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蜜蜂のうた

1 名前: 投稿日:2002年10月24日(木)19時28分49秒
いしよしです。

とても単純な、ごく普通の、恋話です。
ただそれはちょっと変わっていると言えば変わっているのかも、しれません。
2 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時29分59秒

3年目の真実。

これと言って、何も変わってないけどね。
マジで、
悶々と悩んでるのがアホくさくなるくらい、うちらは変わらなかった。

3 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時31分50秒

あの子は相変わらず。

やっぱり、何かやらかせば下唇を噛むし。
やっぱり、物事に集中すると、口開けっぱになってるし。
やっぱり、テンション上がったら誰にも止められなくて。
やっぱり、黒目がちな目が、結局何を見てるのかは掴めなくて。


やっぱり。



(やたら不器用だし、何か空回ってるし)
(寝る時のマスク姿が愛しくて)
(最近、髪が伸びた。)
(実はすごく女っぽくなったな、ってどきどきしてる)
(あたしを呼ぶ回数は前よりずっと少なくなった)


結局、あの子だった。

(あたしは)


強くありたいと、願った。

4 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時33分27秒

オレンジジュースをコップにそそぎながら、
キャラメルなんて舐めていた。

あの子を待ってる朝方早く。
あたしは一人でヘッドホンに耳を傾ける。
FMラジオのやけに耳障りなざらざらしたボイス。
右から左にそれを流して、あたしは梨華ちゃんのことを考えてみた。


なんだか空虚な毎日の中で、あの子はあたしにとってただ少しの刺激。
本当にただほんのちょっぴりの改革。
なんてことはない。

おもしろいだけ。何故か知らないし、判ろうとも思わないけれど。
梨華ちゃんがいると風景が変わるから。
褪せた視界に少しだけ灯火がちらついたりする。

収録で、撮影で、レコーディングで、
呆然とそこにいて、ただ笑えと言われた瞬間の脱力感が
梨華ちゃんがいると軽くなったりする。

なんでだろうね。
知らないけど…、判ろうとも思わないけど。
5 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時34分26秒


この馬鹿げたことをし出したのは、ごく最近。

「よっすぃーって、いつも朝早くに来てなにしてるの?」
「や、別になんもしてないけど」

「ふぅん…」



「わたしが、来てあげよっかー」

口元にすこし笑みを浮かべて、梨華ちゃんは小さく呟いた。
あたしはそれを見て、聞かない振りをした。

6 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時35分24秒

次の朝、ドアを開けたあたし。
一等先に聞いた言葉は、

「今日の一番乗りは、わたしー。」


何でも一番が好きなの。だから早く来ることにしたの。昨日決めた。
明日からどっちが先に来れるか、競争しよう。


…なんて、本当は暇つぶしに付き合ってあげたいだけだったりして。

照れ隠しの甘い匂いのする笑い顔がかわいかった。
一方的に言葉をぶつけられて、あたしはちょっと顰め面。
後で、なによその眉間の皺、なんて指摘された。
7 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時36分44秒



「…あーあ。」

このところ、二日連続であたしの勝利だ。


勝つのは嬉しいけど、勝ったら勝ったでなんかが寂しい。
ただ最近思うのは、また負けちゃった。って笑うあの子の最近。


たまに言う、
「よっすぃーって、なぁんかいいよね。」
三日に一度は、聞いてる。

一緒にいて落ち着くよ、って言われた時の自分のにやけた顔。

負けようって思って、用意しても先についてしまう馬鹿正直。
8 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時38分14秒


梨華ちゃんと空を見上げたらどんなだろう?
梨華ちゃんと手を繋いだらどんなだろう?
梨華ちゃんとキスしたらどんなだろう?


そんな気紛れな好奇心に任せて、あたしは今までに
たくさんの人と最後には体を繋いだ。

それで相手が少し喜ぶのを見て、
あたし自身
なんだこんなものかと毒を吐いてきた。

たぶん今回もそれだよ。
最後まで行って、突き当たる。
最後まで行ったら、あたしの方からさよならする。
だって嫌になっちゃうんだ。
あたし、特別をつくるなんていってないのに。

あぁ、こーゆうのは、嫌だ。
梨華ちゃんとはもっとシンプルな仲でいよう。
9 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時39分33秒


そういえば、この前自分達の曲を聴きながら、話した。


「あんさぁ、梨華ちゃんは信じる?」

「なにを?」

「永遠の愛とか、っつーやつ」

「…うーん。」


「ね、どうよ?」

「わたしは、信じない。」

「え?」

「信じない、っかな」



わけあり素顔、横顔、いっつもあたしの前では笑顔。
わかんないよ。
10 名前:べつに、こんなの。 投稿日:2002年10月24日(木)19時40分14秒

さっき入れたジュースを一口。
ゆっくりと喉を通って、じわじわと浸透してくるかんじ。

窓を開けて、空の青を見上げて、風を吸って。



「ありゃ、やっぱ今日も負けちゃいましたか」


あの子が登場する。

11 名前: 投稿日:2002年10月24日(木)19時41分04秒
ありきたりかもしれませんが、頑張ります。
始まったばかりです。

どうぞ宜しくお願い致します。
12 名前:名無し読者 投稿日:2002年10月24日(木)21時55分10秒
おもしろい!!
続き、首を長くして待ってマス。
13 名前:オガマー 投稿日:2002年10月24日(木)22時55分23秒
なんだか、この作品の雰囲気、すごく好きです。
期待(w
14 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月11日(月)21時24分50秒
おもしろいです。とても。
なんだろうな、雰囲気が好きな感じでイイです。
続き楽しみにしてます。
15 名前:ひとみんこ 投稿日:2002年11月12日(火)08時41分26秒
ありきたり、大いに結構、王道を行ってください。

楽しみにしています。

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