偶然?必然!
- 1 名前:TAKU 投稿日:2003年02月14日(金)03時32分03秒
- こちらでは初めて掲載させてもらいます。
この作品は、自サイトにて掲載しているものですが
自分の力を知りたくてこちらに掲載してみようと思いました。
ヘタクソですけど、読んで感想を頂けたら嬉しいです。
一応、パラレルでなっちゅーがメインになります。
出てくるメンバーは少ないのであしからず。
- 2 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)03時36分07秒
- 「なつみー!早くしないと遅れるわよー!!」
「はーい!!」
私はこの町に引っ越してきた。
何故かっていうのは、親の転勤。普通でしょ?
今日から新しい学校に通うことになってるんだけど・・・・。
小学校から私立の女子高で、今回も女子高なのはよかったんだ・・・・。
ただ、今までは先生の中に男の人もいっぱいいたんだけど、
新しいトコは先生も全員、女の人なんだって。
だから、少し不安なんだよねぇ・・・・・。
「あ、バス来てる!!!」
なつみは慌ててバスに駆け込んだ。
学校までは、バスで15分くらいだからとっても近い。
それもあって、ギリギリになってしまうのだ。
(はぁ・・・間に合った・・・・)
その時、バスが急ブレーキをかけて何も捕まってなかったなつみは吹っ飛びそうになった。
- 3 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)03時37分53秒
- 「きゃぁーーーーーー!!!!!!」
もう、ダメだと思った。その時。
ドスッ・・・・。
「え・・・!?!?(痛くない・・・・)」
「あんた、大丈夫か?」
「・・・・はい。」
ふと見上げると、すぐ傍に色白でキレイに整った顔があった。
(うわぁーーーー!!!キレイなひと・・・・・。)
「ほら、立てるか?」
そう言って抱き起こしてくれた。
「あ、すいません・・・・。ケガなかったですか?」
「んー?アタシは平気や。あんたこそケガないんかい?」
(関西弁だ・・・・。初めて近くで聞いたなぁ。
それに・・・金髪だよ。でもスゴイ似合ってるなー。近くの人なのかなぁ?)
「は、はい。大丈夫です。」
「そうかぁ、良かった。」
ポンポンっと頭を叩かれ。なんか恥ずかしくなった。
それと同時に、胸の奥に何かが走った。
- 4 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)03時39分50秒
- (なんだろ・・・なんかドキドキしてる・・・・。)
「気ぃつけなアカンよ?ほれ、そこに捕まっとき。」
「はい、ありがとうございました。」
そうするうちに学校の前に着いた。
その女性も同じ停留所でおりたが、自分とは逆方向に歩いて行った。
「はぁ・・・。なんか似たような場面が昔読んだ小説にあったなぁ。」
なつみは、校門を入ると職員室へ向った。
中に入ると、聞いていた通り女だらけの職員室だった。
「失礼します。今日から通わせていただく安倍なつみと言います。」
「おぉ、アンタが安倍さんか。
アタシは英語担当の平家や、よろしくな!」
「はい、よろしくお願いします。平家先生。」
「えーっと、安倍の担任は・・・・・また来てへんわ。
んじゃ、教室まで連れて行ったるからちょっと待っててくれるか?」
「はい。」
(なんだ、担任の先生いないのか。
平家先生かぁ・・・この人も関西弁なんだ。でも、優しそうで良かった。)
「待たせたな、ほな行きまっか。
安倍のクラスは、2年C組やから・・・・こっちやな。」
- 5 名前:TAKU 投稿日:2003年02月14日(金)03時42分06秒
- えっと、今日はここまでで。
なるべく早く更新をしていきたいと思います。
少しでも感想などを頂ければうれしいです。
それでは。
- 6 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時51分01秒
- ――ガラッ。
「ほら、席に着かんかい!!ベル鳴ってるやろ!!」
平家の声に、一斉にみんなが席に着いた。
「えっとな、中澤先生がちょっと遅れてるんで
変わりに転校生を紹介するから、みんな静かに聞きや!!」
「えぇー!?また裕ちゃん遅刻なのぉー?」
「こら、矢口!裕ちゃんやないやろ、中澤先生って言わなアカンやないの!」
「いいじゃーん!別にぃ・・・。」
「ま、えぇから。静かに聞け言うとるやろ。
えぇっと、今日からみんなの仲間になる安倍なつみちゃんや。仲良くしぃや!」
「あ、安倍なつみです。よろしくお願いします。」
- 7 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時51分53秒
- 「んじゃ、矢口の隣り空いてるからそこでいいか。
安倍、その席に座って。隣りうるさいけど相手にしちゃあかんよ!」
「うるさいって失礼だなぁ・・・。みっちゃんだって、うるさいじゃんか!」
「先生って言えって何回言ったらわかるんや!!」
「おぉこわっ!安倍さん、オイラ矢口。矢口真里!よろしくね!!」
「・・・・よろしく。」
(なんか、元気な人だなー矢口さんて。
でも・・・ちっちゃくて可愛いなぁ。あたしより小さい人初めてかも。)
「それじゃ、HR始めるでー。」
その時、突然教室のドアが開いた。
「あぁー!!もう姐さん、遅いやないですかぁ!!!」
「よぅっ!みっちゃんすまないなぁ。」
「よぅっ!やないですよ。どこ行ってはったんですか?
もう、とっくに転校生の紹介も終わってしまいましたよ・・・・。」
(あれ!?この声・・・・・・。)
はっと顔を上げると、そこには今朝助けてくれた女性が頭を掻きながら立っていた。
- 8 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時52分57秒
- 「あっ・・・・。」
「ん?あ、自分今朝の子やないか!
そぉか、転校生ってアンタやったんか。私服やとわからんなぁ。」
「はい、今朝はありがとうございました。」
そう、この学校は私立なのに制服がないんです。
それも、なつみにとっては初めての体験だったのです。
「えぇんよ。これから仲良くしよな!アタシは中澤裕子、数学担当でこのクラスの担任や。」
裕子はニコニコしながら、なつみの頭を撫でた。
――ドキッ――
(あ・・・・まただ・・・・・。なんだろ、この気持ちって・・・。)
「は・・・はい。よろしくお願いします。」
「じゃ、姐さん・・・ウチはもう行きますよって。」
「おぅ!ありがとな、みっちゃん!お礼に今夜1杯どうや?」
「はいはい、付き合わせてもらいます。それじゃ。」
平家は呆れ果てた様子で教室を後にした。
- 9 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時53分41秒
- 「よしっ。HR始めよか。
あ、安倍?アタシの事は、裕ちゃんって呼んでな!」
「え・・・!?でも・・・・。」
「安倍さん、いいんだよ!裕ちゃんって呼べばさ!」
「アタシな、先生って言われるの嫌いやねん。」
「はぁ・・・・。努力します。」
そして、裕子は次々と連絡事項を伝え始めた。
なつみは、そんな裕子の姿をじっと見つめていた。
「ねぇ?安倍さん、裕ちゃんの事気に入った?」
「・・・え!?いや、そんな事ない・・・・・。」
「これから解かると思うけど、裕ちゃん人気あるんだよ。」
「へ、へぇ〜。そうなんだ・・・。」
「うん、実は矢口も裕ちゃんを狙ってるんだ。」
「狙ってる・・・・って。」
(狙ってるって、やっぱり・・・・アレだよねぇ・・・・・・・。
女子高ならではのやつだよね?でも、そっかぁ・・・人気あるんだ・・・。)
- 10 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時54分16秒
- 「はい!HR終わり、この後は自習や!
安倍、ちょっと一緒に来てくれるか?いろいろ話したい事もあるねん。」
「・・・・はい。」
「いいなぁー!!裕ちゃんと2人きりなんてー!!!」
そこら中から、羨む声が響き渡った。
「うっさいわ!アンタら、ちゃんと自習してんねんで!さ、行こか。」
「先生って人気者なんですね?」
「あぁ・・先生言わんでくれるか?裕ちゃんでえぇって言うたやろ?」
「すいません・・・まだ慣れなくて・・・・。」
「ま、えぇわ。安倍は可愛いから許す!じゃ、簡単に校内を案内するで覚えておき。」
「はい。・・・・・あっ・・・・・。」
「危ない!!!」
なつみは、裕子の顔に気をとられ段差があるのに気付かなかった。
間一髪のトコで裕子が抱きとめた。
- 11 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時55分21秒
- 何故か向かい合って抱き締める形になってしまい、なつみは裕子の胸に顔を埋めていた。
「・・・あ・・・ごめんなさい。」
咄嗟に離れようとしたが、引き戻されまた抱き締められた。
「・・・・・先生!?」
「裕ちゃんやろ・・・・・?」
「離してください・・・・・。」
「あ、ごめんな・・・。」
2人は再び歩き出したが、裕子はなつみの方を見ようとはしなかった。
不安になったなつみは、自分から話しかける事にした。
「せ・・・裕ちゃん・・・?」
「・・・やっと裕ちゃんって言ってくれたな。」
「さっきのは・・・・その・・・・・。」
「あぁ・・・・。安倍は、なんちゅーか・・・アタシのタイプなんや。」
「・・・・・え・・・・!?」
「だから、可愛いな思うたら・・つい・・・・な。
すまんかったな、気にせんでな?他にもタイプはいっぱい居るねん。」
そう言って高笑いをしながら歩いていった。
- 12 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時56分08秒
- この先、学校生活がどうなって行くのか不安でしかたないなつみ。
しかし、自分の心に生まれたモノも理解できない。
今日1日は、なにも頭に入らずに終わっていった。
唯一、矢口という友達が出来たことだけはハッキリしていた。
(はぁ・・・・・・。どうなっちゃうんだろ・・・・・。)
- 13 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時57分15秒
- 「いってきま〜す!」
「あーーーー!!!バス行っちゃう・・・・。
あぁ・・・・またギリギリだよぉ・・・・。なんでこうなるんだろ。」
転校してから、早いもので1ヶ月経った。
初日以外は早いバスで通っていたが、慣れてきたらこんな調子。
「あ、来た・・。これに乗らないとアウトだわ・・・・・。」
バスに乗るといつものように後ろの席へと向った。
「安倍。」
すると突然隣りから呼ばれ驚いてそっちを見た。
「あ・・・裕ちゃん・・・。おはようございます。」
「おはようさん!いつもこのバスやないよな?自分。」
「はい、この前のバスなんですけど・・・・乗り遅れちゃって・・・。」
何故か、裕子の顔を真っ直ぐ見れない自分が不思議で仕方なかった。
(ダメだぁ・・・・。裕ちゃんの顔見れないや。なんでだろ?
でも、朝から会えるなんて嬉しいな。学校じゃ人気者だから、あんまり話せないし・・・。)
- 14 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時57分54秒
- 「なんや、元気ないなぁ?どないした?
裕ちゃんで良ければ聞いたるで、話してみぃ?恋の悩みか?あはははは。」
「い、いや・・・なんでもないですよ。恋だなんて・・・・私まだしたことないから・・・。」
「なにぃ!?アンタ恋したことないんかい?
可哀相に・・・なんやったら、裕ちゃんが手解きしたろか?優しするでぇ〜♪」
(えぇ〜〜〜〜〜!!!何を言い出すんだろ・・・この人は・・・・。話し変えよ。)
「冗談はやめてください!」
「なぁんや・・・・冷たいなぁ・・・・安倍・・・・。」
「そう言えば、裕ちゃんはどの辺に住んでるんですか?いつもこの路線ですよね?」
「ん〜?安倍が乗ったトコの2こ手前や。なんやぁ、裕ちゃんのこと気になるんか?んー?」
「・・・ち、違いますよぉ・・・・。」
(あちゃ〜〜〜〜。墓穴掘ったみたい・・・・。)
- 15 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)17時59分09秒
- 「ホンマかぁ?なぁー?っと、着いたで安倍!」
「あ、はい!(良かった・・・・。)」
2人はバスを降りて学校に向った。
周りの生徒がジロジロとこっちを見て、何かを言っていた。
「裕ちゃんって、人気者ですよねぇ。」
「当たり前やん!こんな美人めったにおらんわ!」
「・・・・・はぁ。
そう言えば、最初に会った時学校とは逆に行きましたよね?どこ行ったんですか?」
「・・・・・ん・・・。まぁ、ヤボ用や。気にすんな!」
「・・・・はい。」
「そういや、安倍はなんて呼ばれてるんや?」
「え!?私ですか?」
「そうや、アンタにしか話ししてないやろ。」
「あ、すいません・・・・。
前の学校では、なっちって呼ばれてました。やぐっつぁんにもそう呼ばれてます。」
「矢口ぃ!?なんて馴れ馴れしいやつだ!!
なんやかんや、しつこいしな。おっと、ウチはあっちやからまた後でな!なっち♪」
「・・・はい。(まただ・・・名前呼ばれただけなのに・・・・。)」
- 16 名前:TAKU 投稿日:2003年02月14日(金)18時02分16秒
- えぇ、取り敢えずここまで。
また時間があれば、今夜にでも更新します。
やっぱり、実力ないのかな?
感想お待ちしてます。
- 17 名前:ゆちぃ 投稿日:2003年02月14日(金)20時28分15秒
- TAKUさんのとこで何度か読ませていただきましたが、
まさかここでも読めるなんて感激ですvvv
読めば読むほど深い話だと思います。
次も楽しみにしてます。
がんばっちゃってくださいねぇ〜♪
- 18 名前:TAKU 投稿日:2003年02月14日(金)21時01分52秒
- あ、感想が!!!
嬉しいです〜♪
>ゆちぃさん
あ、ボクの駄作を読んでくれてるんですか!
ありがとうございますm(_ _)m
深い話だなんて恐れ多いですよ・・・。
頑張りますんで、付いてきてください!
それでは、更新します!
- 19 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時04分33秒
- 靴を履き替えると、教室に向う。
まず、飛んできたのは矢口の声だった。
「おはよ・・・・!?」
「ちょっと!!なっちぃ!!
裕ちゃんと登校ってなんなのさ!!ズルイよぉ〜・・・オイラも一緒に来たい。」
「え・・え・・・・えぇ〜!?!?なんで、やぐっつぁんが知ってるのさぁ?」
「さっき窓から見てた・・・・。」
「いや・・・ね?使ってるバスが同じみたいでね?偶然だよ、偶然!」
「ホントかなぁ?」
「ホントだってば、なっちだってビックリしたべさ!」
「そっか、ならいいや。抜け駆けは許さないぞ!」
「はいはい・・・。」
そんな事をしていると、ベルがなり教室のドアが開いた。
- 20 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時05分14秒
- 「ほらぁー!!席に着きぃ!」
「「「「「裕ちゃーん♪おはよー♪」」」」」
「はい、おはようさん。って、はよ席に着けや!」
15分くらいのHRを終え、裕子は教室を出ていったが出る間際に。
「なっち、放課後に職員室来てな。話しがあんねん。」
「あ、はい。わかりました。」
返事をした後、痛〜い視線を感じ横を見ると矢口がジーっと睨んでいた。
今日は2時間目が数学、また裕子と顔を合わせなければならないのだ。
(はぁ・・・。完全に疑ってるよ・・・あの目。
裕ちゃんも裕ちゃんだよ、なんで名前で呼ぶのさ。みんなが誤解するに決まってるべさ。)
- 21 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時06分10秒
- そして、数学の時間。
案の定、必要以上になつみをみては微笑んでいた。
途中「ゆうこぉー!何ニヤニヤしてんだよー!」と矢口がチャチャをいれても
「うっさいわ!」の一言で終わってしまう。
そしてまた、なつみを見るのだ。
授業が終わると、矢口の絡みが始まった。
「ねぇ、絶対に裕子はさぁ・・・なっちに気があるよ・・・。」
「なぁに言ってんだべ、そんなことないっしょ!」
「だってさぁ、ずっとなっちのこと見てるじゃんかぁ。」
「あ、ほら。なんていうのかな、転校生って物珍しいじゃない?だからだよ。」
「そぉかな・・・・。でもね、あの目は絶対に怪しい!」
(あぁ〜〜〜もうっ!!どうしたらいいんだよぉ・・・。
早く授業終わらないかな・・・・。速攻で帰ってやるんだから!)
「なっちさ、裕子に呼ばれてるんだから気をつけなね。」
「うん。(・・・って何を気をつけるんだ?)
- 22 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時06分53秒
- ―――放課後。
ガラッ。
「失礼します。」
「おっ、安倍やないか。久し振りやなぁ。」
「お久し振りです。平家先生。」
「安倍のクラスは、ウチの担当やないから会われへんなぁ・・・。」
「そうですね、最初にお世話になったのは先生なのにね。」
「そう!そうだよなぁ!あん時は姐さんが・・・・。
って、そんな事話しててもしゃぁないな。で、何の用やねん?」
「あ、そうだ。中澤先生いますか?呼ばれてたんですけど。」
「姐さんか?んーっと、あーいたいた。ほれ、あそこに居るよ。」
「はい、ありがとうございます!」
なつみは職員室の奥にある、応接室?みたいなとこに歩いて行った。
ソファーがあって、周りに囲いがあるだけで中もよく見えるのだ。
そのソファーに座り、裕子は何かを考えてるようだった。
- 23 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時07分25秒
- 「あのぉ・・・・・。(声かけて良かったのかな・・・。)」
「・・・ん?あ、なっち待っとったで。そこ座り。」
「はい。話ってなんですか?」
「んっとな、ここの授業て前の学校より進んでるんやないか?」
「は、はぁ・・・。かなり進んでますね、ついていくのが大変ですよ。」
「それでな、1番進んでるのが数学やと思うんよ。
ここ数日、なっちの為に問題集みたいなモノを作ったんや。」
「え、そうなんですか!?ありがとうございます。」
「で、テスト近いやんか。なっちが来る前の部分でかなりの範囲に入ってるわけや。」
「・・・・・・そうなんですかぁ・・・・・・・・。どうしよ・・・・・。」
なつみは先の事を考えて落ちこんだ。
俯いて、どうしたらいいのかを必死に考えていた。
他の科目なら、なんとかなりそうだが、数学に限っては大の苦手。
ふと、裕子はなつみの手を取り話し始めた。
- 24 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時08分14秒
- 「なぁ、なっち?裕ちゃんに提案があるねん。」
「なんですか?(・・・って、手を握らなくても・・・撫でてるし・・・。)」
「補修やらへんか?って言ってもな、この学校では補修できんのよ。
でな、なっちの家とウチの家って近いみたいやし、学校終わったらウチの家でやらへんか?」
「えぇ〜〜〜!?!?裕ちゃんの家!?!?
でも・・・それってマズイんじゃないんですか?テスト前だし・・・・。」
「だからぁー。」
そう言って、顔をなつみの耳元に近づけてきた。
「内緒でやるんよ。資料も家に置いてあるしな。」
「(ひゃぁ・・・。)はい・・・でもいいんですか?迷惑じゃないですか?」
「かまへんよ、可愛いなっちの為や。迷惑なんてあらへん、逆に楽しみやねん。」
「じゃ、宜しくお願いします。」
そうして、ペコリと頭を下げた。
裕子は立ち上がると、なつみの腕を掴み。
- 25 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時10分30秒
- 「ほな、今日から始めるで!さっさと帰るしたくしてバス停で待っとって。」
「き、今日からですかぁ!?」
「そや、家にはこれから連絡入れとくから。安心しぃ♪」
職員室をでて、教室へ戻る途中ずっと頭の中がパニック状態だった。
確かに、授業についていけないのもあるし苦手科目っていうのもあるからラッキーなんだけど。
果たして、いいのだろうか?という疑問が頭の中を占めていた。
荷物を持ってバス停に行くと、既に裕子は来ていた。
「なっち、何してんねん!遅いわぁ、バス来てんねんから!!」
「あ、すいません・・・・。」
なつみは急いでバスに乗った。
裕子はニコニコしながら、話しをしていたがなつみの頭んなかはそれどころじゃなかった。
(あぁぁぁああぁぁぁ・・・・どうしたらいいのぉ・・・・。
裕ちゃんは楽しそうだし、裕ちゃんに教えて貰えるのは嬉しいんだけど・・・・でも・・・。)
そして、バスは自分の最寄を過ぎて行った。
- 26 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時11分20秒
- バスを降り、裕子に案内されながら家に向った。
裕子の家はバス停から徒歩5分くらいの場所にある、真新しいマンションだった。
そこに辿り着くまで、始終無言でなつみは付いていった。
(わぁ・・・・・。高そうなマンションだなぁ・・・・・。)
「なっち!?どなしたん、ずっと黙って。さては、緊張してるんか?」
「・・・えっ!?そ、そんなことないです・・・・。」
「この裕子さんに惚れて、変なことでも考えてるんちゃうかぁ?」
裕子はニヤニヤしながら、なつみの顔を覗きこんだ。
「ち、違いますよー!!凄いマンションだなって思って・・・。」
「なんや・・・・違うんか。」
ふと、寂しそうな顔をした裕子だったがなつみは気付いた様子はなかった。
エレベータに乗り、裕子は最上階を押した。
ここは、この辺でも珍しい高層マンションで18階まである。
その最上階ってことは、かなりの金額になるはずだ。
- 27 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時11分52秒
- (裕ちゃんって・・・・お金持ちなのかなぁ?
教師って安月給ってよく聞くけど、裕ちゃんは高級取り!?でも・・・新任のはず・・・。)
そんな事を考えていると、エレベーターが止まりドアが開いた。
「さ、降りて。」
「あ、はい。」
「こっちや。」
裕子の部屋は、1番奥の角部屋だった。
全てオートロックの為、裕子はドアの横にあるボタンを押した。
カチャリという音と共に、ドアが開けられ中に入った。
「どうぞ、入って。なんもないけどな。」
「お邪魔します。」
玄関はとっても広く、そのまま奥の部屋に廊下が続いている。
途中に浴室やトイレなどいくつか部屋があった。
リビングに入ると、なつみは驚いた。
20畳くらいあるのだろうか、余計な物がないせいかとても広く感じた。
- 28 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時12分28秒
- 「スゴ〜イ・・・・・。」
「なに驚いてるん?そのソファーにでも座って待ってて。
ちょっと、着替えてくるわ。スーツってのは、なんか動き難くてな。」
そう言って、裕子は自室に入っていった。
なつみは、見慣れない光景に落ち着かないのかキョロキョロと周りを見回していた。
ふと立ち上がり、ベランダの方へ行く。
「わぁ!!!!すっご〜い!!眺めがいいなぁ・・・・・・。」
高層の為、視界を遮るものが全くなかった。
普段、自分の部屋から覗いたって隣りの家が見えるだけ。
住んでる町が一望できることに、とっても感動していて自分の置かれてる立場を忘れていた。
「なぁ〜に、口ポッカーンと開けて見てるん?」
声をかけられ振り向くと、着替え終わった裕子がニヤニヤしながら立っていた。
とたん、恥ずかしくなり下を向いた。
顔が熱いから、きっと真っ赤になってるんだろうと思いながら。
- 29 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時13分07秒
- 「ははっ。まぁ、ええわ。
今、飲み物持ってくるからそこ座っとき!少し休んでから、勉強しよか。」
「・・・はい。」
なつみは大人しくソファーに座った。
キッチンの方では裕子が準備してるらしく、カチャカチャと音がしている。
(いやぁ・・・・恥ずかしい・・・・。そんなに口開けてたのかなぁ・・?
ってか、豹柄のソファーって一体・・・・。裕ちゃんの趣味・・・・なんだろうね。)
「はい、お待たせ。紅茶で良かったか?」
「あ、はい。紅茶好きです。」
「そか、良かった。」
さっきは恥ずかしさのあまりよく見なかったが、裕子は白いTシャツにジーンズと
とてもラフな格好になっていた。
そして、コンタクトだったのか今は眼鏡をかけていた。
(ゆうちゃんって、私服になるとカッコイイなぁ。
眼鏡も似合ってるし、可愛い・・・・。学校じゃ見れない姿だな・・・。)
- 30 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時13分41秒
- 「なに、人の顔じっと見て。なんか付いとるか?」
「い、いや・・・・眼鏡・・・。」
「あ、これか?普段はコンタクトなんやけどな。
ずっとしてると疲れんねん。それに、眼鏡は付いてんやなくてかけてるんや。」
「プッ・・・・。」
「ははっ。やっと笑ったな、その方が可愛えぇで!なっち。」
「か、可愛いって・・・・照れるべさ・・・・。」
「おっ、北海道弁もでた。」
「もぉ〜!!からかわないでください!!」
「きゃははは。ごめんて、からかった訳やないで?」
「裕ちゃん、私を虐めて楽しんでるんじゃ・・・?」
「そんなことないで、さぁ、落ち着いたようやから勉強しよか?」
「・・・・はーい・・。」
- 31 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時14分35秒
- リビングの奥にある机に移動すると、裕子は何枚かプリントを持って来た。
よく見ると、前の学校で習っていたトコだったのでなつみは驚いた。
「なんで・・!?裕ちゃん、なんで私が習ってたトコ知ってるの!?」
「ん〜?電話して、向こうの先生に聞いたんや。」
「わざわざ・・・・?」
「そう、わざわざ。」
ふと机の端を見ると、見覚えのある教科書が置いてある。
(あれ・・・?この教科書・・・・。)
その教科書を手に取り、裕子の方へ振りかえった。
「ねぇ、なんで裕ちゃんがこの教科書持ってるの?」
裕子は恥ずかしそうに頭を掻いていた。
- 32 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時16分09秒
- 「いやな、資料の為や。
学校の近くに本屋あるやろ?そこで取り寄せてもろうたんや。」
「そんなことまで・・・・。」
「なっちが転校してきた日な、その本が届いたんよ。
で、取りに行ってきたわけ。本屋のおばちゃんの話に捕まって、遅刻してしもうたけど・・・。」
「あ、それで学校と反対の方向に?」
「そうや。」
「まさか、裕ちゃんが先生だと思わなかった。」
「なんや、失礼やな!立派な教師に見えへんか?」
とか言いながらポーズをとる姿はかなり滑稽だ。
「あはははは、裕ちゃん面白い。」
「面白いて・・・・それは誉め言葉か!?」
「うん、誉めてるの。」
「そか。なら、ええわ。」
- 33 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時16分59秒
- 「でもさ、もし私が数学得意だったら・・・どうするの?」
「受け入れる側としては、情報を収集するもんなんや。
だから、転入の知らせがあってから調べたんよ。なっちの成績。」
「えっ・・・・・。私の成績・・・・?恥ずかしい・・・・・。」
「なに言うてんの。数学以外は優秀やんか。
ほれ、問題解いて!解からんやったら、遠慮なく聞きや。あっち座ってるから。」
「は〜い。」
それからしばらくは、会話もせず黙々と勉強をした。
まだ、習っていたトコだったので質問する事もなかった。
プリントから目を離し、机の奥を見ると写真立てがあった。
「裕ちゃん、これって学生の時の写真?」
「ん〜?どれや?」
ソファーに座り雑誌を読んでいた裕子は、なつみの傍へ近づいた。
- 34 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時18分10秒
- 「あぁ、それな。
そうや、大学の卒業式ん時のやわ。友達とみんなで撮ったやつ。」
「へぇ〜。あ、もしかして・・・・これが裕ちゃん!?」
「そうそう、よぉ解かったなぁ。」
「うん、でも・・・・髪が黒い。」
「あははっ。うちの学校は厳しくてな、染めたりしたら即停学や。」
「そうなんだ。でも、教師が金髪でいいのぉ?」
「今の学校は自由やし、最初は黒かったけどしばらくして染めた。」
「・・・・ん?」
「どないした?」
「ううん?なんでもない・・。」
「そか、じゃ続きやってな。」
「はい。」
- 35 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時19分19秒
- 裕子はまたソファーに戻って雑誌を読み始めた。
なつみは机に向い、写真を見つめたまま考えていた。
(あれ・・・・?なんか、どっかで見た事あるようなぁ・・・・?
でも、裕ちゃんは関西の人だし・・・・。気のせいかな・・・・・?)
なつみは写真を元に戻すと、再び勉強を始めた。
2〜3枚のプリントを終らせると、裕子に声をかけた。
「終りましたぁ〜!」
「おっ、終ったか。んじゃ、見せてみ!採点したるから。」
「お願いします。」
裕子が採点してる間、また外を眺めていた。
とっくに日も落ち、町のネオンがキラキラと輝いていた。
(キレイだなぁ・・・・・。)
ふと、時計を見ると夜の9時をまわっていた。
(ありゃ・・・。もう、こんな時間なんだ。
遅くまで悪い事しちゃったなぁ・・・・・。早く帰らないと。)
- 36 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時20分05秒
- 「よし!採点終り。ここまでは問題なさそうやな。」
「ほんとですか?」
「ま、多少のミスはあるけどすぐに直せる範囲やから心配せんでえぇやろ。」
「良かった・・・。
あ、じゃそろそろ帰ります。遅くまですいませんでした。」
ペコリと頭を下げると、荷物を持って帰ろうとした。
「あ、ちょー待ち!今日は帰らんでいいんよ。」
「はぁ・・・・・!?」
「親御さんには連絡してあるから。責任持って、お預かりしますってな。」
「・・・・・・・・・。」
(ゆ、裕ちゃんちに泊まるぅ・・・・・?
そんな・・・・・。急に言われたって・・・。着替えとかないし、ってそんな問題じゃない・・・。)
ふと、昼間矢口に言われた事を思い出した。
『・・・・気をつけなね』
(気をつけなって・・・・・何に気をつけるんだべ・・・・?)
- 37 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時21分49秒
- 「なっち?どないしたん、顔赤いで?
やっぱり、変なこと考えてるんちゃうんかぁ?」
「か、考えてません!!!!」
「あはははは。それじゃ、夕飯食べに行こっか。腹減ったわ。
近くに、美味しい店あるからそこに行くで。そんな顔せんと、はよ準備せんかい。」
「・・・・・はい。」
2人は、マンションを出ると近くの洋食屋に入った。
裕子の言ったとおり、かなり美味しくてなつみは食べるのに夢中だった。
(やっぱり、可愛えぇな・・・・。
あの頃と、ちっとも変わってへん。なっちは・・・やっぱり覚えてないんやな。当然か・・・。)
- 38 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時22分47秒
- 「美味しかったぁ〜♪裕ちゃん、ご馳走様でした!」
「気に入ってもらえて良かったわぁ。
ここはお気に入りの店なんよ。また、一緒に行こな。」
「はいっ!」
なつみはご満悦状態で、先程までの不安は吹っ飛んでいた。
マンションに戻り、入浴も済ますと裕子はパジャマを貸してくれた。
ソファーに腰掛けながら、裕子はビールを、なつみはジュースを飲みながら話に花を咲かせていた。
話してるうちに、なつみもようやく裕子に心を開いたのかいろいろ話をした。
家族の事や、前の学校の事など。
裕子は茶化す事もせずに、なつみの話に「うん、うん。」と頷いていた。
- 39 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時23分25秒
- 「なっちから話してくれんのんて、初めてやな。」
「え、そうだっけ・・・・?」
「そや、なんやいつも怯えてるような感じやったから・・・。」
「怯えてなんて・・・・。(確かに、少しは・・・・)」
「だから、今日は嬉しかったんよ。
んじゃ、そろそろ寝るとしますか。なっちも疲れたやろ?」
「はい。(・・・・ん?寝る・・・・?)」
「なんや、変な顔して。」
「い、いえ。なんでもないです。」
「あ、そうや!明日は何か用事あるか?」
「いえ?何もないですけど・・・・。何か!?」
「じゃぁ、明日は1度帰ってから観光しに行くか?」
「観光!?」
裕子は車のキーをチャラチャラと振りながら、話を続けた。
「まだ、この町のこと知らんやろ。
だから、車でいろいろと案内したるわ。特別やで、滅多にないで?」
- 40 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時23分59秒
- 「いいんですか?貴重な休みを・・・・。」
「どうせ、暇やしな。たまには外に出るのもえぇんちゃうかと思うてな。」
「わかりました。案内してください!」
「そうと決まれば、早う寝るで!」
そう言って、裕子はなつみを寝室に連れてった。
しかし、そこには・・・・ベッドが1つ・・・・・。
「・・・・私、ソファーで寝ますよ。」
「えぇやんか、このベッド広いから2人寝ても大丈夫やし。」
「で、でもぉ・・・・・。」
「裕ちゃんと一緒に寝るのイヤか・・・・?」
「い、イヤじゃないんですけど・・・。」
「じゃ、えぇやんか!さ、寝よ。1人寝は寂しいんよ。」
裕子は先にベッドに入ると、布団を捲りポンポンと自分の横を叩いた。
なつみも諦め、裕子の横に入り込んだ。
- 41 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月14日(金)21時24分42秒
- 「じゃ、電気消すで?」
「・・・はい。」
裕子は電気を消すと、ベッドに横になった。
部屋の中は月明かりで薄っすらと明るくなっている。
「なっち、おやすみ。」
「お、おやすみなさい・・・。」
裕子は疲れていたのか、すぐに寝息をたてはじめた。
なつみは緊張のせいでなかなか寝つけずにいたが、
裕子の甘い香りと寝息が子守唄代わりになり、いつのまにか眠りに落ちていた。
- 42 名前:TAKU 投稿日:2003年02月14日(金)21時26分51秒
- 本日の更新はこれで終りです。
読み難かったりしてないかな・・・・?
かなりの大量更新ですが、感想待ってます!
どんな事でもいいのでお願いしますm(_ _)m
では。
- 43 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月14日(金)21時42分40秒
- なっちゅーはあまり無いのでスゴイ楽しみです!
続き楽しみにしています。
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月14日(金)23時05分55秒
- なっちゅー好きなんですが、あまり無いですね。
矢口・裕ちゃん・なっちの三角関係はよくあるんですけどね。
結局、やぐちゅーなってしまいますし・・・。
だから、続き楽しみにしています。
- 45 名前:TAKU 投稿日:2003年02月15日(土)04時14分34秒
- >43 名無し読者さま
レスありがとうございます。
そういえば、なっちゅーってあんまり無いですよね。
頑張りますので、今後も読んでくださいね!
>44 名無し読者さま
レスありがとうございます。
この話も三角関係的なとこがありますけど、基本はなっちゅーです!
どんどん更新していくので、また感想くださいね!
では、気分がいいので更新します!
- 46 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時16分14秒
- 翌朝、先に目を覚ましたのは裕子だった。
横を見ると、なつみが気持ち良さそうに眠っている。
(・・・・・ん?あ、そうや・・・昨日・・・・。
ふふっ・・・。可愛えぇ寝顔やなぁ、襲いたくなるっちゅーねん。)
「なっち・・・・・?」
名前を呼んで、頬をつっついてみたが起きる様子はない。
顔にかかっている髪をはらってやると、無防備な顔があらわになった。
(うっわぁ・・・・。ちょー可愛えぇ・・・・。
ん〜我慢でけへん・・・・これくらいなら許されるやろ。)
裕子はそっと顔を近づけると、頬に軽くキスをした。
くすぐったい感触があったのか、なつみは頬をポリポリと掻いていた。
(もう少し・・・えぇよね・・・。)
チュッ。
今度は頬ではなく、唇に。
- 47 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時16分58秒
- 「ん・・・・・・。」
なつみが声を出したので、裕子は急いで離れた。
「う〜ん・・・・・。」
「なっち、起きたんか?」
「・・・・・ん?裕ちゃん・・・・・?ここは・・・・はっ!?」
なつみは突然ガバっと起きあがった。
「なんやねん!?ビックリするやないの!」
「あたし、なんでここに・・・・?あ、そうか。補習して、御飯食べて・・・。」
「ははっ。思い出したんか?」
「うん・・・・。」
「おはようさん!」
「おはようございます・・・。」
裕子はなつみの頭をくしゃくしゃっとすると、部屋を出て行った。
なつみは髪を直しながら、未だベッドの中でボーっとしていた。
- 48 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時18分01秒
- (裕ちゃんちに泊まっちゃったんだ。やぐっつぁんが知ったら怒るだろうなぁ・・・。
でも、学校での裕ちゃんって少し怖い感じがするけど・・・スゴイ優しいよねぇ・・・・。)
――ズキッ
(あ・・・。まただ・・・。
なんで、胸が痛くなるんだろ・・・。病気なのかな、死んじゃったらどうしよ・・・。)
少し鬱になりながら、なつみは部屋を出た。
その頃、裕子はキッチンで朝食を作っていた。
(はぁ・・・・・。キスしてもうたわ・・・。
なっちの唇って柔らかいんやなぁ・・・・。ってか、バレてないよな?
ま、大丈夫やろ。しっかし・・・・。自分のもんにでけへんやろか・・・無理やろなぁ・・・。)
- 49 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時18分38秒
- 「はぁ・・・・・・・・・・・。」
「裕ちゃん?どうしたの、溜息なんかついて。」
「わぁぁ・・・!?!?なっち・・ビックリさせんといて・・・・・。」
「ごめんなさい・・・。裕ちゃん、なにしてるの?」
「見てわからんか?朝食や、朝食!
もうすぐ出来るから、そこ座っててや。なっち、サラダ好きか?」
「へぇ〜!裕ちゃんが作ったの?サラダ?好きですよ。」
「へぇ〜てなんや、アタシが作ったらおかしいんか?」
「え、いや・・・以外だなって思って・・・。」
「以外て失礼やな、一応一人暮しなんやけど?
ま、えぇわ。ほれ、できたで食べぇや。味は保証せんよ?以外な人が作ったわけやし。」
裕子は少し皮肉っぽく言ったが、顔は笑っていた。
テーブルの上には、トースト・スクランブルエッグ・サラダがのっていた。
「あれ?1人分・・・・・?裕ちゃんのは?」
「あぁ、アタシは朝は食べられへんねん。気にせんと食べ?」
そう言って、裕子はコーヒーを口に運んだ。
- 50 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時19分15秒
- 「でも、私だけ食べるの・・・悪いなって・・・・。」
「えぇんやって、食べなさい!」
「はい、じゃぁいただきます。」
なつみは一口食べると、裕子の顔を見た。
「ん?どした、やっぱりマズイか?」
「美味しい。すっごい美味しい。」
「そうか、良かった。作った甲斐があったな。」
裕子はなつみが食べているのをニコニコしながら見ていた。
(なんや、幸せやなぁ。この顔・・・毎日見てたいなぁ・・・・・。)
「ゆうちゃん。」
「なんや?」
「あのね?ずっと見てられると、食べにくいんだけど・・・・。」
「えぇやんかぁ。・・・・わかった、向こう行ってるわ。」
裕子はコーヒーを持ったまま、リビングの方へ歩いて行った。
ソファーに座るとTVをつけ、なつみが食べ終わるのを待っていた。
時折、地図を広げて今日の観光コースを考えていた。
しばらくすると、食事を終えたなつみがリビングにやってきた。
- 51 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時19分57秒
- 「ごちそうさまでした。」
「いえいえ、食べ終わったんか?」
「うん、美味しかったよ!」
「そか、んじゃ片付けてくるから待っとってや。」
立ち上がると、裕子はキッチンに向おうとした。
「あ、裕ちゃん!ちゃんと片付けておいたから。」
「え、そうなん?別にそのままでよかったんよ?」
「少しでも役に立とうと思って。」
「なんや、気にせんでえぇのに。でも、ありがとな。」
「うん。」
なつみはいつのまにか、返事を「はい」ではなく「うん」と言うようになっていた。
裕子は少しだけなつみに近づけたような気がして、嬉しくなった。
- 52 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時20分40秒
- 「ねぇ、裕ちゃん。」
「なんや。」
「裕ちゃんってさ、寝る時いつもバスローブなの?」
「ん、そうやけど・・・それがどうかしたんか?」
「うん、なんか凄く似合うなぁと思って。」
「そ、そか?・・・・なんや照れるなぁ・・・・・。」
普段、自分はモテる、いい女だと公言している裕子が照れていてなつみは新鮮に感じた。
それと同時に、自分も将来裕子みたいな女性になりたいと思っていた。
「さ、時間なくなってまうから準備して出かけよう。」
「はぁ〜い!」
2人は着替えると、マンションの駐車場に向った。
そこには高級な車がズラリと並んでいて、その中に裕子の車もあった。
キーに付いてるボタンを押すと、車のライトがチカチカと光り鍵が開いた。
「すご〜い!!」となつみは驚いていたが、「たいしたもんじゃないよ。」と裕子はあっさりと返した。
助手席のドアを開けてなつみを乗せ、自分も運転席に座った。
- 53 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時21分22秒
- 「このシートってピカピカなんですね?」
「あぁ、それな。そこに座ったん、なっちが初めてや。」
ちょっと、照れ臭そうに前を向いて裕子は答えた。
「へぇ〜。じゃ、貴重な体験だなぁ〜。」
「そ、そやな・・・。じゃ、行くで。」
エンジンをかけると、車は駐車場を出てなつみの家に向った。
ほんの10分程で、なつみの家の前に着き着替えて出てくるのを待っていた。
「ただいまー。」
「あら、おかえり。しっかり勉強してきたの?」
「うん、頑張って数学を克服するからね!」
「珍しく、やる気じゃないの。三日坊主で終らない事を祈るわ。」
「うるさいなぁ・・・・もう・・・。」
- 54 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時22分41秒
- 母親とのやり取りもそこそこに、2階の部屋に着替えに行った。
急いで下りてきて、玄関へ向うとまた母親に捕まった。
「なつみ、あんた出掛けるの?帰ってきたばっかりじゃないの。」
「うん、先生がね?観光案内してくれるんだって。」
「あら、迷惑じゃないの?せっかくのお休みでしょ?」
「私も言ったんだけど、たまには外に出かけたいからって。前で待ってるんだ。」
「あらまぁ、そうなの?ちゃんとご挨拶しなきゃ!!」
「えぇ〜。いいよぉ・・・・。」
「だめよ、お世話になってるんだから。」
そう言って、私よりも前に母は外に出て行った。
後を追って出ると、裕ちゃんは車から降りて母と話をしていた。
- 55 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時24分44秒
- 「ちょっと・・・お母さん、恥ずかしいからやめてよ・・・。」
「こら、安倍。いいお母様じゃないの。そんな事を言ったらいけないよ?」
(え・・・!?安倍・・・・?それに標準語!?)
「は、はい・・・・。すいませんでした。」
「それでは、娘さんをお預かりします。」
「宜しくお願いします。なつみ、御迷惑おかしちゃダメよ?」
「はーい。」
車を走らせると、見えなくなるまでなつみの母はペコペコと頭を下げていた。
「ふぅ・・・・・・。あぁ・・・緊張したわぁ・・・・。」
「あ、戻った。」
「なにがや?」
「いや、さっき標準語だったから・・・・。」
「あぁ、一応な。親御さんと話する時は、標準語を心掛けてるんや。」
「なるほど。」
- 56 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時25分45秒
- その後は、博物館に行ったり大きな公園で散歩したり、繁華街を歩いたりと楽しく過ごした。
そんなに大きな町ではないので、あっという間に観光は終ってしまった。
車では行けない所もあり、これはまた今度と言う約束をした。
あまり遅くなってはいけないので、夕方にはなつみの家へ戻って行った。
が、しかし・・・・帰りの途中で小さな陰が2人を見ていた事はこの時の2人は知らなかった。
「裕ちゃん、いろいろとありがとう。」
「いえいえ。アタシも楽しかったし、ありがとな。」
「明日は日曜だから、ゆっくり休んでね?」
「あぁ、なっちもゆっくり休みぃ。
そや、これアタシの携帯の番号とメールアドレスや。なんかあったら、連絡しぃ。」
裕子は小さな紙を渡した。
- 57 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時26分27秒
- 「ありがとう、数学で解からない事あったらメールします。」
「いや、それだけやなくて・・・・。普段でもしてな?携帯鳴らなくて寂しいねん。」
「えぇ!?裕ちゃん、友達いないのぉ?」
「そ、いないの。だから、連絡してな!」
「だって、平家先生は?仲良しなんでしょ?」
「あ、みっちゃん?あれは友達やなくて、飲み友達や。」
「同じだと思うんだけど・・・・・・。」
「まぁ、えぇやないか!じゃ、また学校でな!!」
「うん、気を付けて帰ってね?」
「おぅっ!」
- 58 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)04時27分09秒
- 裕子は手を振りながら帰って行った。
部屋に戻ると、なつみは携帯を弄り始めた。
『楽しかったよ!裕ちゃんありがとう♪
これが私のメアドと電話番号です!090−****−#### なっち』
「ん?なんや、またみっちゃんかぁ?」
携帯を取ると、ディスプレイには知らないアドレスが出ていた。
メールを開くと、とたんに裕子の顔が緩んだ。
『メールありがとな。嬉しかったでぇ!もうすぐ家に着くわ。 裕ちゃん』
それから、お互いが寝るまでメールのやり取りは続いた。
裕子にとって、メールが楽しいのは初めてで時間が経つのも忘れていた。
『あ、裕ちゃん。そろそろ寝るね!おやすみなさい。 なっち』
『もう、こんな時間やったんや・・・。遅くまでゴメンな?おやすみ。 裕ちゃん』
そうして、夜は更けていった。
- 59 名前:TAKU 投稿日:2003年02月15日(土)04時31分45秒
- 更新終りです。
自分でageてしまって、ちょっと鬱です・・・。
sage進行でいきたいのに・・・・。
また夕方か夜にでも更新します。
それでは。
- 60 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)11時13分57秒
- はじめまして。
最近、なっちゅーを見かけないので嬉しいです。
更新も早くてどんどん先が読みたくなってしまいます。
続き楽しみにしてます。
- 61 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)16時05分39秒
- すごい更新すごいはやいですね。
続きがすごい楽しみです!
- 62 名前:TAKU 投稿日:2003年02月15日(土)18時28分05秒
- なんか少しずつレスがついて嬉しいです♪
>60 名無し読者さま
初めまして。
レスありがとうございます!
ボクは裕ちゃんが大好きで、CPではなっちゅー・ごまゆうが好きなんですよ。
なので、その2つをメインでいろいろ書いてます!
話は完結してるので、どんどん更新します!
>61 名無し読者さま
更新、早過ぎますか?
どのくらいのペースでやっていいのか解からないんで^^;
でも、自分のペースで更新していこうと思ってます。
長い目でみてやってください!
では、裕ちゃんのライブDVDを見ながら更新します!(笑)
- 63 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時29分34秒
- あれから毎日、2人はメールのやり取りをしている。
内容なんてくだらない事ばかりだ。
裕子にとっては、内容なんてどうでも良かった。
ただ、なつみとの繋がりさえ持てれば・・・・・。
そんな思いから、自分の授業がない時や休み時間など携帯を取り出してはメールを送った。
この日も、嬉しそうにメールを打っていた。
「姐さん、なにやってますの?」
「ん?邪魔せんといて!見てわからんか?メールやメール!」
「いや、そりゃぁわかりますけどね?
最近めっちゃ楽しそうですやん。恋人でもできたんですかぁ?」
「はぁ!?そんなん居らんわ。」
「前は、メールなんて面倒やって・・・・。
使い方すらわからへん言うてはったやないですか。ウチにだってアドレス教えてくれないのに・・・。」
「あぁ・・・。まぁ、えぇやんか!邪魔やからあっち行ってや。」
「はいはい・・・・。(なんや最近、姐さん変ですわ・・・。)」
- 64 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時30分16秒
- 教室では、昼休みの為ガヤガヤと生徒達の声で賑やかになっていた。
なつみは矢口と共に、屋上でお弁当を食べていた。
ただ最近、矢口の様子が少しおかしいのが気になっている。
話をしている時は普通なのだが、時折なにかを考えこんでいる。
「ねぇ、やぐっつぁん?」
「ん〜?なに?」
「なんか、悩みでもある?」
「えぇ〜!?べっつにぃ。なんで?」
「うん・・。最近さぁ、なんか考えてる事多いから・・・。」
「ふ〜ん。そんな風にみえた?」
最初は普通に会話をしていたが、次第に矢口の顔が強張っていった。
「うん、見えた。ずっと気になってたの。」
「へぇ〜!!人の事を見てる余裕なんてあったんだ。」
「な、なによ・・・。人が心配してるのにその言い方・・・・。」
その時、なつみの携帯がメールの着信を知らせた。
- 65 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時31分04秒
- 「ほら、携帯鳴ってるよ。」
「え、あ・・・・うん。」
メールは裕子からだった。
『なっち〜今なにしてん?裕ちゃんは退屈やぁ〜(笑)』
(もう・・・・今はそれどころじゃないの・・・・。)
なつみは返信もせず携帯をしまった。
「返さなくていいの?」
「いいの。今はやぐっつぁんと話してるから。」
「ふ〜ん・・・・。」
「でさ、何を悩んでるの?私じゃ力になれない?」
- 66 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時31分34秒
- 「力ねぇ・・・・。じゃ、聞くけどさぁ・・・・。」
「なに?」
「先々週の土曜日って何してた?」
「んっと・・・。あ、市内観光してたよ。」
「観光・・・・?」
「うん、いろいろと見てきたの。」
「へぇ〜・・・。で、1人で観光してた?」
「い、いや・・・。1人ではなかったよ・・・・。」
「だろうね。矢口さぁ、見ちゃったんだよね。」
「えっ!?見たって・・・・・?」
矢口はキッとこっちを見ると、怒りに満ちた表情をしていた。
なつみはゴクッと唾を飲み込み、矢口の次の言葉を待った。
その時点で覚悟はできていた。
あの後すぐに報告をしなかった自分もわるいが、それを知って憤慨する矢口も怖かった。
ここに来て出来た友達は矢口しかいなかったから、その友達を失うのが怖かったのだ。
その思いから、裕子との事は一切話してはいなかった。
- 67 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時32分12秒
- 「裕子といたでしょ。」
「・・・・・・・。」
「見たんだよ!!裕子の車に乗ってるの。」
「・・・・ごめん・・・。」
「謝るなよっ!!謝らなきゃいけないことでもしてたわけ?」
「ううん?そんなことしてない・・・。」
「じゃ、謝るなよ・・・・。
矢口が裕子の事、好きなの知ってるよね?だから、言えなかったんでしょ?」
「うん・・・・。」
「なっちはどうなのさ、裕子の事好きになったの?」
「好きとか・・・・そういうのはわかんないよ・・・。
ただ、カッコイイし、優しいし・・・・・。憧れてはいる・・・かな・・・。」
「そっか。んじゃ、今からライバルとみなすよ。いいよね?」
「・・・・えっ!?ライバル・・・・?」
「そっ。ライバル!だけど、友達は友達だから。」
「うん・・・よくわかんないけど・・・・。わかった。」
- 68 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時34分12秒
- 矢口はなつみに手を差し出し、なつみもその手を握り握手をした。
「よしっ!これで仲直りだ。
あと、なっちは気付いてないようだから教えてあげる。」
「な、なにを・・・・・?」
「ライバルへの大サービスだよ!
裕子はねぇ、なっちのこと好きだよ。ずっと裕子を見てきたオイラだからわかるのさっ!」
「えぇーーーーー!?!?!?!?」
「じゃ、オイラは用事ができたから先に行くね。」
矢口は屋上を後にすると、職員室へ向って行った。
途中、みちよの姿を見つけ後を追った。
「お〜い!!みっちゃーん!!」
「ん?矢口ぃ!?なんや、そんなデッカイ声で呼ぶなや。」
「今ねぇ、みっちゃんトコに行こうとしてたんだ!!」
「平家先生やて何度言ったらわかるん?で、なんか用か?」
「うん、ちょっとねぇ聞きたい事があるから放課後時間ある?」
「放課後かぁ・・・・・。あんまり時間ないけどえぇか?」
「うん、すぐ終るから。じゃ、放課後、裏庭に来てね!」
「わかった。」
「じゃねー!」
そう言って、矢口は走り去って言った。
- 69 名前:TAKU 投稿日:2003年02月15日(土)18時35分56秒
- あ・・・誤字・・・・。
>そう言って、矢口は走り去って言った。
走り去って行った。です
以後気をつけます・・・。
- 70 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時37分19秒
- (ウチに聞きたい事?一体なんやろ・・・・?
あんまり時間かからんとえぇなぁ・・・・・。待たせるとうるさいからな・・・・。)
みちよは頭を掻きながら職員室に入って行った。
中に入ると、裕子が携帯と睨めっこをしていておかしくて笑ってしまった。
「姐さん、なに携帯と睨めっこしてはるんですか?」
「だってな・・・。いっくら待っても返事こないんやもん・・・・。」
「返事て、誰からですの?」
「な・・・・。いや、友達や。」
「その人も忙しいんちゃいますか?そのうち返事きますよ。」
「う〜ん・・・・・・。」
その後も、この睨めっこは続いていた。
- 71 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時39分12秒
- 放課後になり、矢口は急いで帰り支度をしていた。
なつみは矢口に言われた事がずっと頭の中を支配していて、授業も上の空で終ってしまった。
「なっち、オイラ急ぐからお先!!」
「あ・・・。またね・・・・。」
(裕ちゃんが私を好き・・・・・?・・・・・・・好き・・・?)
「まさかねぇ・・・・。」
(あぁ・・・。でも、こんな気持ちで裕ちゃんの顔見れないよ。
今日の補習・・・どうしよう・・・。裕ちゃんには会いたいけど・・・・今日はやめよう・・・。)
なつみは携帯を取り出すと、裕子にメールを打った。
「おっ!!メールや♪やっときたでぇ。」
『ごめんなさい。今日は調子が悪いので補習は休みにして。 なっち』
「はぁ・・!?なんでやの・・・・。調子悪いて・・・・大丈夫なんやろか。」
『補習は別にえぇけど、大丈夫なんか? 裕ちゃん』
それから、その日は返事がこなかった。
- 72 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時40分40秒
- 矢口が裏庭へ行くと、既にみちよは来ていた。
「みっちゃん、お待たせ!」
「遅いわ!で、話てなんやの?手短に頼むわ。」
「うん、裕子の事なんだけど・・・・。」
「姐さん?」
「前に裕子が、車の助手席には誰も乗せないって言ってたじゃん?」
「あぁ、言うてましたね。ウチかて乗せてもろうた事ないわ。」
「えぇ!?みっちゃんも?」
「そうやで、2人で乗っててもいつも後ろの席や。」
「それってさぁ、どんな理由だったっけ?」
「たしか、大切な人しか座らせん!って言い張ってましたが?」
「大切な人・・・・・か。」
「それが、どうしたんや?」
その時、みちよは突然後ろから抱きつかれよろけてしまった。
- 73 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時41分22秒
- 「な、なんや・・・・・!?誰や・・・・。」
「みっちゃぁ〜ん♪遅いから迎えに来ちゃったぁ〜♪」
「ご、ごっちん・・・・!?!?」
「ねぇ、みっちゃん?この人誰?」
「あぁ、高等部の矢口真里や。えっと、矢口?この子は、中等部の後藤真希。」
「後藤さんか、矢口です。よろしく。」
真希は、矢口を睨むと。
「みっちゃんは、ゴトーのだから手出さないでよね!!」
「後藤さんのもの!?」
「まぁ、その・・・・・。そういうこっちゃ、矢口。内緒やで?」
「ごっちんも、そんな膨れんと・・・。相談にのってただけやから。」
「ホントやて。」
「へぇ〜みっちゃんがねぇ・・・・・。」
「矢口・・・・。言うなや?話は、もうえぇんか?」
「言わないよ。うん、話はそれだけ。
ありがとね、みっちゃん!じゃ、邪魔してごめんね?後藤さん。」
「じゃな。」
- 74 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時42分04秒
- そして、みちよと真希は帰って行った。
真希は幸せそうにみちよの腕に絡みついていた。
(いいなぁ・・・・・。オイラも幸せになりたい・・・。
もう完全にダメなのはわかったけど、ハッキリさせないと何も始まらないか・・・。)
「さぁ〜て、帰るとすっか・・・・。」
「みっちゃん、さっきの人・・・矢口さんだっけ?」
「そうや、矢口がどうかしたんか?」
「うん、なんかねぇ・・・・。よっすぃーのタイプかも。」
「あはははは。そりゃぁ、おもろいな。」
「今度、会わせてみてもいい?」
「あぁ、好きにしぃや。」
この日は、それぞれがいろんな思いを抱いて過ぎていった。
裕子はなつみを心配し、なつみは裕子の事が気になりだした。
矢口は決心を固め、みちよと真希は何かを企んで。
あくる日、裕子はなつみの事が気になっていつもよりも早く家を出た。
そして、2つ目の停留所でバスを降りた。
- 75 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時50分20秒
- なつみは、いつも通りの時間に家を出てバス停に向った。
ただ、いつもと違ったのは、いるはずのない人物がそこにいた事。
(・・・・!?裕ちゃん・・・・?)
裕子は壁に寄り掛かり、寂しそうな顔をしていた。
なつみは裕子のそんな顔を見るのは初めてだった。
いつも見せてくれるのは、最高の笑顔やはにかんだ笑顔。
思わず、声をかけるのをためらってしまった。
そんななつみに裕子が気付き、いつもの笑顔で寄ってきた。
「あ・・・。なっち!おはようさん♪大丈夫か?」
「お、おはよう・・・。うん、大丈夫・・・。」
「そっか・・。連絡なかったから、心配でな。」
「ごめんなさい。帰ってからすぐ寝ちゃったの・・・。」
「いや、いいんよ。大丈夫ならそれで。さ、行こか!」
「うん。」
(あぁ・・・。逆に心配かけちゃったよ・・・・。
普通にしなきゃダメだよね・・・・。ごめんね、裕ちゃん・・・・。)
- 76 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時51分03秒
- それから、しばらくは普通に過ごした。
いつものように、学校に行き補習を受け家に帰る。
矢口とも前と変わらずに、仲良くしていた。
ちょっと変わったと言えば、矢口が積極的に裕子に近づいてるって事だけ。
裕子も「うっさい!うっさい!」言いながらも、楽しそうだった。
授業中も目が合うと、優しく微笑んでくれる。
なつみはそれだけで良かった、裕子の笑顔さえ見れれば。
そして、秘密の補習も終り試験1週間前になった。
裕子も問題作成や会議に追われ、忙しくなった為普段会う事はなくなった。
会うのは、授業とHRくらい。
私も寂しいなとは思ったけど、矢口は余計に寂しがっていた。
「なっちぃ〜・・・・・。オイラ裕子不足だ・・・・・・。」
「あははは。やぐっつぁん、ホントに好きなんだねぇ〜。」
「なんだよぉ!!最初から言ってるじゃんかぁ!」
- 77 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時51分42秒
- ――ガラッ。
「ほれ、席に着きや!!
明日から試験やってのに・・・・このクラスは勉強しようって気はないんかい・・・。」
「だって〜!裕子のクラスだもん!しょうがないじゃん!!」
「なんやて?矢口、言うたな!!ってかな、誰が呼び捨てにしてえぇ言うた?あぁ?」
「おぉ〜こわっ!なっち、こんなのに誑かされちゃダメだよ?ひゃはは♪」
「な・・・失礼なやっちゃなぁ!!な・・・安倍、こやつの言う事なんか聞いたらアカンで!」
まぁ、お互いを貶しあうのはいつもの事だが、矢口はそれでも嬉しそうだった。
裕子は矢口と話していても、なつみを見ることは欠かさない。
いつも優しく微笑みかけるが、その時だけ矢口は寂しそうな顔をする。
- 78 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時52分53秒
- 「それじゃ、今日のHRは終りや。
みんなも、はよ帰ってちゃんと勉強しぃや!わかったなぁ?1人でも赤点取ったら、全体責任やからな!」
「「「えぇ〜〜〜〜〜っ!!!!!」」」
「えぇ〜やないっ!!さっさと帰って勉強せぃや!そうやないと・・・賭けに負ける。」
「・・・ん!?裕子、最後になんて言った?」
「い、いや・・・。なんでもない。それじゃ、終り!」
そう言って、そそくさと裕子は教室を出て行った。
「ねぇ、なっちは聞こえた?オイラあんまり聞き取れなかったんだけど・・・・。」
「(聞こえたけど・・・・)ううん?聞こえなかったよ。」
「そっか。なんか怪しいんだよねぇ・・・・。」
「まぁ、いいじゃない!さ、帰ろう?」
「そだね。あ、そうだ!なっちにお願いがあるんだけど・・・。」
「ん?なんだべ?」
「試験が終ったらさ、ちょっと付き合ってもらいたいトコあるんだけどさ。」
「別にいいけど、なに?」
「うん、その時に言うわ。」
「わかった。」
- 79 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時53分31秒
- そして、1週間もの長い試験期間が始まった。
一応、教師と生徒という事もあるのでなつみはメールも禁止にした。
最初、裕子は「メールくらいえぇやんか!」と言っていたが、なつみに負け我慢する事になった。
職員室で、あんまりにも暇なせいで珍しく机の整理をしていたが殆どなにも無い為すぐに終ってしまう。
「もう、終ってもうた・・・・。他にする事ないしな・・・・。
そや!みっちゃんの机も片してやるか。ウチより散らかっとるしな、一日一善や!!」
と、わけのわからん事を言い出しみちよがいないのを良い事に勝手に片付け始めた。
すると、本の間から何かが落ちてきた。
(ん〜・・・?なんや?)
拾って見てみると、それは写真でみちよと可愛い女の子が寄り添って写っていた。
普段見ることのないような笑顔のみちよ。
一瞬で、裕子の頭の中には1つの答えが出た。
(はは〜ん!そういう事か。なんや、みっちゃんもやるやないの!)
- 80 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時54分06秒
- その時、試験官で出ていたみちよが戻ってきた。
「おぅ!お疲れさん。」
「はぁ、疲れましたわ・・・・。座ってるだけやと大変ですわ・・・。」
「なぁ、みっちゃん?」
「なんですか?」
「これ、なんや?誰や、この可愛い子は!」
「!?!?!?ちょ、ちょっと・・・姐さん・・・・。
どうしてそれを・・・。返してくださいよ、お願いしますて・・・・。」
みちよは慌てて取り返そうとしたが、そこは裕子のが上手。
「返してやってもえぇけど、今日付き合ってな?話を聞かせてもらおうやないの!」
「話す事なんて、ないですよ!」
「ふ〜ん。じゃ、返さんでえぇんやな?」
「わかりました・・・・。」
そして、この夜はみちよにとって最悪の日になった。
後藤真希という中学生と付き合ってるという事、もうすぐ半年経つという事。
全て、吐かされたのであった。
- 81 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時54分42秒
- 試験最終日の朝、裕子が学校に着くと校門で矢口が待っていた。
「おはよう!裕子!!」
「おはようさん。その呼び捨てどうにかならんのか?」
「ま、いいじゃん!」
「いいじゃんて・・・。ってか、ここで何してるん?」
「うん、裕子を待ってた。」
「はぁ!?なんか用でもあるんかいな?」
「そう!今日、学校終ったら裏庭にきてくれない?」
「なんでや?」
「ちょっと、話があるんだ・・・。絶対来てね!」
それだけ言うと、裕子の返事も聞かず走り去ってしまった。
(なんやっちゅーの!!!勝手やなぁ・・・・・。)
裕子はブツブツ言いながら、校内に入って行った。
そして、最後の試験が終り皆帰り支度を始めていた。
- 82 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時55分25秒
- 「なっち、約束覚えてる?」
「あぁ、今日やぐっつぁんに付き合うってやつでしょ?覚えてるよ。」
「良かった・・・。」
「で、なんなの?どこに行くの?」
「今は言えない・・・。とにかく一緒に来て!」
「はいはい・・・。」
仕方ないという感じで、なつみは矢口に着いていった。
行った先は学校の裏庭。
ふと、矢口が立ち止まる。
その目線の先には、裕子が待っていた。
(・・・えっ!?裕ちゃん?)
「ごめんね、なっち・・・・。オイラもう限界なんだ・・・。
今から裕子に告白するから、見届けてくれないかな?ライバルとして、お願い。」
矢口の目は真剣だった。
その目を見てしまった以上、断る事は出来なかった。
ただ、心がズキッとしたのは緊張のせいばかりではなかった。
それが何なのか、この時のなつみにはわからなかった。
- 83 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時56分05秒
- 「裕子、お待たせ!」
「おっそいわ!矢口!!って・・・なっち・・・・・?」
「裕子・・・。」
「なんや、話って。」
「オイラ、裕子が好き。付き合って欲しい。」
「はぁ・・・・!?」
「ずっと、裕子が好きだった。オイラは真剣だよ?
だから・・・・・裕子もハッキリと返事を聞かせて欲しい。」
「でも・・・なんで、なっちもいるんや?」
「なっちには、オイラが頼んだ。
オイラの勇気を見届けてって。だから、返事を聞かせてください。」
そう言って、矢口は頭を下げた。
今まで、こんな矢口を見た事なかった2人は驚きを隠せなかった。
ただ、裕子にも矢口が冗談で言ってるわけではない事は充分に伝わった。
- 84 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時56分37秒
- 「わかった。正直に言うな。
矢口の気持ちは嬉しいで、でもな・・・・アンタとは付き合えない。」
「そっか・・・・。」
「ごめんな・・・。」
「ううん?いいんだ、ダメなのは最初からわかってたから。
でもね、ハッキリさせないと諦め切れないからさ・・・・。これでスッキリしたよ。」
「やぐっつぁん・・・・・。」
「なっち、ありがとね!
あと、ちょっと裕子に聞きたい事あるからなっちは向こうに行っててもらえる?」
「えっ!?あ、うん・・・・わかった。」
そうして、なつみは校舎の方へ戻り近くのベンチに座って矢口を待った。
なつみが離れたのを確認すると、矢口は裕子に向き直った。
- 85 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時57分24秒
- 「ねぇ、裕子?」
「なんや・・・?」
「オイラと付き合えないのは、他に好きな人いるからじゃないの?」
「・・・・・・あぁ、そうや。」
「それって、なっちでしょ?」
「・・・・・・。」
「オイラの勇気を称えて、答えてよ。」
「・・・・そうや、なっちが好きなんや・・・。」
「やっぱりねぇ、なっちを見る目が違ったもん。
それでさぁ、なっちのこと大事?いつも守ってるって感じがするんだよねぇ。」
「大事や・・・・。」
「そっか。それだけ聞ければいいや。」
「あの・・・・なっちには・・・・。」
「言わないよ。」
「ありがと・・・。」
「ただね、裕子を好きなのってオイラだけじゃないんだよ。知ってるよね?
だから、ちゃんとなっちを見ててあげてね?オイラがいればいいけどさ、
ずっと一緒にいれるってわけじゃないから、守ってあげてね。これが最後のお願いだから。」
「わかった。」
「じゃ、なっちが待ってるから行くね。」
「あぁ・・・。」
- 86 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)18時58分51秒
- 走り去って行く矢口の背中を見ながら、裕子はとてつもない切なさに襲われた。
矢口と共に帰って行くなつみが心配そうに振り返ったが、手を振る事しか出来なかった。
(ウチ・・・笑えてないやん・・・・。
なっち・・・・全然覚えてないんか?ウチのこと・・・・。)
なつみは矢口と共に教室へ荷物を取りに行くと、校舎を出た。
「やぐっつぁん・・・?」
「ん?なぁに?」
「大丈夫なの?」
「あぁ、さっきの?大丈夫だよ!
最初からダメなのわかってたし、スッキリしたよ!」
「ホントに・・・・?」
「ホントだって、なっちも気にするなって!」
「うん、わかった。」
「じゃ、オイラ電車だから。なっちはバスでしょ?」
「うん・・・・。」
「それじゃ、また明日ね!今日はありがとー。」
「うん、バイバイ。」
お互いに手を振って、それぞれの家に帰って行った。
そして、数日後。事件が起きた・・・・・・。
- 87 名前:TAKU 投稿日:2003年02月15日(土)19時01分29秒
- 取り敢えず、更新終了です。
未熟なもので・・・面白くないかもしれませんけど^^;
今日は時間があるので、また後ほど更新するかもしれません。
それでは。
- 88 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)19時20分36秒
- 事件て何ー!?
>未熟なもので・・・面白くないかもしれませんけど^^;
そんなことありませんよ!
すごいおもしろいです。
- 89 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)21時45分46秒
- HPで読んだことがありますが、
TAKUさんの話は何度読んでもやっぱいいいです!
- 90 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)22時05分42秒
- おー!なっちゅー発見!
なっちゅーいちおしなんですが,最近少なくって餓死しそうでした.
読みやすくて,面白いです.続きを楽しみにしてます.
- 91 名前:TAKU 投稿日:2003年02月15日(土)22時17分44秒
- レスが増えてて嬉しいな♪
>80 名無し読者さま
事件ですか?これから真相が・・・。
ボクの面白いですか?ありがとうございます!
そう言ってもらえると活力になります!
>89 名無し読者さま
えぇ!?ボクのを読んだ事あるのですか?
お恥ずかしい限りです^^;
良いと言っていただけて光栄です^^
>90 名無し読者さま
なっちゅー1推しですか!
ボクが頑張りますので、餓死しないでください!
みなさんでなっちゅーを復活させましょう!
それでは、更新します!
- 92 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時20分41秒
- その日、珍しく矢口が風邪で休んだ。
矢口しか友達がいないのも知っていたし、
矢口からも忠告されてたので裕子はなつみの様子を見守っていた。
休み時間も職員室に来るように伝え、なるべく1人にしないようにしていた。
そして、昼も一緒に食べようと約束をしていたが、全く来る様子がなかった。
痺れを切らした裕子は、教室まで迎えに行く事にした。
途中、裕子の足が止まった。
裕子の目に映ったものは、クラスの数人に囲まれ階段の所で俯いているなつみだった。
(アカン・・・・。)
裕子は急いでその場へ向って行った。
「こらぁ!アンタ達、なにやってんや!」
「や、ヤバイよ!!」
その子達は慌てて逃げようとした、その中の1人がなつみの腕を掴んでいたのだが
勢い良く離してしまいなつみの体が傾いた。
「危ないっ!!!!!」
- 93 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時21分25秒
- ドサッ・・・
それは一瞬の出来事だった。
周りから悲鳴が聞こえた。
その声を聞いて、みちよが来た時には階段の下に裕子となつみが倒れていた。
「・・・・姐さん!!!!安倍!!!!!」
みちよはすぐさま、階段を駆け下りて行った。
その声に、なつみは意識を取り戻したが裕子は動かなかった。
「安倍、大丈夫か?」
「あ・・・平家先生・・・。私は大丈夫です。でも、裕ちゃんが・・・・。」
なつみが落ちる瞬間、裕子は飛び込んでなつみを抱えた。
そのおかげで、なつみはケガはしなかったが裕子は・・・・・。
「姐さん、しっか・・・・・・・!?!?」
よく見ると、頭から血が出ていてそれがだんだんと広がってきた。
「ゆうちゃん・・・・いやぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!」
「誰か!救急車呼んで!!!!早く!!!!
安倍、しっかりせぇ。大丈夫やから、姐さんはこんなんで死んだりせぇへんから!」
「し・・・・死ぬ・・・・?い、いやぁぁぁぁぁぁあああああああああぁぁぁぁ!!!」
「安倍ぇ!!!!」
- 94 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時21分59秒
- みちよは、後からきた教師になつみを預け裕子と共に病院へ行った。
命には別状はなかったが、出血が多いのと頭をかなり強打している為後遺症が出る可能性があるらしい。
あとは、右腕を骨折しているとの事だった。
裕子は手術室から出ると、ICUに運ばれた。
意識が戻るまでは、ここに入ることになる。
「姐さん・・・・・。」
ずっと、傍についててあげたかったが報告をしなければいけないので
みちよは一旦、学校に戻ることにした。
置いてきたなつみの事も気掛かりだ。
学校へ戻ると、校門の所に真希がいた。
中等部にも、この騒ぎが伝わったらしい。
みちよは簡単に話をすると、真希をなつみのいる保健室に連れて行った。
中に入ると、イスに座り俯いているなつみがいた。
- 95 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時22分39秒
- 「安倍・・・・?」
「はっ・・・・・。先生!!裕ちゃんは?裕ちゃんは・・・・・・!?」
「大丈夫や、心配せんでえぇから。
まだ、手術終ったばかりで意識はないけど、命には別状はないそうや・・・。」
「今から、病院に行ってもいいですか・・・・・?」
「今日は無理や。面会謝絶やって・・・。」
「・・・・・・・・・。」
再び、なつみは机に突っ伏して泣き崩れた。
「ごっちん、安倍についててやってくれるか?
ウチは今から、他の先生に報告しに行かなアカンから・・・。」
「うん、わかった。任せておいて。」
みちよは、真希に頷くと職員室へと向って行った。
- 96 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時23分13秒
- 「安倍さん?私は、真希。後藤真希。
今は泣きたいだけ泣いていいよ、ゴトーがついててあげるから。」
「うっ・・・・・うわぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・」
なつみが泣いている間ずっと、真希はなつみの背中を撫でていた。
しばらくすると、泣き疲れたのかなつみは眠ってしまった。
真希はなつみを抱き上げると、保健室のベッドへ寝かせた。
(こんな純粋な人を傷つけるなんて・・・・許せない・・・・。)
眠っているなつみを見つめながら、真希の胸には怒りが込み上げてきた。
裕子の名前も、よくみちよの話に出てくるので知っていた。
「姐さんは、口は悪いけど優しい人なんやぁ〜。」と、いつも言っていた。
つい先日、自分達の事がバレたと話していた。
正確には吐かされたとも言っていたが、とても理解をしてくれたと。
酔いが回った頃に「気持ちが通じ合えて羨ましいわぁ・・・。」と漏らしていた事。
真希はすぐに、好きな人がいるのだと確信した。
自分もみちよと付き合う前に、周りのカップルを見て同じ気持ちだったからだ。
(もしかして・・・・・・。)
その時、報告を終えたみちよが戻ってきた。
- 97 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時24分55秒
- 「ごっちん、ありがとな。って、寝てしまったんか・・・・。」
「あ、お帰り。さっきね、泣き疲れて寝ちゃったの。
だから、こっちに運んでおいたよ。ねぇ、みっちゃん・・・・・?」
「ん?なんや?ごっちん。」
真希は、先程思った事を聞いてみることにした。
「あのさ、中澤先生だっけ?ケガした人。」
「うん、そうやけど・・・。姐さんがどうかしたんか?」
「その先生の好きな人って、安倍さんじゃないかなぁ・・・・?」
「えぇ!?まぁ・・・確かに、いつも気にはかけてるけどな・・・・?」
「だってさぁ、自分の体を張ってまで助けたんでしょ?」
「ん・・・詳しくはわからんけど、安倍を抱え込むようにして倒れてたな・・・。」
「じゃ、絶対そうだよ。
ゴトーの勘だけど、安倍さんも先生のこと好きだと思う。」
「なんや・・・!?両思いだと、ごっちんは言いたいんか?」
- 98 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時27分05秒
- 真希はなつみを見つめながら、「うん、絶対そうだ!」と頷いていた。
しばらくして、なつみの両親が迎えに来たのでなつみを起こした。
真っ青な顔をしたまま、みちよに一礼すると保健室を出て行った。
出る直前に振りかえり、「後藤さん・・・・ありがとう・・・・。」と言葉を残した。
その日、裕子が意識を取り戻す事はなかった。
翌日、矢口が学校へ行くといつもは騒がしいクラスがとても静かだった。
そして、なつみの姿はなかった。
気にはなったが、矢口は静かに席について待っていた。
HRの時間、教室にやってきたのは裕子ではなくみちよだったので矢口は一気に不安になった。
「また遅刻かぁ!?」と言いたかったが、みちよの表情はそんな事を言えるようなものではなかった。
「今日から、中澤先生の代わりにHRをやります。」
「えっ・・・!?みっちゃん、どういうこと?
なっちも来てないし・・・・。裕子もいないなんて・・・・。なんかあったの?」
「あぁ・・・。矢口はまだ知らないのか・・・。
姐さんな、ケガをして入院してるんよ・・・・。安倍は連絡はない・・・・。」
- 99 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時27分46秒
- 「ケガ・・・・!?どうして?」
「理由は、ウチもわからない・・・。
だから、今からみんなに聞きたいと思う!中澤先生はな・・・・まだ意識が戻らないんよ?」
一瞬、クラス中がザワついた。
「目撃者の情報やと、このクラスの誰かが安倍を階段から突き落としたて。
それを助ける為に、中澤先生が飛び込んだって聞いてるんやけど、ホントなのか!?」
「みっちゃん・・・・・それ・・・・ホントなの・・・?」
「今、それを確かめてるんや・・・・。
安倍はな、自分が全部悪いて・・・・自分が足を踏み外したって言うてる・・・・。」
「なっち・・・・・。
お前ら、卑怯な真似すんじゃないよ!!!ホントの事言えよ!!!!!」
矢口は立ち上がって叫んだ。
その瞳からは、悔しさのあまり涙が溢れていた。
- 100 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時28分32秒
- 「どうせ、こん中の誰かが・・・なっちを突き落としたんだろっ!!」
「違うっ!!!!」
「アンタだけじゃないだろ?他にもいるんだろ?
違うって何が違うんだよ・・・・・。実際に目撃されてんじゃんか!!!」
「突き落としたんじゃない・・・・・。」
「じゃぁ、何か?なっちが勝手に落ちたとでも言うのかよっ!」
他の子が、正直に事の真相を話した。
自分達がなつみを追い詰めた事、そして突然現れた裕子に驚いて勢い良くなつみの腕を離してしまった事。
そして、その反動でなつみが階段から落ちて裕子が庇って飛び込んだ事。
みちよはショックで言葉が出なかった。
「姐さん・・・・・。」
- 101 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時29分11秒
- 「あんた等さぁ、何考えてんの?
それってただの嫉妬じゃんか、裕子は誰にだって優しいだろうが!!!
お前ら・・・・今まで裕子の何を見てきたんだよ!!裕子が好きなんだろ!?
その裕子、傷つけてどうすんのさ・・・。最低だよ、あんた等・・・・・。
告白する勇気もないくせに、人をやっかむんじゃねぇよぉーーーーー!!!!!」
「じゃぁ、何?矢口はその勇気があるって言うの!?」
「オイラは、裕子に告白したよ。
それで、振られたよ。でもね、裕子は真剣に答えてくれた。そう言う人なんだよ!裕子は。」
「・・・・・・・・・。」
「裕子は、言ってたよ・・・。
他に好きな人がいる、その人が大事だって。だから、気持ちには答えられないって。」
「それって、安倍さんなの?」
「そんなのは誰だろうと関係ないじゃん。
アンタだって、他人にとやかく言われたくないだろ?」
「それは・・・・。」
- 102 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時29分43秒
- 「あんな事されて、それでもなっちはお前らを庇ってる。
オイラはこれ以上何も言わない。とにかく2人が戻ってきたら、謝れよ!!!!」
クラス中から、すすり泣きが聞こえてきた。
矢口は荷物をまとめると、みちよに言った。
「みっちゃん、病院行って来ていいかな?
たぶん・・・なっちは裕子のトコにいる。絶対、1人で責任感じてる。だから・・・。」
「えぇよ。安倍をよろしくな。
もし、姐さんの意識が戻ったら・・・・すぐ連絡してくれるか?」
「うん、わかった。」
「ウチも学校終ったら、すぐに行くから・・・・。」
「ありがとう、みっちゃん・・・・。」
矢口は教室を出ると、急いで病院へ向った。
病院に着くと、案の定なつみはいた。
ICUの前で、ただ・・・ただ・・・眠っている裕子を涙を流しながら見つめていた。
- 103 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時34分26秒
- 矢口はそっと、なつみに近づいた。
名前を呼んでも気付く様子がなかったので、肩を叩いてみた。
すると、なつみはビクッとして振り向いた。
「・・・・・・・。」
「なっち・・・・。」
「・・・やぐっつぁん・・・・。
ゆ、裕ちゃんが・・・・裕ちゃんが・・・・・・。」
それ以上の言葉は出なかった。
そっとなつみを抱き締め、背中を擦ってやると体を震わせながら泣き出した。
そのままの体勢でICUの中を覗くと、痛々しいくらいに機械に繋がれ眠っている裕子がいた。
それを見た瞬間、自分も泣きそうになったが、ここで泣いてはいけないと必死に堪えた。
「あの、キミ達は中澤さんの知り合いかい?」
声を掛けられ、見上げると白衣を着た医者が立っていた。
- 104 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時35分06秒
- 「えっと、生徒です。
私達のクラスの担任なんです。中澤先生は・・・・。」
「そうか、その子今朝からずっといてね。
今はだいぶ状態が安定したから、中に入ってみるかい?」
「えっ・・!?入れるんですか?」
「今なら、大丈夫だよ。
中に入る前に消毒をして、白衣を着てから入ってもらう事になるからね。」
「はいっ!」
「じゃ、こっちから入ってくれるかな?」
「わかりました。」
「ほら、なっち!裕ちゃんに会えるよ?」
「ゆ・・・う・・・ちゃん・・・・?」
「うん、面会していいって。聞いてなかったの?」
「・・・・・うん・・。」
矢口はなつみを抱えて、医師の後をついていった。
そして、指示通りに消毒をして白衣を着た。
- 105 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時35分36秒
- 「どうぞ。」
「はい・・・・。」
2人は、静かに中に入っていった。
裕子の傍へ行き、顔を見る。元から白い肌が、余計に白く見えた。
「裕ちゃん・・・・・。」
「裕子・・・・。早く目を覚ませよぉ・・・・。」
2人の呼び掛けには返事はなく、聞こえるのはピッピッという機械音と呼吸器の音だけ。
医師の話によると、麻酔はとっくに切れてるという。
このまま意識が戻らなければ、植物状態は免れないだろうと。
「どんな事でもいいですから、話しかけてあげてください。
ずっと話しかけていて、意識が戻るというのが多いですので。」
「はい・・・・・。」
しかし、返事のない人に何を話したらいいのか2人はわからなかった。
- 106 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時36分13秒
- 「裕子!早く起きて、うっさいわって言ってくれよ・・・なぁ・・・・。
みっちゃんも、みんな心配してんだぞ!いつまでも寝てんじゃねぇよぉ・・・・。」
「裕ちゃん・・・ごめんね・・・・?
私のせいで、こんな・・・・・。なんで助けたりなんかしたの・・・・・?」
「なっち・・・・。そんな事言うなよ!!
裕子はそんな事聞きたくて助けたんじゃない!そんな顔が見たくて助けたんじゃない!」
「・・・・・。」
「裕子はね、なっちの笑顔が見たくて助けたんだよ。
だから、笑ってやれよ、裕子だっていっつも笑顔だったじゃないか!」
裕子はいつも笑顔を絶やす事はなかった。
落ちこんでる時も、あの笑顔にどれだけ助けられたか。
いつだったか、『なっちの笑った顔、好きやねん』って言ってた事もある。
だから、私はいつも笑っていた。
そうすると、裕子も嬉しそうに笑うから。
矢口は、裕子の手を取りなつみと繋がせた。
- 107 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時36分51秒
- 「ほら、温かいだろ?ちゃんと生きてるんだよ?」
「うん・・・温かい・・・・。」
「毎日来て、こうやって手を握って話してあげなよ。
そうしたら、絶対に目を覚ましてくれるから。今度は、なっちが助けてあげなよ!」
「うん・・・毎日来る。絶対に裕ちゃんを助ける。」
「なっちに任せるからね!ほら、笑って?」
「うん。」
やっと、なつみに微かだが笑顔が戻った。
そうしてるうちに、面会の時間が終り医師が呼びに来た。
2人は名残惜しそうに、ICUを出た。
「やぐっつぁん、ありがと・・・。
心配して来てくれたんでしょ?私、心細かった・・・何もかもイヤになりかけてた。」
「別にぃ〜!裕子に会いたかっただけさぁ〜。」
「ホントにありがとう・・・・。」
「・・・・・うん。
明日から、裕子の事頼んだからね?学校には話しておくよ。わかってくれるって!」
「うん・・・。」
- 108 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時37分26秒
- 翌日から、なつみの病院通いが始まった。
毎日、面会時間のある限り裕子の傍について声を掛け続けた。
何度か、みちよと真希もお見舞に来ては励ましていってくれる。
気付いたら、裕子のおかげで仲間が増えていた。
(なんか・・・・こんな状態なのに、裕ちゃんはまだ私を助けてくれてるんだね・・・。)
返事を返してくれない相手と、一緒にいるのは精神的に参ってしまう。
でも、そんな時に限って矢口やらみちよ達が来てくれて元気をくれる。
なつみは、これも裕子の助けなんだと思うようになっていた。
「裕ちゃん・・・・。もう、4日も寝てるんだよ?
いい加減起きないとダメだよ。みんな裕ちゃんが起きるのを待ってるんだからね!」
その時、看護婦からいつ目が覚めるかわからないから必要なものを持ってきてあげてと言われた。
必要なものなんて解からなかったので、看護婦達に聞きながら揃える事にした。
まずは、下着などを持ってくる事にしたなつみは久々に裕子の家へと向かった。
(いつ振りだろ・・・・。毎日通ったんだよなぁ・・・・。
あの時は、いっつも笑顔で迎えてくれたよね。今日は誰もいないんだよね・・・・。)
- 109 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時38分31秒
- なつみは補習の為、裕子からオートロックの番号を聞いていた。
家の前に立つと、番号を押す為に手を伸ばす。
――723
カチャッという音と共にロックが解除され、ドアを開けて中に入る。
しばらく、人がいなかったせいか部屋の中がひんやりしていた。
中に入ると、あの日の朝のままなのだろう。
テーブルの上には、広げたままの新聞と使ったままのコーヒーカップが置かれていた。
まず、それらを片付け部屋を掃除してから寝室へ向った。
寝室に入ると、目の前にはあの日一緒に眠ったベッドが見える。
(あの時、緊張してなかなか眠れなかったんだよねぇ・・・・。)
そして、タンスの引出しをいくつか開けて必要なものを探していた。
その時、あるものが目に入った。
小さ目の引き出しに、卒業証書が大事そうにしまってあった。
それは、本のようになっていて下のほうに大学名が印字されていた。
「・・・えっ・・・・・!?!?うそ・・・・。」
そこには、北海道の大学名が書いてある。
恐る恐る、開いてみると中には1枚の写真が入っていた。
- 110 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時39分37秒
- 「こ、これ・・・・・。私だ・・・・・・。なんで・・・・!?」
その写真には、まだ髪が黒いから大学生だろう裕子となつみが写っていた。
なつみにとっては初めて見る写真だった。
裏を見ると、日付と一言書いてある。
“19××年7月××日 大好きな安倍さんと”
「私と裕ちゃん・・・・前に会ってたんだ・・・・・。
全然・・・覚えてなかった・・・・。記憶、戻ってなかったんだ・・・・。」
(でも・・・なんで裕ちゃん言ってくれなかったんだろう・・・・。)
「そういえば、あの写真を見た時・・・寂しそうな顔してた・・・・。
私が覚えてなかったからだ・・・・。あの頃の裕ちゃんなら覚えてて当然だったのに・・・・。」
(だけど・・・裕ちゃんと私・・・どんな関係だったんだろ・・・)
「うぅ・・・・・!!!!」
突然、なつみの頭に強烈な痛みが走った。
頭を押さえ、部屋の中を転げまわった。
- 111 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時40分16秒
- 一瞬、眩しい光が目の前を襲って・・・そして、思い出した。全て。
「あ・・・・・・・。私・・・・・。」
裕子となつみが初めて会ったのは、なつみが中学3年の時。
その頃、北海道の大学に通っていた裕子は教育実習の為なつみの学校に来た。
担当する学年が違った為、話をする機会はなかった。
しかし、なつみは階段や段差でよく転ぶ子だった為、何故かいつも裕子に助けられていた。
最初の出会いが、階段から落ちそうになった時だった。
たまたま近くを通った裕子に助けられ、落ちずにすんだ。
「あっぶないなぁ、気ぃつけなアカンよ?」
「はい・・・・すいません。ありがとうございました。」
「自分、何年生や?」
「3年です。」
「なんや、残念やな。2年だったらウチが担当だったのにな。」
「あ、えっと。教育実習の・・・・・。」
「ははっ。中澤や、中澤裕子。よろしくな!
自分、3年には見えへんなぁ。名前なんて言うん?」
「あ、安倍なつみです。」
「安倍さんかぁ、覚えとくわ!じゃな、転ぶんやないよ!」
「はい。」
- 112 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時41分12秒
- それから、いつも危険な時には助けてくれた。
不思議なくらいに、近くにいて助けてくれるのであった。
なつみは、偶然っていってもここまで続くとスゴイなぁ・・・と思っていたのだ。
何故か、助けてもらう時にしか会う事はなく結局、殆ど話しもせずに裕子は去って行った。
次に裕子と会ったのは、高校1年の初夏。
それもまた、教育実習だった。
もう会う事はないと思っていたので、朝礼で紹介された時はビックリだった。
「な、中澤先生!!!!」
「ん〜・・・?あっ!?!?安倍やないか!!」
「お久し振りです。また会えるなんて思ってませんでした。」
「・・・それ、イヤミか?」
「え・・・・!?」
「あははは。嘘や嘘、安倍は大学の事知らんもんな。
実はなぁ、留年してもうたんや。だから、また実習に来てるんや。」
「あ、すいません・・・失礼な事、言っちゃいました・・・。」
「えぇんやて。それより、もう転んでないか?」
「・・・・いや、まだ・・・・・・。」
「なぁ〜んや、まだ直ってないんかい。」
「はい・・・。」
「今回は、1年担当やから安倍のクラスも教えに行けるな。」
「ホントですか!?嬉しいです。」
- 113 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時41分52秒
- それから、裕子となつみは休み時間に遊んだりお昼を食べたりと仲良くなっていった。
相変わらず、なつみは裕子に助けられてばかりだったけど。
そのうち、なつみの心に淡い恋心が芽生えていった。いわゆる初恋。
だけど、相手は同じ女性。なつみは気持ちを伝えることなく、また別れの日が来た。
学校が終り、帰る頃。
カメラを持った裕子が、なつみのクラスにやってきて撮影会をやっていた。
その時、1枚だけ撮ったのが今ここにある写真だった。
全てを思い出し、なつみの目には知らぬ間に涙が溢れていた。
「私・・・・私・・・・・・。行かなきゃ・・・・。」
取り敢えず、準備したものと写真だけ持ってなつみは病院に戻った。
- 114 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月15日(土)22時42分29秒
- まだ面会時間が残っていたので、裕子の傍へ行った。
裕子の手を取り。
「ねぇ、裕ちゃん。私、思い出したよ?
裕ちゃんの事、思い出したよ・・・・・。寂しそうな顔してたのはこの事だったんだね?」
その時、握っていた裕子の指が動いた。
そして「うぅっ・・・・・」っと唸り声をあげた。
「!?!?ゆ、裕ちゃん!!気付いたの?
ねぇ、裕ちゃんってばぁ〜!!私ね、伝えたい事があるの!!!」
なつみの声に驚いた医師達が集まってきて、なつみは外に出された。
この後は、いろいろな処置がある為、中には入れなくなった。
仕方なく、看護婦に荷物を渡し帰る事にした。
病院を出る前に、矢口とみちよに連絡を入れた。
受話器ごしに、それぞれが涙を流して喜びあった。
- 115 名前:TAKU 投稿日:2003年02月15日(土)22時45分02秒
- 本日の更新はここまでです。
事件ってのはこんな事でした。
また明日にでも更新します!
それでは。
- 116 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月15日(土)23時20分58秒
- 裕ちゃんとなっちの過去がすごい気になります!
更新はやくて毎回ホント楽しみです。
- 117 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)00時58分12秒
- 矢口がなんかカッコイイですね。
それと、裕ちゃん無事でよかったです。
明日の更新たのしみです。
- 118 名前:TAKU 投稿日:2003年02月16日(日)04時44分11秒
- >116 名無し読者さま
2人の過去ですか?
これから少し出てきますけど、番外編がありましてそっちで詳しく書いてます。
本編が終ったら、番外編を上げるので楽しみにしててください!
あと数回の更新で、本編は終りますので。
>117 名無し読者さま
この話の中では、潔くカッコイイ矢口でいてもらってます。
でも・・・・・この先は可愛い矢口になってくるかもしれません(笑)
裕ちゃんの事は、書きながらハラハラしてました(笑)
暖かく見守ってあげてください!
では、早朝から更新します!
- 119 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時48分13秒
- あの事故から4日、ようやく裕子の意識が戻った。
なつみを始め、誰もがこの時を待っていた。
もしかしたら、このまま目を覚ます事はないんじゃないか
もう、あの笑顔を見る事はないんじゃないのかと毎日が不安だった。
その不安から、なつみは殆ど眠る事は出来なかった。
当然、食事もあまり取っていなかった為、かなり痩せてというよりやつれていた。
そして、今日その不安から解放されたが、なつみの中でまだ不安は残っていた。
あの後、また眠りにつくだろう・・・そして、そのまま起きなかったら・・・・と。
気付くと外は明るくなり始めて、鳥が鳴いている。
早く裕子に会いたい、あの笑顔を見たい。
そして、自分の気持ちを伝えたい。
そんな事を考えているうちに、つかの間の眠りについた。
- 120 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時48分52秒
- ririririririririririri・・・・・
携帯のアラームの音で目が覚めるが体が重い。
その体を無理矢理起こして、シャワーを浴びに下へ降りた。
(今日・・・・裕ちゃんに伝えるんだ・・・・・。
裕ちゃんは・・・私の事どう思ってるんだろう・・・・。)
準備が出来ると、面会時間に間に合うように家を出る。
バスに乗ると1番後の席に移動した。
いつも裕子と一緒に座っていた席。偶然に再会したのも、このバスだった。
(思い出すと、裕ちゃんとの出逢いって・・・いっつも助けてもらってた。
最初もそうだった、裕ちゃんいなかったら大怪我してだろうなぁ・・・・。
今回も、バスで倒れそうになった私を助けてくれたのは・・・紛れもない裕ちゃんだった。)
「偶然って・・・・重なるとスゴイよなぁ・・・・・・。」
いろんな事を思い出しながら考えていると、病院の前に着いた。
ちゃんと、意識が戻っていれば普通の病室に移ってるはず。
間違ってもICUには近づきたくなかったなつみは、ナースセンターへ向った。
- 121 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時49分29秒
- 「あの・・・すいません・・・・。」
「はい、どうしました?」
「中澤裕子さんの病室は・・・・・・。」
「あ、ご面会の方ですか?」
「はい。」
「619号室ですよ。
ここを真っ直ぐ行って、突き当たりのエレベーターで6階まで上がってくださいね。」
「はい、ありがとうございます。」
なつみは教えてもらった通り、エレベーターに乗り6階まで上がった。
降りてから右へ歩いて行くと、“619 中澤裕子”と書いてある病室を見つけた。
ドアを開ける前に、なつみは目を閉じて深呼吸をした。
(裕ちゃん・・・ちゃんと目覚めててね・・・・・。)
- 122 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時50分08秒
- コンコンっとノックをすると、中から「どうぞ・・・。」とか細い声が聞こえた。
そっとドアを開けると、裕子が体を半分起こして座っていた。
「ゆ、裕ちゃん・・・・・・。」
「なっち・・・・・?」
なつみは、ゆっくりと裕子に近づいた。
傍まで行くと、まだ青白いが笑顔で迎えてくれた。
「なっちや、会いたかったでぇ〜!」
「裕ちゃん・・・私も会いたかった・・・・。
ずっと会ってたんだけどね、裕ちゃんの笑顔に会いたくて・・・・・会いたくて・・・。」
そこまで言うと、なつみは泣き出してしまった。
裕子は動く方の左腕でなつみを引き寄せると、そっと抱き締めて背中を擦った。
- 123 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時50分50秒
- 「心配かけて・・・ごめんなぁ・・・・。
なっち・・・・?なんや、痩せたんやないんか?ちゃんと食べてるんか?」
「裕ちゃん・・・・謝るのは私の方だよ・・・・。
私のせいで・・・裕ちゃんにこんな・・・・・うぅっ・・・・。」
「何言うてんや、誰のせいでもない。ウチが勝手に落ちたんやから。
だからな、なっちが気にする事なんてなんもないんよ?わかったかぁ?」
「でも・・・・・。」
「でもやない、こうして裕ちゃん元気なんやから。な?
ほれ、泣き止んではよ大好きな笑顔見せてぇや。なっちの笑顔見ると元気出んねん。」
「うん・・・・・。」
「そうや、その笑顔や!ほぉ〜ら、裕ちゃん元気になった!!」
と、勢い良く両腕を上げたが右腕は骨折してる為激痛が走った。
「いたっ・・・・・。」
「だ、大丈夫・・・!?無理しちゃダメだよぉ・・・・。」
「スマンスマン・・・・・。」
裕子は、ベッドになつみを座らせて腕を元に戻した。
- 124 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時51分46秒
- 「裕ちゃん、これ・・・。」
なつみは裕子の部屋で見つけた写真を出した。
「あっ・・・・。こ、これ・・・・。
なんで、なっちがこれ持ってるんや・・・・・?」
「うん、昨日ね?裕ちゃんの着替えとか取りに行った時に・・・。」
「そっか・・・・・。
あのな、なっち・・・・ウチなぁ・・・・・。」
裕子が何か言おうとしたのを、なつみが遮った。
「ね、裕ちゃん。聞いてくれる?」
「・・・・なんや?」
「私ね、記憶喪失だったの・・・・。」
「はっ!?記憶喪失・・・・?どうしてまた・・・・。」
「私って、良く転んだり落ちたりしてたでしょ?
で、去年裕ちゃんがいなくなったあと学園祭で演劇をやったの。実際には、私は出てないけど。」
- 125 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時52分20秒
- 「なんで、出なかったん・・・・?」
「うん、私・・・ドジだからさぁ、練習中に舞台から落ちちゃったんだ。
ケガはなかったんだけど、頭を強く打ってしまったみたいで・・・・・。
そこからって言うか、それまでの記憶もなくなっちゃったの。自分の名前もね・・・・。」
「なんてこと・・・・・。」
「でも、徐々に思い出して、完全に直ったと思ってた・・・・。
だけどさ・・・・1番忘れちゃいけないこと・・・ずっと忘れたままだった・・・。」
「そっか・・・・。」
「昨日、その写真を見て全てを思い出したの。
ずっと前から、裕ちゃんと知り合いだったこと・・・・そして・・・・・。」
「そして・・?」
なつみは裕子の目をしっかりと見ると、静かに告げた。
- 126 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時53分07秒
- 「私は・・・・ずっと、ずっと・・・・・・。
裕ちゃんが、裕ちゃんが好きだったの・・・・。でも言えなくて、そのうち実習が終って・・・。」
「なっち・・・・。」
「こんな事・・・言われて迷惑だって言うのは解かってる。
でもね、ずっと大切にしてきた事だから・・・ちゃんと伝えたかった・・・・。」
「なっち・・・こっち向いて?」
裕子は片方の手で、なつみの顔を持ち上げるとそっとキスをした。
「ゆ、裕ちゃん・・・・・!?今・・・・。」
「なっち、ありがと・・・。すっごい嬉しいんよ・・・。
ウチな・・・・。初めて会った時から、なっちの事が好きやった。
留年すれば、また会える思うてワザと単位落として留年したんよ。
だからって、会えるとは限らないのは解かってた・・・。でも、会えた・・・。」
「ホント・・・に・・・?」
「なっちと仲良くなれて、めっちゃ嬉しかったなぁ・・・・。
でも、卒業したらこっちに来る事が決まってたから・・・気持ち伝えられへんかった。
もう会えへんって思うてたから、写真だけでも撮りたくて。それで、最後の日に撮ったんや。」
- 127 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時54分25秒
- 「でも、また会えたよ?」
「そや、ホンマに驚いたんよ。なっちが転校してくるって聞いた時。
それで、あのバスでなっちを見て・・・夢かと思うた。でも、なっちは覚えてないみたいやったから・・・。」
「ごめんね・・・・・?だけど、あの時裕ちゃんを見てドキッとしたんだ。
自分でも解からなかったけど、その後何回も同じ事があった。
今回ほどね、偶然ってスゴイと思った事ないよ・・・・。こんな偶然ってあるんだなって。」
「ふふっ・・・。なっち、それなぁ偶然やないよ。
ウチとなっちの出逢いはな、必然や。それが運命やったんやよ。」
「必然・・・?」
「そうや、必然。そうやなかったら、こんなに何度も会われへんやろ。」
「そっか、偶然じゃなかったんだ。なんか、嬉しいな♪」
「なっち・・・ずっと好きやった。
好き過ぎて、どうにかなってまうやないかって。もう、離さへんからな・・・何があっても。」
「私も裕ちゃんが好き。前よりも、もっともっと好きになってた。」
「なっち・・・。」
裕子はなつみを抱き締め、なつみの顔を見つめた。
スーっと目を閉じたなつみの唇に、気持ちを確かめるように優しく優しくキスをした。
- 128 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時55分01秒
- 「ずっと、傍に居ってな・・・?」
「うん、ずっと裕ちゃんと一緒にいる。」
「ねぇ、どうする?なんか入り難いんだけど・・・。」
「そうやなぁ・・・。あんなラブラブん中には入れんよなぁ・・・。」
「えぇー!!いいじゃん、入っちゃおうよ。」
「ごっちん・・・そんな事言うてもな・・・・・あっ!!!!」
――ガラッ。
「しっつれしま〜す!!」
「あぁ・・・・・。」
突然、真希が入ってきて裕子となつみはそのままの体制で固まってしまった。
すると、後から矢口とみちよも申し訳なさそうに入って来た。
- 129 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時56分27秒
- 「姐さん・・・スマン・・・・。
入ろうかどうしよか迷ってたんやけど、ごっちんが・・・・。」
「なっち、ごめん・・・・。邪魔しちゃった・・・。」
なつみは慌てて裕子から離れた。
「なんやの、みっちゃん・・・・。せっかくえぇトコやったのにぃ・・・。」
「すんません・・・・。ごっちん、だから言うたやないの・・・・。」
「だってぇ・・・・・。」
「い、いいのいいの!ちょっと・・・恥ずかしかったけど・・・・。
ほら、みんな裕ちゃんの事心配して来てくれたんだから。裕ちゃんも機嫌直して?」
「しゃーないなぁ。許したるか。」
「さっすが、裕子!心が広いねぇ〜!」
「矢口ぃ、まぁた呼び捨てか。ははっ、なんや久々に聞いた気ぃするなぁ。」
「はい、安倍さん差し入れ。
みっちゃんが、きっと何も食べてないだろうからって言うから。」
- 130 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時57分25秒
- 「あ、ありがとう・・・。後藤さん。」
「あはっ。後藤さんなんてやめてよぉ〜!ごっちんでいいからね!」
「じゃ、ありがとう。ごっちん。」
「うん♪ゴトーもなっちって呼んでいい?」
「いいよ。」
「あ、そうや!みっちゃん、あれどうなったん?」
「あれって、なんですの?」
「だーかーら、あれやて!!試験結果や。」
「あ、あぁ・・・・あれですか・・・・。姐さんの勝ちですわ・・・。」
「やったぁ〜!なっち、良かったな!みっちゃんが奢ってくれるで!」
「はぁっ!?何言うてますの、2人だけの賭けやたんやないんですか?」
「誰がいつ言うた?2人なんて言うてないやん。」
「・・・・・・やられた・・・・。」
「みんな、みっちゃんの奢りやから美味いもん食べに行こな!!」
「み、みんなぁ〜!?」
「そ、ここにいるみんなや。
あと、ごっちん!あの子も連れて来ぃ〜!せっかくやしな。」
- 131 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時58分15秒
- 裕子は矢口をチラッとみると、真希とみちよに軽くウィンクをした。
なつみと矢口は何がなんだかわからないといった表情で3人を見ていた。
しばらく、あーでもない、こーでもないと言い合いをしていたが
結局、みちよに勝ち目はなく裕子が退院して落ち着いたら行く事になった。
それから2週間後、裕子は無事に退院する事が出来た。
ただ、腕の骨折だけはあと1ヶ月くらいかかるという事だった。
病院には、なつみが迎えに来て一緒に帰った。
家に着くと、テーブルの上にはなつみの作った料理が並べられていた。
「おぉ!!スゴイやん、これ全部なっちが作ったん?」
「そうだよぉ〜!頑張ったんだから。
裕ちゃんの退院祝いだからねぇ〜♪これ食べて、早く治してね!」
「ありがとぉ〜!なっち大好きや♪」
「裕ちゃん・・・・苦しい・・・・。とにかく、食べよう?」
力いっぱい抱き着かれたなつみは、なんとか裕子を剥がしてテーブルに着かせた。
一応、まだ片手しか使えないのも考慮して食べやすいものばかり作っていた。
- 132 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)04時58分52秒
- 「どぉ?美味しい?」
「うん、美味いでぇ!!毎日、これ食べてたらケガなんてすぐ治るわ!」
「ははっ・・・・毎日は無理だべさ・・・・・・。」
こうして、裕子となつみの長い長い片想いはやっと1つになりました。
退院してから、1週間経ち例の企画が実行される日が近づいてきた。
あれから、裕子はなつみに全て説明をして企画側に引き込んだ。
何も知らずに食事を楽しみにしてるのは、矢口ともう1人だけ・・・・。
- 133 名前:TAKU 投稿日:2003年02月16日(日)05時01分03秒
- ここで更新終りです。
大量更新を続けてたので、次の更新で本編は終ります(笑)
その後、番外編を載せたいと思ってますので最後までお付き合いください!
それでは。
- 134 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)06時02分29秒
- 更新が早くて読むのが楽しみです。
終わっても、番外編があるようでそちらも楽しみです。
がんばって下さい。
- 135 名前:TAKU 投稿日:2003年02月16日(日)09時35分32秒
- >134 名無し読者さま
ありがとうございます。
番外編は、2つあります。楽しみにしていてください!
今日は仕事の都合で帰りが遅い為、今のうちに更新しておきます。
それでは、本編ラストです。
- 136 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時36分25秒
- 「なっち〜!ドア開けて。
手ふさがって、開けられへんわ・・・・。ってか、買い過ぎやっちゅーの!!」
「まぁまぁ、言い出しっぺは裕ちゃんなんだから。
ふさがってるって言っても、右手空いてるじゃん。ギブスだって取れたんだから。」
「えぇやんか、この右手はあとで活躍してもらうんやから!」
「はぁ!?!?活躍?何に活躍すんのさぁ??」
「まぁ、えぇやんか。はよ開けてや。」
「はいはい・・・。さ、どうぞ。」
中に入ると、大きな袋をドサドサと置いた。
袋の中には、いろいろな食材が入っている。殆どがお菓子だが。
結局、予定していた日は裕子が体調が悪く食事会は延期になった。
それからは、みんなの予定がなかなか合わず今日まで延びてしまった。
おかげで、裕子のケガも完治したので、そのお祝いも兼ねてやる事になった。
当初は、みちよの奢りで食事会だったのだが裕子の一言でピクニックになった。
- 137 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時36分58秒
- 「さて、明日の準備でもしようかなぁ。」
「楽しみやな、なっちの作るお弁当♪」
「なんなのさ、いつも作ってあげてるっしょ?」
「お弁当は別モンや!あぁ〜楽しみやわぁ〜♪」
「もう・・・。」
材料費を全てみちよが出し、お弁当をなつみが作る事になった。
早朝に裕子の車で出掛ける為、なつみは裕子の家に泊まる事になった。
ここに泊まるのは、これで2度目。
恋人同士になってからは、初めての泊まりである。
「なぁ・・・・。はよこっち来てや・・・・。裕ちゃん寂しい。」
「ん〜・・・。もうちょっと待って、もうすぐ終るから。」
- 138 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時37分42秒
- 明日の仕込みも終り、裕子の相手をすると夜の11時になってしまっていた。
朝も早い為、寝ようと裕子を説得して寝室に行った。
ベッドに入って電気を消すと、裕子の腕が腰にまわってきた。
「裕ちゃん?腕痛くなるよ?」
「大丈夫や、もっとこっち来て?」
引きつけられるまま裕子の傍に寄ると、スッとつつみ込まれた。
そっと目を閉じると、裕子の唇が落ちてくる。
なつみは裕子の柔らかい唇の感触が好きで、キスだけでも意識が飛びそうなほどに気持ち良かった。
唇を離すと、優しくいつもより真剣な目で裕子はなつみを見つめた。
「裕ちゃん・・・?」
「なぁ、なっち・・・・・えぇか・・・?」
「えっ・・・・?」
「・・・・抱いてもえぇか?」
- 139 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時38分47秒
- なつみは無言で頷いた。
不思議と恐怖感はなかった。
裕子は微笑むと、再び唇を落とした。
今までよりも、長く深いキス。それだけで、なつみの頭の中は真っ白だった。
なつみの甘い喘ぎ声に、裕子の躰も次第に熱を帯びていった。
「んんっ・・・・あ・・・・ゆ・・う・・ちゃ・・・・。」
「なつみ・・・愛してる・・・・。」
部屋の中には、2人の激しい息遣いと声だけが響いていた。
なつみは果てた後、裕子の腕に優しく抱かれたまま眠りについた。
翌朝目が覚めると、既に裕子は起きていてなつみを見つめていた。
「ん・・・おはよう・・・。」
「おはようさん。」
よく見ると、裕子も自分も何も着ていない事に気付いた。
そして、昨夜の行為を思い出しなつみは真っ赤になった。
「あ・・・昨日・・・。」
「昨夜のなっち、可愛かったでぇ〜。」
「もぉ・・・・裕ちゃんのバカ・・・・。」
「なんや、恥ずかしがる事ないやんか。
そろそろ準備せんと、間に合わなくなるで?先にシャワー浴びといで。」
「・・・うん・・・。」
- 140 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時40分59秒
- そして、時間がなかったので協力して弁当を作った。
なつみが作って、裕子が詰める。
なんとか準備が出来、車に乗り込むと待ち合わせの場所まで急いだ。
みちよ達と合流すると、目的地へ向った。
「裕子ぉ、前から聞きたかったんだけどさ、
助手席をずっと使わなかったのはなっちを乗せる為だったの?」
「ん〜?当たり前やないか、絶対に会える思うてたからな。」
「あぁ〜そうですか。いいやねぇ・・・・幸せで。」
「矢口にもえぇ人現れるって。なぁ、みっちゃん?」
「あぁ、そうですねぇ。」
「あの子は、現地で待ってんねんやろ?ごっちん?」
返事がないので、ミラーで覗くと真希は既に眠りについていた。
「なんや・・・・もう寝てるわ。ホント、どこでも寝る子やなぁ。
みっちゃん、あの子は現地集合でえぇんよね?ごっちんから聞いてないか?」
「えっと、確か家が近くやから現地言うてましたよ。
すいませんねぇ・・・・寝るのが特技なんですわ、ごっちん。」
そう言って、みちよは真希の頭を自分の方へ寄せた。
- 141 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時42分27秒
- 「ねぇ?もう1人いるの?」
「あぁ、矢口は会うの初めてやな。ごっちんの友達や、えぇ子やから仲良くしてやってな。」
「へ〜そうなんだ、どんな子だろう。楽しみだな!」
着いた場所は、町外れにある川だった。
各自で荷物を持ち川原に行くと、スラっと背の高い子が待っていた。
「よっすぃー!!お待たせ〜!」
真希は、その子のもとへ駆け寄って行った。
全員が揃うと、その子は軽く会釈をした。
「みなさん、お久し振りです。
今日は誘っていただいて、ありがとうございました。」
「おぉ!よっさん、久し振りやんなぁ。元気やったか?
前は、まだウチが入院してる時だったよな?あの時は来てくれてありがとな!」
「いえ、ごっちんから話は聞いていたのでお会いできて良かったです。」
「ホンマにえぇ子やなぁ〜。
あ、この子は矢口真里。ウチの生徒で、なっちの同級生や。会うの初めてやろ。」
「矢口です。ヨロシク!」
「えっと、吉澤ひとみです。よろしくお願いします。」
- 142 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時43分05秒
- ひとみは少年のような笑顔で挨拶をした。
その爽やかな笑顔に、矢口は一瞬ドキッとした。
(矢口さんかぁ・・・・・可愛いなぁ・・・・。)
挨拶を済ませると、裕子達は手際良く準備を始めた。
飲み物を冷す為に、真希とひとみに水を汲みに行かせる事にした。
「ねぇねぇ、よっすぃーどぉ?やぐっつぁん。」
「え・・・。うん、めちゃくちゃタイプ。」
「やっぱりー!!絶対によっすぃーは気に入ると思ったんだー!」
「もうねぇ、矢口さん可愛すぎだよぉ・・・・。」
「今日は、2人の為に企画したんだから頑張ってね!!」
「うん、ごっちんありがとー。」
- 143 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時43分41秒
- 「矢口、どうや?仲良くなれそうか?」
「吉澤さんと?」
「そうや、えぇ子やろ?」
「まだ話してないから解からないけど、仲良くなれたらいいなって思ってる。」
「そうか!」
それから、昼まではマッタリとみんなで話しをしていた。
昼食を取り終えると、それぞれ好きな事をして過ごしていた。
真希はみちよの膝を枕にして昼寝を始め、なつみと裕子は雑誌を開いて話しに花を咲かせている。
そんな2組を見ながら、矢口は羨ましいという思いでいっぱいになっていた。
ひとみは寂しそうな顔をしている矢口に気付き、散歩に誘う事にした。
「矢口さん、散歩しに行きませんか?」
「え?別にいいけど・・・・。」
「じゃ、行きましょう!」
- 144 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時44分16秒
- ひとみは矢口の手を引き立ちあがらせると、川上の方へ歩いて行った。
最初、矢口はあまり話さなかったが、一生懸命話しかけてくるひとみに次第に心を開いていった。
男前だけど可愛い一面も持っているひとみに、何かときめきのようなものを感じた。
(吉澤さん・・・・かぁ・・・・・。)
「矢口さんて、可愛いですよね。」
「な、何を突然言い出すんだよぉ・・・。
どうせ、背がちっちゃいからとかそういう意味なんでしょ。」
「違いますよー!ホントに可愛いと思ったから言ったんですよ。」
「そっか・・・。ありがと。」
「そろそろ、戻りましょうか。」
「ん、そうだね。」
みんなの所へ戻ると、真希も起きていてお菓子を食い漁っていた。
夕方になり、陽も落ちてきてキレイな夕日が見えていた。
なつみと真希は、夕日をみてキャーキャーと騒いでいる。
静かになったと思った瞬間、真希がみちよにキスをした。
- 145 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時44分50秒
- 「ご、ごっちん!?!?!?こんなとこで・・・・・。」
「だってぇ〜夕日を見てたら、したくなっちゃったんだもん・・・。」
「だからって・・・・・。」
「いいじゃん、みんな知ってるんだし!」
「はぁ・・・・・。」
「やるねぇ、ごっちん。みっちゃん、愛されてるんやなぁ。」
「姐さんまで、そんな事言わんでくださいよ・・・。」
「えぇやんか、羨ましいなぁ・・・・。じゃ、ウチも・・・・。」
そう言って、裕子はなつみの唇を奪った。
「・・・・・・・・。」
なつみは真っ赤な顔をして俯いてしまい、その肩を裕子は優しく抱き寄せた。
その場にいた矢口は、とても悲しくなった。
自分の好きだった人が、目の前で自分の親友にキスをした。
諦めたとはいえ、まだ矢口には辛いものがあった。
その時、突然ひとみは立ちあがり矢口の名を呼んだ。
- 146 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時45分36秒
- 「矢口さん!」
「え、なに?」
「矢口さんの事が好きになりました。吉澤と付き合ってもらえませんか?」
「ヒュー!!よっすぃーやるじゃん!!」
「ごっちんは、黙ってて。」
「ちぇっ・・・。」
「矢口さん、答えてもらえませんか?」
「だって、今日会ったばかりで何でそんな事言えるの?」
「ウチは、自分の気持ちに素直でいたいんです。
今日1日だけだって、人を好きになるには充分ですよ。」
「お互いの事、何も知らないのに付き合えないよ・・・・。」
「いいじゃないですか、付き合っていけば自然にわかりますよ。」
- 147 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時46分41秒
- 矢口は考えた、確かに会ったばかりだがひとみは悪い子ではない。
この先、好きになるかもしれないし、ならないかもしれない。
だからと言って、決して嫌いではなかった。
(どうしよ・・・・。取り敢えず、友達からでいいかな・・・・。)
「矢口さん・・・・・?」
「いいよ。」
「やったぁ〜!!!!!」
「取り敢えず、ともだ・・・・・あ!!!!」
ひとみは、矢口の頬にそっとキスをした。
「ちょ、ちょっと!!!!なにするんだよ!!!!」
「先手必勝です!絶対、好きにしてみせますから。」
(なんだよぉ・・・・心臓バクバクいってるじゃんかぁ・・・。)
「やーぐーちー!顔真っ赤やで?夕日より赤いんちゃうかぁ?」
「う、うるさい!!!裕子は、なっちとイチャついてればいいだろ!」
「はは〜ん。言われんでもイチャイチャするわぁ!なぁ、なっち!」
「裕ちゃん!」
なつみは、裕子が肩にまわしてきた手をピシャリと叩いた。
「いたっ・・・。酷いわなっち・・・・。」
「裕ちゃんが調子にのるからでしょ!」
シュンとする裕子を見て、笑い声があがった。
- 148 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時47分22秒
- 矢口も不思議と笑っている自分に気付いた。
ふと、隣りを見ると自分を見て微笑んでいるひとみと目が合った。
「矢口さん、これからよろしくお願いします。」
そう言って、右手を差し出した。
矢口は一瞬戸惑ったが、その手を握り返した。
「どうなるか解からないけど、よろしく吉澤さん。」
「よっすぃーでいいですよ!」
「わかった。よっすぃー、よろしくね!」
「はいっ!」と言って笑った顔が、とても眩しく見えた。
(もしかしたら、また人を好きになれるのかな・・・・。
よっすぃーといたら、楽しいかもしれないな。好きになれるのかな?なれればいいな・・・。)
かなり、暗くなってきたので撤収することにした。
- 149 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時48分06秒
- 片付けを終え、車に乗りこむとひとみが車の窓を叩いた。
窓を開けると、小さな紙を渡された。
「それ、ウチの連絡先です。暇だったら、連絡してください。」
「うん、わかった。」
車が動き出すと、見えなくなるまでひとみは手を振っていた。
「やぐっつぁん、良かったね。」
「なんだよ、なっち・・・・。」
「私ね、やぐっつぁんにも幸せになってもらいたいんだ。
いっぱい助けてもらったから・・・・。
裕ちゃんとこうしていられるのも、やぐっつぁんのおかげだよ。」
「オイラは、何もしてないよ。」
「ううん?いっぱい助けてもらったし、いっぱい元気をもらった。
何か出来ることないかなって思ってて、それで今回この話にのったの。」
「ちょっと、待って!?話しにのったって・・・?
もしかして・・・・計画的だったわけ?よっすぃーもそうなの・・・・?」
- 150 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時48分59秒
- 「あ、あのね・・・・・?」
その時、真希が口をはさんだ。
「違うよ。よっすぃーは何も知らないよ。
ゴトーが、やぐっつぁんとよっすぃーなら合うかもしれないってみんなに頼んだの。」
「ごっちんが・・・?」
「うん、そう。だから、誰も悪くない。
もし怒るんだったら、ゴトーの事怒って?みんなは悪くないんだから。」
「ごっちん・・・・。もう、いいよ。
よっすぃーと出会えた事は嬉しかったし、みんなの気持ちも嬉しかったから。」
「ホント・・・?」
「うん。みんなに感謝してるよ。
いろいろあってビックリしたけどさ、今日は楽しかった。」
「よぉ〜し!帰るでぇ。
今日は特別や、それぞれの家に送ってってやるわ!」
「「「やったー!!!」」」
- 151 名前:偶然?必然! 投稿日:2003年02月16日(日)09時49分37秒
- 裕子は、真希・みちよ・やぐち・なつみの順に送って行った。
真希は降りる時に、なつみに「ココ。」と鎖骨のあたりを指差して耳打した。
見ると、そこには服に隠れるか隠れないかという位置に赤い印が残されていた。
カァーーーっと真っ赤になると小さな声で「裕ちゃんのバカ・・・。」と呟いた。
その夜、矢口はひとみにメールを送ってから眠りについた。
『おやすみ。』と短い言葉を。
〜了〜
- 152 名前:TAKU 投稿日:2003年02月16日(日)09時54分54秒
- これにて、「偶然?必然!」は終了です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
かなりのペースで更新したんですけど、どうでしたでしょうか?
全く自信がないので・・・心配です。
次は番外編に突入しますが、少し時間をあけて水曜日あたりに更新したいと思います。
その間にでも、感想をいただければ幸いです。
それでは。
- 153 名前:一読者ってことで 投稿日:2003年02月16日(日)10時13分57秒
- 一気に読んだ(笑)
やっぱ何回読んでもいいねえ
HP行って読み直してきます!
番外編も楽しみにしてますよー
- 154 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)12時40分19秒
- 「偶然?必然!」おもしろかったです!
番外編 楽しみにしてます!
- 155 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)16時49分08秒
- 完結おつかれさまでした
みちごま懐かしかったです
番外編で、みちごまのなれそめあるといいな〜
- 156 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月16日(日)22時31分55秒
- おもしろかったです。
番外編楽しみです!
- 157 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月17日(月)22時44分36秒
- 番外編楽しみです。
- 158 名前:TAKU 投稿日:2003年02月18日(火)00時37分02秒
- >一読者ってことでさま
あら、ここでもHP知ってる方が(笑)
いつも応援してくれてありがとうございます。
これからも宜しくお願いします!
>154 名無し読者さま
面白いと言ってもらえて良かったです^^
まだ自分に自信がないので心配だったんです・・・。
番外編はもう少しお待ち下さい。
>155 名無し読者さま
ありがとうございます。
みちごまの馴初めですか・・・。考えてませんでした^^;
機会があったら、書いてみますね!
>156 名無し読者さま
ありがとうございます。
番外編、楽しみにしてもらって嬉しいです。
>157 名無し読者さま
番外編までもう少しです。
お待ちください!
えっと、番外編にいく前に関係無い短編を上げたいと思います。
CPは敢えて書きません(笑)
番外編は、今週中に更新する予定です。
では、ちょっと切ない話を1つ。
- 159 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時37分58秒
- いつからだろう、ウチがあの人を意識するようになったのは。
最初は怖いとしか思わなかったし、話す機会も殆どなかったし・・・・。
でも、さりげなく話しかけてくれるとこや何気ない優しさに惹かれていってるのかもしれない。
「おぅ!よっさん、元気かぁ〜?」
「あ、中澤さん・・・。吉澤は元気ですよー!」
「そうか、それは良かった!頑張りやー!」
「はい!ありがとうございます。」
今日も中澤さんは、楽屋に来ると話しかけてくれた。
ほんの少しの会話だけど、それだけで嬉しい自分がいる。
そして、それぞれのメンバーのもとへ同じように近寄って話かけている。
それはリーダーとしての気遣いなんだろう。
だけど、決まって最後に行くのは・・・・彼女のところだ。
きっと中澤さんは、彼女の事が好きなんだと思う。
ずっと見てるから・・・解かっちゃうんだよね・・・・。
- 160 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時38分38秒
- 「ごっち〜ん!また食べてるんか?」
「あ、ゆーちゃんおはよー。食べるぅ?」
「アタシはえぇわ。あんまり食べ過ぎんとき?」
「は〜い。」
中澤さんは、そのままごっちんの横に座ると優しい目でごっちんを見つめてる。
ごっちんは・・・どう思ってるんだろう?
いつも一緒にいるけど、ごっちんの気持ちは読めないんだよね・・・・。
ずっと見ていると、中澤さんと目が合って優しく微笑んでくれた。
(あぁ・・・・あの笑顔好きだなぁ・・・・・。)
そんなある日、楽屋に集められて中澤さんから卒業するって聞かされた。
みんな泣いてた・・・・。辻と加護なんて特に。
でも、ウチとごっちんは泣かなかった。
ショックだった、とにかくショックで涙が出なかった。
ごっちんはずっと俯いたまま、中澤さんの話を聞いていた。
そして、ウチは自分の気持ちを伝えようと決心した。
- 161 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時39分26秒
- 「中澤さん、この後って時間ありますか?」
「あ・・・ごめんなぁ・・・・。打ち合わせが入ってんねん。
どした、なんや相談でもあるんか?時間がある時に聞いたるから、今日はスマンな・・・。」
「あ、いえ・・・。そんな大した事じゃないので・・・・。」
(おいおい・・・何言ってんだよ・・・。大事な事じゃないか・・・。)
「そうか?じゃ、時間ないんで行くわ。」
「はい、頑張ってください。」
中澤さんは、スタッフと一緒に行ってしまった。
- 162 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時40分14秒
- ふと肩を叩かれ振り向くと、ごっちんが立っていた。
「よっすぃー?何してたの・・・・?」
「うん?いや、中澤さんと話がしたいなって思ったんだけど忙しいみたい。」
「ふ〜ん・・・。ゆーちゃんとねぇ。」
「で、ごっちん?どうしたの?」
「あ、そうだ!圭織が相談あるからみんなを呼んできてって。」
「飯田さんが?なんだろうね?」
「とにかく、みんな集まってるから行こう?」
「うん。」
相談というのは、中澤さんとの最後のロケで卒業式をやろうという事だった。
当然、反対する人は誰もいなかった。
今回のロケでは、中澤さんと2人のもあってウチは嬉しかった。
絶対にないと思ってたし。
魚の苦手な中澤さんの為にウチは頑張った。
最後には「惚れたよ」と言われて内心凄く嬉しかったんだ。
- 163 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時40分48秒
- そして、卒業式・・・・。
これが終ったら、ウチは中澤さんに告白しようと思ってた。
でも・・・。
「・・・・・ゆーちゃんの・・・卒業だけは・・・喜べない。
ヒック・・・。初めて・・・・言うかもしれないけど・・・・・・大好きです・・。」
中澤さんの卒業を聞いてから、初めてごっちんが泣いた。
そして・・・初めてごっちんの本心が解かった・・・・。
中澤さんのごっちんを見る目・・・。ウチはもう勝てないと思った。
悲しさと悔しさが一気に押し寄せてきて、俯く事しか出来なかった・・・・。
収録が終りメンバーが移動する中、中澤さんはごっちんの傍に行き肩を抱き寄せた。
そして、何か言葉をかけていた。
するとごっちんは、今まで見た事もない笑顔になり中澤さんに寄り添った。
その時、ウチは見てしまったんだ・・・。
中澤さんの口が「好き」と動いたのを・・・・。
- 164 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時41分22秒
- ホテルに戻り、打ち上げをしてる中ごっちんはずっと中澤さんの傍にいた。
メンバーやスタッフが代わる代わる中澤さんに話しかけていたが、一時も離れる事はなかった。
「ごっちん・・・・遅いなぁ・・・・。」
ウチとごっちんは同じ部屋だったんだけど、打ち上げの後中澤さんの部屋に行ったきり戻って来なかった。
後で、マネージャーが見回りに来るって言ってたから迎えに行こうと部屋を出た。
中澤さんの部屋の近くまで行くと、ドアが開きごっちんが出てきた。
声をかけようとした瞬間、中澤さんがごっちんにキスをした。
その時、自分の中で何かが騒ぎ出した。
- 165 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時42分45秒
- 「ごっちん!」
「・・・あ、よっすぃー・・・。どうしたの?」
「うん、遅いから迎えにきたんだよ。」
「ごめんね・・・今戻るから。」
「ごめんな、ごっちんを引き止めてしもうて・・・。」
「いえ、いいんですけど・・・。
ねぇ?ごっちんさ、先に戻っててくれる・・・・・?」
「ふぇ!?なんで?」
「うん、ちょっと中澤さんに話があるんだ。」
「あぁ・・・そういえば前にも言うてたな?
あんま時間ないと思うけど、話聞いたるわ。部屋入って?」
「はい・・・すいません。」
「んじゃ・・・ゴトー戻るね?ゆーちゃん・・・またね。」
「ん、またな・・。おやすみ、ごっちん。」
ごっちんが部屋に戻り、ウチは中澤さんの部屋に入れてもらった。
- 166 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時43分54秒
- 「で、よっさん?話ってなんや?」
「はい・・・・。」
「なんや、悩み事か?」
「あの・・・・ずっと中澤さんの事が好きでした。」
「へ・・!?い、今なんて・・・?」
「中澤さんが好きです。」
「・・・・気持ちは嬉しいんやけどな・・・・。」
「わかってます。ごっちんが好きなんですよね?
いいんですよ。ただ、自分の気持ちをちゃんと伝えたかったんです。」
「そうか・・・・。ありがとな・・・・。」
言った・・・やっと言えた・・・。
微かに自分の体が震えてるのが解かる。
- 167 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時44分33秒
- 「1つだけお願いがあります・・・・。」
「お願い?なんや?」
「・・・・キスしてくれませんか・・・・?」
「えっ・・・・。」
「それで諦めますから・・・。」
「・・・よっさんは、それでえぇんか?」
言葉の代わりに頷いた。
「わかった」と中澤さんはそっとウチの肩に手を置くと、触れるだけのキスをしてくれた。
「ありがとうございました。変な事言ってすいませんでした。」
「いや、アタシこそ・・・ごめんな?」
「中澤さんが謝る事ないですよ。ウチが勝手にしただけですから。
それじゃ、戻ります。中澤さんも今のは忘れてくださいね?じゃ、失礼します。」
- 168 名前:この想いは・・・。 投稿日:2003年02月18日(火)00時45分13秒
- ウチは1秒でも早くこの場を去りたかった。
中澤さんに一礼するとドアに向かった。
「あ・・・その・・・・。」
「大丈夫です、ごっちんには何も言いませんから。」
そう言って、ウチは部屋を出た。
ドアを閉めた瞬間、涙が溢れてきた。
「ハァ・・・・。」
これで、ウチの恋は終った・・・・・。
でも、後悔はしてない。
やっと、前に進んでいけるような気がしていた。
中澤さんはモーニングを卒業する。
そして、ウチは中澤さんへの恋から卒業した。
〜了〜
- 169 名前:TAKU 投稿日:2003年02月18日(火)00時48分43秒
- はい、短編終りです。
面白くないと思いますけど・・・・。
1人の視点で書くのは苦手なんですが、挑戦してみました。
どうでしたか?
それでは。
- 170 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月18日(火)01時15分55秒
- 読ませて頂きました。
切ないですね・・・
よっすぃーの視点から見た感じが、より切なさを倍増させてると思いました。
筆者の視点から書く形態より、やっぱり登場人物の目線で書く方が難しいんですねぇ。
とても勉強になるっす。
こういう書き方大好きなんで、ずっと応援してます。
これからも頑張ってくださいね〜。
- 171 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月18日(火)01時16分25秒
- sageるの忘れた・・・
すいません・・・
- 172 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月18日(火)02時21分17秒
- 読みました。本編も素敵なお話でしたが
「この想いは・・・」がせつないけれど、最後がスッキリして
良かったなと思いました。
番外編も、とっても楽しみです。
- 173 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月18日(火)19時05分47秒
- 切ないけど、すごいよかったです!
TAKUさん 最高!
- 174 名前:TAKU 投稿日:2003年02月19日(水)01時05分48秒
- >170 名無し読者さま
筆者の視点と登場人物の視点。
どっちが難しいのかはわかりませんが、私は後者が難しいですね。
私ので勉強してはいけませんよ!間違った覚え方をしてしまいます!(笑)
ここには凄い作家さんが多いので、私も勉強させてもらってます。
>こういう書き方大好きなんで、ずっと応援してます。
これからも頑張ってくださいね〜。
ありがとうございます!
そう言っていただけるのが1番嬉しいです。
頑張りますので、今後も宜しくお願いします。
>172 名無し読者さま
ありがとうございます。
素敵だなんて・・・とんでもないですよ^^;
まだまだ未熟なので、勉強しつつ書いていきたいと思います。
>173 名無し読者さま
良かったですか?ありがとうございます!
最高なんて恥ずかしいです(^^ゞ
これからも頑張るので、応援してください!
- 175 名前:TAKU 投稿日:2003年02月19日(水)01時08分05秒
- えっと、それでは番外編に突入したいと思います。
最初は、みちごまのその後を・・・・・。
馴初めを!という声もあったのですが、それはそれぞれ想像してみてください!
では、更新します。
- 176 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時09分10秒
- ここは、とある女子校の職員室。
いつもと変わらない風景だが、ただ1人落ち着きなくウロウロとしてる人物がいる。
「なぁ、みっちゃん?落ち着きぃや!
どうしたん、今日はおかしいで?いっつも落ち着きはらってるあんたが・・・。」
「落ち着いてられますかっ!!
姐さん、今日が何の日か覚えてますやろ?」
「ふ〜ん?何の日やったっけ?」
「あ・・・忘れてますの・・・・?
今日は中等部の卒業式です・・・・・。だから・・・・。」
「あっ!!そうやったなぁ、すっかり忘れてたわ。
そうか、そうか!ごっちんの卒業式やんなぁ。で、なんで落ち着きない訳?」
「だって・・・見に行けないんですもん・・・・。」
「あははっ!どうせ4月からここに来るんやから、えぇやんか。」
「・・・・。でも、晴れ姿っちゅーもんを見たいって思いませんか?」
「晴れ姿か・・・。なっちのやったら見てみたいなぁ〜。」
「ほら、見たいって思いますやろ?」
「まぁな。あ、ベルが鳴ったわ!教室行ってくるな!」
裕子は、ヒラヒラと手を振ると職員室を出て行った。
残されたみちよは、ただ真希からの連絡を待つ事しかできなかった。
- 177 名前:TAKU 投稿日:2003年02月19日(水)01時09分57秒
- (はぁ・・・そろそろ終る頃やな・・・・。)
携帯を眺めて溜息をついていると、メールの着信を知らせる音が響いた。
『終ったよー!いつものトコで待っててねvv 真希』
画面を見るや否や、みちよは職員室を飛び出して行った。
少し早過ぎたのか、まだ真希は来ていなく近くにあるベンチに座って待つ事にした。
しかし、いくら待っても真希は現われなかった。
みちよは俯いてひたすら真希が来るのを待っていた。
すると足元で自分を見上げてくる視線に気が付いて顔を上げると、
真希がしゃがみ込んでみちよを見ていた。
「ご、ごっちん!!」
「へへっ♪遅くなってごめんね?」
「ホンマ遅っいわ!!何してたん?」
「ん〜・・・みんなから逃げられなくさ・・・・・。
ほら、親とかも来てるじゃん?なかなかタイミングが掴めなくてね・・・。ごめんね?」
「ま・・・しゃーないわな。
ごっちん、卒業おめでとぉー!卒業式・・・見れんで残念やったわ・・・。」
みちよはそっと真希を抱き締めた。
抱き締められた腕の中で、真希は「ありがとう」と呟いた。
しかし、誰に見られるか分からない為すぐに2人は離れた。
- 178 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時12分21秒
- 「みっちゃん、今日ね?夜によっすぃーの家に泊まるって事にしてるんだ。」
「えっ!?そうなんか・・・・?じゃ、夜は会えへんのやね・・・?」
「ううん、違うの!そういう事にしてもらったの、よっすぃーに!
だ、だからね・・・・・。みっちゃんちに泊まっていい?いいよね・・・・?」
「ははっ。なんや、そういう事やったんか(笑)
えぇよ、ウチも一緒にいたかったし。でも、平気なんか?」
「うん、大丈夫!」
「そか、なら決まりやな!」
「1度帰って、準備してから行くからねー♪
あ、あっちでよっすぃーが待ってるんだ!一緒に行こう?で、写真撮ろうよ!!」
「そうやな、行こか。」
2人が校舎の方へ向うと、ひとみが真希の鞄を持って待っていた。
「よっすぃー!お待たせ〜!」
「あ、ごっちん遅いよー!!平家先生、お久し振りです。」
「久し振りやな、元気そうでなによりや。卒業おめでとう。」
「ありがとうございます。でも、まだ実感ないんですよね・・・・。」
「そうだよねー!ゴトーも実感ないよ。」
- 179 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時13分01秒
- 「まぁ、そうやろね。高校もエスカレーターやしな。
何が違う言うたら、制服がなくてみんな私服やって事くらいか。」
「あぁー!そっか・・・。制服着るのも最後なんだ・・・。」
「なんか寂しいね?ごっちん・・・。」
真希とひとみは、自分達の制服を見つめた。
3年間着ていたものに対して、感慨深いものがあったのだろう。
「じゃ、記念に写真撮ろうよ!」
「そうだね、ウチが撮ってあげるから平家先生とごっちん並んで!」
「あはっ!よっすぃーありがとー!ほら、みっちゃん早くぅ〜!!」
「あ、あぁ。わかったから、そんなに引っ張らんでも・・・・。」
「はい、じゃぁ撮りますよー!」
3人は交互にそれぞれの写真を撮り合った。
どこでも見かける光景だが、真希がはしゃぎ過ぎた為結構目立っていた。
- 180 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時13分31秒
- 「ごっちん・・・はしゃぎ過ぎやて・・・・。」
「いいじゃーん!!滅多にみっちゃんと一緒に写真撮れないんだもん・・・。」
「ははっ。まぁ、そうやな・・・。
そう言えば、吉澤?やぐっつぁんとはどうなってるん?」
「あ、矢口さんとはこの後に会う約束してますよ。」
「そうなんや、上手くやってるんか?」
「はい、前よりは心を許してくれてると思います。」
「そうか、それなら良かった。じゃ、そろそろ帰らへんか?」
「そうですね。」
「うん、帰ろう!!あ、よっすぃー今日はヨロシクね♪」
「OK!バレないようにね!」
「あい!」
「じゃ、高等部で待ってるよ!吉澤。」
「はい、よろしくお願いします!」
「一旦、職員室に戻ってから帰るからまた後でな?ごっちん。」
「うん、連絡するねー!」
3人は、それぞれ帰路に着いた。
- 181 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時14分06秒
- 夕方になると、みちよの家に真希が訪れた。
そぉ〜っとドアを開けると、部屋の中からいい匂いが漂ってきた。
(わぁ〜いい匂いだ・・・・・。一気にお腹空いちゃったよぉ・・・・。)
「お邪魔しまーす!!みっちゃん、来たよぉー!!」
「おぉ!いらっしゃい!」
「何作ってるのぉ?」
「ん?夕飯やて!」
「いや、それはわかってるよー!!!
もう・・・・。ゴトーをからかってんでしょ!!みっちゃんの意地悪っ・・・。」
「ははっ。スマンスマン・・・・。
ごっちんの卒業祝いに、頑張ってご馳走?作ってるんや。」
「大丈夫ぅ?作れるの?ゴトーも手伝おうか・・・・?」
「う、うっさい!ウチかて作れるっちゅーの!
あぁ、もうえぇから、ごっちんは向こうで待っとってや!!!!」
「ふぁ〜〜〜い・・・・。」
真希はソファーに座りながら、みちよの姿を目で追っていた。
要領が悪いせいか、キッチンをバタバタと移動するみちよを見て真希は可笑しくてしょうがなかった。
そんな姿を見ているうちに、真希はウトウトと眠りについてしまった。
- 182 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時14分47秒
- 「・・・・っちん。」
「ん・・・・・・。」
「ごっちん?」
「んぁ・・・。もう食べれない・・・・。」
「ははっ!ごっちん、何寝惚けてるんや?」
「ふぁ〜・・・。あ、みっちゃん・・・。
もしかして・・・・ゴトー寝ちゃってた・・・?」
「ん、ぐっすりな。なんや、えぇ夢でも見てたんか?」
「ん・・・・覚えてない・・・。」
「まぁ、えぇわ。さ、御飯できたで食べよう!」
「はーい。」
テーブルに着くと、みちよが格闘したとみられる料理が沢山並んでいた。
「それじゃ、ごっちん卒業おめでとう!」
「ありがとー!」
「「かんぱ〜い!!」」
それから2人は、いろんな話をした。
出会ってからの事や付き合い始めた頃の事。
そして、今日まであったいろいろな出来事。
- 183 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時15分30秒
- 殆ど真希ばかり話していて、みちよは頷きながら聞いていた。
こんな風に2人で過ごすのは久し振りというのもあり、
みちよは真希が嬉しそうに話しているのを見ているだけで、幸せな気持ちになった。
食事を済ませると、ソファーに座り2人でアルバムを見ていた。
懐かしい写真にキャッキャと騒いでいた真希が、あるページから静かになっていた。
それは、以前にみんなでいった河原での写真。
「なっちと中澤先生、幸せそうだねー。」
「そうやんなぁ・・・いろいろあったからねぇ・・・・。」
「ゴトーね?今でもあの病院での、なっちの告白が忘れられないんだよねぇ。」
「あぁ、あん時なぁ・・・。」
「最初驚いてた中澤先生の顔がさぁ、徐々に見た事もないくらいの優しい笑顔になってさ・・・。」
「そんなトコまで見てたんかい?」
「うん、なんか見てるこっちが嬉しいような恥ずかしいような・・・。
だからね?耐えられなくなって、中に入っていったんだよ・・・。ホントはね・・・。」
「へ〜!?そうやったん?」
「そうだよー!」
真希は自分で言って恥ずかしかったのか、次の写真へと話を変えていった。
- 184 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時16分18秒
- 「ねぇ、みっちゃん!!これ見て!!!」
「な、なんや!?!?」
そう言って指差した写真は、自分達を写したものだが端にひとみと真里が写っていた。
嬉しそうにゆで卵を食べているひとみの横顔を、真里がジッと見つめていた。
「やぐっつぁん・・・。結構、気になってたんじゃないの?」
「ホンマや!」
「素直じゃないんだねぇ、やぐっつぁんって。」
「いつも強がりばかり言うてるからなぁ、あの子。」
「また、みんなで遊びに行きたいなぁ・・・・。」
「そっか。でも、姐さん居ると大変やよ?」
「大丈夫だよ!なっちが強いから!」
「言われてみればそうやな。姐さん、なっちにはめっぽう弱いからな。ははっ!」
アルバムを一通り見終わると、真希はみちよの肩に凭れながらTVを見ていた。
みちよは、その重さに安心感を覚えていた。
ふと軽くなったので、真希を見ると見つめあう形になっていた。
- 185 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時16分49秒
- 「ごっちん?どないしたん?」
「ねぇ、みっちゃん・・・・キスして?」
「えっ!?!?突然何言い出すんや・・・・。」
「いつも、ゴトーからしかしてないし・・・。
今日は、卒業式だしさ・・・・。みっちゃんからして?いいでしょ・・・?」
「・・・・わ、わかった・・・・。」
(ひえぇ・・・・。されるのは慣れたけど・・・・。
自分からなんて・・・・。恥ずかしいわぁ・・・。あ、ごっちんもう目閉じてるし・・・。)
「・・・・みっちゃん?」
「う、うん・・・。」
みちよは頭ん中がグルグルしながら、真希の肩に手を置くと静かに顔を近づけた。
キレイに整った顔と形の良い唇が、徐々に近づいてくる。
次第に自分も目を閉じて、軽く口付けた。
そして離れようとした瞬間、真希の腕が自分の首に巻き付いてきた。
- 186 名前:卒業 投稿日:2003年02月19日(水)01時17分53秒
- 「ごっちん!?」
「へへっ♪みっちゃんからのキス、嬉しいな♪
今度はゴトーがしてあげるねーvvこっち向いて〜♪」
「ごっちん!!危ないって・・・あっ・・・。」
真希の勢いが良すぎて、みちよはソファーに押し倒される形になってしまった。
起き上がろうとするみちよに対して、真希は何度も何度もキスをした。
「みっちゃん、高校に行ってもずっと一緒にいてね?」
「・・・当たり前やんか、今までよりも一緒に居るで。」
「良かったぁ♪ねぇ、あっちの部屋行かない?」
「・・・ん、えぇよ。」
そのまま2人は寝室へと消えていった。
暫くすると物音はなくなり、聞こえるのは2人の静かな寝息だけ。
これから先への期待と不安、どんな事があっても2人なら乗り越えていけるでしょう。
- 187 名前:TAKU 投稿日:2003年02月19日(水)01時22分27秒
- はい、みちごまで「卒業」でした。
期待ハズレだったらすいません^^;
ちょっと甘く書いてみました。
殆ど甘い話しか書いてないんですけどね(笑)
次は、よしやぐの番外編へ突入します。
これはseek用に書き下ろしたので初披露になります。
では、次の更新をお待ち下さい!
- 188 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月19日(水)01時42分56秒
- 早い更新ですね。番外編読みました。
平家さんとごっちんが、かわいい感じで好きです。
みんなが幸せって素敵ですね。
次回は、吉澤さんと矢口さんということで
こちらも楽しみです。
- 189 名前:TAKU 投稿日:2003年02月20日(木)07時42分34秒
- >188 名無し読者さま
2人を可愛いと感じてもらえて良かったです^^
幸せが1番ですよねー!
よしやぐ楽しみですか?ありがとうございます!
それでは、番外編よしやぐ更新します。
- 190 名前:始まりの予感 投稿日:2003年02月20日(木)07時43分36秒
- 卒業式が終り、ひとみはある喫茶店で1人外を眺めていた。
駅の方を見つめていると、必死に走ってくる姿が見えた。
ひとみは自然に緩んでしまう頬を叩くと、その人物が来るのを待った。
―――カランッカラ〜ン
その人物は店に入ると店内を見回し、ひとみの姿を見つけると肩で息をしながらやって来た。
「ハァハァ・・・・。よ、よっすぃー・・・ごめん・・・。」
「いいですよ。そんなに急がなくても良かったのに。
さぁ、座ってくださいよ!何か飲んで落ち着いてください、矢口さん。」
「うん・・・。」
真里が座ると同時に、ひとみは店員を呼びココアを頼んだ。
飲み物がくるまで、真里は水を飲んでグッタリとしていた。
- 191 名前:始まりの予感 投稿日:2003年02月20日(木)07時44分22秒
- 「大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だよ・・・。」
「何かあったんですか?矢口さんが遅れるのって珍しいから。」
「・・・ちょっと買い物してたら時間かかっちゃって・・・・。」
「買い物ですか・・・・?」
不思議そうに見つめてくるひとみをよそに、真里は鞄から小さな包みを出した。
「よっすぃー、卒業おめでとう!はい、これ。」
「へ!?なんですか・・・・?」
「へへっ。プレゼント。」
「ウチにですか?あ・・・もしかして、これの為に・・・・?」
「うん、いろいろ見てたら悩んじゃってさ・・・・。」
「ありがとうございます!開けていいですか?」
「うん、いいよ!」
- 192 名前:始まりの予感 投稿日:2003年02月20日(木)07時44分58秒
- 真里はきたばかりのココアに口を付けながら、ひとみが包みを解くのを見ていた。
小さな箱を開けると、中にはシルバーの可愛いピアスが入っていた。
「可愛い〜♪ホントにもらっていいんですか?」
「当たり前だろー!その為に買ってきたんだから!」
「嬉しいです♪めちゃくちゃ嬉しいです!」
ひとみは今つけているピアスを外すと、真里からのプレゼントを片方に付けた。
そして、もう片方を真里の目の前に差し出した。
「何・・・?」
「これは、矢口さんが付けてください!」
「はぁ!?矢口がぁ〜?」
「はい、矢口さんに付けてもらいたいんです。」
そうして、ピアスの付いてない方の耳に髪をかけた。
真里は「しょうがないなぁ・・・。」と言いながらも、ひとみの耳にピアスを付けてあげた。
- 193 名前:始まりの予感 投稿日:2003年02月20日(木)07時45分45秒
- 「はい、これでいい?」
「ありがとうございます!似合いますか?」
「うん、凄い似合ってるよー!」
「これ・・・大切にします。」
「そんな高価なもんじゃないさー!」
「ウチにとっては、高価ですよ。矢口さんがくれた物だから。」
ひとみは一瞬目を閉じてから真里を見つめて話し出した。
- 194 名前:始まりの予感 投稿日:2003年02月20日(木)07時48分22秒
- 「ねぇ、矢口さん・・・・。」
「ん〜?なぁに?」
「矢口さんと知り合ってから、もう半年になりますよね・・・・。」
「あぁ、そうだねぇ。」
「少しは・・・・・。ウチの事、好きになってもらえましたか・・・・?」
「・・・・うん、よっすぃーの事はね?好きだよ・・・・。」
「それなら・・・矢口さんの事、恋人と思っていいですか?」
「・・・・でもね・・・・。」
「でも?」
「自分もよくわからない・・・。よっすぃーは好きだけど・・・・・。
まだね、前に好きだった人が忘れきれてないんだ・・・。こんな気持ちで答える事はできないよ・・・。」
「そうですか・・・。でも諦めないですよ!
絶対、その人を忘れさせてみせます。それでいつか、ウチだけ見てくれるようになったら・・・。」
- 195 名前:始まりの予感 投稿日:2003年02月20日(木)07時48分59秒
- 「・・・・よっすぃ・・・・。」
「その時は、恋人になってくれますよね?」
「それは・・・もちろん・・・。」
「良かった・・・。それだけわかればいいです。
その日まで、ウチは頑張りますよ!だって、こんなにも矢口さんが好きだから・・・。」
「ありがとう・・・・。」
「それじゃ、何か食べに行きましょうか!お腹空いちゃって・・・・。」
「ははっ・・・。そうだね、行こうか。」
- 196 名前:始まりの予感 投稿日:2003年02月20日(木)07時49分40秒
- 2人は喫茶店を出ると駅へと向かって歩き出した。
並んで歩きながら、真里はふとひとみを見た。
ひとみはまた背が伸びたのだろう、真里の目線はひとみの肩のところになっていた。
何故か真里はどんどん成長していくひとみを見て、いつか離れて行ってしまうのではないかと不安になった。
自分が裕子を忘れられた時、ひとみは傍にいてくれてるのだろうかと。
その思いから、自然に真里は近くにあるひとみの手を握った。
一瞬ひとみは驚いた表情を見せたが、すぐ笑顔になり握り返してくれた。
(よっすぃーの手・・・・暖かいな・・・・。)
それが新しい恋の始まりだとは真里はまだ気付いてはいない。
春は別れと出逢いの季節。
真里の心も分岐点を迎えているに違いない。
そう、本当の幸せは・・・・・・まだ始まったばかりなのだから。
〜了〜
- 197 名前:TAKU 投稿日:2003年02月20日(木)07時56分22秒
- 更新終了です。
ん〜・・・なんか自分の文才のなさが身に染みる・・・・。
まだまだ勉強が足りませんねぇ^^;
えっと、次はメインのなっちゅーの番外編です。
それで、「偶然?必然!」は完結します。
それ以降は・・・・・ここが残ってる間は、短編でも書きたいと思います。
最後までお付き合いくださいm(_ _)m
- 198 名前:TAKU 投稿日:2003年02月20日(木)07時59分29秒
- ちょっとスレ流し。
- 199 名前:TAKU 投稿日:2003年02月20日(木)08時01分03秒
- 読む前に最後がわかったらつまらないですよね?(笑)
それでは。
- 200 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月20日(木)19時47分20秒
- よしやぐ良かったです。
なっちゅー番外編楽しみです!!
- 201 名前:名無し読者。 投稿日:2003年02月22日(土)17時47分03秒
- その後のなっちゅーが楽しみで(w
- 202 名前:TAKU 投稿日:2003年02月23日(日)00時14分51秒
- >200 名無し読者さま
よしやぐ良かったですか?嬉しいですねぇ^^
なっちゅーの番外編は、あまり期待しない方がいいかもしれません^^;
>201 名無し読者さま
なっちゅーのその後ですか・・・・。
それは他所で書いてはいるんですけどねぇ。
番外編は、なっちゅーに限り過去編になります。
続編ではなくてすいませんm(_ _)m
では、なっちゅー番外編を更新します!
- 203 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時20分29秒
- 「裕子ー!あんた実習何処になったの?」
「ん?ウチか?」
「そうそう!私はねぇ、札幌の高校になったよ。」
「高校かぁ・・・えぇなー。
ウチは中学や、それもな・・・・室蘭やて。」
「はぁ〜!?随分と遠いね。
それに、裕子は高校が希望だったんじゃないの?」
「そうやねん・・・・。遠いは中学やわ・・・最悪や・・・。」
「へぇ〜。ま、いいじゃん!
可愛い男の子でも探して楽しんでくれば?今後の楽しみに♪」
「そうしたかったわ・・・。
ウチの行く学校て、私立の女子校やて。なんの楽しみもあらへんわぁ・・・。」
「女子校!?!?それはそれは・・・・。
でもさ、裕子は同性にもモテるんだから大丈夫じゃない?
いい子がいるかもよ?あんたもいい加減、恋人くらい作りなさいよ!」
「うっさいわ!!アンタは同性となると目が輝くんやな・・・・。
それよりも、もっと大変な事があんねん・・・。ハァ・・・マンション探さな・・・。」
「あ、そっか。今のトコからだと通えないんだ。
じゃ、私が料理でもしに行ってあげようかぁ?自信あるんだよ、これでも。」
- 204 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時22分09秒
- 「そんな事ばっか言ってると彼女に怒られるんやないの?」
「冗談に決まってるでしょ!
いくら私でも、振られた相手にそこまでしないわよ!ま、頑張ってね♪」
「振られた・・・て・・・・。それを言うか・・・。ま、なんとか頑張ってみるわ。」
私は、中澤裕子。
北海道の大学で、教育学部に通っている。
実家は京都で両親が老舗の旅館を経営してて、いわゆるお嬢様ってやつや。
でも、自分はそんな柄じゃないし、そう見られるのが嫌でココに来ている。
もうすぐ、教育実習が始まるんやけど・・・・。
希望が通らず、私立の女子中学校に行く事になったんや。
ま、女子校がいやや言うんやないんやけどな・・・大学も女ばっかりやねん!
だから少しでも男の出逢いが欲しくて、共学の高校を希望したのに・・・・。
運悪く、そうなってしもうたんや。
場所も遠くて、通うのにマンション探さないかんしな。
あぁ・・・・どうなるんやろ・・・・ホンマに・・・・。
- 205 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時22分53秒
- (あー。ここか・・・・。)
裕子は、室蘭の市内にあるマンションの前に来ていた。
不動産屋から、短期間だけ借りれる物件を教えてもらい見に来たのだ。
「まぁ、綺麗やし学校も近いから・・・ここでえぇか。」
(よし、決めた!)
そして、実習の始まる2日前必要なものだけ持って越してきた。
何もない部屋だが、もともと物を置く事が嫌いな裕子には快適な環境だった。
- 206 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時23分29秒
- ―――実習開始当日。
裕子は新しいスーツを身に纏い、体育館の壇上に並んでいた。
目の前には、これから自分が教えるであろう生徒達がズラっと並んでいた。
普段から緊張しぃの裕子にとって、この状況は地獄と言っても過言ではない。
背中や手の平に、嫌な汗をかいていくのがわかる。
(・・・ヤバイわ・・・めっちゃ緊張してきた・・・・。)
「ねぇ、緊張してるの?」
突然、隣りにいた自分と同じ実習生から声をかけられた。
「え・・・。まぁ・・・。」
「私は、石黒彩。私も緊張してるんだよね・・・。あなた、名前は?」
「はぁ・・・。中澤裕子です。」
「中澤さんか、よろしくね!もしかして、関西の人?」
「そうですけど。それが何か?」
「別に何もないけど、珍しいなって思って。
あ、紹介が始まる・・・・。また後で話しようね!」
「・・・・・・。」
(なんや・・・急に話しかけて・・・・。こっちは緊張してそれどころやないっちゅーの!)
- 207 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時24分02秒
- 「えー。それでは、教育実習の先生を紹介します。」
(はぁ・・・・どないしよう・・・・・。)
次々と名前を呼ばれ、紹介されていった。
いろいろと自己紹介を考えていた裕子だが、すでに頭の中は真っ白になっていた。
「次、中澤先生。どーぞ。」
「は、はい・・・・・。」
「中澤さん、頑張ってね!」
彩は小さな声をかけ、背中を軽く叩いた。
しかし、裕子は無言で中央へ向って行った。
「えっと・・・。中澤裕子です、短い期間ですが宜しくお願いします。」
それだけ言うのが精一杯で、お辞儀をして端へ下がって行った。
その後の記憶は殆どといっていいほど、残ってなく式は終った。
職員室へ戻り、自分の担当の教師と学年を教えてもらい校内を案内してもらった。
裕子は2年生、彩は3年生と1年生の1部の担当になった。
そして、この日は授業を見学するだけで終った。
- 208 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時26分50秒
- 翌日、職員室のドアを開けようと手を伸ばした瞬間、そのドアが開いた。
裕子は驚いて声をあげてしまった。
「うわぁ・・・・。」
「あ、すいません。おはようございます。」
目の前の少女は、目がクリっとしていて小柄な可愛い少女だった。
そして、挨拶をするとペコリとお辞儀をして裕子の脇を通り抜けて行った。
(わぁ・・・びっくりしたわ・・・。
あの子、どこのクラスやろ?・・・って、何気にしてんねん・・・・。アホらし・・。)
裕子はブルブルと頭を振ると、周りの教師に挨拶をしながら自分の机に向った。
すると隣りには既に彩が座って、授業の準備をしていた。
- 209 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時27分58秒
- 「あ、中澤さんおはよー!」
「おはようさん・・・。石黒さんやったっけ?」
「うん。中澤さんって、朝弱いでしょ?」
「ま、まぁ・・・。強くはないな・・・。」
「やっぱりね。なんかボーっとしてるもん。」
「えぇやん・・・。」
そう言って笑っている彩に、裕子は微苦笑を浮かべ席についた。
(人懐っこい子やなぁ・・・・。なんや調子狂ってまうわ・・・・。)
「ねぇ、中澤さんさぁさっき生徒に見とれてなかった?」
「はぁ!?何言うてんねん!?」
「いや、さっき・・・入口のとこで。」
「あぁ・・・。あれか・・・。
急にドアが開いたからびっくりして動けなかってん・・・。」
「なぁ〜んだ。つまんない・・・・。」
「なんや、それ・・・・。」
- 210 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時28分33秒
- そんなやり取りをしていると、2人とも担当の教師に呼ばれそれぞれ席を立って行った。
今日から実際に教壇に立って、授業をする事になっている。
裕子も最初は緊張して上手くいかなかったが、次第にいつもの自分を取り戻しこなせるようになっていった。
生徒が問題を解いてる間、裕子はふと窓の外を眺めた。
すぐ下は校庭になっていて、どこかのクラスが体育の授業をしていた。
教室の中に視線を戻そうとした時、裕子の視界には今朝会った少女が入った。
裕子は、明るく元気に校庭を走りまわる少女に見入ってしまっていた。
(あ、あの子・・・・。元気やなぁ、めっちゃ笑顔が可愛えぇやん。)
自然と頬が緩んでしまっている裕子に、傍にいた生徒が話し掛け現実に引き戻された。
「先生?何笑ってるんですか?」
「えっ!?あ、何でもないで・・・。」
(イカン・・・何してんやろ・・・。)
- 211 名前:募る想い 投稿日:2003年02月23日(日)00時29分48秒
- 授業が終り、昼食の時間になった。
職員室で食事をしていた裕子だが、先程の少女の笑顔が頭の中から離れないでいた。
やはり、頬が緩んでいたらしく彩に突っ込まれたが何とか逃げた。
食事が終ると、生徒たちが次々と裕子たちの元へ訪れてきた。
裕子と彩は、その容姿からすぐに人気者になりそれぞれ生徒に囲まれていた。
すると、あの少女も彩を尋ねてきた。
一瞬目が合い、ニコリと会釈すると彩の傍へ寄って行った。
話をしたかったが、自分も生徒に囲まれてる為できずに時間は過ぎていった。
それからも、廊下などで擦れ違う事はあったのだが話す機会もなく
学年も違うのだろう、1度も教える事はなかった。
- 212 名前:TAKU 投稿日:2003年02月23日(日)00時33分40秒
- えぇ・・・途中自分でageてしまい鬱なんで・・・。
更新はここまでで。
あ、最初に出てくる裕子さんの友達は架空の人物です。
誰だろう?とか考えないでください(苦笑)
気分がのったら、また更新します。
それでは。
- 213 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月23日(日)09時22分49秒
- おーなっちゅーの過去がはじまってる!
おもしろそうなんで、楽しみです!
- 214 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月25日(火)20時41分04秒
- なっちゅー待ってました!!!
すごい楽しみです。
- 215 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時07分24秒
- ――ある日、裕子はたまたま廊下を歩いていると目の前に少女の姿が見えた。
友達と楽しそうに話しながら歩いているようだった。
横を通り過ぎようと思った瞬間、彼女がバランスを崩し階段から落ちそうになった。
咄嗟に、裕子は彼女の体を支え助ける事ができた。
「あっぶないなぁ、気ぃつけなアカンよ?」
「はい・・・・すいません。ありがとうございました。」
「自分、何年生や?」
「3年です。」
「なんや、残念やな。2年だったらウチが担当だったのにな。」
「あ、えっと。教育実習の・・・・・。」
「ははっ。中澤や、中澤裕子。よろしくな!
自分、3年には見えへんなぁ。名前なんて言うん?」
「あ、安倍なつみです。」
「安倍さんかぁ、覚えとくわ!じゃな、転ぶんやないよ!」
「はい。」
(良かったわぁ・・・。しっかし、ホンマに可愛えぇなぁ・・・。
小さくて、柔らかくて・・・。やっぱり笑うとめっちゃ可愛えぇし・・・。)
- 216 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時09分12秒
- それから裕子は、気付くとなつみの姿を目で追っていた。
知らぬ間に、姿を見つけると傍に寄っていくようになった。
そのせいか、何度もなつみが危険な時には裕子が助ける回数が増えていったのだが
それだけで、話をする機会というのは全く無く刻々と実習の終りが近づいてきた。
実習もあと2日となった日の夜、裕子はベッドに寝転がりなつみの事を考えていた。
(あぁ・・・・なんでやろ・・・・・。安倍さんの事が頭から離れへん・・・。
結局、あれ以来話もしてへんのに・・・・。でも必ず視界に入ってくるんよね・・・・。
入るんやなくて、ウチが見てんのかもしれへんなぁ・・・・。
これって・・・アレなのか・・・?いや、でも・・・・・。)
- 217 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時09分45秒
- 裕子は一生懸命、頭の中からなつみを消そうとしたが余計にあの笑顔が浮かんでくる。
同性愛に関しては、友達もそうなので理解はあった。
しかし、自分が同性を好きになるなんて考えた事もなかった。
「ダメや・・・・。考えてると寝れへんわ・・・。
ビールでも飲んで寝るとするか・・・。ウチ、ホンマにどうかしとるわ・・・。」
裕子は冷蔵庫からビールを取り出すと、一気に流し込み再びベッドに入った。
しばらくは寝つけずにいたが、アルコールの力もあって次第に眠りについた。
- 218 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時10分19秒
- ―――実習最終日。
この日は土曜日だった為、午前中で授業は終った。
その後、体育館で教育実習生の最後の挨拶が行われた。
裕子は荷物をまとめると彩と共に体育館へ向った。
生徒達もゾロゾロと向っていたが、裕子はその中になつみの姿を見つけた。
(安倍さんだ・・・。今日で最後なんよねぇ・・・。
もう、会う事もないんやろな。結局、殆ど話なんてでけへんかったし・・・。)
「中澤さん?どうしたの、ボーっとしちゃって。」
「え・・・!?なんでもないで。うん・・・。」
「変なのぉ〜。」
もうすぐ、体育館の入口に近づく。
そこには段差があるのだが、普通ならば何も考えなくても通れる場所だ。
しかし、なつみはちょっとした段差でも転んでしまうのを裕子は何度も見て助けている。
心配な気持ちが裕子の足を速め、なつみに近づいていった。
「待ってよー!」と言う彩の言葉なんて耳には入っていなかった。
- 219 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時10分56秒
- 「きゃっ・・・・・!!」
「危ないっ!」
案の定なつみは段差でつまづいて転びそうになった。
タイミング良く、裕子はなつみの体を支えて助けてやった。
「あ・・・中澤先生・・・。いつもすいません・・・・。」
「ホンマに気をつけなあかんよ?足元見て歩かなダメやないの!
助けてあげられんのも・・・・これが最後やで?自分で守らないかんよ?」
裕子は微笑んで、なつみの頭をポンポンと叩いた。
その裕子に答えるように、なつみは最高の笑顔で返した。
「はいっ!短い間でしたけど、ありがとうございました。
私も・・・中澤先生に教えてもらいたかったです。先生も頑張ってくださいね!」
「ありがとな、安倍さんも頑張りや。じゃな。」
そう言って、裕子は教員達の席へ向った。
- 220 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時11分37秒
- 「ねぇ、なっちいいよねー!!
中澤先生ってさぁ、すっごい人気あるんだよー!圭織も助けてもらいたかったぁ〜♪」
「圭織?目がハートになってんべ。
中澤先生って、そんなに人気あるんだ?あまり姿見ないから解からなかった・・・。」
「何言ってんの!?いっつも近くを歩いてたっしょ?
なっち気付いてなかったの?ほんとにボーっとして歩いてんだから・・・・・。」
「そ、そんな・・・ボーっとなんてしてないべさ・・・・。」
なつみは、頬を膨らませながら自分達の席へ向った。
- 221 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時13分24秒
- 全員が揃ったところで、校長先生の話が始まった。
そして、順番に最後の挨拶に向う。
先に彩が壇上へ向ったが、生徒達から大きな歓声が上がった。
「「「「石黒せんせ〜〜〜〜!!!!」」」」
「ははっ。はいはい、みんな静かにしてね!
えっと、みんな今までありがとう。短い間だったけど、楽しく過ごせて嬉しかったです。
来年は実習生ではなく、正式な教員として教壇に立つ事になると思うので
もし、私と同じ学校になったらまた仲良くしてくださいね!本当にありがとう、さようなら。」
彩はきっちりと挨拶をこなし戻ってきたが、目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
そして、裕子の名前が呼ばれる。
裕子もまた、生徒達にかなりの人気があった為に彩同様、歓声が上がっていた。
- 222 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時17分09秒
- 話したくても、なかなか歓声がおさまらず裕子は自分の言葉で話す事にした。
「あぁーうるさい!静かにしぃや!!
そうそう、それでえぇねん。今日で、みんなともお別れなんやけど
毎日楽しく過ごさせてもらって感謝してるわ。まぁ、2年生としか交流なかったんやけどな。
ウチも来年は教員として頑張っていくんやけど、北海道の学校ではないと思うんで・・・。
みんなとは会えんかもしれへんな・・・・。でも、どこかで見かけたら声かけてな?」
裕子は前の方に目を向けると、なつみの姿が目に入った。
その瞬間、胸に熱いものが込み上げてきて言葉を失った。
なつみはずっとこっちを見ていて、目が合ったような気もした。
気付くと、不覚にも涙が溢れてしまって視界が歪んでいた。
泣き出したい気持ちを必死に抑え、裕子は最後の言葉を述べた。
「・・・えぇ、みんなに会えてホンマ幸せでした。大好きや・・・・元気でな。」
- 223 名前:募る想い 投稿日:2003年02月28日(金)12時17分46秒
- 裕子は最後の言葉を、なつみを見つめながら言っていた。
席に戻ると、彩がそっとハンカチを差し出した。
それを受け取ると、目を抑えながらイスに座った。
職員室に戻ると、他の教員達との挨拶を済ませ裕子は足早に帰宅した。
もう少し生徒達と過ごしたかったが、引越しの準備もしなければいけなかった。
明日には、寮に戻らなければならない。
荷物をまとめながらも、頭の中にはなつみの顔がチラついて仕方なかった。
「安倍・・さん・・・。
ホンマに好きになってしまったみたいや・・・・。」
翌日、裕子はマンションを引き払って寮に戻った。
大学では、実習のレポートなどで慌しく毎日が過ぎていった。
夏が終り、冬が近づいたある日、裕子はある事を思いついた。
忙しい日々の中でも、心の中で消えずに大きくなっていった想い。
それを、どうしても諦める事が出来ずにいた。
裕子は、ギリギリ留年できるようにワザと単位を落とした。
留年が決定し、仲の良かった友達達は皆卒業していった。
- 224 名前:TAKU 投稿日:2003年02月28日(金)12時29分20秒
- 更新終りです。
まだまだ、なっちゅーは続きます!
>213 名無し読者さま
レスありがとうございます!
なっちゅーに関しては、どうしても過去が書きたくてダラダラと書いてます(笑)
期待に沿えるか解かりませんが、最後までヨロシクです^^
>214 名無し読者さま
待っていてくれたのですか?
嬉しいです^^
あと2回くらいで終ってしまいますが、お付き合いください!
それでは、また。
- 225 名前:名無し読者 投稿日:2003年02月28日(金)18時45分32秒
- 募る思いの冒頭で、中澤さんに振られたって人は・・・どなたんなでしょうか?
番外編 なっち・石黒さん
本編 なっち・平家さん・後藤さん・矢口さん・吉澤さん
は登場済だし・・・
稲葉さん・保田さん・飯田さんしか思いつかない。
ストーリには関係ないんだろうな〜と思いつつ気になったりしっちゃってすいません。
後、中澤さんが本編で超高級マンションに住んでたのは・・・老舗旅館のお嬢さまでお金持ちだったからなんですよね?
なっちと出会う前の番外編なんて執筆予定ないですよね?(w
後二回で終了なんですか?(涙
このお話は終わったとしても・・・何か書きつづけてください。(熱望
- 226 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月01日(土)12時20分24秒
- あと2回くらいで終わりですか・・・寂しいです。
225さんんと同じで、このお話は終わったとしても・・・何か書きつづけてください。(熱望
- 227 名前:TAKU 投稿日:2003年03月01日(土)22時08分46秒
- >225 名無し読者さま
あぁ・・・冒頭の彼女ですか?
最初にも書いたんですが、架空の人物です(笑)
メンバーの誰でもないので気にしないでください!m(_ _)m
なっちと出会う前の話ですかぁ・・・・。
考えてなかったです^^;
機会があれば書いてみたいと思います!
あと2回と書いたのですが、今回で終りにしたいと思います。
大量更新します!
今後は、ストックがないので・・・サイトに掲載済みのを1部載せたいと思います!
>226 名無し読者さま
ありがとうございます。
私なんかの駄文に寂しいと思っていただいて・・・。
出きる限り頑張りますので、宜しくお願いします!
それでは更新します!
- 228 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時10分32秒
- その時、裕子はある女子高の前に立っていた。
2度目の大学4年生、そして・・・2度目の教育実習。
昨年は私立の女子中学校、今年は希望通り高校である。
ホントなら、同じ学校の高等部へ行きたかったのだが
その学校は中学までしかなく、高校からは全生徒が受験をして別々の学校へ行く事になっていた。
今回の選択は、裕子にとって賭けだった。
いつも心にいるなつみは女子高に行くだろうと・・・・。
そして、生徒数の多いこの学校を選んだ。
(よっしゃ、気合入れて行くか!
それにしても・・・・デカイ学校やなぁ・・・・。職員室はどこやろ・・・・?)
裕子は校内に入るとウロウロと歩き回った。
しかし、なかなか職員室が見つからなくて方向音痴を発揮していた。
時計を見ると、集合時間が迫ってきていた。
「や、やば・・・・。初日から遅刻なんてシャレんならん・・・・。」
仕方なく、近くにいる生徒に聞く事にした。
- 229 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時12分06秒
- 「あのぉ・・・。」
「はい?なんですか?」
「職員室ってどこですか?」
「あ、もしかして実習の先生ですか?」
「そうなんやけど・・・。迷ってしまってな・・・。」
「そうなんですか。わかりました、案内しますよ!」
「ありがとう・・・。」
生徒に連れられ、裕子はやっと職員室に着く事ができた。
その生徒に礼を言うと、中へ入った。
「失礼します。本日からお世話になります、中澤裕子です。」
「中澤・・・・!?あ〜〜〜!!!!中澤さんだ!なんで!?」
そう叫んだのは、前回一緒に実習を受けていた石黒彩だった。
彩は大学卒業後、この学校に就任していた。
- 230 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時14分10秒
- 「へっ?あ・・・・・石黒さん・・・・・?」
「久し振りだねー!元気だった?」
「あぁ、元気やったで。」
「・・・で、なんで?実習なの・・・・?」
「い、いやな・・・・卒業できんかった・・・・。」
「プッ・・・。留年かぁ・・・・。あははははは!!」
「そんな笑わんでもえぇがな・・・。
石黒さんは、この学校になったんやなぁ。よろしく頼むわ。」
「うん、そう。あ、石黒さんってやめてよ。
みんなに彩っぺって言われてるから、中澤さんもそう呼んで?」
「う、うん。わかった、彩っぺよろしくな!」
「私は何て呼べばいい?」
「まぁ、裕子でも裕ちゃんでも、何でもえぇわ。」
「んじゃ、裕ちゃんって呼ぶねー。」
(あ、そうだ・・・・。裕ちゃんって確か安倍の事、気にかけてたよね・・・。)
「裕ちゃん、ウチのクラスにね・・・あ・・・・・いや、何でもない。」
- 231 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時14分57秒
- 「なんやねん?」
「あたしね、担任持ってるんだよ!1年生なの。」
「へぇ〜!!新任で担任なんか?」
「うん、スゴイっしょ?」
彩と裕子が話をしてると、彩が教頭に呼ばれた。
1年生担任という事と、裕子と知り合いだという事から彩が裕子の担当に任命された。
「裕ちゃん!!あたしが裕ちゃんの担当だって!」
「えぇ〜!?ホンマか?なんや、少しホっとしたわ・・・・。」
「やったね!じゃ、移動しよっか!!」
「おぅ!よろしくな!」
2人は揃って体育館へ向かった。
前のように校長の話があり、その後紹介される。
裕子も前回程の緊張もなく、挨拶を終らせた。
- 232 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時21分44秒
- その裕子の姿をじっと見つめている生徒が1人いた。
安倍なつみ。
そう、中学で裕子にいつも助けられていた少女。
そして、裕子が想いを寄せ続けている人そのものだった。
(中澤先生だぁ・・・・・。また会えると思わなかったな・・・・。)
朝礼も終り、裕子達は職員室へ戻る。
途中、彩が用事を思い出し裕子1人で戻る事になった。
キョロキョロしながら廊下を歩いていると、後から声をかけられた。
「な、中澤先生!!!!」
「ん〜・・・?あっ!?!?安倍さんやないか!!」
「お久し振りです。また会えるなんて思ってませんでした。」
「・・・それ、イヤミか?」
「え・・・・!?」
「あははは。嘘や嘘、安倍さんは大学の事知らんもんな。
実はなぁ、留年してもうたんや。だから、また実習に来てるんや。」
「あ、すいません・・・失礼な事、言っちゃいました・・・。」
「えぇんやて。それより、もう転んでないか?」
「・・・・いや、まだ・・・・・・。」
「なぁ〜んや、まだ直ってないんかい。」
「はい・・・。」
- 233 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時22分20秒
- 「今回は、1年担当やから安倍さんのクラスも教えに行けるな。」
「ホントですか!?嬉しいです。」
なつみは飛び跳ねながら喜んだ。
裕子も嬉しくて仕方なかったが、そこは大人として抑えていた。
「それじゃ、授業楽しみにしてますね!」
「あぁ、またな!転ばんようにな!!あははは。」
「はーい。気をつけまーす!」
なつみは元気に手を振って走っていった。
途中、転びそうになったがなんとか体勢を取り戻して、転ばずに済んだ。
「あぁ〜・・・・・危なっかしいなぁ・・・・・。」
(安倍さん・・・、この学校やったんやなぁ・・・・。
前よりも可愛くなってないか?恋でもしてるんやろか・・・・・。)
職員室に戻ると、今度は彩のクラスへ行く事になった。
彩も数学担当なので、ずっと一緒に行動する事になる。
- 234 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時23分12秒
- 「ここが、あたしのクラスだよ。」
「そっか。ちょっと緊張してきた・・・・。」
「大丈夫、すぐ慣れるよ!じゃ、行くよ?」
「うん・・・。」
―――ガラッ
「はーい!!みんな席に着いてー!!」
「今日から、教育実習の先生がこのクラスに来ました。」
「「「「えぇ〜〜〜〜〜!!!!!」」」」
「中澤先生です。」
「初めまして、数学担当の中澤です。よろしく。」
裕子は簡単に挨拶をすると、1番後の席に目が止まった。
(安倍・・・・さん・・・?)
しばらく、そのまま動けないでいたが彩に声をかけられ現実に引き戻された。
「それじゃ、中澤先生は後ろで見学しててください。」
「はい・・・。」
- 235 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時23分52秒
- 裕子は教室の後方へ行き、HRを静かに見学していた。
だが、意識は殆どなつみの方へ向いていた。
彩の方を見ているのだが、時折なつみに目がいってしまう。
なつみも時々裕子を見ていて、目が合うとニコッと笑いかけてきた。
(ダメや、集中でけへんわ・・・・。
なんで、あんなに可愛くなってんやろ・・・・。反則やで、ホンマに・・・・。)
「はい、HRはこれで終り!
私は1度戻るけど、中澤先生は残って交流を深めておいて!次、このクラスだから。」
「はい・・・・。」
彩が教室を去ると、クラスの子がチラチラと裕子を見る。
警戒しているのか、近づいて来る様子はなかった。
裕子は目のやり場に困って、彩ら渡されていたクラスの資料に目を通していた。
すると、目の前に誰かが立ち止まった。
顔を上げると、なつみが微笑みながら立っていた。
- 236 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時26分22秒
- 「あ、安倍さん!?どないしたん・・・・?」
「へへっ。前はあんまり話が出来なかったから、今度はいっぱい話そうと思って。」
「そ、そうやったなぁ・・・・。うん、いっぱい話しよな。」
「はーい。」
なつみは、じっと裕子の顔を見ていた。
見つめられて恥ずかしくなった裕子は、なんとか視線を逸らして自分を落ちつかせた。
「な、なんや?人の顔じっと見て・・・・。」
「先生って、綺麗ですよねー。みんなが騒いでたのよく解かりました。」
「そうか・・・?そんなでもないで?普通や、普通。」
(あちゃー・・・・。そんな上目遣いで見んといてや・・・。)
「どうしたんですか?先生、顔が赤いですよ?」
「ん・・・・あ・・・・。なんでもない・・・・。気のせいやて。」
「そうかなぁ〜?」
「そうや、気のせいや!!ほら、チャイム鳴ったし席に戻りぃ。」
- 237 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時29分31秒
- 「あ、ホントだ。
じゃぁ戻ります。あっ、そうだ!先生、お昼一緒に食べませんか?」
「昼て・・・。まだ始まったばかりやのに早いなぁ。
ま、予定もなにもないから別にえぇよ。職員室まで迎えに来てな!」
「やったぁー!じゃ、迎えに行きます。それ以外でも、遊びに行っていいですか?」
「あぁ、かまへんよ。」
なつみは嬉しそうに、席へ戻って行った。
席に着いても裕子に手を振っている。
そのうち、彩が現れ授業が始まった。
授業の合間も、裕子はなつみが気になって仕方がなかった。
- 238 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時30分01秒
- そして、授業が終り職員室へ戻る途中・・・・。
「ねぇ、裕ちゃん?」
「なんや?」
「さっきさぁ、全然授業を見てなかったでしょー!」
「な、そんな事ないで?ちゃんと見とったよ・・・・?」
「嘘だねー、ずっと安倍の事見てたじゃん。
前から思ってたんだけどさぁ・・・・・。安倍の事、好きなの?」
「そ、そんな・・・・。ちゃうで?急に変な事言いなや・・・・・。」
突然そんな事を言われ、カーッと裕子の顔が赤くなった。
彩は、その顔を見て確信した。やっぱりと思う反面、寂しくもあった。
(裕ちゃん・・・・やっぱり安倍が・・・・・。そっか・・・・。)
- 239 名前:TAKU 投稿日:2003年03月01日(土)22時32分50秒
- えっと、急用ができたので一旦区切ります!
また後ほど更新します!
- 240 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月01日(土)22時45分59秒
- おぉ!!更新されてる。
今日で終わりですか・・・嬉しいような悲しいような・・・。
大量更新かぁ・・・読んでいくのが大変そうです(笑)
- 241 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時49分04秒
- ―――教室では。
先程、裕子と話してたのが珍しかったのか数名がなつみの周りに集まってきていた。
別のクラスにいる圭織までもが、なつみのトコに来ていた。
「なっちー!中澤せんせーと知り合いなの?」
「う、うん。ちょっとした知り合い。」
「あのね、中澤せんせーは前にね・・・・。」
「あぁーーーーー!!圭織!!!!」
圭織が言おうとしてるのを、なつみは寸でのとこで止めた。
「なんだべ?なっち、どうしたの?」
「圭織、ちょっと来て・・・。」
そう言って、圭織を連れて廊下に出た。
なつみは、裕子が留年している事を話して秘密にするように言った。
苦笑して話していた裕子を見て、公にしない方がいいと思ったのだ。
- 242 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時50分13秒
- 「そうなんだ・・・。わかった、誰にも言わないよ。」
「圭織、ありがと。
あ、そうだ。お昼ね、中澤先生と食べる約束したんだけど圭織も来る?」
「マジでー!?行く行く!!例の場所で食べるっしょ?」
「うん、そうだよ。」
「たーのしみだぁ〜!!じゃ、あとでね♪」
「うん。」
(あぁ・・・・危なかったべさ・・・・・。
圭織も先生の事、気に入ってたんだよね。話したいって前に言ってたし。
でも・・・・ホントに綺麗でカッコイイよねぇ・・・。人気が出るのわかるべさ。)
- 243 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時51分00秒
- 昼になると、なつみと圭織は職員室へ裕子を迎えに行き2人がいつも行く場所に連れて行った。
学校の裏庭だが、あまり人もいなく静かな所で落ちついた場所だった。
「へ〜こんなトコがあったんや?」
「いいでしょ?いつもここで、なっちと食べてるんだー!」
「そうか、2人は弁当か・・・えぇなぁ・・・・。」
「先生は、いつも買ってるの?」
「そうや、料理は苦手なんや・・・・。」
「なっちは自分で作ってるんだよー!圭織は作れないけど。」
「圭織!そんな事は言わなくていいべさ・・・・。」
「安倍さんは偉いんやね。おっ!美味そうやんか。」
「そんな事ないですよぉ・・・。食べますか?」
「ホンマか?んじゃ、1つ。ん〜美味いやん♪えぇお嫁さんになれるなぁ。」
「えっ!?お嫁さんだなんて・・・・・。」
なつみは照れて真っ赤になった。
それがとても可愛く思えて、裕子はなつみの頭をクシャクシャっと撫でた。
- 244 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時51分37秒
- その時、なつみの心の中で何かが弾ける音がした。
(なんだべ・・・・なんか苦しい・・・・。
どうして、こんなにドキドキしてるんだろ・・・・・。)
「なんや、安倍さん照れてるんかぁ?可愛えぇなー♪」
「もう・・。からかわないでくださいよー!!」
「ごめん、ごめん。別にからかったわけちゃうで?」
「ずるーい!!先生、なっちにばっかり優しくしてる。
去年もそうだったっしょ?なっちばかり、先生に助けてもらってた。」
「そんな事ないで、飯田だって可愛えぇよ?
前は・・・たまたま安倍さんがドジった時に近くにいただけやしな。」
裕子は慌てて話を取り繕った。
たまたまなんて全くの嘘で、出来るだけなつみに手が届く範囲で行動してたのだから。
そして、実習の期間3人での昼食会は毎日続いた。
時々、圭織がクラスの子と一緒の時があり2人で食べる事もあった。
毎日一緒にいるせいで、裕子のなつみへの気持ちは確実に大きくなっていった。
そして、なつみの心にも変化が現われていた。
- 245 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時52分52秒
- この日は、圭織がいなかったので2人で食べていた。
校舎へ戻る途中で、なつみが石に躓いて転びそうになったのを裕子が支えた。
そして、そのまま裕子はなつみを抱き締めてしまった。
「・・・せ、先生・・・・?」
「あ・・・すまん・・・。安倍さんが可愛くて、つい・・・・。」
体を離すと、無言のまま戻って行った。
裕子は自分の気持ちのやり場に困ってしまった。
そして、なつみは裕子に抱き締められた事でハッキリわかった事があった。
裕子を好きになってしまっていた事。
頭を撫でてくれる手や、澄んだ瞳で笑いかけてくれる顔。
いつのまにか、なつみの中で裕子の存在が大きくなっていた。
(私・・・先生を好きになっちゃった・・・。
でも・・・まさか、女の人を好きになるなんて・・・。誰にも言えないよ・・・。)
「・・・・ましてや・・・先生になんて・・・。」
なつみは、つい小さく口に出してしまった。
- 246 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時53分23秒
- 「ん・・・?なんか言うたか・・・?」
「はっ!?い、いえ・・・なんでもないです。」
「そうか・・・。さっきはごめんな?じゃ、ウチはあっちやから。」
「は、はい・・・。」
裕子はなつみに背を向け、職員室へ戻って行った。
(アカン・・・普通にせんと・・・・。)
その後は、裕子もなつみも普通に接する事にして今までと変わらずにしていた。
- 247 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時54分09秒
- そして、実習の最終日を迎えた。
全てを終え、職員室で片付けをしていると彩が話しかけてきた。
「裕ちゃん、この後飲みにでも行かない?」
「ん?えぇょ。最後だしな・・・・。」
「裕ちゃんは、こっちの学校じゃないんだよね?」
「そうや、関東の学校に推薦されてるからな。」
「そっか・・・・もう会えないんだよね・・・・。寂しいな・・・。」
「ま、夏休みとかあるやん?そん時にでも、遊びに来るよ。」
「うん、絶対に連絡してね?じゃ、行こうか。」
「あ・・・。ちょっと待っててもらえる?」
そう言って、裕子はカバンからカメラを取り出した。
「もしかして、安倍と撮りたいの・・・・・?」
「ん・・・・まぁな・・・。折角、仲良くなったから記念にと思うてな。」
「そっか、じゃぁ私が撮ってあげるよ!
急がないと、みんな帰っちゃうよ。さ、行こう!!」
「ありがと・・・。」
- 248 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時54分56秒
- 教室に行くと、まだ数人残っていた。
その中に、なつみと圭織もいた。
「おーい!中澤先生が最後にみんなと写真撮りたいってさ!」
「「「えーーーーっ!!ほんとーーー?撮る撮る!!」」」
そして、残ってた生徒達が集まってきた。
次々と写真を撮っていたが、殆ど何人かと一緒に撮っていて肝心のなつみとは撮れずにいた。
下校を促すアナウンスが流れ、生徒達も帰り支度を始めていた。
みんなが帰り、圭織となつみだけになったのを見計らって彩がなつみを呼んだ。
「あ、安倍!ちょっと来てくれる?」
「は、はい。なんですか?」
「ん、ちょっとそこに並んで。」
彩はなつみを裕子の隣りに連れていくと、カメラを構えた。
「じゃ、撮るよー!って、もっとくっついてよ。」
彩の言葉に、裕子はなつみの肩を引き寄せた。
なつみは驚いていたが、すぐに笑顔でカメラに向き直り彩はシャッターをきった。
- 249 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)22時56分09秒
- 「今までありがとな、楽しかったわ。」
「わ、私も楽しかったです。
この学校に先生として、来てくれるの待ってますね。」
「あぁ・・・。それなんやけどな・・・・。
ウチは北海道には残らないんよ・・・。卒業したら、関東の方へ行く。」
「え・・・・。そうなんですか・・・・。」
「だから、みんなと会えるのはこれが最後になってしまうんよ。
安倍さんも飯田さんも、こんなウチと仲良くしてくれてホンマありがとな・・・。元気で頑張りや。」
「はい・・・。先生も頑張ってください・・・・・。」
「じゃ、気をつけて帰るんよ?」
「はい、さようなら・・・。」
裕子と彩は教室を後にして、職員室に戻ると荷物を持って学校を出た。
裕子達がいなくなった後、なつみは教室で泣き崩れた。
最初、圭織はわけがわからないという感じだったが、なつみの様子を見て察知した。
そして、泣き止むまで背中を擦ってあげた。
- 250 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)23時00分41秒
「せんせ・・・・・・・。」
なつみは圭織に縋り付きながら、陽の暮れて行く教室で泣き続けた。
16年間生きてきて、初めての恋、そして初めての別れ。
恋を知ったばかりのなつみには、とても辛い出来事だった。
- 251 名前:募る想い 投稿日:2003年03月01日(土)23時02分06秒
- 翌年の春、裕子は無事に大学を卒業し北海道を後にした。
卒業の前に引越しは済んでいて、卒業式だけ戻ってきた。
羽田へ向う飛行機の中で、裕子は卒業証書を大事に抱えていた。
その中には、最後に撮ったなつみとの写真を挿んで・・・・・。
「安倍さん・・・・。いつかまた・・・・会いたいな・・・。」
裕子の瞳から、ひとすじの涙が卒業証書の上に落ちていった。
挿んである写真には、幸せそうに微笑んで裕子となつみが寄り添っている。
この時、また2人が再会することは誰も知らなかった。
そう・・・・本人達でさえ・・・・・・。
〜了〜
- 252 名前:TAKU 投稿日:2003年03月01日(土)23時07分02秒
- えぇ、完結しました!
1部、元の話に付け加えて書いてみたんですけど。
以前に読んでくださってる方にしかわかりませんね(笑)
一応、この話は終りです。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
次は、短編でみっちゅーかごまゆうあたりを載せたいと思っています。
それでは。
- 253 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月02日(日)00時15分18秒
- なっちゅーすごく良かったです!!
TAKUさんお疲れさまでした。
次の短編、楽しみにしてます。
- 254 名前:ゆちぃ 投稿日:2003年03月02日(日)02時49分46秒
- ほんとにおつかれさまでした。
付け加えたとこ、めちゃいいと思います。
せつなさ倍増!!!
やっぱり何度読んでもいいっすね〜。
短編、ごまゆうもみっちゅーも大好きなので、楽しみにしてます☆
- 255 名前:TAKU 投稿日:2003年03月04日(火)22時34分57秒
- >253 名無し読者さま
ありがとうございます。
なっちゅー気に入ってもらえたようで良かったです。
>254 ゆちぃさま
ありがとうございます!
付け加えたトコわかりました?(笑)
何度も読んでもらえるのは、とっても嬉しい事です!
これからも、そんな作品を書いていけたらいいなと思ってます。
今、こちら用に短編を書いてるのですが完成しないのでサイト掲載済みのを1編。
みっちゅーでいかせてもらいます。
- 256 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時36分09秒
- ある晴れた日、裕子は久々のオフを1人過ごしていた。
家にいるのも落ち着かなく、買ったばかりの車に乗りざわめく街中を走っていた。
(あぁ・・・・・。なんや、1人でドライブってのも寂しいなぁ・・・。
モーニングはみんな忙しそうやったし・・・・。ごっちんはオフやて言うてたけど・・・。)
――――「なぁ、ごっちん明日オフやって?」
「ん〜?そうだよー!毎日、ミュージカルの稽古でクタクタだから寝るんだー♪」
「えぇ!?そんなんやったら、裕ちゃんとドライブせぇへんか?」
「ゆーちゃんと・・・ドライブ!?い、いや・・・遠慮するよ・・・。じゃねー!」
「えっ!?ちょ、ちょっと!!ごっち〜ん・・・・・・。」――――
「なんやねん!!!思い出したらムカムカしてきたわっ!!」
裕子は思い切りアクセルを踏み込むと、ラジオのスイッチを入れた。
- 257 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時36分58秒
- チャンネルを変えながら曲のかかってるトコで止めた。
(あぁ・・・洋楽かぁ、久々に聴くか・・・・・。)
リクエスト番組らしく、懐かしい曲から最新の曲まで幅広く流していた。
鼻歌を歌いながら聴いていると、ある曲で裕子はラジオの音量を上げた。
「これ・・・この曲・・・・・。」
裕子はハザードを出し、車を端に寄せて曲に聴き入っていた。
『・・・・・のROSEを聴いていただきました。次は・・・・・。』
(そう言えば、あれから連絡ないけど・・・みっちゃん元気なんやろか・・・。)
みちよの卒業ライブから、もうすぐ3ヵ月が経とうとしている。
暫くは連絡を取っていたが、裕子もライブ活動が忙しかった為に何時の間にか連絡が途絶えていた。
「みっちゃんトコでも行ってみるか。」
そして、裕子は再び車を走らせた。
1時間程すると、みちよの住むマンションに着いた。
- 258 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時38分26秒
- ――ピンポーン
「・・・はい。」
(おぉ!!居った居った!)
「みっちゃん!アタシや!」
「・・・姐さん・・・?」
「そうやで、早う開けてや〜!」
「はい・・・今、開けますよって。」
カチャリと音がして、すぐに目の前のドアは開いた。
ドアから覗かせるみちよの顔は、なんとも情けない表情をしていた。
「よっ!」
「よって・・・どないしはったんです?」
「こんなトコで話さんと、中に入れてくれへんか?」
「あ、すんません・・・。どうぞ、何もないですけど・・・。」
「んじゃ、お邪魔しますっ!」
玄関で靴を脱ぎ中へ入ると、テーブルの上に何枚か紙が乗っているだけでサッパリとしていた。
裕子の視線に気付いたのか、みちよはすぐにテーブルの上を片付けてしまった。
- 259 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時39分15秒
- 「なぁ、みっちゃん・・・・。」
「あ、姐さん何飲みます?ビールですか?」
裕子の言葉を遮るように、みちよは言葉をかけた。
「・・・あ、車やからコーヒーでえぇわ。」
「えっ!?車買うたんですか?」
「まぁな、最近やけど・・・。」
「ちゃんと運転できるんですか?」
「な、失礼やな!できるわいっ!!なんやねん・・・ごっちんといいみっちゃんといい・・・。」
「ははっ。ごっちんにも言われたんですか?」
「そやで、折角オフが重なったからドライブ誘ってやったのに・・・さっさと帰りよってん!!」
「分かる気がしますわ。」
“うがぁ〜!!”とうな垂れる裕子の前にコーヒーを置くと、みちよも椅子に座った。
- 260 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時40分12秒
- 「まぁまぁ、そんな事より今日はどうしはったんです?」
「あぁ・・・。今日な、1人でドライブしてたらラジオから“ROSE”が流れてきてな。
それ聴いてたら、突然みっちゃんに会いたなったんよ。ずっと連絡もしてなかったんでな・・・。」
「あ、そうなんですか。でも、会いに来てくれて嬉しいですよ!」
「アタシもみっちゃんに会えて嬉しいよ。
で、どうなん?最近は・・・・。事務所とか決まったんか・・・・?」
裕子の言葉に、みちよはビクッとしたが平静を保ちながら言葉を返そうとした。
しかし、裕子にはみちよの一瞬の沈黙が解かってしまった。
- 261 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時40分57秒
- 「まぁ、ボチボチやってますよ・・・。」
「嘘や!そんな顔してへんかったで?今・・・。」
「姐さん・・・。」
「一体、どないなってるんや?うちの事務所でも、みっちゃんの話が全く出ぇへんし・・・。」
「ははっ・・・。姐さんにはお見通しですか・・・。」
「音楽製作する言うてたけど、この部屋を見る限り・・・そんな感じはせぇへんで?」
裕子の言葉に平常心が崩れた。
みちよの瞳から一筋の涙が流れたかと思うと、次から次へと溢れ出してきた。
「・・・みっちゃん・・・。ごめん、言うてはいかん事言ってしもうたな・・・・。」
「・・・ち、違うんです。」
「何が違うんや?アタシ、酷い事言うたやんか・・・。」
「ウチかて、頑張ってきたんです・・・。でも・・・。」
「でも、なんや?」
「ダメなんです・・・・1人じゃ・・・・。」
「何言うてんの!みっちゃんは1人やないで?みんなが・・・仲間がついてるやんか!」
そう言われても、ただただ首を横に振るみちよ。
そして、先程片付けた紙を裕子に見せた。
- 262 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時41分39秒
- 「・・・・これ、見てください・・・。」
「これは、みっちゃんが書いた詩か?」
「そうです・・・。どんなに書いても・・・姐さんに対する気持ちしか書けないんです・・・。」
「はっ・・・!?アタシに対する気持ち・・・・?」
裕子は再度、みちよの書いた詩に目を通した。
そこには、恋しい人への想いが綴られていた。
「みっちゃん・・・・これって・・・・。」
「はい・・。ウチずっと・・・姐さんの事が好きでした。でも、こんな事言えなくて・・・。」
「アタシは・・・・。」
「諦めよう思うたんですよ・・・。でも、1人になって余計に気持ちが強くなって・・・。
それで、解かったんです。ウチは姐さん居らんとダメなんやって・・・。だから・・・・・。」
(みっちゃん・・・アタシだってあんたが好きや・・・。
でも・・・。今、受け入れてしまったらあんたがダメになる・・・・。)
裕子は暫く俯き無言で考えこんだ。
- 263 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時42分42秒
- そして、決心したように顔を上げみちよの目を見た。
「なぁ、みっちゃん。」
「・・・はい。」
「みっちゃんの気持ちは嬉しいで。あたしだってみっちゃんが好きやよ。
でもな、今のみっちゃんはアタシの好きだったみっちゃんやない・・・・・。」
「・・・姐さん・・・。」
「アタシの好きやったみっちゃんは、いつも輝いて前に進んでた。
だけど、今は立ち止まったまま動こうともしてへんやないの・・・・。」
(みっちゃん・・・ごめん・・・・。
今は、突き放す事しかでけへんよ・・・・。許してな・・・。)
「あんたなら、絶対に出来るから。
頑張って、昔のみっちゃんに戻って?そして、アタシを迎えに来てくれへんか?」
「待っててくれるんですか・・・・?」
「アタシは逃げも隠れもせぇへんよ。
ただな、その時がくるまで会わんとこ。それが・・・みっちゃんの為や・・・。」
- 264 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時43分23秒
- 「わかりました・・・。姐さんの為に頑張ります・・・。」
「アタシの為やない!自分の為に頑張るんや!」
「はい・・・。」
「アタシが言いたいんは、それだけや・・・。
それじゃ、もう帰るわ。邪魔してすまんかったな・・・・。」
それだけ言うと、裕子は鞄を持ち玄関へと歩いて行った。
靴を履き終わると、裕子は鞄の中から1枚の紙を取り出しみちよに渡した。
「なんですの・・・・?」
「これな、友達がくれた詩や。あとで見てみぃ。それじゃ、頑張るんやで!」
「はい、ありがとうございます・・・。」
みちよのマンションを少し離れた所で車を止めると、裕子は声をあげて泣き出した。
悔しさ、悲しさが全て入り混じった涙であった。
- 265 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時44分44秒
- 裕子が去った後、先程手渡された詩に目を通すみちよ。
だんだんと視界が霞んで、文字が見えなくなっていった。
『Starting Over』
君の悲しみ 優しく泣けたよね 強く抱き締めながら
かけがえのない日々よ この哀歌を聞いておくれ
心一つに 夢重ねてたよね 無邪気すぎるくらいに
殴り合う事さえも 永遠なる絆になった
失意の真ん中で 砕けた心を
支えてくれたのは お前 生きるのさ
あの頃よりも 輝く姿 空に向って輝き放つ
苦しむ事が きっといつの日も 答えを探してくれる
人の出逢いが 明日を変えて行く 不器用な俺達も
始めよう 恐れずに 果てしなく長い道を
お前は変わらずに 素直に笑って
歩いているんだろう oh my 忘れないさ
闇の向うに 輝く未来 怯えた日々の 涙を忘れ
いつも二人で 馳せた道のりを ここからまた始めよう
スピードを上げ まだ見ぬ世界へと 旅立つ為に
すべてをここからまた始めよう
- 266 名前:Starting Over 投稿日:2003年03月04日(火)22時50分23秒
- 「ありがとう・・・・姐さん・・・・。」
みちよは再びペンを持った。
その顔には涙に濡れながらも、笑顔と輝きが戻りつつあった。
(頑張ろう・・・自分の為に。そして、姐さんとの未来の為に・・・・・。)
その後、みちよの活動はまだ裕子の耳には届いていない。
しかし、頑張っていると信じ裕子もまた日々負けないように頑張っている。
そう・・・いつか迎えに来てくれると信じて・・・・・・・。
〜了〜
- 267 名前:TAKU 投稿日:2003年03月04日(火)22時53分59秒
- はい、みっちゅー終り!
みっちゃん・・・何してるんでしょうねぇ・・・・・?
早く戻ってきて欲しいです。
卒業ライブ、すっごい良かったから・・・。
1日も早く、ステージに立つみっちゃんが見たいです。(切実
それでは。
- 268 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月05日(水)00時27分46秒
- 見っチャン&裕ちゃんが切ないですね・・・でもすごく良かったです。
ほんと、みっちゃん・・・どうしてますかね?
早く戻ってきて欲しい・・・。
- 269 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月08日(土)23時41分08秒
- みっちゅー・・・せつないけど最後にみっちゃんが
前だけ見つめて歩いてる姿が想像できて
なんだかホッとしました。
みっちゃん・・復活するといいですね。
- 270 名前:TAKU 投稿日:2003年03月09日(日)13時19分30秒
- >268.269 名無し読者さま
ありがとうございます。
読んでくれてる人が少ないみたいですが、自己満足で突っ走ります(笑)
みっちゃん・・・早く戻ってきませんかねぇ・・・・。
それでは更新します。
今回は、なかよしで。
- 271 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時20分31秒
- 今日は2週間に1度のハロモニの収録日。
いつものようにモーニングの楽屋は騒がしい。
「辻、加護!静かにしなさいっ!!」
「うわっ・・・。のの、おばちゃんが怒ったで。」
「おばちゃんって言うなって言ったでしょ!!」
圭に怒られ逃げまわる子供達。
それを見て呆れて笑っている真里やなつみ。
6期メンバーは美貴を除いてまだ慣れないようで、周りを覗っている。
その時、ノックと共に楽屋のドアが開けられた。
- 272 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時21分02秒
- 「おはよーさん!って・・・相変わらず騒がしいなぁ。」
「あ、裕ちゃんおはよう!」
「おはよー!裕子ぉ!」
「中澤さん、おはようございます!」
「なんや、圭坊・・・顔が鬼になっとるで?」
「ちょっと・・・裕ちゃん!笑ってないでこいつらなんとかしてよー!」
「しゃーないな・・・・。こらー!!静かにせんかいっ!!」
裕子の一声で、一瞬にして静まり返った。
「さすがだね裕ちゃん・・・。」
「でも・・・新メンが固まってるべ。」
「なんなんや・・・気分悪い・・・・。戻るわ・・・。」
そう言って、裕子は眉間に皺を寄せたまま自分の楽屋へと戻って行った。
- 273 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時21分46秒
- 少し間を置いて、ひとみが楽屋から抜け出した。
向かった先は、裕子の楽屋。
ドアをノックすると「はい、どーぞ。」と気の無い返事が返ってきた。
中を覗くと、奥の方で何をする訳でもなく椅子に座ってる裕子がいた。
「失礼しま〜す!」
「あ・・・吉澤か。」
「中澤さん、そんな暗い顔しないでくださいよ。折角、吉澤が来たのにぃ・・・・。」
「なぁ、アタシってそんなに怖いか・・・・?」
そう呟いてうな垂れる裕子の後ろに回ると、そっと抱き締めながら呟いた。
「そんな事ないですよ。吉澤には可愛くて優しい中澤さんにしか見えないですけど?」
「そう言ってくれるのは吉澤しか居らんな・・・。」
「っていうか、他の人には言わせたくないですよ。」
「いつから、そんなキザな事言うようになったん?」
「中澤さんだからですよ・・・・。」
- 274 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時22分25秒
- ひとみは裕子の肩に顔を埋めると、チロッと首筋を舐めた。
「あっ・・・。」
「フフフ・・・。」
「アカンって・・・ここは楽屋なん・・・・・。」
裕子が言い終える前に、ひとみは裕子の口を塞いだ。
「・・・吉澤・・・?」
「大丈夫です。誰もいませんから。」
恥ずかしがり俯く裕子の顎を持ち上げると、ひとみは唇を重ねた。
裕子も自然とひとみの首に腕を回して受け入れたその時、勢い良く楽屋のドアが開いた。
「お〜い!裕子ぉ〜!!機嫌直ったかぁーー!・・・って・・・よっすぃー!?」
「あ・・・・。」
あまりの突然の出来事に、裕子とひとみは離れる事も出来なかった。
抱き合ったままの状態で、固まっている矢口を見つめていた。
- 275 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時23分18秒
- 「や、矢口・・・・。これは、その・・・・。」
「あはは・・・。見られちゃいましたねぇ・・・・。」
「・・・・吉澤・・・だから言うたやんか・・・・・。」
「あの・・・どういうことなの・・・・?裕子とよっすぃー!?」
呆然と問い掛ける矢口に対し、苦笑しながら離れる裕子とひとみ。
裕子はひとみを隣に座らせると、目の前の椅子に座るよう矢口を促した。
「あのな・・・矢口・・・・。」
「・・・・・。」
「実は、吉澤と付き合ってん・・・・。」
「矢口さん、黙っててすいません・・・・。」
「なんか・・・ビックリっていうか・・・・。
だってさぁ、全然仲良くしてるようには見えなかったじゃんか・・・・。」
「アタシが恥ずかしいから・・・内緒にしてって言うたんよ。」
「で、いつからなの?どっちから・・・・?」
「3ヶ月前です。えっと、吉澤が告白しました。」
矢口はフゥ〜っと息を吐き出すと、2人を見遣った。
裕子は顔を赤くしながら俯き、ひとみは開き直ったのか堂々としていた。
- 276 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時24分00秒
- 「まぁ〜ったく・・・・しょうがねぇなぁー!!
みんなには黙っててやるよー!!しっかし・・・・オイラは失恋かぁ・・・・。」
「ありがとうございます。」
「スマンなぁ・・・。ん?失恋て、誰にや?」
「そんなの教えてやるもんか!
じゃ、みんなは誤魔化しててやるからよっすぃーはもう少し居なっ!!」
「はい、ありがとうございます!」
「裕子ぉ!今度、焼肉奢れよなぁ〜!!」
「しゃーないなぁ・・・・わかったよ。」
「じゃ、オイラは退散するぜぇ!!」
笑顔を見せながら、矢口は勢い良く楽屋を出て行った。
- 277 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時24分43秒
- 「はぁ・・・みんなにバレるのも時間の問題やな・・・。」
「・・・中澤さんは、吉澤の事バレると困りますか?」
「いや、困らんよ。ただ・・・恥ずかしいねんて・・・。」
「吉澤は恥ずかしくなんかないですよ!
逆に声を大にして叫びたいくらいです。中澤さんが大好きだー!って。」
「アタシかて、あんたが大好きや。どーしようもないくらいにな。」
ひとみは裕子の肩に腕を回すと、自分の方へ引き寄せた。
「中澤さん、今日・・・家に行ってもいいですか?」
「えぇよ。でも、今日は遅くまで仕事入ってるから・・・・。」
「いいですよ、御飯作って待ってます。」
「そうか、期待せんで楽しみにしとくわ!」
「もう・・・酷いなぁ・・・・。」
膨れてるひとみの顔を、悪戯に微笑みながら裕子は覗き込む。
目が合うと薄っすらと笑みを浮かべて、ひとみの唇が落ちてくる。
そんな瞬間が裕子はとても好きだった。
- 278 名前:秘密 投稿日:2003年03月09日(日)13時25分25秒
- 唇が離れると、裕子は先程の疑問を問い掛ける。
「なぁ、矢口の好きな人って誰なん?あんた知ってるんか?」
「矢口さんのですか?ん〜・・・たぶん知ってます。」
「誰なん?教えてーなぁ・・・。」
「ん、夜になったら教えますよ。」
(きっと・・・そうだ・・・。いつも視線の先にはウチと同じ人がいた・・・。)
「なんや、もったいぶって・・・。」
「帰ってからのお楽しみです!それじゃ、戻りますね。」
「ほな、また後でな。」
ひとみは軽く裕子を抱き締めると楽屋を後にした。
(中澤さん・・・もし矢口さんの好きな人を知ってもウチを好きでいてくれますか・・・?)
〜了〜
- 279 名前:TAKU 投稿日:2003年03月09日(日)13時26分39秒
- 更新終りです。
- 280 名前:TAKU 投稿日:2003年03月09日(日)13時28分50秒
- いやぁ・・・・駄文をあげてしまいました・・・・。
申し訳ないです^^;
でも、続きそうな予感(笑)
最近、なかよしに嵌ってます!
- 281 名前:TAKU 投稿日:2003年03月09日(日)13時30分21秒
- では、また完成したら更新いたします。
ひたすら我が道を進みたいと思うので^^;
それでは。
- 282 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月09日(日)15時17分26秒
- なかよしイイ!!
これからも期待してます。
- 283 名前:名無し読者。 投稿日:2003年03月09日(日)20時37分40秒
- なかよしいいですね〜。結構好きなんですよね(w
彩裕からはじまり・・・なっちゅー・みっちゅー・やぐちゅー・ごまゆう・KU・なかよし
って順に入っていき今じゃ・・・ごまゆう=なかよし=やぐちゅー=なっちゅー=みっちゅー=KU
って雑食になってます(w
好きなものどんどん書いてください(w
- 284 名前:ゆちぃ 投稿日:2003年03月09日(日)21時39分23秒
- 更新おつでっすっ!
てか、さりげな〜く痛くないですぁ????
ヤグチ、失恋してるし…よっすぃも悲しいぢゃん…。
裕ちゃんはヤグチの好きな人を知っても、今のままでいられるかなぁ…。
これはマジでわからないですね。
TAKUちゃんの我が道をまっしぐらは大好きです。
次も待ってますよぉ〜〜vvv
ちゃんづけになってんじゃん…。まぁ、気にしないでください(笑)
- 285 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月09日(日)22時51分52秒
- なかよし良いです!!
なんかこの2人けっこう好きなんです。
やぐっちゃんがちょっと切ないなぁ〜・・・。
- 286 名前:TAKU 投稿日:2003年03月11日(火)10時31分31秒
- >282 名無し読者さま
ありがとうございます!
期待に沿えるよう頑張ります。
>283 名無し読者さま
私も彩裕からスタートしてます^^
そして、今では雑食です(笑)
どんどん好きなもの書いていきますのでヨロシクです!
>284 ゆちぃさま
ありがとうございます!!
ここでもサイトでも、いつも感想をいただいて感謝してます!
あ、痛いっすか?すいません^^;
でも、続きがありますので許してください(笑)
ちゃんづけ?別に気にしませんよぉ〜!
>285 名無し読者さま
ありがとうございます!
私もなかよし好きなんです^^
やぐっちゃんは切ないけど未来はありますので!
それでは、秘密のサイドストーリー書いたので更新します!
- 287 名前:秘密 〜side M 投稿日:2003年03月11日(火)10時33分55秒
- 楽屋に戻った矢口は、静かに部屋の隅に座って深い溜息をついた。
周りは裕子がいなくなってから、再び戦場と化していた為そんな矢口に気付く者はいない。
ただ1人、なつみだけはその事に気付いていた。
「やーぐち!暗い顔してどうしたんだべ?」
「・・・なんでもないよ・・・。」
「なんでもなくないっしょ!なっちに話してみ?」
「・・・・・・・。」
今にも泣き出しそうな矢口を見て、なつみは大体の見当はついた。
「ねぇ、ここじゃ話せないようなら場所移そうか。」
「うん・・・・。」
なつみは他のメンバーに矢口の顔が見えないように、楽屋から連れ出した。
空いている楽屋を見つけると、スタッフに気付かれないように中へ入って行った。
- 288 名前:秘密 〜side 投稿日:2003年03月11日(火)10時34分39秒
- 「ここなら大丈夫だべ。で、何があったの?」
「・・・裕子が・・・。」
「裕ちゃんがどうしたの?虐められたんかい?」
なつみの言葉に静かに首を横に振った。
「じゃ、どうしたの?」
「オイラ・・・失恋した・・・。」
「・・・裕ちゃんに言ったの・・・?」
「ううん?言ってない・・・。」
「じゃ、なんで失恋だなんて決めつけるの・・・・?」
「裕子・・・付き合ってる人いたんだ・・・・・。」
「えぇ!?!?裕ちゃん、彼氏できたの?」
再び矢口は首を横に振り「彼氏じゃない・・・・。」と呟いた。
- 289 名前:秘密 〜side M 投稿日:2003年03月11日(火)10時35分46秒
- なつみは、ある日の事が頭に過った。
前に1度だけ、裕子がある人と2人きりでいるところを見た事があった。
その時は珍しい組み合わせだと思ったが、相談でもしてるのだろうと気にもしなかった。
「・・・その人って・・・・。」
「よっすぃー・・・・・。」
(やっぱり・・・・。そういえば、さっき出て行ったきりよっすぃー戻ってきてない・・・。)
「よっすぃー・・・なの・・・・?」
「うん・・・。」
そして、裕子の楽屋での事をなつみに話した。
なつみは思わず矢口を抱き締めていた。
「辛かったね・・・・矢口・・・・。」
「なっち・・・・。」
「なっちがいるべ・・・・。なっちじゃダメ・・・・・?」
「・・・・えっ・・・!?」
気付くとなつみは、今まで秘めていた想いを口にしてしまっていた。
矢口は状況が把握できないといった表情でなつみを見上げた。
- 290 名前:秘密 〜side M 投稿日:2003年03月11日(火)10時36分36秒
- 「こんな時に言うのは卑怯だってわかってる・・・。
でもね・・・・なっちだって・・・ずっと矢口の事見てたんだよ?気付かなかったでしょ・・・。」
「だって・・・なっちも裕子を見てたんじゃないの・・・・?」
「違うよ、矢口を見てたの・・・・・。
いつも裕ちゃんを見てる矢口を見てたから・・・そう見えたのかもしれないね・・・・。」
「なっちにも辛い思いさせちゃってたんだ。ごめん・・・・。」
「謝る事じゃないべさ、なっちが勝手に矢口を好きになったんだから。」
「でも、今はまだ裕子が・・・。だから、気持ちに答えられないよ・・・。」
なつみは抱き締めていた腕を解くと、矢口を見つめた。
「わかってる。わかってるから・・・。
ゆっくりでいいから、なっちを見てくれないかな?」
「・・・なっち・・・。」
- 291 名前:秘密 〜side M 投稿日:2003年03月11日(火)10時37分58秒
- 「今まで裕ちゃんに向けてた目をさ、少しでいいからなっちに向けてくれない?
そしたら、振り向いてくれるようになっち頑張るからさ。返事はそれからでいいから。」
「ん、わかった・・・。」
「よし、じゃ戻ろうか?そろそろ準備しないと。ねっ!」
「うん・・・。ありがとう、なっち・・・。」
なつみは1つ頷くと、矢口の手を取って自分達の楽屋へと向かった。
2人共ずっと無言だったが、なつみの手の温もりは充分過ぎるくらい矢口には伝わっていた。
「矢口、行くよ?ここからが始まりだからね!」
「うん、そうだね。」
そして2人で楽屋の扉を開けた。
「ちょっとー!!2人共何してんのぉ!!」
「「ごめ〜ん!!」」
〜了〜
- 292 名前:TAKU 投稿日:2003年03月11日(火)10時39分22秒
- 短いですが更新終りです。
- 293 名前:TAKU 投稿日:2003年03月11日(火)10時41分56秒
- 初めて、やぐなち書きました^^;
一応、やぐっちゃんにも未来が見えたかな?
なんか駄文ばかりで申し訳ないです・・・。
自分の文才の無さが情けないです^^;
- 294 名前:TAKU 投稿日:2003年03月11日(火)10時44分18秒
- えっと、次回はなかよしに戻る予定ですが期待はせずにお待ち下さいm(_ _)m
もっと修行してきます・・・・。
それでは・・・。
- 295 名前:ゆちぃ 投稿日:2003年03月11日(火)13時40分38秒
- 未来は明るいでしょ〜〜♪
ヤグチにはぜひ幸せになってもらいたい…。
振り向くまで待つなっちも健気で好きです。
次はなかよしですかぁ。
ちょ〜おとなしく待ってます(笑)
- 296 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月11日(火)14時23分21秒
- 矢口に未来が見えました!!(笑)
矢口・なっちには幸せになって欲しいと思いますね。
>えっと、次回はなかよしに戻る予定ですが期待はせずにお待ち下さいm(_ _)m
軽く期待して待たせたもらいます(笑)
- 297 名前:TAKU 投稿日:2003年03月13日(木)10時03分36秒
- >295 ゆちぃさま
未来は明るいっすか!(笑)
バッドエンドは苦手なんで、ハッピー目指してますんで^^
それぞれに幸せがくると思います!
>296 名無し読者さま
未来が見えましたか!!良かったです!
矢口&なっちは幸せになると思います!
期待は・・・・しないでください・・・。(汗
それでは、なかよしの続きでも!
- 298 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時04分30秒
- その夜、先に仕事が終わったひとみは裕子の家に来ていた。
疲れて帰ってくるだろう裕子の為に、夕飯の準備をしている。
以前番組でめちゃくちゃな料理を披露してから、悔しくて料理を勉強した。
特に最近は、裕子の為にいろいろと努力を重ねていた。
「ん〜・・・こんなもんかなぁ・・・。」
(あぁ・・・もうこんな時間だよ・・・・。
中澤さん遅いなぁ・・・・。まさか午前様ってことはないよね?)
夕飯を作り終えソファーに腰掛けると、TVを点けるでもなくジッと時計を見つめて裕子の帰りを待った。
何時の間にか眠ってしまったのか、ふと温もりを感じ目を開けた。
すると自分の横に雑誌を読んでいる裕子の姿があった。
- 299 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時05分03秒
- 「あ・・・中澤さん・・・。」
「起きたんか?」
「す、すいません・・・・。寝ちゃって・・・・。」
「えぇよ、アタシが遅くなってもうたんやから。」
「いえ、とんでもないです!おかえりなさい!」
「ん、ただいま。」
ひとみは、ハッと夕飯を思い出し立ち上がろうとした。
「あ、中澤さん!夕飯・・・出来てるんで準備しますね。」
「あ〜うん。なぁ、吉澤?」
「はい?」
「あのなぁ・・・その中澤さんてやめてくれへんか?」
「へっ?でも・・・。」
立ち上がったままオロオロしているひとみの腕を引っ張ると、再び横に座らせた。
- 300 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時05分40秒
- 「2人の時くらい・・・名前で呼んでや・・・。」
「・・・・裕子・・さん・・・。」
「うん。」
照れながら名前を呼ぶと、裕子は嬉しそうに微笑んだ。
「じゃぁ・・・裕子さんも・・・その・・・。」
「フフ・・・。ひとみ。」
「はいぃぃ〜!!」
「あははは!なんやの、その返事は。」
「ははっ・・・あはははは・・・・。」
「さてと。」
手に持っていた雑誌をテーブルに置くと、裕子は立ち上がってキッチンに向かった。
その後姿をボケーッと眺めてるひとみに、裕子は「夕飯!」とウィンクをした。
「・・・・あぁーーー!!そうでした!すぐ準備します!!」
わたわたと立ち上がりキッチンに走ってくるひとみの姿を見ながら、裕子は小さく笑った。
- 301 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時06分16秒
- 出来ていた料理を温めながらテーブルの上に並べていくひとみ。
「なんや、結構美味そうやん!」
「結構って・・・・失礼ですね・・・。」
「ははっ。冗談や、はよ食べよう?お腹ペコペコやわぁ〜!」
「はぁ・・・・。」
「いただきまっす!ん、美味いやん!」
「ホントっすか?」
「また腕上げたんとちゃう?」
「やった〜♪」
談笑しながら食事を摂り、片付け終わると裕子はシャワーを浴びにバスルームへ行った。
- 302 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時06分51秒
- その間、ひとみはTVを見ながら明日のスケジュールを確認していた。
すると不意にひとみの携帯が着信を知らせた。
「もしもし・・・。」
『あ、よっすぃー?寝てた?』
「安倍さん?いえ、起きてましたけど・・・どうしたんですか?」
『あのさ、手帳が見つからなくって・・・。
明日ってさくら組の仕事だったよね?だから、時間を聞こうと思って。』
「いつも矢口さんに聞いてるのに、ウチに聞くって珍しいっすね。」
『あはは、なんかもう寝てるらしくて電話に出ないんだよね・・・。』
「そうなんですか、ちょっと待ってくださいね。
えっと、明日は事務所に集合で・・・・時間は・・・・8時です。」
『そっか、ありがとう!』
「いえ、こんな事で良ければ。」
- 303 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時07分57秒
- その時、裕子がバスルームから出てきた。
「ひとみ〜!あんたも入ってき〜!!」
「あ・・・。は、はい!!」
『えっ・・・・・。今の声って裕ちゃん・・・・・?』
「え、あ・・・はい。」
『なんで、裕ちゃんがいるの?
よっすぃー・・・もしかして、今・・・裕ちゃんの家なの?』
「・・・・あぁ・・・・はい・・・・。」
「ひとみ、何してん?はよ入って・・・って電話中か?」
「裕子さんすいません、終ったらすぐ入りますんで。」
裕子は無言で手を振ると、冷蔵庫からビールを取り出し寝室へと姿を消した。
『(裕子さんなんて呼んでるんだ・・・・。)
よっすぃー・・・なんか邪魔しちゃったみたいだね・・・・。』
「そ、そんな事ないですよ・・・。」
『裕ちゃんと、その・・・付き合ってるのかな?』
「はい、付き合ってます。」
『そっか、邪魔してごめんね?じゃ、また明日。』
「はい、おやすみなさい。」
(あぁ・・・・・安倍さんにもバレちゃったよ・・・・。
裕子さんにも伝えないとマズイよねぇ・・・・。取り敢えずお風呂入ってこよう。)
- 304 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時09分19秒
- ひとみはシャワーを頭から浴びながら、いろいろと考えた。
昼間の矢口の事、そして先程のなつみの事。
そして、矢口の事を伝えた後の裕子の事。
ひとみは以前、裕子が矢口を好きだった事を知っている。
しかし、自分の気持ちを押さえ切れずにダメ元で告白して受け入れてもらった。
最初はなかなか心を開いてはくれなかったが、今では自分に甘えてくれる裕子。
裕子との関係に自信がないわけではないが、両思いだったと知った時の裕子の気持ちの変化が怖い。
(どうしよう、もし・・・自分から離れてしまうような事になったら・・・。)
「あぁ〜!!考えてもしょうがない!!!
何があっても、ウチは裕子さんを諦めない!絶対に離したくない!!」
ひとみはバスルームを後にすると、そのまま寝室へと足を向けた。
中に入ると、裕子はベッドに越し掛けビールを飲んでいた。
「あ、やっと来たな!」
「遅くなってすいません。」
「えぇよ。ほら、まだ髪が濡れてるやんか。」
そう言って、手元にあったタオルでひとみの髪を拭き始めた。
- 305 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時10分06秒
- 「あぁ、いいですよー!大丈夫ですから。」
「ダメやって、風邪引いたら大変やんか!」
「だって、恥ずかしいんですもん・・・。」
「恥ずかしがるような仲やないやろぉ?」
ひとみの顔を覗き込みながら、いたずらっ子のような笑みを浮かべる裕子。
その顔を見て余計に照れたひとみは、ひたすら俯いて裕子の手が止まるのを待った。
「よしっ!これでえぇやろ!」
「ありがとうございます・・・。」
「なんや、どうした?元気ないやんか。さっきの電話、誰やったん?」
「あ、安倍さんです。」
「なっち!?なっちがなんか言うたんか?」
「あのぉ・・・。バレました。」
「そっかぁ・・・。あ、さっきのアタシの声聞こえたんか?」
「はい、バリバリ聞こえてました。」
- 306 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時10分54秒
- 「まぁ、しゃーないやん!気にする事ない!!
しっかし、今日はなんやバレる日やんなぁ。そういや、矢口の好きな人って誰なん?」
(きた・・・・。)
「そんなに聞きたいですか・・・?」
「ん〜・・・。聞きたい。」
「ハァ・・・。わかりました・・・。」
「言い難い人なんか?」
「裕子さん・・・。」
「なに?」
「だから、裕子さんなんです!矢口さんの好きな人・・・。」
「えっ・・・・!?」
明らかに裕子が動揺してるのがわかった。
次に出る言葉が怖くて、ひとみは膝の上で握り締めた拳に力が入った。
- 307 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時11分38秒
- 「そうやったんか・・・矢口がアタシを・・・・。」
「・・・裕子さん、矢口さんの事好きなんですよね・・・・?」
「あぁ、好きやよ。でもな・・・。」
「よ、吉澤じゃやっぱりダメですか・・・・?」
「最後まで聞きって!
矢口の事は好きや、正確には好きやった。でも今は、ひとみ?あんただけや。」
「え・・・。」
「だから、あたしが好きなのは目の前に居るひとみだけやって言うたの。」
顔を上げると、裕子は真っ直ぐに自分を見ていた。
その表情には一点の曇りもなかった。
- 308 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時12分25秒
- 裕子はそっとひとみの頬に手を伸ばすと、顔を近づけキスをした。
「これが証拠や。わかった?」
「初めて・・・。」
「え?なんや・・・?」
「初めて裕子さんからキスしてくれました・・・。」
「そうやったっけ?」
「はい・・・いつも吉澤からしかしてなかった。」
「ははっ!そうか、そうだったか。」
「嬉しいです・・・・。
ホントにこのまま傍にいてもいいんですか・・・?」
「いいよ。っていうか、いてくれなきゃ困る。」
「裕子さんっ!!!」
ひとみは思いっきり裕子に抱きついた。
その反動で2人はベッドに倒れこんでしまった。
- 309 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時13分14秒
- そのままの体勢で、裕子はひとみの頭を撫でながら話を続けた。
「あのな?ひとみ。アタシ、部屋に誰かを入れたのってあんたが初めてなんよ?」
「そうなんですか?」
「そうや、矢口でさえ入った事ないんやで?
それになぁ、そんなアタシが合鍵を渡すってどういう意味かわかるか?」
「・・・特別だから・・・・?」
「そう!ひとみはアタシにとって特別なんや。誰よりも大切な人。」
「吉澤にとっても、裕子さんは特別です・・・。」
「うんうん。だからな、もっと自信持ちぃ!」
「はい。」
「ん。そしたら、明日早いんやからもう寝よ!」
「はい。」
2人はそのままベッドに入った。
ひとみが腕を伸ばすと、当然のように裕子はひとみの腕の中へと転がり込む。
- 310 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時13分56秒
- 「ひとみの腕の中って暖かいんよねぇ。」
「そうですかぁ?」
「うん。だから、離さんとってな?」
「絶対に離しません。」
「明日な、午後から同じスタジオなんよ。
その時に、アタシから他のメンバーに伝えるから。公にしよ。」
「いいんですか・・・・?」
「そうしたいんよ。そうしたら、みんないてもくっつけるやろ?」
「そうですね、気がねなく居られますね。」
会話が途切れたので裕子を見ると、既に寝息が聞こえていた。
ひとみは、裕子の額に唇を寄せると抱き締めたまま眠りについた。
- 311 名前:秘密〜その後。 投稿日:2003年03月13日(木)10時14分56秒
- 翌日の楽屋では案の定大騒ぎになった。
1番心配だった矢口も思ったより穏やかな顔をしていたので、裕子もひとみもホッとした。
そして、その時裕子の目に入ったものはさりげなく繋がれている矢口となつみの手だった。
裕子は辻加護にからかわれてるひとみを呼び、それを伝えようとした。
「吉澤ー!!」
「はいぃ〜!!」
「なぁ、矢口となっち見てみぃ。」
「あ・・・・・。」
「これで、あんたも安心やろ?」
「あはは・・・。はい・・・。」
「あぁ!!中澤さんとよっすぃーがイチャイチャしてるのれす!!」
「うるさ〜い!!!」
「キャ〜!!!!」
楽屋の中で子供2人を追いかけるひとみと、それを笑いながらも暖かく見守る仲間。
この関係が永遠に続く事を願う裕子であった。
〜了〜
- 312 名前:TAKU 投稿日:2003年03月13日(木)10時16分07秒
- 更新終了です。
- 313 名前:TAKU 投稿日:2003年03月13日(木)10時20分17秒
- これで、なかよしは終りです。
あんまり反応ないんで、やっぱりつまらなかったですかねぇ・・・・?
- 314 名前:TAKU 投稿日:2003年03月13日(木)10時24分38秒
- 取り敢えず、ここでの執筆は終りにしたいと思います。
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
このスレが残っていて、また書く気になったら戻ってきます。
それでは、また会う日まで。
- 315 名前:一読者ってことで 投稿日:2003年03月13日(木)11時11分09秒
- ここにレスしとけ(吉澤風味^^;)
おもしろかったよ〜
おいら、タクちゃんの書く中吉、ごまゆうと同じくらい好きなんっすよ
また、書いてくださいね〜
- 316 名前:ゆちぃ 投稿日:2003年03月14日(金)01時13分02秒
- 裕子さん、よっすぃだけっていいましたね〜♪
よかったよかった…。これでヤグチに行ったら、泥沼だよ…(爆)
ヤグチはなっちと幸せになれるよね???
TAKUちゃん、おつかれさまでした。
これからも私はTAKUちゃんについていきますよぉ〜♪(爆)
- 317 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月27日(木)02時07分29秒
- すみません。もし差し支えなかったら、ホームページのURLを
教えていただけませんか?
作者様の他の作品も読んでみたいのです。
- 318 名前:TAKU 投稿日:2003年04月13日(日)00時23分37秒
- レスが遅くなって申し訳ありません^^;
ちょっとゴタゴタしてまして・・・・。
>一読者ってことで 様
ありがとうございます!
ごまゆうと同じくらいだなんて、とっても嬉しいです^^
今後は自サイトにて頑張りますので、宜しくお願いしますm(_ _)m
といっても・・・今は執筆する時間がないのが現状・・・・。
>ゆちぃ 様
いつもありがとうございます!
私はやぐちゅーを書かないので、矢口に転ぶ事はまずないですね(笑)
ま、やぐなちも続きを書いてみようとは思ってますので
サイトでお待ち下さいね^^
私なんかについてきてくれて嬉しいです!
期待に沿えるように頑張ります!
>名無し読者 様
ん〜・・・HPですか・・・。
この場にて教える事はちょっと出来ないので、申し訳ございませんm(_ _)m
一応、裕ちゃんの非公式サイトとして運営してますので探してみてください!
- 319 名前:名無し読者 投稿日:2003年07月07日(月)04時47分43秒
- hozen
- 320 名前:名無し読者 投稿日:2003年08月09日(土)00時25分33秒
- ホゼン
- 321 名前:名無しさん 投稿日:2003/09/26(金) 01:23
- ほぜ
- 322 名前:TAKU 投稿日:2004/01/22(木) 02:46
- えーと、お久し振りです。
まだスレが残ってるとは思いませんでした。
保全してくださった方、ありがとうございます!
お礼の意味も含めまして、短編を1つあげたいと思います。
もし気付いてくださった方がいましたら、読んであげてください。(笑)
では、更新します。
- 323 名前:jealous person 投稿日:2004/01/22(木) 02:49
- 吉澤ひとみ、今日はヒサブリに中澤さんのお家に来ています。
いつものようにソファーに座り、隣には愛しい中澤さんが座ってます。
だけど・・・なんか様子がおかしいんです・・・。
「あのぉ・・・中澤さん?」
「あ、ハナちゃんにご飯やらんと。」
「あ・・・・。」
返事もしないで、中澤さんはハナちゃんのもとへ・・・。
ウチなんかしちゃったのかな?
でも、最近会ってなかったし・・・。
ウチはただ中澤さんの背中を目で追う事しかできなかった。
- 324 名前:jealous person 投稿日:2004/01/22(木) 02:51
- 〜〜〜〜♪
突然、ウチの携帯がメールの着信を知らせる。
ディスプレイには小川の文字。
Dear 吉澤さん
吉澤さ〜ん!何してますかぁ?
私はとーっても暇してまーす!
あ、そうそう!買い物はいつ連れてってくれるんですか?
ウチは手早く返事を返すと、携帯をテーブルに置いた。
「誰?」
気付くと目の前に中澤さんが立っていた。
それもかなり不機嫌そうに・・・。
「えっ・・・?麻琴です。」
「なんて?」
「なんか暇してるみたいで、買い物いつ行くかって。」
「ふ〜ん。」
そう言って、中澤さんはまたキッチンへと行ってしまった。
どうしたらいいんだろう・・・。
- 325 名前:jealous person 投稿日:2004/01/22(木) 02:52
- ウチは頭で考えられなくて、行動に移す事にした。
背中を向けている中澤さんに後ろから抱き着いた。
「な・・・!?!?」
「中澤さん・・・何を怒ってるんですか?」
「別に・・・。」
「怒ってるじゃないですかぁ。
吉澤、なんかしましたか・・・・?」
ウチは中澤さんの肩に顎を乗せ、耳元に囁くように問い掛けた。
彼女の弱点だと知ってわざと。
案の定、中澤さんは力が入らなくなってウチに凭れてくる。
抱き締める腕に力を入れると、微かに中澤さんの体が震えていた。
「泣いてるんですか?」
「ちゃ、ちゃうわ・・・。」
そう言ってる声は完全に鼻声なんですけど・・・。
- 326 名前:TAKU 投稿日:2004/01/22(木) 02:53
- 取り敢えず、ここまでの更新です。
まぁ、短編なので次で終わると思います。
それでは。
- 327 名前:jealous person 投稿日:2004/01/22(木) 09:36
- 「取り敢えず、あっちで座りましょう?」
「・・・・・・・・。」
返事のないまま、ウチは中澤さんをソファーへと誘導していった。
そっと座らせても尚、中澤さんは体を震わせたままだった。
そして再び、ウチの携帯が音を響かせた。
だけど、ウチは携帯を手にする事はなかった。
「携帯鳴っとるで。」
「いいんです、今は中澤さんの方が大切ですから。」
それっきり、また沈黙が続く。
暫くして中澤さんは落ち着いたようだったけど、俯いたまま顔を上げようとしない。
けど、このままじゃ何も解決しないと思ってウチから声をかけた。
「ねぇ、中澤さん?
吉澤・・・何かしました?」
「・・・・・・・・。」
「吉澤、バカなんで言ってくれないとわかないです。」
「ホンマにわからんの・・・?」
「はい。」
「吉澤にとって・・・アタシってなに?」
「なにって、大切な人ですよ・・・。」
「はぁ・・・。
他にもいるんやないの?大切な人って・・・。」
はぁ!?俯いたまま何を言い出すんでしょう?この人は・・・。
「何を言ってるんですか!?」
「小川が会う度にアンタの話すんねん。
吉澤とどーしたこーした。自分以外と仲良うして頭来るとかな。」
「ま、麻琴ですかぁ!?
あれはただの後輩ですよ!仲は良いですけど、そんなんじゃないです。」
あいつ・・・余計な事を・・・・。
引っ付いてくるから相手してやってるだけなのに・・・。
あ、でも・・・あの子達ウチと中澤さんの関係知らないんだっけ・・・。
- 328 名前:jealous person 投稿日:2004/01/22(木) 09:38
- 「それで怒ってたんですか?」
「まぁな・・・。」
「前にも言いましたけど、吉澤が好きなのは・・・大切なのは中澤さんだけです。」
ウチは思いっきり、中澤さんを抱き締める。
「こうやって、傍にいて欲しいのも抱き締めたいのも中澤さんだけ。」
「信じていいん・・・?」
「信じてくれなきゃ、泣いちゃいますよ。」
「じゃ、今回は信じる・・・。」
「今回はってなんですかぁ!?
吉澤には中澤さん、いえ・・・裕子さんしかいないんですからね?」
「わかった。」
中澤さんはウチの肩に埋めてた顔をやっと上げてくれた。
やっぱり泣いていた所為で、目は赤く充血していた。
顔を近づけると、中澤さんはゆっくりと目を閉じる。
ウチはそっとその瞼にキスをした。
いつもと違うからか、中澤さんは驚いて目を開けた。
「吉澤?」
「今のは泣かせてしまった瞳に謝罪の意味で。」
「相変わらず・・・行動が読めんわ・・・。」
「で、これは吉澤の気持ちです。」
「・・・んっ・・・。」
ウチはいつも以上に優しく、中澤さんの唇に触れた。
- 329 名前:jealous person 投稿日:2004/01/22(木) 09:39
- 中澤さんの香りや唇の軟らかさに一瞬、理性が飛びそうになった。
でも、吉澤、我慢しましたよ。って誰に言ってんだか・・・。
唇を離すと、中澤さんは少し照れたような表情をしていた。
そこですかさず。
「大好きです・・・裕子さん。」
「アタシも好きや・・・ひとみ。
もう不安にさせんでな?アタシ、そんな強くないんよ?」
「わかってます。」
そして、もう一度唇を重ねる。少し長めに。
「明日、後輩達にも伝えます。」
「何をや?」
「中澤さんと付き合ってるって。」
「へっ!?もしかして・・・・。
もしかして、あの子達はまだ知らんのか?」
「はい、知らないはずです。
知ってたら、中澤さんにそんな事言えるわけないですよ。」
そっかぁ・・・っと呟いて中澤さんは小さく頷いた。
ウチも誤解が解けて、安心した。
「なんや、ホッとしたら眠なってきたわ。」
「じゃ、ベッドまでお運びいたします。姫♪」
「姫てなんやねん!あっ・・・。」
ウチは素早く中澤さんをお姫様抱っこして、寝室へと向かった。
なんだか安心したら、ウチも眠くなってきた。
ホントなら久々だし、あれこれとやりたいとこなんだけど・・・。
今日は大人しく抱っこして眠りますか。
中澤さんを横たえると、ウチも隣に寝転んだ。
そして、いつものように右腕を伸ばすと中澤さんが転がってくる。
「おやすみ。」
「おやすみなさい。」
目を閉じてすぐ、規則正しい寝息が聞こえてきた。
きっと精神的に疲れさせちゃったんだろうな・・・。
そっと目を開けると、ウチは中澤さんの寝顔を見つめた。
可愛い・・・・・。
額にかかる髪を避けると、そっとキスをしてウチも再び目を閉じた。
- 330 名前:jealous person 投稿日:2004/01/22(木) 09:40
- 翌日、後輩達に伝えるとやっぱり驚かれた。
麻琴は口をポカーンとあけてたけど、疑ってたみたい。
でも、数日後のハローの仕事で一緒にいる中澤さんとウチを見て納得したようだ。
「吉澤さーん!!遊んでくださいよぉ〜♪」
「わかってねぇ・・・・・・・・。」
〜了〜
- 331 名前:TAKU 投稿日:2004/01/22(木) 09:43
- 更新終了です。
一応、なかよしでした!
なかよしが少ないんで、自給自足です(笑)
またいつか、ここが残っていたら戻ってくるかもしれません。
それでは、またお会いする日まで・・・。
- 332 名前:ゆちぃ 投稿日:2004/01/22(木) 22:22
- TAKUちゃん、おつかれさまでした〜〜。
それから、おかえりなさい。
このままずっと書いてくれたらいいのに…。
あま〜〜い。いいですよねぇ…らびゅらびゅ加減が☆
さすがTAKUちゃんですねvvv
それにしても、やっぱりまこっちゃんはなーんにもわかってないし(w。
- 333 名前:ハルカ 投稿日:2004/01/25(日) 14:04
- こちらでは初めましてですねw
なかよし、いいっす!また書いてくださいよぉ!
TAKUさんの書かれる甘いなかよし好きです。
また戻ってこられる事を待っております。
- 334 名前:TAKU 投稿日:2004/01/26(月) 03:54
- >ゆちぃ様
ただいまです(笑)
このままずっとですか^^;
ん〜気が向いたら戻ってきます(笑)
毎回、感想ありがとう!嬉しいです^^
今書いてるのが切なくなるんで、ちょっと甘いのをと(笑)
さすがなんて言われる程、力はないですよぉ(苦笑)
こんな感じで良ければ某所にて(爆)
>ハルカ様
初めまして(笑)
なかよし、気に入ってもらえて良かったです^^
ハルカさんも書いてらっしゃいますよね!
密かに読ませていただいてます(笑)
一緒になかよしを普及しませんか?(笑)
お互いに頑張りましょう!!
私は気まぐれさんなので、いつ戻ってくるとかは言えません(苦笑)
でも、戻ってきてと言われるのは大変嬉しい事なので、またいつかはここに戻って来たいとは思ってます。
きっと、こっそりと書いてるかも(爆)
それまでスレが残ってるといいですねぇ。
では、またの機会に!
- 335 名前:TAKU 投稿日:2004/01/26(月) 03:56
- あ・・・・・・・。
自分であげちゃった・・・・・。_| ̄|○
凹むわぁ・・・。
まぁ、仕方ないですね(苦笑)
- 336 名前:名無し読者 投稿日:2004/02/02(月) 01:11
- なかよしっていいCPですね。
又気が向いたら書いて下さいね〜。
- 337 名前:TAKU 投稿日:2004/02/02(月) 02:00
- >名無し読者さん
ありがとうございます!
なかよしを気に入ってもらえましたか♪
マイナーですが、私の中では1番です(笑)
今はいろいろと考えてまして、考えが固まったらまた書いてみたいと思っています。
その時には、また読んでもらえたら嬉しいです。
誰も見てくれてないのかなって思ってましたが、レスがあってとても嬉しい私です!
その方々の為にも、もっと勉強して良いものを書けるように頑張ります!
それでは。
- 338 名前:逆転 投稿日:2004/04/01(木) 03:23
- 「ごっちん」
「ごーっちん!」
「真希ちゃん?」
「・・・ごとーさん?」
何度呼んでも返事はなく、
ごっちんはずっと不機嫌そうにあたしの写真集を見つめてる。
なんか・・・怒らせる事したかなぁ?
ちゃんと発売日前に渡したし・・・サイン付きでね。
それも“真希ちゃんへ”って書いてあげたし。
キスでもすれば機嫌直るかな?
「ごっちん・・・・んっ・・・!?」
目を開けると・・・あたしは自分の顔にキスしてた・・・。
なんでかって?
ごっちんがあたしの写真集でガードしたから・・・。
自分とキスって変な感じ・・・。
てな事考えてる場合じゃないでしょ。
- 339 名前:逆転 投稿日:2004/04/01(木) 03:24
- 「ねぇ・・・あたし怒らせるような事した?
もし、したんなら謝るから機嫌直して?ね・・・?」
「・・・・バカ」
「へっ・・・?」
「こんなのダメだよ・・・」
「ダメって・・・」
ごっちんは写真集を睨みながら呟いた。
それは・・・写真集のダメ出しですか?
一生懸命にダイエットして頑張ったのに・・・。
喜んでくれると思ったのにな・・・。
「こんなの・・・見せちゃダメじゃん」
「こんなのって・・・?」
無言で写真集を捲り、あるページでごっちんは止まった。
「あ、それは・・・だって仕事じゃん?」
「ダメなの!
こんな女のよしこは私しか見ちゃいけないの!」
ごっちんがダメだと言い張るページ。
それは、あたしが肩を出してる写真で・・・。
胸の谷間まで見えてるやつ。
いや、確かにね凄いショットだと自分でも思うよ?
だけど、これ撮った時はね・・・言いたくないけど・・・。
- 340 名前:逆転 投稿日:2004/04/01(木) 03:25
- 「あのさ・・・ごっちん」
「なにっ?」
「言い難いってか、凄い恥ずかしいんだけどね」
「だから、なんなのよ」
「この撮影中、ずっとごっちんが撮ってくれてるって思ってやってたんだ。
特に・・・この写真の時は頭の中にごっちんしかいなかった。
で、完成したのを見たら・・・こんな表情しちゃってたんだ・・・」
「よしこ?」
だから・・・恥ずかしいんだってば・・・。
もぅ・・・。
「だから、あたしにこんな表情させられるのはごっちんしかいないって事・・・」
「へへっ・・・」
「機嫌直してくれた?」
「うん。でも・・・」
「でも?」
「これをですね、世の中の男も女も見るわけで。
その人達がどんな想像するのかと思うと、やっぱりイヤなわけでして」
「男はわかるけど・・・女もって・・・」
「よしこは女にもモテるんだから」
「あたしはごっちんだけでいいです。
っていうか、ごっちんしかいらないから」
- 341 名前:逆転 投稿日:2004/04/01(木) 03:25
- 妬いてくれるのは凄い嬉しい。
でも、自分で言った事が無性に恥ずかしくなった。
本当の事なんだけどね。
ふと、ごっちんを見たら不敵な笑みを浮かべてる。
「じゃあさ、私にしか見せないよしこを見せて」
「へ!?ちょ、ちょっと・・・ごっちん」
あっという間に押し倒されて、あたしの上にはごっちんが。
これって、いつもと逆だよね・・・。
あたしの言葉は、ごっちんの唇に塞がれる。
ごっちん・・・キス上手いんだよねぇ。
だんだんと・・・あたしは力が入らなくなってくる。
絶対に確信犯だよね・・・・ごっちん。
もう今日はこのままでいいや。
おわり
- 342 名前:TAKU 投稿日:2004/04/01(木) 03:30
- 1ヶ月振りに戻ってきました。
また気まぐれ更新です(笑)
今回は、なかよしではなくよしごまを書いてみました。
駄作中の駄作です・・・。お恥ずかしい^^;
どうか素通りしてください(苦笑)
それでは、またいつか・・・・。
- 343 名前:TAKU 投稿日:2004/04/01(木) 03:30
- スレ流し
- 344 名前:TAKU 投稿日:2004/04/01(木) 03:31
- もういっちょ
- 345 名前:TAKU 投稿日:2004/04/01(木) 03:37
- 間違えました・・・。
2ヶ月振りでした^^;
耄碌してるみたいです・・・。
- 346 名前:ゆちぃ 投稿日:2004/04/03(土) 01:09
- 更新おつかれさまです♪
今回はケータイからお邪魔します…。
ついに来ましたね〜。よしごまvv
たしかに、ごっちんが怒る気持ちもわかります…。
写真集見ましたが…すっごくかっこよかったり、
ありえないほどかわいかったり、
誘惑してますか??みたいなショットがあったり…
ノックアウトです。完璧に(笑)
ごっちんの不敵な笑み…。
頭に浮かんできたり…(笑)
終わり方はTAKUちゃんらしく
素敵な甘さにカンパイ♪(爆)
- 347 名前:TAKU 投稿日:2004/05/27(木) 22:07
- >ゆちぃ様
すっごい亀レス申し訳ないです^^;
毎回レスいただいて嬉しく思います!
とうとうこっちにも書いてしまいました。よしごま(笑)
写真集、良かったでしょー?萌えまくりでした(爆)
この後、2人はどうなったんだろう?ははは。
また某所でもよろしくです^^
ここって、他に見てくれてる人いるのかなぁ?
きっといませんよね(苦笑)
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