ごまかご小説

1 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時01分08秒
基本的に短編ばかりになると思います。
CPは基本的に「ごまかご」。他のも書くかもです。
前スレはこちら。「I WISH」というそれなりの話。
http://m-seek.net/cgi-bin/read.cgi/green/1032707925/

上記スレに載せた短編が途中で切れてしまったんで(爆
最初から載せますです。よろしくです。
2 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時02分26秒


            「たいせつなもの。」



3 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時02分59秒

「モーニング娘。をこれからも応援して下さい!」
ワァァァァ…。

巻き上がる歓声、止まない「ごっちん」コール。
横浜アリーナに駆けつけたファンたち。
そして、ステージで彼女を送り出すメンバーたち。
「ありがとう!“モーニング娘。”の後藤真希でした!」
後藤は背中を翻すと、中央の階段を駆け下りてステージから去った。
たった、一人で。
9月23日、後藤真希はモーニング娘。を卒業した。
涙に笑顔とでも言うか。
メンバーの全員が、彼女の新たな門出を心から祝った。

ただ一人、加護亜依を除いて。

4 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時03分52秒

「あいぼん、元気ないねぇ」
「う〜ん。ごっちんがいなくなってから、ブルー入っちゃってるよね」
顔を合わせて、「ふぅ〜」とため息をつく石川と吉澤の二人。
加入してから今まで、ずーっと加護を見てきた二人だ。
いつも元気なお子様キャラで通ってる加護。
今までは落ち込むことはあっても、テレビに映ればいつもの元気キャラを演じていたのに。
今回ばかりは、少し違った。
楽屋でも一人っきりで端っこに座っていたり、
テレビ収録でも、カメラに映っていない時は笑ってすらいなかった。
「プロ根性がなってない」、と先輩の矢口や保田は叱ったけれど、
今の加護には何を言っても無駄に等しかった。
上の空で、聞いてるのか聞いていないのかも分からない。
保田が声を張り上げて、ようやく「え!?」と驚きの声をあげる始末。
誰にも、どうにもできなかった。
保田や矢口、リーダーの飯田にも、親友の辻にも。

後藤が卒業してから、加護の笑顔はめっきり減った。
5 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時04分26秒

「うそつき…」
控え室の端っこ。
ケータイの裏に貼ったプリクラを見ながら、呟く加護。
プリクラには、加護と一緒に映る後藤がいた…。

(あーあ…あの頃が、懐かしいなぁ…)
加護は深くため息をつくと、少しだけあの頃の思い出を振り返った。

言わずと知れているが、後藤は加護の教育係だった。
小学校を卒業ばかりで、礼儀の一つも知らない加護に、
芸能界の礼儀のいろはを教えていたのが、当時14歳の後藤真希だった。
加護にとって後藤は、「モー娘。」に入る前からの憧れの存在。
話をするだけでも嬉しくて、「後藤さん」「後藤さん」と言いながら、
いつもいつも後ろをチョコチョコとつけては、怒られていたっけ。
それから、ずーっと姉のように彼女を慕っていた。
「後藤さん」という呼び方が、「ごっちん」に変わったり、
かつての憧れの存在を、冗談交じりでバカにするようになったけれど。
それもこれも、彼女への「愛慕」だった。

『大切な人』だった。
目を閉じると、あの人の色々な姿が浮かんでくる。
6 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時04分57秒

「かごぉ〜」
「かごー、“真希ちゃんです♪”ってやるから、“加護ちゃんです♪”やってちょ」
「かご。歌はいいね。歌を歌うと、気分がよくなるんだ」
「あー。かごォ、あたしのお菓子食べたっしょ」
「だいじょーぶ。泣くよりも、もっと練習しよう。ね」
「今日はうち泊まりおいで、ね」
「かご。ほら、早く早く!!」
・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

大好きだった。
先輩であり、姉だった。
一緒にたくさんバカなコトもやった。
一緒に歌った。
一緒にご飯食べた。
レッスンで怒られた時は、一番に慰めてくれた。
ホームシックで泣いた時は、一緒に寝てくれた。
もたもたして遅れても、必ず最後まで待っててくれた。

だから、後藤の卒業を聞いた時は涙が止まらなかった。
7 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時05分36秒

多分、今までの人生で一番泣いた。
モー娘に入った時より、レッスンで怒られた時より。
悲しいことがあっても、全部耐えてきたけれど、
今回だけはさすがに耐えきれなかった。
裏切られたとも思った。
「後藤は辞めないから」って言ったのに。
「嘘嫌いだもん」って言ってたのに。
事務所の決めた事だとは知ってても、責めずにはいられなかった。
だけど、本人に問い詰めようとした時に後藤が言った。

「かご。笑えよー。たいせつなもの、忘れないで」

たったそれだけ。
他の言葉は何も言ってくれなかったけど、たったそれだけ。
何もかも見透かされているように、後藤はそう言った。

(笑えないもん…)
そりゃ、確かにステージ上やテレビの前では笑ってみせたけど。
本気で心から、彼女の卒業を喜んだ訳ではなかった。

加護はケータイを乱暴に机に投げつけ、それからポケットにしまうと、
椅子をガタリと倒して立ち上がった。
そして、これまた乱暴にドアを開け閉めして出て行った。

「あっちゃー…こりゃまた、ご機嫌斜めだね」
「矢口さん、あいぼんの前で言ったらダメですからねー」
加護が乱暴に閉めたドアを、矢口と辻が見つめていた。
8 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時06分09秒

来週のスケジュールをチェックした加護は、ため息を吐いた。
来週は、「ハロモニ」の収録がある。
…そこには、「番組を卒業できなかった」と称される後藤ももちろん来る。
収録中には、「仲良さそうな姿」を演じてみせたけれど、
実は後藤が卒業してから、一度も普通に喋っていない。
もう、1ヶ月は余裕で過ぎようとしているのに。
だけど加護は、後藤の口から「ごめん」と一言謝るまで、
許す気は毛頭なかった。
もっとも、後藤からそんな言葉が聞けるとは思ってないが。

「ふんだ…。大ッ嫌い」
部屋に貼られた後藤のポスターを、思いっきり殴った。
「バカ…バカぁ〜…」
そのまま、涙をこらえながら走り去って行った。

その様子を見ていた者がいたとも知らずに。

ケータイにメールが入った。
「!!!」
ケータイが鳴るたび、いつも少しだけ期待してしまう。
だけど、すぐに、それを否定してしまう自分がいた。
案の定、後藤からのメールではなかった。
9 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時06分43秒

『ヤッホォ→♪あいぼん、元気ィ☆
 今度ネェ、あゃゃとミキティと、ごと→san☆でunit組むコトになったYo!
 「ごまっとう」(笑)っていうのダ☆応援してNE〜』

メールの送信者は、あややこと松浦亜弥からだった。
「三人祭」のシャッフルユニットで一緒になった松浦とは、
今でもよくメールや電話したりする。
自分の大好きな友達の一人と言っても、過言ではない。
その松浦が、卒業した後藤と…。

加護は、松浦のメールを無視した。
普通のメールだったら返信する気にもなったけれど、
よりによって後藤とのユニットの事が書かれたメールなど…。

もう、何もかも敵になった気がする。
モー娘を卒業したくせに、新ユニットなんて。
ふざけるのもいい加減にしろ。と思った。
卒業したくせに、ユニット…?

(ん?)

そう思った時、とある人物の顔が浮かんだ。
さっきの部屋に、貼ってあったポスター。
三人組のユニットで、真ん中に女性で両脇に男性二人。

そうだ。
何で今まで思い浮かばなかったんだろう。
10 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時07分23秒

市井紗耶香。
元モー娘の先輩で、悪いけど今はパッとしないバンドユニットのボーカルをしている。
ショートカットの印象が強い。
それから、後藤の教育係。
ずいぶん昔、後藤がよく「いちーちゃん」って言ってた。
「卒業したくせに、新ユニット」に所属している人。
しかも、後藤の教育係だった人。
……。
加護は一人で大きく頷くと、早速決心した。
相談するなら、彼女…と。

ところが、市井のケータイの番号を加護は知らない。
入ってすぐにいなくなってしまったので、そんなに親しくもないのだ。
もっとも、後藤とは親しいみたいだけど。
他に市井に親しい者といえば…。
オリメンの安倍や飯田だろうか。
あの二人とは、ちょっと話し辛い。
ならば、矢口はどうか?
…矢口はそういうところに鋭いので、きっとバレてしまう。
と、なると。
「保田さんだ!!」
加護はすぐさま、今歩いてきた廊下を引き返した。

ところがどっこい。
保田の所に行く必要はなかった。
11 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時07分56秒

「ヤッホ、加護ちゃん。今度はどこ行くの?」

能天気な声が聞こえた。
聞き覚えのある、その声。
まさに今、会う約束を取りつけようと思っていた人物。
「あ、あ、市井さん!?」
目の前に、市井本人が…いた。
驚いた加護だったが、実は市井はさっきからずーっと加護を見ていた。
もちろん、加護は気付いていなかったけれど。

二人は、ロビーのソファに並んで座った。
缶コーヒーと、オレンジジュースの二つの缶を握った市井。
両方とも差し出したが、オレンジジュースをさり気に薦めているようだ。
もちろん、加護がコーヒーを選ぶ事はないとお見通しだった訳だが。
案の定、加護はオレンジジュースを受け取った。
「それで、私に聞きたいコトって?」
「え…あ…」
「ま、言わなくてもわかってるけどね」
「あ、あの…」
「ん?」
喉の奥から絞り出した声に、市井がニヤニヤした顔で反応した。
「あの、市井さんは…」
「うん?」
「市井さん、今日は何でここにいるんですか」
加護の目は、そっぽを向いていた。
その様子を見て、市井はすぐにそれが「嘘」だと気づく。
それは彼女が、何度も“それ”を見てきたからだった。
12 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時08分45秒

「本当に、わかってるよ。あの2人は。
 あんたのコトも、後藤のコトも、私のコトも」
「え?それって…」
市井の言葉の意味がわからず、加護は何でもいいから、
とにかく食らいつこうとしたのだが、結局その言葉は遮られた。
「おっと。君にはまだわからないコトだよね。
 わかってたら、後藤の気持ちに気づくコトくらい、簡単だもの」
「あ……」
加護は結局何も言えず終いで、市井だけが一人で喋っていた。
段々、自分が惨めになってくる。
話せば話すほど、自分の無力さが痛い。

苦悩の表情を浮かべていた加護に、市井はあのニヤニヤ笑いで笑って見せた。
そして、加護のお団子頭をポンポンとなでると、
ニヤニヤ笑いを、優しい微笑みに変えて言った。
加護はちょっとだけそれがイヤだったけれど、
そのちょっとの中に、市井の優しさを感じた。
「まあ、私も大人になった今だから言えるのだけどね。
 後藤のコトも、きっと私よりあんたの方がよく知ってるだろうよ」
「え?」
「だって、私よりあんたといた時間の方が長いんだからさ」
「あ……」
「後藤から、何教わってきた?」
「え?」
市井が缶コーヒーを、一口だけ口にした。
13 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時09分19秒

加護は困った顔でしばらく悩んだ末、
時々詰まりながら答える。
「えっと…挨拶とか…礼儀とか」
加護の答えを聞いて、市井は頭を掻いた。
期待してた答えとそれが違ったから。
どうやら、子供の加護には、ストレートな意味でしか伝わってなかったらしい。
市井は苦笑すると、もう一度加護に言った。
「難しいなら、後藤から教わって一番心に残ってるコト…言ってみ。
 それも難しいなら、後藤の好きなところ全部挙げてみな」
「え?…えっと…。
 ごっちんは、加護に“笑え”って言った…。
 あと、ご飯一緒に食べたし、歌も歌った。泣いたら怒りながら一番そばにいてくれて…。
 あと、あと…」
加護がそれを一つ一つ挙げてゆく度、市井は満足そうな顔で頷く。
「ふふふ…。教えてあげよっか。
 それね。全部あたしが教えたんだよ、後藤に」
「え?」
「直接教えたワケじゃないけどね。あたしが、今まで後藤にしてきたコトさ」
「あ……」
(市井さんは…ごっちんの教育係だったんだよね…)
14 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時09分54秒

「だけど、“今の”あんたのような後藤を私は見てきた。
 だから、私がここに来たんだ」
「あ……」
加護はやはり、ほとんど何も言えずにいる。
それは、反論できないという事ではなく、妙に納得してしまったからだ。
市井の言葉の意味が、痛いほど解った。
自分の中に出ている答えを、まるで市井が一つ一つ引き出してくるように。
自分から、何かを聞くより、彼女にすべてを委ねてしまいたかった。
いちいち考えるより、この人が答えの全てを持っている気がした。

だけど、これだけは聞いておきたかった。
むしろ、それを聞くために市井に会いに行こうとしたのだから。
「…市井さんは」
「ん?」
「市井さんは…」
「どした?言ってみな」
加護は内心焦りながらも、グッと拳を握ると、
意を決して市井に向き直った。
「市井さんは、ごっちんと離れるのが、寂しくなかったんですか…」
「ふ〜ん」
市井がまた、例のニヤニヤ笑いをした。
もう、何もかもお見通しって訳だ。
15 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時12分40秒

市井の卒業が決まった頃の後藤を思い出した。
今よりずっと子供で、ずっと泣き虫だった後藤。
加護の前では決して涙を見せなかったけれど、
本当は誰よりも泣いていたのを、加護は知っていた。
そして、その頃の後藤は、やはり自分と同じように
市井へ「裏切り」を感じていた。
今になって、その気持ちが少しだけわかる。

だけど、わざと市井は悪戯っぽい悪顔をしてみせた。
「私の意見を聞いても、後藤の気持ちは解らないんじゃない?
 後藤に、聞いてみたら」
「あ……」
「それじゃあ、私レコーディングがあるから、もう行くね」
市井は立ち上がったけれど、加護は座ったままだった。
結局、何も言い返せなかった。
なんて、子供なのだろう…と一人でショックを受けていた。
立ち上がった市井は、背を向けながら加護に言い残して行った。
「加護ちゃん。あんたはそっくりだよ、後藤に」

仕事を終え、加護が自宅に帰って来たのは午後8時。
今日は新曲の収録が一本あっただけだったので、
比較的早くに帰路につけた。
心配した矢口や辻が、「ごはん食べに行かない?」と誘ってきたけれど、
今日は一人になりたい気分だったので、丁重に断った。
16 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時13分18秒

ベッドに寝転がり、今日の事を思い返す。
「…市井…さん」
悔しい。
何もかも、見透かされた市井に対して。
何もできない、自分に対して。
(音楽でも聴こう…)
加護は立ち上がると、CDラックの中からCDを取り出した。
最初の一枚は、「愛のバカやろう」。
後藤のソロデビューの曲。
CDコンポの取り出しボタンを押すと、DISK1にCDをセットした。
そして、ベッドに寝転んでから、リモコンの再生ボタンを押した。

『愛のプライドなんて もう捨ててしまえ
 時間は過ぎてく 嫌だよサヨナラ』

後藤のモノマネをして、何度も歌った曲。
「亜依のバカやろー」なんて冗談も言ったっけ。
今この曲を聴きたかったのは、何でだろう。

加護は1コーラス目が終わると、リモコンを再びピッと押した。
17 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時13分54秒

ウィィン…という音をたてて、CDコンポの中でCDが入れ替わる。
やがてキュルル…という音がして、
「コングラッチュレーション!」というセリフから曲が始まった。

『AH〜感謝してます
AH〜たくさん心配
 AH〜かけてごめんね』

2枚目は、「ハッピーサマーウェディング」。
加護の『デビュー曲』だ。
この曲を、何度も後藤と一緒に歌った。
この曲があったから、後藤とも仲良くなれた。
思い出す、あの頃の事…。

最後に「I WISH」。
後藤がメイン、加護がサブを取った曲。
そして、加護が一番好きな曲。
最後に歌った時は、手をつないで歌ったっけ。

『でも笑顔は 大切にしたい
 愛する人のために』
18 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時14分26秒

・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

湧き上がってくる、切ない想い。
けれど、決してそれは痛みではないはずだった。
時に甘く、時に優しい痛みだった。
決して、癒えない傷じゃない。
大丈夫、全部自分次第。

「ごっちん…」

加護は、ベッドからすぐに立ち上がってケータイを取り出した。
その瞬間に、後藤へコールしていた。

「○○の近くの公園で待ってる」

我慢、できなかった。
会いたい。
ごっちんに会いたい!!
それだけの想いが、加護を少しだけ素直にさせた。
19 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時15分37秒

夜の公園に、芸能人が二人いた。
周りは暗いし、まさかこんな所にこんな二人がいるとは誰も思わないだろう。
だから、加護と後藤はベンチに座っていた。
深々と帽子をかぶって。

「なんだよ加護ォ。さっきから黙っちゃってさー。
 こんなトコに呼び出してー」
「………」
「加護?何さ。あんたまだ怒ってるの?」
「………」
「も〜。子供なんだからさぁ」
「市井さんに会った」
「え〜?なんでさ。なんで加護が市井ちゃんに会うのさ〜?」
「………」
「加護…。黙ってちゃ、わかんないよォ」
後藤が心配そうに、加護の顔を覗き込む。
けれど加護は、泣きそうな表情を見られたくなくて顔を背けた。
それが強がりだという事を、自分でもわかっていた。

20 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時16分36秒

「加護ォ?」
「…ごっちん。市井さんが卒業する時、どんな気分だったの」
「んあ?そうだねぇ」
後藤は加護の言葉を聞くと、宙に視線を浮かせて、
あれこれと昔の事を思い出そうとしていた。
(なんだっけ…。よく覚えてないんだよなー…実は)
ところが、記憶力のあんまりよくない後藤は、
それほど何も思い出せなかった。
「んっとォ…。多分、悲しかったとは思います。ハイ」
「そうですか」
「うぃ。…なんで?」
「なんでって…別に…」
「ふ〜ん?」
加護は、困惑した顔でまたまた顔を背けたが、
今度は後藤がしつこく覗き込んできた。
「そんな顔するなよぉ〜」
そして、後藤は加護のほっぺたをムニッとつかむと、
ぐいぐいと左右に引っ張った。
「あにするんらよぉ」
「あはは。変な顔〜。かごはカワイイなぁ〜」
後藤は加護のほっぺたから手を離すと、
そのままの勢いで、今度は加護を頭ごと抱きしめた。
21 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時17分10秒

いきなりの事態だったので、加護はちょっと赤面しつつも、
その体を必死に離そうとした。
けれど、その手には力は入っておらず、後藤の体が離れるどころではない。
「苦しいっ…」
「いいじゃん。嬉しいくせにぃ」
「…そ、そんなコトないもん…」
その割には、後藤の体を突き放そうとする手に、
力は入っていないのだが。

「かご」
「…ん…」
「ごめんね」
「………うん」
「……………」
「…何か言ってよ…」
「ごとーはぁ、かごのコトずーっとダイスキ」
「…うん…。加護も、後藤さんが大好きです」
「だからね」
「…うん…」
「会えないワケじゃないんだしさぁ」
「…うん」
「そんな顔すんな」
「はい…」
「約束だよ?」
「…約束?」
「約束」
「…うん。約束」
22 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時17分40秒

抱きしめ合った二人の小指と小指は、絡まり合っていた。
そして、二人とも極上の笑顔で、しばらくそのままでいた。

ああ、なんで気付かなかったんだろう。
二人は同じ気持ちだったのに。
寂しいのが自分だけだなんて、あるはずないのに。
私は子供だ。
この人の、こんな温かさが、こんな時じゃないとわからないなんて。
いつだって、待っていてくれたのに。

ゴメンね、ごっちん。
23 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時18分14秒

* * * * * *

「のの〜。“ごまっとう”がテレビ出るよ!!早くつけて!!」
「おっけぇ〜」
辻がリモコンのボタンを押したと同時に、テレビがパッとつく。
丁度、後藤がアップで映し出されているところだった。

『寂しくないよ、寂しくなんかないよ
 寂しくなんかないよ ないよ』

「結局、何も変わらないってコトだよね」
「ん?」
「なんでもない!こっちのコト!」
24 名前:短編「たいせつなもの。」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時18分47秒

加護は笑った。
ただただ、笑うだけで全てが楽になれる。
そう、そういう意味だったんだ。
「笑っとけー」って言った、彼女の言葉。
何よりも、誰よりも大切な彼女の言葉。
そう思うだけで、強くなれる。
これからも、頑張ろうって気になれる。
ねえ、ごっちん。
大切なものは、この胸の中にしまってあるよ。
時々、辛くなったり痛くなったりするけど…。

ありがとう。
これからもよろしく。

『お疲れ様!ごっちんダイスキだよ☆
 遅くなったけど、心から卒業おめでとー!
 応援しています。あいぼんより』

そのメールを見た後藤もまた、極上の微笑みを浮かべていた───。

おしまい。
25 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時24分10秒
どもども、作者ですー。
前スレ、悲惨なコトになってますねw
これ載せて、あっちのスレは綺麗に終わらせたかったんですが。。。
残りレス数ばっかり考えてて、サイズ忘れてましたw
ということで、新スレ。
書きたい時に書かせていただきます。
基本は「ごまかご」。(「かごま」とも言いますが、「ごまかご」が私的にこだわりw)
でもたまに他のCPも書くかも。
最近ハマってるCPといえば、いしごま、やぐごま、みきごま、あやごま、ごまっとう、あいあい…。
うわ、ごっちんばっかりだwww
いえ、ウソです。他のCPも書きますが、やっぱりごまかごを。

長編ものも書く予定ですが、それは別板でやらせていただきます。
こっちは短編用に。
26 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時28分45秒
ということで、あとがき(←あとがき好きなヤシ)

「たいせつなもの。」ですが、珍しくリアルものです。
話題が随分古いですけどね(爆
ごまっとうどころか、ミキティ加入ですけどね、今の話題は(汗

市井→後藤→加護という話が書きたくて書きたくて。
(実はこのホットライン、作者の「娘。内」推し推移であったりする)
文章力も構成力もないですが、それはいつものことなのでもうしわけ。
自分では案外気に入ってます。

こんなノリで、次々書いていくのでみなさまよろしくですます。
27 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年01月12日(日)05時41分43秒
川o・-・)ノ新スレキター
28 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月13日(月)03時42分31秒
短編キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

しかし前スレ最後まで読んでアセりましたがな。
まんまなスレタイだったからすぐ見つかったけどさ(w

p.s.「笑わん姫」、結構笑ってましたね。
29 名前:ちゃぁみぃ後藤 投稿日:2003年01月13日(月)06時50分34秒
ごまかごキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
新スレおめ
確かに前スレはひどい事になっているね(w
リアルなごまかごも.。゚+.(・∀・)゚+.゚イイ!
30 名前:ごまかごだいすっき 投稿日:2003年01月14日(火)02時19分47秒
新スレおめでとうございます。
ついに、ごまかご専属としてデビューですか?(w
ごっつぁむさんのほのぼのなごまかごには期待してます

ていうか、ごっつぁむさんと趣味被りまくりだ・・・
31 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月15日(水)03時19分24秒
遅くなりましたが、新スレおめでとうございます
これからもごまかごが読めるんですね〜嬉しいです
32 名前:短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時18分04秒


          「最強ユニット結成!?」


33 名前: 短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時20分38秒

「ええええ!?新ユニット!?」
さすがに、ごとーもビックリしちゃったよぉ。
だって、また新ユニット作るって言うんだからさぁ。
ごまっとうの次は何だぁ?
確かにごとーはビミョーに売れてないけどさぁ。
売る気もないんだから、売れないって言われてもしょうがないよ。
ごとーだって悲しいんだからね。
梨華ちゃん風に言えば、「そんなの悲し過ぎるッ!」ってとこだよねー。

ということで、ごとーは新ユニットを作るコトになりました。

「ああ。それでな、そのメンバーなんやけど…」
つんく♂さんも大変なんだなぁ、って思ったよ、ごとー。
顔なんかやつれちゃっててねー。
もう直視できないくらいキモ…じゃなくって、疲れてそうだよー。
んで、メンバーは誰なんだろう?
娘。に一日復帰とか?
いや〜ん、そんなのいやぁぁぁぁぁー!!!
やぐっつぁんや圭ちゃんが言ってたもん。
そんなコトになったら、インターネットとかで、
「魚カコワル!!」とか、「ごっちんキター」とか書かれちゃうんだよぉ。
悪いのはごとーじゃないもぉぉぉぉん。
34 名前:短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時21分41秒

ごとーが頭ン中でグルグル考えてたら、
ごとーの真後ろのドアがコンコンコン、って鳴った。
そんで、つんく♂さんが「おぉ、入れ」って言ったらドアが開いた。

「失礼します」
ん?聞いたコトある声だぁ。

「おぉ、後藤。コイツと組んでもらうで」
「んあ…」

ごとーが振り向いた先に居たのは…。

「ごっちん!?何でいるの〜?」
「んあ?かごー」
そうだよー。入って来たのは加護だったんだよー。
なんだ、ごとーは加護とユニット組むんだぁ。
そんなの素敵すぎるよー。

「そういうワケでな、後藤に加護。
 お前らユニット組め」
「ええぇぇぇ!?何でですかぁ?」
加護ってば、今初めて話聞いたのか、
すっごいビックリしてるよー。
ごとーだってビックリだよー。アハハハハ。

35 名前:短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時22分14秒

「ええか。お前ら二人を選んだ理由やけどな…」
「はい」
「んあ」
「お前ら二人のコンビは、ファンに人気があるんやで」
ふーんそーなんだぁ。
ごとーと加護のコンビが、ヲ…じゃなくて、ファンに人気あるんだぁ。
それって何か、すっごいキショ…じゃなくて、嬉しいなぁ。
「そんだけの理由ですか?」
「おう。じゃあ、後は二人でテキトーにミーティングしててくれや」
「はーい」
「んあ」
そう言われて、ごとーと加護は部屋を出ました。
ドア閉めるとき、つんく♂さんが「ごまかごイイ!!イイ!!」とか言ってたのは、
多分、うちらのユニットの歌の歌詞だと思うよー。
アハハ、また変な歌詞だね。

「ビックリしたぁ。加護とごっちんでユニットなんて」
「んあー。ごとーもビックリだよー。アハハハ」
ホントホント。ごまっとうもビックリだったけど、
こんな展開もビックリだよー。
「じゃ、取りあえず…どうしよう?」
「さあ?」
「……………」
「……………」
「帰ろうか」
「うん」
その日は、ごとーはあいぼんと♪手を握って〜
帰ったよー。アハハハ。
36 名前:短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時23分34秒

次の日から新ユニットに向けてのレッスンが始まりました。
ユニット名は「ごまぼん」。
またまたイカレた…じゃなくって、ちょっと変な名前だけど、
つんく♂さんっぽい名前だなーと思ったよ、アハハ。

そうそう、「ごまぼん」のデビュー曲も決まったよ。
「美しき師弟愛」って曲だって。
もう、ごとーあんまりにもアレなんで思わず泣きそうだったよ。
…あ、えっと、嬉しかった意味だよ。うん。
それから、C/Wが「I WISH(ごまぼんバージョン)」だってさぁ。
アハハハ、つんく♂さん、これがやりたかったんだろうなぁ。
だって、今の「I WISH」はコネ…ううん、新垣が歌ってるもんね。
もうごとーの歌じゃないもんねー。
37 名前:短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時24分04秒

あ、そうそう。
その週のうちにニュースもやってたよ。
「ごまぼん結成!!」ってな具合にねー。
「最強師弟ユニット!」とか見だしになってたなぁ。
そういえば、圭ちゃんがごとーの顔みるなり、
「ごまかごユニットキター」って言ってたんだけど、
アレって何かのおまじないかなぁ。
あんまりの迫力だったから、ごとーってば、
思わず吐き…いや、思わず泣きそうになっちゃったよ。
そうそう、その後やぐっつぁんにも会ったんだけどね。
「ごまかごイラネ」って言ってたよー。何だろー。
まあ、とにかく話題になったワケですよー。
「ごまぼん」。
38 名前:短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時24分47秒

色々、陰で言われてたのも気になったけどねー。
「また金目当てのユニット」だ。とか。
「ごまかご萌え」とか言うのは意味がわからなかったけど。
でも、加護は言ってくれたんだぁ。

「加護はぁ、ごっちんと一緒なら何でも楽しいよ」
ってねー。
ごとーってば、あいぼんがあんまりにも可愛かったから、
頭真っ白になっちゃってさぁ。
後で聞いた話では、ごとー、白目剥きながら、
「あいぼん萌えー萌えー」って言ってたらしいよー。
萌えーって何だろうねー?

まあ、でもごとーは何だかんだでしあわせだけどね。
あいぼんとも一緒に居られるしね。
ね。あいぼん。
んあ?そう言えば、ごとーいつからあいぼんって呼んでるんだ?
…まーいっかぁ。

39 名前:短編「最強ユニット結成!?」@ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時25分17秒





「っていう小説を、インターネットで見たんだぁキャハハハハ」
「イヤぁね、またキショヲタよね!どうせなら、“ヤスごま”にしなさいってのよ」
「キャハハ、それもまたキショイ話よねッ」
「んあー?どしたの、二人とも?」
「後藤、ユニットには気をつけなさいよぉ」
「ごまぼんは危険だぞぉキャハハハハ」
「なんのはなしー?」

おしまい。
(こんなオチでごめんなさい爆)
40 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年01月18日(土)00時26分24秒
逝ってきます(爆
全て脳内でできあがった話。
ここまで冒されてるとは…。・゚・(ノД`)・゚・。
41 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月18日(土)15時07分39秒
俺も逝って来る (;´Д`)
42 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月19日(日)01時01分29秒
ごっつぁむって、こんなギャグも書くのねw
でも、いつものようなほのぼのの空気はそのままで(・∀・)イイ!!
43 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年01月19日(日)02時02分49秒

赤板にて、新連載です。
「ホームタウン」。
ファンタジーが書きたいとか言いつつ全然違います(爆
ごまかご共々、よろしく。
44 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月19日(日)22時32分12秒
「ごまぼん」バカうけ〜。
んじゃ赤板逝ってくる!
45 名前:ちゃぁみぃ後藤 投稿日:2003年01月19日(日)22時45分15秒
ダーヤスはごまかごヲタだったのか・・・
赤板も読んだよ。これからに期待
46 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月23日(木)07時36分17秒
赤板連載してるんじゃこっちはもう更新ないのかな・・・
47 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年01月24日(金)00時55分13秒
そんなことないでつよー。
ヒシヒシ書いてるでつ。
そのうちまた、更新するのでチェキってくださいねー。
48 名前:名無し読者 投稿日:2003年01月26日(日)19時33分37秒
マターリ交信お待ちしておりやす。
49 名前:名無しさん 投稿日:2003年01月27日(月)12時26分53秒
更新期待age
50 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月02日(日)00時09分22秒
赤板のも読んでます!
ごまかごの更新も頑張ってください
51 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月02日(日)22時39分07秒
ごまかごで「ちゅう」くらいまでしちゃうのも読んでみたいな〜
52 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年02月03日(月)03時34分42秒
全然載せてなくて申しわけないっす。
でもちゃんと書いてますw

>>51さん
新作に期待してください♪
でもちゅうとか書くのハズかしいんですよねw
だから少ないんです、自分の作品には。

しばらくしたらうpするので待っててね〜
53 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時50分33秒
「ゴメン、今日はちょっと…」
これで、6敗。

私は、また同じように苦笑いを浮かべて、
「そ、そうなんだぁ…えへへ」と無理して笑った。

6回。
今月に入って、ごっちんに断られた回数。

何だかんだで、最近よくごっちんに会う機会が多くて、
それでなくても、自分からごっちんに会いに行く回数が増えた。
だから、毎日のように遊びに誘ってる。
…のに、ごっちんは今月に入ってからパッタリ遊んでくれなくなった。

むぅぅぅ〜〜。
バカ後藤〜。あぅぅ…。
54 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時51分19秒
でも、私は知っている。
ごっちんは、別の用事があって断ってるんだってこと。
しかも、それが他の人とデートしてるってコト。

3回目の負けの時、おかしいなぁと思って後をつけた。
そしたら、ごっちんが突然立ち止まって、
そこで誰かを待ってるみたいだったの。
キョロキョロして、腕時計を見て時間を気にしてたから、
「待ち合わせかな?」って思ったんだけど、
ごっちんが待ち合わせする人って、そんなにいないと思う。

そしたら、ごっちんが誰かを見つけたみたいで、
小さく手を振っていたの。
向こうから走ってやってくるのは…。
いつも見ている人だった。
55 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時52分11秒
マ、マ、マ、マジッスか!?

ガーン!って頭にタライを落とされたみたいにショックだったのは、
それがよっすぃーだったから。

「ハーイ」って、外人が恋人に語りかけるように、
キラキラした笑顔でごっちんに近寄ってる…。
もう、私の頭の中では「赤あげてーあげません♪」ってミニモニ。の歌が流れてた。

何で、何で何でよっすぃーとごっちんがデート(?)してるのー!?
信じられない!マジで!!何でーーー!!!

私がガーンってしてる間に、二人は周りを気にしながら、
仲良さそうに寄り添ってあっちへ行ってしまった。
私は…。
その様子をまだガーンとしたまま見ていた。
56 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時53分23秒
「許せないッ!」
叫んだのは私じゃない。
突然、後ろの耳元でそんな声がした。
「んあ!?」
ごっちん風に驚いてみたけど、声ですぐに誰かわかったよ。
だって、こんな声、一度聞いたら忘れられないもん。
「り、梨華ちゃん…」

私の耳元でキーキー言ってたのは、梨華ちゃんだった。

* * * * *

「ひどいと思わないッ!」
梨華ちゃんと入った喫茶店。
二人とも、あんまり目立っちゃいけないから帽子とマフラーで、
顔を隠している。
でも、梨華ちゃんの声は、知ってる人が聞いたらわかっちゃうんだろーなぁ…。
それなのに、梨華ちゃんは周りを気にしないでキャーキャー言っている。
「何がひどいの?」
「よっすぃーに決まってるでしょ!」
「……やっぱり」
57 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時54分33秒
これは秘密だけど、よっすぃーと梨華ちゃんは恋人同士だ。
このコトを知ってるのは、私とごっちんだけ。

普段から仲の良い二人だから、誰も怪しいなんて思わないんじゃないかなー。
いや、むしろ怪しい…かも?

それはさておき、そのよっすぃーが、ごっちんとデートしている。
そんなな状況を目の当たりにして、
梨華ちゃんも怒らずにいられないんだと思った。
悔しそうな顔をして、私のケータイの裏のプリクラに写った、
浮気相手の顔を睨んでた。
…怖いよ…。

「もう決めたッ!私、あいぼんと浮気するもんッ!」
ハァ?何言ってんねん、ボケ。
…おっとっと、じゃなかったぁ。てへっ。
ちょっとビックリして素が出ちゃった♪
でも、何言ってるんでしょーね、この大ボケは。
58 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時56分06秒
「え、ダメだよ…」
「ダメじゃないもん」
プリプリ怒るな。クソが。(心の声)

「だって…」
「何?」
「…だって、加護…その…」
「ハッキリ言ってよ」
あのなぁ、ここまで言わせるなや。
ハズいっちゅーねん。

「…ごっちん…以外の人はやだもん…」
………。
………。
………。

超超超恥ずかしかった!!!!!
いや。ほんまに。
言った直後に頭がパッパッパッパパパパだぴょーんって感じ。
顔真っ赤になってくのが、自分でもわかった。
59 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時56分47秒
それを聞いた梨華ちゃんはニヤリとして、
「じゃ、これから毎日私に付き合ってもらうからね♪」と言った。

私はまだ恥ずかしくてパニックだったから、
何でそんな展開になってるか気付かなかった…。

* * * * *

ということで、今日。
今日も私は、梨華ちゃんと深夜のファミレスにいた。

「さて、どうやって二人の仲を引き裂いてやろうかしら…ケケケッ」
いやーん…。梨華ちゃん、人格が変わってるよぅ。
何?何やねん!!その五寸釘とか!!
あーマジでめっちゃ危ないわ…。よっすぃーサヨウナラ。
そんなコトもチラッと頭に浮かんだ。
60 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時57分26秒
「今日も、二人でどっか出かけたみたいね」
「…うん…」
注文したミックスピザの半分を、二人で分けて食べる。
いつもなら、ごっちんと半分個して食べるのに…。
何で、梨華ちゃんと半分個してんだろ。

ふと時計を見たら、もう11時50分を回っていた。
あと、10分…。
そしたら、私は15歳になる。

そう、明日は私の誕生日なのに。

「明日、加護の誕生日なのにね…へへっ」
悔しくて、いきなり涙が出てきた。
「あいぼん?」
梨華ちゃんは、ピザを片手にオロオロしていた。
(…っていうか、ピザを置くか食うかどっちにしろってーの…)
61 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時57分58秒
「ごっちん、加護のコト嫌いになったんだ…。
 だから、毎日よっすぃーと遊んで、そんで…。
 だから、加護の誕生日のコトだって忘れてるんだよ…えへ…」
「あいぼん…」
「…アハハ…。だって毎日会えないし、仕方ないよね?
 加護、子供だし、ワガママだし…。
 ごっちん嫌いになっても仕方ないよね?」
「違うよ!そんなんじゃないよ!?ごっちんは!」
「梨華ちゃんに何でそんなコトわかんの!?
 自分だって、よっすぃーにムカムカしてたじゃん!!」

もう、何が何だかサッパリわからなくなってきた。
そんだけ、私は子供だし、頭も悪い。
梨華ちゃんにやつ当たりしても仕方ないのにね。
バカだね、私。
…こんなんじゃ、ごっちんだって嫌いになるよね。
でも、誕生日くらい…覚えてて欲しかったなぁ…。
62 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時58分48秒
「そんなに言うなら、直接聞けばいいじゃない!!!」
「あ、ちょっと…」
いきなり立ちあがった梨華ちゃんは、
私の腕を掴むと、グイッと引っ張り上げた。
そんで、その手を強く握ったまま、素早く会計を済ませた。

何をそんなに梨華ちゃんが怒ったかわからない。
でも、何だか凄く必死になってる感じ。

「こっち」
グイグイ引っ張られて、私は梨華ちゃんと一緒に走る。
どこに行くかわかんない。
けど、梨華ちゃんは休憩もしないで、
全速力でダッシュしていた。

「ここ」
「?」
梨華ちゃんに案内されて着いたのは、マンションの一室だった。
63 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)01時59分59秒
梨華ちゃんの部屋だ。
さっきのファミレスからそんなに遠くないところにある。
っていうのも、さっきのファミレスに誘ってきたのも、
梨華ちゃんの家がすぐ近くだからっていうのもあると思う。

まあ、今はそんな回想してる場合じゃなくて…。

「ほら、開けて」
「え?何で…」
「いいから!」
「うん…?」
言われた通りに、ノブに手を掛けて回した。
そして、ゆっくりとドアを引く。

電気がついていなくて、真っ暗な部屋。
狭い玄関を通りぬけて、リビングに入ろうとしたその時…。
64 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時01分13秒
パン、パン、パン!!!

「え───?」

「あいぼん、誕生日おめでとー!」
「15歳おめでとー」

え─────!?

梨華ちゃんの部屋なのに、出迎えたのはよっすぃーと…。
「おめでと」
ごっちん…。
何で?
どして?
どゆこと?
これってなに?
恋愛ってなぁに?
65 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時01分53秒
「つ・ま・り」
後ろから、梨華ちゃんの声がした。
唇をとがらせて、人差し指をつきたてながら。
ついでに、電気をつけながら。

「こういうコトでしたぁ〜」

え?え?ええええ???
どーゆーコトやっちゅーねん。
わかるかボケカス女ッ。説明せんかッ!
こンのタコ!!

「つまりね、グルだったのさ」
よっすぃーが、私の手を引きながら言った。
隣で梨華ちゃんが、意地悪そうに微笑んでいる。

何素敵なカップル気取っとんじゃボケーッ!!
説明せんかいワレ!!
…とはさすがに言わなかったけれど。

「グ、ググル?ホームページ調べるサイト?」
「何それ…」
66 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時03分10秒
「つまりィ、グルだったんだよー♪ね、よっすぃー」
「うん。梨華ちゃんの大根演技も、なかなか決まってたみたいじゃない」
「あーッ、ひっどーい!」
「アハハハ。怒った顔もかわいいよ?」
「いや〜ん。でもよっすぃーにはかなわないよ…」
「梨華…」
「ひとみちゃん…」

………。
いや、いや〜んってこっちのセリフやん。
説明せんかっバカップル!!
あーあー手なんかつないで…。
もう見てられん。

「って、てかどゆこと…?」
私は、二人を遮るように間に入った。
二人してちょこっとだけムッとした顔を向けたけれど、
そんなん関係ないわッボケッ。

「んー。企画者本人に聞いたらどうよ?」
「そうだねーッ♪」
67 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時03分59秒
「かごー」
ごっちん笑顔だよ。
今日も可愛いなぁ…。
なんて、そんな見とれてる場合ないない。

「ごっちん…どういうコトなの?」

「どういうコトって、こういうコトだよー?
 かごの誕生パーティーだよ」
「え?」

それを聞いて、ようやく私は全部を理解した。

ごっちんとよっすぃーは、パーティーの準備をしていた。
梨華ちゃんと2人はグルで、梨華ちゃんが私の監視をしていた。

そういえば、梨華ちゃんに誘われてはいたけど、
一回もこの部屋に来てはいなかった。

そ、そうだったんだ…。
68 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時04分35秒
「あ…ありがと…う…」
安心したのもつかの間、涙がポツポツと頬を流れた。

「泣いてるー。アハハ」
「バカぁー…最初に言ってくれればいいのにー」
「んあー。だって、驚かせたかったからさー。
 よしよし。泣くな泣くな」
ごっちんは笑顔で、私の頭をギュッと抱きしめた。
そして、ポンポン、と頭を叩いてなでなでしてくれた。

「お前、あたしが浮気したと思ったんだろー」
「ち、違うよッ」
「アハハ。照れるなって」
「ち、違うもん…」
「よしよし、かごがイチバン好きだよー」
「バ、バカ…」

は、恥ずかしいよー。
でも…。

ありがと…。
69 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時05分17秒
「ん?何か言った?」
「ううん、何にも」

「おーおー。ラブラブだねぇ」
「ねッ。フフッ。あ!ごっちん、プレゼント渡さなきゃ」
「あ、そうだった」
梨華ちゃんに言われて、ごっちんは私の頭を抱きしめたまま、
ポケットに手をつっこんだ。

「ほれ」
「ありがとう」

ごっちんが私の頭の上(デリカシーないわッ)に置いたのは、
小さな小さな箱。
ピンクのリボンで包まれている。

「開けてみ」
「うん」

ピンクのリボンを引っ張って、箱をちょこっとだけ開いて見た。
70 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時05分56秒
「指輪…」
「ん」
「可愛い…」

中から出てきたのは、小さな可愛い指輪だった。
見た目的に、超高そう。
うわーうわー!嬉しい!めっちゃ嬉しい!

「ペアリングなんだよー」
目をそむけて、照れながらごっちんは、自分の指を私に見せた。
その小指に、全く同じサイズのこの指輪がはめれている。
「その…。好きな指にはめればぁ…?」
「…うん。ありがと…」
私は、早速その指輪をはめた。

左手の薬指に。
71 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時06分27秒
「あっ。コラ、そんなトコにはめるな!」
「やだよーだ♪好きなトコにはめろって言ったもんねー」
「このヤロー、返せッ」
「もらったもんは返せませーん」
「15歳になってもガキんちょだねーかごは!!」
「ガキ上等!ごっちんだってガキじゃん!」
「ごとーは違うもん。オトナの女性だもん!!」

「おいバカップル見てられませんよ?」
「キャー!恥ずかしい!」
存在すら忘れられたもう一組のカップルは、
ただただ意地悪そうな顔で、私たちを見ていたのだった。

「こら石川吉澤!見るな!あっち行け!」
「いやよー。ここ、私の部屋だもん♪」
梨華ちゃん、そんな目で見ないでよー。
よっすぃーも、エロい目してるよー。

アハハハ…。ホント、嬉しいな。
こんな風にお祝いしてもられるなんて、思ってなかったよ。
バカだったね。
疑ってばっかりで…。
もう少し、オトナにならなきゃね。
72 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時07分06秒
「ねー、ごっちん?」
「んあ?」
「お返しッ!」

チュッ!

「な、な、な、なんだよー」
「あー。照れてるぅ」
「て、照れてなんか…」
「アハハハ…」

笑顔に包まれたハッピーバースデイ。
忘れないよ、ずっとずっと。

この指輪が、外れない限りね♪
ね───。真希ちゃん。
73 名前:短編「なんにも言わずにI LOVE YOU」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時07分46秒


         ★おわり★
74 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時09分07秒
あいぼんさん、おめでとうございます。
これからも頑張って下さいませ。

っていうか、この話書く自分が恥ずかしくてついでにキモくて仕方なかったですw
しかも急いで書いたから、文章がめちゃくちゃ…。
あ、いつものことかw

またそのうち書きますー。
75 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年02月07日(金)02時10分17秒
最初にタイトルいれ忘れてた。・゚・(ノД`)・゚・。
76 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月07日(金)04時35分27秒
うん、確かにものすんごくハズい。
読んでるこっちもハズい。
口元がだらしなーく緩んでしまう。
そんな自分がキモい。
でもやめられない。
「ごっつぁむ」依存症かも…。
赤も見てこよ。
77 名前:名無しさん 投稿日:2003年02月07日(金)15時42分03秒
あぁぁぁぁぁ・・・
ごっつぁむさん、萌え死確定
ごまかご最高最強です
78 名前:ちゃぁみぃ後藤 投稿日:2003年02月08日(土)01時39分23秒
萌えキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
79 名前:短編「SAN TOI MAMIE」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月10日(月)00時08分26秒



    「SAN TOI MAMIE」



80 名前:短編「SAN TOI MAMIE」@ごっつぁむ 投稿日:2003年02月10日(月)00時09分43秒
     「二人の恋は終わったのね。
        許してさえくれない、あなた───。」

81 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時10分14秒
ふぅ…。
小さなため息が、真っ暗闇の部屋に漏れた。
もう一体、どれだけこうしているんだろうか。
永遠にこんな時間が続くのかも知れない。

だけど、あたしは知っている。
もう、時間の感覚などとうの昔になくなってしまっている。
そんなもの、必要ないっていうことも。
82 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時10分54秒
ふぅ…。
何度目かの小さなため息。
数分毎に刻まれるそのため息が、あたしに残された仕事になってしまった。
それ以外、あたしにはもう…何もないのだから。
立ちあがって、この部屋から外へ出ることも───。
街へ出て、誰かの誘いに付きまとわれることも───。
誰かと、楽しくおしゃべりすることも───。
そして、人を愛することも───。

いらない。
もう、何も欲しくない…。
もう、何も望まない…。

後悔ばかりが胸をかすめ、
あたしはただただ、泣き喚き、そして絶望する毎日だった。
83 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時11分30秒
あの頃を思い出せば…。
あの頃に戻ることができれば…。
幾度もそんな空想が頭の中で広がる。
“彼女”との楽しい思い出が、頭の中で甘く蘇えった。
笑顔のあたし。
無邪気な“彼女”。
もう、あの頃へは戻れない。
楽しかった、夢のような日々。
その先に続くのは、希望と愛の溢れた日々だったのだろうか。
それとも、初めからこんなくだらないことになる運命だったのだろうか。

そしてその未来がこれから来ることもないのを痛感すると、
自然と生きる気力すら失ってしまっていた。
84 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時12分12秒
“彼女”は───。
明るい華のように、いつも微笑んでいてくれた。
あたしが振り向けば、必ずそこに居てくれて、
まるで子犬のようにあたしにじゃれ付いてきた。
あたしを姉のように慕い、屈託のない笑顔で笑う。
子供っぽい外見と裏腹に、あたしより二つも年下のくせに、
やたらと大人になりたがっている姿。
そんな姿も、今となっては全て思い出の中にしか存在しないなんて。

大事な人だった。
ううん、大事なんて言葉じゃ足りない。
それよりも、もっとずっと大きな存在。
あたしの全て。
あたしの全てだったんだ。

そう、そんなことに気付かなかったのはバカなあたし。
気付いた時には、もう遅過ぎた。
85 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時12分48秒
─────

あの日、ちょっとしたことでケンカをした。
あまりケンカをしないあたしたちが、珍しく激しいケンカをした。
三日もお互いに連絡を取らなくなった。
意地の張り合いで、ほんの少し優しさが足りなかったせいで。
原因なんて、何てことない、ほんの些細なことだったのに。
その些細なことが、あたしたちを引き裂くなんて思いもしなかったから。
そう。
あたしは、もうすぐに仲直りできると思っていたんだ。
“彼女”が出ていった部屋の中で、ぽつんと独り考えれば。
そう、それだけで、すぐに自分の間違いに気付いたのに。

謝ろうとした。
謝って、思いっきり抱きしめてもらいたかった。
普段は恥ずかしがってやらないけれど、
あの子の胸の中で甘えてみたかった。
それすらも、打ち砕かれるなんて…思ってもみなかった。
86 名前: 短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時13分44秒
謝るべき相手を、あたしは失ってしまった。
87 名前: 短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時14分21秒
もう動かなくなったその体。
ハッキリと直視することができないくらいに、綺麗なままだった。
いっそのこと、ぐちゃぐちゃに判らなくなるくらいに醜くなってしまっていれば、
あたしだってもっと簡単に現実を受け止めただろう。
車にはねられたのに、顔だけは傷一つ負ってなくて、
いつものように「じょーだんだよー」って笑ってくれる気がした。
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、あたしを出迎えてくれる気がした。
そんなことが、起こるはずもないのに。

ねえ。何してるの?そんなとこで。
何でそんな風にしてるの?
あたし、まだ謝ってないよ?
許してさえくれないの?あなたは…。
サヨナラとすら、言ってくれないの…。

─────
88 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時15分03秒
ふぅ…。
もう、何もかも、遅過ぎる。

今更、あの頃を思い出しても。
あなたは許してくれないし、
「サヨナラ」も言ってくれないのに。
これから、どうしろって言うの?
あたしの在るべきところは、あなたのそば以外でしか有り得ないのに。
あなたのその、胸の中以外ないのに。

ああ、そうね。
鳥のように、この空を飛べたらどんなに素敵だろう。
89 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時15分43秒
………。
ねえ、待っててね。
すぐにあなたに謝るから。
そう。
風のように舞いながら、あなたの元へ届けるから。
この想いを───。
あたしの行きつくとこは、そこしかないから…。
90 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時16分25秒
「楽しい 夢のような
 あの頃を 思い出せば
 サントワマミー
 目の前が 暗くなる
 サントワマミー」
91 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時17分00秒


仕事となったため息を、あたしがつくことは
もう二度となかった───。
92 名前:短編「SAN TOI MAMIE」 投稿日:2003年02月10日(月)00時17分57秒
            ───END───。
93 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年02月10日(月)00時18分30秒
94 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年02月10日(月)00時20分59秒
はい。
ちょっと重めな話を書きました。
ごっちんミュを見た後での、あの歌の解釈がこれです。(見た後でこれかよ!?

痛い系の話ってあんま書かないんですが、ちょっと気に入ってます。
嫌いな人、ごめんなさい。
95 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月10日(月)21時34分16秒
むむむ・・・ごっつぁむさんぽくない話ですね
でも、正直うまいと思いました
96 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月11日(火)03時48分40秒
うぅぅぅ・・・連続して二作読んだらあまりのギャップに泣きたくなってきましたよ〜
痛い話も良いけれど、やっぱりごまかごはほのぼのあまあまですね!
97 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月14日(金)00時43分41秒
ごっつぁむふところふかいよごっつぁむ
98 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月18日(火)21時13分59秒
全部読みました!すごく面白かったです。
99 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年03月13日(木)17時53分04秒
短編バトルが終ったころに短編書きます。
100 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月13日(木)22時57分27秒
やった!待ってます!
101 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月18日(火)21時54分00秒
ごっつぁむ、ごまかご不足だよ、ごっつぁむ
102 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時32分31秒
あのコとの出逢いは、桜の舞い散る春のこと。

なんとなく春の陽射しに誘われて、午後の授業をサボりたくなった。
普段から、授業をサボったりするのは常習犯だったし、
特に、この春の午後を授業のために費やすのはもったいない気がした。

あたしは春が好き。
いつもボケーっとしてる、と言われることが多かったけれど
春は更にボケーっとする回数が増えてしまったりして。

その日も、午後の授業をサボって、ボケーっと歩いてたんだった。

* * * * *

通学路の途中にある公園の隅にある小さな花壇。
その横をいつも通るのだけど、春だというのに花の一つ咲いてやしない。
(つまんない花壇…)
いつもならそう思いながら横切る花壇に、その日はちょっとしたお客さんがいた。
103 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時33分11秒
……ャォ……。

「んあ?」

…ニャ…ォ…。

猫の鳴き声、みたいに聞こえる。
空耳かと思ったけれど、どうやら違うみたい。

「ニャンコ?」
あたしは花壇に近づき、注意深くそれを見渡す。
「あ」
さっと見た限りでは解らないけれど、花壇の端っこ。
柵が破られた部分に、仔猫がひっかかっていた。

「バカな猫だねー…ノラか?」

柵をひょいっと乗り越えて、花壇の中に入ろうとした…。
のだが。

「ダメーッ!」
「えっ!?」

ずしーん。
突然制されたその声に、あたしは思いっきりコケてしまった。
あぁぁぁ…。スカートが土まみれ…。
104 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時33分44秒
「い、いったいなぁー!?どこの誰だよッ!?」
「ダメーッ、ダメったらダメ!花壇に入っちゃダメーッ!!」

起きあがって、声の主を見た。
中学生くらいの、お団子頭の女の子。
こいつのせいで、あたしのスカートが真っ黒に…。
「ちょっとアンタ!どういうつもり!?あたしはあの仔猫を…」
「お花ッ」
「はぁ!?」
「お花ッ。見てわかるでしょっ、お花植えてあるの!」
お、お花…?
言われて見て、花壇をもう一度よく見渡した。
……。
「どこに?」
「種埋めたんだもんッ。バカッ」

こ、このクソガキィィィ…。
誰だか知らないけど、初対面の目上の人に対してバカって!
親の教育がなってないんじゃないの!?

「あっそー。こんな何もない花壇じゃ花も咲かないでしょうね。
 あームッカつく。そこに猫いるけど、あんたの?」
あたしがそうやって、そのクソガキに突っかかると、
クソガキは肩をブルブルさせてうつむいた。
…ちょっと、言い過ぎたかな?

「………バカーッ!オバサン!!」
ぷちん。

「あたしはまだ高1だよっ!!死ねッ、クソガキ!」

あたしはクソガキに思いっきり罵倒を浴びせると、荒足で公園を後にした。
あーーーー腹立つ。
105 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時34分21秒
* * * * *

翌日。
あたしは、例の花壇にまたいた。

…別に、何てことはない。
あの猫が気になっただけ。
そういえば昨日、あの猫をほったらかしで帰ってしまったから。
何となく、気になってしまったのだ。
…あのクソガキに会うかも知れないのは嫌だけど。

案の定、仔猫はすでにいなかった。

はぁ…無駄足だったかな?
小さくため息をついて、今きた道を引き返す。

「ニャォ」
「あっ。昨日のニャンコ…わっ」
踵を返した先、昨日の仔猫が蝶々を追いかけて遊んでいた。
その仔猫が、あたしの顔を見るなりこっちに飛びついてきたのだからビックリ。
106 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時34分52秒
「ミャァォ」
「あは。あんた、あたしのコト覚えてたんだぁ。よしよし。昨日はごめんなー」
「ミャァォ」
仔猫はゴロゴロとあたしの足の近くで甘えだし、
あたしはそれを優しく撫でて微笑んだ。
…やっぱ、ノラかぁ。
うちで飼ってやろうかな…。

すこーん。

「いってー!!!」
突然、空き缶が飛んできてあたしの脳天を直撃。
昨日と同じパターン。
もしや…。

「猫ちゃんに触るなーッ!バカッ!オバサン!」
「やっぱり…」

案の定、昨日のお団子頭のクソガキだった。

あたしはそいつの顔を見た瞬間からムカムカしてしまって、
仔猫をささっと引き払うと、急いで立ちあがった。
「ごめんね、ニャンコ。またね」
仔猫に挨拶すると、見知らぬガキの横をそしらぬ顔で通り過ぎる。
クソガキもあたしの事など無視するかのように、仔猫の傍に駆け寄った。
107 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時35分23秒
「ごめんにゃー、猫ちゃん。恐かったねー」
ふん、と思いながらさっさとその場を離れようとした。
「あーあ…。ウチで飼ってあげられたらなぁ」
…。
あの仔猫、あのクソガキの飼い猫じゃなかったのか。
じゃ、やっぱりノラ…。

「ねぇ」
「……何?」
相変わらず可愛くない反応で、クソガキは返事を返した。
「そのコ、あんたの猫じゃなかったの?」
「違うけど…」
クソガキはしょぼーんとした表情で、仔猫の頭を撫でた。
仔猫は何も考えてないようで、「ニャー」と甘えている。

「そのコ、うちで飼ってあげようか?」
「え!?ホ、ホント!?」
あたしが言った一言に、クソガキの表情がパァッと輝いた。
その笑顔は屈託がなく、そして素直だった。
「飼ってくれる人いなくて、困ってたの!オバちゃんありがとう!」
こ、このガキは…。
あたしはまだ高1だっつーの!
「オバちゃん言うなっ。あたしは、真希。後藤真希」
「私は、亜依だよ。加護亜依っていうの。あいぼんって呼んでね」
「あいぼんね、よろしく」
あたしはさっきまで、あんなに憎たらしく思っていたのに
何時の間にか仲良くなってしまっていたのだった。
108 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時36分35秒
* * * * *

あたしとあいぼんは、毎日のようにその公園で会った。
二人で名付けた仔猫の名は“よっすぃー”。
変な名前、とあいぼんに軽くけなされたけれど、
あたしはこの名前がこのコにぴったりだと思った。
ノラなのに綺麗な毛並み、誰にでも寄って行く愛想の良さ。
メスのくせに乱暴な仕草が、あたし的に“よっすぃー”って感じ。

学校が終ってすぐによっすぃーを連れて公園に向かう。
そこであいぼんと3人(正確には2人と1匹)で戯れるのが日課になった。

あいぼんは、とにかく明るくてよく笑う少女だった。
あたしより2歳年下の彼女は、近所の中学校に通っていて
あたしと同じように、この公園を通学路にしている。
なぜなら、彼女はこの公園に一つの思い入れがあったからだそうだ。

それは、今は荒れ果てただけの狭い花壇だった。

あたしの記憶では、一番最初にここを通った時──約2年前から
一つとして花が咲いているところを見たことがない。
しばらく前までは、雑草がラーメンみたいに伸びたいだけ伸びきってて
「え?花壇?」とすら思っていたほどだ。
109 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時37分10秒
その雑草を、春休みのうちに始末したのがあいぼんだという。
彼女は、この小さな花壇に花を咲かせたいと言った。

「何度もね、頑張ってるんだ…。でも、ここの土が悪くって育たないの」

一生懸命種を蒔いた花壇を見つめ、あいぼんはため息を漏らした。
聞けば過去に2度ほど雑草を取り除いて種を蒔いたのだけれど、
その2回とも、花は育たずに枯れてしまったそうだ。

どんなに頑張っても、あいぼんの花は育たなかった。
…なんだか、可哀想。
毎日毎日この公園に来て、肥料をあげたり水をやったりしてるのに。
彼女が大切な思いで、この花壇を育てようとしてるのに…。

あたしはそれを知ると、いても立ってもいられなくなり
ついには「この花壇に花を咲かせてやる!」と断言してしまったのだった。
110 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時37分52秒
* * * * *

夏が過ぎても、花壇は一向に良くならなかった。

よっすぃーは相変わらずの乱暴者で、このところ食欲の旺盛さに目を見張る。
そのうちぶくぶく太ってしまいそうなので、花壇に穴を掘らせる役目を与えた。
が、このバカ猫。今蒔いた種から何から、ワケもわからず片っ端から掘っていくんだわ。
仕方ないので、この頭の悪い猫のダイエットは諦めておいた。

「花、咲かないね」
「そうだね…」

夏休みの昼間っから、このクソ暑い炎天下で花壇を整備する少女2人。
はぁ〜…何やってんだか…。

「こらよっすぃー。蒔いた種を食うんじゃないっ」
「ンニャオ?」
「すっとぼけてもムダ。ほら、吐き出せっ」
「ミャー!!」


相変わらずの花壇にかじりついたまま、夏はすぐに終わった。
111 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時38分28秒
* * * * *

秋になった。

それでもまだ変化のない花壇とは対照的に、よっすぃーは案の定ぶくぶく太ってきた。
最近では、あたしの膝に乗せるのが重くって適わない。
本人は構わず、ムシャムシャモグモグ食べてるので、もしかしたらまだ太りそうな勢いだ。

「ったく、おまえばっか育っても仕方ないんだよ」
「ニャ?」
「猫っていいなぁー。気楽だよねぇ」
あいぼんも、陥落のため息をついた。

何度か、“もうやめよう”という言葉を口にしそうになったこともあった。…お互いに。
それでも、あたしは何時の間にかこの花壇に花を咲かせることに、
確かな生きがいを感じるようになっていた。
あいぼんとも毎日会って、まるで姉妹のように仲良くなった。
だからこそ、彼女が心から微笑んでくれるように頑張ろうと思っていた。

けれど冬が来て───。

112 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時39分08秒
* * * * *

あたしが来た時には、すでに全てが終わった後だった。

あの花壇が、メチャクチャに荒らされていた。

誰がやったのか知らないけれど、柵はバラバラに壊され
花壇の土には無数の踏み跡。
あちこちに掘り返された穴が、まるであたしたちへの当てつけのように。

あたしはただ、激しく怒りが込み上げてくるだけだった。
今すぐ犯人を見つけ出して、謝罪させたいくらいの勢いに。
あたしの足元をちょこちょこ歩いていたよっすぃーも、周囲へ威嚇したりと、
同じように怒っているようだった。

けれど、あいぼんは…。

放心状態で膝をついて、ただ呆然としていた。
あたしの問いかけにも気付かないかのように、ただ黙ったまま。

「あいぼん、ね。もう一回作り直せばいいじゃない。ね?」
「………」
「元気だして。ホラ。あたしだって怒ってるけど、協力するし」
「……ダメだよ」
「え?」
「………もう、ダメ。無理。私諦める」
「あ、ちょっと…何言ってんだよ!?」
113 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時39分44秒
あいぼんは泣きながら立ちあがって、あたしの手を振り払って走り去った。
あたしもどうしていいかわからず、後を追いかけるのはやめた。

ただ、その花壇だけを静かに見つめる。
…確かに穴だらけだし、土は大きなダメージを受けたけれど…。
それ以上にここまで頑張ってきたじゃん…。
何で、すぐに諦めようとするんだよ…。

そんな想いが込み上げ、涙となって頬を伝った。

その直後だった。

あいぼんが、車にハネられた音を聞いたのは───。
114 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時40分17秒




* * * * *

再び春になった。
あたしはもう一つ大人になって、今でもあの公園を通る。

よっすぃーはあれからまだ肥大化が止まらず、
最近は春の暖かさもあってか、いつもぐーたらぐーたらしている。
まったく、誰に似たんだこの怠け猫は。

公園の隅には、小さな花壇がある。

その花壇は、雑草は伸び放題だし、
土は悪くて花は育たないし、誰も見向きもしないような
ただの小さな狭い花壇。
きっと、通った人は(つまらない花壇…)と思うのだろう。

そんな、花壇。

…だった、昔は。
115 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時40分49秒
春色の風に吹かれて、花たちが揺られる。
その姿を見ると、あたしとしてもただ心が温まるばかりだ。
努力の甲斐、あったというか。
1年もかけて、この花壇を復活させようと頑張ったのだから。

あの冬から、あたしはめちゃめちゃに勉強しまくった。
どうすれば土を行き返らせられるのか…とか、園芸部の友達に花の育て方を聞いたりとか。
そのおかげで、今はまだ少しだけれど、花が咲くようになったんだ。

この花壇を育てたのは、あたしと猫。それから、もう一人いた。

それは、加護亜依という少女だった───。

「んー。ここにもーちょっとピンク色が欲しいな。どー思う?よっすぃー」
「ニャン♪」
「おっ。あんたもバカじゃなかったんだねー。よしよし。じゃ、ここにはピンクだね」
「ニャォ!」
花の方を向きながら、よっすぃーの頭を撫でようとした。
けれど、そこに猫のふわふわの頭はなく、あたしは宙をなでなでしてしまった。
116 名前:川o・-・)ダメです… 投稿日:川o・-・)ダメです…
川o・-・)ダメです…
117 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時41分53秒
「ちょっと、よっすぃー…あ。」

よっすぃーがひょいっと、誰かの手に持ち上げられる。
顔の前まで持ち上げられたよっすぃーは、お祝いのキスをねだられていた。

「ふぅー。つかれたぁー。入学式ってつまんなーい」
「おー。おつかれー」

少女は、他でもない。
今まさに、あたしの高校へと進学して入学式を終えた
この花壇を育てた、もう一人の少女だ。
…去年の冬に事故にあった。
もっとも、奇跡的にかすり傷だけだったのが、ずぶといというか何というか…。
とにかく、あの後も何も変わらずあたしたちは花壇を育て続けたのである。

「あいぼん、ほら見てみ。あそこにピンク色足したらいい感じじゃない?」
「えーッ?趣味わるー。あそこは黄色でしょ、黄色!」
「そっちこそ趣味わるいって。絶対あそこはピンクだね」
「やだ。黄色だもん、黄色ったら黄色!」
「ミャー♪」
118 名前:短編「輝ける花」 投稿日:2003年04月10日(木)15時42分41秒

春の風に吹かれて、花たちは優しく微笑んでいるようだった。

              **おわり**

119 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年04月10日(木)15時43分30秒
( ´ Д `)<スレ流しだよー

(‘д‘)<堪忍な。
120 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年04月10日(木)15時44分12秒
あとがき。

えーと、春っぽい話が書きたかったんです。はい。
春=花つーことで、そういう展開になりました。微妙にごまかご絡んでません(爆
なんか、情景的にはピンクとか黄色とか色とりどりな風景を浮かべながら
読んで頂けると幸いです。(ダメ発言!?
いや、これ短編としてはどうなんでしょう。
やっぱり短編というやつは苦手です。いやね、小さくまとめてるつもりではあるんですが。
小さ過ぎないかなーとか、束ねかたが違うかな?とか思ってもみる。
まぁそれはそれ。作者が気に入ってるのでよしとします。

つーか、よっすぃーは猫になってしまいましたw
その辺の裏事情みたいなもんは、一応ここでは省くことにしときます。
では、ごまかご不足に涙しつつ。

ひさびさの更新で申し訳でつ。(´・ω・`)ショボーン
121 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年04月10日(木)15時46分37秒
またやってもーた…。
削除依頼だしてくるべさ。
122 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月11日(金)01時00分19秒
ごっつぁむありがとう
123 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月14日(月)05時22分39秒
ごっつぁむ、来てたんだね、ごっつぁむ
124 名前:名無し読者 投稿日:2003年05月13日(火)02時03分23秒
ごっつぁむ保全
125 名前:名無しさん 投稿日:2003年05月29日(木)00時39分18秒
ごっつぁむ〜
126 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年05月30日(金)06時03分03秒
いや、いるんですがね…。
激しくネタ不足で。
イケてないんですわ…。
127 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月02日(月)00時39分27秒
ごっつぁむ充電中
128 名前:名無し@ごっつぁむファン 投稿日:2003年06月03日(火)02時50分31秒
ごっつぁむ、がんがれ、ごっつぁむ
129 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年06月04日(水)22時02分56秒
スマソ、ありがd。
期待しないで待ってて念。
130 名前:ごっつぁむ 投稿日:2003年06月06日(金)01時03分54秒
ここでヒソーリカミングアウト。
ええと、長編ごまかごを実は隠しスレで書いてますw

ヒントは色(赤とか青とか)板の「○○の○」というスレです。
ごまかご不足でお待ちの方が結構いるようなんで、そっちをチェックしてね!w
ちなみに解ってもバラさないようお願いしますw
131 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月06日(金)08時38分40秒
ごっつぁむ!俺探す!
132 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月15日(日)04時32分08秒
みつけたよ
ごっつぁむありがとう
133 名前:名無し@ごっつぁむファン 投稿日:2003年06月19日(木)03時38分40秒
ごっつぁむ、みつからないよ、ごっつぁむ
134 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月30日(月)21時36分17秒
今日のごっつぁむ
135 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月03日(木)08時14分09秒
ごっつぁむHP大変だあね。がんがれ。
136 名前:名無しさん 投稿日:2003年07月15日(火)07時31分53秒
ミツカラネ
137 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月15日(金)01時42分03秒
ごっつぁむ保全
138 名前:名無し読者 投稿日:2003/09/18(木) 11:21
ほぜんむ
139 名前:名無しさん 投稿日:2003/10/18(土) 01:24
hozen
140 名前:名無し読者 投稿日:2003/11/15(土) 16:30
ごまかごこそリアル
141 名前:名無し読者 投稿日:2004/01/17(土) 02:18
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