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NON STOP

1 名前:味噌よーぐると 投稿日:2002年12月24日(火)15時25分58秒
小説初挑戦です。
誤字脱字があるかもしれないので、
気づいたら教えて下さい。
主役はよっすぃーです。
2 名前:第1話 「親子」 投稿日:2002年12月24日(火)15時38分30秒

モー娘。追加メンバーオーディション合格。その事実を聞いて、吉澤ひとみの
母は、頭の中が真っ白になった。
テレビカメラがまわっているので、母は今にも出そうな言葉を必死で
飲み込んだ。
そしてただ、呆然としていた。
テレビスタッフが家を出た後、椅子に座り込んだまま、母は<息子>に
言った。

「ひとみ、あんたどうする気なの?」
・・・吉澤ひとみ、14歳。本名、吉澤仁巳。性別、男。

3 名前:第1話 「親子」 投稿日:2002年12月24日(火)15時48分25秒

物心ついたときからひとみは、女の子の格好をしていた。
親がさせたのではない。女の子の格好をさせると泣き出した。仕方なく親は
女の子の格好をさせた。小学校へあがると、さすがに女の子の格好はできなかった。
その為、小学校時代のひとみはとてもおとなしく、友達のほとんどいない子供であった。

しかし、中学1年生のときに転機が訪れた。今住んでいるこの町に
引っ越すことになったのである。
これはチャンスと、ひとみは本当の女の子になりすました。

4 名前:第1話 「親子」 投稿日:2002年12月24日(火)15時54分36秒

驚いたことに、今通っている中学では、彼は<女生徒>として学校生活を送っている。
この町でひとみが男であると知っているのは肉親だけである。
クラスメイトはもちろん、親しい友人さえも<彼女>が本当は、
<彼>だなんて夢にも思っていない。
完全なる女子中学生なのである・・・。

5 名前:第1話 「親子」 投稿日:2002年12月24日(火)16時17分29秒

両親は、そんな息子を良くは思っていない。
4人の子供のうちひとみは唯一の男の子である。
親としてはやっぱり男らしく育ってほしかった。この町で彼が女として生活していることも、
親として快く許したわけではない。
親の知らない間に、ひとみが自分で<女生徒>として学校に転入手続きをしたのである。
今となっては両親も、まわりにこのことがバレないように、彼を<娘>として
扱わざるを得なくなっていたのである。

・・そんな彼が、人気アイドルグループのモーニング娘。に入ることになったのだから、
母親としてはたまったものではない。バレたら、それこそ「一家の恥」である。
なんとか説得して辞退させようとその日の夜、息子を居間によんだ。
ひとみとしては、ハナから説得されるつもりはない。
子供の頃から女性アイドルに憧れていた。オーディションも沢山受けてきた。
そうしてやっとつかんだチャンスである。諦める訳にはいかない。
テーブルを挟んで向かい合う二人。母と息子のの話し合いは平行線をたどり、
気がつくと深夜になっていた。

6 名前:第1話 「親子」 投稿日:2002年12月24日(火)16時33分03秒

するとそこへ、もうすぐ8歳になる末娘のゆいがトイレのために起きてきた。
二人がまだ起きていることに驚いた彼女は、何があったのか尋ねてきた。

「ひとみねぇちゃん、どうかしたの?」

彼女はひとみのことを「ひとみねぇちゃん」と呼ぶ。
男であることを知らないわけではない。
彼女にとってひとみは間違いなく<姉>であり、女性なのである。
そんな彼女にひとみは微笑みながら言った。

「ゆいさぁ、あたしがモー娘。のオーディション受けたの知ってる?」
「ううん、知らない。」

ゆいは首を振った。
母は、ゆいが友達に自分の姉(兄)がオーディションを受けていることを
話してしまうとまずいと思い、末娘には内緒にしていたのである。

「実はねぇ、あたしモー娘。に入ることになったの。」
「えーっ!!・・え〜!?」

7 名前:第1話 「親子」 投稿日:2002年12月24日(火)16時48分34秒

ゆいは信じられないといった表情をしてひとみの顔を見上げた。
大好きなモー娘。に自分の姉が入ることになったと言っても、すぐには実感はつかめない。

「ちょ、ちょっと待ちなさい、まだ認めたわけじゃ・・・」
母は二人の会話を遮ろうとした。
しかし、ひとみの言葉がほんの少し早かった。

「今日ね、つんくさんに会って新メンバーに決まったて言われたの。あたしも
『LOVEマシーン』踊ることになるんだよ。すごいでしょ!」

そう言ってひとみはダンスの振りを真似た。ゆいはいつもテレビを見ながら
ダンスの練習をしているので自然と一緒に真似をした。

「すご〜い。ひとみねぇちゃんすご〜い!」

やっと実感がつかめたゆいは、思わず大声をあげた。
ひとみが注意すると、ゆいは小さな声でもう一度繰り返した。
そして二人顔を見合わせ、声を抑えて笑った。

8 名前:味噌よーぐると 投稿日:2002年12月24日(火)16時50分56秒

 一旦更新終了です。作者の更新スピード遅いですけど、
 よろしくお願いします。では・・
9 名前:第1話 「親子」 投稿日:2002年12月25日(水)09時15分40秒

兄妹の奇妙な会話を聞いているうちに、母は息子を説得する気が次第に無くなっていくのを感じた。
確かに内情を知っている者から見れば、とても奇妙な会話である。
しかし、はたから見れば、普通の姉妹の会話だ。
そう思ったとたん、息子をとめる気がしなくなった。
母は自分自身に確認をした。

『もしばれてしまったら?・・・その時は私が守ればいい。
 母親なんだから子供を守るのは当然じゃない。』

するとなんだか自分の“娘”がアイドルになることに、嬉しささえ感じはじめてきた。

「ママすごいね。モー娘。のお母さんだよ!」

ゆいは興奮しながら母の手を引っ張って言った。

「そうね。みんなに自慢しなくちゃ。」

その言葉を聞いたひとみは、母の顔を見た。優しい笑顔だった。
ひとみの視線に気づいた母はひとみに言った。

「ひとみ、おめでとう。」

意外な一言にひとみは、たまらず母親に抱きつき、泣いた。

「お母さん、ありがとう・・・。」

母は、自分の胸で泣く子供をいとおしく感じながらも、男なんだからもっと
「シャッ」としてもらいたいなぁ、とも少しだけッ思った。


10 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月25日(水)09時37分22秒

よく晴れた四月某日、都心から少し外れたビルの中、コンクリートで囲まれた
無機質な匂いのする広い部屋に、ひとみは立っていた。
壁際にはテレビスタッフ達が集まっていた。
今日はひとみ達モーニング娘。の新メンバーが、現メンバーと初めて対面する場面の撮影が組まれている。
ひとみの横には、同じく新メンバーとして選ばれた少女達が立っていた。
しかし、ひとみと彼女達との間には大きな違いがある。
ひとみは誰にも知られてはいけない、「本当は男である。」という秘密があることだ。
すると、隣にいた新メンバーの一人、石川梨華がひとみに話しかけてきた。

「吉澤さん、よろしくね。仲良くやろうね。」

ひとみは彼女とオーディションのときに話したことがある。とても可愛い声をしているな、
という印象を持っていた。
しかしそれほど親しくはなかった。(と思う)

「うん、よろしく。・・ねぇ石川さん、これからはヨッスィーって呼んでよ。」


11 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月25日(水)09時41分46秒

「ヨッスィー?」
「そう。みんなからそう呼ばれてるんだ。だからそうやって呼ばれた方が仲良くなれそうな気がするんだ。」

ひとみは他メンバー
12 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月25日(水)09時57分34秒

ひとみは他のメンバーたちと会ったときにはこう言って仲良くなるきっかけをつかもう、と決めていた。
ひとみの期待した通り、石川は人懐っこそうな笑顔を見せて言った。

「うん、わかった。じゃあ私も梨華ちゃんって呼んでね。」
「オッケー、梨華ちゃん。仲良くしようね。」

二人のやり取りを、新メンバーの他の二人がじっと見つめていた。
この二人は、どちらもやっと中学に入ったばかりの十二歳。少し年上のひとみや石川とは、
まだあまり馴染めずいた。
彼女達の視線に気づいたひとみは、こういう場合は年上の方から話しかけてあげた方が良いと思い、
彼女達に話しかけようとした。

その時、遠巻きに控えていたテレビスタッフ達がざわつきはじめた。


13 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月26日(木)14時44分56秒

それを見てひとみをはじめ、新メンバー全員の体がピクリと動いた。
現メンバーとの対面の瞬間が近づいたことを悟り、体中を緊張が走ったのである。
ひとみも、他の子に話しかけるどころではなくなった。
しかしその緊張は大好きなモー娘。に会えるという喜びからくる緊張だったので、
ひとみの口元は自然と上がっていた。
しばらくして、男性スタッフの大きな声が部屋に響いた。

「モー娘。入りまーす。」

アルミ色の扉を開けて、モーニング娘。のメンバーが一人ずつ入ってきた。
先頭で入ってきたリーダーの飯田圭織がじっと新メンバーを見つめた。
彼女は目つきが鋭いうえに背も高く、その迫力ある存在感に圧倒されたひとみ達は、
更に緊張が高まった。
その時、モー娘。のムードメイカー・矢口真里の甲高い声が、部屋中に響きわたった。

「うっわ〜、わっか〜、ちっちゃ〜。」

14 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月26日(木)14時56分02秒

それは、見た目も小さい十二歳コンビを見て矢口が思わずあげた声だった。
しかし、彼女自身とても小さいので、すかさず他のメンバーから、

「矢口より大きいよ」

とつっこまれた。
このやりとりで、周囲に笑いがおこり、ひとみ達の緊張もほぐれていった。
数分後、現メンバーと新メンバー、それぞれが横一列に並び、「初対面」の撮影が」始まった。
スタッフの指示で石川から自己紹介が始まった。その間ひとみは、声が裏返ったりしないよう、
心を落ち着かせていた。
石川の自己紹介がおわり、ひとみの番がきた。
15 名前:トロイ 投稿日:2002年12月26日(木)15時09分36秒
うわぉ!
よっすぃ〜が男!
おもろいっすね!
続き楽しみ〜!
いしよし最高!!
僕はこういう話大好きです!
よっすぃ〜が男・・・。最高だぁ。。。
16 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月26日(木)15時10分46秒

「吉澤ひとみです。埼玉県出身です・・・」

そう言いかけたとき、ひとみは自分に注がれる強い視線を感じた。
これまでの人生で感じたことのない強烈な視線である。
メンバーみんなが見つめているからかと思ったが、どうも違う。
誰か「一人」が自分を見つめている、そう感じた。
ひとみは自己紹介中も上の空で、その視線の送り主が誰なのか探るため、
一列に並ぶ先輩メンバー達を見回してみた。

すると、列の右端にみんなから一歩下がって並んでいる、帽子を深々とかぶった少女から
なにかを感じた。その子の名前は後藤真希。一年前に加入し、モー娘。を全国的アイドルにした立役者である。
ひとみも彼女の大ファンであった。
その彼女に見つめられている・・・?

17 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月26日(木)15時22分21秒

ひとみは悟られないようにしながら彼女を注意深く見た。
深くかぶった帽子で目線ははっきりつかめないけど、私を見ているのは彼女だ、
とひとみは確信した。
次のメンバーの自己紹介がはじまってもまだ見られている気配は消えない。
ひとみは思った。

(どうしてだろう、・・同い年だから意識してるのかな?・・・)

ひとみは大好きな後藤真希が視線の送り主だと知って、あまり嫌な気分ではなかった。
・・ただ、少しだけ胸騒ぎがした。

実はその胸騒ぎは結果として的中することになる。
この時、後藤真希の頭の中はひとみが最も恐れていることで一杯になっていたのである・・。

18 名前:第二話 「対面」 投稿日:2002年12月26日(木)15時36分00秒

後藤真希は少し混乱していた。
吉澤より後の新メンバーの自己紹介は、頭の中に入ってこなかった。
ただひとつ、ひとみのことだけを考えていた。

(この感覚は何?吉澤とかいう子を見たときのこの感覚。
 後藤の体中を走るこの変な感覚は・・・。)

彼女は子供の頃、いわゆる「第六感」が強かった。
そんな彼女だからこそ、ひとみを見たときその中に何か異質なものを感じたのだろう。
そしてその異質さの原因を彼女は突き止めかけていた。

(男・・?まさか、そんなこと・・。)

新メンバー全員の自己紹介が終わろうとしていた時、後藤はそんなことを思っていた。
ひとみは彼女の視線を気にしながらも、自分の秘密を感じ取られているとは
夢にも思っていなかった・・。

19 名前:味噌よーぐると 投稿日:2002年12月26日(木)15時45分20秒

第二話終了です。
つぎ、第三話 「同い年の二人」です。
20 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月26日(木)21時46分56秒
吉子が男だぁー面白そうですね。
よしごまだったら嬉しいなぁ!
21 名前:味噌よーぐると 投稿日:2002年12月26日(木)22時28分02秒

おぉ、レスがきてる!ということで感謝感謝のレス返しです。

>トロイ様
 
 レスありがとうございます。おもしろいっていってもらえると
 うれしいですねぇ。最高ですか?
 駄文ですがどうぞよろしくお願いします。

>名無し読者様

 レスありがとうございます。
 はい、一応よしごまにするつもりですが、
 話が進んだらちょっといしよしもいれようと思ってます。
 よろしくです。

 では、更新スタートです。

22 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月26日(木)22時41分25秒

新メンバー決定のニュースが全国のテレビや新聞で流れはじめた頃、
ひとみの母は胃の痛い毎日を送っていた。
いつひとみが男であるとバレるか、心配で仕方がなかった。
現在住んでいる町ではひとみは完全に女の子として暮らしているが、引っ越す前に
住んでいた町ではひとみは男の子として暮らしていた。
その町の人がテレビでひとみの姿を見たら、気づいてしまうのではないか。
母は今更ながらひとみのモー娘。入りを後悔していた。

その頃、母親の悩みなど知らぬひとみは、初めてのジャケット撮影に挑んでいた。
母と違いひとみは、自分がテレビに出るようになっても絶対にバレないという自信をもっていた。
なぜならひとみは小さい頃から自分が「女性アイドル」になったときに正体がバレないよう、
様々な計画を実行していたからである。

23 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月26日(木)22時59分06秒

小学校時代、ひとみはずっと坊主頭だった。
髪が伸びたら誰だかわからなくなるようにするためである。
また、普段からおとなしくて、クラブにも入らず、友達を一人もつくらなかった。
親しくなれば、わずかな顔の特徴まで覚えられてしまい、いつか自分と気づかれてしまう危険があるからだ。
さらにひとみは、音楽の時間、わざと声を変えて歌っていた。
将来歌を出したときに歌声でバレてしまわないようにするためである。
このようにしてひとみは、アイドルとしての未来を守るための万全な計画を立てて生きてきた。
もちろんひとみは普段の生活でも、男ときづかれないテクニックを十分に身につけている。
今日の撮影でも当然着替えがあるわけだが、ひとみは服を脱がずに
素早く着替えることができる。
恥ずかしがりやだと他人に思われるかもしれないが、怪しまれることはない。
カメラのフラッシュを浴びながら、ひとみはアイドルとしての第一歩を踏み出した喜びを
全身で感じていた。まさか近くに自分の正体を疑う存在がいようとは、
考えようともしなかった。

24 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月26日(木)23時34分47秒

眠くなったんで更新終了です。(w
明日も更新できるとおもうので。
では、

25 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月27日(金)15時15分07秒

「後藤さ〜ん、握手してくださ〜い。」

新メンバーの一人、加護亜衣が後藤に話しかけた。
この四月から中学生になった彼女だが、背がとても小さく、
また声も可愛らしい為、まるで小学生くらいの印象を見る人に与えた。
後藤は子供をあやすように、

「はいはい、よろしくね。」

と言いながら握手をしてあげたが、その頭の中ではひとみに対する疑念が
グルグルと回っていた。

彼女がひとみの中に見た異質な部分、
それがひとみは男であることから感じられるものではないかと、
後藤はそう思いはじめていた。
一方で、まさかそんなはずないという思いも強かった。

確かめたい、そう思った。


26 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月27日(金)15時23分55秒

ちょうどひとみは今、個人撮影のために別室で着替え中である。
覗いて確かめてみたかった。
しかし、加護に続いてもう一人の十二歳メンバー、
辻希美まで後藤のまわりに寄ってきたため、
その場から離れることが出来なかった。

「後藤さ〜ん、私も握手してくださ〜い。」

後藤の大ファンだった辻は、憧れの人に会えた喜びを顔中に表して走り寄ってきた。



27 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月27日(金)15時32分19秒

辻も加護と同じように見た目が小学生のような可愛らしい女の子で、
この二人が揃うとまるで、修学旅行で遊びにきた子供たちのようである。
後藤は二人の相手をしながら思った。

(つんくさんなんでこんな小さい子たちを入れたんだろ?
 しつけが大変だこりゃ・・。)

そうしている間に後藤はひとみのことを忘れかけていたが、
ちょうどそこへ撮影を終えたひとみが近づいてきたため、
先程までの疑念がまた頭を支配しはじめた。

28 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月27日(金)15時47分46秒

ひとみは辻と加護が後藤と仲良く話しているのを見て、
自分も同じように彼女と仲良くなりたいと思い話しかけた。

「吉澤ひとみです。後藤さんと同い年なので、仲良くしてください。」
「え、あ、うん、よろしくね。」

後藤は意識しないようにしようという気持ちが働きすぎて、ぎこちない返事をしてしまった。
返事が少し不自然なのを感じたひとみも、自己紹介での後藤の自分に対する視線を思いだし、
二人の間に気まずい雰囲気が流れ出した。
ひとみはこの雰囲気を消そうと思い、前に石川話したようにあだ名の話題を持ち出した。

「あの、後藤さん、よかったらよっすぃーって呼んでくれませんか?」

すると加護がいきなり、

「あ、私ねぇ、あいぼんって呼ばれてるんですよ〜。」

29 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月27日(金)16時05分07秒

続いて辻も入ってきた。

「私は〜、自分のことののって呼んでるんで、そう呼んでくらさ〜い。」

その後の会話の中心はこの二人に移ってしまった。
ひとみはとりあえず気まずい雰囲気がなくなったことにホッとしながらも、
後藤が自分をこれほど意識する理由がなんなのか気になりはじめた。

そのうちに後藤がが個人撮影に呼ばれ、その場を離れることになった。
ひとみは彼女の反応をもう一度確かめるため、後藤に話しかけた。

「いってらっしゃい、後藤さん。」

後藤はひとみの方を向き、笑顔で答えた。

「私もね、ごっちんとかでいいよ、よっすぃー。じゃ、行ってきます。」


30 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月27日(金)16時58分20秒

ひとみと後藤の会話聞いていたまわりのスタッフたちは、
この二人はすぐに仲良くなれるな、と誰もが思った。
それぐらい会話としては何の不自然さのなく、
同い年の女の子同士らしいやりとりであった。
しかしこの時、後藤はひとみから妙に目を逸らして返事をしていた。
いや、正確に言えば目を合わせることが出来なかった。
それに気づいたひとみは、後藤の一連の行動に対する不安が自分の中で
どんどん大きくなっていくのを感じた。
彼女が自分を意識する理由を知りたいと思った。

その頃、もう一組の同い年コンビは、スタッフが持ってきたお菓子を食べるのに夢中だった。

31 名前:第三話 「同い年の二人」 投稿日:2002年12月27日(金)17時02分17秒

ほい、第三話終了です。
一応更新終了ですが、夜もできたら更新したいと思います。
次は、第四話 「少し暑い夜」です。 では・・
32 名前:味噌よーぐると 投稿日:2002年12月28日(土)15時31分07秒

はじめたばっかなんですけど、明日から4日まで旅行いくので
更新できません。放置じゃないので、
次の更新は5日からになりそうです。

33 名前:名無し読者 投稿日:2002年12月29日(日)23時55分00秒
旅行からのお帰り、首を長くして待っておりまふ。

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