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よーするに、愛が勝つ!!

1 名前:キョウ 投稿日:2003年03月30日(日)11時57分53秒
初めまして。自分のサイトで小説を書いているのですが、
どこまで自分の文章が通用するか挑戦の意を込めて書かせていただきます。
いしよしメインのCP爆発!絶対ありえない程のアンリアルです。
週1のペースで更新できるようにしたいと思っております。

初投稿でつたない文章ですが暖かく見守っていただけると幸いです。
2 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時02分21秒
「だ、だから誤解だってぇぇぇぇ!!!!」
Tシャツにジーンズ姿の少女はそう言いながら、後ろずさる。
「いっつもいっつもそうやって逃げるんだよね、よっすぃ〜は。」
フリフリのついたピンクのワンピース姿の少女がソレを追い詰める。
「違うんだ、さっきのは、あの子に急に押し倒されて・・・」
「言い訳なんて聞きたくないっ!もー許さないんだからぁ!!」
そういうと、涙を目に溜めながらに衣服と似合わないピンクのコルトパイソンを取り出し、乱射する。
壁際にへばりついたひとみの人型が出来るようにひとみの体のラインを正確に打ち抜いた・・・
「あわわわわ・・・・梨、華ちゃ・・・・」
そう言いながら、ひとみはヘナヘナと地面に座り込んだ。
3 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時07分28秒
ここはJアイランド特殊防衛庁直属爬虫人類迎撃組織「Hello!Project」。通称、ハロプロ。
突如、地下から現れた爬虫人類はJアイランドに対し、Jアイランドの征服!表明。
そして宣誓布告。人々に無差別に攻撃を開始し、都市を次々と壊滅させていった。
事態を重くみたJアイランド首相:小泉城一郎は、急遽、特殊防衛庁爬虫人類迎撃組織を創設。
Jアイランド全国にいる、各部門に能力を秀でた者を召集し、
爬虫人類の殲滅を図るハロマゲドンプロジェクトが発足されてから2ヶ月がたっていた。
4 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時11分34秒
「だから梨華ちゃん・・・銃を乱射するのはやめようよ・・・ウチ死んじゃうよ。」
「いいもんっ!浮気者は死んじゃった方がいいんだもんっ!」
「梨、梨華ちゃぁ〜ん・・・」
肩をガックリと落とし、座っている彼女は『吉澤ひとみ』。総合格闘技のスペシャリスト。
ストリートファイトをして飯を食っていた彼女はハロプロに召集されたのだ。
彼女は体から電気を発生させることが出来る特殊能力を持っている。
プンプン頭から湯気を出して怒っている彼女は『石川梨華』。射撃のスペシャリスト。
この容姿からは想像も出来ないが、世界でナンバーワンと呼ばれる狙撃の腕を持つ。
数多くの銃を装備しているのだが、ココからこんなの出るの?!と思う場所から現れる。
彼女は特殊能力は持っていないが、ズバ抜けた動体視力を持つ。
5 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時15分36秒
ひとみはスクッと立ち上がり、後ろを向いてしまった梨華の顔を覗き込んだ。
「ごめんね。なんでもするから許して。梨華ちゃん。」
腕を組んで怒っていた梨華は、少し考えた後、くるりと回ってひとみに言う。
「じゃあ、一週間タッチ厳禁。抱きつくのはもちろん。触れちゃダメッ!」
(これで、よっすぃ〜も懲りるだろうな。)
「やだ!」
「えっ!?」
(即答?!よっすぃ〜!!)
6 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時17分15秒
梨華は目を見開く。
「よっすぃ〜、なんでもするっていったじゃん!!」
「だって、そんなのヤだもんっ!」
そう言いながら、ギュッと梨華を抱きしめる。
「ひゃっ!?」
驚いている梨華を気にせずに自分の胸に顔をうずくませる。
「な、なにするのよっすぃ〜!!」
「ウチ、浮気なんてするつもりないよ。梨華ちゃんしか見えないもんウチの眼には。」
「で、でも、よっすぃ〜浮気するじゃん。」
「吉澤ひとみは石川梨華を愛しています・・・コレ聞いてもダメ?」
「ダメじゃないけど・・・もぅ・・何を言ってもムダね・・・よっすぃ〜ったら・・・」
梨華の怒りは、もうどっかへ消えてしまっていた。どこかに消えてしまったというよりかは、
ひとみの腕に抱かれていることによる安心感が怒りを越えてしまったと言った方が正しいかもしれない。
梨華は顔をあげ、ひとみの顔を見る。
「もう浮気しない?私の事だけ見てくれる?」
ひとみは優しく微笑み
「あぁ、梨華ちゃんしか見ないよ。ってゆ〜か、浮気してないんだけどね。」
ふたりは微笑みあって、そしてキス。唇に触れる程度の軽いキス、優しい甘いキス。
7 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時20分26秒
「ちょっとええか?」
後ろからイキナリ声をかけられ、2人は離れる。顔を真っ赤にしながらひとみが答えた。
「は、はいっ!・・・って中澤さん!!」
声をかけてきたのはハロプロの長官、中澤裕子だった。
「あんなぁ、イチャイチャしてくれんのは、一向に構わへんけどな。」
「「・・・・」」
「召集かかってるっちゅーねん!!放送聞いてないんか??」
「「!!!!」」
2人は顔を見合わせビックリする。
「「す、すいません!!」」
そう言って、急いで作戦司令室へ走っていく梨華とひとみであった・・・。
「まったく、あのバカップル。大事な基地の壁まで破壊しよって。頭さげるんはウチなんやからな!・・・トホホ」
裕子も頭をポリポリかきながら作戦司令室へと向かった。
8 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時23分30秒
「「遅れてすみませんでしたー!!!」」
2人は作戦司令室に入った後、すぐに謝った。もちろんユニゾンしている。((息ピッタシ♪))
「おっそいよ〜ふたりともぉ〜♪」
長い机の奥の方のパイプイスにちょこんと座っている金髪の背のちっちゃい女の子・・・矢口真里。
「イチャイチャしてちゃダメだべさ。」
真里の向かいに座っている北海道弁が全然取れていない茶髪の可愛らしい女の子・・・安倍なつみ。
「はやく席につくのれす!!」
「せや!遅れた分、はよ席に座わらんかいっ!」
真里となつみの手前に向かい合って座っているお団子頭の2人。舌っ足らずな女の子が辻希美。
勢いのイイ関西弁を操るのが加護亜依。
「もう!時間厳守って言ったでしょ!・・裕ちゃんにどやされるのは何故かサブリーダー私・・・なんでよぉ!!!」
「・・・ん?2人とも来てたんだ・・・」
もっとも手前に座って、キッと厳しい視線を2人に浴びせたと思いきや、
イキナリ自分の世界に入ってしまったのは茶髪の女性は保田圭。
その向かいに座って、ボォーッとしている茶髪の子が後藤真希。
9 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時24分40秒
「お仕置きは後でするから。とにかく2人とも座ってちょうだい。」
奥のモニターの近くにあるちょっとデラックスなイスに座って、
スラッと厳しいことを言ってくる長髪のキレイな彼女はリーダー飯田圭織。
「「は、はいっ!」」
梨華とひとみは手前の席についた。

−この9人が現在、ハロプロ内最大遊撃部隊「モーニング娘。」トウキョウに出現する爬虫人類を主に迎撃する−

全員が座ったのを確認した圭織は立ち上がり、手元にあったリモコンで隣のモニターをつける。
「現在、カナガワに出現したトカゲ人がトウキョウに接近中なの。敵の数は20。
今の進軍スピードなら30分後にはトウキョウに進入しちゃうんだよね。
なので娘。は至急トウキョウ郊外へ移動しなきゃいけないんだけど・・・」
ここまで言うと、圭織は口を閉ざしてしまった。
「いけないんだけど・・・ってそのあとはなんなのさ?」
首をかしげて質問する真里に圭織は申し訳なさそうに答える。
「じつは・・・車が全部出払ってるんだよねぇ・・・」
「「「「「「「!!!!!」」」」」」」
全員、驚いて立ち上がる同時に、口をあんぐり開けてしまった。
10 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時27分14秒
「だってだってぇ、スタッフの皆がぁ、今日は結婚式だからとか
今日は家族で旅行だからって言って、車乗ってっちゃったんだもん。」
「飯田さん、全部認めたんか?そんな私情で車を貸したんかいっ!」
亜依が詰め寄ると、圭織は黙ってコクンとうなづく。
「その時、裕ちゃん、「お見合い行って来るわ!あと、まかせたで!!」とか行ってどっか行っちゃうし。
皆は皆でイチャイチャしてたり、遊んでたり、トレーニングしてたり、
ボォーッとしてたりで、圭織、相談できなくて・・・」
驚いたままなつみも圭織に詰め寄る。
「けどさ、けどさ、ココは特殊防衛庁直属の組織なんだよね?そんな、車がないってことないべさ〜。」
圭はなつみの後ろからポンポンと肩を叩く。
「なっち、わかってないわね。ココ、ホントに金が入ってこないんだよ。
設備と外装に力入れちゃって、実用品はまったくないの。
それに、人員コストがぁぁぁ!!!とか言っちゃって、
ウチらメンバー以外にスタッフ5人しかいないのよ?それでも頑張って、
裕ちゃんが頭さげて上に頼んでもスズメの涙程度しかお金こないし、この組織・・・火の車よ。」
11 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時29分09秒
そうなのである。このプロジェクト、首相が直々に出した考案にも関わらず、議会から猛反発を受け、
当初計画された予算より大幅に下げられスタートしたのである。国債がどうとか、この国は戦争はしない国だ!とか
意味わからない事を言う議員が大勢いるせいでここまで肩身の狭い思いをすることになった。
それでも、首相の頑張りにより、多少の融通が利く程度まではなったのだが・・・。
まったくもってこの首相・・・・・・・威厳がない。

なっちが腕を組んで困り果てると、希美がポンッと手を叩く。
「のの、イイ事思いついらのれすっ!」
他の8人が希美のいる方に体を向ける。
「ココにくるまで待てばイイんれすっ!」
あまりに単純な考えに全員黙り込み、しばらく沈黙が続いた。
・・・そして一人がののにツッコむ。沈黙を破ったのは梨華だった。
「待つってさぁ、ココで倒せなかったら終わっちゃうんだよ?
それに、正義の味方の基地って悪党にバレちゃいけないってお決まりがあるじゃないの」
12 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時32分26秒
それを聞いたひとみが人差し指を立て、左右に振る。
「チッチッチッ・・・梨華ちゃん。
この話、そんなカッコイイもんじゃないんだよ。あくまでも戦闘はオプションなんだから。
もし、ここで負けたらお話が終わっちゃうでしょ?一番楽しみなカップリングラブラブトークも書けなくなるのっ!」
誰もいない方向(カメラ目線)で話しかけるひとみに真希がツッコむ。
「・・・・どこむいてんの?誰もいないトコ向いちゃってさぁ。」
「ゴ、ゴホンッ。つまり、それしか方法がないから、単純だけどその方法でいくしかない。
それに負けるなんて初めから決めるんじゃない。絶対勝つの!ポジティブシンキングだよ梨華ちゃん!」
ポジティブと言う言葉に目を輝かせる梨華。
「ポジティブ・・・そうよね!ポジティブに考えなきゃ・・・・ハッピ〜♪」
全員に寒気が走る!!その寒気になんとか耐えた真里が一歩前に出る。
「梨華ちゃん・・・キショイ。・・・と、とにかく辻ちゃんの作戦でトカゲヤロウなんてやっつけちゃおう!!」
「「「「「「「「おー!!!!」」」」」」」」
13 名前:第1話 投稿日:2003年03月30日(日)12時33分55秒
作戦が決まると同時に作戦司令室に裕子が入ってきた。
「なんや、作戦決まったんか?なら、戦闘準備入ってや。
グズグズしとると、トカゲがやってきてまうで!!と、その前に円陣、円陣っ!」
全員、部屋の真ん中に集まって円陣を作る。そして手を中心に出す。
「がんばっていきまっーーーーーーー」
「「「「「「「「「「しょーーーーいっ!!!!」」」」」」」」」」
そして、極めて単純な作戦はスタートした。名づけて「敵さんこちら!手のなる方へ作戦」。
14 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月30日(日)17時27分14秒
面白いです。メンバー全員がいい味出しそうな予感。
辻ちゃんの考えた作戦、果たして上手く行くんでしょうか?
続きが楽しみです。

…でもコレ、空板の「愛は人類を救うらしい。」に似てるような気がするのですが…。
15 名前:キョウ 投稿日:2003年03月30日(日)21時26分42秒
>14名無し読者様
たしかにかなり似てしまった部分があるかと思います。
クロイツ様の作品の影響が大きいので。
しかし、元々格闘というか、正義の味方!という設定を自分で練っていたので、
こちらはこちらで楽しんでいただければなぁと思います。
もし、気分が害されたのであれば、申し訳ございません。
16 名前:名無し読者 投稿日:2003年03月30日(日)23時00分09秒
他スレの誤投稿は、削除依頼出されたほうがいいと思いますが。
17 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時23分46秒
希美考案の「敵さんこちら!手のなる方へ作戦」が正式採用された。
裕子は急いで準備をしろといっていたが、
トウキョウ進入まで30分、ハロプロ本部基地周辺進入予定時間はあと40分もある。
余裕のある時間を使い、各メンバーは戦闘準備を急いでいた。

ひとみはグローブと手にはめながら、弾を装填している梨華に話しかけた。
「ねぇねぇ梨華ちゃん。明日もし、トカゲどもが出なかったらさぁ、デートしない?」
「な、なに言ってるの!!今からトカゲ退治を始めるってときにぃ!!」
「気にしない気にしない。・・・で、どうなのよ?付き合ってくれるの?」
梨華は頬を赤くして、うつむきながら小声で答える。
「断れるわけないじゃない。・・・よっすぃ〜と2人っきりの時間を。」
「ムフフ・・・やっりぃ!これで思う存分戦えるよ。」
「もう・・・よっすぃ〜ったら」
・・・ラブラブオーラ爆発である。
18 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時24分57秒
そんな2人を横目で見ていたなつみと真里がボソボソ囁く。
「こんな時までイチャついてるべさ。まったくぅ〜、プンプン」
「まぁまぁ、落ち着きなって。それよりなっち。これ試してくれないかな?」
すると、真里は横に置いてあったボールペンを手渡した。
「なんだべ?キョーリューの顔にラクガキするの?」
真里は微笑みながら、そのボールペンの説明をしだした。
「フフフ・・・なっち、このボールペンをただのボールペンと思っちゃいけないぜぇ!
天才美女、矢口真里様の特製ボールペン型ミサイルなのだっ!!」
19 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時25分45秒
「ボールペン型ミサイル?」
「うんうん。後ろのボタンを押すと、小型のミサイルが発射されるの。
なっちにわかりやすいように言うと、ロケット鉛筆の原理。
あれって、芯を取り替えるとき、後ろから芯を押して新しいのが出るじゃない?アレと同じ構造なの。」
「なるほどね〜。で、何発発射できるの?破壊力は?」
「そんな焦んなさんなって、えっとねぇ、弾は10発装填してある。再装填に驚異の3秒!!
破壊力はトカゲに刺さったら爆発。必ず仕留められるよん♪」
「すごいじゃんヤグチィ〜!!いいコいいコしてあげるべさ♪」
「なっ!やめてくれよぉ〜。オイラを子ども扱いするなぁー!!」
「なぁ〜んに言ってるべさ。なっちに比べれば子供っしょ。」
「うぅ〜・・・・」
真里は赤くなりながらも、おとなしくなっちに頭をなでられていた。
20 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時30分07秒
一方、圭と真希は2人共同で使う『ヤグチ特製セクシービーム発生器』の調整をしていた。
「圭ちゃん、コレ。何の効果があるの?」
「そんな知らないわよ。さっき『今日はコレ使って!』って渡されたんだから。ごっちん、ちょっとそこにある。説明書とって」
圭に言われ、真希は自分の隣に落ちている説明書を手にした。
表面には『ヤグチのヒ・ミ・ツ♪』と書いてある。
しかも、この説明書、『果たし状!』と言った方がいいんじゃないか?と思うようなモノだった。(もちろん、縦書き)
「はい、圭ちゃん。」
「ありがと。・・・なになに。この装置は2人の愛の力が反映されます。2人の愛の力が大きいほどトカゲを足止めする
セクシービームが放出されるのです。だから、2人ともラブラブパワーをいっぱい出してねん♪」
圭が読み終えた時、2人とも真っ赤になっていた。
21 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時31分09秒
「・・・こうなったら、やってやろうじゃない!!
ごっちん、ウチのこと好きな気持ちいっぱい出して。ウチもいっぱい好きな気持ちを出すから!!」
圭の目の中に燃えたぎる炎が見えた・・・ヤル気マンマンである。
そんな圭を見た真希は顔がより真っ赤になっていた。
(圭ちゃん、そんな大胆な。やっぱり圭ちゃんにもバレてるの?・・・くそぅ!!女優・後藤真希もまだまだか・・・)
そんな事を考えてるとは思っていない圭は真希の両肩を握る。
「先輩として、同じプッチのメンバーとして、娘。のメンバーとして。ウチを好きになって。もちろん『LIKE』で構わないわ!」
圭の言葉を聞いた真希はホッとし、圭に微笑む。
「圭ちゃん、大丈夫だよ。ごとー、圭ちゃん大好きだもん。」
(なんだ、圭ちゃん気づいてないのか。よかったぁ・・・けど、やっぱり気持ちが伝えられないのは悲しいな。)
(ごっちんの言葉がLOVEだったらいいのにな・・・って今は、作戦に集中しないと。)
相手に気持ちを伝えられるテレパシーがあれば・・・と感じる2人であった。
22 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時32分09秒
圭織は自分の武器である、ナイフと拳銃と日本刀を『圭織専用武器BOX(はぁと)』から取り出していた。
飯田圭織が、娘。リーダーに抜擢されたのはワケがある。彼女は戦闘能力が9人の中で誰よりも秀でており、
戦闘においての指揮能力は抜群。なにより、武器マニアと呼ばれるぐらい、多種多様の武器を扱える戦闘万能者だったからだ。

準備をしていた圭織に突如、希美と亜依が後ろから飛びついた。
「いいらさ〜ん!!」「いいださ〜ん!!」
「ちょ、ちょっとぉ!危ないじゃないの!離れなさ〜い。」
驚いて日本刀やらナイフを落としてしまった圭織は泣きそうになりながらも武器を拾った
「あぁ・・・大事な刃物がぁぁぁ・・・つ、辻ちゃんも加護ちゃんも自分の装置の準備しなさいよぉ〜。」
「もう終わったのれす」
「せやせや、ウチらオリコーサンやからなぁ〜」
「なぁ〜」
ニコニコしながら、自分の専用装置を圭織に見せた。
23 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時32分54秒
(希美は敵の情報をチェックする高性能レーダー『NON STOP』、亜依は味方防衛の要、磁場フィールド発生器『加護ちゃんですっ!』)
2人は戦闘には基本的には不参加で敵情報を味方の防衛に徹するのだ。
本当に準備バッチリだったことに驚いた圭織だったが顔には出さず希美と亜依を軽くあしらおうとする。
「だったら、おとなしく待ってなさいよ。いっつもいろんなところを走り回って。邪魔よ邪魔。」
そんな言葉には怯みもせず、2人は圭織に駆け寄る。
「らって、ヒマなんらも〜ん♪」
「ヒマやから遊ぼうよ〜♪」
「だ〜か〜ら〜・・・」
圭織が言おうとした途端、2人がまた抱きついてきた。
「ちょ、ちょっとぉ〜・・・だから危ないっての!!」
「いいらさん、だぁ〜いすきぃ」
「いいださん、めっちゃ好きやわぁ〜」
そういいながら両頬にチュッと可愛らしいキス。いつものことだと思い、さほど驚きもしない圭織。
「もっとさぁ、緊張感を持って準備しようと思わないの?」
2人は、またニコニコしながら圭織に同時に言った。
「「ぜんっぜん!!」」
24 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時34分02秒
あまりにストレートに答えるので圭織はポカーンと口を開けてしまった。
圭織の反応なんか全然、気にしてない亜依が、目をウルウルさせる。
「あんなぁ、ウチ、頼み事があんねやんかぁ〜」
「・・・う、うん。なになに?」(いけない!立ったまま気を失っちゃったわ)
「あんなぁ。今度のお休みに、ののといいださんとウチの3人で遊園地に連れてって欲しいねん!」
その言葉に続いて、ののも目をウルウルさせる。
「そうなのれす。遊園地にいかせて欲しいなぁ〜♪」
「いいよ。連れてってあげる」
圭織は即答だった。
嬉しいのだが、なんかあっけないことに亜依と希美が戸惑う。
「ホ、ホントれすか?冗談じゃないんれすか?」
「ホンマや。いいださんがこんな簡単に返事するなんてありえへん!」
2人を自分のから離した後、武器や防具を装着しながら圭織は答えた。
「あのねぇ、こんな素直なお姉さんはいないよ?だってご褒美あった方が2人ともヤル気でるんでしょ?
そのかわり・・・しっかり自分の仕事しなさいよ?そうしないと遊園地はなしだからね。」
25 名前:第2話 投稿日:2003年04月01日(火)08時35分52秒
希美と亜依は顔を見合わせると愛くるしい笑顔を見せた。
「「ありがとう〜おばちゃん!!」」
おばちゃんという単語に圭織の眉をピクッと動かす。
「お、おばちゃん?あたしは圭ちゃんじゃないの!!おばちゃんって言うなっ!」
2人は、そのまま圭織の顔を見たまま
「「お・ば・ちゃ・ん♪」」
「こらぁぁ!!!」
3人がじゃれあっているときに警報が鳴った。

ブゥゥゥゥゥゥン
爬虫人ガ基地周辺ニ接近中。モーニング娘。ハ至急急行セヨ。

圭織の周りに8人が集まった。
「よし、いくわよっ!」
ついに爬虫人類との戦闘が開始される。「敵さんこちら!手のなる方へ作戦」・・・・発動!!
26 名前:キョウ 投稿日:2003年04月01日(火)08時40分31秒
敵との接近まで40分あるので、
今回はインターミッションみたいな感じになりました。
次回はついに戦闘の開始です。のんちゃんの大作戦は実るのか?!
27 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月01日(火)09時52分13秒
次からの削除依頼は名作集の案内板で出された方がよいかと。
http://m-seek.net/imp/index.html

いいらさんに向かっての「おばちゃん」発言、笑いますた。
28 名前:キョウ 投稿日:2003年04月01日(火)13時37分40秒
>>27 名無し読者様
アドバイス(注意)ありがとうございます。
マナーを教えていただき感謝です。
「おばちゃん」発言に敏感な飯田さんに自分で萌えました(ぉ
29 名前:名無し読者 投稿日:2003年04月01日(火)16時22分33秒
ここまで一気に読みました。
面白いです。特に各自の武器がツボですw
「敵さんこちら!手のなる方へ作戦」、行き当たりばったりっぽいけど、
楽しみです。
30 名前:キョウ 投稿日:2003年04月01日(火)19時10分44秒
>>20>>21の間が少し抜けていました。申し訳ございません。
↓以下の内容がつけたしです。↓
〜圭が読み終えた時、2人とも真っ赤になっていた。
「な、な、な、なんなのよコレ!!ウチらのラブラブパワーって・・・」
(ヤグチめ・・・図ったな!!)
そう、2人はお互いの気持ちは知らない。両想いなのだが2人とも気づいていない。
2人とも、超がつくほどの鈍感娘なのだ。
「圭ちゃん・・・どうしよう・・・」〜
31 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時04分29秒
ハロプロ内最大遊撃部隊「モーニング娘。」は本部基地周辺まで侵入してきた爬虫人類の迎撃のため、
M字型に陣取る。手前のツートップは、ひとみと真里。
真里は天才発明家にして、ハロプロに入隊してきた、ひとみの武術指南をするほどの武道家でもある。
ちなみに武器はトンファ。
その斜め後ろ(外側)には、なつみと梨華。
なつみはメイン武器と呼ばれるものは存在しない。さっき真里から手渡されたボールペン型ミサイルしかもっていない。
では一体、何でトカゲと戦うのか?それは・・・マイクなのだ!!
なぜマイクなのかは組織入隊当初、真里が言ったセリフから説明できる。
『これはただのマイクじゃないの。なっちが声がマイクロウェーブとなって敵を攻撃する。俗に言う、超音波ね。
マイクから発生する音波がトカゲの脳に伝わって、幸せを感じながら戦闘不能に陥る。・・・なっちにピッタリの武器でしょ?』
なつみと梨華の後ろには希美と亜依。防御、情報に徹するため、一番後方である。
32 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時05分28秒
真里とひとみの斜め後ろ(内側)には、圭と真希。普段は投爆専門なのだが、今回は例の新兵器を使用。
そして中心に位置どるのは、我らがリーダー、飯田圭織である。
これがモーニング娘。の必勝の陣、「M」である。
全員が準備完了すると、全員が目を閉じて一回深呼吸をし、その後、目をパッと開けた。

「「「「「「「「「やるべしっ!」」」」」」」」」

再後方の希美と亜依が情報網&磁場フィールドを展開する。
「サーチアナライズなのれす!!」
「『か〜ごちゃ〜んですっ!』スイッチオ〜〜ン!!」
すると各メンバーがつけている腕時計型通信システム(真里お手製)に敵の位置、性質が表示される。
それと同時にメンバー各自に磁場フィールドが展開される。
情報を確認し、先陣を切ったのは真里とひとみ。
真里は黄色に塗られたトンファ、『マリ〜』でトカゲ人の懐に飛び込みながらバッタバッタとなぎ倒す。
33 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時06分41秒
「ほらほらぁ〜!!真里さまのお通りだぁ〜〜!!!」
「ウギャア!!(痛)」
それに負けじとひとみも拳を振るう。
「よっしゃぁぁぁ!!!吹き飛べぇぇぇぇ!!!」
「・・・!!(驚)」
中堅所の2人が前衛の2人を後方で援護する。
梨華の銃が火を吹き、なつみの天使の声が敵を戦闘不能にさせる!
「チャーミー石川・・・秘技、乱れ撃ちぃ〜〜〜!!!」
「ウギャア!!(痛)」
「一回きぃ〜りの青春〜、Oh Yeah! Oh Yeah! Oh Yeah 〜♪だからいい〜じゃ〜ん♪」
「ウギャア・・・(幸)」
梨華となつみが援護しているのを見ながら圭と真希は焦っていた。
「これ、どう使うのよ!説明書に使用方法が全然書いてなかったし、
今、ヤグチに聞こうと思ったらすんごい気持ちよく戦ってるし。」
「圭ちゃん、どうしよう。いつもどおりに手榴弾使う?」
「いや、使わなかったらヤグチに悪いわ・・・けど、このままじゃ・・・もう動きなさいなさいよっ!!ポンコツッ!」
ガツンと四角いボックス、セクシービーム発生器を蹴飛ばした。けれど、全然動く気配がしない。
34 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時07分25秒
その時、4人の撃ちもらしたトカゲ人が圭と真希に飛び掛ってきた!!
「あかん!!フィールド、間に合わへんっ!!」
「シャアァァァァ!!!(怒)」
「キャアアアア!!!」
「ごっちんは私が絶対守る!」
圭が真希に覆いかぶさって捨て身で守ろうとした。
すると長身の刀を腰に差した圭織が音もなく走ってきて刀を抜く。
「ふんっ!!」
「ウギャアアアア!!!!」
すさまじい断末魔と共に、トカゲ人は真っ二つになり、地面にバサッと落ちた。
「か、圭織・・・」
「かおりん・・・」
圭織は振り返って2人の顔を見てニッコリ微笑む。
「大丈夫?2人とも。あぶないあぶない。」
さっきの後ろから出ていた殺気はウソのように消えていた。
「あ、ありがとう。助かったよ。」
「かおりん、ありがとう。」
圭織はコクリとうなずいた後、また前を見直す。
「圭ちゃん、ごっちん。2人がお互いを守りたいって気持ちが強くなれば、その装置も動くんじゃないの?
それじゃあ、みんなの「背中」守ってね♪」
そう言って圭織は前衛の2人を援護するために駆け出した。
35 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時08分13秒

圭織の後姿を見た圭と真希はお互いの顔を見合わせた。
「私は皆の背中を守りたい。そしてごっちんを守りたい。」
「ごとーも同じ。皆を、圭ちゃんを守りたい!!」
2人がそう口に出した瞬間、セクシービーム発生装置が音を立てて動き出す。そしてその箱から真里の声が聞こえた。
ブゥゥゥゥゥン・・・・
『2人のラブラブパワー、バッチシ確認したよん♪セクシィィィィィビィィィィィムゥゥ!!!』
その声と共に、ピンクの波動が円状に飛び出した。
進行していた無数のトカゲ人の足が止まる。
「ウギィィィィ・・・」
動きが止まったトカゲ人を確認した圭織は全員に呼びかける。
「今よ、みんな総攻撃!!!」
「よっしゃぁぁぁぁ!!」
「やってやるぜぇ!!」
「いくわよっ!」
「やってやるべさ!」
気合い度MAX状態の5人、圭織、真里、ひとみ、梨華、なつみは20体いる爬虫人類を片付けた。
36 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時09分00秒
「ふ〜、終わったね・・・」
「オイラは8体とやっつけたと。」
「よしっ!これで梨華ちゃんと・・・ムフフ」
「よ、よっすぃ〜!!」
「終わったべさ〜、今日も完全熱唱♪」
「なんとか動いたわね。ごっちん、ありがと」
「うん、動いた動いた♪圭ちゃんやったねぇ〜!」
「のの、遊園地いけるで!ホンマ頑張ったもんウチら。」
「そうだね。のの達は頑張ったのれす!・・・ってコレは」

8人がホッと肩をなでおろしたが、希美は顔を強張らせる。
「皆さん、まだ終わってないのれす!!敵影5つ・・・えっ!?真上?!」
5つの影は9人の真上を跳び越して、後ろにあった超高層ビルのメインゲートに侵入しようとする。
「そこを越えられたら、基地が破壊されてしまうのれす!」
「みんな間にあわへん・・・もうアカンっ!!」
「だからこんな作戦反対したのよぉ!!」
「梨華ちゃん、もう遅い、ウチらの判断ミスだったんだよ」
「ヤグチィ〜、なっちの力不足だべさ・・・」
「そうだ!なっち、ボールペン型ロケットミサイル使って!」
「あっ!忘れてたべさ♪ポチッとな。」
37 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時09分37秒
「ウギャアァァァ!!」
1体撃破。それでも残り4つ。再充填には3秒。もう一発打っても、残りは3体。次の充填の時にはビルに敵が進入してしまう。
なつみは再装填されたボールペンのスイッチを押す。
「もう一発、ホレッ!」
発射されたと同時に圭織は駆け出す。
「追いつかないのはわかってる・・・でも、私の責任だから、あきらめるわけにはいかないのよぉ!!」
もうダメか・・・と圭織以外のメンバーが思った瞬間、メインゲートに見える一人の影。
「ホンマ、後始末させられるのはイヤやわぁ〜。これだから中間管理職ってイヤッ!・・おまえら!これからウチが・・・」
そう言いながら、突っ込んでくる5つの影(爬虫人)パイプ椅子を振り回す。
「おしおきしたるわっ!」
そのパイプ椅子は3体いっぺんになぎ倒した。
「ウチに向かってくるなんて百万年早いわ!ボケッ!」
そんな捨てゼリフは吐いた黒い影とは裕子だった。爬虫人倒された直後に圭織が駆けつけた。
「ゆ、裕ちゃん!!」
「ホンマ、めんどい仕事させるで」
頭をポリポリかきながら言う裕子を見ると、圭織の両目から涙がこぼれる。
「裕ちゃんごめん・・・あたしの・・ミスだよ・・・」
38 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時11分35秒
裕子は厳しい表情で見つめる。
「せやな、圭織。アンタの不注意でこの事態は起きたかもしれんな。」
「・・・うん」
「けど、圭織はあきらめずにこっちに走ってきたな?」
「・・・うん」
すると、裕子は笑顔を見せる。
「それが大事。自分のミスをキチンと認め、誰よりもあきらめない気持ち。リーダーには一番必要や。
それに、圭ちゃんとごっちんを助けたとき、圭織のメンバーに対する優しさも感じるわ。見直したで」
そんな優しい言葉をかけられると思ってなかった圭織は余計、目から涙が零れ落ちる。
「ゆ、裕ちゃん・・・」
「娘。はな、『One for all All for One』の気持ちを皆、持ってんねん。せやから、皆も同じ気持ちやできっと。」
39 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時13分25秒
後ろからメンバーが駆け寄る。
「ごめん裕ちゃん、サブリーダーの私が気を抜いてたから・・・」
「圭ちゃんも圭織も悪くない!ごとーがちゃんと最後までトカゲを確認してないから・・・」
「それだったら、ののが悪いんれす!情報を把握する、ののが浮かれてたから・・・」
「いや、ののは頑張ったで!!ウチが余計な事言ったから、ののの気を散らせてしもうた・・・」
「皆悪くないべさ。なっちの力不足だべ。だから圭織は悪くないベさ・・」
「オイラが悪いんだよぉ!!もっと便利な発明品を作れたら、こんなことになんなかったと思う・・・」
「銃を持ってる私があの時撃ってれば・・・飯田さんも皆も悪くないですっ!・・・」
「梨華ちゃんも皆も悪くない!一番動ける私が棒立ちしちゃったから、かおりんは悪くないッスよ・・・」
8人それぞれが、自分が悪い、メンバーは悪くない!という気持ちを出している。
40 名前:第3話 投稿日:2003年04月02日(水)01時14分01秒
そんなメンバーを見て、圭織は震えた小さい声で話す。
「みんなぁ・・・・ありがとう・・・」
そう言いながら9人で抱きしめあう。それを見た裕子はウンウンとうなずきながら
(これがウチがいた頃からあるモーニング娘。の姿や・・・)

『敵さんこちら手のなる方へ作戦』(待ち伏せ作戦)、なんとか結果オーライという形で成功に終わった。
41 名前:キョウ 投稿日:2003年04月02日(水)01時20分13秒
とりあえず、ひと段落って感じですw
調子がよかった&時間があったので
3話も早く書き上げえることができました。
あぁ、裕ちゃん・・・かっけぇ大人よのぉ・・・(爆

>>29 名無し読者様
読んでいただいてありがとうございます。
武器は各自、特有なモノを。・・・さすが武闘派集団w
3話でついに武器が火を吹くので是非ご覧になっていただきたいです。
42 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時15分50秒
今回の爬虫人類撃退により、ますますメンバーの結束が強くなったモーニング娘。
前作戦で撃破した爬虫人を最後にJアイランド全域、爬虫人の反応がなくなっていた。
これは、ハロプロ内の全ての情報系統を掌る、自律神経回路を持った万能ロボット『サイボーグあやや』と
希美の高性能レーダー『NON STOP』による2重調査の結果なので情報は確実である。
2体の結果によると、しばらくはJアイランドへの侵入をしないのではないか?という予測立ち上げられた。
そこで裕子は彼女らに、勝利のご褒美として、つかの間の休息を与えた。
43 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時16分57秒
その休みを使って、ひとみと梨華は、ハロプロ本部基地近くにある、隊員いきつけのカラオケボックス『桃缶』へ行っていた。
「よ〜し、ガンガン歌うぞ!!」
ハリキッて歌本を見て歌う曲を探しているひとみ。しかし、1枚上手な人は身近にいるものだ。
梨華は歌本も見ずにリモコンを持ち、高速でボタンを押す。
ピピピピピッ・・・
「梨華ちゃん何うた・・・ってボタン打つのはやっ!」
すると、流れてきた曲は・・・『I WISH』。梨華はいきなり表情が変わり、亜依×真希モードに切り替わる。
「ひとりぃ〜ぼぉ〜っちぃ〜で少し、たいくぅ〜つぅ〜なぁ〜よぉ〜るぅ〜♪」・・・
(梨華ちゃん・・・もう自分の世界に入ってるよ・・・あたしもノリを合わせないと) 
・・・「じ〜んせ〜いってすばらすぃ〜♪(ごーごー!)ほらあなたとぉ〜うぉ〜っ♪(ごーごー!)」・・・
梨華のノリに懸命にあわせるひとみ。ノリ方はまさに、一人のファンのようだった。
・・・「愛する人のためぇ〜にぃ〜・・・」
熱唱した梨華はふぅと息を吐くと、マイクをひとみに渡す。
「はい、よっすぃ〜。今度はよっすぃ〜の番だよ。」
よしっ!と気合いを入れたひとみは、リモコンで番号を入力した。
44 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時21分32秒
ひとみが選んだ曲・・・それは、『Yeah!!めっちゃホリディ』だった。
「イェ〜イ!めっちゃホリデ〜♪うきうきな、な〜つきぃ〜ぼぅ〜♪」・・・
ひとみも完全に自分の世界に入っている・・・松浦亜弥のモノマネをしているのだ(もちろんフリつき)。
(よっすぃ〜ったら、あややになりきってるじゃん♪・・・カワイイ。)
すると、ひとみは梨華に対して微笑み、急に歌詞を変える。
・・・「すんげぇ×4、カワイイッ!すんげぇ×4、梨華ちゃん!」・・・
梨華の顔がカァ〜っと赤くなる。それを確認しながら、ひとみオリジナルの歌詞で歌う。
(うわぁ〜、めっちゃカワイイ。やっぱり梨華ちゃん、最高っ!!)
・・・「イェ〜イ!めっちゃホリデ〜♪勇気をふりぃしぃぼぉってぇ〜♪
イェ〜イ!ズバッっとサ〜マタイムッ♪カワイイひとみをっ!梨華ちゃんにあげたいっ!ノリノリで恋しちゃえっ♪Ah〜」
ひとみはどこで練習してきたのかわからないほどバッチリ替え歌をモノにしていた。
45 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時24分25秒
ひとみの『めちゃホリ』を聞き終えた梨華は顔がさっきよりも赤くなっていた。
「もぅ・・・なんなのよぉ!この替え歌は?」
「いいっしょ、いいっしょ!梨華ちゃんの為に密かに練習してきたんだ♪」
「練習してきたんだ♪じゃないっつーの!もぅ・・・恥ずかしい・・・」
梨華はそのままうつむいてしまった。自分でも顔が赤すぎるのがわかっているらしい。
それを恥ずかしく思ってうつむいてしまったのだ。

ひとみはニヤッと微笑み梨華の顔を下から覗く。
「ねぇ〜え、梨華ちゃん。ザ☆ピ〜ス!を一緒に歌ってくんない?」
「えっ?!・・・なんで?」
梨華は顔をあげて首を傾けた。
「いいのいいの!とにかく一緒に歌ってよ。梨華ちゃん、お願いっ!」
「しょーがないなぁ」
46 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時27分08秒
そう言っている梨華は、さっきの恥ずがしがっていた梨華はいなくなっていて、カラオケ大好きノリノリ梨華がいた。
自分の得意な曲だった梨華は余計にテンションをあがっていて、さっきよりも高速でボタンを押す。
(さっきよりもボタン押すのはやっ!・・・このままいけば、あのセリフが・・・ムフフ)
ひとみは心の中で密かに笑っていた。表情には出していない。
曲が流れ始める。
・・・「「HO〜ほら行こうぜ!そうだみんな行こうぜ!!」」・・・
梨華は何も考えずに気持ちよく歌い始める。ひとみもこれに続いて一緒に歌う。
・・・「道行くひとがっ!しぃんせつだった!」 「「ピース!!」」
「うれしい出っ来っ事がぁ〜増えましたっ!」 「「ピースピース!!」」・・・
ノリ方は絶好調。そして、ひとみが待ちに待ったセリフがやってくる。
(きたきたっ!梨華ちゃんがウチのために言ってくれるセリフ。こんな間近で・・・イヤンッ♪)
ひとみの顔がどんどん緩んでいった。
47 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時30分27秒
この時、ひとみはセリフを聞きたいだけだと言う事を梨華にはバレていないと思っていたが、
もちろん梨華には、ひとみがセリフのために歌わせていることなんて百も承知だった。
だから梨華は考えたのだ。さっき散々、照れ恥ずかしい気持ちを味あわされたから
逆にひとみにもこの思いを味あわせてやりたいと。梨華は勇気をふりしぼって大胆な行動にでた。
・・・「私達の愛情って 地球の歴史からすると、どれくらいなんだろう?
あ〜 いとしいよっすぃ〜、梨華はずっと 愛しているんだぞぉ〜!!」・・・
セリフといいながらひとみを見つめ、右手の人差し指でプニ〜ッとひとみの頬を押す。
「!!」
ちょっと字余りであったが、急遽作った梨華のセリフはひとみのココロにズバババ〜ンと響いた。
聞いた瞬間はビックリした表情のひとみだったが、いつものひとみでは考えられないほど照れてしまって顔が真っ赤になる。
48 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時31分47秒
「梨、梨華ちゃん・・・大胆な・・・」
「よっすぃ〜のマネしただけだもんっ♪」
「もー・・・好きだー!!!!!!!」
そう言いながらひとみは梨華はひとみを抱きしめる。まだ歌が終わっていないまま・・・
「ダメダメよっすぃ〜。最後まで歌わないとっ!間奏は休憩じゃないんだぞぉ!!」
「えぇ〜、だってぇ〜!!」
「だぁ〜めっ!ほらっ!始まる」
「プゥ〜!!」
頬を膨らましてイジけるひとみの頭をよしよしとなでながら歌は続く・・・もちろん2人ともハイテンションで。
49 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時32分47秒
一通り歌い終わった2人は体をくっつけてソファーに座った。
「あのさぁ、梨華ちゃん。」
ひとみは梨華の肩に頭をおく。まるで子猫が甘えるようなしぐさで。
「どうしたの、よっすぃ〜?そんな甘えちゃって。なんかあった?」
「・・うん。なんで梨華ちゃんがウチと付き合ってくれたのかなぁって思ってさ。
普通じゃないじゃん?女同士ってさ。・・・なんてゆ〜か、同情で付き合ってる風にしてるなら、申し訳なくて・・・。」
梨華もひとみの頭のあるほうに頭を傾ける。
「何言っちゃってるのよ。私に言ったことウソなの?『ずぅ〜っと側にいるよ。どんな事があっても』っていうのは。」
「ウソじゃないよ。ウソなわけないじゃん!ウチは梨華ちゃんを愛してるもん。」
「だったらそんな心配しなくてもいいんじゃない?それとも私が信用できないの?」
「そ、そんなんじゃないけど・・・」
声が小さくなるひとみ。何か不安なことがあるんだろうと感じとった梨華は。左手でギューッと手を握る。
「何が不安にさせてるのかわからないけど、私もずぅ〜っと側にいるよ。よっすぃ〜の側に。」
「・・・・」
黙り込むひとみ。梨華は話を続ける。
50 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時35分52秒
「よっすぃ〜には言ってなかったけど。私ね、告られる時期、失恋してどん底の気分だったんだ。」
「・・・!!」
目をガッと見開いて驚くひとみだが、頭の上に梨華の頭が乗っかっている為、モーションでは驚きを表せない。
「派手にフラレちゃって、正直、もう恋愛なんてしないっ!とまで思ってたの。
けど、よっすぃ〜ったら、全然知らないから、いつも笑顔で話しかけてくれたよね?」
「・・・ごめん、全然知らなかった」
「謝らなくていいよ。フラレたの知ってるのは矢口さんと保田さんだけだもん。よっすぃ〜は知らなくて当然。
正直言うと、最初は腹立ったよ。なんで私はこんなブルーなのに、よっすぃ〜はこんな笑ってるのかって。」
「・・・」
「でもね、そんな気持ちがどんどんフワ〜って消えていったの。よっすぃ〜と話してたらさ。
ドロまみれの石川梨華を吉澤ひとみっていう水がドロを流してくれたの。・・・クサい表現か・・・アハハ」
51 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時36分59秒
ひとみは心の中で叫ぶ。
(そんなことない!嬉しいよ梨華ちゃん・・・。)
「よっすぃ〜といるとココロの底から笑っていられるし、安心できるの。
もちろん、ドキッと思う行動もあるし、大胆なことされると恥ずかしくて恥ずかしくて真っ赤になっちゃう。」
「梨華ちゃん・・・」
「それで、これも恋かなって思ったの。女の子にこんなこと思うのはおかしいのかなって感じた時もあったけど、
自分をわかってるのは、やっぱり自分じゃん?吉澤ひとみという子を好きになってるのはウソじゃないって。
その気持ちに素直になって、私はよっすぃ〜と付き合ったってわけなの」
「・・・それ本当?」
「あったりまえじゃん!ウソついてどうするの?私はよっすぃ〜にウソはつきたくないの」
「梨華ちゃん!」
頭をフッとあげて、梨華の体を自分の胸に抱え込む。
52 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時39分04秒
「ちょ、ちょっとよっすぃ〜!!」
「ごめんね、ごめんね。変なこと言っちゃって。」
梨華を抱きしめる腕に力が入る。
「梨華ちゃんと付き合いはじめて1ヶ月ぐらい経つけどさ。ウチ、急にガァーっと不安な気持ちで胸がいっぱいになっちゃうんだよね」
梨華もひとみの体に腕を回す。
「うんうん、それで?」
「梨華ちゃんカワイイから、すぐ誰かに奪われちゃうんじゃないかとか、フッと自分の側から離れちゃうんじゃないかって
ネガティブな方向になんでも考えちゃう時があって・・・」
ひとみの胸の中で梨華はちっちゃな声で言う。
「バ〜カ♪」
「なっ!バカっていうなよぉ!そりゃあ、ウチだって何でこんなこと考えるの!?って思うよ。
けどさ、梨華ちゃんのこと考えれば考えるほど不安になっちゃうんだもん!!」
53 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時41分10秒
梨華はひとみの胸から離れる。そしてひとみのおっきな目を見ながら言う。
「い〜こと教えてあげよっか?」
「・・なにさ?」
「梨華ちゃんって、ひとみちゃんが好きなんだって。」
他人事のように言う梨華にひとみは驚く。
「な、なんで他人事のように言うのさ!!」
そんな驚くひとみを見て、クスっと笑い、ひとみの両頬を引っ張る。
「心配しないっ♪私はよっすぃ〜を愛してます。
じゃあ、ど〜しても不安でしょうがなくなったら、私の部屋に来ていいよ。
・・・添い寝してあげるから♪」
「添い寝ってごむたいなぁ〜!!」
目をウルウルして見つめるひとみ。まるでアイフルの仔犬のように。
「ウソだってウソ。まぁ、徐々にね♪」
「じゃあ、今からでも・・・」
「ダ〜メっ!私がそう簡単に手に入ると思ったら大間違いっ!いろ〜んな試練を乗り越えないとね♪」
「どんな試練でもショゲないもんっ!梨華ちゃんの為ならどんなことでもっ!」
「ウフフ。その調子っ!」
そういってもう一度抱きしめあう。今度は梨華の胸にひとみが抱きかかえられる感じで。
54 名前:第4話 投稿日:2003年04月05日(土)14時42分43秒
「私ね、ハロプロに来る前にママに言われたことがあるの。」
梨華の胸の感触を楽しんでいるひとみ。
「なに言われたの?石川ママから。」
「梨華も将来、運命の人とめぐり合う日がくると思う。明日かもしれないし1週間、1ヶ月、1年、10年後かもしれない。
でも必ず出会うわ。その人は自分の弱いトコロもキライなトコロも全て理解してくれる人。ママにとってはパパなんだけど。
そんな人に出会ったら、何が何でもゲットしなさい!!石川家のDNAには負けはないんだからねっ!」
「石川ママって大胆だね・・・恐るべし」
「ウフフ。そんな血を私も引いてるからよっすぃ〜にこんなに大胆になれるのかもね。」
「・・・それってもしかして・・・ウチが運命の人ってこと?」
「さぁ〜ね〜♪」
「プゥー・・・イジわるだなぁ梨華ちゃんは!」
「「・・・プッアハハハハ・・・」」
微笑みながら2人はキス。それは安心できて相手に身を任せられる、優しいけど愛を確かめ合えるキスだった。
55 名前:キョウ 投稿日:2003年04月05日(土)14時46分01秒
休暇編〜いしよしver.〜でございました。
今回から、土曜に定期で更新するようにしますので
今後とも暖かく見守ってくださると嬉しいです。
56 名前:キョウ 投稿日:2003年04月11日(金)23時52分31秒
土曜になっていませんが、更新始めます。
今回はよしこ祭りということで、通常の話を2話、番外編1話。
ハッキリ言って自己マンなのでご了承くださいw
57 名前:第5話 投稿日:2003年04月11日(金)23時54分23秒
ここは矢口真里の特別研究施設、通称:ヤグチラボ。
休暇を使って、真里は新しい道具の開発をしていた。
「あ゛〜!!だめだぁ〜!!こんなんじゃ、また迷惑かけちゃうよぉ・・」
自称天才美女、矢口真里でも、そんなバンバン発明できるわけじゃない。
常日頃から温めているアイディア。それを具体化するためにはとても少ない研究費と
真里の知り合いからの援助金をかき集めて作成するのだ。
「この部分がウマくいけば、できるんだけどなぁ・・・」
頭をポリポリ掻きながら精密部品のチェックをする。
「アレ?ここは・・・」
そう言いながら立ち上がり、壁際にあるホワイトボードになにやらすごい式を書き始める。
凡人には到底わかりっこない、すごい計算式。難しいことしてるなって事は、はたから見てもわかるのだが。
ヤグチラボのドアが鳴る。・・・コンコン
「どうぞ〜。開いてるよぉ〜」
58 名前:第5話 投稿日:2003年04月11日(金)23時55分25秒
ドアを開けて入ってきたのはなつみだった。手には大きな紙袋を持っている。
「ちょっといい?・・・ってヤグチ忙しいかな?」
ヤグチ専用丸イスに座った真里は、なつみの方にクルリと体を向ける。
「ぜ〜んぜん。大丈夫だよ。どうしたの?なっち」
「コレ食べて欲しいなぁって思って・・・」
なつみは大きな紙袋からおっきなショートケーキを取り出した。
「うわぁ〜!!すっげぇ〜おいしそ〜じゃん!!」
なつみは照れて鼻をポリポリかく。
「オッホン!え〜、なっちスペシャルケーキ1号の試食に、見事、矢口真里さんが当選なされましたぁ〜!!」
「やったぁー!!って、立候補してしてんのかよっ!」
「いいの!!とにかくありがたく試食するべさ♪カロリーオフだから心配しないで食べる、食べるっ♪」
「そだね、せっかくのなっちの焼いたケーキだから、いただくとしますか。」
2人はケーキと一緒に入っていたフォークを手にとる。
「分けなくていいよね?どうせ2人だけだし。」
「うんうん。このぐらいなら2人で全部食べられるべさ」
59 名前:第5話 投稿日:2003年04月11日(金)23時56分00秒
仲良く食べる2人。あまりにも美味しくて夢中で食べていて話さなかった2人だが、真里がふと、口を開いた。
「なっち。食べて欲しいだけで来たんじゃないんでしょ?なっちの相談をヤ〜グチさん答えてあげましょー!!」
「えっ!?・・・バレバレだった?」
「うんうん。なっちがこれだけの用で来るはずないじゃん。
ってゆーか、休みの日にわざわざケーキつくって入ってくる人なんていないっしょ!・・で、どうしたのさ?」
「えっとね、天才矢口真里を見込んで頼みがあるべさ♪」
「あぁ〜ら、この天才美女、矢口真里さまに頼みがあるだなんて・・・その願い、なんでも叶いますわよ」
天才と呼ばれただけで急に口調が変わってしまう。かなり、おだてに弱いタイプである。
「なっちに新しい武器を作って欲しいべさ!!」
「えっ!?」
真里は口をあんぐり開けてしまった。まさかなつみの口からそんな言葉が出るとは思わなかったからだ。
真里は改めてなつみに聞き返す。
60 名前:第5話 投稿日:2003年04月11日(金)23時56分33秒
「な、なっち。ホントに言ってるの?」
「マジもマジ。大マジだべさ!なっちがウソ付いてるようには見えないっしょ?」
「そ、そりゃそうだけど・・・。けど、なっちはさ、元々は治癒・補給担当でハロプロに来たじゃない?
それをオイラが、なっちの歌に聞きほれたってだけで作った武器で中距離支援をお願いしてるのにさ」
そうなのである。元々、なつみは爬虫人類を殲滅するために召集されるわけではない。
戦闘に傷ついた隊員のケアをするために呼ばれた、看護のスペシャリストだったのだ。

なつみはショートケーキのいちごをパクッと口に放りこむ。
「うぅ〜ん、甘くておいしいべさ。・・・そりゃあね、なっちだって最初は抵抗あったよ。
なんでなっちがキョーリューと戦わなきゃいけないんだぁー!!って。けどね・・・」
「けど??」
「実際に色々戦ってきてわかったんだ。みんな命を危険に晒してまで頑張ってるっしょ?
いつ死んじゃうかわからないのに文句も言わずに戦ってる。
そんな皆の力になってあげたいの・・今回の作戦のミスで余計にね。」
61 名前:第5話 投稿日:2003年04月11日(金)23時57分05秒
遠くを見て話しているなつみの横顔が切なく寂しそうである。そんな横顔を見ながら真里は思う。
(なっち・・・やっぱり優しいコだね。自分の事より周りの事に気を配ってるんだから・・・)
「それで、どうすれば皆の力になれるかなぁって考えたんだけど、なかなかイイ案が出てこなくて。
それでもなんとか一つだけ考えが出てきて・・・」
「それがオイラの道具だって事?」
「うん。ヤグチに迷惑だとわかってても、なっちにはヤグチに頼ることしか考えが浮かばなくて。
ムリを承知でお願いするべさ!!なっちに力を貸して欲しいべさ!!」
なつみは手を合わせて真里に頼み込んだ。そんななつみに笑顔を見せる真里。
「なっち。オイラは、なっちファンクラブのリーダーよ?なっちの為なら例え火の中水の中〜♪」
「ヤ、ヤグチィ〜!!」
なつみはギュッとヤグチに抱きつく。
「ちょ、ちょ、なっちぃ〜。ケーキが落ちるケーキが!!」
「ありがとう!!やっぱりなっちはヤグチが大好きだべさっ♪」
真里の顔がポンッと一気に赤くなる。
62 名前:第5話 投稿日:2003年04月11日(金)23時57分54秒
「喜んでもらえると嬉しいんだけど、まだ何も作ってないしさ。出来上がったらまた・・だ、抱きついてよ」
モジモジしながら言う真里の姿はなつみの母性本能をくすぐる。
「んもぅ!ヤグチ可愛い!!可愛すぎるべさ〜♪」
抱きしめる腕の力がさっきよりも強くなる。
「イタタタ・・・なっち力強いって!!とりあえず離してくれぇ・・・」
プゥ〜っと頬を膨らませながら真里から離れる。
「フゥ〜。死んじゃうかと思ったよ、オイラ。
それじゃあ、ちょっと今使ってるマイクを貸してくれない?」
「うん・・・ハイ。」
なつみはマイマイクを真里に渡す。なつみの場合、武器としても普通のマイクとしても使えるので常時持っているのだ。
「ちょっと、各パーツが痛んで来てるなぁ。よっしゃ、次の戦闘までには新兵器として作っておくよん♪」
「えっ!?新しいの作ってくれるんじゃ・・・う、ううん。なんでもない。」
キョトンとするなつみを見て、真里が微笑む。
「新しいモノより使い慣れてるモノがバージョンアップする方がいいじゃん?それに今回は他のモノも開発中だから。」
「他のモノってなんだべさ?教えてよぉ〜」
「教えてあげないっ!ちょっと今はヒミツなのだ」
63 名前:第5話 投稿日:2003年04月11日(金)23時59分15秒
「そんなもったいぶっちゃってさ。ふ〜んだっ!ヤグチの事なんてキライになっちゃうもんっ!」
そっぽ向くなつみに心の中で動揺している真里は顔には出さずに言う。
「わかったよ。じゃあ一つだけヒント。これからは移動に楽になるよ♪」
「??なにそれ。全然わからないべさ。」
なつみは首をかしげて聞くが真里はこれ以上の事は言わなかった。
「まぁ〜今度のお楽しみぃ〜♪それよりも、なっちに聞きたいことがあるんだけど。」
「ん?なんだべさ?」
「なんでせっかくの休暇に基地にいるの?」
なつみは顔を真っ赤にさせ、指で机にハートを描きながら言った。
「誰か残っていなくちゃいけなかったし・・・ヤ、ヤグチが外出ないってわかってたから・・・」
「な・・・・なっち・・・・」
しばらく2人は顔を赤くしたままうつむいていた。
64 名前:第5話 投稿日:2003年04月12日(土)00時00分02秒
−中国某所−
「Jアイランドに発生していた爬虫人類・・・反応ロスト。
・・・いえ、フランス・中国・アメリカに反応感知。」
オペレーターが情報を口にしている中、謎の美女はブツブツつぶやいている。
「とうとう他の国にも手を出してきたアルね。これは急いで各国のハロプロメンバーを召集しないとダメアル。」
「み、み、みきたん!!大変アルよ!!」
走って『みきたん』と呼ばれる人に駆け寄る女性。
「どうしたアルか?あやっぺ。」
「そ、それがね。Jアイランドからフランスへ一人、スカウトされているコがいるらしいアル。」
「フッ・・フランスもずいぶん必死アルね。でも美貴達、中国には『とっておき』がある・・・。心配いらないアル。それに・・」
美貴は『あやっぺ』と呼ばれる人の方を向く。すると『あやっぺ』と呼ばれる女性が口を開く。
「中国には4大天才頭脳を持つ、この松浦亜弥がいるアル!!」
「そうだね。あやっぺがいるからこの超巨大規模の防衛プログラム[LOVE涙色]が正常に稼動してるんだもんね。」
「そのと〜りアル!!」
「だけど、フランスの動きが気になるアルね・・・」
美貴が腕組んで考えていると、亜弥がポンと手を打つ。
65 名前:第5話 投稿日:2003年04月12日(土)00時01分10秒
「そうだ!!彼女をスパイとして送り込んだらどうアルか?」
美貴もハッ!と顔を明るくする。
「そうね、彼女ならキチっと仕事をしてくれるアルね。・・・・ソニンさん・・・」
すると2人の影から声がする。
「ハッ!お呼びでございますか?」
美貴は振り返らずに話す。
「これからフランスの動きを探ってちょうだい。定期で情報をこちらに送ってください。」
「御意」
返事と共に2人の後ろから気配は消えていた。
「相変わらず穏便な行動アル。・・・みきたん、あやや達が動くには時期が早いアルよ?」
「わかってる。まだ静観しなくてはならないアル。動きを見せないアメリカも気になるし。」

美貴と亜弥、2人は一体何者なのか?・・・・Jアイランド以外の国も動きを見せ始めるのであった・・・。
66 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時03分45秒

・・・都内某所。何もない暗い7坪程の部屋に一つの黒電話がおいてある。
部屋に不自然な程浮き立っている電話を使って一人の女性が電話をしていた・・・
『そろそろこっちにくる決心はついたん?』
『いや、まだ・・・その・・・』
『Jアイランドを制圧しようとしてた爬虫人類は世界3大国家にターゲットを変えたんやで?
今、アンタがこっちに来んと、フランスは、いんや、ヨーロッパ全土は壊滅してしまうんや。』
『・・・』
『今はメロン記念日が交戦しとるけど、それもあと2週間持つかどうかわからん・・・』
『・・・』
『真希には力があるんやから、おねーちゃんの為に使ってくれへんか?
それとも、もうおねーちゃんの事キライになったんか?真希は。
・・・とりあえず、近日中に迎えのモンをそっちにやるわ。もう名残惜しんどる時間はないねん。じゃあまた・・・』
ツーツーツー・・・
受話器を置く真希。その体はブルブルと震えあがっている。
「圭ちゃんと別れるなんてヤだよ・・・まだ告ってもいないのに・・・ごとーは・・・」
真希の目からは涙がこぼれていた。
67 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時05分03秒
場所は変わって某遊園地。普段は見慣れない私服の女の子が目に入る。
「なんでオバちゃんが一緒なんや!!」
「そうれす!!なんでオバちゃんが一緒なんれすか!!」
圭は頭をポリポリかく。
「圭織が『一緒にいってきてよぉ!!』って必死に言うんだもん。しょうがないでしょーが!!」
「せやけど、なんでよりによってオバちゃんやねん!来てくれるなら真希ちゃんがよかったわぁ・・・。」
「ののはよっすぃ〜に来てもらいたかったれす♪」
圭織はジュースを飲みながら希美と亜依の頭をポンポンと叩く。
「なぁ〜に言ってるの!!圭ちゃんに失礼でしょ!!2人のハイテンションについていけないと思って、
私がムリして頼んだの。ってゆーか遊園地ってたくさんの人と来た方が面白いじゃない。だからブーブー言わないっ!!」
「「え〜、だってぇ!!」」
圭は圭織に耳打ちする。
「ホントにあたしがついてきてよかったの?なんか3人で来たかった!!って感じだけど・・・」
「い〜のい〜の!!6つも離れてる子と話なんて続かないもん。
圭ちゃんがいなかったら、すぐに出撃の時にでれない程になってたと思う。だから助かりました!!」
68 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時06分45秒
「ならいいんだけど・・・」
圭織・圭・希美・亜依の4人は近くの遊園地へ来ていた。圭織が希美と亜依に約束したモノだったが、
急遽、圭織の助っ人として圭が借り出されたのであった。
「なぁなぁ、あのジェットジェットコースター乗らへん?」
「えぇ〜!!ジェットコースターはさっき乗ったじゃん!!今度はフリーウォールにするのれす!」
「ここのジェットコースターおもろいねん。お願いや、もう1回乗らへんか?」
「いろんな種類を乗りたいんらもんっ!フリーウォールがいい!!」
2人とも一歩も退かない。一通り周ったつもりであったが、
残っていたフリーウォールを乗るか、2回目のジェットコースターを乗るか意見が真っ二つに分かれていた。
圭織と圭の体力はあと絶叫系1回のみらしく、絶叫系の2つの微妙な違いが2人の意見をわける原因らしい。
圭織と圭は腕を組む。そして2人同時にタメ息。
「もぅさぁ、圭織と圭ちゃんはベンチで待ってるよ。乗りすぎなのよ、そもそも・・」
「そうそう。2人は若いかもしれないけど、ウチらは・・ねぇ。」
「そうだねぇ・・・っておぃっ!私は年じゃないっての!」
69 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時07分56秒
希美と亜依は2人同時に口を開く。
「「えぇ〜!!2人とも一緒に乗ろうよぉ!!」」
「「パス」」
お姉さん2人はもうベンチに腰を下ろしてしまった。亜依が希美の顔を見て言う。
「のの、もうええ!!先にフリーウォール乗ってからジェットコースター乗らへんか?
フリーパスやから関係あらへんし。おばちゃん達には待っててもらおう。」
「・・・そうれすね。こーやって話してる時間がもったいないもんね。いこっ!あいぼん」
「「じゃ〜ね〜!!お・ば・ちゃ・ん!」」
「うんうん待ってるからねぇ〜!!」
「おばちゃん言うなって言ってるだろーが!!」
希美と亜依はフリーウォールの方へ向かっていった。2人を見送った圭織は圭に話しかける。
「ねぇねぇ圭ちゃん。・・・・・ごっちんに告らないの?」
「まだねぇ・・・って、えぇ?!なんでそんな話を!?」
圭の頭が混乱する。それを気にせず圭織は続ける。
70 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時10分04秒
「だって圭ちゃんごっちんの事好きなんでしょ?はやく言っちゃった方が楽になれるんじゃないの?」
「だ、だからなんであたしがごっちんの事好きだって言うわけ?」
「バレバレだよぉ。他のコとの接し方と全然違うし、それに今ごっちんの話出したら顔赤くなってるじゃん。」
「!!・・・・バレてたのか」
圭は肩をガックリ落とす。自分的に隠し通してきたつもりだったらしい。
思った以上に驚いていたので、圭織はすかさずフォローを入れる。
「でも、わかってるのは私を含めて2、3人だよ、きっと。ヤグチとか石川にはバレてるかもね。」
「・・・そっか。バレてたんじゃ仕方ないね。
圭織の言うとおり、あたしはごっちんが大好きだよ。愛してる。愛情っていうものを久々に感じてる。」
「愛情かぁ・・・圭織は、そーいうのは全然OKな人だから否定はしないよ、バカップルの前例もいるし。
なんていっても、ごっちんと圭ちゃんはお似合いだしね。」
「マジで?ホントにそう思う?」
71 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時11分37秒
圭は身を乗り出して圭織に聞く。ちょっと驚いた圭織だったが笑顔を作って圭に答える。
「マジだって。圭ちゃんに言われたらごっちん、きっとOKっていうさ。」
(ごっちんも圭ちゃんの好きなことバレバレだし。絶対OKでしょ。)
「でもさぁ・・・ごっちんはあたしの事、おねーちゃん感覚でしか見てない気がするけど・・・」
「おねーちゃんってゆうかオバ・・・ゴホン。けど、早く気持ちを伝えた方がいいよ。
・・・ごっちんのイヤなウワサがホントかもしれないし。」
圭は首をかしげる。
「圭織、ごっちんのイヤなウワサってなに?」
圭織はフゥーとため息をついて、大きな目で真剣に圭を見つめる。
「圭ちゃんはやっぱり知らなかったか・・・圭ちゃんウワサ話に疎いからなぁ・・・
あのね、ビックリしないでね・・・ごっちんがフランスにスカウトされてるらしいの。」
72 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時12分48秒
「!!」
圭の顔が驚きの表情のまま固まってしまった。
「理由は全然わからないんだけど、ごっちんが近いうちにフランスに行っちゃうんだって。」
圭はあからさまに動揺の色を見せる。
(なんで?!どうしてごっちんが・・・そんな事も知らないで、あたしは、あたしは・・・)
動揺する圭の肩をガッと掴む。
「落ち着いて、落ち着いて圭ちゃん。」
「か、圭織・・・」
「出来るだけ協力する。圭ちゃんとごっちんをくっつける為に頑張るから!」
「・・・」
圭は黙り込んでしまった。圭織も気まずくなってうつむいてしまう・・
(やっぱり言わない方がよかったのかな・・・でも、圭ちゃんには、
いっぱいお世話になったから、絶対幸せになって欲しいかったし・・・)
73 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時15分00秒
しばらく黙っていた圭が圭織の両手を握り笑顔を見せる。
さっきまでの苦悩の表情は消え、スッキリとした表情をしていた。
「ウチ、言うよ。自分の気持ち。このままお別れなんてイヤだもん!!
圭織ありがとね。何か吹っ切れたわ。そんな事まで聞かされて黙ってるわけにはいかないわ!
あたし、玉砕覚悟でぶつかるよ!」
「その調子だよ、圭ちゃん!!イイキッカケと思えば怖くなんかないべさっ!」
「そうだよね、そうだよね!」
「うんうん。じゃあ、私が告るプランを立ててあげる!名づけて・・・『ケメコ、告るまでつっぱしるぜぇ!』作戦!!」
「なんじゃそりゃ!?相変わらずセンスないわね圭織。」
「う、うるさいなぁ!!カンペキな作戦だから。ほらっ!耳貸して」
圭の耳元でごにょごにょ囁く。
「うんうん・・・えっ!そんな大胆な!!・・・うひょっ!!下手したら嫌われちゃうよ・・・」
74 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時17分57秒
圭織の大胆かつ積極的と思われる作戦に圭の口から普段は聞けないような奇声が口からもれる。
「さっきまでの強気はどうした!!女なら前進あるのみっ!」
「それって男ならじゃないの・・・と、とにかく圭織の作戦を試してみるわ!!」
うんうんと頷く圭織。もう圭織の中では圭を支援する事が始まっているようだ。
圭織の作戦を全て出来る自信はない圭だったが、ヤル気だけは変わっていなかった。
(ごっちん。私のありったけの気持ちを伝えるから・・・待ってて!!)

一部始終を茂みに隠れて密かに見守った女の子が2人。
「押すな、のの。見つかってまうわ!」
「らってらって。ココ狭いのれす。」
「仕方ないやろ?ここしか隠れるスペースなかったんやから。」
「あいぼん、ダイエットするのれす!ののより太ってきたんじゃない?」
「アホッ!ののよりは痩せとるわっ!んなことより、真希ちゃんがスカウト・・・知ってたか?のの。」
「当ったり前!!ののの情報網を侮っちゃだめだよ、あいぼん。」
「だったらなんで教えてくれへんかったんや!ウチが真希ちゃんの事めっちゃ好きなのは知ってるやないか!!」
75 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時19分10秒
「らって・・・」
「だってなんや?」
「・・・つい最近入った情報だったから・・・」
(ウソ。もっと前からわかってたよ、ののは。らけろ、この事を言ったら余計あいぼんがののから離れる気がしたのれす・・・)
「なんや、そうやったんか。てっきり前から知ってたモノと思ぉとった。かんにんな、のの」
「大丈夫れすっ♪そんな弱いコじゃないから。それより、もうそろそろいこっ!」
「せやな。」
手をつないで茂みから抜け出し、ジェットコースターのある方向に迂回してから走って圭織と圭の場所へ向かっていった。
76 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時20分06秒


真希は涙をぬぐうと裕子に電話をかける。
『もしもし裕ちゃん?』
『おぅ、ごっちんか?どないしたん?』
ハロプロの長官でもあり、真希にとって良い相談役だった裕子がいつも通り電話にでた。
『あのね裕ちゃん、ごとーはここを離れないといけない・・・』
涙はぬぐったが、少し震えのかかった声。裕子も電話越しから充分感じ取れる・・・泣いていたと。
真希の姿が頭に浮かんで、裕子も泣きたくなるが、ぐっと堪え、答える。
『・・・あぁ、聞いとる聞いとる。せやけど、ずいぶん強引やなフランスは・・・いや、みっちゃんか・・・』
『・・・しょーがないよ、ごとーのワガママを今まで聞いてくれてたんだから。それに、そろそろだとは感じてたから平気。』
(ホントは平気なんかじゃない。けど・・・そういわないと、ごとーの中の[悔しさ]を抑えることができないの。)
『ごっちん・・・』
『たぶん、次の出撃がごとーにとって、娘。としての最後の戦いになるよ』
すごい重みを感じる言葉。真希の決意がひしひしと伝わってくる。
『せやな。ごっちん。・・・出撃の事も大事やけど、圭ちゃんの事はええんか?』
聞かれた真希は少し戸惑いながらも答えた。
77 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時22分09秒
『・・・圭ちゃんとは笑顔で別れたいから、心の中にしまっておくよ。ごとーの気持ちは』
真希は裕子だけには全てを話していた。勉強のこと、恋愛のこと、戦闘のこと・・・。
裕子は明るくトーンをあげて答える。
『ごっちんがそうしたいなら、何も言わへん。じゃあ、とりあえず基地に戻って来ぃーや。』
裕子は真希の言葉を詮索しなかった。普段ならハッキリさせようとする裕子だが、
今回は、真希の[やりきれない想い]を痛いほどわかっていたから。
裕子の気持ちの良い優しい声は真希の心に響き渡る。励まされるような声に真希も明るく答える。
『うん。』
そう言って電話を切った。さっきは裕子の声が支えになったがシーンとした静かな暗い部屋は
また真希の気持ちを暗くさせる。・・・真希は再び出そうになる涙を堪えるため、天井を見上げた。
「もう、ごとーには圭ちゃんの笑顔を心の中に残しておくことしかできない。だからコレだけは今、言いたい・・・
ごとーは・・・ごとーは・・・・圭ちゃんを・・・・愛しています・・・」
78 名前:第6話 投稿日:2003年04月12日(土)00時23分33秒
真希はその言葉を最後に圭に対する気持ちを心の奥底にしまう事にした。
そうしないと、気持ちを断ち切ることは出来ないと考えていたから。
「ごめんね・・・圭ちゃん・・・」
真っ黒な天井を見ながら、真希はしばらく立ち尽くしていた。
79 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時25分51秒
よーするに、愛が勝つ!!番外編『よしこの誕生日♪』

娘。部屋5〜ひとみ&希美という木彫りのネームプレートがドアの前にかかっている部屋から、騒がしい声が聞こえる。
「ねぇねぇ、ののぉ〜。ウチさぁ、今日誕生日なの。たんじょーびっ!」
「もうねぇよっすぃ〜、10回以上聞いてるって。」
今日のひとみの顔の筋肉は全然使われていない。1日中緩みっぱなしなのだ。
そんな顔をしながら希美に抱きついたりするもんだから、希美もとんだ迷惑である。
希美に後ろから抱きつきながら、希美の肩に顎を置いて話す。
「やっぱさぁ、梨華ちゃんってプレゼントとかくれると思う?
・・・プレゼントを口実に私をあげるなんて言われちゃったどうしよ〜〜〜!!!」
80 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時26分48秒
ひとみの顔が溶ける程に緩みすぎている。世界でNO,1!の顔の緩み王!と呼べる状態である。
希美は後ろから抱かれることが窮屈でしょうがないが、『NON STOP』の整備をしている。
「そーれすね。それはたいへ〜ん。・・・早く離して欲しいのれす。抱きたきゃ梨華ちゃんを抱けばいーじゃないれすか。」
「そんなこというなよぉ〜。ののにしか、こんな事言えないんだからさぁ〜付き合ってよぉ。」
「・・・・廊下でもずっと言ってるじゃないれすか。・・・もう!よっすぃ〜、握力強いれす!」
こんな会話が永遠と続けられている。今日はひとみの誕生日。

誕生日をさかのぼること2日前。梨華は真里と圭を誘ってショッピングに出掛けていた。
「なんでさぁ、あたし達が石川の買い物に付き合わないといけないの?」
「そんなフテくされないで。オイラ達が梨華ちゃんのフォローにまわらないと、ものすごいおかしなモノ買いそーじゃん。」
「ヤグチさ〜ん!!ひどいですよぉ。私以外の意見も聞きたくて誘っただけなんですからぁ!」
81 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時27分40秒
梨華が怒鳴っても勢いが感じられない。年下の亜依と希美にからかわれてしまうのもムリもない。
「ねぇ、石川。アンタ何をあげる気なの?もしかして、わ・た・し・を・あ・げ・る♪なんて考えてないわよね?」
真里が圭の背中をバシッ!と平手打ちする。
「もー!!そんな一昔前のメロドラマじゃないんだし。そんなん言うはずないじゃ〜ん!!
そんなん言ったら寒いって背筋凍るっちゅーねんっ!」
エセ関西弁の真里の言葉に梨華はビクッとして立ち止まった。そんな梨華を振り返る圭と真里。
「「石川・・・もしかして・・・・」」
「そ、そ、そ、そ、そ、そんな事するはずないじゃないですかぁ〜!!」
「「考えてたのね・・・」」
2人ともガックリ肩を落とした。それから数秒間、2人の魂は違う世界へ旅立った・・・
真里はフルフルと首を振って自分を現世へ呼び戻す。
82 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時29分07秒
「冗談はともかくさ、梨華ちゃん何あげるの?やっぱりピアスとかがいいんじゃない?
付き合って初めての誕生日でしょ。とりあえず軽めにねぇ〜。」
少し遅れて現世に戻ってきた圭が続く。
「う〜ん。芸がないけど、ソレが一番ね。下手に香水とかリングを買っても合わなかったらそれまでだしねぇ・・・」
梨華は2人に駆け寄る。
「矢口さぁ〜ん。保田さぁ〜ん。私の為にそこまで考えてくれるなんて、梨華、梨華・・涙がでちゃう♪」
「「だから、寒いんだって!!」」
2人同時にツッコむ。しかし、梨華はツッコむ2人を無視して首をかしげる。
「けどぉ、2人とも経験者みたいなこと言いますねぇ。やっぱり色々と経験なされたんですか?」
圭と真里は意味深な笑みを浮かべながら向き合う。
83 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時30分29秒
「そりゃ〜ねぇヤグチさん。この年にもなればねぇ・・・」
「いろんな恋愛もしますよ、そりゃあ・・・ねぇ〜。」
「2人の赤裸々な過去の恋愛話は聞きたきゃ今度じぃ〜っくり語ってあげるから。それより石川、早く買いにいくわよっ!」
「そうそう。理由書を出して外に出たけどなるべく早くもどらないとね。」
「はぁ〜いっ!!」
圭と真里がリードする形で梨華はアクセサリー店へと向かっていった。

「保田さんと矢口さんに勧められたピアスだけど、これでよかったのかなぁ・・・。私はあっちの方がよかったんだけど・・・」
夕食までの時間、部屋に戻った梨華はピアスを選んでいたことを思い出していた。
84 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時31分40秒
『だ、だ、だめだよ梨華ちゃん!!これはちょっと・・・・』
『そうそう石川。あっちの方が絶対いいから!!あれ買っといた方がいい!!』
『そうですかぁ?なんだかピンとこないんですけど・・・』
『梨華ちゃん的にマトを外してる方がちょうどいいんだって!!ね、あっちを買おう?』
『石川、あたし達を信じて・・・ね?』
『う〜ん・・・2人がそこまで言うなら・・・』
「梨華ちゃん?何考えとんのや?」
梨華がボンヤリ思い出しているところに、ルームメイトの亜依が顔を覗きこんだ。
「あいぼん・・・。よっすぃ〜にプレゼント買ったんだけどね、どうも自分的にはシックリこないの。」
亜依は笑顔で梨華の頬を軽く引っ張る。
「梨華ちゃん、プレゼントっちゅーもんはハートが大事なんやで。
どんなプレゼントでも好きなコからもらえるっちゅーだけで天国にいるような思いになれるんや。
それに、梨華ちゃんがシックリこなけりゃ、そのプレゼントは大正解や。」
85 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時32分29秒
梨華は両頬を引っ張られながら答える
「もぅーあひほんまへぇー!!(もぅーあいぼんまでぇー!!)」
じゃれ合いは夕食の時間まで続いた。

夕食が出来上がる前に食堂に来てしまい、待ってる間に思い出し笑いしているコが一人。それに不満なコも一人。
「あの販売員のコ、可愛かったなァ〜」
一人思い出しながらニヤけている真里になつみは頬を膨らませながら怒っている。
「なんだべなんだべ!!ヤグチにはなっちってゆーステキなコがいるのにさぁ〜。」
「いんや、なっちの方が可愛いんだけど、なっちに似て可愛いコだったんだよねぇ・・・」
「なんてゆーコなんだべ?」
「確か・・・『安倍麻美』って胸元に書いてあったけど・・・」
なつみの頭の中にとても身近な人の顔が思い出される。
86 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時33分49秒
「あみ?・・・そんなわけないか。あみは室蘭にいるんだもん。」
なつみの顔をみて、真里は首をかしげる。
「どうしたの?知り合い?なっちと苗字も一緒だからちょっと驚いたンだけどねぇ〜」
「妹と同姓同名だからさ、世の中不思議なこともあるんだなぁって思って。」
2人は妙な不思議な気分に襲われながらもボーッとしていた。
なつみと麻美のお話はまた別のお話で・・・

夕食の時間になって他のメンバーも続々と集まり、全員が席についた。裕子が合図をかける。
「それじゃあ、娘。メンバー、スタッフの皆、いくでぇ〜1、2、3、ハイッ!」
合図と共に食堂全体の電気が消える。そしてひとみ以外の人が立ち上がる。
87 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時34分51秒
『もしかしてぇこういうのぉ些細な幸せですか〜♪もしかしてぇこういうのぉホントの幸せですね〜♪
よ〜っすぃ〜、ハッピバースディ!ハッピーバースディ!ハッピーバースディyeah!!』
全員[初めてのハッピーバースディ!]をフリ付きで歌った。もちろん一番ウマイのは梨華である。
歌い終わると調理場からケーキが運ばれてくる。
「よっすぃ〜、誕生日おめでとうな!裕ちゃんから今度お酒を教えたるわっ!」
「おめでとう、よっすぃ〜。圭織も嬉しくなっちゃうよ」
「おめでとうだべさ♪もっと男前になるんだよぉ〜♪」
「18歳って最高に楽しいから!!オイラと一緒に騒ごうね!!」
「裕ちゃん!まだ18だって。おめでとうよっすぃ〜、これからもバシバシいくわよっ!」
「よしこぉ〜誕生日おめでとうっ!ごとーより早く18になっちゃってぇ〜いいなぁ〜。」
「よっすぃ〜誕生日おめでとうっ!もぅ充分おねーちゃんやな。よっすぃ〜は。男前で突っ走るんやでぇ!」
「おめでとうなのれす!さっきはちゃんとかまってあげなくてごめんなのれす。皆と内緒にしてたから言えなくて。」
「よっすぃ〜、誕生日おめでとう!もう私と同じ年かぁ〜。早生まれは悲しいなぁ〜。」
88 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時37分01秒
梨華は言った後に、ひとみに目で訴える。
(・・・よっすぃ〜、後で部屋にいくから待ってて。)
(う、うん・・・)
アイコンタクトトーク・・・それはラブラブ度MAXでなければ出来ない高度な技なのだっ!!

全員に一言もらった後に、ひとみは到着したケーキのロウソクを一息でフゥ〜っと消した。
もちろん、願い事を心の中で唱えながら。一息で全部消すと願いが叶うというおまじないを信じている可愛らしい一面。
(梨華ちゃんとずぅ〜っと一緒にいられますよーに。ケンカとかしたくないけど、するならなるべく少なくお願いしますっ!)
吹き消すのを確認すると、裕子が電気をつける合図をする。
「それじゃあ、今日の主役、よっすぃ〜に一言もらおうかな。」
「あ、はい。」
その場に立ち上がるひとみ。
89 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時38分28秒
「えっと、こーゆーの苦手なんで、何言っていいかわからないんスけど。今日はありがとうございますっ!マジ嬉しいッス。
一人で浮かれてるだけで、皆気づいてないのかなぁって思ってたんですけど、こんなことまでしてくれて感謝です。
改めて、ありがとうございましたー!!」
なんとも男らしいサッパリとした挨拶。さすがは吉澤ひとみ。
ひとみが座ると、裕子がまた立って指示を出す。。
「よし、じゃあ食べるとしますか。ケーキはなっち特製だからめちゃめちゃウマイで。もちろん、皆で争奪戦!!
主役だからって全部食べられると思うなよ?ではいただきまぁ〜すっ!!」
「「「「「「「「「「「「「「いっただっきまぁ〜すっ!」」」」」」」」」」」」」」
みんなでガヤガヤしながら、楽しい食事が始まった。
ハッと何かを思い出した裕子が口を開く。
「そうや、この後はよっすぃ〜と石川以外は『桃缶』に集合!!大カラオケパーティを開催するでぇ〜!!」
90 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時39分53秒
すると、隣に座っていた圭織が肘でつつく。
「裕ちゃん。2人っきりにさせるのはわかるけど、トカゲが来たらどーするの?」
裕子はニヤッと笑みを浮かべて圭織に返す。
「そんなん来るはずがないっ!世の中わかるもんやで。イベントごとには相手もおとなしいんや。
第一、この作者がワザワザ幸せタイムを壊すはずがないやないか!」
「そーゆーもんなのかなぁ・・・」
首をかしげる圭織。
・・・そのとおりでございますっ!(by作者)
ガヤガヤと開始される夕食タイム。みんな普通のメニューなのだが、ひとみだけは
ほんの少しだけ豪勢なメニューとなっていた。
・・・お金のないハロプロからの些細なプレゼントであった。
91 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時41分34秒

コンコン。ひとみの部屋のドアが鳴る。ルームメイトの希美は夕食後、皆とカラオケに言ってる為、今は一人。
というか、基地内にひとみと梨華しかいないのである。
「どうぞ。」
ジャージ姿のひとみが答える。普段の服装は決まっていない。自分でラフだと感じる服装でいいという規定がある。
ガチャという音を立てて開くドア。そこにはキャミソール姿の梨華がいる。
誰が見ても勝負服なのだが、勝負をかけすぎて、相変わらず何かおかしい・・・。普段は可愛らしいのに・・・
「よ、よっすぃ〜。ちゃんと待っててくれたんだ・・・」
少しつっかえながら話す梨華。普通なら2人の空間の時はすごい嬉しいと感じるはずなのに、どうも緊張が隠せない。
「どこも行くトコないし。梨華ちゃんからのお願いを破れる程チャレンジャーじゃないよ。
そ、それにしてもずいぶんな服装で・・・」
「ちょっとおめかししてきちゃった・・・。変かな?」
92 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時43分11秒
クルッと一回りして見せる梨華。そのしぐさの一つ一つがひとみのツボをついてくる。
(すみません・・・鼻血がでそうなんですけど・・・)
「ぜ、ぜんぜん。梨華ちゃんしか着れない服です。」
「それ、なんか引っかかるわねぇ〜・・」
「や、や、そんな・・・深い意味は・・・」
ひとみもいつもの勢いがない。この空気がどうもギクシャクさせる。
なぜか気まずい空気が充満した中で梨華がモジモジしながらひとみに言う。
「あ、あの・・・よっすぃ〜にね、渡したいものがあるの・・・」
「!!」
驚きの表情を隠せないひとみ。その胸に思うことは・・・
(き、来ましたっ!梨、梨華ちゃん、大胆なこと言っちゃダメだよ。言っちゃったらウチどうなるかわかんない・・・)
93 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時44分25秒
「こ、これ・・・」
持っていた小さな紙袋を渡そうとした瞬間、ひとみが右手を目の前にあげる。
「ちょ、ちょっと待って。大胆な事言っちゃダメだからね。」
「え?」
首をかしげる梨華。ひとみはみるみるウチに真っ赤になってしまった。
「だ、だからさ。私をあげるとかなんとか言っちゃダメだから・・・ウチぶっ壊れちゃうから・・・」
ひとみの言葉を聞いた瞬間にプッと噴出す梨華。
「プッ・・・そ、そんなんじゃないから心配しないで・・・アハハハハ。」
「な、ならいいんだけど・・・アハハ」
頭をポリポリかきながら照れ笑いのひとみ。梨華は微笑みながら小さな紙袋を渡す。
「はい、コレ。お誕生日おめでとう。よっすぃ〜。」
まだ赤みが引かない顔で聞き返す。
「なにコレ?開けていい?」
「うん、いいよ。あけてみて。」
小さな紙袋からちっちゃなラッピングされた箱を乱雑に紙を破ってあけると、
そこにはシンプルな小さいダイヤのついたピアス入っていた。
94 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時45分36秒
ピアスを見ながらその後ろにいる梨華に問いかけた。
「これをウチに?」
「うん。4月の誕生石ってダイヤだから、コレが一番かなって思って。」
「梨華ちゃん、今つけてもいい?」
「うんっ♪」
そう言うと、自分のつけていたピアスを机において真新しいピアスをつける。
耳にかぶさっていた金髪を耳の後ろにかきあげ、ピアスのついた耳を梨華に見せる。
「どう?似合う?」
「・・・」
梨華の口からは言葉が出ない・・・見とれてしまっているのだ。
(よ、よっすぃ〜・・・カワイイ・・・私、こんなキレイなコと付き合ってるんだ・・・)
「梨華ちゃんってば!!似合わないのかなぁ・・・」
ひとみがうつむくと、梨華はひとみの側に駆け寄り、抱きしめた。
95 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時46分38秒
「ほよっ!?」
「すっっっっごい、カワイイ!!似合いすぎ!!私の彼女は世界一かわいいですっ!」
普段なら抱きしめる側のひとみは顔を真っ赤にする。
「梨、梨華ちゃん・・・今日はずいぶん大胆だね・・・」
すると梨華は抱きしめる力をさらに強める。
「今日はよっすぃ〜の誕生日だから特別よ♪お誕生日おめでとう。」
そういうと、ひとみの唇に軽く唇を重ねる。しかし、すぐ離す。
「な、もっとぉ〜!!」
甘えた声で梨華にねだるひとみ。
「ひーちゃん、随分甘えん坊さんだねぇ?どうしたのぉ〜?」
まるでちっちゃなコをあやすように優しく投げかける梨華。
「だってぇ今日はウチの誕生日でしょ〜?甘えたってイイじゃん♪」
優しく梨華は微笑む。
96 名前:番外編 投稿日:2003年04月12日(土)00時47分24秒
「しょーがないなぁ。今日はひーちゃんは甘えん坊さんのままで許してあげる。」
「やったぁ!!じゃあ、キスしてよぉ〜」
「ウフフ」
優しい微笑みはひとみを包み込む。ひとみ隣に舞い降りた天使。
今日だけはひとみは梨華に甘えてもいい日となった。

今日はひとみの誕生日。初めて過ごす、二人だけの最高の誕生日。
97 名前:キョウ 投稿日:2003年04月12日(土)00時48分41秒
長々と更新してしまいました。
マナー的にいけないことなのかなぁ・・・(震
番外編は短編っぽく見ていただけると嬉しいです。
98 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)21時55分22秒
各メンバー、それぞれの休暇を過ごし、精神的に少しは開放された感が出ていた。(一人を除いて)
裕子の休暇の指示はイイ結果に進んだようだ。
そんな休暇の2日後、裕子はたまりに溜まった書類の整理をしていた。
「なんでこうもまた、書類っちゅーもんは、溜まるんかなぁ・・・」
そう言いながらガサゴソと種類別にフォルダーを用意して分別をしていた。
99 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)21時55分55秒

中澤専用執務室『裕子の部屋♪』と呼ばれる場所。
8坪程の広い空間の床は真っ赤な絨毯。部屋の両脇には本棚が壁いっぱいにまで広がり、
専門書、戦術書、小説、辞書・・・etc.
あらゆる本が揃っていて図書館と呼べるほどの本の量を誇る。
そして正面、一番奥には大きな社長机に社長イス。背中は全面ガラス張り。
そのガラスは超防弾ガラスとなっていて、普通の薄いガラスに見えるのだが、
大砲で狙っても壊れない程の強度がある。
机の上には高性能パソコン。裕子の趣味であるようなアンティークの電話。
そして、今は無数の書類が散らばっている・・・。
100 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)21時56分33秒

「この請求書はなんやったっけ?そういや、この前、よっすぃ〜と石川が壁を見事に破壊してくれたんやった・・・
こっちはなんや?・・・あぁ!ヤグチが研究費用を増資してっ!って頼み込んできた時の見積書やったな。」
フゥ〜とタメ息をつく。処理しても処理しても増え続ける書類に頭を抱える。
「やっぱり、秘書をつけないとアカンなぁ・・・けど、ゼニがないわ、ゼニがぁぁぁぁ・・・」
ゼニゼニ叫んでいた苦労人中澤裕子に一本の電話が入る。
ジリリリリリ・・・
『はい、中澤ですが。』
『おぉ、中澤。今日はワンコールなんて珍しい。いつもは6コール鳴ってもでないのになぁ〜』
『ちょっと今、書類を整理してたんで。で、どんな御用でしょうか?寺田特殊防衛庁長官。』
101 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)21時57分12秒
電話の相手は寺田光男。特殊防衛庁の長官を勤めている。裕子の上司に当たる人物だ。
『その名前は言うなってゆうとるやろ?仕事上の名前はつんく♂や。♂がポイントやで!』
『はぁ・・・そんな事文章でしか表せないし、どうでもいいんです。で、何か御用なんですか?』
『つれないなぁ、中澤ぁ〜。せやからいつまで経っても結婚できへんねん。』
『かぁ〜!!なんやて!!つんく♂さんに言われる筋合いないわっ!』
『親ゴコロやで。オ・ヤ・ゴ・ゴ・ロ!
そんなことより、めちゃめちゃイイ事を伝えたるわ。・・・ハロプロに対する予算の増資されるで。』
『マ、マジッスか?!ホンマならめっちゃ嬉しい!!』
電話越しでも嬉しさが伝わる程の声の跳ね上がり方。きっと、ガッツポーズをしたんだろうとつんく♂は思った。
102 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)21時58分05秒
『モーニングがこの前、Jアイランド全域からトカゲ達を追っ払ったやろ?
あれが重鎮の目に止まったらしく、今後も頼むという意を込めて、増資してくれるっちゅーこっちゃ。』
『そうだったんですか。でもこれで、色々なモノが導入できる・・・』
裕子の目には涙が溜まる・・・うれし泣きだ!!
『喜んでもらってる所悪いんやけどな、条件があんねん。』
『へっ?』
裕子の顔から笑顔がサーッと消える。
『3つの条件が出されてな。
1つ目は、今3ヶ国がトカゲに狙われてるのはわかっとるな?その3ヶ国間での技術提供。
よーするに、ヤグチの研究品をいくつか貸して欲しいって言うことや。
2つ目は、1つの国が襲われたら、残りの国が支援部隊を送ることが決まったんや。
せやから、随時各国に飛べるように準備をしといてくれ。移動に必要な足は、もうそろそろそっちに着くはずや。
最後に、これが一番大事やねんけど・・・』
103 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)21時59分00秒
『なんですか??』
つんくは少しトーンを上げて答えた。
『新メンバーを召集することになったんや!!世界に飛び出すには今の人数が足らんしな。
今から召集やから、集めて訓練してだと正式入隊はだいぶ後になるんやけど、その事をモーニングの全員に伝えておいてくれ。』
裕子は特には驚かなかった。むしろ、もうわかっていたかのように冷静だった。
『そんなん、もう驚きませんよ。ウチがいた時からしょっちゅう増員してたんやから。』
『もっと驚きの声が欲しかったのに・・・ま、まぁ、頼んだで。中澤。ついでっちゅーとなんやけどな。』
『なんですか??』
『今度一緒に食事せーへんか?』
つんく♂の食事の誘い。電話がくると必ず誘われる。行く場所は、いつも居酒屋。
裕子はフゥーとため息を一回つく。
『一緒に飲まへんか?でいいじゃないですかぁ〜!いいですよ。またグチを散々こぼしますから!!』
『付き合いがよくてよろしいっ!じゃあ、後日、日程は伝えるわ』
『はい、わかりました。それじゃ・・・』
『ほなな〜』
ツーツーツー、ガチャ。
104 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時00分00秒
裕子は受話器を置いた。今の裕子の顔、笑顔とは呼べないほど顔の筋肉が緩んだニタ〜ッとした表情だった。
その顔は、ハロプロを仕切っている者とは思えない顔である。
自分の顔が緩んでいた事を今頃になって気づいて、頭を左右にフルフルっと振った。
冷静さを取り戻した裕子は、パソコンの右隣にある青いボタンに手を置いた。
「それじゃ、召集しますかね。ポチっとなっ!」
すると基地全体に裕子の声が響き渡る。
『ピンポンパンポォ〜ン。午後1時よりぃ緊急ミーティングを開始しまぁ〜す!!
娘。は1秒も遅れずに作戦会議室に集まるよ〜に!1秒でも遅れたら・・・
わかってるよねぇ〜アンタ達なら。それじゃ、よろしゅ〜!!』
105 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時01分13秒
この放送を聞いて各部屋に待機していたメンバーが各自反応していた。ちなみに部屋は2人1部屋。
[娘。部屋1〜圭織&なつみ〜]
『なちみのレシピ』と呼ばれるなつみオリジナルレシピを執筆中のなつみが顔を上げる。
「なんだべ?集合って。何か大変なことでも起きたのかな?」
腹筋をしていた圭織がなつみに向かって答えた。
「う〜ん2日間もトカゲでてないし、不気味っちゃ〜不気味だから。何か起こるのも当然かも。」
なつみは握っていたシャーペンをなお強く握る。
「やっぱり平和って長くは続かないのかな・・・って3日目だけど・・・」
圭織はネックスプリングをして起き上がり、机に向かっているなつみの肩を抱く。
106 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時02分14秒
「まだ親玉も出てないし、7話だしねぇ・・・まだまだ続ける気マンマンだから平和はこないと思うよ。」
なつみは天井を見るように圭織の顔を見上げる。
「な〜に?7話って。何を続けるべさ?腹筋?」
「いや、なんでもない。こっちの話よ、こっちの」
「ふ〜ん。変なの。」
不思議がってるなつみに苦笑いを浮かべる圭織。圭織はなつみを立ち上がらせる。
「よ〜し、そろそろいきますか。20分前だしね〜。リーダーが遅れちゃ面目ないしぃ〜」
「そうだね。早めに行くべさっ♪」
なつみと圭織は手をつないで作戦会議室へ向かっていった。
107 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時03分56秒
[娘。部屋2〜真里&圭〜]
圭は部屋の中をグルグル歩き回っていた。
「も〜!!ヤグチはどこ行ったの?!ちょっと出掛けてくるって言ったまま帰ってこないで。裕ちゃんに怒られるよもぅ!!」
裕子の招集に遅れた者は、廊下にバケツを持って立たされるのだ。
2日前、皆が遊んで帰ってくると、裕子は目がすわっている状態で微笑み、梨華とひとみを2時間立たせていた。
その映像が圭の脳裏に浮かぶ。
「あのバケツ、超重いんだったわ。小学生なら水を入れられるだけで済むけど、あたし達は鬼ジェル入れられるんだから・・・。」
鬼ジェルとは、裕子が調合した特殊ジェルである。重みがハンパじゃなく、
重みを例えるとするならば、学校においてある二宮金次郎の銅像程だろう。(鉄バケツの1/3程度のジェル量)
「『訓練の一環どす♪』って言いながら入れてくるんだから、怖いにも程があるわ・・・。」
圭のソワソワ感は全然抜けない。自分の事じゃないのに妙にソワソワしてしまっていると言ったほうが正解だろう。
「・・・あ゛〜!!もう、しょうがないっ!ヤグチをおいて会議室行こう!!」
圭は駆け足で作戦会議室へ向かった。
108 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時06分11秒
[娘。部屋3〜真希〜]
-外出中-

[娘。部屋4〜梨華&亜依〜]
梨華の膝の上にちょこんと亜依が乗る形で放送を聴いていた。
「なんやろな〜集合って。・・・きっとエエ話ではないで。」
「う〜ん、あいぼんがまた重くなったのを話あうんじゃな〜いっ?」
梨華がいい終わるとすぐに亜依は振り返り、梨華の顔をガッと見つめ、微笑む(目はすわっている)。
「梨華ちゃんまで言ってしもうたなぁ〜・・・ヒジョーにどつきたいんやけど、エエかな?」
「あ、あ、あ、あ、あいぼんっ!!冗談だよ冗談。そんな乗ってるのが重いだなんて・・・あっ!」
口を両手で覆う梨華。・・・時は既に遅し。
「気にしてることをのぉのぉと!!もー許さへんわっ!」
そういって梨華の両脇をくすぐる。
109 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時07分38秒
「ヒャハハハ、ハハハハ、や、や、やめてよぉ〜、ヒャハハハハ」
「もんどーむようー!!!」
「ヒャハハハハハ、死ぬ、死んじゃう・・・もうやめて・・・ヒャハハハハ」
梨華がもう私、死ぬと感じ取った瞬間にパッと手を止めた。
「ハァハァ・・・死ぬ。私、あと少しでこの世界から羽ばたいてたよ・・・ハァハァ」
「んなことどうでもエエわっ!梨華ちゃんの一人や二人どうにでもなる。それよりはよ、向かわんと間にあわへんっ!」
「ひっど〜いっ!なんでそーゆー事いうかなぁ〜。これでもアイドル時代は人気あったのにぃ〜」
「うんうん、ど・う・で・も・え・え!!はよ行かんと鬼ジェル持たされるで!!」
「梨華イジケちゃうもん。もう・・・。プゥー」
頬を膨らませてイジけてしまった。そんな顔を引きつった笑顔で見つめる亜依。
「あ〜、もうええわ。そこでずっとそうしてたらええ。ウチは行くで!!」
「ま、待ってよぉ〜〜!!」
亜依を追いかけるように梨華も部屋を飛び出して、作戦会議室へ向かった。
110 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時08分52秒
[娘。部屋5〜ひとみ&希美]
ひとみは爆睡していた。そんなひとみの肩を希美はゆすって起こす。
「・・・っすぃ〜、よっすぃ〜!!起きてくらはいっ!」
依然と起きないひとみ。希美はポンッと手を打ってひとみの耳元で囁く。
「・・・よっすぃ〜、梨華ちゃんが部屋に来てるよ。」
言葉を聞いた途端に、ガッと飛び上がる。
「梨、梨華ちゃん?ドコドコ。ウチに逢いに来てるくれるなんて・・・ってホントにどこにいるの?」
「よっすぃ〜、ウソれすよ。ウソ」
「ハァ?!」
希美のむなぐらを掴むひとみ、目は寝起きで充血している。
「なんでそんなウソつくのかなぁ〜・・・辻さん。」
ビビリもせずに希美は言う。
「鬼ジェルまた持ちたいの?仲間思いなののに感謝して欲しいのれす。」
ひとみはビクッとして手を離す。
111 名前:第7話 投稿日:2003年04月19日(土)22時12分52秒
「お、鬼ジェル。絶対イヤ!そんなの。あれ重たいんだもん。」
「じゃあ、もう行くのれす。作戦会議室に急がないと!!」
「なっ、なんで??なんかあるの?」
おっきな目をまるまる大きくさせて辻を見つめる。
「説明してる時間はないの!急ぐのれすっ!」
「へっ!?あっ、はい・・・」
希美がひとみの手を持って引っ張ってつれていく。残りおよそ5分だった。
112 名前:キョウ 投稿日:2003年04月19日(土)22時13分52秒
更新終了。
よっすぃ〜、あんたカッコすぎるぜ。宝塚に負けてないよ。
えぇ、一生ついていきますっ!!(爆
113 名前:名無ししし 投稿日:2003年05月06日(火)23時06分41秒
更新楽しみに待ってマース
114 名前:名無しさん 投稿日:2003年06月15日(日)12時52分01秒
こちらはこちらで面白いので更新お待ちしていますよー
頑張ってください

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