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be with you..

1 名前:m&m 投稿日:2002年12月09日(月)03時37分57秒
こちらの板には、書き手としては「ハジメマシテ」になります。
未熟、なんてモンじゃないくらいの低い文章レベルで恥ずかしいのですが
あえて人目に晒すことで、少しずつでも上達できればと…。

あまりメジャーでない組合せが多くなる可能性‘大’な感じで
淡白な短・中編を書いていきたいと思います。よろしくお願いします。
2 名前:キネンビ。 投稿日:2002年12月09日(月)03時46分14秒

『眠れないよぉ〜!!!(>_<;)』


たったヒトコト。
そんなメールが届いたのは、午前2時すぎ。

日付は既に、あたしたちにとって心底忘れられない日になる、筈のモノ。
本当に、いいかげん寝なきゃ、と思えば思うほど、眠れなくて。
イミなくアイロン掛けやら部屋の掃除やらしていたあたしは
一瞬の苦笑いの後、返信メールを打ち込みかけて、すぐにまた思い直し。
同じ画面に彼女の番号を表示させ、やや緊張しながらコールした。ら。

「マサオっ!!!」

受話部分を耳に当てるのも待たず、聞き慣れた声が大きく響いた。
いや、たしかに今のは、あたしの動作もゆっくりすぎたとは思うよ?
…思うけど、さぁ。

「あっれぇ?もしもーし」

こんな時刻。当たり前のように待ってたっぽいこのヒトってどうなんだろ?

3 名前:キネンビ。 投稿日:2002年12月09日(月)03時48分15秒
「…出るの、はやっ」
「なぁに?マサオ、まだ起きてたの?」
――それは、こちらのセリフではなかろーか。

「起きてたの?てアナタ…メールくれといて、その言い草はないじゃーん」
「いやぁ。今のは、ちょっとした賭けの気分だったんだよねぇ。
 返事来るかな〜?ってさ。もし5分待ってもメールが来なかったら…」

ったら?

「お風呂にでも入ろうかなぁ♪って」

…なんじゃ、そりゃあ!?
っていうかあたしは選択を誤ったんでしょうか…。
電話なんかしなかったほうが、彼女は早く眠れたような気がっ。
4 名前:キネンビ。 投稿日:2002年12月09日(月)03時50分42秒

「……だからね、起きてて反応くれたの、嬉しかった。
 でも電話でくるとは思ってなくてビックリしちゃってさ」

――はぁ。
だから瞬間的にボタン押しちゃって叫ぶように出てくれちゃった、と…。
そのあたりは、容易に想像がつく。それなりに長い付き合いだしね。
もちろん、今の彼女がホントに嬉しそうなカオしてるってのもわかるから。
あたしのカオもきっと笑ってるんだろうと、ひっそり幸せ感じつつ。

「着信音で、寝てるの起こしちゃうかも、とは考えなかったわけぇー?」
「んん〜…なんだろねぇ。なんかもぅ、精神状態が普通じゃなくってさぁ」

なんてゆーのかなー…って、考えるような問いかけるような、そんな言葉を
使いながらも。わかるでしょう?と小首をかしげている彼女が、見える気がした。

5 名前:キネンビ。 投稿日:2002年12月09日(月)03時53分09秒

初めての単独ライブツアー。その、初日。
お客さん、いっぱい来てくれるかな?盛り上がって、くれるかな?
ずっとずっと応援してくれてる人たち。この日を一緒に待っててくれた皆。
ハロプロの仲間も、何人かは来てくれると思うけど。
ファンの前ではまだ歌ったことない、カップリングの曲やカバー曲。
ダンスだけで見せる場面、しっとり聴かせる場面、一体になって爆発する場面。
イベントなんかで少しずつ修行もさせてもらった、メンバーのみのMC。
みんなで、いろいろ考えて。必死で振りを覚えたし、レッスンも重ねてきた。
期待も不安もいっぱいで、止まらないドキドキも興奮か心配かわかんないくらい。

「1時間半、自分たちだけのステージ、なんだよね」

夢みたい、なんて言ってられないんだ。これは現実。
デビュー前からの大きな目標ではあるけど、プロとしては一つの通過点なんだから。
6 名前:キネンビ。 投稿日:2002年12月09日(月)03時55分31秒

「絶対、振りとか歌詞とか間違えるよね…」
「ちょっとぉー!『絶対』とか言わないでよ!」
「や、でもさぁ。ゼッタイっしょ?」
「まぁ…否定はできないねー…」
なんだか妙にネガティブな、あたしたち。
あぁ。理想と現実は、遠いっす…。 

「ってコトで。もしものときは、フォローよろしく…」
「そだね。たとえフォローしきれないような事態とか、起きてもさ」
「うん。それでも、ね」
「ナントカしなきゃ、だよぉー」

「「明日は記念日だよ〜♪」」

「…ってかぁ?」
「だね!」
キレイなタイミングでハモって、笑い合う。

「別に、告白するわけじゃないけどねぇ」
「明日ってゆーか、既に今日だし?」
7 名前:キネンビ。 投稿日:2002年12月09日(月)04時01分23秒

笑いながらふと目をやった時計は、3時ちょっと前をさしていて。
彼女もやっぱり同じ行動をとってたらしく、ふたり慌てた声で
「「やばい!もう寝よう!!」」って。またハモった。

「じゃ。電話ありがとね〜」
「こっちこそ。おかげで気が楽になったし」
「ね。ライブでさ、誰が最初に泣くか賭けない?」
「あー…そういう話は、会場入りしてから。じゃあね、おやすみ」
「おやすみなさぁーい♪」

小さな賭け事大好きな彼女に、少し呆れながら。
電話の前の、遠足や運動会前夜の子供のような、暴走気味な気分が
期待感は残したままに、おだやかに変化しているのを感じて。
今度こそ、気持ちよく眠れそうな気が、した。


『今日は最高の記念日!!☆d(^o^*)』

8 名前:m&m 投稿日:2002年12月09日(月)05時12分15秒
あぅ。ENDマーク入れるの忘れてた。Σ( ̄□ ̄;)
っていうかそれ以前に、初っ端からヤマなしオチなし説明不足で。
ソッコー大反省です。これじゃ登場人物が誰かもわからない。。
やりたかったのは、メロン大谷くんの一人称です。もう一人は名前まったく出てないし。
単独ツアーが9日から開始ということで、深夜、突発的に書きたくなりました…。
大阪のみ行く予定なので、ライブ内容のネタばれからは当分逃げていたいところですが
知人友人、けっこう初日から行く人が多いし、おそらくは無駄なあがき。
赤坂、きっと盛り上がることでしょう。一部で凍えるような寒いMCもありつつ?(笑)
まぁ実際の天候は、村田さんがいる以上、良くはならないのでしょうね。(^_^;;
9 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月11日(水)18時58分06秒
おぉ、メロンの大谷君視点…相手は誰だろう…。
最近メロン絡みの小説が微妙にですが増えてきてうれしい!
次の話も期待してます。
10 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)00時26分40秒

月の半ばの、火曜日は。恒例、大阪での公開収録。

あたしたち2人揃っては、今や珍しく。有難くも。
レギュラー扱いで出してもらってる番組だったりするワケだけど
収録日は、なぜだかあまり天気の良くないことが多かったり、なんかして。
今日も今日とて、空には一面の黒い雲。
移動の途中に見た天気予報によれば、夜にはかなり降るらしい。

このままいけば、きっと。
「キムラさんさぁ。アンタ雨女やろ?」
なんて、また言われるに違いない。あのヒトに。
これも今では、すっかり恒例…のようなもの。

そんな天気だから寄り道もできず、まっすぐに会場入りすれば
早すぎといってもいいくらいに、リハの開始予定には間があって。
しかも楽屋には今、自分一人だけなのだ。
相方は今朝、別の仕事が入っていて、遅れて到着の予定だから。

「なぁーんか。寂しいなぁ…」

雨模様の日は、ただでさえ人恋しいのに。一人ぼっちの静かな楽屋。
先にもらった台本をめくっていても、内容なんか殆ど頭に入らないし
携帯をいじってみたって、気を紛らすようなことは何もない。
11 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)00時29分45秒
やるせなさに溜息をつきながら、机に突っ伏して目を閉じた。
どれくらいの時間、そうしていたのかわからないけれど。

コンコン。

「はぁい!」
響いたノック音に反射的に飛び起き、返事をして。
とっさに目をやった時計はまだ、リハにはかなり早い筈の時刻をさしていた。
直後、開いたドアから顔だけひょこっとのぞかせた相手に、背筋がさらに伸びる。

「おはよぉございまーす」
「おはようございます!」

番組の共演者でもある先輩は、メガネの奥で軽く目を細める。
そのまま楽屋に入ってきて、後ろ手で静かにドアを閉めながら
中を見回し、少し意外そうな表情になった。

「あれ、ひとり?クロサワさんは?」
「ミカは午前中に仕事が入ってて。ちょっと遅れます」

ふーん、と納得したような声とともに、自然な仕草で手前にあった
椅子を引き、当たり前のように腰を下ろす。
上には1枚羽織ってるけど、中は今日も季節感なしのノースリーブ。
見えている白い首筋から鎖骨のラインに、目と、ココロを一瞬、奪われて。
12 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)00時35分41秒

「入り、何時?」
「…え?」

何を尋ねられたかわからなくて聞き返したあたしに、嫌な顔も特に見せず。

「クロサワさん。いつ着くん?」
「あぁ…3時くらいらしいです。リハ開始には間に合わないかも、って」
「そっか。ココ入るまで、降らんとええけどなぁ」
「まだ大丈夫でした?」
「うん。でも今にも降りそうやったで、誰かさんのおかげで」
「…だから、あたしは雨女じゃないですってば!」
「いや、絶対そうやってぇ」
「もぉー…」

なんて言ってるうちに、会話は一段落してしまい
こちらから新しく切り出すような話題も、思いつかなくて
手持ち無沙汰で、脇に置いてた台本を片手でパラパラとめくってみる。
13 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)00時39分56秒

「あ、台本読みとかしてた?お邪魔やったかなぁ」
「いえ全然!そんなコトないです!」
むしろ訪ねてきてもらえて、かなり嬉しかったりするわけで。
慌てて台本から手を離す。

「やろな」
少し可笑しそうに、けれど柔らかく微笑む彼女に、首をかしげると
その白い右手が、ごく自然に目の前に伸ばされてきた。
…キレイな爪。とか思ってるあたしの髪に、そっと触れて。
「ここんとこ、ちょっと寝グセみたくなってるし」
この机で、寝てたやろ?なんて、からかうように言われ、瞬時に頬が熱くなった。
思わず、触れられたあたりの髪を撫でつけるみたいに押さえたあたしの手を
立ち上がりながら、彼女が軽く止める。

「そんなんしたらアカンって」
そうして背後に廻り、優しく梳くように、整えてくれて。
「キレイな髪、やね」
ゆっくりと撫でられる感触に、緊張気味だった肩の力も抜けていき
包み込まれるような心地良さにひたりかけていた、のに。
14 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)00時47分52秒

突然。
柔らかい体に、背中から捕らえられた。
おなかと胸のあたりに、小さな手が触れる感覚だけ、ハッキリ把握できて。

「なぁっ! 中澤さん!?」
焦りまくるあたしに、平然と。さらに手の位置を調整しながら。
「や、相変わらず、めっちゃスタイルええなー、とか思って」
「えぇ!?そんなコトないですよぉー!」
ってゆーかドコさわってるんですかぁあっ!!
まさか、はねのけるわけにもいかないし。真剣に、対処に困る…。
「あ…あのぉ。手…っ」
「えぇ〜?ええやん、減るモンやなし」
今以上に減ってたまるかぁー!!…違う。そーじゃなくてぇ。
これがウワサに聞く、中澤さんの‘メンバー愛’ってヤツ?
……なんか、ちょっと複雑な気分なんですが。

中澤さんの、肩に引っ掛けてただけの上着は落ちたのか、視界に映るのは
二の腕までシミひとつなく白い、剥き出しの腕。
乱れた呼吸で肺に送り込まれる空気は、オトナっぽい、香りがして。
背凭れないし、胸も背中に当たってるよぅ。マジで心臓バクバクだってば!!
15 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)00時54分08秒

とは、いうものの。
「イマドキ珍しく初々しい反応で、裕ちゃん嬉しいわぁー♪」
とか、言われちゃった日には。ふと、悔しくなったり…したり。

スキンシップには、慣れてる筈だ!という、半分外国育ちの自信(?)と。
おっとり見えるらしいが実はかなりの負けず嫌いな生来の気質を、奮い起こして。
平常心を懸命に呼び戻し、反撃の機会をさぐろうと、ひそかに決意を固める。

「なぁ。こんだけえぇカラダしとったら、悩みなんかないやろ?」
エロオヤジのセクハラ以外の何物でもない言動で、早々にメゲそうになりながら…。

「んー…脚とかおなかとか、もうちょっと絞りたい、ですね。
 まぁ今くらいでも、ハワイだと‘棒’って言われるんですけど…」
「マジでぇ!?ちゃんと出るとこ出てるし、引っ込むとこ引っ込んでるやん!」
そんなの、リアルタイムでさわって確認しながら言わないでくださいっ!!!
16 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)00時58分08秒

「…ホントですよぉ。なんか『Stick!』とか言われちゃって。
 ちゃんと食べてるの!?とか、心配されます」
「あー…ボリュームあるもんなぁ、あっちの人たちって」
「食べ物とかも、普通に量がすごいから。しばらく向こうにいたりすると
 本気で体型、ヤバイですよ。お衣装が入らなくなっちゃう…」

大好きなんですけどねぇ。甘いモノとか、フライものとか。
言ってるうちに昨夜の体重計の数値を思い出して、少し気が沈む。
そんな変化に気づいてか、中澤さんは少しだけ体を離し、あたしの全身を眺めて。

「でも、バランスええやんか。背とかも実際より高く見えるくらいやし。
 たいがいの衣装は似合うやろ、アンタやったら」
「そうでしょうか…」
「ほら、これのゲストコーナーのコントなぁ。あれでも無理ないやん」
「女子高生、ですか?」
「なぁ。正直あのコスプレ、アタシにはきっついでー」
「中澤さんは十分、可愛いですよぉ!……どうせなら、ルーズも履きませんか?」
「そこまで開き直られへん!っちゅーねん」
「って言っても、あたしももう、21歳なんで」
「…もう?」
「あ」
17 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)01時05分23秒

しまった、微妙に失言。見れば彼女の眉間には、くっきりとタテ皺が2,3本。
なのに、口元が笑ってるように見えるのは何故でしょう?みたいな…。
いつのまにかメガネも、はずしちゃってるしっ!

「そぉーいぅコト言う、悪い子はなぁ」

お仕置きやでぇ…?なんて。
艶っぽく囁きながら、両手であたしの顔を固定して。妙に楽しげに近づいてくるのを
案外冷静に、目で辿りつつ。ふと思い出す、親しい友人の言葉。っていうか愚痴?
唇が、あたしのに触れようとした、そのときに。できるかぎりの低い声で、囁き返す。

「…圭ちゃんに、言いつけますよ?」
「へっ?」

この上ないほどの至近距離で、世にもマヌケな中澤さんの顔。
‘狐につままれたような’って、こんな感じを言うのかなぁ…。
ある意味、貴重な体験かもしれない。という感想はとりあえず置いといて。
18 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)01時10分44秒

「中澤さん、素面で圭ちゃんにキスしたことは?」

「…ない、けど」
「理由は?」

「圭ちゃん、オトナやもん。照れくさいし…」
「って言い訳してた頃の、圭ちゃんの年齢は?」

「…ハタチ、ぐらいやんなぁ。たぶん」
「ですね。あたしがまだ飲めない年だったのに
 飲んでる圭ちゃんに愚痴られた覚え、ありますから」

「…………マジでぇ?」
「ハイ。けっこう根に持ってる感じでしたねー」

あたしの頭を解放して、なにやら唸ってるところへ、更に追打ち。
19 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)01時14分38秒

「21のあたしにキスを迫った、なんてことバレたら…」
「あ〜っ!もぉ、わかった!わかったから。アタシが悪かった!っちゅーねんっ」

拗ねたように唇を尖らせる中澤さんは、なんだかとても可愛くて。
…まぁ、そこまで圭ちゃんにはキスしたくないのか?と、呆れもするけれど
やっぱり、あそこで止めたの勿体なかったなぁ、とか思ってしまう。

あたしはただ、一方的にからかわれるのが悔しかっただけ。なのに。
そんなにアタシとちゅーすんのイヤかい!なんて、ブツブツ言ってる、から。
落とした上着を拾おうと目線が逸れた隙に、距離を詰め。細い腰に腕を廻して。
怪訝そうに振り向いた唇に、一瞬…だけのキスを。してしまった。

……だって、誤解は早めに解いておかないと。ねぇ?
 
20 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)01時20分53秒

『キス魔のくせに。たまに自分がされたら、すっごい動揺するんだよ』

いつか聞いたアレは。誰が言ってたんだっけ?
その言葉通り、目の前には、軽くパニクってるっぽい、中澤さん。
見ているうちに、不思議なくらいの余裕と、温かな愛しさが湧いてきて
調子に乗りすぎかなぁとも思ったけど、そのままハグまでしてみたり。

「今のは、あたしから、なので。言いつけたりはしませんよぉ」
「…………そりゃ、どーも」

腕の中。苦笑まじりな返事の直後、くるっとイタズラっぽい表情に変わる。

「で。アタシからは、やっぱりアカンの?」
「うーん。じゃあ‘共犯’てコトで? Give me a kiss!はあとはあと

合わせて冗談めかしながら、だけど。今度は素直に、目を閉じた。


空が泣きそうな日には、とっても人恋しくなっちゃう、モノだけど。
こんな風に誰かと過ごせるのなら。雨女だって案外、ハッピーかもしれないね♪
 
21 名前:rainmaker 投稿日:2002年12月15日(日)01時35分35秒

 
 END.
 
 
22 名前:m&m 投稿日:2002年12月15日(日)01時37分29秒
ナカザワさんとキムラ(not麻美)さん。マイナーすぎて涙が出ます。
でも、意識的に意外性のある組合せを捻り出してるわけではないのです…。
表現力が乏しいために雰囲気がうまく出せなくて、口惜しいですね。
ちなみにミカの日本名、名字が‘クロサワ’と聞いて、そう書いたんですが
もし違ってたら、ゴメンナサイです。ミカは漢字で‘実花’だそうですね。
今更だけど、恋愛話は書けそうにありません。ネタさえ浮かばず。(-"-;;

>>9 名無し読者 様
レスありがとうございます。
メロン、お好きなんでしょうか。自分は隠れ(?)村っちヲタですけど
この電話の相手は、いちおうSさんのつもりで…って、どっちだ!?(w
23 名前:名無し犬。 投稿日:2003年02月11日(火)16時04分32秒
マイナー好き保全
24 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)18時59分39秒

大谷雅恵、21歳。
自慢じゃないけど、他人と関わるのは子供の頃から苦手だった。

会話に気をつかったり、楽しくもないのに笑ったり。
サービス業なんかのオシゴト中、とかならそりゃ仕方ないけれど
日常、プライベートでもずっと他人と一緒にいるなんて、面倒なだけ。
そう思って、大学入るのに田舎を出てきて以来、バイト先でも学校でも
適当に愛想笑いで挨拶くらいはしても、誰かとつるんだりはせずに
必要最小限に近い程度の、ごく浅い人付き合いしかしてこなくて。
自分で言うのもナンだけど、かなり根暗な、内向的な人間。
それでも、そんな生活はとても気楽で十分に快適だったし
休みの日なんかは、誰に気を遣うでもなく、気ままにすごしてた。

単調な生活に、小さなバグが入り込む、までは。

25 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)19時07分07秒

――彼女、斉藤瞳と出会ったのは、週末夜のバイト帰り。

小雨なんか降りだして、繁華街でも皆が少し足早に行き交う中で。
なんだか、とにかく困ってます!的なオーラを振りまきながら
若い女の人が、何か捜すように、濡れるのもかまわず地面を見つめてた。

でも、こういう場所の常として、誰も声をかけたりしないし。
傘を持ってなくて、小走りに通りを抜けようとしてたあたしも
当然、関わる気なんかこれっぽっちもなかったん、だけど。
そばを走り抜けるときに、ふと彼女が顔にかかる長い髪をかきあげて。
動きにつられ思わず視線を向けると、その横顔がハッキリと見えた。
瞬間、なぜだか急に、気が変わったんだ。

彼女の目は、誰にも助けを求めていなかったから。
そのままあたしともすれ違い、遠ざかって行くだけで
今までも、当然この先もずっと何の関係も持たないはずの人。
なのにあたしは、理由とか思い至ることもなしに、踵を返して
相変わらず困り続けてるらしい背中を追いかけていた。

26 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)19時10分09秒

「どうか、しましたか?」

振り向いた彼女は、どこかビックリしたような顔をしていて。
それでも、声をかけたのが女だったことで気を緩めたのか
苦笑いを浮かべながら、落としたモノを捜してる、と答えた。

その落とし物、というのは彼女のマンションのカギだそうで
この辺で酔っぱらいにぶつかられ、鞄の中身半分くらいぶちまけたらしい。
まだ引っ越して間もなくて、目立つキーホルダーなんかも付けてなかったし
小一時間は捜してるが、どこに飛んだか、さっぱりなんだと。

「でも、なんとか見つけないと、今夜は野宿になっちゃうんだよねぇ」

近くに泊めてくれるような友達の当てもないし、ホテルとかムリだし。
そんなふうに、どこかまるで他人事のように笑いながら話す。

27 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)19時24分45秒

そうこうしてるうちに、雨はどんどん強くなり
春の雨とはいえ、傘なしじゃキツいくらいの降りに変わってて。

「あぁ、ゴメンね。心配してくれて、ありがと。
 あなたまで濡れちゃうから、もう行って?」

なんて、場違いなくらい柔和な笑顔で、彼女が言う。
あまりにも、打算とか皆無な感じの、まっすぐな視線に。

「……うち、来ます?」

今夜一晩くらいなら、泊めますよ?
あたしの口から出たのは、自身とても意外なセリフだったけれど。
さすがに彼女の方も少し驚いたように、瞬いた。

だってどうせ、乗りかかった船なんだし。
ここで見捨てて帰っちゃあ、寝覚めが悪そうじゃないか?
らしくない行動を、心の中で自分に言い訳していた。

28 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)19時33分46秒

翌朝。

肩を揺さぶられる感覚で、眠りの底から這い上がると
申し訳なさそうに顔を覗き込んでいる斉藤さんと、目が合った。
慣れない状況にビックリして、あたしには珍しく一気に覚醒すると
部屋の中はすっかり明るくなってて。寝顔を見られてたことに気づき
ちょっと恥ずかしくなったけど、今更どうしようもなく。
せめて、今朝はマトモな向きで寝ていたことだけが、救いと思えた。

「あたし、今日も仕事だから。もう出なきゃいけなくて」

起こしちゃってゴメンね、と謝る彼女に首を横に振って、布団から出る。
あたしのベッドと並行に敷かれていた客用布団は、綺麗にたたまれていた。

29 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)19時37分21秒

すでに身支度も終えていた斉藤さんは、そのまま玄関に向かったけど。

「洗って返しに来るね」

という、パジャマがわりに貸したTシャツとジャージは、半ば強引に取り返した。
何度も何度も礼を言われるのが照れくさくて、ぶっきらぼうな返事を重ねるあたしに
気を悪くした様子もなく、笑顔で出ていく彼女を、仏頂面のまま送り出す。

そうしてドアが閉じ、彼女に繋がる空気が断ち切れた瞬間、深く溜息をついた。
なんで柄にもなく赤の他人を泊めたりしたのか、ずっと引っかかってはいたけど
何事もなく済んだことだし、もう彼女にも2度と会うことはないだろうし
所詮ただの気まぐれだと、流すことに決めた。考えるのも、面倒くさいから。

30 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)19時46分59秒

外は、昨夜の雨がウソのように、眩しいくらい良い天気らしく。
学校が休みなのに珍しく朝から起きちゃったし、洗濯でもすっか、と
まだ少しダルいような体を動かそうとした、そのときに。
ドア向うの廊下を、少し高めに響く靴音が近づいてくるのが聞こえて
おや、と首をかしげるほどの間もなく、我が家のチャイムが鳴り響いた。

もしや彼女が忘れ物でも?と思って、確認もせずドアを開けると
そこにはやっぱり、さっき出てったばかりの斉藤さんが立っていて。

「どうか、した?なんか忘れ物?」

あたしがそう言いおわるかどうかってタイミングで

「携帯、教えて!」

単刀直入に、用件を述べられた。

31 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)19時53分56秒

……はぁ?

いきなり何を言い出すんだ、この人は。
なんて、かなり怪訝なカオをしてただろう、あたしに。

「聞くの忘れてたから」

と、当然の権利のように、重ねて彼女は要求してきたんだけど。
忘れてた…ていうか、この場合は聞くようなことでもねぇべ?

「ヤだ。別に教える必要ないっしょ?」

「なんでよぉー?せっかく知り合えたんだし、それくらい…」

さくっと断っても、まったく引き下がることはなく
まるで疑問も警戒心も抱いてない、親しげな調子もそのままで。
彼女といると、自分のペースは崩されっぱなしで気分が良くなくて。
なんで、あたしなんかと関係を持とうとするのか、理解もできず。

「ヤだ、ってんでしょーが!しつこいよ!」

妙に苛立ちが募って、つい声を荒げてしまった。
マズった、と口を押さえてみても当然そんなのは手遅れで
斉藤さんは驚いたように口をつぐみ、あたしの顔を見ていた。
互いに何も喋らないまま、それでも視線は逸らしてくれなくて
こっちが耐えきれず俯いてしまう。

32 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)20時22分39秒

「……あたしはさ、つまんない人間、だから」

友達とか、そういうの。ならないほうが身のためだよ。
顔は下に向けたまま、そんな情けないセリフを口にした。

出合って間もない彼女に、同情でもしてほしかったのか
どうせ愛想を尽かされるなら、早く終わらせたかっただけなのか
何にしても、我ながらズルい言い方で、みっともなくて
言ったそばから、さらに激しい自己嫌悪に襲われる。
逃げだしたい気分にもなるけど、自分ちの玄関じゃそうもいかず。

どうして、知り合ってほんの10時間ほどしかたってない彼女と
たかが携帯の、教える教えないで、こんな深刻ぶった雰囲気に
もつれこんだのか、考えればバカバカしいような情況。

それでも、あたしは泣きたいくらいに切羽詰まってて。
早く出てってほしかった。もう、何も言ってくれなくていいから。

33 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)20時32分52秒

「ホントに、そんなこと思ってるの?」

結局、重苦しい空気を破ったのは、やはり彼女の方で。
不思議そうに尋ねるその声は、まったく普通のトーンだったけど
何も答えられず、そのまま視線を足元に彷徨わせていたら。

突然、ぽん、と軽く肩をたたかれた。
つられて顔をあげると、さっきまでと同じ彼女の笑顔が目の前にあって。

ふっ、とイタズラっぽくその目が光ったと、思ったら
次の瞬間には、肩に置かれた手に力が込められたのを感じる。
事態を把握するより前に、彼女とあたしとの距離はゼロになっていた。

……いや、正確には顔と顔との、距離が。

34 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)20時38分57秒

『くっ…唇に、キス、だとぉおおぉっ!!?』

思わぬ展開にフリーズして、抵抗も何もできないままに。
やがて離れていった彼女はといえば、ごくごく普通の顔をしていて。

「あらぁ?反応、薄いわねぇ…つまんなぁーい」

あっけらかんと、のたまった。

つ、つまんない、じゃないだろアンタ…っ!!

感情とか思考とか、表情には出にくいタイプの、あたしだけど
頬がいつになく熱くて、間違いなく顔は真っ赤になってってる筈で…

「あらららら…かぁ〜わいぃっ♪」

なんて言われても全然嬉しくないよ!
そんな面白そうに見るなぁー!っていうか抱きつくなぁああぁっ!!

35 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)20時46分47秒

とりあえず懸命に逆らって、体は引き離してみたものの。
睨みつけようにも、絶対に怯みそうもない、妙に楽しげな笑顔には
まっすぐに視線を向けることすら、できなくて。
仕方なく、せめてもの意思表示に思いっきり目を逸らしたら
再び、2人のあいだに沈黙が、落ちた。

「ゴメン、そんなにイヤだった?」

それを破った声の響きが意外に真摯で、思わず彼女に向き直ると
悄然と目を伏せた様子が、今にも泣き出しそうに見えて。

「や、えっと、イヤだとかイヤじゃないとかってことでもないんだけど
 ……ただ、あの、ちょっとビックリした、かなー…って、そのぉ」

泣かれるなんて、普段なら面倒で、ばっさり切り捨ててる筈の状況に
焦った、妙に言い訳じみたコトバを、なんでか必死に並べていたら。

「あ、じゃあイヤじゃないんだ」

当の相手はケロッと顔をあげて、そっかそっかと嬉しそうに頷いた。

36 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)20時55分41秒

――ウソ泣きかよ、この女ぁっ!!?

大きな脱力感とか、触れられた唇の感覚とか
いろんなものに打ちのめされた気分になっていると
彼女が、ふと手首の時計に目をやり、急に慌てだして。

「わ、マジもう行かなきゃ!ホントにアリガトね、助かった!」

返事も待たずに再び出て行こうとするのを、半ば呆然と見送る形になる。
ドアが閉じる間際、これで本当にサヨナラか、とか思った瞬間。

「また遊びに来るねぇ〜♪」

満面に笑みを浮かべつつ、茶目っ気たっぷりに投げキッスつきで
それでも本気にしか思えない調子で、宣言された。

37 名前:spring rain 投稿日:2003年04月18日(金)20時59分11秒

「2度と来んな、バカ!」

とっさに、そう返しはしたけれど。
変わらず明るく笑ったまま、彼女はドアの向こうに消えていった。
その足音が急ぎ気味に、今度こそ真直ぐ遠ざかってくのを聞きながら
あたしは、玄関でへたりこんでしまった。

こんなふうに、素で感情的になったのって、いつ以来だろぉ。
なんか朝っぱらから、すっげー疲れたんですけど…。

でも、あんなのアリかよ、とか思ってしまう一方で
けっして不愉快ではない自分もいて。

まるで春の嵐みたいに、散々に引っかきまわして去られた後には
何かが大きく変わってく予感と、小さな不安とが残されていた。

38 名前:m&m 投稿日:2003年04月18日(金)22時04分53秒
……思えば遠くへ来たもんだ。
じゃなくって。よくまぁ、ここまで下がったものです。
この4ヶ月、何をしてたんでしょう自分。
書きたいことはいっぱいあったはずなのに…
時期を逸しまくって形にできませんでした。あぁ超ヘタレ。。
あげく何故この時期に大谷くん&斉藤さんなのか。
福井へ行きたいな福井。ごまコンでもいいけど。
メロンの新曲、早く生で聞きたいです。それだけです。

>>23 名無し犬。様
ありがとうございました。ヘタレで本当に申し訳。m(_ _)m
39 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時39分05秒

ふと振りかえれば、なんだか絶え間なく恋をしていた。


『村ぁ、聞いてよぉー!』

めちゃめちゃハッピーだったり、些細なケンカでヘコんでたり
始まる前のドキドキから、終わっちゃうときのドン底まで
いつも、ホントにいつでも彼女にぶつけてた。

そしたら全部、柔らかく笑って受け止めてくれて。
そんな時間がとてもとても心地よくて。

いつのころからか、私は。

彼女と過ごす時間のために恋をしているかのように思えてきた。
恋愛中でいるかぎり、あの子に甘える口実には事欠かない、から。
40 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時40分56秒

「ひと、最近あんまし恋愛相談、ってヤツ?してこないじゃん」

どしたのさ?なんて、ごくごく普通の調子で。
ツアー中、たまたまホテルで同じ部屋になった夜
何のはずみか、そんなことを村田が言い出して。

「忙しくてそれどころじゃない、とか、そーゆんだったらいいけど
 なんかしょっちゅう眉間に皺寄せて考え込んでるっぽいし。
 悩みとかあるんなら、お姉さんが話くらい聞いちゃるよー?」

口調は相変わらず、冗談めかした軽いものだったけど
その目が、本当に心配する優しい表情なのはわかるから。

自分のほうのベッドに腰掛けてる細い体の、その横に
ほんの少しだけ間をあけて、並んで座ってみる。
 
41 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時42分38秒
やっぱり落ち着くなぁ、なんてホッとしたり
でも話すような悩みなんて何もないのに、困ったり
少し長めに息をついてみたりなんか、したところ。

「どーしたぁ、やっぱちょっと元気ないぞぉー?」

なんだか、余計に心配させてしまったみたいで。
軽く覗き込むように横から視線を合わせてくるのに
誤解をとくため、3割増しくらいの笑顔を返す。

そしたら一瞬、少し面食らったような表情を見せるから。
なんとなく妙に楽しい気分になっちゃって
座ったまま、いきなり横から抱きついてみた。
 
42 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時44分02秒
自分の半分くらいじゃないかとさえ思える華奢な体に腕をまわし
細い肩に頭を預けると、最初は戸惑うように浮いていた彼女の手も
あたしの髪や背中に落ち着き、優しく撫でてくれはじめて。

心地よさに目を閉じ、彼女の香りに胸が満たされてくのを感じながら
誰かの腕の中、ってのも久しぶりだなぁ…なんて、しみじみ。

「んー…やっぱアタシ、村がいればいいや」
「…はぃ?」

何の気なしに呟いたとたん、あやすように触れていた手が、ぴたりと止まる。
ちらっと不満を示す視線を送ると、少し慌てたように再開してくれたけど
また目を瞑って身を任せてたら、なんだか酔ったみたいにふわふわしてきた。

「当分、彼氏とかいらない気分。村さえ傍にいてくれたら、それでいいよ」
「や、ぜんぜん意味わかんないですけど、斉藤さん…」
「いーよいーよ、わかんなくて。っていうかアタシにも、よくわかんないし?」
「なんだぁ、それはっ!」
「いーんじゃない、ノリでなんとなく理解しとけばさ。とにかくアタシは、村が好きなのぉー♪」

甘えっこ全開で頬をすりよせて、さらにくっついてみると
自分の背にある手にも、より力が込められて…単純に嬉しくなって。
 
43 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時46分04秒

「大好き、だよ?」

我ながら柄にもなく、妙にマジメっぽい声が出ちゃった感じに
さすがにひかれたかな、なんて内心、微妙に焦ったんだけど。

「おぉー。この体勢でそゆこと言われたら、ちょっとドキッとしますぞぉ」
「ちょっとかぃ!?…っていうか誰だよ、オマエぇー!」

抱きついてた腕を解いて、軽く頭を叩くフリなんかして。
大袈裟に逃げるフリをする彼女と、ひとしきりじゃれあって。
お互い、いいかげん気のすむくらいまで遊んで一段落ついた後
そろそろ寝よう、って、どちらからともなく身を起こす。

そのまま、ごそごそと布団に入る準備みたいなのを始めた村田から離れ
自分も反対側のベッドのほうで、枕とかシーツとかいじってたら。
 
44 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時47分04秒

「あれぇ?ひと、そっちで寝んの?」
「へっ?」

背後からの頓狂な声に振り返ると、心底フシギそうな顔。
そんな村を見て、むしろこっちの頭に‘?’が飛び交った。

「いや、今日は一緒に寝るもんだと思ってたから」

という言葉に一瞬、心が弾んだのは否定できないけれど
どうしてそうなるんだよ、とツッコむ気持ちが、やはり勝つ。

「なにをバカなこと言ってんのさー?狭いじゃん、2人で寝るなんて」
「えぇー!マジでぇ!?」

って眉が見事に下がってるよアンタ。なんでそんなに残念そうなんだか…。
まぁ、あたしだって、即却下したのは勿体なかったかなぁとは思うけど。
 
45 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時48分25秒
多少の未練も残しつつ、結論は出たものと再び背を向け、寝る用意をして
歯を磨くべく洗面所に行こうとすると、聞こえよがしな声が耳に届く。

「そういえばさー…このホテルって、出るらしいねぇ」
「えぇ!?うっそぉー!!」

思いっきり振り向いた先には、何もない宙の1点に視線を固定した彼女。
見慣れてなければ、それだけでもかなり怖い光景だと思うのに。

「なんかねぇ、夜中に廊下で子供…」
「ヤだヤだヤだヤだぁー!そんなの聞きたくないってばっ!!」

理屈ではアホらしいと思ってはいても、こういう話はホント苦手で。
内容まで聞かないうちから半泣き状態で、耳をふさいで叫んだら。
 
46 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時50分29秒

「あはは、うっそだよぉ〜♪」

って、すっごく楽しそうな明るい声が返されてきた。
そのことにも、思いどおりに踊らされた自分にも腹が立ってきて。

「イイ性格してんじゃん、アンタ…っ!
 アタシが、ウソだとわかってても寝れなくなるって知ってるでしょー!?」

涙目のまま詰め寄るあたしに、まるで怯むこともなく。

「んんー?じゃあさ、一緒に寝よぉ!!」

そしたら、怖くないでしょ?なんて
あっけらかんと言い放つ相手へ、返す言葉も出てこないし。
どこか勝ち誇ったような嬉しげな顔に、仕方なく負けを認めて頷いた。

わーい♪とか喜んでるらしいのは、とりあえず放置して洗面所に向かう。
ドアノブに手をかけながら視線を戻すと、既にベッドへ半分もぐりこんでいて。
 
47 名前:moments 投稿日:2003年06月14日(土)19時54分43秒

「ちょっとぉ!アタシが戻ってくるまで、寝ないでよ!?」

少し焦ってクギをさすと、あくまでマイペースな相手は、ふにゃっと笑う。

「だーいじょーぶだってぇー。なんなら、ついてって見ててあげよっか?」
「…いい」
「あらそぉ?そりゃ残念。じゃ、お早いお帰り、お待ちしておりますぅー」
「……アホ」

くすくす笑ってるのに、思いっきり顔をしかめて舌を出し
反応を見る前に、さっさとドアをくぐった。

「ったく、本当にナニ考えてんだか…」

閉じた空間で、軽くボヤきながら髪をかきあげて、ふと正面を見れば
鏡の中の自分は、さっきの村と同じくらい嬉しそうな顔をしてた。
今夜はきっと良い夢を見る。脈絡もなく、子供みたいなことを考えて。

永遠、とか、そんなもの。信じられるほどにはもう純粋じゃない自分だけど。
できるかぎり多くの、こんな瞬間を。彼女と積み重ねていけたらいい、と思った。
 
 
48 名前:m&m 投稿日:2003年06月14日(土)20時05分08秒

地方に住む身には、日常でハロプロを見たり聞いたりする機会が
最近めっきり減りまして、どんどん疎くなってる気がします…。
今は、シャッフルでのTV出演が待ち遠しい気分でしょうか。
推しメンはほぼ11水に集中してますが、塩5ゆきどんに密かな期待(w
メロンも、すっかり大人チームな感じになりましたね。
 

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