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コードネーム「mm。」

1 名前:sabo 投稿日:2002年12月29日(日)14時36分12秒
某娘。板で小説を書いていた者です。
今度こちらに流れてきたのでHNを変え、
心機一転、書かせて頂きます。
2 名前:名無しさん 投稿日:2002年12月29日(日)14時40分34秒
前書き。
「爪楊枝からロケットまで」そんなキャッチコピーで
世界中の市場に進出した総合商社、(株)アップフロントエージェンシー。
通称;UFA。日本経済の中心となっている超大企業。
名実ともに世界一の企業となり、環境問題、難民支援にも力を入れている。
"世界経済の中核を担う企業"
"世界経済の発展にUFAの貢献は計り知れない"
各国のメディアからもそう評価されている。
ただ、その裏の顔に関して知るものは、少なかった─
3 名前:SCENE 1 追憶の雨の中 投稿日:2002年12月29日(日)14時42分37秒
「行くよっ!!早くっっっ!!!」
「そんなこと言ったって、これ以上は…」
「喋ってる暇なんかないでっ!!」

漆黒の中に、少女達の声がこだまする。
密生する木々、降りしきる雨。
燃えさかる炎が少女達の後方で白い建物を赤く染めている。
その中を少女達は疾っていた。
だが闇に包まれた林は想像以上に走りにくく、
思ったよりもスピードは出ない。
追っ手は必ず来る。気づかれる前にどこまで引き離せるかにかかっている。
そんな状況に絶望しかけていた。
やはり逃げ出すのは無理かもしれない、と。

「火災発生!!Eー3エリアからです!」
「延焼確認!隣接するエリアを封鎖します!!」

その頃、真白い建物の中では大の男達が揃って狼狽していた。
燃え広がるのが早い。建物ごと灰になるのにそう時間はかからないだろう。
少女達の脱走に気づいた者はいない。
──ごく一部を、のぞいては──
4 名前:SCENE 1 追憶の雨の中 投稿日:2002年12月29日(日)16時11分01秒
「さ〜て、狩りの始まりや」
男はそうつぶやくと、林の中へと消えていった。
「こっちやな」
男は的確に少女達の走った跡をたどっていく。
信じられないほどのスピードで。
夜の林の中では、訓練された猟犬でも
これほどのスピードでは走れないだろう。
「見〜つけた♪」
男の表情は明るい。逃げていく"獲物"を追う事を
楽しんでいるかのように。
「まず、一人」
ドンッ、という鈍い音だけが響き、辺りには静寂が戻る。
そんな事が3度ほど繰り返された後、
ついに男は少女達の影を捕らえた。
5 名前:SCENE 1 追憶の雨の中 投稿日:2002年12月30日(月)23時33分39秒
「見つけたで〜」
「ちっ!!」
轟音とともに、男に向かって木々が倒れてゆく。
「そんなん無駄やで」
男はいとも簡単に避け、少女達を追い続ける。
「逃げたって無駄や。おとなしくせんと、どうなっても知らんで」
男が少女達の前に立ちふさがる。──もう、終わりか──
そう思ったときだった。爆炎が上がり、男の体を包み込む。
男の周りに炎の壁が出来上がった。
「私が食い止めるから、早く逃げて!!」
「あんた一人置いていけるわけないでしょ!?」
「いいから、早く!!」
「ふ〜ん、これが噂の"獄炎"か。こりゃ破るのは一苦労やで…」
男は炎の中でつぶやいたが、その顔に焦りの色はない。
むしろこの状況を楽しんでいるかのように、笑みを浮かべている。

「いいから、早く!!」
「…頼んだよ!!」

林の中には、2つの影だけが残った。
6 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜飯田圭織編〜 投稿日:2003年01月03日(金)00時50分14秒

───それから、10年───

「!!!!????」
「夢か…」
昔からよく怖い夢を見る。
林の中で、"何か"に追いかけられる夢。
炎が巻き上がり、いつもそこで目が覚める。
何なのかは、よくわからない。
記憶には、ない。
こんな夢にはもう慣れてしまった。
ふと時計に目をやる。7時50分。
「やばっ、遅刻だ!!」
少女は長い髪をたなびかせながら、
トーストをくわえたまま走っていった。
7 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜安倍なつみ編〜 投稿日:2003年01月03日(金)00時51分20秒
通い慣れた道、見慣れた景色。
彼女はいつも通り、大学への道を進んでいた。
8時45分。始業ベルが鳴り、講義が始まる。
いつも通り退屈な話。何を話していたのかは、
全く覚えていなかった。
いつものように起き、いつものように出かけ、
いつものように食べ、いつものように帰る。
別に変わった事はない。
いつもと同じ道。同じ人たちが、今日も歩いている。
ただ、何かが違った。
何なのかはよくわからないが、ただ、何かが違う。
そんな気がした。
8 名前:sabo 投稿日:2003年01月03日(金)00時53分02秒
あけましておめでとうございます。
読んで下さる方は今のところおりませんが、
こつこつ書き上げていきますので
どうかよろしくお願い致しますm(_ _)m。
9 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月03日(金)22時16分38秒
いや、見てますよ(w これから娘たちがどう絡んでくるか期待です。
10 名前:sabo 投稿日:2003年01月04日(土)00時08分30秒
>>9
おお、読んで下さってましたか(w
ありがとうございますm(_ _)m
更新スピードは速くないんですが、
少しずつ書いていきますので。
娘。というよりハロプロ全体を
絡めていこうかな、と思ってます。
11 名前:CENE 2 或る娘。の日常〜矢口真里編〜 投稿日:2003年01月04日(土)00時10分33秒
人、人、人。
渋谷のセンター街を彼女は歩いていた。
服装はどう見ても今時のギャル。
ただ一つの所だけ、違ってはいたが。
18pの厚底。
これをはかないと、人より頭二つは小さい。
風が吹く。
何かを、感じた。
12 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜保田 圭編〜 投稿日:2003年01月04日(土)00時11分36秒
「……??」
ここのところ、得体の知れない視線を感じるようになった。
場所、時間に共通性はない。
どこから見ているのかはわからない。
辺りには誰もいない。
見ていないかもしれない。
気のせいにしては、多すぎる。
そんな事を考えながらも、また歩き始めた。
13 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜石川梨華編〜 投稿日:2003年01月04日(土)00時12分12秒
「いらっしゃいませ〜」
喫茶店「Memory」に甲高い声が響き渡る。
午後4時。店内は人であふれていたが、
ケーキを食べながらお茶を飲む、といった光景が少ない。
この時間なら他の店はどこも女子高生でいっぱいなのに。
男性客、それも中高生が多いのが嫌でも目につく。
彼らの目当てはこの店の看板娘。
かわいらしい雰囲気が、アニメ声とよく合っている。
フリルのエプロン、という服装も彼女の雰囲気に合わせて
マスターがわざわざこしらえた物だ。
「ありがとうございました〜」
彼女が働くようになって、売り上げは倍増した。
客足は、まだ止まらない。
14 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜吉澤ひとみ編〜 投稿日:2003年01月08日(水)23時17分59秒
(学校)(体育館)(校庭)
…無理だね、所詮は住む世界が違うんだ。
少女のつぶやきは、雑踏の中にかき消されてゆく。
ショートカット、Tシャツにジーンズ。
一見すると男性のような風貌。
少しの間壁に寄りかかる。少しだけ気分が悪い。
彼女が去った数秒後、その壁は音もなく崩れ落ちた。
15 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜辻 希美編〜 投稿日:2003年01月08日(水)23時18分49秒
「いっただっきま〜っす♪」
焼きそば、ハンバーグ、唐揚げ、エビフライ…
テーブルの上には所狭しと皿が並んでいた。
至福の表情で少女は料理を平らげていく。
───30分後───
そこには皿の山だけが存在していた。
「食後のデザートはっ♪」
そういうと再び冷蔵庫を開けた。
結局食事を終えたのは
それからまた30分後だった。
16 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜加護亜依編〜 投稿日:2003年01月08日(水)23時19分27秒
「ただいま〜」
西の空が赤く染まり始める頃、
彼女は帰ってきた。
テーブルには置き手紙。
いつもの事ではあったが、何となく寂しい。
──仕方、ないか──
そうつぶやくと、ソファに座り込んだ。
他には、誰もいない。
日が沈もうとしていた。
17 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜紺野あさ美・高橋 愛編〜 投稿日:2003年01月11日(土)14時05分56秒

「えっと、ここがこうなって、この回路がこう接続するから…」
「また機械いじり?よく飽きないよねぇ」
ポニーテールの少女が、机に向かいっぱなしの少女に話しかける。
もうかれこれ5時間は経っただろうか。
いっこうに作業をやめる気配はない。
「…私先に寝るよ?」
返事は帰ってこない。聞こえていないのだ。
いつもの事か、と思いながらも少々腹は立つ。
結局少女が作業をやめたのは、それから3時間後だった。
18 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜小川麻琴・新垣里沙編〜 投稿日:2003年01月11日(土)14時06分30秒
「今日も疲れたね〜」
「そうだね〜」
常夜灯の元で交わされる、何でもない会話。
就寝前の日課。眠くても、毎日交わされる会話。
彼女たちにとっては何より楽しい物。
"友達との時間"はとても大切な物だった。
もっとも、この「深夜のおしゃべり」のせいで、
昼間は眠くて仕方がないのだが。
それでも決して話をやめる事はなかった。
19 名前:SCENE 2 或る娘。の日常〜中澤裕子編〜 投稿日:2003年01月11日(土)14時07分17秒
「あ〜もう、何やってんねん!!」
「まぁまぁ、裕ちゃん」
「ホンマあいつら…いっぺんしばいたろか」
「これ以上言うたらまた何言われるかわからんで」

三十路の鬼。冷血女。彼女には様々な"通り名"があった。
「金髪の悪魔」と言われた事もある。
もっとも、今は金髪ではないので言われなくなったが。
"通り名"は大して気にもしなかったが、
「三十路なのに結婚できないんじゃないか?」
という皮肉の0.5秒後には必ず鉄拳が飛んでいた。
苛立つ彼女を、隣の女性がなだめる。
年は若いが、落ち着いた感がある。
金に近い色の髪、優しい瞳。
彼女にも通り名がある。
"人間コンピューター""ミス・ブレーン"
…はっきり言って、あまり気に入ってはいなかった。
20 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月19日(日)12時58分53秒

"コンコン"
いつものように世間話をしていると、ノックの音が聞こえた。
「はい?」
「失礼します」
がちゃっ、という音とともに一人の男が入ってきた。
「中澤警視正。祐天寺局長がお呼びです」
男の言葉を聞いた瞬間、二人の顔色が変わった。
「祐天寺のおっさ…いや、局長が?わかった、すぐ行く」
「裕ちゃん、また何かやったん?」
もうすぐ三十路の"鬼"、中澤警視正。
コンビを組む平家警視。
いわゆるキャリア組の二人は数々の事件を解決してきたが、
始末書の数も負けないくらい多かった。
捕まえた犯人が負傷していた、なんてのは日常茶飯事だ。
犯人追跡のためパトカーを大破させた事もあった。
「最近は何もやってないんやけどなぁ…」
「いっつもそう言ってない?」
「でも行かないって訳にもいかないやろ」
今度は何だ?始末書?減給?それとも…
二人の頭の中で「懲戒免職」の四字が踊る。
覚悟を決めるにはあまりにも短い時間だった。
21 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月19日(日)13時01分03秒
「失礼します」「失礼します」
「入りたまえ、中澤警視正、平家警視」
広い部屋、高級そうな調度品。二人の部屋とは明らかに違っている。
その中に立つ男がゆっくりと振り返る。日本の警察の頂点に立つ男が。
「で、オッサン、今日は何の用?」
「ウチら最近何もしてへんで」
祐天寺警備局長。公安警察と外事警察両方を掌握する男で、
警察内部の改革を推し進める革新派の筆頭。
早い話が警察の中で一番偉い人である。
キャリア組とはいえ、問題を起こしまくる二人がこの若さで
出世していたのは祐天寺の力が大きかった。
「警備局長をオッサンと呼ぶのはお前らだけだぞ、全く…」
警備局長。警視正とは比べ物にならないくらい偉い。
本来なら警視レベルでは会う事すらほとんどないのだ。
「今日はいつもの始末書じゃない、重要な話だ」
「重要な話?」
22 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月19日(日)13時01分48秒
…またか。そう思ったのは平家。
始末書の責任で厄介事を押しつけられるのは
昨日今日に始まった事ではない。
交通課の手伝いで交通整理、なんてのもあった。
…やってられっかよ。正直、そう思ったのは中澤。
「今度は何や?」
「次は道路工事の手伝い、とか」
いつもの事か。そう思って諦めるようになったのはいつからだろう?
23 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月20日(月)21時37分11秒
「たまには真剣に聞けよ」
祐天寺以外の人間なら、クビが飛んでいるかもしれない。
「ウチらいつでも大マジやで」
嘘ではない。それなりの成果も上げてきた。
大マジなのは現場に行けば、の話だが。
「…本題に入るぞ」
さすがにこの二人に付き合っているとペースが狂う。
祐天寺も、疲れた。
「お前ら、こいつは知ってるな?」
そう言うと、茶髪の男が入ってきた。
「ユウキやんか」
「今日は何の用や」
二人はこの男を歓迎してはいなかった。
CIA極東支部長、後藤ユウキ。年は若いが、その情報網は計り知れない。
二人はよく厄介事を持ち込まれ、こっそりと動いていた。
…多額の報酬と引き替えに。
24 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月20日(月)21時38分29秒
「お久しぶりです」
またコイツか…中澤の率直な感想である。
「オッサンまで巻き込んで、今日は何の相談や」
「冷たいっすね、中澤さん」
「アンタと仲良くしてもな」本心。
「そんな事言わないでくださいよ」
「…オホン!」
「何や、おっさん」
「話はまだ終わってないぞ」
話の腰を折られた祐天寺はいささか不機嫌であった。
この二人のやる事に腹を立てていたらキリがないのだが。
「だから重要な用って何なんや」
「それはこいつから話してもらう」
「二人とも、『SWAT』は知ってますね?」
ユウキが急にマジメになった。
「そんなん当たり前やんか」
25 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月20日(月)21時39分52秒
SWAT。ロス市警の精鋭部隊。凶悪犯罪に立ち向かうため、
屈強の男達が日夜厳しい鍛練を積んでいる。
狙撃、挌闘術…ありとあらゆる実践を積んだ隊員が、任務に当たる。
「でSWATがどうかしたんか」平家。
「実は日本にも作った方がいいと思ってね」と祐天寺。
「このところ犯罪は凶悪化し続け、発生件数も増えている。
イラク、北朝鮮の核問題で世界情勢が不安になっている。日本も危ない。
そんな状況を考えると、犯罪組織に対抗できる部隊がほしいんだよ」
「最も極秘裏に動いてもらう事になるが」最後に一言付け加え、煙草に火を付けた。
「それはそうやけど、それとウチらとなんの関係が?」
「実はお前ら二人にその部隊の管轄をやってもらおうと思ってな」
『はぁ!?』
26 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月20日(月)21時40分35秒
今までにも色々と厄介事を押しつけられてきたがこんなのは初めてである。
他の警察官にとっては大変な名誉で、涙でも流しそうなものだが
そんな事はこの二人にとっては別にどうでもよかった。
「部隊の構成員はこっちの方で候補は挙げておいたから、そっちで選抜してくれ」
「ちょ…」中澤。
「じゃ、頼んだぞ」
それだけ言い残すと祐天寺はドアの方へ歩いていった。
「でも、なんでウチらなんですか?」
と、平家。いきなりの展開に混乱する中澤と違い、落ち着いていた。
いきなりの人事にもっともな質問である。
「お前らの実績と"能力"を評価して、だよ」
中澤、平家のコンビには他人にはない力がある。
警察内部では祐天寺しか知らない"能力"が。
27 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月20日(月)21時41分25秒
──その後、中澤の部屋にて──

「どうするんや、裕ちゃん」
「今回ばっかりはオッサンの冗談やなさそうやで」
「…とりあえず明日、候補ってのに会ってみるか…」
引き受けるかどうかは候補を見てから決める事にした。
28 名前:SCENE 3 結成 @抜擢 投稿日:2003年01月20日(月)21時42分17秒
──翌日──

二人はまた祐天寺の部屋にいた。
「オッサン、まだ話してない事があるんか?」
「部隊について詳しい説明してなかっただろ?」
確かにそうだ。『SWATみたいなもの』としか聞いていない。
『犯罪組織に対抗する極秘組織』ではいくら何でもアバウトすぎる。
「警察庁公安局に属する特別機動隊。コードネームは『mm。』だ」
『mm。!?!?!?』
──みなとみらいじゃあるまいし──
隣の平家がクスッと笑った。
──読んだな、みっちゃん──
平家がゴメン、と小声で謝る。
二人が喋っている間も祐天寺の話は続いていたが。
「……だからそう言うわけで、mm。結成になったわけだ。」
「で、活動の内容は?」
二人とも全く聞いていなかったが、とりあえず先を促した。
「主に犯罪組織の検挙だが、証拠はいらない。やり方もお前達の自由だ。」
「それ、ホンマに警察なんか?」
「そんな甘い事を言ってるうちに犯罪を起こされないように、だ。
だから存在が極秘なんだよ。警察内部でも知ってる者は少ない」
その言葉で、二人の瞳には輝きがともった。
おもしろそうやん。いっちょ、やったるか。
29 名前:SCENE 3 結成 A選抜 投稿日:2003年01月20日(月)21時44分23秒
SCENE 3 結成 A選抜

中澤裕子はひどく失望していた。
頭脳では平家にかなわない、実践では中澤にかなわない。
銃器の扱い、挌闘術、小隊での犯人拿捕訓練。
綿密かつ有効な作戦を立てる平家と、
平家のイメージを一分の狂い無く実現してみせる中澤。
5人組の小隊より、このコンビの方が明らかに成績優秀だった。
祐天寺が全国から選りすぐった精鋭も、二人の前では大して役に立たない。
もっとも、常に問題のつきまとう二人がこの地位にあるのはその実力と功績の賜なのだが。
ウチらと張り合えるほどの実力を持った人材?…そんなん、いるんか。
夕暮れの部屋で一人物思いにふける中澤の脳裏に、ある少女達の事がよぎった。
あいつらなら、もしかして…
中澤の双眸に、すでに失望の色はなかった。

時を同じくして、平家みちよも中澤裕子と同じ思いを巡らせていた。
全国の精鋭も、それほどのものでもないか…。
平家の脳裏にも、或る少女達が浮かんだ。
但し、中澤が思い浮かべた少女とは、違っていた。
平家の瞳からも、落胆の色が消えた。
30 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月29日(水)18時43分20秒
北海道札幌市。
ハァ、ハァ…追いついた…。息を切らしながら前を歩く少女の肩をポン、と叩く。
「おはよ、なっち!」
「おはよ、カオリ!また寝坊したの?」
「だってさぁ〜」
親しげに会話を交わす二人の少女。物心ついた頃から一緒にいた。
これからもずっと続くと思っていた。平和な日常の中で。
「なっち、私ね、最近変な夢見るんだ。変な感じがね、するの」
何かおかしい。大事な事を忘れているような…
飯田がそう言いかけた瞬間、安倍が口を開いた。
「カオリも!?なっちも最近何かおかしいって思ってるんだよ」
そう、まるで誰かに見られているような、奇妙な感じ。

二人の携帯電話が鳴り、関西弁の女性が現れるのは、その日の午後だった。
31 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月29日(水)18時44分08秒
「あなたたちにね、東京に来てほしいの」
30歳くらいだろうか?先程までの関西弁とはうってかわり、真剣な表情で
語りかける女性に、二人は呆気にとられるばかりだった。
「あの…どこかでお会いした事ありませんか?」
安倍がおずおずと口に出す。
口元に微笑を浮かべ、純真そのものの安倍の瞳を見つめる中澤。
変わってへんな、なっちは。

「最近変な感じ、例えば…誰かに見られてる感じとかせえへんかった?」
驚いたように中澤を見つめる安倍。一方の飯田は事態が飲み込めず、
???マークが頭の中を回っていた。
「ごめんな、あれはウチらなんや」
ウチら?何のために?どうしてあたし達を?
「あんたらで最後なんや。東京ついてきてくれたら、全部話すで」
最後って?まだ私達の他にも?一体誰が?
次々に疑問は湧いてきたが、何故か確信していた。
この人の言ってる事に嘘はないと。
二人の心の中は決まった。東京に、行く。
32 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月29日(水)18時44分59秒
早春の東京、霞ヶ関。
合同庁舎2号館内、警察庁の一角にある会議室。
中澤によって、8人の少女達が集められていた。
「さて、やっと揃ったな」
この席に平家はいなかった。
今日中には戻るわ、ウチにも心当たりがあるから。
電話でそれだけ言い、この場は中澤に任せていた。
中澤にもそれは好都合。みっちゃんが連れてくるヤツはいない方がええ。
ウチにも、やらなあかん事があるんや。
33 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月29日(水)18時46分26秒
「中澤さん、ここに呼んだ理由、話してもらえますか?」
はっきりした口調で言ったのは、飯田。
北海道からの道中も、大したことは聞けなかった。
金髪の少女─矢口真里が、それに同調する。
「そうですよ。それにこの人たち、誰なんですか?」
大学生から、中学生。住んでいるのも北海道から京都、奈良まで。
互いに自己紹介だけはしていたが、ここに集まったメンバーに特筆すべき共通点はない。
そう、矢口は思う。
ここに来てからも、中澤の昔からの親友であったかのような態度に困惑していた。
「みんなには、全部思い出してもらうで」
34 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月29日(水)18時47分32秒
mm。の指揮官に任命されたすぐ後、祐天寺に言われた事があった。
UFAを相手にするなら、能力者を集めろよ。
やっぱりな。建前上は公安付属の機動隊になるが、mm。は対UFA組織。
最近は異能力の研究に莫大な資金を投入しているとか。
異能力を持つ者はスカウトされ、拒むと消されるとか。
様々な、まだユウキから提供された情報があった。
だから、集めた。もう会う事もないと思っていた仲間達を。
あの日以来、集う事の無かった仲間達を。
UFAが本格的に動き出し、彼女らの身が危険にさらされる前に。
35 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月29日(水)18時48分04秒
「じゃ、ちょっと集まってや」
そう言った中澤の手の中には『鍵』の文字が映っている水晶玉。
「行くでっ!」
次の瞬間、会議室は光に包まれていた。
36 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月29日(水)18時51分51秒
みんな、ちゃんと逃げられたかなぁ?
もう眠いや。あー、疲れた。

「ごっちん!」
「離して下さい、中澤さん!」
「何のためにあいつが残ったと思ってるんや!!」

「中澤裕子、飯田圭織、安倍なつみ、保田圭、矢口真里、石川梨華、吉澤ひとみ、加護亜依、辻希美…です」

「このままでいいのかなぁ?」

「"忘"れた方がええこともある」

一瞬。
中澤の水晶から光が放たれたその瞬間。全てを、思い出した。
私達の能力も。
受けた訓練も。
あそこでの生活も。
そして、みんなの事も。
「裕ちゃん!」
「矢口〜♪」
やっと呼んでくれたわ〜♪矢口が冷たいから、寂しかったんやで。
「やめろよ裕子〜」
まとわりつく中澤とじゃれる矢口。
「裕ちゃん」
全てを思い出した飯田が気がかりなのは、この場にいない11人目。
「真希は、あれから…」
「わからん。ユウキも何年も追ってるんやけど…」
10年前から行方がわからない姉。
CIAの支部長が、わざわざ一介の警察官に接触する理由であった。

「たっだいま〜」
場にそぐわない明るい声で入ってきたのは、平家みちよと4人の少女だった。
37 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月31日(金)21時02分49秒
その前日。平家みちよは中澤裕子と行動を別にしていた。
愛種館。
幼少時代、平家が育った場所。
…相変わらず変わってへんな。
郷愁にも似た思いで門をくぐると、10年前と同じ景色が広がっていた。
「…平家か?」
振り返った先には初老の女性。
突然の来訪に驚いたようだが、10年前と変わらない笑顔で迎えてくれた。

「…って訳で使えるヤツ何人か寄こして欲しいんやけど、おばちゃん」
「久々に来たと思ったらそれか」
おばちゃんと呼ばれた女性─愛種館の館長は、笑いながら答えた。
愛種館。"事情"によって親元で生活できない子供達ための施設。
だがその施設はどの施設でも手に負えない子供が入ってくるのが常。
『ここに来たらみんな家族だよ』それが館長の目指す"家"だった。
自然、"異能力"を持つ子たちが集まった。
「明日まで待ってよ。今みんな寝ちゃってるからさ」
その晩はおばちゃんと酒を飲み、空白だった10年間の話に花が咲いた。
38 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月31日(金)21時03分36秒
おばちゃんは翌日4人を連れてきた。
高橋愛、紺野あさ美、小川麻琴、新垣里沙。
自己紹介もそこそこに中澤達の待つ東京へと急いだ。

「何や、マジな顔しよって」
場違いなテンションで会議室に入ってきた平家の第一声。
その傍らには4人の少女が。
「とりあえず紹介するな、高橋、紺野、小川、新垣。
おばちゃんの紹介やから素質は確かやで」
霞ヶ関の円卓に12人の娘。が揃った。

遂に、コードネームmm。集結。
39 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月31日(金)21時04分26秒
「オラ、まだまだやで!」
あれから一ヶ月。mm。メンバーは様々な訓練に明け暮れていた。
銃器の扱い、能力の修練、そして総合戦闘訓練。
中澤が連れてきた8人は以前に経験があるため
初めから高いレベルに達しており、その分上達も早い。

だが平家の連れてきたメンバーは…
「高橋、もっと早く動け!」
「小川、もっと集中しろ!」
「新垣、もっと頭使いな!」
…この有様である。やはり経験の差は大きく、
8人とは別メニューの基礎的トレーニングを行っていた。
だが、例外もいた。紺野あさ美。
聞けば無手の流派『水明流』の免許皆伝との事で、
挌闘に関しては中澤、平家と互角以上に戦う事が出来た。
そんな紺野に刺激されているのか、3人の訓練には熱が入る。
一方の紺野、そんな事はどこ吹く風。
夕食のメニューに思いをはせながら、新垣にコーチをしていた。
40 名前:SCENE 3 結成 B集結 投稿日:2003年01月31日(金)21時05分00秒
同時刻、別のトレーニングルーム。
既にいっぱしの実力を持っていた8人は各々訓練に取り組んでいた。
この一ヶ月の訓練と実践で、更に大幅にレベルアップできた。
だが、8人の脳裏をよぎるのは、10年前の夜。
そう、忘れるはずのないあの夜…。
当時二十歳近かった中澤も、一番年下だった加護も。
全員が忘れる事の出来ないあの夜…。

『『『『『ごっちん…』』』』』

8人の思いは、同じだった。
41 名前:sabo 投稿日:2003年01月31日(金)21時09分01秒
40スレ近くにしてようやく娘。登場です。
この長ったらしい前置きを読んで頂いた皆様、ありがとうございます。
駄作ではありますが、書ききりますのでよろしくです。
42 名前:sabo 投稿日:2003年01月31日(金)21時18分56秒
SCENE 4 始動

起こる事件。

迫り来る恐怖。

現れた少女は、敵か味方か。

そして…
43 名前:sabo 投稿日:2003年01月31日(金)21時19分45秒
Hello!Project SF小説

       ──コードネーム「mm。」──
              
                      少女達の戦い。
44 名前:SCENE 4 それぞれの情事 投稿日:2003年02月05日(水)20時25分09秒
「ごと〜さん」
「ん?」
「まぁた人の話聞いてなかったですね〜」
「…どうでもいいんだけどさ、そのしゃべり方何とかならない?」
「いいじゃないですかぁ〜」
「……」
「わかりましたよ。すぐ出発です」
「また?眠いから2人で行ってきてよ」
「ごと〜さ〜ん」
「…だから、そのしゃべり方何とかならない?」

結果、この2人が動いたのはそれから1時間後だった。
45 名前:SCENE 4 それぞれの情事〜のののえにっき〜 投稿日:2003年02月05日(水)20時26分45秒
ごはんまだかな〜♪
ごはんまだかな〜♪
きのうはコロッケだったから、きょうはハンバーグがいいな。
あっ、ぎゅうにゅうがある…
だれかにあげちゃお〜っと。
いいださんのとこに、いれとこっと。
いいださんはせがたかいから、ぎゅうにゅうも飲むよね。
あ、そのかわりにプリンもらお〜♪
──こら、辻!何やってんだ!──
あ、中澤さんにみつかっちゃった!
あ、あいぼん助けて〜
──あ、矢口〜♪ げ、やめろよ裕子〜──
あ、いっちゃった…
ま、いっか♪
いっただっきま〜す!
46 名前:SCENE 4 それぞれの情事〜高紺風味〜 投稿日:2003年02月05日(水)20時27分30秒
「…あさ美ちゃん?」
7回目。
「あさ美ちゃん」
8回目。
「あさ美ちゃんってば!」
2秒後。
「ほぇ?」
「9回目…」
「なに、愛ちゃん」
「さっきから何いじってるの?」
「これ?"森羅万象"って言ってね、自然界に存在する全ての元素、化学反応、分子配列をコントロールして…」
「あ、もういい…」

理科の授業なんて聞きとーない…。9回も声をかけたのに…
寒い冬。高橋にとって、疲労感の押し寄せる夜となったのでした。
47 名前:SCENE 4 それぞれの情事〜isiyosi風味〜 投稿日:2003年02月05日(水)20時28分10秒
よっすぃ〜ってかっこいいなぁ〜。
男の子みたいだし、いいなぁ〜。

「よっすぃ〜」
「あ、梨華ちゃん」

梨華ちゃんって女の子らしいよなぁ〜。
あ、小指立ってる…

「ねぇ、一緒にお昼食べない?」
「え、いいよ」
やった〜♪よっすぃ〜とお食事♪
「お、アツイねえ、お二人さん」
「あ、矢口さん。これからお昼なんですけど、矢口さんもどうですか?」
え、二人でお昼を食べるんじゃ…
「お、いいねぇ〜」
あ、矢口さんもOKしちゃった…
「ウチも食べる〜♪」
あ、あいぼんも…
「ののも食べる〜」
ののまで…
「あ、いたの梨華ちゃん」

ぷちん。

ああ、よっすぃ〜とのお昼が…
48 名前:SCENE 4 それぞれの情事〜愚痴風味〜 投稿日:2003年02月05日(水)20時29分29秒
…はぁ。

「どしたの圭ちゃん」
「あ、圭織…最近おばちゃんおばちゃん言われるのよ、まだ22なのに…
辻・加護だけならまだしもなっちや矢口まで言うのよ…」
「まぁ圭ちゃんはそ〜いうキャラって事じゃない?」
「それが嫌なのよ!ウインクするだけで気持ち悪いって言われるのよ!
 貴さんだけならまだしもメンバーにまで!キャラが立ったのは嬉しいけど…
 このキャラのままずっといくのかしら…」
「圭織もジョンソンジョンソンって言われてた頃が懐かしいよ〜」
「…お互い苦労が多いのね…」
49 名前:SCENE 4 それぞれの情事〜なち風味〜 投稿日:2003年02月05日(水)20時36分36秒
『母なる海』慈愛に満ちた性格からついた通り名。
北海道の広大な大地で育まれ、太陽のほほえみを持つ少女。
海と太陽、大いなる命の源。母なる力を持つ安倍。

「安倍さ〜ん」
「遊びましょ〜♪」
「あんれ、今日はもう遊んでいいのかい?」
「えへへへ〜」
「じゃ、あっち行こうか、辻ちゃん、加護ちゃん」

矢口さんはうっさいだけやし、飯田さんは何考えてるか解らんし、
おばちゃんズは怖いし…。ふぅ…。まともな先輩はこの人だけやな。
ウチも安倍さんみたいになれるやろか…。

安倍さんっておかあさんみたいだ。
とってもやさしいし、料理もじょうずだし。
こんどはみんなで安倍さんの作ったごはんを食べたいな。
50 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)20時38分40秒
>>43 以降の短編は作者の趣味ですw
isiyosiになってるのにも意味はないですw
ただの趣味なんで軽く読み流してやって下さい。
51 名前:SCENE 4 それぞれの情事〜 投稿日:2003年02月05日(水)20時42分35秒
「調子はどうだ、司令殿」
「オッサン」
祐天寺が訓練場に現れるのはそう珍しい事ではなかった。
メンバーの上達具合、装備の整い具合の視察などなど。
だが、訓練内容にはほとんど口を出す事はなかった。
「とりあえず全員招集かけてくれ」
何する気や、このオッサン?
いつもと違った祐天寺の様子に、中澤は少し驚いたが
この直後の祐天寺の提案でそんな事は吹っ飛んでしまった。

「お前ら、焼き肉食いたくないか?」
『『『『『焼き肉!!??』』』』』
「みんなで試合して、優勝者は高級店で焼き肉食べ放題。どうだ?」
その瞬間、目の色が変わる。
祐天寺の発言は、メンバーのやる気を奮起させるには充分すぎた。
食欲とはかくも恐ろしい物である。
中でも辻・加護・紺野・矢口が目に宿す光は異質の物であった──

〜第一回・焼き肉争奪カップ開催〜

「せやけどおっさん、何で急にそんな事言い出したんや?」
「解説」
「は?」
「お前らの能力よく見てなかったしな。
 それに今までほとんど"能力"使ってないし説明してないだろ?」
「まぁ、そやな」
52 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)20時47分46秒
mm。基本設定:

中澤裕子:mm。総司令。実力、実績はとんでもないが、
その性格、捜査方法から警察内部でもかなり異端視されている。
部下からの信頼は厚いが、上司からはとても疎まれている。
ちなみに階級は警視正。矢口大好き。
能力は"文弾":文字(漢字)をキーワードとして、能力を発動させる。
文字に含まれる意味を具現化することが可能。ただし能力の発動条件として
球、弾、玉など"たま"に文字を投影しなくてはならない。

矢口「何やってんの?」
中澤「別にな〜んにも」
矢口「"覗"?」
中澤「ぎくっ」

飯田圭織;"交信"というテレパス能力と、
描いた絵を実体化できる"心のスケッチブック"を操る。
"交信"出来るのは人に限らず、動植物、無機物まで交信可能。
時々意味不明な発言をするのはそのため(笑)。
具現化できる物に制約はなく、飯田が描いた物なら何でも実体化する。

加護「何してるんですか〜?」
飯田「空とお話ししてるの」
加護「(この人、大丈夫か…?)」
53 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)20時59分37秒
安倍なつみ:能力は"水紋"。生命の源、水を意のままに操る。
練度によって操作の幅が広がり、用途も幅広くなる、大自然の力を借りた能力。
おおらかで慈愛に満ちた性格から『母なる海』の通り名を持つ。

高橋「安倍さんはどうして『母なる海』って呼ばれてるんですか?」
安倍「ん〜、なっちにもよくわかんないんだべさ〜」
高橋「そ〜なんですか…」
安倍「なんでなんだべか?」

保田圭:陰陽師。五行を司る能力を持つ。霊符や自然の摂理に乗っ取った
術を得意とする。陰陽の秘術に関する知識も豊富。
普段は冷静沈着だがキレると何をするかわからない。
辻・加護はさんざん痛い目にあっているw

辻・加護「おばちゃ〜ん、キャハハハ〜」
保田「私を怒らせるとどうなるか…霊符の力、ここに示せっ!」
辻・加護「うぎゃ〜〜〜」
54 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時01分28秒
矢口真里:能力は"風迅"風(空気)を自在に操る事が出来る。
風使いだけに素早さはピカイチ。能力上、空を飛ぶ事もしばしば。
ちゃんとロッカーにも入れる(笑)
損な役回りも多いが、ちっちゃな体で頑張るでっかい心の持ち主。

矢口「おりゃっ(ビュウッ)」
加護「うわぁぁぁ」
矢口「いいかげんキティちゃんパンツはやめろよ…」

石川梨華:元・喫茶「Memory」の看板娘。ピンク大好き。
能力は"天蓋(てんがい)"強力な防御結界を張る事ができ、
更にヒーリングも出来る。防御に関しては優秀だが、基本的に攻撃力は弱い。

石川「手当てならおまかせ♪(プリティポーズ☆)」
矢口「石川キショッ!!」
飯田「自信満々だしね…」
安倍「梨華ちゃん、そ〜いうの流行ってるのかい?」
石川「みんなひどいですぅ〜…」
55 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時02分12秒
吉澤ひとみ;
能力は"氣合"氣を操る事で、生命エネルギーである氣の力を
攻撃、防御、治療などに使う事が出来る。気を"練る"ことで
更に出力を高める事ができる。男装をさせたら右に出る物はいない。

吉澤「破っ!」
石川・加護「よっすぃ〜、カッコイイ…」
中澤「よっさん、男前!」
吉澤「いや、あたし女の子なんですけど…」

加護亜依:
能力は"電令"電気を自分の体に蓄積、放出する事が出来る。
充電すれば操作できる電力は上がっていく。ただし、絶縁グローブは必需品。
いたずらっ子で、保田のお仕置きをいつも受けている。

加護「ひどい目に遭った…あのおばちゃんめ」
中澤「誰がおばちゃんやと!」
加護「ひぃぃ〜違いますぅ〜」
56 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時02分59秒
辻希美:
その場にいるだけで雰囲気が明るくなる、イタズラ天使。
食欲と腕の力で辻に勝つのは困難w
能力は"光子"光を凝縮、操作できる。ライトからレーザーまで、
その用途範囲は広い。理科的知識があまりない辻が、
この能力を使いこなしているかは現在不明。

辻「う〜ん…う〜ん…」
飯田「どうしたの、辻ちゃん」
辻「おひるごはん、なんにしようか考えてるのれす」
飯田「あっ…そ」

平家みちよ:
mm。作戦参謀。中澤とは色々やらかした悪友で、親友。
中澤とのコンビで数々の実績を残す。ちなみに警視。
知識の範囲、大胆かつ緻密な作戦によって実績を残してきた。
全てを見通す"心眼"を持ち、時には未来も断片的に見える。
だが平家個人の戦闘能力はあまり高くない。

平家「ウチの能力って"見る"だけやもんな」
中澤「その力のおかげで助かってるんやないか」
平家「裕ちゃん、今日はウチのおごりや!飲むで!」
中澤「(よっしゃ)」
57 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時04分58秒
紺野あさ美:
能力はなし。実践的無手流派『水明流』の免許皆伝を持つ。
非常に頭が切れ、機械の扱いにかけては右に出る物はいない。
オリジナルの発明も多く、mm。の標準装備となっている物から
紺野にしか扱えないような高度なメカまでがある。
その一つが"森羅万象"化学変化、分子配列、をコントロールできる。

紺野「出来た!これで完璧のはず…」
保田「紺野、煙出てるよ…」
紺野「おかしいな、設計は完璧なのに…」
保田「あれ、このネジ何?」
紺野「あ、それ動力部の部品です」
保田「頭いいんだか抜けてるんだか…」

高橋 愛:
若いがかなりの能力を持つ陰陽師。
保田とは違い、式神を操り使役するのが得意。系統は違うが
保田からの特訓を受け、陰陽師としての力は成長している。
福井訛りが取れるかどうかはまだ謎。

高橋「我が命に答えて姿を見せよ!急々如律令!」
新垣「式神呼ぶときは訛らないんだね…」
高橋「もう訛りは取れてもたって」
58 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時05分30秒
小川麻琴:
能力は"変化"自分の変化はもちろん、他の物体も変化させる事ができる。
変化できる時間は術者の訓練次第。複雑な変化("模写")は
エネルギー消費も激しく、変化できる時間も短い。

小川「純…螢…」
高橋「メイクより変身すればいいのに」
小川「それじゃモノマネにならないでしょ」

新垣里沙;
能力は"暗影"影の中に入り込む事が出来る。但し自分の影には入れない。
影が交差している場所では他の影に移る事も出来る。
他人を影の中へ入れる事も出来る。
その際、影の中は新垣が支配する空間となる。

新垣「まゆ毛ビーム!」
平家「あんたの能力じゃ光線は出ないよ」
新垣「わかってます…」
59 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時07分30秒
というわけでメンバーの設定・解説を載せました。
これからこれがないと訳解らなくなりますので(汗
60 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時16分46秒
SCENE 4 それぞれの情事〜

手に汗握る真剣勝負

「この勝負、もらったよ!」

栄光を手に叙々苑へ向かうのは?

「だって、焼き肉食べたいもん」

全ては神のみぞ知る。
61 名前:sabo 投稿日:2003年02月05日(水)21時17分17秒
Hello!Project SF小説

       ──コードネーム「mm。」──
              
                      焼き肉争奪戦。
62 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月20日(木)23時28分37秒
情事ですか(0^〜^0)ハァハァ
63 名前:sabo 投稿日:2003年02月21日(金)23時55分27秒
〜焼き肉争奪戦、抽選中〜

厳正なる抽選の結果、組み合わせが決定。

第一回戦第一試合:吉澤 ひとみ VS 石川 梨華
64 名前:sabo 投稿日:2003年02月21日(金)23時56分36秒
>>62 名無しさん
レスど〜もです。
情事と言ってもハァハァな要素はありませぬのであしからずw
65 名前:Jマイルド 投稿日:2003年02月23日(日)00時37分20秒
29【吉澤視点】
♪こたえをださずに〜♪
♪いつまでも〜いられない〜♪
ごっちんが市井さんの姿を見てからこの歌が頭の中で鳴ってるんだよね。
誰の歌なんだろう…お父さんがよく聞いてたような気がするんだけど…
♪つまさきで〜立ったまま君を愛してきた〜♪
♪愛してる〜♪愛せない〜♪
メロディーは知ってるのに歌詞がところどころ出てこない…
私もつまさき立ちで、不安定のまま、ごっちんを愛してたのかな…
………ううん、そんな事はない!
私なりに、今の私なりに彼女を愛してきた……
【彼女が笑顔で幸せならば……私もまた幸せになれるはず】
………そう思える程、私はやっぱり大人じゃない……
でも、安倍さんと話してごっちんと向き合おうって、
きちんと話をしようって、
ごっちんに気持ちぶつけてみようって、
………カッコ悪くても仕方ないじゃん……マジ惚れちゃった私が悪い………
66 名前:sabo 投稿日:2003年03月14日(金)18時41分40秒
「じゃあ、これから試合を…」
──フフフフ…──
「誰や!?」
中澤が口を開いた次の瞬間、闘技場には2つの影が現れていた。

「初めまして。松浦亜弥です」
「何モンや、アンタ」
「UFAの社員ですよ、ただの」
UFA,という言葉に辺りの空気が一瞬にして張りつめた。
「…で、UFAの人間が何の用や」
「今日ここに来たのはただの挨拶です」
松浦の言葉に、もう一人も口を開く。
「UFAに対して警察が動いているというので、取り敢えず私達が様子見に」
「…アンタは?」
「藤本美貴。UFAの社員です」
「ホントはもう一人来るはずだったんですけど〜、面倒だからって来てないんですよ〜」
のんきな口調の松浦だったが、その場にいた全員が何か不気味な物を感じていた。
「で、今日は何でここに?」
「あなた達がくる理由がここにはないんだけど?」
飯田が口を開き、矢口が同調する。
次の瞬間──松浦の姿が消えた。
67 名前:sabo 投稿日:2003年03月14日(金)18時42分43秒
「ウッ…」
急にその場に倒れ込む中澤と平家。
「どうしたの、裕ちゃん!みっちゃん!」
矢口が駆け寄るが、反応は弱々しい。
「矢口さん、どいてください!」
石川がヒーリングを試みるが、いっこうに回復の兆しは見えない。
「お前ら!何をした!!」
「ウイルスを打たせてもらいました」
淡々とした口調で、抑揚もなく話す藤本。
「お二人を助けたかったら、UFAの研究所まで来て下さい」
「研究所!?」
「ええ、場所はもう知っているはずです。用件はそれだけです」
「待て!」
「言っておきますが、私達にはどうすることも出来ません。
 研究所に来なければお二人は一週間後には死にます。それでは」
淡々とした口調でそう言い残し、松浦・藤本の姿が消えた。

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