Memories of adolescence
- 1 名前:arica 投稿日:2002年12月03日(火)01時19分32秒
- 雪降る町の小さな高校の小さな吹奏楽部の話。
短編が話をつないでいく感じです。
カップリングはいろいろ。
昔の知識で書くので、実際に小さい吹奏楽部だったし、
あまり専門的なことは追求しませんw
- 2 名前:Case1 AsukaFukuda 投稿日:2002年12月03日(火)01時24分31秒
大丈夫。
ずっと一緒だったんだよ。
壊れるはずなんか、ない。
- 3 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時25分48秒
- 「ストップ。」
前の方から少し強めの声が聞こえる。
私は、自分の楽器を吹きながらも、音などひとつも聞かず、その声に耳を研ぎ澄ましていた。
「は、はい。」
「小川、もうちょっと34の最後から35小節目のとこにビブラートかけて。」
「はい。…こんな感じですか?」
なっちに言われたように麻琴はちょっと変えて吹いてみる。
「ん、そうそう。じゃ、もう一回あわせよ?24小節目から。…せーの。」
- 4 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時26分27秒
- ・
・
・
- 5 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時27分00秒
- なっちが楽器から口を放すのを横目で見た麻琴は、自分も楽器をひざの上に置く。
「いいじゃんさ〜!」
「ホントですか!?」
「さっきとは全然違う。おっけおっけ。この調子で練習積んでこうね!」
「はい!」
「じゃ、ちょっと休憩ねー」
そんな、なっちと麻琴のやりとりを、私は後ろから見ていた。
- 6 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時27分31秒
- 「圭ちゃん〜」
…また、始まった。
なっちが後ろを向きながら椅子を傾けて話しかける。
「圭ちゃん圭ちゃん〜」
「なに」
「今日なぁ、雪降ってるべ?」
「あぁ、うん。」
「違うけど、、どした?」
「ぅーん。ま、いいやぁ。一緒帰ろ?」
「いいよ。じゃ、後でね。」
「あいよぉ〜」
…いつものことだ。
- 7 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時29分08秒
- クラリネットの場所はフルートの後ろ。クラリネットの後ろはサックス。
しかし、あまり場所を詰めすぎると音が広がらないので、
顧問の中澤先生が各パートの場所を広く取っていた。
「…先輩……」
「……。」
あまりにも意識が散漫してたみたいで、加護が自分のことを呼んでいたのに気づかなかった。
「明日香先輩、どないしました?」
「…いや。なんでもないよ。で、何?加護。」
「あ、ハイ。先生がここビブラートかけてって言うたやないですかー、
でも、私うまくできひんし、明日香先輩に見本やってもらいたくて…。」
「あぁ…手本になるかどうかわかんないけど、じゃ、その2小節前からやるから、、、、美貴、ちょっと。」
私は反対側にいた美貴を呼んだ。
「はい?なんだぃ?」
「加護に教えるから合わせて。」
「ん。おっけー。」
横で真剣にやってたところ悪かったが、大事なところなので2人でやっときたかった。
「じゃ、ちゃんと聞いてて。」
「ハイぃ。」
加護は特徴のある返事をすると、頷きながら楽譜を見ていた。
私は、加護に一応ながら披露し終えると、
今更になって妙に苛立ちを覚え、外の空気を吸うため音楽室から出た。
- 8 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時30分04秒
- 「……ッ…。」
訳もなく舌打ちが出る。
私は何にこんなに苛立っているのだろう。
溜息も出てきてしまう。
「明日香?」
窓から外を眺めていたら声をかけられた。
「圭織…。」
「よっ。」
圭織はちょっと困ったような顔で私を見る。
「ボーンはパート練習終わったの?」
「うん。もうそろそろ合奏の時間だし、木管の音も聞いとかないとって思ったからさ。…明日香は何してんの?」
「圭織先輩、私先に行ってますねぇ〜。」
「おう。」
同じパートの亜弥ちゃんが一足先に音楽室へ入っていった。
私はそれを横目で見やると、また外に目を移し、圭織に話し掛ける。
「…亜弥ちゃん熱心だね。」
「まあね。あの性格だもん。限界までやりたいんでしょ。…で、さっきもいったんだけど、明日香は何してんの、ここで。」
「息抜き。」
あまりにもな答え方だったと思う。今の私たちに息抜きをするなんて余裕はないのだから。
でも圭織は別段驚いた風でもなかった。
「へぇ。余裕。」
「まさか。」
「さて、そろそろ息抜きも終わりにしないと裕ちゃん来ちゃうよ?」
「そうだね…。」
- 9 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時31分11秒
- ・
・
・
- 10 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時32分22秒
- 「ほんなら合わせるでぇ〜。頭からな。」
出だしはパーカス以外の楽器全部。
中澤先生が指揮棒をあげる。
「いっと、にっと、さんと、しっとぉ!」
- 11 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時33分20秒
- ・
・
・
- 12 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時34分03秒
- カカカンッ
中澤先生が止めろという合図。
譜面台に指揮棒を打ちつける。
金管の誰かだろう。いつも誰か必ず、頭からやると間延びするんだ。
- 13 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時34分36秒
- 「…明日香。」
私?
「はい。」
「具合悪いんやったら帰りなさい。」
「え…?どうしてですか?」
「そんな気のない音と合わせられへん。しっかり食べて、しっかり寝て、体調万全にしてまた明日。な?」
「…………。」
- 14 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時35分08秒
- 先生の言っていることが分からない。
完璧だったはず。
いつもと同じ。
私に、落ち度なんてない。
でも、この掴み取られそうな感覚。
先生に気付かれるまで分からなかった。
私は具合が悪かったのか?
…ううん。いつも、こんな感覚を抱いていたような気がする。
だったら、なんで今日言われたんだろう。
- 15 名前:Side:Asuka 投稿日:2002年12月03日(火)01時36分20秒
- 「早よ帰りなさい。これ以上具合悪なったらあかんやろ。」
「………。」
「先輩、具合悪かったんですか?大丈夫なんですか?言うてくださいよー。心配ですー。」
「明日香さぁ、健康状態良くないの自分で把握しなよぉ〜。いつも無理してんじゃんー」
加護の声が遠くに聞こえる。すぐ隣りにいるはずなのに。美貴の声も遠くに聞こえる。
なんで、なんでなんだろう。
私は、結局返事もせずにそのまま楽器とケースを持ち音楽室を出た。
- 16 名前:arica 投稿日:2002年12月03日(火)01時37分28秒
- 今日はこのくらいで。
- 17 名前:arica 投稿日:2002年12月03日(火)01時50分17秒
- 補足。
登場順にキャラ設定。
・福田明日香
高校2年
パート クラリネット
吹奏楽をクラリネットをとても大事に思っている。
非常に大人びた性格をしているが、自分の予測できないことには弱い。
安倍とは家が隣りの幼馴染。
・安倍なつみ
高校3年
パート フルート(兼ピッコロ)
かなりの努力家で、基本練習は怠らない。
周りのためにも自分のためにも努力する。いろんな意味で。
しかし、年相応の外見でも中身でもない。いわば、幼い。
福田とは家が隣りの幼馴染。
・小川麻琴
高校1年
パート フルート
先輩の安倍と似て、努力家。
能力はそこそこなのだが、トリルだけは苦手。
高橋と仲が良い。
- 18 名前:arica 投稿日:2002年12月03日(火)01時53分14秒
- ・保田圭
高校3年
吹奏楽部 副部長
パート サックス(アルト)
悩みを聞いてあげたり心配してあげたり優しくしたりの無意識フェミニスト。
自分を表に出すのが苦手で、何も話せないまま会話が終わってしまうことが多い。
・加護亜依
高校1年
パート クラリネット
健康のために、この町に何年も前に奈良県から引っ越してきた。
しかし、体が弱いという概念を覆すような腕白ぶり。
小学生のときは、喘息の発作が頻繁に起きていたが、療法が良かったらしく、最近は調子が良い。
なるべく運動しないで体を鍛えるために吹奏楽部に入部。
辻と仲が良い。
・藤本美貴
高校2年
パート クラリネット
性格はしっかりしており、会話も笑いを捕らえており、非の打ち所がない。
成績もそこそこ、楽器もそこそこ。
これから伸びるタイプ。
しかし、性格上キツイ物言い。悪気はない。
誰とでも仲はいいが、特に松浦と仲がよい。
- 19 名前:arica 投稿日:2002年12月03日(火)01時55分53秒
- 飯田圭織
高校3年
吹奏楽部 部長
パート トロンボーン
よく交信している。
引っ張っていくというタイプとは違い、みんなと一緒に歩いていくタイプ。
ボーンの前はトランペットだったのでペットも管轄内。
人の心情を読み取るのが得意。
松浦亜弥
高校1年
パート トロンボーン
天然ボケなのかそうなのかよく分からない。
狙っているのかそうでないのかよく分からない。
しかし、部員にはかわいがられており、自分のポジションは把握していると見える。
完璧主義者で、自己の向上は怠らない。
藤本と仲が良い。
- 20 名前:arica 投稿日:2002年12月03日(火)01時56分56秒
- キャラ説もこのぐらいで。
あとはおいおい説明していく感じで。
- 21 名前:名無し蒼 投稿日:2002年12月03日(火)02時43分11秒
- はじめまして。
早速読みました、吹奏楽ものですか〜
自分も中学そうでした(w
全然知識はありませんが…w
どんな話になって行くのか楽しみです!
ちなみに自分は、圭織とあややと一緒のボーンでした♪w
- 22 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月03日(火)15時53分03秒
- はじまったばかりですが、雰囲気がいいですね。
珍しく?福田が出てて、それも楽しみです。
- 23 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月03日(火)22時16分58秒
- おー 明日香だ!雰囲気出てますね。
楽しみにしてますので続きもがんばってください。
- 24 名前:arica 投稿日:2002年12月04日(水)01時39分36秒
- >>21 名無し蒼さん
こちらこそはじめまして〜
私も中学吹奏楽でしたw 私はパートはパーカスでした。
思い出深い昔のことをベースに話を続けていきたいと思います。
>>22 名無し読者さん
うはぁ。ありがとございます。
明日香は好きな元メンの一人なのでどんどん出していきますw
>>23 名無し読者さん
こちらの方もありがとうございます。
明日香推しの方多いんですかねw
うれしい限りでございますw
- 25 名前:arica 投稿日:2002年12月04日(水)01時43分59秒
- ちょっと訂正というか、追加箇所。
>>6の、保田の台詞、「あぁ、うん」のあとに、
安倍の「今日はお父さん?」という台詞が入ります。
とはいいましても、意味が理解できませんねw
後にも出てくる地味なエピソードなんですが、
冬は車登校が多いので、安倍は保田に、今日はお父さんが迎えに来てくれるの?
って意味で話してますw
こういう説明を明日香のモノローグでいうのもどうかと思ったので書かなかったのですが、
書かない上に台詞も抜けていたのでは雰囲気どころの話じゃないっすねw
- 26 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月04日(水)01時45分58秒
- 出て行くときに、顔を見たの。
あっ。
カオリは思い出した。
あの顔をカオリは知ってる。
だから、カオリがちゃんとしなくちゃ。
- 27 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月04日(水)01時47分14秒
- 「裕ちゃ〜ん。」
「なんやねん、圭織。中澤先生呼べ言うたやろ?…ったく最近の高校生ときたら…。」
「カオリ今日病院行くんだったの忘れてた。帰ってもいい?」
「ああ?そういうことは部活始まる前に言え言うたやん!?」
「でも、今日は大事な日だってうちのママが」
「…ええわ、帰りなさい。」
「はぁ〜い。」
立ち上がったら裕ちゃんに呼び止められた。
「それと圭織。」
「はいよ?」
「自分の母親のことを人前ではママなんて呼ばんように。」
「あー…。善処しときまーす。じゃあ、おつかれでーす。」
「ったく…」
裕ちゃんがこぼしたのを聞き流して、カオリは楽器ケースに超特急でボーンをしまい、追いつくために音楽室を飛び出した。
- 28 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月04日(水)01時47分53秒
- 外は、雨だった。
さぁさぁ音がする。
しかも、5時だから暗い。雨だからなおさら。
「……明日香。」
明日香は玄関から1歩出てて、雨に打たれながら前をまっすぐ見てた。
まっすぐ見てるように見えた…だね。
カオリが明日香の顔を覗き込むと、明日香はカオリのことは見てなかったもん。
違うものって言うか、何にも見えてないって言う、そんな感じだった。
- 29 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月04日(水)01時48分34秒
- 「明日香っ。」
さっきよりは強い口調で、肩に手をかけて呼んでみた。
そしたら、明日香気付いたみたいで、ちょっと虚ろな目でカオリの方を見たの。
「……なんで、ここにいるの…?合奏だったじゃん。」
「明日香こそ。びしょぬれ。」
「…ったく、噛みあって……ない…よ…。」
明日香は必死に苦笑いを作ってるような、そんな顔だったけど、結局。
「わあぁぁぁぁ…」
「…だいぶ我慢してたね。」
「……っっく」
「今日は、カオリのうちいこ?泊めるから。…ね?」
頷いたように見えた。
でも、明日香が否定してもしなくても、無理やりにでも連れて行くつもりだったけどね。
- 30 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月04日(水)01時49分23秒
- 明日香とカオリは1つ違うけど、年の差とか全然ない。
もちろん、なっちも。幼馴染だから。
明日香はね、自分を隠すのがすごく上手。
でも、幼馴染のカオリにはすぐ分かる。
だって、ずっと一緒だったんだもん。
保育所のときから、カオリカオリーって。かわいかったんだぁ。
今だってかわいいんだけど、今はちょっとクールに装ってんの。
でもねぇ、クールに見せようとしても、中身はあの頃から全然変わってない。
強がりなの。明日香は。
意地っ張りなの。
ホントに言いたいこと、きっと全然言えてない。
とにかく、明日香の背中をさすりながらおうちへ急いだ。
こんなとき本当にカオリのうちが近くでよかったって思うよ。
- 31 名前:arica 投稿日:2002年12月04日(水)01時50分09秒
- とりあえず、短いですが更新です。
- 32 名前:arica 投稿日:2002年12月04日(水)01時57分38秒
- この町はすごく小さくて、しかも、町の中のごく決まった地域という設定です。
安倍と飯田と福田が幼馴染という設定ですが、
学校から家が近い飯田と、車登校の保田に一緒に帰ろうと誘った安倍が何故幼馴染という疑問が出ると思います。
田舎なので、単に家と家の距離が離れてるんです。
冬の時点で、飯田と安倍(+福田)の家の距離は歩いて15分かかると思ってください。
ちなみに保田の家は3人と方向は同じですが、冬は、学校から歩いて1時間かかる場所にあります。
- 33 名前:arica 投稿日:2002年12月04日(水)02時00分41秒
- 一応公立高校です。
というか、分校です。
都会には分校というものがないかもしれませんが、田舎にはあります。
本校から距離がある場所に作られてるものだと思ってください。
- 34 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月04日(水)20時19分09秒
- 優しい雰囲気がしますねぇ。楽しみにしてます。
あと、キャラ設定でやっすーの「無意識フェミニスト」っていうのがツボですw
- 35 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月04日(水)21時38分55秒
- 明日香どうしたんだ?
心配です。好きだから(w
- 36 名前:arica 投稿日:2002年12月05日(木)17時33分41秒
- >>34 名無し読者さん
うわぁ。ありあとございます。
がんがります。
ちなみに、保田さんの設定は私の友達がモデルですw
>>35 名無し読者さん
心配してくださってありがとうですw
しかし、どうしよう。今後、御期待に沿える内容じゃなかったらw
とりあえず、見守ってくださいw
- 37 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時34分57秒
- とりあえず、濡れ鼠状態の明日香をお風呂に入れさせて、カオリは自分の部屋をちょこっと片付けてた。
「なにがあったのやら…」
明日香が泣くのはホントに珍しい。
相当な理由がないときしか泣かないんだから。
カオリみたいに涙腺ゆるいってわけじゃない。
……そういえば、昔も似たようなことあったんだった。
明日香が泣きながらカオリに泣きついてきたこと。
あの時以来かな…。
- 38 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時35分29秒
- ・
・
・
- 39 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時36分30秒
- カオリが小学校6年のスキー教室のときだったかな…。
2学年混ぜてグループ組んでたんだよね。
そんとき、カオリと明日香がリフト乗るの一緒で。
なっちが講師の先生と一緒に乗っちゃって……。
「あぁー、あっつーい。圭織暑くない?」
「ちょっとねぇ。滑りすぎたねー」
「ねー。あー、なっちもこっち一緒だとよかったのにねぇ。」
「しかたないっしょ。グループ5人だしさ、一人は誰か先生と座らなきゃいけねんだもん。」
「そーりゃそうだけどさぁ。」
「んー?」
「でも、先生とは乗りたくないよねぇ。」
「そうかなぁ…」
明日香的には友達と乗ったほうが楽しいって言いたかったんだよね。
でも、それがねぇ、聞こえないと思っていったことが、前のリフトに乗ってたなっちに聞こえてたわけで…。
- 40 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時37分10秒
- スキー教室の帰りに3人で一緒…っていうか、なっちをカオリたちが追いかける感じで帰ったのよ。
そしたらさ、
「なっち、なっち、」
「……。」
「ん〜〜〜〜…」
「……。」
「なっち、なっち!」
「……。」
なんか明日香は自分がなっちのこと怒らせてるって気づかなくて、すごい困ってた。
- 41 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時38分09秒
- 「なっちー」
「…っ」
そんとき振り向いたなっちの顔は、ものすごく怒ってて、、、
「どうしたのさ?」
「ばっかじゃねの!?」
そう言うとなっちは、走って帰ってった。
そん時の明日香ったらホント焦ってて、どうしようどうしよう、って言いながら、
「圭織どうしよう、どうしよう…」
って、泣いちゃったんだよねぇ…。
その後2人で、なんで怒らせたのかいろいろ考えてみたら、リフトのことだって気づいて、落ち込んでた。
明日香はそんなつもりで言ったことじゃなかったことだったし、聞こえてたかもしれないみたいだったし。
とにかく、それしか理由が思い当たらなかった。
- 42 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時39分16秒
- 小学校の頃の明日香ってね、すごくプライドの高い子で、謝ったことがどうやらなかったみたいなんだよね。
ホントに大事なものなくなっちゃうと思ったんだろうね、明日香はなっちに謝りに行った。
謝りに行ったときのことはカオリは知らないけど、きっとすごく申し訳なく思ったんだろうなぁ。
- 43 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時39分59秒
- ・
・
・
- 44 名前:Side:Kaori 投稿日:2002年12月05日(木)17時40分51秒
- 「また、なっち絡みなんだろうな…」
なんでか、フッと笑いが漏れちゃって、はっとしちゃったけど、
そんな昔のことを思い出しながら、昨日描いた失敗作の絵をくしゃくしゃにして、ゴミ箱に投げ飛ばした。
- 45 名前:arica 投稿日:2002年12月05日(木)17時42分35秒
- また、少ないながらも更新です。
- 46 名前:arica 投稿日:2002年12月05日(木)17時46分25秒
- 前に>>24あたりでレスにも書いたことなんですが、
この話は私の昔話ですw
だから娘。&ハロプロメンの性格は、多少私の友人たちに似せてるものも存在します。
もちろんいない人もいますがw
>>36に書いたレスみたいに保田さんなんかがモデルがいる人の一人だったり。
まぁ、そんなことはどうでもいいんですがw
- 47 名前:arica 投稿日:2002年12月05日(木)17時48分02秒
- ストックして書いてるわけではないので、多少更新が遅くなっても多めに見てやってくださいw
- 48 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時09分09秒
- 明日香が具合悪いらしい。圭織も帰っちゃったしさ…。
明日香……。
すごく…心配。
合奏の合間にある休憩のとき、トイレで壁に思わずもたれちゃった。
洗面の鏡に映るなっちの顔は最低最悪。
はぁ…。
- 49 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時10分08秒
「具合悪いの?」
「圭ちゃん…」
めずらしい。
圭ちゃんが休憩の間に席離れるなんて。
「どした?」
「こっちの台詞だけど。」
「なんだよぉ?」
「思いっきり顔でてる」
ばれてた…
「やっぱり?」
思わず笑っちゃった。
うまく、笑えてたかなぁ。
「ふ…」
「圭ちゃん?」
圭ちゃんがちょっと困ったような顔で笑ってる。
- 50 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時10分46秒
- 「なっつぁんさ、もうちょっと考えた方いいと思うよ。」
「なんだべ?」
「明日香のこと。」
「なんだとぅ!なっちは明日香のこといつも考えてるから、圭ちゃんに相談してるんだべさ?」
「それがだめだっての。」
「なんでかね」
「さ、合奏始まる。行くぞ。」
「ん…。」
- 51 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時11分27秒
- 圭ちゃんはいつもの通り、わけがわかんなくて、なんかちょっとかっこよかった。
なっちももたれてた壁から背中離して、ドアに向かおうとしたら、圭ちゃんがいきなり振り向いた。
「合奏始まる前に帰りな。」
「へぇっ?」
変な声出しちゃった…。
「どういうことさぁ?」
「中澤さんには、私がうまく言っとくから。」
「う、うん。」
「ほりゃ、どうぞ。お嬢さん、お通りくださいな。」
そんなおちゃらけてもいない口調でおちゃらけたことをいって、ドアを開けてくれた。
ちょっとわけがわかんなかったけど、圭ちゃんはとにかくなっちに、明日香のところへ行けっていってくれてるんだよねぇ。
そういえば圭ちゃんってセンセのいないとこでは、中澤さんって呼んでるんだっけなぁなんて、
関係のないことを考えちゃったけど、ちゃんと言う事言って行かなきゃ。
「圭ちゃん、ありがとね。」
「おぉ。」
圭ちゃんは珍しく笑って頷いてくれた。
- 52 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時12分18秒
- ・
・
・
- 53 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時12分56秒
- 音楽室は休憩とあっても結構人がいた。
おんなじパートの小川はなんでかいなかった。
入れ違いかな。
後ろのクラは藤本しかいなかったから、藤本に聞いてみることにしよ。
「藤本ぉ、小川は?」
「あー、愛ちゃんと一緒じゃないっすかね?教室にフルートの中拭くときに使う棒を忘れたかなんかで。」
「ありがとぉ。なっちさ今日帰るから、小川になっち帰ったって言っといて〜」
「いいっすよぉ。」
「ごめんっても言っといて〜」
「わっかりました〜」
「んじゃねぇ〜」
「はーい。おつかれでーす。」
藤本は楽譜から目を離さずに挨拶した。
ま、いつものことだから気にしないけどね。
- 54 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時13分26秒
- 音楽室から出るとき、楽器室から出てきた矢口に会った。
マウスピース銜えてるし。
「なんだよ、なっちぃ〜。サボリかぁ?」
「んっ?どうだろ?とりあえず、なっち急いでんだぁ。帰るべさ!」
「なんだよぉ〜。今日は帰るやつ多すぎだぞ〜〜」
「ごめんってぇ〜〜。矢口ばいばいな〜〜」
「あーはいはい。なっちまた明日な〜」
ひぃー。急がなきゃ!
ってー、なっちは何でこんなに急いでんだぁ??
- 55 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時14分09秒
- ・
・
・
- 56 名前:Side:Natsumi 投稿日:2002年12月08日(日)23時14分45秒
「雨だべ〜〜!雪だと思ってたのにぃ〜〜」
玄関ついたら雪だと思ってたのが雨になってた。
くっそぉ。今日は雪だと思ってて、しかも圭ちゃんと一緒に帰ろうと思ってたから傘持ってきてなかったのに!
「仕方ないべさ…。」
明日香のためなら我慢、、、できるべさ。
「ダッシュ〜〜〜〜」
ううっ。明日香んちまで着くのに絶対びっしょびしょだよぉ〜〜〜!
ちょっと時間かかっちゃうけど、おうち寄って着替えてから行くしかないっ
明日香許してくれるよねぇ??
- 57 名前:arica 投稿日:2002年12月08日(日)23時15分27秒
- 更新しました。
- 58 名前:arica 投稿日:2002年12月08日(日)23時17分09秒
- 今日もあいもかわらず少な目の更新です。
安倍さん視点です。
安倍さんは言葉が難しいので大変です。
一応故郷は近いとはいえ、きっと使い方やニュアンス違ってそう。
「っしょ」の使い方とか未だに良く分かってないし…。
- 59 名前:arica 投稿日:2002年12月08日(日)23時20分43秒
- 室蘭の言葉って実は調べてもあまり出てこないんですよ。
当然ながら、北海道弁っていうくくりで探すんですが、
絞りたくて、室蘭弁と入力すると安倍さん関連のあんまり関係ない項目しかでてきませんw
だから、結構必死ですw
広い北海道ですから、地域によって言葉の違いもあるだろうし。。。
ちなみに、この話の中では、安倍さんは仲間内でも訛りのいっちゃん強い子という位置づけです。
- 60 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月10日(火)22時53分56秒
- なっちと明日香の関係が気になる・・・
- 61 名前:道産子読者 投稿日:2002年12月31日(火)01時13分53秒
- 先が楽しみ… 期待してます
PS 室蘭弁というのはほとんど無いですよ。
室蘭は、そこまで田舎では無いので札幌と変わらない言葉を話しています。
テレビでなっちが話している感じそのままが北海道弁って感じです
北海道弁て、イントネーションが違うくらいで、極端な訛りはあまり無いんです。
昔の人は、今でもいかにもって感じに訛ってますが、若い世代で
すごい訛っている人ってあまり見ませんから
長くなってすみませんでした
- 62 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月02日(木)02時22分40秒
- 楽しみです…
自分の親は北海道なんですが全然訛らず標準語ですw
これはある意味珍しいらしいっす<周りからは
- 63 名前:arica 投稿日:2003年01月10日(金)05時05分55秒
- 早くもちょっと行き詰まってます。
ヽ(`Д´)ノウワァァン
…申し訳ありませんw
>>60 名無し読者さん
はてさてふむー。
どういう関係でしょうw
>>61 道産子読者さん
期待されてるのに、さっそく行き詰まってますw
あややや。御丁寧にありがとうございます。
なるほど…。
かえってウチの地元の方が訛り強いと見たw
>>62 名無し読者さん
ありがとうございます!
標準語ですか…。
私の北海道の知り合いも標準語でした。
って、めずらしいんですかw
- 64 名前:arica 投稿日:2003年01月10日(金)05時06分42秒
- 行き詰まったので、頭をすっきりさせるために、
一つ短編を。
- 65 名前:Mameshiba 投稿日:2003年01月10日(金)05時09分05秒
- 行かなくちゃ。
あの子の元へ。
オイラだけにしかできないんだ。
だから。
- 66 名前:Mameshiba 投稿日:2003年01月10日(金)05時09分36秒
- 「なっち、なっち、」
オイラは楽屋でのぺーっとしてるなっちに声をかける。
今日はお互い珍しく早めに楽屋に着いて、誰もいなかった。
2人だけ。
「んぅ?」
ぽわぁっとした顔で振り向くなっち。
どうも覇気がない。
いつも覇気があるわけじゃないんだけどよぉ。
いつもと違う。
「どうしたんだよぉ。元気ないぞ?」
そう言ってオイラは、いつものようになっちの頭を撫でるんだ。
理由は分かってる。
「……。」
- 67 名前:Mameshiba 投稿日:2003年01月10日(金)05時10分09秒
- また、なっちの病気の時期が来たんだ。
…なっちは春になると病気になる。
もう、何度もこうしてなっちの頭を撫でてきてる。
サイクルは2回だけど、撫でるのはいっぱいだからね。
「大丈夫だよ。大丈夫だから。」
オイラはずっと頭を撫で続けるんだ。
なっちが平気になるまで。
- 68 名前:Mameshiba 投稿日:2003年01月10日(金)05時10分41秒
- でも。
もっと。もっと救ってあげたい。
こんなんじゃきっと足りない。
もっともっと。
だから、なっちがオイラを必要だって言ってくれない限り、
オイラは先へ進むことができないんだ。
小心者かもしれない。
でも、でもさ。
だから。
オイラにしかできないはずなんだ。
だから。
早く、今すぐ。
オイラの名前を呼んでよ。
- 69 名前:arica 投稿日:2003年01月10日(金)05時11分41秒
- そんなわけで地味に短編でした。
- 70 名前:arica 投稿日:2003年01月10日(金)05時13分24秒
- アルバムの曲がネタですが、
なちまりが多いアルバムと勝手に思ってますw
- 71 名前:arica 投稿日:2003年01月10日(金)05時14分22秒
- やっぱりなちまりは難しいです。
ううう。
(●´ー`)人(^◇^〜)
- 72 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月23日(木)21時51分52秒
- 調子はいかがですか?
気長にお待ちしてますのでご自分のペースで頑張ってください。
- 73 名前:arica 投稿日:2003年01月29日(水)19時21分01秒
- 行き詰まってます。
先に進みません…
>>72 名無し読者さん
なかなかいい風に話ができないんです。。。
気長に待ってくださると仰ってるのに、
申し訳ないです…。
心配してくださり、ありがとうございます!
- 74 名前:Side:All 投稿日:2003年01月29日(水)19時23分51秒
熱いシャワーが明日香の頭の上から打ち付ける。
でも、彼女の涙は止まらなくて。
もはや頬を伝うものが水なのか涙なのか分からなかった。
「はぁ…」
10分ぐらいずっとへたりこんでいる状態だ。
「……やだよぉ」
そう、口に出したら、、彼女の頬を伝う水滴は多くなったように見えた。
- 75 名前:Side:Natsumi 投稿日:2003年01月29日(水)19時25分52秒
- 「へぇっ?明日香いないの??」
「そうそう、まだ帰ってきてないのよ〜。なっちゃん家じゃなかったのねぇ。」
「うーん…」
おうち帰って明日香んち行ったら、おばさんに言われた。
どこいったんだろう。
明日香のお母さんは結構奔放な人で、あんまり遅く帰ったりしなければ怒ったりはしない。
たまにいいなぁって思うけど、でも、、、ちょっと寂しいよね。
「明日香、どこいったんだべ…」
明日香のうちから出て、玄関のあたりでちょっと考えた。
行くところは想像つくけど、こんな寒い中行くのかなぁ…
確信は持てないけど、一つの希望って捨てらんないし、行ってみるかぁ。
とにかく、なっちは明日香がよく行く神社まで行ってみることにした。
- 76 名前:Side:Natsumi 投稿日:2003年01月29日(水)19時26分41秒
- 雨が降って中途半端に解けた雪が、足音の後ろからベシャベシャと跳ねてくる。
「んもぉ〜〜」
こういうの、なっちなんまら嫌いなんだよねぇ。
どうせだったらいっぱい積もってるほうがまだマシだよ。
だって、このベシャベシャしたの、明日にはアイスバーンになっちゃうんだもん。
いくらブーツ履いてたって滑るべさ!
「がんばるぞぉ〜〜」
自分に気合を入れて走った。
今日走るの2回目だけどさ、そんなのいいよ。
探さなきゃいけない。
なっち、明日香が落ち込んでんの見たくないんだ。
- 77 名前:arica 投稿日:2003年01月29日(水)19時27分17秒
- ほんのちょこっと更新します。
- 78 名前:arica 投稿日:2003年01月29日(水)19時28分38秒
- 大スランプが訪れています。
間隔が大幅にあいたり、まばらだったりするかもしれませんが、
気長にお持ちいただけると嬉しいです。
- 79 名前:arica 投稿日:2003年01月29日(水)19時29分28秒
- レスを下さる皆さん、読んで下さっている皆さん、ありがとうございます。
がんばりますので、今しばらくお待ちを。
- 80 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月25日(火)20時22分35秒
- 保全sage
- 81 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月23日(日)00時10分32秒
- 保全しとく
- 82 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月21日(月)21時51分12秒
- 期待sage
- 83 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月02日(金)17時29分27秒
- ほぜん
- 84 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月01日(日)21時54分49秒
- 保全
- 85 名前:arica 投稿日:2003年06月12日(木)14時57分13秒
- 保全してくださった皆さん本当にありがとうございます。
期待に答えられなくて申し訳ないのですが、
もう、小説を書けなくなってしまいました。
スランプはそのままな上、
娘。への興味が薄れてしまったからです。
本当に申し訳ありません。
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