけど。
身長からは想像がつかなくらいのスピードとジャンプ力があるんだよぉ。
今は5対5の練習してるみたい。もちろんスタメン5人の中には、よっすぃーも入ってて。
キュッキュッとなるバッシュの音がいいんだなぁ、これが。
あ、よっすぃーがディフェンスを振り切った!!
「大谷先輩、パス!!」
「吉澤!!」
先輩がパスしたボールを受け取って・・・ってえぇ?!
よっすぃーはジャンプして、そのまま・・・。
ガコンッ!!
- 8 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月19日(土)19時19分44秒
- ・・・・・・・ウソ・・・。ダンクした。
ボールだけが床にバウンドして・・・。みんなは呆然。
すると、いきなり「キャー!!」だの「吉澤先輩、超カッコイイ!!」だの「よっすぃー最高!!」だの「吉澤、アンタ、カッコよすぎ。」だの・・・。
男バスの仲間からも、よっすぃーは先輩にヘッドロックされて冷やかされてる。
ってゆーか、何でこんなに女子がいっぱいいんの?
体育館の2階や扉は、みぃんな女子!!いわゆるファンってヤツ?
まぁ仕方ないかもね。あのクリクリした大っきな目に白い肌。きれいな黒髪。
人間味を感じさせない時があるもん。それに、あの優しい性格にバスケだって上手いし・・・。
「守りたくなる男の子タイプ」なのかな、よっすぃーは。
あ、アイツ・・・「へへへ、ありがとねぇ。」なんて手を振ってる。だからファンが増えるんだっつぅの!!
でもいいんだ。あたしは、よっすぃーと同じクラスで隣の席なんだから。
- 9 名前:吉澤視点 投稿日:2002年10月19日(土)19時47分12秒
- 僕が朝練をしていると、やっぱり周りには女の子ばかり。
大谷先輩や飯田先輩、顧問の平家先生まで苦笑い。
5対5の練習で僕がディフェンスを振り切って大谷先輩に
「大谷先輩、パス!!」って言ったら大谷先輩も
「吉澤!!」ってパスしてくれました。ゴール下はノーマーク。
僕はジャンプ力には自信があるから思い切ってジャンプ!!
ふと横を見ると真希ちゃんが僕の方を見て唖然としてました。
いっちょ、カッコイイとこ見せてやりますかぁ!!!
ガコンッ!!
見事キマった僕のダンク。みんなは呆然としてたけどファンの子たちが騒ぎだしたら、飯田先輩も
「吉澤ぁ、ダンクなんてどこで覚えたぁ?」なんて冗談まじりに僕にヘッドロックをかけました。本当に軽くだけどね。
僕は真希ちゃんの為にやったんだけどなぁ・・・。
でも僕を応援してくれるファンの子に、お礼を言うのは当たり前だから。
「へへへ、ありがとねぇ。」って手を振る。
今朝も、いい汗かいたなぁ・・・。なんて思うんだよね。
- 10 名前:吉澤視点 投稿日:2002年10月19日(土)20時15分22秒
- でも必ずHRは寝ちゃうけど。真希ちゃんがいつもフォローしてくれるんだぁ。
隣の席が真希ちゃんで本当に感謝してますぅ!!
・・・はぁ、この気持ちをどうしたらいいんだろう・・・。
なんか最近、胸がモヤモヤするんだよなぁ。
真希ちゃんと会うと余計モヤモヤするっていうか・・・。
僕は、そぅとぅ真希ちゃんが好きなのかなぁ?
- 11 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月19日(土)20時38分31秒
- よっすぃー、朝練が終わると、あたしの所まで来て
「どうだった?僕のダンクは。」
なんて首からタオルかけて超爽やかな笑顔で聞いてくんの。
「あはっ、カッコよかったよ。普段も、あのくらいカッコよかったらね。」
って言って、よっすぃーの頭を軽く小突いて逃げてきちゃった。
HRになるとさぁ、毎日必ず寝るんだよねぇ、よっすぃーって。よっすぃー曰く、
「僕の眠りを妨げる人は何人たりとも許さない。」だって。変なの。
コックリコックリしてるトコなんて超カワイイの!!で、担任の中澤に見付からないようにあたしがフォローしてあげてるんだけど。
よっすぃー、気付いてるのカナ?
でもね、よっすぃーの寝顔も最高なんだぁ!口が半開きで子供みたいな寝顔なの!!
何かギューっとしたくなるんだよねぇ。
ホラ、休み時間になればウチのクラスのドアは女子でいっぱい。
よっすぃーは、こういうの苦手だからいつも、ある場所へ逃げちゃうの。
そう、あたしとよっすぃーの秘密の場所、屋上なんだぁ。
- 12 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月19日(土)21時00分03秒
- 今日の更新は、ここまでです。
屋上で何が起こるのか・・・。あぁ、青春って感じですかねぇ。
とにかく完結まで頑張ります。
- 13 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月20日(日)10時01分44秒
- 屋上に行くと、もう先客が。やっぱ、よっすぃー屋上が好きだよなぁ。
「あれ?真希ちゃんも来てたの?」
まったく。お人好しなんだよね、よっすぃーは。
「うん。ちょっと話がしたくて。」
「あ、僕もだよ。」ってニッコリ笑う。
二人で床に座りこむ。
- 14 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月20日(日)10時02分48秒
- ・・・までは良かったんだけど。うまく話が切り出せないよぉ。気まずい沈黙ってヤツなのかな?
よっすぃーは自分から話をするタイプじゃないからなぁ・・・。
なんて思ってたら。
「あ、あのさぁ、真希ちゃん。」
「ん?」お、珍しい。よっすぃーから話し掛けてくるなんて。しかも声が上擦ってる。緊張してんの?カ〜ワイイ。
「ぼぼぼ、僕はさぁ。この通り、おっとりした性格でトロいし頼りないけど・・・。」
「え?ちょっと、よっすぃー何言ってんの?」話の主旨がつかめない・・・。
「ぼ、僕、真希ちゃんの為なら何だってするよ。カッコよくもなるし、全力で真希ちゃんを守っていきたい。
こ、こんなに一人の女の子を好きになったのは生まれて初めてだから。それとも僕じゃあ役不足かなぁ?」
よっすぃーが、あたしをギュッと抱きしめた。懐かしい、あったかぁい感じがした。
- 15 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月20日(日)10時03分33秒
- 「え・・・?ウソ・・・。ごとーも、ごとーもよっすぃーのコト大好きだよぉ!
よっすぃーは今のままでいいよ!今のよっすぃーが大好き。
ふぇぇ〜ん、ごとー、嬉しいよぉ。」
まさか、よっすぃーから告白してもらえるなんて予想もしてなかった。夢を見てるみたい。
「そっかぁ。良かったぁ。」
よっすぃーは優しく、安心したように微笑んだ。
いきなり告白されて超ビビったけど、よっすぃーと両思いでよかった。
今、あたしは かなり幸せモノです!!!
- 16 名前:吉澤視点 投稿日:2002年10月20日(日)10時17分15秒
- うぁぁ、告白して良かったぁ。こんなにドキドキしたのは生まれて初めてだよぉ。
真希ちゃんも僕のコト、好きになってくれたんだなぁ。
大谷先輩や市井先輩に言われちゃったよぉ。「ファンの子から真希ちゃん守ってやれよ」って。
市井先輩なんか「デートに誘え、デートに。真希ちゃんイチコロだぜ?俺はデートでやぐっちゃんを、おとしたからなぁ。」
なんて言ってるんです。アナタ、矢口さんに何したんですか・・・。
で、告白ついでに勇気を出してメールで真希ちゃんを誘ったんです、デートに。
そしたら、すぐに返事が返ってきて「ウソ、マジで?!超ウレシイよ!楽しみにしてるね!!」だって。
僕の部屋の窓から真希ちゃんの部屋を見たら、真希ちゃんがケータイ片手に僕に手を振ってました。
じゃあ、僕の大好きな場所に連れて行ってあげるかな。
一人でニコニコしてたら妹の亜依が
「お兄ちゃん、何かいい事でもあったの?」って不思議そうな顔で見られてしまった。
おっと、いけない。落ち着くんだ、僕。
- 17 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月20日(日)10時28分05秒
- マジでびっくりしたぁ!あの、よっすぃーからデートに誘うなんて。
やっぱ、よっすぃーも男の子だからリードとか意識してくれてんのかなぁ?
デート当日。昨夜は嬉しくて眠れなかったから見事に遅刻。
「真希ちゃぁ〜ん、まだぁー?」なんて、よっすぃーが窓ごしに、こっち見てる。
「ごめんっ。あと5分。」
やっと家を出発した、あたしたち。よっすぃーってば、いつの間にかバイクの免許とっててビックリさせられっぱなし。
よっすぃーの背中は大っきくて、温かかったなぁ。バイクを運転している顔がとってもカッコよかった。
- 18 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月20日(日)10時57分29秒
- 二人が着いた先は海。この時期だから人は、だぁれもいなくて。
よっすぃーと二人で久しぶりに遊んだ。いやぁ、幸せって実感したよ、ごとーは。
よっすぃーはギターも持ってきてて二人で歌ったんだぁ。
「人生って素晴しい ほら誰かと 出会ったり恋をしてみたり
ああ素晴しい ああ夢中で 笑ったり 泣いたりできる〜♪」
モーニング娘。の曲だったかなぁ?あたしの好きな歌をよっすぃーは覚えてくれてて。
ちょうど夕日が沈む所が見られて、すっごぉくキレイだった。
- 19 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月20日(日)10時58分16秒
- 「うっわぁー、すっごいキレー・・・。」よっすぃーは笑って、
「よかったぁ、気に入ってもらえて。この海ね、僕が小さい頃、父さんと母さんと一緒に
よく来た海なんだぁ。夜はね、星がすっごぉくたくさん見えるんだよ。真希ちゃんにも見せたかったなぁ。」
って話してくれた。星、かぁ・・・。
「・・・・よっすぃー、強いね。大切な人を失ったのに・・・。あたしだったら耐えられないな。」
「僕だって父さんに言われたから笑っていられるんだよ。父さんが、
『○○、強く生きろよ。父さんより生きて、大切な人を一生、自分も犠牲にして守るんだ』ってね。
だから僕は大切な人、真希ちゃんを自分を犠牲にしても一生守っていくんだぁ。」
「よっすぃー・・・。」何で笑っていられるの?
涙が溢れた。こんなに自分を大切に思ってくれている人が家族以外にもいたなんて。
「泣かないで、真希ちゃん。僕まで悲しくなっちゃうよ。」
「だってぇ・・・っく、・・うぇ・・・・。」
よっすぃーは、あたしにキスしてくれました。
あたしのファーストキスはしょっぱい、涙の味がしました。
- 20 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月20日(日)21時24分09秒
- 大好きなよしごまだぁ〜( O^〜^)
よっすぃーがとってもかわいいですね。
- 21 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月21日(月)18時57分37秒
- >20 名無し読者様
ふぅ・・・。初めて感想をいただきました。
正直、読んで下さる方がいるか不安だったんですが・・・。
ありがとうございます。これからもカワイイよっすぃーを目指していくつもりなので、よろしくお願いします。
- 22 名前:吉澤視点 投稿日:2002年10月21日(月)19時26分29秒
- うぉぉ・・・。真希ちゃん泣いてたよ。
ってゆーか、僕ってキスできるほど大胆なヤツだったかなぁ?うぅ〜ん・・・。
やっとの事で真希ちゃんを泣き止ませた僕は家まで戻ってきました。
そして、僕たちの家の近くまで来たらバイクを降りて歩いたんだ。
こういう時間が幸せって感じるんだよね、僕は。
真希ちゃんを家の前まで送って(家が隣どうしなんだけどね。)僕は部屋まで戻った。
そしたら真希ちゃんが僕の部屋の窓に、くっついてたんですぅ・・・。(涙
僕、びっくりしちゃって半ベソになっちゃいました。腰も抜かしてました・・・。
窓を開けると真希ちゃんが、ちょっと怒って
「う〜、寒ぃ寒ぃ。よっすぃーってば半ベソになるほど怖がらなくてもいいじゃん、もう。
・・・でもカワイかったから許す。」
って言いながら、僕の部屋に入ってきました。
- 23 名前:吉澤視点 投稿日:2002年10月21日(月)19時42分06秒
- 部屋に入ってきた真希ちゃんに一言。
「あの〜、何しにきたの?」
「へっ?何って、よっすぃーと甘ぁ〜い時間を過ごす為に来たの。」
真希ちゃんは僕の体にギューっと抱き付くカンジな体勢です。
「やっ、それは嬉しいんだけども・・・。」これは僕の本音。
「・・・何でタカも一緒なのかなぁ??真希ちゃん。」
「タカ、今日は一日中お留守番だったから。・・・タカがいちゃぁダメ?」
「べ・・・別にいいよ。」
うぅ・・・しょぉんな目で僕を見ないでください。下から覗くっつーのは反則です、はい。カワイイ・・・。
タカっていうのは真希ちゃん家のペット。ミニチュアで綺麗な毛並みの犬なんだぁ。
・・・ついでに言うとタカは僕の事が、大のお気に入りみたいで・・・。
「う、ははっ。くすぐったいよぉ、タカぁ。」
僕はタカに顔をペロペロと舐められっぱなし。真希ちゃんはというと・・・。
━━━━━━━━ かなり機嫌が悪いみたい。
- 24 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月22日(火)00時29分37秒
- 市井先輩がやぐっちゃんをおとした技も見たい(笑
- 25 名前:後藤視点 投稿日:2002年10月23日(水)17時24分32秒
- うぅう〜・・・。
デートの後はよっすぃーとイチャイチャしたいのに。タカを連れてきたのが失敗だった。
だってタカ、よっすぃーが大好きなんだもん。よっすぃーもタカばっかり構うしぃ・・・。面白くない。
面白くないから一人で雑誌を読んでいたら、よっすぃーが隣にいて、いつの間にかタカがいなくなってた。
「あり?」って思ってたら、よっすぃーが「亜依に預けてきたよぉ。」だって。
「だって真希ちゃん、僕と一緒にいたいんでしょ?っていうか、僕が真希ちゃんと一緒にいたいんだけどね。」
よっすぃー、顔が真っ赤だよ?いやん、カワイイ!!よっすぃー大好き!!
でも「もちろん、ごとーもだよ!!」なんて言える勇気は到底なくて。
「そ、そんな事は思ってないよぉ。」って、つい可愛くない事を言っちゃうんだなぁ。
そしたら「素直じゃない真希ちゃんも好きだよぉ。」と言われて抱きしめられた。
うぅ〜ん、よっすぃーの方が一枚も二枚も上手だね。
- 26 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月23日(水)17時28分08秒
- >名無し読者様
市井・矢口先輩のエピソードも入れる予定なので、もう少し待っていて下さい。
うぁぉうぅ・・・。
甘甘は難しいです。自分は甘甘が得意じゃないです。
- 27 名前:ななーし 投稿日:2002年10月23日(水)23時08分54秒
- 甘えたな吉澤が新鮮でなんかイイ感じ。
先輩2人のエピソードも楽しみしてます。がんばって!
- 28 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月24日(木)18時05分05秒
- よしぃざぁさんと、ごとぉさんがイチャイチャしている中、いちぃさんとやうち(矢口)さんもイチャイチャしていたのれす。
(ナレーション:辻 希美)
「紗耶香ぁ、出たよぉ。」
ここは市井の家。今日は矢口が市井の家に泊まる事になっていたのです。
「おぉおー・・・バスタオル一枚なやぐっちゃんは鼻血もんだぜ・・・。」
紗耶香は真里の体を熱い視線で見つめます。
「ばぁか。何言ってんのよ。」
紗耶香は、ふと昔を思い出しました。
(昔は、やぐっちゃんと仲良くなれるなんて思いもしなかったよなぁ。)
・・・それは、二人がまだ友達という関係だった頃のお話。
- 29 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月24日(木)20時39分59秒
- 「キャー!!市井先輩、大好きぃ〜!!」
吉澤が入学する前までは市井が学校でNo.1のモテ男でした。
「ふふっ、俺に惚れるとケガするぜ?」市井もマンザラではなさそうでした。
しかし・・・市井もある人物には弱かったのです。
「もうっ、紗耶香なんて知らない!!!」
「ああっ待ってよぉ・・・やぐっちゃぁ〜ん・・・冗談だってばぁ〜。」
そう。学校で一番元気が良く、性格も◎。おまけに明るくて相談相手にしたい人No.1の
矢口真里。
- 30 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月24日(木)20時50分33秒
- 「また女子をからかって歩いて。来年は吉澤って子も入学してくるのよ。モテ男を味わえるのも今の内ですよぉ〜だ、このタラシッ!!」
「ひっでぇー。タラシは無いでしょ、やぐっちゃん。」
「タラシはタラシなんだから、しょうがないじゃん。天然タラシぃ。」
「うぅ・・・タラシって何度も言わないで下さい。」
この二人は、仲が良くありませんでした。というより矢口が市井を拒絶していたのですが。
そんなある日・・・。
「うぉー!!6本抜きぃ!!」
食堂が騒がしいので矢口が不思議に思って来てみると・・・。
市井が大・大・大っ嫌いな定食に付いているビン牛乳を飲み干している所でした。
- 31 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月24日(木)21時00分23秒
- 「・・・何してんの?紗耶香。」
「やぐっちゃん、俺が嫌いな牛乳を10本飲んだらデートしてくれるって言ったじゃんかぁ。」
「・・・ごめん。頭痛い。」
「や、やぐっちゃん大丈夫?」
そんな事をやっている内に、とうとう10本目を市井が飲み干しました。
「ぅおしゃぁぁあああー!!!・・・・う、ちょっと気持ち悪りぃ。」
市井は改めて、「矢口真里さん。今度の日曜日に俺・・・じゃなくて僕とデートして下さい。」
と矢口をデートに誘いました。
「えぇえ〜・・・なぁーんてね。いいよ。ただし、オイラを楽しませろよ?」
「おっけぇ、おっけぇ。まかせとけってぇ!!」
その日、市井はボーッとして担任の保田にシゴかれたとかされなかったとか。
- 32 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月24日(木)21時04分53秒
- >ななーし様
ありがとうございます。矢口と市井のケースをこれからも更新していくつもりなんで、
楽しみ(?!)にしていて下さい。
- 33 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月24日(木)23時18分20秒
- このデートで矢口がおとされるわけですな(w。
楽しみにしとりますです。
にしても・・・バスタオル一枚の矢口・・鼻血どころじゃないよ(w。
- 34 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月25日(金)19時20分24秒
- 今日はいよいよデート当日。市井は珍しくスーツを着こんで、かなりのハリキリようです。
「ねぇ〜紗耶香ぁ〜。一体ドコへ行くのぉ?」二人は裏原宿を歩いていました。
「ふふっ、知りたいかい?」市井は完全ふざけモードです。
「今日の市井は矢口様の一日王子様になります。何でも仰せのままに、矢口様。」
「・・・・マジ?」矢口は驚きを隠せません。
「んん〜、え〜っとぉ・・・じゃあ手ぇ繋いで裏原宿歩いて!!!」
「え・・・本当にいいのぉ?」
「ん、もちろん!!!」
という事で手を繋いで歩く事になった二人。
二人を狙っている危険な視線にも気付かずに・・・。
- 35 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月25日(金)19時38分07秒
- 今日は用事があるので続きはまた明日にでも更新します。
>名無し読者様
鼻血どころではないですね(笑 次回は市井と矢口の身に危険が・・・。
もう少し待ってて下さい。
- 36 名前:ななーし 投稿日:2002年10月25日(金)23時02分17秒
- 危険な視線・・誰だ?
- 37 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月27日(日)18時10分48秒
- 矢口がプリクラを撮りたいというので二人はゲーセンへ入りました。
「んん〜、これでOK。」
「何がOKなの?やぐっちゃん。」
「これを見せれば他の女も寄ってこないでしょ。浮気防止の証拠品にもなるしぃ。」
「な・・・信用してねぇなあ、やぐっちゃん。俺は浮気なんかしないってぇ。」
「ふぅ〜ん。じゃあ先週の日曜日に映画館で一緒にいた女は誰かしらぁ?」
「う・・・な、ナゼその話を・・・・。」
「オイラは地獄耳なんだよ。」
市井はこの時、心から思いました。
(やぐっちゃんと付き合ってる限り、浮気はヤバい。)と。
「お、カワイイ姉ちゃんがいるじゃねぇか。」
「今度はアレにすっか。」
いきなり二人の背後で声が聞こえました。市井が振り返ると、そこには・・・?!
- 38 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月27日(日)18時26分15秒
- 怪しい声が背後からしたので市井が振り返ると、そこには・・・?!
360°どこから見ても暴力団か何処かの類としか思えないチンピラが数名。
「おい兄ちゃん。この娘は借りてくぜ?なかなかの美人さんだからなぁ。」
「てめ・・・フザけんな!!俺の彼女だ!!!」
「おぉおぉ、いい度胸してんじゃねぇか。表ぇ出ろや!!!」
「やめて、紗耶香ぁ!!アタシは大丈夫だからぁ!!!」
「やぐっちゃんを見捨てられっか!そのケンカ、買ってやる!!」
という事で表に出た男バス部員一名とチンピラ数名。
周りの人間が見れば、どう考えても市井の方が不利なはず。
気になる勝負の行方は・・・・?
- 39 名前:OK牧場 投稿日:2002年10月27日(日)18時29分41秒
>ななーし様
毎度ありがとうございます。
危険な視線はチンピラでした。市井と矢口の今後に御期待ください。
- 40 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月30日(水)16時03分45秒
- 一見、不利に見えるこの状態。しかし市井だって自信がない訳ではありません。
「お〜し、来いよ。俺がチャチャッと片付けてやる。」
「おいおい、いいのか?後で怖い目にあうぜ?」
「それはこっちのセリフだっつぅの・・・。」
と言いながら市井は軽く右ストレートを一発。
「ぐはっ。い、痛ぇ・・・。」
「ふっ、この市井様をナメるとコイツみたいになるぜ?」
「てめぇ、ふざけ・・・がっ・・・。」
続いて殴り掛かってくる男にもパンチinみぞおち&キックで対応。
「だぁかぁらぁ、コイツらは甘いんだって・・・。」
市井が安心して気を緩めた、その時・・・
「紗耶香ぁ、危ないっっ!!!」
- 41 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年10月30日(水)16時26分57秒
- 矢口が叫んだ瞬間、残っていたチンピラの仲間が市井の腹にパンチ。さらにキック。顔にもパンチ。
「あ・・・あ〜ぁ。紗耶香に攻撃したあの人の命、保障できないわ。ってゆーか紗耶香マジギレしてるし。」
矢口は一人で呟き、一人で溜息を吐きました。
「ふ、ふふふふふ・・・。」
市井は怪しい笑みを浮かべています。顔には血も出て、かすり傷も多数。
「てっめぇ、よくも俺の顔に傷つけてくれたなぁ!!!!おい!!!!!!」
「え・・・えぇ?!」チンピラは市井がキレている原因がイマイチよく分かっていない様子。
市井はチンピラを本気のストレートパンチで3秒でK.O。
「へっ・・・俺をナメると・・・こうなるんだよ・・・。」市井はドサッと地面に倒れてしまいました。
「ぶしゅっ。」そして市井の額から血が一気に流れてきました。
矢口はというと、いたって冷静に
「どうも、お騒がせしましたぁ〜・・・。」と道行く人に謝り、市井の洋服の襟首を掴んで引きずっていきました。
帰り際に矢口が一言。
「ったく、ケンカの原因は誰だったんだよ。しかもデート潰れたし。」
- 42 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月30日(水)23時04分58秒
- 市井先輩、つよっ!
- 43 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年11月01日(金)17時39分21秒
- さぁ、ここは矢口の家です。市井の顔はガーゼや絆創膏でいっぱい。
「まったく。紗耶香も本気になりすぎなんだよ。こんなに顔に傷つけて。」
「だってぇ。やぐっちゃんを連れて行こうとしたんだぜ?やぐっちゃんが連れて行かれないなら、この顔の傷は
安いもんだよ。」
「ふぅーん。でもさぁ、あの時『俺の顔に傷付けやがってぇ!!』とか言ってなかった?」
「あ、や、そのぉ・・・。」
市井は俯いてしまいました。
「ははは。そんなの気にしてないからいいよ。紗耶香が・・・。」
そこまで言うと急に顔を赤くして黙り込む矢口。
- 44 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年11月01日(金)17時55分24秒
- 「え?『紗耶香が・・・。』何だよ。言ってみなってぇ。」
どうやら市井は矢口の言おうとしている事が分かった様子です。
「も・・・もうっ!!紗耶香なんて知らない!!」
矢口は機嫌を悪くしてしまいました。
「あ、ちょっ・・・やぐっちゃぁ〜ん・・・真里ちゃぁ〜ん?」
市井が慌てて機嫌を直そうとしますが矢口は市井を無視。完全無視。完璧無視。
「・・・ごめん、やぐっちゃん。俺さぁ、ホント頼りない彼氏だよな。せっかくデートOKしてもらってやぐっちゃんに楽しんで
もらおうとしてたのに。変な野郎に絡まれるし、俺は血ぃ噴いて倒れるし。
でも・・・でも俺はやぐっちゃんが好きなんだよ。やぐっちゃんしかダメなんだよ。
やっぱ、こんな俺じゃダメなのかな。」
「・・・・・彼氏なんか、つくった覚えない。」
市井は(フられた。やっぱダメだったかぁ。)と思いました。
「そっか。じゃあ俺は男らしくサッパリと諦めようじゃねぇか。」
市井が笑って言いました。
- 45 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年11月01日(金)18時34分13秒
- 「・・・紗耶香もフッた覚えない。」
「うぇ?」
「だからぁ、紗耶香が彼氏でもOKだって言ってるんだよ!何度も言わせんな。」
矢口の顔は、やっぱり真っ赤でした。でも市井は全然お構いなし。
「ぃよっしゃぁああぁぁぁあああ!!!!!!」
市井は思い切り矢口を抱き締めます。
「うぅ・・・痛い、紗耶香。」
「んなの気にしてられるかぁー♪」
二人は、こうして今に至るのでした。
- 46 名前:市井と矢口の場合。 投稿日:2002年11月01日(金)18時43分44秒
- 「・・・か?・・・」
「・・・・やか?・・・」
「・・・さやか?・・・」
「紗耶香ぁ!!」
「っ、うぉおぉビビッた。」
「紗耶香ってばオイラがいくら呼んでも宇宙と交信してて、気付いてくれなかったんだもん。
圭織の交信術でも覚えたの?」
「い、いや。違う違う。何かさぁ、昔を思い出しててねぇ。」
「むかしぃ?」
「おう。俺とやぐっちゃんが恋人になるまでの時。」
「なっ・・・。恥ずかしいじゃんか!!思い出すなよぅ。」
矢口が市井の胸をポカポカ叩きます。
「っははは、ごめんごめん。でも、やぐっちゃんは可愛いすぎるから罰。」
「はぁ?何さ、罰って。」
「こうすんだよ。」
と言いながら矢口を押し倒す市井。
「や、ちょっ・・・んん・・・。」
二人は大人ちっくな夜を過ごしたのでした。
- 47 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月01日(金)18時56分00秒
- >名無し読者様
強いです。市井先輩は矢口の事になると人間離れしたパワーを見せてくれます。
これから、本題の吉澤・後藤編に戻ります。少し原稿を手直しするんで、ちょっとだけ待っていてください。
- 48 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月06日(水)17時51分05秒
- いきなりですが、今あたしはドコにいるでしょうかぁ?さぁ、みんなで考えよぉ!!
・・・あはっ。実はぁ、よっすぃーと海に来ています!!
あたしが、よっすぃーに「海とか連れてってよぉ!!」って言ったら「別にいいよぉ。」ってOKしてくれたんだぁ。
だから、あたしは今日の為にカワイイ水着をチョイス、チョイス♪
「ま、真希ちゃん・・・そのぉ。み、水着カワイイね・・・。」
よっすぃー、顔が真っ赤だよ?恥ずかしがるコトないじゃん。ただのビキニなのに・・・。
「顔が真っ赤なよっすぃーにはお仕置きだぁ、うりゃぁ!!!」
「うわぁぁ!!!ちょ、冷たいよぉ真希ちゃん。」
あたし達は他人の目も気にせず遊びました。高校生にもなって恥ずかしい・・・。
「はぁー疲れたぁ!!!」
「僕、何か飲み物買って来るよ。」
よっすぃーは財布を持って行っちゃった。
・・・ってゆーかね?周りのお姉さんの視線が全部よっすぃーへ注がれている・・・。脛まである海パンが何とも言えずカワイイからかなぁ?
- 49 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月06日(水)17時59分19秒
- 「ねぇねぇ君って一人?俺たちと遊ばない?」
ぅわ・・・ナンパかよ。イヤなんだよなぁ、しつこいから。
「いえ、彼氏を待ってるんで・・・。」
「えぇ?!こんなカワイイ彼女を置いてくなんて、ひっでぇ彼氏じゃん。」
ちょっと今のはムッときましたよぉ?
「そんな彼氏なんて待ってねぇで俺たちと遊ぼうぜ?」
男の人に腕を掴まれる。到底、力では勝てるワケもなく・・・。た、助けてよぉ。よっすぃー!!!
あ、よっすぃー!!・・・・・って・・・。
何でお姉さん達に囲まれてんのよぉ!!!
「ねぇボク。一人?だったらお姉さん達と遊ぼうよ。」
「あ、あのぉ僕は彼女が待ってるんでぇ・・・。」
「彼女ぉ?いいじゃなぁい、今だけ。ね?」
耳元で囁かれて、よっすぃーの顔は真っ赤。すっごく真っ赤。
アイツ、年上のお姉さんには弱いからなぁ・・・。
おいおい、よっすぃー、助けてよぉ!!!!
- 50 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月06日(水)18時12分18秒
- 「さっきから何を見てんの?あ、あれって君の彼氏?」
男の人にバレた。もう一人の男の人が、よっすぃーの元へ近付く。
「彼氏、お姉さん達に囲まれちゃってんじゃん。だから君も・・・。」
男の人が、あたしに触ろうとした瞬間。
「すみません。お世話をお掛けしました。この娘、僕の彼女なんで・・・。」
よっすぃーは男の人から、あたしの腕をやんわりと離すと「帰ろっか。」と一言。
浜辺にいた人達は、みんな口をポカンと開けてた。
いつの間に助けに来てくれたんだろう?
ま、いっかぁ。よっすぃーが助けてくれたんだから。
後日、よっすぃーに聞いたんだけど・・・。
男の人が見た彼氏って、市井先輩だったらしい。ちょうど市井先輩も海に来てて、
「身代わり?こんな美人のお姉さんなら任せろ!!!」
って言って、よっすぃーと入れ替わったんだって・・・。
- 51 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月06日(水)18時19分01秒
- 久しぶりに更新しました。シーズンが、かなりずれた話でした。すみませんm(_ _)m
原稿を書いていた季節が夏だったもんで・・・。
もうそろそろ話も後半に突入しました。
最後まで二人と、救い様のない作者を温かく見守ってやって下さいませ。
- 52 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月07日(木)17時29分23秒
- この間のナンパ事件から数週間後の事でした。
今日も僕は真希ちゃんと屋上でランチタァ〜イム。
僕の為に真希ちゃんが毎日、作ってくれるんだけど真希ちゃんのお弁当は最高です。美味しいです。
いつもの様にゆで卵を頬張っていたら真希ちゃんが、
「そういえばさぁ、あと2週間後だよね。大会。」
と思い出したかのように話し出しました。
「うぇ?あぁ、うん。でも大会って言っても決勝戦だけなんだけど。」
「マジ?!決勝までいったんだぁ。それに勝てば優勝?」
「うん。相手はずいぶん強いらしいけど、今年は大丈夫だって。」
「そっかぁ。じゃあ後藤も応援に行くね。よっすぃーの好きなベーグル&ゆで卵を持って。」
「あはは、ありがとう。僕も去年に増して頑張りますっ。」
「頑張るからには絶対に優勝してね?やくそくぅ〜。」
僕らは『指きりげんまん』をしました。懐かしいなぁ。
- 53 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月07日(木)17時39分38秒
- 僕が教室に戻ると、同じクラスの石川さんが女子に囲まれてました。
何か話した後、教室を出て行ってしまいました。
あれが単なる冗談だったらいいんだけど。石川さん、泣きそうだったよね?
僕は気になって女子たちの後を追いかけました。
石川さんは可愛くってテニス部の主将だし、あのアニメ声で皆から人気があるハズなんだけどなぁ?
何で泣きそうな顔なんかしてたんだろう。
とりあえず僕も石川さんたちの入っていった理科室へと入りました。
- 54 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月07日(木)18時01分17秒
- あたしが教室に戻ると、よっすぃーは真剣な顔してすぐに教室から出て行っちゃった。
「「「あ、ごっつぁ〜ん。」」」
すると、教室の隅っこで固まっていた亜弥・美貴・あゆみが手を振ってた。
「何?彼氏の吉澤クンと何処へ行ってたのかなぁ?」
美貴が茶化す様に、あたしを肘で突付く。
「もぉ、うるさぁ〜い!!それより、よっすぃーが何で教室から出て行ったか知らない?」
「あぁ、吉澤クンなら石川さんたちを見て追いかけてったみたいだけど?」
「うん。何か真剣な顔してたよねぇ。」
亜弥の言葉に、あゆみが賛成する。
「吉澤クンもいい人だよ。あの石川さんたちと関わろうなんて。」
美貴がしみじみと言う。
- 55 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月07日(木)18時02分30秒
- 「それってどーゆう事?」
「えっ、ごっつぁんって石川さんの事知らないの?」
「おぅ。」
「石川さんはねぇ、可愛いしテニスもできて男子に人気があるけど、反対に女子には
妬まれちゃってんのよ。それに石川さんは大人しい性格だから何も言えないし・・・。」
あゆみが呆れて溜息混じりに人差し指を立てて一気に喋る。
「・・・・・・それって、よっすぃーは知ってんの?」
「さぁ?でも吉澤クンは男子だから知らないんじゃないの?」
亜弥が興味なさそうに呟く。
「アイツぅ・・・。」
あたしは勢い良く教室を飛び出した。
「何でごっつぁんは、あんな怖い顔してたの?」
「「さぁ?分かんない・・・。」」
美貴の問いかけに亜弥とあゆみは首を勢い良く振った。
- 56 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月08日(金)17時47分36秒
- 僕が理科室に入ると数人の話し声が聞こえてきました。
「アンタさぁ、まだ吉澤クンの事を追っ掛けてるみたいだけど・・・
いい加減やめてって言ったよねぇ?」
「え?いや、その・・・ご、ごめんなさい・・・。」
えぇ?!僕が原因らしい。どぉしよぉ(泣
「謝るのはいいのよ。その代わり、アンタの家は金持ちなんだから軽く5万くらい
持って来れるよねぇ・・・。」
「そ、それは出来ません。お金を盗むなんて出来ません。」
石川さんは弱々しく、しかしハッキリと否定しました。
「はぁ?んじゃあ、アンタのだぁ〜い好きな吉澤クンを貰ってもいいのぉ?」
え?僕は真希ちゃんという彼女がいるんですけど。
「そ、それも・・・。」
石川さんが泣きそうな顔をしました。ぅわ、何てカワイイんだ・・・・。
ってゆーか僕が石川さんを助けなきゃイケナイじゃないか!!
「君たち、ちょっと待ってよ。」
僕は勇気を出して女子の所へ歩き出しました。
- 57 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月08日(金)17時58分36秒
- 「え?よ、吉澤クン・・・。」
石川さんを苛めていた女子は僕の顔を見ると固まりました。
「石川さんは僕の大切な友達だからさ、許してやってよ。」
僕が一言だけ静かに言うと、
「ご、ごめんなさい!!!」
と言って理科室を出て行ってしまいました。
石川さんは唖然としていて口をパクパクしていました。
「な、なななな何で吉澤クンがここに・・・?!」
「何でって、石川さんが女子に連れて行かれるのを見たからさ。」
「ほ、本当に?」
「だって、いじめの原因って僕だったんでしょ?」
石川さんは僕の目をじっと見ると突然、
「・・・ぅ、・・・っひっく・・・ぇぐ・・・。」
と泣き出してしまいました。
「え?ちょ、ちょっと石川さん?」
「怖かった・・・怖かったよぉ。」
石川さんは、しばらく僕の胸に飛びついて泣いてました。
そこへ、今、一番来てほしくない人が現れてしまいました・・・。
「・・・・・よっすぃー・・・・・。」
僕の心臓は口から飛び出そうでした。
- 58 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月08日(金)18時03分04秒
- 「・・・・・よっすぃー・・・・。」
真希ちゃんは僕と石川さんの所へツカツカと歩み寄って、
「吉澤の、ばっかやろぉー!!!!!!」
と僕にパンチを。しかも一番痛い、みぞおちに。
「ぅ・・・いってぇええぇぇぇ!!!!!」
僕も叫びました。だって女子って男子よりも力が無いから痛くないと思ってたんですけど。
痛かったです。最強に。改めて真希ちゃんが怪力で逞しい女の子だと思い知りました。
- 59 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月08日(金)18時15分42秒
- マジでムカツク!!!
よっすぃーの後を追って学校中を探し回ったら理科室から聞き慣れた声が。
当たり前の様に教室へ入ると、そこには抱き合っている石川さんとよっすぃー。
しかも石川さん泣いてるし。ふぅ〜ん、よっすぃーって女子を泣かせるんだ。
あたしは怒り爆発ですよ。自分の彼氏が他のカワイイ女子と抱き合って、しかも女子は泣いてる。
こんな光景を見たら日本全国の恋する女子高校生は怒り爆発するよ?普通。
あたしはよっすぃーへパンチをみぞおちにヒットさせて教室に帰ってきた。
「どうしたの?ごっつぁん。顔がメッチャ怖いよ。」
美貴が怖そうに、あたしを突付く。
「・・・べっつに。」
その後、よっすぃーは石川さんと一緒に教室に帰ってきた。
余計ムカついたから、よっすぃーを無視した。
下校の時刻に帰ろうとしたら、よっすぃーは先に帰ってた。
あたしの心はチクチク痛んだ。
- 60 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月09日(土)21時18分52秒
- あたしはムカツキついでに美貴・亜弥・あゆみと学校からカラオケへ直行。
「まぁまぁ、ごっつぁん。誰だって恋にスランプはあるさ。」
あゆみがオヤジみたいな口調でのんびりと言う。
亜弥と美貴はマイクを独占してずっと歌ってた。
くっそぉ、よっすぃーが謝るまで絶っっっっっ対に許さない!!!!
ってゆーかスランプって・・・あゆみもスランプに陥った事あんの?
イライラしながら家に帰ると、玄関の前に誰か立ってた。
「だれ・・・?」
そこには・・・
- 61 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月09日(土)21時36分32秒
- 僕は真希ちゃんに殴られた後、石川さんの家へ寄りました。
も、もちろん好きとかじゃなくて純粋に石川さんに今日の事を謝りたかったから。
「おじゃましまぁ〜す。」
「どうぞ・・・へへ。」
驚いた。石川さんの家はデカい。絶対、普通の家ではこんな大きな家を建てられないでしょう。
「い、石川さんのお父さんは何をしているの?」
「えっとぉ・・・何かの社長さんだと思った。それと『石川さん』じゃなくて『梨華ちゃん』でいいよ。」
自分の親の職業を知らないって・・・やっぱ金持ちの家には職業なんて関係ないのかなぁ?
梨華ちゃんの部屋は目がチカチカするほどピンクだらけでした。真希ちゃんの部屋と違って女の子らしい部屋だなぁ。
- 62 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月09日(土)21時37分24秒
- 「それより吉澤クン、お腹は大丈夫だった?」
「あ、あぁ。今日はごめんね。り、梨華ちゃんまで巻き込んじゃって。
気にしないでいいよ。真希ちゃんは僕が何とかするから。」
「でも・・・。」
「いいってば。僕は今日の事が謝りたくて梨華ちゃんの家まで来たんだから。」
「吉澤クン・・・。」
「じゃあ僕はこれで。」
梨華ちゃんは玄関まで見送りに来てくれた。いい子ですよ、うん。
僕は梨華ちゃんと別れた後、ダッシュで真希ちゃんの家まで戻った。
・・・ハァハァ・・・まだ真希ちゃん帰ってきてないや。待ってるかな。
玄関の前で待つ事にした僕・・・。
- 63 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月09日(土)21時49分25秒
- 玄関の前に立っていた人は、よっすぃーだった。
「え・・・よっすぃー?」
立っていた人、よっすぃーは笑顔で振り返った。
「何でここにいんのよ。」
ああ、本当は嬉しいのに可愛くない事ばっかり言っちゃう。
「真希ちゃんに謝りたかったからさ。」
「いい加減にしてよ!!石川さんと抱き合ってたくせに!!あたしより女の子らしい石川さんの方がいいんでしょ?」
「違うよ。」
よっすぃーは一言だけ静かに言った。
「あれは石川さんが女子にいじめられてたから助けたんだよぉ。
真希ちゃんだって知ってたんじゃない?石川さんがいじめられてたのをさ。
僕は知らなくて助けたんだよ。そしたら石川さんが泣いちゃって。」
よっすぃーは困った様に、しかし少し笑っていた。
「・・・。」
よっすぃーに返す言葉がなかった。何でよっすぃーを疑ってたんだろう。
でも素直に謝れるハズもなく・・・。
「・・・・あっそう・・・。」
あたし、最低だ。
- 64 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月09日(土)21時57分14秒
- 「まだ僕の事、許してくれない?」
よっすぃーは、あたしの手を握った。・・・驚いた。
よっすぃーの手は氷のように冷たかった。本当にずっと待ってたんだ。
「あと2日でしょ?試合。真希ちゃんだけにはさ、見に来てほしくて。だから仲直りしようよ。」
そうだ。よっすぃーは2日後に試合なんだ。あたしに構ってる暇ないのに。
「あたしも・・・ごめん・・・。」
よっすぃーへの謝罪もそこそこに、家に入ってしまったあたし。
どうしてこんな性格なんだろう。
・・・そうだ、試合を見に行ってよっすぃーに謝ろう。
よっすぃーの大好きなベーグルと、ゆで卵を入れて。
- 65 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月09日(土)22時49分17秒
- あぁああーーー。真希ちゃん、許してくれそうにないよぉ・・・。
試合に来てくれるかなぁ?マジで不安だなぁ・・・。
突然、僕の携帯にメールが入りました。送り主は・・・梨華ちゃん。
------------------------------------------------------------
from:梨華ちゃん
本文: 今日はごめんなさい。真希ちゃん、許してくれた?
私の責任だったら私も謝るよ(;_;)/
「ははっ。いい子だなぁ。」
僕もメールを返信しました。
-------------------------------------------------------------
to:梨華ちゃん
本文:ありがとう(^_^)真希ちゃんは謝ってくれたけど、まだダメみたい。
2日後にバスケの試合(決勝戦だけだけど。)があるから梨華ちゃんも来てよ。
じゃあ、おやすみなさい。
「これでよし・・・っと。」
真希ちゃんは明日にでも学校で話をしてみよう、と考えて僕は布団に潜りました。
- 66 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月09日(土)23時02分52秒
- ふぅ・・・。更新のペースが不規則でホントすみません。
これからラストスパートですね。
これが終わったら、短編(?)をちょこちょこやろうと・・・。
それか、新しい長編にも挑戦しようと思います。
- 67 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月10日(日)18時06分12秒
- 次の日。真希ちゃんとは相変わらず気まずい雰囲気。
僕が真希ちゃんに話を振っても「え・・・?あぁ、うん。」と曖昧な返事をするだけです。
真希ちゃんの友達の柴田さん、松浦さん、藤本さんも困ってる様子。
謝って仲直りしたつもりだったのに真希ちゃんはまだ話し掛けてくれないんです。
梨華ちゃんの他に何か原因があったのかなぁ?
もう一度真希ちゃんと話がしたいから、僕は真希ちゃんを屋上へ誘った。
- 68 名前:石川視点 投稿日:2002年11月10日(日)18時16分37秒
- 「あ〜ぁ。吉澤クン帰っちゃった。」
吉澤クンが帰ったあと私の部屋に戻ると何故か虚しい空気だけが残っていた。
------------------------------------------------
私はいじめられていました。というのも高校に入ってからなのですが。
理由は金持ち、美顔(自分で言うのも・・・)の私が学校のアイドル吉澤クンに恋をしているのが
吉澤クンのファンの子に気に入られなかったからみたいです。
特に同じクラスのファンの子からは、よく呼び出されていました。
そんな日が当たり前に思えてきてしまった頃でした。
いつもの様に理科室に呼び出されては、お金の請求。
「お金だけは」と断ったら「吉澤クンを貰う」とか言われました。
すると、何とそこへ本人の吉澤クンが現れたのです。私は夢を見ているのかと思いました。
吉澤クンが「石川さんを許してやってよ。」みたいな事を言うと今まで私をいじめていたファンの子はすぐに理科室を出て行ってしまったのです。
吉澤クンの力って大きい・・・。改めて実感しました。
- 69 名前:石川視点 投稿日:2002年11月10日(日)18時35分16秒
- 吉澤クンは突然、私に向かって謝りました。「僕なんでしょ?いじめの原因って。」と。
そして、その大きな目で見つめられました。今まで押し殺してきた感情が一気に飛び出して涙が溢れました。
私が吉澤クンに抱き付くと吉澤クンは怒る様子もなく優しく手を回してくれて。
「優しいんだな、何もかも」と思った瞬間、
「・・・・・・よっすぃー・・・・・。」
同じクラスの後藤さんがドアの所に立っていたのです。
吉澤クンの顔から血の気が一気に引いていくのを私はこの目でしっかりと見ました。
・・・そして吉澤クンの、みぞおちへパンチするとツカツカと教室を出ていってしまいました。
吉澤クンは、あまりの痛さに叫んでいます。
私はワケが分かりませんでした。何で後藤さんが出てきて吉澤クンにパンチするの?何で後藤さんなの?何で・・・?
吉澤クンを心配するのも忘れて私は呆然としたままでした。
そこで私は初めて気付いたのです。吉澤クンは後藤さんと付き合っているということ。
生まれて初めての失恋でした。
- 70 名前:石川視点 投稿日:2002年11月10日(日)18時41分06秒
- 私の家から吉澤クンが帰ったあとも心配で、教えてもらったばかりの携帯のメルアドにメールを送信してみました。
すると「気にしないでいいよ。真希ちゃんは僕が何とかするから。それと2日後のバスケの試合、見に来てね。」
というような返事が返ってきたのです。
メルアドを教えてもらって、しかもメールを返信してくれただけでも嬉しかったのですが、それ以上に
吉澤クンが後藤さんに夢中だという事が私の醜い嫉妬の種でした。
- 71 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月10日(日)19時23分40秒
- 僕が真希ちゃんを屋上へ誘うと真希ちゃんも素直に付いて来てくれました。
「昨日さ、二人とも謝ったよね。でも真希ちゃんは僕と石川さんの他に何か怒ってる理由があるの?」
「・・・何で?」
「だって・・・。真希ちゃん今日は全然話し掛けてくれないし、試合が明日だから早くちゃんと話せるようになりたいなぁ〜って・・・。」
「ち、違うよぉ。あたしは怒ってないよ!!ただ・・・。」
「ただ、なに?」
「よっすぃーが石川さんといた事が悔しくて。
でも、よっすぃーは謝ってくれたのに自分に素直になれなくて・・・。」
「真希ちゃん、それってもしかして・・・。」
「・・・。」
真希ちゃんの顔と耳は恥ずかしさを表すバロメータのようにどんどん赤くなっていく。
「嫉妬ってヤツ?」
- 72 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月10日(日)19時32分46秒
- とうとう真希ちゃんは真っ赤になって僕の制服の裾をギュッて掴んでくる。
・・・くっそぉ!!何でこんなにカワイイんだぁぁああぁああぁ!!!
気付いたら僕は真希ちゃんを押し倒していました。
真希ちゃん、目がトロンとしてるよぉ?!
「ダ、メ・・・だよ・・・誰か来ちゃう・・・・。」
「大丈夫です。鍵かけてきた。」
何で準備万端なんだ、僕はぁ!!!
- 73 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月10日(日)19時42分56秒
- こんにちは。というより、こんばんは。
今、作者は悩んでいます。
この後の話にエロを入れようかどうか・・・。
それによって話の原稿が違ってくるんですよね。
そこで皆様の意見を聞きたいんですよ。エロを入れるか入れないか。
どうか知識の乏しい作者にアドバイスをお願い致します。
- 74 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月11日(月)08時01分06秒
- ぜぜぜ是非エロを入れてみてはいかがですか!!?
ってか個人的に読みたいだけっすすんません(w
ここのごっちん激カワいーです☆
- 75 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月12日(火)18時07分35秒
- >名無しさん様
いえいえ、個人的でも意見が聞けて嬉しい限りです。
ではエロ入れます。
レスが少ないので気になっていたのですが、安心しました。
これからもレスをお願いします。
- 76 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月12日(火)18時40分20秒
- そして僕は男前モードのスイッチON。
「いいじゃん。それとも僕じゃダメ?」
真希ちゃんの耳元で囁くと、ほら。すぐに抵抗しなくなる。
まずはキスから。最初は軽く、段々と深いディープキスへ。
舌を首筋、鎖骨へ滑らせる。耳を甘噛みすると、
「ふぁぁぁ・・・。」
なんてカワイイ声を出しちゃう真希ちゃん。
あなたは気付いてないね。その甘い声が僕を余計に興奮させている事を。
制服のブラウスのボタンを一つずつ外していくと、水色の可愛いブラが出てくる。
ブラのホックを取ると形のいい胸が。・・・で、デカくないですか?!
胸の突起を口に含んでみる。ちょうどいいぐあいに硬くなっている。感じてくれてるのかなぁ?
右側の乳首を軽く噛んだり舌で転がして、左側は指で摘んで弄る。
「あぁ・・・んぁ・・・。」
真希ちゃんの目が潤んでる。ダ、ダメだぁ。
僕は、この子をメチャクチャにしたい。でも絶対に傷付けたくはない。
「真希ちゃん。下の方はどぉなっちゃってるのかな?」
「っ・・・よっ、すぃーの・・・い、じわ・・・るぅ・・・。」
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月13日(水)00時16分54秒
- ここの小説初めて読みました!!よっすぃーが超かわいーです
続き期待してまっす★
- 78 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月14日(木)18時11分42秒
- スカートの中に手を入れるとパンツが濡れているのが、よく分かる。
「あらら。こんなに濡れちゃってぇ。」
「・・・んぁ・・・や、めて・・・よ・・・。はずかしぃぃぃ・・・・。」
パンツが汚れると次の授業に影響が出てしまう。そーだ。
「ちょっと腰浮かせて。」
「ふぇぇぇ?」
真希ちゃんに協力してもらってパンツを脱がす。
「脚。広げようよ。」
「んん・・・・やぁだぁ・・・。」
今さらそんな事を言われても遅いです。僕の勢いは止められません。
僕は無理やり脚を広げて顔を入れる。
真希ちゃんのアソコはピンク色で、めっちゃ綺麗だった。
「すげぇ。ヒクヒクいってるよ。」
「・・・見ない、で・・・。」
耳を真っ赤にして顔を背ける。見られるより触られた方が恥ずかしいと思うんですけど。
アソコは愛液でいっぱいだった。一応、舐めてみるかな。
わざと音を立てて愛液を吸ってみる。甘酸っぱい味がした。
「ふぁぁぁぁ・・・・ぁぁん・・・。」
今度は突起を軽く噛みながら指を入れる。愛液のおかげでスルッと入った。
- 79 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月14日(木)18時23分15秒
- 最初はゆっくりと指を入れたり抜いたりする。
「ぁぁ・・・・んぁっ・・!!」
弱点が分かると今度はピンポイント攻撃。弱い所だけを、ゆっくりと攻める。
段々、真希ちゃんも耐えられなくなってきたみたい。
「・・・・よっすぃー・・・もっとぉ・・・!!!」
それでもペースを上げないと自分で腰を振る。可哀想だから、もうイかせてあげよう。
指のペースを一気に早くする。
「真希ちゃんは、これで良かったんだよね。」
「あぁ・・・いいよぉ・・・・」
今度は指を抜いて舌をアソコに入れてみる。激しく舌を動かすと、
「んぁ・・・・ああっ・・・イっちゃうよぉ・・・。」
多分、絶頂なんだろう。頬が紅潮して視点が定まっていない。
もっと舌のスピードを上げる。
「ああぁ・・・よっすぃー・・・・・・あぁああああっ!!!!!」
果てた真希ちゃんはグッタリと前へ倒れ込んだ。
「おっと危ない・・・。」
僕は真希ちゃんを抱き止める。初めてにしては、そぉ〜とぉ〜色っぽかったよ。
- 80 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月14日(木)18時27分52秒
- >名無し読者様
申し訳ございません。m(_ _)m
期待されていましたら、本当にお詫びをしなくては・・・。
全然エロじゃないです。自分からエロやるとか言い出しておいて。
もう修行の旅に逝くしかありません。反省と謝罪の一言でございます。
- 81 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月16日(土)19時31分27秒
- まだ荒い息をしながら、よっすぃーを見る。
少し微笑んだような、でも少し寂しそうな顔。
よっすぃーが何で寂しそうな顔をしていたのか、この時はまだ知る由もなかった。
「よかったぁ。真希ちゃんと仲直りできて。」
その一言で、さっきの様子を思い出して一気に顔が赤くなる。
悔しいから、あたしはせめてもの仕返し。
「よっすぃーってHの時キャラ変わるよね。」
今度はよっすぃーが赤くなった。へへーん。
まぁ、仲直りできたんだから良かったよ。今日は試合の前日だし。ギリギリ?
やっぱり明日は予想通りベーグルとゆで卵がお弁当に入りそうです。あはっ。
- 82 名前:名無しさん 投稿日:2002年11月17日(日)18時33分17秒
- 毎回楽しんで読んでます。
続きまってま〜す
- 83 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月19日(火)19時05分36秒
- いよいよ試合当日。
朝、あたしはよっすぃーを玄関の外まで見送る。
「じゃ、いってきまぁす。」
「あはっ、頑張ってね!!」
・・・ちゅっ・・・。
よっすぃーのくれたキスは本当に軽くだったけど何か心に残るモノがあった。
・・・あ、そうだ。よっすぃーの背中が遠くなってから思い出して叫ぶ。
「お弁当、ベーグルとゆで卵だからねぇ!!!」
よっすぃーは振り返って微笑んだ。
そして人ゴミの中へと消ちゃった。
あたしは、この光景がナゼか一生忘れない感じがした。
- 84 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月19日(火)19時30分06秒
- 「お弁当、ベーグルとゆで卵だからねぇ!!!」
そんな真希ちゃんの嬉しい一言を背に会場に向かった僕だけど・・・。
ケータイの時間を確認するとAM9:40。
やっばぁあああぁぁぁぁあああああっっっ!!!!!確実に遅刻だぁ。
平家先生に殺されちゃう・・・。試合は10:20からなのに。
ここからどう頑張っても30分以上かかる。タクシーを拾えるほどお金も持ってないし。
しょうがない。走っていくか・・・。
信号が青になって人々が一斉に横断歩道を渡る。
僕も・・・思った瞬間、
「危ないっっ!!!」
いきなり左折してきたトラックが僕の体を・・・。
そこからは覚えていない。意識が途切れたんだろう。
僕がうっすら目を開けると白い天井が目に入った。
- 85 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月19日(火)19時46分54秒
- よっすぃーを見送ってから早速、お弁当の準備に取りかかる。
なんか新婚さんみたい。あはっ。
矢口先輩も誘って会場に行く。
途中、交差点の所で人ゴミができていた。
「なんだろうね?」
ちょうど救急車がケガ人を乗せて病院へ行ったばかりだった。
トラックが横断歩道を渡ろうとした人をはねたみたい。
フロントガラスはぐしゃぐしゃで相当大きな事故じゃないかって矢口先輩が呟いてたけど、
「さぁ、早く試合見に行こっ。」
と明るい口調で言って、その場を離れた。
時間はAM9:50。会場も見えてきたし、間に合いそう。よかった、よかった。
- 86 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月19日(火)20時02分45秒
- 体を起こして部屋の中を見回すけど壁や床、ベッドまで白。純白っていったカンジかな。
病室なのかもしれない。あぁ、僕が事故になんかあうから皆パニクッてるんじゃないかって心配だよぉ。
するとドアがガチャッと開いて見た事のない人が入ってきた。
おじさんだけど髪は金髪。きっちりとスーツを着こんでいる。顔にはシワが幾つかあるけれど、
サングラスの下の目は爛々と輝きを失っていない。
「どや?よう眠れたか?」
- 87 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月22日(金)18時23分17秒
- すみません。今日まで期末テストでした。m(_ _)m
親にパソコン禁止されて更新できませんでした。
これからは全力で完結させますので、よろしくお願い致します。
- 88 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月22日(金)18時35分08秒
- 男の人が関西弁で喋ってきた。医者の人かな?
「や、医者ちゃうで。俺はつんく。ちょっと上の仕事をしとるモンや。」
上・・・の・・・仕、事・・・?
「そうや。上の。」
つんく・・・さんは天井を指さした。どーゆう意味?
「その意味は後で説明するわ。それより今、自分がどんな状況にいるか分かっとるか?」
つんくさんが僕のベッドの横の椅子に腰かけた。
あの、さっきから思ってたんだけど僕の思ってる事と、つんくさんの言ってる事が何でうまく繋がってんのかなぁ?
「おぉ、ええトコに気ぃが付いたやないか。さすが吉澤クンや。」
また・・・。で、何で僕の名前知ってんの?
「君、けっこう冷静なタイプやなぁ。普通の人なら驚いて軽く意識でも失ってるトコなんやけど・・・。
ええか?今から俺の言う事を落ち着いて・・・落ち着いてやで?聞いてほしいねん。」
「・・・はい。」
「その話ん中に何で俺が吉澤クンの名前を知っとるか、君の思った事と俺の言うてる事が何でうまく繋がってんのか
原因が分かるから。」
「そうですか。」
「・・・そやなぁ、何から話せばええねんかなぁ・・・?
じゃ、まず今の君の状態を説明しよう。」
- 89 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月24日(日)14時05分46秒
- おかしい。絶対におかしい。
あたしと矢口先輩は会場に着いて試合を見てるんだけど。
よっすぃーの姿がない。スタメンだから必ず出るハズなのになぁ。
市井ちゃんや飯田先輩、大谷先輩、平家先生までどこか落ち着かない。
あたしたちより早く家を出てるのに・・・。何か作戦でもあんのかなぁ?
それともケガをしたとか?それだったら大変だぁ!!
・・・でもよっすぃーがドコにいるのか分からないし。
ソワソワしてばっかりで試合はどんどん進んでいった。
- 90 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月24日(日)14時17分36秒
- 「落ち着いて聞いてくれ。
・・・実は君は死んでんねん。だから今の君は幽霊って事になるんや・・・。」
「・・・えっ・・・・?」
そ、んな・・・バカな・・・僕が・・・・死んだ?・・・・・この僕が・・・?
「ちょ、ちょっと悪い冗談はやめましょうよ。僕はここで喋ってるじゃないですか。ほら、脚もあるし。」
つんくさんは力なく首を左右に振った。
「君には見えてるかもしれんけど、実を言うと俺には君の姿が見えてへんねん。
多分、俺以外の人間も見えんと思うで。」
「ウソでしょう?ねぇ、ウソって言ってくださいよ!!」
つんくさんの肩を揺すっても何も言ってくれない。
つんくさんは黙ってポケットに入っていた鏡を僕に渡した。
鏡を見ると白いベッドしか映っていなかった。
僕はとてつもなく大きな失望感に襲われた。
「君の気配とか思ってる事は感じとれるから話ができるけど。
だから俺は君の思ってる事としか会話ができへん。喋っても何も聞こえん。」
「そんな・・・。」
僕は頭を抱え込んでしまった。涙を堪えるのに必死だった。
- 91 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月24日(日)14時34分45秒
- 自分が知らない内に死んでいた事への悔やみ。
真希ちゃんのそばにいてあげられなくなった事への憤り。
2つの思いが頭の中で渦巻いていた。
「やから・・・せやから言いにくいんやけど、これから俺と一緒に行こう?なぁ。
上に逝ったら君の姿も見えるようになんねんで?」
つんくさんが、また天井を指さしながら言う。
そっか・・・つんくさんが天井を指さしてたのって・・・天国の事だったのか・・・。
- 92 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月24日(日)14時35分46秒
- 「すみません。1つ・・・1つだけ願いがあります。」
「何や?」つんくさんは優しく聞いた。
「真希ちゃん・・・後藤真希に最後に1度だけ会わせてください。
・・・・・・そして、みんなの記憶から僕を消してください。」
「天国へ逝くモンは願いの1つや2つ叶えてあげられるんやけど。
その、後藤真希って子に会っても姿も見えんし、声も聞こえんのやで?」
「かまいません。」
「記憶まで消してもええんか?」
「はい。その方が真希ちゃんや他の人が悲しまなくて済むから。」
「そうか・・・分かった。君は最後まで優しいんやな。
でも時間が経つごとに地上から離れてまうから。できるだけ早くした方がええぞ。」
「ありがとうございます。」
「まぁ、ええよ。気にせんと行ってこい。俺が試合の会場まで送ったる。」
つんくさんは僕の額に右手の人差し指と中指を当てて目を閉じた。
「会場を思い浮かべるんや。そしたら目ぇ瞑って。」
僕も言われた通りに会場を思い浮かべて目を閉じる。
一瞬、すごい光に包まれた気がした。
- 93 名前:OK牧場 投稿日:2002年11月24日(日)18時41分58秒
- >名無しさん様
すみません。返事が遅れてしまいました。
テストが終わったので、あとは親の目だけです。(汗
隠れながらの更新になると思います。
- 94 名前:吉澤視点 投稿日:2002年11月30日(土)19時15分20秒
- 「ええよ、目ぇ開けてみ。」
うっすら目を開けると、目の前に会場があった。
「すっご・・・。じゃあ僕は行ってきます。」
「おぅ。一時間くらいしたら迎えに行くで。」
「わかりました。」
そうだ。僕は一応、幽霊だったんだ。今頃、改めて思う。
足が地上から10cmは浮いてる。
そんな僕を見て驚く人はいない。だって僕の姿は周りの人には見えてないもんね。
昔は透明人間に憧れてたのに。実際なってみると寂しい。
とりあえず真希ちゃんを探しに行くか。
- 95 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月30日(土)19時22分20秒
- 試合は今、ハーフタイム。平家先生の周りに集まっている。
何を話してるんだろ?みんな暗い顔して。泣いてる人もいる。
どぉしたのかなぁ?泣いてるのは絶対おかしいって。
「何かあったのかな?」
矢口先輩も心配そうにコートを見つめてる。
その後、第3・第4クォーターも終わり、あたしの学校は85対96で見事優勝。
でも・・・でも皆の顔は一向に明るくならない。
「後藤。ちょっと・・・。」
みんながいなくなった控え室で市井ちゃんに呼ばれた。
「後藤、驚かないで落ち着いて聞いてくれ。」
- 96 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月30日(土)19時34分07秒
- 「今日の試合、吉澤だけ出てなかっただろ?」
「うん・・・。」
「実はな、今朝、吉澤は会場に向かう途中、トラックにはねられて病院に運ばれたんだ。
それで・・・それで吉澤は・・・・・・・。」
「どうしたの?!よっすぃーは無事なんでしょ?早く教えてよ!!」
「・・・・・・衝撃が強くて即死だったそうだ・・・・・・・・・。」
目の前が真っ白になった。じゃあ今朝、矢口先輩と見てきた事故現場って・・・。
「・・・うそ・・・・うそでしょお?!!うそでしょお?みんなで、あたしを騙してるんでしょ!!ねぇ!!!」
あたしは泣きながら市井ちゃんに向かって怒鳴った。
「ごめん、後藤。俺だって言いたくないよ!でも現実を受けとめなかったら、どうすんだよ。」
市井ちゃんは下を向いたまま唇を噛み締めて言った。
「そんな・・・そんな酷いウソやめてよ、市井ちゃんのバカぁ!!!」
あたしは控え室を飛び出した。
- 97 名前:後藤視点 投稿日:2002年11月30日(土)19時42分48秒
- 気が付いたら、あたしは屋上に来ていた。
風がひんやりしていて髪を掠めた。きれいな夕焼け・・・。
あたしは空に向かって叫んだ。
「ねぇ!よっすぃー!!いるんだったら返事してよぉ!!!
死んだなんてウソだよね?どこかに隠れてるんでしょ?
早く出てきてよ!あたしは怒ってないからぁ!!
みんな心配してるんだよ・・・『真希ちゃん、びっくりした?』って出てきてよぉ!!
2人でデートしたでしょ?海で遊んだでしょ?思い出いっぱい作ったでしょ?
そんなに・・・そんなに嫌だった?ワガママなあたしと付き合うのが、そんなに嫌だった?
よっすぃー・・・よっすぃー・・・・。」
あたしは膝から崩れて泣いた。涙が枯れるまで泣いた。
- 98 名前:カモノハシ 投稿日:2002年12月06日(金)22時05分42秒
- 何だかスゴイ展開で驚いています。
続き楽しみにしてますねー
- 99 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月10日(火)20時09分30秒
- うぁうううん・・・見つからない。
もう試合はとっくに終わって人影も、まばらだ。
あ、上から探したら見つかるかも。
僕は地面を思い切り蹴って(といっても最初から10cm浮いてたけど)空中に舞った。
えーと・・・真希ちゃんは、っと・・・・。
お!いたいた。何か、こっちに向かって叫んでる。
「ねぇ!よっすぃー!!いるんだったら返事してよぉ!!
死んだなんてウソだよね?どこかに隠れてるんでしょ?
早く出てきてよ!あたしは怒ってないからぁ!!
みんな心配してるんだよ・・・『真希ちゃん、びっくりした?』って出てきてよぉ!!
2人でデートしたでしょ?海で遊んだでしょ?思い出いっぱい作ったでしょ?
そんなに・・・そんなに嫌だった?ワガママなあたしと付き合うのが、そんなに嫌だった?
よっすぃー・・・よっすぃー・・・・。」
違う、違うんだよ真希ちゃん・・・ごめん。僕のせいで、僕のせいで真希ちゃんをそんなに苦しめていたなんて。
謝りたい。最後に一言だけ。
僕の言葉は真希ちゃんに届くはずがないけど。
- 100 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月10日(火)20時10分03秒
- 「ごめんっ・・・ごめん真希ちゃん。
寂しいよね。不安だよね。でも・・・これだけは聞いてほしい。
僕はっ・・・僕はどこにいたって真希ちゃんを愛してる。
だから真希ちゃんも、いい恋するんだよ?」
膝から崩れて泣いてしまった真希ちゃんを強く抱きしめる。
ほとんど抱き締めてる感覚ないけど、強く強く抱き締めた。
- 101 名前:OK牧場 投稿日:2002年12月10日(火)20時13分35秒
- >カモノハシ様
ありがとうがざいます。
あと少しの間ですが、完結までお付き合いください。
かなりの駄文ですが。。
- 102 名前:カモノハシ 投稿日:2002年12月12日(木)21時26分19秒
- 更新待ってました!
あと少しで終わりですか・・・
残念ですが最後まで頑張って下さい!
出来たら番外編とかやってくれたら嬉しいです。
- 103 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月15日(日)18時29分36秒
- 「・・・よっすぃー?」
えっ?僕は見えないはずなのに。
「・・・これは奇跡としか言いようがあらへん。
この子の記憶から吉澤クンを消したつもりやったけど、どうしても消えへんのや。」
声のする方を振り向くと、つんくさんが苦笑して立っていた。
「ええやん、この子の中に君の記憶が残っても。
それだけ君は愛されてるっちゅう事なんやから。」
「つんくさん・・・。」
「ほら、あと5分で行ってまうで。最後のあいさつすんなら早ようしぃや?」
つんくさんは屋上のドアから出て行ってしまった。
僕は、もう一度だけ抱き締めたまま真希ちゃんに語りかけた。
「真希ちゃん、聞こえてる?聞こえなくてもいいから聞いてほしい。
君は僕の初恋の人だった。昔からずーっと一緒で。
女の子なのに僕より強くて、やんちゃで、おてんばで。
一緒に手を繋いでると姉弟と間違えられたりもした。
・・・そんな真希ちゃんが大好きだった。」
気付いたら僕は泣いていたみたいだ。
- 104 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月15日(日)18時34分02秒
- 涙が頬を伝ってポロポロと落ちる。
「まだ付き合って半年も経ってないのに。
もっと笑いたかった。もっとデートしたかった。
もっと・・・手を繋いでいたかった。もっと、もっと・・・・。
でもね、僕は行かなきゃならない。ここで、お別れだね。
僕はずっと・・・そう、天国へ行っても真希ちゃんを見てる。
だから今はお別れでも、いつかまた会える。
それまで・・・・待ってるからね。」
- 105 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月15日(日)19時01分39秒
- 「吉澤ぁ〜〜〜!!!!」
「吉澤クン!!」
屋上に3人の人影が現れた。
市井先輩と石川さん・・・じゃなくて梨華ちゃんだ。矢口先輩もいる。
「吉澤ぁーーーーー!!お前は1人じゃないぞ!!
お前はどこにいたって俺たちの後輩だからなぁ!一生、後輩だからなぁ!!」
「吉澤クン!私、わかった気がする。大切な人は、お金で解決できるほど簡単に扱えない。
ファンの子に言うよ、もう今までの石川梨華じゃないんだ、って!!」
「よっすぃー!!矢口たち、よっすぃーの事忘れないよ。
天国でもよっすぃーって呼んでもらってね!
何てたって、よっすぃーはオイラがつけた自慢のアダナなんだからさ!!!」
市井先輩、梨華ちゃん、矢口先輩・・・・。
- 106 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月15日(日)19時21分56秒
- 真希ちゃんを抱き締めたままだったけど、3人の気持ちがすごく嬉しくて僕も叫んだ。
「ありがとうございます、市井先輩、矢口先輩。ありがとう、梨華ちゃん。
僕はこんなに素晴しい先輩や友達ができて幸せです。
みんなも幸せに暮らしてください。僕の分まで大切な人とたくさん思い出を作ってください。」
真希ちゃん以外の人の記憶からも僕は消えなかったみたいだ。
- 107 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月15日(日)19時51分09秒
- すると今までずっと黙っていた真希ちゃんが、まだ震える声で言った。
「あったかぁい・・・。きっとよっすぃーがここにいるんだね。
あたしもよっすぃーが大好きだったよ。
今は天国へ行けないけど、いつかまた必ずよっすぃーの所へ行くよ。
よっすぃーはあたしの大切な・・・大切な恋人だったから。」
真希ちゃんは強い。これならまた新しい恋人を見つけられるだろう。
「もう時間や。行くで。」
つんくさんが屋上に戻ってきた。僕も地面から段々離れていく。
僕は最後に真希ちゃんに向かって叫んだ。
「僕・・・吉澤○○は後藤真希という1人の女性に出会えて幸せでした!!
この出会いは偶然なんかではないはずです!!
17年間・・・僕に楽しい思い出をありがとうございました!!
・・・・・絶対、会いましょう。いつか どこかで!!!」
- 108 名前:吉澤視点 投稿日:2002年12月15日(日)19時57分59秒
- 真希ちゃんも叫んだ。涙まみれの笑顔で。
「私、後藤真希は吉澤○○という1人の男性に出会えて幸せでした!
この出会いは偶然なんかではないはずです!!
17年間・・・私に楽しい思い出をありがとうございました!!!
私はあなたの分まで幸せに暮らします。あなたの死を決して無駄にしません!!
・・・・・絶対、会いましょう。いつか どこかで!!!」
僕はこの日を決して忘れない。だって・・・・・。
僕と真希ちゃんの新しい第1歩を踏み出した日だから。
- 109 名前:OK牧場 投稿日:2002年12月15日(日)20時02分26秒
- あなたは大切な人がいますか?
守ってあげたい、守ってもらいたいという人はいますか?
ある少女の大切な人は、もうここにはいませんが毎日彼女を見守っています。
そして待っています。彼女が彼のもとへ行く日を。
2人は約束したのですから、
「絶対、会いましょう。いつか どこかで!!」と。
夜空が綺麗な冬の日のことでした。
〜END〜
- 110 名前:OK牧場 投稿日:2002年12月15日(日)20時10分16秒
- いやぁ、無事に完結しました。
この物語が完結するまでの間、作者を応援してくださった方々。
本当にありがとうございました。
>カモノハシ様
ありがとうございます。この様な形での完結でしたが、いかがだったでしょうか。
また新しい話を書きたいと思います。
昔に書いた話ですので、後藤さんも出てきます。
某マンガをもとにした話です。あのメンバーも出てくる予定です。
もうしばらくお待ちください。m(_ _)m
- 111 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2002年12月17日(火)18時50分03秒
- ここは都内にあるスタジオ。
ここでは某人気アイドル、モーニング娘。のレギュラー番組の収録が行われていた。
収録も休憩ということになり、メンバーは好きな所で自由行動をとっている。
「よっすぃーーー(はぁと)」
「ごっつぃーーーん(はぁと)」
最近メンバー内で怪しいほど仲の良い吉澤ひとみと後藤真希。
どうやら2人は自動販売機でジュースを買うらしい。
自動販売機の隣でイチャイチャしていると、後藤が突然、
「静かにして、何か聞こえる。」
と言い出した。
「ごっちん、何が聞こえるのさ。」
吉澤も気になり、声を小さくしながら質問する。
2人で耳を澄ますと、ある結論へ達した。
「「赤ちゃんの声がする。」」
声はスタッフしか入らない撮影機材が置いてある倉庫の方から聞こえた。
吉澤が注意しながら倉庫へ入る。後藤も後を追う。
すると・・・。
「あきゃ。」
吉澤の足元にバスケットに入った赤ん坊がいたのだ。
- 112 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2002年12月17日(火)18時58分26秒
- 素で驚く吉澤。後藤が赤ちゃんを抱き上げる。
赤ん坊は目がクリクリしていて黒髪をゴムで2つに縛っている。多分、生後5,6ヶ月といった所か。
「見て。この子、おめめクリクリ〜〜〜。かわいい〜〜〜〜。」
「ん?何か紙が挟まってるよ。」
吉澤が紙を広げて声を出しながら読む。
『この子を拾ってくださった方へ。
私たちはしばらくの間、家を留守にします。
それまで、この子を預かってください。
よろしくお願いします。 高橋』
「・・・。」
「・・・。」
無言で見つめ合う2人。
「「捨て子ぉおおおぉーーーーーーー?!?!」」
- 113 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2002年12月17日(火)19時12分22秒
- 「なぜテレビ局に捨て子?」
「どうするよ、ごっちん。」
「ってゆーか、高橋さんなんて日本全国にいるし・・・。
どこの高橋なんだか分かんないよぉ。」
赤ん坊は後藤の腕の中で眠ってしまった。
「・・・ごめん、ごっちん。今、すっごーーーーく嫌な予感がしたんだ。」
吉澤が俯いて言った。やや顔も青ざめている。
「なに?」
「ここ、テレビ局だよね。」
「うん。」
「この子、おめめクリクリだよね。」
「うん、だからどーしたのさ。」
「で、名字は高橋・・・と。」
「・・・。」
「もしかすると・・・・。」
「た、高橋ぃいいぃいいーーーー?!」
後藤が大声を上げたので赤ん坊は起きてしまった。
クリクリした目で見つめられる吉澤と後藤。
すると、赤ん坊が吉澤の洋服を引っ張って、
「パ・・・パッパ・・・・・。」
後藤の洋服も引っ張って、
「マ・・・・ンマ・・・。」
と言い出した。
「「ちょっっっっと待ってぇええええええええぇ!!!!!」」
- 114 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2002年12月24日(火)20時14分51秒
- 「パパぁ?」
「ママぁ?」
「きゃぁ♪」
高橋は満面の笑みで2人の服を引っ張っている。
吉澤が高橋の顔を見ながらすまなそうに言った。
「ごめんな。お前は高橋愛っていう子でウチはお前のパパじゃないんだよ。
それにウチ、男じゃ・・・・・。」
「・・・・っ・・・・っく・・えぐ・・・ぅ、うわぁあああぁ!!!!」
「うわっ!!泣くな、泣くな!」
高橋は泣き出してしまった。
「ほら、よっすぃーが泣かすから。よしよし、泣き止んでねぇ。」
後藤が高橋をあやす。
「だってウチ、男じゃないのに・・・。」
すると高橋が吉澤の胸に触れて、
「パパっ!!」
と叫んだのだ。
突然、吉澤を光が包んだ。
「お?何だ何だぁ?」
高橋が手を離すと光も消えた。
「何だったんだろう?・・・ねぇ、よっすぃー。」
後藤が怯えたように聞く。吉澤は、
「ごっちん、ごめん。トイレ行かせて・・・。」
と言ってトイレに行ってしまった。
- 115 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2002年12月24日(火)20時26分07秒
- 「・・・はぁ。緊張感のカケラもないのね、よっすぃー。」
「ごぉっちぃいいいぃん!!!!」
しばらくもしないうちに吉澤がトイレから走ってきた。ものすごい剣幕で。
「もぉ、今度は何なの?!」
吉澤は青白い顔で、
「ごっちん・・・。」
と呟いた。
「あれ?よっすぃー、また声が低くなってる。風邪ひいた?」
吉澤は後藤の手を取って自分の喉にあてた。
「どうしたの?・・・よっすぃーの喉、でっぱってるよ?」
次に自分の胸に後藤の手をあてる。
「ホントによっすぃー、どうしたの?・・・ってゆーか胸が、かたいよ?」
「ごっちん・・・ウチ・・・・。」
後藤の笑顔が硬直した。
「よっすぃー!!!!!!!」
後藤は吉澤のパンツを引っ張って中を見た。
「・・・・よっすぃー・・・・ついてるよ・・・・・。」
「・・・ごっちん・・・・・ついちゃってる・・・。」
吉澤と後藤は泣きそうな笑顔で見詰め合った。
- 116 名前:OK牧場 投稿日:2002年12月24日(火)20時44分03秒
- すみません。久しぶりの更新となってしまいました。
いまいち「高橋」が誰だか分からない方へ。
高橋ってのは、原因不明で赤ん坊に戻ってしまった高橋愛ちゃんの事です。
話を進めるごとに原因も分かると思います。
よーするに、赤ん坊になった高橋を吉澤と後藤で育てていくっつう話です。
自分で思うのもアレですが、なんつーベタな・・・。
- 117 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月11日(土)03時26分25秒
- 保全
- 118 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月11日(土)20時15分11秒
- 「どうしよう?休憩はあと5分しかないのに・・・。」
後藤は腕の中の高橋をまじまじと見つめた。
「高橋は一体なんなの?女を男にできちゃう人なの?
それより・・・・よっすぃーの男も見てみたかったりして。」
「ごっちん、そういう問題でもないような気が・・・。」
とりあえず2人は高橋を倉庫に隠して楽屋に戻った。
「あ、ごっつぁん、よっすぃー。
・・・どしたの?よっすぃー顔色が悪いよ。よし、矢口が治してあげよう。」
矢口が吉澤に抱きついた。
「あ、ちょっと矢口さん!!」
「ん?よっすぃーの体ってこんなに筋肉質だった?」
焦る2人。すかさず後藤がフォローする。
「や、やぐっつぁん。気のせいだよ。
それより、高橋どこに行ったか知らない?」
「高橋ぃ?何言ってんのさ、ごっつぁん。
高橋ならあそこに・・・・・って、あれ?高橋ぃ〜?」
「ごっちん・・・。やっぱりあの赤ん坊って・・・。」
「うん・・・でもこんなのってアリ?ごとーたち夢でも見てるんじゃない?」
- 119 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月11日(土)20時51分56秒
- 後藤が吉澤の頬を引っ張る。
「いででで・・・いへぇよ、ほっひん。(痛ぇよ、ごっちん。)」
「夢じゃない。」
後藤は至って真面目である。
「自分の頬でやってよ、ごっちん。」
するとマネージャーが走って楽屋に入ってきた。ひどく慌てている。
「大変だ、聞いてくれ。高橋が・・・・・高橋が行方不明になった・・・。」
メンバーの間から表情が消えた。一気に緊迫した空気が流れる。
「た、高橋は・・・無事なんですか・・・・?」
リーダーの飯田が心配そうに聞いた。声も震えて目も赤くなっている。
「わからない。本人と連絡もとれない。マスコミには長期休養といってあるが・・・。
彼女の両親も不在でわからないし、今は何とも言えない。
明日から12人で収録するから。とにかく今日は中止だ。」
マネージャーは携帯電話を片手にまた走って楽屋を出て行ってしまった。
残ったメンバーからは泣き声も聞こえる。
そんな中、白くなっているメンバーが2人。
「どぉする?よっすぃー。」
「どうすると言われても。とりあえず倉庫に戻ってみる?」
2人は倉庫に戻った。
- 120 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月11日(土)21時31分17秒
- 「高橋ぃーーーー。・・・・あ、いたいた。」
吉澤が高橋を見つけて抱き上げる。
高橋の大きな目はうるうると潤んでいた。
「ごめんねぇ、高橋。ちょっと怖かったかなぁ?」
後藤が吉澤から高橋を受け取って顔を覗き込む。
「うーーーーぅあ・・・っ。パパぁーーーーーーマッマぁーーーー!!!」
「あぁ、ごめんごめん。」
「ごっちん、それじゃ荷物とってくるね。」
吉澤が倉庫から出て行こうとする。
「あぁーーーーー!!パ・・・・ッパぁーーーーー!!!!」
「うーーー・・・っわーーーー泣くなぁ!!!!!」
吉澤が後藤のもとへ戻ると高橋はピタリと泣き止んだ。
「何か・・・・ごとーとよっすぃーが一緒にいないとダメみたい。」
「だね。じゃあ2人で戻らないとダメかぁ・・・。」
- 121 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月11日(土)21時44分24秒
- メンバーが全員、楽屋から出るのを待って後藤と吉澤は楽屋に入った。
「ふーーーっ、見つかると思った。」
「大丈夫だよ、だってよっすぃーってわかんないもん。」
「へっ?」
「ほら。身長、身長。」
「うぇ?何か、ごっちんが小さく見える。」
「よっすうぃーがデカくなってるんだよぉ。」
さっきの高橋の不思議な力の所為だろうか。
吉澤の身長が180cmくらいまで伸びている。飯田の身長をも越えてしまった。
更に2人とも帽子を深く被っていたので吉澤だと気付く人はまずいないだろう。
「ほ、本当だ。」
「でしょ?だから早く帰ろう。」
「あ、うん・・・。」
2人は吉澤の家へと帰る事にした。後藤の家だと家族がいるし、吉澤ならマンションに1人暮らしをしているから大丈夫なのだ。
- 122 名前:カモノハシ 投稿日:2003年01月12日(日)19時46分58秒
- 今回も面白いです!
頑張って下さい!
- 123 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月15日(水)18時24分39秒
- 萌まくりな設定ですね。
続きがんがってください。
- 124 名前:ぷっちこ 投稿日:2003年01月16日(木)13時27分15秒
- いいです。面白いです。この先がとても楽しみです。頑張ってください
- 125 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月19日(日)21時28分21秒
- 「ほら、高橋。今日からここがお前の家どぞ。」
「ねぇ、よっすぃー。赤ん坊のコト名字で呼ぶのっておかしくない?」
「んーー、それもそだね。」
「じゃあ、これからは“高橋"じゃなくて“愛"って呼ぼうよ。」
「ああ、いいよ。"愛"かぁ・・・。」
「何か、本当の親子みたいね。」
「はは、ん。」
吉澤も頭をグシャグシャッとして照れながら頷いた。
「あ!」
「どうした?」後藤が少し眠そうな顔で質問する。
「思い出した。高・・・じゃなくて愛のオムツとか哺乳ビンとか買わないと。」
「そうだ、忘れてたよ。どこに売ってるんだろ?」
「とりあえずデパートならある。」
「じゃあ行こっか。デパートなら、まだ開いてるかも。」
- 126 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月19日(日)21時29分30秒
- 2人は帽子を目深に被り、デパートへ向かった。
吉澤が高橋を抱っこして後藤はバッグを持っている。
「これならバレにくいっしょ。」
「だってアイドルが子供つれてんだもんねぇ。」
「あはは。“衝撃!!後藤真希に隠し子発覚!!相手は超イケメンJr.の1人か?!”とかって雑誌に載ったりしてね。」
吉澤が笑いながら高橋を見る。
「あはっ、イケメンってよっすぃー自意識過剰〜。」
「ヤバッ、自意識過剰は梨華ちゃんだけで十分です。」
「梨華ちゃんに言ってやろぉ〜。傷つくぞぉ〜。」
「それは勘弁してくだせい!!」
2人はふざけながらデパートに着いた。
- 127 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月19日(日)21時30分25秒
「ん?・・・・ねぇ、なっち。あれってごっつぁんじゃない?」
「あ、ホントだ。でも誰か男が一緒だべ。」
「ああああぁぁぁあああ!!!!こ、ここここ・・・。」
「矢口、どぉしたんだべ?」
「こ、ここ子供・・・。」
「ははっ、んなワケ・・・・・・・・・・あった・・・・・・・・・。」
「ごっつぁん、いつの間に子供なんて・・・マスコミに知られたらタダじゃ済まないよ。」
「よっすぃーが悲しむべ。勢い余って自殺とかして。」
「はは、なっちぃ。そんなリアルなコト言うのやめてよぉ〜。」
「そうだべ、知らなかったコトにして帰るべ。人違いかもしんないし。」
「でも、あれは、どー見てもごっつぁんのような気が・・・・・。」
「いいから、いいから。帰るべ!!」
「なちぃぃいいい。。。」
2人はデパートを後にした。
- 128 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月19日(日)21時48分05秒
- デパートの乳児用品売り場へ着くと、必要なものを買った。
「おしゃぶりって、いるよねぇ。」
「粉ミルクとか必要じゃん?」
「・・・・。」
「どした?ごっちん。」
「よっすぃーは嬉しくないの?
だって、よっすぃーと子供を育てられるんだよ?今まで願ってた2人の夢なんだよ?
・・・・本当に2人の子供じゃないけど嬉しいじゃん。」
後藤が少し声を震わせて微笑む。
「そりゃあウチだって嬉しいさ。それにごっちん、今さら気付いたの?」
「うるさいなぁ、人がせっかく感激してたのにぃ。」
唇を尖らせて必死に抵抗する後藤。
- 129 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月19日(日)21時48分51秒
- 「パ・・・ッパ・・・。マ・・・・ッンマ・・・。」
「どーした?愛。」
「ぁ、ぅあ・・・あ・・・。」
高橋が指さした方向には乳児用の洋服売り場があった。
「そうだよ、愛の洋服買わないと。」
「お、ごっちん。これとか着せたらカワイくねぇ?」
吉澤が選んだのはクマの服。フードに耳がついていて、手足4つの穴にはゴムがついている。
「ごとーも、それがいいなって思ってたんだよ。」
「着せてみる?」
「うん。」
試着室で後藤が高橋に服を着せてみる。
「やーーーん、かわいい!!この服買おうよ・・・ってよっすぃー?」
「・・・・あはは。こりゃあダメやでぇ。」
吉澤は高橋を見て鼻血を出していた。
「ぅわっ、よっすぃー鼻血出てるよ!!」
「おぉ、本当だ。」
後藤は吉澤を見て、そっと呟いた。
「よっすぃーロリコンっぽい・・・・。」
- 130 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年01月19日(日)21時56分16秒
- その他にも2人で何着か服を買った。
「パパは愛に嫁に行ってほしくないなぁ。」
「よっすぃー、本当のパパじゃないのに(笑 」
「あれ?愛のゴムに何かついてる。」
愛の髪を縛っていたゴムには、バッジらしきものが1つだけついていた。
それを取ると愛が
「あ・・・っな・・・、なっち・・・。」
と嬉しそうにバッジをさして言っている。
- 131 名前:OK牧場 投稿日:2003年01月19日(日)22時02分24秒
- 一旦休憩です。
<カモノハシ様。
ありがとうございます。おもしろいと言って頂けて光栄です。
これからも宜しくお願いしますね。
<名無し読者様。
ありがとうございます。萌えまくりだなんて、こんな超駄文を。(w
これからも頑張るんで、よろしくおねがいします。
<ぷっちこ様。
ありがとうございます。これからも、面白い内容になるよう頑張るので、宜しくお願いします。
- 132 名前:愛読者 投稿日:2003年01月30日(木)07時27分16秒
- このはなし、大好きです
続き待ってますよ〜
- 133 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月01日(土)20時14分34秒
- 「な・・・っち?」
吉澤が言うとバッジが「ボンッ」と煙を立てた。
「きゃあっ!」
後藤の近くに人影ができた。しかし・・・小さい。
「誰だい?ナッチの事を呼ぶ人は。」
「あ・・・・安倍さん?!」
「なっち!!」
「安倍さんじゃないべさ。ナッチだべさ!!」
「なっち・・・また小さくなった?これじゃあ、やぐっつぁんより小さくない?」
「失礼な。ナッチはもう143cmだべ!!」
「あ・・・あのーー。あなたは安倍なつみさんじゃないんですか?」
「あ、何も言ってなかったべさ、悪かったべさ。
初めまして。私は水星から来た、高橋愛ちゃまのお手伝いの妖精ナッチだべさ。
普段は愛ちゃまの身の回りのお世話をするべさ。」
- 134 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月01日(土)20時39分16秒
- (ねぇ、よっすぃー。)
後藤が吉澤の服を引っ張ろうとした。が・・・。
「ウソだ・・・ウソに決まってる。水星人なんているワケない。
あれは安倍さんだ。みんな、みんな夢なんだ。」
吉澤はブツブツ言いながら道端の塀に頭をゴツゴツとぶつけている。
「あの子は何をしてるべ?」
「よっぽど現実を信じたくないのよ。現実逃避するタイプだから。」
数分後・・・・。
吉澤の頭には痛々しいタンコブが2、3個できていた。
「ねぇ、ナッチ。」
「ん?何だべ?」
「私たちはモーニング娘。のメンバーなの。
で、私は後藤真希。こっちのタンコブできてて現実逃避してたのは吉澤ひとみ。」
「し、知ってるべ。ごっちんとよっすぃーっしょ?」
「え?何で知ってるんですか?」
「水星でも人気だべ、モーニング娘。は。」
- 135 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月02日(日)19時11分46秒
- 「本当ですか・・・?」
「よっすぃー、いい加減にしないと・・・。」
後藤が笑ったまま握り拳をつくった。
「人気ですかぁ、ありがとうございますぅー!!」
「・・・なら話が早いね。
ごとーたちは仕事で愛の面倒がなかなか見れないの。だから普段はナッチが面倒みてくれる?」
「もちろんだべ。ナッチは愛ちゃまのお手伝い妖精だべさ。」
「ありがとうございます!安倍さん。」
「よっすぃー、安倍さんじゃなくてナッチだべ。それに敬語使わなくていいっしょや?」
「あ、はい!」
「また敬語使ってるよ、よっすぃー。」
「あ・・・。」
「ははは、まぁいいべさ。ナッチは2人が呼んだ時だけ来るから。じゃ、またね。」
- 136 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月02日(日)19時24分28秒
- ナッチは再びバッジへと戻ってしまった。
「嵐のようだったね、ごっちん。」
「こんな道端で他の人に見られなかったのかな?」
「それにしても今日は信じられない事ばかりだね。
高橋は赤ん坊になって不思議な力もってるし。ウチは男になるし。ナッチが現れるし。」
「もう、あるコトないコト全てが現実に見えるよ。」
「早く家へ帰ろう、なぁ愛。」
「だぁっ。」
「それと愛、もうそろそろウチを女に戻して?」
「や・・・っぁ、やぁっ!!」
「愛、もう少しよっすぃーはパパいいよねー?」
「あきゃぁっ!!」
「そんなぁ・・・・。」
3人の生活は、まだ始まったばかり。」
- 137 名前:OK牧場 投稿日:2003年02月02日(日)19時27分32秒
- すみません、入力ミスしました。
×パパいいよねー?
○パパでいいよねー?
読みにくくして申し訳ありません。
- 138 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月02日(日)19時46分20秒
- 翌朝━━━━━━━━━
ぴぴぴぴぴぴぴぴぴ・・・・・
「ん・・・あぁ・・・。」
吉澤はガチャッと目覚まし時計のアラームを止めた。
「・・・眠い。」
隣では高橋と後藤がスヤスヤと寝ている。
「夢じゃなかった。」
昨夜は高橋が夜泣きして大変だったのだ。
きっと後藤も疲れているのだろう。
「シャワー浴びよ。」
モゾモゾとベッドから起きてバスルームへと向かう。
「ん・・・・。」
ちょうど高橋も起きたようだ。
「パ・・・ッパ?」
「おぉ、おはよう。愛。」
吉澤が高橋を抱き上げる。
「ママはまだ寝てるから、風呂入ろっか?」
「・・・だぁっ♪」
- 139 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月02日(日)20時05分32秒
- 脱衣所でパジャマを脱ぐ吉澤。すると、
「お、女に戻ってる!!」
近くにあったドライヤーで遊んでいた愛を抱き締める。
「ありがとう、愛。これで仕事に行けるよ!!」
「パ・・・・パ?」
吉澤は愛を抱っこしながら一緒に風呂に入った。
昨日、デパートで買ったアヒルのおもちゃが愛のお気に入りだ。
「あ・・・ひっ・・・あひるぅ・・・。」
「愛ちゃん、ボクは君が好きかもしれない・・・。」
吉澤は愛に向かってしみじみと言った。
風呂から出ると後藤はまだ眠っていた。
「あ、そうだ。いい事考えた。」
「あーーーいーーーちゃーーーん。」
吉澤は自分の腕の中にいる愛に向かって
「ママ起こして♪」
と言い、愛を後藤の顔の近くまで持っていった。
「マ・・・ンマ・・・。」
愛が後藤の頬っぺたをプニプニと押す。
「ん・・・んん・・・。」
「まぁだ起きない。愛、ナッチ呼んじゃおっか。」
「きゃあ♪」
「ナッチ━━━━。」
「何だべ?」
「うぉぉ!!びっくりした。」
- 140 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月02日(日)20時19分42秒
- ナッチは吉澤の真後ろに立っていた。
「おはようございます。突然ですが・・・ごっちん起こして。」
「しょうがないべなぁ。」
ナッチは後藤の耳元で怒鳴った。
「こらぁ、真希!アンタ仕事に遅れるわよ!いくら言ったらわかるの、真希!!!」
「は、はひっ!!」
後藤が飛び起きた。
「あれっ?お母さん?」
「すげぇ・・・。ごっちんのお母さんの声にソックリだった。」
吉澤が感嘆の声を漏らす。
「な、ナッチ!」
「ごっちん起きた?仕事に遅れちゃうよ?」
「あ、うん・・・・・。」
4人はナッチの作った朝食を食べた。
愛はミルクなのだが。
- 141 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月09日(日)18時58分35秒
- 「「いってきまーす!!」」
「ほら、愛ちゃま。いってらっしゃいは?」
「ぶぅ・・・。」
一緒に仕事へ行きそうだった愛を必死に宥めたのだが、愛はご機嫌ななめ。
「ママたちがいないからって、イタズラしちゃダメよ?」
「ナッチに迷惑かけるんじゃないぞ。」
「ぁうぅ・・・。」
「じゃ、ナッチ。あとはよろしくね。」
「任せるべさ。いってらっしゃい。」
2人はスタジオへと向かった。
- 142 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月09日(日)19時13分27秒
- 「ごっちんもママらしくなったね。」
「よっすぃーこそ『パパ!』って感じだよ。」
「パパかぁ・・・。」
「ママねぇ・・・。」
「そういえば、ナッチは水星から来たんだよね?だったら愛も水星から来たのかな?」
「よっすぃーは変な所に疑問を持つね。まず愛が赤ん坊に戻ってるコト自体、不思議に思わなきゃ。
水星の人って愛やナッチみたいに日本人に似てるのかな?」
「そもそも水星に人なんて住んでたんだね。」
「余計、話がわからなくなるから、もうあの2人について考えるのはやめない?
いるもんはいるんだから仕方がない。」
「そだね。」
こんな2人の会話を矢口が聞いていたら多分こう言っただろう。
「“そだね”で済む問題かよっ!!!」
- 143 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月09日(日)19時23分33秒
- 今日はプッチの撮影なので保田を気にもせず、喋りまくる2人。
「どうする?もうオムツなくなってきちゃったよ。」
「そうそう、粉ミルクも買わないと。」
「ごっちんはこの後ソロ入ってるからパパが買ってきてあげよう。」
「キャーーッ、パパ素敵ぃーーー。ママ惚れ直しちゃった♪」
「ふっ、これ以上パパに惚れるとケガするぜ?」
「誰がパパで誰がママですって?」
- 144 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月09日(日)19時31分03秒
- 「うわぁ、保田さんっ。」
「もぅ、ビックリするじゃん、圭ちゃん。」
保田は深い溜息を吐いた。
「はぁーー。あのねぇ、いくら同じメンバーがいたって「オムツ」だの「粉ミルク」だの「パパ」だの「ママ」だの・・・。
そんなコト言われたら誰でも怪しがるわよ、普通。」
さすがに保田の言うとおりだ。いくらプッチモニだからと言って保田の存在を忘れすぎていた。
- 145 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月09日(日)19時39分25秒
- 「で、何なのよ。パパとかママってのは。」
「は・・・はは。保田さんは気にしなくっていいっすよ。」
「圭ちゃんには教えないのぉーー。」
すると保田はどこか遠くを見つめて笑いながら言った。
「ふふっ。アンタたち、この保田圭様に隠し事があるようね。
いいわ、必ずつきとめてみせる。」
この保田の様子は2人にとってとても恐怖を与えたに違いない。
- 146 名前:OK牧場 投稿日:2003年02月09日(日)19時44分20秒
- 更新が遅くてすみません。
<愛読者様
ホントにレス返すの遅くて申し訳ありません。
大好きって言って頂いて嬉しいです。これからも宜しくお願いします。
- 147 名前:BLUE 投稿日:2003年02月09日(日)22時16分05秒
- 作者さんが書く小説おもしろいです。
この後の話が気になります。
楽しみに待ってます。
- 148 名前:カモノハシ 投稿日:2003年02月10日(月)22時42分53秒
- 更新される度に楽しみに読んでます!
次回も期待!
- 149 名前:OK牧場 投稿日:2003年02月22日(土)19時34分44秒
- 3人でぎゃあぎゃあやっていると、保田が人影に気付いた。
「あら、ドアの所に誰かいるみたい。」
保田がドアを開けると、赤ん坊が宙に浮いていた。保田、絶句。
「ちょ・・・ちょっと何なのよ、これぇ!!」
慌てて2人が駆け寄ると保田が腰を抜かしていた。
「あ、愛っ!!」
吉澤が急いでドアを閉める。
後藤は愛を抱いて、ある人物を探す。
「ナッチは?ナッチが一緒にいたはずでしょ?」
「いやぁ、悪かったべ。」
3人の視線の先には何と、つんく♂がいたのだ。
何が何だかわからない保田は気を失ってしまった。
- 150 名前:OK牧場 投稿日:2003年02月22日(土)19時52分10秒
- 「つ・・・つんくさん?!どうしてここに?」
吉澤が驚きを隠せないまま尋ねる。
「つんくさんじゃないべさ。」
つんくPはボンッと煙をたててナッチになった。
「ナッチ!!」
後藤は安堵の息を漏らした。
「いやぁ、愛ちゃまがテレビ局に入っちゃってね、ナッチがこの格好で入ると捕まっちゃうから
テレビで見た、つんく♂とかいう人に化けて探してたべさ。」
「ん?・・・・んん・・・・。」
保田が目を覚ましたようだ。
「あれ?なっち、どうしてここに?」
「この人だれだべ?」
「保田圭っていうモーニング娘。のサブリーダーですよ。」
「あぁ、圭ちゃんって人ね。」
「何よ、なっち。やけによそよそしいじゃない。」
すると保田は後藤が抱いてる高橋に気付いて、
「あ、その子は何なの?さっき宙に浮いてたわよ?!」
と興奮気味に言った。
- 151 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月22日(土)20時05分45秒
- 「圭ちゃんは見ちゃったべか。・・・しょうがない、見たからには・・・・。」
「な、何よ。」
ナッチは今までの事を話し始めた。
「――――じゃあ今、後藤が抱いてるのは高橋で、あなたは水星からきたナッチ。
高橋の両親は現在行方不明で代わりに吉澤と後藤と・・・・ナッチが面倒を見てるのね。」
「そうです。」
吉澤が満足そうに頷く。
「このことはメンバーやスタッフ、もちろんつんく♂さんにもマネージャーさんにも秘密だべさ。」
- 152 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月22日(土)20時15分47秒
- 「わかったわ。そのかわり困ったことがあったら何でもアタシに言うのよ?
2人だけで抱え込まずに相談したほうがいいでしょ?」
「ありがとうございます、保田さん。」
「ありがと、圭ちゃん。」
「やっぱナッチの言うとおり、いい人だべ。」
- 153 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月22日(土)20時28分43秒
- 撮影も終わり、後藤のソロ撮影も終わって4人は家に帰る。
「「ただいまぁーー。」」
「お帰りなさいだべ。」
「っだぁーーー。」
「腹へったぁーー、ごっちん何かつくってぇ。」
「待ってて、今からつくるから。」
「やったぁああーーーー。」
「ったぁーーーー。」
高橋が吉澤のマネをする。
「ははっ、愛はカワイイなぁーーー。」
- 154 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月22日(土)20時53分22秒
- 「ナッチも手伝うべさ。」
〜30分後〜
「「「いただきまぁす!!」」」
「まぁす!!」
「・・・うめぇーーー!!このオムライス最高だーーー。」
「へへ、ごとーとナッチでつくったからね。」
するとナッチが高橋の異変に気付いた。
「あれ?愛ちゃま全然ミルク飲んでないべ?」
「ぶぅ・・・。」
高橋はミルクを飲みたくないらしい。
「どうしたのかな、愛。熱でもあんのかな?」
吉澤が高橋のオデコに手を当てる。
「や・・・・あっ・・・・っ!!」
高橋は吉澤の手を払いのけた。
「あっ、こら。愛、ダメでしょ?パパが心配してくれてるのに。」
後藤が高橋を抱き上げて叱る・・・はずだった。
「ちょっ、愛っ・・・・きゃあ!!」
- 155 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年02月23日(日)15時24分15秒
- 昨日、更新だけしてレス返すのが遅れました。すみません。
<BLUE様
楽しみにしていただいて、ありがとうございます。
今後の展開にも期待(できるのか?)してください。
<カモノハシ様
毎回ありがとうございます。作者にとっていつもレスをくださる方がいるのは嬉しい事です。
次回の更新も遅くなると思いますが、待っててくださいね。
- 156 名前:カモノハシ 投稿日:2003年02月23日(日)17時49分13秒
- 毎回毎回更新楽しみです。
あまり無理せずマイペースに頑張って下さいね。
次回もまってマース!
- 157 名前:葵 投稿日:2003年02月24日(月)21時18分24秒
- 高橋、なにしてるんだろう。やっぱり、あれですよねぇ(w。
- 158 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年03月02日(日)19時23分48秒
- 高橋が後藤の服の中に入ってモゾモゾしている。
「・・・わかったべ。きっと愛ちゃまはママのおっぱいが飲みたいんだべ。」
「そうか、だからミルクを嫌がったんだな。」
吉澤が納得したように言った。
「ちょ、ちょっと待ってよ2人とも!ごとーがおっぱい出るワケないでしょお?!」
「いや、ごっちん。出ると思うよ。愛のことだからさぁ、ウチだって男になったし。」
しばらく考え込む後藤。
「・・・・・・・わかったよ、やってみるよ。」
- 159 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年03月02日(日)19時37分24秒
- 後藤は耳を赤くしながら服の中に手を入れてブラのホックを外す。
「ほら、ママが恥ずかしがってるでしょ。パパは部屋を出るべさ。」
ナッチが吉澤を引っ張って寝室に連れて行く。
「うぇえーー、ウチも同じ女じゃあないっすか。見るぐらい、いいでしょ?」
「もう遅いべさ。パパの体になってるべさ。」
「・・・・・あ?」
吉澤が股間に手を当てる。
「・・・・ついてる・・・・。」
また男の体になってしまった自分を恨みつつもベッドに寝転がる。
「くそぉ、愛が羨ましい。」
- 160 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年03月02日(日)19時54分26秒
- 一方、こちらはリビング。
「・・・ひゃぁ、あはは。ちょ、くすぐったいよぉ〜愛ーー。」
後藤は初めての体験に戸惑ってる様子。
「・・・本当におっぱい出てるのかなぁ?」
「愛ちゃまが満足そうな顔してるから出てるでしょ。
それに、愛ちゃまも、もうすぐおっぱいは卒業だから安心するべさ。」
ナッチが皿を洗いながら笑って言った。
- 161 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年03月02日(日)20時11分17秒
- 「そうなの?別に卒業とかしなくてもいいんだけど・・・・ねぇ・・・・・。」
「?どうしたべさ。」
「よっすぃーが・・・・あ、ううん。何でもない、何でもない。」
「・・・ケプ。」
「あはっ、愛ったらゲップしてるぅーーーかわいいーー。」
「ははは、もうお腹いっぱいみたいだべ。」
2人で笑っているとナッチの耳に突然、
「ナッチーーーー。」
と低い声が聞こえた。
「ごめん、ちょっといいかな?」
「へ?いいよ。」
後藤は一瞬、不思議そうな顔をしたが愛の世話に夢中だったため、そんなに気にせずに頷いた。
- 162 名前:OK牧場 投稿日:2003年03月02日(日)20時22分54秒
- とりあえず更新終了です。
<カモノハシ様
ありがとうございます。楽しみにしていただいて嬉しいです。
<葵 様
あれでしたね。(笑
そんなエロな方向でもないんで、期待はしない方がいいと思います。
ママな後藤さんとパパな吉澤さん萌えです。
- 163 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年03月15日(土)19時10分06秒
- ナッチが寝室へ向かうと吉澤がベッドの傍でうずくまっていた。
「どうしたべ?そんなに暗くなって。」
「・・・ごっちんが・・・愛に夢中だということに気が付いた。」
「今頃そんな・・・。母親っていうのは子育ての時期、つまり今が一番忙しいべさ。
パパが拗ねてもどうしようもないべ。」
ナッチが吉澤に語りかけても吉澤は暗くなる一方。
「・・・しょうがないべなぁ。今夜は愛ちゃま連れて行ってあげるから、ちゃんと機嫌なおすべ?」
事を察したのか、ナッチは吉澤に明るく言った。
「・・・ナッチ本当?」
喜びのあまり抱き締める。
「ちょっと、ちょっと。パパが浮気しちゃダメだべ。」
後藤が寝ている間に、すっかり眠ってしまった高橋を抱いてナッチは玄関に出る。
「何かあったら、すぐに言うべさ。」
「ありがとう、ナッチ。」
何でも、ナッチは吉澤の住んでいるマンションと同じマンションに住んでいるらしい。
どうやって水星人がマンションに住めたのかは不明だが。
- 164 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年03月15日(土)19時14分20秒
- 「あれぇ、愛は?」
後藤が起きた。
「ナッチの所。眠っちゃったから後はナッチが面倒みてくれるって。後で2人で迎えに行こうよ。」
「うん。よっすぃーと2人きりって久しぶりじゃない?」
「おぅ、たまにはのんびりしよう。」
- 165 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年04月01日(火)20時09分39秒
- 風呂にも入り、リビングでソファに座って仲良くテレビをみている2人。
「でも、こうしていると皆に悪いよね。」
「なんで?」
「だってさメンバーの皆は愛のこと、まだ行方不明だと思ってるでしょ?
ごとーたちは愛が行方不明じゃないってわかってるから毎日のほほ〜んと仕事してるワケじゃん?」
「まぁ、それはそうだけど信じてくれるワケないじゃん。赤ちゃんの愛を見せたって。保田さんだって腰を抜かすくらいだし。」
「あはっ、そうだねぇ。いっそ本当に2人の子供として育てる?」
「正式に吉澤家に籍入れてさ。あはは。」
久しぶりの2人きりの夜。心なしか後藤に落ち着きがない。
(どうしたんだろ、ごっちん。さっきからソワソワして・・・・ん?もしかすると・・・・へへっ。)
吉澤も意味を理解したのかニヤニヤしている。
「さぁ、今日はもう寝ようか。」
早々と寝室に向かう吉澤。
「へ?もう寝ちゃうの?」
「ごっちん何かあるの?」
「ふぇっ?い、いや別に・・・・。」
後藤は顔を赤くして黙り込んでしまった。
- 166 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年04月01日(火)20時26分20秒
- 寝室のベッドに入り、後藤は吉澤の胸に顔を埋める。
「これじゃ愛よりごっちんの方が赤ちゃんだね。」
「いいのぉ。ママだってパパに甘える時くらいありますぅ。」
「ごっちんの甘えん坊は年中無休じゃん。」
「んんーーーーパパぁ、チューしてぇ。」
吉澤の胸の中で口を突き出して目を閉じる。
「あー、はいはい。」
軽くキスすると途端に満面の笑み。
吉澤は起き上がって後藤の顔の横に両手をつくと、
「愛のある行為でもしようではありませんか、奥さん。」
とニカッと笑っている。
「ば、ばかぁ。」
「だって我慢してたでしょ?さっきから。嫌なら別にやらないけど。」
「いや・・・・する・・・・。」
「そうこなくては。母親のごっちんとは初体験ですからね。母乳ってどんな味すんの?」
「・・・・ヘンタイ。」
その後、2人の行為は明け方近くまで及んだという。
- 167 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年04月01日(火)20時41分34秒
- 「あ、ナッチおはよう。」
「んぁ・・・・おはよう。」
「パ‥‥ッパ‥‥!!」
翌朝、吉澤と後藤はナッチの部屋に訪れた。
高橋が部屋の奥からヨロヨロと飛んでくる。
「昨日はどうだったべ?」
ナッチが吉澤の耳元でこっそり囁いた。
「まぁ‥‥仲良くできましたよ‥‥ありがとうございました。」
「いえいえ。これから仕事っしょ?愛ちゃまならナッチがこのまま預かるけど。」
「今日もプッチだけだからナッチはゆっくり休んでいいよ。」
「ウチも女に戻ったんで大丈夫ですよ。」
「じゃあ今日はゆっくり休むかな。いってらっしゃい、気をつけてね。」
「「いってきまーす。」」
後藤が高橋を抱いて吉澤が2人分の荷物を持つ。
これは2人が出掛けるときの役割として決まってきていた。
「なーんか、こうして見てるとホントの親子みたいだべ。」
ナッチの笑顔が眩しい、ある春の朝。
- 168 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年04月01日(火)20時51分37秒
- 「おはようございます。」
「おはよう。」
「おはよう。って今日は高橋いないの?」
楽屋で読書していた保田が顔を上げる。
「‥‥ばぁっ‥‥‥!」
吉澤が持っていた荷物の中から高橋がひょっこり顔を出す。
「あら、いたじゃない。」
保田も自然と笑顔になっていた。
「圭おばちゃんですよーーー。」
「こら、後藤。変なこと教えるんじゃないわよ。」
「け‥‥い‥‥‥おば‥‥ちゃ‥‥?」
高橋が後藤の腕の中から保田に向かって手を伸ばす。
「なぁに?愛ちゃん」
「さっきまで怒ってたくせに(ボソッ)。」
「いいのよ!!」
- 169 名前:OK牧場 投稿日:2003年04月01日(火)21時17分55秒
- ずっと放置気味ですみませんでした。
これからは、なるべく更新を頻繁にするつもりですので許してください。
えっと・・・後藤さんの「顔缶」ほしいです。この辺りはあまり売っていないので・・・。
- 170 名前:カモノハシ 投稿日:2003年04月02日(水)00時16分39秒
- 今回も待ってました!
後藤さんの顔缶ですか・・・
私の周辺のコンビニにはそのコーヒーすら売っていません・・・
ぜひ見てみたいです。
- 171 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月01日(木)13時21分32秒
- ほ
- 172 名前:OK牧場 投稿日:2003年05月09日(金)22時34分03秒
- 更新を頻繁に・・・などと言っておきながら誠に申し訳ありません。
私は学生の身でして、バイトと学校で忙しく、最近はパソコンにも触れていませんでした。
しかも13〜15日は宿泊旅行、20日は中間テストで勉強をしなければ・・・。
しなければ、例の「パソコン禁止令」が出てしまいます。
どうか!!どうか一段落するまで待っていて頂けないでしょうか?
むしろ、放置気味で待っていてくださる方もいないと思いますが・・・。
完結まで道のりはかなり遠いですが、宜しくお願いします。
- 173 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月22日(木)02時21分53秒
- 待ってます
勉強もガンガって!!
- 174 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年05月22日(木)23時27分55秒
- 収録が終わって楽屋で休んで(というか愛の世話をして)いる後藤に保田が
「あぁ、そういえば矢口となっちが後藤と話したいことがあるってよ。」
と何気なく言った。
「ふぇ?ごとー?」
「メールでも電話でもしておけば?」
「うん。でも何だろ、話って。」
後藤は矢口にメールを入れて近くの喫茶店で待ち合わせることにした。
後藤が店内に入ると、もう矢口や安倍が奥の席に座っている。
- 175 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年05月22日(木)23時44分12秒
- 「あぁ、ごっつぁん。」
安倍を見ていると、どうしてもナッチを思い出してしまう。
「話があるんでしょ?ごとー、なにかしたかなぁ?」
「ごっつぁん・・・つい最近ね・・・デパートとか行かなかった?」
やけに重苦しい口調で矢口が切り出す。
「デパートぉ?!」
デパートといえば吉澤と一緒に高橋の服やミルクを買いに行った所だ。
「あ・・・あるような・・・・ないような・・・。」
「そこでオイラとなっちがね、すごくごっつぁんと似た人を見たの。男の人と一緒でね。その人、背が・・・180はあったかな?
とにかく大きくてスラッとした人。」
話はまだ続きそうだ。
- 176 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年05月22日(木)23時50分46秒
- 「それで・・・・子供をね・・・・赤ちゃんだけど、連れてたんだべ。」
「もしオイラたちが見たのが本物のごっつぁんだったら・・・と思って心配してたワケよ。」
「い、いいいやだなぁ。ごとーなワケないじゃん。まだ16歳だよ?子供なんて・・・。
それに、ごとーにはよっすぃーがいるもん。」
「そうだよね、まだ16で子供なんてつくれる人じゃないべさ、ごっつぁんは。」
「疑って悪かったよ。ごっつぁん、よっすぃーはオイラの大事な弟子だから、ごっつぁんも大切にしてあげてね。」
「もちろん!」
喫茶店から出た後藤は冷や汗タラタラだった。
「ヤバい。やぐっつぁんとなっちに見られてた・・・。」
- 177 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年05月23日(金)00時01分22秒
- 家に帰ると吉澤と高橋がアヒルのおもちゃで遊んでいるところだった。
「あ、ごっちんお帰りぃ。」
「マンマっ・・・!」
「ただいまぁ。」
「マンマ・・・い、いだ・・・さ?いい・・・ださ・・・ん?」
「いいださん?」
「だぁ!」
高橋は後藤に抱かれながら嬉しそうに言った。
「あっ、愛!!」
「よっすぃー。いいださんってカオリのこと?」
「さ、さぁ・・・?」
吉澤の目が泳いでいる。
「ん?なんか香水の匂いがしない?」
後藤は高橋の服や吉澤の服の匂いを嗅いだ。
「これ・・・・カオリのつけてる香水と同じ匂い・・・・。よっすぃー?」
「は、はいっ。」
「今日さ、カオリこの部屋に来た?」
「あ、あの。飯田さんが見たがってたDVDを貸そうと思って。」
「それで香水の匂いしたんだ?」
「はい。」
- 178 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年05月23日(金)00時10分43秒
- 「愛のことはどうやって、誤魔化したの?」
「い、いとこの子供だって・・・。」
「はぃ?どうせならナッチのところに預ければいいのに・・・。だから九州に四国があるなんて言うの!
今日、なっちとやぐっつぁんに呼ばれて話聞いたんだけど。2人にこの間デパートに行ったのを見られてたんだよ?」
「そうなの?でも九州とか四国は話が違うような・・・。」
「いいの!・・・はぁ。」
後藤は怒るというより呆れかえっていた。高橋は、わけがわからず後藤の髪で遊んでいる。
- 179 名前:OK牧場 投稿日:2003年05月23日(金)00時20分52秒
- そろそろ眠くなってきたので、ひとまず更新終了です。少なくてごめんなさい。
<カモノハシ様
もう一ヶ月以上も前に書き込んで頂いて・・・・。
今でも読んでくださっているでしょうか。ありがとうございます、頑張りますよ。
<名無し読者様
はい、中間は自爆しました。ずっとパソコンのことを考えていて勉強どころではありませんでした(^ ^;
勉強なんて出来なくていいんです。尾崎豊もそう言ってました。(爆
- 180 名前:カモノハシ 投稿日:2003年06月05日(木)23時14分42秒
- もちろん今でも読んでますよ〜。
次回も期待しています!
- 181 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年06月18日(水)16時25分51秒
- 「ま、まぁごっちん落ち着こうよ。」
「落ち着いてられないよ!カオリのことだから、バレたらいつメンバーに言うか分かんないんだよ?」
一気にまくしたてる後藤。
「パ・・・パ・・。」
そんな後藤を見て怖くなったのか、高橋は後藤の腕から抜けて吉澤の胸に飛び込んだ。
吉澤の服をギュッと握って、顔をうずめている。
「・・・ごめん、ごっちん。ウチが悪かった。ごっちん疲れてるんだよね、こんなことされたら怒るのも無理ないな。」
「なんでごとーが悪者になってるんだよぉ・・・。」
後藤は口をアヒルのように尖らせて、吉澤の右腕にしがみ付いた。
「いいから、いいから。血が繋がってないけど、ウチら一応は親子じゃん?仲良くいこうぜぃ。」
「・・・・もぅ、これからこんなことしたら、本気で怒るからね?」
「わかってますって。」
高橋もようやく後藤に抱き付いて、笑顔を見せた。
- 182 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年06月18日(水)16時34分39秒
- 「パ、ッパ!マンマッ・・・!」
「え、ちょっと・・・。」
「ぅわ、なんだこれ?!」
吉澤と後藤の頬は見事にくっついている。
「い、痛いよ、ごっちん。」
「離れないんだもん、これぇ!」
「「あ、愛ぃい〜〜・・・・。」」
「だぁあ!」
2人の間へ飛び込んできた。
「これは仲良くしろ、ってことなの?」
「いつも仲はいいと思うんだけどなぁ。それより、風呂とかどうすんの?」
「んん〜・・・、どうにかする。」
「まぁ、体が密着したままの入浴ってのも、いいんでない?」
「変態!!離れるまで待ってるからいいもん!」
「えぇ〜〜〜。」
- 183 名前:OK牧場 投稿日:2003年06月18日(水)16時37分47秒
- ヤバいぞ、ヤバいぞ!母が帰ってくるぞ!!
うちの母はうるさいんで、夜にでも再開します。最近、ホント都合悪いんだよなぁ・・・。
<カモノハシ様。
このような更新ペースですが、なにとぞよろしくお願いします。
後藤さんが今年のシャッフルユニットに参加していないのが何よりの不満です。
- 184 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年06月18日(水)19時20分49秒
- 高橋が眠る頃には、すっかり頬も離れた2人。ベッドで寝息をたてている高橋を見つめている。
「やぐっつぁんやなっちにバレたら、責任取ってよね。」
「な、なんでウチ?!」
「だって、危機感ってものを全然感じてなさそうだから。カオリを家に呼んだから。」
「まぁだ飯田さんのこと拗ねてんの?この際、バレてもいいじゃん。愛の両親が戻ってくるまでだよ。」
ヘラヘラと後頭部に手をやりながら、後藤に笑いかける吉澤。
「どぉなっても知らないんだから。」
すると、ボーッと高橋を見つめていた吉澤が、口を開いた。
「気付いたんだけど、最近ウチが男になっても前みたいに背が大きくならないよね。」
「?そぉいえば、そぉだね。」
「それってさぁ・・・・。」
愛の力が衰えてるってこと――――――――?
- 185 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年06月18日(水)19時30分23秒
「・・・・・愛ちゃまの力が衰える・・・?」
昨夜のことが気になった吉澤と後藤はナッチに相談することにした。
「そうなんですよぉ。愛の身に何かあったんじゃないかって。」
「うぅ〜ん・・・。」
ナッチは吉澤の膝の上で遊んでいる高橋を見つめた。
「どうなの?ナッチぃ。」
後藤も、石川のように眉毛を八の字にして心配している。
「そぉだべなぁ・・・・・・。もしかすると・・・・。」
「「もしかすると??」」
愛ちゃまの御両親が、もう近くにいるのかもしれないべさ・・・・・。
- 186 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年06月18日(水)19時49分54秒
- 「ど、どういうこと?!」
「突然話しても、ワケ分かんないと思うから。まずは水星人の赤ちゃんについて説明するべさ。」
ナッチは近くのタンスの引き出しから写真を何枚か持ってきた。
「?これ、何も写ってませんよ。」
『写真』と呼ばれる真っ白なカードには何も写っていない。
「待ってて。ここをこうすれば・・・。」
ナッチはカードの裏のボタンを押した。
すると、カードの上におしゃぶりをした高橋が現れた。もちろん、カードの上に納まるくらいの小ささだが。
「うぉお!3Dの映画見てるみたいだ!!」
「あぁ、ディズニーランドにある映画ね。メガネかけて見るヤツ。」
「あのメガネ欲しいんだけど、見終わったら回収しちゃうんだよなぁ。」
「ちょっとちょっと2人とも。話がずれてってるべさ。」
「あ、すみません。でもこの写真、ずいぶん昔に撮ったみたいですね。顔が今と比べて、全然幼いから。」
「いや、それが。地球にくる1週間くらい前に撮ったものだべ。」
「え、えぇ?!」
- 187 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年06月18日(水)20時02分58秒
- 「だって、どう見てもこんな短期間でここまで成長できないでしょ。」
後藤が写真の高橋と、隣にいる高橋を交互に見た。
「そこが、水星だべ。水星人の赤ちゃんは、地球人の赤ちゃんの1.5倍くらい早く成長するべさ。不思議な力が使えるのも、赤ちゃんのときだけ。
その期間に、赤ちゃんは旅に出る。」
「こんなに小さいのに、ですか?」
「そう。『かわいい子には旅をさせろ』だっけ?日本のことわざにもあるっしょ?
地球に来た赤ちゃんは、ナッチみたいなお手伝い妖精と一緒に、世話をしてくれる人を探すんだべ。」
「過酷な世界ですねぇ・・・。」
「でも、もともと水星人の赤ちゃんは成長が早いから、その期間はすぐに終わっちゃうんだけどね。」
ナッチの持っている写真を次々と見る。寝ている写真、ボールで遊んでいる写真、笑っている写真・・・・。
「!!こ、これって・・・・。」
後藤が驚いてナッチを見た。
「ん?どぉしたんだべ?」
「ここに写ってるのって・・・よっすぃー??」
「え、えぇええ?!んなワケないって。」
「ほら!」
- 188 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年06月18日(水)20時12分20秒
- 後藤が持っていた写真には、高橋の横で一緒に寝ている吉澤がいた。
「ほ、ホントだ。でもウチじゃないよ、これ。だって水星で撮ったんでしょ?」
「あ、これね。これは愛ちゃまの本当のパパさまだべ。」
「よっすぃーとそっくり・・・双子みたい。」
「ナッチも最初見たときはビックリしたべ。でも、こっちも見てみるべさ。」
「あ、この写真に写ってるのって、ごっちんだ!」
「マジで?!まさかごとーにそっくりな人って・・・・。」
「愛ちゃまの本物のママさまだべ。」
「それじゃあ愛が倉庫にいたときに、『パパ』や『ママ』って呼んだのも無理ないか。」
「そうだべね。」
- 189 名前:OK牧場 投稿日:2003年06月18日(水)20時16分14秒
- 中途半端なところで一旦終わります・・・・。
あぁ、モタモタしてたら23日に期末だぁ・・・。急ピッチで仕上げたいです。
思ったより、早く完結できそうです。この話が終わったら短編書きたいなぁ、と。
まだ案が浮かんでないんで、なにかいい案があったら教えてください(w
- 190 名前:くり 投稿日:2003年06月19日(木)11時26分12秒
- 今日いっぺんに読みました!
ちっちゃくなった高橋いいですね。よしごま最高!
もしよかったら『ごまたか』とか見てみたいです!
これからも更新がんばってください!
- 191 名前:小野妹子 投稿日:2003年06月23日(月)21時14分51秒
- はじめて読ませていただきました☆
このストーリーの展開めっちゃ好きっス!
このつぎに書かれる短編で『なちのの』とか希望しちゃってもいいですか?
更新がんばってください☆
- 192 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月28日(土)22時50分41秒
- このやんパパ、やんママ。って話
あるマンガと似てる気が・・・
- 193 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月29日(日)05時59分21秒
- >>192
>>110
- 194 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)18時19分47秒
- 「で、赤ちゃんの旅が終わると、水星に帰ることができるんだべ。それからは、もう不思議な力は使えないけどね。」
「じゃあ、愛の力が衰えてるのって・・・。」
吉澤は身を乗り出してナッチに迫る。
「そう。愛ちゃまの旅が、終わる頃。パパさまとママさまが迎えに来てるんだべ。」
「そんなぁ・・・もっと愛やナッチと一緒に暮らしていたかったのに。」
後藤は、高橋と過ごせる時間が少ないのを知ると、眠ってしまった高橋を抱き上げた。
「しょうがないべなぁ。愛ちゃまだって、水星に帰りたかったのかもしれないし・・・。」
ナッチの言葉が2人の胸を貫く。
しばらくの沈黙が続いたあと、
「ナッチ、今日からごとーたちの部屋に来ない?残り少ない間だけど、一緒に暮らそ。」
と後藤が提案。
「そうですよ、ナッチと愛といられるのもあと少しなんだし。」
- 195 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)18時24分28秒
- 吉澤もナッチに笑いかける。
「そぉだべね。よしっ、2人とも明日にはナッチが荷物運んでおくから、仕事がんばってくるべさ!」
「「うん。」」
3人は、この時間がとても楽しくて仕方なかった。できればずっとこうしていたい、と。
しかし、別れは突然にやってくるものなのである。
- 196 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)18時38分38秒
次の日、吉澤と後藤はテレビ局の楽屋にいた。もちろん、娘。のメンバーも揃っている。
おもむろに、矢口が口を開く。
「なんかさぁ、最近ごっつぁんが面倒見いいよねぇ。」
隣で雑誌を読んでいた飯田が顔を上げて、
「あ、カオリも思った。辻加護とかのお母さんみたいだもんねぇ。」
と一言。
「そんなことないよぉ。子供が2人増えた、みたいな感じだもん。」
「ごっつぁん、それがお母さんみたいなんだってば。」
楽屋内に笑い声が溢れる。
「カオリ、よっすぃーもお父さんみたいに思うときあるよ。」
「そうですね。石川も最近思ってたんですよぉ。辻加護と一緒に遊んでるのを見て。
ただ遊ぶだけじゃなくて、気を使って遊んであげてるんです。なぁーんか、昔の石川のパパみたいでしたよ。」
石川も話に入ってきた。
「そんなパパみたいだなんて・・・。」
照れながら頭を掻く吉澤と、辻の隣で面倒を見ている後藤を見て、保田が微笑んだ。
「保田さん・・・。」
吉澤と目が合うと、保田はウィンクして返す。
- 197 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)18時44分26秒
- 「うわぁ、圭ちゃんのウィンク見ちゃったぁ!気持ち悪・・・。」
「こら、後藤!アンタ失礼よ!!」
保田が怒って後藤を追いかける。
「キャア!よっすぃー、逃げよう。」
「おしっ、ごっちん。ウチの手に掴まって。逃げるぞ!」
「ちょっとアンタたち!待ちなさいって!!」
「おぉ、プッチモニが追いかけっこしてるよ。」
矢口と飯田などが遠巻きに見つめている。
「よっすぃー、ごっつぁん、逃げろぉ!!オイラは2人の見方だぞぉ!!」
「矢口っ!うるさい!!」
「圭ちゃん怖ーい。」
- 198 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)19時26分16秒
- 2人は冗談半分で逃げるのだが、なかなか保田が諦めない。
とうとう屋上まで追い詰められてしまった。
「はぁ・・・はぁっ・・・、アンタたちどこまで行くつもりだったのよっ・・・。」
「保田さん、今日はしぶとく追っかけてきましたねぇ。息が切れてますけど。」
感心する吉澤を無視して、保田が話し始める。
「アンタたちのこと、みんな認めてるのよ。じゅうぶん父親と母親になれる資格があるって。」
「そうですかねぇ。」
「何にも知らない相手に、そこまで思わせれば上等よ。」
「2人とも、よく頑張ったわね。」
保田が2人の頭をワシャワシャと撫でる。
吉澤と後藤は嬉しそうに目を細めた。
「でも・・・。」
後藤が悲しそうな表情で切り出す。
「実はね、圭ちゃん。」
――――――・・・
- 199 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)19時26分55秒
「・・・そう。しょうがないわね、事情が事情だから。
でも。・・・楽しかったわねぇ、高橋と過ごした時間は。とっても短かったけど。」
保田は悲しまず、懐かしそうに夕焼けの空を仰ぐ。
「高橋の御両親に会ったら、よろしく言っておいてちょうだい。」
笑顔で後ろの壁にもたれかかった。
その時。
- 200 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)19時35分33秒
- 辺り一面を真っ白い光が包み込む。目も開けられないほどの眩しさだ。
「な、なんだぁ?」
光が消えると。吉澤と後藤以外は、すべて停止していた。
街のざわめきも、鳥の鳴き声も。仕舞いには、保田も笑顔を浮かべたまま、動かなかった。
「おーい、圭ちゃぁ〜ん?」
後藤が保田の顔の前で手を振っても、動き出す気配はない。
「ごっちん、見て。みんな止まってる。」
吉澤と共にフェンスに身を乗り出して下を覗くと、通行人すべてが保田のように止まっている。
音がしない、無音の空間となっていた。
「なにがどぉなったんだろうね。」
後藤は首を捻って考え込む。
「こんにちは、吉澤さん。後藤さん。」
- 201 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)19時44分40秒
- 2人が振り向くと、そこには・・・。
「あ、あたし??」
「う、ウチだ・・・。」
屋上の入り口には、吉澤と後藤、ナッチと高橋もいた。
「初めまして。愛の父親です。」
「愛の母親です。」
「「は、初めまして・・・。」」
もう1人の吉澤と後藤の正体は、高橋の父親と母親だった。
「あなたたちが吉澤さんと後藤さんですね。愛の面倒を見てくださって、ありがとうございます。」
「ナッチも、とても感謝しているんですよ。」
高橋の両親は、気品のある人だった。ナッチは、悲しい目で吉澤と後藤を見つめる。
「あ、あの。もう、愛は・・・水星に帰らなければならないのですか?」
恐る恐る、吉澤が尋ねた。
- 202 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)19時53分28秒
- 「そうですね。愛の力も低下してきているので。このまま水星に向かおうと思います。」
「愛が行方不明になっているようですが、もう大丈夫です。メンバーの方々に迷惑を掛けて、申し訳ありませんでした。」
「あの。愛を・・・最後にもう一回だけ・・・抱っこして、いいですかっ・・・?」
後藤は目を伏せて、涙が溢れるのを懸命に堪えていた。
「もちろんです。愛を抱いてあげてください。」
後藤は思った。
突然に知った別れ。その日が、こんなにも早く訪れるとは。
- 203 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)20時14分41秒
- 後藤の腕の中で無邪気に笑う高橋を見て、後藤と吉澤は涙が止まらなかった。
「ごとー、もっとしっかりと、おっぱいあげてればよかったね。」
「ウチも、もっと遊んであげればよかったな。ごめん、愛。」
「あぁぅ?」
高橋はワケがわからず、不思議そうに2人を見上げている。
「ナッチ、ありがとね。なにも知らなかったごとーたちに色々と教えてくれて。」
「そんなことっ!2人とも、ちゃんとパパとママの役目を果たしてたべ!!」
ナッチも涙ぐんで叫ぶ。
「保田さんも、よく相談に乗ってくれて・・・。」
「そうですか。いい方たちに囲まれて、愛も幸せだったでしょう。」
再び、両親のもとへ戻った高橋とナッチ。みんな泣いていた。
「もとに戻ると、今までの記憶はすべて消えます。愛が行方不明になっていたことも。
水星人の正体は、バレてはいけないのです。」
高橋の父親が呟く。
「きっと、2人とも幸せになれるべ。ナッチからのお守り。」
ナッチは2人に、アヒルのおもちゃを渡した。
そのあと4人は、シャボンの泡のようにはじけて、消えた。
- 204 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)20時29分44秒
「・・・ん・・・あれ?」
吉澤が目を覚ますと、周りは真っ暗だった。足元に転がっている照明のライトから、倉庫だということがわかった。
「ごっちん、ごっちん。起きて、起きて。」
「ぅん・・?」
目を擦る後藤。しばらくボーッとしていたが、突然
「あ!愛は?愛はどこ?」
いきなり立ち上がって、頭上の板に頭をぶつけた。
「いっ・・・いったぁ〜〜〜い!!」
かなり大きな音をたててぶつけたため、後藤はかなり痛そうだった。
「もぉ、急に立ち上がったりするから。」
吉澤が後藤の頭を撫でていると・・・
「吉澤さぁん?後藤さぁん?」
とっても懐かしい声が聞こえた。
- 205 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)20時36分04秒
- 2人は顔を見合わせると、声の主のもとへ走った。
「「あ、愛ぃいいいぃい〜〜〜!!!」」
「わ、ちょっと・・・いつから吉澤さんと後藤さんは、名前で呼んでくれるようになったんですかぁ?」
訛りのある声で照れ臭そうに、吉澤と後藤に抱かれている。
「愛!アヒルのおもちゃだよ。覚えてない?」
吉澤はポケットから、アヒルのおもちゃを出すと、高橋の目の前に見せた。
「あ!これ・・・。」
「やっぱ覚えてる??」
「小さい頃、よく遊んでたヤツやぁ〜。どこにあったんです?」
「ウチが持ってたんだよ。」
「へ?」
- 206 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)20時43分04秒
- 「な、なんで吉澤さんが持っとるんですかぁ?」
「え?だって愛は小さい頃よく遊んでたじゃん。」
「後藤さんまで。それは、遊んでましたけど・・・メンバーには見せたこと無いですよぉ?」
高橋は、本当に意味がわかっていないらしい。恐らく、小さい頃の吉澤と後藤との記憶も・・・。
ようやく高橋が何も覚えていないことを知ると、2人は寂しそうに笑ったが、
「ホントに愛はかわいかったんだぞ〜。」
「そうそう。夜泣きして大変だったんだよぉ。」
と話した。
「なんか、お父さんとお母さんみたいなこと言ってますねぇ。」
「「だって、パパとママだからね。」」
- 207 名前:やんパパ、やんママ。 投稿日:2003年07月02日(水)20時46分32秒
- 「?」
2人の笑顔を見て、高橋も自然と笑顔になった。
「あ!あぁあああ!!ダンスレッスンあるから呼びに来たんやったわぁ。・・・・忘れてた。」
「マジ?!夏先生メッチャ怒ってるんじゃない?」
「ごっちん、高橋ぃ!ダッシュだ、ダッシュ!!」
3人で走る姿は、確かにあの日の親子のままだった。
〜fin.〜
- 208 名前:OK牧場 投稿日:2003年07月02日(水)20時55分36秒
- やったぁあああぁぁああああああぁぁああああああぁぁああ!!!!!!
終わりましたぁ、ふぅ。最後とか、かなり微妙な終わり方ですけど。
<くり様。
ありがとうございます。「ごまたか」、痛くなるかもですが初挑戦してみますね!
<小野妹子様。
ありがとうございます。「なちのの」、くり様の次でよろしかったら、書きます!
<名無しさん様。
そうです、しかしマンガは最初しか読んでいないので、最後からはオリジナルにしたつもりです(汗
どうだったでしょうか?暇があれば、全巻読んでみたいです。
本当に、本当に今までありがとうございました。
次回の更新は、かなり遅くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。m(_ _)m
- 209 名前:くり 投稿日:2003年07月03日(木)06時20分30秒
- うぁああぁぁ!完結お疲れ様でした!
やっぱ最初から最後までとってもいいお話でした。感動!
『ごまたか』期待しています!
これからもがんばってください!
- 210 名前:カモノハシ 投稿日:2003年07月04日(金)23時05分56秒
- 完結おめでとうございます!
次回作も期待大です!
OK牧場さんの作品は心が癒されます〜
- 211 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月05日(土)23時57分10秒
- 完結ご苦労様でした
自分も心癒されました
よしごまあいでまた心温まる作品書いてくださいね
- 212 名前:Step by step!! 投稿日:2003年07月18日(金)16時23分19秒
「たぁーかーはしっ!!」
「ご、ごご後藤さんっ!」
突然、背中を押されて振り返ると、そこには後藤さんが立っていた。いたずらっぽくイヒヒと笑って。
「ど、どうしたんですか?」
「ねぇ、見て見てこれ。今日の収録の衣装なんだけどぉ。」
渋谷にでもいそうな女子高生よろしく、胸元をだらっと開けて赤いネクタイをベストから出している。
「今日は少林寺拳法でいこうかなぁ。」
かわいらしく、えいっ。と拳を突き出している。まるで恋のダンスサイトみたいな。
でも・・・後藤さんごめんなさい。それは少林寺のパンチじゃありません。どちらかというと空手です。
- 213 名前:Step by step!! 投稿日:2003年07月18日(金)16時29分56秒
- 「後藤さん、あたしに何か用があって来たんですか?」
「あー、そうだった。ごめん、ごめん。高橋にクイズ出しに来たんだった。」
「・・・・は?」
「さて、ここでクイズです。
アイドルはアイドルでも、福井訛りの子が好きなアイドルって、だーれだ?」
「・・・・。」
後藤さん。福井訛りのアイドルって日本に1人しかいないような気がするのは気のせいですか?
果たしてそれはクイズとして成立するんですか?
「わかんないの?ギブ?ねぇギブ?」
- 214 名前:Step by step!! 投稿日:2003年07月18日(金)16時35分53秒
- 自分で言うのも恥ずかしいので、諦めて降参することにした。
「んー・・・わかんない、です。」
「そっか〜。正解はねぇ・・・あたし、ごとーまきでしたぁ!」
「あぁ〜、そうやったんですかぁ!わからんかったぁ・・・。」
ここまできたら、のってあげるのが5期メンバーの役目であり、後藤さんの恋人の役目じゃないですか。最後まで一緒にボケ続けよう。
「そうだったんだよ。じゃあ、不正解な高橋には罰ゲームぅ。」
「・・・・聞いてないんやけど。」
- 215 名前:Step by step!! 投稿日:2003年07月18日(金)16時43分43秒
「罰ゲームは、ごとーの愛のちゅう攻撃ぃーーー!!!」
ちょっと待ってください。ここは廊下です。ヤバいですよ、見つかったら。
・・・もう後藤さんの勢いは止められないのは分かってますけどね。
「えへへ〜ちゅぅ〜。」
両手を押さえられて後藤さんの顔が近付く。一瞬、なにが起きたか分からなかった。
ビックリ顔を余計ビックリさせていると、後藤さんの香水の甘い匂いがした。
「んはは、かぁわいいね。んじゃ、ごとーは収録あるから。」
後藤さんは何事も無かったかのようにヘラッと笑って廊下を走っていった。
- 216 名前:Step by step!! 投稿日:2003年07月18日(金)16時49分20秒
「・・・・・・おーぃ、愛ちゃ〜ん?ピーマコですよぉ〜。まこっちゃんですよぉ〜。
・・・・ダメだ、こりゃ。」
あのあと、あたしは1人顔を真っ赤にして廊下に立っていたと、まこっちゃんから聞いた。
「・・・意外と大胆やったのぉ、後藤さん。」
「・・・・・愛ちゃん、何言ってるの?
あさ美ちゃ〜ん、里沙ちゃ〜ん、愛ちゃんがおかしいよぉ〜。」
〜fin.〜
- 217 名前:OK牧場 投稿日:2003年07月18日(金)17時02分33秒
- 超がつくほどな短編、更新しました。
<くり様。
リクの「ごまたか」、なんとか痛くしないで済みました・・・。
どちらを載せようか迷ったのですが、短編だけどコメディーで明るい方を載せさせていただきました。
期待に添えられたかは分かりませんが、これが自分の精一杯です・・・。すみません。
<カモノハシ様。
期待とか心が癒されるとか、ホントにありがとうございます。
あなた様はこのスレで最もよく感想を書いてくださる御方です。
恐縮です、はい。
<名無しさん様。
私のような者が心を癒したり温められたりすることができて光栄です。
文章力も乏しく、ヘタレな話ばかり自己満足で載せている私ですが、どうぞ温かい目で見守ってやってください。
次回もけっこうなノロノロ更新ですが・・・。
- 218 名前:くり 投稿日:2003年07月19日(土)10時00分20秒
- 更新おつかれさまです!
『ごまたか』かなりすごくよかったです!
これからもがんばってください!
- 219 名前:右手と飴。 投稿日:2003年08月17日(日)14時47分13秒
- 「モーニング娘。を卒業します。」
突然の発表に、みんな驚いていた。そうだよね、今日までずっと言いたくて言えなくて我慢してきたんだもん。
笑ってるみんなの顔を見たらホントのことが言えなかった。だから一部のメンバーにしか伝えてなかったんだ。
ステージの袖を見れば必死に涙を堪えるあの子。
その姿がなんだかとても切なくて哀しくて。今さら裕ちゃんや圭ちゃん、ごっつぁんの気持ちがわかったような気がする。
コンサートが終わればみんなすぐに駆け寄ってきてくれて、泣いてくれてる。
矢口やカオリと肩を叩き合って「あと半年、いっぱい思い出つくろうね。」って約束した。
- 220 名前:右手と飴。 投稿日:2003年08月17日(日)16時02分57秒
- あの日から6年半。本当に長いようで短かったなぁ。
オーディションに落選して、がっかりしながら室蘭へ帰ったのを覚えてる。
それからCDを5万枚売って。最初、お客さんがCD買うまでに寒い中ずっと待っててくれたのには感動した。
見事、デビューできたのはよかったけど、つんくさんが厳しくてみんなで悩んだときもあった。
初めての東京、家族が恋しくて1人で泣いた日もあった。
それでもモーニング娘。は少しずつメンバーを増やしていって、少しずついろんな人に知ってもらって
どんどん日本中に広がっていったんだ。
映画のヒロインとして駅伝もした。ドラマにも出演した。
―――― その一番忙しい時期に入ってきたのが、あの子だった。
- 221 名前:右手と飴。 投稿日:2003年08月17日(日)16時05分25秒
- まだ12歳。この前まで小学生って子がメンバーとして加わって。
あの純粋で小さな瞳に芸能界の厳しさとかアイドルの辛さって、どんなふうに映っていたんだろう。
あの小さな手は、どれだけモーニング娘。になれた幸せ、つかむことができただろう。
- 222 名前:右手と飴。 投稿日:2003年08月17日(日)16時10分00秒
「あーべさんっ。」
「・・・のの。」
さっき泣いてた子供はどこ行った?
きっとあたしの前では、涙を見せないつもりなんだろうな。
笑って手を握る癖は12歳のときから変わっていない。
この右手の温もりは、毎日ずっと一緒に過ごすようになってから、何よりも大切な存在になってたんだよ?
本当の妹以上に。そう、本当の妹以上に、あの子のほうがあたしの妹なんじゃないか、って思うくらい。
「卒業・・・おめでとうございます。」
「ありがとう。」
「ののがいなくなっても泣かないでくださいよ?」
「あはは、わかってるってば。」
- 223 名前:右手と飴。 投稿日:2003年08月17日(日)16時14分52秒
- かわいらしい八重歯をちらつかせて、はにかむように笑う。
「ほーんとに思い出せば、ずーっとずーっと。飽きないくらいずーっと。一緒にいたよね。」
「そうですね。・・・思い出しちゃうなぁ。」
「なっちさ、よくののの宿題手伝わされたよぉ。」
「方程式でわけわかんなくなっちゃって。安倍さんと勉強すると苦手な数学も楽しかったです。」
「あのあと、のの飴くれたよね。あの飴を舐めたら舌が真っ青になっちゃって大騒ぎ。
矢口にすごい笑われちゃったじゃん。」
「そうでしたね。」
2人で笑い合ってるだけなのに、楽しいのに涙が止まらない。
- 224 名前:右手と飴。 投稿日:2003年08月17日(日)16時19分11秒
- 「あれ?おかしいなぁ・・・涙が出てきちゃうよ。」
笑いながらポロポロ涙が出てくる。
すると、あの子の目からも次第に光るものが。
「安倍さん、泣かないでください。
涙は嬉しいとき、楽しくて楽しくて笑いすぎたとき、悲しいときにしか出せません。
ののは安倍さんと一緒にいて、嬉しいときと笑いすぎたときにしか涙は流したことないです。
だから・・・だから安倍さんも、ののと一緒にいるときは悲しい涙、流さないでください。」
「のの・・・。」
いつからこの子がこんなに大きく見えるようになったんだっけ?
- 225 名前:右手と飴。 投稿日:2003年08月17日(日)16時25分44秒
- 「安倍さん、前に黄色いてんとう虫を見つけたでしょう。
てんとう虫は幸せを運ぶ虫なんですよ。ののも安倍さんに、おまじないかけてあげます。」
そう言って、あたしの涙を指で拭ってから、
「安倍さんに幸せが訪れますように。たくさんの人から、いっぱいいっぱい愛してもらえますように。」
と笑った。
「なっち、がんばるから。ののの分も一生懸命、歌を歌ってがんばるから!」
「じゃあ残りの半年、ののとずっと一緒にいてくださいよ?」
「あったりまえっしょ!」
16歳ってけっこう複雑な時期だと思う。
だけど22歳のあたしにとって16歳の、ののは同い年に見えちゃうくらい仲がいい。
「よーし、今日もがんばりますか。」
いつもと同じ。いつもと同じ右手の温もりに安心して大きく深呼吸した。
少しだけあったかい気持ちになれた。
- 226 名前:OK牧場 投稿日:2003年08月17日(日)16時30分38秒
- なちのので「右手と飴。」でした。
小野妹子様<ほんとうにごめんなさい!ウイルス感染してました(爆
何とお詫びを申したらいいのやら。とにかくごめんなさい。
くり様<ごまたか、気に入ってもらえたと認識してよろしいのでしょうか。
また短編をやっていくかもしれないので、よろしくお願いしますね。
実はウイルスのせいだけでなく、事故にあって入院してたんですけどね。
- 227 名前:hina 投稿日:2003年08月17日(日)20時48分27秒
- あああ〜・・ごまたか・・・書いて下さい〜!!;;
出来れば甘いやつを・・・。
ごまたか最高ですね!!
- 228 名前:くり 投稿日:2003年08月18日(月)08時56分24秒
- 更新おつかれさまです!
『ごまたか』すっごいよかったですよ!
もしよかったら続編みたいなのを
きたいしています!
次の更新もがんばってください!
- 229 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/14(日) 09:41
- ほ
- 230 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/06(木) 07:59
- hoho
- 231 名前:OK牧場 投稿日:2003/11/22(土) 23:24
- あ〜、本当に放置、申し訳ありません!!
hinaさん、くりさん、もう少し待っていただけませんか?今度はパソの方が壊れてしまって現在、携帯から書いてます。
もしかしたら買い換えるかもしれないんです。
ふざけんな!という最悪な作者ですが、すみません。
- 232 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 19:56
- 「・・・う〜〜ん・・・。」
「・・・・。」
「・・・・う〜〜〜ん・・・。」
「・・・・。あのー・・・。」
「へ?」
「どうしたんですか?後藤さん。」
「あ、何でもないよ。うん、何でもない。」
今日は朝からずっとこんな感じ。せっかく収録が同じなのに、ボーッと遠くを見つめてる。
絶対に何かあるはず、なんだけどなぁ・・・。
- 233 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 20:05
- 「え〜、ごっちんの様子がおかしい?」
「はい、朝からずっと。」
「そういえば、今朝からごっちんの顔まだ見てないなぁ。」
吉澤さんなら何かわかるかも、と聞いてみたけど、デカ長さんの格好しててもやっぱりわからないか。
「よしっ!ウチ、これから少し時間あるから見に行ってみよう。」
「ホントですか?!」
「かわいい後輩のためだもんね。」
大きな手で頭を撫でられて、スーツ姿の吉澤さんと一緒に後藤さんがいる娘。の楽屋に戻ってみた。
「あ〜、ありゃ本当におかしいわ。」
後藤さんを見た途端にわかるなんて。あたしじゃわかんなかったのに・・・。
ちょっとだけ吉澤さんに嫉妬。これって一緒にいる時間が、吉澤さんのほうが長かったから?
「・・・そしてそれは高橋!キミが原因だな。」
「ぇ、え!?」
- 234 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 20:15
- 「ウチなんかより、高橋のほうがわかるんじゃねぇの?恋の力ってヤツで。」
ニヒッと笑う吉澤さん。まったくわかりません。
「どういうことですか?」
「ん〜、つまりウチらなんかより高橋のほうが、ごっちんには必要ってことだよ。
とにかく、話しかけてごらん。絶対に・・・・。」
「絶対に?」
「絶対に・・・・。」
その次は何なのか、吉澤さんが言おうとすると吉澤さんは何かに気づいたらしく・・・。
段々と遠くを見る吉澤さんの顔色が青くなってきた。
振り返ってみると。
「よっすぃー!!!」
矢口さんが廊下の向こう側から走ってきた。
- 235 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 20:30
- 「ぅわ、やべぇ。じゃあ高橋、がんばれ!」
吉澤さんはUターンしてダッシュで逃げていっちゃった。
「高橋、ダメじゃんか〜、よっすぃー逃がしちゃ〜。」
「す、すいません。」
なんであたしが謝るのか?それに結局、吉澤さんに聞けなかったし。
「高橋聞いてよ〜。
よっすぃーがさー、最近なかなかお互いの家に行けないからってオイラが
『最近、あんまりお泊りしてないね〜』
って言ったら、よっすぃー何て言ったと思う?
『仕方ないっすね。』
・・・どうよ?この冷たい言動!それが恋人に対する態度かって感じ。だべ?だべ?」
ごめんなさい矢口さん。早口すぎてあんまり聞き取れませんでした。
あたしもこれから早口直そっかな・・・。だって聞き取れないんだもん。
でも、『最近、あんまりお泊りしてないね〜』っていう甘〜い声と
『仕方ないっすね。』っていう吉澤さんのモノマネだけは聞こえました。
- 236 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 20:47
- 「だからさー、高橋もごっつぁんのこと構ってあげないとダメだよ。
ごっつぁんも結構ヤキモチ焼くからねー。」
「あ・・・。」
そうか、そうだったのか!謎はすべて解けた!!
「矢口さん、ありがとうございました!」
「?オイラ、なにかした?」
そうか、高橋愛としたことが!後藤さんの次に宝塚が好きなこのあたしとしたことが!
なんでこんなことに気づかなかったんだろう。
後藤さん、ごめんなさい。後藤さんなりに遠慮して何も言ってくれなかったんですね。
そして矢口さんの滑舌の良さはラジオのおかげですよね。よく仮病が何とか、って言ってたけど。
- 237 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 21:34
- 「後藤さん!」
楽屋にはちょうど後藤さんしかいなかった。
「あぁ、高橋か・・・。」
「ひどいですね。後藤さんのこと、心配してきたんですよ?」
「あたし?」
「はい。あの・・・なんか最近あんまり会えなくて、平気っぽい顔してたけどっ!
だけど、やっぱり高橋は・・・その・・・・後藤さんともっと一緒にいたいっていうか・・・。」
後藤さんの顔は驚いたような、困ったような顔をしてる。
後藤さんの考えてること、違ったのかなぁ。
「今日は朝からずっと後藤さん、元気がなかったみたいだから・・・。
あ、あたしの思い違いですよね・・・すいません・・・。」
恥ずかしいな、後藤さん何も言ってこないじゃん。
顔を俯けたまま床を見つめていたら、ふわっと香水の香りがした。
それと同時に、あったかい感じ。
- 238 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 21:53
- 懐かしい・・・ずいぶん感じてなかった感触と匂い。
「そんなことないよ。」
優しい声が、あたしの肩の向こうから聞こえる。
「高橋はやっぱり、いい子だね。こんなあたしのこと心配してくれたんだ。」
「あ、あたし・・・そんないい子じゃないです!1人だと何もできないし、みんなに迷惑かけてばっかりだし。
それに・・・後藤さんのことだって矢口さんに言われないと何も気づかなかった子供なんです。」
なんでこんなこと言っちゃってるんだろう。本当のこと言ったら後藤さんになんて思われるかわかんないよ?
「そういう正直なところが、いい子だってこと。あたし、高橋の言うとおりだったよ。
最近、高橋に会えなくて・・・だけど高橋は平気な顔してたんだもん。
ちょっと不安になっちゃったじゃんか・・・。」
後藤さんの気持ちと同じだけ、抱きしめられる力も強くなる。
「ご、後藤さん・・・。」
顔が熱い。耳まで熱くなってくのが、自分でもよくわかる。
「後藤さん、スタンバイお願いします!」
突然、ADさんが入ってきて、いい雰囲気が壊れてしまった。
せっかく勇気出して言ったのに・・・。後藤さんも「残念だったね。」って呟いて
ADさんが背を向けた瞬間、唇に触れるだけのキスをくれた。
「またあとでゆっくりね。」
後藤さんの背中を見送るあたしの顔は真っ赤だったに違いない。
- 239 名前:Do you love me? 投稿日:2003/12/13(土) 22:12
- 「あれ〜?高橋じゃん。みんなは?」
「・・・・あ!え、えと、買い物に・・・・。」
「そっか〜。・・・ん?どうしたのかな、高橋ぃ〜。」
楽屋に帰ってきたのは矢口さん。あたしの顔色を見て事情を察したのか、ニヤニヤ笑い出す。
「な、なに笑ってるんですか?!」
「いや、お熱いですねぇ。ラブラブってか?キャハハハ!!」
「あ!よ、吉澤さん!!」
ロープで縛られた吉澤さんが矢口さんの後ろに倒れていた。
「よっすぃーがさぁ、暴れるもんでさぁ、強硬手段でさぁ、連れてきてあげたさぁ!」
「ふぅっ。」って感じで、額の汗を拭うような格好をする矢口さん。
吉澤さんのYシャツのボタンが1つだけ外れてて、ネクタイが緩くなって・・・・。
吉澤さんも顔が赤かった。
「矢口さん・・・。ナイスです・・・。」
矢口さんにむかって親指を立てると、矢口さんも得意げに親指を立てた。
- 240 名前:OK牧場 投稿日:2003/12/13(土) 22:17
- ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
すごい駄文です。すごい駄文です。
>>227 hina様
ごまたかです・・・。これが限界です・・・・。ごめんなさい。
甘いのって、どうしても書きにくいです。
>>228 くり様
続編、ってわけじゃないですけど更新しました。
あー、もう本当にダメです。ごめんなさい!
- 241 名前:カモノハシ 投稿日:2003/12/14(日) 00:59
- お久しぶりです!
うちのパソコンの調子が悪くてしばらくネットが出来ない状態でした。
しかしOK牧場さんの作品は今日まとめて読みました〜
この作品の後にでも新作を書けていただけたら光栄です。
でもマイペースでOK牧場(笑)ですよ〜
- 242 名前:OK牧場 投稿日:2004/02/11(水) 15:38
- >>241 カモノハシ様
本当にお久しぶりです。
長々と放置、すいません。
いよいよ吉後の小説が書きあがったので、今日から連載したいと思います。
けっこう時代ものです。
カモノハシ様には、合わない時代かも・・・。
とにかく、読んでいただければ幸いです。
- 243 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/11(水) 15:44
- 1973年 春
「お兄ちゃん!」
高校を卒業したのはいいものの、大学進学を断念した人間がここにいる。
・・・ウチ、吉澤ひとみだ。
「お兄ちゃんってば!」
大学へ行く気分になれないから・・・と言ったら親に殺されるだろうか。
しかしその分、アルバイトを2つ掛け持ちして金を貯めているのだ。
「耳ついてへんのか?おーい!!」
なんだって、こんな・・・こんな東京なんかに来てしまったのだろう?
大学へ行かないなら、東京にいても・・・
「おーい!!!!」
「・・・?」
- 244 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/11(水) 15:49
- さっきから、ウチの目の前にすごくうるさい女の子がいる。
ここは駅だから静かにしなきゃだめだと思う・・・よ。
真っ赤なランドセルに黄色い帽子。
ウチがゆっくり見下ろすと、1本だけ抜けている歯をニッと見せて笑った。
「お兄ちゃん。」
「・・・??」
もしかして、ウチのこと?
自分で自分を指さすと、女の子は笑いながらコクコクと頷く。
- 245 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/11(水) 15:57
- 「ごめんね、ウチはお兄ちゃんじゃないんだ。お姉ちゃんなんだけど・・・。」
「ウソやろ?!女に見えへんかったわ。」
何気なく失礼なことをズバズバと言い、ランドセルから1枚の紙切れをウチに手渡した。
そこには、この女の子は加護亜依ちゃんっていう子で、この子をよろしくお願いします。
・・・みたいな内容が書かれていた。
「これ・・・なに?」
「お母ちゃんが誰かウチのこと面倒見てくれそうな人に渡せって。」
「ちょ、ちょっと待って。ってことはウチが・・・亜依ちゃんの面倒を見るの?」
「なんでウチの名前知ってるん?!」
「ここに書いてあるじゃん・・・加護亜依って。」
「そうなんや。ウチまだ漢字よく読めへんねん。」
ニコニコと屈託のない笑顔を見せた。
- 246 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/11(水) 16:01
- 冗談じゃない。子供の面倒見れるほどの余裕はどこにもないっての。
それに電車きちゃったし。バイトに遅れちゃうじゃん。
「ごめんね、お姉ちゃんこれから用事あるからさ・・・。」
電車に乗りかけて、亜依ちゃんとお別れした。
「何だったんだ、今の子。」
やっぱり警察に届けたほうがよかったのかな・・・。
- 247 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/11(水) 16:10
-
「・・・ごめんなさい。ウチにもよくわからないんです。」
バイト先の喫茶店でウチはただ謝るしかなかった。
「まぁ、ええよ。気にせんでも。それより、どこから来たん?この子。」
店長(といってもこの小さな店で働いているのは3人だけなのだが。)の中澤さんは意外にも怒らなかった。
「どこからと言われても・・・駅にいたんですよ。
で、別れてきたつもりが知らない間につけられてて・・・。」
エプロンをつけながらヘコヘコと頭を下げた。
「これ読んで。な、おばちゃん!」
亜依ちゃんはさっきの紙を中澤さんに渡した。
「おばちゃん?誰がやねん!」
怒りながらも亜依ちゃんの親からの手紙を読むと、優しく聞いた。
「加護、あんたどこで生まれたん?」
「奈良や!」
「いくつかわかるか?」
「6歳!1967年2月7日が誕生日やねん。」
「なんや、口が達者なわりに小学1年生か。」
「もうすぐ2年生なんやで!」
- 248 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/11(水) 16:16
- 「お父さんかお母さんは?」
「知らん。どっか遠いところへ行くんやって。
そんでウチがいるとお仕事でけへんから、誰かのとこ言ってなさいってお母ちゃんが言うてた。」
おそらく、亜依ちゃんはこの言葉の意味を理解してないんだと思う。
かわいそうだな・・・。
「そうなんや。じゃあこのお姉ちゃんのところに行くしかないな!」
「え?ちょっと中澤さん・・・。」
「うん!ウチ、このお姉ちゃんカッコええから好きや!」
「亜依ちゃん・・・。」
「こんばんわ〜。」
そこへ、ウチと一緒にバイトしてる梨華ちゃんが入ってきた。
梨華ちゃんはちゃんと大学に行って中学から続けてるテニスを今もやってる。
ウチとは正反対の人生を歩む、お嬢様だ。
- 249 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/11(水) 16:29
- 梨華ちゃんはウチと亜依ちゃんと中澤さんを見て、とても不思議そうな顔をした。
「このお姉ちゃん、誰?」
「梨華ちゃんだよ。石川梨華ちゃん。」
それまでカウンター席に座ってた亜依ちゃんは、ぴょんっとイスから飛び降りて梨華ちゃんに近寄った。
「あ、あのー・・・。」
ウチより年上なのに、6歳の女の子にたじたじな梨華ちゃんは眉毛を八の字にして、困った顔でウチを見てきた。
中澤さんが今までのことを梨華ちゃんに話すと、「そうなんですかぁ。」と複雑な表情。
「梨華ちゃん、聞いてよ。ウチ、最初男に間違えられたんだよ?」
「あはは、ひとみちゃんがそんな格好してるから余計、男の子に見えたんじゃない?」
問題の亜依ちゃんは中澤さんにもらったオレンジジュースをストローでゴボゴボ吹いて、中澤さんに怒られてた。
「加護、あんたフィンガー5って知ってる?」
「もちのろんや!ウチ大好きやもん。」
「よっしゃ、この間レコード買ってきたんや。今からかけたるわ。」
「ホンマ?ありがとぉ!」
今までかかってたジャズのレコードをとって、フィンガー5のレコードに針を置く。
たちまち、店の雰囲気が変わった。
あいぼん(亜依ちゃんが「あいぼんって呼んでな!」って言ってた。)は6歳のわりにませてるから、
お店に来るお客さんともすぐに仲良くなった。
これも、あいぼんのすごさだろうか。
- 250 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/02/12(木) 18:05
- 吉後待ってました!がんばってください!
- 251 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/13(金) 19:27
-
結局、明日警察に連れて行って親を探すことにして、今夜はウチのアパートに泊めることにした。
「あいぼん、荷物は?」
「これだけや。」
ランドセルをウチに見せた。
「さーよなーら さんかーく まーたきーて しっかく♪」
チカチカと黄色い光を出す街灯の下、温かくて小さいあいぼんの手をしっかり握ってアパートまで帰った。
―――――――
――――
――
ウチの住んでいるアパートは築何十年の木造アパートで、風呂なしトイレ共同。
廊下を歩くたびにギシギシと音がするのだ。
「あれ、よっすぃー?」
ちょうどアパートの前まで来たとき、ウチの隣に住んでいる矢口さんが洗面器に石鹸を入れて、タオルを振り回しながら出てきた。
- 252 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/13(金) 19:37
- 矢口さんは有名大学に何浪もしながらフリーターで生計を立てている。
「・・・この子は?」
「加護亜依ちゃんって言うんです。」
「あいぼんって呼んでな!」
こんな時間に子供を連れて帰ってきたウチを見ても、理由を聞かないでくれるのが矢口さんらしい。
「あいぼんね、よろしく。オイラ矢口真里。」
「矢口さんウチよりちょっと大きいくらいやないの?それとも、そんなに変わらへん?」
「失礼な!これでも145センチあるんだぞ!あいぼんよりずっと大きいもんね。」
2人初対面なのに意気が合うらしい。
- 253 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/13(金) 19:50
-
「銭湯ですか?」
「そうそう、よっすぃーとあいぼんも一緒に行く?」
「ウチ、銭湯に入ってみたい!」
「そっか。じゃあ矢口さん、少し待っててください。」
「わかった。即だよ?即、風呂行くからね。」
CMの影響からか、最近矢口さんは「即」って言葉をよく遣う。
「あ、そうや。」
あいぼんは狭い階段を上がって、狭い廊下の途中にあるウチの部屋の玄関でいきなり立ち止まった。
「どうしたの?」
「お姉ちゃんの名前、知らないねんウチ。」
(木製でギィギィと音のするドアに)貼ってあるガムテープにマジックで「吉澤」と書いてあるのを見つけたからだろうか。
「吉澤ひとみ。よっすぃーでいいよ。」
「よっすぃー、早くせぇへんと矢口さん行ってまうで。」
急いでタオルとセルロイド製の石鹸入れを洗面器に入れて、3人で銭湯まで歩いた。
「ウチな、銭湯っていらなくなったお湯川に捨てるやろ?あの川の匂い、好きやねん。」
「あ、わかるかも。オイラも昔思った。」
「矢口さんも?あの薬湯の匂い、ええ匂いやねん。」
- 254 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/13(金) 20:15
-
子供なのに、あいぼんって大人っぽい。こんなこと、日本中の小学生であいぼんしか思わないんじゃないか?
銭湯に着くと、あいぼんと矢口さんはどんどん先に入ってしまった。
ウチだけ仲間はずれかよ・・・。
矢口さんとあいぼんは風呂の中で歌ってる。左手をヒラヒラさせて。
「「わったしの わったしの かれーはー ひーだりきーきー♪」」
・・・あいぼんって麻丘めぐみ知ってんのかな?
「あいぼん、フルーツ牛乳って知ってる?」
「ふるーつぎゅうにゅう?」
「オイラが奢ってあげるよ。」
「おいしい飲み物なん?」
「もちろん!牛乳嫌いなオイラでもフルーツ牛乳なら飲めるもん。」
頭から湯気を上らせている3人はビンに入ったフルーツ牛乳で乾杯。
「これ、ホンマにおいしい!」
「でしょ?」
「ウチ、大好きになれそうな気ィがする!」
「よかった、よかった。」
「あ・・・。」
「どうした?あいぼん。」
「よっすぃーペチャパイやった。」
「い、今さら言うな!!」
「矢口さんの方がまだ胸大きかったで。」
「やっぱり?オイラ、セクシー隊長だから。」
- 255 名前:OK牧場 投稿日:2004/02/13(金) 20:18
- ひとまず今回はここまで。
>>250 名無し飼育さん様
ありがとうございます。
あの方の登場まで、ちょっとばかり時間がかかりそうです。
気長にお待ちください。(^ ^)
- 256 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/14(土) 16:44
- アパートに帰ってから、もう1度あいぼんとゆっくり話をしようと思った。
あいぼんは、この近くの小学校に通っているらしい。
「あいぼんはいつからあの駅にいたの?」
「今日からや。」
「それまでどこにいたの?」
「お母ちゃんのとこ。」
もしかしたら、あいぼんのお母さんはまだこの近くにいるのかもしれない。
明日になったらもう遠くへ行ってしまうかも・・・・。それだったら今からでも探してもらったほうが、あいぼんのためだし。
「ウチ、久しぶりにゆっくりできるわ。今までいろんな人のとこお母ちゃんと転々としてきたから。」
ウチが子供のころ着てたパジャマに着替えたあいぼんは、ホッとした顔を見せた。
- 257 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/20(金) 18:45
- 「あいぼん、今から警察に電話してお母さん探してもらおう?明日になったら一緒に警察に行こうよ。」
すると、あいぼんは一瞬のうちに笑顔が消えて俯いた。
「ウチ・・・お巡りさん嫌いや。お父ちゃんみたいになりとうない!
なぁ、よっすぃー。ウチ悪いことでもしたん?やっぱりウチはよっすぃーの邪魔になるん?」
あいぼんの声が潤んで、小っちゃな手の甲にポタポタと大粒の涙が落ちた。
「邪魔なんて思ってないよ!だって、あいぼんはお母さんと一緒にいたほうが・・・・。」
「ウチな・・・よっすぃーが初めてやねん。ウチに優しく話しかけてくれたの、よっすぃーが初めてやねん。
よっすぃーの友達、みんな優しい人ばかりや。
ウチ、あったかい家族もあったかい友達も、どこ探しても見つからんねん。」
そう残して、あいぼんは部屋を飛び出した。
- 258 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/20(金) 18:56
- 「どうしたの?よっすぃー。」
ドアを激しく開ける音に気がついたのか、隣から矢口さんと黒縁メガネの安倍さんが出てきた。
「何でもないです、すみません。」
春、といっても4月は始まったばかり。夜になると、かなり冷え込む。
ジャンパーを着てても、肌寒いくらいだ。
あいぼんを探して走りながらウチは自分を責めた。
自分の置かれた状況はあまりにも贅沢すぎたのだ。
チカチカとネオンが光るキャバレーやスナックを横目に、どうかあいぼんが見つかりますように・・・
と、祈るしかなかった。
『よっすぃーの友達、みんな優しい人ばかりや。
ウチ、あったかい家族もあったかい友達も、どこ探しても見つからんねん。』
あいぼんの言葉が胸に突き刺さった。
両親に捨てられたことなんかないし、友達だってたくさんいた。
6歳のあいぼんは19歳のウチよりも100倍も200倍も辛い現実をあの小さな体で受け止めてるんだ。
中澤さんに何て言えばいい?矢口さんに何て言えばいい?梨華ちゃんに何て言えばいい?
ごめん、あいぼん。こんなウチのこと、許してくれないよね。
- 259 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/20(金) 19:05
-
「ひとみちゃん!」
ふと、梨華ちゃんの声が聞こえた。梨華ちゃんはあいぼんを抱いていた。
「あいぼんっ!」
「すぐそこの公園でぐったりしてたの。」
梨華ちゃんからあいぼんを受け取る。
あいぼんの小さなおでこは、火が出そうなほど熱かった。
「すごい熱・・・。」
あいぼんをしっかり抱きかかえて、近くの病院のドアを叩いた。
幸い、特別にあいぼんを診てくれたのだが、鼈甲縁のメガネのおじいちゃん先生に
「もうちょっとで肺炎になるところだった」と注意されてしまった。
「さっき、あいぼんがね・・・。」
病院からの帰り道、呟くように梨華ちゃんが口を開いた。
「ん?」
「あいぼんがね、『よっすぃー』って、ずっと言ってたよ。」
「・・・。」
「よっぽどひとみちゃんのことが好きなんだね。」
目を閉じて、眠っているあいぼん。「あいぼん、ごめん・・・。」
- 260 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/20(金) 19:30
-
「おかえり、よっすぃー。」
「や、矢口さん?!」
「へぇ、この子があいぼん。めんこい顔してるべさ。」
「安倍さん・・・。」
部屋に戻ると、矢口さん安倍さん、もう片方の隣の飯田さんまでウチらを待っていた。
「よっすぃーが慌てて飛び出していったから何事かと思ったよ。まったく、心配させやがって。」
「あいぼん、すごい熱なんですよ。」
梨華ちゃんが今までのことを説明すると、みんな驚いてあいぼんを布団に寝かせた。
「吉澤の部屋、こたつしかないから。」
と、飯田さんが電気ストーブを持ってきてくれた。
「んん・・・。」
「あいぼん、気がついた?」
しばらくして、あいぼんが目を覚ますと安倍さんや飯田さんを見たからだろうか、恥ずかしそうに布団で顔を隠した。
「あいぼん、なっちは安倍なつみ。よろしくね。」
「隣で絵を描いてる飯田圭織だよ。よろしくね。」
「ここ・・・よっすぃーの部屋?」
あいぼんがかすれた声で呟いた。
「そうだよ。あいぼん、ごめんね。」
「バカだよなぁ?あいぼん。オイラがよっすぃー懲らしめてあげるから。」
「もうええねん。ウチ、どうせ明日警察行くんやから。」
梨華ちゃんや矢口さんは戸惑った表情を見せている。
あいぼんの顔を見た飯田さんは何も聞かずに優しく言った。
「あいぼん、何か欲しいものある?
お姉ちゃんたちあまり高いものはあげられないけど、映画くらいは連れてってあげるよ。」
- 261 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/02/20(金) 19:38
-
あいぼんは頭を横に振った。
「ううん。何もいらんねん、ウチ。ただ・・・みんなのそばにいたいねん。」
あいぼんの涙が頬を伝った。
「よしっ!」
ウチは大声を出して立ち上がった。みんながびっくりする中。
飯田さんだけはウチが何を言うのかわかったように笑った。
「あいぼんは今日からウチの家族だ!!」
みんなポカーンとしてる。ポカーン。
「あいぼんがヤダって言っても家族だ!」
「ホンマ?ありがとぉ。よっすぃー、ありがとぉ!」
こうして、ウチとあいぼんの不思議な生活が始まった。
遠くでフィンガー5の歌が聞こえた。
- 262 名前:OK牧場 投稿日:2004/02/20(金) 19:40
- とりあえず、今日はここまでです。
また暇なときにパチパチと更新します。
- 263 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/03/04(木) 00:26
- やんパパ、やんママ。はだぁ!だぁ!だぁ!ですか?
- 264 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/13(土) 22:25
- 数日して、あいぼんの風邪もすっかり治った。
ウチがアルバイトしている間、あいぼんの世話は矢口さん、飯田さん、安倍さんにしてもらっている。
何ヶ月か経ち、殺風景だったウチの部屋にはあいぼんにせがまれて泣く泣く貯金をくずして買った、バービー人形などが増えた。
「バービーの彼氏も買わんと、バービーかわいそうやん。」
などと言っては色黒の、なんとかって言う人形まで買わされた。
学校から帰ると、すぐにランドセルを放り出して夕方まで友達と遊んでいる。
「あいぼん、いつも何して遊んでるの?」
すっかり顔馴染みになってしまった、中澤さんの喫茶店。
夜はいつもここで、あいぼんと夕食をご馳走してもらっている。
特等席である、右から3番目のカウンター席に座ってハンバーグを頬張りながら、あいぼんが答えた。
「えーっとな、まず駄菓子屋に行くねん。そこでお菓子買うんやけど、最近のお気に入りはニッキ水ってのや。
それか赤銅鈴之助。そのあと、塀にろうせきでいたずら書きして近所の柿の木揺らして逃げてきて
河川敷で缶蹴り。」
「なんか、忙しいね。」
隣で梨華ちゃんが苦笑した。
- 265 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/13(土) 22:34
-
「ええなぁ、今の子は。裕ちゃんが子供の頃は、森永キャラメル頬張ってたわ。
あれ、歯についてすぐ虫歯になるんや。
お父ちゃんにグリコ買わせてもらえなくて悔しかったなぁ・・・。」
「おばちゃんやなぁ。いつの時代やねん。」
「うっさいなぁ。43年生まれや!」
「中澤さん、終戦前ですよ?」
梨華ちゃんが驚いている。
「そやそや。今はフィンガー5や!チューリップや!井上陽水や!」
「小学生がチューリップだの何だの生意気やな。」
「よっすぃーがギター練習してるんやもん。」
中澤さんの視線が痛い・・・。
「ほ、ほらあいぼん。先にアパート帰れるよね。」
「わかった。ごちそうさまぁ。」
あいぼんが帰ったあと、中澤さんがふふ、と笑った。
「加護といると、ホンマ楽しいなぁ。」
- 266 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/13(土) 22:41
-
「そうですねぇ。でも、夜更かしするんですよ。」
「何時まで起きてるん?」
「この前なんか、寝たと思ってたら・・・
矢口さんたちとオールナイトニッポンの第一部聴いてたんですよ。」
「あのガキ、そんな遅くまで起きてたんか?!」
「矢口さんたちに注意したんですけどね。教育上、よくないって。」
「小学生が見るなら『8時だヨ!全員集合』でじゅうぶんやん。」
「あいぼん、ませてますからねぇ。」
ウチのアパートの住人と中澤さん、梨華ちゃんはけっこう顔馴染みなので
よく矢口さんたちもこの店に来るのだ。中澤さんのお気に入りはもちろん矢口さん。
- 267 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/13(土) 23:01
- 「今日な、またカトちゃん『ちょっとだけよ〜』やったで。」
日課になってしまった、銭湯での風呂あがりのフルーツ牛乳。
あいぼんは飯田さんの部屋でテレビを見せてもらうらしい。
銭湯からの帰り道、あいぼんの中でヒット曲は「心の旅」なんだって。
「あぁーだからこんやだけはーきみをだいていーたいー♪」
ふと、電燈の下に金魚屋のおじさんが座っていた。
「もう7月か・・・。」
「よっすぃー、金魚ほしい。」
ほーら、ね。あいぼん、こういう金魚はすぐ死んじゃうんだよ。
「今日はもうお金ないよ。また今度ね。」
「ちぇっ、絶対やで?指切りげんまんやで?」
「わかった、わかった。」
アパートに帰って、先にあいぼんを寝かせた。窓を開けると、すぐ目の前に暗闇で真っ黒な川が広がっている。
7月の蒸し暑い風が部屋を通っていった。
- 268 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/13(土) 23:09
- その日の夜―――。
「なぁ、よっすぃー。まだ起きてる?」
「・・・どうしたの?ちゃんと起きてるよ。」
「いきなりで悪いんやけど、よっすぃーの初恋っていつ?」
「初恋ぃ?!」
そういえば、ウチの初恋っていつだったんだろう?
「さぁ・・・いつかなぁ。矢口さん飯田さん安倍さんに聞いたほうがおもしろいんじゃない?」
「矢口さんや飯田さんとかの初恋、どんなのか知らんの?」
「うん。」
「・・・ほな見せたるわ。」
「あいぼんが?」
あいぼんの顔は暗くて見えないけど、きっと寝ぼけているんだろう。明日さんざんからかってあげよう。
「ウチの力はすごいんやで。」
「へぇ・・・。」
あれ、なんだか・・・ねむ、く・・・なっ・・・て・・・・
- 269 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/13(土) 23:17
- 「よっすぃー。」
「・・・あれ?」
目の前にあいぼんの顔が広がっている。
「どこ?ここ。」
いつの間にか目が覚めたら、外にいた。広い芝生の上に寝ていたらしい。
「はい、安倍なつみさんのお家の庭でございまーす。」
「アパート、じゃないすよ?」
「もちろん。ここ北海道やから。」
「ほ・・・?」
「ほっ・か・い・ど・う!!」
「なんで。」
「貴重な恋愛ツアーです。今から安倍さん飯田さん矢口さんの初恋が見られます。
そこでよっすぃーに恋愛というものを勉強していただきたい。」
ところどころ関西弁のイントネーションが入ったあいぼんの標準語。
「ちなみにウチとよっすぃーは他人から姿が見えません。」
- 270 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/13(土) 23:20
- 「あいぼん!キミはいったい・・・。」
「いいからいいから。ほら、安倍さん帰ってきたで。」
赤いランドセルを背負った女の子が、でこぼこの砂利道を走ってくる。
あぁ、あの黒縁メガネが安倍さんか・・・。
はは、あんまり変わってない。
「ウチらも家の中入るで。」
「うん。」
- 271 名前:OK牧場 投稿日:2004/03/13(土) 23:24
- 更新しました。
いちーちゃん、結婚だなんて・・・。
>>263 名無し飼育さん様。
あぁ、そうですね。アイディアがなかったもんで。
ごめんなさい・・・。
- 272 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/20(土) 17:21
-
「ただいまぁ。」
「おかえりなさいませ。」
メイドさんが2,3人現れた。
安倍さんは慌てたように階段を駆け上がる。
「どうしたのかな?」
子供部屋とは思えないくらい広い部屋には、ベッドと机がポツンと置かれていた。
ウチとあいぼんが安倍さんの前を通っても、全然気づかない。
机には小さなカレンダーが置いてあった。
「せ、せんきゅうひゃく・・・ごじゅうはち?」
「当たり前やん。安倍さん小学生やで?」
・・・お願いです。すべてが夢であってください。
その間に安倍さんはベッドの上にランドセルを置き、中から何かを包んだハンカチを持って、また部屋を出て行った。
迷路みたいに廊下を右に曲がったり左に曲がったりして着いたのは、人目につきにくいドアの前。
安倍さんはコンコンとドアをノックすると、周りに誰もいないのを確認して部屋に入った。
- 273 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/20(土) 17:29
-
この部屋もまた広く、ベッドの上にちょこんと誰か座っている。
「あれっ?安倍さんが2人・・・?」
驚いたことにベッドにいるのも安倍さん。今、部屋に入ってきたのも安倍さん。
ただ、ベッドにいる安倍さんはメガネをかけていない。
「双子って知らんかったやろ。」
あいぼんは安倍さんが双子ということを知っていたようだ。
「今まで1度もそんなこと言わなかったから。心臓止まるかと思った。」
距離をおいて安倍さんたちの会話を聞いてみることに。
「お姉ちゃん、今日も給食の揚げパン持ってきたよ。」
「やったー。ありがとう、なつみ。」
なるほど、あのハンカチの包みには揚げパンが入ってたのか。
近所の子供たちが賑やかに遊ぶ声がする。しかし、安倍さんは遊びに行かなかった。
学校に行けない双子のお姉さんに学校で起きたことを、おもしろおかしく話すのに夢中らしい。
- 274 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/20(土) 17:36
-
「あら、またこんなところにいて!」
そこへメイドさんが入ってきた。
「揚げパンなんて不衛生なものをあげたら、余計にお嬢様のご病気が治りませんよ。」
「ごめんなさい・・・。」
「なつみは悪くないの。あたしが揚げパンが食べたいって言ったから・・・。」
「とにかく、お外で遊んでくださいな。子供は元気に遊ばないと。」
「・・・。」
しょんぼりした安倍さんが部屋から出てきた。庭で1人、ボールをついて遊んでいる。
「なーつーみちゃーん、あーそーぼー!!」
ふいに、1人の男の子が現れた。金髪で鼻が高い。外国人の子供らしい。
安倍さんはその子を見ると、ニコッと目を細め、走ってきた。
「今日はボールであそぼ。」
「うん、いいよ。」
2人は楽しそうに遊び始めた。2人だけで。
- 275 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/29(月) 14:29
- 「あの男の子・・・。日本語うまいし、ハーフっぽいなぁ・・・。」
「そうみたいやで。」
「2人きりで遊んで楽しいのかなぁ?」
―――――――――――――
―――――――――
――――――
――――
――
「おい、見つけたぞ!」
突然6,7人の男の子がやってきた。みぃんな、前髪まっすぐで刈り上げている。
「女なんかと遊びやがって。」
ガキ大将らしき子が目で合図すると、あの男の子を引っ張ってどこかへ消えてしまった。
「待って!!」
安倍さんも追いかけていってしまった。
- 276 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/29(月) 14:40
-
空き地まで来ると、ガキ大将が白いシーツを頭に巻き、サングラスをした。
「月光仮面ごっこだ!お前が悪の手下やれ!!」
金髪の男の子は何も言わず、俯いている。
「悪者め、この月光仮面さまをなめるなよ!!」
2人の男の子が、あの男の子の両腕をつかんでガキ大将の前に立たせた。
そして、寄ってたかって男の子の金髪を引っ張ったり、蹴ったりしている。
「やめてよ!お願い、やめて!!」
「女はひっこんでろ!!」
安倍さんはいとも簡単に転んでしまった。
「弱い〜弱い〜メガネ女〜 双子の姉ちゃん顔が真っ青〜」
今度は安倍さんのメガネを取り上げて、投げている。
「返して!なっちのメガネ返して!!」
必死になればなるほど男の子たちも、おもしろがって次から次へとメガネは手渡されていく。
「・・・っぐ・・・ぇぐ・・・。」
ついに安倍さんが泣き出してしまった。
「この〜!!クソガキぃ!!!」
「よっすぃー落ち着いて!!」
「だって・・・!」
すると、さっきまで倒れていた金髪の男の子が立ち上がってガキ大将に殴りかかった。
「お、おいっ・・・。」
そのはずみに落ちたメガネを拾って安倍さんに渡した。
「なつみちゃん、もう泣くのやめなね。」
そしてまた、ガキ大将に向かっていった。
- 277 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/03/29(月) 15:00
-
「カラスが鳴くから かーえろ。」
夕日も沈みかけ、それまでそこらじゅうで遊んでいた子供たちも、ちらほらと帰りはじめた。
「し、しつこいぞ、お前!!」
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」
あの男の子は、まだ諦めていなかった。ボコボコに殴られ、蹴られても立ち向かった。
顔も腕も足も、擦り傷だらけ。おまけに涙でグチョグチョである。
「ゆるさない・・・ゆるさない・・・。」
その意識だけで倒れても倒れても何のこれしき、と全身の力を込めて立ち上がるのだった。
「ごめんなさいって・・・なつみちゃんにごめんなさいって謝れ!!」
泣き叫ぶような声で、はぁはぁ喘ぎながらガキ大将の足にしがみつく。
「わかったよ!今日はオレが悪かったよ!!・・・これでいいんだろ!」
ガキ大将もさすがに懲りて、そばで泣いていた安倍さんに謝った。
今までずっと一部始終を見ていたウチは、思わず涙が出てきそうだった。
「もう少し未来も見てみる?」
「うん。」
「ほな6,7年先に行こか。」
あいぼんの言葉で、目の前が眩しくなった。
「・・・ここは?」
「1964年の安倍さん家の近く。」
この時代になると、ずいぶん道も舗装され73年に近づいたようだ。
東名高速道路や東海道新幹線の開通と、オリンピック景気で心なしか商店街も活気づいてみえる。
「ほら、あれ安倍さんやで。」
「ほんとだ。あれは、さっきの金髪の男の子じゃん!」
セーラー服におさげ髪。黒縁メガネの安倍さんだ。隣にいるのは、さっきまで小さかったあの男の子だ。
「勝手にジョンとか呼んでいいかなぁ?」
「え?」
「独断と偏見で、ジョンって呼んでもいいよね。」
「よっすぃーの好きにしたらええやん。」
ジョンは中学生になって、カッコよくなっていた。これだと、まだいじめられてるってことは無いみたい。
ほかの男の子は、前髪が七三分けである。これがこの時代の流行りなのだろうか。
「安倍さん家に入ってくで。」
「よし、追いかけよう。」
- 278 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/02(金) 19:13
- 安倍さんたちは、双子のお姉さんの部屋に入っていった。
「お姉ちゃん、今日はお客さんがいるよ。」
嬉しそうな安倍さんの顔。
「おっす。」
ジョンがドアの隙間から出てきた。
「ひ、久しぶり・・・。」
お姉さんは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「どうだ?病気のほうは。」
「う、うん・・・。だいぶよくなってるみたい。」
「そうか。実はこの写真を渡したくて。」
「これって・・・。」
「この前の試合のときの写真。お前のお守りつけて行ったらさ、勝っちゃったよ。ありがとうな。」
写真には、バットを握るジョンの姿。
安倍さんのお姉さんはジョンのことが好きなんだな。
- 279 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/02(金) 19:30
-
「せやけど・・・。」
あいぼんが俯き加減に口を開いた。
「ん?」
「双子ってイヤやな。好きな人まで同じになるやんか。」
あいぼんの黒い瞳の先にはジョンと楽しそうに話す、安倍さん。
「そういうことか。」
ジョンが帰ったあと、安倍さんのお姉さんが溜息をついた。
「はぁ・・・。なつみ、どうしていきなり連れてくるのよ、びっくりするじゃない。」
「お姉ちゃんだって、本当は嬉しいくせに。」
「ばっ!バカなこと言わないでよ。」
「赤くなっちゃってー。」
「うるさいわね。でも・・・。」
「でも?」
「本当のことを言うとね、嬉しかった。すっごく嬉しかったよ。あたし、病気がちで学校を休んでばかりでしょ?
ガリガリに痩せて、今にも死んじゃいそうな顔色のあたしなのに普通に話しかけてくれるんだよ?」
「お姉ちゃん・・・。」
- 280 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/02(金) 19:36
- しかし・・・。
「お姉ちゃん、パパとママが庭でスイカ割りやろうって。」
1965年 夏
「やらない。」
「なんで?どこか調子悪いの?」
「うるさいなぁ。やらないって言ったでしょ!」
安倍さんのお姉さんの様子がおかしい。急に安倍さんに冷たくなったようだ。
- 281 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/03(土) 23:00
- 次の日。
「お姉ちゃん、今日は野球の試合だよ。一緒に見に行こう?」
「なつみ1人で行けばいいじゃない。どうせ、あたしは健康じゃないもの。」
「もう、どうしていつもそんな態度なの?最近お姉ちゃんおかしいよ。」
「なつみの方が楽しそうにあの人と話してるじゃない。なつみだって好きなんでしょ、あの人のこと。」
布団の中からくぐもった声が聞こえる。
「ごめんね、最近どうしても来たがらないの。」
「いいよ、あいつだって病気が重くなったら大変だし。」
「修学旅行も来なかったね。」
「2年のときは、もっと明るかったのにな。」
試合の帰り道、安倍さんとジョンは夕暮れの商店街を歩いていた。
- 282 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/03(土) 23:15
- 安倍さんがレコード店の前を通りかかったとき、
「あ、ビートルズのレコード!」
当時、日本中で一世を風靡したビートルズの新しいレコードが並んでいた。
「お姉ちゃん、ビートルズ好きなんだぁ・・・。」
「じゃあ、これをやるか。」
「えっ?」
「親父が2枚買ってきちゃったんだ。今日、ついでにあげようと思ってたから。お見舞いってことで。な?」
「ありがとぉ・・・。」
レコードの入った袋を嬉しそうに抱え、自然と2人の足取りも早くなった。
- 283 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/03(土) 23:21
-
「あ、なつみちゃん!!」
そんな2人の前へ、近所のおばさんが慌てて走ってきた。
「どうしたんですか?」
「大変だよ!!お姉ちゃんの病気が急に・・・。」
「・・・。」
2人の顔から笑顔が消えた。
「おい、急ぐぞ!!!」
「うん!」
2人は走った。苦しくて苦しくてうまく呼吸ができなくなっても走った。
「お姉ちゃん!!」
- 284 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/03(土) 23:29
-
安倍さんたちが部屋に入ったとき、両親とお医者さんしかいなかった。
「なつみ・・・。」
お姉さんの細い腕が宙をさまよう。その手を安倍さんは両手で握った。
「なつみ・・・こんなところで何してるの・・・学校に遅刻するわよ・・・。
今日の給食も揚げパン?だったら、また内緒で持って帰ってきてね。」
「お姉ちゃん、しっかりして!」
「しっかりしろよ!今お前の好きなビートルズのレコード持ってきてやったんだぞ!」
ジョンの言葉も、もう耳に入らないらしかった。
「スイカ割りはもうしたの?ひどいわね、あたしだけ誘わないなんて・・・。
あの人も呼んだでしょう?あたしはね、あの人が好きなの。ふふ・・・驚いた?」
お姉さんの目は、誰も見ていなかった。ただ、どこか遠くを見つめている。
安倍さんの涙がポタポタとお姉さんの顔に落ちた。
- 285 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/03(土) 23:36
- 「あたしね、世界でいちばん幸せ者よ。なつみっていう妹がいるから。
あたしと同じ顔で同じ体格で・・・まるであたしが元気に走り回ってるみたい。
ベッドの中ばかりで過ごしたけど、なつみがあたしの分まで健康に育ってくれたのよね。
他の子より何倍も幸せだったわ・・・。」
「お姉ちゃん、死んじゃダメだよ!!まだあたしの持ってきた揚げパン食べてよ!そしたらおいしいって笑ってよ!
野球の試合も見に行こうよ!一緒の高校を受験して仲良く通おうって約束したじゃん!死んじゃダメだよ、お姉ちゃん!!」
「なつみ・・・。」
お姉さんの頬にスッと一筋の涙が流れた。
「ありがとう・・・。」
- 286 名前:OK牧場 投稿日:2004/04/03(土) 23:38
- 更新終了です。
まだ・・・待っててください・・・。
後藤さん・・・待っててください・・・。
- 287 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/04(日) 21:40
- 「お・・・お姉ちゃん!!!」
静かに目を閉じ、握った手の力が抜けた。
「ウソだろ?ウソだろ?お前たちは2人いないとダメなんだよ!
2人で生きてくために神様が双子にしたんだよ!!」
ジョンも涙を流した。お姉さんの首には、ジョンと同じお守りがついていた。
- 288 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/04(日) 21:47
-
――7ヶ月後――
卒業式のあと、あの空き地に2人はいた。
「お姉ちゃんに怒られるかな。」
「何だよ、いきなり。」
「あたし、お姉ちゃんと一緒なの。好きな人。」
「・・・?」
「その人に早く告白しなきゃ、お姉ちゃんの分も。高校に行ったら離れ離れになっちゃうし。」
大きく深呼吸して、安倍さんはジョンのほうを向いた。
「昔からね、好きだったの。あなたのことが。2人とも、いっつもいじめられてたけどなぜか心強かった。
月光仮面より仮面ライダーより鉄腕アトムよりヒーローに見えた。」
自分の言ったことに少し笑って、
「だから・・・好きだって言いたくて。」
- 289 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/04(日) 21:52
-
ジョンは少し悩んでから、じっと安倍さんを見つめた。
「・・・ごめん。」
「あはは、やっぱりダメだったかぁ。」
「い、いや!正直、すごく嬉しいんだけど。ただな、それでオレたちが付き合ったらあいつに悪い気がしてさ。」
「え?」
「安倍の双子は両方、このオレを好きになってくれたんだ。オレにはどっちも選べない。」
「どこまでもお人好しなんだから。」
- 290 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/04(日) 22:04
-
「ところで、お前メガネ変えたら?絶対かわいくなるぞ。」
「あぁ、これ?」
初めて安倍さんがジョンの前で自分からメガネをとった。「漫才の人みたいでしょ。」
「このメガネね、お姉ちゃんが好きだったの。」
「そのメガネを?」
「うん。あたしがメガネをつくるとき、いつもあんまり笑わなかったお姉ちゃんがあたしがこのメガネをしたのを見てすごく笑ったの。
久しぶりに見た笑顔だから。いつまでもこのままがいいって、このメガネにしたの。
このメガネのせいでいじめられても、かまわなかった。」
安倍さんのメガネは今ではボロボロだ。だからウチも以前、安倍さんに言ったことがある。
「安倍さん、そのメガネ変えたらどうですか?変えたら、絶対にモテますよ。」と。
そしたら「いいのいいの。これでも思い出と一緒に使い込んであるから。」と笑顔で答えた。
- 291 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/04/04(日) 22:08
-
あのあと、ジョンはアメリカへと引っ越していった。
安倍さんは、ジョンからもらった制服の第2ボタンを宝物にして大切に持っている。
・・・これが安倍さんの少し苦い初恋の思い出。
- 292 名前:カモノハシ 投稿日:2004/04/20(火) 23:03
- お久しぶりです!
今日まとめて読まさせていただきました。
思わず引き込まれてしまいました。
これからも頑張って下さいね!
- 293 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/06/14(月) 19:42
- 「よっすぃー、おはようさん。」
「・・・え?」
また目が覚めた。窓の外には太陽が。そしてここはアパート。
「ゆ、夢だったんじゃないか。やっぱり」
だって、ラジオからは去年の流行歌『学生街の喫茶店』が流れている。
当たり前のような、でも少しがっかりしたような・・・。
「どやった?安倍さんの小さい頃。」
あいぼんがニィッと笑う。「感動したやろ?」
「・・・ってことは・・・。」
「次は飯田さんにしよか。」
ウチは、あいぼんの言葉も聞かずに隣の部屋に行った。そしたらすぐ安倍さんに言ってあげよう。
「そのメガネ、ずっと大切にしてくださいね。」と。
- 294 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/06/14(月) 19:56
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「いやぁ、よかったよかった。」
「何や吉澤。さっきからずっと『よかった』って。いいことでもあったん?」
「秘密です。中澤さんには教えないもんねぇ、あいぼん。」
「なぁ、よっすぃー。」
「けっ、気色悪いわこの2人。いきなり仲良うなって。」
バイト先の喫茶店。梨華ちゃんを入れた4人で話していると、誰かが入ってきた。
「おぉ、カオリ久しぶりやんか。」
「裕ちゃん、ごめんね。絵がずっと仕上がらなくて、お店に来れなかったんだよ。」
飯田さんは、あいぼんの隣に腰掛けるとアイスコーヒーを頼んだ。
「そうや!」
あいぼんは思い立ったように飯田さんを見た。
「あいぼん、ご飯粒ついてる。」
あいぼんが、カレーを食べていたせいだろう。飯田さんは、あいぼんの口のまわりについたご飯粒をとった。
「ふふ、かわいい。」
- 295 名前:1973年のラブソング 投稿日:2004/06/14(月) 20:13
- 何がおこったか分からないような目であいぼんはボーッと飯田さんを見た。
飯田さんをお母さんの面影に重ね合わせていたのだろうか。
「ち、ちゃうねん。そうやなくて、飯田さんの初恋っていつですか?」
どぎまぎして、恥ずかしそうに俯いてしまった。
「え、カオリ?・・・話すと長くなるよ?」
「かまへん、かまへん。裕ちゃんも興味あるさかい、一緒に聞いたる。」
中澤さんは、いつもより少し早めに店を閉めた。
「そこまでして聞く価値ないと思うよ、カオリの話。」
「ええの、ええの。」
梨華ちゃんも飯田さんの話を聞く気満々だ。
飯田さんは、少しだまりこんで重々しく口を開いた。
「本当は・・・本当は、一生誰にも言うことはないと思っていたんだけど・・・。」
飯田さんは、こんな話をしてくれた。
- 296 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/10/05(火) 23:04
- いいお話ですね。
待ってます。
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