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アナタの腕の中で。(やぐちゅう)
- 1 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)18時13分48秒
- えっと・・初めてスレ立てさせていただきます!
私は、やぐちゅうらぁ〜なので基本はやぐちゅうなんですが・・他のCPもちらほらと登場
するかなという感じです(王道な感じで)
いくつかお話が出来てるのでそれも徐々にこの板に載せていけたらなと思ってます!
・・んで、初めは矢口さんの「ミニモニ」卒業のお話を書かせていただきます。
なにぶんにも素人さんなのでレス大歓迎!・・っていうかヨロシクお願いしまーす!!
- 2 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)18時21分32秒
- ・・それは突然のことだった。
大阪・・ホテルのロビー。
事務所のスタッフとマネージャーに言われた台詞。
「矢口、明日のコンサートでミニモニ卒業だから。」
どこか冷たいような言い方で。
でも、そうじゃないのも判ってる。彼らの切ない顔を見ていれば・・。
どう言ったらいいのか、でも決定事項は伝えなければいけないとでも言うように。
- 3 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)18時28分02秒
「はい、解りましたぁ。」
にっと微笑んだ。
ちゃんと笑えただろうか。
でも、それが自分の中で精一杯の強がりだったんだ。
矢口がそのことを聞いて一番に思い浮かべたのは・・
おいらのミニモニを心の底から愛してくれた人。
“可愛いぃ、矢口ぃ♪”
誰よりも、ミニモニである自分を喜んでくれていた人。
「そっかぁ・・裕ちゃんに見送ってもらえるんだぁ・・」
それだけが、自分の心のバランスを保つ・・唯一の救いだった。
- 4 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)18時34分51秒
コンコン。
行かない約束だったけど・・結局は来てしまった。
裕ちゃんはそれどころじゃないのに・・
間近に迫る舞台のことでアタマがいっぱいなのに。
ドアが開かれた途端、我慢していたものが一気にあふれ出す。
「ど・・どないしたん、矢口ぃ?」
大好きな顔がゆらゆら蠢いている。
堪えようとして顔を歪ませるけど、どうしても出来なくて。
おいらは目の前の胸の中へ縋るように抱きついた・・。
- 5 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)18時42分58秒
―――ソファーの上で、赤ちゃんみたいに抱っこされてる。
―トントントン
やさしく背中を叩く音に、ひくつく呼吸も落ち着いて。
ようやく理性を取り戻したおいらの目の端に映るのは・・。
「・・ごめんなさいぃぃ・・」
テーブルの上に無造作に置かれた台本。
『江戸の花嫁』
くしゃくしゃになってるその状態が、今の裕ちゃんの心境を表してるようで、
申し訳なくて、どうしていいのか解らなくなる。
- 6 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)18時53分40秒
「んぁ?・・あぁ、そんなんええから、それよりどないしたん?」
顎を持ち上げられて、顔を覗き込まれた。
やさしい手のひらがおいらの涙を拭ってくれる。
「誰かになんか言われたんか?」「喧嘩でもしたん?」「どうしたんよぉ、矢口ぃ?」
心配そうな声で、いくつも提案しながら・・やさしい手のひらは耳に掛かった髪の毛を
すくう。
- 7 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)18時59分24秒
「・・ゆうちゃぁん・・」
おいらがそのことを言った後の、裕子の顔が目に浮かぶ。
誰よりも愛してくれたから。
もしかしたら、言われた本人よりショックかもしれない。
「やぐちぃ?」
不安そうな顔。
でも、言わなければいけないんだ。
いや、裕子には聞いて欲しいから。
ふぅ〜って息を吐いてから、じぃっと青い瞳を見つめた。
そんな彼女は・・何を言われるのかおどおどしてる。
でも、おいらは決心するように心に誓って・・。
- 8 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)19時07分58秒
「・・あのね、・・明日で卒業だって“ミニモニ”・・」
「えっ。」
「さっき言われたの・・明日のハロコンで、最後だっておいら・・。」
「う、う・・嘘やろおぉぉぉ〜〜〜〜〜っ!!!」
真っ赤になりながら悲しそうに顔を歪める。
あ・・やっぱり思ってたとおりの顔だ。
・・ゆうちゃぁん、そんな悲しそうな顔しないでよ・・平気だよ、おいら。
「やぐちぃ・・」
「・・ん。」
「・・やぐちぃ・・やぐちぃ・・」
何度も何度も呼ばれて、その度に目の前の華奢な身体にしがみ付く。
・・・でもね、裕ちゃん。・・おいらの本当の気持ちは違うんだよ?
- 9 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)21時28分15秒
――やさしい腕の中で、一言一言かみ締めながら・・。
「ゆうちゃん、おいらね・・おいらよかったって思ってる。・・そりゃ聞いた
時はショックだったし・・だって、まだ、もうちょっと、先のことだと思って
たからぁ・・」
「・・ん。」
「・・でもね、今ね、明日でよかったなぁって思ってるんだよっ。・・ね、
なんでか判る?」
顔を上げたら、裕子の目からいくつもの涙が零れてて・・
おいらの心はきゅうぅって締め付けられるんだ。
「ゆうちゃぁん?」
手を伸ばして今度は矢口が拭ってあげる。
裕子はその手ごと愛しそうに頬を寄せてきた。
「ねぇ、どうしてか・・わかるぅ?」
- 10 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)21時33分28秒
ブンブンって首を振る仕草。
「・・わからへん・・どうして?」
震える声で・・。
おいらは、泣くのを気付かれないように、目の前の首にしがみ付きながら。
「・・だって、裕子がいるっ。」
綺麗な首筋。
いい匂い。
大好きな人のやさしい温もり。
「・・・やぁぐちぃぃ・・」
腰に回る腕が、きつくおいらを抱き寄せる。
- 11 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月02日(日)21時35分33秒
- 王道目白押しか!!そうなのか!!そいつぁ、久々で期待だ
- 12 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)21時40分22秒
なによりも愛していた『ミニモニ』
最初は大変だった。
お子様相手に・・言うことを聞かない手の焼ける子供二人。
・・でも、楽しかった。
それも、本当は楽しかったんだ。
娘。だけでは出せなかった自分のキャラを、めいいっぱい出せたユニットで。
やってみたいことを言ってみたら、採用されたり?
そういうことが出来たことも、うれしかった。
なにより、裕子が一番喜んでくれた。
もしかしたら、こんなに急速に仲良くなれたのも、“ミニモニ”のおかげ
なのかもしれない・・。
- 13 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)21時50分39秒
「タンポポのとき、うれしかったって言ったでしょ?」
「ん?・・あぁ。」
ごっつぁんの卒業と重なって、ファンの人もそれどこじゃなかったはずなの
に、・・唄う前に一斉に黄色に変わったペンライト。
感動もしたし、うれしかったのも事実。
・・でも。
「ホントは、凄く淋しかったんだよっ。」
言わなかったけどね。
「・・ってぇ・・裕ちゃんいなかったから・・裕ちゃんに見てもらえなかった
からぁっ。」
「・・・。」
「でもね・・でも、明日は裕子がいるぅ!」
「・・やぐちぃ・・」
「客席でもなくて、ちゃんとステージの上から裕子に見送ってもらえるんだ。
こんな幸せなことなんて、ないよっ。」
「・・ん。」
- 14 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)21時56分16秒
そうだよ。
娘。のコンサートだったらこんな風に抱きしめてもらえることもなかったかも
しれない。
だから、明日でいいんだ。
それが、一番いいんだ。
「・・でも、淋しいなぁ・・。」
「・・う、ん。」
誰よりも矢口の気持ちを理解してくれる人。
だから、おいらはこの胸にきたかった。
- 15 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)22時04分18秒
――二人で抱き合いながら、泣きあって・・。
気付いたときには、二人とも声が掠れてた。
裕子がおいらの涙の痕を唇で拭う。
負けじと矢口も裕子のそこにキスをして。
おかしくなって笑いながら・・目を合わせた瞬間どちらからともなく・・唇を
寄せ。
「や・・ぐちぃ・・」
「・・ゆ、うこぉ・・」
やさしい、やさしいキス。
くっつけたままの、分かち合うようなそんなキス。
呼吸が続くまで・・いや、苦しくなってもずぅっと・・
・・ずっと裕ちゃんを感じてた。
- 16 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)22時11分42秒
自分の部屋に戻ろうとして・・やんわりとその腕を摑まれた。
「行かんといて?」
「・・でもぉ・・ゆうちゃん、お稽古してるんでしょ?」
矢口がいたら邪魔じゃないの?
「そんなんええから。・・いてくれなぁアタシが困るし・・」
「えっ?」
目を細めながら照れくさそうに言う。
「淋しくて眠れへんもん・・やぐちが腕のなかにいないと、睡眠不足になり
そうやん?」
「・・うん。」
何か言いかけたけどやめた。
すべてお見通しで、それでも言ってくれる言葉がうれしい。
「・・ありがとぉ。」
「なんや、お礼言われることやないで?」
微笑みながらグリグリと頭を撫でられる。
- 17 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)22時17分36秒
それから、縺れるようにシャワーを浴びに行って、狭いバスタブの中でお互い
を洗いっこしながら、一時でも離れを惜しむようにくっついて・・。
そうして、裸のままシーツに包まった。
裕子が腕を伸ばしてきて、おいらは当たり前のようにソコに頭を乗せる。
同じ匂いがくすぐったい。
ぷにぷにの裕ちゃんの二の腕。
なにもかもがいつもどおりで、だからすごく安心するんだ。
ちゅ!
何度も仕掛けてくるキス。
おいらもしたくなったら返して。
今夜はこんなふうな甘い気持ちで眠れる。
- 18 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)22時22分50秒
ありがとう、裕ちゃん。
本当に今、幸せなんだよっ・・おいら。
心の中に淋しい気持ちは確かに存在するけど、・・なのにソコは裕子の愛で
いっぱいになってる。
大丈夫、ちゃんとやれる。
裕子と、今日いっぱい泣いたから。
だから、明日は泣かないステージを飾るよっ!
ちゃんと観ててよね?
- 19 名前:kai 投稿日:2003年03月02日(日)22時38分29秒
とりあえず、今日の更新はここまでにします。
ANNも始まることですしぃ。(笑)
続きは明日・・多分できると思うので、よかったらまたお願いします!
そしてそして
>名無し読者さま。
うれしいですぅ・・実は誰も読んでないんじゃないかって思ってたからぁ。
今回は、他のCPはあんまり出てこないんですけどぉ。
でも、期待に添えられるようにがんばります!!
- 20 名前:つかさ 投稿日:2003年03月02日(日)23時54分06秒
- kaiさんのみっけ(笑)
SEEK進出おめでとうございます。
何か甘いですね〜。いいな〜、自分もこんな感じの話書きて〜っ。
っつ〜ことで(? 笑)楽しみにしてます。
- 21 名前:BB-226 投稿日:2003年03月03日(月)00時24分25秒
- やぐちゅ〜だ〜♪
エロ無しの甘い話いいね〜。
以前、私も風板でパイロット裕ちゃん(やぐちゅ〜)を書いていました。
その中で私も、王道(?)の石吉を描写していました。
最近は自分のサイトに移転しましたが、シークには目を通し続けていますよ。
- 22 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003年03月03日(月)00時56分37秒
- kaiさんだぁ〜!
イイッスねぇ、甘甘やぐちゅー。
続きを楽しみに待ってます
- 23 名前:たむ 投稿日:2003年03月03日(月)01時28分14秒
- あら、出遅れた。
こういう感じの甘々やぐちゅー大好物(w
また楽しみが増えて嬉しい限りです。頑張ってください。
- 24 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)14時01分31秒
昨日のANNにて・・
そっか・・来週ゲスト圭ちゃんなんだぁ。・・っんだよ、矢口も連れてこい!
って突っ込んだところで今日も更新したいと思いまーす!(←なんだそれっ!
えっと、その前に・・
>つかささま・・うわっ、めっかっちゃったぁっ!(←さんま風で 笑
はい、すいません・・デビューさせていただきました。(恐縮)
これから、どうなることやら解りませんが、読んであげてくださいませ。
>BB−226さま・・よく存じてますよっ!
エロ無し・・それは今回だけかも?(笑)
でも甘いのは好きなんで、これからも書いていきたいなぁと思ってます。
どうぞ、ご贔屓に・・。
>やぐちゅー中毒者セーラムさま・・
うわっ・・セーラムさんまで・・(笑)
ありがとうございます・・期待に添えられるようにがんばりまーす!
>うわっ、たむさんも・・(しつこい 笑)
甘甘ですよね・・っていうかこれも甘いうちに入るんだぁ〜なんて、ちょっと
思ってみたり?
っていうかですねぇ・・その筋では(どんなやねん笑)有名な作家さんばかりで
もう、うれしいやら、申し訳ないやら。
アタシがここにデビューさせてもらうことになったのも、みなさんの影響が大き
いんですよ。
だから、すごく緊張してます。実は。
でも、がんばって書き上げたいと思いまーす。ヨロシクお願いします!
というわけで、更新です!
- 25 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)14時12分07秒
********
――マネージャーさんにお願いして朝食のときにみんなに言うことにした。
「大丈夫かぁ?」
心なしか目の腫れぼったい裕子。
ま、おいらもそうなんだろうけどね。
「うん、だいじょ〜うぶぃっ!」
おどけたようにそう言って、にぃって笑ってみせた。
裕子は曖昧に微笑みながらピースした手ごと、きゅって握りしめる。
ハロコンの恒例ともなっているビュッフェスタイルの朝食。
来てないメンバーもちらほらいるけど、ま、娘。はとりあえずは揃ってるから。
もくもくと食事をしている。
最終日だから、どこか淋しいのかもしれない・・。
「ねぇ、ちょっと聞いてぇ!」
はぁっと息を吐いてからおいらは言った。
- 26 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)14時20分35秒
みんなが一斉においらを見る。
ノーメークのあどけない顔。
どんな反応するのかな?
でも、言わなければいけないしぃ・・。
ちらって隣にいる裕ちゃんの顔を見上げた。
淋しそうにしてるのは相変わらずだけど・・その瞳はがんばれって言ってる。
うん!
勇気をもらって、おいらは一気に話しだした。
「あのね、突然のことなんだけど・・今日で矢口は“ミニモニ”を卒業すること
になりました!・・ま、ずっと決まっていたことなんだけど・・一応報告まで、以上!」
ペコリと頭を下げると戸惑ったようなメンバーの顔。
辻加護が淋しそうに顔を歪める。
高橋はどうしていいか判らない顔をして。
ミカちゃんも、引きつったように強張らせていた。
- 27 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)14時32分15秒
「矢口ぃ、今日ってどういうことよぉっ!」
言ってきたなっちに、かおりがやさしく腕を止め。
そっか・・かおりは知ってたんだ・・。
そんな彼女の目にも涙が溜まってる。
「もう、みんなヤダなぁ・・別においらが卒業しちゃうわけじゃないんだし、もうそんな
顔しないでよぉぅ!」
・・うれしかった。
みんなにも、ちゃんと淋しいと思ってもらえるなんて。
だから、ちゃんと笑ってみせた。
なっちが歯を喰いしばりながら涙を堪えている。
新垣は、小さな顔にいくつもの涙の痕を作って・・
小川も、震えながらテーブルに蹲る。
泣きそうになって口をへの字にすると、ポンっと頭を叩かれて。
そっと見上げた先に「よう、がっばった!」笑っている顔。
おいらはコクンって頷いてみせた。
- 28 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)14時44分18秒
「ほらほらっ、もう話しはお終いや・・なんやのもぉ〜そんなに湿っぽくなってぇ・・
「矢口の卒業」なんやから、笑って送ってあげよぉ!!」
・・誰よりも裕ちゃんが一番辛いのだとみんなも知ってるから。
だから、リーダーらしい彼女の言葉に、みんなも笑顔に変った。
「ほらっ、食べんともたんでぇ・・なんてったって3回もやるんやからなぁ・・
あぁ〜裕ちゃんしんどいわぁっ・・」
冗談のような本気の混じった言葉にみんなが笑う。
・・泣きたいのを我慢して。
「やぐちっ、行こっ♪」
後ろから腕を絡ませて包まれるようにしながら食べ物の前へ連れてかれた。
「うまそうやなっ!」
普段そんなに食べないくせに、いろんなものをお皿に載せる裕子。
おいらは彼女の腕に包まれながら、カンガルーの赤ちゃんのように、ずっとその温もりの中で
息をしていた・・。
- 29 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)14時49分30秒
「えらいえらい」
聞き取れないくらいの小さな声で。
言った彼女の口をそっと見上げた。
泣きたくなったけど、でもやっぱり我慢して。
だって、裕ちゃんの大好きな『ミニモニ』は・・
元気いっぱいの矢口だもんっ。
だから、絶対に泣かないよ・・おいら。
ちゃんと、最後見届けてよねっ・・。
- 30 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)14時56分18秒
*******
――熱気で溢れかえるコンサート会場。
最終日、最終公演・・大阪。
とうとう始まってしまった。
「やぐちぃ?」
「ん?・・・うん、平気。」
なっちもそんな顔しないでよぉ。
ずっと前から決まってたことなんだからさ。
ただ、思ってたよりちょっと早くなっただけ・・。
「昨日さぁ・・裕ちゃんのとこ、行ったのぉ?」
「へっ?・・・あぁ・・うん。」
それは事実だしコクンって頷いてみせた。
「・・裕ちゃん、泣いてた?」
「・・・うん。」
いっぱい泣いたよ、そんでいっぱい抱きしめられた。
「・・そっかぁ。・・」
「なっち、どうかした?」
なんか心なしかいつもの彼女じゃない気がして・・。
それが、おいらのことが原因でもなさそうな気がしたから。
- 31 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時04分02秒
――なっちは思い出すように語り始めた。
「真希のラストん時ね・・なっち、前の日ちゃんと一緒に居てあげられなかったから。」
「・・・。」
「家族と一緒にいなさいって言っちゃったんだぁ。・・でも、ホントは強がってたの・・凄く淋しかった
から・・泣いて、我侭言っちゃいそうだったからっ。」
「・・そっかぁ。」
「真希も可哀想だったなぁ〜。最後なんだから一緒にいてあげられればよかったよ。」
「・・でも、最後に抱きしめてあげてたじゃん?」
「うん。そうだねぇ・・でも、今でもあの時のことは後悔してるんだ、なっち。」
「・・・・。」
「でも、矢口はよかったねぇ?・・裕ちゃんに見送ってもらえること、出来て?」
「うん!!」
そうだよ、おいらは幸せなんだ。
だから・・。
- 32 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時12分37秒
「ごっつぁんもさ、・・なっちの気持ち、ちゃ〜んと判ってるって。・・なっちがそうしちゃったのも、ホントは家で
泣いてたのもさ。」
「・・そうかなぁ?」
「そうだよっ、絶対そう、だって!」
卒業してからだって、あんなに仲良しじゃん君たち。
「そっかなぁ・・ん、でも、そんな気もしてきたっ!」
みんなを幸せにする笑顔。
おいらはホッと息をつく。
「そうそう・・なっちは笑顔が一番だって、もうメソメソするんじゃないぞぉ!」
「うん!・・って、なんでなっちが励まされてるんだよぉ・・今日は矢口の卒業っしょ!!」
そう言って笑いながらきゅって抱きついて。
おいらも、抱きしめ返す。
なっちぃ・・ありがと!
こんなに心配してくれるメンバーがいる。
ホント、幸せだよ・・おいらっ。
- 33 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時20分17秒
「あぁぁ〜〜なっちが浮気してるぅぅ〜〜っ!!」
このでかい声は、ごっつぁんか。
それでも、わざと抱きついたままいると、今度は反対側から引っ張られて。
・・へ?
「ちょぉ、なにやっとんのよぉ・・矢口はアタシんもんやでぇ♪」
言いながらぎゅうぅって包まれて、そのままこっちの腕に強制送還。
ってか、お前がなにやってんだよっ、スタッフ笑ってんじゃん!
「アンタら、アタシのいない隙にいちゃいちゃしよってからっ!!」
冗談なのか本気なのか(多分本気?)わからない剣幕でそう言う裕子。
向かいでやっぱり恋人に包まれてるなっちと顔を見合わせて苦笑い。
・・ヤキモチやきの恋人はお互い様だね。
- 34 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時27分39秒
――それから、圭ちゃんに怒られたりしたものの時間通りなんとか始まって・・
もうすぐ出番って時に袖に集まってた“ミニモニ”メンバーから渡されたのは。
「ん?」
「これ、みんなからの贈り物ですっ!」
加護の言葉に包みを開けると出てきたのは・・メッセージ付きの色紙。
・・なんだよ、これじゃぁ、本物の卒業式みたいじゃん!
でも、その気持ちがうれしかった。
ありがとう・・。
・・もうすぐステージが始まる。
着替えやらなんやらで、忙しいはずなのに袖に集まってくれたメンバーたち。
娘。だけじゃなく、あっちゃんや、他のハローのみんなもいっぱい。
- 35 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時33分08秒
そして、やっぱり視線がいっちゃうのは・・
「裕子、もう泣きそうじゃん!」
精一杯の強がり。
だけど、そうしてなきゃ理性が保てないから。
「アホかぁっ、アタシは泣かんでぇ、ちゅうか、アンタこそ大泣きすんなやっ!」
「しないよっ!・・おいらは絶対泣かないもん!」
悲しいことじゃないから。
アナタがこうしてみててくれるから。
だから、絶対に泣くのは嫌だ。
アナタの大好きな「矢口」を見せてやるんだ!
- 36 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時39分20秒
前の曲が終わる。
・・スタンバイしなくちゃ。
おいらはもう一度メンバーを見て、それから、やっぱり裕子を見上げた。
「・・ゆうちゃぁんっ。・・」
「ん。・・ちゃんと見てるし、・・しっかりなっ!!」
「うん!」
コクリと頷いてピースしてから、ステージの階段を登る。
大きく深呼吸して、メンバーの顔を見ながら。
「絶対、泣かないで、がんばろう!」
最後のリーダーからのお願いに、涙目な彼女たちもちゃんと頷いてくれたんだ。
イントロが流れる。照明があたる・・。
- 37 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時46分23秒
*******
大きな会場でみんなが振ってくれるペンライト。
今日は、唄う前に言わなくちゃいけないことがある。
『・・今日で、矢口は“ミニモニ”を卒業します!・・』
案の定「えぇぇ〜〜っ」っていう大声援。
そりゃそうだ。
おいらだって昨日知ったんだもん。
みんなが知らなくて当たり前。
『これが、ホントにホントに最後のステージです!・・最後まで応援して下さいぃ!!』
ちゃんと言えたよ、裕子。
チラッと見えた彼女の顔はすでにぐちゃぐちゃで。
もう!・・自分で泣かないって言ったくせに、言ってるそばからぁっ!!
でも、うれしいぃ。
- 38 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)15時54分06秒
♪♪♪♪♪
あぁ・・いろいろあったけど・・なんで最後の曲がダジャレなんだよぉっ!
だけどいつもは圧倒的に辻加護の声援が多い中で・・今日聞こえてくるのは「矢口」
だけ。
みんなが悲しんでくれてると思うと、やっぱり切ないけどうれしくて。
この瞬間を一生忘れないようにと思った。
踊りながら袖に居るメンバーを見る。
みんな・・もう、泣かないでよ・・おいらだって泣きたくなっちゃうじゃん。
あ・・ゆうこぉ・・ゆうちゃぁん・・。
・・切ない顔。
止まらない涙を拭いもせずに、ひたすらステージを・・矢口を見つめてる。
がんばれ・・がんばれぇ・・って。
込上げてくる涙。
でも、ダメだ。
泣かないって決めたんだからっ!
だから、ちゃんと唄いきろう。
- 39 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)16時00分57秒
*******
曲が終わって、手を振ってステージを後にした。
あぁ・・あっという間だったな。
終わっちゃった・・。
いなくなってからのステージでは、未だに「矢口」コールが続いてる。
あぁ・・これで、ホントにホントに卒業なんだね。
メンバーにお礼を言って、高橋に「よろしくね!」って言えた。
でも、今おいらの心を占めるのは・・
早く・・早く・・
ステージの階段を駆け足で駆け下りる。
みんな泣いていた。
5期メンなんかは号泣していた。
それでも、一目散に向かったのは・・おいらだけの居場所。
- 40 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)16時15分54秒
「ゆうこぉ!」
ボスッと抱きついて。
それが当たり前のように背中に回ってくる腕。
「・・うこぉ・・ゆう、・・ゆうこぉ・・・」
がんばったよ、おいら。
ちゃんと、泣かなかったんだよっ。
ね、見ててくれた?
「・・やぐちぃ・・やぐちぃぃ・・」
頭の上に水滴が落ちる。
震えるからだが、おいらをきゅうって抱きしめる。
「やぐちぃ・・ようがんばったなぁ・・ちゃんと、目にやきつけたでぇ!」
言いながらくしゃくしゃって髪を撫で・・おいらは縋るようにその胸に顔を埋めた。
ボロボロと我慢してきたものが溢れ出す。
泣いちゃダメなのに・・このあと、コントしなくちゃいけないのに・・やさしい腕のなかは
どうしてもおいらを弱くする。
「・・・ゆうこぉぉ・・・。」
絶え間なく聞こえてくる『矢口コール』。
やさしい温もり。
大好きな人の腕の中。
嗚咽のような声を繰り返し・・
おいらは・・何度も何度もその名前を呼び続けた・・。
- 41 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)16時27分30秒
――その時間は随分と長く感じたけれど・・思いのほか短かったのかもしれない。
遠慮がちに叩かれる肩。
「やぐちぃ・・もう、スタンバイしなきゃ・・」
涙声の彼女。
うん、判ってるよ、かおり。
居心地のいいこの場所がおいらを動けなくさせるけれど・・コンサートは始まったばっかり、
いつまでも、泣いてばかりはいられないんだ。
ずっとさすられてた背中をポンポンって。
それを合図に身体を起こして。
そのまま見上げた先には、ぐちゃぐちゃに濡らした大好きな人の顔。
「ゆうちゃん、泣きすぎぃっ!」
笑いながらそう言うと、裕子は拗ねたように口を尖らせる。
「しゃあないやんっ・・ちゅうか、アンタも大概ひどいでっ?!」
言いながらその指先で頬を拭われて。
- 42 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)16時43分10秒
いつのまにか周りを囲まれていたおいらたち。
そのひとりひとりの顔をゆっくりと見回してから・・最後に。
「ゆうちゃぁん・・終わっちゃったよぉっ。」
おいらの言葉に裕子の顔が一瞬歪んで・・でもすぐに立ち直って今度はとび
きりの笑顔をくれた。
そうして、ゆっくりと近付いてくる唇。
ちゅ!
軽く触れた。
みんなの見てる前だけど・・でも、うれしいぃ。
「・・ゆうちゃぁんっ。」
じっ見つめてくる青い瞳。
ゆっくりと開いた口から紡ぎだされた言葉は、・・最後までらしかった。
「おつかれ」でも「がんばったな」でもない。
「やぐちぃ・・卒業おめでとう!」
そのやさしい笑顔に、おいらはコクンって頷けた。
こうして、矢口真里の“ミニモニ”卒業式は終わっていったんだ・・。
―END―
- 43 名前:kai 投稿日:2003年03月03日(月)17時23分01秒
二日で書き上げ、えらいな自分!(←自分で言うなっ!笑)
本当は卒業式の3月1日UPを目指してたんですけど、ハロモニでハロコンスペ
シャルをやるということで待っていたんですけど・・んでも、大阪じゃなか
ったんですね?(残念)
私は、観に行ったわけじゃないので、もし観た人が全然違うじゃんと思ったと
してもそこは目を瞑って頂いて。(笑)
・・多分舞台裏ではこんなだったんじゃないかなぁと(いや、絶対!)
そして、近日中に次のものを考えています。
ぐでぐでになるか、エロエロになるかは(えっ?)まだ判んないんですけど。
もしよかったら、またチェックしてみてください。
そして、感想などレス頂けたらうれしいです。
kaiでした。
- 44 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月03日(月)19時23分25秒
- 矢口さんのミニモニを卒業するまでの過程がすごく良かったです。
やぐちゅーもすごい甘いですし。
次作も楽しみにしています。
- 45 名前:BB-226 投稿日:2003年03月03日(月)19時40分39秒
- 矢口卒業、お疲れさまでした〜。
私のとこのやぐちゅ〜は、ちょっとしか書いてないし、有っても無線通信だからな〜・・・早く王道の石吉みたいにしないと。
さて・・・この後矢口は、ハロ餓鬼のお守りをさせられるわけですが、あんなロリータと組まされるの私は断固反対ですな!
あまりに腹立たしいから、きゃつらの始末方法を考えてしまったよwあと問題少女共も一緒にw
やぐちゅ〜は終盤までお預けとしたもんだから、パイロット裕ちゃんは最近、あやや、みっちゃん、市井ちゃんに浮気気味。w
- 46 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月03日(月)22時53分44秒
- 市井ちゃんとかでてこねーかなー
- 47 名前:kai 投稿日:2003年03月06日(木)22時24分01秒
>44さん・・レスありがとうございます!
どういう反応くるのかなぁってちょっと不安だったんで、そう言っていただけて
すごいうれしいです。甘いやぐちゅーお好きですか?奇遇だな、アタシもです!
>BB-226さん・・王道って“石吉”のことなんですね?
でも、やぐちゅーばっか書いてると、たまに他の書きたくなるの分かります。
ハロ餓鬼(?)・・私は、ANN-SSにゲストありかも、ってことで逆に楽しみ?
>46さん・・市井ちゃんスか?
そうですねぇ・・ごまなちのごまちゃんの元カノが市井さんって設定だけど。(ありがち?)
当分出てくる気配は・・ハハハっ。(汗)
- 48 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月06日(木)22時42分28秒
新しい話を更新したいと思います。
・・といっても、作ったのが1月頃なので、なんで今頃って感じなのですが・・
なんか、普通にいちゃいちゃしてるだけの話しで終わりそうな予感。
それでもよかったら、・・最後までお付き合いください!
ちなみに、アタシが恋人とした喧嘩がもとで出来てたり・・(聞いてねー)
- 49 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月06日(木)22時47分32秒
――だんだんと寒くなってきた、ある日のお話――
「こたつを買いに行こう!」
でたっ!
また、この季節が来たかぁ・・毎年毎年飽きもせずに・・。
アタシは溜息と同時に去年も聞いた台詞を思いだし、ひそかにほくそ笑んだんや。
―今年もアンタと年を越せるんやなぁ〜と。
- 50 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月06日(木)22時59分17秒
「ゆうちゃぁん。コタツぅ・・ね、コタツ買おうよぅ!」
「・・いらん!」
「もう、なんでだよぉ・・これから寒くなるし、二人で温まれるじゃんかぁ!」
ぷんすかと怒った顔はとても19には見えへんわっ・・つうか、アンタもうすぐ
二十歳になるんやろっ!・・ったく、犯罪やで、そんな子供みたいな二十歳って。
「裕子、聞いてんのっ?」
どっかいってたアタシの袖をゆさゆささせて・・あ〜も〜伸びるやんっ!
「・・聞いてるけどっ、・・い、ら、な、い、のっ!ええから、放しぃ?!」
アンタ、ホンマに毎年毎年同じことばっかよう言うなぁ。
半分呆れたように言ったら、ぷくぅって頬を膨らましたりして・・微笑みながらツンツン
って突付く・・と、ぷしゅぅ〜って音とともに、元の矢口の顔に戻った。
クッ・・可愛い反応!
- 51 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月06日(木)23時09分37秒
「ねぇ、ぇ〜・・ゆうちゃ〜ん?」
得意技の上目遣い。
それで、えらいもの買わされた記憶もあるから、そう簡単には引っかからないで。
「ねぇ、ね、買おうっ!・・買おうよぉ・・ゆうこぉ〜っ♪」
「・・・・。」
アタシの様子に、なんとなく矢口の目が輝いた。
アタシが落ちるのももうすぐやとでも、思ってんねやろなぁ〜・・。
でも・・。
「・・やっぱ、いらん!」
そう言った途端、みるからに分かるようガクンってうな垂れて・・。
クッ・・ええ反応やっ。
「むぅ・・なんでぇ!・・なんで、そんなに嫌がるのぉ?!」
怒ったように・・それでいて諦めてはいないぞぉって挑むような強い瞳。
アタシは笑いたくなるのを必死に我慢して・・。
- 52 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月06日(木)23時28分06秒
――あぁなんか、こんなやりとり去年もやった気ぃするわっ。
・・ってことは、一年経っても全然成長してないってこと・・?
「・・もう、なんでそんなに嫌がるのさぁっ!」
泣きそうな顔で、口を尖らせて詰め寄ってくる。
アタシは、仕方なしに息を吐いてから・・
「・・だからぁ、・・嫌いやねん、昔からっ・・部屋狭なるし・・?」
親の影響って言うたらそれまでやけど、ウチにはコタツというものがなかった。
別に、団欒がなかったちゅうわけでも、ないんやけどなぁ・・。
「ええやん、エアコンあるし、出せばファンフィーターとかもあんねんでぇ?」
「やだっ!」
「はぁ・・んじゃ、矢口はなんでそんなに、“コタツ”に拘んねんっ?」
・・毎年毎年飽きもせず。
「・・いいじゃんよぉ・・コタツ。暖かいし、のんびり出来るし、落ち着くしぃ・・」
「あん?・・やぐち寒いん?・・んじゃ、ゆうちゃんが暖めちゃるぅ!」
ふざけながらそう言って、がおぉぉ〜〜って彼女の身体に襲いかかって。
でも、すんでのトコで、がしって顔を摑まれた。
「うがっ、痛いて、矢口ぃ〜!!」
せっかく、ちゅうしようと思ったのになんやねん、もぉ!
- 53 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月06日(木)23時39分15秒
「・・ヤダぁ・・もう、話ししてるときにそういうことばっかしようとすんなよぉ〜!」
「なんでぇ?・・ええやん、したいんやも〜ん♪」
可愛く言ってみたけど、・・てか、アレ・・なんか怒ってる?
・・も、冗談やんかぁ。
「ばかぁぁっ!・・なんで裕子は、いっつもいっつもエッチなことばっか考えてるんだよぅ!」
「へ?・・考えてる?」
含み笑いをしながら、首を傾げると・・。
高校生じゃあるまいし・・って。
な〜んや、そら!
そんなんに、年なんか関係あるか〜〜い!
・・でも、これ以上言ったら、もっと機嫌が悪くなりそうな気がするのでやめて
おこう。・・あぁ、アタシも最近、矢口の扱いに上手くなったもんやで。
- 54 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月06日(木)23時52分41秒
話を戻して・・
「ま、・・矢口の言いたいことも分かるでぇ・・せやけど、そんな、ただでさえ
お正月前後が一年で一番忙しいのに、のんびりしてる暇なんてあるわけないやろっ!」
「・・分かってるよぅ・・でも、だから、欲しいのぉ!」
「・・・・。」
こうなったら、どっちも譲らないから・・。
ま、このまま適当に聞いてたら、そのうち忘れるやろっ、去年みたいに?
「むぅ・・んじゃ、やぐちが、半分だすからぁっ!」
「なんやそれ!・・お金とかの問題やないぃ、言うとるやろっ!ウチはいいのぉ!!」
ここまできっぱり言ったら、さすがの矢口だって諦めるやろな。
さぁ、久々の休日、なんしよっかなぁ〜♪
「・・欲しいぃ。」
「・・・・。」
「欲しいぃのぉ!・・欲しいよぉっ・・欲しいんだってぇ〜〜!!」
駄々を捏ねるようにバタバタと。
はぁ・・ホンマに二十歳になるん、アンタ?
- 55 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)00時02分29秒
「・・やぐちって・・ちっさい頃、欲しいもん買ってもらえなくて、店の前で
泣きじゃくったくち、やろっ?」
昔、そんなこどもいたよな?
「・・図星?」
ツンツンって突付くと、パシッて払いのけられて。
「・・・っだよっ、そうだよ、悪いかよぉ!」
開き直ったようにぷいっと顔を背けた。
クッ・・なんか、想像できるから笑える。
きっと、めちゃめちゃ可愛かったんやろなぁ・・。
- 56 名前:kai 投稿日:2003年03月07日(金)00時14分29秒
中途半端のまま、今日はこのへんで。(笑)
なんか、だらだらしてるなぁとか思いつつ・・。
こんなん読んでくれてる人なんているのかしら・・(汗)
- 57 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月07日(金)00時21分30秒
- 読んでるよ〜☆続き待ってまぁーす!!
やぐちゅー最高♪♪
- 58 名前:ご報告! 投稿日:2003年03月07日(金)00時35分02秒
えっと、まだ始めたばっかであれなんですが、もう一本新スレを立てようかと
思っていまして・・。(いや、勝手に)
と、言っても、やぐちゅうは変らず・・甘くて、いちゃいちゃしてるお話にな
るかと思うのですが、何が違うのかと言うと、ですね・・そっちは、その・・
“エロエロ”な感じのもの専用で?(笑)
この板に一緒に載せるのもどうかと思いまして・・。
同時進行で、近々してこうかと思ってます!(暇だな、アタシ・・)
ということで、お好きな方は、覗いてみてください!(笑)
- 59 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月07日(金)00時41分32秒
- いいですね。甘い&ほのぼのな感じで好きです。
駄々をこねてる矢口さん・・・想像するとかなりカワイイ・・・(笑)
新スレの方も期待しています!!(笑)
- 60 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)14時30分30秒
昨日は変なとこで終わってしまって・・
今日はさくさくいきたいと思います!・・よかったらレスください!
>57さん・・よかったぁ。読んでる人がいると思うとがんばれそうです!
なんか不安になっちゃうんですよねぇ・・小心者なので。(苦笑)
>59さん・・最近、ちょっと大人っぽくなった矢口さん、でも私の中では
こんな感じなんです。裕ちゃんの前だと、余計にそうなる気がするんだけど。
新スレは、今晩か、明日には出来そうです。・・テッシュのご用意を(←違っ
では、更新です!
- 61 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)14時46分35秒
「ねぇぇ・・ゆうちゃ〜ん?」
「も、あかん言うてるやろぉ・・しつこいでっ!」
「・・むぅ・・」
アタシもなんでここまで拘るのか。
矢口がそこまで言うんやったら、別にあってもいいかなぁ〜なんて思うてたり
もする、んやけどな・・。
口を尖らせて、真っ赤になったぷくぷくのほっぺ。
ホンマに駄々っ子みたい!
あかん、母性本能がくすぐられるっていうん?
抱きしめてぎゅぅってしたい。
ちゅうしたい。
でも、ぐっと堪えて、なんとなく話題を変えてみた。
- 62 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)14時55分53秒
「・・な、それより今日・・どうする?」
「映画でも行くかぁ、たまには?!」
最近、忙しくて観れなかったから、なんかおもろいのやってるかなぁって本を
探してみる。
「・・・・・。」
「・・そうや、お昼になんかおいしいもんでも食べるか?」
なんがいい?って。
「・・・・。」
「・・そういえば、みっちゃんが青山に新しいスペイン料理の店できた、言う
てたなぁ・・場所メールで聞いてみるか。」
携帯を取り出してがさごそがさごそ。
「・・・・・」
「・・・・。」
はぁ・・完璧拗ねモード。
こうなったら長いんよねぇ・・矢口って。
だからといって、どうこうなるもんでもないけど。
- 63 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)15時05分57秒
「・・おっ、天気いいやん・・布団でも干そうかな、たまには?」
「・・・・。」
・・疲れる。
ん、でもええわ。
アンタに付き合ってたら、な〜んにも出来ないし・・。
アタシは彼女を残したまま寝室に向かう。
そうしてさっきまで一緒に寝てた布団をベランダに運んで。
ついでにシーツも洗っちゃおう!
ほっといたら、染みになっちゃうからなぁ〜♪
布団を干して、洗濯機に洗い物を突っ込んで、ついでにトイレに行ってから
帰ってきてみたら・・。
「はぁぁ・・アンタも、大概しつこいなっ・・」
体育座りをしながら、口を尖らしてるその顔は、まさにコドモのソレ。
ま、可愛いけど。
- 64 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)15時18分06秒
――彼女の正面によっこらしょと座る。
そうして、顔色を伺いながら少し黒くなった金髪のアタマに触れた・・しかし、
その何倍もの速さで払いのけられて・・。
「や、ぐちぃ?」
「・・っだよっ、こども扱いすんなっ!!」
「・・・・。」
思わず緩んでしまった口元。
矢口がきぃって睨みつけ。
「裕子、今、子供じゃんって思っただろっ!」
「・・・んや。」
・・どもったらあかんやん。
でも、矢口はそれ以上は反発してこなかった。
また、もとの体育座りに戻って・・。
「・・やぐちぃ?」
「・・・・。」
「なぁ、なんでなん?・・ちゃんと聞いたるから、話してみぃ?」
そんなにも拘るには、なんかもっとちゃんとした理由があるんやろっ?
「や〜ぐちぃ?」
「・・いい、も。」
自分のひざに顔を押し付ける。
・・泣いてんの?
- 65 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)15時26分36秒
「・・いいこと、ないやん・・なんや、話してみぃ?」
「・・・・・。」
「ほらっ、やぐち?」
頭をやさしく撫でる。
今度は素直にされるままになって。
「そんなに好きか?・・やって、アンタんとこにも、あるんやろっ?だったら
ええやん・・別に裕ちゃんチでまで入りたがらんくても・・?」
ちょっとした疑問。
なんとなくぶつけてみた。
「・・・違うぅ・・そんなんじゃ、ないもん!・・」
「・・だから、言わなぁ・・分からんやろ?」
「ヤダよ、裕子、絶対笑うもん・・だから言いたくない!!」
「・・笑わへんよぉ・・なんや、言うてみ・・?」
ゆさゆさと小さい身体を揺らして、そうするとゆっくりと顔を上げてきた。
アタシは満面に微笑んで。
- 66 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)15時40分59秒
「なん?」
「・・笑わない?」
コクリと頷く。
「絶〜対、笑わない?・・・もし笑ったら、もうお前なんかしんないんだかん
ねっ!?」
なんか、その言い方も可愛くておかしさがこみ上げてきたけど・・我慢して。
「・・夢だったの・・。」
「ユメ?」
「うん。矢口の夢・・小さい頃から、ずっとね・・好きなひとと、“おこた”
に入って、みかん食べるの・・なんか、そういうのしてみたかったの・・。」
「・・・・。」
「ほら、ぜったい馬鹿にすると思ったんだ。いいよ、もう・・。」
「いいよ・・ゆうちゃん、こたつ嫌いなんでしょ?・・こんなの別にたいした
夢でもないしさっ・・も、いいぃ!!」
黙ってしまったアタシをなんと誤解したのか、むすぅっとしながら後ろを向いて。
「・・ホンマにあんたは・・」
さらさらの頭をカシカシって撫でてから、アタシは彼女の腕を取った。
- 67 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)16時06分32秒
「・・なに、痛いよ、裕子っ!!」
「ほら、行くでぇ〜はよ、用意しぃ〜〜!」
「へ?・・行くって、どこへ??」
見上げてくるきょとんとした瞳は、ホンマに判らんって顔して・・。
もう、アンタが言うたんやろっ!
もっと早くホントのこと話せばえかったのに。
照れ屋なんだか、アホなんだか。
なんや、コタツ買いに行くんちゃうんっ!・・そうと決まったらはよぉ出か
けるでぇ〜!!」
「な、なんだよ、急にぃぃ〜〜っ!」
すっかり諦めていたのか、ビックリ顔。
でも、しっかりと口元が緩んでるのを、アタシは見逃さない。
アンタの夢に協力しないわけにいかないやん?
それは、アタシの夢でもあるんやし・・。
やっと用意が出来た彼女を連れ立って、とりあえず新宿にあるでっかい電気専門街
に行ってみることにした。
こういうデートも悪くないなんて、思いつつ・・。
- 68 名前:ある冬の日のおはなし。 投稿日:2003年03月07日(金)16時27分09秒
とりあえず休憩ぃ♪
これから、徐々に甘くなっていく予定です!
な〜んてことない話しなので、軽〜く読んでいただければうれしいかなと。
では・・
- 69 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月07日(金)18時47分48秒
- 矢口さん可愛いすぎです!!
こんな風にこたつ欲しいなんて言われたら、何個でも買ってしまいそうです(笑)
- 70 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月10日(月)15時03分30秒
- あったかい感じで好きです。
- 71 名前:kai 投稿日:2003年03月11日(火)22時58分13秒
どっちを先にあげようかなと思ったのですが、順番でいこうと思います!
一本ずつ書いてけばよかったと、ちょっと反省。
>69さん・・・可愛いすぎですか?・・うれしいありがとうございます♪
私は“こたつ”苦手な人だったんですけど、今年、購入して(されられて?)
しまいました・・。
あとは、可愛いやぐちさんだけ。(←違う!)
>70さん・・なんか、自分が書くのって起承転結とかないなぁ・・っていつ
も思うんですけど、そういっていただけてスゴイうれしいです。
この先もこの調子でのほほ〜んといくかと思いますが、
どうぞ、読んでやって下さい。
では、更新したいと思います!
- 72 名前:kai 投稿日:2003年03月11日(火)23時11分11秒
「裕ちゃんって、運転できるんだぁ?」
助手席で関心してる横顔を見つめながら・・そういえば、矢口とドライブって
初めてやなぁ・・なんて思ったりして・・。
こっち来てからは、そんなに運転もしてなかったから。
ま、車持ってないっていうのが理由なんやけど。
「ま〜な、あんまりせんけど、たまに友達の借りて乗ってんで?」
ちょっと怖がってたので(失礼なやっちゃなぁ〜)そう言って気分を和ます。
「ふぅぅ〜〜ん」
「クッ・・なんや、でかい、ふぅ〜〜んやな?」
「・・ってさっ・・」
「ん?」
「・・だって、そんな、四駆なんて乗っちゃって大丈夫なのかなぁ〜って?」
「そんなの、ただ、でかいだけやん?・・前、走ってるぶんには、そんなに
変らへんで?」
なんか、矢口、赤くないか?
「やぐち、気分でも悪いん?」
「ち・・違うよっ・・ただ・・」
「んぁ?・・ただ?」
言いづらそうにしていたので、信号待ちをいいことに彼女のほうを見つめてから。
「どうした?」
前髪を払うと、むぅと口を尖らせる。
なんやのよ・・。
- 73 名前:kai 投稿日:2003年03月11日(火)23時25分06秒
「・・んだよっ、ちょっと格好いいなって思っただけ・・。」
バシッ!って腕を叩かれて。
でも、こういうときの矢口は照れくさいときなんよな?
そうか・・格好いいって思うてくれたんや。
「ありがと!」
素直に喜んでみた。
すると、ますます顔を赤らめた彼女は余計に眉間に皺をよせ・・。
「どういたしまして!!」
ぶっきらぼうに言う姿に苦笑する。
うわっ、アンタ、ホンマにかわええな。
だからちょっと提案!
「んじゃ、今度、行くか?」
「・・ぅえっ?」
「んにゃ、矢口とドライブデートなんてしたことなかったなぁって・・いつも
家の中じゃ嫌やって言うてたやんか?」
車ならちょっとは遠出も出来るし。
「うっそ・・ホントにっ??」
うれしそうな、ぱぁって華が咲いたようなそんな顔。
それみせられたら、なんでもしたるわぁって思うてまうって。
「うん、どこ行きたいか、矢口考えてて・・んで、着いたでぇ・・ここやろっ?」
全身で喜びを表してる姿に頬を緩めながら、隣接する地下駐車場に車を入れた。
- 74 名前:kai 投稿日:2003年03月11日(火)23時35分41秒
「んで、着いたで、ここやろっ?」
裕子の言葉にハッとする。
なんだ・・あっという間に着いちゃったな。
もっと乗ってたかったのにぃ・・。
だってさ、運転する裕子の横顔ってなんか格好いいんだもん・・。
あ・・あれ?
も、しかしてさ・・今から、おいらの・・叶うの・・か?
この間、特番の収録のときに聞かれたやつ?
『男の人のどういう仕草が格好いいと思う?』
んなの、ミニモニに聞くなよ!とか、思ったけどでも、一応言ってみた。
「運転してるときの、バックの後ろ向いたここ!」
って。
そんな経験お父さんくらいしかなかったけど、でもみんなよく言うじゃんか?
今からおいらの憧れのそれが見れるんだ!
ま・・裕子は“女”だけど。
ワクワクワクワク!
- 75 名前:kai 投稿日:2003年03月11日(火)23時46分13秒
「ちょお、矢口、脇見て?」
「へっ?」
「となり!・・大丈夫かぁ・・ちゃんといけそっ?」
「・・・う、うん。大丈夫だよ、ゆうちゃん?」
ドキドキしながら、駐車しようとしてる彼女の横顔をじっとみて。
「せっまいな、ここ?・・なんや、もっと広くせぇ、ちゅうねん!」
「・・・。」
「あ・・ぁ、矢口、ちょぉ、ちゃんと見てるかぁ?」
「・・ん。」
「あ〜〜もう、あかんは、またやり直しや。」
「・・・・。」
「でかい車は、これがあるからめんどくさいんよなっ?」
「・・・・。」
さっきから、何度も何度も入れては出しを繰り返す裕子。
おいらはその姿を呆然と見つめる。
「おっ・・今度は行けそう!」
「・・・・。」
「やぁぐちっ!ちょ、アンタどこ見てんねん!・・ちゃんと見ててやぁ!!」
「う・・うん!」
「くぅわぁ・・ぎりぎりやっ・・ちゅうか、隣の奴寄りすぎちゃうかぁ?
ったく、へったくそ、やなぁ?」
「・・・・。」
なんかさ、なんか・・思ってたのと全然違うんですけど?
助手席に手を置いて後ろを見ながら操作してる彼女は確かに格好いいと思うけど
・・でも眉に寄った皺とか?
・・なんか、違うっ!!
- 76 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)00時00分12秒
「おっしゃぁ〜〜、これでええやろっ!」
やっと真っ直ぐバックしたと思ったらおまけつき。
ガタン!!
おいらたちは、顔を見合わせて。
慌てて窓を開けて確認する裕子。
「はぁ・・ビックリしたぁ・・縁石に乗り上げただけやったわっ・・あぁ・・
ぶつけたかと思ったぁ・・」
ホッとしたように言う姿にがくぅ・・。
はぁ・・ね、おいらの夢は・・?
でも、この方がゆうちゃんらしいか。(苦笑)
――無事に駐車も終わって手を繋いでエレベーターへ向かった。
裕ちゃんとこうして出かけることはホントに少ない。
ご飯を食べに行くのも、行きつけのとこか、近所だもん。
たま〜〜に、映画に行くくらい?
だからこうして、たとえそれが電気屋さんに行くだけだとしてもさ。
楽しいなぁ〜って。
だって、これだってデートでしょ?
そんなことを考えてたら、あっという間に3階のコタツ売り場に到着した。
- 77 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)00時25分03秒
********
無事買い物を済ませ、今は近くのイタ飯やでお昼を食べながら。
「なんか、近くのホームセンターでもよかったんやない?」
「なんでだよぅ!・・いいじゃんかぁ、安かったんだしぃ・・」
なんでそういうこと言うかな!
「ま〜な。・・あとは・・コタツ布団も買わんと?」
「あ・・あと、みかんも忘れちゃだめだよっ!」
「・・・・。」
クスクス笑う裕子にむぅ。
またそうやって、コドモ扱いするぅ!!
「なんや、その顔?」
カシカシ頭を撫でられ。
こうされんのは嫌いじゃないけどさ。
「ちょうだい!」
裕子のお皿をクイッて寄せると、笑いながらも「ええよっ」って。
くそぉ・・また、コドモ扱いしてるな。
「おいしいで?」
「う・・ん。」
ぱくりとそれを口に含んで。
う・・うまいじゃん。
明太子がいい味だしてる。
「うまいか?」
「うん!」
また、うれしそうに目を細めるんだ。
おいらがおいしそうに食べてるの見るのが好きなんだって。
でも、そんなふうに見られたら恥ずかしいじゃんかぁ。
「・・裕子も食べる?」
「ん?・・・あぁ、んじゃ、ちょっと、ちょうだい!」
スプーンをわたそうとしたんだけど、ええからって言っておいらの手ごとすくって
そのまま口に入れようとする。
なんで、そういうことするかな?
もう、ドキドキするじゃんよぉ。
「うっまぁ〜〜♪」
矢口の気持ちになんか全然気付いてない。
なんだか切なくなる。
最近のおいらはおかしいんだ。
ゆうこのちょっとした仕草にいちいちドキン!ってして。
どうしちゃったのかなぁ?
- 78 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)00時38分54秒
「た、だいまぁ〜〜♪」
誰も、いないけど、一応ね!
「「ふぃ〜〜〜ぃっ」」
全部運び終わって、二人でソファーにぐったり。
「結構、買ったなぁ?」
「うん!・・んじゃ、さっそく組み立てよぉ〜〜う!」
そう言って立ち上がると、グイッて腕を引かれた。
「ん?」
「・・ちょっと、休もうやぁ・・」
「えぇ〜〜」
いいけどさ。
早く入りたかったのにぃ。
ほのかに香るコーヒー。
いつの間に淹れたのか?
こういうときの裕子って抜け目ないよな。
「やぐちっ、コーヒー!」
「・・はいはい。・・」
よっこらせと立ち上がって、キッチンへ向かった。
いつものカップに裕子の分を注ぎ、自分用にはたっぷりのクリープをいれて。
「ほいっ!」
「お・・ありがと!」
受け取りながら視線で促すそこには・・。
はいはい、隣に座ればいいのね。
――ボスン!!
音が立つくらいにわざと座ると、微笑みながら腕を回してくる。
おいらは、その肩に凭れかかって。
なんか、こういうのいいよね?
- 79 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)00時44分39秒
またまた中途半端かなとか思いつつ。
今日はこのへんで。
明日、(もう今日か。)休みなのでいっぱい更新したいです。
ってか、早く終わりにして次のがやりたかったりして。
- 80 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月12日(水)01時00分07秒
- もっとスマートに駐車して欲しかったんですよね、矢口さん?(笑)
乙女心をわかってませんね、中澤さん!!(←一応まだ乙女かな・・・裕ちゃん・・・)
そんな2人を、カントリーの【恋人は心の応援団】でも歌って応援しときます・・・・・・あとkaiさんも(笑)
- 81 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月12日(水)09時43分22秒
- どんどん更新しちゃってください。
- 82 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)12時17分19秒
>80さん・・そうなんですよぉ。
中澤さんは結構運転とか上手そうな気します。でも、「どけやこらぁ〜!」とか
言って性格変っちゃうような・・や、あの人の場合、変ってはいないか?(笑)
応援歌ありがとうございます!がんばって更新しますぅ!!
>81さん・・はい、どんどんいっちゃいます!
ついてきてくださいね!
- 83 名前:マコト 投稿日:2003年03月12日(水)12時23分49秒
- すっごい楽しみです!今日の更新まってます。
- 84 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)12時28分24秒
「おいし?」
口を付けた彼女に聞いてみた。
「ん?・・うん、うまいで?」
「・・そっかぁ。」
ホッとした顔したおいらの様子を見て、裕子はなにかを思い出したように笑うん
だ。
「前はいろいろやったもんなっ〜♪」
「むぅ」
だってしょうがないじゃん。
おいら、コーヒーなんて飲む習慣なかったもん・・裕子と付き合いだしてから
豆だって挽けるようになったんだよ!
それに、何気に裕ちゃんの注文はうるさいから。
砂糖は絶対にいれないとか?
朝は薄めのやつで・・えっちした日は濃い目じゃなきゃダメで・・
いまみたいに、疲れてるときは、ちょっとだけクリープいれるんでしょ?
「何年、付き合ってんだと思ってんだよぉ・・いい加減覚えるっつうの!」
「せやなぁ」
クスクスしながら回した腕をグイって引かれて、おいらは、彼女の胸に蹲って。
- 85 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)12時37分29秒
「うをっ、零れんだろっ!」
「ん〜〜ん・・やぐちぃぃ・・ええ匂いやぁ」
クンクンって髪の匂いを嗅ぐ。
・・・お前は犬かっ!
と思ってたら、カップを取られて、髪の毛に感じてた唇が移動して。
頬にちゅ!って。
「は?」
「・・・ん〜〜、なんか、したくなっても〜〜たわぁっ?」
「・・ゆう、ちゃん?」
「あかん・・やぐちぃぃ〜〜♪」
覆いかぶさってきた。
って、おい!
「ちょぉ、待て待て、ダメだってばぁ・・、まだ、お昼だよっ!」
「・・んなの、関係ない!」
こらこら、首筋を舐めるなぁ〜!
もう、変な気分になっちゃうじゃんよぉ〜。
- 86 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)12時46分27秒
「まて!」
犬じゃないんだからさぁ〜とか思いつつ。
彼女の身体を離して、顔の前に手をやった。
なんやのよぉ〜って口をぶうぶうさせてるけれど、しっぽがブンブン振られてる
の・・おいらには判ってるよ。
「もう、いま何時か判ってるぅ?」
「・・ええやん、別にぃ。」
別にじゃ、ね〜んだよっ。
「も・・昨日、いっぱいしたでしょぉ?」
「なんでぇ・・ええやんかぁ〜何回したって!!」
アホぅ。
おいらの身体が持たないんだっつうの!
「や〜ぐちぃ〜〜♪」
- 87 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)12時52分12秒
あ〜もう、ダメだってばぁ!!
なんとか身体を捩って阻止。
っていうかさぁ・・前々から言おうと思ってたんだけど・・。
「・・ゆうちゃん、ウチらって・・しずぎ、じゃない、か?」
ごっつぁんの話し聞いたらそんなにしないって。
よっすぃ〜もすげぇって言ってたし。
おいらたちが普通じゃないの、裕子、わかってる?
「・・そう?」
暢気に言うな、アホっ!!
逢えば抱きついてきて、ちゅうされて?
いつでもどこでも構わず押し倒してくるし?
犬じゃないんだからさぁ〜・・ってか、犬に失礼だね!
- 88 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)13時02分22秒
「と〜にかくぅ〜、今はダメっ!!」
コタツ作るんだし、布団も干したいじゃん。
「今はぁ・・って、んじゃ、いつならええの?」
縋るような瞳で。
ずるいな、裕子。
その顔わざとやってんだろっ!
「なぁ、やぐちぃぃ〜?・・いつならええの?」
「なぁ、なぁ?」
クイクイってセーターを引かれて、あ〜もう、伸びちゃうじゃん!
「・・だからぁ・・・・・夜ぅ。」
ボソッといった言葉に満面の笑み。
そんなにうれしいのかぁ!
はぁ・・と溜息。
「んじゃ、ほら、ちゃっちゃとやっちゃうでぇ!」
腕まくりをしながら元気に立ち上がる裕子はなんだか、やけに楽しそうで。
「変わり身早え〜んだよっ!!」
ったく、ゲンキンなんだから、もぉ・・。
言いながら、そんな彼女を嫌いじゃない自分もいたりして。
- 89 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)13時08分35秒
******
「うっし、出来たぁぁ!!」
二人での作業であっという間に完成したそれをしげしげと見つめる。
ん〜、いいじゃんいいじゃん。
おいらのお見立てのカバーも、シックな部屋にはマッチしててなかなか。
「あ〜〜、やっぱ、部屋狭まなるなぁ〜〜・・」
人が喜びに浸ってるのに、なんでそういうこと言うかな。
「いいじゃんよぉ・・冬って感じしてぇ!」
口を尖らせながらぶうぶう。
あ・・そうだ!
買ってきたみかんを籠にいれて・・と。
どうよ!
- 90 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)13時15分46秒
「クッ・・あ〜〜これで、『どてら』あったら言うことなしやねっ!」
「へっ?・・『どてら』って??」
「ん〜やぐち知らん?・・ほら、冬になると着るやつあるやろ・・綿、入った?」
「あ〜〜、『半纏』のことぉ」
「う・・そうそう、なんか“コタツ”ってそういうイメージやない?」
「そうだねぇ・・・・それ、いい!!」
パンって手を叩く。
そんなおいらの顔を見て嫌そ〜うな顔する裕子。
多分余計なこと言うても〜たとでも思ってんだろ。
「欲しいぃ!・・買いに行こうっ!!」
すぐに「えぇぇ〜〜」って声が聞こえてきた。
- 91 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)13時26分42秒
いいじゃんいいじゃん。
おいらって形から入るタイプなんだよね。
裕子だって知ってるでしょ?
「今帰ってきたばっかやん・・あとでええやろっ!」
「ヤダぁ・・いま、欲しいんだもん・・ね、行こっ♪」
グイッと腕を引いた。
もう、動いてよっ!
「いややぁ〜〜疲れたぁ・・ちゅうか、アンタどこ行く気やねん?」
「ん〜〜。駅前のほう行けばどっかに売ってるでしょ?」
「ええぇぇ〜〜〜」
それでもなんとか手を取って立ち上がらせて。
「ほら、行くよっ!」
「・・・ちゅうか、なんでそんな元気なん?・・」
最大級の溜息を付いた彼女は渋々ながら財布を取った。
手をきゅって握ると、小さい子をあやす様にぽんぽんって。
困ったように顔を歪めるけれど、どこかやさしくて。
――ねぇ、裕ちゃん?・・こんな休日もたまには悪くないでしょ?
- 92 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)13時35分24秒
******
「あったかぁ〜〜い♪」
『どてら』を着ながら、くだらないテレビを観つつみかんを食べる。
そして、なんといっても隣に大好きな人がいる。
かぁ〜〜・・言うこと、ないねっ!!
おいらの夢。
ちっちゃい夢だけどさ・・ずっとしてみたかったんだ。
忙しい毎日だから余計に・・。
「みかん、おいしいね?」
「せやなぁ。」
「裕ちゃんもさ、似合ってるよ!」
その『どてら』。
何件もハシゴしてやっと見つめたそれ。
裕子は赤で、おいらは青。
初めて着てみたけどこんなにも暖かくて、軽いもんだったんだなぁ。
今度お母さんたちにも買ってあげようか。
「はぁぁぁ・・・」
おいらがこんなに気分いいのに、なんでそんな溜息つくかな。
「なんだよぅ!・・なんか文句あんのかぁ?」
だってさっきからそんな感じなんだもん。
いい加減腹立つでしょ?
「・・はぁぁ・・買わなよかった・・。」
- 93 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)13時43分04秒
「むぅ・・なんでぇ、なんでそんなこと言うのぉ!!」
言いながら彼女を睨むとお返しに睨み返してきて。
「・・・だってなぁ・・」
「だって、寒いほうがくっついていられるやん?・・ちゅうか、なんでアンタ
そんな離れて座っとんのよ?」
「んと、・・・狭い、から?」
「・・・・。」
ねぇ、裕ちゃんもしかして拗ねてんの?
おいらが、近くにいないから淋しいの?
う・・・なんか、可愛いぞ。
ホントやばい・・きゅってしてあげたい。
はぁ・・しょうがないねって感じに起き上がって。
にやけた顔をばれないように。
よっこらしょ。
「これならいい?」
裕子の隣に移動して横から微笑みかけると・・ブンブンって首が振られ。
・・・なんで?
- 94 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)13時51分37秒
「あかんよ。」
そのまま腰を抱かれて、おいらは裕子の脚の間にすっぽり。
って、いつの間にか、いつもと同じ体制じゃん・・。
「やぁぐぅちぃぃ〜〜♪」
包まれるようにきゅうってされた。
あれ?
おいらがきゅってするんじゃなかったか?
ま・・いいか。
でも、すぐに腕が解かれて・・。
なんでだよぉ〜〜。
「・・裕子?」
「あ〜〜もう、これ、邪魔やっ!」
おいらが着ていたどてらを脱がそうとし・・いや、脱がされた。
「も、なに、すんのぉ!」
「んん〜〜っ、やぁぐちぃぃ〜♪♪」
ポィって捨てられたそれを見つめていたら、またぎゅって抱きしめられて。
今度は、彼女の体温が直接あたってくるんだ。
それがなんだかうれしくて。
でも、素直じゃないのが矢口なんだよね。
- 95 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)14時11分00秒
ちょい、休憩しま〜す!
>マコトさん・・もしかして、またリアルタイム?
私の行動ってそんなに読みやすいですか?(笑)
続きは今日の夜にでも・・今日で仕上げたいなと思ってます。
また読みにきてやってくださいね!(こっちも読んでくれてるなんてうれしい限り!)
- 96 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月12日(水)14時40分47秒
- 実際、好き嫌い多そうだけど、コーヒーとか細かいことにうるさそうな気がします 中澤さんって。
しかし、こたつであんな体勢って窮屈すぎるでしょう・・・まぁ、2人は窮屈すぎるぐらいが ちょうど良いんでしょうが(笑)
夜、楽しみにしてます!!
- 97 名前:マコト 投稿日:2003年03月12日(水)18時18分03秒
- いやぁ〜さっきのはたまたまで、その後すぐ出かけたし・・・
でも気が合うんですかねぇ?
では、続き待ってます♪
- 98 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)21時18分30秒
では更新します!
えと、その前に・・。
>96さん・・いいんです、ちょうどね。
ってか矢口はちっちゃいですからねぇ〜そんなでもないでしょう!(笑)
>マコトさん・・絶対気が合うと思ーう。(断言)
だって、レスいただけたころも、パソコンいじってたもん。
これで、今もだったらすごいことだな?!(笑)
はい、今夜がこの作品のラストになると(多分)思うのでどうか最後まで読ん
でやってください!!
- 99 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)21時29分50秒
「あ〜〜、せっかく買ったのにぃぃ〜っ!!」
「ええやんかぁ・・そんなん裕ちゃんのほうが暖かいで?」
どてらを着た裕ちゃんにすっぽり覆い被られて、・・うん、確かにこっちのほうが
暖かいや。
「あ・・ね、これってさぁ・・あのハロモニでやった・・?」
なんだっけなぁ?
「あ〜〜、なんや、アレ、『二人羽織り』やろ?」
「そうそう、そんな感じじゃない?」
「せやなぁ〜♪」
クスクスしながら見つめ合って。
なんとなく目の前にあったみかんを摑んだ。
- 100 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)21時36分14秒
「裕ちゃん、食べさせて?」
「ええで♪」
ちっちゃいやぐちは、裕子の中にすっぽり隠れて・・裕子はおいらの肩に顎を乗せ
ながらみかんを剥く。
「もぅ、白いのもちゃんと、取ってよぉ!!」
だってそのまま食べさせようとするんだもん。
「・・うっさいなぁ。・・」
言いながら、でもちゃん取ってくれ。
「はい、やぐち、あ〜〜んっ?」
「あ〜〜ん」
・・って、そこ鼻だろっ!!
「も、裕子わざとやってるだろう!」
「ちゃうってぇ・・矢口ちっこいからさぁ・・ん〜どれ、あ、ここか?」
白い手のひらがおいらの顔を撫でる。
探すように・・。
もう、判ってるくせにぃ〜〜。
だから・・あぐっ!!
- 101 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)21時41分59秒
「いでっ!」
唇を撫でる親指を噛んでやった。
・・軽くね。
「ちゃんと、食わせろよぉぅ!」
「・・って、アンタは犬かっ!?」
クスクスしながら寝ているはなちゃんを横目でみつつ。
今度はちゃんと食べさせてくれる。
自分の口と矢口の口に・・交互にいれながら。
「これ、あたりやったなぁ?」
「だねぇ・・おじさん絶対甘いって念おしてたもんね?」
最後の一つは矢口にくれるらしい。
ぱくって頬張ると。
- 102 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)21時50分23秒
「は〜い、おしま〜い!」
えぇぇ〜〜っ。
せっかくラブラブのいい雰囲気だったのにさぁ。
もうちょっと、したいよう!
だから・・
「ねぇ、ゆうちゃん、もう一個!」
「って、まだ食べるんかい!・・ちゅうか、アンタ何個目?」
テーブルの残骸を数えると・・4,5・・・6個か?
「もう、やめときぃ〜、矢口、お腹こわすで?」
「えぇ〜〜、大丈夫だよぅ、こんくらい!!」
「あかんて。・・アンタベロ出してみ?・・絶対黄色いから?」
べぇぇ〜〜。
「ほらみぃ〜〜♪」
「そう?」
手鏡で見ると・・・うわっ、ほんとだ。
黄色っていうか、オレンジ色?
「ほらぁ・・手も黄色くなってんで?・・もうやめときや?」
「うぅ〜〜。」
「したら、またあとで、食べたらええやん?」
な?って頭を撫でられた。
裕ちゃん、判ってないなぁ。
おいらはね、みかんが好きなんじゃなく(いや好きだけどさ。)
裕子にこうやって食べさせてもらえるのがうれしいんだよ?
素直じゃないから言えないんだけど。
- 103 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)21時57分49秒
べぇぇ〜〜。
鏡で自分のベロをしげしげと見つめる。
しっかし、ホントに黄色くなるもんだね?
あ・・なんかカキ氷食べたあとみたい?
ふっと鏡をずらすと裕子のニヤニヤ笑いが。
・・すけべおやじみたいだ。
「なんだよぉっ!」
「はぁ・・可愛ええなぁ・・・あ・・もうなんか、あかんは・・」
「・・はっ?」
「あかんって、そんな顔しちゃ・・ゆうちゃん欲情しても〜たがな!」
「よ・・・??」
なんだってぇ?
なんて考えてる間もなく、顎を持ち上げられて・・
ちょ・・え??
- 104 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)22時03分02秒
「や〜ぐちっ♪」
近付いてくる唇に、おいらは手を突っぱねるんだけど。
裕子の妖しげに細められた瞳に動けなくなった。
それに気付いてクスクス笑うんだ。
ちゅ!
触れるだけのキス・・
・・だけじゃ、収まんないや・・・。
そろそろと唇をなぞられたら、それは開けての合図で。
おいらは、無意識にしたがってしまうんだ。
「・・んんんっ!!」
濡れた舌の感触が気持ちいい。
あったかい裕ちゃんの口のなか。
- 105 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)22時11分26秒
「・・んんっ・・んあっん・・」
口の端から漏れる声が恥ずかしいよぅ。
激しく絡めてくる裕子に、だんだん力が抜けてきて。
彼女の身体に凭れかかるようにしがみ付いた。
頭の上から聞こえるクスクス笑い。
でも、反論する力もない。
口の中を縦横無尽に動き回って。
嘗め尽くすように何度も何度も・・も、激しいよぉ・・長いんだってばぁ。
味わうだけ味わいつくしたように満足した顔して。
やっと離したそこから、たら〜んと滴り落ちる唾液。
二人を繋げたまま・・ゆっくりと下に消えてった。
それを呆然と見つめる。
- 106 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)22時19分32秒
くたんと彼女の胸に蹲る。
後頭部をやさしく撫で撫でしながら・・それとは反対に意地悪く囁くんだ。
「・・今日のちゅうは“みかん味”やなっ?」
くっそぉ〜〜、なんか言いたくても言い返せない。
キスの余韻で上手く頭が回らないんだ。
「ちょ、ゆうこっ!!」
セーターの下から入ってくる手を慌てて止めて。
「ええやん?」
「や・・ダメぇ・・」
「どうして?」
「・・ん・・まだ、夜じゃないしぃ・・」
「でも、もう5時やん?」
脇腹を通って、胸のほうに伸びてくるそれ。
もう、だからダメだってばぁ!!
「ゆうちゃん!!」
「ええやん・・したくなったんやもん・・させて〜や?」
「・・や・・ヤダぁ・・」
「なんでぇ?」
- 107 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)22時28分33秒
・・なんでって。
「あ・・ご飯は?・・お鍋するんでしょ?」
「ん〜〜と、やぐち食べてからっ。」
「おいらは、食べ物じゃないや〜い!」
うをっ!
ブラに掛かった手を払った。
もう、油断も隙もないなぁ。
なのに、目の前の彼女は不適な笑みを浮かべるんだ。
「・・アンタ、ほんまは“したい”と思ってんちゃう?」
素直やないからなぁ〜〜。
って、そんなわけないじゃん、もう!
ぶんぶんぶん!!
「嘘つきなやぁ・・・んじゃ、どれ?」
いきなりスカートのなかに手を入れられて。
おいらが防ぐ間もなく、・・下着に触れられた・・。
「あっ!」
「おっ!!」
真っ赤になった頬。
それを見ながら、彼女は指を妖しく動かして・・そうして鬼の首を取ったかの
ように言うんだ。
「濡れてるやん」
ってさ。・・・さいあく。
- 108 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)22時35分33秒
悔しいけど言い返せない。
だって、それは事実だし?
「しょうがないじゃん。」
気持ちよかったんだもんさ。
「あれ?・・やけに素直やな?」
「・・・いじわるぅ。」
「は?・・なんで、なんで意地悪?」
口元が緩んでるぞ。ば〜か!
「も、だって、だってさ、裕子が悪いんでしょ?・・あんなちゅうするからぁ!」
むぅってしながらそう言うと、頭を撫で撫でされ。
「んじゃ、裕ちゃんが責任持って気持ちよくしたるから、な?」
「もぉぉ!!」
それじゃぁ、お前の思い通りじゃんか。
悔しいぃぃ〜〜。
でも、それを拒むことは出来ないんだ。
だって、おいらの身体はすでにそれを求めてるから。
- 109 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)22時44分28秒
ゆっくりと押し倒されながら、近付いてくる裕ちゃんの唇。
・・慌てて目を閉じた。
クスクスって笑う声が聞こえて。
やわらかいそれが、おいらの唇に重なった。
ちゅ!
え・・あれれ?
「ね、裕子!」
「んん〜っ?」
首筋に舌を這わす彼女を呼んで。
「ってか、ここですんの?」
ベット行かないのっ??
「ええやん・・ゆうちゃん限界やっ・・。」
「・・限界ったってさ!」
「好きやで、やぐち?」
「うん・・・って違うよ、待って、ベット行こうよぉ!!」
「どこでも一緒やん?」
「ちょぉ・・待って、待ってってば・・そこ、すぐ・・・んんあああぁ・・」
――その後は唇を塞がれてなにも言い返せず。
抵抗空しく覆いかぶさってきて。
そう、おいらはいつものようにいいようにされたんだ。
- 110 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)22時52分23秒
――カリカリカリ・・。
ん?
なんの音??
気だるく目を開けると、・・おいらの喘ぎ声にケージの中にいたはなちゃんが
起きちゃったみたい。
「あ・・・起きちゃったぁ・・ね?・・裕子、はなちゃん!!」
「あ〜〜ん?・・あぁ。」
あぁじゃないでしょ!
ってか、早くおいらの胸から離れろぉ〜〜いっ!
「裕子!!」
「んがっ・・ええやないぃ・・おとなしく見ててねぇ?・・すぐ済むからね?」
誰に話しかけてんだよっ!
ってか、すぐってさ。
・・・確かに、早いけど?
あんっ!
裕子がまたおいらの胸にぱくつく。
もう、おっぱい星人がぁ。
一瞬、ながされそうになったけど、くりくりした愛らしい視線が気になって・・。
- 111 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)23時00分00秒
「もう、裕ちゃんってば、・・はなちゃん見てるって!!」
「・・んあ〜ん?・・なんやのもう?」
「ヤダって、なんか恥ずかしい。」
2度目の中断にむぅとしてる。
でもさ・・。
「って・・犬やで?」
「い・・犬だって、いまなにしてるかってことくらい判るんだよっ!」
「へぇ〜〜、そうなん?」
コクリ。
「ふぅ〜〜ん、でも、ええやん別にしゃべるわけでもないしさ?」
「ヤダぁ!!」
曝け出した胸を慌てて隠す。
と、頭の上からクスクス笑いが聞こえてきた。・・なんだよっ!
「ん?・・いやなんか、そうやって恥ずかしがってる矢口も可愛ええなぁって思う
てな♪♪」
「あ・・アホぅ!!」
顔だけ出しながら睨みつける。
でも、そんな裕子はうれしそうに頭を撫で撫でして。
- 112 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)23時10分39秒
「可愛いぃ・・ちゅうか、早く出てきぃ・・続き始めるで?」
「い〜やっ!!」
「・・いやってな・・でも、アンタがやばいんちゃうのっ?」
苦笑しながら言うなアホっ!
確かにそうだけど。
それは事実なんだけど。
むずむずする体が限界を告げている。
だって、いいとこで放置されたんだよぉ。
だけど、はなちゃんはやっぱ、気になるしぃ・・。
教育上よくないでしょ・・仔犬にこんなの見せたらさ。
「裕子ぉ・・ね、やっぱ、ベット行こう?」
「はぁん?」
「・・集中できないよぉ・・ベットがいい・・。」
「・・・・。」
ニヤニヤ笑いしたまま、おいらは引っ張りだされて。
「ちょっと!」
「矢口、まだまだ、余裕なんやなぁ?・・んじゃ、そんなん考えられなく
したるわぁ〜〜覚悟しい?」
そのまま、裕子の手が・・おいらの恥ずかしいところに伸びてきた。
遠くのほうできゃんきゃん泣く声が聞こえてたけど、構う余裕なんてないよ、もぉ〜。
- 113 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)23時17分34秒
******
――ことが終わってぐったり。
「アンタ、そろそろなんか着ないと風邪引くで?」
・・そんな格好でって。
って、それをお前が言うなぁ!
脱がせた張本人だろうがっ!!
・・でも、起きれない。
・・言う気力もありません。
なのにさ、こいつの反応ときたら。
「なぁ、やぐちぃ〜〜裕ちゃん、お腹空いたぁ・・早く鍋作って?」
「・・・・。」
「なぁ、なぁ・・聞いてる?」
なんで、この人こうなのかなぁ?
なんていうの・・・自分本位?
「・・・・自分で作りやがれ・・・」
おいらは動けないんだってば。
誰がこんなにしたと思ってんだぁ?
- 114 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)23時25分35秒
ぷにぷに?
なんだぁ?
あぁ・・肉球か。
だから、はなちゃんに撫で撫でされたって、許さないからなぁ〜〜!
せっかく、“こたつ”買ったのに、裕子は相変わらずで。
ってか、初めての“コタツ”でこんなことやって・・
こんなの、予定外だっつうの!・・もぉぉ〜〜。
あぁ、こんな調子で寒い冬を乗り越えていくのかと思うと、超心配だけど・・。
はくしょっ!!
おいらのくしゃみに、はなちゃんがきゃんって吠えた。
やばいやばい・・ホントに風邪ひいちゃうよ。
早くお風呂、入って温まんなきゃ!
「裕子!」
「んぁ?」
呆けてる相手にコイコイってして。
- 115 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)23時40分28秒
「動けない・・お風呂まで連れてけ!」
「なんで、命令やねん!」
・・それは、アナタがすべて悪いからです・・。
苦笑しながら抱きかかえられた。
おいらとは対称的にポカポカしてるその身体が恨めしいけれど。
でも、“コタツ”とこの身体があったら寒さも吹っ飛ぶかなぁと思ったのは・・
ナイショにしておこう。
こ〜んな感じであっという間に過ぎてしまった休日。
なんでもないようで、でもおいらに取ってはちゃんと意味がある。
「やぐちぃ?」
抱きしめる腕から聞こえてくる声に。
「ん〜?」
気だるい声で返した。
「なぁ、今度は、裕ちゃんの夢も叶えてくれるぅ?・・」
・・矢口の夢は裕子の夢で・・
裕子の夢は、・・矢口の夢でもあるから。
返事の変わりにきゅってしがみ付いた。
あったりまえだろっ!・・おいらに任せろ〜ぃぃ♪
って。
- 116 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)23時45分16秒
――ちなみに、このあと、お風呂場でもう一戦交えて・・結局ご飯を食べられ
たのはそれから、2時間後のことだったらしい・・・。(笑)
−END−
- 117 名前:kai 投稿日:2003年03月12日(水)23時55分23秒
終了で〜す!
すいません、こんな終わり方で・・。(汗)
ほら、起承転結ないでしょ?とか反省しつつ・・いいんです、やぐちゅうは、
いちゃいちゃしてんのが一番あってんだから。(決め付け)
次は・・とりあえずあっちを仕上げてから、なんか考えます。
あの温泉の話しとかね?・・秘宝館は、・・向こうですね?(笑)
感想レスいただけたらうれしいです!
こんなお話に最後までお付き合いいただいて本当にありがとうございました。
kai
- 118 名前:マコト 投稿日:2003年03月13日(木)00時30分55秒
- あっ!ちょっと遅かった・・・
いやぁ〜中澤さんらしですなぁ。
はなちゃんはいいのか?(←いいんです!)
ではではあっちの更新も待ってます!
- 119 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月13日(木)01時07分41秒
- 中澤さん・・・・・おもいっきり犬やん!!
はなちゃんに見られてましたね あのつぶらな瞳で(苦笑)
なんか、ほのぼのした感じですごい良かったです(後半は中澤さん暴走してましたが)
- 120 名前:名無し 投稿日:2003年03月13日(木)02時21分19秒
- 大量更新お疲れさまでした。
あー、やっぱりやぐちゅーは良いですねー。堪能させていただきました。
こっちの中澤さんも結構な野獣っぷりですね(笑)
- 121 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月14日(月)12時19分40秒
- 待ってまーす(w
ほのぼのいい感じで大好きです。
- 122 名前:kai 投稿日:2003年04月22日(火)22時05分43秒
えと、お久しぶりです。
やっと戻ってくることが出来ましたぁ〜っ!
いやぁ・・なんとなく居心地よくって(あっちが)・・マジで帰ってこれないかと
思った・・。(汗)
それから、レス返し遅くなってすいませんです。
>マコトさん・・いつもありがとうございますぅ!
やっとあげれそうです・・また、こりずに読んでやってくださいね。(ペコリ)
>119さん・・>思いっきり犬やん!
ははっ、そうかもしんない・・犬っぱなだしぃ?(←関係ない)
>ほのぼのしてて・・やぐちゅーはそういうの一番合ってますよね?(w
>120さん・・堪能していただけたということで、なによりです。
ホントだ!・・こっちも野獣裕子だな・・改めて読んでみて気付きました。
・・ウチの裕子はホントにもう・・。(溜息)
>121さん・・待ってまーすと、言っていただけてうれしいっス。もう早く
がんばろうって思えますしね。・・今回は、ご期待に添えられるといいんですが。
・・ちょっと心配。
- 123 名前:kai 投稿日:2003年04月22日(火)22時18分57秒
ではでは、新作をUPしたいと思いまーす!
・・と言っても、内容的にはちょっと前の頃の話しなんですけどね。
なんか、ラジオを聴いたときに、どうしても書きたくなって・・こんな感じに
なってしまいました。とりあえず、圭ちゃんの卒業に間に合ってよかったかな。
え〜と、“やぐちゅー”と同時に、“やすいし”でもあるらしいです。(w
実は、このカップリングも大好きで。
・・なんですけど、お話は、やぐちゅーメインでいく予定なので、相変らず?
楽しんでいただけたらうれしいです!では・・
- 124 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月22日(火)22時34分35秒
「・・おつかれさまでしたぁ〜〜!!」
収録が終わってすぐ、スタジオをでた。
この後、仲良しスタッフにご飯を誘われたけれど、低調にお断りして・・。
「・・えっ、なに、とうとう裕ちゃんにも“彼氏”到来ぃ??」
・・・・・。
なんやその言い方は!
アタシに“彼氏”いたら、悪いんかいぃ!!
・・んでも、否定は出来ないから。
“彼氏”はおらんけど“彼女”はおるで。
ちっこくて、めっちゃラブリーなやつぅ♪
「はぁ・・だったらええねんけどねぇ。“はなちゃん”が待ってるんですぅ・・」
“はな”をだしに使って悪いけど、でもこれで、いちいち言い訳がましく言わな
くても済むようになったから、やっぱ飼ってよかったんかなぁ・・。
・・ちゅうか、それも事実やねんけどな。
ハッ!!
あかん!・・んなこと言ってる場合やない・・早く帰らなくては・・。
「んじゃ、おつかれっ!!」
片手を上げて、飛び出した。
アタシのアタマん中は彼女の顔でいっぱいや。
や〜ぐちぃ〜♪ やぐち〜〜ん♪ 待っとけやぁ、裕ちゃん、いま帰るかんなぁ♪
- 125 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月22日(火)22時46分39秒
*******
時計の針は、一列に並ぼうとしていた。
イライラ。
・・まだかいなぁ〜。
せっかく・・いや、しゃあないんやけどさ。
――家に着いたら、携帯がなって。
『ゴメン、裕ちゃん。・・お父さんに捕まって帰れない・・。」
『ええぇ〜〜っ!!・・あ・・あぁ・・うん。ええよっ、・・せっかくやから
ゆっくりしてきぃ・・?』
『・・ん。ゴメン。・・・・でも、ちゃんと帰るからねっ?』
『・・わ〜ってるぅ。・・気にせんと、なっ?』
なんやねんな、もぉ!!
な〜んて気持ちは、心の奥に閉まっておいて、なんでもない振りをする。
はぁ・・でも・・帰ってきてるもんだとばっか思うてたから・・。
逢いたかったで、やぐちぃ!・・ふぅぅ・・。
『ねっ、ゆうちゃん、・・いまどこぉ?』
『あ・・ん。・・・ウチ着いたとこやで・・なんでぇ?』
『ん〜〜んとさ、・・・・・矢口んチ来るぅ?』
・・・ばれてるがな。
ま、いつも一緒のアタシのことは、ぜ〜んぶお見通しってことやね・・。
- 126 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月22日(火)23時03分23秒
『あぁ〜ん、ええわ。・・はなちゃんおるしな?・・そんなこと気にせんといいから
お父さんにいっぱいお土産話し聞かせたり?』
久しぶりの娘と話したいこともたくさんあるだろう。
『う・・うん。・・でもさ、ゆうこ・・』
『あっ、ちょ、ゴメン・・誰か来たみたいや・・んじゃな矢口・・・・』
強引に切った。
だってこのまま話してたら、我慢できなくなりそうやってんもん。
・・・・・。
ははっ、ダレが来るっちゅうねん!
・・それも矢口にはバレてるだろうな・・感のいい子やから。
でも、お父さんの気持ちも解るし。
いつもはアタシが独占しとんのやから、今日くらいは・・うん。
携帯の蓋を閉じる前になんとなく目が止まって・・アタシの口もとが緩んだ。
矢口が、「ゆうちゃんが、淋しくないように」って送ってくれた写メール。
卒業旅行かぁ・・。
どこで撮ったのか、さびれた観覧車の中で楽しそうに笑ってる3人。
矢口も、圭ちゃんも・・そして石川も。
・・・・・・。
・・・・・・。
うっ。・・逢いたいよぉ・・やぐちぃ。・・逢いたい、逢いた〜〜い。
やぁ〜〜ぐちぃ〜〜っ、もっ、はよぉ、帰ってきてぇ〜〜〜っ!!!!
- 127 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月22日(火)23時18分28秒
-----------
雑誌をペラペラ捲っても一向にアタマに入ってこなくって・・。
・・テレビを付けてもおもろいもんやってない。
ふぅぅ。
「んぁ?・・・はなも、矢口待ってんの?」
脚に擦り寄ってきた「彼女」を持ち上げて、鼻の頭を擦りつけた。
・・湿った感じが気持ちええ。
「なんやもぉー。・・・・ったく、早く帰ってこい、ちゅうねん、なっ?」
「・・・・・。」
「・・アンタのウチは、ここなんやでぇ?」
「・・クウ??・・」
クリクリのお目めを潤ませて、アタシの言葉にいちいち首を傾げたりして。
・・解ってんのか、解ってへんのか。
「はぁ・・・やぐちぃ〜っ・・やぐち・・やぐ、やぐぅ・・・」
・・やばっ、泣きそう。
思い浮かぶのは、彼女の笑顔。
3日逢ってなくたって、鮮明に思い浮かんでくるんや。
はぁ・・あのちっこい身体をきゅって抱きしめたい。
いい匂いのする首筋をクンクンって嗅ぎたい。
ん・・クンクン??
あ・・。
目の前で鼻をクンクンさせてる「はなちゃん」と目があって。
しばし無言で見詰め合った。
そういえば・・・忘れてた。
「ゴメン、はなちゃん・・・・ご飯食べるぅ?」
床に下ろすと、尻尾をブンブンさせて・・・うわっ、ゴメンなぁ。
矢口のことばっかりで、な〜んにも手がつかないでいた・・。
- 128 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月22日(火)23時32分39秒
******
・・・それは、突然のこと。
満腹になったお腹をはべらせて、すやすやと眠ってる「彼女」を撫でながら、
アタシは、ほげぇ〜とテレビを観ていた。
ピクッ!
急に耳がピンと立って。
続いて
きゃんっ!!
って鳴き声。
「・・はな?」
がちゃがちゃと鍵を開ける音に続いて。
「ただいま〜〜っ!!!」
元気いっぱいの懐かしい声が。
「えっ!!」
「!!!」
抱き上げたはなと顔を見合わせて、同時にリビングのドアに視線がいく。
・・・・や〜〜っと、帰ってきたぁぁ〜〜っ!!!・・・・
一緒に暮らし始めて一ヶ月ちょっと。
どんなに遅くなっても、ちゃんと帰ってきてたから・・例え2泊3日の小旅行
だとしても、・・えらく長く感じてた。
アタシってこんな淋しがり・・やった??
ドガドガ廊下を走りながら、間もなく、ドアが開く。
そうして、ちっちゃい子が大きく手を広げて・・入ってきた・・。
あ・・やぐちぃ〜っ♪
「ゆうこぉ・・は〜なちゃん・・ただいまぁ〜っ!!」
ぎゅうぅぅって。
や〜〜ん、アンタから抱擁してくれるん?
うれしいぃ・・やぐち、やぐちぃ・・・や〜〜ぐちぃ〜〜♪♪
- 129 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月22日(火)23時43分40秒
『ただいまぁ〜っ!』
・・そやで。
アンタの帰るウチはここなんやから。
クンクン。
ん〜〜っ、この匂いや。
むぎゅむぎゅぅ・・あぁ・・この感触ぅ♪
やぐちや、やぐちぃ・・やぐちがおるぅ〜っ!
「やぐち、やぐちぃ・・・むっちゃ逢いたかったぁ・・逢いたかったぁ。」
「・・・・・・。」
素直な気持ちが口から溢れる。
なのに、言われた本人は、固まってるから。・・・・なんやのん?
「・・・ゆうこ、な〜に、かわいいこといっちゃってんのぉ?」
「・・・う、へっ?」
ぽかんと顔を上げた途端、また抱きしめられて・・そのままアタシの胸に蹲り
ながら・・。
「ん〜〜っ、おいらも、・・おいらも、逢いたかったぞっ!」
って照れくさそうに、アタマをグリグリ。
・・ちょぉ、くすぐったいって!
でも、こんなふうに素直に感情を表す彼女はめずらしいから・・なんだか拍子抜け
してしまうんや。
もう、かわいいなぁ・・。
- 130 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月22日(火)23時55分59秒
矢口たちは、遅めのお正月休みを利用にして、近場の温泉旅行に出かけてた。
いつもの、仲良し母と妹。・・んで、なんでか圭ちゃんとお母さん、あと弟。
そんでもっておまけで石川付き?
総勢・・7名。
ちゅうか、どういう組み合わせやねんっ!
・・って最初は疑問やってんけど・・んでも、圭ちゃんの卒業が控えてるから
ということもあって、決まったらしい・・。
矢口曰く・・。
「でもね、梨華ちゃんにおいらたち邪魔じゃないのって聞いたんだよっ・・二人
で旅行したことないっていうし・・でも逆にお願いされちゃったんだぁ・・」
って。
『そんなっ、保田さんのお母さんと一緒だなんて緊張しますぅ・・矢口さんたち
いてくれたほうがいいですぅ〜〜っ・・』
って物真似つきで教えてくれた。
ま、確かに緊張するわな。嫁、姑っていうし・・・あ、違うか。
そんなわけで、大所帯の小旅行がスタートしたらしい。
アタシも行きたかったんやけど・・舞台あるしな。
・・んでも、矢口と露天風呂ってのも捨てがたかった・・。
はぁ・・ええよなぁ・・温泉。・・まったり、いちゃいちゃと・・。
- 131 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)00時09分14秒
「はぁっ・・・やぐちぃ・・やぐ、やぐち〜〜」
「・・ん〜〜っ、ゆうこぉ・・。」
しばらく抱き合ったまま。
はなちゃんが足元をうろうろしてたけど。
抱きしめると、当たり前のように回る腕がうれしくって。
「ん〜〜〜っ、早かったなぁ・・?」
微かな香水が懐かしく思いながら。
「ん。・・・だって、裕子泣いてんのかと、思ってさっ。」
耳元に聞こえてきたのは意地悪な囁き。
「・・んなっ、泣くか〜いやっ、・・いや、泣きそうやったけど・・。」
「・・・そ、なの?」
・・うれしそう。
「むぅ。・・だって、やぐちいないんやも〜ん、淋しかったで、ゆうちゃん?」
「・・うっ。ゴメンん〜。・・でもほら、ちゃんと帰ってきたでしょ?」
拗ね気味のアタシの背中を擦りながら。
でも、なんか震えてるような・・。
・・この感じは・・。
「アンタ、なに笑っとんの!!」
むすぅとしながら顔を上げた。
「んにゃ?・・だって・・だって今日の裕子、なんか可愛いんだもんっ♪」
可愛いってなんなんさぁ・・さっきから。
「あっ!」
「あん?」
矢口の視線の先を見つめると、一生懸命ピョンピョン跳ねてるはなちゃんが。
なんか、抱いて抱いてぇって言ってるみたい。
アタシから腕を離すと、ひょいっと小さいのを抱き寄せて。
「はなちゃ〜ん。・・ただいま、いい子にしてたぁ〜?」
ペロペロ舐められてる。
矢口もうれしそう。
- 132 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)00時25分21秒
クンクンクン。
「なんや、はなも矢口の匂い確かめとんのっ?」
ヒクヒクさせてんのが可愛くて。
・・ちゅうか、アタシらってやること一緒なん?
クンクンクンクン。
しつこいくらいふがふがさせてる。
久しぶりやからなのかなぁ?
「あぁ〜っ、判った!・・さっきまで“クッキー”抱いてたからだぁ!」
「あん?・・・ふぅ〜ん?」
そりゃ飼い主が、別のやつの匂いついけてきたら嫌やもんなぁ・・。
・・・それも、人間と一緒?・・ってかあたしと?
うっ・・そんなん、いややは、やっぱ。
ってことで、アタシの匂いを移すようにまたぎゅうって抱きしめる。
今度ははなごと一緒に。
「やぐちぃ・・・待ってたで・・むっちゃ逢いたかったぁ・・」
ゆっくりと顔をあげて、首を傾けた・・その時。
「あっ、そだ。・・・・裕子、裕子ぉ・・・お土産ぇ〜〜〜っ♪」
がくぅ・・。
相変らず、もぉ・・。
少しは場を考えぇ〜〜な〜んて心の中で毒付てみるけど、可愛い彼女が喜んでる
から・・それはそれで・・。
「・・ん?」
アタシは矢口の話しに耳を傾ける。
- 133 名前:kai 投稿日:2003年04月23日(水)00時39分21秒
今日はここまでにしまーす!
えと、最初にいい忘れたんですけど、このお話のなかの中澤さんと矢口さんは
ただいま同棲中だったりしまーす。(先に言っとけ!)
これは、アタシが大ファンの“シナノさま”(やぐちゅーでは有名なお方?)の
サイトで、書かせて頂きましたお話の続き物だったりしてます。(w
・・はい、なのでそちらも読んでいただけるとなにかと判りやすいかと?
この先は切なくなるような、でも限りなく甘い感じでどっちや・・。(汗)
なるだけ早く更新していきたいなと思っていますので、どうぞ読んでやってくだ
さいませ。
では・・
- 134 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月23日(水)07時34分38秒
- やぐちゅー&ハナちゃん可愛くて最高です〜♪
- 135 名前:マコト 投稿日:2003年04月23日(水)16時27分38秒
- あぁぁぁ!!始まってるぅぅ!!!
自分もシナノ様の所の読みましたよ。
いやぁあのときの中澤さんは格好よかった!
『犬は飼い主に似る』って感じがぴったりですね、今回の中澤さんとハナちゃん。
矢口さんのお土産が楽しみです!
- 136 名前:kai 投稿日:2003年04月23日(水)21時31分31秒
今日も更新がんばりまーす!
- 137 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)21時40分22秒
「あ、そだ。・・裕子、裕子ぉ・・お土産ぇ〜〜っ♪」
人が思いに耽ってんのに、・・まったく。かわいいけど♪
ソファーから降りて、手提げ袋をひきよせる。
うれしそうに取り出す彼女を見てたら我慢できなくなって・・
ちゅ!
頬に落とすと、不意打ちだったらしく口を尖らせた。
あはっ、・・かわいいなぁ・・その反応もっ♪
「ん?・・・おみやげ?」
「んぁ・・あぁ・・これ・・はい!」
「お、ええのにぃ・・・んでも、ま、ありがと♪」
なんやろ、ちっこいけど。
渡された包みを開くと・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・はい?
えと、これは・・キーホルダーですよね?
いや、行き先丸判りで・・ええねんけどな・・。
でも、・・なんちゅうか、あんまうれしくないよなぁ・・。
アタシの気持ちが思いっきり顔に出てたらしく・・
淋しそうな声で言うんや。
「・・・気に入らないの?」
って。
- 138 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)21時52分18秒
「やっ、ちゃうって、うれしいうれしい・・や〜んなんやこれ・・可愛いやん♪
・・ありがと!!」
も、そんな顔せんといてぇ・・。
やっ、矢口泣きそうやん。
うわっ、・・慌てて抱き寄せて。
「矢口ぃ・・うれしいよ・・ありがとな?」
「・・・・。」
「・・や〜〜ぐちぃ〜〜・・」
俯いてる顔を横から覗くと・・・・・ニヤけとる。
「くくくっ・・・・うっそでーーす!!」
「・・はぁ??」
「うっそ、・・ちゃんとしたの買って来たって・・・本命はこっち!」
大きなかばんをがさごそしながら。
「あれ、・・どこだ?」
ポイポイといろんな袋を投げ捨てて。
・・ってこの量はなんなん?
ちゅうかどうやって持ってきたのよ。
「はぁ・・・どないすんの、こんなにぃ?」
「ん〜〜・・メンバーとか、スタッフとか・・あと事務所にも買ってきたから
・・あれ?・・ないな・・」
そんなん饅頭一箱買ってくりゃ済むことやん・・律儀にまぁ・・・。
意外に矢口は、こういうとこがある。
- 139 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)22時11分55秒
「あったぁ!!!」
出されたらのは、大事そうに梱包してあった包みで。
ちゅうか、なんでこんなことしとんのよ、暇やなぁ・・。
「開けてみて?」
「ええの?・・そんじゃ・・」
丁寧に包装を剥がしながら、・・ん?
なんや、この木箱は・・。
箱を開けると、出てきたものは・・。
おおっ!!
「気に入るかわかんないんだけど・・・裕ちゃんこういうの好きかなって・・」
照れくさそうに頬をポリポリさせてる矢口を横目で見ながら。
アタシの顔が思いっきり緩む。
――ワイングラス。
ちょっとお店ではみたことないような。
うわっ、スゴイいい。めっちゃアタシ好みや♪
「みんなでさ・・ガラス工房みたいなとこ行ったんだぁ・・ちっちゃいとこなん
だけど、おじさんが一人でやっててね、・・体験とかも出来るんだって!」
「・・そうなん?」
光に当てながらグラスを眺めながら。
「うん。・・・あれみてたら、あぁ〜裕ちゃん連れてきたかったなって!」
「ええなぁ・・やってみたいなぁ・・」
「うん!・・・・・ぜったい、言うと思ったぁ!!」
にゃはっ♪
ってはにかむ姿に頬が緩む。
だって、旅先でもアタシのこと思い出してくれたってことやろ?
「・・でも、高かったんやない?」
好きだからこそ判る。
お土産にしちゃ・・・・これじゃプレゼントやもん。
「う〜〜ん。・・まぁねっ。・・んでもいいのっ、裕子に喜んでほしかったん
だも〜んっ!」
クスッ。
「・・ん。ありがと!・・むっちゃ気に入ったで、やぐちっ♪」
「どういたしまして!・・・・・・はぁぁ・・でも、よかったぁ・・」
- 140 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)22時25分38秒
「ん〜っ?」
「こういうのって、いろいろあるんだね?・・おいらよく判んないからさぁ・・
ちょっと迷っちゃったよっ・・。」
ポリポリ。
「そ・・かっ・・。」
一生懸命選んでくれたんや。
その気持ちが一番うれしいんよ、裕ちゃんは・・。
ソファーから降りて、矢口の前に座る。
目を見つめながら・・。
「ありがとう、やぐち。」
「・・ん。」
また、照れくさそうに微笑んだ。
かわええな。
「じゃさ、お礼にご飯食べに行こうか・・今日は豪華なもんおごっちゃるぅ!」
ええよなぁ。たまには。
・・寿司か? また焼肉でもええけどぉ・・・フレンチとか?
もう大奮発しちゃるでぇ・・なんがいい?
「ん〜〜、いいや。・・ウチで食べよう?」
「なんでぇ?・・今から作るの大変やない?・・矢口疲れてんのやろ?」
ポンポンってアタマを叩くと。
「うぅ〜〜っ、でも、久しぶりだから二人っきりでいたいんだもんっ♪」
・・やて。
どうするよ、矢口さん。
こんなに可愛くて・・なんかムズムズするんですけど。
- 141 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)22時37分11秒
「やぐちぃ〜♪」
きゅっと抱きしめると、腕が回ってきて。
久しぶりの甘い感触。
うっ・・この匂いやん。・・やぐち、やぐちぃ・・裕ちゃん離れてる間、むっちゃ
淋しかったんやでぇ・・。
キスを求めたら、目を瞑って。
・・その顔にドキドキした。
ちゅ!!
触れるだけのキス。
うわっ、やぐちややぐち♪
なんでやろう、いつもしてんのに・・鼓動が収まらない。
「・・んんっ。」
可愛い声が漏れる。
「・・好きや・・・」
「・・ん。・・」
我慢できずに、唇をなぞると・・ほんの少しだけ開けてくれるその一瞬を逃さない。
舌を差し込んで、ベロに絡めた。
やさしく、ゆっくり。
矢口も、・・合わせて同調してくれる。
- 142 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)22時49分47秒
「・・あんっ・・ん・・」
「・・や・・ぐち・・」
顎を持って、動かせないように押さえつけて・・そのまま奥まで伸ばした。
苦しそうに歪むその顔に、欲情してしまうんや。
激しく嘗め回して、・・息をつくためにそっと離れると・・今度は矢口からアタシの
中に侵入してくる。
うをっ!
どないしたんよ・・めずらしいな。
いや、うれしいけど。
顔がみたくなって、気付かれないようにそっと目を開けると・・頬を紅潮させな
がら一生懸命動かしてる。
フッ・・ちょっとキスには程遠いけどなぁ・・。
苦笑い。
回していた腕で支えながら、ゆっくりソファーに押し倒して。
小さい身体はすっぽりとアタシの腕の中に納まって、ちゅうしたまま着ているセー
ターを持ち上げる。
すべすべぇ〜♪
気持ちええ。
脇腹を通って、ブラの上まで移動してきたところで、気付いた彼女が目を開けて
訴えてきた。
- 143 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)22時59分01秒
「・・・ん?」
ええやん。
・・したいんやもん、なっ?
でも、彼女はブンブンって首を振る。
それでも、しつこく舌を絡ませて、強く吸い付いた。
「・・・んやっ・・んんっ!!」
首を横に動かしてアタシのキスから必死に逃れる・・。
あっ!
もう、ええとこやってんのに!
「・・なんで・・ええやん?」
「はぁ・・はぁ・・はぁぁ・・・」
ちょい長めのちゅうにちょっとだけ息切れ中。
アタシは構わず、首筋に唇を寄せようと屈むけど・・でも、突っ張られてから。
「や〜〜ぐちぃぃ〜〜!!」
情けない声やな。
「・・はっ・・も、ダメぇ・・」
「むぅ・・なんでぇ?」
「・・・・すること、いっぱい・・あるからっ・・」
「なんやそれ・・でも、これも大事なことやで、ちゃんと愛を確かめあっとこ?」
なっ?
もう一度キスしようとしたら、今度は顔を背けられた。
もぉ、なんでやのぉ〜〜っ!!!
- 144 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)23時09分30秒
「お願い・・させて?」
今度は可愛くおねだり。
・・なのにぃ・・。
「やっ・・・ダメぇ・・」
もう!!
裕ちゃんは欲求不満なんだってば。
3日もアンタに触れてなかったんやでぇ・・そんなんアタシからしたら拷問やん!
こんな可愛いやぐちが近くにいるっていうのに、触れられないなんて・・。
「やぐちぃ〜、・・したいよぉ〜。したい・・させて?」
「・・・・・。」
「なぁ、なぁ、なぁ〜っ!」
グイグイ袖を引っ張ると。
「やんなよ、伸びるじゃん!」
ってペシッって叩かれた。
むぅぅ。
アンタが可愛く誘ったんちゃうんの!
裕ちゃん、もう火ぃ付いちゃったのにさぁ・・。
「お願いします・・やぐちさん。」
アタシ、ホンマ情けないな。
今、思ったわ。
- 145 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)23時31分02秒
それなのに、起き上がって捲くれたセーターを直すんや。
・・こんなにお願いしてるのに〜っ!!
・・・・・・・。
・・・・・・・。
顔をつき合わせて。
なが〜い沈黙。
・・でも、アタシはひかないで。
じぃぃ・・。
した〜い、・・したいよ・・・した〜〜いんやも〜〜〜んっ!!
「あ〜〜っ、も、判ったぁ・・でも、今はダメだかんねっ!!」
「ええぇ〜〜、なんでや?」
「なんでじゃないよう!・・帰ってきたばっかだし、やることいっぱいあるの!」
「・・・やることって、なんなん?」
むすぅっと拗ねながら。
「・・だからっ、・・洗濯とか、ご飯も食べるんでしょ?・・それにさぁ・・久し
ぶりなんだよっ・・話とかしたいじゃん!!」
「・・むぅ・・」
「裕ちゃん、矢口のおみやげ話し聞きたくないの?」
「・・やっ、・・聞きたいけどさ・・」
・・でもや。
それはそれやろ。
「・・んじゃさ、いつするぅ?・・なっ、いつ?」
「・・・・・。」
「や〜ぐちぃ〜〜!」
腕をぐいぐい。
「もぉ〜、セーター伸びちゃうじゃん!!・・・んだから・・お風呂入って
それから・・・。」
ピクッ!!
犬やったら、尻尾ブンブン振ってるとこやで。
「ホンマにホンマ??」
「・・・・・ん。」
むすっとしながら、コクリと頷く可愛い子。
でもそれだけじゃぁ・・裕ちゃん、納得しないのよん!
「・・わかった・・そんかし、今日、一緒にお風呂な?」
「・・なんだよ、それぇ〜〜〜!!」
いいのっ!
アタシのウチでは、アタシが憲法やの!
今日は矢口と一緒にバスタイムやぁ♪
- 146 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)23時41分54秒
「・・みんなと一緒に入って、裕ちゃんとは一緒に入れないんかい!」
「・・・うっ。」
アタシかて、温泉行きたかった・・だからウチのお風呂で我慢や!
「なっ?」
「・・・・・。」
「ええの??」
「・・も、しょうがねぇ〜なぁ〜、・・言い出すと効かね〜んだから、ホントに!!」
呆れたように溜息付いて。
コクリと頷いたのを確認してから、キスをした。
でも、舌を入れようとしたら、突っ張り棒みたいにされて叶わなくて・・チッ・・
「でもま、ええかっ!・・楽しみやなぁ〜・・洗いっこしよっか♪」
そんなこと言ったと同時パンチが飛んできて。
いでっ!!
ソファーの上で蹲る・・。
- 146 名前:マコト 投稿日:2003年04月23日(水)23時41分54秒
- あれ?またまたリアルタイムでぇ(笑)
ホントに気が合いますねぇ。
kaiさん頑張って下さい!
- 147 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月23日(水)23時43分01秒
「・・みんなと一緒に入って、裕ちゃんとは一緒に入れないんかい!」
「・・・うっ。」
アタシかて、温泉行きたかった・・だからウチのお風呂で我慢や!
「なっ?」
「・・・・・。」
「ええの??」
「・・も、しょうがねぇ〜なぁ〜、・・言い出すと効かね〜んだから、ホントに!!」
呆れたように溜息付いて。
コクリと頷いたのを確認してから、キスをした。
でも、舌を入れようとしたら、突っ張り棒みたいにされて叶わなくて・・チッ・・
「でもま、ええかっ!・・楽しみやなぁ〜・・洗いっこしよっか♪」
そんなこと言ったと同時パンチが飛んできて。
いでっ!!
ソファーの上で蹲る・・。
- 148 名前:kai 投稿日:2003年04月23日(水)23時50分35秒
今日はこの辺で・・。
また明日更新できたらと思ってまーす!!
- 149 名前:kai 投稿日:2003年04月23日(水)23時57分03秒
>134さん・・はなちゃん可愛いですよねぇ〜。
なんとなく飼い主に似るというか・・今回は可愛い裕ちゃん目指してます!
>マコトさん・・すみません、せっかくのリアルタイムということなのに・・。
明日お仕事早いので今日はこの辺で。でも、毎日更新したいなとか思ってるん
でまたいらしてやってくださいね。(ペコリ)
まったくぅ・・また野獣になってるようとか思わずに・・。(w
次回はなんか一緒にバスタイムとかやるらしいっス!ははっ、どうなることか・・。
でも、ここノーマルスレだから・・ご安心を!
では・・
- 150 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月24日(木)00時10分22秒
- 今回は裕ちゃん、カワイイですね。
自分が憲法って・・・でも、矢口さんには敵わないんだろうけど(笑
更新楽しみにしてます!!
- 151 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月24日(木)17時30分59秒
- シナノさんの所に書いてある『本気のしるし。と正しい、同棲のすすめ。』最高です!!
これからも最高の作品を作ってくださいね☆☆
- 152 名前:kai 投稿日:2003年04月24日(木)21時28分40秒
今日も更新がんばりたいと思いまーす!
短いかもしれないけど・・お付き合いください!
- 153 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)21時38分26秒
********
洗濯して、軽〜く掃除した後、矢口はエプロンしながら料理に取り掛かってる。
あぁ・・疲れとるのに・・でも、アタシのために作ってくれてるんやもんな。
・・うれしいもんやで!
「もっ、な〜に食って生きてたんだぁ〜〜っ!!!」
冷蔵庫を開けるなり、第一声がこれ。
「・・な、なにって・・。」
「おいらが行く前とほとんど手付かずじゃんかぁ〜っ・・無くなってんのはビールだけ!」
「いやさ、舞台大変で・・しゃあないやん・・作ってる暇なんて・・」
しどろもどろ。
「いいわけ!」
ペシッってでこピンされた。
もう・・痛いがなぁ・・。
・・にしてもええなぁ〜。
やっぱりエプロン姿の矢口はかわええ〜♪
なんか、ちっちゃい奥さんみたいやない?・・・・・って違うんかい!
ちょこまか動いてる後姿を見てるだけで、ニヤケてまうんやけど。
・・・でも、なんか・・。
- 154 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)21時46分39秒
「にゃ〜〜ぐちっ♪」
肩に顎をのせて。
ぐりぐりする。
「なぁ、なぁ・・なに作っとんのっ?」
「あ、危ね〜だろっ、あっち行ってろよぅ!」
いやや、淋しいんやもん!
「なん、これ?」
「裕子!・・・危ないから、離れて!・・もう、火ぃ使ってんだぞ!」
「ん〜〜っ・・・んじゃ、ゆうちゃんもなんか手伝っちゃろか?」
ラブラブクッキングぅ♪
・・なのに
「いい!・・いらない、裕子いたら邪魔だから。」
って即答かい!
・・酷い言われよう(泣)
- 155 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)22時00分31秒
それでも構わず腰に腕を回しながら・・。
「なんこれ、カレー?」
「・・んにゃ、クリームシチューだよ!・・裕子好きでしょ?」
・・おうよ。
矢口の作るシチューは小麦粉から作る本格派。
手間かけるんやけど・・あっという間に出来ちゃうところがすごいんよなぁ。
「あっ、・・にんじんいれんといて!」
「ダーメ!・・わがまま言うなっ、・・ちっちゃくすれば食べられるでしょ?」
・・・「奥さん」っていうより、「おかん」やな。
でも、ママにぐりぐりしないか・・。
またぎゅうってしがみ付いたら、近くにあったオタマがコロンと転がって。
「あっ!」
「あ!・・・・もう、だから言ってんのにぃ・・あっち行ってろ!」
今度は強い口調で。
そんなぁ・・やぁぐちぃ〜〜・・。
それでも愚図るアタシに、キスしてくれて・・そのままソファーに強制送還。
あぁ・・もう・・なにいまの!!
むっちゃかわいいんですけど・・今日の矢口ってばっ♪
ソファーの上をバッタバッタと暴れ回っていると・・不思議そうな顔ではなちゃんが
見上げてた。
- 156 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)22時11分14秒
スゴイ量の料理がテーブルに置かれてる。
和食、洋食・・・ちゅうか、多すぎやない?
「だってぇ・・裕子食べないから、ダメになりそうなもの片っ端から作って
みたんだもんっ!」
「・・・・・・う、美味そうやなぁ〜〜♪」
向かい合って囲む食卓。
3日ぶりなのに、なんだか随分経った気さえする。
・・同棲する前は、そんなことしたこともなかったのになぁ〜。
「いっただきまーすぅ!!」
「いただきます!」
・・なんか、どれから手をつけていいのか・・。
だって、どれもこれも美味しそうなんやもん。
・・とりあえず、目の前にあった、煮物から箸をつけてみた。
パクリ。
「う、・・・・・おいひぃ〜〜〜っ♪」
よく煮詰まった大根がいい味出してて・・ものの30分程度でよくこれだけの
もの作れるよなぁ・・・。
アタシの反応に矢口はうれしそうだ。
「あ〜〜も、ゆうちゃん幸せやぁ〜〜っ!!」
「な、なに、言っちゃってんだよう!」
ぷくぅっと頬を膨らまして、・・でも、それ照れてるってことよ〜く知ってんで!
- 157 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)22時20分41秒
でも、それはホンマのことやしぃ・・。
「裕ちゃんな、・・・矢口と一緒に暮らすようになって・・ウチで食べるご飯楽しみ
になったんや!」
「・・・・・・・・。」
「前は、・・あんまり米とか食べてなかったんやけど・・今は、ぜったい無くちゃ
あかんもん・・・それくらい箸が進むぅ言うの?」
食に興味が無くて。
食べたいという欲求もあまりなかった。
でも、今は違う。
愛情込めて作ってくれた料理と、なにより・・矢口が目の前にいてるから。
“食事”という行為がとても大切なことだということを初めて知った。
- 158 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)22時26分17秒
「なぁ、・・・アンタ昔から?」
「・・へっ?」
「やっ、・・・料理得意やったんかぁ・・?」
なんか、知らなかったんやけど・・。
よくお菓子とか作ってきてたのは知ってるけどなぁ・・。
「あぁ、・・・・うんん。全然。・・ま、嫌いじゃなかったけどねぇ・・」
「ふぅ〜〜ん。・・・でも、それにしちゃ上手すぎやでぇ!」
「もう、そんな、褒めんなよう!!」
バシッと腕を叩かれた。
・・かあいい。・・・口元緩んでんで♪
これは、なんですか?
「うっ!・・・・おいしぃ〜〜っ♪」
- 159 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)22時36分42秒
ずっと黙ってアタシを見てた矢口が頬をポリポリして。
「・・あのね、・・・ホントはお母さんに教わった・・。」
「・・へっ?」
「あのさ、裕子が初めてウチ来たときあったじゃん?」
・・あぁ・・あの、自称『お嫁さんをください』の日なぁ・・。(苦笑)
うわっ、なつかしい・・。
「あれから、お母さんが教えてくれたの。・・もう、みっちりしごかれてさ!
仕事遅くなっても寝ないで待ってるんだよう・・。」
「・・・そりゃすごいな。」
「うん。・・・だから、最近だよ、こういうの作れるようになったのは・・。」
「・・そうなんやぁ。」
・・ええ、お母さんやないか。
「裕ちゃんな、・・最近どんなに遅くなってもビール飲みに行かないで、矢口の
手料理食べたいなぁ〜って思うようになってん!・・・・だから、仕事終わったら
まっすぐ帰るやろ?」
「・・・・・・。」
「矢口に逢いたいなぁ・・ちゅうのと、矢口が作った料理食べたいなぁ〜ってなって
・・・って、なんかこんなこというの、・・・旦那みたいやなっ?(苦笑)」
自分で言いながらおかしい。
そんな、アタシの熱弁にフムフム聞きながら、やっぱりそうか・・って呟いた。
「・・なん?」
- 160 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)22時51分20秒
「・・・・・・。」
「お〜〜い、やぐちさ〜ん??」
手をフリフリ。
「・・・なに?」
「・・いやさ、お母さんに・・相談したんだぁ。」
「・・なにを?」
「・・・・・・。」
「・・やぐち?」
なんや、言いずらいことなんか?
・・そして、渋々話しだす。
「・・だから、・・・裕ちゃんのことで相談したんだけど・・」
「・・アタシのこと??」
「うん。・・・・裕ちゃんと暮らすことになって、うれしいけどこれからは、ずっ
と一緒だから、浮気されたらヤダとか、そしたらどうしようとか・・」
「・・って、そんなこと言ったんっ?」
・・うをい!
なにを相談しとんねん!
「・・・・んで?」
「なんかいい方法ないかって聞いたら、これでイチコロだからって・・」
「・・料理で釣れってか?」
「・・う、うん。お母さんも新婚のとき・・お父さんに浮気されないようにって
いっぱい勉強したんだって・・そしたら、まっすぐ帰ってくるようになったって。」
・・まんまと引っかかったわけやね、お父さん・・。
って、アタシもかいぃ!!
確かに矢口のお父さん格好いいもんなぁ、・・・アタシ好みや。
「でも、・・裕ちゃんは浮気なんてしてないで!!」
- 161 名前:マコト 投稿日:2003年04月24日(木)23時03分20秒
- あははまたリアルタイムで…何かすごいっすね。
いいっすね、こういうの、『夫婦』っぽいっつーか…(←違うの!?)
- 162 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)23時05分04秒
・・って、一緒にすんなやっ!
ジロリ。
「・・ちょ、なにその疑いの目は・・!!」
してない!・・・してない・・・たしか、してないよなぁ・・?
いや、なんか、・・・したっけか?
「ほうら、やましいんじゃん!」
「ちゃうって・・・・ホントしてないっ!!」
どぎまぎ。
「ウソばっか!・・んじゃ、こないだ、加護にちゅうしてたのは、ダレですか?」
「・・はっ?・・・あれは、ほれ・・その・・スキンシップやん!」
・・いつもの恒例儀式や!
「・・・でも、唇だったぁ・・。」
「うっ。・・・・いやさ、・・・あっ、したことない、言うから・・なっ?」
教えてやってん。勉強や、社会勉強・・ちょっと苦しいな・・。
「なに言ってんだよう!・・辻としょちゅうしてるってぇ!!」
「・・・そうなん?」
「・・っていうか、したことないから、するのかよう!!」
・・・うっ。
「・・って、なんでこんな展開になっとんのよ・・矢口の料理の話ししてるんやろ?」
「だから・・裕子が浮気魔だから、矢口はせっせと料理の勉強してんじゃん!」
「・・だからっ、浮気はしてないって!!」
・・まさか、アンタキスのこともお母さんに言ったんちゃうよなぁ?
言ってみたら・・「うん!」って。
・・アンタら、仲いいにも程があるでぇ・・今度お父さんとこ飲みに行こう・・。
- 163 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)23時13分52秒
まったく!
でも、こういう喧嘩も離れてる間は出来なかったから・・。
それがうれしくて、アンタもふっかけてくるのやろう?
矢口の口元が段々緩んできて・・。
アタシも、・・つられて吹き出した。
そして最後は二人で大笑い。
ええよなぁ・・こういう喧嘩も・・たまにはな?
- 164 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)23時23分35秒
******
お腹が膨れるくらい食べてもーた。
美味いから、ついつい食べちゃうんよなぁ・・。
「なっ、・・ワイン飲もっ!!」
もちろん、アンタが買ってくれたグラスでな。
「・・・って、あんだけ食べて、まだ入るのかよう!」
「そんなん別腹ですぅ〜〜♪」
・・アンタの甘いもんと一緒!・・お酒は別のところに入ってくんですなぁ〜・・
裕ちゃんの身体は!!
照明なんか落としてみたりして。
グラスが違うだけで、こんなに雰囲気変わるもんなんやなぁ。
・・・っていうか、エプロンは外そうや、矢口さん。
「では、・・改めまして・・やぐち、おかえりぃ〜〜♪」
「ただいま〜っ♪」
「「かんぱ〜〜〜い!!」」
チン!
グラスを合わせるといい音が出た。
・・味も・・・やっぱ、違うな。・・アタシは、断然ビール派やけど・・うむ
矢口と飲むワインっていうのも、悪くないなぁって。
舐めるように口をつけてから、変な顔するのがかわいくて。
クスクス笑うんや。
「・・・苦い?」
「・・ん。・・ちょっとぉ・・でも、大丈夫ぅ・・」
もう一度付け。
でも、やっぱり変な顔して。
あ・・もう、なんで、そんな顔なのに、可愛いくて、抱きしめたくなるんよ・・。
- 165 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)23時31分48秒
「・・なっ、・・・・温泉どやった?」
「あぁ・・すっごい、キレイだったよぉ・・露天がいくつもあってねぇ・・みんなで
はしごしたりしてさぁ・・。」
懐かしそうに、遠くを見ながら。
「んでね、・・夜になると・・流れ星が落ちてくんの!」
「へぇ〜〜。・・それ、すごいなぁ・・。」
「うん!・・朝も、3人で入ったんだけど・・・朝焼けの富士山が綺麗だった
なぁ・・・。」
しみじみ。
「ええなぁ・・・行ってみたいなぁ・・」
「うん・・いいよね、おっきいお風呂って。・・裕ちゃんもくればよかったのにぃ!」
そりゃ、行きたかったで。
「行きたいなぁ・・・あと、さっきのガラスのもやってみたいしぃ・・」
「うん!・・・行こう!・・ぜったい、行こう!・・舞台終わったらすぐ行こう!!」
「はははっ!・・・気ぃ早いなぁ・・。」
「だって、決めないといつまっで経っても行けないじゃんかぁ!」
ま、そうやけど。
でも、ホンマに話し聞いてるだけで行きたくなった。
行けたらええなぁ・・・もちろん矢口と二人っきりで。
- 166 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)23時40分17秒
矢口が楽しそうに旅行の話をして・・アタシは、それに耳を傾けながらワインを
飲む・・。
・・・・・ちゅうか、一つ、気になることがあってんけどぉ。
「なぁ、・・・温泉って3人で入ったん?」
「へっ?・・・あぁ・・うん?」
当然じゃんって顔。
「・・・・・・。」
「・・なに?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「・・ゆうこ?」
「・・いやさ、・・・その、・・石川って、ええ身体しとった?」
ペシッ!!
「・・・ったぁ!!!」
もう、正直に言っただけやんかぁ・・そんな叩かなくてもええやん。
「アホぅ!!」
「・・・・冗談やんかぁ・・」
「スケベ!エロ!!・・・・・なんで、そんなことばっか考えてるんだよう!」
バシバシパンチがくる。
痛い、痛いてやぐちぃ・・ゴメンゴメンやから・・。
「もう!・・・だからごめんって!・・・叩かんといて!」
「・・裕子がアホだからじゃんっ!」
しゃあないやん!
みっちゃんと飲みに行くといつもその話題になんねんもん。
圭ちゃんは、怒って教えてくれへんし・・。おっちゃん二人に呆れてる?
- 167 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)23時50分31秒
「もう!・・・なんで、こんなに可愛い彼女がいるのに、他の子の“ハダカ”に
なんか、興味あるかなぁ・・」
むぅっとしながらもっともなことを言う。
「ゴメンやぐち・・裕ちゃん、矢口だけやっ、・・今のはちょっと言うてみただけ・・
本気でそんなこと思ってるわけないやろう?」
裕ちゃんは、この身体が一番!
そう言って、矢口のワイングラスをテーブルに置いてから、そのまま肩を抱き寄せ
て・・顎を掴んで唇を・・。
・・矢口は目を瞑ってそれを受け入れる。
「好きやで?」
「・・んっ・・・」
いつもの甘い感触とは違って・・今日のは、しいていうなら大人の味?
ワイン風味も悪くないなぁってい思うたのは心の中で・・。
もっと味わいたくて、口を開かせ舌を差し込むと、熱いそれがアタシのに絡み
ついてきて・・。
かわいい・・。
アタシ、今日この子にあてられっ放しで、もう、限界なんですけど・・。
そろそろ、ええよな?
「やぐ・・ち?」
「・・んぁ?」
とろとろの瞳。
うわっ、なんかエロいで。
「やぐち・・行こっ♪」
「ん・・どこへ?」
首を傾げて、ホンマに判らないって顔。
ちょうヤメテ・・やばいてその顔は・・なんかゾクゾクする。
- 168 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月24日(木)23時56分31秒
「・・な、お風呂行こう・・もう、待てないで?」
「・・・・・・・ん。」
しばらく考えて・・・コクリと頷いた。
・・矢口もしたくなってくれたんよな?
あかんは・・もう。
アタシは抱えるように彼女を抱き寄せながら・・。
ゆっくりと起き上がった。
よし、行こう、早く行こう!
もつれるようにして、バスルームへ向かったんや。
- 169 名前:kai 投稿日:2003年04月24日(木)23時57分59秒
今日は、この辺で・・。
また、明日更新できたらなと思ってまーす。(多分)
- 170 名前:マコト 投稿日:2003年04月25日(金)00時01分34秒
- 中澤さん、石川さんには圭ちゃんがいるんで…(笑)
でも、いいっすねぇ、温泉行きたいなぁ………ふぅ。
では明日の更新も待ってます!!
- 171 名前:kai 投稿日:2003年04月25日(金)00時05分09秒
>マコトさん・・またもうリアルタイムでぇ♪
合い過ぎますね!・・いつも遅くてすみません・・でもがんばってますのでまた
お願いしますね。マコトさんのレスないと不安になるぅ。(w
>150さん・・ゆうちゃんかわいいですか?
よかった。・・この前まで鬼畜なもの書いてたんでその反動なのかなとか思う
んですけど・・。この先もひたすらかわいく行く予定です・・多分?
>151さん・・前の作品読んでくださって、うれしいです♪
最高の作品ですか?・・・うわっ、んじゃ、もっともっとがんばらないと・・・。
なので、どうか、見捨てず読んでやってください!
レスありがとうございます!
なるだけ更新していきたいと思ってますので、また感想いただけたらうれしいです!
では・・また。
- 172 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月25日(金)05時09分13秒
- >151です。ちなみにもう一つの作品で勝手にファンになった者です。(笑)
見捨てるなんてそんなことあるわけないじゃないですか!!!
前の作品を何回も読んで続きが読みたいと、ずっ〜と思ってたんですごくうれしいです☆←これはマジですヨ!!
だから、応援し続けますよ!(^^)! これからも頑張って下さいね♪♪
- 173 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月25日(金)21時06分57秒
- 矢口さんがお父さんがタイプといい、石川さんの体といい
あんな可愛い彼女がいるのに・・・ホント浮気症だな裕ちゃん(苦笑)
更新たのしみです!!
- 174 名前:kai 投稿日:2003年04月25日(金)22時22分53秒
連日更新・・・がんばってまーす!(w
疲れてるときほど甘いものを書きたくなるアタシなので、・・今日のは・・。
また、相変らず意味もな〜く、いちゃこらしてるらしいです・・。
・・・読んでやってください・・。
- 175 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)22時31分42秒
*********
――ワインとキスの余韻で、ぼぉーっとなってる彼女の服を一枚ずつ脱がしてく。
矢口は、恥ずかしそうにしてるものの、されるままになって・・時折アタシが
視線を送ると、プぃと横向いてしまう仕草がかわいくて。
チャプッ・・。
・・いつもの体制。
アタシの脚の間にすっぽり身体を入れて、後ろから細いウエストをきゅっと抱き
しめる。
・・凭れかかって来る顔が、・・ちょっとだけ赤い。
「やぐち、・・酔ったんか?」
「・・んぁ・・う・・ん。・・少し?・・」
今日はそんなに飲んでないはずやのに・・。
ちっこいから、まわるのも早いんかなっ?
- 176 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)22時42分50秒
「・・それじゃ、あんま、浸からんほうがええで?・・・あ、裕ちゃん、アタマ
洗っちゃるわぁ・・。」
「・・・・ん。」
よっこらしょ。
起きあがると、もちろん矢口も一緒に立ちあがることになって・・。
・・ほんのりピンク色に染まった小さな身体が顔をだす。
ドキドキ。
気付かれないように、イスに促して、いつものようにシャンプーを取った。
―――髪を洗ってあげるのが、好きだ。
矢口は最初、嫌がった。
恥ずかしいのが理由らしいけれど、でも、今では、気持ちよさそうに身体を預け
てくれるから・・。
やわらかい髪質。
ちょっと、伸びてきたかなぁ〜なんて思いながら・・。
ゴシゴシ。
「はぁ・・・・ちっこいアタマやなぁ・・?」
「・・・・・うっさい!」
ゴシゴシゴシ。
・・なんとなくこの間が好き!
「・・・気持ちいい?」
「・・・・うぁ・・」
「ふっ、やぐちさ〜ん、・・・かゆいとこ、ありませんかぁ〜っ?」
いつものようにおどけて言うと、「ん〜〜っ!」ってくぐもった声が返ってきて。
- 177 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)22時51分34秒
ホンマに大丈夫かぁ〜?
・・ちょっと、飲ませすぎちゃったかな。
「あれ、やぐちぃ〜・・・・いつもみたいに、“背中ぁ〜”とか言わへんの?」
「・・・・・んぁ・・・ん、気持ちいい・・。」
くはっ、かわええなぁ。
俯いてる顔を横から覗き込もうとしたら、・・・薄ピンク色したかわいらしい
乳首が目にはいって・・思わずニヤケてしまう。
こうしてみると、お風呂っちゅうのも無防備なもんやでぇ。
・・なんか、悪戯したなって・・。
ニタニタ。
ツンツン。
人差し指で軽く突付くと、ぷにゅって変形して・・でもすぐに元に戻った。
あはっ、おもろい!!
もう一度・・。
ツンツンツン。
今度は少し強めに・・。
「・・・・・うっ、やっ!!!」
矢口が気付いて顔を上げる。
あ・・っ。
- 178 名前:マコト 投稿日:2003年04月25日(金)22時58分29秒
- おぉぉ!三日連続リアルタイム!何かほんっとに気が合いますなぁ(笑)
- 179 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)23時03分15秒
「やぁ!・・ゆう、ヤメ・・・・・・ったぁぁぁっ!!!!!」
「・・・やぐちっ?」
顔上げた瞬間、流れてきたシャンプーが・・。
「あ、もうなにしとんの・・目ぇ開けるからっ・・・・ほらっ!!」
「・・痛い・・・ったいよ、ゆうちゃ!!!」
湯船で泡をジャブジャブして・・そのお湯で何度も洗ってあげる。
手を伸ばして、タオルをとってそれを顔に押さえた。
「・・・・ったい!!・・染みるよう・・。」
ゴシゴシ。
「・・大丈夫かぁ?」
顔を上げた彼女のそこは、真っ赤に充血してて。
・・これは・・・アタシのせいか?
「・・やぐち?」
「もう、痛かったよう・・・・って、なにすんだよっ、裕子ぉ!!!」
バシッ叩かれた。
「んぁ・・・ゴメンゴメン・・・かわいかったから、つい、なっ!」
「ついじゃねーよっ、ば〜か!!」
ふっ、元気が戻ったみたいやね?
「だって、しゃあないやんっ、・・矢口の乳首がちっこくて可愛かってんも〜ん♪」
「・・あ、アホぅ!・・・・・可愛い言うなぁっっ!!」
真っ赤になった頬は、お風呂のせいだけでもないやろう。
- 180 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)23時10分19秒
「やっ!・・ゆう、ヤメ・・・・ったぁぁぁっ!!!!」
「・・やぐち?」
顔をあげた瞬間流れてきたシャンプーが・・。
「・・・・たぁっ・・・痛いぃ・・・痛いよう!!」
「あ・・もうなにやっとんのっ・・目ぇ開けるから・・・・ほらっ!」
ジャブジャブと泡を流して、湯船のお湯で顔を洗ってあげる。
何度も何度も繰り返してから・・タオルでぎゅって押さえた。
「・・・痛いよう・・染みるぅぅ・・」
ゴシゴシ。
・・・これって・・アタシのせい?
「・・大丈夫かぁ?」
顔を上げさせると、・・・あぁ・・ちょっと赤くなってんなぁ・・。
- 181 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)23時18分29秒
「ほらっ、判ったから・・・・んじゃ、流すでぇ・・目ぇぎゅっとしとき?」
「もう!・・・・すんなよ・・ばかぁっ。」
ブツブツ言いながらも素直に瞼を閉じるとこが可愛い。
・・でも、今度は胸を隠すように腕でロックしてて。
さらさらの髪が気持ちいい。
みるみるうちに、泡が流されていく・・。
それを見てるのが、なんだか心地よくて。
トリートメントで仕上げると、そのままアタマを撫でた。
「ほい、おしまい!」
「・・ん。・・ありがと・・。」
手で梳かしてあげると照れくさそうに微笑んだりして。
- 182 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)23時27分04秒
そんな矢口の態度に・・口元も緩んで。
「・・ええよぉ。・・・・なんなら、身体も洗っちゃろかぁ?」
「・や、ヤダっ!・・も、えっちぃ!!」
ってまた、パンチ。
どうでもええけど、痛いんですけど・・・さっきから!
・・少しは力加減せい!
「ふぅん・・・・なんや、残念。」
言いながら、今度は自分の髪を洗い始めて。
アタシが洗ってる間、矢口は自分の身体を洗って・・それが終わると湯船に浸か
りながら、ほげぇとこっちを見てた。
「・・・はぁぁ・・」
「・・なに、溜息ついとんのぉ?」
身体を洗いながらおかしそうにたずねる。
「・・ん〜〜っ?」
- 183 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)23時36分37秒
大丈夫かぁ・・矢口ぃ?
「やぐち?」
「んぁ・・・・はぁ・・・ゆうちゃん、キレイだねぇ〜?」
「・・はぁ??」
なんや、急に?
酔っ払いの戯言か?
「きれい、きれいなんだもん・・・キレイだよう・・。」
「・・・ありがと?」
一応褒められてるわけやしな。・・うん。
ポリポリ。
「・・・なんか、なんかさぁ・・」
「・・ん〜っ?」
「なんか、・・・・・裕ちゃんの指が気持ちいいから・・。」
「はぁ?」
今度はなんや。
「だって、すごい、気持ちいいんだもん、裕ちゃんに洗ってもらうのっ!」
「・・そうなの?」
ニヤケながら、泡ぶくの自分の手を見下ろす。
- 184 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月25日(金)23時48分08秒
「気持ちいい・・すっごい。・・おいらねぇ・・自分で洗うの最近ダメなのぉ・・」
なんか、行動もしゃべり方もどこかほげほげしていて。
「・・なにが、ダメなん?」
聞いてみたりした。
「ん〜っ?・・・なんか、なんかね・・・・痒くなるの。」
「・・そうなんや?」
「・・ん。・・ね、なんで?」
はっ?
なんで、って言われても・・。
「・・だって、裕ちゃん、美容師さんより上手いよっ、ね、なんで、裕子はそんなに
気持ちいいのっ?」
う〜〜〜〜ん。
自分じゃ判らへんしなぁ・・。
「わからんけどぉ・・・矢口に気持ちよくなって欲しいって思うてるからなんかなぁ?」
「・・・なんだよっ、それぇ〜!」
「だってそうなんやも〜んっ、んなの、他の人にしたことないから、判らん!」
「・・・えっ、・・そ、なんだ・・。」
ニマッ。
おっ、うれしそうに。
口元緩んでんでぇ・・やぐちぃ♪
- 185 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)00時15分18秒
かぁいいな、もう。
「そ!・・・アタシの指は、矢口を気持ちよ〜くするために、あんねんなぁ〜
これがっ♪」
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・。
「なにを、考えとんねんっ!!」
「そ、そっちこそっ!」
言いながら
二人で顔を見合わせながら苦笑い。
「ふふぁ・・んじゃ、これからやぐち専属なっ!・・痒くなんないように毎日
裕ちゃんが洗ってあげるから・・?」
「・・ば〜かっ!・・・・したら、毎日一緒に入るようじゃんか!」
「・・せやで。・・・ずぅ〜〜っと一緒やっ♪」
洗い流して立ち上がると、
当たり前のようにスペースを開けてくれるのに、また頬が緩んで。
・・矢口のちっこいアタマがアタシの肩に収まった。
- 186 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)00時26分03秒
今日はやけに、素直なんやなぁ?
「・・ふぅぅ。・・」
あれ、なんでアンタが溜息なん?(苦笑)
濡れた髪が色っぽい。
ちょっとだけドキドキする。
「・・やぐち、髪伸びたなぁ〜〜?」
梳かすように撫でると、気持ちよさそうに目を瞑って・・。
「ん〜〜っ。・・・でも、そろそろ“イメチェン”しよっかなぁ・・?」
「ふぅ〜〜ん・・どんなんにするん?」
なんでも似合うから。
でも、アタシはこの髪型も気に入ってるんやけどな。
「ん〜〜と、・・久しぶりにパーマしよっかなっ♪」
パーマか。
それもええけどな。
でも、こんなにサラサラやのにもったいない。
この感触も好きやったから・・。
「・・パーマ・・・んじゃ、“ラブマ”んときみたいにするんかぁ?(ニヤリ)」
ゴン!!
「・・っで!!」
「・・も、それを言うなぁぁぁ〜〜っ!!」
・・・怒られた。
ま、剥きになるのが見たくてわざと言うんやけど・・。
なんか、それは・・禁句らしい・・。
・・あれはあれで、可愛かったのになぁ。
- 187 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)00時38分35秒
「それより・・・・もっと旅行の話し聞かせて?」
「・・・・・うん。」
密着しながら、耳を傾ける。
矢口が遊園地の話を楽しそうにしていて。
「それでね・・・・だ〜れもいなかったんだよう、お客さん!」
しゃあないわなぁ・・んな、温泉街の遊園地なんて・・しかも平日やし・・。
「したら、バレなくって、よかったやん?」
「ん〜〜っ。・・でも・・働いてる人たちには、バレバレだった!」
「あはっ。・・・モーニング娘。が3人もいたらなぁ・・ビックリしてたんちゃう?」
「うん!・・・・なんで、こんなとこにぃ!って顔してた・・。」
ハハハっ、そら、おもろい。
「それ、みんなで行ったん?」
「うんん。・・・お母さんたちは別行動でねぇ・・なんかお花の展覧してるとこ
行っちゃって・・。」
「・・・・圭ちゃんは?」
圭ちゃんは、昔からアタシと一緒で遊園地なんて苦手って言ってるようなタイプ
だったから・・。
- 188 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)00時46分03秒
「あぁ・・最初すごい嫌がったんだけど・・梨華ちゃんと、弟くんががんばって
さ・・・・結局はみんなで行ったんだぁ・・。」
「・・へぇ・・圭ちゃんがねぇ・・」
ま、あの石川にせがまれたら、断れないかもなぁ・・。(苦笑)
「でもねっ!・・・行ったら行ったで、一番はしゃいでたんだよう!!」
「ふははっ。・・・そんな感じするわなっ♪」
・・卒業旅行かぁ・・。
楽しそうに話してるけど・・・ホンマは切なかったんちゃうかなぁ・・。
「・・・・ゆうこ?」
「んぁ?・・あぁ・・なに?」
くるりと振り返って、じぃっと見上げてくる。
ん?? どうした??
- 189 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)00時55分29秒
「・・ゴメンね・・・ゆうちゃん・・。」
神妙な顔して・・。
どうしたん、急に?
ん?・・なんで、謝っとんのよ、アンタ??
「・・なにがや?」
真っ赤に茹でった頬をさすって、顔を上げさせた。
そんな矢口は、アタシの手に自分の手を重ねてから。
「・・だって・・・・裕子大変なときに、やぐちだけ遊んできちゃってさ・・」
な〜んや、そういうことか。
もっ!・・・でもこういう気遣いやなとこ、めっちゃ好きなんやけどな。
「なに、言ってんのや、もう・・。・・・ゆうちゃんがそんなこと思うわけない
やん。・・・矢口が楽しんで来てくれたことのほうがうれしい。・・・それに、
お正月あんなにがんばったんやから・・それくらいして当然やんっ!
・・・ゆうちゃんは、そんなに心の狭いやつちゃうでぇ・・!!」
笑いながら・・。
確かに淋しいって思ってたのも事実やけど。
いて欲しいって思うたのも、ホンマのことやけれど・・。
- 190 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)01時11分26秒
――それでも、納得してないような顔してるから・・。
「・・ほんじゃ、アタシの話しもしようかなっ♪」
矢口がいない間にいろんなことがあった。
毎日、直前に変更される大変な舞台。
・・少しくらい、愚痴りたくもなる・・。
だから、今日はとことん話そうやっ♪
3日分の空白を埋めるかのように・・・。
・・・・・・・・
・・・・・・・・
「でなっ、・・・・そんとき“欽ちゃんさん”がさぁ・・・」
向かい合って抱っこしながら。
矢口は楽しそうに耳を傾ける・・アタシの失敗談を、ときにはケラケラ笑ったりし
て・・。
目の前に矢口がおるぅ。
アンタがいてるだけで、こんなに温かい気持ちになれるなんて・・。
「・・・・なんよ・・まいるよなぁ・・もう、むちゃくちゃやでぇ!!」
「ひゃはははっ、そだねぇ・・・・でもさ、裕子、一言だけ言っていい?」
ちょっと真面目に見上げてくる顔。
なんやねん??
「あのさ、・・・なんか、“欽ちゃんさん”って言うの、変だよう!!」
・・・・・・・・。
確かにな・・。
んでも、なんて呼べっちゅうねん・・・“欽ちゃん♪”なんて死んでも呼べへんで
いや、家なら呼べるけどさぁ・・。
だったらぁ・・みんなみたいに“大将”ってかっ!
・・・・・んなもん、言えるかぁ〜っ!!
- 191 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)01時28分09秒
・・でも・・確かに・・言われてみればな・・。(苦笑)
「せやんなぁ・・・・なんか、“アグネスチャンさん”言うてる時みたい
やもんなぁ・・・あははっ!!!」
・・・・・・・
「はぁ?・・・・ダレ???」
首を傾けて、ホンマに知らんって顔。
・・・・・・・。
時たまこうして、年齢差を感じるときもある・・。(哀)
「ふぅ・・・・・あがろうかぁ・・。」
立ち上がると、一緒に矢口もついてきて・・ほどよくいい色に熱った身体が顔を
出した。
- 192 名前:kai 投稿日:2003年04月26日(土)01時37分20秒
ここまでにしまーす!
今日は、ちょっとゆったりめで更新してみました。(汗)
そして次回からは、なぜか矢口視点でお届けする予定です・・。
終わりも近いんですけどね・・。
では・・
- 193 名前:マコト 投稿日:2003年04月26日(土)01時40分04秒
- 大量更新お疲れ様です!!
矢口さん酔っ払ってますねぇ(笑)
>マコトさんのレスないと不安になるぅ
いやぁ恐縮です(照)
終わりが近いんですか?寂しいっす!
- 194 名前:kai 投稿日:2003年04月26日(土)02時05分30秒
それから訂正。
>180は、消えたと思ったらちゃんとレスってて・・なので、消去です。
読みにくくなってすみませんです。(ペコリ)
レス返しぃ〜♪
>マコトさん・・3日連続ですか。(すげぇ)
みなさんのようにコピペでやれたら早いんですけどねぇ・・・相変らず遅くって。
申し訳ないです。・・あぁ温泉私も行きたいです!まったりしたいよぅ・・。
>172さん・・ありがとうございまーす!!
いやぁ、もう、そんなそんな・・恐縮です・・。何回も読んでくれているという
言葉はなによりうれしいです。同棲前の話しとかもあるので機会があったら出して
いきたいなと思ってます。・・エロ多し・・(苦笑)
>173さん・・浮気性っていうのは、裕子の定番キャラなのかな?
あんな可愛い彼女いるのに、いろんな女の子に手ぇ出して・・もう!!
あり・・違う?(W
えと、なんかタイトルと関係ない話しになりつつあるんですけど・・。(汗)
ま、それはそれで・・(いい加減)
日曜日までに終わらせたいなと考えてるので、最後までどうぞよろしくお願い
しまーす!・・・・では・・
- 195 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月26日(土)20時01分29秒
- 中澤さんもですが、素直な矢口さんも可愛いですね!!
風呂場でイチャイチャ・・・ホントこの2人は(苦笑
更新たのしみです。
- 196 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月26日(土)20時36分32秒
- 何かいつもより甘えたな中澤さんが可愛いですね。
続き楽しみにしてます。
- 197 名前:kai 投稿日:2003年04月26日(土)23時15分49秒
BSの尾崎特集を観てたら、遅くなってしまいした。(汗)
・・今日はお休みしようかと思ったんですけどね。・・
・・待っててくれた人とか、いるのかなぁ〜?
えと、短いですが、更新がんばりまーす!!
- 198 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)23時23分22秒
********
ソファーの上でほげぇっとくつろいでいると。
バスタオルでゴシゴシさせながら、リビングに入ってくる裕ちゃん。
ドスッ!!
わざと、音が立つように、おいらの隣に座り込む。
・・小さな身体が、バウンドした。
「・・ま〜〜た、飲むのかよう!!」
「むぅ。ええやん・・もったいないしぃ・・。」
さっきまで飲んでたワインのボトルを掲げてきたから、開口一番こう言って。
・・酔うとヤラシクなるから嫌なんだよね。甘えてくんのは可愛いんだけどぉ。
「ほい、やぐちのっ♪」
渡されたのはポカリスエット。
「あんがと!」
プルタブを開けて、ゴクゴク飲んだ。
プハァ―。
うまい!!
ちょうど喉かわいてたんだ。
やさしいね、ゆうちゃん。
- 199 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)23時34分13秒
「あぁ、もう、・・アンタ、ちゃんと髪乾かしやぁ、風邪引くやろっ!!」
・・ったくぅ。
とか言いながら、ニヤケつつも、首に巻いてたタオルでゴシゴシされて。
おいら、・・なんか今日、子供みたい?
でも、甘えたい気分なんだ。
裕子もそれが判って、世話を焼いてくれてる感じ?
・・・いや、裕ちゃんはいつもこうかな?
ドライヤーで、乾かしながら、おいらは大人しくされるままになってる。
あぁ・・・気持ちいい。
きっと、トリミングされてる犬もこんな気持ちなんだろなぁ・・。
「なぁ、・・ビデオとか撮らんかったの?」
「・・・へっ?」
音がうるさくて聞き取りにくい。
なんか、言った?
「ビデオやビデオ!・・・・持ってかなかったん?」
今度は、ドライヤーを脇にずらして。
「あぁ。・・・圭ちゃんが持ってくっていうからさ・・・あとで、借りて一緒に
観ようね?」
「おう。」
- 200 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月26日(土)23時46分49秒
――また熱い風が、髪をなびかせる。
「・・んでも、写真は撮ったよ。・・・・・デジカメで!」
「へぇ・・・んじゃ、後で見ようや?」
「うん!」
後ろ髪を持ち上げて、美容師さんみたいに・・。
・・ね、なんかこういうの、よくないぃ?
こんなこと出来んの、女の子同士だからだよねぇ?
ゴォ―。
その音に負けないようにおっきい声でお話しするんだけど・・。
「・・・でさ、・・富士山の朝焼け、ばっちり撮れてると思うんだぁ・・あと!
あん時の朝風呂した写真・・3人でバシバシ撮ってさ、もう、あれ、ぜぇったい
ギリギリショットだよう・・・きゃはははっ!!」
「・・・・はい?」
・・・・・・。
「あ、・・なんだよ、裕子ぉ・・ちょっと、どこ行くのぉ――っ??」
ドライヤーを頬リ投げて、寝室へ消えていく。
そうして、あっという間に戻ってきた彼女は大きめのかばんを抱えてきて。
「矢口、どこやっ、・・・・カメラ・・早く出して・・ほら、観よっ♪」
「・・・・・・。」
「このかばんか?・・・・・・なにしとんの、早くぅ!!」
もぉ――っ!!
なんなのなんなの?
ワクワクしてんじゃね―!
- 201 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)00時11分41秒
「・・はぁ・・言うんじゃなかった・・まだ、乾いてないのにぃ・・」
まったく、ブツブツ言いながら、自分の髪をバサバサする。
あぁ〜ぁっ、ゆうちゃんにされてんの、気持ちよかったのにさ・・。
でも、ま、おいらも見たかっから・・いいけど。
不機嫌の顔を作ったまま、彼女が持ってきたパソコンにセットして。
裕子はそんなおいらの身体を後ろからきゅっと抱っこしながら、今か今かと待ち構え
てる。
・・・そんなに観たいか?
もう!・・足バタバタすんなっ!
・・コドモかよっ!!
- 202 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)00時24分15秒
*******
次々に出される写真を見つめながら、そのつど矢口は解説したりして。
「うわっ、ホンマに7人で行ったんやなぁ・・。」
しみじみ言う裕子に苦笑した。
・・そうだよ。
そりゃ、すごかったさ。
でも、お母さん同士も仲良くなっちゃって・・今度二人で旅行行く計画してた
くらいだから。
にしても・・・不思議な旅だったなぁ。
「や〜〜ん。やぐちや、やぐちぃ〜〜かわええ♪」
「・・・・・・。」
「これ、どこ?」
「・・これは、ねぇ・・・・・・」
----------------
「あっ、・・・圭ちゃんもええ顔しとるなぁ?」
「・・・・・・うん。」
「よかったなぁ・・初めてやろっ、圭ちゃんと旅行したの?」
「・・・うん。そだよ。」
初めてで・・・そして・・。
いんや、考えたくない。
これからだって・・少し、離れちゃうだけじゃんか。
本当に行ってよかったと思った。
こうして見てると、昨日のことなのに懐かしささえ感じるから不思議。
――圭ちゃんが笑ってる。
圭ちゃんと、ずっと一緒にいた。
朝も昼も夜も・・ずぅ〜〜と・・。
あっ!!
- 203 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)00時36分58秒
遊園地の写真に続いて、富士山の朝焼け写真に変わる。
「うわぁ〜〜っ、・・・よく、撮れてるやん?」
「・・ん。・・・すごいでしょ?」
3人で温泉に浸かりながら、しばらく無言で見つめてたっけ。
キレイだねぇ〜なんて言いながら。
それから、一転して温泉の写真。
3人ともテンション高くなって、バシャバシャといろんなの撮りまくったっけ!
「あっ、・・たぶん次だよっ、・・圭ちゃんの“半ケツ”写真っ!!」
「・・・・・・。」
「あっ、・・・あに、すんだよっ、裕子ぉ!!」
「・・っなの、見たないがなっ、クリックやクリック・・。」
あぁ・・・・見たかったのにぃ〜!
「むぅ・・・・いいもん!・・・後でプリントして、楽屋に持って行こ〜っ♪」
「・・・・・やめなさい。」
楽屋に置いといたら、みんなビックリするかなぁ?
ひゃはははっ、おもしろそ〜♪
「わ〜〜おっ!!」
「あぁ!!・・・も、ダメ、消すぅぅ!!」
出てきたのは石川のちょうギリギリなやつで。
・・いや、撮ったのはおいらなんだけどさ。
「ほぉ・・・やっぱ、ええ身体しとんのねぇ・・」
むぅ。
・・んだよ、それ!!
いいよ。・・どうせおいらは、おっぱいちっちゃいさ!!
- 204 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)00時49分25秒
「ばかぁっ!!」
「ん〜っ?・・・なに怒っとんの、やぐちぃ?」
ば〜かば〜か、エロおんなぁ!!
なに、喜んでんだ、もぉ――っ!!
「よだれ、垂らして、見てんじゃねぇ〜!!」
言ったら。
「・・・垂らしてへん!」
一応、手で確認してるあたり、やましいんじゃん。
・・んで、無理矢理次へクリックしちゃう。
まったくぅ・・・・・あっ!!
画面を見つめながら、・・二人で・・唖然。
「ちょ、・・・どこがギリギリやねん!・・・・やぐちぃぃ〜っ!」
「やべっ。・・・あ。・・・圭ちゃんだぁ!」
・・裕ちゃんにお土産って言ってたの、これのことだったのかよう!
ったく、油断も隙も無いんだから。
「ちょ、・・・なに撮られとんねん!・・勝手にひとのお宝見せるなやぁ!」
「・・はぁ?・・・なに、いつから、矢口のおっぱいが裕子のものになったん
だってぇ!!」
・・なにを言い出すんだぁ!
「・・んなもん、決まっとんの。・・・矢口の身体はぜ〜んぶアタシのもんや。
・・くっそ、いまになって行かなかったことがこんなに悔まれるなんて・・」
ブツブツ。
なに、言っちゃってんだよ、裕子はもう。
- 205 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)00時56分48秒
でも、ほら、・・すぐに開き直っちゃうのが、この人なんだよねぇ。
「なっ、・・この写真プリントしよっ。でっかく!!」
「・・アホ!・・・・んなことするか、バカっ!!」
「ええやん♪・・・そだ、・・待受画面にするから、メールして!」
「やだよっ!・・誰かに見られたらどうすんだ!!・・つうか、もうヤメ!・・消す
消去しちゃう!!!」
カーソルを動かす手を、慌てて止められて。
そうして、動けないように腕を掴まれる・・。
もう、恥ずかしいよう。
でも、初めて見る自分の身体は、こんななんだ、と思った。
・・・・悪く・・ないよね?
おっぱい、ちっちゃいけど。
- 206 名前:マコト 投稿日:2003年04月27日(日)01時06分56秒
- よ、四日連続…すごいな、ほんとに…。
自分もBSの尾崎豊のみてましたよ(笑)
- 207 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)01時08分51秒
あぁ・・でも、お父さんに見せなくてホントよかったな。
なんとなく、やばそうなのもあったから・・後でプリントしたやつねって言っと
いたんだ・・。
・・・・こんなに見せたら・・・ねぇ・・。
・・っていうか、こいつ!
ニヤニヤして見てんじゃねぇ!
自分の彼女だろうがよう・・ホントに好きだよねぇ・・おっぱい。(違う?)
――次々に写真が画面に写されて。
おいらは、抱きしめられたまま・・それを見る。
・・そして、・・自然と楽しそうにしてる二人に目がいくんだ。
・・卒業旅行か・・。
もうすぐ、圭ちゃんが卒業する。
矢口にとっても、かけがいのない人。・・最後の同期だし・・?
・・・もうすぐ、おいらは、ひとりぼっちだ・・。
なんだか、切なくなって涙が出そうになった。
あの時はそんなこと一度も思わなかったのに・・・なんでだよう・・。
- 208 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)01時18分55秒
――そんな矢口の状況を知ってか、知らずか。
「なぁ、・・・・石川、どやった?」
「・・えっ?」
さっきまでおちゃらけてたのが、一転、真剣みをおびた声に身体が固まって。
「・・・・・大丈夫やろかぁ?」
「・・・・・・。」
やさしい人。
卒業した今だって・・みんなから慕われてる。
きっと、裕ちゃんのこういうとこが人を惹きつけるんだ。
まだ、2ヶ月あるけど・・それは、あっという間だということをおいらたちは
知ってるから・・。
「・・うん。・・・ゆうちゃん、おいら、圭ちゃんに聞いたんだぁ・・どうすんの?
って・・・。」
「・・・・うん?」
「圭ちゃんさ・・・石川次第って言うんだよう・・ね、どういう意味なのかなぁ・・
梨華ちゃんが、無理って言ったら別れちゃうの?・・・そんなこと、ないよね?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
泣きそうなおいらの身体を抱きしめてくれる。
ぎゅうぅって。
- 209 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)01時26分06秒
なのに・・
やさしいその腕とは違う言葉が聞こえてきて。
「・・判らんけど・・・でも、ちょっと離れるくらいでダメになるなら・・さっさ
と別れたほうが、お互いのためやで?」
「な、なんだよ、その言い方ぁ!!」
なんでそんなこと言うの?
そんなふうに冷たく言わないでよ!
・・こんなの裕ちゃんらしく、ないじゃん。
「・・・・・でも、これは二人の問題やから・・アタシは圭ちゃんの気持ちがよく
判る・・。」
「・・・・・・・。」
「やぐち?」
「・・・・・・。」
「やぐち?・・・やぐち??」
ぎゅうぎゅう締め付けられて、おいらは口を開くんだ。
- 210 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)01時33分22秒
「・・梨華ちゃんさ、ずっと楽しそうにしてたんだけど・・でも、たまに圭ちゃん
見てるとき泣きそうな顔してさ・・・圭ちゃんも気付いてたみたいだけど・・」
「・・・そっか。」
「・・うん。・・・・・上手くいって欲しいよ、・・矢口は。」
・・本当に。
これからが、一番辛いのおいらは経験上知ってるから。
「・・せやな。・・・・支えてやって欲しいな・・圭を。」
「・・・・・えっ?」
「・・たぶん、いま、・・・めちゃ不安やと思うし・・」
裕子の頬がくっつかってきて。
目の端に見えた瞳は、どこか遠くを見ていた。
そしておいらは思いだすんだ。
ごっつぁんが卒業する前の日のアナタの言葉を・・。
- 211 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)01時43分05秒
・・置いてかれるほうが辛いんだと思ってた。
やりたいことを見つけて・・楽しそうにさっそうと飛んでってさ・・。
残されたおいらたちが、どういう気持ちでいるかなんて考えもしないんだろう。
・・って。
そんなふうに思ってた。
――裕子の卒業。
あんな苦しかった一ヶ月なんて、ない・・。
泣いて泣いて泣きわめいて。
淋しくて、辛くって・・・そして、どうしようもなく不安で。
おいらたちどうなっちゃうの?
矢口は、裕子に捨てられちゃうんだ。
・・おいらは、コドモだったから。
そして何度も裕子にあたった。
“ちゃんと矢口の気持ちも考えてよう!”
“ちゃんと言葉にして、安心させて!!”
・・だから、気付きもしなかったんだ。
“はいはい”宥めてくれる彼女が、実はどんな思いしてたかなんて。
- 212 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)01時51分43秒
――あれは、ごっつぁんの卒業式前日。
狭い廊下の隅で、なっちのことを相談されてる裕子の姿をこっそり見ていた。
・・・そして初めて知ったんだ。
裕ちゃんも苦しんでいたことを。
置いてかれるほうより、置いてくほうが本当は何倍も辛いんだって。
苦しみながら、泣いてるごっつぁんが、あの時の裕子に見えてきて。
切なくて、申し訳なくて。
ごめんね・・矢口コドモで。
・・・なんにもしてあげられなかった。いつもしてもらうばっかりで。
裕ちゃんは、相談することも、話をすることさえ出来なかったんだ。
だから何度も心の中で謝った。
ゴメン裕子。・・ごめん、ごめんなさいって。
- 213 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)02時01分20秒
--------------
「矢口ぃ・・・・アンタはどやの、・・・大丈夫かぁ?」
「・・えっ?」
・・・・裕ちゃん?
「ん?・・・・淋しくないか?・・大丈夫かぁ?」
アタマに手が置かれて。
見つめてくる瞳。
なんでだよう!
なんで、いつもこんなにやさしくするのぉ?
「矢口ぃ・・・ゆうちゃんはな、そら、圭も、石川も・・心配やけど・・・・アンタ
のほうが一番心配なんやで・・・ホンマは辛かったんちゃうか?」
いつだって、おいらのことを最優先してくれる。
ゆうちゃんは、昔から・・変らない・・。
「・・・・・・ん。」
返事しながら、裕子の膝の上によじ登る。
当たり前のように回してくれる腕がうれしくて。
「・・・・・ゆうちゃぁんんっ。・・・」
「ん〜〜っ?」
「ゆうちゃん・・おいら、おいらね・・。」
何回やっても、慣れなくて。
なんで、いつもこんな思いばっかしなくちゃいけないんだよっ!
トントントン。
背中を叩く手のひらに、ゆっくり呼吸してから。
- 214 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)02時14分46秒
「裕ちゃん、まだ実感わかないけどさ・・・おいら・・泣いちゃうかも、しん
ない・・。」
「・・・・せやな。」
この半年は、不思議な感じだった。
卒業すんのは、決まってたけど・・時間はたっぷりあって。
ぎりぎりまで、実感沸かないんじゃないかって。
・・・でも、確実に圭ちゃんは卒業していくから。
そう、あっという間に・・。
「圭ちゃんはさ・・・・おいらに取って大事なひとだからぁっ・・」
「・・・ん。」
「でも、・・・笑っていたいんだ。」
「・・そか。」
この先の2ヶ月間。
笑顔でそばにいたい。
最後まで笑った矢口を覚えてて欲しい・・。
ツアーが始まったら、もうカウントが始まる。
一曲一曲歌い終えるたびに、切なくなるだろう。
「ねぇ、・・ゆうちゃん?」
「ん〜〜っ?」
「やぐち、ゆうちゃんにお願いがあるんだ・・。」
- 215 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)02時27分06秒
「・・・お願い?」
「・・ん。・・圭ちゃんの前で泣かないように、ね・・。」
目を見つめると、うるうるした、ゆうちゃんがいて。
おいらの言葉を促すように・・数回、頬が撫でられた。
「・・だから、・・おウチでいっぱい泣いちゃっうかも・・だけどいい?」
圭ちゃんの前で泣かないように。
裕子の胸で泣かせて欲しい。
ぎゅうぅって抱きしめてくれる薄い身体を通して、気持ちが伝わってくる。
「・・・・ええで。・・そのためにアタシがいるんやもん。・・・・」
「・・・・ん。ありがと。」
お礼にキスをした。
大好き。
ゆうちゃん、ありがと・・ね。
今度はいままでとは違った卒業式になりそうな気がする。
それは、裕子がいるから?
裕ちゃんがずっとそばにいてくれるから・・。
「はぁ・・もう!・・・なんでみんないなくなっちゃうんだよう・・ずぅ――っと
一緒にいられたら・・いいのにぃぃ・・・」
抱きしめてくれてる腕がやさしくて。
思わずそんな愚痴を零してしまうおいらの言葉にクスクスして。
- 216 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)02時36分40秒
「・・せやけど・・したら何人や?・・明日香、彩っぺ、紗耶香やろ・・えと、
新メン合わせたら・・・・・20・・21人になってまうでぇ〜〜!!」
大げさに声を荒げて。
「多すぎやんそんなん・・いやや、アタシぜ〜ったい端っこやもん、画面に映らん!」
楽しそうに言うんだ。
もう!!
・・・でも、こうやっておいらを元気つけてくててるんだよね?
「21人のモーニング娘。かいなっ!・・・・なんや、“おニャン子くらぶ”みたい
にする気なんかいぃ!!」
・・笑いながら。
会員番号がどうとか言ったりして・・。
だから・・・
「・・あのさ裕ちゃん・・・・“おニャン子”って・・・???」
今度は知ってたけど言ってみた。
- 217 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)02時45分01秒
案の定、ぽかんと口を開けてから・・きゅっと口を尖らせて。
「もう、ええわっ!!!」
・・って。
ぷぷぷぷっ。
あり、・・・・拗ねちゃった?
時々、年齢差を気にしてこうなる裕ちゃん。
それがなんだか可愛くて・・わざと言ってみたりするんだよね。
・・・そんなこと気にするほどのことじゃないのにぃ・・。
「もぉ、ええ。・・・裕ちゃんは、寝るっっ!!!」
ぷんすかしながら、立ち上がって。
おいらは、裕子に抱っこされたまま起き上がる。
そうしてそのまんま、・・・寝室に連れてかれちゃったんだ・・・。
- 218 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)02時49分21秒
今日はここまでにしまーす!
・・あれ、短めにしとこうと思ったのに結構がんばってしまったな・・。
とりあえず、次回でラストの予定です。
・・また、アホな展開が待ってるような、・・どうなんでしょ?(汗)
最後まで、ヨロシクお願いしまーす!!
- 219 名前:マコト 投稿日:2003年04月27日(日)02時55分41秒
- 矢口さんアグネスチャン知らないんですね(笑)
この話が終わったらあっちの方でまた書きます?
アホな展開でも、甘い展開でも待ってます!!
- 220 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)02時59分44秒
>マコトさん・・・はぁ・・・毎日ご苦労様です。(←違うか?)
すいませんです、やっと終わりそうなのでこれでゆっくり休んでくださいね。
・・なんていいながら、次の考えてたり?(寝かせません 爆)
>195さん・・いちゃいちゃしてますねぇ・・。(w
一緒にお風呂ってすごい好きで・・よく書いてしまうんですけど・・結構気に
いってたりします。・・ウチの裕子は、世話好きらしいです。(w
>196さん・・甘えん坊な裕ちゃん可愛いですよね?
甘えた矢口も可愛いですけど。どっちも甘えたにするとこうなるみたいです。
・・・・どうなの、これ?(w
レスありがとうございまーす。
今日・・終わらせたいと思ってますので、また感想いただけたらうれしいです。
- 221 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月27日(日)03時43分23秒
- こっちの展開は、ほのぼのしていていいですね。
「kai」さんは、優しい言葉や表現が軟らかいから、
純愛(?)ものの話のほうが、似合うような気がするんですよね。
こちらでは、やわらかくヤグチを包み込むような裕ちゃんでいて欲しいです。
そしてふんわり甘えるヤグチでいて欲しいです。
- 222 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月27日(日)19時04分25秒
- なんかちょっと切ない感じですね。
甘いのもいいですが、こういう感じも凄い好きです!!
毎日たのしみです、更新待ってます。
- 223 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)21時09分45秒
このお話のラストです!
ひたすら甘く突っ走りたいと思いますので、どうかついてきてください。(w
- 224 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)21時20分56秒
********
寝室のベットに寝転がりながら、化粧水をパタパタさせてる“彼女”の顔を鏡越し
に見つめて。
・・裕ちゃんって、素顔も綺麗だよなぁ〜・・なんて見惚れてみたり。
「な〜んやぁ?」
「・・んん。・・・べっつにぃ〜!」
「ふっ、・・・・変な子ぉ・・。」
言いながら近付いてくる。
豹柄カバーを持ち上げて、入ってくる彼女のためにスペースをあけてあげ。
そうして、当たり前のように伸ばしてくる腕に、首を乗せた。
あ・・・・久しぶり・・。
旅館のふかふか枕していても、なんだか、落ち着かったのは。
そ・・っか、・・・裕子の腕枕がなかったからだったんだぁ・・。
・・ちょっとぷにぷにしたこれが、実は、結構気持ちいいんだよね。
- 225 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)21時29分19秒
----------------
「なぁ、・・そういえば・・部屋ってみんな一緒だったんかぁ?」
「へっ?・・・あぁ・・うんん。・・うちらは、4人だけ。」
矢口と妹・・んで、圭ちゃんと梨華ちゃん。
「せやろねぇ・・・さすがに7人はなぁ・・・。」
「・・うん。」
「・・・・んじゃ、枕投げとかしたんやろっ?」
ツンツン突付いてくる指を、カプっと噛み付くようにして。
・・ええしましたさぁ。
おいらが仕掛けて、最後はみんな剥きになっちゃってさ。
圭ちゃんに、集中攻撃くらわせたら、キレちゃって・・もう大変だったんだ。
・・・怖かったぁ・・妹半泣きだったよぉ。
「そか。・・・・楽しかったんやなぁ・・」
そりゃよかったって、笑ってる。
・・うん。・・すっごい楽しかったよっ。・・・・・・でもね。
- 226 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)21時42分04秒
---------------
「あっ、そういえばさぁ・・・一日目のとき、朝起きたらビックリしたんだよね
ぇ〜・・・。」
「・・んぁん?」
「いやさ、梨華ちゃんが・・いつのまにか、圭ちゃんに抱かれて眠ってんのっ!」
「うっそ!!」
「うん。・・・妹なんかビックリしちゃって・・ほら、知らなかったから・・」
「そりゃ、ふつービックリするやろ!・・・・・・って、服着てたんかぁ?」
アホぅ!!
「当たり前だろっ!・・・・人前でそんなことすんの、お前くらいじゃ、ボケっ!!
まったく、なにを考えてるんだって。
・・とか言いながら、おいらも着替えるとき、ちょっと見たりした。
だって・・ねぇ・・?
幸せそうな、寝顔だった・・。
特に梨華ちゃんが。・・・・・圭ちゃんの前だとこんな顔するんだなぁって。
・・・でも、それみてたら切なくなったのも事実で・・。
豹柄のパジャマを掴みながら・・。
「ゆうちゃぁんっ・・あのね。・・楽しかったけどぉ・・ホントは淋しかったん
だよ、やぐち?」
「・・ん?・・・やぐち?」
だって、だってさ・・。
- 227 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)21時51分45秒
「だって、ゆうちゃんいなかったんだもん!・・仲良しな二人見てて、なんで
おいらの隣に裕子いないんだようって、何度も思ったよ。・・・ねっ、ゆうちゃぁ
んっ!」
抱きつくと、抱きしめ返してくれる。
そのまま、しがみ付くように彼女の首で息をして。
「ゴメンなぁ・・・・でも、ゆうちゃんうれしい・・ありがとぉ矢口ぃ。・・」
「・・・ん。」
理不尽な抗議にそんなこと言ってくれる、やさしい裕ちゃん。
「今度行こうなっ!・・・・二人だけで、行こうなぁ?」
「・・ん。・・行くぅ・・絶対だよう・・約束だかんねっ!!」
「・・うん♪」
約束のしるしに、小指を掲げると、裕子もニコっと笑って絡めてくれる。
そのまま唇が近付いてきて・・目の下をペロンって舐められた。
あれ?・・・・おいら、泣いてた?
クスっ。
そのまま、ゆっくり降りてくる唇を・・今度は目を瞑って受け止めたんだ・・。
- 228 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)22時05分18秒
********
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・・・・。
・・・あり??
一通りキスが終わって・・相変らず抱きしめてくれるのは変らないんだけど・・
一向に動く気配がなくって・・。
いつもの裕子だったら、間違いなくボタンを外してるころだ。
・・いんや、・・おっぱいくらい触ってるかもしんない・・。
・・・どうしちゃったの、裕ちゃん?
しないのぉ?・・・いや、どうしてもして欲しいってわけじゃないんだけどさ。
・・でも、・・ほら、裕子だから?
「・・んじゃ、寝るか。・・・おやすみ、やぐちっ。・・チュ♪」
ほっぺにキスされて、目を瞑る裕ちゃん。
へっ?・・ど、ど、どうしちゃったのぉ――っ???
大丈夫かなぁ?
酔っ払ったんじゃ・・・んにゃ、裕子は酔っ払ったほうが元気だから。
・・それに、ワイン一本くらいで酔う人じゃないし・・。
・・・うぅ・・苦しい・・そんなにぎゅってされたら寝れないだろうがぁ!!・・
でも、目の前の彼女はホントに寝そうな勢いで・・。
『したいよー矢口ぃ・・したい、したーい。したいんやもーん!!!』
・・って駄々をこねたのは、どこの誰でしたっけ?
・・ていうか、もしかしておいらなんかしたのかなぁ?
うわっ、気になるぅぅ〜〜!!
- 229 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)22時15分31秒
「ゆうちゃん・・・・寝ちゃった?」
顔の前を手でフリフリ。
・・でも、動かない。
いや、おいら的には・・・・このまま寝てくれたほうがありがたいんだけど。
やっぱり、旅行の後だし・・ね。・・・でも・・
「あのさぁ・・・・裕ちゃん?」
「・・ん〜〜〜っ?」
眠そうな声。
「あの・・・その・・・いいの?」
「・・・んぁ?」
ゆっくり瞼が開いて、茶色い瞳が矢口を捉える。
・・はぁ・・・綺麗だなぁ・・・って、そうじゃなくぅ・・。
「・・なにがぁ?」
・・・・な、なにがって・・ねぇ。
「いやさ・・・あの・・・んと・・・」
「・・・やぐち?」
「・・だからね・・・・・・しなくていいのっ?」
勢いよく言ったら、ちょっと大きな声になっちゃって。
裕子が、じぃ―って、おいらを見つめる。
「だからぁ・・・・その、・・・“えっち”したかったんでしょ、裕ちゃん?」
「・・・・・・。」
- 230 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)22時30分16秒
・・・ほらね。
挙動不審にキョロキョロして・・・そうして、またおいらの位置に戻ってくる。
「・・・・・・・ゆうちゃん?」
「・・そりゃ・・・むっちゃしたいで!・・でも、疲れてんのやろう、矢口?」
・・・・うん。
結構疲れてるかもしんない。・・それに、なんだかふわふわするんだ。
・・酔っぱらっちゃったのかなぁ?
・・・でも。
「・・・いいの?」
常日頃から、やりたいことを好きなようにやるが、“モットー”の人だから。
・・おいらは、そんな裕ちゃんを好きになったわけ・・だし?
・・・やりたかったら、ねぇ・・?
我慢は身体によくないっていうし・・・・すっごい“したそう”だったから。
・・・いいんだよ、矢口は・・?
いんや、激しいのは困るけどさ・・。
「・・・・ゆうこ?」
「・・んあっっ!!・・いい、しゃあないもん。・・ホンマはそら、一発やって、
すっきりしたいとこやけど・・むっちゃやりたいんやけど!・・でも、そんな、
なっ、・・矢口の体のことも考えてやらんと・・だから・・今日だけは我慢して
やらぁっ!!!」
・・・なんか、えらそうだな!
っていうか、未練たらたらなんだよっ!!
「んだよそれぇ・・ってか、“一発”とか、言うなアホッ!!!」
おでこをペシッ!!
まったくぅ・・・・でも、いいんだ。・・・・ふぅ〜〜〜んっ・・。
- 231 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)22時41分51秒
「・・・ったいがなぁ。・・・」
自分のそこを撫でてる彼女を見つめる。
・・裕子もおいらの顔を見上げてきて。
・・・・・・・。
「・・ふっ。・・ええで。矢口はいつでもそばにいてるんやから・・いいから、
今日はゆっくり休みぃ・・。」
さっきとは一転、やさしい口調にコクリと頷けたんだ。
「うん。・・・ありがとぉ。」
・・っていうのも、変かな?
腕枕してくれてた手のひらが、おいらの髪の毛を擽って。
それがなんだか、すごくうれしくって・・。
だから、わざと言うんだけど。
「ふぅ〜〜ん。・・・3日離れてるあいだに随分おりこうさんになったんだねぇ・・
ゆうこちゃんっ♪」
おりこう、おりこう。
いつも、矢口がされてるみたいに、柔らかい髪を撫でてあげる。
「ヤメイ!」って声が聞こえてきたけど・・無視して。
ひゃはっ、・・ちょっと、楽しい。
「・・・ったく、もう!・・・・・襲うで!」
「やっだよっ!べぇぇ〜!!」
アナタがそばにいることが、うれしい。
大好きな人の腕の中で、眠ることがこんなに幸せなことなんだって。
- 232 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)22時53分18秒
がおぉ〜〜〜っ!!!
ふざけて覆いかぶさってくる裕ちゃんが、・・そのまんま矢口の胸の上に顔を
埋めた・・。
・・・・・いや、埋めるってほどは、ないんだけどね。
そうして、首を振ってグリグリする。
も、くすぐったいってばぁ!!!
「・・はぁぁ・・」
あり、止まっちゃった。
「気持ちいい・・・やぐちの匂いやぁ・・」
な〜に、うれしいこと言っちゃってんだよう!
「そうだよ、矢口だよぉ・・・にゃは♪」
「・・・・矢口ぃ・・おかえり・・・なぁ・・」
胸の上でくぐもった声が。
・・・・ゆうちゃん?・・・
「・・ん?・・」
「・・な、裕ちゃん淋しかったんやでぇ・・ここで、ひとりで眠るの・・」
「・・・・・・・。」
「・・・このベットで、ひとりは・・寂しいぃ・・・」
「・・ん。ゴメンね。・・ひとりにして?・・」
「・・・ん〜。」
・・・・・。
裕ちゃん可愛い。
なんか、ホント可愛い。
おいらがいなくて、このベットの上で泣いてたのかなぁとか思ったりして。
・・だから、やわらかい髪を撫でてあげたんだ。
「・・ゆうちゃん・・。」
おいらホント好きかもしんない。
・・もう、大好き。
- 233 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)23時00分50秒
――背中に回った腕がまた、ぎゅうぅって締め付ける。
「なぁ、・・・・このまま、寝てもいい?」
・・へっ?
このままですか?
って、それじゃぁ、おいらの胸が潰れるのでは?
・・でも、今日の裕子は甘えたで・・思わずいいよ!って言ってしまった。
パジャマ越しだけど、裕ちゃんが遠慮なく胸に押し付けてきて。
ちょっと、そんなぎゅうぎゅうしたら、ドキドキしてんの気付かれちゃうじゃん!
な〜んて。
「はぁ・・気持ちええ・・落ち着くぅぅ・・」
「・・・もう、ゴメンね、ちっちゃくてさ!・・」
ごっつぁんとかだったら、もっと楽しめただろうに。
「ん〜〜っ、ええねん。このちっこいのが、堪らんからっ♪」
・・・・って、おい!
少しは否定しろよなっ!!
- 234 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)23時12分11秒
「ふわぁぁぁ〜〜〜っ!!!」
おっきい、あくび。
「・・矢口ぃ・・・眠るまで、そうやって髪、撫でてて?・・」
「・・へ?・・・ん。・・いいよっ。」
それから、ゆっくり目を瞑った裕ちゃん。
「・・やぐちぃ・・すっきやでぇ・・やぐ、やぐぅ・・ムニャムニャ・・」
眠るまで・・なんて言ってるそばから、早くも寝息が聞こえてきたりして。
はえーな、もぉ―!!
・・もしかして疲れてたんじゃないの、裕子?
そういう顔みせないんだから・・もう。
そっと、寝顔を覗くと、幸せそうなコドモのような顔しちゃってさ。
梨華ちゃんに負けないくらい、・・ってか、鼻の下がびよ〜んびよ〜んに伸びて
んのは・・・気のせいか?
・・・でも、おいらがいるから、そんな顔してくれるんだよね?
- 235 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)23時23分38秒
もっと、いっぱい話したいことあった。
でも、ま、いっか。
おいらたちには、有り余るくらいの時間があるんだから・・。
――一緒に暮らし始めて、初めてこんなに離れて過ごした時間だった・・。
逢いたくて、逢いたくて・・どこでなにしてても裕ちゃんのことばっか考えて・・。
・・・こんなに好きだったんだなぁ・・って思いしった旅行でもあった。
でも、それは、矢口だけじゃなかったん、・・だよね?
3日間の空白を埋めるかのようにバババ―ってしゃべりあったけれど。
笑って、喜んで・・・時には言い合いになったりもしたけどさ。
「・・んだよ、もう!・・自分だけ“好き”とか勝手に言って寝ちゃってぇ・・
おいらの返事、聞かないのか〜〜っ!」
かわいいイヌっぱなを、きゅって摘むと、ふがっ!って声が聞こえてきて。
・・それから、またスーって寝息になった・・。
かわいい。
なんか、赤ちゃんみたい♪
- 236 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)23時32分02秒
――聞いてるか聞いてないか判んないけど。
耳をかるーく引っ張ってから。
「うぉーい、・・・ゆうこぉ・・おいらも大好きだぞぉ!!・・」
それから・・。
「・・・ただいまぁ・・・チュ♪・・」
広めのおでこにキスしてあげた。
・・ゆうちゃんの口元が少しだけピクピクした気がしたけど・・。
――今日はめずらしく裕子を抱いて眠ろう。
・・起きたときに、さびしくないように・・きゅっと、ね!
・・でも、・・潰れちゃわないかな・・おいらのちっちゃなおっぱいが。・・
・・それが、ちょっとだけ、心配・・。
―END―
- 237 名前:卒業写真 投稿日:2003年04月27日(日)23時40分15秒
おしまいでーす!!
いいのか、またこんな終わり方で・・でも、甘めを目指してみました。
・・こういうのも書けるんです!(←ちょっとえらそう? w)
えと、文中でよく使われる。
「したい。したーい、やりたいんやもーん!!」
・・て。結構よく使うんですけど・・それは、私がお気に入りだからです。
女の子が女の子に言う、「したい」とか「させて!」とか?
すっごいかわいいなぁ・・って思うんですけど・・アタシだけか?
彼女に言ったら思いっきり蹴られますけどね!・・ムードがないのがダメらしい。
だからって・・。
「一発やって、すっきりしたい!」
っていうのは、どうかと思います中澤さん。・・男前すぎ!!(w
- 238 名前:マコト 投稿日:2003年04月27日(日)23時43分31秒
- 今日はちょっち遅かったすね。
男前な中澤さん結構ってかすっごい好きです!!
- 239 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)23時47分02秒
初めて圭ちゃんが卒業するって話を聞いた時、そんなにショックではありません
でした。・・でも、こうしてやぐちゅーを書くようになってから、もうすぐ卒業
していく圭ちゃんを見て、・・すごく切ない気持ちでいっぱいです。
たぶん、矢口を通してみてるからだと思うんですけど。
やぐちゅーを通して圭ちゃんの卒業の話を書くのは、すごくやりたかったこと
なので、・・いま、充実感でいっぱいです。
・・・と言っても、えらそうに言うほどたいしたものではないですけどね・・。
- 240 名前:kai 投稿日:2003年04月27日(日)23時55分22秒
・・あり?・・・・・・なんかえっちな展開期待してる人・・いました?
そんなアナタのために(自分に?)・・おまけと言っていいのか。
こんなものを、ご用意してみましたぁ!
題して・・
『裕ちゃんと熱海に行っちゃった!・・ついでに、秘宝館ってとこにも行った
んだよぉ!(仮)』
・・・・・アホ丸出しです・・。
この本編の続き物なのか、はたまた、あっちが本編なのか判んないんですけど。
はい・・・もちろんR指定でございます。(笑)
―なので、お好きなかたのみ、ご賞味ください。(ペコリ)
- 241 名前:マコト 投稿日:2003年04月27日(日)23時58分33秒
- まじっすか!?実は自分も期待していた一人だったりします(笑)
kaiさんの書く小説大好きなんで、頑張ってくださいね!!
- 242 名前:kai 投稿日:2003年04月28日(月)00時11分09秒
いつもいつもレスありがとうございまーす!!
>マコトさん・・終わるの淋しいって言っていただけてすごいうれしいです。
こんな感じはマコトさん的には、どうなんでしょ?(ドキドキ)
>次はあっちで?・・・あります、大丈夫です。また読んでやってください!
>221さん・・うわっ、ありがとうございまーす!
もう、なんて言っていいか。私の人生であんまり褒められたことないので・・
(大げさ?) そんなそんな、うれしいです。
純愛物が似合うって言ってもらってるそばから・・もうすみませんです。
・・でも、ほのぼのやぐちゅーはこれからも続けていきますので。(w
>222さん・・切なく甘くは・・今回のテーマでもあったんですけど。
結局は、アホっぽい展開じゃないのかなぁとか思ってみたり?(w
甘い終わりを目指してがんばってみたんですけど、ちゃんとなってますかねぇ?
感想いただけたら、うれしいです。
こちらのスレもがんばって続けたいと思ってます。・・・ほのぼのな感じで?
更新はGW中にはあげれたいと思ってるのですが・・。
また、読んでやってください。(ペコリ)
- 243 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月28日(月)06時13分14秒
- えっちな展開期待してしまいました…(笑)
やっぱり、kaiさんの書く小説はいぃですねぇ〜☆☆
今までも、やぐちゅー大好きだったけど、kaiさんの小説を読んでもっと×A好きになりました(>_<)
これからも頑張って下さいね!!!
- 244 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月28日(月)19時24分00秒
- 完結お疲れさまでした。
マコトさんほどじゃないけど結構リアルタイムで読ませてもらってました(笑)
いや〜、やっぱkaiさんの甘々なお話良いっすわ〜。
雰囲気が好きなんですよね、優しいというか温かいというか。
また次のお話楽しみにしてますね。
- 245 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月28日(月)23時17分39秒
- 「卒業写真」お疲れ様でした。
甘くて切なく、裕ちゃん・やぐっちゃんもすごく可愛い!!
も〜、kaiさん最高っす。
次回作むすごく楽しみにしてます!!
- 246 名前:やぐちゅー中毒者セーラム 投稿日:2003年04月29日(火)01時49分09秒
- 矢口さん、可愛すぎッス!!
中澤さんも健気な感じが出てまして良かったです。
自分にも、kaiさんみたいな更新スピードがあればなぁ・・
- 247 名前:kai 投稿日:2003年05月06日(火)21時23分13秒
レスありがとーございまーす!!
>マコトさん・・いや、なんていうか・・今回に限らずですが、今回は特にマコト
さんのおかげで、ペースが早まったところもありまして。リアルタイムですって
言われると、んじゃもうちょっとがんばっちゃおう!な〜んて・・(のせられ易い?)
・・えと、次作は・・マコトさんの期待に添えられるといいのですがね・・。(心配)
>243さん・・やっぱり期待していただきましたか?
ちょっと狙ってました。(w や〜も〜うれしいお言葉もありがとうございます。
もっともっとがんばっていきたいと思いますので、これからも読んでやって下さい。
>244さん・・またまたうれしいお言葉ありがとうございまーす!
今回やってみて、甘いの大好きな自分に気付きました。読むのはもとから好きだ
ったんですけどね。なので、これからも、いちゃいちゃしたの書いちゃうかと思い
ますが、懲りずに来てやってください。(ペコリ)
- 248 名前:kai 投稿日:2003年05月06日(火)21時48分12秒
>245さん・・甘く切なく・・あ、・・ちゃんとなってましたか?
甘いのか、ふざけてんのか判んない感じだったりしたので。・・でも最高っすって
言っていただけて凄くうれしいです。・・・またヨロシクお願いします♪
>やぐちゅー中毒者セーラムさん・・
ちょっと矢口が幼すぎかなとか思ったりもしたんですけど、喜んでいただけたの
なら・・なによりです♪・・はぁ・・でも今回はちょいしんどかったです。
次はゆったりやろうかな、と。・・セーラムさんもがんばってくださいね!!
最近、“お疲れ様”という言葉にヒシヒシと喜びを感じております。(w
ペース早いかなとは自分でも思っているのですが、書きたいことがいっぱいあるので。
雑にならないようにと注意しつつ、これからもがんばりまーす!!
- 249 名前:ご報告! 投稿日:2003年05月06日(火)22時09分35秒
予告しておりましたとおり、この「卒業写真」というお話の続き物と言っていい
のか?・・んでも、そんならしきものが別スレの「美女は野獣」のほうにUPする
ことになりましたぁ!
“エロ”苦手っていう人もいらっしゃると思いますが、今回はそんなに激しめでも
ありませんし(多分)・・普通のストーリーの中に、ただえっちなシーンも含まれ
てるかな?って感じに仕上がっておりますので、・・嫌悪なさらずに目を通して
いただけたらうれしいです。・・・・いや、無理にとはいいませんが・・。(汗)
えと、明日か明後日には上げられるかと思います。
どうぞヨロシクお願いしま―す。(ペコリ)
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