恋愛偏差値

1 名前:ウィンキー 投稿日:2002年12月26日(木)10時49分14秒








――――――愛は死んじゃうの?

――――ずっと一緒にいられないの?

2 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)10時51分40秒

橘公園。

「はっはっはっ…。」

ジャージを着てフードを被っている男とも女とも言える人間が、
ランニングの途中で公園内へ休憩しに入ってきた。

「雨、ふってんじゃん。」

ゆっくりとベンチに腰掛け、空を見ながら言う。
夕方の公園。雨が降り出して、親が子どもの手を引いて
帰っていく。

気付かなかった。雨が降っている事に。
無我夢中で走っていたわけでもないのに。
3 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)10時52分13秒


「……?」

自分の背後の草むらで、人の声がする。
―――――――おかしい。

雨が降り出し、そろそろ本降りになる頃だ。
傘も差さずに公園で何かをしているのは。
自分を覗いて、だが…。

「だ、だからぁ!言ったじゃないですかぁ!
 た、ただ歩いてただけなんですよぉ…。」
「女の子一人で歩くなんて危険なことこの上ないぜ。
 俺がつれてってあげるよ。」

福井訛りの女の子と、青少年が言い争っていた。

馬鹿馬鹿しい。一瞬、助けようと思った。
けどそんなことをしたら明日に響く。
一般人と喧嘩なんて。
4 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)10時53分13秒

「か、帰らせてくださいぃ。」
「やだね。つーか送っていってあげるってば。」

見てられない。『最近の若者はなってない!』
といわれる見本だろう。

自然と体が動いていた。

「止めろよ。」

気付けば自分は男に近寄っていった。
辺りはもう薄暗い。
5 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)10時54分54秒


女の子は震えてしゃがみこんでいる。

「いい加減にしなよ。暗闇でコソコソナンパ?だっせぇ話。」
「うるせぇっ!」

男は拳を突き上げてきた。



……どうやらこいつ、あほらしい。
6 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)10時56分10秒

―――

「止めろよ。」

痴漢に…ていうか誘拐されそうになった私をフードを被った男の人が
止めに入ってくれた。カッコイイ…。私の王子様…。


「いい加減にしなよ。暗闇でコソコソナンパ?だっせぇ話。」
「うるせぇっ!」

さっきの男は王子様にパンチを食らわそうとしている。
王子様はクスッと笑った。
7 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)10時57分21秒

「遅い。」


バシッ!
男のパンチを足を上げてその裏で受け止める。

「……覚悟しな。」

その後はよく覚えてなかった。
覚えているのは、王子様のキックが凄かったということ。

手を一切使わずに足だけで攻撃している。
8 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)11時02分57秒

外灯で照らされた王子様の顔は、真剣ではかなくてカッコ良かった。

―ドキン―

男がしっぽ巻いて逃げていった後、王子様は私に向って
手を差し出してくれた。

「立てる?」
「あ、はいっ!」

手に捕まる。

あれ、手を怪我してるのかな?
包帯が巻かれていた。

「あんまり暗くなる時間に一人で居ないこと。可愛い顔してるんだから。」

そういうと王子様はあたしの肩に手を置いてしゃがむ。
ドキッ!

「っつー…。」

居たそうな声をあげる。
どうしたんだろう?

9 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)11時06分54秒


「あ、あの、どこか痛いんですか?」
「ん…別にね。ホラ、洋服汚れちゃってるよ。」

洋服についた泥を落としてくれた。

「あ、あのっ!」
「ん?」
「ありがとうございました!」
「別に感謝されるほどのことじゃあないよ。」

そういうと人通りのあるところまで一緒にいってくれることになった。
10 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月26日(木)11時08分09秒


どきどきする。

この人に見つめられるだけで、見ているだけで緊張する。

そう、これが




私の、初恋だった…
11 名前:ウィンキー 投稿日:2002年12月26日(木)11時09分07秒
更新終了です。皆様からの感想待ってます。
12 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月27日(金)09時53分51秒

「ちゃんと家まで帰れる?」
「あ、その…。」

さっきの女の子は隣でモジモジし始めた。

「方向違った?」
「いえ、そんなんじゃないんです。ただ、家が無いって言うか…。」
「ほぇっ!?」
「すいません!一晩だけでも止めてもらい無いでしょうか!」

女の子はぺこり、と頭を下げる。
13 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月27日(金)09時59分47秒

見ず知らずの女の子を家に連れて帰るわけには行かないんだよな。
アイツのめちゃくちゃタイプだし。

「悪いけど…」
「そ、そうですよね!みずしらず女の子が男の人の家に行くなんて、変ですよね!
 分かってました!無理言ってすみません。」
「?え…男の…人…?」

まさか…フードのせいで思いっきり間違えられてる?
仕方ないな…

「いいよ。家にきな。それとあたしは女なんだけど。」
「え、えぇええええ?!す、すみませんでした!」

元々大きな目を、思いっきり開く彼女の顔に、つい笑ってしまった。




14 名前:愛のカタチ 投稿日:2002年12月27日(金)10時03分47秒

「あたしの名前は後藤真希。よろしくね。」
「あ、高橋愛っていいます!」

本当は明日テストだし、嫌だったんだけど。
まぁ、いっか。

「ねぇ。」
「はい?」
「もう一人家に居るんだけどさ。そいつも男っぽいけど女だから。」
「は、はい。」

驚いたような顔をして笑う。


ヤバイ…


この子、可愛すぎる…
15 名前:ウィンキー 投稿日:2002年12月27日(金)10時04分23秒
更新終了。短っ!
16 名前:名無しさん 投稿日:2002年12月28日(土)22時19分00秒
ごまたか…ですか?
続きに期待。
17 名前:名無し 投稿日:2002年12月31日(火)20時03分09秒

続いて〜!!
超おもろそうだよ!!
18 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月10日(金)19時52分58秒



後藤さんは、着ていたジャンパーを脱いだ。

「あの…?」
「ホラ。風邪、引くよ。」
「え?」

差し出されたジャンパー。
あたしはどういう意味なのかわからなくて、きょとんとしていた。

「……。」

後藤さんはあたしにジャンパーを着させてフードを被せてくれた。
あ、奇麗…



後藤さんの髪の毛は奇麗な茶色で、後ろで一つにとめていた。



急に暗くなってしまったのだけれど、それでも後藤さんは神秘的に見えた。
19 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月10日(金)19時58分43秒


「ここだよ。」
「うひゃぁ…。」

一軒家なんだけど、とっても広そうで、二階建て。
庭には奇麗な芝生が生えていた。

「あたしの部屋、二階なんだけど。アイツ、隣の部屋だし。
 ばれる事は間違いないだろうけど、気を付けてね。」
「あ、はい。」

玄関に入る時に見えた表札には、


『後藤真希・吉澤ひとみ』



と書かれていた。

あたしの名前もこの表札に載せて欲しいな、なんてちょっぴり
思ったり。でも、かなわない夢なんだろうなぁ…。
20 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月10日(金)20時03分56秒

ガチャッ。

ドアを開けると、二階から足音が聞こえた。

ドドドドドドドドドッ

「……?」

後藤さんはあたしを後ろに隠した。

「おっかえりっぃいいい!!寂しかったぞぅ、ごっちぃぃん!」

ガシッ。

またしても足で顔を受け止める後藤さん。

「それはどうもありがとう。」
「手厳しいっ!!」

現れたのは、ハスキーボイスの美少年…いいえ、美少女だった。
けど、なんかその微妙に長い髪の毛がさっきの男を連想させて
あたしは怖かった。



知らないうちに、後藤さんの腰にぎゅっと抱き付いていた。
21 名前:ウィンキー 投稿日:2003年01月10日(金)20時14分18秒
>>16はい、ごまたかです。今はまってます。
>>17おもしろいと感じてもらえて光栄です。

短いですがテスト期間の為更新終了。
22 名前:名無しさん 投稿日:2003年01月10日(金)23時55分09秒
おもしろそうです。
続き期待しています。
23 名前:うまい棒メンタイ味 投稿日:2003年01月11日(土)19時38分28秒
私も今ごまたかにはまってるんです
新作を思いついた時にはまずこの二人で考えたりしてます

続きも面白そうなので頑張ってください
24 名前:名無しさん 投稿日:2003年01月19日(日)03時03分48秒
あれ?毎回金曜更新と思ってた 続きまだかな〜 期待sage
25 名前:ウィンキー 投稿日:2003年01月25日(土)19時16分31秒
>>22果たして私の発想は期待に応える事が出来るかどうか…?!
  頑張りますのでマターリ末永く見守ってやってください。
>>23『Forever Kiss〜天使になった少女〜』読みました。
   ごっちんの妹想いに胸がじーんとなりました。頑張ってくださいね!
>>24よ、よく見つけましたね!たまたまだったんですが…。
  遅くてゴメンナサイ。
26 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月25日(土)19時19分10秒



「あれ、ごっちん後ろの子だれ?」

吉澤さんがあたしに気が付いた。
あたしは恐る恐る後藤さんから離れ、正面に出た。

「こんにちは…。」
「いいよ、こんな奴に挨拶なんて…。
 高橋…愛ちゃん、っていうの。家なき子だから一晩だけ…。」
「そぉ?!じゃあうちの部屋に…。」
「あ・た・し・の部屋に泊めてあげるからさ。」

後藤さんと吉澤さんは激しく睨み合っていた。
吉澤さんの方は睨むというより舐め回すように後藤さんを見ている。

「なに?」
「いや、ごっちんロードワークの後じゃん?息が上がってて
 色気があるというか…。」

びよーん。。。

後藤さんは呆れた顔で吉澤さんの頬っぺたを抓っている。
いたそうだけど、羨ましいなぁ。
27 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月25日(土)19時19分53秒

「このエロガッパ!!あんたがそんなんだから亜弥ちゃんが…!!」
「仕事なんだから仕方ないじゃん。」
「目ぇはなすからいけないんでしょっ!」


なんか、あたしって居ちゃいけないのかな…?
二人は益々喧嘩ムードだし。

「愛ちゃん、あそこお風呂だからシャワー浴びてきちゃって。
 着替えはあたしの持ってくから。」
「え?」
「早くっ。10秒以内!いーち、にー…。」
「は、はいぃ!!」

後藤さんはあたしの背中を押してお風呂場にいかせた。
28 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月25日(土)19時24分52秒


愛ちゃんは急いでお風呂場に駆けていった。
あたしは着替えを取りに階段を上ろうとした。

「…ごっちん?」
「?なに?」
「明日、異種格闘義戦っしょ?いいの?泊めちゃって。」
「いいよ…どうせ点数気にせずに攻められるんだから。
 それより今日は?誰か来るの?」

よっすぃーはモジモジし始めた。


その反応、まさか…

「真里が…亜弥連れてくるって…。」

やっぱり…。

そっちの方が負担になるんですけど、あたしには。

29 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月25日(土)19時31分12秒

「…あたしの部屋には近づけさせないでよ。」
「無理だよー、亜弥はごっちんLOVEなんだから。」

よっすぃーはそれでももう仕訳けなさそうなかおをした。
本当はよっすぃーだってメチャいい人だから…。

「だからね!明日の試合、亜弥と真里連れてくからさ!!」
「はぁっ?!」

前言撤回!

「この前の珍事覚えてないの?!」
「大丈夫、今度はリングに上がらせないからさ。」
「絶対駄目!」

あたしはそういうと逃げるように部屋へ向う。



「あ、ごっちんそれともう来てるんだよ!」



そんなよっすぃーの声を背中に…。

あたしは階段を駆け上る。



30 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月25日(土)19時40分24秒

ガチャ。

「はぁ〜あ、全くもう…。」
「後藤さ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!!」
「え?」

ドンッ!

抱き付く誰かを支えきれずにドアにもたれかかる。

「この声は…。」
「後藤さん、亜弥ずっと待ってたんです!」

松浦亜弥。
前に寝てるすきに犯されそうになったっけ…

「なんでもういるの?」
「吉澤さんに聞きませんでした?後藤さんにあいたくて会いたくて
 一人で先に来ちゃいました!」

凄いでしょ、とでも言わんばかりに胸を張る亜弥。
あたしから離れようとしない。

「後藤さん、亜弥ね、ず〜〜〜〜〜っと我慢してたんだよ?」
「は?なにっ…!」

いつのまにか、あたしの視界には亜弥しか居なくて。
それと同時に唇に触れる、温かくて柔らかいもの。


31 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月25日(土)19時45分07秒

なんでだろう…



頭の中が真っ白になって、何も考えられなくなった。



亜弥とは何回かキスした事あるのに…

どうしても愛ちゃんの顔が浮かびあがる。


「んっ…。」

亜弥は唇を放し、あたしの首筋に舌を這わす。
力が抜け、あたしは床に崩れ落ちる。
32 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月25日(土)19時52分13秒


「後藤さん、もう感じちゃってるんですか?」
「…………。」

ぼーっとする。

たった、あれだけの事で。
何回も無理にされてきたのに。


どうして今日だけ、いつもとちがうんだろう?


―――――わからない。




あたしは無性に腹が立って、亜弥を押し倒した。
床に倒された亜弥の瞳は潤んでいた。

「ご…後藤さん?」
「奇麗だね、 亜弥。」
「え?」
「あたしにはもったいないよ。」
「そんな事…!」

あたしは亜弥の上から降りて、ベッドに腰掛ける。

「だから、もう帰って。もう来ないで…。」
「え…?どうしてですか?!」

それはこっちが聞きたいよ。
自分でも言ってる意味がわかんないから。

「ごめん、ね…。」


33 名前:ウィンキー 投稿日:2003年01月25日(土)19時56分03秒
あやや登場!!さっそく退場!!               ・
このままでは終わりません、あやや。『LOVE涙色』と『桃色の両思い』
果たしてどっちに?

愛ちゃん、お風呂でのんびりタイム…。

「気持ちええわぁ…。」

い、いかん、お風呂シーンかきたくなってきた。
更新終了。
34 名前:うまい棒メンタイ味 投稿日:2003年01月26日(日)17時39分36秒
お、進んでますね、更新お疲れ様です
フォーエバーキス読んでいただいているとは光栄です

お風呂シーンか……書いたこと無いなぁ
でも女のこって基本的に
お風呂ってどうするのかわからなくて想像力がはたらかない

あんな事するのかな…? ブハ! 
は……鼻血が……w
35 名前:tsukise 投稿日:2003年01月28日(火)20時10分54秒
何気に、ごまたかを探していてウィンキーさんを発見っ!
テンポの良い展開が、かなり面白いですっ。
積極的なあややに笑いつつ、続き期待していますね。
頑張ってください。
36 名前:ウィンキー 投稿日:2003年01月29日(水)19時45分45秒
>>34すみません、お風呂シーンはまた今度。
  『Forever Kiss〜天使になった少女〜』、好きですから。
  『LOVEマシーン』も良かったですよ!

>>35お、おぉっ!!tsukiseさんだっ!!
 >テンポの良い展開が、かなり面白いですっ。
 ありがとうございます。tukiseさんの小説、空・花両方目が離せません!
 頑張ってくださいね!ファンですから!
37 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時46分17秒

「後藤さん…?」
「あたしには、必要ないんだ。」
「どういう意味ですか?」

亜弥は信じられないとでも言うように乗り出す。
それでも 目線を合わす事はない。

「あたしには、亜弥 は必要ないんだ。きっと他に
亜弥を必要としてくれる人が居るはずだよ。
 偽者の愛なんて…。」

『悲しいだけだよ。』
そう続けようとした。それはよっすぃーのそばに居るからこそ
良く分かってるつもりなんだから。そんなことしちゃいけない。
そう思った瞬間―――――
38 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時46分48秒




「あたしは後藤さん以外愛せません!!」





39 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時47分31秒

亜弥が大きな声で叫ぶ。

「必要としてくれていたって、あたしは必要としていない!!
 結局は今の後藤さんと同じじゃないですか!!どうして?
 ただ好きになる事が、一緒に笑いあいたいって思う事が、
 どうしていけないんですかっ!!」

「!」


今まで幾度となく思った事がある。
それは、『妙な部分だけ昔のあたしと亜弥は似ている』、
ってこと。
40 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時48分19秒



――
―――――
――――――――
――――――――――
41 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時49分03秒

『ごとーは一緒に居たいだけだったのに!!どうして?!
 どうしてよぉ…!』

『あたしだって…後藤の事…好きだよ…愛してる…。でも…
 愛っていうのは…ときにもろいもんなんだ…』

『いやぁっ!!ごとーの所為でっ…あたしの所為でぇえええ!!』

『後藤の所為じゃないから…。な?笑ってくれよぉ…泣くなよ…。』

『せっかく、一緒になれるって思ったのに…。愛してるって
 いってもらえたのにぃ…!!』

『あたしはいつまでも、後藤の事愛してるから。な?』

『無理よぉ!だって…だって市井ちゃん…!!』

『いちーが死んでも、いちーの愛は死なないから。ずっとずっと
 後藤だけ見てるし、後藤だけのものだから…。けど、
 別の誰かを好きに…なったって…いいんだから…な…?』

『市井ちゃん泣いてるのにそんなことできるわけないじゃない!!』

『ははっ。。キメた…つもり…だったの…に…。』

『市井ちゃん?市井ちゃん?!い、いやぁああああぁああ!!』
42 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時49分38秒



――――――――――――――
――――――――――
―――
43 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時50分14秒


「後藤…さん?」
「お願い…あたしは亜弥を愛せない…。」

残酷だと思う。

好きな人にこんなこといわれるなんて。
でも、あたしは偽りの愛はキライ。

だってそれの方が残酷だから。

「ごめん、あたし用があるから…。」

愛ちゃんの為に服と下着を持って部屋のドアを開ける。
その時…………
44 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時51分24秒


「それでも好きなんですっ!!」

どさっ

あたしは二階の通路に押し倒された。

「んっ…!」

亜弥はあたしの唇に自分のそれを重ね、押し付ける。

でもあたしは妙に落ち着いていて…
ポケットから携帯が落ちてしまった、等と考えていた。
転がった先は階段。慌てて手を伸ばした時―――
45 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時51分57秒

「っ…!」
「後藤さん…」

愛ちゃんが立っていた。
遅かったからだろう、よっすぃーの服を着てこっちを見ていた。

あたしは押し倒され、キスをされた状態で。


なんでだろう、一番見られて欲しくない思った。
別に、一晩泊まるだけの女の子…



なのにあたしはなぜ、こんな感情抱くんだろう…?


46 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年01月29日(水)19時55分00秒


>>45下から三行目
 >なんでだろう、一番見られて欲しくない思った。
訂正↓
なんでだろう、一番見られて欲しくないって思った。

です。
47 名前:ウィンキー 投稿日:2003年01月29日(水)19時59分00秒

更新終了です。

ま、またしても入浴シーンがぁあああ!!
つぎこそは…

48 名前:CM 投稿日:2003年01月29日(水)20時05分11秒


――――屋根裏部屋

「(後藤さんは、付き合ってるんだ…。あたしなんて好きじゃないよね…。)」

それでも恐る恐る行った格技場―――

「後藤!!大丈夫かっ?!」

――――――あたしの目の前には、瞼を切った後藤さん。

「あいつには今、強くなってもらわんと困るんや。」

―――しゃがみこんで、片目だけで相手を見詰める後藤さん…
    でも、その目はうつろで…――――――――――

「危ないっ!後藤さんっ!!」


次回をお楽しみに!
49 名前:うまい棒メンタイ味(i-mode) 投稿日:2003年01月29日(水)20時26分25秒
最高っす! ごっつおもろいっす!ごっちんの中には高橋への愛情? らしき物が在るように見えます シーエムには関西弁を喋る誰かもでてるし 続きに大期待っす!
50 名前:tsukise 投稿日:2003年02月11日(火)07時04分44秒
更新お疲れ様です。
ごっちん…クールでカッコイイですね〜。
高橋に対する戸惑いが、すっごくいいカンジですっ!
試合シーンも楽しみにしているので、頑張ってくださいね。
51 名前:ウィンキー 投稿日:2003年02月19日(水)22時12分52秒
ただ今の所、学年末試験が待ち構えており、作者体調不良に陥る
という緊急事態になりまして、更新が遅れています。
下書きは完成しつつあるので、早ければ明日にでもUPしようと思います。
作者の体調次第でもありますが…。謝罪age
52 名前:ウィンキー 投稿日:2003年02月20日(木)16時38分53秒

>>49少しずつ見え始める感情。でもそれはごっちんにとって辛いものであり…
  関西弁の人は、すみませんが次回ということで。試合のシーンは投げやりに
  したくないんです。もうすこし体調が良くなってから…。

>>50クールなごっちん。あややがあややだけに余計そう見えますね。
  ごっちんの戸惑い、さらに大きくなってます。試合シーンはまた次回です。
  すみません
53 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時41分03秒



「うわぁ、広いなぁ…。」

あたしはお風呂の…っていうか浴槽の広さに感激していた。
背のあまり高くないあたしが、直立でそのまますっぽり
入ってしまうくらいの広さ。

それにしても、まだ夕方の五時。何でこんないはやく
お湯が沸いているんだろう…?

なんてどうでもイイコトを考えてしまったり。

54 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時41分41秒

でもやっぱり、頭の中をずっと占めているコトは…



「後藤さん、カッコ良かったなぁ…。」


55 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時42分12秒

『止めろよ。』

低く、抑えた感じで男の人たちに声をかける後藤さん。
東京に上京してきて感じた事、それは『男の人』が『怖い』という
事だった。

電車の中でもじろじろ見られるし、さっきだって大勢の男の人たちに
ナンパされそうになって…。道行く男の人たちに怯えながら
歩いていた。

でも、あの時あたしは後藤さんの事男だって思ってたのに、
全然怖いなんて思わなかった。やっぱり、止めに入ってくれたからかな?
じゃなきゃ、他の人たちみたいに『怖い』って思ったのかな…?

56 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時42分50秒

『…覚悟しな。』

たったそれだけの、短いセリフ。でもそれはあたしのココロのなかで
とても強く『正義』っていうのを感じてしまった。

それからずっと、後藤さんから目が離せないでいたあたし。
男の人たちと戦っている時は動きが速くて良く分からなかったけれど。
最後にキメた技はしっかり覚えてる。それがとても美しかったから。


相手の目線を見た刹那、クルッとバックターンして状態をかがめて右足を大きく
あげ回し蹴り。相手の横顔にカカトがヒットして相手は倒れ込んだ。
57 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時43分21秒

体制を元に戻した後藤さんの顔は眉をひそめていて…
どこか苦しそうだった。




タラ〜ン。。。



「あ、ああ!!鼻血が出てもうたっ!!」

いそいで浴槽に蓋をし、ドアノブに手をかけて気が付く。

「あれ…?そういえば後藤さんまだきてくれてない…?」

鼻血を流すほど長い間入っていたのに、まだ届にきてくれない。
どうしよう…どうしよう…。


58 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時44分04秒

「愛ちゃん?吉澤でーす。なんかごっちんちょっと(亜弥がいて)
 忙しいみたいだからあたしが持ってきたからね。ここ置いとくから
 使ってちょーだいな♪洗濯物は洗濯機に入れといて。」
「あ、ありがとうございます!!」

あたしは急いでお風呂場の血を流すと着替えに手を伸ばした。
後藤さんにお礼言いに行かなきゃ…。


鼻血が止まるのを待ってから走って二階へ駆け上った。





きまずい雰囲気が待っている事を知らずに…。


59 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時44分52秒




 







「あ、あの、お礼を言おうと思ったんですけど…。」

後藤さんは押し倒されて、ポニーテールの女の子にキスをされていた。
女の人は顔をあげてあたしを見詰める。後藤さんはゆっくりと起き上がった。

60 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時45分54秒



後藤さぁん…この子…だれ?」

女の人は観察するようにあたしを見据える。

「上京してきたばっかで家がないっていうから一晩だけ
 泊めてあげるって言ったの。亜弥が思ってるような子じゃないよ。」


61 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時47分33秒


―――――――――『亜弥。』

呼び捨てで呼んだ名前。それだけでも胸が苦しくなる。
ズキズキ、ズキズキ…。

悲しくて…


苦しい…




62 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時48分08秒

後藤さんは亜弥、とよんだ人に帰るようきつく言ってから、
あたしに言った。

「ここ、あたしの部屋だから。屋根裏部屋自由に使っていいよ。
 別にここいてもいいけど。」

開いたままのへやを指差し続けた。

「ちょっと早いけど夕飯のしたくするからさ、待ってて。」

一方的に喋って後藤さんは階段を降りていった。
あたしに喋る暇など与えないかのように…。

63 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時48分39秒


「なんであたし、焦ってるんだろう…。」

愛ちゃんに見られたから?

でもどうしてたったそれだけのことで…。
ううん、あたしにとっては『たった』じゃないんだ。
なんかとっても大きなモノ。
64 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時49分15秒




それは何なの…?




どういう感情…?





65 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時49分48秒


キリキリと胃がいたむ。さっきもそうだ。やらしい男達をKO
させた後も…締め付けられるような痛み。

昔、あの日以来しばらくずっと感じていたあの痛み…。


「うっ…。」

階段にしゃがみ込み、壁にもたれる。
66 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時50分20秒

痛みは激しくなるばかり。



もう、やめて…





これ以上苦しませないで…



67 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時51分10秒



薄れる意識の中、誰かの人影が見えた。



68 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年02月20日(木)16時51分41秒

「よっ…ぃ……?」


言葉にすらならなかった。
あたしは痛みに耐えられず、とうとう意識がなくなった…



69 名前:ウィンキー 投稿日:2003年02月20日(木)16時53分08秒
更新終了です。
体調が良くなり次第試合シーンをUPします。とりあえず
今日はここまでで。

本当にゴメンナサイ。
70 名前:tsukise 投稿日:2003年02月27日(木)19時59分48秒
更新、お疲れ様ですっ。

おおっ、高橋に惹かれ始めてるごっちん、かなりイイですっ!
というか、クールでカッコイイですね。
試合シーン、ゆっくり待ちますのでお身体大切にしてくださいね。
71 名前:名無しさん 投稿日:2003年03月31日(月)00時10分58秒
ほぜん
72 名前:名無しさん 投稿日:2003年03月31日(月)02時04分05秒
続きまってます。
73 名前:ウィンキー 投稿日:2003年03月31日(月)10時40分01秒
>>70か〜な〜り惹かれちゃってます。でも本人は認めたくないようですが…。
  クールでカッコイイごっちんはtsukiseさんの影響かと思われます。

>>71ありがとうございます。

>>72待たせてばかり申し訳なく思っております。
  作者の生活リズムが狂ってきており…。春休みなので(w。
74 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時40分56秒



「吉澤さん、もうあたしかえります…ね…。」
「え?あ、うん。」

亜弥が大粒の涙を流して帰って行った。
ごっちんが見送りに来ない。いつもなら、何があっても
「しょうがないなぁ」って下まで降りてくるのに。

「何か、あったのかな?」

真里が来るのをリビングで待っていようと思ったけど、
何か嫌な予感がしたので、二階に行く事にした。

75 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時42分04秒



「!」
「よっ…ぃ……?」

階段の手すりに右手で吊革につかまるようにして、ごっちんはしゃがみ込んでいた。
左手は胃の辺りを抑えている。

「………。」

ぽとっ

捕まっていた手が、急に力なくはずれ、ごっちんが前かがみに
倒れ込んできた。

「ちょ…ごっちんってば!」
「…ぃ……ちーちゃ……めんね…。」
「ごっちん?」

あたしの腕の中で、ごっちんは苦しそうにしながら、ずっと
『市井ちゃん、ごめんね』と繰り返していた。

76 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時43分03秒

「ごっちん…。」
「ぁたし………のこと………すき……なのかなぁ…。」

え、好きって?



だれを??


「苦し…いよぉ…どぉして………教えて…ぃち…ちゃん…。」

涙を流しながら、途切れ途切れに呟く。

亜弥の事?


77 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時44分22秒



「あっ…!」




そのこえに驚いて顔をあげると、愛ちゃんの姿があった。

「お邪魔…でした…?」
「え?」
「だって…その…。」

そうか、上から見るとあたしがごっちんを抱いているように見える。

「違うよ。あ、ねぇごっちんのベッド空いてる?」
「はい、空いてますけど…?」

あたしはごっちんを抱きかかえて階段を上る。

78 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時45分26秒

「後藤さん…どうしたんですか?」
「ん、心配いらないよ。ココロの病気、ってやつかな?」

ベッドに寝かせると、ごっちんの携帯が鳴った。
ドアの前に落ちている携帯。

『藤本美貴>>>後藤真希』



電話?

79 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時46分10秒

「もしもし。」
『もしもーし。あれ、もしかしてよっすぃー?』
「うん、ちょっとごっちんが…ね。」
『あー…そうなの?明日平気かなぁ。あのねー明日の組み合わせ
 決まったんだけど…。伝えといてくれる?』

組み合わせって前日に決まるものなのかよくわからないけど、
あのジムはいつもそうなんだ。

「うん、オッケ。で、だれ?」
『安倍さん。知ってる?キックボクシングの…。』
「もちろん、知ってるよ。でも、平気かなぁ…。」
『なにが?』
「だって…もちろんアレとルール違うし…。」
『だいじょうぶだってば〜。んじゃケアよろしくね!』
「はいはい。」

ピッ
80 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時46分46秒


キックボクシング。

ごっちんはテコンドー。

あたしが心配しているのはルールのこともあるけど、……。
テコンドーは本来、帯より下の攻撃は禁止されている。
もちろん、キックボクシングはOK。だから他の選手に比べて
足の打撃に弱い。

でもごっちんは例外。あの日以来、ずっと足の打撃強化にも
力を入れてきた。

81 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時47分24秒


「あの…後藤さんは一体…?」
「?」

愛ちゃんはあたしの沈黙を不自然に思ったらしい。
いっそのこと、明日の試合見に来てもらえば…。

「愛ちゃん、明日空いてる?」
「?部屋探しの後なら…。」

きょとんとしながらあたしを見つめる。

「部屋なんてここかしてあげるから、明日一日あたしに付き合って!」
「ぇぇぇええええええええええ?!!!!!!」

倒れているごっちんが起きてしまうのではないかと思うほど
大きな声で驚く愛ちゃん。
82 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時48分07秒


ほんっとこの子可愛い。でもあたしには愛しのマリーがいるからなぁ。
くっ!ごめんね…君の可愛さも、マリーのセクスィーさにはかなわな…

「ちょっとよっすぃー!この子困ってるじゃない!」
「ま、マリー?!」

ぬあっ!いつのまに居たんだい?!
あたしの彼女、マリーこと矢口真里があたしの隣で小さいながらに
あたしを見つめてくる。

あぁ…そんなところも可愛いよ、マリー。

83 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時49分24秒


「ついさっきね。どうでもいいけど、この子可哀相じゃない。
 目開きっぱなしじゃん。」
「あ〜もうとりあえず二人はあたしの部屋に居て。あたし今日
 夕飯つくるから。」
「・・・・・・・・」


真里に一切の事情を話し、二人であたしの部屋に居て欲しかったんだけど…。
ごっちんは真里のお気に入りだから案の定「看病してる!」と言い張り、
二人はごっちんの部屋に居る事になった。

84 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時50分10秒

…………






「ん……。」


目を開けると、見慣れた天井が目に入った。
自分の部屋の天井だ。


久しぶりかも…こんな風に強く『孤独』を感じる事は…

85 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時50分46秒

ゆっくり起き上がった。今日のあたしはどうかしてる。
いつもなら「ベッタベタだねぇ…。」とか思いながらさっきみたいな光景を
普通に無視して通り過ぎるのに…。

なんて。

またらしくもなく後悔してる。自分の行動に。
ふと、枕元の時計に手をやる。

「あれ…?」

時計を見ると、何ともう七時半。


今日って確か金曜日だから…

86 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時51分55秒

「あっ!!」




急いで飛び起きリビングに駆け下りていく。
そう、日・月・水・金はあたしの料理当番。これを破ると、相手の
言う事をなんでも聞かなければならない。

……よっすぃーが決めたルールなんだけど。


よっすぃーの罰ゲームはなにかと面独裁モノが多い。


87 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時52分30秒

「ごっちん!起きたの?ってかそんな慌ててどうした?」
「へ?」

目の前には、やぐっつぁんとよっすぃーと愛ちゃんが仲良く
TVをみながらご飯を食べている。

「やぐっつぁん?」
「おーごっちん!心配したぞぉ〜!!」

やぐっつぁんはあたしに抱き付いてきた。
よっすぃーは怒ったような顔をしてあたしを見る。
あたしがしたわけじゃないんだから睨まないでよ。

88 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時53分49秒

「明日の相手、安倍さんだって。」

ご飯を口に運びながらよっすぃーは淡々と言う。
やっぱり相当嫉妬しているらしい。

「なっちかぁ…。一回戦目からキビシイね…。」
「3勝したらいいんでしょ?じゃあこれに勝てば怖いものなし?」

やぐっつぁんは大の格闘好きだ。毎月一度行われるこの競技に
必ず応援に来てくれている。だからルールも解っている。

「そうでもないよ。美貴が『田中流邪拳』を会得したらしいからね。」

あたしは椅子に座って一緒にご飯を食べ始めた。
よっすぃーのおかずはしょっぱいんだよねぇ…。

89 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時54分21秒

「田中流?」
「そ。なんか同期の田中れいなが怪我したらしくてさ、
 受け継いだらしいよ。なんで美貴がなのかよくわかんないけど。」
「ふ〜ん…。邪拳ねぇ…。」

よっすぃーはあれこれ想像してこんなものなんじゃないか、とか
愛ちゃんややぐっつぁんに見せては笑わせていた。


あたしは一通りご飯を食べると席を立った。
明日に備えてシャワー浴びてもう寝よう。

そう思った矢先。

90 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時55分31秒

「あ〜ごっちん?ちょっと話があるんだけどさ。」
「?なに?」

よっすぃーが食器洗いの手を止めてあたしの目の前に歩み寄る。
真剣な眼差し。なんだろう?


「罰ゲームの発表ですっ☆」
「はぁっ?!」

急にニコッと笑って変な事を言い出した。
すっかり忘れてたし…。

91 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時56分28秒

「愛ちゃんをごっちんの部屋の屋根裏部屋に住まわせてあげる事!
 これがそうだよ〜ん。」
「なっ…。」
「本当はさ〜『あの部屋』を貸してあげたいけど…。ごっちん、嫌でしょ?
 だから、無理しないであの時の自分を許せるようになったらあの部屋貸したげな。」
「………。」

こんな罰ゲーム…
92 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時57分14秒




あたしは到底受けられない…







自分の中であの子に対するあの感情が





自分でも驚くほど早く芽生えていきそうな気がしたから…。







というより、もう芽生えてるのかもしれない…。
93 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年03月31日(月)10時58分02秒


「今のカッコ良くなかった?やっぱうちっていいこというねぇ!!」
「………。」

相変わらずよっすぃーは自分の言った言葉に惚れてしまっている。


結局あたしは、愛ちゃんに屋根裏部屋に行くように言ってから、
自分はシャワーを浴びに風呂場へ行った。






その後部屋に帰ると、愛ちゃんはもうすでに寝ていた。
物音を立てないように明日の仕度をして、あたしも眠りに就いた


94 名前:ウィンキー 投稿日:2003年03月31日(月)11時00分40秒

ま、またしてもっ!!
今夜こそは格闘シーンまでいきたいっ!!
また今夜更新します。出かけてきます。行ってきます。
95 名前:ウィンキー 投稿日:2003年03月31日(月)11時03分53秒

格闘編が始まる前に一つ忘れてました。
作者は格闘の知識があまりありません。ですからちょっとありえないような
シーンも出てくるかもしれませんが、お許しください。公式ルールの方で
間違っていた場合はご遠慮なくどうぞ。

知識ないのに書いてごめんなさい。m(__)m
96 名前:ウィンキー 投稿日:2003年03月31日(月)18時10分09秒
申し訳ありません。部活の卒業生送別パーティーに行かなくてはならないので
また次回になります。多分次回は後藤さんが愛ちゃんに×××なことを
するところまでで終りになると思います。
97 名前:名無しさん 投稿日:2003年04月03日(木)01時13分35秒
続き期待。
98 名前:名無しさん 投稿日:2003年04月07日(月)13時45分32秒
続き本当に楽しみです
更新おねがいしますw
99 名前:ティモ 投稿日:2003年04月21日(月)21時55分26秒
うわーごまたか大好きっす!
格闘やるごっちんかっこいいですね☆
続きとても楽しみにしています!
100 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月26日(月)11時23分33秒
101 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月13日(金)15時13分55秒
保全 期待age
102 名前:ウィンキー 投稿日:2003年06月23日(月)19時16分08秒
>>97なんか…後藤さん目茶苦茶ですね…。
>>98こんな結果になっちゃいました…。
>>99格闘シーン…じ、次回こそはっ!!
>>100保全ありがとうございます。通算100スレ達成です。皆様に感謝です。
>>101保全有り難うございます。
103 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時16分46秒

次の日なんて、願っていなくてもやってくる。
そんなような事を、なんかの本で読んだ気がする。

まさに、今がそうだ。

「第三試合からだっけ…。」

あたしはふと、開きっぱなしのPCを見た。
ベッドの隣にある机の上にはノートパソコンが置いてある。
目覚まし代わりにしているので、いつも開いているのだ。

開きっぱなしのPCは、まだ電源が入っていない。
と、いうことは起きる時間ではないという事だ。

104 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時17分19秒



「………。」

屋根裏部屋の彼女は一体どんな気持ちなんだろうか。
見ず知らずの人の家に泊まり、しかもその部屋の主が
レズなのだから。

昨日の事は勘違いだけれど、あたしが女の人とキスした事があるのは
あれが始めてではない。

『パンパカパーン♪朝だよ〜起・き・て』

思わずビクッと体を震わせてしまった。
電源が入り、デフォルメされたミニよっすぃーがデジタル時計を
くっつけたようなプラカードを持って飛び跳ねている。

なんかムカツクんだよね。これ見ると…。
105 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時17分58秒


この目覚ましのボイスは、よっすぃーが作ったものだった。
これも、練習が遅くなり当番をこなせなかった罰ゲームだ。

『パンパカパーン♪朝だよ〜起きようねー』

しつこいぐらいに鳴り響くよっすぃーの声。何が嬉しくてこんな
目覚ましに…。なんて考えにふけっていると、ついにボイスが
最終段階に到着してしまった。

『パンパカパーン♪朝だっつってんだよ〜起きんかいゴルァ!
 いい加減に起きやがれゃぁああああ!!!』


「はぃぃぃい!!」

上から声がした。物凄く甲高い声。
あーあ、起こしちゃったか。



106 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時18分30秒


「………あれ?」

上の方から驚いたような声が聞こえてくる。
そうだよなァ、いくらなんでもとまった翌日は驚くよな。

『8時だこのヤロー!なんだこのヤロー!YAHAHAHAHAHAHA!』

もうむちゃくちゃになり始めてる目覚まし機能を止め、
はしごを上った。

「おはよう。よく眠れた?」

あたしは愛ちゃんの方をゆっくりと見る。
屋根裏部屋といえど、ここは広い。布団のところから愛ちゃんは
体を起こし、こっちをぐるん、と見ていた。

107 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時19分04秒

その瞳は、大きく開けられていて。
でも、涙ぐんでいて。

あぁ、よっぽど怖かったんだろうな…なんて考えてしまった。

「朝ご飯の仕度、もう出来てるだろうから下降りよう?」
「あ、はい!」


目をゴシゴシこすって愛ちゃんはこっちにあわてて駆け寄る。
けれど、布団が絡まってこけてしまった。

108 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時19分35秒








ずでん。。
109 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時20分15秒

「あだっ!」

可愛い顔が台無しになってしまうのでは、というくらい顔をぶつけ
奇怪な声を挙げた。

「あっはっはっは。」

その様子が本当に可愛らしくって、さっきまでのモヤモヤが
吹き飛ぶくらい、笑った。

「わ、笑わないで下さいよ!」
「ごめんごめん、…可愛かったからさ。」

あたしははしごを降りて部屋を出た。
110 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時21分31秒


ガチャッ

「よっすぃー…って、あれ?」

リビングによっすぃーの姿が無い。
ご飯も、ない。

「zzzzz...」

わずかに聞こえる、寝息。






「……寝坊だな。」
111 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時22分17秒

あたしはいつものようにキッチンの棚からバナナを取り出す。
試合前だし、朝ご飯は抜いた方がいいのだろうけれど、
あたしにとってご飯はエネルギーだ。

だから試合までに消化できる時間に起きたのに…。
よっすぃーは起きてこない。

また昨日はやぐっつぁんと愛について体で語ってたのかなァ…。




「あの…いいんですか?朝ご飯も頂いて…。」

愛ちゃんが弱々しくいった。
最近の子にしては珍しく謙虚な子なんだな…なんて感心してしまった。

112 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時22分55秒

「いいよ……でもそのご飯がないんだけどね…。」


仕方ない、あたしが作るかぁ…。


「そこに座っててもいいし、へやいてもいいよ。だからもうちょっと
 朝ご飯まってて。」


仕方無しにあたしは朝食を作った。

トントン。。

野菜を切る包丁が、やけに美しく輝いている。
おもわずその作業を止め、包丁の刃に自分を写す。
113 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時23分36秒

「…。」


危ないものにも、魅力がある。
なんでだろう…?どうしてこんなに見惚れてしまうのか…。








包丁?



114 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時24分13秒







『後藤!逃げろ!』
『いちーちゃ、あぶないっ!!』


‘ブシュッ,



『後藤っ!』
『っく…あ…。』
『早く逃げろ!後藤に怪我さす事があいつらの目的なんだから!!』
『で、でも…。』
『?!歩けないのか…!?』
『あ、い、いちーちゃん後ろぉ!!』


どちゃっ


『う、うわぁああ!!』


115 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時24分43秒

「後藤さん!後藤さんっ!!」
「っ…え…?」

目の前にポタポタたれる赤い血。




血?!



「大丈夫ですか!?手、切れてますよ!!」
「え…なんで…?」

右手をゆっくりあげると、手のひらから流れ落ちる鮮血。
ドクドクと流れ、止まりそうに無い。

116 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時25分26秒

「急に包丁強く握り締めて、どうしちゃったんですか!?」
「………?」
「ごとう…さん?」


市井ちゃん…?


どうしてここに居るの?


あたしは座り込んだまま、顔を覗き込んでいる市井ちゃんの
ほほに、手を伸ばした。

「いちー…ちゃん…。」
「へ?」
117 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時27分01秒


驚いている市井ちゃんの顔を引き寄せ、あたしはそっとキスをした。
懐かしいな、いつもいつもこーやってキスしてたんだよね。

「ご、ごごっご後藤さん!?な、なにするんですかぁっ!?」



ん?
118 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時27分40秒




んん…?!

「あ…愛ちゃん?」


え、えぇえええ!?

「愛ちゃん?!イタッ…。」

急に現実に戻ってきた感じ。右手に鋭い痛みを感じる。
あたし今、何した…?……キス、したよね…?

どうしようどうしよう?
愛ちゃん顔真っ赤にして固まっちゃってるよ〜!


119 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時28分20秒



「おっはよーごっちん!朝からアツイねぇー!」









げ。


よっすぃーに、見つかった。。。







120 名前:愛のカタチ 投稿日:2003年06月23日(月)19時29分46秒
>>103-119更新しました。メル欄はただのボヤキですので
気にしないで下さい(汗。
121 名前:ウィンキー 投稿日:2003年06月23日(月)19時32分04秒

( ´ Д `)<馬鹿だ、馬鹿がいるぞ。
(o^〜^o)<名前そのまんまタイトル入れてる〜。
 作者    <はっ?!
(´ Д ` )<ごとーはシカト〜シカトですかぁ〜?

 
122 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月02日(土)18時11分50秒
123 名前:名無しさん 投稿日:2003年08月29日(金)03時03分42秒
124 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/30(火) 07:39
いつまでもまってますよ。
125 名前:名無し読者 投稿日:2003/10/30(木) 00:38
ho
126 名前:名無し読者 投稿日:2003/12/11(木) 01:01
ze
127 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/01(木) 23:29
n
128 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/25(日) 16:07
帰ってきて〜〜!!

Converted by dat2html.pl 0.1