希望的観測
- 1 名前:エロ火 投稿日:2002年12月24日(火)16時26分23秒
- 初心者です。
スレタイ通り優しく見てやってください。
感想やご指摘を貰えると喜びます。
では始めます。
- 2 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時27分10秒
「スノースマイル」
- 3 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時28分15秒
「のの、ここだよここ!!」
「うん。たぶんここだね!」
私達は宝の地図に書かれていた場所にやっとたどり着いた。
この宝の地図は私の家の倉庫から見つけた物。
冬休みになって暇だったからあいぼんと一緒に宝捜しの冒険に出た。
ここは丘の上の枯れた木が一本だけ立っている場所。周りは雪で白い地面に青い空だけ。
宝の地図にはこの木の下にお宝が埋まっていると書いてある。
私達はここに宝物があると信じている。
だってこの木には不思議な噂があるから。
「ののほるぞ!」
「うん、ほろう!」
あいぼんとシャベルでほり始めた。
でも、ほってもほっても土や空き缶が出てくるばかりでお宝らしい物は何も出てこなかった。
あいぼんも私も疲れたのでシャベルをおいて座り込んだ。
息は真っ白だった。
- 4 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時30分24秒
「なぁ、のの。本当にここなの?」
「えっ。たぶんここだと思うよ」
「たぶんじゃ困るんだよなぁ。たぶんじゃ」
「何それ!?あいぼんだってここに間違いないって言ってたじゃん!」
「だいたいその地図うさん臭いんだよなぁ〜〜」
「なんだとー!!ののがこの地図見せたら、探しに行こうって言ったのあいぼんじゃん!!」
「だってののが行きたそうな顔しているから、しかたないから誘ってあげたんだもん」
「なんだとぉぉー!あんなに目を輝かせて『ののこれで億万長者やな!ビルゲイツ超えたな!』って言っていたの誰だ、この歯無し!!」
「ほぅ…私が大人の態度で接してあげているのにそういう態度をとるか、このデブ!」
「あいぼんだって太ってるじゃん!」
「ののほどじゃないわぁ!」
「もういい、あいぼんなんかと話さない!!」
「こっちのセリフや!!」
- 5 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時31分37秒
あいぼんの顔を見なくていいようにに少し離れた場所に移動した。
いつもこうだ。
私たちはいつもこうやってケンカしてしまう。
でもいつも悪いのはあいぼんだ。私はいっつも悪くなんか無い!
後ろであいぼんが何か言っている。
いつもは私から謝っているけど今日は先にあいぼんが謝るつもりかな。
しかたない。私は大人だから許してあげよう。
そう思って後ろを振り向いたらあいぼんが誰かと話していた。
誰?すごい背が高くてすごい美人の人だった。
あいぼんがこっちを向いた。
- 6 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時33分22秒
「ののもこっちに来なよ。お姉さんが探している物があるんだって」
あいぼんの関西弁が直っていた。
なんか気が乗らないけどあいぼんのためじゃなくて
美人のお姉さんのために二人がいる場所に向かった。私は大人だから。
あいぼんは何もなかったようにこう言った。
「のの、おねえさんの探し物一緒に探してあげようよ。どうせ宝物なんて出てこないし」
「…うん」
「何?さっきの事まだ気にしているの?いいかげん大人になりなよ。
お姉さんが困っているんだから助けてあげようっていう気持ちにはなんないの?」
「……」
- 7 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時35分05秒
- すごい納得いかない。どうしよう、あいぼんの前髪引っこ抜いてやりたい。
私がこのハゲをどうしてやろうかと悩んでいるとお姉さんが私の顔を覗き込んで言った。
「ごめんね。迷惑だったらいいよ」
お姉さんは笑っていた。
色が白くて雪みたいな人だった。
触れたら溶けてしまいそうな気がした。
あまりに綺麗な笑顔でなぜか少し怖くなった。
「そ、そんなこと無いです。探します、喜んで探します!!」
そんな気持ちを見抜かれないように私は慌てて答えた。
「本当に?ありがとう」
お姉さんはまた雪みたいに笑った。
そして私の頭をなでてくれた。
お姉さんの手は寒い風のせいか冷たい。
でもなぜか私は暖かい気持ちになっていた。
「ののもやっと大人になったか」
このハゲの前髪は探し物を見つけてから考えよう。
- 8 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時36分33秒
- * * * *
お姉さんは何年か前にこの場所に来た時に、落し物をしてしまったと言っていた。
その落し物は恋人からもらった金の指輪らしい。
私やあいぼんには恋人がいないけど、もし恋人からもらったプレゼントなら大切にするし、指輪ならなおさらだ。
無くしちゃったらやっぱり悲しいし何があっても見つけ出したい。
「お姉さん何があってもその指輪は私とのので見つけ出します!なぁ、のの!」
「もちろん。もうノンストップです!!」
私とあいぼんは軍手とシャベルを装備し直してもう一度冒険の旅に出た。
- 9 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時37分38秒
「んんりゃぁぁーー!」
「とおぅぅーーー!!」
「あちゃぁぁーー!!」
「おちゃぁぁーー!!」
「げんまいちゃぁぁー!!!」
あいぼんと私はさっきの宝捜しよりも真剣に本気で探した。
猛烈な勢いで手を動かし真っ白な地面にたくさんのクレーターを作った。
汗がいっぱい出て、マフラーや耳当てをいつのまにか外していた。
それでも楽しかった。自分達のためでなくお姉さんのために探しているのが嬉しかったのかもしれない。
- 10 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時38分48秒
「疲れたでしょ。もういいよ、ありがとう」
お姉さんが心配してくれたけどあいぼんも私も顔を上げずに答えた。
「まだまだ疲れてなんかいませーん。なぁのの!」
「あたりめぇーです!ののが止まる時は飯を食う時か指輪を見つけた時だけです!」
私はかなり強がった。
でもそれはあいぼんも一緒だ。
二人とも息があがっていたし、私の腕や腰はもうやめようよと何度も話しかけて来た。
でもやめない。
お姉さんに絶対指輪を見つけてあげたいし、なによりあいぼんよりも先にギブアップだけはできない。
私達のそんな姿を見てお姉さんは白く透明に笑っていた。
- 11 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時40分10秒
いつのまにか空は白に近い青から黒に近い青に変わっていた。
私もあいぼんもマフラーと耳当てをもう一度着けなおしていた。
寒かった。辛かった。でも止められない。
もうお姉さんに笑って欲しくないから。
私もあいぼんも泣いていた。口を噛んで泣いていた。
もう掘っていない場所なんて無かった。
宝物が出てこなかったあの木の下以外は。
- 12 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時41分20秒
「もうやめよう?私また来て探してみるから。ね、やめにしよう?」
お姉さんはまた笑った。
私は我慢できずに泣きながら言った。
「お…お願いです…最後にもう一度あの木を掘らしてくらさい…」
口がうまく回らなかった。
「お願いです!最後にもう一度だけ…」
あいぼんも涙を汚れた手で拭きながら言った。
お姉さんは笑わなかった。
その代りに少し悲しそうに頷いた。
- 13 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時43分25秒
- 私達はたぶん逃げていたんだ。
お姉さんは違う、お姉さんは違うって。
でも、掘らなきゃいけない。
お姉さんをここから助けたいなら掘らなきゃいけない。
私とあいぼんは掘り始めた。
二人とも黙って掘り続けた。
夜の何も無い音がひどく冷たかった。
わかっていた、絶対にこの木の下に指輪があることは。
さっきは何も無かったけど今なら必ず見つかる。
お姉さんがいるから。
お姉さんが探しているから。
ガチッ
────ほら見つかった。
- 14 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時44分33秒
- あいぼんはおかしい。
だって指輪が見つかって嬉しいはずなのに涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃになっていたから。
そう言おうとしたらあいぼんが先に言った。
「…のの、なんやその顔は…めっちゃ、めっちゃ不細工やで…」
「あい…あいぼんだって…あいぼんだって不細工だーーー!!」
私とあいぼんは抱き合って泣いた。
大声出して泣いた。
宝物が見つかったのが嬉しかったんじゃない。
不思議な噂通りだったのが怖かったわけでもない。
でも本当は怖かったんだ、お姉さんとさよならするのが。
- 15 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時46分21秒
「ありがとう」
お姉さんの声が耳元で聞こえた。
お姉さんの手が私の頭を撫でた。
ちっとも怖くない。怖くなんて無い。
でも目が開けられない。
見たくない。何も見たくない。
- 16 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時47分07秒
「ありがとう。やっと見つかったよ、あなた達のおかげで。本当に…ありがとう……」
お姉さんが鳴き声だったから目を開けちゃった。
お姉さんはやっぱり笑っていた。
涙をいっぱい流して笑っていた。
お姉さんの顔もぐしゃぐしゃだったから言ってあげた。
「…へへへ。お姉さんの顔も不細工だ…」
綺麗な顔が台無しだったけど、すごい暖かかった。
たぶんそのせいだ。
お姉さんはだんだん雪に溶けていった。
足の先からだんだん溶けていった。
- 17 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時48分02秒
「お姉さんもう行かなきゃ。約束があるから行かないといけないの」
「…だめなの、……もうここに居ちゃ…だめなの?」
あいぼんはわがままだ。だから子供なんだ。
私は我慢しているのに。
ののはガマンしてるのに。
でも何も言えない。涙と鼻水がしゃべるのを邪魔する。
「…私達のせいだ!!私達が見つけなきゃ良かったんだ!!」
「違うよ!…お姉さん嬉しかったよ。今まで誰も見つけてくれなかったんだもん。
お姉さんだって少し諦めそうだった、でも二人が見つけてくれて良かった。本当に良かったよ。ありがとう」
あいぼんはまた大声出して泣き始めた。
本当に子供で困る。
- 18 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時50分15秒
- ののはもう泣かない。
口を噛んでガマンする。お尻をつねってガマンする。
だから、だから
「…お姉さん……行かないでくらさい」
しゃべっちゃったら涙も鼻水も遠慮しないで流れた。
「ありがとう。でもごめんね、もう…行かなくちゃ。
探し物見つかったから約束を守らなくちゃいけないの。
約束は破っちゃいけないでしょ?」
お姉さん、もう笑わないで。
優しく暖かく笑うから溶けちゃうんだ。
- 19 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時52分07秒
「そうだ、これプレゼント」
そう言ってもうほとんど見えない手で指輪をくれた。
「…で…でも…これ…」
「いいの。お姉さんはもう着けられないし、ここからさようならしないと。
指輪があると、さようならできないから。
それに二人に指輪と同じくらい大切な物もらったよ、プレゼントはもらったらお返ししないと」
もうお姉さんの体は何も見えなかった。優しい声だけが小さく聞こえた。
雪に溶けちゃった。雪に溶けちゃったよ。
- 20 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月24日(火)16時54分03秒
「…どこに行っても忘れないから。二人のこと忘れないから……」
星が綺麗な夜空からそう聞こえた気がした。
気のせいかもしれない。
あいぼんはずっと泣いているから何も言わない。
もう一度声が聴きたくて空を見た。
たぶん、うんうん、確かに言ったんだ。お姉さんが言ったんだ。
だって雪が降ってきたんだもん。
私の頬で涙と雪が混ざって溶けた。
冷たいのに暖かい。
お姉さんの雪だ。
真っ白で綺麗で優しくて冷たくて暖かいお姉さんだ。
だから私は涙を拭いてお姉さんに向かって言った。
「ののもあいぼんもわすれないよ!!ゆびわ無くさないから!!お姉さんのプレゼント絶対大切にするから!!!」
- 21 名前:エロ火 投稿日:2002年12月24日(火)16時56分28秒
- 11の最初に* * * *入れるの忘れた…
- 22 名前:エロ火 投稿日:2002年12月24日(火)16時57分18秒
- 一応終わり
- 23 名前:エロ火 投稿日:2002年12月24日(火)16時59分32秒
- クリスマスなんてだいっ嫌い…なんちゃって
- 24 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月26日(木)15時47分17秒
- * * * *
家に向かう電車の中で今日の事を思い出していた。
あまりにも不思議な一日だったから何をしたのかよく覚えてない。
でもお姉さんの事は忘れない私の指にずっとこの指輪がある限り。
「…はぁ、お姉さん行っちゃったね」
眠りから覚めたばっかりの眼を腫らしたあいぼんが言った。
「うん…でもこれがあるからののはお姉さんの事忘れないよ!」
私は右手の親指をピンッと立てた。
- 25 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月26日(木)15時48分57秒
「そうだね…私が大切に着けておくから忘れないね。
さぁのの、そろそろ指輪返して」
「はぁ?なに言ってんのあいぼん。ののが着けているから心配しなくても大丈夫だよ」
「わかるよ。ののの気持ちもわかる。でも借りた物はちゃんと持ち主に返さないとダメだよ」
「だからなにを言っているの?コレはののがもらったんだよ!」
「いいかげんにしとき、のの。もう子供は卒業しいや!それは私がお姉さんにもらった物やろ!」
「子供、子供ってどっちが子供だよ!これは直接ののがお姉さんにもらった物でしょ!!」
「あの時は私が泣いていたからしかたなしにののに渡したんやろうが!
いっちゃぁん最初にお姉さんの手助けを決めた私がもらうのが筋っちゅうもんやろ!!」
「バーカ!ののがもらったんだからののの物に決まってんじゃん、バーカ!」
「このデブ、それ返せや!!」
「や〜だよ!ののがもらったんだもん!!」
…へへへっ。あいぼんとのケンカもいつもよりなんか楽しい!
自然に笑顔がこぼれちゃう。
全部お姉さんのおかげだ。
- 26 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月26日(木)15時50分36秒
ははは。あいぼんちょっと痛いよ。
ははは。ちょっとやりすぎじゃない?
はは…痛いってば。
は…ちょっと!なにすんだよ!!あっ!?指輪返せ!!
あいぼんは真っ白な憎たらしい顔で笑っている。
お姉さん…やっぱりあいぼんの前髪は抜く事に決定しました。
- 27 名前:スノースマイル 投稿日:2002年12月26日(木)15時51分21秒
「スノースマイル」 おわり
- 28 名前:エロ火 投稿日:2002年12月26日(木)15時52分31秒
- 言い忘れていましたが短編を書かせてもらいます
- 29 名前:エロ火 投稿日:2002年12月27日(金)22時14分41秒
「よくある愛の形」
- 30 名前:よくある愛の形 投稿日:2002年12月27日(金)22時16分36秒
「いつまでも一緒に居てくれるよね?」
「死んでも愛してくれるよね?」
「かわいそうだなんて思ってないよね?」
「私の事好きだよね?」
「理由なんて要らないよね?」
「悲しみは二人には必要ないよね?」
- 31 名前:よくある愛の形 投稿日:2002年12月27日(金)22時17分39秒
「夜になれば別々だよ」
「死んだらそこで終わりだよ」
「残酷な答が欲しいなら答えてあげるよ」
「私は特別に好きな人なんていないよ」
「一人になりたいのは理由があるんだよ」
「隣に誰が居ても私は悲しいよ」
- 32 名前:よくある愛の形 投稿日:2002年12月27日(金)22時18分42秒
「みんな嘘。梨華ちゃんを世界で一番愛してるよ」
- 33 名前:エロ火 投稿日:2002年12月27日(金)22時19分18秒
「よくある愛の形」
- 34 名前:エロ火 投稿日:2002年12月27日(金)22時39分40秒
- おわり
- 35 名前:エロ火 投稿日:2002年12月29日(日)23時19分55秒
「人気者の愚痴」
- 36 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時21分00秒
私はモーニング娘。…だと思う。
ここじゃ忙し過ぎて自分を見失いそうになる。
- 37 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時21分55秒
私はモーニング娘。でもあれば年相応の女子高生でもある。
だからという訳じゃ無いけどスポーツもする。
サッカーとかテニスとか剣道とか他にも色々。
あっスポーツの前には体操もした方がいいよ。
これはあんまり言いたくないけど結構ケンカも強いんだ。
運動神経イイからね。
だから男の子の格好をする事もあるんだ…
- 38 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時22分45秒
こういう世界では本当に様々な仕事をさせられる。
バーテンダーになったりレーサーになったり写真家、殺し屋、格闘家、その他にもたっくさん。
なんか体を使う仕事が今思うと多い気がする…
忙し過ぎたせいかな、すげー病気になった事もある。
売れっ子は辛いよ…
- 39 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時24分18秒
後はなにしたっけなぁ…
あっそうだ歌も歌うよ、そりゃ。
ギター弾いたりベース弾いたり。見えないでしょう。
趣味で小説を書いたりもするよ。
意外と多趣味なんだよ。
- 40 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時28分01秒
記憶を無くした事があったわ、あれは大変だった。
みんなを困らせた事もあるけどメンバーに掻き回されることの方が多い気がする。
一番常識があるのは実は私じゃない?
天才だと言ってくれる人もいるけど
ほとんどの人にはバカだと思われてるっぽい。失礼な話だ。
- 41 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時29分17秒
超能力が目覚めた時もある。
過去に行ったりね。
嘘じゃないよ!
これは内緒の話だけど実は人を殺した事もあるよ…
それも結構たくさん…
その逆も…
冗談だよ!冗談。現実離れした話しちゃった。アンリアルってやつだよ。
- 42 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時30分41秒
私も十年以上生きている中でたくさんの人を好きなった。本当に色々な人を…
それなりにエッチなことも…まぁアイドルといっても人間だからね。
愛される事も多ければ愛する事も多いのさ。
ふっ。私ってカッケー!
- 43 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時33分34秒
モーニング娘。になってから
本当にたくさんのコトがあって、たくさんのコトをして、たくさんの私がいるみたいで
なんだか自分が時々わからなくなるんだ。はぁ…
- 44 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時35分17秒
- …でも
- 45 名前:人気者の愚痴 投稿日:2002年12月29日(日)23時36分27秒
- どんな事があってもいつも私の側には
「おそいよ、よっすぃー!!」
そう彼女がいる。
だからもうちょっとだけ頑張ってみるよ!
- 46 名前:エロ火 投稿日:2002年12月29日(日)23時37分13秒
「人気者の愚痴」
- 47 名前:エロ火 投稿日:2002年12月29日(日)23時38分01秒
改め「人気者ののろけ」 おわり
- 48 名前:エロ火 投稿日:2003年01月02日(木)03時34分05秒
「118」
- 49 名前:1.里沙ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)03時35分23秒
ふう〜〜。
明日ってなんで来るんだろう…。
明日なんて何も楽しい事なんてないのに…。
はぁ〜〜。
- 50 名前:1.里沙ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)03時37分13秒
- 「どうしたの麻琴ちゃん?」
あっ里沙ちゃん。
「ため息なんてついちゃってなんかイヤことでもあった?」
ん〜。どうしようっかなぁ、一応里沙ちゃんに聞いてみるか。
「あのさぁ?」
「なぁに?」
「里沙ちゃん明日って好き?」
「はぁ?何言ってるの麻琴ちゃん」
「あのね、私明日が嫌いなの。どうすればいい?」
「そ、そうなの、どうしよっかぁ…」
あぁ〜あ、里沙ちゃん困ってる。
やっぱり言わなければよかった…。
- 51 名前:1.里沙ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)03時40分19秒
- 「…そうだ!!明日が来ないようにすればいいんだよ!」
「あ、明日が来ないように?」
「そう、明日が嫌いなら明日が来ないようにすればいいの」
「そっか、明日が来ないようにか。……でもどうやって?」
「そんなの決まってるじゃん。どんな手を使ってでもだよ」
「どんな手を使っても!?」
「そうだよ、いい麻琴ちゃん。自分がかなえたい事は願ってるだけじゃだめなの。
夢はどんな手を使ってでもかなえなきゃ。何を言われてでもかなえなきゃ。
かなえなきゃダメなんだ…。…絶対…かなえなきゃ…」
かなえなきゃ、かなえなきゃって、ずっとつぶやきながら里沙ちゃん笑ってる……。
「わっ、わかったよ里沙ちゃん!!あっ、ありがとう!ありがとうね!」
とりあえずお礼を言ってここから逃げ出さなきゃ。
- 52 名前:1.里沙ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)03時45分43秒
「私この後収録あるから。じゃ、じゃあね!!」
「あっ!麻琴ちゃん!!」
「ん?」
「私達は友達だから!」
……。
「ありがとう。里沙ちゃん」
ちゃんとおじぎをしてお礼を言わないとね。
- 53 名前:2.愛ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)15時28分06秒
「だからぁ〜言っとうしょ」
あっ愛ちゃんだ。
「もぉ〜。ちゃんと人の話聞いとる?」
おはよう。電話してるから手だけで挨拶しとこう。
- 54 名前:2.愛ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)15時30分19秒
- 「おっ!?麻琴ぉー!!またでんわぁすっから、じゃんねお母さん!」
あれ。切っちゃったよこの人。
「おっす麻琴!調子はどうだ!」
「まぁ〜まぁ〜かな。それより電話よかったの?」
「電話なんていつでもできんよ。それより、なにまぁまぁって。おっかしな麻琴。ははは!」
「……ははは」
「……どうしたん?いつもみたいな元気ないぞ」
「んん〜。ちょっと…」
愛ちゃんすぐ人のことバカにするから愛ちゃんには言えないよ。
- 55 名前:2.愛ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)15時32分53秒
- 「なにちょっとって。ちょっとちょっとを教えてよ?なんちって」
「…ぷっ!もう、しかたいなぁ。じゃあ笑わないで聴いてくれる?」
「もちろんさぁ!笑うわけなぁーいじゃん」
「本当に?」
「ホント」
「本当に本当?」
「ホントにホント」
「本当に本当の本当?」
「しつこいなぁホントつったらホントだよ!」
- 56 名前:2.愛ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)15時35分50秒
- 「じゃあ言うよ。あのね、私明日が嫌いなの」
「あっ明日が嫌い!?」
「うん。どうしたらいいと思う?」
「明日が嫌い…明日が嫌い。明日が嫌いって…ぷぷぷ」
「あっ今笑ったでしょ!!」
「わ、笑ってなんかないよ!だって明日が嫌いなんでしょ?そりゃ大変だもん。
そっかぁ明日が嫌いねぇ。明日があるさ明日があるって歌う人がいるのに、明日が嫌いかぁ…大変だなぁ」
「絶対バカにしてるでしょ!もういい!!」
「うっ、嘘だよ麻琴!!ほらなんか笑わなくちゃいけない流れだったじゃない?
嘘だってば別に面白くなんかないよ!麻琴が面白い事なんて言う訳無いじゃん!」
なんか必死だけど、私がかなり傷ついている事に愛ちゃんは気付いていないのだろう……。
- 57 名前:2.愛ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)15時45分25秒
- 「ほらあれでしょ!明日が嫌いなんでしょ!わかった、わかったイイこと浮かんだ!!」
「……じゃあ何イイことって?」
「えっ!?イイこと!?イイことって…あれさあれ!!」
「だぁーかぁーらー!!あれってなぁーに!!」
「だからアレですよ!アレ…そう、そうだ!!明日が来てもいいように準備するんだよ!!」
「……明日が来てもいいように準備をする」
「そう!そうだよ!明日が来てもいいように準備するんだよ!
少し麻琴をからかってたんだよ!最初から浮かんでたさ。あっ、あはははは」
愛ちゃんが額の汗をふいたのを私は決して見逃さなかった。
- 58 名前:2.愛ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)15時48分34秒
- 「なんか納得いかないことがいっぱいあるけど、明日のために準備するってのはいいアイデアだね」
「そう、そうでしょ!あはは私ってばやっぱりすごいな!
なんか困った事があったらいつでもこの愛さんに相談しなさい!」
「もう調子いいんだから愛ちゃんは」
「なぁははは!よかった麻琴が元気になって」
「……。愛ちゃん…」
「麻琴…」
「……」
「麻琴…こんなところでダメだよ…っていうか私達は友達以上っていうか恋人未満っていうか
それより女と女同士であるという問題が…いや!そんなことは小さな問題だね、二人の…」
愛ちゃんは目をつぶって一人で何かつぶやいている。
私の本能が身の危険を察知し私の足を愛ちゃんからとうのけた。
「…ん。結構麻琴の口って冷たいね…少し硬いし。顔も見た目通り平坦…ってやっぱり壁オチか!!」
- 59 名前:2.愛ちゃんの場合 投稿日:2003年01月02日(木)15時50分36秒
- 「じゃあね愛ちゃん!壁といつまでもお幸せに!!」
「ちょっと待って!ここは応援するんじゃなくて、つっこむところだよ!!って違うんだ!
そんな事が言いたいんじゃなくて。麻琴!私達はどんなことがあっても仲間だから!!」
「……うん、わかってる!本当にありがとう愛ちゃん!」
「おう!いつでも私に相談しいよ!どんな相談でも受けたるから。
もちろん恋の相談から…私と麻琴の愛の営み…」
愛ちゃんがまた一人でなにか言っていたけど、遠ざかる私の耳にはもう聞えなかった。
- 60 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時42分30秒
明日が来ないようにか…。
明日が来てもいいように準備をする…。
今日一日の事を布団の上で思い出す。
この二つの意見を合わせると明日が来ても来なくてもいいように準備をするってこと?
準備ってなんじゃ?
んー。
難しい、わからん。
はぁ〜。
どうしよう、このままじゃ何もできずに明日が来ちゃうよ。
助けて…。
「はぁ〜誰か助けて…」
声に出してみても誰も助けてくれない…。
- 61 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時44分44秒
- 「誰か本当に助けてよ…」
「うん。助けてあげる」
…って誰か言ってくれないかなぁ。
「誰か助けてくれないかなぁ」
「だから助けてあげるってば」
はぁ〜私も遂に独り言を言うようになっちゃった。
「で、何を助けて欲しいの?」
「あのね、私ね……」
ん?あれ今私しゃべってなかったようなぁ…。
「私がどうしたの?」
…!?今、確かに私はしゃべってない!
誰…まさか……ゆ、ゆ、ゆ、ゆうれいーーー!!!
「んわぁーー!!ごめんなさいごめんなさい!もうしませんもうしません!!」
うわぁ!!ど、ど、ど、どうしようどうしよう!!ゆうれいだ、ゆうれいだよ!!
でも布団をかぶったから大丈夫だ、中には入ってこない!中には入ってこれない!!
- 62 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時46分11秒
「お願いします!お願いします!ここから出てってください!
言う事聞きます!もっとダイエットします!
もうあさ美ちゃんと一緒にケータリングにずっといません!
頑張ってゴロウの芸も磨きます!だからお願いです!許してください!」
「え〜〜〜。もういっぱい食べるのやめちゃうの?
あぁ〜あ、じゃあ辻さんと一緒に食べるかぁ。」
そうしてくださいお願いします!!って辻さんの事も知ってるのこのユウレイ!!
……待って。今布団の中から声が聞えた……。
───ペタ。
わ、わ、わたしの、て、て、手をさわった…。
「うわぁぁ〜〜〜〜〜!!!」
布団の中にいる!布団の中にいるよ!!逃げなきゃ!!
────ガシッ。
足をつかまれたぁーー!!!!!!
……もうダメだ…腰が抜けてうごけない…ごめんなさいお母さん。
先立つ不幸をお許しください……
徐々に布団がもりあがってゆく。
だめだ、ついに出てくるんだユウレイが。
もう、終わりだ……。
・・・ガバッ!!
- 63 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時47分37秒
- 「でた〜〜〜!!キンギョオバケーー!!!」
「こんばんはぁ〜まこっちゃん!ビックリしたぁ?」
「……」
「はっはっは!ビックリして声も出ないだろう!」
「……」
「あれ、まこっちゃん?リアクションしてくんないと。
こっちは2時間も布団の中でまこっちゃんの帰りを待ち伏せてたんだよ。」
「……」
「もう聞いてるのまこっちゃん!」
「……ば…か…」
「ん、なに?」
「…ばか」
「ばか?」
「バァーーカァーーー!!!」
「うわぁ!なんだよぉ!」
- 64 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時49分21秒
- 「バカバカバカ!!あさ美ちゃんのバカ!あさ美ちゃんのバカ!」
「いっ、痛い痛い!痛いよまこっちゃん!ごめん、ごめん、ごめんなさい!」
「バカバカバカ!怖かったんだから!怖かったんだから!!」
「ごめんなさい、ごめんなさい!だってね、だってね、里沙ちゃんと愛ちゃんが
まこっちゃんが落ち込んでいるって言ってたから励ましてあげなきゃと思って!」
「だからってなんでおどかすんだよ!バカバカバカ!!」
「だって泣くなんて思わなかったんだもん!ごめんね、ごめんね!」
「もういいよ!ばぁーかー!」
「うわぁ〜ん!まこっちゃん泣かないで、ごめんね!
ほらハンカチ!ビックリしたら嫌な事忘れると思ったんだ、ごめんね!」
「だからもういいってば!チーーン!」
「あっ!?人のハンカチでハナかんだ!!」
「なに?ダメなの!人の事おどかして泣かしといて
ハンカチでハナかんじゃダメだって言うの!!」
「…ダメじゃないです」
- 65 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時51分45秒
- 「そうでしょ!だいたいなんで人の家勝手に入ってるのさ!!」
「だって、前もってまこっちゃんに言ってから来たってつまんないじゃん」
「そういう事じゃないよ!どうやってカギがかかっている私の家に入ったの!」
「それは日頃の経験から…」
「ひ、ひごろの経験!?」
「じょ、冗談だよ!そんな事どうでもイイじゃん!
それよりまこっちゃんが元気になって良かったよ!」
「・・・・・・」
「ねっ、まこっちゃん?」
「・・・まだ元気になんかなってない」
「えっ?」
「まだ元気になんかなってない!」
「えぇ〜〜〜?」
「なに、えぇ〜〜て!はげましに来てくれたんじゃないの?」
「・・・そうです」
「そうでしょ?」
「・・・はい。じゃあどうすれば元気になってくれますか?」
「・・・じゃあ真剣に私の悩みを聴いてくれる?」
- 66 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時54分48秒
- 「もちろん!」
「本当に?」
「本当に」
「そう言って愛ちゃんは笑ったんだよ!」
「私は笑わないよ」
「…絶対だよ?」
「うん。絶対」
「…あのね、私ね、明日が嫌いなの」
「明日が嫌い?」
「うん。どうすればいいと思う?」
「明日が嫌いか……」
「わからない?」
「……」
「やっぱり難しい?」
「……あっはははは!!!」
「あーー!笑ったぁーー!」
「だってさぁ、だって…あっはははは!!」
- 67 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時56分04秒
- 「もうイヤ!誰も信じない!!!」
「違うの、違うのまこっちゃん。
あのね、じゃあ聞くけど昨日も嫌い?」
「昨日の話なんてしてないの!
私は明日が嫌いだって言ってるの!」
「わかってるよ、だから聞いてるの。昨日は嫌い?」
「別に昨日は嫌いじゃない・・・昨日はもう終わった事だから。
明日は何があるかわからないから怖いの!」
「うんうん。じゃあ今日は怖かった?」
「今日?今日は・・・」
- 68 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)01時58分10秒
- 今日は…里沙ちゃんに会った。
で、里沙ちゃんに相談して、里沙ちゃんが壊れて…。
それから…
『私達は友達だから!』
…うん。
次に愛ちゃんに会ったんだ。
それで愛ちゃんにも相談した。
愛ちゃん笑わないって言ってたのに笑うんだもんなぁ…。
『麻琴!私達はどんなことがあっても仲間だから!!』
・・・・・・。
そんな事があった。
んで、あさ美ちゃんが今ここにいる。
- 69 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)02時00分59秒
- 「どう?今日は怖かった?」
「…怖くない」
「そう?じゃあ明日も怖くないよ」
「なんでさ!今日が楽しくても明日が楽しいとは限んないじゃん!」
「うん、そうだね。じゃあ今は?」
「今?今は…まぁ怖くはないけど…」
「じゃあ大丈夫!これからもずっと怖くないよ」
「だからなんで怖くないのさ!!」
「時計見てごらん?」
「ん、あっもう1時じゃん!?」
「そう午前1時だよ」
「わぁ〜こんなに遅くまで起きてたら明日の仕事が大変だよ。
というよりも今日か。はぁ〜」
「ほら!」
「なにが?」
「だからぁ、ほら!」
「だからなにが!」
「だからもう今日でしょ!」
「だからそう言って…ぬあ!?」
「でしょ?昨日が怖くなくて今日が怖くないなら
明日なんて全然怖くないよ!」
「……」
- 70 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)02時04分18秒
- 「ね?」
「…うん」
「でもね、明日が怖くないのは一人じゃないからだよ。
私だって一人で明日に行くのは怖いよ。考えたくも無い!」
「…うん」
「まこっちゃんもそうでしょ?」
「うん」
「でもまこっちゃんには友達がいて仲間がいる。」
「うん」
「だから明日なんて全然怖くない!!ね?」
「うん!!」
「あっ!?まこっちゃんまた泣いてる!!」
「うん!って泣いてないよ!!」
「泣いてるよ!うわぁ〜まこっちゃんって本当に泣き虫だよね」
「泣き虫なんかじゃないよ!!」
「泣き虫だよぉ、カギ開けられなかったぐらいでなくし」
「そんな昔の話持ち出すなよ!もういい寝る!」
「うん、そうだね。明日も仕事あるし…って今日か」
「プッ!そうそう今日も仕事あるからもう寝るよ」
「うん、おやすみ」
「おやすみ」
- 71 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)02時06分25秒
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「・・・ってなんで私の布団で寝てるんだよ!!」
「えっ?だって普通布団の中で眠るでしょ。
えっ!?まさかまこっちゃんは土の中で・・・」
「んなわけないでしょうが!!早く帰ってよ!!」
「ひ、ひ、ひどい!!命を助けてもらった恩人に対して
夜遅く、寒い中、いたいけな少女一人で帰れと?」
「別に命まで助けてもらってないもん」
「…そうですか。わかりましたよ。帰りますよ」
- 72 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)02時07分54秒
- 「うん、じゃあね。気をつけて」
「えっ!?マジで!!私のこと止めないの?」
「うん。」
「わかったよ!帰るよ!2時間も待ってたのに!
まこっちゃんの悩み聞いてあげたのに!帰るよ、本当に帰るからね?」
「だからじゃあね」
「……。さようなら…」
「あっ!あさ美ちゃん!」
「やっぱりね!なんだかんだ言ってもまこっちゃんなら止めてくれると思ったよ!」
「帰る時にひごろの経験でカギ閉めてってね」
「……はい」
- 73 名前:3.あさ美ちゃんの場合 投稿日:2003年01月03日(金)02時09分57秒
「あと…」
「ん?」
「私もあさ美ちゃんの友達だし仲間だから…」
「……うん!私だって!それに里沙ちゃんも愛ちゃんも!
もちろんモーニング娘。のメンバーみんなもね!」
「そうだね!」
「…じゃあ今日は帰るよ、おやすみなさい」
「おやすみー」
───ガチャ。
あさ美ちゃん、ひごろの経験でカギ閉めてくれたみたい。
- 74 名前:4.私の場合 投稿日:2003年01月03日(金)15時00分43秒
ふう〜〜。
そうか今日は明日でもあるし昨日でもあるのか。
明日が昨日で、今日なら何も怖くなんてない!
みんながいるから!
『私達は友達だから!』
里沙ちゃんがいるから!
『麻琴!私達はどんなことがあっても仲間だから!!』
愛ちゃんがいるから!
そして、
『こんばんはぁ〜まこっちゃん!ビックリしたぁ?』
あさ美ちゃんがいるから?
でもなんか明日が楽しみだ、わくわくして眠れない!
あっ明日じゃなくて今日か…。
…もうどっちでもいいや!
はやく明日よ来い!
明日が来たら言ってやる、明日さん来てくれてありがとう!
で、みんなにも言うんだ。
里沙ちゃんありがとう!
愛ちゃんありがとう!
あさ美ちゃんありがとう!
モーニング娘。のみんなありがとう!
昨日も今日も明日もありがとう!
みんなみんな本当にありがとう!!
はぁ〜〜。
はやく明日にならないかな。
- 75 名前:エロ火 投稿日:2003年01月03日(金)15時03分13秒
「118」 から 「119」 へ
- 76 名前:エロ火 投稿日:2003年01月03日(金)15時03分54秒
おわり
- 77 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月04日(土)02時38分42秒
- 五期のキャラ付がツボはいりました。またこの4人で色々書いてくれたら嬉しいッス。
- 78 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年01月04日(土)05時10分36秒
- 萌えた!!5期メン萌えたです。
でも人気者ののろけもすっげー良かったです!
いろんな話が入り混じってましたね。
58レスのようなたかおがを、また書いてほしいです…。
- 79 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月04日(土)13時22分59秒
- レスつかなくてもがんばれー
- 80 名前:エロ火 投稿日:2003年01月05日(日)14時50分25秒
「Kの沈黙」
- 81 名前:エロ火 投稿日:2003年01月05日(日)14時51分11秒
- 私が犯した行為は決して許される事ではないだろう。
モーニング娘。として、いや人として決して許される行為ではない。
しかし私一人には耐えられない。
誰かに言わなければ誰かに…。
- 82 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月05日(日)14時53分47秒
- 『
第一話
(おかしい……確かに三つあったはず…)
飯田圭織は悩んでいた。
その悩みはトイレに行っている間に自分の買った饅頭が3つから1つに減っていた事であった。
(おかしい……絶対三つあったはず、私は絶対食べてない。じゃあ一体なぜ?)
(嘘。本当はわかっている。この中にいる誰かが食べたに違いない!)
飯田は辺りを見回した。
この楽屋には今饅頭で悩んでいる飯田の他に
2人でなにやら話し合っている加護と辻
文庫本を黙って読んでいる紺野
そして携帯をいじっている吉澤達がいた。
- 83 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月05日(日)14時57分12秒
- 飯田はさらに悩んだ。
なぜならここにいる者達はグループの中でもよく食べる事で知られている。
こいつらなら誰が食べてもおかしくない。
一体誰が?
しかし飯田は冷静になって考えた。
(ふっ。バカらしい犯人なんて誰でもいいじゃない。
私はリーダーよ!こんな事で一々目くじら立てるなんて大人気ないわ)
飯田は自分自身に言い聞かせた。
- 84 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月05日(日)14時58分56秒
……ォ…
(そうよ。いいじゃない。おまんじゅうの一つや二つ)
自分の言葉に頷く飯田。
…ヵ…ォ…
(たとえ2時間並んで買ったとしても。
たとえ8時間仕事が終わるまで食べるのを我慢していたとしても)
(そうよ。私は大人。一個でも食べでればいいのよ。そう一個でも……って)
「なぅぁい!!!」
飯田は奇声を発した。
楽屋にいた全員の視線が一斉に飯田に注がれた。
- 85 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月05日(日)15時03分47秒
「何ですか飯田さん!?びっくりするじゃないですかイキナリ!」
吉澤は大きな瞳をさらに見開いて飯田に尋ねた。
「ここにあったおまんじゅうは!?ねぇカオリのおまんじゅうは!?」
飯田は誰に視線を合わせるでもなくおまんじゅうが入っている筈の箱を全員に見せた。
「なに言ってるんですか飯田さん?矢口さんが今さっきもらって帰ったじゃないですか?」
「なに言ってるの!?なんで矢口が!ねぇなんで!ちゃんと教えてよ!!」
「ちょっと待ってくださいよ。なんでそんなに怒っているんですか?
だって矢口さんが飯田さんにこのおまんじゅうもらって帰っていい?って聴いた時
飯田さん何度もうなずいていたじゃないですか!」
「なに言ってるのそんなわけ!……あっ!?」
- 86 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月05日(日)15時08分29秒
飯田は思い出していた。
先程饅頭について考えている時確かに自分は頷いていた。
微かだが何か声が聞こえた気もしていた。
しかし自分の視界には誰も映っていなかった。なぜ?
その謎は矢口という名前一つで全て解決してしまった。
(くそーーー矢口め!!誰かとお話するときは目線を合わせてお話ししましょうねと
小学校で習わなかったのかよ!だから好き嫌いしないで牛乳飲めって言ったのに!
だから厚底ブーツ手術して足に取り付けられたらいいのにねって言ったのに!
バカにして言ったんじゃなかったのに!ちきしょーーー!!カオリもミニモニ入りたいよー!!)
飯田は頭を抱え震えていた。
顔色は弱冠青ざめている。
- 87 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月05日(日)15時10分14秒
「なんだかよくわからないけど、飯田さん元気出してくださいね。じゃあ私帰ります」
吉澤は言った。
「あっ、じゃあ私も……」
「私もー。あんま怒るとしわ増えますよ」
紺野と加護が言った。
「飯田さん。ののもよくわからないけど応援しているので頑張って下さい!!」
辻は飯田に近寄ってなぜかガッツポーズをとった。
「じゃあお疲れ様でした」
そう言ってドアに振り向いた瞬間、辻の腕に痛みが走った。
- 88 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月05日(日)15時13分10秒
- 「いたい!」
辻の腕にはしっかり長い指が巻きついていた。
「……待ちなさい」
飯田が呟いた。
「じゃっお疲れ様でした!」
吉澤がドアのノブに手をかけた。
「待てと言ってるだろうが!!このスットコドッコイどもぉぉぉぉー!!!!」
飯田が咆哮を上げた。
飯田以外の全員の背筋がビックと伸びた。
「ここから全員出るな!これから連続おまんじゅう消失事件の取調べを始める!」
「「「「「え〜〜〜〜!!!」」」」」
彼女達の長い夜が始まった。
- 89 名前:エロ火 投稿日:2003年01月05日(日)15時37分31秒
レスありがとうございました!
>>77 名無し読者様
初レスありがとうございました!
初めての方のリクエストは絶対に答えようと思っていたのであの4人でまた書いて見ます。
そしていつかバイオレンスなかごよしも書きたいです。
>>78 りゅ〜ば様
自分でもこういう物が書きたいという形がまだ見えないので色々な物を書いて行きたいと思っています。
5期メンに萌えてくれてありがとうございます。
自分は娘の中で紺野さんと石川さん推しなので5期メンの話はまた書いてみます。おがたかも。
118は1月18日。119は1月19日で6期メンの発表の日です。
>>79 名無し読者様
うん、ボクがんばる!!
でも皆さんがレス付けてくれたおかげであと100ぐらいがんばれる!!
そして100がんばっても付かなかったらまた愚痴る!!
- 90 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年01月05日(日)17時09分09秒
- 更新お疲れ様です!Kの沈黙面白かったです。
この続きはあるんですよね?饅頭を誰が食べたかの続きあるんですよね?(ワクワク
推しメンのよすぃこが出てきてめっちゃ嬉しいです。
こういう話大好きなんでこれからも頑張って下さい!
- 91 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月06日(月)00時17分11秒
- 更新乙。1話ってことは2話3話と続くのでしょうか……。
リクして良かった。マターリ待ちますんでゆっくりどうぞ。
- 92 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月07日(火)20時22分19秒
- 第2話
吉澤ひとみは悩んでいた。
(もう〜、なんだよちきしょー!!時間来ちゃうよ……)
彼女にはいつまでもこの楽屋に居られない理由があった。
その理由は30分後に人と待ち合わせをしていたからだ。
先程携帯でやり取りしていたのもそのためであった。
メール先の相手は男ではない。家族でもない。しかしモーニング娘。のメンバーでもない。
- 93 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月07日(火)20時24分41秒
(ルーズそうな顔して意外と時間に厳しいんだよなぁ〜〜、…ごっちん)
そう彼女の待ち合わせの相手はモーニング娘。から卒業し今や一人で活躍している後藤真希であった。
(はぁ…どうしよう…久しぶりに遊ぶからごっちん楽しみにしてたもんなぁ……怒るだろうなぁ〜)
吉澤の心はすでにココには無い。
その吉澤の表情を見逃してくれるほど今の飯田は甘くは無かった。
「おい!!よっすぃー!何だよその顔は!
事件は会議室で起こってんじゃないよ!現場で起こってんだよ!!」
飯田はすでに錆付いているドラマのセリフを持ち出した。
しかし最近続編をやる事が決まったらしい。
- 94 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月07日(火)20時27分14秒
「はいはい聞いていますよ。犯人探すんでしょ、早く見つかるといいですね…」
「んんんんーー!!許せない!!何なのその態度、カオリのおまんじゅうが無くなっているんだよ!
犯罪だよ、犯罪!よっすぃーにはフクロウの話から始めないとダメみたいね……」
(ふっ、フクロウォー!!!!)
楽屋にいた紺野以外のメンバーの顔が一気に絶望の色へと変わった。
5期メンはまだ飯田からこの宣誓を受けていないのでなんとも思わないだろうが
5期メンより上の世代にとってこの言葉は笑ってやり過ごせるような軽い言葉ではなかった。
- 95 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月07日(火)20時30分37秒
- 「お願いします、それだけは!!私ウエイト落としてでも
一生懸命犯人探すので勘弁してください!!」
「私からもお願いします、よっすぃーだってつい出来心でやってしまったんです!
許してやってください!なぁそうやろ!よっすぃー!出来心やろ、出来心なんやろよっすぃー!!」
「うわぁぁああん!!ひどいです!いくらよっすぃーが悪くてもフクロウの話はひどすぎます!!」
全員正座で額を地球につけるような格好をしていた。
紺野はみんなの豹変振りに口を金魚のように開け呆然としていた。
「なにしてんねん、紺野ちゃん!はよぉあんたもあやまらんかい!!」
初めて聞く加護の関西弁に紺野は圧倒されいつのまにか紺野自身も土下座をしていた。
「そう、みんなにそういう気持ちがあるならカオリも一生懸命犯人探す!!
みんな頑張ろうね!!」
「「「「「はっ、ははぁーーー」」」」」
みんな顔を上げずに答えた。
フクロウという一言によって彼女達の首輪の先は飯田の手に渡った。
- 96 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月07日(火)20時33分59秒
吉澤は自分自身に誓った。
(一秒でも速く犯人を見つけて飯田さんに献上しなくては!
タイムリミットは30分!!これを過ぎたらごっちんにしばかれる!!
犯人は絶対私の手で捕まえてやる!!じっちゃんの名にかけて!!)
吉澤は自分が今どんな格好をしているのかも忘れ、探偵気分に酔っていた。
ちなみに彼女の祖父は普通のサラリーマンだったらしい。
- 97 名前:エロ火 投稿日:2003年01月07日(火)20時47分05秒
- レス感謝です!
>>90 りゅ〜ば様
ワクワク……だめだぁーー!!期待しちゃダメダー!!
僕には見える、この話の結末を見たりゅ〜ばさんが僕に向かって空き缶や石を投げつける姿が!!
お願いします、気を抜いて見て下さい!ネタ物として見て下さい!ネタとして見ても笑えないけど…。
今回はよっすぃーの話でしたが短くてすいませんでした。
>>91 名無し読者様
すいません。学校が始まっちまったんで書くスピードは格段に落ちています。
この話が終わったら、他にすでに書き上げてる稚文がありますのでそちらを載せていきたいと思います。
なので5期の話はもうちょい待って下さい。一応話しは考えたんですがオチが見つかりません…。
- 98 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月07日(火)23時19分25秒
- 保全(ウソ)
(0^〜^)<名探偵よっすぃ〜かっけー
- 99 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年01月08日(水)02時16分14秒
- オモロイ!ネタ系大好きなんでこれからも楽しみに更新待ってます。
ネタと推理満載。いいっすねぇ。
- 100 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)02時38分39秒
- 第3話
辻希美は悩んでいた。
(うんんんん……おトイレ行きたい!!!)
彼女は正座をした体勢で体をびくびく震わせていた。
(まずいよ!もうだめだよ!我慢できない!!)
その変化に気付いている者もいた。
- 101 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)02時46分41秒
- 辻の親友でありそして最大のライバルでもある加護亜依であった。
(あれ…ののどうしたんやろ?まさか……便所か!?)
(ここはどうするのが最善の手か……のの待っとれ今楽にしたるさかい!)
そう加護亜依も悩んでいた。
加護は親友の辻を助けるためにこの場をどう切り抜けるべきか真剣に考えていた。
- 102 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)02時51分29秒
- (うひょひょひょひょ)
というのは全くの嘘だ。彼女はどうやって辻を追い詰めるのかに全神経を集中させていた。
彼女は希代のいたずらっこであり子悪魔である。
人の不幸が大好きなお年頃なのだ。
それは相棒の辻にも言えることなのだが今回はその相棒が彼女のターゲットであった。
(まずい、もう限界だ!飯田さんに適当な事言ってトイレに行かせてもらおう)
「…あ…あの飯田さぁ…」
「あっ!!そうだ飯田さん、ここは身体検査してみてはどうですか?」
(えっ!?)
「もしかしたら、服の中に隠しているかもしれませんよ?」
(何を言っているのあいぼん!?)
「なぁのの。別にいいよな?」
加護はJOJOの悪キャラの様な笑みを浮かべた。
- 103 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)02時57分09秒
- (この白豚!?確信犯か!!)
辻には身体検査ができない理由があった。
なぜなら彼女はほんの少しだけパンツを黄色く染めてしまっていたからである。
「うん、そうね。まずそれをやらないとね」
「まぁ探偵の基本ですね。じっちゃんも言っていました。
『犯人なんて誰でもいい大事なのは身体検査だ!』って」
「…そうですね。少しでも疑いを晴らさないと」
「ふふふ、じゃあまずののから調べてみましょうか?」
「そうだね、じゃあののから」
- 104 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)03時18分35秒
- 辻はモーニング娘。在籍史上最大のピンチに陥った。
彼女は今までオネショなどをしても誰よりも早く起き、
隠蔽工作を行い数々の完全犯罪をやり遂げて来ていた。
それは彼女のアイドルに対する絶対的な崇拝心がそうさせていた。
アイドルには彼氏がいない。アイドルはゲップをしない。アイドルはもちろんウ〇コもしないよ。
嘘だ。ただ単に15にもなって恥ずかしいからであった。
しかし今日はそれをできない。
辻希美は真に悩んでいた。
(ここでだすか、トイレでだすか、それが問題だ…)
2秒間考え込んだ後、彼女の結論はトイレで出す事に決定した。
- 105 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)03時24分20秒
- 「さぁのんちゃん。少し調べさせてもらうわよ」
「そうやでぇ、のの。大人しく調べてもらえや。うひょひょ」
辻は立ち上がりその太い足を一歩ずつ動かし始めた。
しかしそれは飯田の方向ではなくドアに向かってであった。
「どこに行くの、のんちゃん!!」
辻は飯田の声を無視しドアに向かって走った。
「紺野ちゃん、ののを止めて!」
「はいっ!!」
紺野は加護に言われてドアの前に立ち塞がった。
「辻さんこの先は行かせません!!
辻さんの事は好きです、しかし愛には時に試練も必要です!!
どうしても行きたいというならTVで習った北斗神拳茶帯、
この紺野あさ美を倒してからにしてください!!」
紺野は異様なオーラを放ちながら構えた。
- 106 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)03時26分58秒
- 「のんのん……」
辻は狂った様に何かを呟いている。
「…つ、辻さん!?」
辻はまるで紺野が見えてはいないかの様に恐ろしいスピードで突き進む。
「いいでしょう!!受けて立ちます!!」
紺野は正拳突きの構えに入った。
「のんのんのんのんすとっーーーぷ!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!」
決して交わる事の無い月と太陽がその瞬間ぶつかった。
全ての動が静となり、そして時が物理の法則を越えた。
ドーーンッ!!
激しい炸裂音が楽屋中に鳴り響いた。
「ば…ばかな…」
残酷にも勝者はいつでも一人しかいない。
- 107 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月08日(水)03時32分10秒
- 「ふっ…ののの腹は宇宙だ」
そして今回の場合は辻希美、彼女だった。
彼女のボディープレスにより紺野の体は正拳突きごと壁に弾き飛ばされた。
「ののより強い奴(トイレ)に会いに行くれす…」
紺野あさ美は気を失い、
辻希美は楽屋から消え去った。
残り4人・・・?
- 108 名前:エロ火 投稿日:2003年01月08日(水)03時50分43秒
- レス多謝です!
>>98 名無し読者様
遂にオレ様も保全される様な有名作者になったぜ!これからは月一更新に勤めます(大ウソ)
( ´ Д `)<よっすぃーは少し頭がよろしくないからイイ事教えてあげるよ。
この話を読み終えると今までに無いガックリ感と激しい怒りを
味わえるという素晴らしい特典がついてるらしいよ。
>>99 りゅ〜ば様
僕には見えるこの話の結末を見たりゅ〜ばさんが僕のスレッドに削除依頼を出す姿が…。
お願い止めて!!イタイ!乱暴しないで!お金は返せないけど!
土下座するから真剣に読まないでね。裁判沙汰になったら負ける自信しかないから。
- 109 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)12時40分24秒
- 第4話
紺野あさ美は悩んでいた。
「ここはどこ?」
見渡す限り白い花で埋め尽くされた、この風景に見覚えは無かった。
「…こ…ん…の…」
誰かが自分を読んだ気がした。
- 110 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)12時42分44秒
- 「…紺野」
いや間違いない、誰かが自分を呼んでいる。
「紺野!!」
(聞えた!こっちだ!!)
声の聞えた方向に振り向いた。
「なっ!?まさか!!」
そこには驚くべき人物が立っていた。
- 111 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)12時49分13秒
- 「せっ、先生!!」
それは空手の神、故大山倍達氏であった。
「先生が何故此処に!?」
枕元の写真立てに入れている程の憧れの人物に
出会ってしまった衝撃に紺野の全身は激しく震えていた。
「お前こそ何故此処に…」
「わ、私は…なんでだろう?」
紺野は記憶の糸をたどり寄せた。
(私は確か楽屋に居たはず、そして……そうだ!!
辻さんと決闘をしたんだ!!…そして…私は負けた…)
「すいません…先生。私は負けました…」
空手の神を前に敗北の2文字を告げなければならない自分が情けなくて仕方が無かった。
- 112 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)12時53分02秒
- 「……確かにお前は負け犬だ!!」
「……」
憧れの人物から発せられた言葉に紺野の心はどん底まで叩き落された。
「そう…お前は負け犬だ。このまま此処に居続けるならばな!」
「!?」
「同じ場所に止まる事しか出来ない者こそ負け犬だ!!」
紺野はその言葉に涙した。
(そうだ!!私はまだ一度しか負けていない…ここで逃げたら本当に唯の犬だ!!)
紺野は立ち上がり閧の声を上げた。
「うおおぉぉぉーーーーかぁんーーぺーーーきーーーーでーーすっ!!」
その声と共に辺りの風景は一転した。
白い花は吹き乱れ一本の光り輝く道だけが紺野の前に現れた。
「こん…のちゃ…ん…」
道の向こうから、細々しく聞える声。
「…紺野…」
この声に紺野は聞き覚えがあった。
- 113 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)12時55分03秒
- 「聞えるだろう、お前を呼ぶ声が」
「はい…」
「行け!!お前のいるべき場所は此処ではない!!」
「オッス!!」
紺野は走った。
先の見えない道を。
頬から涙を引き剥がすつもりで。
(全てはこの先に待っている。まだ答を出すには早い。先生、有難う御座いました!!)
(今はまだ振り返りません。いつか私にその資格ができたとき、その時にもう一度会いに来ます!)
今は只走ればいい。光の射す方へ。
- 114 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)12時57分28秒
「紺野…お前は一体誰だ…」
大山倍達は彼女の事など知らない。
なぜなら彼は娘。が結成される以前に他界しているからである。
生きていたとしても知ることはなかったかもしれない。
ならば、なぜ名前を呼べたのか?
なぜなら大山倍達は紺野の空手着に書いてある名前をそのまま呼んでいたからである。
空手着を着ている少女から発せられた「負けた」という言葉に熱くなり
彼はついつい話に乗ってしまったのであった。
「…しかしなぜ奴の茶帯は至る所白かったのだろう?」
なぜなら彼女の帯はペンキ塗りたてオサワリ厳禁であった。
- 115 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)13時14分52秒
- ☆ ★ ★ ★ ★ ☆ ★ ★ ★ ★ ☆
「くそっ!!ののが行ってしもうたやないか!なにしてんねん紺野ちゃん!」
意識を失い人形の様に動かない紺野にビンタをかまし続ける加護の姿がそこにはあった。
「紺野ちゃんのせいで私の『祝2003年初!のののお漏らし公開処刑うれしはずかし
ドッキドキ大作戦』が全ておじゃんになってしもうたやんけ!どないしてくれん!」
加護は自分の計画失敗の腹いせに全ての怒りを紺野の柔らかい頬にぶつけていた。
「あさ美、こらぁおきんかい!金は借りたら返すもんやろ!はらえんのやったら泡姫にでもならんかい!」
暴走し続ける加護を尻目に飯田と吉澤は一つの結論を出していた。
「どうやら間違いなさそうね…」
「はい。残念ですが犯人は…」
「「のの」」
加護は動きを止め二人の話に耳を澄ました。
- 116 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月09日(木)13時16分13秒
- 「…どうやら事件は解決したようですね」
「うん。…そうみたい」
「いつでも事件解決の後には祭りや花火の後の様な空しさが残る…。
事件の起きる前にそれを食い止めるのが我々の本来の役割なのかもしれませんね」
「…そうね。もう二度とこんな悲しい事件を起こしちゃいけない。彼女達のためにも…」
感慨深そうに天井を見上げる二人に加護は恐る恐る訊ねた。
「あの〜そろそろつっこんだ方がよろしいのでしょうか?」
二人は答えた。
「「うん。お願い」」
- 117 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年01月09日(木)16時42分26秒
- 何度読んでもやはり面白くて、やはり更新を期待してしまいます。
こんな私はいけないのでしょうか?(w
紺野のキャラが(・∀・)イイ!!加護もやっぱり面白いですね。
- 118 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時28分49秒
- ────5分後。
彼女達は紺野を起こし、これからの事について話し合おうとしていた。
「大丈夫紺野?」
「お〜い、生きてる?」
「紺野ちゃん、もう怒ってないから帰ってきな」
……沈黙。
「…ま、まさか」
「う、嘘でしょ!?そんなわけないじゃん!!」
「冗談やろ紺野ちゃん!」
加護が激しく紺野の体を揺するが彼女からは何の反応も返って来ない。
「や、やっちまった…あいぼんがやっちまった…」
腰を抜かし地面に手と尻を着く吉澤。
「…なんてことを。紺野には何の罪も無いのに…。しかし神様、加護も
わざとではありません。どうか彼女の罪を少しでも軽くしてあげてください!」
両手を胸の前で合わせ両眼を瞑り瞑想に入る飯田。
「ななな、なんでやねん!!なんで私が殺したことになってるん、殺ったのはののやろ!!」
前髪が汗で額に張り付いて酷い事になっている加護。
- 119 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時32分41秒
- 「何を言っているの!私達は見ていたのよ、あなたが
ブラウトさん真っ青のビンタをかまし続ける姿を!」
「さぞかし紺野も言いたかっただろうな、親父にもぶたれた事ないのに!と…」
「ちょ、ちょっと待ちぃな!あほな事言うたら
あかんで、ビンタぐらいで人が死ぬわけ無いやろ!!」
「あぁ神よ!この哀れな者に救いの手を差し伸べ給え!」
「あいぼん、私待ってるから。あいぼんが戻ってくるまで娘。で待ってるから!!」
飯田は天に電波を送り、吉澤は加護の両肩をしっかり掴み必死に話した。
「なんで?私が悪いの?私が殺っちゃったの?わ、わたしが…」
加護は自責と自虐の念に捕われ気が狂いそうになる一歩手前だった。
「あぁ〜神よ!」
「私待ってるから!」
「わ、わたしが…」
- 120 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時34分13秒
- ─────プチ。
何かが切れる音が確かにした。
「……ちゃん…」
その音の発生源は、
「こ…ん…の…ちゃん」
前髪が焼野が原みたいに成っている、
「紺野!!起きんかいごらぁーーー!!!」
あいぼんさんからだった。
- 121 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時41分01秒
- 「お前がここで死んだら、わしの華々しく彩られて行くであろう一生がここで終ってしまうやろ!
いいかぁお前が死んでもせいぜい悲しむのは
お前の金魚の物まねで少し儲かった縁日のテキ屋ぐらいや!!
しかしわしが死んだらそうはい神崎!!古い?うっさいわ!!
わしが死んだなら全国一億二千万のあいぼんのおっぱいハァハァと言っているちょっと頭大丈夫?
って心配したくなる様な人達が性欲の吐け口を見つけられずに犯罪に走るかもしれん、
そしたらゆくゆくはどうなると思う?戦争だよ戦争!!あいぼんのおっぱいの
生まれ変わりを探しての銀河を跨った戦争が起きんるんだよ!!
そして悲しいけどこれが戦争なのよね…なんて言っちゃったり、貧乳だからさとか、
果てにはあえて言おうおっぱいであると!!とか言っちゃう人が出て来るんだよ!
えっ?紺野のおっぱいがあれば大丈夫?……新参が半年ROMってこい!!」
あいぼんさんはいろんな意味で限界だった。
- 122 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時43分19秒
- 「紺野ちゃん!!理由なんてどうでもいいから起きんかい!!」
加護の目からはいつの間にか涙が溢れていた。
その涙は何を思って流れたのだろう、ただ悲しい色をしていた。
「紺野…」
「紺野ちゃん…目を開けて…」
「紺野…おきろよ!」
「紺野―!!」
飯田と吉澤も泣いていた。
─────ポツン。
みんなの涙が紺野の頬で弾けた。
- 123 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時45分18秒
- 「……」
「紺野〜!!」
「こぉ〜ん〜の〜!!」
「起きてよ紺野ちゃん!」
「声を聞かせて!」
「……」
「こ〜んのヲイッ!こ〜んのヲイッ!」
「あ〜さ美ヲイッ!あ〜さ美ヲイッ!」
「完璧ですってもう一度聴かせてよ!!」
「…完璧です」
「そうそれ!完璧です。それが聞きたいのよ!お願い聴かせて!」
「完璧です」
「あいぼん…紺野の物まねまでマスターしたのか。
ありがとう、私達をなぐさめようとしてくれてるんだね。もう一回聴かせて」
「完璧です!」
「完璧です!意外とむずいわぁ…もう少し時間がかかりそうや」
- 124 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時47分26秒
- 「……」
「完璧出す!!」
沈黙。
「完璧下衆!!」
また沈黙。
「完璧レス!!」
そして沈黙。
- 125 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時52分04秒
- 「…加護、もうつっこんであげなさいよ…」
「…えっ、私がですか!?」
「…そうだよあいぼん。本人も引き際無くして困ってんじゃん」
「…えぇ〜〜、よっすぃーがつっこんでよ」
「…そんなの無理だよ!そういうの関西人の役割だろ」
「…なんやねんそれ!そういうのをヘンケンっていうんや!
じゃあ飯田さんお願いしますよリーダーなんだから」
「…うわぁ〜こんな時だけカオリのことリーダーっていうんだ!
ひどいよ!いつもはカオリに何の相談もしないでなっちや
ケイちゃんや矢口ばっかりに頼るくせに!!」
「…もうこんな時にいじけないでくださいよ…
…わかりましたよ、私がつっこみますよ。じゃあちゃんとフォローしてくださいよ」
「…まかしとけ!」
「…うん、ちゃんとするよ」
「…じゃあ行きますよ」
「完璧茄子!!!」
「ってナスかよ!!紫になっちゃったよ!!!」
今までにない長い沈黙。
「…あれ?」
- 126 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月10日(金)18時55分23秒
- 「うわぁ〜ん!紺野良かったよ生きてたんだ!カオリめちゃくちゃ心配したんだから!!」
「そうだよ心配かけやがって、もう二度と死ぬんじゃないぞ!」
「はい…すいません。みなさんの優しい声があちらの世界にまで届き返って来る事ができました」
「もういいよ、今はしゃべらなくていいよ!」
「あれ?フォローは?」
「うんうん。紺野が生きていてくれればカオリ他には何も要らない!!」
「本当に良かった、もう体は大丈夫なの?」
「はい!完璧です!!!」
「……」
「そうそれ!それが聴ければ何の心配はない!」
「もう心配かけんなよ」
「はい!完璧です!!!」
「よかった、よかったよ!」
「…はいはい、そうですよね。いまどき三村つっこみはサブかったですよね。
私が悪かったですよ。私が関西人なのにスベッたのが全部いけないんですよ…」
加護は部屋の隅っこで久しぶりに涙がしょっぱいという事を思い出した。
- 127 名前:エロ火 投稿日:2003年01月10日(金)19時09分32秒
- レスThanks!
>>117りゅ〜ば様
僕には見える…このパターンはもう止めます。もう言い訳もしません。終わってからいっぱいします!!
りゅ〜ばさんの話も読ませて頂いて名無し読者でレスさせてもらっています。
どれが僕のレスかは、夜、眠る時にベッドの中で考えてください。キャッセクハラ最低!!
- 128 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月10日(金)20時07分45秒
- ( ^▽^)<おっぱいおっぱい♪
- 129 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月11日(土)22時41分26秒
- ─────10分後
彼女達は10分掛けて加護を慰めこれからの事についてやっと話し出した。
「ふぅ〜。やっとこれからについて話し合えるわ」
「ここまでの道のりの長さはたかが40分少々じゃあ語れない苦労がありましたね」
「私は大山大先生に会えたのが嬉しかったです」
「私が一番苦労した気がするわ…」
「ん、40分なんか忘れてるような…」
「でもこの事件は色々寄り道はしたけど犯人はわかってるわ!」
「そう、それが解けているのが唯一の救いですね」
「えっ!?もうわかってるんですか?」
「もうあいつしかおらんやんけ」
- 130 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月11日(土)22時44分05秒
- 「えっ!?誰ですか?」
「犯人は…」
「ここで金田一少年だったら猛烈なスイッシュが入るな…」
「よっすぃーイランことは言わんでいい」
「で、誰ですか?」
「犯人は…」
「そう…」
「彼女…」
「だから誰?」
「黒髪で…」
「背は小さくて…」
「世界一で」
「お菓子が大好きな…」
「あぁ辻さんか」
「おぉ、おい!」
「ふざけんなよ紺野!」
「何勝手にフライングしとんねん!!」
- 131 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月11日(土)22時47分29秒
- 「えっ、だってそんなの辻さんしかいないじゃないですか」
「そういう問題じゃないの!」
「ここは、犯人は…おまえだ!!といってCMに行くところじゃねーか!!」
「そうやでSMAP×SMAPのビストロの勝者決定と同じタイミングや!!」
「あぁ〜そうなんですか…」
「これだから芸能生活が短い子は困るわ」
「まったくや」
「ホント、間ってのを理解してない」
「寺門ジモンの自分のポジションぐらいわかってないわ」
「はぁ〜すいません。…でも」
「ん、何?」
「その推理には穴がありますよ」
「どういうこと?」
「だから犯人は他にいるってことですよ」
「えっ!?」
「そんな!!」
「嘘や!!」
- 132 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月11日(土)22時49分27秒
- 「いえ嘘じゃありません、犯人は辻さんではありません」
「何言ってるの?」
「そうだよ!ののしかありえないじゃん!!」
「じゃあ犯人がののじゃないならだれやねん!…ま、まさか!?」
「そうです…犯人はこの中にいます!!!」
「!?」
「……」
「そんな…」
「ありえへん!ホントなの紺野ちゃん!?」
「はい。…完璧です!!」
いつの間にか銀縁メガネを付けた紺野がそこにはいた。
- 133 名前:エロ火 投稿日:2003年01月11日(土)22時57分01秒
- レス有難う御座います!!
>>128 名無し読者様
(0^〜^)<オイラのおっぱいレーダーから探知すると
梨華ちゃんのは偽m(ry
- 134 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時09分14秒
- 第5話
「嘘でしょ!!じゃあ誰だって言うのよ!」
「そうや!ののじゃなければ誰やねん!!」
「紺野…」
「まぁ落ち着いてください。一つずつ解決していきましょう」
紺野は目の前にあった座布団に腰を沈ませながら言った。
「…そうね、じゃあ、のんちゃんが犯人じゃないっていう理由を教えて」
飯田は気を落ち着かせ尋ねた。
「わかりました。では吉澤君、君に問う」
吉澤に視線を動かす紺野。
- 135 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時12分56秒
- 「吉澤君?…あいぼん吉澤君って私のことだよね?」
「まぁ吉澤って名前はよっすぃーしかおらんからそうやろうなぁ」
「また男役かよ…いいかげんうんざりだよ!」
「まぁいいやないか、娘の中で男役という明確なポジションがあるだけ。
新潟から出てきて一年も経ちまだ具体的な役割もみいだせんかわいそうなコもおるんやで。
まぁ誰かはよういわんけど」
「そうか、じゃあもうちょい頑張ってみるよ。紺野探偵なんでしょう?」
吉澤は深く考えるタイプではなかった。
「優秀な私の助手である君ならわかると思うが
この曖昧模糊とした事件に一つだけ明確な事がある、それはなんだい?」
紺野は顔の前で両手を組みながら言った。
「なんでしょう?まんじゅうが盗まれた事?」
何も考えずに吉澤は答えた。
- 136 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時16分18秒
- 「そう!そこだよ!この事件は殺人でもなければ暗号の解決でもない。
なぜならまんじゅうが盗まれただけだからだ!!
重要なのはまんじゅうが盗まれた事…この事を念頭において話をしよう。
吉澤君、君が饅頭を盗んだ犯人だとしたら犯行の後どうする?」
紺野は顔を紅潮させていた。弱冠興奮してきたようだ。
「えっ?どうするって逃げるかなぁ?」
紺野とは逆に吉澤は間の抜けた軽い返事をした。
「違うよ、この事件は逃げる必要はどこにも無い。
確かに金品や金物なら隠しておくよりも
持ち去ってどこか安全な場所に保管した方が得策だろう。
しかしこの事件で盗まれたのはまんじゅうだ…」
「あっそうか!?食べてしまえばいいんだ!!」
ニヤリと笑う紺野。
「やっとわかってくれたか。
そうこの事件で最も重要なのはそこ!
金品や金物と違ってこのまんじゅうは2,3分あれば
誰にも何処でも何時でも隠す事ができるんです…」
紺野は目を瞑り大げさに両手を頭の後ろに回し壁に寄りかかった。
「!?」
「な、なんだって!!」
「そうか、そうだったのか…ってMMRみたいに感心するか!!」
- 137 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時19分15秒
- 「えっ?」
紺野は慌てて顔を上げた。
「この少し脳がたりん人達はそれで納得するかも知れんけど
天才巨乳アイドルあいぼんはだまされへんで!!」
加護は猫が鼠を見つけたかの如くいきり立っている。
「といいますと?」
少し冷静になり先程までのトーンで訊ねた。
「あんたが言っている事は最初から全部わかっている事や!!
何時、何処でも誰でも隠せるから、犯人がわからなくて悩んでるんやろうが!」
加護は紺野を指差しながら言った。
「!?」
「な、なんだって!!」
「……」
- 138 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時20分35秒
- 「…まぁ加護さん、そういう屁理屈はおいといて」
「屁理屈なことあるか!正論やないか!」
「まぁまぁストレスでまた髪が抜けますよ」
「ひっ!?」
加護は慌てて自分の前髪を手で隠した。
「私が言いたいのは実は『犯人が誰なのか?』
ではなく、『なぜまんじゅうを盗んだのか?』です」
紺野の頭はまだ回転を止めては無かった。
「どういうこと…」
前髪を抑えながら先程より遠慮深げに加護は尋ねた。
- 139 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時22分46秒
- 「いいですか、この楽屋にはまんじゅうの他にも私達の私物はたくさんあります。
貴重品や金品も中には少なからずあるでしょう。
もし飯田さんに恨みがあるのなら飯田さんの貴重品を盗んだ方が
はるかにマシな飯田さんへの嫌がらせとなります。
そして金銭を求めるのなら金品を盗めばいい。
しかし、しつこいようですが今回盗まれたのはそのどちらでもない、まんじゅう只一つです!」
「なるほど…じゃあ私怨や営利目的のためではないのね?」
飯田は紺野と視線あわせるために座って聞いた。
「私怨、営利目的…それは難しいところです。
犯人にとってまんじゅうを盗んだ事には間違いなく目的、意味があることなのです。
まぁそれは置いといて吉澤君、君にもう一度質問しよう?」
「はい!なんでしょうか!」
先程とは打って変わって吉澤はやる気になっていた。
- 140 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時26分03秒
- 「ではなぜ犯人はまんじゅうを盗んだのだと思う?」
「そうですね…腹が減っていたから?」
「飯田さんは?」
「えっ?」
吉澤は初めて答を受け流され少し動揺をした。
「あっ私?私もお腹が減ったからだと思う…」
「大抵の人はそう思うでしょう。というよりもそれ以外には
意図は感じられない。しかしそれこそが犯人の狙いなのです!」
「!?」
「な、なんだって!!」
「……」
「まんじゅうは食べる…いままで私達はこの先入観の元に
物事を考えていたので真実の外側しか覗けなかったのです。
吉澤君、最後の質問だ。モーニング娘の中で
『食べる』という言葉で真っ先に頭に浮かぶのは誰だい?」
- 141 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時28分41秒
「つ、辻希美…」
吉澤の顔は大げさに見えるほど驚いていた。
「そう、犯人は辻さんのキャラクターイメージを利用するという
日本犯罪史上類を見ない斬新で最も卑劣なトリックを使ったのです!
しかし私はこのトリックを解いたと同時に犯人の姿もおのずと見えました」
「!?」
「な、なんだって!!」
「……」
「もういい加減あきてきたわ…」
- 142 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時32分19秒
- 「いいですか、キャラクターイメージ。この何気ない言葉の裏にはたくさんの犠牲者がいます。
例えば飯田さん、あなたは電波キャラというイメージが付いてしまったばかりに
ときどき訳も無く泣き出したり、瞬きもせず遠くをじっと眺め続けたりしなければなりません」
「紺野!私の苦労がわかってくれるの!!」
「あれは天然だろ?」
「間違いなく…」
「モーニング娘。の中で自分を売り出すには多少自分を犠牲にしてでも
保田さんの様にキャラクターイメージを作った物の勝ちです。
しかしこの様な人達は犠牲者と言えども勝者なのです…」
「……」
いつしか紺野以外のここにいる人間は言葉を発しなくなっていた。
「では敗者とは?…真の犠牲者とは?…それはキャラクターイメージを持たない者!
その者こそがこの事件の真犯人です!!」
紺野は立ち上がり拳を握った。
- 143 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)16時35分58秒
- 「この犯罪はキャラクターイメージを持たない者が妬み、怨んで起こした犯罪なのです!
ではみなさんのキャラクターイメージを考えてみましょう?
安部さんは天使、
飯田さんは美女、
矢口さんは喋り担当、
保田さんは影のリーダー、
石川さんは女の子、
吉澤さんは男前、
辻さんは大食い、
加護さんはお笑い、
愛ちゃんは田舎者、
里沙ちゃんは最年少、
私は自分で言うのも何ですが秀才、天才、運動神経抜群…数え上げればきりがありません。
これは他の方達にも言えます。今はあえて優柔なイメージをあげましたが
みなさんの前で言うのは厳しいイメージも多々あります。
しかしもうお気付きだと思いますが、彼女にはそれが無い…」
「じゃあ犯人は…」
この場にいる紺野以外の全ての目が彼女に向けられた。
「そう、まこっちゃんこと小川麻琴、彼女が犯人です!!!」
- 144 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月12日(日)17時56分46秒
- (0^〜^)名探偵紺野かっけー
- 145 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時12分24秒
- 「な、な、なんてこと…」
「小川だったのか…」
「そんなぁ…」
「……」
「そうか、そうだったのか…ってあかんあかん!
一瞬MMRばりに納得しそうになったわ!!」
「またですか加護さん…いい加減みんな帰りたいんですよ」
「そうだよあいぼん…もう犯人小川でいいじゃん」
「そうだよ!私はごっちんとの約束があるんだよ!
うまくまとまったみたいだからからそれでいいじゃん!!」
「おいおい!みんな落ち着いてよ!ののが犯人だと疑ったのは逃げたからでしょう!
それにまこっちゃんこの場にいないじゃん!」
加護のおでこが輝いた。
「!?」
「な、なんだって!!」
「……」
「もうみんなリアクションバカになってるよ…」
- 146 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時14分11秒
- 「でもよくよく考えればそうだわ。私がトイレに行く前にまんじゅうは確かにちゃんとあった。
そしてその前にもう小川は家に帰っていたわ!!」
「そうでしょ!だいたいまこっちゃんにもイメージあるっちゅうねん!」
「じゃあそれはどんなイメージですか!!」
「ぐっ!!そ、それは…」
「あいぼんファイト!」
「ここで何か言ってあげないと小川が泣くぞ!」
「さぁ答えてください!!」
「そ、それは……イメージがないっちゅうイメージじゃあ!!」
「……」
「……」
「……」
「なっ、なるほど…無いという事は有るという事…」
「納得しちゃったよ!!そ、それにまこっちゃんが
いないっちゅうのにどうやってまんじゅう盗むんじゃい!」
- 147 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時17分21秒
- 「ふっ。まぁあなたの様な狭い見識でしか物事を見られない
人間にはわからないでしょう。しかしこれを読めばわかります。」
紺野は一冊の文庫本を加護に渡した。
「…の夏?」
「姑獲鳥の夏ですよ」
「で、これがどうしたの?」
「この本はミステリーなんですがここに個々の脳と心の相対性を利用した話が載っています」
「で?」
「要するに皆さん騙されているんですよ。あなた達の脳に。
ここにはまこっちゃんがいないと思っているからいないのです。」
「じゃあ、あんたには小川が見えるっていうの?」
飯田は目の下の隈は深みを増していた。
「…ふっ。愚問を。もちろん私には……み、見えない!!??」
紺野の知識は所詮紙の上の物だった。
「……」
- 148 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時19分46秒
「はぁ〜」
「やっぱり犯人はののか?」
「あぁ〜それは絶対違います!!」
「何でそんな事いえるのよ!!いい加減にしなさいよ!!」
「だって私一日中辻さんの事見ていたから…」
「えぇ〜!!まさかそれって!?」
「もうみなまで言わさないで下さいよ!!」
「もういい…疲れた…カオリ帰る。」
「わたしも疲れた…とても一時間とは思えない…
ののもうトイレから帰ってきたかなぁ」
「ののトイレに行きたかったんだ…もうどうでもいいや
あっ1時間ってことはごっちんとの約束破っちゃった…もうどうでもいいや…」
「じゃあみんな帰る?」
「もう帰ります」
- 149 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時21分28秒
- 「ん〜。結構いい推理していたと思うんだけどなぁ…。
結局犯人は誰だったんだろう…この中にいる人間なら誰でも食べれたからなぁ。
そして目的はなんだったんだろう…本当にお腹が減っていただけ?
それとも犯人を辻さんだと思わせる以外にまんじゅうを盗んだ事に意味があるとしたら…。
例えばやっぱりまんじゅうはカモフラージュで他に何か盗んでいるのかも。
うんうん。誰も私物は盗まれていなかった…。…物は?
私達が物、物質意外に無くした物が一つだけあった!!
時間だ!!
じゃあまさか犯人は……。
……。
そんな訳ない。考えすぎだ、帰ろう…」
紺野は楽屋のドアを開けるまで一人で呟いていた。
- 150 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時23分38秒
- 「私も帰ろう…ごっちん怒ってるかなぁ…
明日謝るか…はぁ〜。あっ一緒に帰る?」
「うん帰ろう!!」
「今日あんま喋らなかったよね?」
「そ、そう?」
「まぁいいっか。じゃあ帰りますか、梨華ちゃん。」
「うん!一緒に帰ろうよっすぃ〜〜!!」
- 151 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時25分42秒
- # # # # # #
今日は楽しくて一気に書いちゃった。
今日は本当にイイ一日だったから。
だってよっすぃーがごっちんじゃなくて私の事を選んでくれたんだよ!!
うれしぃ〜〜〜!!ハッピーーーーーー!!
でもなんでバレなかったんだろう?
誰も見てないしお腹が減ったからからおまんじゅう食べちゃっただけなのに。
自分から食べましたっていうのは怖いから黙っていただけなのに。
紺野が色々話し出したときはビックリしたけど…。
やっぱり少し変わってるコだから大丈夫だった!
明日もイイ日でありますように!
よっすぃ〜LOVE!
キャッ!!
〇月×▽日 』
- 152 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時27分00秒
- この私の罪をどうすればいいのだ。
そう私は見てしまった。
石川の日記を…。
だってこんなに分厚い本が石川の日記だと思うわけないじゃん!!
カバーは真っ黒だし!!
なんで毎日小説みたいに日記書いてるんだよ!!
やっぱりいろんなこと勘違いしてるよあの女……。
しかし石川…。
なんてことを…。
誰かに言わないと耐えられない。
つんくさんに相談してみようかな。
ん?
- 153 名前:Kの沈黙 投稿日:2003年01月12日(日)21時28分52秒
- 「保田さん…何してるんですか?」
「ぶふぉ!!い、い、石川!!いつのまに!!」
「もしかして見ました?私の日記…」
「み、み、見る訳ないじゃん!!なんで私があんたの日記なんて見なきゃいけないのよ!!」
「そう…ですか。ならいいです、さようなら…」
「うん。じゃ、じゃあね」
あっ、危なかった!
あれは確実に殺し屋の目だった…。
やっぱり今日の事は私の胸の中にしまっておいた方がよさそうだ…。
- 154 名前:エロ火 投稿日:2003年01月12日(日)21時30分25秒
「Kの沈黙」 終わり
- 155 名前:エロ火 投稿日:2003年01月12日(日)22時21分15秒
- レス感謝感激アメあられ!
>>144 名無し読者様
すいません。どうにもこうにも怒りとガックリ感をお届けする事しか出来ませんでした。
- 156 名前:さぁ言い訳の時間だ… 投稿日:2003年01月12日(日)22時23分44秒
- はぁ〜おかしいな。最初の書く予定だった話はバービナーロスの様な
ジグソーパズルの様に論理的に解ける話を書くはずだったのに…。
オレが書いた事といえば「」を人数分増やしたり、石川が喋ってる所では地の文を無くして
吉澤と飯田のセリフを石川と置換できるようにしただけ。あと人数の表示か。
だいたい言いたい事はわかるよ。なんで石川はこんな日記を書いたのか?
なんで3人称なのか?保田はなぜこの話を読み上げたのか?
最後の石川の感想みたいのは何だ?あれだけで十分日記じゃないか?
必然性が薄いね。
他のメンバーでもできたっぽい。
保田と石川でなく矢口と安倍なら3人称で違和感なく最初の独白が犯人だと思わせる事が
できたんじゃないか…。
- 157 名前:嘘さ!反省なんてした事ね−よ! 投稿日:2003年01月12日(日)22時27分26秒
- うるせぇーー!!もう自己否定は止めだ!開き直りだ!時代は開き直りだ!
いいかい?石川と保田がやった事に意味を求める事自体愚かな事さ!あえていうなら本能の世界だよ!
おかしな人が居ておかしな事が起きておかしな語り部が居ただけの話さ!
だいたいミステリーなんて一言も言ってないもんね!
いいかい君らの尺度なんて宇宙から見れば何の意味もないのだよ!
常識ほど不安定で移ろいやすい物は無い!!曇った眼鏡を外せ!!
石川さんが書いた話だから誤字脱字や文法上の間違いがあってもいいんだもん!
それから何だ?何、オチがつまらないって?それは……。
- 158 名前:長い前振りだった……(最大の言い訳) 投稿日:2003年01月12日(日)22時36分48秒
- 止めた。こんな事ばかり書いていては、いつか自分がリレーに参加するといったら
「お前がやるならオレはやんない」とか、自分が支配人をやろうとしたら
「お前が支配人ならオレは参加しない」とか言われてしまう!!
ごめんなさい。平謝りです。これが今の僕の実力です。
言いたい事がよくわからない酷く中途半端な話を、そしてくだらない言い訳をしてすいません。
だめだ!僕は万人に好かれる話を書くのが夢だったんだ!!
そうだ!書かなくては僕の歪んだ感情の入ってない全ての人に愛される話を!!
そして最大の目標であるレスのたくさん貰える話を!!
というわけで書きました。
- 159 名前:エロ火 投稿日:2003年01月12日(日)22時38分39秒
「公明正大」
- 160 名前:公明正大 投稿日:2003年01月12日(日)22時45分39秒
- A時B分
私といちーちゃんって仲イイよね!
当たり前だろう!私と後藤の仲だろ。
同時刻
私とよっすぃ〜ってやっぱりラブラブだよね!
梨華ちゃんと私は本当のカップルに見えるかもね!
同時刻
矢口〜かわいい!かわいい!
もうゆうちゃんあんまりくっつかないでよ。…少しだけだよ。
- 161 名前:公明正大 投稿日:2003年01月12日(日)22時46分28秒
- A時C分
はぁはぁ…あっ、ごっちんー待った!
んあ私も今来たところだよ、よっすぃー今日はどこ行こうか?
そうだね、今日は……
同時刻
石川〜遅い!!何してたんだよ!!
ご、ごめんなさい!ちょっと用事があったんです〜ごめんなさい!
もうホントに石川はダメダメだなぁ。私がいないと何もできないんだもん…
同時刻
あっゆうちゃん!!
おっ久しぶりやないか!
この前ラジオ来てくれたじゃん!!今日ご飯食べに行こうかっ!!
- 162 名前:公明正大 投稿日:2003年01月12日(日)22時47分40秒
- A時D分
う〜ん眠たい…梨華ちゃんひざまくらしてもいい?
えぇ〜またぁ〜。もうごっちんはすぐに甘えるんだもんなぁ。
えっへへ。だって梨華ちゃん私より一個上じゃん。
でも生まれた年は一緒だもん!おばさん扱いしないでよ!
同時刻
矢口待ったぁ〜。
全然まってなんかいないよ、サ・ヤ・カ!!
そう?じゃあどこ行く?
えぇ〜とねぇ〜。サヤカが〜行きたいところならぁ〜どこでもイイ!!
同時刻
お〜吉澤!!
あっこんばんは!中澤さん。
なぁよっすぃ〜はゆうちゃんのこと嫌いか、なぁ嫌いか?
うわぁお酒くさい!もしかしてかなり飲んでます?しかたないなぁ家まで送りますよ。
- 163 名前:公明正大 投稿日:2003年01月12日(日)22時49分23秒
- B時A分
なぁ麻琴!ここのダンスはどうやんだっけ?
う〜んとね、ここは…って愛ちゃん近づきすぎ!
同時刻
ごめんねごめんね、里沙ちゃんあれ嘘だから!
ひどいよ!おでこと豆の木って!
同時刻
おいのの!ラーメン食いに行こうぜ!
おお!いいぜ!今日はあいぼんよりも食ってやる!
- 164 名前:公明正大 投稿日:2003年01月12日(日)22時50分14秒
- そして時間は紡がれて行く。
今はまだ……。
- 165 名前:公明正大 投稿日:2003年01月12日(日)22時51分36秒
「公明正大」 まだ終わらない
- 166 名前:117 投稿日:2003年01月13日(月)12時15分21秒
- 更新お疲れ様です!Kの沈黙笑わせてもらいました。
公明正大もおもしろそうです。更新期待してますので頑張って下さい。
- 167 名前:エロ火 投稿日:2003年01月18日(土)01時42分32秒
「公転ヴァンパイア」
- 168 名前:公転ヴァンパイア 投稿日:2003年01月18日(土)01時44分23秒
私たちって友達だよね!
いつまで経っても友達だよ!
そうそう友達友達!
- 169 名前:公転ヴァンパイア 投稿日:2003年01月18日(土)01時45分15秒
3日後
あのね相談があるの…
なぁに?
なんれすか?
私ね天使にならなくちゃいけないの…。
どういうこと!?
死んじゃうんれすか?
うんうん。みんなが待ってるの、いかなくちゃ。
待っていかないで!
いっちゃヤです!
- 170 名前:公転ヴァンパイア 投稿日:2003年01月18日(土)01時46分33秒
2日後
行っちゃったね…
……。
あっちの世界は楽しいのかな…。
……。
元々は私達だってあそこにいたのにね…。
……。
そんなに塞ぎこむなよ!
……。
だいたい、ここにお前もいなきゃダメだろ!って奴他にもいるよね?
…あのれすね。
ん?なぁに?
行かなくちゃいけないのれす…。
えっ!?嘘でしょ!!
ホントれす、カクセイしたから行かなくちゃなのれす…。
まって行かないで!私を一人にしないで!
さようなられす…。もうこねーのれす。
- 171 名前:公転ヴァンパイア 投稿日:2003年01月18日(土)01時48分15秒
1日後
…。
もう出て行っても大丈夫かも…。
おっ結構大丈夫そう…。
うわぁ!!眩しいやめて!!それを見せないで!!
ダメだ…やっぱりまだ早かった…。
はぁ〜早く誰か来ないかなぁ…。
- 172 名前:エロ火 投稿日:2003年01月18日(土)01時50分11秒
「公転ヴァンパイア」 おわり
- 173 名前:エロ火 投稿日:2003年01月18日(土)02時03分45秒
- 愛を下さい〜♪愛を下さい〜♪というわけで愛をありがとう!
>>166 117(りゅ〜ば)様
ありえないっす!自分はレス大好きッ子です!
何かしら言ってやりたい事があった時はどうぞ気を使わずにレスしてやってください。
今、5期メン?…たぶん5期メンの話を書いています。今までは浮気しながら書いていたんですが
もう書き溜めている物が無いんで真剣に(w書こうと思っています。
- 174 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年01月22日(水)20時14分45秒
- やっぱりレスしすぎかと思いながら今度はどうどうとこの名前で来ました。
やっぱり恥ずかしいから今度からは数字なるかも・・・(照
公転ヴァンパイアの登場人物は一人しか分かりませんでした!
いや、かろうじて二人かな?でも読み返さないと一回では意味が分からなかったです。
あ、これは褒め言葉です。自分もそういう謎な文章書きたいんで。
でもこういうネタで長い話書いてほしかったり・・・ヴァンパイアって面白いっすよね。
取り合えずテスト頑張って下さい!マターリ待ちます。
- 175 名前:エロ火 投稿日:2003年01月26日(日)00時12分33秒
「ぷろじぇくとT」〜高橋愛と愉快な仲間たち〜
- 176 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時14分55秒
- 麻琴かわいいなぁ〜。
麻琴が踊ってるよ!かわいいなぁ〜。
あっ麻琴がコケタ!かわいいなぁ〜。
ホントに麻琴はかわいい。
なんであんなにかわいいのだろう?
あぁ〜〜かわイイ!
- 177 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時16分45秒
- むっ!里沙ちゃんだ!!
「まこっちゃん、悪いんだけどここの振り付け教えてくれない?」
「うん。いいよ」
何やってるんだよ麻琴!!
そんなもん矢口さんや石川さんにまかしとけばいいんだよ!!
同期同士で馴れ合ってちゃ向上しないだろう!!
「あっ私にも教えて」
「いいよ。あさ美ちゃん」
ぬあぁ〜〜あさ美ちゃんまで!!
あの野郎ぬけぬけと!!
ちきしょう同い年だからっていい気になるなよ!!
- 178 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時17分47秒
- ────トントン。
あっ里沙ちゃん今麻琴の腰触った!?
何してんだよ!!近すぎだろ!!
────トントン。
あぁーー!!あさ美ちゃん絶対手握った!!
絶対今手握ったよ!!
────トントン。
あぁなんだよ!!さっきからうるさいなぁ!!
- 179 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時19分30秒
- 「振り付けの練習もしないでここで何をしているのかな君は?」
よっ、吉澤さん!?
しまった麻琴に集中しすぎて周りを見ていなかった!!
「壁に隠れてなにをしていたのかな?」
「いや、なんでもないです!!最近流行のヒュウマの姉ちゃんごっこです!」
「あっそう。じゃあ誰をみていたのかなぁ〜〜?」
ぐっ!?
しまったボケツを掘った!
チッ!落ち着け、落ち着くんだ愛!
お前はリズム音痴だがやればできる子だって先生が言っていたじゃないか!!
待てよ…そうだ!幸いにもこの人は娘。NO1のバカ、いやモテモテじゃないか!!
ピンチはチャンス!失敗は成功のマザー!
この人に相談したらもしかしたら…もしかするかも!!
- 180 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時22分34秒
- 「あのぉ〜…」
「ん?誰を見ていたのか言う気になったのかい?」
「はい…」
「えっ!?言うの?」
「はい。そのかわり相談があるんですけど…」
「えっ!?相談!!マジ!?この私に!?マジでっ!ウソじゃないよね!ウソじゃないよね!」
なんだこの喜びようは…。
もしかしたら今までの人生、誰からも相談されたことないんじゃぁ…。
「いやぁ〜〜高橋はついてるよ。この私に相談するなんてねぇ〜。
私も忙しい身だからなかなか頼まれても相談に乗ることなんて無いんだけど
今はちょうど暇してるから聞いてあげてもいいよ」
「あぁ〜そうですかぁ〜」
「いやぁ〜ホントについてる!で相談事はなんだい!!」
こんなに瞳が輝いている吉澤ひとみさんを見たのは初めてだ。
- 181 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時24分15秒
- 「あのですね〜〜…」
「うんうん。なんだい!」
「えぇ〜とですね〜〜…」
「うんうん。なるほどね!」
「うぅ〜〜ん〜〜…」
「うんうん。わかる、わかるよその気持ち!!」
「やっぱり止めときます!」
「はぁ!?」
「あのぉ〜やっぱりぃ〜恥ずかしいんで止めときます」
「あぁあ!!」
「いや恥ずかしいので…」
「おいおいおいおい!!なめたこと言ってんじゃねぇーぞ若造がぁ!
この吉澤様が貴重な時間を割いて相談に乗ってやるって言ってんだよ!
それを突然止めますだぁ?てめーの眼球の裏かっわ見てやろぉーかぁ!!」
こんなにも瞳が悲しみと怒りに満ちた吉澤ひとみさんを見たのも初めてだ。
- 182 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時26分52秒
- 「す、すいません!ウソです!ウソでした!どうか私のつまらない
相談に乗ってやってください!おねげーします!!」
「ふっ。そこまで言われたらしかたないなぁ。まぁかったるいけど
高橋のクソくだらない相談に乗ってやるよ」
なんだかむかついてきた。別にこの人でなくてもイイのに……。
「で、なんだよ。もう手短にしてよ」
「…あのですね」
「おう」
「私には…」
「だからなんだよ」
「す、す…」
「す、す?」
「す、す…」
「酢だこぉぉーー!!」
「!?」
「いやいや、めんごめんご。稲中の乗りだったからさ。
一度言ってみたかったんだよ、このセリフ」
私はやっぱりとんでもない過ちを犯そうとしている。
「でもわかったぞ!高橋には好きな人がいるんだろ!!」
「んわぁーー!!声がでっかい!!」
「あはは!ごめんごめん!なるほどねぇ〜生意気にも恋かぁ〜」
いちいち感に触る人だ。
- 183 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時28分49秒
- 「まぁ、はい」
「そうかそうか、でお相手は誰だい?あっそうか、それでさっき誰か見ていたんだなぁ」
「…そうです」
「となると…あそこにいた誰かか…」
「はい。相手は…」
「ちょっと待った!!」
「!?」
「私が当てるからちょっと待った!」
「あ、はい」
「んん〜」
「……」
「んん〜」
「……」
「わかった!!」
「誰ですか?」
「わ・た・し」
「……」
「いや〜まいったなぁ。ついに5期メンまで私の魅力にまいったか」
「……」
殴っちゃってよいのかな?
しかしこのバカが娘内人気NO1なのは紛れもない事実だ。
石川さん飯田さんは当然、安部さん矢口さんも間違いなく惚れている。
そして嫌がりながらも加護さんも。……たぶん。
- 184 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時31分16秒
- 「まぁ仕方ないよ私がカッケーすぎるのがいけないんだ。高橋のせいじゃない」
「いや違うんですけど」
「いいよいいよみんなに遠慮しないで」
「いやホントに」
「わかる。本人を前にして素直な気持ちを言えないのはわかる」
「だから違うって」
「はぁ〜私って本当に罪な女だ。」
「……殴るぞ」
「えっ?何?」
「いや何でもないです!でも本当に違うんです。私が好きなのは麻琴です!」
はうあっ!?言ってしまった!!このバカに!!
しかし言わなければ私の愛の鉄拳が先に動いてしまいそうだった。
- 185 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時33分14秒
- 「麻琴って?…あぁ〜小川か」
「…はい」
「ふぅ〜ん。なるほどねぇ」
「……」
「で、どうなりたいのさ」
「どうなりたいって!!べ、別にどうもなりたくもなんかなくもない…」
「はぁ?」
「…だからどうにもなりたくなんかなくもない」
「あっ、そう。よくわかんないけど。別にいいのね?じゃあ私はこれで」
「ちょっと待って、ちょっと待って!いやちょっと待て!
どうにかなりたいです!はい、麻琴とどうにかなりたいです!」
「えぇ〜〜。高橋ってエッチ!」
「いや、エッチとかそういう事じゃなくて!いやそういう事なのかもしれないけど…テヘッ」
「わかった、わかった。まぁ〜私に任せなさい」
「あ、はい」
「いい?恋ってのは残念ながらこちらから進まなければ近づいてくれないのよ。わかる?」
「はぁ」
「ようするに待ってちゃ何も始まらないって事。わかる?」
「はぁ」
「もう気がない返事だなぁ。仕方ない百聞は一軒に知らず。
なんか違う気がするけど。まぁいいから見てなさい!」
「はぁ」
バカはそういい残し、振り付けの練習をしているみんなの元に走り出した。
- 186 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時35分41秒
- 「あ〜い〜ぼぉ〜んっ!!キッスしよっ!!」
「ぬわぁ〜〜今日も来やがったな!!」
「またまたそんなこと言っちゃって!好きなくせに♪」
「うわぁ〜近づくな!!バカッ!やめろ!!」
「そんなもんかい、あいぼん!全然痛くなんかないぞぉ〜!」
「ちきしょー!やめてくれ!うわぁ、うわぁ〜〜〜〜!!」
す、すごい。
圧巻と言う言葉以外浮かばなかった。
はっきり言ってボブ・サップとアーネスト・ホースト戦よりも感動した。
巧妙なステップを使って吉澤さんの突進を避けながらもジャブとローキックを確実に当てていく加護さん。
しかし打たれても打たれても全く退く事を知らない吉澤さん。それどころか笑顔までこぼれている。
すごい。今まで二人のやり取りを真剣に見た事はなかったがここまでレベルの高い物だったとは…。
今は亡き田代の目は騙せても、近所じゃ浅草キッドよりも格闘通と謳われた愛ちゃんの目は騙せない。
毎日が戦場だ…。このセリフに嘘はなかった。ここにあるのは確かに戦場だった。
故中澤さんのセリフも思い出した。『弱肉強食』ここでは強くなくては生きてはいけないんだ。
吉澤さんが帰ってきた。
- 187 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時37分43秒
- 「はぁ〜おいしかった。あいぼんは唇の柔らかさは尋常じゃないんだよなぁ」
「あのー!!私感動しました!!」
「ん?そう」
「はい!!あんなハイレベルな攻防を見たのは初めてです!!」
「そうかい?いつもあんなんだよ。もうあいぼんの攻撃は全部見切ったけどね」
「えっ!?加護さんの攻撃は全部まともにクリーンヒットしていたような…
いやそんな事はどうでもいいんです!!吉澤さんの心意気に惚れました!
そうですね!動かなきゃ何も始まらないんだ!やってやる、やってやるぞぉー!!」
「おう、わかってくれたか弟子よ!」
「はい、師匠!!で具体的には私はどうすればいいのでしょう?」
「そうだなぁ〜。…そうだ!!まずはジュースを買って来い!!」
「えっ!?」
「いいからジュースを買って来い!!」
「あっ、はい!!」
- 188 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年01月26日(日)00時40分35秒
- そうかわかったぞ!!一見他人が見たらパシリにしか見えないこの行動にも
麻琴の心を射止めるための何かが隠されているんだ!!ベストキッドみたいにね!
やってやる!やってやるぞ!!ジュースいっぱい買って麻琴を手に入れてやる!!
「あっそれ買って来たら次肩もんでね」
「はい!!」
────この後高橋は振り付けの練習をサボったとして夏先生や先輩達にこっ酷く叱られた。
もちろん先輩の中には吉澤も入っていた。
- 189 名前:エロ火 投稿日:2003年01月26日(日)00時49分46秒
- >>174 りゅ〜ば様
テストも一応終わり、後はダブルかどうか天に身を任せるだけです…。
なのでこれからは頑張って更新して行きたいと思います。
今書いているこの話は結末をぼんやりとしか決めていないので、どう転んでいくのか自分にも想像がつきません。
たぶん半端じゃない勢いで話は暴走して行きます。付いて来れなくても責任は取れません(w
- 190 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月26日(日)00時59分03秒
- 高橋よ…師匠を吉澤にするなんて最高で最悪の決断だ!(w
しかし、彼女に師事すれば、きっと最後には何故かモテモテになると思われ。
人生って不条理だね(意味不明)
- 191 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月26日(日)01時05分50秒
- 高橋の思いは一生小川に届かなさそうなところがまた萌え…
- 192 名前:174 投稿日:2003年01月26日(日)20時04分00秒
- 面白かったです!小ネタ満載で笑いました。そして高橋主役(・∀・)イイ!!
よすぃこが出てきてるのも最高。キャラもつぼりました。
続きが非常に気になります!さりげなく豆が絡んでるのも(・∀・)イイ!!
- 193 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月28日(火)14時45分41秒
- 高橋の恋は一生片道切符かもしれんがそれでOK牧場かと(萌←鬼
余談ですが、ここに理想のよしかごを見た気がしますた。バイオレンス上等。
- 194 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時04分41秒
あの野郎〜〜!!許せねぇー!!
次に会ったら怒りの鉄拳をあのほくろヅラにブチこんでやる!!
くそぉ〜〜〜!!
- 195 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時06分45秒
- あっ!?
麻琴だぁ〜〜!!
あ〜〜かわいいなぁ!
麻琴が笑ってるよ!
麻琴が喋ってるよ!
麻琴が里沙ちゃんと話しているよ!
ん?里沙ちゃんと!!
「ははは!そんな事ないよ!」
「えぇ〜〜絶対そうだよ!!」
ん?何を喋ってるんだ!
聞えない。もっと近づいて見なくては…。
- 196 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時07分56秒
- 「絶対ソウだって!!」
「えぇ〜〜そんな訳ないよ!」
なんだなんだ何の話だ?
「絶対愛ちゃん吉澤さんの事好きなんだよ!」
「えぇ〜〜そうなのかな!!」
「ぬあぁあぁあーーーーーー!!!!」
「わっ、愛ちゃん!」
「うわぁ!そんな所で何してるの?」
しっ、しまった!!
新垣の野郎が訳のわからない事をぬかすばかりに声を上げてしまった。
- 197 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時09分20秒
- 「い、いやぁ〜お久しゅう!」
「いや昨日会ったばかりだし、毎日顔会わせてるし」
「えっ、そうだっけ?」
「で、何してたのこんな所で?」
「えっ、あっあれだよ!今流行のヒュウマの姉さんごっこだよ!」
「はっ?なにそれ?」
黙ってろ!まゆげが!!
てめぇーに喋りかけてねぇーんだよ!!
「いやだから見てたのさ!」
「何を?」
「何を…ってそりゃあ…」
「そりゃあ?」
「ま、ん!?あぶねぇーーー!!」
「マン?あぶねぇ?」
「いやマンってそりゃあ危ないけど、あぶねーじゃなくてアレだよ!ほらアブ!」
「アブってあの虫?」
「そうそれ!!」
ふぅ〜。ナイス私。見事すぎるカバー。
なべやかんの裏口入学ぐらいうまく誤魔化した。
- 198 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時11分13秒
- 「ふぅ〜ん、まぁいいや。あっ聞きたいことがあったんだ」
「ん、何?」
「あのさぁ〜愛ちゃんって吉澤さんの事好きなの?」
「あぁあ!!」
「あぁあ!ってそんなに怒らなくてもいいじゃん!」
切れる決まってんだろ、この豆が!!
てめぇーなんかとっとと娘辞めてフジッコにでも天下りしろぉ!!
「ち、違うよ!そんなわけないじゃん!」
「えぇ〜、でも私聞いちゃったんだよ」
「何を?」
「愛ちゃんが吉澤さんに惚れたって言ってるのを」
「んなバカな!!」
ん、待てよ…。第1話を、いや昨日の思い出を読み返してみよう…。
…うわぁー!!言ってる!心意気に惚れたとかコッパズカシイこと言っちゃてる!!
- 199 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時15分26秒
- 「いやぁあれは!」
「いやいいんだよ!吉澤さんかっこいいもん。女の子が吉澤さんに惚れてもなんの不思議もないよ」
「そうなの愛ちゃん?」
うわぁーー!!そんな目で見ないで麻琴!!
…でもそんな顔もかわイイ!!
「違うよ!違うよ!そんなわけないじゃん!」
「えぇ〜〜絶対そうだよ。ねっ、まこっちゃん?」
「う〜〜ん。そうなのかなぁ…」
違うんだ麻琴!!私が好きなのはこの世界で麻琴以外にナンビトたりともいないんだ!
うん?ちょっと待てよ…。
この豆笑ってね−か?
まさかこのアマ計算か!!
- 200 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時18分24秒
- 「絶対そうだよ。愛ちゃんは吉澤さんの事が好きなんだよ!!」
「そうなのかぁ〜。じゃあ私も応援するよ!」
「ち、違うんだ…」
「いや大丈夫だよ誰にも言わないから!ねっ、まこっちゃん?」
「うん。言わない、言わない。頑張って!」
「違うんだ…違うんだ…」
「じゃあね!応援してるから!ねっ、まこっちゃん?」
「うん。吉澤さんモテルから敵は多そうだけど…。じゃあね愛ちゃん!」
「ち、違うんだぁぁぁーーーー!!!」
遠ざかっていく彼女たちの背には私の声は届かなかった…。
グスン……。
もうだめだ…。私の負けだ…。
里沙ちゃん、あんたの勝ちだよ。私は燃えつきた。燃えつきちまったよ、おっさん。
- 201 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時19分43秒
- 「おっ、こんな所で何をしているのだい、わが弟子よ?」
「きっ、貴様は!!」
吉澤ひとみ!!
お前さえいなければ、お前さえいなければ!!
……。
ふっ、もう終わった事だ。止めよう。
それに彼女には何の罪もない。私にほんの少しの勇気があればなんとかなった事だ。
- 202 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時22分09秒
- 「…いやなんでもないんですよ。ただ小さな恋のメロディーが終わりを告げただけです」
「なに!振られたのか!!私の弟子ともあろう者が情けない…」
「……はい。でも振られてはいませんよ」
「なんだと!振られていないのか!じゃあなぜあきらめるんだ!バカかお前は?バカかお前は?」
なんで2回も言うんだ?
「…はい。何とでも言ってください。」
「この意気地なしーー!!」
「うわぁあ〜〜!!」
痛い!何をするんだこの人は!?
「ハロモニみたいに色々言ってやりたいけどメンドイから一言」
あっ私は石川さんの役か。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
あっ安西、いや吉澤先生!!
- 203 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時24分38秒
- 「すいませんでした!私が間違っていました!」
「だろだろ。振られてもいないのにあきらめちゃだめよ」
「はい!でもこれから具体的にはどうすればいいんですか?」
「ん〜〜。そうだな、とりあえずジュース買って来い」
「はい!!」
いや愛ちゃん待つんだ、これでこの前は酷い目にあったじゃないか。
「あのぉ〜すいません…」
「ん、何?もうジュース買ってきたの?」
「いや違くて、これには何の意味があるんですか?」
「はぁ?バカかお前は?バカかお前は?」
また2回も言われた。
「喉が渇いたからに決まってんだろうが」
あ、あっぶねぇ〜〜!!
また騙されるところだった!
「あの〜じゃなくて私は恋で悩んでるんですけども?」
「あっそっちの話?あぁ〜それね、そういや具体的にまだ話聞いてなかったね?」
「はい…」
「で、どんなことがあったの」
「あのですね…」
- 204 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月02日(日)21時33分09秒
- # # # # # # # #
「…ってことがあったんですよ」
「なるほど!梨華ちゃんが犯人だったのか!!」
「いや全然そんな話じゃないですけど」
「わかってるよ!一回ボケとかないといけないんだよこのタイミングは!」
「はぁ〜すいません…」
「ちっ!ホントにM−1で優勝する気あるのかなこの子は?」
「いや全くないですけど」
「はいはい。わかってます、わかってます。新垣の事でしょ。
あぁ〜矢口さんならちゃんとつっこんでくれるのに〜」
「…すいません」
やっぱり、いつか必ずほくろの数だけ流星拳をかます!!
「その話なら紺野に頼んでみな」
「えっ?あさ美ちゃんですか?」
「あぁ、あいつにはいつもお世話になってるから」
「は、はい。じゃあ相談してみます」
「あぁ〜そうだ。紺野に何か頼む時はホシイモ持ってかなきゃだめだぞ」
「あっはい。わかりました」
「228の楽屋に居るから」
「はい」
あさ美ちゃんに相談か…。
しかしいつもお世話になってるって何が?
なんか恐ろしい予感がする…。
とりあえず、今日ホシイモ買ってきて明日相談しよう。
- 205 名前:エロ火 投稿日:2003年02月02日(日)22時03分21秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>190 名無し読者様
高橋さんの心にはいつでも吉澤スピリットが宿っています。
そのせいで時々訳のわからない事、誹謗中傷に当る事も言いますが
それは全て吉澤スピリットがやらせているのです。
(o^〜^)<1,2,3、4〜〜!!
>>191 名無し読者様
だいたいこの話が『おがたか』かも怪しくなってきました。
自分でも想像しなかった方へ暴走しだしています。
>>192 174様
安倍さんの名前が間違ってると思ったでしょう?
いやぁ〜良い所に気付きましたね、あれが後々にこの話のキーポイントとなります。
あれは間違えたのではなくてわざとです。
・・・すいません!!更新してから気付きました!お詫びに何時の日かなちよし書かせて頂きます。
>>193 名無し読者様
あの『よしかご』は、上海と呼ばれる高名なお方の欲望を体現、
いやリスペクト、いやオマージュ、いやサンプリング、いやパクリました。
はい、堂々とパクリました。
川メ・д・)<ワリーかよ!!
- 206 名前:191 投稿日:2003年02月03日(月)00時40分02秒
- よきかなよきかな。つーか続くとは思わなかっターヨ。嬉し。
- 207 名前:192 投稿日:2003年02月07日(金)13時13分58秒
- 実はリアルタイムで読んでてすぐにでもレスをしたかったんですが
諸事情により今の今まで延びました!(謎
そうですか!安倍さんの字間違いはキーポイントだったんですね。
私はいいところに気付いたわけですね!!
・・・って、レス楽しすぎます。
いえ、もちろん小説もめっちゃ楽しいです!
これからもっと豆が活躍することを願って更新期待。
- 208 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)22時59分27秒
- よし、ホシイモも昨日買ってきたし、後はあさ美ちゃんを探すだけだ。
確か228の楽屋に居るって言ってたよなぁ?
…2・2・8、2・2・8、あっここだ。
ん?
こんな部屋TV局にあったけ…?
とりあえず入ってみよう……。
なんだ!?
なんも無いじゃないか。
- 209 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時01分04秒
- 「───あ、あ、マイクのテスト中。あ、あ…」
ん?
「…ホシイモは持っているか…」
ん!?なんだ!!
「…ホシイモは持っていないのか?…」
なんだなんだ!どこからか声がする!!
「…持っていないのか…なぁ〜んだ…」
持っているって言った方がいいのかも!?
「持ってます!持ってます!!」
「…えっ!!持ってるの!!…」
「はい!持ってます!」
- 210 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時03分57秒
- 「…じゃあ入り口から3歩進んで右に2歩進んでください…」
「あっはい!」
1,2,3んでここから1,2。
「…そこの畳を3回強く踏みつけてください…」
1,2,3。
「…それではどうぞ…」
ん?
……。
「ぬうわぁぁぁおぉぉぉぉおぉぉぉーーー!!!」
なんだよ!なんだよ!これどうなってるんだ!!
畳がひっくり返った!!
うわぁうわぁ助けて!助けて!
滑る、滑るぅー!!
……。
でもウォータースライダーみたいで楽しいーー!!
「ふぎゃ!!」
うん?終わったのか?
…なんだこの部屋は?
- 211 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時06分47秒
- 「…いらっしゃい」
あ、あさ美ちゃんというよりも…
二葉!!
「あっ愛ちゃんだったんだ」
「な、何やってんのさ!こんな所で!!」
「こんな所ってひどいなぁ。一人でここまで改造したんだよ」
ひ、一人で!!
だってこれは…まるで…というよりも完全にドラマで実験していた場所じゃん!!
…いやそれ以上の実験器具がそろっている。
一体何をする気なんだ…まさか!?
世界を氷で埋め尽くす気か?
いやもしかしたら小人達の首を刈って回る気かも?
『だめじゃない!こんな部屋勝手に作っちゃ!!』
ダメだ!こんなツッコミじゃ足り無すぎる!!
世界を取る気なんだ…あさ美ちゃんは世界を取る気なんだ!!
- 212 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時26分05秒
- 「あっそうだ!ホシイモホシイモ!」
「…あっはい。……これ」
「やったー!これこれ!噛めば噛むほど味が出るんだよなぁ!」
「…あのぉ?」
「ん。なぁに?」
「あの〜これどうしたんですか?」
「これって、この実験器具?」
「はい。ドラマのやつ全部持ってきちゃったの?」
「ははは!違うよ!だってドラマで使ったの全部私が持っていったんだもん!」
「なぁに!?あれ全部あさ美ちゃんのなの!!」
「そうだよぉ」
「ゆぅあビーカー?」
「YES。Myビーカー」
「ゆぅあ白衣?」
「Ah〜YES。My白衣」
「ゆぅあ銀縁メガネ?」
「YESYES!DearMyメ〜ガ〜ネ〜♪」
…やっぱり前々からどこかおかしいとは思っていたけど、ここまでとは…。
- 213 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時28分53秒
- 「そうそう、愛ちゃんココのことはどうやって知ったの?」
「師匠、じゃなくて吉澤さんに教えてもらったんだよ」
「あぁ〜ひとみちゃんにかぁ」
「ひ、ひ、ひとみちゃん!!」
「うん、ひとみちゃん。違うの?」
「ひとみちゃんって吉澤さんだよね?」
「そうだよ」
「あっさりそうだよって言われても!だっていつもは吉澤さんって言ってるじゃん!」
「あぁ〜普段はね。ほら色々とまずいでしょ、あの人もてるから」
「いつの間にそんな中になったのさ?」
「う〜ん、いつからかなぁ?あっ、たぶんあの時だ!」
「あの時ってどの時?」
「それは……」
- 214 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時32分43秒
- ─────ホワホワホワ〜〜〜ン。
「ちっ、行き止まりか!」
「やっと追い詰めたぞ!怪盗228改め怪盗コンギョ!!今日が年貢の納め時だ!」
「まぁ落ち着きたまえ吉澤警部」
「バカヤロー!何年この時を待ちわびたと思ってるんだ!
貴様を追いかけ続け、時にはスズメの親子にいじめられ、
時にはケバイおばさんに変装し、時には人と笑いのセンスの違うお姫様を笑わせながら、
やっとココまで辿り着いたのに、これ以上待っていられるか!!」
「ふっ。君にこの財宝の価値がわかっているのかね?
この『深緑のケメコ汁』の価値が!
これは外面だけが飾られた張りぼてのショーケースに入れて置く様な代物じゃないんだよ!」
「うるせぇー!身命にしやがれ!」
「あっ!?吉澤警部!空を見たまえ!」
「ん?なぁに?」
「バカが見る〜!豚のケツ〜!!」
「うわぁ〜〜!!またやられた!!」
「はっはっは!また会おう吉澤警部!!」
「ちきしょう〜〜!!覚えてやがれ!怪盗コンギョ〜〜〜!!!」
─────ホワホワホワ〜〜〜ン。
- 215 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時36分09秒
- 「…って事があったのよ。あれ?」
「ゴ〜〜〜ル!!あっ話終わった?あさ美ちゃんPS2これしかソフト持ってないの?」
「あぁ〜〜!勝手に人のウイニングイレブンやんないでよ!!」
「ロナウドにマラドーナ、卑怯だね。私ならクラシックは使わないよ」
「そんなこだわり聞いてないよ!
だいたい話初めから私が関係ない話をしてるって気付いてたでしょ!
そんな時はちゃんとつっこんでよ!引き際が難しいんだから!
あぁ〜加護さんならちゃんとつっこんでくれたのにぃ〜」
デジャビューだ。
たいした笑いのセンスも無いくせにボケとつっこみの間にはうるさい人が娘には多いらしい。
「はぁ〜すいません」
「全くフジの土8をホントに次ぐ気があるの〜愛ちゃん?」
「いや全く無い…ってもういいよ!早く話し進めようよ!!」
「ふっふ〜ん!昨日と今日で繰り返し同じ事やったでしょ?
今のお笑いの専門用語で『天丼』って言うんだよ愛ちゃん。
知らなかったでしょ?この前オソロで習ったんだぁ〜」
「ふ〜ん。昨日の事をなぜか知っているのには触れないでおこう…」
「でねホントの切っ掛けは…」
- 216 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時36分59秒
- ────ほわほわほわぁ〜〜〜ん。
「はぁ〜どうしよう。まいった…」
「じゃあこれ使っていいですよ?」
「ありがとう紺野!」
────ほわほわほわぁ〜〜〜ん。
- 217 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時39分19秒
- 「…というわけ」
むっ!?
ここだ!!
ここがつっこみのタイミングだ!!
もうドンドコドンのグッさんじゃない人みたいとは言わせない!!
くらえ紺野ぉぉぉぉーーーー!!
「それだぁ〜けぇ〜かぁぁぁぁーーーーーいっ!!」
「甘い!」
「ぬうわぁぁーー!?」
───ドスン!!
「いってぇぇえーー!!」
「あっごめん」
「なんだよぉちきしょう〜〜、ちゃんとつっこんだじゃないか!」
「ごめんごめん。殺気がこもってたから投げ飛ばしちゃった。テヘっ」
「何がテヘっだ!もう吉澤さんとの関係も聞きたくないよ!!」
「ごめんごめん。かいつまんで言うと吉澤さんが恋で悩んでいたから力を貸してあげただけだよ」
「それで十分じゃないか!!」
…ん?恋!!これだぁ!!
かなり遠回りしたけど点と点が繋がった!金田一少年の気分だ!
- 218 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時43分18秒
- 「それだよあさ美ちゃん!ここに来た目的忘れてたよ!」
「あっそうだね、よしこに聞いてきたんだったね。どんな相談?」
「…よしこ?」
「うん、よしこだよ。いつもはそうやって呼ぶんだぁ」
さっきはひとみちゃん、今はよしこ…。
こいつホントはこんな風に呼んだことねーな。
「あっそうそう。そのよしこさんからあさ美ちゃんに相談しろって言われたんだ」
「という言う事は…あれですなコ・イの相談ですな?」
「えっ、まぁ〜、あはははは」
「あはははは」
「相談に乗ってくれますか?」
「うんいいよ。ホシイモも貰った事だし」
「ホント!ありがとぉー!!」
「まぁまぁ、で、お相手は誰ですかいコノコノ!」
「えぇ〜〜やっぱり言わなきゃダメェ〜〜」
「あたり前じゃん!言えよコノコノ!」
「わかったよぉ〜言うよ〜。あのね私が好きなのは…」
「あっ、まこっちゃんってのは無しね」
「ま、ん!?は、はぁい?」
「だからまこっちゃんってのは無し」
- 219 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時45分51秒
- ……。
まこっちゃんってのは無し。
あさ美ちゃんは確かにこう言った。
これはたぶん冗談とかじゃない。いや絶対。
普段だったらココで何か言い返せるのだが、とてもじゃないが今はそんな事できない。
だってあのあさ美ちゃんが全くの無表情。
怖い。
こんなあさ美ちゃんを見たのは初めてだ。
空気が凍っているかの様に私の肌を刺す。
「それで誰に恋してるの?」
「えっ!?」
どうする!どうしよう?どうすればいいんだ!!
うまい事三段活用が決まった!!
だめだ落ち着け!何を口走ってるんだ!?
私世落ち着くんだ!越知漬け!オチつけろ!!
違う!一体誰にプレッシャーを与えてるんだ!!
- 220 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時49分13秒
- 「まさかぁ〜〜〜。…まこっちゃん?」
「えっ!?ま、ま、まこっちゃん?」
「まこっちゃんじゃないよね?」
「ま、ま、まこっちゃんってあのまこっちゃん?」
「えっ?まこっちゃんなの?」
「まこ、まこ、まこっちゃんってグ…」
「グワシじゃないよ」
うわぁ〜〜ボケる前につっこんだ!!
さっきあんだけつっこみの事で怒っていたのに人のボケを待たずにつっこんだ!
これが巷で聞くボケ殺しか!!
- 221 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時51分24秒
- 「ちょっと待って、えっ、本当にまこっちゃんなの?」
「ま、ま…」
「そうなの?」
「……」
「そうなんだ?」
「……ち」
「ん?」
「ち、違うよ!そんなわけないじゃん!!いやだなぁあさ美ちゃんったら!」
「あっ違うんだ」
「そうだよ、そんなわけないじゃんよ。なんで私が麻琴なんか…」
「そうだよね。あぁビックリした。愛ちゃんも好きなのかと思ったぁ」
「ということはやっぱり麻琴の事を…す、す…」
「好きだよ」
- 222 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時53分21秒
- あらあっさり。
そこは『す、す、す』でひっぱるところじゃないのか。
…いやそんな事はどうでもいい。
やっぱりあさ美ちゃんは麻琴の事が…。
「私はまこっちゃんが好きだよ」
……。
自分が情けなくなってきた。
恋の悩みを解消しに来たはずなのに
なぜか恋のライバルを作ってしまった。
それだけじゃない。あさ美ちゃんは好きな人の事を好きだといえる。
それなのに私は……。
- 223 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月07日(金)23時57分52秒
- 「で、愛ちゃんが好きなのは誰なの?」
「私が…」
「だぁれ?」
「私が好きなのは…」
「愛ちゃんが好きな人は?」
「あさ美ちゃんゴメン!!」
「ん?」
「やっぱり私が好きなのは麻琴なんだ!!」
「……」
「…怒っ…たぁ?」
やっぱり自分の一番純粋な気持ちは裏切れない。
私は麻琴の事が好きだ!!
キャッ!言っちゃった!(心の中で)
- 224 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月08日(土)00時01分29秒
- …浮かれている私をよそにあさ美ちゃんは下を向いて黙り込んでいる。
あさ美ちゃんは今何を考えているのだろう…。
ま、まさか!?
私を亡き者にしようと考えているのか!?
ありえる!この子ならありえる!!
まずい!どうにかしてここから脱出しなければ!
「…愛ちゃん」
「脱出口は…はっ!?な、なんでしょうか!?」
「やっぱりそうだったんだ」
「ひっ?許して!逃げません、逃げません!どちらかと言えばここにいるぜぃえぃ!」
「ごめんね?」
「ふっ?」
「試す様な真似しちゃって」
「へっ?」
「本当は気付いてたよ、愛ちゃんがまこっちゃんの事好きだって」
「ほぉぉー!?」
「ごめんね。でも私がまこっちゃんの事を好きだというのは嘘じゃないよ」
「あさ美ちゃん……」
「愛ちゃんとは今日からライバルだね!正々堂々戦おう!!」
「う、うん!」
なんかイイ!
青春時代1,2,3−って感じ!
さらに言えば3,3,3、さわやか3組ーって感じ!
これよ、これ!!
私が求めていたのはこういう展開だったのよ!
スタート(吉澤)はかなりつまずいたけどイイ感じに少女マンガっぽくなって来たじゃない!
- 225 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月08日(土)00時03分34秒
- 「愛ちゃん、私達はライバルだけど正々堂々やると誓ったからには
出来る限りの事なら相談に乗るよ?ホシイモも貰ったことだし」
「ホントに!ありがとうあさ美ちゃん!!」
「うんうん、私達はライバルでもあり同じ人を好きだという仲間でもあるんだから!」
「あさ美ちゃぁぁ〜〜ん!!」
だめだ、泣けてきた…。
あさ美ちゃんがこんなにイイ奴だったなんて…。
今まで言ってきた失礼な発言の数々をお許しください。
私の自サイト「人間以外の役でも何でもやります!」の
無人島で二人きりになった時に体を許せるコーナーで麻琴の次にランクインしたわ。
「で、どんな相談だったの?」
「あのねそれが…」
- 226 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月08日(土)00時14分57秒
- ё ё ё ё ё ё ё ё ё ё
「───ってことがあったのよ」
「なるほど。2個目の『よくある愛の形』って話は最初の文字を縦読みしてほしいのね」
「そうなんだよ、でもたいした話じゃないけどね…って違うよ!!」
「わかってるよ。面倒くさいけどここはボケとかなきゃいけない雰囲気だったじゃない?」
「まぁボケというよりもカッコワルイ説明だけどね……」
「ホントカッコワルイ……。あれ?本題はなんだっけ?」
「だからぁ里沙ちゃんの事だってば!」
「あぁ里沙ちゃんの言ってるピンチャポーが誰かって話?」
「なかなか引っ張るね。そんな話はしてないけど」
「あぁごめんごめん。あれか?里沙ちゃんの言っているジュマーペールが何処にあるかって話?」
「だから全然違うよ!人の話し全く聞いてないじゃない!!」
「うんうん、わかってるって。
ようするに里沙ちゃんをこの世から跡形も無く消し去りたいんでしょ?」
- 227 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月08日(土)00時16分01秒
- 「微妙だけど…まぁそれでいっかぁ!」
「そうそう里沙ちゃんをギッタギッタに八つ裂きにしよう…っていいのかよぉ!!
今の見た?今のがノリツッコミ!これもオソロで習ったんだぁ。」
「誰も八つ裂きにするとは言ってないけどね……」
「まぁまぁ細かい事は無しにして、要するに里沙ちゃんをまこっちゃんから離せばいいんでしょ?」
「はい。その方向でお願いします」
「まぁまかしときなさいって!今まで何度もこんな事やってきたからね」
「ホントに!じゃあお願い!!」
「んまぁ明日にはまこっちゃんの脳裏から里沙ちゃんを消してあげるよ。
明日を楽しみにしていて。今日はさようなら」
「えっ!?あ、はい。さようなら」
- 228 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月08日(土)00時18分57秒
- とりあえずいつものことながら遠回りをしながらも目的は果たせたのでよしとしよう。
あぁ〜明日が楽しみだ!里沙ちゃんはどうなってしまうのだろう!!
まさか…あの眉毛がワカメみたいにどんどん増殖しちゃって全身毛むくじゃらの
怪人になっちゃって、遂に発見!!都内近郊に存在した野人!!
とか言ってサンスポの一面飾っちゃうのかなぁ?
で電話で謝るのかなぁ?
んん〜〜ワクワクしてきた!
私の前にはもう希望の道しか見えない!!
進め!明日へ!未来へ!ひょっこりひょうたん島へ!!
もう私の歩みを止められる者は誰もいないわ!!
……。
「あさ美ちゃんこの部屋からどうやって出るの?」
- 229 名前:エロ火 投稿日:2003年02月08日(土)00時44分50秒
- 川VvV从<素敵レス!!
>> 191様
つーか終わるのかなぁ…。終わったらいいなぁ…。
はっ!?何を言ってるんだ俺!
もう結末は出来てるんだろ?まさか見切り発車じゃないよなぁ?(物凄い勢いで現実逃避中)
>> 192様
小説よりもレスの方が楽しいなんて、よく言われませんよぉ〜。
いや本当に、初めて言われましたよぉ〜。いやマジですよ、M・A・J・I!
ははは、まるで女の子に「性格はいいんだけどぉ〜」って言われた気分なんて全く思っていませんよ。
ちなみに「性格はいいんだけどぉ〜」なんて生まれてから一度も言われた事なんてありませんよぉ〜。
あれ?おかしいな。
なぜだかわからないけど涙が零れてくらぁ……。
- 230 名前:207 投稿日:2003年02月08日(土)13時01分17秒
- 爆笑!笑いました!高紺(・∀・)イイ!!今までで一番笑ったかもです。
どんどん小ネタが増えてますね。凄いのりの良さ。
作者さんの力量に参ってる所です。本気でいいです。最高ですた。
というか泣かないで下さい!レスも楽しいですがもちろん小説も…
レスの5倍ぐらい楽しいです。面白いし。うん、そうです、はい。
というかレスの方が楽しいなんて私は言ってな(ry
- 231 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月08日(土)13時05分16秒
- ……モテモテだね小川! でも不幸そうだネ!
- 232 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月08日(土)13時06分12秒
- どうでもいいが今頃タテヨミに気付いたぞコノヤロウ! 連続レスごめん。
- 233 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時07分39秒
- 新しい朝が来た〜♪希望の朝だ〜♪
よっしゃぁ〜〜!!遂に決戦の日が来た!
今日が新垣里沙の命日だ!
そして私と麻琴の愛の逃走劇の第一歩が刻まれる。
うん〜〜素晴らしい!
愛の逃走劇、なんて甘美な響きなのだろう。
どこまで亡命しようかしら。
自由の国アメリカ?
それともフリーS〇X(注:愛ちゃんは未成年なので18禁の言葉は言えません)、
フリードラッグ、オランダ?
それともそれとも北朝s(ry。(色々な都合上言えません)
- 234 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時14分07秒
- 「あっ愛ちゃん!待った?」
「おぉ〜〜あさ美ちゃん!全然待ってないよ!
今日という日を待ちわびてドラクエの発売日よろしく
昨日の夜から待っていたけど全然待ってないよ!」
「ドラクエの発売日って言っても今はそれほど売れてないから本当に待ってなさそうに聞えるね」
「ん、そうかい?まぁ細かい事は気にスンナよ!今日の私は機嫌がいいから
何言われても平気だぞ!それよりも計画の方は大丈夫なのかね?」
「もちろん、愛ちゃんは田舎者。
私の手にかかればどんな恋だって、愛ちゃんは本当は訛ってない。
塵一つ残さず消し去る事が出来るわよ、
愛ちゃんは裏では一つ下の辻さんと加護さんをこき使っている」
「そうかい順調かい!……別に良いんだけど『、』の後の悪口は
先程私が何を言われても平気だからと言ったからでしょうか?
そうなんでしょうか?別に良いんだけど………」
- 235 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時15分44秒
- 「そうだよ、愛ちゃんは一々細かい事を気にする。
そんな事はどうでも良いから早く里沙ちゃんを退治しに行こうよ、
愛ちゃんのお母さんも田舎者。そしてでべそだ」
「きっ、きっ、きぃ〜さぁ〜まぁ〜〜〜!!私の悪口は許しても
親の悪口は許さぁぁぁーん!!刀を抜けぇっ!!」
「まぁまぁとりあえず里沙ちゃんに会いに行こうよ、
愛ちゃんは時々訳のわからない事を口走る。きっと親も同じようにキテしまっているのだろう」
「ちきしょぉ〜〜!ちきしょぉ〜〜!親をバカにするな!ちきしょぉ〜〜!」
「はいはい良い子です、良い子ですよぉ〜〜、
愛ちゃんはなんだかんだ言っても結局ついてくる。
社会の歯車の如く働くサラリーマンと一緒だ。
たぶん彼女の父親も自分よりも年下の上司に媚を売りながら毎日を過ごしているのだろう。
もしかしたら収入は実の娘よりも少ないかもしれない。
国民的アイドルの父と言うのも考え物だ……」
「……もういいですよ、私が悪かったです…」
涙なんか流して無いやい!これは心の汗だい!グスン…。
- 236 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時18分49秒
- $ $ $ $ $ $ $ $
あさ美ちゃんに虐められながらも
流した涙が乾いた頃、私達は里沙ちゃんの姿を発見した。
「あっ!?愛ちゃん、里沙ちゃんいたよ!」
「あっ、本当だ。あれが今回のターゲットですぞコンノ15(ヒフティ−ン)さん。
ちゃんと約束通り任せても大丈夫なんでしょうな?」
「あぁ、私は今までどんな仕事も失敗した事は無い…。
それよりも私の後ろには立たないでもらおうか」
「それはそうとあさ美ちゃん?」
「なに?何事も無かったように次の話に行こうとしているけどまさか今のノリ損?」
「里沙ちゃんの恋を終わらせるって簡単に言ってるけど具体的にはどうするの?」
「ふっふっふ。ではそろそろ御見せしようか?タラララッタラ〜〜ン!!」
「何ですかこれ?」
- 237 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時20分44秒
- 「どこでも〜超強力下剤マキシマムFXゥ〜!!」
「F、FX!?」
「説明しよう、これは下剤なのだ!!」
「いや、ドラ〇エもんみたいな紹介してた時に下剤って言っちゃってたし」
「このFXで今までの何人の子が泣いてきたことか…。」
「吉澤さんにはコレをあげてたの?」
「これよりは少し弱めのヤツだよ。
しかし今回はまこっちゃん絡みだからね。
本気には本気で答えてあげないと。グフフ…」
やっぱり恐ろしい子だ。しかし味方につけるとコレほどまでに力強い仲間はいない。
湘北で言う三井、幽白で言う飛影、ドラゴンボールで言うベジータ、電撃ネットワークでいう南部。
そして三井にはスリーポイント。
飛影には邪眼。
ベジータ−には剃り込み。
南部にはおでこのビール。
いずれも恐ろしい力を持つ者達だ。
- 238 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時25分10秒
- 「で、私はどうすれば良いのでしょう?」
「そうだなぁ、まず里沙ちゃんとまこっちゃんを会わせなければなるまい」
「はっ!?なぜここまで来て奴にその様な至福を?」
「ふっふっふ、愛ちゃんもまだまだだなぁ。いいかい?このマキシマムなんたらは飲んだら速攻、
里田さんもビックリのスピードで茶色の彗星ウンポ様がゴールラインを駆け抜ける。
ようするにこれを飲んだ里沙ちゃんはまこっちゃんの前で色々ぶちまけちゃうってわけよ」
「ひ、ひどい!そんな事になったらもう麻琴に顔向けできない、いやそれどころか
人としての威厳が、いやそのまえにアイドルはしないと言う鉄則を破ってしまう!そうなったら
ばれてしまう、石川さんが本当はすr(ry─────何等かの力が働き高橋の言葉は掻き消された。
はっ!?
私は今何を言おうとしていたのだろう!?
記憶が一部削ぎ落とされている。
- 239 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時28分58秒
- 「あさ美ちゃん私、今何を!?」
「見ちゃいけない物、聞いちゃいけない物も、触れちゃいけない物もこの世にはあるのよ愛ちゃん」
なぜだかわからないが、あさ美ちゃんの言葉は私の脊髄にビンビン伝わった。
どうやらこの物語をもう少し進める為には余計な詮索はよした方が良いらしい。
「とかなんとか想っている内に麻琴が!!」
「あっ本当だ!いつのまにか里沙ちゃんの隣にいる!!」
「これは神様が麻琴を連れて来るシーンを書くのが、いや私が麻琴を探すのが
面倒臭くなって無理やり登場させた訳では無いよねあさ美ちゃん?」
「もちろんだよ、神様が里沙ちゃんにジュースを飲ませるシーンを書いていたら
まこっちゃんを出す事を忘れていて無理やり捩じ込んだわけではないよ愛ちゃん!」
…………こんぐらいで許してくれるだろう。
- 240 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時31分38秒
- 「さぁ愛ちゃん!これをジュースに入れて里沙ちゃんに渡すのよ!」
「…うん。いいのかなぁ?」
「イイに決まってるじゃない!だってまこっちゃんの貞操を狙うような下賎よ!
これぐらいの事当然よ、身の程を教えてあげないと!!」
「…う〜ん」
「あっそう、別に愛ちゃんがイイなら私はやらなくてもいいんだよ。
私だって仕方なしに、愛ちゃんの手助けしてるのに。
本当はこんな形で里沙ちゃんの邪魔したくないのに、嫌々愛ちゃんの手助けしてあげてるのに」
ホントかよ。
あきらかに私よりも殺る気じゃん。
でもここで断ったら里沙ちゃんの恋どころか私の命まで危うい。
ここはあさ美ちゃんの言う事を聞いておこう。
- 241 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時38分56秒
- 私は自動販売機でコーラのMを買い、その中に超強力下剤マキシマムFXを入れた。
一瞬コーラの黒い色が青く輝いて見えた。
……。
…ホントに大丈夫なのだろうか?
もしかしてウンポ様が出るだけでは留まらず
里沙ちゃんの魂まで飛び出してしまうではないのだろうか?
しかしココまで来てやめますなど、とてもじゃないが恐ろしくてあさ美ちゃんには言えない。
私は一度あさ美ちゃんの方を振り返った。
彼女は私の幸運を祈るように親指を立てた。
と思ったら両手の人差し指で私を指差し腰を少し落として、
「ゲッツ!!」
……。
意味わかんね−よ。
でも彼女のテンションメーターが振り切っているのはわかった。
- 242 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時49分50秒
- 私は一歩ずつ里沙ちゃんの方に向かった。
里沙ちゃんは麻琴と休憩所のソファーに座って楽しそうにお話している。
時折大袈裟に見えるほど笑ったりなんかしちゃったりしてる。
すこしムカッ腹が立ったけど、彼女の笑顔を見れるのもこれで最後かもしれないと思ったら
急に気持ちが落ち着いた。
「あっ、愛ちゃん!」
あぁ〜〜麻琴ぉ〜。
なんてとろける様な顔をしているのだろう。
麻琴の平坦な顔を見ているだけで心が癒される。
「あっ、吉澤さんの事が好きでたまらなく惚れましたと直接顔見て告白した愛ちゃんだ!!」
おい新垣、今は懐かしい呼び名で言うとコネガキ。
なんだそのツッコンで下さいと言わんばかりの長い説明は?
てめぇーのお下げ無理やり上に引っ張って、おでこの広さ20%増量するぞ。
- 243 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)22時55分15秒
- 「あっそうそう、あれから吉澤さんとどうなったの?ラブラブなんじゃないの?コノコノ!」
そんなわけねぇーだろ麻琴!!
私は麻琴の事を想って、毎日寝る前にジャポニカ学習帳丸ごと一冊
「麻琴好き」「麻琴好き」「麻琴好き」「麻琴好き」…と書き連ねる女だよ。
おかげで何枚ベルマークがたまったかわからないよ。
それなのになんでそんな事を言うのだい?
と直接言えばいいのだろうが私の口から出た言葉は、
「そんなこと無いよぉ」
はぁ!?
なんだその応答はぁ!?
これじゃまるで少女漫画の『好きだけどぉ…本当は好きなんだよ!
…でもぉ…好きなんて言葉恥ずかしくて言えないよ!』状態じゃないか!!
それとも何か?タモリか?んなこたぁないってかぁ?
コージ富田の後釜を狙っているのか?
自分の口下手さにはホントにがっかりだ。
特に麻琴の前だとうまく言葉が出てこない。
- 244 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時07分13秒
- 「それで今日は何のようなの?」
里沙ちゃんが一刻も早くこの場所から消え去れと言わんばかりの口調と顔で私に尋ねた。
私の優しさと言う名の迷いは消え去った。
今宵、里沙ちゃんの恋心、いや芸能生活、いや彼女の命ごと消し去りたいと思うしだいであります。
「里沙ちゃん、今日の収録疲れたでしょう?」
「う、うん」
「これ里沙ちゃんのために買ってきたんだぁ。飲んでくれるかなぁ?」
私の最大級のアイドルスマイルを使った。
これを使ったのは、つんく♂さんと面談した時とお父さんに500円を強請った時だけだ。
いずれもバイセコー大成功!に終わっている。
この愛ちゃんスマイルには全ての男がイチコロなのだ。
…しまった!!相手は根性のひん曲がっている女だった!!
「ありがとう。丁度、喉が渇いていたんだ」
あ、大丈夫だった。
相手の脳味噌のでかさがお豆クラスで助かった。
- 245 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時08分44秒
- 「あれぇ私には無いの?」
「えっ!?」
「里沙ちゃんだけになんだ。…へぇ〜」
な、なんだその視線は!?
ま、まさか麻琴!
私に惚れたなぁ?
いや違う!この視線は疑いの眼差しだ!!
し、しまったぁ!!今度こそホントにやばい!!
このままじゃ私が顔面ほくろアイドル吉澤さんを好きどころか、
顔はちっちゃいけど脳味噌もね、プッ!アイドル里沙ちゃんを好きだと勘違いされてしまう!
どうなるんですかぁ〜〜!!
ひょうたん島がどこに行くか悩んでいる場合ではない!
どうする〜アイ〇ル〜♪と言って犬を追いかけている場合でもない!
どうすればいいんだぁぁぁぁぁーーー!!
- 246 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時11分46秒
- 「はうあぁぁっ!?」
ん?
「オゥ、クオゥ、なんだこの感じは!?」
「どうしたの里沙ちゃん?」
まさか!?
まさか来たのか!!
「かつて無い、かつて無いビックウェーブが私を襲う!!」
「何言ってるの、里沙ちゃん大丈夫?」
ぷっぷっぷぅ!
大丈夫なわけ無いじゃん!!
あさ美ちゃん特性の下剤だよ!!
さぁ見せるのだ里沙よ!!
黄金の、いや茶色のウンポ様を!!
- 247 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時17分37秒
- 「はぁぁぁぁーーもうダメダぁぁぁーーー!!」
「り、里沙ちゃん!?」
そう言うと里沙ちゃんはとてつもない轟音を響かせ目を真っ白にして勢いよく立ち上がった!
───グワァラゴワガキィィーーーン!!
長い沈黙が続いた。
そう全ては終わりを告げたのだ。
かなりの異臭を残して。
「ま、ま、まさか里沙ちゃん?」
麻琴の顔からは恐怖と焦り以外の物も窺えた。
「ま、ま、まこっちゃん…」
里沙ちゃんの顔には絶望と汗しか浮かんでいなかった。
- 248 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時22分30秒
- 「う、嘘でしょ?ねぇ里沙ちゃん嘘って言ってよ!!」
「……ご、ごめん!ごめんなさい!!うわぁぁぁーーん!!」
里沙ちゃんはお尻を抑えながら、少し重たそうに素早く且つ慎重にどこかへと走り出した。
彼女の走り去った後には少しの涙らしき液体が零れていた。
いや涙だ。そう思わなければやりきれない。
「あ、愛ちゃん、う、嘘だよね?ねぇ…嘘だよねぇ?」
麻琴の眼はまるで雨の中捨てられた子犬の様に震えて見えた。
「あぁ嘘さ。全て夢なんだ。大丈夫、私が側にいるよ」
「愛ちゃぁーーん!!」
───ガバッ!!
そう大丈夫。私が側にいるから。
今は私の胸の中で眠りなさい。
起きたら全て元通りだよ。
でも一言だけ心の中で呟いて言いかなぁ?
すんげェェぇぇーーー幸せぇぇーーーー!!!!!
- 249 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時28分02秒
- 「愛ちゃん、まこっちゃんどうしたの?」
「あ、あさ美ちゃん!」
ぬぉぉっ!
麻琴は私を押しのけてあさ美ちゃんを見た。
と言うよりも私を突き飛ばした。いや私の考えすぎだろう。
くそっ!せっかく良いところだったのに!!
もう少しで私の腕の中で麻琴が大変な事になっていたのに!!
しかしここまで来れたのも全部あさ美ちゃんのおかげ。
ここは素直に感謝しよう。
「あさ美ちゃん大変なんだよ!里沙ちゃんが!里沙ちゃんが!!」
「どうしたのまこっちゃん?とりあえず落ち着いてよコレでも飲んで。ほら愛ちゃんも」
「あっ、ありがとう」
私はあさ美ちゃんとアイコンタクトをした。
私は眼であさ美ちゃんにアリガトウと。
するとあさ美ちゃんは少し唇を吊り上げて少したれた目でウマクイッタネと言った。
ふぅ〜かなり遠回りしたけれど全てがうまくいった。
- 250 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時32分14秒
- はぁ〜うまい!
仕事の後の一杯は最高だ!
今はこの勝利の美酒に酔おう。
といってもコーラだけどね。
・・・コーラ。
コーラ、どこかで聞いた名だ。
いや生きているなら一度は聞いた事があるだろう。
そうCMでもやっている。
No reason コカ・コーラと。
そうか理由なんて要らないんだ。
No life no musixってことだね!
ようするにMUSIXの打ち切りに理由など無いということ!
……。
いやだめだ!!
理由ありまくりだよ!!
視聴率が芳しくなかったんだ!!
いやそんな問題じゃない!!!
この真っ黒いの、さっき里沙ちゃんに飲ましたじゃん!!
いや何を疑っているんだ私は。
私のバカ、バカバカバカ!!
あさ美ちゃんと私は麻琴大好き連盟の兄弟契りを交わした仲じゃないか!!
そうだよ、そんなわけないよ!
だとしたらあのジュースを飲んだ後からのこの急速な胃腸の動きマクリスティーはなんだろう?
- 251 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月15日(土)23時37分14秒
- 麻琴大好き連盟。
私は大切な事を忘れていた。
そうあさ美ちゃんは麻琴の事が好きだった。
───まこっちゃんってのは無しね。
───あさ美ちゃんが全くの無表情。
───グワシじゃないよ。
───私はまこっちゃんが好きだよ
───今回はまこっちゃん絡みだからね。
───まこっちゃんの貞操を狙うような下賎よ!
───ギッタギッタに八つ裂きにしよう
───あさ美ちゃんは少し唇を吊り上げて
───ゲッツ!!
一部関係無いと思われる回想があったのならそれは私の限界が近づいているからだ。
薄れ行く意識の中でもう一度麻琴を見た。
麻琴は何事も無かったかのようにジュースを飲んでいる。
何事も無かったかのようにって里沙ちゃんの事はもうイイのかよっ!
……まだつっこめる力は残っていたようだ。
そして最後にあさ美ちゃんの顔を見る。
あさ美ちゃんは全てを理解した顔で私を見ていた。
そして口だけを動かし、こう言った。
───バイバイ。
全てはFになったのだ。(F=feces)
- 252 名前:エロ火 投稿日:2003年02月15日(土)23時48分16秒
- ( ‘д‘)ちゃんレス!
>>230 207様
小ネタというか、もうやりたい放題です。
本当にこういう話しは自己満足で書かせて頂いているので
不安で夜も眠れずに枕を濡らす日々を過ごしているので
笑ったと言うレスは( ‘д‘)しく励みになります。
いつもいつも本当に有難う御座います。
- 253 名前:エロ火 投稿日:2003年02月15日(土)23時57分52秒
- ( ´D`)ちゃんレス!
>>231-232 名無し読者様
物語の最中に物語の説明をするという画期的な卑怯テクニックを思いついたのでやらさせて頂きました。
本当に伝わっているのかどうか半信半疑だったのでカッコワルイながらもやってよかったです。
人間はモテて本当に幸せなのか?これが今回僕が言いたかった最大のテーマです。
ちなみに僕はモテルのでヴァレンタインはマロンケーキと失敗したクッキーとチロルチョコを貰いました。
手作りチョコを貰った奴は死ねばいいんだ……。
- 254 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月19日(水)20時33分59秒
- ここまで読みました。
「ゲッツ!!」が胸の柔らかいところを締めつけます。
スノースマイルが好きです。なんか飯田だと思いました。
公転ヴァンパイア、わかんなかったです。
みんなはわかってんだろうな……ちぇ。
あのう、エロ火さんの紺野さんが好きですよ。
と告白も終わったところでね。
某所でカウンタ1万踏んだ心当たりがあれば、
そこの管理人に空メールでも入れてやってください。
お手数ですけど、よろしくですー。
- 255 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)20時50分10秒
- あれから1日が経った。
しかし私に明日など無い。
全ては終わってしまったのだ。
私と麻琴の恋。
そしてアイドルとしての華々しい生活も。
楽屋のドアの前で立ち止まってどの位の時が過ぎたのだろう。
私にはもう『モーニング娘。様』と書かれたこのドアを開ける事等は出来ない。
私にはそんな資格など無いのだ。
…はぁ〜、福井は春ですか?
こっちはまだ冬です、お母さん。
- 256 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)20時51分52秒
- 遠くから一つの人影が見える。
そう、あの影は今となっては私の唯一の救いでありそして戦友。
新垣里沙ちゃんだ。
「…おっす、里沙ちゃん」
「……おっす、愛ちゃん」
…それ以上私たちの会話は続かない。
里沙ちゃんはまだ知らない。
昨日のあの出来事が私のせいだと言う事を。
しかし私がやりましたなど口が裂けても言えない。
すまない、正直すまんかった里沙ちゃん…。
「どうしたの愛ちゃん?涙ぐんで。それになんで楽屋に入らないの?」
「…ごめんね…ごめんね」
私はそれ以上言葉を繋げなかった。
- 257 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)20時53分30秒
- 「……愛ちゃんは…愛ちゃんは…まだ私と友達でいてくれるの?」
「えっ?」
「昨日はあんな事になっちゃったけど…まだ私と友達でいてくれるの?」
……。
「うわぁぁぁ〜〜〜ん!!」
「あ、愛ちゃんどうしたの!?」
ダメだ、私は悪い子だ!!
良い子、悪い子、普通の子カップで競争したら、圧勝で悪い子だ!倍率1.1倍だ!!
里沙ちゃんの言葉が私を突き刺す。
なんて事をしてしまったんだ私は!!
友人を裏切ると言う取り返しのつかない行為をしてしまった!!
いつも無くした場所は後になって気づくんだ!!
- 258 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)20時54分42秒
- 私があんな事を考えなければ…。
私があさ美ちゃんに頼まなければ…。
私が吉澤さんに相談しなければ…。
・・・そう吉澤さんのせいだ・・・。
そうだ!全部吉澤さんのせいだ!!
私は何一つ悪くない!!
私達のこのやるせない怒りと悲しみは彼女にこそぶつけるべきなんだ!!
そうと決めたら殺るしかない!!
仕返しだ!復讐だ!八つ当たりだ!!
奴に血の雨を、奴に永劫の苦しみを!
祭りだ!サマーパーティーだ!レゲエレインボーだ!ワッショイワッショイ、パラソルパラソル!!
- 259 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)20時56分01秒
- 「里沙ちゃん殺るぞ!」
「えっ?何を?」
「殺るっつったら殺るんだよ!!」
「やるってだから何を?」
「復讐だよ!昨日のリベンジだよ!!」
「昨日のリベンジって…。えっ!?どういう事!!」
「あぁ言い忘れてたな!里沙ちゃんが昨日噴射しちゃったのは全部私のせいだよ!!」
「え、え、えぇぇぇーー!!い、今なんて!?」
「うるせぇぇぇー!!一回聞いた事をもう一度聞きなおすなバカヤロぉぉーー!!」
「ひぅぃ!?す、すいません!」
「とにかく全部吉澤の野郎が悪いんだよ!!あいつが私の麻琴に対する
ストーカーに気付かなければこんなことにはならなかったんだ!!」
「まずい…愛ちゃん目が逝っちゃってる…」
「行くぞ!豆!!」
「あ、愛ちゃん落ち着いて…」
「うるせぇーー!!もう引けねぇーんだよ!!奴にほくろの分だけ流星拳をかまさないとな!!」
「あ、愛ちゃん待って!!楽屋のドアを開けないで!!」
私はかまわず楽屋のドアを蹴り開けた!
- 260 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)20時58分16秒
- 「うらぁぁぁぁーーー!!吉澤はいるかぁ!!」
「あ、愛ちゃん落ち着いてよ!!」
里沙ちゃんがいくら止めたって私は止まらない。
もう復讐しか私には残されていないのだから!
「おらぁ!!吉澤を出せぇい、吉澤ぉぅを!!」
楽屋にいる全ての人間の眼が私達に向けられた。
「何やってるの?愛ちゃん?」
ま、麻琴。
楽屋には麻琴とあさ美ちゃん、それに吉澤さんが居た。
あぁ〜麻琴はかわいい……。
ダメだ!!
今はそんな事言ってる場合じゃない!!
私には吉澤を叩きのめすという確固たる目的があるのだから!
- 261 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時01分13秒
- 「あぁ?私になんか用かよぉう高橋ぃぃ〜?」
うっ!?な、なんて怖い顔をするんだこの人は……。
「い、いや、用っていうかぁ〜なんて言うかぁ〜……」
「おい、お前さっき吉澤とかなんとか言ってなかったかぁ?」
「えっ!?ソ、ソンナワケナイジャナイデスカ・・・あははは……」
「い〜や、確かに言った。お前はこの私に向かって吉澤と言った」
「そ、そ、そんな事言う訳ないじゃないですかぁ!ね、ねぇ里沙ちゃん?」
「えぇうぇ〜〜!?なんで私に振るの!?」
「本当かぁぁ新垣ぃぃ〜?」
「いやたぶん言ってないと思わないことも無いです……」
「本当かぁ高橋ぃぇぃ〜?」
「は、はい!!私は聞えないような小さな声でちゃんと最後に
『さん』と言っていました。里沙ちゃんは知らないけど…」
「ぬ、ぬ、ぬうぅえぇ〜〜!!私は何も言ってないじゃん!!何で私まで犠牲にするのさ!!」
「や、やめてよ里沙ちゃん・・・人のせいにしないでよ・・・」
まずい、これじゃ私が一方的に悪いみたいじゃないか。
それどころか吉澤さんに投げっぱなしジャーマンをくらいそうな勢いだ。
ど、どうしよう!!!
- 262 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時03分59秒
- 「まぁまぁ吉澤さんも落ち着いてくださいよ?」
あ、あさ美ちゃん!?
「この程度の事で一々腹を立てていては太っ腹キングの異名を持つ吉澤さんの名が廃りますよ」
「うん?そうかい?まぁ紺野がそこまで私の事を褒めるんなら許してやってもイイっか!」
ほ、褒めているのか?
まぁいい、危険は回避できたようだ。
しかしあさ美ちゃん今さら何故?
「でも昨日はビックリしたよね、まこっちゃん?」
「うん!すごいビックリした!!!」
のぉあっはぁっ!!!
そういう事かカカロットォゥ!!
一度上げておいて落とす。
バライティーの基礎的な話法だな!
ちきしょぉー、すっかり都会の色に染まりやがって!
北海道の雪の様な純粋無垢なあさ美ちゃんはどこに行ったんだべさ?
- 263 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時05分24秒
- くそぉぉぉーー!!やりたきゃやれぇぇーーー!!
武士は死に場所を選ばん!!
「何やってるの愛ちゃん?いきなり大の字に寝そべって?」
「わかってるんよあさ美ちゃん!あんたのやりたい事はわかってるのさ!!」
「はぁ?何言ってるの?やっぱり愛ちゃんっておかしいね、まこっちゃん」
「わははは!ホントおかしい!昨日の里沙ちゃんと
愛ちゃんのドッキリもすっかり騙されちゃったよ私!」
「ちきしょう笑いたきゃ笑えばいいさ!昨日の事だって、へぇっ?……ドッ…キリ?」
「そう、ドッキリだったんでしょ?あさ美ちゃんに事実を聞くまでは完全に騙されてたよ!」
ど、ど、ドッキリ?
昨日の事はドッキリだっけ?
う〜ん、確か私は昨日里沙ちゃんにコーラを飲まし、そしてその後私もコーラを飲み、
そして仲良く並んでトイレに閉じ篭っていた筈じゃ……。
- 264 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時07分22秒
- いや待てよ……。
よくよく考えるとドッキリかもしれない……。
いやドッキリだ!!
だって私がウンポ様なんてするわけないもん!!
このスーパーアイドル愛ちゃんが!!
国民的アイドルモーニング娘。のセンターを近い将来任されるであろう愛ちゃんが!!!
そうだよドッキリだよ!!
里沙ちゃんの事はわからないけど……。
いや彼女もドッキリだろう……。
仕方が無いからそういうことにしとこう。
ふぅ〜〜あぶねぇー自分に騙されかけた。
十角館以来の叙述トリックだ!
新進気鋭の作家として期待されるところだったよ。
- 265 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時09分00秒
- 「ホントにやられたよ!愛ちゃんも里沙ちゃんも演技うますぎ!」
「あ、あははは、まぁドラマスペシャルで何時出てたの?
ってぐらいのちょい役をまかせられるほどだからね!なぁ里沙ちゃん?」
「えっ!?そ、そうだよね、まぁ少しやりすぎかぁ〜とは思ったんだけどね。あ、あはは」
「ほんとほんと、良い演技だったよ愛ちゃん里沙ちゃん。
あっ、ちょっと話があるからこっちに来てもらえる?」
「ん?いいけど」
「じゃあ吉澤さん、まこっちゃん少し出てきます」
あさ美ちゃんに呼ばれるままに楽屋の外に出た。
廊下には私達以外の人影は覗けなかった。
あさ美ちゃんは満面の笑みを浮かべている。
- 266 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時10分20秒
- 「いやぁ〜あさ美ちゃん、昨日はびっくりしたよ。あさ美ちゃんに騙されたと思ってたもん」
「ホントだよ!私だってもうモーニング娘。やめなきゃいけないかと悩んだもん!」
「いやぁ〜でもドッキリだったとは、あさ美ちゃんに一本とられたよ!なぁ里沙ちゃん」
「うん。でも良かった。本当に良かった…」
里沙ちゃんはそう言うと少し目に涙をためていた。
……里沙ちゃん良かったね。
里沙ちゃんを見ていたら私もなぜか眼の奥が熱くなった。
私と里沙ちゃんは視線を合わせると何も言わずに抱き合った。
もし作戦が成功して麻琴と合体できても私は
その代償にもっと大きな大切な物を無くすところだった。
そう友情と言う名の絆を。
- 267 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時11分59秒
- しかしその絆もあさ美ちゃんの一言で簡単に引き裂かれた。
「なに言ってるの?昨日の事は全部事実だよ」
私達は抱き合ったままあさ美ちゃんの方に顔を向けた。
あさ美ちゃんの先程の笑顔はどこへ行ったのだろう?
そこにはあの一度だけ見たことのある、無機質な冷たい鉄仮面ような表情があった。
いや表情が無いのだ。
彼女の顔からは感情というものを見出す事は出来なかった。
この顔を見たのは「まこっちゃんてのは無し」と言われた時以来だ。
まこっちゃんてのは無し。
そう彼女の中で全てはこの時に決まっていたんだ。
私達を丸ごと麻琴の前から消し去ろうと。
- 268 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時14分23秒
- 「くくくっ……いやぁ〜しかし、あそこまで全て上手く行くとは思わなかったよ」
「あ…あさ美ちゃん?」
あさ美ちゃんは緩やかに鉄の仮面を外した。
里沙ちゃんはまだあさ美ちゃんの変わり様に付いて行けてなかった。
私はなるべく感情を抑えた声で彼女に訊いた。
「ここまで考えていたとは…あさ美ちゃん」
「そう?大したことじゃないよ」
「ど、どういうこと!?愛ちゃん!!」
里沙ちゃんは全てが理解できずにただ体を震わしていた。
私は里沙ちゃんの肩を抱き同時に自分の気持ちも落ち着かせようとした。
「り、里沙ちゃん…私達は踊らされていたんだ。あさ美ちゃんの手の上でね…」
「くくくっ、理解が速いと言うより順応が速いね、愛ちゃん」
「どういうことなの!!愛ちゃん!!私達はやっぱりしちゃったの!!」
里沙ちゃんがヒステリックに叫ぶ。
冷たい廊下に深深と響いた。
あさ美ちゃんは次に出てくる言葉を待つかの様に冷淡に私の顔を見ていた。
- 269 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時16分39秒
- 「里沙ちゃん、落ち着いて。私達がするのか、それともしないのかは全て私達次第なの」
「なんで!?どうして!?」
「あのね、里沙ちゃん落ち着いて聞いて?
私達はあさ美ちゃんにはめられたの。
あさ美ちゃんは私に協力をする振りをして煩わしい
私ごと丸めて一気にポイっと捨て去ろうとしたの!
あさ美ちゃんは私達の人を嵌めたという
加害者意識を利用して必要最小限の労力でこの犯罪を成功させたのよ!!」
「えっ!?ていうか私は誰もはめていないんじゃぁ……私だけが純粋な被害者なんじゃぁ……」
「黙って!!今はそんな小さな問題に時間を使っている暇はないの!!」
「ひぃっ!?す、すいません!!」
「くそぉぉー!麻琴にドッキリだと嘘を言ったのも
麻琴から冷たくされて恋心を私達に断ち切らせるより、
麻琴への愛を持ったままそれを一生伝えられないと言う生殺しを味あわせるためだな!!」
- 270 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時19分41秒
- 「はははははっ、それは加害妄想というものだよ。
ただ麻琴に変な気を使わせるのが可哀想だと想ったから言わなかっただけだよ。
私はフェミニストだからね。
まぁ言っても言わなくても本当はどちらでも良いんだが
愛ちゃんや里沙ちゃんにも酌量の余地を与えておこうと思ってね。
私はフェミニストだから。」
あさ美ちゃんは一息つくとまた話を続けた
「私からの条件は一つ、麻琴へのアプローチを止めて頂こう。私が望むのはそれだけだよ。
もちろん麻琴とは今までと同じ様に何も変わらずに
話して頂いて結構、それに麻琴を思い続けて頂いても構わない。
それが叶わない事だと知った上での自虐的な恋だとしてもね
恋人はもてる方が自慢になるからね。ただしその想いは決して伝えてはいけない。
それが私からの唯一の引き換え条件だよ」
やっぱり生殺しじゃねぇぇーか!!
くそっ!!なんと酷い条件だ!
ポーツマス条約以上に不当な条件だ!!
こんなでは死んでいった戦友が浮ばれん!!(主に里沙ちゃん)
だいたいさっきから何かが引っかかる。
何かが癇に障って仕方ない。
一体なんだ。
- 271 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時23分05秒
- 「さぁどうする?麻琴と今までどおり話したいのなら
この条件を飲んだほうが利口だと思うよ?麻琴が好きなんでしょ?」
そう麻琴が好きなんだ……。
麻琴が…麻琴が…ま…こ…とぉぅ!?
ま、ま、麻琴ぉぉぉぉおおぉーーー!!??
そうかわかったぞ!これかぁぁいっ!!
このぉぅくそがきゃぁぁあぁーーー!!
私しか踏み入れていない聖域に遂に踏み込んだなぁあぁあーーー!!
冷静でなんかいられるか!!
そうだ!!
今ココでコイツをボッコボコにしてやればコイツも
麻琴なんて勘違いした発言は出来なくなるだろう!
なんだか、するかしないかなんてどうでも良くなった!!
だいたいこの程度の事で迷うなんて国民的アイドルの愛ちゃんらしくない!
そうだ!やるしかない!!
ハードボイルドじゃなきゃ、この世界は生きていけないんだ!!
故中澤裕子先生も言っていた。
「やられるまえにやれ」
そしてつんくちゃんも言っていた。
「やっちゃえ、まずやっちゃえ」
元お豚様の安倍さんも言っていた。
「殺るべし!!」
殺るっきゃねぇーー!!
- 272 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時24分38秒
- 「里沙ちゃん、私は決めたよ」
「そうだよね…やっぱり条件を飲むしかないよね…」
「いや飲まん!!」
「えっ!?」
「里沙ちゃん、人には神が獣には与えなかった素晴らしい能力を持っているのを知っている?」
「なに?り、理性?」
「違うね、逆ギレだよ!!」
「えぇぇぇぇーーー!?」
「理屈じゃねぇーんだ!理屈じゃあ!!」
「う、うん。なんだかわからないけど私にも力が湧いてきた!殺ろう!」
「逝くぞ!里沙ちゃん!!」
「おう!!」
くらえ!!コンギョオ!!
私達の愛と友情と努力のツープラトンを!!
「くらえっ!今まで封じられてきた愛の鉄拳を!!愛ちゃん流星拳〜〜!!」
「私の眉毛は伊達じゃない!!眉毛ビィィィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ム!!」
- 273 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年02月23日(日)21時26分34秒
- 閃光が走った。
体が中に舞った。
目の前の景色が反転して全てが歪んだ。
空気は焼きつき私の肌を襲った。
同時に激しい吐き気が催した。
「ぐはっ!!!」
「ぶべらぁ!!」
「紺野『A24上海萌え男。』流、
『早く続きを書けやゴラァ!!』の構え、『ナマ言ってすいません』拳…」
恐ろしく色々な人々の気持ちを抱えた拳だ。
私程度の怒りじゃ適うわけが無かった。
あさ美ちゃんが静かに口を開いた。
「一言だけ言える事があれば…半年ROMって来い!!」
すいませんでした…逝って来ます…。
- 274 名前:エロ火 投稿日:2003年02月23日(日)21時35分45秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>254 名無し読者様
そうですか、ここの紺野さんが好きですか。
それはあれですね。
遠まわしに僕と結婚を前提にお付き合いして下さいって言う事ですね。
考えない事も無いけど、誠意として3000万包んで来て下さい。
話しはそれからだ!!帰った!帰った!!
- 275 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年03月03日(月)01時17分10秒
- 何が起こってるんだろう・・・
- 276 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月05日(水)20時06分29秒
- 今更読んで、今更面白いことに気づいたり・・。
キャラ達にあがらいがたい魅力を感じる。
- 277 名前: ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時24分00秒
# # # # # # # # # # #
────暗い…。
ここは何処だ…。
何も聞えない、何も見えない。
怖い!
自分の位置がわからない、自分が誰かも忘れてしまいそうだ…。
もう良い。私は十分にやったよ…。
もう良いんだ…。
疲れた、眠ろう……。
- 278 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時26分36秒
「愛、起きんさい。愛」
あぁ〜おかぁ〜さん。
愛はつかれたんよ。
もう帰ってもいいっしょっ?
「だめんよ、愛。まだ愛はコッチに来てはいけんよ」
おかぁさん。
もういいんよ、もういい。
「ほら起きなしぃ、愛、あんたは一人じゃないんやよ」
え?
- 279 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時27分32秒
「あんた一人で全部やろうとするから失敗するんしょ、あんたには大きな仲間がいるっしょよ?」
大きな仲間?
「そう、大きな。とても大きな……」
あっ!?
おかぁさん!どこに行くの!
待って!!
おかぁぁ〜さぁ〜〜ん〜〜!!………。
- 280 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時28分45秒
────……なんだ明るい。
夢だったのか?
「うっ…?」
頭痛がする。それに体の節々が痛い。
そうか私はあさ美ちゃんに滅茶苦茶にやられたんだった……。
ってなんだぁ!!??
何をしているの吉澤さん!?
目を瞑って私の顔に近付いてくる!!
この人、本当にほくろ多いな…って感心してる場合じゃない!!
- 281 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時29分58秒
「うおぉい!!何してるんですか!!!」
「うお!起きたのか…ちっ!もうチョイだったのに……」
「もうチョイってあんた…まさか!?」
「え?だってお姫様は王子様の口付けで目覚めるって言うじゃん?」
「やっぱりか!愛ちゃんのファーストキッスはそんなに安くないわ!!」
「おいおい、私だって嫌々だったんだぜ?でも新垣がそれしか起こす手段が無いって言うから」
嫌々っていう顔じゃないだろ!
めっちゃにやけてるじゃん!
それに里沙ちゃんは何てことを言い出すんだ!
里沙ちゃんは私と目を合さない様にわざとらしく手元にある雑誌を読み出した。
実は昨日の事を根に持っているのか…。
- 282 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時30分51秒
「いやぁ〜でも良かったよ。二人とも死んでなくて」
「あっ!?そうだ!!あさ美ちゃんと麻琴は!?」
「ん?あいつならどっかに二人で行ったよ?」
「り…里沙ちゃん、どうなったの?」
里沙ちゃんは雑誌を閉じ深刻な顔になった。
聞かなくてもわかった。
里沙ちゃんは……。
「私は条件を飲んだ…もうそれ以外残っていないもの…」
やっぱり…。
でも確かにそれ以外何も残されていない気がする……。
もうそれしか………。
「何を飲んだの?それウマイの?」
- 283 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時32分31秒
- はぁ〜…この人は…。
思考能力が辻さんと変わらな…
!?
待てよ!!
そうだ私にはこの人がいたんだ!!
大きな瞳、大きな身長、大きな腹!
お母さんが言っていた人はこの人だ!!
もうこの人しか頼れる人はいない。
「吉澤さん!いやお師匠!」
「ぬおっ!久しぶりの響きに少しビックリしたが、なんだ弟子よ!」
「助けてください!」
「おうおう!なんだなんだ!なんでも私に頼りなさい!」
「愛ちゃん!まさか吉澤さんに頼むの!?」
「里沙ちゃん、私達に残されている道はもうこれだけよ!
毒には毒を持って制するしかないの!」
「わかった!私も一度死んだ身!例え確立が1%でも全てこの人に託すわ!」
「おう!!新垣もか!来い来いカモォォォーーンナっ!!
何気なく悪口言われた気もするけど気のせいだろう!!
で、どんなことがあったんだ?」
「実は……」
- 284 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時36分15秒
- × × × × × × × ×
「ってことがあったんですよ」
「なにぃぃ〜〜〜!!…………すまん、もう何も浮ばん、ネタ切れだ…」
「大丈夫です、そろそろこのパターンも飽きられてる頃ですから」
「そうか良かった。しかし君たち…ぷぷぷ〜」
「な、なんですか!笑わないっていう約束じゃないですか!」
「だって、あれ君達いくつだっけ?高1に中2でしょ?いやぁ〜まさかねぇ〜ぷぷぷ」
「…愛ちゃん、やっぱり失敗だったんじゃないの?この人に相談したのは」
「大丈夫、私も何度もそう思いながらここまで来たんだから」
そう最初に缶ジュースを買いに行かされみんなに怒られた。
そしてあさ美ちゃんを紹介されとんでもない事があって今にいたる。
- 285 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時39分55秒
予想通りやっぱりダメじゃん!!!
禿げしくみんな失敗してるじゃん!!!
何もかもやっぱりこの人のせいじゃん!
まぁ落ち着け愛ちゃん、マイナス×マイナスはプラスだ。
もうあさ美ちゃんに勝てるのは吉澤さんしかいない。
ふっ、マイナス×マイナスがプラスなんて賢いところを見せつけてしまったかな?
「まぁ、全てこの私に任せないさい!全部丸ごと丸く納めてあげるから!」
「さすが師匠!だてに体も丸くない!!……里沙ちゃん
何してるの!!ここは嫌でも抱き着かないといけないのよ!」
「はっ!?し、師匠〜〜!!」
「はっはっは!カワイイ我が弟子たちよ!タイタニックに乗ったつもりで
待っていろ!なに?もう使い古されてる?知った事か!!がっはははは」
- 286 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時41分15秒
- ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂ ♂
そして私達は麻琴とあさ美ちゃんの元に向かった。
私と里沙ちゃんは心配で胸が張り裂けそうだったが
師匠はお構い無しに笑顔で突き進んでいた。
「…愛ちゃん、本当に本当に大丈夫なの?」
「……たぶん」
「……何よ!たぶんって!」
「……いや、たぶん、ダメ」
「ダメなのかよ!」
「何を小声で話し合っているんだいMyデ〜シ〜?」
「いや何でもありません、弟子と言う英語がわからなかった事も気になりません、勝つまでは!」
「そうかい、そうかい!おっ!ほらあそこに紺野と小川がいるよ!」
「愛ちゃん!私なんだか酷く嫌な予感がするの!」
「大丈夫、私はこの人と出会った時からしているから」
「じゃあ、ちょっくら行ってくらぁ。待っててちょ」
- 287 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時42分09秒
- ……まずい。
何だろう。里沙ちゃんが言うように嫌な予感がする。
里沙ちゃんもそれを感じ取っているのか既に泣きそうに、眉毛の間に皺を作っている。
何なんだ、この拭い切れない不安は…。
今までも何度も不安はあった。
しかし、今までに無い程の不安が私を責める。
大丈夫なのだろうか…私は今からとんでもない過ちを犯そうとしているのではないのか…。
「あっ、愛ちゃん見て」
- 288 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時43分17秒
- 里沙ちゃんの声と共に視線を上げると師匠が二人の元に辿り着いていた
声は聞えないが師匠と麻琴がなにやら話し合っている。
ん?
麻琴が一人で何処かへ歩き出した。
トイレにでも行くのだろうか?
いや、どうやら師匠があさ美ちゃんと二人きりになるように仕向けたらしい。
本気になったらやはりできる人だった。
どうやら私の不安は杞憂で終わるみたい。
む?
何やらあさ美ちゃんが怒鳴っている。
珍しい彼女のあんな姿を見たのは初めてかもしれない。
吉澤さんはそれを宥めているみたいだ。
と、思った瞬間、
な、な、何してんだぁぁぁぁーーー!!!
隣の里沙ちゃんを見ると今、眼前で繰り広げられた光景を受け止められずに呆然としていた。
そりゃそうだ!
私だって信じられん!
だってあさ美ちゃんが何かを話しているのに、有無を
言わさず電光石火の延髄蹴りをあさ美ちゃんに決めた。
あさ美ちゃんは一瞬にして気を失い、床に倒れこんで泡を噴いている。
…恐ろしい。
いや彼女の今の行為は正攻法かもしれない。
力には力で。
間違いではない。
いや感服仕っている場合じゃないよ!何してくれてんだあの人!!
私は急いで吉澤さんの元に向かった。
- 289 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時45分33秒
「な、何してるんですか!吉澤さん!!」
「ほ、本当ですよ!イキナリ蹴り飛ばすなんて!!」
里沙ちゃんも息を切らせながら私の後に続いた。
「だってさぁ、私が優しく話してあげてんのに全く言う事聞かないんだもん!」
「だ、だからって蹴る事はないでしょう!!」
「えぇ〜〜めんどくさいじゃぁ〜ん」
「麻琴にはなんて言うんですか!!」
「あぁ〜それ?そこら辺は任せてよ!私の軽快なトークで何とかするから!」
「け、軽快なトークってあんた…」
どうすればいいんだ!
不安は当たってしまった!
ついにこの戦いに死者が出てしまった!
これ以上この人に任せて本当に大丈夫なのか?
また私の麻琴にイキナリ延髄蹴りとかまさないだろうか?
ダメだ!不安すぎる!もう任せられない!!
- 290 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時47分18秒
- 「愛ちゃんもう止めようよ?危険すぎるよ…」
里沙ちゃんも同意見のようだ。
ここは私が勇気を持って言うしかない!!
里沙ちゃんには、もう迷惑をかけられない!!
「吉澤さん悪いんですけど…もうここら辺で…」
「なに?えっ、どういうこと?」
「だからもうここら辺で結構です…」
「えっ?というと私の助けはもういらないって事?」
「え!?え、えぇ〜…」
「嘘だぁぁ〜〜ここまできといてそれはないっしょ!」
「……いや嘘ではありません、本当に有難う御座いました」
「はぁ?えっ、本当にもういいの?」
「は、はい。お疲れ様でした……」
「えぇ〜と、途中で止めるって事は私の力が足りなかったんだよねぇ〜?」
「いや!決してそう言う事では!!」
「いや!そうだね!絶対そう!お前はこの私に向かってそう言ってるよ!!」
- 291 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時49分10秒
- うわぁぁぁ〜〜〜!!出たよこの顔!!
わがまま過ぎるよこの人!子供だよ子供!!でっかい小太りの子供だよ!!
「そ、そんな事無いよね……里沙ちゃん?」
「うえぇぇ〜〜!?また私に振った!都合悪くなるとすぐ私だよこの人!!」
「そうなのかぁ?ニ、イ、ガ、キぃぃ〜?」
「う、う、うえぇぇぇぇ〜〜ん!すいません、そんなことないですぅぅ〜〜!!」
悪魔だ。
私は悪魔と契約してしまったんだ。
もう引き返せないんだ………。
「じゃあ嘘って事でいいのかぁ?タ、カ、ハ、シィィィ〜?」
「は、は、は、π。いや、はい!!全くのでたらめでした、これからもよろしくお願いします!!」
「そうかそうか、なら良いんだよ!じゃあ小川を説得してくるね!!」
悪魔は見たことの無い笑顔で旅立った。
もう動き出した悪魔を止める術は私には無い。
後は全てが終わりを告げるのを待つしかない。
願わくば最愛の人麻琴が、明日もお天道様を見れますように。
- 292 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時50分55秒
「里沙ちゃん、もうダメだよ、二人で麻琴が肋骨の一本ぐらいで済む様に祈ろう?」
「うん。もうそれしかないね……」
うん?足元で何かが蠢いている。
「うっ、うぅぅぅ〜〜……」
「あ、あさ美ちゃん!生きていたの!?」
「う、うん…。なんとか大丈夫みたい……」
すごい!あんな蹴りをクラって生きていられるなんて。
確実に手遅れだと思って放置していたのに。
「くそぉぉ〜〜…。あの人滅茶苦茶だよ!!」
「あさ美ちゃん今更だよ……」
「だって、会ってすぐ何を言い出すかと思えば『小川をあきらめろ』だよ!!
何を言ってもそれしか言わないんだよ!あまりに頭が来たから文句言ったらこの有様だよ……」
やはり恐ろしい人だ。
あの人は軽快なトークをすると言っていた。
悪魔にそんな高等な話なんて出来るわけ無いんだ。
あえて言うなら警戒なトークだろう。
上手い事言うな、愛ちゃん。
- 293 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時52分54秒
「しかし恐ろしい…初めて見えない蹴りを見たよ。私が今まで戦ってきたどんな猛者よりも強い。
百人組み手も、いや伝説の熊殺しすら為し得てしまうだろう……」
あさ美ちゃん、あなたアイドルになる前にどんな生き方をしてきたの?
「そうだ!あさ美ちゃん!麻琴がまずいんだ!!
悪魔が次のターゲットを麻琴に定めたんだ!!」
「何!?それは本当かい!こうしちゃいられないよ!!
早く麻琴を助けに行かなくちゃ!!」
さすがあさ美ちゃんだ。
前も言ったが敵にまわすとあれほど恐ろしい相手は
いないが見方にするとこれほど頼り強い人もいない。
「愛ちゃん、里沙ちゃん。とりあえず今は休戦って事で3人で麻琴を助けよう!」
「あさ美ちゃん!!」
「そうだね!私達3人の力を合わせれば何とかなるかも!!」
「よし!行こう!!」
ぬおぉぉぉーー!!
燃えてきた!!ジャンプみたいな展開だ!!
昨日の敵は今日の友!!
いける!この3人ならあの悪魔にも勝てる!!
私達がモーニング娘。に入って以来これほど同期の結束が固まった事は無いだろう!
今ならいける!待ってろ悪魔!!
何処へと決めずに走っていた私達の耳元に麻琴の声が聞えた!
- 294 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時56分11秒
「───やめて──吉澤さん───やめてください──」
「あさ美ちゃん!」
「うん!間違いないこの壁を曲がった所にいる!」
「やっとここまできたんだね……」
「いい?みんな一言言っとくよ!このあとに待っている戦いは
今までに無い物になる。中途半端な気持ちじゃ、やられてしまう!
もし逃げたい人がいたらここでさようならだ。だれも責めなどしない!!」
「ふっ!愛ちゃん何を今更、冗談は訛りだけにしてよ。
ここまで来てオメオメ引き返せるわけ無いでしょ!さぁ行こう!!」
あさ美ちゃん!!!
…もしかしてさり気なくバカにした?
「本当だよ、私達の絆を軽く見ないでよ!
例えつい最近、下剤入りジュースの飲まされていたとしても私は逃げないよ!!」
里沙ちゃん!!!
…やっぱりまだ根に持っている?
- 295 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時57分47秒
「……やめてくださいよぉ…吉澤さん…」
「ぬおぉぉー!!聞えたか皆の衆!!」
「あぁ!もう迷っている場合じゃない!行こう!」
「今、教科書に名を残す戦いが始るのね…」
やるしかない。
私にはこれだけの頼もしい仲間がいる。
何より一分一秒を争う問題だ。
ここを曲がったら全てが終わるかもしれない。
しかし動かなければ何も変わらすに終わってしまう。
もう私達は『かも』に賭けるしかないのだ。
「行くぞ!みんな!!」
「「おう!!」」
そして私達は廊下の角を右に曲がった。
全てが今始るのだ!!
「吉澤ぁぁーー!!覚ごぉおお・・・おぉぉぅぅう!!??」
- 296 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)18時58分53秒
こ、こ、この光景は何のだ………。
何時、何処で、誰が、地球は何回廻っているの?
なんて事だ…なんて言うことなのだろう…。
全てが始るどころか全ては終わっていた。
言葉が出てこない。
涙しか出てこない。
私は膝を折り地面に座り込んだ。
体に力が入らない。
全てが遅かったのだ。全てが。
神よ一体私達が何をしたというのですか?
彼女がいくら悪魔だと言ってもこれはやりすぎではないのですか?
あさ美ちゃんと里沙ちゃんも映画のスローモーションの様にゆっくりと腰を抜かした。
ゆっくりと眼の前の光景を理解する様に……。
- 297 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時00分22秒
「ん……もう…だめですったら…吉澤さん…」
「え〜本当に嫌がってるの?だったらもうやめようか?」
「あっ……ごめんなさい、もお〜いっかいぃ〜、してくれますか?」
「もうしょうがないなぁ〜麻琴は」
「えへっ。……ってみんな何やってるの!!!」
何をやっているかと聞かれたら、答えてやるのが世の情け。
はい、そうです。
あなた達の昼下がりの情事を覗いていました。
頬をピンク色に染めた私の親愛なる麻琴と私の偉大なるお師匠
吉澤さんの、それは熱いキスーシーンを覗いてましたよ。
- 298 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時01分31秒
- もうだめだぁぁ〜。
体中に力が入らない。
声も出せない。
だけど涙は嘘のように零れる。
里沙ちゃんが大声出して泣いている。
あさ美ちゃんの嗚咽も聞える。
すぐ近くで泣いているはずなのになんだか全てが遠く感じた。
もうすぐこの廊下は私達の涙で川が出来るよ。
涙川が。
別れた恋人たちが涙を流す名所として観光客も呼べるね。
あぁだめだ。
ボケることすらままならない。
つまらないのはそのせいだ。
私達は負けたのだ。
この何日間の戦いは悪魔の軽快なトークに一瞬にして塗り替えられた。
なぜだ?
なぜ延髄蹴りをかまさない。
どうせなら麻琴がボッコボコの顔になる方がマシだった。
たいして変わらないのだろうから……。
- 299 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時04分44秒
「だ、大丈夫?なんでみんな泣いてるの?っていうか……見た?」
ミタ?Angel Hearts?ちょっち古い?
あぁ、あいつはむかついたね。
いくら三流ドラマの設定とはいえ、この愛ちゃんがあそこまで侮辱されたのは初めてだったよ。
あいつにはいつか報復するよ、まずあいつの家を調べ上げて自転車の前に犬の糞を置くんだ。
で、次の日はサドルに置く、その次の日は玄関の前、そうやって徐々に恐怖を与えていくのさ。
ただで殺しはしないよ、グフフ。
「あぁあ、見られちゃったか。でも軽快なトークで全部上手く言ったよ。
しかし、意外と麻琴も積極的でまいったよぉ」
「もうやめてくださいよ!だって吉澤さんがカッコイイから……」
「え?何?聞えないよ、もっと大きな声で言ってよ?」
「もう!だからカッコイイの!!」
「ふっ、そうかなぁ!えへへ」
「笑った顔はすごいかわいい!」
「えぇ〜麻琴だって、笑った顔はキュートだよ、笑った顔は」
「もう褒めすぎですよ!てへへ」
「えへへ」
「てへへ」
- 300 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時06分12秒
そして彼女達は何処かへと消えていった。
彼女達は何処へ行ったのだろう?
おそらくジャグジーのついたお風呂があったり、部屋が
ピンクの照明に照らされてたり、ベッドが回転したりする所だ。
やるせねー。
もうどうでも良くなった。
はぁん!!
何が麻琴だよ!
あの程度の女、他にも山ほどいるよ!
そうだそうだ鍵が開けられないくらいで泣いたり、
たかがカボチャのケーキを食われたぐらいで泣いたり、
猪木の物真似と思わせてゴロウさんの物真似という小器用さをみせたり、
それがちょっとウケてハロモニの出演が小川麻琴よりも
おが坂六郎としての出番が増えてしまったり、
そうだそうだそんな人他にもたくさんいる!!…………。
いるわけねぇぇぇ〜〜〜!!
麻琴はこの世に一人なんだ!
あんなに情けなくて頑張りやさんの子は他にはいないんだぁぁぁ〜〜!!
うわぁぁぁぁぁ〜〜〜ん、まことぉぉぉ〜〜〜!!
- 301 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時07分35秒
「帰ろう?」
あう。
里沙ちゃんが涙で腫らした目で私に言った。
眉毛も涙でボサボサになっていた。
「そうだよ、もういいよ帰ろう」
あさ美ちゃんの目も涙で腫れていて、まるでデメキンに見えた。
もういいよね。
私達よくやったよ。
というよりも私一人余計に頑張った気がする。
空回りなんかじゃない。
これも青春だよね!
んなわきゃねぇーよ!!
- 302 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時10分42秒
「うぉぉぉぉぉぉーーーー!!!」
「な、なに!!愛ちゃん!?」
「だめだよ里沙ちゃん!!近付いちゃダメ!!
中から何か飛び出してくるよ!!
エイリアンとか、黒ひげとか、うんぽとか…あ、ごめん…」
そうだ!こんな処で終わってたまるか!!
今までの苦労を否定する事なんて出来ない!!
ジュース買いに行かされたり、そんでもって先輩に怒られたり、
麻琴に勘違いされまくったり、あさ美ちゃんに騙されたり、
ボコボコにされたり、そしてそして…麻琴を取られたり。
- 303 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時12分11秒
「負けて堪るか、あきらめてたまるか!!」
「あ、愛ちゃん!?」
「里沙ちゃん、あさ美ちゃんよく聞いて。私はこの何日間何度も挫折を味わってきた。
確かにあさ美ちゃんにも裏切られた」
「………」
「確かに里沙ちゃんはおでこも広けりゃ眉毛も太い」
「………って関係あるの今の流れに?」
「大有りだよバカヤロー!!」
「す、すいません…」
「まぁそれは置いといて、私は今やっと気付いたの」
「な、何に?」
「私はどんな事があっても麻琴が好きだって!!」
「「!?」」
「いや愛しているって!!」
「だ、だって愛ちゃん、そんな事いってもまこっちゃんはもう吉澤さんと……」
「そ、それがなにか?」
「え?」
「その程度の事がなんだって言うんだ!!私は高橋愛!!
日本一あきらめの悪い女、そして日本一麻琴を愛している女やよ!!」
自分で自分を1番信じてあげなくっちゃ!
私が日本一麻琴を愛してる、麻琴を幸せにできるのは私だけだ!!
- 304 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時13分10秒
「あ、愛ちゃん!!」
「ふっ、まいったよ愛ちゃん。そうだね戦う前からあきらめちゃダメだね」
「あさ美ちゃん!」
「でもね一つだけ覚えておいて。麻琴を日本一、いや世界一愛しているのはこの私だって!!」
「あさ美ちゃん……」
さすがだ、さすが私の最強のライバルあさ美ちゃんだ。
私とあさ美ちゃんはガッチリ握手した。
「本当にいいのかい?この道は棘の道だよ」
「あぁ麻琴のためだったら何も怖くない!」
「……はぁ〜やっぱりそうなるのね、よし!覚悟を決めた、
私もいくよ!…私だってまこっちゃんの事が……っていない!!
愛ちゃん、あさ美ちゃん待ってぇぇぇ〜〜〜!おいてかないでぇぇぇ〜〜〜!!」
- 305 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時14分25秒
- ───こうして高橋愛の戦い幕は閉じた。
この何日間で彼女はたくさんの物を失った。
しかし彼女は決して無くしただけではない。
喪失だけではなく確実にそれを越えるほど物を獲得した。
それは友達であり絆であり愛でもありえる。
しかし彼女はそこで止まらなかった。
彼女は自分の手でもう一度戦いの幕を上げた。
そう、彼女の真の戦いは今始ったのだ…………。
「よしざわぁぁ〜〜〜かくごぉぉぉ〜〜〜〜!!!!」
- 306 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時20分00秒
- 刑務所の中のしゅう〜♪
電話番の石井〜♪
みんな何処へ行った 見送られることもなく〜♪
草原のダニエル〜♪
街角のシェキドル〜♪
みんな何処へ行った 見守られることもなく〜♪
地上にある星を誰も覚えていない
ヲタは娘。ばかり見てる〜♪
つんくよ高い空から教えてよ 地上のヲタを〜♪
つんくよ地上のヲタは今 何処で回るのだろう〜♪
注意 * 某NHKの番組や紅白で歌詞間違った人などとは一切関係はございませんので悪しからず。
- 307 名前:ぷろじぇくとT 投稿日:2003年03月11日(火)19時23分05秒
「ぷろじぇくとT」 川#)ーT川 川#)-T) #)eT)<おわり……
- 308 名前:エロ火 投稿日:2003年03月11日(火)19時30分47秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>275 りゅ〜ば様
何が起こったのか…その答はきっと君の中にある。
迷う必要なんて無いよ。
さぁ飛び立とう!!
>>276 名無し読者様
そうですか。
あらがいがた…っいてっ!!!
舌かんだ!!
だめだ痛すぎる!!しばらく休もう。
- 309 名前:ボブ島教授 投稿日:2003年03月12日(水)03時51分16秒
- 福井の英雄高橋公と全宇宙の神紺野あさみ大明神の二人には感動しました。
彼女達は強大な敵よしこに破れるかもしれない。しかし、何度も何度も立ち向かい
必ずや正義と平和と愛の名のもとに勝利するだろう!!
- 310 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月27日(木)13時46分23秒
- どうでもいいがシェキドルに小一時間ワロタ。
紺推しの癖に、よしまここれ最強とか思っちゃった俺は
逝ってヨシでしょうか紺野閣下?
- 311 名前:エロ火 投稿日:2003年04月12日(土)03時33分02秒
「眠り」
- 312 名前:眠り 投稿日:2003年04月12日(土)03時34分10秒
「なんで私は石川梨華で、なんでよっすぃーは吉澤ひとみなんだろうね?」
どっかで聞いたようなセリフを梨華ちゃんが言った。
- 313 名前:眠り 投稿日:2003年04月12日(土)03時35分04秒
- 「生まれ変わりたいの?」
私は眠たい目を擦りながら聞いた。
「うんうん。ただなんでかなぁ〜って」
「なんでだろうね」
眠りを妨げられた私は少し不機嫌に返した。
「どうせダメなら引き裂いてくれればよかったのに」
「なにを?」
「距離とか時間とか」
ああそう、と私は呟く。
冷たい布団の中ですぐ隣の梨華ちゃんの手を握った。
- 314 名前:眠り 投稿日:2003年04月12日(土)03時36分07秒
- 「まぁそういう運命だったんじゃない?」
「なにが?」
「私と梨華ちゃんは」
梨華ちゃんが低い天井を眺めて微笑んだ。
私の言葉をどう料理しようか楽しんでるみたいだった。
「よっすぃーも大人になるんだね」
「大人になれるのかな?」
いつかはねって梨華ちゃんは笑った。
今まで何回この笑顔を見てきたのだろう。
梨華ちゃんのせいで私は何度も夢を見てきた気がする。
そして目が覚めたらまた梨華ちゃんは笑ってるんだ。
- 315 名前:眠り 投稿日:2003年04月12日(土)03時36分59秒
「もう寝ようか?」
「うん」
- 316 名前:眠り 投稿日:2003年04月12日(土)03時38分41秒
- 梨華ちゃんの顔もぼやけて見えだした。
握っていた梨華ちゃんの手を離さないように、確かめるように強く握り締めた。
さようならって言おうかどうか迷ったけど、まあいいやと目を瞑った。
真っ暗な世界に梨華ちゃんの声が転がった。
「またね」
眠気のせいで言葉を返せなかった。
夢が覚めたら返してあげよう。
- 317 名前:エロ火 投稿日:2003年04月12日(土)03時40分19秒
「眠り」 おわり
- 318 名前:エロ火 投稿日:2003年04月12日(土)03時50分27秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>309 ボブ島教授様
たぶんこの二人なら何時何時の日かやってくれると思います!
ブッシュ並の正義と愛を彼女達は携えているので。
川o・∀・)ノ<あいむじゃすてぃす!!
あ、新垣さん忘れてた。
>>310 名無し読者様
自分もよしまこは真実だと思っております。
つうか吉澤さんが絡んでいれば全て真実だと思う次第であります。
でも一言言わせて貰いますと、
川メ・∀・)ノ<逝ってよし!!
- 319 名前:エロ火 投稿日:2003年04月12日(土)03時56分34秒
おめーでとう♪今日太陽が♪( ^▽^)/ \(^〜^o) 梨華ちゃん嫌がらせなら止めて
- 320 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月12日(土)14時34分25秒
- イヤっていうほどー 言ってあげられるわー( ^▽^)人(^〜^0)ウザ
- 321 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年04月15日(火)11時36分12秒
- 遅くなりましたが読ませて頂きました。
ぷろじぇくとT完結お疲れ様です。もう終始笑ってました。
オチも良かったです。これからも小ネタ満載の作品を書いて欲しいです。
- 322 名前:エロ火 投稿日:2003年05月07日(水)21時33分48秒
「坂の向こうへ」
- 323 名前:坂の向こうへ 投稿日:2003年05月07日(水)21時35分06秒
キューーーイン!!
私の黄色い自転車は流れ星よりも速く坂道を下りていく。
今日は彼女の誕生日。
晴れやかに空は私を歓迎している。
それなのに動かないわけには行かない。彼女をサライに行こう!
緩やかで生暖かい風が私のほっぺをすごい勢いで通り過ぎて行く。
坂の途中で真っ白の猫が三毛猫に追いかけられていた。それがなんだか愛しく思えて、三毛猫を応援した。
私のシャツが向かい風を受けてたなびいた。T-シャツの中に入りこむ風を抱きしめた。
肩にかけた水筒も私と一緒に揺れた。青い水筒には彼女の好きなリプトンのレモンティー。
喜んでくれるかな?笑ってくれるかな?
- 324 名前:坂の向こうへ 投稿日:2003年05月07日(水)21時42分09秒
- 彼女の家が見えてきた!
私は坂に自転車を蹴り捨てて駆け出す。自転車は綺麗に踊ってた。
玄関に張り付いて何回もインターホンを押し続ける。
玄関が私の気持ちを知ってか知らずかゆっくり開きだす。
眠たそうなまぶたを添えて、季節外れの雪が私に言った。
「まこっちゃん何回も言ってるでしょ。インタホーンは一回にして」
「あさ美ちゃんなに言ってるの!今日はあさ美ちゃんの誕生日だよ!早く早く!」
カウンター気味にそう言いながら、あさ美ちゃんの腕を引っ張って青い空の下へと連れ出した。
あさ美ちゃんは裸足だったからコンクリートの地面を熱そうに泳いでた。
- 325 名前:坂の向こうへ 投稿日:2003年05月07日(水)21時45分13秒
- 嬉しくて、急いでいたら足がもつれた。また膝のカサブタが剥がれた。
いつもあさ美ちゃんを向かいに行くとこの道で転んじゃう。あさ美ちゃんの家が坂の途中にあるせいだ。
あさ美ちゃんは半ばあきれながら私の顔を覗く。私はそれが嬉しくて笑って見せる。
自転車を地面から立たせてあさ美ちゃんを後ろに乗せた。
「あさ美ちゃん行くよーー!!」
「ご勝手にどうぞ」
あさ美ちゃんは素っ気無く言った。
柔らかいほっぺたが少し膨らんでいたから、注意してあげた。
あさ美ちゃんは怒って私を叩こうとした。その手を掴んでそのまま私の腰へとナビゲートした。
肺の中に思いっきり意気を吸い込んで、自転車を一漕ぎ二漕ぎ。
あとは勢いに乗って自転車は坂を転がった。
- 326 名前:坂の向こうへ 投稿日:2003年05月07日(水)21時50分10秒
- 「あさ美ちゃーん!友情って信じるーー!」
風が口の中に遠慮なしに入り込んでくる。でもそれに負けないように大声で言った。
「…それも何度目?」
あさ美ちゃんには私が風除けになっていて、何の苦労も無く余裕で答えていた。そして1回風を吸い込んで、
「もちろん信じるよーーー!!」
あさ美ちゃんは私に負けないように大声で返した。
あさ美ちゃんが笑っているから私もそれに負けないように笑った。
私達は今、双子よりも似ている笑顔をしてるに違いない。
坂道の終わりが見えてきた。
そこに着く前に今まで以上に大きな声で私は言った。
「あさ美ちゃぁぁーーーーん!!誕生日おめでとぉぉーー!!!」
今度は愛の意味を聞いてみよう。
- 327 名前:坂の向こうへ 投稿日:2003年05月07日(水)21時53分00秒
「坂の向こうへ」 終わり
- 328 名前:エロ火 投稿日:2003年05月07日(水)21時57分42秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>320 名無し読者様
自分よりも面白いレスをしないでください。
>>321 りゅ〜ば様
いつもいつも有難う御座います。
そしてネタ切れで御座います。
自分探しの旅に出てくるで御座います。
- 329 名前:エロ火 投稿日:2003年05月07日(水)22時05分36秒
おめーでとう♪今日太陽が♪ ∬ ´▽`∬ 人(・-・o川 保田さんも卒業おめでとうございます
- 330 名前:エロ火 投稿日:2003年05月21日(水)00時02分22秒
「天使ときどき悪魔ところにより雪月花」
- 331 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時03分51秒
- 雪の音はどんなんだろう?
雨ならポツポツ。
強い雨ならばザーザー。
じゃあ雪は?
シンシンだっけ?
でもシンシンなんて音聞いた事無い。
なんだろう?
「何考えてんのよっすぃー」
子供みたいな声。
子供の声じゃない、みたいな声。
そして子供よりも可愛い笑顔。
「あぁ、安倍さん」
寒そうに手を擦りながら安倍さんは隣に座った。
- 332 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時04分36秒
「なぁ〜に考えてたの? 窓なんか見つめちゃって」
この人ならわかるかも。
なんせ北海道生まれだからね。
顔も雪みたいに白いし。
「珍しくセンチメンタルになっちゃった?」
「そんなんじゃないっすよ。安倍さん、雪の音ってどんなんすかね? 」
「雪の音? 」
「はい。雪の音聞いた事あります? 」
「う〜ん〜〜〜 」
さすが安倍さんだ。
普通の人にこんな事聞いたら鼻で笑い飛ばされる。
子供の様に何事にも関心を持ち子供の様に悩む。
それが安倍さん。
この人たぶん年齢誤魔化してるんだろうな。
- 333 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時05分58秒
安倍さんは、右手の人差し指を顎に当て、窓越しの白い空を見ながら考え込んでいる。
こんな時でも完璧だ。
どんな時でも安倍さんはアイドルであり、絶対的にかわいい。
私も少しは見習わなければ。
「雪の音ねぇ〜〜 」
「はい」
「よっすぃーは聞いたこと無いの? 」
「雪の音っすか? ないんじゃないかな」
「あのね、なっち思うんだけど、よっすぃーが雪の音がわからないのはそれを聞こうとしてないからじゃないの? 」
「はぁ?あ、あぁ〜雪の音をですか?」
さすが安倍さんだ。
こういう発想が出来るからこそ、国民的アイドルとして何年もセンターを張っていられるのだろう。
- 334 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時10分20秒
「だってね、よっすぃーは月が月じゃないって知ってる? 」
「…………」
さ、さすがにこの質問は難しいぞ。
今までの話からどうしてこのような質問が出来るんだろう…。
やっぱり国民的アイドルのセンターは違う。
「い、いやぁ月は月だと思っていますけど?」
「ほらね!ほらね!だからなんだよ!だってね、なっちは月が月がじゃないって知ってるもん!」
「……じゃあ、なんなんですか?」
「あれは神様のサービスなんだよ!」
エヘン!という声が聞えそうに、安倍さんは鼻を指ではじいた。
か、神様のサービスか……さすがにそんな発想はした事無い。
さすが国民的……。
- 335 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時12分12秒
「あのね、あの真っ黒なカーテンの奥は月みたいな光が一杯でスゴイ綺麗なの!
でね、それは神様しか見れないの!
でもね、なっちとかよっすぃーとかみんなは太陽がまぶしい時も働くんだけど太陽とか光が無い夜でも一生懸命働くじゃない?
だからね、神様は人間もよくがんばってるじゃないかぁ〜〜と思って少しだけサービスして真っ黒なカーテンに穴をあけてくれたの!すごいっしょ!」
す、すごい。確かに凄い。
安部さんは興奮しながら一気に話し切った。
色んな事が凄すぎて何が凄いのかわからないくらい凄い。
で、私が雪の音を聞こうとしないことにそれに何の関係があるのだろう。
- 336 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時14分28秒
「凄いと思います……」
「だしょ!えへへぇ〜なっちはすごいんだから!」
「…はい。で、雪の音の話は? 」
「だぁ〜かぁ〜らぁ〜なんでわからないの!雪の音を聞きなさいって!」
「あ、はい…」
「あのね?…う〜んわからないかなぁ〜。
なっちはね、月が月じゃないと気付いたから月が神様のサービスだって気付いたの。
だからね、よっすぃーも雪の音を真剣に聞こうと思えば聞えるよ」
「ようするにわたし次第と言う事ですか?」
「う〜ん…よくわからないけどそう言うことじゃないの?」
逆に聞かれちゃったよ。
そうか、でもわかった気がするぞ。
わたし次第で月は月でなくなり雪は雪の音を聞かせてくれるんだ。
そうだ私だってそろそろ動かなきゃいけない。
わたし次第でなんだって変わるんだから。
「ねぇ、よっすぃー?少し寒くない?」
「え?あ、じゃあこのマフラー使います?」
「いいの!ありがとう!」
「じゃあ,どうぞ」
私は片手でマフラーを広げて、顎で安倍さんを呼んだ。
- 337 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時15分18秒
「どういうこと?」
「一緒に使いましょうよ」
「えぇ〜〜!!二人で使うの〜?」
「そうですよ。私だって寒いですもん」
「う〜〜。どうしよう…変な事しない?」
「な、なんですか変な事って!もう信用ないなぁー」
「んじゃぁ、おじゃましま〜す」
「いらっしゃぁ〜い」
安倍さんの顔が私の顔の30cmぐらい先にある。
私の右半分が暖まる。
「なんだか二人きりだと照れるね?」
「そうですか?」
横目でチラリ除き見る。
少しほっぺに赤みが差している.
それが肌の白さと交わって淡いピンク色を作り出す。
ちょうど桜色。
うむむむ……少し変な気分になってきた。
ちょっとだけ……ちょっとだけならいいよね?
- 338 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時17分11秒
「安倍さん…」
私は安倍さんの顔を真っ直ぐに見つめて距離を15c縮める。
ちっちゃな顔が、小さな白い花みたいに儚げでかわいい
「ん、なぁに?わぁ!!け、結構顔近いね?今更気付いたよ、あ、あはは」
安倍さんは恥ずかしそうに前に向きなおす。
「わぁっ!?な、なにすんのさ、よっしぃー!!」
優しく、少し強引に安倍さんの顎をつかみこちらに向ける。
「安倍さん…綺麗ですよ…」
「じょ、冗談はやめてよ、よっすぃー、な、なはは」
「本当に綺麗です…」
「ちょ、ちょっと待ってダメだってば……」
こういう時の女の子が1番可愛い。
私は日本一男心がわかる女の子だろう。
- 339 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時18分10秒
「大丈夫ですよ。力を抜いて…」
最初はみんな緊張しちゃうんだよね。
梨華ちゃんだってそうだったし。
あいぼんが肩を震わせてたのは本当にかわいかったぁ。
飯田さんでさえ女同士だからって妙に力入ってたし。
「ちょっとマジでやめてよ!いやほんとうに!!」
「わかります。目を瞑れば怖くなんかないですよ?」
「わかったから、わかったからちょっと待ってってば!!」
あぁ〜カワイイ!!
でもや〜めない。
もう安倍さんとの距離は5cm。
「ホントにさ!よくないって…よくない…やめ…」
あれ黙り込んじゃった。
そうか。安倍さんもついに決心したようだ。
じゃあ頂きます。
- 340 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時19分01秒
「止めてよ。吉澤」
へ?
「調子に乗ってるんじゃないの?」
ま、まさか……こ、これは!?
「先輩なめてない?」
う、裏なっち!!!
「ちょっと離れてよ。わかってんの?自分が何しようとしたか?」
私を押し退けた安倍さんは、今までに見たどんな怖い顔した人よりも冷たく蔑んだ目で私を見つめている。
- 341 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時19分56秒
「ねぇわかってんの?私は質問してるんだよ?それも答えられないの?」
「す…すいません」
「え?謝るんだ。じゃあなんでこんなことするの?ねぇなんで?」
「ご…ごめんなさい」
「私は質問してるんだよ?なんで謝ってるの?」
「…ぅぐ…もう…もうしません。…許して…ください」
「泣くんだ。へぇ〜」
怖いよぉぉ〜〜!!おかさぁぁ〜〜ん!!
私がバカでした!!もうこんなことしません!!
許してください!!
「…ぐぅ…すん……本当にすいませんでした。…本当にごめんなさい」
「たるんでるんじゃないの?もしそれならもうやめた方が良いよ?」
「すいませ…すいません…本当にごめんなさい…」
お母さん、モーニング娘になって今更芸能界って怖いところだと気付きました。
- 342 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時21分27秒
その時救世主が現れた。
「あ、なっち。なにしてんの?どぅえっ!?よよよ、よっすぃーが泣いてる!?」
「あ!ヤグチィ〜!!」
「え、なんなの!?この状況は!!よっすぃーが泣いてるの見たの久しぶりだよ!!どうしたのさよっすぃー!?」
「た…たす…」
「いやぁ〜ヤグチ聞いてよ?なんかさぁ〜よっすぃーが今の自分に満足できないとか言っていきなり泣き出しちゃったの!
で、なっち巧い事言えないでどうしようかなぁ〜って悩んでたんだぁ。したらヤグチが来た訳」
ぶえぇ〜!?はぁ!?
嘘、どうして、なんで?
「ね、よっすぃー?」
安倍さんはいつもの笑顔で私に微笑みかける。
いつもの天使と呼ばれている完璧な笑顔で。
私の口から即座に言葉が飛び出す。
「は、はい!」
今、初めて知った。
安倍さんの笑顔の怖さと深さ、そしてアイドルとしての完璧さを。
松浦亜弥ちゃんなんて比じゃ無かった。
- 343 名前:天使ときどき悪魔ところにより雪月花 投稿日:2003年05月21日(水)00時22分54秒
「そうなんだ〜。なんだよ水臭いなぁよっすぃー。オイラにだって相談してよ」
「よっすぃーはヤグチよりもなっちの方が頼れると思ったんだよ。ね、よっすぃー?」
「え?は、はい!!」
「…そんなはっきり。よっすぃーひどい!オイラが教育係だって事忘れちゃったの!」
忘れるわけ無いじゃないですか!
次ぎ狙ってたのは矢口さんなんですから!
「そんなもんだったんだよ、よっすぃーにとってヤグチって存在は」
「ふ〜ん。よくわかったよ。よっすぃーがどんな子かね…」
「ね、よっすぃー?」
「うぇえ〜?は、はい〜!」
「もういいよ!」と言い残し矢口さんは頬を膨らませ真っ赤な顔で去っていた。
「や、矢口さん……」
「えへっ!矢口に嘘ついちゃった。まぁいいっか!ね、よっすぃ〜?」
天使……と言うよりも悪魔みたいに美しく綺麗な、深遠なる笑顔で私を見つめる。
「…………はい」
私はもう一生安倍さんの笑顔には逆らえない。
- 344 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月21日(水)00時24分05秒
「天使ときどき悪魔ところにより雪月花」 終わり
- 345 名前:りゅ〜ば 投稿日:2003年05月21日(水)08時01分14秒
- ご馳走様でした。
萌えた!もう、萌えすぎて一人ニヤニヤしてました。
しかし題名からしてあのままらぶらぶにいくとは思ってませんでしたが…
案の定、エロ火さん風のオチに!いや、でもまじで萌えました。
この話には続きがあると信じて…またカムバックします!
そしてその時には是非、HN通りエロを(ry
- 346 名前:エロ火 投稿日:2003年08月09日(土)23時31分44秒
「紺野お悩み相談所」
- 347 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時32分58秒
- 見慣れない機器類で埋め尽された実験室、そこに不釣合いな完璧なボディーとコケティシュッな顔立ちをした美少女がいた。
そう彼女こそが人間と言うヒエラルキーの頂点に立つ者、紺野あさ美。
神が過ちを起こし、2ブツも3ブツも才能を与えてしまった、治外法権な存在だ。
しかし、天才ゆえの孤独もある。この完成された天才が“孤独”と言う悩みを抱えるのに、愚かな一般大衆共が悩まないはずが無い。
神は彼女に完璧と言う名の罪を与えてしまった。ならば、天才が凡百の輩共に深遠なる知恵を貸す事で、少しは産まれながらに抱えてしまった罪を軽くする事が出来るかも知れない。
そういう慈愛に満ちた思いからこのお悩み相談室を始めた。彼女の琵琶湖よりも広い壮大なる心には脱帽するばかりだ。
- 348 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時34分05秒
- 「あの……もしもしぃー?」
あー天才。あー完璧。あー美少女。
「さっきからブツブツ何言ってるのー?」
「あ、薄少女」
「む!……しどい」
「あ、ごめんごめん愛ちゃん。少し感慨に耽っちゃったよ」
そう高橋愛、彼女こそが今回のお悩み相談者だ。
- 349 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時36分22秒
- 「で、私の悩み解決しれくれんの?」
彼女の悩みは深いものだった。それは今まで解決してきたどんな相談よりも深く重い傷だった。
「どうせ無理やよ……私はどんなに頑張っても面白くなれんの……」
そう、彼女の悩みは面白い事を言えないという哀しみに満ちた物だった。
それにより、石川さんを賛美したり、スタッフにいらない気を使わせたり、周りの話題に入っていけなかったり、楽屋で飯田さんの横でずっと「it〜それと呼ばれた子〜」を読み耽ったり(飯田さんは常人とは違うので人と会話を出来なくてもOK。たぶん)、果ては辻さんの家のお泊り会に一人呼ばれないと言う悲劇が繰り返されてきた。
無論その悩みは、石川さんをおちょくらせたら、石川さんの嫁・吉澤ひとみ、鬼姑・中澤裕子にも並ぶと言われたお笑いサイボーグの、この紺野あさ美には永遠に縁の無い物だった。
それでも、この哀れな子オラウータンにも慈悲の手を差し伸べるのが私の役目。神に万能と言う翼を与えられた私の役目。しかし私を助けてくれる物は皆無。
天才ゆえの孤独は誰にも埋める事は出来ないのだ。
- 350 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時37分48秒
- 「……ね、あさ美ちゃん聞いへんやろ。また1人でブツブツ呟いて」
「あ、ごめん。パースのプラクマティズムの格率について考えていたよ。要するにあれはヲタを見れば今の───」
「そんな事はどうでもいいんやよ!!私の悩みはどうなんの!大体あさ美ちゃんだって私にそんなに話しかけてくれない……」
「あー!!そんな悩み直ぐに解決してあげる!!大丈夫、全部任せてよ!そんな簡単な事3日もあれば十分だよ!」
危なかった…もう少しで、楽屋での愛ちゃんの話相手にさせられる所だった。あれ以上踏み込まれたら、いくら強靭なる精神力を持ち合わせる私でも耐え抜く事は出来なかった。愛ちゃんと楽屋で話し続ける事は、安倍さんと矢口さんの漫才を見るのよりも強心臓を必要とさせられる。
「本当に!?ありがとー!さすがあさ美ちゃんやわー!!私の親友やー!!」
- 351 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時38分34秒
- 「す、STOP!!」
「ん!?」
「いや……抱きつくのはちょっと……」
「あ、そうだよね。女の子同士だもんね。でもそんな関係じゃないけど私達親友だよね!」
「え?」
「ね?」
「……え」
「……ね?」
「……」
「……」
「ちぇすとぉっ!!」
「ぐはっ!!」
とりあえず急所に正拳突を入れて最大の危機はケネディよろしく平和的に回避した。
- 352 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時39分15秒
- 「な、なにをあさ美ちゃん……」
「大丈夫、愛ちゃん。3日後、目を覚ました時には確実に面白い子になっているよ」
「ちょっと待って!こんな手術台みたいのに固定して何する気!!」
「大丈夫……大丈夫だから…ぐへへ」
「い、いやぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」
- 353 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時40分16秒
川’ー’川 川o・-・)(ё)∬∬´▽`)(´D` )
- 354 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時41分04秒
3日後。
「さぁー愛ちゃんお目覚めの時だ……」
「……」
ベッドに静かに眠っていた愛ちゃんは自分を確かめるようにゆっくり身を起こした。
「どう気分は?」
「……」
愛ちゃんは眩しそうにだんだん目を開いていった。
久しぶりに見る光は彼女にはどう映るのだろう。
愛ちゃんが私の顔を見つめた。愛ちゃんの顔から笑顔がこぼれた。
「おめでとう。手術は成功だよ」
- 355 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時42分32秒
- 「ありがとーって、手術だったのかよ!!(w」
愛ちゃんが私の肩を楽しそうに手の甲で叩く。
「おー!早速成果が現れているようだね」
「ほ、本当だ。私生まれて初めてノリつっこみしたよ!w」
「そこじゃないんだけどね」
「へ?(ワラ」
愛ちゃんの驚いた顔は何時見ても大袈裟だ。まー今回に限ってはリアクション的には間違いではないかも知れない。
「いや、何でもない。とりあえず手術は成功したから、もう悩まなくても大丈夫だよ」
「うん!何だか私とても面白い人間に成れた気がする!本当にありがとーあさ美ちゃん!!(笑)」
「とんでもない、こっちこそ良い実験をさせてもらったよ」
「え?何?(藁)」
「うんうん、独り言。さぁ愛ちゃん、みんなとオモシロ可笑しい、レベルの低いくだらない会話をしてきなよ」
「うん!!やってみる!!今の私なら出来る気がする!!じゃあ行ってくる、じゃあねあさ美ちゃん!!(爆)」
そう言って彼女はこの部屋から飛び出していった。嬉しそうに、幸せそうな満面の笑みを浮かべながら。あそこまでの笑顔を見たのは人生で始めてだった。
- 356 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時44分50秒
- だからこそ言えなかった。
人を笑わせられるような人間になったのではなく、自分自身が笑い続ける人間になったのだと。
実験は失敗した。いや、途中で間違いに気付いたからやり直す事も出来たけど面白そうだったからそのままにした。
まー、ある意味面白い人間になったから成功と言えば成功だ。
- 357 名前:「紺野お悩み相談所」 投稿日:2003年08月09日(土)23時45分24秒
ふー疲れた。天才にはこの仕事の疲れを癒してくれる存在もいない。
ただカーテンから差し込む光とスーパーで買った干し芋だけが私の仕事を労ってくれた。
しかし、私には休息はそう長く訪れてくれない。それが天才の宿命なのだ。
「すいませーん───」
ほら、また1人悩みを抱えた相談者が。
- 358 名前:エロ火 投稿日:2003年08月09日(土)23時46分27秒
「紺野お悩み相談所」 おわり
- 359 名前:エロ火 投稿日:2003年08月09日(土)23時49分01秒
川’ー’川人川o・-・)人(ё)人∬∬´▽`)人(´D` )
- 360 名前:エロ火 投稿日:2003年08月09日(土)23時54分56秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>345りゅ〜ば様
続きは勿論ありえないです。
あれはりゅ〜ばさんの話に影響を受けて勢いで書いただけですので。
ぶっちゃけ僕は、石川さんと言えば吉澤さん、飯田さんと言えば吉澤さん、加護さんと言えば吉澤さんという人間ですが、安倍さんと言えば矢口さんという「なちまり」原理主義の人間です。もしくは「なちごま」DO!!
またりゅ〜ばさんがイカレタなちよし萌え話を書いて頂けるのなら書けるかも知れないかも知れない。
- 361 名前:ヨードーケッティ 投稿日:2003年08月10日(日)23時51分21秒
- 一人パソコンの前でクスクス笑ってて、
ふと「あ、これ絶対普通の人が自分を見たら変人だな」と
いしよしのちょっと甘い話見てて気付きました。
だっていいじゃない、面白いものを読んでいたんだから。
たぶんエロ火さんの紺野のほうがいい味出してます。
コメディー短編作家として見習わせてもらいます。
「天使ときどき悪魔ところにより雪月花」
こわかったあ・・・。
今日ハロモニ見たから余計に・・・。
- 362 名前:エロ火 投稿日:2003年08月29日(金)00時38分04秒
「途切れながらも続くモノ」
- 363 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時38分43秒
亜弥ちゃんと私はベストカップル。
何時だったか亜弥ちゃんがそんなこと言ってた。
だけど、私は退屈してた。同じ様な毎日に飽きていた。
- 364 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時40分38秒
スタートは何だか忘れた。
ただ、今は私の股で可愛い顔した少女──松浦亜弥・16歳♀──が必死な顔して暴れてるのは確か。
ぎこちない舌使いで必死に顔を動かしている。
くちゃくちゃと、酷く耳障りな音だけが質素な部屋に間抜けに響く。
- 365 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時41分23秒
- 蹴り殺したくなった。
亜弥ちゃんの眼、目掛けて踵を振り落としたい。
そしてベッドから蹴り落として、そのまま顔を踏み躙りたい。
「ミキたん、どうしたの?」
亜弥ちゃんが顔を上げてこちらを向いた。口の周りは唾とか、そこら辺のモノでだらしなく煌いている。
「どうしたのって何が?」
「だってクスクス笑ってるんだもん」
どうやら声に出してしまったらしい。
「そう、ごめんね。ただ面白かったからさ」
「何が?何が面白いの?」
行為中に笑った事に対して怒っているのか、亜弥ちゃんは私の上に被さるように身体を乗り出した。
- 366 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時42分08秒
- 「聞きたい?」
「うん。聞きたい」
亜弥ちゃんの鼻が私の鼻にぶつかる。
「じゃあ、耳貸して」
「うん。きゃっ!もうーミキたんのイジワル!」
亜弥ちゃんの耳に息を吹きかけた。そして一言呟く。
「亜弥ちゃんがー可愛過ぎてー、亜弥ちゃんの事がー好き過ぎてー、なんだか可笑しくなっちゃった」
「うふ。私もミキたんのことだぁーい好きだよ!」
そして亜弥ちゃんは私の唇を塞ぐ。餓えた子供の様に貪りつく。私はただそれを眺める。
- 367 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時42分53秒
- これでゴール。
大体毎回こんな事が繰り返される。
最初の頃は女同士と言う背徳感が私を駆り立てた。だけど、やってることは大して男とのそれと変わりは無い事に気付き、私の中の汚く貪欲で巨大な物体が急激に冷めて行った。
マンネリだ。“退屈”以上に嫌いなモノは無い。同じ世界を見ていたくは無い。
だから、そろそろこのレース自体を終わりにしたい。
- 368 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時43分34秒
- 亜弥ちゃんの肩を押して、とりあえず私の唇から離した。
「亜弥ちゃん、とっておきの話があるの」
「え、何?また面白い話!」
「うん、すんごい面白い話。聞きたい?」
「うん!聞きたい聞きたい!」
「あのね、亜弥ちゃんって…」
「なになに?」
- 369 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時44分18秒
「気持ち悪い」
- 370 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時44分49秒
- 彼女の顔が、固まった。何時もは驚くほど表情豊かな彼女が自分の顔の在り処を忘れたみたいに固まっていた。
私は今までにない昂揚感に包まれていた。彼女の拙い愛撫よりもよっぽど濡れた。
「亜弥ちゃんのことー、大嫌い」
確かめるように彼女の眼を見つめてはっきり言った。
その眼には私の姿が映っている。とても楽しそうに、嬉しそうに見えた。
彼女の唇が静かに動いた。
- 371 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時45分41秒
「それでも私は美貴を愛してる」
- 372 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時46分14秒
- 見たことも無い笑顔で彼女はこう言った。
思わず身震いした。
何時もTVで流れていた、見飽きたあの笑顔じゃない。
亜弥はこんな顔も出来たんだ。
私は亜弥を押し倒して、自ら唇を重ねた。
二人で身体を求め合った。初めての時の様に。心から楽しそうに。
- 373 名前:途切れながらも続くモノ 投稿日:2003年08月29日(金)00時46分56秒
どうやら退屈していたのはお互い様のようだ。
私と亜弥はやっぱりベストカップルだ。
- 374 名前:エロ火 投稿日:2003年08月29日(金)00時47分57秒
「途切れながらも続くモノ」 了
- 375 名前:エロ火 投稿日:2003年08月29日(金)00時48分48秒
从‘ 。‘从 人川VvV从
- 376 名前:エロ火 投稿日:2003年08月29日(金)00時52分29秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>361 ヨードーケッティ様
ありがとーございます。
でも僕はヨードーケッティさんが描く紺野さん大好きです。暖かくて。
また御暇な時にでも覗いてやってください。
本当に有難う御座いました。
- 377 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月06日(土)19時06分12秒
- 体がかあっとなりました(謎。
こんなアヤミキもありっすね。
官能的〜。
- 378 名前:名無しさん 投稿日:2003年09月07日(日)23時26分32秒
「この支配からの卒業」
- 379 名前:この支配からの卒業 投稿日:2003年09月07日(日)23時27分56秒
- 今はミュージックステーションの収録中。
もちろん生放送で全国にこの映像が流れている。
みんな楽しそうにタモリさんとトークをしている。
私は何も言えずにただ震えるだけ。
もう我慢が出来ない。
- 380 名前:この支配からの卒業 投稿日:2003年09月07日(日)23時29分05秒
- 私は自分に自身を持ちたくてモーニング娘。のオーディションを受けた。
でも入ってからもずっと劣等感に苛まれ続けている。
なぜなら、私と同期の3人があまりに特別だからだ。
藤本美貴。
実力、ビジュアル、実績共に私達4人の中では抜け出た特別な存在。
よりによって私が娘に入る時に、つんくさんはわざわざ藤本さんを加入させてくれた。
眩暈がする。
- 381 名前:この支配からの卒業 投稿日:2003年09月07日(日)23時36分22秒
- 田中れいな。
藤本さんには実力の面で負けていても仕方ない。ソロとして第一線で活躍していた人と何も知らない自分を比べる事自体無理があった。
でもれいなは私と経験も学んできた事も一緒。おまけに年下。
なのにシャボン玉ではもうセンターで歌っている。
ダンスも歌も全部私より上。
彼女はやっぱり私とは違う特別な存在。
胃が痛い。
- 382 名前:この支配からの卒業 投稿日:2003年09月07日(日)23時37分56秒
- 道重さゆみ。
私は彼女だけには負けている要素が見つからない。
歌だってダンスだって私の方が巧いはず。
だけどやっぱり彼女も“特別”で、TVでは6期の中でも彼女ばかりがフィーチャーされる。
何が違うの?少し変わっているだけじゃない。
普通がいけないの?
真面目がいけないの?
わからない。何もわからない。
もう堪えられない。
眩暈がする。
胃が痛い。
汗が止まらない。
- 383 名前:この支配からの卒業 投稿日:2003年09月07日(日)23時39分21秒
- モーニング娘。のメンバーはみんな特別な人ばかりだ。
同じ人なんて誰もいない。
どうすれば特別になれるの?
人とは違う事をすればいいの?
モーニング娘。のメンバーとは違う事をすればいいの?
誰もやっていないことをしないと特別にはなれないんだ。
だったら一瞬でも特別になれるのならやるしかない。
私は汗で滲んだ手をそっと握り締め拳をつくった。
そして震える身体を抑えつつ立ちあがり、全てを解き放った。
ぷぅぅうぅぅ〜〜〜〜〜〜ブリ。
- 384 名前:エロ火 投稿日:2003年09月07日(日)23時41分19秒
「この支配からの卒業」 劇終
- 385 名前:エロ火 投稿日:2003年09月07日(日)23時43分18秒
(^▽^)しないよ
- 386 名前:エロ火 投稿日:2003年09月07日(日)23時44分52秒
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>361 名無しさん 様
もう何も書ける気がしません。
暫らく旅に出てパクれそうな話を探してきます。
またその日までアデュー。
- 387 名前:エロ火 投稿日:2003年09月07日(日)23時46分37秒
- あ、レス番間違えた
361×
>>377
- 388 名前:エロ火 投稿日:2003/09/11(木) 20:58
-
「ど忘れ」
- 389 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:08
- 大変なことになりました。
ミキちゃんが死にました。
ののは泣きました。おなかの虫も泣いていました。
でもののは一つ気になってることがありました。
実はメンバーの誰かがミキちゃんのことを殺したんじゃないかと。
なぜならミキちゃんが死んだ時刻にはみんなアリバイがないかられす。
だからここはののが探偵になって犯人を捕まえたいと思いました。
まずはいいらさんに聞いてみます。
いいらは天井を見て独り言を呟いてます。近寄るのが恐かったんれすが、ののは探偵なので仕方なしに尋ねました。
- 390 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:10
- 「いいらさん。いいらさんがはんにんれすね!!」
いいらさんは天井を見上げたまんまれした。
探偵のののに黙秘権を使うなんてますます怪しいれす。だからカンチョーをしてやりました。
「いたっ!!何すんの!!」
やっと気付いたれす。この極悪非道のデクノボー。
「いいらさん、あなたがはんにんれすね!!」
「はぁ?何言ってるの?そんなわけないでしょうが。怒るよ」
お尻を叩かれるの恐かったんれすが、ののは探偵なので負けてはいられませんれした。
「らって、アリバイがないんらもん!!」
「はぁ?ホンキで怒るよ!カオリは美貴が死んだ時間にはヒポポタマス星のコミューラさんとコンタクトをとってたでしょ!のんちゃんも見てたでしょ!」
あーそうれした。ののは忘れてました。その時間いいらさんは空を見ながら宇宙人とずっと話してました。ののはあまりの恐さにそれを記憶の奥底に仕舞いこんでいたのれした。
「すいません、わすれてました。てへてへ」
「可愛いけど許さない。もう2度と忘れないようにお尻ペンペンする」
- 391 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:10
- のののお尻がカノウ姉妹くらいに大きなお尻になったころ、やっといいらさんのお仕置きから開放されました。
イッパイ泣いたけど探偵には少しの困難は付きものれす。
次は安倍さんのところにいくれす。
安倍さんには偽乳疑惑もかけられてるのでそちらの件にも公正な態度で挑みたいと思っているれす。
「あー腹減った。あ、弁当持ってきた?──のの!?どうして?……あ、藤本ちゃぁぁーーん!!なんで逝っちゃったんだべさぁぁーー!!!」
楽屋を開けると大急ぎで安倍さんは目に涙を浮かべました。でも口は笑ってました。さすが安倍さんれす、こんな難しいことが意図的にれきるならソロでも大丈夫れしょう。
- 392 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:12
- 「なっちさん!あなたがミキちゃんをころしたんれすね!」
「はぁ?そりゃぁ何度もヤッてやりたいと思った事はあったべさ。でも奴は中々隙を見せないんで諦めたんだべさ」
「らって、アリバイがないんらもん!」
「アリバイも何も、もう凶器が発見されてるべさ。その凶器から出てきた指紋はなっちの指紋とは違ったべさ。のの忘れたの?」
「あれそうれしたっけ?でもだれのしもんれしたっけ?」
「矢口だべさ」
あーそうれした。ののは忘れてました。矢口さんにお菓子を貰って「凶器のことは黙っててね、お願い」と言われたんれす。
そうと判ればこんな豚小屋臭いとこに長居はできねーれす。
「しっけい、しっけい。じゃましたれす。じゃあののはこれで」
「ちょっと待つだべさ。いくらののとはいえ、なっち様をここまでコケにしといて無事で帰ろうなんて甘すぎるだべ。その忘れやすい性格を直してやるだべ」
「やっぱりれすか」
- 393 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:13
- おすぎさんみたいにゴツゴツした顔にののの顔面が変化した頃、やっと安倍さんのお仕置きから開放されました。
イッパイ血が出たけど、どさぐさに紛れて安倍さんの胸を触ってやったれす。やっぱりののと同じかそれ以下でした。
探偵は転んでもたらで起きねーんれす。一つの詐欺事件は解決されたれす。
でも、殴られたりするのは2度とゴメンなので次は慎重にいくれす。
次は矢口さんのとこに行くれす。
こいつはののよりもちっちぇーくせにひでぇー奴れす。
ののの純粋無垢な心をお菓子で弄ぶなんて元ミニモニの風上にもおけねー奴れす。
- 394 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:14
- 「…ど、どうしよう……凶器が見つかるなんて……だからあのクソガキじゃ信用できねーって言ったのに…」
矢口さんは楽屋の中で一人頭を抱えながら忙しなく歩き回っていました。
バターにれもなりたいんれしょーか。とりあえずバターになるまえに捕まえて警察に渡さなければならないと思いました。
だってバターになったらののが食っちゃうかられす。
「おいチビ!おめーがミキちゃんをころしたんれすね!」
「あぁあ?誰だごらぁ!?」
うう…。こえーれす。ミキちゃんにパンを毎日買いに行かされたのも恐かったけど、この化石チビも十分こえーれす。
「らって、やぐちさんのしもんがみつかったんだもん!」
「てめぇ……辻ぃいお前がちゃんと凶器を捨ててこねぇぇーからぁなぁあっ!!」
あーそうれした。ののは忘れてました。矢口さんに「お菓子を上げるからこれを捨てて来て。あとこの事は黙っててね、お願い」と言われたんれした。でも面倒臭かったんで、そこら辺のゴミ箱に捨てといたんれす。お菓子は食べましたけど。
「てめぇーが失敗しなければぁくそったれぇぇぇーー!!」
ひっ!殴られる!!
そう思ったとき一人のヒーローがののの前に現れました。
- 395 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:15
- 「ダメですよ矢口さん暴力は。美しくない」
「あ、あさみちゃん」
そのヒーローはあさ美ちゃんれした。
あさ美ちゃんは矢口さんのストレートを見事に受け止めていました。
その広い額で。
どうやら手で受け止めようとして失敗したみたいれす。
「こ、紺野!だってよぉーこいつがちゃんと凶器を捨てとけば……大体お前が辻を使おうなんて言い出さなければ!!」
「まー落ち着いてください矢口さん。小さき者が狼狽える姿はあまり美しいものではない」
「そ、そんなこと言ったてよぉー!!」
「任して置いてください。我に策ありです。何事もスマートに、美しくいかなくちゃ」
なんだかよくわかんねーんれすけど、とりあえずののは殴られなくて済むらしいれす。
「辻さん、大丈夫でしたか?お怪我はありませんか?」
「だ、だいじょーぶれす!ののはたんていなんれこんなことぐらいなれてるれす!!」
「そうでしたか……良かった」
- 396 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:16
- あさ美ちゃんは優しくののに笑いかけました。そしてそのままずっとののの顔を見つめてました。
……まいったなぁー。のんに惚れちゃいましたか。
「……どうしたんですか?次は辻さんの番ですよ?」
あさ美ちゃんは小声でのの以外の人に聴こえないようにそう言いました。
「え?なにがれすか?」
「ダメですって!……ほら次は辻さんが警察に自供しに行く場面でしょう」
「へ!?じきょうれすか?」
「そうですよ!忘れちゃったんですか?このドラマ、次は辻さんが警察に『私が矢口さんのナイフを使って藤本さんを殺しました』と言いに行く所ですよ?まだカメラはまわっていますよ。ほらカットかかってないでしょ?」
「え?そうでしたっけ?」
「そうですよ!あー知りませんよ……また飯田さんや安倍さんに怒られても……」
「うわぁぁーー!!それはイヤれす!」
これ以上よっすぃーみたいに尻ばっかりデカくなりたくねーれす。これ以上ホンコンさんみたいにごっつい顔になりたくねーれす。
もー怒られるのはイヤれす!
- 397 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:18
- 確かそんなドラマを取っていた気もするれす。ののは忘れんぼ屋さんだからまた忘れちまったのかもしれねーれす。
ろっちにしろ、もう殴られるのはイヤれす。警察の所にいくれす。
「あ、そういえばのののばんれした。わすれてたわけじゃないれすよ、てへてへ」
「本当ですか?忘れてたんじゃないですか?」
「わ、わすれてるわけないでしょうがぁ!だからいいらさんやなっちさんにはいわないでおいてくらさいね」
「えーどうしようかなぁ?じゃあ条件があります」
「え?なんれすか?いいらさんたちにいわないんなら、なんれもきくれすよ!」
「これから私が言う事を決して間違いないようにしっかりやってくださいますか?」
「もちろんれす!」
「絶対忘れないで下さいよ?」
「もうわすれねーれす!!」
「わかりました。ではまず───」
- 398 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:20
- ☆ ★ ☆ ★
ののはあの後あさ美ちゃんの言った事を忘れないでその通りに行動しました。
そして今この冷たい壁の中にいます。
メンバーには会えないんれすけど、あいぼんがたまに手紙をくれるので寂しくなんかありません。
あいぼんの手紙によると、みんな元気にやってるらしいれす。
特に矢口さんとあさ美ちゃんがとても元気になったと書いてありました。
矢口さんはミキちゃんがいなくなって前みたいに誰にも遠慮せずにいばれるようになったらしいれす。
ミキちゃんがいたころは矢口さんはストレスでお腹を痛めていたらしいれす。
それをつんくさんに相談したら「じゃあ藤本の変わりにお前がなれるのか?」と言われたらしいれす。
ののは全然知りませんれした。あいぼんは物知りだなー。
- 399 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:22
- あさ美ちゃんも元気になったらしいれす。
ののとあさ美ちゃんはいつもミキちゃんにお買い物をさせにいかされたんれ、ミキちゃんがいなくなって少しは楽になったと思います。
あとカントリー娘。のセンターにも決まったらしいれす。それどころか、まこっちゃんと二人でハワイヤーン娘。としてCDを出すことも決まったらしいれす。
つんくさんは、ミキちゃんが死んだっていうのにすごいはりきってたくさんCDを出してるらしいれす。たぶんつんくさんもミキちゃんの悲しみを早く忘れようと必死なんれすね。
- 400 名前:ど忘れ 投稿日:2003/09/11(木) 21:22
- でも、ののはあいぼんが心配れす。
いつも手紙の最後に「あいぼんが解決してやるからな」と書いているんれす。
なんのことだかさっぱりののにはわかりません。あいぼんは大丈夫でしょうか。
あとこうも書いてありました。
「紺野に何を言われた?」
なに言われたんれしたっけ?
のの、また忘れちまったれす。
- 401 名前:エロ火 投稿日:2003/09/11(木) 21:23
-
「ど忘れ」 おわり
- 402 名前:エロ火 投稿日:2003/09/11(木) 21:25
-
( ´D`)画用紙なんかじゃおそまんねーれす
- 403 名前:エロ火 投稿日:2003/09/11(木) 21:26
-
(0^〜^)その想い忘れないで
- 404 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/11(木) 23:23
- めちゃめちゃ面白かった。加護探偵きぼんぬ。なにごともなかった
かのように名探偵辻シリーズ化きぼんぬ。
- 405 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/13(土) 17:03
- めちゃくちゃおもしろかったです。
才能があるんですね…
特にあやみきが好きでした。
- 406 名前:名無しどくさ 投稿日:2003/11/02(日) 13:04
- のの探偵すげぇシュールで面白かったです。
アホなのの最高。
- 407 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/16(日) 00:26
- みなさんこんばんは。あいぼんです。
ミキちゃんが殺された事件から早半年。
丸い球を7つ集めて、無事にミキちゃんはこの世に蘇りました。
だけどまた困った事が起きてしまいました。
ミキちゃんに殺人予告が送られて来たのです。
それには、こう書かれていました。
- 408 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/16(日) 00:27
-
'今 夜 1 2 時 お 前 を 殺 す'
「あーホンマに困ったわぁ。こんな時、あいつが居てくれたらなー」
今となっては何の役目を果たさない言葉を楽屋の天井に向けて言いました。
- 409 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/16(日) 00:27
-
「それはのののことれすか?」
何処からか声がし、楽屋のドアがゆっくりと開いていきました。私にはそれが感動的な映画のワンシーンの様に輝いて見えました。
「──っのの!!!」
健康的な少し黒い肌、茶色いポニーテール、口からはみ出てる八重歯、少しデシャバリなお腹、そして短い足。
そう、色んなミラクルを起こし、またも難事件を解決させるために私達の元に戻ってきたのです。
名探偵ののたんが。
- 410 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:28
-
「名探偵ののたんの生還」
- 411 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:29
-
「のの帰ってきたんか!!」
「あい、おちこんだりもしたけれど、ののはげんきれす」
久しぶりに見たののは以前と全く変わりなく、元気そのものでした。ちゅーか、前よりも何処か大きくなっている気さえしました。横幅とか。
「ホンマ良かったわ、丁度今困っていた事があるんや」
「なんれすか、このめいたんてーにまかせなさい!」
「これ見て、ミキちゃんに送られて来たんや」
そう言って私は殺人予告が書かれた脅迫状を渡しました
- 412 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:31
- 「なになに〜、1・2・お・を・す?なかなかむずかしいあんごうれすね……こんかいのヤマはながくなりそーれす…」
「のの……ベッタベタやな…それは今夜12時お前を殺すと書いてあるんやで」
「し、しってましたよ!なんれすか、めいたんてーをバカにしてるんれすか!これだから、じけんのじのじもしらないシンセイハゲはこまるんれすよー、ったく」
「正直すまんかった……あれ?今ハゲって──」
「あぁーー!!!」
「な、なんや一体!?」
ののは脅迫状を見つめながらブルブル震えていました。
「そ、そーいうことらったんれすか……」
「ま、まさかのの……」
「なぞはすべてとけたれす!!」
ののは興奮した勢いで脅迫状を真っ二つに引き裂きました。
- 413 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:31
- 「な、なにしてんねん自分!!」
「らいじょーぶれす。ぜんぶののにまかしといてくらさい。れったいにののがこんなかなしいじけんをおこさせはしません」
「ホンマか!」
「あい、はんにんのすきなようにはさせません!こんや11じ30ぷんにミキちゃんのいえにきてくらさい!」
そう言ってののは意気揚々と楽屋を出て行きました。
- 414 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:32
- ★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆★ ☆
私は約束通りミキちゃんの家に11時30分ぴったりに到着して、チャイムを鳴らしました。
ピンポーンピンポーン。
インターホンから声が聞こえました。
「あーい、どなたさまれすかぁ〜?」
この極めて頭が弱そうな声はドスのきいた軽ヤンのミキちゃんの声とは明らかに違います。名探偵ののたんの声でした。
「あ、あいぼんやけど」
「あ〜、あいぼんれしたか。どんぞあがってくらさい」
ののは自分の家のように私を招き入れました。玄関を開けると、そこには靴が2足ありました。おそらくののとミキちゃんのモノでしょう。
玄関を抜けてリビングに行くと、ののがテーブルでカップラーメンを食べていました。
- 415 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:33
- 「あいぼんけっこうはやかったれすね」
「時間厳守はアイドルとしての最低限のマナーやからな。それよりののは何してんねん」
「なにってなにがれすか?」
「他人様の家でTV見ながら、何カップラーメン食っとんねん。事件は、ミキちゃんはどうしたんや」
ののはカップラーメンを一旦テーブルに置き、自慢げに鼻を掻きながらこう言いました。
「あー、それれすか。もーそれならかいけつしましたよ」
「な、なんやと!どういうこっちゃ!」
「ミキちゃんならとなりのへやでねています。もーぜんぶらいじょーぶれす」
そう言いながらののは隣の部屋を指差しました。
「いやーひとしごとおえたあとのラーメンはうめーれす」
ののは再びラーメンを啜り出しました。
- 416 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:34
- ののはアホみたいに気楽な顔で──もっともアホみたいな顔は元々かもしれません──ラーメンを食べていましたが、私はミキちゃんの顔を見るまではとても安心できるような気分ではありませんでした。
ののを尻目に隣の部屋のドアを開けました。
するとそこには、ベッドに静かに横たわっているミキちゃんがいました。
「ふー、なんや無事やったんか」
私はその場に座り込みました。なんだか一気に肩の荷が下りたような気分になりました。
「らからいったれしょう。じけんはもうかいけつしたんれすよ」
気付くとののが私の横で、油断した顔を浮かべながらラーメンを食っていました。
「ミキちゃんが無事なのはわかったんやけど、どこが事件解決してんねん?」
「わかんないんれすか?ったくあいぼんのめはぶたさんなみにほそいれすね」
謂れ無い非礼では無かったので震える拳をそっと引っ込めました。私は大人です。
- 417 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:35
- クソガキのノータリンの、ののはゆっくりミキちゃんの布団に近づきそれを一気に捲り上げました。
そしてののはこう言いました。
「ほらね、じけんはかいけつしてるれしょ」
私は重度の眩暈に襲われながらもその言葉をしっかり耳に受け止めました。
うつ伏せに寝ているミキちゃんの、丁度胸の真ん中の辺りにそれは堂々としっかり立っていました。
刃先とその周辺は綺麗に真っ赤に染まっていました。その横でののは満足そうに笑っていました。
「の、のの……何してくれてんねん…」
身体中が震えている中、何とかその言葉を言う事が出来ました。
「なにってじけんをかいけつしたんじゃないれすか。おかしなあいぼん」
「このどこがぁ事件解決やねんっ!!!」
私は震える身体と悪い夢から逃げ出すように声を張り上げののに迫りました。
- 418 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:36
- 「なんれれすか。だれかがミキちゃんのことを12じにころすまえにののがさきにミキちゃんをころしたんれすよ、じけんをみぜんにふせいらじゃないれすか」
ののは私の怒声をかき消すかの様に悠然とそう言いました。
「これにていっけんらくちゃくれす!さぁーラーメンくうれす!」
ののはそう言ってリビングに戻っていきました。
私は疲労しきった身体を無理やり動かし、玄関にあった電話へと急ぎました。
- 419 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:36
- 受話器を手にとり、110番にかけようとした時、部屋にチャイムが鳴り響きました。
ピンポーンピンポーン。
「はーい、たくはいびんれすね!あいぼーん、ののいまラーメンたべてていそがしーんれ、れてくらさ〜い」
ののが何時もと何も変わらない間抜けな声でそう言いました。
恐る恐る玄関のドアに近づきレンズから外を覗くと、満面の笑みを浮かべた紺野ちゃんがいました。
電話のデジタル時計を見ると、時刻は丁度0:00を刻んでいました。
- 420 名前:名探偵ののたんの生還 投稿日:2003/11/16(日) 00:37
-
「名探偵ののたんの生還」 おわり
- 421 名前:エロ火 投稿日:2003/11/16(日) 00:44
-
うーむ・・・・・・犯罪のにおいがしますね
────────‐y──────────
,,,,,,n,,,,,,,
(□####)) ∫ ∫∬ ∬ ∫∫
( ´D`) ○ 〆⌒ヽ _________
/´゚゚゚/Y/]つ|| ==== \≠/
/];,,,,/_,___i l二二二二二二二二二二l
(___)(___) || ||
- 422 名前:エロ火 投稿日:2003/11/16(日) 00:48
- >>404 名無し読者様
お口に合わなかったら申し訳
>>405 名無し読者様
きっちり天才です
>>406 名無しどくさ様
( ´D`)<アホいうやつがアホれす!!
- 423 名前:エロ火 投稿日:2003/11/16(日) 00:54
- あ、AA作成依頼専用スレッド in モ板 part2 の職人さんありがとー
- 424 名前:エロ火 投稿日:2003/11/22(土) 21:44
-
「チアノーゼ」
- 425 名前:エロ火 投稿日:2003/11/22(土) 21:44
-
『スカイフィッシュ』、『ゼリーフィッシュ』。
彼女、彼の名前はまだ決まっていない。
とりあえず今は『君』と呼んでおく。
半透明な身体をくねらせながら、魚の形容をしたそれは宙を泳いでいる。
一つ鰭を動かせば身体は七色に輝きそこら中の光を反射する。顔はあれだ、ごっちんに似ている。
なので名前は『ごっちん』にした。私は『ごっちん』に話し掛ける。
「ごっちん、今ゴキゲン?」
『ごっちん』は愉快そうに、退屈そうに私を無視した。世界は安心だ。
- 426 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:46
- 「よっすぃー何言ってんの?ごっちんなんていないじゃん」
残念な事に、世界にはノイズも荒々しく反乱している。彼女の声は、実に気分が悪くなる波長を出していた。
「梨華ちゃんには一生見えないと思うよ」
「何が?」
「ごっちんが」
「あはは!何それ、ウケる!私にだってごっちんは見えるよ」
「見えてないよ。恐がってたら見えやしないんだよ」
「はぁ?見えてるもん!私にだってごっちんは見えてるもん!」
梨華ちゃんはカチンと来たらしく、机を叩きながら言った。
「見ようともしてないくせに。黙れよ」
私は梨華ちゃんの首をへし折った、気分になって楽屋から出て行った。
楽屋からは梨華ちゃんの泣き声が聞こえたから私はそれに合わせて口笛を吹いた。
- 427 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:48
- 廊下を曲がると矢口さんが休憩所の椅子に寝転がっていた。
その上には『ごっちん』が漂っていた。『ごっちん』は矢口さんの顔を見ては何かを言いたそうに、行ったり来たりを繰り返している。
矢口さんはこちらに背中を向けて、赤ん坊の様な小さな身体を丸めて眠っていた。
この世界の哀しみ全てを矢口さんの小さな身体が背負っている感じがする。
その磁場に巻き込まれるのは危険だと感じて、見てない振りをして通り過ぎようとした。
「あ、よっすぃー。どうよ最近」
矢口さんの痛めきった髪はボサボサで、目の下には見事な隈が出来ていた。
「どうもこうもないですよ。ハッピーですよ、ハッピー」
最近は見ない梨華ちゃんの真似をしてみた。
- 428 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:49
- 「そう。薬が欲しくなったらおいらにいつでも言ってね」
「最近はどうも身体の調子が良くて。あと何秒か先くらいまでは大丈夫です」
「きゃはは!もうダメじゃん!!」
「いやいや、ホント大丈夫ですって。最近友達も出来たんですよ」
そう言って私は『ごっちん』に手を振った。『ごっちん』も尾鰭を振って私を無視した。
「何やってんのよっすぃー?」
「ごっちんに手を振ったら無視されました」私は頭を掻きながら笑った。
「ふぅー。使用上の注意読んでないっしょ?やり過ぎはあれほどダメだって言ったのに」
「あれ?やっぱ矢口さんにも見えないかぁ」
「はぁ?」
「矢口さんもわかった振りしてるだけですもんね。みんなビビっちゃってさ、おもしれー」
「何だか良くわかんないけど、とりあえず薬は1日3回程度にしときなよ。って今言っても無駄かな」
「うるせーよチビ。ごっちんが泣いてんだろ」
退屈な奴らばっかりだ。何も見えてやしない。
- 429 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:49
- 「おい、イッちまってるからって許されないこともあんだぞこらぁ?」
そう言ってチビはひでぇツラをぶら下げて椅子から立ち上がった。でも足に力が入らなかったのか、脳にキテいたのか知んないけど直ぐに椅子に倒れ込んだ。
どいつもこいつもクソったれだ。クソに塗れても自分がクソだから気付かないんだ。
「ね?ごっちん」
トイレでは美貴ちゃんがそう言って『ごっちん』に手を振っていた。
- 430 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:50
- 「あれ?美貴ちゃんにも見えるの?」
「と言うことはよっすぃーにも見えるんだ」
理解者が出来た。同じ物を見ることの出来る人間が出来た。物事を共感し合える人間がいることの素晴らしさを知った。
「ごっちんって自由だよね」
私は苦笑いを浮かべながら美貴ちゃんにそう言った。
「冷たいってよりはノリ悪いよね」
美貴ちゃんも苦笑いを浮かべながら訳のわからない事を言った。
「えー。そりゃ違うでしょ」
「いやそうだよ。私と亜弥ちゃんがどんなに話し掛けてもノってこないんだもん」
「はぁ?何いってんの?ごっちんめっちゃノリいーじゃん」
「ノリいーわけないじゃん。今だってこんなに話し掛けてるのに一言も返さないし」
「自由なんだよ。ごっちんは誰よりも自由なの。誰よりも純粋なんだよ」
「はぁー意外とよっすぃーってごっちんのことわかってないんだね」
ナイフは持ってないし、機関銃も持ってない。さて、どうするかな?
- 431 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:51
- 「ごっちんってやっぱ可哀想だわ。1番仲の良さそうなよっすぃーにも理解してもらえないんだもん」
「黙れよクソ。私が1番ごっちんをわかってるっての」
そう言いながら美貴ちゃんとの距離をゆっくり詰めていった。
「わかってないよ。ごっちんは誰のものでもないのにさ」
美貴ちゃんが大笑いをし始めた。唾が私の顔にたくさんかかった。
お返しに、その大きく開いたお口に一発、拳をぶち込んだ。
美貴ちゃんは綺麗に歯を飛び散らせながらトイレのドアにゆっくり身体を打ち付けていた。私の拳には、一本黄色い歯が刺さっていた。
美貴ちゃんは口から血を垂らしながらそれでも笑う事を止めなかった。何だか私まで楽しくなってきて、笑いながら美貴ちゃんの首を締めた。
『ごっちん』は『ごっちん』でそんな私達の周りを超音速の速さで泳ぎ回っていた。ブーン、ブーン、ブーン、ブーン音を鳴らして。
美貴ちゃんの笑いが止まった頃、耳には梨華ちゃんの轟音の泣き声が流れ出した。そして私は急激な嘔吐感に襲われた。梨華ちゃんの子を妊娠したのかも。
私は慌てずに顔を便器の中に突っ込んだ。梨華ちゃんの泣き声が止まった。便器の水槽の中では『ごっちん』が優雅に泳いでいた。
- 432 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:51
- あれ?よく見ると、この魚全然ごっちんに似てない。
誰だあんた?『君』は誰だ?
『君』は私に一回微笑むと、便器の奥の方に潜り込んで行った。
私はごっちんに会いたくて目を閉じた。
- 433 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:52
- P
- 434 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:52
- S
- 435 名前:「チアノーゼ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:52
- V
- 436 名前:エロ火 投稿日:2003/11/22(土) 21:53
-
「チアノーゼ」 おわり
- 437 名前:エロ火 投稿日:2003/11/22(土) 21:58
-
「波色レディオ」
- 438 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:59
-
胸が痛くって苦しくって私は海に空き缶を投げた。ケータイにしようかと悩んだけど、できやしなかった。
ポチャン──空き缶は頑張って暫らく水面から顔を出して泳いでいた。だけど波は性格が悪いからすぐにそいつを飲み込んだ。
少しは頑張れよ空き缶。私がなんだか悪いみたいじゃんよ。切ないじゃんよ。
少しは遠慮しろよ波。私がなんだか惨めじゃんよ。痛いじゃんよ。
んなこと知らんぷりで、秋の波音は静かに私を責めたてる。こんなくそったれな気分は久しぶり。
腹が立ったからジーパン少しまくって、真っ赤なスニーカーほん投げて、海をオモクソ踏んづけてやった。
ばーか痛いだろ。私はもっとイテぇーんだよ。
だけどやっぱり波はイジワルで、すぐにジーパン濡らしてくれる。
だから私も涙を零してしまうんだ。
- 439 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 21:59
- 「おぉーまいふれんど!季節外れの、どきっ!女独りの水泳大会かい?」
そして、満を持してこのバカの登場。
「ははは!今のどう?ヤバくない?そろそろM-1でちゃうぞい!」
足の指先が冷たくて痛い。やっぱ靴下ぐらい、はいておけば良かったかな。
「おいおいおい!無視かよ!どうなの?その態度はどうなの?」
ケータイも捨てちゃおうかな。でも、もう番号憶えちゃってるしな。
「おーおーそうかい、そうくるかい。なら私にだって考えがあるぞい」
もういいや。いっそ死んじゃうかな。誰か泣くのかな。
「ふっじもとぉーーーっ!!私はお前が大好きだぁぁぁあーーーっ!!!」
──やっぱバカだ。
- 440 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:00
- 「あ、今笑ったしょ!!ね?笑ったしょ?」
「よっすぃーのバカさ加減に笑えてね」
「おぉーひでー!ミキティーひでぇー!!」
気付けばよっすぃーは隣で笑ってた。淀んだ青い海の中、真っ白な笑顔浮かべて笑ってた。
いつだってそうだ。
「つーかクツはいたまんまで海入っていいの?」
「うん?あ、マジかよ!これ買ったばっかだったのに!!」
「バカ」
「へっ。美貴ちゃんだってバカだよ」
「知ってる」
バカだから、こうして泣いたり笑ったりしてんだ。
- 441 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:01
- 「悲しいときケータイ鳴らせよ。ツラいときケータイ鳴らせよ。なんのためのケータイだよ」
「だってさ……」
「だってなにさ」
よっすぃーがお節介だから───なんて言えるわきゃない。
「使用上の注意に、バカには決してかけないで下さいって書いてあってさ」
「へー。まぁーバカにかけるのは厄介そうだからね」
「うん。しかもバカの隣に──バカ(吉澤ひとみ)──ってご丁寧に太字の赤線で書いてあるんだもん」
「それじゃ仕方ないね。吉澤ひとみってバカに電話できなくてもね。吉澤ひとみねぇー。吉澤ひとみ…吉澤ひとみ……ってオレかよっ!」
「さむっ…」
「おぉークール!ミキティーCOOL!」
よっすぃーの笑顔のせいで、私的ルールブックのケータイにおける使用上の注意の欄が書き換えられた。
・大嫌いな奴(クソヤロー)には2度とかけてやるな!
・大切な友達(吉澤ひとみ)にはカッコつけずに何時でもかけてやれ!
もち括弧内は太字の赤線で。
- 442 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:02
- 「なぁーに笑ってんの?」
「うん?ミキ笑ってた?」
「笑ってたよ。アホみたいな顔して」
「黙れバカ」
「ああー!今のバカって言い方本気のバカって言い方だった!」
「そんなことないよ。ミキはいつだって心の底からよっすぃーのことバカだと思ってるもん」
「あ、そうなんだ。ならいーや」
真っ青な顔して、それでも笑顔でよっすぃーは言う。
よっすぃー寒がりだもんな、こんなクソ寒い中海に入ったらそーなるわ。
つーか私が限界。
- 443 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:03
-
『ハロー、ハロー。聴こえてますか?
使用上の注意により、ケータイの電波じゃあなたにホントに言いたいことも言えそうもないので、このデッカイ波を伝ってあなたに届けます。
残念だったなクソヤロー、まだ死にやしねーよ。
お前のなんかのために死んでたまるか。私にはこんなにバカヤローな友達がいるんだ。
クソヤロー、お前は私に勝てても、バカヤローには負けたんだ。ざまぁーみろ』
波に向かって大声で叫んでやった気になった。青春ドラマの1ページみたいなことは、私にはできやしない。
「だからなに笑ってんだって」
「何でもない、帰るべ」
「うん、帰ろう。ほいハンカチ」
「……サンキュー」
びしょ濡れのハンカチで涙を拭いた。涙は拭けたかどうかはわかんないけど、なんだか笑えてしかたなかった。
- 444 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:06
-
「あ、さっきの大好きって友達としてだからね?勘違いしちゃやーよ」
「バカ」
- 445 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:06
- 電
- 446 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:07
- 波
- 447 名前:「波色レディオ」 投稿日:2003/11/22(土) 22:07
- 塔
- 448 名前:エロ火 投稿日:2003/11/22(土) 22:20
-
「波色レディオ」 おわりますん
- 449 名前:川o・-・) 投稿日:川o・-・)
- 川o・-・)
- 450 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/22(土) 22:41
- 両方とも、違った感じでいいです。
更新されててうれしいです。
- 451 名前:川o・-・) 投稿日:川o・-・)
- 川o・-・)
- 452 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/22(土) 22:43
- 作者さんすいません!!
間違えて投稿してしましました
すぐ削除依頼だしてきます
まじごめんなさい!
- 453 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/23(日) 14:59
- やっぱすげぇや。。。
- 454 名前:名無しクリストファー 投稿日:2003/11/24(月) 04:05
- 某板でお世話になってる者です。
チアノーゼというフレーズにつられて蜜に吸い寄せられるようにレスします。
これだけ言わせてください。
『す ご い ぞ エ ロ 火』
語呂が似てるなぁと思って…。
いや、本当に凄かったです。
- 455 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/25(火) 23:25
- 『チアノーゼ』おもしろかったー。
やっぱり文章が面白いですね、文体というか。独特で。
また、こういうの、たまに書いてください。
って言い過ぎると『混ぜすぎ〜』より
こっち出せばよかったって後悔が募るんだろうな(笑)。
- 456 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/01(月) 02:52
- 激しくいいですね
凄い
- 457 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/23(火) 11:55
- ho
- 458 名前:エロ火 投稿日:2003/12/24(水) 03:11
- 気づけば、このスレ一周年じゃん!!
そして今日はクリスマスイブじゃん!!
と言うわけで突発的に書いた話。
- 459 名前:エロ火 投稿日:2003/12/24(水) 03:12
-
「ヒトミキ&ナイト」
- 460 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:15
- どこかにサンドバックはないのか?
どこかにパンチングマシーンはないのか?
コンビニにたどり着くまで──家から若干30メートルの間──に、腹の底から沸々と湧きあがるこの切ないほどの殺意を何度押し殺した事かわからない。
街はどっかの企業に踊らされた奴らで溢れかえっていた。
一つのセーターを二人でまく奴ら、一つのポッケを二人で使う奴ら、お互いの腕を絡ませる奴ら、お互いの手をお互いの息で暖める奴ら。
奴ら、奴ら、奴ら───。
──はっ!
いけない、いけない。何を考えているんだ。
落ち着け。私は将来国宝にも認定されるであろう美少女。余裕を持たないと。
ほら、ガラスに映る私は…………。
- 461 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:17
- クリスマス用にデコレーションされたケーキ屋の窓ガラスに映った私の瞳は、今にも血の滴った肉を生で喰らいつきそうな勢いだった。
おまけに実家から送ってもらった半纏に滝川高校のジャージにバーゲンで買ったぽんぽんの付いたニット帽。
周りには二人組みの男女がウジャウジャしているのに、ガラスに映る私の横には清々しいほどに誰もいない。
お母さん、美貴はコンクリートジャングル東京でもしっかり生きています。
「あれ?そこの田舎臭プンプンの女の子は…まさかミキティー!?」
背中を向けていてもわかる、この人を舐めきったバカ全開の声。
……最悪だ。最低のタイミングで最悪の相手と出会ってしまった。
- 462 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:19
- 「あれあれあーれぇ〜?ミキティー何してるの?ね、クリスマスに一人で何してるの?孤独と書いてヒトリで何してるの?」
……落ち着け、落ち着くんだ美貴。円周率を数え上げて冷静になるんだ。
ダメだ、全くわからん。
よし、ぶっ飛ばそう。
振り返り様に有無を言わさずローリングソバット。うん、何も間違っちゃいない。
「吉澤ぁぁあーー……ぁぅあっ!?」
……そ、そ、そんなバカな。
そこにいたのは確かに先天的バカ症候群に悩まされる(いや、バカだから悩まないか)漂白女、吉澤ひとみ。
- 463 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:24
- だけど、だけど、隣に何かがいる!!
何だこれは。この隣にいる美少年は何だ。何人だ。いや人なのか、生物なのか?
もしかしたらコンビニで小腹を満たすために井村屋の肉まんを買っていた間、私の知らぬ間に科学がとんでもない進化を果たしてアンドロイドを完成させたのかもしれない。
「ちょ、ちょっとミキティー」
私はそのアンドロイドに接近を試みた。真直で見ても人間にしか見えない。素晴らしい。
「これ何?」
「何って見りゃわかるでしょ」
性別は男であろう、そのアンドロイドを色々触って調べてみた。
「うわぁ!?や、止めてください!」
「おいっ!何してんだぁ!!」
「よしこ、これいくらしたの?高かったでしょ?」
すごい、完璧だ。皮膚の感触から恥ずかしそうなリアクションに声、全てが人間に近い。
ふー。
……つーか、これ人間だぁーーー!!!
- 464 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:26
- 「ね、いくらで買われたの!いくらでよしこに買われたの!もしくは親族が強迫されてるの!ね、お姉さんに言ってみて全部言ってみて!お姉さんに包み隠さずことの真相を全部教えて!ね?ね?ねぇーったらぁーー!!!」
……あれ?
私にガクンガクン肩を揺すられている少年は、大きな瞳に涙を溜めていた。
隣にいるよしこは言葉も出さずに心底哀れんだ瞳で私を見つめていた。
そうですか、そうですよね。私が少しばかり大人気なかったですよ。
そうだよね、私より可愛くないよしこに彼氏が出来たとしても別に可笑しくないよね。
そうだよね、友達に彼氏が出来たんだから祝わないとね。
親友と書いてダチだもんね。むしろ心友と書いてマブダチだもんね。
- 465 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:29
- 「ミキティー……」
よしこが私の肩に手をかける。
「ごめん……美貴ちょっと動揺しちゃって…ごめんね」
「いやいいんだよ。大丈夫だよ」
よしこの優しさが痛くて泣きそうになった。
「ごめん、美貴帰るね。二人ともお幸せに」
良く見ればベストカップルだ。お互い背高いし、色白だし、ホクロもなんだか多いし。
「ミキティーも頑張れよ」
そう言って満面の笑顔でよしこは私の背中を押し出した。
抗い難い醜い感情に襲われそうになったけど、今日は聖なる夜。
震えた拳を抑えつつ、私も満面のひきつった笑顔で返した。
「…じゃーね。家直ぐそこだから」
「うん、じゃー!」
ダメだ。これ以上こいつのニヤケ面を見ていたら反射的に殴ってしまう。
もう何も言わずに帰ろう。
「じゃぁーねぇー!ミキティー!」
マブダチの幸せそうな大声を背中に感じながら私は帰路に着こうとした。
- 466 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:32
-
「……ね、姉ちゃん。俺もうヤダよ、帰るよ」
着こうとしたが、遠慮され絞られた小さな声を、ミキティーイアーは逃しはしなかった。
「俺帰る……」
その声に合わせて、自分でも驚くほど正確にピタリと足が止まった。
「お、おいっ!!何言ってんだ!」
「もうヤダよ!寒いし、変な事されるし!」
「黙れ黙れ!しっ!しったら!」
私は背中を向けたまま、彼女たちへと一歩一歩足を戻した。
- 467 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:33
- 「ゲーム買ってくれる約束なのに全然デパートに行こうとしないじゃん!」
「おいバカ殺すぞっ!!今から行くんだよ!今から買いに行くんだよ!!」
よしこはそう言いながら、その少年の胸倉を必死で掴んでいた。
いや実の弟の。
「やだぁー帰りたい!帰りたい!!」
「泣かすからな!いいか、絶対泣かすからな!」
弟君は既に涙全開でした。それでもよしこは彼の胸倉を離そうとはしませんでした。
私はそんなよしこの肩に優しく手を置きました。
- 468 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:34
- よしこがこちらにゆっくり振り返ります。
「…………ミ、ミキちゃん」
私は言います。
「大丈夫。ダイジョブだよ」
「ミ、ミ、ミキちゃぁぁぁーーん!!!」
よしこは私の胸に飛び込みました。そして声を上げて泣き出しました。
私はゆっくり優しく丁寧によしこの頭を撫でました。
そして弟君は全力疾走で闇の中へと消えて行きました。
- 469 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:35
- ――――
―――
――
―
「どうする?ラブホ行く?」
「帰れボケ」
冬の夜の公園は実に冷たい。
青いベンチもやけに私達に対して冷たい。痔になったらどうしてくれんだ。
何から何まで冷たくて寒い二人組みは、さっきコンビニで買った肉まんでお互いを暖めていた。
公園の入口から見える街を歩くカップル達は、お互いの腕を絡めて体を寄り添い寒さから逃げていた。
- 470 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:37
- 「はぁ……」
真っ白な溜息が真っ暗な空に浮んでは消えた。あと何回溜息をつけば空を真っ白に染められるだろう。
「ほい」
よしこがポッケにつっこんだ腕で私の腕をつつく。
「何?」
「ほら、腕」
「は、はぁ!?」
「いいから、いいから」
そう言いながら強引に私の腕を持っていく。
「あんたホントにバカだね」
「いいから、いいから」
相変わらずサムいことを普通にやってくれちゃう子だけど、ホントのところ、少しだけ腕や胸の奥の方が暖かかった。
- 471 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:38
- 「溜息で空が真っ白になんないかね」
「うん?」
「溜息で空が真っ白になれば雪が降るかもしんないじゃん」
「おー!ミキティー、ロマンチストさん!」
「…えへへ」
「サムいっ!!」
「殺すぞ」
二人で夜空を眺める。東京の星達はシャイな奴らが多いのか、あまり顔を出さない。
クリスマスなんだから恥ずかしがらずにみんなでイチャつけばいいのに。
そして輝いて私達を照らしておくれ。このままでは寒くて泣いてしまうぞ。
- 472 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:41
- うん?
頬が濡れた気がする。涙?
「あれ、振ってきたんじゃない?」
よしこが両手を空に広げる。
真っ黒な空からポツポツと白い星たちが落ちてくる。
出来すぎだろ。
少しサブイボがでたけれど、神様が降らす白い贈り物を止めるスベなんてありやしない。
なんせ相手は神様だからね。
なんせ今日はクリスマスだからね。
今日くらいは許してやる。
「これでまた寒くなっちゃうね」
「だね」
「ね、ミキティー」
「うん?」
よしこの大きな瞳が私の視線を簡単に捕まえる。
- 473 名前:ヒトミキ&ナイト 投稿日:2003/12/24(水) 03:41
-
「……むなしくない?」
「…………言うな」
- 474 名前:エロ火 投稿日:2003/12/24(水) 03:42
-
「ヒトミキ&ナイト」 おわりかも
- 475 名前:エロ火 投稿日:2003/12/24(水) 04:06
- >>449 川o・-・)様
うわっ!!我らがアイドルこんこんからレスが!!!感涙。
>>450 名無し読者様
ありがとうございます。
更新して喜んでくれる人が居た事実に号泣。
>>451 川o・-・)様
うわっ!!二回もこんこんからレスが!生きてて良かったとガン泣き。
>>452 名無し読者様
許しません。それなりのモノを積んで下さい。でも、琵琶湖よりも心の広い僕は、長文感想で許します。
あ?イヤだぁ?わかったよ、無償で許してやるよ、チェッ。
だけど、その昔、エロ火とか言うクソ野郎も人様のレスに誤爆したことがあるらしいです。
因果応報だね。つーか友達だね。涙君さようならだね。
>>453 名無し読者様
平伏せ凡人。嘘!ごめんなさい泣くので許してください。
(つд∩) ウエーン (つд∩) ウエーン (つд・ ) チラ (つд∩) ウエーン
>>454 名無しクリストファー様
ありがとう、ありがとう!食いついてくれてありがとう!
タイトルからスレ流しまで、完全にマグワイヤ様を意識してつけました。
これを短編集に出して疑われるのが目的だったんですが、文章のレベルがあまりに違うので止めました。
どっちがどっちかはあえて言いません。
そして「すごいぞエロ火」は僕が書いている間に一度は言われたいとサンタさんにお願いしていた言葉でした。
本当に泣きそうになりました。ありがとう。
>>455 名無し読者様
ありがとう、色々有難う。
面白がってくれて本当に有難う。
でも、自分でコントロールして書けないよ。
でも……泣いてなんかいないよ。
>>456 名無し読者様
やった!また凄いって言われた!!
これからは「すごいぞエロ火」が、僕のキャッチコピーになりました。涙片手に決めました。
>>457 名無し読者様
(●´ー`●)保全ありがとう(涙
- 476 名前:エロ火 投稿日:2003/12/24(水) 04:09
-
メリークリスマス。
みなさんにたくさんの幸せが降り注ぎますように(股掻きながら
- 477 名前:エロ火 投稿日:2003/12/24(水) 04:21
- o 。 ______o O 。 。 °
。 ○ o ○ / ィ ○ o ○
o /ニニニ)⌒ヽ o
o ( ´D`)___)
○ 。 ○ /○ V ○) /|,. o O o
。 o o ∠∠______∠_/ / ○
o .|/ |_/ ○ 。 o O 。
o O / ̄ ̄ ̄/ ̄ o 。
。 ノ / o O
o o ∧人∧___ノ Λ人∧,,,,_ノ) 。 o ○
o ∬´▽`) (・-・*川 つ o ° o 。
。 o ∪-∪'"~ ∪-∪'"~ 。 。 o °o 。
__ _ 。 __ _ o o__ _ °
__ .|ロロ|/ \ ____..|ロロ|/ \ __ |ロロ| __. / \
_|田|_|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|._| ロロ|_
- 478 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/27(土) 05:55
- 【エロ火面白い】
まじスキっすここのミキヨシ
エロ火さん良いお年をm(_ _)m
- 479 名前:エロ火 投稿日:2004/01/02(金) 00:30
-
「さよならストレンジャー」
- 480 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:33
- 朝のゆったりとした太陽光線にやられ、更には地球の見えない引力に負けて、私は芳醇なる頬っぺたを机に委ねながら、長方形に縁取られた窓の外を眺めていた。
私は、朝一番の誰もいない教室が大好きだ。
どんな厳粛な場所よりも静まり返った教室は、カーテン越しの光を優しく反射させた机により独特の神聖ささえ漂よわせていた。
私以外の生徒がいない、ほんの1時間足らずのこの教室は、私だけのユートピアだった。
そんな私に友達は言う。だったら1時間遅く寝ている方が良くなぁ〜い? って。
わからないだろうな。わからないはずだ。
登校時間1時間前の教室の美しさ、静けさ、神々しさは、私の睡眠欲さえも凌駕してしまうほどのとっておきのスポットなのだ。
誰にも教えない。でも教えてもみんなきっと来ないはずだ。だけど来られても困る。
- 481 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:45
- なぜなら、とっておきのこの教室の時間と風景を、他の誰かに分けて上げられるほど私は心の広い人間ではない。
だって現に不機嫌になっている。見慣れない不審物のせいで不機嫌になっている。
直径7cmくらいの白いボールのせいで。
そいつは私の椅子に寄り掛り、冷たい木目上の床に寝転がっていた。
不愉快だ。この完成された風景に見慣れない余所者が私に断わりも無く堂々と寝転がっている。
何様なのだ。私はそいつを拾い上げて睨みつけてやった。そいつの中央には丸い円に囲まれ『A』と書いてあった。
「A、これがお前の名前かい?」
返事が返ってこない。どんな家庭環境で育ったんだ。言葉と言葉のキャッチーボールこそ、コミュニケーションの中で最も単純で重要とされるものなのに。
こいつは余所者の上に礼儀知らずの変わり者だ。
- 482 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:46
-
そういえば窓が開いている。こいつは此処から侵入したのか。
もしかしたら宇宙からやって来たのかもしれない。こんな形をした生物は学年トップの成績を維持し続ける私ですら知らない。
きっとあの青い空からやって来たんだ。変わり者どころか地球外生命体の可能性すら出てきた。
いや、こいつは『A』ってくらいだから日本語が通じないのかもしれない。私は英語でもう一度訊ねてみた。
やっぱり止めた。なんで私がこの変わり者にそこまで気を使わなければならないのだ。
言っておくが、適切な英文が浮ばなかったわけではない。決してない。
- 483 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:47
- 暫らく机の上でそいつを転がして一緒に遊んでいた。そいつは相変わらず何も言わなかったが、丸い体を少しくねらせ恥ずかしがっているのか喜んでいるのか、微妙な姿を見せた、気がした。やっぱり変わっている。
「───紺野!!!」
「──うへぇっ!?」
思わず椅子から転げ落ちた。
「つぅ……」
冷たい床にお尻を強く打ち付けてしまった。
「だ、大丈夫か?」
そんな私に手を差し伸べる赤い野球帽の男。
- 484 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:48
- こいつのせいで私の美しく儚いお尻が怪我をして、剰え私だけのユートピアは突然の別れを告げ去った。
そんな奴の手を握るわけがない。一つお辞儀をして、強くそれを断わった。
「あ、大丈夫です……」
「ごめん、何度か呼んだんだけど聞えてなかったみたいだったから。でもビックリした」
こっちのセリフだ。何時の間に私の横に。
だいたい私は野球部の連中が嫌いだった。奴らは私よりも早く登校し、わけのわからない奇声(大声)を発しながら毎朝校庭を駆け回っている。
おかげで厳正なるこの教室にまでその声が届いてしまう。
- 485 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:50
- そして、私はこの背番号'1'の、この男がもっとも気に食わなかった。
こいつがピッチャーマウンドに立って、赤い帽子を翻しながら白球を投げる姿が気に食わなかった。
なぜなら私の視界に堂々と割り込んでくるからだ。おかげであれに集中することができない。
あれとは────あれだ。教室の静けさとか、美しさとか、ほら、そんな類の物を尊ぶ様な、ほら、そんな感じの、あれだ。
「あの紺野?」
「は、はいっ!?」
背番号'1'は何時でも私が集中している時に現れる。そう決まって、私が集中している時に視界の中に居るのだ。
- 486 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:50
- 「それ、いいかな?」
そう言って、背番号'1'は私を指差した。
「そ、それ!? それって……えっ!?」
「あの、そのボール」
「あ、あ、すいませんっ!」
「い、いやそんな謝れても」
「大丈夫です! 私は大丈夫です!」
「はぁ……そう」
朝の光を浴びすぎたせいだろうか、顔が熱い。更に背中に汗までかいているようだ。
まずい、額はテカっていないだろうか。
- 487 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:52
- 「あのさ……」
「は、はいっ!!」
「好きなの?」
「うえぇっ!? え? え? えぇぇーっ?」
心臓が激しく胸打つ。周りの音が聴こえづらくなって行く。
背番号'1'の口がゆっくり開かれる。音が中々耳に届かない。しつこいくらいに聴こえてくるのは胸の音だけ。
「──す・き・な・の」
川#・-・)……
川#・∀・)『ハイ!!』
- 488 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:53
- 「──野球、好きなの?」
「えっ!? あっ……な、なんでですか?」
まさか私が毎日、たまたま、そう、偶然校庭を見つめていたのを見て勘違いしたのだろうか。
残念ながら私は野球などという汗臭い競技になど一つも興味はない。野球などという球技には。
背番号'1'は何やら言い難そうに鼻をかいていた。
「あ、あの……なんでそう思ったんですか?」
「いや……あの……」
「は、はい……」
とりあえず、もしもの時に備えてあらゆる少女漫画の名シーンを思い出し、コンマ0,1秒で全てのシュチュエーションを何度も繰り返し想定した。
- 489 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:55
-
「……なんかボールに話し掛けていたから」
時が止まった気がした。
空を流れる雲すらその動きを緩めていた。
そして手に持っていた『A』がドクンッと一度鳴り、時は再び動き出した。
「こ、紺野?」
「…ぃ…」
「なに?」
「…い、い」
「い?」
「い、いやぁぁぁぁぁああーーー!!!」
「お、おい何をする───」
- 490 名前:さよならストレンジャー 投稿日:2004/01/02(金) 00:56
- 『A』は窓からはじけるように飛び出して、青い空へと帰っていた。
それを見送って、私も教室からマッハで飛び出した。
さよなら、と心の底で呟きながら。
- 491 名前:エロ火 投稿日:2004/01/02(金) 00:57
-
「さよならストレンジャー」 おしまい
- 492 名前:エロ火 投稿日:2004/01/02(金) 01:01
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>478 名無し読者様
【エロ火】すごいぞエロ火【面白い】というスレをそろそろ建てようと思っております。
完全にみきよしの虜です。ほとんどこの二人を中心に話を考えてしまいます。
読者様も良いお年でありますよう、適当に祈っています。
- 493 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/08(木) 21:09
- 新年早々(というには遅レスだが)、おもしろい。
無機物が謎の有機生命体になるあたりのセンスが好きです。
ムチャな思考回路かつ乙女な紺野もカワイイ。
- 494 名前:エロ火 投稿日:2004/01/10(土) 00:13
-
「スマイリースマイリー」
- 495 名前:スマイリースマイリー 投稿日:2004/01/10(土) 00:14
- あいぼんとのんちゃんは仲良しだ。
二人はいっつも一緒に笑って、いっつも一緒に怒って、いつでも一緒に泣いていた。
だけど最近は違った。
のんちゃんとあいぼんは一緒に笑わないし、怒らない。もちろん、一緒に泣くこともなかった。
- 496 名前:スマイリースマイリー 投稿日:2004/01/10(土) 00:15
- のんちゃんは笑顔でも、あいぼんは一人だけで怒っていた。
しかも、小泉総理に対してでも最近の若者に対してでもM-1の結果に対してでもなくて、のんちゃん、その人に怒っていた。
何が理由かはわからないけど、あいぼんはのんちゃんを避けていた。
のんちゃんの顔を見るたびにプンスカ、プンスカ眉毛を八の字にして、唇全部を空に向けて尖らし、怒っていた。
- 497 名前:スマイリースマイリー 投稿日:2004/01/10(土) 00:16
- のんちゃんも眉を八の字にしていた。だけど、普段から少し垂れている可愛い目も下げて、上唇だけを尖がらして悩んでいた。
のんちゃんは今、心の底から悩んでいる。だから私にこうして相談をする。
「あさ美ちゃん、こんなんどうかな」
心の底から悩んでいるから、こうしてテレビでは絶対に放送できないような顔を私に見せる。
のんちゃんは、あいぼんと仲直りするには面白い顔をするのが近道だと考えたらしい。
私は、そんなのんちゃんが大好きだし、そんなのんちゃんが大好きなあいぼんも大好きだ。
- 498 名前:スマイリースマイリー 投稿日:2004/01/10(土) 00:16
- 私はいつだってのんちゃんの変顔に大笑いする。これは演技でも何でもなくて実際面白いから笑っているんだ。
私がお腹を抱えて大笑いすると、さっきの顔からは想像できない可愛い顔をして、のんちゃんは照れくさそうに微笑む。そして胸を張ってあいぼんに変顔を見せに行く。
だけど、いつだってあいぼんは笑わない。
- 499 名前:スマイリースマイリー 投稿日:2004/01/10(土) 00:17
- 「つまらん」
その一言がスイッチで、のんちゃんの変顔は悲しい顔に早変わり。
のんちゃんは肩を落とし、いつでも私はそれを励ます。
- 500 名前:スマイリースマイリー 投稿日:2004/01/10(土) 00:17
- だけど、私は知っているんだ。
あいぼんのお尻は真っ赤になって真っ青になっていること。お尻をつねって、のんちゃんの変顔を我慢していること。
だからあいぼんの黒目ガチの瞳は、今にも溢れそうな涙でいっぱいになっている。
その涙の中身は、痛みだけじゃなくて、のんちゃんの優しさやあいぼんの頑固さも含まれていると思う。もちろん、のんちゃんの暖かい変顔も。
- 501 名前:スマイリースマイリー 投稿日:2004/01/10(土) 00:19
- 私はあいぼんとのんちゃんが大好きだ。
だけど私は、あいぼんの涙が零れなければいいなーなんて思っている。ずっとすっとなんて思ってない。ちょっとの間だけ。
二人がずっと一緒なら、それでいい。ケンカの理由なんてわからなくていい。私は二人が大好きだから。でも二人と少しでも一緒に、ちょこっとの間でも一緒にいたいんです。
だから今日ものんちゃんの変顔を大笑いするんです。
- 502 名前:エロ火 投稿日:2004/01/10(土) 00:19
-
「スマイリースマイリー」
- 503 名前:エロ火 投稿日:2004/01/10(土) 00:23
- 川o・-・)ノ<完璧レス!!
>>493 名無し読者様
おもしろミクスチャーエロ火です。パクリじゃありません、ミクスチャー作家です。
実際の紺野さんは、ここのストレンジャー紺野さんよりもエキセントリック少女ガールだと信じています。
これからも紺野さんと僕を、吉野屋の新メニューよりも暖かい目で応援してください。
- 504 名前:エロ火 投稿日:2004/01/10(土) 00:24
- あ、終わりって書くの忘れてた。
(0^〜^)<「スマイリ(ry終わりだってYO
- 505 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/10(土) 22:54
-
(´・ω・`)ナカナイモン…
涙は似合わねーよネ。
笑えばいいと思うよ、って誰かが言ってた。
- 506 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/01/11(日) 23:18
- 今回も、いい味ですね…。
次のスレも期待してます。
- 507 名前:名無飼育さん 投稿日:2004/08/16(月) 19:29
- 保全してもいいのかな
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