心行くまま短編集。

1 名前:如月 投稿日:2002年11月29日(金)18時54分50秒
ハジメマシテ。如月と申します。

皆さんの読ませて頂いてるうちに、自分も書きたくなってしまいました。
極短なモノしか書けませんが、よろしくお願いします。

いしごまラブな人間なので、カップリングは勿論いしごまで。

ではよろしくです。
2 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)18時56分57秒




「何だ・・・。楽しそうじゃない。」



ホッとしたのも確か。

でも良く分かんないモヤモヤした気持ちがあるのも、確か。



彼女が娘。を脱退して。


まぁ勿論。


デビュー当時からソロへの道が約束されていたようなものだったけれど。


いつかは絶対に訪れるとは分かってた瞬間が。

あんなに早いものだとは分かってなかった。


すごい泣いた。


彼女も泣いてた。



だけど。



「ごまっとう・・・。仲良くやってるみたいじゃない。」



あんまり周りに合わせたりっていうのが得意じゃないコだから。

あの仲良し二人組みと一緒にちゃんとやってけるのかなって心配だった。


でもさっきまでブラウン管に映ってた彼女は楽しそうにしてた。

お仕事だということを差し引いて見ても、上手くやってるみたいだった。


3 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)18時59分00秒


安心したし、嫉妬した。

・・・なんで手ぇ繋いじゃってるのよぅ・・・。



「ごっちぃ〜ん・・・」



我ながらなんて情けない声を出せるのだろうか。

感心してしまった。


♪♪♪〜


携帯が騒ぎ出す。


「・・・の〜プライドなんても〜♪・・・」


着信音に合わせて口ずさむ。

この曲は、ごっちんからの着信。


「もしもし?」

『・・・・・・』

「もしもし。ごっちん?」

『・・・・・・』


え、なんで無言なの。


「ごっちん?お〜い。真希ちゃん?」

『・・・全く参っちゃうよ』


‘ふっ’って軽い笑い声が聞こえて、やっと喋り出したごっちん。


「なにが?」

『あ、見てくれてた〜?うたばん。今日ごとー出たんだよ?』


話し噛み合わないのは相変わらず。

ああ、ごっちんだなぁ。


「ん。見てたよ。可愛かった。」

『んはは。アイガトゥ。』


4 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)18時59分40秒


クラクションの音が、携帯越しに遠くに聞こえた。


「あ、ごっちん、今外?」

『ぅん。寒いよ今日は。』

「じゃぁ早くおうち帰りなよ。今何処?」

『ってかさぁ。ごとー、多分一人へーきだと思ってたわけさ。』

「・・・?うん・・・?」


また話が飛んだよ?


『むしろ一人の方が楽だみたいなくらいの勢いだったじゃん?昔。』

「・・・かな。」

『でもさぁ〜・・・なんかさぁ・・・』

「・・・うん?」


なんか。私の方が涙でそうだよ・・・。


『言っちゃってもイイ?』

「・・・いいよ」


「『淋しいよ―――――ぅ!!』」

「え、ごっちん!?」



5 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)19時00分22秒


何で玄関からも声するの!?

バタバタと慌てて玄関を開いた。


でも目の前には誰もいなくて。

視線を落とすとドアの横にしゃがみ込んでるごっちん発見。



「・・・何してるの!?」


驚いて気が動転して、目の前にごっちんいるのに携帯に言葉を吹き込んだ。



『あはっ。梨華ちゃんピンクvv』



目の前に私がいるのに携帯からセクハラかますごっちん。



「ナッ・・・!!」

「冗談。」



真っ赤になってスカートの裾を押さえる私を見て。

満足そうに笑って携帯を切る。

それを見て私も慌てて切って、ごっちんの前にしゃがむ。



6 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)19時01分59秒


「ゴメンね。来ちゃったよ。」

「何ソレ〜。遠慮なんてごっちんの辞書には無いでしょうが〜」

「ううん・・・。これからハシダスガコドラマ見るのに梨華ちゃん・・・。」

「見ないヨッ!!」



ごっちんが言葉遊びしたがってるから。

私も笑顔で付き合う。

甘えてくれてるのが嬉しかった。



「寒くない?」

「気にしないで。梨華ちゃんが寒いのはいつもノコトだし。
 それに最近はだいぶ成長したってみんな言ってるよ?自信持って?」

「そ〜ぉじゃなくて!」



こうやって。

二人でもしくはメンバーみんなと。

笑いあってからかいあって。

楽しかったし、勿論現在進行形で楽しい。

柔らかい空気。

でも。当たり前にいたアナタが、今はいない。


7 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)19時02分44秒



「寒くない?」

「だから寒いってば。中入ろ?ごっちん」



立ち上がってごっちんの手を引く。

素直に連れられて立つごっちん。

でも急にぐいっと逆に引きよせられた。

背中から、ポスンとごっちんの胸に収まる。



「ねぇ梨華ちゃん。」

「なぁにぃごっちん?」



抱きしめられた腕があったかくて、目を閉じてみた。



「んぅ〜〜・・・なんでもないや。中入ろ。冷えちゃうね。」



後ろから私を抱き締めたまま、ぐいぐいとごっちんが前に進む。

多分ごっちんが、私に言いたかったこととか、聞きたかったこととか。

なんかちょっと分かる気がするから。


だから、バタンとドアを閉めて、ガチャンと鍵をかけたら。



8 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)19時03分31秒



「すごいね、淋しかったよ?」

「ん?」

「ごっちんに会えなくてね、泣いちゃいそうだったよ。」

「梨華ちゃん・・・」

「だから、今日は・・・ちゃんとあっためてね?ごっちん」



抱き締めてくれてる腕を解かないで、顔を後ろに向けて軽くちゅう。

呆けた顔してたけど、そのあとすごい嬉しそうに優しく笑ってくれたから、

たまにはこんな恥かしい台詞を言ってみるのもいいかなって思った。




9 名前:+++あったかい+++ 投稿日:2002年11月29日(金)19時04分55秒






















って思ったけど。あったまるという度を越しちゃって大変だったから、
もう二度と言わない・・・。

限度を知ってよごっちん!



     終わり
10 名前:如月 投稿日:2002年11月29日(金)19時06分10秒
ああ訳分からん・・・。

お目汚しを。

読んで下さった方、ありがとうございました。
11 名前:名無しの読者 投稿日:2002年11月29日(金)21時44分25秒
いいですねぇ。いしごま最高ですね。
12 名前:名無し読者 投稿日:2002年11月29日(金)22時05分08秒
面白いです^^
こんな今どきのコのごっちんもおっけー(w

いしごまが一番スキなので、期待してます。
頑張ってください〜
13 名前:名無し読者。 投稿日:2002年11月30日(土)00時10分58秒
寒い日は、こんないしごま小説があったまりますなぁ
14 名前:名無し蒼 投稿日:2002年11月30日(土)02時50分30秒
いしごまいいですね!
自分も好きなんでがんがってください。
15 名前:+++食べたい+++ 投稿日:2002年11月30日(土)12時18分20秒


おなか空いた〜って騒いだら。

あ、ホントだ。もうこんな時間。

って言って立ち上がった梨華ちゃん。

ぴたりくっ付いて。

美味しい状況だったのに・・・。

急に寒くなった隣の空気を見つけながら。

ごとーはなんて事を口走ったんだ、と悔やんでみる。

ゴハンより梨華ちゃん食べたかったよぅ・・・。



16 名前:+++食べたい+++ 投稿日:2002年11月30日(土)12時19分21秒


台所でお昼ご飯作る梨華ちゃん。

エプロン着けて。

もちろんピンクのエプロン着けて。

ん〜まぁ、ごとーの趣味を言わせてもらうと、
白のひらひらとかサイコーだと思うんだけど・・・。

まぁ置いといて。

梨華ちゃんは可愛い。

ちょっと黒いけど可愛い。

時々微妙にぷよるけど可愛い。

結構寒いコト多かったりするけど可愛い。

可愛い可愛い可愛い可愛い。


17 名前:+++食べたい+++ 投稿日:2002年11月30日(土)12時20分02秒


「ぅ〜・・・ぁう・・・カワイイ・・・。」

「ん?何か言った?」

「可愛い。」

「は?」

「食べたい」

「まだダメだよ。生だよコレ」

「生じゃダメ・・・じゃあ煮るか・・・お風呂?」

「煮ないし、お風呂じゃ煮えないよ?」

「じゃあやっぱごとーの熱い気持ちで溶かす?」

「あ、手伝ってくれるの?じゃあハイ。
 コレ切ってネ。パスタ茹でちゃうから。」

「・・・分かってて言ってるでしょ。」

「何がァ?」

「梨華ちゃんもかわすなんて芸当が出来るようになっちゃったんだね・・・
 誰の入れ知恵だよまったく・・・娘。の環境も悪くなったなァ。」

「ハイハイバカなコト言ってないで。手動かす。」

「・・・りょーかい。」


重い腰を上げて梨華ちゃんと一緒に台所に立つ。

18 名前:+++食べたい+++ 投稿日:2002年11月30日(土)12時21分06秒


「ん。イイ子。」

「年上ぶってる〜」

「イヤ年上だからね?」


ま、がっついてもしょーがないしね。

お楽しみはゆっくりと。

あとでじっくりイタダキマショ。






「ごっちんドコ触ってんの。」

「柔らかいねぇ。」

「今日はダメ!ってゆーか昼間っから何考えてんの。」

「え〜、夜までお預け?」

「ってゆーか今日はダメ。」

「ええそんな!!ウソでしょ梨華ちゃん!?」

「ウソじゃない。今日は待ったり過ごすの。」

「そんなぁ〜」

「ダメったらダメ。お預け!!」

「うっそぉ〜〜〜〜〜!!!(涙)」
19 名前:如月 投稿日:2002年11月30日(土)12時28分25秒
ハイ。更新終了です〜。

こんな話読んでくださって、その上感想くださってありがとうございます!

>名無しの読者様

いしごま最高ですよね。
文麿様終わっちゃって、萌えの行き場所が無くてついに書いちゃいました(笑)


>名無し読者様

如月の中で、結構飄々としてるイメージなんですよね、後藤さん。
だからこんな感じに。
お気に召したら嬉しいです。

期待なさらず、お待ちくださいね。

>名無し読者。

あったまっていただけましたか!
嬉しいお言葉です♪

>名無し蒼様

ありがとうございます。がんばります★
最近萌えネタ無くて・・・。


感想いただけるって嬉しいですね〜。
調子に乗ってまた書いてしまいましたよ〜。
では、読んでくださってありがとうございました。
20 名前:如月 投稿日:2002年11月30日(土)17時48分33秒
あ、しまった。『終わり』付けるの忘れてた・・・(爆)
21 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月02日(月)17時42分42秒
新作のいしごま発見。不足気味なので嬉しいです。
短編好きなんで楽しみにしてます。
22 名前:如月 投稿日:2002年12月27日(金)18時45分36秒
え〜と、間に合いませんでした(爆)
数日遅れですがイブ話です。

読んでくだされば幸いです。ではどーぞ。
23 名前:+++幸せなフタリ+++ 投稿日:2002年12月27日(金)18時47分29秒
「ねぇ真希ちゃん。チョコにする?それともシンプルに生クリーム?あ、アイスってのもあるよね!」

「梨華ちゃんの好きなように。」


張り合いないなぁなどと、ブツブツ言って再びケースに視線を戻す。


モーニング娘。石川梨華(17)

彼女は今悩んでいる。

ガラスのケースの向こうに並ぶのはどれも美味しそうに輝く色とりどりのケーキ達。
すべてが自分に『買って!』と訴えている。


――――――――――ように見えるらしい。



24 名前:+++幸せなフタリ+++ 投稿日:2002年12月27日(金)18時48分04秒



うーんうーんと飽きることなくケーキと睨めっこを続けること早や10分。


そんな後姿を少々呆れ顔で見守る人物。



元・モーニング娘。後藤真希(17)

現在ソロ活動絶好調な彼女。

最近スケジュールがあわず、ほとんど会えない、淋しがりやな愛しいコイビトのために。
彼女の好きそうな可愛らしい雰囲気のケーキ屋をバッチリリサーチ。

案の定、彼女はとても喜んでくれて。
可愛い笑顔を見せてくれて。

自分的に凄く満足なのだが。

ちょっと気に入ってくれすぎた。
全く決まりそうな気配がない。

何か口を出そうものなら拗ねるか凹むか怒るかなのでそっとしておく。

まぁ惚れた弱みというものか。
年上ぶりたがるコドモな彼女がとても可愛く感じる。



しかしある事実に、そんな悠長なことも言っていられない状況に置かれていることを、後藤真希は気付いた。


25 名前:+++幸せなフタリ+++ 投稿日:2002年12月27日(金)18時48分40秒



『ねねね!あれゴマキじゃない?』
『ウッソマジ!?どこどこ!』


――ハイヤバイよ〜。

一応目深にキャスケットはかぶっている。
色の薄いサングラスも着用している。

けれど立っているだけでぱっと目を引く彼女に、今まで周りが気付かないほうが不思議なくらいだった。


後藤真希は考える。

くるり店内を見回す。


なんだかそろそろあの辺の女子高生らしいグループに声をかけられそうだ。
でもまだ向こうも確証を持っていないだろうから、今なら逃げることは出来る。



問題は。



「ねぇ真希ちゃん!三つとも買っちゃおうか!」



――アウトだ。



26 名前:+++幸せなフタリ+++ 投稿日:2002年12月27日(金)18時49分16秒


特徴的なアニメ声を隠そうともせず、思い切りトップアイドルの名を呼ぶトップアイドル。

本日はサングラス無着用。
しかもニット帽を軽くかぶっているだけ。



『あの声石川梨華だ!今の絶対石川梨華だ!』
『あ!アレほら石川だって!』


「〜〜〜梨華ちゃん」
「ん?なぁに真紀ちゃん?」



満面の笑み。
幸せ満開の声。



「・・・後藤のマケ。」
「ふえ?」


一つタメ息ついて。
そして柔らかく微笑んだ。


27 名前:+++幸せなフタリ+++ 投稿日:2002年12月27日(金)18時50分26秒


「ごとーはタルトが食べたいねぇ」


急に乗り気な真希に、一瞬不思議そうな表情を見せたが、すぐに嬉しそうに笑った。


「え〜?選択肢増やさないでよぅ」
「なーんで。あ、キッシュもいいねぇ」
「も!決める気ないでしょー!?」
「梨華ちゃんだってさっきから全く決まる気配なかったじゃ〜ん」
「そんなことないよ!!」
「あははは!」
「何で笑うの!」
「何で必死なの(笑)」


今にも声をかけてきそうな雰囲気だった女子高生たちが行動を起こさないのを少し不思議に思いながら、
それでも真希は久々の梨華とのデートを楽しむことにした。


「あ、ティラミスはティラミス!」
「ま〜た梨華ちゃんは〜。」
「えーじゃあジャンケン!」
「んはは!なんのジャンケンなのさ」
「だから!キッシュとティラミス!」
「あ〜もうみんな買っちゃおうよ〜」
「ダメだよ!」
「何で」
「太っちゃうでしょ!」

ふ〜ん、と興味なさそうに呟いて、少し意地悪く微笑むと、梨華の耳元で囁く。

「その後動けばイイんだよ。」
「動くって・・・」
「イブだし。」

少し間があって、一気に顔を赤くする梨華。

28 名前:+++幸せなフタリ+++ 投稿日:2002年12月27日(金)18時50分58秒

「あは!真っ赤」
「真希ちゃ・・・ッ」
「よっしゃ!すいませーん!」

その反応を嬉しそうに眺めながら、結局後藤は一切れずつ様々な種類のケーキを注文した。



「ありがとうございましたー」


店員の明るい声に送られて、二人は店を出た。
真希は両手に重そうな買い物袋をぶら下げ、
石川はたった今買い込んだケーキを軽々と持ち、後藤の腕に絡みつく。


「・・・なるほど。堂々としてれば平気なんだな。」
「?何がぁ?」
「梨華ちゃんは気にしなくていいけどさ。ごとーといるときは。でも一人のときはもちょっと自覚しなきゃダメだよ。」
「だから何が?」
「とりあえずコレあげるから、外いるときは常にしてなさいね」


そう言ってかけていたサングラスを石川にかける。


頭に疑問符だらけの石川。
その石川を微笑んで見つめる後藤。



29 名前:+++幸せなフタリ+++ 投稿日:2002年12月27日(金)18時52分52秒



彼女達は知らなかった。


女子高生たちが、声をかけなかったわけではなく、かけられなかったことも。

先ほどの店で、うら若き乙女達が顔を赤く染めてきゃきゃあと、
今聞いてしまった国民的アイドルの衝撃的会話について語り合っていることも。


幸せなフタリは気付きもしなかった。 


   オワリ
30 名前:如月 投稿日:2002年12月27日(金)18時55分42秒
遅れたうえにやっぱり意味不明だし。

すみません。お目汚しを。
読んでくださった方、ありがとうございました。


>21様

読んでくださってありがとうございます。
先週梨華麿出てかなりテンション上がっちゃって再び更新です〜。
31 名前:いち読者 投稿日:2002年12月27日(金)20時25分30秒
実際にいしごまの2人ってこんな感じなんだろうなぁと思ってしまいました。
甘々な関係マンセー!(w
かなりツボです。更新ありがとうございます!!
32 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月28日(土)20時02分37秒
幸せなフタリ良かったです
梨華麻呂見るとテンション上がるのわかりますよ
来年も作者さんのテンションが上がる事があるといいな
33 名前:名無しごまファン 投稿日:2003年01月01日(水)03時17分05秒
いしごま最高です…
34 名前:如月 投稿日:2003年01月02日(木)02時27分34秒
またもや遅れてしまいましたが・・・。

あけましたネ記念てことで・・・。
読んでくだされば嬉しいです。ではどうぞ。
35 名前:如月 投稿日:2003年01月02日(木)02時28分12秒


『明日も仕事だよね。会えないけど、お互い頑張ろうね。』


生放送を終えた私を待っていたのは、
携帯に残るのは、愛しい声の、淋しいメッセージ。

メンバーと一緒にホテルへ向かう。
部屋に着き、一息つく。



♪♪♪〜
♪♪♪〜




36 名前:+++メッセージ+++ 投稿日:2003年01月02日(木)02時29分46秒




「ごっちん!?」

『おお早い。ツーコール目。』

「どうしたの?」

『今忙しかった?』

「ううん。もうホテルだから・・・」

『可愛かったよ〜梨華ちゃん♪』

「え・・・ああ、紅白?見てくれてた?」

『あたりまえじゃ〜ん。』

「そっかv」

『もう抱き締めたいくらいの勢いで可愛かった。』

「えへへへ〜てれるなぁ」

『本気にした〜』

「本気じゃないの!?」

『あはは〜』

「ちょっと!!」

『まぁそんなコトは置いといてさ。』

「全然そんなコトじゃ・・・」

『今空見える?』

「・・・」

『も〜梨華ちゃん!可愛かったに決まってんじゃん!』

「・・・ふふ」


37 名前:+++メッセージ+++ 投稿日:2003年01月02日(木)02時30分16秒

『うわ単純だ〜』

「んふふ、いーの〜」

『ふふ。ま、いいや。ね、外見える?空。』

「ん、待ってね。・・・うん。OKだよ〜。」

『ウン。でね、ごとーも今空を見上げてるのさ。』

「あ、ほんと〜?今日星綺麗だね〜雪降るって言ってたのにね〜。」

『・・・3・・・2・・・で。・・・・・・あけたんだよね・・・。』

「あ、うん!あけましておめでと〜!」

『ハイおめでと。・・・うん。で、多分ごとーも同じ星を見てると思うんだ。』

「・・・うん?」

『今、傍にはいれないけど・・・』

「・・・うん。」

『でも同じモノ見てるし・・・』

「・・・うん」

『ごとーは梨華ちゃん大好きだから・・・』

「・・・」

『梨華ちゃん?』

「・・・アリガト・・・でも・・・」

『・・・?』

38 名前:+++メッセージ+++ 投稿日:2003年01月02日(木)02時30分57秒

「来年は・・・来年の今日は。出来たらもっと傍に。ごっちんを感じてたいな・・・」

『・・・梨華ちゃん』

「ふふ・・・好きだよ?」

『・・・』

「大好きだよ真希ちゃん」

『・・・・・・』

「ま〜きちゃん?」

『・・・ウン、ごと―も・・・』

「え〜?ヤダ。ちゃんと言ってよ〜。」

『んえ〜・・・』

「なにそれぇ。いいじゃな〜い。」

『うぇ〜?』

「お年玉〜ぁ。」

『・・・ゴトーのが年下なんだけど。』

「そんな時ばっか年下ぶって!」

『こんな時ばっか年上のプライド捨てて・・・』

「いいじゃない。・・・言ってよ。」

『・・・・・・・・・・・一回だけね。』

「うん!」

『一回しか言わないからね?』

「OK!!」

39 名前:+++メッセージ+++ 投稿日:2003年01月02日(木)02時31分27秒

『・・・・・・・・・』

「ごっちん!」

『んぁハイハイ!』

「早く♪」

『・・・ぅん〜・・・・大好きだよ・・・・・・・・愛してる。』

「・・・・・・・・」

『・・・・・・・・』

「・・・・・・・・・」

『・・・・ちょっと梨華ちゃん・・・?ひいたとか言わな』

「ッきゃああああああああああああ!!!!!!!」

『!?』

「ありがとう!真希ちゃん大好き!!着信音コレにするから!!」

『り・・・ッ』

「あ〜vv上手く録音できてるといいなぁvvv」

『ろ・・・録ッ・・・』

「真希ちゃんも明日はもうお仕事だよね!?じゃあね!!おやすみなさい!!」

『ちょ、梨華ちゃん!?』

「みんな!!コレきいてコレ!!」

『梨華ちゃん!?ちょっと待ってみんなって何!!梨華ちゃ』




40 名前:+++メッセージ+++ 投稿日:2003年01月02日(木)02時31分57秒










切る瞬間に電話口からかなり慌てたごっちんの声が聞こえた気がするけど。

でも今私は幸せ。

スゴイ幸せ。

だって。



携帯に残ったのは、愛しい声の、甘い甘いメッセージ。
41 名前:如月 投稿日:2003年01月02日(木)02時38分54秒
セリフだけかよ!(突っ込まれる前に)

こんなんで申し訳ないです。
読んでくださった方、お目汚しを。


>31 いち読者様

実際のいしごまを感じてくださったなんて!
最高の褒め言葉です。
ありがとうございます!!

>32 名無し読者様

読んでくださってありがとうございます。
如月も、テンションバカバカ上がることを期待しています!

>33 名無しごまファン様

いしごまは最高ですよね〜!
あの雰囲気が、如月はたまらなく好きなんです。
今年も萌えさせてくれることを祈りませう。
42 名前:如月 投稿日:2003年01月02日(木)02時39分37秒
・・・しまった。また『終わり』をつけるの忘れた・・・
43 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月03日(金)03時40分54秒
新年早々から萌えさせてもらいました。
あぁ〜初夢でいしごまが見れますように…
44 名前:kou 投稿日:2003年01月06日(月)00時20分53秒
こちらのいしごますごく自然で最高です!!
ほんとに二人がしてそうなお話ばかりで萌えさせてもらいましたよ。
続き期待です!
45 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月06日(月)22時56分49秒
メッセージ最高です
新年早々萌え(^^)
46 名前:如月 投稿日:2003年01月09日(木)21時13分51秒
先週のハロモニ、文麿様がいなくて淋しい感じでした(笑)
でもOPに萌えでした。
そんな些細なことに萌えられる如月です。(何)

それではどうぞ。
47 名前:+++いってらっしゃい+++ 投稿日:2003年01月09日(木)21時15分31秒
「ん・・・」

心地良いまどろみ。
手を伸ばしてもっとキモチイイぬくもりを探す。

「んぁ・・・」

ない。

「ゥン・・・」

ない。

「にゅ・・・」

ない。


ちょっとだけ痺れた感覚の残る右腕に触るのは、
シーツに残るわずかな暖かさだけだった。


言葉にならない何かを呟き続けていても何の解決にもならないことを、
寝起きという不利な状況にあって気付いたごとーは、かなり学習能力がついてきたと、思う。

やったね。

って、一人で悦ってる場合じゃない。


梨華ちゃんいない。


48 名前:+++いってらっしゃい+++ 投稿日:2003年01月09日(木)21時16分20秒



・・・・一大事じゃん。

なんでどして何があったの!!ごとーなんかしたか!

落ち着け―落ち着けー。

考えろ。
考えるんだ。

昨日は何があった。

えーと・・・。


まず仕事が長引いた。
で、梨華ちゃんちに着いたのが予定より遅くなった。

・・・

「ゴメン梨華ちゃん!仕事延びた!」
「ごっちーん!良かった。心配しちゃったよ〜」
「ゴメーン。メール入れたんだけど・・・」
「えっ!?ウソッ!?あっホントだ!ゴメンね気付かなかった!」
「イヤ遅れたごとーが悪かったんだから・・・」
「ごめんねチャーミーやっぱり全然ダメだ・・・」
「あの、チャーミーさん・・・」
「こんなんだから中澤さんにも呆れられちゃって・・・」
「えっと・・・梨華ちゃん・・・?」

・・・

49 名前:+++いってらっしゃい+++ 投稿日:2003年01月09日(木)21時16分52秒

・・・

うん。怒らせてはいないよなァ・・・。
じゃあ次・・・梨華ちゃんの作ってくれたご飯。

・・・

「ん〜。美味しいよ〜ぅvv」
「ホントッ?良かったぁ〜」
「もうごとーなんかよりダンゼン梨華ちゃんが上だよね。」
「それはな〜。ごっちん料理上手いからな〜」
「最近可愛い奥さんが色々作ってくれるから。ごとーは料理してないし。」
「・・・」
「ちなみに梨華ちゃんのコトね?分かってると思うけど。」
「・・・」
「照れてるー」
「・・・」

・・・

50 名前:+++いってらっしゃい+++ 投稿日:2003年01月09日(木)21時17分33秒


・・・

・・・・・・・・・・・(ニヤケ)
おっといけない。照れる梨華ちゃんのあまりの可愛らしさにメロってた。
ん〜・・・これも違うよなぁ。
梨華ちゃん照れてただけだもん。

え〜?じゃあ次〜

・・・

「ごっちん、お風呂沸いたからね。」
「んぁ。アリガト。」
「あれ。」
「ん?」
「へ?え!なんでもないよ!」
「ん?」
「ハイパジャマ!いってらっしゃい!」
「・・・あ。」
「え!?」
「ふっふ〜ん?梨華ちゃんも素直じゃないねぇ。」
「何が!」
「一緒に入ろうって言っても恥かしがるくせに、誘わなきゃ誘わないで不満なんだねぇ。」
「ちがッ!!そんなんじゃないよ!」
「まぁまぁ。だいたい何を今更照れることがあるんだ。僕はもう石川さんのすべてを・・・」
「バカァッ!!早く入ってきなさい!!!」

・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・(破顔)
っと。またトリップしてた。
最近文麿なくて堂々といちゃつけなくて梨華ちゃん不足かな〜ごとー。
でもとりあえずこれも違うよなぁ・・・やっぱ照れてただけだし。

51 名前:+++いってらっしゃい+++ 投稿日:2003年01月09日(木)21時18分07秒




・・・・・・・・・・・ハッ!!

もしかして昨日激しすぎた!?

イヤイヤイヤイヤでも!
久々で!
湯上り桃色梨華ちゃんで!
濡れ髪でセクシー度3割増で
アレはヤバイでしょ!?

怒ってたかな〜
そんな風には見えなかったんだけどな〜



・・・・・・・・・(回想中)・・・・・・・・・・



フ・・・
あれは怒ってないでしょ。だって・・・まぁいいや。

52 名前:+++いってらっしゃい+++ 投稿日:2003年01月09日(木)21時19分34秒


結論。

とにかく昨日ごとーが梨華ちゃんを怒らせるようなことはなかったはずだ。
・・・じゃあなんだ。

行き止まりとなった思考をとぎるように、携帯が鳴った。
メールだ。

『おはようお寝坊さん。
 今日はお仕事入ってるから、先に出ました。
 出るときは火の元、戸締りよろしくね。』

さすが梨華ちゃん。
ごとーの生活のサイクルをよくご存知で。

てかなんだ仕事か。
良かった。

ん?もうこんな時間。ごとーもそろそろ出なきゃ。


身支度を整えて不意に気付く。

テーブルにちょこんと乗っかるお弁当。
そういえば流しには洗い物がたまってる。
片付け下手の梨華ちゃんらしい。

手作りのお弁当が嬉しいから、ココはごとーが洗っときましょう。
フライパンとかまな板とかから、お弁当の中身を予想したり、
一生懸命作ってくれてる梨華ちゃんを想像したりしながら、さっさと片付ける。

53 名前:+++いってらっしゃい+++ 投稿日:2003年01月09日(木)21時20分24秒

さてと。
火の元オッケー、戸締りオッケー。
うし。完璧。

カギを手にして玄関へ向かう。

「ん?」


そこには中央に綺麗に揃えられたごとーの靴。


可愛い言葉も甘い姿もないけど。

梨華ちゃんからの優しい『いってらっしゃい』を確かに感じて、
なんだか朝からふわふわしたあったかい気持ちになった。

「いってきますっ」


さ、今日も張り切っていきましょ―。




     オワリ
54 名前:如月 投稿日:2003年01月09日(木)21時32分07秒
・・・2連続で二人揃ったいしごまを書かないのは何故なんだ(笑)
読んでくださった方、ありがとうございました。
お目汚しを。


>43 名無し読者様

新年早々あんなものですみません。
初夢は如何だったでしょうか?

>44 kou様

お褒めの言葉感謝です!嬉しいです。
ご期待に添えられるように精進します!

>45 名無し読者様

ありがとうございます。
あんなので萌えていただけて、光栄です!
55 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月10日(金)03時39分24秒
2人揃わない所がリアルですね
卒業番組での未公開いしごま見た直後なので萌え度が倍増(^^)
56 名前:名無しの読者 投稿日:2003年01月23日(木)10時40分46秒
いしごま最高!!
57 名前:如月 投稿日:2003年02月01日(土)00時21分58秒
お久しぶりです。如月です。

すみません。
えと、出だし痛く見えて、痛くないので、安心して読んでやってください
58 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時22分43秒
「梨華ちゃん♪」
「よっすぃvv」

「ったく。よっすぃ〜石川ァ!!」


楽屋でも本番でもリハ中も。
仲良しこよしな通称いしよし。
それに突っ込みを入れる、自称セクシー隊長やぐっつぁん。


そして、それを見守る他メン。
その中のごとー。


・・・きっついな〜。



『そんなの・・・悲しすぎるっ!!』
『も〜まぁた梨華ちゃんは〜。ホンットわかんないなぁ!』


かなしーのはごとーのほうだね。
きついよ。


59 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時23分13秒


『・・・わっかんないなぁ梨華ちゃん!』


そうだよ。梨華ちゃんわかんないよ。
絶対絶っ対よしこよりごとーのほうが梨華ちゃん大切にするよ?
加護口説くコトも、やぐっつぁんに懐くことも、
カオリの犬になりたい何て言うことも、絶対ないし。


「も―――ごっつぁん!?何やってんだよ!!」
「はぇ?」
「文麿!!出番!!」
「あ・・・僕にはわか・・・」
「遅いんだよ!!」
「あははははは!」


やぐっつぁんのナイス突っ込みと、ごとーのナイスボケ(天然)に、
さっきまで(似非)涙を流してた石川さんが笑ってる。

・・・あは。


60 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時33分14秒



「梨華ちゃんカワイ〜」
「「ハイ?」」

しまった口に出してしまった。
よしことやぐっつぁんが超意外そうに聞き返してきた。

なんだよぅ。


「ごっつぁんがそんなこというなんて意外〜。」
「・・・何ソレ?」
「イヤ、ごっつぁんは石川なんて超アウトオブ眼中かと・・・」


ごとーのNGの事をすっかり忘れて感心してる。
ってか何気に失礼だよね、それ。


61 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時33分49秒



「ちょっと矢口サ〜ン!石川なんてってなんですか石川なんてって!」
「うっさい!きしょいんだお前はぁ〜!」


うりゃうりゃぁぁ!!とか言いながら。
自分より全然デカイ梨華ちゃんを羽交い絞めする。
きゃあきゃあ言いながら、技にかかってあげてる梨華ちゃん。


「・・・カワイイねぇ・・・」


再び無意識に呟いたごとーの言葉に、
すっかりワイワイ雰囲気な現場で、今度は誰も気付かなかった。
ただ、梨華ちゃんとよしこがチラッと視線を交わしただけ。

梨華ちゃんしか見てなかったごとーに、よしこの表情は分からなかったけど。
視線を交わした後、梨華ちゃんの顔が赤くなったのはわかった。

ん〜。やっぱラブラブだなぁ・・・何てコトを再確認して、
軽くブルー入った感じ。


62 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時34分29秒


ま、ごとーもプロですから。
その後は何事も無かったかのように文麿やったさ。
届くことのない想いを抱いた相手の肩を抱いて。
ま、いつもよりちょっとイヤラシめに手を乗せたけども。


無事本番終了。
ごとーはソロ歌収録で、他メンより遅れてお仕事終了。
廊下をぽてぽて歩きながら思うことは。


仲良しな恋人達の関係を壊す気なんてさらさら無いし。
それでもこんな不毛な恋は、時々イタイ。

むしろぶっ壊しちゃいたいとか。
ブラックなコトを考えたことがないってのは勿論ウソになる。


いっそ暴露っちゃった方が楽になれるかな。
なんて思いつつ楽屋に入る。


「あ、お疲れさまごっちーん」


うあ有り得ない。


63 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時35分08秒



「・・・梨華ちゃんどうしたの?」
「え?何が?」
「イヤ、みんなもう帰ったでしょ?」


へへっと笑う梨華ちゃん。
可愛すぎだからそれ。


「あのね?待ってたの。ごっちんのこと。」
「ん?」


冷静に返してるつもりなんだけど。
声裏返ったりしてないかな。


「よしこは?」
「よっすぃ〜?なんで?]


なんで?って。

何で。


64 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時35分51秒



「よっすぃ〜は帰ったよ?・・・あ、私と二人って・・・気まずい・・・?」
「イヤそりゃ気まずいでしょ・・・」


なんたってお友達の彼女に恋をしてるごとーなわけで。
気まずさ極まりない感じなんですけど。

目の前の梨華ちゃんは何かウル目で泣き出しそうだし。
は?泣き出しそう?


「・・・そうだね。ゴメンネッ・・・!!」
「うわちょっ・・・梨華ちゃん!?」


荷物も持たずに、ごとーの横をすり抜けて出て行こうとする梨華ちゃん。
その体をなんとか抱きとめた。

・・・『抱きとめた』?


「うっわごめん!!」


65 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時36分27秒



梨華ちゃんの肩を掴んで、慌てて引き剥がす。

・・・離れない。

何で!?超オイシイ!!
イヤ違うだろごとー!!


「イイイイシカワさん?」


流石のごとーも、こんなオイシイ・・・じゃない、イケナイ状況に、動揺を隠せない。
そりゃ声も裏返るだろ。
そりゃどもりもするだろう。


「後藤サン・・・。」
「・・・なんすか?」
「迷惑だったらハッキリ言ってね?」


イヤ迷惑だなんてそんな。
ごとー的には至れり尽せりな・・・って、違う。


「・・・どうしたの梨華ちゃん?」
「・・・もらってないの。」


『もらってない』


「・・・聞いていいかな。」
「・・・」
「・・・・・・何を?」


66 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時37分02秒


何故か耳まで真っ赤にしてごとーの胸に顔を埋めてる梨華ちゃん。


・・・あ。


「誕生日か!」


言った途端に顔をブンブン縦に振る梨華ちゃん。
おねだりモードだったのかぁ・・・。
どきどきうろたえたごとーは何さ。

はぁ。気が抜けた。


「ん〜。何が欲しいんですかね、お姉サマは。」


滅多にない機会だから、思いっきりぎゅ―って抱き締める。

許せよしこ。
幸せわけろ。


「あのね、欲しいモノがあるの。」
「ハイハイ。なぁに?」

「突然こんなコト言うのもどうかと思うんだけど・・・」
「梨華ちゃんは常に突然だからねぇ」

「驚かないで欲しいのね。」
「そんな高いモンなの!?」

「単刀直入に言っちゃうと!!」
「あ〜・・・この前ちょっと服買っちゃってな〜・・・あんま高いのは・・・」

「私、ごっちんが欲しいの!!!」
「ああごっちん!そりゃ高・・・・・・」


67 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時37分55秒



沈黙に包まれる楽屋。
梨華ちゃんはごとーに抱きついてて。
ごとーは梨華ちゃん抱き締めてて。
それでいて沈黙。
・・・すっごい変な図。

・・・・・・ってか・・・。


「はぁ?」
「あああああああ!!!ホラひいたやっぱりひいた!!」
「イヤあの梨華チャ・・・」
「だから私はやだったのによっすぃ〜のバカァッ!!」


よしこ?


何だ?
頭が回らないぞ?

つまり?

ごとーはらぶらぶな二人にからかわれたってワケか?
うわ痛。


68 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時38分38秒



「アハハ・・・やだなぁ梨華ちゃん。ごとー焦っちゃったジャン。」
「ふぇ?」


その上目使いも。


「も〜・・・冗談も程々にしてよね〜?」
「・・・へ?」


その甘い声も。


「よしこに怒られるよ?あ、グルか。」
「・・・真希ちゃん?」


・・・その時々ふっと使う名前呼びも。


「やだなぁ・・・」


みんなよしこのモノでしょ・・・?


「・・・ねぇ?真希ちゃん?さっきから何でよっすぃ〜なの?」
「は?」
「分からないよ。何で?」
「何でって・・・何が?」


どうして梨華ちゃんがそんな疑問系の顔してるの。


69 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時40分54秒



「・・・よっすぃ〜の入れ知恵はちょっとどうかと思うけど・・・
 でも、私の言った言葉にウソはないよ。」
「・・・え?」

「もっと私らしく言うべきだったね。やっぱり。」


ぎゅっとごとーの背中にしがみついてた手を離して、スッと離れた。
ごとーも、梨華ちゃんの腰に回してた手を解放した。


「・・・拒絶はいいけどひかないでね。」


頷いた。


「出来たら拒絶もイヤなんだけど・・・。」


頷いた。




「私は、真希ちゃんが好きです。」




その後は、よく覚えていない。
浮かれ過ぎて、意識飛んだし。






70 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時42分10秒

「・・・まぁこんな感じだよ。」
「へ〜・・・私、告白は後藤さんからだと思ってました。」
「ん〜、後藤はあの頃梨華ちゃんはよしことデキてると思ったたからね。」
「誤解だったんですよね?」
「そ。なんかごとーに想いを打ち明けるか悩んでくれてたらしくって。よしこに相談してたんだってさ。」
「早とちりだったんですね。」
「・・・でも仲良かったんだよマジで。」
「今も良いですけどね。」
「・・・紺野?そんなごとーを不安にさせるようなこと言うかな。」
「え?あ、何か気に触りました!?」
「ごとーがモーニング離れてさ。淋しがり屋な梨華ちゃんが、そばにいるよしこにフラフラいっちゃわないかといつでも不安・・・」
「そうだね。」
「「!?」」
「あ!梨華ちゃ・・・」
「石川さん・・・いつから・・・」
71 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時42分45秒

「誕生日から3週間経っても何にもない誰かさんより、よっすぃ〜のがよっぽど優しいモンね。」
「だってそれは梨華ちゃんが、昨日ベッ・・・」
「わあ―――ッ!!それ以上言ったらホントに絶交!!」
「・・・それは困るから、ゴメンネ紺野。」
「イエ。馴れ初め聞けて、嬉しかったです。」

「っ!?ごっちん!!!喋ったの!?」
「え!?イヤホラだって」
「もう知らない!!!!」
「え〜〜!?梨華ちゃん!?」


72 名前:+++ぷれぜんと+++ 投稿日:2003年02月01日(土)00時43分37秒



結局、石川さんの今年のお誕生日に後藤さんが何を贈ったかは聞けなかったけど
でもお二人の馴れ初めって言うのは貴重かもしれない。

・・・けど・・・あれだけ石川さんが恥かしがるなんて・・・
今年のプレゼントはなんだったんだろう・・・。



卒業したはずの後藤がいる、騒がしい楽屋の中で、
鈍感な紺野さんは、一人想像の世界へと旅立って行きました。


   +++ぷれぜんと・オワリ+++
73 名前:如月 投稿日:2003年02月01日(土)00時48分57秒
ハイ。そんな感じで、やっぱりかなり遅刻な石川さん生誕記念。

遅すぎる。

毎度のコトながらすみません。


>55 名無し読者様

ナイスフォロー感謝です(笑)
如月も見ました。未公開。
照れくさそうな二人のやり取りに萌えでした〜。

>56 名無しの読者様

いしごま最高!ですね〜♪


74 名前:名無しさん 投稿日:2003年02月01日(土)13時01分05秒
プレゼント良かったです
話の展開が上手いですよね
雪板の新作も作者サンですよね?両方楽しみにしてます
75 名前:kou 投稿日:2003年02月04日(火)21時02分06秒
いしごまはいいですね〜
積極的な梨華ちゃん萌えー。
最後にちょこっと出てきた紺野さんとの会話とかいいですね〜
これからも期待してます。。

76 名前: 投稿日:2003年02月05日(水)20時47分38秒
はじめまして、ぷれぜんと、かなり好きな作品です。
ごっちんののり突っ込み最高です。見習いたいとおもいます(w
77 名前:如月 投稿日:2003年02月13日(木)12時18分05秒
しまった!
バレンタインだった!!
バレンタイン小説考えてれば間に合ったのに・・・
こんなんなっちゃって・・・(爆)
ごめんなさい。読んでやってくれたら嬉しいデス。
78 名前:+++ネガチブチャーミー+++ 投稿日:2003年02月13日(木)12時20分02秒

「ねーぇごっちん・・・。」
「なにぃ?」

今日のチャーミーはネガティブモード。
こんなコト訊いたら、ウザくて会いになんて来てくれなくなっちゃうかもしれない。

「今まで何回死にたくなったこと、ある?」
「ないねぇ。」

それでも訊いちゃう。
私なんかよりずっとずっと疲れてるはずなのに。
それでも甘えちゃう。

「・・・早。」
「だってないし。」

甘えちゃうのはどうしてかな。
私、一応年上なのに。

あーぁ・・・。なんかもうぉ・・・

「ゴメンネ・・・。」
「なんで?」

だって・・・。
こんなウジウジしたヤツの相手してても・・・
楽しくないよね。

「強いね・・・。」
「んなことないよ〜。」

飛び飛びの会話。
それでもちゃんと相手してくれて・・・
ああ・・・なんかホントにもう・・・。

79 名前:+++ネガチブチャーミー+++ 投稿日:2003年02月13日(木)12時20分32秒

「・・・ごめんなさい・・・」
「・・・梨華ちゃん?」

やさしいごっちん。

「・・・ぅう・・・」
「・・・梨華ちゃん?」

あったかいごっちん。

「ッ・・・は」
「・・・りーか・・・ちゃん?」

大好きなのに。

「どうして私はダメなんだろ」
「梨華チャ―ン・・・?」

涙しか出なくて。

80 名前:+++ネガチブチャーミー+++ 投稿日:2003年02月13日(木)12時21分07秒

ごっちんの疲れを吹っ飛ばしてあげられるような。
そんな存在になりたいのに。
いつでも安心できる存在でいたいのに。
現実はこんなで。

でもごっちんはやさしいの。

「ゴメン・・・ゴメンネぇ・・・」
「何で謝ってるの?わっかんないよ〜?」

私もわかんないよ。
情けなくて恥かしくて。
泣きじゃくるしか出来ない。
なんてオコサマな私。

81 名前:+++ネガチブチャーミー+++ 投稿日:2003年02月13日(木)12時21分39秒

「ッふ・・・ぅ」
「ん〜ぁ・・・あ、死にたいと思ったことはないけど〜・・・」

いつもよりもっとゆっくり喋ってくれる。
こういう時のごっちんの目は、限りなくやさしい。
膝抱えて顔埋めてる私には見えないけど。
ってゆーかあなたは私の後ろにいるから見えないけど。
でも、見なくてもわかる。

「梨華ちゃんが死んじゃったら死にたい。」

軽くブラックなコトを。
かなり嬉しいことを。
さらっと言っちゃう辺りも実は憧れてる。

「梨華ちゃんがー。死にたがってるくらいショックなことがあればー。
 ごとーも死にたくなっちゃうしー・・・」

ソファから降りて、私の隣りに体育座り。
こてんって肩に、暖かい重さを感じる。

ごめんね。
ごめんね。
そんな風に言ってくれるほど。
きっと悩んでないんだ。

ちょっと躓いて。
誰かに助け起こしてもらうのを待ってる子供。
大して痛くもないのにね。

82 名前:+++ネガチブチャーミー+++ 投稿日:2003年02月13日(木)12時22分20秒

「でもね〜。ごとー死んだらサ、梨華ちゃんに会えないよねぇ。」
「へ・・・」

ちょっと顔を上げて横を見たら、優しい瞳とぶつかった。
にっこり。
上目使い。
悪戯っ子みたいな。
可愛いごっちん。

「こーやってぎゅーとか」

言いながら抱き締めてくれる。

「ぅちゅ〜とか」

そのまま軽く頬にキス。

「・・・できなくなっちゃうもんね?」

横から抱きかかえられてる感じ。
ゆ〜らゆ〜らと揺らされる。

「だから〜、とりあえずまだ死にたいとか思わないよ。」

ゆらゆら続行。

「すっごいへこむときとかは。そりゃねぇ?やっぱあるけど・・・」

ゆらゆらゆら。

「死にたいとか思う前に、梨華ちゃんに会いたくなるよ?」

ごっちんの首に腕を絡めて。
ぎゅ〜って力いっぱい抱きついた。
ゆらゆらはそこでストップ。

「・・・ありがとぅ・・・」
「?ふぇ?何で?」

83 名前:+++ネガチブチャーミー+++ 投稿日:2003年02月13日(木)12時22分53秒

そんな風に思ってくれて、ありがとう。
こんな話に、真面目に付き合ってくれて、ありがとう。

ごめんね。
ごめんね。

もうちょっと。
もうちょっとだけ元気補充させてね。

次にごっちんの顔見るときは
絶対ポジティブチャーミーだから。

あったかいごっちん。
気持ち良い温もり。

大丈夫。
元気になれる。

よし。

「元気でた!」
「ぅえ?」

バッと離れて。
にぃ〜っこり笑ってみせた。
ちょっと不服そうなあなたに。
首を傾げてみる。

両手を広げて。
にょしにょし動かしてすアナタ。

「真希ちゃん?」
「・・・もちょっと。パワー充電ぷりぃず。」

あはは。

大好き。
ありがとう。


84 名前:+++ネガチブチャーミー+++ 投稿日:2003年02月13日(木)12時23分29秒


   +++ネガチブチャーミー・オワリ+++
85 名前:如月 投稿日:2003年02月13日(木)12時45分28秒
えっと・・・こんなん出ましたけど(爆)
暗さも甘さものほほんさも中ー途半端で申し訳ないです。
バレンタインはやっぱ甘いの・・・
多分また激遅だとは思いますが・・・。


>74 名無しさん様
   (・・・この場合『様』は不要なのでしょうか・・・)

話の展開上手いだなんてそんな!
なんてことを・・・っ!?
恐縮です。
頑張ります!!

えと、あちらのアンリアルの方は(方もか)
更新がかーなりゆっくりになってしまうと思うのですが、
お付き合いくだされば嬉しく思います。

>75 kou様

ウチの石川さんは、結構消極的だったり。
でも押すときゃ押します(笑)
この二人に、紺野さんを絡めるのは何故か好きです。
また出してしまうかも・・・。
期待に応えられる自信は皆無ですが、頑張ります。

>76 @様

初めまして〜。
お気に召してくださったようで、凄い嬉しいです!!
乗り突っ込み系好きなので、
同じような展開にならないように気をつけてるんですが・・・
かぶったらどうしよう。。。
見習いたいだなんてそんな滅相もございませぬ!


感想どうもありがとうございます。
待っていてくださる方がいるのかな、と、更新頑張ってしまいます!!
86 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月13日(木)19時12分22秒
バレンタインデー直前に良いものを読ませてもらいました(^^)
これからもマターリ期待してますね
87 名前:ROM読者 投稿日:2003年02月13日(木)23時34分51秒
ずっとROMっていましたが、我慢できずに浮上しました。
いつも素敵な作品をどうもありがとう。毎回頬をポッと赤
らめながら読んでます。これからも潜航しつつ読ませて頂
きます。(いしごま大好き!)
88 名前:如月 投稿日:2003年02月24日(月)22時26分28秒
ハッピーバレンタイ――ン!!(激遅)


・・・すみません。
なんとこんなに時がたった今、バレンタインネタです。
申し訳ないです・・・。
ではどうぞ・・・
89 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時27分23秒




 甘い甘い クラクラする 何も 考えられない―――

 焼け付くような強い香りに

 どんどん落ちて もう止まらない






90 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時27分56秒



「チョコ食べ過ぎて・・・」
「なんかもう・・・ね。」

「「・・・気持ち悪い・・・。」」


ベットの上に広げたお菓子をほとんど食べ尽くし、真希と梨華がうなだれて呟く。


自分達で作ったお菓子(チョコレート系)
娘。メンバーからもらったお菓子(チョコレート系)
ハロプロメンバーからもらったお菓子(チョコレート系)


軽く夕食をとった後は、とにかく甘いものばかり。
梨華の自宅はチョコレートの甘い匂いでいっぱいだった。


「も〜ぅ無理・・・。」
「もう当分甘いものはいいね・・・」


たくさんの可愛らしいお菓子たちは、それぞれの贈り主たちを思い出させる。
食べないわけにはいかない。


91 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時28分27秒


「ああもうコレとか・・・溶けてきちゃってるよ・・・」
「最後の一袋だね・・・」


そう言って、梨華が手にとったのは袋の中には、
どう見ても市販のチョコをちょっとずつ詰め合わせたもの。

梨華は、その中の一つ、――少し溶け始めのビターチョコを食べる。


溶けたチョコがついた指を、舐めた。


甘い香りと、赤い舌の誘惑に。


「うっわ・・・それ反則梨華ちゃん・・・」
「ふぇ?」


軽く頭を振って、真希がもう一つビターチョコを摘み上げる。
四角いままの、ビターチョコ。


「流石・・・コレは魚しか焼けない裕ちゃんからの、心からの義理だな〜」
「ふふ。なんの加工もしてないもんね。中澤さんらしい。」


92 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時28分58秒


暫し四角い物体を指先で遊ばせてから、ちょい、と梨華の口元に運ぶ。


「ハイ、梨華ちゃんア〜ン」
「え!もうさっきそれ食べたよぅ。今度は真希ちゃんだよ。」


非難の声を上げる梨華の右手をひょいと掴み、そのまま人差し指を咥える。
梨華の指には、まだビターチョコの味。
梨華の驚愕の視線をに感じつつ、真希は指を離さない。

驚いて言葉の出てこない梨華の薄く開いた口に、ビターチョコを挟ませる。
そのままチョコを追いかけるように、真希の唇が触れた。


「コレはそんな甘くないね。」


二人でチョコを咥える形で、真希は飄々と感想を述べた。
ハッと我に帰った梨華が慌てて真希から離れようとする。


93 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時29分33秒


しかし、にこり笑って、真希はそれを許さない。
梨華の頭に手を回し、動けないように固定。


「・・・真希ちゃん・・・」
「・・・ん?」


真っ赤になる梨華を無視して、真希は少しずつチョコレートを溶かしていく。


「ホラ、梨華ちゃんも食べるんだよ〜」
「・・・食べるよ。コレ全部食べるから、離し・・・」


その一言で、真希がチョコレートを舌で梨華の口に押し込む。
勿論その舌がそのまま帰ることはなく。
ゆっくりと梨華の口の中でビターチョコの味を楽しむ。


94 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時30分32秒


わずかな抵抗に、甘い心地。
若干の戸惑いをみせていた梨華も、徐々に口付けに酔う。


二人の熱で、チョコレートは原形を留めていない。
甘い液体が、梨華の舌で真希の口内に押しやられる。


「・・・ッは」
「・・・もっと。」
「ン・ぅ・・・」


長いキスに、酸素を求め、梨華が唇を離して俯く。
真希が追って、それを許さない。

時折絡む視線に、艶が含まれはじめて。





95 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時31分07秒






 甘い甘い クラクラする 何も 考えられない―――

 焼け付くような強い香りに

 どんどん落ちて もう止まらない





     甘い風味を伴って、深い口付けはもう止まれない。








96 名前:+++チョコ・チョコ・チョコ+++ 投稿日:2003年02月24日(月)22時31分51秒




   +++チョコ・チョコ・チョコ・オワリ+++


97 名前:如月 投稿日:2003年02月24日(月)22時34分38秒
そんな感じで、・・・こんな感じです(どんなだ)
え〜と、キスまでで艶っぽくを目指してみましたが・・・
素敵に玉砕で。

98 名前:如月 投稿日:2003年02月24日(月)22時39分33秒
>86 名無し読者様

マタ―リお待ち頂けてましたでしょうか・・・
もう見放されてる気もしなくもないんですが・・・
バレンタインネタ、やっと出来ました。
読んでやってくだされば嬉しいです。


>87 ROM読者様

わざわざ浮上してくださって、感想感謝です!
・・・まぁ・・・なんてこったい。
頬を赤らめてくださってくれたんですか、こんなんで・・・
すみません。ありがとうございますです。
これからも、読んでやってくだされば嬉しく思います。
99 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月25日(火)09時38分41秒
甘いですね(*´ Д `)(^▽^*)
短編病み付きになりそうです
100 名前:kou 投稿日:2003年02月26日(水)22時14分50秒
萌えますた。。
同じく病み付きになりそうです。
101 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月27日(木)20時07分20秒
川*o・−・)<幸せな気分になります。
102 名前:ROM読者 投稿日:2003年03月14日(金)14時24分33秒
いしごま不足で脳に障害が出そうです。
萌える準備はできてるぜー!(w
103 名前:名無し犬。 投稿日:2003年03月14日(金)18時05分41秒
OH−SO−ROにごっちんが来るとか。
楽しみでたまりません。
そのこともちろん書い(略
104 名前:如月 投稿日:2003年03月21日(金)17時10分21秒
前回の更新からかなり間が空いてしまいまして・・・
すみません。


では、とりあえずどうぞ・・・。
105 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時11分10秒





   伝えたいときに伝えたいコトを伝えたいだけ伝えたい。

   キミに伝えたい、気持ちがあるから。






106 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時12分52秒




「ちょーっとふたりとも!!本番前なんだからそんなに食べちゃダメ―!」
「梨華ちゃんうるさ〜い!食べたいんだよ〜!!」
「美味しいんだもんコレ。梨華ちゃんも食べる〜?」
「あ♪ホント?」
「なんだぁ食べたかったんじゃ〜ん」
「素直じゃないな〜」


あははははと、笑いあう辻加護石川。
その様子を、ソファに腰掛け、ほけ〜ッと眺める後藤。


「可愛いね〜ぇ」
「え、何?裕ちゃんが?」
「梨華ちゃんが。」
「・・・・即答やし・・・一応ボケとんねんから突っ込まんかい」


辻加護と騒ぐ石川一点集中視点で、話し掛けてくる中澤には目もくれない。


「ちょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・」
「・・・後藤サン?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぉ・・・可愛いよねぇ」
「・・・結局それかい・・・」


完全に呆れた口調で、中澤が弱々しく突っ込む。


「だってあの腰とかさ。あと腰とか、それから腰とか」
「腰のみかい。」
「あは。」


その突っ込みで、ようやくチラリと、斜め後方に立つ中澤を見る。


107 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時14分30秒


「前はさ、ごとーも祐ちゃんもー当たり前にココにいてさ。」
「今もおるけどな。」
「そうじゃなくてさー。」
「フフ。わかっとるよ。」


にっこり笑う中澤に、軽く微笑む後藤。


「毎日毎日一緒にいてね〜?ああやって、あの中に混ざってお菓子奪い合ったり・・・」
「奪・・・」


後藤の表現に、いささか疑問を感じつつ。
・・・まぁ確かにピッタリな表現やなぁと、思わず納得。


「ハロモニの収録だって、もうキャ−キャー言ってやっててさ。」
「うん?」
「毎日毎日一緒にいたからさ〜、今ちょっと遠くてさ〜。」
「ソロやからなァ」


この子は何が言いたいねんと、中澤が少々対応に困り始めた頃。


「もっとね?思ったコトはバシバシ言っとけばよかったなぁって。」
「ん?」


やっと核心を突いた発言。


108 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時16分56秒


「可愛いよーとか、好きだよーとか、さ。」
「石川に?」
「ふふーまぁ、ねぇ。」
「今十分言っとるやん」
「言いたいときに言えない事もあるじゃんか。」


そばにいないとさ、と。
再び視線を石川に向けて、柔らかく微笑む。


「じゃあ今がまさに伝えどきなんちゃうん?」
「だよねぇ?辻加護も気が利かないよね。ごとー来てる時は梨華ちゃん譲れっての」


ぶー、と軽く頬を膨らませる後藤は、さっきまでの大人な表情とはかけ離れていて。
なんだかおかしくて、思わず中澤は吹き出してしまう。


「は?なに笑ってんのゆーちゃん。」
「イヤ、やっぱ子供やな〜と。」


『子供って何――!』と、拗ねた叫びが帰ってくるかと思った。
しかし、中澤の予想に反し、後藤は軽く笑う。


109 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時18分11秒


「うん。コドモだよ。全然コドモ。」
「・・・・ほ?」


驚きで、まともな返しが出来なかった中澤を指差して、後藤が笑う。


「・・・・・指差すな。」
「んはははは、ゴメン。」
「ってかアンタがコドモならあのこらどーすんねん。」


くいっと顎で、お菓子を奪い合う彼女たちを指す。


「ん〜?アレもなかなか楽しーよ?あ、一回裕ちゃんも・・・」
「・・・勘弁してくれ・・・。」


本気でうんざりとしたような声に、後藤は再び声を上げて笑う。
ひとしきり笑って、ふ〜っと、少し落ち着いたトーンで話し出す。


110 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時19分20秒


「独占よくバリバリでね〜?」
「ん〜?」
「今とかも、実はあそこに混ざって騒ぎたいし。」
「・・・アレに?」
「てか、ぶっちゃけ梨華ちゃん奪い返したいんだけど。」
「・・・アレから?」


にこり笑って。


「誰にも触らせたくないんだ。」
「・・・はぁ」
「モチロン、裕ちゃんにも。」
「・・・いらんわあんな寒いヤツ・・・」
「・・・とか何とか言って、結構ドサクサに触りまくってるよね。」


後藤の笑顔は消えてはいない。
消えてはないのだが。


「(目が・・目が笑ろてへんやんか・・・)」
「ホントにホントに、す〜っごい、好きなんだよなぁ〜・・・」


すでに後藤の視線は石川に注がれている。
その瞳は、限りなく優しい。

フッと、柔らかく中澤が微笑む。
その後、不意に何かを思いついたように、後藤に囁いた。


「チャンス、やるわ。」
「はぁ?」


111 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時21分41秒


まったく理解できていないであろう後藤が、振り返るよりも一瞬早く。
ガバッ!と、中澤が、後ろから後藤を抱き締めた。


「んぁ・・・?」
「ん〜、反応に乏しいなぁ〜。」



動揺を見せない後藤に、中澤は不満のようだ。

が。



「んっんなかがわさああああん!!!!!!」



頬に甘いものを詰めながら、絶叫する娘が一人。
期待以上の反応を返してくれた。


「・・・誰やねん『中川』て・・・」
「あははははははははははっ!!」


後藤に抱きつきながら、的確な突っ込みを飛ばす中澤。
二人のやり取りに爆笑な後藤。と、メンバーたち。


「離れてくださいよぉっ!!」
「言われんでも離れるわ〜。」


112 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時23分35秒


駆け寄ってくる石川に聞こえないように。
再び後藤の耳元で囁く。


「今伝えたいんやろ?感謝しーや」
「ふぇ?」


石川と騒いでいた辻加護は、先ほどの石川の叫びを真似て大喜びしている。
自分のもとに小走りで来る石川は、一人。


「・・・ぉお!感謝!」
「ま、気にすんな。」
「何二人でひそひそやってるのよちょっと〜!!」


走り寄って来た勢いをそのままに、後藤は石川の腕をグイと引き寄せた。
そのまま軽く唇を奪う。



113 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時25分05秒





瞬間、楽屋に静けさが訪れる。



「スキダヨ。」



沈黙を破ったのは、沈黙を導いた張本人だった。










114 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時26分55秒






雑誌に見入っていた新垣と高橋は何があったのかと同期に訪ねる。
バッチリ見てしまった小川と紺野はあたふたとし、答えない。

辻加護はすでに今見た場面のリプレイを始めた。
それを見て吉澤が爆笑する。

保田は深いため息をつき、
『まったくイチャつくなら他でしなさいよ』
と、苛立たしげに呟いた。

『お前ら何やってんだよ――!!』
と、叫んだのは矢口だ。



「ってかなんで裕ちゃん怒んないんだよ!いつもなら真っ先に切れるじゃん!」


キャンキャンと騒ぐ矢口の頭をポンポンと撫でながら。


「・・・・・詫び入れや、詫び入れ。」


ウチかて命は惜しいんや。と、チラリ騒ぎの中心の二人を見やる。






115 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時27分49秒






「ななななななな・・・ッ!!」
「可愛いねー。」

「ゴッゴッチン!?」
「大好きだよ―。」

「ちょっと、急にどうし・・・」
「食べちゃいたいね。」

「話を聞い・・・」
「てか食べていい?」

「人の話を聞きなさい真希ちゃん!!!」
「あはっ、名前呼び嬉しーな♪」





楽しそうに騒ぎあう、聞く分には一方通行な睦言。
けれど、勿論そんなことはなくて。
ダイレクトな言葉に隠れた、優しいコトノハ。






116 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時31分01秒








  伝えたいときに伝えたいコトを伝えたいだけ伝えたい。

  キミに伝えたい、気持ちがあるから。


それが例えば楽屋でも
北風が寒い冬の公園でも
オトナがいっぱいいる場所だって

 
  キミがいるから、伝えたい。










                     この気持ち
                      キミだけに。
 










117 名前:+++コトノハ+++ 投稿日:2003年03月21日(金)17時32分08秒





     +++コトノハ・オワリ+++

118 名前:如月 投稿日:2003年03月21日(金)17時34分26秒
実は中澤さんが書きたかっただけ、みたいな仕上がりに(爆)
イエ、確かに中澤さんも書きたかったんですが。
なんかこ〜・・・ほぇ〜っと石川さんを見つめてる後藤サンを、書きたかったんです。

119 名前:如月 投稿日:2003年03月21日(金)17時48分14秒

99 名無し読者様

作者が甘いのが好きなもので・・・。
でもなんか、甘くなりきれてない感がありますよね。
精進して、砂吐くほど甘いのを書いてみたいです(エ)


100 kou様

病み付きになっていただけるような、
美味しい美味しいモノを書けるように頑張りたいと思います!


101 名無し読者様

ほわほわとした気持ちになれるようなものを目指してる如月としては、
非常に嬉しいお言葉です!
ありがとうございます!!


102 ROM読者様

急速潜航、恐縮です(笑)
メール欄、嬉しかったので如月も使ってみました。
・・・大した内容でなくて申し訳ないんですが。


103 名無し犬。

の、ようですよね。
でも如月、今ラジオ聞けないんですよね・・・。
どこかで落としてこなきゃ・・・。
無事に聞く事が出来たら、多分書いてしまうと、思います。


久々の更新で、こんなぐだぐだですみませんデス。
読んでくださった方、感謝です。
120 名前:如月 投稿日:2003年03月21日(金)17時50分16秒
っうわぁ!!!
申し訳ありません103名無し犬。様!!
敬称略してしまいました!!
ごめんなさい!!!
121 名前:ROM読者 投稿日:2003年03月21日(金)18時34分24秒
水面下からリアルタイムGET!
本当にこんな雰囲気が大好きです。春らしくほんのりと
暖かくなれます。今回も素敵な作品ありがとう。
122 名前: 投稿日:2003年03月21日(金)18時37分16秒
やばいです。かなりはまっちゃいました。
甘いですねぇ。。。甘々大好きです。それでいてボケもはいっていて
中川さんって最高ですね。梨華ちゃん(w

書きたいテーマがちょっとかぶっちゃってるなぁ
それまたやばい。。。テーマ変えるかなぁ。。。
123 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月22日(土)00時57分33秒
いしごまとそれを取り巻く娘達の描き方がリアルですね
読んで楽しい気分になりました
124 名前:DK 投稿日:2003年03月30日(日)03時03分21秒
このいしごまを読んでいるとやすらぎます、次の更新をまたーり待たせてもらいます
125 名前:如月 投稿日:2003年03月30日(日)20時34分45秒
こんばんはー如月です。

Mステ絡み期待したんすけどネー。
・・・ありませんでした、よね?

で、こんな話でました。
くだらなくてすみません・・・。
126 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時35分54秒

「生放送ってサ、慣れないよねぇ」


重なった生放送。
後藤の楽屋に訪れている石川。

雑誌をめくる石川の肩に頭を乗っけて、後藤がポツリ呟いた。


「ああ、そだねぇ。」
「なに?」


同意の言葉を口にしながらも、不思議そうな瞳を向ける石川。
その反応を、きょとんと聞きただす後藤。


「ん〜ん。あのね、ごっちんでもそういうのあるんだなって。」
「なにそれ。」
「イヤ、そりゃあるんだろうけどさ。」
「当たり前だよ。分かってんじゃん。」
「うん。でもね、なんか、ね。」


はっきりしない石川の返答に、からかわれている感覚。


127 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時36分27秒



「・・・いったいごとーを何だと思ってるのさ。」
「ふふふ、同じなんだなぁって、なんか嬉しいなぁと思っただけじゃない。」


拗ねないでよ、と。
軽く笑いながら、後藤のほっぺをふにふにと指で突付く。

それが気持ちいいのか、しばらく石川の指を好きなようにさせておいた。
甘えるように擦り寄ってくる後藤が可愛くて、石川の手は止まらない。


ふと、後藤が石川の手を取る。
『ん?』と、石川がすぐ側の後藤の顔を覗き込む。


「・・・梨華ちゃん緊張してないの?」
「はいー?してるよー。当たり前じゃん。」


視線を後藤から雑誌に戻して。
掴まれたままの手で、にぎにぎと、後藤の手を握る。


「な〜んか余裕〜」
「そんなことないよー。」


言いながら、パラリ石川はまた雑誌のページをめくった。

――相手にしてくれてない。

後藤の視線はそう訴えていた。


128 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時45分09秒


かなりの至近距離から、突き刺さるような視線を浴びて。
石川は、隣りの人物に聞こえないように細く息を吐いた。
つもりだった。


「あ!今呆れた!!」
「呆れてないよぅ。」
「てかやっぱ全然余裕だし!」
「余裕でもないよ〜。そうじゃなくて〜。」


相変わらず掴まれたままの手をブンブンと振る。
離してたまるかと、後藤はいっそうその手を強く握った。


「手だってあったかいし!緊張してるときはいつも冷たいじゃん!」
「緊張ってゆーか!・・・もう!そんなに緊張してて欲しいわけ!?」


手を振りほどこうと必死な石川。
死んでも離さねぇ、な勢いで食い下がる後藤。

しばらく無言で攻防戦が繰り広げられていたが、石川が諦めた。


「・・・・・緊張してるとか・・・そうじゃなくって・・・」
「じゃなくて?」


勝ち取った石川の左手に、嬉しそうに頬擦りしながら聞き返す。


129 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時45分43秒



「なんかねー、ごっちんいるからー・・・」
「いるからー」
「いるからー」
「・・・いるからー?」


ぺたぺたと、自分の頬に梨華の手を当てて、なかなか進まない話の続きを促す。


「いるからー!いつもみたいな緊張って言うよりは・・・」
「言うよりはー?」
「・・・ん〜・・・なんかドキドキ?」
「・・・どう違うの」


石川にもはっきりとした違いなんて分かってはいないのだろう。
言葉を探しながら、しどろもどろと話す。


「なんかね、ホラ、私、入った頃の生放送、緊張でがちがちだったでしょ?」
「ああ、アレはちょっとすごかったね。」
「うるさいなぁ〜・・・。でね、飄々としてるごっちんがね、すごいな〜って、思って。」
「ひょーひょー?そー?」


すりすりと、飽きることなく石川の手に頬を寄せる。


130 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時46分18秒



「・・・聞いてるの?」
「聞いてるのー。」
「・・・も〜・・・」
「で?ひょーひょーがどうした?」


チラリと上目使いで先を促す。
もう・・・と、再び話し出した。


「・・・飄々としてたごっちんが、『実はごとー超きんちょーなんだよ』って。」


言いながら、後藤に握られたままの自分の手を自分の胸に押し当てる。
自然に、後藤のても石川の胸元に。


「こうやって、心臓のオトをね、感じさせてくれたのがね、なんかね、」
「あんまドキドキしてないじゃん。」


昔を懐かしむように語る石川を遮る。
もう好きなようにして、とでも言いたげな石川は、その言葉にきちんと返す。


「今日はまだ衣装じゃないからー、厚着だから分かんないんだよ。」
「うそ〜。」
「ホントだよ。今日3枚着てるんだから。」
「はぁ?梨華ちゃんそれ着すぎ。」
「だっから分かんないんだよって言ってるのー!」


ちょっとふて腐れたように後藤の手を振り払う。
突然ぬくもりを失った後藤の顔は、オーバーなほど悲しそうだ。


131 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時46分50秒



「・・・何その目」
「『もっと触れてたい目』」
「何ソレ」


『却下』とでも言いたそうに、石川はむにっと後藤の頬を摘んだ。
いひゃいいひゃいと抗議の声を上げる後藤が可愛らしくて、石川は笑う。


「・・・やっぱ余裕じゃんか〜」
「だから〜・・・」
「ドキドキもしてないでしょ〜」
「して・・・・」


石川が否定の台詞を口にしようとした瞬間。
するり、と後藤の手が石川の服の中に入る。


「ご・・・っ!?」
「あー、ホントだ。凄いドキドキ言ってるー」


驚きで身を硬くする石川とは対象的に。
後藤は何のためらいもなく石川の素肌に触れる。

その手は胸元から腹部へと下がる。
そしてそのまま腹部から脇腹を擦るように流れた。


「ご・・・」
「ん〜、やっぱ緊張してんだね。」


ナデナデと、石川の脇腹を後藤の手が上下する。


「身体硬くなってるもんね」
「それはちが・・・」
「血が?」
「・・・・・・」


132 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時47分28秒



翻弄されるのが悔しくて、『違う』と開きかけた口を閉ざす。
その間も、後藤の手は石川の衣服の中を動き回る。

するすると、再び胸元を通過して、後藤は襟元から手を出した。
裾から手を突っ込んだまま、石川の首筋をなぞる。


「脈も速いよね、さっきより。」
「・・・・・・」
「やっぱ本番近くなってきたもんね。」


そのせいじゃないわよ!!と、心の中で悪態をつきながら。


時々思いついたように、イイトコロを柔らかく撫でられて。
徐々にイケナイ熱を持ち始める自分の身体に困惑する。


「・・・ン・・・」
「あ、目ぇ潤んでるよー。そんなにどきどき?」
「だから・・・ドキドキって言うか・・・」


後藤の肘から上は、石川の服から出て行こうとはしない。
顎のラインを擦る。

うろたえる石川をよそに、後藤は、その胸に頬を寄せた。


「何事!?」
「あははは、何その反応ー。梨華ちゃんこそ何事ー」


すりっと顔を上げ、梨華を見上げる。


133 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時48分37秒



「・・・緊張はどこ行ったのよごっちん・・・」
「あは、梨華ちゃん喋ると振動が伝わって面白い」
「・・・・・・私は重いんだけどな」
「ふふ」


鎖骨にかかる後藤の吐息。
ゾクゾクと背筋を駆け上がる感覚。


「超〜ドキドキ言ってるー。」
「・・・・・本番近いからね」


気を抜くと、すぐにでも乱れてしまいそうな息を必死に整え。
冷静を装って無難な答えを返す。


「なんか自分より緊張してる人がいると、ちょっと安心だよねー。」
「・・・・・・・そうだよね。」


相変わらず服の中を這い回る後藤の手をどうしたらいいものかと思案する。
中途半端な快感は、石川の思考回路を断続的にとぎる。


「やァッ・・・」


鎖骨の窪みに這う唇の感触に、たまらず息を漏らした。
突然の艶やかな声に、後藤の瞳が疑問を投げかける。


「・・・・・・・ごっちん・・・」
「・・・梨華ちゃん?」


知らず知らずに誘う視線。
見つめられ、見つめ返す瞳が、だんだんとその距離を縮めて―――




134 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時50分42秒





「「支度できたか――――!!」」」


バタンという大きな音と共に元気な二人組みが飛び込んできた。
その正体は勿論。


「あいぼん・・」
「・・・・つーじー」


二人が飛び込んできた衝撃音の後は、シンと静まり返った楽屋。

大きくないソファに二人は密着して座っていた。
しかも後藤の腕は石川の服の中。
その手は石川の襟元から出ていて。
そして石川の耳朶に触れている。


どう見ても怪しげな雰囲気。


バッ!と互いに顔を見合わせた次の瞬間。


135 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時51分25秒



「「や―――らし――――――――!!」」


その叫び声を残して、辻と加護は娘たちが騒ぐ楽屋へと走り去った。
一瞬の沈黙の後、呆気に取られていた後藤が先に我に帰る。


「何だあいつら!!梨華ちゃん行くよ!!」
「ふぇ!?」
「オイコラちょっと待てそこの二人――――!!」


バタバタバタと、遠ざかる足音が三つに増えて。
突然温もりを失った石川はへなへなとソファに崩れる。


「もうやぁ〜・・・・」



小さく聞こえる辻加護の声とそれを遮る後藤の声。
そして、これから他メンにからかわれるであろうことを思い、憂鬱になる石川の嘆きが。

主の消えた楽屋に響くのだった。

136 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)20時51分59秒




      +++本番前・終わり+++


137 名前:+++本番前+++ 投稿日:2003年03月30日(日)21時24分34秒
裏テーマ『ネコごっちん』で!!(何)

べったべたに甘える後藤さんが書いてみたかったというか・・・

後藤サンの行為は、計算なのか天然なのか。
どちらでもお好きなほうでとってくださいませ。
138 名前:如月 投稿日:2003年03月30日(日)21時38分51秒

121 ROM読者様

春っぽいお話し・・・
ああ、書いてみたいですネェ。
如月がいしごま書くと、なんかピンクいものが出来上がってしまうので、
いつでも春っぽくなっちゃうんでしょか(笑)
今回も浮上していただきまして、アリガトゴザイマス。


122 @様

感想ありがとうございますー!
げ、かぶっちゃいましたか?すみません・・・
じゃあ次は少し暗めにも挑戦してみようかな・・・。

如月、『YOU&I』も『もしも君が泣くならば』も、
実はロムらせていただいてたんですー。
大好きでした!(告)


123 名無し読者様

リアルですかー。
嬉しいです。
如月的テーマはリアルいしごまなので、ホント嬉しいです。
ありがとうございます。


124 DK様

やすらぎ!?
こんな駄文からやすらぎを!?
なんて奇特な・・・イエイエ、ありがとうございます!
恐縮です。



読んでくださった方、ありがとうございました。
139 名前:ROM読者 投稿日:2003年03月31日(月)23時33分04秒
ん〜、そう落ちましたか。あいぼんとのんちゃんも少し
気を使ってくれ・・。でも、いくつになってもドタバタ
が似合ってしまうのも逸材と言えるのかも。
140 名前:北都の雪 投稿日:2003年04月01日(火)22時54分11秒
おそらくはじめまして、北都の雪と申します。
自分はいつも来てるのですっかり常連気分なんですが、
書いたかどうか忘れました。

そんなことはどうでも良いんですが、
・・・(吐血
惜しい!あと少しだったのに。
まあ本番前ですし。終わってからゆっくりと(爆
いつもこんなことしてるのか。

如月様のおかげでいしごまフィーバーです。

今日はOH−SO−ROでごっちんですよ!
また本番前にこんな事・・・(吐血part2

また来ます。まったりと頑張ってください。
141 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月02日(水)01時56分35秒
作者さんのいしごま好きです。
お気に入りに入れました♪
142 名前:如月 投稿日:2003年04月06日(日)01時00分07秒
ごめんなさい。
小説じゃないです。(宣言)

ほんとに・・・駄文中の駄文です。
だからsageときます。
何となく気が向いたときのみ・・・どうぞ。
143 名前:+++SIDE。N+++ 投稿日:2003年04月06日(日)01時01分54秒



梨華ちゃんに泣かれて
泣き止んでくれなくて


・・・べつに泣かしたわけじゃないけど。


ケータイいじってて
ずっとメール打ってて
顔はずっと暗くて

突然泣き出した。


驚いてどうすることもできなくて
ちょっと離れたところにいたあいぼんとアイコンタクト。


『どうしたの?』


って聞いたら


『何でもないよ』


って笑いながら泣いた。

笑顔がいたくて
見てたくなかった。


ぽんぽんて頭なでたら


『ありがとう』


って笑いながら泣いた。

もっともっと苦しくなった。



144 名前:+++SIDE。A+++ 投稿日:2003年04月06日(日)01時02分57秒



高橋ちゃんと喋ってたら。
視界の端に入ってた梨華ちゃんが突然泣き出して
泣き止む気配がなくて


俯く梨華ちゃんの正面にはのの。
まあ、ののが梨華ちゃん泣かすはずはないけど。


カチカチとメール打つ音が聞こえてたはずで
それは毎日繰り返されることで
相手は勿論あの人で

いつもなら嬉しそうにメールしてるのに。


高橋ちゃんとの会話もそこそこに
困ってるののと視線を交わした。


『どうしよう』


と視線で訴えられて


『・・・どうしよう』


と、視線で返した。

しばらく見つめあった後
ののが梨華ちゃんに話しかけた。

ののの言葉に梨華ちゃんが顔を上げた。

笑いながら泣いてた。

涙が痛くて
見てられなかった。

ののまで泣きそうになりながら
おろおろと梨華ちゃんの頭を撫でた。


『ありがとう』


って笑った涙が
すごく苦しかった。


145 名前:+++SIDE。M+++ 投稿日:2003年04月06日(日)01時04分07秒



局に向かう車の中で。


『あの人誰?』


なんて。
突然そんなメール入ってたら驚く。
何のことだか分かんないし。


『何のこと?』


なんて。
ちょっと言い訳臭い返事だってしちゃう。


『待ってるの、ツライ』


『会えないのも、ヤダ』


『ワガママ言いたくないから』


『バイバイ』


ちゃんとした返信できないまま
立て続けに意味不明なメール。

は?何バイバイって。
どういう意味。


『何ソレ?』


って打って。
返信はない。


『バイバイって何?』


送って。
やっぱり返答がない。

電話かけたら圏外で
しかも車渋滞で動かない。

イライラして車飛び出した。


焦ったマネージャーの声とかどうでもよかった。


人ごみの中
走った。


146 名前:+++SIDE。H+++ 投稿日:2003年04月06日(日)01時04分44秒




人の楽屋に挨拶ナシに飛び込んできたごっちんは。
明らかに猛ダッシュしてきましたって感じ。

軽く部屋を見回して
一直線に梨華ちゃんのトコに向かった。

おろおろと、ごっちんとお互いとを見る辻加護。
ちょっと怯えてるようにも見える。

・・・辻加護怖がらせてどーすんのごっちん。

すたすたとためらいなく
梨華ちゃんの前に立つ。

ぼろぼろに泣いてる梨華ちゃん。

ごっちんが来るのがもちょっと遅けりゃ
あたしが抱きしめてあげたのに。
(ちょっと惜しかったかな)

でもあたしと梨華ちゃんじゃ画になりすぎて
ごっちん嫉妬に狂って何しだすかわかんないか。


『なに勝手に泣いてんの』


言いながら
指の背で涙を拭う。

きつい言葉
優しい指先

そのまま
頬に片手を残して


近く近く
キスできそうなくらい近く
顔を寄せた。


『今更手放さないから。』


まるでケンカ腰。
凄むような。

あたしにはそれが


至上の告白に聴こえた。





147 名前:+++SIDE。+++ 投稿日:2003年04月06日(日)01時05分39秒






弱いようで
実は一番強かったり。
甘えたがらないし。

分かってるよ。
知ってるよ。

でもね

いくら歳が上でも
強くても


やっぱり大好きで大切で

守りたいんだから。


たまには甘えてね?


ね?


梨華ちゃん。



148 名前:+++SIDE。+++ 投稿日:2003年04月06日(日)01時06分27秒




       +++SIDE。ヲワリ+++

149 名前:如月 投稿日:2003年04月06日(日)01時10分12秒
な―――んのこっちゃああ!!(壊)

アラ読んじゃったんですか?
ね?ね?意味不明だったでしょ?
もう騙されちゃった勢いですネ(オイ)


・・・・・・ごめんなさい。
次はちゃんと書きます。

でも如月は、なんてかこう・・・
詩っぽいような、淡々と進む感じが結構好きだったりするので・・・
一度書いてみたかったんです。
嗚呼でも誰も如月にこんなん求めてませんか。
ごめんなさい。
150 名前:如月 投稿日:2003年04月06日(日)01時24分07秒

139 ROM読者様

またまた浮上ありがとうございます(笑)
感想いただけると、励み&勉強&参考になるので、有難いです。
凄く嬉しいです。
でもここのいしごまはあまりアダルチーいきません。
結構寸前でオアズケ系多いです。多分。
いつか、いつか・・・。
・・・いつかが来るのか。


140 北都の雪様

惜しい!(笑)
イヤ、後藤サンは純粋に、
石川さんの緊張度を確かめたかもしれないじゃないですか!(笑)
まあどちらにとってくださって全然OKなのですが。

ハ、はじめましてー(←遅)
いつも読んでてくださったのですね。
感想ありがとうございます。
こんなヤツですが、また時々覗いてやってください。


141 名無し読者様

・・・・・お気に入り?
こんなものをお気に入りに入れてくださってるんですか・・・?
なんて物好きな・・・じゃない。
ありがとうございますです。

お気に入り入れてくださった途端にこんなん書いちゃって・・・
ごめんなさい(爆)


あ、ちなみに上から
サイド・辻
サイド・加護
サイド・後藤
サイド・吉澤
です。
・・・イニシャルは名前にしちゃいましたが。


ではこんなの読んでくださった方、感謝です。
151 名前:ROM読者 投稿日:2003年04月06日(日)23時08分21秒
駄文だなんてとんでもない! めちゃめちゃいいじゃないですか。
>嗚呼でも誰も如月にこんなん求めてませんか。
力一杯求めてます!こういう雰囲気大好きです。
もし良ければ、もっと読んでみたいです。
152 名前:名無し読者。 投稿日:2003年04月10日(木)08時24分19秒
すごく好きですよ。ここのいしごま。
153 名前:DK 投稿日:2003年04月12日(土)11時21分01秒
SOFFetの君がいるなら☆を聞きながら読んだら甘さ倍増で
暖かい気持ちになりました川*o・−・)
154 名前:ななし 投稿日:2003年04月17日(木)17時54分16秒
どれもこれもハイレベルすぎます。
いしごまにカンペキにはまりますた・・・・(*´ Д `)ハゥーン
次作もまったりと期待してます。がんがってください。
155 名前:如月 投稿日:2003年04月28日(月)19時03分24秒
どうもー。如月です。
なんか、また『SIDE。』系の出来ちゃったんで・・・
ちょっとアップしてもいいでしょうか。
156 名前:DK 投稿日:2003年04月28日(月)19時04分49秒
お願いします。是が非でも読みたいです。
157 名前:+++感情+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時05分00秒


スキとかキライとか。
そんな感情は、本当は必要なかった。

みんな大好きだから。
特別は要らなかったの。


元気良く楽屋に飛び込んでくると
真っ先に私のトコに来て笑ってくれるようになったのは
いつからだった?


楽屋に入るとあなたを探すようになった
みんなに挨拶しながら、きょろきょろと、視線は泳いだ。
それは、いつから?


158 名前:+++感情+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時05分34秒



「おはよ、梨華ちゃん。」


って柔らかい笑顔が、いつからか、特別になった。
欲しくなかった、そんな特別。

いらなかったの。
特別なんて。


ときめきを誤魔化して、私も笑った。


「昨日の、見たー?」
「見た見たー。」


笑い合ってるだけで良い。
本当に。

それだけで良い。



159 名前:+++感情+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時06分07秒




「ウソツキ」


そんな事言わないで。


「独り占めしたいでしょ?」


そんな事言わないで。


「ほしいんじゃ、ないの?」


お願い。
そんな事言わないで。

掻き乱さないで、心。

悪戯に、触らないで。
心に、触れないで。

苦しくて痛くて
息出来なくなる。

我慢できなくなる。


我慢できなくなるから。



160 名前:+++感情+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時06分42秒




「我慢しないでって、言ってるのに。」


見ないで
触らないで


「ごとーはこんなに、好きなのに。」


やだ。


「梨華ちゃんのこと、好きなのに。」



そんなに優しく抱き締めないで。


スキとかキライとか。



そんな感情、ほしくないのに。
いらなかったのに。



161 名前:+++感情+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時07分14秒




          +++感情・終わり+++


162 名前:如月 投稿日:2003年04月28日(月)19時08分09秒
ハイそんなわけで・・・

もう一個あります。
163 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時09分10秒


「ぼぉ〜くにはわかぁ〜る」
「ふみまろさま〜ぁん」


気持ち悪い。
むしろ気色が悪い。


164 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時09分42秒



ふらっと立ち寄った娘。の楽屋。
なんとも気味の悪い声音で絡む辻加護の姿。


「・・・何やねんアレ」
「おー、裕ちゃん」


よ、と、眼と手だけで、軽い挨拶を交わす。
ほにゃんとした、特有の笑顔でなっちが返した。

で?アレは?と、説明を請う。
ああ、とにっこり笑いながら、視線を楽屋の隅へ移す。
つられて私も、視線を向ける。


ああ、と納得。


「真希ちゃん、今日ご飯食べてこっか?」
「お、どこ行く?」
「ん〜、やっぱ焼肉?」
「い〜ねぇ焼肉。」
「じゃ、みんな誘って行こっか。」


「久々に文麿様、やるんだってさ。」
「ナルホド。」


ウチらの視線の先には、ごっちん卒業前となんら変わることの無い光景。
石川とごっちんが、ピッタリと寄り添ってる。

ごっちんの眼がもう・・・
これでもか!って勢いでトロトロ。


・・・フ。
別に羨ましくなんかないで。



165 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時10分31秒




「仲良いねぇ。」
「っんとにな。」
「良い事だよ。」
「ごっちんがモロ子供やんか。」
「あはは。可愛いねぇ」
「せやなぁ・・・」


まるで、老夫婦の会話のようだと。
なっちに横からガバッと抱きつきながら、矢口が笑う。


「茶化すな。」


ぐりぐりと、矢口の頭を撫で繰り回す。
や〜めろよ〜ぉとか言いながら、嬉しそうに笑う。
コイツも可愛いなぁ。


「あ〜、いいな。なっちも。なっちにもー。」
「・・・お前は一体いくつやねんな」


少々苦笑を交えつつも、やっぱ可愛い。
同じくらいの高さに並ぶ二つの頭を、うりうりと撫でてやった。


「中・・・中澤さっ!助けて・・・ッ!」


視界の端に。

『みんなと一緒ならかーえるぅぅ〜〜〜!!』
とかなんとか言いながら抱き着くごっちんに絞め殺されそうな石川。
・・・イチャつくな。
ムカツクから無視。

で、更に端には、明らかに本家に見せるように似非コントを続ける辻加護。


166 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時11分16秒



どうやら本物が見たいらしい。
まだまだ子供やな。
可愛いカワイイ・・・。


・・・なんかコレじゃホンマにおばあちゃんみたいやんか。


『分かった!分かったごっちん!二人で!二人で行こ!!』


苦しそうな石川の叫びに、ごっちんは顔を輝かせる。
ホント?ホント?と、嬉しそうに石川を解放した。

そのまままったりバカップルに戻り、さっきまで見てた雑誌を再び二人で眺める。


・・・辻加護シカトかい。


と、心の中で突っ込んだ瞬間。


「嗚呼ッ!!大変!!」


楽屋に、甲高い声が響き渡った。


「家の電話・・・留守電にしてくるの忘れてきちゃった・・・ッ!!」


妙に演技がかったセリフ。
お、コレは期待できるんちゃうか、と辻加護を見やれば。
突然の大声に呆気にとられてる。


「なんて忘れっぽいのかしら・・・こんなの・・・こんなの・・・」


と、『石川さん』のコントは続く。


「こんなの悲しすぎるッ!!」


仕込み(目薬)がないから、わぁっ!と両手で顔を覆うことでカバー。
なかなかアドリブ利くようになってきたやん。


167 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時11分55秒



辻加護も、やっと状況を把握し、ワクワクと期待の眼差し。
が、しかし。
このコント、ここでもう一声なくては先に進まない。


「も〜、分っかんないなぁ梨華ちゃんは〜!」


隣りから突然あがった大声に、こんどはなっちがビックリ。
ただでさえデッカイ目をさらにデカくして矢口を見つめる。
そのなっちを見ながら、満足そうに笑む矢口。

・・・辻加護のためだったのか。
それともなっちを驚かせたかっただけなのか。

まあどっちにしろ、辻加護からは感謝されることだろう。


「ボクには分かる・・・」


そして、文麿登場。
流石は本家。
例え髪を下ろしたままでも、キラキラっぷりがハンパじゃない。


「文麿様〜〜〜ぁvvv」


さすが本家。
・・・・・くねくねっぷりがハンパない・・・。


168 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時12分29秒




「・・・石川さん・・・」
「・・・文麿様」


流石は本家。
イチャつきっぷりが尋常じゃない。
(いつもと変わらん気もする)

てか視線が。
視線が。

アカン。
辻加護には刺激が強すぎるラブラブオーラや。


「文麿様・・・」
「石川さん・・・ッ」


ああああああっ。
アカンこのままやとちゅ〜vなんて事になる!
おおっ!?既に石川キス待ち!?

アカンアカンて!
ちょっと見たいけど!!

仕方ない・・・


「あなたたちー!!こんなトコでなにしてるんですか!!」


『なかなか結婚できない中澤先生』の役を演じる。
あくまで役や。
いらん突っ込みすんな。


169 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時13分13秒



「私たちの愛を邪魔するんですか!?」
「石川さん・・・きっと彼女は、彼氏がいないから、ひがんでるんだよ。」


ざけんな文麿。


「ああ・・・そうですよね。」
「可哀相な人だね・・・」
「可哀相言うな!!」

「・・・おばさんて、こわ〜い」


と、いつぞやのセリフを残して、石川さんと文麿様がフェードアウト。


「ホンモノー!ホンモノ―!」


と、辻加護は生コントに大喜び。


「どう?どう?」


と、やった本人たちも何故か嬉しそうだ。



・・・平和やなぁ・・・・・・
しみじみ思う自分に苦笑。
前なら、キャイキャイ煩いなぁ、とか思ってたかもしれない。

やっぱ歳とったんかなァ・・・。
盛り上がる楽屋で、人知れず溜め息をつく私でした。



170 名前:+++中澤裕子の娘。楽屋探訪+++ 投稿日:2003年04月28日(月)19時13分51秒



  そんなわけで、中澤裕子の娘。楽屋探訪終了。


171 名前:如月 投稿日:2003年04月28日(月)19時19分24秒
ハイ、遊びましたごめんなさい。
許してください。


151 ROM読者様

なんだかいつもいつもすみません(笑)
凄く嬉しいです。感謝です。
おー、求めてくださいます?
じゃあまた今度、頑張ってみます。
期待せずに待っててやってくだされば幸いです。


152 DK様

あったかい気持ちになってくださるのは、本当に光栄でございます。
もっとのほほん書いてみせます。
お待ちください。
(書けないくせに。)


153 ななし様

まったりお待ちいただけたでしょうか?
ハイレベルだなんてそんなっ!!
もっと文章力アップ目指して頑張りますです!
でも、いしごまにハマっていただけるのは嬉しいな〜。
お仲間増えて(笑)



では、読んでくださったそこのあなた様。
感謝です。
お目汚しを。

172 名前:DK 投稿日:2003年04月28日(月)19時20分21秒
C'est trеs bonne . (素晴らしい)
173 名前:ROM読者 投稿日:2003年04月29日(火)13時55分27秒
楽屋探訪・・なんか2年くらい前の楽屋にタイムスリップ
したような感じがします。関西の人って思考の基本はボケ
とツッコミなんですかね。裕ちゃんがとても良い感じです。
174 名前:如月 投稿日:2003年04月29日(火)17時57分01秒
初ですかね。
初、連日更新ですかね。

時間が出来たときに書いておかないと、最近あんまりPCいじる時間が・・・

では、どうぞ。
175 名前:FUMIMARO 投稿日:2003年04月29日(火)18時02分04秒
久々の文麿登場にはしゃぎまくって、その翌々日にここを発見。
GWいいことありそう。。
176 名前:+++暫し、別れ+++ 投稿日:2003年04月29日(火)18時58分46秒


「じゃあ・・・」


呟く真希ちゃんは、凄く頼りなかった。
いつもの『後藤真希』は、そこにはいなかった。


「・・・うん」


気の利いた言葉なんて、かけられなくて。
顔を見ることすら、満足に出来ない。


「行くね・・・」


そう言って、座り込んだままの私に背を向ける。
背中を追いかけたい衝動を、必死に耐えた。

だって、あなたのためだから。
引き留めることなんて、出来ない。

せめてちゃんと見送ろうと、顔をあげた。


177 名前:如月 投稿日:2003年04月29日(火)18時59分24秒



ドアを開けて、とっと振り返った真希ちゃんと、視線がぶつかる。


不安に揺れてる、瞳。


『頑張ってね』


って。

声に出さずに、呟いた。
これが、今の私にできる精一杯のこと。

ゴメンね。

私がもっとしっかりしてれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。


今更後悔しても、もう遅過ぎるんだけど。


吸い込まれていくように、ドアの向こうに消えていくあなたを。
見守るしか出来ないから。
祈ることしか出来ないから。


何もしてあげられなかった自分を、嘆くことしか出来ない。

・・・・・ゴメンね・・・











178 名前:如月 投稿日:2003年04月29日(火)19時00分23秒
























179 名前:如月 投稿日:2003年04月29日(火)19時01分11秒












バンッ!!!




「梨華ちゃぁ〜〜〜〜〜〜ぁん!!」

「真希ちゃんッ!!」



勢い良く飛び出してきた真希は、その勢いのまま梨華に飛びついた。

真希よりも小柄で、力も劣る梨華は、
その衝撃によろよろとよろめきながらも、一生懸命、真希を抱きとめる。


「大丈夫?大丈夫?痛くされなかった?」
「超痛かったよー!!」


胸に縋り付いてくる真希を、母親のように宥める梨華。
ガバッと顔を上げて、必死に訴える。


180 名前:如月 投稿日:2003年04月29日(火)19時01分52秒



「なんか、血管見つかんないとか言われて二回も射し直したんだよ!?ヤブだヤブ!!」
「よしよし、頑張ったね?」
「うん。」


再び梨華の胸に顔を埋める。



「・・・ここは病院です。お静かに願えますか。」


目の前で、思いっきりヤブ医者と宣告され、
診察室から少々憮然とした表情で出てきた。


「軽い風邪です。注射打っときましたので、熱は暫くすれば下がるでしょう。
 お薬出しときますので、朝昼晩、食後に飲んでくださいね。」


医者の説明を軽く聞き流し、梨華が真希の頭をイイコイイコと撫でる。


「・・・・・点滴を打てば、回復も早いですが」

「結構です!!」
「いらないッ!」



181 名前:如月 投稿日:2003年04月29日(火)19時02分31秒




医者の提案を最後まで言わさずに、同時に叫ぶ二人。
医者は苦笑しながら、処方箋を差し出した。


「お世話様でした。」
「ハイ、お大事様。」


それを梨華が受け取り、ペコリと頭を下げる。
ホラ、真希ちゃんも。と、促され、真希も頭を下げた。

真希が梨華に寄りかかるようにして、歩き出す。
二人が通った跡、院内は桃色オーラでいっぱいだったとか。



182 名前:+++暫し、別れ+++ 投稿日:2003年04月29日(火)19時03分05秒






「何食べたい?」
「うどん。」
「消化にいいしね。分かった。」
「油揚げ入れてね。」
「うん。分かった。」
「あとは―・・・」
「人参も。それからシイタケとー、あとネギね。ネギ。」
「ぅえ・・・ネギ・・・」
「体に良いの〜。食べなさいね。」
「・・・・」
「ゴホービあげるから。」
「えっ!何々!?」
「ふふふv」
183 名前:+++暫し、別れ+++ 投稿日:2003年04月29日(火)19時03分36秒








       +++暫し、別れ・オワリ+++

184 名前:如月 投稿日:2003年04月29日(火)19時12分05秒
ごめんなさい。
途中タイトル『如月』になってました(爆)



156・172 DK様

滅多に更新されないこんなトコに、ナイスタイミングで足を運んでくださってたんですね・・・。
もう運命を感じます。(←迷惑だ)

お褒めの言葉、感謝です。ところで。。。
ごめんなさい、何語ですか?(爆)


173 ROM読者様

如月、姐さん大好きみたいで。
また書いちゃいました。
いつも感想どうもです。
久々に、ブラウン管で本家のいちゃつきがあって幸せでしたねー。


175 FUMIMARO様

ようこそ文麿様ッ!!(笑)
「石川さん・・・会いたかったよ・・・!」
の文麿様に、如月完璧KOでしたー。
もっと文麿様の出番が増えることを期待しつつ、
時間の許す限り更新したいと思います。

でも、めちゃくちゃ更新スピード遅いので、たま〜に覗いてやってください。



なんか最近まともなの書いてない気がする・・・
てかまともなのなんか一つも無い気が・・・
ごめんなさい。頑張りますです。

では読んでくださった方、多謝です。
185 名前:DK 投稿日:2003年04月29日(火)21時00分35秒
めっちゃ笑ってしまい、危うく画面に日本酒を吹きかけましたw
あれはフランス語です。
186 名前:ROM読者 投稿日:2003年04月29日(火)21時37分53秒
んははは・・・スレ流しのオチ隠し・・・いゃ〜、落ちた落ちた!
参りました。お馬鹿で可愛いし。でも・・
>「ゴホービあげるから。」
すごく気になります。(妄想w
187 名前:北都の雪 投稿日:2003年04月30日(水)00時38分19秒
連続更新お疲れ様です。
3本とも面白いっす。
OH-SO-ROで梨華ちゃんだけが出ていなかった苛立ちが
ハロモニとここのおかげで癒されました。

またまったりと待っています。
188 名前: 投稿日:2003年04月30日(水)19時38分14秒
おひさしぶりです。姐さんがいい味出してますねぇ。
ざけんな文麿にはかなり笑いました(w
それにしても如月さんのいしごまはネタが尽きる事無いですね。
すごすぎってか尊敬です。あとコトノハに出てきた“一方通行”って言葉
新作にて使わせていただきました(w
m(_ _)mすみません。その言葉を入れたかったので…。
また新しいいしごま期待してます。
189 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月13日(火)16時47分52秒
( ´ Д `)人(^▽^ )
190 名前:ROM読者 投稿日:2003年05月31日(土)22時15分21秒
月末保全sage
191 名前:如月 投稿日:2003年06月11日(水)23時33分38秒
四・・・四月!?
みたいな・・・(みたいなじゃねぇ)
すみません。かーなりお久しぶりです。
如月です。

もしどなたか覗いて下さってたら・・・
ホントにスミマセンデシタ!
192 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時37分22秒



 「最近天気悪いな〜・・・」
 「もうすぐ梅雨入りだからじゃない?」
 「あ・・・うん。そか。」

193 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時37分55秒


何となくポツリと呟いた独り言に返答があって、ちょっとしどろもどろに返す。


194 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時38分34秒


 「天気予報だとね、来週には梅雨入りだって。」
 「それどこの局の予報?」
 「ン〜・・・?***かな。」
 「・・・じゃあ外れるよ。当たんないの全然。」


195 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時39分21秒




ポツリポツリ。

独り言に返ってくる返事。
それに返して、会話になる。




196 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時40分01秒





 「え〜・・・でも時期的にもそろそろじゃない?」
 「最近この星おかしいし。」
 「ああ、うん。ちょっと季節狂ってるよねー。」




197 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時40分42秒





何気ない言葉に羅列。
返ってくるのも、飾り気のない言葉。




198 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時41分22秒





 「雨降りそうだから、傘もってみたりさ〜。」
 「あー、で、いきなり晴れたりね。」

 「暑かったり寒かったり、身体ついてかないよネェ。」
 「もう年だしなぁ・・・」
 「ぐっ・・・り、梨華ちゃん年って・・・」




199 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時41分56秒





ちょっと軽い口も交えながら。
ポツポツポツ、と。




200 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時42分46秒





 「真希ちゃんはいいなぁ・・・まだお肌ピチピチ☆って感じ?」
 「ピチピチ☆って・・・年そんな変わんないじゃん」
 「学年一個の差は大きいの。」




201 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時43分40秒





指の背でぷにぷにと頬を撫でられる。
会話は続く。




202 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時44分39秒





 「すぐ年上ぶりたがるよねー。」
 「事実そうだし。」
 「そう言うトコが子供っぽ・・・」

 「・・・・・」
 「・・・・・」

 「・・・・・なんでその先言わないのよ。」
 「言ったら怒るから。」
 「怒るようなことなんだ?」
 「若干イジケ顔モードなのは、自覚あるからなんじゃない?」




203 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時45分23秒




ちょっとお互い忙しくて、なかなか会えない時間が続いた。
その時間を、すぐになかったように接することが出切るほど大人ではない。

ポツポツと、途切れ途切れだった会話。
少しずつ、パラパラと流れ出す。



204 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時45分54秒





それは。




205 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時46分27秒




 「・・・あ、」
 「ん?」
 「雨だよ、真希ちゃん。」



206 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時47分09秒




それは、すこし、雨に似ていて。




207 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時47分42秒




ポツポツと降ちてきた雫が、
パラパラと線に変わる。

この雨が、本降りになって、ザーザーと、煩くなる頃には
たぶん会話も、会えなかった前と変わりなく流れ出す。




208 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時48分46秒



 「・・・やっぱり梅雨入り近いかもね。」
 「あれ?前言撤回?」
 「うん。」




209 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時49分35秒






梅雨に入れば、雨は止まない。
降りそうで降らない、そんなジレンマはなくなる。

その頃には、きっと、会話も途切れなくなる。
ザーザーと、煩わしいくらいに。

照れくさくて、今は言えない言葉も。
きっと溢れ出して、止まなくなる。

そして、乾いた大地に潤いを与えてくれる。
枯れそうな心に、水を注いでくれる。




210 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時50分23秒





 「梅雨入りしたら・・・」
 「ん?」
 「その頃は、もうチョット・・・真希ちゃんに会えるかな?」




211 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時52分55秒




水溜りに、きらきら虹を映せるくらい幸せな気持ちになれる。

会話は雨に似てるから。
夏に向けて輝けるように、水分を補充する。

梅雨はきっと、大切な季節。


大好きな、優しい雨音。
もっと聴きたい。


もっと、もっと。



もっと。




212 名前:+++水無月+++ 投稿日:2003年06月11日(水)23時53分50秒






             +++水無月・ヲワリ+++


213 名前:如月 投稿日:2003年06月11日(水)23時55分20秒
梅雨入りしましたし・・・

えと、ごめんなさい。
全然PCの前にいられないのですよ〜。
言い訳にしかなりませんが・・・。

しかも新作がこんなので、ホントに申し訳ないです。
214 名前:如月 投稿日:2003年06月12日(木)00時06分38秒

185 DK様

笑っていただけましたかー。
嬉しいです^^
今回のは、笑いのテイストは皆無(のつもり)なのですが、
如何だったでしょうか・・・。


186・190 ROM読者様

如月も採血しました。
ヤブでした(爆)

で、いつも感想感謝です。
感謝の気持ちを込めて、いつかROM読者様の妄想を形に・・・(笑)

保全も・・・ごめんなさい。
更新遅くて。


187 北都の雪様

あやごま・・・ごめんなさい。
如月じゃないですー。
でもでも、いしごま前提のあやごまとか、いつか書いてみたいジャンルです。

まったりと・・・お待ちいただけましたか?
もう皆様に見捨てられていると・・・
思いながらも更新してみました。
もし読んで下さってれば、嬉しいです。


188 @様

ネタ・・・尽きなくても、書ける腕がなくて・・・(爆)
@様は、すごく膨大な量書いてらっしゃいますよねー。
尊敬です。

最近@様の作品を読む時間すらなくて・・・
いつかまとめて読みまくりたいです。


189 名無し読者様

・・・お待たせしましたです。



読んで下さったそこのあなた様。
感謝感激です。
ありがとうございました。
215 名前:ROM読者 投稿日:2003年06月12日(木)00時23分48秒
更新お疲れ様です。この2人らしいのんびりとした雰囲気が
たまらなく素敵です。まさにマターリって感じですね。

>全然PCの前にいられないのですよ〜。
タイトルが心行くままですから。作者様の気の向くままで良いと
思います。どうか無理をなさらずに創作されてください。

>しかも新作がこんなので、ホントに申し訳ないです。
とんでもない!私は作者様の作品が大好きです。会話は少ないけ
れど、心がホンワカ暖かくなりますよ。

>感謝の気持ちを込めて、いつかROM読者様の妄想を形に・・・(笑)
私の妄想の始まりは、FUNの辻加護イエイエ娘。の時に日テレの廊下を
梨華ちゃんとごっちんがDo it! Nowの赤い衣装で手を繋いで歩いているの
を見てからでした。(マジ
216 名前:DK 投稿日:2003年06月12日(木)18時28分21秒
梅雨の鬱陶しい季節にぴったりな感じですね(^^)
217 名前:sai 投稿日:2003年06月16日(月)18時19分58秒
はじめまして、いつも読ませて頂いてます。

ココのいしごまはすごいリアルな表現で
カナリ好きです、作者さんガンガってくらさい(∀`)
218 名前:sai 投稿日:2003年06月16日(月)18時20分30秒
すいません、ageてしまいました…。
219 名前:キュウ 投稿日:2003年06月17日(火)13時57分55秒
今日も降ったり止んだりの落ち着かない梅雨空ですが、
なんだかさわやかな気分になれました。
次作も楽しみに待ってます!
220 名前:如月 投稿日:2003年06月22日(日)12時14分32秒
こんにちは。如月です。

なんか梅雨入りしたのに暑い日が続いて、
熱さに弱い如月はヘロヘロです。

なので、今回は初々しく。
(なのでの意味がわからない)

お暇なときにでもどうぞ。
221 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時15分09秒




楽屋には、二人きり。
石川はソファに座る。
二人掛けの、隣りにはひとり分の空白。

後藤はイスを反対に座り、
背もたれを抱え、窓の外を眺める。





222 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時15分42秒






どきどきどき。

煩い心臓。


こんなに静かな空間。
きっと聞こえちゃう。


沈黙が、苦しい。
何か喋らなきゃ。

窒息する。






223 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時16分19秒





「ごっち―――」
「あ、そういえば――――」



それまでの静けさを打ち破って。
見事にかぶる言葉。

微妙な空気。



「・・・梨華ちゃんからどーぞ?」
「えっ、あ、たいしたことじゃない・・・から、ごっちん先に・・・」
「んー、イヤ、ごとーも別にたいしたことじゃ・・・」



話し出すキッカケを断つ。
再び軽い沈黙。

窓を見つめる後藤の背中から、喋る気配を感じない。



「・・・あの、ね?」
「んぅ?」



たまらなくなってか、石川が口を開く。



「暑いねって、言いたかっただけなの。」
「・・・へ〜・・・」
「・・・ゴメンネ?ホントにたいしたことじゃなくて。」
「んーん。ごとーも、言おうとしてたから。」
「へ?」
「『そういえば、梅雨入りしたんだよね。何この暑さ』って。」



224 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時16分59秒



くるりと首を軽く回し、石川を振り返る。
ぎこちなく微笑む、石川の瞳とぶつかった。

後藤は苦笑する。



「ごめんね。怖い?ごとー。」
「えっ!?」
「なんで誰も来ないんだろうね?」



再び視線を窓の外に移す。
言って、自分でも嫌味だなぁとは思ったけれど。
後ろで、石川の慌てる気配がしたけれど。

――これ以上傷つくのはイヤだから。

とりあえずそれは無視した。


何度も口を開きかけ、言葉に迷って口を閉じる。
そんな事を繰り返した石川だったが、意を決して声を出す。



「違うの!!」



とても大きな声だった。


225 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時17分37秒


『絶叫』と言っても、過言ではないほど。

たぶんフォローを考えて必死なんだろーなー・・・
などと思いつつ、ゆっくりと振り向く後藤。

その先には、思いのほか大声が出てしまって、自分でも驚きを隠せない石川。


『怖い?』を否定してもらえず。
かなりショックを受けているはずなのに。



「・・・かわいいね。梨華ちゃんは。」



後藤は、無自覚に呟いた。
そして一瞬の間の後。
何を口走ったか気付き、ゆっくりとした動作で片手で口元を押さえた。



またまた訪れる沈黙。



しかしそれは、意外と早く終わりを告げた。
音量調節された、石川の声で。



「怖いとかじゃなくて・・・」



後藤をちらりと見やる。
後藤の視線が自分に向いていることを確認すると、恥かしそうに再び下を向いた。


226 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時18分19秒




「さっき嘘ついたの。」
「・・・うそ?」



手のひらを解いて、後藤が問う。
コクンと頷き、石川が続ける。



「『暑いね』、なんてことが言いたかったんじゃなくて・・・」
「・・・」
「ホントはね、ホントは、もっとくだらない事・・・なの。」



再びちらりと石川の視線が後藤を捕らえた。
先を促す後藤の眼差しに、石川の口が開く。



227 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時18分49秒









「・・・・・・・なまぇ」
「・・・・・・名前?」








228 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時19分35秒




後藤の問い掛けに、大きめに頷く石川。
『?』いっぱいの後藤。



「ただ、『ごっちん』て、呼びたかったの。」
「・・・・・ふぇ?」
「いつもは、は・恥かしくて、肩トントンて叩いたり、『ねえ』、とか・・・だったり・・・」



石川の言いたいことが理解できて、徐々に体温が上昇するのがわかる。



「だから、今なら、誰もいないから、だから、ちょっと・・・」



しどろもどろと、一生懸命語る石川が可愛くて。
可愛くて可愛くて可愛くて。

後藤も小さい告白を試みた。



「あのね、梨華ちゃん。」
「っえ!?」



過剰な反応。
耳まで真っ赤。



「・・・じつはね、ごとーも、続きあってね。」
「何!?」



この会話を途絶えさせまいと、必死なのが後藤に伝わる。



「梅雨ネタは、ぶっちゃけちゃうとキッカケで・・・」
「うん」



「ホントは、ね――――」



229 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時20分12秒




言いながら、おもむろに立ち上がる。
そのまま石川の隣りのスペースに滑り込むように座った。



「わっ・・・」



飛び込んだ後藤の衝撃で、揺れるソファ。
安定がとれなくて、後藤の方に体が沈む。

その両肩を抱き締めて、固定して、逃げられないようにして。
後藤が耳元で、言う。



「ずっとね、ここ座ってもいい?って、聞きたかったんだ。」
「・・・え?」



逆行でよく見えなかった後藤を、今日初めて間近で見た。
その顔は、石川に負けないくらい真っ赤だった。

勿論、石川も耳まで赤く染めていて。


照れくさそうに見つめあった後。
初めて心に触れた気がして、二人で軽く笑いあう。





230 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時21分33秒









どきどきどき。

煩い心臓の音。
聴こえて欲しい。
伝えて欲しい。

この想い

隣りの人に、どうか。







231 名前:+++変化するトキメキ+++ 投稿日:2003年06月22日(日)12時22分13秒








          +++変化するトキメキ・オワリ+++


232 名前:如月 投稿日:2003年06月22日(日)12時24分38秒

・・・・・ハイ意味不明!!


何て言うか、こう・・・友達以上恋人未満て程でもなく、
お互いに微妙に意識してて、でも・・・
みたいな、いしごまを書いてみたかったんです。

ま、玉砕なんて毎回ですし。(キサマ)
笑ってやってください。
233 名前:如月 投稿日:2003年06月22日(日)12時43分57秒

ROM読者様

・・・なんだか『ROM』って打つことへ、抵抗を覚えてきました(笑)
いつもありがとうございます。
しかも毎回感想下さるのが凄く速くて・・・
滅多に更新しないこんなトコに、頻繁に訪れてくださっているのでしょうか・・・。
ありがとうございます。

>心がホンワカ暖かくなりますよ。
ありがとうございます。
痛い系とか、書きたい時もあるんですが、甘く甘く甘くが好きなもので。
でもそのうち痛いのかいちゃったらゴメンなさい。

>FUNの辻加護イエイエ娘。の時に…
あっれはステキでした。
如月、何度再生を繰り返したことか。
如月的には、ハロモニの、歌ジェスチャーのが一番ヒットでした。
『( ´ Д `)ぽろり・あー♪ぽろり・あー(^▽^*)』


>DK様
鬱陶しいですよね、梅雨。
でも、如月の生息地は梅雨通り越したような日々が続いております。
・・・・熱さに任せて、いしごま熱もヒートアップ!!
(暑くて何言ってるかわかりません)
234 名前:如月 投稿日:2003年06月22日(日)12時44分59秒

>sai様
はじめまして。
感想ありがとうございますです。
掲示板の方は、某所から飛んで、既にお邪魔させていただいてます(笑)
リアル目指してます。
それ故、そんなに激しいイチャイチャはあんまりない・・・と、思ってるのですが、そんな事もないでしょうか・・・?


>キュウ様
雨は好きですが、梅雨は嫌いです。
鬱陶しいというのもありますが、如月夏が苦手なので・・・
なんだか『これから夏!』みたいな雰囲気が嫌です(何)
なので、少しでも梅雨をポジティブに取り入れてみました。
さわやかと言ってもらえて、本望です^^
感想ありがとうございました!



では読んで下さった皆様。
ありがとうございました。
235 名前:DK 投稿日:2003年06月22日(日)14時53分10秒
うっわ〜!!ヤバイ!!超萌えた〜!!作者さんのいしごま
マジ最高です!これからも頑張ってください。応援してます
236 名前:ROM読者 投稿日:2003年06月22日(日)23時58分01秒
いいですね。私にも2人のドキドキが伝わってきましたよ。とても爽やか
で気持ちが良いです。

>・・・なんだか『ROM』って打つことへ、抵抗を覚えてきました(笑)
なはは、最初は本当にROMってたんです。でも、作品がいつも素敵なの
でどうしても我慢しきれずに気付いたらレスしまくり。適当なHNがあれ
ば募集致します。(笑

>でもそのうち痛いのかいちゃったらゴメンなさい。
歓迎しますよ。寿司も辛い山葵で美味くなる。

>『( ´ Д `)ぽろり・あー♪ぽろり・あー(^▽^*)』
これ、たまたまV録ってたんですよ。後で気付いて神様に感謝しました。
あれからもう1年半近く経ちますね。
237 名前:sai 投稿日:2003年06月23日(月)20時37分01秒
やっぱり某スレ住民(?)でしたか(笑)
既に来て頂けてたみたいで光栄です(゚∀゚)

今回も萌えさせていただきました(´∀`*)
リアルを目指すというかもぅ十分リアルなんで(笑)

イチャイチャ?リアル(現実世界)ででつか?
なんか微妙な関係なのがいいんですよね、いしごまって(*´∀`)
238 名前:名無し読者 投稿日:2003年07月12日(土)15時23分07秒
マターリ保全
239 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月03日(日)23時17分52秒
いしごま保全
240 名前:如月 投稿日:2003年08月08日(金)12時43分53秒
なんだか毎回お久しぶりなんですが・・・。
こんにちは、如月です。

今回、主役矢口さんですね、コレ。
ごめんなさい。
それでも読んでやろうってお優しい方、どうぞ・・。
241 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時45分05秒

思わず、自分ひとりの仕事の帰りとかで。


「あ〜・・・寂しー・・・」


とか呟いてしまうのは、ちょっと重症かもしれない。




終電間近。
お客さんもまばら。
酔っ払いのオッサンとか、OL風の人とか。

一応芸能人なんで、深く被った帽子。
・・・でもみんな疲れきってて、誰も気づかなそう。

ここで、『モー娘。の矢口でぇーっす!!』とか叫ばない限り。

嗚呼。
なんか思考回路がオカシイ。
疲れてんのかなー、やっぱ。

おー、首バキバキ鳴るよ。
今度整体行ってこよ。うん。
グルグルと首をまわしてて、フッと気付いた。


242 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時45分41秒



カップルがイチャってやがる。
寄り添って立って、二人で窓の外見てる。
イヤ、違うな。お互い若干向き合って、窓に対して斜めに立ってる。
超至近距離で。


消え去れ。
人が仕事でくたくたなのに、お前等何やってんだよ。
あ――超ムカツク――――!!!

てか男、背ぇ低!!
(『おまえが言うな』とかいう突っ込みが聞こえる。)
んー・・・165ってトコだな。

女の背中で男よく見えないけど・・・
てかむしろよく見えてるのは女の腰にまわってる男の手だけなんだけど・・・
ちょっと遠すぎて、よく見えないけど。

よく見えないんだ、けど・・・?





なんかアレ・・・梨華ちゃんそっくりじゃないか・・・?
あの脚の感じとか〜、腰の感じとか〜・・・髪の色とか長さとか・・・
ちょっとピンク強いトコとか・・・。
似てるなぁ・・・。

でも梨華ちゃんより全然センスイイ。
なんか・・・テイスト的にはごっつぁんぽいや。
ああ、そうそう。
ホント、ごっつぁん好きそう。あんな感じ。

243 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時46分21秒


あ〜・・・そういえば、チラッと見える男の脚、あんなパンツ、ごっつぁん穿いてた気がするな〜。


・・・男にしてはなんか、見えてるパーツが華奢だな・・・。
遠目だから・・・?




ま さか







244 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時47分07秒















245 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時48分02秒







違うよな。
まさかそんなコトないよね。
落ち着け自分。
なに面白いこと考えちゃってるんだ自分。


今ちょっと脳裏を掠めたバカな考えを、頭を振って追い出す。

無理だし!!
超気になるし!!

よし。ちょっと近づいてみよう。
やっぱ気になることはきちんと解消しなきゃ後味悪いし。


さも、そろそろ降りるからドアのそば行ってよー的雰囲気で、イチャつく二人のそばの椅子に座った。


246 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時48分49秒


声が聞こえる程度の位置。
・・・・・・これって盗聴とかになるのかな。
ならない(決定)。


さてさて・・・(聞き耳中)




247 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時49分44秒







「今日さ、久々に会えて、嬉しかった。楽しかったね。」
「ん?もう締めモードなの?」
「もうすぐ着いちゃうもん。」
「あ、寂しそう〜」
「寂しいもん。」
「あはっ、ウッソマジ?くぁいい〜〜v」






248 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時50分38秒



あーあ、ビンゴだねー。

ハイ誰かあいつら殴っちゃって〜。
ビシッとバシッといっちゃってぇ〜。

あいつら何考えてんだ!!
イヤ・・・何も考えてないんだな。
な〜んにも考えちゃいないから、あんなバカな会話になるんだ。
しかも手に腰なんて、そんな大胆なカッコになったりするんだ!!

249 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時51分11秒






「だって、最近ホント全然会えないし・・・。」
「じゃ、次で一緒に降りてイイ?」
「へ?」
「今日、泊まってってもへーき?」
「・・・でも、真希ちゃん明日結構早くからお仕事・・・」
「仕事より梨華ちゃん。」





250 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時52分11秒




梨華ちゃんより仕事だろう!?



251 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時53分37秒






「・・・真希ちゃん・・・(ハート)」





252 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時54分26秒




突っ込めよ石川!!
うっとりしてんなよ!!!
って結局アタシ突っ込み役だし!!



253 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時55分22秒






「あ、でもホント、ダメだよ。」
「え〜、なーんでーぇ」
「真希ちゃんただでさえ朝弱いのに・・・ウチからじゃ、現場遠いよ?」
「大丈夫だよ。梨華ちゃん起こしてくれるでしょ?」
「そりゃ起こすけど・・・」
「梨華ちゃんの声で起きなかったことないもん。」





254 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時56分12秒




うん。確かに。
移動車でも楽屋でも。
裕ちゃんがキレても、アタシが叫んでも、圭ちゃんが抱きついても(コレは即効でごっつぁんに張り倒されてたっけねぇ・・・)、とにかく寝続けようとしてたごっつぁん。

・・・超問題児。
ま、今さらか。

その問題児が、梨華ちゃんの言うことだけはよく聞いてたな。
『もう着くよ?』
って一言に、ちゃんと反応してたしなぁ・・・。



255 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時56分47秒






「・・・でも」
「まだなんかダメだしあるのぉ〜?」
「疲れてるでしょ?今日だって、無理矢理お休みとっちゃって・・・」
「無理なんかしてないよ。梨華ちゃんと遊びたかっただけだし。」
「でもそれで、スケジュールきつくなったじゃん。」
「んー・・・梨華ちゃんタイムにはかえられないでしょ。」





256 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時57分53秒




何だ『梨華ちゃんタイム』て。



257 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時58分36秒






「・・・何その『梨華ちゃんタイム』って・・・。」





258 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)12時59分07秒




お、よくできました。



259 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時00分11秒






「・・・ね。ダメ?」





260 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時01分21秒




・・・・・・・・・・・おっと、キラキラモードだよ。
コレ絶対わざとだね。



261 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時02分08秒





「・・・ダメ。」
「梨華ちゃん・・・・・」
「お願い。無理して欲しくない・・・。」





262 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時03分16秒




ぎゃ―カワイイ!!
梨華ちゃん可愛いじゃん!!!
そういうキャラで攻めてけば!?
ヘタに面白いキャラじゃなくていいのに!



263 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時04分35秒





「ごとーだって、無理させたくないし。」
「?」
「まだ一緒にいたいって顔してる。」
「・・・そんなの・・・」
「もっとそばにいたい、でしょ?」





264 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時05分22秒




ア〜・・・。
強気なマキチャン。
サドっ気たっぷり。
マゾっ気たっぷりなリカチャンにはたまらないね〜。
ね〜?(投げやり)



265 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時05分59秒





「・・・・うん。」
「ごとーもだよ。」




266 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時06分55秒




あららららー。
間髪いれずにそこでそのキラキラスマイルですかー。
王子様系スマイルだねー。
落ちない女はいないんじゃないっすかー?
もー誰か何とかしてくれー。



267 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時07分52秒






「ッ・・・・」





268 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時08分45秒




あー、ホラ、梨華ちゃん真っ赤。
え?何で分かるかって?
耳が真っ赤なんだよ、耳が。
ってアタシは誰に言ってるんだろう。

そして梨華ちゃんは何ちょっと流されそうになっちゃってるんだろう。



269 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時09分16秒






「ね、もっと一緒に、いよう?」
「・・・・・」




270 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時09分46秒



殺し文句だね。
ウマイね。
お持ち帰り(正しくはお持ち帰られり?)決定だね。

やる気無さそうな車掌さんの声が、駅に着くことを告げる。
ゆっくりと列車が速度を落としていく。
プシューッと、音と共にドアが開いた。


ためらう梨華ちゃんを、身体ごと外に押しやる。
そのまま、ごっつぁんも―――――・・・



半分、電車の外に出た体。
上半身を軽く捻って、こっちを見た。

ごっつぁんのキャスケットの下の目と、しっかり視線が合った。

驚きで、目を丸くしてると、ごっつぁんは口の端を上げて、ニヤッと笑う。
人差し指を口元に寄せて。

271 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時10分33秒







『シー』






272 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時11分32秒





そのまま跳ぶように電車を降りて、また、梨華ちゃんの腰に手をまわした。
ガタタン・・・ガタタン・・・と、また列車が動き出す。
当然のように窓の外を見た。
再び、ごっつぁんと視線が合う。

こっちに向かって、ひらひらと手を振る。
アタシはそれに返すことは出来ず、ただ呆然と見つめ返してた。

・・・バレてたのか〜・・・。


何となく罪悪感。
まあ、公共の場でイチャってたあいつらが悪いんだけど。
人の良い矢口の胸は、シクシク痛むのですよ。

ぽすんっと、座りなおしたら、携帯がメールの着信を告げた。
ん〜?こんな時間に誰だー?
液晶に映るのは・・・


『ごっつぁん』



・・・ピッとボタンを押す。
勿論メールが開かれる。



273 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時12分40秒





  件名:見られちゃった☆

   本文:なんか疲れてたけど、仕事ー?ご苦労様でッス。
       今日のコトはみんなには秘密にしといてね。
       特にゆーちゃんね。怒られるから。
       じゃ、これから梨華ちゃんちに乗り込んで、
       梨華ちゃんいただくから、またね。   
                                       』





274 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時13分14秒





悔しいけど、なんかちょっと幸せな気分。
楽しそうなメールから、なんだか愛をお裾分けされた感じ?
バカな内容なのにね・・・。

でも、あの二人は、見てて嬉しくなる。
仲良さそうにしてるのを見てると、なんだかこっちまであったかくなれる。
羨ましいってのもあるのかもしれない。

なんだか甘い気持ち。

とりあえず、駅着いたら、なっちに電話してみよう。
そんで、暇そうだったら押し掛けて、今のこと喋っちゃおう。
たぶん『仕方ないネェ、あの二人は』って、嬉しそうに笑うんだろうな。



やたらやる気のない車掌の声が、降りるべき駅名を読み上げた。


275 名前:+++矢口サンの独り言+++ 投稿日:2003年08月08日(金)13時14分13秒




       +++矢口サンの独り言・オワリ+++
276 名前:如月 投稿日:2003年08月08日(金)13時17分18秒
以上です。
細切れですみません。
読みづらかったでしょうか。

なんだか、シャボン玉の矢口さんが無性に好きで、こんな話が。
ラストは安倍さんの名前を出してますねー。
でも、たぶんここの二人は友情なんで。
277 名前:如月 投稿日:2003年08月08日(金)13時23分52秒

235 DK様

ご無沙汰してます。
今回は、あまり萌える様な内容ではなかったので申し訳ないです。
イチャつきがないですよねー。
次回は、もちょっと絡んでほしいですねー。
(他力本願)


236 ROM読者様

>歓迎しますよ。寿司も辛い山葵で美味くなる。
じゃあ、お言葉に甘えて、そのうち書かせてもらっちゃうかもです。
でもそのときはsageでいこうかな。。


237 sai様

映画の舞台挨拶時のいしごま。
後藤サンの、石川サンを見つめる瞳が相変わらず熱くて萌えでしたー(笑)

掲示板のほう、時々お邪魔させていただいてます。
頑張ってくださいね。



では、読んで下さった方、感謝です。
お目汚しを。
ありがとうございました。
278 名前:OGAフリーク 投稿日:2003年08月08日(金)13時31分09秒
く〜〜〜〜〜っ。イイ!!!
いしごまもいいけどやぐっちゃんのストーリーテラーぶりがイイ!
あったかくなりました。ありがとうございます。
279 名前:如月 投稿日:2003年08月08日(金)16時09分35秒
238/239 名無し読者様

ごめんなさい。
保全感謝です。
打ったつもりになってました〜(+_+;
280 名前:ROM読者 投稿日:2003年08月08日(金)23時59分16秒
更新お疲れ様です。ちょっと珍しい視点ですが、面白さが凝縮されていて
大好きです。ごっちんのメ−ルの内容・・・凄いことになってますね。
やぐっちゃん、今頃なっちとどんな妄想をしているのやら。
281 名前:sai 投稿日:2003年08月09日(土)15時06分01秒
更新お疲れ様です。

最初いしやぐかと( ^▽^).。oO(なんで?
思ったんですが、そういう視点だったんですね。
新しい感じの視点でとても満足でした。

家に帰った後の番外編とか…(ないないw

次回の更新も楽しみに保全で待ちますよ。

余談ですが、舞台挨拶は新宿で見てきました。
終始コソコソ2人で喋っている所がハァ━━;´▽`━━ン でした。
あとハローのコンサートもスクランブルの時の
ひな壇に座っている梨華ちゃんが楽しそうでした。
282 名前:如月 投稿日:2003年08月11日(月)17時15分26秒
どうも。如月です。
珍しく早めに更新ですよっ。
でも内容が・・・

ホントにお暇なときにどうぞ。
時間つぶしにもなりませんが・・・^^;
283 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時16分37秒

「おじゃましまーす。おー、相変わらず汚いねぇ♪」
「・・・どうぞ。」



そんなわけで、無理矢理お持ち帰りしてもらっちゃいました。
ただいま梨華ちゃん宅。

梨華ちゃんだよ?
あの梨華ちゃんちだよ?
ピンクいっぱい梨華ちゃんちだよ?

超羨ましくない?

・・・・・・誰に自慢してんだごとーは。


さてさて、ご飯は外で食べてきたしー。
いっぱい遊んで、疲れてるし。
あとは、お風呂入って寝るだけでしょ。
ね。


284 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時17分30秒



「ごっちん、お風呂入っちゃって、すぐ沸かすから。」
「一緒に――」
「入りません。」


遮られた。
・・・チッ。


「軽く何か食べる?」
「んー・・・イヤ、結構お腹キツイ。」
「そう?じゃあ・・・」
「とりあえず、梨華ちゃんもこっちおいでよー」
「あ、うん・・・。」


何かためらってる。
たぶん、今までの経験から、このままごとーが梨華ちゃんを襲うと思ってんだな。

正解。

イヤ、そうじゃなくて。


「梨華ちゃんなんかヤラシー想像してない?」
「え?」
「それとも、して欲しいのー?」
「・・・何言ってんのよ。」


大人ぶってかわす梨華ちゃんの図。
可愛いんだよ。
耳赤くなっちゃうの。

285 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時18分16秒


結局、ごとーの横に座った。
あ、しまった。
なんか床に座っちゃったけど、ベットに座っときゃ良かった。
ま、たまには床でってのも、なんか危なくて新鮮かも(オイ)

あえて梨華ちゃんの出方を見てみようと。
ちょっと放置してみた。
なんかまだ顔赤いし。
雰囲気的には結構OKな感じ。
そしたらなんか思い出したように、梨華ちゃんが腕を伸ばした。

おお、積極的ですねーそんな梨華ちゃんも素敵ですよー
とか思いながら、その腕をとろうと・・・

思ったんだけど、行動には移さなかった。
そして移さなくて正解だった。
梨華ちゃんは伸ばした腕で、ごとーの横においてあったリモコンを取った。


「ね、ごっちん。ビデオ見よう。ビデオ」
「・・・へ?」
「ビデオ。」


時に梨華ちゃんは強引。
ごとーの返事を待たずに、再生ボタンを押した。


ブラウン管に映ったのは。



「・・・・・・タモリさんだ。」
「そう。Mステ。」


286 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時18分48秒



嫌な予感がする。
今日の出演者の中に、確かあの人がいた。


「あ。ホラホラ真里っぺ!!」


が―――ん。
予想通り、小学生に交じって矢口さん登場ー。
『カワイー!まりっぺカワイイー!!』
とか甲高い声で騒ぐピンクな人。
さっきまでの雰囲気はどっかへ消え去った。



邪魔された―――――!!





あのちっこいヤツに邪魔された――!!
ムカツク――――――――――!!!
人が久々に・・・久々に梨華ちゃん堪能しようと目論んでたのに・・・ッ


ガ―――――――――ッ!!!
チクショ――――――!!!


梨華ちゃんは隣りで大喜びでやぐっつぁんの素敵なトークを見てる。
そして嬉しそうに歌うやぐっつぁんを見てる。

・・・・・・・ジェラシ〜ィ。

でも、ここで
『梨華ちゃんはごとーよりぐっつぁんがいいんだ!』
なんて拗ねても、
『イヤラシイごっちんは嫌い』
とか言われるのがオチだし。


287 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時19分26秒



・・・・分かった。
分かりました。今日は何もしません。
梨華ちゃんも、ごとーの明日の仕事のこと心配してくれてるんだし。
うん。

288 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時19分56秒





――――――でも。




289 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時20分45秒


「ねぇ梨華ちゃん」
「何?」
「先お風呂入って来て。ごとーは後で良い。」
「え・・・どうして?」


ちょっと警戒されてる。
まあ仕方ないんだけどね。


「大丈夫だよ。今日は何もしないから。」
「・・・真希ちゃん」
「そう。だから、せめて二人のときくらい、そうやって名前で呼んでね。」


苦笑しながら、言った。
梨華ちゃんは、ホッとしたような、申し訳無さそうな、複雑な顔してた。


「わかった。じゃあ、お先に。」
「うぃ。いってらっしゃい。」


ビデオを停止させて、梨華ちゃんはお風呂場へと消えてった。
シャワーの音がし始めた。

よし。


結構高速。
ピピピピピピピと、メールを打つ。
打ち終わって、一応一回内容を確認して―・・・

うん。

ってことで、送信。



290 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時21分27秒






―――――やぐっつぁんだけに、良い思いは絶対させないからね。







291 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時22分31秒










292 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時23分32秒





「まったく、仕方ないネェ、あの二人は」
「でっしょー?オイラも見つけたときはマジかい!って焦ったよー」
「目に浮かぶなぁ(笑)」
「今のってオイラのコト笑ったー?」
「えへぇ〜?そんなことないよ〜?」
「嘘だー!今のは絶対バカにした笑いだー」
「あはは、なに騒いでるのさ矢口〜」
「・・・・・・」
「・・・? やぐち?」
「いっぱい笑っときたいじゃん。」
「・・・」
「もっといっぱい、なっちと笑ってたいじゃん。」
「矢口・・・」
「もっといっしょにいたいよ。」
「うん。」
「ねえ、もっとずっと・・・寂しいよ。」
「やぐち・・・。」
「なっち・・・。」


293 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時24分12秒



〜〜〜♪♪


ズルッ!!!


「あ、なっちだ。ごめんね。」
「あ、イヤ、全然・・・。」


・・・なんだよー、こんな時間に誰だよ。
せっかくちょっと良い感じだったのにー。


「あ、噂をすればだね、ごっちんだ」
「・・・え?」


なんだかちょっと嫌な予感・・・?


「ひゃははは!ホレ矢口。」
「ん〜?なにぃ」



294 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時26分21秒







  件名:狼にご用心。

   本文:久しぶりーなっち。お元気?
      たぶん、今そこにちっちゃいのがいるでしょ。
      その人のおかげで、今日の作戦は失敗だったって、伝えといて。
      ちくしょう!覚えとけよ!!じゃあねー。

                                     』




295 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時27分39秒





「だってさ〜。なにしたの?矢口ってば。」
「さっき話したので全部だよー。何もしてないってば。」
「てかこのタイトルはなんだべさ?」
「ん?」
「『狼にご用心』って。」
「・・・・・・・・・・・ああ・・・。」
「ん?なに?矢口分かったな?」
「たいした意味じゃないから・・・」
「え〜気になるじゃん、教えてよー」
「気にしなくていいから・・・。」
「え〜」
「ハイハイ、お湯沸いたみたいだよ。ポットが呼んでるよー」





296 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時28分21秒




なっちに来たメールなのにぃ・・・
とかブツクサ言うなっちも可愛い。

気付いたのは最近。
でも、抱いてた気持ちは、きっともうずっと前から。
卒業前に、今日こそは伝えておこうと思ったのに。


・・・チクショウ。

297 名前:+++後藤サンの逆襲?+++ 投稿日:2003年08月11日(月)17時28分59秒






      +++後藤サンの逆襲?・オワリ+++
298 名前:如月 投稿日:2003年08月11日(月)17時30分52秒
やぐなちじゃん?(爆)
イエ、根底に流れるのはいしごま!
いしごまなんです!!

・・・けど、どうも、如月はやぐなちも好きです(オーイ)
ごめんなさい。

一応、『矢口サンの独り言』のサイドストーリーです。
299 名前:如月 投稿日:2003年08月11日(月)17時44分40秒

278 OGAフリーク様

はじめまして。
レス嬉しいです。
良かったね、褒められたよ矢口さん!(笑)
次はきっと、もっといしごまを絡めたものを・・・
書けたら、いいなぁ・・・(やっぱり他力本願)


280 ROM読者様

妄想する前に、本人から失敗の報告が入ってしまいましたー(笑)
妄想させようかな、とも思ったんですが、それはいつか姐さんにでもしていただこうかな、と。

今回のは、ROM読者様と、sai様のお言葉により、出来た話でした。


281 sai様

いいなー生いしごま・・・。
如月はテレビで見てたら、
みき→りか←ごまとかが書きたくなりました。

番外どうでしょうか。
多分ご期待には添えなかったと思いますが、書いてみました。


『やぐなちは友人関係』などと書きましたが、
結局矢口サン片思いオチ。
嗚呼・・・ごめんなさい。

では読んでくださった方、感謝です。
お目汚しをー。
300 名前:sai 投稿日:2003年08月11日(月)19時06分41秒
リアルタイム∩(・∀・)∩うひょー

連日(?)更新お疲れ様です♪お盆休みですか?w
しかも自分の勝手なリクエストに応えてもらってしまって…。

>番外編
後藤さんの意外な姿が初めてみれましたよ(笑)
やっぱり積極的な活動的な(謎)姿が後藤さんは一番ですがw

「一緒に――」
「入りません。」
この即答具合が好きです(´∀`*)

梨華ちゃん争奪みたいですね(笑)
ベタベタないしごまもみたいですが(謎)
301 名前:ROM読者 投稿日:2003年08月12日(火)10時15分52秒
作者様・・・ありがとう! もう最高です。涙流して笑いました。
やっぱり、こういう展開になるんですね。(爆)

ROMもやぐなち好きです。でも、寸止めでさらに妄想が1人歩き・・・。
302 名前:ROM読者 投稿日:2003年08月18日(月)22時41分24秒
たびたび失礼します。最初ごっちんサイドで読んでしまった為、つい
爆笑してしまいましたが、後で読み返して、>292 の部分がすごく
シュールで思わずジーンときました。(涙目
303 名前:如月 投稿日:2003年08月20日(水)11時28分22秒
どーも。こんにちは、如月です。

石川サン出てきません(爆)
それでもOKって方は、読んでやって下さい。
304 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時29分57秒



「梨華ちゃんてさ、可愛いよね。抜けてるけど。」
「どしたの突然?」



305 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時32分13秒



『ごまっとう』などと、なんだかそのままに名付けられた三人組。
会話は、うち二人のもの。

一人は、元モーニング娘。で主にセンターポジションにいた彼女。
もう一人は、逆にこれからモーニング娘。入りを果たすことになっている。

三人組の、もう一人は、今は夢の中。



306 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時34分04秒



「イヤ、合宿の時とかも思ってたから、突然ではないんだけどね。」
「アレ、ちょっと『先に出逢ってました』感アピってる?」
「そうとってくれてもかまわないけど。」
「じゃあ やめとく。」



騒ぐような会話ではないから。
静かな声音で話は続く。



「この前さ、会ったんだ。梨華ちゃんに。」
「へぇ。」
「『元気だった?』とかはないんだ?」
「昨日会ったし。」
「ふーん。聞いた?」
「美貴ちゃんのコト?」
「そ。」
「何も言ってなかったよ。」
「ふーん。」



今は部外者の彼女が、寝返りを打った。





307 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時35分11秒



「なんかした?梨華ちゃんに。」
「ん?」
「・・・とか、聞いて欲しい?」
「聞きたい?」
「別 に。」
「じゃあ 言わない。」



外は雨。



「好き?」
「何が?」



シラジラシイ



「即疑問ってコトは、何のコトだか分かってるんでしょ?」
「やだなぁごっちん。言いがかりー。」
「・・・いいけどさ。」
「じゃあ、ごっちんはどうなの。」
「は?」
「梨華ちゃん。」



シラジラシイ



「ごソーゾーに、オマカセシマス。」
「余裕だね。」
「何のコト?」
「可愛い可愛い、梨華ちゃんのコトー。」



308 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時35分46秒



静かな楽屋には。
時計の音が良く響く。



「アレで梨華ちゃん、実は結構男前だよ。」
「そんなとこが、またイイよね。」
「ついてくのは、時々キツイけど。」
「黒いしね。」



軽く笑いあう。
何を思ってる?



309 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時37分11秒




「瞬間、綺麗だなとか。思ったし。ぶっちゃけ。」
「おお、ぶっちゃけたねぇ。」
「ぶっちゃけついでに美貴ちゃんもぶっちゃけない?」
「なにをぉ〜?」
「フハッ・・まだとぼけるの?」
「  梨華ちゃん口説きマシタ〜とか言えば、」



『満足?』
予想される言葉は続くことはない。



「好き?」
「何が?」



それは勿論。



「華。」
「うはっ!華って(笑)すごいねーそれ。」
「そ?」
「うん、言い得て妙。」



大袈裟。
お互いに。
大袈裟?



310 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時38分20秒



「喉かわかない?」
「あ、渇いた渇いた。自販機行く?」
「アタシなんか買ってこよっか。」
「いーよ。ワタシも行く。」
「なんで。眠り姫起きちゃった時、一人は寂しいんじゃない?」
「あ、それ牽制?」
「何のコト?」



シラジラシイ



「あやっぺは可愛いけどね。」
「『けど』、なんだ。」
「華じゃないのかも。ごっちん風に言えば。」
「ふ〜ん?」
「興味なしだ?(笑)」
「花って綺麗だけど。」
「ごっちんのトークの流れは時々ついてけないなぁ。」
「知ってる?」
「何を?」
「花って、一番綺麗なのは散るときなんだってさ。」
「へぇ。ごっちん博識。」



限りなく上辺の会話。
さり気なく心を突く言葉。



311 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時38分54秒







「散らすのは、アタシ。」






312 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時39分37秒




眼は何処を見てる?



313 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時40分14秒







「散った後でも、別に問題ないし。」






314 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時40分47秒




誰に向けた言葉?



315 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時41分22秒




「何飲もうかな。」
「コーヒーは止めときな。」
「何で?」
「胃、調子悪いんでしょ?」
「まーね。でも、今日胃に優しいもの作ってくれるって。」



『梨華チャンガ 言ッテタ』



「サディスティック。」
「・・・お互い様じゃん?」



316 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時42分12秒






パタンと閉じられたドア。
眠り姫が夢から覚めていたことは、きっと誰も知らない。
317 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時42分45秒



  さあ、華を手折るのは誰?
318 名前:+++手折るのは+++ 投稿日:2003年08月20日(水)11時43分21秒















          +++手折るのは・ヲワリ+++

319 名前:如月 投稿日:2003年08月20日(水)11時49分09秒
真っ黒ごまっとう。
如月、こんなのも書きますよー、って感じな・・・。

会話、途中ワケ分からなくなったでしょうか。
後藤サンと藤本サン、二人交互に話してます。

如月が書く駄文は、基本的にはどの文もそこで完結です。
一つ一つが完結なので、他の話とのリンクとかは皆無です。
それぞれで次元が違うと思ってくだされば、嬉しいです。
320 名前:如月 投稿日:2003年08月20日(水)12時05分44秒

300 sai様

リアルタイムどうも(笑)
ついでに300ですね。どうもです。
ちなみにワタクシ、夏休みにございます。

>この即答具合が好きです(´∀`*)
キッパリ言わさないと、多分引きずられてっちゃうと思いまして。
そうなると、話の展開が有らぬ方へ・・・(笑)

>梨華ちゃん争奪みたいですね(笑)
争奪っていただきましたお二人に。
この二人の会話は、静かにバチバチと行きたくて、こんなに。
次はもっとバカっぽいのも書いてみたいなぁ・・・
(次があるんですか)


301・302 ROM読者様

どうもROM様。いつもありがとうございます。

ええ、やっぱりこんな展開です(笑)
いしごま的にもやぐなち的にも蛇の生殺し状態・・・
お預けが、書いてて一番楽し(略)

ジーントだなんて・・・こんなので・・・。
なんだか申し訳ないです。
矢口サン、卒業を本人から一番初めに聞いたんですね。
なんだか色々考えてしまいました。


ハイ。
突然雰囲気違ってすみませんでした。
甘いの期待してくださった方、申し訳ございません。
では、読んで下さって感謝です。
321 名前:ROM読者 投稿日:2003年08月20日(水)13時06分46秒
更新お疲れ様です。・・お昼だし。こんな時間にリアルでびっくり。
夏休みなんですね。ROMは夜勤明け・・(T^T)

今回の作品は一味違う切り口ですが、思ったのは、何気ない会話のやりとり
の中に見え隠れするお互いの心理を表現するのがとても巧いですね。
全部書かなくても、上手に読み手の妄想を引き出してしまう。

そういう意味で今回のお話は、・・怖い。特にタヌキしてた誰かさんの心中
を察するに・・・(w
322 名前:メルヘン飯田 投稿日:2003年08月20日(水)16時38分09秒
期待してます
323 名前:sai 投稿日:2003年08月20日(水)21時52分00秒
更新お疲れ様です♪ヤパーリ夏休みだったのれすねw

今回のはいつもと雰囲気違ってまたいい味だしてますよ(*゚∀゚)=3
特にカタカナ表記のトコとか…。
てか( ´ Д `)=Sは確定ですねw

>次はバカっぽい
期待します♪
324 名前:名無し読者 投稿日:2003年09月02日(火)16時04分56秒
イイ
325 名前:如月 投稿日:2003年09月08日(月)13時52分43秒
こんにちは。如月です。
休み終わって、再びスロー交信状態です。

久々にまったりモードでいきまーす。
326 名前:+++睡眠薬+++ 投稿日:2003年09月08日(月)13時53分32秒


「最近寝れなくてサー」
「ん〜?」
「なんかね、ベッド入ると眠れなくてさ。」
「ああ、なんかあるよね、そういうこと。眠いのに寝れるときは寝れないの。」


目をこしこしと擦りながら、『眠いんだす〜』と、後藤。
『どこの人よ』と、石川は笑うが、ノーメークで隠しもしない目の下のくまが痛々しいのは事実。


「寝る?」
「ん〜・・・でも梨華ちゃんせっかく・・・」
「いーよ。ごっちんの寝顔、好きだから。」
「・・・・・」
「何?」


からかう様に自分を見つめる後藤に、石川は首をかしげた。


327 名前:+++睡眠薬+++ 投稿日:2003年09月08日(月)13時54分31秒



「なんか、今のエッチィね。」
「は?」
「『寝顔スキ』って。」
「・・・・・・・・・」
「あれ、呆れたー。」
「もう・・・バカなこと言ってないで、寝てなさいー」


照れ紛れに、後藤の頭をグイッと自分の膝に乗せた。


「お、サービス良いネェ?」
「出血大サービスで、チャーミーの子守唄もお付けし―――」
「遠慮しときます。」


石川の口を指先で塞いで、さらに言葉で制する。
軽く俯いて、自分を見上げる後藤の目線にあわせた。
しばし、無言の攻防戦。

自分の口元にあてられた後藤の手を軽く振り払い、石川がにっこりと笑った。


328 名前:+++睡眠薬+++ 投稿日:2003年09月08日(月)13時55分32秒



「ドラーイに抱〜き締めて〜♪」
「・・・・・・それって絶対子守唄向きじゃない。」


ああ、もう歌う気なんだな、と諦め、後藤は石川の歌声に耳を傾ける。


「ドラ〜ァイにぃ抱ぁき締めぇて〜ぇ・・・」
「・・・おお、スローバージョン(笑)」
「眠くなりそうでしょう?」
「でも音外れてる〜。」


唇を尖らせて、じろりと後藤を見やる。
睨まれて、ハイハイと、両手を軽く挙げて、『ゴメン』のポーズ。


329 名前:+++睡眠薬+++ 投稿日:2003年09月08日(月)13時56分08秒



「学校とかでサ〜」
「・・・んー?」


後藤の口調が少し眠気を帯びてきた。
石川も、ゆったりとした言葉で返す。


「机とかで寝ちゃったり、しなかった?」
「あー、したした。アレ、逆に疲れちゃうんだよね」
「んぅ。机でね、熟睡するよりも、ベッドで横になってるだけの方が・・・疲れ取れるんだってさ。」


ゆっくりと、後藤の瞼が落ちていく。
可愛いと思いながら、思わず彼女の頭を撫でていた。


「珍しく、博識だね〜・・・」
「『珍しく』はぁ・・・余計だけど・・・」


眠りの世界に片足を踏み込んだ状態で、なお突っ込みが入る。
石川は苦笑した。


「ごめんね、そうだね。」
「ん〜・・・。」


330 名前:+++睡眠薬+++ 投稿日:2003年09月08日(月)13時57分57秒


あ、もうホントに寝そう。
ごっちん、寝顔ホント幼いな〜。
可愛いなぁ。
母性本能ってこんなかな〜。
と、石川がほのぼのしていると。


「いつもいてくれれば・・・」
「ん〜?」


寝ぼけた目を細くして。
へにゃりと笑いながら、後藤が言う。


「りかちゃんいてくれれば、いつでも、眠れるんだねぇ・・・。」
「へ?」
「ごとーの〜、すいみんやくぅ。」
「へ?」
「誰にもー、あげちゃあ、だめですよ〜・・・」


そのまま夢の中へ旅立った後藤。
現実世界に残された石川。


「それじゃ・・・口調が・・・ののみたいだよ・・・」


軽く頬を赤くして、石川が呟く。
口元が緩むのが、自分でも分かった。

膝にかかる重みが増して、後藤が寝入ったことに気付く。


「おやすみ、ごっちん。」

331 名前:+++睡眠薬+++ 投稿日:2003年09月08日(月)13時58分43秒






             +++睡眠薬・終わり+++

332 名前:ROM読者 投稿日:2003年09月08日(月)14時24分14秒
更新お疲れ様です。
いいっすねぇ。まったりラブラブモードに心癒されます。
この2人、本当にこんな雰囲気が似合うと思います。
333 名前:如月 投稿日:2003年09月08日(月)14時32分11秒
久々に、二人きりまったりモードでした。
ただ自分が眠いから出来上がったという噂もありつつ。
お姉さんしたがってる石川サンが書き易いことを自覚しました。


>321・332 ROM読者様

夜勤お疲れ様デースっ。
(一ヶ月前だし)

>何気ない会話のやりとり
普段の会話って、感情をはっきり言葉にすることってあんまないじゃないですか。
漂わせる程度に、言葉にのせたり。
そういう感じを狙ったので、ROM様のお言葉はめちゃくちゃ嬉しかったッス。

>・・怖い。特にタヌキしてた誰かさんの心中を察するに・・・(w
こちらも・・・嬉しいです(笑)
『手折るのは』は、ちょっと続きを書いてみたい感じです。


はらっ!お早いですね(笑)
ご感想感謝です。
やっぱ、この二人の基本はまったりかな、と。思いますです。


>322 メルヘン飯田様

どうもです!
少しでもご期待に添えられるよう、頑張ります。


334 名前:如月 投稿日:2003年09月08日(月)14時33分01秒
>323 sai様

ご感想ありがとうございます。

>てか( ´ Д `)=Sは確定ですねw
ええ、Sな後藤サンは書いてて楽しいです。
いつか、超ドSな後藤サンを・・・!(ヤメレ)

>期待します♪
今、ちょろちょろ書いてます。
なかなか落ちなくて。
来週には、こちらにあげたいと思ってます。
期待せずに、お待ちくださいませ。


>324 名無し読者様

多謝です。
お暇なとき、また覗いてやって下さい。


では、読んでくださった方、お目汚しを。
ありがとうございました。感謝です。
335 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/11(木) 23:45
甘えるごまにお姐さん梨華ちゃんいいですね
いつもマターリ待ってますよ
336 名前:如月 投稿日:2003/09/15(月) 17:46
こんにちは、如月です。
ちょっと今回はお遊びなので、sageでいこうとおもいます。

では、よろしくお願いします。
337 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:47


「ちょおヨッスィ〜、ウチのリカちゃんや。離してや。」
「何いってんのカゴ。リカちゃんはアタシのもの。」
「リーカちゃーん、おやつ食べよ〜♪」
「「ノノ!!抜け駆け!!」」
「もう〜・・・みんな仲良くしましょうよ〜・・・」


昔々のお話です。
あるいは、そんなに前のことではないのかもしれません。

ある国に、母親と死に別れ、継母とその娘たちと暮らす少女がいました。
名を、リカデレラと言います。

彼女は、意地悪な継母たちに、毎日いじめられていました。


338 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:48



「リカちゃーん♪」
「あ、ヨッスィ〜・・・」
「ね、ね、ちょっと遊びに行こう?」
「え、でもこれからアイボンとノノとおままごとしなきゃ・・・」
「そんなのいいからさ。」


いじめです。
決して口説かれているのではありません。


「あー!!まぁたヨッスィ〜は!!」
「・・・お子様はもう寝なさいアイボン。」
「ムッカツク!てかまだ六時前やし。リカちゃぁん、もうあっち行こう?」


リカデレラに話し掛けるときと、姉、ヨッスィ〜に話し掛けるとき。
アイボンの声音と話し方が変わるのは、いじめです。


「だっからリカちゃんはこれからアタシといいトコ行くの!」
「いいトコってどこやねんアホ!!」
「お子様にはまだ早い!!」


リカデレラは、こんな二人をオロオロと見守ることしか出来ません。
不意に、後ろから腕を軽く引かれました。


339 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:49



「あ、ノノ・・・」
「ほっといて、向こうでノノと遊ぼー?」
「でも・・・」
「いいからいいから〜。」


勿論これもいじめです。

リカデレラが、ノノとおやつを食べていると、突然継母が入ってきました。


「オラオラ何チンタラやっとんねん、掃除は終わったんかぁイシカワァ!?」
「ナカザワさん・・・」


イイ感じです。
やっとそれらしいセリフが出ました。
継母です。

『イシカワ』は、リカデレラのファミリーネームです。
『ナカザワ』は、継母のファミリーネーム。
リカデレラが『お義母様』と呼ぶと、ナカザワは怒るのでした。


「当然やろ!!ウチはこんなデカイ子供生むような歳ちゃうねん!!」


ストーリーテラーには突っ込まないで下さい。
早くセリフ喋ってください。


340 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:49



「・・・今日はこれから舞踏会や。はよ支度せぇ」


そうです。
OKです。

今日はお城で舞踏会が開かれます。
年頃になった王子、ミキティの結婚相手を探すためでした。
つまりは合コンです。


「え〜、行きたくない。」
「行くっつったら行くんや。」
「リカちゃんといたほうが楽しい。」
「よっさんよっさん、実は王子、コレがまためっちゃ可愛いねんて。」
「・・・・・・え?」
「まぁ見るだけでも見に行かん?」


ハイ、一人決定。


「ツジカゴ〜、お城行って、豪勢な料理食い放題してこよ。」
「「アイアイサ――!」」


二名追加です。


341 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:49



「・・・・・」
「・・・・・」


無言で見詰め合うナカザワとリカデレラ。
どうしたのでしょうか。


「アンタなんで何も言わんの。」
「何がですか?」
「行きたくないん?」
「行きたいですけど・・・言ったって連れてってくれないでしょう?」
「一応言いや。」
「・・・お義母様、私もお城に―――」
「アカン。」


まあお約束なんで、一応言ってくださらないと困ります。
そんなわけで、継母にきっぱりと留守番を言い渡されたリカデレラ。


「しっかり掃除しとき。」
「ごめんねリカちゃん。勿論リカちゃんが一番好きだよ!?」
「ゴメンな?お土産いっぱい持ってくるから!」
「行ってきま〜す!!」


四人はリカデレラに冷たい言葉を投げつけると、揃ってお城へ出かけていきました。


342 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:54


「・・・はぁ。そんなに広くないんだから、掃除なんてするとこもうないよ・・・。」


一人残されたリカデレラは、台所にへたりと座り込みました。
窓の外には、遠くにお城の煌びやかな明かりが見えます。


「あーぁ・・・私も行きたかったなぁ・・・。」


誰にともなく呟くリカデレラ。
彼女に出来ることは、その明かりを見つめることくらい・・・。
嗚呼、なんて可哀想な少女でしょう。
その瞳に、遠い光を映し、溜め息にくれるリカデレラ。

その時です。



343 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:54




「僕にはわかる・・・」


どこかで聞いたフレーズです。


「えっ?」


誰もいないはずの背後から人の声。
リカデレラは驚きと恐怖に身を硬くしながら振り返りました。


「僕にはわかる・・・。貴女のその悲しみが・・・僕にはわかる・・・。」
「・・・あなたは・・・?」


大きく見開かれたリカデレラの瞳。
その視線の先には、長めの髪を後ろで緩く一つに束ねた、美しい人物が立っていました。


「僕・・・?僕の名前が必要?」
「え・・・イヤ、だって・・・」
「そんなものは必要はないんだ、イシカワさん。」
「あの、でも・・・」
「大切なのは、今、僕と貴女がココにいるという事実・・・。それだけで十分だろう?」


344 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:54


バラの花弁を散らしながら、謎の人物はリカデレラに歩みよります。
勿論リカデレラは困惑顔。
が、謎の人物はおかまいなし。
リカデレラに視線を合わせるように、片膝をつきます。


「悲しみを湛えた瞳ほど、美しいものはない。けれど、溢れる涙はあまりにも、切ない。」


無駄にキラキラオーラを撒き散らします。
てーか誰なんですか謎の人。


「だから・・・泣かないで、イシカワさん・・・。」
「・・・ハイ・・・v」


にっこりと微笑む不審人物にうっとりなリカデレラ。
ふざけないでくださいそこの二人。

ホラ、ちゃんと名乗ってください魔法使い。


「・・・うっさいな。」


ストーリーテラーには話し掛けないでください。
ハイ、話進めて。


345 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:55


「・・・・・・泣くことはないリカデレラ。お前の望みを言ってごらん?私の魔法で叶えてやろう。」
「と、突然どうしたんですか?」
「・・・まぁ色々と事情がね。・・・さぁ、言ってごらん?」
「あの・・・私もみんなのようにお城に行ってみたい・・・です。」
「そんなこと簡単さ。その勝手口から出て、城へ行けば――」
「・・・着ていくドレスも馬車も、私にはないんです・・・。」


すごくシンデレラっぽいです。
イイです。


「じゃあコレを着て・・・」
「・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・」


・・・・・・・・?
魔法使いサン?


「綺麗なドレスも、ガラスの靴もいらないよ・・・。」
「・・・へぇ?」


ちょっと・・・なに暴走はじめてるんです。


346 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:55


「そんな見た目取り繕わなくたって、リカちゃんはリカちゃんじゃん。」
「・・・あの?」
「行こう?ごとーが、12時になっても解けない魔法を教えてあげるから。」


そう言いながら、魔法使いはリカデレラの手を柔らかく引きました。
少し戸惑いの表情を浮かべるリカデレラ。
けれど、頬を赤らめて、決して嫌そうではありません。

二人が手に手を取り合い、物語り放り出して愛の逃避行に出ようとした、そのとき。



347 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:55





「ハイ待った――――――!!!」





348 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:56



二人を呼び止める声がします。
振り返ったそこには、なにやらキラキラ着飾った、王子様が一人。


「ちょっとごっちん、抜け駆け卑怯だし。ってゆーかもう出番終わりでしょ。」


王子様のお怒りはごもっとも。
このままリカデレラを連れ去られてしまっては、王子様の出番はなくなってしまいます。


「あーもう固いコト言いっこなしで。」
「固いコトとかじゃーないでしょ。いいからこちらへ、リカデレラ。」


言いながら、王子もまた、柔らかくリカデレラの手を引くのでした。
その微笑みは可憐で、瞳はキラキラと輝いています。
にっこりと笑顔を向けられて、リカデレラは頬が赤くなるのを自覚しました。



349 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:56



「あ―――!リカちゃん浮気!!」
「何ワケ分かんないこと言ってんの、『魔法使い』サン」


勝ち誇ったように言う、藤も・・・じゃなく、王子。
悔しそうな魔法使い。
リカデレラを挟み、口論が始まりました。


「・・・・・・ミキちゃんズルイ。大体なんでごとーが魔法使いなのさ。」
「そーりゃミキのが王子っぽいからでしょ。」
「男役歴ならごとーのが断然上なんですけどー。」
「ま、選手交代ってトコじゃない?あとは任せてよ。」


徐々にヒートアップしていきます。


350 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:56


「じゃあ百歩譲って王子は譲るよ。」
「んー?」
「だけど、リカちゃんはごとーがもらってく。」
「イヤ意味わかんないからホント。それじゃお話しにならないでしょー?」
「別に正規通り進めなくっても完結すれば良いんでしょ?」
「魔法使いと逃げるヒロインとか有り得ないから。」
「いー感じじゃん?斬新で。」


だんだんよく分からない展開になってきました。
しかも主人公(リカデレラ)を完璧シカトです。


「もういいから。ホラ、ガラスの靴と馬車出して。」
「絶対出さない。」
「出さなきゃリカちゃん幸せになれないでしょーが!!」
「そんなんごとーがいくらでも幸せにする。」


いい加減、間に挟まれてオロオロしてるリカデレラが哀れになってきました。



351 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:57



「リカチャ――――――――――――――――ン!!!!」
「好きだ――――――――――――――――――ッ!!!」


なんだか大声大会にもつれ込んだようです。
小さな窓から夜空に向かって二人で声を張り上げています。


「あの、あの・・・」


いよいよリカデレラは困ってしまいました。


「だいたいさぁ?ミキティ王子?」
「なーにぃ魔法使いサン?」
「隣り国のアヤヤ王女とはどうなってるワケ?」
「ぐ・・・」
「この前二人がイチャイチャしてるトコを、ウチの若いもんが見てんですけど?」
「・・・アヤッペか・・・。ちょっと遊んでただけだよ。」
「目が泳いでる。」
「アタシたちはお友達。リカちゃん、ミキが好きなのはリカちゃんだけだよ?」


352 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:57


突然話題を振られるリカデレラ。
しかも告白です。


「あの、あの・・・」
「リカちゃん・・・ごとーはリカちゃんだけを見てるよ?」
「リカちゃんがミキを選んでくれるなら、ミキはリカちゃんだけのものだよ。」


魔法使いと王子。
二人とも、真剣モードに突入です。


「リカちゃん・・・」
「・・・リカちゃん」


両サイドから見つめられ、リカデレラは二人の顔を交互に見ます。
そしてゆっくりと、口を開きました。


「私は―――――・・・」




353 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:57





■□■





354 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:58



「―――って夢見たの〜!」
「へ〜ぇ。すっごいメルヒェン(笑)」
「もー夢でよかった〜ぁ!!」


軽く半泣きで藤本に抱きつく松浦。
あっはははは〜、と、笑いながらポンポンと、その小さな背中を撫でる。



355 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 17:59


――ん〜・・・なかなか鋭いな。




と、藤本が呟いたとか呟かないとか。
それはまた別の話。
356 名前:+++夢物語+++ 投稿日:2003/09/15(月) 18:00




             +++夢物語・ヲワリ+++

357 名前:如月 投稿日:2003/09/15(月) 18:02
一度はやっときたい、メルヘンパロ。
在り来たりですみません。

ちょろっと黒さもラストに混ぜてみました。
こんなんですみません。

358 名前:如月 投稿日:2003/09/15(月) 18:04

>335 名無し読者様

感想ありがとう御座います!
やっぱ甘いのが、書いてても楽しいです。
もっと甘ったるいのを書けるよう頑張りますので、また覗いてみてやって下さい。


では、読んでくださった方、感謝です。
お目汚しを。
359 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/15(月) 20:27
いしごまじゃない夢落ちが面白いです
テンポが良くて感心しきり
360 名前:ROM読者 投稿日:2003/09/16(火) 19:22
やっぱりオチが付くんですネ。
ラストで本当に黒いのはどちらでしょう。
この夢がタヌキ姫の作り話だったとしたら・・・
361 名前:如月 投稿日:2003/10/05(日) 14:23
気候はすっかり秋ですね。
朝晩めっきり冷え込んでまいりました。
お風邪など召されていませんでしょうか。
こんにちは、如月です。

・・・こんな掴みなのはなぜか。
いしごまじゃないからです(爆)
ごめんなさい。
362 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:32

「え・・・えー?だっ・・・そんな・・・・・・・」


さっき番組の収録を終えて。
戻ってきて真っ先に彼女が手にしたのは、携帯。

留守電のメッセージを聞いた途端、その相手に連絡を入れたらしい。

なにやら浮かない顔だ。
ついでに声も浮かない。
てゆーかもう涙声。


「相手はごっちんだな。」
「よっすぃー」


いつの間に背後にいたんだろう。
まったく気付かなかった。


363 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:32



「ま、吉澤的見解としては、泣く泣くデートキャンセルの電話を入れた王子様と、」


言いながら、右手を耳元に運んで、電話のジェスチャー。
アタシはよっすぃーの見解に耳を傾ける。


「それを聞いて、マジ泣きなチャーミーってトコだね。」


その右手で、梨華ちゃんを指差す。
その指先を追って、アタシも視線を梨華ちゃんに移した。
ナルホド、言われれば、確かにそう見える。


「ほ〜?なかなかの洞察力ですな。」
「だしょ?」
「で?その信憑性はイカホド?」


軽口を叩く程度の会話。


364 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:33



「んー、信じて損はないね。藤本チャンス☆」
「あてにならないなぁ〜」
「なーんでさー!」


よっすぃーはどこまで本気で言ってるんだろうか。


「ま、イイさ。吉澤は帰りますよ。」
「ん、お疲れさま。」


ひらひらと、手を振った。
その手をぎゅっと握られる。
そのまま耳元で囁かれた。


「王子様不在。押してみたら?今なら結構カンタンかもよ?」
「あーマジで?じゃあ頑張ってみようかなー?」


ごっちんと梨華ちゃんのコト、応援してないの?
二人と仲良いのに、何でそんなこと言う?

色々疑問が浮かぶけど、どれも答えはわからないから、冗談口調で返した。



365 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:33




それから軽く身支度を整えて、お疲れ様でしたーと、よっすぃーが楽屋を後にする。
加護ちゃんが急いでそのあとを追った。

ああ、焼き肉行くって言ってたっけ。


「アイツら若いな〜」


と、苦笑気味の矢口さんの後ろで、梨華ちゃんは携帯をたたんだ。
あ、電話終わったんだ。

何者も寄せ付けないドンヨリオーラを撒き散らしながら、梨華ちゃんも帰り支度を始めた。


「お疲れ様でしたー!」


と、バリバリの空元気で挨拶をして楽屋を出た。
・・・大丈夫かい。
なんかフラフラしてるじゃん・・・。

梨華ちゃんの消えたドアを少し見つめて。
『あのままほっといたら事故りなりかねないかな』
と、なんとなく自分の行動に理由をつけた。


366 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:34



「それじゃ藤本もあがりマース。お疲れ様でしたー。」


彼女のあとを追うように、アタシも楽屋から出る。
残ってるメンバーから、背中に『お疲れ様』コールを浴びて。

軽く走ったら、肩を落としてる後姿発見。
・・・声をかけるのは、あんな女の子一人にしとくのは危なっかしいから。
それだけ。


「・・・ごっちん、仕事でも入った?」


溜め息をつく背中に声をかけた。
驚いてますってコトを隠そうとしないまま、ビックリ顔で梨華ちゃんが振り返る。
そんな彼女に、ミキティスマイルを投げかけた。


「・・・どうして分かったの?」


少し間をおいて、苦笑しながら、梨華ちゃんは肯定の返事。
・・・流石というか。
ビンゴだよ、よっすぃー。

アタシも軽く苦笑を返して、彼女の質問には答えなかった。


「梨華ちゃんカラカラ音出るくらい空元気なんだもん」
「あはは、ほんと〜?」


367 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:34



・・・見てて痛いんですけど。
今、笑えてないよ?
笑ってるつもりだろうから、その瞳の涙は気付かないフリしてあげる。

このまま他愛のない話をして、そのままタクシーに乗せてしまおう。
電車で帰すのは、やっぱ心配だから。
なんか今の彼女なら、まったく反対の電車とかに乗りかねない。

とりあえず自分の中でそんなことを決定して。
局の自動ドアを出てみれば、地鳴りのような音がしている。
これは・・・


「・・・・なんだぁ?」


呟いたら、明らかに梨華ちゃんの顔が曇った。
疑問を込めて、首をかしげる。


「・・・うん。今日ね、花火大会やってるんだよ。」
「ああ、そっか花火・・・」


一つ疑問が解決して、ついでにもう一つ気付く。


368 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:35



「ごっちんと、行く予定だったんだ?」
「・・・ん。」


思ったままを口にした。
・・・ちょっと悪い癖かも。


「そか・・・近い?」
「え?」
「ここから近い?」
「ああ、うん。わりと・・・」


言いながら、梨華ちゃんはチラリと右を見た。
そっか。あっちでやってるのね。


369 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:35



「じゃあ、行こっか。」
「へ?」
「花火。美貴と行こ。」
「ぇあ・・・でも・・・」
「なーにぃ?美貴じゃ不満?」
「え、だっ――」
「全国のミキティファンを敵にまわす気?」
「・・・・・ふはっ」


覗き込むように、茶化した睨みをきかせると、やっと笑ってくれた。


「よっしゃ、じゃあ行こう!」


ハイ、と手を差し出した。
『アリガト』って言いながら、アタシの手を握る梨華ちゃん。
その手は小さくて、強く握ったら壊れそう。

もう一度にっこり微笑みかけたら、今度は綺麗に笑い返してくれた。
なんか嬉しくて。


「わっ!走るの〜ぉ!?」
「走るの!だってもう始まってんでしょ?」


思わず彼女の手を引いて、走り出した。



370 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:36




「今日は美貴、梨華ちゃんのナイトだね。」
「えー?何ぃ!?ゴメン周りうるさくてよく・・・」
「王子様の座は、譲っとくよ。」


手を繋いだまま人込みにまぎれて、輝く夜空を見上げる。
あのまま帰したら、この先、花火に嫌な思い出がついて回る。
多分、梨華ちゃん家にも、音だけは届くんだろう。
それで、きっと梨華ちゃんは泣くんだ。

そんなのもったいないじゃん?
こんなに綺麗なんだから。

王子様になろうなんて思ってない。
王子様になりたいなんて、思わないから。


彼女の笑顔を守ることは、別に王子じゃなくても出来る。

371 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:37




 花火を見つめる横顔は、ホラ、笑顔。



それならアタシは騎士で良い。

372 名前:+++恋のかたち+++ 投稿日:2003/10/05(日) 14:38





          +++恋のかたち・終+++

373 名前:如月 投稿日:2003/10/05(日) 14:50
禁断の(?)りかみき・・・ッ!!
・・・ちゃんとしたいしごま書いてないなぁ。
でも一応、いしごま前提のりかみきなんですよ・・・?


359 名無し読者様

童話風な話の流れを狙ってみました(え)
いしごまじゃない夢落ち。
途中で予想されたらどうしようかと思って冷や冷やしました。
少しは意外性があったでしょうか・・・


360 ROM読者様

>この夢がタヌキ姫の作り話だったとしたら・・・
深読みしますね〜(^ー^
あえてそこについての発言は控えときます。
ご想像に〜ってヤツですね。
読んでくださった方それぞれが違う見解を持ってくださると嬉しいス。

・・・ごめんなさい。
りかみき書いちゃいました。
ので、今回は浮上してきてくださらないかなー(^^;


374 名前:如月 投稿日:2003/10/05(日) 14:51

さてさて、りかみき書いちゃった如月です。
騙された!!とおっしゃる方、申し訳御座いません。

読んでくださった方、お目汚しを。
ありがとうございました。

375 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/05(日) 22:01
りかみきいいですね
心にいしごまがある前提ですけど^^;
376 名前:ROM読者 投稿日:2003/10/06(月) 00:39
禁断ですか?ROM的には「あり」です。しかも、イヤらしい
横恋慕ではなくて、心優しく爽やかで、男前なみきてぃの良い
部分が描けていると思います。ナイトも立派な貴族の称号です
から。・・・こんな愛もあり。

377 名前:如月 投稿日:2003/10/06(月) 21:08
禁断のりかみき第二弾。
てか、『恋のかたち』の石川サン視点です。
いしごまじゃなきゃイヤだって方。
是非この話は見なかったことに。

では・・・。
378 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:05


携帯を見つめて。
どうしたら良いか分からない。

楽屋はいつも通り、みんな楽しそうで、賑やか。
私も同じように『いつも通り』、ごっちんとデートのはずだったのに。

このまま帰るのはなんか淋しい。
あ、よっすぃー達についていこうかな。
焼き肉行くって言ってたよね。

ちょっと見回したら、二人の姿は無かった。
もう行っちゃったんだ。


「・・・はぁ。」


やっぱおとなしく帰ろう。
早く帰ろう。

この重苦しい気持ちを、誰かに悟られないように。


379 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:05



「お疲れ様でしたー!」
「お疲れー。気をつけて帰るんだよ、梨華ちゃん。」
「ハーイ。」
「んー。」


まりっぺはいつも明るくて、みんなに気を使ってくれる。
なんかちょっと元気になれた気がする。
安倍さんがそばにいるから、羨ましくもあるけど。

なんて、ぼーっとしてたらドアノブに手を引っ掛けてしまった。
・・・イタイ。

何かあったかいものに触れたくて、自販機の前に立つ。
コーヒーでも飲もうと、小銭を出したら百円が転がって機械の下。
しゃがんでみたけど取れそうもない。

なんか急に悲しくて、視界が潤んでくのが分かる。
ああもう踏んだり蹴ったり。
ホント、早く帰ろ・・・。

のろのろと立ち上がって。


380 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:07



「・・・ごっちん、仕事でも入った?」


とぼとぼ歩き出した途端に後ろから声をかけられた。
めちゃくちゃビックリして、慌てて振り返る。
そこには、アイドルスマイルな美貴ちゃんがいた。
そんなことより・・・


「・・・どうして分かったの?」


そう。
それが重要。
誰かに迷惑かけたくないから、頑張って元気に挨拶したのに。


「梨華ちゃんカラカラ音出るくらい空元気なんだもん」
「あはは、ほんと〜?」


こういう時、お芝居してて良かったって思う。
昔の私なら、今もう泣いちゃってるはず。
きっと笑えなかった。


381 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:08



美貴ちゃんは苦笑をこぼして、私の横を歩いてくれる。
へこんでて、気の利いた言葉も返せない私と、楽しそうに話してくれた。

同じグループになって、分かったことがある。
美貴ちゃんは、すごくクールでストレートな人。
言いたいことバシバシ言って、人懐こく見えて、実は人とどこかで一線を引く。
だから、優しさも分かりづらい。

でも、大人な優しさを持った人なんだな。



382 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:08




局の出口に近づくにつれて、だんだん音が大きくなる。
今は聞きたくない音。

ウィーンと自動ドアが開いた途端。
その音は、より明確なものへと変わった。


お仕事だっていうのは分かる。
でも、素直に受け入れられるほど、大人な心に育ってはいない。

夏のはじめから、約束してたのに。
『今年の夏は寒いね』って。
『なんか夏っぽいトコ、行かなきゃね』って。
誘ってくれたのはあなただったのに。


「・・・・なんだぁ?」


美貴ちゃんの呟きに、現実に引き戻される。


「・・・うん。今日ね、花火大会やってるんだよ。」
「ああ、そっか花火・・・」


美貴ちゃんは納得したようにちょっと頷いた。
と、思ったらすぐに顔を上げて。

383 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:09



「ごっちんと、行く予定だったんだ?」
「・・・ん。」


残酷な質問。
悪気なんて全然伝わってこない。
だから、余計に残酷。


「そか・・・近い?」
「え?」
「ここから近い?」
「ああ、うん。わりと・・・」


確かここからは右方向だったはず。
正しい道筋は知らない。
このお仕事終わったら、ごっちんがここまで迎えに来てくれる予定だったから。


384 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:09



「じゃあ、行こっか。」
「へ?」


なに?


「花火。美貴と行こ。」
「ぇあ・・・でも・・・」


なに?


「なーにぃ?美貴じゃ不満?」
「え、だっ――」
「全国のミキティファンを敵にまわす気?」
「・・・・・ふはっ」


強気に自信満々にそんなことを言われて、思わず笑ってしまった。


「よっしゃ、じゃあ行こう!」


差し出された手を握る。
その手は冷たかったけど、大きく包み込んでくれて、すごく優しい。
見つめられる視線に気付いて目を合わせる。
そこには、いうものアイドルスマイルじゃない笑顔。
柔らかい視線に、意識せずに頬がほころんだ。

と、突然。


385 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:10



「わっ!走るの〜ぉ!?」
「走るの!だってもう始まってんでしょ?」


そりゃそうだけど〜!と泣き言を言っても、聞き入れてもらえそうにない。



夏の終わりの風が、頬を撫でてく。
くすんでた心のモヤモヤも、流してくれる気がした。



386 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:11




息も絶え絶えで会場についたら、やっぱり人がいっぱい。
でも、すでに始まってる花火に、みんな釘付けで、地上を見てる人はいなかった。



「      」
「えー?何ぃ!?ゴメン周りうるさくてよく・・・」


何か呟いてる声が聞こえた気がして、訊き返した。
でも、美貴ちゃんの目線の先には、花火。
私の声も、聞こえてないみたい。

気のせいかな、と、思ったら、ふと気付いた。
繋いだままの、手。
自然に握られたそれは、走ったにもかかわらずやっぱり冷たい。



387 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:12




気がつけば、少し前までのブルーな気持ちなんて残ってない。
沈んでる気持ちを、無理矢理押し上げてくれた。

少し強引な優しさを、嬉しいと思う。
不器用とは違う、個性的な優しさ。


自覚する。
美貴ちゃんの手の冷たさの理由。

見上げる横顔に見入っている自分に気付いて、慌てて夜空を見上げる。


この綺麗な人に見惚れていた事実が、さらに手を熱くする。



388 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:14




ねえ、あなたは、怒りますか。




そう。美貴ちゃんの手が冷たいわけじゃなくて。


私の手が





アツイ。



389 名前:+++晩夏の幻+++[恋のかたち・石川視点] 投稿日:2003/10/07(火) 00:15




           +++晩夏の幻・終+++[恋のかたち・石川視点]

  
390 名前:如月 投稿日:2003/10/07(火) 00:26
ごめんなさいりかみき第二段です。
嫌な方は無視しちゃってくださいねー!!


375 名無し読者様

ごめんなさい!!
でも『幻』ですから。
基本は勿論これからもいしごまです。


376 ROM読者様

ハイ、これが禁断の理由です。
りかみき書いたら絶対楽しくて、絶対また書いちゃうから!
と、今までちょっと我慢してたんです。
禁断の果実は美味しいのですよ。

『恋のかたち』のご感想、すごく嬉しかったです。
>イヤらしい 横恋慕ではなくて、心優しく爽やかで、男前なみきてぃ
ハイかなり嬉しいですココ。
サラリ男前な感じの、そういう藤本サンを目指したので。

両思いだけが恋だとは思わないんですよねー。
で、最近めっきり会えない恋人だけを常に見つめられる程、この一連の石川サンは強い人ではなかったんですね。

一途な石川サン好きですが・・ね?
(なんだよ)
391 名前:如月 投稿日:2003/10/07(火) 00:28

ハイ、何度も言いますが、今回もりかみきですよー。
騙されないで下さいね。

では、読んでくださった方、ありがとうございました。

392 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/07(火) 03:46
いしごま、りかみき両方大好物の自分にとってはこのスレは最高です!
作者さま、次回も期待しております。
393 名前:ROM読者 投稿日:2003/10/07(火) 06:00
更新乙です。
ROMとしては、99%作者様サイドです。(1%の不安を残しつつ)
いつも作品を読む時に、何故か自分は石川サン視点になってしまうの
で、恋人と会えずに心の中が徐々に不安で支配されつつある時、ふと
差し伸べられた手に安らいでしまう気持ちがわかる気がします。

きっとあの人は許してくれるはず。その気持ちが具現化しなければ。
394 名前: 投稿日:2003/10/11(土) 21:50
ここの美貴帝は純粋で羨ましいですw
またこんなかんじのを気が向いたら書いていただけると嬉しいです。
如月さんももしかしてりかみき好きですか?
395 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/11(土) 22:59
今までロムってましたけど…
とうとう、浮上です。

みきりか、すごくよかったです♪
もちろん、いしごまも甘くて好きなんですけど…。
ぜひぜひ、また書いてくださいw
396 名前:如月 投稿日:2003/10/12(日) 20:46
こんばんは。如月です。
『トモダチトモダチ―ィ♪』
が、頭にこびりついて離れません。
誰か助けてやってください。
397 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:48

芸能界なんて音の塊の現場。
静かになることなんて、基本的にない。
そんな環境に慣れてしまってか、無音の部屋は落ち着かない。

一人きりで、手持ち無沙汰。
定位置のソファに座り、リモコンを手にする。
常に騒がしい音を提供してくれる、テレビ。

映るのは、歌番組で、そこには彼女がいた。

可愛くて、どんなジャンルも歌いこなして、しかもお芝居まで上手。
まさにパーフェクトアイドル。


「・・・忙しそうだなぁ・・・亜弥ちゃん・・・。」


十分忙しい自分のことは棚に上げ、呟いた。


398 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:48




今度はバラードって言ってたなぁ。
まだ聴いたことなかったっけ。
どんな曲だろ。

チャンネルはそのまま。
彼女が歌いだすのを待つことにした。

恋の終わりを歌い上げる彼女は切なさ満点。
それでも、やっぱ変わりない。


『指輪〜初めてだった〜・・・』


サビに入って、ブラウン管の中の瞳と目があった。
普段、結構近い場所にいる私でさえ胸ときめくんだから。
世の中の男性にとってはたまらないんだろうなぁ・・・。

・・・なんか、思考がごっちんに似てきたかも。

399 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:49


それにしても可愛い。
でも、いつ休んでるんだろう。
最近は、どこに遊びに行ったとか言う話題もほとんど聞かない。


「・・・働きすぎで、体、壊さないでね?」


見てるこっちの心境は親?
テレビに向かって語りかけたら老化の始まりって、誰が言ったっけ。
ありがとうございましたと、お辞儀しながらはけて行く亜弥ちゃんに話し掛ける。

つんくさんの曲は、耳に残りやすい。
今、初めて聴いた亜弥ちゃんの歌は、すでに耳に張り付いている。
思わず口ずさんだ。


400 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:50



「ゆびわ〜・・・はじめてだった〜ぁ・・・♪うれしかぁ」
「じーんせ――ってスバラシ―――――――!!!」
「ぅひああああああああああああああああああ!!!」


そこに、ちょうどお風呂から上がってきたごっちん。
私の歌声に被せて、かなりの大声で突然歌いだした。
歌いながらダッシュして、その勢いのまま私に被さってきた。
驚きの悲鳴をあげながら、ごっちんに押し倒される。

・・・なんて間の抜けた悲鳴を出せるんだろう私。
イヤでもかなり本気でビックリした。


「ホラだれかとぉ――――――――――!!!!」
「ごっちん!!!ちょっとコラ!!濡れる濡れる!!」


びしょ濡れの頭のまま、私の肩口に顔をうずめて、なおも歌い続ける。
きつく抱き締められて、苦しいやら痛いやら。
濡れた髪と、あったまった体のアンバランスさに、リアルなごっちんを感じる。

って、そんなもの感じてる場合じゃなくて・・・


「であぁったりこーいうぉ――してみたり――――――ぃ!!!」
「ごっちんうるさ―――――――――――――い!!!」


ごっちんといいよっすぃーといい、何でこの子達は突然叫ぶんだろう。
そういう年なの?
まぁ、ごっちんがここまでシャウトするのはかなり珍しいけど。

引っ付くごっちんをバリッと引き剥がして、髪を触る。


401 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:50



「・・・ホラ、大体髪、びしょびしょじゃない。乾かさないと、風邪ひくよ?」


そう言うと、無言でにっこり微笑みながら、タオルを差し出された。


え。


「拭けって?」
「うん」


思いっきり頷かれた。
すっごい満面の笑顔で頷かれた。


「なに甘えてるの。自分でやってよ。」


バスッと、受け取ったタオルをごっちんの頭に放る。
タオルから覗く口元が、『不満です』って伝えてくる。
彼女がよくやる、あのタコ口。

情けないやら可愛らしいやらで。


402 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:51



「ハイハイ分かりましたよ――ぅ!」
「ぃひあぅ!!」


がしがしがしと、思いっきり濡れた髪をかき回す。
ごっちんも変な声。


「おとなしくしててくださいねー?」
「あーははははは愛を感じるなぁ――!?」


変に強がる不思議な人。
面白いなぁ・・・。
てゆーか、こんなんで愛を感じられても・・・。
思って、優しく拭いてあげることにした。
気持ち良さそうに目を細めるから、思わずワガママも可愛いなんて思う。


403 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:51



「それで、どうしたの?」
「何が?」
「さっき。あんな大声出すなんて、珍しくない?」
「ああ、だってホラ、亜弥ちゃんの歌、歌っててから。」


ん?・・・それはなに?
私の歌を聴きたくなかったと、そういうコト?
ふーん・・・・・・それはそれは、チャーミーショックだなぁ。


「亜弥ちゃん一色だったでしょ?梨華ちゃん」
「へ?」
「あたまン中、ぜーんぶごとーじゃなきゃダメ。」
「へぇ?」
「一緒にいるんだしさ。」


タオルからのぞく、照れたように、にかっと笑うごっちんの可愛いさったらない。
心が、むずむずする感じ。


「あ〜〜もうっ!ごっちんが一番カワイイ〜〜!!」


むずむずに耐え切れなくて、再びわしゃわしゃとごっちんの髪を乱す。
あはははと笑いながら、ごっちんはされるがまま。


「違うよ梨華ちゃん。」
「んー?」


わしゃわしゃ髪を拭く手は止めない。


「一番可愛いのは、梨華ちゃん。」


ね?
と、至近距離で上目使いをまともに浴びて。
404 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:53





可愛い独占欲。
幸せを感じるなというほうが無理。





405 名前:+++幸せな独占+++ 投稿日:2003/10/12(日) 20:53




         +++幸せな独占・オワリ+++

406 名前:如月 投稿日:2003/10/12(日) 20:55
ハイ、そんなわけで久々に真っ当ないしごまです。

さて、ごめんなさい。
御感想くださった皆様、ありがとうございます!!
返信は後ほどさせていただきます!

時間がないのです。
ひとまず失礼いたします!
407 名前:ROM読者 投稿日:2003/10/12(日) 22:04
ストライク♪ やっぱりこうでなくっちゃ!

でも・・お風呂は一緒じゃなかったんだ・・ (Rom)☆\(- - )
408 名前:北都の雪 投稿日:2003/10/12(日) 22:49
お久しぶりです。
良いですねえ、いしごま。その前のみきりかも好きでしたが。
最初のほう読んでりかあや?とか思ってしまった私は節操なしです。

だいぶ前の話ですが、作者フリーのあやごまの話、
申し訳ございませんでした。自分の早とちりです。
如月様、短編作者様、本当にごめんなさい。

P.S 85年組のトモダチ真ん中の二人ばかり見てました(爆
409 名前:如月 投稿日:2003/10/13(月) 11:53
バタバタとしたなかで更新してしまいました。
ご感想くださった皆様、ありがとうございます。
返させていただきますです。
410 名前:如月 投稿日:2003/10/13(月) 12:17

392 名無しさん様

ありがとうございますー。
今回はいしごまでした。
両方OKと言ってくださると、安心して書けますね(笑


393 ROM読者様

毎度どうもです(^^
(どんな挨拶だ)
ホントに毎回、ありがとうございます。
いつかROM様のために、きっとROM様が期待しているであろう(エ)
セクシ〜ないしごまを(笑)。

あの方は許してくれるでしょうか。
『恋のかたち』シリーズ(シリーズ?)ならば許してくれそうですね。
『手折るのは』の後藤サンならば分かりませんが(爆)。


394 @様

わーいわーい@様だー(喜
いらっしゃいませです。

時期的に、りかみきかぶってしまってホント申し訳ないっす。

>ここの美貴帝は純粋で羨ましいですw
・・・黒い藤本様も大好物なんですけどね(え

>如月さんももしかしてりかみき好きですか?
ごめんなさい、ぶっちゃけ・・・好きです。
あの水と油加減が、当時のいしごまを見てるようでトキメキです。

@様のりかみき、完結間近ですね。
楽しみにしてます。


395 名無しさん様

浮上感謝です(^^
りかみき、ありがとうございます。
切なさは、今のほのぼのいしごまでは書けないので、貴重です。

>ぜひぜひ、また書いてくださいw
図らずも、出来上がったものはりかみきでした(爆)
これからあげます。良かったら、どうぞ。


411 名前:如月 投稿日:2003/10/13(月) 15:15
えーと・・・。
最近の如月の書くものに『オイオイ』と、思ってらっしゃる方は、是非是非スルーしてください。

そんなかんじの話です。

では・・・。
412 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:16





キッカケなんて 覚えてない。


「可愛い、梨華ちゃん」
「・・・ウソツキ」


偽物の言葉なんて、要らない。


「好―――」


欲しくないから、紛い物しか零さない それを、塞いだ。
口唇のあたたかさは本物。


「・・・分かった。言わないよ。」


413 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:16



私から仕掛けたキスを解かれながら、囁かれる。
ちゅ、と音をたてて、再び軽く触れられて。
まやかしの優しさに、意図せず涙が流れた。

苦笑して、その雫をキスで拭う。
髪に指を差し込む仕草。

ぜんぶ、ぜんぶ。


「ウソツキ・・・・・」
「・・そうだ、ね。」


そんなに切なく笑わないで。
背中にまわした私の腕が触れるのは、いつだって布越しの温もり。
素肌に触れさせることなんて、ないくせに。


414 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:17


首筋に、吐息。
視界に入るのは、甘い茶色い髪。
少し前の、あの人の髪色と似てる。


「 痛っ・・・」


胸元に鋭い痛みを感じて、意識が急浮上する。


「・・・痛いよ・・・噛んだ?」
「釣りでも行ってきた?」
「・・・・・釣り?」


訝しげに問い返すと、自虐的な笑みと、答えが返ってきた。


「魚の噛み痕、残ってるよ。」
「噛・・・」


彼女の言わんとしていることが分かって、言葉が続かなかった。


415 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:17



「魚は噛まないか。」
「美」
「クセの悪いおサカナさん だね。」
「――・・・っ」


どう答えたら良いか分からなくて、名前を呼ぼうとした。
それを遮るように。
強く吸われて、背中が粟立つ。


「・・・怒ってるの?」
「・・・・ん?」


面倒くさそうに顔を上げて、気だるそうな視線を投げてよこす。
そのまま眼で笑って、また顔を伏せた。


「どうしてー?怒って欲しい?」
「そんなんじゃ ないけど・・」


喋るたびにかかる、彼女の息。
熱い。


416 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:18



「怒るわけないじゃん」
「・・・・ん。」
「梨華ちゃんはおサカナさんのでしょ」


じゃあどうして私を抱くの。
どうして私は抱かれてるの?
激しい矛盾に、息が詰まる。


「どっか一個、手に入らないなら全部いらないんだけどね。」
「っ・・・ ・え?」


すべる指先に、思考回路が掻き回される。
言葉が、上手く紡げない。


417 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:18



「でも、いくつか手に入っちゃったから。」
「・・・・何、それ・・・っ」


否定の言葉が出ないのは、熱に浮かされてるせいで。
決して肯定からじゃない。

流れる指を止めて、のしあがってくる。
額と額がつきそうなくらい近く。

目と目と合わされ、視線を絡めとられた。
逸らす事なんて、不可能に感じる。


「図星でしょ?」
「・・・・ありえない。」


彼女は『フッ』て、おかしそうに笑って、視線を外す。


418 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:19



「ウソついても無駄だよ。」


確信的な発言に、私は声を出せない。
顔にかかる髪をうざったそうに振り払って、再び目線を合わされる。
そのまま。













「・・・『僕には分かる』」





















419 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:19



目を、見開いてしまった。
体中の血液が逆流する感覚。
火照った身体が、急激に冷めていく。


「イーね、その顔。ソソル。す・・・っごく。」
「ヤダっ・・・!」


さっきまでのようにお遊び程度に触れるんじゃなくて。
感じさせようとする、本格的な愛撫。

心が追いつかないのに、的確な指先に、身体は反応する。


『ごめんなさい』と、自分は誰に謝れば良い?





420 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:20






意識を手放す瞬間に、耳に直接言葉を吹き込まれる。

切ない、甘い響き。


ウソツキ
ウソツキ


お願いだから、これ以上持っていかないで。


こころ。







    「好きなんだよ・・・梨華ちゃん・・・。」





421 名前:+++蜂蜜色の嘘+++ 投稿日:2003/10/13(月) 15:21






            +++蜂蜜色の嘘・ヲワリ+++


422 名前:如月 投稿日:2003/10/13(月) 15:30
本命CPより先にセクシー路線!!
ひゃっほう☆

ごめんなさい(平謝り)。
だってなんか、如月がいしごま書くとほのぼので終わるんですよ。
なかなか発展しないんですよほ。


407 ROM読者様

ストライクでしたか、嬉しいです!
如月も、書いててすごく楽しかったです。
でも・・・次がコレで申し訳ないです・・・。


408 北都の雪様

お久しぶりです。
ご感想ありがとうございます。

りかあやにまでは流石に手は出しませんでしたが(笑
如月、基本的石川サン総受けなので、そのうち書いちゃうかもです。
(無責任な発言は止めなさい)

>85年組のトモダチ真ん中の二人ばかり見てました(爆
やっぱりですか、如月もです(笑

ナイス人選。
ビバ85年組。

423 名前:如月 投稿日:2003/10/13(月) 15:33

最初にも書きましたが・・・。
最近の如月の書くものに不安を感じてる方は是非スルーしてやってください。

今回も、そんな感じの話です。


読んでくださった方、お目汚しを。
ありがとうございました。

424 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/13(月) 18:45
のほほんいしごまも好きですが
蜂蜜色の嘘に絡む後藤も見てみたい
425 名前:ROM読者 投稿日:2003/10/14(火) 11:52
潜望鏡深度ヨリ・・・・・(T^T)
426 名前:ROM読者 投稿日:2003/10/20(月) 17:17
でも、石川サン受けに微妙に萌えてしまった・・・
なんてこった・・・(ごっちん亜弥ちゃんゴメン
427 名前:如月 投稿日:2003/10/25(土) 10:29
初雪なんて話題の季節なんですね・・・。
おかげで早速喉をやられた如月です。
皆様もどうかお気をつけ下さい。

今回はまったりのほほんと進めたいと思います。
寒い季節ですし、あったかい話、目指した。

暇つぶしのお相手にでもなれれば。
428 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:30


「扇風機っていつしまう?」
「扇風機ぃ?」


不意に質問を振られたファミレス。
バニラのアイスを口にしながら、後藤は質問を復唱した。


「そう。アレって、ごっちんはいつ頃片付けてる?」
「ん〜・・・その年によって違うよ。」


石川は、ストローでアイスティーをくるくる回した。
氷がカラコロと音を立てる。


「今年は?」
「ん?」
「まだある?扇風機。」
「ああ・・・9月入って出して、9月中にしまった。」
「へぇ?」


思いもよらない後藤の返しに、素っ頓狂な声を出した。


429 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:31



「だって今年、夏暑くなかったでしょ。」
「ああ・・・涼しかったもんね。」
「行きたかったのにな。」
「え?」


一年中季節関係無しに降り注ぐスポットライト。
常に暑くもなく寒くもない温度に設定されるテレビ局。


「プール。今年は一緒に行こうって言ってたじゃん。忘れたの?」
「・・・・・あ〜・・・。」


石川は過去の記憶を手繰りに手繰り、そんな約束もしたなぁ、と、思い出す。


「ごとーはさぁ、」
「んー?」
「梨華ちゃんの生水着独り占めを楽しみにしてたんだよ。」
「・・・・・・・・何ソレ」


照れ+呆れ。
アイスティーをクーッと飲む。


「呆れてる?」
「・・・照れてるんです。」
「あはっ」


430 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:31



嬉しそうな瞳を、クリクリと石川に向ける。
苦笑の色を滲ませた視線を返す。


「カワイイね、ごっちんは。」
「あ、それ嬉しいな。なんか最近カッコイイとか言われるから。」
「ああ、カッコイイよね、ごっちん。」
「・・・梨華ちゃんに言われるなら、それも嬉しいね。」


言いながら、アイスを口に運ぶ。
笑いながら石川が問う。


「それは照れ?」
「そーです。」


バクバクとアイスを食べる後藤を、クスクスと見守る。


「お腹壊さない?」
「ん、へーき。」


窓の外は、陽の光りが暖かそう。
もう『暑そう』ではなくなったのだ。

日中は、それでもまだ暖かいが、朝晩の冷えを、だいぶ意識するようになった。
季節の移り変わりを感じながら、石川は冷えたアイスティーを飲む。

(・・・ホットでも良かったかなぁ・・・)

と、微妙な後悔を感じて。


431 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:31



「そういう梨華ちゃんは・・・」
「ん?」
「扇風機どうした・・・ってか、まだ出てたよね?この前。」
「うん。あれから変化なしだよ。まだ出てる。」
「いつしまう?」
「えー・・・」


『いつしまおうかなぁ・・・』
呟いて、再び視線を窓の外にやる。
風に舞う枯葉が、秋独特の物悲しさを誘う。


「さすがにもう暑くはならないと思うよ?」
「ふふ、分かってるよ。」
「梨華ちゃんが片付けベタなのは知ってるけどさぁ」
「そんなんじゃありませんー。あんなの奥に片付ければ良いだけじゃん。」


(・・・それが、片付けベタたる所以なんだよ)

と、突っ込みを入れはしなかったが。


432 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:32



「じゃあなんでしまっちゃわないの?邪魔じゃない?」
「あんまおっきくないし・・・」
「小さいの選んだもんね。部屋が少しでもすっきり見えるように。」
「・・・うんっ」


石川に、にっこり笑みを向ける。
その笑顔を受けて、嬉しそうに笑い返す。


「あー・・・一緒に見に行ったのは6月とかだっけぇ?」
「うんっ」
「なんかもう懐かしい感じだね」
「そうだねー・・・」
「今年の夏の思い出といえば、それくらいかな。」
「か、な。」


石川の部屋にある、小さめの扇風機。
それは、今年の梅雨前に、後藤と二人で買い求めたものだった。


「んで?いつしまうの?」
「ん〜・・・」
「・・・ん〜?」
「・・・・・・来年の夏までかなぁ」


石川の言葉に、後藤のスプーンがアイスを勢いよく突き抜ける。
皿とスプーンが、『カン!』と高い音を立てた。


433 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:32



「・・・・・夏って・・・何考えてるの梨華ちゃん」
「えー、だぁってぇ・・・」
「だってじゃなくて。ちゃんとしまいなよ?」
「んー・・・」
「しまわない気だな。」
「だってさぁ、」


『だって何?』
と、後藤が視線で促す。
若干言いづらそうに、石川が口を開く。


「さっき、ごっちんだって言ったじゃない・・」
「は?」
「『今年の夏の思い出』は、アレだけなの!」
「・・・・」
「しまっちゃったら淋しいじゃない!すがる思い出ゼロだよ!?」
「『すがる』って・・・」


本人が目の前にいるんだから、すがるも何も・・・。


「・・・今週会うのって何回目だっけ?」
「えーと・・・3回目かな?」
「でしょ?ホラ、結構会ってない?」
「でもっ―――」
「毎日メールしてるし・・・」
「だけどぉ・・・」
「電話もしてるじゃん?」
「そうだけどぉ・・・」


カラカラカラと、アイスティーを掻き回す音が早くなる。
拗ねてみせる仕草が子供っぽい。
黒く染めた髪も似合っていて、可愛いなぁ、と、会話を忘れて見惚れる。


「・・・・・・ごっちぃん?」
「はっ!?イヤごめん?」


訝しげな上目使いに、少々どぎまぎと答える。
バニラアイスを、パクパクと食べる。
あ、完食・・・。


434 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:33



「ガキっぽいって思ったでしょ。」
「ううん、子供っぽいなって思ってたんだよ。」
「同じじゃん」
「違うよぉ」
「・・・もうなんでもいーよ、とにかく今年はしまわないの。決めた!」


言い放つと、パクっとストローを咥えて、アイスティーを吸い上げた。


「じゃあこれから梨華ちゃんち行って、コタツ出そう。」
「コタツぅ?まだ早いよー」


仕方ないなぁ、とでも言いたげな後藤の声音に、石川が反発する。


「いーんだってば。コタツ出そう。」
「でもまだ10月・・・」
「一緒に出して、思い出一つ。」
「へ?」
「んで、スーパー寄って、今日は鍋しよう、コタツで。」
「鍋?」
「で、思い出二つ。」


きょとんと見つめる石川。
後藤は柔らかく微笑む。


「扇風機はしまって、また来年の夏、思い出作れば良いでしょ?
 『思い出にすがる』なんて、寂しい事言わないでよ。次はコタツに、思い出詰めよう?」


『ネ。』と、笑う後藤に。


「・・・ごっちんには敵わないなぁ」


と、嬉しそうな苦笑をこぼす。


「よし、じゃあ出よっか!」
「うんっ!」


435 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:34



会計を済ませて外に出ると、吹く風はやはり冷たくて。


「・・・もうコタツかもねっ」
「でしょ?OKOK出しちゃおう!」


繋いだ手をぶんぶん振って、軽く小走り。


「ポジティブポジティブ――――!!」
「ポジティブ――――――――!!!」


意味不明な雄たけびをしつつ、そのまま加速。
冬の香りの風を切りながら、なに鍋にしようか、と思いを馳せる。






436 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:37





春 夏 秋 冬

きらきら
きらきら



あなたといれば 毎日思い出







437 名前:+++扇風機と、炬燵+++ 投稿日:2003/10/25(土) 10:38




         +++扇風機と、炬燵・おわり+++

438 名前:如月 投稿日:2003/10/25(土) 10:57

ちなみに『炬燵』はコタツと読みます。
(一瞬分かんなかったのはお前だけだよ)

そんな感じで、やっぱり今回も二人にはのほほっとしていただきました。
のほほん石後はやっぱ書いてて嬉しいです。


424 名無し読者様

と、上には書きましたが、ブラックも書くのは好きです(笑

黒ごま白ごまグレーごま。
ご指定くだされば、蜂蜜に絡めます。
よろしければ、ご意見ください。


425・426 ROM読者様

( ´ Д `):作者、『ミキティミキティ!!』煩いんだよ。
       なんかね、空前のミキティブームらしいよ。
(;^▽^):(そんな理由で私を振り回すのはやめて欲しい・・・)

ええ、なんか今、藤本サン好きみたいなんです。
いしごまの好きとはまた違ったベクトルで、好きです。

『蜂蜜色〜』は、みきあやは意識してなかったんですが、そう見えましたか?
意識してなかったというよりは、考えもしませんでした。
そういうのもありかぁ・・・と、作者が思ってしまいました。

439 名前:如月 投稿日:2003/10/25(土) 11:12

えーと、前にも書きましたが。
ここの話は、『続』とか、そういう表記がない限り一話完結です。
一つ一つの話で、次元が違います。
と、いう事を理解して下さると嬉しいです。

なんかタラタラ言ってますが。
甘いいしごま時も、石川サンは裏では藤本様と・・・?
とか、誤解されたら困るので(^^;


では、このへんで。
お目汚しをを。
読んでくださった方、感謝です。
440 名前:如月 投稿日:2003/10/25(土) 17:08
・・・なんっか439の如月、誤解されるような書き方してますよ、ね?

>なんかタラタラ言ってますが。
ってのは、勿論如月が如月に突っ込んでます。
決してレス下さった方に対してではありません。
今読み返して、微妙な表現だったと思い、補足させていただきました。
441 名前:ROM読者 投稿日:2003/10/25(土) 22:05
更新お疲れ様です。
なんか『定番』って感じで、こんなのほほん大好きです。

ROMがここに張り付いたきっかけも、作者様のほんわかした
暖かいいしごまに惚れたから。(断じてセクシーを期待してい
る訳じゃありません!)

あと、みきあやはROMの妄想なので気にしないで下さい。
みきてぃはかなり好きです。毎朝通勤の車内でブギートレイン’03
を絶叫してます。

ROMは誰推しとかは無いのですが、ただ痛いのが苦手なので
時々妙なレスを付ける事もありますが、スルーでお願いします。
442 名前:sai 投稿日:2003/10/26(日) 20:38
すっかりレアキャラ化してしまったw

如月さん更新お疲れ様でつヾ(´▽`)ノ
久しぶり(おぉ)のいしごま良かったです♪

食べ物や飲み物を使って照れを隠そうとする表現が
とってもかあいくて、想像をより豊かにさせて…(ry

いやぁホント、如月さんのいしごま自分大好きですヽ(´∀`*)ノ

次回も楽しみにしてます(´ー`)ノ2人の激しいのとかm(ry

>炬燵
読めませんヽ(`Д´)ノ ウワァン
全然関係ないですが、自分もりかみきに洗脳され…アワワワ(;´Д`)
443 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/26(日) 22:40
ほのぼのしてて凄く良かったです!
りかみきも悪くないんですが、やっぱり自分はいしごまが好きだなぁと実感。
444 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/26(日) 23:45
いしごま不足癒されました
ひそかに黒ごま黒りかも好きだったり(・∀・)
445 名前:pj 投稿日:2003/11/03(月) 21:25
私はかなりのよしごま派なんですが、ここの小説を読ませてもらって、
いしごまも同じくらい好きになりました。
何か読んでてすごく心が温かくなりますね。そういう小説を書ける如月さんはすごいと思います。
もしお暇があれば、如月さん独特のほのぼのした感じで男前な梨華ちゃんを書いていただけませんでしょうか。
その日が来るまで楽しみにしております。
446 名前:如月 投稿日:2003/11/13(木) 00:33
こんばんはー、如月です。
そして、藤石です(爆

やっぱり後石は前提となってます。
タイトル似てますが、『蜂蜜色の嘘』とは違う次元です。

よろしければ、読んでみてやって下さいませ。
447 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:34




雨が降る。
薄暗い空から。



448 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:35




「あー、雨全然やまないねぇ・・・」



楽屋でポツリ。
呟いてみた。

独り言だから、誰かに話し掛けたわけじゃないから。
返事を期待したわけではないけど。

でも、これだけ人数居るんだし、誰かしら返してくれてもいいんじゃないの?

いつもなら、よっすぃとか・・・ああ、もう帰っちゃったのか。
見たいテレビ、あるとか言ってたし。

今日は珍しく、時間的には早い仕事終わり。
なのに、外は真っ暗。

・・・遊び行こうかなとかいう気が失せるよね。
あやっぺからお誘い来てたけど・・・この中、出かけるのかなぁ・・・。



「そうだね。」



突然背後から声をかけられる。
振り返ると、石川サン。
ああ、さっきの独り言に、返してくれえるのか。


449 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:36




「梨華ちゃん?よっすぃと帰ったのかと思った。」
「あーはは、だって、よっすぃめっちゃくちゃダッシュで走り去っちゃって。」



『一緒に走ったら目立っちゃって、ヤダよ』
そう言って、肩を竦めた。

よっすぃと梨華ちゃんが、街中を猛ダッシュする画を浮かべてみる。



「あっは!確かにね(笑)」
「でしょ〜?」



軽く笑いあって、ふと気付く。



「あれ?紺ちゃんは?」
「え?」
「ん?イヤ、だってホラ、五期メンは、他はみんないるから・・・」



『珍しくない?』
と、再び梨華ちゃんに視線を戻せば。
梨華ちゃんは俯いて、床を見つめてる。

首を傾げつつ、トントンと、肩を叩いてみた。
ハッと顔を上げて、ニコニコ笑う。



「そだね、珍しいよね?なんか用があったんじゃない?」
「まぁそんなトコだろうけどさ・・・梨」
「それじゃ、暗くならないうちに私も帰るね!バイバイ!」



なんか変な様子。
『梨華ちゃん何かあった?』
って、続けようと思ったら、遮られて、逃げられた。

450 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:37



逃げるものは追いたくなる。
コレ性分。

気付けば、楽屋には飯田さんと、紺ちゃんを除く五期メンのみ。



「藤本!挨拶くらいしてくもんだよ!」



飯田さんの怒声を背中に浴びて、あたしは楽屋を飛び出した。
廊下に、梨華ちゃんの姿は無い。
エレベーターのところまで走ったら、下に向かって動いてた。

舌打ちしたい気分で、階段へと駆け寄った。

携帯が震えるのを感じた。
多分、あやっぺ。

『遊ぼう』メールに、まだ返してないことに気付いた。

ゴメン、と。

心の中で、本人に届くことが無いことを自覚しながら、詫びを入れて電源を切る。


一階降りるたびに、エレベーターの表示を確認する。
確認するたびに、今いるフロアよりも一階下にいるエレベーター。


451 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:37





縮まらない距離に、イラッイラする。




452 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:38




結局、五階から一階まで階段駆け下りるなんて荒業をやってしまった。
息を切らして、一回のロビーを見渡す。
けど、梨華ちゃんの姿はどこにも無い。



「・・・もう外か・・・・・。」



呟いて、あたしも裏から外へ出る。
冷たい空気と、暗い空。



「ああ・・・そっか・・・」



雨・・・。
しまった。
傘忘れた。

453 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:38


けど、ちょっと遠くに、明らかに梨華ちゃんな後ろ姿を見つけて。
その瞬間に、傘を忘れたことを忘れた。

駆け出した足元から、水が跳ね上がる。
空から降る強めの雨粒は、頬に容赦なく、冷たい。


追いかけっこな状態に、さっきの画がフラッシュバックする。
・・・十分ダッシュしてるじゃん、梨華ちゃん。

454 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:39




腕を伸ばせば、届く距離。




455 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:40


けど、伸ばすことは出来なくて。



「・・・梨華ちゃん!」
「えっ!?」
「え、わっ!?」
「ひゃあっ!!」



あたしの声に驚いて、梨華ちゃんは急ブレーキで振り返る。
かなりの勢いでダッシュしてたアタシは、その勢いをセーブしきれなくて。

そのまま梨華ちゃんに突っ込んで、二人で豪快に転んでしまった。



456 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:40




「ごっめん梨華ちゃん!!怪我ない!?」
「いったぁ・・・」
「ご、ごめん!」
「・・・・・・・・ったい・・・」



泣き出してしまった。
ウッソマジで!?
ヤッバ!泣かせちゃってるし!



「ああああごごごめん、ごめんね?」
「・・・いたい・・・」
「うん、どこ?どこが痛い?取り合えず、立てる?」



両腕を道路に突っ張って、首を項垂れて。
肩を震わせて、涙を零してる。

アタシは、どうしたらいいか分からなくて、一緒に座り込んだまま。
上半身と腕を、わたわた動かすことしか出来ない。



「・・・・ック・・・」



苦しそうに、しゃくりあげて泣き出してしまった。
本泣き。

どうしよう。
アタシと違ってか弱そうだし、骨とか折れちゃったかな・・・

本気で焦りだしたアタシの耳に届いたのは。



457 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:41




「っこ、ん・・・・・・会っ・・・いに行、たの・・・ごっち・・・」
「・・・・・ぇ・・・」


途切れ途切れな、涙声。
雨音にまぎれて、聞き取りづらかったけど、それは確かに。



『紺野、会いに行ったのごっちんに。多分、告白しに。』




単語を一つずつ飲み下した。
頭の回転は、悪いほうじゃないはず。
それでも、その響きの意味を理解するのに時間がかかってしまった。

だって、頭の中、真っ白。

紺ちゃんが、ごっちんに気持ちがあったのは知ってる。
見ててバレバレ。

けど、紺ちゃんの視線の先のごっちんの隣りには、いつだって・・・。
それは、あの子だって分かってたはずなのに。



458 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:41




「だ・・・って・・・てか、何か相談あったんじゃない?」



周りにだってたくさん先輩は居るし、まったく信憑性のない説。
薄笑いを浮かべて、そんなコトしか言えない。
けど、その言葉を、梨華ちゃんは首を激しく横に振って、否定する。

何か、声を出そうとして、肩を上げて息を吸ったみたいだけど。
それは、音にはならずに、梨華ちゃんの中に消えていった。



「梨華ちゃん・・・」



困りきってしまって、名前を呼ぶ。
咽てしまっている梨華ちゃんの背中をさすってやる。



「紺野・・・ごっちんと電話し、てて・・・」
「・・・・言ってたの?」



梨華ちゃんは、首を横に振る。



「・・・でも・・・分かる・・・。」



――・・まぁ、確かに・・・。



459 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:42




「ごっちんだって・・・ごっちんだって紺野に傾いてる・・・」
「そんなこと・・ッ」
「本人も気付いてないの!そばで見てる、私には分かる・・・っ!」



髪を振り乱して。
地面に向かって泣き叫ぶ。

梨華ちゃんが取り乱すところなんて、初めて見た。
けど、ごっちんのコトで、泣いているところを見たのは初めてじゃない。

ちょっと前なら、紺ちゃんの行動一つでこんなに不安にはならなかったんだ。
きっと、いろんな環境とかが少しずつ積み重なってるんだとは思う。

それでも、梨華ちゃんにあらぬ誤解をさせたのは、ごっちんの落ち度。

アタシには、ごっちんが梨華ちゃん以外の人に惹かれるなんて、有り得ないって分かってる。
そんなの、見てれば分かる。
誰が見たって、ごっちんの心に隙間なんてない。



心臓が、押し潰されそうに痛い。

泣き喚く梨華ちゃんが、ひどく愛おしい。



その誤解を解いてあげられるほど、アタシはイイ人にはなれない。



460 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:42




「・・・・じゃあもうやめなよ。」
「・・・美、貴ちゃん・・・・・・?」



思わず呟いた言葉に。
やっと顔を上げた梨華ちゃんの瞳は、真っ赤に充血してしまっている。
不安そうなその中に、アタシが揺れてる。



「今日だけじゃないじゃん・・・梨華ちゃん泣いてばっかじゃん。」
「・・でも好きなの・・・」
「メールしてる?電話してる?」
「好きなの・・・ッ」
「最近、ごっちんのコト話す梨華ちゃん、悲しそうな顔しかしてない。」
「それでもごっちんが好きなの!」
「じゃあ何でそんな顔してんの!!」



アタシまで、大声を上げてしまった。
このままじゃ、気持ちまで溢れてしまう。



461 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:42




「そんな苦しそうな顔しないでよ・・・!」
「・・・ッ!」



今のアタシに、この腕を止める理由が見つからない。
梨華ちゃんを引き寄せて抱き締める、自分の腕を。

どうしよう。
『頼れる仲間』を続けたほうが良いはずなのに。

誰か、止めて。



462 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:43




「・・・・・・・美貴ちゃ」
「・・・喋らないから・・・。」



絞り出した声が、震えてるのが、分かる。



「・・・・・・え?」
「声、出さないから・・・。」
「・・美貴ちゃん・・・・?」
「匂いも、雨が消してくれる・・・代用品、歓迎だよ。」



言って、顔が見えないように、さらにきつく抱き寄せた。
しばらく腕の中で戸惑ってた梨華ちゃん。
ポンポンと、背中を叩いてやると、肩に暖かい雫を感じた。

何に対しての『代用品』かは、言わなかったけど。
アタシの言いたいことは、梨華ちゃんにはちゃんと伝わったようだ。

おずおずと、背中にまわる腕。
だんだん、その腕に力が入って。
うわ言のように、ただ一人の名前を繰り返す。



「・・・・・・・・ごっちん・・・ッ」



肩口にある梨華ちゃんの頭を右腕で抱き締めて、左手で背中を撫でる。

463 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:43




隙間のない、偽物の距離。




464 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:44




信じられないくらい。
笑っちゃうくらいストイック。

頬を伝うコレは、もしかしたら涙なのかもしれない。



無理矢理捻じ曲げた想いは、もう自分でも原型が分からない。




雨は、ただ降り続くだけ。
465 名前:+++藤色の雨+++ 投稿日:2003/11/13(木) 00:45




         +++藤色の涙・ヲワリ+++

466 名前:如月 投稿日:2003/11/13(木) 00:47

くらーい。
何コレー。

イヤ、最近雨が続いて、なんか気分が滅入っちゃってですね・・・。
でも、こんなん書いたらもっと滅入っちゃいますよねぇ。
467 名前:如月 投稿日:2003/11/13(木) 01:06

441 ROM読者様

・・・(えっと)
ごめんなさい。
また藤石でした。

書いてて嬉しいのはあくまで石後です。
ご安心ください。

勿論前回のハロモニも萌え萌え。
もうほぼ石川サンにオンリー視点の後藤サン。
素直で涙が出るほどです(笑)。


442 sai様

お久しぶりです。
ご感想感謝です!

せっかく石後誉めてくださったのに、また藤石で・・・。

い、石後で激しいのですね。
了解です。
黒ごま白ごま、どちらがよろしいですか?


443 名無し読者様

ほのぼのは、ホントに書いてて楽しいです。
ただ、ワンパターン化してしまったる感がどうも・・・(汗

如月も、前回のハロモニにて、やっぱ石後スキーな自分を再確認でした。


444 pj様

あわあわわ・・・
そんなとんでもなく嬉しいことを仰ってくださって・・・
どうしましょう、光栄です。

男前石川サンですね。
この話の前に考えてたのが、結構そんな感じなので、近々仕上げたいと思います。
もうしばらくお待ちくださいませ。



では、よんでくださった方、お目汚しを。
ありがとうございました。

468 名前:如月 投稿日:2003/11/13(木) 01:08
ご、ごめんなさい。
444は名無し読者様でしたね。
444名無し読者様、pj様、申し訳ありませんでした。



444 名無し読者様

>ひそかに黒ごま黒りかも好きだったり(・∀・)

黒ごま・・・。
黒ごま黒りか、頑張ってみます。
如月の話なんかで石後不足解消してくださるなら、これからも頑張りたいと思いますです。


469 名前:如月 投稿日:2003/11/13(木) 01:45
てかラストの締め、タイトル間違ってるし(爆)。

ごめんなさい、なんかちょっと寝ぼけてたみたいです…。

『藤色の雨』が正しいタイトルです。まあどっちでも変わらないですよねー(自棄)


ミスばかりですみません。
470 名前:DK 投稿日:2003/11/13(木) 08:54
なんともせつないですね
471 名前:名無しさん 投稿日:2003/11/13(木) 09:35
 
素敵なお話ですね
りかみきは、絶対にアリです。私もいしごま大好き派なんですけど・・・
472 名前:いしごま 投稿日:2003/11/13(木) 16:24
如月 さんのりかみきを読んでいると、ごっちんと付き合ってるのが
前提だからかもしれませんが、「あれ?りかみき?え?良くない?」
と思ってしまいます。なんででしょうね…(w。
473 名前:ROM読者 投稿日:2003/11/14(金) 00:39
更新お疲れ様です。

あの・・近頃微妙に藤石肯定派になりつつあるROMです。
この作品の藤本さん、素敵です。優しさが悲しいけれど。
読み終わって改めてタイトルを見ると、更に泣けます。

まんまと作者様の術中に・・(略
474 名前:pj 投稿日:2003/11/14(金) 20:09
更新ありがとうございます!
藤石・・・良いですねぇ。切ないけど何か深みがあってGood!だと思います。
もちろん石後前提だからですが。
それと上のを読んでて思ったのですが、石後で激し(ryにも期待だったり(爆
余談ですが私的には攻(ry石でv(すみませんアホで)
475 名前:如月 投稿日:2003/11/16(日) 19:33
こんばんは。如月です。
えーと、一応、『藤色の雨』の別バージョンとして書きました。

お暇なときにでも、読んでみてやって下さい。
476 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:34



空から落ちてくる水滴を見つめていた。
どんよりと、薄暗い空。

視界に入ってくる色は、灰色の空と、透明な液体だけ。
厚い雲に隠れて、星なんか、見えない。


477 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:34



二色だった世界が、突然に一色になる。
落ち着いた、赤色の傘。
振り返れば、そこには。



「こーんのー?」
「後藤さん!」
「良かった。紺野じゃなかったらどうしようかと思った。」



にっこりと微笑まれる。
意識せず、私も頬が緩む。
雫の垂れる私の髪を見て、ハンドタオルを差し出してくれた。
おずおずと、受け取る。



「で?紺野、傘は。どーした?」
「あ・・・ちょっと、楽屋に忘れてきてしまって・・・」



えへへ、と笑ったら、苦笑を交えつつも、笑顔をくれた。
面と面向かって笑みをもらったのは、一体いつ以来だろう。



478 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:35




「あの・・・」
「んー?」
「待ち合わせの時間より、だいぶ早いですよね?」
「んぁ、でも紺野いるじゃん?」
「え・・・」
「もう来てるかなーって。紺野のことだから。」



事も無げに言ってのける後藤さん。

顔が、赤くなってくのが分かる。
不自然な表情をしていないだろうか。
ドキドキ煩い胸が、気付かれていないだろうか。

誰かの一言に、こんなに動揺する自分が恥かしい。



「んで?おかしかったよね?電話。」
「あー・・・・・」
「あんなメールの後だしさ。なんかあった?」




 
  最近、すごく頑張ってるね。
  疲れたり、悩みあったりしたら、アタシでよければ聞くよ。
  メンバーには言いづらいコトとか?(笑

  って、こんな頼りないヤツに相談なんかないよねぇ。

  おじゃマルシェ、可愛いね。
  その調子で、ガンバレ。     

                        マキ
                                 』 



携帯に届いたメールが嬉しくて、勢いで電話してしまって。
久々に『紺野』と呼ぶ声を聴いて。
胸がいっぱいになったら、思わず泣いてしまったんです、なんて。

言えるはずがない。



479 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:35




「ちょっと疲れてたみたいで、涙腺緩んじゃって・・・」
「疲れて涙腺緩むかなぁ・・・」
「あの、あの、後藤さんの声聴いたら、なんだかホッとしちゃって・・・」
「あはっ。こんな声でよければいくらでも提供するよ。」



嘘だけど、嘘じゃない。
今の私に出来る、精一杯の愛情表現。
気付いているのか、いないのか。
後藤さんは、笑ってかわす。



「最近すれ違いでさー。みんな元気?」
「あ、ハイ。みんな変わりないですよ。」
「だろうね(笑)」



今、気付いた。
私、そういえば後藤さんの傘に入れてもらってるんだ。
・・・これって、形は相合傘ってやつじゃ・・・

どうしよう。
後藤さんが、近い。

意識しすぎて、身体に変な力が入る。
熱い。

でも、後藤さんの一言で、私は急激に現実に引き戻されることになる。



480 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:35




「よし子・・・とか、は、どう?」



ちょっと迷いながら、さっきと似たような質問を口にする。
私には、その質問の真意が、ちゃんと分かってしまった。

四期メンバーのことを聞きたいってコトで。
それはつまり、石川さんのことを聞きたいって、コト。

ツキンと、小さな痛みを胸に感じて、少し声が出せずにいた。



「・・・紺野?」
「・・だいじょうぶです。しっかりやってますよ、石川さん。」
「そっか。」



照れることもせず、質問の対象が石川さんであることを、あっさり肯定する。
ふにゃん、と、柔らかな笑顔は、石川さんが絡むと、甘さがプラスされて。

ツキン、ツキンと、胸は痛む。
同時に、どうしようもなくトキメク。
向けられた笑顔が私のためではないのが分かったいるのに。



「・・・最近は、藤本さんと、よくお話ししてるのを見ます。」



痛む胸に従ったら、口をついて出たのは、そんな言葉。
驚いたように、少し目を大きくした後藤さんの視線を受けていられず、俯いた。

『ふぅ』と、溜め息に似た笑い声。



「良いこと、だね。」



きっと、哀しい笑顔だ。
怖くて、顔をあげることは出来ないけど。

私はいつからこんな嫌な子になっちゃったんだろう。


481 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:36



オーバーラップする。
あの時に。

番組を盛り上げるため、とはいえ。
『気持ち悪いんで、近付かないで下さい』、と。
私が言ったときの、石川さんの表情。

収録が終わって、謝ったら、石川さんは明るくて。
『いいよいいよー、全然気にしてないよっ』
と、笑ってくれた。

OAのとき、石川さんの顔は、本当に、今にも泣き出してしまいそうだった。


482 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:36



自分の気持ちを自覚して。
それが、抑えきれないって事も。
抑えなきゃいけないって事も。

好きになった人には、もう大切な人がいるって事も、分かっていた。

確かな行動に出られなくて。
嫉妬して、二人を苦しめるようなことしか出来ない。


後藤さんは、黙ってしまった私の手からタオルを取る。
そのまま、それで私の頭を拭いてくれた。


傘に落ちる雫が、パラパラと弱い音を立てる。
ああ、もうすぐやむかな、と、そんなどうでもいいことを思った。



「・・・紺野・・・」



少し俯いていても、それは後藤さんにバレてしまった。

今泣くことは、卑怯だと思う。
涙が、瞳から零れ落ちて、地面に吸い込まれていく。



483 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:36




「・・・・・・すきです・・・」



優しく髪を拭ってくれていた、後藤さんの右手が止まる。
でも、もう、伝えてしまいたかった。



「私、私・・・すきなんです・・・後―――」



後頭部に圧迫感を感じたと思えば、次の瞬間、視界は真っ暗。
後藤さんの胸に、顔を埋めている状態。
現状を把握して、驚きとドキドキで、涙が止まった。

無音の世界に。
何か話そうとする、後藤さんの息遣いが響く。



484 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:37




「それ以上は聞けない。」



雨の音も、聞こえなくて。
ただ、その言葉だけがクリアだった。

報われない想いを抱えているには、私の心は小さすぎる。

落ちる雨と、落ちる涙と。
一緒に、気持ちも落としてしまいたかったのに。

それすらさせてくれず、私を優しく包む後藤さんを。
もしかしたら、私は恨むべきかもしれない。


たった今、フラれたのに。
それと引き換えに、初めて後藤さんのぬくもりを手に入れた。


485 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:37



もし、今抱き締められているのが私じゃなくて。
私じゃなくて、石川さんだったら。
後藤さんはきっと、傘なんか投げ捨てて、両腕であの体を閉じ込めるんだろうな、と。
どこか冷静に、そんなことも思った。


486 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:37



ヒドイ人だ。
いっそ、冷たく突き放してくれた方が楽になれた。
優しすぎて、気持ちを振り落としきることが出来ない。



「・・・・・ズルイです・・」
「・・・ごめん。」



フッと、頭が軽くなる。
後藤さんの右腕が、私の頭を離したから。

ああ、やんだのか・・・雨。



「帰ろう。送る。」



傘をたたみながら、言われた。
頷いただけで動こうとしない私を見て、苦笑しながら後藤さんは歩き出した、
傘という、無言の指定場所を失った今、平然と隣りを歩くことは出来ない。

意識してか、無意識か。
前を歩く後藤さんは、手を繋いでいるくらい、ピッタリと私の歩調に合っていた。


後藤さんの背中を、距離を置いて見つめる。


487 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:38



さっき傘をさしてなかったら、両腕できつく抱き締めてくれていましたか?
今、雨が降っていたら、一本の傘で、近くを歩いてくれていましたか?

胸に湧く、ネガティブな疑問。
溜め息と共に、声に出してしまいそうになる。


488 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:39



伝えることすら、許してもらえない恋。


私の想いは、きっとこのまま、叶うことなんてない。
神様は、私の恋を、応援してくれていないんだから。



だって、ホラ。
もう雨はやんでしまった。

見上げれば、広がるのは深い青色の夜空。


489 名前:+++そして、紺色の空+++ 投稿日:2003/11/16(日) 19:39





          +++そして、紺色の空・ヲワリ+++

490 名前:如月 投稿日:2003/11/16(日) 19:41

梨華ちゃん以外、みんな報われてないっていう(爆)。

(?^▽^) 


491 名前:如月 投稿日:2003/11/16(日) 19:52

470 DK様

切ない系は、藤石専売特許みたいになりつつあります。
いい加減、可哀相なんですが・・・。


471 名無しさん様

素敵だなんてそんな。
滅相も御座りません(恐縮)。

りかみき、アリですか。
そう言ってもらえると、書きやすいです(^^。


472 いしごま様

ありがとうございます。
(と、言って良いところ・・・ですよね?)
石後、お待ちくださいませ。
次回は石後予定です。


473 ROM読者様

毎度どうもです。
ホント、毎回感想、感謝です。

>まんまと作者様の術中に・・(略

・・・えへっ(キモ
そうですか。まんまと。
ふふふ・・・。
もしや、ストイックな藤本様、お好きですか?

次回は、石後が戻ってまいります。
お待ちくださいませ。


474 pj様

い、石後で激しいの。
さらに、男前石川サン・・・
りょ、両方一つの話に詰められるほど、如月に力量がありませんでして・・・(汗

とりあえず、前にも書きましたが、(微妙に)男前石川サンを仕上げたいと思います。
次は、多分それになるかと・・・。



では、読んでくださった方、お目汚しを。
お付き合い感謝です。

492 名前:ROM読者 投稿日:2003/11/16(日) 21:36
更新お疲れさまです。

真っ直ぐな紺ちゃんと、ちょっと大人なごっちん。
久しく忘れていた青春の熱い滾りをちょっと思い出しました。

ところでキッチンズバーガーを食べたくなったのはROMだ
けですか?(夢ケ丘の未来百貨店まで買いに行くか・・・)
493 名前:pj 投稿日:2003/11/17(月) 17:58
更新乙です。
あー、あの石後で激しいのというのはそういう意見もいいなと思っただけで
とりあえずは男前石川で。
すみません、混乱させてしまって。
494 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/17(月) 18:24
ミュージカル見てないからわからないのですが紺後って意外と多いですね
次は藤石、紺後の話の続編で石後なのかな?
楽しみに待ってます
495 名前:如月 投稿日:2003/11/23(日) 01:31
今回はsage使用でいってみたいと思います。
えーと、内容がちょろっとヤラしいからです(爆

でも所詮如月の書く文ですから。
期待しないで、さらに大目に見てやってくださいね。

ではでは。
496 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:32



その日、後藤真希は無意味に目を覚ましてしまった。
カーテンの隙間から覗く空は、薄くと白くなりつつある。

そろそろ夜明けかなぁ・・・などと。
寝ぼけた頭で、ぼんやりと思った。

その隣りで静かな寝息を立てる人は起きそうもない。
気持ち良さそうに眠る表情に、後藤はあどけなさすら感じた。

年上ぶりたがる彼女が、そんなことを知ったなら、拗ねるだろうか。



「かーわいいよなぁホント・・・」



さらさらと、その頬にかかった髪をはらう。
触れた指先から伝う暖かさが心地良く、そのまま頬を撫でた。



「・・・ふにふに。」



言いながら、人差し指で、軽く突付く。



497 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:32




「・・んぅ〜・・・・・」



などと言いつつ、石川梨華は覚醒することなく、未だ夢の中。
体を縮ませながら、後藤に擦り寄る。

指先から感じるよりも、確かでリアルな温もり。
香るのは、甘い、石川の匂い。


右腕を枕に、石川を眺める。
薄く開いた唇が息をするたび、閉じられた瞼が揺れる。

後藤は思う。
よくもまあ、こんな可愛らしい人を目の前にして、おあずけを守ったものだ、と。


少しかさついた、石川の唇。
石川本人が聞けば、『そんな事ない!』と。言うであろうが。
今の後藤には、その唇は、誘っているようにしか見えなかった、らしい。

枕にしていた右腕で体を支え、上半身だけ起き上がる。
誘われるがまま、その唇に、自分のそれを近付け・・・、止まる。
距離にして、約2cmといったところか。
そのまま数秒、超至近距離で石川を見つめる。
勿論、眠っている石川がその瞳を見つめ返すことは無い。


498 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:33





そのまま静かに、唇の少し横に、口付けを落とす。


それは、悪戯の合図だったのだが。
眠り姫は気付く由も無く、すやすやと眠っている。




499 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:33


首筋を撫でれば、くすぐったいのだろう、肩を竦める。
そのままTシャツから覗く鎖骨を撫で、唇を落とす。

浮き出た鎖骨に沿って舌を這わせる。
強く吸いたくなる衝動を抑えて、顔を離した。

服の上から、形良く膨らんだ胸をくすぐるように、撫で。
唇を寄せて、中心に押し付けるように口付ける。



「ん・・・・」



石川から、吐息がもれた。
その反応に気を良くした後藤は、さらに愛撫を続ける。

500 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:34



相変わらずTシャツ越しに、胸を甘噛みしながら、左手で石川の脇腹を擦る。
と、明らかに石川の反応が過敏になった。



「ぅ・・・ん」
「梨華ちゃんココ弱いもんね〜」



満足げに笑いながら、後藤はその左手をTシャツに差し込んだ。
ゆるゆると脇腹を撫で、その手は、ブラをつけていない胸に、直に触れる。

あたたかい石川の体温は、後藤を夢中にさせるには十分で。
後藤の右手は、スウェットに滑り込む。

そこは、すでにしっとりと湿り気を帯びていた。
下着越しに、ゆっくりと撫で上げる。

石川の身体が、今までとは違う反応を示す。
中指を柔く下着の上から沈めると、石川の腰が浮いた。



「・・・んぅ、ふ・・・・・」



違和感から太腿をすり寄せようと、石川の脚がうごめく。
だが、脚と脚の間には後藤がいて、結果、後藤に擦り寄る形となる。

後藤的には美味しい感じである。


501 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:34



緩急をつけて撫で上げれば、眉根を寄せて、身をよじる。
その表情がたまらない。



「・・・っあ」



甘く零れる吐息は、だんだん確かなものへと変わってきた。
それは、後藤の指先が的確なものへと移った証拠でもある。

艶を含んだ声音に誘われるまま、後藤は指を下着の下へと差し入れる。

やわらかな蜜で、指はスルスルと楽に動いた。



502 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:34




「・・・・・っは・・・んぁっ・・・なに・・・っ?」
「・・・オハヨ、梨華ちゃん」
「ン―――・・・っあ・・!・・・なにして・・・ッ」



流石に、直接的な快楽を受けて、石川も目を覚ました。
しかし、身体は反応しても、寝ぼけた頭と溶けた心がついては行かない。

そんな石川に、普通に朝の挨拶を捧げた。
しかし、愛撫の手は止めない。
むしろ、さらに激しく石川を追い詰める。



「梨華ちゃんめちゃくちゃ可愛いからさ。欲情しちゃった。」
「な、に 言って・・・・・ん・・・・・・ッ!」
「梨華ちゃんも気持ちよさそうだったし。」
「・・・・・・・・・ッ・・・・・くぁ・・・」



溢れる蜜の中に、中指を柔く沈めていく。

心としては、怒りから。
身体は快感を待ち受けて、震えた。

わざとポイントを外しながら、じわりじわりと追い上げていく。



503 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:35




「・・・・・・・・イジワル・・・ッ。」
「・・・何が?」
「やっめ・・・!」
「ヤーダ。だいたい梨華ちゃんだってこのままじゃツライでしょ」



唐突に、ぐいっとイイトコロを強く圧迫する。
石川は息を吐くことも吸うことも出来ずに、涙を流した。



「・・・はッ・・・!!」
「ごとーは優しいから、ヤラシく『欲しいって言ってみて』なんて言わないよ」
「あ・・・アッ・・・・・!!」
「ちゃーんと、イカせたげる。」



言い終えて、石川の耳をぱくんと口に含む。
舌で、ぐりぐりと中を掻き回した。
それは激しい刺激となって、頭に響く。



「っ!!!」
「真っ赤だね。」
「も・・ヤっ・・・ヤダヤダヤァ・・・・ッ!」


504 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:35



乱れた髪が。
身に付けたままの衣服が。
頭の横に投げ出した腕で、シーツを握り締める様が。

妙に艶っぽい。

硬く握り締めた指先に、口付けを一つ。
それを契機に、後藤の織り成す愛撫は、一つの目的だけとなる。

徐々に指を増やし掻き乱す。
より熱く、厭らしく。

一定のリズムで、擦りあげられて、石川は急激に昇りつめた。



「ア・・ッ・やだ・・あっあっあっ・・・・・・ッ」
「・・・かーわい・・・」
「は・・・んっ、んあっ・・!・・・アッ・・・・・!」



後藤の、低く甘い声に、心が揺さぶられた。
そのままはじけるように、身体の方も満たされる。

いつのまにか、石川の腕は、後藤の背中にしっかりとまわっていた。



505 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:36






ベッドにぐったりと身を沈める石川。
視線は、恨めしそうに後藤へと向いている。





506 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:36




「・・・え、何その目・・・まさか誘っ」
「誘ってない!もう!なんなのよこんな時間から!!」
「そんなの梨華ちゃんが悪いんじゃん!」
「な、なんでよっ!?」
「昨日させてくれな――」
「バカ!!」
「ぶっ!」



石川のシャウトと共に、後藤の顔面に枕がクリーンヒット。



「もーそんな怒んないでよー!」
「怒るに決まってるでしょ!」
「だってさー、ね、聞いて聞いて?」
「なに」



507 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:37



ブスっとしたまま横たわる石川に、にじにじと近寄って。



「ちゅーはね、しなかったんだよ。」
「・・・はい?」
「寝てるときに、キスはルール違反かなーと思って。やめといたの。偉くない?」



『誉めて』と言わんばかりに瞳を輝かす後藤。
フルフルと、身を震わせて、石川渾身の怒りの雄叫び。



「・・・・・眠ってる人間襲っといて何がルールなのよバカ!!!」






508 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:37







カーテンの向こうは、白々と朝を迎えていて。

危うく遅刻しかけて、大慌てでテレビ局に向かう途中。
石川のお怒りを、再び受けることとなるのは、数時間先のことである。


509 名前:+++悪戯+++ 投稿日:2003/11/23(日) 01:37





            +++悪戯・オワリ+++


510 名前:如月 投稿日:2003/11/23(日) 01:41
キタ―――(゚∀゚)――――!!!

(自分で言っとかないと、誰にも言ってもらえないから(笑))


ハイ、そんなわけで、本命カプではお初となります、セクシー路線。
でも、石後なので、ほのぼのセクシーを狙いました。
結果、何やらどっちつかずな感じに仕上がりました(爆)

511 名前:如月 投稿日:2003/11/23(日) 01:52

492 ROM読者様

如月の話は、藤本サンが結構男前な感じになることが多いので、
後藤サンも、多少男前路線狙ってみました。

ちなみに、実は如月、夢ケ丘の未来百貨店、未だ行った事が御座いません。

いつか、あそこで働く皆様を、拝見したいとは思うのですが・・・。


493 pj様

ごめんなさい、如月はウソツキです。
男前石川サンの前に、ポンと浮かんだこっちをあげてしまいました。
もうほぼ出来上がってたんですが・・・。

次回にはきっと・・・。


494 名無し読者様

如月も観てませんよー。
でも、あんな男前後藤サンに(役でも)迫られたら、オチかねないと思います。

>次は藤石、紺後の話の続編で石後なのかな?

あの続編で、石後は書きません。
あえて、石後視点は外してますので・・・。
紛らわしい書き方をして誤解させてしまって、申し訳ありません。



では、読んでくださった方、お目汚しをいたしました。
お付き合いありがとうございました。
512 名前:pj 投稿日:2003/11/23(日) 10:24
( ´ Д `)b<更新お疲れ様!
後藤さんしてやったり!ですね。
私的には結構ツボでしたよ!
是非またいつか仕返しと言う形でその逆が見てみたいですね。
男前石川サンは如月さんの都合のいい日で全然かまいませんよ?
でも次回更新なら大期待で待っておきたいと思います!
513 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/23(日) 13:41
エロいしごまキタ―――(゚∀゚)――――!!! です
いしごまは甘いのも痛いのもエロが似合う(と思ってます)

>あの続編で、石後は書きません。
>あえて、石後視点は外してますので・・・。
勘違いしてすいません
514 名前:ROM読者 投稿日:2003/11/24(月) 23:26
今まで微妙な未遂はあったけれど、いや驚きました。でも
いくら梨華ちゃんが可愛くても、欲情って・・後藤サン、
朝から凄過ぎマス。

> 実は如月、夢ケ丘の未来百貨店、未だ行った事が御座いません。
北口の商店街もお勧めですよ。
515 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/25(火) 17:01
やっぱいしごまイイ!
エロにしてもほのぼのしてるっていう。
他のCPではありえないですよね。
516 名前:ROM読者 投稿日:2003/11/25(火) 22:11
>>515
気持ちはわかりますが、作者様がsageで、と言ってる時は協力してください。
お願いします。
517 名前:如月 投稿日:2003/12/01(月) 18:32
ハイどうもー。
こんにちは、如月です。

もう十二月なんですね・・・
ってな感じで、今月一発目行きたいと思います。

ではでは。
518 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:34





『キライ』などと。
思わず口走ってしまったことを。
後藤真希は大いに後悔していた。

後悔から、石川梨華が飛び出していったドアすら見ることが出来ない。





519 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:35






はぁ〜〜〜〜〜〜・・・・・・



取り合えず、盛大な溜め息をつく。
楽屋に、自分ひとりの息遣いが響いた。

視線は、窓から外すことは出来なかった。
動いたら、泣いてしまいそうだったから。

羽織っていたパーカーのポケットに入れていたMDを再生させる。
大音量で。


何かに意識を向けていないと、滲んだ涙が溢れる自信がある。
・・・どんな自信なんだ自分。


ああもうホラ。
目の奥が熱い。
頬をつたう、雫の感触。


520 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:36



情けない思いが呼んだ涙。


なかなか振りが覚えられないときとか。
新曲の撮りがなかなか上手くいかないときとか。
そんなジレンマに近いかも。

子供な自分にムカツク。
泣いてる今の自分もムカツク。
梨華ちゃん怒らせた自分もムカツク。


ムカツクムカツクムカツク。


勢いに任せて、さらにボリュームを上げた。
ガンガン流れる音。
ガンガン流れる、涙。

あー・・・頭痛くなってきた。




521 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:36





ぽむ、と。
後藤は、柔らかい感覚を頭に感じた。
と、同時に耳からイヤホンが抜かれ、急激に外の音が戻ってくる。

首をひねり、見上げると、そこには苦笑気味の笑顔の石川が立っている。



「泣かないでよ・・・」



突発的現象に、ついていききれていない様子。
ぽかんと口を開けたまま、石川を見つめる。
相変わらず、瞳からは涙が溢れ出て。



522 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:36




「・・・なんか、私が悪いみたいじゃない。」



後藤の頭に置いたままの手のひら。
ぬくもりが、伝わる。



「・・・・ってゆーか、私、怒らせるようなこと、何かした?」



言われて、ゆっくりと後藤の首が横に振られる。



「そっか。良かった。」



523 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:37




石川から、苦笑ではない笑顔がこぼれて。



「もー・・・子供なんだから、ごっちんてば。」
「・・・・」
「わっ!?」



無言のまま、にゅっと、唐突に伸びてきた腕に驚く。
そのまま、伸ばした腕を後藤は石川の首に絡めた。

自分よりも背が低いその人の首筋に顔を埋め、抱き締める。
甘えるように、擦り寄るように。



「・・後藤さん?」
「ゴメン・・・・」
「んー・・?」
「・・・・ごめんなさい・・」



ぎゅう・・・と、石川を抱き締める腕が強くなる。



524 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:37




「も〜・・・謝るくらいならあんなコト言わないでよーぅ」



とんとん、と。

なんだかとても大人な、包み込んでくれるような言葉に。
なだめるように背中を叩く石川の手の暖かさに。
抑えていたものが、再びぽろぽろと溢れ出す。



「だって・・だって梨華ちゃん・・・」
「なーぁにぃ?」
「梨華ちゃん優しいから、不安なんだよ・・」



その言葉に、自分の肩口にある、泣いているであろう後藤の頭を見つめる。
勿論、表情は見えないのだが。



「・・・・『高橋が可愛い』とかさ・・・・」
「・・・・・へ?」
「『今日、美貴ちゃんがねー』とか・・・」
「・・ごっちん・・・・・」



ぶちぶちと愚痴を言うように、石川の首筋に向かって語る。
耳が赤いあたり、本心を言うことに照れがあるのだろう。



「・・・なんだ、ヤキモチかぁ」
「『なんだ』じゃないよっ!ヤキモチでもないし!!」



ホッとしたような石川の呟きに。
顔をガバッとあげて、ギャンギャンと否定する。



525 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:38




「ハイハイ分かった分かった。ホラ、泣かないんだよー。」
「泣いてないしっ!!!」
「よしよし。可愛いでしゅねー真希ちゃんはー」
「むぁ――っ!!」



図星を突かれて。
小さい子供をあやすように言われ、ますます気恥ずかしさは募る。

後藤は再び顔を石川の肩口に伏せ、ぐりぐりと頭を押し付けた。



「あははは、イタイイタイ。」
「もーぅ!!やっぽキライだぁ梨華ちゃん!!!」
「え〜?(笑)」



ぎゅ―――っと抱き締めながらでは、その言葉に信憑性はなかった。
石川は、柔らかく後藤の肩に手を置いて、そっとその身体を離した。

そして、後藤の顔を覗き込む。



526 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:38




「キライ?」
「・・・キライっ」
「ふーん・・・残念だなー。」
「・・・・?」



ブーたれた顔のままの後藤を、にやりと見つめる。
そして、耳元に唇を寄せた。



「私は大好きなのにな、ごっちんのコト。」



直接言葉を吹き込んで、耳朶にキスを贈る。



「ッ!!!!!!!!!!」
「あはは。すっごい赤いよ、ごっちん。」



口付けられた方の耳を押さえ、真っ赤になりながら石川からバッと離れる。
面白そうに、その様子を見守る石川。

しばらくして、後藤は悔しそうに呟いた。



「・・・不意打ち・・・・・」
「たまには良いデショ?」






527 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:39







強気な笑顔に、クラクラした。
ああ、あたしはいつからこの人にこんなにメロメロになってしまったんだろうか。

だってホラ。
なんだか悔しい思いも確かにあるのに。

甘えるように、口付けを強請ってる。



528 名前:+++キライとワガママ+++ 投稿日:2003/12/01(月) 18:39





          +++キライとワガママ・終+++

529 名前:如月 投稿日:2003/12/01(月) 18:41
いじける後藤サンが書いてみたかったんですね。
やっぱり玉砕なんですけど。

もっと後藤サンを可愛く描く予定だったんですが。
・・・あらー・・・・
530 名前:如月 投稿日:2003/12/01(月) 18:58

512 pj様

一応、男前石川サンを目指したのですが・・・
ごめんなさい、如月、どうも石川サンを男前に仕上げることは出来ません。

もともとコレは形になっていたので、男前にすると無理矢理になってしまいそうだったのでこんな感じに仕上げました。

・・・リクエストにお応えする事が出来ず、申し訳ないです。


513 名無し読者様

あは、ありがとうございます(笑

>いしごまは甘いのも痛いのも・・・
ではでは、次回エロは、黒ごまを・・・(やめときなさい)

>勘違いしてすいません
いえ。如月が至りませんでした。
申し訳ありませんです。


514 ROM読者様

>今まで微妙な未遂はあったけれど、いや驚きました。
あはは。如月もちょっとビックリしました(え
アレ、書いちゃったよーみたいな。

>いくら梨華ちゃんが可愛くても、欲情って・・後藤サン

( ´Д`)/ イヤイヤROMさん。ちょっと想像してみてよ。
      無防備な梨華ちゃんが隣りで寝てんだよ?
      とりあえず襲っとけって感じでしょ?

Σ(;^▽^) ソンナッ!?


515 名無し読者様

ありがとうございます!
いやー、セクシー路線は、如月はタブーなのかなーと思って、ちょっとドキドキしました(笑


516 ROM読者様

お気遣いありがとう御座います。m(_ _)m



では、お付き合いくださった片、お目汚しを。
ありがとうございました。
531 名前:北都の雪 投稿日:2003/12/01(月) 23:30
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━ !!!!!
あ、お久しぶりです(爆
毎回毎回違った彼女たちを見せてくださる如月様に敬礼。
セクシー路線&強気梨華姉さん最高っす。
あまり書き込みませんが、ものすごい頻度で見てます。
それではまた、いつの日か。
532 名前:ROM読者 投稿日:2003/12/01(月) 23:41
更新お疲れ様です。
大人な石川サンと子供っぽい後藤サンって、イメージが逆っぽい
けど、めっちゃいいっす。

> もっと後藤サンを可愛く描く予定だったんですが。
十分可愛いじゃないですか。これ以上って、どうなる
んだろう。一度、作者様の考える究極の可愛い後藤サン
を見てみたい気もしますが。


533 名前:pj 投稿日:2003/12/02(火) 16:43
更新お疲れ様です!
まず、はっきり言わせてもらいますと・・・・キテます!!かなり私のツボに食い入りましたよ!
男前じゃないですか!梨華ちゃんが。
素敵な作品なんで謝らないでくださいよ。期待通りの作品だったんで、更新して頂いた時、かなり嬉しかったです。
とりあえず、有難うございました!また今度リクエストさせてくださいね?
534 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/03(水) 12:13
大人な石川さんと子供な後藤さんいいですね
年末は競演も多いので舞台裏できっと(笑
535 名前:如月 投稿日:2003/12/04(木) 17:06
如月は、辻サンが好きです。
そんなこんなで、辻サン登場。

ではでは、お付き合いの程
よろしくお願いします。
536 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:08


まだ、人がちらほらとしかいない娘。の楽屋。

ごっちんに、マシュマロを『あーん』って食べさせてもらってる、あいぼん。
なかなか可愛い光景。

そんな二人を、私の膝の上から見てる、のの。



「・・・いいなぁあいぼん・・・」
「あはは、行けばののにもくれるよー。行っといで?」
「あ、・・・うん。」



何か釈然としないような、決まりの悪そうな表情を残して。
『のんにもちょーだ―一い!』って、元気に二人に駆け寄る。


あの時、ののの『いいなぁ』は、てっきりマシュマロにかかってる言葉だと思ったけど。




537 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:08





■□■


「梨華ちゃーん」
「んー?なーに?のの」
「今日、この後ごっちんに会うんだよね?」
「ん、会うよ。何で?」
「あのね、コレ、渡しといてくれる?」
「・・・コレを・・・・?」


■□■




538 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:08



「・・・・・辻ちゃんが?」
「そう、ののが。」



『渡してくれ』と、頼まれたのはミニモニ。の、CD。
路線変更第一弾の、ちょっとセクシーなジャケットを眺めながら。
ごっちんが訝しげな顔をする。



「・・・・・ね。」
「ハイ?」



ごっちんの手の中にあるCDを見つめて。
あぐらをかくごっちんと、正座で向かい合う。



「ごとーさ、確か、今日会ったよね、辻ちゃんと。」
「うん。会ったね。明らかに顔あわせてたね。」
「・・だよね。マシュマロの投げっことかして遊んだとも思うんだけど・・・」
「・・・してたね?」



そう。ハロモニの収録で、娘。の楽屋に遊びに来たごっちんは。
確かに、ののとあいぼんと、さらには安部さんやまりっぺもまぜて。
きゃあきゃあと、楽しそうに騒いでいた。

そして、私もずっと疑問に思っていたことを、ごっちんが口にする。



「・・・・じゃあ、何でそん時渡さなかったんだと思う?」
「・・・だよねえ?」
「加護からはさ、もらったんだよ。加護のサイン入りのをサ。」
「あー、うん。見てた見てた。」



539 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:09





■□■


「でも・・・自分で渡したら?てか、さっきあいぼんと渡せば良かったのに・・・」
「あー・・・ちょっと忘れちゃっててさ。」
「じゃあまた来週も会うんだし、その時にでも――」
「ん、でもね、いーの。お願い梨華ちゃん。」
「でも・・・」


■□■




540 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:09




「え、見てたの?何?そんなごとーのこと気になってたの?マジ?それならそうと――」
「あーもういいからっ!話し進めよっ!」
「えー、ちょっと嬉しかったのに〜」
「しつこいなっ(笑)」



しっしっ。というジェスチャーをする。
ごっちんはニヤニヤして私を見ながら、再びジャケットを手に取った。
そして視線もそれに戻し、片眉をあげ、フーンと息をつく。



「んぁー・・・それにしても、オトナになっちゃったねぇ・・・」
「ああ・・・フフ、寂しい?」
「んー・・・娘に彼氏ができたって、こんな心境なのかなー・・・・」
「あははっ。まぁごっちんには娘みたいなものだもんね、あいぼんは。」



ひょいっと身を乗り出して、ごっちんの手からCDを取る。
『ホント、おっきくなったなぁ・・・』と、彼女たちを見つめる。
人差し指で、ジャケットのあいぼんを撫でてみる。

そういえば、あいぼんが渡してたとき、ののも、コレ持ってなかったっけ・・・?

気付けば、ごっちんは私の背後にまわりこんでいた。




541 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:10





「『娘』って・・・歳的には明らかに妹でしょーが・・・」
「んふふ、まあそうだけどーなんてゆーかさぁ〜?」
「てか、今のこの寂しいキモチは加護ちゃんのせいじゃなくて。こっちのせい。」



手首を握られ、そのままスライドされる。
さっきまであいぼんを撫でていた私の指先には。



「・・・・・・・のの?」
「そ。」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・なにそれ」



振り向けば、至近距離にあるごっちんの顔。
多分、かなり間の抜けた顔で見つめてたんだろう。



「イヤ・・・意外だなーって・・・」
「んー・・・そーかなぁ・・・」
「てか、あいぼんを可愛がってるイメージが強いの。」
「あー・・・ホラ、加護ちゃんはさ、『ワーッ』ってきてくれるから・・・」
「から?」
「ごとーも可愛がりやすかったというか・・・。」



私の指で、ののを撫でるごっちん。
自分の中の感情が、上手く言葉にならないようだ。



542 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:10




「ホラー、辻ちゃんはなんつーか・・・」
「んー?」
「じゃれてはくるけどー・・・甘えてはこなかった、みたいな。」



やっと納得がいったのか。
うんうん、そんな感じ。
と、後ろで一人で頷いてる気配がする。



「・・・そうかなぁ・・・べったりくるけど・・」
「それは相手が梨華ちゃんだからでしょ。」
「えー?」
「どっかで照れとかあったんだろうね。ごとーには、甘えきってはくれなかったよ。」



過去形で語るごっちん。
声に、本気モードで寂しさが含まれる。

・・・なんか、どっかで聴いた声質と似てる。



「ごとーもさぁ、こっちから甘やかしにいけばよかったのかなぁ。」
「・・・・・ごっちんが。」
「そしたら甘えてくれたかもしれなくない?」



ごっちんから、ののにベタベタいく映像を想像して。
・・・違和感を感じざるを得ない。



543 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:10




「・・・そんな甘えて欲しかったの?」
「そりゃあねぇー・・・」



ののを撫で続けさせていた指先に、ごっちんの指が絡む。
世に言う『恋人つなぎ』。



「でもなんか、ごとーもちょっと照れがあったのかな。」
「へ?」
「梨華ちゃんみたいな『お姉さん』は、やっぱ出来ないよ。」



『お姉さん』やってるつもりはないんだけど・・・
むしろ、ののとあいぼんには振り回されてる感すらあったりして・・・

相変わらず、寂しげな声音に、また誰かの声とダブる。

少し考えて、ピンと気付いた。



544 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:11




「あ・・!」
「へっ?」
「あ、ううんっ、ねえごっちん、のの呼んでも良い!?」
「・・・・・・・・・今から?」
「そう!」
「ココに?」
「うん!ダメ!?」
「・・・・・ダメじゃないけど・・・」
「アリガトッ!!」



バッとごっちんの腕を振り解いて、携帯をとるべく自分の鞄に手を伸ばす。
ちょっと、状況に着いて来られてないごっちんは、この際放置させていただく。



「あ、もしもしののー?うん、今ドコ?あ、じゃあ今から出てこられる?」



ちょっと遠くから、不思議そうに私を見守るごっちん。
何かを考えているようだったけど、にじにじと、こちらに寄ってきた。



「うん、そう。え、そんなコトないよーごっちんもね、来て良―――」
「辻ちゃん?忙しくなければおいで?待ってるから。」



ヒョイと私の携帯を取り上げて。
電話の相手の様子を察したのだろう。
遠慮していたののに、ごっちんが優しい声をかける。



「うん、うん・・じゃ、気をつけて来るんだよー」



そう言って、ごっちんは電話を切った。
ハイ、と携帯をたたみながら差し出される。



「来るって、辻ちゃん。」
「そっか♪」
「・・・問題ないけどさ、時々唐突だよね、梨華ちゃんて。」
「思い立ったが吉日って言うでしょー?知ってる?」
「・・・・知ってるよそれくらい」



『もしかしてバカにしてる?』という視線を無視してにっこり笑った。





545 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:11






だって気付いちゃったから。
いてもたってもいられなくなったの。

ののをもっと甘やかしてあげてれば良かったなって。
あの台詞を言ったときのごっちんの声は。


『・・・いいなぁあいぼん・・・』


そう呟いたののの声と、確かに同じ色を含んでたから。


甘えたくて、前には出られなくて。
ポジションには、あいぼんがいたから。

甘えて欲しくて、踏み込めなくて。
ポジションには、私や飯田さんたちがいたから。

嫌いだとか、勿論そんなんじゃなく。
お互い変にコドモで、変にオトナで。

近付きたいと思っていて、なかなか触れられなかった。
あやふやな距離感のまま、それが固定してしまったんだと思う。






546 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:12





しばらくして、どうして呼ばれたかまったく理解できていないののが到着。
まあ、それはごっちんも一緒。



「おいでおいでー、のの。ココ。」



ポムポムと、ごっちんの両膝を叩いた。
二人同時に、凄い勢いで私を見やる。
にんまりと笑いかけたら、呆気に取られる二人。

しばらく不思議な距離のまま、硬直状態が続いた。

それは、意を決したようなごっちんの一言で幕を閉じる。



547 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:12




「お・・・おいで?」



言いながら、なんとなく両腕を広げてみたごっちん。
ののは焦ったように私を見る。

・・・私見てどうするんだろう

と、思いつつも頷いてあげると、テテテテっと、ごっちんの前までよって来た。


おずおずと、膝に抱っこされるののと、照れくさそうに受け入れるごっちん。
なんだかギクシャクしてて、見てて変だけど。

それでも、二人とも嬉しそうに笑ってるから。



なんだか私まで、頬が緩むのを止められなかった。


548 名前:+++複雑なコドモの心理+++ 投稿日:2003/12/04(木) 17:15





           +++複雑なコドモの心理・オワリ+++
  
549 名前:如月 投稿日:2003/12/04(木) 17:32
・・・えー、何を書きたかったんだか分かんない感じですが。
とにかく、のほほんとしたお話が書きたかったはず。

勿論この話の後藤サンと辻サンの距離感は、如月の勝手な想定です。

今度は加護サンも絡めたいなぁ・・・。



531 北都の雪様

お久しぶりです。
ご感想、感謝です。
彼女たちに統一性が無いのは、如月の腕不足という噂も・・・

>あまり書き込みませんが、ものすごい頻度で見てます。

ありがとうございます。
これからも、暇みてちまちま更新したいと思います。


532 ROM読者様

>大人な石川サンと子供っぽい後藤サン

( ^▽^)<タマニハネッ♪

>十分可愛いじゃないですか。

ありがとうございます。
そう言っていただけると嬉しいです、ホントに。
またいつか、ぷりちーごっちんを目指してみたいと思います。


533 pj様

あわあわあわあわ。
あ、ありがとうございますです。
お気に召していただけたでしょうか?
でしたら嬉しいのですが・・・。

>また今度リクエストさせてくださいね?

またこんなグデグデになってしまうことが目に見えてますが(爆
それでもよろしければ・・・。


534 名無し読者様

>年末は競演も多いので舞台裏できっと(笑

・・・フフフ、ですね。
出来ればブラウン管の前で色々繰り広げてくださると・・・。



ではでは、お付き合いくださった方、お目汚しを。
ありがとうございました。

550 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/04(木) 18:37
確かに辻ちゃんがごっちんに甘えてるとこはあまり見たことない気がします。
加護ちゃんが甘える人には辻ちゃんは甘えず、辻ちゃんが甘える人には加護ちゃんは甘えない気がします。
551 名前:ROM読者 投稿日:2003/12/04(木) 19:41
これはきました。泣く作品ちゃうやん・・と思いつつ、感動して
涙が出てきました。実はROMも、ののオタ。(かなり浮気者ですが)

作者様の勝手な想定はかなり共感できるだけに、この作品は本当
に嬉しかったです。
552 名前:pj 投稿日:2003/12/04(木) 21:49
微笑ましいです。とっても。
二人ともかわいいですねv
そしてそれを見守る大人な梨華ちゃん。
またまた微笑ましいです。はい。
加護ちゃんのも楽しみにしています。
ほのぼのした作品を有難うございました。
553 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/07(日) 07:51
554 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/07(日) 14:35
もしかして空の某作読んで思いつきました?
555 名前:如月 投稿日:2003/12/08(月) 00:41
554 名無しさん様
すみません、如月最近じっくり時間がとれないので、人様の作品を拝見させていただけてません。

内容がかぶってましたでしょうか。

場合によっては、謝りに伺いたいと思います。

とりあえずこの場で、不快な思いをさせてしまったことをお詫びします。

申し訳ありません。
556 名前:如月 投稿日:2003/12/08(月) 17:28

554 名無しさん様

申し訳ありません。
空板で上から順に何作か読ませていただいたのですが、
今のところご指摘くださった作品が分かりません。

なので、先ほど削除をお願いしてまいりました。
本来ならば、もっときちんとした形で対応すべきなのでしょうが、今は空板の作品をすべて拝見させていただく、時間的余裕がありません。

申し訳ありませんでした。
取り合えず、これでご容赦くだされば幸いです。
557 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/08(月) 17:44
「某作」だけじゃわかんないし、作者さんも何のコトだかわからないんでしょ?
あなたが自分の心の中にある物語を文章にしたのなら、それでいいじゃない。
削除しないでほしいな。

>>554に悪意があるにしろないにしろ、あの書き方じゃ意味も目的もわからないよ。

558 名前:554 投稿日:2003/12/08(月) 18:23
>>555-556
パクリという意味ではなく、ののごまが話題になったのでその関連で作られたのかなと思っただけです。
紛らわしい言い方をして大変申し訳ありません。
自分も大変好きな作品なので削除しないでほしいです。
本当に申し訳ありませんでした。
559 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/10(水) 01:54
こちらも、もう一つのスレも楽しみにしてますね
560 名前:如月 投稿日:2003/12/12(金) 20:22
えーと、騒ぎ立ててしまってごめんなさい。
でも、意識せずとも、内容かぶせられた方はイヤだと思うんですね。
ですので、少し過敏に反応してしまいました。


557様、フォローくださって有難う御座います。
554様、お気になさらないでくださいね。如月が勝手に騒いだのです。


取り合えず、お騒がせしてすみませんでした。
561 名前:如月 投稿日:2003/12/12(金) 21:45
黒い感じです。

石後じゃなきゃダメ!って方は、流してくださいませ。

では・・・。
562 名前:如月 投稿日:2003/12/12(金) 21:46


「お仕事なら仕方ないでしょ?そんなの私だって分かってる。」
「はぁ・・・」
「私が怒ってるのはそんな事じゃないの!」
「はぁ・・・」
「コレで四回連続!四回連続ドタキャンだよ!?」
「はぁ・・・」
「出来ない約束ならするな―――ぁ!!!」
「・・・出来れば本人に面と向かって直接ご立腹ください・・・。」



天下のアイドル、藤本美貴の自室。
夜もそろそろいい時間で、闇夜に響くのは、石川梨華の怒声だった。




アルコールの含まれた。



563 名前:如月 投稿日:2003/12/12(金) 21:46




「梨華ちゃん、お酒なんか飲めたんだね・・・」
「知らないっ」
「・・・言い放って煽るのは、冬季限定ラベルのビール・・・」
「何ソレ。何その口調」
「イヤ、ナレーション風に・・・」
「つまんないよ」



さらっと言われ、さり気に傷つく。
寒さでは無敵の石川梨華に、つまらない宣告をされた。



「てか今さらだけど、何で美貴んちいるワケ?」
「いちゃわるいわけ?」
「悪いよ。」



ばっさり切り捨てる。

ようやく自分のペースが戻ってきたと。
藤本美貴はホッと胸をなでおろす。

が。



「・・・・・・・わかった。ごめんね、かえる・・・。」
「えっ・・・」



ここで、石川梨華が得意のぶりっこで甘えてくるものだと。
藤本美貴は予想していたのだ。

しかし、それに反して、石川梨華は自分の荷物をまとめ出した。

大声を上げ、酔いがよりまわったのだろう。
舌足らずに話す石川梨華を、このまま放り出すわけにはいかない。



564 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:48




「じょ、冗談だから!流すトコだから!」
「でも、めいわく・・・」
「迷惑じゃないって!!」
「良かった♪」



俯いていた顔を上げれば超笑顔。



「・・・・やられた・・・。」
「なにがぁ?」
「これから演技するときはアルコール入れてからにしたら?」
「そう?」



とぼけたような返答に。
今日のこの人には、自分のペースは通用しないんだな、と。
その時、ようやく藤本美貴は理解した。



「ねー、よっすぃは?」
「ん?」
「愚痴る相手は大抵彼女の役目なんじゃないっけ?」
「だぁってー、あの子はごっちんとなかよしじゃなーい」
「梨華ちゃんとも仲良しでしょ?」
「んーぅ。」
「・・・・・・・・・寝ないでよ?」
「ねないよーぅ」



565 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:48




嘘だ。
コイツ寝る気だ。
寝る気満々だ。

そうはさせない、と、藤本美貴は畳み掛ける。



「送ってくから、そろそろ帰ろ?」
「えぇ〜?とめてくれないのぉ?」
「部屋がピンクになったら困るじゃん」
「ぴんくになんかしないよー・・・」



平仮名表記の目立つ中。
『ぴんく』の音に、ドキリとした。

一瞬でも目の前の人物を『カワイイ』などと思ったことに。
藤本美貴は少々動揺を覚えた。



「・・・かえってもひとりだし・・・」
「あ、え?」



566 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:49




衝撃に打ちひしがれていた藤本美貴の耳に。
なんとも淋しげな石川梨華の呟き。

急激に意識を浮上させ、藤本美貴は石川梨華の言葉に返した。



「ああ、一人・・・うーん・・・だって梨華ちゃん一人暮ら」
「でもきょうはごっちんがおとまりのよていだったのー!!」
「左様でしたね・・・」
「・・・・・・とめてくれないの?」
「・・・帰る気ないんでしょ?」
「わかる?」



ふふふ、と嬉しそうに笑う石川梨華。



567 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:49




「あのね?美貴ちゃんの指、綺麗だよね」
「え〜?そうかー?」
「うん。細くて。綺麗に動きそう。」
「・・・そう?」
「ふふ、うん。」
「そーかなぁ・・・」



自分の手を見つめる藤本美貴。
石川梨華の口調が変わったことには気付かないまま。



568 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:49




「唇もね、綺麗だよね。」
「は、何言い出すの石川サン」
「気持ち良さそう。」
「はいー?」



酔った相手の言うことだから。
そう、流しかけていた藤本美貴。

唇に、ぬくもり。

それは一瞬だったから。
気持ち良いとか悪いとか、そんなコト、思う暇も無かった。



569 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:50




「・・・・・・かーなり酔ってます?」
「顔、赤いよ?」



少し下から。
かなりの至近距離で。
アルコールで潤んだ、石川梨華の瞳に見つめられる。

ドキリ。

本日二度目。
藤本美貴の胸は、石川梨華の眼差しに反応を示した。

570 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:50



それを見抜いているのか。
天然なのか。


パクリと、石川梨華が藤本美貴の上唇をくわえる。
啄ばむように、何度か繰り返して。


そのまま軽く舌で舐められ。
柔らかいソレを、促されるままに。
藤本美貴は軽く口に含んだ。

侵入してきた、石川梨華の舌は。
ゆるゆると、藤本美貴の口内を動き回る。

上あごを執拗に撫でられて。
解放されない息苦しさと重なって。



「ん・・・」



藤本美貴は、意識せずに声を漏らす。
それを合図に、石川梨華はゆっくりと、藤本美貴から離れた。



571 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:50




「言ったでしょ?」
「・・・何を」
「よっすぃでも良かったんだけどね?」



藤本美貴は、さっきの会話をリプレイする。
そして、思い出した一連の会話。

ああ。

『何故愚痴る相手が吉澤ひとみではないのか』。



572 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:51




「『ごっちんと仲良しじゃなーい』?」
「ふふ、美貴ちゃん、頭の回転早い。」
「なに?初めからそういうつもりで来たの?」
「んー・・・どうかな。」



石川梨華の瞳が、妖しく揺れる。
呑まれてみるのも、悪くないかもしれない。



「・・・美貴、上手そうだったワケ?」
「手がね、色っぽかったから。」



573 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:51




座ったままの藤本美貴。
その前に、ひざ立ちしている石川梨華。
座る彼女の肩に手をついて、覗き込む。



「あと、キスも上手そう。」



ほとんど吐息で。
囁く石川梨華。

その唇を見つめていた藤本美貴は。



574 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:51






「・・・・・・試す?」






575 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:52




その一言に、微笑みを返す石川梨華。
ゆるくうなじにまわってきた手に従い、藤本美貴の唇に再び口付けを落とす。


アタリか
ハズレか






取り合えず、キスは予想以上に上手かった。




576 名前:+++囁きは甘く+++ 投稿日:2003/12/12(金) 21:53








             +++囁きは甘く・オワリ+++


577 名前:如月 投稿日:2003/12/12(金) 21:54

フゥ誘い受け〜誘い受け〜♪(壊

ハイ、冒頭でも述べましたが、石後ではありませんよ。
ご注意くださいませ。

578 名前:如月 投稿日:2003/12/12(金) 22:01

550 名無しさん様

ですかね?
加護サンが、『ごっちん大スキー!!』って感じなので、ちょっと書いてみました。


551 ROM読者様

嬉しいお言葉です。
ありがとうございます。

のほほんしてる雰囲気がちょっとかぶったんですよね。
後藤サンと辻サン。

絡んだらどうなるかなーと思いまして。


552 pj様

加護サン話。
ホント、出来たら書いてみたいと思います。

ほのぼの感じてくださってありがとうございます。



では、読んでくださった方、お目汚しを。
感謝です。

579 名前:如月 投稿日:2003/12/12(金) 22:02

559 名無し読者様

申し訳御座いません。
えーと、ちまりちまりと書き溜めてはいたのですが・・・。
一応、ちょろっと更新してまいりました。

お暇なときにでも、アチラ、覗いてみてやってください。
580 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/12(金) 22:57
いしごまが好きでこのスレを覗いてたはずなのに・・・
今ではすっかりりかみきのおいしさを覚えてしまいましたw

毎回作者さんの手腕に脱帽です。次回も楽しみにしています。
581 名前:ROM読者 投稿日:2003/12/12(金) 23:50
更新乙です。
んはは・・・時々、微妙に危険な香りが漂いますねぇ。
しかも次第にエスカレートしつつあるようで。
582 名前:如月 投稿日:2003/12/16(火) 16:48
こんばんはー、如月です。

今回は、珍しく続きですね。
続きというか・・・
前回の『囁きは甘く』の別バージョン、みたいな。

前回に引き続き、石後じゃなきゃダメ!という方はスルーでお願いします。
583 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:51








周りの人間が変われば、匂いも変わる。

つけてる香水。
使うシャンプー。
その人自身の、匂い。








584 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:52






久々の逢瀬。
ソファに腰掛け、しばらく無言で抱き合う。

首筋から香るのは、違和感。



「梨華ちゃん香水変えた?」
「んーん?変えてないよ?」



少し互いの体に隙間を空けて。
『何で?』と、上目使いに尋ねられれば。



「・・・何でもない。」



とだけ答え。
後藤真希は、石川梨華の肩に額を寄せた。



「約束・・・ごめんね?」
「昨日の?」
「昨日の。」
「・・・もう怒ってないよ。お仕事でしょ?しょうがないよ。」



585 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:52




妙に聞き分けがいい態度も。
後藤真希には釈然としない。



「・・・昨日・・・」
「まだ昨日引っ張るのぉ?(笑)」
「んー・・・昨日、どっか行ってた?」
「何言ってんのー。ごっちんにフラれて、一人淋しくお家にいたよ?」


586 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:53



ウソだ。

苛立ちとは違う何かが。
後藤真希の胸を軽く締め付ける。





そのシャンプーは、あなたのとは違う。






587 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:54





「ごっちん、今日はなんかお疲れモード?」
「・・・そんなことないよ?」



石川梨華から体を離し。
ゆっくりと微笑んでみせる。


ちらちらと見える影は、石川梨華と、同い年の人。





588 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:54




「・・・私、今日は帰ろっか?」



瞳を伏せている後藤真希を見て。
それが、疲労を意味しているのだと結論付けた石川梨華。

その言葉に、後藤真希は石川梨華の手を握る。
触れるぬくもりは、変わっていないのに。


目の奥が、熱くなる。
それを隠すように。

後藤真希は、石川梨華のひざに頭を転がした。

石川梨華の腹部に顔を埋め。
腰に腕をまわし。
抱き締めた。



589 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:54




「怒ってなくて良かった・・・。」
「えー?それ心配でなんか元気なかったのぉ?」



そんなワケない。



「・・・うん・・・」
「もー・・・信用ないなぁ・・・。そんなコトで怒らないよ?」



違う。



「うん・・・」
「子どもだなーごっちんてば。」



昔の貴女なら。

怒って。
拗ねて。

そう。
子どもだったのは、貴女のほうだった。



「んぁー・・・会いたかったよーぅ・・・」
「ふふふふふ、もー、カワイイなぁ」
「んぅ〜〜〜〜・・・」



590 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:55



後藤真希は、子どものように唸りながら。
石川梨華の腰にまわした腕に、さらに力を加えた。

それは、石川梨華の好きな仕草。


出来れば。
あたしが気付かないように。

花の香りは落としてきて。





591 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:55






ひらひらと。
きっと貴女は蝶のように。

いろんなトコで、蜜を求めてる。


それでいい。
それでもいいよ。


ちゃんとココに帰ってくるなら。

カワイイ年下の恋人でいてあげる。





592 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:56







           +++Capricious Butterfly・END+++


593 名前:+++Capricious Butterfly+++[囁きは甘く・番外] 投稿日:2003/12/16(火) 16:59

黒い梨華ちゃん。
水のように受け流す真希ちゃん。

まるで黒い絵の具を多めの水で溶いたかのような中途半端な黒さ。


( ´ Д `) ・・・惚れた弱みってヤツですかね。
594 名前:如月 投稿日:2003/12/16(火) 17:08

580 名無しさん様

うわーん嬉しいです。
如月、藤石はほとんど興味なかったんですが・・・
根が石川総受け大好き野郎なので・・・。


581 ROM読者様

前回は藤石と言うよりも、石川サンの浮気話のつもりで書きました。
本編で、彼女は吉澤サンでも良かったと仰ってますが、アレはつまり・・・

(黒^▽^) ダレデモヨカッタンダヨ♪



たまには黒い石川サンも書きたかったみたいです。
次回はいつもの如月モード予定です。

ではお付き合い有難う御座いました。
お目汚しをいたしました。
595 名前:ROM読者 投稿日:2003/12/16(火) 19:07
更新お疲れ様です。

・・・参りました。とっても深い話ですねェ。
なんか後藤サンが可哀想だけど、でも作者様が言うほど黒いとは
思いません。寂しがりの石川サンだから許される気まぐれさ?
逆にその寂しさが後藤サンを大人にさせたんですかね。

普通のカップルならベクトルの違う痴話喧嘩になりそうだけど。
596 名前:DK 投稿日:2003/12/17(水) 01:17
こ、これはもしかしてごっちんとミキティの全面戦争の幕開けですか?
597 名前:ロン 投稿日:2003/12/17(水) 12:25
作者さん曰くの中途半端な黒さが
なんともいえず甘エロ(謎
598 名前:如月 投稿日:2003/12/18(木) 21:26
まったりのんびり・・・
思い出話って感じでしょうか。

お暇な片、お付き合いくだされば嬉しいです。
599 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:26



本日の娘。の楽屋。
一人を除いて、まだ誰も到着してはいない。



「 イ シ カ ワ リ カ 」



メンバーの名を片言に呟くのは。
珍しく、一番乗りの後藤真希。



600 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:27





「石川さん・・・」



首を一つひねる。



601 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:27






「・・・石川ちゃん・・・?」



ぶんぶんと首を振る。



602 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:27






「梨華ー・・・さん・・・」



かくん?と。
また一つ、疑問形で首を傾げた。



603 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:28




「りかっち・・・」



かくん?



「あ・・・チャーミー・・・?」



かくん?


「・・・梨華・・・」



かくん?






604 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:28







楽屋の天井、一点を見つめ。
さらには首を左右にかくんかくんと傾けて。
ひたすら一人のメンバーの名を、多数のバージョンで呟き続ける。

その姿、まさに奇っ怪。






605 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:28




「・・・・・梨華ちゃん・・・」



かく・・・・こくん。

再び横に首を傾けかけ、角度三十度付近でピタリと止め、前方に首を倒した。



606 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:29




「梨華ちゃん。」



うんうんと、何度か頷く。



「梨華ちゃん梨華ちゃん。」



連呼する。
そして、スッキリしたように、もう一度。







「梨華ちゃん。」
「なぁに?」






607 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:29



ガタガタガタガタッ!!
ダン!!!

座っていた椅子をふっ飛ばし、一気に壁際まで飛びのく後藤。
驚きおののく後藤を、きょとんとした表情で見つめる少女。

唐突に登場したのは、『イシカワリカ』。

壁に背中をベッタリと密着させ、明らかに挙動不審な後藤を見守りながら。
石川はマフラーを取り、コートを脱ぐ。



「り、梨華ちゃん・・・?」
「?どしたの」



防寒具をロッカーに片しながら、返答する石川。
その姿を、目だけで追う後藤。



「い・・・つから、いた?」
「え?私が入ってきたの気付いたから呼ばれたのかと思ったんだけど・・・」



608 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:29




パタン、と。
ロッカーを閉めながら振り返る。



「違うの?」
「ち、ちがわない。そうそうそう違わない。」
「?変な真希ちゃん。」



不思議そうな視線を投げて。。
再び後藤から視線を外し、衣装に手を伸ばす。



「あ、そうだ。」
「な、に?」



未だ居心地の悪い動悸から開放されず、言葉がどもる。



609 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:29




「私はなんて呼んだらいいー?『後藤さん』?」
「へ・・・」
「『後藤ちゃん』?」
「へぇ・・・?」



状況を理解しきれない後藤は、取り合えず、石川の背中を見つめるのみ。



「『真希さん』?」
「り、梨華ちゃん・・・?」
「あ。」



くるり振り返った石川。
後藤は少し、嫌な予感がした。



610 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:30




「私の『チャーミー』って、真希ちゃんだと何にあたるのかな。」
「梨・・・・ッ・・聞いて・・・!!」
「結局『梨華ちゃん』に落ち着いたみたいだし、私も『真希ちゃん』で良い?」



にっこり微笑むその姿を、後藤は悪魔だと思った。











611 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:32














             +++懐かしき日々・終わり+++


612 名前:+++懐かしき日々+++ 投稿日:2003/12/18(木) 21:32












从#~∀~从「・・・・・なんて頃もあったなぁ・・・」
(〜 ^◇^)「あったよねぇ・・・。」

(石川後ろ頭 )「・・・何で二人が懐かしんでんですか。」

613 名前:如月 投稿日:2003/12/18(木) 21:53
ハイ。
・・・イヤ、あとがきは特に何もない感じですね。
あ、これは、四期メン入って、わりとすぐめ・・・な時間軸でしょうか。

614 名前:如月 投稿日:2003/12/18(木) 21:54

595 ROM読者様

あっ、ちゃんとタイトル日本語訳してくださってる。
英語タイトルはあまりつけたくなかったんですが、なんだか唐突にバタフライってつけたくなったんです。

まあそんなコトはさておき。

小悪魔目指したのですが玉砕したので、今回リベンジ。
再び玉砕。

でものほほんしてる感じに仕上がっ・・・てないですかね。


596 DK様

『囁きは甘く』の藤本様は石川サンに特には恋愛感情はないみたいですが・・・
ぜ、全面戦争書いてみてもいいっすかね・・・。
実はちょっと書いてみたいんですが・・・


597 ロン様

初めまして。(ですよね・・・?
ご感想有難う御座います。

>なんともいえず甘エロ(謎
あ、嬉しいです。
甘エロな雰囲気目指したので・・・。

615 名前:如月 投稿日:2003/12/18(木) 21:54


では、読んでくださった方、お目汚しを。
お付き合い感謝です。
616 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/18(木) 23:02
石川さんに翻弄される後藤さん、いいですねー。
のほほんとした感じ、好きです。
617 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/18(木) 23:31
石川さんにもてあそばれる後藤さんいいですね

後藤さんと石川さんって加入当時は緊迫感ありましたよね
いつから呼び方かわったんだろう
りかまろの影響ですかね
気がつくといしごまヲタになってました
618 名前:ROM読者 投稿日:2003/12/19(金) 22:14
更新お疲れ様です。(あまりのハイペースに乗り遅れ気味っす)
いゃ〜、好きです。この自然な空気。ほわんとした雰囲気。
見えますか?モニターの前でニヤけてるROMの顔が。

619 名前:pj 投稿日:2003/12/20(土) 09:39
更新乙です。
全面戦争ですか、私としては最終的にごっちんが勝ってくれるのなら申し分ないんですが(^^;
それでは作者さん次回も頑張ってください
620 名前:sai 投稿日:2003/12/20(土) 21:26
またまた久々に登場…。

最近いしごま→りかみき→あやみきに流れ(ry
(どういう流れなんだYOみたいな…w)

しかも原型のいしごま残っておらずみたいな(;´Д`)
如月さんの作品見ると徐々に原型に戻っていきます(笑)

もうすぐクリスマスですねヽ(´ー`)ノ
ハァ━━;´▽`━━ン なのを期待してますよヽ(゚∀。)ノ
621 名前:如月 投稿日:2003/12/21(日) 17:03
ジングルベールジングルベール・・・

すっかり存在を忘れていたクリスマス。
嗚呼、受験生には無関係のクリスマス。

そんなわけで、一応クリスマスネタで御座います。
お暇な方、お付き合いくだされば幸いです。

622 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:04


「あー・・・今年も二人でクリスマスできないのかー。」
「ふふ、でもみんなで騒ぐの楽しいじゃん」
「んぁ・・・まぁねぇ・・・。」



会話が響く。

一緒に入る一緒に入る言うごっちんに負けて。
私は今、湯船から腕を伸ばして、ごっちんの頭を洗ってあげてる。



「久しぶりじゃない?みんなで集まるなんて。」
「かな?」
「知ってるんだからね〜?さり気にごっちん、楽しみにしてたことくらい。」
「・・・あはっ。」



量が少なくなったごっちんの髪。
だいぶ洗うのが楽になった。



623 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:05




「てかさ。」
「はいはい?」
「こんな真昼間からお風呂って、なんかヤラシくて良くない?」
「そんなのごっちんだけ。ハイ、流しまーす。」
「ぐばっ!ちょっ、梨華ちゃん急に・・・ッ」



なにやら文句を言うごっちんをスルーして、シャワーで泡を流す。
ハイ、次はリンス。



「そーいえばさぁ」
「んー?てかごっちん、喋ってて泡、口に入らない?」
「ん、平気。ね、初めて一緒にお風呂入ってくれたのもさ、クリスマスだったね?」
「あー・・・そうだったねぇ・・・。」
「やたら照れてたよね梨華ちゃん」
「普通は照れるでしょう・・・。」



しゃかしゃかと、ごっちんの頭をかき回しながら、頭の中で記憶を呼び起こす。




624 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:05







○ о оо

625 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:05




みんなで騒ぎまくって。
家に帰って、ふと気付いた。

・・・しまった。プレゼント買ってない。

どうしよう。
なんか目の前の真希ちゃんは、『ハイ』って綺麗にラッピングされた包みを差し出してくれてる。

・・・・・・正直に言うべきなんだろうか。



「・・・真希ちゃん・・・」
「ん?」
「それもらえない・・・。」
「え・・・どーして?」
「私・・・」



真紀ちゃんの表情が少し強張る。
怒るかな・・・



626 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:06




「あのね、私・・・」
「・・・ん」
「プレゼント、買い忘れてたの・・・」
「は?」
「うわーんごめんなさーい!」



言うが早いか、私は頭を下げる。
びくびくしながら、真希ちゃんの反応を待った。



「なんだ・・・もー、ビックリさせないでよー。」
「・・・へ?」
「別れ話でも切り出されるんじゃないかとひやひやしたよー」



頭上から降ってきたのは、気の抜けたような声。
怒気を孕んでるようでは、決してない。



627 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:06




「・・・あの・・・怒って・・・?」
「る、ワケないじゃん。もー、バカだな梨華ちゃん」



苦笑をもらして、おいでおいで、と呼ばれる。
隣りに腰をおろすと、『ハイ』と、また包みを差し出された。
今度はそれを受け取る。



「でも・・・私何も用意してないのに・・・」
「んー、まだごとーに多少の恐怖を抱いてるな?」
「そんなことないんだけど・・・」
「別にプレゼント交換しようなんて約束してないんだからさ。」
「でも・・・」
「それは梨華ちゃんのために買ったんだから。受け取ってよ。」



にっこりと、本当に柔らかく笑うから。



628 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:06




「・・・うん、ありがと。」
「良かった。」



ふわふわ笑う、この人の笑顔はホントにスキ。
独り占めできる日が来るなんて、思わなかったけど。



「あ、でもやっぱりなんか・・・」
「んー?」
「あとで何か買ってくるね?」
「だから別にいいって。」
「イヤ、でも私の気持ちがね?それじゃ許せないというか・・・」



もらいっぱなしっていうのは、やっぱりなんだか気が引ける。



「いいよ。また来年のクリスマスで。」
「えぇー・・・・・・あ、じゃあ今から手料」
「却下。」
「理・・・せめて最後まで言わせてよ。」
「食べたくないとかじゃなくて。隣りいる時間、減っちゃうじゃん。」



あはは、とからかうように笑いながら、そんなコトを言う。



629 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:07




「・・・じゃあ・・・」
「だーから、良いってば。」
「今何か出来ることない?」
「・・・ココで?」
「うん。」
「・・・じゃ、一つお願いがあるんだけど・・・」
「なになにっ?」




630 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:07


оо о ○







631 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:07




「『一緒にお風呂入りたい』だもんねぇ・・・」
「んぁ?」
「だから、初めて一緒に入ったとき。プレゼントがお風呂だよ?」
「あはは。アレ、実は狙ってたとか言ったら怒る?」
「え!?」



それは初耳。
狙ってたって何よ。

頭を流し終えて、少し冷えたごっちんが湯船に入ってくる。
並んで入るのがやっとな、狭い浴槽。



632 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:08




「あの年のクリスマスね、梨華ちゃんがプレゼント買ってないの、知ってたんだ。」
「・・・・なんで?」
「なんでって。だって、まだごとーもモーニングにいたし・・・」



ぴゅーと、手で水鉄砲を作って遊びだす。

促す意味で、お湯をばしゃばしゃ揺らす。
『うはは』と笑うごっちん。

早く、続きは。



「梨華ちゃんの行動くらい、大体予測はついてたよ。」
「・・・そんな単純?私」
「いや、だってプレゼント買うんだったらさ、多分すっごい悩んでだたろうし・・・」



図星だから言い返せない。



633 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:08




「でも、特にそんな素振りもなかったから、ああコレは頭にないんだな、と。」
「うぅ・・・ごめんなさい。」
「イヤイヤ。だから、狙ってたんだって。」
「あっそっか・・・え、じゃあごっちんはずっとそんなコト考えてたの?」
「ずっとって・・・イヤ、忘れてるんなら、そういう方向に持ってきやすいなーくらいには。」
「えー、じゃあもし、私が内緒でプレゼント用意してたらどうしてたの?」



にやりと笑う。
う。この笑顔はあんま好きくない。
なんか企んでる顔。



「思い出してみ?」
「?」
「あの時のプレゼント。なんだった?」
「えーと・・・確か、入浴剤の詰め合、わ・・・せ。」



あーははは・・・。



634 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:09




「だっから、あの年はもう梨華ちゃんと二人お風呂するって決めてたのよごとーは。」
「あー・・・そうデスカ・・・。」
「もう暮れだしサ?年内には初お風呂と意気込んでたんだよね」
「あ、でも何もしてこなかったよね。」
「へ。」



そう。
ごっちんはあの時、ホントにただ普通にお風呂入っただけで満足してた。
隙あらば、ちょっかい出してくるごっちんが。



「・・・今考えれば変だね。」
「・・・そりゃさ、確かにごとーはヘンタイかもしれないけどもさ・・・」
「そんなコト言ってないじゃない(笑)」
「いきなりそんな・・・いくらなんでも多少は気恥ずかしいよ。」
「ふーん・・・ごっちんもそんなコト考えるんだね」
「失礼な・・・。」



635 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:09




水鉄砲再開。
見れば、耳が赤い。
のぼせた・・・ワケではなさそう。

なんだか嬉しくなってしまった。



「へー、可愛いねー?」
「な、なにが」



私も手で水鉄砲を作り、照れるごっちん目掛けてお湯をかける。



「え?何がだろうね?」
「もー、ちょっとやめてよぅ」
「ふふふふ」
「ぅあー!」



ぱちゃんぱちゃんと、しばらくからかい続けた。
ふと、水音に混じって、脱衣所から携帯の電子音が聞こえてくる。



636 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:09




「あ、アラーム。もう出て準備し・・・」



浴槽の縁にかけた手首をゆるく掴まれる。



「・・・へ?」



その手とごっちんの顔を、何度か交互に見やる。
ごっちんは、正面向いててこっちは見ない。



「梨華ちゃんさ、さり気に今年も忘れてない?」
「へ?」
「プレゼント。」



637 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:10









あ。








638 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:10




「ご、ご、ごめん・・・ね?」
「だからね、別にプレゼント交換の約束はしてないんだから。」



優しい言葉はくれるものの、その手は離してくれない。
い、嫌な予感。



「今日・・・今日これからみんなのトコ行く前に二人でどっか行――」
「そんなん良いからさ。」



クイっと引かれる。
湯船に逆戻り。
ごっちんは、なんだか上手い具合に移動してて、私は後ろから抱き締められてる状態。



「・・・もうちょっと、二人っきりでクリスマス。」
「え・・・?」
「ね?」



639 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:11




もっと無理難題を吹っ掛けられるかと思った。

超至近距離にあるごっちんの顔。
柔らかな笑顔は、あの頃から変わらない。

あー・・・この笑顔、弱いんだよなぁ私・・・。
それに、私もも少し二人でいたいし。

首を戻して、正面を向いて頷いた。



「・・・うん。いーよ。」
「でっ、プレゼントは初お風呂エッチね♪」
「ハイ!?」



勢い良く首をひねって、再びごっちんを見る。
そこには、にやりと笑う彼女がいた。

しまった。

と、思ったときには、もう遅かった。









640 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:11










「今年さープレゼント選んでる暇、なかったでしょ?」
「・・・・んっ・・」
「よしことか、やぐっつぁんとかに、やったら誘われなかった?」
「なん・・・・・・んぁッ・・・」



「実はね、それ、ごとーが頼んどいたんだよね。
 『梨華ちゃんに、クリスマスのプレゼント買わせないようにして』って」






なんだかちょっと朦朧とした意識の中に響いた一言。
嗚呼・・・いったいいつからこんなコト計画してたんですかごとーさん・・・。

でも、愛されてるなぁと、妙に実感してしまったりして。
・・・私も結構おかしいのかなァ・・・。







641 名前:+++ふたりおふろ+++ 投稿日:2003/12/21(日) 17:12






+++ふたりおふろ・ヲワリ+++


642 名前:如月 投稿日:2003/12/21(日) 17:13
ハイ、そんな感じで。
某ROM様のご要望が何度かあった(笑)、二人でお風呂でした。

なんだかあまりクリスマスっぽくないのは、如月がイベント系文章苦手だから。

ご容赦くださいませ。
643 名前:如月 投稿日:2003/12/21(日) 17:23

616 名無しさん様

のほほん感じてくださって、嬉しいです。
今回は・・・今回も、基本はやっぱりのほほんです。


617 名無しさん様

>後藤さんと石川さんって加入当時は緊迫感ありましたよね
ですね。
まぁ、マニア的にはあのギズギズした雰囲気もなかなかに素敵だったんですが・・・(笑

>気がつくといしごまヲタになってました
如月もです。
如月も、気付いたときには石後スキーでした。


618 ROM読者様

>あまりのハイペースに乗り遅れ気味っす
ハイペースもここまでですかね。
一応受験生なので・・・

さてさて、お待ちどう様です。
お風呂です。

最近あまり極甘書いてないので、ちょっとあまり・・・。


619 pj様

頑張りました(笑
クリスマスってコトで、・・・甘いの目指したんですがー・・・


619 sai様

いらっしゃいませ、お久しぶりです。
あー、りかみきまでは如月も片足突っ込んでますねぇ・・・。

そんなわけで、sai様のカキコで思い出しました、クリスマス。
感謝です。



ではでは、お付き合いくださった方、お目汚しを。
良いクリスマスをお過ごしください。

あ、受験生の方は、共に冬を乗り切りましょう。
644 名前:ROM読者 投稿日:2003/12/21(日) 21:03
まずは一言・・ありがとうございます!感謝感激!雨あられ・・
んもぉ〜〜最高っす。これで思い残す事無く年を越せます。
お風呂トークなのにヤらしいと言うよりも何故か爽やかなところ
が作者様っぽくて好きです。

ROMはクリスマスも正月もずっと仕事デス。作者様も受験大変
ですけど体に気を付けて乗り切って下さい。
645 名前:sai 投稿日:2003/12/21(日) 21:33
ふ・ふ・ふ・た・りで

お・お・お・お風呂キィタァ━━━━━\(^▽^)/━━━━━━!!!!!!!!

た…タマラソ(*´▽`)ノ

この間とは打って変わって、後藤さんに弄ばれる石川さんですね。
これがあやみきのようにリアルでありますように…w

水鉄砲の辺りが2人の健気な一面っぽくていい感じでしたよ(・∀・)

>sai様のカキコで思い出しました、クリスマス。
デスカヽ(゚∀。)ノ
思い出して頂けたみたいで、良かったです(笑)

>受験
我が家にも今年“も”受験生なのがいますよ(;´Д`)
如月さんも勉強に支障が出ない程度に更新がんがってくらさいヾ(´▽`)ノ
646 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/22(月) 10:45
「ふたりおふろ」いいもの読ませていただきました
如月さんのいしごま甘くて美味しいです、はい

>まぁ、マニア的にはあのギズギズした雰囲気もなかなかに素敵だったんですが・・・(笑
如月さんの気が向いたら緊迫感から萌えに変わる瞬間も読んで見たいかも
647 名前:pj 投稿日:2003/12/23(火) 18:09
甘かったですよー(笑
やっぱこういう石後スキですw
ほんわかします。
次回も是非是非更新がんばってください!!
648 名前:如月 投稿日:2003/12/26(金) 17:46

えーと・・・
(自称)クリスマス話が、あまりにもクリスマスじゃなかったので、書いてみました。

お気をつけください、アンリアルです。
よろしいですか、アンリアルですよ。
そしていつもに増して駄文です。
さらに、いつもより長ったらしいです。

それでもOKな方、どうぞお付き合いくださいませ。
649 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:48


「あーもうこんな時間〜。またあいぼんに怒られる〜」



吹く風は、凄まじく冷たい。
思いっきり向かい風。



「やっぱりヒールって歩きづらいなぁ・・・」



今年の四月から女子高で教鞭を振るうこととなった彼女。
『教師はハイヒール』と思い込み、春からヒールと悪戦苦闘。
そろそろ一年経つが、履き慣れることはない。

カコンカコン言わせつつ、すっかり暗くなった細い路地を半泣きで、必死に足を進める。
まさしく師走。


と、進行方向に、障害物。
細長い物体が、道にを塞ぐように、横に転がっていた。



650 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:49




「・・・え?」



怪訝な表情で近寄る。
どうやらそれは。



「・・・・・・・・・ひと・・・?」



うつ伏せで、道端に突っ伏しているその人は、全身真っ赤で。
イヤ、決して血で染め上がっている、とか、そういうワケではない。
そういう路線のストーリーではないから。

では、その『赤』は何か。



651 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:49







「・・・・・・サンタクロース?」





652 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:49




そう。
上下はお約束の、あの赤い服。
頭には、てっぺんに白いボンボンのついたナイトキャップのような帽子をかぶり。
その裾からは、茶色がかった髪がちらちら見えている。
体つきから見て、女子高生くらいだろうか。

どう見ても、クリスマス期の売り子仕様なその姿。
しかし、クリスマスは昨日だ。



「あのー・・・具合でも悪いんですか?」



返答なし。


出来れば、関わりたくない雰囲気満々だったのだが。
如何せん、彼女は教師だ。
人間、立場によって行動がどうにでも変わるものである。

結局、自分よりも若干大きい、行き倒れの不審人物を背負い、再び帰路に着いた。





653 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:49






「ただいまーぁ・・・」



へとへとになりながら、なんとか自宅マンションに到着。
玄関に座り込んだ。



「あっ!梨華ちゃんおかえりーぃ」



ぱたとたと聞こえる足音とともに、可愛らしい声。



「もー!心配したよ!?遅くなるときは連絡くらい入、れ・・・」



見慣れない真っ赤な物体に、出迎えに来た少女の動きが止まる。



「・・・・・・何コレ・・・・。」
「えーと・・・サンタ?」



まんまな答えを返され、少女は溜め息をついた。



654 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:50




「見れば分かるよ・・・どうしたのかって聞いてるの。」
「えーと・・・道に転がってて・・・」
「はぁ!?」
「だってだって、ほっとくワケにもいかないじゃない!」
「ほっとくんだよ!ウチはペットは飼えないんだよって言ってるでしょ!?」
「・・・・・・人間じゃないの・・・?」
「・・・とにかく、拾ってきちゃダメってことだよ・・・。」



しばし、その真っ赤な人物を無言で見つめる二人。
再び盛大な溜め息をついて、少女が言う。



「戻してきなさい。」
「えっ!?」
「じゃなかったら警察に届けるとか!とにかくウチに入れちゃダメ!」
「あいぼ〜ん・・・」
「ダメったらダメ!そんな不審人物入れちゃダメッ!」



どっちが年上だか分からない会話が大声でなされて。
気絶していたその真っ赤な人物がピクリと動いた。



「・・・ん・・・・・・」

「あっ」
「ああホラ気付いちゃった・・・。もー・・・ちゃんと帰ってもらうんだよ、梨華ちゃん」
「・・・はぁい。」



もぞり、と動く、奇怪なサンタクロース。
緩慢な動きで起き上がると、状況がつかめず、しばしきょろきょろと見回す。



655 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:50




「あの・・・」
「・・・ハイ」
「・・・あれ?」
「え?」
「『石川梨華』・・・」
「「え?」」



サンタが呟いた名は、『梨華ちゃん』と呼ばれた、まさにその人で。
まったくの初対面なはずの、見ず知らずなサンタに唐突に名を呼ばれ。
本人と、その横にいる少女はひどく驚いた。



「ココ・・・どこでしょうか・・・。」



『梨華』と呼ばれる彼女に、サンタが問う。



「えーと・・・私の家なんですけど・・・」
「えーと・・・わたしはなんであなたのおうちに・・・・?」
「えーと・・・あなたが道端で倒れてたので・・・」
「えーと・・・どのあたりの道に・・・・?」
「えーと・・・あの、飯田さんのお宅の・・・」

「えーとえーとうっさいねんアンタらぁっ!!!」



なかなか焦点が合わない会話に、横で聞いていた少女がキレる。



656 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:50




「あっ、そっか、えー、あのー、ご迷惑おかけしました。」



サンタ然とした、まだ少女と呼べそうな年の彼女。
頭にかぶった三角い帽子をひょいっととって、座ったままでぺこりと頭を下げた。



「あ、いえいえ、私、拾ってきちゃっただけだし・・・」



何故か頭を下げ返す梨華。



「いえいえ、この寒空の下、放置されてたらさすがにわたしも危なかったかと・・・。」
「いえいえそんな・・・」



ぺこぺこと頭を下げあう。
再び、一番幼い少女がぷるぷると震え出した。



「アンタらいい加減にせぇ――!!!」



怒りの雄叫び第二弾。
この場で唯一まともかと思われる彼女の叫びに、二人はきょとんとしている。



657 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:51




「あいぼん、なんか悪い人じゃないみたいだし」
「ああ、怪しいモンじゃないよー?うん全然。」

「・・・いいから。はやく梨華ちゃんは着替えておいで。」



なんだか微妙に似た空気をかもし出す二人に、三度目の溜め息をついて。
『あいぼん』と呼ばれる少女は、梨華を部屋の奥へと追いやった。
少し寒い玄関には、サンタ風少女と、『あいぼん』の二人。



658 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:52




「ごめんね?あいぼん。」
「・・・アンタがあいぼん言うなや。ちゅーか、誰やねんホンマ。」
「相手の名前を聞くときは、自分の名前を言ってから♪」



妙なリズムに乗って言うサンタ。
ブチブチッとくる衝動を、見かけよりも大人な精神で押さえ込む。



「・・・不審人物に名乗るような礼儀は持っとらん。」
「不審じゃないって。サンタじゃん。」



自分を指差し、『ホラ、ホラ』と言う。
頭を抱える少女。



「分かった。ほなサンタ、もう出てけ。」
「あっ、ひどいんだーあいぼんてば。」
「せやからあいぼん言うな。はよ行け。」
「梨華ちゃんへの態度と全然違うんじゃなーいのー?」
「そりゃ不審人物と実の姉に対する態度は違うやろ。」
「あ、姉妹なんだ?」
「っ・・・」



それまでの漫才のような会話が止まる。
少女の目が、少し真剣にサンタを見つめた。



659 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:52




「・・・アンタ、本格的に不審人物や。」
「んー?」



ぽやぽや喋ってるようで、こっちの情報聞き出す流れに持ってかれている。
何が目的かはまったく分からないが、これ以上話さないほうがいい。

なかなかに頭の回転が良い少女。



「おとなしく出てきゃ警察には言わん。せやから帰れ。」
「・・・そーいうワケにもいかないんだよねぇ・・・。」
「なんで。」
「サンタだもん。プレゼント、ちゃんと見届けなきゃ。」
「・・・突っ込みどころ満載やけど、取り合えず、クリスマスは昨日や。」



ビシバシ浴びせられる視線を軽くかわして。
サンタは笑う。



660 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:52




「とにかく、ホント不審者じゃないから。」
「イヤ、明らかに不審やって自分。」
「あいぼん、そんな疑ってばっかりいたら悪いよ?」
「そうだよ。信じないものは救われないよ?」
「梨華ちゃんは疑わなさ過ぎやし、ウチは仏教徒やからそんな聖書の言葉は・・・」



『ん?』と首を傾げる少女。



「ああっ梨華ちゃん!なんでさり気にまざってるの!?」
「えー?だって楽しそうだったんだもーん」
「楽しくないから!」

「あはっ☆楽しいね。」
「だっから楽しくないゆーてるやろ!」



なんだか自分ひとりが空回りしている気がして、どっと疲れる。
とにかく、今はこの姉に代わり、この不審人物を追い出すこと。
それが、目下、少女の目標であり、使命であった。

しかし、それに反して目の前の二人は見る間に意気投合。
ついに、梨華はなんとも怪しすぎる『サンタ』を、家に招き入れると言い出す。



「リビング片してくるから少し待ってて」



と、なにやら嬉しそうに奥へと消える梨華。
その背中を見送る、『あいぼん』と『サンタ』。



661 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:53




「天然で、カワイイお姉さんだね。」
「せや。メロメロや。」
「みたいだねー。」
「せーやから、」



グイっとサンタのむなぐらを掴んで顔を寄せる。



「アンタ家にあげたるわ。」
「え、いーの?」
「このまま帰したら、多分梨華ちゃん悲しむからな。」
「お姉さん視点で物事は進むんだね」
「加護亜依。」
「ハイ?」
「名乗ったで。名乗らんかい。」



会話をしなければ、話が先に進まないというならば。
自ら会話を進めて、相手に隙を与えさせなければ良い。
『亜依』と名乗った少女は、淡々と話を展開した。

ドアの向こうから、準備が出来たらしい梨華の呼ぶ声がする。



662 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:53




「・・・ごとーだよ。後藤、真希。」
「サンタのクセに普通な名前やな。」
「あれ?信じてくれたの?」
「嫌味や。さっさとあがり。」
「おじゃまします」



にっこり笑いながら、大き目の靴を脱ぐ。
きちんと揃えているあたり、行儀の悪い人間では無さそう、ではある。

しかし、亜依にとって不審人物であることには変わりない。
一応、姉の待つリビングに通す前に、ボディチェックも怠らなかった。



「用心深いね。」
「イヤ、見ず知らずの人間家にあげる時点で、かなりアホやろ・・・」



はあ、と。
何度目か分からない溜め息をつき、亜依は項垂れた。



「・・・梨華ちゃんの影響なんかなぁ・・・」
「ん?」
「なんでもない。」



663 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:53




だって仕方ない。
ドアを開けて、この明らかに不審なサンタを招き入れれば。
ホラ、梨華ちゃんは嬉しそうに笑うから。

彼女の笑顔が一つ増えるなら、不審人物の一人や二人・・・
あまり拾ってきて欲しくはないけれど。

このサンタがなんかしようものなら、頑張って闘ってみよう。
・・・もっと常日頃から鍛えておけば良かった・・・

などと、梨華を守ることで頭がいっぱいの亜依。
見事なシスコンっぷりに、自分でも少々呆れ気味である。


664 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:54





リビングに通されるなり、『サンタ』改め『後藤真希』の第一声は。



「メリークリスマース!!」



どこに隠し持っていたのか。
亜依のボディチェックをかいくぐったクラッカーを鳴らしながら叫んだ。
驚きながらも、亜依の突っ込みが入る。



「・・・せやからクリスマスは昨日やっちゅーてるやろ・・・」
「ふふふ、面白い人だね?」
「・・・・・・面白すぎて涙が出てくる・・・。」



叫んで気が済んだのか、梨華の招くコタツへと滑り込む。
座った場所は、梨華の正面。

突っ立っていても仕方がないので、亜依もコタツに入る。
座ったのは、梨華の隣り。
いざというとき梨華を守らんと、かなり密着して座っている。



665 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:54




「だからそんな警戒しなくていいってばー、あいぼん。」
「アンッタがあいぼんって言うなって言ってるやろー」
「ところでさ、あいぼんて、ずっとお姉さんと一緒にいた?」



真希のその質問に、急に押し黙る亜依。
その質問には、梨華が柔らかく笑って答えた。



「ううん、今年の春からだよ。」
「あー・・・やっぱり・・・。」
「『やっぱり』?」
「あ、ううん、こっちの話。」



真希の『やっぱり』にはさすがに首を傾げたものの、梨華は気にせず話し出す。



「昔から両親仲悪くて。あいぼんが小さい頃、離婚しちゃってるの。」
「あー、だから名字違うんだね。」
「そう。別々に引き取られたから。」
「一緒に暮らしたかったんだ?」
「ずっと心配だったし。」



横で、その会話をおとなしく聞く亜依を、愛しそうに撫でた。



666 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:54




「心配?」
「あいぼんを引き取った父は、よく手をあげる人だったから・・・」
「あー・・・そりゃ心配だわ・・・」
「でしょ?それに、私ずっと一人だったし・・・」
「うん」
「落ち着いた生活できるようになったら、絶対迎えに行くって決めてたの。」



梨華の、『ずっと一人だったし』に、真希はまるで知っていたかのように返事をした。
それに、梨華と亜衣が気付くことはなかったけれど。



「じゃあ、今年のクリスマスは楽しかった?」
「そうなの!あいぼんと二人で、すごく幸せなクリスマスだったの!」



梨華のあまりのはしゃぎように、亜依は照れて俯いている。
真希は、嬉しそうな梨華の笑顔に、ふにゃんと笑った。



「良かったね。」



深い優しさのこもったその声に、亜依は顔を上げて、真希を見る。
安堵を滲ませた笑顔。

どうして赤の他人が、まるで自分のことのように梨華の幸せを喜ぶかが分からなかった。



667 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:55




「あ、でもね、今までも、クリスマスはハッピーだったの。」



思いついたように、そう言う梨華。
亜依と真希に見つめられながら、続きを話す。



「あのね、去年のクリスマスは、ベランダに雪ウサギがいたの。」
「・・・ゆきうさぎ・・・」



気の抜けたような亜衣の声が、梨華の台詞を復唱した。



「そう!雪なんか降ってなかったのに。」
「・・・それはミラクルじゃないの梨華ちゃん?」
「でしょでしょ?それからその前の年は、玄関にもみの木のリースが置いてあって・・・」



『その前の年は、まつぼっくりのツリーでしょ?』
『それから、その前は、ポインセチアの赤い葉が一枚置いてあったり・・・』

と、嬉しそうにクリスマスの思い出を語る梨華。
ウソをつくような人じゃないことは、亜依が一番良く知っている。



「だからね、クリスマスは、毎年あったかい気持ちになれてたの。」



それに、その表情は本当に幸せそうだったから。
まあ、なんでも良いか、と、亜依もつられて嬉しくなった。

その話を聞いて、今度は真希が真っ赤になって俯いている。



668 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:55




「誰だか分かんないけど、もしかしたらホントにサンタさんだったのかなぁ・・・」
「・・・かもね」



合わせたわけではなく、心から亜依はそう言った。



「会えたら、お礼が言いたいんだけどなー・・・」



その言葉に、真希はちらり、梨華を見やる。
そして、消え入りそうな声で言った。



669 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:55




「・・・ホントは、雪だるまの予定だったんだけど・・・」
「「へ?」」
「なんかうまく丸くならなくて、結局雪ウサギにしちゃったんだよね・・・。」
「・・・あの・・・?」



梨華が不思議そうに、真希を見る。
耳の後ろを、相変わらず照れくさそうにかきながら、真希も梨華に視線を返した。



670 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:56




「今年はあいぼんがいたから、お姉さん、幸せなクリスマスだったんだね。」
「・・・え?」
「どうりで家、見つからないわけだよ。」
「ちょお・・・何言って・・・」

「リスト変更にミスがあったんだねー。もう、来年からは安心だ。」



言いながら、スッと立ち上がる。
梨華も亜依も、真希の行動をただ見つめている。



671 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:56



「・・・サンタが届けるものは、物じゃなくて、『幸せ』だから。」



窓を開け放ち、ベランダに立つ。



「幸せな人のところへは、サンタはホントは来ないんだよね。」
「・・・・・・ちょお待て。じゃあ・・・」
「じゃあ、毎年私にプレゼントくれてたのは・・・」



恥かしそうに笑って。



「まだまだ半人前だから・・・どうしたら喜んでくれるか、分からなくて・・・。」
「あのっ・・・」



672 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:56




『ふにゃん』と笑い、そのままベランダの縁に立ち、体を倒していく真希。
梨華が固まり、亜依が止めに走ろうとした、瞬間。

なんと、お約束のトナカイが一頭。
背中に真希を乗せて、空中に浮かんでいた。



「それじゃ、楽しいクリスマス過ごしてねぇー!」



そんな言葉を残して、大きく手を振って。
突然現れたサンタクロースは、空へと吸い込まれるように飛んで行ってしまった。



673 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:57












「・・・せやから、クリスマスは昨日やっちゅーに・・・」






674 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:57














675 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:57







翌日、梨華はテニス部の顧問として、学校に来ていた。
冬休みに入ったとはいえ、部活動は続く。

テニスコートに続く渡り廊下で、ふと足をとめ、昨日のことを思い返す。




676 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:57



夢でも見ていたのではないかと思った。

けれど、朝起きれば、リビングにはクラッカーの残骸。
それは確かに、あの『サンタクロース』の少女がぶっ放したもので。

昨日のことが、現実であることを梨華と亜依に告げた。


自分よりも恐らく年若い少女が、毎年幸せを運んでくれていたのだと思うと。
突然に知り合い、唐突に別れたあの少女に親近感を覚える。

きっと、もう二度と。
会うことはないのだろうけれど。

そう思うと、梨華の胸に、ひどく淋しい思いが込み上げた。







677 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:58











「石川先生」



聞き覚えのある声だった。
しかも、ごくごく最近。
と言うより、それは昨日のサンタクロースの声。

梨華は慌てて、声のする方へ振り返った。
予想通り・・・というか、予想に反してというか。

そこにいたのは、確かに昨日の少女だった。
意外なのは、梨華の勤める女子高の制服姿だということ。



678 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:58




「・・・あなたっ・・・北の国に帰ったんじゃないのっ!?」
「どこですかソレ。わたし生まれも育ちも日本ですよ。ちなみに、ココの生徒。」
「え・・・っ・・・だってサンタ・・・」
「地球がどれだけ広いと思ってるんですか?」
「へ・・・?」



『サンタ』は、梨華に次々と衝撃の事実を明かしていく。



679 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:59



「サンタの仕事、一人にやらせたら、その人一年で死んじゃいますよ。」
「え・・・と?」
「うち、家系がサンタクロースの家系なんですよ。」
「・・・はい?」
「だから、クリスマスは親の手伝いで、サンタ(仮)やってるんです。」
「・・・『(仮)』?」
「まあバイトみたいなものですか。」
「バ、バイト・・・」
「あ、ちなみにこの市はウチの担当ですけど、隣町は管轄外なんですよ。」
「えぇ・・・?」
「知ってます?2-3の吉澤。あの子のウチが担当なんです。」
「サンタってそんなにいるの!?」
「もうほとんど組織ですね。」



そこまで言って、真希は梨華の方へ歩み寄る。
しかし、梨華の眼は見ない。



680 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:59




「・・・ちょっと、計算外でした。」
「・・・え?」
「まず、あなたがここの教師になったこと。」



首を傾げる梨華に、真希は続ける。



「それから、あなたに妹がいたこと。」
「え・・・」
「予想外の、特大級の『幸せ』でした。」



681 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 17:59




ゆっくりと、梨華に視線を合わせた。



「わたしのささやかなプレゼントで笑顔になってくれるあなたを見てきました。」
「あ、あの、そのことなんだけど、本当にありが・・・」
「イエ、感謝なんていらないんです。ここ数年は自己満でしたから。」
「え?」



梨華の言葉を遮り、真希は笑う。



「あなたの笑顔が見たかったんです。ただ、それだけだった。」
「へ・・・」
「・・・なんて、ちょっとクサイですけど・・・。」



682 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 18:00




頬を指でかいて。



「稚拙いプレゼントに、『幸せ』感じてくれてありがとうございました。嬉しかったです。」



真希はペコリと頭を下げ、手を差し出す。
戸惑いながら、梨華はその手を握った。

年下の少女のその手は、とても優しいぬくもりを持っていて。
このあたたかさが、哀しいクリスマスに暖かい気持ちを与えてくれていたかと思うと。

梨華は、意識せずに涙を流した。



683 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 18:00




「・・・ありがとう・・・」
「イエ、全然。言ったでしょう?仕事だし、自己満です。」



その言葉に、梨華は首を横に振る。
泣き続ける梨華に、真希はどうしたものかと苦笑気味。

また、ちょっと頬をかいてから。


梨華の唇に、素早く口付けた。



684 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 18:01




「!?」
「これで、今までのお返しはいただきました。」
「・・・ッ!?!?」
「これからは、『後藤真希』です。」
「・・・へぇ?」



混乱気味の梨華にかまうことなく、真希は微笑む。
それは、真希特有の『ふにゃん』とした、あの笑顔。


「来年のクリスマスは、『サンタクロース』ではなく
 『後藤真希』であなたの笑顔を見させていただきます。」




685 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 18:06



一日遅れで。
若くて髭なんかなくて女の子で。

それでも、確かにあなたはサンタクロースだった。

毎年、優しい幸せを私に運んでくれた。


それはまるでおとぎ話に出てくるような。
優しい笑顔のサンタクロース。








来年度から、担任と教え子になることは、今はまだ神様しか知らない。


686 名前:xxxサンタは遅れてやってくるxxx 投稿日:2003/12/26(金) 18:07




         xxxサンタは遅れてやってくる・ENDxxx


687 名前:如月 投稿日:2003/12/26(金) 18:08

・・・ああもう一体なんなんだろう・・・。
ごめんなさいごめんなさい(平謝り)

688 名前:つみ 投稿日:2003/12/26(金) 18:15
すごくいい・・・
今まで見た短編の中でもトップクラスです!
なにげにあいぼんがかわいい・・・
689 名前:如月 投稿日:2003/12/26(金) 18:16

644 ROM読者様

爽やかでしたか、嬉しいです!
ROM様のご期待に添えるよう、頑張りましたが・・・
んー、もっと可愛く書きたかったです。

励ましのお言葉、ありがとうございます。
頑張ってます、一応・・・。


645 sai様

あやみきは二人で泡風呂ですよねー。
そんなの、うっかり萌えます。
実は、現在の微妙にりかみきに転がる前の如月は、あやみきスキーでした。

今も勿論嫌いじゃないですが・・・
りかみきの方が好きで、いしごまが一番です(知らないよ

叱咤激励感謝です(笑
程よいプレッシャーが何とも身に染み渡ります(・・・)
え、英語なんかナクナッチャエ!!(出来ないらしい)


646 名無しさん様

美味しく召し上がっていただけたでしょうかー。
でしたら感激で御座います。

>緊迫感から萌えに変わる瞬間も読んで見たいかも
マジですか。
ちょっと書いてみていいっすか。


647 pj様

ほんわか書くのは、楽しいです、やはり。
如月も、まったりゆったり石後が好きです。

今回、こんなんでした・・・
うわー・・・ごめんなさい・・・。


690 名前:如月 投稿日:2003/12/26(金) 18:17

そんなこんなで、アンリアルでしたー。

お付き合いくださった方、お目汚しを。
ありがとうございました。

691 名前:ROM読者 投稿日:2003/12/26(金) 23:36
うちにも来て欲しい・・・でもROM宅の管轄は誰なんだろう。
なんて、果てしない妄想をしてしまいそうな可愛らしいお話で
癒されました。毎年、どこかの姐さんみたいな寂しい聖夜を過
ごしているので・・
692 名前:名無しさん 投稿日:2003/12/27(土) 00:32
クリスマスプレゼントいただきました(・∀・)
如月さんがいしごま好きで本当に良かった(笑
693 名前:pj 投稿日:2003/12/27(土) 19:58
クリスマス(?)更新お疲れ様です!
しつこいようですが、やっぱこういうのスキです。
サンタごっちん・・・(・∀・)イイ!
是非またこんなかわいらしい作品お願いします。
少し早いですが如月さんもよいお年をっ!!
694 名前:sai 投稿日:2003/12/31(水) 15:18
更新乙なのれす(*´▽`)ノ

ちなみにこのサンタが倒れてるネタって
劇場コント見て思いつきました?つ∀・)ニヤニヤ

またまたプレゼントありがとうでしたw

本当の石川さんの家にも後藤さんが行っていることを
勝手に妄想領域に入れておきます(;´Д`)

今年は今日で終わるっぽいんですが
また来年も如月さんの作品楽しみにしてま〜すヽ(゚∀゚)ノ

とりあえず3月までがむばってくらはい(´ー`)ノ
695 名前:如月 投稿日:2003/12/31(水) 19:54

こんばんはー。

一年が終わりますね〜・・・
ひっそりこっそりアップしまーす。

696 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:55








「黒いねぇ」
「はぁ!?」







697 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:55




ココアがなみなみとそそがれたマグカップを手に。
唐突に、自分の気にしていることを言われ、石川は苛立たしげに聞き返す。



「・・・今さらそんなの言われても困る。」
「あー違う違う。髪、髪。」



石川の苛立ちを感じて慌てることもなく、まったりとした口調で付け加える。



「あ、髪・・・」
「んー。今さら梨華ちゃんの肌の黒さについて議論する気はないよ」
「・・・はいはい。」



それは喜ぶところなのか、へこむところなのか。



698 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:55








「後藤さんて呼んで?」
「・・・はぁ?」








699 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:56



会話とまったく関係のない。
その申し出に、石川は怪訝な顔をして後藤をまじまじと見つめた。



「・・・なんで?」
「髪、黒いじゃん。」
「黒いけど・・・」
「懐かしいじゃーん」



『懐かしい』と形容される黒髪を、床にマグカップを置き、少し手に取り見つめてみる。
あの頃よりも、少し長めか。



「・・・懐かしい・・・・・・そうかなー・・・」
「黒いと幼く見えるねぇ・・・」
「・・・いつも年上だなんて思ってないんでしょ。」
「んーなことないよー」



後藤はマグカップを右手から左手に持ち替え。
石川の髪を触る。



700 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:56




「ねーねー梨華ちゃーん」
「・・・・・・」



ちらり横を見てみれば。
期待に満ちた後藤の笑顔。
バカバカしいとは思いつつ、何故か石川はこの笑顔に逆らえない。



「梨ー華ちゃーん」
「・・・・・・・・・」



正面を向き、諦めたように溜め息を一つ。
後藤は楽しそうに、石川の黒髪をいじっている。



701 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:57




「ねーえー梨華ちゃ〜ん」
「・・・・・・なんですか?後藤さん」



律儀に言葉使いまで当時のように。
瞬間、ピタリと後藤の手が止まった。



「?」
「・・・やっばい。」
「は?」
「それイイね・・・」
「・・・ごっちん?」
「あ、ダメ!もっと『後藤さん』呼びして!」
「・・・えー・・・?」



702 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:57




なにやら後藤のツボに入ったらしい。
嬉々として石川に『後藤さん』を求めだす。

石川は少し困惑顔ながらも、こうなった後藤を止める術を一つしか知らなかった。



「・・・わかりました、後藤さん。」
「っひゃ〜照れる〜」
「・・・なんでそんな嬉しそうなんですか・・・・・」
「っんあ〜!楽しい♪」
「・・・」



心の底から楽しそうな後藤。
妙に盛り上がっている。

呆れ果てつつ、お遊びに付き合う石川。


黒髪の石川と、髪が短い後藤。

――ああ、確かにあの頃と髪型は近いかもしれない。

石川は思った。


だが、どこかに違和感を感じ、少し、黒髪だった頃を振り返る。
そして、違和感の元にたどり着いた。




703 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:57





「ああ・・・私、後藤さん、怖かったんですよねぇ・・・」
「ふぇ?」
「ホラ、後藤さんて、なんか近寄りがたいイメージがあって。」
「んー・・・そー?」



気付く。
もう一つの違和感。



「それに」
「んぅ?」
「そんなに柔らかく、私と喋ってくれませんでしたよ?後藤さん」
「へ。」
「いっつも単語しか返してくれなくて。私、嫌われてるのかなと思ってました。」



石川はクスクスと笑いながら当時の心境を語る。



704 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:57




「・・・初めて聞いたし」
「初めて言いましたもん。」



どうやら、後藤はその新事実にショックを受けているようだ。
しばし、無言で見つめ合う。



「・・・マジで?」
「マジです。」
「え〜?」
「え〜ってだって、ホントに怖かったんですよー」



石川は後藤から視線を外す。
それは、他愛もない会話だと思ったから。

しかし、後藤にはなかなかに重大なコトのようで。



705 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:58




「・・・梨華ちゃんいつまで敬語なんか使ってんのサ。」
「ハイ!?だって後藤さんが・・・」
「んぁ――っもういい!もうやめてっ!!」



言うなり、ガバッと石川を抱き締める。
むしろ、抱きついた。
と、言うより、飛びついた。

物凄い勢いで。

勿論、そのまま石川は背中から床に倒れこんだ。



706 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:58




「うわぁっ!!ちょ、ごっちん痛いでしょ!?」
「梨華ちゃんがいつまでもふざけてるから悪いの!」
「ごっちんがそう言えって言うからっ・・て、ココアこぼれてるから!!!」



床に置いておいた石川のマグカップが見事に転倒。
まだ量があったココアが床に広がっていく。

それでも後藤は、ジタバタと暴れる石川を解放しない。
シビレを切らした石川が叫んだ。



「ホラちょっとどいて!もう、どきなさい!ごっちん!!」



少し強めに石川が言い放つと、後藤はすんなりと体を起こした。
慌てて起き上がると、石川は急いでティッシュを取り出す。



707 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:58




「もー、ごっちんも手伝って・・・ホラ、ここアナタのお部屋でしょ?」
「あー・・・梨華ちゃん」
「なにっ!?」
「梨華ちゃんはやっぱお姉さんがイイや。」



何を言い出すのだろうか。
意味を把握しかねないまま、取り合えず石川はココアまみれの床が先決だと踏んだ。



「・・・よくわかんないけど、とにかく拭いてっ!」
「はーい」



石川はティッシュのボックスを後藤に押し付けた。
何故だか嬉しそうに、それを受け取る後藤。



708 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:59



「ねー梨華ちゃん?」
「なあにぃごっちん」



ココアを拭き取りながら、少しイライラした様子で返答する。
やはり後藤はそれにかまわず会話を進める。



「今は?怖くない?」



709 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 19:59




床を拭く手を一旦止めて、石川が後藤を振り返る。
後藤の笑顔は、石川の答えを確信しているようだ。



「・・・・・・・・・今のごっちんのどこを怖がれって言うのよ・・・。」
「へへー♪」



素直に伝えるのは何となくシャクだったので、少々ひねくれた答えを返す。
それでも、後藤は嬉しそうだった。




710 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 20:00







711 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 20:00





時に、昔の面影を強く感じることもあるかもしれない。
けれど、同じキミは、やっぱり二度といない。

今のわたしは、今のキミが大好きなんだね。

これからのキミが、これからのわたしのそばにいてくれるように。
今までのキミとの思い出を、大切にして行こう。

そして、この先、もっともっと、思い出を重ねていこう、二人で。


712 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 20:02







713 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 20:02








714 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 20:02






「・・・でも、たまには『後藤さん』呼びしてくれると嬉しいなぁ」
「・・・・・・ハイハイ・・・。」

715 名前:+++行くキミ、来るキミ+++ 投稿日:2003/12/31(水) 20:03




          +++行くキミ、来るキミ・終+++

716 名前:如月 投稿日:2003/12/31(水) 20:04

一応大晦日っぽい感じのテーマで書いてみました・・・
うーん・・・やっぱり微妙。


717 名前:如月 投稿日:2003/12/31(水) 20:13


688 つみ様

はじめまして。
即効ご感想くださって、凄く嬉しいです。
しかも、なんとも恐れ多いお言葉をくださって・・・
恐縮です、ありがとうございました!


691 ROM読者様

>でもROM宅の管轄は誰なんだろう。
番外とかで、他のおうちのクリスマスも書いてみたくなりました(笑)。

如月はクリスマスもやっぱり日本史と戦ってましたー。
あはは、あはは・・・


692 名無しさん様

あんなプレゼント、受け取ってくださって感謝です。
如月は年越しても石後スキーですよー。


693 pj様

クリスマスのは、書いてて本当に楽しかったです。
(毎回言ってる・・・)

でも実は、書いてて一番楽しかったのは、加護ちゃん(笑


694 sai様

>劇場コント見て思いつきました?つ∀・)ニヤニヤ
ど・・・どのコトでしょう・・・?
最近ハロモニ録るだけ録って、ちゃんと見れてない・・・
お話ついていけなくてすみません(汗

>また来年も如月さんの作品楽しみにしてま〜すヽ(゚∀゚)ノ
年内に登場しちゃいました(爆

エール、受け取らせていただきました。
頑張ってます。
引き続き、頑張りたいと思います。

718 名前:如月 投稿日:2003/12/31(水) 20:32

さて、年内の更新はこれで終了ですね。
(当たり前)

で、このスレッドを使うのを、これで最後にしようかと思います。

『いしごま』って明言してるくせに、さり気にりかみき書いちゃって。
それがずっと引っかかってました。

取り合えずキリが良いし、レスも700超えましたし。
ここらでお引越ししたいと思います。


なので、次にスレッド立てる時は『基本イシゴマ石川総受け』と、明記しようと思います。
でも、中身はこのスレとまったく変わることなく、基本石後で行きます。


それでは、お付き合いくださった皆様、有難う御座いました。
次スレでも、お暇なときは相手してやってください。

良いお年をお迎えくださいね。
ではでは。



ヾ( ^▽^)<グッチャー
ヾ( ´ Д `)<オツカレ〜
719 名前:春雷 投稿日:2003/12/31(水) 23:27
初めてレスします。如月さんのおかげでいしごまにはまってしまいました。
良質な話を、たくさんありがとうございました。如月さんの書かれる話は大好きです。この板は最後らしいですが、次を楽しみにしています。


P.S 受験がんばって下さい! (という自分もなんですが…
720 名前:つみ 投稿日:2004/01/01(木) 01:37
いい・・・
わたくしも最近の黒髪梨華ちゃんがブームです!
だからすごく読んでて顔がにやけました。
721 名前:ROM読者 投稿日:2004/01/01(木) 17:20
あけおめ!
スレのラストにふさわしいとてもシュールな、でも何故か
微笑ましい可愛い作品でした。昔をしみじみ思い出しました。
722 名前:pj 投稿日:2004/01/01(木) 17:21
明けましておめでとうございます。
あはっー!!
も、萌えたー!
ちょっと子供なごっちん、大人な梨華ちゃんも結構好物だったりします(照

私もナイス突込みでかわいらしい加護ちゃんスキっすね。
723 名前:sai 投稿日:2004/01/01(木) 17:40
あけおめなのれすヽ(゚∀゚)ノ そして朝っぱらからリアルいしごま♪

最近、黒髪流行だもんなー。
でもおいらは茶髪のかあいい子が大好きなんだけどなーw

どーでもいいコメントでした(;´Д`)
石川さんの黒髪はお姉さま度が増してキテますけども(*´▽`)ノ

梨華ちゃんに夢中感が出てて新年早々ありがとうございます。

>ど・・・どのコトでしょう・・・?
12月14日の劇場でいいらさんがサンタの格好して
交番前に倒れてるっていうのがあったんですよ。

まぁーどーでもいい話ですけどね_| ̄|○

お引越しですか、じゃおいらも連れてって(わけわか
724 名前:如月 投稿日:2004/01/02(金) 15:48

たくさんのレス有難う御座いました。
お礼&お返事は、新スレッドにてさせていただきたいと思います。

725 名前:駄文紹介 投稿日:2004/01/02(金) 16:10
○石後○


>>2-9 『あったかい』
離れていても、気持ちは、一緒


>>15-18 『食べたい』
違うんだってば。
ホントに食べたいのは。


>>23-29 『幸せなフタリ』
イブはラブラブバカップル


>>35-40 『メッセージ』
電波飛び越して、愛
(´Д`)<便利な世の中になったねぇ・・・


>>47-53 『いってらっしゃい』
ぶっ飛びごっちん。
今日もガンバレ。


>>58-72 『ぷれぜんと』
告白タイム。
だって、ずっと好きだった。


>>78-84 『ネガチブチャーミー』
持ちつ持たれつ。
癒し、癒され。


>>89-95 『チョコ・チョコ・チョコ』
たくさんの愛、ごちそうさま。


>>105-117 『コトノハ』
本当はいつだって心にあるコトバ。

NOT中川。


>>126-135 『本番前』
天然?計算?

「「やーらしー!!」」


>>157-161 『感情』
『気になんかしない』
その時点で、もうアウト。


726 名前:駄文紹介 投稿日:2004/01/02(金) 16:11

○続・石後○


>>176-183 『暫し、別れ』
信じてる。
あなたはきっと、笑顔で帰ってきてくれる。


>>192-212 『水無月』
心地良い会話
まるで、雨のように流れて


>>221-231 『変化するトキメキ』
このドキドキは、たぶん


>>326-331 『睡眠薬』
使用上の御注意
後藤真希のみ、使用可。


>>397-405 『幸せな独占』
(*^▽^)<一番カアイイ石川です♪
Σ(;´Д`)<エッ!?


>>428-437 『扇風機と、炬燵』
安心してね
思い出はしまわないから。


>>496-509 『悪戯』
悪戯はバレてからがホントのお楽しみ


>>518-528 『キライとワガママ』
しょーがないじゃん?メロメロなんだから


>>599-612 『懐かしき日々』
年上の後輩
難しい存在


>>622-641 『ふたりおふろ』
エセクリスマス駄文


>>696-715 『行くキミ、来るキミ』
呼び名って大切
毎日毎日、すごく好き



727 名前:駄文紹介 投稿日:2004/01/02(金) 16:12


○石後以外○


>>337-356 『夢物語』(石後藤)
さすがはアヤヤ。


>>304-318 『手折るのは』(ごまっとう)

シラジラシイ


>>362-372 『恋のかたち』(イシゴマ前提石藤)
笑ってほしいだけだから。


>>378-389 『晩夏の幻+恋のかたち・石川視点+』
ごめんなさい。
でも、もう少しだけ


>>412-421 『蜂蜜色の嘘』(イシゴマ前提石藤)
美味しそうな薫りをさせて
舐めてみたら、甘くって。


>>447-465 『藤色の雨』(イシゴマ前提石藤)
苦しくて

「やめなよ」

は、きっと自分への言葉


>>476-489 『そして、紺色の雨』(イシゴマ前提後紺片思い)
流せなかった
流さなかった
アナタへの心


>>562-576 『囁きは甘く』(イシゴマ前提石藤)
逃げろミキティ!!

(黒^▽^)<ウッフンv
川;VvV)<ヒィッ


>>583-592 『Capricious Butterfly+囁きは甘く・番外+』
本気になったら、許さないけど



○石後+α○


>>143-148 『SIDE。』
すごく、すごく、大好きなんだよ?


>>163-170 『中澤裕子の娘。楽屋探訪』
作者の作者による作者のための遊び的駄文。


>>241-275  『矢口サンの独り言』

Σ(〜`◇´)<小悪魔ごっちんハケーン!!!


>>283-297  『後藤サンの逆襲?』

(〜´◇`)<ナッチィ・・・・・・


>>536-548 『複雑なコドモの心理』
ゆっくりオトナになってね
まだまだ甘えて欲しいから


>>649-686 『サンタは遅れてやってくる』(パラレル)
きっと次は、三人で幸せ

728 名前:如月 投稿日:2004/01/02(金) 16:20

こうまとめてみると、結構書いたんですねぇ・・・。
如月の一言解説はあまりあてになりませんので、あしからず。

新スレッドも、赤に立てたいなーと思っております。
もっともっと良いものが書けるよう、精進いたします。
お引越し後も、生暖かく見守ってくだされば幸いです。


では、有難う御座いました。
729 名前:名無しさん 投稿日:2004/01/04(日) 19:19
出遅れましたが、++行くキミ、来るキミ+++ 読みました〜
後藤さん呼びの頃のいしごまって好きです
次スレも如月の作品楽しみにしてます
730 名前:名無しさん 投稿日:2004/01/05(月) 20:01
>>729です
なぜか如月さんを呼び捨てにしてしまってごめんなさい(汗
お詫びに次スレのご案内をはらせて頂きます
ほんとごめんなさい

もっと心行くまま短編集。
http://m-seek.net/cgi-bin/test/read.cgi/red/1073280085/

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