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HELL BELLS

1 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)19時56分16秒
元ネタあります。
よろしくお願いします
2 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)19時59分22秒
1.

夜半から降りつづけた雨がまだ降っている。
そのためか商店街の人通りもまばらである。その中を自転車で走る娘がいた。
名は後藤真希、薄汚れたジーンズに洗いざらしのシャツ後ろに束ねた髪、
そして目には眼鏡といった格好をしていた。また彼女の乗っていた自転車は今ではほとんど見かけなく
なったドロップハンドルタイプのものであり後ろには左右に鞄が取り付けられていた。
(お腹減った〜〜〜)
真希は空腹の為かふらふらとした安定感のない走りをしていた。
その中で真希はレストラン・リンネという小さな洋食店を見つけた。
「アルバイト募集(住み込み可)月12万」
窓の張り紙を見た真希は即座に自転車を止め店の中に入った。
「す・・すいません表の張り紙見ました・・・使って下さい・・でもその前に
 何か食わせて下さい・・・」
3 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時00分00秒
窓の張り紙を見た真希は即座に自転車を止め店の中に入った。
「す・・すいません表の張り紙見ました・・・使って下さい・・でもその前に
 何か食わせて下さい・・・」
二日前から何も食べていなかった真希はそう言うと倒れるように椅子に座った。
その様子をこの店の主人のりんね、ウエイトレスのあさみはあっけにとられながら
見ていたが、真希を見捨てるわけにも行かず取り合えず料理を持ってきてくれた。
真希はそれを次々に平らげていった。
「ゴホッ、ゴホッ」
急激に食べ物を食べた為にむせてしまった。
「ほらほら、よく噛んで食べなさい。」
あさみが言った。
4 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時00分55秒
「ふ〜!すいませんあたし後藤真希と言います。一生懸命働きますので
 是非この店で使ってください。」
真希は腹が落ち着くとあさみとりんねの方を見てそう言った。
「りんね、この人悪い人じゃなさそうだし使ってみれば?」
「そうだね・・・じゃしばらく使ってみようか・・・」
「良かったね、あんた」
「はい」
5 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時01分32秒
2.

それからの真希の働きぶりは見事であった。
調理の補助から、ウエイトレスまでてきぱきとこなしていった。
「へーあんた随分慣れてるけどどっかで見習いでもしてたの?」
あさみが言った。
「ええ・・こういうバイトは結構しましたから。」
小さいながらも繁盛しているこの店にとって接客だけでなく調理もできる真希は多いに助かっていた。
また根無し草の様な生活を続けてきた真希にとってもこの店で働く事は大きな安らぎとなっていた。
そして真希はりんねとあさみにたいし次第に打ち解けていった。
今日の仕事も終わり三人は住まいである店の二階で夕食を取っていた。
「真希は自転車で日本一周をしてるんだ?」
6 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時02分07秒
そう言いながらりんねは真希にビールを注いだ。
「ええ・・あてもなくふらふらしてるだけですが・・・」
風呂に入りパジャマを着て真希はもうすっかりリラックスしている。
「あれ?」
あさみが真希の体に違和感があるのを発見した。
「どうしたの?その傷?」
真希の胸には十字架の傷後があった。
「これですか?あたしよく覚えてないんですけれども子供のころ付いたみたいなんです。」
その時一瞬真希の顔が曇った。だがその一瞬の表情を二人は捕らえることはできなかった。
7 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時02分54秒
3.

「真希!」
ある朝あさみのその一言で真希は起こされた。
「はい?」
まだどこか寝ぼけているようだ。
「悪いんだけど今日ちょっと野菜を取りにいってくれる?いつも持ってきてくれる
 おばちゃんがぎっくり腰で車を運転できなくなっちゃったんだって。」
「解りました。」
「今日の分の野菜はあるから夕方くらいから行ってもらって帰りはちょっと遅くなるけど・・・」
「ああ・・・いいですよ。」
その後、真希は夕方まで働いたあと野菜を取りに出かけた。
8 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時03分28秒
車一杯の野菜を積んだ真希が帰ってきたのはあたりがすっかり闇に包まれた頃であった。
時間も遅くすでに店のシャッターは閉じられていた。
裏手から店に入ろうとした真希はその本能が不吉な予感を感じた。
恐る恐るドアを開けた真希の目に飛び込んできたのは、りんね、あさみの血まみれの死体であった。
(・・・・!!)
その二人の死体はとても正視できるものでは、なかったが真希はまだこの場にある気配の為
臨戦体制をとった。
「でてこい!外道!」
真希は天井に目をやりそう言った。
9 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時04分11秒
4.

「くくっ!よく気づいたな!」
その娘は天井から逆さにぶら下がっていたが真希の声により前に降り立った。
「てめえが二人を殺ったのか?」
「行きがけの駄賃にね。」
「ゆるさねえ!!」
真希はそう言うと眼鏡を外し(もっともこの眼鏡は伊達眼鏡であったのだが・・・)
上着を脱いだ。後藤の格好は上下全て黒。そしてスニーカーも黒であった。
10 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時04分54秒
「貴様を殺れば組織から金が出るんでね。その二人は遊びみたいなものさ。」
「貴様・・・UFAの者か?貴様を殺る前に名前ぐらい聞いておこう」
「このあたしを殺すつもりか?・・・誰に殺されたのか解らないのもまた不憫!
 里田・・・里田まい。」
里田は己の腰のあたりにある刀を抜いた。それは日本刀よりも細い刀であった。
11 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時05分49秒
5.

シュルルという風きり音と共に真希の皮膚が切れる。
武器を持っていない真希にとって逃げることしか許されない。
「武器も持たずにあたしの前に立つとは愚かな奴よ。けどあたしは容赦はしないよ」
「ハァ・・・ハァ・・」
真希の鼓動が速くなる。
それに呼応するかのごとく里田の剣もまた速くなってきた。
真希はそれにより徐々に逃げ場を失っていった。背中には木の感触が伝わっている。
柱を背にしていた。
「貴様にもう逃げ場はない。そこが死に場所だ。」
(くっ・・・)
「死ね!」
里田はそれまでの切り刻む動きではなく真希を刺しにきていた。
真希はそれを間一髪で避けた。
12 名前: 投稿日:2003年01月05日(日)20時06分19秒
ズンッ
里田の剣が柱に刺さった音だった。
その瞬間真希は素早く後ろのポケットから
桐状の物を取り出しそれを里田の額に突き刺した。

「地獄へおちろ〜〜!」

ズボッ
「おおおおお・・・・きっ貴様・・・・」
ドスンという音と共に里田の体が崩れ落ちた。
後藤が里田の額を貫いた物の正体は自転車のスポークであった。
ある特殊な素材のスポークの先端を細く削り武器としていた。

「死ぬまでこの世界から抜けられねぇのか・・・」
真希は目の前に倒れた里田をみてそう呟いた。
13 名前:ななすぃ 投稿日:2003年01月24日(金)00時31分46秒
続きはまだですか〜??
14 名前: 投稿日:2003年01月26日(日)20時57分54秒
1.

初夏の爽やかな風が吹き抜ける。
木々は青く空には雄大な雲が流れている。
その中を自転車で疾走する者がいた。後藤真希であった。
例の事件以後、真希は即座に街をでた。
だが自分をおってくるものはいなかった。
新聞も見たが事件は載っていなかった。地方欄の隅に小さく出ていた
程度であった。それも大分事実を歪められて書いてあった。
真希は何かの力が働いたことは容易に想像がついた。
15 名前: 投稿日:2003年01月26日(日)20時58分27秒
2.

真希が疾走している後ろから、バイクのエンジン音が聞こえてきた。
そして真希の自転車を追い越すとしばらくして真希の進行を防ぐ形で
止まった。真希がその場まで行くとその娘はヘルメットを取った。

「吉澤さん・・・」
「真希っ!元気だったか?この先で待ってるぜ!」
その娘・・・吉澤ひとみはそういうなり去っていった。
真希がひとみに追いついたのは、およそ十分後のことであった。
道の脇の公園にバイクが止めてありその公園の芝生でひとみは転がっていた。
「吉澤さん・・・」
「真希っ!何か解ったか?」
「いえ・・・ただやつらの影響力が思った以上にこの国に浸透しているといった
 ことぐらいしか・・・」
「なあ真希?UFAってのは一体何者なんだ?」
16 名前: 投稿日:2003年01月26日(日)20時59分02秒
「あたしが中澤シスターから聞いた話ですと自分等の理想の国家を目指す
 連中だそうです。」
「そうか・・・大体そういう奴らはろくでもないやつらさ!だが何故そいつらは
 あたし達の命を狙う?」
「邪魔なんでしょう?あたし達が」
「邪魔?奴らにしてみれば、あたし達なんてありみたいな物なんじゃないのか?」
「それは・・・」
17 名前: 投稿日:2003年01月26日(日)20時59分32秒

3.

真希がそう言いかけた時、公園の外を囲んでいる林から銃声が聞こえた。
その音を素早く察知した二人は、その音の方へ向かっていった。
二人は木に身を潜めなが何が起こっているかを確認し様としていた。
パーンッ、パーンッ
狭い林の中で銃声が響く。だが木が邪魔をして当たらない。
逆に銃を撃ったものが、ナイフの餌食となって倒れた。
「グワッ」
という声があちこちで聞かれた。
だがそのナイフ使いの娘もついには、追い込まれてしまった。
「馬鹿な奴よ組織から逃げ切れると思っていたのか?裏切り者は地獄の果てまで
 追い、そして必ず殺す!それが組織の掟さ・・・なあ飯田?」
18 名前: 投稿日:2003年01月26日(日)21時00分04秒
「石黒と明日香か・・・なめるんじゃないよ!あたしもUFAでは名の知れた殺し屋
 おめおめとやられはしないよ!」
飯田圭織はそう言うと己の体に隠していたナイフを八本取り出し左右の指の間に挟んだ。
「明日香!あんたは飯田をやりな!あたしは、あそこにいる二人を殺る!」
真希と吉澤は気配は完全に消していたはずだが石黒には見破られた。
二人はやむを得ず。三人の前にその姿をさらした。
「あたしの姿を見た奴を生かしておくわけにいかないさ。」
石黒の手には巨大なブーメランが握られていた。
19 名前: 投稿日:2003年01月26日(日)21時00分58秒
少しですが更新しました。
20 名前: 投稿日:2003年01月28日(火)01時29分14秒
4.

真希とひとみが石黒の視界に捕らえる場所に出た。
「お前等に恨みはないが、これも組織の掟!死んでもらう。」
石黒が言った。
「外道!貴様もUFAの者か?」
真希が言った。
「・・・その名前を知ってるとは・・・なおさら生かしとけないね。」
その刹那ひとみが真希の背後から石黒に飛び蹴りを見舞った。
空気を切り裂く蹴りが石黒を襲う。
その蹴りを石黒は手刀で迎え撃った。
ひとみの胸のあたりがそれにより切り裂かれた。
(胸に十字架の傷?)
ひとみの胸には十字架の傷があった。
「・・・そうか里田をやったのは貴様らか」
21 名前: 投稿日:2003年01月28日(火)01時30分04秒
「そうだ!あたしが殺った!」
真希が言った。両手にはスポークが握られていた。
「里田は組織ではあたしと姉妹のように育った。貴様〜っ八つ裂きにしてくれる。」
石黒のこめかみからは血管が浮き出ていた。
ブーンという音が聞こえた。石黒のブーメランだった。
石黒のブーメランはあたりの木をなぎ倒しながら真希とひとみを襲った。
(なんだ?ありゃ〜〜?)
ひとみと真希は逃げる。だが石黒のブーメランがそれを阻む。
メキッ
(はっ・・・)
「うわーっ!」
真希は倒れてきた木の下敷きになってしまった。
意識はあるのかは解らない。
「真希っ!」
ひとみの声が林の中に響いた。
22 名前: 投稿日:2003年01月28日(火)01時30分38秒

5.

「後は貴様だけだ。」
「このド外道がっ!」
ひとみの前に高速で回転する物体がくる。
もう逃げ道は無い。
ガシッという音が聞こえた。ひとみがブーメランを受け止めた音であった。
衝撃が全身に響く。
「ば・・・ばかな・・・はっ」
石黒がそう思った時ひとみは目の前にいた。
「地獄へおちろ〜〜っ」
ひとみの手刀が石黒の心臓に突き刺さった。
「ぐっ・・・・貴様・・・」
石黒は両手でひとみの首を絞めていた。
23 名前: 投稿日:2003年01月28日(火)01時31分10秒
「てめえ・・・」
「あたしもUFAの殺し屋だ、犬死にはしない。」
首を絞める力が強くなる。
「ちーーー」
「地獄へおちろっ」
石黒の後ろから声がした。ひとみはみる。真希のスポークが石黒の耳に刺さっていた。
「あああああ・・・」
石黒がひとみにもたれるように倒れてきた。
「真希、死んだふりしてたのか?」
「敵をだますには味方からっていいますからね。」
「わかったからこいつをどかしてくれ重い。」
24 名前: 投稿日:2003年01月28日(火)01時31分41秒
6.

ハァハァハァ・・・息の切れる音が林の中に溶け込む。
UFAの殺し屋、飯田圭織は福田明日香に追い詰められている。
「飯田、裏切り者の末路は解ってるんだろうね。ゆっくり嬲り殺してやるさ。」
「ちっ・・・」
福田の右腕には熊手のような武器がつけられている。それで飯田の胸のあたりに十字の傷を負わせた。
胸に鮮血が滴る。
(くっ・・・・)
「まだまだ・・・簡単に殺しはしないよ・・・」
プッという小さな音が聞こえた。福田はそれに敏感に反応する。
左の手で飛来物を落とした。それは真希が遠くから放った吹き矢であった。
そこに一瞬の隙が生まれた。飯田は素早く己の内股に隠していたナイフにてをやり
福田の左眼にナイフを投げた。そしてそれは正確に明日香の目を貫いた。
25 名前: 投稿日:2003年01月28日(火)01時32分12秒
「ぐわっ・・・」
福田が悲鳴をあげた。飯田は素早く窮地を脱出した。
福田はあたりの状況を確認する。
「貴様ら二人がここにいるということは彩がやられたということか・・・」
三方向から福田は囲まれている。
「まあいい・・・今日は引き下がるとしようだが今度あった時が貴様らの最期だ。」
福田はそう言うと林の中に消えていった。
26 名前: 投稿日:2003年01月28日(火)01時32分43秒
7.
「あんた何者だ?」
ひとみが言った。
だが飯田はそれに答えない。無言のままくるりと背を向け
その場を立ち去っていった。
27 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月11日(火)23時25分29秒
(0^〜^0)<かっけー
28 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時20分40秒
CHAPTER 3
1.

「明日香っあんた飯田をうちもらしてきたらしいな。」
静かな声だった。その声の主は背は小さい。だが数々の
修羅場をくぐってきたであろうという事はその目が物語っている。
名は矢口真里といった。
「すみません邪魔が入りまして・・・」
「言い訳は聞かないよ、そいつらは中澤の所の兵隊だっ!”黒い娘”
 というね。」
「では里田を殺ったのも・・・」
「そう・・やつらだ。」
「申し訳ありません・・・今度こそ・・・今度こそ仕留めます。」
「今度はもっと腕の立つ奴をつけてやる。だが・・・今度しくじったら
 お前の命も無いぞ。」
「肝に命じておきます。」
福田はそう言うと部屋から立ち去っ
29 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時23分40秒
2.

「小川ッ」
矢口がいった。ギイとドアが開き娘が入ってきた。
「はい・・・」
「貴様、明日香についていけ。いいか?全員殺せ。」
「はい。」
その娘は感情など無いかのように淡々と答えた。
「あと・・・奴をつれていけ。」
「奴ですか?」
「そうだ、あのお方は失敗は許さない心していけ。」
「はい」
30 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時24分16秒
3.

福田は再度真希達を討つ準備に入っていた。
今度しくじったら命がない。福田にも焦りがあった。
「UFAの偉大な殺し屋、福田さんもヤキがまわりましたかな?討ち損じた
 だけでなく左眼まで失うとは。」
福田は後ろをみる。そこに娘がいた。小川麻琴であった。
「貴様ッ・・・」
福田は胸倉をつかんだ。
「まあ、そんなに怒らないで下さいよ。あなたが死なないように
 あたしが呼ばれてきたんですからね。」
「貴様などいなくてもあたし一人で充分だ。」
「ふふ、しかし組織はそう思ってない。あたしの他にも奴をつれていけ
 といわれましてね。」
「奴をか?」
「そう、奴をです。」
31 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時24分53秒
4.

ひとみと真希は東京にある中澤の教会に帰る途中であった。
真希が旅を続けていたのは、自分と同じ”黒い娘”を探し出せ
という中澤の密命を受けてのものであった。それはひとみも同様であった。
しかし中澤からすぐに戻ってこいとの連絡をうけ東京に向かっている
途中であった。その途中で大きな湖があった。
真希とひとみはそこで休憩を取ることにした。
「ふー、まったくいい天気だな真希!」
「ええ」
「刑事をやってた時はこんなにのんびりしたことは無かったな。」
ひとみは、もともと刑事をしていた。しかし上層部のUFAとの癒着を
目撃しそれがきっかけで命を狙われることとなり刑事の職を捨てざるをえなくなってしまった。
吉澤自信は命を落としそうになったが真希に命を助けられた。
それ以来真希と行動を共にしている。
32 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時25分24秒
5.

「ん?」
真希が異常に気づいた。
「どうした?」
「吉澤さん・・・気づきませんか?」
「そういえば・・・」
二人は湖の湖畔でくつろいでいた。遠くで遊んでいる人の姿を何人か見たが、ほんの数刻の
間に人の気配が完全に消えていた。
そして二人は自分達を取り囲む気配に気づいた。それは人間の物ではなく爬虫類のそれであった。
33 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時25分58秒
6.

二人を取り囲んでいたのは蛇、それも毒蛇であった。
「でて来い外道っ!」
真希は臨戦体制をとりそう言った。
ひとみもまた構えていた。
円を書くように取り囲まれた蛇の大群の外に真希は敵の姿を確認した。
福田明日香、小川麻琴であった。
「久しぶりだな、この前の借りを返してもらいにきた。」
福田がいった。
「もう貴様らの命はないよ、あたしの可愛い蛇がお前らを白骨にしてくれるさ。」
小川がいった。小川の手には特殊な笛が握られていた。小川はそれを吹き
蛇を操っていた。笛の音と共に蛇が隊列をつくり、二人に襲い掛かった。
「くっ」
「ちーっ」
真希とひとみは必至に襲い掛かる蛇を振り払う。だが何百匹という蛇全てを
裁くのは、容易ではない。疲労も蓄積する。
34 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時26分28秒
「はははっどうした?気を抜くと噛まれるぞ!」
福田が氷の微笑を浮かべている。
「本番はこれからさ!」
小川の音色はさらに妖しい響きを奏ではじめた。
二人はなおも蛇を打ち落とす。
「はあーっ」
ひとみの手刀が蛇を打ち落とそうとした瞬間、ひとみは砂地に足を取られた。
(しまった・・・)
ひとみの首筋に蛇の牙が襲い掛かった。
35 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時27分08秒

7.

シュッ
ひとみの首筋に牙が刺さろうとした瞬間蛇の頭をナイフが貫いた。
さらに次々と飛んでくるナイフが蛇を正確に切り刻んでいった。
「でたな裏切り者。」
福田がいった。
その視線の先には、飯田圭織がいた。
なおも圭織はナイフで蛇を切り刻んだ。
「貴様〜〜〜あたしの可愛い蛇を・・・許せねえ。」
小川は血管がうきでているほどの怒りを感じている。
「蛇を使って人を殺るとは、うすぎたねえお前らしい方法だな」
「ほざけ〜」
36 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時27分53秒
「どうする?この蛇は貴様を殺れば四散する。ここからお前の頭を狙うか?」
「飯田〜〜〜っ!なぜ貴様がこいつらに加勢をする?」
 福田が言った。
「この間はこいつらに命を助けられたからね。借りを返しにきた。」
「できるのか?」
「なに?」
「ここをどこだと思ってる?」
福田はそう言うと親指で湖を指した。
「まさか・・・・奴が来てるのか?」
「そうだ!水の悪魔がね」
37 名前: 投稿日:2003年02月18日(火)00時42分13秒
とりあえず更新してみました。
ゆっくり書いてみたいとおもいます
38 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月29日(火)07時26分05秒
ほぜん

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